大空祐飛さんのディナーショーが発表されました。
3月12日・13日に宝塚ホテル、17日・18日に東京會舘。

……2007年度の有給休暇は、明日で使い切りますが?
もう風邪ひいても休まないわ、という覚悟で千秋楽を観るんですけど、…どうしろ、と?


とか愚痴りつつ、でもやっぱり、嬉しいものは嬉しいですね。
特に、中村一徳さんのショーは大好きなので、楽しみです。

ただ、彼のショーの一番の「イイトコロ」は人海戦術なんですよね。…ディナーショーに人海戦術ってありえなくね?(汗)うーん、ちょっとだけ不安だわ。

それと、あと気になるのが、どなたが出てくださるんでしょうか?ってこと。まさか祐飛さん一人でやれとか言わないよね??ね?(T T)。
物理的に出演不可能なのは、「蒼いくちづけ」後半と「舞姫」に入っているメンバー。

それ以外の方で……

…ごくごく、個人的希望ですが。

さお太(高翔 みず希)さん、(桜)一花ちゃん、(華耀)きらりちゃん、(白華)れみちゃん、という超(猫的)豪華メンバーだったりしたら、全日程コンプリートしたいくらい楽しみなのですが。
(↑その場合、お金と休暇はどこかから出てくるんでしょうか…?)

しかーし、

真面目な話、25000円かあ………。
ディナー抜きで、ショーだけ10000円、とかいうチケットがあればいいのになあ(泣)。
きりやさんやゆみこさんやとうこさんのうたにならそのくらいはらってもおしくな…(だまれ)。

…詳細の発表が楽しみです★

とりあえず中村さんにお願いがひとつ。
タイトルは、「S」で始まる単語でお願いします!(今までのDSタイトルが、「Selfish!」「Spark!」「Spark! 2」なので)




というわけで、今日は1月24日。
月組青年館公演「Hollywood Lover」も、あとわずか一日、たったの一回で終了、です。

久々の、はまりきって、浸りきった公演だったので、終わりが近づいてくるのがとてもさびしいです。

ステファーノさんに会えるのも、あと一回。

……たったの?

いつの間にそんなに時が流れてしまったのか、愕然とします。
でも、「時は後戻りはしない」(byローズ)ので。

最後の逢瀬を、存分に楽しんできたいと思っています。

で。
最後の最後に、見落としがないように、
下級生の小芝居をまとめておきたいと思います(^ ^)。


本当は、今日あたりもうネタバレも解禁だろう、ということで、リチャードさんについて語ろうと思っていたのですが。
……まとまらなかったんだもん(涙)。



■空港
 ここは…すいません、みっしょん(美翔かずき)と(咲希)あかねちゃんのラヴラヴっぷりに気をとられていて、えりおっと(姿樹えり緒)たちをあまりちゃんと観てません…。


 
■記者会見
ここは、まぁ、台本どおりに進行しているだけなので、小ネタというほどのものはないのですが。
ここでは、えりおっとの台詞の巧さが突出しているなぁ…と、いつも感心してしまいます。あと、最近のお気に入りは、(真凜)カンナちゃんの「セクシィ〜〜〜(はぁと)」です(^ ^)。


 
■ダニエルの店
最初、明るくなってすぐ、上手側のカウンターに座るのは(舞乃)ゆかちゃん。少しして(彩星)りおんくんが来て、しばらく話しています。りおんくんが下手のテーブルに合流すると、ゆかちゃんは退場する…のかな?この二人の関係が結構謎なんですよね。単に一人客だったのをりおんくんがナンパしようとしたのでしょうか…?

下手側のテーブル(みっしょん、あかねちゃん、カンナちゃん)については先日も書きましたので省略。とにかく、ミーハーしている女の子たちにムッとしているみっしょんが可愛いです。


 
■撮影スタジオ
スタジオは全体的に、いろんなスタッフがくるくると動き回っているので、特に“何がどう”ということはないのですが。
とにかく全員がいっせいにいろんなことをしていて、しかも大まかな動きは同じでも、細かいところは少しづつ違ってたりするので、とてもとても追い切れません(涙)。

特に、みっしょんとカンナちゃんは、ジャーナリストになったり俳優になったりスタッフになったり、いろんな草鞋をはいているので、観ていてもホントに面白いです。
特にみっしょん。俳優のときは、一生懸命台本を読み込んだりしていることが多いのですが、「椿姫」の場面のアルフレッドはよほど嬉しかったらしく、撮影前にも台本を抱きしめて天に祈っているわ、テイクが終わって「OK」が出るとガッツポーズするわ、大変です。
とーやん(榎登也)やローズなど、「先輩たち」にペコペコしているところがまた可愛い!結構理不尽なことで怒られていたりして、非常に興味深くおもしろいです。
カンナちゃんも、いまひとつ仕事内容がよくわからないのですが、とにかく彼女は笑顔が可愛い(笑)。すれ違うスタッフ一人ひとりに笑顔で挨拶するカンナちゃんにめろめろです。可愛い〜〜♪♪


 
■シーラのパーティー
ここはまさに、小芝居の嵐というべきでしょうか…。
みんながみんな、ありとあらゆる小芝居をしていてものすごく楽しいのですが、とりあえずこの場面の主役と二番手をご紹介するにとどめましょう。

主役はベンのえりおっと。
二番手はマリオのきっしー(彩央寿音)。

です。

えりおっとは、とにかくなんでもいいので見てみてください。
最初はとーやんと話しているのかな?でも、宴もたけなわになって皆がカップルで踊り始めると、だんだんだんだん隅っこに寄っていって………、
客席に向かって「どうおもう?みんなひどいとおもわない?」みたいなアピールをしてみたり(^ ^;)。
最後には下手端で、ボーイの(紫門)ゆりやくんが持つお盆からグラスを両手で次々に掴み上げては飲み干す、という、ものすごい自棄酒っぷりを披露した後、
(光月)るうちゃんたちとか、そのあたりで踊っているカップルを切なげにみつめてから立ち去る、という離れ業。

もう、本当に目が離せませんわ、あの人は。

きっしーのマリオは、典型的なイタリアン。女と見れば声をかけるのが礼儀と思っている伊達男です。超男前!歌い終わった(妃鳳)こころに声をかけ、一踊り。すわ、ウォルター(磯野さん)のライバルに立候補かよっ!と騒然と(猫が)したところで、しつこい“大物俳優”から逃げてきた女優のカンナちゃんを拾いあげ、今度はしっとりと踊りだす…。
ホールドの手が柔らかくてかっこいいんですよ(*^ ^*)。美形度ではるうちゃんエドウィンの方が上だと思うんですけど、やっぱり女は、優しいきっしーマリオに惚れたいよね、と思ったりしました。

とにかく、その“とっかえひっかえ”ぶりがとても素敵です★きっしー。とにかく素敵なので、ぜひぜひ観てあげてください!!


 
■(ちょっと飛んで、2幕)「サラ・ベルナール」打ちあげ
小ネタではないんですが、最初に4人が喋りながら出てきたところでの、るうちゃんの「ステファーノも、これでやれやれだ」という台詞がすごーく好きです。声もいいし、言い方もすごく良い!なんでだか、あの台詞を聞くと笑顔になってしまうんですよ(笑)。

んで、えーっと、小ネタ小ネタ…。

ここもかなり、主役はえりおっとな感じ。
特にサイン関係のところは、彼(?)が良い味だしてますよね★

あと、個人的にですが。
ダニエルのかえこ(良基天音)ちゃんが「俺もサインがほしくて…」って話をしている間、彼の代理で“カウンターに入ってカクテルを作る”みっしょんに惚れました。役者だけでは食っていけないから、普段はここでバイトしてます、とか、そういうネタなんでしょうか(笑)。
戻ってきたかえちゃんと入れ替わるときも、ちょっとアクションが大きくてかっこいいです(はぁと)。
あと、妙に次から次と女の子とばかり話をしているマリオきっしーと、ほとんどずっと男同士でつるんでいるのに、なぜかあっさりダンスパートナーをゲットしているエドウィンるうちゃんの対比が非常に面白いです(笑)。


 
■プレミア・パーティー
きっしーはカンナちゃんの腰を抱いてスタッフ席に。いやー、その腰の抱き方がまた、色っぽくていいです★

ゆかちゃんは、下手のセンター脇くらいの位置に、一人で立っていたと思います。ローズの付き人として参加しているのかな?と思ったのですが、プログラムは「パーティーの女」なので違うのかな。ってことは、微妙に老け化粧なのはわざとなのかなあ…。あんなに可愛いのにもったいない!!と思っていたんですが(T T)。

みっしょんは、新聞記者として上手隅にみあちゃんと二人で。
このみあちゃんが、また物凄く凶悪に可愛いです。はい(にっこり)。

あかねちゃんとりおんくんは下手側の後ろに並んでた…かな?プログラムには「パーティーの男/女」になっているので、りおんくんもチャールズとして参加しているんじゃないみたいですね。
あかねちゃん、シルバーのドレスがめちゃくちゃ似合っててすごいキレイ、です。

ボーイはシーラのパーティーに引き続き、ゆりやくん。
「過去のステファーノ」ゆりやくんは、案外こまごまと登場するのに、「過去のローズ」蘭乃はなちゃんは、他の役では全く出てこないんですよね。最初の新聞記者だけ。
ドレスは着替えるのに時間がかかるのでしょうか…?ボーイだけでなくウェイトレスも居てくれたら、目の保養なのになあ。



月組下級生の小芝居のいいところは、場面を壊さないことだなあ、と、今回しみじみと思いました。
撮影所でもパーティーでも、あんなにやりたい放題いろんなことをやっているのに、場面としてはきちんと成立するんですね。
なかなかできないことだと思います。

舞台を楽しむこと。
出ている場面を楽しむこと。
自分の役を楽しむこと。
これが、観客を楽しませることにダイレクトにつながるのだ、と、
それが解っているメンバーが、愛おしくてなりません。



そして。

あと一日。
あと、たったの一回。

月組の皆様、祐飛さんをどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m。



.
宝塚月組 日本青年館公演「Hollywood Lover」の初日があいてから、早いものでもう3日が過ぎてしまいました…。
7日間・全11公演のうち、3日間・5公演が終了。ってことは、ちょうど明日が折り返し地点、なんですね。

…早いなあ。


バウホール公演との違いは、主に空間の広さ(天井の高さ)と音響、そして、脚本の細々とした手直し…それくらい?

このうち、空間については、出演者一同大きく動くことでカバー、していたような気が(^ ^)。とにかく、あまり違和感は感じませんでした♪

観客席の広さの違いによる緊張感の差というのは、少なりともあると思うのですが。今回は、そこも観客の熱気でカバーされているような気がする(^ ^)。
だって今回、絶対バウホールの時より、台詞の間というか、“沈黙という演出”が長くなっているような気がするんですよ。ステファーノとリチャードの、喧嘩腰のやり取りとか。

なのに、
観客席の緊張が、切れない。

不思議だ…。

BGMも何もない、普通の会話の場面で台詞の「間」を長く取ると、観客の緊張が途切れて、咳払いしたり、あるいはガサゴソ何かを探し始める人がいたり、でテンションが下がる(で、次の台詞が始まるとまた戻る、の繰り返し)のが常だと思うのですが。

今回は本当に、観客の緊張が切れなくて。針を一本落としてもわかるような「沈黙」が、台詞の合間合間に、しかもかなりの長時間入るんですよね……。ちょっと感動しました(^ ^)。


一番問題なのは音響、かな。
高音部(特に、男役さんで声が高めの人の台詞)がクリアになりすぎて、カスカスした雑音が入っているように聴こえる、
逆に、低音部がこもって聴こえてしまって再現できない、など。

特に思ったのが、ビリー(桐生)とマギー(花瀬)のラヴソングでした。バウホールでは「園加ちゃん、歌が巧くなったなー」と思ったのに、青年館では元通り、いやそれ以上にカスカス聴こえてしまったのが残念(T T)。


全体的に、マイクをオンにし忘れた、落とした、付ける場所を失敗して服がこすれたり小道具に当たったりして雑音が入る…などのハプニングも多いですね、今のところ。
短い公演なのにもったいない〜(涙)。


脚本的な手直しは、ホント微調整って感じ…だと思います。なんとなく、バウ版よりさらに「具体的にイメージがわきやすいような表現」に修正されていたところが多かったような(説明が全然具体的じゃなくてごめんなさい)。

個人的には、開幕すぐの最初の撮影現場で、サム(麻月)とナンシー(なっつ)がスタジオ中を駆け回るシーン。
二人を眺めるステファーノの、過去への回想の発端となるシーンですが。
ここのなっつの台詞が「わあ〜!ここで映画撮るのね〜!」に変わってたのがちょっと残念。これ、バウホールでは、直後に流れる過去のローズの「これが映画のスタジオ?」と同じ台詞だった記憶があるのですが…。
変えたのだとしたら、理由を知りたいなあ。前の方がスムーズに回想に入れていいなあと思っていたのにぃ〜。

…とかなんとか言っちゃって、私の思い込み記憶違いだったらすみませんm(_ _)m。



さてさて。
というわけで。脚本的的には大きな変更なし、演出的にも、空間の大きさを埋めるための動きの手直しくらい…ほとんど変更なしで、1週間の稽古を経てさらに深みを増した作品としてお目見えした「Hollywood Lover」(はぁと)。

バウで観たときにも書きましたが、この作品、ストーリーは実際たいした話じゃないんですよね。「あらすじ」としてプログラムに書いてあるとおりの話で、あの「あらすじ」の後に起こるっ出来事って、ほんの3〜4行って感じですもの。

でも。

物語が複雑であることと、「名作」かどうか、というのは全くリンクしていないんだなー、と思いました。



ごくごくまっとうな、真面目に働く人々しか出てこない、
ごくごくありふれた、恋の恍惚と不安の物語。

一番エキセントリックなリチャードでさえ、このくらいの人だったら職場に一人や二人はいるよね(いたら嫌だが)、というレベル。彼らの、なんと普通に、そこで「生きて」いることか。

だから。

だからこれは、オーソドックスな“永遠の恋”の物語。たりえたのだ、と。

……次あたり、そろそろネタバレ解禁して、リチャードとローズのことを語ってもいいでしょうか……?(←語りたい)
とか思いつつ。

まずは先に、下級生さんたちの話を☆


○こころ(妃鳳こころ)
ウォルター(磯野さん)の愛妾、リタ・ボーン

迫力美人。仇っぽくて美形で色っぽくてうつくしい。
そこに居てくれるだけで場が華やぐ、根っからの「愛妾」。

愛人がたくさんいるウォルターが、正式なパーティに連れて行くのは常にリタであるという事実が、彼女の地位を想像させてくれます♪

そして。
今回、一番印象的だったのは、シーラのクリスマスパーティーの歌手!!プログラムには「リタ」の名前で出ているので、元々歌手が本業、という設定なんでしょうか?
いつも、こころの台詞を聞く度に「ああ、いい声だなあ…」と、うっとりしている私ですが、今回の歌は本当〜に素晴らしかった!あの仇っぽい「ホワイト・クリスマス」を、ぜひCD「クリスマス・プレゼント」に入れてあげてほしかったです(*^ ^*)。

ちなみに。
クリスマスパーティ、青年館では絶対ニューイヤーパーティーになると思ってたのに、そういえば変わらなかったなあ…☆


○夏鳳しおりちゃん
ウォルターの愛人、グロリア・シモンズ    

2幕で、ウォルターとリチャード親子が映画「サラ・ベルナール」について激論を戦わせる場面につれてこられる愛人さん。
座り方や仕草がちょっとガサツなのが気になっていたのですが、青年館にきてずいぶんなめらかになって、色っぽくなりましたねー♪

それ以外の場面では、あかねちゃんと一緒に撮影スタッフの衣装係としての登場が多いかな?てきぱきと動いていて、ベン(姿樹えり緒)のフォローもよくやっています♪
しおりちゃんは、本当に服が好きっぽい役作りのような気がしましたが、どうなんでしょうかねぇ…。


○咲希あかねちゃん
ウォルターの愛人、シルヴィア・パーソン

こちらは1幕の、ウォルターとリチャードの最初の会話に付き合っている女です。涼やかな美貌であまり「愛人」という感じでもないのですが、美人でスタイルがいいので、つれて歩いたら自慢になるだろうなあ〜、と納得、な感じ。

他の場面は主に衣装スタッフ。ちょっと好奇心の強いタイプっぽいですね。フィリップ(榎登也)にモーションをかけて、しおりちゃんに怒られたりしていたような気がする(←違うかも)

みっしょん(美翔かずき)のところにも書きましたが、最初と最後の空港でのアツアツの恋人っぷりには、ついつい注目してしまいます。特にラスト。いったん抱き合って別れを告げて、立ち去ろうとするみっしょんを追いかけるまでの逡巡の芝居がすごくいいです♪(どこを観てるんだお前)

あと、こちらもみっしょんと一緒ですが、最初にダニエルの店にステファーノたちが行った時の、隣のテーブルの客をやってるんですよね。これもかなり、好奇心のつよい、物怖じしない娘というイメージで、すごく魅力的でした!!

…そういえば、「椿姫」の撮影でアルフレッドを演じるみっしょんの衣装を直してあげる衣装係もあかねちゃんだったような気が。
背が高くてスタイルが良い二人、並びの絵面もよくお似合いで、コンビで応援したくなってしまいますわ(笑)。

最初の記者会見のジャーナリストでは、リチャードの発言に対して「強気ねぇ」と突っ込むあかねちゃん。とにかく、植田景子さんの中であかねちゃんは「勝気なお嬢さん」なんでしょうね……月娘め。
ちなみに、声もとっても好きです。なんていうか、勝気な声ですよね(^ ^)。


○舞乃ゆかちゃん
ローズの付き人、エヴァ。過去のマギー。

撮影現場で、最初に目に付いた可愛い子ちゃんでした。
付き人としてローズを気遣い、何かと世話をやいているのがわざとらしくなく一生懸命で、すごく好感がもてます。可愛いんだこれが♪

シーラのクリスマスパーティーでは、アーサー・フリードのみっしょんと一緒に踊る赤いドレスの金髪美人。最初の記者会見のジャーナリストでは、ステファーノの発言に対して「いい男〜」とうっとりしているのがそうですよね?声もきれいで発声もよくて♪まだ若いのに、なんか嬉しくなります♪


○真凜カンナちゃん
アン

表情豊かなファニーフェースが印象的なカンナちゃん。撮影現場では、こまごまと働いていて、いっときも落ち着いている時間がない感じ。

一番目立つのは、シーラのクリスマスパーティでかえこ(良基天音)ちゃんの“大物俳優”に口説かれている“若い女優”かな〜?
バウホールのときはカンナちゃん、かなり本気で嫌がっていましたが、青年館ではそうでもないような…?何か心境の変化でもあったのか?(^ ^)。

一幕のダニエルの店では、あかねちゃんと一緒にステファーノのサインをねだりに行く娘。ステファーノがサインしている時の、恥ずかしそうな満面の笑顔がたまらなく可愛かったです。
あれって、最初にステファーノに気がつくのはカンナちゃんなんだよね。あかねちゃんは全然気がつかなくて、カンナちゃんに言われても「誰それ?」みたいな反応(笑)。
でも、気がついた後の行動が早いのもあかねちゃんで、カンナちゃんは「えっ?ホントにいくの?」という感じ。
ついつい、ほのぼのと見守っててしまうお二人です♪


○都月みあちゃん
丸眼鏡にお下げ髪のジーン

舞乃ゆかちゃんとは違う意味で、最初に目に付いた娘でした。
ちょっと野暮ったいスカートを翻し、くるくる働く姿が、かーわーいーいー!!エヴァンゼリンを観てみたい!(*^ ^*)(ぜひ、ミッターマイヤーはみりおで)(←おい)。

最初の記者会見では、ローズの発言に対する蘭乃はなちゃんの「大根女優(けっ)」にうなづいて、「同〜感!」とうなづく娘がみあちゃんだったと思います。可愛いんだこれが♪


とにかく、今回出演している娘役さんたちは皆本当に可愛くて、しかも芝居が出来そうなメンバーばかり。凄く若いのに、ジャーナリスト役などで一言台詞を言うにも、まったくコケる心配をしなくていいのが嬉しい。しかも、どんどん上達してきている♪
無言の芝居もそれぞれ工夫していて、観るたびに違うんですよね。
いいお手本がいるってことなんでしょうけれども、本当にいい子たちが集まってくれたなあ、と幸せな気持ちでした。

役らしい役はまだ少ない子たちですけれども、少しでもチェックしてあげていただければ幸いです♪

毎度のことながら、長くなってしまってすみませんm(_ _)m。
最後まで読んでくださったすべてのみなさまに、心からのキスを!(←BYローズ)(ちなみに、返品不可です♪)

.
月組青年館公演「Hollywood Lover」も、まもなく初日の幕があがります。

同時に、月組バウホール「ホフマン物語」もCパターンの初日を迎え、

そして、トップトリオはただいまイギリス&アイルランドツアー中♪♪

……月組生、みんなみんながんばってます!



そんな中でも。
「Hollywood Lover」の下級生たちについて、ちょっとレポートしておきたいと思います。
青年館公演で変更されるところがあるかもしれませんが、いちおう、せっかくバウでも観てきたので、青年館で初めてご覧になる方に、少しでも見逃しのないように(^ ^)情報提供を♪



「実在の人物」「イタリア人」のくくりは書いたので、次は撮影所のスタッフを。
「ハリウッド映画」の黄金期を支えた(支える?)スタッフたちの、熱意と技術を表現しようとあれこれ工夫してくれている月組っ子たちが、可愛くて可愛くて……。
ステファーノ監督の期待にこたえようと真剣なスタッフたち。
ウォルターとリチャードが経営する会社は、うまくいっているんだなーと思いました。リチャード自身も、今まで(ステファーノとの確執まで)は有能なプロデューサーとして、スタッフの羨望と信頼を浴びていたんだろうなぁ、、と…。

彼らの働く「現場」が、明るく熱気に溢れれば溢れるほどに、
しみじみとリチャードの孤独が身に凍みてくるんですよね……(T T)。



○えりおっと(姿樹えり緒)
スタイリスト?ヘアデザイナー?の、ベン。

おかまちゃんです。見事なキャラクター造形と芝居力。
忘れられない強烈な印象を与えますよね、この役。休憩時間なんかに、「あのおかまちゃんは誰?」って声をよく聴きます。
…“えりおっとですよ”、と振り返って教えたいのを我慢するのも、結構大変だった(苦笑)。
ぜひぜひ、みなさんも注目してあげてください。

一番の見せ場は、サラ・ベルナールの鬘を金髪にしろ、という無理難題に「よよよ…」と泣き崩れてしまうあたりのやりとりの緒面白さと、
2幕、「ダニエルの店」での打ち上げ会場でのステファーノとのやりとり。「いやぁん、なんてステキ☆」とか、ステファーノにサインをもらいながら呟いているエリオットが真剣にキュートで、ちょっと惚れそうでした。
良い役でしたねぇ〜。

ただ、彼のデザインした鬘が、あいちゃんローズに『ものすごく似合っている』かどうか、というと……
微妙、なのかもしれないなー……(←そこがいいと思います!)



○りこ(麻月れんか)ちゃん
ADのサム・ブライトン。

この役、本当においしい良い役なんですけど。りこちゃんの『高すぎる声』という欠点にもうまく宛てられていて、いい感じに“ちょっとウザいけど憎めない”というキャラクターができていたと思います。

いやー、良くがんばったよね、りこちゃん♪
出番も多いし、やることも多いし、しかも幕開きと閉幕どちらもサムだし……大変なプレッシャーだったと思うのですが。
また青年館で、一回り成長したサムに会えるのを楽しみにしています♪

ラストの空港での名台詞。へんにヒネらないでストレートに言ったのが良かったんでしょうかねぇ…。
バウでは観るたびに泣いていたこの場面、組替えが発表された今観たら、どんな精神状態になるのやら…自分でも予想ができません(^ ^;;;。



○なっつ(夏月都)
サムの恋人、ナンシー・ベネット    

とにかく可愛い、ひたすら可愛い、
何はともあれ、ものすごく可愛い!
それが、なっつなんだなーと思いました。

普通なら絶対ウザくなるはずの役を、りこちゃんと二人で『爽やかにウザく』、ステファーノの郷愁を呼び起こすキーパーソンとして、話を引っ掻き回すトリックスター、道化者として場面場面にちょっかいをかけてくる存在。

一番可愛かったのは、「サラ・ベルナール」の試写会が終わるのを会場の外で待っているナンシー。
小さく丸くなってしゃがみこんだ、まるで見捨てられた子供のような姿勢のナンシーが切なくて可愛くて。「皆早く出てきてあげなよ!」っていうか、「ナンシーも入れてあげなよ!」っていうか……そんな気持ちにさせられましたね。

なっつがいなくても、この物語はこのとおり進行させることができますけれども。なっつがいなかったら、観客の気持ちが動く場面はもっと少なくなってしまったんじゃないかなーと思います。
そういう意味で、ナンシーという役は「観客」と「舞台」をつなぐ役でしたし、なっつは下級生の頃からそういう役が巧かったっけなあ、と思ったりしたのでした。



○とーやん(榎登也)
俳優のフィリップ・ディオン。映画「サラ・ベルナール」では、ヒロインの相手役を務めます。
イタリアンなスタッフからは「使えないアメ公」的な評価を受けるフィリップさんですが、私は結構あのキャラクターが好きだったりします。
きっしーに「頭悪そうだよなあ…(溜息)」とかぼやかれたその脇で気障っちく髪をかきあげる仕草とか、最高にステキでした。

それにしても87期はみんな声が高いなあ(苦笑)。
りこちゃんも高いけど、とーやんも負けじと高い。あの声では芝居の幅がどうしても狭くなってしまうから、ステファーノ監督の求める演技ができない、っていうのは解るのですが。

しかし、なんで「テキサス訛」なんだろう?
訛のためにトーキーで苦労する、っていうと、「雨に唄えば」のリナを思い出すのですが。
…サイレント映画の黄金期が「遠い昔に終わった時代」として語られる「サンセット大通り」が1950年の作品であることを考えると、フィリップは最初から“トーキーのスター”だったはずですよね…?

うーむ。

いくら当時の「ハリウッド映画」というか「大衆娯楽映画」に演技力が必要とされていなかったとしても、言葉の訛は難しい問題だと思うんだけどなあ…。
今までテキサス人の役を専門にやっていた売れっ子俳優だった、っていう可能性もありますが(西部劇は人気分野だし)、リチャードはどんな理由で彼を、ヨーロッパ色が濃厚になることがわかりきっている「サラ・ベルナール」のメインキャストに登用したんしょうねぇ…?

フィリップ以外の役では、最初と最後の空港の場面での旅行者の役がありますが。
…あのド金髪に派手な顔立ちはとっても目立つので、帽子を被って髪を隠すとか、サングラスをかけるとか、何か工夫してくださらないと『あれ?なんでフィリップがここに?』と思ってしまう私のような観客が…(←お前だけだ)



○みっしょん(美翔かずき)    
俳優のハロルド。映画「サラ・ベルナール」では、挿入芝居である椿姫の場面でアルフレッドを演じています。

とにかく美しい人(惚)。
ジャーナリストと木っ端役者を交互に演じていますが、姿が美しいのでどこにいても目立ちます(^ ^)。

個人的には、最初と最後の空港の場面で、メインの芝居とは関係のない“通行人”として、咲希あかねちゃんと遠距離恋愛中の恋人(夫婦?)の芝居(幕開き:遠くから帰ってきて久しぶりに出会う、ラスト:再びの別れ)を万感をこめて、アツアツで演じているのが楽しそうで楽しそうで(笑)。

ハリウッドの大物たちが集まる、シーラ・グレアム主催のパーティーでは、プログラムによるとプロデューサーのアーサー・フリード役らしい。もちろん、映画「雨に唄えば」や「巴里のアメリカ人」などで有名な、あのアーサー・フリードですよね…?
ヒゲがものすごく良く似合って、ダンディで素敵なおじさまでした。うっとり…。

あと、ハリウッドに来たばかりのステファーノが園加ビリーに再会する「ダニエルの店」の客。咲希あかねちゃん・真凜カンナちゃんがステファーノにサインをもらいに行くのを“憮然”として嫌そうに眺めているのがとても楽しい。
で、サインをもらって戻ってきた女の子二人がきゃいきゃい盛り上がっているのを、話にのってあげてサインブックをのぞきこんだりしながら、時々「けっ」って顔までしているのも芸が細かくて大好きです♪♪
「あかねさす紫の花」での有間皇子でも思いましたが、本当にお芝居好きなんでしょうねぇ……。もう少し役がつくといいんですけどね(涙)。



○(彩星)りおんくん
フィリップの付き人、チャールズ。実は俳優志望らしい♪

私は、この人の芝居は割と以前から面白くて好きなのですが、
今回は「わがままなスターに振り回される俳優志望の付き人」という役をとても手堅く演じていて、良かったと思います。
キビキビとした動きとか、呼ばれたときの返事の歯切れよさとかが、現場の緊張感を伝えてくれたと思います。

でも。
今回のりおんくんの一番大事な仕事は、ラジオの声と、フィナーレの影ソロ。
ラジオの淡々とした柔らかな声と、いかにもアナウンサーらしい明確な発音。台詞の歯切れのよさっていうのは、大事なことなんだけど、やりすぎると劇団四季の若手みたいに芝居のニュアンスがゼロになってしまって意味がなくなってしまうものですが。
りおんくんの台詞は、滑舌がよくて解りやすいけど、カチカチしてない、いい台詞だなあ、と思います。
一度、本格的な古典劇に挑戦してみてほしい人です。

そして、主演コンビのデュエットダンスの、影ソロ。
いつまでも聴いていたい、何度でも聴きたい、素晴らしい歌でした。
踊れて、歌えて、喋れる。更なるご活躍を、楽しみにしています♪



長くなってきたので、可愛い可愛い娘役さんたちについてはまた後日。
…っていうか、この公演、祐飛さん好みの可愛子ちゃんたちが多すぎですよね…。共演者を顔で選んだのか、大空…。







「ホフマン物語」については、みっぽー(美鳳あや)ちゃんのインタビューが日刊スポーツに載っているとの情報をいただきましたのでご紹介させていただきます♪
http://osaka.nikkansports.com/entertainment/takarazuka/top-takarazuka.html

ワークショップの組長も2度目のみっぽー、しっかりモノらしいコメントで男前です♪
芝居巧者だから、ジュリエッタもさぞ良いだろうなあ…観たいなあ……(Bパターンのオランピアは、信じられないほど可愛らしくてキュートでした。詳しくはまた後日)
しっかし、もっと良い写真撮れなかったんかい…(涙)。ファンの贔屓目で見ても「美形」かどうかは…、とはいえ、普段はホントに可愛いのに…


.
月組バウホール公演「ホフマン物語」を観て、の、感想のつづき。

えーっと。

これはあくまでも「ワークショップ」なので。

……できていなかった人から先に書かせていただこうかと思います(滝汗)。
ちょっと辛口になってしまいましたが、次の公演での糧になることを信じつつ。


今回はっきりと「苦戦していた」と思ったのは、2幕4場(オランピア)までのマギー(星条海斗)でした(T T)。
アンドレス/フランツ/コシュニーユ、っていうのは、オペラでは5場(ジュリエッタ)のピティキナッチョと同じ人が演じる役で、つまりは典型的なトリックスターの役なんですよね。

物語をかき回して、調和を乱すだけ乱して、素知らぬていで立ち去っていく役。

それを、典型的な立ち役タイプのマギーが演じる?
そ、それは……難しいんじゃ?っていうか、無理だろう?今は、まだ。

また、すぐお隣に宝塚一のトリックスター、マヤ(未沙のえる)さんがいるのも辛かったかもしれませんね。どうしたって、観ていて“ああ、マヤさんとマギー、役が反対だったらなあ…”と思ってしまうのは止められませんでしたからね。
まぁ、本来なら「マヤさんに教えてもらえ!」っていうツモリも含めての配役だったんでしょうけれども。今回、マヤさんはマヤさんで、結構キャラクターの違うおじさん3役で大変そうだったし、そもそも“トリックスター”っていうのは、教えられるものではないし……(谷さん、そのくらいは理解してあげてくださいよ)。


ま、マギーにとっては、すごーくいい勉強になったはず、とは思います。こういう役って、確かにマギーの一番の弱点のような気がする。芝居を引っ掻き回すためには、場が読めないと難しいですから。
居方を掴もうとして苦しむのは、マギーみたいなタイプの役者には必要なことなのだと思います。芝居は、“自分ひとりの役をきっちり作ればいいんだ”、というものではありませんから。
マギーも、もう若手じゃないんだし…。
……次こそは、“何か”がつかめますように(祈)(^ ^)。

ジュリエッタの章のシュレーミル(ジュリエッタの求愛者)は、普通に2番手格の二枚目役でしたし、似合っててカッコよかったです。迫力ありましたねー。さすがマギー。
歌(有名な「ホフマンの舟歌」を歌う)もとても良かったです♪しかーし。もともと声量がある人な上に狭いバウホールなんですから、音響さんもう少しマイク感度を考えていただきたい、かも(涙)。

後半戦のマギーは、もりえちゃんがやっていた悪魔役。
…そりゃー似合うだろうしかっこいいでしょうねぇ〜!ああ、観たくなっちゃうよなあ(T T)。


そして、それ以上に(←ごめんなさい)観たくて観たくてたまらないのが、(青葉)みちるちゃんの召使3役。
みちるちゃんの今までのお芝居って、どちらかというと「落ち着いた」「地に足のついた」という感じだったのですが。

宝塚生活の最後に演じるのが、トリックスター。
この難しい役を学んで、そして、
      …どこへ行くというの?みちるちゃん……(泣)。



マヤさんは、ルーテル酒場のおやじと、アントーニアの父親クレペルと、オランピアの創造者スパランツァーニと、ジュリエッタの下僕ピティキナッチョ。
一番似合っていたのはピティキナッチョで良いとして(背中に垂らした白い羽飾りが天使の羽みたいで、後姿がめっちゃキュートでした♪)、意外に苦戦していたのがクレスペルだったような気がしました。

クレスペルって、亡き妻を愛し、娘を愛する「普通の父親」なんですよね。
マヤさんの演じる「普通の父親」像、
……これにひっかかるのは、先入観、というものなのかもしれませんが……。


五十鈴ひかりちゃんをはじめとする、ルーテル酒場のホフマンの仲間たち、は、
一生懸命、だったなあ…(しみじみ)。

五十鈴さんはさすがに巧かったけど、結構新公などで役がついているはずのマグ(流輝一斗)ちゃんとかが案外とへろへろだったのが意外でしたねぇ。
マヤさんと五十鈴さんでなんとか場をもたせていた印象だなあ。

ここは、各場面のヒロインたちも普通に酒場の客として存在するので、娘役さんたちのチェックに忙しく、下級生があまり覚えられませんでした……。反省っ。名前ついてるのココだけなのにさーーーーっ!(涙)


二クラウスの宇月颯くん。
宇月くんって、私は「暁のローマ」の新公のときから「声がいい」ってメモに書いているくらい、実はお気に入りだったのですが。
なんだか最近、急速に(特にハロー!ダンシング以来?)役がつくようになって、ちょっと驚いています。

二クラウス役は、オペラではミューズと同じ人が演じるズボン役(メゾソプラノなど、ちょっと低めの声の女性が演じる青年役)。
まぁ、今回はミューズ役として別にみっぽー(美鳳あや)ちゃんがいたので、普通に男役として演じていましたが、結構微妙な芝居をきちんとやっていたのがとても好印象でした。

この役は本来、ホフマンの才能を愛し、魂を救おうとするミューズの化身なので。
実はホフマンを「愛している」、という解釈がなりたつのです。

ジュリエッタの館でのカードゲーム(賭け事)に耽溺していくホフマンに対して「やめておけ。それ以上やるというなら俺は帰る」(ちょっと違うかも?)という台詞を吐くときの苦しそうな態度とか、観ていて痛いくらい気持ちが入ってましたね。

基本的に「ホフマンを見守る」友人、というポジションに満足していながら、見凝めることしかできなくて切ない、心が痛い、という、相反する二つの思いを抱えて。

それでも、ミューズの命ずるままに、ホフマンを追う。
彼の魂を救いたい、と、希う。

それはまるで、恋のように。
ミューズが焦がれる詩人の魂、に。


ダンサーだとばかり思っていましたが。

芝居もかなりできるということも知っていましたが。

…歌えるというのは初めて知ったような気がします。
すごい、めちゃめちゃ好みの声でした。はい。

ううう、これ以上好きな人増やしてどうするんだろ私……。

「ME & MY GIRL」の新公、何をやるんでしょうね、宇月くんは。
「ファンシーダンス」で、あれだけ出ずっぱりで大活躍させてくれた三木さんの作品だから、結構良い役つくかもしれないなあ♪
(←観る気満々です♪)

.

詩人の魂

2008年1月15日 宝塚(月)
月組バウホール公演「ホフマン物語」を観てまいりました。
キャストはいわゆる「Bパターン」。

以前観たオペラ版のキャスティングについてはこちら。
http://diarynote.jp/d/80646/20071118.html

念のため、キャストを書いておきますね♪

全幕
  ホフマン  明日海りお
  ニクラウス 宇月颯

1幕1場
  悪魔    青樹泉
  ミューズ  美鳳あや
  影法師S  流輝一斗、麗百愛

1幕2場 ルーテル酒場
  リンドルフ  青樹泉
  アンドレス  星条海斗
  ルーテル   未沙のえる

  エリオット  五十鈴ひかり
  テオドール  流輝一斗
  ヘルマン   煌月爽矢
  ナターナエル 輝城みつる
  ウィルヘルム 千海華蘭
  グレッチェン 玲実くれあ
  ファウスタ  花陽みら
  レオノーレ  真愛涼歌

1幕3場 アントーニア
  アントニア    青葉みちる
  ミラクル博士   青樹泉
  クレスペル    未沙のえる
  フランツ     星条海斗
  アントニアの母親 萌花ゆりあ

2幕4場 オランピア
  オランピア    美鳳あや
  コッペリウス   青樹泉
  スパランツァーニ 未沙のえる
  コシュニーユ   星条海斗

2幕5場
  ジュリエッタ   夢咲ねね
  ダッペルトゥット 青樹泉
  ピティキナッチョ 未沙のえる
  シュレーミル   星条 海斗

2幕6場 ルーテル酒場
  ステッラ 羽咲まな
(他は1部と同様)

以上です。



とにかく音楽が素晴らしかった!
そして、
可愛い下級生たちが、とにかくもう必死!って感じで舞台の空間を埋めようとしていて、そのがんばりっぷりに真面目に涙が出ましたね。

「本公演」ではない、「ワークショップ」だからこそ許される、豊かで実りある、贅沢な時間でした。

細かいことを言いだしたら、本当にキリがないです。
そもそも主役のみりおくんが完全に喉を痛めていて、前奏が鳴り出すたびに観ているこっちまで緊張して手に汗を握ってしまうような状況でしたし、
1幕ルーテル酒場で話の進行役を勤める下級生がまるっきり棒読みだったり。
初日近くは上級生もずいぶんカミカミだったと聞きました。

それをもって、「4500円の価値はない」と断じるのは、とても簡単なことです。

でも、この公演はワークショップだから。

最初から「不可能」な課題を与えて、「どうすればこの障害を乗り越える道をみいだせるか」を学ばせる場であって、障害を乗り越えて目的地にたどり着くのは、次の公演、あるいはさらにその次の公演でもかまわない、と思うから。



そういう意味では、オペラの音楽を大半そのまま使ったこの作品は、音楽的にも芝居の上でも高いハードルを科してくれて、この上もなく素晴らしい勉強になったはず。

正統派の“男役”が主人公で、
いろんなタイプのヒロインと組んでがっつり芝居ができる作品。
切ないラブロマンス、
コメディ、そして、
幻想的な物語。

宝塚で求められる「お芝居」を、この一本で勉強できる。
それが、この作品が「ワークショップ向き」だ、と思うポイント。


思ったより役が少なくて(主要な役はほとんど、役替わりで少数の役者が演じてしまうので)、下級生はあまり出番がなかったのは若干残念でしたけれども。

でも、たぶん代役がついたりしているんだろうし、一本の作品であれだけバラエティに富んだ音楽と芝居を勉強できる機会って滅多にないので、いい経験にはなったはず。
全組これでも良かったんじゃないか、と思ってしまうほど、「ワークショップ」向きのいい作品でしたし、いい公演でした!

組ファンでない方、月組下級生に全然興味の無い方だと、ちょっと辛かったかもしれませんが。
ちょっとでもお気に入りの人が出ていたら、ぜったい涙が出てくると思いますよ!…ご贔屓さんのがんばりっぷりに。

それもこれも、作品自体が名作だから、なんですけどね。




ホフマン役のみりおくんは、ほんとーに美貌で華やかだ…。
歌は、今まで新公などで観てきて「かなり歌える人」という印象だったのですが、今回は…台詞声は良かったのですが、歌は本当にギリギリで(T T)。歌いだす前にも、ご本人が緊張して肩に力が入るので余計に出なくなっちゃうんでしょうね…。観ている方が疲れましたわ(涙)。

普段は物凄く芝居勘のある人なんですが、今回はちょっと苦戦したかな。声が出ない焦りもあったのかもしれないし、根本的に、“見た目が若すぎる”というのは、こういう役では不利なのかもしれません。


それと、彼女の芸風はとっても「リアル」な男の子、なんですね。浮世離れした美貌の割りには。

実際、今までヒットを飛ばしてきた「The Last Party」の学生、「パリの空よりも高く」のジャン、新公のアントニウス(「暁のローマ」)やボルディジャール(「「マジシャンの憂鬱」)……どれもこれも、非常にリアルで存在感のある、現実を見据えた有能な男、だったんですよね。
あんまり幻想的な役とかファンタジックな役は記憶にない。
あ、「エリザベート」の少年ルドルフがあったか。でも、みりおくんのルドルフは、大人になったら『祐飛さんでなくまさお(龍真咲)になる』ところが納得できる芝居だなーと思ったんだ…。

…だいぶ話が逸れてしまいましたが。

みりおくんのホフマンは、挿入話として語られる3つの物語のホフマンとしては違和感ありませんでした。
ハンサムで、魅力的で、自信家で、恋を語るにふさわしい、男。

でも。

最初と最後のルーテル酒場でのホフマンは、完全には掴みきれないままに千秋楽を迎えてしまった……そんな気がした、というのが観劇しての正直な感想でした。

ルーテル酒場でのホフマンは、「詩人」です。

「男」である前に、「詩人」。

現実処理能力を持たず、
それどころか「現実」を見ることさえできず、
夢の世界に生きている、男。

なのに彼は、天使でさえ、ない。
せめて天使であったなら、居場所を求め、愛するひとを求めて彷徨うこともなかったろうに。

でも彼は、天使じゃないからこそ、詩人たりうる。
天使じゃないから、ミューズの愛を勝ち得ることができたのだから…。



そんな。
「地に足のつかない」男を演じるには、今のみりおくんは、あまりに「リアル」でありすぎたと思います。

ただ、普通は、あの学年で「リアル」な男役になることの方が難しいと思うから。
今できないからって、永久に出来ないってもんじゃない。

みりおくん自身が、今回演じた「ホフマン」が完成形だ、と思わないでいてくれれば、それで十分だと思います。

伸びしろはまだまだいくらでもある人だと思うから。

「みりおくん」が、リアルもファンタジーも演じられる“男役”として完成される日を、楽しみに待っています。


そんでもって。
…二クラウス、観たいなあ……(うっとり)





悪魔/その他3役のもりえちゃん。

すっごく良かったです!
今までのもりえちゃんの中で、一番良かったかも!あ、いや、一番良かったのは、やっぱり「オクラホマ!」かな?(可愛かった♪)
でも、今回もすごく良かったです。あんまり期待してはいなかったので(ごめんなさい)、嬉しい驚きでした。

みりおくんはじめ、下級生が皆あっぷあっぷしている中で、さすがに大役馴れしているというか、落ち着いて演じていて、カンパニーの中でも重要なポジションにいるんだろうな、と思いました。
楽の挨拶でへろへろしている同期のみっぽーや下級生のみりおくんを、にこにこしながらちょっと心配そうに見守っている視線が萌えでした(^ ^)。


今回の芝居について、あえて苦言を呈するならば。
オランピアの場面でのコッペリウスの化粧は、あれでいいのでしょうか…?
全編通して悪魔メイクというか、目元の濃いアイシャドーと白い肌色のトートメイクのままだったのですが、このコッペリウスって、役的にはオランピアを作った発明家(物理学者?)スパランツァーニの弟子みたいな存在なんですよね。で、自分のアイディアをスパランツァーニ「先生」に取られて、その代金を請求するために現れる。

もりえちゃんの役づくり(台詞の言い方とか表情とか)は、普通に青年っぽい感じだったのですが…、メークがトートメークのままなので、なんだか笑って良いのか悪いのか…って感じになってしまったんですよね(^ ^;。

まぁ、オペラと違って連続で次の場が始まってしまうので、化粧替えをするのは不可能だったんでしょうけれども。
それならそれで、もう少し、演出家として役作りの指導をしたりするのも必要なのでは…?>谷さん。


演出的には、谷さんの演出は手堅いし、セットや衣装(使いまわしばかりでしたが)もよく考えられていて悪くはなかったのですが…。

場面転換だけは、もう少しどうにかしてほしかったなー。

各場が切れるときに、暗転してから平幕が降りてくるまでがすでに間抜けなほど間があいてしまうんです。あれをカーテン式にして「さーっ!」と閉める形式にするだけで、ずいぶん格好がつくと思うのですが。

この作品は、元がオペラなだけに場面も多く、しかも場が変わるごとにセット転換があるので、そこをどうつなぐかがこの作品を「ミュージカル」として上演する際の課題だと思うのですが。
菅沼氏は、そこはどうやって解決されたのでしょうねぇ。30年前は、今と違って2分や3分幕がおりっぱになっても何とも思わなかったのかな?(汗)

「心中・恋の大和路」では、場面転換が気になったことなかったのですが…。



ふぅ。
とりあえず、お二人書いたところで、いったんきりますね。
おやすみなさいませ…Zzz


.
年明け早々、仕事が死ぬ程忙しくて、日記書いてる暇もありませんでした(涙)。
一週間で、ちゃんと終電までに帰った日が二日、タクシーが一日、始発が二日…世の中はまだまだ松の内なのに、なんでこんなことに(T_T)



反応したいことも色々発表されたのにぃ〜〜!!



だいぶ出遅れてしまいましたが、反応させていただきます。
まずはやっぱり、月組大劇場公演「ME&MY GIRL」配役。



役替わりですねえ〜!
予想はしてましたけど、実際に発表されるとやっぱり驚きます。あいちゃん、みりおくん、大変だけどがんばってね!!

…さすがに遠征は一回しかできない…(←ホントに?)ので、東宝でも役替わりしてくれることを祈ります。




そして、マヤさんの参加。

伝説のパーチェスター、(ですよね?)めちゃめちゃ楽しみです!
観たかったんですよ(感涙)

あと、気になるのは新人公演。個人的にビルはみりおくんかな、と予想していたのですが……、
本役が女役の大役では喉の管理も大変だし、ビルとなったらあまりに大変しぎるような気が…。
むしろ、マリア侯爵夫人だったりしないかなあ(はぁと)
あ、でも、みりおくんには「絶対に」転向してほしくないので(←それは勿体なさすぎ!)、この公演だけにして博多では男役に戻って欲しいのですが。いくらなんでもジャッキーとビルって……大変すぎません?

あ、でも
ファンの方は新人公演くらい男役で、って思うのかな?だったら…ジョン卿、とか?(←大変さはビルと変わらないような気が)





…もう一つ、星組「アンナ・カレーニナ」配役。

べにー(紅ゆずる)、カレーニン役、おめでとう!
絶対観に行きます!!頑張ってね!


…と思ったら、ともみん&べにーの公演中、月組ジャッキーはあいちゃんだった(はぁと)。
女役初のジャッキー、楽しみにしています!! プレッシャーは大きいと思うけど、応援しているので頑張ってね♪♪




日本青年館「A-"R"ex」、初日おめでとうございます♪
シビさんもりんかちゃんも、いよいよラストスパートですねぇ。
あとわずかに一週間。思いっきり舞台を楽しんでくださいますように。
(毎回同じコメントでホントすみません汗)



ふと気がつけば、もう7日だというのに私はまだ今年の観劇初めをしていません(家族サービスと仕事以外、基本的にずっと引籠ってたもんで…)。

この調子だと、初観劇は週末の遠征になる…かな?
うーむ。観たいものは多いんですけどねぇ(涙)。



衝撃の組替発表からもうすぐ2週間。…うおお、半月たっちゃうよー。

そのおかげで若干間があいてしまいましたが。
リハビリがてら、「Hollywood Lover」について少しづつ思い出し語りをしたいと思います。

バウホール公演も終わったことだし、そろそろネタバレしてもいいんじゃないかなーという気もしつつ、まぁ、ねた切れするまでは差し障りのない範囲で語っていきたいと思います♪




と、ゆーわけで、

今日のテーマは、ステファーノ・グランディ監督が連れてきた、イタリアンな3人組について。

ちわわ(涼城まりな)は、衣装デザイナーのモニカ・アジャーニ。

りこ(麻月れんか)ちゃんのサム(AD?)が、空港で挨拶する前から知っていて、「憧れの人がココにっ!!」というハート目で見ているところからすると、かなりのスターデザイナーなんでしょうね。

そして、ステファーノの恋人。それが、今のモニカ。


今回のちわわは、本当に良かったです。
今まで観てきた中で、彼女のベストアクトだと思います。…しみじみと。

「The Last Party」のときは、子役だったせいか、ちょっとやりすぎのお芝居が鼻につくところもあったのですが、今回は本当〜に魅力的だった!!
美しくて、有能で、サッシーナで、優しくて、大人。
ステファーノが「理想の男」なら、モニカは「理想の女」だと思う。そのくらい、景子さんの気持ちの入った役だったと思います。
娘役じゃない「女」役であれだけ良い役って、柴田作品には時々あるけどそれ以外では滅多に出会えないよね、ってくらいの良い役。

そして、その期待に十二分に応えたちわわが、本当に本当に素晴らしかった!


小柄だけど、スタイルの良いちわわ。
景子さんが吟味し尽くしたであろうこだわりの衣装が、どれも物凄くよく似合って、高級感のある女になりきっていたのが、まず◎でした。
そして、“ちょっとした”仕草のさりげなさがポイント!
撮影現場の合間に、ステファーノにデザイン画を見せながら話す時の、手の置き方、体重のかけ方、話しかけるときの目線。甘えるのではなく、とにかく自然に「恋人」の雰囲気を醸しつつ、「でも今は仕事中」というクールさがあって。
また、そんなモニカの存在を自然に受け入れているステファーノが素敵すぎなんですけどっ(*^ ^*)。



私がこの作品中で一番好きな場面は、1幕中盤の撮影風景。あひちゃんのローガンから映画の内容にクレームが入った後の、撮りなおしの場面です。
「Filmin’ The Truth」…歌詞でいえば「カメラが映し出す真実」のリフレインのところ。



で、ね。
…ここのちわわが、最高に良い女なんですよ〜!



「ローズ(城咲あい)のために最高の映画を撮ってやりたい」と全力を尽くすステファーノの横顔を、遠く見つめるモニカ。

撮りなおしが決まって、最初はなんとなくぎこちなかった現場。それが、ステファーノの“撮りたいもの”がスタッフ一人ひとりにも見えてきて、空気が少しづつ流れはじめる、



そんななか、で、
元々、イタリアで“芸術的”なステファーノ監督の映画に付き合っていたメンバーたちは、かえってとまどいを隠せない。


なぜ妥協するの?
蒙昧な大衆に迎合する必要なんてないじゃない。あなたの芸術はとっくに認められているのに、なぜ今更?


のーてんきなサムの言葉。

「ステファーノ監督、本領発揮!って感じッスね〜!」

でも、モニカは賛同できない。

「…いいえ…、」

“本領発揮?そんなはず、ない。そんなんじゃないはずよ…だって、”

「あんなステファーノ見るの、はじめてよ…」



その。

搾り出すようなたった一言の、声、が。

切ない声、でした…(T T)。





(光月)るうちゃんは、音楽担当のエドウィン・シュバーク。
きっしー(彩央寿音)は、照明のマリオ・カヴァッリ。

この二人は、ほぼコンビで登場。出番は2幕中盤で終わりますが、それまではリチャード・ローガンがメインの場面以外ほとんど出てるんじゃないかな…?
いやー、まだ研6なのに、この二人の芝居の巧さときたら……
感銘。

二枚目俳優役のとーやん(榎登也)を見ながら「…頭悪そうだもんなぁ……」とさらっと言ってのけるきっしー。
「新曲のメロディができた!」と貌をあげる瞬間に、喜びの中に“隠し味としての不安”と“ひとつまみの自信”を混ぜこんで見せる るうちゃん。

(嘉月)絵理ちゃんが言っていた「月組の芝居」は、さりげなさが真骨頂で。
まだ新公学年の下級生に、こんなにも脈々と受け継がれているのを見ると、それだけで本当に幸せになります。

っていうか、なにげに月組88期ってすごいですよね♪♪
この二人以外にもあちょう(華央あみり)さんがいて、鼓(英夏)さんがいて…、芝居好きの猫には、将来が楽しみでたまらないメンバーです♪


この3人と、ステファーノ。
「ハリウッド」という“異世界”の中で、この4人だけが共通の下地を持っています。
ステファーノの目指す映像、
ステファーノの目指す芸術、
我々がいなくては、それを達成することはできない、と自負している。


彼らが「イタリア映画界」でどのようなポジションにいて、ステファーノと出会い、一緒に仕事を始めてからどのくらいの時間がたっているのか、
いままでにどんな作品を作っているのか、

それは、作品中で語られることはありませんが。

たぶん、景子さんの頭の中には、そのへんもきっちり設定があるんだろうなあ〜〜〜。
(ほとんど妄想設定の域ですが)

景子さん、ぜひとも来週あたりに『「Hollywood Lover」の裏設定、ひとつのこらずぜ〜〜〜んぶ話してあげようトークショー』をやってくれないかなあ………。

(景子さんは荻田さんと違って、結構話したがりっぽく見えるので、場を与えれば絶対喋ってくれるとおもうんですけどぉ……)




.
月組ドラマシティ公演「A-"R"ex」についての、つづきです。



なんだか、改めて読み返すと意味がわかりにくいですね、昨夜の文章…(反省っ)(っていうか、長すぎ)
あらためてまとめなおそうと思ったのですが……うーん難しい(汗)



非常に興味深い作劇だ、と思いました。
とにかく強く印象に残ったのは、アレックス以外の登場人物がすべて「キャラクター(性格)」を持たない「記号」であったこと、です。



70年代、という時代背景の中で。
舞台装置と簡単な筋書き、そして、記号化された役者たちを残して作者は去り、
唯一の「人間」である「瀬奈じゅん」が、主人公アレックスとして舞台に呼び出される。

二重構造、ということがよく言われますが。
たとえば、「The Last Party」が二重構造である、というのとは根本的に意味が違う、と思いました。

「The Last Party」での“役者”たちは、基本的に作者(植田景子さん)の意図を説明するために設定されているだけ。
あくまでも舞台の上に居るのは「スコット」であって、「YAMATO」でも「OZORA」でもなかった。
あの作品は、本質的に『二重構造』ではなく『二役』というべきものだったと思います。



でも、荻田さんは麻子さんに、「瀬奈じゅん」のまま舞台に立って、「アレックスを演じる」ことを要求する。
これこそがまさに『二重構造』なんでしょう、多分。
麻子さんは、一瞬たりとも「アレックス」にはならない。あくまでも「アレックスを演じる瀬奈じゅん」であり続ける。


こういう構造を作ることで、観客が「瀬奈じゅん」という寓像に対して抱く幻想をも、荻田さんは舞台の中に取り込んでしまう。

そもそも、この役は個人ではなく「宝塚の主演男役」に宛書された役なので、その幻想も強烈です。
あらかじめ筋書きが与えられ、それによって規定された役割(「あなたは闘うために生まれてきたの」)を、言われたとおりに演じることを要求される苦しさや孤独、といったものはその最たるものなのでしょう。

でも。

ある意味、「与えられた役割を必死でこなす」ことは、慣れてしまえばたやすいことです。何も考えなくても、神に与えられた使命を果たせばいいのだ、と思い込むことは。

それが「幼児の幸福」であり、「奴隷の自由」なのだ、と、
…そんなことに、気づきさえしなければ。



その真実に目を向けさせるのが、記号としての“蛇”のお役目。
エデンの園にしのぶ蛇は、ただの悪魔ではありません。彼は「知恵の実」へ目を向けさせることで(決して無理やり食わせたわけではない)、アダムとイヴを“幼児の幸福”の中においておこうとした神の裏をかいただけなのですから。

アダムとイヴが「大人」になったことでエデンの園を追放されたように、
アレックスが『与えられた使命』を超えることを望んだならば、彼は現実の中に放り込まれなければならない。


与えられた枠組みをどう超えるのか、
現実と直面したときに、どう対処するのか、
その方法論には正解はなく、「キャラクター」次第ということになりますが。

結論として、彼はインドで力尽きるという歴史上の事実は変わらない。つまり、「主演男役」がどんなに枠組みを超えようとしても、「宝塚」という枠から出ることは出来ないわけです。インドから先へは行けるはずがない。



だから。
…インドの場面がああいう展開になったのか、と、ある意味とっても納得したのでした……。




記号としての役割を与えた役者たちと、生身の「主演男役」を、
閉じられた「舞台空間」に放り込む。
そこでどんな化学反応が起こるかを楽しみに。

…もちろん、実際に放り込まれるのは「麻子さん」な訳で。荻田さんは、ちゃんと彼女に合わせて、また回りのキャストに合わせて、詳細のつじつまはしっかり構築してくださっているんですけれども。
でも本当に、作品的にはアレックスは主演男役なら誰でも良かったのだと思います。細かい部分は役者によって変わるでしょうけれども、大枠は変える必要はないから。
今回はたまたま月組でしたけれども、他の組だったらどんな化学反応が起きて、最終的にどんな作品になるのか、ちょっと観てみたい気がします☆



かなみちゃんのニケは、役得でしたね☆
すっごい可愛かったし、よく似合ってました。
私は彼女の台詞回しというか、甘えたな声と口調があまり好きではないのですが、今回は嵌っていたと思います。
タキさんに「おいで私の可愛い小鳥」と言われているのが、実に実にお似合いだった(^ ^)。

最後にロクサーヌとして出てきたときは、もう少しなんというか、声はそのままで口調を変えるとかしても良かったのでは、と思いましたが…まぁ、なにもかもニケのまま、の方が荻田さんのイメージだったのでしょう。

ニケは、“誰かの大切ななにか”になりたかったんでしょうね。
萩尾望都の「訪問者」に出てくる、「小さな神様」のイメージがだぶって見えて、ラストがとても切なかったです。



きりやんのディオニュソス/プトレマイオス
人間の「本能」側の象徴である“蛇”にして“狂乱と酩酊”の神。
きりやんという役者がものすごーーく真っ直ぐな人だから、ディオニュソスも本来の歪みを失い、直球でアレックスに誘いかけるキャラクターになったんでしょうね(^ ^)。滅茶苦茶けなげで可愛い神様でした。

色っぽさは………きりやんにソレを求める人はいないので、無問題です(きっぱり)。



シビさんのオリンピア。
「お前を愛していないわけじゃない」という台詞を、ああいう情をこめて言えるのはシビさんだけだな、と思いました。
昨夜の日記で「この作品は芝居じゃない」と書きましたが、シビさんだけは「芝居」をしていたと思います。きちんと「オリンピア」として舞台上にいらっしゃいました。
さすがの貫禄、でした。

きりやんディオニュソスとの色っぽい場面がを期待していたので、それだけが心残りです。シビさんの色っぽい場面、見たことないよー(涙)。



まさお(龍真咲)のヘファイスティオン
私の中ではかなりなヒットでした(^ ^)。
彼女もショースターなんだなあ…。キャラクターのある芝居よりも、記号でいるときのほうが表現の幅が広いなんて(涙)。「部下」でいるときの力強さと、「ヒッピー」でいるときの脆い柔らかさ。柔と剛、両方を表現しきれる人だったとは。

彼女だからこそ、アレックスが神の与えた筋書きを超えてしまったときに、最初に「不安」を覚える役がぴったりで。
うまく宛書してもらったな、と思いました。あと、声が良いっていうのは役者として本当に強みなんですねぇ…(感慨)



おときち(音姫すなお)のタイス
記号としても役としても、ちょっと中途半端な存在で気の毒でした。元々がふんわりした野の花のような人で、“神の道具”としてアレックスを追い詰めるだけの硬さや強さを表現するのは難しかったのでしょうが……うーん、もう下級生ではないからなあ〜(涙)。
歌も、ソプラノしか歌えないのでは歌姫として活躍するにも足枷なので、青年館にむけて、もう少しがんばってほしいです。

一番印象に残ったのは、ヒッピー衣装の似合いようと、スキャットでの声の美しさ。本当に可愛い人なんですけどねぇ…。



(天野)ほたるちゃんのヴァリ
いやー美しかった(*^ ^*)。よく似合ってました。なんといってもあのウザさの匙加減がぴったりだったのが素晴らしい。
「あなたは闘うための存在なのよ」
そんな台詞を、なんの情もなく語れる美女は、ほたるをおいて他にいない、かもしれない…(←いや、多分いる)

歌は壊滅的でも、台詞の声はとてもいい。そして美人。
……きれいなおねえさんが大好きです♪♪



(麻華)りんかちゃんのクレオパトラ
「あたしの結婚式の日に、父は暗殺された。それだけがあたしの存在意義」(意訳)
詠うように、流れるように、凄惨な現実を語り続ける少女。
「あたしはそのために存在したの」

アレックスの「肉親との縁(と情)の薄さ」を象徴する記号として、良い仕事をしていたと思います。卒業生への愛情にあふれた荻田さんと最後に組めて、良かったと思いました。

……もっともっと貴女の芝居を観たかった、あなたの歌を聴きたかった、と思うことは、わがままなの?ねぇ……(涙)。



将軍たち(綾月せり、響れおな、貴千碧)
それぞれ、与えられた見せ場をきっちりこなしていて嬉しかった!
3人とも踊れるけど、貴千碧くんの1幕ラストの踊りが特に印象的。ハロー!ダンシングでもセンターをはっていたダンサーですが、とても良かったです。
響さんは、やっぱり芝居巧者だな、と。すべての場面で表情がすごく良くて、しかもやりすぎることがないのは感心します。ただ、こういう作品なので、「記号」になりきれない彼女がちょっと浮いてしまいがちだったのが残念でした。
せりちゃんは、良い男役になってきましたよね!(嬉)。さすがは上級生で、下級生二人をひっぱっていい仕事してました。髪型もメークも良かったよ!(はぁと)



最後に。
そもそもの設定として、「1970年代」という時代設定があるんですけど、これって、荻田さんにとってどんな意味があるんだろう?なーんて考えてしまいました。

これがもう少し年上の、正塚さんとかそのあたりの年代の人の作品だったらわかるような気がするのですが、荻田さんが70年代について、70年代の演劇界について、あるいは「ヒッピー」について、何をどれほど知っているのか、と思っちゃうんですよね…。

…野田秀樹が「夢の遊眠社」を立ち上げたのが、東大在学中の1970年代後半だったはずなので、そのあたりを意識しているのかな?と思ったりもしますが……どうなんでしょうね(^ ^;ゞ


.
年を越してしまいましたが、月組ドラマシティ公演「A-"R"ex」について。
…青年館の初日が明ける前に書いておきたいと思っているのですが。
さて、何から書こうかな?(^ ^;




えっと。

開幕前にわかったことについては、11月21日の日記にコメントさせていただきましたが。
http://diarynote.jp/d/80646/20071121.html

この時点ではわからなかったキャスティングとしては。

○プトレマイオスはきりやんが
○ダリウス三世は萬あきらさんが
○世継の母親、ロクサネ(ロクサーヌ)はかなみちゃんが
それぞれ二役(?)で演じていらっしゃいました。

それと、麻華りんかちゃんのクレオパトラは、アレクサンダーの妹でしたね。
天野ほたる嬢のヴァルシネは、元人質のペルシア貴族の娘。アレクサンダーの愛妾としてではなく、幼馴染としての登場でした。

ディオニュソスはアレックスの敵ではなかったし(←というか、敵役は出てこない)、毒殺未遂事件も全然関係なかったなー。

…っていうか、プトレマイオスもヘファイスティオン以下の4将軍も、割とどうでもよかったというか…。まさお(龍真咲)くん以下、将軍役をもらった子たちは、いちおう「実在の人物」ってことでいろいろ勉強したんだろうなーと思うんですが、うーん……。


えっと。
なんちゃって荻田ファンの私ですが。
今回の作品は、非常に興味深かったです。

あちこちのブログ様に伺うと、十人十色にいろいろなことが語られていて、ほうほう、なーるほど、とか思いながら読ませていただいているのですが。

…1幕終わって、最初に思ったのは、「野田作品へのオマージュだな」ってことでした。
っていうか、多分この作品、いつもの「NODA-MAP」メンバー集めてシアターコクーンで上演したら、誰も野田作品だと疑わないと思いますよ?
特に「キル」に似ている。いや、似てるっていうか、完全に「キル」を本歌取りして「A-"R"ex」作られたんだろうな、と思いました。

決して、野田作品をパクっている、とかそんなことを言いたいわけではありません。そこはご理解くださいませ。


全然関係ありませんが、
野田作品に似ている、といえば、藤井大介さんの「から騒ぎ」のときも結構話題になった記憶があります。
私も野田版「から騒ぎ」は観ていましたが、…まー藤井さんは野田さん大好きなのねーと思っただけで(笑)。プログラムにも「尊敬する野田さん」みたいなことを書いていらっしゃったし、まぁ仕方ないかな、って感じで。
ただ、藤井版「から騒ぎ」は確かに野田版をなぞっているところもあって、今回は良いにしても今後作品を生み出し続けていけるのかな?とは思いましたね。ま、その後藤井さんは「イーハトーブ・夢」という名作を生み出してくれたので、私的には問題なし、オールグリーン、というところなのですが(彼の芝居作品における最近の低迷は、また別の問題)。

…関係ないのに藤井さん話してすみませんm(_ _)m。(←だって好きなんだよ!)


荻田さんの場合は、野田作品に似ている、なぞっている、という話ではなく、純粋にオマージュだなーと思ったのですが。
ただ、彼が野田さん方向に進むとはまったく思っていなかったので、驚いたことは驚きました。

野田さんもいろいろな作品を作っていらっしゃるのに「野田っぽい」とか、すごーく大雑把な表現だなあと自分でも思いますが(汗)。
彼は、こんなところで私みたいな素人が一言で表現しようったって、とてもできない偉大なクリエーターですけれども、
すごーく個人的な印象で語らせていただくことをお許しいただけるならば。

遊眠社時代は宛書の人だったと思うのですが。解散してNODA-MAPを立ち上げてからは、どちらかというと先に物語世界を構築して、キャラクターを当てはめていく人になったように感じていました。(うわー、ファンの方に怒られそうだ〜〜〜っ)


それに対して、荻田さんはあくまでも「宛書の天才」というイメージが強くて。

なので、
荻田さんと野田さん、という二人の天才の関係に、すごく不思議な印象を持ってしまうようです。


でも、物凄く納得している私もいます。
荻田さんの外部の芝居もいくつか見ていますが、彼は、宝塚では宛書の天才でいるけれども、本来は「物語世界」を完璧に構築してしまうタイプのクリエーターなのだろう、と思っているので。

本来、彼にとっての「世界」は閉じていて、外部からちょっかいを出す余地はないのです。
閉じた世界の内側で、時間軸は反転し、捩れ、螺旋を描く。狂った因果律。そんな世界に閉じ込もって、目の前にある「今」ではない“時”を探し続ける男が、美々しくも空々しい言葉たちと共に彷徨い続ける…。
宝塚で発表された作品では、「彼」がひとつの出会いをきっかけにその世界から抜け出し、壊れたレコードのように繰り返される時間を止めて新しい朝を迎える、というストーリーが多いのですが。外部の作品では、そのまま、世界ごと自分自身を破壊してしまう、あるいは、肉体の破壊がイコール「世界」からの脱出である、という落ちのものも多い印象があるのですが。

その「世界」(あるいは「過去の夢」)の無謬性が、主人公を追い詰める。そこから逃れるすべはないのだ、と。
夢であればこそのイマジネーションの豊かさが、荻田作品の根底を支えているわけですが。
彼の面白いところは、映像に走ろうとしないところ、ですね。
「完璧な」世界を作ってしまえば、幕が上がってしまえば何が起きるかわからない舞台なんて、怖くてやってられないんじゃないかと思うんですけどね。
でも、荻田さんはその不安はないらしい。映像とのコラボレートには無関心な方ではないと思いますが、それはあくまでも表現の豊かさを求めているだけ。今回の「A-"R"ex」には使わなかったし、それほど傾倒しているわけではないらしい。

たぶん、彼は、「生身の役者」が好きなんでしょうね。
「世界」を完璧に構築して、そこに「生身の役者」を放り込む。そこで、何がしかの化学反応が起こることを楽しみにしている。

野田さんが、自分自身も役者としてその世界の中に入り込んで動くことを自らに課し、むしろ「世界」を壊す方向に動くのとは逆に、
荻田さんは、金魚鉢、いえ、閉じられたアクアリウムケースに水草とプランクトンと小魚を入れて、どんな生存闘争の末に誰が生き残り、どんな“アクアリウム”が出来るのかを楽しみに見守り、待っている、そんな気がするのです。


…だから、私が「なんちゃって荻田ファン」でいられるのだと思うのですけれども。



なんだかどんどん話が撚れてしまうのですが。

2幕まで観終わって、すごーく思ったのは、「お芝居」と「ショー」の境目はどこだろう?ということでした。

「A-"R"ex」は、「お芝居」ではない。
ではショーなのか、といえば、もちろんショーではないわけですが。

でも、どちらに近いものなのか、といえば、私はショーに近いものなのではないかと思いました。

麻子さんが、「アレックス」ではなく、「瀬奈じゅん」として舞台に立っていたから。


「ショー」の定義って何なんでしょうか?(←洒落ではない)

「専科エンカレッジコンサート」はショーなの?
----あれは、全部で28本のお芝居をオムニバスにつないだショーでした。

「まほろば」はショーなの?
----芝居仕立てのショーだったんだと思います。
主要メンバーが通し役として「キャラクター」を持って、その役として舞台に立つ以上、お芝居に分類したいところなんですけど、台詞がない(←あるけど少ない)ので「お芝居」だと言い切るのも難しい。
で、「芝居仕立てのショー」。

ならば、「A-"R"ex」は?

役柄はどれも「キャラクター」のない「記号」でした。
4人の将軍たちも、神様たちも。
その中で、たった独り「キャラクター」を持っているのが、「アレックス」ではない「瀬奈じゅん」だった。

そして。
語られる言葉はどれも「台詞」ではなく「言葉」で。

歌は少ないけど。
言葉は多いけど。

…これって「お芝居」?


荻田作品って、芝居とショーの線引きが難しい作品が多いと思うのです。たとえば「アルバトロス、南へ」なんかも、かなり微妙な位置にありますよね?
…いえ、あの、「芝居」とか「ショー」の定義を決めよう、とか、すべての舞台作品を「芝居」と「ショー」に分類したい、とか、そういう野望に燃えているわけではないんです。
割とどうでもいいことを語っている自覚はあるのですが。

ただ。
「A-"R"ex」という作品の理解しにくさ、というのは、この作品を「芝居」として理解しようとしているからなんじゃないか?、なんて感じたので、ちょっと拘ってみました。

台詞が多いだけに、その台詞を理解すれば芝居が理解できるはず、と思っても、美辞麗句の多い、詠うような言葉の数々は…聞き取っても意味はいまひとつ解りにくい。
ならば、それは「台詞」ではなく、ただの音として受け止めるべきものなのではないか、と。

「言葉」はデジタルなもの。対して、荻田さんが表現したいのはアナログなもの(イメージ)だから、どんなに細かく台詞割りしても、すべてのニュアンスを伝えることはできない。

それを、彼はディオニュソスに楽園を侵す蛇の役割をふることで、
結婚式の哀れな結末に傷ついた妹クレオパトラにオフィーリアの面影と、そして蛇神の嫁取りのイメージをふることで、
なによりも、作品全体を「70年代の舞台の稽古」というアクアリウムケースに入れることで、伝えようとした。


しかも、問題なのは、「瀬奈じゅん」が「瀬奈じゅん」であることに意味があるのか、というと、全然ないっていうところなのだと思うのです。
誰でもよかった。宝塚の主演男役として、その重圧やプレッシャーと戦い続けている者であるならば。

この作品は、瀬奈じゅん、彩乃かなみ、霧矢大夢、という、実力もビジュアルも兼ね備えた月組のトップトリオに宛書した作品ではなく、ただ、「宝塚の主演男役」という「記号」にあて書きした作品である、ということ。
そもそも「宛書」に宛てたものが記号なのに、いざ舞台に立ってみると「キャラクター」なのは「瀬奈じゅん」だけで、あとはすべて記号である、という孤独。
それが「アレックス」の孤独と二重写しになったときに、初めて作品世界が立ち上がる。


残酷な作品だな、と思いました。
荻田さんが「今の月組」に宛てて書くのは、これなのか。
マミ・檀・リカ時代の月組に「螺旋のオルフェ」を書いた荻田浩一が、麻子・かなみ・きりやんの月組に宛てた作品が、これか。

天才っていうのは、残酷な存在なんだな、と……。

今の月組トップトリオに、荻田さんが萌えないであろうことは予想していましたが。
その結果として、こういう作品が出てくるとは思わなかった。
ある意味「興味深い」し、ある意味「怖い」です。

今までだって、荻田さんが萌えていないっぽい役者を主人公にして書かれた作品はたくさんあると思うのです。
その筆頭が、多分「凍てついた明日」なんじゃないかな、と思ったりするし、案外「マラケシュ」もそうかもしれない。
でも、どちらも物凄く「荻田作品」でした。
痛くて痛くて、忘れられない。

なのに。
痛くない荻田作品があるとは思わなかった!

いや、「A-"R"ex」は「A-"R"ex」なりに痛かったし、ラストのニケには泣かされたりもしたのですが。
でも、いつもとは違う痛みだった、のです。

それは、荻田さんが成長して大人になったと解釈するべきなのか?
…それとも、彼は壊れてしまいつつあるのか?

世界の構築技術ばかり完成度があがって、その中に放り込む「キャラクター」の記号度が増していくなら。
私はもう、荻田さんについていくことは難しいかもしれません。

「キャラクター」の記号度が、荻田さんの役者に対する萌え次第であるならば、今までどおり「なんちゃって荻田ファン」のまま、追いかけていけると思うんですけどね。
(「凍てついた…」にはグンちゃんとトウコさんがいたし、「マラケシュ」にはあすかちゃんが居た。でも「A-"R"ex」には、主要キャストには荻田役者は誰一人いなかったんですね…涙)(←シビさんは別枠)


つい荻田さん論を書いちゃったもんで、ありえないほど長くなってしまいました。久々の5千字突破です。すみませんm(_ _)m。
出演者個々についてはまた後日書かせていただきたいと思っています。





…最後にこんなことを書いても誰も信じないかもしれませんが。
「A-"R"ex」、面白かったですよ♪Interesting、な面白さですけど。
この週末に上演されていれば、絶対もう一回観にいったのになあ……。なんで平日6時開演なんてことが許されるんだろう(T T)。



1940年12月21日、スコット・フィッツジェラルドは44年と3ヶ月の生涯を閉じました。

それが、67年前の、今日。



3年前の「The Last Party」のラストシーンは、鮮烈に瞼に焼き付いています。

「1940年12月21日」と映るスクリーンを観るだけで泣けた、あの時。



今、宝塚バウホールでは、あのラストシーンから約8年(推測。多分)が過ぎたハリウッドを舞台に、新しい愛の物語が語られています。

女なら誰もが夢に見る“理想の男”と、映画界を代表するスター女優との、激しくて、切なくて、哀れな、恋。



1930年代後半。
スコット・フィッツジェラルドは、借金の返済と娘の学費を稼ぐためにシナリオライターとして映画会社と契約し、ハリウッドに住まう。ライターの仕事の合間に小説を書きながら、シーラ・グレアムとの穏やかな愛を得て。

それでもなお、アルコールを手放すこともできず、自身のことを「ハリウッドの雇われライター」と自嘲していた彼が、

若くて、ハンサムで、輝くような才能に溢れ、
自らのインスピレーションを最大に刺激してくれる生涯の伴侶と巡り会ったばかりのステファーノ・グランディと、出会ったとしたら?

たとえば、シーラの紹介で?



…なーんてことを毎日考えている自分が怖い……。



観劇なさっていないみなさまの為に一応申し添えておきますと、
当たり前ですが「Hollywood Lover」にフィッツジェラルドは出てきませんし、話題にもなりません。
シーラがちょっと匂わせるくらいで。

ただ、シーラの存在そのものが「The Last Party」を本歌取りしていることを明確にするためのキャラクターなのだとは思います。
出てこないけれども、物語の裏に、つねに「The Last Party」のテーマが、流れているので。



今回、映画監督、という異分野のクリエーターを主人公に据えながら、植田景子さんは、お得意の「創作とは」論をほとんど出していません。
「ル・プティ・ジャルダン」でもストレートに語られた、「創作」ということに対する彼女の想いの深さを思えば、今回全く語られないのが珍しいような、物足りないような気がするのです。

でも。
「無から何かをクリエイトする苦しみ」「創造者にとって恋愛とは何か」については、前作「The Last Party」という名作でかなりの深さまで描ききってしまったから。
だから今回は、もっと違う切り口で人生を語りたかったのだろうと思います。

愛、という軸で。

だから。
「“クリエーターの苦労”については、前作でも散々やってよね、それを思い出してね」というスタンスで作品を創られたのではないでしょうか。

シーラという記号でそこをつないで、
祐飛さんとあいちゃんの芝居力で納得させる。

無駄のない作劇だなあ、と感心するばかりです♪


「演技しなくていいんだ。誰もがたった一人のOnly ONEなんだから」(意訳)という、どこかで聞いた歌詞のような台詞があったりしますけど、ね(^ ^;ゞ。








話は違いますが。

今日は何の日?をながめていたら、新しい知識が!
12月21日は遠距離恋愛の日なんだそうです!\(^ ^)/

そ、そ、そんな日があったんかいっ!!

遠距離恋愛中の恋人同士が、クリスマス前に会ってお互いの愛を確かめあう日、なんだそうです。へーへーへーへー。

私たちファンも、遠距離恋愛…というか、永遠の遠距離片思い中、ということで、この記念日を心から祝いたいと思います……

東京の空の下で、ね(*^ ^*)。



大好きな祐飛さんに、
大好きな月組生に、
宝塚に関わるすべてのみなさまに、

……プロスト(乾杯)!



宝塚月組バウホール公演「Hollywood Lover」。

今日は、「実在の人物にモデルがいる」と思われる役について♪



すずな(憧花ゆりの)が演じるヘッダ・ホッパーは、この作品の語り部、進行役のような存在でした。
実在する彼女は19世紀末の生まれ。この作品の舞台となる1940年代“後半”(←これって、発表当初は“1940年代末”でしたよね?)には60近い年齢になっているはずなのですが…

ま、タカラヅカだからね(^ ^;ゞ
景子さんオリジナルのキャラクターと思った方がいいのかな?

すずなの役創りは、割と年齢不詳な感じ。
20代の若い娘にも見えるし、30代半ばくらいにも見える。
ただ、「8年前」のステファーノとローズのゴシップを良く知らないことになっていたようなので、どちらかと言えば“若い娘”設定だったような気がします。

……それこそ、末子姐なりルミ姐なりがいてくれたなら(涙)見事にやってのけてくれそうな、癖のある、だけどやりすぎてはいけない(←これが一番難しい)難役なのですが。

すずなの、あの特徴的な声が活かされていて、面白い役になっていたと思います。まだまだ経験不足で苦戦していましたが、来週観るのが楽しみな役であり、役者でもありますね。
まだまだ一本調子の一杯一杯だったので、もう少し舞台全体を見渡せるようになって、メリハリがつけられるようになったら鬼に金棒だと思います。がんばれ、すずな。



まゆみ(五峰亜季)さんのシーラ・グレアム。
現実のシーラは、この頃には30代後半だったはずなのですが(フィッツジェラルドが1940年に44歳で亡くなった時、13歳年下の彼女は31歳だったはず…違ってたら教えてください!)

「The Last Party」の時も上手いなーと思いましたが、今回も実に素晴らしかった!まゆみさんって決してお芝居が上手な人ではないのですが(←失礼)、シーラは本当にぴったりですよねっ♪
ちょっと台詞の語尾が気になったり、しゃべり方が一本調子だったり、いくつか気になるところもあるのですが、シーラに関しては本当に役の本質を掴んでいらっしゃるなぁと感心してしまいます。

…登場シーンからイキナリ「The Last Party」と同じ衣装だったのには、ちょっとぶっ飛びましたけどね(笑)
1940年代“後半”からみたら、『8年前』にはスコットは生きていた筈ですものね。もしかしたら、スコットとステファーノは出会っていたのかもしれません(爆)

シーラは、基本的にステファーノとしか絡まない役。
ヘッダとちょっと睨み合うくらいで、ほとんど誰とも関わりません。スコット・フィッツジェラルドという片羽を喪ってからの10年弱を、あまり世間と関わらずに生きてきたことを想像させます。
“世間”からは尊重されつつも何となく遠ざけられて、
自分自身もなんとなく遠ざかって。

それでも。
それでもまだ、巨大な壁に逆らってでも、若い(←自分よりは!)二人の愛を応援する気概は持っている。
身の危険を顧みず、というか、すでに喪うモノ(リチャードによって奪われるモノ)など何もないわ、という確信があるんでしょうね、彼女には。
実際、リチャードはシーラには何もできないわけで、その確信は正しかったわけですが………。

「The Last Party」のシーラも大好きでしたが、
「Hollywood Lover」のシーラは、それにも増して魅力的で、素敵でした。そして、ああいう“イイ女”に可愛がられ、守られるステファーノは、本当に“理想の男”なんだな、と、あらためて思ったのでした。



実在の人物シリーズ、最後はロジャー・ウィリアム・コーマン。
(桐生)園加ちゃんの演じた、ビリー・コーマンです。
1926年生まれだから、このとき20歳前後…なんですが、作中では
ステファーノと同年代(←30歳前後?)に描かれています。

8年前、ステファーノ無名時代に一緒にやっていた仲間。
共に夢を語り、作品を創り、そして、
本当のローズを知っている男

今回の園加は、大当たりでした!
だいぶ声のトーンが落ち着いてきましたよね?「ダル・レークの恋」で聞かせてくれたヤクザな声(←色っぽくて大好きだった)でこそありませんが、話の内容によって声の使い分けもだいぶできるようになって、ひときわたくましくなったような気がします。
本編にはショーシーンがほとんどなかったので、オープニングとフィナーレのダンスナンバーでの、園加ちゃんの嬉しそうな伸び伸びっぷりが微笑ましくて、印象的でした♪♪可愛いぞ、園加〜♪

キャラクター設定自体の「本能のままに行動する」ところとかも、実にぴったりの宛書でしたね♪あー(花瀬みずか)ちゃんとの(あーちゃんへの?)ラブラブっぷりが微笑ましくて、可愛らしくて、照れちゃいました(^ ^;。

うーん可愛い(^ ^)。

あーちゃんの手の中で、ころころと頃がされている園加は、ホント可愛いですっ♪♪何かコトが起こっても、何も解決できないところも含めて、可愛くてしょうがないです(*^ ^*)。



ビリーの妻・マギーの複雑さ、については、まだ私の中でも結論がでていないので。
いずれ、機会があったら書かせていただきたいと思っています…。


そんなところで、「実在の人物らしい人」シリーズ 第一回終了♪♪


宝塚月組バウホール公演「Hollywood Lover」二日目。

今日は、この公演の来年の青年館公演の発売日。
っていうか。初日の翌日に続演分の発売って……ひどくないですか?
しかも実りなく終了、って、疲れたよーーー。

どうやら、ほんの数分でいったんは売り切れたらしいですね(T T)。いったいどこにあるんだチケット!!と朝から怒りにふるえてました。
まぁ、何故か夕方にはぴあに戻っていたという不思議な現象が起ていたらしいので、あるところにはあるんだろうなぁ。
平日昼なんて、ちょっとくらい出てきても行けないけど(涙)。

くそぉ、休日のチケットどこにあるんだよっ!!(怒)



以前私は、つたない知識しかないのに恥ずかしながら、柴田侑宏氏とその作品について、以下のようなことを書いてみました。
http://diarynote.jp/d/80646/20071011.html

今回。
「Hollywood Lover」の作・演出を手がけた、植田景子氏について、

しみじみと、
柴田さんの真の後継者は、もしかしたら正塚さんではなく景子さんなのかもしれない
と思ったのでした……。


>柴田さんは「人間を描く」作家で、
>正塚さんは「人生」を、あるいは「人と人との関わりを描く」作家

なのだとしたら。

植田景子氏は、まぎれもなく「人間を描く」ことを至上命題にされている方なんじゃないか、と。



今回作品のテーマは、「ステファーノ・グランディ」、というよりも、「“理想の男”そのもの」、だったと思います。

恋人に裏切られ、
認められつつあった映画業界を追いだされて、失意のうちに故郷に帰ったステファーノ。
にも関わらず、そこで一念発起して立ち直り、イタリア映画界のスター監督にまで登ってきた、タフで有能な、男。

彼が“理想の男”である、ということを表現するために、
“理想の男”とはどんな存在であるのかを描き出すために、

それだけのために、2時間の時間をかけて「ステファーノ」を描き出す。

彼が、“理想の男”だよ、“理想の男”とは、ステファーノのような男なんだよ、と…。



そのために配置されるのは、彼を裏切った、美しく悲観的で、ハリウッドの夢の象徴のようなスター。
愛に疲れて壊れかけた、元恋人。
そして、その夫である、数々の“奇跡のような成功”を収めてきた名物プロデューサー。妻を溺愛し、その愛で女をしばりつける、思いこみの激しい誠実で潔癖な、男。

ステファーノを描くために、愛に疲れ、生きることに絶望したローズを描き出し、
そのローズを描くために、ワンマンで我が侭な、子供のようなリチャードを配置する。

不要な役が一つもない芝居。
ただの、その場のにぎやかしとして設定される役がない。すべての役が、何かを表現するために存在している。
演出手法や展開は全然違うのですが、「役の役割」というものに対する考え方が、すごく柴田さんと共通しているんじゃないかな、と思いました。

撮影クルーのキビキビとした動きは、それを監督するステファーノの有能さを表現するため。
大勢がうろうろする現場では、全員にちゃんと仕事があって、下級生一人一人がしっかりその役割をこなしている。誰一人欠けても撮影は続行できない、その緊張感が素晴らしい!

パーティでのセレブたちの胡散臭さは、ハリウッドという世界を表現するため。
最後の方で、すずな(憧花ゆりの)が叫ぶ「それこそハリウッド!」という台詞に象徴される、「ハリウッド」の狂気。
ローズとリチャードが所属するハリウッドは、二人を狂わせた世界、でもある。

ハリウッドの狂気を打破するために現れたヒーローとしてのステファーノを描くためには、アンチ・ヒーローであるリチャードを、そして、彼の全てであったハリウッドをしっかり描かなくてはならないから。

すべては、ステファーノという夢の男を描くため、に。





そんなことを思いながら、11時の友の会優先公演を観劇しました。

………えっとー、
昨日ってもしかして、公開舞台稽古、だったのかにゃ………?

さすがに、6年前の「血と砂」の時のような、あまりの時間オーバーに2日目から大幅カット断行、いきなりオープニングが無くなったり、ヒロインのソロ曲がお蔵入りしたり、ほぼ一場面丸々なくなったり…なんて、そんなことはありませんでしたが。

でも、やっぱ舞台稽古は舞台稽古だったな…(苦笑)。

“たまたま初日が手に入って”、それでご覧になったみなさまへ、お願い。
いつでもいいので、もう一回だけ、ご覧になっていただけないでしょうか…(滝汗)。



まずね、祐飛さんの歌が違ってた(^ ^;ゞ
…決して上手いとは言いませんが、初日とはとりあえず別人だったなー。

まぁ、研16にもなってそれくらいコントロールできんのか、と思わないこともないですが。
…ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……




初日、っていうのは、本当に特別なものなんですねぇ。
下級生たちは、そりゃ経験不足もあるし仕方ないかなーと思うけど、専科の磯野さん・五峰さんでさえ、芝居が全然違っていたんですよ〜!
2日目を見てはじめて、初日は皆、自分の果たすべき役割を果たすことだけで(下級生だと段取りを追うのに)精一杯で、全然回りが見えていなかったことに気づきました。
役の人物として自分の気持ちを語る、とか、役の人物になって回りをみる、ってことが、2日目にして出来るようになった人がほとんど。…ってことは、お稽古では出来ていたんだけど、初日はぶっ飛んじゃった、って可能性高いよね……?



この作品、このまま歌を全部抜いてストレートプレイとして上演しても通用するくらい、完成度の高い作品なんですが。
でも、完成度が高いだけに、上演する役者を選ぶ作品だな、と思いました。

台詞を言ったら、相手が次の台詞を言うのを待つのではなく、
相手に自分の思いを伝えるためのコトバを探して、自分が喋っている間に相手の気持ちが動いているのを確認して、相手が何と言ってくるかをドキドキしながら待つ、

そういうお芝居がきちんと出来るメンバーじゃないと、難しい作品なんじゃないかな、と思います。ストレートプレイな部分がすごく多いので。

今日、やっと本当の意味での初日があいて、
あと、バウホールで9日間。
その後、半月のお稽古を経て、青年館で1週間。

28人、誰一人欠けることなく、体調を崩す人もなく、1月25日が迎えられますように、と、
心の底から、祈っています!!


幸運なことに、月組バウホール公演「HOLLYWOOD LOVER」初日を観ることができました!



でも、その前に、ぜひパンフを見てみてくださいませ。
裏表紙の写真が素晴らしいんです〜〜!!

…まず、そこで壊れました(^O^)。



幕があがって、

シチリア生まれのイタリア人・ステファーノが、空港に降り立つ。

トレンチコートに、目深に被ったソフト帽。


す、す、すてき…だよね…?



自分が壊れる音がする。






舞台は、「THE LAST PARTY」のラスト、スコット・フィッツジェラルトの最期の日から10年弱を経たハリウッド。


「シニョール・ドンファン」のスティーブから、4年半。
祐飛さんの別人っぷりに、目を瞠りました。真剣に。

精神的にも肉体的にも、物凄くタフでそして、優しい男。


いつの間に。

いつの間に、こんなにも典型的な、宝塚男役なら誰でも憧れる、宝塚男役冥利に尽きるような役をやりこなせるようになったのでしょうか。


濃い色のついていない、“白”い役。
それが、こんなに似合う人だったなんて!!


ありがとう景子さん。
本当にありがとう!!

祐飛さんへの、そして月組子たちへの貴女の愛に、
心からの感謝を。



作品が良いときって、感想の言葉も、あまりでてこないものなんですね。
心の底から満足していて、書くべきコトが思い出せません(滝汗)。



旅先なので、取り急ぎ、そんな感じです(はぁと)。



作品としては、芝居力の高い主演コンビと、月組芝居の伝統を引き継ぎつつある下級生たちを中心に、本当にしっかりとした芝居作品に仕上がってました♪♪

ところどころにアクセントで入るショーシーンはこの上なく華やかに。
中でもフィナーレの華やかさは素晴らしかったです!

ストーリー自体は、ある意味びっくりするほどシンプルで、ありがちな愛の物語。

でも、シンプルな物語こそ、演じる人次第であらゆるバラエティが作れるんですね。



ステファーノ・グランディ。
誰よりもタフで優しい、最高の男。


ありがとう、
ありがとう、
ありがとう、

百万の喝采と、千万の感謝をこめて。

景子さんに、本当に心の底から、

ありがとうございましたm(__)m。


月組バウ公演「Hollywood Lover」初日へのカウントダウンも、ついに残り10日となりました。


……磯野さん、五峰さん+月組生26名、がんばっていらっしゃるでしょうか…?


まだ歌劇12月号をGETしていないので、もしかしたらそちらには色々詳しい記事が出ているのかもしれませんが。
現時点での「…?」を少し。

●二人のコーマン
花瀬みずか嬢の「マギー・コーマン」と桐生園加氏の「ビリー・コーマン」。
……これは、夫婦なんでしょうかねぇ?あーちゃんと園加、って、結構意外な組み合わせだと思うのですが。

園加のビリーは、たぶん有名な『B級映画界の名プロデューサー』、ロジャー・(ウィリアム・)コーマンなんじゃないかなー、と思うのですが…

だとすると。
彼は1926年に生まれて、1950年代から本格的に活躍しはじめた人なので。

「Hollywood Lover」の主舞台となる(らしい)1940年代末には、コーマンはまだ駆け出しの映画監督、あるいはローガン(遼河はるひ)のアシスタントプロデューサーとかだったりするのかな…?



●シーラ・グレアム
言わずとしれた、スコット・フィッツジェラルドの晩年の愛人にして、「愛しき背信者」の著者、シーラ。1940年にスコットを喪ってから………10年弱、かな。どうして過ごしていたんでしょうねぇ。

いやあ、この役を、しかもまゆみさんがそのままで演じるとは思いませんでした。植田さんも粋なことをなさいますね♪
成長っぷりが楽しみです!



●ヘッダ・ホッパー
すずな(憧花ゆりの)の役は、ハリウッドの女優 兼 コラムニスト、というか。現実としては『ゴシップ記者』というのが一番正しい、のかな?
彼女は1885年生まれなので、1950年には65歳。ベテランもいいところだな(^ ^;ゞ


他は…リタ・ボーンとか、ブライトンとか、ベネットとか、な〜んとなく“それらしい”名前、くらいなら沢山あるのですが。
具体的に実在の人物だとわかったのはそのくらいかな?

かえちゃん(良基天音)の「ダニエル・デイ」とか、イギリス出身の俳優ダニエル・デイ=ルイスのことなのかな?とか思ったのですが、彼は1957年の誕生だから違うでしょうしね。

ちわわ(涼城まりな)のモニカ・アジャーニなんて、イザベル・アジャーニとモニカ・ベルッチを足して2で割った名前だとしか思えないのですが(汗)……でも、どちらも1950年代後半以降の誕生だしなぁ…。


結構色々調べた割には、さっぱりだなあ。
なんだか悔しいです(苦笑)。はやく歌劇を読みたいよー。



のこすところ、あと10日。

あと、とおか。



……ドキドキドキワクドキ…。


2008年1月14日(月組 東京特別公演千秋楽)付で、

専科の矢代鴻さんと、
月組88期の麻華りんか嬢が、

…卒業されることが発表されました。




シビさんのことは覚悟してました。
専科エンカレでも仰ってたし、
なによりも、月組東宝千秋楽のパレードで、お花をつけて降りていらっしゃった時から。

寂しいです。
悲しいです。

でも、今は、
恨み言よりも、最大限の感謝を捧げたい。

今まで歌を聴かせてくれてありがとう。
音楽の世界の深さ、広大さを、教えてくださってありがとう。



「ブエノスアイレスの風」で、初めて名前を覚えたシビさん。
あの旋律は、今でも忘れられません。

でも。
私が「専科の素敵でカッコイイ歌手のおねえさま」でない「矢代鴻」という“役者”を知ったのは、多分、第一回専科エンカレッジコンサートだったのだと思います。

歌は一つの芝居である、
シャンソンは一本のお芝居である、ということを教えてくれたシビさん。

今の今まで「すごーい専科の大先輩」だとばかり思っていたチャル(箙かおる)さんを、まるで子供扱いで。
MCのたびにメチャメチャ可愛がって(←苛めて?)いたシビさん(^ ^;ゞ。

素敵でした。
カッコヨくてね。

そして、

強烈でした。



ありがとう。

宝塚に居て下さってありがとう。
月組公演に、そして出演なさった全ての公演に、出て下さってありがとう。

宝塚を愛してくださって、本当にありがとう。

そしてこれからも、
ご活躍を(してくださいますよね!?)楽しみにしています!





そして、

…りんかちゃん。

嫌な予感は、言葉にしないでおいたのに。
黙っておけば、
見なかったフリをしていれば、

悪夢はどこかへ行ってしまうと思いたかったのに、


なのにあなたは行ってしまう。



みちるちゃんに続き、りんかちゃんまで!?
おーい!月組どうなってるんだよ!?
大丈夫なのか本当に?


ほんの数日前に、みちるちゃんに贈った言葉を、そのまま贈ります。

まだまだたくさんの芝居に挑戦してみてほしかった。
まだまだこれから、これから役がつくところだったのに……。


だって、まだ、研6だよ!!
みちるちゃんより、さらに2年も若いんだよ(涙)。

まだ新公学年の、ヒロイン歴もない娘役さんなのに、もう組ファンには名前も顔も売れている、
それはひとえに、彼女の今までの舞台成果があったればこそ。


「飛鳥夕映え」の歌垣の歌手(研3?)をかわきりに、本公演でも毎回のようにソロを歌ってくださった歌手という一面と、バウなどで見せる思い切ったお芝居のチカラと。
舞台に立つことを、ものすごく楽しんでいる人だとずっと思っていました。


まさかこんなに早く、違う道を選ぶとは……。



荻田さんは、すべての役者に深い愛情をかけて作劇してくださる方だから。
きっと、燃え尽きることのできる役を用意してくださっているのだろうと思います。


クレオパトラ。

これは、有名なプトレマイオス朝のクレオパトラ7世…なはずはないですよね?300年以上も時代がずれてしまうし。

まぁ、クレオパトラというのは、ギリシア世界ではありふれた名前だったようですから、アレクサンドロスやヘファイスティオンあたりの姉か妹か、あるいは愛人に居てもおかしくない名前ですが。
(「父の栄誉」という意味のある、割と高貴な名前だったはずなので、女中とか奴隷ってことはないはず)


りんかちゃんの最後の舞台が、ファンのみなさまにとって幸せなものでありますように、
そして、りんかちゃん自身も、存分に舞台を楽しんでくださいますように。






「A−“R”ex」

配役が発表されれば、もう少し“荻田さんの切り口”が見えてくるかと思っていたのですが…

さっぱりわからなかった(涙)。


とりあえずわかるのは…
セレウコスやアンティゴノスはいるけど、プトレマイオス(将軍。後に後継者としてエジプトを支配する)がいないってことは、アレクサンドロス大王の死後の話は無さそうですね。

あくまでも、「何故」「世界の覇者たる道を邁進するに至ったか」がテーマであって、彼の人生を追う作品では無いってことなんだろうな…。



父(萬あきら)と母(矢代鴻)は順当として、

アテナ(出雲綾)とニケ(彩乃かなみ)も、まぁ予想通り(私の予想はオリンピアとアテナが逆でしたが)であるとして、

わからないのが、きりやんのデュオニソス。

東方遠征中、アレクサンドロスのワインに毒が盛られる事件(本人が気づいたため大事には至らなかった)がありましたので、その関係でワインの神様が大王の敵として出てくるのかな?とか思ったのですが…

どうなんでしょうねぇ。この事件の首謀者であるフィロタスも出てこないし、関係ないのでしょうか。
荻田さんのお考えは、私にはまったくの謎でございます(^ ^;ゞ。




アリストテレス(師匠)=北嶋麻実
ヘファイスティオン(同い年の親友。美しく武勇に優れた人)=龍真咲
セレウコス(将軍。後に後継者の一人としてシリア以東の東方世界を支配する)綾月せり
アンティゴノス(将軍。後に後継者の一人としてマケドニア〜小アジアを支配する)=響れおな
カッサンドロス(将軍。アレクサンドロス3世の妹テッサロニケを妻にもち、大王の死後マケドニアの西側を領してマケドニア王を名乗るが、アンティゴノスに敗れる)=貴千碧


個人的には、ヘファイステオン=キルヒアイスだと思っているので(意味わかる人何人いるだろう…)、
ラインハルト アレクサンドロスとの友情エピソードがとっても楽しみなのですが!!

……まさおくんかぁ〜(←どういう意味だ)。
……荻田さん、よろしくお願いいたします…(←だからどういう)。


っていうか。
こうしてみると、アレクサンドロスの最大の敵であったはずのダリウス3世も出てこないし、やっぱりディオニュソスが敵ってことになるのでしょうか…。
もう少し詳しい解説、出ないかなぁ〜♪



娘役陣は。
タイス(アテナイの舞姫。プトレマイオスの愛人のはずですが、大王の愛人ってことにするのかな?)=音姫すなお
ヴァルシネ(愛妾。ダリウス3世の妻と同じ名前だけど…?)=天野ほたる
スタテイラ(妻。ダリウス3世の娘)=白華れみ

妻といっても、アレクサンドロス4世の母ロクサネは出てこないんですね。結婚したのがかなり晩年(若いけど)だったからかな?

タイスは東方遠征にも従軍し、ペルシア軍を打ち破った祝宴の席で「アテナイを焼いた憎きペルシア王の宮殿なんて焼いてしまえ!」と扇動する、というエピソードがあるのですが…
この話は入らないかな〜。おときち、たまにはそういう、“強い女”の役もやらせてみたら面白いと思うんですけどねぇ…なんか「きれいどころ」が多い人なので。


でもまぁ、あらためてまとめてみると、歌える人が揃った公演ですねぇ…。
歌えて、しかもキレイ!な人がほとんどだ(!)

荻田さんが、このメンバーを“使い切って”くれるのがとても楽しみです。
彼らの新しい面を、みせてくださいね♪



シビさんと、りんか。
お二人だけではなく、15人全員が思いっきりお芝居できる作品でありますように。
絵理さんが卒業されても、末子さんが卒業されても、「大丈夫」と請け合ってくれた「月組の伝統」のお芝居を、

どうか、かみさま、

出演するシビさん+萬さん+月組ッ子たちに幸せを、

そして私に、後ろの端でいいからせめて一枚のチケットを、

どうか、かみさま…(祈)




今日はちょっと趣向を変えて(←変わってないか?)、年明けのバウホール作品「ホフマン物語」について。

とは言っても、私はもちろん菅沼さんの「ホフマン物語」は観たことがないのですが、ずーーーーっと遠い昔に観たオッフェンバックのオペラを思い出してみました。
…全く違うモノを探して部屋の掃除をしていたら、ふるーいプログラムが出てきたので(^ ^)。


いよいよこれも、来週24日が発売なんですね。
青葉みちるちゃんを見送るかどうか、決心するタイムリミットも近づいてきているなあ…。




さて。
私の手元のプログラムでは、一人の歌手が演じる役はこんな割り振りです。(○は、すぐ上の●と同じ人が演じる)



TN●ホフマン(詩人)
  1幕 2幕 3幕 4幕 5幕

MS●ミューズ(詩の女神)
  1幕          5幕
 ○ニクラウス(ホフマンの友人)
  1幕 2幕 3幕 4幕 5幕

BR●リンドルフ(ニュールンベルグの顧問官)
  1幕          5幕
 ○コッペリウス(スパランツァーニの敵)
     2幕
 ○ミラクル博士(医者)
        3幕
 ○ダッペルトゥット(魔術師)
           4幕

MS●アントニアの母の声
        3幕
 ○ステッラ(歌手)※台詞のみ
  1幕          5幕

SP●オランピア(自動人形)
     2幕

SP●アントニア(歌手)
       3幕

SP●ジュリエッタ(高級娼婦)
          4幕

BR●スパランツァーニ(発明家)
     2幕

BS●クレスペル(アントニアの父親)
        3幕

BR●シュレーミル(ジュリエッタの情夫)
           4幕

TN●アンドレス(ステッラの召使)
  1幕          5幕
 ○コシュニーユ(スパランツァーニの召使)
     2幕
 ○フランツ(クレスペルの召使)
        3幕
 ○ピティキナッチョ(ジュリエッタの下男)
           4幕

BS●ルーテル(酒場のおやじ)
  1幕          5幕

TN●ナタナエル(学生)
  1幕          5幕

BS●ヘルマン(学生)
  1幕          5幕


今発表になっているバウ公演のキャストをこれと見比べると…

・2幕(オランピア)と3幕(アントニア)が逆っぽい?

・みりおくんの時は、ミューズとニクラウスを違う人が演じることになる。(ミューズがニクラウスに姿を変える場面は結構印象的だったんですが、あそこは無いのかな?)

・「悪魔」という役があって、リンドルフに姿を変える場面があるらしい。(オペラでは、明示的には出てこない。リンドルフたち一連の敵役が悪魔なんだな、ということは判るけど)

・ステッラ役者が載っていない(役はあるらしいが。ちなみに、もりえちゃんの後半は美鳳あやちゃんが演じるらしい。他の時は誰がやるんだろう……)

・ルーテル/クレスペル/スパランツァーニ/ピティキナッチョを未沙さんが演じる。

・オペラでは、召使い・下男系は全幕一人の人が演じていてすごく面白かったけど、今回は3幕までで、4幕は別の人を演じる。

・もりえちゃんの時は、召使い3役は女性になっている。(みちるちゃん/涙)


オペラのプログラムに出ていない役については…
・テオドール・ウィルヘルム・エリオットは学生の役で、最初と最後のルーテル酒場に出るような気がする。
・グレッチェン・ファウスタ・レオノーレはルーテル酒場の女給か、ジュリエッタの娼婦仲間か?


元になったオペラはオッフェンバックの最後の作品で、未完成のまま作曲家が亡くなってしまったためか、いろいろな版があるらしいです。順序もいろいろだし、ミューズがいる版・いない版。4幕構成の版もあるみたいですね。



みりおくんがホフマンの時は、もりえちゃんが悪魔でニクラウスが宇月くん、ミューズはみっぽーちゃん。
なんとなく………サイズで撰んだのか!?>谷さんってゆー気がしないでもないですが(^ ^;ゞ、それにしても宇月くんは大抜擢ですね!あんまり踊る役ではなさそうなのが残念ですが、彼女は芝居も凄く良いので、せっかくの大役、ものにしていただきたいです(*^ ^*)。
その辺りに小柄な人が揃うので、悪魔のもりえちゃんの長身が映えるだろうなあ〜♪3役それぞれ癖があって難しい役ですが、今回コルネールさんを3ヶ月やり通して、ものすごく大きなものを得たと思うので。ぜひこの機会に、「役者・青樹泉」を見せつけていただきたいです。
それにしても。本来はセットの筈のミューズとニクラウス…みっぽーと宇月くん、って、お二人ともハイレベルなダンサーかつ芝居巧者、っていう似た者同士の組み合わせですね(笑)。どんな演出になるのか楽しみだなあ♪二人で踊ってくれたらいいんだけど(←みりお一人になったらどうすんねん)

3人のヒロインは、羽咲まなアントニア/夢咲ねねオランピア/青葉みちるジュリエッタ→みちるアントニア/みっぽーオランピア/ねねジュリエッタ。
……どっちのバージョンもすごい魅力的だ…。みちるちゃんとねねちゃんはそもそものお目当てだし、まなちゃんのアントニアなんて当に「歌姫」だろうし、みっぽーのオランピア…(涎)。な、何故?何故ヒロインだけこんなに細かく役替わりするんですかーーーーっ!!
……全部観られる幸運な方が羨ましい…(諦)。


もりえちゃんがホフマンの時は、みりおくんがミューズ/ニクラウスでマギー(星条海斗)が悪魔。
黒天使のマギーの迫力が忘れられない私には、悪魔ってすごい楽しみ!どんなになるのかなー。もりえちゃんと二人並んだら、スタイル抜群同士、すごい迫力でしょうねぇ(笑)。
みりおくんのミューズは……チラシ見てこれも絶句しちゃいましたが(笑)、動いてもキレイだろうなあ(笑)本来メゾソプラノのズボン役なので、みりおくんには本当にぴったりな役ですよね♪

ヒロインは、ねねアントニア/花陽みらオランピア/みっぽージュリエッタ→3役ともねねちゃん。

…み、み、みっぽージュリエッターーーーーーーーっ(壊)。
花陽みらちゃんは本当に大抜擢ですねぇ。オランピアってことはダンサーなのかな…?本公演では見つけられませんでしたが、ご活躍を楽しみにしています。

CSで全バージョン流れることを心の底から祈りつつ。



月組屈指のバレエダンサー・麗百愛ちゃんはオランピアに入るかな〜?と思っていましたが、「影法師S」をまぐ(流輝一斗)ちゃんとコンビで。
たぶん、4幕(ジュリエッタ)に影を奪う魔術師ダッペルトゥットというのが出てくるので、ここで奪われるホフマンの影法師のイメージ、みたいな感じなんじゃないかなーと思うのですが。「オクラホマ!」のまぐちゃんみたいな感じ?
それとも、全幕を通して悪魔の象徴的に後ろで踊ってるとか、そんな感じの役なのかな…?いや、まぐちゃんのテオドール、もえちゃんのレオノーレが、私の推測通りルーテル酒場の場面で出るキャラだとすると、全幕じゃなくて2〜4幕ですね。たとえば、幕を降ろしてセット転換している間をダンスでつないでくれる、とか(*^ ^*)。



最後に。
バウ作品として上演するにあたっての問題は、1幕2幕をどこでわけるかなのですが…。
私が観たオペラは、ルーテル酒場〜オランピア〜アントーニアまでが連続で、少し休憩。で、ジュリエッタ〜再びルーテル酒場、が2幕でした。

でも、菅沼さんの脚本が、もし本当にアントーニアが先だとしたら。
せっかく「悪魔」も出しているので、ルーテル酒場(の外?)でのミューズと悪魔の争いをしっかり描いて、アントーニアまでを1幕、オランピア〜ジュリエッタ〜エピローグで2幕、という可能性はあるかな。

そうすると、3人の中でもアントーニアとジュリエッタが役として大きい感じになりますかねぇ…
ううううう、みちるちゃんを見送るにしても、ジュリエッタとアントニア、両方観たいし(涙)、ラストの3役はもっと観たいし(泣)、……っていうか、本当に行くのか私………?




花組東宝劇場公演、初日おめでとうございます!

私が劇場前に着いたのが、ちょうど終演時間直後で。
…あまりの熱気に、思いっきり感動しました(*_*)。


クリスマスイブまで、一ヶ月ちょっと。
日増しに寒くなりますが、皆様風邪などひかないよう、十分にお気をつけて、最後まで走り抜けてくださいねm(__)m。



そして。
私のお目当ては、キャトルレーヴ♪♪

今日は、パーソナルカレンダーの発売日でした。
…そんな理由でわざわざキャトルに向かう自分に、呆れ果てながら…(汗)。



店内真ん中、賑やかな販売台に掛けられた、そこだけしん、と静かな空間。

わずかにセピアがかったモノクロームの、

静謐、という名の。



いやあ、あらためて実物が並んでいるのを見ると、
しみじみ、今回の祐飛さん表紙は異色ですねえ…(感慨)。



しかも。
中を見たら、白い浴衣に唐笠をさした写真まであるんですよっ!!!



ねこは壊れて破片になりました………(ばらばら)



ありがとう祐飛さん。





ところで。
先日、私は「あの表紙は湖をイメージさせる」ということから、金子光晴氏の『湖水』という詩を引用したのですが。
あの日記を読んだ友人から、「なぜ湖だと思ったの?」と尋かれました…

確かに、実物を見ても水面ではないんですね、あの写真。

…あれ?



……だ、だって私の心の目には、ちゃんと湖底を彷徨う魂が見えるよっ!?


…どうなんでしょうか。祐飛さんに尋いてみたいなあ…(ドキドキ)。

.
嘉月絵理さま、ご卒業おめでとうございます。

瀧川末子さま、ご卒業おめでとうございます。

宝生ルミさま、ご卒業おめでとうございます。

草風ななちゃん、ご卒業おめでとうございます。


ただ、ひたすらに、
みなさまの前途の幸いを、よろずの神に手を合わせて祈りつつ。


今までありがとう。
本当にありがとう。

月組にいてくれてありがとう。
宝塚にいてくれてありがとう。

素敵な時間をプレゼントしてくれて、ありがとう。

…心からの感謝を込めて。




幸運なことに、今日の11時公演と千秋楽公演、両方観ることができました。

11時公演は、色んな意味で面白かった!
とりあえず、祐飛さん、あなたがそこ(←白鷺)で泣いてどうするんですかっ(T T)。
まだもう一公演あるというのに、そ、それはいくらなんでもルール違反だろうっ!!と、かなり仰天してしまいました…。

千秋楽でしっかり建て直されたのは、さすが年の功(え?)なのかな?挨拶の間中怖い顔してたのは許してあげよう(笑)。



酒場の場面では、いつもタキさんギーゼラと踊る絵理さんラーズロが、なぜか妃鳳こころちゃんと踊っていたんですけど…なんでそんなことになっていたのかご存知の方教えてください。

そして、祐飛さんジグモンドとレオーの龍真咲ちゃんは、上手でしばらく喋ったあと、ジグモンドが白華れみちゃんをナンパしてきてレオーに紹介し、レオーとれみちゃんがテーブルのところで仲よく酒を飲み始めて…その間に、ジグモンドは草風ななちゃんをナンパして踊り始めました
……ななちゃんは知っていたのかなあ?すごくビックリしていたように見えましたが(^ ^)。



千秋楽は、CSで放送されるせいか、特に何事もなく、酒場もごく普通に何事もなく過ぎて、ごく端正な公演になりました。
園加司祭に「行きなさいっ!」と言われたシビさんが、ちょっと言い返したくらいだったと思う…多分(笑)。


祈りの籠もった今回の作品が、この収穫の祭の時期に上演された幸せに浸った1ヶ月半。

この作品を実現させることができた宝塚歌劇団を、
出雲組長と嘉月副組長が率いた、今の宝塚月組を、
…そのファンである自分自身を(^ ^;)、誇りに思います。



フィナーレ、ロケット後の黒燕尾と青のドレス。
絵理さんは白いコサージュ、ルミ姐とななちゃんはそれぞれに意匠を凝らした花飾りを胸につけて。

薄紫のドレスの末子姐は、スポットが来た瞬間にものすごい拍手でしたが。
美しい、淡色の、かなり大きな花飾り。

ラストのパレードは、ななちゃんとルミ姐はそれぞれ前の場面のとは違う花をつけていたと思います。
末子姐は、色違いの少し濃いめの紅い花で、形は同じでした。
絵理さんは同じコサージュ。



そして、

矢代鴻さんも、胸に花をつけて降りてこられました。

何も発表も挨拶もありませんでしたが………そういうものなんでしょうか……(涙)。

シビさんと立さんのディナーショーとかがあったら、行きたかったなあ。



黄色いハート形の花束は、草風ななちゃんへ。
同期代表で花束を持ったまさおくんは、ちょっと涙目。

かなみちゃんは、黄色いハートの片割れをななちゃんに渡して、すぐに薄いピンクの花束に持ち替えて、
ルミ姐へは、祐飛さんとかなみちゃんから薄いピンクと白の花束。

末子姐へは、きりやんとあー(花瀬みずか)ちゃんから、薄紫の胡蝶蘭。
一色瑠加ちゃんが優しく微笑みかけていたのが印象的でした。

絵理さんへは、麻子さんと、そして湖月わたるさんが駆けつけてくださいました。
長身を黒で包んだワタルさん、また一回り細くなられたような?ホストのよう、というには胸元がドレッシーにあいたスーツでしたが、現役時代以上のかっこよさでした(*^ ^*)。



絵理さんのご挨拶の間中、怖い顔をしていた祐飛さんは、挨拶の後の「すみれの花咲く頃」でやっと笑顔が出ました。
麻子さんは逆に、「すみれの花咲く頃」で泣き出したのかな?
カーテンコールでは目の下びしょぬれでしたね。



「月組が大好きです」
「月組最高!」とまで言って下さった、生粋の月組っ子たち。



長いようで短かったね。

月組の芝居は、楽しかったよ。

元気でね。


…ありがと(はぁと)。



あと残り1週間となった月組東宝劇場公演「まほろば/マジシャンの憂鬱」。


ショーは本当に、何回観ても大好きです。
どの場面もどの場面も、本当に美しくて切なくて、珍しく電飾も許せるし、何もかもピタッと嵌っている印象です。
ああ、あと何回も観られないのが悲しい(涙)。


お芝居は、観るたびに毎回酒場での居候ズの動きが違っていたり、記者会見の場面での野次馬たちがどんどん面白くなっていっていたり、と、本筋とは関係のないところで月組小芝居が炸裂していて(笑)、なかなかじっくりとセンターを観る暇がないのですが…。
月組組子も専科のお二人も、演じることを楽しんでいらして、舞台としてだいぶまとまってきたなあという印象です。
それと、この終盤にきてもりえ(青樹泉)ちゃんのコルネールさんが面白くなってきたのが嬉しいです!!あれで記者会見の場面がぐっと締まったと思いました。

あと、わずか10公演。
月組芝居がどこまで進化していくのか、楽しみにしています!



それでは、先日書いたトリビアの続きを。

……正直、あまり増えていないので(涙)。ここに無いトリビアをご存知のみなさま、ぜひぜひご教示くださいませm(_ _)m.



「まほろば」

・【ヤマトタケル誕生】の場面で、蝶を操っているのは、上手が宝生ルミ姐、下手が天野ほたるちゃん。

・水系の神子の髪型は、基本的に本人が作成。(色のついている部分だけ指定あり)

・【嵐】の場面で霧矢さんと大空さんが詠っているのは、古事記の原文、という噂を聞いたのですが、私が持っている本の原文とは全然違ってました…(涙)。謝さんは、いったい何処からこの詞を持ってこられたのでしょうか(T T)。
ちなみに、ライブCDの歌詞カードでは「海の神よ 現れたもう」という一文は霧矢さんが詠っていることになっているが、舞台では「海の神よ」は祐飛さん、「現れたもう」が霧矢さんになっている。(と、思う)





「マジシャンの憂鬱」の方は、残念ながら先日書いたの以外に新しいトリビアが見つかりませんでした…ので、酒場の場面での居候ズの(乾杯した後、バラけてからの動き。本筋はもちろん、麻子さんとかなみちゃんの心の交流です。よそ見していてすみません…)レポートを。


ちなみに、基本的な動きは以下のとおり。

・あひちゃん(遼河はるひ)のヤーノシュは、下手の(夢咲)ねねちゃんのエヴァを踊りに誘いだす。
・祐飛さんジグモンドは、上手でまさお(龍真咲)のレオーと二人でしばらく喋ってから、センター奥の可愛い女客(白華れみ)をみつけて踊りに誘いに行く。
・置いて行かれたレオーはテーブルに戻って席に座り、ノートに何か(詩?)を書き始める。
・(嘉月)絵理さんのラースロと、タキ(出雲綾)さんのギーゼラは、テーブル奥でじゃれながら(?)、二人で踊る。
・すずな(憧花ゆりの)のシャーロットは、ちょっと寂しそうにテーブル下手あたりに立っている。


…・…・…・…・…・…・…

某月某日
レオーとジグモンドは、上手でお互いのサッシュを触って何か言っていた。「似合うねえ」とか誉め合ってたのか?それとも「それちょっと違くね?」とか貶しあってたのかも…?

某月某日
レオーはジグモンドに、自分のノートを読ませていた。そして、ジグモンドに大笑いされて(←多分)、怒って取り返し、テーブルに戻って拗ねたように肩を丸めて座り込む…。

某月某日
普段はちょっと無感動な感じで(嫌だけど断れない、という風情の日も多い)ヤーノシュの誘いを受けるエヴァが、珍しく満面の笑顔で踊り出した。
っていうかこの二人、ここではちゃっかり踊っているけど、会話はしていない設定なんですよね?(ラストでヤーノシュがエヴァに「喋った…!」と感動するってことは…)

某月某日
客席に背を向けてちょっと寂しそうなシャーロットに、テーブルに戻ったレオーがグラスを掲げて誘いをかけていた(でも無視された)

某月某日
ギーゼラとラースロが、思いっきり酔っぱらった芝居なのか、お互いに抱きついておんおん泣いていた…ような気がする。

某月某日
レオーがジグモンドのベストに触って、「これ何?」みたいな感じで話してた。
ちなみに、あのベストはちゃんと衣装だそうです(笑)。これはトリビアかも!?(^ ^)

某月某日
ギーゼラがグラスをシャーロットに差し出して断られ、レオーにあげた日があったような気がする。

某月某日
今日は、何かレオーが落ち込んでいるらしく、ジグモンドが一生懸命励ましているような感じだった。…っていうか、レオーの肩に触りすぎですよ祐飛さん。

某月某日
テーブル奥でおとなしく踊っているはずのギーゼラとラースロが、白華れみちゃんを誘うために移動中のジグモンドを捕まえて邪魔していた。ジグモンドは笑いながら二人を避けて、とにかくれみちゃんが待つセンター奥へ突進。振られた二人はテーブルに戻ってきたレオーにちょっかいをかけていた。

某月某日
白華れみちゃんと踊っていたはずのジグモンドが、盆が回って照明が落ちる寸前に舞台前のテーブルまで戻ってきて、座っているレオーをぽかんと叩いていた。(理由は不明)(何があったのかご存知の方、教えてください…)



思い出した順に書いているので、大劇場公演のアドリブも混ざっています。ついでに、一つの公演でのアドリブが分けて書いてあったりもするかもです(^ ^;ゞ。


ちなみにこの場面。
個人的に一番のお気に入りは、シャンドールが登場した時の上手のテーブルでの
「シャンドール・ザ・グレート!俺も透視してくれ!」
「出て行った彼女のか?」
という会話の後、
「今さら彼女を探してどうしたいのよっ!?」(←台詞は想像)
と彼に詰め寄る草風ななちゃん。めちゃくちゃ可愛くてたまりません(笑)。


…全然トリビアじゃなくてすみません。
っていうか、素直に(真面目に?)アドリブレポしようよ自分……。



今日はちょっと、私があちこちから収拾した(←偉そうな)
月組公演のトリビアメモを少し。

…ニュースソースは内緒、ってことで(笑)。



「まほろば」

・最初の天女の舞は、もっとずっと長かったらしい。
 ……DVD特別サービス映像に入れてくれんものだろうか…。

・「嵐」の盛り上がったところで、上手・下手からくるくる回りながら出てくる神子さんは、上手が萌花ゆりあちゃん、下手が麗百愛ちゃん。

・「吹雪」の最初の振りは、当初は鬼の面をつける予定だったらしい。面についた羽根を“ふるふる”と振る振付だけが残って今に至る。



「マジシャンの憂鬱」

・ラーズロはシャンドールの学生時代の友人で、彼がジグモンドをシャンドールに紹介した(ラーズロとジグモンドはどこで知り合ったの?ねぇ!?)で、レオーはギーゼラが連れてきた。

・女性たちの衣装については、元々はもっと短いものを予定していいたらしい。ってことは、正塚さんの元々の予定では、時代はやっぱり20世紀半ばだった、ってことで合っているのか?
 実際に舞台で着る衣装が全員長くなった理由は不明だが、かなみちゃんには今の長さが絶対似合うと思いますーっ!

・もりえ(青樹泉)ちゃんが教会でシャンドールさんに突きつける銃は、オートマティック。そんなもんが作られるのは第二次世界大戦後かと思っていたが、非常に良く似た形の銃が意外と早い時期に軍隊に配備されていたらしい。
 もしかしたら、ヴェロニカはその銃をみて「(あんな最新式の銃を持っているのは)明らかに軍人」だと証言したのかもね。
 ↑いやだから、舞台は20世紀半ばだってば。

・シャンドールとヴェロニカと、居候ズの5人は一緒に旅に出る。

・シャンドールのマネージャーが居着かないのは、居候ズの5人が五月蠅いせい。っていうか、あの5人がマネージャー業してるんじゃないのかよっ!?



…あんまり無かったなー(涙)。

他にも細かい設定がたーーーーっくさんありそうなので、もし何かトリビアをご存じの方がいらっしゃいましたらコメント欄ででも教えてくださいませm(_ _)m。

いろんなジェンヌさんがちょっとずついろんなところで語ってくださるので、ちょっとまとめてみたいなー、と思い立ったのでした(^ ^;ゞ。

ぜひぜひ、情報をお待ちしておりますm(_ _)m。




そして。
昨日はカレンダー、今日はバウのポスター。
祐飛さん、ヒット街道邁進中です!飛ばしております!!

願わくば。
ポスターで最高潮に高まった期待が裏切られることのないように、


…祈っています。


それにしても…ストーリーを読めば読むほど、「シニョール・ドンファン」のスティーブ(祐飛さん)とローサ(コモさん)のサイドストーリーに被るのは何故でしょうか(涙)。

新人公演で、たしかあいちゃんはローサをやったんですよね。
すごーく良かったから…もう一回、あのローサとスティーブに会えるなら、それでもいいかも……。




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