宙組東宝新人公演「Trafalgar」。


光海舞人(エドマンド・ネルソン/風莉じん)
穏やかで立派な、尊敬されるべき有能な牧師さん、というイメージそのままの存在感。
本役とは全く違うアプローチに驚きました。

本公演しか観ていなかったので、エドマンド牧師についてはあの可愛らしい、ちょっと惚けかけた“おじいちゃん”のイメージしかなかったのですが、台詞もなにもかも全くそのままで、こんなに別人になってしまうとは!!
「レディ・ハミルトンとは誰だね?」という台詞も、意味がわからずに言っているわけではなく、身体を悪くしてから引き籠り気味だから情報がなくて、純粋に「誰だね?」と思っている感じだし、
ファニーの「あなたの大事なおともだちに是非ご挨拶を」という台詞を受けての
「わしもご挨拶したい!」
という台詞も、子供がえりした男が「僕も僕もー!」と騒いでいるみたいに見えた本公演とは全く違っていて、普通に「(お前が世話になっとる人なら)わしも挨拶せんとな」と言っているかのような……ちょっと緊張感のある親子関係が見えたような気がしました。

なんとなくのイメージなんですが。
本公演のホレイシオとエドマンドは、若いころに家を出て都会へ行ってしまった息子と、田舎で彼を案じているばかりの、優しいけれどもちょっとウザい父親、みたいな関係に見えました。
息子にしてみれば、子供がえりしてしまった父親を見るのはちょっと辛いけど、そんなに深い思い入れがあるわけではない……みたいな。
それに対して、新人公演のホレイシオとエドマンドは、身体を悪くして車椅子生活になってしまったけれども、頭は明晰で優秀で……そして、生真面目な牧師と、その生真面目さを受け継いでいながら、お固い教会生活に我慢しきれず、世界も視野も狭い父親に反発して海軍に入った息子、、、みたいに見えたんですよね。ちょっと妄想入ってますけど、ホレイシオの選択の裏には、つねに父親への憧れと反発があったのではないか、と思ったんですよね。

決して仲が良いわけではない、『緊張感のある』親子関係。
だからこそ、ラストでの「ホレイシオがもうすぐトラファルガーから帰ってくる……!」に、こらえきれない感動があったのだと思います。

子供たちは、いつか必ず、親を超えていくもの。
親を超えてくれなくては、子供をつくる意味がありませんから。
でも。見事に自分を超えて、そして、死んでしまった息子(ホレイシオ)を想うあまり、すっかり弱ってしまったエドマンド。
そして、そんな夫と父親をずっと視てきたファニーの、包み込むようなやわらかい頬笑み。
愛されることよりも『愛する』ことを選びとり、「レディ・ネルソン」として生きるという固い決意に支えられたファニーの凛とした背中に守られ、運ばれていくエドマンドの「小ささ」が、切なくてたまりませんでした。
この新公エドマンドが、大劇場の時はあまり話題にならなかったのが不思議でたまりません。
えりちゃんのファニー、七生くんのジョサイア、そして、こーまいのエドマンド。ネルソン家の三人があまりにも本公演と違っていて、非常に興味深かったです。

風莉さんも、ああいう厳格な雰囲気の役づくりも全然できたと思うんですよね。なのに、本公演では“可愛いおじいちゃん”で作って、新人公演は“厳格な父親”路線でいくことにしたのは何故なんでしょうね。こーまいの希望だったのかなあ……?

アルバイトは、フランス兵にロンドン市民、ナポリの客、、、、本公演なみに入っていたような。でも、エドマンドが強烈すぎて、あまり覚えていませんごめんなさい。




千鈴まゆ(キャドガン夫人/美風舞良)
芝居巧者のちっすーが美風さんの役!配役が出た時から楽しみにしていましたが、期待にたがわぬ活躍ぶりでした(はぁと)。可愛らしい丸顔と芝居の質がちょっと月組の美鳳あやちゃんに似てるなーと思っていたのですが、本当に巧いし、可愛かったです♪いつか宙組で「エリザベート」を上演する日がきたら、ルドヴィカを観てみたいかも(*^ ^*)。

最初の銀橋でのエマとの掛け合いも良かったし、パレルモやロンドンで笑いを取りにくるところなんて、もう文句なしの達者さでしたが、なんと言っても今回良かったのは、「忘れられない人」の前、ホレイシアを抱かせてくれと訴えるホレイシオを退けるところ。
「エマも私も、ハミルトン家に厄介になっている身なのです」
やわらかいけれども有無を言わせぬ力強さは、何が何でも娘と孫を守ろうという母の強さ。
そのピンと伸びた背と、悄然としていながら追いすがることを許さない無言の圧力。りくちゃんには太刀打ちできない貫録がありました(*^ ^*)。

今まで、どちらかというと可愛らしくてコミカルな役の印象が強かった人ですが、このキャドガン夫人は当たり役だったな、と思います。

前回の「カサブランカ」では、すべての場面でアンサンブルトップみたいな感じでしたが、今回はキャドガン夫人という大役がついているせいか、アルバイトは殆ど無し。まさかのフランス兵(トラファルガー海戦)がありましたが、さすがに予想外すぎてチェック漏れでした。残念!





綾瀬あきな(ジゼラ/藤咲えり)
可愛いえりちゃんのジゼラを、これまた可愛いえびちゃんが演じていましたが、、、本当に可愛いなあ(*^ ^*)。齋藤さん、ジゼラは可愛子ちゃんと決めていたんですかね。さすがだわ。

アルバイトは、ナポリの淑女とフランス議員、そしてプラザの客、かな。
ナポリの淑女は、記憶違いでなければ本公演でちっすーがやっているハーディーと一緒に踊る美女ポジだったと思います。全く踊れないハーディーに手取り足とり教えつつ、脚を踏まれつつ……。ともちんとちっすーほどの背丈の差はないので、本公演ほど「手が届かない!」みたいな演技はしてなかったんですが、最後にえびちゃんがあっきーを支えてポーズを決める逆転振付があって、注目していた私は、曲の途中なのに思いっきり吹き出してしまいました(^ ^;ゞ
ドレスは本公演で伶美うららさんが着ている黄色いドレス……だったと思いマス。えっと、サイズを直す時間がどれだけあったのか判らないけど、たぶん! すごいお似合いで、超美少女でした(*^ ^*)。

あと印象的だったのは議員さんかなー。いくらなんでも小さすぎるから!!他に人おらんのかー?(←いないかも)




美影凛(カロリーナ妃/鈴奈沙也)
細面の美貌に豪華な衣装がよく映えて、とてもよかったです。スタイルの良い人は、何を着ても似合うなあ(*^ ^*)
そして。なんと言っても、芝居が良かった!!鈴奈さんとは全く違う声で、やわらかくて包容力があるけど、しっかり者の王妃さまを好演。
銀橋場面の終わりで、「彼女(エマ)は優秀な参謀でしょう?」と悪戯っぽく問いかける場面のコケティッシュさも良かったし、それでも威厳がなくならないところも良かったです。
美人だし、踊れるし、芝居できるし、歌えるし……凄いなあ(惚)。

アルバイト(?)はいろいろしていましたが、目立つところではオープニングの波A(衣装の色が濃い人の一人)を踊っていました。流れるようなラインがキレイで素敵でした♪




天玲美音(フェルディナンド国王/天羽珠紀)
本公演のシェイエスがあまりにも嵌り役すぎて、気弱な国王陛下はなんとなく気恥かしいというか(^ ^;ゞ、無理している感が満載すぎて、ちょっと……と思ってしまいました(汗)。
決して芝居が下手な人ではないと思うんですが、個性が強すぎるというか何というか……
もう少し「引く」芝居ができるようになると鬼に金棒かも、と思いました。んー、でも、引くことを覚えてしまったらもう天玲さんじゃないかもしれない、という不安もあるんですけどね(汗)。




夢莉みこ(ソニア/琴羽桜子)
愛白もあ(マリーア王女/綾瀬あきな)
咲花莉帆(アルベルト王子/涼華まや)
儚げな美貌の夢莉さんのソニア、カロリーナ王妃への尊敬の念などが伝わってきて、良かったと思います。パレルモでのさりげない居方もGOOD。
新公は王子も王女も一人ずつで、エマのスカートをめくり、ハーディーをからかう王子さまがなかなか忙しそうでした(^ ^)。細かい芝居は本公演とはだいぶ違っていましたが、ちゃんと笑いも取れていたので良かったと思います♪




美月遥(バラス/鳳樹いち)
本公演でもソロをもらっている歌手なんですが、最初はちょっと緊張していたのかな?それともマイクの位置がおかしかったとかそういう理由?ちょっと声が弱い印象だったのが残念でした。ホントは良い声なんだけどなあ。
目力のある人ですが、ちょっと鬘が浮いていたかなー(T T)。本公演も新人公演も、なんか素材の良さを生かし切れていないような気がするんですよね。特にビジュアル面についてはなんか歯がゆい(涙)。




風馬翔(リュシアン/春風弥里)
みーちゃんでも若干の無理を感じる“Oui”は、かなり玉砕してたな……。そもそも、誰よりも地に足のついた質実剛健を絵にかいたようなかけるくんに、その役は無理があると思う……(涙)
んー、芝居のできる人だし、本来はハーディーとかジャービスとか、あのあたりの役が似合いそうなものなのに、あえて議員が本役なんですよねえ。齋藤さん的にかけるくんに軍服を着せたなくなかったのか?とか邪推してみたけど、考えてみたら本公演では着ているんだし、関係ないよね。なんでかな。

まあでも、いい勉強にはなったと思います。ええ(真顔)
いつでも全力投球なかけるくん、私は応援しているのでこれからもがんばってね(はぁと)




実羚淳(シェイエス/天玲美音)
天玲さんが大ヒットを飛ばしているシェイエス役。
ナポレオン再度の物語を動かすキーポイントであり、ただでさえ説明台詞(や説明歌詞)が多くて喋りにくいのに、結構難しい音階の歌に合わせて唄んだから、そりゃー研2で多少の無理は仕方ないなあと思っていたのですが。
……「多少の無理」じゃなくて、「いくらなんでも無理」な感じ、だったかも(T T)。

「シャングリラ」の子ヒョウ役では、ちょっと浮いた感じの存在感であまり動きもなく…という感じでしたが、今回はかなり「必死」な感じでしたね。
とりあえず私も
衣装の着こなしから笑いかたから、何もかもが「必死」な感じ(^ ^)
男役って難しいんだなあ、と、あらためて思いました。




天風いぶき(フーシェ/光海舞人)
天風さんもがんばっていたんですが、やっぱり本役のこーまいは巧いんだなあ、と再認識してしまいました。……ごめんなさい、天風さん(汗)。


今日で終わるつもりだったんですが、少し残ってしまった/汗。
続きはまた、早いうちに。


宙組東宝新人公演「Trafalgar」。



肝心なことを書くのを忘れていましたが、新公演出は本公演の齋藤吉正さんご自身でした。

今回の公演、演出助手が「シャングリラ」の小柳奈穂子さんだったので、てっきり彼女がやると思いこんでおりまして。開幕アナウンスも全然チェックしておらず、小柳さんだと思いこんで観ていて「『シャングリラ』で随分成長したなあ」、「役者のキャラにあわせてちゃんと世界を構築できる、いい演出家になってきたなあ~(^ ^)」などと感心していたら、なんのことはない、新公も齋藤さんだった、というオチでした。

それにしても、齋藤さん(^ ^)。
役者個人に対する萌えよりも役者の成長を優先し、きちんと世界観を伝えた演出だったと思います。数々の伝説(^ ^)のある人ですが、荻田さんが抜けた後、「役者の個性を生かす」とか「役者を育てる」ことができる数少ない演出家の一人になってきたし、ないよりも、いい指導者になりつつあるなあ、と感心しています。
これからも、萌えのある良い役者を育ててあげてくださいね♪



そして、齋藤さんの拘りポイント。
オープニングムービーは、ちゃんと新公キャストで撮りなおして、画像処理のレベルもほとんど遜色ないものを使っていました。
てっきり、新公はこのツーロン攻囲戦は省略して「VICTORY」のセリ上がりから始まるに違いないと思っていたので、オーギュスト(風海恵斗/蒼羽りく)もコーネリアス(輝海せいや/月映樹茉)も、すべて省略無しだったことに驚きました。

本公演でりくちゃんもえなちゃんも苦労しているこの銀橋の説明台詞。
下級生ながら、風海くんも輝海くんも良くやっていたと思います。…っていうか、あれはもしや、役者本人の滑舌の問題ではなく、音響の問題なんだろうか(汗)。本役は二人とも、回を重ねるごとに少しづつ上手くなりつつある、という感じだもんなあ……




では、余談はこのあたりにして、まずはイギリス軍から。


風羽玲亜(フッド提督/寿つかさ)
お髭はなくても、ダンディなおじさまになれる!!いやー、さっつんの美貌は侮れませんな(←当たり前です)

本公演のタレーランみたいな曲者も素晴らしく嵌っていると思いますが、こういう穏やかな包容力のある役が本来のニンなのかも?という気もしました。
シャープな役も出来るし似合うけど、フッド提督はとても魅力的で、思いやりが深くて素敵でした。ノーフォークのネルソン邸を訪ねてきた場面で、ファニーの藤咲えりちゃんがヒステリーを起こした後の「やれやれ……」というところ、ちょっと悄然とした感じがすごく良かったです。
根本的に、人物像が優しいんですよね。声に深みがあるから余計に包容力を感じるのかな、と思います。
……また、あの声にタレーランが嵌るところが、芝居の面白いところだと思います(^ ^)。

アルバイトはパレルモの客と、ロンドンでの「ハミルトン家&ネルソン家 緊迫の食事会」場面での後ろのテーブルの客。「カサブランカ」で散々客の役をやっただけあって(?)、真ん中の芝居を邪魔しない、いい仕事っぷりでした。




澄輝さやと(トマス・ハーディー/悠未ひろ)
あっきーって、ちょっと前からともちんの役がよく回ってきてますよね?
正直、今までは新公を観ると「ああ、ともちんって巧いんだなあ…」と再認識する、みたいなところがあったのですが、今回は随分成長したなあ、と感心しました。
クール&シャープ系よりも、こういう素直で明るい役の方が、本来のキャラにも近くてやりやすいのかな?と思いますが、台詞をきちんと表現できるようになっただけ、格段の進歩だわ(*^ ^*)
なにはともあれ、ひとりの「人間」として、オープニングからエンディングまでキャラクターをコントロールできるようになったのがとても嬉しい。これからのご活躍を、楽しみにしています!!

トマスはかなり出番が多いので、アルバイトはしていなかったと思います。
しっかし、スタイルの良い美形は得だなあ。あのシンプルな軍服が似合うこと似合うこと!(@ @) 本当に格好良かったです!




天輝トニカ(ヘンリー王子/十輝いりす)
ブロンドの髪がよく似合う、美形の王子様でした。
結構難しい台詞が多い役なんですが、滑舌もはっきりしていて、難なくこなしていましたね。
歌もさすがでしたし、王族らしい気品もあって、とても良かったと思います。

しかし!!トニカちゃんとさっつんが並んでいると、どっちがヘンリー王子かわからない(T T)。
演出的に、イギリス海軍がずらっと並んで、その真ん中でヘンリー王子(十輝)とフッド提督(寿)が並んでいる場面が何度も繰り返されるのですが。
……何度言い聞かせても、背の高い方がヘンリー王子だと判断してしまう自分が情けない(T T)。
本公演でソンナコトが刷り込まれていなければ、何の問題もなかったはずなのにーーーー。

アルバイトは、パリの議員とパレルモの客、そしてロンドンの食事会の客、、だけ、かな?すみません。
パリの議員は、下手側(←バラス派)だったような。かなり熱くバラスを擁護していたような気がします(^ ^)
パレルモはいろいろ忙しくてあまり観れてません。ごめんなさい。




月映樹茉(サー・ジャービス/珠洲春希)
美形でした!
えなちゃんって、普段はどちらかというと「可愛い」系で、あまり「一般的な美形」枠には入らないタイプだと思うのですが。
このサー・ジョン・ジャービスは、本当に本当に、びっくりするほど美しかったです。前回公演のサムがあまりにも可愛くて、死ぬほど悶えさせられたのが嘘のよう(溜息)

そういえば、サムの本役の萬さんも、美形悪役をやらせたら右に出るものはいなかったっけ。
……まさか、萬さんの後継候補がこんなところ(研5)に!?(@ @)

声が良いとか何が良いとか、そーゆーのは公演のたびに猫はアレコレ叫んでいますので、ここでは割愛。
とにかく、ストロベリーブロンドの鬘が大変に良く似合う、腹に一物あるクールな美形悪役、そのものになりきっていたえなちゃんに、拍手(^ ^)。
しかも。面白かったのは、えなちゃんのジャービス提督がネルソンに叶わぬ恋をしていたところ。いや、あれは絶対、私の気のせいではない!!
演出的に、ジャービス提督の登場場面って、一通り会話が終わるとネルソン一人残して後は全員紗幕の裏に退避、みたいな展開が多いのですが、その度に、えなちゃんはネルソンの背中を食い入るように見凝めているんですよ(T T)。すごい切ない瞳で。
つい数分前まで、ネルソンに嫌味や皮肉をありったけ叩きつけていたことなど、無かったかのように。

ジャービス提督はあれですな。『好きな子ほど苛めずにはいられない』、ってやつ(^ ^)。

アルバイトは、パリの議員とパレルモの客、かな。こうしてみると、イギリス軍の上位連中はみんな同じですね。タイミング的に、ナポリの市民かパレルモの客か、どちらかになるんだけど、どういう基準で分けているんでしょうねぇ…?





星月梨旺(アルバート/鳳翔大)
春瀬央季(ジュリアン/七海ひろき)
本公演にも負けない、ビジュアル系の自覚をたっぷりと抱いた美形コンビでした。本公演も新公も、イギリス海軍に入るためにはビジュアルの(かなり厳しい)オーディションがあったことは間違いなさそうですね(汗)。

お二人とも美形なんですけど、アルバートの星月さんは、もう少し鬘を考え直してみても良かったかも。頭が小さくてスタイル抜群の大ちゃんだからこそ、あんなに重たい長髪ロン毛が似合うんであって、普通の人はあの髪型したらちょっとウルサイんじゃないかと……いや、余計なお世話ですが。




桜木みなと(トム・アレン/凪七瑠海)
「カサブランカ」の10年前のホテルのボーイさんの頃から、頬はぷくぷくだった桜木くん。
もしかして、トム・アレンを幼く見せるために含み綿しているんじゃないよね?と一瞬真顔で思ってしまったくらい、可愛らしくぷくぷくな幼な顔になってました。……いかがなものか。

しかし良い芝居しますよね!まず、なんといっても声が良い。素直な発声で、今後磨いていくうちに更に良くなるだろうなあ、という気がします。そして、持ち味が明るくて、元気!なんだと思うんですよね。前向きで、ネルソンが大好きで、、、とにかく、すごく良かったです。

うーーん、せっかくいい芝居が出来る人なので、もう少し痩せれば役も広がると思うんだけどなあ~。





七生眞希(ジョサイア/愛月ひかる)
こちらも凄く良かったです。
まず、ちゃんと「少年兵」に見えたので、役としてもすごく得していたと思う。「アイアイサー」のぶっきらぼうな言い方と、最後にネルソンに縋りつく場面の可愛らしさのギャップが面白かった。
台詞もいいし、出番ごとの一つ一つの仕種や表情に役としての感情が籠められていて、まだ下級生なのにいい芝居する子だなあと感心しました♪

ラストに、ファニーやエドマンドと一緒に出てくる場面は、ここはエドマンドがすご~く良かったんですが(; ;)、ジョサイアも、なんとも複雑な、気持ちのこもった表情で敬礼してくれて、良かったですー。
素顔は見たことがないのでよくわかりませんが、舞台化粧をして真面目な顔をすると、雪組のひろみちゃん(彩那音)系の美貌に、心が撃ち抜かれそうになりました(^ ^)。



とりあえず、イギリス軍は以上です♪


宙組東宝新人公演「Trafalgar」。


印象に残った人を、思いついた順に書いていきたいと思います。


鳳樹いち(ウィリアム/北翔海莉)
素敵でした(はぁと)。渋くてお髭で素敵なオジサマ。しかも、黒い!!
本役のみっちゃんよりも黒めの役づくりで、渋くて貫録があって、なんだかすごく「大使殿」だったような気がします(*^ ^*)。お髭は、ルノーのときの方が素敵だったなあ。今回はちょっと横広につけていたので、表情によっては「渋い」方向じゃなくて「淫猥な」方向にみえてしまって……いや、役がら的にはそれもアリなんですけどね。私のタイプじゃないというだけで(^ ^;ゞ。

一番印象的だったのは、パレルモでエマを叩いた後、その手をじっと見凝めて呆然としていたところかな。ネルソンに何か言われてカッとなって言い返して、、、でも動揺のあまり、エマが走り去ってもすぐには動けない。それでネルソンに先に行かれてしまって、その背中を見送りつつ、もう一度右手に目を落とす。……その手には、まだエマの頬の感触が残っている、そんなふうに。
本公演は、この場面、「どうしてウィリアムは動かないんだっ!!」とつい思ってしまう(←ここでウィリアムが追いかけてしまったら、話が始まりませんがな)のですが、新公のウィリアムは、この瞬間に自分がエマを愛しているということ、エマに向かう自分の感情が「愛」であるということに気がついたんだな、というのがすごく明解で、とっさに動けないほど動揺しているのが手に取るように判りました。素敵だった!

そして、この次にウィリアムが登場するのは、ロンドンに戻って、「オックスフォードのプラザで」食事の約束をする場面。
ここでのウィリアムは、、なんだかすごく可愛かったんですよね。冷たい、というよりも、心ここにあらずなエマに、一生懸命話しかけているのに、木で鼻をくくったような返事ばかりで、それでもくじけずに話しかける。不器用な人なんだな、とは思うけど、もう遅すぎる。今更そんなことを言われても、エマも素直になれるはずがない。というか、素直になる理由がない。「この人どうしちゃったのかしら?」くらいは思っているかもしれないけど、それ以上にはなりようがない。
それでも、ウィリアムは諦められない。「私たちは色々ありすぎた」……いいえ、色々ありすぎたわけではないわ。最初が悪かっただけ。「ホレイシオのことにも、神経質になりすぎていた」……それはむしろ、あなたの想像どおりだけれども?そんな、空回った会話がとても切なくて、必死なウィリアムが可哀想にさえ見えました。

この会食の本来の目的は、なんだったのかな、と思っていたのですが……みっちゃんの時には、まだ「面白がっている」感が強いのですが、新公のいちくんは、自分とエマが夫婦であることをネルソンに見せつけようとして設定したような気がしました。そこにちょうどファニーまで入ってくる。「これは面白い!」「こんなに楽しい夜なのに!」と。
……まさか二人の気持ちがそこまで進んでいるとは、ウィリアムは思っていなかったのかな……?と思いました。 
どうなんでしょうね、この場面は。本公演では、ネルソンとエマに恥をかかせてやろう、みたいな気持ちを強く感じるのですが、考えてみたら、ファニーが乱入していなかったらあの場面、ネルソンとエマは久しぶりの再会でラッキー、みたいな場面ですよね(^ ^)。

ウィリアムが、自分の気持ちと現状(エマは違う男に恋をしている)の溝に気付いてから、賭けを持ち出す心境に至るまでの葛藤を現す場面がないのがとても残念です。
いちくんがその時間をどんなにか有効に使って表現してくれたかと思うと、すごく観てみたかった。まあ、時間的に入らないので無理なんですが。
賭けを言い出して、そこから「忘れられない人」のコーラスに入るまでのドラマがちゃんと見えてくるのが、いちくんのお芝居の深いところだと思いました。



藤咲えり(ファニー/花影アリス)
幕あきは「波」の一人として最後まで踊ってくれて、次はロンドン市民。いやー、黄色いひらひらしたドレスのジゼラも滅茶苦茶可愛いけど、ロンドン市民も可愛いです(はぁと)小旗を振っているのを観ているだけで幸せ。
パリの議員さんたちに小柄な娘役さんがいっぱい混ざっていたので、もしや!?と思ったのですが……さすがにいませんでしたね。アルバイトはロンドン市民までで、次の出番はノーフォークのファニー。
ジョサイアからの手紙を読む姿には、特別苛々した感じとかは無いのが印象的でした。ただただ、寂しそうな背中。
そっか、ファニーは寂しいんだ……と、今更ながら当たり前のことに気付いてしまった(T T)。

ネルソンは不実な夫だったかもしれないけれども、ファニーも良き妻ではなかった、というのがこの物語の根幹にあるんですよね。
で、本役のアリスちゃんは、「子供っぽくて意地っ張りな、心は少女のままのわがまま娘」をファニーのキャラクターにしたんだと思います。どこまでアリスちゃん本人が意図したのかはわかりませんが、私はそんな印象を受けました。
それに対して、えりちゃんのファニーは大人で、寂しがり屋で、そして、物凄くリアルに「女」でした。
観ていてすごく思ったのは、えりちゃんは、最初の夫の設定をどういう風に考えていたのかな、ということでした。アリスちゃんのファニーは、あまりそういう「過去」の影を感じないのですが、えりちゃんのファニーは「過去」を強く感じたんですよね。具体的には、最初の夫は軍人ではないという設定だったのかな、と。植民地で出会ったはずなので、農民か何か、あまり旅に出て帰ってこないとか、そういうことのない、安定した人生を歩んでいた人なんじゃないか、と。
そんな彼女が、ふとハンサムな海軍軍人と恋をして結婚する。イギリスへ旅をし、ノーフォークのネルソン家で義父の世話をしながら過ごして。
……夫と過ごす時間のあまりの少なさに、愕然としたんじゃないでしょうか。

寂しい。
あの人は帰ってこない。
知らない土地に一人取り残されて、あたしはいったいどうしたら良いの?

……寂しい。

ネルソンは結婚したからといって生活を変えるわけにはいきません。彼は軍人ですから。
海に出て、女っけのない閉鎖空間で何カ月も過ごし、命のやり取りをして、、、、家に帰ったら、可愛い妻がただただ温かく迎えて、黙って傍にいてくれるだけで十分幸せなんだろうに、ファニーは、残念ながらそういう女性ではなかった。寂しいのに、それを表に出すわけにはいかないから、必死で理性を保って出迎えて……その緊張感で、かえって疲れてしまう、、、そんな二人だったんじゃないかな、と思いました。
アリスちゃんと祐飛さんは、もっと大幅にすれ違っている気がするんですけど、えりちゃんとりくくんは、お互いほんの一言が足りない、ほんの一歩ずれている、、、そんな気がしました。
それでも、その一言が、一歩が、埋められない溝なんですけどね(T T)。



プラザでの会食の場面で、視線を交わして心の中で会話をするネルソンとエマ。
それを隣の席から凝っと見ながら、ワイングラスを呷るファニー。
一息に飲み干して、そのまま歪んだ笑顔をうかべて、二人の視線での会話を断つように
「パレルモはいかがでしたか?」
と問いかけるファニー。

その歪んだ笑顔が切なくて、リアルでみにくくて、そして何よりキレイで。



今回の新公、私の泣きポイントは3つありまして。
一つ目は「忘れられない人」のラストのファニー。
二つ目が「ホレイシア」のキャドガン夫人、
そして三つ目が、トラファルガー海戦後のロンドンのハミルトン邸、エマを訪ねてくるファニー・エドマンド・ジョサイア、でした。


まー、その中でも、CSのトークでえりちゃんとトニカちゃんが語っていた「忘れられない人」のラストのファニーとネルソンは号泣寸前なポイントで(T T)。
「苦しめてきた、な」
と、苦しそうに告げるホレイシオ、そのホレイシオの手を握りしめ、凝っと眼を視ながら
「ジョサイアを救けてくれて、ありがとう」
万感の感謝をこめて礼を言うファニー。その真摯な瞳に気圧されたかのように、軽く手を引きながらも真剣な貌で
「こんな私でも、彼の父親だ」
……そう、ホレイシオはジョサイアを守った。ジョサイアの父親である自分を、自らの右腕で贖った。
ならば、私は?ファニーは、ホレイシオから眼を逸らして、自分自身に問いかける。

「私は、レディ・ネルソンになれていたのかしら………」

その切ない呟きが。酷く哀しくて。
彼女がレディ・ネルソンとして、ネルソンに安寧や幸いを与えられなかったことと、ネルソンが他の女性を愛したことには、直接の因果関係は無いのに。
それでも、ファニーは、そんな自分を責めて、ネルソンを肯定しようとする。
「私は、レディ・ネルソンに、」
……なりたかったのかしら?と。



この物語を考えるたびに、アーサー・ランサムの「ツバメ号」シリーズに出てくる、ウォーカー兄妹のお母さんを思い出します。海軍軍人の妻である彼女は、夫が帰ってくるときには彼の希みをすべて叶えるために生きていると言っても過言ではありません。子供たちもそのように躾けて、人間関係も大切にして、ひたすら彼の幸せと満足のために立ち回っています。
時代はだいぶ違いますが、ファニーにはこのウォーカー夫人のように生きることも出来ただろうに。

男と女のコトに「たられば」を言っても仕方がないのですが。
もし、ファニーがそうやって生きていたなら、ネルソンはエマと出会ってもあんなふうにはならなかった……の、かなあ?

……「俺にはわからねえ~~!」(byトム・アレン)



宙組東宝新人公演「Trafalgar」を観劇してまいりました!


一言でまとめるならば、非常に新人公演らしい、フレッシュな新人公演だったな、と思いました。
技術的なことをいえば、というか、ぶっちゃけ歌について書いてしまうなら、主要三人(ホレイシオ/蒼羽りく、エマ/すみれ乃麗、ナポレオン/愛月ひかる)ともに音を外しまくりで、耳にはなかなか厳しい公演でした(^ ^;ゞ
ここしばらく、かなり歌える人がメインに入った新公が続いていたので、かえって新鮮だったくらいには(汗)。


でも、芝居はなかなか良かった!

りくくんのホレイシオ。
私は、もともとりくくんの芝居は役づくりの方向性も声もひっくるめて好きなのですが、今回は本当に良かったなあ。
祐飛さんの役づくりを踏襲しつつ、若さで押し切るところは押し切って。好戦的で前向きな、そして、とても優しいネルソンでした。
個人的には、トム・アレンと喧嘩をする執務室の場面が、本公演とは全く違うイメージですごく良かったなあ(*^ ^*)。



れーれのエマは、「大理石の女神像」というよりは「翡翠から彫りだした小鳥の置物」みたいな印象でした。
飛び方を知らない小鳥、海を知らないイルカ、走ったことのない仔馬、、、そんな、自分のいるべき場所を知らない生き物みたいな感じ。これはこれで、ありな解釈なのかもしれないな、と。少なくとも、私は結構好きです。「一人では生きていけない」的な弱さ(幼さ?)が全身から溢れているので、男が「俺が守らなくちゃ」と思うのはこういう女なんだな、と納得できたし。

ただ、それだけ特異なキャラクターに説得力を持たせるには、ある程度の技術的な裏付けが必要なのだな、ということもよくわかりました。……れーれは、もっと「今の自分」に出来ることを直視して、その中で勝負をしてみても良かったんじゃないか、と思いました。……うーん、でもこれは新公なんだから、そこは冒険してみて正解だったのかなあ……。

りくくんとれーれのコンビは、ビジュアルもなかなかお似合い♪
役づくりも、りくくんが結構真面目で一途で一生懸命な感じなので、ああいう生真面目なタイプが、浮世離れした可愛らしさに魅かれてしまった時の一直線ぶりが理解できたし、良かったと思います。ただ、デュエットはちょっと耐え難かったけど(- -;



愛月くんのナポレオンは、本公演で演じているジョサイアよりも、愛月くんのキャラクターに合っていたような気がしました。声も姿もどちらかというと硬いタイプなので、ああいう、常にファンファーレが鳴っている中登場してくるような大芝居系の役の方が得意なのではないか、と思います。
歌は高音部で若干苦戦していましたが、三人の中ではマシな方だったかな(^ ^)というか、蘭トムさんって声が高いんだなあ(感心)。




ウィリアムの鳳樹いちくんがいかに渋くて素敵だったか、
ファニーの藤咲えりちゃんがどれほど素晴らしかったか、、、については、長くなりそうなのでまた後日ゆっくりと。
特にファニーは、本役のアリスちゃんとはまったく違うアプローチで、ものすごくリアルに女らしい、大人っぽい役づくりだったのが印象的。ロンドンでの会食のラスト、ネルソンを追っていくエマの背中に「あ」という形にくちをあけて、でも何もいえずに…という芝居がすごく切なくて忘れらなくて。
CSニュースのトークで話していた「忘れられない人」のラストは、本当に良かったです。ちょっと泣けました。そしてラストも(^ ^)。アリスちゃんの演じるファニーとは全く違う、「ネルソンの妻」として銃後を守る、実にリアルな存在感のある女性像でした(*^ ^*)。


あと驚いたのは、、、、
ジャービスのえなちゃん(月映樹茉)があまりにも美しくて仰天したことと、
エドマンド・ネルソンの光海舞人さんの芝居が素晴らしかったことと、
キャドガン夫人のちっすー(千鈴まゆ)が、すごく可愛くて、すごく抱擁力があってそして、とても素敵だったことと、
トム・アレンの桜木みなとくん、ジョサイアの七生眞希くん、そして、ナポリ市民の場面で歌っていた彩花まりちゃんなど、まだ研2の95期がしっかりと実力を発揮して、良い仕事をしていたこと、でしょうか。

彩花まりちゃん、大劇場の新公で評判になっていたので楽しみにしていたのですが、艶と迫力のある良い声で、あの場面をよく表現できていたと思います。美人だしスタイル良いし芝居できるし歌えるし♪♪これからが楽しみ♪♪


……伶美うららさんは、美人なのに役がつかないなあ(T T)。今回はハミルトン家のメイドさんくらいかな、目立っていたのは。いつになったら声がきけるのでしょうか……。
(兵士の出番が多くて、しかも違和感とか全くなく、普通に美形なイケメンだった……汗)



あ、あと、プロローグの「波」に最後までえりちゃんがいました!!可愛かった~~~♪
ロンドン市民にも居たんですよ♪ソロは無かったけど、可愛かったなー。

プロローグといえば、「威風堂々」影ソロは花音舞さんでした。
本役の七瀬りりこ嬢とは違う、やわらかな含みのある声がとても良かったです♪


えーっと。
きりがないので、とりあえず、今日のところはここまで。


宙組公演……というよりも、猫の頭の中では「齋藤吉正脚本・演出」というジャンルに分類されているらしい、「Trafalgar ~ネルソン、その愛と奇跡~」。


ちゃんと真面目に、場面を追っていろいろ書くつもりだったのですが、思いのほか書きたいことがたくさんあることに気づきまして(汗)。
こ、こ、これは終わらないかも……という気がしてきたので、先に大事なこと(?)を書いておきたいと思います。



とりあえず。
大劇場でこの作品を観たとき、、、たぶん、二度目の観劇あたりでしみじみと思ったこと。

齋藤さんが「銀河英雄伝説」を舞台化するとしたら、祐飛さんに振る役は、もしかしてヤン・ウェンリーなんでしょうか(@ @)

あ。
著作:田中芳樹氏の「銀河英雄伝説」全十巻をご存知ない方は、今スグ図書館へGO!! (←おい)




もとい。

私は長いこと、宝塚で「銀河英雄伝説」を(イベントでもいいから)上演することがあるならば、祐飛さんにはぜひオスカー・フォン・ロイエンタールを!!と思っておりました。
ちなみに、猫のお気に入りキャラクターの一人はロイエンタールの「親友」ウォルフガング・ミッターマイヤーでして(^ ^)、月組時代は霧矢さんのミッターマイヤーが観たい!と思い、祐飛さんが花組に異動した直後はみわっち(愛音羽麗)のミッターマイヤーは素敵だろうなあ……と想像し、、、なんとなく、常に祐飛さんの近くにミッターマイヤーキャラを探していたのでした。



でも。
そういえば私、宙組に異動してきて以来、その手のことを考えることがなくなったんですよね。
そもそも宙組では祐飛さんはあまり「長身」ではない、という物理的な理由もあるのですが、やっぱり、存在する位置が、もうロイエンタールではなくなっていたのだと思います。


そして、この「Trafalgar」という舞台「を観たとき。
ああ、祐飛さんって、宙組ではヤンなんだ!!と納得したのでした。


昨年、宙組っ子の印象について問われて、ものすごい愛情をこめて「子供のように素直で可愛い(←意訳)」と答えた祐飛さん。
その、組子みんなの「一生懸命」で「純粋」で「純真」なところが、すごく同盟軍のイメージにかぶるんですよね。で、考え始めたら驚くほどすんなりと、宙組で同盟編を上演するなら、というキャスティングも出来たりして(^ ^)(どんな配役かはご想像にお任せしますが)

そして、初見のときに非常に謎だと思ったトム・アレン(カチャ)という役が、これは本来ユリアン・ミンツになるはずの役だったのかもしれない!と気付いた途端に、すごく存在の意味が納得できたりしたのでした(^ ^)。



もちろん、ネルソンの性格はヤン・ウェンリーとは全く違いますし、設定も物語も何もかも関係ありません。
トム・アレンはユリアンではないし、ハーディーはキャゼルヌでもシェーンコップでもないし、ナポレオンはラインハルトではない。
人間関係全般に不器用なヤンと、惚れっぽくて手が早いネルソンは、物語の軸になる恋愛観からして全然違いますし、なにより、ヤンに無かった「国家からの信頼」と「国家への信頼」が、ネルソンとイングランドには確かにあった。それは軍人として最大の喜びであり、幸せでもあったのだろう、と思います。

ネルソンは軍人としては幸せでした。
それに対して、ヤンは、軍人としては幸せとは言い難い。
だけど、二人とも最初から軍人志望ではなかったところも似ているし、どちらも少数精鋭の特攻をきっかけにした集中攻撃によって大軍を分断し、各個撃破する、という戦法が得意で、そのために必要な情報収集力と機動力(操船技術)を磨くことによって何度も奇跡を起こした、という共通点があります。


というか、この舞台のために色々と資料を読んてみたら、あきらかに田中氏がヤンの戦法を考える上で下敷きにした戦法はこれなんだな、というのがいくつも出てきたので、そもそもヤンの一部はネルソンがモデルになっていたのでは?という気がしていたり(^ ^)。



齋藤さんがどこまで意識して「Trafalgar」を書かれたのかは判りませんが、いろいろと想像の翼が広がる設定でございました(^ ^)。

うん。齋藤さんには、これからも色んな意味で期待していますわ♪





なお。
この『銀河英雄伝説』妄想配役というのは、私の頭の中で常にぽこぽこと沸いている妄想でして。

たとえば、まさおとみりおだったら(背が合わないのが残念だけど)まさおがラインハルトでみりおがキルヒアイスだよね、とか、
84期だったら、まっつはミュラーでキムちゃんはビッテンフェルトでみっちゃんはレンネンカンプかな、とか、

……あまり人には賛同してもらえそうにないことばかり、色々と考えているわけなんですが。



とりあえず、先週末に観劇しながらふと浮かんだ、大ちゃんのポプランとちーちゃんのイワン・コーネフという設定が自分の中でヒットしすぎて、王さまのみみはろばのみみーっ!!と叫びたいキモチが抑えられず、ここに書いてしまったのでした……。


すみません。舞台とは全く何の関係もない話に、ここまでお付き合いくださり、ありがとうございましたm(_ _)m。








これだけでは何なので、齋藤くんの日本語への突っ込みを箇条書きで。


■白いマストをひるがえし 
 翻るのは旗だろう、普通。っていうか、マストがひるがえったら怖いってば。

■貴女の望むすべての女性の幸せが手に入りますよ【さくら貝さま より】
「女性の幸せの全て」か、あるいは「貴女の望むすべて」か、どっちかじゃないの?

■汚職を犯している 
 えーっと、、、おかしいですよね?でも何が正しいんだろう。「汚職の罪を犯している」は正しい?

■おたけぶ
 ……ふつーは「雄叫びをあげる」と言います。でも、何年かしたら辞書に載るようになるかもね。

■あんな気丈な妻が待っている家には
 待っていて欲しくないのは「気丈な妻」ではなくて「気の強い妻」なんじゃありませんか?>フッド提督

■士官・海軍の招集を実行してもらいたい
 召集するのはこの場合、「士官・兵士」じゃないんでしょうか?
 そもそも、国務じゃないんだから厳密な意味では「軍」ではないはずだし。

■母上は離婚しませんよ
 自分のことを「母上」って言わないよ……なぜ「母」じゃダメなんですか?

■姉上は本当に意地悪なお方
 ……せめて「本当にお口がお悪い」くらいにしてこうよ、カロリーヌ。「悪気はない」んなら余計に。



あれ?こんなものでしたっけ
もっとあるような気がしていたんですが。なんだか残念だ……(齋藤さんを何だとおもっているんですか>自分)


あ。
日本語としておかしいわけではないんですが、コペンハーゲンの前から、ジョサイアが母との会話の中でホレイシオを「父上」と呼ぶことに、芝居として違和感を感じておりました。
そこは官職名で呼ぶべきだろう!!
「父上」って呼ばないとファニーが哀しむ、とか、そういう萌設定があるんでしょうか…(考えすぎ)



宙組東宝劇場公演「トラファルガー」続き。


■第4場 パリ(1799年11月9日)
本舞台の幕があがると、そこはパリ議会の会場。
議長バラス(鳳樹いち)がセンターの議長席に立ち、その周りを議員たちが囲む。

上手側が反バラス派、下手側がバラス派というくくりになっていたのかな。バラス派に鳳翔大くん、あっきー(澄輝さやと)、実羚絢くんあたりが下手側、カイちゃん(七海ひろき)、えなちゃん(月映樹茉)、ふーま(風馬翔)あたりが上手側にいたのは覚えています。……他のメンバーはどっちにいたっけなーーー(^ ^;
バラスと議員たちの掛け合いの歌がとても好きです。「革命から10年」で始まるこのナンバーは、この時代の混沌とした政治情勢を実に的確に処理していると思う。
バラスが権力を握った時期を、ロベスピエールが失脚した1794年だと定義するならば、約5年間。当時のめまぐるしい政治情勢の変化の中で、彼はフランスの政治の中心に立ち続け、愛人ジョゼフィーヌを与えたナポレオンと、テルミドール以来の協力者である秘密警察のフーシェ(光海舞人)を懐に、権力を思いのままにしていました。

そんな彼の追い落としをはかるベテラン政治家、シェイエス(天玲美音)。
「今こそ化けの皮を剥いでやる♪」と、難しい半音階の歌を歌いきってニヤリと黒く笑い、「その汚職政治とも今日でおさらばだ~!!」と、うっとりと呟く彼のアブナさ、たまりません。その真っ黒いオーラに比べたら、いちくんのバラスなんて真っ白で天使のようだと思ってしまった(^ ^;ゞ



ファンファーレが鳴り響き、上手花道にナポレオン・ボナパルトが登場。
彼の姿を認めたときのバラス以下、特にバラス派の議員たちの表情が結構見ものです。ここは忙しくてあまり一人一人をじっくり見ていられないのですが、それでも大くんとか、結構大げさに嫌そうな顔をしていて面白いです。反バラス派のメンバーがあまり嬉しそうじゃないのもツボ。この時点では彼らは「反バラス」なんであって「ナポレオン派」ではないんですよね……。

「バラスと議員たちを捕えろ!」
味方だったはずのフーシェの声と、乱入してくる軍人たち。衝撃を受けるバラスと議員たち。バラス派の議員たちは全員逮捕されて室外へ連れ出され、反バラス派のメンバーも、強引なやりくちに反感を隠さない。
それでも、ナポレオンの弟リュシアン(春風弥里)が提案した「バラスに変わる新しい第一執政」の選挙は、フーシェの恫喝を背景に順調に進む。第二執政であるシェイエスの推薦を受けたナポレオンを、残った議員たちは全員で承認するしか、ない。

一人ひとりの役作りの考え方を尋ねて歩きたいくらい、この場面で挙手するまでの彼らの逡巡と戸惑いは、個性的で面白いです。比較的早い段階でさっさと手を挙げる者、きょろきょろと両脇の動きをみてこっそりと手を挙げる者、下を向いて考え込んで、周りの様子は窺わずに適当なタイミングで挙げる者、などなど。
大くんカイちゃん意外はほとんどが下級生なのに、皆ちゃんと色々考えて芝居をしているんだなあ、というのが見えて、嬉しかったです。
ただ、決まったらすぐに、残った議員全員でのコーラス(「おーナポレオン、革命の獅子よ!」)を笑顔で歌わなくてはいけないので、ギリギリまで迷っている人はいかにも蝙蝠に見えてしまったりとか、いろいろ難しいんだなあと思いましたけどね(^ ^)。



ナポレオンとリュシアンを残して議員たちが退場。
「すぐにリーダーを求めるフランス国民」
と、彼らを馬鹿にしたように嘲笑うナポレオン。彼は、この後のミラノ歌劇場での場面でも説明されるとおり、もともとはイタリア人なので、フランスやフランス人に対してポジティヴな感情ばかりではないんですよね。
それを、リュシアンがさりげなく抑えるように言葉をかけるのに感心しました。斎藤さん、やるなあ。
妹たち(大海亜呼、愛花ちさき)とジョゼフィーヌ(五峰亜季)も登場し、一通り嫌みの応酬をしてから、ナポレオンを中心とした「獅子の時代」の大コーラスへ。
ジョゼフィーヌの五峰さん、大劇場では無理してる感が満載で違和感があったのですが、大劇場の後半から一気に良くなってきましたね。『年下の夫を舐めきって、留守中は遊び歩き、帰ってきたら小姑に苛められる哀れな妻を装う』女、という二面性が見えてきたと思います。今回ジョゼフィーヌの出番はすべてナポレオンと一緒で、ナポレオンに見せる貌しか観客にも見せないんですが、その裏に違う貌があることをうっすらと感じさせるキャラクターの強さが斎藤さんの意図だったのか(@ @)、と、その人選に納得しました。
何をしても、『善良でわかりやすい娘』には見えないのがまゆみさんの美点ですからね。さすがだわ、いろんな意味で。



「獅子の時代」が終わって、弟妹たちがはけると、入れ替わりに忍び込んできたオーレリー・バイロン(蓮水ゆうや)と、彼を取り押さえた警官(星吹彩翔)が登場。
ツーロン戦で死んだ兄の仇を討つためにナポレオンに仕え、来るイギリス戦で役に立ちたいと主張するオーレリー。
……この役は明らかに、青池保子さんの漫画「トラファルガー」のマスケティアからインスパイアされたものだと思うのですが、、、、観れば観るほど、原作どおりの設定(誰かに使ってもらわなくてはいけない「装填された銃」として生きてきた男)の方がいいと思うんだけどなあ……。斎藤くんがどうしても仇討ち要素をいれたいのは感情としては判るんですが、他の部分は相当に厳密な歴史劇として作りこんでいるだけに、こういう飛び道具を一つ放り込んだだけでこんなにリアリティがなくなるのか、と驚いてしまうのです。……不意打ちでも裏切りでもなんでもない、作法にのっとった国と国との戦争で死んだからといって、敵国の総司令官を仇と狙い、自国の総裁に自分を雇えと売り込みに行く。………なまじ、他の部分がリアルに描かれているだけに、訳がわからない気分になるんだってばー(涙)。



■第5場A ノーフォーク
ってなところで、暗転して舞台はノーフォークのネルソン邸へ。

ノーフォーク、と言われて私が最初に思い浮かべたのは、アーサー・ランサム著「ツバメ号」シリーズの中のオオバンクラブ連中が活躍する巻でした(^ ^)。ちょっと時代が違うんですけど、ネルソンの少年時代ってティットマウス号を操るトム少年みたいな感じだったのかも?なんて想像したりすると楽しいです。ジョンよりトム、と思うんだけど、どうでしょう。……なんて、ランサムサガをご存じない大多数の方には判らない話ですみません。

ジョサイア(愛月ひかる)が母ファニー(花影アリス)への手紙を朗読して、それにアリスちゃんの声がかぶっていく演出は、よくある演出の割に音響のフェードイン/アウトのタイミングが難しく、初日あいた直後はなかなか巧く行かなかったりもしましたが、だいぶ落ち着いてきましたね。音響さんの腕なのか、役者二人の技なのか、そのあたりがよくわかりませんが(^ ^)。

ナポリから帰国してはいるものの、ノーフォークの邸には一向に帰ってこない夫を苛々と待つファニー。
「ホレイシオがまた手柄を立てたと?」と喜ぶ義父エドマンド(風莉じん)に
「ええ、ナポリで男爵の称号をいただいたそうよ」と歌うように告げるファニー。
息子の手柄を素直に喜ぶ父親がとても可愛くて、それに対するファニーの怒りが強い、うまい場面ですよね。
そして、今までずっと舞台の上では隠して見せないようにしていたクールな強さを全開にしているアリスちゃんが美しくて、こんなに良い役者になれる人だったのに、どうして今まで隠していたんだろうかと惜しむ気持ちでいっぱいです。
そして、同期でネルソン家の侍女の綾音らいらちゃんが、控え目な存在感でファニーに従っているのも良かったです。ショーの毒々しい女役も良いけど、こういうのも案外似合うんですね。


この場面、フッド提督(寿つかさ)がネルソン邸を訪ねてくるんですが、この訪問の目的は何だったんでしょうね?ホレイシオがノーフォークに帰っていないことを知って驚いて(焦って?)いるところを見ると、ホレイシオから頼まれて様子を見にきた、とかではないし、単純にホレイシオを迎えに来たのかなあ。でも、この時点ではまだホレイシオには後ろめたいことはないから、別にみを隠しているつもりは無いと思うんだけど……ぶつぶつ。
単純に「あんな気の強い妻が待っている家には、私も帰りたくないのう……」と、ホレイシオへの共感の言葉を言わせたかっただけなんじゃないだろうか。でも斎藤さん、宝塚の観客は、9割以上が女性なんだからねっ!!その述懐には残念ながら納得できないわ……(T T)。



■第5場B ロンドン ~決意~
フッド提督だけを残してノーフォークのネルソン邸が幕の裏にしまわれると、そのままロンドンの海軍省の一室へ。
ヘンリー王子(十輝いりす)やジャービス提督(珠洲春希)も登場し、ネルソンの意見に真っ向から反対する。
盟友ナポリの危機。足元(国民)に火がついてしまったナポリを、放置してはおけない。そう主張するネルソン。しかし、国家中枢は出動を許可しない。
「ナポリへの援軍は、出さない!」そう宣言して出ていくヘンリー王子は、つい見惚れてしまうほど格好良いです。

イギリスは小国。資源もなく国土も狭く、技術と貿易に頼った経済状態です。
そんなイギリスに、他国を真っ向から支援するだけの体力はないんですよね。ナポレオンがいつエジプトから帰還するかわからない今、ヘンリーたちの立場では、艦隊の温存を選択するしかない。
でも、ネルソンは自分が勝てることを知っている。艦隊を損なうことなく、国王や王妃、そしてイギリス大使を救出するための算段がちゃんとある。
だから、彼は言う。
「これは国務ではない」
と。


「行きましょう!ナポリへ」
と明るく笑うハーディーが、とても好きです。大好きです(告白)。ここでネルソンを救うために、この役はあるんだと思っています。
アルバート(鳳翔大)とジュリアン(七海ひろき)を呼んで、兵士たちの招集を命ずるハーディー。


こうして、ネルソン軍は、イギリス国旗を降ろして、ナポリ動乱の真っただ中に飛び込んでいく。
ちなみに、ナポリの最初の革命は1799年1月。ナポリでのパーティーの4ヶ月後、第4場のクーデターより半年以上前の事件です。この事件そのものは半年程度でいったん終息し、フェルディナンドたちも国に帰るんですよね。だってナポレオンがエジプトへ行ったっきりなんだもん(^ ^)。

フェルディナンドが本格的にナポリを追われるのは、トラファルガーの海戦も終わった後の1806年。結局、トラファルガーの海戦はイギリス本土へのフランス軍の上陸を防ぎ、国家防衛の役割は果たしたけれども、ナポレオンの体面に傷をつけるところまではいかなかったんですね。補給基地はぶっつぶしたけど、エジプト征服は止められなかったナイルの海戦と同じような結果ということか……(しみじみ)。




話は違いますが。

祐飛さん、ともちん、大くん、カイちゃん………
イギリス海軍には容姿のオーディションがあるとしか思えんな(^ ^;ゞ



雪組&雪組ファンのみなさま、千秋楽おめでとうございます!!
……まだ全く実感が持てない(T T)なにはともあれ、当分はゆっくりとお休みくださいませ。暑い夏、消耗も激しかったことでしょうから、とにかくリフレッシュしてくださいね。
暑い暑い東京で、お待ちしております。




さて、宙組東宝劇場公演「トラファルガー」。


■第3場 ナポリ ~導火線~
銀橋のトリオ(ネルソン・ハーディー・トム)の歌が終わって暗転すると、本舞台の紗幕ごしにナポリでの華やかなパーティー風景が浮かび上がる。

下手で歌いだす妃宮さくらちゃん、豊満な美女ぶりと豊かな声が素敵。
上手側でコーラスを合わせる天輝トニカちゃん、下級生だけどさりげなく巧い♪
トニカちゃんと踊る黄色いドレスの美女(伶美うらら)の美しさは他を圧しますね。あんなに目立つポジションでありながら、全く歌わないところが微妙だけど(^ ^)。長身かつ抜群のスタイル、細面のちょっとキツめの美貌。大劇場では男役としてちょっと小柄なトニカちゃんが大変そうだなーと思いながら観ていたのですが、東宝では優しい包容力が出てきて、格好よかったです(感心)。
さくらちゃんの後を受けて歌う、花里まなちゃん。こちらは少し痩せたのかな?キレイになりましたねー♪祐飛さんが就任したこの一年で、“綺麗なお姉さん”が激増したような気がするのはファンの贔屓目でしょうか(^ ^)。娘役が可愛くてこその宝塚。みんな頑張ってね♪


ナポリ駐在イギリス大使夫妻(北翔海莉・野々すみ花)が登場。
「みなさま今宵はようこそ♪」
と歌うウィリアム(みっちゃん)の声は、ひどく柔らかくて軽やか。もっと力強い声でも歌える人なのに、今回公演は芝居もショーも柔らかい部分を担当しているんですよね(力強い唄は、基本的に悠未ひろさんが担当)。たまには違う声も聴いてみたいな、と、ちょっと我がままになってみたりする。


上手奥から、ネルソンとハーディーが登場。大使ウィリアムとのさりげない挨拶が大人です(^ ^)。
演目が発表された頃に出ていたあらすじだと、ウィリアムとネルソンの関係がかなり濃く描かれそうな雰囲気だったのに、ナポレオン=蘭寿とむ、ウィリアム=北翔海莉の配役が発表されたあたりで変っちゃったんですよねー。残念だ!!怒りと嫉妬にかられて、ネルソンを危険な戦場へ送り込むウィリアムな蘭トムさん、すっげー観たかったのに!(T T)。齋藤さんなら、ちゃんとウィリアムの嫉妬はエマに向けられたものなのか、それともネルソンなのかとゆーあたりを外さずに萌えさせてくれただろうにーーーーー!!(←こら)
二番手と三番手、という脚本的な役割以上に、キャラ的にみっちゃんでソレは無い(T T)のがざんね(←そのへんにしておきなさい)



現実の芝居では、何度かパーティーで顔を合わせたことがある上流階級同士、という程度の関係になってましたよね、ネルソンとウィリアム。改まって「5年前のツーロン戦」での支援の礼を言うところをみると、直接会うのはそれ以来なんだろうし。
ヘンリー王子の「君(ネルソン)はナポリでは人気者だ」なんて台詞があるんだから、ネルソンはナポリにしょっちゅう行ってたんじゃないの?と思うのですが、まあ、ナポリ国王夫妻(特にハプスブルク家出身の王妃マリア・カロリーナ)は反革命意識の非常に強い人なので、フランスと闘って勝利を重ねている唯一の将軍であるネルソンのファン(^ ^)だった、という設定なんでしょうか。

ただ、この時点でネルソンはハミルトン夫人エマに初対面というのが若干意外な印象を受けました。
齋藤さんの脚本的にはウィリアムがエマを買ったのはツーロン戦の後だし、戦いの最中に援軍を要請しにくることはあっても、パーティーに出たり大使館に招かれたりするような仲ではなかった、というだけのことなのでしょうか?



ところで。
初めてネルソンに出会ったエマの振舞が、なんというか、少し奇矯な感じに見えるのは、わざとなんでしょうか。
最初のうちは、コケティッシュで可愛らしい、ちょっと仇っぽい女性、というイメージで観ていたんですが、だんだん違うモノになっていったような。なんというか、妖精じみた浮世離れした存在に見えるんですよね。その非現実感は「五千ポンドのミューズ」という称号にふさわしいような気もするし、何かが違うような気もする。
ただの、婚約者に捨てられただけの若いお嬢さんが、こういう一種異様な魅力を放つようになるまでに、いったい何があったのか……と下世話な興味を抱いてしまうような、すみ花ちゃんの芝居でした。

対するネルソンは、生真面目で武骨な海の男。……あれっ?ネルソンってそういう人だったの?いろんなエピソードを積み重ねると、女好きで惚れっぽくて、戦場では優秀だけど平時は下半身に無責任なタイプかと思っていたんですが。そうでもなければ、補給のために立ち寄った植民地で未亡人(ファニー)を拾って帰ったりしないよね。いくら息子が可愛かったとはいえ。
斎藤さん、祐飛さんにいったいどんな夢をみているんですか?


このダンスシーンの目玉は、なんといっても祐飛さんたちの上手隣で踊るハーディーとちっすー(千鈴まゆ)。ハーディーは、登場してウィリアムに挨拶するとすぐに、舞台奥に立っている天風いぶきさんののところに嬉しそうに駆け寄っていって挨拶し、天風さんの連れであるちっすーや、さっつん(風羽玲亜)たちと談笑を始めるんですよね。観るたびに、ハーディーと天風さんの関係は?と思うのですが(^ ^)。とりあえず、ダンスの音楽が始まると、ちっすーはハーディーを連れて舞台前に出てきます。で、おとめの身長差20㎝(たぶん、実際はもっと違う)の二人のダンスは………もう、こればっかりは文字では説明できません(^ ^)。ぜひご覧ください。祐飛さんたちの隣ですよー。
ともちんは、その後の国王夫妻が登場した後も、王子様たち(綾瀬あきな、夢涼りあん)に遊ばれていました(^ ^)。本当に眼が離せない人だ……可愛いったらない(*^ ^*)。


一方、ダンスは何とかこなしたネルソン。こういうところで恥をかくことのないよう、士官学校ではダンスも教えるんだそうですね。きっとネルソンには、ジャービス先輩が懇切丁寧に教えてくれたに違いないわ!(それ妄想だから!)
エマの思わせぶりな会話に対応しきれず焦っているうちに、国王夫妻が登場。
瞬時に「お仕事」モードに切り替わって、膝をつくまでの動きがとても滑らかです♪


気弱な国王フェルディナンド(天羽珠紀)。一時期割と強い(悪い?)役が続いていたたまちゃんですが、こういう役も結構な嵌りようですよね。根本的に巧いというか、役柄が広い人だな、と思います。やわらかな口調がいかにもそれっぽい。
フェルディナンドについてはいろいろな説がありますが、斎藤さんは「あまり有能ではないけれども、愛情深く子煩悩な優しい男」という解釈で作っているんだろうなあ、と思いました。乱世を生き抜くには向かないけれども、平和な時代であれば名君と呼ばれたかもしれない、その柔らかさと優しさ。宝塚的には面白い造形だな、と思いました。

そして、気丈な王妃カロリーナ(鈴奈沙也)。マリア・テレジアの娘である彼女は、気弱な夫を叱咤激励して反革命運動を援助し続ける。海も陸も弱兵しかいないナポリは、しかしイタリアを代表する農業国の一つであり、金がある、という点ではフランスに似ています。彼らにとってイギリス海軍は、自分たちにはとても出来ない戦いを遂行してくれる、ありがたい傭兵のようなものだったのではないでしょうか。


フェルディナンドがナポレオンへの恐怖から、イギリスへの助力を断って逃げるように退室した後。
ぶつぶつと愚痴をこぼしながら外へ出ていくネルソンを、追いかけてくるエマ。
「国王陛下がダメなら、お妃さまにお願いすればいいじゃない?」
「…どういうことだ?」
さらっと言ってのけたエマに問い返すネルソン。と同時に、銀橋へ登場してくるマリア・カロリーナとその侍女(琴羽桜子)

「ナポリは地中海のイギリス軍に援助を約束しましょう♪」
柔らかくひろがる鈴奈さんの声がとても気持ちいい。鈴奈さん、今回はこれといい、ショーのアマテラスオオミカミといい、いい仕事をしているなあとしみじみ思います。歌姫と呼ぶには若干音域による差の大きい人ですが、この曲はすごく合ってるなあ、と感心しました。
『母親』の強さ、『国母』としての誇りと義務。
「愛するものたちのために 正義を貫く勇気を胸に♪」
さらっと歌われますが、このあたりはこの作品全体にかかるテーマなんだな、と思いました。

明日にでも物資の輸送を、と約束して立ち去る王妃さま。
いつも男前に踊っている印象しかなかった桜子が、淡いピンクのふわふわしたドレスに身を包んで、、優しい声で「お妃さま」と呼びかけたりしているのがすごく意外で、そして、大変に可愛かったです♪あんな可愛い声でも喋れたのねっ(はぁと)。


王妃たちを見送って、あらためてエマに礼を言うネルソン。
「貴女ほどの参謀は、我が海軍のどこを探してもいない!」
……堅物ネルソンにとっては最大級の褒め言葉なんだろうけど、ちょっとばかりどうかと思う……(^^;ゞ でも、エマが嬉しそうだから良いのかな、それで。
「伊語に仏語、歌に踊りに絵画まで習ったけど」
戦争だけは勉強したことがないわ、と言うエマの手を握って、ネルソンが言う。
「あなたが一緒なら、あのナポレオンにだって勝てる……!」

握られた手をきっかけに、「今まで知らなかった」あるいは「忘れていた」感情に気付くエマ。
今の自分の感情を、美しく頭の良い、蠱惑的な美女への純粋な賞賛だと思って疑わないネルソン。
義理の息子にハーディーへの伝言を頼みつつ、頭も心も完全に戦場に向かっている彼の、他意のない「息子ですよ、義理のですが」という台詞のさりげなさは、さすが祐飛さん、と思います(*^ ^*)。

二人の感情は一瞬ふれあい、けれども何事もなかったように離れていく。
「再会」を待ち遠しく思いながらも。




■第4場 パリ
とりあえず、長くなってきたので、時代背景だけ先に書きますね。

前場のナポリでのパーティーは、おそらく1798年8月末か9月頃に開催されていたはず。8月初のナイルの海戦から、イギリス経由でナポリへ直行したんだから……そんなものだと思うんですよね。

で。
このパリの場面は、バラスが失脚したブリュメールのクーデターなので、1799年11月9日ということになります。
アブキール湾の海戦で補給のベースを喪ってからも約一年間、上陸済みのフランス陸軍は遠征を継続しますが、なかなか狙ったとおりには進展しない。しかも、最大の軍事勢力がエジプトに取られている間に、各国がフランスへの攻勢を強めていく。そんな情勢の中、ナポレオンが事実上の『敵前逃亡』でエジプトを脱出したのが8月下旬。アレクサンドリアに上陸してから、1年と2ヶ月弱が過ぎていました。

しかーし!少数の精鋭だけを連れてエジプトを脱出したナポレオンは、フランスに帰るまでに2ヶ月半もかかったんですかねえ……。リュシアン(春風弥里)に「よく間に合いましたね」と言われてたけど、そんなにかかるものなの?
まあ、ろくな船も装備もなく、敵の領土を突破したんだから、そのくらいはかかるか……。


ブリュメールのクーデターの首謀者は、シェイエス(天玲美音)。ナポレオンは、シェイエスが使った剣にすぎません。
でも、ナポレオンにはナポレオンの計画があったことも事実でしょうね。とりあえずはシェイエスの話に乗るけど、とにかく力(軍隊)を握っているのは自分なのだから、という圧倒的な自信が、彼の行動原理なのだな、と思いました。
斎藤さんが、こんなに真面目に歴史的事実を積み上げるような作劇法をとるとは思いませんでした。びっくり(@ @)。



こんなところでしょうか。
ううう、こんなに書きたいことがたくさんあるなんて自分でも思いもよらず(凹)
新公前には終わりそうにないな、これは…。



宙組東宝劇場公演「トラファルガー」。


■第2場 ロンドン帰還
銀橋に残ったエマ(野々すみ花)の独白で暗転。本舞台に光が入ると、そこはロンドン。
ナイルの海戦でフランス軍を破ったネルソン艦隊を歓呼して迎える市民たち。

壇上で大きな旗をぶんぶん振り回している二人は、下手がモンチ(星吹彩翔)、上手がえなちゃん(月映樹茉)。まずモンチが歌いだすんですが、相変わらず良い声で良い度胸だ♪
続けて上手側で花露すみかちゃん、平場で美月遥くん、花音舞さん、美影凛ちゃんと歌い継いで、その時点での世界情勢を簡単に説明する。
「市民革命の波を恐れたのだ」とかっちり締めるさっつん(風羽玲亜)がステキ♪金髪が似合うなあ(*^ ^*)。


この辺は「カサブランカ」でリックのカフェの最初の歌と同じようなメンバーが多い印象。
場面的には、下級生~中堅の歌手にワンフレーズづつ歌わせて歴史的背景を状況を手際よく説明する、非常によく出来た場面ではあるのですが。
でも!!もうちょっと人数を増やしてもいいんじゃないの?>齋藤さん。ロンドン市民が男女8人づつの16人なんて、少なすぎる(涙)。前場のメイドさんたち以外は全員出られると思うんですが。
下級生にもっと出番を~~っ!!

イギリス軍のメンバーが少ないのは、新調のお衣装の都合があるのかな、と推察しているんですが(^ ^;、市民の衣装なんていくらでもあるでしょうに!!
……と思ったところでふと気付く。この公演が大劇場で幕を開けたときって、東宝ではスカーレット・ピンパーネル絶賛上演中だったっけな、そういえば。そっちに全部取られたてたのか、民衆の衣装が……?(←まさか)



1793年秋のツーロン陥落が「スカーレット・ピンパーネル」のちょっと(半年くらい?)前の話なら、ナイルの海戦は1798年8月、ロベスピエールの失脚から4年後。ツーロン攻略戦で名をあげたナポレオンは、ウィーン攻略とイタリア遠征の勝利によって『フランスの英雄』となっていた、んですよね。


広大な国土を持った豊かな農業国フランスは、伝統的に軍隊はあまり強くなく、長らく傭兵に頼って国を守っていました。
しかし、革命によってフランスが全ヨーロッパの台風の目となったとき、傭兵たちは当然、支払い能力の高い貴族側につくわけで。
共和政府は新しい軍隊のありかたを模索し、「国民のための共和フランスなのだから、国民が守るべきだ」と、事実上の徴兵による「国民軍」を作り上げる。その中心になったのがナポレオン。
徴兵による圧倒的な兵数にものを言わせて、革命政府をぶっつぶそうと襲ってくる各国の包囲網と手当たり次第に闘ってきたのが、この10年間のフランス。
最初はただの農民兵だった彼らも、ナポレオンをはじめとる有能な指揮官に恵まれて、陸戦に関しては連戦連勝。向かうところ敵なし、だった。

そんなフランスの前に、唯一立ちふさがったのが、海運と海軍にすべてをつぎ込んだイギリス。地味の乏しい、貧しい島国に暮らす彼らには、海しか無いんです。制海権を握り、貿易による富を獲得する以外に、生きるすべがない。
そして、当時のイギリスとフランスは、今私たちが日本で想像する以上に、心情的に近い関係にあったはず。ギロチンにかけられるフランス貴族たちは、イギリス貴族たちの知り合いで、友達で、もしかしたら親戚、いや従兄弟くらいの関係だったかもしれないのですから。



ナポレオンのエジプト攻略にはいろいろな理由や目的があったのでしょうけれども、その一つに、「敵対するイギリスの国力を削ぐために、イギリスとインドの連絡を絶つ」というものがあったのは間違いない。
インドとの貿易は、イギリス経済の生命線。そこを断てばイギリスの国力は一気におちる。そうでなくても、エジプトからトルコを攻略すれば、地中海の南東部はフランスのものです。イギリス艦隊の制海権さえ奪うことができれば、フランス陸軍は補給線の心配もなく、もっと自由に動けるようになる。
最終的にはイギリス本土攻略、というところまで視野にいれて、ナポレオンはエジプト遠征に出発。アレクサンドリアに上陸してカイロへ攻めのぼり、あっという間に陥としてしまう。

しかし、ナイル河口でベース(補給基地)となっていたフランス艦隊を発見したイギリス海軍は、わずか一晩の戦闘でこれを殲滅。これが、ここで称えられる「ナイルの海戦大勝利!」
この戦いは直接ナポレオンと闘ったわけではなく、彼の補給路を断っただけだし、この戦いの後もエジプト遠征は続くので、凱旋した彼らがどのくらい歓呼されたのかは良く分かりませんが(^ ^)、フランス艦はほぼ全滅、イギリス艦はほぼ無傷という、滅多にない大勝利ではあったようですね♪


「我がイギリスの危機♪」と歌うせーこちゃん(純矢ちとせ)、朗々と響く拡がりのある美声が、すごく嬉しそうで巧いなあ、と思います。
そして「ネルソン!ネルソン!」という歓呼の歌は、この後も繰り返し出てくる印象的なフレーズ。このあたりの場面の音楽は太田健さんですが、盛り上がりのある良い曲ですね。
楽しそうに小旗を振っているみーちゃん(春風弥里)やあっきー(澄輝さやと)のアルバイトっぷりがとても可愛い。みーちゃんはその後もずーっと壇上で見物していて、とても可愛いです。今回みーちゃんの本役であるルシアンは相当邪気のある役なので、あんなに可愛い笑顔は、お芝居の中ではここでしか見られません(^ ^)。

上手奥から入ってくる兵士たち。ここのメンバーが、この後もずっとイギリス兵ですね。基本的にイギリス兵になったりフランス兵になったり、という水増しをしていないのも、全体に舞台上に居る人数が少なめになっている理由でしょうか。「虞美人」はその点凄かったもんなあ(^ ^)。


市民たちの歓呼に応えて、破顔一笑、ものすごく嬉しそうに手を振り返すハーディー(悠未ひろ)。その笑顔、可愛いからっっ!! ネルソンに「まだ戦いは終わっていない!」と窘められて、「あちゃっ」という顔をするところもめちゃめちゃ可愛いです。
それにしても。一段下に立っているはずなのに、どーしてネルソンと目線が合うの?>ハーディー

金髪ロン毛を強調した大くん(鳳翔大)と、すっきり後ろにまとめたカイちゃん(七海ひろき)の美形コンビと、眼帯をしたネルソン、そしてひたすら可愛い笑顔のともちん。このイギリス海軍、美形率が高すぎてちょっと目眩がします。ナイルの海戦大勝利!でなくても、市民は集まってきそうなメンバーだわ(真顔)。


朗らかに温かいフッド提督(寿つかさ)と、奥歯にものが挟まったような嫌味っぽいジャービス提督(珠洲春希)の掛け合いが結構好きです。なんだかんだ意地悪を言ってるけど、ジャービス提督は結局はネルソンが大好きだよね、という感じが漂っていて、男の嫉妬は醜いけど可愛いなあ、と思ってしまいます(^ ^)。
そして、後から颯爽と登場して、「Welcome home、ホレイシオ!」と場をさらってしまうヘンリー王子(十輝いりす)の格好良さにくらくらします。ええ。彼の登場と同時にスッと片膝をつくネルソン以下の士官たちの動きも素晴らしい。きれいだなあ(*^ ^*)。


「実は、再びナポリに向かってほしいのだ」
と告げるヘンリー王子の、温かな声。盟友ホレイシオを心配しつつ、国のためにはそれが必要なのだとちゃんと判らせる言い方がとてもいいです。あまり台詞術に長けた人ではないのですが、心のある芝居をする人だな、と、こういう時に強く思います。


この辺りまでは、市民たちが若干名舞台に残っているんですよね。
下手の壇上に居たのは千紗れいなちゃんと愛咲まりあちゃんかな?
舞台中央の奥に真みや涼子ちゃんとえなちゃんが並び、上手の壇上にみーちゃんと花音さんが仲良く並んでいたような。なんだか嬉しそうに将軍たちのやり取りを眺めている様子が楽しげで皆可愛い♪


ナポリへの出航を命じられたネルソンに、つと寄り沿うハーディー。
ハケていく兵士たちにネルソンが呼びかける。
「ジョサイア」
兵士たちの一人(愛月ひかる)が、つと立ち止まって振り返る。ここは、照明さんがさりげなーく良い仕事をしています♪
ネルソンがちょっと後ろめたい感じで続ける。
「手紙を。……ノーフォークの、お前の母上に」
「アイアイサー、キャプテン・ネルソン」

さりげない会話ですが、手紙を自分で書く気もなく「お前の母上に」と言うところとか、「父親」への返事ではなく、上官に対する「アイアイサー」という返事であるところに微妙な家族関係を匂わせているあたり、その直前の会話の中でハーディーに「まだ妻と娘にもあっていないのに…」と嘆かせているコトも含めて、齋藤さんもだいぶ大人になったんだな、と思ったりしました(^ ^)。


この辺りで音楽が入り、トム・アレン(凪七瑠海)が荷物を持って登場。
「目指すはナポリ♪」と歌いだします。
ここで「風向き良好!」と歌う前に、ハーディーがちゃんと指を舐めて風向きを確かめているところが笑える(^ ^)。ちなみに、アーサー・ランサムの「ツバメ号」シリーズの中で、「指を舐めたって風向きなんてわからない」という台詞があったような気がするんですが(^ ^)。

ともちんと祐飛さんの声は案外合うなあ、とこのナンバーを聴くたびに思います。
そして、カチャの声はまた一段と癖が強くなったような?ちょっと気になる感じですね。今回はトム・アレンという役で、喋り方もちょっと乱暴な感じにしているので、その流れなのかな?とも思うのですが、曲調や一緒に歌う二人に合わないのは問題だと思うので、ちょっと考えてほしいような。



……なんだか、余計なことを書いて文字数を稼いでしまったような気が(^ ^;ゞ
この調子だといつまでたっても終わらないので、次からはもう少しスピードアップしたいと思います……。



ただいま絶賛上演中(^ ^)の宙組東宝劇場公演「トラファルガー/ファンキー・サンシャイン」より、お芝居の「トラファルガー」について。



ここ数日、若干いろいろあって少し落ちていたのですが、公演も中盤に入りましたので元気に盛り上げていきたいと思います!!
と、いうわけで、作品について語ろうかな、と思ったのですが。


んー、作品論で語ってしまうとちょっと身も蓋もなくなる可能性があるので、まずは場面ごとに、かるく私のツボ話でも聞いてください(^ ^)。
あ、場面タイトルはかなり適当です。



■序 ツーロン陥落

砲兵士官ナポレオン・ボナパルト(蘭寿とむ)の出世の糸口となった、1793年秋のツーロン攻囲戦を題材にした場面。
パリを脱出した王党派がイギリスやスペインと手を結び、地中海に面した港町ツーロンに立て篭もる。共和派の軍隊は街を包囲し、港を見下ろす高地(アレーナの丘?)を奪って大砲で狙い撃ちする……。
イメージで言うなら、鉄砲の導入によって無敵の武田騎馬隊を打ち破った長篠の戦いみたいなものだったんでしょうか?ナポレオンの玲名を轟かせた戦争ですね。

このときフランスを率いてきたロベスピエール(越乃リュウ)は、1793年6月にジロンド派を追い出して権力を握ったばかり。彼が失脚したテルミドールは1794年7月ですから、ナポレオンを引き立てた彼が権力の座に居たのは、わずか一年ちょっとなんですね。
ナポレオンが、その短期間にしっかりと地歩を固め、ロベスピエール失脚後も順調に出世していったのは、彼の卓越した戦術と指揮能力によるものなんだろうな、と思います。



対するネルソンも大活躍……なのは、史実なんでしょうか?(^ ^;ゞ 私がざっと調べた程度では、ツーロン攻囲戦にネルソンが参加していた証拠は見つけられなかったのですが。
でもまあ、条件としてはありそうな話ですね。
銀橋で兵士(月映樹茉)がナポレオンに問われて答えるネルソンの乗艦は、「64門艦アガメムノン号」。ちなみに64門艦は、当時の戦艦としては大きな方だったらしい。
ネルソンがアガメムノンの艦長になったのは1793年のことらしいので、そのままフッド提督と共にツーロンに入ったのかな?と。

そんなことを考えながら、いざ舞台へ~♪



上手から銀橋を駆け抜けて行く兵士たち(国民公会軍)は、さすがに区別がつきません(T T)。……一瞬でいいから、銀橋に立ち止まって客席に顔を向けてくれればいいのになー。
何度も観ているのに、あっきー(澄輝さやと)やらモンチ(星吹彩翔)やらがいることにさえ気づいてませんでした。プログラムって大事だなあ。


その後を追うように出てくる兵士A(蒼羽りく)。いや、ル・サンクによると、この場面のりっくんは部隊の副官だそうですね。そういえば「撃て!」って言ってたな(^ ^;

そこに駆け込んでくる兵士の台詞については、上でも書いたので省略。
この場面って、大劇場ではとにかく全員が何を言っているんだかさっぱり分からない場面だったのですが、東宝に来たらりっくんの台詞は随分聞きとれるようになってました!新スカイフェアリーズとして、滑舌の訓練でも受けた成果かしら?(^ ^)
ただ、その台詞を言うときの彼の気持ちや、戦いの高揚感みたいなモノは、大劇場の時の方が伝わってきていたような気がするんですよね。何を言っているのかは判らなくても、伝わってくるものがあった。
劇団四季の母音発声じゃないけど、滑舌を良くすると、一時的に芝居としては駄目になることが多いので、早くその発声を自分のものにしてほしいなと思います。

でもやっぱり、えなちゃん(月映樹茉)の台詞はもう少し聞きとれるように喋らないとまずいと思うなあ……。


水の上を滑るように自由に動き回るネルソンの操艦術は、陸戦を主体としたナポレオンには信じられないものだったんでしょうね。
その感動を、「黄金のハヤブサ」という、(宝塚においては若干ありふれているけれども)判りやすい称賛の言葉として表現するあたりが齋藤作品の判りやすいところでもあり、底の浅さや若干の安っぽさを感じるところでもあります。
うーん、やっぱり齋藤さんにはゴーストライターが必要なんじゃないかなあ、と思ったりする。彼の萌えを理解して美しい日本語に起こす作業ができる人っていないのかなー。なんだったら私とかど(黙)。



■第1場A VICTORY

ナポレオンの「ホレイシオ・ネルソン!」という感嘆で暗転し、紗幕に映像が流れる。
「黄金のハヤブサ」が、ナポレオン⇒ハミルトン⇒エマ⇒ネルソンと渡っていくオープニング画像で、なかなか良く出来ています。
音楽は「威風堂々」。影ソロはもちろん、宙組の誇る歌姫・七瀬りりこ嬢。


舞台にライトが入る。
紗幕の向こうに透けて見える、板付きのイギリス海軍士官たちと、セリ上がってくるネルソン。この場面が一番テンションがあがるかも。


齋藤さんの書く日本語にいちいち引っ掛かりたくはないのですが。
……でもでも!!「白いマストがひるがえり」は、無い。エマ、それはない!
東京で修正されるといいなーと思っていたのに、ここに限らず、台詞や歌詞の変更がほとんど無かったのは結構ショックだった……。



回り盆がくるりと回ると、フランス海軍とナポレオンが登場。
ナポレオンの歌う歌詞で好きなのは「黄金のハヤブサをこの手で堕とすまで」。私、実はこの歌詞をずっと「この手堕とすまで」だと思っておりまして(^ ^;ゞ かなりヤバい目の片思い設定だとばかり………。
意外にまともな歌詞だったんだなー(意外とか言うな)


この場面のチェック項目は、「波」役の娘役さんたちでしょうか。最初のネルソンの場面にしかいない藤咲えりちゃんとか、結構入れ替わりがあるので忙しいです。個人的には、(琴羽)桜子と(美影)凛さんがラインが綺麗だなーと思って見惚れてます。
それにしてもえりちゃん可愛いーっ♪(でれでれ)。すぐ次の場面に着替えて出なくてはならないので、本当に短い時間しか居られないのですが、出してくれてありがとう!! >齋藤さん
さすが、判ってるなー♪
【追記。えりちゃん、ハミルトンさんが出てきて歌う場面までは波にいますね。最初のネルソンのところしかいないかと思っていましたが、案外長い時間出ていました。短いのは召使いさんたちですね】


兵士たちは皆さまそれぞれにチェック項目があると思いますが、何度か観ていると、「あ、父上(エドマンド/風莉じん)がフランス軍に!」とか、そういうアルバイトさんたちへの突っ込みが自然と出てきます(^ ^)。
この場面は、次の場面に出ない人はほとんど出てるのでしょうか…?誰か出てない人いるのかしら。



舞台奥からウィリアム・ハミルトン(北翔海莉)登場。
曲調もかわり、ガラッと空気が変るのはさすがですね♪
その調子で、ヤスのソロもよろしくお願いしまーす!!

もとい。
ウィリアムがセンター奥、本舞台客席側の上手にネルソン、下手にナポレオンという配置が、なかなかうまいな、と思いました。祐飛さんと蘭トムさんは若干音程のピッチが違うので二人で声を合わせると結構苦戦するんですが、拡がりのあるみっちゃんの声を真ん中に置くと合わせやすそう。まあ、ここではそんなに難しい音程でハモるわけではないんですけどね。
「今、物語は始まった!」という言い切りが気持ちよくて、大好きです(*^ ^*)



■第1場B 一人の美女

「VICTORY」の音楽が終わって幕が降りると、下手の花道にキャドガン夫人(美風舞良)が登場。美風さん、軽やかな中にも毒があって、すごく良い。当たり役だなあ~~~(*^ ^*)
ママに呼ばれて登場したエマ。幸せいっぱいに婚約者への愛を歌いながら、ちょっと“浮かれた”感じで銀橋を渡ります。
この場面のエマは、髪型なんかも結構日によって違ったりして、すみ花ちゃんの努力がうかがえます。それにしてもすみ花ちゃん、この時代の衣装は本当によく似合いますね! 胴が短くて腰が豊かなので、「カサブランカ」で着ていたようなシンプルなワンピースより、こういう作りこんだラインのドレスの方がが映えるんだなあ♪

本舞台のメイドさんたちが、これまた皆可愛い(はぁと)
衣装の色は、千鈴まゆちゃんが薄紫、百千糸さんがサーモンピンク、七瀬りりこ嬢が薄いピンク、背音リサちゃんが水色、夢涼りあんちゃんが黄色、桜音れいちゃんが緑……であっているかしら?

でも、最後にウィリアムと一緒に登場するジゼラ(藤咲えり)の可愛らしさは、さらに格別、です!(*^ ^*)



史実らしきものをあたってみると、エマが「公娼」で、ウィリアムは60歳をすぎた「おじいちゃん」であったことは、どうやら事実であるらしい。
日本でいえば、芸者さんを身請けしたような感じだったのかなあ……?
むしろ、正式に妻にしたことで驚かれたみたいですし、ウィリアムさんは実は真面目な人だったのかもしれないな、と思ったりします。
ホレイシオとエマと三人で暮らしていた事実があったり、本当に色んな意味で事実は小説より奇なりという格言を思い出さずにはいられません。


こんな突拍子もない物語を、よく宝塚で上演したなあ、と思うのですが。
齋藤さんは、ウィリアムを40代の男ざかりに、エマを「初めての恋にワクワクしてたのに、5000ポンドで売られてしまった哀れな娘」に変更しましたが……
うーん、ウィリアムの年齢は宝塚的に当然だけど、エマのキャラは芸者のままでも良かったのでは?と思うんだけどなー。「心中・恋の大和路」みたいな作品もあることだし、職業に貴賤は無いはずなので。

エマを純真な娘にして、エマとネルソンの恋を純愛にしたかったのは判るのですが。
うーん、祐飛さんもすみ花ちゃんもどっぷり恋愛体質なので、設定的にちょっと中途半端になっちゃったんじゃないかな、と。
っていうか、齋藤さんって、祐飛さんにどんな夢を視ているんだろうか……?



ウィリアムが勝手なことを言って去ったあと、暗転する銀橋の上に立ち尽くしたエマ。
「私は、五千ポンドで婚約者に伯父に売られた」から「レディ・ハミルトンになった」までの録音のナレーションの間、という短い時間で、がらりと表情が変っていくすみ花ちゃんは、根っから女優なんだなあと思います。
表情の変化にあわせて、周囲の空気の色まで変っていく。
……お見事!



ここまでがプロローグなんですね。
また続きは近いうちに♪



TRAFALGAR♪

2010年7月10日 宝塚(宙)
東京宝塚劇場にて、「TRAFALGAR/ファンキー・サンシャイン」を観劇してまいりました!



細かいことはおいといて、まずは変更点を。


一番目立つのは、やはり(先日ikkiさまにも教えていただきましたが)右腕を斬られた後がセリ下がりになったことと、それに合わせて、大劇場では舞台上手のセットの上だったナポレオン陣営(ナポレオン/蘭寿とむ、タレーラン/風羽玲亜、フーシェ/光海舞人)の会話が、上手花道になったことでしょうか。ネルソンがジョサイア(愛月ひかる)を助ける場面自体の位置は舞台奥の下手よりで、場所がそんなに大きく変ったわけではないのですが、その後少し戦いながら場所を移動して、セリの上で斬られる、、、という感じでした。
本舞台での劇的なクライマックス⇒暗転を待たず、花道ですぐに会話が始まる、というわけでテンポが更に良くなり、場面の迫力が増したと思います。


それと、観ていて驚いたのが、銀橋でのネルソンとエマの会話に続けて登場するマリア・カロリーナ王妃(鈴奈沙也)と侍女(琴羽桜子)が、上手からの登場に変ったこと。
これは「何故わざわざ?」と思いながら観ていたのですが、最後に王妃たちがハケるときに上手にハケることで、下手に向かうネルソンとエマの会話にスムーズに入れるんだな、と納得しました。



どっちも場面のテンポが良くなって良い変更だなーと思いました。



あとは箇条書きに。


・ラストシーンの海底の場面、ネルソンの右腕が復活していて、ホレイシア(すみれ乃麗)のこともエマのことも、最期にしっかり抱きしめることができました(^ ^)。
良かったね、ネルソン♪


・せーこちゃん(純矢ちとせ)たちのオペラの場面のあと、銀橋から呼ばれたオーレリー・バイロン(蓮水せいや)に、リュシアン(春風弥里)がなんか話しかけてたんですが、、、あのリュシアンとの会話でオーレリーの様子がおかしくなったような気がするのは考えすぎ?


・トラファルガー海戦のラスト、ネルソンの帽子が脱げるのは決まりになったのでしょうか?大劇場では被ったまま「神よ、I have done my duty.....」と言ってたと思うのですが。
とりあえず、落ちた帽子をジョサイアが拾って、場面の最後まで父親の替りに抱きしめていたのが印象的でした(^ ^)。


・その後、エマに会いに来たファニー(花影アリス)たちがハケた後、本舞台に残ってエマとホレイシアを見凝めるジョサイアが、ラストに敬礼していったのも、たぶん大劇場ではやってなかったと思う……(やってたらすみません)


・パレルモでの世紀をまたぐラヴシーンの場面、幕が降りる前に鐘の音が変ったんですけど、あれが「新世紀を報せる鐘」(?)大劇場でも変りましたっけ?
ちなみに、18世紀の鐘は何回鳴ると終わるんだろう。……意外とあそこの会話は長くて、相当な回数が鳴ってるんですけど。
イタリアの年末って除夜の鐘みたいに108回とか鳴ったりするものなの?(←そんな馬鹿な)



あと、字幕・映像関係では……

・「獅子の時代」と歌う場面で背後のセットに映写される“咆哮せる獅子”像が、ちょっと小さくなって、ちゃんと形がはっきりと見えるようになったのは気のせいでしょうか?
(友人には気のせいだと言われましたが)

・デンマーク戦の場面の前に、「Copenhagen」って字幕が出てました。

他にも映像関係はけっこう細かく変っていて、オープニングのトップセール(一番上の小さい帆)の海軍旗にハヤブサ(?)の絵が加わったり、結構いろいろありました(^ ^)。



芝居として大きく変更になったところは無いのですが、全体にネルソンとジョサイアのエピソードが、ネルソンとエマのエピソードに対抗する一方の筋として見えるようになってきたな、と思いました。
愛月くん、二か月で成長したなあ(感心)。

父と息子のラヴシーン(ラヴ言うな)の新密度がアップしていて、史実にいわれる「ジョサイアの義父になるためにファニーと結婚した」というエピソードが頭を過ぎりました……(大間違い)。いや、でも、そう考えるといろいろと辻褄が(黙)。




ショーは、特に変更点というほどのものは無かったと思います。
みんなが(特にアリスちゃん)とても元気に弾けていて、どの場面もすごく良くなっていましたが、、、ひまわりの女の子たちの配置も同じだったし、ロケットの七瀬りりこちゃんの衣装も変ってなかったし(←チェック項目はそこですか?)(どうよそれ)


……何かあったら、ぜひ教えてください(^ ^)。



あらためて、楽しいショーだなあ、と感じ入りました(^ ^)。
ゴキゲンなショーで、梅雨なんて吹っ飛ばせ!!って感じです。はい。


細かいところはまだまだ全然チェック出来ていませんが、取り急ぎ、初見の覚書は以上です♪



金曜日はデンマーク戦をみて徹夜したまま仕事に行き、祝杯まであげて帰ったせいか、今日は起きたらすでに太陽が傾いていました(^ ^;
しょぼん。キャンディードのチケット無駄にしちゃったよ………しかも、もう明日で楽だから観られないじゃん(泣)あーあ。



お盆の星組バウ公演、役替りなんですね………
楽前に観る予定なんですが、、前半のキャストも観たくなるじゃんかー。

表記の順番でいくと、ナンシー(前半が音波みのり/後半が華雅りりか)がヒロインでメグ(華雅りりか/音波みのり)が準ヒロイン、って感じなのかなー。「凍てついた明日」のボニーとアニスみたいな感じ?アイス(美弥るりか/壱城あずさ)とエディー(壱城あずさ/美弥るりか)はどうなるんでしょうね。こちらは、どちらも同じくらいの比重だと楽しいんだけど。
さて、お盆の予定は今のところ空白ですが……どうしようかな。



と、ゆーところで、宙組大劇場公演「ファンキー・サンシャイン」続き。



第5場 日食~サン・ライズ
中詰めの盛り上がりが幕で途絶える。
真っ暗になった「世界」に、かすかな音が聞こえてくる。

両袖から銀橋に向かう神様たち。ルイ14世(寿つかさ)、天照大神(鈴奈沙也)、インカ帝国の太陽神(美風舞良)、スーリア神(風莉じん)が、祝詞のように歌う、静かな音楽。

幕があがり、板つきの下級生が黒っぽい服で踊る。
闇が支配する世界の中で光を求めて。次第に激しさを増して、太陽を呼び求める。

そんな世界のど真ん中にセリ上がってくる、プラズマダンサーS(蘭寿とむ)。
いやー、キラキラと輝く黒い上衣に、濃いピンクのインナー。ライトを浴びてガッとポーズを極める姿!(はぁと)KAZUMI-BOYさんの振付は、本当にカッコいいですよね!!

激しく踊る蘭トムさんのバックで、下級生たちがVの字になって、踊りながら黒服を脱いでいく。中からあらわれる、カラフルなインナーと黒のスーツがカッコいい。珠洲さんが青、大海さん・舞姫さんがピンク、美影さん・桜子が緑、綾瀬あきなちゃんと結乃かなりちゃんが黄色、凰樹いちくんが蒼、蒼羽りくちゃんと風馬翔くんが紫……だったかな?(違ったらすみません)

脱いだ上衣を手に持って一通り踊った彼らがいったんハケて、蘭トムさんのソロ。
手足を伸ばして嬉しそうに踊っていらして、ホントにステキです(*^ ^*)。

蘭トムさんがはけると、衣装を置いた下級生が戻ってくるのですが……まずは珠洲さんから!あの広い大劇場の舞台を、短い時間とはいえたった一人で埋めるダンサー・珠洲春希。「ファントム」の従者のころから注目のダンサーでしたが、「ハロー・ダンシング」を観ていない私には、本当に夢のような場面でした。心の中では思いっきり拍手喝采してます(*^ ^*)。
続けてえっちゃんが出てきて、ここもワンフレーズソロで踊ってくれます。カッコいい!!たぶん、宙組の誰よりもダンスが男前なのはえっちゃんだと思う(^ ^)。
すぐに舞姫さんが出てきて、、、あとは、細かい順番は覚えていないのですが、一人か二人づつで登場して、みんなで得意技を披露してくれます!回転技を見せてくれたのは美影さんと桜子だったかな。綾瀬あきなちゃんはジャンプがシャープ。彼女も小柄だけどすごいバネのあるダンサーだなあ、と感心します。結乃かなりちゃんの側転もとてもキレイ。

宙組は、新しい組のせいか(?)芝居でもショーでも『男役臭さ』とか『娘役らしさ』、みたいなものに拘りのない感じなので、こういうガツガツ踊りまくりな場面になると、どうしても娘役にもっていかれてしまうような気がします。珠洲さんは貫録で魅せていましたが、いちくん・りくくん・かけるくんあたりは、技術では負けていないと思うのですが、まだまだ迫力が足りないような気がしました。そんな中で、「自分の得意技を踊るコーナー」で娘役をリフトしていたかけるくんが面白かったです。さすが、毎公演祐飛さんを持ち上げているだけのことはある!(^ ^)。


蘭トムさんが戻ってきて、さらに激しく踊るメンバー。この場面に出ているメンバーは、結乃かなりちゃん以外は全員、秋のコンサートでも蘭トムさんと一緒なんですよね。これが、宙組若手の精鋭ダンサー、ってことになるんでしょうか。珠洲さん・えっちゃんは別格として、あとは卒業する舞姫さん以外は全員90期以下。このへんの学年で、入ってないのが不思議なメンバーは誰だろう。あっきー(澄輝さやと)とかモンチ(星吹彩翔)あたり?



第6場 太陽の戦士
ダンサーたちが踊りまくる第5場が終わって幕が降りると、かすかなヘリコプターの音と、サーチライトを模したライトが客席を脅かす。がらっと変わった空気の中、下手花道のセリからアーミーの衣装に身を包んだ祐飛さんが登場。

♪燃えたぎる太陽の下で 凍りついた俺の心
♪溶かすのは お前の優しさだけなのさ……

かすれた声でセクシーに歌う祐飛さん。酷暑の戦場で見えない敵と戦う系の戦士役は、10年前の博多座以来の当たり役(^ ^)ですが、常に新鮮みがあるところはさすがだな、と思います。

狂った太陽が照りつける夜をさまよいながら、平和な地においてきた恋人を思う、傭兵。

♪今はお前を抱いて 過去を消したい

銀橋での歌を聴きながら、なんとなく、「エリア88」(新谷かおる)の主人公・風間真を思い出しました。あの作品も、後半はなんだかぐちゃぐちゃしていましたが、前半のエリア88での話は好きだったんだよねー。
ただ、すみ花ちゃんは最初から酒場の女で登場してしまうから、彼女が彼(戦士S)の“置いてきた恋人”である、という仕掛けが今一つ生きていなかったような気がします。
歌いながら銀橋を渡る戦士Sの場面で、本舞台には白い衣装に身を包んだ清純な娘(野々すみ花)がいてほしかった……酒場の女Sじゃなくて。

戦いから生還した戦士Sは、基地の近くの酒場にくり出す。
無事だった仲間たちと挨拶しつつ、女たちに見守られて椅子に沈みこむ。
その間に、仲間の戦士たちが歌い、踊る。ともちん(悠未ひろ)を中心とした戦士メンバーの、ひねくれたやさぐれ感は、なんだか宙組ではわりと珍しいような気がして、ちょっと嬉しいです。元気で明るい宙組は大好きだけど、たまにはこういうのも観たいですからね(^ ^)。
ここは毎回みーちゃん(春風弥里)のダンスに見惚れていますが、前場に引き続き登場!で大忙しのいちくんもカッコいい♪♪


舞台奥から、酒場の女S(野々すみ花)登場。男たちを一人づつ誘惑していく、官能のダンス。美風さんと妃宮さくらちゃんの歌がしみじみと沁みます。色っぽくてすごく素敵(*^ ^*)。

先日のCSの「楽屋きらきらトーク」が、この場面に出ている最下の4人(松風・星吹・すみれ乃・愛白)でしたが、ホントにキラキラしてて可愛かったーっ。この場面に漂う昏さや遣る瀬無さを表現するにはちょっとばかり若くて可愛らしすぎるメンバーでしたが、がんばって上級生から表現方法を学んでほしいなー、と思います。


恋人を見つけて、踊りだす戦士S。信じられないものを視たように、そして、喪ったものを惜しむように、哀しげに。
それを奪い返しにあらわれる、酒場の女Sの「今の」恋人、戦士A(蘭寿とむ)。
いやー、プラズマの時の圧倒される輝きとはまた違う、刃のような鋭さのある蘭トムさんも素敵です。戦士の衣装がまたよく似合う。というか、あの激しい場面から連続での登場で、疲れるだろうなあ……なんて思ったりもしましたが、体力ありますよねー(^ ^;

女を挟んでにらみ合う、“いい男”たち。
最初はどちらにつこうか迷っていた女も、最後には戦士Sを庇って戦士Aに相対しようとする、その心の強さ。ダンサー・すみ花の本領発揮!というにはちょっと弱いんですが、この場面の主役は男二人だからしょうがないのかなあ。
というか、「カサブランカ」でも「シャングリラ」でも実現しなかった、祐飛さんと蘭トムさんががっつり組んで踊る場面がやっと実現して嬉しいかぎりです♪ やっぱりこの二人、まとう空気が全く違うので、並んでいるだけでもすごく素敵です。
石田さん、ありがとう!!

個人的に、自分を取り押さえたカイちゃん(七海ひろき)の腰だめに手を伸ばして銃を奪う祐飛さんと、全く気がつかず、祐飛さんが銃を構えたのを見てあわてて自分の腰を見るカイちゃんは、絶対に見逃せないチェックポイントです(*^ ^*)



しかーし。
この場面の後半の展開は、石田さん……どうなのそれは、と思ってしまいました……。
女をめぐる戦士たちの戦いの途中に、突然の敵襲。乱射される機関銃の音、蜂の巣になる戦士たち……
みーちゃんに取りすがって泣くアリスちゃん。
腕を真っ直ぐに伸ばしてセリ下がっていく蘭トムさん……
仲間たちの屍を越えて、銀橋に出る祐飛さんとすみ花ちゃん。
……どうなんだその展開は。

この手のフィナーレ前の場面で、トップコンビが両方生き残る展開って、他の組を見渡しても結構久しぶりな気がします。最近のショーは、中詰め後の場面でトップコンビのどちらかが死んで、次の場面で復活する、という展開が多かったので。

恋人の肩を抱いて、最初の歌を歌いながら銀橋を渡る戦士S。
本舞台に戻ると、そこには真っ赤な太陽のセットがあり、二人はその中に消えて行く……。

♪お前は(あなたは)俺の(わたしの)太陽だから

という歌を遺して。


……実は私、この夕陽に呑みこまれるようにセットの中に入っていく二人は、この窮地は逃れたものの、装備もなく追いやられた砂漠で渇き死んだ、という展開だとばかり思っていたんですが(*^ ^*)。
プログラムには、「魂となった戦友たちのためにも生き続けようと太陽の下で誓い、デュエットする。二人の未来を見守るように今日も太陽は輝いていた」と書いてありました……(@ @)。
全然違うやん!>自分



第7場 フィナーレ
フィナーレの始まりは、若い新鮮なメンバーでの銀橋シーン。
ちーちゃん(蓮水ゆうや)&愛花ちさき、カチャ(凪七瑠海)&藤咲えり、あっきー&美影凛、りくくん&琴羽桜子。非常に新鮮なメンバーで、目の保養でした♪とくに、下手から登場するえりちゃんと桜子が可愛くて可愛くて、もぉ!!(はぁと)
せーこちゃんやれーれは、ラストの三組デュエットに出番があるからここには出ず。桜子と美影さんがちょっと意外なメンバーですが、二人とも美人ダンサーなので、石田さんらしい選択だなと思いました。


続いては、ロケット。
このロケットは……すいません、センターで歌う七瀬りりこ嬢から目が離せなくて、あまり宙組っ子の美脚を満喫できていません(T T)っていうか、りりこちゃんは歌手なんだから、ロケット衣装じゃなくても良いんじゃないですか!?>石田さん せめて、リリアンでもいいからスカートを……(黙)。


ロケットが終わると、紗幕の後ろに光が入る。
大階段にスタンバイする、腕まくりしてヤンキー系入った男役たち(^ ^)。
端正な黒燕尾とはまた違う、ちょっとくずした感じのダンスで、とってもとっても!!ステキでした(*^ ^*)。みんな素敵だー。えなちゃん(月映樹茉)を、そろそろこっちにいれてあげてほしい……(確かにロケットし甲斐のある美脚ですけど!!)。

メインの三人が銀橋へ出るのを、本舞台で見守る男役たちが超・格好良いです(*^ ^*)。全員が野郎系なのですが、それぞれに個性があって、見飽きない♪
三人が銀橋から戻ってくるまで待たずにハケてしまうので、時間が短いのがとっても残念ー!!


で、三人が本舞台に戻ると、大階段の上からすみ花ちゃん・せーこちゃん・れーれが登場。
男役三人も袖を伸ばして、端正な三組デュエットへ。
ここ、祐飛さん&すみ花ちゃんは良いとして、両脇が蘭トムさん&れーれ、みっちゃん&せーこちゃんなんですが、服の色あいが微妙に逆な気がするんですよね……もともとは組み合わせが逆だったのでしょうか?初日あけてすぐに観た時は、なんだかどちらもかみ合ってない感じでしたが、楽直前に観た時は、だいぶしっくりきて、リフトも安定していたような(^ ^)。


ラストはパレード。
エトワールはアリスちゃん。良い声だなあ(^ ^)。
大階段のど真ん中で、幸せそうに歌うアリスがとても可愛いです。本当は三組デュエットに出てほしかったけど、本人がエトワールを希望したのかな、という気もする。とにかく嬉しそうで、幸せそうで、素直に「良かったなあ」と思える場面でした♪




ファンキーな太陽たちのショー。
「特別じゃないけど、必要なもの」と歌い上げれらる、太陽。

私にとっての宝塚も、もしかしたらそうなのかもしれない、と思いました。
「特別」なものだと思っていたけど、もしかしたら、「必要」の方なのかも、と。


太陽がなければ草木は枯れ、
宝塚がなければ、私が萎れる、……そんな存在。



楽しいショーをありがとう!>石田さん&宙組。
東宝へ向けて、さらにパワーアップしてくれるのを楽しみにしています★



本題の前に、二言ほど。


宙組のみなさま、「カサブランカ」での団体賞受賞、おめでとうございます~~~♪♪
(今更ですみません汗)



次には。
あきらくん(瀬戸かずや)、実咲凜音ちゃん、新公初主演おめでとうございます!
お二人とも、劉邦と桃娘が評価されての抜擢だと思うので、ぜひぜひがんばってほしいです。

ラスト新公で主演を射止めたあきらくん、ホントにホントにおめでとう(^ ^)。その魅力を存分に発揮してくださいますように。

前回主演の真由ちゃん(鳳真由)は、二番手の壮ちゃんの役。主演と二番手が入れ替わって、どんなふうに魅せてくれるのか楽しみです。
あともう一人、あきらくんと同じ90期のアーサー(煌雅あさひ)が、みわっち(愛音羽麗)のストーリーテラー役、というところまで発表されました♪ 歌うにしても語るにしても、声の良いアーサーという配役はとっても期待できそう!楽しみだー!!






と、いうところで、本題。
すっかり間があいてしまいましたが、宙組大劇場公演「ファンキー・サンシャイン」の続きを。

大劇場最後の週末に観に行ったのですが、オープニングの自由度があがって、以前よりだいぶ盛り上がれるようになったな、と思いました。

全体としては凄く好きなショーなのに、オープニングがゆったり系のせいか、どうも掴みがイマイチな気がしていたのですが、ずいぶん盛り上がるようになってきました!
すみ花ちゃん・蘭トムさんの登場場面の『一振り』が、日替わりのアドリブみたいになっていて、泳いでいたり、走っていたり、サッカーしていたり……平場で踊っているメンバーも振りの隙間隙間でいろんなことをやるようになってきて、実に面白くなってました(^ ^)。
これは、東京が楽しみかも♪


ひまわりの場面も、雨合羽を着て銀橋を渡る祐飛さんが相当な自由人になってました(^ ^;
幕が上がってからも。マンシーニの音楽に合わせて踊る二人(大空・野々)が、相当な勢いで喋りすぎなところとか、本当に面白かったです。二人の間に入ってカメラを回すみっちゃん(北翔海莉)に文句つけたり、いろいろ……(^ ^)。
いやー、盆を囲うように座るひまわりちゃんたちが全員あまりにも可愛すぎて、そっちに気をとられてなかなか踊る二人をじっくり見るのが難しいのですが(←だから君はいったい誰のファン?)、公演の中盤くらいからマイクが入るようになって、さらに終盤に入って細かい動きの自由度があがって、、、すごく楽しいです(*^ ^*)。



ちなみに、前回の日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/201006100240108396/



第4場 サン・ビーム
「ひまわり」の場面のラスト。唇を近づけた祐飛さんとすみ花ちゃんが舞台奥に消えて、紗幕が降りてくると、上手花道に一人の男(蘭寿とむ)が飛び出してくる。

色鮮やかなビタミンカラーの衣装は、日東紡(?)の提供。
劇場ロビーには大きなパネルが出ていて、特殊な繊維だか何だかを使った生地だ、というような説明があったんですが……、さすがに細かいところは覚えてません(汗)。東宝に来たらゆっくりチェックせねば。
しかし、この場面全体をとおして、本当にカラフルで明るくて、しかも娘役のスカートなんかはたっぷりと布を使ってボリュームをだしていて、素敵な衣装でした♪ 生地を提供してもらえると、衣装さんも作りやすいだろうなあ、とちょっと思ったり。

で、最初は蘭トムさんの「洗濯ものが良く乾く日の午後」。
……蘭トムさんの「軽やかで明るくて、響きはちょっと硬め」な金管楽器系の声に良く似合う、明るい唄でした。銀橋を渡る蘭トムさん、カラフルな衣装に紫のブーツがよく似合っててかっこいい♪
歌いながら軽く踊る仕草が、いちいちキマっていてとっても素敵です。



次は、せーこちゃん(純矢ちとせ)とれーれ(すみれ乃麗)がメインで「太陽の当たる場所」。
歌姫なせーこちゃんと、歌は課題と言われ続けているれーれ、という取り合わせですが、れーれも頑張っていて、なかなか良いコーラスでした。うん。れーれ、胸声は案外安定しているのかな?

この場面は、結構コーラスの6人が豪華で。
男役がさっつん(風羽玲亜)と天輝トニカさん、娘役が花音舞ちゃん、花里まなちゃん、百千糸さん、瀬音リサちゃん。
トニカは芝居でもナポリのパーティーなどで歌っていて、下級生なのにすっかり歌手ポジに定着したなあ、という印象。
娘役さんでは、なんたって最後に出てくるリサちゃんが可愛くて目を惹きます(*^ ^*)。
花里まなちゃんんもキレイ♪


せーこちゃん、れーれを中心に全員でポーズをとると、紗幕があがって、背中を向けた宙組っ子たちが勢ぞろい。
ぱーっと皆が散って、その真ん中でスポットを浴びる鳳翔大くんと、カチャ(凪七瑠海)。
音楽は「O Sole Mio」。

……このへんからもう、猫はどこを見ればいいのかわからなくなって、、、色んな人を見ています(汗)。


音楽が止まると、いったん全員がはけて、蘭トムさんと、ともちん(悠未ひろ)・まさこ(十輝いりす)が登場。空気が一気にアダルトになるのが凄いです。
ともちんとまさこが歌う「サニー」に合わせて、軽く踊る蘭トムさんがステキ(はぁと)。

そうこうしているうちに、女役さんたち(大海亜呼・舞姫あゆみ・愛花ちさき)が登場。
蘭トムさんと舞姫さん、ともちんとえっちゃん、まさこちゃんと愛花さん、という組み合わせで、しっとりと色っぽいカップルダンス。
元気な場面とアダルトな場面が交互に出てくるのがこの中詰めの醍醐味だなあ、と思います。



次が(花影)アリスちゃん中心に「太陽がいっぱい」。
同期のみーちゃん(春風弥里)・ちーちゃん(蓮水ゆうや)に囲まれて、幸せそうに踊るアリスはめっちゃ可愛いです。少女っぽいみつあみお下げが良く似合ってるーーー!大ちゃんも出してあげたかったなあ、この場面。直前に場面を持っているから無理なんだろうけど、でも、せっかくなのに残念ですぅ(T T)。

で、この場面の目玉は、後から登場する娘役三人(美影凛・琴羽桜子・藤咲えり)。
濃いピンクのスカートを翻して、ガンガン踊るのがめっちゃカッコいい!!
美影さんや桜子はダンサーとして定評もありますが、えりちゃんもキレイに踊るなあ、と感心しました。三人とも本当に可愛し、なんたって美人だよねー(*^ ^*)。



そして次は、下手花道にみっちゃんが登場!軽快な「パリの太陽」にあわせて、銀橋を渡ります♪
娘役さんたちもみんな登場して、乗馬みたいな振りで踊る踊る!踊りながら舞台を横切るみっちゃんをじぃーっと観ている娘役さんたちが、小鳥みたいで本当に可愛いです。



そのまま、すみ花ちゃんが登場しての「サニーサイド・オブ・ザ・ストリート」。
可愛いのに歌声はハスキーで色っぽいすみ花ちゃん。トップ娘役として、貫録が出てきたというか、ぱっと眼を惹く華やかさが出てきたな~、と思います。
ともちん筆頭に男役が踊りまくりなのが格好良いです。途中から、すみ花ちゃんとみっちゃんはセリ上がりながら結構踊ってて、毎回「すげーーー……」と思ってます。このお二人も案外似合うんですよねー。なんか、まったりした空気が似ているのかなあ??

次の全国ツアーでは、小夏とヤスになるお二人。
はじめてのみっちゃんも、二回目のすみ花ちゃんも、どうぞよろしくお願いいたします♪




曲調が変わると、舞台奥から盆回りでセリあがってくるツンツン髪。
白と黒のストライプ、ロッカーっぽい雰囲気のトップスター。
いやー、このめまぐるしい中詰めの、ラストの盛り上がりにふさわしいパワーで出てきてくれるのが嬉しいです。思いっきり元気!な感じ。
蘭トムさんに始まって祐飛さんで締める、この中詰めの構成はすごく好きです。
祐飛さんと蘭トムさんの出番が被らないのが残念だけど(T T)、その分まで宙組っ子が総出で盛り上がってくれるからとても楽しい(^ ^)。



次の「日食~サン・ライズ~」は、長くなりそうなので、後日あらためて(^^ ^*)。

.
大空祐飛さま
お誕生日おめでとうございます♪


去年のお誕生日は、宙組に組替えした直後。
まだ他のメンバーは東宝で「薔薇に降る雨」公演中で、すみ花ちゃんと二人、お留守番だったころ。


あのときに思ったことを、やっぱり今年も思うのです。

来年の今日、私は、そして、祐飛さんはどうしているだろうか、、、、と。

ちなみに、去年のお誕生日の記事はこちら。
http://80646.diarynote.jp/?day=20090622



なんだか、なにを呟けばいいのか、よくわからない気持ち。
……ファン暦長くなったんだなー、私(^ ^)。






今日のニュースには、大劇場公演の千秋楽の映像が流れていましたね。
ひまわり娘の千紗さん、ショーで蘭トムさんと組む舞姫さん、そして、蘭トムさんから特大の「アリス大好き!」と書いたラヴレターを受け取り、花嫁さんのヴェールをかけて銀橋を渡り、花道でお姫様抱っこされたアリスちゃん。

大事で可愛い宙娘たち。

まだ東宝があるから、見送る言葉は言いません。
ただただ、東京で待っています、と。



それにしても。
アリスちゃんが素はとっても男前だ、というのは、いろんなオフのエピソードでよく聞く話ではありますが

あの挨拶の鮮やかな口跡、鋭くて硬いのに、どこか甘さの残る声。
一年前までよく演じていた「妹キャラ」が、あらためて惜しくなりました。

祐飛さんと「昭和任侠伝」でもやってくれたら、通い詰めてたかもしれないな、私(^ ^)。






今年のスカイフェアリーズの任期は、もうすぐ終わりなんですね。
花組のお二人には、しょっぱなの臨時ニュースから、本当に楽しませていただきました。
とりあえず、金曜日のふぇありーず通信が楽しみです!!

卒業企画って、今週はもう流れないのかなあ。録画に失敗したのでもう一度流してほしいんだけど。
真瀬くんのアントワネット様は予想外に似合っていたし、桜咲さんのまんまる顔のベスカルさまも可愛かったし、ベルグリットはとってもよく似合って美しかった!でも、嬉しかったのは真瀬くんのショーヴラン♪♪あああ、ワンフレーズでもいいから歌ってほしかったよー(切望)。
あー、タイミングよく新公で当たらないかなあ。すっげー観てみたいーーーーーー(悶)



卒業企画といえば、今日は雪組さんのが流れていました。「水さんをお連れできませんでした」と土下座して平謝りしている黒子さんが超可愛い(^ ^)なのに、それ自体がサプライズの前振りだったとは!あんな短い番組にサプライズを用意するスカステスタッフも凄いなあ。
花組と雪組、同じステージスタジオをネタにしているのに、料理の仕方が全然違うのが面白かったです。



鼓さんのインタビューも流れましたね。
本当にキレイな人ですよねえ。月組ファンとして、芝居巧者な彼女のことは下級生のころからずっと見守ってきましたが……やっと研9。これから役がつくところなのに、ホントに勿体無い。
マルグリットが歌うコメディ・フランセーズの座長さん役は、白いかつらがなんとも言えない感じで(汗)、せっかくの美貌がぁ、とゆー気もしてしまうのですが。
個人的には、パリの民衆が美形っぷり爆発!で、めっちゃ目立ってます(*^ ^*)。



「スカーレット・ピンパーネル」のステージサイドウォッチは、あんまり目新しい情報がなくてちょっと残念。「紅はこべ」の花の写真を見てみたかったのにー。(どうしてもアカツメクサから離れられない……絶対違うから!!)


なんて、久しぶりにスカイステージニュースのレポートをしてみました(^ ^)。

そんなものより、いろいろ書くものがあるだろう!!
……はい、そのとおりですごめんなさい……。



今日は、宙組大劇場公演「Trafalgar/ファンキー・サンシャイン」の千秋楽。
残念ながら千秋楽は観劇できませんでしたが、さぞ盛り上がったことでしょうね♪
お天気もなんとか保ったようで、何よりです(^ ^)。


花影アリスちゃん、
舞姫あゆみさん、
千紗れいなさん、

大劇場ご卒業、おめでとうございます!!
東京でお待ちしています(*^ ^*)。




芝居もショーも、大活躍のアリスちゃん。
個性的なスタイルだけど、今回は本当に芝居もショーも似合う衣装ばっかり!!(^ ^)で、とっっっても可愛いです♪ 目の保養、目の保養♪

「ファントム」本公演の短いソロで、私の目と耳を惹きつけた美少女。先日も書きましたが、博多座の胡蝶以来、大人の役が回ってくるようになって、こういう役でこそ輝く人だったんだなあ、としみじみと思います。
いくら美少女だからって妹キャラばかりやらせるのではなく、もっと早くからこういう役を本公演やバウで演じる機会を与えられていたなら、違う道も見えたかも知れない……と惜しみつつ。

ショーの弾けっぷりを愛おしく見守りつつも。
紺野まひるちゃんが、ぶんちゃん(絵麻緒ゆう)と出会って変わったように、
アリスちゃんを包んでくれる相手役との出会いが遅かったことが悔やまれます(T T)。




元花組の舞城のどかちゃんを彷彿とさせるダンサー、舞姫あゆみちゃん。
新公卒業したばかりの研8で、ショーはともかく、お芝居であれだけの場面を与えられるのってかなり破格の扱いですよね。さすが齊藤さん(^ ^)、ありがとう!
個人的には、ああいうクラシックバレエ系よりも、「カサブランカ」のときみたいな色っぽい踊りを踊っている時の方が好きなんですが、まあ、それは前回観たから(^ ^)。

芝居であれだけの場面をもらって、さらに、ショーでも!幸せな卒業公演ですよね!(*^ ^*)。中詰め、蘭トムさんと踊っているときは嬉しそうで、観ていて幸せになれましたし、「日食」の場面の男前さもさすがです♪かっこいい~~!




千紗さんは、特に目立つ場面は無かったけど、ロンドン市民は割と良い位置にいましたよね。あと、久しぶりにロケットに出ていて、最後に出られて良かったね、と思いました(^ ^)。
あと、月組の愛那結梨ちゃんのCSのサヨナラインタビューが先日流れていたので、千紗さんもやってくれますよね!どんな話をしてくれるのかな。
今日は、「カサブランカ」で卒業された同期の安里舞生ちゃんもいらしてたみたいですね。出待ちだけでも行きたかったなあ(^ ^)。ちなみに、舞生ちゃんは研4で卒業したんだよね……(遠い目)いいなあ、やっぱり研5の壁って大きいなあ……(涙)。





次回の宙組大劇場公演演目が発表されました!


ヘミングウェイの名作を、柴田さんが潤色した往年の名作「誰がために鐘は鳴る」。
えっと、1943年の映画(ゲーリー・クーパー&イングリッド・バーグマン)もありますが、一応公式サイトの解説に出ている「原作」はヘミングウェイになっているから、小説のほうで良いんですよね?(←映画は未見なので、違いが判りませんが)


なにはともあれ、祐飛さん、おめでとう!!

柴田作品ってことは、もしかして祐飛さんの希望かなあ?
そうじゃないとしても、劇団として祐飛さんに柴田作品をやらせたいと思う気持ちはわかります。雪組の水さんが卒業を目前にした今、柴田作品をやるなら祐飛さんだろうな、と思うし。


本当は新作が観たかったような気もするけど、演出が木村さんなら再演の方が嬉しいです(^ ^;ゞ まさしく「往年の名作」と呼ぶにふさわしい作品のようですし(観たことはないので、聞いた話ですが)
お願いだから、絶対に脚本には触らないでくださいね!!>木村さん。一言一句変えるにも柴田さんに確認してくださいまし。お願い(祈)。



今のショーがすごく楽しいので、ショー無しの一本ものは残念ではありますが。
……ま、フィナーレに期待………してもいいのかしら、木村さんって(涙)

そして。
そうか、これが待っていたから、全国ツアーは同じ柴田さんの「大江山」じゃなくて「銀ちゃん」だったのか!……と納得。
……したのも束の間、、、、雪組は大劇場公演に引き続き正塚さんでドラマシティじゃん(涙)。
しょぼーーーーん。



ま、大野さんのオリジナル芝居は、来年の春にお願いします、ってことで(←え?)。(ことだまことだま)
大野さんのお芝居+植田景子さんのショー、とか、、、どうでしょうか?






他の組のラインナップも、かなり出揃いました。


まず、雪組のキムちゃんのお披露目(ドラマシティ)は、正塚さんのお芝居。
……キムちゃんが殺し屋……?なんか想像できないけど、とりあえず良いとして、ヒロインの「執拗な婚約者」も誰だかわからないけどまあ良いとして、ヒロインはいったい誰?

雪組内から選ばれるなら、キムちゃんと同時に発表されてそうなものだし。他の組から異動してくる場合、バウヒロインまで経験済みでみなこちゃんより下級生って誰もいない(T T)。上級生なら(白華)れみちゃんはじめ、何人かいるけど、、、どうかなあ。たしかに映美くららちゃん(85期)の次が彩乃かなみちゃん(83期)だったり前例はあるけど。
新公ヒロインだけでよければ、天咲千華、彩星りおん(みなこちゃんと同期)、稀鳥まりや、早乙女わかば、藤咲えり(蘭トムコンサート出演)、すみれ乃麗(銀ちゃん出演)……だけ?
うーーーーん、組内でバウヒロインまで経験済みの美海ちゃんで決まり!とばかり思ってたんだけど……。ここに来て連続ヒロイン中の天咲千華ちゃんの可能性はあるのかな。「麗しのサブリナ」は大劇場のみ、とか……?





雪組のもう一つのバウは、轟さん主演(!)で「エフゲニー・オネーギン」。
植田景子さんかー。オペラしか観たことありませんが、バレエも有名ですよね。作品としては面白くなりそうなんだけど、雪組子は誰が出るんでしょうね。チギちゃんかコマちゃん、どっちかは出そう。
ヒロインは……んー、みみちゃんもあゆちゃんもちょっと違うような気がするんだけど。どうなるのかな。



花組全国ツアーは「メランコリック・ジゴロ/ラヴ・シンフォニー」。
……お披露目と全く同じ組み合わせで、2年後の再演かー、珍しいですね、こういうパターンも。
えりたんがディナーショーとかしない限り、中日とキャストがほとんど変わらないことになりますが……なんだか勿体無いなあ。

でも!!蘭ちゃん(蘭乃はな)のフェリシアは、すごーーーーく観たい!!



花組バウは、朝夏まなとくん主演で谷さんのオリジナル。
正月に主演したばかりだから今回ばかりは無いと思ったのになー。だったら正月のバウを東上してくれたら良かったのに!!(もっと観たかった……)
せっかく上演するなら、「オネーギン」をまぁくんに回して、轟さんで谷作品の方が良かったんじゃないか、とゆー気もするんですけど、そういうわけにはいかないものなのでしょうか。

ま、なにはともあれ、まぁくん、東上おめでとうございます。
ちゃんと観に行きますので、がんばってね!!




宙・花・雪のラインナップが出て、あとは年末の月組ドラマシティだけ、かな?
月組も、せっかくメンバーが充実しているので、いい作品が回ってくることを祈ります。




なにはともあれ。
祐飛さん、「誰がために鐘は鳴る」再演、おめでとうございます!!



宙組大劇場公演「ファンキー・サンシャイン」つづき。



第2場 太陽族
黒ぶち眼鏡に分厚いコートを着た、草食系男子「YUZO」(蘭寿とむ)と、垢抜けない「YURIKO」(花影アリス)が、お互いに告白のチャンスを狙いながらモジモジしている。
YUZOの手の中のラヴレターは、いつになったらYURIKOの手に渡るのか?
恋に奥手な二人の恋に、キューピッドは現れるのか?



……ま、これは宝塚のショーですから(^ ^)。
当たり前のように救世主(ホルス/北翔海莉)が現れて、二人は分厚いコートを脱ぎ棄てます。
真っ赤なスーツがしっくり似合う「太陽族の青年」と、臙脂のワンピースがキュートな「太陽族の娘」。
なんてお似合いなんだっっ!「Never Sleep」でも、「バレンシアの熱い花」でも、何の違和感もなく兄妹だったこの二人が、こんなに普通に恋人同士に見えるなんて!!
もしかしてコレが石田マジック!?


そして今更なんですけど、プログラムの解説を読んでちょっと吹き出しました。
「(YUZOとYURIKOの)二人はダンス・パーティの主役となり、モンキー・ダンスを通じて恋を成就させる」って、石田さん……(^ ^;ゞ




もとい。
太陽族の青年たちが格好良い(はぁと)
蘭トムさんを囲む、モンキーダンスをしてても格好良い連中が、最高に素敵です。初日の週末に観たときは普通に踊っていたはずなのに、こないだ観たら、なんだかいろいろパターンが増えていたことに吃驚(^ ^)。
「もっと腰を入れて!!」とか指導する蘭トムさん、ホント男前ですよねー!
その発破に笑顔で応じるスターさんたちが、とても可愛い(^ ^)。

猫的には、今回のショーはかなり珠洲さんがツボで、さわやかな水色のスーツでバリバリと踊っている姿に見惚れてしまって、なかなか下級生が観られないのですが(涙)。えっと、珠洲さんはモンキーダンスの時代を知っているのかな…?一人だけ腰の入り方が違うのが余計に素敵(*^ ^*)。



娘役さんたちも、ミニ丈のワンピースがとても可愛い。
大好きな(琴羽)桜子が、珍しく前髪つけて緑のワンピで男前に踊っていて(^ ^)、ああ、やっぱり大好きだー!と実感。
最近すっかりお気に入りに昇格した美影凛ちゃんは、腕の動きが優雅で綺麗。
ちっすー(千鈴まゆ)は、ダンスでも表情豊かで本当に可愛い。なんか、この人もこの一年で急激に可愛くなったような気がします。化粧が変わったのでしょうか?

そして、ふつーに可愛いまっぷー(松風輝)の堂に入った娘役っぷりにご注目。初めて観たとき、「あたし絶対この娘知ってるのに、名前がわからん……」と、中詰めの途中まで思ってました(^ ^)。っつか、あの日はちょっと濃かったね、化粧が(^ ^;。先週は可愛かったですよ(真顔)
えーっと、相手役はりっくん(蒼羽りく)だった……よね?身長差もふくめて良いバランスでした。

そういえば、93期男役はどっちも92期と組んでるんですね(蒼羽×松風、星吹彩翔×すみれ乃麗)。りっくんとまっぷーが下手、モンチとれーれが上手に分かれて、それぞれ楽しそうに踊ってたけど、やっぱり上級生と組むのって緊張したりするものなんでしょうか。二人とも、結構包容力を見せてくれて格好良かったんですけど(^ ^)がんばってたなー(^ ^)




第3場 ひまわり
祐飛さんが今回の公演で「ショー」について語ると、かならず「雨合羽が似合っちゃってねぇ」って話(←自慢話とゆーかなんとゆーか)が出るんですが(ナウオン/舞台レポート/アフタートーク/お茶会)、たしかに可愛いンですよねー(*^ ^*)。
似合ってるんだわ、間違いなく。ファンのはしくれとして、あの銀橋は素直に嬉しいです。だって可愛いんだもん!

あの傘も良く出来てますよねー!(感心)
「凝ってる」と祐飛さんが何かでお話されていたマイクは、まだじっくりと観たことがないのですが、傘はいつも感心してます。



カメラを抱えたホルスが魔法をかけると、雨があがって太陽が顔を出す。

本舞台の幕があがると、舞台にあふれるひまわり。
総勢24名のひまわりの精たち(惚)。

………その衣装は 販促 反則だーーーーーーっ!!
おひさま色の、超ミニのワンピ。めっちゃくちゃ可愛いです。すみ花ちゃんも脚が長くてスタイル良いけど、他の娘もみんなかわいいー♪おそろい(?)の明るい金髪の鬘も、みんな良く似合ってます(*^ ^*)
舞台面がぱぁっと明るくてとっても綺麗です。宝塚の照明って凄いなあ。
なにげにひっそり置かれているひまわりの花のセットを動かす下級生たちが忙しそう(^ ^)。

それにしても、みんな可愛すぎるよ(泣)。
祐飛さんもすみ花ちゃんが可愛いくラブラブしている場面、ぜひとも観たいんですけど、どうしてもそんな暇がない!!(←おい)

上手の席なら藤咲えりちゃんに釘づけ。
下手の席でも、綾瀬あきなちゃんはじめ、次から次と目の前に現れる可愛い娘たちに目移りして、全然集中できません。

……一度でいいから、センターブロックに座ってみたいなー。(←それで何を観るつもり?)



幕があいた直後、ひまわりたちが盆の縁に座った状態で盆が回り、その上で祐飛さんとすみ花ちゃんが見つめあって幸せそうに踊る場面。
この場面の音楽は、映画「ひまわり」の曲なんだそうですね。
初見のとき、「この曲は絶対聴いたことがある!」と思ったのですが……映画は観てないと思うんですけど、有名な曲だからかなー。前半のメロディラインの一部が某漫画のイメージアルバムの一曲に酷似しているのでびっくりしたりもしましたが、本当に良い曲ですね♪

モノ凄く幸せそうに、すみ花ちゃんに向かって手を伸ばす祐飛さんを観るたびに、すごく幸せな気持ちになれます。ああ、本当に良かったね、と、なんでだか脈絡もなく思う(^ ^)。
大きなカメラを構えて二人の間に入りがちなホルスのみっちゃんも愛おしいです。



音楽が「You Are My Sunshin」に変わってからは、もうひたすら盛り上がれ!!って感じ?(^ ^)。
っていうか、勝手に盛り上がってますけど♪


あああ~~~、みんなホントにかわいいーーーー(壊)。



宙組大劇場公演「トラファルガー/ファンキー・サンシャイン」。


とにかくショーが楽しい!ということで、ちょっとアツく語りたいと思います。



で。
まずは、タイトルの意味を調べてみた(^ ^)。


ファンキー【funky】
1 ジャズ・ソウルなどの音楽にファンクの要素が含まれること。また、その演奏や、そのさま。ポップスやロックの、野性的で躍動感のあるリズム・演奏などの形容にもいう。「―なボーカル」「―ミュージック」
2 服装などが原色を多用していて、けばけばしいこと。また、そのさま。「―なファッション」

以上、Yahoo!辞書より。


ちなみに、大辞林では 「黒人教会音楽(ゴスペル-ソング)やブルースの要素を取り入れたジャズのスタイル」だそうです。要するに、元々は音楽の一ジャンルとして「Funk」という言葉が生まれ、それが「アフリカ」的なイメージを喚起するところから②の意味が生まれた……という感じなのでしょうかね。
石田さんのイメージは「アフリカ」っつーより、「昭和の日本」って感じでしたけど(^ ^)。


でも。「ファンキー」って言葉には、なんていうのかな、血が騒ぐというか、暴力的なお祭り騒ぎというか、そういうイメージがあるんですよね。
私だけなのかもしれませんが、なんとなく。
だから、たとえば同じ「アフリカ」でも、草野さんの「Let’s JAZZ!」みたいなのとは全く違う世界観で構成されているし、洗練された「JAZZ」じゃなくて「ファンキー」なんだろうなあ、と思いました(納得)。




で、「サンシャイン」。
これは、もちろん意味でいえば「太陽光」なわけですが。

……これも、「ファンキー」という言葉と結びついているせいか、なんか「ギラギラした真昼の太陽」、的なイメージがあるんですよねー。
祐飛さんは、芸名が芸名なので太陽といえば「夕陽」のイメージがあるんですけど、今回は「夕陽」っぽい場面は全くなかったような気がします。
むしろ、白夜というか『真夜中の太陽』的な……そんなイメージが湧きました。

「太陽の戦士」のラストも、夕陽に呑まれるというよりはむしろ、宇宙空間から視た太陽のような。なんていうのかな、たぶん、異世界感があったんですよね、あの場面。太陽に棲む鴉の伝説みたいな感じ?何かそういう、「暗闇」っぽい感じ、がね。



まったくもって「太陽」タイプじゃないトップスターを擁した宙組で、「ファンキーな太陽」をテーマにしたショーを発想する、っていうのが、石田さんの面白いところなんだな、と、(なんちゃんって石田ファンな)猫は思いました。





な~んてことをぶつぶつ呟いている場合ではないので、とりあえずオープニングから。
昨日も書きましたけど、オープニングは残念ながらあまりアツく語れない(T T)。
何がいけないのかなあ。祐飛さんが踊れないからいけないのか?(あっ言っちゃった)
でも別に、博多座の「Appationado!!」はそんな風には思わなかったんですよね。ショースターである麻子さんのタメにつくられたショーを、見事にオムニバスのお芝居にしてのけてくれて。祐飛さんってもしかして凄いひとなの?とか思ったもんなー(←贔屓目なのはご容赦を)。
なのに、今回のなにがいけないんだろう(凹)。

最初のワンコーラスは良いんですよ。神様たちとみっちゃんが登場して、本舞台の幕があがって、組子の皆とすみ花ちゃん、蘭トムさんが出てきて、最後に祐飛さんが登場して皆で一踊り!までは。
でも、その後フォーメーションを変えていろいろと踊るところで、音楽の雰囲気や振り付けの種類が変わらないから、なんか飽きちゃうっていうか。
蘭トムさんの着替えの時間を確保しなくちゃいけない(^ ^)から、あんまり短くするわけにもいかないんでしょうけど、、、それならそれで、途中でちょっと音楽のテンポを変えるだけでもノリが全然違ってくるのになー、と残念な気がしました。

でも、このオープニングさえ終われば、あとはあっという間です!!

……と言いつつ、いったんここで切らせていただきますm(_ _)m。
YUZOくんたちの話は長くなりそうなので、またあらためて♪



土曜日から大劇場に遠征しておりました。
とっても楽しかったけど、直行直帰で仕事だったので、若干死にかけてます。体力がとってもエンプティすぎて、昨夜もなにも書き込みできず……反省。



初日明けの週末に観てから、二週間。いやー、さすが若いパワーの宙組!(←トップ以外は)すごく良くなってました(^ ^)。
やっと芝居がかみあってきた、というのかな。
細かいやり取りに気持ちが入ってきた感があって、ネルソン(大空)・エマ(野々)・ハミルトン卿(北翔)・ファニー(花影)の4人の歌の場面や、晩餐の場面がとても良くなってました(はぁと)。


ただ。
芝居の流れが良くなってきたところで、この作品をあらためて観ると、ネルソン夫妻・ハミルトン夫妻のすれ違いの愛や、親子の情、といったところに力点が来すぎてしまい、「海軍」あるいは「海戦」部分の印象がさらに後退してしまった……?ような気がしました。
そこが弱まると、断続的ながらも非常に真面目な史劇をこなしているフランス側とのバランスが悪くなってしまうので、また楽に向けて、あるいは東宝に向けて見直してほしいかも、と。

だって、ほら。やっぱり、タイトルが「トラファルガー」だから、トラファルガー海戦にクライマックスを持ってきてほしい!と思うじゃないですか(私だけ?)。
だけど、今回の齊藤さんの演出は、ネルソンとエマの場面に力点がおかれていて、海戦シーンの演出がおざなりな気がしました。トラファルガーに向かうのも、祖国防衛のためよりハミルトン卿との賭けが重要、って感じだし。
「エル・アルコン」は、脚本は詰め込みすぎで破綻していたけど、「海戦」の演出は良かったから、期待していたんだけどなー。


それは、セットの問題ではない、と思うんですよね。
当時の海戦は、まだまだ砲の撃ち合いで艦を沈めるのがメインではなく、相手の艦隊を分断したうえで、自船を操って相手の船に乗りこみ、白兵戦で指揮官を捕える……という個別撃破がメインの時代。砲の性能の限界もあったでしょうし、造船には大変なお金がかかるから、なるべく沈めないで、拿捕して持って帰りたかった、ってのもあるのかも?(^ ^)

いずれにせよ、接近戦が主だから狙撃兵も多いし、敵艦隊を分断して混戦に持ち込めれば、白兵戦の最中に敵艦の士官を狙うのは当たり前。ネルソンもそうやって撃たれたわけですが。
そのあたりの見せ方が、どうしても地上の戦闘にしか見えない。盆が回ってフランス艦とイギリス艦が入れ替わったときのナポレオンやネルソンの位置取りもわかりにくいし、狙撃兵(オーレリー)の位置どりもぴんとこない。ネルソンが撃たれたとたんに「撃て!」というのも展開としておかしい(砲が撃てるほど敵艦と離れていたら、狙撃されるはずがない)。
艦隊規模で劣るイギリスが奇跡の勝利を挙げた理由は、士気の高さ(祖国防衛のため)と艦の性能(操船術や砲)の優越、そして、それを最大限に生かす戦法(「ネルソン・タッチ)にあったのだから、もう少し台詞や演出でそのあたりに触れるとか、どうにかしてほしい、と思いました。
一人ひとりは戦闘シーンでも良い動きをしているので、もったいないんですよねー(T T)。

あとは、戦闘シーンだけでももう少し人海戦術を使ってもいいのかな、と。
そのあたりの見せ方は、小池さんはやっぱり秀逸だな、と思いました。「太王四神記」の戦闘シーンは、どれも凄い迫力だったもんなあ……。





ショーもすごく良くなってました!!(興奮)
オープニングがちょっと長すぎて(単調すぎて)いきなりダレてしまうんですが、YUZOさん(蘭寿とむ)たちが登場してからは、フィナーレまで一気に進むので、すごく短い気がしてしまいます。
これで、オープニングがもっと短いか、途中の男役群舞になるところで曲調(と振り付け)をがらっとを変えるかすれば、とっても楽しいショーになると思うんですけどねえ……。中詰めくらいの盛り上がりを、最初にも少しいれてほしい。
石田さんが、東宝に向けてオープニングを変更してくれますように☆(祈)




石田さんといえば、秋の全国ツアーと蘭トムさんのコンサートの振り分けが出ましたね!

みっちゃん、大変な役ですけど、よろしくお願いします!初めての「歌える人」のヤスなので、大好きな「夢」の歌を聴くのが楽しみです(^ ^)。
みっちゃんのハミルトン卿とすみ花ちゃんのエマの銀橋場面を観ながら、「あー、小夏とヤスだー」と思ったり、
れーれのホレイシャと祐飛さんのネルソンのラストシーンを観ながら、「あー、朋子さんと銀ちゃんだー」と思ったり、
可愛いイギリス士官のかいちゃんを観ながら、「あー、マコトがかわいいー」と思ったり、、、
頭の切り替えに忙しかったです(^ ^)。

それにしても、みーちゃんが橘っていうのはちょっと衝撃的で(^ ^)。
花組のめおちゃんもすごく良かったけど、みーちゃんはまた違う感じになりそうですよね。
祐飛さんともがっつり絡んでくれるし、すっごく楽しみだ!!


思ったより人数が多いし、予想外にスターも多いので、やっぱり「ファンキー・サンシャイン」から抜粋したフィナーレがついたりするんでしょうか。……うーん、どういう構成になるのかな。お芝居の最後に電飾衣装で飛び出してくるのは変わらないだろうから、そこからどうつなぐのか……ですが。



蘭トムさんのコンサートも、すごいメンバーですよね!
絶対行くぞ(泣)。
どうして東京三日間なんだ。しかも平日のみだなんて!!バウの週末チケットは激戦必至だし、何回観られるかなあ(T T)。ぜったい目がいくつあっても足りない状態になるのにーーーー。
(いや、たとえ週末に公演があっても、猫はどっかに遠征している可能性が高いんじゃないのか?)



宙組大劇場公演「トラファルガー」、つづき。
またこの週末に遠征しますので、気がついたことがあったら帰ってきて書きますね(^ ^)。


≪ネルソン家≫
■エドマンド・ネルソン 風莉じん
ネルソンの父親。牧師なんですよね、彼は。あんまりそれらしい言動はなかったような気がしますが。
脚が悪く、車いすで生活する。優しくて穏やかだけれどもちょっとボケが始まっている(?)という役。風莉さんは本当に巧いなあ、と感心しました。
しかし、エドマンドがすっかりファニー(花影アリス)に頼り切っている姿を見ると、彼女を裏切りつづけるホレイショがすごく酷い人にみえてしまうのが……構成的には難しいというか仕方のないところなんですけど、微妙だなあと思いました。

ファニーとホレイショ、「人並みに恋をして」結婚した筈の二人が、どうしてそこまで冷めてしまったのか……
ウィリアムとエマの間には最初から愛がなかった(少なくとも、エマの側には)ことがエピソードとして示されているから、エマの行動はまだ判りやすいけど。ホレイショはどうなんだー、と、あらためていろいろ考えると思っちゃうんですよね。
舞台を観ているときは、そんなこと全然考えないんですが。



■ジョサイア 愛月ひかる
すっごい儲け役でしたー!!
愛月くんってホントにスタイル良いし、やっぱ美形ですね♪ 軍服が滅茶苦茶似合う。目立つ役を与えられるとこんなに輝いちゃうんだなーと感心しました。
ただ、声がまだまだなんだよねーーー(↓)ネルソンの息子(ファニーの連れ子)で、二人の和解の場面がこの作品の一番の名場面なんじゃないかと思うくらいの非常に重大な役。意外と台詞も多いので、なんとか頑張ってほしいところです。

「パリの空よりも高く」のジャン(明日海りお)、「ソルフェリーノの夜明け」のポポリーノ(真那春人)……植田作品には、いくつか若手男役が演じた大役がありますが、ジョサイアは、そのへんと並べてもひけを取らない“おいしい”役。しかも、ジャンやポポリーノは少年役だから、いくら大役でも上級生がやったら変だよねーと思いましたけど、ジョサイアは普通に青年役だし、軍服を着た愛月くんの見た目は幼い感じが全くないので、もうちょっと上級生がやっても良かっただろうに……とついつい思ってしまいました(^ ^)。
とは言っても、あくまでもネルソンの息子ですから、持ち味が少年系の人じゃないと難しいしね。せっかくの大役、「やっぱり愛月くんで良かったね!」と言わせてほしい。とりあえずは、前回観てから半月が過ぎたので、どう変わったかを楽しみにしています!



■ホレイシヤ すみれ乃麗
まー、純粋な「少女」役でしたが、人形のように可愛らしくて良かったと思います。
ちょっと大きいけど(^ ^)、笑顔が幼くて透明なのがとてもいい。
ラストシーンで、彼女を見凝めるネルソンの笑顔が映える美しい場面になったのは、彼女の功績も大きいと思います♪


≪ハミルトン家≫
■キャドガン夫人 美風舞良
いやもう。ナウオンですみ花ちゃんがアツく語っていましたが、そりゃーもうパワフルで魅力的で、素敵なママでした。プロローグが終わってすみ花ちゃんと二人で銀橋を渡る場面、もう美風さんの独壇場ですよね(^ ^)。

でも、ラスト近くで、ホレイシャを抱いて子守唄を歌う場面のしっとりとした空気にも感心しました!こういう色も出せたんですねえ。どうも、美風さんというとはっちゃけた役のイメージが強くて、あまり母性を感じたことがなかったのですが。
美人でちゃきちゃきで母性もある。なんて素敵な人なんだろう(*^ ^*)



■ジゼラ 藤咲えり
可愛かったー!!
私の眼には、ウィリアムの愛人か、コレクションの一人……のようにしか見えなかったのですが、そういう関係はないのでしょうか。。。ま、あんな可愛いひとが家にいたら、男なら手を出しとけ!と思うのは、私がえりちゃんのファンだからでしょうね(^ ^;ゞ



■フランスの政治家たち
バラス=鳳樹いち
タレーラン=風羽玲亜
フーシェ=光海舞人
シェイエス=天玲美音

……誰がキャスティングしたのか知りませんが、神だわー!!
4人とも、巧いわ渋いわ美形だわ、それぞれに個性的で素晴らしかったです。
出番が少ないのが非常に残念。

特にシェイエスがたまりません。最高!




あああ、5月が終わってしまった……。
仕事が非常に忙しくなってしまって、私としては本当にびっくりするほど観劇が少なかったひと月でした。星組さんの激情も観たかったのに駄目になっちゃったし、「ムサシ」「裏切りの街」「バイ・バイ・ブラックバード(キャラメルボックス)」「DIAMOND☆DOGS」「ドリームガールズ」……嘉月絵理さんが出演されていた「マクベス」もすごく行きたかったのにどうしても都合がつかなかったし、沢木順さんの「ロートレック」も行きたかったなあ……(T T)。
しょんぼり。

6月は少し落ち着くはずなんですが、「スカーレット・ピンパーネル」が始まってしまうからなあ(^ ^; 今月も観たいものはいっぱいあるんですが、やっぱり新生月組が優先になってしまう、かも(^ ^)。




と言いつつ、「トラファルガー」の続きを。
だいぶ間があいてしまってすみません(汗)。



≪ナポレオン陣営≫
■ジョセフィーヌ 五峰亜季
最初の「VICTORY」の場面では、「波S」という役名で流れるように踊っていたまゆみさん。
ジョセフィーヌとしての出番は第四場まであくし、その後も短い出番なのですが、さすがに強烈な印象を残す存在でした。ナポレオンの妹たち(大海亜呼、愛花ちさき)に嫌味を言われても、意に介さずに平然と控えているあたりも、穏和だけれどもとても巨きな存在感があって。
さまざまな伝説に彩られた皇妃の、語られないエピソードをあれこれと想像させる空気は、さすがでした。

先日観た「絹の靴下」で、樹里ちゃん扮するハリウッド女優が、映画を無理やりナポレオンの話に変えて、ジョセフィーヌ役をやろうとしていたなあ……と、タイムリーさにとても受けてしまいました。樹里ちゃんとまゆみさんが同じ役に挑戦するとか、面白すぎる(^ ^)。

あまりジョセフィーヌがらみのエピソードは出てこないので、まゆみさんの持ち腐れという気もしましたが、大して台詞もないのに、表情と立ち姿ひとつであの存在感が出せるのはまゆみさんならではだな、と納得しました。
……この役を新公で演じる琴羽桜子ちゃん、大変な役があたったね……がんばれー!

しかーし、ナポレオンと結ばれる前はバラス(鳳樹いち)の愛人だった、な~んてトリビアを聞くと、なんだか感動しますわ(^ ^)。



■リュシアン・ボナパルト 春風弥里
ナポレオンの弟。1799年のクーデターの立役者として兄に協力し、フランス政府の中枢に入った人。史実では、この後すぐに兄と不仲になって国外に出るのですが、この作品の中では1805年のトラファルガー海戦まで兄と共にあったことになっていますね。
冷静かつ冷徹な雰囲気が、「ジュ・シャント」のナチス親衛隊員とはまた違う怖さがあって、とっても格好良かったです(*^ ^*)。



■ポーリーヌ 大海亜呼
■カロリーヌ 愛花ちさき
ナポレオンの妹達。
ポーリーヌは、ナポレオンが可愛がった妹として有名。恋多き女性で、いろんな浮名を流しますが、終生、兄には忠誠を尽くしたひとでした。
カロリーヌは、のちにフェルディナンド4世(天羽珠紀)の跡を襲ってナポリ王となるジョアシャン・ミュラーの妻。
ナポレオンの妹には、もう一人、のちにトスカーナ女大公になるマリア・アンナがいますが、この作品には出てきません。

妹たちが、兄に対して不実なジョセフィーヌと不仲だったことは事実のようですが、あんなに聞えよがしに嫌味を言ったりしたんでしょうかねぇ(^ ^;。
お二人のあからさまな怖さも大したものでしたが、その悪意を空気のようにあっさりと無視してのけるまゆみさんの怖さは、また格別でした。
うん。この二人の役は、独立した役というよりは、ジョセフィーヌ(とナポレオン)を重層的に見せるために存在していたような気がします。えっちゃんもタラちゃんも、どちらも、滑舌といい声といい目線といい、嫌味たっぷりで素晴らしかったです♪



■ジュゼッピーナ 純矢ちとせ
ミラノ・スカラ座のプリマ・ドンナ。素晴らしい声は健在で、良かったです。
ナポレオンの愛人であり、スパイとしてイギリスに潜入するエージェントでもある、という面白い役でしたが、オペラの場面以外にはとくに見せ場もなくて残念(T T)。イギリスでもう一エピソードあると良かったのになあ。ネルソン本人は無理にしても、ハーディ(悠未ひろ)あたりを誘惑する場面とか、そういう感じの。
……今でさえ詰め込みすぎ気味のエピソードを、これ以上増やしてどうするんだ>自分。



■テレーザ 舞姫あゆみ
スカラ座のプリンシパルダンサー。しっかりとソロで踊る場面があって嬉しいよー。新公を卒業したばかりの89期なのに、卒業公演でこれだけちゃんとした見せ場を与えられるダンサーも珍しいんじゃないかと思います。斎藤さん、ありがとう♪♪



■オーレリー・バイロン 蓮水ゆうや
これは、ネルソン軍のトム・アレンと並ぶ謎の人物……なのかなあ?
青池保子氏の「トラファルガー」を読んだ方なら、なんとなくこの役の出自はわかると思うのですが、突然「兄の敵を!」とか叫ばれても、どうしたらいいのか……という感じが若干ありますよね(^ ^;ゞ

青池さんの「トラファルガー」は、ネルソン艦隊の一員としてトラファルガー海戦にのぞむ一艦長、ユージン・ラドリックと、その幼馴染で、農民革命のさなかのフランスで生き別れたマルソー・ニジェールの邂逅が主筋になっています。
ネルソンは名前だけの出演という感じで、実際にはほとんど出てきません。

フランスに置き捨てられたマルソーは、暴徒の真ん中でただ一人、銃の腕一本でなんとか生き残り、狙撃兵(マスケティア)としてネルソンの命を狙っていた。
それを知ったユージンは、海戦のさなかにマルソーを求め、マストの上からネルソンを狙う幼馴染に銃を向ける……
いかにも青池さんらしい、この上もない『男たちの物語』。

だから。
「トラファルガー」のマルソーは、個人的な恨みがあってネルソンを狙ったわけではなく、ただの『装填された一丁の銃』(from クロスファイア by 宮部みゆき)として、誰かにその能力を使ってもらうために、そして、生きのいい美しい獲物を撃つ瞬間のために生きている……という設定なのですが。
「TRAFALGAR」のオーレリーは、ナポレオン軍の狙撃兵であるという部分は共通であるものの、「兄の敵」という具体的な理由でネルソンという一個人を狙っている、というのが全く違うところなんですよね。

個人的には、突然「兄の敵!」と叫ばれるよりも、『装填された一丁の銃』でいてほしかったような気がします……が、それだとある程度エピソードを重ねないとそれこそ意味不明だし、「シャングリラ」の雹とキャラがかぶってしまうから避けたのでしょうか……↓

まあ、でも、ちーちゃんはさすがに上手で、壊れた役なりにちゃんとまとめていました。
さすがだわ~~!っていうか、カッコいい(*^ ^*)
叫び芝居が多いので、喉が心配ですが。楽までどうぞお大事に。





ナポレオン周辺は、とりあえずこのくらいですよね。
あとは、フランス政府と、ノーフォークのネルソン家、そしてナポリ王家&ハミルトン家、か。……まだ結構あるなぁ(^ ^;



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