「カサブランカ」【4】
2010年1月8日 宝塚(宙)宝塚歌劇団宙組公演「カサブランカ」。
■第9~11場 リックの店 ~1941年12月1日夜~(つづき)
前回の日記ではちょっと飛ばしてしまいましたが、ヴィクター・ラズロとシュトラッサー、ルノー三者の会談が、実はかなり好きです。っていうか、たぶん、単にラズロが好きなんだと思うんですが(^ ^)。「今ここでは無理でしょう」の肩のすくめかたとか。「ルノー大尉。これはあなたの要請ですか?」とか、慇懃無礼で嫌味たっぷりで、なのに、どこか軍人たちの嗜虐性に火を点ける、そんな部分があると思うんです。
元来、相手の出方をみてそれを受けるという芝居は不得手な人だった印象をもっていたのですが、「薔薇に降る雨」の男爵もすごく良かったし、最近はそういう役が多くなってきているんですね。
映画のヴィクター・ラズロは、リックよりだいぶ年配の、理論家というか学究肌の紳士だった印象がありました。この舞台でも、回想シーンでのリックとセザールの会話の中で「(ラズロは)平和主義者だろう?俺には関係ない」という台詞があったりするんですが。
……蘭トムさんのラズロは、実戦派ですよねえ(*^ ^*)。武闘派というほどではないかもしれませんが、実際に銃を持って戦って、兵士たちの士気を挙げる英雄タイプ。
あああ、本当にカッコイイわぁ~(*^ ^*)。
カフェの専属歌手、コリーナ・ムラ(鈴奈沙也)のショータイム。
サム(萬あきら)は休憩のためピアノの前を離れて上手へ向かい、カフェの中央階段でコリーナがアダルトに歌いだす。
ラズロを召還できたことに満足して、悠然と店を出て行くシュトラッサー。見送りに出るルノー。
カールから伝票を受け取って、すごくイヤそうな顔をしながらサインをするハインツ(風莉じん)がすごくツボです。
彼らがいなくなって、一気に店内の空気が緩む。
ココで見逃せないのは、それまで上手のバーカウンターでサッシャ(春風弥里)やバーガー(鳳翔大)と喋っていたトネリ中尉(月映樹茉)です♪
元々熱心なコリーナのファンだった、という設定なのか、この晩に初めて歌姫に出会って、一目惚れしたのか?どちらにしても、彼は猛烈な勢いでコリーナにアタックしています。テーブルの間を歌いながら練り歩く歌姫のあとをついて歩き、そこらのテーブルの花を勝手に取って渡そうとしたりしているし(汗)。ラズロやシュトラッサーたちの、面子から生命から、あらゆるものを賭けた闘いをよそに、手の届かない恋しい歌姫をひたすら追いかけている彼は、とても幸せそうに見えました。
……92期って、本当に人材豊富なんだな………。
一息ついて、バーガーの居るバーカウンターへ向かうラズロ。
シュトラッサーを見送って戻ってきたルノーは、下手のテーブルで美女と歓談中。そちらにチラリと眼をやりつつ、落ち着いた足取りで。
憧れの英雄と話す喜びに興奮気味のバーガー。
ウガーテが逮捕されたと聞いてがっかりするラズロ。
「あなたには我々がついています!」と一生懸命慰めるバーガー。トラックの手配はできているけど人手が足りない彼らは、ラズロのために何をしてあげられるかなあ(^ ^;
“今夜の集会”に出席を依頼したあたりで、注文の「シャンパン・カクテル」を作っていたサッシャが割り込んでくる。彼は、バーガーとラズロが話している間中、カクテルをつくりながら周りを見ているんですよねー。彼なりに、バーガーたちを守ろうとしているのが可愛いです♪
しかーし、割り込み方がわざとらしくて暑苦しいのが、みーちゃんらしさなのかしらん(^ ^;ゞ
下手から、ちょっとニヤニヤしながらバーカウンターに近づいてくるルノー。わざとらしくバーガーに声をかけて追い払い、席に戻ろうとするラズロを引き止めて話を始める。
ルノーは完全にバーガーの裏を知っていて、泳がせているんですよね?で、バーガーはルノーにバレてることを判っている、のかなぁ?大ちゃんの芝居は非常に素直で可愛いので、もしかして何も判ってないんじゃ?と心配になるんですが。
それにしても。
ちょっと話が戻りますが、ルノーは何故、ラズロとウガーテの取引場所がリックの店だと予想しなかったんでしょうね。ウガーテがここに居ることは知っていたのに。『誰かに会いたければ、リックの店に行くといい』……ラズロはウガーテに会いたかった。だから、リックの店に来ると思わなかったのでしょうか?
ラズロとウガーテが書類を受け渡している現場を押さえることさえできれば、二人まとめて逮捕できたのに、先にウガーテを(手際よく)掴まえてしまったばっかりに、本命のラズロを逃がしてしまうんですよね。シュトラッサーも機嫌よく帰って行ったけど、そこはルノーのミスじゃないのか?
この時点では、魔法のヴィザはウガーテが持っていると思っていたから、安心していたということ?あるいは、ルノーは、本心ではラズロに渡米して欲しいと思っているから、なるべくラズロを捕まえずにシュトラッサーに指示された任務を最小限にして果たすことを考えているという解釈もあるのかなあ…?
テーブルに残ったイルザは、ウェイターのビゴー(七海ひろき)にピアニストを連れてくるように頼む。
現れたサムに、懐かしそうに話しかけるイルザ。
美しい過去の思い出に浸りこもうとするイルザと、目の前で血を流し続ける傷口をじっと見守って来たサム。
「リックはどこ?」
「ブルーパレットって店に女が出来ちまってね……」
「サム、あなた、昔はもっと嘘を吐くのが上手だったわ」
彼女にとっては。懐かしい過去の思い出であっても、
リックにとっては、決して癒えることのない傷。
「弾いて頂戴、サム。……“As Time Goes By”」
ハミングで歌いだすイルザ。楽しかったパリの思い出。愛する男と、愛した男。
でも、一人の男にとっては、それは未だに現在進行形の愛だから。
「その曲は二度と弾くなと……っ!」
階段を駆け下りて叫ぶリック。
“取り乱すリック”なんていう珍しいものを初めて観た客たちの、純粋な驚きの表情。
困ったように眉だけ動かして、イルザを示すサム。
「………」
時間が止まる。
空気が凍る。
心配げに立ち上がって、イルザのもとに向かうラズロ。
それをちょっと抑えて、声をかけるルノー。
「マドモアゼル、彼が先ほどお尋ねのリックです。リック、こちらは」
「………イルザ」
ルノーの言葉と共に動き出した時間も空気も、リックの周りだけ、まだ止まったままで。
食い入るように、イルザだけを見凝めるリック。
その視線に耐えられず、視線を逸らすイルザ。その蒼褪めた頬に、先刻までの穏やかで懐かしげな笑みはなく。頬に、髪に、絡みつくようなリックの視線に晒されて、それでも気丈に胸を張って立っている少女。
ラズロに請われるままに、テーブルにつくリック。さりげなくテーブルを調えるカールとビゴーが、とっても有能。
ここから先は、ちょっと眼を伏せつつも凝っとイルザから視線を離さなかった日もあるし、逆に、まったくイルザを見なかった日もある……と思うんですよね。私自身も、他のテーブルに気をとられていることも多くて(ごめんなさい)あまり観ていないときもあったりするのですが(^ ^;ゞ、真っ直ぐに正面から視る、というのは、大劇場で初めて観たとき以来あまりやっていないような気がします。
ちょっと顔を背けて、でも眼の端で追っている、みたいな感じ。
なんとなくおかしな空気には気づきながらも、あたりさわりのない会話を続けるラズロ。
イルザと最後に会ったのは、パリにドイツ軍がやってきた日だった、というリックの言葉に
「忘れられない日だね」
と、ひどく懐かしげに呟くのが印象的です。……あれっ?その日って、ラズロにとってはどういう日なんだろう……?もうパリに入っていたのでしょうか。そのアタリは、最後まで観てもよくわからないんですよね、ラズロの回想シーンが無いので。
夜間外出禁止時間が近づき、ラズロとイルザも席を立つ。
さりげなく護衛(尾行)をつけることを宣言しつつ、爽やかに送り出すルノー。
挨拶もそこそこに、逃げるように店の中へ戻っていくリック。
イルザだけが、そんなリックを視ている。
ルノーが店内に戻るのを確認して、下手花道へ向かうラズロとイルザ。
バーガーに連れられて、ラズロと同じスーツを着たアンリ(愛月ひかる)が現れ、帽子を交換して歩き出す。アンリはイルザを連れてホテルへ、ラズロはバーガーと共に地下水道へ。
そういう役は、もう少し身長や体格の似通った人でやったほうがいいんじゃないでしょうか>小池さん
盆がまたくるりと回って、店の中へパン。
閉店時間を過ぎて従業員も帰った店の中で、酔いつぶれているリック。
ありがとう小池さん。
思えば、酔っ払った祐飛さんには数々の名シーンがありますが。
この場面は本当に名場面だよなあ、と。
なんだか、結構時間が気になるこの芝居。
このとき、カサブランカは何時なんでしょうね。このあと、回想シーンが終わったあとで、酔いつぶれて寝てしまったリックにサムが「夜が明けちまいますよ」と言うので、おそらくは3時か4時か……早くてもせいぜい2時くらいだと思うのですが。
問題は、「夜間外出禁止時間」が何時からなのか、だと思うんですが、いくら調べても、当時のモロッコの戒厳令の詳細がわからない(T T)。
映画を見れば、時計が映っていたりするのでしょうか……?
おそらく、「夜間外出禁止時間」=閉店時間でしょうから、たとえばそれが夜の12時なら、そこから従業員が片付けるのを見ながら飲み始めて、1時間くらいで酔っ払ってサムに絡み始め……ぐでんぐでんに酔っ払ってダウンするまで3時間くらい?
そんな細かいチェックをしたくなるのが、小池作品の深いところです。
『As Time Goes By』を弾いてくれ、とねだるリック。
「思い出は、古傷に滲みるかもしれませんよ」
「……彼女が耐えた痛みなら、俺も耐えられる」
たぶん、「As Time Goes By」を頼んだ時点でのイルザの古傷は、せいぜいむず痒さを感じる程度のもの。
今リックが耐えようとしている激痛とは全く違うものだったのだろうけれども。
……そんなこと、知らない。
俺がこれだけ痛むのだから、彼女も同じだけの痛みを背負っているはずだ。
たとえ、彼女自身は忘れてしまっているのだとしても、俺が愛した1年前の彼女は。
♪恋人たち 交わすI Love You
♪本気になる……
次第に、闇の中に沈んでいくサム。
バックスクリーンに浮かび上がる石造りの街なみ。窓々から零れる灯火。ライトアップされた繁華街のネオンサイン。数々の看板。
夢のように。走馬灯のように。
あるいは、回転木馬のように。
一つ回ると年を取る。逆に回ると若返る。レイ・ブラッドベリの「何かが道をやってくる」を思い出させる、見事な演出です。
リックの記憶が投影されたバックスクリーンに向かって、彼は自らの脚で階段を昇り、そしてまた降りていく。
記憶の街の中へ、と。
♪明日さえ見えない As Time Goes By
今、彼の視界に広がっているのは、春の出会いと初夏の別れ。
秋の孤独と冬の超然は消え去った。どこかに置いてきた。
「世界中の酒場の中で、なぜこの店に来た……!」
リックの虚無が、あの広い大劇場全体を包み込んだ瞬間。
銀ちゃんとは全く違うけれども、リックも銀ちゃんなみに感情のUP-DOWNが激しいタイプだったんだな、と思いました。
役者って、すごいなあ……(いまさら?)
.
■第9~11場 リックの店 ~1941年12月1日夜~(つづき)
前回の日記ではちょっと飛ばしてしまいましたが、ヴィクター・ラズロとシュトラッサー、ルノー三者の会談が、実はかなり好きです。っていうか、たぶん、単にラズロが好きなんだと思うんですが(^ ^)。「今ここでは無理でしょう」の肩のすくめかたとか。「ルノー大尉。これはあなたの要請ですか?」とか、慇懃無礼で嫌味たっぷりで、なのに、どこか軍人たちの嗜虐性に火を点ける、そんな部分があると思うんです。
元来、相手の出方をみてそれを受けるという芝居は不得手な人だった印象をもっていたのですが、「薔薇に降る雨」の男爵もすごく良かったし、最近はそういう役が多くなってきているんですね。
映画のヴィクター・ラズロは、リックよりだいぶ年配の、理論家というか学究肌の紳士だった印象がありました。この舞台でも、回想シーンでのリックとセザールの会話の中で「(ラズロは)平和主義者だろう?俺には関係ない」という台詞があったりするんですが。
……蘭トムさんのラズロは、実戦派ですよねえ(*^ ^*)。武闘派というほどではないかもしれませんが、実際に銃を持って戦って、兵士たちの士気を挙げる英雄タイプ。
あああ、本当にカッコイイわぁ~(*^ ^*)。
カフェの専属歌手、コリーナ・ムラ(鈴奈沙也)のショータイム。
サム(萬あきら)は休憩のためピアノの前を離れて上手へ向かい、カフェの中央階段でコリーナがアダルトに歌いだす。
ラズロを召還できたことに満足して、悠然と店を出て行くシュトラッサー。見送りに出るルノー。
カールから伝票を受け取って、すごくイヤそうな顔をしながらサインをするハインツ(風莉じん)がすごくツボです。
彼らがいなくなって、一気に店内の空気が緩む。
ココで見逃せないのは、それまで上手のバーカウンターでサッシャ(春風弥里)やバーガー(鳳翔大)と喋っていたトネリ中尉(月映樹茉)です♪
元々熱心なコリーナのファンだった、という設定なのか、この晩に初めて歌姫に出会って、一目惚れしたのか?どちらにしても、彼は猛烈な勢いでコリーナにアタックしています。テーブルの間を歌いながら練り歩く歌姫のあとをついて歩き、そこらのテーブルの花を勝手に取って渡そうとしたりしているし(汗)。ラズロやシュトラッサーたちの、面子から生命から、あらゆるものを賭けた闘いをよそに、手の届かない恋しい歌姫をひたすら追いかけている彼は、とても幸せそうに見えました。
……92期って、本当に人材豊富なんだな………。
一息ついて、バーガーの居るバーカウンターへ向かうラズロ。
シュトラッサーを見送って戻ってきたルノーは、下手のテーブルで美女と歓談中。そちらにチラリと眼をやりつつ、落ち着いた足取りで。
憧れの英雄と話す喜びに興奮気味のバーガー。
ウガーテが逮捕されたと聞いてがっかりするラズロ。
「あなたには我々がついています!」と一生懸命慰めるバーガー。トラックの手配はできているけど人手が足りない彼らは、ラズロのために何をしてあげられるかなあ(^ ^;
“今夜の集会”に出席を依頼したあたりで、注文の「シャンパン・カクテル」を作っていたサッシャが割り込んでくる。彼は、バーガーとラズロが話している間中、カクテルをつくりながら周りを見ているんですよねー。彼なりに、バーガーたちを守ろうとしているのが可愛いです♪
しかーし、割り込み方がわざとらしくて暑苦しいのが、みーちゃんらしさなのかしらん(^ ^;ゞ
下手から、ちょっとニヤニヤしながらバーカウンターに近づいてくるルノー。わざとらしくバーガーに声をかけて追い払い、席に戻ろうとするラズロを引き止めて話を始める。
ルノーは完全にバーガーの裏を知っていて、泳がせているんですよね?で、バーガーはルノーにバレてることを判っている、のかなぁ?大ちゃんの芝居は非常に素直で可愛いので、もしかして何も判ってないんじゃ?と心配になるんですが。
それにしても。
ちょっと話が戻りますが、ルノーは何故、ラズロとウガーテの取引場所がリックの店だと予想しなかったんでしょうね。ウガーテがここに居ることは知っていたのに。『誰かに会いたければ、リックの店に行くといい』……ラズロはウガーテに会いたかった。だから、リックの店に来ると思わなかったのでしょうか?
ラズロとウガーテが書類を受け渡している現場を押さえることさえできれば、二人まとめて逮捕できたのに、先にウガーテを(手際よく)掴まえてしまったばっかりに、本命のラズロを逃がしてしまうんですよね。シュトラッサーも機嫌よく帰って行ったけど、そこはルノーのミスじゃないのか?
この時点では、魔法のヴィザはウガーテが持っていると思っていたから、安心していたということ?あるいは、ルノーは、本心ではラズロに渡米して欲しいと思っているから、なるべくラズロを捕まえずにシュトラッサーに指示された任務を最小限にして果たすことを考えているという解釈もあるのかなあ…?
テーブルに残ったイルザは、ウェイターのビゴー(七海ひろき)にピアニストを連れてくるように頼む。
現れたサムに、懐かしそうに話しかけるイルザ。
美しい過去の思い出に浸りこもうとするイルザと、目の前で血を流し続ける傷口をじっと見守って来たサム。
「リックはどこ?」
「ブルーパレットって店に女が出来ちまってね……」
「サム、あなた、昔はもっと嘘を吐くのが上手だったわ」
彼女にとっては。懐かしい過去の思い出であっても、
リックにとっては、決して癒えることのない傷。
「弾いて頂戴、サム。……“As Time Goes By”」
ハミングで歌いだすイルザ。楽しかったパリの思い出。愛する男と、愛した男。
でも、一人の男にとっては、それは未だに現在進行形の愛だから。
「その曲は二度と弾くなと……っ!」
階段を駆け下りて叫ぶリック。
“取り乱すリック”なんていう珍しいものを初めて観た客たちの、純粋な驚きの表情。
困ったように眉だけ動かして、イルザを示すサム。
「………」
時間が止まる。
空気が凍る。
心配げに立ち上がって、イルザのもとに向かうラズロ。
それをちょっと抑えて、声をかけるルノー。
「マドモアゼル、彼が先ほどお尋ねのリックです。リック、こちらは」
「………イルザ」
ルノーの言葉と共に動き出した時間も空気も、リックの周りだけ、まだ止まったままで。
食い入るように、イルザだけを見凝めるリック。
その視線に耐えられず、視線を逸らすイルザ。その蒼褪めた頬に、先刻までの穏やかで懐かしげな笑みはなく。頬に、髪に、絡みつくようなリックの視線に晒されて、それでも気丈に胸を張って立っている少女。
ラズロに請われるままに、テーブルにつくリック。さりげなくテーブルを調えるカールとビゴーが、とっても有能。
ここから先は、ちょっと眼を伏せつつも凝っとイルザから視線を離さなかった日もあるし、逆に、まったくイルザを見なかった日もある……と思うんですよね。私自身も、他のテーブルに気をとられていることも多くて(ごめんなさい)あまり観ていないときもあったりするのですが(^ ^;ゞ、真っ直ぐに正面から視る、というのは、大劇場で初めて観たとき以来あまりやっていないような気がします。
ちょっと顔を背けて、でも眼の端で追っている、みたいな感じ。
なんとなくおかしな空気には気づきながらも、あたりさわりのない会話を続けるラズロ。
イルザと最後に会ったのは、パリにドイツ軍がやってきた日だった、というリックの言葉に
「忘れられない日だね」
と、ひどく懐かしげに呟くのが印象的です。……あれっ?その日って、ラズロにとってはどういう日なんだろう……?もうパリに入っていたのでしょうか。そのアタリは、最後まで観てもよくわからないんですよね、ラズロの回想シーンが無いので。
夜間外出禁止時間が近づき、ラズロとイルザも席を立つ。
さりげなく護衛(尾行)をつけることを宣言しつつ、爽やかに送り出すルノー。
挨拶もそこそこに、逃げるように店の中へ戻っていくリック。
イルザだけが、そんなリックを視ている。
ルノーが店内に戻るのを確認して、下手花道へ向かうラズロとイルザ。
バーガーに連れられて、ラズロと同じスーツを着たアンリ(愛月ひかる)が現れ、帽子を交換して歩き出す。アンリはイルザを連れてホテルへ、ラズロはバーガーと共に地下水道へ。
そういう役は、もう少し身長や体格の似通った人でやったほうがいいんじゃないでしょうか>小池さん
盆がまたくるりと回って、店の中へパン。
閉店時間を過ぎて従業員も帰った店の中で、酔いつぶれているリック。
ありがとう小池さん。
思えば、酔っ払った祐飛さんには数々の名シーンがありますが。
この場面は本当に名場面だよなあ、と。
なんだか、結構時間が気になるこの芝居。
このとき、カサブランカは何時なんでしょうね。このあと、回想シーンが終わったあとで、酔いつぶれて寝てしまったリックにサムが「夜が明けちまいますよ」と言うので、おそらくは3時か4時か……早くてもせいぜい2時くらいだと思うのですが。
問題は、「夜間外出禁止時間」が何時からなのか、だと思うんですが、いくら調べても、当時のモロッコの戒厳令の詳細がわからない(T T)。
映画を見れば、時計が映っていたりするのでしょうか……?
おそらく、「夜間外出禁止時間」=閉店時間でしょうから、たとえばそれが夜の12時なら、そこから従業員が片付けるのを見ながら飲み始めて、1時間くらいで酔っ払ってサムに絡み始め……ぐでんぐでんに酔っ払ってダウンするまで3時間くらい?
そんな細かいチェックをしたくなるのが、小池作品の深いところです。
『As Time Goes By』を弾いてくれ、とねだるリック。
「思い出は、古傷に滲みるかもしれませんよ」
「……彼女が耐えた痛みなら、俺も耐えられる」
たぶん、「As Time Goes By」を頼んだ時点でのイルザの古傷は、せいぜいむず痒さを感じる程度のもの。
今リックが耐えようとしている激痛とは全く違うものだったのだろうけれども。
……そんなこと、知らない。
俺がこれだけ痛むのだから、彼女も同じだけの痛みを背負っているはずだ。
たとえ、彼女自身は忘れてしまっているのだとしても、俺が愛した1年前の彼女は。
♪恋人たち 交わすI Love You
♪本気になる……
次第に、闇の中に沈んでいくサム。
バックスクリーンに浮かび上がる石造りの街なみ。窓々から零れる灯火。ライトアップされた繁華街のネオンサイン。数々の看板。
夢のように。走馬灯のように。
あるいは、回転木馬のように。
一つ回ると年を取る。逆に回ると若返る。レイ・ブラッドベリの「何かが道をやってくる」を思い出させる、見事な演出です。
リックの記憶が投影されたバックスクリーンに向かって、彼は自らの脚で階段を昇り、そしてまた降りていく。
記憶の街の中へ、と。
♪明日さえ見えない As Time Goes By
今、彼の視界に広がっているのは、春の出会いと初夏の別れ。
秋の孤独と冬の超然は消え去った。どこかに置いてきた。
「世界中の酒場の中で、なぜこの店に来た……!」
リックの虚無が、あの広い大劇場全体を包み込んだ瞬間。
銀ちゃんとは全く違うけれども、リックも銀ちゃんなみに感情のUP-DOWNが激しいタイプだったんだな、と思いました。
役者って、すごいなあ……(いまさら?)
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「カサブランカ」【3】
2010年1月6日 宝塚(宙)宝塚歌劇団宙組公演「カサブランカ」。
先日書いたときは、第6場の途中で終わったので、その続きを…と思ったのですが。
まずは、その前の部分について、若干の追記をさせてくださいませ。
■裁判所前広場
初めて観劇したとき、「ヴィザを!ヴィザを!」という大ナンバーを聴いて、ミュージカル「サンセット・ブールバード」(A・L・ウェッバー)の主題歌を思い出しました。
変拍子なのと、全体的なコード進行が似ているんだと思うんですが。……昔から、ああいうコード進行の曲が非常に好きなので、いきなり掴まれてしまいました(^ ^)。
その後の、カチャ(凪七瑠海)が花露すみかちゃんを慰めて歌いだすナンバーも凄く好きです。
カチャの、ちょっと鼻にかかった個性的な声はあまり好きではないのですが、公演も回数を重ねるにつれて、
「あなたもきっと、あの飛行機に乗れますよ…」
という台詞の誠実さとか、青臭さ(若さ)とか、そういうモノが凄く出てきているなあと思います。
若くて、一生懸命で、でもちょっと空回りしがちな青年。愛する妻の前で、ちょっと正義漢ぶってエエ格好をしたい気持ち。そんな夫をうまいこと立ててあげられる、歳上の妻。
アリスちゃんとカチャ、次のバウでも組むことが決定している二人ですが、予想以上に良いコンビになりそうだな、と思いました♪
(蒼羽)りくちゃんと(藤咲)えりちゃんは、この場面では終始カップルで行動してるんですね。お似合いの二人で、紺のスーツに寂しげな美貌のえりちゃんが、若い恋人の無謀な行動(看板を殴ったりとか)を心配している様子がとても可愛いです。
あと目についたのは、美月遥くんと七瀬りりこちゃん。フィナーレのエトワールで話題をさらったりりこちゃんですが、ブロンドの巻き毛が良く似合う、豊満な美人さんですね♪
愛月ひかるくんと瀬音リサちゃんも何回か抱き合っていたけど、カップルなのかなあ?このあたりは、なんとなく日替わりっぽい感じなので、あまり確信がありません。
リックのカフェで度肝を抜くほど美人だった妃宮さくらちゃん、裁判所前広場の亡命者は、地味なスーツに髪もアップにしていて、まるっきり別人です。最初全然気がつかなくて、さくらちゃんは出てないと思ってました(汗)。役者だなあ……(感心)。
初めて大劇場で観たとき、そういえばえつこ(大海亜呼)があまり出てないなあ~?と思ったのですが。プログラムを見たら、ほとんどの場面に出てるんですね(汗)。主に、ムーア人の男で。
口ひげにあごひげで完全に顔を隠して、バザールで物を売ったり、リックのカフェでルーレットをしていたり。こういうアンサンブルのムーア人たちは、実は大半が娘役だったりします。下っ端の警官も半分は娘役だし。
娘役の男装があちこちで観られるのは、「太王四神記」と同じ。それだけ、人海戦術を重視した作品だ、ってことなんでしょうね。
また、リックのカフェではボーイ役をしているえびちゃん(綾瀬あきな)、(千鈴)まゆちゃんの二人は、他の場面でもほとんど男の子の役。しかも、どの場面もめっちゃ可愛い!(汗)。パリ南駅の群衆でも男の子だった二人に、乾杯。
■第6~11場 リックの店 ~1941年12月1日夜~(つづき)
ルノー大尉(北翔海莉)の前を敬礼して通り過ぎるカッセル中尉(澄輝さやと)を、慌てて追いかけるトネリ大尉(月映樹茉)。「Un moment, per favore!」って、要するに「Just a moment, please!」みたいな言葉なんでしょうか。トネリの盛大な巻き舌、面白すぎるんですけど(^ ^)。
店に入っていく二人を無言で見送るリックとルノー。
二人の間に流れる空気が、なんとなく緊張感があるんですよね。リックは比較的自然体で立っているのに、ルノーはすごくリックを気にしてる。リックは気にされていることに気づいていて、でも放置している。人と深く関わるのは二度とごめんだ、と思っているから。
そんな二人の間を切り裂くように、飛行機のプロペラ音が聞こえてくる。
「リスボンへの夜間便だ。…乗りたくないか?」
穏やかに問いかけるルノー。そっけなく応えるリック。
謎めいたリックという男を見抜こうと、あれこれ話しかけるルノーと、さりげなくかわそうとするリック。敵なのか味方なのかはっきりさせないままに続く2人の会話は、大劇場の後半から、少しづつ緊張感が出てきたと思います。
しかし、みっちゃん。……貴女は本当に、素直で可愛い女の子なんだなあ……(; ;)。
店の玄関を開けて、クルービエ(ルーレットの“親”)のエミール(蓮水ゆうや)が出てくる。
「すみません。強いお客様がいらして、2万フラン足りないんです」
なぜ彼が、わざわざカフェを突っ切って表のドアから出てくるのかが素朴に疑問なんですが。
舞台上では下手に回ればすぐカジノだし、リックも「裏から行くぞ」って言ってるのに。
ま、そんなことはどうでもいいんですが。
失敗して落ち込んでいる『プロの技術者』という難しい仕事を、きちんと見せるちーちゃん。巧いなあと思いました(*^ ^*)。ただ失敗してがっくりしているんじゃなくて、プライドが傷ついた感じが伝わってきます。そして、それを軽い調子で慰めるリックがとても優しい。
さっきまでの、あれこれ追求してくるルノーをさりげなくかわしていたつかみどころの無い男とは別人のように、実在感のある温み。『クール』と評されることの多い祐飛さんのお芝居ですが、意外と温かいんだよね、と思うのはこんなときです(*^ ^*)。
『裏から』回って金庫室へ向かう三人。
下手花道のセリから、せりあがってくる金庫。前方下手席に座る方、ぜひご注目ください♪
金庫から金を出して、軽い雰囲気でエミールに渡すリック。
そのままエミールは一礼してカジノに戻り、リックとルノーは銀橋に出る。
エミールが戻るのを、三々五々喋りながら待っているカジノの客たちが、なんというか、ナチュラルでいいです。面白いなあ、宙組っ子たち。
ベンチに座ってのんびりお喋りしている人たち。ルーレット台の回りで待機して、ちょっとむくれているカーティス妻(美風舞良)たち。そして、苛々した様子で椅子に座りこみ、気もそぞろで目の前のチェス盤をいじりはじめるウガーテ。
それにしても。エミールを困らせた『強いお客様』って、誰のことだったんだろう……?
銀橋に出たリックとルノーは、お互いの腹を探りあいながらのんびりと歩く。
「実は今夜、第三帝国のシュトラッサー少佐がこの店に来る。そこで軽く、捕り物をやりたいんだ」
「またか。……少佐は何故カサブランカに?」
「昨日カサブランカに着いた男がいる。ナチスの敵、ヴィクター・ラズロだ」
「ヴィクター・ラズロ!?」
普段からあまり反応を見せないリックが、その名前に強く反応する。
珍しいリックの様子に、面白がるルノー。ラズロの脱出に1万フラン賭けながら、ラズロが女連れであることを勿体つけて教える。
「置いて行くかもしれない」
「ここまで連れて来たんだ。置き去りにはするまい」
「君ほどもロマンチストなら、な」
「ロマンチストなのはお前さんだ。調べさせてもらったよ……1935年、エチオピア戦争に武器を密輸。その翌年には、スペイン内戦で革命政府側に加担して参戦」
「どちらも十分儲けたさ」
「勝った側についていれば、もっと儲かっただろうに」
「……とにかく、今の君はゲシュタポの仲間だというわけだ」
……この銀橋の会話は、考えてみるとすごく大事で中身が濃い会話なんですよね。
リックとルノー、主要人物でありながら本音を見せない二人が本音と過去を語る、殆ど唯一の場面。
これを聞き流していると、後半の展開が理解できないかもしれないな、と思いました。
そのへんは役者も自覚しているようで、元々滑舌のいいみっちゃんはもちろん、せりふが篭りがちな祐飛さんも、客席にきちんと伝わるように意識して喋っているのが嬉しいです♪
銀橋から本舞台のカジノに戻った彼らのところに、カッセルが来る。
「少佐がお見えになりました」
「よし。作戦開始!
……ルノーとの連絡役をするのはカッセルだけど、実際に部下を率いてウガーテの逮捕に向かうのはさっつん(風羽玲亜)なんですね。この人の声がとても好きなので、さりげなく台詞が多くてとても嬉しい♪
カフェでは、シュトラッサーを出迎えたルノーがニヤニヤしながら席へ案内します。
カジノとの境のドアを開けて、飛び出してくるウガーテ。カフェ側で待機していた警官が取り押さえる。発砲音に驚く客たち。
「リック、リック!助けてくれ!!」
悲痛な声でリックを呼ぶウガーテ。
「……俺を巻き込むな」
冷静に~、冷酷に~♪(BY ゾフィー皇太后)
「以上が、少佐歓迎のアトラクションです(はぁと)」
……いや、ルノーの台詞にハートマークはついてません。ニヤニヤはしてますが(^ ^)。
客たちを宥めてカジノへ戻らせようとするリック。ナウオンでちーちゃんが言ってましたが、たしかにこの場面の客たちはちーちゃんにも詰め寄ってますね(汗)。彼に訊いてもわからんだろうに。
「冷たいな。俺の時は助けろよ?」
こっそりとリックに囁くジャン(珠洲春希)。……そりゃー無理だろうよ。日ごろの自分の行いを振り返ってから言いなよ……(諦)。
ルノーに呼ばれて、シュトラッサーのテーブルにつくリック。
すごく嫌そうなのが、子供みたいで可愛いです(^ ^)。
シュトラッサーの質問をいちいち違う方向に打ち返しながら泰然としている彼に、ルノーの方が心配してフォローしまくっているつもりで、かなり墓穴を掘っているあたりが、なんとなく実生活を彷彿とさせてくれて、面白いです。
「あなたがたの仕事は、ヴィクター・ラズロをカサブランカから出さないこと。私の仕事はこのカフェの経営!」
きっぱりとそう言い切って立ち上がるリックは、そのままカフェをぐるっと回って二階へ。
……あれ?「カフェの経営」って二階でするもんなのかよ……?
というわけではないのでしょうが、微妙に含みのある視線でその背を追うシュトラッサー。
BGMが「聞かせてよ愛の言葉を」に替わる。
と同時に、入り口付近にスポット。ドアが開いて、入ってくる二人の男女。
「テーブルを予約してある。ヴィクター・ラズロだ」
……亡命途中の政治犯が、本名でテーブルを予約すんなよ!!と、咄嗟に思ったのは私だけですか?そのまま受ける店も店だが。……それだけ、いろんなヤバイ活動の拠点となっている店だってコトなんだろうか…。
あと、ラズロが入ってくるのと同時にジャンとファティマ(花売り/すみれ乃麗)が反応するのが面白い。ファティマは咄嗟に話しかけようとしたけど、イルザにやんわりと拒否されてバーガーを呼びに行き、ジャンはルノーに報せにいく。目立たないのに、真剣さが伝わるれーれの仕草。さりげなくテーブルの間を縫って、何の目的も無さげにルノーに近づいて、さりげなく耳打ちするジャン。どちらもさすが、です。
ファティマに呼ばれたバーガー(鳳翔大)が、上手袖から出てくる。ちょっと身だしなみを調えて(ホントに気障だなあ)、用意していたペンダントをラズロに見せる。
「モロッコのアクセサリーですよ」
「……フランス解放同盟?」
ロケットにでもなっているんでしょうね、あのペンダント。
バーガーをチェックしていたルノーが、さりげなく近づいてくる。それをイルザに教えられたラズロは、慌ててバーガーを去らせる。ちょっと後ろ髪惹かれる様子で上手のバーに向かうバーガー。
バーには先客(トネリ)が居るんですが、彼は店に入ってからずっとバーに居るんですよね。……結局、カッセルと二人で現れたのは近くで偶然会ってしまったから、とか、そんな感じなんでしょうか。喧嘩するほど仲が良い、ふうにも見えるんですけど、そんな筈はないよねえ…(汗)。
挨拶がてら、軽くラズロに探りをいれるルノー。
「独立フランス」という誇りをくすぐりながら、さりげなくかわすラズロ。
ハインツ(風莉じん)の咳払いで、シュトラッサーが来たことに気づくルノー。慌てて立ち上がって、二人に紹介する。
「マドモアゼル・ランド、ムッシュ・ラズロ、シュトラッサー少佐をご紹介しましょう」
チェコスロバキア人の自分は、ドイツ帝国の臣民ではない、と、召還を断固拒否するラズロ。
フランスの警視総監として、オフィスへの訪問を要請するルノー。
イルザと共に行くことを肯って、満足げに立ち去る軍人たちを見送るラズロ。
全然進んだ気がしませんが、とりあえず今夜はこのあたりで。
.
先日書いたときは、第6場の途中で終わったので、その続きを…と思ったのですが。
まずは、その前の部分について、若干の追記をさせてくださいませ。
■裁判所前広場
初めて観劇したとき、「ヴィザを!ヴィザを!」という大ナンバーを聴いて、ミュージカル「サンセット・ブールバード」(A・L・ウェッバー)の主題歌を思い出しました。
変拍子なのと、全体的なコード進行が似ているんだと思うんですが。……昔から、ああいうコード進行の曲が非常に好きなので、いきなり掴まれてしまいました(^ ^)。
その後の、カチャ(凪七瑠海)が花露すみかちゃんを慰めて歌いだすナンバーも凄く好きです。
カチャの、ちょっと鼻にかかった個性的な声はあまり好きではないのですが、公演も回数を重ねるにつれて、
「あなたもきっと、あの飛行機に乗れますよ…」
という台詞の誠実さとか、青臭さ(若さ)とか、そういうモノが凄く出てきているなあと思います。
若くて、一生懸命で、でもちょっと空回りしがちな青年。愛する妻の前で、ちょっと正義漢ぶってエエ格好をしたい気持ち。そんな夫をうまいこと立ててあげられる、歳上の妻。
アリスちゃんとカチャ、次のバウでも組むことが決定している二人ですが、予想以上に良いコンビになりそうだな、と思いました♪
(蒼羽)りくちゃんと(藤咲)えりちゃんは、この場面では終始カップルで行動してるんですね。お似合いの二人で、紺のスーツに寂しげな美貌のえりちゃんが、若い恋人の無謀な行動(看板を殴ったりとか)を心配している様子がとても可愛いです。
あと目についたのは、美月遥くんと七瀬りりこちゃん。フィナーレのエトワールで話題をさらったりりこちゃんですが、ブロンドの巻き毛が良く似合う、豊満な美人さんですね♪
愛月ひかるくんと瀬音リサちゃんも何回か抱き合っていたけど、カップルなのかなあ?このあたりは、なんとなく日替わりっぽい感じなので、あまり確信がありません。
リックのカフェで度肝を抜くほど美人だった妃宮さくらちゃん、裁判所前広場の亡命者は、地味なスーツに髪もアップにしていて、まるっきり別人です。最初全然気がつかなくて、さくらちゃんは出てないと思ってました(汗)。役者だなあ……(感心)。
初めて大劇場で観たとき、そういえばえつこ(大海亜呼)があまり出てないなあ~?と思ったのですが。プログラムを見たら、ほとんどの場面に出てるんですね(汗)。主に、ムーア人の男で。
口ひげにあごひげで完全に顔を隠して、バザールで物を売ったり、リックのカフェでルーレットをしていたり。こういうアンサンブルのムーア人たちは、実は大半が娘役だったりします。下っ端の警官も半分は娘役だし。
娘役の男装があちこちで観られるのは、「太王四神記」と同じ。それだけ、人海戦術を重視した作品だ、ってことなんでしょうね。
また、リックのカフェではボーイ役をしているえびちゃん(綾瀬あきな)、(千鈴)まゆちゃんの二人は、他の場面でもほとんど男の子の役。しかも、どの場面もめっちゃ可愛い!(汗)。パリ南駅の群衆でも男の子だった二人に、乾杯。
■第6~11場 リックの店 ~1941年12月1日夜~(つづき)
ルノー大尉(北翔海莉)の前を敬礼して通り過ぎるカッセル中尉(澄輝さやと)を、慌てて追いかけるトネリ大尉(月映樹茉)。「Un moment, per favore!」って、要するに「Just a moment, please!」みたいな言葉なんでしょうか。トネリの盛大な巻き舌、面白すぎるんですけど(^ ^)。
店に入っていく二人を無言で見送るリックとルノー。
二人の間に流れる空気が、なんとなく緊張感があるんですよね。リックは比較的自然体で立っているのに、ルノーはすごくリックを気にしてる。リックは気にされていることに気づいていて、でも放置している。人と深く関わるのは二度とごめんだ、と思っているから。
そんな二人の間を切り裂くように、飛行機のプロペラ音が聞こえてくる。
「リスボンへの夜間便だ。…乗りたくないか?」
穏やかに問いかけるルノー。そっけなく応えるリック。
謎めいたリックという男を見抜こうと、あれこれ話しかけるルノーと、さりげなくかわそうとするリック。敵なのか味方なのかはっきりさせないままに続く2人の会話は、大劇場の後半から、少しづつ緊張感が出てきたと思います。
しかし、みっちゃん。……貴女は本当に、素直で可愛い女の子なんだなあ……(; ;)。
店の玄関を開けて、クルービエ(ルーレットの“親”)のエミール(蓮水ゆうや)が出てくる。
「すみません。強いお客様がいらして、2万フラン足りないんです」
なぜ彼が、わざわざカフェを突っ切って表のドアから出てくるのかが素朴に疑問なんですが。
舞台上では下手に回ればすぐカジノだし、リックも「裏から行くぞ」って言ってるのに。
ま、そんなことはどうでもいいんですが。
失敗して落ち込んでいる『プロの技術者』という難しい仕事を、きちんと見せるちーちゃん。巧いなあと思いました(*^ ^*)。ただ失敗してがっくりしているんじゃなくて、プライドが傷ついた感じが伝わってきます。そして、それを軽い調子で慰めるリックがとても優しい。
さっきまでの、あれこれ追求してくるルノーをさりげなくかわしていたつかみどころの無い男とは別人のように、実在感のある温み。『クール』と評されることの多い祐飛さんのお芝居ですが、意外と温かいんだよね、と思うのはこんなときです(*^ ^*)。
『裏から』回って金庫室へ向かう三人。
下手花道のセリから、せりあがってくる金庫。前方下手席に座る方、ぜひご注目ください♪
金庫から金を出して、軽い雰囲気でエミールに渡すリック。
そのままエミールは一礼してカジノに戻り、リックとルノーは銀橋に出る。
エミールが戻るのを、三々五々喋りながら待っているカジノの客たちが、なんというか、ナチュラルでいいです。面白いなあ、宙組っ子たち。
ベンチに座ってのんびりお喋りしている人たち。ルーレット台の回りで待機して、ちょっとむくれているカーティス妻(美風舞良)たち。そして、苛々した様子で椅子に座りこみ、気もそぞろで目の前のチェス盤をいじりはじめるウガーテ。
それにしても。エミールを困らせた『強いお客様』って、誰のことだったんだろう……?
銀橋に出たリックとルノーは、お互いの腹を探りあいながらのんびりと歩く。
「実は今夜、第三帝国のシュトラッサー少佐がこの店に来る。そこで軽く、捕り物をやりたいんだ」
「またか。……少佐は何故カサブランカに?」
「昨日カサブランカに着いた男がいる。ナチスの敵、ヴィクター・ラズロだ」
「ヴィクター・ラズロ!?」
普段からあまり反応を見せないリックが、その名前に強く反応する。
珍しいリックの様子に、面白がるルノー。ラズロの脱出に1万フラン賭けながら、ラズロが女連れであることを勿体つけて教える。
「置いて行くかもしれない」
「ここまで連れて来たんだ。置き去りにはするまい」
「君ほどもロマンチストなら、な」
「ロマンチストなのはお前さんだ。調べさせてもらったよ……1935年、エチオピア戦争に武器を密輸。その翌年には、スペイン内戦で革命政府側に加担して参戦」
「どちらも十分儲けたさ」
「勝った側についていれば、もっと儲かっただろうに」
「……とにかく、今の君はゲシュタポの仲間だというわけだ」
……この銀橋の会話は、考えてみるとすごく大事で中身が濃い会話なんですよね。
リックとルノー、主要人物でありながら本音を見せない二人が本音と過去を語る、殆ど唯一の場面。
これを聞き流していると、後半の展開が理解できないかもしれないな、と思いました。
そのへんは役者も自覚しているようで、元々滑舌のいいみっちゃんはもちろん、せりふが篭りがちな祐飛さんも、客席にきちんと伝わるように意識して喋っているのが嬉しいです♪
銀橋から本舞台のカジノに戻った彼らのところに、カッセルが来る。
「少佐がお見えになりました」
「よし。作戦開始!
……ルノーとの連絡役をするのはカッセルだけど、実際に部下を率いてウガーテの逮捕に向かうのはさっつん(風羽玲亜)なんですね。この人の声がとても好きなので、さりげなく台詞が多くてとても嬉しい♪
カフェでは、シュトラッサーを出迎えたルノーがニヤニヤしながら席へ案内します。
カジノとの境のドアを開けて、飛び出してくるウガーテ。カフェ側で待機していた警官が取り押さえる。発砲音に驚く客たち。
「リック、リック!助けてくれ!!」
悲痛な声でリックを呼ぶウガーテ。
「……俺を巻き込むな」
冷静に~、冷酷に~♪(BY ゾフィー皇太后)
「以上が、少佐歓迎のアトラクションです(はぁと)」
……いや、ルノーの台詞にハートマークはついてません。ニヤニヤはしてますが(^ ^)。
客たちを宥めてカジノへ戻らせようとするリック。ナウオンでちーちゃんが言ってましたが、たしかにこの場面の客たちはちーちゃんにも詰め寄ってますね(汗)。彼に訊いてもわからんだろうに。
「冷たいな。俺の時は助けろよ?」
こっそりとリックに囁くジャン(珠洲春希)。……そりゃー無理だろうよ。日ごろの自分の行いを振り返ってから言いなよ……(諦)。
ルノーに呼ばれて、シュトラッサーのテーブルにつくリック。
すごく嫌そうなのが、子供みたいで可愛いです(^ ^)。
シュトラッサーの質問をいちいち違う方向に打ち返しながら泰然としている彼に、ルノーの方が心配してフォローしまくっているつもりで、かなり墓穴を掘っているあたりが、なんとなく実生活を彷彿とさせてくれて、面白いです。
「あなたがたの仕事は、ヴィクター・ラズロをカサブランカから出さないこと。私の仕事はこのカフェの経営!」
きっぱりとそう言い切って立ち上がるリックは、そのままカフェをぐるっと回って二階へ。
……あれ?「カフェの経営」って二階でするもんなのかよ……?
というわけではないのでしょうが、微妙に含みのある視線でその背を追うシュトラッサー。
BGMが「聞かせてよ愛の言葉を」に替わる。
と同時に、入り口付近にスポット。ドアが開いて、入ってくる二人の男女。
「テーブルを予約してある。ヴィクター・ラズロだ」
……亡命途中の政治犯が、本名でテーブルを予約すんなよ!!と、咄嗟に思ったのは私だけですか?そのまま受ける店も店だが。……それだけ、いろんなヤバイ活動の拠点となっている店だってコトなんだろうか…。
あと、ラズロが入ってくるのと同時にジャンとファティマ(花売り/すみれ乃麗)が反応するのが面白い。ファティマは咄嗟に話しかけようとしたけど、イルザにやんわりと拒否されてバーガーを呼びに行き、ジャンはルノーに報せにいく。目立たないのに、真剣さが伝わるれーれの仕草。さりげなくテーブルの間を縫って、何の目的も無さげにルノーに近づいて、さりげなく耳打ちするジャン。どちらもさすが、です。
ファティマに呼ばれたバーガー(鳳翔大)が、上手袖から出てくる。ちょっと身だしなみを調えて(ホントに気障だなあ)、用意していたペンダントをラズロに見せる。
「モロッコのアクセサリーですよ」
「……フランス解放同盟?」
ロケットにでもなっているんでしょうね、あのペンダント。
バーガーをチェックしていたルノーが、さりげなく近づいてくる。それをイルザに教えられたラズロは、慌ててバーガーを去らせる。ちょっと後ろ髪惹かれる様子で上手のバーに向かうバーガー。
バーには先客(トネリ)が居るんですが、彼は店に入ってからずっとバーに居るんですよね。……結局、カッセルと二人で現れたのは近くで偶然会ってしまったから、とか、そんな感じなんでしょうか。喧嘩するほど仲が良い、ふうにも見えるんですけど、そんな筈はないよねえ…(汗)。
挨拶がてら、軽くラズロに探りをいれるルノー。
「独立フランス」という誇りをくすぐりながら、さりげなくかわすラズロ。
ハインツ(風莉じん)の咳払いで、シュトラッサーが来たことに気づくルノー。慌てて立ち上がって、二人に紹介する。
「マドモアゼル・ランド、ムッシュ・ラズロ、シュトラッサー少佐をご紹介しましょう」
チェコスロバキア人の自分は、ドイツ帝国の臣民ではない、と、召還を断固拒否するラズロ。
フランスの警視総監として、オフィスへの訪問を要請するルノー。
イルザと共に行くことを肯って、満足げに立ち去る軍人たちを見送るラズロ。
全然進んだ気がしませんが、とりあえず今夜はこのあたりで。
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東京宝塚劇場 宙組公演デザート
2010年1月5日 宝塚(宙)
東京宝塚劇場にて、宙組公演デザート「As Time Goes By」を食べてみました(^ ^)。
美味しかった!
ふつーのパンナコッタなんですが、予想よりモッチリしていて食べ応えがありました。
甘酸っぱいブルーベリーソースと甘いアングレーズソース(ゆるいカスタードクリーム)が両側からかかっていて、最後まで飽きずに美味しくいただきました♪
足つきの、グラス型の透明容器に入っているので、連れの方と 「君の瞳に乾杯」ごっこ をするにも最適です(^ ^)(私の連れは相手にしてくれませんでしたが…↓ )
パンナコッタは、生クリームを煮詰めてゼラチンで固めたイタリアのお菓子。
公式サイトに、恋愛のように焦がさず、じっくりと時の過ぎ行くままにと書いてあったので、非常に興味を持ちまして(^ ^)、さっそく食べてみたんですが、これは結構当たりでした♪私はなんだかんだ言いつつも『限定品』の響きに弱いタイプなので、公演デザートは割りとマメに食べているのですが、日記に書こう!と思ったのは割と珍しかったりします。
ま、個人的に気に入っただけなので、お気に召さなくても責任はとりませんが(^ ^)、幕間で「ちょっと甘いものがほしいなー」なんて思われた日には、試してみてくださいな♪
今日から仕事初めの方も多かったですよね、きっと。
私も今日は疲れたので早く寝ますz(- -)zzZ。 デザートじゃなくて、公演の話の続きは、また後日(^ ^)。
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美味しかった!
ふつーのパンナコッタなんですが、予想よりモッチリしていて食べ応えがありました。
甘酸っぱいブルーベリーソースと甘いアングレーズソース(ゆるいカスタードクリーム)が両側からかかっていて、最後まで飽きずに美味しくいただきました♪
足つきの、グラス型の透明容器に入っているので、連れの方と 「君の瞳に乾杯」ごっこ をするにも最適です(^ ^)(私の連れは相手にしてくれませんでしたが…↓ )
パンナコッタは、生クリームを煮詰めてゼラチンで固めたイタリアのお菓子。
公式サイトに、恋愛のように焦がさず、じっくりと時の過ぎ行くままにと書いてあったので、非常に興味を持ちまして(^ ^)、さっそく食べてみたんですが、これは結構当たりでした♪私はなんだかんだ言いつつも『限定品』の響きに弱いタイプなので、公演デザートは割りとマメに食べているのですが、日記に書こう!と思ったのは割と珍しかったりします。
ま、個人的に気に入っただけなので、お気に召さなくても責任はとりませんが(^ ^)、幕間で「ちょっと甘いものがほしいなー」なんて思われた日には、試してみてくださいな♪
今日から仕事初めの方も多かったですよね、きっと。
私も今日は疲れたので早く寝ますz(- -)zzZ。 デザートじゃなくて、公演の話の続きは、また後日(^ ^)。
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「カサブランカ」東宝初日
2010年1月3日 宝塚(宙)東京宝塚劇場にて、宙組公演「カサブランカ」初日を観劇してまいりました!
演出的な変更点は………大きなものは無かったと思います。
ただ、全体の雰囲気はずいぶん変わったな、と思いました。なんだろう。一つ一つの色合いがクリアになった、というか。
みんなのテンションがものすごく高くて、なのにぶっ飛んだところがなくて、良いバランスだなあと思いました。みんながお互いの空気を読みあいながら小芝居しているのが楽しいし、愉しそうです(はぁと)。
大劇場で最後に観てから、ちょうど4週間。一番変わったと思ったのは、イルザでしょうか。
前に観たときよりさらに美しくなったし、なんていうか、複雑な女心に、すみ花ちゃんなりの筋が通ってきたような気がしました。
大劇場では、恋しいのがリックで愛しているのが夫でもあるラズロなのかな、と思っていたのですが、今日の初日を観て、逆なのかもしれない、と思いました。リックへの想いの方が「愛」に近くて、ラズロへ向かう気持ちが「恋」だったのではないか、と。
いずれにしてもイルザは、リックの傍に残っても、ラズロについていっても、完全に満たされることはないんですよね。
リックもラズロも、イルザが完全に満たされるのは他方の傍だと思いこんでいて、だからこそ他方と一緒に行かせようとするわけですけれども。
イルザ自身は、どちらと一緒に行ってももう一人を求めてしまうであろう自分、自分を喪って苦しむであろう“もう一人の男”を想ってしまうであろう自分を知っているから、決断できない。
でも、映画のイルザと違って、すみ花ちゃんの(小池さんの)イルザは、その判断を完全にリックに預けることはしません。彼女なりに『一晩中考えて』、ラズロをアメリカに行かせることを優先する、と『決心』をするのです。
そこには、リックを愛しているからリックを択ぶ、という気持ちのほかに、リックの持っているヴィザをラズロに渡してもらう替わりに自分が残る、という『犠牲的精神』が、割合は僅かかもしれないけれども、間違いなく混ざりこんでいることに、リックは敏感に気づいてしまう。だからこそ、リックは言う。「今は後悔しないかもしれない。……でも」と。
時は過ぎていくものだから。後悔はさせたくないから、と。
リック、イルザ、ラズロ。ルノー、シュトレッサー、カフェのスタッフたち、客たち、亡命者たち、各国の兵士たち。大劇場での一ヶ月を経て、短いお稽古を通してもう一度最初から造りなおしてきた出演者のみなさんが、とても輝いてみえました。
すっしーさんや祐飛さんのご挨拶は、「新年明けましておめでとうございます♪」から始まって、名作「カサブランカ」に取り組む意気込みを語ってくださいました。
初日おめでとうございます。
どうぞ全員が、休演することなく千秋楽まで舞台を楽しむことができますように。
観劇後、家に帰って、ナウオンステージを視ました。
……久々に爆笑しました(^O^)。
っていうか、60分間笑い続けて腹筋が痛くなりました(^ ^;ゞ
いや、結構真面目な話もしていたと思うんですけど、なんであんなに笑えたんでしょうか。っていうか、いくらなんでも盛り上がりすぎだろう君たち……。
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演出的な変更点は………大きなものは無かったと思います。
ただ、全体の雰囲気はずいぶん変わったな、と思いました。なんだろう。一つ一つの色合いがクリアになった、というか。
みんなのテンションがものすごく高くて、なのにぶっ飛んだところがなくて、良いバランスだなあと思いました。みんながお互いの空気を読みあいながら小芝居しているのが楽しいし、愉しそうです(はぁと)。
大劇場で最後に観てから、ちょうど4週間。一番変わったと思ったのは、イルザでしょうか。
前に観たときよりさらに美しくなったし、なんていうか、複雑な女心に、すみ花ちゃんなりの筋が通ってきたような気がしました。
大劇場では、恋しいのがリックで愛しているのが夫でもあるラズロなのかな、と思っていたのですが、今日の初日を観て、逆なのかもしれない、と思いました。リックへの想いの方が「愛」に近くて、ラズロへ向かう気持ちが「恋」だったのではないか、と。
いずれにしてもイルザは、リックの傍に残っても、ラズロについていっても、完全に満たされることはないんですよね。
リックもラズロも、イルザが完全に満たされるのは他方の傍だと思いこんでいて、だからこそ他方と一緒に行かせようとするわけですけれども。
イルザ自身は、どちらと一緒に行ってももう一人を求めてしまうであろう自分、自分を喪って苦しむであろう“もう一人の男”を想ってしまうであろう自分を知っているから、決断できない。
でも、映画のイルザと違って、すみ花ちゃんの(小池さんの)イルザは、その判断を完全にリックに預けることはしません。彼女なりに『一晩中考えて』、ラズロをアメリカに行かせることを優先する、と『決心』をするのです。
そこには、リックを愛しているからリックを択ぶ、という気持ちのほかに、リックの持っているヴィザをラズロに渡してもらう替わりに自分が残る、という『犠牲的精神』が、割合は僅かかもしれないけれども、間違いなく混ざりこんでいることに、リックは敏感に気づいてしまう。だからこそ、リックは言う。「今は後悔しないかもしれない。……でも」と。
時は過ぎていくものだから。後悔はさせたくないから、と。
リック、イルザ、ラズロ。ルノー、シュトレッサー、カフェのスタッフたち、客たち、亡命者たち、各国の兵士たち。大劇場での一ヶ月を経て、短いお稽古を通してもう一度最初から造りなおしてきた出演者のみなさんが、とても輝いてみえました。
すっしーさんや祐飛さんのご挨拶は、「新年明けましておめでとうございます♪」から始まって、名作「カサブランカ」に取り組む意気込みを語ってくださいました。
初日おめでとうございます。
どうぞ全員が、休演することなく千秋楽まで舞台を楽しむことができますように。
観劇後、家に帰って、ナウオンステージを視ました。
……久々に爆笑しました(^O^)。
っていうか、60分間笑い続けて腹筋が痛くなりました(^ ^;ゞ
いや、結構真面目な話もしていたと思うんですけど、なんであんなに笑えたんでしょうか。っていうか、いくらなんでも盛り上がりすぎだろう君たち……。
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「カサブランカ」【2】
2010年1月2日 宝塚(宙)宝塚歌劇団宙組公演「カサブランカ」。
■第3~11場 リックの店 ~1941年12月1日夜~(つづき)
ここからしばらくは、リックの店の中をいったりきたりしつつ、会話だけで物語が進んでいきます。
まず最初は、オーナーのリックが不在の店内。
いつもどおりに、賑やかで陽気で。だけどちょっとだけ、そこかしこに漂う不穏な空気。
人生の酸いも甘いも知り尽くしたサム(萬あきら)の、穏やかな歌声。
それを切り裂くような亡命者(星吹彩翔)の心の叫び。「カサブランカは俺の墓場だ!」机に突っ伏す、彼の熱情。
上手側のテーブルでは、女性(花露すみか)が宝石商(天輝トニカ)に宝石を売っている。
「皆さんダイヤをお売りになるので値崩れして…」
「そんな!」
こんな金額ではヴィザは手に入らない。再び絶望に染まっていく頬。
その隣のテーブルでは、レジスタンス(鳳翔大・愛月ひかる)が活動を報告しあっている。
「トラックの手配はできた」
「じゃあ、、、」
フランス娘(琴羽桜子)の肩を抱いたドイツ兵(春瀬央季)が、彼らの後ろを通り過ぎる。敬礼して話しかけてくるドイツ人のヘルム(雅桜歌)。慌てて話を切って、当たり障りの無い話を始めるレジスタンス。
「…あの女はやめておけ」
ビールを注ぎながら話しはじめる愛月くんが、回を重ねるごとにどんどん巧くなっていくのを凄いなあと思いながらみてました♪
さらにその隣(下手側)では、密航による出国の相談。
「1万5千、キャッシュで」
冷酷に告げる天玲美音くんの、反論を許さない明確な声と、凄み。底冷えのする凄艶な笑みが怖ろしい。そして、音が飛び飛びで難しいナンバーをピタッとはめる歌唱力。さすが歌手だなあ、と思いました。
「足りなければ舟は出ない。それだけだ」
亡命者役の美月遥くんの、喜びから絶望へ一瞬にして転げ落ちていく芝居がすごく良いです。ここは必見。っていうか、天玲くん、死の大天使と呼んであげたいくらい素敵です(^ ^)。
……えーっと、このあたりで一段落ついて、視点がバーカウンターに回る……んだったかな?
もしかして、順番とかが違っていたらご指摘くださいませ。
あちこち注文を聞いてカウンターに回ったカール(寿つかさ)に、バーテンのサッシャ(春風美里)が話しかける。
「どうだい、景気は?」
「上々さ」
気心の知れた店員どうしのさりげないやり取りにも、『リックの店』らしさがあるんだなあ、と思うのはこんなところですね。
店の中をうろうろしたあげくに、バーカウンターに近づいてくるアメリカ人観光客のカーティス夫妻(美風舞良・十輝いりす)。
妻「みんな愉しそうねえ」
サ「お客さん、アメリカから?」
妻「どうしてわかるの?」
サ「そりゃ…(逡巡)、垢抜けてるから!」(←絶対、「お気楽だから」って言いたかったに違いない)
このあたりでサムの歌が止まり、少し雰囲気が変わります。
たぶん、時間が流れた、ってことを表現しているんだと思うのですが。
その間に、女の子の肩を抱いたドイツ兵をはじめ、大半の客は店から出て行き、また新しい客が入って来る。
店の奥に腰を据えたヘルムは、最奥のドア(実はカジノへの入り口)に関心を持ち、そのあたりをうろうろし始める。
ジャン(珠洲春希)は、テーブルからテーブルへ渡り歩きながら「カジノに行かない?」と誘いをかける(←賭け金をねだろうとしているのか?)
さっきまで不穏な会話をしていた前方テーブルの客たちは後方へ異動し、空いた一番真ん中の席に、さっきまでドア近くの席にいた美女二人(妃宮さくら・愛花ちさき)が移動してくる。
「リックはどこ?彼と話がしたいの。彼を呼んで?」
驕慢な態度でカールに言いつける二人。
「恐れ入りますが、オーナーは不在ですし、居たとしてもお客様のテーブルにはつきませんので」
「いいから呼んで頂戴!」
自分の身分をひけらかし、ヒステリックに言い募る上流階級の女性たちを、飄々とした態度で受け流すカール。
「私でよろしければ……」
そんな会話をしている後ろで、ヘルムが勝手にカジノに入ろうとして、アブドゥル(鳳樹いち)に止められるという騒ぎが起こる。
「こちらは特別室でございまして」
掴みかかられながら、二階に目をやるアブドゥル。
二階のカーテンの陰から、手の先だけで「NO」という仕草を見せるオーナー。
「オーナーの許可の無い方は、お通しできません」
「俺たちドイツ人は世界一優秀な民族なんだ。お前たちごときに!」
激昂して言い募るヘルム。
「私の店では、万人は皆、平等です」
涼やかな声が入って、二階との境のカーテンがあがる。
白いダブルのスーツを着込んだリック(大空祐飛)の登場。
初見での素朴な疑問として、“万人が平等”であるのならば、カジノに入れるか入れないかの基準はなんなんだろうな、と思いました。
だって、モロッコに来たばかりで、この店に来たのも初めてのはずのカーティス夫妻は、あっさり入れてるわけじゃないですか。タイミング的に、リックと会った気配もないし。ってことは、「一見さんお断り」ってわけじゃないんですよね?
いや、もちろん、ヘルムがあの差別的な言動から言って絶対駄目なんでしょうけど(汗)、カーティス夫妻がOK、という判断は何処でくだしたの?なんてことが気になったりします。
「私がこの目で判断する」と言っているけど、君はいつカーティスに会ったのかな?と。
……なんて、屁理屈はおいといて。
雅さん、「大江山花伝説」は三田も藤原保昌もすごく良かったのに、ヘルムは何かがおかしいような気がする(T T)なのに、「何」がおかしいのかが判らない(←ファンだから?)。うーん、スーツの着こなしというか、スーツを着たうえでの仕草のひとつひとつに何か違和感があるんですが、根本的に何がいけないんだろう。和物は似合っていたし、動きも良かったと思うのですが……(泣)。
えーっと。
話が逸れました。階段を降りてくるリックに注目。
美女たちの溜息が色っぽい♪
さすがに『ミリ単位で調整してもらった』だけあって、白いダブルのスーツもよく似合っています。良かった良かった……。
“これでもか”というほどの演出をしてもらっているとはいえ、ちゃんと、役者本人にも舞台全体を覆いつくすだけのオーラがあったことが、単純に嬉しくて、思わず拍手してしまいます♪(←ファンだなあ)
ヘルムが差し出す名刺を、ろくに見もしないで破り捨てる仕草が、何故だか格好良い。
舌打ちして店の奥に向かうヘルムの背に「一杯呑んでいってください。サービスします」と、笑い含みに投げつける嫌味が、すごく好き(*^ ^*)。ここは、雅さんにも、もう少し屈辱に震えてほしいところです(^ ^)。
そんな二人を見守っていた野次馬の輪の中からコソっと出てきて、
「カジノに入ってもいい?」
と甘えたように訊くウガーテ(天羽珠紀)も、タイミングが良くて巧いなあと思います。たまちゃん、今回も良い仕事しているよなあ♪ そして、そんなウガーテにOKを出すリックを見てキレるヘルムが、なんとなく可哀相な気もする。
そのまま、カジノへ向かうリック。盆が回り、ドアを自然に越えて入っていく。右方向へ水平にパンしていく視点。
中央にルーレット台のある、そんなに広くない部屋。西欧人のほとんどはルーレット台の回りに集まっていて、隅っこの方では、宝石商が売り物を見せていたり、ムーア人の客たちがのんびりとさんざめいていたり。
ドア近くのキャッシャーに並びながら、話しかけてくる客(光海舞人)。皆の呼びかけが「よう、リック」なのが、すごく良いなあと思います。客のテーブルにはつかない。個人的な話はいっさいしない。でも、店をうろうろしているときに掴まえれば、気の利いた会話の一つや二つはできる……そんな存在。
「やあ、リック」
「やあ、○○」
そんな、気の置けない挨拶が気持ちいいんだろうなあ。……こんな、地の果てでは。
貌に似合わない高い声で、リックに話しかけるウガーテ。
「さっきのドイツ野郎との喧嘩、格好良かったな」(←相当意訳してます)
「……」
「君が僕を軽蔑しているのは知ってる。僕が闇ヴィザを売っているからなんだろう?」
「それも、とんでもない高値でな」
「でも、あの悪徳警視総監よりは安いんだぜ」
「……」
「まあ、そんな闇稼業も今日で終わりだ。今夜、コレと引き換えに大金を手に入れて、僕はこの国を出て行く」
「それは?」
「外交官特権つきの通行証。どこにでも行ける魔法のヴィザさ。だからリック、僕が小一時間ルーレットで遊んでいる間、これを預かってくれないかい?」
「……何故俺に?」
それまで顔を伏せ気味にして、目を見ようとしなかった男が、ふと顔をあげる。
「あんたは、俺からモノを奪うような奴じゃない」
まっすぐな声で。
少し高めのたまちゃんの声には僅かに甘えたような響きがあって、ウガーテは見た目より若い男として造っているのかな、という印象をうけました。向こう見ずで無鉄砲で、ワルいけれども案外と筋の通った若者。
「ウガーテ。昨日殺されたドイツの外交官は、大事な書類を盗られたと聞いたが?」
「そうなのかい?」
書類をリックに預けて、肩の荷を下ろしたようにすっきりした顔で立ち上がりかけながら、生返事を返すウガーテ。
「ウガーテ、……君を見直したよ」
リックの台詞に、思わず振り返って破顔一笑するウガーテ。
……よっぽど、リックに認められたことが嬉しかったんだろうなあ、と、素直に思えた二人の絶妙の距離感が、さすがだと思いました。
そのまま、はずむ足取りでルーレット台に向かうウガーテを見送って、預った書類を懐にしまいつつ、思案顔でカフェに戻るリック。
おりしも店内は、サムの歌で大盛り上がりの真っ最中。
「(不幸の数だけ)テーブルを叩こう!」という陽気な歌に、客は皆、ノリノリで踊り、歌っている。
そんなサムを羨ましそうに見ているフェラーリ(磯野千尋)。
「リック、この店を俺に譲らないか?」
……いや、一年前にこの屋敷を紹介したのは貴方でしょうに。
フェラーリと話をしながら、サムのピアノの中にこっそり懐の書類を隠すリック。
そんなリックを見つけて、バーカウンターから立ち上がるイヴォンヌ(純矢ちとせ)。
「リック、昨夜はどこにいたの?」
「そんな昔のことは覚えてないな」
「じゃあ、今夜この後会える?」
「そんな先の計画は、……たてたことが、ない」
この会話は、本当に名台詞ですよね。
リックに振られて、荒れるイヴォンヌ。自分に惚れているサッシャに、「もう一杯」とねだる女心。
「サッシャ、もう十分だ。……タクシーを」
リックのクールな声が、頭を抱えていたサッシャを動かす。
弾かれたようにイヴォンヌの鞄を取ってくるサッシャ。…は、良いんですけど、どーして返事が「合点!」なんだろう……キミハイッタイドコノヒト(; ;)
さりげなくコートをもって来るカール。(←さすが年の功)
嫌がるイヴォンヌを店の外に連れ出し、タクシーに乗せるリックとサッシャ。
「サッシャ、家まで送れ。……すぐに戻って来るんだぞ」
一瞬喜びに輝いて、でもまたしょぼんとする大型犬が可愛いです。
タクシーのテールランプを見送るリックに、さりげなく話しかけてくるルノー。
プログラムを見ると、ここはオープンカフェになっているようですね。どうみても、待合のための椅子がある店先、程度にしか見えないんですが(T T)。
リックとルノーが喋っている脇を、なにやら言い争いしながら通り過ぎていくカッセル(澄輝さやと)とトネリ(月映樹茉)。
この二人、この場面では何とも思わないんですけど、後から考えると不思議な取り合わせですよね。カッセルは重大任務のために(ルノーの指示で)来たはずなのに、なんで単身で、ただカフェに遊びに来ただけの(?)トネリと一緒に入っていくんだろう……?
……たぶん、部下の掌握と管理はさっつん(風羽玲亜)に任されているんだろうな、と勝手に解釈してみた(^ ^)。
と、いうところで。
本当は、初日前にラズロとイルザの登場まで進んでおきたかったのですが。
あえなく終了……(T T)。
.
■第3~11場 リックの店 ~1941年12月1日夜~(つづき)
ここからしばらくは、リックの店の中をいったりきたりしつつ、会話だけで物語が進んでいきます。
まず最初は、オーナーのリックが不在の店内。
いつもどおりに、賑やかで陽気で。だけどちょっとだけ、そこかしこに漂う不穏な空気。
人生の酸いも甘いも知り尽くしたサム(萬あきら)の、穏やかな歌声。
それを切り裂くような亡命者(星吹彩翔)の心の叫び。「カサブランカは俺の墓場だ!」机に突っ伏す、彼の熱情。
上手側のテーブルでは、女性(花露すみか)が宝石商(天輝トニカ)に宝石を売っている。
「皆さんダイヤをお売りになるので値崩れして…」
「そんな!」
こんな金額ではヴィザは手に入らない。再び絶望に染まっていく頬。
その隣のテーブルでは、レジスタンス(鳳翔大・愛月ひかる)が活動を報告しあっている。
「トラックの手配はできた」
「じゃあ、、、」
フランス娘(琴羽桜子)の肩を抱いたドイツ兵(春瀬央季)が、彼らの後ろを通り過ぎる。敬礼して話しかけてくるドイツ人のヘルム(雅桜歌)。慌てて話を切って、当たり障りの無い話を始めるレジスタンス。
「…あの女はやめておけ」
ビールを注ぎながら話しはじめる愛月くんが、回を重ねるごとにどんどん巧くなっていくのを凄いなあと思いながらみてました♪
さらにその隣(下手側)では、密航による出国の相談。
「1万5千、キャッシュで」
冷酷に告げる天玲美音くんの、反論を許さない明確な声と、凄み。底冷えのする凄艶な笑みが怖ろしい。そして、音が飛び飛びで難しいナンバーをピタッとはめる歌唱力。さすが歌手だなあ、と思いました。
「足りなければ舟は出ない。それだけだ」
亡命者役の美月遥くんの、喜びから絶望へ一瞬にして転げ落ちていく芝居がすごく良いです。ここは必見。っていうか、天玲くん、死の大天使と呼んであげたいくらい素敵です(^ ^)。
……えーっと、このあたりで一段落ついて、視点がバーカウンターに回る……んだったかな?
もしかして、順番とかが違っていたらご指摘くださいませ。
あちこち注文を聞いてカウンターに回ったカール(寿つかさ)に、バーテンのサッシャ(春風美里)が話しかける。
「どうだい、景気は?」
「上々さ」
気心の知れた店員どうしのさりげないやり取りにも、『リックの店』らしさがあるんだなあ、と思うのはこんなところですね。
店の中をうろうろしたあげくに、バーカウンターに近づいてくるアメリカ人観光客のカーティス夫妻(美風舞良・十輝いりす)。
妻「みんな愉しそうねえ」
サ「お客さん、アメリカから?」
妻「どうしてわかるの?」
サ「そりゃ…(逡巡)、垢抜けてるから!」(←絶対、「お気楽だから」って言いたかったに違いない)
このあたりでサムの歌が止まり、少し雰囲気が変わります。
たぶん、時間が流れた、ってことを表現しているんだと思うのですが。
その間に、女の子の肩を抱いたドイツ兵をはじめ、大半の客は店から出て行き、また新しい客が入って来る。
店の奥に腰を据えたヘルムは、最奥のドア(実はカジノへの入り口)に関心を持ち、そのあたりをうろうろし始める。
ジャン(珠洲春希)は、テーブルからテーブルへ渡り歩きながら「カジノに行かない?」と誘いをかける(←賭け金をねだろうとしているのか?)
さっきまで不穏な会話をしていた前方テーブルの客たちは後方へ異動し、空いた一番真ん中の席に、さっきまでドア近くの席にいた美女二人(妃宮さくら・愛花ちさき)が移動してくる。
「リックはどこ?彼と話がしたいの。彼を呼んで?」
驕慢な態度でカールに言いつける二人。
「恐れ入りますが、オーナーは不在ですし、居たとしてもお客様のテーブルにはつきませんので」
「いいから呼んで頂戴!」
自分の身分をひけらかし、ヒステリックに言い募る上流階級の女性たちを、飄々とした態度で受け流すカール。
「私でよろしければ……」
そんな会話をしている後ろで、ヘルムが勝手にカジノに入ろうとして、アブドゥル(鳳樹いち)に止められるという騒ぎが起こる。
「こちらは特別室でございまして」
掴みかかられながら、二階に目をやるアブドゥル。
二階のカーテンの陰から、手の先だけで「NO」という仕草を見せるオーナー。
「オーナーの許可の無い方は、お通しできません」
「俺たちドイツ人は世界一優秀な民族なんだ。お前たちごときに!」
激昂して言い募るヘルム。
「私の店では、万人は皆、平等です」
涼やかな声が入って、二階との境のカーテンがあがる。
白いダブルのスーツを着込んだリック(大空祐飛)の登場。
初見での素朴な疑問として、“万人が平等”であるのならば、カジノに入れるか入れないかの基準はなんなんだろうな、と思いました。
だって、モロッコに来たばかりで、この店に来たのも初めてのはずのカーティス夫妻は、あっさり入れてるわけじゃないですか。タイミング的に、リックと会った気配もないし。ってことは、「一見さんお断り」ってわけじゃないんですよね?
いや、もちろん、ヘルムがあの差別的な言動から言って絶対駄目なんでしょうけど(汗)、カーティス夫妻がOK、という判断は何処でくだしたの?なんてことが気になったりします。
「私がこの目で判断する」と言っているけど、君はいつカーティスに会ったのかな?と。
……なんて、屁理屈はおいといて。
雅さん、「大江山花伝説」は三田も藤原保昌もすごく良かったのに、ヘルムは何かがおかしいような気がする(T T)なのに、「何」がおかしいのかが判らない(←ファンだから?)。うーん、スーツの着こなしというか、スーツを着たうえでの仕草のひとつひとつに何か違和感があるんですが、根本的に何がいけないんだろう。和物は似合っていたし、動きも良かったと思うのですが……(泣)。
えーっと。
話が逸れました。階段を降りてくるリックに注目。
美女たちの溜息が色っぽい♪
さすがに『ミリ単位で調整してもらった』だけあって、白いダブルのスーツもよく似合っています。良かった良かった……。
“これでもか”というほどの演出をしてもらっているとはいえ、ちゃんと、役者本人にも舞台全体を覆いつくすだけのオーラがあったことが、単純に嬉しくて、思わず拍手してしまいます♪(←ファンだなあ)
ヘルムが差し出す名刺を、ろくに見もしないで破り捨てる仕草が、何故だか格好良い。
舌打ちして店の奥に向かうヘルムの背に「一杯呑んでいってください。サービスします」と、笑い含みに投げつける嫌味が、すごく好き(*^ ^*)。ここは、雅さんにも、もう少し屈辱に震えてほしいところです(^ ^)。
そんな二人を見守っていた野次馬の輪の中からコソっと出てきて、
「カジノに入ってもいい?」
と甘えたように訊くウガーテ(天羽珠紀)も、タイミングが良くて巧いなあと思います。たまちゃん、今回も良い仕事しているよなあ♪ そして、そんなウガーテにOKを出すリックを見てキレるヘルムが、なんとなく可哀相な気もする。
そのまま、カジノへ向かうリック。盆が回り、ドアを自然に越えて入っていく。右方向へ水平にパンしていく視点。
中央にルーレット台のある、そんなに広くない部屋。西欧人のほとんどはルーレット台の回りに集まっていて、隅っこの方では、宝石商が売り物を見せていたり、ムーア人の客たちがのんびりとさんざめいていたり。
ドア近くのキャッシャーに並びながら、話しかけてくる客(光海舞人)。皆の呼びかけが「よう、リック」なのが、すごく良いなあと思います。客のテーブルにはつかない。個人的な話はいっさいしない。でも、店をうろうろしているときに掴まえれば、気の利いた会話の一つや二つはできる……そんな存在。
「やあ、リック」
「やあ、○○」
そんな、気の置けない挨拶が気持ちいいんだろうなあ。……こんな、地の果てでは。
貌に似合わない高い声で、リックに話しかけるウガーテ。
「さっきのドイツ野郎との喧嘩、格好良かったな」(←相当意訳してます)
「……」
「君が僕を軽蔑しているのは知ってる。僕が闇ヴィザを売っているからなんだろう?」
「それも、とんでもない高値でな」
「でも、あの悪徳警視総監よりは安いんだぜ」
「……」
「まあ、そんな闇稼業も今日で終わりだ。今夜、コレと引き換えに大金を手に入れて、僕はこの国を出て行く」
「それは?」
「外交官特権つきの通行証。どこにでも行ける魔法のヴィザさ。だからリック、僕が小一時間ルーレットで遊んでいる間、これを預かってくれないかい?」
「……何故俺に?」
それまで顔を伏せ気味にして、目を見ようとしなかった男が、ふと顔をあげる。
「あんたは、俺からモノを奪うような奴じゃない」
まっすぐな声で。
少し高めのたまちゃんの声には僅かに甘えたような響きがあって、ウガーテは見た目より若い男として造っているのかな、という印象をうけました。向こう見ずで無鉄砲で、ワルいけれども案外と筋の通った若者。
「ウガーテ。昨日殺されたドイツの外交官は、大事な書類を盗られたと聞いたが?」
「そうなのかい?」
書類をリックに預けて、肩の荷を下ろしたようにすっきりした顔で立ち上がりかけながら、生返事を返すウガーテ。
「ウガーテ、……君を見直したよ」
リックの台詞に、思わず振り返って破顔一笑するウガーテ。
……よっぽど、リックに認められたことが嬉しかったんだろうなあ、と、素直に思えた二人の絶妙の距離感が、さすがだと思いました。
そのまま、はずむ足取りでルーレット台に向かうウガーテを見送って、預った書類を懐にしまいつつ、思案顔でカフェに戻るリック。
おりしも店内は、サムの歌で大盛り上がりの真っ最中。
「(不幸の数だけ)テーブルを叩こう!」という陽気な歌に、客は皆、ノリノリで踊り、歌っている。
そんなサムを羨ましそうに見ているフェラーリ(磯野千尋)。
「リック、この店を俺に譲らないか?」
……いや、一年前にこの屋敷を紹介したのは貴方でしょうに。
フェラーリと話をしながら、サムのピアノの中にこっそり懐の書類を隠すリック。
そんなリックを見つけて、バーカウンターから立ち上がるイヴォンヌ(純矢ちとせ)。
「リック、昨夜はどこにいたの?」
「そんな昔のことは覚えてないな」
「じゃあ、今夜この後会える?」
「そんな先の計画は、……たてたことが、ない」
この会話は、本当に名台詞ですよね。
リックに振られて、荒れるイヴォンヌ。自分に惚れているサッシャに、「もう一杯」とねだる女心。
「サッシャ、もう十分だ。……タクシーを」
リックのクールな声が、頭を抱えていたサッシャを動かす。
弾かれたようにイヴォンヌの鞄を取ってくるサッシャ。…は、良いんですけど、どーして返事が「合点!」なんだろう……キミハイッタイドコノヒト(; ;)
さりげなくコートをもって来るカール。(←さすが年の功)
嫌がるイヴォンヌを店の外に連れ出し、タクシーに乗せるリックとサッシャ。
「サッシャ、家まで送れ。……すぐに戻って来るんだぞ」
一瞬喜びに輝いて、でもまたしょぼんとする大型犬が可愛いです。
タクシーのテールランプを見送るリックに、さりげなく話しかけてくるルノー。
プログラムを見ると、ここはオープンカフェになっているようですね。どうみても、待合のための椅子がある店先、程度にしか見えないんですが(T T)。
リックとルノーが喋っている脇を、なにやら言い争いしながら通り過ぎていくカッセル(澄輝さやと)とトネリ(月映樹茉)。
この二人、この場面では何とも思わないんですけど、後から考えると不思議な取り合わせですよね。カッセルは重大任務のために(ルノーの指示で)来たはずなのに、なんで単身で、ただカフェに遊びに来ただけの(?)トネリと一緒に入っていくんだろう……?
……たぶん、部下の掌握と管理はさっつん(風羽玲亜)に任されているんだろうな、と勝手に解釈してみた(^ ^)。
と、いうところで。
本当は、初日前にラズロとイルザの登場まで進んでおきたかったのですが。
あえなく終了……(T T)。
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新年のご挨拶&「カサブランカ」
2010年1月1日 宝塚(宙)新年明けまして、おめでとうございます。
とりあえず、すいているうちに、と思って、夜明け前にお参りにいってきました(^ ^)
寒かったーーーーっ!!
いつのまにか「安産の神社」になってしまっていたので、病魔退散のお札はもらえませんでしたが、かなり真剣に「誰も休演しませんように」と祈ってきました。
たくさんの人からお祈りされて、かみさまもお忙しいかと思いますが、どうぞ、このお願いだけは聞き届けてね(強制)。
去年も大概激動でしたが。
今年もきっと、いろんなことがあることでしょうね。
それでも、なお。
思い出深い、素敵な一年になりますように。
さて。
猫の今年の観劇計画は、1月3日の「カサブランカ」初日に始まります。
大劇場で観劇しても、いろんなことがあって“きちんと”は書けていないなと思うので。東宝初日にむけて、今日からさっそく書き始めたいと思います(^ ^)。
どこまで進むかわかりませんが、どうぞお付き合いくださいませ。
■プロローグ ~1940年11月~
カサブランカへやってきた男、リック(大空祐飛)。
裏の顔役でもあるイタリア人のフェラーリに紹介されて、カサブランカの立派な屋敷を一つ買い取る。
新しいカフェを経営するために。
銀橋を渡りながら歌う歌が、思ったより良くてホッとしました(^ ^;ゞ
初見のときは『トップマイク』というものの偉大さに目を瞠ったりもしたんですけど……、まあ、あの、びょうびょうたる風のような歌声は、歌の内容にもぴったり合っているのかなあ、と。
♪パリに残したはずの苦い愛を棄てきれずに地中海を渡った
♪目の前に広がる大西洋(アトランティック)
♪二度と還れぬアメリカに繋がる
♪行方を失くしたこの俺の最後の港か カサブランカ
リックが還りたいのはアメリカなのか、パリなのか。
そのあたりを曖昧にしたまま、リックは銀橋を渡り、砂と海に囲まれた白い舘に辿りつく……。
この場面で使われる映像は、本当に映画のタイトルバックみたいで印象的です。
カサブランカを見下ろす鳥瞰景から、街の中へ舞い降りていく感じがすごくいい。1941年のカサブランカ、という謎の街へ入っていく導入部として、これ以上のものはないのでは、と思ったくらいでした。
■第1場 裁判所前広場 ~1941年12月1日昼間~
背景の映像と共に街の中へと分け入っていくと、両袖から人々が登場してきて、裁判所広場へ。
ヴィザを求める亡命者たちの大ナンバー、「ヴィザを!ヴィザを!」。
まー、とにかくこの場面では、宙組のコーラスの凄さに度肝を抜かれてください(^ ^)。
10年前の組発足当初から凄かった宙組のコーラスが、これだけ人が入れ替わった今になっても未だ健在なのが、なにか嬉しい♪ ここ数年、この武器を思う存分発揮できるような演目が回ってきていなかったので、良かったねーと思います(^ ^)
様々な立場の人々が交錯する広場。
ヴィザを求める亡命者たち。
兵士に呼ばれて一列に並んだ彼らの中で、一人(七海ひろき)だけがヴィザを手にして出てくる。
連れの女(綾音らいら)と抱き合って喜ぶ二人。その手から、ヴィザを奪い取ろうと(?)する男(光海舞人)。万感の思いを籠めて、手の中の紙を、神の啓示を凝っと見つめて。
その手から全ての希望を奪い返し、女と二人、自由へ向かって駆け出していく、かいちゃんの光。
でも。
そんな程度のドラマなら、日常茶飯事。
あらゆることが時を選ばずに起こる、それがカサブランカ。
警官たちに追われるレジスタンス(蓮水ゆうや)。
彼らの銃声に驚き、怯えるアメリカからの観光客(カーティス夫妻/美風&十輝)。
観光客の(=観客の)暢気な疑問に一つ一つ答えつつ、懐の隙を狙うスリ(ジャン/珠洲春希)。
彼の語る「昨日、ドイツの外交官が殺されて……」という話を聞きながら、そっと胸(懐の書類)を押さえつつ、逃げるように上手にハケていくウガーテ(天羽珠紀)。
何も知らない観光客、という存在をうまいことつかって、さりげなく時代背景や状況を説明してしまう流れはさすがだな、と思います。
親独政権の象徴・ヴィシー政権の立役者・ペタン元帥の肖像画を殴りつける亡命者(蒼羽りく)。
それを一生懸命宥めつつ引き剥していた、藤咲えりちゃん。
裁判所広場から空港は近いらしく、すぐ頭上を飛行機が翔んでいく。
「リスボンまで乗せてくれーーーーっ!!」
悲痛な声で叫ぶ亡命者(星吹彩翔)。
絶望に泣き崩れる女(花露すみか)。
彼女を慰める、ブルガリアからの亡命者の青年ヤン(凪七瑠海)。
「いつか貴女も、あの飛行機に乗れますよ」
そんな御伽噺をそっと囁く、少し鼻にかかった声。青臭くて一生懸命で、なかなか良いです。
そんな夫を見守る歳上の妻・アニーナ(花影アリス)の表情が切なげで。
現実の見えていない、御伽噺を信じている青年と、その青年の瞳の光を守りたいと思っている、女の対比。
実際の歳の差は僅かでも、女の方が現実を見ているんでしょうね。何があっても、あたしはこの男を見捨てはしない。あたしが必ず、この男の夢を叶えてみせる、、、と。
初見ではあまり何とも思わずに、コーラスの迫力に気圧されているばかり、だったのですが。
何度か観ていくうちに、アルバイト中の亡命者チェックが面白くなってきます。
「太王四神記」の人使いのあらっぽさも凄いなと思いましたが、小池さん、今回も相当です(^ ^;
まず、しょっぱなからリックの店のウェイター(?)ビゴー(かいちゃん)が目立つ役をやっているんだけど、いいのか?みたいな。ビゴーがここでヴィザを手に入れちゃって出国しちゃったら、リックも新しい黒服が見つかるまで困るだろうに、、、みたいな。
他にも、リックの店で亡命希望者を苛めている天玲美音・天輝トニカのお二人がいたり(^ ^)。
さらに不思議なのは、すぐ次の場面で兵士として出てくる皆様。ドイツ兵の雅桜歌・春瀬央季・実羚淳・朝央れん、カッセル中尉役の澄輝さやと、トネリ大尉の月映樹茉、イタリア兵の瑠美絢。物凄く忙しいと思うんですよね、このメンバーは。まあ、亡命者たちの二曲目(「銀色の翼」)がまるっとあるので、そんなに物凄い早替りではないんですが、、、でも、それなりに大変なんじゃないのかなあ。
何も彼らを出さなくても、組子が80人近くもいるんだから他にいるだろうに…と思ったんですけど、プログラムを見て納得。肌を黒くしちゃってる人は『亡命者』にはなれないし、それ以外の男役は最下まで全員出てる(^ ^)。アルバイトに頼るしかないわけだ。
さすがに88期は出さなかっただけ、小池さん的には配慮したうちに入るのでしょうか。「太王四神記」も娘役が兵士に入りまくって大変なことになってましたが、今回もやっぱり人海戦術なんだなあ(^ ^)。
アルバイトの人たちが抜けた後は娘役で埋めて、次の場面へ。ドイツ軍の飛行機に怯える亡命者たちは、女性が増えているだけに切迫感があります。小池さんって、そこまで計算して人を動かしているんだろうか……。
■第二場 裁判所前広場~空港
裁判所前広場の喧騒の中に、警視総監のルノー大尉(北翔海莉)が部下たちを引き連れて登場。
挨拶をして話しかけてくるジャンを軽くかわして、シュトラッサー少佐(悠未ひろ)の出迎えに空港へ向かう。
映像のプロペラ機の小さなドアから、身を屈めて出てくるのは、大きなともちん。
花組の「外伝・ベルばら」のフェルゼン様(真野すがた)登場と良く似たシチュエーションなのに、こっちはごくシリアスな場面として成立していたのは何故だろう……やはり、演出の勝利なのかしらん?
この場面にしても、ラストシーンも、映像の飛行機の扉のラインと実際の開口部の位置なんて全然合ってないのに、なんとなく納得してしまうんですよね。人間って不思議だなあ。
ナチス軍服を隙なく着込んだともちんの格好良さは、群を抜いています。いやー、本当に格好良い!!ナウオンなどで素で喋っている姿はめちゃめちゃ乙女なのに(^ ^)。ともちんに軍服(ロングコート付!!)を着せた時点で、小池さんの勝利は目前、って感じです。
まずシュトラッサーは、前日に起こった外交官殺害事件について質問する。
ルノーは彼に「犯人のめぼしはついている。彼は必ず、リックの店に現れるだろう」と報告し、車で去る彼を見送って幕前で呟く。
♪晴れの日もあれば、雨の日もある
♪人生にも波があり、国にも浮き沈みがある
嫌なことは見過ごして、陽が射すのを黙って待っているのさ、と嘯く彼は、もしかしたら誰よりも祖国を愛しているのかもしれない、と思います。
のんびり生きていてもなんとかなる、それはフランスが豊かな農業国だから言えること。
気候の厳しいドイツでは、人々はもっとガツガツしています。だって、頑張らなくちゃ食べていけない国なんですから。そんな連中に、豊かな祖国を食い荒らされるのが悔しくてしょうがない。
だけど、国力の差と兵力の差は比例しません。今闘いを挑んでも、勝てるはずが無い。いつか、無理を続けているドイツも疲れるときが来る、その時まで……
♪微笑みで苦さ隠して 見過ごして 生き残る
まずは時が来るまで生き残らなくては、どうすることもできないのだから。
とりあえず、この場面の見所は、シュトラッサーに挨拶しようとしてカッセル中尉に止められるイタリアのトネリ大尉(月映)。
いやー、所属する国が違うとはいえ、大尉であるトネリにカッセルは随分乱暴な物言い(手を掴んだりとか、行為としてもカナリ乱暴)だな、と思ったりもするんですけど、そんなものなのでしょうか。当時のフランスとイタリアは決して仲良くないはずなのですが、ヴィシー政権下だからイタリアとは同盟国ってことになるのかな?(←無知)
あと、シュトラッサーを迎えに現れるナチス車の運転手(蓮水ゆうや)のクールな横顔がとても素敵♪ 大劇場公演前半の休演騒ぎの最中に観たときは、カーティス(夫)を演じたあと、そのまま髭を取る暇もなく出てきたちーちゃんの、髭+ナチス軍服というクールな姿に完全に撃ち抜かれた猫だったのですが……あああ、素敵だったなあちーちゃん………(*^ ^*)。
まさこちゃんが復帰してからは、運転手さんは髭無しです。しょぼん。……いや、もちろん、髭はなくてもちーちゃんは素敵です(^ ^;ゞ。
■第3場 リックの店 ~1941年12月1日夜~
ルノー大尉の「会いたい人がいるなら、リックの店に行くといい」という、どこのポスターのコピーかと思うような宣伝文句と同時に、流れてくる陽気な音楽。
リックの店の専属ピアニスト・サム(萬あきら)の軽快なピアノと、歌声。
幕が上がると、リックのカフェ・アメリカンの見事なセットが登場。人々の笑い声が溢れた、陽気なカフェ。
最初に見えるのは、店の玄関。ちょうど開店時間なのか、ちょっとあくびをしながら出てくるムーア人の少年(風馬翔)が可愛いです。ドアを開いて、お客様を出迎える。
上手から回り続ける盆は、店の中に入っていく。この作品がすごく映画的だ、と思うのはこんなときです。セットが盆に載って水平に動いていく様子が、滑らかにパンしていくカメラみたいで、視点の流れがすごく新鮮。
こう見てほしい、という演出家の意思がはっきりと伝わる演出だと思うんですよね。特に一階席だとその印象が顕著。二階席だと、演出家の意思に反したところ(セットの裏とか)がすごく面白くて目が離せないんですけど(^ ^)。
そうして、店の中でカメラ(盆)が止まる。
中央にピアノとサム。下手側のドアからは次々に客が現れ、上手側のカジノに流れていく人もいる(出てくる人も居る)。上手側手前にバーカウンターが出てきて、陽気なバーテンのサッシャ(春風美里)が鼻歌を歌いながらグラスを磨いている……。
……ここから先は長いので、いったん切らせていただきます。
年始早々、進みが遅くってすみません(^ ^;ゞ
.
とりあえず、すいているうちに、と思って、夜明け前にお参りにいってきました(^ ^)
寒かったーーーーっ!!
いつのまにか「安産の神社」になってしまっていたので、病魔退散のお札はもらえませんでしたが、かなり真剣に「誰も休演しませんように」と祈ってきました。
たくさんの人からお祈りされて、かみさまもお忙しいかと思いますが、どうぞ、このお願いだけは聞き届けてね(強制)。
去年も大概激動でしたが。
今年もきっと、いろんなことがあることでしょうね。
それでも、なお。
思い出深い、素敵な一年になりますように。
さて。
猫の今年の観劇計画は、1月3日の「カサブランカ」初日に始まります。
大劇場で観劇しても、いろんなことがあって“きちんと”は書けていないなと思うので。東宝初日にむけて、今日からさっそく書き始めたいと思います(^ ^)。
どこまで進むかわかりませんが、どうぞお付き合いくださいませ。
■プロローグ ~1940年11月~
カサブランカへやってきた男、リック(大空祐飛)。
裏の顔役でもあるイタリア人のフェラーリに紹介されて、カサブランカの立派な屋敷を一つ買い取る。
新しいカフェを経営するために。
銀橋を渡りながら歌う歌が、思ったより良くてホッとしました(^ ^;ゞ
初見のときは『トップマイク』というものの偉大さに目を瞠ったりもしたんですけど……、まあ、あの、びょうびょうたる風のような歌声は、歌の内容にもぴったり合っているのかなあ、と。
♪パリに残したはずの苦い愛を棄てきれずに地中海を渡った
♪目の前に広がる大西洋(アトランティック)
♪二度と還れぬアメリカに繋がる
♪行方を失くしたこの俺の最後の港か カサブランカ
リックが還りたいのはアメリカなのか、パリなのか。
そのあたりを曖昧にしたまま、リックは銀橋を渡り、砂と海に囲まれた白い舘に辿りつく……。
この場面で使われる映像は、本当に映画のタイトルバックみたいで印象的です。
カサブランカを見下ろす鳥瞰景から、街の中へ舞い降りていく感じがすごくいい。1941年のカサブランカ、という謎の街へ入っていく導入部として、これ以上のものはないのでは、と思ったくらいでした。
■第1場 裁判所前広場 ~1941年12月1日昼間~
背景の映像と共に街の中へと分け入っていくと、両袖から人々が登場してきて、裁判所広場へ。
ヴィザを求める亡命者たちの大ナンバー、「ヴィザを!ヴィザを!」。
まー、とにかくこの場面では、宙組のコーラスの凄さに度肝を抜かれてください(^ ^)。
10年前の組発足当初から凄かった宙組のコーラスが、これだけ人が入れ替わった今になっても未だ健在なのが、なにか嬉しい♪ ここ数年、この武器を思う存分発揮できるような演目が回ってきていなかったので、良かったねーと思います(^ ^)
様々な立場の人々が交錯する広場。
ヴィザを求める亡命者たち。
兵士に呼ばれて一列に並んだ彼らの中で、一人(七海ひろき)だけがヴィザを手にして出てくる。
連れの女(綾音らいら)と抱き合って喜ぶ二人。その手から、ヴィザを奪い取ろうと(?)する男(光海舞人)。万感の思いを籠めて、手の中の紙を、神の啓示を凝っと見つめて。
その手から全ての希望を奪い返し、女と二人、自由へ向かって駆け出していく、かいちゃんの光。
でも。
そんな程度のドラマなら、日常茶飯事。
あらゆることが時を選ばずに起こる、それがカサブランカ。
警官たちに追われるレジスタンス(蓮水ゆうや)。
彼らの銃声に驚き、怯えるアメリカからの観光客(カーティス夫妻/美風&十輝)。
観光客の(=観客の)暢気な疑問に一つ一つ答えつつ、懐の隙を狙うスリ(ジャン/珠洲春希)。
彼の語る「昨日、ドイツの外交官が殺されて……」という話を聞きながら、そっと胸(懐の書類)を押さえつつ、逃げるように上手にハケていくウガーテ(天羽珠紀)。
何も知らない観光客、という存在をうまいことつかって、さりげなく時代背景や状況を説明してしまう流れはさすがだな、と思います。
親独政権の象徴・ヴィシー政権の立役者・ペタン元帥の肖像画を殴りつける亡命者(蒼羽りく)。
それを一生懸命宥めつつ引き剥していた、藤咲えりちゃん。
裁判所広場から空港は近いらしく、すぐ頭上を飛行機が翔んでいく。
「リスボンまで乗せてくれーーーーっ!!」
悲痛な声で叫ぶ亡命者(星吹彩翔)。
絶望に泣き崩れる女(花露すみか)。
彼女を慰める、ブルガリアからの亡命者の青年ヤン(凪七瑠海)。
「いつか貴女も、あの飛行機に乗れますよ」
そんな御伽噺をそっと囁く、少し鼻にかかった声。青臭くて一生懸命で、なかなか良いです。
そんな夫を見守る歳上の妻・アニーナ(花影アリス)の表情が切なげで。
現実の見えていない、御伽噺を信じている青年と、その青年の瞳の光を守りたいと思っている、女の対比。
実際の歳の差は僅かでも、女の方が現実を見ているんでしょうね。何があっても、あたしはこの男を見捨てはしない。あたしが必ず、この男の夢を叶えてみせる、、、と。
初見ではあまり何とも思わずに、コーラスの迫力に気圧されているばかり、だったのですが。
何度か観ていくうちに、アルバイト中の亡命者チェックが面白くなってきます。
「太王四神記」の人使いのあらっぽさも凄いなと思いましたが、小池さん、今回も相当です(^ ^;
まず、しょっぱなからリックの店のウェイター(?)ビゴー(かいちゃん)が目立つ役をやっているんだけど、いいのか?みたいな。ビゴーがここでヴィザを手に入れちゃって出国しちゃったら、リックも新しい黒服が見つかるまで困るだろうに、、、みたいな。
他にも、リックの店で亡命希望者を苛めている天玲美音・天輝トニカのお二人がいたり(^ ^)。
さらに不思議なのは、すぐ次の場面で兵士として出てくる皆様。ドイツ兵の雅桜歌・春瀬央季・実羚淳・朝央れん、カッセル中尉役の澄輝さやと、トネリ大尉の月映樹茉、イタリア兵の瑠美絢。物凄く忙しいと思うんですよね、このメンバーは。まあ、亡命者たちの二曲目(「銀色の翼」)がまるっとあるので、そんなに物凄い早替りではないんですが、、、でも、それなりに大変なんじゃないのかなあ。
何も彼らを出さなくても、組子が80人近くもいるんだから他にいるだろうに…と思ったんですけど、プログラムを見て納得。肌を黒くしちゃってる人は『亡命者』にはなれないし、それ以外の男役は最下まで全員出てる(^ ^)。アルバイトに頼るしかないわけだ。
さすがに88期は出さなかっただけ、小池さん的には配慮したうちに入るのでしょうか。「太王四神記」も娘役が兵士に入りまくって大変なことになってましたが、今回もやっぱり人海戦術なんだなあ(^ ^)。
アルバイトの人たちが抜けた後は娘役で埋めて、次の場面へ。ドイツ軍の飛行機に怯える亡命者たちは、女性が増えているだけに切迫感があります。小池さんって、そこまで計算して人を動かしているんだろうか……。
■第二場 裁判所前広場~空港
裁判所前広場の喧騒の中に、警視総監のルノー大尉(北翔海莉)が部下たちを引き連れて登場。
挨拶をして話しかけてくるジャンを軽くかわして、シュトラッサー少佐(悠未ひろ)の出迎えに空港へ向かう。
映像のプロペラ機の小さなドアから、身を屈めて出てくるのは、大きなともちん。
花組の「外伝・ベルばら」のフェルゼン様(真野すがた)登場と良く似たシチュエーションなのに、こっちはごくシリアスな場面として成立していたのは何故だろう……やはり、演出の勝利なのかしらん?
この場面にしても、ラストシーンも、映像の飛行機の扉のラインと実際の開口部の位置なんて全然合ってないのに、なんとなく納得してしまうんですよね。人間って不思議だなあ。
ナチス軍服を隙なく着込んだともちんの格好良さは、群を抜いています。いやー、本当に格好良い!!ナウオンなどで素で喋っている姿はめちゃめちゃ乙女なのに(^ ^)。ともちんに軍服(ロングコート付!!)を着せた時点で、小池さんの勝利は目前、って感じです。
まずシュトラッサーは、前日に起こった外交官殺害事件について質問する。
ルノーは彼に「犯人のめぼしはついている。彼は必ず、リックの店に現れるだろう」と報告し、車で去る彼を見送って幕前で呟く。
♪晴れの日もあれば、雨の日もある
♪人生にも波があり、国にも浮き沈みがある
嫌なことは見過ごして、陽が射すのを黙って待っているのさ、と嘯く彼は、もしかしたら誰よりも祖国を愛しているのかもしれない、と思います。
のんびり生きていてもなんとかなる、それはフランスが豊かな農業国だから言えること。
気候の厳しいドイツでは、人々はもっとガツガツしています。だって、頑張らなくちゃ食べていけない国なんですから。そんな連中に、豊かな祖国を食い荒らされるのが悔しくてしょうがない。
だけど、国力の差と兵力の差は比例しません。今闘いを挑んでも、勝てるはずが無い。いつか、無理を続けているドイツも疲れるときが来る、その時まで……
♪微笑みで苦さ隠して 見過ごして 生き残る
まずは時が来るまで生き残らなくては、どうすることもできないのだから。
とりあえず、この場面の見所は、シュトラッサーに挨拶しようとしてカッセル中尉に止められるイタリアのトネリ大尉(月映)。
いやー、所属する国が違うとはいえ、大尉であるトネリにカッセルは随分乱暴な物言い(手を掴んだりとか、行為としてもカナリ乱暴)だな、と思ったりもするんですけど、そんなものなのでしょうか。当時のフランスとイタリアは決して仲良くないはずなのですが、ヴィシー政権下だからイタリアとは同盟国ってことになるのかな?(←無知)
あと、シュトラッサーを迎えに現れるナチス車の運転手(蓮水ゆうや)のクールな横顔がとても素敵♪ 大劇場公演前半の休演騒ぎの最中に観たときは、カーティス(夫)を演じたあと、そのまま髭を取る暇もなく出てきたちーちゃんの、髭+ナチス軍服というクールな姿に完全に撃ち抜かれた猫だったのですが……あああ、素敵だったなあちーちゃん………(*^ ^*)。
まさこちゃんが復帰してからは、運転手さんは髭無しです。しょぼん。……いや、もちろん、髭はなくてもちーちゃんは素敵です(^ ^;ゞ。
■第3場 リックの店 ~1941年12月1日夜~
ルノー大尉の「会いたい人がいるなら、リックの店に行くといい」という、どこのポスターのコピーかと思うような宣伝文句と同時に、流れてくる陽気な音楽。
リックの店の専属ピアニスト・サム(萬あきら)の軽快なピアノと、歌声。
幕が上がると、リックのカフェ・アメリカンの見事なセットが登場。人々の笑い声が溢れた、陽気なカフェ。
最初に見えるのは、店の玄関。ちょうど開店時間なのか、ちょっとあくびをしながら出てくるムーア人の少年(風馬翔)が可愛いです。ドアを開いて、お客様を出迎える。
上手から回り続ける盆は、店の中に入っていく。この作品がすごく映画的だ、と思うのはこんなときです。セットが盆に載って水平に動いていく様子が、滑らかにパンしていくカメラみたいで、視点の流れがすごく新鮮。
こう見てほしい、という演出家の意思がはっきりと伝わる演出だと思うんですよね。特に一階席だとその印象が顕著。二階席だと、演出家の意思に反したところ(セットの裏とか)がすごく面白くて目が離せないんですけど(^ ^)。
そうして、店の中でカメラ(盆)が止まる。
中央にピアノとサム。下手側のドアからは次々に客が現れ、上手側のカジノに流れていく人もいる(出てくる人も居る)。上手側手前にバーカウンターが出てきて、陽気なバーテンのサッシャ(春風美里)が鼻歌を歌いながらグラスを磨いている……。
……ここから先は長いので、いったん切らせていただきます。
年始早々、進みが遅くってすみません(^ ^;ゞ
.
雪組全国ツアーチーム 浜松アクトシティ公演の客席に、らぎちゃんがいらっしゃったようですね♪
可愛くポンポンを振っていたんだろうなあ………ううう、お会いできた方がうらやましい!!あああ、雪組全ツは何故宙組公演中なんだろうか………(T T)。
そんな暢気な、2009年12月8日。
そして。
68年前の今朝、1941年12月8日午前3時19分(日本時間)。
ハワイの真珠湾上空にて、日本軍空中攻撃隊が突撃命令を受領した日。
1941年12月8日3時19分。
このとき、ニューヨークでは1941年12月7日午後1時19分。
そして。カサブランカでは、1941年12月7日午後6時19分。
ヴィクター・ラズロが、プロペラ機でカサブランカを去ってから、3日半が過ぎていました。
3日の深夜(4日早朝?)にカサブランカを発った飛行機が、リスボンに着くまで数時間(現代のセスナ機で2時間半くらいなので…)。
そこで、「現地の受け入れと」連絡を取って、ニューヨークへ向かう飛行機なり船なりを手配するのにどのくらいかかるのかわかりませんが。
ラズロがこのニュースを聞いたのは、どこだったのか。
アトランティックを渡る船の中だったのか、それとも、ニューヨークの空港だったのか、いまだリスボンで足止めをくらっていたのか。
そんなことは、この「カサブランカ」という物語にとってはどうでもいいこと。
それでも、ふとそんなことを考えてしまうくらい、この作品の中で蘭トムさんが創り上げたラズロという人物には、英雄らしいリアリティがあった、と思います。
……かっこいいなあ(*^ ^*)。
猫には、ヴィクター・ラズロが辛抱役にはどうしたって見えません(きっぱり)。
近年の大劇場作品の二番手役としては、「マリポーサの花」のエスコバル、「太王四神記」のヨン・ホゲ、「スカーレットピンパーネル」のショーヴランに並ぶ『良い役』だと思うんですけど。
いやむしろ、「黒い瞳」のプガチョフを思い出しましたよ?常に物語の中心というか焦点に居て、愛情と使命感に溢れた、偉大な人物。
祐飛さんのラズロが観たいとも思わないけど(←あの人の個性は、本質的にリックかルノーだと思うし)、この作品で一番かっこいい人は、文句なくラズロだと思うんですけど。少数派なんでしょうか。
いや、単純に、蘭トムさんが格好良すぎて目が眩んでいるのかもしれませんが(^^;ゞ。
みっちゃんのルノーは、案外苦戦してましたね……。
私はみっちゃんが新公で演じたネイサン(by ガイズ&ドールズ)が大好きだったので、実を言えば、久しぶりに見る髭のおじさん役、可愛気のある中年男を、非常に楽しみにしていたのでした。
まあ、胴布団まで入れる必要はないだろうと思ったし、観たときも思ったんですけどね。
みっちゃんなりに(あるいは小池さんなりに)、まずは形から、という感じなのでしょうか…?
実際に観てみて思ったことは、みっちゃんは本当に正直で素直で可愛い、良い子なんだな、と(←褒めてます)
「嘘を吐く」芝居、あるいは「本音を見せない」芝居、っていうのは、すごく難しいんですよ。今の宝塚では、それが出来るスターは少数派だし、そもそも「タカラヅカ」な舞台で、スターがそういう芝居を求められること自体が少ない。ベテラン作家では柴田さんと石田さんくらいだと思うんですよね、「嘘」が多いのは。「心にもないこと」を言わせる作家は他にもいますけど。
どうせ舞台の上で喋る台詞は、すべて台詞、つまり、役者にとっては「嘘」です。その中で「嘘」を「嘘」として語るためには、それ以外の部分をどれだけ「本気」で語れるか、ということと、役の人物の「嘘」の言い方を考えないと無理なんですよね。
ルノーはそもそも本音を語らない人なのに、リックに対する時だけはちょっとだけ根っこが透けて見える、そこがポイントだと思うんです。
嘘を吐かなくてはならない自分を、そんなに卑下してはいないと思うんです。彼には彼の使命(モロッコにおけるフランスの利権を守る)があって、それを達成するためにナチスに膝を折ることにそんなに屈辱を感じているタイプではない。
「彼は彼なりに、ドイツと闘って」いるのです。
だから、彼にとって一番大事なことは、シュトラッサーや他の連中に自分の本音がバレないこと。
なのにみっちゃんは、とっても正直に「クチではこんなことを言っているけど、腹の中は違うんだよー!」ということを表情にあらわしてしまうんですよね。普通なら『表現力が豊か』だとか、『台詞に頼らず、心理状態を的確に表現した』とか評価されるべき実力なのに、ルノーという役に関してだけは、それでは駄目なんですよ……(; ;)。
まず、みっちゃんは、観客をもう少し信用してくれても良いんじゃないか、と思うんですよね。
観ていて、そんなに一生懸命「今の気持ち」を説明してくれなくていいんだよ、と思っちゃうんです。大丈夫。私たちはちゃんと観ているから。あなたの芝居をちゃんと受け止められると思うから、と言ってあげたくなる。
歌は勿論のこと、中年男としての仕草だとか、そういうところがしっかり出来ているだけに、がんばれーーーーっ!!と思います。
ともちんのシュトラッサーは、予想以上に格好よくて感動しました。
齋藤さんあたりが出してきそうな「なんちゃってナチ」衣装ではない、ホンモノ感のあるグレーの軍服がものすごく似合っててかっこいい。
髭が似合うのは知ってますけど、それにあの軍服姿の凛々しさは……(*^ ^*)
「故郷ドイツ」と歌う場面が一番の見せ場だとは思うのですが、実は、私が一番好きなのは、その前の国歌合戦に敗れ、屈辱に貌をゆがめてルノーに命令を降しながら「自分で考えろ!!」と言い放つ場面だったりします♪自分の命令がいかに理不尽であるかをよく分かっていながら、それを言う自分に対する嫌悪感を露にしているあたりがツボ。
ラスト、空港に現れるときのロングコートの翻りかたも超ツボです。長身に映える、というのは、こういう人にこういう衣装を着せたときに言ってほしい!
この調子で書いているときりがないので、とりあえず、大劇場の千秋楽の前に今回の公演で卒業されるお二人についてだけは書いておきたいと思います。
萬あきらさんの、サム。
かーわーいーいー!!
リックに対する愛情に溢れた態度がとても好きです♪ピアノを弾いているときも可愛いけど、やっぱりラ・ベル・オーロールで踊っているときがめちゃくちゃキュート。一緒に踊るエツコ姐さんを、めちゃくちゃカワイイオンナにみせるあたりは、さすが年の功!と思います。
あー、でも、フィナーレはパレードだけなんだよねえ。全員リックに出てくれても良かったのにーーー。
サヨナラショーがないのも残念至極ですわ(T T)。
92期の安里舞生さん。
「逆転裁判2」でキレイな人だな、と思ったのが最初の出会いでした。……すみません。
まさかこの公演で卒業してしまわれるとは露ほども思わず、、、本当にショックでした(泣)。
観れば観るほど可愛くて、最近はすっかり「ラ・ベル・オーロール」の真ん中を観なくなってしまった。ごめんなさい祐飛さん(滝汗)。
あああ、どうしてどうして研4で卒業してしまうなんて非道いことができるんだよおおおお。やっと新公でちーちゃんの役がついて、何もかもこれからじゃないかああああ!!(嘆)
なので。
おそらく、「舞生ちゃんって誰?」という方も多いだろうと思いますので、とりあえず出番のレポートを。
本役(?)は一応、警官です。茶色の制服に、側面が白くて天辺だけ臙脂色の円筒形の帽子を被った一隊の一人。
小さな顔を浅黒く塗って、鼻の下だけ髭をつけています。笑顔がとてもやわらかくて可愛らしいのに、目つきがわりとキツいので、髭をたくわえると雰囲気が鋭くなるあたりがツボ。
あとは、パリのラ・ベル・オーロールの客と、パリ市民……くらいかな。意外と警官隊の出動が多いので、あまりアルバイトができないらしい(^ ^)。
最初の裁判所前広場では、レジスタンス(蓮水ゆうや)をつかまえる警官の一人。たしか、撃たれて倒れたちーちゃんの左腕をつかむ人だったと思うのですが、あまり確信はありません。
このメンバーは、男役が二人(松風輝、安里舞生)に娘役が二人(舞花くるみ、彩花まり)の4人なんですけど、、、、顔のサイズだけじゃなくて、全体的に一番小柄なのが舞生ちゃんに見えたのは気のせいでしょうか……。
他の場面では、警官隊が整列するときに、なんとなく客席側の列の真ん中あたりの位置にいることが多いような気がします。
小柄なので、後列とかじゃなくて良かったです。
リックの店を捜索する場面では、上手側のバーに駆け込んでロールペーパー(?)を持ってくる担当でした。上手の手前側でロールを投げるのですが、私がチェックするようになってからは、届かなかったり変なところにいっちゃったり…ということは特になかったような(^^)。
ラ・ベル・オーロールの客は、最初は一番下手側のテーブルで、雅桜歌さんと二人で話をしています。雅さんも大好きなので、なんだか微笑ましい感じでした(^ ^)。
イルザが知らせを受け取って倒れてしまったとき、客が皆立ち上がったアタリで席替えがあるんですが、舞生ちゃんは、手前のテーブルで妃宮さくらちゃんと話していたさっつん(風羽玲亜)を見つけて、大感動して話しかける、という芝居をしていたと思います。さっつんのファンだったのかな?という感じ。(←適当)
さくらちゃんを松風くんに預けて舞生ちゃんと話を始めるさっつんが、男前でカッコいい。大人の男と、ちょっと田舎から出てきた美少年、みたいな、そんな雰囲気のあるテーブルになってました(←どーゆー雰囲気だよ/汗)。
カンカンが始まったときの、舞生ちゃんの大喜びぶりは半端無いです。顔いっぱいに笑顔をうかべて、拍手しながら見てる。たぶん、カンカンどころか、オンナノコがスカート捲って踊るのを観ること自体が初めての体験なんだろうな、という興奮っぷりがツボ。
途中からカンカンの踊り子がテーブルの上に載って踊るので、そのテーブルを支える係もやっているんですけど、一人だけ張り切って、下手端のテーブルにとっとと座って、一人だけ“ガシっ”とテーブルを押さえているのがめっちゃツボ(^ ^)。
踊り子さんたちがハケて、サムの暖かな歌が流れ、“数ヵ月後”になったときには、また席替えがされていて、舞生ちゃんは松風くんと二列目の下手から2つ目(?)くらいのテーブルへ。
さっつんはさくらちゃんとヨリを戻して、雅さんはたしか、真ん中後ろあたりで女性と踊っていた……と思います。たぶん。
みなさん着替えていないのでわかりにくいのですが、この間に季節は6月になっているんですよね。小池さん的には、さりげなく席替えと相手役交換で年月の流れを表現しているつもりなのかなあ…??
「パリにナチスがやって来る!」のナンバー、パリ南駅の場面では、茶色のコート姿が多い中、舞生ちゃんは帽子もコートも黒っぽいので比較的探しやすい、ような気がします。上手側の、銀橋付け根よりちょっと内側に立って、必死で歌っていました。
フィナーレは「ムーア戦士」の一人として、最後列の下手側端で一生懸命踊っています。ときどき袖のカーテンの陰に隠れつつ……(^ ^)。
全員リックには本来は入っていないのですが、天輝トニカさんが休演されていたときは、代役で入られていました。今にして思えば、衣装部さんはがんばってくれたんだなあ……(感嘆)。
そんなところでしょうか。
今から観劇されるみなさま。
萬さんももちろんですけど、ぜひ、舞生ちゃんのことも見送ってあげてくださいね。
千秋楽まで、あと2日、3公演。
卒業する方も、見送る方も、どうぞ最後まで、悔いのない舞台になりますように祈っています。
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可愛くポンポンを振っていたんだろうなあ………ううう、お会いできた方がうらやましい!!あああ、雪組全ツは何故宙組公演中なんだろうか………(T T)。
そんな暢気な、2009年12月8日。
そして。
68年前の今朝、1941年12月8日午前3時19分(日本時間)。
ハワイの真珠湾上空にて、日本軍空中攻撃隊が突撃命令を受領した日。
1941年12月8日3時19分。
このとき、ニューヨークでは1941年12月7日午後1時19分。
そして。カサブランカでは、1941年12月7日午後6時19分。
ヴィクター・ラズロが、プロペラ機でカサブランカを去ってから、3日半が過ぎていました。
3日の深夜(4日早朝?)にカサブランカを発った飛行機が、リスボンに着くまで数時間(現代のセスナ機で2時間半くらいなので…)。
そこで、「現地の受け入れと」連絡を取って、ニューヨークへ向かう飛行機なり船なりを手配するのにどのくらいかかるのかわかりませんが。
ラズロがこのニュースを聞いたのは、どこだったのか。
アトランティックを渡る船の中だったのか、それとも、ニューヨークの空港だったのか、いまだリスボンで足止めをくらっていたのか。
そんなことは、この「カサブランカ」という物語にとってはどうでもいいこと。
それでも、ふとそんなことを考えてしまうくらい、この作品の中で蘭トムさんが創り上げたラズロという人物には、英雄らしいリアリティがあった、と思います。
……かっこいいなあ(*^ ^*)。
猫には、ヴィクター・ラズロが辛抱役にはどうしたって見えません(きっぱり)。
近年の大劇場作品の二番手役としては、「マリポーサの花」のエスコバル、「太王四神記」のヨン・ホゲ、「スカーレットピンパーネル」のショーヴランに並ぶ『良い役』だと思うんですけど。
いやむしろ、「黒い瞳」のプガチョフを思い出しましたよ?常に物語の中心というか焦点に居て、愛情と使命感に溢れた、偉大な人物。
祐飛さんのラズロが観たいとも思わないけど(←あの人の個性は、本質的にリックかルノーだと思うし)、この作品で一番かっこいい人は、文句なくラズロだと思うんですけど。少数派なんでしょうか。
いや、単純に、蘭トムさんが格好良すぎて目が眩んでいるのかもしれませんが(^^;ゞ。
みっちゃんのルノーは、案外苦戦してましたね……。
私はみっちゃんが新公で演じたネイサン(by ガイズ&ドールズ)が大好きだったので、実を言えば、久しぶりに見る髭のおじさん役、可愛気のある中年男を、非常に楽しみにしていたのでした。
まあ、胴布団まで入れる必要はないだろうと思ったし、観たときも思ったんですけどね。
みっちゃんなりに(あるいは小池さんなりに)、まずは形から、という感じなのでしょうか…?
実際に観てみて思ったことは、みっちゃんは本当に正直で素直で可愛い、良い子なんだな、と(←褒めてます)
「嘘を吐く」芝居、あるいは「本音を見せない」芝居、っていうのは、すごく難しいんですよ。今の宝塚では、それが出来るスターは少数派だし、そもそも「タカラヅカ」な舞台で、スターがそういう芝居を求められること自体が少ない。ベテラン作家では柴田さんと石田さんくらいだと思うんですよね、「嘘」が多いのは。「心にもないこと」を言わせる作家は他にもいますけど。
どうせ舞台の上で喋る台詞は、すべて台詞、つまり、役者にとっては「嘘」です。その中で「嘘」を「嘘」として語るためには、それ以外の部分をどれだけ「本気」で語れるか、ということと、役の人物の「嘘」の言い方を考えないと無理なんですよね。
ルノーはそもそも本音を語らない人なのに、リックに対する時だけはちょっとだけ根っこが透けて見える、そこがポイントだと思うんです。
嘘を吐かなくてはならない自分を、そんなに卑下してはいないと思うんです。彼には彼の使命(モロッコにおけるフランスの利権を守る)があって、それを達成するためにナチスに膝を折ることにそんなに屈辱を感じているタイプではない。
「彼は彼なりに、ドイツと闘って」いるのです。
だから、彼にとって一番大事なことは、シュトラッサーや他の連中に自分の本音がバレないこと。
なのにみっちゃんは、とっても正直に「クチではこんなことを言っているけど、腹の中は違うんだよー!」ということを表情にあらわしてしまうんですよね。普通なら『表現力が豊か』だとか、『台詞に頼らず、心理状態を的確に表現した』とか評価されるべき実力なのに、ルノーという役に関してだけは、それでは駄目なんですよ……(; ;)。
まず、みっちゃんは、観客をもう少し信用してくれても良いんじゃないか、と思うんですよね。
観ていて、そんなに一生懸命「今の気持ち」を説明してくれなくていいんだよ、と思っちゃうんです。大丈夫。私たちはちゃんと観ているから。あなたの芝居をちゃんと受け止められると思うから、と言ってあげたくなる。
歌は勿論のこと、中年男としての仕草だとか、そういうところがしっかり出来ているだけに、がんばれーーーーっ!!と思います。
ともちんのシュトラッサーは、予想以上に格好よくて感動しました。
齋藤さんあたりが出してきそうな「なんちゃってナチ」衣装ではない、ホンモノ感のあるグレーの軍服がものすごく似合っててかっこいい。
髭が似合うのは知ってますけど、それにあの軍服姿の凛々しさは……(*^ ^*)
「故郷ドイツ」と歌う場面が一番の見せ場だとは思うのですが、実は、私が一番好きなのは、その前の国歌合戦に敗れ、屈辱に貌をゆがめてルノーに命令を降しながら「自分で考えろ!!」と言い放つ場面だったりします♪自分の命令がいかに理不尽であるかをよく分かっていながら、それを言う自分に対する嫌悪感を露にしているあたりがツボ。
ラスト、空港に現れるときのロングコートの翻りかたも超ツボです。長身に映える、というのは、こういう人にこういう衣装を着せたときに言ってほしい!
この調子で書いているときりがないので、とりあえず、大劇場の千秋楽の前に今回の公演で卒業されるお二人についてだけは書いておきたいと思います。
萬あきらさんの、サム。
かーわーいーいー!!
リックに対する愛情に溢れた態度がとても好きです♪ピアノを弾いているときも可愛いけど、やっぱりラ・ベル・オーロールで踊っているときがめちゃくちゃキュート。一緒に踊るエツコ姐さんを、めちゃくちゃカワイイオンナにみせるあたりは、さすが年の功!と思います。
あー、でも、フィナーレはパレードだけなんだよねえ。全員リックに出てくれても良かったのにーーー。
サヨナラショーがないのも残念至極ですわ(T T)。
92期の安里舞生さん。
「逆転裁判2」でキレイな人だな、と思ったのが最初の出会いでした。……すみません。
まさかこの公演で卒業してしまわれるとは露ほども思わず、、、本当にショックでした(泣)。
観れば観るほど可愛くて、最近はすっかり「ラ・ベル・オーロール」の真ん中を観なくなってしまった。ごめんなさい祐飛さん(滝汗)。
あああ、どうしてどうして研4で卒業してしまうなんて非道いことができるんだよおおおお。やっと新公でちーちゃんの役がついて、何もかもこれからじゃないかああああ!!(嘆)
なので。
おそらく、「舞生ちゃんって誰?」という方も多いだろうと思いますので、とりあえず出番のレポートを。
本役(?)は一応、警官です。茶色の制服に、側面が白くて天辺だけ臙脂色の円筒形の帽子を被った一隊の一人。
小さな顔を浅黒く塗って、鼻の下だけ髭をつけています。笑顔がとてもやわらかくて可愛らしいのに、目つきがわりとキツいので、髭をたくわえると雰囲気が鋭くなるあたりがツボ。
あとは、パリのラ・ベル・オーロールの客と、パリ市民……くらいかな。意外と警官隊の出動が多いので、あまりアルバイトができないらしい(^ ^)。
最初の裁判所前広場では、レジスタンス(蓮水ゆうや)をつかまえる警官の一人。たしか、撃たれて倒れたちーちゃんの左腕をつかむ人だったと思うのですが、あまり確信はありません。
このメンバーは、男役が二人(松風輝、安里舞生)に娘役が二人(舞花くるみ、彩花まり)の4人なんですけど、、、、顔のサイズだけじゃなくて、全体的に一番小柄なのが舞生ちゃんに見えたのは気のせいでしょうか……。
他の場面では、警官隊が整列するときに、なんとなく客席側の列の真ん中あたりの位置にいることが多いような気がします。
小柄なので、後列とかじゃなくて良かったです。
リックの店を捜索する場面では、上手側のバーに駆け込んでロールペーパー(?)を持ってくる担当でした。上手の手前側でロールを投げるのですが、私がチェックするようになってからは、届かなかったり変なところにいっちゃったり…ということは特になかったような(^^)。
ラ・ベル・オーロールの客は、最初は一番下手側のテーブルで、雅桜歌さんと二人で話をしています。雅さんも大好きなので、なんだか微笑ましい感じでした(^ ^)。
イルザが知らせを受け取って倒れてしまったとき、客が皆立ち上がったアタリで席替えがあるんですが、舞生ちゃんは、手前のテーブルで妃宮さくらちゃんと話していたさっつん(風羽玲亜)を見つけて、大感動して話しかける、という芝居をしていたと思います。さっつんのファンだったのかな?という感じ。(←適当)
さくらちゃんを松風くんに預けて舞生ちゃんと話を始めるさっつんが、男前でカッコいい。大人の男と、ちょっと田舎から出てきた美少年、みたいな、そんな雰囲気のあるテーブルになってました(←どーゆー雰囲気だよ/汗)。
カンカンが始まったときの、舞生ちゃんの大喜びぶりは半端無いです。顔いっぱいに笑顔をうかべて、拍手しながら見てる。たぶん、カンカンどころか、オンナノコがスカート捲って踊るのを観ること自体が初めての体験なんだろうな、という興奮っぷりがツボ。
途中からカンカンの踊り子がテーブルの上に載って踊るので、そのテーブルを支える係もやっているんですけど、一人だけ張り切って、下手端のテーブルにとっとと座って、一人だけ“ガシっ”とテーブルを押さえているのがめっちゃツボ(^ ^)。
踊り子さんたちがハケて、サムの暖かな歌が流れ、“数ヵ月後”になったときには、また席替えがされていて、舞生ちゃんは松風くんと二列目の下手から2つ目(?)くらいのテーブルへ。
さっつんはさくらちゃんとヨリを戻して、雅さんはたしか、真ん中後ろあたりで女性と踊っていた……と思います。たぶん。
みなさん着替えていないのでわかりにくいのですが、この間に季節は6月になっているんですよね。小池さん的には、さりげなく席替えと相手役交換で年月の流れを表現しているつもりなのかなあ…??
「パリにナチスがやって来る!」のナンバー、パリ南駅の場面では、茶色のコート姿が多い中、舞生ちゃんは帽子もコートも黒っぽいので比較的探しやすい、ような気がします。上手側の、銀橋付け根よりちょっと内側に立って、必死で歌っていました。
フィナーレは「ムーア戦士」の一人として、最後列の下手側端で一生懸命踊っています。ときどき袖のカーテンの陰に隠れつつ……(^ ^)。
全員リックには本来は入っていないのですが、天輝トニカさんが休演されていたときは、代役で入られていました。今にして思えば、衣装部さんはがんばってくれたんだなあ……(感嘆)。
そんなところでしょうか。
今から観劇されるみなさま。
萬さんももちろんですけど、ぜひ、舞生ちゃんのことも見送ってあげてくださいね。
千秋楽まで、あと2日、3公演。
卒業する方も、見送る方も、どうぞ最後まで、悔いのない舞台になりますように祈っています。
.
大空祐飛 お披露目トークライブ【2】
2009年12月2日 宝塚(宙) コメント (2)昨日は、日記を書き上げてそのまま寝てしまったのですが、今日、あらためてニュースのトークライブの模様を視てみました。
……だいぶちがうなーーーーー(^ ^;;;;;ゞ
すっすみませんっ。やっぱり、ファンの方は放送までお待ちいただいたほうがいいかも(汗)。
あ、でも。映像を視ていて思いだしたことが一つ。
「素の自分は銀ちゃんに似てる(と思う)」という話の中で、「あんなに我侭じゃないですよ!?」とご自分にフォローしていらっしゃった祐飛さん。
反射的に、「Exciter!」のインタビュー(?)で、「自分自身に似ていると思うのは、Mr. Yuですね。……いや、あんな風に寝坊はしませんよ?」とフォローされていた真飛さんを凄く思い出しました(^ ^)。
つい1年前には、一緒に小池作品のお稽古をされていたお二人。何か通じるものがあるのかもしれませんね(^ ^)。
なんて戯言はおいておいて、トークライブの続き。
遥さんの
「それでは、一番近くで大空さんを観ていらっしゃるであろう方が駆けつけてくださいましたので、いつも呼んでいる呼び方でお呼びしていただけますか?」
という前振りに、まったく何の気負いも見せずに
「すみかぁー!」
と呼びかける祐飛さん。
…ちょっとだけ、大事な宝物にでも呼びかけるような響きを感じたのは、気のせいってやつでしょうか(^ ^)。
その声に呼ばれて現れたのは、薄紫のレースのワンピースに黒いボレロ、髪はきっちりアップにまとめた野々すみ花ちゃん。上手側の衝立の裏からちょこちょこと出てきて、恥ずかしそうにちょこんとお辞儀をする姿は、いつもどおり可愛らしいのに、なんとなく大人っぽい感じすごく綺麗でした。
遥「それでは、お二人とも、お互いを紹介してください」
祐「野々さんは、皆さんもご存知のとおり、舞台上では迫力のある女優で……でも、普段はね(←この『ね』の言い方が好き。いちいちすみ花ちゃんに笑いかけるところが可愛い)、なんだろうなあ……なんというか、ニョロニョロしてます」
あれっ?なんか、ナウオンで言ってたのと違うぞ?
祐「あれ?本人は思い当たること無いみたいだね(すみ花ちゃんの方をみる)。でも、ニョロニョロしてるんですよ、なんとなく。…ね?(客席の方に向き直る感じで)すみ花は、普段でもすぐ“何か”になるんですけど、それがなんかニョロニョロしてる感じなんです」
……かなり意訳している自覚はありますが、原文も相当イミフでした。日本語かそれ?と思いながら聞いてました。でも、なんだかデレデレした祐飛さんの笑顔を見ていれば、要するに何が言いたいのかは何となくわかる、というか……
いやぁ、すみ花ちゃん本当に可愛いっす(デレデレ)。
野「わたしにとっての祐飛さんは……とても大きな方。神様のような方です」
遥「か、かみさま?それはちょっと言いすぎでは…?(汗)」
祐「ね。極端な人なんですよ本当に。話半分にきいてください」
野「本当なんです。毎日思います」
遥「具体的には?」
野「えっと………」
遥「なければいいんですよ」(←このツッコミが早くて鋭かった)
野「いえ、あります!(←必死)えっとえっと、いつも温かくて、まわりを良くみてくださって……すごく頼りがいのある方です」
祐(照笑)
たぶん、こんな感じの会話だったと思います。概略ですが。
で、そのままキスシーンの話になったと思います。パリの最後に抱きしめてキスする場面について、遥さんがその場面のリックの動きを懇切丁寧に解説した後で(ちょっと照れ笑いな祐飛さんと、「天にも昇る気持ち」と言いながら恥ずかしそうに俯いたすみ花ちゃんが死ぬほど可愛かった!)
「抱きしめるのが得意、とかって自覚はありますか?」
「幅が広いので…」
「肩幅?」
「あ、はい、肩幅が広いので、うまくいくんじゃないかなと」
……記者会見のときの小池さんのコメントといい、祐飛さん、最近ラヴシーンを誉められることが多いですよね。……昔からだっけ?
遥「世界で最後のキスみたいに、と言われた後の場面ですが、前半は普通のキスなのに、後半でどんどん盛り上がっていくのが凄くて、『最後』のキスっぽいですよね。あれは意識してやっているんですか?」
祐「キスシーンが多いので、バリエーションということは考えました。あそこは『世界で最後の』という無茶振りなリクエストなので、それこそ一晩中悩んだ んですけど(笑)、やはり二人の高揚感を表現したいな、と」
この辺りとか、イルザについて「手紙を受け取った衝撃を溜息一つで表現する場面が二回もありますが…」という話のあたりでの遥さんが、それはそれは面白かったです。
「カサブランカ」の台詞や、登場人物の心情やなにかを、すべて関西弁で再現してくださったんです。
曰く。
『うっそー、あの人死んだん!?なんでやねん!?』とか。“手紙を受け取ったイルザの気持ち”を、関西弁でまくしたててくださって。……もう、本当に笑い死ぬかと思いました(- -;ゞ。このまま宴会芸になりそうでしたよ。
遥「『あんたを置いてカサブランカを出るなんて出来ひん』と言った舌の根も乾かんうちに『あんたと別れる力なんて残ってへん』とか、ひどすぎません?」
野「そうやって並べると酷いですね…(←納得するな!)…でも、イルザとしては、一瞬一瞬を全力で生きているんですよ。すべての瞬間がドラマティックなことの連続で」
言葉に詰まりながら、一生懸命説明するすみ花ちゃん。そんな彼女を、横からワクワクしながら眺めている祐飛さんも、心の底から可愛かったです。うん。なんて可愛いコンビなんでしょう(*^ ^*)。
全編こんな調子ではあったのですが、それでも、作品が名作なだけに、いろいろと深い話も盛り込まれていたのも良かったです。遥さんの話の引き出し方が巧かったんだと思いますが、
「最後の歌の歌詞が、『明日からも一人で生きていく』みたいな感じなんですが、お稽古の最初は、寂しい歌だなーと思っていたんです。でも、途中から前向きになりました。リックは、パリでいろいろあって、心の一部をパリに置いてきてしまったわけですが、イルザと再会し、愛を確かめ合ったことで再生するんですよね。完全な自分になる。で、そうなってはじめて、一人で生きて行けるようになったんだな、と」
っていう話が一番心に残りました。
芝居のラストで、舞台奥の闇の中に消えていく背中が寂しげじゃなかったのは、そういう意味だったのかな、と思ったんですよね。「Hollywood Lover」のラストシーンとの違いは、それだったのかな、と。
演出的には非常に良く似た二つのラストシーンが、観客に全く違う印象を与えることができたのは、もちろん両作品が緻密に構成された良作だったことも大きいんですけど、大空祐飛という役者が、ちゃんと役を生きていることの証座だと思うのです、ええ。
(←贔屓目すぎて頭痛がしてきた……痛くてすみません汗)
この後も、あれこれと今回の作品に対する役作りをお二人に聞いた後で。
遥「これからどんなコンビになりたいですか?ではまず、野々さんから」
という前振りで、中締めへ。
野「そうですね……」
遥「なければいいんですよ」(←だから、突っ込みが早すぎるってば!)
野「あります!!(←さっきと同じ展開)……今まで、祐飛さんはいろいろなモノを積み上げてこられて、たくさんのものが詰まっているけど、私はまだまだなので……祐飛さんの一番近くで、同じものをみて、同じことに気づいて、全てをキャッチしていきたいです」
祐「今、素晴らしいことを言われてしまって……どうしようかな(照)。すみ花はアンテナの立っている人なので、お互いにキャッチしあって、お互いが最良のキャッチャーであり、最良のピッチャーであるようなバッテリーでいたいですね」
そんなコメントをラストに、すみ花ちゃんは退場。
下手側においてあって衝立に向かうすみ花ちゃんを、穏やかな笑顔で見送る祐飛さんがとても可愛い。
この後は、会場の人からの質問コーナー……だったと思います(抽選コーナーが先だったかも??)。祐飛さんが客席の通路の台に立たれて、開始前に集められた質問のうち、遥さんが選んだ質問を書いた方のお名前とともに読み上げるという形式。
全部は覚えていないのですが、覚えているものだけ箇条書きで。
●終演後に野々さんと乾杯するとしたら、何に乾杯されますか?
⇒君のおもしろさに、かな。
●サッシャからの『ロシア式の挨拶』の時の気分は?
⇒本読みの段階でも強烈だなと思ったけど、彼女(春風弥里)はキャラも濃いので、物凄く強烈です。
●初日のアナウンスで拍手が起きたときの気持ちは
⇒ありがたいなーと思いました。上手のセリの中にいたので、聞こえましたよ、ちゃんと。
●大空さんがイルザだったら、リックとラズロ、どちらを選びますか?
⇒恋人にするならリック、結婚するならラズロ。でも、私が一番好きなのはルノーなんですけどね(^ ^)
●宙組(宙組子)に対する今の印象は
⇒弱肉強食。皆ほんとうに良く食べるので、自分の食べ物は自分で確保しないといけない。宙に来て最初に学んだことは、食べたいものには名前を書くこと。「私の分は確保してあるよ」と言うと、下級生が嬉しそうに「良かったー、安心して食べよう」と言う(←誰だ!?)
とにかく元気が良くて、明るい。食欲と、それを消費するパワーがある組
あと、確か「私(大空)は、家族の中で一番背が高いんです」という回答があったと思うんですが、その答えがでてきた質問は何だったっけなー……?
……そんなところでしょうか。
最後に、ちらっと春のドラマシティ公演のお話をしてくださいました。
まだ詳細は全然わからないみたいでしたが、テーマは、今まで見た事が大空祐飛だそうです。
えーっと。あの人はキャリアが長いだけあって大概のキャラクターはやったことがあると思うんですが。禁欲的な神父様とか、自堕落な男娼とか、咄嗟にそんなんしか思い浮かばないよー。
小柳さんのイメージする「今まで観たことがない大空祐飛」っていったい……?
衣装については、「アジアンテイストだけど、ちょっとハードな感じ」とゆーことで、なーんとなく山田ミネコの「最終戦争(ハルマゲドン)」シリーズを思い出しました。今回の公演がひたすらオールバックなので、前髪を下ろした長髪鬘とか、期待してみようかな★
もうすぐ撮影なので、と仰っていたので、この公演中に撮るのでしょうか?どんな感じになるのかな。アップされるのがめっちゃ楽しみです!
……「ユーリンタウン」とは全く関係ないみたいですね(^ ^)(←当たり前だ)
とにかく楽しいトークでした。
遥さん、祐飛さん、ありがとうございまーす!!(はぁと)
.
……だいぶちがうなーーーーー(^ ^;;;;;ゞ
すっすみませんっ。やっぱり、ファンの方は放送までお待ちいただいたほうがいいかも(汗)。
あ、でも。映像を視ていて思いだしたことが一つ。
「素の自分は銀ちゃんに似てる(と思う)」という話の中で、「あんなに我侭じゃないですよ!?」とご自分にフォローしていらっしゃった祐飛さん。
反射的に、「Exciter!」のインタビュー(?)で、「自分自身に似ていると思うのは、Mr. Yuですね。……いや、あんな風に寝坊はしませんよ?」とフォローされていた真飛さんを凄く思い出しました(^ ^)。
つい1年前には、一緒に小池作品のお稽古をされていたお二人。何か通じるものがあるのかもしれませんね(^ ^)。
なんて戯言はおいておいて、トークライブの続き。
遥さんの
「それでは、一番近くで大空さんを観ていらっしゃるであろう方が駆けつけてくださいましたので、いつも呼んでいる呼び方でお呼びしていただけますか?」
という前振りに、まったく何の気負いも見せずに
「すみかぁー!」
と呼びかける祐飛さん。
…ちょっとだけ、大事な宝物にでも呼びかけるような響きを感じたのは、気のせいってやつでしょうか(^ ^)。
その声に呼ばれて現れたのは、薄紫のレースのワンピースに黒いボレロ、髪はきっちりアップにまとめた野々すみ花ちゃん。上手側の衝立の裏からちょこちょこと出てきて、恥ずかしそうにちょこんとお辞儀をする姿は、いつもどおり可愛らしいのに、なんとなく大人っぽい感じすごく綺麗でした。
遥「それでは、お二人とも、お互いを紹介してください」
祐「野々さんは、皆さんもご存知のとおり、舞台上では迫力のある女優で……でも、普段はね(←この『ね』の言い方が好き。いちいちすみ花ちゃんに笑いかけるところが可愛い)、なんだろうなあ……なんというか、ニョロニョロしてます」
あれっ?なんか、ナウオンで言ってたのと違うぞ?
祐「あれ?本人は思い当たること無いみたいだね(すみ花ちゃんの方をみる)。でも、ニョロニョロしてるんですよ、なんとなく。…ね?(客席の方に向き直る感じで)すみ花は、普段でもすぐ“何か”になるんですけど、それがなんかニョロニョロしてる感じなんです」
……かなり意訳している自覚はありますが、原文も相当イミフでした。日本語かそれ?と思いながら聞いてました。でも、なんだかデレデレした祐飛さんの笑顔を見ていれば、要するに何が言いたいのかは何となくわかる、というか……
いやぁ、すみ花ちゃん本当に可愛いっす(デレデレ)。
野「わたしにとっての祐飛さんは……とても大きな方。神様のような方です」
遥「か、かみさま?それはちょっと言いすぎでは…?(汗)」
祐「ね。極端な人なんですよ本当に。話半分にきいてください」
野「本当なんです。毎日思います」
遥「具体的には?」
野「えっと………」
遥「なければいいんですよ」(←このツッコミが早くて鋭かった)
野「いえ、あります!(←必死)えっとえっと、いつも温かくて、まわりを良くみてくださって……すごく頼りがいのある方です」
祐(照笑)
たぶん、こんな感じの会話だったと思います。概略ですが。
で、そのままキスシーンの話になったと思います。パリの最後に抱きしめてキスする場面について、遥さんがその場面のリックの動きを懇切丁寧に解説した後で(ちょっと照れ笑いな祐飛さんと、「天にも昇る気持ち」と言いながら恥ずかしそうに俯いたすみ花ちゃんが死ぬほど可愛かった!)
「抱きしめるのが得意、とかって自覚はありますか?」
「幅が広いので…」
「肩幅?」
「あ、はい、肩幅が広いので、うまくいくんじゃないかなと」
……記者会見のときの小池さんのコメントといい、祐飛さん、最近ラヴシーンを誉められることが多いですよね。……昔からだっけ?
遥「世界で最後のキスみたいに、と言われた後の場面ですが、前半は普通のキスなのに、後半でどんどん盛り上がっていくのが凄くて、『最後』のキスっぽいですよね。あれは意識してやっているんですか?」
祐「キスシーンが多いので、バリエーションということは考えました。あそこは『世界で最後の』という無茶振りなリクエストなので、それこそ一晩中悩んだ んですけど(笑)、やはり二人の高揚感を表現したいな、と」
この辺りとか、イルザについて「手紙を受け取った衝撃を溜息一つで表現する場面が二回もありますが…」という話のあたりでの遥さんが、それはそれは面白かったです。
「カサブランカ」の台詞や、登場人物の心情やなにかを、すべて関西弁で再現してくださったんです。
曰く。
『うっそー、あの人死んだん!?なんでやねん!?』とか。“手紙を受け取ったイルザの気持ち”を、関西弁でまくしたててくださって。……もう、本当に笑い死ぬかと思いました(- -;ゞ。このまま宴会芸になりそうでしたよ。
遥「『あんたを置いてカサブランカを出るなんて出来ひん』と言った舌の根も乾かんうちに『あんたと別れる力なんて残ってへん』とか、ひどすぎません?」
野「そうやって並べると酷いですね…(←納得するな!)…でも、イルザとしては、一瞬一瞬を全力で生きているんですよ。すべての瞬間がドラマティックなことの連続で」
言葉に詰まりながら、一生懸命説明するすみ花ちゃん。そんな彼女を、横からワクワクしながら眺めている祐飛さんも、心の底から可愛かったです。うん。なんて可愛いコンビなんでしょう(*^ ^*)。
全編こんな調子ではあったのですが、それでも、作品が名作なだけに、いろいろと深い話も盛り込まれていたのも良かったです。遥さんの話の引き出し方が巧かったんだと思いますが、
「最後の歌の歌詞が、『明日からも一人で生きていく』みたいな感じなんですが、お稽古の最初は、寂しい歌だなーと思っていたんです。でも、途中から前向きになりました。リックは、パリでいろいろあって、心の一部をパリに置いてきてしまったわけですが、イルザと再会し、愛を確かめ合ったことで再生するんですよね。完全な自分になる。で、そうなってはじめて、一人で生きて行けるようになったんだな、と」
っていう話が一番心に残りました。
芝居のラストで、舞台奥の闇の中に消えていく背中が寂しげじゃなかったのは、そういう意味だったのかな、と思ったんですよね。「Hollywood Lover」のラストシーンとの違いは、それだったのかな、と。
演出的には非常に良く似た二つのラストシーンが、観客に全く違う印象を与えることができたのは、もちろん両作品が緻密に構成された良作だったことも大きいんですけど、大空祐飛という役者が、ちゃんと役を生きていることの証座だと思うのです、ええ。
(←贔屓目すぎて頭痛がしてきた……痛くてすみません汗)
この後も、あれこれと今回の作品に対する役作りをお二人に聞いた後で。
遥「これからどんなコンビになりたいですか?ではまず、野々さんから」
という前振りで、中締めへ。
野「そうですね……」
遥「なければいいんですよ」(←だから、突っ込みが早すぎるってば!)
野「あります!!(←さっきと同じ展開)……今まで、祐飛さんはいろいろなモノを積み上げてこられて、たくさんのものが詰まっているけど、私はまだまだなので……祐飛さんの一番近くで、同じものをみて、同じことに気づいて、全てをキャッチしていきたいです」
祐「今、素晴らしいことを言われてしまって……どうしようかな(照)。すみ花はアンテナの立っている人なので、お互いにキャッチしあって、お互いが最良のキャッチャーであり、最良のピッチャーであるようなバッテリーでいたいですね」
そんなコメントをラストに、すみ花ちゃんは退場。
下手側においてあって衝立に向かうすみ花ちゃんを、穏やかな笑顔で見送る祐飛さんがとても可愛い。
この後は、会場の人からの質問コーナー……だったと思います(抽選コーナーが先だったかも??)。祐飛さんが客席の通路の台に立たれて、開始前に集められた質問のうち、遥さんが選んだ質問を書いた方のお名前とともに読み上げるという形式。
全部は覚えていないのですが、覚えているものだけ箇条書きで。
●終演後に野々さんと乾杯するとしたら、何に乾杯されますか?
⇒君のおもしろさに、かな。
●サッシャからの『ロシア式の挨拶』の時の気分は?
⇒本読みの段階でも強烈だなと思ったけど、彼女(春風弥里)はキャラも濃いので、物凄く強烈です。
●初日のアナウンスで拍手が起きたときの気持ちは
⇒ありがたいなーと思いました。上手のセリの中にいたので、聞こえましたよ、ちゃんと。
●大空さんがイルザだったら、リックとラズロ、どちらを選びますか?
⇒恋人にするならリック、結婚するならラズロ。でも、私が一番好きなのはルノーなんですけどね(^ ^)
●宙組(宙組子)に対する今の印象は
⇒弱肉強食。皆ほんとうに良く食べるので、自分の食べ物は自分で確保しないといけない。宙に来て最初に学んだことは、食べたいものには名前を書くこと。「私の分は確保してあるよ」と言うと、下級生が嬉しそうに「良かったー、安心して食べよう」と言う(←誰だ!?)
とにかく元気が良くて、明るい。食欲と、それを消費するパワーがある組
あと、確か「私(大空)は、家族の中で一番背が高いんです」という回答があったと思うんですが、その答えがでてきた質問は何だったっけなー……?
……そんなところでしょうか。
最後に、ちらっと春のドラマシティ公演のお話をしてくださいました。
まだ詳細は全然わからないみたいでしたが、テーマは、今まで見た事が大空祐飛だそうです。
えーっと。あの人はキャリアが長いだけあって大概のキャラクターはやったことがあると思うんですが。禁欲的な神父様とか、自堕落な男娼とか、咄嗟にそんなんしか思い浮かばないよー。
小柳さんのイメージする「今まで観たことがない大空祐飛」っていったい……?
衣装については、「アジアンテイストだけど、ちょっとハードな感じ」とゆーことで、なーんとなく山田ミネコの「最終戦争(ハルマゲドン)」シリーズを思い出しました。今回の公演がひたすらオールバックなので、前髪を下ろした長髪鬘とか、期待してみようかな★
もうすぐ撮影なので、と仰っていたので、この公演中に撮るのでしょうか?どんな感じになるのかな。アップされるのがめっちゃ楽しみです!
……「ユーリンタウン」とは全く関係ないみたいですね(^ ^)(←当たり前だ)
とにかく楽しいトークでした。
遥さん、祐飛さん、ありがとうございまーす!!(はぁと)
.
大空祐飛 お披露目トークライブ
2009年12月1日 宝塚(宙)宝塚ホテルにて、「サンケイリビング新聞社主催 大空祐飛お披露目トークライブ」に参加してまいりました♪
遠征の後、そのまま旅行に行っていたため、だいぶ更新が滞ってしまいました。こんなに間があいたのは結構久しぶりのような気が……。とっくにCSニュースにも流れてしまって今更なのですが、自分のためのメモをアップさせていただきますm(_ _)m。
録音していたわけでは(もちろん)無いので、かぎかっこで括って書いている部分もご本人の言葉では全くなく、かなり意訳されていると思います。私の解釈だと思って読んでいただければ。
……遠からずCSでもフルで放送されるようですから、ファンの方はそれを待たれたほうがいいかもしれません(^ ^)。と、注意書きしつつ。
司会は遥洋子さん。
いやーーーー、面白かったです。トークって司会者次第なんだなあ、と思いましたね。遥さんが、本当にファンと同じ目線で舞台を観てくださって、ファンが誰しも思うことをしっかり突っ込んでくださるので、すごく面白かったです。
このトークショーの模様が載っているわけではないのですが、遥さんのサイトにリンクをさせていただきます。勝手に申し訳ありません。
http://www.haruka-youko.net/index.html
開幕前の音楽は、グノーのアヴェ・マリア。なんとなく、上演中の作品に関係する音楽が流れるものだと思っていたので、あー関係ないんだなー、と印象に残りました。
祐飛さんは、黒のスーツに鮮やかな朱赤のインナーで、これまた「カサブランカ」の世界とはかけ離れた色彩。相変わらず細いけど、顔色も良く、目の下のクマも少しは薄れたかな…?という感じ。
まずは、まあお披露目公演中のトップスターにはとりあえず聞いとけ、的な質問からスタート。
「今のご気分は?」
「いい気分です(^ ^)」
博多の方が『お披露目』感が満載だったそうです。大劇場公演は、とにかくこの「カサブランカ」を形にすることに必死で、『あ、そういえばお披露目だった』という感じだったとか。
そんな話をしながら、にこぉっと微笑む祐飛さん。なんだか花組時代より2,3歳若返ったような気がしました。若いお嬢さん(←すみ花ちゃん)と、いつも一緒に居るせいでしょうかねぇ(^ ^;ゞ
司会の遥さんが、
「観ていて、お披露目とは思えないほど落ち着いているなーと思ったんですが、ご本人的にもそうなんですねー」
というようなことを仰ってましたが、私も同感でした!(^ ^)。すっごく落ち着いて見えるんですよね。
「舞台を観ても、気負いがなくて自然体で。お披露目特有のハラハラ感がなくて、安心して観ていられました」
という遥さんのコメントに、
「そうなんでしょうか。……そうですね、組子の皆がしっかり支えてくれるから、安心してお芝居に取り組めていると思います」
と応じる祐飛さん。そのしみじみした口調に、お稽古は本当に大変だったんだろうなあ、と実感しました。
実際に0番ポジションに立ってみてどうですか?という質問には……
「大劇場のセンターピン(スポット)は、他とは全然違うんです。魔法のライトですね。皆もこんなのを貰っていたのか!と」
観客の立場で言わせて貰うなら、ライトよりトップマイクの魔法の方がずーっと魔力が強い ような気がするんですけど。そのへんはどうお考えなんでしょうか。
……っていうか。宝塚の舞台には魔法が詰まっているんだな。(素直な気持ち)
「この一年間の一番の山場は?」という質問には、
「この一年は、すべてが山でした」と即答。そして、しみじみと「内定をいただいてからは、本当に、なにもかもが変わったな、と」
そして。「1昨年の月⇒花の組替えから始まった山を、一緒に乗り越えてきてくれたファンの皆は、何があっても一緒に来てくれると信じられたから、すごく安心感がありました」(←意訳)というコメントが、すごく胸に響きました。
『山場を超えてきた皆が支えてくれている、自分はただ全力で芝居に取り組めばいいんだ、と』
……祐飛さん、そういうことをサラッと言える役者に、いつの間になったんだろう……。
遥さん曰く、祐飛さんは
「苦悩と葛藤を演じきった」
と評価されているそうなのですが。……そ、そうなのかな。たしかに、ルドルフ、ホゲと大作での役が目立つし、スコット、ステファーノ、茨木と主演作も多いし……そういうイメージは強いでしょうね。
『ネガティヴなパワー』という言葉も使われていたのですが、まさにそのとおりだな、と思います。特に、今の宙組は蘭寿さん筆頭にどちらかといえば『ポジティヴなパワー』をもつ人が多いし、先代のタニちゃんもそちら側の人だったので、祐飛さんが加わったことでガラッと雰囲気が変わったなー、と実感していたところなので。
ただ、祐飛さん的にはそういう評価は微妙に心外だったらしく、
「ホゲ(太王四神記)の時に、小池さんに『待ってました!って感じじゃない?』と言われたんですけど、自分ではどれも全く違う役だと思って創っているので……」
とぶつぶつ言ってました(^ ^)。『ネガティヴになった理由がそれぞれ違う』んだから、と。
「一番自分に近い役は?」という質問には、
「銀ちゃんだと思います」
と(@ @)。「やりやすいというか、生まれ持ったものは銀ちゃんだった、みたいな」と、ちょっと苦笑気味に話す祐飛さん。そういえば、あの公演では喉をつぶしたりしてとても大変そうだったけど、でも、幸せそうだったなあ(*^ ^*)。
遥「ぎ、銀ちゃんなんですか!? 私(遥)は、リックが一番近いんだろうと思ったんですが……違いますか?」
祐「リックの、一山も二山も越えてきたっぽいところは、5年前には演じられなかっただろうな、と。いろいろ乗り越えた今だからこそ出来るし、わかる、というところは確かにありますね」
そんな会話で、ごく自然にリックの役づくりの話へ。こういうところも、遥さんは巧いというか、テンポがよくて楽しかったです。
リックの役作りで苦労した点は?と訊かれて、「とにかくハンフリー・ボガートのイメージが強いので、一度完全に離さないと出来ないなと思いました。“ボギー”を演じるのではなく、リックにならなければ、と。ただ、その時代のその年齢の男性を表現するためには、映画の仕草の一つ一つを拾う必要もあって、、、映画のイメージを壊さないように、でもボギーの猿真似にならないように……というところに一番苦労しました」(←意訳)
ダブルのスーツの着こなしについては、
「もともと欧米の年配の方の体型に合わせた服なので、着こなしが難しい。自分の体型に合わせて、ミリ単位でなおしていただきました」
「それで、あんなに格好良いんですね!(ポン)」
「そうですね、衣装のおかげで」
…その瞬間、会場を吹き抜けた乾いた風を、私は忘れることは無いでしょう…。
リックの役については、
「いじけてるし、うじうじしてるし、後ろ向きだし、男役として演じるのが難しい」
と、いろいろ考えこみつつ熱く語ってくださいました。
CSニュースでも流れていましたが、
「(フラれた女を)朝まで待っていて、夜明け近くなってやっと来てくれたのに、酔っ払ってあんなこと言うからぷいっと怒って帰っちゃって……朝起きてすごく反省したんです。せっかく来てくれたのに、なんであんなこと言っちゃったんだろう、って。二日酔いでガンガンする頭を抱えて。で、次の日にバザールで出会って、一生懸命謝るんですよね。案外素直だし、可愛いし、憎めない男なんです」
とゆー、聞きながらつい爆笑してしまったコメントとか(^ ^;ゞ
ただ、リックという男の大事なところは、平等思想を明解に打ち出す格好良さと、イルザに対してうじうじと未練を残す駄目男の可愛らしさの両面を持っていて、しかもそのギャップがすごく大きいところだと思うんですよね。
「リアルな男ではないだけに、男役として演じるにあたって、男の駄目さを見せるというのは非常に難しい(女っぽくなり易い)のですが、リアルな男性には弱さもあるのが当然なので、中途半端にせずに、弱さは弱さとして曝け出したほうがいいだろう、と思って、思い切ってうじうじしています」
というコメントが、すごく納得でした。そのほうが、ラストの格好良さが映えるんですよね(*^ ^*)。
リックの、店の従業員に対する公平さや正義感などから
「オスカルを連想しました」
と遥さんがコメントしていましたが、たしかに通じるものがあるのかもしれないな、と納得しました。男装した美少女の突っ張ったところが“男役らしさ”であり、リアルな中年男性のしたたかな弱さが“懐の深さ”になっているという違いがありますけれども、根っこのところは同じなんだな、と。
「宙組についての今の印象は?」
という質問に対しては、
「群衆の芝居が凄い」
と即答。よく言われるコーラスの素晴らしさ、ということもあるようですが、
「舞台上にいる全員が、その時代に生きているのが素晴らしい」という言い方をされていたので、小芝居の見事さにも感心されたみたいでした。
このトークショーの時の話ではありませんが、先日行われた祐飛さんのお茶会でも似たような質問がありまして、そのときに
「宙組っ子の芝居の創り方って、私(大空)の創り方とすごく良く似ているんです。皆が“○○という人物を演じよう”とするんじゃなくて、“○○としてその時代を生きよう”としてくれる」
というコメントがあったことに、凄く感動したんですよね。
たしかに、今回の群衆たちの小芝居は、観どころ満載すぎてもうお腹一杯(; ;)って感じになるくらいなんですが。まあ花組も月組も凄いんですけど、宙組の小芝居はまたちょっとタイプが違うな、という気はします。
それにしても、ここで面白かったのは、遥さんの小芝居観察力(^ ^)。
「回想シーンのカフェでも、トイレに行ったり、グラスの汚れを見つけてクレームをつけたり、、、」
と畳み掛けるようにいろんな話をされる遥さんに、祐飛さんも少し気おされたように
「そ、そうなんですよ!!よく観ていらっしゃいますねえ」
と感嘆の声。
「そういえば、おたくのバーテン(サッシャ/春風弥里)、時々客に勧める振りして盗み飲みしてますよ!」
「え”、そうなんですか?こんどちょっと注意しておきます」
というやりとりもあったりして、めっちゃ面白かったです。
#ちなみに、注意したのかしていないのか不明ですが、サッシャの盗み飲みは、今のところエスカレートする一方です(^ ^)。
この後すぐに、すみ花ちゃんが登場するので、いったん切りますね(^ ^)。
続きは、また、いずれ。
.
遠征の後、そのまま旅行に行っていたため、だいぶ更新が滞ってしまいました。こんなに間があいたのは結構久しぶりのような気が……。とっくにCSニュースにも流れてしまって今更なのですが、自分のためのメモをアップさせていただきますm(_ _)m。
録音していたわけでは(もちろん)無いので、かぎかっこで括って書いている部分もご本人の言葉では全くなく、かなり意訳されていると思います。私の解釈だと思って読んでいただければ。
……遠からずCSでもフルで放送されるようですから、ファンの方はそれを待たれたほうがいいかもしれません(^ ^)。と、注意書きしつつ。
司会は遥洋子さん。
いやーーーー、面白かったです。トークって司会者次第なんだなあ、と思いましたね。遥さんが、本当にファンと同じ目線で舞台を観てくださって、ファンが誰しも思うことをしっかり突っ込んでくださるので、すごく面白かったです。
このトークショーの模様が載っているわけではないのですが、遥さんのサイトにリンクをさせていただきます。勝手に申し訳ありません。
http://www.haruka-youko.net/index.html
開幕前の音楽は、グノーのアヴェ・マリア。なんとなく、上演中の作品に関係する音楽が流れるものだと思っていたので、あー関係ないんだなー、と印象に残りました。
祐飛さんは、黒のスーツに鮮やかな朱赤のインナーで、これまた「カサブランカ」の世界とはかけ離れた色彩。相変わらず細いけど、顔色も良く、目の下のクマも少しは薄れたかな…?という感じ。
まずは、まあお披露目公演中のトップスターにはとりあえず聞いとけ、的な質問からスタート。
「今のご気分は?」
「いい気分です(^ ^)」
博多の方が『お披露目』感が満載だったそうです。大劇場公演は、とにかくこの「カサブランカ」を形にすることに必死で、『あ、そういえばお披露目だった』という感じだったとか。
そんな話をしながら、にこぉっと微笑む祐飛さん。なんだか花組時代より2,3歳若返ったような気がしました。若いお嬢さん(←すみ花ちゃん)と、いつも一緒に居るせいでしょうかねぇ(^ ^;ゞ
司会の遥さんが、
「観ていて、お披露目とは思えないほど落ち着いているなーと思ったんですが、ご本人的にもそうなんですねー」
というようなことを仰ってましたが、私も同感でした!(^ ^)。すっごく落ち着いて見えるんですよね。
「舞台を観ても、気負いがなくて自然体で。お披露目特有のハラハラ感がなくて、安心して観ていられました」
という遥さんのコメントに、
「そうなんでしょうか。……そうですね、組子の皆がしっかり支えてくれるから、安心してお芝居に取り組めていると思います」
と応じる祐飛さん。そのしみじみした口調に、お稽古は本当に大変だったんだろうなあ、と実感しました。
実際に0番ポジションに立ってみてどうですか?という質問には……
「大劇場のセンターピン(スポット)は、他とは全然違うんです。魔法のライトですね。皆もこんなのを貰っていたのか!と」
観客の立場で言わせて貰うなら、ライトよりトップマイクの魔法の方がずーっと魔力が強い ような気がするんですけど。そのへんはどうお考えなんでしょうか。
……っていうか。宝塚の舞台には魔法が詰まっているんだな。(素直な気持ち)
「この一年間の一番の山場は?」という質問には、
「この一年は、すべてが山でした」と即答。そして、しみじみと「内定をいただいてからは、本当に、なにもかもが変わったな、と」
そして。「1昨年の月⇒花の組替えから始まった山を、一緒に乗り越えてきてくれたファンの皆は、何があっても一緒に来てくれると信じられたから、すごく安心感がありました」(←意訳)というコメントが、すごく胸に響きました。
『山場を超えてきた皆が支えてくれている、自分はただ全力で芝居に取り組めばいいんだ、と』
……祐飛さん、そういうことをサラッと言える役者に、いつの間になったんだろう……。
遥さん曰く、祐飛さんは
「苦悩と葛藤を演じきった」
と評価されているそうなのですが。……そ、そうなのかな。たしかに、ルドルフ、ホゲと大作での役が目立つし、スコット、ステファーノ、茨木と主演作も多いし……そういうイメージは強いでしょうね。
『ネガティヴなパワー』という言葉も使われていたのですが、まさにそのとおりだな、と思います。特に、今の宙組は蘭寿さん筆頭にどちらかといえば『ポジティヴなパワー』をもつ人が多いし、先代のタニちゃんもそちら側の人だったので、祐飛さんが加わったことでガラッと雰囲気が変わったなー、と実感していたところなので。
ただ、祐飛さん的にはそういう評価は微妙に心外だったらしく、
「ホゲ(太王四神記)の時に、小池さんに『待ってました!って感じじゃない?』と言われたんですけど、自分ではどれも全く違う役だと思って創っているので……」
とぶつぶつ言ってました(^ ^)。『ネガティヴになった理由がそれぞれ違う』んだから、と。
「一番自分に近い役は?」という質問には、
「銀ちゃんだと思います」
と(@ @)。「やりやすいというか、生まれ持ったものは銀ちゃんだった、みたいな」と、ちょっと苦笑気味に話す祐飛さん。そういえば、あの公演では喉をつぶしたりしてとても大変そうだったけど、でも、幸せそうだったなあ(*^ ^*)。
遥「ぎ、銀ちゃんなんですか!? 私(遥)は、リックが一番近いんだろうと思ったんですが……違いますか?」
祐「リックの、一山も二山も越えてきたっぽいところは、5年前には演じられなかっただろうな、と。いろいろ乗り越えた今だからこそ出来るし、わかる、というところは確かにありますね」
そんな会話で、ごく自然にリックの役づくりの話へ。こういうところも、遥さんは巧いというか、テンポがよくて楽しかったです。
リックの役作りで苦労した点は?と訊かれて、「とにかくハンフリー・ボガートのイメージが強いので、一度完全に離さないと出来ないなと思いました。“ボギー”を演じるのではなく、リックにならなければ、と。ただ、その時代のその年齢の男性を表現するためには、映画の仕草の一つ一つを拾う必要もあって、、、映画のイメージを壊さないように、でもボギーの猿真似にならないように……というところに一番苦労しました」(←意訳)
ダブルのスーツの着こなしについては、
「もともと欧米の年配の方の体型に合わせた服なので、着こなしが難しい。自分の体型に合わせて、ミリ単位でなおしていただきました」
「それで、あんなに格好良いんですね!(ポン)」
「そうですね、衣装のおかげで」
…その瞬間、会場を吹き抜けた乾いた風を、私は忘れることは無いでしょう…。
リックの役については、
「いじけてるし、うじうじしてるし、後ろ向きだし、男役として演じるのが難しい」
と、いろいろ考えこみつつ熱く語ってくださいました。
CSニュースでも流れていましたが、
「(フラれた女を)朝まで待っていて、夜明け近くなってやっと来てくれたのに、酔っ払ってあんなこと言うからぷいっと怒って帰っちゃって……朝起きてすごく反省したんです。せっかく来てくれたのに、なんであんなこと言っちゃったんだろう、って。二日酔いでガンガンする頭を抱えて。で、次の日にバザールで出会って、一生懸命謝るんですよね。案外素直だし、可愛いし、憎めない男なんです」
とゆー、聞きながらつい爆笑してしまったコメントとか(^ ^;ゞ
ただ、リックという男の大事なところは、平等思想を明解に打ち出す格好良さと、イルザに対してうじうじと未練を残す駄目男の可愛らしさの両面を持っていて、しかもそのギャップがすごく大きいところだと思うんですよね。
「リアルな男ではないだけに、男役として演じるにあたって、男の駄目さを見せるというのは非常に難しい(女っぽくなり易い)のですが、リアルな男性には弱さもあるのが当然なので、中途半端にせずに、弱さは弱さとして曝け出したほうがいいだろう、と思って、思い切ってうじうじしています」
というコメントが、すごく納得でした。そのほうが、ラストの格好良さが映えるんですよね(*^ ^*)。
リックの、店の従業員に対する公平さや正義感などから
「オスカルを連想しました」
と遥さんがコメントしていましたが、たしかに通じるものがあるのかもしれないな、と納得しました。男装した美少女の突っ張ったところが“男役らしさ”であり、リアルな中年男性のしたたかな弱さが“懐の深さ”になっているという違いがありますけれども、根っこのところは同じなんだな、と。
「宙組についての今の印象は?」
という質問に対しては、
「群衆の芝居が凄い」
と即答。よく言われるコーラスの素晴らしさ、ということもあるようですが、
「舞台上にいる全員が、その時代に生きているのが素晴らしい」という言い方をされていたので、小芝居の見事さにも感心されたみたいでした。
このトークショーの時の話ではありませんが、先日行われた祐飛さんのお茶会でも似たような質問がありまして、そのときに
「宙組っ子の芝居の創り方って、私(大空)の創り方とすごく良く似ているんです。皆が“○○という人物を演じよう”とするんじゃなくて、“○○としてその時代を生きよう”としてくれる」
というコメントがあったことに、凄く感動したんですよね。
たしかに、今回の群衆たちの小芝居は、観どころ満載すぎてもうお腹一杯(; ;)って感じになるくらいなんですが。まあ花組も月組も凄いんですけど、宙組の小芝居はまたちょっとタイプが違うな、という気はします。
それにしても、ここで面白かったのは、遥さんの小芝居観察力(^ ^)。
「回想シーンのカフェでも、トイレに行ったり、グラスの汚れを見つけてクレームをつけたり、、、」
と畳み掛けるようにいろんな話をされる遥さんに、祐飛さんも少し気おされたように
「そ、そうなんですよ!!よく観ていらっしゃいますねえ」
と感嘆の声。
「そういえば、おたくのバーテン(サッシャ/春風弥里)、時々客に勧める振りして盗み飲みしてますよ!」
「え”、そうなんですか?こんどちょっと注意しておきます」
というやりとりもあったりして、めっちゃ面白かったです。
#ちなみに、注意したのかしていないのか不明ですが、サッシャの盗み飲みは、今のところエスカレートする一方です(^ ^)。
この後すぐに、すみ花ちゃんが登場するので、いったん切りますね(^ ^)。
続きは、また、いずれ。
.
宙組大劇場公演「カサブランカ」。
やっと嵐も収まってきたみたい……かな?今日は、休演者も愛白もあちゃんだけ。あとは、明日の休演日をしっかり休んでいただいて、全員揃って木曜日を迎えてほしいものです。祈。
なので。今日は、ちょっとだけ作品の話を。
まずは、以前自分で書いた日記をちょっと思い出してみたいと思います。
http://80646.diarynote.jp/200906120313401808/
……あはは。
かの名台詞、三回も言ってくれたんですよ祐飛さんったら(^ ^;ゞ
でも、逃げ出したい気分にはならずにすみました!!(←真顔)「大空祐飛」が言ったら、私は絶対逃げたと思うんですけど、あくまでも、その台詞を言ったのは「リック」だったから。
前にも書きましたが、私はこの作品を映画館で観たことはないので、おそらく吹き替えだったと思うんですよね。
ってことは、「君の瞳に乾杯」という言葉だけを知っているってことで。だからこそ、イングリッド・バーグマンの潤んだ瞳とセットで印象に残っているわけですが。
……あれは、原語では「俺は君を見つめているんだぜ、お嬢ちゃん(Here’s looking at you, kid)」と言っているんですよね……
小池さんは、この二つの全く違う日本語(直訳と跳訳)を両方言わせる、という荒業に出て、そして、成功させていました。
三回出てくる同じ台詞の、トーンの違いがすごく面白くて。
いやーーー、世界的に有名な名台詞って、扱いが難しいんだなあ(- -)
で。
観終わって最初に思ったこと。
今までにも、何度も思ったし書いてきたことですが。
小池修一郎は、本当に潤色の天才だ。
吃驚しました。
私、まだまだ小池さんを舐めていたんだなー、と。
一番驚いたのは何か、というと、実は、シュトラッサー少佐(悠未ひろ)の設定だったんですよ。
私、小池さんはもっと勧善懲悪な話にしてしまうんじゃないか、と危惧していたみたいなんです。レジスタンスが善で、ナチスは悪だ、というふうに、ね。そのほうが解りやすいですから。
映画では、シュトラッサーの内実をあらわすような場面はなかったと思うのですが、小池さんが座談会でも言われていたとおり、すごく紳士的な男として描かれていた記憶があります。で、その“礼儀正しさ”が物凄く怖い、というイメージがあったんですね。
でも、小池さんは彼とドイツ兵に「シュトラッサーの屈辱」という場面を与え、「ドイツの栄光」というナンバーを与えた。そうすることで、彼らが闘う動機を明確にし、ナチスを『悪魔』ではなく「敵」として描いてみせたのです。
貧しい北国のドイツ。気候は厳しく、小麦の出来高は悪い。彼らにとって、広い平地があり、気候の良い豊かな農業国フランスは、永遠の憧れです。貧しさの最低ラインが違うし。豊かさの最高ラインの差はもっと大きい。だから、工業国として力を蓄え、軍事的にも力をつけてきたドイツが、最初に狙ったのは当然のようにフランスでした(普仏戦争/19世紀)。
貧しい田舎モノと蔑まれがちだった彼らが、自らを鼓舞し、フランスという豊かな先進国に手をつけるための言い訳に使った「ゲルマン民族の優秀性」という概念。第一次世界大戦の敗戦による未曾有の国難の中で一人歩きをした思想が歪んでいったのは、不運なことだったと思います。でも、党員たちはその「理想」を信じていた。『ドイツの栄光』という「理想」を。
『ドイツ』が栄光を得るために、陰に沈まなくてはならない国や民族があることからは、目を逸らして。
「ラ・マルセイエーズ」VS.「世界に冠たるわがドイツ」の歌合戦で一敗地にまみれたシュトラッサーが、自分自身と部下たちを鼓舞するために歌う歌。その歌に籠められた切なる願い、子供のように純粋で、だからこそ周辺諸国にとっては傍迷惑以外のなにものでもない祈りが、ひどく切ないです。
この映画は、1942年に撮影されました。小池さんもプログラムに書かれているとおり、戦闘状態に入ったアメリカにおける戦意高揚プロパガンダ映画だったのでしょう。
むろん、その時代性を喪ってもこの映画は価値を喪うことはなく、「名作」の誉れ高いまま今に至るわけですけれども。
あらためて考えてみると、映画の舞台となったのは、1941年12月1日から3日の深夜まで、なんですよね。
舞台で、「1941年12月1日」という日付を字幕で観たとき、ちょっと心が震えました。
このわずか一週間後に、アメリカは参戦します。
勿論、ラズロの演説のためではなく、日本の真珠湾攻撃のため、に。
そして。アメリカは、それよりもずっと前から参戦のチャンスを伺っていた という説もありますよね。国内で反戦感情が高まっていた合衆国は、自ら参戦することはできず、敵国(日本)が先制攻撃を仕掛けてくれるのを待っていた…そのために、劇団四季の「李香蘭」などでも語られている経済封鎖などの、いろいろな仕掛けをしていたのだ、と。
でも、この映画では、そんなことはおくびにも出されない。
まるで、ラズロが渡米して、それで初めてアメリカが立ったかのような時間関係になっている。
そしてリックは、アメリカ人でありながらイタリアに侵攻されたエチオピアに武器を流し、スペイン内戦では人民政府側に立って反ファシズムの戦闘に参加した、立派な男だ、と説明される。
すべてが、正義の戦争にアメリカは参加するべきだ、というプロパガンダなんですよね。
でも、一言もそんな話は出てこない。ラズロが渡米の目的として「彼らに真実を訴えて、立ち上がらせたい」と言うくらいで。なのに、観終わるころには、観客はちゃんと「立ち上がって彼らを助けなきゃ!」と思っていると思うんです。
何もわからずにテレビで観ていた私と、同じように。
私が映画を観たのはもう随分前で、細かいところは全く覚えていない、というのが正直なところ。いかに映画のとおりに良くできているか、という話を熱く語る友人の話を聴きながら、ふむふむ、と肯きながら、思っていたことは。
細かいことは覚えてないけど、とにかく、見終わった後の印象が全く同じだなあ…でした。
違うのは、ラズロが格好良いことくらい(^ ^)、かな。映画のラズロは、端正な二枚目だけど、どちらかというと理論(弁論)家の優男っぽい感じで、蘭トムさんみたいな骨太な格好良さは無かったような気がするんですよね。実際、ラズロのモデルはクーデンホーフ男爵だと言われていて、ってことは貴族なんですよ。レジスタンスの闘士じゃないんです。レジスタンスの闘士だったのは、むしろリックの方、なので。
でも、とにかく、映画のファンの方は、絶対見て損はないと思います!
イルザが「絶世の美女」ではなかったり(でも超絶可愛い)(自分でちゃんと「ご冗談を」って言ってる)、ラズロが理論家じゃなく革命家だったり、リックが二枚目(←贔屓目?)だったり、ルノーが若くて腹芸ができなかったり、、、いろいろ違うんですけどね。
ただ、世界観が非常に近いことに感心します。
モロッコ、という古代からの交通の要衝の、カサブランカという都市。人種の坩堝で、さまざまなところからの道が集まってまた別れていく、街。
同じモロッコを舞台にした「マラケシュー紅の墓標」にあった「砂漠」が、この「カサブランカ」には感じられない。
そこにあるのは、ただ、街と、地下と、空。
人生の在り処と、隠れ潜む闇と、交通路と。
「この世の果て」という名前の乾いた風が、吹きすぎる街。
今回は、映画が原作、ということもあって、比較的視点を固定した演出だったと思います。
一階席からの視線を基本に創っている。
それは、映像を多用するせいもあると思います。
偶然なんでしょうけれども、祐飛さんに宛書していただいた作品は、映画を題材にしたものが多いんですよね。「Hollywood Lover」と「銀ちゃんの恋」は映画撮影のバックグラウンドものだし、「カサブランカ」は映画が原作だし。
で、この三作とも、実にうまく映像を使っているな、と思ったんですよね。
私は舞台至上主義なので、舞台における映像使用はよほど巧いことやらないと感心しないんですが、「Hollywood Lover」の、撮影された映像を流す遣り方といい、「銀ちゃんの恋」の、リアルタイムにビデオを流す演出といい、感心しっぱなしでした。
そして、この「カサブランカ」。
オープニングでの、カサブランカの街の鳥瞰図から始まって、
ラストの空港での飛行機の表現まで、実に実に映画らしくて、本当に素晴らしかった!!
中でも「凄い」と思ったのは、回想シーンへ移るときの走馬灯のような映像。
リックの心の奥に潜っていくような、不思議な錯覚に陥りました。
ただの「安価で転換のカンタンな舞台装置」としてではなく、映像でなければできない表現をするためになら、いくらでも映像を使ってくれて構わない。
そして、この三つの作品における映像の使い方は、たしかに映像でなければできない表現だった、と思うのです。
そして。
一階席からの視線を中心に考えて、創られたセットが、あの「リックの店」の見事なセット。
大セリを真ん中に、下手側に外へのドア、上手側にカジノへのドア。
外へのドアの外にはちゃんと「カフェの外」のセットがあり、カジノのドアの向こう、セリの裏側には、ちゃんとカジノのセットがある。「二階(リックの住居)はセリの上で表現し、盆を回すだけで、カジノとカフェと店の外をスムーズに転換できる。
アイディア自体はそんなに珍しくはないのですが、セットとしての完成度と、真ん中にセリがあるのが宝塚らしいな、と思いました。
「カサブランカ」という作品を楽しみたいなら、この公演は、一階席がお勧めです。
演出家が見せたいものを、彼の意図通りに鑑賞することができるのは一階席なので。
何度も観るなら、二階席も楽しいですけどね。二階からだと、カジノの場面でもセリの裏になったカフェで芝居が続いているのが微かに見えたり、カフェの外に出たあと、カフェのテーブルを皆が必死で片付けているのがよく見えたりするので(^ ^)。
うううう、なんだか全然まとまっていなくてすみません。とりとめ無さすぎ…(T T)。
頭がかなり沸騰しているみたいです。
あ。
……そういえば、忘れてたような気がする(←おい)
すごく今更のような気がしてしまうのですが、
「祐飛さん、すみ花ちゃん、宙組トップコンビお披露目おめでとうございます」
なんだか、そんなこと(←おーーいっ!)はどうでも良くなってしまったくらい、よくできた作品で、いい公演になりそうで、そのことで幸せです。
小池さん。
宙組のために、こんなに素敵な作品を創ってくださって、本当にありがとうございましたm(_ _)m。
.
やっと嵐も収まってきたみたい……かな?今日は、休演者も愛白もあちゃんだけ。あとは、明日の休演日をしっかり休んでいただいて、全員揃って木曜日を迎えてほしいものです。祈。
なので。今日は、ちょっとだけ作品の話を。
まずは、以前自分で書いた日記をちょっと思い出してみたいと思います。
http://80646.diarynote.jp/200906120313401808/
……あはは。
かの名台詞、三回も言ってくれたんですよ祐飛さんったら(^ ^;ゞ
でも、逃げ出したい気分にはならずにすみました!!(←真顔)「大空祐飛」が言ったら、私は絶対逃げたと思うんですけど、あくまでも、その台詞を言ったのは「リック」だったから。
前にも書きましたが、私はこの作品を映画館で観たことはないので、おそらく吹き替えだったと思うんですよね。
ってことは、「君の瞳に乾杯」という言葉だけを知っているってことで。だからこそ、イングリッド・バーグマンの潤んだ瞳とセットで印象に残っているわけですが。
……あれは、原語では「俺は君を見つめているんだぜ、お嬢ちゃん(Here’s looking at you, kid)」と言っているんですよね……
小池さんは、この二つの全く違う日本語(直訳と跳訳)を両方言わせる、という荒業に出て、そして、成功させていました。
三回出てくる同じ台詞の、トーンの違いがすごく面白くて。
いやーーー、世界的に有名な名台詞って、扱いが難しいんだなあ(- -)
で。
観終わって最初に思ったこと。
今までにも、何度も思ったし書いてきたことですが。
小池修一郎は、本当に潤色の天才だ。
吃驚しました。
私、まだまだ小池さんを舐めていたんだなー、と。
一番驚いたのは何か、というと、実は、シュトラッサー少佐(悠未ひろ)の設定だったんですよ。
私、小池さんはもっと勧善懲悪な話にしてしまうんじゃないか、と危惧していたみたいなんです。レジスタンスが善で、ナチスは悪だ、というふうに、ね。そのほうが解りやすいですから。
映画では、シュトラッサーの内実をあらわすような場面はなかったと思うのですが、小池さんが座談会でも言われていたとおり、すごく紳士的な男として描かれていた記憶があります。で、その“礼儀正しさ”が物凄く怖い、というイメージがあったんですね。
でも、小池さんは彼とドイツ兵に「シュトラッサーの屈辱」という場面を与え、「ドイツの栄光」というナンバーを与えた。そうすることで、彼らが闘う動機を明確にし、ナチスを『悪魔』ではなく「敵」として描いてみせたのです。
貧しい北国のドイツ。気候は厳しく、小麦の出来高は悪い。彼らにとって、広い平地があり、気候の良い豊かな農業国フランスは、永遠の憧れです。貧しさの最低ラインが違うし。豊かさの最高ラインの差はもっと大きい。だから、工業国として力を蓄え、軍事的にも力をつけてきたドイツが、最初に狙ったのは当然のようにフランスでした(普仏戦争/19世紀)。
貧しい田舎モノと蔑まれがちだった彼らが、自らを鼓舞し、フランスという豊かな先進国に手をつけるための言い訳に使った「ゲルマン民族の優秀性」という概念。第一次世界大戦の敗戦による未曾有の国難の中で一人歩きをした思想が歪んでいったのは、不運なことだったと思います。でも、党員たちはその「理想」を信じていた。『ドイツの栄光』という「理想」を。
『ドイツ』が栄光を得るために、陰に沈まなくてはならない国や民族があることからは、目を逸らして。
「ラ・マルセイエーズ」VS.「世界に冠たるわがドイツ」の歌合戦で一敗地にまみれたシュトラッサーが、自分自身と部下たちを鼓舞するために歌う歌。その歌に籠められた切なる願い、子供のように純粋で、だからこそ周辺諸国にとっては傍迷惑以外のなにものでもない祈りが、ひどく切ないです。
この映画は、1942年に撮影されました。小池さんもプログラムに書かれているとおり、戦闘状態に入ったアメリカにおける戦意高揚プロパガンダ映画だったのでしょう。
むろん、その時代性を喪ってもこの映画は価値を喪うことはなく、「名作」の誉れ高いまま今に至るわけですけれども。
あらためて考えてみると、映画の舞台となったのは、1941年12月1日から3日の深夜まで、なんですよね。
舞台で、「1941年12月1日」という日付を字幕で観たとき、ちょっと心が震えました。
このわずか一週間後に、アメリカは参戦します。
勿論、ラズロの演説のためではなく、日本の真珠湾攻撃のため、に。
そして。アメリカは、それよりもずっと前から参戦のチャンスを伺っていた という説もありますよね。国内で反戦感情が高まっていた合衆国は、自ら参戦することはできず、敵国(日本)が先制攻撃を仕掛けてくれるのを待っていた…そのために、劇団四季の「李香蘭」などでも語られている経済封鎖などの、いろいろな仕掛けをしていたのだ、と。
でも、この映画では、そんなことはおくびにも出されない。
まるで、ラズロが渡米して、それで初めてアメリカが立ったかのような時間関係になっている。
そしてリックは、アメリカ人でありながらイタリアに侵攻されたエチオピアに武器を流し、スペイン内戦では人民政府側に立って反ファシズムの戦闘に参加した、立派な男だ、と説明される。
すべてが、正義の戦争にアメリカは参加するべきだ、というプロパガンダなんですよね。
でも、一言もそんな話は出てこない。ラズロが渡米の目的として「彼らに真実を訴えて、立ち上がらせたい」と言うくらいで。なのに、観終わるころには、観客はちゃんと「立ち上がって彼らを助けなきゃ!」と思っていると思うんです。
何もわからずにテレビで観ていた私と、同じように。
私が映画を観たのはもう随分前で、細かいところは全く覚えていない、というのが正直なところ。いかに映画のとおりに良くできているか、という話を熱く語る友人の話を聴きながら、ふむふむ、と肯きながら、思っていたことは。
細かいことは覚えてないけど、とにかく、見終わった後の印象が全く同じだなあ…でした。
違うのは、ラズロが格好良いことくらい(^ ^)、かな。映画のラズロは、端正な二枚目だけど、どちらかというと理論(弁論)家の優男っぽい感じで、蘭トムさんみたいな骨太な格好良さは無かったような気がするんですよね。実際、ラズロのモデルはクーデンホーフ男爵だと言われていて、ってことは貴族なんですよ。レジスタンスの闘士じゃないんです。レジスタンスの闘士だったのは、むしろリックの方、なので。
でも、とにかく、映画のファンの方は、絶対見て損はないと思います!
イルザが「絶世の美女」ではなかったり(でも超絶可愛い)(自分でちゃんと「ご冗談を」って言ってる)、ラズロが理論家じゃなく革命家だったり、リックが二枚目(←贔屓目?)だったり、ルノーが若くて腹芸ができなかったり、、、いろいろ違うんですけどね。
ただ、世界観が非常に近いことに感心します。
モロッコ、という古代からの交通の要衝の、カサブランカという都市。人種の坩堝で、さまざまなところからの道が集まってまた別れていく、街。
同じモロッコを舞台にした「マラケシュー紅の墓標」にあった「砂漠」が、この「カサブランカ」には感じられない。
そこにあるのは、ただ、街と、地下と、空。
人生の在り処と、隠れ潜む闇と、交通路と。
「この世の果て」という名前の乾いた風が、吹きすぎる街。
今回は、映画が原作、ということもあって、比較的視点を固定した演出だったと思います。
一階席からの視線を基本に創っている。
それは、映像を多用するせいもあると思います。
偶然なんでしょうけれども、祐飛さんに宛書していただいた作品は、映画を題材にしたものが多いんですよね。「Hollywood Lover」と「銀ちゃんの恋」は映画撮影のバックグラウンドものだし、「カサブランカ」は映画が原作だし。
で、この三作とも、実にうまく映像を使っているな、と思ったんですよね。
私は舞台至上主義なので、舞台における映像使用はよほど巧いことやらないと感心しないんですが、「Hollywood Lover」の、撮影された映像を流す遣り方といい、「銀ちゃんの恋」の、リアルタイムにビデオを流す演出といい、感心しっぱなしでした。
そして、この「カサブランカ」。
オープニングでの、カサブランカの街の鳥瞰図から始まって、
ラストの空港での飛行機の表現まで、実に実に映画らしくて、本当に素晴らしかった!!
中でも「凄い」と思ったのは、回想シーンへ移るときの走馬灯のような映像。
リックの心の奥に潜っていくような、不思議な錯覚に陥りました。
ただの「安価で転換のカンタンな舞台装置」としてではなく、映像でなければできない表現をするためになら、いくらでも映像を使ってくれて構わない。
そして、この三つの作品における映像の使い方は、たしかに映像でなければできない表現だった、と思うのです。
そして。
一階席からの視線を中心に考えて、創られたセットが、あの「リックの店」の見事なセット。
大セリを真ん中に、下手側に外へのドア、上手側にカジノへのドア。
外へのドアの外にはちゃんと「カフェの外」のセットがあり、カジノのドアの向こう、セリの裏側には、ちゃんとカジノのセットがある。「二階(リックの住居)はセリの上で表現し、盆を回すだけで、カジノとカフェと店の外をスムーズに転換できる。
アイディア自体はそんなに珍しくはないのですが、セットとしての完成度と、真ん中にセリがあるのが宝塚らしいな、と思いました。
「カサブランカ」という作品を楽しみたいなら、この公演は、一階席がお勧めです。
演出家が見せたいものを、彼の意図通りに鑑賞することができるのは一階席なので。
何度も観るなら、二階席も楽しいですけどね。二階からだと、カジノの場面でもセリの裏になったカフェで芝居が続いているのが微かに見えたり、カフェの外に出たあと、カフェのテーブルを皆が必死で片付けているのがよく見えたりするので(^ ^)。
うううう、なんだか全然まとまっていなくてすみません。とりとめ無さすぎ…(T T)。
頭がかなり沸騰しているみたいです。
あ。
……そういえば、忘れてたような気がする(←おい)
すごく今更のような気がしてしまうのですが、
「祐飛さん、すみ花ちゃん、宙組トップコンビお披露目おめでとうございます」
なんだか、そんなこと(←おーーいっ!)はどうでも良くなってしまったくらい、よくできた作品で、いい公演になりそうで、そのことで幸せです。
小池さん。
宙組のために、こんなに素敵な作品を創ってくださって、本当にありがとうございましたm(_ _)m。
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カサブランカの嵐【2】
2009年11月22日 宝塚(宙)花組&花組ファンのみなさま、千秋楽おめでとうございます。
そして、明日から新しい道を歩き出すマメちゃん(日向燦)、紫陽レネちゃん、聖花まいちゃん、嶺乃一真くん、
ご卒業おめでとうございます(; ;)。
千秋楽もパレードも観れなかった私には、実感がぜんぜん湧きませんが。
どうぞ、これからの人生も、お幸せに……。
そして。
嵐のつづく宙組大劇場公演。今日は、妃宮さくらちゃん・琴羽桜子ちゃんの可愛い娘役二人が復帰してくださいました!ああ、嬉しい。お二人の元気な笑顔を見ることができて、幸せです。
まだお休みされているのは、天輝トニカさん、美月悠くん、咲花莉帆さんに、今日からお休みに入った愛白もあちゃんで、合計4人。少しづつ減ってきているので、どうかこのまま納まってくれますように。
妃宮さくらちゃんは、役として大きいのはリックのカフェで、愛花ちさきちゃんと二人で「リックを呼んでちょうだい!」とカール(寿つかさ)に言うところですよね。代役に入っていた花里まなちゃんも巧かったけど、さくらちゃんの権高い感じがすごく良かったです。ちさきちゃんと二人、畳み掛けるようにカールに言うところとか、同期ならではの息の合いよう(?)で、勢いがあってよかったです。
あと、細かいところですがパリの回想シーンでの、ラ・ベル・オーロールの客の役。
これは、実は昨日観たときに、さっつん(風羽玲亜)が、前列中央よりの割と目立つテーブルに一人で座っていたのが印象に残っていたんですよ。なんだか深刻そうな顔をしていて、他のテーブルはだいたい二人づつなのに、どうしてここだけ(しかもすごく目立つ位置のテーブルなのに)一人なんだろう?と思っていたんです。
……今日、謎が解けました。さくらちゃんが休演していて、代役がいなかったんですね。
この混乱の中で、こういうところにまで一々代役を立てるのは無理だったんでしょうね。たしかに、イルザ(すみ花ちゃん)が手紙を受け取って倒れるテーブルのすぐ脇なので、いろいろお仕事もあるみたいで、飛び入りの代役は危険だったのかもしれませんが。
それにしても、本当に謎だったんだよーーーーっ。
ちなみに、この場面のさくらちゃんは、ものすごく美しくて色っぽくて、佳い女でした。ちょっと魔性の女っぽい雰囲気を感じたのは気のせい?(^ ^)
桜子ちゃんは、目立つ場面というほどのものは無かったかな…?リックのカフェにはドイツ兵と一緒にあらわれる、そういう女であるらしい役作りでしたが、これも代役はいなかったような気がします。あの衣装の娘役さん、いなかったと思うんですよね。(いらっしゃったら本当にごめんなさい)
あと、目立っていたのはラ・ベル・オーロールのカンカンかな。あそこは代役がいたのかもしれませんが、意識していなかったので覚えてません(ごめんなさい)(T T)。
ついでに、今日までお休みだった方の代役を。わかる範囲で。
(とにかく本役を見ていないので、プログラムに載っているものだけですみません)
天輝トニカさんの宝石商(花露すみかちゃんに「ダイヤを売る人が多くて値崩れているんです」と言っている。その後も、カジノの片隅でずっと商売している)は、松風輝くん…だったと思うのですが。違っていたらすみません。黒塗りなのでよくわからなかった(滝汗)。
あとは、ラ・ベル・オーロールにいるはずなんですね。……どのテーブルに入るはずだったのでしょうか。
あと、たぶん、フィナーレの最後の白タキシードの場面は、やっぱり安里舞生くんが代役で入っているみたいですね。細くて華奢な人なので、ちょっと衣装に着られちゃってる感がありましたが、一生懸命踊っていました(はぁと)。頭が小さくて、すごくバランスが良い。あの鋭い目がすごく好きなんですよ、私。本当に美形だわ~!!笑うとほわんと可愛らしい印象なのに、どうしてあんなにギャップがあるんだろう…(*^ ^*)。
美月悠くんの亡命者男(天玲美音くんに「キャッシュを持ってこないと船は出ないぜ」と言われている人ですよね?)は、桜木みなとくん。下級生なのにしっかり声ができていて、上手でした。しかーし、頬がふっくらしていて可愛らしい雰囲気で、あまり『苦労している亡命者』には見えなかったかも…(苦笑)
あああ、パレードの歌手はチェックを忘れました!誰が歌っていたんだろう…。たしか人数は合っていたと思うのですが。そして、愛白もあちゃんの代役さんもわからない(涙)。ごめんなさい。
そんなところでしょうか。
作品について全然語っていないなあ、と気づいたりして。
なんだか感動が大きすぎて、まとまらないんですよね(汗)。
……明日には、いろんなことが落ち着くことを祈りつつ。
.
そして、明日から新しい道を歩き出すマメちゃん(日向燦)、紫陽レネちゃん、聖花まいちゃん、嶺乃一真くん、
ご卒業おめでとうございます(; ;)。
千秋楽もパレードも観れなかった私には、実感がぜんぜん湧きませんが。
どうぞ、これからの人生も、お幸せに……。
そして。
嵐のつづく宙組大劇場公演。今日は、妃宮さくらちゃん・琴羽桜子ちゃんの可愛い娘役二人が復帰してくださいました!ああ、嬉しい。お二人の元気な笑顔を見ることができて、幸せです。
まだお休みされているのは、天輝トニカさん、美月悠くん、咲花莉帆さんに、今日からお休みに入った愛白もあちゃんで、合計4人。少しづつ減ってきているので、どうかこのまま納まってくれますように。
妃宮さくらちゃんは、役として大きいのはリックのカフェで、愛花ちさきちゃんと二人で「リックを呼んでちょうだい!」とカール(寿つかさ)に言うところですよね。代役に入っていた花里まなちゃんも巧かったけど、さくらちゃんの権高い感じがすごく良かったです。ちさきちゃんと二人、畳み掛けるようにカールに言うところとか、同期ならではの息の合いよう(?)で、勢いがあってよかったです。
あと、細かいところですがパリの回想シーンでの、ラ・ベル・オーロールの客の役。
これは、実は昨日観たときに、さっつん(風羽玲亜)が、前列中央よりの割と目立つテーブルに一人で座っていたのが印象に残っていたんですよ。なんだか深刻そうな顔をしていて、他のテーブルはだいたい二人づつなのに、どうしてここだけ(しかもすごく目立つ位置のテーブルなのに)一人なんだろう?と思っていたんです。
……今日、謎が解けました。さくらちゃんが休演していて、代役がいなかったんですね。
この混乱の中で、こういうところにまで一々代役を立てるのは無理だったんでしょうね。たしかに、イルザ(すみ花ちゃん)が手紙を受け取って倒れるテーブルのすぐ脇なので、いろいろお仕事もあるみたいで、飛び入りの代役は危険だったのかもしれませんが。
それにしても、本当に謎だったんだよーーーーっ。
ちなみに、この場面のさくらちゃんは、ものすごく美しくて色っぽくて、佳い女でした。ちょっと魔性の女っぽい雰囲気を感じたのは気のせい?(^ ^)
桜子ちゃんは、目立つ場面というほどのものは無かったかな…?リックのカフェにはドイツ兵と一緒にあらわれる、そういう女であるらしい役作りでしたが、これも代役はいなかったような気がします。あの衣装の娘役さん、いなかったと思うんですよね。(いらっしゃったら本当にごめんなさい)
あと、目立っていたのはラ・ベル・オーロールのカンカンかな。あそこは代役がいたのかもしれませんが、意識していなかったので覚えてません(ごめんなさい)(T T)。
ついでに、今日までお休みだった方の代役を。わかる範囲で。
(とにかく本役を見ていないので、プログラムに載っているものだけですみません)
天輝トニカさんの宝石商(花露すみかちゃんに「ダイヤを売る人が多くて値崩れているんです」と言っている。その後も、カジノの片隅でずっと商売している)は、松風輝くん…だったと思うのですが。違っていたらすみません。黒塗りなのでよくわからなかった(滝汗)。
あとは、ラ・ベル・オーロールにいるはずなんですね。……どのテーブルに入るはずだったのでしょうか。
あと、たぶん、フィナーレの最後の白タキシードの場面は、やっぱり安里舞生くんが代役で入っているみたいですね。細くて華奢な人なので、ちょっと衣装に着られちゃってる感がありましたが、一生懸命踊っていました(はぁと)。頭が小さくて、すごくバランスが良い。あの鋭い目がすごく好きなんですよ、私。本当に美形だわ~!!笑うとほわんと可愛らしい印象なのに、どうしてあんなにギャップがあるんだろう…(*^ ^*)。
美月悠くんの亡命者男(天玲美音くんに「キャッシュを持ってこないと船は出ないぜ」と言われている人ですよね?)は、桜木みなとくん。下級生なのにしっかり声ができていて、上手でした。しかーし、頬がふっくらしていて可愛らしい雰囲気で、あまり『苦労している亡命者』には見えなかったかも…(苦笑)
あああ、パレードの歌手はチェックを忘れました!誰が歌っていたんだろう…。たしか人数は合っていたと思うのですが。そして、愛白もあちゃんの代役さんもわからない(涙)。ごめんなさい。
そんなところでしょうか。
作品について全然語っていないなあ、と気づいたりして。
なんだか感動が大きすぎて、まとまらないんですよね(汗)。
……明日には、いろんなことが落ち着くことを祈りつつ。
.
宝塚宙組大劇場公演「カサブランカ」。
初日が無事あいたのも束の間、嵐の真っ只中にいる宙組ですが。
今日(21日)から、まさこちゃん(十輝いりす)、美影凜さん、百千糸ちゃん、星月梨旺さん、輝海せいやさんが復帰されました。
まだ休んでいらっしゃるのは、妃宮さくらちゃん、琴羽桜子ちゃん、天輝トニカさん、美月悠さん、咲花莉帆ちゃんの5人。
早く元気になってね(T_T)
まさこちゃんのカーティスとセザール、どちらもさすがでした。渋くて俗物の観光客と、リックの過去を象徴するセザール。ちーちゃんも良かったけど、本役さんはさすが!としか言いようがない感じ。
同様に、ちーちゃんのエミールは、それこそ「さすが」という感じでした。エミールがこういう人間だというだけでなく、対するリックの性格までしっかり教えてくれる自然なお芝居。本当に温みのある、優しい演技をする人ですよね。
カッセルのあっきーも、台詞の間などさすがでした。ただ、さっつんはカッセルだけを演じていたわけではなく、自分の役と二人分やっていたんですね!(@_@)昨日、「ああ、さっつん巧いなあ」と思った箇所は、どこも今日もやっていて、普通に本役さんでした(^_^;
代役さんは皆さん今日も頑張ってました!安里舞生くんがロケットにいなくて、フィナーレの若手群舞に入っていたのに驚いたのですが、あれは本役なんですね。でも、昨日はその後の白タキシードの場面にもいたと思うのですが、あれは誰かの代役なのかなあ?
卒業がとても残念ですが、最後にいろいろ頑張ってほしいです。舞台を楽しんでね。
明日は全員が完全快復してくださることを祈りつつ。
初日が無事あいたのも束の間、嵐の真っ只中にいる宙組ですが。
今日(21日)から、まさこちゃん(十輝いりす)、美影凜さん、百千糸ちゃん、星月梨旺さん、輝海せいやさんが復帰されました。
まだ休んでいらっしゃるのは、妃宮さくらちゃん、琴羽桜子ちゃん、天輝トニカさん、美月悠さん、咲花莉帆ちゃんの5人。
早く元気になってね(T_T)
まさこちゃんのカーティスとセザール、どちらもさすがでした。渋くて俗物の観光客と、リックの過去を象徴するセザール。ちーちゃんも良かったけど、本役さんはさすが!としか言いようがない感じ。
同様に、ちーちゃんのエミールは、それこそ「さすが」という感じでした。エミールがこういう人間だというだけでなく、対するリックの性格までしっかり教えてくれる自然なお芝居。本当に温みのある、優しい演技をする人ですよね。
カッセルのあっきーも、台詞の間などさすがでした。ただ、さっつんはカッセルだけを演じていたわけではなく、自分の役と二人分やっていたんですね!(@_@)昨日、「ああ、さっつん巧いなあ」と思った箇所は、どこも今日もやっていて、普通に本役さんでした(^_^;
代役さんは皆さん今日も頑張ってました!安里舞生くんがロケットにいなくて、フィナーレの若手群舞に入っていたのに驚いたのですが、あれは本役なんですね。でも、昨日はその後の白タキシードの場面にもいたと思うのですが、あれは誰かの代役なのかなあ?
卒業がとても残念ですが、最後にいろいろ頑張ってほしいです。舞台を楽しんでね。
明日は全員が完全快復してくださることを祈りつつ。
「カサブランカ」MY初日
2009年11月20日 宝塚(宙)宙組大劇場公演「カサブランカ」を観劇いたしました。
素晴らしかった!
なんだか、初日があいて以来の評判があまりに良すぎて、逆に不安になり始めていた(期待値のハードルを上げすぎているのでは?と)のですが。
大丈夫でしたo(^-^)o
祐飛さんがかっこいい。
すみ花ちゃんが可愛い。
そんなの良いんです。ファンなんだから当たり前。
一番嬉しかったのは、蘭トムさんのラズロが腰が抜けるほど格好良かったこと(はぁと)。
ラズロが格好良くないと、リックの最後の決断も全然格好良くなくなってしまうので、すごく嬉しかったです。
もぉ、二幕はすっごいラズロさんにメロメロで、かなり大変でした私(^_^;。
「Never sleep」以来、蘭トムくんが時折見せる優しさと包容力にすっかりやられていた私ですが。いや〜、今回は(も?)本当に素敵でした♪
残念ながら、今日が初日だった猫は、フルメンバーの公演を観ることはできるのか…という感じで。
なにぶんにも本役を観ていないのに安易なことは書けませんが、カーティス/セザールのちーちゃん(蓮水ゆうや)も、エミールのあっきー(澄輝さやと)も、カッセルのさっつん(風羽玲亜)も、他も全員、違和感なく、誰が代役なのか知らなかったら絶対わからないだろう、と思いました。あっきーに台詞を頑張って貰わないといけないのは元々だしね(^_^;。 っていうか、さっつんが上手すぎて格好良すぎて、代役なことを忘れて普通に感心してしまった(-"-;)すみません。
逆に、カフェで最初に歌うモンチ(星吹彩翔)のソロフレーズとか、てっきり誰かの代役だ思って「良いもん聴けた♪」とほくほくしていたら本役だったり。バザールで歌う娘役さんたちも、誰が本役で誰が代役なのやら(T T)。通し役でなくても、代役を全員入れた「本日のキャスト」を、劇場の掲示板だけでいいから出してほしいです↓↓
大変な状況の中、舞踊会もあってさぞ大変なんだろうな、と思うのですが、宙組全員が火の玉のように熱く燃えていて、作品自体が名作と言っていい「カサブランカ」を、更に盛り上げていたように思います。
惜しくも休演されてしまった全員の、1日も早い完全快復を祈り、そして、今度こそ病魔が消え去ることを、心から祈っています。
…舞踊会も観劇しましたが、そちらについては、また後日。
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素晴らしかった!
なんだか、初日があいて以来の評判があまりに良すぎて、逆に不安になり始めていた(期待値のハードルを上げすぎているのでは?と)のですが。
大丈夫でしたo(^-^)o
祐飛さんがかっこいい。
すみ花ちゃんが可愛い。
そんなの良いんです。ファンなんだから当たり前。
一番嬉しかったのは、蘭トムさんのラズロが腰が抜けるほど格好良かったこと(はぁと)。
ラズロが格好良くないと、リックの最後の決断も全然格好良くなくなってしまうので、すごく嬉しかったです。
もぉ、二幕はすっごいラズロさんにメロメロで、かなり大変でした私(^_^;。
「Never sleep」以来、蘭トムくんが時折見せる優しさと包容力にすっかりやられていた私ですが。いや〜、今回は(も?)本当に素敵でした♪
残念ながら、今日が初日だった猫は、フルメンバーの公演を観ることはできるのか…という感じで。
なにぶんにも本役を観ていないのに安易なことは書けませんが、カーティス/セザールのちーちゃん(蓮水ゆうや)も、エミールのあっきー(澄輝さやと)も、カッセルのさっつん(風羽玲亜)も、他も全員、違和感なく、誰が代役なのか知らなかったら絶対わからないだろう、と思いました。あっきーに台詞を頑張って貰わないといけないのは元々だしね(^_^;。 っていうか、さっつんが上手すぎて格好良すぎて、代役なことを忘れて普通に感心してしまった(-"-;)すみません。
逆に、カフェで最初に歌うモンチ(星吹彩翔)のソロフレーズとか、てっきり誰かの代役だ思って「良いもん聴けた♪」とほくほくしていたら本役だったり。バザールで歌う娘役さんたちも、誰が本役で誰が代役なのやら(T T)。通し役でなくても、代役を全員入れた「本日のキャスト」を、劇場の掲示板だけでいいから出してほしいです↓↓
大変な状況の中、舞踊会もあってさぞ大変なんだろうな、と思うのですが、宙組全員が火の玉のように熱く燃えていて、作品自体が名作と言っていい「カサブランカ」を、更に盛り上げていたように思います。
惜しくも休演されてしまった全員の、1日も早い完全快復を祈り、そして、今度こそ病魔が消え去ることを、心から祈っています。
…舞踊会も観劇しましたが、そちらについては、また後日。
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「カサブランカ」初日
2009年11月13日 宝塚(宙)
13日の金曜日も無事に終わり、大空祐飛さんと野々すみ花さんの宙組トップコンビお披露目公演も、良い感じで終了したようです。
いかんせん観ていないもんで何を書けばいいのかよくわからないんですが(^ ^;ゞ
でも、何かを叫ばずにはいられない気持ち。
初日に駆けつけた宙組ファンのみなさま、大変お疲れさまでしたm(_ _)m。
寒い一日だったようですが、しっかり温まって、これからの一ヶ月と東宝の一ヶ月、どうぞよろしくお願いいたします。
友人がプログラムの写真を送ってくれましたので、こっそり(?)アップしてみたりしました。
いや~~~、祐飛さん、なかなかオトコマエですね(*^ ^*)。
舞台写真、早く出ないかなー。蘭トムさんとのツーショット写真も欲しい♪(←気が早すぎ)
なにはともあれ。
何事もなく、無事に初日の幕があいたことが、とても嬉しいです。
出演者全員が、元気に12月11日の千秋楽を迎えられますように!(はぁと)
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いかんせん観ていないもんで何を書けばいいのかよくわからないんですが(^ ^;ゞ
でも、何かを叫ばずにはいられない気持ち。
初日に駆けつけた宙組ファンのみなさま、大変お疲れさまでしたm(_ _)m。
寒い一日だったようですが、しっかり温まって、これからの一ヶ月と東宝の一ヶ月、どうぞよろしくお願いいたします。
友人がプログラムの写真を送ってくれましたので、こっそり(?)アップしてみたりしました。
いや~~~、祐飛さん、なかなかオトコマエですね(*^ ^*)。
舞台写真、早く出ないかなー。蘭トムさんとのツーショット写真も欲しい♪(←気が早すぎ)
なにはともあれ。
何事もなく、無事に初日の幕があいたことが、とても嬉しいです。
出演者全員が、元気に12月11日の千秋楽を迎えられますように!(はぁと)
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おめでとうございます
2009年11月13日 宝塚(宙)曇天の東京から、
遠い西の空の下へ。
宝塚歌劇団宙組ならびに関係者のみなさま。
大劇場公演初日、おめでとうございますm(_ _)m
つい先ほど会議が終わりまして。席に戻ったら、友人から「安心していいよ」という、非常に嬉しいメールが届いてました!!!
おおお。稽古場みてかなりテンション上がってはいたのですが、もしかして期待しちゃっても良いのかしら!?
そろそろ二幕が始まりますね。
ああ、ドキドキする……
。
遠い西の空の下へ。
宝塚歌劇団宙組ならびに関係者のみなさま。
大劇場公演初日、おめでとうございますm(_ _)m
つい先ほど会議が終わりまして。席に戻ったら、友人から「安心していいよ」という、非常に嬉しいメールが届いてました!!!
おおお。稽古場みてかなりテンション上がってはいたのですが、もしかして期待しちゃっても良いのかしら!?
そろそろ二幕が始まりますね。
ああ、ドキドキする……
。
月から、宙へ【CS】
2009年11月12日 宝塚(宙) コメント (2)いよいよ明日は『カサブランカ』の初日。
もう今夜から行っている方も多いんでしょうねぇ……。
みなさまにとって、そして、出演する全員にとって、素敵な一日になりますように。
で。
やっとCSニュースを見ました。
思わず朝から正座して視てしまった(^ ^)
まずは、月組。
サヨナラショーの「Apasshionado!」、中詰めの蘭と蜜蜂のダンスが、違う意味で懐かしかった(^ ^)。きりやんの衣装が袖なしになっていたのは、博多の時にすみ花ちゃん用に縮めちゃったから…なのでしょうか?(^ ^)
もえちゃん、
しずくちゃん、
りこちゃん、
あいちゃん、
おときち、
あひちゃん、
麻子さん、
みんな良い笑顔で、可愛くて、幸せそうで。
今まで長いこと、ずっと見守ってきた人たちの、聞きなれた声が胸に切なく響きます。
……私にとっての、彼らの卒業公演は、まだ始まってさえいないのに。
麻子さんに捧げる紅い薔薇の花束を持って現れた祐飛さん。
つい二年前までは、同じ舞台に立っていたひと。見慣れた風景のようで、観たことのない風景。服のせいもあって、まるでOGのように見えました。いや、実際月組的にはOG(?)なんですが。
顔を合わせて微笑いあう、同期生。
卒業していく麻子さんと、お披露目直前の祐飛さん。
2年前まで同じ舞台に並んでいたはずの、お二人。
袖からあらわれて、ご挨拶して、センターに歩み寄って。また袖に向かい、軽くお辞儀をして去っていくその姿を、じっと見守る月組っ子の視線。
見送る麻子さんの表情が、なんともいえず深いです(; ;)。
カーテンコール。
並んでジャンプして、崩れるように笑いあうあいちゃんとしずくちゃん。
可愛いなあ。可愛いなあ。女優なのに、少女な二人。初舞台から応援しつづけてきたしずくちゃん、麗しの「アメリカの夢」ローズ・ラ・ムーア。たくさんの夢を、本当にありがとう。
あひちゃんも、おときちも、りこちゃんも、もえちゃんも、本当に幸せそうに、輝いて。
86本、という薔薇の数(組子の人数)をアピールするナホちゃんは、とっても素直だ。
麻子さんに「何泣いてるの」と突っ込まれて「泣いてません」と否定するナホちゃん。
そして、すぐ隣でナホちゃんを見上げながら、力強く頷いているしずくちゃんが死ぬほど可愛いです。
……なんだか、「Hollywood Lover」の千秋楽に引き続き、ナホちゃんに泣かされました(汗)。
そういえば、パレードで紅い薔薇をファンに配っていらした方もいらっしゃったなあ……と思っていたら、パレードの最後、車の中(?)に薔薇の花が映ってましたね。組子に配ったんだとばかり思っていましたわ(^ ^;ゞ
俺様でショースターなトップさん。月組はまた来年から、ガラッと雰囲気が変わりそうですね。
それにしても。
……決まり文句なんでしょうけど、大空祐飛さんは「駆けつけた」ワケじゃなくて、すぐお隣でお稽古中だった……んじゃないのか?>ナホちゃん。
そして、宙組お稽古風景。
最初の祐飛さんのソロは、王道どおりにラストシーンの後、なんでしょうか。歌詞が聞き取れないのでよくわからないけど、トレンチは似合ってるなあ。良かった、丸くなってなくて。
続く「ビザを、ビザを!」という場面がすごく格好良さそう。あああ、目移りしそうだわ……。
ともちんのナチス将校、似合うなあ~~。
みっちゃんは、別に胴布団までつけなくても、そのくらいで大丈夫だよ♪
ウガーテたまちゃんがめっちゃいいなあ。出番が短くて残念だ。
「世界中の酒場の中で、なぜこの店に来たんだ……っ!!」と呻く場面にヤラレました。苦悩する祐飛さん、好きすぎる。
リックのソロ(?)の後の、ラズロセンターのレジスタンスの場面が素晴らしい。カメラを通してさえ、空気の色が変わっていくのが感じられます。リックの場面では一点集中して、ラズロの場面では世界そのものの色を変えようとする。こんな場面が交互にきたら、観ている観客はジェットコースターに乗せられた気分でしょうねぇ(*^ ^*)。
……いや、実際の舞台は、もう少し間にいろんな芝居が入るんだろうと思いますが(汗)。
祐飛さんと蘭トムさんの並びに、ちょっと心が震えました。
基本的には本心を見せないリックという役を自然に見せる祐飛さん、
世界を動かすカリスマとして、物語を引っ張っていくラズロ役の蘭トムさん。
二人が会話をしている場面の緊張感が、すごくいい。
イルザを愛し、彼女の幸せだけを願っている二人の男。
自身の人生の辛さを知り抜いて、彼女の幸せは自分の傍らにはないと思っているから、互いに相手こそがイルザを幸せにしてくれるだろうと信じている、そんな本能的な信頼と、すれ違い。
わずかな映像なのに、そんな葛藤が透けて見えたのが凄いな、と。
あああ、早く生身のお二人が芝居をしているところを観たいです~~~!!(^ ^)
そして。
銃を構えたすみ花ちゃんの表情が見たい!!!スカステのイケズ!!
まさか小池さん、この場面のイルザは客席に背を向けている………なんて言わないよね!?
座談会を読んで思った以上に、映画の設定や台詞が踏襲されているような気がしました。宝塚版を観劇したら、映画のビデオ探してみようっと(*^ ^*)。
なにはともあれ。
祐飛さん、すみ花ちゃん、そして宙組のみなさま、萬さん、磯野さん、そして小池さんをはじめとする、スタッフのみなさま。
いよいよ初日ですね。13日の金曜日、お天気も残念ながらあまりよくないようですが(T T)、
麻子さんが去った大劇場のセンターに、今度は祐飛さんが立つ。
本当に、人生と言うのは何が起こるかわからないものですね。
関係のある皆様全員が、明日という一日を、楽しんでくださいますように。
……あーあ。
私も行きたかったなーーーーー。
.
もう今夜から行っている方も多いんでしょうねぇ……。
みなさまにとって、そして、出演する全員にとって、素敵な一日になりますように。
で。
やっとCSニュースを見ました。
思わず朝から正座して視てしまった(^ ^)
まずは、月組。
サヨナラショーの「Apasshionado!」、中詰めの蘭と蜜蜂のダンスが、違う意味で懐かしかった(^ ^)。きりやんの衣装が袖なしになっていたのは、博多の時にすみ花ちゃん用に縮めちゃったから…なのでしょうか?(^ ^)
もえちゃん、
しずくちゃん、
りこちゃん、
あいちゃん、
おときち、
あひちゃん、
麻子さん、
みんな良い笑顔で、可愛くて、幸せそうで。
今まで長いこと、ずっと見守ってきた人たちの、聞きなれた声が胸に切なく響きます。
……私にとっての、彼らの卒業公演は、まだ始まってさえいないのに。
麻子さんに捧げる紅い薔薇の花束を持って現れた祐飛さん。
つい二年前までは、同じ舞台に立っていたひと。見慣れた風景のようで、観たことのない風景。服のせいもあって、まるでOGのように見えました。いや、実際月組的にはOG(?)なんですが。
顔を合わせて微笑いあう、同期生。
卒業していく麻子さんと、お披露目直前の祐飛さん。
2年前まで同じ舞台に並んでいたはずの、お二人。
袖からあらわれて、ご挨拶して、センターに歩み寄って。また袖に向かい、軽くお辞儀をして去っていくその姿を、じっと見守る月組っ子の視線。
見送る麻子さんの表情が、なんともいえず深いです(; ;)。
カーテンコール。
並んでジャンプして、崩れるように笑いあうあいちゃんとしずくちゃん。
可愛いなあ。可愛いなあ。女優なのに、少女な二人。初舞台から応援しつづけてきたしずくちゃん、麗しの「アメリカの夢」ローズ・ラ・ムーア。たくさんの夢を、本当にありがとう。
あひちゃんも、おときちも、りこちゃんも、もえちゃんも、本当に幸せそうに、輝いて。
86本、という薔薇の数(組子の人数)をアピールするナホちゃんは、とっても素直だ。
麻子さんに「何泣いてるの」と突っ込まれて「泣いてません」と否定するナホちゃん。
そして、すぐ隣でナホちゃんを見上げながら、力強く頷いているしずくちゃんが死ぬほど可愛いです。
……なんだか、「Hollywood Lover」の千秋楽に引き続き、ナホちゃんに泣かされました(汗)。
そういえば、パレードで紅い薔薇をファンに配っていらした方もいらっしゃったなあ……と思っていたら、パレードの最後、車の中(?)に薔薇の花が映ってましたね。組子に配ったんだとばかり思っていましたわ(^ ^;ゞ
俺様でショースターなトップさん。月組はまた来年から、ガラッと雰囲気が変わりそうですね。
それにしても。
……決まり文句なんでしょうけど、大空祐飛さんは「駆けつけた」ワケじゃなくて、すぐお隣でお稽古中だった……んじゃないのか?>ナホちゃん。
そして、宙組お稽古風景。
最初の祐飛さんのソロは、王道どおりにラストシーンの後、なんでしょうか。歌詞が聞き取れないのでよくわからないけど、トレンチは似合ってるなあ。良かった、丸くなってなくて。
続く「ビザを、ビザを!」という場面がすごく格好良さそう。あああ、目移りしそうだわ……。
ともちんのナチス将校、似合うなあ~~。
みっちゃんは、別に胴布団までつけなくても、そのくらいで大丈夫だよ♪
ウガーテたまちゃんがめっちゃいいなあ。出番が短くて残念だ。
「世界中の酒場の中で、なぜこの店に来たんだ……っ!!」と呻く場面にヤラレました。苦悩する祐飛さん、好きすぎる。
リックのソロ(?)の後の、ラズロセンターのレジスタンスの場面が素晴らしい。カメラを通してさえ、空気の色が変わっていくのが感じられます。リックの場面では一点集中して、ラズロの場面では世界そのものの色を変えようとする。こんな場面が交互にきたら、観ている観客はジェットコースターに乗せられた気分でしょうねぇ(*^ ^*)。
……いや、実際の舞台は、もう少し間にいろんな芝居が入るんだろうと思いますが(汗)。
祐飛さんと蘭トムさんの並びに、ちょっと心が震えました。
基本的には本心を見せないリックという役を自然に見せる祐飛さん、
世界を動かすカリスマとして、物語を引っ張っていくラズロ役の蘭トムさん。
二人が会話をしている場面の緊張感が、すごくいい。
イルザを愛し、彼女の幸せだけを願っている二人の男。
自身の人生の辛さを知り抜いて、彼女の幸せは自分の傍らにはないと思っているから、互いに相手こそがイルザを幸せにしてくれるだろうと信じている、そんな本能的な信頼と、すれ違い。
わずかな映像なのに、そんな葛藤が透けて見えたのが凄いな、と。
あああ、早く生身のお二人が芝居をしているところを観たいです~~~!!(^ ^)
そして。
銃を構えたすみ花ちゃんの表情が見たい!!!スカステのイケズ!!
まさか小池さん、この場面のイルザは客席に背を向けている………なんて言わないよね!?
座談会を読んで思った以上に、映画の設定や台詞が踏襲されているような気がしました。宝塚版を観劇したら、映画のビデオ探してみようっと(*^ ^*)。
なにはともあれ。
祐飛さん、すみ花ちゃん、そして宙組のみなさま、萬さん、磯野さん、そして小池さんをはじめとする、スタッフのみなさま。
いよいよ初日ですね。13日の金曜日、お天気も残念ながらあまりよくないようですが(T T)、
麻子さんが去った大劇場のセンターに、今度は祐飛さんが立つ。
本当に、人生と言うのは何が起こるかわからないものですね。
関係のある皆様全員が、明日という一日を、楽しんでくださいますように。
……あーあ。
私も行きたかったなーーーーー。
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月組大劇場公演 千秋楽おめでとうございます。
ふぁーびーたちの復帰が間に合ったのは何よりでした。もりえちゃんも、全部じゃないにしても出演できる状態でよかった良かった。
サヨナラショーで、あいちゃんは「美しい朝」(オクラホマ!)を、しずくちゃんは「顎で受け止めて」(ME AND MY GIRL)を歌ってくれたそうですね。どっちも大好きな曲で嬉しいなあ★あいちゃんのローリーも、しずくちゃんのサリーも、滅茶苦茶可愛かった(*^ ^*)……こんな形で二人が卒業していくとは、あの頃は思わなかったなあ……。
あひちゃんのDSの主題歌(グリッター)も凄く良い曲だったし、皆思い出深い公演から曲を選ぶんでしょうねぇ。おときち&りこちゃん(麻月)の「ME AND MY GIRL」は予想外だったけど、考えてみたらりこちゃんは博多で歌ってましたっけね(^ ^)。CSで流れますように!
麻子さん、あひちゃん、おときち、あいちゃん、りこちゃん、しずく、もえちゃん、
大劇場ご卒業おめでとうございます&東宝でお待ちしております(^ ^)
……さて。
月組公演が千秋楽を迎えた、ということは、
宙組公演「カサブランカ」初日まで、あと、4日、ってことなんですよね……。
やっと「歌劇」を買ったので、座談会の話でも書こうかと思ったのですが。
その前に、ひとつ叫んでいいですか?
本日、新人公演キャストの残りがだいたい発表されましたが。
鳳樹いちくん、ルノー警部おめでとうございます!!
あああ、嬉しいな。いちくんのお芝居がすっごく好きなので、映画のキーパーソンをどう演じてくれるのか、超楽しみです♪ みっちゃん(北翔海莉)とはまた違う芝居をしてくれそうですよねえ(^ ^)。がんばれー♪
とりあえず、雅桜歌ちゃんと妃宮さくらちゃんという89期の『可愛い』二人が夫婦役、っていうのも、個人的にはかなりツボなんですが(*^ ^*)。
サム(萬あきら)に月映樹茉さん、フェラーリ(磯野千尋)にさっつん(風羽玲亜)というのもなかなか面白い配役ですね。みーちゃん(春風弥里)が卒業しても、やっぱり宙組は専科さんの役がポイントなんですね★映画と、そんなに役の重みが違うわけではないのでしょうか。いい役にはいい役者が来ていそうな気がします♪いやー、チケット取れますように!!
しっかし、エミール(蓮水ゆうや)役の安里舞生くんって……楽しみにしてもいいんでしょうか。あああ、勿体無い……せっかく良い役がついたのに、卒業しちゃうんじゃ喜べないじゃん……(T T)
さて。「カサブランカ」座談会。
まず、「歌劇」の該当ページを開いて、あまりの人数の多さにびっくり(@ @)。総勢14名って、いくら一本モノとはいえ、多くないですか?
そして。
小池さん「私はてっきり来年の春の公演だと思っていたのですが」
……って。それってつまり、祐飛さんの二作目だと思っていたってことですか?それとも、違う組で上演する予定だったってこと??……ドキドキ。
いや、そんなことは置いておいて。
今回の座談会は、小池さんの方から「あなた(の役)から見た○○は?」みたいな質問を投げているのがすごく面白かったです。お芝居の稽古の一環としてそういう会話はいつもしていらっしゃるのでしょうけれども、こういう場でそういう話をしていることって珍しいような気がするので。
小池さんとの会話の中で一人一人の国籍からキャラクター、モロッコに来た理由まで語っていて、それぞれコメントが長くて濃いんですよね。早く舞台を観て、もう一度読み直したいです。
それだけ、「カサブランカ」という映画そのものが良く練られた物語なんでしょうね。
ただ、その分、出演者同士の会話みたいなのがあまり無いのが残念ではあるのですが、それはナウオン待ち……かな?
まさこちゃん(十輝いりす)のセザールがえらく面白そうな役で、すごくたのしみになりました。っていうか、この役が新公には無いってことは、リックの過去の場面はカットされちゃうのかな…?
ナウオンでは是非、祐飛さんの「(結婚するなら)私はルノーがいい」発言について詳しく語っていただきたいです(^ ^)。なんていうのか、「女性目線だと、ラズロは理想的だけど完璧すぎる」っていうのは正しい感性のような気がするんですよね。だからこそイルザは迷うんだろうな、と思えるから。
宝塚的に考えると、一番のヒーローはラズロで、だからイルザがラズロを選ぶのは当たり前になっちゃいそうなんですよね。だけど、「カサブランカ」っていうのはそういう話じゃないと思うんです。私も随分昔に視たっきりなので細かいところは覚えていないのですが(汗)、イルザは、一度はリックを選ぼうとしますよね。それは、イルザが自分でいられるのはリックの傍らだけだから、だと思ったんです。でも、彼女は迷う。で、「どちらを選んでも後悔はするだろうから、しなければならない方を選ぶ」んですよね。そうすれば、するべきことから逃げなかった分だけ、後悔も軽くてすむから。
ルノー警部のところで磯野さんがコメントしていらっしゃいますが、ルノー警部に限らず、原作映画の登場人物は皆「話していること」と「頭の中で考えていること」が違う人ばかりなんですよね。
大事なことは言葉では語られない。名優たちは、皆さん目で語っていらっしゃるから。
宝塚の舞台には嘘を吐く登場人物ってあまり出てこないし、特に、小池作品の台詞はストレートに解りやすいものが多いので、、、どうなるのかなあ?と思っていたのですが。
座談会の話を読んだかぎりでは、予想以上に映画の設定を踏襲しているみたいですね(*^ ^*)。おお、意外と小池さんにとってもハードルの高い作品なんじゃないだろうか?
でも、なんといっても主演コンビがあの二人、嘘も毒も散々吐きまくっていた「銀ちゃんの恋」のコンビなので、、、、安心して裏表のある人物を造形させられる……んじゃないかな?(^ ^)
ほほほ♪ ますます楽しみになってきました♪♪ 小池さん、最後まで気を抜かずに、しっかりご指導くださいますよう、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m。
そして。
……みんなみんな、インフルエンザにも普通の風邪にも、もちろん怪我やらなにやらにも、十分にお気をつけてくださいね。
一人の休演者もなく楽を迎えられることを祈りつつ。
.
ふぁーびーたちの復帰が間に合ったのは何よりでした。もりえちゃんも、全部じゃないにしても出演できる状態でよかった良かった。
サヨナラショーで、あいちゃんは「美しい朝」(オクラホマ!)を、しずくちゃんは「顎で受け止めて」(ME AND MY GIRL)を歌ってくれたそうですね。どっちも大好きな曲で嬉しいなあ★あいちゃんのローリーも、しずくちゃんのサリーも、滅茶苦茶可愛かった(*^ ^*)……こんな形で二人が卒業していくとは、あの頃は思わなかったなあ……。
あひちゃんのDSの主題歌(グリッター)も凄く良い曲だったし、皆思い出深い公演から曲を選ぶんでしょうねぇ。おときち&りこちゃん(麻月)の「ME AND MY GIRL」は予想外だったけど、考えてみたらりこちゃんは博多で歌ってましたっけね(^ ^)。CSで流れますように!
麻子さん、あひちゃん、おときち、あいちゃん、りこちゃん、しずく、もえちゃん、
大劇場ご卒業おめでとうございます&東宝でお待ちしております(^ ^)
……さて。
月組公演が千秋楽を迎えた、ということは、
宙組公演「カサブランカ」初日まで、あと、4日、ってことなんですよね……。
やっと「歌劇」を買ったので、座談会の話でも書こうかと思ったのですが。
その前に、ひとつ叫んでいいですか?
本日、新人公演キャストの残りがだいたい発表されましたが。
鳳樹いちくん、ルノー警部おめでとうございます!!
あああ、嬉しいな。いちくんのお芝居がすっごく好きなので、映画のキーパーソンをどう演じてくれるのか、超楽しみです♪ みっちゃん(北翔海莉)とはまた違う芝居をしてくれそうですよねえ(^ ^)。がんばれー♪
とりあえず、雅桜歌ちゃんと妃宮さくらちゃんという89期の『可愛い』二人が夫婦役、っていうのも、個人的にはかなりツボなんですが(*^ ^*)。
サム(萬あきら)に月映樹茉さん、フェラーリ(磯野千尋)にさっつん(風羽玲亜)というのもなかなか面白い配役ですね。みーちゃん(春風弥里)が卒業しても、やっぱり宙組は専科さんの役がポイントなんですね★映画と、そんなに役の重みが違うわけではないのでしょうか。いい役にはいい役者が来ていそうな気がします♪いやー、チケット取れますように!!
しっかし、エミール(蓮水ゆうや)役の安里舞生くんって……楽しみにしてもいいんでしょうか。あああ、勿体無い……せっかく良い役がついたのに、卒業しちゃうんじゃ喜べないじゃん……(T T)
さて。「カサブランカ」座談会。
まず、「歌劇」の該当ページを開いて、あまりの人数の多さにびっくり(@ @)。総勢14名って、いくら一本モノとはいえ、多くないですか?
そして。
小池さん「私はてっきり来年の春の公演だと思っていたのですが」
……って。それってつまり、祐飛さんの二作目だと思っていたってことですか?それとも、違う組で上演する予定だったってこと??……ドキドキ。
いや、そんなことは置いておいて。
今回の座談会は、小池さんの方から「あなた(の役)から見た○○は?」みたいな質問を投げているのがすごく面白かったです。お芝居の稽古の一環としてそういう会話はいつもしていらっしゃるのでしょうけれども、こういう場でそういう話をしていることって珍しいような気がするので。
小池さんとの会話の中で一人一人の国籍からキャラクター、モロッコに来た理由まで語っていて、それぞれコメントが長くて濃いんですよね。早く舞台を観て、もう一度読み直したいです。
それだけ、「カサブランカ」という映画そのものが良く練られた物語なんでしょうね。
ただ、その分、出演者同士の会話みたいなのがあまり無いのが残念ではあるのですが、それはナウオン待ち……かな?
まさこちゃん(十輝いりす)のセザールがえらく面白そうな役で、すごくたのしみになりました。っていうか、この役が新公には無いってことは、リックの過去の場面はカットされちゃうのかな…?
ナウオンでは是非、祐飛さんの「(結婚するなら)私はルノーがいい」発言について詳しく語っていただきたいです(^ ^)。なんていうのか、「女性目線だと、ラズロは理想的だけど完璧すぎる」っていうのは正しい感性のような気がするんですよね。だからこそイルザは迷うんだろうな、と思えるから。
宝塚的に考えると、一番のヒーローはラズロで、だからイルザがラズロを選ぶのは当たり前になっちゃいそうなんですよね。だけど、「カサブランカ」っていうのはそういう話じゃないと思うんです。私も随分昔に視たっきりなので細かいところは覚えていないのですが(汗)、イルザは、一度はリックを選ぼうとしますよね。それは、イルザが自分でいられるのはリックの傍らだけだから、だと思ったんです。でも、彼女は迷う。で、「どちらを選んでも後悔はするだろうから、しなければならない方を選ぶ」んですよね。そうすれば、するべきことから逃げなかった分だけ、後悔も軽くてすむから。
ルノー警部のところで磯野さんがコメントしていらっしゃいますが、ルノー警部に限らず、原作映画の登場人物は皆「話していること」と「頭の中で考えていること」が違う人ばかりなんですよね。
大事なことは言葉では語られない。名優たちは、皆さん目で語っていらっしゃるから。
宝塚の舞台には嘘を吐く登場人物ってあまり出てこないし、特に、小池作品の台詞はストレートに解りやすいものが多いので、、、どうなるのかなあ?と思っていたのですが。
座談会の話を読んだかぎりでは、予想以上に映画の設定を踏襲しているみたいですね(*^ ^*)。おお、意外と小池さんにとってもハードルの高い作品なんじゃないだろうか?
でも、なんといっても主演コンビがあの二人、嘘も毒も散々吐きまくっていた「銀ちゃんの恋」のコンビなので、、、、安心して裏表のある人物を造形させられる……んじゃないかな?(^ ^)
ほほほ♪ ますます楽しみになってきました♪♪ 小池さん、最後まで気を抜かずに、しっかりご指導くださいますよう、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m。
そして。
……みんなみんな、インフルエンザにも普通の風邪にも、もちろん怪我やらなにやらにも、十分にお気をつけてくださいね。
一人の休演者もなく楽を迎えられることを祈りつつ。
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大江山の花の伝説【10】
2009年10月7日 宝塚(宙) コメント (4)ふと思い立って、久しぶりに「検索ワード一覧」をチェックしてみたのですが。
ここ数日、「大空祐飛」とか「ゆうひ」とかで検索して来てくださった方がひとりもいない(↓)。それどころか、宙組関係はカイちゃんのみ。データの保持期間が短いので、最近ニュースになった新公配役に集中するのは仕方ないとしても、なぜ、カチャでもえりちゃんでもなくカイちゃんなの?(- -;ゞ
それに。公演中の花組雪組が多いのは当然なんでしょうけど、やたらと真瀬くんが多いのは気のせい?だいもんでもあまちゃきでもなく真瀬くんってところに、この日記の性格が出ているような気がします。雪も、キングでもあゆちゃんでも咲奈ちゃんでも、残念ながら真那春人くんでもなく(T T)、あずりんがダントツだし。不思議です。
さて。そんな反省(どんな)をこめて、大空祐飛さんが主演した博多座公演「大江山花伝」の思い出を語らせていただきます。
これで最後にしますので、もう少しだけお付き合いくださいませ。
ちなみに、前回の日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/200909180349191114/
そういえば書き忘れてましたが、盗賊の六郎太(鳳翔大)が登場してすぐ、
「何をしている?さっさと歩け!」
というカゲ台詞を言っているのは、どなたなのでしょうか?冷酷そうな美声ですよねぇ~。
その後の、
「よっく見ておけ、皆のもの。逃げた者の末路はこうじゃ。…旅の若者、礼を言おうぞ!」
という偉そうな声は、タマちゃん(天羽珠紀)の声で合ってますか…?
■第十三場 綱、助かる
茨木のソロから暗転して、綱が縛られている岩屋へ。四天王の季武(鳳樹いち)と貞光(澄輝さやと)、綱の部下たち(美月遥、風馬翔)が、藤の葉(野々すみ花)に案内されて駆け込んでくる。
鎖を解き、服を調え……そして、綱の脇に膝をついて剣を差し出す風馬くんの、「御太刀を!」という感極まった声が、とても良かったです♪(^ ^;
少し遅れて、都の姫たちを連れた公時(鳳翔大)が登場。みっちゃんと抱き合って喜ぶ大くんが可愛いです。鬼たちの呑む酒に眠り薬を仕込み、姫たちを救い…と、八面六臂の大活躍をしていたらしい。
そういえば、綱って捕まっていただけで実は何もしてないですね(^ ^;ゞ。原作では、茨木と酒呑童子の会話から『鬼たちの力の源は酒だ』ということを知った綱が仲間に伝えて…となっていたから、公時たちは綱の指示どおりに動いていた印象だったのですが。柴田さんの脚本では、それ(鬼たちの弱点)を知るのは綱ではなく藤の葉で、彼女が全てのお膳立てをしたように見える。だから、相対的に綱のポジションが下がってしまうんですよね…。
なんだか、藤の葉が大江山の鬼たちを滅ぼす方向に積極的に動くのが不思議な感じでした。
柴田さんには、藤の葉視点では酒呑童子たちは茨木の敵になるというイメージあったのでしょうか?
公時たちに姫たちを連れて先に行くよう指示して、綱は、藤の葉を連れて帰るべく説得を始める。
断固として拒否する藤の葉。山に残る、と。頑なに首を振る藤の葉に、業を煮やした綱の声が、大きくなる。
と、そこに通りがかる茨木と、胡蝶。「呑もうか、二人で」「後でな」の約束をたがえず、したたかに呑んだ挙句に、胡蝶の方を借りてかろうじて歩く茨木が、可愛いです。
武勇には長けていても、女を口説くには不器用な綱(と藤子)に、
「早く立ち去れ」
と、冗談めかして言い捨てる茨木。切なく見守る胡蝶。
そんな鬼に、
「残念だぞ!」
と、微かな涙まじりに訴える、綱。
この後の4人の舞は、素晴らしい名シーンでした。
空蝉の衣を脱ぎ捨てて、茨木のもとへ駆け出す、藤子の心。
軽々と受け止めて、ひたと見凝めあいながら、少しづつ距離を縮めていく、鬼。
惹かれあい、引き寄せ合って、かたく抱きあう、筒井筒の幼馴染。
思い出はタイムマシン。薄紫の過去へ、連れて行ってくれる。
ゆうるり、と、時は止まり、そうしてまた、動き出す。
タイムマシンから降り立った鬼は、貌をそむけたまま、筒井筒の少女の手を切なげに離す。
冷たい空気の中に放されて、無意識にぬくもりを探す少女。
振り向いて、その懐へ戻ろうとする少女を、手を伸ばして留める、茨木。
俺は鬼だから。
だから、お前とは、行かない。
行けない、のではなく、
ここに、残る。この、大江山、に------。
薄紫に染まる世界の中で、
鬼であることをやめて人間に戻ろうとした鬼と、
愛するもののために鬼になろうとした少女が、
目を合わせることなく、同じ方向を視て、立ち竦む……。
■第十四場a 山攻め
音楽が切れて紗幕が降りると、幕前で兵士たちの山攻めのダンス。
頼光さま(寿つかさ)や公時以下の四天王はいいとしても、初日は本当に、鬼メークのままの下級生がたくさんいて、密かに大笑いしてしまいました。それが、わずか三週間でどんどん垢抜けて、みんな本当に凄かったなあ~~!(感動)。保昌(雅桜歌)も、確か初日は変だった筈なのに、お盆休みには完璧だったし(*^ ^*)。
娘役も下級生は殆ど入っていたので、本当に一人一人のメークの変遷が面白かったです~♪
途中、緋の長袴でセリあがって、頼光四天王と渡り合う茨木。
……そうか。この作品、来年の全ツに持って行くに違いない、と思っていたのですが、もしかして、セリがないとこの場面がやれないんじゃないか…?(袖から長袴で出てくるのは厳しそう)
■第十四場b 茨木と藤子、果てる(滝壷)
紗幕があがると、舞台奥に滝壷のセット。その前に緋色の長袴の茨木、上手側の山道に、酒呑童子と四天王が並ぶ。
「我々は大江山を棄てて逃げ延びる。茨木、お前も来い」
そう口説く父を、息子はきっぱりと切り捨てる。
「私は大江山に残ります」
ここは私の故里だから、と。
原作からの改変点で、一番大きいのはココですね。
原作では、眠り薬を盛られた鬼たちは、頼光たちによって大江山で根絶やしにされます。退治されてしまう、というのが正しいかな。
そして、酒呑童子を手にかけるのは、茨木童子その人。妖力をもつ酒呑童子は、そう簡単には倒せないから。その奥には、自分以外に負けてほしくない、そんな気持ちも、あるのかもしれません。
そしてもう一つ、綱に手柄を取らせたい気持ちもある、はず。自分が生きている意味を見出せない(喪ってしまった)から、せめて最期に一度くらい、ヒトの役にたってみようか、と、そんな感じで。
でも。柴田さんは、あえて鬼たちを旅立たせました。
以前の襲撃で喪ったものの復讐は、ほぼ終わった。気が済んだ。…もう、いい。
大江山は、都に近すぎる。誘惑も多すぎる。もっと山奥の、人とのつながりを持つ可能性の低いところへ行って、自分たちだけで生きてみよう、…と。
こうすることで、茨木の鬱屈は、基本的に『ある荘園』での事件だけということになるんですよね。
酒呑童子によって与えられた苦しみは、舞台では語られません。ただ、喪ったと思った藤子との未来と、『三年前の事件』が彼の心を苦しめるばかりで。
自分が鬼であったために、死なせてしまった女。
一瞬の激情に負けて、女を死へおいやった、罪。その罪の重さに耐えかねて、生きることに倦んでいた、鬼の心。
…そこに飛び込んでくる、藤子。
「茨木だけじゃない、皆同じ。あたしたちはみんな、鬼なのよ…!」
すみ花ちゃんが泣くと、世界が泣く。そう言ったのは、誰だったか。
本当にそのとおりだな、と思いましたね。この場面を観るたびに。
たった一人舞台に立って、滔々と長台詞を語り、茨木の鬱屈を引っくり返してみせる、女優。
「あなたこそ、人間らしい人間なのよ!」
鬼がヒトで、ヒトが鬼で。
恐ろしい鬼が、この世で一番『人間らしい人間』で。
この世で一番弱いヒトも、心の底には鬼を棲まわせている。
藤子を都に帰らせたかった茨木。
綱と一緒になればいい、と思っていたはずの、茨木。
だから、ここでもう一度逢うつもりはなかったはず、の。
この首くれてやろうと思ったが、そうもいかなくなった。
もちろん、この台詞が出る直接のきっかけは、藤子の死ではあるのですが。
おそらくはもう少し前、藤子の呼ばわりに応えて姿を見せたときに、その覚悟はしていたはず。
藤子には幸せになってほしいと思っていたのに。
鬼の自分と添うことが、彼女の幸せだとは思えないのに。
それでも、もう、この手を放すことはできないから。
愛している、……ふじこ。
うれしい、と呟いて事切れた藤子の、頬の火傷にそっと触れて。
おそらくは、ありがとう、と。
生きていてくれて、逢いに来てくれて、探しに来てくれて、
……ありがとう、と。
言葉にはできない茨木の悲しさが、滝に洗われて、とけてしまえば良いのに……。
■第十五場 綱、悲しむ
滝つぼに張られた注連縄が切れて、暗転。下手花道の綱に、スポット。
大江山に再びやってきた綱が、幻の茨木や藤子と語り合う。
連れて帰ることのできなかった女と、救うことのできなかった鬼。綱の悔恨は切ないです。彼が悪かったのではないに。
みっちゃんの歌は心に沁みますね。ユミコさんみたいな癒し系の声とも違う、キムちゃんみたいな火傷しそうに熱い音とも違う、舞台の空気に溶けていくような、優しい声。
二回に一回は涙を流しての熱演だった綱さまですが、あの、子供のような感情の爆発ぶりが、みっちゃんの綱なんだなあ、と微笑ましくも思いました(^ ^)
■第十六場 二人、翔ける
紗幕があがると、盛装した茨木と藤子が、幸せそうに舞う。
二人が本当に幸せそうで、涙が出ました。
というか。あまりにも幸せそうで、なんだか、妬けちゃいそうでした……(^ ^;ゞ
死んでしまった二人が天国で結ばれる、というこの手のフィナーレは、宝塚の悲劇作品のお約束ではあるのですが。
原作のラストも余韻があって好きなんですが、どちらかといえば綱の寂しさを前面に出して終わるので、こういうすっきりした幸せ感とはまた違う印象でしたし…。
……やっぱり良いですね、こうやって救われる、宝塚の世界観って。
なんだか、全編を原作と比較しながら書いてしまいました。
どちらが良い/悪いではない、ということだけ、最後にもう一度明記させてください!
数ある木原作品の中でも格別にファンタジックかつポエティックな物語を、柴田さんは随分リアルに、かつ叙情的にもってきたな、と思います。1時間40分という時間をもたせ、かつ役を増やすために、大江山の鬼たちの幸せな日々描いてしまったせいか。頼光・綱陣営よりも大江山陣営の方が深く描かれてしまって、最後の処理が難しくなってしまったきらいはありますが、全体の内容の濃さは、大したものだと思います。まさか『鬼の泉』が入るとは想わなかった(汗)。
こんなところでしょうか。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
なんだか書き漏らしたこともあるような気がしますが、とりあえずは最後まで書き終わってホッとしました。
で。宙組大劇場公演初日まで、あと一ヶ月と一週間。……そろそろ、CSの最初のレポート(組長さんとトップのトーク)が流れる、かな??まだかな??(ワクワク)
.
ここ数日、「大空祐飛」とか「ゆうひ」とかで検索して来てくださった方がひとりもいない(↓)。それどころか、宙組関係はカイちゃんのみ。データの保持期間が短いので、最近ニュースになった新公配役に集中するのは仕方ないとしても、なぜ、カチャでもえりちゃんでもなくカイちゃんなの?(- -;ゞ
それに。公演中の花組雪組が多いのは当然なんでしょうけど、やたらと真瀬くんが多いのは気のせい?だいもんでもあまちゃきでもなく真瀬くんってところに、この日記の性格が出ているような気がします。雪も、キングでもあゆちゃんでも咲奈ちゃんでも、残念ながら真那春人くんでもなく(T T)、あずりんがダントツだし。不思議です。
さて。そんな反省(どんな)をこめて、大空祐飛さんが主演した博多座公演「大江山花伝」の思い出を語らせていただきます。
これで最後にしますので、もう少しだけお付き合いくださいませ。
ちなみに、前回の日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/200909180349191114/
そういえば書き忘れてましたが、盗賊の六郎太(鳳翔大)が登場してすぐ、
「何をしている?さっさと歩け!」
というカゲ台詞を言っているのは、どなたなのでしょうか?冷酷そうな美声ですよねぇ~。
その後の、
「よっく見ておけ、皆のもの。逃げた者の末路はこうじゃ。…旅の若者、礼を言おうぞ!」
という偉そうな声は、タマちゃん(天羽珠紀)の声で合ってますか…?
■第十三場 綱、助かる
茨木のソロから暗転して、綱が縛られている岩屋へ。四天王の季武(鳳樹いち)と貞光(澄輝さやと)、綱の部下たち(美月遥、風馬翔)が、藤の葉(野々すみ花)に案内されて駆け込んでくる。
鎖を解き、服を調え……そして、綱の脇に膝をついて剣を差し出す風馬くんの、「御太刀を!」という感極まった声が、とても良かったです♪(^ ^;
少し遅れて、都の姫たちを連れた公時(鳳翔大)が登場。みっちゃんと抱き合って喜ぶ大くんが可愛いです。鬼たちの呑む酒に眠り薬を仕込み、姫たちを救い…と、八面六臂の大活躍をしていたらしい。
そういえば、綱って捕まっていただけで実は何もしてないですね(^ ^;ゞ。原作では、茨木と酒呑童子の会話から『鬼たちの力の源は酒だ』ということを知った綱が仲間に伝えて…となっていたから、公時たちは綱の指示どおりに動いていた印象だったのですが。柴田さんの脚本では、それ(鬼たちの弱点)を知るのは綱ではなく藤の葉で、彼女が全てのお膳立てをしたように見える。だから、相対的に綱のポジションが下がってしまうんですよね…。
なんだか、藤の葉が大江山の鬼たちを滅ぼす方向に積極的に動くのが不思議な感じでした。
柴田さんには、藤の葉視点では酒呑童子たちは茨木の敵になるというイメージあったのでしょうか?
公時たちに姫たちを連れて先に行くよう指示して、綱は、藤の葉を連れて帰るべく説得を始める。
断固として拒否する藤の葉。山に残る、と。頑なに首を振る藤の葉に、業を煮やした綱の声が、大きくなる。
と、そこに通りがかる茨木と、胡蝶。「呑もうか、二人で」「後でな」の約束をたがえず、したたかに呑んだ挙句に、胡蝶の方を借りてかろうじて歩く茨木が、可愛いです。
武勇には長けていても、女を口説くには不器用な綱(と藤子)に、
「早く立ち去れ」
と、冗談めかして言い捨てる茨木。切なく見守る胡蝶。
そんな鬼に、
「残念だぞ!」
と、微かな涙まじりに訴える、綱。
この後の4人の舞は、素晴らしい名シーンでした。
空蝉の衣を脱ぎ捨てて、茨木のもとへ駆け出す、藤子の心。
軽々と受け止めて、ひたと見凝めあいながら、少しづつ距離を縮めていく、鬼。
惹かれあい、引き寄せ合って、かたく抱きあう、筒井筒の幼馴染。
思い出はタイムマシン。薄紫の過去へ、連れて行ってくれる。
ゆうるり、と、時は止まり、そうしてまた、動き出す。
タイムマシンから降り立った鬼は、貌をそむけたまま、筒井筒の少女の手を切なげに離す。
冷たい空気の中に放されて、無意識にぬくもりを探す少女。
振り向いて、その懐へ戻ろうとする少女を、手を伸ばして留める、茨木。
俺は鬼だから。
だから、お前とは、行かない。
行けない、のではなく、
ここに、残る。この、大江山、に------。
薄紫に染まる世界の中で、
鬼であることをやめて人間に戻ろうとした鬼と、
愛するもののために鬼になろうとした少女が、
目を合わせることなく、同じ方向を視て、立ち竦む……。
■第十四場a 山攻め
音楽が切れて紗幕が降りると、幕前で兵士たちの山攻めのダンス。
頼光さま(寿つかさ)や公時以下の四天王はいいとしても、初日は本当に、鬼メークのままの下級生がたくさんいて、密かに大笑いしてしまいました。それが、わずか三週間でどんどん垢抜けて、みんな本当に凄かったなあ~~!(感動)。保昌(雅桜歌)も、確か初日は変だった筈なのに、お盆休みには完璧だったし(*^ ^*)。
娘役も下級生は殆ど入っていたので、本当に一人一人のメークの変遷が面白かったです~♪
途中、緋の長袴でセリあがって、頼光四天王と渡り合う茨木。
……そうか。この作品、来年の全ツに持って行くに違いない、と思っていたのですが、もしかして、セリがないとこの場面がやれないんじゃないか…?(袖から長袴で出てくるのは厳しそう)
■第十四場b 茨木と藤子、果てる(滝壷)
紗幕があがると、舞台奥に滝壷のセット。その前に緋色の長袴の茨木、上手側の山道に、酒呑童子と四天王が並ぶ。
「我々は大江山を棄てて逃げ延びる。茨木、お前も来い」
そう口説く父を、息子はきっぱりと切り捨てる。
「私は大江山に残ります」
ここは私の故里だから、と。
原作からの改変点で、一番大きいのはココですね。
原作では、眠り薬を盛られた鬼たちは、頼光たちによって大江山で根絶やしにされます。退治されてしまう、というのが正しいかな。
そして、酒呑童子を手にかけるのは、茨木童子その人。妖力をもつ酒呑童子は、そう簡単には倒せないから。その奥には、自分以外に負けてほしくない、そんな気持ちも、あるのかもしれません。
そしてもう一つ、綱に手柄を取らせたい気持ちもある、はず。自分が生きている意味を見出せない(喪ってしまった)から、せめて最期に一度くらい、ヒトの役にたってみようか、と、そんな感じで。
でも。柴田さんは、あえて鬼たちを旅立たせました。
以前の襲撃で喪ったものの復讐は、ほぼ終わった。気が済んだ。…もう、いい。
大江山は、都に近すぎる。誘惑も多すぎる。もっと山奥の、人とのつながりを持つ可能性の低いところへ行って、自分たちだけで生きてみよう、…と。
こうすることで、茨木の鬱屈は、基本的に『ある荘園』での事件だけということになるんですよね。
酒呑童子によって与えられた苦しみは、舞台では語られません。ただ、喪ったと思った藤子との未来と、『三年前の事件』が彼の心を苦しめるばかりで。
自分が鬼であったために、死なせてしまった女。
一瞬の激情に負けて、女を死へおいやった、罪。その罪の重さに耐えかねて、生きることに倦んでいた、鬼の心。
…そこに飛び込んでくる、藤子。
「茨木だけじゃない、皆同じ。あたしたちはみんな、鬼なのよ…!」
すみ花ちゃんが泣くと、世界が泣く。そう言ったのは、誰だったか。
本当にそのとおりだな、と思いましたね。この場面を観るたびに。
たった一人舞台に立って、滔々と長台詞を語り、茨木の鬱屈を引っくり返してみせる、女優。
「あなたこそ、人間らしい人間なのよ!」
鬼がヒトで、ヒトが鬼で。
恐ろしい鬼が、この世で一番『人間らしい人間』で。
この世で一番弱いヒトも、心の底には鬼を棲まわせている。
藤子を都に帰らせたかった茨木。
綱と一緒になればいい、と思っていたはずの、茨木。
だから、ここでもう一度逢うつもりはなかったはず、の。
この首くれてやろうと思ったが、そうもいかなくなった。
もちろん、この台詞が出る直接のきっかけは、藤子の死ではあるのですが。
おそらくはもう少し前、藤子の呼ばわりに応えて姿を見せたときに、その覚悟はしていたはず。
藤子には幸せになってほしいと思っていたのに。
鬼の自分と添うことが、彼女の幸せだとは思えないのに。
それでも、もう、この手を放すことはできないから。
愛している、……ふじこ。
うれしい、と呟いて事切れた藤子の、頬の火傷にそっと触れて。
おそらくは、ありがとう、と。
生きていてくれて、逢いに来てくれて、探しに来てくれて、
……ありがとう、と。
言葉にはできない茨木の悲しさが、滝に洗われて、とけてしまえば良いのに……。
■第十五場 綱、悲しむ
滝つぼに張られた注連縄が切れて、暗転。下手花道の綱に、スポット。
大江山に再びやってきた綱が、幻の茨木や藤子と語り合う。
連れて帰ることのできなかった女と、救うことのできなかった鬼。綱の悔恨は切ないです。彼が悪かったのではないに。
みっちゃんの歌は心に沁みますね。ユミコさんみたいな癒し系の声とも違う、キムちゃんみたいな火傷しそうに熱い音とも違う、舞台の空気に溶けていくような、優しい声。
二回に一回は涙を流しての熱演だった綱さまですが、あの、子供のような感情の爆発ぶりが、みっちゃんの綱なんだなあ、と微笑ましくも思いました(^ ^)
■第十六場 二人、翔ける
紗幕があがると、盛装した茨木と藤子が、幸せそうに舞う。
二人が本当に幸せそうで、涙が出ました。
というか。あまりにも幸せそうで、なんだか、妬けちゃいそうでした……(^ ^;ゞ
死んでしまった二人が天国で結ばれる、というこの手のフィナーレは、宝塚の悲劇作品のお約束ではあるのですが。
原作のラストも余韻があって好きなんですが、どちらかといえば綱の寂しさを前面に出して終わるので、こういうすっきりした幸せ感とはまた違う印象でしたし…。
……やっぱり良いですね、こうやって救われる、宝塚の世界観って。
なんだか、全編を原作と比較しながら書いてしまいました。
どちらが良い/悪いではない、ということだけ、最後にもう一度明記させてください!
数ある木原作品の中でも格別にファンタジックかつポエティックな物語を、柴田さんは随分リアルに、かつ叙情的にもってきたな、と思います。1時間40分という時間をもたせ、かつ役を増やすために、大江山の鬼たちの幸せな日々描いてしまったせいか。頼光・綱陣営よりも大江山陣営の方が深く描かれてしまって、最後の処理が難しくなってしまったきらいはありますが、全体の内容の濃さは、大したものだと思います。まさか『鬼の泉』が入るとは想わなかった(汗)。
こんなところでしょうか。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
なんだか書き漏らしたこともあるような気がしますが、とりあえずは最後まで書き終わってホッとしました。
で。宙組大劇場公演初日まで、あと一ヶ月と一週間。……そろそろ、CSの最初のレポート(組長さんとトップのトーク)が流れる、かな??まだかな??(ワクワク)
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花組のみなさま、千秋楽おめでとうございます(^ ^)。
マメちゃん、レネちゃん、聖花まいちゃん、嶺乃くん、大劇場卒業おめでとう!!東京でお待ちしてま〜す♪
で。
年末の宙組大劇場公演の新人公演一部配役と、月組公演の新人公演配役が、やっと発表されました!
カチャ(凪七瑠海)、初主演、おめでとう!
(藤咲)えりちゃん、初ヒロイン、本当におめでとう!めっちゃ嬉しいです(*^ ^*)
そして、
かいちゃん(七海ひろき)、ラズロ役すっごく楽しみです!!がんばれ〜!
皆様、私を「予言者」と呼んでくれたまえ(←偉そう)。
カチャのリックは予想どおりとして、えりちゃんのイルザ&かいちゃんのラズロが実現するなんて(はぁと)嬉しいな、楽しみだな★っていうか、ありがとう歌劇団(^ ^)。
新公最終学年がトップ、2番手を占めるパターンは最近珍しいですが、この二人なら見応えありそうで、楽しみです!
いや〜、ことだまって大切ですね\(^ ^)/
願望も書いてみるものだなあ。すごーく嬉しいです。これで、鳳樹いちくんのルノー警部、月映樹茉さんのシュトレッサー、風羽玲亜さんのサム、、、、、とかだったら、本気で予言者なんだけどな、私。
本公演イヴォンヌのせーこちゃん(純矢ちとせ)は、アニーナなのでしょうか。それとも、かっこよく鈴奈さんの役あたり?どっちも観てみたいなあ…。れーれ(すみれ乃麗)は、ここらで大人の女を演じておくのもいいと思うので、良い役が来ることを祈っています。
……とりあえず、雅桜歌ちゃんにフェラーリとかウガーテとかが回ってきたひには、大劇場まで観に行きますわ、私(←そっち?)。
同じく、月組公演新人公演配役。
こちらはもう、来週には初日ですよね。正塚さん、いつにも増してギリギリやなあ……。
まあ、今回は9月4日に相当な大人数が発表されたので………他の役の出番は推して知るべし、ってか……?(T T)
とりあえず。
どこから突っ込むべきか悩む所ですが。
最後の新公で組長の役が回ってきたみっしょん。
いやー、おめでとう。ある意味、とても嬉しいです。最後の新公、思いっきりはじけちゃってくださいな(*^ ^*)(いつもはじけてるけど)
卒業する音姫すなおちゃんの役には、玲実くれあちゃん。りこちゃん(麻月れんか)の役には沢希理寿ちゃん。
正塚さんは、卒業するからって良い役がつくとは限らないけど、でも、この二人はちょっとだけ楽しみにしておこう…。ってゆーか、何よりも理寿ちゃんが娘役に転向とかしなくてよかったです。「エリザベート」公演中は、オフもスカートだったりしたので、実は密かに心配してたんです。ちょっとだけね(苦笑)。
あーちゃん(花瀬みずか)に89期の妃乃あんじさん、(天野)ほたるに咲希あかねちゃん。こちらの美女二人も役柄的に面白そう♪
しっかし……こうして月と宙のキャスト表を見比べると、しみじみ正塚作品は役が少ないなあ、と思ってしまいますね。
まあ、役は少なくても「マリポーサの花」みたいな名作があるから、侮れないんですけれども。
「ラストプレイ」はどうなるんでしょうね。麻子さんのサヨナラなので、どこを切っても麻子さん、になるのは仕方ないんでしょうけどねぇ………(↓)。他の子も、皆うまく使ってもらえますように(祈)。
.
マメちゃん、レネちゃん、聖花まいちゃん、嶺乃くん、大劇場卒業おめでとう!!東京でお待ちしてま〜す♪
で。
年末の宙組大劇場公演の新人公演一部配役と、月組公演の新人公演配役が、やっと発表されました!
カチャ(凪七瑠海)、初主演、おめでとう!
(藤咲)えりちゃん、初ヒロイン、本当におめでとう!めっちゃ嬉しいです(*^ ^*)
そして、
かいちゃん(七海ひろき)、ラズロ役すっごく楽しみです!!がんばれ〜!
皆様、私を「予言者」と呼んでくれたまえ(←偉そう)。
カチャのリックは予想どおりとして、えりちゃんのイルザ&かいちゃんのラズロが実現するなんて(はぁと)嬉しいな、楽しみだな★っていうか、ありがとう歌劇団(^ ^)。
新公最終学年がトップ、2番手を占めるパターンは最近珍しいですが、この二人なら見応えありそうで、楽しみです!
いや〜、ことだまって大切ですね\(^ ^)/
願望も書いてみるものだなあ。すごーく嬉しいです。これで、鳳樹いちくんのルノー警部、月映樹茉さんのシュトレッサー、風羽玲亜さんのサム、、、、、とかだったら、本気で予言者なんだけどな、私。
本公演イヴォンヌのせーこちゃん(純矢ちとせ)は、アニーナなのでしょうか。それとも、かっこよく鈴奈さんの役あたり?どっちも観てみたいなあ…。れーれ(すみれ乃麗)は、ここらで大人の女を演じておくのもいいと思うので、良い役が来ることを祈っています。
……とりあえず、雅桜歌ちゃんにフェラーリとかウガーテとかが回ってきたひには、大劇場まで観に行きますわ、私(←そっち?)。
同じく、月組公演新人公演配役。
こちらはもう、来週には初日ですよね。正塚さん、いつにも増してギリギリやなあ……。
まあ、今回は9月4日に相当な大人数が発表されたので………他の役の出番は推して知るべし、ってか……?(T T)
とりあえず。
どこから突っ込むべきか悩む所ですが。
最後の新公で組長の役が回ってきたみっしょん。
いやー、おめでとう。ある意味、とても嬉しいです。最後の新公、思いっきりはじけちゃってくださいな(*^ ^*)(いつもはじけてるけど)
卒業する音姫すなおちゃんの役には、玲実くれあちゃん。りこちゃん(麻月れんか)の役には沢希理寿ちゃん。
正塚さんは、卒業するからって良い役がつくとは限らないけど、でも、この二人はちょっとだけ楽しみにしておこう…。ってゆーか、何よりも理寿ちゃんが娘役に転向とかしなくてよかったです。「エリザベート」公演中は、オフもスカートだったりしたので、実は密かに心配してたんです。ちょっとだけね(苦笑)。
あーちゃん(花瀬みずか)に89期の妃乃あんじさん、(天野)ほたるに咲希あかねちゃん。こちらの美女二人も役柄的に面白そう♪
しっかし……こうして月と宙のキャスト表を見比べると、しみじみ正塚作品は役が少ないなあ、と思ってしまいますね。
まあ、役は少なくても「マリポーサの花」みたいな名作があるから、侮れないんですけれども。
「ラストプレイ」はどうなるんでしょうね。麻子さんのサヨナラなので、どこを切っても麻子さん、になるのは仕方ないんでしょうけどねぇ………(↓)。他の子も、皆うまく使ってもらえますように(祈)。
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大江山の花の伝説【9】
2009年9月17日 宝塚(宙)宙組博多座公演「大江山花伝」。
■第十二場a 茨木の告白 続き(岩屋に近い路)
千年杉に率いられた都の姫たちが下手袖に入ろうとすると、上手側から坂田公時(鳳翔大)が登場。彼に気づいた花園衛門(愛花ちさき)が、前を行く紅少将(花里まな)を呼び止め、公時を示す。
「まあ、公時さま。お一人かしら?」
様子を伺いながら当たり前のように花園衛門の持っていた桶を受け取る紅少将は、当然、花園と公時の関係を知っているんですよね…?落ち着きのある大人の女、という風情があって、下級生とは思えないほど良かったです。
「公時どの」と呼びかけて駆け寄る花園、
「何も仰いますな」と語りかける公時。
「黎明の風」の頃から変わらない、大くんの美声。いやー、普通に喋っているときの大くんは、本当にいい声だし、巧いなあと思うんですよね。……ちょっとでも見得をきろうとすると、その瞬間にコントロールを失ってしまうのが残念でなりません。あれはいったい、何がいけないんでしょう…。
そんなに引っ込み思案なタイプには全然見えないんだけど。芝居心もあるしね。「やりたいこと」「みせたいもの」はしっかり作ってきているのに、実際に表現しようとすると気合が空回りしてしまう。あああ、勿体無い(T T)。
ある程度役がついてくれば、必ず『気合の入った台詞』というものが必要になってくるものなので。今回の公時も、頼光邸での会話とかは本当にヤバかったし。どうぞ、もっともっと自分の芝居に自信をもって、せっかくの格好良さと美声を生かしてほしい!と、切に祈ります。
……歌のことは、今は言うまい……。
恋しい女を「必ずお救い申し上げます」と力づけ、「しばらくのお別れです」と言い聞かせて立ち去る公時。
二人が別れて下手に消えると、入れ違うように、あるいは追いかけるように上手の袖から茨木童子が登場する。
「ああ……」
溜息のような、かすれ声。
「…あれは幻か?……昨日もあの二人を見た……あれは…」
うわごとのように、苦しげに呟く茨木。ふらふらと歩いて、くずれるように岩に座り込む。
岩の陰から現れる藤の葉。座っている茨木童子に駆け寄って、苦しそうな鬼を気遣う。
「お気分がお悪いのですか…?」
懐から布をだして、額あたりを拭う藤の葉。
されるままだった茨木がふと視線をあげる。心配げな藤の葉の視線と絡み合う、一瞬の間。
火傷でもしたかのように、手を離す藤の葉。
「嗤うがいい。鬼のこの身が、幻に悩まされている」
少し落ち着き、力を取り戻した声で、藤の葉に語りかける。
「…三年前に視た、幻…」
なのに、話の途中から、また彷徨いだす心。
「いや、あれは……幻ではなかった……?」
唐突に三年前のことを語りだす茨木を、ただ、心配げに見守るしかできない藤の葉の、寂しげな後姿。何ひとつしてあげられない無力さがひしひしと痛くて、ひどく哀れに見えました。
そんな少女の様子に気づきもせずに、自身の裡の闇に囚われて言葉を紡ぐ茨木も、また。
「恋しい姫と引き離されてこの山に連れてこられて……都恋しく何度も逃げ出したが、そのたびに連れ戻され……」
それでもなお、傷が癒えればまた逃げ出した、と語る茨木。
舞台奥から現れた胡蝶が、切なげに目を伏せて、そっと呟く。
「三年前のあの時は…旅が長かったわ…」
そして、あのとき初めて、自分から山へ帰ってきた……、と。
胡蝶が問うても口を噤んだままの茨木が、藤の葉の問いには言葉を零す。
「どうして…?」
それがどんなに切なくても、それでも、訊かずにはいられない女心。
胡蝶が哀れで、タマラナイ気持ちになりました。
「不思議なことがあるものよ」
夢を見ているような口調で、謡うように茨木が教える。
「そっくりな、あの、ふたり……」
花園と、公時。
……萱野と、そして……、と
■第十二場b 茨木の告白(ある荘園)
萱野(愛花ちさき)とこぞ丸(結乃かなり)。
三年前、旅に出た茨木が迷い込んだ荘園で、下働きをしていた二人。
あまりにも辛い生活の中、それでも手を繋ぎあい、笑顔でがんばっていた二人。二人の明るいまなざしに救われた茨木は、三人で逃げることを考えはじめる……。
二人と茨木との交流については、原作では本編と同じ長さの外伝になっていて、かなり深く描かれているのですが、舞台ではほんの一瞬の回想場面なので、全然わからないんですよね(涙)。
ただ、紀国守の邸で人として育てられた茨木には、独りでは生きていられぬヒトの子の温かさが格別に懐かしく、愛おしいものであったことは想像できるでしょうし……あんな程度でも、伝えるべきことはきちんと伝えているからいいのかな、と思いました。
ただ。ちょっと気になったのは、「三年前」というキーワードですね。
芝居の流れ的に、“都を襲った大火事”で藤子を見失った茨木が、衝撃のあまり(あるいは、藤子を探して?)彷徨ううちに“ある荘園”に紛れ込み…という展開に見えるのですが、原作では、この物語は火事より前だとも後だとも明言されてはいません。
ただ、なんとなく火事よりも前のような気がする。その時点では、まだ、懐かしい紀国守の邸に行けば、幸せそうな藤子に会えることがわかっていて、でも、自分はもう鬼になってしまったから行かない(行けない)、という絶望感があったので。
“会えない”のと、“会わない”。
“見つからない”のと、“会いにいけない”。
茨木の絶望の深さと投げやり感は、後者の方が鮮明な気がします。
けれども。
運命はかく扉を叩く。
身を寄せ合って逃げる算段をする三人の前に、一人の盗賊(鳳翔大)が投げ込まれるーーーー。
「六郎太っ!?」
萱野の悲鳴。
「萱野!ここに居たのか!」
縛られ、連行されている盗賊の、悲痛な叫び。
「知り人か?」
「昔の私の恋人。私のために、盗賊の仲間に…」
と、なれば、
「…三人で逃げる話は…?」
問いかける茨木を、キュッと唇を噛んで、萱野が振り仰ぐ。
「あの人は、私のためにあんな姿に……」
手を握りあい、身を寄せ合って生きていた三人。
なのに今の萱野は、別の人間の手を求めている。
「わかって、茨木。……私は、行けない……!!」
茨木の手を振り払い、六郎太を追って走り去る萱野、
力なく伸ばした指の先には何も触れず、呆然と立ち竦む茨木。
「……萱野……」
萱野は六郎太を連れて逃げた。
後に残された茨木は、絶望の中に取り残されて不幸に浸りこむ。
凝っと何かに耐えるかのように肩を丸め、客席に背を向けて立ち竦む茨木。
「なぜ…私だけ…?」
独りじゃないのに、と思うんですよね。
声をかけることもできない こぞ丸の幼さが、切ない。ここで一言声をかけてあげていれば、茨木も目が醒めたかもしれない、のに。
ふいに音楽が変わり、照明が変わる。
紅く燃えるようなスポットライトの中、あらためて鬼として目覚めた茨木の哂い顔が、酷く痛い。痛いのに、凝っと視ずにはいられない。古傷をかきむしるみたいな、後ろ向きの快感。
「追わなくていいのか?たった今萱野は逃げたぞ!」
鬼に変じた茨木の表情の激しさは、大空祐飛という役者の真骨頂だったような気がします。
世界さえも支配する、彼の、絶望。
「……盗賊の六郎太と!!」
追っ手が放たれ、逃げ切れなかった二人は、お互いを庇いあって死んだ。
姉とも慕った萱野に縋って泣くこぞ丸に、正気を取り戻した茨木が、すいっと白い手を差し出す。
その手を振り払って、少年は叫ぶ。
「人でなしの、鬼!」
愛した人は死んでしまった。
鬼が、殺した。目の前に立つ、この、美しい鬼が。
指をさされてよろめく茨木の弱さが、哀しいです。弱いことは罪なんだな、と思う。
彼にもう少し強さがあれば、たぶん、萱野を追い詰めずにすんだと思う。六郎太と行かせてやるだけの器があれば。
でも、彼はあまりにも子供だった。妖力はあっても、精神的にはまるっきりの子供。
思うようにならない世界に苛立って、すべてを酒呑童子のせいに、して。
変わってしまった自分を藤子に見せる勇気もなく、
ただ、絶望に浸っているばかりの子供だったから……。
■第十二場c 茨木の告白(岩屋に近い路)
「何故あんなことをしたのか、自分でもよくわからない」
そう、茨木は告白する。大江山の途の上で。
「……知らぬ間に、鬼になっていた!」
激昂して取り乱す茨木を、必死に宥めようとする胡蝶。
「可哀相な茨木…」
ふと呟く藤の葉を、蔑むように唇を吊り上げて嗤う鬼。
「可哀相?」
冷たい瞳で、
「…俺は人間ではなかった。俺の中に、鬼が眠っていたのだから」
藤の葉だけを見据えて。
「俺はもう、ヒトとは暮らせぬ。女が欲しければ、攫って来て抱くだけだ!」
目を逸らす胡蝶。目を潤ませて、凝っと見凝める藤の葉。
「これが俺の、真の姿だ。わかったら都に帰れ!気紛れで拾った藤の葉にはもう飽きた!」
藤の葉にだけ語りかける茨木から、目を逸らす、胡蝶ーーーー。
「思い出くらいは作ってやろうか…?」
甘さのひとかけらもない囁きと共に、藤の葉を抱き寄せ、口づけを落とす、鬼。
茨木を突き飛ばして、泣きながら走り去る、藤の葉。
「いいの?…あれで」
堪らないげな胡蝶の問いかけに、止まっていた時間が動き出す。
いいんだ、と肯く茨木に、そっと誘いをかける。
「呑もうか…?二人で」
…ああ、お前と二人で呑むのも、悪くはないな……
どうせ残り、一日かせいぜい二日の平穏。頼光軍が来れば、この山は戦場になる。
だから、……それまでは全ての憂さを忘れて……
忘れられるはずがないことなど、百も承知で。
「そうだな。…すぐに行くから、先に行っていてくれ…」
瞳に絶望を浮かべながら、それでも気丈に「うん」と応じる胡蝶は、やっぱり野生の強さを持った鬼娘なんだな、と思います。
♪ひとでなしのあけくれに
鬼として生きる、ということは。
♪夢のむかしを拾いあつめて、温めて
ヒトであった“あの頃”の記憶のカケラを拾い集めては、飽かず眺める日々が続くということなのか。
♪…ひとときのまどろみのため、に…
それでも、思い出があるから生きていける。
水鏡に映すべき、思い出があるから。
萱野の微笑み、
こぞ丸の怒り、
そして、
藤子の泣き顔……
過去へと戻るタイムマシン(思い出)を持っている茨木は、たぶん、“今”に戻ってきたくないのでしょうね。
変わってしまった自分を見たくない。
幸せだった夢の中に、逃げ込んでしまいたい。
そんな風に後ろ向きに歩くことなど、できはしないのに。
.
■第十二場a 茨木の告白 続き(岩屋に近い路)
千年杉に率いられた都の姫たちが下手袖に入ろうとすると、上手側から坂田公時(鳳翔大)が登場。彼に気づいた花園衛門(愛花ちさき)が、前を行く紅少将(花里まな)を呼び止め、公時を示す。
「まあ、公時さま。お一人かしら?」
様子を伺いながら当たり前のように花園衛門の持っていた桶を受け取る紅少将は、当然、花園と公時の関係を知っているんですよね…?落ち着きのある大人の女、という風情があって、下級生とは思えないほど良かったです。
「公時どの」と呼びかけて駆け寄る花園、
「何も仰いますな」と語りかける公時。
「黎明の風」の頃から変わらない、大くんの美声。いやー、普通に喋っているときの大くんは、本当にいい声だし、巧いなあと思うんですよね。……ちょっとでも見得をきろうとすると、その瞬間にコントロールを失ってしまうのが残念でなりません。あれはいったい、何がいけないんでしょう…。
そんなに引っ込み思案なタイプには全然見えないんだけど。芝居心もあるしね。「やりたいこと」「みせたいもの」はしっかり作ってきているのに、実際に表現しようとすると気合が空回りしてしまう。あああ、勿体無い(T T)。
ある程度役がついてくれば、必ず『気合の入った台詞』というものが必要になってくるものなので。今回の公時も、頼光邸での会話とかは本当にヤバかったし。どうぞ、もっともっと自分の芝居に自信をもって、せっかくの格好良さと美声を生かしてほしい!と、切に祈ります。
……歌のことは、今は言うまい……。
恋しい女を「必ずお救い申し上げます」と力づけ、「しばらくのお別れです」と言い聞かせて立ち去る公時。
二人が別れて下手に消えると、入れ違うように、あるいは追いかけるように上手の袖から茨木童子が登場する。
「ああ……」
溜息のような、かすれ声。
「…あれは幻か?……昨日もあの二人を見た……あれは…」
うわごとのように、苦しげに呟く茨木。ふらふらと歩いて、くずれるように岩に座り込む。
岩の陰から現れる藤の葉。座っている茨木童子に駆け寄って、苦しそうな鬼を気遣う。
「お気分がお悪いのですか…?」
懐から布をだして、額あたりを拭う藤の葉。
されるままだった茨木がふと視線をあげる。心配げな藤の葉の視線と絡み合う、一瞬の間。
火傷でもしたかのように、手を離す藤の葉。
「嗤うがいい。鬼のこの身が、幻に悩まされている」
少し落ち着き、力を取り戻した声で、藤の葉に語りかける。
「…三年前に視た、幻…」
なのに、話の途中から、また彷徨いだす心。
「いや、あれは……幻ではなかった……?」
唐突に三年前のことを語りだす茨木を、ただ、心配げに見守るしかできない藤の葉の、寂しげな後姿。何ひとつしてあげられない無力さがひしひしと痛くて、ひどく哀れに見えました。
そんな少女の様子に気づきもせずに、自身の裡の闇に囚われて言葉を紡ぐ茨木も、また。
「恋しい姫と引き離されてこの山に連れてこられて……都恋しく何度も逃げ出したが、そのたびに連れ戻され……」
それでもなお、傷が癒えればまた逃げ出した、と語る茨木。
舞台奥から現れた胡蝶が、切なげに目を伏せて、そっと呟く。
「三年前のあの時は…旅が長かったわ…」
そして、あのとき初めて、自分から山へ帰ってきた……、と。
胡蝶が問うても口を噤んだままの茨木が、藤の葉の問いには言葉を零す。
「どうして…?」
それがどんなに切なくても、それでも、訊かずにはいられない女心。
胡蝶が哀れで、タマラナイ気持ちになりました。
「不思議なことがあるものよ」
夢を見ているような口調で、謡うように茨木が教える。
「そっくりな、あの、ふたり……」
花園と、公時。
……萱野と、そして……、と
■第十二場b 茨木の告白(ある荘園)
萱野(愛花ちさき)とこぞ丸(結乃かなり)。
三年前、旅に出た茨木が迷い込んだ荘園で、下働きをしていた二人。
あまりにも辛い生活の中、それでも手を繋ぎあい、笑顔でがんばっていた二人。二人の明るいまなざしに救われた茨木は、三人で逃げることを考えはじめる……。
二人と茨木との交流については、原作では本編と同じ長さの外伝になっていて、かなり深く描かれているのですが、舞台ではほんの一瞬の回想場面なので、全然わからないんですよね(涙)。
ただ、紀国守の邸で人として育てられた茨木には、独りでは生きていられぬヒトの子の温かさが格別に懐かしく、愛おしいものであったことは想像できるでしょうし……あんな程度でも、伝えるべきことはきちんと伝えているからいいのかな、と思いました。
ただ。ちょっと気になったのは、「三年前」というキーワードですね。
芝居の流れ的に、“都を襲った大火事”で藤子を見失った茨木が、衝撃のあまり(あるいは、藤子を探して?)彷徨ううちに“ある荘園”に紛れ込み…という展開に見えるのですが、原作では、この物語は火事より前だとも後だとも明言されてはいません。
ただ、なんとなく火事よりも前のような気がする。その時点では、まだ、懐かしい紀国守の邸に行けば、幸せそうな藤子に会えることがわかっていて、でも、自分はもう鬼になってしまったから行かない(行けない)、という絶望感があったので。
“会えない”のと、“会わない”。
“見つからない”のと、“会いにいけない”。
茨木の絶望の深さと投げやり感は、後者の方が鮮明な気がします。
けれども。
運命はかく扉を叩く。
身を寄せ合って逃げる算段をする三人の前に、一人の盗賊(鳳翔大)が投げ込まれるーーーー。
「六郎太っ!?」
萱野の悲鳴。
「萱野!ここに居たのか!」
縛られ、連行されている盗賊の、悲痛な叫び。
「知り人か?」
「昔の私の恋人。私のために、盗賊の仲間に…」
と、なれば、
「…三人で逃げる話は…?」
問いかける茨木を、キュッと唇を噛んで、萱野が振り仰ぐ。
「あの人は、私のためにあんな姿に……」
手を握りあい、身を寄せ合って生きていた三人。
なのに今の萱野は、別の人間の手を求めている。
「わかって、茨木。……私は、行けない……!!」
茨木の手を振り払い、六郎太を追って走り去る萱野、
力なく伸ばした指の先には何も触れず、呆然と立ち竦む茨木。
「……萱野……」
萱野は六郎太を連れて逃げた。
後に残された茨木は、絶望の中に取り残されて不幸に浸りこむ。
凝っと何かに耐えるかのように肩を丸め、客席に背を向けて立ち竦む茨木。
「なぜ…私だけ…?」
独りじゃないのに、と思うんですよね。
声をかけることもできない こぞ丸の幼さが、切ない。ここで一言声をかけてあげていれば、茨木も目が醒めたかもしれない、のに。
ふいに音楽が変わり、照明が変わる。
紅く燃えるようなスポットライトの中、あらためて鬼として目覚めた茨木の哂い顔が、酷く痛い。痛いのに、凝っと視ずにはいられない。古傷をかきむしるみたいな、後ろ向きの快感。
「追わなくていいのか?たった今萱野は逃げたぞ!」
鬼に変じた茨木の表情の激しさは、大空祐飛という役者の真骨頂だったような気がします。
世界さえも支配する、彼の、絶望。
「……盗賊の六郎太と!!」
追っ手が放たれ、逃げ切れなかった二人は、お互いを庇いあって死んだ。
姉とも慕った萱野に縋って泣くこぞ丸に、正気を取り戻した茨木が、すいっと白い手を差し出す。
その手を振り払って、少年は叫ぶ。
「人でなしの、鬼!」
愛した人は死んでしまった。
鬼が、殺した。目の前に立つ、この、美しい鬼が。
指をさされてよろめく茨木の弱さが、哀しいです。弱いことは罪なんだな、と思う。
彼にもう少し強さがあれば、たぶん、萱野を追い詰めずにすんだと思う。六郎太と行かせてやるだけの器があれば。
でも、彼はあまりにも子供だった。妖力はあっても、精神的にはまるっきりの子供。
思うようにならない世界に苛立って、すべてを酒呑童子のせいに、して。
変わってしまった自分を藤子に見せる勇気もなく、
ただ、絶望に浸っているばかりの子供だったから……。
■第十二場c 茨木の告白(岩屋に近い路)
「何故あんなことをしたのか、自分でもよくわからない」
そう、茨木は告白する。大江山の途の上で。
「……知らぬ間に、鬼になっていた!」
激昂して取り乱す茨木を、必死に宥めようとする胡蝶。
「可哀相な茨木…」
ふと呟く藤の葉を、蔑むように唇を吊り上げて嗤う鬼。
「可哀相?」
冷たい瞳で、
「…俺は人間ではなかった。俺の中に、鬼が眠っていたのだから」
藤の葉だけを見据えて。
「俺はもう、ヒトとは暮らせぬ。女が欲しければ、攫って来て抱くだけだ!」
目を逸らす胡蝶。目を潤ませて、凝っと見凝める藤の葉。
「これが俺の、真の姿だ。わかったら都に帰れ!気紛れで拾った藤の葉にはもう飽きた!」
藤の葉にだけ語りかける茨木から、目を逸らす、胡蝶ーーーー。
「思い出くらいは作ってやろうか…?」
甘さのひとかけらもない囁きと共に、藤の葉を抱き寄せ、口づけを落とす、鬼。
茨木を突き飛ばして、泣きながら走り去る、藤の葉。
「いいの?…あれで」
堪らないげな胡蝶の問いかけに、止まっていた時間が動き出す。
いいんだ、と肯く茨木に、そっと誘いをかける。
「呑もうか…?二人で」
…ああ、お前と二人で呑むのも、悪くはないな……
どうせ残り、一日かせいぜい二日の平穏。頼光軍が来れば、この山は戦場になる。
だから、……それまでは全ての憂さを忘れて……
忘れられるはずがないことなど、百も承知で。
「そうだな。…すぐに行くから、先に行っていてくれ…」
瞳に絶望を浮かべながら、それでも気丈に「うん」と応じる胡蝶は、やっぱり野生の強さを持った鬼娘なんだな、と思います。
♪ひとでなしのあけくれに
鬼として生きる、ということは。
♪夢のむかしを拾いあつめて、温めて
ヒトであった“あの頃”の記憶のカケラを拾い集めては、飽かず眺める日々が続くということなのか。
♪…ひとときのまどろみのため、に…
それでも、思い出があるから生きていける。
水鏡に映すべき、思い出があるから。
萱野の微笑み、
こぞ丸の怒り、
そして、
藤子の泣き顔……
過去へと戻るタイムマシン(思い出)を持っている茨木は、たぶん、“今”に戻ってきたくないのでしょうね。
変わってしまった自分を見たくない。
幸せだった夢の中に、逃げ込んでしまいたい。
そんな風に後ろ向きに歩くことなど、できはしないのに。
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