大空祐飛さんTeaParty
2007年3月18日 宝塚(月)今日(もう昨日ですが)は、祐飛さんのお茶会でした。
お茶会のことは本当はアップしないつもりだったのですが、ちょっとどうしても書きたいネタがあったので…そこだけ書いちゃいます。
ジョルジュさんの年齢について。
18歳→21歳、というMy設定は正しかったようです(^ ^)
登場時は18歳、最後のモンマルトルの丘は21歳、ですね。
ご本人が少し心配そうに「18歳に見えてます…?」と質問されたので、客席で大きくうなずいておきました(笑)。
最初に脚本を貰って、植田さんに
「せ、せんせい、私のこれって17,8っていう設定になっちゃいますけど本当ですか…?」
って尋いたら、
「あ、あれ…?そうだねぇそうなるね」
と言われた、というエピソードを披露していらっしゃいました。
………植田さん………?
だから言ったじゃん!なんのためにジョルジュをジュリアンの実の息子にしたのかわからん、植田さんはその設定きっと覚えてないよ、って!!!
……ぜぇはぁ。
ちなみに、植田さんには
「なにかまずいようだったら言うから」
と言われたっきり、何も言われていないそうです。
植田さんの目にも、ちゃんと18歳に見えてるってことかな。
でも「まずいこと」ってなんだろう…。
作者も認識していないような大穴を、ちゃんと力づくで塞いでお芝居をすすめている役者たち。
みんな凄いよ…、尊敬するよ…。
今日は、白のトップに黒のボトムでシルエットをキレイにキメた祐飛さん。金髪をやわらかくおろして、フェミニンな印象。
…センスのない私の言うことなので、まるっきりの嘘かもしれませんが、いちおう
終始落ち着いて、笑顔と真面目な顔をまじえながら、一言一言言葉を選びながらお話ししてくださいました。
横長の会場でしたが、話をしながらふ、と会場を見渡したりされていて、なんだかちょっと感動。昔は、司会者に集中していてあまりそういうサービス(?)はなさらなかったのにね。
上級生になって、さすがに余裕が出てきたんでしょうか。
まぁ、参加人数も増えたからなあ…。
面白い話はイロイロあったのですが。
うーん思い出せない…。
今の幹部部屋は笑いに溢れている、というお話しをされてましたね。
ドラマ「華麗なる一族」が好きで、毎回何かしらツボがあるので、それを翌日タキさんの前で物真似をするのだそうです(笑)。
「でも、東京に来てから忙しくてあまり見てなくて」
「明日で最終回なんですよね…みなさん見てくださいね」
…お勧めするのはそっちですか?
「タキさんも、あひちゃんも、園加ちゃんも、3人とも本当に面白い」と、真剣に思いだし笑いをこらえながらコメントしてくださって。
…あげくに。
「最近大笑いしたことは?」という質問には、
「本当に毎日大笑いしているんだけど…公開できない…」とお答えになってました。
それをこそ聴きたいんだけどな(笑)
詳しいレポートは、きっとファンの皆様が書いて下さると思うのですが。
すごーく楽しく、また盛り上がったお茶会でした(笑)。
参加者のみなさま、スタッフのみなさま、お疲れさまでした!!
.
お茶会のことは本当はアップしないつもりだったのですが、ちょっとどうしても書きたいネタがあったので…そこだけ書いちゃいます。
ジョルジュさんの年齢について。
18歳→21歳、というMy設定は正しかったようです(^ ^)
登場時は18歳、最後のモンマルトルの丘は21歳、ですね。
ご本人が少し心配そうに「18歳に見えてます…?」と質問されたので、客席で大きくうなずいておきました(笑)。
最初に脚本を貰って、植田さんに
「せ、せんせい、私のこれって17,8っていう設定になっちゃいますけど本当ですか…?」
って尋いたら、
「あ、あれ…?そうだねぇそうなるね」
と言われた、というエピソードを披露していらっしゃいました。
………植田さん………?
だから言ったじゃん!なんのためにジョルジュをジュリアンの実の息子にしたのかわからん、植田さんはその設定きっと覚えてないよ、って!!!
……ぜぇはぁ。
ちなみに、植田さんには
「なにかまずいようだったら言うから」
と言われたっきり、何も言われていないそうです。
植田さんの目にも、ちゃんと18歳に見えてるってことかな。
でも「まずいこと」ってなんだろう…。
作者も認識していないような大穴を、ちゃんと力づくで塞いでお芝居をすすめている役者たち。
みんな凄いよ…、尊敬するよ…。
今日は、白のトップに黒のボトムでシルエットをキレイにキメた祐飛さん。金髪をやわらかくおろして、フェミニンな印象。
…センスのない私の言うことなので、まるっきりの嘘かもしれませんが、いちおう
終始落ち着いて、笑顔と真面目な顔をまじえながら、一言一言言葉を選びながらお話ししてくださいました。
横長の会場でしたが、話をしながらふ、と会場を見渡したりされていて、なんだかちょっと感動。昔は、司会者に集中していてあまりそういうサービス(?)はなさらなかったのにね。
上級生になって、さすがに余裕が出てきたんでしょうか。
まぁ、参加人数も増えたからなあ…。
面白い話はイロイロあったのですが。
うーん思い出せない…。
今の幹部部屋は笑いに溢れている、というお話しをされてましたね。
ドラマ「華麗なる一族」が好きで、毎回何かしらツボがあるので、それを翌日タキさんの前で物真似をするのだそうです(笑)。
「でも、東京に来てから忙しくてあまり見てなくて」
「明日で最終回なんですよね…みなさん見てくださいね」
…お勧めするのはそっちですか?
「タキさんも、あひちゃんも、園加ちゃんも、3人とも本当に面白い」と、真剣に思いだし笑いをこらえながらコメントしてくださって。
…あげくに。
「最近大笑いしたことは?」という質問には、
「本当に毎日大笑いしているんだけど…公開できない…」とお答えになってました。
それをこそ聴きたいんだけどな(笑)
詳しいレポートは、きっとファンの皆様が書いて下さると思うのですが。
すごーく楽しく、また盛り上がったお茶会でした(笑)。
参加者のみなさま、スタッフのみなさま、お疲れさまでした!!
.
どんなパリ空が観たい?
2007年3月10日 宝塚(月) コメント (2)月組話が一段落ついたので、今日は2月まで帝国劇場で上演されていた某作品について書こうかなーと思っていたのですが。
昼間、フォーラムのことでふと思いだした話がありましたので、とりあえずそれを。
3月5日の日記には追記したのですが。
http://diarynote.jp/d/80646/20070305.html
たしか、植田さんが2回目に登場した時(麻子さんたち4人と一緒に舞台上に出たとき)の話だと思うのですが。
ミミについて。
そういえばもう一つ、大事な話をしていました。
曰く。
この作品は、「娘役を中心に作った」と。
「宝塚だと男役が何人も(の娘役?)に絡む作品って沢山あるんですが、あえて僕はその逆をやりたかった。だから、男役3人に惚れられる=芝居の中心にミミがいる物語を作りました」
……え?そうだったの?
それはそれで、とてもいいことだと思います。
かなみちゃんには、それだけの力もある(はずだ)と思いますしね。
でも。
だったら、なんで「宝塚伝統の花売り娘」だったんですか…?
「宝塚伝統の」男役中心の物語を捨てて(←そこまで言ってなかったけど)、「娘役中心」の話にした、ということは。
その作品が、「今までの宝塚伝統の作品とは違う」あるいは、その登場人物が「ステレオタイプな宝塚キャラクターとは違う」ってことじゃないの?
なのに。
しつこいようですが、なぜ「宝塚伝統の花売り娘」なんですか…?
これまた何度も書いてすみません、ですが。
トップ娘役にエレノールをやらせるわけにはいかなかったのでしょうか…。
確かに、原作のエレノールはトップ娘役にはふさわしくないキャラクターですけど(笑)。そのままやらせろ、って話ではないんです。
設定を変えて、トップ娘役がやるにふさわしい性格をつけてあげればいいだけの話じゃないですか。違うのかなあ…。
だって。
エレノールは「主役の片割れ」ですよっ!?
昨日も書きましたけど、エレノールは「パリの人々」「塔建設推進派」の代表となりうるキャラクターなわけです。
アルマンドもギスターヴも出ていない場面では、中心になってひっぱるのは、当然エレノール!
しかも、これがまたたくさんあるんですよ。最初の15分でしょ。結成パーティでアルマンドを呼ぶまででしょ。そして、落成パーティーの前半まで。
逆に、ギスターヴが中心なのは、2度のパーティとミミとの場面くらい。場面数でも重要度でも、ギスターヴとエレノールはほとんど同格です。
そして、主役との絡みもジョルジュについで多いのがエレノール。主筋に絡まないジョルジュに比べれば、重要度は段違いです。
なんでこの役をかなみちゃんにしなかったんだろう…。
私はトップ至上主義ではないので、別に組長や専科さん、上級生などの「上手い人」が良い役を持って行くことに不満はないのですが。
エレノールは、ただの「美味しい役」「重要な役」ではなく、本当に「主役の片割れ」なんですもの…。
ホント何度も書いてますけど、新公のみちるちゃんのエレノールだったら、本役かなみちゃんで全然オッケーだったと思います。
あとは、「お父様そっくり…」って言ったあとに甘い雰囲気になる場面を作ってしまえば大丈夫。
で、ギスターヴはエレノールに憧れていることにする。
ジェラールはもっと、主役に対立する「敵役」として立てる。
ミミは、それこそ「アルマンドに憧れる可愛い町娘」にして、ギスターヴやジョルジュとの場面を無くして、あいちゃんがやるのが一番いいと思います。
街角で3人に出会う場面と、ホテルへ寸志を渡しに来る場面の二つくらいしか出番なくなっちゃうけど…
塔が出来た後にでも、影ながら見守るボーイのもりえちゃんと、ちょっと甘い雰囲気になって終了、くらいでいいのでは?
こんなパリ空が観たかったなあ、私は…。
それにしても。
植田さんの頭の中で、ジュリアン・ジャッケは本当に「いい人」なんでしょうか。
…考えれば考えるほど、ジュリアンもペテン師だったとしか思えない私は、腐ってますか…?
ああ、植田紳爾のお茶会があったら、絶対行くのに〜!
・
昼間、フォーラムのことでふと思いだした話がありましたので、とりあえずそれを。
3月5日の日記には追記したのですが。
http://diarynote.jp/d/80646/20070305.html
たしか、植田さんが2回目に登場した時(麻子さんたち4人と一緒に舞台上に出たとき)の話だと思うのですが。
ミミについて。
そういえばもう一つ、大事な話をしていました。
曰く。
この作品は、「娘役を中心に作った」と。
「宝塚だと男役が何人も(の娘役?)に絡む作品って沢山あるんですが、あえて僕はその逆をやりたかった。だから、男役3人に惚れられる=芝居の中心にミミがいる物語を作りました」
……え?そうだったの?
それはそれで、とてもいいことだと思います。
かなみちゃんには、それだけの力もある(はずだ)と思いますしね。
でも。
だったら、なんで「宝塚伝統の花売り娘」だったんですか…?
「宝塚伝統の」男役中心の物語を捨てて(←そこまで言ってなかったけど)、「娘役中心」の話にした、ということは。
その作品が、「今までの宝塚伝統の作品とは違う」あるいは、その登場人物が「ステレオタイプな宝塚キャラクターとは違う」ってことじゃないの?
なのに。
しつこいようですが、なぜ「宝塚伝統の花売り娘」なんですか…?
これまた何度も書いてすみません、ですが。
トップ娘役にエレノールをやらせるわけにはいかなかったのでしょうか…。
確かに、原作のエレノールはトップ娘役にはふさわしくないキャラクターですけど(笑)。そのままやらせろ、って話ではないんです。
設定を変えて、トップ娘役がやるにふさわしい性格をつけてあげればいいだけの話じゃないですか。違うのかなあ…。
だって。
エレノールは「主役の片割れ」ですよっ!?
昨日も書きましたけど、エレノールは「パリの人々」「塔建設推進派」の代表となりうるキャラクターなわけです。
アルマンドもギスターヴも出ていない場面では、中心になってひっぱるのは、当然エレノール!
しかも、これがまたたくさんあるんですよ。最初の15分でしょ。結成パーティでアルマンドを呼ぶまででしょ。そして、落成パーティーの前半まで。
逆に、ギスターヴが中心なのは、2度のパーティとミミとの場面くらい。場面数でも重要度でも、ギスターヴとエレノールはほとんど同格です。
そして、主役との絡みもジョルジュについで多いのがエレノール。主筋に絡まないジョルジュに比べれば、重要度は段違いです。
なんでこの役をかなみちゃんにしなかったんだろう…。
私はトップ至上主義ではないので、別に組長や専科さん、上級生などの「上手い人」が良い役を持って行くことに不満はないのですが。
エレノールは、ただの「美味しい役」「重要な役」ではなく、本当に「主役の片割れ」なんですもの…。
ホント何度も書いてますけど、新公のみちるちゃんのエレノールだったら、本役かなみちゃんで全然オッケーだったと思います。
あとは、「お父様そっくり…」って言ったあとに甘い雰囲気になる場面を作ってしまえば大丈夫。
で、ギスターヴはエレノールに憧れていることにする。
ジェラールはもっと、主役に対立する「敵役」として立てる。
ミミは、それこそ「アルマンドに憧れる可愛い町娘」にして、ギスターヴやジョルジュとの場面を無くして、あいちゃんがやるのが一番いいと思います。
街角で3人に出会う場面と、ホテルへ寸志を渡しに来る場面の二つくらいしか出番なくなっちゃうけど…
塔が出来た後にでも、影ながら見守るボーイのもりえちゃんと、ちょっと甘い雰囲気になって終了、くらいでいいのでは?
こんなパリ空が観たかったなあ、私は…。
それにしても。
植田さんの頭の中で、ジュリアン・ジャッケは本当に「いい人」なんでしょうか。
…考えれば考えるほど、ジュリアンもペテン師だったとしか思えない私は、腐ってますか…?
ああ、植田紳爾のお茶会があったら、絶対行くのに〜!
・
月の夢語り【いろいろ】
2007年3月9日 宝塚(月)最近面白かったこと。
この日記を、「ナホ×麻子」というキーワードで検索して来られた方がいらっしゃったこと。
…っていうか、そのキーワードでひっかかるこの日記に問題があるのかっ!?
さておいて。
やっと新公レポートを書き終えましたので、ちょっと繰り返しになる部分もありますが、この「パリの空よりも高く」の芝居構造について語ってみたいと思います。
本当は、友人から原作「花咲く港」の映像を借りたので、その比較もからめて書くつもりだったのですが。
まずは、「パリ…」単体のみで語ってみようと思います…
宝塚における芝居構造の基本は、2番手=「主役の相棒(愛するには短すぎる)」または「敵(飛鳥夕映え)」のどちらかですよね…?
まれに番手のつく人み〜んな主役の仲間で、敵役は専科や組長クラスの方がやる作品(「Jazzyな妖精たち」マクガバンなど)もありますけれども。
「パリの空よりも高く」では。
この作品には、主役の「敵」がいないんですね。
2番手は主役に利用されるエッフェル役。
相手役は塔建設に関わりのない花売り娘。
エッフェル塔建設に対する反対勢力は、パリ市民の噂話やボーイたちの会話=説明台詞の中でちらっと出てくるだけで、劇中にはまったく出てこない。
これじゃあ、どういじくっても、役者ががんばっても、「ドラマティックな展開」になりようがありません(涙)。
どうせ「全く新しい」人物を作るなら、「石の財閥」であるロルボン財閥の御曹司をキリヤンがやったら面白かったと思うんですよね。
で、エッフェルと組んだアルマンドに、もっと本気で対抗するんですよ。いろいろ妨害工作とかするの。で、その仲間はあひちゃんナホちゃんの強面コンビ(←中身は乙女)☆
結成パーティですぐ態度を変えてしまうんじゃなくて、もっとギリギリの、嵐の前あたりでやっと心を変えてみんなの仲間になるところから、アルマンドたちも巻き込んで嵐を乗り切るところがクライマックス。
そうすれば、嵐の中駆け込んでくるのも御曹司にできるじゃないですか。
で、エッフェルを祐飛さん。
ジョルジュは…順番でいくと園加ちゃん?…うーん。祐飛さんと同じ穴に落ちそうなコンビですねぇ。
素で仲が良すぎる人を、こういうコメディで相棒役にするのはあまり感心しません。どうせならみりおくんくらいまでぶっ飛ばした方がいいのかも。
いずれにしても。
準主役が主役の仲間(今回の場合、エッフェルもジョルジュも主役の「仲間」の範疇)になる作品は、よほど巧く構成しないと、視点が一カ所に固定されるためにダレてしまいがち。
「Ernest In Love」や「愛するには短すぎる」は、そのあたりが非常に巧かったんですが(だから両方とも佳作)、「パリの空よりも高く」は、まさにその構成上の欠点が露わに出ていると思います。
植田さんの過去の作品を見ると、元々単純なドラマを演出のハッタリがましいドラマティックさで魅せてきた部分があると思うのですが。
こういうクリエイトは、よほど日本語のセンスがあるか、他のキャストに魅力的な役がアテられる柔軟性と宛書能力があるか、設定自体がドラマティックか、どれかがないとなかなか成功しません。
少なくとも植田さん日本語のセンスはないので。
設定自体をドラマティックにする=主役に拮抗するべき2番手を敵役に置いた方が無難だったんじゃないのかな、と。
あるいは。
百歩譲って、準主役格の役を相手役であるかなみちゃんがやるという考え方もあります。
具体的には、パリ市民を代表するエレノール役をかなみちゃんにふる。
もちろんあのままではなく、もっと新公のみちるちゃんみたいなキャラクターに変える前提ですけど。ジュリアン小父さんへの憧れを胸に秘めて成長し、最近ママの跡を継いだばかりのお嬢さん、みたいな。
そのほうが、ギスターヴも「主役の恋敵」に見せやすかったのでは?
塔建設の敵でなくても、恋の敵でも全然オッケーですよ?宝塚ですもん。
「ペテン師」という軸に対して、「パリ市民」という軸を作る。
エレノールをかなみちゃんがやるということはそういうこと。
そして、きりやんがロルボン財閥の御曹司をするということは、「産業革命を謳歌する層」と「旧来の価値観にしがみつく層」を対立させるということ、です。
主役が、ただ立っているだけで何もしなくても主役にしか見えないタイプなら、あえて脚本内に対立軸を持ち込まなくてもいいんですけど。
麻子さんは動いてナンボ、遊んでナンボの人ですから。
主役が動きやすいのは、やっぱり「敵」がはっきりしている時なんですよ。だから、何らかの対立軸を作った方が、面白いモノにしやすかったと思います。
せめて、ペテン師二人に疑念をもつただ一人の人・レオニードをもっとフィーチャーするだけでも少しは違っただろうに…。
なぜそうしなかったのか。
なぜあんな、中途半端にいい人だけのパリにしてしまったのか。
…ああ、植田さん。
植田さんに尋きたいことが沢山あるんですけど、
…お茶会してくれないかなあ………。
.
この日記を、「ナホ×麻子」というキーワードで検索して来られた方がいらっしゃったこと。
…っていうか、そのキーワードでひっかかるこの日記に問題があるのかっ!?
さておいて。
やっと新公レポートを書き終えましたので、ちょっと繰り返しになる部分もありますが、この「パリの空よりも高く」の芝居構造について語ってみたいと思います。
本当は、友人から原作「花咲く港」の映像を借りたので、その比較もからめて書くつもりだったのですが。
まずは、「パリ…」単体のみで語ってみようと思います…
宝塚における芝居構造の基本は、2番手=「主役の相棒(愛するには短すぎる)」または「敵(飛鳥夕映え)」のどちらかですよね…?
まれに番手のつく人み〜んな主役の仲間で、敵役は専科や組長クラスの方がやる作品(「Jazzyな妖精たち」マクガバンなど)もありますけれども。
「パリの空よりも高く」では。
この作品には、主役の「敵」がいないんですね。
2番手は主役に利用されるエッフェル役。
相手役は塔建設に関わりのない花売り娘。
エッフェル塔建設に対する反対勢力は、パリ市民の噂話やボーイたちの会話=説明台詞の中でちらっと出てくるだけで、劇中にはまったく出てこない。
これじゃあ、どういじくっても、役者ががんばっても、「ドラマティックな展開」になりようがありません(涙)。
どうせ「全く新しい」人物を作るなら、「石の財閥」であるロルボン財閥の御曹司をキリヤンがやったら面白かったと思うんですよね。
で、エッフェルと組んだアルマンドに、もっと本気で対抗するんですよ。いろいろ妨害工作とかするの。で、その仲間はあひちゃんナホちゃんの強面コンビ(←中身は乙女)☆
結成パーティですぐ態度を変えてしまうんじゃなくて、もっとギリギリの、嵐の前あたりでやっと心を変えてみんなの仲間になるところから、アルマンドたちも巻き込んで嵐を乗り切るところがクライマックス。
そうすれば、嵐の中駆け込んでくるのも御曹司にできるじゃないですか。
で、エッフェルを祐飛さん。
ジョルジュは…順番でいくと園加ちゃん?…うーん。祐飛さんと同じ穴に落ちそうなコンビですねぇ。
素で仲が良すぎる人を、こういうコメディで相棒役にするのはあまり感心しません。どうせならみりおくんくらいまでぶっ飛ばした方がいいのかも。
いずれにしても。
準主役が主役の仲間(今回の場合、エッフェルもジョルジュも主役の「仲間」の範疇)になる作品は、よほど巧く構成しないと、視点が一カ所に固定されるためにダレてしまいがち。
「Ernest In Love」や「愛するには短すぎる」は、そのあたりが非常に巧かったんですが(だから両方とも佳作)、「パリの空よりも高く」は、まさにその構成上の欠点が露わに出ていると思います。
植田さんの過去の作品を見ると、元々単純なドラマを演出のハッタリがましいドラマティックさで魅せてきた部分があると思うのですが。
こういうクリエイトは、よほど日本語のセンスがあるか、他のキャストに魅力的な役がアテられる柔軟性と宛書能力があるか、設定自体がドラマティックか、どれかがないとなかなか成功しません。
少なくとも植田さん日本語のセンスはないので。
設定自体をドラマティックにする=主役に拮抗するべき2番手を敵役に置いた方が無難だったんじゃないのかな、と。
あるいは。
百歩譲って、準主役格の役を相手役であるかなみちゃんがやるという考え方もあります。
具体的には、パリ市民を代表するエレノール役をかなみちゃんにふる。
もちろんあのままではなく、もっと新公のみちるちゃんみたいなキャラクターに変える前提ですけど。ジュリアン小父さんへの憧れを胸に秘めて成長し、最近ママの跡を継いだばかりのお嬢さん、みたいな。
そのほうが、ギスターヴも「主役の恋敵」に見せやすかったのでは?
塔建設の敵でなくても、恋の敵でも全然オッケーですよ?宝塚ですもん。
「ペテン師」という軸に対して、「パリ市民」という軸を作る。
エレノールをかなみちゃんがやるということはそういうこと。
そして、きりやんがロルボン財閥の御曹司をするということは、「産業革命を謳歌する層」と「旧来の価値観にしがみつく層」を対立させるということ、です。
主役が、ただ立っているだけで何もしなくても主役にしか見えないタイプなら、あえて脚本内に対立軸を持ち込まなくてもいいんですけど。
麻子さんは動いてナンボ、遊んでナンボの人ですから。
主役が動きやすいのは、やっぱり「敵」がはっきりしている時なんですよ。だから、何らかの対立軸を作った方が、面白いモノにしやすかったと思います。
せめて、ペテン師二人に疑念をもつただ一人の人・レオニードをもっとフィーチャーするだけでも少しは違っただろうに…。
なぜそうしなかったのか。
なぜあんな、中途半端にいい人だけのパリにしてしまったのか。
…ああ、植田さん。
植田さんに尋きたいことが沢山あるんですけど、
…お茶会してくれないかなあ………。
.
若人たちのパリ【その5】
2007年3月7日 宝塚(月)とりあえず、書きかけたモノは終わらせてしまいたい、ということで。
月組新人公演。さすがにちょっと記憶も薄れてきたので、これで最後にします。…一週間かかったな…。
パリ市民。
流輝一斗&白華れみ(桐生園加&美鳳あや)
沢希理寿&美夢ひまり(研ルイス&宝生ルミ)
美翔かずき&彩橋みゆ(風雅湊&音姫すなお)
彩星りおん&草風なな(榎登也&天野ほたる)
瑞羽奏都&麻華りんか(光月るう&葉月さら)
スタイルで選んだのか?と思うほど、背高足長の男役さんたちばかりで見栄えがしましたねー。台詞の声も、学年の割にはすごく低い良い声の人が多くて、聞き応えありました。本公演はこの場面、男役5人とも声が高いんでね…(涙)。
逆に、娘役は本公演のこの場面は落ち着いた柔らかな声の人が多いので、新公は良くも悪くも「娘役」らしい、高くて細い声の人が多いのが目立って、場面全体がすごく若々しく見えました。
でも、経験の差が出たのが会話のテンポというか間の取り方。本公演とは比較にもなりませんねぇ…。これが出来ないと、次の正塚作品で苦労しそう…!!正塚作品の命は、「さりげない会話」ですからね(^ ^)。
学年の割に、本公演でも使われているメンバーたちだと思うので、もう少し「役者」であるという自覚を持って、自分たちの普段の会話の中でも、テンポとかをチェックしてみたら良いのではないでしょうか。
昔、某役者さん(宝塚とは無関係)が
「自分たちが『普段』からどんなテンポで会話しているのかがわかれば、『時代が○○だから少しのんびりめ(セカセカめ)でいこう』と思った時の『物差し』ができて役に入りやすい」と仰っていたので、ちょっと書いてみました(笑)。
パーティーの客
憧花ゆりの(滝川末子)
妃鳳こころ(花瀬みずか)
麻月れんか(有香潤)
鼓英夏(一色瑠加)
華央あみり(良基天音)
こちらも、「会話のやりとり」のぎこちなさが本公演との大きな違いになりましたが…。
一人一人、微妙に役作りを変えていたのが非常に面白かったです。
中でも特筆したいのはこころちゃんのカトリーヌ。
あり得ないほど麗しくて、ドレスが似合っていて、そしてコワくて、最高でした。
「主人に内緒で200株」も、本役のあーちゃんはコケティッシュで「可愛〜い」感じで、「こっそり」感も強くて好きなのですが。
こころちゃんは。「あの人には何も言わせやしませんわ」ってな感じの迫力がありましたね。
末子姐の「私は500株」に対して、あーちゃんは特に反応を見せてはいないと思うのですが。
すずなに対するこころちゃんは。
「なんですって!?あの人が500株なら私は600株(?)にしたいわ!!でも主人には内緒だし…ああ、どうしましょう/汗」
と逡巡しているうちにその話が終わってしまった、という印象でした。
すずなのチチエンヌも、美人で華やか。
いつもあの独特の声がひっかかるのですが、今回はそれもマッチしていて、とても良かったです。ホント巧いですね、この人は。
りこちゃんの司教さま。
本公演のひらさんは、あの「浮世離れ」した感じがなんとも言えず好きなのですが。
りこちゃんは、そこはかとなく色気があって、なんだかとってもステキでした。いうのまにか、こんなにちゃんと喋れるようになっていたんですねぇ…。これからの活躍がとても楽しみです。
ワイン王の鼓さんも、警察の華央さんも、それぞれ本役を見凝めつつ、自分のキャラクターを見極めつつ、自分の解釈で自分の役にしておられて、とても良かったです。お二人とも、この学年とは思えない良い声ですしねぇ。なんだか、月組はむしろ上級生に声の高い人が多いような気がしますね…(項垂れ)。
本公演は芝居もショーもいまひとつ出番の少ないお二人。芝居では、どの作品も必ず「一工夫」」があってとても面白い芝居をなさるので、これからに期待しています。
お針子
紫水梗華(城咲あい)
萌花ゆりあ(涼城まりな)
羽咲まな(憧花ゆりの)
夏月都(白華れみ)
蘭乃はな(夢咲ねね)
かわいいよぅ、かわいいよぅ、かわいいよおおおおお。
ショーで大活躍の蘭乃はなちゃん。声も口跡もこの学年とは思えません。
バウでも活躍しそうですよね。表情豊かでいかにも芝居が巧そうなので、かなり期待しちゃってます。がんばれー!
それにしても。
これ以外の人は一人もわかりませんでした。
パーティーの客も一応チェックしたのですが、さっぱり(涙)。
植田さん…やっぱりコレは、ちょっと問題なんじゃないでしょうか…?
プロローグは「芝居」ではないのでコメントしていませんが、影ソロを担当したのは麻華りんか嬢。さすがの美声でしたが、ちょっと音域が合わなかったのかな?なんだか出だしが自信なさげで、いままで色んなところで聴いていたソロが嘘みたいでした。
タキさんの偉大さを改めて知ったような気がします。
ロケットは、本公演で紳士・淑女に入っている上級生のみの少人数ロケット(本公演でロケットのメンバーは全員紳士&淑女だったみたい)。
人数が少ないので、ロケットの最初の少しずつメンバーが出てくるところをあいちゃんが一人でソロで踊ってました。
あいちゃんのダルマって、本当に金を取れるダルマですよね…(うっとり)。
以上!ああ疲れた。
とにかく。月組新公、良かったです!
メインキャストがみんな、とても丁寧に「キャッチボール」を意識してお芝居してくれて、観ていて気持が良かったです。これからも「月組」を愛し続けてくださいね!
生田さん、ご指導ありがとうございました。
デビューをお待ちしております♪
あいあい、マギー、すずな、みちる、こころ、えりおっと、しのちゃん。
今回で新公を卒業する86期の7人。みんな良い役だったし、力を存分に発揮してくださった。本当にありがとう。
新公ご卒業、おめでとうございます。
あいちゃんが挨拶で「これからも龍真咲率いるメンバーががんばってくれると思うので、新公もよろしくお願いします」みたいなことを言っていたのにはちょっとホロっときましたし、
まさおが挨拶の中で、何度も86期への感謝の言葉を繰り返し述べていたのもじぃんときました。
最上級生が主演しないことなんて、他組はいざしらず、少なくとも月組では日常茶飯事だったりもするのですけれども(汗)。
それでもきっと、本人たちにとっては大変なことだったのでしょうね…
まさお以下の下級生の、新公(&本公演)での活躍と、
86期生の本公演での活躍を心から祈りつつ。
.
月組新人公演。さすがにちょっと記憶も薄れてきたので、これで最後にします。…一週間かかったな…。
パリ市民。
流輝一斗&白華れみ(桐生園加&美鳳あや)
沢希理寿&美夢ひまり(研ルイス&宝生ルミ)
美翔かずき&彩橋みゆ(風雅湊&音姫すなお)
彩星りおん&草風なな(榎登也&天野ほたる)
瑞羽奏都&麻華りんか(光月るう&葉月さら)
スタイルで選んだのか?と思うほど、背高足長の男役さんたちばかりで見栄えがしましたねー。台詞の声も、学年の割にはすごく低い良い声の人が多くて、聞き応えありました。本公演はこの場面、男役5人とも声が高いんでね…(涙)。
逆に、娘役は本公演のこの場面は落ち着いた柔らかな声の人が多いので、新公は良くも悪くも「娘役」らしい、高くて細い声の人が多いのが目立って、場面全体がすごく若々しく見えました。
でも、経験の差が出たのが会話のテンポというか間の取り方。本公演とは比較にもなりませんねぇ…。これが出来ないと、次の正塚作品で苦労しそう…!!正塚作品の命は、「さりげない会話」ですからね(^ ^)。
学年の割に、本公演でも使われているメンバーたちだと思うので、もう少し「役者」であるという自覚を持って、自分たちの普段の会話の中でも、テンポとかをチェックしてみたら良いのではないでしょうか。
昔、某役者さん(宝塚とは無関係)が
「自分たちが『普段』からどんなテンポで会話しているのかがわかれば、『時代が○○だから少しのんびりめ(セカセカめ)でいこう』と思った時の『物差し』ができて役に入りやすい」と仰っていたので、ちょっと書いてみました(笑)。
パーティーの客
憧花ゆりの(滝川末子)
妃鳳こころ(花瀬みずか)
麻月れんか(有香潤)
鼓英夏(一色瑠加)
華央あみり(良基天音)
こちらも、「会話のやりとり」のぎこちなさが本公演との大きな違いになりましたが…。
一人一人、微妙に役作りを変えていたのが非常に面白かったです。
中でも特筆したいのはこころちゃんのカトリーヌ。
あり得ないほど麗しくて、ドレスが似合っていて、そしてコワくて、最高でした。
「主人に内緒で200株」も、本役のあーちゃんはコケティッシュで「可愛〜い」感じで、「こっそり」感も強くて好きなのですが。
こころちゃんは。「あの人には何も言わせやしませんわ」ってな感じの迫力がありましたね。
末子姐の「私は500株」に対して、あーちゃんは特に反応を見せてはいないと思うのですが。
すずなに対するこころちゃんは。
「なんですって!?あの人が500株なら私は600株(?)にしたいわ!!でも主人には内緒だし…ああ、どうしましょう/汗」
と逡巡しているうちにその話が終わってしまった、という印象でした。
すずなのチチエンヌも、美人で華やか。
いつもあの独特の声がひっかかるのですが、今回はそれもマッチしていて、とても良かったです。ホント巧いですね、この人は。
りこちゃんの司教さま。
本公演のひらさんは、あの「浮世離れ」した感じがなんとも言えず好きなのですが。
りこちゃんは、そこはかとなく色気があって、なんだかとってもステキでした。いうのまにか、こんなにちゃんと喋れるようになっていたんですねぇ…。これからの活躍がとても楽しみです。
ワイン王の鼓さんも、警察の華央さんも、それぞれ本役を見凝めつつ、自分のキャラクターを見極めつつ、自分の解釈で自分の役にしておられて、とても良かったです。お二人とも、この学年とは思えない良い声ですしねぇ。なんだか、月組はむしろ上級生に声の高い人が多いような気がしますね…(項垂れ)。
本公演は芝居もショーもいまひとつ出番の少ないお二人。芝居では、どの作品も必ず「一工夫」」があってとても面白い芝居をなさるので、これからに期待しています。
お針子
紫水梗華(城咲あい)
萌花ゆりあ(涼城まりな)
羽咲まな(憧花ゆりの)
夏月都(白華れみ)
蘭乃はな(夢咲ねね)
かわいいよぅ、かわいいよぅ、かわいいよおおおおお。
ショーで大活躍の蘭乃はなちゃん。声も口跡もこの学年とは思えません。
バウでも活躍しそうですよね。表情豊かでいかにも芝居が巧そうなので、かなり期待しちゃってます。がんばれー!
それにしても。
これ以外の人は一人もわかりませんでした。
パーティーの客も一応チェックしたのですが、さっぱり(涙)。
植田さん…やっぱりコレは、ちょっと問題なんじゃないでしょうか…?
プロローグは「芝居」ではないのでコメントしていませんが、影ソロを担当したのは麻華りんか嬢。さすがの美声でしたが、ちょっと音域が合わなかったのかな?なんだか出だしが自信なさげで、いままで色んなところで聴いていたソロが嘘みたいでした。
タキさんの偉大さを改めて知ったような気がします。
ロケットは、本公演で紳士・淑女に入っている上級生のみの少人数ロケット(本公演でロケットのメンバーは全員紳士&淑女だったみたい)。
人数が少ないので、ロケットの最初の少しずつメンバーが出てくるところをあいちゃんが一人でソロで踊ってました。
あいちゃんのダルマって、本当に金を取れるダルマですよね…(うっとり)。
以上!ああ疲れた。
とにかく。月組新公、良かったです!
メインキャストがみんな、とても丁寧に「キャッチボール」を意識してお芝居してくれて、観ていて気持が良かったです。これからも「月組」を愛し続けてくださいね!
生田さん、ご指導ありがとうございました。
デビューをお待ちしております♪
あいあい、マギー、すずな、みちる、こころ、えりおっと、しのちゃん。
今回で新公を卒業する86期の7人。みんな良い役だったし、力を存分に発揮してくださった。本当にありがとう。
新公ご卒業、おめでとうございます。
あいちゃんが挨拶で「これからも龍真咲率いるメンバーががんばってくれると思うので、新公もよろしくお願いします」みたいなことを言っていたのにはちょっとホロっときましたし、
まさおが挨拶の中で、何度も86期への感謝の言葉を繰り返し述べていたのもじぃんときました。
最上級生が主演しないことなんて、他組はいざしらず、少なくとも月組では日常茶飯事だったりもするのですけれども(汗)。
それでもきっと、本人たちにとっては大変なことだったのでしょうね…
まさお以下の下級生の、新公(&本公演)での活躍と、
86期生の本公演での活躍を心から祈りつつ。
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演劇フォーラム 月組
2007年3月5日 宝塚(月) コメント (5)中日で柊巴さんに落ちた私としては、今日の一番のニュースは雪組エリザベートの配役なのですが。
なんなんですか、あの無駄に美形をそろえた重臣たちは。
顔で選んだとしか思えませんが、ハマコゾフィーの後宮ですかそうですか。
…ってな話は後日に回して。
今日は、せっかく参加してきたので、演劇フォーラムのご報告?をさせていただきます。
3月5日(月)18時、東宝劇場にて開催。
第一部は、主に菊田一夫について。
日本演劇協会主催のフォーラム自体は、以前からやっているようですが(多分)、今回は宝塚を題材にした初めての試みということで、協会としてもかなり力が入っている印象。
最初に、少しですが「花咲く港」初演の頃の時代背景や演劇界の状況、日比谷近辺の様子などの紹介がありました。
当時の空撮写真などもスライドで映して、東京宝塚劇場や有楽座などを紹介。
個人的に以前、戦前〜戦後の銀座・日比谷近辺の建築物について勉強したことがあるので、とても面白かったです。私が資料で見た写真とは角度が違っていて、当時この写真を見ていたらなあと思ったり(笑)。
有楽座、って、名前は聞いたことがあったのですが、芸術座の前身にあたるものなのでしょうか?日劇(現マリオン)のあたりにあったと思っていました。この辺まで「有楽町」なんですね。そういえば、司会の方が「このあたりもひっくるめて丸の内、東宝劇場街だった」というようなことを仰っていましたが、ちょっとその前を聞き落としてしまったんですよね…。どんな話の流れでそんな話になったのかな。ご存知の方、コメントいただければ幸いです。
その後、菊田さんが所属していた「笑の王国」と、その主宰・古川緑波(ろっぱ)の紹介がありました。浅草で喜劇を発表していた緑波一座は、昭和10年に東宝に参加、有楽座を根城に活動を開始。
菊田さんも一緒に東宝に入り、次々に作品を創る。15年には宝塚への委嘱第一作を発表、演劇協会を立ち上げたのもこの頃みたいですね。
18年に「花咲く港」を発表。帝国劇場で、古川緑波一座を中心に新劇の村瀬幸子などが参加しての公演で「正当派喜劇の傑作として高い評価を得、劇作家菊田の名を不動のものにした」そうです。
…「菊田天皇」になったのはいつだったんでしょうねぇ…。
菊田さん、って、どうしても宝塚の中だと「偉大な劇作家」としてしか語られないし、実際偉大であることに疑念はないのですが。
こうしてあらためて、浅草喜劇の出身だとか、エノケンや緑波との関わりの話を伺うと、日本の演劇界における位置づけが面白いなあと思うんですよね。
いわゆる「新劇」畑ではなかったんだな、とか。
「翻訳劇」も違うんだな、とか。
…なんだか、日本の演劇界も捨てたもんじゃないな、というか。
(←それはかなり関係ない感慨かと)
コホン。
続いて、元東宝プロデューサーの古川清氏が登場。
私は東宝「レ・ミゼラブル」10周年版のマニアなので、古川さんは散々プログラムでもご尊顔を拝して(?)いるのですが。
2003年に東宝を退社なさっていたんですね。
…だから『「レ・ミゼラブル」短縮版の導入』、なんていう暴挙がまかりとおったんだろうか。古川さんがいたら、そんなことはしなかったんだろうか…
なんてコトを思ってみたり。
(←意味不明で申し訳ありません。関係ないのに、つい…)
すみません。レ・ミゼラブル短縮版の初演(?)は2003年で、古川さんはプロデューサーとして名前が入っていらっしゃるみたいです。邪推して申し訳ありませんでしたm(_ _)m。
古川さんはお元気そうでした。
慶大出身なのは存じておりましたが、古川緑波氏のご長男だというのは初めて知りました。
菊田さんについては、「気が短くて、稽古中にすぐ灰皿を投げる」というエピソードを披露。演出家ってどうしてみんな灰皿を投げるんでしょうか。わざわざその為に、灰を入れない灰皿を何枚も用意しているんだろうか。灰の入った灰皿投げたら、後始末が大変だよなあ…。
緑波と菊田さんの交流について質問されて、「家に来たことはない。エノケンさんの方が、近所に住んでいたのでよく遊びに来ていた」みたいなことを言って、「舞台ではライバルでしたけど、仲良かったんですよ」と微笑ましくまとめていたのが好印象♪
あとは主に緑波の話でしたね。「喜劇役者っていっても、家ではごく真面目で、ふつうで…」とちょっと困ったように話されてました。「本当にごくふつうの父親でしたよ、たぶん」と。
そんなものなんでしょうねぇ、きっと。
「まあ、会社に行く時間が近所のお父さんとはちょっと違ってましたけど」と笑いを取るのも忘れないあたりはさすがでした。
このへんまでは、ごく普通に面白かった、というか、「演劇フォーラム」というタイトルで予想された興味の範囲。
おじさんたちが朴訥に喋るだけですけど、結構愉しんでましたよ私は。
で、いよいよ植田紳爾氏が登場!
そういえば早稲田なんですね。この世代の演劇人は慶大が強い印象でしたが、植田さんがいたのか…。
だからなんだ、って感じですけど(汗)。
いやー、このコーナーが、ある意味一番面白かったです。
あまりの話のかみあわなさに、腹抱えて笑いました。
予定では、「花咲く港」という作品から、何がどうなって「パリの空よりも高く」が出来たのか、という話を引き出したかったのでしょうし、観客が求めていたのもソコだったと思うのですが。
なぜだか、どうしてもそういう話にならないんですよね…。
「舞台をパリにうつしたのはなぜですか」
みたいな、割と直球ストレートな質問に対してでさえ、
「今は3月ですけれども、宝塚では正月公演でしたから、正月らしい華やかな作品をと…」
…いや、ソレ、質問の答えになってませんから。
そもそも何故、「正月らしい華やかな作品」に「花咲く港」を思いついたのさ、ってところを私たちは聞きたいわけで。
「今の月組は学年も近くて実力も拮抗した(そうか?)3人のスターがいるので、それを生かしたいと」
…じゃあなんでペテン師コンビがメインをはる「花咲く港」なんですか。エッフェルにあたる人物は、原作には出てきませんけど、なぜわざわざ?主要人物が3人いる作品なんていくらでもありますけど?
「次に月組に作品を書くときには、もうこの3人が揃っているかどうかわからないから」
…いや、あの、二度と書いてくださらなくって結構ですので。
せめて10年くらい間をあけてくださらないと困ります。…ねぇ?
話を聞きながら、一問一答ならぬ一答一問(植田さんの一答に対して一問=突っ込み)してたんですけど。ああ、あれをデータで取り出せたらなあ…
たぶん。回りの観客の八割は、同時に同じ突っ込みをしていたんじゃないでしょうかねぇ。
司会の方が心の底から困り果てていたのが実に笑えました(ごめんなさい)。
あ、一番ウケたのは「ネクストワン」。
「今までの101本の作品の中で、一番なのはどれ?」と聞かれて。
「いつも過去は振り返らないので(ぜひ振り返っていただきたい)、101本と言われてもふうん、という感じなんですが(作りすぎなんじゃ?)。チャップリンの言葉にもありますが、僕は常にネクストワン、ですね(ネクストを考えるのは、現在の作品を可能なかぎり完璧に近づけてからにしていただけまいか?)
それにしても。
植田さんが喋っているのをナマで見たのは初めてなのですが。
こんなにかっ飛んだ人だったとは!!
ナウオンなどでジェンヌと話している分には、多少変でも、まぁ身内だし、と思えるのですが…外部の人を相手にするトークでコレは、さすがにちょっとまずいんじゃあ…。
質問、聞いてた?っていうか。
ああ、こういう受け答えをするひとが書く脚本なんだから仕方ないなあ、と納得してしまう、というか。
っていうか、なぜそんなんが通用するんだ。「天才肌で人とコミュニケーションがとれない」だけなのか?天才なのかこの人は?
…天災の間違いじゃなくて?
さすが、アルマンドをサイボーグにしただけのことはあるな…(←違うからソレ)。
そういう全ての穴を、脚本そのものは一言一句変えることが赦されないまま、力業で埋めることが要求されるジェンヌって…
…偉大だな。
笑いのうちに第一部終了。
20分の休憩をはさんで、第二部開始。
最初にちょこっと、過去の宝塚作品の舞台映像がぱぱぱぱぱっ!という感じで数分流れ、それから「パリの空よりも高く」の映像(販売DVDの映像でしょうか?)が…2,3分?くらいはあったかな?
で、舞台が明るくなると、舞台の上に椅子が五脚。
簡単に司会挨拶が(「お待たせしました」って)あって、上手から四人のタカラジェンヌが登場。
下手から大空、彩乃、瀬奈、霧矢の順に着席。
…四人とも綺麗で可愛い〜!!スタイルさすが!
公演が終わってから一時間半。二回公演の日の大休憩と同じ時間ですが、舞台化粧じゃないから余裕だったのでしょうか。4人ともキレイでした♪
最初の質問。「パリの印象は?」
祐飛さん以外の三人はパリに行ったことがあるそうで、こもごも印象を。祐飛さんもなんか無難にかわしてました。「行ったことはないけど、舞台の上ではいろいろな時代のパリに生きたことがあります」だったかな。
あ、キリヤンはしっかり笑いを取りにきましたね。「バレエを習っていたので、パリと言えばパリ・オペラ座」という憧れを語った後で、「パリに行ってまず足を運んだんですが、たまたま上演していたのがコンテンポラリー系の作品で。難しくて寝てしまった」と懺悔を。そして笑顔で「…なんですけど、憧れの劇場に足を踏み入れることができたことだけが嬉しくて」っていうのがなんともいえず…(同情)。
私も、憧れのウィーン国立オペラ座で立ち見に並んで「神々の黄昏」を観た時、同じことを思ったっけ、とか思い出したり。
次の質問は「ペテンにかかったり、人を騙したりしたことはありますか」
麻子さんは、花道から三人で登場する時に出るタイミングをずらして教えられた(キリヤンに)、みたいなエピソードを話していたかな。
で、「騙したことはないです。いつも引っかけられる側」と言い切ってくれまして。その瞬間、祐飛さんが破顔一笑して膝においていたマイクを口元にあげ、すごーーーく話したそうにアピールしていたのに、司会の方が気づかず、流されちゃったのが非常に残念です。絶対何か突っ込もうとしていたはずなのにー!何だったんでしょうか。うー、聞きたーい!
祐飛さんは「楽屋での小さな騙しあいはお互いさまで日常ですが」と断った上で、「去年の瀬奈の誕生日に、『うちでパーティしてあげる』と騙して他のところへ連れて行った」エピソードを披露。
司会の方が「みなさん実害はないんですね」と突っ込んだところで麻子さんが反論。
「大空の家だと言うから『じゃ、いいや』と思ってジャージのまま煎餅の袋を抱えて行ったら宝塚ホテルで、しかも組子が全員いた!」と実害についてアツく語ってました。
「だから、今年は何と言われようと誕生日はスーツで過ごすつもり」だ、と。
…ってゆーか、今年の誕生日は公演の楽ですけどね…?
次にキリヤン。キリヤンは、「花道から三人で出るところで、私が出たのにお二人が来てくれなかった」という話を。麻子さんと祐飛さんが、「やむにやまれぬ事情があって出られなかった」と言って(その事情が何なのかは教えてくれませんでした)、「ごめんね」って可愛く言ってたのがツボでした。
で、その後麻子さんのサプライズバースデーでの役割の話になって。最後その話題でこの質問は終了しました。
次。「役を貰った時にどう思ったか」
割と四人とも優等生的なコメントをしていたような。
麻子さんが「台詞が膨大で大変だけど、今はやっと身体に入って、アルマンドとして回りとコミュニケーションが取れるようになった」だったかな。
かなみちゃんが「三人のステキな男役さんに(慕われる役で)」がんばってる、と。で、
「ミミは、三人とも大好きなんですよ」
と言ったら、隣の祐飛さんに真顔で
「ほんとうですか!?マジで嫌がられているんですけど/涙」と突っ込まれて、真剣に言い訳していました(笑)
途中、「瀬奈さんと大空さんはどっちが突っ込み?」という質問が出て。
「二人とも両方やる。どっちかがボケればどっちかが突っ込む」と麻子さん。でも、「キリヤンが入った時はキリヤンがボケ」と、二人がかりで突っ込んでいることを懺悔。
…仲良きことは麗しきかな。
「菊田作品『ジャワの踊り子』に出た大空さんに。思い出は」
祐飛さんは麻実れいさんのジャワ…を観てタムロン役がとても印象に残っていたので、タムロンをやらせて貰えて嬉しかった、と。
その後、これが菊田作品のフォーラムであることを思い出したらしく、作品のことも誉めてました。でもごめんなさい。ごくまっとうなことを仰っていたので忘れてしまった(汗)。
で、続けて「ダル・レークの恋」に出演したときの思い出を」と質問されて…
麻子さんが「いや、あの…」とおろおろしていたら、司会の方も気が付いたらしく。「これからでしたっけ?」「まだ上演してません汗」みたいなやりとりがありました。
「じゃあ、その公演が終わった後にまた(フォーラムを)やりましょう!」と張り切っている司会者がおかしかった(^ ^)。
次の質問はなんだったかな。「役作りに一番時間をかけるのは何ですか。化粧とか?」かな?どっかでそんな質問が出たはず。
麻子さんの答えは、「回りの登場人物とのコミュニケーション」でした。司会に「それはトップだから?」と言われて、ちょっと早口に「いえ、月組は全員そうです」と言い切ってくれました♪
質問:「パリ空で一番好きな台詞・歌は」
麻子さん:「これがペテン師の宿命なんだ」
祐飛さん:嵐の夜のラスト、一人残されて暗転前の「兄貴」
かなみちゃん:「遠くから思うだけで幸せなんです」
キリヤン:主題歌のラスト「夢を描け」。特に結成パーティーの最後に、二階のペテン師たちも皆一緒になって歌う時。
ちょっと順番とかは違っているかもしれませんが、だいたいこんなところかと。もし抜けているものがありましたら教えてください!
で。
ここで植田さん再登場。
椅子が一脚余っているのがずーっと気になっていたんですが、やっぱりね…。
ギスターヴとジョルジュ、どっちをどっちに振るか迷った話をまたしていらっしゃいましたが。
迷うなよそんなこと。宛書してくれ宝塚なんだから。
ミミについては「パリの花売り娘は宝塚の伝統、こういう役をきっちり彩乃にやらせてみたかった」だそうで。…いいんですけど別に。でももったいない。今のかなみちゃんには役不足だよミミは…。
あ、でも、一つ大事なことを言ってました。
この作品は、「娘役を中心に作った」と。
「宝塚だと男役が何人も(の娘役?)に絡む作品って沢山あるんですが、あえて僕はその逆をやりたかった。だから、男役3人に惚れられる=芝居の中心にミミがいる物語を作りました」
…ほおおーーー。
それはそれで、いい考え方だと思いますよ?私は、宝塚作品では娘役も含めた登場人物全てが魅力的に描かれた作品が好きですし、娘役が魅力的じゃないと、それに惚れる男役が意味不明になりますから…。
でも、そういう発想であのミミというキャラが生まれる理由が……私には解りません…(涙)
キリヤンは「とにかく巧い」と。「台詞から歌にはいるときの切り替え」っていうのは確かにキリヤンの一番いいところですし、人を引き込む迫力もすごいんですけど。
うーん。誉めるポイントがちょっとズレているような気もするんですけど…。
祐飛さんについては、「タムロンもとても良かったし、そういうものが向いていると思われているけれども」と断った上で、
「ディナーショーでも、とっても面白い。そういう面白いキャラを生かしたいと思った」、って話をしていましたが。
「ディナーショーで」「面白い」…。
梅田アーネストの裏のSPARK「男役大空祐飛、肩パットはいらないぜ」のことですかね…(困)。
質問:「好きな先輩は」
麻子さん:宝塚に入ってから真琴つばささんのファンになった。
かなみちゃん:個人的にファンになったことはないが、音楽学校に入ったころに娘役トップでいらっしゃった方々は憧れの対象でした、と言ってあげた中に、ついこないだまでかなみちゃんの上にいた花総まりさんの名前があったのにウケちゃいました。
きりやん:剣幸・こだま愛
祐飛さん:剣幸・こだま愛時代の月組をいつも観ては、この舞台に立ちたいと思った。初恋のスターは麻実れい。
質問:「夢は」
四人とも、「舞台人としてみなさんに夢を与えられる存在でありたい」みたいな、ごく無難な答え。
司会に「優等生ですね」と突っ込まれて、「はい、私たち優等生なんで」と答えた麻子さん。「ホンネとタテマエで言うとタテマエの答えをいただきましたが、ホンネは?一杯呑んだら変わるんですか?」と食い下がる司会者に「いえ、これがホンネです。月組は本当にみんなマジメなんで」と真顔でかわす麻子さんがさすがでした。
そんな中。キリヤンが「一日一日を無事に終わらせたい、という小さな夢で」と語っておられたのが、実感というか重みがありましたね…。
トークのテンポはあまり良くなかったし、あんまりホンネっぽいものは出ませんでしたけれども、総体としては面白いフォーラムでした。
次回は4/20頃、花組「黒蜥蜴」をテーマに開催するとのこと。
平日の午後6時っていうのはかなり厳しいのですが、題材が題材なだけにちょっと興味ありなんですよねぇ。うーん、どうしよう。当日でもチケットあるかしら…。
そして。
すべてが終わって外に出たら、それはそれはもの凄い大雨でした(涙)。
あやうく帰れないかと思ったわよ!
フォーラムが始まる前、友人と「見て、あんなに雲が早く走ってる!」「大変な嵐になるそうよ」とちわわ&ねねごっこをして遊んでいたバチが当たったのでしょうか…。
上着もスカートもびっしょり濡れて、絞ったらざあざあ水が流れる状態。エッフェル塔完成(5月)の半年ほど前の「嵐」って、季節も冬だし、こういう嵐だったのでしょうか。唯一の救いは、雨が降っている間は風がやんでいたことですが…まさしく「大変な嵐」でした…。
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なんなんですか、あの無駄に美形をそろえた重臣たちは。
顔で選んだとしか思えませんが、ハマコゾフィーの後宮ですかそうですか。
…ってな話は後日に回して。
今日は、せっかく参加してきたので、演劇フォーラムのご報告?をさせていただきます。
3月5日(月)18時、東宝劇場にて開催。
第一部は、主に菊田一夫について。
日本演劇協会主催のフォーラム自体は、以前からやっているようですが(多分)、今回は宝塚を題材にした初めての試みということで、協会としてもかなり力が入っている印象。
最初に、少しですが「花咲く港」初演の頃の時代背景や演劇界の状況、日比谷近辺の様子などの紹介がありました。
当時の空撮写真などもスライドで映して、東京宝塚劇場や有楽座などを紹介。
個人的に以前、戦前〜戦後の銀座・日比谷近辺の建築物について勉強したことがあるので、とても面白かったです。私が資料で見た写真とは角度が違っていて、当時この写真を見ていたらなあと思ったり(笑)。
有楽座、って、名前は聞いたことがあったのですが、芸術座の前身にあたるものなのでしょうか?日劇(現マリオン)のあたりにあったと思っていました。この辺まで「有楽町」なんですね。そういえば、司会の方が「このあたりもひっくるめて丸の内、東宝劇場街だった」というようなことを仰っていましたが、ちょっとその前を聞き落としてしまったんですよね…。どんな話の流れでそんな話になったのかな。ご存知の方、コメントいただければ幸いです。
その後、菊田さんが所属していた「笑の王国」と、その主宰・古川緑波(ろっぱ)の紹介がありました。浅草で喜劇を発表していた緑波一座は、昭和10年に東宝に参加、有楽座を根城に活動を開始。
菊田さんも一緒に東宝に入り、次々に作品を創る。15年には宝塚への委嘱第一作を発表、演劇協会を立ち上げたのもこの頃みたいですね。
18年に「花咲く港」を発表。帝国劇場で、古川緑波一座を中心に新劇の村瀬幸子などが参加しての公演で「正当派喜劇の傑作として高い評価を得、劇作家菊田の名を不動のものにした」そうです。
…「菊田天皇」になったのはいつだったんでしょうねぇ…。
菊田さん、って、どうしても宝塚の中だと「偉大な劇作家」としてしか語られないし、実際偉大であることに疑念はないのですが。
こうしてあらためて、浅草喜劇の出身だとか、エノケンや緑波との関わりの話を伺うと、日本の演劇界における位置づけが面白いなあと思うんですよね。
いわゆる「新劇」畑ではなかったんだな、とか。
「翻訳劇」も違うんだな、とか。
…なんだか、日本の演劇界も捨てたもんじゃないな、というか。
(←それはかなり関係ない感慨かと)
コホン。
続いて、元東宝プロデューサーの古川清氏が登場。
私は東宝「レ・ミゼラブル」10周年版のマニアなので、古川さんは散々プログラムでもご尊顔を拝して(?)いるのですが。
2003年に東宝を退社なさっていたんですね。
…だから『「レ・ミゼラブル」短縮版の導入』、なんていう暴挙がまかりとおったんだろうか。古川さんがいたら、そんなことはしなかったんだろうか…
なんてコトを思ってみたり。
(←意味不明で申し訳ありません。関係ないのに、つい…)
すみません。レ・ミゼラブル短縮版の初演(?)は2003年で、古川さんはプロデューサーとして名前が入っていらっしゃるみたいです。邪推して申し訳ありませんでしたm(_ _)m。
古川さんはお元気そうでした。
慶大出身なのは存じておりましたが、古川緑波氏のご長男だというのは初めて知りました。
菊田さんについては、「気が短くて、稽古中にすぐ灰皿を投げる」というエピソードを披露。演出家ってどうしてみんな灰皿を投げるんでしょうか。わざわざその為に、灰を入れない灰皿を何枚も用意しているんだろうか。灰の入った灰皿投げたら、後始末が大変だよなあ…。
緑波と菊田さんの交流について質問されて、「家に来たことはない。エノケンさんの方が、近所に住んでいたのでよく遊びに来ていた」みたいなことを言って、「舞台ではライバルでしたけど、仲良かったんですよ」と微笑ましくまとめていたのが好印象♪
あとは主に緑波の話でしたね。「喜劇役者っていっても、家ではごく真面目で、ふつうで…」とちょっと困ったように話されてました。「本当にごくふつうの父親でしたよ、たぶん」と。
そんなものなんでしょうねぇ、きっと。
「まあ、会社に行く時間が近所のお父さんとはちょっと違ってましたけど」と笑いを取るのも忘れないあたりはさすがでした。
このへんまでは、ごく普通に面白かった、というか、「演劇フォーラム」というタイトルで予想された興味の範囲。
おじさんたちが朴訥に喋るだけですけど、結構愉しんでましたよ私は。
で、いよいよ植田紳爾氏が登場!
そういえば早稲田なんですね。この世代の演劇人は慶大が強い印象でしたが、植田さんがいたのか…。
だからなんだ、って感じですけど(汗)。
いやー、このコーナーが、ある意味一番面白かったです。
あまりの話のかみあわなさに、腹抱えて笑いました。
予定では、「花咲く港」という作品から、何がどうなって「パリの空よりも高く」が出来たのか、という話を引き出したかったのでしょうし、観客が求めていたのもソコだったと思うのですが。
なぜだか、どうしてもそういう話にならないんですよね…。
「舞台をパリにうつしたのはなぜですか」
みたいな、割と直球ストレートな質問に対してでさえ、
「今は3月ですけれども、宝塚では正月公演でしたから、正月らしい華やかな作品をと…」
…いや、ソレ、質問の答えになってませんから。
そもそも何故、「正月らしい華やかな作品」に「花咲く港」を思いついたのさ、ってところを私たちは聞きたいわけで。
「今の月組は学年も近くて実力も拮抗した(そうか?)3人のスターがいるので、それを生かしたいと」
…じゃあなんでペテン師コンビがメインをはる「花咲く港」なんですか。エッフェルにあたる人物は、原作には出てきませんけど、なぜわざわざ?主要人物が3人いる作品なんていくらでもありますけど?
「次に月組に作品を書くときには、もうこの3人が揃っているかどうかわからないから」
…いや、あの、二度と書いてくださらなくって結構ですので。
せめて10年くらい間をあけてくださらないと困ります。…ねぇ?
話を聞きながら、一問一答ならぬ一答一問(植田さんの一答に対して一問=突っ込み)してたんですけど。ああ、あれをデータで取り出せたらなあ…
たぶん。回りの観客の八割は、同時に同じ突っ込みをしていたんじゃないでしょうかねぇ。
司会の方が心の底から困り果てていたのが実に笑えました(ごめんなさい)。
あ、一番ウケたのは「ネクストワン」。
「今までの101本の作品の中で、一番なのはどれ?」と聞かれて。
「いつも過去は振り返らないので(ぜひ振り返っていただきたい)、101本と言われてもふうん、という感じなんですが(作りすぎなんじゃ?)。チャップリンの言葉にもありますが、僕は常にネクストワン、ですね(ネクストを考えるのは、現在の作品を可能なかぎり完璧に近づけてからにしていただけまいか?)
それにしても。
植田さんが喋っているのをナマで見たのは初めてなのですが。
こんなにかっ飛んだ人だったとは!!
ナウオンなどでジェンヌと話している分には、多少変でも、まぁ身内だし、と思えるのですが…外部の人を相手にするトークでコレは、さすがにちょっとまずいんじゃあ…。
質問、聞いてた?っていうか。
ああ、こういう受け答えをするひとが書く脚本なんだから仕方ないなあ、と納得してしまう、というか。
っていうか、なぜそんなんが通用するんだ。「天才肌で人とコミュニケーションがとれない」だけなのか?天才なのかこの人は?
…天災の間違いじゃなくて?
さすが、アルマンドをサイボーグにしただけのことはあるな…(←違うからソレ)。
そういう全ての穴を、脚本そのものは一言一句変えることが赦されないまま、力業で埋めることが要求されるジェンヌって…
…偉大だな。
笑いのうちに第一部終了。
20分の休憩をはさんで、第二部開始。
最初にちょこっと、過去の宝塚作品の舞台映像がぱぱぱぱぱっ!という感じで数分流れ、それから「パリの空よりも高く」の映像(販売DVDの映像でしょうか?)が…2,3分?くらいはあったかな?
で、舞台が明るくなると、舞台の上に椅子が五脚。
簡単に司会挨拶が(「お待たせしました」って)あって、上手から四人のタカラジェンヌが登場。
下手から大空、彩乃、瀬奈、霧矢の順に着席。
…四人とも綺麗で可愛い〜!!スタイルさすが!
公演が終わってから一時間半。二回公演の日の大休憩と同じ時間ですが、舞台化粧じゃないから余裕だったのでしょうか。4人ともキレイでした♪
最初の質問。「パリの印象は?」
祐飛さん以外の三人はパリに行ったことがあるそうで、こもごも印象を。祐飛さんもなんか無難にかわしてました。「行ったことはないけど、舞台の上ではいろいろな時代のパリに生きたことがあります」だったかな。
あ、キリヤンはしっかり笑いを取りにきましたね。「バレエを習っていたので、パリと言えばパリ・オペラ座」という憧れを語った後で、「パリに行ってまず足を運んだんですが、たまたま上演していたのがコンテンポラリー系の作品で。難しくて寝てしまった」と懺悔を。そして笑顔で「…なんですけど、憧れの劇場に足を踏み入れることができたことだけが嬉しくて」っていうのがなんともいえず…(同情)。
私も、憧れのウィーン国立オペラ座で立ち見に並んで「神々の黄昏」を観た時、同じことを思ったっけ、とか思い出したり。
次の質問は「ペテンにかかったり、人を騙したりしたことはありますか」
麻子さんは、花道から三人で登場する時に出るタイミングをずらして教えられた(キリヤンに)、みたいなエピソードを話していたかな。
で、「騙したことはないです。いつも引っかけられる側」と言い切ってくれまして。その瞬間、祐飛さんが破顔一笑して膝においていたマイクを口元にあげ、すごーーーく話したそうにアピールしていたのに、司会の方が気づかず、流されちゃったのが非常に残念です。絶対何か突っ込もうとしていたはずなのにー!何だったんでしょうか。うー、聞きたーい!
祐飛さんは「楽屋での小さな騙しあいはお互いさまで日常ですが」と断った上で、「去年の瀬奈の誕生日に、『うちでパーティしてあげる』と騙して他のところへ連れて行った」エピソードを披露。
司会の方が「みなさん実害はないんですね」と突っ込んだところで麻子さんが反論。
「大空の家だと言うから『じゃ、いいや』と思ってジャージのまま煎餅の袋を抱えて行ったら宝塚ホテルで、しかも組子が全員いた!」と実害についてアツく語ってました。
「だから、今年は何と言われようと誕生日はスーツで過ごすつもり」だ、と。
…ってゆーか、今年の誕生日は公演の楽ですけどね…?
次にキリヤン。キリヤンは、「花道から三人で出るところで、私が出たのにお二人が来てくれなかった」という話を。麻子さんと祐飛さんが、「やむにやまれぬ事情があって出られなかった」と言って(その事情が何なのかは教えてくれませんでした)、「ごめんね」って可愛く言ってたのがツボでした。
で、その後麻子さんのサプライズバースデーでの役割の話になって。最後その話題でこの質問は終了しました。
次。「役を貰った時にどう思ったか」
割と四人とも優等生的なコメントをしていたような。
麻子さんが「台詞が膨大で大変だけど、今はやっと身体に入って、アルマンドとして回りとコミュニケーションが取れるようになった」だったかな。
かなみちゃんが「三人のステキな男役さんに(慕われる役で)」がんばってる、と。で、
「ミミは、三人とも大好きなんですよ」
と言ったら、隣の祐飛さんに真顔で
「ほんとうですか!?マジで嫌がられているんですけど/涙」と突っ込まれて、真剣に言い訳していました(笑)
途中、「瀬奈さんと大空さんはどっちが突っ込み?」という質問が出て。
「二人とも両方やる。どっちかがボケればどっちかが突っ込む」と麻子さん。でも、「キリヤンが入った時はキリヤンがボケ」と、二人がかりで突っ込んでいることを懺悔。
…仲良きことは麗しきかな。
「菊田作品『ジャワの踊り子』に出た大空さんに。思い出は」
祐飛さんは麻実れいさんのジャワ…を観てタムロン役がとても印象に残っていたので、タムロンをやらせて貰えて嬉しかった、と。
その後、これが菊田作品のフォーラムであることを思い出したらしく、作品のことも誉めてました。でもごめんなさい。ごくまっとうなことを仰っていたので忘れてしまった(汗)。
で、続けて「ダル・レークの恋」に出演したときの思い出を」と質問されて…
麻子さんが「いや、あの…」とおろおろしていたら、司会の方も気が付いたらしく。「これからでしたっけ?」「まだ上演してません汗」みたいなやりとりがありました。
「じゃあ、その公演が終わった後にまた(フォーラムを)やりましょう!」と張り切っている司会者がおかしかった(^ ^)。
次の質問はなんだったかな。「役作りに一番時間をかけるのは何ですか。化粧とか?」かな?どっかでそんな質問が出たはず。
麻子さんの答えは、「回りの登場人物とのコミュニケーション」でした。司会に「それはトップだから?」と言われて、ちょっと早口に「いえ、月組は全員そうです」と言い切ってくれました♪
質問:「パリ空で一番好きな台詞・歌は」
麻子さん:「これがペテン師の宿命なんだ」
祐飛さん:嵐の夜のラスト、一人残されて暗転前の「兄貴」
かなみちゃん:「遠くから思うだけで幸せなんです」
キリヤン:主題歌のラスト「夢を描け」。特に結成パーティーの最後に、二階のペテン師たちも皆一緒になって歌う時。
ちょっと順番とかは違っているかもしれませんが、だいたいこんなところかと。もし抜けているものがありましたら教えてください!
で。
ここで植田さん再登場。
椅子が一脚余っているのがずーっと気になっていたんですが、やっぱりね…。
ギスターヴとジョルジュ、どっちをどっちに振るか迷った話をまたしていらっしゃいましたが。
迷うなよそんなこと。宛書してくれ宝塚なんだから。
ミミについては「パリの花売り娘は宝塚の伝統、こういう役をきっちり彩乃にやらせてみたかった」だそうで。…いいんですけど別に。でももったいない。今のかなみちゃんには役不足だよミミは…。
あ、でも、一つ大事なことを言ってました。
この作品は、「娘役を中心に作った」と。
「宝塚だと男役が何人も(の娘役?)に絡む作品って沢山あるんですが、あえて僕はその逆をやりたかった。だから、男役3人に惚れられる=芝居の中心にミミがいる物語を作りました」
…ほおおーーー。
それはそれで、いい考え方だと思いますよ?私は、宝塚作品では娘役も含めた登場人物全てが魅力的に描かれた作品が好きですし、娘役が魅力的じゃないと、それに惚れる男役が意味不明になりますから…。
でも、そういう発想であのミミというキャラが生まれる理由が……私には解りません…(涙)
キリヤンは「とにかく巧い」と。「台詞から歌にはいるときの切り替え」っていうのは確かにキリヤンの一番いいところですし、人を引き込む迫力もすごいんですけど。
うーん。誉めるポイントがちょっとズレているような気もするんですけど…。
祐飛さんについては、「タムロンもとても良かったし、そういうものが向いていると思われているけれども」と断った上で、
「ディナーショーでも、とっても面白い。そういう面白いキャラを生かしたいと思った」、って話をしていましたが。
「ディナーショーで」「面白い」…。
梅田アーネストの裏のSPARK「男役大空祐飛、肩パットはいらないぜ」のことですかね…(困)。
質問:「好きな先輩は」
麻子さん:宝塚に入ってから真琴つばささんのファンになった。
かなみちゃん:個人的にファンになったことはないが、音楽学校に入ったころに娘役トップでいらっしゃった方々は憧れの対象でした、と言ってあげた中に、ついこないだまでかなみちゃんの上にいた花総まりさんの名前があったのにウケちゃいました。
きりやん:剣幸・こだま愛
祐飛さん:剣幸・こだま愛時代の月組をいつも観ては、この舞台に立ちたいと思った。初恋のスターは麻実れい。
質問:「夢は」
四人とも、「舞台人としてみなさんに夢を与えられる存在でありたい」みたいな、ごく無難な答え。
司会に「優等生ですね」と突っ込まれて、「はい、私たち優等生なんで」と答えた麻子さん。「ホンネとタテマエで言うとタテマエの答えをいただきましたが、ホンネは?一杯呑んだら変わるんですか?」と食い下がる司会者に「いえ、これがホンネです。月組は本当にみんなマジメなんで」と真顔でかわす麻子さんがさすがでした。
そんな中。キリヤンが「一日一日を無事に終わらせたい、という小さな夢で」と語っておられたのが、実感というか重みがありましたね…。
トークのテンポはあまり良くなかったし、あんまりホンネっぽいものは出ませんでしたけれども、総体としては面白いフォーラムでした。
次回は4/20頃、花組「黒蜥蜴」をテーマに開催するとのこと。
平日の午後6時っていうのはかなり厳しいのですが、題材が題材なだけにちょっと興味ありなんですよねぇ。うーん、どうしよう。当日でもチケットあるかしら…。
そして。
すべてが終わって外に出たら、それはそれはもの凄い大雨でした(涙)。
あやうく帰れないかと思ったわよ!
フォーラムが始まる前、友人と「見て、あんなに雲が早く走ってる!」「大変な嵐になるそうよ」とちわわ&ねねごっこをして遊んでいたバチが当たったのでしょうか…。
上着もスカートもびっしょり濡れて、絞ったらざあざあ水が流れる状態。エッフェル塔完成(5月)の半年ほど前の「嵐」って、季節も冬だし、こういう嵐だったのでしょうか。唯一の救いは、雨が降っている間は風がやんでいたことですが…まさしく「大変な嵐」でした…。
.
若人たちのパリ【その4】
2007年3月4日 宝塚(月)ついうっかり、自分でキリ番を踏んでしまいました(爆)。
踏んで下さった方には何か御礼を、なんぞと考えておりましたのに(←なにをだ!)
5000PVかぁ〜。他のブログ様から見ればごくごくひっそりとした日記ではありますが…それでも5000ってすごいような気がします♪
読んでくださっている全ての方に、心から感謝をm(_ _)m。よかったらコメントしてってくださいね☆
さて。
まだまだ続きそうな、新人公演観劇日記を再開します。
…語りたい人はとっても沢山いるのですが!
まずはその前に。
先日、自分が書いたコメントの修正をさせていただきます。
3/2に書いた記事にいたいだたコメントに、私はこうレスしました。
…実は、今日も観劇いたしまして(微苦笑)。
あれ?
と。
ごめんなさい、かなみちゃん。
かなみちゃんは、全然違う役作りでしたね。
私の見間違いでした。それにしても、なんていう見間違いなんだ!
何度も本公演を観ていて、もちろんあの場面もしっかり見ていたのに。その上で新公を観て、「あれ?」って思ったはずなのに。
…何をヤってるんでしょうね、私…。
せっかくなので。
どう違っていたのか、ちょっと詳細に書いてみたいと思います。
興味のない方は飛ばしてください。
夜中にホテルを訪ねてきて、アルマンドに金包みを差し出すミミ、の場面。
本公演(アルマンド:瀬奈じゅん、ミミ:彩乃かなみ)
[1]ミミ、右手に包みを持ったまま左手を伸ばして、普通に身体の脇におろされているアルマンドの右手をそっと持ち上げる。
[2]持ち上げた掌に包みを握らせ、そのまま両手でアルマンドの右手を包み込む。顔をあげてアルマンドの顔をのぞきこむ。
[3]アルマンドは少し逡巡し、間をおいてから、あいている左手でミミの右手を包み込む。
[4]目と目を見交わして、甘く微笑み、デュエットに入る。
床に近い方から、ミミの左手、アルマンドの右手、包み、ミミの右手、アルマンドの左手、の順番に重なってる感じですかね…。
新人公演(アルマンド:龍真咲、ミミ:夢咲ねね)
[1]ミミ、両手を揃えて包みを載せ、そのままアルマンドに差し出す。(←多分、掌に置かれた包みをアルマンドが持ち上げて受け取ることを期待しているんだと思います)
[2]アルマンドは一瞬逡巡して、包みを持った手ごと自分の両手で包み込む。
[3]ミミ、ぴくんと震えて、反射的にアルマンドを見上げ(ちゃんとアルマンドより小さかったんですよ、ねねちゃん♪)、泣きそうな顔で一瞬微笑む。
[4]アルマンド、そんなミミに吸い込まれるように微笑みかけて、包んだ手ごと自分の方に引き寄せて、デュエットに入る…
そんな感じだったと思います。(多分)
本公演は、甘くて優しい。
新人公演は、痛いほど切ない。
…違う場面みたいでした…。
ねねちゃんのお芝居は、いっぱいいっぱいで何もできなかったエリザベート新公の時から、ずっと注目しているのですが。
本役さんとは全く違う、独自の解釈で一人の人物像をきちんと作り上げる能力と、一緒に舞台に立っている人からのアクションを、一つ残らず全部拾い上げてリアクションしていく回転の速さは、本当に凄いと思います。
月組で、同期のレミちゃんともども揉まれながらも、順調に育ちつつあるようで、とても嬉しいです。これからに期待しています。青年館も観にいくから頑張ってねーっ♪
さて。
まだ語っていない下級生を、…登場順、でいいかな…。
■ホテルの従業員さんたち
バラニーグ(本役:青樹泉)榎登也
レイモンド(本役:星条海斗)五十鈴ひかり
フローベル(本役:龍真咲)響れおな
フレデリク(本役:綾月せり)宇月颯
ドアマン(本役:流輝一斗)煌月爽矢
…可愛かったです。全員。
本役は「おっとりぽわわんな長男(もりえ)、しっかりもので怒らせると怖そうな次男(マギー)、ちゃっかりしているけど実は隙だらけの三男(まさお)、甘えたな末っ子(せりちゃん)」という、見事に竜堂4兄弟(←だからそれ、皆さん知らないから)そのものの組み合わせなのですが。
新公は…「いじられ役の長男、しっかりものの次男、甘えっ子で素直な三男、ちゃきちゃきの末っ子」という感じだった…かな?
とーやんは。なんか可愛い!なんとなく、仲間たちに守られている感じがする(←どこの姫だ)んです。
本公演のパリ市民では、随分声が高いんだなーとちょっと気になっていたのですが、バラニーグはがんばって落ち着いた声で話してました。良かったですよ。
五十鈴さんは、本当に声がイイですね〜!!うっとり。全国ツアー「あかねさす紫の花」の「白雉の歌手」でも美声を堪能させていただきましたが、今回は台詞の声も素晴らしいことを再認識しました。
芝居も良いんですよねー!しっかり者を地でいく見事さで、最初にアルマンドたちの部屋でフローベルと二人でお芝居するところも、表情豊かに、でもしっかり締めるところはちゃーんと締めてました。
みりおくんと同期なんですよね!?まだ若いのに、あの貫禄はい
ったい何事なんだろう…。
前回「暁のローマ」新公のストラトーン(本役:龍真咲)役で私の心を掴んだ響さん。ショーでもなかなかの活躍ぶりで、ダンスも芝居もイケルなんてステキだわ!と個人的に盛り上がっている存在なのですが。
新公も連続でまさおくんの役。おいしいところに来ていてとても期待しているのですが。
今回の新公は…。ごめんなさい、本当にごめんなさいなんですけど、一言だけ。
お化粧、がんばってね…。
もともとキレイな顔なのに、ちょっと頬とかがぷくぷくしているせいか、あの帽子を被ってしまうと…うう、ちょっと悲しい感じ。衣装の着こなしも今ひとつで、せっかく見せ場の多いお芝居なのにあまり目立ちませんでしたね。
龍さんに負けない美声(台詞ですけど)なので、今後のビジュアル面の精進に期待しております!!
パーティーの2階で金を数えている二人に、「このまま持って逃げる人がいたら…という場面。
まさおくんとは全く違う、ピュアに「疑う人の品性を疑いますねー♪」と可愛らしく言い切ってしまう笑顔に、降参しました…。
ショーでの大活躍ぶりに、すっかり名前と顔を覚えてしまった宇月颯くん。とにかく可愛かったです!!特筆することは特にないですが、元気な末っ子でとても可愛かったです。「暁のローマ」でも声の良い人だなあと感心しましたが、今回も、結構台詞も多いのに噛んだりもせず、ちゃんとこなしてたと思います。普通に良かったです!
ドアマンの煌月さん。私は本役のまぐちゃんがずんこさんそっくりで(なんだそりゃ)大好きなのですが、さすがに…(汗)新公は忙しいので、あんまりゆっくり観られませんでしたm(_ _)m。
スタイルがよくてあの大きな衣装が良くお似合いでしたね。まだ学年は若いのに、歩き方や荷物を運んだりする動作がちゃんと男役になっていて感心しました。
うーん、このまま続けるとまた一万字を超えそうな勢いだ…(汗)。
また近いうちに続きを書かせていただきます。…今度こそ最後にしたい…。
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踏んで下さった方には何か御礼を、なんぞと考えておりましたのに(←なにをだ!)
5000PVかぁ〜。他のブログ様から見ればごくごくひっそりとした日記ではありますが…それでも5000ってすごいような気がします♪
読んでくださっている全ての方に、心から感謝をm(_ _)m。よかったらコメントしてってくださいね☆
さて。
まだまだ続きそうな、新人公演観劇日記を再開します。
…語りたい人はとっても沢山いるのですが!
まずはその前に。
先日、自分が書いたコメントの修正をさせていただきます。
3/2に書いた記事にいたいだたコメントに、私はこうレスしました。
>>お金を渡して、包み込むように手を握られたミミは、ハっとしたようにアルマンドを見ます。
(中略)
今日、ちょうど本公演を観たのでチェックしてきたのですが、この「ハッとアルマンドを見る」動作自体はかなみちゃんもやっているんですね。
…実は、今日も観劇いたしまして(微苦笑)。
あれ?
と。
ごめんなさい、かなみちゃん。
かなみちゃんは、全然違う役作りでしたね。
私の見間違いでした。それにしても、なんていう見間違いなんだ!
何度も本公演を観ていて、もちろんあの場面もしっかり見ていたのに。その上で新公を観て、「あれ?」って思ったはずなのに。
…何をヤってるんでしょうね、私…。
せっかくなので。
どう違っていたのか、ちょっと詳細に書いてみたいと思います。
興味のない方は飛ばしてください。
夜中にホテルを訪ねてきて、アルマンドに金包みを差し出すミミ、の場面。
本公演(アルマンド:瀬奈じゅん、ミミ:彩乃かなみ)
[1]ミミ、右手に包みを持ったまま左手を伸ばして、普通に身体の脇におろされているアルマンドの右手をそっと持ち上げる。
[2]持ち上げた掌に包みを握らせ、そのまま両手でアルマンドの右手を包み込む。顔をあげてアルマンドの顔をのぞきこむ。
[3]アルマンドは少し逡巡し、間をおいてから、あいている左手でミミの右手を包み込む。
[4]目と目を見交わして、甘く微笑み、デュエットに入る。
床に近い方から、ミミの左手、アルマンドの右手、包み、ミミの右手、アルマンドの左手、の順番に重なってる感じですかね…。
新人公演(アルマンド:龍真咲、ミミ:夢咲ねね)
[1]ミミ、両手を揃えて包みを載せ、そのままアルマンドに差し出す。(←多分、掌に置かれた包みをアルマンドが持ち上げて受け取ることを期待しているんだと思います)
[2]アルマンドは一瞬逡巡して、包みを持った手ごと自分の両手で包み込む。
[3]ミミ、ぴくんと震えて、反射的にアルマンドを見上げ(ちゃんとアルマンドより小さかったんですよ、ねねちゃん♪)、泣きそうな顔で一瞬微笑む。
[4]アルマンド、そんなミミに吸い込まれるように微笑みかけて、包んだ手ごと自分の方に引き寄せて、デュエットに入る…
そんな感じだったと思います。(多分)
本公演は、甘くて優しい。
新人公演は、痛いほど切ない。
…違う場面みたいでした…。
ねねちゃんのお芝居は、いっぱいいっぱいで何もできなかったエリザベート新公の時から、ずっと注目しているのですが。
本役さんとは全く違う、独自の解釈で一人の人物像をきちんと作り上げる能力と、一緒に舞台に立っている人からのアクションを、一つ残らず全部拾い上げてリアクションしていく回転の速さは、本当に凄いと思います。
月組で、同期のレミちゃんともども揉まれながらも、順調に育ちつつあるようで、とても嬉しいです。これからに期待しています。青年館も観にいくから頑張ってねーっ♪
さて。
まだ語っていない下級生を、…登場順、でいいかな…。
■ホテルの従業員さんたち
バラニーグ(本役:青樹泉)榎登也
レイモンド(本役:星条海斗)五十鈴ひかり
フローベル(本役:龍真咲)響れおな
フレデリク(本役:綾月せり)宇月颯
ドアマン(本役:流輝一斗)煌月爽矢
…可愛かったです。全員。
本役は「おっとりぽわわんな長男(もりえ)、しっかりもので怒らせると怖そうな次男(マギー)、ちゃっかりしているけど実は隙だらけの三男(まさお)、甘えたな末っ子(せりちゃん)」という、見事に竜堂4兄弟(←だからそれ、皆さん知らないから)そのものの組み合わせなのですが。
新公は…「いじられ役の長男、しっかりものの次男、甘えっ子で素直な三男、ちゃきちゃきの末っ子」という感じだった…かな?
とーやんは。なんか可愛い!なんとなく、仲間たちに守られている感じがする(←どこの姫だ)んです。
本公演のパリ市民では、随分声が高いんだなーとちょっと気になっていたのですが、バラニーグはがんばって落ち着いた声で話してました。良かったですよ。
五十鈴さんは、本当に声がイイですね〜!!うっとり。全国ツアー「あかねさす紫の花」の「白雉の歌手」でも美声を堪能させていただきましたが、今回は台詞の声も素晴らしいことを再認識しました。
芝居も良いんですよねー!しっかり者を地でいく見事さで、最初にアルマンドたちの部屋でフローベルと二人でお芝居するところも、表情豊かに、でもしっかり締めるところはちゃーんと締めてました。
みりおくんと同期なんですよね!?まだ若いのに、あの貫禄はい
ったい何事なんだろう…。
前回「暁のローマ」新公のストラトーン(本役:龍真咲)役で私の心を掴んだ響さん。ショーでもなかなかの活躍ぶりで、ダンスも芝居もイケルなんてステキだわ!と個人的に盛り上がっている存在なのですが。
新公も連続でまさおくんの役。おいしいところに来ていてとても期待しているのですが。
今回の新公は…。ごめんなさい、本当にごめんなさいなんですけど、一言だけ。
お化粧、がんばってね…。
もともとキレイな顔なのに、ちょっと頬とかがぷくぷくしているせいか、あの帽子を被ってしまうと…うう、ちょっと悲しい感じ。衣装の着こなしも今ひとつで、せっかく見せ場の多いお芝居なのにあまり目立ちませんでしたね。
龍さんに負けない美声(台詞ですけど)なので、今後のビジュアル面の精進に期待しております!!
パーティーの2階で金を数えている二人に、「このまま持って逃げる人がいたら…という場面。
まさおくんとは全く違う、ピュアに「疑う人の品性を疑いますねー♪」と可愛らしく言い切ってしまう笑顔に、降参しました…。
ショーでの大活躍ぶりに、すっかり名前と顔を覚えてしまった宇月颯くん。とにかく可愛かったです!!特筆することは特にないですが、元気な末っ子でとても可愛かったです。「暁のローマ」でも声の良い人だなあと感心しましたが、今回も、結構台詞も多いのに噛んだりもせず、ちゃんとこなしてたと思います。普通に良かったです!
ドアマンの煌月さん。私は本役のまぐちゃんがずんこさんそっくりで(なんだそりゃ)大好きなのですが、さすがに…(汗)新公は忙しいので、あんまりゆっくり観られませんでしたm(_ _)m。
スタイルがよくてあの大きな衣装が良くお似合いでしたね。まだ学年は若いのに、歩き方や荷物を運んだりする動作がちゃんと男役になっていて感心しました。
うーん、このまま続けるとまた一万字を超えそうな勢いだ…(汗)。
また近いうちに続きを書かせていただきます。…今度こそ最後にしたい…。
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若人たちのパリ【その3】
2007年3月2日 宝塚(月) コメント (2)芸達者な職人さんたちを語り終えて、さて次は。
ちょっと緊張しつつ(苦笑)、メインキャストについて。
この作品のメイン5人の新公キャスト、私は、全員ものすごく好きなんですよね。
あ、5人っていうのは、もちろんエレノール(出雲)=青葉みちる、アルマンド(瀬奈)=龍真咲、ギスターヴ(霧矢)=星条海斗、ジョルジュ(大空)=明日海りお、ミミ(彩乃)=夢咲ねねの5人ですけれども。
うん。5人とも、本当にみんな上手で達者で、なのに必死で。
そして、可愛かったです。
本役より芝居の巧いひともいれば、歌の上手いひともいました。
本役より可愛い人もいれば、衣装が似合っていたひともいました。
でも、やっぱり新公は新公なんだな、と。
さすがに本役は本役を張るだけのことはあるんだな、と。
そんなことをしみじみ思った1時間半でした。
でもね。
生田さんの演出で本公演を観てみたい、とは思いましたよ。
どこがどう違う、と言葉で説明するのは難しいのですが、しっかり一人一人を見てくださって、演技指導なさったんだろうなあ、と…
舞台を観ていて本当にそう思ったので。
まあ、本役は全員、演技指導されなくちゃ何もできないような学年でも経験でもない筈ですけれども。
この作品。5人+ジャンが、それぞれいろんなところでちょっとずつ絡むのですが、メイン全員が舞台に揃う場面っていうのがないんですよね。
そのぶん、「その場にいない人」に対してどう思っているかを表現する芝居、という難題をクリアしないと、芝居が成立しないワケですが…
たとえば、アルマンドとミミ。舞台の上で出会うのは、最初の出会いと、金庫騒ぎの後と、ラストシーンのみ。
たとえば、アルマンドとギスターヴ。舞台の上で出会うのは、最初のホテルの部屋とパーティのみ。
…でも、そうでなくてはならないのです。だって、アルマンドはペテン師ですから。
一緒に過ごす時間が長ければ長いほど、ボロが出る。
だから、最低限の会話を交わすだけにして、ミミへの、あるいはギスターヴへの心情はジョルジュに向かって語るわけです。
逆に、ジョルジュには心情を吐露する場面がありません。
それは、アルマンドが聞いてくれないから(笑)というのではなく、多分、ジョルジュがまだ「一人前のペテン師ではない」からなんだと思うのです。
ジョルジュとミミは、都合4回出会います。(ラストシーンでは同じ舞台に立っているだけで絡みはありませんが…)
多分これは、出会いすぎ。そして、そのこと自体がジョルジュの「ペテン師」としてのレベルの低さを表しているんだと思うのです。
アルマンドはプロだけど、ジョルジュはプロじゃなかった。
ジョルジュはプロじゃないから、ミミとアルマンドは幸せになれるんだと(そうなれば自分もいつか幸せを見つけられる、と)、そう思いたい。
だから、モンマルトルの場面をセッティングする。
でも。アルマンドはプロだから、ミミを置いてパリを出る行動に迷いがない。
…その心情に説得力がなくては、話そのものが成立しません。
だから。
だから、アルマンドのキモは、ジョルジュに向かって「ミミにはギスターヴがお似合いだ」と語る場面だと思うわけです。
ミミとギスターヴ、その場にいない二人に対してどんな想いでいるのか、それを表現する唯一の場ですから。
そして、ジョルジュのキモは。
ミミのボタンを貰いに行ったときに何を話したのか、それを観客に想像させることができるかどうか。
アルマンドとミミ、二人に対する口には出さない想いを表現できるかどうか…
ミミは、ジョルジュに向かってアルマンドのことを語る場面。
ギスターヴは、落成式でアルマンドとジョルジュのことを語る場面。
エレノールは、アルマンドにジュリアンの思い出を語る場面。
新公のお稽古ではきっと、どうすればこの課題をクリアできるか、全員が本当に真剣に考えたんだろうな、と思いました。
クリアできた人もいるし、ちょっと厳しかった人もいたと思いますが。
それをまとめあげてきっちりとイタに載せた生田さんに、拍手。
本公演と一番キャラクターが違っていたのは、ミミでしょうか。
ねねちゃんは、本当に本当に本当に、純粋無垢に可愛かった!ので。
本質的に無色透明な、ほんのりと白い光に包まれたような少女。
こういう役は、かなみちゃんみたいな「酸いも甘いも…」なベテラン娘役には難しいのかもしれませんね。
なにもわざわざかなみちゃんにこんな役をあてなくても、と心から思いますし。エレノールをもう少し若い設定にして、アルマンドと恋をさせればいいじゃないか!と何度思ったことか(怒)。
でも、植田さんが脚本を書いた「パリの空よりも高く」のヒロインは、ミミ。
だから仕方ない。かなみちゃんは、やるしかないんです。
かなみちゃんのミミは、孤児で育って、かなり世間にもまれて苦労している娘。守ってくれる人もなく、可愛い弟を守ることに精一杯で、自分の幸せを求めることを知らない、そんな印象でした。
最初に観た時、ひょっとして花だけじゃなくて春も売っている設定なんじゃないか、と思ったくらい(←違うからソレ)、「不幸」のベールをまとった存在。
そんなミミが唯一見つけた「夢」。それが、「パリの空よりも高い塔を建てる」ことであり、そんな「夢」を描いてくれたギスターヴにほのかな憧れを抱く。
だけど、そんな「実現不可能だったはずの夢」を、現実に実現させてしまいそうなアルマンドという存在に出会って、いきなり彼に恋をする…
かなみちゃんのミミは、ギスターヴの気持もジョルジュの気持も、薄々勘づいていながら避けている印象もあって(「まさか」の言い方が、本当に「思ってもいなかったことを言われた驚き」というより、もう少し「あーあ言われちゃった…」みたいに聞こえるんですよね……考えすぎ?)。意外と自分のことはよくわかっている人なんだなあ、と。
かなみちゃんのミミには、そんな印象があったのですが。
ねねちゃんのミミは。
…とにかく可愛かったなあ……(←ダメみたいです私)
なんでだろう。ねねちゃんのミミは、「不幸」の陰を感じませんでした。
決して、大根だから陰を表現できなかったというのではないんですよ?そんなものを飛び越えて、むしろ「堕天使の涙」のリリスのような、幸も不幸もすべてを受け入れて、全てを赦してしまう無色透明さと、人としての大きさを感じた、と言ったら誉めすぎでしょうか…。
…誉めすぎだろうなきっと。
えーっと。
ねねちゃんのミミは、孤児だけど、人情に厚いパリの下町で大人たちに可愛がられて育った、そんな印象がありました。
「愛されたことがなかった」という台詞は勿論あるのですが、そこに固執していなかった、というのかな。
この台詞、本公演では「本当の私を知っている人、見てくれる人は誰もいないの」という寂しさ(=不幸の影)があって。ジャンがあんなに熱愛しているのに、なんでわかってあげないんだー!と思ってしまったりしたのですが。
ねねちゃんのミミは。
「みんな私を可愛がってはくれるけど、私が本気で好きになった人に愛されたことは、ない」
という意味に聞こえたのです…。
ジョルジュに愛されても、ギスターヴに愛されても、そんなものはまったくのアウト・オブ・眼中。
ミミの目に映るのは、アルマンドただ一人。
そんな純粋でかたくななまっすぐさが、ひどくいとおしいのです。
しかも、彼女はアルマンドの愛を得る可能性を全く考えていないんですよね。
「アルマンドさんは偉い人だから」
と言いながら、
「だから私じゃ無理なんだわ」
と思っているんじゃないんです。
最初から、そんなことは考えてもいない。
「アルマンドさんは私を愛さない」
でもそれは、ミミにとって不幸なことではないのです。
ミミはまだ、女じゃないから。子供だから。
だから、ミミは透明で。
キレイなまま、去りゆくアルマンドを見送ることができる。
アルマンドさんは、自分を愛してくれた、と。
その思い出だけを胸に抱いて。
本公演のミミは、ギスターヴと幸せになっただろうな、と素直に思えるのですが。
新人公演のミミは。
…そのまま一人で、初恋の思い出を胸にがんばっていそうだなあ、と思いました。
もしかしたら、オテル・ド・サンミッシェルをもっと本格的に手伝うようになって、エレノールの跡を継いじゃったりなんかするかもしれませんね(*^ ^*)。
ジャン(本役・明日海りお)の紫門ゆりや。
ショーのシェヘラザードに出ている唯一の「知らない下級生」だったのですが、もう覚えましたよ♪
笑顔が可愛くて、すごくいいお芝居をする人ですね!
本役のみりおくんよりちょっと大人っぽくて、「ミミに守られている可愛い弟」ではなく、「ちょっと天然なお姉ちゃんを守るしっかり者の弟」という感じ。
どの場面もちょこちょこ小芝居していて目が離せなかったのですが。
まず、「ギスターヴ応援団長」っぷりと「ジョルジュ=敵」認定っぷりに爆笑しました。
ミミがギスターヴに花束をあげる場面でも、ジョルジュが花束を奪い取った瞬間に顔色が変わるの(笑)。
「やめてください!姉さんが困ってます」の台詞も、怖い怖い。
2度目の街角で、ミミが突然「アルマンドさんってすごいですよねぇ〜♪」とギスターヴに話し始めた途端、わたわたしちゃって(爆)。
で、ギスターヴが一生懸命「ミ、ミ、ミミミミ…」ってやっているのを見て、軽く溜息をついて、「んじゃ、俺、これを届けてくるからさ、」と言ってからちらっとギスターヴの方を見る、その視線の送り方!「(あとはうまくやりなね、ギスターヴさん)」って台詞が聞こえてきそうでした(死)
ジョルジュに対するむき出しの敵意も面白かったですね。
そして、ラスト。
ミミの腰に抱きついて、引き留めるジャン。
本公演のみりおくんは、なんだか本当に「お姉ちゃん行かないで!」という感じのお芝居をされていたと思うのですが。
紫門くんのジャンは。
ただ、切ない瞳でアルマンドを見詰めて立ち竦むミミの傍に跪いて。
軽く腰に手を回して。
そして、下からミミの顔をのぞき込むんですよね。
引き留めようとするのではなく、別れに涙を流す姉を、暖かく包み込んで、宥めるように。
ちょっと話がずれますが。
メインキャストの年齢設定を考えてみました。(根拠は全くなし&ル・サンクの年齢表記は誤植だという解釈の上で)
役名 本公演 新公
エレノール 56→59歳 36→39歳
アルマンド 25→28歳 23→26歳
ギスターヴ 22→25歳 28→31歳
ジョルジュ 18→21歳 16→19歳
ミミ 20→23歳 18→21歳
ジャン 15→18歳 17→20歳
エレノールは、本公演ではジュリアンのちょっと下くらい。新公では、ジュリアンと出会った時16,7の小娘。
ジョルジュとジャンは、本公演と新公で年齢差が逆転。
ミミとジャンは、本公演ではミミがだいぶ年上で弟を守る立場、新公では、年もほとんど一緒で、弟が姉を守る立場。
うん。
この年齢設定の違いの影響が一番出たのがジャンとミミであり、ジャンとジョルジュの関係だったように思いました。
アルマンド(本役・瀬奈)のまさお。
初主演なんですね、そういえば。
そんな感じは全然しませんでした。(挨拶以外は)
いろいろありましたけど、まさおくんは終始落ち着いて、しっかり演じていたと思います。
えーっと。
私は、まさおくんの声の良さに惚れて以来、ずーっと注目していたんですよね。
最初に「この子いいなあ」と思ったのは、コンサート「SENA!」での麻子さんとのデュエットで(笑)。
新公ルドルフも好きだったし、YoungBloodsはわざわざバウまで観にいったし、本公演でちょこまか小芝居しているのが観ていて楽しくて。
でも。
YoungBloods!を観て。
これはヤバイ、と思ったんですよね…。
巧すぎる。
そして、本人も自分が巧いことを知りすぎている。
芝居、というのは、歌やダンスのように点数で評価することの非常に難しいもの。
声色の使い分けや抑揚、仕草など、点数で評価出来る部分もあるのですが、役の本質を掴むことができるかどうか、というのは点数のつけようがありません。
そしてまさおくんは、点数で評価する分野についてはものすごく高得点を取れるのですが、点数をつけられないもの(評価基準がはっきりしないもの)については、どうしたらいいのか全くわからなくなってしまうタイプのような気がします。
今はまだ、若さという勢いがあるからいいのですが。
いずれ新公も卒業してしまえば、「なんでもできる優等生だけど、おもしろみに欠けるタイプ」と言われかねない。
容姿が良いのでアイドルタイプに見られがちですが、実は意外と職人タイプなんですよね…。
こういう人は、若いうちになるべくいろんな役をやって、引き出しを増やしておくことが一番大切で、特に新人公演で違うタイプの本役の役をやらせてもらうと良いと思うのですが。
次の正塚さんのお芝居が、新公ラスト、ですよね…。
次も麻子さんの役だろうなあ…。うー、心配…。
でも、今回の「パリの空よりも高く」は、「暁のローマ」の時ほど「本役のコピーじゃんっ!!」とは思わなかったので。
まさおも少しづつ成長しているのだと思えて、嬉しかったです。
とりあえず真似から入るのも、芸を磨くには大事なことですもんねっ。
まさおの一番の魅力は、声。
それが、この膨大な台詞をハイテンションで喋り続けなくてはならないアルマンドというキャラを演じるには大きな武器になったと思います。
それも、ただ「笑いを取るために」変な声をだすのではなく、ちゃんと心情の裏付けがあったうえで「声色を使っている」のは大したものです。
間の取り方も、麻子さんとはまた違った感性なんですよね。相手も違うんですから、当たり前なのですが。
生田さんが細かく演出されたのか、細々としたところで本公演と違うことがたくさんあったのですが。
キャラとして、本公演のアルマンドと一番大きく違っていたのは、ジョルジュとの関係でしょうか。
麻子さんと祐飛さんの、仲がいいからってソコまでやらんでいい!的な異常なラブラブっぷりは影を潜めて、ごく普通の、年齢にも経験にもかなり差がある仕事上のコンビっぷり。
本役アルマンドの、妙にジョルジュに頼る風もなかったし、本役ジョルジュの、ちょっとアルマンドに対して甘えたような口調になるところもなくて。
仲はいいけど、クールなお二人でした。
本役より少し若いカンジの役作りでしたが、一つ一つの芝居を丁寧にやっていたのが印象的です。
会話している相手の台詞を、真剣に聞いているのが伝わってきて。
「芝居は相手とのキャッチボールだと教えてくれた生田先生」というようなことを挨拶で言っていましたが。
本当にそれがわかったのなら。
だとしたら、もうまさおくんは大丈夫なのかもしれない、と。
ちょっと安心してみたり。
実際、「暁のローマ」の本役ストラトーンでは、ブルータスとのキャッチボールが全然成立していなかった(YoungBloodsは、そもそも藤井さんの脚本に「会話」というものが無かったので仕方ないけど…)ことを考えれば、凄い成長したんだなあ、と涙目になってみたり。
新公は本当に、観るだけで疲れるんですよね…(←ナニカが違うような気がする)
ギスターヴ(本役・霧矢)のマギー。
あれ?声がキリヤンそっくり!?
全然違う声の筈なのに、ああいう吃りの芝居をしようとすると声まで似てしまうのでしょうか。
本公演で、「このパリにできるなんてステキじゃないかー!」と、ちょっと棒読みっぽい台詞を言っている人とはまるで別人のようでした。
芝居自体はキリヤンとはまた違っていて面白かったのですが、ちょっと気になったのは、芝居が押せ押せの一本槍だったこと。
「エリザベート」のエルマーや、「暁のローマ」のカエサルは、そこが良かったのだと思うのですが。
…ギスターヴは、引くところは引かないと。
一番気になったのは、最初のパーティで塔について説明するところ。
あまりにも芸達者で、表現力がありすぎて、
滔々と喋りすぎて、完全にギスターヴじゃなくなってしまっていましたよね。
なんてね。
文句もいいますけど、でも、マジで応援しています。
研7の最初の新公で初主演し、最後は2番手役で新公を卒業するマギー。
実力は十分にある人なので、幸せなジェンヌ人生を歩んで欲しいなあ、と祈りつつ、
…深い感慨を抱いてしまう私…。
誰かさんと違って実力はありあまるほどあるので。
新公を卒業したら、もう組内では「中堅」になるのですから。
「回りを見て」「回りを読んで」「空気を乱さない」ことも、一つの公演をし遂げる上で、とても大切なことです。
どんなに理不尽でも回りに合わせろ、って話をしているわけじゃありません。
ただ、「芝居全体」「場面全体」が、観客席からどう見えるか、をもう少し意識するともっと良くなるんじゃないかなあ、と…。
新公学年での「やりすぎ」は、問題ない。というより、やらなくちゃいけません。
どうせ新公学年は本公演での出番も少ないし、どんなにがんばっても、なかなか「場面を壊す」のって難しいですし。
「やりすぎ」ができない人は、やっぱり偉くはなれないと思いますから。
だけど、中堅は出番も多く、役割も重要になって、ちょっとしたことですぐ「場面を壊し」てしまえるようになるのですから。
「舞台」の、あるいは「作品」の中の自分の役割は何なのか(弾ければいいのか、弾けてはいけないのか)を常に考えることも必要なのかな、と。
ジョルジュ(本役・大空)のみりおくん。
この人も本当に芝居の巧い人です。
歌も結構歌える。なんといっても、「暁のローマ」で、あのアントニウスを演じきり、歌いきった方ですから。
でも。
今回は歌は苦戦してましたね…(しょんぼり)。好きな声なので、音とりをもう少しがんばってほしいです。
アントニウスのソロが表現豊かに歌い切れたんだから、絶対大丈夫!がんばれー!!
語るのは最後になってしまいましたが、ジョルジュも本公演と新公、全然違っていました。
年齢的に若くて弟が似合う、というキャラクターの違いもあるのでしょうが、
なにか、もっと本質的なところが。
ラストシーン。
下手花道に立つジョルジュは、最後にちらっとミミを見て口許に笑みを浮かべ、パリに背を向けます。
…エッフェル塔を見ることなく。
もう出来あがってしまった塔には、終わってしまった仕事には、興味がない、と。
新公では、アルマンドだけでなくジョルジュも、実力はどうあれ、一応はプロのペテン師だから。
…そんな風に解釈するのは、うがちすぎでしょうか?
新公のジョルジュが、年齢もキャラクターも若くて可愛いタイプなのに不思議と大人っぽく見えて、
本公演のジョルジュが、年齢もキャラクターも柄違いなのに、不思議と痛々しいほど子供に見えるのは。
ジョルジュが「背伸びした子供」でなく「可愛い大人」に見えるんですよね。
この違いが、演出家の意図なのか、役者の解釈なのかはわかりませんが、結果的には、どちらもありだったと思います。
うまく言葉にすることができませんが、主筋に絡まない割に出番が多いだけに、いろいろな解釈が可能な役なんだな、と思いました。
そして、主筋には絡まないにもかかわらず、ジョルジュのキャラクター次第で作品の雰囲気がずいぶん変わるんだな、と。
(アルマンドやギスターヴは、そんなに大きく違ったキャラクターを構築することが難しいので…)
…やっぱり長くなってしまったなあ(涙)。
まだ語っていないのは、ボーイたちとパリ市民。次で終わるかな、無理かな…。
.
ちょっと緊張しつつ(苦笑)、メインキャストについて。
この作品のメイン5人の新公キャスト、私は、全員ものすごく好きなんですよね。
あ、5人っていうのは、もちろんエレノール(出雲)=青葉みちる、アルマンド(瀬奈)=龍真咲、ギスターヴ(霧矢)=星条海斗、ジョルジュ(大空)=明日海りお、ミミ(彩乃)=夢咲ねねの5人ですけれども。
うん。5人とも、本当にみんな上手で達者で、なのに必死で。
そして、可愛かったです。
本役より芝居の巧いひともいれば、歌の上手いひともいました。
本役より可愛い人もいれば、衣装が似合っていたひともいました。
でも、やっぱり新公は新公なんだな、と。
さすがに本役は本役を張るだけのことはあるんだな、と。
そんなことをしみじみ思った1時間半でした。
でもね。
生田さんの演出で本公演を観てみたい、とは思いましたよ。
どこがどう違う、と言葉で説明するのは難しいのですが、しっかり一人一人を見てくださって、演技指導なさったんだろうなあ、と…
舞台を観ていて本当にそう思ったので。
まあ、本役は全員、演技指導されなくちゃ何もできないような学年でも経験でもない筈ですけれども。
この作品。5人+ジャンが、それぞれいろんなところでちょっとずつ絡むのですが、メイン全員が舞台に揃う場面っていうのがないんですよね。
そのぶん、「その場にいない人」に対してどう思っているかを表現する芝居、という難題をクリアしないと、芝居が成立しないワケですが…
たとえば、アルマンドとミミ。舞台の上で出会うのは、最初の出会いと、金庫騒ぎの後と、ラストシーンのみ。
たとえば、アルマンドとギスターヴ。舞台の上で出会うのは、最初のホテルの部屋とパーティのみ。
…でも、そうでなくてはならないのです。だって、アルマンドはペテン師ですから。
一緒に過ごす時間が長ければ長いほど、ボロが出る。
だから、最低限の会話を交わすだけにして、ミミへの、あるいはギスターヴへの心情はジョルジュに向かって語るわけです。
逆に、ジョルジュには心情を吐露する場面がありません。
それは、アルマンドが聞いてくれないから(笑)というのではなく、多分、ジョルジュがまだ「一人前のペテン師ではない」からなんだと思うのです。
ジョルジュとミミは、都合4回出会います。(ラストシーンでは同じ舞台に立っているだけで絡みはありませんが…)
多分これは、出会いすぎ。そして、そのこと自体がジョルジュの「ペテン師」としてのレベルの低さを表しているんだと思うのです。
アルマンドはプロだけど、ジョルジュはプロじゃなかった。
ジョルジュはプロじゃないから、ミミとアルマンドは幸せになれるんだと(そうなれば自分もいつか幸せを見つけられる、と)、そう思いたい。
だから、モンマルトルの場面をセッティングする。
でも。アルマンドはプロだから、ミミを置いてパリを出る行動に迷いがない。
…その心情に説得力がなくては、話そのものが成立しません。
だから。
だから、アルマンドのキモは、ジョルジュに向かって「ミミにはギスターヴがお似合いだ」と語る場面だと思うわけです。
ミミとギスターヴ、その場にいない二人に対してどんな想いでいるのか、それを表現する唯一の場ですから。
そして、ジョルジュのキモは。
ミミのボタンを貰いに行ったときに何を話したのか、それを観客に想像させることができるかどうか。
アルマンドとミミ、二人に対する口には出さない想いを表現できるかどうか…
ミミは、ジョルジュに向かってアルマンドのことを語る場面。
ギスターヴは、落成式でアルマンドとジョルジュのことを語る場面。
エレノールは、アルマンドにジュリアンの思い出を語る場面。
新公のお稽古ではきっと、どうすればこの課題をクリアできるか、全員が本当に真剣に考えたんだろうな、と思いました。
クリアできた人もいるし、ちょっと厳しかった人もいたと思いますが。
それをまとめあげてきっちりとイタに載せた生田さんに、拍手。
本公演と一番キャラクターが違っていたのは、ミミでしょうか。
ねねちゃんは、本当に本当に本当に、純粋無垢に可愛かった!ので。
本質的に無色透明な、ほんのりと白い光に包まれたような少女。
こういう役は、かなみちゃんみたいな「酸いも甘いも…」なベテラン娘役には難しいのかもしれませんね。
なにもわざわざかなみちゃんにこんな役をあてなくても、と心から思いますし。エレノールをもう少し若い設定にして、アルマンドと恋をさせればいいじゃないか!と何度思ったことか(怒)。
でも、植田さんが脚本を書いた「パリの空よりも高く」のヒロインは、ミミ。
だから仕方ない。かなみちゃんは、やるしかないんです。
かなみちゃんのミミは、孤児で育って、かなり世間にもまれて苦労している娘。守ってくれる人もなく、可愛い弟を守ることに精一杯で、自分の幸せを求めることを知らない、そんな印象でした。
最初に観た時、ひょっとして花だけじゃなくて春も売っている設定なんじゃないか、と思ったくらい(←違うからソレ)、「不幸」のベールをまとった存在。
そんなミミが唯一見つけた「夢」。それが、「パリの空よりも高い塔を建てる」ことであり、そんな「夢」を描いてくれたギスターヴにほのかな憧れを抱く。
だけど、そんな「実現不可能だったはずの夢」を、現実に実現させてしまいそうなアルマンドという存在に出会って、いきなり彼に恋をする…
かなみちゃんのミミは、ギスターヴの気持もジョルジュの気持も、薄々勘づいていながら避けている印象もあって(「まさか」の言い方が、本当に「思ってもいなかったことを言われた驚き」というより、もう少し「あーあ言われちゃった…」みたいに聞こえるんですよね……考えすぎ?)。意外と自分のことはよくわかっている人なんだなあ、と。
かなみちゃんのミミには、そんな印象があったのですが。
ねねちゃんのミミは。
…とにかく可愛かったなあ……(←ダメみたいです私)
なんでだろう。ねねちゃんのミミは、「不幸」の陰を感じませんでした。
決して、大根だから陰を表現できなかったというのではないんですよ?そんなものを飛び越えて、むしろ「堕天使の涙」のリリスのような、幸も不幸もすべてを受け入れて、全てを赦してしまう無色透明さと、人としての大きさを感じた、と言ったら誉めすぎでしょうか…。
…誉めすぎだろうなきっと。
えーっと。
ねねちゃんのミミは、孤児だけど、人情に厚いパリの下町で大人たちに可愛がられて育った、そんな印象がありました。
「愛されたことがなかった」という台詞は勿論あるのですが、そこに固執していなかった、というのかな。
この台詞、本公演では「本当の私を知っている人、見てくれる人は誰もいないの」という寂しさ(=不幸の影)があって。ジャンがあんなに熱愛しているのに、なんでわかってあげないんだー!と思ってしまったりしたのですが。
ねねちゃんのミミは。
「みんな私を可愛がってはくれるけど、私が本気で好きになった人に愛されたことは、ない」
という意味に聞こえたのです…。
ジョルジュに愛されても、ギスターヴに愛されても、そんなものはまったくのアウト・オブ・眼中。
ミミの目に映るのは、アルマンドただ一人。
そんな純粋でかたくななまっすぐさが、ひどくいとおしいのです。
しかも、彼女はアルマンドの愛を得る可能性を全く考えていないんですよね。
「アルマンドさんは偉い人だから」
と言いながら、
「だから私じゃ無理なんだわ」
と思っているんじゃないんです。
最初から、そんなことは考えてもいない。
「アルマンドさんは私を愛さない」
でもそれは、ミミにとって不幸なことではないのです。
ミミはまだ、女じゃないから。子供だから。
だから、ミミは透明で。
キレイなまま、去りゆくアルマンドを見送ることができる。
アルマンドさんは、自分を愛してくれた、と。
その思い出だけを胸に抱いて。
本公演のミミは、ギスターヴと幸せになっただろうな、と素直に思えるのですが。
新人公演のミミは。
…そのまま一人で、初恋の思い出を胸にがんばっていそうだなあ、と思いました。
もしかしたら、オテル・ド・サンミッシェルをもっと本格的に手伝うようになって、エレノールの跡を継いじゃったりなんかするかもしれませんね(*^ ^*)。
ジャン(本役・明日海りお)の紫門ゆりや。
ショーのシェヘラザードに出ている唯一の「知らない下級生」だったのですが、もう覚えましたよ♪
笑顔が可愛くて、すごくいいお芝居をする人ですね!
本役のみりおくんよりちょっと大人っぽくて、「ミミに守られている可愛い弟」ではなく、「ちょっと天然なお姉ちゃんを守るしっかり者の弟」という感じ。
どの場面もちょこちょこ小芝居していて目が離せなかったのですが。
まず、「ギスターヴ応援団長」っぷりと「ジョルジュ=敵」認定っぷりに爆笑しました。
ミミがギスターヴに花束をあげる場面でも、ジョルジュが花束を奪い取った瞬間に顔色が変わるの(笑)。
「やめてください!姉さんが困ってます」の台詞も、怖い怖い。
2度目の街角で、ミミが突然「アルマンドさんってすごいですよねぇ〜♪」とギスターヴに話し始めた途端、わたわたしちゃって(爆)。
で、ギスターヴが一生懸命「ミ、ミ、ミミミミ…」ってやっているのを見て、軽く溜息をついて、「んじゃ、俺、これを届けてくるからさ、」と言ってからちらっとギスターヴの方を見る、その視線の送り方!「(あとはうまくやりなね、ギスターヴさん)」って台詞が聞こえてきそうでした(死)
ジョルジュに対するむき出しの敵意も面白かったですね。
そして、ラスト。
ミミの腰に抱きついて、引き留めるジャン。
本公演のみりおくんは、なんだか本当に「お姉ちゃん行かないで!」という感じのお芝居をされていたと思うのですが。
紫門くんのジャンは。
ただ、切ない瞳でアルマンドを見詰めて立ち竦むミミの傍に跪いて。
軽く腰に手を回して。
そして、下からミミの顔をのぞき込むんですよね。
引き留めようとするのではなく、別れに涙を流す姉を、暖かく包み込んで、宥めるように。
ちょっと話がずれますが。
メインキャストの年齢設定を考えてみました。(根拠は全くなし&ル・サンクの年齢表記は誤植だという解釈の上で)
役名 本公演 新公
エレノール 56→59歳 36→39歳
アルマンド 25→28歳 23→26歳
ギスターヴ 22→25歳 28→31歳
ジョルジュ 18→21歳 16→19歳
ミミ 20→23歳 18→21歳
ジャン 15→18歳 17→20歳
エレノールは、本公演ではジュリアンのちょっと下くらい。新公では、ジュリアンと出会った時16,7の小娘。
ジョルジュとジャンは、本公演と新公で年齢差が逆転。
ミミとジャンは、本公演ではミミがだいぶ年上で弟を守る立場、新公では、年もほとんど一緒で、弟が姉を守る立場。
うん。
この年齢設定の違いの影響が一番出たのがジャンとミミであり、ジャンとジョルジュの関係だったように思いました。
アルマンド(本役・瀬奈)のまさお。
初主演なんですね、そういえば。
そんな感じは全然しませんでした。(挨拶以外は)
いろいろありましたけど、まさおくんは終始落ち着いて、しっかり演じていたと思います。
えーっと。
私は、まさおくんの声の良さに惚れて以来、ずーっと注目していたんですよね。
最初に「この子いいなあ」と思ったのは、コンサート「SENA!」での麻子さんとのデュエットで(笑)。
新公ルドルフも好きだったし、YoungBloodsはわざわざバウまで観にいったし、本公演でちょこまか小芝居しているのが観ていて楽しくて。
でも。
YoungBloods!を観て。
これはヤバイ、と思ったんですよね…。
巧すぎる。
そして、本人も自分が巧いことを知りすぎている。
芝居、というのは、歌やダンスのように点数で評価することの非常に難しいもの。
声色の使い分けや抑揚、仕草など、点数で評価出来る部分もあるのですが、役の本質を掴むことができるかどうか、というのは点数のつけようがありません。
そしてまさおくんは、点数で評価する分野についてはものすごく高得点を取れるのですが、点数をつけられないもの(評価基準がはっきりしないもの)については、どうしたらいいのか全くわからなくなってしまうタイプのような気がします。
今はまだ、若さという勢いがあるからいいのですが。
いずれ新公も卒業してしまえば、「なんでもできる優等生だけど、おもしろみに欠けるタイプ」と言われかねない。
容姿が良いのでアイドルタイプに見られがちですが、実は意外と職人タイプなんですよね…。
こういう人は、若いうちになるべくいろんな役をやって、引き出しを増やしておくことが一番大切で、特に新人公演で違うタイプの本役の役をやらせてもらうと良いと思うのですが。
次の正塚さんのお芝居が、新公ラスト、ですよね…。
次も麻子さんの役だろうなあ…。うー、心配…。
でも、今回の「パリの空よりも高く」は、「暁のローマ」の時ほど「本役のコピーじゃんっ!!」とは思わなかったので。
まさおも少しづつ成長しているのだと思えて、嬉しかったです。
とりあえず真似から入るのも、芸を磨くには大事なことですもんねっ。
まさおの一番の魅力は、声。
それが、この膨大な台詞をハイテンションで喋り続けなくてはならないアルマンドというキャラを演じるには大きな武器になったと思います。
それも、ただ「笑いを取るために」変な声をだすのではなく、ちゃんと心情の裏付けがあったうえで「声色を使っている」のは大したものです。
間の取り方も、麻子さんとはまた違った感性なんですよね。相手も違うんですから、当たり前なのですが。
生田さんが細かく演出されたのか、細々としたところで本公演と違うことがたくさんあったのですが。
キャラとして、本公演のアルマンドと一番大きく違っていたのは、ジョルジュとの関係でしょうか。
麻子さんと祐飛さんの、仲がいいからってソコまでやらんでいい!的な異常なラブラブっぷりは影を潜めて、ごく普通の、年齢にも経験にもかなり差がある仕事上のコンビっぷり。
本役アルマンドの、妙にジョルジュに頼る風もなかったし、本役ジョルジュの、ちょっとアルマンドに対して甘えたような口調になるところもなくて。
仲はいいけど、クールなお二人でした。
本役より少し若いカンジの役作りでしたが、一つ一つの芝居を丁寧にやっていたのが印象的です。
会話している相手の台詞を、真剣に聞いているのが伝わってきて。
「芝居は相手とのキャッチボールだと教えてくれた生田先生」というようなことを挨拶で言っていましたが。
本当にそれがわかったのなら。
だとしたら、もうまさおくんは大丈夫なのかもしれない、と。
ちょっと安心してみたり。
実際、「暁のローマ」の本役ストラトーンでは、ブルータスとのキャッチボールが全然成立していなかった(YoungBloodsは、そもそも藤井さんの脚本に「会話」というものが無かったので仕方ないけど…)ことを考えれば、凄い成長したんだなあ、と涙目になってみたり。
新公は本当に、観るだけで疲れるんですよね…(←ナニカが違うような気がする)
ギスターヴ(本役・霧矢)のマギー。
あれ?声がキリヤンそっくり!?
全然違う声の筈なのに、ああいう吃りの芝居をしようとすると声まで似てしまうのでしょうか。
本公演で、「このパリにできるなんてステキじゃないかー!」と、ちょっと棒読みっぽい台詞を言っている人とはまるで別人のようでした。
芝居自体はキリヤンとはまた違っていて面白かったのですが、ちょっと気になったのは、芝居が押せ押せの一本槍だったこと。
「エリザベート」のエルマーや、「暁のローマ」のカエサルは、そこが良かったのだと思うのですが。
…ギスターヴは、引くところは引かないと。
一番気になったのは、最初のパーティで塔について説明するところ。
あまりにも芸達者で、表現力がありすぎて、
滔々と喋りすぎて、完全にギスターヴじゃなくなってしまっていましたよね。
なんてね。
文句もいいますけど、でも、マジで応援しています。
研7の最初の新公で初主演し、最後は2番手役で新公を卒業するマギー。
実力は十分にある人なので、幸せなジェンヌ人生を歩んで欲しいなあ、と祈りつつ、
…深い感慨を抱いてしまう私…。
誰かさんと違って実力はありあまるほどあるので。
新公を卒業したら、もう組内では「中堅」になるのですから。
「回りを見て」「回りを読んで」「空気を乱さない」ことも、一つの公演をし遂げる上で、とても大切なことです。
どんなに理不尽でも回りに合わせろ、って話をしているわけじゃありません。
ただ、「芝居全体」「場面全体」が、観客席からどう見えるか、をもう少し意識するともっと良くなるんじゃないかなあ、と…。
新公学年での「やりすぎ」は、問題ない。というより、やらなくちゃいけません。
どうせ新公学年は本公演での出番も少ないし、どんなにがんばっても、なかなか「場面を壊す」のって難しいですし。
「やりすぎ」ができない人は、やっぱり偉くはなれないと思いますから。
だけど、中堅は出番も多く、役割も重要になって、ちょっとしたことですぐ「場面を壊し」てしまえるようになるのですから。
「舞台」の、あるいは「作品」の中の自分の役割は何なのか(弾ければいいのか、弾けてはいけないのか)を常に考えることも必要なのかな、と。
ジョルジュ(本役・大空)のみりおくん。
この人も本当に芝居の巧い人です。
歌も結構歌える。なんといっても、「暁のローマ」で、あのアントニウスを演じきり、歌いきった方ですから。
でも。
今回は歌は苦戦してましたね…(しょんぼり)。好きな声なので、音とりをもう少しがんばってほしいです。
アントニウスのソロが表現豊かに歌い切れたんだから、絶対大丈夫!がんばれー!!
語るのは最後になってしまいましたが、ジョルジュも本公演と新公、全然違っていました。
年齢的に若くて弟が似合う、というキャラクターの違いもあるのでしょうが、
なにか、もっと本質的なところが。
ラストシーン。
下手花道に立つジョルジュは、最後にちらっとミミを見て口許に笑みを浮かべ、パリに背を向けます。
…エッフェル塔を見ることなく。
もう出来あがってしまった塔には、終わってしまった仕事には、興味がない、と。
新公では、アルマンドだけでなくジョルジュも、実力はどうあれ、一応はプロのペテン師だから。
…そんな風に解釈するのは、うがちすぎでしょうか?
新公のジョルジュが、年齢もキャラクターも若くて可愛いタイプなのに不思議と大人っぽく見えて、
本公演のジョルジュが、年齢もキャラクターも柄違いなのに、不思議と痛々しいほど子供に見えるのは。
ジョルジュが「背伸びした子供」でなく「可愛い大人」に見えるんですよね。
この違いが、演出家の意図なのか、役者の解釈なのかはわかりませんが、結果的には、どちらもありだったと思います。
うまく言葉にすることができませんが、主筋に絡まない割に出番が多いだけに、いろいろな解釈が可能な役なんだな、と思いました。
そして、主筋には絡まないにもかかわらず、ジョルジュのキャラクター次第で作品の雰囲気がずいぶん変わるんだな、と。
(アルマンドやギスターヴは、そんなに大きく違ったキャラクターを構築することが難しいので…)
…やっぱり長くなってしまったなあ(涙)。
まだ語っていないのは、ボーイたちとパリ市民。次で終わるかな、無理かな…。
.
若人たちのパリ【その2】
2007年3月1日 宝塚(月)いつから新人公演のプログラムから本役の名前が消えたのでしょうか?
あれ、便利だったのに。
「フローベル=響れおな」、とは書いてあっても、とっさに「本役は龍真咲」とすぐに浮かぶ人が何人いるんだろうか(涙)。
以前は、名前のある役は基本的に本役名が()で入ってましたよね…?
観劇日記をつけるのに絶対必要なので、復活させてほしいですぅ。
さてさて、月組「パリの空よりも高く」新人公演。
みちるちゃんのことは書いたので、冒頭の場面にいるオジサンたち(あ、一人若者が混ざってますが)について書かかせていただきます。
ドミニク将軍(嘉月)=姿樹えり緒
アルベール(越乃) =朝桐紫乃
レオニード(未沙) =彩央寿音
ジェラール(遼河) =光月るう
シュミット (北嶋)=綾月せり
月組の芝居を、ちゃんと継承してくれてくれそうな子が、ここにこんなに居たんですね。
すごく嬉しいです!
中でも、寿音ちゃんのレオニードは絶品だったと思います。
エリザベート新人公演のツェップス(本役・越乃)、暁のローマ新人公演のもりえちゃんの役…くらいでしょうか、覚えているのは。みっちゃんのバウは予定がつかなくて観られなかったし…でも、本公演でも日生オクラホマでも、常に誰かと、あるいは一人で小芝居してて、楽しそうで、目を惹いて、…なのにうるさくない。空気を壊さない。
不思議な存在感のある人だと思っていましたが…
登場からして、60代という年齢にちゃんと見えるんですよ!
新人公演では、これってすごく重要な、というか難しいことなのに。
たとえば、昨日褒め称えたエレノールは、かなり年齢不詳でした(苦笑)。まぁ、20年前にジュリアンと出会った頃は16,7の小娘だったのかな?という感じで、ジュリアンへの恋心は「初恋」というイメージが、逆に役づくりに生きていたので良いのですが。
でも、レオニードは、ちゃんとアルマンドくらいの…はちょっと苦しいけど、ジョルジュ(明日海りお)くらいの子供がいてもおかしくないように見えたんですよね。
声も落ち着いていて、深い響きがあって。私は声が良い人が好きなので、台詞を聴いているだけでとても幸せでした。
「上院議員」で、「国運を賭けた一大事業の中心になれる」大人物、というキャラクターにちゃんと説得力があったと思います。
なのに、きちんと笑いも取れる。
本当に、不可思議な存在感のある方でした。
そして、面白かったのがしのちゃんのアルベール。
昨夜も書きましたが、ほんのりと「エレノールへの深い想い」を想像させる仕草や動きがあって、人物像に深みができていました。
ナホちゃんは、踊らせるとあんなにエロいのに、そういう「ほんのり」系の色気は皆無な人なので(^o^)、エレノールとの間にそんな関係がありうる、ということに気づいてもいなかったのですが。
脚本は何一つ変わっていないのに、ちょっとした言い方や距離の取り方、肩を抱く仕草…そういったささいなことで、二人の関係がガラっと違って見える。
お互いをきちんと見詰めて、お互いのコトバをきちんと聴いているからこそできる「キャッチボール」のお芝居。
…しのちゃんやみちるちゃんが自分で考えた解釈なのか、演出の生田さんの指導なのかわかりませんが、非常に面白い場面になっていたと思います。
えりおっとのドミニク将軍。
端正なお芝居、と言っていいのではないかと思います。
あまり目立つところは特にないですけれども、最後の落成パーティーの時のレオニードとのやりとりとかもすごく暖かみがあって、良かったです。
おひげがよく似合いますね(笑)。
このレオニード、ドミニク将軍、アルベールの3人は、本公演ではコメディであることを意識してか、かなり小者っぽい役作りで芝居を組み立てておられますが(しかもエレノールが文句なしに豪傑なので更に小者に見える…)、新人公演では、あくまでもそれなりに功成り名遂げた「重鎮たち」として舞台に立っておられました。
だから、冒頭のホテルのロビーでの会話も、ごくごく普通のお芝居の一場面という感じで、るうちゃんを入れて5人のキャラクターがしっかり見えてきましたし、特に笑わせようという意識はないのに、観客の興味をそらさないナニカがあったと思います。
いったい何が違うのか、観ている間ずーっと考えていたのですが、結論としては演出の違いかなーと。
具体的にココ、というポイントはわからないのですが、なんとなく、全体的に間が良かったり、テンポが良かったり、動きが良かったりしたのだと思います。
…もちろん、一回限りの新人公演ゆえに観客の真剣さも普段の本公演とは段違いだというのもあるのですけれども(^ ^;ゞ
あ、それから。
動きといえば。
なんとなく、ですけれども、いろんな「会話」の場面で、舞台の上にいるメンバーが結構大きく舞台上を動いていたような気がするのですが。
本公演では、会話の時はわりと皆その場に立ったまま話していることが多いのですが、新公では舞台の上を縦横無尽に動き回りながら会話していたような…。あるいは、台詞のない人が無駄に歩き回っていたりとか。…パーティーのシーンとか、パリの街角のシーンとか、そのあたりのことなんですけれども。
人数が少ないから、空間をカバーしようとして結果的にそうなったダケなのかもしれませんが、動いているものがあるとそれだけで退屈しないものなんだなーと思ったので。期せずして、そういう効果もあったのかもしれませんね。
るうちゃんのジェラール。
可愛かった!!
いやもう、「可愛い」の一言です。
最初の登場で、エレノールに挨拶しようとするのにアルベールに邪魔されて「ぷーっ!」とむくれているところとか、もう可愛くて可愛くてたまりませんでした。
るうちゃんって良い声ですよねぇ〜!面白い声で笑いを取るんですけど、「声」自体で笑いを取るのではなく、ちゃんと「びっくりして変な声がでちゃった!」という芝居をしていて、それが可笑しい、という良循環になっていたのに感心しました。
意外とジェラールの芝居というのは難しいと思うんですよね…。あひるくんも毎回苦労されていますし。
ジェラールの芝居で、一番難しいのはパーティーでのギスターヴとのやりとりだと思うのですが、そこもしっかりキャッチボールしていたのが良かったと思います。
でも、最後の「この事業に参加しよう!」に変わるところはもう一工夫ほしかったかな…。
「鉄の時代!?」という台詞の言い方とか。
ロルボン財閥は、「20年前のパリ万博で使う大理石を一手に引き受けたのが始まり」=「石の財閥」なんですよね。だから、本来なら「鉄の時代」は完全に敵なはず。でも、ジェラールは、ギスターヴとの会話の中で時代が動いていることに気づき、置いて行かれないためにはどうしたらいいかを考えはじめて、そして「新しい時代」に乗り遅れるまい、参加しよう、と思うのですよね。
そこはあひるくんも苦労しながら演じていらっしゃる部分ですけれども、るうちゃんも、もっといろいろ間の取り方など研究してみたら良かったんじゃないかと思いました。
それにしても可愛かったです。本当に。
レオニードたちと一世代違うのが実感できたことも収穫でした!
あひるくんはやっぱり身体も大きいし男っぽいしで、(それがああいうカン高い声でカマっぽい芝居をするのがすごく面白いわけですけれども)、どうしてもオジサンたちとそんなに年齢差があるとは思えなくて、結果的に「ただの変な人」に見えてしまうことが結構あるのですが。
るうちゃんは、持ち味的にも役作りとしても完璧に(笑)可愛らしくて、素直に「息子の世代」=「イマドキのヘンなワカモノ」という図式に納得できました。
せりちゃんのシュミット(ホテルの支配人)。
せりちゃん、ぜひ今日から本公演もシュミットで…
コホン。
「血と砂」に最下で出演して、声の良さと芝居の巧さ(ちんぴら役でしたが♪)で私の心をとらえたせりちゃん。
その後、なかなか(私的に)お芝居のヒットが出なくて、歯がゆい思いもしたりしましたが。
シュミットさん、なんともいえずとぼけた感じで、すごくすご〜く良かったです!
台詞回しも、間のとりかたも、ごくごく普通で、自然で、違和感がなくて。
なのに、細かいところでちゃんと笑いを取ってましたね。
嵐の夜、エレノールに「2階の窓が…」と報告した後。フローベルの響さんが慌てて修理しに戻った後、エレノールに叱られるまで“しれ〜っ”とその場に残って、腕を前に組んでにこにこしている姿が…あんまりステキで。最高に笑えました(^ ^)。
最後の落成パーティーで、エレノールが「アルマンド・ジャッケと、ジョルジュです!」と言おうとする時。
シュミットは、その少し前、エレノールが「もう二人おります」と言ったあたりで「はっ」と気が付くんですよね。それまではニコニコしてるのに。で、ちょっとキョドって、エレノールが二人の名前を呼んだときに「思わず」という感じで目を瞑って、客が入り口の方を向いて拍手をするのに軽く首を振るんです…。それからエレノールが不安になってもう一度名前を呼ぶ段になって、やっと顔をあげて。おもむろに
「…いません」
と。
その間の取り方もすごく良かったですし、不安げな声も良かったんです。
大した場面じゃないんですけど、なんともいえず人間味のあるお芝居をしてくれて、とっても嬉しかったのです…。
みちるちゃん、えりおっと、しのちゃんは86期。
せりちゃんが87期で、るうちゃん、寿音ちゃんが88期。
月組若手は、今とってもアツくて面白いです♪
本公演ではみんな本当に出番がないですけど、本当にがんばっているので、良かったらぜひ観てあげてくださいねっ♪
.
あれ、便利だったのに。
「フローベル=響れおな」、とは書いてあっても、とっさに「本役は龍真咲」とすぐに浮かぶ人が何人いるんだろうか(涙)。
以前は、名前のある役は基本的に本役名が()で入ってましたよね…?
観劇日記をつけるのに絶対必要なので、復活させてほしいですぅ。
さてさて、月組「パリの空よりも高く」新人公演。
みちるちゃんのことは書いたので、冒頭の場面にいるオジサンたち(あ、一人若者が混ざってますが)について書かかせていただきます。
ドミニク将軍(嘉月)=姿樹えり緒
アルベール(越乃) =朝桐紫乃
レオニード(未沙) =彩央寿音
ジェラール(遼河) =光月るう
シュミット (北嶋)=綾月せり
月組の芝居を、ちゃんと継承してくれてくれそうな子が、ここにこんなに居たんですね。
すごく嬉しいです!
中でも、寿音ちゃんのレオニードは絶品だったと思います。
エリザベート新人公演のツェップス(本役・越乃)、暁のローマ新人公演のもりえちゃんの役…くらいでしょうか、覚えているのは。みっちゃんのバウは予定がつかなくて観られなかったし…でも、本公演でも日生オクラホマでも、常に誰かと、あるいは一人で小芝居してて、楽しそうで、目を惹いて、…なのにうるさくない。空気を壊さない。
不思議な存在感のある人だと思っていましたが…
登場からして、60代という年齢にちゃんと見えるんですよ!
新人公演では、これってすごく重要な、というか難しいことなのに。
たとえば、昨日褒め称えたエレノールは、かなり年齢不詳でした(苦笑)。まぁ、20年前にジュリアンと出会った頃は16,7の小娘だったのかな?という感じで、ジュリアンへの恋心は「初恋」というイメージが、逆に役づくりに生きていたので良いのですが。
でも、レオニードは、ちゃんとアルマンドくらいの…はちょっと苦しいけど、ジョルジュ(明日海りお)くらいの子供がいてもおかしくないように見えたんですよね。
声も落ち着いていて、深い響きがあって。私は声が良い人が好きなので、台詞を聴いているだけでとても幸せでした。
「上院議員」で、「国運を賭けた一大事業の中心になれる」大人物、というキャラクターにちゃんと説得力があったと思います。
なのに、きちんと笑いも取れる。
本当に、不可思議な存在感のある方でした。
そして、面白かったのがしのちゃんのアルベール。
昨夜も書きましたが、ほんのりと「エレノールへの深い想い」を想像させる仕草や動きがあって、人物像に深みができていました。
ナホちゃんは、踊らせるとあんなにエロいのに、そういう「ほんのり」系の色気は皆無な人なので(^o^)、エレノールとの間にそんな関係がありうる、ということに気づいてもいなかったのですが。
脚本は何一つ変わっていないのに、ちょっとした言い方や距離の取り方、肩を抱く仕草…そういったささいなことで、二人の関係がガラっと違って見える。
お互いをきちんと見詰めて、お互いのコトバをきちんと聴いているからこそできる「キャッチボール」のお芝居。
…しのちゃんやみちるちゃんが自分で考えた解釈なのか、演出の生田さんの指導なのかわかりませんが、非常に面白い場面になっていたと思います。
えりおっとのドミニク将軍。
端正なお芝居、と言っていいのではないかと思います。
あまり目立つところは特にないですけれども、最後の落成パーティーの時のレオニードとのやりとりとかもすごく暖かみがあって、良かったです。
おひげがよく似合いますね(笑)。
このレオニード、ドミニク将軍、アルベールの3人は、本公演ではコメディであることを意識してか、かなり小者っぽい役作りで芝居を組み立てておられますが(しかもエレノールが文句なしに豪傑なので更に小者に見える…)、新人公演では、あくまでもそれなりに功成り名遂げた「重鎮たち」として舞台に立っておられました。
だから、冒頭のホテルのロビーでの会話も、ごくごく普通のお芝居の一場面という感じで、るうちゃんを入れて5人のキャラクターがしっかり見えてきましたし、特に笑わせようという意識はないのに、観客の興味をそらさないナニカがあったと思います。
いったい何が違うのか、観ている間ずーっと考えていたのですが、結論としては演出の違いかなーと。
具体的にココ、というポイントはわからないのですが、なんとなく、全体的に間が良かったり、テンポが良かったり、動きが良かったりしたのだと思います。
…もちろん、一回限りの新人公演ゆえに観客の真剣さも普段の本公演とは段違いだというのもあるのですけれども(^ ^;ゞ
あ、それから。
動きといえば。
なんとなく、ですけれども、いろんな「会話」の場面で、舞台の上にいるメンバーが結構大きく舞台上を動いていたような気がするのですが。
本公演では、会話の時はわりと皆その場に立ったまま話していることが多いのですが、新公では舞台の上を縦横無尽に動き回りながら会話していたような…。あるいは、台詞のない人が無駄に歩き回っていたりとか。…パーティーのシーンとか、パリの街角のシーンとか、そのあたりのことなんですけれども。
人数が少ないから、空間をカバーしようとして結果的にそうなったダケなのかもしれませんが、動いているものがあるとそれだけで退屈しないものなんだなーと思ったので。期せずして、そういう効果もあったのかもしれませんね。
るうちゃんのジェラール。
可愛かった!!
いやもう、「可愛い」の一言です。
最初の登場で、エレノールに挨拶しようとするのにアルベールに邪魔されて「ぷーっ!」とむくれているところとか、もう可愛くて可愛くてたまりませんでした。
るうちゃんって良い声ですよねぇ〜!面白い声で笑いを取るんですけど、「声」自体で笑いを取るのではなく、ちゃんと「びっくりして変な声がでちゃった!」という芝居をしていて、それが可笑しい、という良循環になっていたのに感心しました。
意外とジェラールの芝居というのは難しいと思うんですよね…。あひるくんも毎回苦労されていますし。
ジェラールの芝居で、一番難しいのはパーティーでのギスターヴとのやりとりだと思うのですが、そこもしっかりキャッチボールしていたのが良かったと思います。
でも、最後の「この事業に参加しよう!」に変わるところはもう一工夫ほしかったかな…。
「鉄の時代!?」という台詞の言い方とか。
ロルボン財閥は、「20年前のパリ万博で使う大理石を一手に引き受けたのが始まり」=「石の財閥」なんですよね。だから、本来なら「鉄の時代」は完全に敵なはず。でも、ジェラールは、ギスターヴとの会話の中で時代が動いていることに気づき、置いて行かれないためにはどうしたらいいかを考えはじめて、そして「新しい時代」に乗り遅れるまい、参加しよう、と思うのですよね。
そこはあひるくんも苦労しながら演じていらっしゃる部分ですけれども、るうちゃんも、もっといろいろ間の取り方など研究してみたら良かったんじゃないかと思いました。
それにしても可愛かったです。本当に。
レオニードたちと一世代違うのが実感できたことも収穫でした!
あひるくんはやっぱり身体も大きいし男っぽいしで、(それがああいうカン高い声でカマっぽい芝居をするのがすごく面白いわけですけれども)、どうしてもオジサンたちとそんなに年齢差があるとは思えなくて、結果的に「ただの変な人」に見えてしまうことが結構あるのですが。
るうちゃんは、持ち味的にも役作りとしても完璧に(笑)可愛らしくて、素直に「息子の世代」=「イマドキのヘンなワカモノ」という図式に納得できました。
せりちゃんのシュミット(ホテルの支配人)。
せりちゃん、ぜひ今日から本公演もシュミットで…
コホン。
「血と砂」に最下で出演して、声の良さと芝居の巧さ(ちんぴら役でしたが♪)で私の心をとらえたせりちゃん。
その後、なかなか(私的に)お芝居のヒットが出なくて、歯がゆい思いもしたりしましたが。
シュミットさん、なんともいえずとぼけた感じで、すごくすご〜く良かったです!
台詞回しも、間のとりかたも、ごくごく普通で、自然で、違和感がなくて。
なのに、細かいところでちゃんと笑いを取ってましたね。
嵐の夜、エレノールに「2階の窓が…」と報告した後。フローベルの響さんが慌てて修理しに戻った後、エレノールに叱られるまで“しれ〜っ”とその場に残って、腕を前に組んでにこにこしている姿が…あんまりステキで。最高に笑えました(^ ^)。
最後の落成パーティーで、エレノールが「アルマンド・ジャッケと、ジョルジュです!」と言おうとする時。
シュミットは、その少し前、エレノールが「もう二人おります」と言ったあたりで「はっ」と気が付くんですよね。それまではニコニコしてるのに。で、ちょっとキョドって、エレノールが二人の名前を呼んだときに「思わず」という感じで目を瞑って、客が入り口の方を向いて拍手をするのに軽く首を振るんです…。それからエレノールが不安になってもう一度名前を呼ぶ段になって、やっと顔をあげて。おもむろに
「…いません」
と。
その間の取り方もすごく良かったですし、不安げな声も良かったんです。
大した場面じゃないんですけど、なんともいえず人間味のあるお芝居をしてくれて、とっても嬉しかったのです…。
みちるちゃん、えりおっと、しのちゃんは86期。
せりちゃんが87期で、るうちゃん、寿音ちゃんが88期。
月組若手は、今とってもアツくて面白いです♪
本公演ではみんな本当に出番がないですけど、本当にがんばっているので、良かったらぜひ観てあげてくださいねっ♪
.
新人公演。
1ヶ月以上続く公演の、ただ一日だけ、「新人」たちが演じる公演。
「たった一日」だからこそ出せる力。
一つの「役」に対する、本公演とは「違う解釈」「違う切り口」。
力を尽くして、今やれる精一杯をやり切った役者の輝き。
技術的には拙くても、出演人数が少なくても。
それでも、伝わるものは伝わるものですから。
「暁のローマ」に続く今回の月組の新人公演は。
贔屓目かもしれませんが、とてもレベルが高いものの一つだったんじゃないかと思います。
それにはまず、新人公演担当の演出家・生田大和さんの功績が大きいのではないかと。
生田さんってまだバウとかやったことないですよね…?
いずれデビューなさった暁には、キャストに関わりなく、万障繰り合わせて観に行きたいと思っております。はい。(…行けるといいなあ…)
まずなんと言っても、まさお(龍)をして最後の挨拶で「芝居は会話のキャッチボール」と言わしめたことを評価したいです。
元々能力の高いまさおくん。
そこに気がついてくれさえすれば、これからどれ程成長することか。
いつかまさおくんが、この新人公演を思い出す日が来るんだろうな、と思いながら、東宝劇場を後にしました。
明日の朝が早いので、詳細なレポートは後日にさせていただいて。
今日は、一番印象に残った人を一人だけ語りたいと思います。
「パリの空よりも高く」で一番印象に残った人。
文句なしで。
エレノール(本役・出雲綾)の青葉みちる。
みちるちゃんは、「The Last Party」の秘書役以来、注目していた芝居巧者。今回の配役でも、タキさんの役ということでメチャクチャ期待していました。
今回の新公、事実上の主役というか裏のヒロインとも言えるエレノール役を城咲あいちゃんにふるという選択肢もあったと思うのですが。
(エリザベート新人公演でゾフィーをふったように)
…今のあいあいなら、きっと見事にこなしたと思いますし、それも観たかった!と思いますけれども。
でも。
みちるちゃんのエレノールが観れて、良かった。
素晴らしかった〜〜!
幸せでした、本当に。
本公演で。
「はっきり言って無駄な場面だよね」と思っていた、お芝居冒頭のアルマンド登場までの15分間。
なかなか面白くて、いい場面になっていたことに、まず驚かされました。
それはもう全面的に、みちるちゃんのエレノールが的確だったからだと思うのです。
もちろん、出ているメンバーも皆さん本役にひけを取らない(←かなり贔屓目)実力者ばかりでしたけれども…。
参考:ドミニク将軍(嘉月)=姿樹えり緒
アルベール (越乃)=朝桐紫乃
レオニード (未沙)=彩央寿音
ジェラール (遼河)=光月るう
シュミット (北嶋)=綾月せり
こんな言い方をしても、私はタキさんが嫌いなわけでは決してありませんよ!
そこは誤解していただきたくないのですが。
「ファントム」のカルロッタも、「Ernst In Love」のブラックネル夫人も、ものすごく好きでしたし、他にこの役を「真に」こなせる人はいない、と今でも思っています。
でも、エレノールは違う。
タキさんくらい個性の強い人じゃないとこなせない役もあれば、
タキさんくらい個性が強い人にはどうしてもこなせない役もあるんです。
たとえば、夏河ゆらさん。
後年の彼女しか知らない方なら、ゆらさんにもエレノールは無理だと普通に思うでしょうけれども。
もし彼女が、「螺旋のオルフェ」でドミニクを演じた頃に戻って下さるのであれば。
それならば、ぜひエレノールをやってほしいです。
タキさんにも、私が知らないだけで、きっとそういう役を演じきったことがおありだと思うのです。
だってタカラジェンヌなんだもの。
入団以来ずーっとカルロッタをやってきた訳じゃないはずなんです。
でも。
現在絶賛上演中!のエレノールは、カルロッタやブラックネル夫人と役作りの根幹が同じに見えます。
もちろん違う役ですよ?同じ役として演じていらっしゃる、という話ではありません。
カルロッタとブラックネル夫人も、全然違う役ですから。
でも。
同じ根っこから生えている。
そんな感じ。
それではエレノールは、無理です。
みちるちゃんのエレノールは。
ジュリアン・ジャッケとの恋の記憶を今も心の片隅に残す、ロマンチストで信頼の厚い女性でした。
多分、ジュリアンの後も2,3人恋をしただろう。
でも、初恋の人=ジュリアンを忘れることはできず、
忘れられない思い出を胸に、ずっと一人で生きてきた女丈夫。
それをずっと陰ながら見守ってきたらしいアルベール(=しのちゃん)が、
「あんたが惚れていたんじゃなかったのかい」
と笑いながら、そっとエレノールの肩を抱く仕草が、ひどく色っぽくて。
ドキっとしました。
それだけ、エレノールが可愛くて魅力的な女性だった、ということなんじゃないかと思うのですよね。
ジュリアンとエレノールの微妙な関係を、ここではっきりと観客に伝えているからこそ。
中盤の、金庫を持ち出そうとする場面でのエレノールとアルマンドの会話が、余計胸にしみるのです。
ここが良くなると、その後のアルマンドの迷いがすごく明確になってくる。ラストにちゃんとつながっていくのです。
エレノールが登場人物の誰よりも偉大で力強い本公演では、いくら彼女が
「そうしているとお父様そっくり…」
と言って涙を零しても、どこかで嘘っぽく聞こえてならないのですが…(T T)。
みちるちゃんにカルロッタやブラックネル夫人は難しいでしょう。
それと同じように、タキさんにエレノールは「無理」だった、という話です。
タキさんがエレノールであることで、ペテン師コンビの一番近くに居る人がペテン師コンビよりずーっと胡散臭くなって(…え?)しまって、ペテン師がどうして改心するのか全然わからなくなってしまったのが本公演なら。
エレノールに儚さと懐の深さを出したことで、ペテン師の回りの人々が、ちゃんと「純朴」に見えた新人公演。
ペテン師が、周囲の「純朴」な人々の「純粋」な情にほだされるのが物語の根幹なわけですから。
「田舎者のペテン師」が「都会」に出てきて、そこの「自分たちよりよっぽど胡散臭くて腹黒そうな人たち」のどこにほだされてしまったのやらサッパリ判らない、というハテナではなく。
「田舎者だけど必死で突っ張っているペテン師」が「都会」にでてきて、「すれているようでスレていない、純朴な都会人」に出会い、ほだされてしまう…
…あれ?脚本どこもいじってないのに、それなりにまともな話に見えるよ…?
…生田さんGJ、ってことでしょうかねぇ…。
エレノール。
物語をきちんと語る上で本当に大切な役だからこそ、組長さんにふられたのでしょうけれども。
エレノール。
女手ひとつで由緒あるホテルを切り回すマダムで、パリ万博(国運を賭けた大事業だったはず)の目玉事業の世話人を務めるだけの、社交界での地位と格と人望を持っている得難い人。
エレノール。
…20年前の第2回万博当時は、何歳だったんでしょうね一体…?
.
1ヶ月以上続く公演の、ただ一日だけ、「新人」たちが演じる公演。
「たった一日」だからこそ出せる力。
一つの「役」に対する、本公演とは「違う解釈」「違う切り口」。
力を尽くして、今やれる精一杯をやり切った役者の輝き。
技術的には拙くても、出演人数が少なくても。
それでも、伝わるものは伝わるものですから。
「暁のローマ」に続く今回の月組の新人公演は。
贔屓目かもしれませんが、とてもレベルが高いものの一つだったんじゃないかと思います。
それにはまず、新人公演担当の演出家・生田大和さんの功績が大きいのではないかと。
生田さんってまだバウとかやったことないですよね…?
いずれデビューなさった暁には、キャストに関わりなく、万障繰り合わせて観に行きたいと思っております。はい。(…行けるといいなあ…)
まずなんと言っても、まさお(龍)をして最後の挨拶で「芝居は会話のキャッチボール」と言わしめたことを評価したいです。
元々能力の高いまさおくん。
そこに気がついてくれさえすれば、これからどれ程成長することか。
いつかまさおくんが、この新人公演を思い出す日が来るんだろうな、と思いながら、東宝劇場を後にしました。
明日の朝が早いので、詳細なレポートは後日にさせていただいて。
今日は、一番印象に残った人を一人だけ語りたいと思います。
「パリの空よりも高く」で一番印象に残った人。
文句なしで。
エレノール(本役・出雲綾)の青葉みちる。
みちるちゃんは、「The Last Party」の秘書役以来、注目していた芝居巧者。今回の配役でも、タキさんの役ということでメチャクチャ期待していました。
今回の新公、事実上の主役というか裏のヒロインとも言えるエレノール役を城咲あいちゃんにふるという選択肢もあったと思うのですが。
(エリザベート新人公演でゾフィーをふったように)
…今のあいあいなら、きっと見事にこなしたと思いますし、それも観たかった!と思いますけれども。
でも。
みちるちゃんのエレノールが観れて、良かった。
素晴らしかった〜〜!
幸せでした、本当に。
本公演で。
「はっきり言って無駄な場面だよね」と思っていた、お芝居冒頭のアルマンド登場までの15分間。
なかなか面白くて、いい場面になっていたことに、まず驚かされました。
それはもう全面的に、みちるちゃんのエレノールが的確だったからだと思うのです。
もちろん、出ているメンバーも皆さん本役にひけを取らない(←かなり贔屓目)実力者ばかりでしたけれども…。
参考:ドミニク将軍(嘉月)=姿樹えり緒
アルベール (越乃)=朝桐紫乃
レオニード (未沙)=彩央寿音
ジェラール (遼河)=光月るう
シュミット (北嶋)=綾月せり
こんな言い方をしても、私はタキさんが嫌いなわけでは決してありませんよ!
そこは誤解していただきたくないのですが。
「ファントム」のカルロッタも、「Ernst In Love」のブラックネル夫人も、ものすごく好きでしたし、他にこの役を「真に」こなせる人はいない、と今でも思っています。
でも、エレノールは違う。
タキさんくらい個性の強い人じゃないとこなせない役もあれば、
タキさんくらい個性が強い人にはどうしてもこなせない役もあるんです。
たとえば、夏河ゆらさん。
後年の彼女しか知らない方なら、ゆらさんにもエレノールは無理だと普通に思うでしょうけれども。
もし彼女が、「螺旋のオルフェ」でドミニクを演じた頃に戻って下さるのであれば。
それならば、ぜひエレノールをやってほしいです。
タキさんにも、私が知らないだけで、きっとそういう役を演じきったことがおありだと思うのです。
だってタカラジェンヌなんだもの。
入団以来ずーっとカルロッタをやってきた訳じゃないはずなんです。
でも。
現在絶賛上演中!のエレノールは、カルロッタやブラックネル夫人と役作りの根幹が同じに見えます。
もちろん違う役ですよ?同じ役として演じていらっしゃる、という話ではありません。
カルロッタとブラックネル夫人も、全然違う役ですから。
でも。
同じ根っこから生えている。
そんな感じ。
それではエレノールは、無理です。
みちるちゃんのエレノールは。
ジュリアン・ジャッケとの恋の記憶を今も心の片隅に残す、ロマンチストで信頼の厚い女性でした。
多分、ジュリアンの後も2,3人恋をしただろう。
でも、初恋の人=ジュリアンを忘れることはできず、
忘れられない思い出を胸に、ずっと一人で生きてきた女丈夫。
それをずっと陰ながら見守ってきたらしいアルベール(=しのちゃん)が、
「あんたが惚れていたんじゃなかったのかい」
と笑いながら、そっとエレノールの肩を抱く仕草が、ひどく色っぽくて。
ドキっとしました。
それだけ、エレノールが可愛くて魅力的な女性だった、ということなんじゃないかと思うのですよね。
ジュリアンとエレノールの微妙な関係を、ここではっきりと観客に伝えているからこそ。
中盤の、金庫を持ち出そうとする場面でのエレノールとアルマンドの会話が、余計胸にしみるのです。
ここが良くなると、その後のアルマンドの迷いがすごく明確になってくる。ラストにちゃんとつながっていくのです。
エレノールが登場人物の誰よりも偉大で力強い本公演では、いくら彼女が
「そうしているとお父様そっくり…」
と言って涙を零しても、どこかで嘘っぽく聞こえてならないのですが…(T T)。
みちるちゃんにカルロッタやブラックネル夫人は難しいでしょう。
それと同じように、タキさんにエレノールは「無理」だった、という話です。
タキさんがエレノールであることで、ペテン師コンビの一番近くに居る人がペテン師コンビよりずーっと胡散臭くなって(…え?)しまって、ペテン師がどうして改心するのか全然わからなくなってしまったのが本公演なら。
エレノールに儚さと懐の深さを出したことで、ペテン師の回りの人々が、ちゃんと「純朴」に見えた新人公演。
ペテン師が、周囲の「純朴」な人々の「純粋」な情にほだされるのが物語の根幹なわけですから。
「田舎者のペテン師」が「都会」に出てきて、そこの「自分たちよりよっぽど胡散臭くて腹黒そうな人たち」のどこにほだされてしまったのやらサッパリ判らない、というハテナではなく。
「田舎者だけど必死で突っ張っているペテン師」が「都会」にでてきて、「すれているようでスレていない、純朴な都会人」に出会い、ほだされてしまう…
…あれ?脚本どこもいじってないのに、それなりにまともな話に見えるよ…?
…生田さんGJ、ってことでしょうかねぇ…。
エレノール。
物語をきちんと語る上で本当に大切な役だからこそ、組長さんにふられたのでしょうけれども。
エレノール。
女手ひとつで由緒あるホテルを切り回すマダムで、パリ万博(国運を賭けた大事業だったはず)の目玉事業の世話人を務めるだけの、社交界での地位と格と人望を持っている得難い人。
エレノール。
…20年前の第2回万博当時は、何歳だったんでしょうね一体…?
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ダンサーのためのダンスショー
2007年2月27日 宝塚(月)「ファンシー・ダンス」
このコトバを、広辞苑でひいてみたことがある方はいらっしゃいますか?(←そんなことするのはお前だけだ)
「ファンシー」:
『?想像、空想?新規な趣向を凝らしたさま』。
ちなみに「Fancy Ball」には「仮装舞踏会」という意味があるようです。
「ダンス」:
色々書いてありましたが、最初に出ていたのは『舞踊、舞踏』。
舞は手の動きを、踊・踏は足の動きを表すのだそうです。
……だから何だよっ!という感じですが…。
すみません。その昔、「たほいや」が大好きだった私は、今でも広辞苑が愛読書(?)の一つ。考えごとに行き詰まると、どうでもいいことを調べはじめるのが学生時代からの癖でして…。
「ファンシー」の第一義が「空想・想像」だったことにまず驚きました。
「新規な趣向を凝らした」の方が先だと思っていたので。
んじゃあ津々浦々の「ファンシーショップ」は「空想の店」なのか!?って感じですよねぇ…。
「ファンシーダンス」=「空想舞踊」。
踊っているつもり(=空想)の人は、まさにファンシーなダンサーと言えるのではないでしょうか?
(反語。いや決して言えない、と続く…)。
えーっと。
…こんな事に文字数を消費してしまってすみませんm(_ _)m。
ファンシー・ダンス。
まさに「新規な趣向を凝らした」、ダンサーの幸せのためにあるような、ダンサーが空想したようなショーですよね!
大劇場で初めて観た時から「これはハマるな」、という予感があったのですが。
今、マジでハマってます。
55分間。
…早い!と毎回思うのです。
あれ、もうシェヘラザードなの?って。
桐生園加さんとか、
美鳳あやさんとか、
紫水梗華さんとか、
…そして、キラキラと輝くアイワナダンスメンバーの若手たち、とか。
タイプこそ違え、踊れるトップと2番手に、トップ娘役もそこそこ、な月組。
ここにダンサー好きの演出家が入ると、若手もこれだけがんばれるんだなあ、と感慨しきりです。
リカ(紫吹淳)さんの時は、せっかくダンサートップなのに本当に作品に恵まれなくて、洋物ショーは歌中心の「With a Song In My Heart」のみ。
踊れる組子が本当に可哀相だなあ、と悲しかったので余計に…。
今回は本当に、素晴らしい振付ばかりなので、ただ観ているだけで幸せなのですが。
さらに、若手がどんどん「男役」のダンスになっていくのが目に見えるようで、それがもの凄く気持ちいいです。
ハロー!ダンシングの出演者が先日発表されましたが。
公演の中心となるのは、アイワナダンスメンバーですよね。
彼らがこの公演でどこまで成長できるかで、「ハロー!ダンシング」の評価も決まると思うので。
ココを正念場と思ってがんばってほしいです。
大劇場のレポートを書いた頃は、まだ園加ちゃんしか目に入っていなかったので(今も、時間配分で言ったら男役は園加ちゃんを観ている時間が一番長いと思いますが)…
トップ〜4番手までは既にいろいろなファンサイトで語られていますし、前回書きましたので割愛して。
まずは一言づつ、上級生順に。
■エリ(嘉月絵理)さん
一般的にはマトリョーじゃなくてペトルーシュカの人形遣いがメインになるのでしょうか。確かに、あそこのキリヤンとのデュエットは耳福♪メークも鬘も大好きです♪
でも、私はやっぱり、プロローグやフィナーレ(燕尾に白手袋)など、群舞での流麗なダンスのエリさんが一番好きです。カウントの取り方が気持いいんですよねっ♪
ちょっと前、ショーの出番が少なくて寂しい時代があったので、ここ数作、演出家の信頼も厚いダンサーエリさんが観られて嬉しいです。次も期待〜♪
■ナホ(越乃リュウ)ちゃん
(*^ ^*)。
ペトルーシュカでの美鳳あやちゃんとの身長差カップルに、超・萌えています。キリヤンを観たくてオペラグラスを外してるのに、結局観てるのはそこかい!と自分に突っ込むことも多いし(汗)。
カップルの時はそうでもないですが、一人で踊る時のカウントの取り方は独特ですよね。ナホちゃんだけをガン見していれば気にならないのですが、オペラグラスを外すとちょっと気になるかも。せめて男役群舞では、もう少し回りに合わせて(ナホちゃんのキャラでは、回りを自分に合わせさせるのは無理そうなので)くれると、またレベルアップすると思うのですが。
…無理かなあ…。
■ひら(有香潤)さん
ペトルーシュカのタンゴがメチャメチャかっこいい!これが最後だなんて信じられないです…(涙)。もう79期もナホちゃん一人になっちゃうんですね…。
■ガチャ(一色瑠加)
ふと気が付けば、ガチャももう上級生なんですね…研12?うわぁ、信じられない。
どちらかと言えばキチッと踊られるダンサーだという認識なのですが、ペトルーシュカは結構苦戦しているような…?気のせい?
■かえこ(良基天音)
見た目のかわいらしさにそぐわぬ熱いダンサー・かえちゃんなのに、今回は出番少なめ。と言いつつ、中詰めの弾けっぷりと華やかな笑顔に癒されて、「まぁいいか」と思う私。
■研(ルイス)ちゃん
初見の時、冒頭のプロローグで、ずーっと研ちゃんを探してしまいました(苦笑)。な〜んだ、台の上にいるのか、と(笑い)。
ペトルーシュカも最初ちょっと浮いてたけど、東宝に来てからすごく良くなりましたね。ラスト・ダンスも同じ感じ。
歌も芝居もイケる、貴重な人材ですから大事にしてほしいです。
■ふーが(風雅湊)くん
萌希くんに続き、ふーがくんまで(涙)。月組おじさん候補がなかなか残らないのが残念…(ナホちゃんが居れば安泰か?)
ショーの出番はまさに、プロローグ、中詰め、フィナーレ。もうちょっと観てみたかったなあ。
…まあ、あの。
ダンサーじゃない若手は、徹頭徹尾出番がないわけですが…。
がんばれ月組。
くじけるな。
謝さんは歌手もすごく大事にするから、一芸がある人なら大丈夫。次作は期待できますよ、きっと!
…芝居しか出来ない人はどうしたらいいんでしょうか神様…(祈)
.
このコトバを、広辞苑でひいてみたことがある方はいらっしゃいますか?(←そんなことするのはお前だけだ)
「ファンシー」:
『?想像、空想?新規な趣向を凝らしたさま』。
ちなみに「Fancy Ball」には「仮装舞踏会」という意味があるようです。
「ダンス」:
色々書いてありましたが、最初に出ていたのは『舞踊、舞踏』。
舞は手の動きを、踊・踏は足の動きを表すのだそうです。
……だから何だよっ!という感じですが…。
すみません。その昔、「たほいや」が大好きだった私は、今でも広辞苑が愛読書(?)の一つ。考えごとに行き詰まると、どうでもいいことを調べはじめるのが学生時代からの癖でして…。
「ファンシー」の第一義が「空想・想像」だったことにまず驚きました。
「新規な趣向を凝らした」の方が先だと思っていたので。
んじゃあ津々浦々の「ファンシーショップ」は「空想の店」なのか!?って感じですよねぇ…。
「ファンシーダンス」=「空想舞踊」。
踊っているつもり(=空想)の人は、まさにファンシーなダンサーと言えるのではないでしょうか?
(反語。いや決して言えない、と続く…)。
えーっと。
…こんな事に文字数を消費してしまってすみませんm(_ _)m。
ファンシー・ダンス。
まさに「新規な趣向を凝らした」、ダンサーの幸せのためにあるような、ダンサーが空想したようなショーですよね!
大劇場で初めて観た時から「これはハマるな」、という予感があったのですが。
今、マジでハマってます。
55分間。
…早い!と毎回思うのです。
あれ、もうシェヘラザードなの?って。
桐生園加さんとか、
美鳳あやさんとか、
紫水梗華さんとか、
…そして、キラキラと輝くアイワナダンスメンバーの若手たち、とか。
タイプこそ違え、踊れるトップと2番手に、トップ娘役もそこそこ、な月組。
ここにダンサー好きの演出家が入ると、若手もこれだけがんばれるんだなあ、と感慨しきりです。
リカ(紫吹淳)さんの時は、せっかくダンサートップなのに本当に作品に恵まれなくて、洋物ショーは歌中心の「With a Song In My Heart」のみ。
踊れる組子が本当に可哀相だなあ、と悲しかったので余計に…。
今回は本当に、素晴らしい振付ばかりなので、ただ観ているだけで幸せなのですが。
さらに、若手がどんどん「男役」のダンスになっていくのが目に見えるようで、それがもの凄く気持ちいいです。
ハロー!ダンシングの出演者が先日発表されましたが。
公演の中心となるのは、アイワナダンスメンバーですよね。
彼らがこの公演でどこまで成長できるかで、「ハロー!ダンシング」の評価も決まると思うので。
ココを正念場と思ってがんばってほしいです。
大劇場のレポートを書いた頃は、まだ園加ちゃんしか目に入っていなかったので(今も、時間配分で言ったら男役は園加ちゃんを観ている時間が一番長いと思いますが)…
トップ〜4番手までは既にいろいろなファンサイトで語られていますし、前回書きましたので割愛して。
まずは一言づつ、上級生順に。
■エリ(嘉月絵理)さん
一般的にはマトリョーじゃなくてペトルーシュカの人形遣いがメインになるのでしょうか。確かに、あそこのキリヤンとのデュエットは耳福♪メークも鬘も大好きです♪
でも、私はやっぱり、プロローグやフィナーレ(燕尾に白手袋)など、群舞での流麗なダンスのエリさんが一番好きです。カウントの取り方が気持いいんですよねっ♪
ちょっと前、ショーの出番が少なくて寂しい時代があったので、ここ数作、演出家の信頼も厚いダンサーエリさんが観られて嬉しいです。次も期待〜♪
■ナホ(越乃リュウ)ちゃん
(*^ ^*)。
ペトルーシュカでの美鳳あやちゃんとの身長差カップルに、超・萌えています。キリヤンを観たくてオペラグラスを外してるのに、結局観てるのはそこかい!と自分に突っ込むことも多いし(汗)。
カップルの時はそうでもないですが、一人で踊る時のカウントの取り方は独特ですよね。ナホちゃんだけをガン見していれば気にならないのですが、オペラグラスを外すとちょっと気になるかも。せめて男役群舞では、もう少し回りに合わせて(ナホちゃんのキャラでは、回りを自分に合わせさせるのは無理そうなので)くれると、またレベルアップすると思うのですが。
…無理かなあ…。
■ひら(有香潤)さん
ペトルーシュカのタンゴがメチャメチャかっこいい!これが最後だなんて信じられないです…(涙)。もう79期もナホちゃん一人になっちゃうんですね…。
■ガチャ(一色瑠加)
ふと気が付けば、ガチャももう上級生なんですね…研12?うわぁ、信じられない。
どちらかと言えばキチッと踊られるダンサーだという認識なのですが、ペトルーシュカは結構苦戦しているような…?気のせい?
■かえこ(良基天音)
見た目のかわいらしさにそぐわぬ熱いダンサー・かえちゃんなのに、今回は出番少なめ。と言いつつ、中詰めの弾けっぷりと華やかな笑顔に癒されて、「まぁいいか」と思う私。
■研(ルイス)ちゃん
初見の時、冒頭のプロローグで、ずーっと研ちゃんを探してしまいました(苦笑)。な〜んだ、台の上にいるのか、と(笑い)。
ペトルーシュカも最初ちょっと浮いてたけど、東宝に来てからすごく良くなりましたね。ラスト・ダンスも同じ感じ。
歌も芝居もイケる、貴重な人材ですから大事にしてほしいです。
■ふーが(風雅湊)くん
萌希くんに続き、ふーがくんまで(涙)。月組おじさん候補がなかなか残らないのが残念…(ナホちゃんが居れば安泰か?)
ショーの出番はまさに、プロローグ、中詰め、フィナーレ。もうちょっと観てみたかったなあ。
…まあ、あの。
ダンサーじゃない若手は、徹頭徹尾出番がないわけですが…。
がんばれ月組。
くじけるな。
謝さんは歌手もすごく大事にするから、一芸がある人なら大丈夫。次作は期待できますよ、きっと!
…芝居しか出来ない人はどうしたらいいんでしょうか神様…(祈)
.
月の夢語り【東宝その1】
2007年2月25日 宝塚(月) コメント (4)やっと観ることができた、月組東宝劇場公演。
いくつか台詞の変更があったくらいで、演出もほぼそのまま。特にアルマンド&ジョルジュのペテン師二人に関係したところには、ほとんど変更無かったと思います。
変えて欲しかったところもたくさんあったんですけどねぇ?>植田さん
でも。
びっくりするほど変わっていたと思います。
月組ッ子の、お芝居が。
私は、以前の日記でこう書きました。
…うん。
期待は裏切られませんでしたよ!
正直に言えば。
大劇場の楽を経て、お稽古があって、その上での東宝公演ですから。
…初日から一週間も過ぎた今では、すっかり盛りつけ完了!になっていることを、(心の隅で、少しだけ)期待していたことは否定しませんが…。
まあ、メインの料理がのって、これから付け合わせをどう載せていくか考えているところ、という感じだったかもしれません…
…まだまだ先は長い東宝公演ですからね。
じっくり試行錯誤していただければ、ね。
どうせ何度も観ますから、私は。
たった一度しか観ない方、本当にごめんなさい…m(_ _)m。
台詞の変更点。
いくつかあったのですが、ギスターヴがらみが多かったですね。
街中で出会ったボーイさんたちとの会話が長くなったりとか。
(関係ないですけど植田さん、ホテルに4人しかいないボーイが全員早番って、そんなシフトあんまり考えられませんけど…?あの台詞変更、意味がわかりません!それともあのホテル、ボーイは入れ替え制なんでしょうか…。)
あと、ミミとの会話の場面で、ミミに
「アルマンドさんって本当にステキですよねぇ〜♪」
とか言われて落ち込むお芝居が増えてたりとか。
あのギスターヴ、本当に可愛いですよね♪すっかり見惚れてしまいました。
その後、ついでのように(?)誉められて、
「…本当にそう思ってくれるのかい?」
と、ちょっとだけ自信なさげに問いかけるところがまた母性本能をくすぐります。歌い出すと朗々と素晴らしいところも含めて(^ ^)、本当にステキ。大好きです、ギスターヴさん。
全体的に、台詞変更の多くはギスターヴの“大人の男の可愛らしさ”を増す方向になっていたような。
中でも、嵐の夜にエレノールからアルマンドたちは現場へ行ったんじゃないか、と聞かされて、思わず呟いた風な
「僕も連れて行ってくれればいいのに」(記憶曖昧)
が、あまりにも可愛くてツボりました♪
大劇場で数回観た時、私はギスターヴはアルマンドより1,2歳年上、というイメージだったのですが、この台詞が加わったこともあってか、なんとなく若返った感じ。
東宝のギスターヴは、アルマンドと同い年か、もしかしてちょっと下?という印象でした。
大劇場では、アルマンドがギスターヴに対してはちょっと遠慮がち(?)な芝居をされていたので、余計ギスターヴが年上に見えていたのだと思いますが、東宝ではかなり対等っぽい態度(遣り取り)になっていたので。
…設定自体が変わったのかな、と思ったのですが。
どうなんでしょうね。
アルマンドに対するギスターヴとジョルジュの違いをたてるために、あえて年上/年下という差をつけていたのかと思っていたのですが、全然関係なかったのかなあ…。
アルマンドとギスターヴが一緒に舞台に出ている場面って、すごく短いんですけれども、ちょっとした遣り取りで二人の関係をしっかり見せてくれるので、深読みするのが楽しいです(^ ^)。
あと台詞としては、同じく嵐の場面でパリ全体が水没したらどうなるか、みたいな会話が増えていましたね。
「とにかく、僕の設計に間違いはありませんっ!」
と、自信満々に言い切ったはずのギスターヴさんが、なんだか不安げな顔をなさっていたように見えたのですが…何か台詞を間違えたか飛ばしたかしたのでしょうか?それとも私の見間違い?
またすぐにもう一度観るので、そのへんは確認してみたいと思っています。
他にも細かい手直しはいくつかありましたが、「歯車の掛け違い」とか、はっきりした間違いが修正されなかったことが哀しいです。
宝塚歌劇団制作部には、校正する人はいないのでしょうか…。これだけネットなどに書かれてしまったミスくらいは直してほしかったのですが
。
タカラヅカって、まだ「正しい日本語」をきちんと習得していない小学生とかが観たりすることも多いのでね…。
芝居。
ジョルジュが、前半に単なる「若さ」だけじゃなくて「幼さ」を出してきたのがすごく良くなったなあと思いました。
未熟な幼さ。
それは、アルマンドにもギスターヴにもない、ジョルジュの個性になっていましたから。(ファンの贔屓目ですみません)
未成年で、誰からも「一人前」と認めて貰えないことに対する寂しさ(「俺も親父みたいに…」の言い方とか)は、まだ完全に表現しきれていないような気がしてしまいましたが(あと5週間だ。がんばれ!)、
その、焦り。
アルマンドと肩を並べたい、アルマンドに頼ってもらえるような、一人前のペテン師(え?)に“なりたいのに、どうしたらなれるんだ俺は!?”という焦燥感が、すごく出てきた気がしました。
それを受けて、アルマンドもすごく「大人ぶった」芝居をするようになって(いや、こっちが先か。トップの麻子さんがそういう芝居をされるから祐飛さんが受けているんだと思いますが)、
二人のコンビの色がはっきりしてきたなあと思いました。
祐飛さん。
…ちゃんと18歳に見えましたよ!(痛っ)
ミミより年下にもちゃんと見えたし。(これは大丈夫かな)
「え!?まさか」と言われてしまう存在=弟(明日海りお)と同世代、という難題も、(ファンの贔屓目には)クリアしてくださってありがとうございます。
植田さん、祐飛さんに高いハードルを課してくださってありがとうございます…(^ ^;ゞ
観劇友達に言われて気づいたのですが。
アルマンドはペテン師ですから、あんまり自分の事を人に語る機会がないんですよね。
「他人」に対しては、嘘しか言えない。
だから、彼は、ジョルジュに向かって話すのです。
…自分のアイデンティティの、全てを。
ジョルジュが、「若く」(一人前でない)、「幼い」少年の役のはずでありながら、トップと同期の祐飛さんに回ってきたのは、そのへんの役割もあるのかなあと、今頃になって思いました。
アルマンドの台詞を観客の立場で受けて、アルマンドへ返す、という役割が。
ギスターブとジョルジュのキャストが発表された時、「え”ー、なんでーー!?」と怒りに震えた私ですが。
やっぱりこの役は、どんなに可愛らしくて幼い少年の役でも、やっぱり下級生じゃなくてキリヤンか祐飛さんのどちらかに回ってこなくてはならない役だったんだなあと思いました。
…キリヤンのジョルジュ、観たかったんですけどね。
また全然違う作品になったんでしょうね…。
.
いくつか台詞の変更があったくらいで、演出もほぼそのまま。特にアルマンド&ジョルジュのペテン師二人に関係したところには、ほとんど変更無かったと思います。
変えて欲しかったところもたくさんあったんですけどねぇ?>植田さん
でも。
びっくりするほど変わっていたと思います。
月組ッ子の、お芝居が。
私は、以前の日記でこう書きました。
「芝居」という皿があって、そこにアドリブが載る。
それでこそ、一つの料理になるのです。
「パリの空よりも高く」というお芝居は、まだやっと皿を洗い終わったばかり。
でも、大劇場公演が終わるまでには、きっと盛りつけもだいぶ進むだろう、と。
そう、十分に期待できる出来だったと思います。
…うん。
期待は裏切られませんでしたよ!
正直に言えば。
大劇場の楽を経て、お稽古があって、その上での東宝公演ですから。
…初日から一週間も過ぎた今では、すっかり盛りつけ完了!になっていることを、(心の隅で、少しだけ)期待していたことは否定しませんが…。
まあ、メインの料理がのって、これから付け合わせをどう載せていくか考えているところ、という感じだったかもしれません…
…まだまだ先は長い東宝公演ですからね。
じっくり試行錯誤していただければ、ね。
どうせ何度も観ますから、私は。
たった一度しか観ない方、本当にごめんなさい…m(_ _)m。
台詞の変更点。
いくつかあったのですが、ギスターヴがらみが多かったですね。
街中で出会ったボーイさんたちとの会話が長くなったりとか。
(関係ないですけど植田さん、ホテルに4人しかいないボーイが全員早番って、そんなシフトあんまり考えられませんけど…?あの台詞変更、意味がわかりません!それともあのホテル、ボーイは入れ替え制なんでしょうか…。)
あと、ミミとの会話の場面で、ミミに
「アルマンドさんって本当にステキですよねぇ〜♪」
とか言われて落ち込むお芝居が増えてたりとか。
あのギスターヴ、本当に可愛いですよね♪すっかり見惚れてしまいました。
その後、ついでのように(?)誉められて、
「…本当にそう思ってくれるのかい?」
と、ちょっとだけ自信なさげに問いかけるところがまた母性本能をくすぐります。歌い出すと朗々と素晴らしいところも含めて(^ ^)、本当にステキ。大好きです、ギスターヴさん。
全体的に、台詞変更の多くはギスターヴの“大人の男の可愛らしさ”を増す方向になっていたような。
中でも、嵐の夜にエレノールからアルマンドたちは現場へ行ったんじゃないか、と聞かされて、思わず呟いた風な
「僕も連れて行ってくれればいいのに」(記憶曖昧)
が、あまりにも可愛くてツボりました♪
大劇場で数回観た時、私はギスターヴはアルマンドより1,2歳年上、というイメージだったのですが、この台詞が加わったこともあってか、なんとなく若返った感じ。
東宝のギスターヴは、アルマンドと同い年か、もしかしてちょっと下?という印象でした。
大劇場では、アルマンドがギスターヴに対してはちょっと遠慮がち(?)な芝居をされていたので、余計ギスターヴが年上に見えていたのだと思いますが、東宝ではかなり対等っぽい態度(遣り取り)になっていたので。
…設定自体が変わったのかな、と思ったのですが。
どうなんでしょうね。
アルマンドに対するギスターヴとジョルジュの違いをたてるために、あえて年上/年下という差をつけていたのかと思っていたのですが、全然関係なかったのかなあ…。
アルマンドとギスターヴが一緒に舞台に出ている場面って、すごく短いんですけれども、ちょっとした遣り取りで二人の関係をしっかり見せてくれるので、深読みするのが楽しいです(^ ^)。
あと台詞としては、同じく嵐の場面でパリ全体が水没したらどうなるか、みたいな会話が増えていましたね。
「とにかく、僕の設計に間違いはありませんっ!」
と、自信満々に言い切ったはずのギスターヴさんが、なんだか不安げな顔をなさっていたように見えたのですが…何か台詞を間違えたか飛ばしたかしたのでしょうか?それとも私の見間違い?
またすぐにもう一度観るので、そのへんは確認してみたいと思っています。
他にも細かい手直しはいくつかありましたが、「歯車の掛け違い」とか、はっきりした間違いが修正されなかったことが哀しいです。
宝塚歌劇団制作部には、校正する人はいないのでしょうか…。これだけネットなどに書かれてしまったミスくらいは直してほしかったのですが
。
タカラヅカって、まだ「正しい日本語」をきちんと習得していない小学生とかが観たりすることも多いのでね…。
芝居。
ジョルジュが、前半に単なる「若さ」だけじゃなくて「幼さ」を出してきたのがすごく良くなったなあと思いました。
未熟な幼さ。
それは、アルマンドにもギスターヴにもない、ジョルジュの個性になっていましたから。(ファンの贔屓目ですみません)
未成年で、誰からも「一人前」と認めて貰えないことに対する寂しさ(「俺も親父みたいに…」の言い方とか)は、まだ完全に表現しきれていないような気がしてしまいましたが(あと5週間だ。がんばれ!)、
その、焦り。
アルマンドと肩を並べたい、アルマンドに頼ってもらえるような、一人前のペテン師(え?)に“なりたいのに、どうしたらなれるんだ俺は!?”という焦燥感が、すごく出てきた気がしました。
それを受けて、アルマンドもすごく「大人ぶった」芝居をするようになって(いや、こっちが先か。トップの麻子さんがそういう芝居をされるから祐飛さんが受けているんだと思いますが)、
二人のコンビの色がはっきりしてきたなあと思いました。
祐飛さん。
…ちゃんと18歳に見えましたよ!(痛っ)
ミミより年下にもちゃんと見えたし。(これは大丈夫かな)
「え!?まさか」と言われてしまう存在=弟(明日海りお)と同世代、という難題も、(ファンの贔屓目には)クリアしてくださってありがとうございます。
植田さん、祐飛さんに高いハードルを課してくださってありがとうございます…(^ ^;ゞ
観劇友達に言われて気づいたのですが。
アルマンドはペテン師ですから、あんまり自分の事を人に語る機会がないんですよね。
「他人」に対しては、嘘しか言えない。
だから、彼は、ジョルジュに向かって話すのです。
…自分のアイデンティティの、全てを。
ジョルジュが、「若く」(一人前でない)、「幼い」少年の役のはずでありながら、トップと同期の祐飛さんに回ってきたのは、そのへんの役割もあるのかなあと、今頃になって思いました。
アルマンドの台詞を観客の立場で受けて、アルマンドへ返す、という役割が。
ギスターブとジョルジュのキャストが発表された時、「え”ー、なんでーー!?」と怒りに震えた私ですが。
やっぱりこの役は、どんなに可愛らしくて幼い少年の役でも、やっぱり下級生じゃなくてキリヤンか祐飛さんのどちらかに回ってこなくてはならない役だったんだなあと思いました。
…キリヤンのジョルジュ、観たかったんですけどね。
また全然違う作品になったんでしょうね…。
.
われおもふ、ゆえにわれあり
2007年2月23日 宝塚(月) コメント (2)まず叫びます。
ユミコ(彩吹真央)ちゃん、DC主演おめでとうございます〜〜〜!!
まず間違いないとは思っていましたが、やっぱり発表されると嬉しいものですね。
ファンのみなさまも、本当におめでとうございますm(_ _)m。
しかし、たった2行の作品紹介とタイトルが、どうにも萩尾望都さんの「メリーベルと銀のばら」というか、ポーの一族シリーズを連想させてしまうところがなんとも…。
霧の都ロンドンのヴァンパイアの少女、ですよ?
「エヴァンスの遺言」か?「すきとおった銀の髪」か?それとも、真っ向勝負で「メリーベルと銀のばら」アラン主役編なのか?
たしかにユミコちゃんは、ついこないだまで少年役をやらせたら右に出る者はいないかも、というタイプとして認識されていたかもしれませんが。
ここ最近、キャリエールに土方と色っぽい大人の男を演じて、次はフランツ。大人の男ができる役者としても評価されつつある人なのに、今更それ?萩尾望都の美少年ですか?
小柳さん、「アメリカン・パイ」と同じ過ちを繰り返すのだけは避けてほしいのですが。
心の底から心配です…。
…………詳細ストーリーが出るのが楽しみです。はい。
一抹の不安はありますが、題材そのものは面白そうだし、小柳さんのセンスは結構好きなので、楽しみです。絶対観にいきますよ!
そして、雪組全国ツアーは「星影の人/Joyfull2」
…土方さんがいませんけど?
今度こそ、ハマコさんが渋くやるんでしょうか?
それはそれで、別の意味で楽しみですが。
キム(音月桂)ちゃんの、超絶・攻めキャラ土方も、とても楽しみです。
とか言って、蓋をあけてみたら(鳳稀)かなめちゃんだったりして…(^ ^;ゞ
月組のメンバー振り分け。
なぜ今まで発表されなかったのかがまず知りたい気もしますが、
とりあえず、せっかく予想してみたので答え合わせをしてみたいと思います。
「ハロー!ダンシング」
組長はちわわ(涼城まりな)、歌手枠は羽咲まなちゃんでしたね。麻華りんか嬢は霧矢さんバウかー。
男役は、(光月)るうちゃんじゃなくてりこ(麻月れんか)ちゃんでしたね。やっぱりアイワナダンスメンバーで固めてきたなあ。
あとは大体あってました。当然っちゃ当然ですが。12人中、9人正解。
一番意外だったのはみっぽー(美鳳あや)ちゃんが入らなかったこと!実は、めちゃくちゃショックです。ちわわと同期で二人入ったっていいじゃんか〜(涙)。楽しみにしてたのに!うわあああん…。
このメンバーだとセンターはまぐ(流輝一斗)ちゃん?学年順だとりこちゃんなんですが…(え?)。
星組の鶴美舞夕さん・夢乃聖夏さん(雪では祐輝千寿さん・蓮城まことさん)枠はみっしょん(美翔かずき)と、もう一人は…宇月颯くんかな。…ってことは、もしかしてもしかすると、まぐとみっしょんで「ブエノスアイレス」のタンゴ踊っちゃったりするのかっ!?(←壊)…行くっ!!絶対観に行きますっ!!
「大阪侍」
ひ、ヒロインはあいあい(城咲あい)じゃないのかっ!(驚愕)
このメンバー、誰がヒロインなのでしょうか。(夢咲)ねねちゃん?あー(花瀬みずか)ちゃん?背の釣り合いその他を考えるとあーちゃんはお似合いっぽいし、きりやんとの長大でロマンティックなデュエットはぜひ聴いてみたいのですが(^ ^)、
でも、芝居はねねちゃんの方が巧いし、「又七にぞっこんの我儘娘・お勢」というキャラがメチャクチャ嵌りそう!!見応えありそうなのはねねちゃんかなあ…。
男役陣は、組長嘉月さんは予想どおり。もりえ(青樹泉)、マギー(星条海斗)、まさお(龍真咲)とホテルのボーイはまとめて三人お買い上げ、ですか…。この三人、秋の全国ツアーでも一緒だったんですよね。バラして売り出すつもりはないのでしょうか?
…第2のシューマッハに育てたいのかな?
そのうち、みりおくん入れて四人で巴里祭とかやりそうな気がします…。
他に正解だったのは宝生ルミ姐、姿樹えりおっと、彩央寿音ちゃん、蘭乃はなちゃん。13人中6人。半分行かなかったか。イマイチだったな…くすん(哀)。
しっかし、石田さんはまた幕末なんですね。
幕末、という時代と、そこに生きた人々への愛がダダ漏れしていて私も大好きではあるのですが、さすがに続きすぎのような気もしてしまいます…。
あ、でも、幕末だったらマギーは欧米大使とかっていう配役が可能なのかな?(すみません原作読んでみます…)
でもまあ、楽しみですけどね!勿論観に行きますよ♪がんばってくさいね♪
「ダル・レークの恋」
リタ=城咲あいちゃんですか!それは…バウヒロインだと思い込んでいたのでノーマークでしたが、ある意味嬉しいかも♪
あいあいのお芝居、かなり好きなんですよ私。特に、声が可愛くて大好きなので♪
なのに祐飛さんと芝居で組んだことが無かったので、このままどこかへトップ娘として組替えになってしまう前に、じっくり組めそうで嬉しいです。
リタって、私の幽かな記憶によると結構難しい役だったような気がするので、あいちゃんのお芝居に期待します♪サリーも似合い
そうだし、とっても楽しみです♪
ビーナは(白華)れみちゃんですよね、きっと!うわー、可愛いだろうなあ〜♪
タキ(出雲綾)さんとナホ(越乃リュウ)ちゃんで率いるツアー、内部も楽しく盛り上がっていそうですね。
二番手はあひちゃん、その次は…芝居の上ではみりおくん、ショー部分は園加ちゃんが出てくるといいなあ、と思っています。
とりあえず、星組でみっき(千秋慎)さんがやった役は、研ルイスちゃんでお願いします>劇団。
そして、みっぽーも思いっきり踊る場面があると嬉しいです。
ツアーは19人あげて12人正解か…。まあ、麻子さんのDSメンバーというヒントがありましたからね、あまり威張れませんが。
(←いや、そんなことを当てても全然威張れないから)
.
ユミコ(彩吹真央)ちゃん、DC主演おめでとうございます〜〜〜!!
まず間違いないとは思っていましたが、やっぱり発表されると嬉しいものですね。
ファンのみなさまも、本当におめでとうございますm(_ _)m。
しかし、たった2行の作品紹介とタイトルが、どうにも萩尾望都さんの「メリーベルと銀のばら」というか、ポーの一族シリーズを連想させてしまうところがなんとも…。
霧の都ロンドンのヴァンパイアの少女、ですよ?
「エヴァンスの遺言」か?「すきとおった銀の髪」か?それとも、真っ向勝負で「メリーベルと銀のばら」アラン主役編なのか?
たしかにユミコちゃんは、ついこないだまで少年役をやらせたら右に出る者はいないかも、というタイプとして認識されていたかもしれませんが。
ここ最近、キャリエールに土方と色っぽい大人の男を演じて、次はフランツ。大人の男ができる役者としても評価されつつある人なのに、今更それ?萩尾望都の美少年ですか?
小柳さん、「アメリカン・パイ」と同じ過ちを繰り返すのだけは避けてほしいのですが。
心の底から心配です…。
…………詳細ストーリーが出るのが楽しみです。はい。
一抹の不安はありますが、題材そのものは面白そうだし、小柳さんのセンスは結構好きなので、楽しみです。絶対観にいきますよ!
そして、雪組全国ツアーは「星影の人/Joyfull2」
…土方さんがいませんけど?
今度こそ、ハマコさんが渋くやるんでしょうか?
それはそれで、別の意味で楽しみですが。
キム(音月桂)ちゃんの、超絶・攻めキャラ土方も、とても楽しみです。
とか言って、蓋をあけてみたら(鳳稀)かなめちゃんだったりして…(^ ^;ゞ
月組のメンバー振り分け。
なぜ今まで発表されなかったのかがまず知りたい気もしますが、
とりあえず、せっかく予想してみたので答え合わせをしてみたいと思います。
「ハロー!ダンシング」
組長はちわわ(涼城まりな)、歌手枠は羽咲まなちゃんでしたね。麻華りんか嬢は霧矢さんバウかー。
男役は、(光月)るうちゃんじゃなくてりこ(麻月れんか)ちゃんでしたね。やっぱりアイワナダンスメンバーで固めてきたなあ。
あとは大体あってました。当然っちゃ当然ですが。12人中、9人正解。
一番意外だったのはみっぽー(美鳳あや)ちゃんが入らなかったこと!実は、めちゃくちゃショックです。ちわわと同期で二人入ったっていいじゃんか〜(涙)。楽しみにしてたのに!うわあああん…。
このメンバーだとセンターはまぐ(流輝一斗)ちゃん?学年順だとりこちゃんなんですが…(え?)。
星組の鶴美舞夕さん・夢乃聖夏さん(雪では祐輝千寿さん・蓮城まことさん)枠はみっしょん(美翔かずき)と、もう一人は…宇月颯くんかな。…ってことは、もしかしてもしかすると、まぐとみっしょんで「ブエノスアイレス」のタンゴ踊っちゃったりするのかっ!?(←壊)…行くっ!!絶対観に行きますっ!!
「大阪侍」
ひ、ヒロインはあいあい(城咲あい)じゃないのかっ!(驚愕)
このメンバー、誰がヒロインなのでしょうか。(夢咲)ねねちゃん?あー(花瀬みずか)ちゃん?背の釣り合いその他を考えるとあーちゃんはお似合いっぽいし、きりやんとの長大でロマンティックなデュエットはぜひ聴いてみたいのですが(^ ^)、
でも、芝居はねねちゃんの方が巧いし、「又七にぞっこんの我儘娘・お勢」というキャラがメチャクチャ嵌りそう!!見応えありそうなのはねねちゃんかなあ…。
男役陣は、組長嘉月さんは予想どおり。もりえ(青樹泉)、マギー(星条海斗)、まさお(龍真咲)とホテルのボーイはまとめて三人お買い上げ、ですか…。
…第2のシューマッハに育てたいのかな?
そのうち、みりおくん入れて四人で巴里祭とかやりそうな気がします…。
kさまよりコメントをいただきました。…ごめんなさい!!昨秋のもりえちゃんは、全国ツアーではなく日生「オクラホマ!」です!!。可愛いウィルくん、凄いハマり役で感動したのに…、失礼いたしましたm(_ _)m。
全国ツアー、若手3人でいつも一緒だーと思ったのはマギー&まさお&みりおですね。本当にごめんなさい!
他に正解だったのは宝生ルミ姐、姿樹えりおっと、彩央寿音ちゃん、蘭乃はなちゃん。13人中6人。半分行かなかったか。イマイチだったな…くすん(哀)。
しっかし、石田さんはまた幕末なんですね。
幕末、という時代と、そこに生きた人々への愛がダダ漏れしていて私も大好きではあるのですが、さすがに続きすぎのような気もしてしまいます…。
あ、でも、幕末だったらマギーは欧米大使とかっていう配役が可能なのかな?(すみません原作読んでみます…)
でもまあ、楽しみですけどね!勿論観に行きますよ♪がんばってくさいね♪
「ダル・レークの恋」
リタ=城咲あいちゃんですか!それは…バウヒロインだと思い込んでいたのでノーマークでしたが、ある意味嬉しいかも♪
あいあいのお芝居、かなり好きなんですよ私。特に、声が可愛くて大好きなので♪
なのに祐飛さんと芝居で組んだことが無かったので、このままどこかへトップ娘として組替えになってしまう前に、じっくり組めそうで嬉しいです。
リタって、私の幽かな記憶によると結構難しい役だったような気がするので、あいちゃんのお芝居に期待します♪サリーも似合い
そうだし、とっても楽しみです♪
ビーナは(白華)れみちゃんですよね、きっと!うわー、可愛いだろうなあ〜♪
タキ(出雲綾)さんとナホ(越乃リュウ)ちゃんで率いるツアー、内部も楽しく盛り上がっていそうですね。
二番手はあひちゃん、その次は…芝居の上ではみりおくん、ショー部分は園加ちゃんが出てくるといいなあ、と思っています。
とりあえず、星組でみっき(千秋慎)さんがやった役は、研ルイスちゃんでお願いします>劇団。
そして、みっぽーも思いっきり踊る場面があると嬉しいです。
ツアーは19人あげて12人正解か…。まあ、麻子さんのDSメンバーというヒントがありましたからね、あまり威張れませんが。
(←いや、そんなことを当てても全然威張れないから)
.
絶賛上演中!の(でも私はまだ観てない…)東宝劇場公演「パリの空よりも高く/ファンシー・ダンス」が終わったら、月組は3つに分かれて公演、ということになります。
誰がどの公演に出るのか、東宝公演が開幕する前に発表されるだろうと待っていたのにナカナカ出てこない(涙)なので、痺れをきらして(苦笑)、ここらでひとつ、予想なんてしてみたいと思います。
(その前に、東宝劇場公演を観とけよ、ヲイ >自分)
最初に開幕するのが、「ハロー!ダンシング」。
続いて、霧矢さんのバウホール&青年館「大坂侍」。
そして最後に幕をあけるのが全国ツアー「ダル・レークの恋」。
そしてもう一つ。麻子さんのディナーショー『EL VIENTO』
があるわけですが。
ディナーショー以外の公演は、出演者がダブるのはかなり厳しい日程…ですよね。まぁ、今回雪組では、きたろう(緒月遠麻)くんの休演で蓮城まことくんが急遽「ハロー!ダンシング」とキムちゃんバウの両方に出ることになったりもしていますので、月組も不可能ではないのですが…。
でもまぁ、意味のない無理はしないだろう、ということで。
前置きが長くなりましたが、とりあえず「勝手に予想」にいきたいと思います☆
■ハロー・ダンシング:
■公演日程:2007年5月6日(日)〜5月12日(土)
男役:
光月るう、綾月せり、流輝一斗、美翔かずき、響れおな、宇月颯、彩星りおん、瑞羽奏都 他4名。
女役:
美鳳あや、夏月都、麻華りんか、麗百愛 他4名
本音では、マギー(星条海斗)のセンターが希望なのですが、星・雪と新公主演の無かった方(彩海早矢、大湖せしる)がセンターをされているので、月だったらるうちゃんかな、と。
みっぽーは昨年同様、組長格で。りんか嬢は歌手枠で。
「二人のダンス」のソロは百愛ちゃんでしょうか…?
本当はすずな(憧花ゆりの)や萌花ゆりあちゃんにも出てほしかったのに、麻子さんに取られちゃったよー(がんばれ!)
■バウ&青年館「大坂侍」。
■公演日程:2007年5月19日(土)〜6月4日(月)
青年館:2007年6月9日(土)〜6月15日(金)
(発表済み)霧矢大夢
嘉月絵理、遼河はるひ、一色瑠加、宝生ルミ、涼城まりな、
城咲あい、龍真咲、姿樹えり緒、羽咲まな、五十鈴ひかり、
彩央寿音、華央あみり、蘭乃はな 他。
ヒロインはあいあい、2番手娘役は抜擢で蘭乃はなちゃん。
2番手はあひる、3番手がまさお。あとは歌手を揃えて…う、そうでもないか。うーん。ちょっと全体的に弱いかなー?
ハロー!ダンシングがもっと若い子にシフトするなら、るうちゃん、せりちゃんあたりはバウかもしれませんね。
■全国ツアー「ダル・レークの恋」
■公演日程:5月22日(火)〜6月18日(月)
(発表済み:括弧内は星組本公演キャスト)
ラッチマン(麻路)=瀬奈じゅん、
カマラ(星奈)=彩乃かなみ、
ペペル(稔)=大空祐飛
(予想配役)
クリスナ(絵麻緒)=青樹泉、ラジオン(彩輝)=明日海りお
ピエール(音羽)=桐生園加、チャンドラ(夏美)=越乃リュウ
リタ(羽純)=夢咲ねね、ビーナ(妃里)=白華れみ
出雲綾、北嶋麻実、越乃リュウ、花瀬みずか、良基天音、
研ルイス、桐生園加、音姫すなお、青樹泉、天野ほたる、
青葉みちる、憧花ゆりの、萌花ゆりあ、麻月れんか、
鼓英夏、明日海りお、夢咲ねね、白華れみ、沢希理寿 他。
九州の人はなるべくツアーに連れて行く方向で調整中(熊本では公演がないので、れみちゃんは行かないでバウかも…)。
若手のスター候補が、みりおくん以外皆ハロー!ダンシングチームに入る(入れてあげたい)ので、ツアーとバウがちょっと物足りない、かも…。
こんな感じで、いろいろ考えたりしてます(←だからその前に行くところがあるだろうと/苦笑)。
…なんでもいいから、早く発表してください!>歌劇団様
ツアーは、スケジュール立てるの大変なんですからねっっ!!
.
誰がどの公演に出るのか、東宝公演が開幕する前に発表されるだろうと待っていたのにナカナカ出てこない(涙)なので、痺れをきらして(苦笑)、ここらでひとつ、予想なんてしてみたいと思います。
(その前に、東宝劇場公演を観とけよ、ヲイ >自分)
最初に開幕するのが、「ハロー!ダンシング」。
続いて、霧矢さんのバウホール&青年館「大坂侍」。
そして最後に幕をあけるのが全国ツアー「ダル・レークの恋」。
そしてもう一つ。麻子さんのディナーショー『EL VIENTO』
があるわけですが。
ディナーショー以外の公演は、出演者がダブるのはかなり厳しい日程…ですよね。まぁ、今回雪組では、きたろう(緒月遠麻)くんの休演で蓮城まことくんが急遽「ハロー!ダンシング」とキムちゃんバウの両方に出ることになったりもしていますので、月組も不可能ではないのですが…。
でもまぁ、意味のない無理はしないだろう、ということで。
前置きが長くなりましたが、とりあえず「勝手に予想」にいきたいと思います☆
■ハロー・ダンシング:
■公演日程:2007年5月6日(日)〜5月12日(土)
男役:
光月るう、綾月せり、流輝一斗、美翔かずき、響れおな、宇月颯、彩星りおん、瑞羽奏都 他4名。
女役:
美鳳あや、夏月都、麻華りんか、麗百愛 他4名
本音では、マギー(星条海斗)のセンターが希望なのですが、星・雪と新公主演の無かった方(彩海早矢、大湖せしる)がセンターをされているので、月だったらるうちゃんかな、と。
みっぽーは昨年同様、組長格で。りんか嬢は歌手枠で。
「二人のダンス」のソロは百愛ちゃんでしょうか…?
本当はすずな(憧花ゆりの)や萌花ゆりあちゃんにも出てほしかったのに、麻子さんに取られちゃったよー(がんばれ!)
■バウ&青年館「大坂侍」。
■公演日程:2007年5月19日(土)〜6月4日(月)
青年館:2007年6月9日(土)〜6月15日(金)
(発表済み)霧矢大夢
嘉月絵理、遼河はるひ、一色瑠加、宝生ルミ、涼城まりな、
城咲あい、龍真咲、姿樹えり緒、羽咲まな、五十鈴ひかり、
彩央寿音、華央あみり、蘭乃はな 他。
ヒロインはあいあい、2番手娘役は抜擢で蘭乃はなちゃん。
2番手はあひる、3番手がまさお。あとは歌手を揃えて…う、そうでもないか。うーん。ちょっと全体的に弱いかなー?
ハロー!ダンシングがもっと若い子にシフトするなら、るうちゃん、せりちゃんあたりはバウかもしれませんね。
■全国ツアー「ダル・レークの恋」
■公演日程:5月22日(火)〜6月18日(月)
(発表済み:括弧内は星組本公演キャスト)
ラッチマン(麻路)=瀬奈じゅん、
カマラ(星奈)=彩乃かなみ、
ペペル(稔)=大空祐飛
(予想配役)
クリスナ(絵麻緒)=青樹泉、ラジオン(彩輝)=明日海りお
ピエール(音羽)=桐生園加、チャンドラ(夏美)=越乃リュウ
リタ(羽純)=夢咲ねね、ビーナ(妃里)=白華れみ
出雲綾、北嶋麻実、越乃リュウ、花瀬みずか、良基天音、
研ルイス、桐生園加、音姫すなお、青樹泉、天野ほたる、
青葉みちる、憧花ゆりの、萌花ゆりあ、麻月れんか、
鼓英夏、明日海りお、夢咲ねね、白華れみ、沢希理寿 他。
九州の人はなるべくツアーに連れて行く方向で調整中(熊本では公演がないので、れみちゃんは行かないでバウかも…)。
若手のスター候補が、みりおくん以外皆ハロー!ダンシングチームに入る(入れてあげたい)ので、ツアーとバウがちょっと物足りない、かも…。
こんな感じで、いろいろ考えたりしてます(←だからその前に行くところがあるだろうと/苦笑)。
…なんでもいいから、早く発表してください!>歌劇団様
ツアーは、スケジュール立てるの大変なんですからねっっ!!
.
一年前の2月5日。
私は、飛行機に乗って伊丹空港へ向かっていました。
たった一日きりの、「ベルサイユのばら」観劇のために。
あれから一年たった今日。
大劇場の舞台にオスカル様とアンドレが登場したと聞いて。
ウケてしまって仕事になりませんでした……(反省っ)
一年前の今日。
私にとって2人目のオスカル様を観劇。
最初に観たオスカル様は、星組「オスカル編」の稔幸さん。
丸顔ですが(笑)スタイルが良いので軍服がキレイに映えて、ほんのりと漂う色気が滑らかで、とても好きなオスカルでした。
原作ファンなので脚本には突っ込みまくり、というか、「何も考えたくない…」域にまで達してしまいましたけどねっ。
原作のイメージ(=格好良くない、お間抜けキャラ)に一番近い(←失礼)樹里さんのアンドレにすっかりハマって、トップコンビサヨナラ楽を含むGW近辺のチケット探しに奔走したことを、今でも時々思い出します。
そして時は流れて。
宙組の「ベルばら」は観る機会がなく、去年観たのが初めての「フェルゼン編」だったのですが。
オスカル編でさえ突っ込みまくりだった私。
…フェルゼン編って凄い脚本ですよね………?
ってゆーか、ただの名場面集だからソレ。一本の脚本じゃないじゃん。
原作を知らない人は、あの話で意味判るんでしょうかねぇ…。
などという今更な話はおいておいて。
大空祐飛さんのオスカルは、私の目に、ひどく純粋で、まっすぐで、…そして潔癖な、精神的に幼い「子供」に映りました。
ひどく残酷で、矛盾に満ちていて、でも彼女の中にはどんなに不可思議なものでも一本筋が通っていて、「信念」に裏打ちされている自信がある。
アンドレの気持に気づきながらキレイに無視できる残酷さと、
貴族でありながら貴族のありかたに不満を抱く潔癖さ、そして
王家への忠誠を疑わない矛盾。
植田紳さんのフェルゼン編自体、フィクションの存在であるオスカルの存在意義がない脚本なので非常に観ていて痒い部分も多かったのですが。
それでも、祐飛さんの作った「オスカル」という人間像は、とてもリアルで、魅力的でした。
安蘭アンドレより縦にも横にも大きくて、肩も抱いて貰えなかった唯一のオスカルでしたけどね……。
祐飛さんが演じると、どうしても宝塚的ヒーローにはならないケースが多いので、たとえばオスカル編のオスカル役を祐飛さんで観たい!!とかは(ファンだけど)あまり思わないのですが。
あんな下らない「名場面集」ではなく、ちゃんとした「ベルサイユのばら」の祐飛オスカルは、ぜひ観てみたいです(^ ^;ゞ
…すみません、ファン莫迦です。
そして今日。
パリの空の下、モンマルトルの丘の上で。
アルマンドが銃を構える。
パン、パン、パンッ!
破裂音。
ジョルジュが。
…片眼をおさえて、右手を遠くへ伸ばす…
「見えていないのか!?」
アルマンドの絶叫。
「なぜついてきたーーーっ!!!」
………。
いやはや。
友人からメールを貰って、本当に会社で倒れるかと思いましたよ。
ま、実際には祐飛さんが星組でオスカル、麻子さんは雪組でアンドレだったわけですが。
やっぱり、この二人で組むなら逆ですよねぇ?
ああ、この瞬間を客席で迎えたかったなあ。
一瞬呆然として、それから爆笑。
ああ、同じ呆然と同じ爆笑を、皆で共有したかった。
楽を観劇なさったみなさまが羨ましい。
でも。
東宝でもあれこれ思い切って遊んでほしい気持が半分、
(だって何度も観るんですもの…)
作品としての芝居を壊すアドリブは勘弁してほしい気持が半分。
(一般人を誘いにくくなるので)
麻子さん率いる月組は、どんな戦略で攻めてくれるのか。
…とても楽しみです。ホントです。はい。
そして。
退団者4人へのコメントを書くつもりだったのですが。
…東宝楽まで待ってください。
思い入れが深すぎて。
ひらさん、ふーがくん、ふじこちゃん、さらちゃん。
大事な大事な、月組の仲間たち。
書くべきことなんて、とてもまとめられないから…
4月1日まで、あと2ヶ月弱。
どうぞ悔いのないように、
一日一日を
タカラジェンヌとして
最高に楽しく、最高に充実して過ごしてください。
悔いのない2ヶ月になりますよう、心より祈っています…。
.
私は、飛行機に乗って伊丹空港へ向かっていました。
たった一日きりの、「ベルサイユのばら」観劇のために。
あれから一年たった今日。
大劇場の舞台にオスカル様とアンドレが登場したと聞いて。
ウケてしまって仕事になりませんでした……(反省っ)
一年前の今日。
私にとって2人目のオスカル様を観劇。
最初に観たオスカル様は、星組「オスカル編」の稔幸さん。
丸顔ですが(笑)スタイルが良いので軍服がキレイに映えて、ほんのりと漂う色気が滑らかで、とても好きなオスカルでした。
原作ファンなので脚本には突っ込みまくり、というか、「何も考えたくない…」域にまで達してしまいましたけどねっ。
原作のイメージ(=格好良くない、お間抜けキャラ)に一番近い(←失礼)樹里さんのアンドレにすっかりハマって、トップコンビサヨナラ楽を含むGW近辺のチケット探しに奔走したことを、今でも時々思い出します。
そして時は流れて。
宙組の「ベルばら」は観る機会がなく、去年観たのが初めての「フェルゼン編」だったのですが。
オスカル編でさえ突っ込みまくりだった私。
…フェルゼン編って凄い脚本ですよね………?
ってゆーか、ただの名場面集だからソレ。一本の脚本じゃないじゃん。
原作を知らない人は、あの話で意味判るんでしょうかねぇ…。
などという今更な話はおいておいて。
大空祐飛さんのオスカルは、私の目に、ひどく純粋で、まっすぐで、…そして潔癖な、精神的に幼い「子供」に映りました。
ひどく残酷で、矛盾に満ちていて、でも彼女の中にはどんなに不可思議なものでも一本筋が通っていて、「信念」に裏打ちされている自信がある。
アンドレの気持に気づきながらキレイに無視できる残酷さと、
貴族でありながら貴族のありかたに不満を抱く潔癖さ、そして
王家への忠誠を疑わない矛盾。
植田紳さんのフェルゼン編自体、フィクションの存在であるオスカルの存在意義がない脚本なので非常に観ていて痒い部分も多かったのですが。
それでも、祐飛さんの作った「オスカル」という人間像は、とてもリアルで、魅力的でした。
安蘭アンドレより縦にも横にも大きくて、肩も抱いて貰えなかった唯一のオスカルでしたけどね……。
祐飛さんが演じると、どうしても宝塚的ヒーローにはならないケースが多いので、たとえばオスカル編のオスカル役を祐飛さんで観たい!!とかは(ファンだけど)あまり思わないのですが。
あんな下らない「名場面集」ではなく、ちゃんとした「ベルサイユのばら」の祐飛オスカルは、ぜひ観てみたいです(^ ^;ゞ
…すみません、ファン莫迦です。
そして今日。
パリの空の下、モンマルトルの丘の上で。
アルマンドが銃を構える。
パン、パン、パンッ!
破裂音。
ジョルジュが。
…片眼をおさえて、右手を遠くへ伸ばす…
「見えていないのか!?」
アルマンドの絶叫。
「なぜついてきたーーーっ!!!」
………。
いやはや。
友人からメールを貰って、本当に会社で倒れるかと思いましたよ。
ま、実際には祐飛さんが星組でオスカル、麻子さんは雪組でアンドレだったわけですが。
やっぱり、この二人で組むなら逆ですよねぇ?
ああ、この瞬間を客席で迎えたかったなあ。
一瞬呆然として、それから爆笑。
ああ、同じ呆然と同じ爆笑を、皆で共有したかった。
楽を観劇なさったみなさまが羨ましい。
でも。
東宝でもあれこれ思い切って遊んでほしい気持が半分、
(だって何度も観るんですもの…)
作品としての芝居を壊すアドリブは勘弁してほしい気持が半分。
(一般人を誘いにくくなるので)
麻子さん率いる月組は、どんな戦略で攻めてくれるのか。
…とても楽しみです。ホントです。はい。
そして。
退団者4人へのコメントを書くつもりだったのですが。
…東宝楽まで待ってください。
思い入れが深すぎて。
ひらさん、ふーがくん、ふじこちゃん、さらちゃん。
大事な大事な、月組の仲間たち。
書くべきことなんて、とてもまとめられないから…
4月1日まで、あと2ヶ月弱。
どうぞ悔いのないように、
一日一日を
タカラジェンヌとして
最高に楽しく、最高に充実して過ごしてください。
悔いのない2ヶ月になりますよう、心より祈っています…。
.
月の夢語り【2度目の遠征】
2007年1月29日 宝塚(月)まず一言。
…迷ったけど、行ってよかったです。
正直、今回の公演は最初の三連休で大劇場は終了するつもりでした。
植田さんだし。
どうせ東宝で何回も観なくちゃいけない(←なぜだ)んだし。
交通費かけて遙々行くのは、一回でいいや。十分だわ、と。
ごめんね、月組。
反省しました。
やっぱり私は、月組が好なんですね…。
どんなにヘイズ・コードが、作品的にもキャスト面でも素晴らしいものであったとしても。
(イヤ、本当に素晴らしかった)
どんなにハレルヤGOGO!が、作品的にもキャスト面でも充実していたとしても。
(実際すごく良かった)
どんなに、どんなにハロ!ーダンシングに感動したとしても。
(泣きました…)
どんなに私が「星組ずるい!!」と叫んでいても(実際かなり叫んでましたが)。
「月組のチケットなんてサバいてやる!」と叫んでいても(叫んだけどちゃんと観た)。
やっぱり私は、月組が好きなんです。
行ってよかった。
観て、良かった。
月組の全員が、一つにまとまって作品に取り組んでいた。
それが嬉しい。
月組の全員が、楽しそうに公演の時間を過ごしていた。
それが、何より嬉しい。
幸せな時間をいただきました。
未沙さん&月組のみんな、本当にありがとうございます。
次回はぜひ、大劇初日からこのレベルで!!
と、はかない希みを抱いてみたりして。…ダメか…。
【パリの空よりも高く】
お正月明けの3連休で観劇した時。最終日の3時公演を観劇して
「あ、やっと初日があいたな」と思ったものですが。
ハロー!ダンシングの感想にも書いてますが、今回の遠征では、やっと台詞も振りも“本当の意味で”身体に染みこんだんだな、という実感がありました。
元劇団四季の俳優・沢木順さんが、コンサートのトークなどでよくお話しされていたことに
「台詞は全部覚えて、そして、舞台に立つ前に全て忘れなくてはいけない」
というのがありました。
そして、
「台詞を本当に忘れることが出来た時、その舞台は本物になる」
とも。
正塚さんなんかも、それに類似することをよく仰っておられたようですが。
これはやっぱり、お芝居というものの本質なんだと思います。
月組メンバーが、今回でその域まで達していたとは、残念ながら思えません。
でも、やっぱり最初の一週間は「考えながら」「思い出しながら」喋っていたことが、合間をあけて、改めて観劇するとよくわかります。
今回も、いろいろな人がいろいろな箇所で台詞を噛みまくっていました。でも、それは「台詞を喋ろう」として「間違えて」噛んだのではなく、あくまでも「役の気持で語ろうと」していて、でも、「微妙に舌が回らなかった」という感じでした。
だから、芝居全体の流れが自然になっていたのだと思います。
コメディは、まず芝居全体が流れないと始まらないものですから。
「芝居」という皿があって、そこにアドリブが載る。
それでこそ、一つの料理になるのです。
「パリの空よりも高く」というお芝居は、まだやっと皿を洗い終わったばかり。
でも、大劇場公演が終わるまでには、きっと盛りつけもだいぶ進むだろう、と。
そう、十分に期待できる出来だったと思います。
しかし。
役者はがんばっても、脚本は公演中には変わらない…。
これまでの感想にも散々書きましたが、このお芝居にはいくつかの致命的な欠陥があります。
ざっとあげてみると…
1.舞台を都会にしたこと。
2.ペテン師の出自を田舎(パリに比べればどこでも田舎、という意味)にしたこと
3.創るものをエッフェル塔にしたこと
4.ジョルジュに「ジュリアンの息子」という設定を付け加えたこと
5.ミミが変な人になっていること
6.ミミとアルマンドの出会いの場面(恋に落ちる場面でも、恋を育てる場面でもなんでもいい)がないこと
7.エレノール以外の「大人たち」に活躍の場がない(だから、最初の説明場面が無駄になっている)こと
こ、こんなにあったのか。
あともう一つ、年齢問題がありますね。
ル・サンクには、確かに【アルマンド(登場時)=35歳】とあるので…ってことは、最後のモンマルトルの丘では、
アルマンド=38歳
ジョルジュ=21歳前後
…ってことでFA?
そんな年齢差の二人が、ミミの歌を聴きながら、目と目だけであんな対話をするもんかよっ!!変だよそれっっっ!!
やっぱり、25歳と18歳→28歳と21歳、という、舞台を観て抱いたイメージの方がふさわしいと思うんですけど、どうでしょうか。…やっぱダメなんでしょうねぇ……。
でも、38歳か………うう、無理だ……。
やっぱり、年を取らないことも含めて、アルマンドは実はサイボーグだった説が正解のような気がしきちゃいました…。
おお!この設定一つで、「欠点」の1〜4と6は解決するんでわっ!?
7は、多分宝塚においては「仕方のないこと」なんですよね。
でも、だったら最初の説明場面も削ってしまえばいいのに、と思ってしまいますが…
5は……
ミミもサイボーグだったとか…?(滝汗)
そんな設定でどうでしょうか?
すげー!植田紳、初めてのSF大作に挑戦!!
そんな意欲作だったとは…ついぞ気づかなかったよ欝…。
.
…迷ったけど、行ってよかったです。
正直、今回の公演は最初の三連休で大劇場は終了するつもりでした。
植田さんだし。
どうせ東宝で何回も観なくちゃいけない(←なぜだ)んだし。
交通費かけて遙々行くのは、一回でいいや。十分だわ、と。
ごめんね、月組。
反省しました。
やっぱり私は、月組が好なんですね…。
どんなにヘイズ・コードが、作品的にもキャスト面でも素晴らしいものであったとしても。
(イヤ、本当に素晴らしかった)
どんなにハレルヤGOGO!が、作品的にもキャスト面でも充実していたとしても。
(実際すごく良かった)
どんなに、どんなにハロ!ーダンシングに感動したとしても。
(泣きました…)
どんなに私が「星組ずるい!!」と叫んでいても(実際かなり叫んでましたが)。
「月組のチケットなんてサバいてやる!」と叫んでいても(叫んだけどちゃんと観た)。
やっぱり私は、月組が好きなんです。
行ってよかった。
観て、良かった。
月組の全員が、一つにまとまって作品に取り組んでいた。
それが嬉しい。
月組の全員が、楽しそうに公演の時間を過ごしていた。
それが、何より嬉しい。
幸せな時間をいただきました。
未沙さん&月組のみんな、本当にありがとうございます。
次回はぜひ、大劇初日からこのレベルで!!
と、はかない希みを抱いてみたりして。…ダメか…。
【パリの空よりも高く】
お正月明けの3連休で観劇した時。最終日の3時公演を観劇して
「あ、やっと初日があいたな」と思ったものですが。
ハロー!ダンシングの感想にも書いてますが、今回の遠征では、やっと台詞も振りも“本当の意味で”身体に染みこんだんだな、という実感がありました。
元劇団四季の俳優・沢木順さんが、コンサートのトークなどでよくお話しされていたことに
「台詞は全部覚えて、そして、舞台に立つ前に全て忘れなくてはいけない」
というのがありました。
そして、
「台詞を本当に忘れることが出来た時、その舞台は本物になる」
とも。
正塚さんなんかも、それに類似することをよく仰っておられたようですが。
これはやっぱり、お芝居というものの本質なんだと思います。
月組メンバーが、今回でその域まで達していたとは、残念ながら思えません。
でも、やっぱり最初の一週間は「考えながら」「思い出しながら」喋っていたことが、合間をあけて、改めて観劇するとよくわかります。
今回も、いろいろな人がいろいろな箇所で台詞を噛みまくっていました。でも、それは「台詞を喋ろう」として「間違えて」噛んだのではなく、あくまでも「役の気持で語ろうと」していて、でも、「微妙に舌が回らなかった」という感じでした。
だから、芝居全体の流れが自然になっていたのだと思います。
コメディは、まず芝居全体が流れないと始まらないものですから。
「芝居」という皿があって、そこにアドリブが載る。
それでこそ、一つの料理になるのです。
「パリの空よりも高く」というお芝居は、まだやっと皿を洗い終わったばかり。
でも、大劇場公演が終わるまでには、きっと盛りつけもだいぶ進むだろう、と。
そう、十分に期待できる出来だったと思います。
しかし。
役者はがんばっても、脚本は公演中には変わらない…。
これまでの感想にも散々書きましたが、このお芝居にはいくつかの致命的な欠陥があります。
ざっとあげてみると…
1.舞台を都会にしたこと。
2.ペテン師の出自を田舎(パリに比べればどこでも田舎、という意味)にしたこと
3.創るものをエッフェル塔にしたこと
4.ジョルジュに「ジュリアンの息子」という設定を付け加えたこと
5.ミミが変な人になっていること
6.ミミとアルマンドの出会いの場面(恋に落ちる場面でも、恋を育てる場面でもなんでもいい)がないこと
7.エレノール以外の「大人たち」に活躍の場がない(だから、最初の説明場面が無駄になっている)こと
こ、こんなにあったのか。
あともう一つ、年齢問題がありますね。
ル・サンクには、確かに【アルマンド(登場時)=35歳】とあるので…ってことは、最後のモンマルトルの丘では、
アルマンド=38歳
ジョルジュ=21歳前後
…ってことでFA?
そんな年齢差の二人が、ミミの歌を聴きながら、目と目だけであんな対話をするもんかよっ!!変だよそれっっっ!!
やっぱり、25歳と18歳→28歳と21歳、という、舞台を観て抱いたイメージの方がふさわしいと思うんですけど、どうでしょうか。…やっぱダメなんでしょうねぇ……。
でも、38歳か………うう、無理だ……。
やっぱり、年を取らないことも含めて、アルマンドは実はサイボーグだった説が正解のような気がしきちゃいました…。
アルマンドは実は、ジュリアン・ジャッケが創ったサイボーグで、
ジュリアンの遺児ジョルジュを守りつつ、ジュリアンの功績を追って旅をしているの。
だから、ミミの気持には応えられない。
約束は一つ。
「20年後」のパリ万博に、ジョルジュを連れて行くこと。
20歳を超えて、一人前になったジョルジュには、もう保護者は必要ない。
だから、このパリへの旅は、アルマンドとジョルジュの、最後の旅。
だから、でっかい記念碑を建ててやりたかった。
これからも生き続けなくてはならない、ジョルジュのために。
パリの空よりも高い、鉄の塔を。
おお!この設定一つで、「欠点」の1〜4と6は解決するんでわっ!?
7は、多分宝塚においては「仕方のないこと」なんですよね。
でも、だったら最初の説明場面も削ってしまえばいいのに、と思ってしまいますが…
5は……
ミミもサイボーグだったとか…?(滝汗)
ジュリアンが万博の手配に奔走している傍ら、アルマンドの妹分として作り上げたサイボーグなの。
万博後に発覚したという「使途不明金」も、ミミの制作費なのよ。
で、「使途不明金」が発覚したジュリアンは、ミミを捨てて逃げてしまった。記憶巣を破壊され、パリの街をさまようミミを拾ってくれたのが、貧しいけれども明るくてお人好しな、ジャンの両親。
そんな設定でどうでしょうか?
すげー!植田紳、初めてのSF大作に挑戦!!
そんな意欲作だったとは…ついぞ気づかなかったよ欝…。
.
というワケで、月組「ファンシー・ダンス」。
<プロローグ>高橋城&羽山紀代美
いきなりトップのソロダンスから。今日もかっこいいねぇ、うちのトップは♪とるんるんしてしまいます。
下手から、きりやん、祐飛さん、あひちゃん、園加が登場。
…そもそも、園加って花組時代はココに入るひとじゃなかったですよねっ?花組ならここの4人はユミコ、真飛、蘭トム、さお太(え?)…でしょう?今はユミコ・蘭トムが抜けて、壮&みわっち。たぶんまっつは入りません。なのに…
いやホントに、4人の中に園加を発見した時はビビりましたよ私は。
ここの男役群舞の振り付けはかなり好きです。揃わないけど(涙)。
揃えないのが月組クオリティ。
…ホントは揃えてほしいんだよ………ダンスが苦手ゆえについていけない人はともかく、上手いのに周りに合わせる気が無い人(しかも上級生)が多すぎる(涙。でもそんなバラバラな月組ダンサーズが大好き)。
女役さんたちの衣装は、どこで使った衣装なのでしょうか。色も形もすごくキレイ。スカートの翻り方も、さりげなく深いスリットも、いちいち色っぽくていいです。ニコニコ。
スカートの裏地?2枚重ね?の色が、スカートが翻るたびに華やかに舞いあがります。一人だけ濃色のあいあいは、きりやんとお揃いの色。本来は祐飛さんとペアになる色の衣装もあるはずなのに、いなくて寂しいです。東宝では誰か着てくれないかなあ…。
<アイ・ワナ・ダンス>鞍富真一&名倉加代子
いきなりライトが当たると。
園加が登場。
だからその登場、ありえないってば!
……いったい園加に何があったんだ…。
祐飛さんと下級生たち登場。みりお(明日海りお)、みっしょん(美翔かずき)、宇月颯、彩星りおん。
お気に入りのみっしょんだけでなく、ひそかにチェックしていた彩星くんまで一緒に出てくれて嬉しい!けど。…私の目は2個しかないっつーのに、どこ観ればいいんだ一体。
ここのストーリー。プログラムを読んだ時は祐飛さんに対するイジメかと思いましたが(苦笑)、実際は意外と良かったです。
キレイどころの4人は、祐飛さんよりずっと(←ヲイっ)巧いダンスを披露。
受けて立つ祐飛さんは、その独特の「個性」と、決めポーズの美しさ、ラインのキレイさで勝負。
見比べる園加の、ちょっと皮肉な、人を見下したような笑みが、またニヒルでいい!
そして園加は心を決める。宙に舞った紅い上着は、祐飛さんのもとへ(えーっ!? ←ヲイ)。
暗転してダンサーが登場、ショーが始まる。
心浮きたつリズム。
音楽にあわせ、時々刻々とフォーメーションが変化して、舞台の上に大きな花を創出していく。
もりえ、マギー、まさお、るう、まぐ、りこ。
…これから月組のショーを盛り上げるのは、このメンバーなんでしょうねぇ〜。つい感慨にふけってしまいます。
だってこのメンバーって、りこ(麻月れんか)ちゃん以外は全員次の「ペトルーシュカ」にも出てるんですよ!?しかも、マギーとまさおくんは早替りで人形役。チャレンジャーメンバーからも宇月くんが出るし。
さらに次の「ラスト・ダンス」にもまぐ(流輝一斗)以外、全員出てる。(チャレンジャーメンバーからはみりおが参加)
シェヘラザードはりこちゃんとまぐが抜けて宇月くんと紫門ゆりや。最後のフィナーレ群舞はもちろん全員…。
本当に「出ずっぱり」のメンバーたち。
でも。
キレイなんだよ、みんな。
若いっていいよね。
のびのびと、
身体をいっぱいに伸ばして、
縮めて、
矯めて、そして、ジャンプ!
そうしてショーが終われば。また次のショーのためのオーディションが待っている。
この、2度目のオーディションで。
今度は選ぶ側に立った祐飛さんの、暖かなほほえみが嬉しかったのです。
ああ、こういう顔ができる人になったんだな、と。
「父性」っていうのとも違うのかもしれませんが、マミさんが時々みせていた顔を思い出してしまいました。
組子を、限りない愛情と誇りをもって見守る瞳。
ああいう色が出せるようになったんだ、という感慨。
お芝居の一場面のような場面をくれた三木さんの愛情に深く深く、感謝します。
…と言いながら、一つだけ突っ込みたい…。
どうしてあの場面、最後に勝つのも園加なのぉ?
そこはもう若い4人だけにしておいて、日替わりでその日の気分で「次代のチャンプを選ぶ」でも良かったと思うのですが。
どうしても園加でなくてはならないのであれば(それも判るんです。園加のダンスは「圧倒的」ですから)、せめて鬘を変えてほしいな。
はっきりと、「さっきの白い上着の人とは別人」って判るように。でないと話が判らなくなるんで(苦笑)。
<ペトルーシュカ>吉田優子&ダレン・リー
文句なしの名場面。
なにやら怪しげな絵理さんの「人形遣い」も、
それに見入っている「子供たち」も、
人形たちのかわいらしい「人形振り」も、
センターで繰り広げられる切ない恋物語も、周りのダンサーズの濃ゆい濃ゆ〜いダンスも、
すべてが「カチリ」と音がするほどうまく噛み合って…
ええ、もう。言葉もありません。
語る必要を感じない、名場面、です。
不満は最後の「ご挨拶」だけよ…(あれはイラナイ)。
<ラスト・ダンス>高橋城&KAZUMI-BOY
「アイ・ワナ・ダンス」「ペトルーシュカ」と二場面続けて麻子さんは休憩。たっぷり休んで余裕十分、この場面では銀橋から輝きまくりです。
でも、この後はほとんど出ずっぱりなのよね。麻子さん、ずいぶん痩せたような気がするので、本当に身体に気をつけてほしいです。きりやん、祐飛さんは比較的出番をばらしてあるけど、麻子さんは最後までノンストップ。キツそうですよね、やっぱり。何よりも怪我が心配です…。
しかし麻子さんいい声だなあ。「フラット〜ぎみ〜の〜、か〜すれたハーミング〜」っていう歌が切なくてとても好きです。
本舞台で一人踊るかなみちゃんも、色っぽくていい。かなみちゃん、笑わない場面は本当にカッコいいんですよね…。麻カナには、「ほのぼの」よりああいう場面(攻めのかなみちゃん、その上手をいく麻子さん、みたいなの)が一番似合うと(勝手に)思っているので、この場面はとってもツボ。
それにKAZUMI-BOYさんの振り付け大好き!個性的で身体の使い方が独特で、祐飛さんにも出て欲しかったのに残念です!でも、あひちゃんもカッコよかったですね。身体の大きさが映えて、麻子さんの切なさが倍増。いい場面でした。
ラストの麻子さんのソロダンス、3連休の間にみるみる良くなってきていて、東宝がとても楽しみ。ずっと、麻子さんは、ソロで踊っている時より群舞センターやデュエットの方がかっこいいと思っていたのですが、このソロはいい!(というか、良くなりそう!)何度でも観たいです。
…というわけで。
とても好きな場面でした。でも、なにがどうオルフェなのかは謎のまま終わってしまったカモ…。
<ダンス・ウィズ・ミー>高橋城&ダレン・リー
幕開きはコミカルに。こういうところ、タキさんとかなみちゃんのコンビって最強ですね!
末子姐を中心とした「オールドファン」組も、それはそれはイケてます。…ってゆーか、85期はもうこっちの役なのね…。ほたるちゃんやさらちゃんは「可愛子ちゃんチーム」なのに、なぜなの…?
背景のポスターが「ヘイズ・コード」みたい、というより、ヘイズ・コードが「あの時代」の映画ポスターをもじっているんでしょうが…ちょっとだけナンダカナ。
でも、憂いを帯びたまなざしで相手役をみつめる麻子さんはステキでした。ぜひ、舞台写真として発売してほしいです!
暗転して、左右から傘が、いえ、パラソルもった可愛子ちゃんたちが登場。
ほんとーに、ほんとーに、めっちゃくちゃ可愛いです。ここの6人。
ほたるちゃん筆頭に、それはもう可愛らしさ満載。
月娘、万歳!(苦笑)
セットが飛んで、「クラブ・フルムーン」。
…月組の群舞に何を言っても無駄なことは(ファンなので)わかっているつもりですが。
でも。お願い、もう少し…ほんの少しでいいから、フォーメーションのラインをまっすぐにしよう、とか思ってくれないかなあ…。
結構複雑なフォーメーションが、揃い、乱れ、また別の形を現して…そうやってずーっと動き続ける、という、上手く揃えればすごくかっこいいはずの振付なのに、ぜんぜん生かされていないのが残念でなりません。
自分の語彙の少なさに眩暈がしてきますが…。
うーん、とにかく、月組の組子には「振付の意図を実現するべく」がんばってほしいです。…ねっ。
麻かなのデュエットダンス。
盆回しでセットがくるくる回る中を、駆け回って(?)踊る。
楽しそうで、幸せそうで、…涙が出ました。素敵なデュエットダンスでしたね。
中詰めの銀橋については最初の日記で語ったので省略。
あそこがもう少し盛り上がれば、もっと素直に「良いショーだった!」って言えるのになあ…。
<シェヘラザード>吉田優子&羽山紀代美
園加とみっぽーのビジュアルとダンスがあまりにも凄くて、私のハートはもう打ち抜かれてなにも残ってません、てな状態でした。
でも。何回目の観劇だったかな。
ふ、と、
下手端をみたら。
麗百愛ちゃんが。
なんだか、すごいポーズをしているのが目に入った…。
…反省。
次回はちゃんと、全組観るよう努力します!
(園加があんまりカッコいいからいけないんだよ…)
麻子さんの王様。
…やさしいよね。残酷だけど。
でもね、仕方ないの。彼は寂しいから。
だから、彼女たちが去ってしまう恐怖に耐えられなくて、殺してしまうの。
去られることには我慢ができないから。耐えられないから。
でも、自ら縊るなら。
自分で捨てることなら、できる。
ならば、手に入れたらすぐに、
去られる前に、殺してしまおう、と。
そんな、身勝手な思い込みに翻弄されるレミちゃんが、ねねちゃんが、あいあいが。
…あまりにキレイで可愛くて、もうどうしたらいいの状態なんですけど!?
いいなあ、麻子さんの王様は。あんなキレイで可愛くて尽くしてくれそうな花嫁さんが3人もいて。(←もしもし?)
麻子さんの衣を脱がせたねねちゃんが、そっとその服に頬をすりよせて「うっとり」しているのが一番のツボです。
そこを後ろから麻子さんに抱かれて「うふっ」っていう顔をして、…そのまま縊られてしまうのが哀れで…でも可愛い…。
かなみちゃん、ここは場面のイメージから言っても役の意味から言っても白い衣装の方がいいんじゃないかと思うんですが、真紅の衣装もかなりよく似合ってますね。
やっぱり肩のラインが少しすっきりしたんじゃないかしら。背中は相変わらず丸いけど、背中だけなら…「まろやかな女らしい背中」って言ってあげられるから(汗)。いいの別に。だってやっぱり、自組のトップさんには他組のトップさんの誰よりも「キレイ」で「カッコよく」あってほしいものですから。
ね、麻子さん、かなみちゃん♪
かなみちゃんの最大の武器は、歌。
それが、この場面では最大限発揮されていました。
全体に歌の少ないショーですが、ここの歌はポイント高いです!
音楽に合わせて飛ぶ紗幕、変わる装置…雰囲気もとても良かったし、麻カナならでは、の息の合い方でした♪
<フィナーレ>鞍富真一&名倉智代
出番の少ない上級生女役たちが、ものすごーーーーーーーーく嬉しそうに踊ってます。
それはそれは幸せそうに。
「音と戯れる」という表現に、これほどマッチした場面って、あんまりないかも。
末子姐はじめ、全員キラキラしていて最高です。かわいいぞ、月娘(←娘?)。
続く男役群舞。
だからさあ、揃えようよもう少し。ホント少しでいいから。
せっかく振りがかっこいいんだからさ……。
ロケット。
ふじこカッコいい〜〜〜!!
そのふくらはぎのムキムキ感、最高です。しびれます。
「これでもか」と回るふじこが、すごく可愛い。
「これでもか」と足をあげるロケットふじこ。
ギラギラと輝きながら、「これでもか」と踊るフジコを見ていたら、あまりの眩しさに涙が出そうでした…。
3組デュエット。
「3組デュエット」と言えば、かの名場面「シャレード」が浮かぶ私。
…時間、短くないですか?今回。
女役が板ツキじゃないせい?(男役3人だけで踊る時間が意外と長い)。
大階段でのデュエットじゃないせい?(女役が出てくるのは本舞台に降りてから)
ものすごぉーーーーーーっく楽しみにしていただけに、ちょっと食い足りない印象の3組デュエットでした…(涙)
エトワール
音キチ(音姫すなお)&すずな(憧花ゆりの)&(白華)レミちゃん。すずなもレミちゃんも大好きだけど、ことエトワールに関しては「音キチ一人でもいいのに…」と思ってしまいました。
ごめんなさい。懺悔。
だって。エトワール、って他の歌とは違うじゃありませんか。
…エトワールは、エトワールの声を持った人にやってほしかったんです。音キチはエトワールらしい声出せるけど、すずなとレミは違うでしょ?
そういうことです。
3人とも、「役者」としても「歌手」としても大好きなんですけどね…。
総体としては十分に楽しめるし私は大好きなショーですが、「ダンスが大得意!」以外の下級生ファンの方は相当悲しいでしょうね…特に今回、お芝居もアレなので。使われていない人は本当に…出番が少ない、でしょうから……。
特に歌好き、歌手好きには少々キツいかも。歌がメインの場面はほぼ無いですものね…。
もう少し全体の構成にメリハリがあれば、言うことないのですがね。>三木さん
でも、全編通して「月組がんばってるーっ!」感が満ちあふれていて、私はやっぱり大好きなのです(^ ^)。月組、がんばれーっ!!
.
<プロローグ>高橋城&羽山紀代美
いきなりトップのソロダンスから。今日もかっこいいねぇ、うちのトップは♪とるんるんしてしまいます。
下手から、きりやん、祐飛さん、あひちゃん、園加が登場。
…そもそも、園加って花組時代はココに入るひとじゃなかったですよねっ?花組ならここの4人はユミコ、真飛、蘭トム、さお太(え?)…でしょう?今はユミコ・蘭トムが抜けて、壮&みわっち。たぶんまっつは入りません。なのに…
いやホントに、4人の中に園加を発見した時はビビりましたよ私は。
ここの男役群舞の振り付けはかなり好きです。揃わないけど(涙)。
揃えないのが月組クオリティ。
…ホントは揃えてほしいんだよ………ダンスが苦手ゆえについていけない人はともかく、上手いのに周りに合わせる気が無い人(しかも上級生)が多すぎる(涙。でもそんなバラバラな月組ダンサーズが大好き)。
女役さんたちの衣装は、どこで使った衣装なのでしょうか。色も形もすごくキレイ。スカートの翻り方も、さりげなく深いスリットも、いちいち色っぽくていいです。ニコニコ。
スカートの裏地?2枚重ね?の色が、スカートが翻るたびに華やかに舞いあがります。一人だけ濃色のあいあいは、きりやんとお揃いの色。本来は祐飛さんとペアになる色の衣装もあるはずなのに、いなくて寂しいです。東宝では誰か着てくれないかなあ…。
<アイ・ワナ・ダンス>鞍富真一&名倉加代子
いきなりライトが当たると。
園加が登場。
だからその登場、ありえないってば!
……いったい園加に何があったんだ…。
祐飛さんと下級生たち登場。みりお(明日海りお)、みっしょん(美翔かずき)、宇月颯、彩星りおん。
お気に入りのみっしょんだけでなく、ひそかにチェックしていた彩星くんまで一緒に出てくれて嬉しい!けど。…私の目は2個しかないっつーのに、どこ観ればいいんだ一体。
ここのストーリー。プログラムを読んだ時は祐飛さんに対するイジメかと思いましたが(苦笑)、実際は意外と良かったです。
キレイどころの4人は、祐飛さんよりずっと(←ヲイっ)巧いダンスを披露。
受けて立つ祐飛さんは、その独特の「個性」と、決めポーズの美しさ、ラインのキレイさで勝負。
見比べる園加の、ちょっと皮肉な、人を見下したような笑みが、またニヒルでいい!
そして園加は心を決める。宙に舞った紅い上着は、祐飛さんのもとへ(えーっ!? ←ヲイ)。
暗転してダンサーが登場、ショーが始まる。
心浮きたつリズム。
音楽にあわせ、時々刻々とフォーメーションが変化して、舞台の上に大きな花を創出していく。
もりえ、マギー、まさお、るう、まぐ、りこ。
…これから月組のショーを盛り上げるのは、このメンバーなんでしょうねぇ〜。つい感慨にふけってしまいます。
だってこのメンバーって、りこ(麻月れんか)ちゃん以外は全員次の「ペトルーシュカ」にも出てるんですよ!?しかも、マギーとまさおくんは早替りで人形役。チャレンジャーメンバーからも宇月くんが出るし。
さらに次の「ラスト・ダンス」にもまぐ(流輝一斗)以外、全員出てる。(チャレンジャーメンバーからはみりおが参加)
シェヘラザードはりこちゃんとまぐが抜けて宇月くんと紫門ゆりや。最後のフィナーレ群舞はもちろん全員…。
本当に「出ずっぱり」のメンバーたち。
でも。
キレイなんだよ、みんな。
若いっていいよね。
のびのびと、
身体をいっぱいに伸ばして、
縮めて、
矯めて、そして、ジャンプ!
そうしてショーが終われば。また次のショーのためのオーディションが待っている。
この、2度目のオーディションで。
今度は選ぶ側に立った祐飛さんの、暖かなほほえみが嬉しかったのです。
ああ、こういう顔ができる人になったんだな、と。
「父性」っていうのとも違うのかもしれませんが、マミさんが時々みせていた顔を思い出してしまいました。
組子を、限りない愛情と誇りをもって見守る瞳。
ああいう色が出せるようになったんだ、という感慨。
お芝居の一場面のような場面をくれた三木さんの愛情に深く深く、感謝します。
…と言いながら、一つだけ突っ込みたい…。
どうしてあの場面、最後に勝つのも園加なのぉ?
そこはもう若い4人だけにしておいて、日替わりでその日の気分で「次代のチャンプを選ぶ」でも良かったと思うのですが。
どうしても園加でなくてはならないのであれば(それも判るんです。園加のダンスは「圧倒的」ですから)、せめて鬘を変えてほしいな。
はっきりと、「さっきの白い上着の人とは別人」って判るように。でないと話が判らなくなるんで(苦笑)。
<ペトルーシュカ>吉田優子&ダレン・リー
文句なしの名場面。
なにやら怪しげな絵理さんの「人形遣い」も、
それに見入っている「子供たち」も、
人形たちのかわいらしい「人形振り」も、
センターで繰り広げられる切ない恋物語も、周りのダンサーズの濃ゆい濃ゆ〜いダンスも、
すべてが「カチリ」と音がするほどうまく噛み合って…
ええ、もう。言葉もありません。
語る必要を感じない、名場面、です。
不満は最後の「ご挨拶」だけよ…(あれはイラナイ)。
<ラスト・ダンス>高橋城&KAZUMI-BOY
「アイ・ワナ・ダンス」「ペトルーシュカ」と二場面続けて麻子さんは休憩。たっぷり休んで余裕十分、この場面では銀橋から輝きまくりです。
でも、この後はほとんど出ずっぱりなのよね。麻子さん、ずいぶん痩せたような気がするので、本当に身体に気をつけてほしいです。きりやん、祐飛さんは比較的出番をばらしてあるけど、麻子さんは最後までノンストップ。キツそうですよね、やっぱり。何よりも怪我が心配です…。
しかし麻子さんいい声だなあ。「フラット〜ぎみ〜の〜、か〜すれたハーミング〜」っていう歌が切なくてとても好きです。
本舞台で一人踊るかなみちゃんも、色っぽくていい。かなみちゃん、笑わない場面は本当にカッコいいんですよね…。麻カナには、「ほのぼの」よりああいう場面(攻めのかなみちゃん、その上手をいく麻子さん、みたいなの)が一番似合うと(勝手に)思っているので、この場面はとってもツボ。
それにKAZUMI-BOYさんの振り付け大好き!個性的で身体の使い方が独特で、祐飛さんにも出て欲しかったのに残念です!でも、あひちゃんもカッコよかったですね。身体の大きさが映えて、麻子さんの切なさが倍増。いい場面でした。
ラストの麻子さんのソロダンス、3連休の間にみるみる良くなってきていて、東宝がとても楽しみ。ずっと、麻子さんは、ソロで踊っている時より群舞センターやデュエットの方がかっこいいと思っていたのですが、このソロはいい!(というか、良くなりそう!)何度でも観たいです。
…というわけで。
とても好きな場面でした。でも、なにがどうオルフェなのかは謎のまま終わってしまったカモ…。
<ダンス・ウィズ・ミー>高橋城&ダレン・リー
幕開きはコミカルに。こういうところ、タキさんとかなみちゃんのコンビって最強ですね!
末子姐を中心とした「オールドファン」組も、それはそれはイケてます。…ってゆーか、85期はもうこっちの役なのね…。ほたるちゃんやさらちゃんは「可愛子ちゃんチーム」なのに、なぜなの…?
背景のポスターが「ヘイズ・コード」みたい、というより、ヘイズ・コードが「あの時代」の映画ポスターをもじっているんでしょうが…ちょっとだけナンダカナ。
でも、憂いを帯びたまなざしで相手役をみつめる麻子さんはステキでした。ぜひ、舞台写真として発売してほしいです!
暗転して、左右から傘が、いえ、パラソルもった可愛子ちゃんたちが登場。
ほんとーに、ほんとーに、めっちゃくちゃ可愛いです。ここの6人。
ほたるちゃん筆頭に、それはもう可愛らしさ満載。
月娘、万歳!(苦笑)
セットが飛んで、「クラブ・フルムーン」。
…月組の群舞に何を言っても無駄なことは(ファンなので)わかっているつもりですが。
でも。お願い、もう少し…ほんの少しでいいから、フォーメーションのラインをまっすぐにしよう、とか思ってくれないかなあ…。
結構複雑なフォーメーションが、揃い、乱れ、また別の形を現して…そうやってずーっと動き続ける、という、上手く揃えればすごくかっこいいはずの振付なのに、ぜんぜん生かされていないのが残念でなりません。
自分の語彙の少なさに眩暈がしてきますが…。
うーん、とにかく、月組の組子には「振付の意図を実現するべく」がんばってほしいです。…ねっ。
麻かなのデュエットダンス。
盆回しでセットがくるくる回る中を、駆け回って(?)踊る。
楽しそうで、幸せそうで、…涙が出ました。素敵なデュエットダンスでしたね。
中詰めの銀橋については最初の日記で語ったので省略。
あそこがもう少し盛り上がれば、もっと素直に「良いショーだった!」って言えるのになあ…。
<シェヘラザード>吉田優子&羽山紀代美
園加とみっぽーのビジュアルとダンスがあまりにも凄くて、私のハートはもう打ち抜かれてなにも残ってません、てな状態でした。
でも。何回目の観劇だったかな。
ふ、と、
下手端をみたら。
麗百愛ちゃんが。
なんだか、すごいポーズをしているのが目に入った…。
…反省。
次回はちゃんと、全組観るよう努力します!
(園加があんまりカッコいいからいけないんだよ…)
麻子さんの王様。
…やさしいよね。残酷だけど。
でもね、仕方ないの。彼は寂しいから。
だから、彼女たちが去ってしまう恐怖に耐えられなくて、殺してしまうの。
去られることには我慢ができないから。耐えられないから。
でも、自ら縊るなら。
自分で捨てることなら、できる。
ならば、手に入れたらすぐに、
去られる前に、殺してしまおう、と。
そんな、身勝手な思い込みに翻弄されるレミちゃんが、ねねちゃんが、あいあいが。
…あまりにキレイで可愛くて、もうどうしたらいいの状態なんですけど!?
いいなあ、麻子さんの王様は。あんなキレイで可愛くて尽くしてくれそうな花嫁さんが3人もいて。(←もしもし?)
麻子さんの衣を脱がせたねねちゃんが、そっとその服に頬をすりよせて「うっとり」しているのが一番のツボです。
そこを後ろから麻子さんに抱かれて「うふっ」っていう顔をして、…そのまま縊られてしまうのが哀れで…でも可愛い…。
かなみちゃん、ここは場面のイメージから言っても役の意味から言っても白い衣装の方がいいんじゃないかと思うんですが、真紅の衣装もかなりよく似合ってますね。
やっぱり肩のラインが少しすっきりしたんじゃないかしら。背中は相変わらず丸いけど、背中だけなら…「まろやかな女らしい背中」って言ってあげられるから(汗)。いいの別に。だってやっぱり、自組のトップさんには他組のトップさんの誰よりも「キレイ」で「カッコよく」あってほしいものですから。
ね、麻子さん、かなみちゃん♪
かなみちゃんの最大の武器は、歌。
それが、この場面では最大限発揮されていました。
全体に歌の少ないショーですが、ここの歌はポイント高いです!
音楽に合わせて飛ぶ紗幕、変わる装置…雰囲気もとても良かったし、麻カナならでは、の息の合い方でした♪
<フィナーレ>鞍富真一&名倉智代
出番の少ない上級生女役たちが、ものすごーーーーーーーーく嬉しそうに踊ってます。
それはそれは幸せそうに。
「音と戯れる」という表現に、これほどマッチした場面って、あんまりないかも。
末子姐はじめ、全員キラキラしていて最高です。かわいいぞ、月娘(←娘?)。
続く男役群舞。
だからさあ、揃えようよもう少し。ホント少しでいいから。
せっかく振りがかっこいいんだからさ……。
ロケット。
ふじこカッコいい〜〜〜!!
そのふくらはぎのムキムキ感、最高です。しびれます。
「これでもか」と回るふじこが、すごく可愛い。
「これでもか」と足をあげるロケットふじこ。
ギラギラと輝きながら、「これでもか」と踊るフジコを見ていたら、あまりの眩しさに涙が出そうでした…。
3組デュエット。
「3組デュエット」と言えば、かの名場面「シャレード」が浮かぶ私。
…時間、短くないですか?今回。
女役が板ツキじゃないせい?(男役3人だけで踊る時間が意外と長い)。
大階段でのデュエットじゃないせい?(女役が出てくるのは本舞台に降りてから)
ものすごぉーーーーーーっく楽しみにしていただけに、ちょっと食い足りない印象の3組デュエットでした…(涙)
エトワール
音キチ(音姫すなお)&すずな(憧花ゆりの)&(白華)レミちゃん。すずなもレミちゃんも大好きだけど、ことエトワールに関しては「音キチ一人でもいいのに…」と思ってしまいました。
ごめんなさい。懺悔。
だって。エトワール、って他の歌とは違うじゃありませんか。
…エトワールは、エトワールの声を持った人にやってほしかったんです。音キチはエトワールらしい声出せるけど、すずなとレミは違うでしょ?
そういうことです。
3人とも、「役者」としても「歌手」としても大好きなんですけどね…。
総体としては十分に楽しめるし私は大好きなショーですが、「ダンスが大得意!」以外の下級生ファンの方は相当悲しいでしょうね…特に今回、お芝居もアレなので。使われていない人は本当に…出番が少ない、でしょうから……。
特に歌好き、歌手好きには少々キツいかも。歌がメインの場面はほぼ無いですものね…。
もう少し全体の構成にメリハリがあれば、言うことないのですがね。>三木さん
でも、全編通して「月組がんばってるーっ!」感が満ちあふれていて、私はやっぱり大好きなのです(^ ^)。月組、がんばれーっ!!
.
このタイトルは、麻城ゆうさんの「天界樹夢語り」から取りました。内容は全く関係ないのですが、なんとなく。
今の月組で妄想するなら、月光界よりジョーカー・シリーズですかねぇ。ジョーカー=麻子さん。…いけるかも。
ってなことはおいといて、前回あり得ない長さに自分でも読み返す気が失せてしまった日記の続きです。
完全に舞台の上のキャラを無視した妄想に走っているうえに、…またもや長っっ(滝汗)。
この文章は、もはや実際の大劇場の舞台とは、何の関係もない…かもしれない…。
<パリの街角〜嵐の前〜>
月組の誇る美少女5人衆の登場に、息もできないほど集中してしまいました。あ、あ、あまりに可愛い。
あいあい(城咲あい)センターに、ちわわ(涼城まりな)、すずな(憧花ゆりの)、(白華)レミちゃん、(夢咲)ねねちゃん。
5人ともスタイル良くて可愛すぎっ!
声が一番好きなのはあいあい。白いフリフリドレスもよくお似合いです(いや、全員似合ってるんですけど)。
すずなの声は相変わらず特徴的でわかりやすい。あのキャラは貴重ですね〜。
ちわわとレミちゃんは、もう少し落ち着いて喋ると良いんじゃないだろうか。声は好きなんですが、ちょっと早口なのかな?
ねねちゃんは、エリザベートの頃と比べるとちょっと声が変わりましたよね?前の方が好きだったなあ。コケティッシュで可愛い声だったのに、なんだかワザとらしい声になっちゃったみたいで残念です。考えすぎてしまっているのでしょうか?もっと素直に声を出せばいいと思うんだけどなあ。
ミミとジョルジュ登場。
思い詰めたようなジョルジュ。…そうだよね、その夜のうちにもパリを発つ予定なんだから、「今、言わなきゃ」と必死なんだよね。
一人で生き抜けるくらいまでは父親に育てられたけど(その父親も裏社会系の人だったと私は思うんですが)、その父親に捨てられて(←いつ決まったんだその設定)、ストリートチルドレン(フランスだっての)として生きるうちに、ワルになりきれない優しいアルマンドに拾われた彼は(←だからその設定…)
パリの下町で、生まれてはじめて「守りたい」と思う少女に出会う。
だけど、自分達は根無し草で。
パリに腰を落ち着けることは、やっぱりできなくて。
自分にとっては「すべて」でさえあるアルマンドよりも、ミミを撰びとることもできなくて……
でも、言わずにはいられない。
それは自分の「真実」だから。
だから、ここに来た。
迎えに、来た。
彼にも本当は判っている。ミミが好きなのは自分じゃない。
ミミの目に、自分は入ってない。
でも認めたくない。認められない、そんな事実。
“兄貴ィ。いいだろ?俺がこのままパリに残ったってさ?”
そんなことが出来ないことは、自分が一番よく知っている。
拾ってくれたアルマンドを、自分から捨てるなんてできやしない。
でも、いつか。
いつかきっとアルマンドは俺をおいていくだろう。
親父が俺を置いてったように。
アルマンドだって、いつまでも俺を連れ歩いてくれるワケがない。俺だってもう一人前にならなきゃいけないんだ…
それが、判っているから。
…だからこそ、今は。
ジョルジュさん、ここは良かったと思います。もう少し無理して、若作りじゃない、「背伸び感」を出してほしかったかな、とは思いますが。
恋愛らしい恋愛のある役って、本当に「The Last Party」くらいしか経験がないのに、ミミを見送る切なさをよく出していたんじゃないか、と。
…ファンの身びいきですみません。
ただ。
祐飛さんの芝居って、結構「観てないとわからない」「注目している人にしかわからない」ところがあって……(涙)。
うーん。ここはどうだったんでしょうねぇ…(不安)。
それにしてもミミのスルーっぷりはお見事!の一言。
ミミは絶対「重度のファザコン」なんだと思います。
幼い頃にパパに死に別れて、親戚の間を転々として育ったの。だから、年上の、「尊敬できる」男にしか興味を持てない。同い年や一つ二つ上くらいじゃあ「男」として見られないんですよ。(←いいのかその脳内決定!)
ミミにとって、ジャンとジョルジュは「同列」の、「可愛い坊や」でしかないの。
「愛されたことがなかった」から、憧れと恋の区別もつかない。
だから、愛されていることを信じることもできなくて。
ジョルジュの言葉を信じることもできっこない。
…ってゆーかその前にさ、弟の、あんなにあからさまな愛が届いてないなんて…可哀相すぎるよ、ジャン(涙)。
わかってやってくれよ、姉さん…。
ミミを見送ったジョルジュに優しく声をかけるアルマンド登場。
ほえー、大人だーーーーっ!と、見惚れてしまうアサカナなファン、いや違う、アサハカなファン。
こーゆー美味しいところをさらっていってこそトップスター様ですわっ。
「俺たちがいつまでパリにいると思っているんだ」
突っ込むのもそこからですか。…確かに今夜出て行く(予定な)んだけどさ。
それにしてもキツイ一言です。ジョルジュさん、返す言葉もありません。
それにしても。
アルマンドのホンネでは、ミミをどうしたいんでしょうねぇ?
アルマンドの過去、ってついつい考えてしまうのです。
前にも書きましたが、アルマンドって実は良い家の坊ちゃんだったんじゃないかな、と思うんですよ、私は。
名前はアルマンドのはずがない(ジュリアンの息子アルマンドは祐飛さんの役だから。麻子さんの役の本名は多分ジョルジュだと思うんですけどね…でないと最初の遣り取りの辻褄が合わない)し、どこか田舎の、土地持ちの家の次男とかなんじゃなかろうか。
…ジョルジュ・ドゥ・シャンドン、とか?(←絶対違うから)
まぁ、そんな小ネタはおいといて。
(以後、この日記では「麻子さんの役=アルマンド」で統一します。でうせこの名前の入れ替えトリック自体、作者の頭には残ってないと思うし…悔)
とにかく、生家は結構上流階級で、当たり前に「上流階級」の言葉遣いや仕草、マナーをしっかり叩き込まれた人なんじゃないかと想像するわけです。
そうでなきゃ、あんなにすんなり信用されないでしょう?あの胡散臭いパーティーメンバーに(←胡散臭いの意味が違う…)
でも、何かがあった。
「ペテン師」という職業にこだわりを持っている様子を見ると、親がペテンに騙されて没落してしまった(←完全にクロサギじゃん)、とか
領主に何か理不尽な、あるいは無体な(…そりゃー美青年ですからねぇアルマンドは…コホン)要求をされて、それを蹴ったばかりに故郷にいられなくなった、とか
何かそんなような、「もの凄く理不尽な」目にあって、すっかり世の中に絶望してしまった青年、
なんじゃないかなー、と。
そうやって、世の中を拗ねて旅するうちに。
思いつきでちょっと甘い言葉をささやいてみたら、どこかの奥方はコロっと騙されて金をくれた。
どこかの実業家もころっと騙されて出資してくれた。
大きな仕事はしたことがないけど、プロのペテン師というよりは寸借詐欺とどう違うの?、くらいのセコい稼ぎで渡り歩いて。
ノルマンディーの港町(←どっから出てきたんだその設定)で、ストリートチルドレン(←だからここはフランス)のリーダーをしていたジョルジュ(←本名アルマンド。でもこの日記ではジョルジュで統一)と出会う。
ジョルジュの語る昔話。
「俺の親父はね…」
長いこと父親へ向けてきた限りない憧憬を、その父親自身に否定された少年ジョルジュ。(←妄想癖が…)
でも、やっと出会えた「もう一人の父親」アルマンドには、その傷を露わに語ることができない。
だから、するのはいつも、自慢話。
「俺の親父は、偉かったんだよ」
その話にうなずいてくれるアルマンドがいるから。
たまに、父親の機嫌が良い時に繰り返し話してくれた、パリでの話を思い出しては語る。
自分の父親は偉かったんだ、と。飲んだくれだった父親を忘れて、綺麗な色紙で飾り付けた父親像に酔ってみる。
だから、その時だけは忘れていられる。その「偉い父親」に、自分が捨てられたことを。
そんなジョルジュの傷に、アルマンドは気づかない。
ただ、折角舞い込んできた「偉かった男」のネタを、何かに使えないかと模索して…
そうやって乗り込んできたパリで、
彼は一人の少女と出会う。
何とも思ってなかったんだよね、最初は。
でも。あの、最初に逃げようとした夜のロビーで出会った時に。
絶望にまみれ、夢を見失っていた彼は。
久しく縁のなかった、まっすぐな「夢」と出会う。
ジョルジュの夢は、アルマンドに対しては力をもたなかった。
彼の夢は、「無い物」への憧れだから。
傷を癒すための嘘だから。
でも、ミミの夢は違う。ミミの夢は「アルマンドの微笑み」。
それは、そこに存在する「事実」だもの。
そして彼女は、手に入れた。しっかりと。
そんな、他人の見凝める夢に、酔う。
夢を叶えた人のもつ輝き、に。
感受性が強くて、優しいアルマンドだからこそ、いったん掴まったらもう逃げられない。
この時アルマンドは、恐怖を覚えていたんじゃないかと思う。
自分の足元が崩れていく恐怖。家を出てから、それなりに(ペテン師として)築いてきた地盤を揺るがされる恐怖。
ミミ、という、
ブラックホールのように、ただひたすらに「夢」だけを希求し、求める存在が。
アルマンドを引きずっていく。
パリの街に縫い止めて、逃がすまいとする。
家を出て以来、「自由」に生きてきたアルマンド。
自分の歩く道は自分で決めてきた。
だからミミ。お前にひきずられて、パリの街に縫い止められる俺は、俺じゃない。
そして、俺と一緒についてこられるお前でもない。
だからミミ。
…ギスターヴと、幸せに…。
いや、あの。
…申し訳ありませんm(_ _)m。すっかり暴走してしまいました。
話を戻しますが。
個人的に、ここのジョルジュは、もう少しアルマンドに甘える、あるいは頼るふうに解釈してくれると嬉しいんですよね…。
まあ、こういう(↑)訳のわからない妄想設定の上での解釈だから、植田(紳)さんのやらせたい演出とは全然違うのでしょうけれども、
ミミが恋しているアルマンドに嫉妬しているのか、アルマンドの心を捉えたミミに嫉妬しているのか、どちらなのかジョルジュ自身にもよくわからない、みたいな感じでお願いします。
…だから、そういう萌え方をするなってゆーのに。
<嵐の夜のロビー>
緑のコートにくるまれたきりやんが可愛い。
あの「必死!」さ、「一生懸命」さが人の心を動かすんですよ。
それは、舞台の上でも、下(素)でも同じなんでしょうね、きっと…。
きりやんギスターヴのためになら、私も嵐の現場に駆けつけるわよっ!!と、そう思った私は、サテ誰のファンでしょう…(←月ファンです)。
ペテン師コンビ帰還
どうでもいいことですが、このホテルには正面玄関しか出入り口がないのっ!?とゆー設定がカナリ笑えました。
でもまぁ、セットの問題があるから仕方ないか。裏口とか作ったらまた費用がかかりそうだもんね。
で、さっそくケンカを始めるお二人。いやさ、仲良きことは美しいから別に構わないんですけどぉ。 …なにもロビーで喧嘩始めなくてもいいんではない?さっさと部屋に戻ろうよ。 …ホラ、言ってるそばからマヤさんが来ちゃったじゃないか。
(実際、観劇しながらこのとおりのことを考えてました)
んでもって。
マヤさんの巧さに、脱帽しますた。
台詞といい、仕草といい、間といい、文句なし。
芝居ってのはこうでなくっちゃ。コメディってのはこうでなくっちゃ。
…いっそのことペテン師コンビを麻マヤで…(祐飛さんじゃなければ誰でもいいんか涙)。
いい経験しているじゃありませんか。がんばれ、月組ッ子。
ミミ登場。
そんな大嵐(どんなや)なのに、何故あなたはそんなに軽装で、髪にも一筋の乱れもなく…。
その押しつけがましさはどこからきたの、ねぇ。
でもアルマンドは行ってしまう。
さりげなく、当たり前のようにミミの肩を抱いて。
この時の、ミミの肩を抱くアルマンドの瞳が、ものすごーく強くて、思わず惚れてしまいそうでした。
そして。
残されたジョルジュの、あまりにも、あまりにも情けない「兄貴ィ…」が。
…寒くて、痛いよ……
<祝賀パーティー>
幕が降りて、上手から下手へ「パリ市民」が本舞台と銀橋を渡っていきます。下級生の唯一の見せ場!でもあまりに早すぎてチェックしきれません。
それにしても、89期のみっしょん(美翔)とか88期のなっつ(夏月都)、(麻華)りんかちゃんあたりが、プロローグのショー場面の次はここ(でそれでお芝居終了)、ってのはどうかと思います。ねぇ植田さん?
役がないなら無いなりに、全員をずーっと舞台の上に置いておいてくれた木村さん、その点だけは評価したい。
幕があがると、オテル・ド・サンミッシェルは祝賀パーティの真っ最中。
きりやんギスターヴの呼び出しをかけるマッチ先輩。
…この時すでに、彼は二人組の失踪を知ってるんだよね…?袖から登場した時から固い顔をしているもんね…?
なんで、マダムに耳打ちするとか何か、事前に入れておかないんだろう。
あれじゃーせっかくのパーティが台無しじゃありませんか。
何もあんなところで手紙を読み上げなくたっていいんだし。
警察に届けるのか、政府に報告するのか、他にもいろいろあるけどどうするのか、上司(マダム)の判断を仰ぐのが当たり前じゃないの?
被害額だってたかが60フラン=2万円?5万円?その程度でしょう?(どんな片田舎から来たのか知りませんが、片道の交通費より安いんだもん)
ずーっと「あの二人は怪しい」と疑ってた、とか、そういう伏線もないのに突然そんなことをされても、どう反応していいのかワカリマセン!
でもって。
「僕の恩人を…」
と叫び出すきりやんのギスターヴが。
この上もなく輝いていて。
素敵でした。
そもそも、登場の時からスポットを独り占めにして、ぴしっと正装して髪もととのえたきりやんは、それはそれはとてもステキなワケですが。
これがまた、「夢を叶えた人」の輝き、と言うのでしょうか。
美しい人、を体現していて、素晴らしかったんです。
そして。二人組の正体をバラされて騒然とした人々の真ん中で。
ちょっと口ごもりながら、でも、彼にできるかぎりの思いをこめて
「彼らは僕の恩人なんです」
その一言で、また空気が変わる。
「空気」を変える役者。
出てくるだけで、とは言いませんが、きりやんには「そういう」力があるんだなあと改めて思いました。
劇場中を巻き込むパワーというのでしょうか。
きりやんギスターヴに、ここまで信じてもらえたアルマンドとジョルジュは多分、幸せだったんだろう、と。
そう思える輝き。
歌はもちろん、さすがです。この声が好き。柔らかく劇場中を包む美声。…うっとり〜♪
でも、ファン的には、ギスターヴだけは真相を知っていて欲しかったんですよねー。
そんでもって、ミミを連れてモンマルトルの丘に行くの。
2番手なんだし、大人なんだし、そのくらいの役得があっても良かったと思うんだけどなあ…。
とにかく、ラストシーンにギスターヴも居てほしかったんです。
だって、アルマンドは「ギスターヴと、幸せに…」って思いながらミミを置いていくわけでしょう?
そこにギスターヴがいないのがなんとも残念…です。
<モンマルトルの丘>
カーテン前の二人組。音程のピッチが微妙に合わないのは、がんばって合わせていただきたい。
でも、お互いなだめるように微笑みあって歩いてくる姿は、結構ツボです。
やっぱりこのお二人、立って並ぶと豪華というか。ブルータス&カシウスの時も思ったけど、スタイルが釣り合っていて本当にお似合いなんですよね。
…だからと言って、組ませときゃいいだろ的な扱いはどうかと思いますが…。
幕があがると、そこはもうモンマルトルの丘。
遠景にエッフェル塔。
おもちゃのように、小さく見えます。
私も一度モンマルトルの丘に登ったことがあるのですが。
どうだったかなー。全然覚えてない(汗)。どちらにしても回りの建物が全く違うので、風景としては全く違うんでしょうけど。それにしても覚えてないな…。
でも。
二人の3年間の集大成が、あのおもちゃのような塔かと思うと、もうちっと良いセットにしてやってくれ、と泣きたくなりましたが。
この場面のお二人の芝居は、とっても好きです。
…演出的にどうでもいいピストルが出てきた時点で、かなり萎えてしまいましたが(涙)。
あ、でも、一つだけ突っ込みたい。
ジョルジュの、「もう2度としないよぉ」という台詞。
あの台詞を、あんなに甘ったるく言っていいのか、という技巧上の問題もあるんですけど、その前に。
何を「もう2度としない」の?ジョルジュ?
女の子のボタンを盗むことを?
それとも。
女の子に心を揺らすこと、を?
…それを禁じたとしたら。それは怖いぞ、アルマンド…。
下手から「アルマンドさ〜ん!」と声がかかって、ミミとジャンが登場。
この後のね、アルマンドとジョルジュの、目と目の会話が非常に好きなのです。
脚本のない場面だから、ある程度演者の裁量に任されている場面なんじゃないかと思うんですけど…
ここまでの、年の離れた(アルマンドが「可愛い可愛い」を連発する対象の)ガキのジョルジュと、
今、アルマンドを抑えてミミのもとに戻らせる、大人の男の瞳をしたジョルジュとが、
2重人格にしか思えない、のは置いておいて。(←いいのかそれで?)
その日の気分で、いろんな会話をしていそうに見えるんですよね、あの目。
二人の絆。時間をかけてはぐくまれた、そんな、脆いけれども大切なモノ。
それがあるからこそ、アルマンドをミミの元に戻らせることができるジョルジュ。
それがあるからこそ、ジョルジュと共に歩いていこうとするアルマンド。
そんなものを、しっかりと観せてくれる二人は、さすが年の功、ってところかな…。(←ただの深読みだから、ソレ)
デュエットが終わって、銀橋へ進むアルマンドへ、手を差し伸べるミミ。
ジャンが、不安げに駆け寄って、斜め後ろから姉を見守る。
今までずっと、その小さな手で守り続けてきた(つもり)の姉を、喪うかもしれない、と思った恐怖。
それが、それこそ父も母も知らないのであろうジャンの心をえぐったのでしょうか。
姉ちゃん…?
行かないよね。俺を置いて、行っちゃったりしないよね…?
そこまでは良いのですが。
その後、姉さんの後ろから腰に抱きついて引き留める姿は、ちょっとだけ「え?」でした。
…ジャンは、そこまで、必死に姉にすがりつくようなキャラじゃなかったはずなのになあ(汗)。
ラストでああ来るんなら。
だったらもっと途中、ジョルジュの邪魔をしている場面とかでも、「俺の姉ちゃんを連れて行く悪い奴」扱いでキレる演出にした方がよかったと思うのです。
場面場面では、今くらい可愛らしく邪魔してみせた方がウケるんですけど、ラストを考えると、もっと神経質っぽい子供に作った方がいいと思うんですよね。
さっきまではあんなに大人びた美少年だったのにさ…。
唐突すぎてついていけなかったよ…。
でも、文句は言ってもみりお(明日海りおちゃん)は可愛いです。可愛すぎて辛抱たまらん…。
ラスト前。
アルマンドが銀橋で思い出にふけっている時。
ジョルジュは下手花道で、
そんなアルマンドを暖かく見守って。
そして、ふ、と顔をエッフェル塔に向けて。
軽く、うなずく。
うん。
俺たち、いいことしたな。
俺たちがいなくなっても、パリの空の下には、地表と天上を結ぶ鉄の塔があるんだ。
空よりも高い、塔が。
…俺たちがいなくなっても、いつまでも。
それはお伽噺のラストのような。
いつまでも、いつまでも、
彼らは幸せに暮らしました、と。
一瞬泣きそうな瞳で、でも晴れ晴れと微笑んで。
そうして「少年」はパリに背を向ける。
もう彼は、アルマンドが来るのかどうか、不安に思うことはない。
一人でも生きていけるから。
そして、アルマンドとの絆を信じているから。
不安はない。
ただ、夢から醒めてしまった寂しさがあるだけ。
一つ大人になって。
ジョルジュは歩き出す。
そんなジョルジュを追うでなく、
アルマンドもまた、パリを去る。
ミミは、来ない。
そんなこと、わかってる。
俺も、留まることはできない。
だから、パリよ。
パリの女神よ。
…ギスターヴと、幸せに。
銀橋で遠くを見凝める麻子さんは、めちゃくちゃかっこよかったです…。
マミさんの「ゼンダ城の虜」のラストを思い出してしまった場面でした。
でも植田(紳)さん。
観客がココまで妄想してもまだ話がつながらないような穴だらけな脚本、二度と書くなよ。
ああ、やっとお芝居が終わった…(疲)。
まだショーが今から始まるんだよ。気が遠くなりそうだわ我ながら…。
今の月組で妄想するなら、月光界よりジョーカー・シリーズですかねぇ。ジョーカー=麻子さん。…いけるかも。
ってなことはおいといて、前回あり得ない長さに自分でも読み返す気が失せてしまった日記の続きです。
完全に舞台の上のキャラを無視した妄想に走っているうえに、…またもや長っっ(滝汗)。
この文章は、もはや実際の大劇場の舞台とは、何の関係もない…かもしれない…。
<パリの街角〜嵐の前〜>
月組の誇る美少女5人衆の登場に、息もできないほど集中してしまいました。あ、あ、あまりに可愛い。
あいあい(城咲あい)センターに、ちわわ(涼城まりな)、すずな(憧花ゆりの)、(白華)レミちゃん、(夢咲)ねねちゃん。
5人ともスタイル良くて可愛すぎっ!
声が一番好きなのはあいあい。白いフリフリドレスもよくお似合いです(いや、全員似合ってるんですけど)。
すずなの声は相変わらず特徴的でわかりやすい。あのキャラは貴重ですね〜。
ちわわとレミちゃんは、もう少し落ち着いて喋ると良いんじゃないだろうか。声は好きなんですが、ちょっと早口なのかな?
ねねちゃんは、エリザベートの頃と比べるとちょっと声が変わりましたよね?前の方が好きだったなあ。コケティッシュで可愛い声だったのに、なんだかワザとらしい声になっちゃったみたいで残念です。考えすぎてしまっているのでしょうか?もっと素直に声を出せばいいと思うんだけどなあ。
ミミとジョルジュ登場。
思い詰めたようなジョルジュ。…そうだよね、その夜のうちにもパリを発つ予定なんだから、「今、言わなきゃ」と必死なんだよね。
一人で生き抜けるくらいまでは父親に育てられたけど(その父親も裏社会系の人だったと私は思うんですが)、その父親に捨てられて(←いつ決まったんだその設定)、ストリートチルドレン(フランスだっての)として生きるうちに、ワルになりきれない優しいアルマンドに拾われた彼は(←だからその設定…)
パリの下町で、生まれてはじめて「守りたい」と思う少女に出会う。
だけど、自分達は根無し草で。
パリに腰を落ち着けることは、やっぱりできなくて。
自分にとっては「すべて」でさえあるアルマンドよりも、ミミを撰びとることもできなくて……
でも、言わずにはいられない。
それは自分の「真実」だから。
だから、ここに来た。
迎えに、来た。
彼にも本当は判っている。ミミが好きなのは自分じゃない。
ミミの目に、自分は入ってない。
でも認めたくない。認められない、そんな事実。
“兄貴ィ。いいだろ?俺がこのままパリに残ったってさ?”
そんなことが出来ないことは、自分が一番よく知っている。
拾ってくれたアルマンドを、自分から捨てるなんてできやしない。
でも、いつか。
いつかきっとアルマンドは俺をおいていくだろう。
親父が俺を置いてったように。
アルマンドだって、いつまでも俺を連れ歩いてくれるワケがない。俺だってもう一人前にならなきゃいけないんだ…
それが、判っているから。
…だからこそ、今は。
ジョルジュさん、ここは良かったと思います。もう少し無理して、若作りじゃない、「背伸び感」を出してほしかったかな、とは思いますが。
恋愛らしい恋愛のある役って、本当に「The Last Party」くらいしか経験がないのに、ミミを見送る切なさをよく出していたんじゃないか、と。
…ファンの身びいきですみません。
ただ。
祐飛さんの芝居って、結構「観てないとわからない」「注目している人にしかわからない」ところがあって……(涙)。
うーん。ここはどうだったんでしょうねぇ…(不安)。
それにしてもミミのスルーっぷりはお見事!の一言。
ミミは絶対「重度のファザコン」なんだと思います。
幼い頃にパパに死に別れて、親戚の間を転々として育ったの。だから、年上の、「尊敬できる」男にしか興味を持てない。同い年や一つ二つ上くらいじゃあ「男」として見られないんですよ。(←いいのかその脳内決定!)
ミミにとって、ジャンとジョルジュは「同列」の、「可愛い坊や」でしかないの。
「愛されたことがなかった」から、憧れと恋の区別もつかない。
だから、愛されていることを信じることもできなくて。
ジョルジュの言葉を信じることもできっこない。
…ってゆーかその前にさ、弟の、あんなにあからさまな愛が届いてないなんて…可哀相すぎるよ、ジャン(涙)。
わかってやってくれよ、姉さん…。
ミミを見送ったジョルジュに優しく声をかけるアルマンド登場。
ほえー、大人だーーーーっ!と、見惚れてしまうアサカナなファン、いや違う、アサハカなファン。
こーゆー美味しいところをさらっていってこそトップスター様ですわっ。
「俺たちがいつまでパリにいると思っているんだ」
突っ込むのもそこからですか。…確かに今夜出て行く(予定な)んだけどさ。
それにしてもキツイ一言です。ジョルジュさん、返す言葉もありません。
それにしても。
アルマンドのホンネでは、ミミをどうしたいんでしょうねぇ?
アルマンドの過去、ってついつい考えてしまうのです。
前にも書きましたが、アルマンドって実は良い家の坊ちゃんだったんじゃないかな、と思うんですよ、私は。
名前はアルマンドのはずがない(ジュリアンの息子アルマンドは祐飛さんの役だから。麻子さんの役の本名は多分ジョルジュだと思うんですけどね…でないと最初の遣り取りの辻褄が合わない)し、どこか田舎の、土地持ちの家の次男とかなんじゃなかろうか。
…ジョルジュ・ドゥ・シャンドン、とか?(←絶対違うから)
まぁ、そんな小ネタはおいといて。
(以後、この日記では「麻子さんの役=アルマンド」で統一します。でうせこの名前の入れ替えトリック自体、作者の頭には残ってないと思うし…悔)
とにかく、生家は結構上流階級で、当たり前に「上流階級」の言葉遣いや仕草、マナーをしっかり叩き込まれた人なんじゃないかと想像するわけです。
そうでなきゃ、あんなにすんなり信用されないでしょう?あの胡散臭いパーティーメンバーに(←胡散臭いの意味が違う…)
でも、何かがあった。
「ペテン師」という職業にこだわりを持っている様子を見ると、親がペテンに騙されて没落してしまった(←完全にクロサギじゃん)、とか
領主に何か理不尽な、あるいは無体な(…そりゃー美青年ですからねぇアルマンドは…コホン)要求をされて、それを蹴ったばかりに故郷にいられなくなった、とか
何かそんなような、「もの凄く理不尽な」目にあって、すっかり世の中に絶望してしまった青年、
なんじゃないかなー、と。
そうやって、世の中を拗ねて旅するうちに。
思いつきでちょっと甘い言葉をささやいてみたら、どこかの奥方はコロっと騙されて金をくれた。
どこかの実業家もころっと騙されて出資してくれた。
大きな仕事はしたことがないけど、プロのペテン師というよりは寸借詐欺とどう違うの?、くらいのセコい稼ぎで渡り歩いて。
ノルマンディーの港町(←どっから出てきたんだその設定)で、ストリートチルドレン(←だからここはフランス)のリーダーをしていたジョルジュ(←本名アルマンド。でもこの日記ではジョルジュで統一)と出会う。
ジョルジュの語る昔話。
「俺の親父はね…」
長いこと父親へ向けてきた限りない憧憬を、その父親自身に否定された少年ジョルジュ。(←妄想癖が…)
でも、やっと出会えた「もう一人の父親」アルマンドには、その傷を露わに語ることができない。
だから、するのはいつも、自慢話。
「俺の親父は、偉かったんだよ」
その話にうなずいてくれるアルマンドがいるから。
たまに、父親の機嫌が良い時に繰り返し話してくれた、パリでの話を思い出しては語る。
自分の父親は偉かったんだ、と。飲んだくれだった父親を忘れて、綺麗な色紙で飾り付けた父親像に酔ってみる。
だから、その時だけは忘れていられる。その「偉い父親」に、自分が捨てられたことを。
そんなジョルジュの傷に、アルマンドは気づかない。
ただ、折角舞い込んできた「偉かった男」のネタを、何かに使えないかと模索して…
そうやって乗り込んできたパリで、
彼は一人の少女と出会う。
何とも思ってなかったんだよね、最初は。
でも。あの、最初に逃げようとした夜のロビーで出会った時に。
絶望にまみれ、夢を見失っていた彼は。
久しく縁のなかった、まっすぐな「夢」と出会う。
ジョルジュの夢は、アルマンドに対しては力をもたなかった。
彼の夢は、「無い物」への憧れだから。
傷を癒すための嘘だから。
でも、ミミの夢は違う。ミミの夢は「アルマンドの微笑み」。
それは、そこに存在する「事実」だもの。
そして彼女は、手に入れた。しっかりと。
そんな、他人の見凝める夢に、酔う。
夢を叶えた人のもつ輝き、に。
感受性が強くて、優しいアルマンドだからこそ、いったん掴まったらもう逃げられない。
この時アルマンドは、恐怖を覚えていたんじゃないかと思う。
自分の足元が崩れていく恐怖。家を出てから、それなりに(ペテン師として)築いてきた地盤を揺るがされる恐怖。
ミミ、という、
ブラックホールのように、ただひたすらに「夢」だけを希求し、求める存在が。
アルマンドを引きずっていく。
パリの街に縫い止めて、逃がすまいとする。
家を出て以来、「自由」に生きてきたアルマンド。
自分の歩く道は自分で決めてきた。
だからミミ。お前にひきずられて、パリの街に縫い止められる俺は、俺じゃない。
そして、俺と一緒についてこられるお前でもない。
だからミミ。
…ギスターヴと、幸せに…。
いや、あの。
…申し訳ありませんm(_ _)m。すっかり暴走してしまいました。
話を戻しますが。
個人的に、ここのジョルジュは、もう少しアルマンドに甘える、あるいは頼るふうに解釈してくれると嬉しいんですよね…。
まあ、こういう(↑)訳のわからない妄想設定の上での解釈だから、植田(紳)さんのやらせたい演出とは全然違うのでしょうけれども、
ミミが恋しているアルマンドに嫉妬しているのか、アルマンドの心を捉えたミミに嫉妬しているのか、どちらなのかジョルジュ自身にもよくわからない、みたいな感じでお願いします。
…だから、そういう萌え方をするなってゆーのに。
<嵐の夜のロビー>
緑のコートにくるまれたきりやんが可愛い。
あの「必死!」さ、「一生懸命」さが人の心を動かすんですよ。
それは、舞台の上でも、下(素)でも同じなんでしょうね、きっと…。
きりやんギスターヴのためになら、私も嵐の現場に駆けつけるわよっ!!と、そう思った私は、サテ誰のファンでしょう…(←月ファンです)。
ペテン師コンビ帰還
どうでもいいことですが、このホテルには正面玄関しか出入り口がないのっ!?とゆー設定がカナリ笑えました。
でもまぁ、セットの問題があるから仕方ないか。裏口とか作ったらまた費用がかかりそうだもんね。
で、さっそくケンカを始めるお二人。いやさ、仲良きことは美しいから別に構わないんですけどぉ。 …なにもロビーで喧嘩始めなくてもいいんではない?さっさと部屋に戻ろうよ。 …ホラ、言ってるそばからマヤさんが来ちゃったじゃないか。
(実際、観劇しながらこのとおりのことを考えてました)
んでもって。
マヤさんの巧さに、脱帽しますた。
台詞といい、仕草といい、間といい、文句なし。
芝居ってのはこうでなくっちゃ。コメディってのはこうでなくっちゃ。
…いっそのことペテン師コンビを麻マヤで…(祐飛さんじゃなければ誰でもいいんか涙)。
いい経験しているじゃありませんか。がんばれ、月組ッ子。
ミミ登場。
そんな大嵐(どんなや)なのに、何故あなたはそんなに軽装で、髪にも一筋の乱れもなく…。
その押しつけがましさはどこからきたの、ねぇ。
でもアルマンドは行ってしまう。
さりげなく、当たり前のようにミミの肩を抱いて。
この時の、ミミの肩を抱くアルマンドの瞳が、ものすごーく強くて、思わず惚れてしまいそうでした。
そして。
残されたジョルジュの、あまりにも、あまりにも情けない「兄貴ィ…」が。
…寒くて、痛いよ……
<祝賀パーティー>
幕が降りて、上手から下手へ「パリ市民」が本舞台と銀橋を渡っていきます。下級生の唯一の見せ場!でもあまりに早すぎてチェックしきれません。
それにしても、89期のみっしょん(美翔)とか88期のなっつ(夏月都)、(麻華)りんかちゃんあたりが、プロローグのショー場面の次はここ(でそれでお芝居終了)、ってのはどうかと思います。ねぇ植田さん?
役がないなら無いなりに、全員をずーっと舞台の上に置いておいてくれた木村さん、その点だけは評価したい。
幕があがると、オテル・ド・サンミッシェルは祝賀パーティの真っ最中。
きりやんギスターヴの呼び出しをかけるマッチ先輩。
…この時すでに、彼は二人組の失踪を知ってるんだよね…?袖から登場した時から固い顔をしているもんね…?
なんで、マダムに耳打ちするとか何か、事前に入れておかないんだろう。
あれじゃーせっかくのパーティが台無しじゃありませんか。
何もあんなところで手紙を読み上げなくたっていいんだし。
警察に届けるのか、政府に報告するのか、他にもいろいろあるけどどうするのか、上司(マダム)の判断を仰ぐのが当たり前じゃないの?
被害額だってたかが60フラン=2万円?5万円?その程度でしょう?(どんな片田舎から来たのか知りませんが、片道の交通費より安いんだもん)
ずーっと「あの二人は怪しい」と疑ってた、とか、そういう伏線もないのに突然そんなことをされても、どう反応していいのかワカリマセン!
でもって。
「僕の恩人を…」
と叫び出すきりやんのギスターヴが。
この上もなく輝いていて。
素敵でした。
そもそも、登場の時からスポットを独り占めにして、ぴしっと正装して髪もととのえたきりやんは、それはそれはとてもステキなワケですが。
これがまた、「夢を叶えた人」の輝き、と言うのでしょうか。
美しい人、を体現していて、素晴らしかったんです。
そして。二人組の正体をバラされて騒然とした人々の真ん中で。
ちょっと口ごもりながら、でも、彼にできるかぎりの思いをこめて
「彼らは僕の恩人なんです」
その一言で、また空気が変わる。
「空気」を変える役者。
出てくるだけで、とは言いませんが、きりやんには「そういう」力があるんだなあと改めて思いました。
劇場中を巻き込むパワーというのでしょうか。
きりやんギスターヴに、ここまで信じてもらえたアルマンドとジョルジュは多分、幸せだったんだろう、と。
そう思える輝き。
歌はもちろん、さすがです。この声が好き。柔らかく劇場中を包む美声。…うっとり〜♪
でも、ファン的には、ギスターヴだけは真相を知っていて欲しかったんですよねー。
そんでもって、ミミを連れてモンマルトルの丘に行くの。
2番手なんだし、大人なんだし、そのくらいの役得があっても良かったと思うんだけどなあ…。
とにかく、ラストシーンにギスターヴも居てほしかったんです。
だって、アルマンドは「ギスターヴと、幸せに…」って思いながらミミを置いていくわけでしょう?
そこにギスターヴがいないのがなんとも残念…です。
<モンマルトルの丘>
カーテン前の二人組。音程のピッチが微妙に合わないのは、がんばって合わせていただきたい。
でも、お互いなだめるように微笑みあって歩いてくる姿は、結構ツボです。
やっぱりこのお二人、立って並ぶと豪華というか。ブルータス&カシウスの時も思ったけど、スタイルが釣り合っていて本当にお似合いなんですよね。
…だからと言って、組ませときゃいいだろ的な扱いはどうかと思いますが…。
幕があがると、そこはもうモンマルトルの丘。
遠景にエッフェル塔。
おもちゃのように、小さく見えます。
私も一度モンマルトルの丘に登ったことがあるのですが。
どうだったかなー。全然覚えてない(汗)。どちらにしても回りの建物が全く違うので、風景としては全く違うんでしょうけど。それにしても覚えてないな…。
でも。
二人の3年間の集大成が、あのおもちゃのような塔かと思うと、もうちっと良いセットにしてやってくれ、と泣きたくなりましたが。
この場面のお二人の芝居は、とっても好きです。
…演出的にどうでもいいピストルが出てきた時点で、かなり萎えてしまいましたが(涙)。
あ、でも、一つだけ突っ込みたい。
ジョルジュの、「もう2度としないよぉ」という台詞。
あの台詞を、あんなに甘ったるく言っていいのか、という技巧上の問題もあるんですけど、その前に。
何を「もう2度としない」の?ジョルジュ?
女の子のボタンを盗むことを?
それとも。
女の子に心を揺らすこと、を?
…それを禁じたとしたら。それは怖いぞ、アルマンド…。
下手から「アルマンドさ〜ん!」と声がかかって、ミミとジャンが登場。
この後のね、アルマンドとジョルジュの、目と目の会話が非常に好きなのです。
脚本のない場面だから、ある程度演者の裁量に任されている場面なんじゃないかと思うんですけど…
ここまでの、年の離れた(アルマンドが「可愛い可愛い」を連発する対象の)ガキのジョルジュと、
今、アルマンドを抑えてミミのもとに戻らせる、大人の男の瞳をしたジョルジュとが、
2重人格にしか思えない、のは置いておいて。(←いいのかそれで?)
その日の気分で、いろんな会話をしていそうに見えるんですよね、あの目。
二人の絆。時間をかけてはぐくまれた、そんな、脆いけれども大切なモノ。
それがあるからこそ、アルマンドをミミの元に戻らせることができるジョルジュ。
それがあるからこそ、ジョルジュと共に歩いていこうとするアルマンド。
そんなものを、しっかりと観せてくれる二人は、さすが年の功、ってところかな…。(←ただの深読みだから、ソレ)
デュエットが終わって、銀橋へ進むアルマンドへ、手を差し伸べるミミ。
ジャンが、不安げに駆け寄って、斜め後ろから姉を見守る。
今までずっと、その小さな手で守り続けてきた(つもり)の姉を、喪うかもしれない、と思った恐怖。
それが、それこそ父も母も知らないのであろうジャンの心をえぐったのでしょうか。
姉ちゃん…?
行かないよね。俺を置いて、行っちゃったりしないよね…?
そこまでは良いのですが。
その後、姉さんの後ろから腰に抱きついて引き留める姿は、ちょっとだけ「え?」でした。
…ジャンは、そこまで、必死に姉にすがりつくようなキャラじゃなかったはずなのになあ(汗)。
ラストでああ来るんなら。
だったらもっと途中、ジョルジュの邪魔をしている場面とかでも、「俺の姉ちゃんを連れて行く悪い奴」扱いでキレる演出にした方がよかったと思うのです。
場面場面では、今くらい可愛らしく邪魔してみせた方がウケるんですけど、ラストを考えると、もっと神経質っぽい子供に作った方がいいと思うんですよね。
さっきまではあんなに大人びた美少年だったのにさ…。
唐突すぎてついていけなかったよ…。
でも、文句は言ってもみりお(明日海りおちゃん)は可愛いです。可愛すぎて辛抱たまらん…。
ラスト前。
アルマンドが銀橋で思い出にふけっている時。
ジョルジュは下手花道で、
そんなアルマンドを暖かく見守って。
そして、ふ、と顔をエッフェル塔に向けて。
軽く、うなずく。
うん。
俺たち、いいことしたな。
俺たちがいなくなっても、パリの空の下には、地表と天上を結ぶ鉄の塔があるんだ。
空よりも高い、塔が。
…俺たちがいなくなっても、いつまでも。
それはお伽噺のラストのような。
いつまでも、いつまでも、
彼らは幸せに暮らしました、と。
一瞬泣きそうな瞳で、でも晴れ晴れと微笑んで。
そうして「少年」はパリに背を向ける。
もう彼は、アルマンドが来るのかどうか、不安に思うことはない。
一人でも生きていけるから。
そして、アルマンドとの絆を信じているから。
不安はない。
ただ、夢から醒めてしまった寂しさがあるだけ。
一つ大人になって。
ジョルジュは歩き出す。
そんなジョルジュを追うでなく、
アルマンドもまた、パリを去る。
ミミは、来ない。
そんなこと、わかってる。
俺も、留まることはできない。
だから、パリよ。
パリの女神よ。
…ギスターヴと、幸せに。
銀橋で遠くを見凝める麻子さんは、めちゃくちゃかっこよかったです…。
マミさんの「ゼンダ城の虜」のラストを思い出してしまった場面でした。
でも植田(紳)さん。
観客がココまで妄想してもまだ話がつながらないような穴だらけな脚本、二度と書くなよ。
ああ、やっとお芝居が終わった…(疲)。
まだショーが今から始まるんだよ。気が遠くなりそうだわ我ながら…。
とりあえず、作品については語りたいことは大体書いたような気がするので、公演の時間軸に沿って、思い出せることを一つづつ、書いてみたいと思います。
メモみたいなものですし、ネタバレ配慮もしておりませんのでご注意ください。
もの凄〜い長さになると思いますが、どうぞよしなに。
【パリの空よりも高く】
<プロローグ>
ごくありきたりの、レビューシーン。
「JAZZYな妖精たち」が、100分間の中でプロローグのほんの十数分だけは許せたように、観客の救いになる場面かと思っていましたが…
もちろん嫌悪感はないけど、JAZZYのアイリッシュタップは凄かったものなあ。あの感動と比べてしまうとちょっと物足りないかも。
麻子さんとかなみちゃんのデュエットダンスはやっぱりキレイ。そんなにテクニック的にものすごい訳ではない(多分。私にはよくわかりませんが)のに、なんでだろう。醸し出す雰囲気がいいからかなあ…。
かなみちゃん、すこーし首回りがすっきりしてキレイになったような?気のせい?
<オテル・ド・サンミッシェル>
ミミとジャンの姉弟が可愛い。タキ(出雲綾)さんのマダムが、ミミに対する時とジャンに話しかける時で声色が違うのがツボ。
怖いよタキさん…。タキさんのことは好きなんですけど、正直言って、ちょっと…キツイ、です。
なんて言うんだろ。カルロッタそのものなんですよね。一流ホテルのオーナーが、そんなやり手婆に見えてどうするんだ!前の日記にも書きましたが、もろ「宿屋の女将」って感じなんですよ。タキさん、グゥェンドレンの母親は結構上品な(でも怖い)おばさんで良かったのに。…まぁ、別に作品的にはやり手のマダムでもいい筈なんですけど、脚本的にはもうちょっと違う感じなんで…芝居と脚本(台詞)にズレがあるのでとっても微妙(涙)。
初見の時はここの会話を結構真剣に聞いていたんで余計そう思いました(2回目からは寝た。これからご覧になるみなさん、アルマンドが出てくるまでは寝てていいですよー)。
なんていうか、あの場面って、古臭い手法だけど「お芝居」になくてはならない場面なんですよね。過去の経緯を説明しているだけのようで、実際には登場人物たちの「キャラクター」を見せるための場面だから。…さすがに未沙のえるさんとエリ(嘉月絵理)さんは達者なんですけどね。やっぱり作品の意図(原作)と実際のキャラ(演出)がまるっきりずれているのでねぇ(涙)。
一番出番も見せ場も台詞も多いのはタキさんのマダム、ていう作品でしたが、あれを演者のキャラに合わせてもっとはっちゃけたばりばりのオバハンにしてたら、作品自体がもっと面白くなったのではないかしら、と思うと残念。宝塚なんだから、重要キャラは演者に宛書するのが当然で、演者が脚本のキャラになれないのは大目に見たいんですけどねぇ…。
この場面の見所は4人のボーイたち。ちょこちょこと働いてるんですけど、それぞれに個性があって観ていて飽きません。舞台上での目立とう精神ではなく、しっかり役とキャラを作り込んで、キチンと小芝居するのが月組若手の伝統。上級生が随分減って、そのあたりの伝統がどうなるか心配してましたけど、皆、今まで以上に楽しそうに芝居していて嬉しかったです。
学年関係なく、舞台上での見かけでいうとマギー(星条海斗)が一番先輩に見える(笑)。なんとなくですけど、テキパキしてて、しっかり先を読んで動いている感じ。
もりえ(青樹泉)はごく素直に、着実に仕事をこなしてる感じかな?ちょっとまだキャラが立ってないみたいなんで、下級生に負けないように頑張って欲しいな。
まさお(龍真咲)くんはちゃきちゃき。なんだか、しっかり者に見えて結構トボけているところとか、慌て者なところとか、竜堂4兄弟の終くんみたい(爆)。あのギラギラ感がたまりません。それにしてもまさおは本当に良い声だわ。これで芝居に心が入ったら鬼に金棒なんだけど…。あと、ふとした仕草とか横顔のシルエットとかがガイチ(初風緑)さんに似ている時があって、びっくりします。顔のほそさとか頬骨のラインとか、微妙に似ているような気が…私だけ?
(綾月)せりちゃんはごく普通の男の子、って感じ。竜堂4兄弟なら余くんかな♪4人共結構仲良くて、なんだかホントに兄弟みたいでほほえましいです。
そしてマッチ先輩の支配人が挙動不審で面白すぎる…。
ナホ(越乃リュウ)ちゃんとあひ(遼河はるひ)ちゃんが登場。
ナホちゃん、それじゃー銀行頭取には見えないよ…商売っ気ありすぎですから!個人的にはエリさんとナホちゃんは逆の方がよかったのではないかと思いますた。エリさんはさすがに巧いなあ。引くトコ引いて、なのにしっかり印象に残る。こういう役者は得難いです。
あひちゃん。あの仕草は…オカマちっくにしたいのか?ちょい内股で、ハンケチを振りながら腰振って歩いて。甲高い声で笑いを取って。出てくるだけで面白かったんですけど、路線として、組の3,4番手ポジションとして、どうなんでしょうかソレは……私は、好きですけど(笑)。
アルマンド登場。
麻子さんかっこいいー!さすが!テンションが高くていい感じです。「騙してやろう」感がありありで胡散臭さ倍増。ただ、彼が皆を騙そうと、ハイテンションで機関銃のように喋りまくる姿が…私にはちょっと痛かったです。なんだろう。彼は一人前のペテン師じゃないのかもしれない。初仕事で失敗して、次こそは、と、身内のジョルジュのネタを横取りしてきた…そんな感じ。
アルマンドは、「ペテン師である」ことを除けば、ものすごーーーく「普通」の人ですよね。ごくごく真面目で優しい好青年。実は良い家で育ったお坊ちゃんなんじゃないの?(苦笑)。ネットとかで「ペテン師に見えない」っていう感想を見かけますが、そうかなあ。私には十分ペテン師に見えましたよ。というか「ペテン師になりたい男」だなあと…。
……っていうか未だにこの人の「ペテン」の内容がよくわからない私。クロサギ読んで勉強(?)したのに、どーもこの時アルマンドが何を考えていたのかよくわからない。「ジュリアン・ジャッケの息子を騙って金を巻き上げてやろう」なんだろうけど…。植田(紳)なんだから考えるだけ無駄なんでしょうけどね。消化不良。
ジョルジュ登場
ドアマンのまぐ(流輝一斗)ちゃんがとってもステキ。重たげなロングのコートがよくお似合いです。ジョルジュが「アルマンド・ジャッケです!」って言ったときの、びっくりして口をあけた顔がとってもツボでした。可愛いわ。
そして祐飛さんはもっと(…)可愛い。がんばって若作りしてるなーと思う。…「がんばってるな」と思ってしまう時点で負けているわけですが。でも可愛いからいいの。
観るまでは「麻子さんの弟分?楽勝ー!さぞ可愛かろう♪」くらいに思っていた腐れファンの私ですが…。「血と砂」の頃は何の違和感もなく弟キャラだったのに、いつの間にこんなにおっさん臭くなったものか。私の中で、彼の時間は止まっていたみたいです。
でもあのヘタレっぷりがたまりません。もっと崩しちゃってもいいのにな。
<客室>
この場面転換は結構好き。シンプルで。どうにも全体に演出が古臭くて暗転+カーテン前(または銀橋)が多い中、このセットがあるだけホテル内が中心の作品でよかったなと思います。
麻子さんと祐飛さん、同期コンビの息はぴったり。でもそれは、「作品」が求めている息の合い方じゃないんですよね。仲良し同期の、馴れ合いとまでは思わないけど、素でお似合いだから舞台上でもお似合い、それ以上でもそれ以下でもない。かろうじて祐飛さんが弟分には見えてるけど、作品的に求められている関係ではない…。
タキさんのところにも書きましたけど、宝塚なんだからメインキャストについては宛書するのが当然なんじゃないの?この二人のコンビでコメディするなら、どうしたって素が見えちゃう(観客もそれを求めてしまう)んだから、素に合わせた設定にするべきだったと思います。…ってゆーか、素直にきりやんで良いじゃんかよ…(涙)。
ギスターブ登場
きりやん可愛い!ここ数作、渋くてかっこいい役が続いていたので、久々の可愛いきりやんにメロメロです。
どもりがちなおどおどキャラと、夢を語る時に突然饒舌になって滔々と語り出す時の目の輝き。2重人格かと思うような変貌っぷりがすごいです。大好き!
ボンボン歌いながら銀橋を渡る時のかわいらしさがまたたまらん。ここの3人は滅茶苦茶可愛くって最高です。毎回もだえてます。
<パリの街角〜噂〜>
わーい園加だー♪、と思いつつ、笑っている園加にはあまり興味がないので(←ひどい)、隣のみっぽー(美鳳あや)ちゃんに釘付けでした。いつも可愛いなあ。
ルミ姐(宝生ルミ)、音キチ(音姫すなお)、(天野)ほたる、(葉月)さらちゃん、と、ローマの愛人ズでも注目株の年上美人4人が勢揃いで眼福、眼福。
男役も研(ルイス)ちゃん、ふーが(風雅湊)くん、とーやん(榎橙也)、(光月)るうちゃんと美男揃い。
でも。わざとかと思うほどこの男役5人衆、みんな……声が高すぎですっ!(←あ、言っちゃった)。そんな中でも、女役を入れても一番声の高い園加ちゃん。その顔でその声はどうなの(←…ヲイ)。
女役より声の高い男役ってやっぱり許せん。ってゆーか、月組の女役が声低すぎなのでしょうか…。落ち着いた深みのある声が大好きな私としては、新加入のあひちゃん・園加ちゃんには真剣にがんばっていただきたいです(涙)。
どっちも顔に見合った声をだしてくれればいいから!(←たいがい失礼だな私)
アルマンド一行とミミたち登場。
この場面と直接関係ないですけど、ミミとアルマンドの出会いは、きちんと書くべきだったと思います。たとえば、ボンボン歌って銀橋渡ったところで本舞台でミミと出会う場面にするとか。そんなんでいいから。
ア「ジョルジュ、紙とペンを調達してきてくれ。俺たちはあっちを見てくるから」
ジ「わかったよ。早く帰ってこいよ!じゃあな!」
とか言って下手花道にはける。同時に上手からミミたち登場。
ミ「ギスターヴさん!こんばんは!」
ギ「ミミミミミミ、ミミ!聞いてくれよ、この人が僕の夢に賛成してくれたんだよっ!」
ミ「まあ、良かったですねぇ!」
ギ「こちらアルマンドさんだ」
ア「(にっこり微笑んで)はじめまして、ミミ?」
ミ「…(見惚れて)あ、は、はじめまして、アルマンドさん。
ギスターヴさんの夢を信じてくださってありがとうございます」
ア「…(にっこり)何を言っているんだい。君みたいな可愛い子が応援して
くれるんなら、僕もがんばらないとな」
ミ「(ポっと俯いて)まぁ…」
ギスターヴ、二人の間に流れる甘いムードに全く気づかず、ひたすら嬉しそうに
ミミを見つめる。ここまでカーテン前。
んで、園加たちパリ市民の場面をはさんで、今度はジョルジュも加えた5人で登場。
前場があれば、そんなに脚本的には変更なくても大丈夫かな?誰かに「もう半年たったんですねぇ」とか言わせるくらいで。
あ、それから、もうちょっと季節感のある服装をしていただきたいんですが。パリの街の背景も使い回しすぎ。手前に木か何かをおいて、それの葉っぱが増えたり減ったりするだけでいいんですけど。3年間という長い時間経過があるのに、それが全く感じられないのがなんとも…。
ううう、苦しい。
…このへんで、私は脚本の意図を理解しようという努力を放棄します。今後はただただ、可愛い月組ッ子とマヤさんを愛でたいと思います。
<タワー建設準備会パーティー>
月組ッ子、濃すぎだろそれ。末子姐、あー(花瀬みずか)さま、ガチャ(一色瑠加)あたりの、イロイロ期待されているメンバーはともかく(←え?)、役名もなくただ「紳士」「貴婦人」と書かれただけの若手の楽しそうな様子ってば…。
でも、それぞれに役をちゃんと創った上で遊んでいるのが嬉しい。まだまだ固いけど、この先どんどんこなれてきそうなのが嬉しい。遊びを先に、じゃなくて、役を創るのが先。その基本がちゃんと身体に入ってる。
ああ、月組を観てるんだなあ、と嬉しくなります。
だからって初日は舞台稽古でいい、って訳じゃあないんですが(汗)。
でも、作品の創り方がそうだから、仕方ないのかな、と思える部分はある。贔屓だから甘くてごめんなさい、ですが。
退団、組替えでどんどんメンバーも入れ替わって、雰囲気がどんどん変わっていく。
でも、月組は月組なんだね。
たとえ主要メンバーがこんなに大きく変わってしまっても。
やっぱり月組は、私の大好きな月組なんだ。
それが、お芝居のそこかしこに出ている。
それが一番、うれしかった。
ギスターヴ登場。
きりやんステキです。きりやんかっこいいです。
「地上と天上を結ぶ橋を架けたいのです」…植田さん、たまには良い台詞を書くじゃないか!
この名台詞を発する時の、きりやんのキラキラぶりがツボ。かっこいいぞ!
それに引き込まれて、ふと表情が変わる上級生達。こういう呼吸で空気が変わるのっていいなあ。芝居の醍醐味だわ。
ローマの「アントニウスの演説」の場面でも、もちろんきりやんの歌の説得力が凄いんだけど、それ以上に反応する組子たちの空気感が好きでした。あの熱さには、観客もつい流されちゃう。客席の気持ちまで持って行ってしまうんですよね。
「愚かな民衆」をテーマにしたあの場面は、観ていて痛すぎて辛かったけど、「月組の群衆芝居」はやっぱすごいや、と思ったものです。
このパーティーの場面も、きりやんの台詞をきっかけに、それまでてんでんばらばらな方向を見ていた「群衆」が、ふと「同じ方向」を向く。
その「エントロピー最小」の状態を出現させるために必要なエネルギーが、「群衆」の意志、という形できっちり表現できているから、客席の私は「まあ、いっか」と思ってしまうのです。
…こういうのを「脚本の不備を役者がフォローする舞台」というのよ。
アルマンドたちの部屋。
アルマンドやっぱり格好いいです。たまらん。パーティーで演説するアルマンドの胡散臭さといい、ツボりまくりです。
ジョルジュとの遣り取りもここはかなりテンポ良く進んでいたような。ファンの贔屓目かしら?麻子さんのアルマンドは割と自己完結しちゃいがちなキャラなので、ジョルジュはそれをひたすら受けているんですよね。もう少し突っ込んでもいいんじゃないかな。さらに、もう少し立場の違い(年齢差?)が出せれば、面白くなると思います。期待。
でも、良い感じに流れているこの場面をみて、普通に「ここは原作どおりなんだな」と思ってしまう自分が悲しい…。劇団よ、お芝居大好きな組子が多いんだから、たまには良いお芝居くれよ…。
<パリの街角>
ボーイたちが歌い踊るおいしい場面。ここはショー場面、と心得てか、バリバリと目線飛ばしまくりなまさおが可愛いです。いつだってやりすぎだから、キミ。でも芝居が始まるといちおう役に戻るんだよね、嫌そうに(笑)。
もりえとマギーはツインタワーでかっこいい。そしてせりちゃんは可愛い。この子は将来、絵理さんのようになるんでしょうか。声の高さと舌ったらずさにちょっと将来を危ぶみつつ、血と砂メンバーは可愛いんでつい見守ってしまいます。
ミミ・ギスターヴ・ジョルジュ登場。
ミミに話しかけるたびにどもってしまうギスターヴが最高可愛い。そして、明らかに「分かってるのに」とぼけて見せるミミはもっと可愛い(爆)。嫌な女ですけど、そういう役だから仕方ない。かなみちゃんが悪いわけではないので許したい……(汗)。
きりやんとかなみちゃんって、そういえばあんまり組んだことないですよね?
スタイル的にも歌の実力的にも、それに持ち味も、すごーく合いそうなお二人なのに。
(…あ。額田と中大兄があるか。ごめんなさい、中日は行ってないのでわからないや)
珍しいお二人のデュエット。良い声だなあ、と。うっとり♪
…直後に同じメロディを、しかも一人で歌わされるジョルジュが哀れでなりません…。
ミミの、ギスターヴにはそれなりに好意を持っているけど「そのお気持ちにはお応えできませんわ。それでもいいんですよね?」という確信犯的な微笑みと。
ギスターヴのわかってない(ミミがそれなりの好意を抱いている事自体わかってない)っぷりが凄まじく痛いです。
なんだかなあ。ついつい、色々考えてしまうんですが。
ミミは、真面目に花を売ってるんでしょうか?
それとも、花だけじゃなくて「春」も売っているの?
…ねぇ?
ギスターヴとの出会いも、「春」のお客さんともめているところを通りすがったギスターヴに助けられた、とか、そんな…
いや、考えすぎなのは判ってます。ホテルに3ヶ月も逗留していたギスターヴと、毎朝花を届けに来るミミが出会ったのは、ホテル。それで何の疑問もありません。
でも。
そんなんツマラナイじゃないかーーーーっ!
(植田紳脚本に萌えを求めるんじゃありません)
ギスターヴは何も気づかずに、ただ絡まれてる女の子を助けたつもりでいたら、ホテルでよく出会う可愛子ちゃんだった。家まで送る途中で自分の夢の話をしたら、目を輝かせてうなずいてくれた。
…なんて良い子なんだ→こんな子がいつも傍にいてくれたらいいのに→「ミミミミミミ、ミミ、すすすすすす、す………」(結局言えないまま月日は流れる)
ミミの方も、優しげでステキなお兄さんに助けられて、感謝と憧憬の念を抱く。
でも、彼は自分の商売を知っていると(その上で黙ってくれているんだと)思いこんで悩み、さらに彼の子供っぽさを知るにつけて純粋な「憧れ」が、次第に変質してしまう。
いわく「この人なら、私の言うことはなんでも聞いてくれるはず」。
…打ち出の小槌を手に入れた子供のように。
そこに現れた王子さま。
ギスターヴより上の立場で、彼の夢を認め、その手助けをしてくれる人。動き出す空気。パリが動くんだもの、すごいことですよね。
今まで、口では「すごいですねー!」と言っていても、全くそんな夢も希望も本気にはしていなかったミミ。彼女にとっては衝撃的な状況。
『もしかして、あたしってばすごい現場に立ち会ってるんじゃないの?』
そんな。夢のようなコトを起こしてくれた王子さま。
あの人、またあたしを見てる。あたしがギスターヴさんの夢を最初に認めた人だと思って。
……どうしよう。あたし、何もしてないのに。ギスターヴさんの話はよく分からなかったけど、うん、うん、って頷いてあげると喜んだから。だから、うん、って言ってただけなのに。アルマンドさんは、口ばっかりで何もしないあたしを見て、どう思っているんだろう……。
そして。
塔の建設がだいぶ進んだある日。久しぶりにギスターヴ(とジョルジュ)に出会ったミミは、夕方、金持ちそうな男に声をかけられる。
パンはもう底をついた。この荷車の花も、明日が限界。明日売れなかったら、もう仕入れに行く金もない。…そうは言っても、ここにあるのは良い花ばかり(ジャンはああ見えて目利きという設定)だし、マダムエレノールのオテルは最近景気がいいから、頼めばきっと買いあげてくれるだろう。無理をしなくてもなんとかなる。
…だけど。
“ここで、まとまったお金が貰えたら”
「ジャン、先に帰ってて頂戴。あたしはご飯食べて帰るから、昨日の残り、あんたが全部食べて良いわよ。…そうね、遅くなるかもしれないけど、心配しないで。ちゃんと帰るから」
“半分くらいなら、……あのひとのところに持って行けるかもしれない…。”
…この時点で、すでにミミの頭の中にギスターヴは(もちろんジョルジュも)居ないんだろうなあ。いや、ジャンの心配そうな顔さえ目に入ってないかもしれない。哀れなり。
とゆーか、植田脚本でも妄想できる自分にちょっと感動…。
<深夜のロビー>
ペテン師二人が金庫を持って登場。
ジョルジュが金庫を開けると、いきなりなり出すベル。…こういう仕掛けって、こんな頃からあったんでしょうかねぇ…。
ちなみに、私が観た回のうち一回は、ジリジリ鳴っている間に金庫の蓋が「ぱたん」と閉じてしまいました。思わず息を飲んだよ。お二人は、何事もなかったようにそのままお芝居を続けていましたが。さすが年の功。
あの音量に驚いて起きてくるのがマダム一人、ってのもどうかと思うんですけど。
まちおさんとかボーイとか、どうしてるわけ?ああ、そういえば4人揃って遊びに出てましたね、さっき。もしかして通いなのか全員?
タキさん、やっぱり芝居は「それなりに」上手なんですよね。滑舌いいし抑揚もある。でも、「一流オテルのオーナー」には…見えない。きっぱり。
下町の、人情に厚い下宿屋の女将。やっぱりそれが一番似合います。
アルマンドに父親ジュリアンの話をするエレノール。だからソレはアルマンドの父親じゃないっての。っつーかジョルジュに聞かせてやってよ。呼んでやってよアルマンド。頼むから。ジョルジュの父親の話じゃんか…。
やっぱり「ジョルジュの父親がジュリアン」っていう設定は、この時点で作者の頭に残っていないものと思われます。
この後の、「俺たちが消えたら、おばさんは悲しむだろうな…」というアルマンドの独白はかなり胸を撞きました。もう少し溜息まじりでもいいとは思うけど。
複雑な胸中がかいま見えて、好きな場面です。
でも、「ほだされ」てしまうには、あまりにも弱いエピソードだと思うんですけどねえ…。
(ごめんなさい。もう脚本についてはコメントしないと誓ったのに)
そして。
金持ち男から貰った(ソレって確定?)お金を握りしめて、ミミ登場。
匂い立つ色気(ヤッてきたばかりだもんな…←だからソレって)と必死な目の色が眩しい。
つい昨日まで、「可愛いけどごく普通の、そのへんにいっぱいいる可愛子ちゃん」だったミミが、ファム・ファタルに変わる瞬間。
それは、夢に懸ける思いの強さと、犠牲の大きさ。
アルマンドは、ミミが懸ける「夢」=塔の建設、だと思った。
だから彼は、出されるがままに金を受け取る。
でもミミの「夢」は、本当はただ、アルマンドの微笑み。
たったそれだけ。
持ち物の少ないペテン師には、差し出せない犠牲を、そのために捧げたミミ。
それでも、「夢」のためならそれは、決して汚らわしいものではないのだから。
なのにアルマンドには判らない。
だって彼には、「夢」がないから。
だからこそ彼は、「彼らの」夢を実現することにこだわり始める。
いい加減金が集まってきたところで逃げ出そうよ、と、五月蠅くまとわりつくジョルジュを無視して。
奴らの夢を実現してやれるのは俺たちだけなんだから。
いいじゃないか、どうせ俺たちを疑うような知恵の働く奴なんかいやしない。
慌てる乞食はもらいが少ない。金のがちょうはたっぷりと餌をやって朝を待て。
ゆっくり時間をかけて、たーっぷりと搾り取ろうぜ、な?ジョルジュ。
だって兄貴。こんなに長く一つ処にいるの、始めてじゃないか。
俺、なんだか怖いんだよ。あまりにも話がうまくいきすぎてる。
塔が建っちまったら、もう逃げられないんだぜ…?
何考えてるんだよ、兄貴ィ!
ジョルジュ。いいから俺に任せておけ。お前は心配しなくていいんだ。
本当に…可愛いな、お前は。でも、あんまりウルサいと捨てていくぞ。
!!冗談でもやめてくれよ!俺はもう、一人はイヤだからなーっ!!
…あの作品で、妄想できるのって私くらいなんじゃないだろうか。不安。
いくらなんでも長いので、いったん切ります。(一万字超えそうだ)
続きはいずれ。
.
メモみたいなものですし、ネタバレ配慮もしておりませんのでご注意ください。
もの凄〜い長さになると思いますが、どうぞよしなに。
【パリの空よりも高く】
<プロローグ>
ごくありきたりの、レビューシーン。
「JAZZYな妖精たち」が、100分間の中でプロローグのほんの十数分だけは許せたように、観客の救いになる場面かと思っていましたが…
もちろん嫌悪感はないけど、JAZZYのアイリッシュタップは凄かったものなあ。あの感動と比べてしまうとちょっと物足りないかも。
麻子さんとかなみちゃんのデュエットダンスはやっぱりキレイ。そんなにテクニック的にものすごい訳ではない(多分。私にはよくわかりませんが)のに、なんでだろう。醸し出す雰囲気がいいからかなあ…。
かなみちゃん、すこーし首回りがすっきりしてキレイになったような?気のせい?
<オテル・ド・サンミッシェル>
ミミとジャンの姉弟が可愛い。タキ(出雲綾)さんのマダムが、ミミに対する時とジャンに話しかける時で声色が違うのがツボ。
怖いよタキさん…。タキさんのことは好きなんですけど、正直言って、ちょっと…キツイ、です。
なんて言うんだろ。カルロッタそのものなんですよね。一流ホテルのオーナーが、そんなやり手婆に見えてどうするんだ!前の日記にも書きましたが、もろ「宿屋の女将」って感じなんですよ。タキさん、グゥェンドレンの母親は結構上品な(でも怖い)おばさんで良かったのに。…まぁ、別に作品的にはやり手のマダムでもいい筈なんですけど、脚本的にはもうちょっと違う感じなんで…芝居と脚本(台詞)にズレがあるのでとっても微妙(涙)。
初見の時はここの会話を結構真剣に聞いていたんで余計そう思いました(2回目からは寝た。これからご覧になるみなさん、アルマンドが出てくるまでは寝てていいですよー)。
なんていうか、あの場面って、古臭い手法だけど「お芝居」になくてはならない場面なんですよね。過去の経緯を説明しているだけのようで、実際には登場人物たちの「キャラクター」を見せるための場面だから。…さすがに未沙のえるさんとエリ(嘉月絵理)さんは達者なんですけどね。やっぱり作品の意図(原作)と実際のキャラ(演出)がまるっきりずれているのでねぇ(涙)。
一番出番も見せ場も台詞も多いのはタキさんのマダム、ていう作品でしたが、あれを演者のキャラに合わせてもっとはっちゃけたばりばりのオバハンにしてたら、作品自体がもっと面白くなったのではないかしら、と思うと残念。宝塚なんだから、重要キャラは演者に宛書するのが当然で、演者が脚本のキャラになれないのは大目に見たいんですけどねぇ…。
この場面の見所は4人のボーイたち。ちょこちょこと働いてるんですけど、それぞれに個性があって観ていて飽きません。舞台上での目立とう精神ではなく、しっかり役とキャラを作り込んで、キチンと小芝居するのが月組若手の伝統。上級生が随分減って、そのあたりの伝統がどうなるか心配してましたけど、皆、今まで以上に楽しそうに芝居していて嬉しかったです。
学年関係なく、舞台上での見かけでいうとマギー(星条海斗)が一番先輩に見える(笑)。なんとなくですけど、テキパキしてて、しっかり先を読んで動いている感じ。
もりえ(青樹泉)はごく素直に、着実に仕事をこなしてる感じかな?ちょっとまだキャラが立ってないみたいなんで、下級生に負けないように頑張って欲しいな。
まさお(龍真咲)くんはちゃきちゃき。なんだか、しっかり者に見えて結構トボけているところとか、慌て者なところとか、竜堂4兄弟の終くんみたい(爆)。あのギラギラ感がたまりません。それにしてもまさおは本当に良い声だわ。これで芝居に心が入ったら鬼に金棒なんだけど…。あと、ふとした仕草とか横顔のシルエットとかがガイチ(初風緑)さんに似ている時があって、びっくりします。顔のほそさとか頬骨のラインとか、微妙に似ているような気が…私だけ?
(綾月)せりちゃんはごく普通の男の子、って感じ。竜堂4兄弟なら余くんかな♪4人共結構仲良くて、なんだかホントに兄弟みたいでほほえましいです。
そしてマッチ先輩の支配人が挙動不審で面白すぎる…。
ナホ(越乃リュウ)ちゃんとあひ(遼河はるひ)ちゃんが登場。
ナホちゃん、それじゃー銀行頭取には見えないよ…商売っ気ありすぎですから!個人的にはエリさんとナホちゃんは逆の方がよかったのではないかと思いますた。エリさんはさすがに巧いなあ。引くトコ引いて、なのにしっかり印象に残る。こういう役者は得難いです。
あひちゃん。あの仕草は…オカマちっくにしたいのか?ちょい内股で、ハンケチを振りながら腰振って歩いて。甲高い声で笑いを取って。出てくるだけで面白かったんですけど、路線として、組の3,4番手ポジションとして、どうなんでしょうかソレは……私は、好きですけど(笑)。
アルマンド登場。
麻子さんかっこいいー!さすが!テンションが高くていい感じです。「騙してやろう」感がありありで胡散臭さ倍増。ただ、彼が皆を騙そうと、ハイテンションで機関銃のように喋りまくる姿が…私にはちょっと痛かったです。なんだろう。彼は一人前のペテン師じゃないのかもしれない。初仕事で失敗して、次こそは、と、身内のジョルジュのネタを横取りしてきた…そんな感じ。
アルマンドは、「ペテン師である」ことを除けば、ものすごーーーく「普通」の人ですよね。ごくごく真面目で優しい好青年。実は良い家で育ったお坊ちゃんなんじゃないの?(苦笑)。ネットとかで「ペテン師に見えない」っていう感想を見かけますが、そうかなあ。私には十分ペテン師に見えましたよ。というか「ペテン師になりたい男」だなあと…。
……っていうか未だにこの人の「ペテン」の内容がよくわからない私。クロサギ読んで勉強(?)したのに、どーもこの時アルマンドが何を考えていたのかよくわからない。「ジュリアン・ジャッケの息子を騙って金を巻き上げてやろう」なんだろうけど…。植田(紳)なんだから考えるだけ無駄なんでしょうけどね。消化不良。
ジョルジュ登場
ドアマンのまぐ(流輝一斗)ちゃんがとってもステキ。重たげなロングのコートがよくお似合いです。ジョルジュが「アルマンド・ジャッケです!」って言ったときの、びっくりして口をあけた顔がとってもツボでした。可愛いわ。
そして祐飛さんはもっと(…)可愛い。がんばって若作りしてるなーと思う。…「がんばってるな」と思ってしまう時点で負けているわけですが。でも可愛いからいいの。
観るまでは「麻子さんの弟分?楽勝ー!さぞ可愛かろう♪」くらいに思っていた腐れファンの私ですが…。「血と砂」の頃は何の違和感もなく弟キャラだったのに、いつの間にこんなにおっさん臭くなったものか。私の中で、彼の時間は止まっていたみたいです。
でもあのヘタレっぷりがたまりません。もっと崩しちゃってもいいのにな。
<客室>
この場面転換は結構好き。シンプルで。どうにも全体に演出が古臭くて暗転+カーテン前(または銀橋)が多い中、このセットがあるだけホテル内が中心の作品でよかったなと思います。
麻子さんと祐飛さん、同期コンビの息はぴったり。でもそれは、「作品」が求めている息の合い方じゃないんですよね。仲良し同期の、馴れ合いとまでは思わないけど、素でお似合いだから舞台上でもお似合い、それ以上でもそれ以下でもない。かろうじて祐飛さんが弟分には見えてるけど、作品的に求められている関係ではない…。
タキさんのところにも書きましたけど、宝塚なんだからメインキャストについては宛書するのが当然なんじゃないの?この二人のコンビでコメディするなら、どうしたって素が見えちゃう(観客もそれを求めてしまう)んだから、素に合わせた設定にするべきだったと思います。…ってゆーか、素直にきりやんで良いじゃんかよ…(涙)。
ギスターブ登場
きりやん可愛い!ここ数作、渋くてかっこいい役が続いていたので、久々の可愛いきりやんにメロメロです。
どもりがちなおどおどキャラと、夢を語る時に突然饒舌になって滔々と語り出す時の目の輝き。2重人格かと思うような変貌っぷりがすごいです。大好き!
ボンボン歌いながら銀橋を渡る時のかわいらしさがまたたまらん。ここの3人は滅茶苦茶可愛くって最高です。毎回もだえてます。
<パリの街角〜噂〜>
わーい園加だー♪、と思いつつ、笑っている園加にはあまり興味がないので(←ひどい)、隣のみっぽー(美鳳あや)ちゃんに釘付けでした。いつも可愛いなあ。
ルミ姐(宝生ルミ)、音キチ(音姫すなお)、(天野)ほたる、(葉月)さらちゃん、と、ローマの愛人ズでも注目株の年上美人4人が勢揃いで眼福、眼福。
男役も研(ルイス)ちゃん、ふーが(風雅湊)くん、とーやん(榎橙也)、(光月)るうちゃんと美男揃い。
でも。わざとかと思うほどこの男役5人衆、みんな……声が高すぎですっ!(←あ、言っちゃった)。そんな中でも、女役を入れても一番声の高い園加ちゃん。その顔でその声はどうなの(←…ヲイ)。
女役より声の高い男役ってやっぱり許せん。ってゆーか、月組の女役が声低すぎなのでしょうか…。落ち着いた深みのある声が大好きな私としては、新加入のあひちゃん・園加ちゃんには真剣にがんばっていただきたいです(涙)。
どっちも顔に見合った声をだしてくれればいいから!(←たいがい失礼だな私)
アルマンド一行とミミたち登場。
この場面と直接関係ないですけど、ミミとアルマンドの出会いは、きちんと書くべきだったと思います。たとえば、ボンボン歌って銀橋渡ったところで本舞台でミミと出会う場面にするとか。そんなんでいいから。
ア「ジョルジュ、紙とペンを調達してきてくれ。俺たちはあっちを見てくるから」
ジ「わかったよ。早く帰ってこいよ!じゃあな!」
とか言って下手花道にはける。同時に上手からミミたち登場。
ミ「ギスターヴさん!こんばんは!」
ギ「ミミミミミミ、ミミ!聞いてくれよ、この人が僕の夢に賛成してくれたんだよっ!」
ミ「まあ、良かったですねぇ!」
ギ「こちらアルマンドさんだ」
ア「(にっこり微笑んで)はじめまして、ミミ?」
ミ「…(見惚れて)あ、は、はじめまして、アルマンドさん。
ギスターヴさんの夢を信じてくださってありがとうございます」
ア「…(にっこり)何を言っているんだい。君みたいな可愛い子が応援して
くれるんなら、僕もがんばらないとな」
ミ「(ポっと俯いて)まぁ…」
ギスターヴ、二人の間に流れる甘いムードに全く気づかず、ひたすら嬉しそうに
ミミを見つめる。ここまでカーテン前。
んで、園加たちパリ市民の場面をはさんで、今度はジョルジュも加えた5人で登場。
前場があれば、そんなに脚本的には変更なくても大丈夫かな?誰かに「もう半年たったんですねぇ」とか言わせるくらいで。
あ、それから、もうちょっと季節感のある服装をしていただきたいんですが。パリの街の背景も使い回しすぎ。手前に木か何かをおいて、それの葉っぱが増えたり減ったりするだけでいいんですけど。3年間という長い時間経過があるのに、それが全く感じられないのがなんとも…。
ううう、苦しい。
…このへんで、私は脚本の意図を理解しようという努力を放棄します。今後はただただ、可愛い月組ッ子とマヤさんを愛でたいと思います。
<タワー建設準備会パーティー>
月組ッ子、濃すぎだろそれ。末子姐、あー(花瀬みずか)さま、ガチャ(一色瑠加)あたりの、イロイロ期待されているメンバーはともかく(←え?)、役名もなくただ「紳士」「貴婦人」と書かれただけの若手の楽しそうな様子ってば…。
でも、それぞれに役をちゃんと創った上で遊んでいるのが嬉しい。まだまだ固いけど、この先どんどんこなれてきそうなのが嬉しい。遊びを先に、じゃなくて、役を創るのが先。その基本がちゃんと身体に入ってる。
ああ、月組を観てるんだなあ、と嬉しくなります。
だからって初日は舞台稽古でいい、って訳じゃあないんですが(汗)。
でも、作品の創り方がそうだから、仕方ないのかな、と思える部分はある。贔屓だから甘くてごめんなさい、ですが。
退団、組替えでどんどんメンバーも入れ替わって、雰囲気がどんどん変わっていく。
でも、月組は月組なんだね。
たとえ主要メンバーがこんなに大きく変わってしまっても。
やっぱり月組は、私の大好きな月組なんだ。
それが、お芝居のそこかしこに出ている。
それが一番、うれしかった。
ギスターヴ登場。
きりやんステキです。きりやんかっこいいです。
「地上と天上を結ぶ橋を架けたいのです」…植田さん、たまには良い台詞を書くじゃないか!
この名台詞を発する時の、きりやんのキラキラぶりがツボ。かっこいいぞ!
それに引き込まれて、ふと表情が変わる上級生達。こういう呼吸で空気が変わるのっていいなあ。芝居の醍醐味だわ。
ローマの「アントニウスの演説」の場面でも、もちろんきりやんの歌の説得力が凄いんだけど、それ以上に反応する組子たちの空気感が好きでした。あの熱さには、観客もつい流されちゃう。客席の気持ちまで持って行ってしまうんですよね。
「愚かな民衆」をテーマにしたあの場面は、観ていて痛すぎて辛かったけど、「月組の群衆芝居」はやっぱすごいや、と思ったものです。
このパーティーの場面も、きりやんの台詞をきっかけに、それまでてんでんばらばらな方向を見ていた「群衆」が、ふと「同じ方向」を向く。
その「エントロピー最小」の状態を出現させるために必要なエネルギーが、「群衆」の意志、という形できっちり表現できているから、客席の私は「まあ、いっか」と思ってしまうのです。
…こういうのを「脚本の不備を役者がフォローする舞台」というのよ。
アルマンドたちの部屋。
アルマンドやっぱり格好いいです。たまらん。パーティーで演説するアルマンドの胡散臭さといい、ツボりまくりです。
ジョルジュとの遣り取りもここはかなりテンポ良く進んでいたような。ファンの贔屓目かしら?麻子さんのアルマンドは割と自己完結しちゃいがちなキャラなので、ジョルジュはそれをひたすら受けているんですよね。もう少し突っ込んでもいいんじゃないかな。さらに、もう少し立場の違い(年齢差?)が出せれば、面白くなると思います。期待。
でも、良い感じに流れているこの場面をみて、普通に「ここは原作どおりなんだな」と思ってしまう自分が悲しい…。劇団よ、お芝居大好きな組子が多いんだから、たまには良いお芝居くれよ…。
<パリの街角>
ボーイたちが歌い踊るおいしい場面。ここはショー場面、と心得てか、バリバリと目線飛ばしまくりなまさおが可愛いです。いつだってやりすぎだから、キミ。でも芝居が始まるといちおう役に戻るんだよね、嫌そうに(笑)。
もりえとマギーはツインタワーでかっこいい。そしてせりちゃんは可愛い。この子は将来、絵理さんのようになるんでしょうか。声の高さと舌ったらずさにちょっと将来を危ぶみつつ、血と砂メンバーは可愛いんでつい見守ってしまいます。
ミミ・ギスターヴ・ジョルジュ登場。
ミミに話しかけるたびにどもってしまうギスターヴが最高可愛い。そして、明らかに「分かってるのに」とぼけて見せるミミはもっと可愛い(爆)。嫌な女ですけど、そういう役だから仕方ない。かなみちゃんが悪いわけではないので許したい……(汗)。
きりやんとかなみちゃんって、そういえばあんまり組んだことないですよね?
スタイル的にも歌の実力的にも、それに持ち味も、すごーく合いそうなお二人なのに。
(…あ。額田と中大兄があるか。ごめんなさい、中日は行ってないのでわからないや)
珍しいお二人のデュエット。良い声だなあ、と。うっとり♪
…直後に同じメロディを、しかも一人で歌わされるジョルジュが哀れでなりません…。
ミミの、ギスターヴにはそれなりに好意を持っているけど「そのお気持ちにはお応えできませんわ。それでもいいんですよね?」という確信犯的な微笑みと。
ギスターヴのわかってない(ミミがそれなりの好意を抱いている事自体わかってない)っぷりが凄まじく痛いです。
なんだかなあ。ついつい、色々考えてしまうんですが。
ミミは、真面目に花を売ってるんでしょうか?
それとも、花だけじゃなくて「春」も売っているの?
…ねぇ?
ギスターヴとの出会いも、「春」のお客さんともめているところを通りすがったギスターヴに助けられた、とか、そんな…
いや、考えすぎなのは判ってます。ホテルに3ヶ月も逗留していたギスターヴと、毎朝花を届けに来るミミが出会ったのは、ホテル。それで何の疑問もありません。
でも。
そんなんツマラナイじゃないかーーーーっ!
(植田紳脚本に萌えを求めるんじゃありません)
ギスターヴは何も気づかずに、ただ絡まれてる女の子を助けたつもりでいたら、ホテルでよく出会う可愛子ちゃんだった。家まで送る途中で自分の夢の話をしたら、目を輝かせてうなずいてくれた。
…なんて良い子なんだ→こんな子がいつも傍にいてくれたらいいのに→「ミミミミミミ、ミミ、すすすすすす、す………」(結局言えないまま月日は流れる)
ミミの方も、優しげでステキなお兄さんに助けられて、感謝と憧憬の念を抱く。
でも、彼は自分の商売を知っていると(その上で黙ってくれているんだと)思いこんで悩み、さらに彼の子供っぽさを知るにつけて純粋な「憧れ」が、次第に変質してしまう。
いわく「この人なら、私の言うことはなんでも聞いてくれるはず」。
…打ち出の小槌を手に入れた子供のように。
そこに現れた王子さま。
ギスターヴより上の立場で、彼の夢を認め、その手助けをしてくれる人。動き出す空気。パリが動くんだもの、すごいことですよね。
今まで、口では「すごいですねー!」と言っていても、全くそんな夢も希望も本気にはしていなかったミミ。彼女にとっては衝撃的な状況。
『もしかして、あたしってばすごい現場に立ち会ってるんじゃないの?』
そんな。夢のようなコトを起こしてくれた王子さま。
あの人、またあたしを見てる。あたしがギスターヴさんの夢を最初に認めた人だと思って。
……どうしよう。あたし、何もしてないのに。ギスターヴさんの話はよく分からなかったけど、うん、うん、って頷いてあげると喜んだから。だから、うん、って言ってただけなのに。アルマンドさんは、口ばっかりで何もしないあたしを見て、どう思っているんだろう……。
そして。
塔の建設がだいぶ進んだある日。久しぶりにギスターヴ(とジョルジュ)に出会ったミミは、夕方、金持ちそうな男に声をかけられる。
パンはもう底をついた。この荷車の花も、明日が限界。明日売れなかったら、もう仕入れに行く金もない。…そうは言っても、ここにあるのは良い花ばかり(ジャンはああ見えて目利きという設定)だし、マダムエレノールのオテルは最近景気がいいから、頼めばきっと買いあげてくれるだろう。無理をしなくてもなんとかなる。
…だけど。
“ここで、まとまったお金が貰えたら”
「ジャン、先に帰ってて頂戴。あたしはご飯食べて帰るから、昨日の残り、あんたが全部食べて良いわよ。…そうね、遅くなるかもしれないけど、心配しないで。ちゃんと帰るから」
“半分くらいなら、……あのひとのところに持って行けるかもしれない…。”
…この時点で、すでにミミの頭の中にギスターヴは(もちろんジョルジュも)居ないんだろうなあ。いや、ジャンの心配そうな顔さえ目に入ってないかもしれない。哀れなり。
とゆーか、植田脚本でも妄想できる自分にちょっと感動…。
<深夜のロビー>
ペテン師二人が金庫を持って登場。
ジョルジュが金庫を開けると、いきなりなり出すベル。…こういう仕掛けって、こんな頃からあったんでしょうかねぇ…。
ちなみに、私が観た回のうち一回は、ジリジリ鳴っている間に金庫の蓋が「ぱたん」と閉じてしまいました。思わず息を飲んだよ。お二人は、何事もなかったようにそのままお芝居を続けていましたが。さすが年の功。
あの音量に驚いて起きてくるのがマダム一人、ってのもどうかと思うんですけど。
まちおさんとかボーイとか、どうしてるわけ?ああ、そういえば4人揃って遊びに出てましたね、さっき。もしかして通いなのか全員?
タキさん、やっぱり芝居は「それなりに」上手なんですよね。滑舌いいし抑揚もある。でも、「一流オテルのオーナー」には…見えない。きっぱり。
下町の、人情に厚い下宿屋の女将。やっぱりそれが一番似合います。
アルマンドに父親ジュリアンの話をするエレノール。だからソレはアルマンドの父親じゃないっての。っつーかジョルジュに聞かせてやってよ。呼んでやってよアルマンド。頼むから。ジョルジュの父親の話じゃんか…。
やっぱり「ジョルジュの父親がジュリアン」っていう設定は、この時点で作者の頭に残っていないものと思われます。
この後の、「俺たちが消えたら、おばさんは悲しむだろうな…」というアルマンドの独白はかなり胸を撞きました。もう少し溜息まじりでもいいとは思うけど。
複雑な胸中がかいま見えて、好きな場面です。
でも、「ほだされ」てしまうには、あまりにも弱いエピソードだと思うんですけどねえ…。
(ごめんなさい。もう脚本についてはコメントしないと誓ったのに)
そして。
金持ち男から貰った(ソレって確定?)お金を握りしめて、ミミ登場。
匂い立つ色気(ヤッてきたばかりだもんな…←だからソレって)と必死な目の色が眩しい。
つい昨日まで、「可愛いけどごく普通の、そのへんにいっぱいいる可愛子ちゃん」だったミミが、ファム・ファタルに変わる瞬間。
それは、夢に懸ける思いの強さと、犠牲の大きさ。
アルマンドは、ミミが懸ける「夢」=塔の建設、だと思った。
だから彼は、出されるがままに金を受け取る。
でもミミの「夢」は、本当はただ、アルマンドの微笑み。
たったそれだけ。
持ち物の少ないペテン師には、差し出せない犠牲を、そのために捧げたミミ。
それでも、「夢」のためならそれは、決して汚らわしいものではないのだから。
なのにアルマンドには判らない。
だって彼には、「夢」がないから。
だからこそ彼は、「彼らの」夢を実現することにこだわり始める。
いい加減金が集まってきたところで逃げ出そうよ、と、五月蠅くまとわりつくジョルジュを無視して。
奴らの夢を実現してやれるのは俺たちだけなんだから。
いいじゃないか、どうせ俺たちを疑うような知恵の働く奴なんかいやしない。
慌てる乞食はもらいが少ない。金のがちょうはたっぷりと餌をやって朝を待て。
ゆっくり時間をかけて、たーっぷりと搾り取ろうぜ、な?ジョルジュ。
だって兄貴。こんなに長く一つ処にいるの、始めてじゃないか。
俺、なんだか怖いんだよ。あまりにも話がうまくいきすぎてる。
塔が建っちまったら、もう逃げられないんだぜ…?
何考えてるんだよ、兄貴ィ!
ジョルジュ。いいから俺に任せておけ。お前は心配しなくていいんだ。
本当に…可愛いな、お前は。でも、あんまりウルサいと捨てていくぞ。
!!冗談でもやめてくれよ!俺はもう、一人はイヤだからなーっ!!
…あの作品で、妄想できるのって私くらいなんじゃないだろうか。不安。
いくらなんでも長いので、いったん切ります。(一万字超えそうだ)
続きはいずれ。
.
園加にはまりました。
以上。
で終わってもいいくらい、桐生園加さんが輝いていたショーでした。
えーーっと。
三木さん作・演出のショー「ファンシー・ダンス」。
「踊れる人」だけが、
「素晴らしい振付」を得て、
ひたすら踊りつづける。
そういう、素晴らしいショー作品。
まだ振付が身体に入っていない人も多く、こなすのに精一杯でまとまりがなかったのが残念ですが。
東宝ではこのショー目当てに通う予定でーす!
とにかく、振付がかっこいい。
中でもきりやんが凄い。
ペトルーシュカのきりやんの超絶ダンス!すげーーーーーっ!
もの凄いことになってます。
あそこ、ムーア人役があひちゃんじゃなくてマギー(星条海斗さん)とかだったら、もう本当にどこ観ればいいのかわからないですよ!
そして、私の大好きなKAZUMI-BOY振付の「ラスト・ダンス」。
これこそ、どこ観ていていいのかわからなくて目がうろうろしてます(←挙動不審)。全員かっこよすぎで巧すぎです。
ただ。
個々の場面の完成度はものすごいレベルになりつつあるのですが。
一つの「ショー」として全体を通してみると、いくつか大きな欠点があったことも事実、かな。
最大の欠点は中詰めの盛り上がらなさ。
場面のストーリー自体は面白いし、出演者も良くやっているんですけど。
せっかく麻子さんとかなみちゃんのデュエットダンスで最大限に盛り上がったのを、ナホ(越乃リュウ)ちゃんの「撮影終了!」で切ってしまうので、そこで観客の気持ちもいったん切れてしまうんですよね……。
それをもう一度、みんなが出てきて盛り上げるんですけど。
そこから銀橋に行くまでが短すぎて、テンションがあがりきる前に終わってしまう感じなのが……
残念で残念で。
宝塚のショーの中詰めって、若手からだんだんスター格が出てきて、「次はこの人か、お、次はこの人か、さあ次はトップだぞ来るぞ来るぞ、うおおおお出てきた!わーーーーーっ!!」 っていうのがあって、総踊りで更に盛り上げて、最高潮に達したところで銀橋に出る、っていうのが…
…なんというか、「お・約・束」って感じじゃないですか。
この「さあ来るぞ来るぞ、うおおおおキターーーーっ!」っていうのが、どこにもないんですよね、あのショー。
盛り上がらないままにとりあえず銀橋に出てきちゃっても、銀橋で盛り上げれば別にそれはそれでいいんですけど。
そこも時間的に短くてちょこっとポーズとってすぐ終わってしまうなんて…
もったいない。
麻子さんの「ワンモアタイム!」が空しく響きます。
寂しいです(涙)。
他にも、なんでせっかくの名場面「ペトルーシュカ」のラストに
「ご挨拶」を入れなくちゃいけないんだよ!?とか、いくつか構成上の不満はあります。
それにね。
なんていうか、そうそうたる顔ぶれの振付陣を見たときから懸念していたのですけれども。
気を抜く場面がないんですよね。
どの場面も、いい振付だらけ見所だらけで。
……集中して(しかもあちこちを)観なくてはならないので、かなり疲れるショーではあります。
わぁお、我ながら贅沢な悩みだなあ。
お芝居なんて、どこで起きようかな、って感じなのに(ヲイ)。
あと、ちょっと小さな声で言いたいんですけど。
いくらなんでも同じ人使いすぎなんじゃ。
(↑太字かよ)
麻子さん〜あひちゃんまでのスタークラスはそれぞれ場面をわけあっていますけど、それ以下は。
出ている人は全ての場面に出ているし、
出てない人は総踊りしか出番がない。
残酷なほどにはっきりと、線がひかれている。
あの「ライン」。
私の贔屓は、「ダンサー」ではまったくないので。
ああいうのは観ていて辛くなるところも多々あります。はい。
そんなこと言ってちゃいけないんですけどね。もちろんわかっているんです。
でもこれは、ホントウのホンネの根っこの滴。
本人がんばっているし、何より嬉しそうにやっているので、いつだって楽しいんですけどね。
ダンサーさんたちの見事なダンスに惚れ惚れと、その世界に浸り込みながら。
ほんの少し、胸の片隅がちりちりする、…そんなショーです。
…ああ、どうして私はあの人のファンになってしまったんだろう…(苦笑)。
いや、あの、その、そんなことはおいといて。
園加、マギー、まさお(龍真咲)、みりお(明日海りお)をはじめとするアイワナダンスメンバーは、本当にすべての場面に出ているような気がします。立ち位置もえらい位置にいて、びっくりすることしばしば。
まぐ(流輝一斗)、みっしょん(美翔かずき)、りこ(麻月れんか)ちゃんあたりもそうかな。とくにりこちゃんは、今まであんまり使われていなかったのに、オクラホマあたりから突然いいところに来るようになって、毎回驚いてしまいます(笑)。せっかく良い位置にいるので、ダンスがんばってね(^ ^)。
娘役ではあいあい(城咲あい)、みっぽー(美鳳あや)、ねね(夢咲ねね)ちゃん、れみ(白華れみ)ちゃん。とくにあいあいは、ペトルーシュカの黒いドレスが終わったと思ったらまたすぐに出てきたので驚きました。しかもあの短時間にちゃんとメークも変えてる。プロだ。
みっぽーは常に舞台の上にいます。今回はふじこ(紫水梗華)ちゃんが退団だし、麗百愛ちゃんも出てきているから出番も分け合うのかと思っていましたが…ぜーんぶみっぽーでしたね。驚愕。
(私はみっぽーのダンスが一番好きなので、嬉しいかぎりではありますが/汗)
まぁ、みっぽーは芝居巧者で、ダンサーとしても色んな色を出せる(清純派もいけるし色っぽくもコケティッシュにもかっこよくもなれる)希有な人なので、使い易いんでしょうけれども…。
でも、どうしても。
いくら巧い人たちでも。
同じ人が出れば、どうしたって色が似てしまいます。
振付も美術も衣装も何もかも違うけど、
でもやっぱり、「ああまた同じメンバーだ」と思ってしまう。
そんな人間心理。
やっぱちょっと、もったいない、かも。
…などと、構成上の問題はいろいろありますが。
もう少し全員振りが身体に入って、
回りを見る余裕ができてくれば。
フォーメーションを揃えよう、という気になってくれさえすれば。
そして、フィナーレ前の黒エンビだけでもいいから、振りを揃えよう!という意識をもってくれさえすれば!!(←月ッ子には無理だろーなー…涙)
そうなれば、私は東宝で、ものスゴーく通い詰めることになるでしょう…。
最後に、ちょっとだけ(本当か?)園加を語りたい。
園加ちゃんが凄いダンサーなことは知ってました。
花組のショーではいつも、さお太(高翔みずき)さんと園加に釘付けでしたから。
切れのいい、直線的で漢っぽい、野郎系のダンス。ジャンプ力というか上下の動きがすごく切れてて、滞空時間が長くて、3次元空間で踊る人だなあという印象を持っていました。
あと、スタイル自体はそんなに良い訳じゃないのに、決めポーズのラインをきっちり作ってトメるからすごいキレイで。
動いてよし、止まってよし。
そんな素材。ショー作家はさぞ使いたいでしょうね。
実際使われていましたし。…今回は桁の違う使われ方でしたけど(^ ^;)
でも。
はっきり言って、ビジュアルは(スタイルも)いけてない。
そう思っていた私。
園加って、ビジュアルもいけてたんだ………!(驚愕)
そんなことを、はじめて知った「シェヘラザード」でした。
私が「桐生園加」というジェンヌをはじめて覚えたのは、樹里さんのディナーショーでの強烈な女装(←そこかよ/涙)でした。
バストラインがどうみても作りモノじゃなくて。(←しかも、観てるのはそこか)
なのに、誰がどうみてもオカマで。(←なんでだ…号泣)
以来、カレはイロモノ、と思っていたフシがありまして。
いやはや。
ダンスよりも。
組んで踊っているみっぽーちゃんの軟体動物ぶり(関節いくつあるんだあの身体)よりも。
…園加の美貌に釘付けだったなんて、とても口には出せない…。
(だからって文字にするか)
あの眼がいいんです。
危険をはらんだ、三白眼が。
前髪の隙間から、ちらっと見えるあのキツい眼。
…前髪なくっちゃダメよ園加。あの眼を晒しちゃいかん。ちょっと髪で隠れるくらいの方がいいの。リーゼントより絶対前髪があった方が好きです。
…はい、そのへんにしときます。やっぱり止まらなかったな園加語り…。
今日はまっつが月組を観にきていたそうですね。
うおおおおお、園加嬉しかったでしょうねぇ〜!
観たかったよーーー。
いや、すいません、もちろんまっつだけじゃなくて、花組の皆さまがいらしてくださったんだし(汗)、園加に会いに来たわけではなくて麻子さんもいるし、きりやんもいるし、普通に月組を観にきてくれたんですけど!
…単に私は腐女子なもんですからっっ(滝汗)
いやー、
…嬉しそうに花組メンバーにアピールしまくって、なのになんとなく照れ照れになってる園加…
いかん。つい想像してしまった。かわいーーーーっ。
.
以上。
で終わってもいいくらい、桐生園加さんが輝いていたショーでした。
えーーっと。
三木さん作・演出のショー「ファンシー・ダンス」。
「踊れる人」だけが、
「素晴らしい振付」を得て、
ひたすら踊りつづける。
そういう、素晴らしいショー作品。
まだ振付が身体に入っていない人も多く、こなすのに精一杯でまとまりがなかったのが残念ですが。
東宝ではこのショー目当てに通う予定でーす!
とにかく、振付がかっこいい。
中でもきりやんが凄い。
ペトルーシュカのきりやんの超絶ダンス!すげーーーーーっ!
もの凄いことになってます。
あそこ、ムーア人役があひちゃんじゃなくてマギー(星条海斗さん)とかだったら、もう本当にどこ観ればいいのかわからないですよ!
そして、私の大好きなKAZUMI-BOY振付の「ラスト・ダンス」。
これこそ、どこ観ていていいのかわからなくて目がうろうろしてます(←挙動不審)。全員かっこよすぎで巧すぎです。
ただ。
個々の場面の完成度はものすごいレベルになりつつあるのですが。
一つの「ショー」として全体を通してみると、いくつか大きな欠点があったことも事実、かな。
最大の欠点は中詰めの盛り上がらなさ。
場面のストーリー自体は面白いし、出演者も良くやっているんですけど。
せっかく麻子さんとかなみちゃんのデュエットダンスで最大限に盛り上がったのを、ナホ(越乃リュウ)ちゃんの「撮影終了!」で切ってしまうので、そこで観客の気持ちもいったん切れてしまうんですよね……。
それをもう一度、みんなが出てきて盛り上げるんですけど。
そこから銀橋に行くまでが短すぎて、テンションがあがりきる前に終わってしまう感じなのが……
残念で残念で。
宝塚のショーの中詰めって、若手からだんだんスター格が出てきて、「次はこの人か、お、次はこの人か、さあ次はトップだぞ来るぞ来るぞ、うおおおお出てきた!わーーーーーっ!!」 っていうのがあって、総踊りで更に盛り上げて、最高潮に達したところで銀橋に出る、っていうのが…
…なんというか、「お・約・束」って感じじゃないですか。
この「さあ来るぞ来るぞ、うおおおおキターーーーっ!」っていうのが、どこにもないんですよね、あのショー。
盛り上がらないままにとりあえず銀橋に出てきちゃっても、銀橋で盛り上げれば別にそれはそれでいいんですけど。
そこも時間的に短くてちょこっとポーズとってすぐ終わってしまうなんて…
もったいない。
麻子さんの「ワンモアタイム!」が空しく響きます。
寂しいです(涙)。
他にも、なんでせっかくの名場面「ペトルーシュカ」のラストに
「ご挨拶」を入れなくちゃいけないんだよ!?とか、いくつか構成上の不満はあります。
それにね。
なんていうか、そうそうたる顔ぶれの振付陣を見たときから懸念していたのですけれども。
気を抜く場面がないんですよね。
どの場面も、いい振付だらけ見所だらけで。
……集中して(しかもあちこちを)観なくてはならないので、かなり疲れるショーではあります。
わぁお、我ながら贅沢な悩みだなあ。
お芝居なんて、どこで起きようかな、って感じなのに(ヲイ)。
あと、ちょっと小さな声で言いたいんですけど。
いくらなんでも同じ人使いすぎなんじゃ。
(↑太字かよ)
麻子さん〜あひちゃんまでのスタークラスはそれぞれ場面をわけあっていますけど、それ以下は。
出ている人は全ての場面に出ているし、
出てない人は総踊りしか出番がない。
残酷なほどにはっきりと、線がひかれている。
あの「ライン」。
私の贔屓は、「ダンサー」ではまったくないので。
ああいうのは観ていて辛くなるところも多々あります。はい。
そんなこと言ってちゃいけないんですけどね。もちろんわかっているんです。
でもこれは、ホントウのホンネの根っこの滴。
本人がんばっているし、何より嬉しそうにやっているので、いつだって楽しいんですけどね。
ダンサーさんたちの見事なダンスに惚れ惚れと、その世界に浸り込みながら。
ほんの少し、胸の片隅がちりちりする、…そんなショーです。
…ああ、どうして私はあの人のファンになってしまったんだろう…(苦笑)。
いや、あの、その、そんなことはおいといて。
園加、マギー、まさお(龍真咲)、みりお(明日海りお)をはじめとするアイワナダンスメンバーは、本当にすべての場面に出ているような気がします。立ち位置もえらい位置にいて、びっくりすることしばしば。
まぐ(流輝一斗)、みっしょん(美翔かずき)、りこ(麻月れんか)ちゃんあたりもそうかな。とくにりこちゃんは、今まであんまり使われていなかったのに、オクラホマあたりから突然いいところに来るようになって、毎回驚いてしまいます(笑)。せっかく良い位置にいるので、ダンスがんばってね(^ ^)。
娘役ではあいあい(城咲あい)、みっぽー(美鳳あや)、ねね(夢咲ねね)ちゃん、れみ(白華れみ)ちゃん。とくにあいあいは、ペトルーシュカの黒いドレスが終わったと思ったらまたすぐに出てきたので驚きました。しかもあの短時間にちゃんとメークも変えてる。プロだ。
みっぽーは常に舞台の上にいます。今回はふじこ(紫水梗華)ちゃんが退団だし、麗百愛ちゃんも出てきているから出番も分け合うのかと思っていましたが…ぜーんぶみっぽーでしたね。驚愕。
(私はみっぽーのダンスが一番好きなので、嬉しいかぎりではありますが/汗)
まぁ、みっぽーは芝居巧者で、ダンサーとしても色んな色を出せる(清純派もいけるし色っぽくもコケティッシュにもかっこよくもなれる)希有な人なので、使い易いんでしょうけれども…。
でも、どうしても。
いくら巧い人たちでも。
同じ人が出れば、どうしたって色が似てしまいます。
振付も美術も衣装も何もかも違うけど、
でもやっぱり、「ああまた同じメンバーだ」と思ってしまう。
そんな人間心理。
やっぱちょっと、もったいない、かも。
…などと、構成上の問題はいろいろありますが。
もう少し全員振りが身体に入って、
回りを見る余裕ができてくれば。
フォーメーションを揃えよう、という気になってくれさえすれば。
そして、フィナーレ前の黒エンビだけでもいいから、振りを揃えよう!という意識をもってくれさえすれば!!(←月ッ子には無理だろーなー…涙)
そうなれば、私は東宝で、ものスゴーく通い詰めることになるでしょう…。
最後に、ちょっとだけ(本当か?)園加を語りたい。
園加ちゃんが凄いダンサーなことは知ってました。
花組のショーではいつも、さお太(高翔みずき)さんと園加に釘付けでしたから。
切れのいい、直線的で漢っぽい、野郎系のダンス。ジャンプ力というか上下の動きがすごく切れてて、滞空時間が長くて、3次元空間で踊る人だなあという印象を持っていました。
あと、スタイル自体はそんなに良い訳じゃないのに、決めポーズのラインをきっちり作ってトメるからすごいキレイで。
動いてよし、止まってよし。
そんな素材。ショー作家はさぞ使いたいでしょうね。
実際使われていましたし。…今回は桁の違う使われ方でしたけど(^ ^;)
でも。
はっきり言って、ビジュアルは(スタイルも)いけてない。
そう思っていた私。
園加って、ビジュアルもいけてたんだ………!(驚愕)
そんなことを、はじめて知った「シェヘラザード」でした。
私が「桐生園加」というジェンヌをはじめて覚えたのは、樹里さんのディナーショーでの強烈な女装(←そこかよ/涙)でした。
バストラインがどうみても作りモノじゃなくて。(←しかも、観てるのはそこか)
なのに、誰がどうみてもオカマで。(←なんでだ…号泣)
以来、カレはイロモノ、と思っていたフシがありまして。
いやはや。
ダンスよりも。
組んで踊っているみっぽーちゃんの軟体動物ぶり(関節いくつあるんだあの身体)よりも。
…園加の美貌に釘付けだったなんて、とても口には出せない…。
(だからって文字にするか)
あの眼がいいんです。
危険をはらんだ、三白眼が。
前髪の隙間から、ちらっと見えるあのキツい眼。
…前髪なくっちゃダメよ園加。あの眼を晒しちゃいかん。ちょっと髪で隠れるくらいの方がいいの。リーゼントより絶対前髪があった方が好きです。
…はい、そのへんにしときます。やっぱり止まらなかったな園加語り…。
今日はまっつが月組を観にきていたそうですね。
うおおおおお、園加嬉しかったでしょうねぇ〜!
観たかったよーーー。
いや、すいません、もちろんまっつだけじゃなくて、花組の皆さまがいらしてくださったんだし(汗)、園加に会いに来たわけではなくて麻子さんもいるし、きりやんもいるし、普通に月組を観にきてくれたんですけど!
…単に私は腐女子なもんですからっっ(滝汗)
いやー、
…嬉しそうに花組メンバーにアピールしまくって、なのになんとなく照れ照れになってる園加…
いかん。つい想像してしまった。かわいーーーーっ。
.
月組公演を観てまいりました。
年が明けてから9日間に観た舞台。
星組「ヘイズ・コード」2回、星組「ハレルヤGOGO!」1回、そして月組「パリの空よりも高く/ファンシーダンス」5回(!)
……我ながら。
莫迦!
です。
知ってます。はい。…放っておいてくださいませ。
観劇しての感想。
思って(覚悟して)たより、ずーっと面白かったです!!
お正月にぴったりの、ぱぁっとした あ・軽いコメディ。
麻子さんが素敵で、かなみちゃんときりやんが可愛くて。
(嘉月)絵理さんが渋くて、ナホ(越乃リュウ)ちゃんが胡散臭くて、
研(ルイス)ちゃんが若作りしてがんばってました♪
下級生にまったく役がなかったのがどうにも…でしたが、
ショーはめちゃめちゃ良かったし、私はなんとか通えそうです。
……みりお(明日海りお)くんが可愛くて可愛くて…
持って帰りたかった…(溜息)。
以上、で終わらせてもいいんですが。
もうちょい真面目に、「作品について」語ってみてもいいでしょうか…。
月組はおかげさまで、ずいぶんと長いこと「植田といえば景子さん」でした。
だから。
ノン(久世星佳)さんの時代に初めて観て、ファンになって以来月組一筋の私にとって、
植田(紳)さんの芝居作品で、複数回観たことがあるのは、役替わりがあった「ベルサイユのばら」と「風と共に去りぬ」くらい。
他組でも、避けてたわけではないはずなんですが、案外観ていなくて…。
覚えているのは、宝塚ファンになりたてで訳がわからなかった「ザッツ・レビュー」、遅刻して途中から観たため、さっぱり話が見えなかった「天使の季節」、花柳芳次郎さんの振付が印象的だった全ツ「蝶・恋」…くらいでしょうか。どれも一回づつ。
あ、一昨年の全ツ「ジャワの踊り子」があったか。
あれは複数回観てるな。
でもあれも、菊田作品の谷演出ってイメージで、植田さんの作品、という気がしないしなあ。
何が言いたいかと言うと。
私はネットで散々書かれていた「植田(紳)かよ!?」という衝撃は、比較的軽い人だったわけです。
宝塚の演出陣の中で、一番「知らない人」だったから。
「ベルばら」と「風共」というのは、いずれも「宝塚」の「財産」で、「グランドロマン」で、「古典」で、「なくてはならないもの」。
しかも一般人受けする。私も会社の同僚などに「ベルばら観たいなー」と何度言われたことか。
だから。
植田さんの、「普通のコメディ」ってどんなものだろう、と。
すごく興味を持っていたのですよ。
(まぁ、「蝶・恋」を見てるんだから、あとは推して知るべし…って気もしますが)
そんな気持で観劇した、「パリの空よりも高く」
…菊田作品でした。
いや、違う。
正確には。
「菊田作品にベルばらを足して3で割りました」
…って感じ?
菊田さんの「花咲く港」、去年BSで放映したんですよね。録画しておけばよかったなあー。多分、普通に上質のコメディだったんだろうと思います。
キャストを吟味すれば、すごーーーく面白いですよ、きっと。
なのに。
…コホン。
植田さんに聞きたいことが、二つ、あります。
何故舞台をパリに移したの?
何故、ジョルジュがジュリアン・ジャッケの息子という設定を付け加えたんですか……?
最初の疑問の答えは、わかるような気がします。
華やかなパリ。
そのパリが、近代もっとも輝いた「黄金時代」、それがパリ万国博覧会の時代。
その「パリ万博」の目玉であったエッフェル塔を作る物語。
確かに、この設定が発表されるなり、ネットでの空気が(少し)変わったことは事実。
あ、塚ファンはここに喰いつくんだ、と。
(回りと意見が合わないことが多い)塚ファンの私は思ったものです。
でも。
「花咲く港」を観てもいないのに偉そうに言うのもなんですが。
多分。
原作の、一番おもしろいポイントは、
これが「田舎の出来事」だというところなんじゃないだろうか…?
聞きかじりなんですけど、原作は「船が週に1便しかない九州の小島」を舞台にしていて、「島のために新しい船を作ろう!」といってペテンにかける、というような話らしいじゃないですか。
つまり。
「トボけた都会の詐欺師」が、「純朴な田舎の人々」をペテンにかけようとして、彼らが「故郷のためにがんばる姿」に「ほだされ」ちゃうのが、本来のストーリーなんじゃないのかと思う訳なんですよ…
…それがなんで、華やかなりしパリの、しかも上流階級のお貴族様たちのパーティをえんえんとやってるような作品になっちゃうわけぇ?
「儲かる儲かるばかり言っては、かえって胡散臭くってよオッホッホッホッホ」と高笑いする末子姐(滝川末子)さんはこの上もなくステキなんですが。
株主にどう説明すればいいのか悩む財閥御曹司のあひる(遼河はるひ)くんも、声を発するだけで笑いがとれて素晴らいし。
誰よりも一番胡散臭い宿屋の女将、あ、いえ、自称「由緒あるオテルのオーナー」タキ(出雲綾)さんも、組長お披露目おめでとうございますお衣装の数々が羨ましい限りではあるのですが。
…ああもう、キャラクター多すぎるので明日以降に改めてさせていただきますけど!
あんな胡散臭い人たちに、どうして田舎者のペテン師コンビ(だって、パリまで汽車賃一人60フランかけて遥々来るんですよ…?田舎者なんじゃないの…?)が「ほだされ」なくっちゃならないんですか。
植田さん、ちょっと人間心理的にありえなくないですか…?
しかも。
原作では「週一便しか船がない」から、「逃げられる日も限られる」。なのに、逃げようとするたびに「何か」が起こって逃げそびれる、
そういうシチュエーションコメディの要素もあった筈。
それがパリじゃあ、「嵐で馬車もなかった」のはまぁいいけど、それ以外の日はいつだって逃げられるでしょ…?
しかも3年だよ3年。
なんで「逃げられる時に逃げなかったのは兄貴」になるの?
さらに、原作では作るのが船ですから、「嵐」が来ても、「人手でなんとか」なりますよ確かに。「みんなで協力」すれば、「嵐からも守れる」ものなんだもの。
だけど。「1000フィート=300メートルの鉄の塔」は、いくら「血を流しながら鉄骨を支えた」って守れるもんじゃありません。
それともアルマンドは実はサイボーグだったってゆーオチなんですかアレは?
せめて、パリッ子に浄財を募る話にすれば良かったんじゃないか、と思うんですよね。
パリに遊びに来た、南仏ではちょっと知られたペテン師コンビが、パリ下町の素朴な下宿屋で貧乏建築家のエッフェルに出会う。「地上と空を結ぶ橋を架けたい」という夢を聞いた二人は、その夢に賛同して(みせて)、パリッ子たちから浄財を募るうちに噂が広がり、ちょうど万博の目玉を探していた政府に目をつけられてーーーー!!
みたいな。
それだったら、たとえば女将さんがいると夜は外出できないから週に一回女将さんが留守にする時しか逃げられない、とかいう設定とかも考えられるし。
まぁ、3年という期間とか、嵐で守るモノの問題とかはどうにもならないけど…、そのくらいだったら目を瞑ることもできますよね。だって宝塚だもん!
舞台が「交通の便の悪い」「田舎」であること。
ペテン師コンビが「都会」から来たこと。
この2点は、原作を原作たらしめ、ハートフルコメディとして成立させるために必要不可欠な条件だったのではないでしょうか?
それを、完璧に逆転させた「パリの空よりも高く」。
植田さん、気は確かですか…?
そしてもう一つの問題が、ジョルジュの設定。
何故植田(紳)さんは、ペテン師コンビの片割れ・ジョルジュを、「20年前の第二回パリ万博の中心人物」ジュリアン・ジャッケの実の息子という設定にしたんでしょうか…?
その設定一つで、ものすごーーーーく話が捩れたと思うんですけど………。
まず「ジョルジュはジュリアンの息子なんだから、20歳以下(多分18歳か19歳、下手すると17歳かも!?)でなくてはならない」という設定があります。
…あのぉ?
………演じる大空祐飛は、研15なんですけどぉ?
いや、もちろん、わかってます。
私も大空ファンの一人ですが、それでもやっぱり、19歳だろうが10歳だろうが、逆に80歳だろうが役者たるもの、板の上に載る以上はなってみせろ!!とは思う訳なんですが。
いちおう、お手紙にも書いてみたりしましたし。
でもさ。
植田さん。それって虐めですか…?
いや。あの。
私が観ていた3日間の間にも、どんどん若くなっていってましたので、もう少し時間をいただければ、なんとかなるんじゃないかと一縷の希望を抱いてはいるのですが。
でも。
それでも、ね。
…新公のみりおくんが、ものすごーーーーく楽しみです。はい。
絶対「明日から本役と替われ!」と思ってしまいそうだ……。
そして。
そんなこと(ユウヒさんがんばれー!)よりさらに大きな問題があるんです。
だって。
ジョルジュがジュリアンの実の息子であるってことは。
そもそも、アルマンドはともかく、ジョルジュは「さびしーーーい処(麻子さんのこの言い方、好き)」に入る必要はないわけですよ。
だって、彼らが仕掛けたペテンは「ジュリアンがやったように、俺たちもパリ万博を盛り上げますよ!」っていうだけなんだから。
持ち逃げする現場を押さえられさえしなければ、ね。
さらに、一つ目の問題にも関わってくるんですけど、エッフェル塔なんてものに手を出しちゃったばっかりにペテンの期間が長すぎるんですよね…。
3年間真剣に取り組んで、世界一の塔をたててしまったジュリアン・ジャッケの息子とその仲間。
……そのままイベント屋でも開業してはいかがでしょうか……?
つまりさ。
話の根本がおかしくなっちゃうんですよ。
しかも、「なんのためにその設定が必要だったのか」がまったくわからない。
舞台をパリにしたことみたいに、「舞台を華やかにする」って目的もなければ、ジョルジュと父親のエピソードを使ってお涙頂戴場面を作るわけでもない。
タキさんがアルマンドに「父親」の思い出を話すシーンはあるけど、聞いてるのはジョルジュ(息子)じゃないし、ジョルジュが「俺も親父みたいに尊敬される人物になりたいなあ〜」っていう場面も、ちょっと工夫すれば感動場面にできると思うのに、そのまま茶化されて終わりだし…
…たとえば、天涯孤独な孤児ジョルジュが育った教会(勝手に設定を決めんなよ自分)の近所にジュリアンが住んでいて、時々教会に来ては華やかなりしパリの昔話をよくしていた、とか。
何かそんなような設定くらいで十分だと思うんですよ。
なのにわざわざ、ジュリアンの息子にしたのは何故なのか。
物語りの主題はあくまでもアルマンドとギスターヴなのに、なんでジョルジュの裏設定が必要なの?ってことです。
そもそも、ジュリアンが本当に「偉い」人物であったのかどうかもはっきりしないしね。
初見では、この人も実はペテン師だったっていう設定なんだろうと思いながら観てましたよ私は。最後まで。だって、最初にタキさんが「使途不明金があって行方をくらました」って話してるんだもん。
原作には、このジュリアンにあたる人物がいるんでしょうかねぇ?
少なくとも、ペテン師コンビは、島とはなんの係累もないって設定ではあるようですが。
ところで。
私がここまでえんえんと書いてきたのは、決して愚痴ではありません。
なんか色々書いちゃいましたけど、菊田さんの原作はとっても良くできたコメディだと思うんですよ。
だから。
舞台を観ながら。
「ここは田舎。パリっていう名の田舎の話」とか、
「このひとたちは、見た目はちょっと胡散臭いけど、
みんな純朴でいいひとたちなのよ」とか、
「汽車は1週間に一本しか動いてないのよ」とか、
「このひとはこう見えても19歳なの。若いのよ!」とか。
いちいち自分に言い聞かせてみたら、いろいろなことが誤魔化せて面白くなったんですよ☆
というわけで。
以上、「パリの空よりも高く」を3倍楽しむ方法、でした(泣笑)。
舞台設定だけで長くなってしまって、キャストを語れなかった(涙)。
とりあえず、一言づつ書かせてください。また詳しくは後日。
アルマンド 推定年齢25歳。
かっこいいいいいいいい!
ペテン師らしい胡乱さと、若さゆえの誠実さのバランスがいいです。
コメディらしい声色の使いわけとか、さすが花組仕込みと感心しました。
そのままでいいので、一人で突っ走らないで時々回りを見てあげてくださいね。
本当は30歳だけど若作りして25歳に見せてます、みたいなイメージが
作れるともっといいんだけど、まぁ「ダメなペテン師」だからな…。
ミミ 推定年齢19歳。
アルマンドへの密かな憧れがダダ漏れしていて可愛いです(笑)。
ギスターヴに対しても、それなりに甘い気持はあったってことでOK?
アルマンドとギスターヴの間で揺れる場面がないのが残念!
ジョルジュのスルーっぷりが見事でとっても笑えます。
…もしかして、ジョルジュの方が年下設定?
ギスターヴ 推定年齢20代後半。アルマンドより1,2歳上?
私は配役発表されるまできりやんがジョルジュだと信じて疑わなかったので
今でもものすごーーーーく残念なのですが…
でもでも。
ギスターヴ、良かったです。 とっても。
脚本的にアルマンドと絡む場面が少なかったのが残念!
でも、きりやんらしいギスターヴでしたね。
最後、パリ郊外の丘まで一緒に来ちゃってもよかったと思うけど
それはしないところがギスターヴらしいのかも。
あああでもでも、出番減らして歌無しでいいから、
ユウヒさんのギスターヴが観たかったよおお(身勝手)。
ってゆーか麻キリのペテン師コンビが観たかったよおおお。
ジョルジュ 推定年齢はせいぜい24歳でしたが、がんばって18歳くらいまで…
あまりに気の毒で、かける言葉もありません。
せめて衣装がもっと子供っぽければいいのにね。無意味に立派で
大人っぽいんだよ。難しい…。
でも。
役者たるもの、与えられた役の人物になりきれないのなら
舞台に立つ資格はないんです。
植田さんもユウヒさんを信じてるんですよ、きっと(え?)。
…麻子さんの「気合い」、しっかり受けてあげてくださいねっ!!
ジャン 推定年齢12歳。
可愛いです。犯罪的に可愛いです。
キャトルでジャン人形発売してもらえないだろうか。
…絶対買うのに…(言いたいことはそれだけか)。
.
年が明けてから9日間に観た舞台。
星組「ヘイズ・コード」2回、星組「ハレルヤGOGO!」1回、そして月組「パリの空よりも高く/ファンシーダンス」5回(!)
……我ながら。
莫迦!
です。
知ってます。はい。…放っておいてくださいませ。
観劇しての感想。
思って(覚悟して)たより、ずーっと面白かったです!!
お正月にぴったりの、ぱぁっとした あ・軽いコメディ。
麻子さんが素敵で、かなみちゃんときりやんが可愛くて。
(嘉月)絵理さんが渋くて、ナホ(越乃リュウ)ちゃんが胡散臭くて、
研(ルイス)ちゃんが若作りしてがんばってました♪
下級生にまったく役がなかったのがどうにも…でしたが、
ショーはめちゃめちゃ良かったし、私はなんとか通えそうです。
……みりお(明日海りお)くんが可愛くて可愛くて…
持って帰りたかった…(溜息)。
以上、で終わらせてもいいんですが。
もうちょい真面目に、「作品について」語ってみてもいいでしょうか…。
月組はおかげさまで、ずいぶんと長いこと「植田といえば景子さん」でした。
だから。
ノン(久世星佳)さんの時代に初めて観て、ファンになって以来月組一筋の私にとって、
植田(紳)さんの芝居作品で、複数回観たことがあるのは、役替わりがあった「ベルサイユのばら」と「風と共に去りぬ」くらい。
他組でも、避けてたわけではないはずなんですが、案外観ていなくて…。
覚えているのは、宝塚ファンになりたてで訳がわからなかった「ザッツ・レビュー」、遅刻して途中から観たため、さっぱり話が見えなかった「天使の季節」、花柳芳次郎さんの振付が印象的だった全ツ「蝶・恋」…くらいでしょうか。どれも一回づつ。
あ、一昨年の全ツ「ジャワの踊り子」があったか。
あれは複数回観てるな。
でもあれも、菊田作品の谷演出ってイメージで、植田さんの作品、という気がしないしなあ。
何が言いたいかと言うと。
私はネットで散々書かれていた「植田(紳)かよ!?」という衝撃は、比較的軽い人だったわけです。
宝塚の演出陣の中で、一番「知らない人」だったから。
「ベルばら」と「風共」というのは、いずれも「宝塚」の「財産」で、「グランドロマン」で、「古典」で、「なくてはならないもの」。
しかも一般人受けする。私も会社の同僚などに「ベルばら観たいなー」と何度言われたことか。
だから。
植田さんの、「普通のコメディ」ってどんなものだろう、と。
すごく興味を持っていたのですよ。
(まぁ、「蝶・恋」を見てるんだから、あとは推して知るべし…って気もしますが)
そんな気持で観劇した、「パリの空よりも高く」
…菊田作品でした。
いや、違う。
正確には。
「菊田作品にベルばらを足して3で割りました」
…って感じ?
菊田さんの「花咲く港」、去年BSで放映したんですよね。録画しておけばよかったなあー。多分、普通に上質のコメディだったんだろうと思います。
キャストを吟味すれば、すごーーーく面白いですよ、きっと。
なのに。
…コホン。
植田さんに聞きたいことが、二つ、あります。
何故舞台をパリに移したの?
何故、ジョルジュがジュリアン・ジャッケの息子という設定を付け加えたんですか……?
最初の疑問の答えは、わかるような気がします。
華やかなパリ。
そのパリが、近代もっとも輝いた「黄金時代」、それがパリ万国博覧会の時代。
その「パリ万博」の目玉であったエッフェル塔を作る物語。
確かに、この設定が発表されるなり、ネットでの空気が(少し)変わったことは事実。
あ、塚ファンはここに喰いつくんだ、と。
(回りと意見が合わないことが多い)塚ファンの私は思ったものです。
でも。
「花咲く港」を観てもいないのに偉そうに言うのもなんですが。
多分。
原作の、一番おもしろいポイントは、
これが「田舎の出来事」だというところなんじゃないだろうか…?
聞きかじりなんですけど、原作は「船が週に1便しかない九州の小島」を舞台にしていて、「島のために新しい船を作ろう!」といってペテンにかける、というような話らしいじゃないですか。
つまり。
「トボけた都会の詐欺師」が、「純朴な田舎の人々」をペテンにかけようとして、彼らが「故郷のためにがんばる姿」に「ほだされ」ちゃうのが、本来のストーリーなんじゃないのかと思う訳なんですよ…
…それがなんで、華やかなりしパリの、しかも上流階級のお貴族様たちのパーティをえんえんとやってるような作品になっちゃうわけぇ?
「儲かる儲かるばかり言っては、かえって胡散臭くってよオッホッホッホッホ」と高笑いする末子姐(滝川末子)さんはこの上もなくステキなんですが。
株主にどう説明すればいいのか悩む財閥御曹司のあひる(遼河はるひ)くんも、声を発するだけで笑いがとれて素晴らいし。
誰よりも一番胡散臭い宿屋の女将、あ、いえ、自称「由緒あるオテルのオーナー」タキ(出雲綾)さんも、組長お披露目おめでとうございますお衣装の数々が羨ましい限りではあるのですが。
…ああもう、キャラクター多すぎるので明日以降に改めてさせていただきますけど!
あんな胡散臭い人たちに、どうして田舎者のペテン師コンビ(だって、パリまで汽車賃一人60フランかけて遥々来るんですよ…?田舎者なんじゃないの…?)が「ほだされ」なくっちゃならないんですか。
植田さん、ちょっと人間心理的にありえなくないですか…?
しかも。
原作では「週一便しか船がない」から、「逃げられる日も限られる」。なのに、逃げようとするたびに「何か」が起こって逃げそびれる、
そういうシチュエーションコメディの要素もあった筈。
それがパリじゃあ、「嵐で馬車もなかった」のはまぁいいけど、それ以外の日はいつだって逃げられるでしょ…?
しかも3年だよ3年。
なんで「逃げられる時に逃げなかったのは兄貴」になるの?
さらに、原作では作るのが船ですから、「嵐」が来ても、「人手でなんとか」なりますよ確かに。「みんなで協力」すれば、「嵐からも守れる」ものなんだもの。
だけど。「1000フィート=300メートルの鉄の塔」は、いくら「血を流しながら鉄骨を支えた」って守れるもんじゃありません。
それともアルマンドは実はサイボーグだったってゆーオチなんですかアレは?
せめて、パリッ子に浄財を募る話にすれば良かったんじゃないか、と思うんですよね。
パリに遊びに来た、南仏ではちょっと知られたペテン師コンビが、パリ下町の素朴な下宿屋で貧乏建築家のエッフェルに出会う。「地上と空を結ぶ橋を架けたい」という夢を聞いた二人は、その夢に賛同して(みせて)、パリッ子たちから浄財を募るうちに噂が広がり、ちょうど万博の目玉を探していた政府に目をつけられてーーーー!!
みたいな。
それだったら、たとえば女将さんがいると夜は外出できないから週に一回女将さんが留守にする時しか逃げられない、とかいう設定とかも考えられるし。
まぁ、3年という期間とか、嵐で守るモノの問題とかはどうにもならないけど…、そのくらいだったら目を瞑ることもできますよね。だって宝塚だもん!
舞台が「交通の便の悪い」「田舎」であること。
ペテン師コンビが「都会」から来たこと。
この2点は、原作を原作たらしめ、ハートフルコメディとして成立させるために必要不可欠な条件だったのではないでしょうか?
それを、完璧に逆転させた「パリの空よりも高く」。
植田さん、気は確かですか…?
そしてもう一つの問題が、ジョルジュの設定。
何故植田(紳)さんは、ペテン師コンビの片割れ・ジョルジュを、「20年前の第二回パリ万博の中心人物」ジュリアン・ジャッケの実の息子という設定にしたんでしょうか…?
その設定一つで、ものすごーーーーく話が捩れたと思うんですけど………。
まず「ジョルジュはジュリアンの息子なんだから、20歳以下(多分18歳か19歳、下手すると17歳かも!?)でなくてはならない」という設定があります。
…あのぉ?
………演じる大空祐飛は、研15なんですけどぉ?
いや、もちろん、わかってます。
私も大空ファンの一人ですが、それでもやっぱり、19歳だろうが10歳だろうが、逆に80歳だろうが役者たるもの、板の上に載る以上はなってみせろ!!とは思う訳なんですが。
いちおう、お手紙にも書いてみたりしましたし。
でもさ。
植田さん。それって虐めですか…?
いや。あの。
私が観ていた3日間の間にも、どんどん若くなっていってましたので、もう少し時間をいただければ、なんとかなるんじゃないかと一縷の希望を抱いてはいるのですが。
でも。
それでも、ね。
…新公のみりおくんが、ものすごーーーーく楽しみです。はい。
絶対「明日から本役と替われ!」と思ってしまいそうだ……。
そして。
そんなこと(ユウヒさんがんばれー!)よりさらに大きな問題があるんです。
だって。
ジョルジュがジュリアンの実の息子であるってことは。
そもそも、アルマンドはともかく、ジョルジュは「さびしーーーい処(麻子さんのこの言い方、好き)」に入る必要はないわけですよ。
だって、彼らが仕掛けたペテンは「ジュリアンがやったように、俺たちもパリ万博を盛り上げますよ!」っていうだけなんだから。
持ち逃げする現場を押さえられさえしなければ、ね。
さらに、一つ目の問題にも関わってくるんですけど、エッフェル塔なんてものに手を出しちゃったばっかりにペテンの期間が長すぎるんですよね…。
3年間真剣に取り組んで、世界一の塔をたててしまったジュリアン・ジャッケの息子とその仲間。
……そのままイベント屋でも開業してはいかがでしょうか……?
つまりさ。
話の根本がおかしくなっちゃうんですよ。
しかも、「なんのためにその設定が必要だったのか」がまったくわからない。
舞台をパリにしたことみたいに、「舞台を華やかにする」って目的もなければ、ジョルジュと父親のエピソードを使ってお涙頂戴場面を作るわけでもない。
タキさんがアルマンドに「父親」の思い出を話すシーンはあるけど、聞いてるのはジョルジュ(息子)じゃないし、ジョルジュが「俺も親父みたいに尊敬される人物になりたいなあ〜」っていう場面も、ちょっと工夫すれば感動場面にできると思うのに、そのまま茶化されて終わりだし…
…たとえば、天涯孤独な孤児ジョルジュが育った教会(勝手に設定を決めんなよ自分)の近所にジュリアンが住んでいて、時々教会に来ては華やかなりしパリの昔話をよくしていた、とか。
何かそんなような設定くらいで十分だと思うんですよ。
なのにわざわざ、ジュリアンの息子にしたのは何故なのか。
物語りの主題はあくまでもアルマンドとギスターヴなのに、なんでジョルジュの裏設定が必要なの?ってことです。
そもそも、ジュリアンが本当に「偉い」人物であったのかどうかもはっきりしないしね。
初見では、この人も実はペテン師だったっていう設定なんだろうと思いながら観てましたよ私は。最後まで。だって、最初にタキさんが「使途不明金があって行方をくらました」って話してるんだもん。
原作には、このジュリアンにあたる人物がいるんでしょうかねぇ?
少なくとも、ペテン師コンビは、島とはなんの係累もないって設定ではあるようですが。
ところで。
私がここまでえんえんと書いてきたのは、決して愚痴ではありません。
なんか色々書いちゃいましたけど、菊田さんの原作はとっても良くできたコメディだと思うんですよ。
だから。
舞台を観ながら。
「ここは田舎。パリっていう名の田舎の話」とか、
「このひとたちは、見た目はちょっと胡散臭いけど、
みんな純朴でいいひとたちなのよ」とか、
「汽車は1週間に一本しか動いてないのよ」とか、
「このひとはこう見えても19歳なの。若いのよ!」とか。
いちいち自分に言い聞かせてみたら、いろいろなことが誤魔化せて面白くなったんですよ☆
というわけで。
以上、「パリの空よりも高く」を3倍楽しむ方法、でした(泣笑)。
舞台設定だけで長くなってしまって、キャストを語れなかった(涙)。
とりあえず、一言づつ書かせてください。また詳しくは後日。
アルマンド 推定年齢25歳。
かっこいいいいいいいい!
ペテン師らしい胡乱さと、若さゆえの誠実さのバランスがいいです。
コメディらしい声色の使いわけとか、さすが花組仕込みと感心しました。
そのままでいいので、一人で突っ走らないで時々回りを見てあげてくださいね。
本当は30歳だけど若作りして25歳に見せてます、みたいなイメージが
作れるともっといいんだけど、まぁ「ダメなペテン師」だからな…。
ミミ 推定年齢19歳。
アルマンドへの密かな憧れがダダ漏れしていて可愛いです(笑)。
ギスターヴに対しても、それなりに甘い気持はあったってことでOK?
アルマンドとギスターヴの間で揺れる場面がないのが残念!
ジョルジュのスルーっぷりが見事でとっても笑えます。
…もしかして、ジョルジュの方が年下設定?
ギスターヴ 推定年齢20代後半。アルマンドより1,2歳上?
私は配役発表されるまできりやんがジョルジュだと信じて疑わなかったので
今でもものすごーーーーく残念なのですが…
でもでも。
ギスターヴ、良かったです。 とっても。
脚本的にアルマンドと絡む場面が少なかったのが残念!
でも、きりやんらしいギスターヴでしたね。
最後、パリ郊外の丘まで一緒に来ちゃってもよかったと思うけど
それはしないところがギスターヴらしいのかも。
あああでもでも、出番減らして歌無しでいいから、
ユウヒさんのギスターヴが観たかったよおお(身勝手)。
ってゆーか麻キリのペテン師コンビが観たかったよおおお。
ジョルジュ 推定年齢はせいぜい24歳でしたが、がんばって18歳くらいまで…
あまりに気の毒で、かける言葉もありません。
せめて衣装がもっと子供っぽければいいのにね。無意味に立派で
大人っぽいんだよ。難しい…。
でも。
役者たるもの、与えられた役の人物になりきれないのなら
舞台に立つ資格はないんです。
植田さんもユウヒさんを信じてるんですよ、きっと(え?)。
…麻子さんの「気合い」、しっかり受けてあげてくださいねっ!!
ジャン 推定年齢12歳。
可愛いです。犯罪的に可愛いです。
キャトルでジャン人形発売してもらえないだろうか。
…絶対買うのに…(言いたいことはそれだけか)。
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