宝塚大劇場にて、宙組公演「華やかなりし日々/クライマックス」を観劇いたしました。

初日週は行けなかったので、これが初見でした。
観るまでは、と思ってナウオンも初日映像も視ないでのぞんだ観劇。



個人的には、良い意味で「サヨナラ」色が薄く、さりげなくて良かったな、と。
ここ数年のトップスター卒業公演の作品は、これでもかとばかりに泣かせにくるものが多く、『3時間のサヨナラショー』に体力を使い果たしてしまいがちで。
それこそ、前作の「クラシコ・イタリアーノ/ナイスガイ」みたいな作品を本当のサヨナラ公演でやられた日には、千秋楽頃には本気で廃人になってしまいそうでしたので、このくらい薄くてちょうど良かったかも、と、少しホッとしています(^ ^)。



■華やかなりし日々

私は原田さんの作品は今のところ全部観ているはずですが、、、この作風だったら1幕物の方が向いているんじゃないかしら、と思っておりました。
ただ、過去の作品では物語を動かすキャストが少なく、一昔前のブロードウェイミュージカルみたい(少数のメインキャストと大勢のアンサンブル)な構成だったので、大劇場公演は当分無理だろうと思っていたのですが……。

それが今回、まず集合日の配役を見てちょっと驚いたんですよね。だって、これだけの人数に名前があるだけでも、原田さんにしては画期的!!(^ ^)
実際に観てみても、メインのメンバーにはそれなりのエピソードと役割があって、しかも1幕100分にちゃんとおさまっている!(^ ^)。一つ一つのドラマの説得力は弱いんですけど、それでも原田さんにしては頑張ったなーと思いました(^ ^)。

とりあえず、終盤のフォーリーズのショーからラストにかけての流れが好きです。
あの場面をするために話を組み立てたんだろうな、と思ったら、ちょっとしみじみしました。

「20年かけてマンハッタンをのぼっていった」という発言には、かなりウケましたけど(←すみません)



主人公が詐欺師で、ちょっと大規模な詐欺を企んでいて、その詐欺の現場で純真無垢な女の子と出会って恋をして、、、最後には、彼女の望みを叶えつつ彼は独りで姿を消す。……「華やかなりし日々」って、こうして大枠を辿ってみると「花咲く港」、あるいはそれを原案とする「パリの空よりも高く」と酷似していると思うんですよね。
でも、あれと一番違うのは、詐欺師の「過去」の扱い。彼の過去に生涯を賭けた夢とシリアスな事件を設定したことで、話を膨らませようとしたあたりが原田さんらしいなと思うのですが、ちょっと蛇足感がありました。
ああいう形でお洒落に終わらせるなら、過去の事件ももう少しお洒落に扱ったほうがしっくりきたと思うんだけどな、と。

まあ、そのあたりは好みでしょうか。
原田さんの最初の構想と、実際の舞台にのった脚本はだいぶ違うんだろうな……と、こまごましたところで思ったりもしましたが、大空野々の役者コンビが脚本では省かれている心情の推移をよくフォローして、うまくまとめていたと思います。
原田さん、良い形での大劇場デビュー、おめでとうございます(*^ ^*)


ショーについてはまた後日~。

【7月1日まで、あと65日】
宙組の次期トップスター&娘役トップと、お披露目の演目が発表されました。


テルくん(凰稀かなめ)、みりおん(実咲凛音)、おめでとうございます!!

正直、あれ?まだ発表されていなかったっけ?くらいな感覚だったりするのですが(^ ^)、、、予想通りとはいえ、ちゃんと発表されたことはとても嬉しいです。
私が言ってはいけないかもしれませんが、テルくんだけでも組内からで良かったな、と思いました。

みりおんは、すみ花ちゃんに続いて連続で花組からの組替え就任ですが、芝居のすみ花、歌のみりおんと全然違うのが面白いですね。まだ若いみりおんですが、クリスティーヌもアジャーニも良かったので、宙組で、テルくんの隣で大輪の花を咲かせてくださいますように、祈っています。




そして!!
問題のお披露目演目ですが!!



スペース・ファンタジー
『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』
田中芳樹作「銀河英雄伝説」(東京創元社刊)より
脚本・演出/小池修一郎



…………何の冗談ですか。

私が去年、「銀河英雄伝説 第一章」を観劇したときに書いた日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/?day=20110118

こちらでも書かせていただきましたが、当時の公式サイトに、こんな会話が載っておりました。
(今もあるかはわかりませんが)

>【安達氏】 「銀河英雄伝説」は、以前にも舞台化の話があったとお聞きしていますが。
>【田中氏】 はい。当時の徳間書店の編集者さんが宝塚歌劇団にお話しを持って行ったことがあります。もう20年近く前の話になりますが。だ、そのときは「恋愛の要素が薄い」ということで実現しなかったと聞いております。




当時(20年ほど前)断りやがったやつ、出てこい。




この日記でも縷々書かせていただいておりますが、私は「銀河英雄伝説」を宝塚で上演してほしいとずっと思っていましたし、やるなら今の宙組が良いだろうと思っておりました。

えーっと。
祐飛さんは卒業してしまいますが(T T)、テルくんなら充分期待できるし、今の宙組で軍服祭りは幸せそうですし!!(客席にリディアがたくさん出現しそうですね♪)
とても楽しみです。

ただ、20年前に断る理由に使われた 恋愛色が薄いという欠点は、どう克服するつもりなんでしょうかねえ……?


今アップされている解説では、あの長大な原作のどこを切りだすのかはっきりしませんが、「銀河英雄伝説をついに宝塚で上演!!」と大上段に出しておいて、いきなり同盟篇とかありえないし、いきなり外伝チックな双璧篇から、とかも考えにくいので、、、
ここは普通にラインハルト主役の帝国篇で、本編の1~2巻をやるんですよねきっと……?

そうなると、、、ラインハルトは基本的に女性と恋愛しないから(涙)、、、言ってみればオスカル様みたいな役なんですよねー。
柴田さんの名作「チェーザレ・ボルジア」なみに、姉のアンネローゼをヒロインにしちゃうことになるのか?それとも、2巻までではほとんど接点のないヒルデガルド・マリーンドルフを無理やりヒロインにするのか?はたまた、ラインハルトの身の周りの世話をするロザリーみたいな役を創作してヒロインにするのか?
みりおんの学年と芝居、経験値を考えると、最後のが良さそうですが……さて。



今まで小池さんは、数々の“恋愛色の薄い”“宝塚らしくない”作品をちゃんと“宝塚作品”に仕上げてきているので、今回もどんな切り札を出してくるのか、興味津々です。
ある意味、おそらく原作オタクであろう齋藤さんとか鈴木さんとかが演出でなくて良かったな、と(^ ^)。思いきって設定を変えないと、宝塚の大劇場作品としては成立しないでしょうから、原作ファンには辛い仕事になりそうですからね。



あ、わからないこともう一つ。
私にとって「銀河英雄伝説」の原作本=徳間ノベルズ、なんですが。原作本の「東京創元社刊」って……?もしかして内容も違うんでしょうか……?


そして、最後に心配がひとつ。
月組の「ロミオとジュリエット」は、大丈夫なんでしょうか?(←真顔)






それにしても。
久々に、本気で驚愕した演目発表でした。
ちょうど昨日、同盟篇の感想を書いたばかりだったから、余計に。

妄想キャストとか、同盟篇を上演してほしい組とか、そういうのはまた後日ゆっくり書きたいと思っておりますが(妄想キャストは何度か書いたことがあるような気がするけど)、とりあえず、

予定は未定、だから人生面白い!

という格言を書いて、今日の感想とさせていただきます。



【7月1日まで、あと76日】
宝塚大劇場宙組公演「華やかなりし日々/クライマックス」、初日おめでとうございます!
祐飛さんをはじめとする、大切な宙組子たちの卒業公演であり、98期生のお披露目でもある春爛漫の公演。

残念ながら今週は仕事で行けないのですが、来週がとても楽しみです。



大劇場の初日って明日のニュースで流れますよね?
早く視たい~~~!!



全然関係ありませんが、今日(4月13日)はひこにゃんの誕生日だそうですね。
http://shigahikone.blogspot.jp/2012/04/blog-post_5555.html

今日最後の公演の幕をあけた祐飛さんと、今日で6歳になったひこにゃんに、乾杯(^ ^)。



【7月1日まで、あと79日】
スカパー!HDの3D専門チャンネル「スカチャン3D」で、宙組・東京宝塚劇場公演『クラシコ・イタリアーノ』『NICE GUY!!』が放送される(3/31)ので、それに先駆けて特別試写会が行われました(^ ^)。

私も応募したけどあっさり外れたんですが、友人から誘っていただいて、体験することができました(^ ^)。


会場は、赤坂のオムニバス・ジャパンのスタジオ。スカチャン3D の映像編集はここでやっているのでしょうか?チラシはポスターがいろいろあったりして、面白かったです。
試写会場は、結構本格的な部屋でした。あんな部屋もあったのねえ。椅子の座り心地がとても良くて、ちょっとねむくな……(黙)


3D用の眼鏡を貰って座ると、すぐに始まりました。
公演が「NICE GUY」なので、まずは暗い舞台の奥から娘役さんが駆け出してくる場面からスタート。
最初は引き映像だったので、立体感も何も…という感じでしたが、だんだん寄って行って、舞台奥の祐飛さん(馬たちと一緒に)が登場すると、だいぶ舞台の奥行きを感じられるようになりました。
その後、男役群舞になって、祐飛さんが銀橋に出ると……銀橋と本舞台の距離感はかなり大きく感じましたね。祐飛さんがただ一人白い衣装で浮き上がってみえて、なんだか不思議な感覚でした。
下手や上手から群舞を視る角度だと、手前で踊っている人と反対側で踊っている人の見え方がだいぶ違うのが面白かったです。3D変換すると、普通の映像より若干エッジがたつ(輪郭がはっきりする?)ので、踊りのラインが綺麗にみえたのも印象的でした。


いわゆる「3D映像アトラクション」的な、眼の前まで何かが飛び出してくるような演出はなかったのですが、ひとりひとりが粒だって見えるので、群舞のフォーメーションやデュエットダンスの動きがとても綺麗に見えるのが印象的でした。
あと、そういえば。イケメンオークションの冒頭、花道から娘役さんたちが登場するところとかは、かなり遠近感を強めに出していて、動きとして面白かったです♪



あまりにもアトラクション的に派手な3D映像は、1時間とか視ると疲れるから……ということで、編集的に「3Dならではの効果」を重視せず、本当に「奥行きを出す」にとどめたそうですが、確かに、良く言えばあまり違和感なく楽しめましたし、違う言い方をすればあまり迫力はなかった……かな?という感想でした。

まあ、正直なところ。3Dだからどうこう……というよりも、とにかくエッジのはっきりした美しい映像で、大好きなショーを観ることができた、ということが嬉しくて、とても幸せな1時間でした(^ ^)。
スカパーさん(?)、素敵な企画をありがとうございました!



【7月1日まで、あと98日】
月組さんの大劇場千秋楽まであと3日と迫った今日は、宙組「華やかなりし日々/クライマックス」の集合日でした。


あらゆる意味で、ドキドキしながら迎えた今日ですが。


祐飛さん・すみ花ちゃんの他にも、大事な大事な大好きな組子が、4人も……(T T)。

風莉じんさん、
花露すみかさん、
藤咲えりちゃん、
百千糸ちゃん、、、、


器の大きな、温もりのあるお芝居、艶やかな美声。まりえったさんの後を継ぐのはちや姉しかいないと思っていたのに、本当に残念。エル・ソルドの、大劇場の空間を完全に埋めた圧倒的な歌。「記者と皇帝」での見事な芝居は、本当に主演みたいでした。いつか轟さんと「おかしな二人」を再演してほしかった。繰り言は次から次へと出てきます。ちや姉が選んだ人生ですから何も言えませんが、これほどの人に残ってもらえない宝塚。……ざんねんとしか言いようがありません。

変幻自在な声と、パスポートを求めるご婦人から娼婦までの幅の広い演技力で、場を締めていた花露さん。達者な歌と芝居で場を盛り上げてくれたアリエッティ。お二人とも本当に残念です。

そして、記憶にも新しいトゥールベル夫人で存在感を見せつけてくれたえりちゃん。「バレンシア」のシルヴィアあたりからお気に入りで、大好きでした。ここにきて、かたい蕾もやっとほころんで、凛と華ひらいたな、と思った瞬間の宣告でした。
これからなのに、これからやっと役がつくのに、という想いが溢れて止まりませんが、、、ご本人が決めることなんですよね………(溜息)。

ファンっていうのは切ないものです。止めたいのに、止められない、こんなときは。



祐飛さん、すみ花ちゃん、ちや姉、花露さん、えりちゃん、アリエッティ。
華も実もある6人の舞台人の、7月1日までのご健康と、2日からの新しい人生でのさらなる幸せを、、、、

ただ、ただ、いのっています(泣)。







「華やかなりし日々」の配役も発表されましたが、、、大野作品なみの数の役が発表されたことに驚きました。もしかして原田さん、「役を増やしてください!」っていう皆の祈りを聞き届けてくださったのかしら??、なんて思ったり。
残念ながら、役名だけ見てもどんな作品になるのかさっぱりわかりませんが(オリジナルなので)、とりあえず祐飛さんの子供時代がモンチ(星吹)で、凛城さんの子供時代がえなちゃん(月映)……ってことでいいのかなあ?モンチとえなちゃんががっつり芝居をしてくれるなら、たとえそれがワンシーンだとしても(^ ^)めっちゃ楽しみです。
えりちゃんの最後の役ジョセフィン・コーエンはどんな役かなあ。ともちん(フローレンツ・ジーグフェルド)ひきいるジーグフェルド・フォーリーズに出演する女優の一人、とかだったら嬉しいのですが。

いやー、それにしても!ともちんのジーグフェルドが楽しみで楽しみで楽しみです(^ ^)。


初日まで、あとたったの1ヶ月と10日。
……みなさん、お怪我などのないように、風邪ひきませんように、花粉が飛びませんように、、、
毎日いろいろなことを祈りながら。

誰にとっても、いま、このときにしかできない公演。
どうぞ悔いのないように、と、祈ってやみません。



【7月1日まで、あと121日】
宙組中日劇場公演「仮面のロマネスク/アパショナード2」、千秋楽おめでとうございます\(o^∀^o)/



いやあ、楽しい1ヶ月でした。
もともと名作だったものを、舞台の上でどんどん進化させていった宙組っ子たちに、乾杯(はぁと)。



今日を最後に星組へ組替えするまさこちゃんには、こころからのエールと、「星組へようこそ!」という気持ちを伝えたいです。
あの暑い博多から一緒にやってきた、素敵な仲間が次の大劇場にいないのは寂しいですが、星組でのご活躍をたのしみにしています。




千秋楽の公演は、涙あり笑顔あり、アドリブありの熱い舞台。舞台もアツイけど、客席はもっとアツイ!という感じでした。
ラグリマの階段に立つ大空祐飛の泣き笑い、忘れません。




今日はラインナップの発表もあったりしたのですが、その話は帰京後にさせていただくことにして、今日のところは千秋楽のお祝いだけにさせていただきます。

祐飛さん、すみ花ちゃん、それからみんな、本当にお疲れさまでした!
明日からの短い休暇、ゆっくり休んで、次に備えてくださいね。



柴田先生、植田景子先生、藤井大介せんせい、、、そして、関わってくださったすべてのスタッフのみなさま。
素晴らしい幸せな時間を、本当にありがとうございましたm(_ _)m。




宙組中日劇場公演もあとわずか。
さびしいです。もっと観たかったなあ。どうせなら本公演で再演してほしかった。 テルくんのフレデリックは嵌り役になると思うのですが、いかがでしょうか。

お芝居だけじゃなくてショーもすごく良いのでその話もしたいのですが、ぜんぜん辿りつけそうにありません。
せめて芝居だけでも一通り書きたいことは書いておきたいなあ……。



とにかく、これだけ脚本が良く出来ていたら、みんな楽しくて仕方ないんだろうなあ、というのを、観るたびにしみじみと思います(^ ^)。
下級生に至るまで役も多いし、やりがいがあるんでしょうね、きっと。

決して長い公演ではありませんが、毎回新しい発見があって、一人ひとりが本当にあの時代を生きているのがわかります。「時代の空気」ってやっぱり大事ですね。それがしっかりしたフレームとなって世界を囲んでいるからこそ、みんながどんな冒険をしても作品世界が壊れない。
もちろん、主演コンビを中心とするメインキャストにブレがないことも大きいですが、それ以上に「脚本」に何が描かれているか、どうすればそれを観客に伝えられるかを一人ひとりが自分の課題としてとらえ、全員が同じ方向を向いて芝居に取り組んでいるのが印象的でした。

突っ込みどころ満載な脚本を役者の気力でねじ伏せた公演も楽しいのですが、東京で「復活」、名古屋で「仮面のロマネスク」、そして大劇場では「エドワード8世」と作者が自分の存在を賭けてつくった力作が3つ並んだ今のタカラヅカは、ファンになって良かったなあ、と思わせてくれるような気がします(^ ^)。



それでは、公演について。


先日の日記で弟一部について書いたのですが、先日観てあらためて気づいたことがあるので、ちょっと補足します。

「貴族の女」の、夢涼りあんちゃんのお芝居について。

2月の前半に観た時は、普通にさんざめく女性客の一人だったはずのりあんちゃん。
先日観たら、最初の舞踏会からジェルクールの女として参加していました(@ @)。

ジェルクール(悠未)と踊っていたセシル(すみれ乃)が母親の許へ戻った後はべったりとジェルクールに貼りついて、彼が「国境で小競り合いが」とか「プロイセンまで」とか言うたびに心配そうな顔をしてみたり。
婚約者にだけ挨拶をして退出しようとする彼を恨めしげに見送り、扇を出して振り向きざまにセシルを睨んでみたり。
いやー、いつからあんな熾烈な女の戦いをしていたのでしょうか!!

睨まれたセシルも「私だって望んでいるわけじゃありませんわ」みたいな、ちょっと困ったような顔をしていたのが面白かったです。

そんなりあんちゃんが、第二場ではセシルの「修道院で机を並べた友人」ソフィとして登場するのが面白くてなりません(^ ^)。粋な配役だわー!



宴のあとの二人(ジャンピエールとフランソワーズ)の会話を締めくくる一言。
「うまくいったらご褒美をあげる……」
このわたし、と告げるフランソワーズの、謎めいたアルカイック・スマイル。

直観的に彼女の「嘘」を感じながら、おざなりな挨拶のキスで誤魔化す男。
……初演の花総さんは「25歳」と言っていたそうですが、今回の宙組公演は、やっぱりフランソワーズの方が少し上に見えるような気がします……。


すみ花ちゃんの仮面の微笑みをのこして暗転、すぐに上手袖から、秋音・美桜の下級生コンビがきゃっきゃうふふしながら登場。
二人を追うように登場する、若きフレデリック・ダンスニー(北翔)。
朝まだきの散歩道。テュイルリー公園。

「セシルが通るかと思って……」というフレデリックの台詞を聞くたびに、「レ・ミゼラブル」のマリウスを思い出します。ああいう役なんですよね、本来は。2枚目で、優しくて、愛されキャラで、、、でもちょっと流されやすい(←そこはマリウスとは違うかも)
そう思うと、もうちょっと普通に「二枚目の若者」な役づくりで良いんじゃないの?と思うんですよね。轟さんの役づくりに囚われる必要もないし。……みっちゃん、どうしてあんなに卑屈なキャラクターにしちゃったのかなあ。「男爵」は確かに貴族社会の中では身分的に低いかもしれないけど、物語の展開として、仮にもフランソワーズが(ジャンピエールへのあてつけにしても)選ぶ男ではあるのだから、もうちょっと「愚かだけど純粋」であってほしい!のですが。

で、下手奥から登場するジェルクールとその取り巻き(美月、春瀬)。
春瀬くんはまるっきりのボンボンでまだまだ道は遠いな、って感じですね。金髪がよく似合って目を惹く美形なのに、「ど、どんな人妻も!」とおどおど言ってしまうあたりにリアリティがあって、毎回笑ってしまいます。
美月くんの方がだいぶスレていて、将軍の域に達するにはあと少し、という感じですよね。台詞の声が良いのは博多から印象的でしたが、歌も巧いんだなあ。スタイルも良いし踊れるし、今の宙組若手で一番もったい人だと個人的には思っています。

それにしても、ともちんって凄いわあ。中年男の嫌らしさとずる賢さ、そして、単純すぎる「ブロンド信仰」。あんな嫌な男(おっさん)を、あんなに恰好よく見せちゃうなんて!!軍服もお髭も似合いすぎです。あんな言動にも関わらず、「将軍」として信頼を寄せるに足るオーラがあるところがすごい。すごいっていうか、ずるい。

ところで。ジェルクールのブロンド信仰は、そうでない女(メルトゥイユ夫人やトゥールベル夫人を含む)は貞淑ではない、というイメージを観客に植え付けようとしている、という解釈は正しいのでしょうか……?

彼らが立ち去ったあとに登場するセシルとソフィ。ここでのりあんちゃんはセシルの忠実なお友達。明るい色のドレスが似合ってて可愛いです。「シャングリラ」で美雨の子供時代をやっていたころはあまりツボに来なかったけど、最近面白い芝居をするようになったような気がします。何か目覚めたのかな(*^ ^*)。

ただ、この場面のフレデリックとセシルの会話は、もう少しぎこちなくても良いのでは、と思うんですよね。セシルが「浮世離れした」清らかな娘というより、もう少し積極的な、ちょっと前の女子高生みたいにみえてしまいます。

「お母様がいらっしゃるわ!」というソフィの台詞に、手を取り合って駆け出すフレデリックとセシル。
下手袖から登場するブランシャール夫人(梨花)とフランソワーズ。
「年頃の娘がいると心配で……」と愚痴ブランシャール夫人。みとさん独特の、完璧かつクールな「貴族の母親」像がセシルをたわめているのがよくわかる場面。セシルはいないのに、台詞だけで人を追い詰められるみとさんはすごいなあと思う。そして、穏やかに微笑みながら油を撒いているすみ花ちゃんも、すごい。海千山千のブランシャール夫人をして「あなたは世間知らずなんだから」と言わしめたフランソワーズの仮面の重さに目眩がします。
さくらんぼいろの唇の上で、美しく凍りついた微笑み。どんな熱にも溶かされることのない、氷の微笑。

舞台奥から登場する若者たち(澄輝&彩花、愛月&真みや、七生&舞花、秋音&美桜)。郊外へのピクニック(?)にフランソワーズを誘うのは良いんですが……君たち、女の子放置していいのかい?
(娘たちも気にしていないように見えます。……なんなんだいったい)

「テュイルリーの木陰 ミモザの花盛り……」
澄んだ歌声の中で、暗転。舞台はロワールのローズモンド夫人邸へ。



最初は邸の庭で、ヴァルモンの側仕えのアゾラン(凪七)と、トゥールベル夫人の小間使いジュリー(瀬音)の逢引。
今回のカチャ、良いです!ちゃらんぽらんで、いかにもワルっぽいのに、憎めない。まさに「ヤンチャ」って感じで可愛いんですよね。
今まで観たカチャの中で、もしかしたら一番好きかもしれません。意外な一面でした。


ジュリーが視たものを語る、というスタンスで始まる濡れ場(←違う)
部屋のドアをあけて出てくるマリアンヌ(藤咲)とジャンピエール。

……猫はえりちゃんが大好きなので、嬉しすぎて浮かれきった感想を書くのは差し控えることにします(^ ^)。
ただ、えりちゃんファンとして、えりちゃんが切望していた役をやらせてもらえたことを嬉しいと思う気持ち以上に、主演者のファンとして、トゥールベルがえりちゃんだったことが嬉しいです。

恋を知らぬまま、優しい年上の法院長(寿)に嫁いだマリアンヌは、本当に修道院とトゥールベル邸しか知らないのかもしれません。
夫は「夫」であって、「男」ではない。そういう意味では、「男を知らない人妻」として生きてきたマリアンヌ。たぶん、本当に若くて世間知らずなんでしょうね。
えりちゃんの涼やかな声で繰り返される拒絶の言葉、、、そして、最後の「わたくしのあやまりでございました…」という独白。
あああ、柴田さん本当に本当にありがとうございます。絶対配役決めたの柴田さんだよね!嬉しいなあ幸せだなあ可愛いなあ(惚)。


マリアンヌが私室に逃げ込んだところで、ルブラン神父(風羽)を連れて帰ってくるローズモンド夫人(美穂)。
ジャンピエールの叔母(伯母?)に当たる彼女を、甥は「おばさん」と呼ぶんですが、、、どーして「おばうえ」じゃないんだろう!?何か意味があるのかな。特に意味がないなら、ここだけは変更してほしかった。

そして、美穂さんの「年上の麗人」っぷりにワクワクします。この方がジャンピエールの最初のお相手かしら、なんてこともまで想像したくなってしまう、しっとりとした落ち着きと美しさ(*^ ^*)。
雪組時代の美穂さんは、どちらかというと先生っぽい感じで、あまり色事には向かない印象があったのですが、専科に異動されてから変ったなあ、と思います。
月組の次回公演に出演して、キャピュレット夫人か乳母を演じるとか、ありそうかも?





この調子で書いていたら絶対に終わらなそうなので、ちょっとだけショーのことも書かせてください。……単なるメモですが(すみません)

・プロローグ。すみ花ちゃんが歌う場面のカップルは、センターが北翔×すみれ乃、その回りに寿×花露、悠未×大海、十輝×純矢、凪七×結乃、七海×藤咲。

・ヴァンピーロの前に祐飛さんに絡む女性は、瀬音⇒純矢⇒大海⇒藤咲

・ヴァンピーロ(北翔)の場面のちわわポジ(=博多の桜子ポジ)は、結乃かなりちゃん!!いやー、ゆいちゃんのダンスは伸びやかで本当にいいです!「ナイスガイ」の群舞での立ち位置といい、藤井さんは本当にゆいちゃん(のダンス?)を気に入っているんでしょうね。
ゆいちゃんの隣でスタートする舞花くるみちゃんも好きなので、この場面のダンスをもう一度観られて嬉しかったです。博多の頃よりダンスもシャープになって、ホントにカッコいい(^ ^)。

・中詰め後のDream Girls(梨花・美穂・鈴奈)が大好き!いいなあ、ああいう場面本当に好きです(*^ ^*)

・ジャングル。ともちんが登場するたびに、毎回懲りずに驚いてしまいます。……だって、ついさっきまでお花ちゃんだったのに!!

・6匹の女豹たちがホントに素敵。みんな良いけど、個人的には夢莉みこちゃんが物凄く弾けていたのが嬉しかったです。ちょっと寂しげな美貌で、一瞬えりちゃんと見間違えることもあるくらいなのに!

・戦場のラスト。祐飛さんの倒れるタイミングが、博多より少し遅くなった気がするのですが、気のせいでしょうか?セリが下がり始める前にみっちゃんが歌いだすタイミングになったような。……別に良いんですが、拍手がいれづらくなったなぁと毎回思います。

・ラグリマ途中でのしのちゃん×ちわわリフトは、公演の前半はみっちゃんとえっちゃんだったけど、後半はともちんがやってました。みっちゃんどうかしたのかな?

・ロケット。滅多に観れないあっきーの美脚にうっとりと見惚れつつ、えなちゃん(月映)の後ろ姿にきゅんきゅんしてます。ゆいちゃんがロケットにいないのがさびしい……。

・紫の衣装の女役さんたちが祐飛さんと絡む順番は、純矢⇒花露⇒藤咲⇒結乃⇒大海。えりちゃんが可愛いいいいい(壊)。


……最後はお約束どおり壊れて終わります(^ ^)。



【7月1日まで、あと130日】
日本青年館宙組公演「ロバート・キャパ~魂の記録~」千秋楽おめでとうございます。

テルくん(凰稀かなめ)、宙組での初主演お疲れさまでした\(^ ^)/ゆうりちゃん(伶美うらら)も、初ヒロインおめでとうございます!
そして、この作品を最後に花組に組替えするみーちゃん(春風弥里)の幸いを祈っています(^ ^)(これからも逢いにいくので、別れの言葉は言いません。むしろ「花組へようこそ」って言いたい)。




さて、作品としての「魂の記録」について。

個人的には、面白くなる可能性のある作品だったと思います。
題材は興味深いし、キャストは実力派ぞろいでみんな良かったし。

でも、観終わっての感想は、残念ながら「素晴らしい」ではなく、、、「面白い」「興味深い」でもなくて、「もどかしい」だったのですが……(; ;)。


こういう作品は、何度か観ると面白くなってくることが多いんですよね。
脚本的に致命的な破綻があるわけではなく、書き込みが浅いだけで題材は面白いし、役者は巧い人ぞろいでみんなそれぞれに良い味を出している。そもそも登場するのはほとんどが実在の人物だから、脚本的には多少無理があっても役者のがんばりと観客側のフォローで行間を埋めれば、それなりに納得できるのが当然。事実として間違っていないなら、脚本的には飛ばされていても納得できる理由があるはずだ、と思って観ますからね、観客は。

逆に、初見はすごく面白いけど、何回か観るうちに飽きてしまうというか、いろいろ粗(ツッコミどころ)が見えてくる作品もありますが、「キャパ」はそういうのではなかったと思います。
ネットなどで感想を見ても、複数回ご覧になった方は誉めていらっしゃるケースが多いような気がするし。私はスケジュール的に一回しか観られませんでしたが、何回か観たら面白さがわかったのかな?




原田さんの作品は、「ジュ・シャント」「ニジンスキー」に続き3作品目。
私はいちおう3作とも観ていますが、わりとどれも似たような印象……です。「新人の割にまとまっていて破綻はないけど、私には響かない」という感じ。
あくまでも「私」という一人の観客感想ですので、ご容赦くださいませ。

もちろん、良いところもたくさんありますよ!
たとえば舞台美術。……今回でいえば、背景の空(雲)とそれを照らす照明が素晴らしかった!あの空の下で語られるだけで、ありきたりな愛の言葉の羅列が美しいラヴシーンになったんだから、凄いですよね(@ @)。
スタッフは、照明が氷谷信雄さん、美術は……装置の稲生英介さんが仕切られたのかな?キャパの事務所のセットとかは普通でしたけど、あの空と八百屋になっている床(地面)、そして舞台美術の一部としての照明の組み合わせは良く出来ていたと思います。


でもやっぱり、脚本は「もどかしい」し「残念」なんですよね……

そもそも、脚本中のアンドレ・フリードマン(のちのロバート・キャパ/凰稀かなめ)が目指したものが、ジャーナリストだったのかカメラマンだったのかが良く判らなかった(; ;)
たった一枚の写真でも、伝えられるものがある
というのは作品上も重要なキーワードだと思うのですが、
アンドレがやりたかったことは、「その瞬間をフィルムに留める」ことなのか、それとも、それによって「何かを伝える」ことなのか?というあたり。

「残す」ことと「伝える」ことは全然違うはずなのですが、脚本的にはかなり混乱していたような気がします。
「残す」のは時間軸で「伝える」は空間軸。「残す」のは自分一人の問題で、「伝える」ためには相手が必要。根源的なテーマだと思うのですが、いまひとつ整理がつかなくて曖昧なままのように見えました。


あるいは、母親(光あけみ)との確執。
母親が病的な心配性で、そんな母親に感謝しなくてはならないプレッシャーを抱えつつ、心のどこかで疎ましく思っている………みたいな感情があるんだろうな、というのは観ていて思ったのですが、何の伏線もなく突然怒られているのをみても、唐突すぎて全く響かないんですよね。
まだキャパが戦場カメラマンとして名を馳せる前で、大して危険なところに行ったわけでもなんでもないのに。

そこが響かないと、「キャパの正体を公表する」という決意もとってつけたように見えるし、ラストのアンドレが母親に許される場面も、なんのカタルシスもなく唐突に感じられてしまう。
頭で考えれば意味がわかるけど、感情的に伝わりにくいんですよね……って、え、私だけ?



スペイン内戦の取材に行くまでの経緯も唐突だし、、行ってからの展開もよくわからない。場面として突然始まるスパニッシュも、どうかと思うんですよね。彼らはスペインに遊びに行くわけじゃないのに(←いや、ダンサーは全員めっちゃ恰好良いですけどね!!)

「人間を愛したカメラマン」とか「彼が撮りたかったものは戦場ではなく、戦争が終わった後の笑顔」とか、そういう小奇麗なイメージはわかるんですけど、そのために彼が何をしたのか、が見えてこない。

「カメラを捨てて戦うべきじゃないのか」
と悩むところは、テルくんらしいリアルな悩みだな、と思うのですが
「大切なのはどう生きるかだ」とか
「あんたの役目はライフルを持つことでも俺を生き永らえさせることでもない、この現実をフィルムに残すことだ」とか、、、

分かりやすい格言は、あくまでも格言であって共感を得るための台詞ではありません。そういう台詞をクライマックスで語らせることは、「鏡面に絵を彫り込む」ような行為だと思うんですよ。

「いつか、戦場カメラマンが失業する世界が…」とか、良いなあと思う台詞もたくさんあるんですけどね。



設定が、あるいは役の人物の心情が観客に響くか響かないか……それは理屈ではないし、そもそも観客それぞれに違うはず。
ただ、一ついえるとすれば、伏線のないエピソードで共感を得るのは難しいです。伏線があれば、多少無理な設定でも共感が得やすい。それは、「ああ、あのときのあれはここにつながるのか!」という驚きがあるからです。
驚きと共に発見される情報は、感情を動かしやすい。それは、「与えられた(教えられた)情報」ではなく、「自分で発見した情報」に分類されるからだと思うんですよね。
まあ、生田さんのデビュー作(BUND NEON)みたいに、伏線が多すぎて時間内に拾いきれなかったりするのも問題ですが(^ ^;、原田さんみたいにまったく伏線ナシで話を進めるのも限界があると思うんですよね。
原田さんの次作は大劇場公演なので、時間制限もかなり厳しくなりますし……うーん、がんばってほしいなあ。





ここまで脚本の話ばかりしてきましたが、実際には脚本が舞台にあがるわけではなく、そこには当然役者がいます。
で。原田さんは、どちらかというと「自分が描きたいもの」が先に来るタイプで、座付き作家にしてはあまり役者(特に主演者)を視ていない方だな、という印象があるのですが、テルくんの今回の役も、テルくんの本来の魅力からはだいぶ遠い、パッショネイトな役でした。

まあでも、今回はそれもありかな、と。
テルくんも、宙組でこそ初主演だけど、主演自体は3作目。前回の「リラの壁…」がr再演だったので、今回も宛書きではなかったのが残念ではありましたが、今の立場で宛書きではない役と、わかりやすくて裏のない脚本をどうねじふせて盛り上げるか、みたいなところを勉強するのも大切だろうな、と思うので。
実際、ビジュアルから男っぽく創りこんだテルくんは恰好良かったし、「人を愛した」写真家、というところはよく伝わってきたと思います。元々テルくんの優しい芝居が好きなので、それぞれのエピソードの切り方がキャパの「優しさ」や「弱さ」を見せる方向だったのも良かったんだと思います。




回りのキャストは、みんな良かったです。印象的な人ばかりでしたね。
ちや姉(風莉)のピカソ、みーちゃんのチーキ、ちーちゃん(蓮水)のアンリ、(鳳樹)いちくんのフェデリコ、そしてモンチ(星吹)のシム。みんな本当に良かった!あの脚本からよくこれだけ「人間」を立ち上げたな、と感心しました。

役不足で残念だったのは、りっくん(蒼羽)とタラちゃん(愛花)かなあ。二人とも本当に芝居ができる人なだけに、勿体無い。今回も良い仕事をしているので、余計に切ないです。
あ、みーちゃんもこっちに入るでしょうか。良い仕事をしていたこともあわせて。……私はチーキがすごく好きでしたけどね(ラストの長台詞は、「ヴァレンチノ」エンディング前のパクリかと思いましたが)

ゆうりちゃんのゲルダは、脚本の矛盾点を一心に受けて、主役(キャパ)を作家の思い通りに(あるいは歴史通りに)動かす操縦士のような役でしたが……
芝居については経験不足が否めないし、最大の武器であるはずのビジュアルも微妙で残念な感じでしたが、響きのやわらかな、まろやかな声はとても好きです。
ちょっととなみちゃん(白羽)系?とか思ったのですが、これから先、どうなるんでしょうね……

グットマン社長の汝鳥さんはもう最高。
パリでアンドレを迎えるフーク・ブロック社長のまっぷー(松風)も、脂ぎった中年男を好演していたと思います。その愛人・ジャンヌ(美風)も、怖さがあってよかったなあ~。

みーちゃんについては上で書きましたが、ちーちゃんとモンチは可愛かったですねえ。中でも今回はモンチが可愛くてすごくツボでした。可愛かった!
ピカソとフェデリコは、スペイン内戦の象徴的な場面をそれぞれセンターでひっぱる役でしたが、どちらも本当に素晴らしかった。文句なく、この公演のMVPだと思います。

アンドレの弟・コーネル(桜木)は、、、出番が少ないうえに、どの出番も設定が唐突すぎて目眩がしましたが、ずんちゃん自身はすごく良かったです。テルくんの弟、と聞いてスタイルとかスタイルとかちょっと心配していたのですが、なかなかお似合いの二人でした。
兄貴との感情的なすれ違いをもっと正面から描いても話としては面白くなったと思うのですが、原田さんは、そういう「負」の感情をリアルに出す芝居はあまりお好みで無いらしいですよね……残念だなー(T T)。



でも、こうやって見ると、「ジュ・シャント」に比べればだいぶ役も増えてきているんですね。
それでも、あとは、えびちゃん(綾瀬)クラスでも殆ど台詞がなウェイトレスが本役なあたり、さびしいんですが。
次は本公演なので、なんとか頑張って役を増やしてくださいますように(切実)。


あとは、せっかくのサヨナラなので、ぜひともハッピーエンドでお願いいたします!
祐飛さんは、悲劇についてはあらゆるパターンをやってきているので、新人さんが挑むのはハードルが高いだろうと思いますし、ね。ハッピーエンドは少ないので、観劇後に幸せ感があるだけで新鮮だし、ファンも嬉しい(*^ ^*)。
多少行間に隙間の多い脚本でも、祐飛さんすみ花ちゃんと今の宙組メンバーなら埋めてくれると思うので、ぜひとも楽しくハッピーエンドで!!!(祈)




【7月1日まで、あと132日】
宙組中日公演「仮面のロマネスク」について。



……の、前に。
以前録画した「Energy ~仮面のロマネスク~」を視ました。
かしちゃん(貴城けい)主演の、雪組新人公演ダイジェスト。

ダイジェストなので前に観たときはよくわからなかったのですが、作品を知ってから観るとなかなか面白いです(^ ^)。

脚本はいろいろ細々と違っているんですね。
最初の前口上が、中日ではダンスニー(北翔/汐美)だけなのに、雪組版は途中ジェルクール(悠未/夢輝)が引き継いでいたり。台詞もずいぶん違う。演じ手が違えば芝居が違うのは当たり前ですが、予想外に脚本が違っていることにあらためて驚きました。
【追記:Energyは大劇場の映像ですが、本公演は、大劇場と東宝の間にもだいぶ変更されていたそうです】

驚いたのは、トゥールベル夫人(紺野)を彼女の部屋で口説いた場面の後です。
マリアンヌの部屋を出た後、逡巡の歌を歌ったジャンピエールが「フランソワーズ、君はどう思う…?」と呟いたこと(中日ではフランソワーズの名前を呼ぶだけ)。
そして、時計の音に我に返ったジャンピエールが「次はセシルだ」と宣言したこと、でしょうか(中日では無言でセシルの部屋のドアに向かう)【追記:そして、時計の音が鳴るのも、ヴァルモンがセシルの部屋に入った後になっています】。

いやー、その二言があるかないかで、ジャンピエールが別人になるなあ、と思いました(@ @)。
ジャンピエールがマリアンヌに本気で恋しかけてしまうのは同じですが、そんな自分に驚きつつ否定しようとするか、面白がろうとするか、その違い。
マリアンヌを手に入れる場面で、「ジャンピエール」と名前を呼ぶマリアンヌも、全然違う。



あと、ロベール(十輝)がしいちゃん(立樹)だったり、ベルロッシュ(鳳翔)が(華宮)あいりだったり、柴田さんの役に対するイメージは明解だなあと思ったりしました。
そして、ガボット(中日では月映樹茉)役が出てこなかったのがとても残念!オリジナルではどんな役だったのか知りたかったのにー

いやはや、面白かったです。
ダイジェストではない、フルの雪組版を観てみたいです。


しかし!
前口上のみっちゃん(北翔)の、「わたしはいま、『あんな男』と……ふっふっふっ、」という含み笑いが初見からずっと気になっていたのですが、雪組新公のケロさん(汐美)はやってなかったんですね。ってことは、本役の轟さんもやっていなかったのかなあ?舞台の上を生きる一人の人物像として違和感があるので、やめてほしいのですが……(←観るたびに、トラファルガーのハミルトンを思いだします)

そして、ジャンピエールがセシルに「鍵をあけておくように」と言ったとき、「Energy」のセシルが何の迷いもなく「はい、鍵はあけておきます!」と元気に答えてたことにも驚きました。れーれの、逡巡とそれを振り切るような返事がこっそりとジャンピエールに魅かれているセシルを表していてとても好きだったのですが、あれは景子さんの女性ならではの演出の一つだったのかな。

あと、雪組版には「ジェルクール、ヴァルモン=国王側、ダンスニー=オルレアン公側」という設定があったんですね。中日でこの設定が消えていたのは何故なんでしょう。ラストのジャンピエールとフランソワーズのダンスを観ながら、ダンスニーとセシルは幸せになったんだなあ…と思ったのに。

あと面白かったのは、松雪さんのソフィ(中日では夢涼りあん)。若いのに世話好きなおばさんみたいなキャラクターでした(^ ^)。達者だなあ。そういえば、私は彼女の歌声がとても好きだったんですけど、芝居をしているのはあまり観たことがなかったんだな……。




さて。新公映像との違いはそんなところにして、中日公演に戻ります(^ ^)。

第一場 プロローグ

まずは上手花道のすっぽんセリから白い軍服のヴァルモン子爵(大空)がセリ上がり。
下手花道に登場するメルトゥイユ侯爵未亡人(野々)と、いきなりの口争いがはじまる。

二人がひとくさり言い争ったところで、下手袖からダンスニー男爵(北翔)が登場。(ここのダンスニーの口上については、上で書いたので省略 ^ ^)

ダンスニーから口上を引き継ぐのは、メルトゥイユ邸の執事ロベール。
台詞を喋るたびに頭を抱えることが多いまさこちゃんですが、今回のロベールの台詞は良かったです!温かみのある優しい口調と朴訥な雰囲気が、あの役にとても合っていたような気がします。
先が見えすぎてキリキリしがちな、頭の良すぎる女主人を、ふわっと包む優しい執事さんでした。


邸でおこなわれる舞踏会のお客様を迎える使用人たち。
この場面で特筆するべきは、やはり深紅の薔薇を抱えて登場する青年貴族ベルロッシュ(鳳翔)。女主人フランソワーズの「現在の」恋人。
いやはや。素晴らしい大ちゃんクオリティでした!「クラシコ・イタリアーノ」の五峰さんの旦那様も素敵だったけど、今回も本当に素敵です。立ち姿の美しさと、相手役を見つめる目線の優しさが良いんですよね(^ ^)。
ちなみに、雪組版は薔薇を抱えていないらしいので、これは景子さんの夢を大ちゃんが叶えた、ってことでよろしいでしょうか(^ ^)。



紗幕があがると、華やかな舞踏会の真っ最中……1830年、春の宵。

真ん中で踊るのはジェルクール(悠未)とセシル(すみれ乃)……だったかな。
もう一組はダンスニーと貴族の女(瀬音リサ)。
てんれーさんとあゆみさんが踊ってるー、あらまあラブラブ(^ ^)。と思っていたら、お二人はちゃんと夫婦役でした(^ ^;(テチエンヌ公爵/天玲とその夫人/鈴奈)。
ブランシャール夫人(梨花)は春瀬くんと踊ってたような気がします。みとさんの完璧な貴婦人風にうっとり。

あとは誰だったかなー?
七海×夢涼、月映×美桜、愛月×花里、美月×真みや、七生×愛咲、、、、だったかな?とにかくかなり情報量の多い場面で、私の頭の中では処理しきれてないみたいですが(^ ^)。


曲が盛り上がったところで、メルトゥイユ夫人が登場。
取り巻きの美青年たち(ナヴァラン/澄輝、ヴァレリー/愛月)が彼女にまとわりついてダンスに誘う。七生・秋音あたりも参戦するけど、結局はベルロッシュに持っていかれるんですよね。それも当然と思わせる大ちゃんの美しさと華はさすがです。

「未亡人になってもますますあでやかに……」と讃えられるフランソワーズ。
未亡人になったからこその輝きなのかもしれませんが、とにかく、そこらの美青年たちとは格が違う、というのを見せつけた、すみ花ちゃんの美しさでした(*^ ^*)。


ジャン・ピエール・ヴァルモンが上手の階段に登場して、スポット。
その瞬間に、彼以外のすべてが朧にかすむ。
……メルトゥイユ夫人以外は。


格式高い侯爵夫人の舞踏会を台無しにするために、彼が連れてきた娼婦たち。エミリー(大海)とイヴォンヌ(舞花)の手慣れた風情。
彼女たちを連れて去るジャンピエールの従者、アゾラン(凪七)。

妻を連れてメルトゥイユ夫人に挨拶するトゥールベル法院長(寿)。
「しばらく仕事でパリを離れることになりまして、、、」
慎ましく夫の傍に寄り添いながら、
「心細くて……」
という、淑やかなトゥールベル夫人(藤咲えり)。

夫と仲睦まじく帰って行くトゥールベル夫人の背中をじっと眼の隅で追うヴァルモン。
ニヤリと笑いながらあごを撫でる仕草が色っぽくて好きです。

そして、そんな彼を凝っとみているフランソワーズ……。

こ、こ、こわい……とっても素敵だけど、でも、怖い(^ ^;


成りあがり(?)の青年男爵フレデリック・ダンスニーをブランシャール家のセシル嬢に紹介するフランソワーズ。
フランソワーズとダンスニーのこの時点での関係はよくわかりませんが、フランソワーズの旦那のとダンスニーの父親が懇意だったとか、そういう感じでしょうか。
若い彼は可愛らしいセシルに一目惚れ。分かりやすい彼の反応を面白がっているフランソワーズ。

ブランシャール夫人が慌てて、セシルの婚約が調ったことを公表する。
お相手は近衛隊の将軍・ジェルクール伯爵。

……それを聞いて、微かに眉をひそめるフランソワーズ。謎めいた無表情。

じっとセシルの眼をみながらその手にキスをして、国境の騒ぎをおさえに行くジェルクール。彼に従う副官(?)のフレネー(美月)とラヴァル(春瀬)。
無表情にそれを見送るジャンピエール。


「宴が果てて夜深く、仮面を脱いで二人きり……」
暗転の中、影コーラスがただよう。ジャンピエールとフランソワーズ、二人っきりの時間。

昔、ひそかに恋人同士となっていた二人。
別れた経緯についてのはっきりした説明はありませんが、身分の高い夫のいるフランソワーズには、若い男と遊ぶことは許されても、一人の男と「深い仲」になることは許されなかったのかな、と思ったりしました。
若いヴァルモンは、そんなフランソワーズに弄ばれたと思ったのかな、とか。

そのあたりの事情はわかりませんが、二人の会話は、とにかく怖いです。
言葉は刃なんだな、と思う。二人とも真剣を抱えて対峙しているかのような、それも構えているのではなく、居合抜きの達人同士みたいな気迫がありました(←わかりにくい)

すごいなあ。美しいなあ。怖いなあ。
ピンと張りつめた空気、腹のうちを探り合いながら、唇とはぜんぜん違うことを語っている瞳

「お互いもっと自由になるためにお別れしましたわね」
「僕は別れたつもりなんて」

「……あら。そうでしたの?」

フランソワーズの、謎めいた笑み。
『女』の全てを賭けた、笑み。


愛しているからこそ、「男のモノ」にはなれなかった女と、
愛している女のことだけは「モノに」できなかった男。


面と向かって決して本当のことを言わない二人の痛いほどの寂しさだけが、意味もわからずに伝わってきました。
本音で語り合う仲間を持たない、孤独な二人。


孤独の「孤」の字は今回はフランソワ―ズの背中にもちゃあんと見えました(^ ^)。



……そんなヨタ話で引っ張っていいのか、悩みつつ。



【7月1日まで、あと135日】
宙組中日劇場公演「仮面のロマネスク」。



この作品を観て一番最初に思ったことは、
やっぱり私は、柴田さんの話術がすごく好きなんだな、ということでした(^ ^)。
だって!言葉の選び方がいちいちエレガントで素敵なんですもの!!あの脚本を喋れる役者はどんどん減ってきていますけれども、なんとか絶滅危惧種を大切にしてあげてほしいです……。



以前にも何度か書いたことがあるような気がするんですが、柴田さんの脚本って、「地の文」が無いんですよね。
冒頭でダンスニー(北翔)がちょっと状況を説明しますけど、もう本当にそれだけで、あとはすべてを会話で処理していく。
人間関係も、時代背景も、何もかも。

「地の文」が無いってことは、説明(解説)役がいないということ。
つまり、登場人物の心情を説明する人が存在しない。だから、みんな嘘を吐き放題になるんですよね。

登場人物がでてくるたびに嘘をつく。もう、「嘘」が主役と言ってもいいくらい、見事なお芝居だなあ、と本当に感心しました。宝塚作品って、特に大劇場公演はわりと単純明解が正義!みたいなところがあって、主要登場人物に嘘を吐かせるのは柴田さんと石田さんくらい……という印象があるのですが、このお芝居はその真骨頂かも、と思いました。



そして、そのめくるめくような「嘘で塗り固められた世界」こそ、まさに終焉に向かう19世紀の貴族社会そのもので。
意味もなく嘘を吐いているのではなく、そういう時代で、そういう世界であったのだ、ということが説明抜きで伝わってくるその脚本と、それを100%表現してのけた役者たちが、本当に素晴らしかった!!



舞台は、1830年のフランス・パリ。
1789年のバスチーユ陥落から、第一共和政(スカーレット・ピンパーネル)⇒第一帝政(トラファルガー)を経た、王政復古の時代。

1815年に王位についたルイ18世は、ルイ16世の弟。「ベルサイユのばら」でいうプロヴァンス伯ですね。そして、彼の死によって1824年に王位についた弟シャルル10世は、アルトワ伯。彼がこの「仮面のロマネスク」という時代のフランス国王ということになります。
彼ら二代は革命以来の「市民」たちの進化を無視し、ブルジョアのもつ財力を無視して貴族や聖職者を優遇する反動政治を執りました。
それでも、そんな政府がナポレオンの百日天下をしのいで15年も続いたのですから、やはり、革命後の混乱とナポレオン戦争で、フランス社会は疲弊しきっていたのでしょうね。

その、混乱した幼い市民社会の上に薄い板を敷いて、その上で優雅に貴族たちがワルツを踊っていた時代……それがこの、『ブルボン家による王政復古期』でした。
劇中でブルジョアのガボット(月映樹茉)が指摘しているとおり、シャルル6世とその近臣たちの失政によってこの時代は終わってしまうのですが、反動政治という「波」にのった貴族たちは、「革命」で喪ったなにもかもを取り返そうとがんばるあまり、「市民」たちの反感を買いまくってしまうんですよね。

「尊敬」の対象が何かのきっかけで「軽蔑」の対象に堕ちたとき、
そして、「軽蔑」していた者たちによって虐待を受けたときに、人はどこまで残酷になれるのか。
その怖さがリアルに伝わってくる作品でした。



革命によって零落したヴァルモン子爵家を復興した、28歳の青年貴族・ジャンピエール(大空祐飛)。

美しく艶やかな社交界の華、フランソワーズ・メルトゥイユ侯爵未亡人(野々すみ花)。

敬虔なカトリックで貞淑な法院長夫人、マリアンヌ・トゥールベル(藤咲えり)。

武術に秀でた体育会系のウブな22歳のお坊ちゃん、フレデリック・ダンスニー男爵(北翔海莉)。

メルトゥイユ夫人の元愛人でフランス軍の将軍、ジェルクール伯爵(悠未ひろ)。

修道院を出たばかりの金髪の美少女、セシル・ブランシャール(すみれ乃麗)。

メルトゥイユ夫人の現在の愛人・ベルロッシュ(鳳翔大)。


ジャンピエールとフレデリックの年齢はナウオンか何かで出ていましたが、他の登場人物の年齢(関係)はどうなっているんでしょうね。
私は原作を読んでいないのでかなり適当ですが、公演を観て、フランソワーズはジャンピエールよりちょっと年上設定かな?と思いました。ってことはちょうど30くらい?……まあ、個人的な印象ですが。
セシルは修道院を出たての14~15歳あたり。
マリアンヌは18前後くらいでしょうか。
ジェルクールは30前後か、もっと思い切って上でもいいかもしれませんね。
法院長(寿)は、40以上……もしかしたら50代なのかも?、という感じ。

基本的に、貴族の娘は修道院を出たばかりで年上の男性貴族に嫁がされ、その夫が亡くなって未亡人となったときに初めて自由の身になる……という時代だと思うので、そんな年齢設定かな?と思いました。
仲間内では、ジャンピエールとフランソワーズが幼馴染の初恋同士、という意見もありましたが、、、うーん、そんな齋藤作品みたいな設定はあまり感じなかったなあ(- -;)。ジャンピエール自身も、ヴァルモン子爵家を再興するために、、、年上の高貴な女性に取り入るのは得意だったんでしょうし、「人に知られない数々の艶話」の中には、そういうのも多かったのでしょうし、ね。



私は、初演を観ていないのみならず、ラクロの原作「危険な関係」も読んでいないのですが、原作は書簡形式の作品なのだそうですね。舞台を観ていて、手紙を読む場面が多いなあとは思っていたのですが、なるほどー!(^ ^)
電話のない時代の物語ですが、手紙を読んでいるところからスムーズに直接の言い争いにつながる演出はお見事の一言。演出は今回、植田景子さんがなさっていらっしゃいますが、そのあたりは初演どおりだと聴いて納得しました。内面世界なのか現実世界なのか、それがはっきりしないところがいい。内面世界なら作劇的に嘘はつけないけど、現実なら脚本的に嘘が吐ける。そして、観客には内面なのか現実なのかはっきりしない……というか、そこが騙し絵になっている。
表を辿っていたはずなのに、いつの間にか裏になってしまうメビウスの輪のように、


そもそも、原作は1789年の革命前夜の物語だそうですが、柴田さんはあえて1830年の7月革命直前に設定したそうですね。そして、物語自体にフランソワーズとジャンピエールの秘めた恋という軸を通して、「タカラヅカ」らしい恋愛譚に仕上げた。

この二つの変更点は、すごく効果的だったと思います。
あんなに嘘だらけの脚本なのに、登場人物の誰ひとり矛盾のある行動を取らないところがすごい。フランソワーズとジャンピエールの間に恋愛感情が色濃くあるから、それを軸にすべてのエピソードがつながるんですよね。マリアンヌを落す寸前でとまどったときの葛藤と、「フランソワーズ……!」という呼びかけの意味。フランソワーズとダンスニーの関係。
仮面をつけなければ生きていけなかった女の哀しさ。純粋であるには傷つきすぎて、生きるために強くならざるを得なかった女の、たったひとつの「欲しかったもの」。

この世にただひとつの「愛」を得るために生きている男と、
この世にただひとつしかない「欲しいもの」を得てしまったら、生きる理由がなくなる女。



ジャンピエールは、侯爵夫人である恋人に釣り合う男になろうと成り振り構わずにヴァルモン家を再興し、
フランソワーズは、若く美しい恋人の関心を惹く女でいつづけるために、その手を拒否する。


足許には市民たちの不満が渦巻いているのに。
運命の時が、すぐそこまで来ているのに、観ない振りして恋愛ゲームにいそしむ彼ら。


結局、この時代の「貴族」たちには、「政治」は無理なのだと。
反動王政を敷いたブルボン家と、その近臣たちは、滅びなくてはならないのだ、と。



「市民社会」の蓋となって「貴族社会」を支える板は、市民たちが腕を振り上げれば簡単に壊れてしまうような、非常に脆いものでした。
物語のラストは、いわゆる7月革命……1830年7月29日、なんですよね、たぶん。
その前夜だから、7月28日かな?

この後は、1848年の2月革命まで続くオルレアン家の王政がはじまります。
もはや貴族は実権をもたず、ブルジョアたちの指導者が権力を握った、フランス最後の王政時代のはじまり。

「仮面のロマネスク」とは無関係ですが、「レ・ミゼラブル」で語られる学生たちの暴動は、1832年のラマルク将軍の死をきっかけにしたものです。テナルディエはワーテルローで死者の懐をあさっていたという話があったりするし、まさにこの時代の物語なんですよね。
マリウスがコゼットと親しくなりたくて毎日公演を散歩して彼女が来るのを待っていたというエピソードは、ほぼダンスニーとセシルのエピソードと同じなので、観るたびについ笑ってしまいます(^ ^)。

さらにちなみに、7月革命で王位についたオルレアン家のフィリップは、ルイ14世の弟フィリップ(「薔薇の封印」で祐飛さんが演じたフィリップ王子)の後裔ですよね(^ ^)。そんな細かいエピソードを探しはじめたらキリがないくらい、この時代の作品は宝塚には多いです。20世紀のはじめと並ぶ、ドラマティックな時代なんでしょうね、きっと。




観ながらものすごく頭をつかうお芝居と、
頭をカラッポにして熱さに浸るラテンショー。

この宙組公演は、何度観ても面白いです!


この作品をやらせてくださったスタッフのみなさまと、その期待に応えて面白い芝居に仕上げてくれた宙組っ子のみなさまに、心からの感謝を(^ ^)。


【7月1日まで、あと139日】
中日劇場にて、宙組公演「仮面のロマネスク/Apasionado!!2」を観劇いたしました。


いやー、楽しかった!!
っていうか、素晴らしかった(*^ ^*)。



柴田さんの「浪漫」の世界にどっぷり浸れるお芝居と、
藤井さんの「パッション」の世界にどっぷり嵌れるショーの二本立て。

どちらも良い作品で、面白い組み合わせだな、と思いました。本当に。


「仮面のロマネスク」
私は初演を観ていないので、噂に高い柴田さんの名作を楽しみにしていたのですが。

すごい脚本だった!!

なんというか、柴田作品のもつ『時代の空気感』って、すごいなあと思うんですよね。
いわゆる「ベルサイユのばら」に象徴される「フランス革命」の1789年からから40年がすぎた1830年の、巴里。革命後の混乱(「スカーレット・ピンパーネル」)からナポレオンの登場と破滅、王政復古という「一回り」を経て、再び貴族社会に戻ったフランス。ブルジョアの台頭による身分制度のゆらぎ。
そんな、不安定な時代の中で、閉じられた「貴族社会」という金魚鉢の中を泳ぎ抜こうとした、美しい魚たちの物語。

政治的な話はほとんど出てこないのに、そういった「現実」から目をそむけて、金魚鉢の中で生きようとした「貴族」という存在の、儚い美しさがとても印象的でした。


若く美しい社交界の華・フランソワーズ・メルトゥイユ夫人(野々)と、恋多き美青年ジャン・ピエール・ヴァルモン子爵(大空)の、意地の張り合いを軸にした恋模様。それだけを描いているようで、ぞっとするほど絶望的な「貴族」たちの未来に向ける切ないまでの優しい目線が、とても美しかったです。

ヴァルモンが眼をつける、貞淑で淑やかな、美しいマリアンヌ・トゥールベル夫人(藤咲えり)。
メルトゥイユの従妹で、修道院から出たばかりのうら若き乙女・セシル(すみれ乃麗)。
ヴァルモンとメルトゥイユの意地の張り合いに巻き込まれた二人の美女、中でも頑なに「恋」を拒むトゥールベル夫人の、その一途な生き方。
シンプルに「愛」を信じて、仮面をかぶらなかった二人と、仮面を被って「貴族社会」を泳ぎ抜こうとした二人。それぞれに夫や恋人や婚約者のいる二人の女性の対比もおみごとでした。

元々隙の無い脚本を、再演という形でどうイタに載せるか、苦労したんだろうな、と思いました。まだまだ、そのめくるめくような脚本の「多弁な行間」を表現しきれていない方もいらっしゃったような気がしますが、これからどんどん深化していくことが期待できる、美しい舞台でした!

「柴田浪漫」の傑作と言われるのもよくわかる作品。
初演から10年以上が過ぎて、またきっと初演とは全然違う作品になっているのだと思いますが、とても興味深く観ることができました。


あの時代の、ピンと張りつめた空気。その中で生きる「貴族たち」の緊張感が美しい。
祐飛さんとすみ花ちゃんで、この作品を観ることができたことが、とても嬉しいです(^ ^)
そして、藤咲えりちゃんのトゥールベル夫人を観ることができて、幸せです(*^ ^*)。



「Apasionado!! 2」
この「Apasionado!!」という作品は、もともと瀬奈さん率いる月組で、大野さんの「夢の浮橋」と同時上演された作品。
これが、大空&野々の宙組お披露目となった博多座で「大江山花伝」という往年の柴田作品と一緒に上演されて、今回が三度目。祐飛さん率いる宙組にとっては、2度目の上演ということになります。

黒塗りのホットなラテンショーで、「クール」が売りといわれていた祐飛さんには合わないのではないかと(上演前は)思っていた作品。これが思いのほか似合っていたことに驚いた博多座から、2年半。
卒業を見据えて円熟を極めたトップコンビと、熱くて元気な宙組っ子たち。博多座にも出ていた子たちの成長っぷりには驚かされました。「子」って学年じゃないけど(^ ^)、まさこちゃん(十輝)とかも含めて。

そして、2年半の間に上演された作品群の、鮮明なイマジネーション。特に、誰もが感じるところだと思いますが、小池さんの「ヴァレンチノ」を上演したことで、このショーの中の「ヴァレンチノ」の場面の雰囲気がずいぶん変わったな、と思いました。
なんといっても、カイちゃん(七海)のナターシャの空気感がまったく違う。初演の(城咲)あいちゃんも、博多座の(花影)アリスも、「ナターシャ」と役名はついていても、ナターシャの痛みを演じたわけではなく、ただの「喪服の語り手」として「ヴァレンチノ」を語っていた、と思う。
でも、カイちゃんの中には「ナターシャ・ランボア」がいる。そして、カイちゃんのナターシャが語る「ヴァレンチノ」は、あくまでも「ルディ」だった。
誰からも愛されるラテン・ラバー。すべての女を深く愛した、愛情深い天使・ルディ。
ナターシャを愛した優しいルディの思い出。
彼の破滅をただ見凝めるしかできない田舎娘と、「今の自分」を鏡に映してとまどう男。
「愛が欲しい」というソロを歌う和希くんの、なんというか……子供っぽい、素直な声がとても好きです。初演⇒再演とずいぶん声のイメージを変えたなあと思っていたのですが、また全然違う音を持ってきたな、と思いました。

大きな変更点は、他に(いや、ヴァレンチノは変更されたわけじゃなくてキャストが変わっただけですが)、神様が女役三人(梨花・美穂・鈴奈)になって歌が変わったことと、ともちん(悠未ひろ)が客席から登場する「ジャングル」の場面が追加されたこと、あと、最後のデュエットダンスの曲が変わったこと……でしょうか。
あとは、、、中日は博多座と違って中階段もない(せいぜい4、5段かな?)ので、セット都合で演出が変わったりしたところはたくさんありましたけど、基本的には博多座どおりだったと思います。


細かいところはまた改めて書かせていただくつもりですが、とりあえず、お花畑の花々だけ。

最初は、すみれ色のヴィオレッタ(悠未ひろ/十輝いりす/遼河はるひ)。
次は緋色のペンサミエント(凪七瑠海/珠洲春希/龍真咲)。
次はピンクのカーネーション(鳳翔大/同/青樹泉)。
次はハスミン(=ジャスミン)(十輝いりす/蓮水ゆうや/星条海斗)。
次は黒薔薇さま(寿つかさ/越乃リュウ)。
次はオレンジのチューリップ(七海ひろき/鳳樹いち/明日海りお)。
トドメは、青紫のラヴェンダー(北翔海莉/同/桐生園加)。

登場順は、博多座まではオレンジのチューリップが3番目で、その後カーネーション、黒薔薇様、ジャスミンときて、最後がラヴェンダーでした。カイちゃんが直前までナターシャで出ているので最後の方に回ったけど、衣装は小柄な人用のが回ってきたってことかな?と思います。初演・再演の人の名前は、衣装が同じ人を書いていますので、登場順(歌の位置)は違ってます。まあ、そもそも初演では半数は歌がなかったわけなので、お気になさらず(^ ^)。

「美しさ」では経験者でもある大ちゃんがダントツでしたが、ともちんも迫力美人で素敵でした。あと、可愛いはカチャがダントツかな(*^ ^*)。珠洲さんとあまりに違いすぎてびっくりしました。
まさこさんは再演でいちくんが歌っていたところ(「猫みたいに楽しみましょう♪」)を歌うのですが、なんと猫耳をつけての登場(真顔)。驚きました……。
今日まではずっと猫耳を付けていたらしいのですが、今日の夕方公演は緑のリボンを編み込んだ髪を盛り上げて耳(というより角?)みたいにしたツインテールの鬘で、それもとても可愛かったです。


ひとまずはそんなところです。
あ。
Apasionado!!の一番最初の「Ah~」の音程は、相変わらず正解がわかりません………(T T)




【7月1日まで、あと147日】
宙組トップ娘役・野々すみ花さんが、次回大劇場公演で卒業することが発表されました。

予想していた、とも、予想していなかった、とも、言いたくありません。
ただ、覚悟はしていました。祐飛さんの発表があったときから。いや、もっと正確には、祐飛さんの発表がなかった春から、ずっと。



「パレルモ」を観ていない私が、一番最初にすみ花ちゃんを認識したのは、「ファントム」の子エリック……かな?本格的に覚えたのは「Mind Traveller」のジュディ。好きだと思ったのは「黒蜥蜴」本公演の葉子さん。だったと思います。
「舞姫」(青年館しか観てませんが)のエリス。「銀ちゃんの恋」の小夏。すみ花ちゃんが泣くと世界が泣く、という真実に気づいた夏。可愛くて、可愛くて。幼子みたいな笑顔が、本当に大好きでした。

トップ娘役として祐飛さんと一緒に宙組へ落下傘。
私なんかが想像するより何倍も大きな不安と苦労があったんだろうなと思いますが、けなげで一途な笑顔で、それでも祐飛さんを信じてついてきてくれたすみ花ちゃん。
本当に感謝しています。

みわっちと組んだエリスも、壮ちゃんと組んだティーナも、だいもんと組んだキハも、どれもとても好きだったから、また違う男役さんと組んで違う色を見せてくれることも期待していたのですが……すみ花ちゃんの選択が卒業なら、それはそれで仕方ない。
あと中日と大劇場の2作品、「野々すみ花」を堪能させていただきたいと思います。できればミュージックサロンもやってほしいなあ。日程が厳しいけど、できることなら。





『宝塚の娘役』、という巨大な制約のもとでさえ、あれだけの輝きを見せてくれた天才少女。
その檻から解き放たれて、どんな作品に巡り合うのか、7月2日からの野々すみ花を心の底から楽しみにしつつ、、、


願わくば。
最後の作品くらいは、ちゃんとしたハッピーエンドであることを祈りつつ。



【7月1日まで、あと178日】
7月1日までのナイスガイ、最高の男
宙組トップスターの大空祐飛さんが、2012年7月1日の東宝劇場公演千秋楽付けで宝塚歌劇団を卒業することが発表されました。



Yahooニュースに出ていたので、何となく記念にdumpしてみました(^ ^)。
あと、朝日コムの記事にリンクしておきます。
http://www.asahi.com/showbiz/stage/theater/OSK201112260080.html
「影のある大人を表現できる男役として活躍し、今年2月に松尾芸能賞優秀賞を受賞した」という説明が、、、なんだか不思議。





昨日の千秋楽で「Hollywood Lover」青年館楽を思い出したのは、間違いじゃなかった……の、かな。
優しくて、温かくて、ひどく切ない愛情が、あの大きな劇場空間を満たしていた感覚。
もちろんそれは祐飛さん一人に向けられたものではなくて、卒業生や組替する宙っ子や、、、一緒に舞台に立って一つの「世界」を造っていたメンバー全員に向けたものだったのですけれども。

それでも、ああいう空気を舞台の真中で受け止めて、投げ返すのが「トップスター」の役割。
大空祐飛さんは、舞台人としての技術面は歌もダンスもアレですが(^ ^;ゞ、その「差し出された気持ちを受け止めて、自分の気持ちを加えて返す」ことにかけては誰にも負けない、そういうひとなんだと思っています。

愛を注げば、ちゃんと舞台の上から返してくれる。
そう。そんなふうに、「あなたはたくさんの人に愛されている」のだから。





12月26日、といえば、祐飛さんの月⇒花組への異動を含む組替えが発表された日からちょうど4年目、なんですよね。
わずか4年前でさえ、トップになるなんて全く思ってもしていなかった祐飛さん。そりゃあそうです。だって、あの時点で研16。マミさん(真琴つばさ)が卒業した学年だったんですものね……(←元がマミファンなので、どうしても基準がマミさんになる)

あれから4年がすぎて、祐飛さんも研20(@ @)。次の春には研21になって、98期生を迎えて、そして、翔びたっていく。
なんだか、信じられない気持です。
実感がない、ってこういうことなのかなあ。
嫌だという気持ちも、さびしいという気持ちも、なにもない。
ただ、いとおしい。
祐飛さんが、宙組っ子たちが、積み重ねてきた時間が、それらのすべてが、胸をかきむしられるようにいとおしい。






記者会見は明日なんですよね。

最後にもう一度ディナーショーをやるのかな、とか、
そのタイトルは、やっぱり「S」で始まるのかな、とか、

そんなことを考えながら。






祐飛さんのファンになって、十数年間。
すべての公演で、「次の公演が最後かもしれない」と思いながら劇場に通ってきました。

その時間に、悔いはありません。


あと、半年。
188日。


期限の定まった『最高のナイスガイ』に、乾杯。




宙組公演「クラシコ・イタリアーノ/NICE GUY!」千秋楽おめでとうございます。
私の中では「カサブランカ」以来……いや、最終的には「Hollywood Lover」以来のような気さえするほどオオハマリした作品になりました。


この作品を創ってくださった植田景子さん、藤井大介さんをはじめとするスタッフのみなさま、
舞台の上で、人と人の絆や「World Is Beautifull、Life Is Wonderfull」を体現してくださった大空祐飛さんはじめとする出演者のみなさま、
そして、
素晴らしいご挨拶と、輝かしい笑顔を残して翔びたっていった6人の卒業生たちに、心からの感謝と愛を。



今日の日記のタイトルは、「世界中を探したって、宙組ほど良い組はねぇ~!」というたまちゃんのご挨拶からとりました(^ ^)。この言葉に「いつだって自分の組が世界一だと思ってる!宙組っ子らしい!」とかえした祐飛さんの頭の回転のはやさには、毎度のことながら感動します。



25日の昼の部は、クリスマススペシャル公演でした(^ ^)。
幕開きのレニーがサンタ帽を被って登場して、
「ハァーイ!みなさん、Merry Xmas♪」
と笑顔で言ってくれたのが最初の衝撃。いやー、金髪にサンタ帽はそりゃー可愛かったですとも。
フランク(春風)の「お前なんて格好してるんだ!」っていう突込みが、あんなに真に迫っていたことはない(^ ^)。

いつまで被っているのかなーと思ったら、「ミュージカル風」のオープニングが終わってもう一度出てきたときには脱いじゃってました。残念!サルヴァトーレさんにも突っ込んでもらいたかったなあ(怖)。



さらに、ショーのイケメンオークションは「クリスマススペシャルオークション」。
みっちゃん、まさこちゃん、ちーちゃん、大ちゃん、ちや姉、すっしーさん、ともちんと全員がサンタ帽を被って登場!
みっちゃんの薄紫の髪にサンタ帽の似合うこと似合うこと(^ ^)。
まさこちゃん以下は、最初にスクリーンにシルエットが映る時点で「……なんか被ってる!!」ってなって、客席は大盛り上がりでした。

そして!
「ちょーっと待ったぁーーー!!」
の声とともにスクリーンに映るシルエット………(崩壊)

アイドルな祐飛さんは、ピンクの衣装にキラキラしたトナカイの角(耳つき)カチューシャをつけてご登場(*^ ^*)

いやーーーー、盛り上がりましたわ〜〜〜!!ホントに楽しかった(^ ^)。
イヴも似たようなことをやったらしいので、観れなかったのが残念です(←鍋を選んだことに後悔はないけどね)。



ああ、いえ、あの、その。
そんなことをやっていても、芝居は皆ものすごい集中力で演じ切ってくださって、素晴らしかったです。
いつも千秋楽の日の昼公演は芝居は端整に仕上がることが多いんですが、今回はなんか、みんな最初から箍が外れてた感じ。
ニーノ(月映)に散々泣かされて、おやっさんと再会したサルヴァトーレが、キラキラした涙を流しながら笑顔で見送ったあたりで、私はもう、ボロボロでした。

いやしかし、あのニーノくんは、本当に粋なポケットを作れるんだろうか……?(←かなり疑問)



もとい。
ナポリの海は、「変わらぬもの」の象徴なんですよね。
シチリア出身のサルヴァトーレにとって、ナポリの海はおやっさんそのもの。頑固で融通がきかなくて、変わってほしいと思っても、変わってはくれなくて。
ローマに出てきてからも、サルヴァトーレの瞳には、常におやっさんの背中が視えていたんだなあ、と思ったのは、レニーのとりなしで再会する場面です。
常に自分の目に映っていたおやっさんと、「現実」のおやっさんがきちんと重なって焦点があうまでの、祐飛さんの目の動きと「……おやっさん、」というかすれた声が、好き。
驚いて名前を呼ぶのではなく、つぶやくように言うところが。

呼びかけるための名前ではなく、自分の中でその存在を分類しなおすための、確認の声。
「名前を呼ぶ」のではなく、自分に言い聞かせるように、唇からこぼれ落ちるんですよね。
あれはいつもの幻じゃない、現実だよ、だって、ほら、あんなに頭が白くなってる……

頭が黒くて足腰もしっかりして頑固で融通がきかない「師匠」ではなく、白髪頭に足元も不安定な、けれども瞳は炯炯とした、一流の仕立て屋。
その存在を確認して、「今の自分」の中で、分類しなおす。

人生に、意味を与えてくれたひと。
自分自身のルーツ。
同じ道のずっと先を歩んでいる、先人。
戦争で全てを喪った者同士、そっと寄り添って歩んできた、家族。
「ナポリの海」の体現者。

それこそが、
「……おやっさん」
という呟きの、意味。



千秋楽も、本当にみんなテンションが高くて、びっくり(@ @)。
レセプションのくーちゃん(綾音らいら)は、大臣(風莉)が挨拶に出てきたときの「どういうことっ!?」みたいなパフォーマンスがいつもよりちょっと派手な感じ。拍手の仕方の嫌らしさも増して、ステキでした(^ ^)。
ちなみにあの場面、えっちゃん(大海)の話をさっつんと二人できいているのは、えっちゃんに掴まったのではなく、サルヴァトーレのスキャンダルを聞きにいったみたいですね。たいした情報は無かったみたいですけど。
PIZZERIAの前の広場の場面、赤ん坊を抱いたくーちゃんの(綾音らいら)回りで子供たちや観客仲間がわいわい騒いでいたり、仮面劇メンバーもあれこれサービスしてたみたいで。
BARの場面は、上手側のテーブルのこーまい(光海)と(美影)凛ちゃんにあおいちゃん(美風)がちょっかいをかけていました。90期コンビは左手を広げて薬指を指差してて、たぶん「婚約したんだ俺たち!」「あらまあ、いつの間に!?おめでとう!」みたいな芝居をしていたような気がします。えなちゃんが羨ましそうに指をくわえて眺めていたのが可愛かった(^ ^)。その後、後ろのテーブルに呼ばれて、泣いてるえびちゃん(綾瀬)をこーまいが慰めていたりとか、みんなで乾杯をしたりとか、、、真ん中のテーブルではかなりシリアスな芝居をしているんですけど、その芝居を邪魔しないように気をつけつつ、精一杯のエールを送る宙っこたちが可愛くて可愛くて、、、、千秋楽だけは、祐飛さんでもみっちゃんでもちーちゃんでも桜子でもなく、みんなの笑顔に泣かされました。

日替わりで毎日全然違う芝居をしていたえなちゃん。
元不良少年が、居場所を見つけて丸くなった姿を体現してくれたかける(風馬)。
そして、暖かく穏やかに、一針一針ひととひとの絆を縫い合わせている姿が似合う、こーまい。

「戦場」なのに、他のどこよりも暖かくて、穏やかで、そして温かな、「作業場」という名の聖域。
1ヶ月、舞台という名の聖域で戦ってきたみんなに、乾杯。



今回で卒業する方も多く、さらに大規模な組替もあって、次の大劇場公演ではだいぶ顔ぶれが変わってしまう宙組。
どの公演にも卒業生はいるものだし、組替だって初めてじゃないけど。でもやっぱり、お芝居で、ショーで、見慣れた並びがもう二度と見られないんだなあ、と思うと、どうしても感傷的になってしまいますね。
この公演に通うことができて、良かったです。
いい作品で、いい公演でした。

今の宙組も大好き。
これからの宙組も、大好き。

たくさんの思い出を得て、あらためてそう思うことができた、幸せな一ヶ月でした。




1月1日の「いますみれ花咲く」で幕をあけた2011年。
たくさんの悲しみとたくさんの苦しみと、そして、たくさんの絆とたくさんの愛があった、2011年。

そんな2011年も、あと残りわずかです。
……そうは言っても、まだ約1週間あって、年賀状も大掃除もなにひとつ手付かずの私ですけれども。

この年の暮れに思うことはたくさんありすぎて、言葉にはできないけれども。
それでも、「生きている、それだけでHappy」といえる自分でありたい、と思うことができました。
ありがとう。

心からの、感謝をこめて。



.
東京宝塚劇場宙組公演「クラシコ・イタリアーノ」のツボ集、続き。
第一場から、あらためて落ち穂拾いを。


■第一場 チネチッタの撮影スタジオ
・オープニングの銀ラメの美女たち。窓の中で踊っているときの、なわとびみたいな振り(……伝わる?)がかなりツボです。
・銀橋に向かう前、サルヴァトーレさんに肩を抱かれてちょっと照れるえりちゃん、堂々としたれーれ。対照的な二人。
・ところで、レニーさん少し髪切りましたか?(あれ?)


■第二場 同
・カチャの声が、少し安定してきたような気がする(贔屓目?)
・大胆な花柄のスカートが良く似合う記者の夢莉みこちゃん。髪型が可愛い。もう一人の花柄のワンピースは誰だろう?こちらも可愛い。


■第三場
・ミーナが5番スタジオに姿を見せる前、ちょっとムッとしているサルヴァトーレさんの肩をさりげなく抱いて椅子に座らせるフランク(春風)が、なんか恰好いいです(*^ ^*)。
・「あまりに違いすぎる!」の前後のかいちゃん(七海)のいやがりようが、どんどん派手になってきているような……。
・この場面のりくとモンチは結構対照的。


■第四場 作業場
・いまさらですが。みっちゃんのマリオは、「伝統を変えた」ことそのものに反対なんですね。あれっ?じゃあ、分業してスーツを作るっていう新しいやり方を創り上げるときも、心の中では反対だったってこと?


■第五場 レセプションパーティー
・上手で酔っ払っているえっちゃん(大海)を心配げに世話するえりちゃんが可愛い。
・さっつん(風羽)と(綾音)らいらちゃん、パーティーの最初からいるんですよね。プログラムではただの「招待客」なんですけど、いちおうジャコモ・アジャーニの秘書の通し役として演じてるらしい。上手側の先頭で、サルヴァトーレさんやヒューストン社長の一言一句に反応して、嘲っている感じが秀逸で、すごく好きです。
・この二人は最初上手にいて、途中で「あら、時間だわ」みたいな感じで下手に向かう……途中でえっちゃんに絡まれてるのが面白いです。えっちゃん、なんだかんだ言ってるけど、実は、サルヴァトーレの味方としてアジャーニ側の二人に因縁つけてるみたいに見えます(^ ^)。
・えっちゃんに絡まれた後、いったん下手袖に引っ込んで、またすぐにアジャーニと一緒に出てくる。アジャーニを迎えに行った感じだなーと思いながら観てます。……以上、さっつん&らいらレポでした(^ ^)。
・天玲さんもいるんですけど、こちらは後半のジャコモの秘書とは別人……っていうか、ここは「レオポルド・ロゼッティ」で出てるんですよね。スポットが来るのは一瞬だけど(^ ^)。えーっと、誰と踊ってたっけな。あおいちゃん(美風)かな?
・他のカップルは、珠洲さんとせーこ(純矢)は役のまま、ですよね。ジュリアーノ(寿)と花露さんは、カチャとえりちゃん、こーまい(光海)と美風凜ちゃん、愛月くんとうららちゃん、美月くんと夢莉さん、夢月せらくんとあいこちゃん(花里)、和希くんと誰だっけな。みんなそれぞれに雰囲気を出していて面白いです。
・パーティーの最後の方、檀上でモンチりく愛で話しているのがなんかほのぼの。サルヴァトーレ側の愛月くんと、アメリカチームの二人。楽しそうに情報交換しています。
・クラウディアたちにサルヴァトーレをとられた後、ムッとして煙草をふかしているれーれが素敵(*^ ^*)。


■第六場 チネチッタの撮影スタジオ
・こないだ書き忘れたんですが、すみ花ちゃんが最初にスタジオに入ってくるときの歩き方(←てるてる坊主で)、あんまりハイヒールを履きなれていないように見えないんですよね。いっそのこと、違う靴を履いてはいってきちゃえばいいのに、と思う。……履きかえる暇はないのかなあ。
・「人と同じことができない」ってことは、人と違う個性を持ってる…ってことですよね。パフォーマーとしては得難い個性だわ。そこを見抜いたんだとしたら、サルヴァトーレの炯眼もおそるべし、というところか。


■第七場 下町のPizzeria
・まっぷーとらいらちゃんが夫婦。あの娘は誰だったかな。
・天風くんと凜ちゃんがカップル。凜ちゃん、今回は同期のカップルが多くて良かったね、と思いながら観ています。
・テーブルに座っているのは美月くんと愛白もあちゃん。
・「一足の靴を買うのが夢だった」ってすごく良い台詞だと思うんですけど、祐飛さんのお茶会以来、「まみさんwww」と思ってしまって笑いが止まりません。真琴つばささんが観にきてくださったとき、「一足の靴がどうこう、って言うから、そのうち靴を作り始めて、フェラガモになるんだと思ってたのに最後まで仕立て屋のままだったね」って仰ったそうです。かなり大幅に意訳してますが。
・サルヴァトーレが銀橋に出る直前、かけるくんと結乃かなりちゃんの熱烈なキスは一見の価値あり。


■第七場(つづき) 抽象空間
・施設の女職員のえりちゃん、サルヴァトーレ少年が憎いのではなく、本当に手を焼いているんだ……といううんざりした感じがよく出ているような気がします。でも、少年側は貴女にいじめられてると感じてい思いますが(^ ^)。いじめた側は気づかないことも多いものですから。
・でも、親方の話を聴いているときの雰囲気とか、サルヴァトーレ少年が泣きだした途端にオロオロしてしまうところとか、彼女に悪意がないのはなんとなくわかるような気がする。でも、難しい役ですね、あれは。


■第八場 チネチッタの撮影スタジオ
・ミーナの撮影が成功して、「良かったなあ!よかった、良かった!!」と言うフランクみーちゃんがすごくツボです。
・おばあちゃんへの二度目の電話で出てくる名前は「ハンフリー・ボガート」。一回目は「クラーク・ゲープル」だったのに、おばあちゃん若いなあ。


■第十場 フォロ・ロマーノ
・月を見上げてスパイスをかけるルイス・キャロル(明日海りお)。フォロ・ロマーノでエネルギーを充填するサルヴァトーレ。


■第十二場 下町のBAR
・最初に喋りだすえなちゃん(月映)、同じテーブルにこーまいと凜ちゃん。90期二人はカップルな感じ。
・……鳥の声なんて聞えませんよ?>景子さん。 鐘は鳴るけど。誰かのために。


■第十三場 作業場のインタビュー
・マリオと決定的に対立した時と、職人たちのインタビュー。タイミング的にはどっちが先だったんでしょうね。
・インタビュー映像をみているときとか、その後のおやっさんのやりとりとか、すごく良い場面だと思うんだけど、撮らなくていいの?>レニー



そんなところでしょうか。
楽へ向けて盛り上がってきているので、まだまだ細かいツボはたくさんあるのですが……、とりあえずこの辺りで。


みなさま、よいクリスマスを(^ ^)。


今日は「タカラヅカスペシャル2011」初日ですね(^ ^)。
CSには稽古場も流れなかったし、どんな感じなんだかさっぱり見当がつかないのですが、、、今年もパロディコーナーがあったみたいで、来年の放送が楽しみです。年に一度のお祭り、観客のみなさまも楽しまれますように。
星組の礼真琴くんがコーラス枠なのに目立つところで歌ったとききましたが、おととしの宙組の七瀬りりこ嬢みたいな感じだったのでしょうか?来年の放送が楽しみです。


さて。今日はアドベント(待降節)の4回目。早いもので来週はクリスマスですね。クリスマスってことは、宙組公演も終盤にはいるってことで、、、自分で思っていた以上に、今回の作品が終わってしまうのがとてもさびしいです。まだまだずっと観ていたいくらい、大好き。祐飛さんのサルヴァトーレを観ていると、「役で生きる」ってこういうことなんだな、と思うんですよね。歌もダンスもアレレな人ですが、本当に「サルヴァトーレがそこにいる」という確信があるのはすごいなあ、と素直に思います。
そして、インタビューを受ける3人の職人さんが本当に好き。大好き!!ありがとう景子さん、ありがとう(^ ^)。




それでは、あと1週間となった宙組公演から、ショーの方のツボを。

■Yearning(憧れ)
・娘役さんが一人ずつ出てきてジュテ(?)していくのをみていると、同じ子でも日によって結構高さやポーズが違ったりして、毎日演じるのって大変なんだろうなあと思います。
・ナウオンで、すみ花ちゃんが「最初は後ろ向きでセリ上がりだったんですが、カマクラみたいだって言われて前を向いて上がることになりました」っていうコメントを聞いて以来、「後ろ向いたらカマクラ」と思っちゃって、観るたびに笑ってしまいます(^ ^;
・YAMATO(蒼羽りく)とNADESHIKO(伶美うらら)が可愛いー。不思議な衣装ですが、私は結構好きかも。りっくんのダンスのポージングの綺麗さが際だつ衣装だな、と思っています。
・ポーズを決めた祐飛さんの脇で、祐飛さん登場時の衣装をもそもそと片づけている2頭がめっちゃ可愛い(はぁと)。


■Yip(威勢よく)
・みっちゃん、ともちん、と一人づつ出てくる登場はカッコいいなあ~。
・テルくんの背中はまだまだ頼りないなあ、と思っていたんですが、セリ上がってくる背中は結構力強くて感心しました。
・緩急のある構成は飽きなくて楽しい。帽子の使い方もうまいなーと思います。客席降りもあって、盛り上がりますよね(^ ^)。掴みはOK!!なショーはやっぱり最後まで楽しいです。
・もう一回娘役さんたちが出てくると思っていたのに、出てこなかったのはちょっとだけ残念。


■Yak(むだ話)
・モテモテアイドルを自認する祐飛さんに、「Hey, You!」と歌いかけるすみ花ちゃんがすごく好きです。
・YAMATOとNADESHIKOがかわいーーー。


■Young Bood(青春の血潮) ←イケメンオークション
・あおいさん(美風)の頭飾り、虎の頭だけじゃなくてしっぽもあるのね……(髪に絡めてある)。
・(藤咲)えりちゃんは、ちーちゃん(蓮水)のミスター・ブラジルにも金を出そうとするけど、誰か(花音舞ちゃんかな?)に先を越されてしまう……んですよね?それは、「オークション」ではなく「早いもの勝ち」というのでは……?
・大ちゃん(鳳翔)の盛大なウィンクに倒れたえりちゃんが無事ミスター・アラビアを落札して高笑いすると、その向こうであゆみさん(鈴奈)が悔しそう(^ ^)。やっぱり早い者勝ち……


■Yow(偏揺) ←薔薇の館
・セリ上がってきて花道で踊るれーれ(すみれ乃)は普通なのに、銀橋の途中で倒れて起き上がったれーれは表情が違いすぎてて見惚れずにはいられません。祐飛さんに憑依されている設定だと聞いたけど、れーれの祐飛さんに対するイマジネーションがすごいなと思う。
・「悪い貌」して薔薇の花を肩に担ぐれーれが素敵。
・幕が上がって本舞台に居並ぶ薔薇の棘たちの黒いオーラに怯えるテルくん。逃げるなら今なんだけどな。
・テルくんをセンターにした一連のダンスの最後にテルくんとちょっと踊るのが和希くんだったことにびっくり。確かにものすごい迫力だったけど(怯)。
・すみません、祐飛さんが出てきて以降は祐飛さんしか視てないもんで、後半についてはコメントすることがありません。。。
・一番最後、テルくんの腕を掴んで引き摺っていく祐飛さんの後ろ姿が本当に好き。そして、暗転してスポットが消える一瞬前の昏い笑みが好きすぎて、入りこみすぎて拍手ができません(ごめんなさい)。ナウオンで話の出ていたれーれ(すみれ乃麗)の『悪い貌』も観たいんですが、そんな余裕がない………(; ;)。


■Yellow jacket
・かいちゃん(七海)、あっきー(澄輝)、愛ちゃん(愛月)が下手花道に登場した途端、ぱぁっと明るくなる照明。前場の爛れた空気を払拭する三人の輝きが素敵です。
・下手から登場する下級生4人(桜木、七生、秋音、瑠依)。ずんちゃん(桜木)がマメちゃんに見えるときがある……まぁ、まだ若いのでたまにはやりすぎも良い、かな。七生くんのダンスはシンプルできれい。
・上手花道から登場する紳士淑女。基本学年順で組んでたかな?えなちゃん(月映)と星月くんだけ相手役さんがいなくて、二人でくるくる回っているのがちょっと面白いです。次場がロケットなので、娘役さんは結構上級生まで次場に取られちゃっているんですよね(^ ^)。
・チャールストンは、みーちゃん(春風)&(琴羽)桜子、大ちゃん&(美影)凜ちゃん、ちーちゃん&えりちゃん。スタイルの良いメンバーで、蛸足ダルマがお似合い♪
・盆が回って、アダルトなジャズクラブ(多分)。ブラウンのドレスの女性たちが色っぽい。結乃かなりちゃんがこっちに回っているのは嬉しいけど、でもロケットにも出てほしかった……(せっかくの美脚がスリットごしにしか見えないなんて!)(←要するに全部に出てほしいんです)

・お立ち台が縦にまっすぐになったところで、舞台奥の小セリがセリ上がって祐飛さんの登場。このセリと盆の使い方は新しいなあ。
・藤井さんのセットの使い方は本当にすごいと思う。舞台機構のもつ能力を最大限に引き出して、観客の眼を飽きさせない。今のところアイディアの泉も枯れてないみたいで、毎回うまいなーと唸らされてます。
・この場面全体の目玉は、珠洲さんとカチャ(凪七)の女役。濃い茶色のシンプルなドレスがスタイルの良さを際立たせて、とても麗しい。
・盆がまた少し回って、男役の群舞に。みっちゃんのこういう歌はホントに嵌るー!!もっと歌ってほしい(^ ^)。
・お立ち台の奥からすみ花ちゃんが登場して、歌手も美穂さんに交替。トップコンビ、テルくん&カチャ、ともちん(悠未)&珠洲さん豪奢な3組デュエットへ。「宙・ファンタジスタ」の火星のコンビ(ともちん・珠洲さん)に嵌りきった猫としては、曲調は全然違うけどこの二人が踊ってくれるだけで幸せです。トップコンビは安定、テル&カチャは本当にお似合い(←小顔コンビ!)(本当にお似合い)(真顔)。
・珠洲さんをぐいっと引き寄せるともちん、手を差し出して、カチャが来るのを待つテルくん。

・ぱぁん!と花火があがって、盛り上がる中詰めへ。
・花火のセットがシンプルでイケてなくて可愛い(^ ^)。
・スターが次々銀橋を渡るあたりは、いかにも藤井さんな感じ。ワンパターンといえばワンパターンだけど、王道といえば王道ともいえる。
・とりあえず、プログラムにはスター(曲)ごとにわけて書いてください!(祈)曲ごとメンバー入れ替えてるんだからいいじゃんかー。大劇場では間に合わないとかあるかもしれないけど、東宝では載せてほしい!!それでこそ、東宝のプログラムも買おうという気になるし。
・ともちんに「キャラバン」を歌わせるのは、ワンパターンなのか王道なのか?
・祐飛さんがYellow Jacketで再登場してからの裏打ちでの手拍子は、無理しなくていいと思うんだけどなあ。リタルダンドかかるところは止めていいと思います。っていうか、揃わないんだから止めようよぉ(願)。


■Yourself
・黒のスーツと銀のドレスに着替えたトップコンビが再登場。さっきまでの喧騒がうそのような、閉店後のダンスホールで軽く踊る二人。
・そのお立ち台に椅子からよじ登る二人がお気の毒。せめてすみ花ちゃんの方だけでも何か置いてあげてほしい……(切実)。東宝に来る時に絶対何か変更されると思ったのにー。
・でも、大劇場のときよりスムーズに上がれるようになったすみ花ちゃんはさすが。大劇場のときは、最初に椅子(に使っている台)に足を載せる段階でものすごいスカートをたくしあげてたもんなあ……)
・酔っ払って眠り込んだすみ花ちゃんに、ちょっかいを出しつつ一緒に居てあげるNADESHIKO(←起こす気はあまりない)がめっちゃ可愛い。
・眠り込んだ「美女」に紫の薔薇を残して立ち去る祐飛さん。白いロングコートを渡して心配そうに見送るYAMATO。
・銀橋を渡る祐飛さんを追いかけて銀橋に足をかけるのに、諦めて本舞台に戻って踊るりっくん。りっくんのダンスはこの場面が一番好きかな。切ない気持が溢れているような気がします。
・「俺のダンディズム……」と呟きながらセリ下がる祐飛さんを見送るYAMTO。


■Yonder(さらに向こうの)←風
・藤井さんの、藤井さんによる、いかにも藤井さんな場面。……ええ、大好きですとも。(藤井ファンですから)
・あの衣装って、「ミロワール」の「AQUAの地球」の衣装でしょうか?
・最初に出てくるチームがダンサーチームっていう位置づけのような気がします。娘役さんは桜子、えびちゃん、くるみちゃん、れーれ、、、だった気がする。男役は誰だったかな?
 【コメントをいただきました。男役はカチャ、いち、もんち、かけるの4人だそうです。】
・あもたまさんの「Stand Alone」から、卒業生たちの群舞への流れは、藤井さんの確信犯ぶりに「泣くまい」とこらえた日もありました。が、そろそろ限界かな……。
・「ゆうひが照らしてる」……泣笑。


■Yawp
・前場でしみじみと心洗われたところに、ガツンと食い込んでくるセクシャル9。
・さすがに月組さんの「月下美男」とは年季(=学年)が違うわ。
・色も派手だし(←そこ?)

・大階段のテルくんを囲む、眞白な娘役たち。ああもう、本当に可愛い……。

・上からざっざっ!と降りてくる男役たち。紫の祐飛さん、白の男役陣。
・この場面の音楽がものすごく好きです。なんか有名な曲ですよね?何だっけ。
・平場に出てからのダンスとか、涙が出そうになるくらい好き。
・前場の娘役さんたちはもう一度出てくるんだと思っていたのに、なくて残念。せっかく白の衣装で揃ってるのにー。
・すみ花ちゃんが登場して、ちょっとだけ二人で踊るとテルくんが出てきて、そのまま銀橋へ。トップコンビ+2番手で銀橋、っていうと「ル・ボレロ・ルージュ」のフィナーレを思いだします。あの場面、本当に好きだった……優子姫(風花舞)のサヨナラ公演で、1000days後半は観るたびに泣いてました……。


■Yell
・アリエッティ(百千)、エトワールおめでとう(^ ^)。
・次の公演から、センター降りはどういう組み合わせになるんだろう……なんて余計なことを考えてしまう自分が厭だ。
・祐飛さんの役名に「!」が2個もついてる(驚)。


この公演がもうすぐ終わってしまうなんて信じられないです。……さびしい(T T)。
今回はお芝居にもショーにも嵌ってるんですが(^ ^)。書きたいことが多すぎるとかえって書けないものだなあ……と思いつつ、楽にむけて精進したいと思います(^ ^)。



ちょっと間があいてしまいましたが、宙組新人公演「クラシコ・イタリアーノ」続きを。
毎回反省するんですが、やっぱりすぐに書かないと細かいことはすぐ忘れてしまいますね……(; ;)すみません。


■ヒューストン・アジャーニ陣営

ヒューストン社長(悠未ひろ)の美月悠。
格好良かったです(*^ ^*)。ビジュアルも良いし、曲者感もあって、良い役者なんですよね、美月くん。声もいいし台詞もうまいのに、なかなか役がつかないのをもどかしく思っていたので、配役が発表されたときは嬉しかったんですが……しかし、実際みてみたら、下級生にとってのハードルがものすごく高い役だった(T T)。
考えてみれば、学年差は本役(78期→83期だから5年)より新公(91期→94期で3年)の方が小さいんですが、元が若いから、経験量の差が出てしまうんでしょうか。サルヴァトーレよりずっと若く見えて、なりたての新米社長が取引先にわがままを言っているみたいに見えてしまったのが残念でした。
……まあ、そういう解釈でも話は成り立ちますけどね(^ ^)。


アジャーニ(十輝いりす)の桜木みなと。
見た目も丸顔で可愛いし、体格も(宙組では)小柄で、少年役を得意とするずんちゃん。
ここ数作は毎回良い芝居を見せてくれて、成長を楽しみにしている人なのですが、、、残念ながら、今回みたいな存在感を必要とする敵役を演じるには、まだまだ経験不足、役者不足でしたね(T T)。「やらなくてはならないこと」をこなすのに精いっぱいで、サルヴァトーレを見ていない、という印象を受けてしまいました。
相手は長の期の大先輩なんだから、もっと思い切ってぶつかってみても良かったのでは、と思います。

まあ、彼女もそろそろ敵役を経験して芸幅を広げるべき頃合いだったと思うので、今回の配役は良かったと思います。まだ若いので、今回の経験を糧に、次は良いものを見せてくださいね♪


ロナルド・トレイシー(鳳樹いち)役にあたるアナ役の百千糸。
本役のいちくんは、すごく上から目線で嫌味っぽくて大好きなんですけど、アリエッティのアナは、ちょっとキツめの「デキる女」という感じに見えました。女性の役を嫌味につくると本気で厭な感じになりがちなので、正解だったと思います。アナは、サルヴァトーレに対して悪意があるわけではなく、ただ、「グランチェロ」ブランドへの敬意がないだけなんですよね。そういうビジネスライクなところはちゃんと伝わってきたし、とても良かったと思います。


外務大臣・CMディレクター(風莉じん)、ヴァイオリニスト(天羽珠紀)の天玲美音。
元々芸達者な人だとは思っていたんですが、宙組の誇るバイプレイヤー二人の役をまとめてやってくれて、あらためて感心しました。外務大臣は裏の顔を持つ百戦錬磨のプロの政治屋ぶりを見せてしたたか、CMディレクターはとにかく可愛く意外なほど華やか、そして、ヴァイオリニストのたしかな存在感と歌声。この公演で新公を卒業する研7ですが、いい記念になったと思います。お疲れさまでした!



■サルヴァトーレ周辺

ジュリアーノ(寿つかさ)の星月梨旺。
もともと綺麗な人なんですが、お化粧とかはすっしーさんに教わったのでしょうか?苦み走った表情とか、時々びっくりするほど似て見えました。芝居もよく似てて、すごく意識したんだろうな、と。ちょっと居方の難しい役なので、今はまだ真似でも仕方ないかな。
ちょっと台詞が若いので、もう少し貫録が出せるようになると幅が広がるだろうなと思いました。


パメラ(純矢ちとせ) 瀬音リサ。
落ち着いた芝居で、がんばっているなあと思いました。ふんわりと可愛らしい人だと思っていたんですが、もしかしたら、こういうキャリア系のメークの方が似合うのかも?
せーこちゃんの存在感には及びませんでしたが、よくがんばっていたと思います。ちょっと月組の花瀬みずか嬢を思い出させるトコロがあったかも(^ ^)。


ファビオ(愛月ひかる)にあたる、ウルスラ役の綾瀬あきな。
しっかりした秘書で、良い芝居をしてくれました。見た目があまりに可愛いのでどうするのかなと思っていたのですが、大人っぽくて格好良かったです。
博多座のあっきーといい、「逆転裁判」のえびちゃんといい、、、下級生の成長っていうのは本当にすごいなあ……!


ジョルジオ(凪七瑠海)の春瀬央季。
こちらも綺麗な人で、声もいいし、台詞も判りやすくてとても良かったと思います。
ただ、「脚本を読んでいる」的な印象はあったかな。棒読みというわけではないんですが、ジョルジオになって観客に語りかけて(トーク)いるのではなく、脚本を読みあげて(リーディング)いる、という印象が。
今までもそれなりに役はついていたし、そんなに違和感を感じたことは無かったのですが……まあ、この役は特殊な役だし、そもそも本役のカチャもそんな感じなので、さすがに難しかったのでしょうか。

そうそう。オープニングの次のジョルジオたちの銀橋、人が少なくてびっくり(@ @)しました。オープニングの華やかさを重視して、銀橋の記者はジョルジオ以外はたった4人(!)(愛白もあ、彩花まり、真みや涼子、美桜エリナ)。
でも、みんながんばってましたね!真みやさんの表情が豊かすぎて目が離せませんでした。



■アメリカ撮影チーム
フランク(月映)につては先日書いたので、他のメンバーについて。

リズ(愛花ちさき)のすみれ乃麗。
可愛かった!本役のタラちゃんより出るところの出た“グラマーなアメリカ娘”っぽい感じで、可愛かったです。ただ、その分「有能なマネージャー」感が弱まって、「レニーのガールフレンド」感が強く出ていたような気がします。それはそれでアリだし違和感もなかったんですが、個人的にはタラちゃんの雰囲気の方が好きかも。
いやあの、本当に文句は無いです。リズとして、とてもよかった。ただ、バウヒロインも経験ずみのれーれに、いまさら普通のお嬢さんの役を与えても勉強にはならないんじゃないの?という気がしました。前回のお市が凄く印象的だったので、ああいう大人っぽい役をやらせてみる手もあったのに、と。……でも、クラウディアはえりちゃんがすごく良かったし、他にないか……(T T)。


ジェフ(七海ひろき)の七生眞希。
すっきりとした二枚目で、かいちゃんほどパフォーマンスの派手さはないんですが、がんばっていたと思います。本公演みたいな、ポールとの小芝居はあまり見られず、そのあたりはニュートラルな感じ。でもビジネスライクなわけではなくて……むしろ、本公演より気持ちがレニーに近いように見えたかも。


マシュー(蒼羽りく)の和希そら。
個人的に「ルナ・ロッサ」以来気になっているダンサーさんですが、化粧も綺麗でちゃんと二枚目だったので、思わず二度見してしまいました(^ ^)。顔まわりは少し痩せたのかな?いやでも、ショーの姿はあんまり変ってないような……。
りっくんの絶妙なウザさ(←誉めてる)はないけど、台詞も普通に喋れていたし、下級生なのに巧いなあと思いました。しっかりしているようでちょっと抜けてる感じの役づくりが可愛かったです。


ポール(星吹彩翔)の秋音光。
今公演、なぜかものすごくポールが気に入ってしまってずーっと観ているのですが、秋音くんもなかなか良い動きでした。モンチをコピーするのはいろんな意味で大変だと思うんですが、がんばっていたと思います。



■グランチェッロの職人チーム

ニーノ(月映樹茉)役にあたるカーラの真みや涼子。
娘役なのに、絶妙のやさぐれ感があって、とても面白い役づくりだったと思います。えなちゃんとはまったく270度くらい違う役づくりで、「そりゃ貴女が店を持つのは難しいでしょうよ」と素直に納得させられました(^ ^)。
えなちゃんの、切ないほどピュアな「憧憬」とは全然違う、ちょっと歪つな、世を拗ねた感じがすごく胸に堪えました。新公は、サルヴァトーレが本役ほどひねこびてなくて、とても素直で優しい人だったので、その分までカーラの苦労が際立つというか、、、こうしてここで笑って話ができるようになるまで大変だったんだろうなあ、と思って、えなちゃんとは違う意味ですごく泣けました。
いやー、面白かった!男性の役を女性に替えただけではなくて、キャラが全然違っていたのがホントに面白かったです。「シャングリラ」の少年カイも巧いなーと思ったけど、ホントにお芝居好きな人なんでしょうね。


ルッカ(風馬翔)の留美絢。
真みやさんがいきなりホームランを打ってくれたので、留美くんはどうでるかな、と思ったのですが……残念ながら、あまり印象に残りませんでした。わりと真面目そうにみえて、あんまり「街の不良少年」だった過去が視えなかったような。
うーん、でも、インタビューを受ける3人が全員やさぐれてるのも困るでしょうから、ニーノのキャラを変えたときに、同時にルッカをどうするのか考えてあげないといけないと思うんですよね>上田さん。……しみじみ、お芝居のバランスって難しいですよね。


ミゲル(光海舞人)の秋音光。
あの学年で、ポールとミゲルという大役を二つも抱え、本公演でも結構目立つ役。大変だっただろうな、と思いました。まだ若いんだし、実力もあるみたいだから、新公はどちらかに集中させてあげても良かったのに、とも思いましたが……まあ、無難にこなしていたから正解なのかな?勿体ないような気もしましたが。



■下町の人々

マリーナ(美風舞良)の花里まな。
先日の日経トークでも話が出ていましたが、声も仕草もさすがの巧さでした♪
あおいさんの賑やかさとはまた違う、あたたかな肝っ玉母さんぶりは素晴らしかった(^ ^)。新公卒業して、女役として役がつくまで長い道程かもしれませんが、どうぞがんばってくださいね。


パオロ(天羽珠紀)の朝央れん。
こちらも堅実な芝居だったと思います。実力派の上級生と夫婦役で、勉強になったんじゃないでしょうか。


アルレッキーノ(七生眞希)の結乃かなり。
ダンスは本当にさすがでした。七生くんも十分踊れているし側転も綺麗なんですけど、なんというか、、、立ち姿が違うとでもいえばいいのかな(^ ^)。本公演でも、もっともっとたくさん踊ってほしいし、芝居もできる人なのでそろそろ役をつけてあげてほしいなと思います。


本公演ですごく注目している、ピッツェリアの前の花売りと靴屋の兄弟とかけるくんのお芝居は、さすがにあちこち忙しくて、残念ながらチェックできませんでした……↓↓ あのかけるくんのところは誰がやったんだろう?それとも、小芝居自体がなかったのでしょうか……?



■ナポリの人々

施設の女職員(藤咲えり)彩花まり。
あの台詞は難しいと思うのですが、ちゃんと聴かせてくれて、流石だなと思いました。良い声してますよねー♪♪


ビアンカ(瀬音リサ)の夢涼りあん。
可愛かったー。本役のありさちゃんよりおとなしめな、優しい感じで、「真っ黒になって遊びまわってた、あのお転婆」が、大人になって別人のように綺麗になった……というのが伝わってきました。
ありさちゃんは逆に、「お転婆」がそのまま育って、性格は全然かわって無いんだけど実は美人だった、、、という感じで、それはそれで好きなんですけどね(^ ^)。りあんちゃん、スタイルはいいのでもう少しお化粧をがんばってほしいなと思います(←いや、化粧はありさちゃんも相当がんばってほしいけど)



印象として残っているのは、そのくらいでしょうか。
先日も書きましたが、上田久美子さんの演出は、ある程度役者に任せて自由にやらせてくれる度量と、役者の個性に合わせてかなり細かいところまで辻褄をあわせてくれるきめ細かさが両方そろっていて、なかなか見ごたえがあったと思います。
これからのご活躍に期待しています!


日経ホールにて、「トークスペシャル in 東京 宙組」に参加してまいりました。


メンバーは、七海ひろき(89期)、花里まな(91期)、月映樹茉(92期)の3人。
思ったより暖かな夜で、かさばるコートがとっても邪魔でした(^ ^)。

三人ともアウターは上下黒で揃えて、インナーは、男役二人は白シャツ、アイコちゃんはベージュのレース。「ショーに出てくる紫の薔薇になぞらえて」かいちゃんはネクタイ、アイコちゃんはコサージュ、えなちゃんはスカーフを紫に。なかなかシックな装いでした。
ちなみに、後でわかったことですが、かいちゃんはハンカチも紫で揃えていて、汗をふく姿がお洒落でした。司会の竹下さんに「汗を拭くことになる前提でご用意されたんですね」と突っ込まれてましたが(^ ^)(かいちゃんは暑がりなのかな?)


先に全体の感想を書きますと。。。
いつになくまともな話がまともに展開されたトークだったような気がします。
竹下さんのプロっぷりも際だっていたけど、三人ともよく喋ってくれて、特に最下のえなちゃんの饒舌ぶりが可愛かった♪
かいちゃんはあまり自分語りしないタイプなのかな? 語るべきことはちゃんと語るけど、基本のスタンスは、下級生二人に上手に話を振って、ちゃんと拾って拡げてまた投げ返す……という感じでした。それも、ちーちゃん(蓮水)みたいにきっちり時間まで計算してやっているんじゃなくて、天然(本能)でやってる感じ。それが、すごくかいちゃんらしいなと思いました。



まず最初のお題は、現在公演中の「クラシコ・イタリアーノ」。
かいちゃんは「とりあえず髪を切りました」と。あと、1960年代の映像などを見て、ああいう仕事ならどんな靴を履いているのかを考え、靴屋を回って探した、と。
「まずは外見から、ね。それも大事なことですから」と、すっごい真顔で語ってました(^ ^)。
あと、靴を探した話を受けて「つまり、靴は自前なんですね」と竹下さん。みなさん、かいちゃんジェフの靴に注目!

アイコちゃんは、最初にサルヴァトーレについて語る「ハリウッド俳優のマネージャー」役が本公演での初台詞だそうで、とても嬉しそうでした。かいちゃんに「低めの声が格好良い」と褒められて、植田景子さんに「デキる女、って感じで」と言われたのでそれらしい声で演じている、という話をしてくれました。
ジャーナリスト役については「あっちこっちをうろちょろしてます」みたいな言い方だったかな。銀橋に出るのでとても楽しい。今回は下級生もみんな銀橋に出るので、すごくがんばってます!というコメントが、お母さんみたいでとても素敵でした。

えなちゃんは、「ニーノはイタリア人だけど職人だから、陽気なばかりでも駄目だし…」と役づくりの苦労点を。アメリカチームとは違う、土臭い明るさを伝えたい、と。
かいちゃんが「じゅまは毎日言い方とかも違ってるし、ほんとにその時を生きてるよね」と言ってくれて、
「お芝居が大好きで、昨日と同じことはしたくない、今日だけの空気を作りたいと思う」と話していたのが印象的。ただ、日替わりすぎて安定感がないのはご本人も気にしているみたいで、「伝えなくてはいけないものが洩れているのではないかと心配になることがある」などと、すごく真面目に語っていました。
……で、かいちゃんが真顔で「ほお~~~」と合の手をいれていたのが絶妙でしたー(^ ^)。
仮面劇の口上役(←あれは座長なんだそうです)については、「みなさん!」と呼びかけると皆がざっと振り向くのが嬉しいらしい。いつ観ても幸せそうな笑顔だと思っていたら、本当に幸せだったんだな(^ ^)。



次は新公の話。
アイコちゃんは、美風さんのマリーナ。
かいちゃん「声や仕草(看板を持って帰るところ)にちゃんと年齢が出ていて、すごいなーと思った」
えなちゃん「普段はこんなに可愛い声なのに、役によって全然違う声になれるのがすごい」
二人に褒められて、ちょっと照れてる風アイコちゃんが可愛かったー♪
役の話のあと、長の学年としての苦労みたいな話が面白かった。えなちゃんに「頼りになる」と言われてまた照れてました(*^ ^*)。

えなちゃんは、春風みーちゃんのフランク。
いきなりかいちゃんに「本公演のアメリカチームも個性とチームワークのバランスに苦労されていたと思うのですが」と振ったのに驚きましたが、かいちゃんが優しくうなずいて「普段から一緒にごはん食べに行ったり、仲良くすることから始まった。新公は時間がないから大変だよね」とフォローしてくれてました。
「大劇場の新人公演は、時間がなくてチームワークの構築まで至らなかったのが反省点」、とのこと。CSのYoung Powerでも話していましたが、アメリカチームの中では長だったので、「ぴよぴよしてられな」かったらしい(^ ^)。本公演のお稽古でどんなことをしたのかをかいちゃんに聞いて、色々企画したみたいでした。ワークショップ的に、役に成りきってお茶をしたり、という話をしてました。
あと、「じっくりお芝居するのが好きだったけど、フランクは場面ごとにポンポンつないでいく役で、こういうのもチャレンジで面白いかった」というコメントが印象的でした。

一通り二人の話を聞いたところで、竹下さんがかいちゃんに「羨ましそうですね」と突っ込んでました。
笑って「確かに」と応じたかいちゃん、「でも、客席から観るのも勉強になるんですよ」と。
「下級生の成長を見ると、嬉しくてうるうるする」とかいちゃんとアイコちゃんが盛り上がっていたのが可愛かったです♪♪ 91期ももう卒業しちゃうんだもんなあ……しみじみ。



次のお題は、ショー「NICE GUY」。
かいちゃんは(本公演での?)客席降りが初めてだそうで、毎日ワクワクしているそうです。
「セクシャル9」の話はそれくらいで、3人ともコットンクラブに出ているので、その話が多かったかな。
かいちゃん「前の場面(薔薇の棘)が妖しげなので、私達は、ぱぁっと太陽が射してきたように明るく」
えなちゃん「劇場(?)に入るドアが狭くて、段差もあるので気をつけてます」「最後なのでドアを閉めるんですが、ちゃんと閉めないとセットが上げられないので……」と。まあ、注意点はいろいろあれど、ひっくるめて「うっきうきな場面」だそうです。エスコートする相手がいないことについては特にコメントなかったなあ。残念。

アイコちゃんの「好きな場面」は、イケメンオークション。「私は買えなくて残念なんですけど」と本気で残念そうでした。
かいちゃんに「誰を買いたいの?」と訊かれて、わりと即答で「蓮水さん」と。竹下さんに「どんなところが気にいったんですか?」と突っ込まれて、「爽やかさと、元気になれそうなところ……かな?……いや、あの、純粋に個人的にタイプなんです」と、素直なお答えでした。

風の場面の話では、「膝をつく振りが多いときは、振付の前日とかに『膝注意』と回ってくる(ニーパッドを用意したりするらしい)んですが、今回なくて、なのに振付を受けてみたら床に行く振りがかなりあって、みんな膝があざだらけになった」と。
「昨日言ってほしかったねー、ってみんなで言ってて」と笑顔で言うかいちゃんがとっても天然でした。


……かいちゃんが「じゅまは『Never Sleep』の警官役が印象的。あーお芝居好きなんだなーと思って、私もお芝居好きだから嬉しかった」って話してたのはどこだっけー?
かいちゃんとえなちゃん、そういえばちゃんと組んで芝居してるの観たこと無いですね。今後に期待、でしょうか。



公演関係の話はこのくらいだったと思います。
あとは芸名の由来、宝塚を目指したきっかけ、、、などなど、楽しい話題でいっぱいでしたが、長くなりそうなのでこのあたりで切ります。

いやー、かいちゃんの天然な目配りの良さと、アイコちゃんのしっかり者の肝っ玉母さんぶり、そして、えなちゃんの生真面目な暴走っぷり、、、とても楽しい1時間でした(*^ ^*)。



■タイトルコール
 今日のタイトルコールはみっしょん(美翔かずき)。わあ、あらためて画面で視るとすごい金髪だわ……!!
 キーワードは以前から言ってる「みっしょんのキャッチフレーズ」。あれは「ハロー!ダンシング」でしたね、そういえば。懐かしいー! 



■月組全国ツアー千秋楽
 タイミングを逸してしまってどうしよう……と思っていたのですが、やっぱり言いたいので書きます。
 真凜カンナちゃん、ご卒業おめでとうございます(; ;)。
 笑顔が可愛くて、ハキハキと元気なダンスがキュートだったカンナちゃん。「Hollywood Lover」の三人娘(舞乃、真凜、都月)も、あと残るのは都月みあちゃんだけになっちゃいました……(T T)。

 鹿児島で大ジャンプに参加されたみなさまが羨ましいわ。
 そして、鹿児島出身者の紹介が映らなかったのがとても残念です。


■雪組ドラマシティ公演稽古場レポート
 おー、にわさん(奏乃)スカイレポーター再登場!!(^ ^)。わかっていたけど、きゃびぃの驚きっぷりが可愛かったです!
 公演はなかなか面白そうじゃないですか!(前向き、前向き)悠斗イリヤくんが花帆杏奈ちゃんと組むの?本当に!?わーーーーっ!!(←とりあえず騒ぐ)
 今原作を読むのをじっと我慢しているところなので、早く観たいです(←青年館の楽近くまで観られませんがなにか)

 凜城くん、ずいぶんすっきり痩せましたねえ~。プレッシャーとかあるのでしょうか。とにかく今は、今の雪組での楽しい思い出をたくさんたくさん胸にしまいつつ、目の前の公演に全力投球していただきたいです。
 「宝塚はひとつ」、それは本当にそうですから!宙組での凜城さんを楽しみにしていますから、萎縮しないでがんばってくださいね♪ ……あ、もちろん、キタロウもね!(キタロウはまだまだ先だけど)


■花組スカイナビゲーターズトーク
 あまり新しい情報はありませんでしたが、こういう話が出てくると、お稽古も盛り上がっているんだろうなあ、と思いますね♪
 原作を読んだのはあまりに遠い過去すぎて全然思い出せませんが(←そんなんばっかりだな私)、良い作品になりますように。


■A(あきらと)K(くみの)S(スタジオ)90(ninty)
 えーっと。まずは、衣装のテイストをもうちょっと揃えようよキミタチ(^ ^)。
 そして、机の上のソレは何?

 本日のゲストは、まぁくん(朝夏まなと)。「れみのtokimekiタカラヅカ!」みたいにナビゲーター二人で内輪でやるのかと思ったら、ちゃんとゲストが来たんでびっくりしました。あ、でも、宙組もゲストを呼んでたなそういえば。あれはなんか、3人揃ってるのが当たり前みたいで違和感なかったけど(^ ^)。
 まぁくんは、ナウオンとかで上級生に囲まれているところしか印象が無かったんですが、こうやって下級生と話しているのを見ると、やっぱり上級生は上級生なんですねえ。あきらくんがすごい下級生に見える!

 組替えの話、一回じゃ受け止められなくて二度聞きした……って、ちょっとわかる気がします。私も異動の辞令をもらった時は訊きかえしたっけ。「もう一回言っていただいて良いですか?」って、まぁくんと同じこと言ったんだな(^ ^)。
 まぁくんが宙組生としてお披露目するのはだいぶ先(キタロウと一緒)なので、それまで私がタカラヅカファンでいるかどうかわかりませんが(^ ^;ゞ、まずは次の大劇場公演を、そしてその次の公演もがんばって、思い出たくさん作ってくださいね!



宙組新人公演「クラシコ・イタリアーノ」続き。



今日のニュースで新公映像が流れましたね。
愛ちゃんレニーの冒頭のアドリブ(「写真が一枚しかなくてごめんなさい。うちのフランクってプロデューサーがケチなもんで」)は流れたのに、それを受けたえなちゃんのフランクがカットで残念。


あと、そういえばラストシーンについて書くのを忘れてました。
あっきー(澄輝)のサルヴァトーレは、ミーナのすぐ隣に座ったんですよね!!(*^ ^*)。祐飛さんはわざと隙間をあけて座って、すみ花ちゃんが背中からすり寄ってくるのをニヤニヤしながら待っている(^ ^)んですが、あっきーは最初から優しい笑顔をうかべてゆうりちゃん(伶美)の隣に座ってくれる。でも、目線は合わせない。だから、ゆうりちゃんもちょっと背中を預けた感じになって、お互い相手を見ようとはせずに、遠くに目線をやりつつ、お互いの気配を探ってる……で、幕。

本公演は本公演で、心の距離が近くないとあれはできないし、トップコンビの特権的な演出だと思うんですが(*^ ^*)、新人公演の演出の方が王道だと思うし、すごく優しい空気が流れるのが好きです。あっきーの仁徳かな、と思いました。(←べつに、祐飛さんに仁がないと言いたいわけではありません)




それでは、キャストごとの続き。


クラウディア(五峰亜季)のえりちゃん(藤咲えり)。
もともとえりちゃんが好きすぎるのであまり冷静に観られてないかもですが、、、とにかく良かったです!素晴らしかった(^ ^)。
大人っぽくて、落ち着きがあって、理知的で淑やかで凛として、、、時代に取り残されたデザイナーというより、今でも現役の、切れ者の敏腕プロデューサーみたいな印象がありました。「オートクチュールのデザイナー」と紹介されてますけど、ちゃんと自分のブランドを確立し、貴婦人の道楽ではなく商売として成立させている有能な経営者で、サルヴァトーレと同じ視点で話ができる戦友なんだろうな、と。

ニュースでも、レセプションパーティーでのサルヴァトーレとの会話がちょっとだけ流れましたが、「負けることは許されない」の言い方が凄く好きです。まゆみさんとは全然違うけど、えりちゃんも台詞回しに独特の癖があるんですよね。ちょっと高慢な感じに聴こえる台詞回しを、うまく「貴族的な」喋り方として聴かせていたのがさすがだな、と思います。
大輪の薔薇の花ではないけれども、侯爵夫人としての格にふさわしい気品のある立ち姿は香り高い百合みたいだな、と、贔屓目にもほどがあるよと思いつつ見惚れてました(*^ ^*)。

えりちゃんとあっきーは同期なので、もっと「昔の恋」にフォーカスした芝居になるのかな、と思っていたのですが、逆に、恋愛感情は本公演よりも希薄だったような気がします。
サルヴァトーレが若々しく、クラウディアが理性の勝った「大人の女」という造形だったこともあって、サルヴァトーレに経営のノウハウを教えたのはクラウディアだったのかも?なんて考えました。かつては男と女の関係があったのかもしれないけど、今となってはそれよりも師弟関係の方が濃く残っているような感じ。
だからこそ、二人の絆は強く太いんでしょうね。恋愛という脆い糸ではなく、「生きる意味」を共有している二人だから。ひどく心配げにサルヴァトールを見凝めるクラウディアが、とてもきれいでした。


そして、えりちゃんといえばご挨拶(^ ^)。
長の挨拶も「美しき生涯」大劇場から4回目でしたが、毎回本当に感心します。新公の挨拶なんて、内容的にそんなにヴァリエーションがあるはずもないのに、毎回ちゃんと違うことを言って、なおかつ毎回「すごい!」と思わせる話の組み立て、語彙の豊富さ。本当に頭のいい、デキる人なんでしょうね。感心。



ロレンツォ侯爵(鳳翔大)のまっぷー(松風輝)。
えーっと。まず、衣装は本公演とは違いました……か?(←この役は結構衣装が重要だと思うのに、ちゃんと観とけよ自分)(だっていっつもえりちゃんと一緒……)

本役の大ちゃんは、あまり感情を表に出さずに貴族らしい役づくりなので、感情全開フルスロットルなまっぷーの侯爵に、最初のうちはびっくりしました。でも、すぐに慣れてきて、「サルヴァトーレの目指したものは、こんなものではなかったはずだ」あたりはぐっときましたね。

「おお」と思ったのは、レセプションパーティーの最後、侯爵が別室でのインタビューから戻ってきた場面。
本公演では、ほぼクラウディアとサルヴァトーレの会話が終わりかけたところに戻ってきて、特に動揺を見せずにまっすぐ妻のところに向かい、名前を呼ぶのですが、まっぷーは少し早めのタイミングで出てきて、いったん舞台前面に出て会話が終わるのを待って声をかけていた……と思います。
席が上手側だったのでその時のまっぷーの表情は視えなかったんですが、あの声かけのタイミングにはゾクっとする迫力があって、彼の中に渦巻く感情がすごく見えた気がします。
クラウディアに対する彼の愛はあけっぴろげで、サルヴァトーレに対する応援の気持ちにも嘘がないからこそ、二人の間を結ぶ恋愛感情とは違う絆に嫉妬する自分を表に出したくなくて腹に溜めてしまう。。。そういう、ひどく人間臭い役づくりが、「侯爵」という地位にふさわしいのかどうかに若干の疑問は残しつつ、役づくりとしてはすごく面白かったと思います。

生まれながらの貴族ではないにしても、サルヴァトーレとは違い、ふつうの家で育ったのであろうえりちゃんのクラウディアが、まっぷーのロッシ侯爵と結婚した理由は、本公演ほど打算的なものではなく、「あたしがいないと駄目な人」的な愛情があったのかな、なんてことも思いました。
本公演のクラウディアは、サルヴァトーレと同じような過去があっても驚かないし、大ちゃんと結婚したのも、あくまでも打算的なものに観えるんですよね。台詞も衣装も同じなのに、面白いなあと思います。
……ま、どっちにしても、選ぶのはクラウディアなのは同じですね(^ ^)。


まっぷーといえば、仮面劇の最初の口上役(本役・月映樹茉)もやってましたね。
侯爵がどーしてアルバイトしてんの!?と思いましたが、さすがに達者でした。ほわんと可愛らしくて、そして幸せそうなえなちゃんの口上に比べると、一癖も二癖もあるまっぷーの口上は、あれはあれで客寄せとしては有効かも、と思いました。



そのえなちゃんは、プロデューサーのフランク(春風弥里)。
何を演じても達者な人だなあ(感心)。みーちゃんのフランクのウザさとはまた違う、、、なんというのか、絶妙な「場違い」感がある役づくりで、新人公演と本公演の「アメリカチーム」の空気の違いは、やっぱりプロデューサーで決まるんだな、と思いました。

「Young Power」の話をきいて、(わかっていたけど)あらためて、本当に本当に本当~~~~!!に、お芝居が好きでたまらない人なんだな、と納得。軽やかで頭の回転が早くて、ちゃんと舞台の空気を読んで思った方向に動かしていける人なんですよね。早いものでもう92期も研6。1回くらい二枚目役を観てみたいのですが……(祈)

ちなみに、My Bestえなちゃんは以下のとおり。
[1]「クラシコ・イタリアーノ」ニーノ
[2]「カサブランカ」新公サム
[3]「トラファルガー」新公ジャービス提督。
……ジャービス提督は「二枚目枠」に入るのかな?



ペッピーノ(蓮水ゆうや)のモンチ(星吹彩翔)。
いつ観ても「巧いなー」と感心させられる人ですが、今公演の撮影アシスタントもすごく良いし、ペッピーノも、愛情に溢れていてとても良かったです。可愛い可愛いと思ってましたが、男っぽくなってきましたよね。「ヴァレンチノ」も良かったし、最近ノってるなーと思います。もっともっと格好良くなりそう♪♪ 組替えもあるけど、いろいろ楽しみです。

とにかく「巧い」が先に立ちがちな人ですが、今回は本当に温かみのある役づくりで、マリオともサルヴァトーレとも違う、自分なりの信念を持って生きている様が格好良かったです。
マリオとサルヴァトーレが去ったあとのグランチェッロを支えるのは彼なんだろうな、というか、彼がいるからこそサルヴァトーレもジュリアーノに後事を託して去ることができたんだろうな、と思いました。

あと、りっくん(蒼羽)と兄弟、という設定も個人的にすごくしっくりきました。私にとってこの二人は博多座「大江山」の秋風・春風なので、並んでいるとそれだけで嬉しいんです。
っていうか、そうやって考えるとあの職人メンバーは博多座メンバーですね(←関係ない)

しっかし、小柄なモンチペッピーノに対して、ジーナ(琴羽桜子)が元男役の舞花くるみちゃんというのは………いじめか?
いや、くるみちゃんも可愛かったし、実直で温かくて、ベタ靴で、とても良かったんだけど(^ ^)。



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