日生劇場にて、ミュージカル「ジキル&ハイド」を観劇いたしました。
日本初演からずっと主役を演じてきた鹿賀丈史さんが降りられて、ニューキャストでの初演。
素晴らしかった!!
私はもともとこの作品の大ファンで、ブロードウェイオリジナルキャストのCDは死ぬほど聴いたし、現地まで観に行って大感激して、日本初演を待ちわびていたのですが、鹿賀さんのジキルやマルシアさんのルーシーは、あまり私のイメージに合わなくて……(- -;
「Facade」「Muder, Muder」などのアンサンブルナンバーの素晴らしさはブロードウェイより良いぞ!と思いましたが、あとはちょっと違うな、と思っていたのですが。
新しいキャストは、石丸さんのジキル、濱田めぐみさんのルーシー、笹本怜奈さんのエマ、そして吉野圭吾さんのアターソン!!
キャストが発表されたときから、今の日本ミュージカル界で、ある程度ベテランを揃えて上演することを考えたら、私的にはかなりベストだなと思っていたのですが、期待以上に良かったです。
全体の演出はそんなに大きく変わってはいなかったと思いますが、細かいところはいろいろありました。
まず、幕開き冒頭のジキルのソロが一曲増えていて、ちょっとびっくりしました(@ @)。良い曲だけど、慣れるまでちょっとかかりそう。
この一曲の影響か、全体にジキルの印象が強くなった、というか……鹿賀さんは芝居の方向性としてもハイドの異常性が印象的だったのですが、石丸さんはあくまでもジキルの一部としてのハイドだったと思います。
それが物足りない方というもいらっしゃるかもしれませんが、私はすごく納得できたんですよね。なんていうか、ハイドこそジキルの最大の理解者であるという設定が垣間見えるというか。ハイドに理解され、憐れまれている自分を否定しようと、逆方向に突っ走っていくジキルの辛さ。もっと早い段階で自分の中のハイドを受け容れていればあんなことにはならなかったかも……と思ったりもするんですよね。
もちろん、実際には、ハイドが恋したルーシーはジキルに片思い中なわけで、平和な解決は望めないのですけれども。
すれ違う愛と、恋。哀しい物語だな、とあらためて強く思いました。
ルーシーのめぐみちゃんは、あまり娼婦らしい色気がなかった(というか、衣装が似合ってなかった)のと、「どん底」のセットやダンスがつまらなくなっていたのでだいぶ割を食ってましたが、「A NEW LIFE」でお釣りがきました。
素晴らしかった!!
エマの玲奈ちゃんは、嵌り役。若いのに包容力があって、大先輩である石丸さんや濱田さんと対等に戦っている感じが本当に良かった!
吉野くんのアターソンも嵌り役でした!この役はいわゆる「おいしい役」で、今までのキャストもみんな良かったんですが、吉野くんの良い意味での軽さというか明るさがジキルにとってどんな意味を持つのかが、すごく鮮明に出ていたと思います。
石丸さんと吉野さんの並びも良かった。この二人が組んだ舞台をもっと観てみたいな、と思いました。
ストライドは畠中さん。
今まで、彼の印象はただの「嫌味な男」で、彼がエマに片思いしていることがこんなに鮮明に表現されていたのは初めてのような気がします。……いままで観てなかっただけかなあ?いやでも、禅ちゃんがやってたんだけど。おかしいな。
ストライドとジキルの間にあるのがただの敵愾心ではなく嫉妬であり、この二人が恋仇だというのがこんなに物語の印象を変えるとは思いませんでした。なるほど。
いや、ハンサムで恰好よくて歌が迫力あって、そして、殺されるシーンのアクションの派手さにはちょっと笑ってしまいましたが(汗)、畠中さんらしくてとっても素敵でした(*^ ^*)。
理事会メンバーも一新されて、継続したのはグロソップの石山さんのみ。以前は長いメンバーが多かったので阿吽の呼吸みたいなものがありましたが、いまはまだ、開幕したばかりで探り探りな印象だったかな。これからまとまってくるんじゃないかと思います。ビーコンズフィールド夫人が岡田静さんだったのは驚きましたが、老けメイクも自然でさすがの芝居勘でした。
一つだけ今回のメンバーで不安を言うなら、ダンヴァース卿の中島しゅうさんでしょうか。初演以来ずっと演じていた浜畑さんが嵌り役だったのもあるかもしれませんが、歌も芝居も残念の一言。
中嶋さん自身はいい役者さんだと思うのですが、ああいう貴族の役になぜ中嶋さんをふったのかな…?というのがとても謎です。しかも、歌も結構多いのにね。
他のキャストがかなりベストに近いだけに、ここだけ再考してくれればよかったのに……という気持ちがぬぐえません(涙)。
でもまあ、メインキャストがこれだけ嵌っている公演も珍しいので、とても幸せでした。
石丸さんの「This Is The Moment」、濱田さんの「A New Life」、玲奈ちゃんの「Once Upon a Dream」、どれも本当に素晴らしかった!!
東京公演は28日まで。ぜひ、今までの上演をご覧になって「うーん…」と思われた方にはとくにお勧めします!
ワイルドホーンのデビュー作、甘美な音楽にうっとりしてください(^ ^)。
【7月1日まで、あと107日】
日本初演からずっと主役を演じてきた鹿賀丈史さんが降りられて、ニューキャストでの初演。
素晴らしかった!!
私はもともとこの作品の大ファンで、ブロードウェイオリジナルキャストのCDは死ぬほど聴いたし、現地まで観に行って大感激して、日本初演を待ちわびていたのですが、鹿賀さんのジキルやマルシアさんのルーシーは、あまり私のイメージに合わなくて……(- -;
「Facade」「Muder, Muder」などのアンサンブルナンバーの素晴らしさはブロードウェイより良いぞ!と思いましたが、あとはちょっと違うな、と思っていたのですが。
新しいキャストは、石丸さんのジキル、濱田めぐみさんのルーシー、笹本怜奈さんのエマ、そして吉野圭吾さんのアターソン!!
キャストが発表されたときから、今の日本ミュージカル界で、ある程度ベテランを揃えて上演することを考えたら、私的にはかなりベストだなと思っていたのですが、期待以上に良かったです。
全体の演出はそんなに大きく変わってはいなかったと思いますが、細かいところはいろいろありました。
まず、幕開き冒頭のジキルのソロが一曲増えていて、ちょっとびっくりしました(@ @)。良い曲だけど、慣れるまでちょっとかかりそう。
この一曲の影響か、全体にジキルの印象が強くなった、というか……鹿賀さんは芝居の方向性としてもハイドの異常性が印象的だったのですが、石丸さんはあくまでもジキルの一部としてのハイドだったと思います。
それが物足りない方というもいらっしゃるかもしれませんが、私はすごく納得できたんですよね。なんていうか、ハイドこそジキルの最大の理解者であるという設定が垣間見えるというか。ハイドに理解され、憐れまれている自分を否定しようと、逆方向に突っ走っていくジキルの辛さ。もっと早い段階で自分の中のハイドを受け容れていればあんなことにはならなかったかも……と思ったりもするんですよね。
もちろん、実際には、ハイドが恋したルーシーはジキルに片思い中なわけで、平和な解決は望めないのですけれども。
すれ違う愛と、恋。哀しい物語だな、とあらためて強く思いました。
ルーシーのめぐみちゃんは、あまり娼婦らしい色気がなかった(というか、衣装が似合ってなかった)のと、「どん底」のセットやダンスがつまらなくなっていたのでだいぶ割を食ってましたが、「A NEW LIFE」でお釣りがきました。
素晴らしかった!!
エマの玲奈ちゃんは、嵌り役。若いのに包容力があって、大先輩である石丸さんや濱田さんと対等に戦っている感じが本当に良かった!
吉野くんのアターソンも嵌り役でした!この役はいわゆる「おいしい役」で、今までのキャストもみんな良かったんですが、吉野くんの良い意味での軽さというか明るさがジキルにとってどんな意味を持つのかが、すごく鮮明に出ていたと思います。
石丸さんと吉野さんの並びも良かった。この二人が組んだ舞台をもっと観てみたいな、と思いました。
ストライドは畠中さん。
今まで、彼の印象はただの「嫌味な男」で、彼がエマに片思いしていることがこんなに鮮明に表現されていたのは初めてのような気がします。……いままで観てなかっただけかなあ?いやでも、禅ちゃんがやってたんだけど。おかしいな。
ストライドとジキルの間にあるのがただの敵愾心ではなく嫉妬であり、この二人が恋仇だというのがこんなに物語の印象を変えるとは思いませんでした。なるほど。
いや、ハンサムで恰好よくて歌が迫力あって、そして、殺されるシーンのアクションの派手さにはちょっと笑ってしまいましたが(汗)、畠中さんらしくてとっても素敵でした(*^ ^*)。
理事会メンバーも一新されて、継続したのはグロソップの石山さんのみ。以前は長いメンバーが多かったので阿吽の呼吸みたいなものがありましたが、いまはまだ、開幕したばかりで探り探りな印象だったかな。これからまとまってくるんじゃないかと思います。ビーコンズフィールド夫人が岡田静さんだったのは驚きましたが、老けメイクも自然でさすがの芝居勘でした。
一つだけ今回のメンバーで不安を言うなら、ダンヴァース卿の中島しゅうさんでしょうか。初演以来ずっと演じていた浜畑さんが嵌り役だったのもあるかもしれませんが、歌も芝居も残念の一言。
中嶋さん自身はいい役者さんだと思うのですが、ああいう貴族の役になぜ中嶋さんをふったのかな…?というのがとても謎です。しかも、歌も結構多いのにね。
他のキャストがかなりベストに近いだけに、ここだけ再考してくれればよかったのに……という気持ちがぬぐえません(涙)。
でもまあ、メインキャストがこれだけ嵌っている公演も珍しいので、とても幸せでした。
石丸さんの「This Is The Moment」、濱田さんの「A New Life」、玲奈ちゃんの「Once Upon a Dream」、どれも本当に素晴らしかった!!
東京公演は28日まで。ぜひ、今までの上演をご覧になって「うーん…」と思われた方にはとくにお勧めします!
ワイルドホーンのデビュー作、甘美な音楽にうっとりしてください(^ ^)。
【7月1日まで、あと107日】
CHESS in concert
2012年2月6日 ミュージカル・舞台青山劇場にて、「CHESS in concert」を観劇いたしました。
もうすぐ梅田での公演が始まりますので、今のうちに書かせていただきます。
私はこの作品、岡幸二郎さんがよくコンサートで歌っていた「Anthem」一曲しか聞いたことがなくて、作品そのものは全く知らない(CDも聴いたことがない)のですが、噂で聴いていた以上に曲が素晴らしく、名曲ぞろいでした。
その名曲の数々を素晴らしい歌唱力で表現してくださったキャストのみなさまに、精一杯の拍手を。
ABBAの、アンダーソン&ウルヴァースコンビによる音楽で有名な作品ですが、脚本もティム・ライスなんですね。ティムがA・L・ロイド=ウェッバーと袂を分かってから、最初に組んだのがABBAの二人だった、というのが凄い。
物語は、冷戦時代を舞台に、チェスの世界大会というイベントをめぐる人間模様を描いています。
まあ、当時はオリンピックもいろいろ政治の舞台になったりしたこともありますし、チェスの世界大会なんて恰好の舞台なのかもしれませんね。
現在の世界王者であるロシアのプレイヤー、アナトリーに石井一孝。
アナトリーに挑むアメリカのプレイヤー、フレディに中川晃教。
ハンガリー出身の亡命者で、いまはイギリス国籍を取ってフレディのマネージャーをしているフローレンス役に安蘭けい。
アナトリーの妻、スヴェトラーナに、AKANE LIV(岡本茜=神月茜)
そして、大会の審判かつ語り手のアービターに、浦井健治
メインキャストは以上5名(一幕はスヴェトラーナもコーラス)。これに、実力派揃いのコーラス4人(池谷京子、角川裕明、田村雄一、ひのあらた、横関咲栄)とダンサー1人(大野幸人)の計10名による、パワフルな舞台でした。
青山劇場を広く感じさせなかった音楽の素晴らしさに、脱帽。
演出は荻田浩一。
今回、私はただ「CHESS」だから観ると決めて、キャストも演出も全然気にしていなかったのですが(^ ^;、一幕終わって、どうも私の知っている匂いがする!と思いながらプログラムを開いて、おお、荻田さんだったのか!と納得しました(^ ^)。
言われてみれば、キャストももろに荻田節全開ですね(^ ^)。
セットはあまり荻田色は強くなく、シンプルな階段セットでした。
コンサート形式とはいっても、別に舞台前面にスタンドマイクが並んでいるわけではなく、誰かのMCがあるわけでもなく、普通に皆さんワイヤレスマイクをつけて動きまわって、芝居しながら歌ってました。以前ウィーン版キャストが来日したときの「エリザベート」コンサート版みたな感じでしたね。
衣装も変えるし、ダンスもある。おそらく台詞のみの場面はカットされていたんだと思いますが、普通に一本のお芝居として観ても違和感のないレベルでした。
音楽監督は島健さん。言わずと知れた島田歌穂ちゃんの旦那様ですが、久しぶりに本気で弾いてる彼を観たような気がします。もともと素晴らしい音楽なんですけど、島さんのアレンジも素敵でした(はぁと)
アナトリーの石井さん。
カッコいい!!
荻田さんにとっての石井さんは、「優しすぎる男(←最初に観たのはオカマでしたが)」なんだな、というのを再確認。
優柔不断で、フローレンスにもスヴェトラーナにも押されっぱなしの優しい男。すべての女を幸せにしようとして、結局誰も幸せにできない、その無力感がとても荻田さんらしかった。
彼はフローレンスを救おうとしただけで、スヴェトラーナを捨てた自覚は無いんですよね……。優しすぎるのは時として罪となる。それを知っているスヴェトラーナが、自ら彼を罠にかけにいく、その女心が悲しかった。フローレンスのためにロシアへ戻る決心をするアナトリーを、本当のところスヴェトラーナはどう思っているのだろうか、と思いながら。
歌はさすがです。文句なし。
「Anthem」を、石井さんの声で、石井さんの芝居で、アナトリーの歌として聴くことができて幸せでした。幸ちゃんのコンサートバージョンの歌とは全く別の、切ないまでに美しい「世界」がそこにあったことに驚きました。ああいう場面で歌われる歌だったのか……(@ @)。
フレディの中川くん。
久しぶりに「中川くん」を堪能しました!
いやーいい声だった。天才性と幼児性を前面に出したキャラクターで、小池さんが引き出した「天才ヴォルフ」とはまた違ったエキセントリックさの“中川くんらしさ”があって、良かったと思います。
歌はもちろん文句なし!です(*^ ^*)。この作品をコンサートバージョンではなく一本のミュージカルとして上演するとしても、フレディは変る可能性が高いよなあ……と思うと、このコンサートバージョンで観る(聴く)ことができて本当に良かったなあ、と思います。
審判の浦井くん。
これはもう、「ルドルフ」などでもおなじみのキャラクター。ある意味「ロミオとジュリエット」のベンヴォーリオも似てるんですよね。「傍観者」という名前の語り手、その、自由自在な存在感。
歌は……今回はメインキャストもアンサンブルも、全員歌は文句なしなんだもん!何を書けばいいのかわからないよ!!(逆切れ)
フローレンスの安蘭けい。
実は退団後初トウコさんだったのですが、姿も歌唱力も女優として違和感なくて、さすがだなと思いました。
(中川くんより大きいのは当たり前なので違和感はない)
複雑な生い立ちと愛に翻弄されつつも、まっすぐに立って自分の脚で歩こうとする「毅然とした女」。良い役だなあ、と思いました。1幕が終わったときは、歌穂ちゃんで観てみたかったなーと思ったのですが、最後まで観るとやっぱりトウコさんかな、と納得。少なくとも、荻田さんがトウコさんを選んだのはよく判ったと思います(^ ^)。愛情に溢れた人にはなかなか難しい役ですね、あれは。
スヴェトラーナのAKANE LIV(岡本茜=神月茜)。
歌手としての活動を開始しているAKANEちゃん。美貌とナイスバディと美声を兼ね備えた美しい人ですが、スヴェトラーナは当たり役だったと思います。フローレンスとデュエットする「I know him so well」は素晴らしかった!!(興奮)
「母性」と「女」の狭間でアナトリーを愛するスヴェトラーナ。出番は2幕だけなんですが、少ない出番でもすごく印象的な存在感がありました。
「ダンサー」の大野さん。
なんというか、「ロミオとジュリエット」の「死」みたいな役どころなんですが、、、
ほとんど平面のない階段状のセットで、よくあんなに踊れるなあと感心しました。作品が醸し出す「時代の空気」に色をつける、大事な役割でしたが、素晴らしかったと思います。
アンサンブルのみなさん。
人数は少ないけど、出づっぱりで歌ってくれてました。お一人お一人それぞれに違う、バラエティのある声で、コーラスになると迫力があって……なんかすごく良かったです。うん。
ひのさんは結構ソロで目立つ場面が多かったような。田村さんもかな?メインキャストが全員テノールなので、重たい音質が必要な曲は彼らがこなしていたような気がします。他の方は顔と名前が一致しないので説明ができないのですが、女性も男性もソロフレーズはしっかり歌ってらして、恰好良かったです。
モノクロの衣装がシンプルで、舞台美術の一環として効果的。ダンスナンバーみたいなのはないのですが、結構フォーメーションを動かす場面が多くて、本当に「舞台美術の一部」という感じでした。
そんなところかな……。
冷戦時代、という中途半端に身近すぎて、逆に「現在」とのギャップを大きく感じる時代をテーマにした作品ですが、時代が変わっても「愛」は色褪せないんだな、と感じました。
時代の匂いを強く感じる作品、なんですよね。
その「時代」ゆえに「立場」が定まってしまい、身動きがとれなくなってしまうアナトリーとフローレンス。「自由」の中で孤立し、現実を拒否する方向に流れてしまうフレディ。そして、彼らを冷たく見守る「時代」そのもの目線を感じさせるアービター。
上にも書いた気がしますが、全体にありもののミュージカルだとは思えないほど、荻田節全開!の作品だったことに驚きました。
なんというか。荻田さんってやっぱり面白い……っていうか、やっぱり私は、なんだかんだ言っても荻田ファンなんだなあ(*^ ^*)。
「CHESS」の本編上演、それも演出=荻田さんでの上演を、切に願いつつ。
【7月1日まで、あと146日】
もうすぐ梅田での公演が始まりますので、今のうちに書かせていただきます。
私はこの作品、岡幸二郎さんがよくコンサートで歌っていた「Anthem」一曲しか聞いたことがなくて、作品そのものは全く知らない(CDも聴いたことがない)のですが、噂で聴いていた以上に曲が素晴らしく、名曲ぞろいでした。
その名曲の数々を素晴らしい歌唱力で表現してくださったキャストのみなさまに、精一杯の拍手を。
ABBAの、アンダーソン&ウルヴァースコンビによる音楽で有名な作品ですが、脚本もティム・ライスなんですね。ティムがA・L・ロイド=ウェッバーと袂を分かってから、最初に組んだのがABBAの二人だった、というのが凄い。
物語は、冷戦時代を舞台に、チェスの世界大会というイベントをめぐる人間模様を描いています。
まあ、当時はオリンピックもいろいろ政治の舞台になったりしたこともありますし、チェスの世界大会なんて恰好の舞台なのかもしれませんね。
現在の世界王者であるロシアのプレイヤー、アナトリーに石井一孝。
アナトリーに挑むアメリカのプレイヤー、フレディに中川晃教。
ハンガリー出身の亡命者で、いまはイギリス国籍を取ってフレディのマネージャーをしているフローレンス役に安蘭けい。
アナトリーの妻、スヴェトラーナに、AKANE LIV(岡本茜=神月茜)
そして、大会の審判かつ語り手のアービターに、浦井健治
メインキャストは以上5名(一幕はスヴェトラーナもコーラス)。これに、実力派揃いのコーラス4人(池谷京子、角川裕明、田村雄一、ひのあらた、横関咲栄)とダンサー1人(大野幸人)の計10名による、パワフルな舞台でした。
青山劇場を広く感じさせなかった音楽の素晴らしさに、脱帽。
演出は荻田浩一。
今回、私はただ「CHESS」だから観ると決めて、キャストも演出も全然気にしていなかったのですが(^ ^;、一幕終わって、どうも私の知っている匂いがする!と思いながらプログラムを開いて、おお、荻田さんだったのか!と納得しました(^ ^)。
言われてみれば、キャストももろに荻田節全開ですね(^ ^)。
セットはあまり荻田色は強くなく、シンプルな階段セットでした。
コンサート形式とはいっても、別に舞台前面にスタンドマイクが並んでいるわけではなく、誰かのMCがあるわけでもなく、普通に皆さんワイヤレスマイクをつけて動きまわって、芝居しながら歌ってました。以前ウィーン版キャストが来日したときの「エリザベート」コンサート版みたな感じでしたね。
衣装も変えるし、ダンスもある。おそらく台詞のみの場面はカットされていたんだと思いますが、普通に一本のお芝居として観ても違和感のないレベルでした。
音楽監督は島健さん。言わずと知れた島田歌穂ちゃんの旦那様ですが、久しぶりに本気で弾いてる彼を観たような気がします。もともと素晴らしい音楽なんですけど、島さんのアレンジも素敵でした(はぁと)
アナトリーの石井さん。
カッコいい!!
荻田さんにとっての石井さんは、「優しすぎる男(←最初に観たのはオカマでしたが)」なんだな、というのを再確認。
優柔不断で、フローレンスにもスヴェトラーナにも押されっぱなしの優しい男。すべての女を幸せにしようとして、結局誰も幸せにできない、その無力感がとても荻田さんらしかった。
彼はフローレンスを救おうとしただけで、スヴェトラーナを捨てた自覚は無いんですよね……。優しすぎるのは時として罪となる。それを知っているスヴェトラーナが、自ら彼を罠にかけにいく、その女心が悲しかった。フローレンスのためにロシアへ戻る決心をするアナトリーを、本当のところスヴェトラーナはどう思っているのだろうか、と思いながら。
歌はさすがです。文句なし。
「Anthem」を、石井さんの声で、石井さんの芝居で、アナトリーの歌として聴くことができて幸せでした。幸ちゃんのコンサートバージョンの歌とは全く別の、切ないまでに美しい「世界」がそこにあったことに驚きました。ああいう場面で歌われる歌だったのか……(@ @)。
フレディの中川くん。
久しぶりに「中川くん」を堪能しました!
いやーいい声だった。天才性と幼児性を前面に出したキャラクターで、小池さんが引き出した「天才ヴォルフ」とはまた違ったエキセントリックさの“中川くんらしさ”があって、良かったと思います。
歌はもちろん文句なし!です(*^ ^*)。この作品をコンサートバージョンではなく一本のミュージカルとして上演するとしても、フレディは変る可能性が高いよなあ……と思うと、このコンサートバージョンで観る(聴く)ことができて本当に良かったなあ、と思います。
審判の浦井くん。
これはもう、「ルドルフ」などでもおなじみのキャラクター。ある意味「ロミオとジュリエット」のベンヴォーリオも似てるんですよね。「傍観者」という名前の語り手、その、自由自在な存在感。
歌は……今回はメインキャストもアンサンブルも、全員歌は文句なしなんだもん!何を書けばいいのかわからないよ!!(逆切れ)
フローレンスの安蘭けい。
実は退団後初トウコさんだったのですが、姿も歌唱力も女優として違和感なくて、さすがだなと思いました。
(中川くんより大きいのは当たり前なので違和感はない)
複雑な生い立ちと愛に翻弄されつつも、まっすぐに立って自分の脚で歩こうとする「毅然とした女」。良い役だなあ、と思いました。1幕が終わったときは、歌穂ちゃんで観てみたかったなーと思ったのですが、最後まで観るとやっぱりトウコさんかな、と納得。少なくとも、荻田さんがトウコさんを選んだのはよく判ったと思います(^ ^)。愛情に溢れた人にはなかなか難しい役ですね、あれは。
スヴェトラーナのAKANE LIV(岡本茜=神月茜)。
歌手としての活動を開始しているAKANEちゃん。美貌とナイスバディと美声を兼ね備えた美しい人ですが、スヴェトラーナは当たり役だったと思います。フローレンスとデュエットする「I know him so well」は素晴らしかった!!(興奮)
「母性」と「女」の狭間でアナトリーを愛するスヴェトラーナ。出番は2幕だけなんですが、少ない出番でもすごく印象的な存在感がありました。
「ダンサー」の大野さん。
なんというか、「ロミオとジュリエット」の「死」みたいな役どころなんですが、、、
ほとんど平面のない階段状のセットで、よくあんなに踊れるなあと感心しました。作品が醸し出す「時代の空気」に色をつける、大事な役割でしたが、素晴らしかったと思います。
アンサンブルのみなさん。
人数は少ないけど、出づっぱりで歌ってくれてました。お一人お一人それぞれに違う、バラエティのある声で、コーラスになると迫力があって……なんかすごく良かったです。うん。
ひのさんは結構ソロで目立つ場面が多かったような。田村さんもかな?メインキャストが全員テノールなので、重たい音質が必要な曲は彼らがこなしていたような気がします。他の方は顔と名前が一致しないので説明ができないのですが、女性も男性もソロフレーズはしっかり歌ってらして、恰好良かったです。
モノクロの衣装がシンプルで、舞台美術の一環として効果的。ダンスナンバーみたいなのはないのですが、結構フォーメーションを動かす場面が多くて、本当に「舞台美術の一部」という感じでした。
そんなところかな……。
冷戦時代、という中途半端に身近すぎて、逆に「現在」とのギャップを大きく感じる時代をテーマにした作品ですが、時代が変わっても「愛」は色褪せないんだな、と感じました。
時代の匂いを強く感じる作品、なんですよね。
その「時代」ゆえに「立場」が定まってしまい、身動きがとれなくなってしまうアナトリーとフローレンス。「自由」の中で孤立し、現実を拒否する方向に流れてしまうフレディ。そして、彼らを冷たく見守る「時代」そのもの目線を感じさせるアービター。
上にも書いた気がしますが、全体にありもののミュージカルだとは思えないほど、荻田節全開!の作品だったことに驚きました。
なんというか。荻田さんってやっぱり面白い……っていうか、やっぱり私は、なんだかんだ言っても荻田ファンなんだなあ(*^ ^*)。
「CHESS」の本編上演、それも演出=荻田さんでの上演を、切に願いつつ。
【7月1日まで、あと146日】
目黒パーシモンホールにて、ダンス市場「ダンシェリア」を観劇してまいりました。
小川亜矢子さんが主宰する「青山ダンシングスクエア」の、、、発表会?イベント?という感じの公演でした。
大真みらんさんが振付に入られていて、出演もされていて、、あと、OGでは舞城のどか・美鳳あや・彩海早矢の3名がゲストで参加されていました。84期、85期、86期と期も違い、組も違う3人のダンサーが並んで踊っているのを観るのは、すごく不思議な感じがしました。
それでは、特に印象に残った場面について、かんたんに。
第一部
◆風変わりな美女たち(振付:小川亜矢子)
バーレッスンをするダンサーの卵たち。サティの「ジムノペディ」の流れる静かな空間で、ちょっとした小芝居交じりのダンスシーン。ダンス自体はシンプルでしたが、みんなのまっすぐに伸びた脚が印象的でした。
◆Midnight Quartet(振付:平山素子)
実は、最後まで観て、一番好きな場面はここだったかもしれません。
ちょっと不思議な……なんというか、「ル・ボレロ・ルージュ」のインドっぽい場面で娘役さんたちが着ていた刺青タイツみたいなものを着た女性が3人、あとから一人出てきて、後半は4人で踊っていました。
振付がね、なんというか、宝塚では観たことがない振付なんですよね。なんというか、身体の関節のあちらこちらに糸がついていて、その糸を他のメンバーが持って操っている……みたいな(?)。それをお互いにやっている感じ。なんか説明できなくてすみません。流れるように滑らかな、4人の身体がつながっているかのような不思議な動きの連続で、すごく惹きこまれました。
◆「Lilly」より抜粋(振付:柳本雅寛)
男性二人で、身体のあちこちで床を叩きながら踊る……なんか、全く説明できていませんが、ちょっとコメディタッチの場面でした。動きが独特で、こちらもあまり観たことがないような気がします。
振付の柳本さんがご自分で踊っていらっしゃいました。
◆Even Horizon(振付:二見一幸)
夕日に照らされたような不思議な光のなかで、静かに踊っていた場面ですよね。とてもきれいでした。
シンプルな美しさでした。
第二部
◆あめ模様(振付:赤尾仁紀)
傘をつかったダンスで、可愛らしい女の子たちがくるくる踊っていて、とても可愛かったです。
◆ばーど(振付:大真みらん)
白い衣装でシンプルに踊る、鳥たち。ゲストの3人はここが初登場だったのですが、ももちゃんの振付は宝塚でもよくあるような明るくて元気な場面になっていて、3人がすごく伸びやかに踊っていたのが気持ち良かったです。
あかしが男前で恰好良いのは当たり前として、みほちゃんのあの男前な素敵さは何事かしら……。そして、後半、みっぽーを軽々とリフトしていたのは誰だったのかな……?
◆花火(振付:木下菜津子)
青い祭り半纏で元気に踊りまくる場面。勢いがあって良かったです。
◆熱帯夜(振付:大真みらん)
赤と黒の衣装に、黒の網タイツ、紅のガーター。すみません、ここもゲスト3人が出ていた場面なんですが、はみっぽーしか観てませんでした。「エリザベート」の娼婦でも思ったのですが、こういう場面でのロリータ感というか、無意味に透明感のある可愛らしさは個性なんだな、と思いますね。隣で踊っているみほちゃんのリアルな色っぽさとは全然違う、ファンタジックな色気が面白いダンサーだな、と思います。
◆そして……(振付:大真みらん)
場面というか、パレードですね。出演していた全員が揃うのですが、ここで初めて、場面ごとに着替えて出てきていたわけではなく、みんな1場面しか出ていなかったことに気が付きました(^ ^)。
すごい人数が舞台を埋め尽くしていて、びっくりしました(^ ^)。
平山素子さんの場面でも書きましたが、こう……どこかに紐がつながっているかのような独特の不思議な動きが、平山さんの振付以外の場面でもいろいろあって、これがこのスタジオの特徴なのかな?と思ったのですが。……でも、最初の小川亜矢子氏の場面はそんなことも無かったんだよね……。
ううむ、あの不思議な動きが目に焼き付いて、宝塚でもショーの中でああいうダンスも取り入れていったら面白いのに、と思ったりしました。
なかなかこういう公演を観る機会はないのですが、いつもと違うダンスを拝見できて、とても新鮮で楽しい時間でした!(はぁと)
【7月1日まで、あと163日】
小川亜矢子さんが主宰する「青山ダンシングスクエア」の、、、発表会?イベント?という感じの公演でした。
大真みらんさんが振付に入られていて、出演もされていて、、あと、OGでは舞城のどか・美鳳あや・彩海早矢の3名がゲストで参加されていました。84期、85期、86期と期も違い、組も違う3人のダンサーが並んで踊っているのを観るのは、すごく不思議な感じがしました。
それでは、特に印象に残った場面について、かんたんに。
第一部
◆風変わりな美女たち(振付:小川亜矢子)
バーレッスンをするダンサーの卵たち。サティの「ジムノペディ」の流れる静かな空間で、ちょっとした小芝居交じりのダンスシーン。ダンス自体はシンプルでしたが、みんなのまっすぐに伸びた脚が印象的でした。
◆Midnight Quartet(振付:平山素子)
実は、最後まで観て、一番好きな場面はここだったかもしれません。
ちょっと不思議な……なんというか、「ル・ボレロ・ルージュ」のインドっぽい場面で娘役さんたちが着ていた刺青タイツみたいなものを着た女性が3人、あとから一人出てきて、後半は4人で踊っていました。
振付がね、なんというか、宝塚では観たことがない振付なんですよね。なんというか、身体の関節のあちらこちらに糸がついていて、その糸を他のメンバーが持って操っている……みたいな(?)。それをお互いにやっている感じ。なんか説明できなくてすみません。流れるように滑らかな、4人の身体がつながっているかのような不思議な動きの連続で、すごく惹きこまれました。
◆「Lilly」より抜粋(振付:柳本雅寛)
男性二人で、身体のあちこちで床を叩きながら踊る……なんか、全く説明できていませんが、ちょっとコメディタッチの場面でした。動きが独特で、こちらもあまり観たことがないような気がします。
振付の柳本さんがご自分で踊っていらっしゃいました。
◆Even Horizon(振付:二見一幸)
夕日に照らされたような不思議な光のなかで、静かに踊っていた場面ですよね。とてもきれいでした。
シンプルな美しさでした。
第二部
◆あめ模様(振付:赤尾仁紀)
傘をつかったダンスで、可愛らしい女の子たちがくるくる踊っていて、とても可愛かったです。
◆ばーど(振付:大真みらん)
白い衣装でシンプルに踊る、鳥たち。ゲストの3人はここが初登場だったのですが、ももちゃんの振付は宝塚でもよくあるような明るくて元気な場面になっていて、3人がすごく伸びやかに踊っていたのが気持ち良かったです。
あかしが男前で恰好良いのは当たり前として、みほちゃんのあの男前な素敵さは何事かしら……。そして、後半、みっぽーを軽々とリフトしていたのは誰だったのかな……?
◆花火(振付:木下菜津子)
青い祭り半纏で元気に踊りまくる場面。勢いがあって良かったです。
◆熱帯夜(振付:大真みらん)
赤と黒の衣装に、黒の網タイツ、紅のガーター。すみません、ここもゲスト3人が出ていた場面なんですが、はみっぽーしか観てませんでした。「エリザベート」の娼婦でも思ったのですが、こういう場面でのロリータ感というか、無意味に透明感のある可愛らしさは個性なんだな、と思いますね。隣で踊っているみほちゃんのリアルな色っぽさとは全然違う、ファンタジックな色気が面白いダンサーだな、と思います。
◆そして……(振付:大真みらん)
場面というか、パレードですね。出演していた全員が揃うのですが、ここで初めて、場面ごとに着替えて出てきていたわけではなく、みんな1場面しか出ていなかったことに気が付きました(^ ^)。
すごい人数が舞台を埋め尽くしていて、びっくりしました(^ ^)。
平山素子さんの場面でも書きましたが、こう……どこかに紐がつながっているかのような独特の不思議な動きが、平山さんの振付以外の場面でもいろいろあって、これがこのスタジオの特徴なのかな?と思ったのですが。……でも、最初の小川亜矢子氏の場面はそんなことも無かったんだよね……。
ううむ、あの不思議な動きが目に焼き付いて、宝塚でもショーの中でああいうダンスも取り入れていったら面白いのに、と思ったりしました。
なかなかこういう公演を観る機会はないのですが、いつもと違うダンスを拝見できて、とても新鮮で楽しい時間でした!(はぁと)
【7月1日まで、あと163日】
籠の中の道化たち2012
2012年1月10日 ミュージカル・舞台日生劇場にて、「ラ・カージュ・オ・フォール」を観劇してまいりました。
祝!マエストロ塩田、「ラ・カージュ」に復活!!
2年前に「ラ・カージュ」を観た時、塩田さんがいらっしゃらなくて、ちょっとだけ残念だったんですよね。塩田さんが振ると、音が軽やかでキラキラしているような気がするし、ザザがマエストロとコミュニケ―ションを取るときの空気も違うような気がします。役柄以上の、長い付き合いによる阿吽の呼吸があるような。
まあ、先入観なのかもしれませんけど、やっぱり塩田さんが指揮台で踊っているのを見ると、それだけで楽しい気持ちになれるのは事実(^ ^)。「ラ・カージュ」はオケボックスまでが舞台だから、オケボックスのよく見える二階席センターを取るのが基本です(^ ^)。
2年前、「市村正親のザザはこれがファイナル!」とうたって上演されたこの作品。
初演からずっとジョルジュを演じてこられた岡田眞澄さんを喪って、鹿賀さんが登板された最初の公演でした。粋でスマートな鹿賀さんのジョルジュと、もはや名人芸としか言いようのない市村さんのザザ/アルバン。
もう二度と観られないと思って結構無理して観に行ったので、正直、このタイミングで再演されると多少は複雑な気分にもなりますが(- -;、でも、やっぱり市村さんはさすがでした。
前回は、「さすがだけど、やっぱり衰えは隠せないなー」なんて思った場面もあったのですが、今回はそれさえなくて。全盛期の市村さんの勢いが戻ってきたような気がしました。
中でも、1幕ラストの「I AM WHAT I AM」は素晴らしかった!
息子の不用意な一言で、20年間の家族生活を、いいえ、人生そのものを根こそぎ否定された一人の人間が、「それでも私は私!」と叫ぶ。悲しいとか悔しいとか、そんなんじゃなくて、プライドなんてちっぽけなものでもなくて、、、そのアイデンティティの全てを賭けた、魂の慟哭。
前回は、なんというか、、、「市村さんの『I AM WHAT I AM』を聴くのもこれで最後か……」と、本当に名人芸の見納めという気持ちで観ていた部分もあったこの名場面ですが、今回はそんなことを考える余裕もなかったです。すごい勢いでドラマに引き込まれて、ぐるぐる振りまわされて、最後にぽいっとされたような気がしました。
アルバンも、自分の中の「ザザ」に振り回されたところがあるのかな、と、そんなことを考えつつ。
そしてもう一曲。今まで何度も観ていたのにあまり思い入れのなかった場面に、なぜかよくわからないけど、今回はすごく嵌りました。
2幕のジャクリーヌ(香樹たつき)の店で、貞淑なジョルジュの妻(ジャン・ミッシェルの母)を演じるアルバンが、女主人にせがまれて歌う「BEST OF TIMES」。
よくあるミュージカルナンバー、名曲ぞろいの「ラカージュ」の中では、中の上くらいの曲だと思っていたのですが、、、すみません、ほんとにすみません。今まで本当に観ていたのか?と思ったほど、あのジャクリーヌの店でのアルバンのソロに持っていかれてしまいました。
なんだろう。「I GOT Merman」で、諏訪マリーさんが「ジプシー」を歌ったときのような感動。
長い時間を舞台の上で過ごしてきたベテラン役者が、その全てを賭けて客席を巻き込む、その、凄まじいまでの気迫。
そんな市村さんの傍で、軽やかな小鳥のように歌うタータンさんのジャクリーヌも、とても素敵でした。男役時代の重厚感とは全然違う、今のシャープな軽やかさは、とても魅力的だと思います。
ダンドン夫妻は、前回と同じ森久美子&今井清隆。モリクミさんは今回ちょっと不調なようにも見えましたが、単に市村さんが凄すぎただけかもしれません。今井さんは前回の公演からですよね。再演ともなれば、だいぶ慣れてキャラクターの魅力が出てきたな、という印象。
アルバンとジョルジュの一人息子ジャン・ミッシェルは、原田優一さん。
「レ・ミゼラブル」のアンジョルラス役が良かったので非常に期待していたのですが、ああいう無神経な青年の役をやると嫌味にみえてしまうのは誤算でした。天然っぽい、ぽわんと可愛くて優しげなタイプの役者の方が似合う役なのかもしれません。
あ、でも歌は素晴らしかったです!久しぶりに声が聴けて嬉しいです。
ジャン・ミッシェルの恋人・アンヌは、元雪組トップ娘役の愛原実花。みなこちゃん、素晴らしかった!!スタイルの良いダンサーで、芝居は文句なし。歌はもともと大した歌があるわけではないので無問題……というわけで、すごく良かったです。
みなこちゃんの独特の透明感が良い方向に作用して、原田くんの毒気まで中和してくれたような気がします。市村ザザと手を合わせて脚をあげる挨拶の仕草もめっちゃ可愛かった!!(でれでれ)
しかし、終盤のショーシーンでの燕尾ダルマは反則……いや、販促かも(^ ^)。
ルノー夫妻は林アキラ・園山晴子のお二人。ピンポイントの役ですが、久々に聴く美声はさすがでした(*^ ^*)。
ジャコブは花井京之助。フランシスは日比野啓一さん。達者なお二人ですよね。
カジェルメンバーは、あまり変ってなかったような気がします。シャンタルの新納慎也さん、なんていうか、やっぱり出てくると眼が惹きつけられますね。華があるんだなあ。ハンナの真島茂樹さんもあの「鞭の女王さま」役長いですよねえ……!他のメンバーもさらにパワーアップして、しかも綺麗でした。あのレビューシーンはこの作品の宝なので、これからもよろしくお願いいたします。
前回公演はそこまで思いませんでしたが、やっぱり今公演の市村ザザは、まだこの作品をご覧になったことがない方がいらっしゃったら是非にとお勧めしたいです。
男同士の純愛(?)というか夫婦生活がテーマの作品ですから、拒否感を感じる方もいらっしゃるようですが、、、でも、人と人が愛する物語であることにかわりはないと思うんですよね。
人の本能としての「愛したい」「一緒に居たい」という気持ちを、強く刺激する作品でした。
数年後に再演するときは市村さんが出てくださるかどうかわかりませんが、もう一度市村ザザにお逢いできれば幸せだし、新しいザザに逢えるならそれも幸せ、と思っています。
末永いご活躍を期待していますので、どうぞお身体大切に。
【7月1日まで、あと173日】
祝!マエストロ塩田、「ラ・カージュ」に復活!!
2年前に「ラ・カージュ」を観た時、塩田さんがいらっしゃらなくて、ちょっとだけ残念だったんですよね。塩田さんが振ると、音が軽やかでキラキラしているような気がするし、ザザがマエストロとコミュニケ―ションを取るときの空気も違うような気がします。役柄以上の、長い付き合いによる阿吽の呼吸があるような。
まあ、先入観なのかもしれませんけど、やっぱり塩田さんが指揮台で踊っているのを見ると、それだけで楽しい気持ちになれるのは事実(^ ^)。「ラ・カージュ」はオケボックスまでが舞台だから、オケボックスのよく見える二階席センターを取るのが基本です(^ ^)。
2年前、「市村正親のザザはこれがファイナル!」とうたって上演されたこの作品。
初演からずっとジョルジュを演じてこられた岡田眞澄さんを喪って、鹿賀さんが登板された最初の公演でした。粋でスマートな鹿賀さんのジョルジュと、もはや名人芸としか言いようのない市村さんのザザ/アルバン。
もう二度と観られないと思って結構無理して観に行ったので、正直、このタイミングで再演されると多少は複雑な気分にもなりますが(- -;、でも、やっぱり市村さんはさすがでした。
前回は、「さすがだけど、やっぱり衰えは隠せないなー」なんて思った場面もあったのですが、今回はそれさえなくて。全盛期の市村さんの勢いが戻ってきたような気がしました。
中でも、1幕ラストの「I AM WHAT I AM」は素晴らしかった!
息子の不用意な一言で、20年間の家族生活を、いいえ、人生そのものを根こそぎ否定された一人の人間が、「それでも私は私!」と叫ぶ。悲しいとか悔しいとか、そんなんじゃなくて、プライドなんてちっぽけなものでもなくて、、、そのアイデンティティの全てを賭けた、魂の慟哭。
前回は、なんというか、、、「市村さんの『I AM WHAT I AM』を聴くのもこれで最後か……」と、本当に名人芸の見納めという気持ちで観ていた部分もあったこの名場面ですが、今回はそんなことを考える余裕もなかったです。すごい勢いでドラマに引き込まれて、ぐるぐる振りまわされて、最後にぽいっとされたような気がしました。
アルバンも、自分の中の「ザザ」に振り回されたところがあるのかな、と、そんなことを考えつつ。
そしてもう一曲。今まで何度も観ていたのにあまり思い入れのなかった場面に、なぜかよくわからないけど、今回はすごく嵌りました。
2幕のジャクリーヌ(香樹たつき)の店で、貞淑なジョルジュの妻(ジャン・ミッシェルの母)を演じるアルバンが、女主人にせがまれて歌う「BEST OF TIMES」。
よくあるミュージカルナンバー、名曲ぞろいの「ラカージュ」の中では、中の上くらいの曲だと思っていたのですが、、、すみません、ほんとにすみません。今まで本当に観ていたのか?と思ったほど、あのジャクリーヌの店でのアルバンのソロに持っていかれてしまいました。
なんだろう。「I GOT Merman」で、諏訪マリーさんが「ジプシー」を歌ったときのような感動。
長い時間を舞台の上で過ごしてきたベテラン役者が、その全てを賭けて客席を巻き込む、その、凄まじいまでの気迫。
そんな市村さんの傍で、軽やかな小鳥のように歌うタータンさんのジャクリーヌも、とても素敵でした。男役時代の重厚感とは全然違う、今のシャープな軽やかさは、とても魅力的だと思います。
ダンドン夫妻は、前回と同じ森久美子&今井清隆。モリクミさんは今回ちょっと不調なようにも見えましたが、単に市村さんが凄すぎただけかもしれません。今井さんは前回の公演からですよね。再演ともなれば、だいぶ慣れてキャラクターの魅力が出てきたな、という印象。
アルバンとジョルジュの一人息子ジャン・ミッシェルは、原田優一さん。
「レ・ミゼラブル」のアンジョルラス役が良かったので非常に期待していたのですが、ああいう無神経な青年の役をやると嫌味にみえてしまうのは誤算でした。天然っぽい、ぽわんと可愛くて優しげなタイプの役者の方が似合う役なのかもしれません。
あ、でも歌は素晴らしかったです!久しぶりに声が聴けて嬉しいです。
ジャン・ミッシェルの恋人・アンヌは、元雪組トップ娘役の愛原実花。みなこちゃん、素晴らしかった!!スタイルの良いダンサーで、芝居は文句なし。歌はもともと大した歌があるわけではないので無問題……というわけで、すごく良かったです。
みなこちゃんの独特の透明感が良い方向に作用して、原田くんの毒気まで中和してくれたような気がします。市村ザザと手を合わせて脚をあげる挨拶の仕草もめっちゃ可愛かった!!(でれでれ)
しかし、終盤のショーシーンでの燕尾ダルマは反則……いや、販促かも(^ ^)。
ルノー夫妻は林アキラ・園山晴子のお二人。ピンポイントの役ですが、久々に聴く美声はさすがでした(*^ ^*)。
ジャコブは花井京之助。フランシスは日比野啓一さん。達者なお二人ですよね。
カジェルメンバーは、あまり変ってなかったような気がします。シャンタルの新納慎也さん、なんていうか、やっぱり出てくると眼が惹きつけられますね。華があるんだなあ。ハンナの真島茂樹さんもあの「鞭の女王さま」役長いですよねえ……!他のメンバーもさらにパワーアップして、しかも綺麗でした。あのレビューシーンはこの作品の宝なので、これからもよろしくお願いいたします。
前回公演はそこまで思いませんでしたが、やっぱり今公演の市村ザザは、まだこの作品をご覧になったことがない方がいらっしゃったら是非にとお勧めしたいです。
男同士の純愛(?)というか夫婦生活がテーマの作品ですから、拒否感を感じる方もいらっしゃるようですが、、、でも、人と人が愛する物語であることにかわりはないと思うんですよね。
人の本能としての「愛したい」「一緒に居たい」という気持ちを、強く刺激する作品でした。
数年後に再演するときは市村さんが出てくださるかどうかわかりませんが、もう一度市村ザザにお逢いできれば幸せだし、新しいザザに逢えるならそれも幸せ、と思っています。
末永いご活躍を期待していますので、どうぞお身体大切に。
【7月1日まで、あと173日】
I GOT MERMAN!
2012年1月7日 ミュージカル・舞台シアター・クリエにて、ミュージカル「I GOT MERMAN(オリジナルキャスト)」を観てまいりました。
この作品が上演されるのは10年ぶり。
いやー、10年ですか。……いや、そうはいっても、東京でやっていたのは2002年の終わりの方だから、9年強、ってところだと思うのですが。
9年なんて、一瞬。
そう、本気で思いました。
諏訪マリー、田中利花、中島啓江。
「燦然と輝くオリジナルキャスト」の3人をみていると、時間を超越するものが実在することの驚いてしまうのです。私は別に、初演を観たわけでもないし、2002年以前にだってそんなに何回も観たわけではないのに、オープニングで3人が並んで腕を挙げている情景だけで涙が出ました。10年という時間を感じさせないために払われた、多大な努力と犠牲の重たさに。
初演は1987年4月。もう25周年。四半世紀も前ですよ!!すごいなあ(@ @)
私が観たのはずっと後で、、、たぶん、1999年のシリーズじゃないかと思います。利花さんのことを知ったのはタナボタ企画の「真説・カサブランカ」なので、この作品を観たのはそれ以降のはずだから。
……ってことは、もうその時点で初演から10年以上が過ぎていたわけで。キャストのみなさんも決して若くはなかったはずですが、、、いやもう、本当に素晴らしかった!!諏訪さんの声がまたしっとりと色っぽくて優しくて、伝説のエセル・マーマンはこういう声だったのかな?と思っていました。
そういえば、最近のYoutubeにはマーマンの当時の画像もあるそうです。「聞いてみてね」とアピールされたので、こんど検索してみたいと思います(^ ^)。
今回は、さすがに10年のブランクもあったせいか、オリジナルキャスト版は「コンサート形式」となっていましたが、ダンスナンバーを立って(あるいは歩く程度で)歌うようになっただけで、舞台構成としては殆ど変更無かったと思います。
オープニングからずっと、「全然変わってないじゃん」と思っていたのですが、途中で初演当時の動画を背景に流す場面があって(エニシングゴーズかな?)、それと比べたら、確かに全然踊ってませんでした(^ ^;ゞ。しかも、啓江さんがほっそりしてて、一瞬どっちが啓江さんでどっちが利花さんかわからなかった(@ @)(@ @)。
あ、でも、もしかしたら私が観たころには、もうそんなに踊っていなかったのかもしれません。歌と芝居の印象が強すぎて、あまりダンスの印象がないので(^ ^)。
エセル・マーマン。「ガール・クレイジー」「エニシング・ゴーズ」「パナマ・ハッティー」「アニーよ銃をとれ」……そして「ジプシー」。ガーシュウィン、ポーター、バーリン、ソンドハイム。20世紀の誇るショービジネスの巨匠たちに愛されたディーヴァ。
彼女の人生を、生まれた時から(笑)神に召されるまでの一生を、3人のディーヴァが語る。かわるがわるに。
大きなセットはなし。アーチ型の枠と、2台のピアノ。それだけの、シンプルな舞台。音楽と、演出と、そして舞台の上の3人+2人のピアニストしかいない。私が最初に観たのは博品館だったと思うのですが、舞台のサイズも劇場そのものの雰囲気も、この作品にちょうどぴったりだな、と思った記憶があります。
おぎゃあと生まれ、人前で歌うことが大好きだった少女。
けれども良い家のお嬢さんだったためにショービジネスに入ることは両親に反対され、高校を出てタイピストになる……
この、タイピストのパントマイムから「なにをしてるの、私?」と歌いだすマリーさんがすごく印象的で大好きだったんですが、何年たってもやっぱりステキ。20前の少女には全く見えないけど(10年前から)、でも、不思議な透明感があるんですよね、マリーさんって。男装した女性である「男役」がホンモノの男性よりずっと格好良いように、あの年代でないと出せない透明感もあるんだと思います。
親を説得して(?)ニューヨークにでてきたエセル。何の伝手もない彼女はオーディションを受ける機会さえなく、クラブで歌って食いつなぐ。このクラブでのショーシーンを担当する啓江さんがとてもキュート。全体に啓江さんは恋愛がらみの場面を担当しているのですが、相変わらず可愛かった(*^ ^*)。
脚を悪くされたみたいで動きは最小限になさっていましたが、この作品には欠かせない方なので、なんとか頑張っていただきたいなーと思いました。
クラブに来ていたガーシュウィンに認められ、オーディションを受けるエセル。ガーシュウィンが彼女に書いたのが、名曲「I GOT RYTHEM」を含む「ガール・クレイジー(「クレイジー・フォー・ユー」の前身……ですよね?)」。これが、彼女のスター人生の始まり。
利花さんのパワフルな歌声が響く。パンチのきいたリズミカルな歌唱がとても好きです。
この後は、スター街道をひた走る彼女を、小芝居を挟みつつ描いていくのですが。
3人とも、誰が歌いだしても「ああ、マーマンの歌ってこんなだったのかなあ」と思わせる説得力があるのが凄いんです(^ ^)。いや、そうでないとこの作品が成立しないんですけどね。
4度の結婚、でも、愛したのは二人の子供をもうけた一人だけ。
子供たちの誕生の場面で歌われる「YOU’RE THE TOP!」と、
元夫の死と娘の死の場面で歌われる「BLUE SKIES」が、初めて観た時からとても好きだったのですが……
今回もやっぱり泣けました。マリーさん、素敵だなあ。もちろん利花さんも啓江さんも素敵なんだけど、でもやっぱり、マリーさんの声は特別!!
大好きなマーマン。
大好きなマリーさん。
大好きな利花さん。
大好きな啓江さん。
ありがとう、この作品に出てくれて。
いままで元気でいてくださって、本当にありがとう。
これからもどうぞ末永く活躍なさって、そして、この作品に出演してくださいね。
どの曲もどの場面も好きだけど、良い悪いじゃなくて、やっぱり25周年を迎えた三人による「FRIENDSHIP」は、特別な意味を持ってきますね。
そして、あの曲が大きな意味を持つからこそ、余計にエセルの最後のシーンが重たく感じられるのですが。
他の2組のメンバーも、がんばっていただきたいなと思います♪
オリジナルキャストでの上演は9日まで。
10日からはファビュラスキャスト(浦嶋りんこ、シルヴィア・グラブ、エリアンナ)とニューキャスト(樹里咲穂、西国原礼子、Miz)で交互に上演。
一週間しかないので、両方観るのは苦しいんですが……うーん、どっちを観るかは悩むところです(^ ^)。
まあ、とりあえず樹里ちゃんは利花さんのところを演じるらしい。うん、ぴったり(*^ ^*)。
最後に、「I GOT MERMAN」の復活に絡めて、長年の希望を祈っておきたいと思います。
……「アステア バイ・マイセルフ」再演熱望!!(祈)
【7月1日まで、あと176日】
この作品が上演されるのは10年ぶり。
いやー、10年ですか。……いや、そうはいっても、東京でやっていたのは2002年の終わりの方だから、9年強、ってところだと思うのですが。
9年なんて、一瞬。
そう、本気で思いました。
諏訪マリー、田中利花、中島啓江。
「燦然と輝くオリジナルキャスト」の3人をみていると、時間を超越するものが実在することの驚いてしまうのです。私は別に、初演を観たわけでもないし、2002年以前にだってそんなに何回も観たわけではないのに、オープニングで3人が並んで腕を挙げている情景だけで涙が出ました。10年という時間を感じさせないために払われた、多大な努力と犠牲の重たさに。
初演は1987年4月。もう25周年。四半世紀も前ですよ!!すごいなあ(@ @)
私が観たのはずっと後で、、、たぶん、1999年のシリーズじゃないかと思います。利花さんのことを知ったのはタナボタ企画の「真説・カサブランカ」なので、この作品を観たのはそれ以降のはずだから。
……ってことは、もうその時点で初演から10年以上が過ぎていたわけで。キャストのみなさんも決して若くはなかったはずですが、、、いやもう、本当に素晴らしかった!!諏訪さんの声がまたしっとりと色っぽくて優しくて、伝説のエセル・マーマンはこういう声だったのかな?と思っていました。
そういえば、最近のYoutubeにはマーマンの当時の画像もあるそうです。「聞いてみてね」とアピールされたので、こんど検索してみたいと思います(^ ^)。
今回は、さすがに10年のブランクもあったせいか、オリジナルキャスト版は「コンサート形式」となっていましたが、ダンスナンバーを立って(あるいは歩く程度で)歌うようになっただけで、舞台構成としては殆ど変更無かったと思います。
オープニングからずっと、「全然変わってないじゃん」と思っていたのですが、途中で初演当時の動画を背景に流す場面があって(エニシングゴーズかな?)、それと比べたら、確かに全然踊ってませんでした(^ ^;ゞ。しかも、啓江さんがほっそりしてて、一瞬どっちが啓江さんでどっちが利花さんかわからなかった(@ @)(@ @)。
あ、でも、もしかしたら私が観たころには、もうそんなに踊っていなかったのかもしれません。歌と芝居の印象が強すぎて、あまりダンスの印象がないので(^ ^)。
エセル・マーマン。「ガール・クレイジー」「エニシング・ゴーズ」「パナマ・ハッティー」「アニーよ銃をとれ」……そして「ジプシー」。ガーシュウィン、ポーター、バーリン、ソンドハイム。20世紀の誇るショービジネスの巨匠たちに愛されたディーヴァ。
彼女の人生を、生まれた時から(笑)神に召されるまでの一生を、3人のディーヴァが語る。かわるがわるに。
大きなセットはなし。アーチ型の枠と、2台のピアノ。それだけの、シンプルな舞台。音楽と、演出と、そして舞台の上の3人+2人のピアニストしかいない。私が最初に観たのは博品館だったと思うのですが、舞台のサイズも劇場そのものの雰囲気も、この作品にちょうどぴったりだな、と思った記憶があります。
おぎゃあと生まれ、人前で歌うことが大好きだった少女。
けれども良い家のお嬢さんだったためにショービジネスに入ることは両親に反対され、高校を出てタイピストになる……
この、タイピストのパントマイムから「なにをしてるの、私?」と歌いだすマリーさんがすごく印象的で大好きだったんですが、何年たってもやっぱりステキ。20前の少女には全く見えないけど(10年前から)、でも、不思議な透明感があるんですよね、マリーさんって。男装した女性である「男役」がホンモノの男性よりずっと格好良いように、あの年代でないと出せない透明感もあるんだと思います。
親を説得して(?)ニューヨークにでてきたエセル。何の伝手もない彼女はオーディションを受ける機会さえなく、クラブで歌って食いつなぐ。このクラブでのショーシーンを担当する啓江さんがとてもキュート。全体に啓江さんは恋愛がらみの場面を担当しているのですが、相変わらず可愛かった(*^ ^*)。
脚を悪くされたみたいで動きは最小限になさっていましたが、この作品には欠かせない方なので、なんとか頑張っていただきたいなーと思いました。
クラブに来ていたガーシュウィンに認められ、オーディションを受けるエセル。ガーシュウィンが彼女に書いたのが、名曲「I GOT RYTHEM」を含む「ガール・クレイジー(「クレイジー・フォー・ユー」の前身……ですよね?)」。これが、彼女のスター人生の始まり。
利花さんのパワフルな歌声が響く。パンチのきいたリズミカルな歌唱がとても好きです。
この後は、スター街道をひた走る彼女を、小芝居を挟みつつ描いていくのですが。
3人とも、誰が歌いだしても「ああ、マーマンの歌ってこんなだったのかなあ」と思わせる説得力があるのが凄いんです(^ ^)。いや、そうでないとこの作品が成立しないんですけどね。
4度の結婚、でも、愛したのは二人の子供をもうけた一人だけ。
子供たちの誕生の場面で歌われる「YOU’RE THE TOP!」と、
元夫の死と娘の死の場面で歌われる「BLUE SKIES」が、初めて観た時からとても好きだったのですが……
今回もやっぱり泣けました。マリーさん、素敵だなあ。もちろん利花さんも啓江さんも素敵なんだけど、でもやっぱり、マリーさんの声は特別!!
大好きなマーマン。
大好きなマリーさん。
大好きな利花さん。
大好きな啓江さん。
ありがとう、この作品に出てくれて。
いままで元気でいてくださって、本当にありがとう。
これからもどうぞ末永く活躍なさって、そして、この作品に出演してくださいね。
どの曲もどの場面も好きだけど、良い悪いじゃなくて、やっぱり25周年を迎えた三人による「FRIENDSHIP」は、特別な意味を持ってきますね。
そして、あの曲が大きな意味を持つからこそ、余計にエセルの最後のシーンが重たく感じられるのですが。
他の2組のメンバーも、がんばっていただきたいなと思います♪
オリジナルキャストでの上演は9日まで。
10日からはファビュラスキャスト(浦嶋りんこ、シルヴィア・グラブ、エリアンナ)とニューキャスト(樹里咲穂、西国原礼子、Miz)で交互に上演。
一週間しかないので、両方観るのは苦しいんですが……うーん、どっちを観るかは悩むところです(^ ^)。
まあ、とりあえず樹里ちゃんは利花さんのところを演じるらしい。うん、ぴったり(*^ ^*)。
最後に、「I GOT MERMAN」の復活に絡めて、長年の希望を祈っておきたいと思います。
……「アステア バイ・マイセルフ」再演熱望!!(祈)
【7月1日まで、あと176日】
2011年のいろいろな舞台
2011年12月30日 ミュージカル・舞台2011年に観たいろいろな舞台(宝塚以外)を振り返ってみたいと思います。
何を見たかな、というのを振り返ってみて、あらためて、今年は本当に本当~~に(!)外部公演を観ていなかったんだなあ、と悲しくなりました。
うーん、でも来年も無理だよねえ……(T T)。
順位をつけられるほど幅広く観ていないので迷ったのですが、いちおう「私が観た中で好きだった順」に順位をつけてみました。
■ミュージカル新作
1位.トライアングルVol.2
2位.愛と青春の宝塚
3位.スリル・ミー
3位.ゾロ・ザ・ミュージカル
3位.ロックエイジ
3位.三銃士
「トライアングル」はVol.1とは全然違う作品だったし、「愛と青春の宝塚」は再演ですが、私は初見だったのでこちらに入れています。どっちもすごく良かったです!
■ミュージカル再演
1位.サイド・ショウ
1位.ロミオ&ジュリエット
3位.ウェディングシンガー
4位.レミゼラブル
4位.美女と野獣
6位.I Love You, You’re Perfect, Now Change!
6位.コーラスライン
「サイド・ショウ」は、再演が本当に嬉しくて、幸せでした。続けざまに何度も観るにはしんどい作品ですが、再演を重ねてほしい作品の一つです。かしちゃんの休演は衝撃でしたが、早くお元気になってくださいね。
「ロミオ&ジュリエット」は、演出は若干違いましたけれども楽曲とかはほぼ一緒だったのでこちらにいれています。演出面にはいろいろ言いたいことがありましたけど、作品の良さを殺すほどではなかったので、ここに。演出変えてなかったら1位だったかなあ。
「ウェディング・シンガー」は、3月末という時期の公演でいろいろ大変だっただろうと思うのですが、本当に元気をもらいました。素晴らしかったです!
■ストレートプレイ
1位.夏への扉
2位.ろくでなしの啄木
3位.髑髏城の七人
4位.ファントム(ライフ)
6位.銀河英雄伝説
7位.11人いる!(ライフ)
8位.モモ
どれも面白かったので、順位づけの基準は「(同キャストで)再演してほしい」の度合い、ということにしました。
というわけで、「夏への扉」が堂々の一位!あのピートにもう一回会いたいらしい(^ ^)。
啄木と髑髏城は迷ったんですが、「同キャストで」を重視して僅差で啄木。「髑髏城」は、個人的に、初演の「2役を一人が演じる」バージョンを観てみたいので。あと、今度こそ黒澤監督の「七人の侍」をみてから観たい!
Studio Lifeの「ファントム」は、再演より続編を早く観たいです。あれ?そういえば、いつやるって言ってたっけ……?行けるかしら。ドキドキ。
■ショー・コンサート・イベント
1位.大江戸鍋祭
2位.CLUB SEVEN 7th Stage
3位.サイドショウコンサート
4位.Alive2
年末に観たばかりだから印象が強い、というのもあるのかもしれませんが、「大江戸鍋祭」の楽しさは抜群でした。
「CLUB SEVEN」はいつもどおりのクオリティで安心して楽しめました。これも4月半ばの心が折れそうな時期の公演で、ずいぶん元気をいただきました。こういう公演って必要だよね、とすごく思ったのでした。
今年観た公演はこれだけ。少ないなー。観たいもの、観るつもりだったものは、たくさんあったのですが。
タカラヅカ関連では悔いはないんですが、外部作品はかなり悔いが残ってますね私。
来年もすごく観たいものが大量にあるのですが、今から気合を入れないと観れないような気がします。っていうか、まずは情報を整理しなくては……!
.
何を見たかな、というのを振り返ってみて、あらためて、今年は本当に本当~~に(!)外部公演を観ていなかったんだなあ、と悲しくなりました。
うーん、でも来年も無理だよねえ……(T T)。
順位をつけられるほど幅広く観ていないので迷ったのですが、いちおう「私が観た中で好きだった順」に順位をつけてみました。
■ミュージカル新作
1位.トライアングルVol.2
2位.愛と青春の宝塚
3位.スリル・ミー
3位.ゾロ・ザ・ミュージカル
3位.ロックエイジ
3位.三銃士
「トライアングル」はVol.1とは全然違う作品だったし、「愛と青春の宝塚」は再演ですが、私は初見だったのでこちらに入れています。どっちもすごく良かったです!
■ミュージカル再演
1位.サイド・ショウ
1位.ロミオ&ジュリエット
3位.ウェディングシンガー
4位.レミゼラブル
4位.美女と野獣
6位.I Love You, You’re Perfect, Now Change!
6位.コーラスライン
「サイド・ショウ」は、再演が本当に嬉しくて、幸せでした。続けざまに何度も観るにはしんどい作品ですが、再演を重ねてほしい作品の一つです。かしちゃんの休演は衝撃でしたが、早くお元気になってくださいね。
「ロミオ&ジュリエット」は、演出は若干違いましたけれども楽曲とかはほぼ一緒だったのでこちらにいれています。演出面にはいろいろ言いたいことがありましたけど、作品の良さを殺すほどではなかったので、ここに。演出変えてなかったら1位だったかなあ。
「ウェディング・シンガー」は、3月末という時期の公演でいろいろ大変だっただろうと思うのですが、本当に元気をもらいました。素晴らしかったです!
■ストレートプレイ
1位.夏への扉
2位.ろくでなしの啄木
3位.髑髏城の七人
4位.ファントム(ライフ)
6位.銀河英雄伝説
7位.11人いる!(ライフ)
8位.モモ
どれも面白かったので、順位づけの基準は「(同キャストで)再演してほしい」の度合い、ということにしました。
というわけで、「夏への扉」が堂々の一位!あのピートにもう一回会いたいらしい(^ ^)。
啄木と髑髏城は迷ったんですが、「同キャストで」を重視して僅差で啄木。「髑髏城」は、個人的に、初演の「2役を一人が演じる」バージョンを観てみたいので。あと、今度こそ黒澤監督の「七人の侍」をみてから観たい!
Studio Lifeの「ファントム」は、再演より続編を早く観たいです。あれ?そういえば、いつやるって言ってたっけ……?行けるかしら。ドキドキ。
■ショー・コンサート・イベント
1位.大江戸鍋祭
2位.CLUB SEVEN 7th Stage
3位.サイドショウコンサート
4位.Alive2
年末に観たばかりだから印象が強い、というのもあるのかもしれませんが、「大江戸鍋祭」の楽しさは抜群でした。
「CLUB SEVEN」はいつもどおりのクオリティで安心して楽しめました。これも4月半ばの心が折れそうな時期の公演で、ずいぶん元気をいただきました。こういう公演って必要だよね、とすごく思ったのでした。
今年観た公演はこれだけ。少ないなー。観たいもの、観るつもりだったものは、たくさんあったのですが。
タカラヅカ関連では悔いはないんですが、外部作品はかなり悔いが残ってますね私。
来年もすごく観たいものが大量にあるのですが、今から気合を入れないと観れないような気がします。っていうか、まずは情報を整理しなくては……!
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Triangle Vol.2
2011年11月15日 ミュージカル・舞台PARCO劇場にて、「TRIANGLE vol.2 -探し屋ジョニー・ヤマダ-」を観劇いたしました。
2009年に上演された「No.1」に関する日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/?day=20090412
出演者は、前回と同じ井上芳雄、新納慎也、彩乃かなみの三人。
2年間でみんなパワーアップして、特に、前回は退団後初舞台だったかなみちゃんの2年半の成長ぶりは半端なかったです。いやー、輝いてました本当に。
スタッフもほとんど前回と同じ……ですよね。
脚本:蓬莱竜太
演出:宮田慶子
衣装も有村さんのままでしたが、前回ので反省なさったのか(←遅い!)、今回は良かったと思います。かなみちゃんのスカートの微妙なミニ加減とブーツがなかなかに絶妙で。いやでも、今回はかなみちゃんの努力もあったのかな?(^ ^)
パルコ劇場で、1988年まで上演されていた伝説の「SHOW GIRL」シリーズ。
その新シリーズとしてスタートした(らしい)「TRIANGE」。
こういうものは最初よりもVol.2が難しい、とゆーのが定番ですが、その高い壁も、なんとかクリアできていたような気がします。うん。荒唐無稽さに磨きがかかっていたところは次が心配ですが、とりあえず面白かったし、3人とも、前回とは違う新しい魅力を発揮できていたし。音楽の使い方や曲の選び方もまとまってきて、Vol.1の「冒険心100%」から、継続性のある「旅」へと、全体の方向性が固まってきた気がしました。
そして、そして!!私が前回希望として書かせていただいた曲目リスト(しかも歌詞つき!)がプログラムにあったことがとても嬉しいです!(^ ^)わーい、アンケートに書いた甲斐があったかな?いや、私だけじゃなかったんでしょうけれども、そういう細かいところが改良されていたのが次回への期待度を高めたような気がします。
うん。次回も楽しみ、と素直に思いました。
メンバー固定で、毎回通しの「物語」(多少荒唐無稽でも)があるショーアクト、という制約の多い形式の舞台で、どんなヴァリエーションで魅せてくれるのか、彼らのこれからの活動を楽しみにしています。
で。
物語は、ずいぶんと思いきったSF仕立てでした。
腕時計のような機械を合わせることで、相手の心に潜りこみ、相手の脳が見失った記憶のシナプシスを繋いで「失くし物」を探す……ジョニー(井上)は、世界に8人(?)しかいないその機械の「ライセンス」を取って、政府のお偉いさんを相手に商売をしている30間近の男。
……ううむ。この物語における「ジョニー」のキャラクターを考えると、そういう機械(というか商売)があってそのライセンスを取る、、、というよりも、誰も知らない特殊能力に突然目覚めて、何の苦労もせずにそれを仕事にした……という方が納得できるんだけどなあ。
まあ、そういう特殊能力故の苦悩とかのエピソードを盛り込みたくなくて、あえて外したのかな、とも思いますが。
まあ、いずれにしても、物語のテーマ自体にはこの「記憶を潜る能力」はあまり関係ありません。
テーマは幼馴染の3人の成長の軌跡であり、人間同士の交流における気持ちの一方通行さ。他人の記憶を潜る能力は、そういう関係性を語るために必要な「神の小道具」に過ぎません。
小説であれば「神の三人称」で語られるであろう物語を、舞台の上で一人称で語ろうとして、苦し紛れにそういう小道具を出してみた……という印象。
だから、たとえば「他人の記憶に潜る」ことによって生じるいろいろな問題(プライバシーの侵害とか、恋人が自分に隠していた秘密とか)の処理が曖昧で、力づくで「語りたいテーマ」に寄せただけに見えました。
それでも、語られるテーマに力があるから無茶もギリギリ通ったのですが、、、Vol.3は、出来ればこういう飛び道具を使わずにやってほしいなあ……と思いました。
◆ジョニー(井上芳雄)
井上くんらしい明るい弾けっぷりと、井上くんらしくない荒唐無稽さ。それがずっとジョニーの人物像のぶれとして見えていたんですが、物語の最後の最後にそこが統合されて、ああ、こういうテーマだったのか、と納得しました。
もうちょっと違う見せ方もあったかなと思うんですが、蓬莱さんのキャラクターの立て方は結構好きです(^ ^)。
ところで、私が観た時は、最初にジョニーが小学校4年生になって出てくるところがコサックダンスをしながらの登場だったのですが、あれはアドリブなんでしょうか……。後半のダンスシーンでも、ジョニーが熱唱している後ろでかなみちゃんがコサックダンスに取り組んだりしていたんですけど!(^ ^;;;
もしもし?面白すぎですよあなたたち。
◆トーマ(新納慎也)
他人との関係構築をうまくやれない、気弱な青年。
人間関係に対して臆病で、常に無理をしているうちに、その無理が嵩じて「世界」を拒否してしまう。その拒否っぷりのエネルギーがもの凄い(部屋に引きこもるとかじゃなく、「自分自身」の中に閉じこもってしまう)です。NIROくんってすげえ。
こないだ「スリル・ミー」を観たばかりなので、彼の幅広さにあらためて驚きました。本当に優等生が似合うよなー、、、えっ!?ちょっと待ってよNIROくんが優等生かよ!?みたいな振れ幅がすごかった……。
ラスト、夢と現実が繋がって彼を包んでいた殻が割れた時、彼はもっと暴れてもいいのにな、と思いました。NIROくんが本気で暴れる場面がなかったのがかなり残念。
でもまあ、そういう脚本であり演出だしなー。蓬莱さんは、というか、このシリーズ全体の構想として、一つの作品で出演者の多面的な魅力を出すことはせず、一つの作品では一面の魅力、違う魅力はまた来年ね!!……っていうのがあるのかもね、なんてことを思いました。
◆ビッキー(彩乃かなみ)
すぐに手(足)が出る乱暴者の女の子。頭の回転が速くて口が達者でリーダーシップがあって、、、小学校の頃によく一緒に遊んだ女の子をすごく思いだしました。彼女も家庭的にはいろいろあった人で、子供の私の眼からはとても大人っぽく見えました。今の自分の眼でが振り返れば、「マセていた」んだな、と思う、そんな痛々しさ。ビッキーの痛みはそれと同じものなのかな、と。
ビッキーのジョニーに対する思いがとても真っ直ぐで、可愛いなあと思いました。トーマの気持ちを知りながら、ジョニーに向かう自分の気持ちを否定して、全てを曖昧なまま置いておこうとする女心が悲しいですよね。
普段の前向きさと恋に対する臆病さ、自分に対する自身と不安。すべてはジョニーに対する不安に起因するんですが、、、そりゃーあのジョニーじゃ不安になるよね、とつい納得してしまうところが、井上くんも蓬莱さんもうまいよなーと思います。
ラストの開き直ったビッキーがやっぱり可愛い。かなみちゃん、宝塚を卒業してから本当に芝居が良くなったなあ。外部の芝居のほうが合うんですよね。良かった良かった(*^ ^*)。
ぜひいつか、「I Love You, you’re perfect, now change!」に、初演で堀内敬子嬢が演じた役で出演してほしい。今のかなみちゃんなら、「ローズ・リッツのお見合いビデオ」を演じられるんじゃないかと思う。あと、三谷の芝居も似合うと思います(^ ^)。もっともっと世界を広げて、どんどん遠くへ羽ばたいていってくださいますように。
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2009年に上演された「No.1」に関する日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/?day=20090412
出演者は、前回と同じ井上芳雄、新納慎也、彩乃かなみの三人。
2年間でみんなパワーアップして、特に、前回は退団後初舞台だったかなみちゃんの2年半の成長ぶりは半端なかったです。いやー、輝いてました本当に。
スタッフもほとんど前回と同じ……ですよね。
脚本:蓬莱竜太
演出:宮田慶子
衣装も有村さんのままでしたが、前回ので反省なさったのか(←遅い!)、今回は良かったと思います。かなみちゃんのスカートの微妙なミニ加減とブーツがなかなかに絶妙で。いやでも、今回はかなみちゃんの努力もあったのかな?(^ ^)
パルコ劇場で、1988年まで上演されていた伝説の「SHOW GIRL」シリーズ。
その新シリーズとしてスタートした(らしい)「TRIANGE」。
こういうものは最初よりもVol.2が難しい、とゆーのが定番ですが、その高い壁も、なんとかクリアできていたような気がします。うん。荒唐無稽さに磨きがかかっていたところは次が心配ですが、とりあえず面白かったし、3人とも、前回とは違う新しい魅力を発揮できていたし。音楽の使い方や曲の選び方もまとまってきて、Vol.1の「冒険心100%」から、継続性のある「旅」へと、全体の方向性が固まってきた気がしました。
そして、そして!!私が前回希望として書かせていただいた曲目リスト(しかも歌詞つき!)がプログラムにあったことがとても嬉しいです!(^ ^)わーい、アンケートに書いた甲斐があったかな?いや、私だけじゃなかったんでしょうけれども、そういう細かいところが改良されていたのが次回への期待度を高めたような気がします。
うん。次回も楽しみ、と素直に思いました。
メンバー固定で、毎回通しの「物語」(多少荒唐無稽でも)があるショーアクト、という制約の多い形式の舞台で、どんなヴァリエーションで魅せてくれるのか、彼らのこれからの活動を楽しみにしています。
で。
物語は、ずいぶんと思いきったSF仕立てでした。
腕時計のような機械を合わせることで、相手の心に潜りこみ、相手の脳が見失った記憶のシナプシスを繋いで「失くし物」を探す……ジョニー(井上)は、世界に8人(?)しかいないその機械の「ライセンス」を取って、政府のお偉いさんを相手に商売をしている30間近の男。
……ううむ。この物語における「ジョニー」のキャラクターを考えると、そういう機械(というか商売)があってそのライセンスを取る、、、というよりも、誰も知らない特殊能力に突然目覚めて、何の苦労もせずにそれを仕事にした……という方が納得できるんだけどなあ。
まあ、そういう特殊能力故の苦悩とかのエピソードを盛り込みたくなくて、あえて外したのかな、とも思いますが。
まあ、いずれにしても、物語のテーマ自体にはこの「記憶を潜る能力」はあまり関係ありません。
テーマは幼馴染の3人の成長の軌跡であり、人間同士の交流における気持ちの一方通行さ。他人の記憶を潜る能力は、そういう関係性を語るために必要な「神の小道具」に過ぎません。
小説であれば「神の三人称」で語られるであろう物語を、舞台の上で一人称で語ろうとして、苦し紛れにそういう小道具を出してみた……という印象。
だから、たとえば「他人の記憶に潜る」ことによって生じるいろいろな問題(プライバシーの侵害とか、恋人が自分に隠していた秘密とか)の処理が曖昧で、力づくで「語りたいテーマ」に寄せただけに見えました。
それでも、語られるテーマに力があるから無茶もギリギリ通ったのですが、、、Vol.3は、出来ればこういう飛び道具を使わずにやってほしいなあ……と思いました。
◆ジョニー(井上芳雄)
井上くんらしい明るい弾けっぷりと、井上くんらしくない荒唐無稽さ。それがずっとジョニーの人物像のぶれとして見えていたんですが、物語の最後の最後にそこが統合されて、ああ、こういうテーマだったのか、と納得しました。
もうちょっと違う見せ方もあったかなと思うんですが、蓬莱さんのキャラクターの立て方は結構好きです(^ ^)。
ところで、私が観た時は、最初にジョニーが小学校4年生になって出てくるところがコサックダンスをしながらの登場だったのですが、あれはアドリブなんでしょうか……。後半のダンスシーンでも、ジョニーが熱唱している後ろでかなみちゃんがコサックダンスに取り組んだりしていたんですけど!(^ ^;;;
もしもし?面白すぎですよあなたたち。
◆トーマ(新納慎也)
他人との関係構築をうまくやれない、気弱な青年。
人間関係に対して臆病で、常に無理をしているうちに、その無理が嵩じて「世界」を拒否してしまう。その拒否っぷりのエネルギーがもの凄い(部屋に引きこもるとかじゃなく、「自分自身」の中に閉じこもってしまう)です。NIROくんってすげえ。
こないだ「スリル・ミー」を観たばかりなので、彼の幅広さにあらためて驚きました。本当に優等生が似合うよなー、、、えっ!?ちょっと待ってよNIROくんが優等生かよ!?みたいな振れ幅がすごかった……。
ラスト、夢と現実が繋がって彼を包んでいた殻が割れた時、彼はもっと暴れてもいいのにな、と思いました。NIROくんが本気で暴れる場面がなかったのがかなり残念。
でもまあ、そういう脚本であり演出だしなー。蓬莱さんは、というか、このシリーズ全体の構想として、一つの作品で出演者の多面的な魅力を出すことはせず、一つの作品では一面の魅力、違う魅力はまた来年ね!!……っていうのがあるのかもね、なんてことを思いました。
◆ビッキー(彩乃かなみ)
すぐに手(足)が出る乱暴者の女の子。頭の回転が速くて口が達者でリーダーシップがあって、、、小学校の頃によく一緒に遊んだ女の子をすごく思いだしました。彼女も家庭的にはいろいろあった人で、子供の私の眼からはとても大人っぽく見えました。今の自分の眼でが振り返れば、「マセていた」んだな、と思う、そんな痛々しさ。ビッキーの痛みはそれと同じものなのかな、と。
ビッキーのジョニーに対する思いがとても真っ直ぐで、可愛いなあと思いました。トーマの気持ちを知りながら、ジョニーに向かう自分の気持ちを否定して、全てを曖昧なまま置いておこうとする女心が悲しいですよね。
普段の前向きさと恋に対する臆病さ、自分に対する自身と不安。すべてはジョニーに対する不安に起因するんですが、、、そりゃーあのジョニーじゃ不安になるよね、とつい納得してしまうところが、井上くんも蓬莱さんもうまいよなーと思います。
ラストの開き直ったビッキーがやっぱり可愛い。かなみちゃん、宝塚を卒業してから本当に芝居が良くなったなあ。外部の芝居のほうが合うんですよね。良かった良かった(*^ ^*)。
ぜひいつか、「I Love You, you’re perfect, now change!」に、初演で堀内敬子嬢が演じた役で出演してほしい。今のかなみちゃんなら、「ローズ・リッツのお見合いビデオ」を演じられるんじゃないかと思う。あと、三谷の芝居も似合うと思います(^ ^)。もっともっと世界を広げて、どんどん遠くへ羽ばたいていってくださいますように。
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劇団四季 自由劇場にて、ブロードウェイミュージカル「コーラスライン」を観劇してまいりました。
あまりに有名なスタンダードミュージカルですが、私が観たのは映画を1回と、舞台は3回目かな。たぶん。とりあえず、印象深いのは味方隆司さんのポールと前田美波里さんのシーラ、飯野おさみさんのザック、青山弥生さんのコニー、坂本里咲さんのディアナ……くらいかな。どんな組み合わせだったのかはあまりよく覚えていませんが。
原案・振付・演出は、マイケル・ベネット。
ベネット自身を投影したであろうザック役の発する「踊れなくなったらどうする?」という問いかけが、「加藤敬二」の口から出ると衝撃的に重たく聴こえました。
コーラスラインに並ぶために、男性4人女性4人のコーラスを探すオーディションに参加する24人。
一次で7人が落ち、19人が残る。
その中で、誰が残るのか。
「♪この仕事がどうか取れますように」
「♪かみさま、お願い…」
繰り返される祈りのような歌に満たされた舞台で、オーディションのラインに並ぶ、19人。
「君たちは何者だ?」
そう問いかける、演出家(ザック)の声。
舞台の上と下。選ぶものと選ばれるもの。
そして、コーラスラインの前と後ろ。
人と人との間には境界線があって、決して混ざり合うことはない。
それでも、ときおりその「ライン」を超える人がいる。超えるために全てを捧げて、そのうえで更に「運」という名の魔法を得た、ごく一握りの人たちだけが。
すみからすみまで面白い作品なのですが、今回非常に印象に残ったのは、今まで「退屈なエピソード」だと思っていたザック(加藤敬二)とキャシー(坂田加奈子)のやり取りでした。
私が一番四季に嵌っていた時代(世紀末)に、彗星のように現れてすべてのダンスシーンを塗り替えた加奈子ちゃん。シャープでカッコいいダンスが大好きで、彼女のパガニーニを観るために通ったものです。
そんな彼女を抜擢し、まさに「スター」に仕立て上げた加藤さんが、ザックとして「コーラスライン」からはみ出そうとする彼女を叱る。
「キャシー、腰を振るな」「キャシー、腕をまっすぐ」「キャシー、勝手に踊るな!!」
なのに、いざ彼女が回りにあわせてきちんと踊り始めると、ラインから引っ張り出して、辞めるように懇願する。
「どうして?私、ちゃんとやっているじゃないの。みんなに合わせて、みんなを感じて踊っているわ」
それこそが耐えられないんだ、僕には。
彼女の才能を見出し、抜擢し、その才能を愛した男が嘆く。
彼女をラインに戻らせたザックの苦しげな後ろ姿。
選ぶことも、決めることもできなくなって、自分の立っている場所さえ覚束なくなった彼は、ひたすらダンサーたちを踊らせる。
時間を稼ぐために。
自分の人生を見直す時間を、つくるために。
疲れてくれば、事故は起きる。
オーディション中のポールの怪我。古傷を痛めたポールを病院へ送りだしたザックが、若いダンサーたちに問いかける。
「踊れなくなったら、どうする?」
「ダンサーだもの。いつか必ず限界は来るわ」
落ち着いた声でシーラが呟く。
「だから私、準備してる。スタジオを経営するの。それがいいことなのか、悪いことなのか、、、私にはわからない」
「自分のやりたいことを誰かに教えて過ごすなんてまっぴらよ!!」
そう叫んだキャシーにも、自分の衰えは本当は判っていたはず。
名曲「愛した日々に悔いはない」と歌いあげるディアナの、澄みきった若さと輝き。
映画ではキャシーが歌った名曲ですが、やはりここは過去をもたないまっさらなダンサーが歌うことに意味があるんだな、と納得しました。
キャシーには、あそこで「悔やまない」とは言えないと思う。だって彼女は、そんな言葉を吐くには大人になりすぎてしまったから。
実際に踊れなくなった時に、真実をこめて「悔やまないわ」と言えるのは彼女だと思うけれども。
以前観た時は、キャシーは最初から覚悟していたように見えたんですよね。
ザックにいろいろ言われても、言葉のキャッチボールがされているようには見えなくて。
でも、加藤さんと加奈子ちゃんは、本当に会話をしているように見えました。ザックに何かを言われて、何かを答えるたびに、キャシーの覚悟は定まり、肝が据わっていく。最初は優位に立って話を進めていたザックを、覚悟を決めたキャシーが次第に凌駕していく。超えられなかった壁(ザック)を、乗り越える。
実際の役づくりはどうだかわかりませんが、私には、オーディションの最初に「ザック、二人で話したいんだけど」と言う加奈子キャシーは「お願いだから合格させて頂戴」っておねだりお願いするつもりなんじゃないかな、と思ったんですよね。でも、若い人たちの話を聞いて、いろいろ思いだして……「Music&Mirror」前の会話では、そんな気持ちはなくなっていた。そして、ザックといろいろ話すうちに、心の中が整理されていく。覚悟はできてる。そうよ、私はこのコーラスラインで踊りたい。ラインの前で演技をしたいんじゃないの。踊りたいの。
加奈子ちゃんの歌なんて初めて聴いた気がしますが、素晴らしかったです。吃驚しました。いや勿論、歌手として巧いわけではないのですが(^ ^;ゞ、前回観たキャシーが林下さんで、ダンスは素晴らしいけど歌はボロクソという感じだったので、余計に(感涙)「Music&Mirror」ってホントに良い曲ですよねえ(*^ ^*)。
歌の後のダンスシークエンス、凄かったけど前とは振付同じなのでしょうか。最後の盛り上がりの音楽にあわせて舞台をジュテで一周していたような記憶があるのですが、加奈子ちゃんはしなかったので。いやでも、ベネットの振付をそのままやってるはずだよね……?あれは「コーラスライン」じゃなくて、「ソング&ダンス」か何かであの曲を使った時の記憶なのかなあ?
あとは、キャスト別に簡単に。
◆ザック 加藤敬二
上で書きましたが、今の四季で一番ザックにふさわしいのは、文句なく加藤さんでしょうね。ダンサーで振付家で演出もしてて。決して芝居の人ではありませんが、ザックは嵌り役だと思いました。
ダンスはさすが!!です。やっぱり加藤さんが踊ると「粋」なんですよね。素敵でした(*^ ^*)。
◆キャシー 坂田加奈子
こちらも上で書きましたが、嵌り役でした。「踊るチャンス頂戴!」と歌いあげるキャシーに思いっきり持っていかれました。素晴らしかった、ブラボー!!
◆シーラ 団こと葉
実は、この作品で一番好きなキャラはシーラなんですよ、私。「男の子4人、女の子4人」って言われて、「あら、じゃあオンナは要らないの?」と腰を振りながら言うところとか。ボビーとのさりげない交流とか、最後に「踊れなくなったらどうする?」と問われた時の答えとか。
団さんのシーラは初めてみましたが、なかなか婀娜っぽさがあって良かったと思います。ちゃんと「人生」を生きてきた人だなあと思えるところとか。
美人じゃないのが惜しいけど、なんかぐっとくる人でした。
◆ボビー 丹下博喜
コメディタッチな長広舌に混ざる毒が痛々しくて、とても良かったと思います。傷ついた者同士、シーラと惹かれあうのがとても自然で、優しくて、大人で。
元々いい役なんですけど、丹下さんの芝居もとても良かったと思います。
◆グレッグ 道口瑞之
この人目当てで観にいったのですが、グレッグがどの役だか全然判ってなくて(名前で判るのはザック、キャシー、ラリー、ポール、シーラ、ディアナ、ヴァル、コニーだけなんです)道口くんの顔を観て驚愕しました。髭!!(@ @)。初めて……ではないかもしれないけど、新鮮だったわー。
いやあ、グレッグってあの役なんですねえ。実はボビーかアルの役どころだと勘違いしていたので、微妙に残念だったりはしたんですが、でも良かったです(*^ ^*)。「ゲイだってことは……」と逡巡して、言葉を探す表情にぐっときました。いろいろ抽斗の広い人だなあ(←惚れた欲目)
「コーラスライン」が終わったら、次は何に出るんだろう。次はたくさん歌ってくれる役だといいなあ……。
◆ポール 竹内一樹
その昔観た(←何年前だよ)味方さんのポールがすごく好きだったのですが、割と似た雰囲気があってよかったと思います。周囲から一歩離れた感じとか。彼らが語る「エピソード」の中では、彼のが一番切ないんですよね。もちろん「アット・ザ・バレエ」の3人の少女時代も悲しいんだけど、ポールのは「切なくて痛い」の。
その痛みを受け取って、そっと畳みなおすザックが、優しいと同時に、ひどく痛々しい、傷ついた子供に見える。愛する少女(キャシー)に裏切られた、一人の少年に。
◆ディアナ 鳥原如未
「美女と野獣」のベルで評判をとった宝塚OG(七星きら)。残念ながらベルはキャストが変わってしまって観ることができませんでしたが、ディアナはとても良かったです。「愛した日々に悔いはない」はちょっと声が細いかなと思ったけど、コーラスが入れば問題ないレベルだし。
プエルトリコ系のお化粧のせいか、いわゆる「美人」とい感じではありませんでしたが、表情豊かで生き生きしていて、とても素敵でした。人生を懸けて舞台に立つ彼女が「♪悔やまない」と歌うことで、どれだけの人が勇気付けられるか、鳥原さんにはわかっていたんだな、と思う。
次の役も、楽しみにしています!
◆ヴァル 鳥海郁衣
「ダンス10、ルックス3」は歌もダンスも弾け方も、とても良かったです。ただ、残念ながらそんなにメリハリのあるスタイルではないので、そこはもっと入れるモノ入れて、形から説得力を……と思ってしまったのはビジュアル優先の宝塚ファンだからでしょうか。
まあ実際、シーラの方が形も綺麗で大きいとか、ちょっと役づくりとしてどうかと思うわー。(その話題で終わりかよ)
◆マギー 松元恵美
◆ビビ 出口恵理
シーラ、マギー、ビビ。家庭に恵まれず、バレエに救いを求めた寂しい少女時代。「アット・ザ・バレエ」の三人娘ですが、三人とも良かったと思います。
マギーはすごく可愛い!声もきれいなソプラノで、それこそ「Evita」のミストレスとか似合いそうな感じ。作品の後半で転んじゃったり、声がひっくり返ったところがあって驚いたけど、大丈夫だったのかな。
ビビも良かったです。母親に「美人じゃない」と言われたことがトラウマになったビビ。いや、確かにちょっとファニーフェースだけど、可愛いよ?と思いました……あはは。
◆アル 川口雄二
◆クリスティン 染谷早紀
以前観た時はすっごいラブラブで当てられっぱなし、って印象があったんですが、気のせいだったのかな?と思うほど、メインのナンバー(クリスティンの)以外は普通でしたね。
クリスティンは音痴っぷりも上手だったし、可愛かったです。もうちょっとスタイルがよければなー。
アルは、クリスティンの歌への合の手がちょっと弱いのが気になりました。そこはもっと、アルが引っ張るくらいの方がいいのに!!
◆ラリー 影山徹
ザックの助手。台詞は相当に無理がありましたが、ダンスは良かったです。ザックに「彼のダンスは私の理想に近い。極めて30年代的なスタイル」と言われるほどのものがあったのかはよくわかりませんが……。
◆コニー 桜野あら
青山さんは偉大だったなあ……と思いましたけど、桜野さんも決して悪くはなかったです。青山さんほどの完璧な子供体型で、かつ歌えるひとはなかなかいないので、しかたないかな、と。
本来のナンバーよりも、ヴァルに「あたしもそれ(胸)、欲しいわ!」と言うところとか、そういうちょっとした台詞が若干気になりましたが、まあでも、許容範囲だったと思います。
◆ジュディ 坂本すみれ
可愛くて華やかでスタイル抜群で、とっても素晴らしかったんですが……「コーラスライン」は芝居がメインなので、あの台詞回しではメインキャストに入れるのは無理なのでは、と思いました。
ダンスは良いんだけどな。「クレイジー・フォー・ユー」のアンサンブルならぴったりなのに(; ;)。
あと、オーディション中の立ち姿がずっとO脚でダンサーに見えないのは、ああいう役なんでしたっけ……?最後の「愛した日々に悔いはないを歌うあたりでは綺麗に立っていたので、役づくりであえてやっていたのか、歌う時だけ気合が入るからまっすぐ立てるのか……どちらかだと思うんですが。いやでも、ジュディってダンサーの役だし、役づくりであの立ち方って考えにくいんだけどなあ。
他のメンバーも皆良かったけど、残念ながら誰がだれやらわからないので、すみません。
でも、若干あり得ない体型の方が混ざってたりしましたが……大丈夫なのか、四季。
それにしても、この作品で加藤さんが出てて、土日なのに自由が埋まらないなんて(@ @)。
昔は、前売りはあいてても「加藤さんが出る」となれば当日券で全部はけてたのになあ……。
あ。ちなみに、自由劇場の2階A席は、普通に観やすくて良かったです。
秋劇場の2階席が、客をなめているとしか思えない見切れの嵐&音響最悪なのに比べれば、天国のようなA席でした(^ ^)。ザックの大ファン以外の方なら、十分満足できると思います♪
開幕当初のキャストはあまり良くなかったようですが、今のキャストは価格相応のレベルには達していたと思います。またすぐ変ってしまいかねないから、観劇するなら今がチャンス!かも(^ ^)(責任は取れませんが!)。
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あまりに有名なスタンダードミュージカルですが、私が観たのは映画を1回と、舞台は3回目かな。たぶん。とりあえず、印象深いのは味方隆司さんのポールと前田美波里さんのシーラ、飯野おさみさんのザック、青山弥生さんのコニー、坂本里咲さんのディアナ……くらいかな。どんな組み合わせだったのかはあまりよく覚えていませんが。
原案・振付・演出は、マイケル・ベネット。
ベネット自身を投影したであろうザック役の発する「踊れなくなったらどうする?」という問いかけが、「加藤敬二」の口から出ると衝撃的に重たく聴こえました。
コーラスラインに並ぶために、男性4人女性4人のコーラスを探すオーディションに参加する24人。
一次で7人が落ち、19人が残る。
その中で、誰が残るのか。
「♪この仕事がどうか取れますように」
「♪かみさま、お願い…」
繰り返される祈りのような歌に満たされた舞台で、オーディションのラインに並ぶ、19人。
「君たちは何者だ?」
そう問いかける、演出家(ザック)の声。
舞台の上と下。選ぶものと選ばれるもの。
そして、コーラスラインの前と後ろ。
人と人との間には境界線があって、決して混ざり合うことはない。
それでも、ときおりその「ライン」を超える人がいる。超えるために全てを捧げて、そのうえで更に「運」という名の魔法を得た、ごく一握りの人たちだけが。
すみからすみまで面白い作品なのですが、今回非常に印象に残ったのは、今まで「退屈なエピソード」だと思っていたザック(加藤敬二)とキャシー(坂田加奈子)のやり取りでした。
私が一番四季に嵌っていた時代(世紀末)に、彗星のように現れてすべてのダンスシーンを塗り替えた加奈子ちゃん。シャープでカッコいいダンスが大好きで、彼女のパガニーニを観るために通ったものです。
そんな彼女を抜擢し、まさに「スター」に仕立て上げた加藤さんが、ザックとして「コーラスライン」からはみ出そうとする彼女を叱る。
「キャシー、腰を振るな」「キャシー、腕をまっすぐ」「キャシー、勝手に踊るな!!」
なのに、いざ彼女が回りにあわせてきちんと踊り始めると、ラインから引っ張り出して、辞めるように懇願する。
「どうして?私、ちゃんとやっているじゃないの。みんなに合わせて、みんなを感じて踊っているわ」
それこそが耐えられないんだ、僕には。
彼女の才能を見出し、抜擢し、その才能を愛した男が嘆く。
彼女をラインに戻らせたザックの苦しげな後ろ姿。
選ぶことも、決めることもできなくなって、自分の立っている場所さえ覚束なくなった彼は、ひたすらダンサーたちを踊らせる。
時間を稼ぐために。
自分の人生を見直す時間を、つくるために。
疲れてくれば、事故は起きる。
オーディション中のポールの怪我。古傷を痛めたポールを病院へ送りだしたザックが、若いダンサーたちに問いかける。
「踊れなくなったら、どうする?」
「ダンサーだもの。いつか必ず限界は来るわ」
落ち着いた声でシーラが呟く。
「だから私、準備してる。スタジオを経営するの。それがいいことなのか、悪いことなのか、、、私にはわからない」
「自分のやりたいことを誰かに教えて過ごすなんてまっぴらよ!!」
そう叫んだキャシーにも、自分の衰えは本当は判っていたはず。
名曲「愛した日々に悔いはない」と歌いあげるディアナの、澄みきった若さと輝き。
映画ではキャシーが歌った名曲ですが、やはりここは過去をもたないまっさらなダンサーが歌うことに意味があるんだな、と納得しました。
キャシーには、あそこで「悔やまない」とは言えないと思う。だって彼女は、そんな言葉を吐くには大人になりすぎてしまったから。
実際に踊れなくなった時に、真実をこめて「悔やまないわ」と言えるのは彼女だと思うけれども。
以前観た時は、キャシーは最初から覚悟していたように見えたんですよね。
ザックにいろいろ言われても、言葉のキャッチボールがされているようには見えなくて。
でも、加藤さんと加奈子ちゃんは、本当に会話をしているように見えました。ザックに何かを言われて、何かを答えるたびに、キャシーの覚悟は定まり、肝が据わっていく。最初は優位に立って話を進めていたザックを、覚悟を決めたキャシーが次第に凌駕していく。超えられなかった壁(ザック)を、乗り越える。
実際の役づくりはどうだかわかりませんが、私には、オーディションの最初に「ザック、二人で話したいんだけど」と言う加奈子キャシーは「お願いだから合格させて頂戴」っておねだりお願いするつもりなんじゃないかな、と思ったんですよね。でも、若い人たちの話を聞いて、いろいろ思いだして……「Music&Mirror」前の会話では、そんな気持ちはなくなっていた。そして、ザックといろいろ話すうちに、心の中が整理されていく。覚悟はできてる。そうよ、私はこのコーラスラインで踊りたい。ラインの前で演技をしたいんじゃないの。踊りたいの。
加奈子ちゃんの歌なんて初めて聴いた気がしますが、素晴らしかったです。吃驚しました。いや勿論、歌手として巧いわけではないのですが(^ ^;ゞ、前回観たキャシーが林下さんで、ダンスは素晴らしいけど歌はボロクソという感じだったので、余計に(感涙)「Music&Mirror」ってホントに良い曲ですよねえ(*^ ^*)。
歌の後のダンスシークエンス、凄かったけど前とは振付同じなのでしょうか。最後の盛り上がりの音楽にあわせて舞台をジュテで一周していたような記憶があるのですが、加奈子ちゃんはしなかったので。いやでも、ベネットの振付をそのままやってるはずだよね……?あれは「コーラスライン」じゃなくて、「ソング&ダンス」か何かであの曲を使った時の記憶なのかなあ?
あとは、キャスト別に簡単に。
◆ザック 加藤敬二
上で書きましたが、今の四季で一番ザックにふさわしいのは、文句なく加藤さんでしょうね。ダンサーで振付家で演出もしてて。決して芝居の人ではありませんが、ザックは嵌り役だと思いました。
ダンスはさすが!!です。やっぱり加藤さんが踊ると「粋」なんですよね。素敵でした(*^ ^*)。
◆キャシー 坂田加奈子
こちらも上で書きましたが、嵌り役でした。「踊るチャンス頂戴!」と歌いあげるキャシーに思いっきり持っていかれました。素晴らしかった、ブラボー!!
◆シーラ 団こと葉
実は、この作品で一番好きなキャラはシーラなんですよ、私。「男の子4人、女の子4人」って言われて、「あら、じゃあオンナは要らないの?」と腰を振りながら言うところとか。ボビーとのさりげない交流とか、最後に「踊れなくなったらどうする?」と問われた時の答えとか。
団さんのシーラは初めてみましたが、なかなか婀娜っぽさがあって良かったと思います。ちゃんと「人生」を生きてきた人だなあと思えるところとか。
美人じゃないのが惜しいけど、なんかぐっとくる人でした。
◆ボビー 丹下博喜
コメディタッチな長広舌に混ざる毒が痛々しくて、とても良かったと思います。傷ついた者同士、シーラと惹かれあうのがとても自然で、優しくて、大人で。
元々いい役なんですけど、丹下さんの芝居もとても良かったと思います。
◆グレッグ 道口瑞之
この人目当てで観にいったのですが、グレッグがどの役だか全然判ってなくて(名前で判るのはザック、キャシー、ラリー、ポール、シーラ、ディアナ、ヴァル、コニーだけなんです)道口くんの顔を観て驚愕しました。髭!!(@ @)。初めて……ではないかもしれないけど、新鮮だったわー。
いやあ、グレッグってあの役なんですねえ。実はボビーかアルの役どころだと勘違いしていたので、微妙に残念だったりはしたんですが、でも良かったです(*^ ^*)。「ゲイだってことは……」と逡巡して、言葉を探す表情にぐっときました。いろいろ抽斗の広い人だなあ(←惚れた欲目)
「コーラスライン」が終わったら、次は何に出るんだろう。次はたくさん歌ってくれる役だといいなあ……。
◆ポール 竹内一樹
その昔観た(←何年前だよ)味方さんのポールがすごく好きだったのですが、割と似た雰囲気があってよかったと思います。周囲から一歩離れた感じとか。彼らが語る「エピソード」の中では、彼のが一番切ないんですよね。もちろん「アット・ザ・バレエ」の3人の少女時代も悲しいんだけど、ポールのは「切なくて痛い」の。
その痛みを受け取って、そっと畳みなおすザックが、優しいと同時に、ひどく痛々しい、傷ついた子供に見える。愛する少女(キャシー)に裏切られた、一人の少年に。
◆ディアナ 鳥原如未
「美女と野獣」のベルで評判をとった宝塚OG(七星きら)。残念ながらベルはキャストが変わってしまって観ることができませんでしたが、ディアナはとても良かったです。「愛した日々に悔いはない」はちょっと声が細いかなと思ったけど、コーラスが入れば問題ないレベルだし。
プエルトリコ系のお化粧のせいか、いわゆる「美人」とい感じではありませんでしたが、表情豊かで生き生きしていて、とても素敵でした。人生を懸けて舞台に立つ彼女が「♪悔やまない」と歌うことで、どれだけの人が勇気付けられるか、鳥原さんにはわかっていたんだな、と思う。
次の役も、楽しみにしています!
◆ヴァル 鳥海郁衣
「ダンス10、ルックス3」は歌もダンスも弾け方も、とても良かったです。ただ、残念ながらそんなにメリハリのあるスタイルではないので、そこはもっと入れるモノ入れて、形から説得力を……と思ってしまったのはビジュアル優先の宝塚ファンだからでしょうか。
まあ実際、シーラの方が形も綺麗で大きいとか、ちょっと役づくりとしてどうかと思うわー。(その話題で終わりかよ)
◆マギー 松元恵美
◆ビビ 出口恵理
シーラ、マギー、ビビ。家庭に恵まれず、バレエに救いを求めた寂しい少女時代。「アット・ザ・バレエ」の三人娘ですが、三人とも良かったと思います。
マギーはすごく可愛い!声もきれいなソプラノで、それこそ「Evita」のミストレスとか似合いそうな感じ。作品の後半で転んじゃったり、声がひっくり返ったところがあって驚いたけど、大丈夫だったのかな。
ビビも良かったです。母親に「美人じゃない」と言われたことがトラウマになったビビ。いや、確かにちょっとファニーフェースだけど、可愛いよ?と思いました……あはは。
◆アル 川口雄二
◆クリスティン 染谷早紀
以前観た時はすっごいラブラブで当てられっぱなし、って印象があったんですが、気のせいだったのかな?と思うほど、メインのナンバー(クリスティンの)以外は普通でしたね。
クリスティンは音痴っぷりも上手だったし、可愛かったです。もうちょっとスタイルがよければなー。
アルは、クリスティンの歌への合の手がちょっと弱いのが気になりました。そこはもっと、アルが引っ張るくらいの方がいいのに!!
◆ラリー 影山徹
ザックの助手。台詞は相当に無理がありましたが、ダンスは良かったです。ザックに「彼のダンスは私の理想に近い。極めて30年代的なスタイル」と言われるほどのものがあったのかはよくわかりませんが……。
◆コニー 桜野あら
青山さんは偉大だったなあ……と思いましたけど、桜野さんも決して悪くはなかったです。青山さんほどの完璧な子供体型で、かつ歌えるひとはなかなかいないので、しかたないかな、と。
本来のナンバーよりも、ヴァルに「あたしもそれ(胸)、欲しいわ!」と言うところとか、そういうちょっとした台詞が若干気になりましたが、まあでも、許容範囲だったと思います。
◆ジュディ 坂本すみれ
可愛くて華やかでスタイル抜群で、とっても素晴らしかったんですが……「コーラスライン」は芝居がメインなので、あの台詞回しではメインキャストに入れるのは無理なのでは、と思いました。
ダンスは良いんだけどな。「クレイジー・フォー・ユー」のアンサンブルならぴったりなのに(; ;)。
あと、オーディション中の立ち姿がずっとO脚でダンサーに見えないのは、ああいう役なんでしたっけ……?最後の「愛した日々に悔いはないを歌うあたりでは綺麗に立っていたので、役づくりであえてやっていたのか、歌う時だけ気合が入るからまっすぐ立てるのか……どちらかだと思うんですが。いやでも、ジュディってダンサーの役だし、役づくりであの立ち方って考えにくいんだけどなあ。
他のメンバーも皆良かったけど、残念ながら誰がだれやらわからないので、すみません。
でも、若干あり得ない体型の方が混ざってたりしましたが……大丈夫なのか、四季。
それにしても、この作品で加藤さんが出てて、土日なのに自由が埋まらないなんて(@ @)。
昔は、前売りはあいてても「加藤さんが出る」となれば当日券で全部はけてたのになあ……。
あ。ちなみに、自由劇場の2階A席は、普通に観やすくて良かったです。
秋劇場の2階席が、客をなめているとしか思えない見切れの嵐&音響最悪なのに比べれば、天国のようなA席でした(^ ^)。ザックの大ファン以外の方なら、十分満足できると思います♪
開幕当初のキャストはあまり良くなかったようですが、今のキャストは価格相応のレベルには達していたと思います。またすぐ変ってしまいかねないから、観劇するなら今がチャンス!かも(^ ^)(責任は取れませんが!)。
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国際フォーラムCにて、ミュージカル「ROCK OF AGES」を観劇いたしました。
1980年代のロック音楽、それも「全米トップ40をにぎわしたヒットチューン」で構成されたジュークボックスミュージカル。
プログラムの演出家言でスズカツさん(鈴木勝秀)が明言しているとおり、ストーリーより楽曲がメインな作品でした……ああ、いや、それは違いますね。ストーリーは結構ちゃんとあるんですよ。「RENT」と「三銃士」を足して二で割ったような……いやあの、だいぶ違うけど(^ ^;ゞ、でもまあ、そんな感じの、ちゃんとしたストーリーが。
しかし!残念ながら、何を言っているのか聴きとれない(汗)のですが……それもまた、スズカツさんによれば「『ロック・オブ・エイジズ』の一番正しい見かたは、『理解すること』ではなく『感じること』」なんだそうですから。しかたない(^ ^)。
いや、でも、楽しかったです。
「歌」の持つパワーと同時に、「ROCK」という音楽ジャンルのポテンシャルをすごく感じました。
数ある「ロックミュージカル」は好きだけど、「ロック」という音楽ジャンルに特別な興味がなかった私でさえ引き込む力。もちろん歌い手のパワーが重要なんですけど、それだけじゃないものを感じました。
知ってる曲はほとんど無かったのになー。(おそらく、ある程度の年代以上で、ちょっと洋楽に興味がある方なら普通に知ってる曲ばかりなんだろうと思いますが)
そして。
ミュージカルファン的には、いろんな端々で「RENT」を思い出したのがちょっと面白かったです。
ドラッグとか同性愛とかの要素はほとんどなくて、テーマはホントに全然違うんですが、、、抗議行動の場面とか、主人公のドリューが往く道を選ぶ場面とか。作品が、というか、演出が似てるのかな。面白い共通点だな、と思いました。
それでは、出演者ごとに。
順番は独断と偏見で(^ ^)。
◆ドリュー(西川貴教)
ロックスターに憧れる青年。サンセット大通りのライブハウス「Bourbon Room」のバーテン見習い。
見事に夢見る青少年にしか見えないのが凄い!あなたいったいいくつですか。ずいぶんと前から活躍なさってらっしゃいますけど。
奇跡のような嵌り役でした。キッズバンドとして売りだされてしまいそうになる可愛らしさと歌唱力・演技力、ぜんぶ揃っている人は他にあまり思いつきません(^ ^; いやもう、歌はさすがの一言。さすが現役ロックスターは違うな、と思いました。
コンサートにも行ったことがありますが、並みの舞台俳優と彼の違うところは、客席のコントロール能力だと思うんですよね。客席側も立っているから自由に動けるってのもあるんですが(^ ^)、彼の思う通りに客席が動くのがすごいなあ、と感心しきりでした。
それと全く同じではないんですが、この作品も、「ストーリーより楽曲がメイン」なだけあって、コンサートとかなり近い感覚で動かされたのを感じました。
◆シェリー(島谷ひとみ)31歳
女優になるために家を出て、ロスアンジェルスに出てきた少女。ひったくりにあって困ったいた時にドリューに出会い、「Bourbon Room」でアルバイトを始める。
思ったよりずっと良かったです。歌唱力は折り紙つきだし、可愛いし、スタイルが良いのでどの衣装もよく似合ってました♪
それにしても、島谷さんより年下に見える西川さんはホントに化け物だな。そして、ベタ靴なのにヒールブーツの西川さんより微妙に大きいシェリー(; ;)……2幕でストリッパー役があるので、そうそう小柄な人を配役できなかったのはわかるけど、ちょっと面白かった、かも。
◆ロニー(川平慈英)
「Bourbon Room」の……いちおうバーテンでいいのかな?
作品の中では狂言回しの役割を果たしていましたが……ま、アドリブ担当って感じでしたかね。私は一回しか観ていないのでアドリブかどうかわからない部分もあるのですが、ほぼ90%アドリブだったような気もします(^ ^)。
西川さんがアフタートークで「ロニーの方が目立つし主役っぽい」みたいな愚痴(?)を言ってましたが、ロニーが目立つ役だというよりは、慈英くんを自由にさせたら当然の帰結という気がします。それこそ「I Love You, you’re perfect, now change?」の初演で思い知らされてますから私は。
◆デニス(なだぎ武)
「Bourbon Room」のオーナー。伝説のロックスターだったり、ロニーを拾った恩人だったりするらしいんですが、よくわからなかった(←歌詞が聞き取れず……)。
ちょっと無責任(?)だけど、子供の心を忘れていないオトナ、という存在感が素敵でした。こういう作品ではありがちな役ですが、これが原点なのかな、と思うくらい、嵌ってました。
◆クライマン氏(鈴木綜馬)
「クリーンで、ピュアで、効率的な未来都市」を目指して、ロサンジェルスを掃除しようとする建設会社の社長。
彼の「綺麗」の中にはロックンロールは含まれない……というところで物語に食い込んでくるわけですが。綜馬さんってすごいなあ、とあらためて思いました。「ドラキュラ」は観てないけど、「ウェディング・シンガー」のやさぐれミュージシャンと、今回の事業家が同一人物だとか信じられない。「ウェディング・シンガー」のイメージでいったら、ぜったいデニスなのにー。
自分の娘くらいの少女に諭されてコロっと価値観が変わるあたりも、綜馬さんだと不思議と「いい加減」には見えないところが面白いです。彼の誠実さは伝わるんだなあ。
それにしても、彼が父親に否定された「夢」って何だったんだろう……。
一幕ラストやフィナーレナンバーでのノリノリの笑顔と60’s っぽいダンスが素敵でした。ええ。音楽は80’sですけどね!
◆ステイシー(山崎裕太)31歳
伝説のロックバンド「アーセナル」のヴォーカル。女好き。
シェリーを口説いたりして、作品の中では悪役っぽい扱いですが、「アーセナル」を抜けて独立しても鳴かず飛ばずだったり、自分が抜けた後の「アーセナル」が大ヒットを飛ばしたり、いろいろ凹んで酔っ払っている場面が結構好きでした。
アフタートークでは西川さんにめっちゃいじられてたなー(^ ^)。仲良きことは美しき哉。
◆ジャスティス(高橋由美子)
ストリップクラブ「VENUS」のオーナー。ディーヴァを夢見て家を出た過去を持ち、傷ついたシェリーを拾って仕事を与え、導く。「生きていくため」に。
年齢相応の由美子さんを初めて観たような気がします。
未だにおさげ髪のナンネール(モーツァルト!)に違和感のない丸顔の童顔ですが、こういう役もいいなあ。ディーヴァを目指したのも当然と思わせる歌唱力と存在感。でも、なれなかった理由もわかる、そんな絶妙さ。
ナンネールの後半で見せる「闇」が、良い感じに「オトナのオンナ」を演出して、シェリーを食い物にする寸前で守ってあげるその絶妙な匙加減が良かったです。うん。
◆ワギーナ(misono)27歳
クライマン氏が「Bourbon Room」を買収し、壊す予定だと知って座り込みを指揮する少女。本来は都市計画管理官だが、職務を投げうって「自由な都市」を、そして「ROCK」を守ろうとする。
可愛かったー!小柄でスタイル抜群で、「都市計画監理官」のときのお堅い服装も似合ってたけど、抗議行動が始まってからのラフな服とおろした髪が可愛くて可愛くて!(舞い上がり)
ちょっと舌ったらずな喋り方や硬い声質が、他の作品だったら気になるかもしれないけど、この作品では全然OK♪って感じでした。フランツお藤田君ともお似合い!いやはや、可愛いは正義!
そして「RENT」のモーリーンをやってほしい!!
オーディション受けてくれないかなあ……(真顔)
◆フランツ(藤田玲)23歳
綜馬さんのクライマン氏の息子。気が優しくて、キャンディーショップを経営する夢があるけど、父親に逆らえずにいる。「Bourbon Room」の立ち退き問題でワギーナと知り合い、恋に落ちる。
長身イケメン、お芝居に対する誠実さが垣間見える舞台姿でした。一生懸命スウィーツへの愛を語る場面(客席登場)も良かったし、気弱で奥手だけど、とても優しい魅力的な青年を丁寧に演じていて、とても可愛かった(!)です♪
◆市長 他(石橋祐)
ロサンジェルス市長と、ドリューを誘うレコード会社のプロデューサー(?)と、、、他にもいろんな役をやっていらっしゃいました。いやはや、何をやっても渋くて素敵でした♪
◆店員 他(明星真由美)
「Bourbon Room」の店員と、ストリップクラブ「VENUS」のダンサー(なんだっけ、名前を呼ばれてたけど忘れちゃった……)と、、、他にもやってらっしゃったけどなんだっけな。
明星さん、久しぶりに拝見したような気がする……相変わらずの包容力と素晴らしい歌唱力でした(^ ^)。惚れるわー。
キャストも穴ないし、バンドも良かったし、なかなか楽しい作品でした(はぁと)。
東京はもうすぐ終わってしまうけど、まだ大阪と北九州で公演があるそうなので、地元の方ぜひご検討ください(←どこの回し者ですかあなたは)
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1980年代のロック音楽、それも「全米トップ40をにぎわしたヒットチューン」で構成されたジュークボックスミュージカル。
プログラムの演出家言でスズカツさん(鈴木勝秀)が明言しているとおり、ストーリーより楽曲がメインな作品でした……ああ、いや、それは違いますね。ストーリーは結構ちゃんとあるんですよ。「RENT」と「三銃士」を足して二で割ったような……いやあの、だいぶ違うけど(^ ^;ゞ、でもまあ、そんな感じの、ちゃんとしたストーリーが。
しかし!残念ながら、何を言っているのか聴きとれない(汗)のですが……それもまた、スズカツさんによれば「『ロック・オブ・エイジズ』の一番正しい見かたは、『理解すること』ではなく『感じること』」なんだそうですから。しかたない(^ ^)。
いや、でも、楽しかったです。
「歌」の持つパワーと同時に、「ROCK」という音楽ジャンルのポテンシャルをすごく感じました。
数ある「ロックミュージカル」は好きだけど、「ロック」という音楽ジャンルに特別な興味がなかった私でさえ引き込む力。もちろん歌い手のパワーが重要なんですけど、それだけじゃないものを感じました。
知ってる曲はほとんど無かったのになー。(おそらく、ある程度の年代以上で、ちょっと洋楽に興味がある方なら普通に知ってる曲ばかりなんだろうと思いますが)
そして。
ミュージカルファン的には、いろんな端々で「RENT」を思い出したのがちょっと面白かったです。
ドラッグとか同性愛とかの要素はほとんどなくて、テーマはホントに全然違うんですが、、、抗議行動の場面とか、主人公のドリューが往く道を選ぶ場面とか。作品が、というか、演出が似てるのかな。面白い共通点だな、と思いました。
それでは、出演者ごとに。
順番は独断と偏見で(^ ^)。
◆ドリュー(西川貴教)
ロックスターに憧れる青年。サンセット大通りのライブハウス「Bourbon Room」のバーテン見習い。
見事に夢見る青少年にしか見えないのが凄い!あなたいったいいくつですか。ずいぶんと前から活躍なさってらっしゃいますけど。
奇跡のような嵌り役でした。キッズバンドとして売りだされてしまいそうになる可愛らしさと歌唱力・演技力、ぜんぶ揃っている人は他にあまり思いつきません(^ ^; いやもう、歌はさすがの一言。さすが現役ロックスターは違うな、と思いました。
コンサートにも行ったことがありますが、並みの舞台俳優と彼の違うところは、客席のコントロール能力だと思うんですよね。客席側も立っているから自由に動けるってのもあるんですが(^ ^)、彼の思う通りに客席が動くのがすごいなあ、と感心しきりでした。
それと全く同じではないんですが、この作品も、「ストーリーより楽曲がメイン」なだけあって、コンサートとかなり近い感覚で動かされたのを感じました。
◆シェリー(島谷ひとみ)31歳
女優になるために家を出て、ロスアンジェルスに出てきた少女。ひったくりにあって困ったいた時にドリューに出会い、「Bourbon Room」でアルバイトを始める。
思ったよりずっと良かったです。歌唱力は折り紙つきだし、可愛いし、スタイルが良いのでどの衣装もよく似合ってました♪
それにしても、島谷さんより年下に見える西川さんはホントに化け物だな。そして、ベタ靴なのにヒールブーツの西川さんより微妙に大きいシェリー(; ;)……2幕でストリッパー役があるので、そうそう小柄な人を配役できなかったのはわかるけど、ちょっと面白かった、かも。
◆ロニー(川平慈英)
「Bourbon Room」の……いちおうバーテンでいいのかな?
作品の中では狂言回しの役割を果たしていましたが……ま、アドリブ担当って感じでしたかね。私は一回しか観ていないのでアドリブかどうかわからない部分もあるのですが、ほぼ90%アドリブだったような気もします(^ ^)。
西川さんがアフタートークで「ロニーの方が目立つし主役っぽい」みたいな愚痴(?)を言ってましたが、ロニーが目立つ役だというよりは、慈英くんを自由にさせたら当然の帰結という気がします。それこそ「I Love You, you’re perfect, now change?」の初演で思い知らされてますから私は。
◆デニス(なだぎ武)
「Bourbon Room」のオーナー。伝説のロックスターだったり、ロニーを拾った恩人だったりするらしいんですが、よくわからなかった(←歌詞が聞き取れず……)。
ちょっと無責任(?)だけど、子供の心を忘れていないオトナ、という存在感が素敵でした。こういう作品ではありがちな役ですが、これが原点なのかな、と思うくらい、嵌ってました。
◆クライマン氏(鈴木綜馬)
「クリーンで、ピュアで、効率的な未来都市」を目指して、ロサンジェルスを掃除しようとする建設会社の社長。
彼の「綺麗」の中にはロックンロールは含まれない……というところで物語に食い込んでくるわけですが。綜馬さんってすごいなあ、とあらためて思いました。「ドラキュラ」は観てないけど、「ウェディング・シンガー」のやさぐれミュージシャンと、今回の事業家が同一人物だとか信じられない。「ウェディング・シンガー」のイメージでいったら、ぜったいデニスなのにー。
自分の娘くらいの少女に諭されてコロっと価値観が変わるあたりも、綜馬さんだと不思議と「いい加減」には見えないところが面白いです。彼の誠実さは伝わるんだなあ。
それにしても、彼が父親に否定された「夢」って何だったんだろう……。
一幕ラストやフィナーレナンバーでのノリノリの笑顔と60’s っぽいダンスが素敵でした。ええ。音楽は80’sですけどね!
◆ステイシー(山崎裕太)31歳
伝説のロックバンド「アーセナル」のヴォーカル。女好き。
シェリーを口説いたりして、作品の中では悪役っぽい扱いですが、「アーセナル」を抜けて独立しても鳴かず飛ばずだったり、自分が抜けた後の「アーセナル」が大ヒットを飛ばしたり、いろいろ凹んで酔っ払っている場面が結構好きでした。
アフタートークでは西川さんにめっちゃいじられてたなー(^ ^)。仲良きことは美しき哉。
◆ジャスティス(高橋由美子)
ストリップクラブ「VENUS」のオーナー。ディーヴァを夢見て家を出た過去を持ち、傷ついたシェリーを拾って仕事を与え、導く。「生きていくため」に。
年齢相応の由美子さんを初めて観たような気がします。
未だにおさげ髪のナンネール(モーツァルト!)に違和感のない丸顔の童顔ですが、こういう役もいいなあ。ディーヴァを目指したのも当然と思わせる歌唱力と存在感。でも、なれなかった理由もわかる、そんな絶妙さ。
ナンネールの後半で見せる「闇」が、良い感じに「オトナのオンナ」を演出して、シェリーを食い物にする寸前で守ってあげるその絶妙な匙加減が良かったです。うん。
◆ワギーナ(misono)27歳
クライマン氏が「Bourbon Room」を買収し、壊す予定だと知って座り込みを指揮する少女。本来は都市計画管理官だが、職務を投げうって「自由な都市」を、そして「ROCK」を守ろうとする。
可愛かったー!小柄でスタイル抜群で、「都市計画監理官」のときのお堅い服装も似合ってたけど、抗議行動が始まってからのラフな服とおろした髪が可愛くて可愛くて!(舞い上がり)
ちょっと舌ったらずな喋り方や硬い声質が、他の作品だったら気になるかもしれないけど、この作品では全然OK♪って感じでした。フランツお藤田君ともお似合い!いやはや、可愛いは正義!
そして「RENT」のモーリーンをやってほしい!!
オーディション受けてくれないかなあ……(真顔)
◆フランツ(藤田玲)23歳
綜馬さんのクライマン氏の息子。気が優しくて、キャンディーショップを経営する夢があるけど、父親に逆らえずにいる。「Bourbon Room」の立ち退き問題でワギーナと知り合い、恋に落ちる。
長身イケメン、お芝居に対する誠実さが垣間見える舞台姿でした。一生懸命スウィーツへの愛を語る場面(客席登場)も良かったし、気弱で奥手だけど、とても優しい魅力的な青年を丁寧に演じていて、とても可愛かった(!)です♪
◆市長 他(石橋祐)
ロサンジェルス市長と、ドリューを誘うレコード会社のプロデューサー(?)と、、、他にもいろんな役をやっていらっしゃいました。いやはや、何をやっても渋くて素敵でした♪
◆店員 他(明星真由美)
「Bourbon Room」の店員と、ストリップクラブ「VENUS」のダンサー(なんだっけ、名前を呼ばれてたけど忘れちゃった……)と、、、他にもやってらっしゃったけどなんだっけな。
明星さん、久しぶりに拝見したような気がする……相変わらずの包容力と素晴らしい歌唱力でした(^ ^)。惚れるわー。
キャストも穴ないし、バンドも良かったし、なかなか楽しい作品でした(はぁと)。
東京はもうすぐ終わってしまうけど、まだ大阪と北九州で公演があるそうなので、地元の方ぜひご検討ください(←どこの回し者ですかあなたは)
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「スリル・ミー」と「三銃士」
2011年10月14日 ミュージカル・舞台2011年夏に観た作品で、まだここに書いていないものについて、簡単にコメントさせていただきます。
■アトリエフォンテーヌ「スリル・ミー」
1924年のアメリカで実際に起きた、犯罪史上に残る誘拐殺人事件を題材にしたミュージカル。
「エリート」として生きてきた二人の青年が、なぜ凶悪な犯罪に手を染めたのか……それを、牢獄での「私」の告白、という形式で描きだす緻密な心理劇で、非常に興味深い作品でした。
予定がなかなか決まらなかったので当日券に並んだのですが、わずか数枚のチケットに毎回何十人と並んでいて、びっくり(@ @)。平日の夜公演は開演時間が遅かった(20時開演)ので会社帰りに行きやすく、何度かトライできたのは幸運でした(^ ^)。
原作・音楽・脚本はSTEPHEN・DOLGINOFF。2005年にオフ・ブロードウェイで初演、今回の上演の翻訳・訳詞は松田直行、演出はベテラン・栗山民也。
「私」の視点で物語がすすむ、完全な二人芝居。キャストは2パターンあって、私が観たのは田代万里生(私)&新納慎也(彼)バージョンでした。ちなみに、もう一組は松下洸平(私)&柿澤勇人(彼)。
脚本は、言葉を削ぎ落して余計な説明をしていないのでとてもシンプル。その分わかりにくいというか、芝居で表現する部分が大きいので、集中していないと「私」と「彼」の台詞の中に潜む悪意や嘘をスルーしてしまいそうな危うさがあって。で、そういうのをちゃんと拾うのが面白い、みたいなつくりの作品でした。
最後に特別などんでん返しがあるわけでもないのに何度も観たくなるのは、あの吊り橋を歩いているかのような、足許の定まらない二人の青年(とくに「私」)の心理にどっぷりつ浸かって、その異常な心理を疑似体験するのが面白いからなんだろうな、と思います。
逆にいえば、あのくらい小さな、舞台と客席が近い緊密な空間でないと上演が難しい作品だな、……と。
田代くんを観たのは「マルグリット」初演以来。彼の初舞台でまるっきり「芝居」のなんたるかが判っていないな、という感じで、あまり良い印象は無かったのですが……今回は良かったです!非常に複雑な、繊細なキャラクターを丁寧に演じていて、あのラストにもとても説得力がありました。
「ピアフ」に「ボニー&クライド」とこれから猫が観るつもりでいる作品に出演されている彼。正直、期待半分、不安半分…という感じだったのですが、今回の「私」役で振り子は大きく「期待」側に傾いてくれました(^ ^)。とっても楽しみ♪
NIROくんは久々の「怖い」役。いやーステキでした!尊大でいじわるでドSなのに、実は気が小さい卑怯者!!いやん、小者っぷりが素敵すぎる(*^ ^*)。
まるでNIROくんのために書かれた役のように見える……というか、何を演じても「宛書き」に見える、というのは彼の能力(魅力)の一つだと思うのですが、、、いや本当に凄かったです。
音楽も良かった!
田代くんとNIROくん、声楽家としてのキャリアが全然違うお二人ですが、思いのほか声質も合っていて、デュエットのハーモニーがとてもきれいでした。ソロはもちろん素晴らしかった!
まざまな効果音をまじえつつ、音楽というか芝居をピアノがコントロールしている、という印象でした。小道具もあまりなく、虚仮威しのセットもない、シンプルな舞台。そんな中で、『一台のピアノ』というモノの表現力に感心しました。
ちょっと体調を崩していたため、あの重たい物語を完全に受け止められたかどうかあまり自信がないのですが、、、3月に同じキャストで再演されるそうなので、今度はちゃとチケットを取って行きたいと思っています(^ ^)。
■帝国劇場「三銃士」
2003年にロッテルダムで初演されたオランダミュージカル。オランダのミュージカルといえば「シラノ・ザ・ミュージカル」もあったなあ。
作詞作曲はロブ&フェルディ・ボーランド。脚本はアンドレ・ブリードランド、日本版の演出は山田和也。
あらすじは「三銃士」の王道どおり。
17世紀のフランス。銃士隊に入ることを夢見る若者ダルタニアンが、パリの街角で美しい少女コンスタンスとすれ違い、さらに、アトス・アラミス・ポルトスという3人の銃士に出会い、意気投合する。
その頃、王宮ではリシュリュー枢機卿が王と王妃を操り、権力を独り占めしようとしていた。
王妃とイギリス貴族バッキンガム公爵の秘密の恋を嗅ぎつけた彼は、イギリスとフランスの戦争の危機を王妃に吹き込み、バッキンガム公にイギリス王(チャールズ一世)との仲介を依頼するよう焚きつける。交渉の証に、夫の国王から送られた首飾りを渡す王妃。
しかしリシュリューは、王妃を追い詰めようと、次の舞踏会で首飾りをつけた王妃にお会いしたいと王を唆す。
絶対絶命の王妃を救うため、ダルタニアンに泣きつく侍女コンスタンス。恋人(?)のたえ、三銃士と共にバッキンガム公を追ってロンドンへ旅立つダルタニアン。リシュリューの命で彼らを追うロシュフォール。
舞踏会が始まるまでに、首飾りは無事王妃の手元に戻るのか……?
ちなみに、当時のフランス国王はルイ13世。「ナントの勅令」で有名な大アンリ(アンリ4世)とその王妃マリア・ディ・メディチの間に生まれた嫡男で、父王の暗殺により8歳で即位。
スペイン王フェリペ3世の娘アンナ(アンヌ・ドートリッシュ)を王妃に迎え、リシュリュー枢機卿の協力を得て大フランスの舵をとろうと努力する、生真面目であまり融通のきかない青年……だったようですね。事件の頃は20代前半。ちなみにルイ13世と王妃アンヌは1601年9月生まれの同い年。日本でいえば徳川家光と同世代の人です。
そんな時代の空気を感じさせつつ、「人間」をしっかり描いた冒険活劇でした。ラストはちょっと唐突だったけど、、、まあ「三銃士」ってああいうものかな、という気もする。
音楽は、耳に残るメロディはあまりなかったのですが、聴いていて心地いい曲がたくさんあって楽しかったです♪
それでは、キャストごとに簡単に。
■ダルタニアン 井上芳雄
「元気いっぱいの夢見る若者」。「エリザベート」のルドルフでデビューし、絶賛をはくしたとは思えないほど、こういうキャラがはまる人です。ホント可愛くて、一生懸命で、信じる・守ると決めた人に忠実で、諦めがわるくて……本当に魅力的でした!
ああ、ダルタニアンってこういう人なんだろうな、と思いました(^ ^)。
たっちんとの並びも思ったより良かったし、また共演してほしいなあ。
■コンスタンス 和音美桜
あまりしどころのない、いかにも「ヒロイン」という感じの役で、若くて可愛くて声が綺麗な子なら誰でもいいんじゃない?的な気持ちになりましたが、そういう役もきっちり勤まるところはさすがでした。ダテに8年も娘役やってません!ってか(^ ^)。
歌は……ちゃんとしたソロは無かったかな?でも、結構歌ってくれて嬉しかったです。井上くんは微妙にピッチが高いのでデュエットが難しい人なんですが、キレイに合わせていたのはさすがでした。
それにしても、ホントに可愛かったなあぁ~~~(*^ ^*)。
■アトス 橋本さとし
いやもう。カッコいいったらもう!!
渋くて色っぽくてしなやかで男っぽくて、ねぇ(*^ ^*)。役柄としてもミレディとのワケアリっぷりとか、ホントに「大人」って感じで素敵でした。
ああもう、素敵以外に言葉が出ない……。
■アラミス 石井一孝
いやもう、気障で暑苦しくて素敵で、誰よりも気障で!!カッコいいなあもう!!
この人がマリウスやってた頃は「王子様」とまで言われた、なんて、今しか知らない人は信じないかもしれないなあ……と思ってしまったほど、素敵なオジサマっぷりでした。
あと、個人的に吃驚したのは、殺陣がすごく格好良くキマっていたこと!橋本やんや岸さんは殺陣ができても不思議はないんだけど、石井さんってそんなに経験なさそうなのに……。いや、ああいうのは斬られ役側の力量でどうにでもなる部分は大きいのかもですが、それにしても頑張ったんだろうなあと思いました。
■ポルトス 岸祐二
三銃士の中ではだいたいお笑いキャラになりがちな人ですが、岸さんのポルトスは、いかにもな『気は優しくて力持ち』っぽいキャラクターで、素敵でした。
おっとりとした優しい笑顔が魅力的で、適度なおじさんぽさが、妙に現役なギラギラ感のあるアトス・アラミスのいいクッションになっていたと思います。
組み合わせの妙、というのを非常に感じた三人+ダルタニアンでした。まあ、この4人のキャスティングでほぼ成功間違いなし!という気がしますものね(^ ^;ゞ
■ルイ13世 今拓哉
■アンヌ王妃 シルビア・グラブ
今回、このお二人の芝居は本当に素晴らしかったです!!個人的にはこの作品の主役コンビは国王夫妻でしたね(^ ^)。
お互いに対する不器用な愛情表現と、下手糞な思いやり、そして、遠慮。勇気がなくて美しい妻とまっすぐに向き合えないルイと、孤独と不安から疑心暗鬼になっている王妃。ちょっとした二人のやりとりが切なくて、初恋みたいにドキドキしながら観ておりました。
今さん、ああいう役……気弱な為政者的な役も最高に似合いますよね!いつ観てもそのたびに新たな感動があります。優しくて、視野が広くて、、、でも気が弱くて強く出られない、みたいなキャラ。悪役や濃い役をしょっちゅう観てるだけに、なんか不思議な気がするんですけどねぇ。
シルビアもそういうところありますね。マダム・ヴォルフ的な役が一番の当たり役かと思えば、こういう気弱で流されやすい役も嵌るあたりが彼女の強みだなと思います。
本来なら、となみちゃん(白羽ゆり)あたりも合いそうな役なんですが、今さんのルイだったらやっぱりシルビアがいいだろうなあ、と思いますね。こちらも組み合わせの妙、かな。
■バッキンガム公爵 伊藤明賢
アンヌ王妃の元恋人。イギリスの外交担当として諸国を回るのが仕事の彼は、スペイン駐在時に王女アンヌと親しくなった……という設定の彼ですが、姿も良いし信頼のもてる男らしさがあるし、年若い少女がぽーっとなるのが納得できる佳い男ぶりでした。
ダルタニアンたちにはちょっと高飛車だったりする、いかにも「大貴族」らしい嫌らしさもあったのが逆に魅力的だったと思います♪
■役者/ジェームズ 坂元健児
語り手としていろいろな役で登場していた坂元くん。面白い役だし、彼の身体能力と歌唱力、両方を堪能できて楽しかったです。いろんな意味で、「さすが」という言葉にふさわしい役者だな、とあらためて思いました♪
■リシュリュー枢機卿 山口祐一郎
■ロシュフォール 吉野圭吾
■ミレディ 瀬奈じゅん
この三人が基本的に「敵役」あるいは「悪役」ということになるわけですが……
山口さんの一番の特徴は、ここ数年はずっと「山口祐一郎である」ことだし、麻子さんは元々、「瀬奈じゅんである」ことが個性なわけですが、、、最近、吉野さんも若干その域に達しつつあるのでは?という気がしました……
いや、えっと、すみません。なんか伝わらないですよねこれじゃ。お三方とも、自分の個性で勝負してらして、とても良かったと思います。とにかく三人とも楽しそうだった!ってことが言いたかったんです。役の個性というよりは、ご本人のキャラに近づけて演じる方々が揃っていたので、余計にそう思いました。
「東宝オールスター」的な、とにかくスター勢揃い!が売り、という公演でしたが、作品自体が面白いので、多士済々なスターたちが、ばらけることなくよくまとまっていたと思います。
音楽的にもう少し耳に残る曲があれば、もうちょっと席も埋まったんじゃないかなあ、と思いつつ。
あ。そういえば、今気がついたけど、私、麻子さんの女優姿を観たのはじめてだったんだ……(^ ^;ゞ。まあ、もともとMY BEST 麻子さんはシシィですから、女優姿にも演技にも違和感はなかったですが(^ ^)。
ああ、でも、衣装は違和感ありまくりでしたけどね!コンサートの時も思いましたが、どうして麻子さんに脚を出させたがる人がいるんだろう……?それだけは理解できーん!
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■アトリエフォンテーヌ「スリル・ミー」
1924年のアメリカで実際に起きた、犯罪史上に残る誘拐殺人事件を題材にしたミュージカル。
「エリート」として生きてきた二人の青年が、なぜ凶悪な犯罪に手を染めたのか……それを、牢獄での「私」の告白、という形式で描きだす緻密な心理劇で、非常に興味深い作品でした。
予定がなかなか決まらなかったので当日券に並んだのですが、わずか数枚のチケットに毎回何十人と並んでいて、びっくり(@ @)。平日の夜公演は開演時間が遅かった(20時開演)ので会社帰りに行きやすく、何度かトライできたのは幸運でした(^ ^)。
原作・音楽・脚本はSTEPHEN・DOLGINOFF。2005年にオフ・ブロードウェイで初演、今回の上演の翻訳・訳詞は松田直行、演出はベテラン・栗山民也。
「私」の視点で物語がすすむ、完全な二人芝居。キャストは2パターンあって、私が観たのは田代万里生(私)&新納慎也(彼)バージョンでした。ちなみに、もう一組は松下洸平(私)&柿澤勇人(彼)。
脚本は、言葉を削ぎ落して余計な説明をしていないのでとてもシンプル。その分わかりにくいというか、芝居で表現する部分が大きいので、集中していないと「私」と「彼」の台詞の中に潜む悪意や嘘をスルーしてしまいそうな危うさがあって。で、そういうのをちゃんと拾うのが面白い、みたいなつくりの作品でした。
最後に特別などんでん返しがあるわけでもないのに何度も観たくなるのは、あの吊り橋を歩いているかのような、足許の定まらない二人の青年(とくに「私」)の心理にどっぷりつ浸かって、その異常な心理を疑似体験するのが面白いからなんだろうな、と思います。
逆にいえば、あのくらい小さな、舞台と客席が近い緊密な空間でないと上演が難しい作品だな、……と。
田代くんを観たのは「マルグリット」初演以来。彼の初舞台でまるっきり「芝居」のなんたるかが判っていないな、という感じで、あまり良い印象は無かったのですが……今回は良かったです!非常に複雑な、繊細なキャラクターを丁寧に演じていて、あのラストにもとても説得力がありました。
「ピアフ」に「ボニー&クライド」とこれから猫が観るつもりでいる作品に出演されている彼。正直、期待半分、不安半分…という感じだったのですが、今回の「私」役で振り子は大きく「期待」側に傾いてくれました(^ ^)。とっても楽しみ♪
NIROくんは久々の「怖い」役。いやーステキでした!尊大でいじわるでドSなのに、実は気が小さい卑怯者!!いやん、小者っぷりが素敵すぎる(*^ ^*)。
まるでNIROくんのために書かれた役のように見える……というか、何を演じても「宛書き」に見える、というのは彼の能力(魅力)の一つだと思うのですが、、、いや本当に凄かったです。
音楽も良かった!
田代くんとNIROくん、声楽家としてのキャリアが全然違うお二人ですが、思いのほか声質も合っていて、デュエットのハーモニーがとてもきれいでした。ソロはもちろん素晴らしかった!
まざまな効果音をまじえつつ、音楽というか芝居をピアノがコントロールしている、という印象でした。小道具もあまりなく、虚仮威しのセットもない、シンプルな舞台。そんな中で、『一台のピアノ』というモノの表現力に感心しました。
ちょっと体調を崩していたため、あの重たい物語を完全に受け止められたかどうかあまり自信がないのですが、、、3月に同じキャストで再演されるそうなので、今度はちゃとチケットを取って行きたいと思っています(^ ^)。
■帝国劇場「三銃士」
2003年にロッテルダムで初演されたオランダミュージカル。オランダのミュージカルといえば「シラノ・ザ・ミュージカル」もあったなあ。
作詞作曲はロブ&フェルディ・ボーランド。脚本はアンドレ・ブリードランド、日本版の演出は山田和也。
あらすじは「三銃士」の王道どおり。
17世紀のフランス。銃士隊に入ることを夢見る若者ダルタニアンが、パリの街角で美しい少女コンスタンスとすれ違い、さらに、アトス・アラミス・ポルトスという3人の銃士に出会い、意気投合する。
その頃、王宮ではリシュリュー枢機卿が王と王妃を操り、権力を独り占めしようとしていた。
王妃とイギリス貴族バッキンガム公爵の秘密の恋を嗅ぎつけた彼は、イギリスとフランスの戦争の危機を王妃に吹き込み、バッキンガム公にイギリス王(チャールズ一世)との仲介を依頼するよう焚きつける。交渉の証に、夫の国王から送られた首飾りを渡す王妃。
しかしリシュリューは、王妃を追い詰めようと、次の舞踏会で首飾りをつけた王妃にお会いしたいと王を唆す。
絶対絶命の王妃を救うため、ダルタニアンに泣きつく侍女コンスタンス。恋人(?)のたえ、三銃士と共にバッキンガム公を追ってロンドンへ旅立つダルタニアン。リシュリューの命で彼らを追うロシュフォール。
舞踏会が始まるまでに、首飾りは無事王妃の手元に戻るのか……?
ちなみに、当時のフランス国王はルイ13世。「ナントの勅令」で有名な大アンリ(アンリ4世)とその王妃マリア・ディ・メディチの間に生まれた嫡男で、父王の暗殺により8歳で即位。
スペイン王フェリペ3世の娘アンナ(アンヌ・ドートリッシュ)を王妃に迎え、リシュリュー枢機卿の協力を得て大フランスの舵をとろうと努力する、生真面目であまり融通のきかない青年……だったようですね。事件の頃は20代前半。ちなみにルイ13世と王妃アンヌは1601年9月生まれの同い年。日本でいえば徳川家光と同世代の人です。
そんな時代の空気を感じさせつつ、「人間」をしっかり描いた冒険活劇でした。ラストはちょっと唐突だったけど、、、まあ「三銃士」ってああいうものかな、という気もする。
音楽は、耳に残るメロディはあまりなかったのですが、聴いていて心地いい曲がたくさんあって楽しかったです♪
それでは、キャストごとに簡単に。
■ダルタニアン 井上芳雄
「元気いっぱいの夢見る若者」。「エリザベート」のルドルフでデビューし、絶賛をはくしたとは思えないほど、こういうキャラがはまる人です。ホント可愛くて、一生懸命で、信じる・守ると決めた人に忠実で、諦めがわるくて……本当に魅力的でした!
ああ、ダルタニアンってこういう人なんだろうな、と思いました(^ ^)。
たっちんとの並びも思ったより良かったし、また共演してほしいなあ。
■コンスタンス 和音美桜
あまりしどころのない、いかにも「ヒロイン」という感じの役で、若くて可愛くて声が綺麗な子なら誰でもいいんじゃない?的な気持ちになりましたが、そういう役もきっちり勤まるところはさすがでした。ダテに8年も娘役やってません!ってか(^ ^)。
歌は……ちゃんとしたソロは無かったかな?でも、結構歌ってくれて嬉しかったです。井上くんは微妙にピッチが高いのでデュエットが難しい人なんですが、キレイに合わせていたのはさすがでした。
それにしても、ホントに可愛かったなあぁ~~~(*^ ^*)。
■アトス 橋本さとし
いやもう。カッコいいったらもう!!
渋くて色っぽくてしなやかで男っぽくて、ねぇ(*^ ^*)。役柄としてもミレディとのワケアリっぷりとか、ホントに「大人」って感じで素敵でした。
ああもう、素敵以外に言葉が出ない……。
■アラミス 石井一孝
いやもう、気障で暑苦しくて素敵で、誰よりも気障で!!カッコいいなあもう!!
この人がマリウスやってた頃は「王子様」とまで言われた、なんて、今しか知らない人は信じないかもしれないなあ……と思ってしまったほど、素敵なオジサマっぷりでした。
あと、個人的に吃驚したのは、殺陣がすごく格好良くキマっていたこと!橋本やんや岸さんは殺陣ができても不思議はないんだけど、石井さんってそんなに経験なさそうなのに……。いや、ああいうのは斬られ役側の力量でどうにでもなる部分は大きいのかもですが、それにしても頑張ったんだろうなあと思いました。
■ポルトス 岸祐二
三銃士の中ではだいたいお笑いキャラになりがちな人ですが、岸さんのポルトスは、いかにもな『気は優しくて力持ち』っぽいキャラクターで、素敵でした。
おっとりとした優しい笑顔が魅力的で、適度なおじさんぽさが、妙に現役なギラギラ感のあるアトス・アラミスのいいクッションになっていたと思います。
組み合わせの妙、というのを非常に感じた三人+ダルタニアンでした。まあ、この4人のキャスティングでほぼ成功間違いなし!という気がしますものね(^ ^;ゞ
■ルイ13世 今拓哉
■アンヌ王妃 シルビア・グラブ
今回、このお二人の芝居は本当に素晴らしかったです!!個人的にはこの作品の主役コンビは国王夫妻でしたね(^ ^)。
お互いに対する不器用な愛情表現と、下手糞な思いやり、そして、遠慮。勇気がなくて美しい妻とまっすぐに向き合えないルイと、孤独と不安から疑心暗鬼になっている王妃。ちょっとした二人のやりとりが切なくて、初恋みたいにドキドキしながら観ておりました。
今さん、ああいう役……気弱な為政者的な役も最高に似合いますよね!いつ観てもそのたびに新たな感動があります。優しくて、視野が広くて、、、でも気が弱くて強く出られない、みたいなキャラ。悪役や濃い役をしょっちゅう観てるだけに、なんか不思議な気がするんですけどねぇ。
シルビアもそういうところありますね。マダム・ヴォルフ的な役が一番の当たり役かと思えば、こういう気弱で流されやすい役も嵌るあたりが彼女の強みだなと思います。
本来なら、となみちゃん(白羽ゆり)あたりも合いそうな役なんですが、今さんのルイだったらやっぱりシルビアがいいだろうなあ、と思いますね。こちらも組み合わせの妙、かな。
■バッキンガム公爵 伊藤明賢
アンヌ王妃の元恋人。イギリスの外交担当として諸国を回るのが仕事の彼は、スペイン駐在時に王女アンヌと親しくなった……という設定の彼ですが、姿も良いし信頼のもてる男らしさがあるし、年若い少女がぽーっとなるのが納得できる佳い男ぶりでした。
ダルタニアンたちにはちょっと高飛車だったりする、いかにも「大貴族」らしい嫌らしさもあったのが逆に魅力的だったと思います♪
■役者/ジェームズ 坂元健児
語り手としていろいろな役で登場していた坂元くん。面白い役だし、彼の身体能力と歌唱力、両方を堪能できて楽しかったです。いろんな意味で、「さすが」という言葉にふさわしい役者だな、とあらためて思いました♪
■リシュリュー枢機卿 山口祐一郎
■ロシュフォール 吉野圭吾
■ミレディ 瀬奈じゅん
この三人が基本的に「敵役」あるいは「悪役」ということになるわけですが……
山口さんの一番の特徴は、ここ数年はずっと「山口祐一郎である」ことだし、麻子さんは元々、「瀬奈じゅんである」ことが個性なわけですが、、、最近、吉野さんも若干その域に達しつつあるのでは?という気がしました……
いや、えっと、すみません。なんか伝わらないですよねこれじゃ。お三方とも、自分の個性で勝負してらして、とても良かったと思います。とにかく三人とも楽しそうだった!ってことが言いたかったんです。役の個性というよりは、ご本人のキャラに近づけて演じる方々が揃っていたので、余計にそう思いました。
「東宝オールスター」的な、とにかくスター勢揃い!が売り、という公演でしたが、作品自体が面白いので、多士済々なスターたちが、ばらけることなくよくまとまっていたと思います。
音楽的にもう少し耳に残る曲があれば、もうちょっと席も埋まったんじゃないかなあ、と思いつつ。
あ。そういえば、今気がついたけど、私、麻子さんの女優姿を観たのはじめてだったんだ……(^ ^;ゞ。まあ、もともとMY BEST 麻子さんはシシィですから、女優姿にも演技にも違和感はなかったですが(^ ^)。
ああ、でも、衣装は違和感ありまくりでしたけどね!コンサートの時も思いましたが、どうして麻子さんに脚を出させたがる人がいるんだろう……?それだけは理解できーん!
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I LOVE YOU ~愛の果ては?
2011年10月12日 ミュージカル・舞台新大久保の東京グローブ座にて、オフ・ブロードウェイ。ミュージカル「I Love You, You’re Perfect, Now Change!」を観劇してまいりました。
わずか4人の出演者がとっかえひっかえ18のシーンを演じるオムニバス形式の、オフ・ブロードウェイ作品。
脚本・作詞はJoe DiPietro、作曲はJimmy Roberts。演出はオリジナルのジョエル・ビショフを招聘しての公演でした。
出演は中川晃教、白羽ゆり、神田沙也加、米倉利紀の4人。演奏は、ピアノ:栗田信生、ヴァイオリン: 高橋和葉のお二人。
この作品は、オフ・ブロードウェイで1996年に幕をあけてから2008年まで、12年にわたってロングランされたオフの傑作。日本では2003年に「I LOVE YOU ~愛の果ては?」というタイトルで初演されています。このときの演出は山田和也。出演は川平慈英・戸井勝海・絵麻緒ゆう・堀内敬子の4に、ヴァイオリン(工藤美穂)とピアノ(田中詞崇)の6人。このままのスタッフ&キャストで翌年再演され、全国を回った……はず。
私はこの初演と再演に死ぬほど通ったので、今回の上演をストレートに鑑賞できるか不安だったのですが……(^ ^;
特に、慈英くんと敬子ちゃんは本当にこの作品の立役者だったので……この二人がいない「I Love You…」なんて想像もつかない!舞台として成り立つのかこのキャストで!?
……なんて、今にして思えばひどく失礼なことを考えながらグローブ座に向かったのですが。
いやいや、心配ご無用でした!やっぱり傑作は傑作ですね!(^ ^)
舞台正面に3つのドアがある壁のセット。その2階部分にピアノとヴァイオリンの演奏者がいる…という基本の舞台構造は前回と同じでした。
衣装や小道具はかなり違っていたのですが、場面ごとの役の割り振りも、それどころか各キャストの基本的な動きはほぼ覚えていたとおり。前回公演の演出は山田和也さんですが、かなりオリジナルに忠実な演出だったんだな、とあらためて思いました。
歌詞や台詞も結構同じのを使っていたのはご愛敬?(全然違う曲もあったんですが、ほぼ記憶どおりでびっくりした場面もありました)
4人の役者が入れ替わり立ち替わり、さまざまなシチュエーションのカップルを演じ分ける、オムニバス形式の作品。
ドキドキワクワクしながら相手の気持ちを探り合う初デートの、甘酸っぱい気まずさ。
次のステップへ進みたいという気持ちと、そのステップでつまづきがちな自分たち。
結婚への踏ん切り。背中を押してくれる“Something”。
そして、結婚後のいろんないろんなアレやコレや。
ミュージカルなしの、芝居のみの場面もあれば、最初から最後まで歌いっぱなしの場面もある。
ダンスはあまり大したものはないけど、歌と芝居はハイレベルでないと成立しない、18篇のものがたりの集合。
誰であっても、観てみればたぶん、18編のうち数編は身に覚えがあるエピソードがあると思うんですよね(^ ^)。
結構リアルな台詞も多いので、心のどこかで傷になっているような思い出はちょっと痛むかもしれないけど。でも、この作品で笑い飛ばして貰えれば、その後はまた前を向いて歩いていけるような気がします。
とにかく、観ている間はアレコレあっても、観終わった後で「人を愛するって、幸せなことなんだな」と思える、そんな作品……だと思います、たぶん。
では、キャストについて簡単に。
■中川晃教(戸井勝海)
観る前は、中川くんと米倉さん、役が逆だと思っていたのですが……観てみて納得。これは中川くんはこっちだわー。
ただ、この役は本来、見るからに「マッチョ」な役者が演じるべき役なんじゃないかと思うんですよね。初演の戸井さんも「マッチョ」というタイプではなかったけど、中川くんはまったくもって「マッチョ」の「マ」の字もなさそうで、そんなところは若干痛かったかな。
でも、良かったです。小柄な身体で舞台いっぱいに弾けてて、とても可愛かった♪
個人的には、2幕のとなみちゃんとのタンゴがすごく好き。切迫感と若さがとても印象的でした。
ただ、一番の聴かせどころとなるはずの2幕後半のソロが、歌詞の変更もあって『私の』耳なじみが良くなかった……のは残念でした。こなれたころにもう一回観たい(聴きたい)な、と思っています。
■米倉利紀(川平慈英)
初演の慈英くんが、この作品にとってはあまりにも偉大だったのでいろいろ大変だったと思いますが(ごめんなさい)、単体で観ればまったく問題無く、すごく良かったです(はぁと)。
「RENT」のコリンズ役でしか知らなかった米倉さんですが、こんなに芸達者な方だとは!ええ、もう!慈英くんに負けてないって、凄いことだよ!!(@ @)。
この作品は、なんだかんだ言ってもこの役がポイントで、この役に誰を配するかで決まるところが大きいと思うのです。だから、プレッシャーも重かっただろうなあ……と思いつつ、ちゃんとその期待にこたえた米倉さん、さすが!と思いました。
個人的には、1幕の、結婚しないと決めたカップルの両親(父親役)がとても良かったと思いました。あと、ラストのお葬式の場面は大好きすぎる。とぼけた味わいがあって、素敵でした(はぁと)。
■白羽ゆり(絵麻緒ゆう)
良くも悪くも「宝塚出身女優」の枠から一生懸命はみ出して色っぽくやる……のが良いんでしょうね、この役は。最初からすみれコードもへったくれもない女優さんより、宝塚OG向きの役なんだと思います。
となみちゃんは、娘役にしては声も低くて色っぽいせいか、とてもよく似合ってました(^ ^)。
どの場面も良かったけど、今まで挙げてない場面では、1幕前半の「話を聞いてない女」がとってもキュートで可愛かったです(^ ^)。
■神田沙也加(堀内敬子)
慈英くんと並んで初演の立役者となった堀内敬子嬢の、役。怪演としか言いようのない名演技で話題をさらった人の後を継ぐのは大変だったと思いますが、よく頑張っていたと思います。
いや、予想よりずっと弾けてて、可愛くて、歌も芝居も本当に良かったです!
考えてみれば、「レ・ミゼラブル」でコゼットやってこの役、って、同じ流れなんだなあ……。
敢闘賞は、「ローズ・リッツのお見合いビデオ」に。あれはもう、、、、最後までちゃんと途切れることなく演じきれただけで十分感動しました。ええ、もう本当に。
そんなところでしょうか。
どうしても初演の思い出が色濃くて、このキャストで初めてご覧になった方がどういう印象を受けるものなのか判らないのですが(汗)、作品そのものが良いし、歌も芝居も大きな不足の無い4人が揃って、楽しい時間を過ごすことができました♪
何度観ても飽きない、観るたびに新たな発見がある作品。東京千秋楽までにもう一回観にいきたいな、と思っています(^ ^)。
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わずか4人の出演者がとっかえひっかえ18のシーンを演じるオムニバス形式の、オフ・ブロードウェイ作品。
脚本・作詞はJoe DiPietro、作曲はJimmy Roberts。演出はオリジナルのジョエル・ビショフを招聘しての公演でした。
出演は中川晃教、白羽ゆり、神田沙也加、米倉利紀の4人。演奏は、ピアノ:栗田信生、ヴァイオリン: 高橋和葉のお二人。
この作品は、オフ・ブロードウェイで1996年に幕をあけてから2008年まで、12年にわたってロングランされたオフの傑作。日本では2003年に「I LOVE YOU ~愛の果ては?」というタイトルで初演されています。このときの演出は山田和也。出演は川平慈英・戸井勝海・絵麻緒ゆう・堀内敬子の4に、ヴァイオリン(工藤美穂)とピアノ(田中詞崇)の6人。このままのスタッフ&キャストで翌年再演され、全国を回った……はず。
私はこの初演と再演に死ぬほど通ったので、今回の上演をストレートに鑑賞できるか不安だったのですが……(^ ^;
特に、慈英くんと敬子ちゃんは本当にこの作品の立役者だったので……この二人がいない「I Love You…」なんて想像もつかない!舞台として成り立つのかこのキャストで!?
……なんて、今にして思えばひどく失礼なことを考えながらグローブ座に向かったのですが。
いやいや、心配ご無用でした!やっぱり傑作は傑作ですね!(^ ^)
舞台正面に3つのドアがある壁のセット。その2階部分にピアノとヴァイオリンの演奏者がいる…という基本の舞台構造は前回と同じでした。
衣装や小道具はかなり違っていたのですが、場面ごとの役の割り振りも、それどころか各キャストの基本的な動きはほぼ覚えていたとおり。前回公演の演出は山田和也さんですが、かなりオリジナルに忠実な演出だったんだな、とあらためて思いました。
歌詞や台詞も結構同じのを使っていたのはご愛敬?(全然違う曲もあったんですが、ほぼ記憶どおりでびっくりした場面もありました)
4人の役者が入れ替わり立ち替わり、さまざまなシチュエーションのカップルを演じ分ける、オムニバス形式の作品。
ドキドキワクワクしながら相手の気持ちを探り合う初デートの、甘酸っぱい気まずさ。
次のステップへ進みたいという気持ちと、そのステップでつまづきがちな自分たち。
結婚への踏ん切り。背中を押してくれる“Something”。
そして、結婚後のいろんないろんなアレやコレや。
ミュージカルなしの、芝居のみの場面もあれば、最初から最後まで歌いっぱなしの場面もある。
ダンスはあまり大したものはないけど、歌と芝居はハイレベルでないと成立しない、18篇のものがたりの集合。
誰であっても、観てみればたぶん、18編のうち数編は身に覚えがあるエピソードがあると思うんですよね(^ ^)。
結構リアルな台詞も多いので、心のどこかで傷になっているような思い出はちょっと痛むかもしれないけど。でも、この作品で笑い飛ばして貰えれば、その後はまた前を向いて歩いていけるような気がします。
とにかく、観ている間はアレコレあっても、観終わった後で「人を愛するって、幸せなことなんだな」と思える、そんな作品……だと思います、たぶん。
では、キャストについて簡単に。
■中川晃教(戸井勝海)
観る前は、中川くんと米倉さん、役が逆だと思っていたのですが……観てみて納得。これは中川くんはこっちだわー。
ただ、この役は本来、見るからに「マッチョ」な役者が演じるべき役なんじゃないかと思うんですよね。初演の戸井さんも「マッチョ」というタイプではなかったけど、中川くんはまったくもって「マッチョ」の「マ」の字もなさそうで、そんなところは若干痛かったかな。
でも、良かったです。小柄な身体で舞台いっぱいに弾けてて、とても可愛かった♪
個人的には、2幕のとなみちゃんとのタンゴがすごく好き。切迫感と若さがとても印象的でした。
ただ、一番の聴かせどころとなるはずの2幕後半のソロが、歌詞の変更もあって『私の』耳なじみが良くなかった……のは残念でした。こなれたころにもう一回観たい(聴きたい)な、と思っています。
■米倉利紀(川平慈英)
初演の慈英くんが、この作品にとってはあまりにも偉大だったのでいろいろ大変だったと思いますが(ごめんなさい)、単体で観ればまったく問題無く、すごく良かったです(はぁと)。
「RENT」のコリンズ役でしか知らなかった米倉さんですが、こんなに芸達者な方だとは!ええ、もう!慈英くんに負けてないって、凄いことだよ!!(@ @)。
この作品は、なんだかんだ言ってもこの役がポイントで、この役に誰を配するかで決まるところが大きいと思うのです。だから、プレッシャーも重かっただろうなあ……と思いつつ、ちゃんとその期待にこたえた米倉さん、さすが!と思いました。
個人的には、1幕の、結婚しないと決めたカップルの両親(父親役)がとても良かったと思いました。あと、ラストのお葬式の場面は大好きすぎる。とぼけた味わいがあって、素敵でした(はぁと)。
■白羽ゆり(絵麻緒ゆう)
良くも悪くも「宝塚出身女優」の枠から一生懸命はみ出して色っぽくやる……のが良いんでしょうね、この役は。最初からすみれコードもへったくれもない女優さんより、宝塚OG向きの役なんだと思います。
となみちゃんは、娘役にしては声も低くて色っぽいせいか、とてもよく似合ってました(^ ^)。
どの場面も良かったけど、今まで挙げてない場面では、1幕前半の「話を聞いてない女」がとってもキュートで可愛かったです(^ ^)。
■神田沙也加(堀内敬子)
慈英くんと並んで初演の立役者となった堀内敬子嬢の、役。怪演としか言いようのない名演技で話題をさらった人の後を継ぐのは大変だったと思いますが、よく頑張っていたと思います。
いや、予想よりずっと弾けてて、可愛くて、歌も芝居も本当に良かったです!
考えてみれば、「レ・ミゼラブル」でコゼットやってこの役、って、同じ流れなんだなあ……。
敢闘賞は、「ローズ・リッツのお見合いビデオ」に。あれはもう、、、、最後までちゃんと途切れることなく演じきれただけで十分感動しました。ええ、もう本当に。
そんなところでしょうか。
どうしても初演の思い出が色濃くて、このキャストで初めてご覧になった方がどういう印象を受けるものなのか判らないのですが(汗)、作品そのものが良いし、歌も芝居も大きな不足の無い4人が揃って、楽しい時間を過ごすことができました♪
何度観ても飽きない、観るたびに新たな発見がある作品。東京千秋楽までにもう一回観にいきたいな、と思っています(^ ^)。
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ロミオ&ジュリエット【3】
2011年10月9日 ミュージカル・舞台赤坂ACTシアター「ロミオ&ジュリエット」キャスト別感想つづき。
◇大公 中山昇
レ・ミゼラブルなどでも美声は聴いていたつもりでしたが、「ヴェローナ」の迫力、素晴らしかったです(*^ ^*)。
最初の記者発表の場面も良かったし、「ヴェローナ」の合間の台詞も的確な感じでした。
なにより「裁き」の後で、独白のように「ヴェローナ」をリプライズするのが切なくて良かったです。あれは良い変更でした!
◇ベンヴォーリオ 浦井健治
歌も芝居も安心できる人ですが、さすがの安定感でした。一幕はストーリーテラーというか説明役も兼ねているので台詞も多いんですが、まったく危なげなく(^ ^)。かなりコミカルな役割も軽やかにこなして、いやもう、「さすが」としか。
2幕の、喧嘩を止めようとするロミオとの対話から「どうやって伝えよう」に繋がるまでの一連の流れも自然で、気持ちがちゃんとつながったのが凄いなあ、と。ジュリエットの死をロミオに伝えようと、いったんは電話をかけるけれども留守録になってしまう場面、普通の役者だったらその後に繋ぐのは難しいと思うのですが、緊張を切らさずにそのまま「どうやって伝えよう」にもっていけたのも、素晴らしかったと思います。
(いや、あれは、無駄にハードル上げた演出が……)
◆マキューシオ 良知真次
すごく良かった!先日も書きましたが、いままでにも何度も観ている良知くんにいまさら落ちまして、ライブにいってみたいなと思う程度に嵌っています(^ ^;
歌はちょこっと苦しそうでしたが十分及第点だったし、なによりダンスが素晴らしかった!踊れることは知っていたけど、こういうダンスが映えますね。「世界の王」が良かったのは良知くんのおかげだと思ってます(^ ^)。山崎&良知コンビの回を観てみたかった!!
とにかく表情豊かで、ティボルトやロミオの発言を聴いているときの「けっ!」という生意気な貌とか、ロミオに見せる頼り切ったような嬉しそうな笑顔とか、頭を撫でてあげたいくらいかわいかった!
小柄で童顔(というか女顔)で弟キャラで、かなりキレやすい……特にソッチ系のからかいに激怒しやすいマキューシオでしたが、ティボルトの襟首を掴みに行くのにもいちいち下からだったりとか、そういうのにも萌えてしまって大変でした(←そこ?)(^ ^;ゞ。
ちなみにメークは、ちょっと眉を長めに描いていたのと、右頬にタトゥーをいれていたのが特徴でしょうか。
◆マキューシオ 石井一彰
こちらはうって変わって、歌唱力のマキューシオでしたね。ダンスはイマイチだったけど、まあ、両方は無理だよね(^ ^;
歌は素晴らしかったです。以前コンサートで聴いた時も巧いなあ~と思ったけど、あれから時間が経ったぶん、成長してますね。表現力があって「マブの女王」ってこういう歌だったのかー、と感心しました。
長身でスタイル良し。シャープな美形で、良知くんの「キレやすい若者」っぽい感じと違って、もっと底光りするような、凄みのある怖さがありました。
メークも全体的にモード系でシャープで、右目の下睫毛だけ、目立つつけまをしていたのが特徴かな。どこを視ているのか判らない怖さもあって、うまいなあと思いました。
◆ティボルト 上原理生
すっごい格好良かった!!私は大好きです(きっぱり)。
ただ、「レ・ミゼラブル」のアンジョルラスが良かったのですごく期待していたんですが、アンジョルラスはハイバリトンで、ティボルトはテノールだった……(T T)。
いちおうちゃんと歌えていたし、ちゃんと及第点なんですけど、高音部が苦しそうというか。上原さんの本気の歌はこんなんじゃない!というか、そんな気はしました。
美形で格好よくてリーダーシップ(=華)があるのはアンジョルラスと同じで、基本的にはこういう役者がティボルト向きなんだろうなあ、と思いました。音域が合わなくて残念だったけど、また違う作品でお逢いできるのを楽しみにしています。
ちなみに、出番や歌はほぼ宝塚版と同じだったと思います。曲の順番とかは若干入れ替わっていたりもあったけど、そんなに大きくは違っていないと思います……たぶん。
◆ティボルト 平方元基
今日書いている人では最初の「初めて生で観た」人。
いやー、柔らかな美声で、最初ティボルトの声だと思えなくて吃驚しました(^ ^;
本当は、もう少し声に強さがあれば「リーダー」らしい迫力が出せるのになーと思うのですが、まあ、ああいうティボルトもありかなあ。優しくて親切で、女性の頼みは断れないタイプ。「心配しなくても俺が守ってやるよ。伯母上も、……ジュリエットも」っていう台詞が良く似あう、心優しいティボルトでした。
声は、強くて迫力満点な上原さん、柔らかくて優しい平方さん。
見た目は、濃い系の美形で体躯も引き締まって鞭のような上原さん、長身でがっしり系の、包容力を感じさせる平方さん。対照的な二人を持ってきたなあと思いました。
◆死 中島周
◆死 大貫勇輔
このお二人はまとめて書かせていただきますね。
私が観たのは山崎&大貫、城田&中島の組み合わせだったのですが、
大柄で、リアルな存在感を感じた大貫さんと、小柄で細身で、この世の外で踊っていた中島さん……という印象でした。
踊り手によって多少アレンジはあるでしょうけれども、基本は同じ振りだったと思うのですが、まったく違うふたつの表現を観ることができたような気がします。
山崎くんの表現力の高さもあってか、山崎さんの表現する苦悩の中で、その苦悩を深める方向に積極的に働きかけていた大貫さんの怖さ。
城田さんの苦悩とは違う世界で、ただ一心に踊っていた「隔り世の住人」中島さんの透明感。
大貫さんは「死」だけど、中島さんは「愛」と「死」が融合した存在のような気がしました。
ダンスのテクニックのことはよく判らないのでコメントを避けますが、とにかく、お二人とも醸しだす雰囲気が全然違っていたのが大変に印象的でした。
◇パリス 岡田亮輔
キャピュレットの獅子、モンタギューのドラゴンに挟まれた、ピンク色のパリス。
めっさ可愛いですよこの人。ピンクが似合うったら!いやもう、ホントにサー・トービーやってほしい。
歌も芝居も良かったです。こんなぶっ飛んだ芝居ができる方だったんですね!(感心)
キャスト別は以上です。
ダンサーさんたちは、目立つ方が何人かいらっしゃいましたが、、、私もコメントするほど自信がないので割愛させていただきますね。
「ミュージカルのアンサンブル」と、「ダンサー」っていうのは、似て非なるものなんだな、とこんなに強く思ったのは初めてでした。
そりゃそうだ。「アンサンブル」はダンスも演技のうちの一つですものね。
小池さんには、いろいろと再考いただきたい点がたくさんあった公演でしたが。
……だけど、やっぱりこの作品(音楽)が好きなんだよぉぉぉ……(←負け感満載)
再度書いておきますが、メインキャストのみなさんはとても良かったです(*^ ^*)。
若干辛口で書いている部分もありますが、基本の要求水準は全員余裕で超えていて、その上で「もう少しこうだったら……」を書いているだけですので、どうぞ誤解のなきように!
(自分の表現力のなさを言い訳するんじゃありません)
.
◇大公 中山昇
レ・ミゼラブルなどでも美声は聴いていたつもりでしたが、「ヴェローナ」の迫力、素晴らしかったです(*^ ^*)。
最初の記者発表の場面も良かったし、「ヴェローナ」の合間の台詞も的確な感じでした。
なにより「裁き」の後で、独白のように「ヴェローナ」をリプライズするのが切なくて良かったです。あれは良い変更でした!
◇ベンヴォーリオ 浦井健治
歌も芝居も安心できる人ですが、さすがの安定感でした。一幕はストーリーテラーというか説明役も兼ねているので台詞も多いんですが、まったく危なげなく(^ ^)。かなりコミカルな役割も軽やかにこなして、いやもう、「さすが」としか。
2幕の、喧嘩を止めようとするロミオとの対話から「どうやって伝えよう」に繋がるまでの一連の流れも自然で、気持ちがちゃんとつながったのが凄いなあ、と。ジュリエットの死をロミオに伝えようと、いったんは電話をかけるけれども留守録になってしまう場面、普通の役者だったらその後に繋ぐのは難しいと思うのですが、緊張を切らさずにそのまま「どうやって伝えよう」にもっていけたのも、素晴らしかったと思います。
(いや、あれは、無駄にハードル上げた演出が……)
◆マキューシオ 良知真次
すごく良かった!先日も書きましたが、いままでにも何度も観ている良知くんにいまさら落ちまして、ライブにいってみたいなと思う程度に嵌っています(^ ^;
歌はちょこっと苦しそうでしたが十分及第点だったし、なによりダンスが素晴らしかった!踊れることは知っていたけど、こういうダンスが映えますね。「世界の王」が良かったのは良知くんのおかげだと思ってます(^ ^)。山崎&良知コンビの回を観てみたかった!!
とにかく表情豊かで、ティボルトやロミオの発言を聴いているときの「けっ!」という生意気な貌とか、ロミオに見せる頼り切ったような嬉しそうな笑顔とか、頭を撫でてあげたいくらいかわいかった!
小柄で童顔(というか女顔)で弟キャラで、かなりキレやすい……特にソッチ系のからかいに激怒しやすいマキューシオでしたが、ティボルトの襟首を掴みに行くのにもいちいち下からだったりとか、そういうのにも萌えてしまって大変でした(←そこ?)(^ ^;ゞ。
ちなみにメークは、ちょっと眉を長めに描いていたのと、右頬にタトゥーをいれていたのが特徴でしょうか。
◆マキューシオ 石井一彰
こちらはうって変わって、歌唱力のマキューシオでしたね。ダンスはイマイチだったけど、まあ、両方は無理だよね(^ ^;
歌は素晴らしかったです。以前コンサートで聴いた時も巧いなあ~と思ったけど、あれから時間が経ったぶん、成長してますね。表現力があって「マブの女王」ってこういう歌だったのかー、と感心しました。
長身でスタイル良し。シャープな美形で、良知くんの「キレやすい若者」っぽい感じと違って、もっと底光りするような、凄みのある怖さがありました。
メークも全体的にモード系でシャープで、右目の下睫毛だけ、目立つつけまをしていたのが特徴かな。どこを視ているのか判らない怖さもあって、うまいなあと思いました。
◆ティボルト 上原理生
すっごい格好良かった!!私は大好きです(きっぱり)。
ただ、「レ・ミゼラブル」のアンジョルラスが良かったのですごく期待していたんですが、アンジョルラスはハイバリトンで、ティボルトはテノールだった……(T T)。
いちおうちゃんと歌えていたし、ちゃんと及第点なんですけど、高音部が苦しそうというか。上原さんの本気の歌はこんなんじゃない!というか、そんな気はしました。
美形で格好よくてリーダーシップ(=華)があるのはアンジョルラスと同じで、基本的にはこういう役者がティボルト向きなんだろうなあ、と思いました。音域が合わなくて残念だったけど、また違う作品でお逢いできるのを楽しみにしています。
ちなみに、出番や歌はほぼ宝塚版と同じだったと思います。曲の順番とかは若干入れ替わっていたりもあったけど、そんなに大きくは違っていないと思います……たぶん。
◆ティボルト 平方元基
今日書いている人では最初の「初めて生で観た」人。
いやー、柔らかな美声で、最初ティボルトの声だと思えなくて吃驚しました(^ ^;
本当は、もう少し声に強さがあれば「リーダー」らしい迫力が出せるのになーと思うのですが、まあ、ああいうティボルトもありかなあ。優しくて親切で、女性の頼みは断れないタイプ。「心配しなくても俺が守ってやるよ。伯母上も、……ジュリエットも」っていう台詞が良く似あう、心優しいティボルトでした。
声は、強くて迫力満点な上原さん、柔らかくて優しい平方さん。
見た目は、濃い系の美形で体躯も引き締まって鞭のような上原さん、長身でがっしり系の、包容力を感じさせる平方さん。対照的な二人を持ってきたなあと思いました。
◆死 中島周
◆死 大貫勇輔
このお二人はまとめて書かせていただきますね。
私が観たのは山崎&大貫、城田&中島の組み合わせだったのですが、
大柄で、リアルな存在感を感じた大貫さんと、小柄で細身で、この世の外で踊っていた中島さん……という印象でした。
踊り手によって多少アレンジはあるでしょうけれども、基本は同じ振りだったと思うのですが、まったく違うふたつの表現を観ることができたような気がします。
山崎くんの表現力の高さもあってか、山崎さんの表現する苦悩の中で、その苦悩を深める方向に積極的に働きかけていた大貫さんの怖さ。
城田さんの苦悩とは違う世界で、ただ一心に踊っていた「隔り世の住人」中島さんの透明感。
大貫さんは「死」だけど、中島さんは「愛」と「死」が融合した存在のような気がしました。
ダンスのテクニックのことはよく判らないのでコメントを避けますが、とにかく、お二人とも醸しだす雰囲気が全然違っていたのが大変に印象的でした。
◇パリス 岡田亮輔
キャピュレットの獅子、モンタギューのドラゴンに挟まれた、ピンク色のパリス。
めっさ可愛いですよこの人。ピンクが似合うったら!いやもう、ホントにサー・トービーやってほしい。
歌も芝居も良かったです。こんなぶっ飛んだ芝居ができる方だったんですね!(感心)
キャスト別は以上です。
ダンサーさんたちは、目立つ方が何人かいらっしゃいましたが、、、私もコメントするほど自信がないので割愛させていただきますね。
「ミュージカルのアンサンブル」と、「ダンサー」っていうのは、似て非なるものなんだな、とこんなに強く思ったのは初めてでした。
そりゃそうだ。「アンサンブル」はダンスも演技のうちの一つですものね。
小池さんには、いろいろと再考いただきたい点がたくさんあった公演でしたが。
……だけど、やっぱりこの作品(音楽)が好きなんだよぉぉぉ……(←負け感満載)
再度書いておきますが、メインキャストのみなさんはとても良かったです(*^ ^*)。
若干辛口で書いている部分もありますが、基本の要求水準は全員余裕で超えていて、その上で「もう少しこうだったら……」を書いているだけですので、どうぞ誤解のなきように!
(自分の表現力のなさを言い訳するんじゃありません)
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ロミオ&ジュリエット【2】
2011年10月8日 ミュージカル・舞台赤坂ACTシアター「ロミオ&ジュリエット」キャスト別感想です。
◆ロミオ 城田優
いやはや、二枚目!でした(^ ^)。
ロミオってこうだよね、という、真っ白な王子様そのもの。歌唱力も及第点で、トートで評判取っただけあるなあと感心しました。
あのビジュアルにあの歌唱力なら、これからどんどん舞台に立ってほしいですね!(…むしろ、そんな暇はない、かも?)
ただ、観ていてちょっと違和感があるというか、、、こういう若々しくて純な役よりも、もう少し大人の役が観てみたいなあと思わせるところがあって、ちょっと「ロミオ」という役が勿体無い感じがありました。
むしろティボルトで観てみたかった、というか。
あと、背が高すぎて、回りのキャストによってはリリパット国に来たガリバーみたいな感じ……とまで言ったら言い過ぎですが、アンサンブルのモンタギュー家メンバーに囲まれた時に明らかに頭一つ抜けていたのがちょっと不思議な感じでした(^ ^; もうちょっとスタイルの良いアンサンブルが居ればなあ(^ ^)。
◆ロミオ 山崎育三郎
小柄で若くて必死で可愛い、少年ロミオ!
私のイメージするロミオにぴったりで、歌唱力はもちろんだし、とにかくすっごく良かったです!なんだかもう、一途で無茶苦茶で力づくで、すごい可愛かった(^ ^)。
あえて難をいうなら、いかんせん、『ヴェローナじゅうの娘たちが夢中』だとかの設定が間違ってるように見えたのはあったかも(ごめんなさい)。そのあたり、ロミオがシングルキャストだったらどちらかの個性に合わせて回りの台詞も変わったのかなあ、とは思うのですが。
個人的な印象ですが、最初の留守録を消す場面は、雰囲気的に城田くんだと文字通り「夜の仕事」に近い立場の女の子たちが残した留守録に聴こえたけど、山崎くんだと、街の有力者のご婦人たちが若いツバメを探してるみたい……で、それはそれでありかな、と思いました(^ ^)。
◆ジュリエット フランク莉奈
若くて長身、可愛くてスタイルの良いジュリエット。城田くんとは並びもきれいでとってもお似合いでした(^ ^)。歌も、綺麗な声だし音程も及第点♪ 表情がまだすこーし硬いのが気になりましたが、これから色々な役を経験して成長して、もう一度ジュリエットを演じてほしいなと思います。
◆ジュリエット 昆夏美
表情豊かで可愛らしく、圧倒的な歌唱力のジュリエット。とても小柄なので城田さんと並ぶと大人と子供みたいでしたが、山崎さんとはちょうど良いバランスでした。声質もあっていて、今回のダブルキャストは城田&フランク、山崎&昆で固定でも良かったのでは、と思ったくらいお似合いでした(*^ ^*)。
芝居の方向性もよく噛み合っていて、説得力のある組み合わせでした。決して美人じゃないけど、ファニーで可愛くて私はとても好きです。あえて難を言うなら、立ち姿があまり美しくないので、姿勢にきをつけてほしいな。
今回は衣装もあまりよくないので余計スタイルが悪く見えるのですが(T T)、ロミオとジュリエットだけでもそれぞれのキャストに合わせた衣装デザインを起こしてくれたらよかったのになあ。
「似合わない」ことを別にしても、今回のジュリエットの衣装はどうかと思いました。…ずーっと肩を出しているのがすごく嫌。肩(と背中)を出す衣装は、よほど背筋を張って、筋肉をちゃんとつけないとすごく下品に見えるのに、大舞台の経験がない二人にあの衣装で『純真無垢な深窓の令嬢16歳』に見せろというのは厳しいですよ。結果として昆さんはお洒落した小学生みたいに見えたし、フランクさんはディスコ(←古いよ)に紛れ込んだ高校生みたいでした(T T)。
宝塚の娘役は肩を出すのが仕事というか、人に見せるための身体(肩とか背中とか)を創ることが仕事の第一歩なんだな、と、ああいうのを観ると思うんですよね。ある程度の年数を舞台で過ごした娘役OGを使うならあの衣装でも全然心配いらないでしょうけれども、新人を使うなら衣装でカバーしてあげるのがプロの仕事なんじゃないでしょうか。正直、お二人がちょっと気の毒な気がしました。
◇キャピュレット夫人 涼風真世
素晴らしかったけど、「さすがの歌唱力!」というべきなのか「…ちょっと崩しすぎ?」というべきなのか、若干迷うところがありました。
若者チームと大人チームで、あるいはキャピュレット夫妻とその他で歌の傾向が違うんですよね。まあ、あれはあれで面白かったんですが、表現過多というか、情感過多なところはあったような気がします。もう少し抑えても良かったのかも。
宝塚版と違っていたのは……パリスが最初のプロポーズに来たことをジュリエットに話す時、新曲が一曲入ったせいか、乳母とコーラスするナンバーは乳母のソロになって、キャピュレット夫人は後から登場して、新曲をソロで歌う形に変更されていたのが一番目立ったかな。
新曲、っていうか「宝塚版では採用されていなかった」曲なんですが、、、夫と結婚したのはそもそも財産目当ての父親に命令されたから。夫も若く美しい自分を抱いてみたかっただけで、お互いに愛したことも愛されたこともない。でも私は出会ってしまった、ただ一人愛する男に。そうしてお前が生まれた……という、まあそりゃー宝塚版では使えないわ、という内容の曲ですわ。
オリジナルに元々あった曲ではなく、最近追加された曲なので、来年の来日版でも使われるかどうか?ですが。
この歌の存在によって、キャピュレット夫人が明確に『ジュリエットの敵』になったのが面白い効果だなと思いました。「♪その美しい肌をみせておやり」とまで言って、自分の娘に娼婦まがいのことをさせようとする。それは自分の親にそう言われたから……という、「悪夢」の連鎖を再生産してしまう「大人」たち。
結局、両家の争いを止められないのも同じ理由なんだなあ、と思いました。理屈じゃないんですよ。単に気に入らないから、親が喧嘩してたから、「おまえのかあちゃんデベソ」って言われたから、、、あるいは昔、喧嘩で父親の弟が殺されたから。そんな理由にならない理由で「憎しみ」が再生産されるのは、「大人たち」が本気で止めようとしないからなんですよね。
親に言われて喧嘩をする少年たちのまま、そのまんま大人になって、親に言われたとおりに喧嘩を続ける。それでは連鎖は断ちきれない。
「♪私は憎む 貴方の中にある憎しみ…」と歌いながら、彼女の心には憎しみと嫉妬が渦を巻いている。まだまだ美しいのに、もはや夫にかえりみられることのない自分。若く美しく、そして、ティボルトに愛されている少女。自分の娘に本気で嫉妬する「女」の情念が強く出た女性といえば、私の中では有吉佐和子の「母子変容」なんですが……勿論あの森江耀子女史とは全く違うんですが、涼風さんのキャピュレット夫人も素晴らしく怖ろしくて、とても印象的でした。
◇キャピュレット卿 石川禅
いやもう、素晴らしかったです♪♪ 禅ちゃんいいわーーーー。
召使に次から次と手を出す色ボケ親父で、妻は飾りものだと思ってて、娘のことは溺愛しているけど彼女が何を考えているのかさっぱりわからない。そんな駄目親父がめっちゃ嵌ってて、ちょっとびっくりしました。ええ。
「娘よ」のソロは素晴らしかったです!が、夫婦揃って録音伴奏に苦戦してたかも。たっぷりと歌うことに慣れてる上に、私が観たのも赤坂ACT公演の終わり近かったしなあ……
キャピュレット夫人の追加曲に合わせて、「娘よ」の歌詞も大分変ってました。
「♪お前が3歳の時に気付いた。お前は私の子じゃない」「♪細い首に手をかけて……でも、できなかった」というモノローグが、すごく切なかったです。駄目親父なりの愛情と、駄目夫なりの、妻への情と。たぶん彼は、「父親」が誰なのか判ったんですよね。辛かっただろうなあ……と思った、重たい一曲でした。
◇乳母 未来優希
ハマコさん、Bravo!!
贔屓目かもしれませんが、素晴らしかったです♪ うん。ただ、乳母の音域って微妙なんだな、と思いました。ソロだけでも、もう1,2度下げて貰って地声で歌いきった方が良かったのでは?
宝塚版よりだいぶリアルというか品のないおばちゃんっぽく造っていましたが、たぶん今回の作品だとあれが正解なんでしょうね。キャピュレット夫人よりお高い感じじゃ困るし!衣装は赤と牛柄の組み合わせという凄まじいセンスで、あれはもう品よくつくるのとか無理だろうしなあ(- -;(溜)
◇ロレンス神父 安崎求
アロマおたくでネットサーファーな神父様。
……まあ、その設定はおいといて!!安崎さん、素敵だった~~~(*^ ^*)。
最初の登場の直後、薬草棚を覆っていた布を取って振りまわすところなんて、「よっ!マリウス!」と掛け声をかけたくなったくらいステキでした♪♪
トボけた味のある芝居は相変わらずで、どっちのロミオとの芝居もうまく引っ張っていってくれたと思います。そして、ハマコさんとのデュエットは秀逸だった♪♪もっと聴いていたかった♪♪
キャラクターのせいか、霊廟に現れる場面でつい笑いを取りに行ってしまうはやめてほしいんですが、、、うーん、あれで集中が切れるのは私がいかんのか?(T T)
◇モンタギュー卿 ひのあらた
渋くてスタイルよくて衣装が素晴らしく良く似合って、いやもう、ホントに格好良かった!
モンタギュー卿は出番も少なくてあまり見せ場がないんですが、出てくるたびに「うおお!」と思うほど格好良かったので満足です。大公閣下とはまた違う格好良さと色っぽさがあるところが好き!
歌は流石でした。ええ。さすが、っていうのはこういうことを言うのかああ、と思う今日この頃。
◇モンタギュー夫人 大鳥れい
みどりちゃん、初見では衣装に気を取られてあまり芝居を視る余裕がなかったのですが、、、うーむ、あんなものかなあ。「憎しみ」「さばき」「つみびと」と、結構見せ場があるわりに、あまり印象に残らなかったような。
堅実でしっかりした演技(歌も芝居も)をする人ですが今回はそれが若干裏目にでたのかもしれませんね。まあ、どうしてもこの作品はキャピュレット家の話がメインになっているから、立ち位置として難しいところではあるのですが。……やっぱり「つみびと」の歌いだしは、もう少し圧倒的な何かがあるともっと良かったような気がします。
自分が「罪人」であることの自覚と、相手に対する赦しと、その両方を伝え切れていなかったような気がする。……録音だからしかたないかなあ……。
あれっ、長くなりすぎ……。すみません、もう一回続くみたいです。
大公と、あと若い人たちをまとめて書きますね。
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◆ロミオ 城田優
いやはや、二枚目!でした(^ ^)。
ロミオってこうだよね、という、真っ白な王子様そのもの。歌唱力も及第点で、トートで評判取っただけあるなあと感心しました。
あのビジュアルにあの歌唱力なら、これからどんどん舞台に立ってほしいですね!(…むしろ、そんな暇はない、かも?)
ただ、観ていてちょっと違和感があるというか、、、こういう若々しくて純な役よりも、もう少し大人の役が観てみたいなあと思わせるところがあって、ちょっと「ロミオ」という役が勿体無い感じがありました。
むしろティボルトで観てみたかった、というか。
あと、背が高すぎて、回りのキャストによってはリリパット国に来たガリバーみたいな感じ……とまで言ったら言い過ぎですが、アンサンブルのモンタギュー家メンバーに囲まれた時に明らかに頭一つ抜けていたのがちょっと不思議な感じでした(^ ^; もうちょっとスタイルの良いアンサンブルが居ればなあ(^ ^)。
◆ロミオ 山崎育三郎
小柄で若くて必死で可愛い、少年ロミオ!
私のイメージするロミオにぴったりで、歌唱力はもちろんだし、とにかくすっごく良かったです!なんだかもう、一途で無茶苦茶で力づくで、すごい可愛かった(^ ^)。
あえて難をいうなら、いかんせん、『ヴェローナじゅうの娘たちが夢中』だとかの設定が間違ってるように見えたのはあったかも(ごめんなさい)。そのあたり、ロミオがシングルキャストだったらどちらかの個性に合わせて回りの台詞も変わったのかなあ、とは思うのですが。
個人的な印象ですが、最初の留守録を消す場面は、雰囲気的に城田くんだと文字通り「夜の仕事」に近い立場の女の子たちが残した留守録に聴こえたけど、山崎くんだと、街の有力者のご婦人たちが若いツバメを探してるみたい……で、それはそれでありかな、と思いました(^ ^)。
◆ジュリエット フランク莉奈
若くて長身、可愛くてスタイルの良いジュリエット。城田くんとは並びもきれいでとってもお似合いでした(^ ^)。歌も、綺麗な声だし音程も及第点♪ 表情がまだすこーし硬いのが気になりましたが、これから色々な役を経験して成長して、もう一度ジュリエットを演じてほしいなと思います。
◆ジュリエット 昆夏美
表情豊かで可愛らしく、圧倒的な歌唱力のジュリエット。とても小柄なので城田さんと並ぶと大人と子供みたいでしたが、山崎さんとはちょうど良いバランスでした。声質もあっていて、今回のダブルキャストは城田&フランク、山崎&昆で固定でも良かったのでは、と思ったくらいお似合いでした(*^ ^*)。
芝居の方向性もよく噛み合っていて、説得力のある組み合わせでした。決して美人じゃないけど、ファニーで可愛くて私はとても好きです。あえて難を言うなら、立ち姿があまり美しくないので、姿勢にきをつけてほしいな。
今回は衣装もあまりよくないので余計スタイルが悪く見えるのですが(T T)、ロミオとジュリエットだけでもそれぞれのキャストに合わせた衣装デザインを起こしてくれたらよかったのになあ。
「似合わない」ことを別にしても、今回のジュリエットの衣装はどうかと思いました。…ずーっと肩を出しているのがすごく嫌。肩(と背中)を出す衣装は、よほど背筋を張って、筋肉をちゃんとつけないとすごく下品に見えるのに、大舞台の経験がない二人にあの衣装で『純真無垢な深窓の令嬢16歳』に見せろというのは厳しいですよ。結果として昆さんはお洒落した小学生みたいに見えたし、フランクさんはディスコ(←古いよ)に紛れ込んだ高校生みたいでした(T T)。
宝塚の娘役は肩を出すのが仕事というか、人に見せるための身体(肩とか背中とか)を創ることが仕事の第一歩なんだな、と、ああいうのを観ると思うんですよね。ある程度の年数を舞台で過ごした娘役OGを使うならあの衣装でも全然心配いらないでしょうけれども、新人を使うなら衣装でカバーしてあげるのがプロの仕事なんじゃないでしょうか。正直、お二人がちょっと気の毒な気がしました。
◇キャピュレット夫人 涼風真世
素晴らしかったけど、「さすがの歌唱力!」というべきなのか「…ちょっと崩しすぎ?」というべきなのか、若干迷うところがありました。
若者チームと大人チームで、あるいはキャピュレット夫妻とその他で歌の傾向が違うんですよね。まあ、あれはあれで面白かったんですが、表現過多というか、情感過多なところはあったような気がします。もう少し抑えても良かったのかも。
宝塚版と違っていたのは……パリスが最初のプロポーズに来たことをジュリエットに話す時、新曲が一曲入ったせいか、乳母とコーラスするナンバーは乳母のソロになって、キャピュレット夫人は後から登場して、新曲をソロで歌う形に変更されていたのが一番目立ったかな。
新曲、っていうか「宝塚版では採用されていなかった」曲なんですが、、、夫と結婚したのはそもそも財産目当ての父親に命令されたから。夫も若く美しい自分を抱いてみたかっただけで、お互いに愛したことも愛されたこともない。でも私は出会ってしまった、ただ一人愛する男に。そうしてお前が生まれた……という、まあそりゃー宝塚版では使えないわ、という内容の曲ですわ。
オリジナルに元々あった曲ではなく、最近追加された曲なので、来年の来日版でも使われるかどうか?ですが。
この歌の存在によって、キャピュレット夫人が明確に『ジュリエットの敵』になったのが面白い効果だなと思いました。「♪その美しい肌をみせておやり」とまで言って、自分の娘に娼婦まがいのことをさせようとする。それは自分の親にそう言われたから……という、「悪夢」の連鎖を再生産してしまう「大人」たち。
結局、両家の争いを止められないのも同じ理由なんだなあ、と思いました。理屈じゃないんですよ。単に気に入らないから、親が喧嘩してたから、「おまえのかあちゃんデベソ」って言われたから、、、あるいは昔、喧嘩で父親の弟が殺されたから。そんな理由にならない理由で「憎しみ」が再生産されるのは、「大人たち」が本気で止めようとしないからなんですよね。
親に言われて喧嘩をする少年たちのまま、そのまんま大人になって、親に言われたとおりに喧嘩を続ける。それでは連鎖は断ちきれない。
「♪私は憎む 貴方の中にある憎しみ…」と歌いながら、彼女の心には憎しみと嫉妬が渦を巻いている。まだまだ美しいのに、もはや夫にかえりみられることのない自分。若く美しく、そして、ティボルトに愛されている少女。自分の娘に本気で嫉妬する「女」の情念が強く出た女性といえば、私の中では有吉佐和子の「母子変容」なんですが……勿論あの森江耀子女史とは全く違うんですが、涼風さんのキャピュレット夫人も素晴らしく怖ろしくて、とても印象的でした。
◇キャピュレット卿 石川禅
いやもう、素晴らしかったです♪♪ 禅ちゃんいいわーーーー。
召使に次から次と手を出す色ボケ親父で、妻は飾りものだと思ってて、娘のことは溺愛しているけど彼女が何を考えているのかさっぱりわからない。そんな駄目親父がめっちゃ嵌ってて、ちょっとびっくりしました。ええ。
「娘よ」のソロは素晴らしかったです!が、夫婦揃って録音伴奏に苦戦してたかも。たっぷりと歌うことに慣れてる上に、私が観たのも赤坂ACT公演の終わり近かったしなあ……
キャピュレット夫人の追加曲に合わせて、「娘よ」の歌詞も大分変ってました。
「♪お前が3歳の時に気付いた。お前は私の子じゃない」「♪細い首に手をかけて……でも、できなかった」というモノローグが、すごく切なかったです。駄目親父なりの愛情と、駄目夫なりの、妻への情と。たぶん彼は、「父親」が誰なのか判ったんですよね。辛かっただろうなあ……と思った、重たい一曲でした。
◇乳母 未来優希
ハマコさん、Bravo!!
贔屓目かもしれませんが、素晴らしかったです♪ うん。ただ、乳母の音域って微妙なんだな、と思いました。ソロだけでも、もう1,2度下げて貰って地声で歌いきった方が良かったのでは?
宝塚版よりだいぶリアルというか品のないおばちゃんっぽく造っていましたが、たぶん今回の作品だとあれが正解なんでしょうね。キャピュレット夫人よりお高い感じじゃ困るし!衣装は赤と牛柄の組み合わせという凄まじいセンスで、あれはもう品よくつくるのとか無理だろうしなあ(- -;(溜)
◇ロレンス神父 安崎求
アロマおたくでネットサーファーな神父様。
……まあ、その設定はおいといて!!安崎さん、素敵だった~~~(*^ ^*)。
最初の登場の直後、薬草棚を覆っていた布を取って振りまわすところなんて、「よっ!マリウス!」と掛け声をかけたくなったくらいステキでした♪♪
トボけた味のある芝居は相変わらずで、どっちのロミオとの芝居もうまく引っ張っていってくれたと思います。そして、ハマコさんとのデュエットは秀逸だった♪♪もっと聴いていたかった♪♪
キャラクターのせいか、霊廟に現れる場面でつい笑いを取りに行ってしまうはやめてほしいんですが、、、うーん、あれで集中が切れるのは私がいかんのか?(T T)
◇モンタギュー卿 ひのあらた
渋くてスタイルよくて衣装が素晴らしく良く似合って、いやもう、ホントに格好良かった!
モンタギュー卿は出番も少なくてあまり見せ場がないんですが、出てくるたびに「うおお!」と思うほど格好良かったので満足です。大公閣下とはまた違う格好良さと色っぽさがあるところが好き!
歌は流石でした。ええ。さすが、っていうのはこういうことを言うのかああ、と思う今日この頃。
◇モンタギュー夫人 大鳥れい
みどりちゃん、初見では衣装に気を取られてあまり芝居を視る余裕がなかったのですが、、、うーむ、あんなものかなあ。「憎しみ」「さばき」「つみびと」と、結構見せ場があるわりに、あまり印象に残らなかったような。
堅実でしっかりした演技(歌も芝居も)をする人ですが今回はそれが若干裏目にでたのかもしれませんね。まあ、どうしてもこの作品はキャピュレット家の話がメインになっているから、立ち位置として難しいところではあるのですが。……やっぱり「つみびと」の歌いだしは、もう少し圧倒的な何かがあるともっと良かったような気がします。
自分が「罪人」であることの自覚と、相手に対する赦しと、その両方を伝え切れていなかったような気がする。……録音だからしかたないかなあ……。
あれっ、長くなりすぎ……。すみません、もう一回続くみたいです。
大公と、あと若い人たちをまとめて書きますね。
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ロミオ&ジュリエット
2011年10月5日 ミュージカル・舞台 コメント (2)赤坂ACTシアターにて、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」を観劇いたしました!
いちおう全キャスト制覇しましたが、みなさんハイレベルですごく良かったです!
個人的な好み以外に、「この人は絶対パス!!」みたいなキャストはいなかったと思います。
後から追加で発表されたお二人のジュリエットも可愛らしくて、歌も及第点。
私が観たのは「山崎&昆」「城田&フランク」の組み合わせでしたが、どっちもそれぞれに良かったですー♪
とりあえず、キャストについては後でまとめるとして、先に作品についての感想を。
昨年7月に梅芸で初演し、博多まで持っていった星組版。
今年の1月に大劇場でお披露目し、東宝まで来てくれた雪組版。
それぞれ演出面で若干の違いはありましたが、概ね「宝塚版」としてまとまった、同じ演出のバージョン違い、という感じでした。
その、博多座公演の時に書いた作品論はこちら。
http://80646.diarynote.jp/?day=20100829
これに対して、雪組公演を観たときの感想は、
> でも、雪組版のロミオは、「不良少年」だったことなんてない、生真面目な優等生、という印象だったんです。
> 問題行動があるとすれば、せいぜい軽い放浪癖くらいで(^ ^)。昔からずーっと、ピュアで優しい、愛されて育ってきた優等生。
星組版のロミオは、やんちゃで元気で、他のメンバーを見ても尾なんとなく「West Side Story」っぽい印象だったのに、また全然違う世界観で、面白いなーと思ったのでした。
そして、3度目となる今回。
全体の構成(楽曲とか)は変わらないのですが、演出と衣装はずいぶん変わってました。
……とりあえず、衣装はうるさかったかな(汗)。
「獅子」の紋章を頂くキャピュレットは赤系のファーたっぷりの豹柄。
「ドラゴン」の紋章をいただくモンタギューは、モノクロのクロコダイル柄。
色合いも派手で、素材がいろいろで、しかも柄 On 柄(- -;ゞ
アンサンブルダンサーさんがあんまりスタイルの良い人がいなかったせいもあって、群舞が映えない衣装だなーというのが正直な感想でした。
とりあえず、アンサンブルさんはダンスをメインで選んだようですが、思ったよりそのダンスを披露する場面が少なかったんですよね……。一人ひとりはすごいダンサーなので、ちょっとした合の手みたいな、振付の隙間みたいなところで物凄く高くジャンプしていたり、ものすごい高速回転だったり……などなどあったのですが、残念ながら、違う畑のダンサーさんたちのコラボレーションだったので、群舞が揃わないんですよね、これが。
うーーーん、なんか消化不良……。
しかも、アンサンブルをダンス力前提で選んでいるせいなのか、コーラスが録音。
生オケじゃないだけでも悲しいのに、コーラスまで録音なので、群舞シーンの「生で観てる!(聴いてる!)」感がいまいち浅くて、ちょっとおいてきぼりな感じでした。
まあ、みなさん声は出していたようなので、前方席ならば若干聴こえる(ような気がする)んですけどね(T T)。
毎回観劇するたびに書いていますが、猫がこの作品で一番好きな場面の一つが「世界の王」なので。
そこが物足りないといろいろ切ない……。
演出は……うーん、今までにも何度か思ったことですが、宝塚で日本初演した舶来ミュージカル作品を普通の公演にひらく場合、小池さんが自分で演出するのはやめた方がいいと思うんですよね。
「宝塚=夢の世界」という基本的な枠組みをとっぱらって作品を創りなおそうとした時に、小池さんは、無闇に「リアル」な演出をしようとして失敗することが多いと思うんです。
宝塚版との違いを出そうとして玉砕してる感じ。「エリザベート」初演しかり、今回のロミジュリしかり。
衣装もそうだし、アンサンブルの選択基準もそうだし、あと、なんといってもネットでも話題だった携帯電話(スマートフォン)の扱い、とか。
いや、実際に観てみると、スマートフォンが普及している世界なのに何故ああいう生き違いが起こるのか?という疑問にはちゃんと解答があるので、別にストーリーが破綻しているわけではないのですが。
でも、「ロミオとジュリエット」って、根本的に現代の物語ではありえないじゃないですか。だって、殺人事件が起きるんですよ?あれは過失致死にはならない。明らかにロミオは殺意があったでしょう。情状酌量の余地はあるかもしれないけど、無罪とか正当防衛とかにはなりえない。なのに、警察は出てこないし、裁判もしない。大公が温情をもって裁くとか、街からの永久追放が刑罰として成立するとか、そんな時代と、スマートフォンやパソコンといったアイテムが違和感を引き起こすんですよね。
本筋には関係ないんだから気にしなければいいんだけど、喉に刺さった骨のように気になってしかたない。
あの小道具たちが演出上致命的な欠陥になっているとまでは言いませんが(←アンサンブルの迫力不足の方がつらい)、それを出すことによる効果も見えない(あるとは思えない)ので、、、いらねーなーと思ってしまいました。
なんか、好きな作品なので辛口ですみません。
宝塚版の演出が100%良かったとは思いませんが、今回の演出は失敗が多かったなあ、、、というのが正直な感想。
でも!
演出の駄目さを補ってあまりある、メインキャストの質の高さは本当に素晴らしかった!!
こんなに穴のないダブルキャスト、珍しいかも(←誉めすぎ?)
これは結構、もっと暇な時期だったら通いたかったです。
もし大阪で演出が変わるなら、大阪まで観に行きます!!
……というわけで、キャストについてはまた後日(^ ^)
.
いちおう全キャスト制覇しましたが、みなさんハイレベルですごく良かったです!
個人的な好み以外に、「この人は絶対パス!!」みたいなキャストはいなかったと思います。
後から追加で発表されたお二人のジュリエットも可愛らしくて、歌も及第点。
私が観たのは「山崎&昆」「城田&フランク」の組み合わせでしたが、どっちもそれぞれに良かったですー♪
とりあえず、キャストについては後でまとめるとして、先に作品についての感想を。
昨年7月に梅芸で初演し、博多まで持っていった星組版。
今年の1月に大劇場でお披露目し、東宝まで来てくれた雪組版。
それぞれ演出面で若干の違いはありましたが、概ね「宝塚版」としてまとまった、同じ演出のバージョン違い、という感じでした。
その、博多座公演の時に書いた作品論はこちら。
http://80646.diarynote.jp/?day=20100829
これに対して、雪組公演を観たときの感想は、
> でも、雪組版のロミオは、「不良少年」だったことなんてない、生真面目な優等生、という印象だったんです。
> 問題行動があるとすれば、せいぜい軽い放浪癖くらいで(^ ^)。昔からずーっと、ピュアで優しい、愛されて育ってきた優等生。
星組版のロミオは、やんちゃで元気で、他のメンバーを見ても尾なんとなく「West Side Story」っぽい印象だったのに、また全然違う世界観で、面白いなーと思ったのでした。
そして、3度目となる今回。
全体の構成(楽曲とか)は変わらないのですが、演出と衣装はずいぶん変わってました。
……とりあえず、衣装はうるさかったかな(汗)。
「獅子」の紋章を頂くキャピュレットは赤系のファーたっぷりの豹柄。
「ドラゴン」の紋章をいただくモンタギューは、モノクロのクロコダイル柄。
色合いも派手で、素材がいろいろで、しかも柄 On 柄(- -;ゞ
アンサンブルダンサーさんがあんまりスタイルの良い人がいなかったせいもあって、群舞が映えない衣装だなーというのが正直な感想でした。
とりあえず、アンサンブルさんはダンスをメインで選んだようですが、思ったよりそのダンスを披露する場面が少なかったんですよね……。一人ひとりはすごいダンサーなので、ちょっとした合の手みたいな、振付の隙間みたいなところで物凄く高くジャンプしていたり、ものすごい高速回転だったり……などなどあったのですが、残念ながら、違う畑のダンサーさんたちのコラボレーションだったので、群舞が揃わないんですよね、これが。
うーーーん、なんか消化不良……。
しかも、アンサンブルをダンス力前提で選んでいるせいなのか、コーラスが録音。
生オケじゃないだけでも悲しいのに、コーラスまで録音なので、群舞シーンの「生で観てる!(聴いてる!)」感がいまいち浅くて、ちょっとおいてきぼりな感じでした。
まあ、みなさん声は出していたようなので、前方席ならば若干聴こえる(ような気がする)んですけどね(T T)。
毎回観劇するたびに書いていますが、猫がこの作品で一番好きな場面の一つが「世界の王」なので。
そこが物足りないといろいろ切ない……。
演出は……うーん、今までにも何度か思ったことですが、宝塚で日本初演した舶来ミュージカル作品を普通の公演にひらく場合、小池さんが自分で演出するのはやめた方がいいと思うんですよね。
「宝塚=夢の世界」という基本的な枠組みをとっぱらって作品を創りなおそうとした時に、小池さんは、無闇に「リアル」な演出をしようとして失敗することが多いと思うんです。
宝塚版との違いを出そうとして玉砕してる感じ。「エリザベート」初演しかり、今回のロミジュリしかり。
衣装もそうだし、アンサンブルの選択基準もそうだし、あと、なんといってもネットでも話題だった携帯電話(スマートフォン)の扱い、とか。
いや、実際に観てみると、スマートフォンが普及している世界なのに何故ああいう生き違いが起こるのか?という疑問にはちゃんと解答があるので、別にストーリーが破綻しているわけではないのですが。
でも、「ロミオとジュリエット」って、根本的に現代の物語ではありえないじゃないですか。だって、殺人事件が起きるんですよ?あれは過失致死にはならない。明らかにロミオは殺意があったでしょう。情状酌量の余地はあるかもしれないけど、無罪とか正当防衛とかにはなりえない。なのに、警察は出てこないし、裁判もしない。大公が温情をもって裁くとか、街からの永久追放が刑罰として成立するとか、そんな時代と、スマートフォンやパソコンといったアイテムが違和感を引き起こすんですよね。
本筋には関係ないんだから気にしなければいいんだけど、喉に刺さった骨のように気になってしかたない。
あの小道具たちが演出上致命的な欠陥になっているとまでは言いませんが(←アンサンブルの迫力不足の方がつらい)、それを出すことによる効果も見えない(あるとは思えない)ので、、、いらねーなーと思ってしまいました。
なんか、好きな作品なので辛口ですみません。
宝塚版の演出が100%良かったとは思いませんが、今回の演出は失敗が多かったなあ、、、というのが正直な感想。
でも!
演出の駄目さを補ってあまりある、メインキャストの質の高さは本当に素晴らしかった!!
こんなに穴のないダブルキャスト、珍しいかも(←誉めすぎ?)
これは結構、もっと暇な時期だったら通いたかったです。
もし大阪で演出が変わるなら、大阪まで観に行きます!!
……というわけで、キャストについてはまた後日(^ ^)
.
Come, Look at the Freaks! ~サイド・ショウ~
2011年10月2日 ミュージカル・舞台北千住のシアター1010にて、ミュージカル「サイド・ショウ」を観劇してまいりました。
初演のときの日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/201004112353212130/
http://80646.diarynote.jp/201004190119517853/
いやー、あのときも感動したけど、また一段と素晴らしかったです。
樹里ちゃん(樹里咲穂)とかしちゃん(貴城けい)、お二人ともこの1年半でいろんな舞台に立って、いろんな経験をして、、、それがあって、今のこの、デイジーとヴァイオレットがいる。それが胸を締めつけるほど切なくて、そして、幸せでした。
初演からのキャスト変更(メインキャスト)は以下のお二人。
◆ジェイク=吉原光夫(初演:岡幸二郎)
ヒルトン姉妹を守る黒人の
初演と同様、肌はちょっと浅黒いくらいで、黒く塗っていたわけではないのえすが、髪型などもあって素直に「黒人」に見えました。さりげない立ち姿とか、むきだしの肩の感じとか、すごく陸上競技などで見かける黒人選手とよく似た雰囲気があって、はっきりと黒く塗らなくてもわかる気がしました。さすがシンバ!(^ ^)。
歌はさすがの力強さで、幸ちゃんのファンファーレみたいな華やかな歌声とは全く違う、重さのある声が良かったです。芝居もそうなんですがすごく実直というか、質実剛健って感じ。中身の詰まった、不器用な男っぷりでした。
だからこそ。
すごく良い人だし家族としては最高なんだけど、ヴァイオレット目線で見た時に恋愛の対象にはなりえない男だ、というのがすごく鮮明で、あの展開が悲しいけど仕方がない……というのが納得できたような気がします。
そして、そんな彼が結婚式の朝に立ち去ることも、バディの気持ちを揺るがしてしまうことも、すべては運命だったのだ……と、「I Will Never Leave You」と歌うデイジーとヴァイオレットを見なが打ちのめされた思いでした。
幸ちゃんのジェイクとは全く違うアプローチで、面白かったです。
ああ、吉原さんのバルジャン観たかったなあ……。
◆バディ=吉田朋弘(初演:伊礼彼方)
こちらは元気でやんちゃなバディでした。
お調子者で優しくて、ヴァイオレットが悲しそうにしていると、堪らなくなって深く考えずにプロポーズしてしまいそうな軽さが確かにありました。引っ込みがつかなくなってからの挙動不審ぶりといい、絵にかいたような小者っぷりが役の説得力を増していたような気がしました。
歌は、他のメンバーがメンバーなのでやや音程が不安定なところが目立ちましたが、6月のコンサートからの成長ぶりは著しくて、本番の幕があいた今、千秋楽までの間にどこまで進化するか、とても楽しみです。
テリー=下村尊則、座長=大澄賢也、そしてデイジーとヴァイオレットの4人は初演から継続。
テリーはそんなに違いを感じなかったかな?ただ、ジェイクとバディが替ったので、当然、その二人との関係が一番深いテリーもかなり違うんですが、、、なんというか、回りの変化が顕著なのであまり目立たなかったかな、と。
座長は、なんかだいぶ軽くなってたような気がします(^ ^;;;
役者が替わった二人とは対して絡まないので、大澄さん自身が変わったんだと思うのですが……初演の時は凄みがあって怖い男、というのが先に立っていたんですが、今回はなんというか、ひょうきんでいい加減なように見えて、実は怖ろしい、という感じに見えました。
テント小屋での真夜中のショーに踏み込んできたときの印象とか、そんなところが。
アンサンブルは若干メンバーが変わりましたが、相変わらず元四季組がほとんど、かな?
宝塚OGは牧瀬海さんと水月舞さん。「ロミオ&ジュリエット」を観た後なので、「サイド・ショウ」アンサンブルメンバーのダンスと歌のバランスの良さというか、レベルの高さに感心しました(^ ^)。
やっぱりアンサンブルが良いカンパニーは、観劇後満足度高いなあ~~。
シアター1010で10月10日まで、そして15日には大阪の森の宮でも公演があります。
重たい物語ですが、ぜひ一度体験してみてくださいませ(^ ^)。
.
初演のときの日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/201004112353212130/
http://80646.diarynote.jp/201004190119517853/
いやー、あのときも感動したけど、また一段と素晴らしかったです。
樹里ちゃん(樹里咲穂)とかしちゃん(貴城けい)、お二人ともこの1年半でいろんな舞台に立って、いろんな経験をして、、、それがあって、今のこの、デイジーとヴァイオレットがいる。それが胸を締めつけるほど切なくて、そして、幸せでした。
初演からのキャスト変更(メインキャスト)は以下のお二人。
◆ジェイク=吉原光夫(初演:岡幸二郎)
ヒルトン姉妹を守る黒人の
初演と同様、肌はちょっと浅黒いくらいで、黒く塗っていたわけではないのえすが、髪型などもあって素直に「黒人」に見えました。さりげない立ち姿とか、むきだしの肩の感じとか、すごく陸上競技などで見かける黒人選手とよく似た雰囲気があって、はっきりと黒く塗らなくてもわかる気がしました。さすがシンバ!(^ ^)。
歌はさすがの力強さで、幸ちゃんのファンファーレみたいな華やかな歌声とは全く違う、重さのある声が良かったです。芝居もそうなんですがすごく実直というか、質実剛健って感じ。中身の詰まった、不器用な男っぷりでした。
だからこそ。
すごく良い人だし家族としては最高なんだけど、ヴァイオレット目線で見た時に恋愛の対象にはなりえない男だ、というのがすごく鮮明で、あの展開が悲しいけど仕方がない……というのが納得できたような気がします。
そして、そんな彼が結婚式の朝に立ち去ることも、バディの気持ちを揺るがしてしまうことも、すべては運命だったのだ……と、「I Will Never Leave You」と歌うデイジーとヴァイオレットを見なが打ちのめされた思いでした。
幸ちゃんのジェイクとは全く違うアプローチで、面白かったです。
ああ、吉原さんのバルジャン観たかったなあ……。
◆バディ=吉田朋弘(初演:伊礼彼方)
こちらは元気でやんちゃなバディでした。
お調子者で優しくて、ヴァイオレットが悲しそうにしていると、堪らなくなって深く考えずにプロポーズしてしまいそうな軽さが確かにありました。引っ込みがつかなくなってからの挙動不審ぶりといい、絵にかいたような小者っぷりが役の説得力を増していたような気がしました。
歌は、他のメンバーがメンバーなのでやや音程が不安定なところが目立ちましたが、6月のコンサートからの成長ぶりは著しくて、本番の幕があいた今、千秋楽までの間にどこまで進化するか、とても楽しみです。
テリー=下村尊則、座長=大澄賢也、そしてデイジーとヴァイオレットの4人は初演から継続。
テリーはそんなに違いを感じなかったかな?ただ、ジェイクとバディが替ったので、当然、その二人との関係が一番深いテリーもかなり違うんですが、、、なんというか、回りの変化が顕著なのであまり目立たなかったかな、と。
座長は、なんかだいぶ軽くなってたような気がします(^ ^;;;
役者が替わった二人とは対して絡まないので、大澄さん自身が変わったんだと思うのですが……初演の時は凄みがあって怖い男、というのが先に立っていたんですが、今回はなんというか、ひょうきんでいい加減なように見えて、実は怖ろしい、という感じに見えました。
テント小屋での真夜中のショーに踏み込んできたときの印象とか、そんなところが。
アンサンブルは若干メンバーが変わりましたが、相変わらず元四季組がほとんど、かな?
宝塚OGは牧瀬海さんと水月舞さん。「ロミオ&ジュリエット」を観た後なので、「サイド・ショウ」アンサンブルメンバーのダンスと歌のバランスの良さというか、レベルの高さに感心しました(^ ^)。
やっぱりアンサンブルが良いカンパニーは、観劇後満足度高いなあ~~。
シアター1010で10月10日まで、そして15日には大阪の森の宮でも公演があります。
重たい物語ですが、ぜひ一度体験してみてくださいませ(^ ^)。
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サイド・ショウ コンサート
2011年6月18日 ミュージカル・舞台恵比寿ガーデンプレイスにて、ブロードウェイミュージカル「サイド・ショウ」コンサート版を観劇してまいりました。
昨年の上演時に書いた日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/201004112353212130/
http://80646.diarynote.jp/201004190119517853/
この後、6月に行われたクリエでのコンサート上演は観られなかったので、ほぼ一年ぶりの「サイド・ショウ」でしたが、とっても良かったです。
で、レポートの前に取り急ぎ宣伝。
「サイド・ショウ」の再演が発表されました!
東京公演 10月1日(土)~10日(祝) シアター1010にて。
大阪公演 10月15日(土) 森の宮ピロティホール
いやーーー、ことだましてみるものですね。
「ヴァレンチノ」といい、「サイド・ショウ」といい、名作の再演は本当に嬉しいです!
キャストは、ヴァイオレット&デイジーのヒルトン姉妹(貴城けい・樹里咲穂)とテリー(下村尊則)、そしてボス(大澄賢也)は初演どおり。いやー、この4人のスケジュールが最優先で時期が決まったのはわかるような気がします。取り換えようのない4人です(^ ^)。
本当に素晴らしい作品なので(痛いけど)、ぜひとも皆さま、今から日程を調整して、10月頭には北千住にGO!!
次回の宣伝は以上にして、コンサートの話に戻ります(^ ^)
。
今回の公演は「コンサート」ということでしたが、実際には、芝居部分を除く「ナンバー」のほとんどと、ヒルトン姉妹の衣装の大半を使っての「抜粋上演」というのが一番近いと思います。
アナウンサーの軽部さんが進行役として何度か登場され、出演者や音楽監督の宮崎さんとトークをしたり、ちょっとしたMCでつないだりはしていましたが、基本的にはほぼ脚本どおりの構成でした。
テリーとバディがかなり着たきりだったのと、アンサンブルは本当に着たきり(冒頭の「Freaks」でさえ、黒い普通の服のままトカゲ男とかを踊っていた)のが、ちょっと変な感じだったくらいかなー ^ ^;)
ヒルトン姉妹とテリーは初演と同じ。この三人は、10月の再演にも出演してくれるんですが、安心して観ていられました。抜粋上演なのにぼろぼろ泣いてる自分って何なの?という気もしましたが(^ ^;
ただ、やっぱり特殊な作品ですし、たった一日の公演でお稽古期間もあまりなかったんだろうなーという印象はありました。カシゲちゃんと樹里ちゃんのシンクロ具合も違ってたし、歌もあれっ?って思ったとところがあったし。
でも、やっぱり良かったです。時間があいても、本質は変わらない。「サイド・ショウ」は、やっぱりヒルトン姉妹の物語だから、この二人にどこまで感情移入できるかで決まるんですよね。
……10月の再演までには体型も体調も整うでしょうから、とってもとっても、楽しみです♪
そうそう。
二幕冒頭のショーシーンで、なんだかカシゲちゃんの仕草が変だよ?バタバタしてるよー!と思っていたんですが、、、ナンバーが終わった後のトークで、「(場面の)途中で腕の位置が違う!と思って直そうとしたんだけど、(樹里さんが)絶対気がついてないと思って……」と言い訳(?)していたのが可愛かった~♪♪
テリーの下村さんは、濃さといい色気といい、素晴らしかったです(はぁと)。「愛のトンネル」の空気感というか、激しい恋に燃え上がりながら、それに身を任せきれない理性の表現が、もうなんともいえず良いんですよね~~~!!胡散臭さと純情、色気とストイック。本当に、いまこの役は下村さんしか考えられない……と思います(^ ^)。
黒人のジェイク(岡幸二郎)は、友石竜也。元四季でTSとかに良く出ている方ですが、なかなか実直で素朴な好青年で、良かったと思います。
幸ちゃんは、どうしたって“ハイソ(?)”なイメージがあって、ジェイクがちょっと違うキャラクターになっていたんですが、、、本来はこういうキャラだよなあ、と思いました。
10月の再演は、先日までジャン・ヴァルジャンを演じていた吉原光夫さんがジェイクにはいるそうです。「レ・ミゼラブル」も、後半に吉原さんのヴァルジャンを観に行こうと思っていたのに、チケット無くて果たせなかったのが残念……。元四季の方ですが、大役で名前をきいたのは「ライオンキング」のスカーかなあ?私が四季をよく見ていたのはもっと前なので良く知らないんですが、友石さん(←元シンバ)も良かったし、やっぱりジェイクは「ライオンキング」系の役者が似合うのかなと思うので、楽しみです。
ミュージシャンのバディ(伊礼彼方)は、吉田朋弘さん。音楽座が母体となったRカンパニーの出身で、経歴を見ると私が観た作品にいくつも出ていらっしゃったようですが……すみません(汗)。こちらは10月の再演にも出演されるようですね。
プログラムの写真とだいぶ印象が違うのでびっくり(@ @)。見た目はワイルドなタイプで、どっちかというと浦井くん系かな?スマートな伊礼くんとは全然違うタイプで、新鮮でした。
今日が「サイドショウ」デビューってことで緊張していたらしく、歌も芝居もいまいちだったのですが、10月1日まであと半年間、死ぬ気でがんばってほしいかも。
ボスは、構成的にメインになる歌が冒頭の「Freaks」だけになっていたので、アンサンブルの田村雄一さんが紅い上着を着て歌っていました。さすがに良い声でしたー(はぁと)。最初、友石さんが二役でやっているのかと思ったら、「キング」として後からちゃんと出てきたので吃驚したけど(^ ^)。
彼は二幕の後半で映画「フリークス」を撮った映画監督トッド・ブラウニング役も演じていましたね。うまいなー、さすが。
全体を通して。
芝居の部分はほとんど飛ばされて、歌いあげるナンバーばかり次々に聴いたせいか、会場の音響がちょっと気になりました。元々が上演用のホールではないせいか、あんまり良くなかったんですよねー(T T)。かしちゃんの声がちょっと不安定に聴こえたり、樹里ちゃんが高音ののびがなかったり。
……もしかして、バディの歌がイマイチだったのも音響のせい?(←前向き)
まあでも、やっぱり作品がいいので、抜粋してもそのエッセンスはしっかり残っていたのが素晴らしかったです。フルバージョンを観るのがとても楽しみです!
.
昨年の上演時に書いた日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/201004112353212130/
http://80646.diarynote.jp/201004190119517853/
この後、6月に行われたクリエでのコンサート上演は観られなかったので、ほぼ一年ぶりの「サイド・ショウ」でしたが、とっても良かったです。
で、レポートの前に取り急ぎ宣伝。
「サイド・ショウ」の再演が発表されました!
東京公演 10月1日(土)~10日(祝) シアター1010にて。
大阪公演 10月15日(土) 森の宮ピロティホール
いやーーー、ことだましてみるものですね。
「ヴァレンチノ」といい、「サイド・ショウ」といい、名作の再演は本当に嬉しいです!
キャストは、ヴァイオレット&デイジーのヒルトン姉妹(貴城けい・樹里咲穂)とテリー(下村尊則)、そしてボス(大澄賢也)は初演どおり。いやー、この4人のスケジュールが最優先で時期が決まったのはわかるような気がします。取り換えようのない4人です(^ ^)。
本当に素晴らしい作品なので(痛いけど)、ぜひとも皆さま、今から日程を調整して、10月頭には北千住にGO!!
次回の宣伝は以上にして、コンサートの話に戻ります(^ ^)
。
今回の公演は「コンサート」ということでしたが、実際には、芝居部分を除く「ナンバー」のほとんどと、ヒルトン姉妹の衣装の大半を使っての「抜粋上演」というのが一番近いと思います。
アナウンサーの軽部さんが進行役として何度か登場され、出演者や音楽監督の宮崎さんとトークをしたり、ちょっとしたMCでつないだりはしていましたが、基本的にはほぼ脚本どおりの構成でした。
テリーとバディがかなり着たきりだったのと、アンサンブルは本当に着たきり(冒頭の「Freaks」でさえ、黒い普通の服のままトカゲ男とかを踊っていた)のが、ちょっと変な感じだったくらいかなー ^ ^;)
ヒルトン姉妹とテリーは初演と同じ。この三人は、10月の再演にも出演してくれるんですが、安心して観ていられました。抜粋上演なのにぼろぼろ泣いてる自分って何なの?という気もしましたが(^ ^;
ただ、やっぱり特殊な作品ですし、たった一日の公演でお稽古期間もあまりなかったんだろうなーという印象はありました。カシゲちゃんと樹里ちゃんのシンクロ具合も違ってたし、歌もあれっ?って思ったとところがあったし。
でも、やっぱり良かったです。時間があいても、本質は変わらない。「サイド・ショウ」は、やっぱりヒルトン姉妹の物語だから、この二人にどこまで感情移入できるかで決まるんですよね。
……10月の再演までには体型も体調も整うでしょうから、とってもとっても、楽しみです♪
そうそう。
二幕冒頭のショーシーンで、なんだかカシゲちゃんの仕草が変だよ?バタバタしてるよー!と思っていたんですが、、、ナンバーが終わった後のトークで、「(場面の)途中で腕の位置が違う!と思って直そうとしたんだけど、(樹里さんが)絶対気がついてないと思って……」と言い訳(?)していたのが可愛かった~♪♪
テリーの下村さんは、濃さといい色気といい、素晴らしかったです(はぁと)。「愛のトンネル」の空気感というか、激しい恋に燃え上がりながら、それに身を任せきれない理性の表現が、もうなんともいえず良いんですよね~~~!!胡散臭さと純情、色気とストイック。本当に、いまこの役は下村さんしか考えられない……と思います(^ ^)。
黒人のジェイク(岡幸二郎)は、友石竜也。元四季でTSとかに良く出ている方ですが、なかなか実直で素朴な好青年で、良かったと思います。
幸ちゃんは、どうしたって“ハイソ(?)”なイメージがあって、ジェイクがちょっと違うキャラクターになっていたんですが、、、本来はこういうキャラだよなあ、と思いました。
10月の再演は、先日までジャン・ヴァルジャンを演じていた吉原光夫さんがジェイクにはいるそうです。「レ・ミゼラブル」も、後半に吉原さんのヴァルジャンを観に行こうと思っていたのに、チケット無くて果たせなかったのが残念……。元四季の方ですが、大役で名前をきいたのは「ライオンキング」のスカーかなあ?私が四季をよく見ていたのはもっと前なので良く知らないんですが、友石さん(←元シンバ)も良かったし、やっぱりジェイクは「ライオンキング」系の役者が似合うのかなと思うので、楽しみです。
ミュージシャンのバディ(伊礼彼方)は、吉田朋弘さん。音楽座が母体となったRカンパニーの出身で、経歴を見ると私が観た作品にいくつも出ていらっしゃったようですが……すみません(汗)。こちらは10月の再演にも出演されるようですね。
プログラムの写真とだいぶ印象が違うのでびっくり(@ @)。見た目はワイルドなタイプで、どっちかというと浦井くん系かな?スマートな伊礼くんとは全然違うタイプで、新鮮でした。
今日が「サイドショウ」デビューってことで緊張していたらしく、歌も芝居もいまいちだったのですが、10月1日まであと半年間、死ぬ気でがんばってほしいかも。
ボスは、構成的にメインになる歌が冒頭の「Freaks」だけになっていたので、アンサンブルの田村雄一さんが紅い上着を着て歌っていました。さすがに良い声でしたー(はぁと)。最初、友石さんが二役でやっているのかと思ったら、「キング」として後からちゃんと出てきたので吃驚したけど(^ ^)。
彼は二幕の後半で映画「フリークス」を撮った映画監督トッド・ブラウニング役も演じていましたね。うまいなー、さすが。
全体を通して。
芝居の部分はほとんど飛ばされて、歌いあげるナンバーばかり次々に聴いたせいか、会場の音響がちょっと気になりました。元々が上演用のホールではないせいか、あんまり良くなかったんですよねー(T T)。かしちゃんの声がちょっと不安定に聴こえたり、樹里ちゃんが高音ののびがなかったり。
……もしかして、バディの歌がイマイチだったのも音響のせい?(←前向き)
まあでも、やっぱり作品がいいので、抜粋してもそのエッセンスはしっかり残っていたのが素晴らしかったです。フルバージョンを観るのがとても楽しみです!
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ディズニーの「美女と野獣」
2011年6月4日 ミュージカル・舞台6月に入って最初の日記を、4日につける。
日々を精一杯生きていれば、そんな時も……と言い訳しつつ、あまり日があくと書きにくくなるので頑張ります。
5月は、あれこれ忙しくてあまり観劇できず、宝塚以外に観たのは四季の2作品(「美女と野獣」「夢から醒めた夢」)と「レ・ミゼラブル」スペシャルキャスト…そのくらいかな?
ディズニー版の「美女と野獣」は、昔から大好きな作品(^_^)。
何度観ても厭きない、とにかく華やかで楽しい!元気になれる!!……そんな、ある意味「タカラヅカ」に求められる感動をふんだんにバラ播いてくれる作品で、さすがはエンターテイメントの帝王・ディズニーのミュージカルだな、とあらためて思いました♪
そして、木村さんが原作から新しく創ったはずの「バラの国の王子」は、このあまりに有名なディズニー版の真似にならないよう、ものすごく気をつけて構成されたものだったんだな、とも。
野獣を正義にしたために物語の比重がベル(人間界)側に偏った木村版に比べて、召使いたちが個性豊かに王子さまを愛するディズニー版は、「ビーアワゲスト」や「人間に戻りたい」など、華やかで壮大なショーナンバーがあるのが良いですよね。
家臣たちを個性のない均一なコーラスメンバーにした木村版は、数多くの生徒を長時間舞台に載せるという「文化祭」的な目的には合致していたけど、エンターテインメントとしての舞台作品には不向きな手法だったのかもね、と(^_^;
役のキャラクターにバリエーションがあって、音楽もそれに合っている。
「楽しい」「コメディ」の基本は、そういうものなんじゃないかな、なんてことを思ったりしました。
では、キャストについて簡単に。
元々、鳥原さん(宝塚OGの七星きら)のベルが目当てで取ったチケットでしたが、残念ながら前週までで交替してしまい、私が観たのは坂本里咲さん。
……私が前回東京でこの作品を観たのは十数年前なのですが、その時にも里咲さんのベルを観てるんですよ私。
相変わらずお美しくて、歌もさすがで、、、でも、さすがにアップで観るのは若干厳しい、というのが正直な感想です(^_^;。
野獣は佐野さん。
佐野さんの野獣は初めてでしたが、さすがの美声とお芝居の可愛らしさにうっとり(はぁと)。
他のみなさんも、一言喋るだけでひっくり返るような人はいなくて、とても良かったです♪
・
日々を精一杯生きていれば、そんな時も……と言い訳しつつ、あまり日があくと書きにくくなるので頑張ります。
5月は、あれこれ忙しくてあまり観劇できず、宝塚以外に観たのは四季の2作品(「美女と野獣」「夢から醒めた夢」)と「レ・ミゼラブル」スペシャルキャスト…そのくらいかな?
ディズニー版の「美女と野獣」は、昔から大好きな作品(^_^)。
何度観ても厭きない、とにかく華やかで楽しい!元気になれる!!……そんな、ある意味「タカラヅカ」に求められる感動をふんだんにバラ播いてくれる作品で、さすがはエンターテイメントの帝王・ディズニーのミュージカルだな、とあらためて思いました♪
そして、木村さんが原作から新しく創ったはずの「バラの国の王子」は、このあまりに有名なディズニー版の真似にならないよう、ものすごく気をつけて構成されたものだったんだな、とも。
野獣を正義にしたために物語の比重がベル(人間界)側に偏った木村版に比べて、召使いたちが個性豊かに王子さまを愛するディズニー版は、「ビーアワゲスト」や「人間に戻りたい」など、華やかで壮大なショーナンバーがあるのが良いですよね。
家臣たちを個性のない均一なコーラスメンバーにした木村版は、数多くの生徒を長時間舞台に載せるという「文化祭」的な目的には合致していたけど、エンターテインメントとしての舞台作品には不向きな手法だったのかもね、と(^_^;
役のキャラクターにバリエーションがあって、音楽もそれに合っている。
「楽しい」「コメディ」の基本は、そういうものなんじゃないかな、なんてことを思ったりしました。
では、キャストについて簡単に。
元々、鳥原さん(宝塚OGの七星きら)のベルが目当てで取ったチケットでしたが、残念ながら前週までで交替してしまい、私が観たのは坂本里咲さん。
……私が前回東京でこの作品を観たのは十数年前なのですが、その時にも里咲さんのベルを観てるんですよ私。
相変わらずお美しくて、歌もさすがで、、、でも、さすがにアップで観るのは若干厳しい、というのが正直な感想です(^_^;。
野獣は佐野さん。
佐野さんの野獣は初めてでしたが、さすがの美声とお芝居の可愛らしさにうっとり(はぁと)。
他のみなさんも、一言喋るだけでひっくり返るような人はいなくて、とても良かったです♪
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ケアードのレ・ミゼラブル【2】
2011年5月24日 ミュージカル・舞台 コメント (2)帝国劇場にて、「レ・ミゼラブル」スペシャルキャストバージョンを観劇してまいりました。
開幕早々からすごい迫力で、おお、すごいな~~~~、さすがスペシャルキャスト!と思っていたら。
カーテンコールでジョン(ジョン・ケアード。この作品の演出家)が登場!
……そりゃー、みんな盛り上がるわけですね(^ ^;
今回は、ケアード版のラストと言われているせいか、他の仕事がらみなのか、何度か来ているみたいですね。以前は数年に一回しか来なくて、ジョンに直接指導してもらったことをずっと大事にしてる、みたいな感じだったのに。
やっぱりジョンがいると空気が違うんでしょうねえ~(^ ^)。今回のシリーズはまだ二回しか観ていないけど、アンサンブルのメンバーとか殆ど同じだったのに、前回とは全然違ったもんなー。
それでは、キャストごとに。
◆バルジャン 今井清隆
◆ジャベール 鹿賀丈史
お祭りですねー。滝田さんが出てくださらない以上、今井さんしかいないんでしょうけれども……うーむ。今井さんだと声がキレイすぎて、鹿賀さんのジャベールとのバランスが悪すぎる(涙)。
そして。私は、鹿賀さんにトラウマが……台詞を喋るたびに身構えてしまうんですよ(T T)。後半は鹿賀さんも声が出ていたので安心して聴いていられましたが、最初の牢獄での「奴をここへ呼べ」でいきなりかましてくださったもんだから、「スターズ」くらいまでずーっと落ち着きませんでした(T T)。
◆エポニーヌ 島田歌穂
◆ファンテーヌ 岩崎宏美
私は初演は観ていませんが、1997年の10周年記念公演では散々聴かせていただいたお二人。本当に過不足なく、素晴らしかったし、あの頃のままでとても懐かしかった。
でも、今のキャストもいいなーと改めて思いました(*^ ^*)。
「On My Own」の後、閉じて行くバリケードの間をすり抜けて走りこむエポニーヌ。
本田美奈子ちゃんがやっていた、帽子をキュッと握ってコートを翻す仕草が、今のエポニーヌの定番になっているみたいなので、歌穂ちゃんが普通に歩いて行くのがかえって新鮮でした。そうそう、歌穂ちゃんはこうやってた……!!
◆マリウス 石川禅
いやー、マリウス声が今でもちゃんと出る禅ちゃんに乾杯!!
オペラグラスを使わなければ、十分「あの頃と全然変わってない」と言ってあげられそうな気がしました。痩せましたよね?この公演のために頑張ったんだろうなあ。プロだなあ……。
禅ちゃんのマリウス、本当に好きだったんですよー。
細かいところまでちゃんと考えられてて、なんていうか、「堅物マリウス」そのもので。
「祈りの雨」で、「エポニーヌ、怪我してる!」って言ってからコートの前を開いて、一瞬息をのんでから「どこも血だらけだ…」とか、、、本当に細かいところなんですけど、そういうところで「魂が入ってる」って思えるんですよ。
あらためて、病院でのコゼットとのデュエットがワンフレーズ短くなってる(ワンコーラス目ですぐにバルジャンが加わってくるので、マリウスが立ち直る芝居をする暇がない)のがとても残念だと思いました。
今のマリウスさんたち観ても別に気にならないんだけど、あの場面の禅ちゃんが本当に好きだったから、すごく安念。
◆アンジョルラス 岡幸二郎
最後にもう一度、岡アンジョルラスという夢を見せてくれてありがとう。……といいつつ、次回も出てくれも驚かないけどさ!
1997年から2000年のシリーズで散々通い詰めた岡アンジョルラス。
あの頃のクールで孤独な貴方はどこへ行ったの、と思うほど、スキンシップの多いアンジョルラスだったような気がします。
しっかし、この人の「闘うものの歌が聴こえるか」の歌いだしとか、「立つのだ仲間よ!世界に自由を!」を聴くたびに「求心力」という言葉の意味を実感します。「死の大天使」と呼ばれた役に、これほどふさわしい人がいるだろうか、、、。
◆コゼット 神田沙也加
可愛かったー♪ 歌もまあまあ及第点、というか、1997年当時だったら絶賛されていたレベルかと。(純名里沙ちゃんはハイCが下がりがちだったし、早見優ちゃんは、芝居は好きだったけど歌は……だったし(^ ^;ゞ
うん、コゼットは可愛くて歌えればそれだけでOKですわ♪♪
◆テナルディエ 斎藤晴彦
◆テナルディエ妻 鳳蘭
鳳さんのマダム・テナルディエ、すごーく観てみたかったのでとても満足です!
齋藤さんのテナルディエともお似合いでしたね。なるほど、ああいう感じだったんだろうなあ。
テナルディエ夫妻は結構組み合わせの相性がありますよね。
森久美子さんなら駒田一さん、夏木マリさんなら山形さんがコンビとして好きでした。
そして、たぶん、鳳さんにはやっぱり齋藤さんがいいんじゃないかと思う(^ ^)。なんていうか、お二人が芝居しているときの空気がとても好きです。
テナルディエ酒場のラスト、バルジャンが置いていった1500フランを一人占めする鳳マダムと、それを追いかけながら「俺にも半分くれよー、半分ー!!」と情けなく訴える齋藤テナルディエに胸キュン(←え?)でした(^ ^;
◆司教 林アキラ
おおー、久しぶりにアキラさんの司教/レーグルが聴ける!と思っていたら、、、アキラさんは司教さまだけで、レーグルは別の人が歌っていたことに吃驚!
禅ちゃんがマリウスやってる公演なんだから、アキラさんみたいな学生が居たっていいじゃないか!!何を贅沢なことをっ!! と思っていたんですが。
……あれは、カーテンコールで司教さまで登場するためだったのかな?(違う?)
平日夜の部は、子役は場面が終わったら帰ってしまうので、アンジョルラスと司教さまが二人で出てくる(普段ならアンジョルラスとガブローシュ)のがとても微笑ましかった(^ ^)。いつかアキラさんを肩車してあげてください >岡さん
◆グランテール 石飛幸治
初見でしたが、吃驚するほど前向きな、そして「普通の大人」なグランテールでした。
……1997年シリーズのグランテールが基準の私にとっては(^ ^)。
アンジョルラスに対する執着がなさすぎて、なのに最後にバリケードを駆け上がる背中に説得力があるのが不思議。ああいう解釈もあるんだなあ、と感心しました。
◆ジョリ 大津裕哉
吃驚するほど小柄で童顔で、そのままガブローシュやっても違和感無さそう…と思ってしまいました(汗)。年齢はおいくつなんだろう。若いのかなあ……?声もちょっと不思議な発声で、目立ってました。
親友のマリウスが禅ちゃんなので、なんというかあのー、という感じもしましたが、芝居自体は良かったと思います。……うん。
前回おや?と思った、バリケード陥落後の片足でのぶら下がりですが、普通にやっていました。ただ、以前よりバリケードの回りだしが早くなったので、片足を外してぶらんとぶら下がる頃には下手からは見えなくなっちゃうんですね。だから前回気がつかなったのか……と納得。
軽いので、小柄な齋藤さんに担がれていても違和感なかったです♪ ああ、だからあの死体はジョリなんだなあ…。
◇レーグル 武井基治
前回と同じ役(前回と同じ方は「◇」を使ってます)でしたが、司教さまナシでレーグルだけ、っていうと、また少し印象が変わりますね。司教さまのソロは素晴らしかったけど、レーグルのソロはあまり印象に残らないなーと思ったのですが、今回は、ついアキラさんの声を期待して、“あ、違った”というのがあり、とても印象に残りました……。
武井さんの声は強くて豊かで、ああ、こういう声もありだねーと思いました。どちらかといえば大須賀さん系?……かなあ?
◆クールフェラック 西川大貴
◇コンブフェール 谷口浩久
◆フイイ 鎌田誠樹
◇バベ 高山光乗
◆ブリジョン 田村雄一
◇プルベール 五葉隼人
◇モンパルナス 尾崎功使
◆クラクスー 石川剛
あまりキャスト表を真剣にチェックしていなかったので、田村雄一さんが出ていることに全然気がつかなかった……あららー。プリュジョンはちょっと予想外だった(汗)。
そう言われてみれば、テナルディエ一味、みんな二枚目だったなあ(←化粧がすごすぎてよくわからんかったが)
石川剛さんはさすがでした。よっ、男前!
フイイの鎌田さんも良い声でした。ああ、「共に呑もう」リプライズを聴いてみ(黙)。
◆買入れ屋 吉川恭子
◇マテロット 曲木佐和子
◇ファクトリーガール さとう未知子
◇ジベロット 中村美貴
◇マダム 谷口ゆうな
◇少年1 北川理恵
◆少年2 高田亜矢子
◇かつら屋 絵理
女性陣は殆ど前回と同じメンバーでした。
印象に残ったのは、少年2の高田さんの澄んだ声かな。ちょっと印象的な声でした。
絵理ちゃんはやっぱり巧いなー、とあらためて感心。仕草の一つ一つがさりげなくリアルなんですよねー。さすがだなあ。ファンティーヌが追い出される工場での一つ一つの動きを追っていくとすごく面白い。コゼット役の女の子(最初はファンティーヌの味方なのに、途中で裏切る)をさりげなく庇う仕草とか、好きだー。
◇ガブローシュ 鈴木知憲
◇リトルコゼット 飛鳥井里桜
◇リトルエポニーヌ 蒲生彩華
女の子二人は前回と同じでした。飛鳥井さんは前回の方が巧かったような。でもどっちも可愛いからいいんです。
ガブローシュは元気な美少年でした。いやー、ホント美少年だった!!くりくり頭がよく似合う(*^ ^*)歌はちょっと不安定でしたが、芝居は元気いっぱいで良かったです。
死体になってからずーっと目をあけていたような気がするんですが、気のせい?盆が回るまでだいぶ時間あるけど、、、、(^ ^;ゞ
そんなところでしょうか。
全体的に、スペシャルキャストを観てみて、あらためて最近(ここ数年)の日本ミュージカル界のレベルアップを実感しました。
外れキャストがいないし、アンサンブルもレベル高いし。
でも、それと面白さは必ずしもイコールではないんだな、と。
マリウスとアンジョルラス、マリウスとエポニーヌ。役者の好き嫌いとは関係なく(多分)、禅ちゃん、幸ちゃん、歌穂ちゃんには、何年も一緒にやってきた仲間意識と連帯感を感じました。ここ数年、トリプル、クアトロキャストが当たり前になって、カンパニーとしての求心力を弱めていた「レミゼ」スタッフおよびキャストにとって、喝になったらいいなあ、と思いますね。
ケアード演出版はこれで最後。
次回はどんな演出になるんでしょうね。…と思いつつ、もう一回くらい今の作品を観ておきたいなーとも思いつつ。まあ、チケットは完売のようなのでどうなるかわかりませんが(^ ^)。
なんかあんまり(というか全然)作品の内容に触れてないけど、こんなんでいいのかな~?
.
開幕早々からすごい迫力で、おお、すごいな~~~~、さすがスペシャルキャスト!と思っていたら。
カーテンコールでジョン(ジョン・ケアード。この作品の演出家)が登場!
……そりゃー、みんな盛り上がるわけですね(^ ^;
今回は、ケアード版のラストと言われているせいか、他の仕事がらみなのか、何度か来ているみたいですね。以前は数年に一回しか来なくて、ジョンに直接指導してもらったことをずっと大事にしてる、みたいな感じだったのに。
やっぱりジョンがいると空気が違うんでしょうねえ~(^ ^)。今回のシリーズはまだ二回しか観ていないけど、アンサンブルのメンバーとか殆ど同じだったのに、前回とは全然違ったもんなー。
それでは、キャストごとに。
◆バルジャン 今井清隆
◆ジャベール 鹿賀丈史
お祭りですねー。滝田さんが出てくださらない以上、今井さんしかいないんでしょうけれども……うーむ。今井さんだと声がキレイすぎて、鹿賀さんのジャベールとのバランスが悪すぎる(涙)。
そして。私は、鹿賀さんにトラウマが……台詞を喋るたびに身構えてしまうんですよ(T T)。後半は鹿賀さんも声が出ていたので安心して聴いていられましたが、最初の牢獄での「奴をここへ呼べ」でいきなりかましてくださったもんだから、「スターズ」くらいまでずーっと落ち着きませんでした(T T)。
◆エポニーヌ 島田歌穂
◆ファンテーヌ 岩崎宏美
私は初演は観ていませんが、1997年の10周年記念公演では散々聴かせていただいたお二人。本当に過不足なく、素晴らしかったし、あの頃のままでとても懐かしかった。
でも、今のキャストもいいなーと改めて思いました(*^ ^*)。
「On My Own」の後、閉じて行くバリケードの間をすり抜けて走りこむエポニーヌ。
本田美奈子ちゃんがやっていた、帽子をキュッと握ってコートを翻す仕草が、今のエポニーヌの定番になっているみたいなので、歌穂ちゃんが普通に歩いて行くのがかえって新鮮でした。そうそう、歌穂ちゃんはこうやってた……!!
◆マリウス 石川禅
いやー、マリウス声が今でもちゃんと出る禅ちゃんに乾杯!!
オペラグラスを使わなければ、十分「あの頃と全然変わってない」と言ってあげられそうな気がしました。痩せましたよね?この公演のために頑張ったんだろうなあ。プロだなあ……。
禅ちゃんのマリウス、本当に好きだったんですよー。
細かいところまでちゃんと考えられてて、なんていうか、「堅物マリウス」そのもので。
「祈りの雨」で、「エポニーヌ、怪我してる!」って言ってからコートの前を開いて、一瞬息をのんでから「どこも血だらけだ…」とか、、、本当に細かいところなんですけど、そういうところで「魂が入ってる」って思えるんですよ。
あらためて、病院でのコゼットとのデュエットがワンフレーズ短くなってる(ワンコーラス目ですぐにバルジャンが加わってくるので、マリウスが立ち直る芝居をする暇がない)のがとても残念だと思いました。
今のマリウスさんたち観ても別に気にならないんだけど、あの場面の禅ちゃんが本当に好きだったから、すごく安念。
◆アンジョルラス 岡幸二郎
最後にもう一度、岡アンジョルラスという夢を見せてくれてありがとう。……といいつつ、次回も出てくれも驚かないけどさ!
1997年から2000年のシリーズで散々通い詰めた岡アンジョルラス。
あの頃のクールで孤独な貴方はどこへ行ったの、と思うほど、スキンシップの多いアンジョルラスだったような気がします。
しっかし、この人の「闘うものの歌が聴こえるか」の歌いだしとか、「立つのだ仲間よ!世界に自由を!」を聴くたびに「求心力」という言葉の意味を実感します。「死の大天使」と呼ばれた役に、これほどふさわしい人がいるだろうか、、、。
◆コゼット 神田沙也加
可愛かったー♪ 歌もまあまあ及第点、というか、1997年当時だったら絶賛されていたレベルかと。(純名里沙ちゃんはハイCが下がりがちだったし、早見優ちゃんは、芝居は好きだったけど歌は……だったし(^ ^;ゞ
うん、コゼットは可愛くて歌えればそれだけでOKですわ♪♪
◆テナルディエ 斎藤晴彦
◆テナルディエ妻 鳳蘭
鳳さんのマダム・テナルディエ、すごーく観てみたかったのでとても満足です!
齋藤さんのテナルディエともお似合いでしたね。なるほど、ああいう感じだったんだろうなあ。
テナルディエ夫妻は結構組み合わせの相性がありますよね。
森久美子さんなら駒田一さん、夏木マリさんなら山形さんがコンビとして好きでした。
そして、たぶん、鳳さんにはやっぱり齋藤さんがいいんじゃないかと思う(^ ^)。なんていうか、お二人が芝居しているときの空気がとても好きです。
テナルディエ酒場のラスト、バルジャンが置いていった1500フランを一人占めする鳳マダムと、それを追いかけながら「俺にも半分くれよー、半分ー!!」と情けなく訴える齋藤テナルディエに胸キュン(←え?)でした(^ ^;
◆司教 林アキラ
おおー、久しぶりにアキラさんの司教/レーグルが聴ける!と思っていたら、、、アキラさんは司教さまだけで、レーグルは別の人が歌っていたことに吃驚!
禅ちゃんがマリウスやってる公演なんだから、アキラさんみたいな学生が居たっていいじゃないか!!何を贅沢なことをっ!! と思っていたんですが。
……あれは、カーテンコールで司教さまで登場するためだったのかな?(違う?)
平日夜の部は、子役は場面が終わったら帰ってしまうので、アンジョルラスと司教さまが二人で出てくる(普段ならアンジョルラスとガブローシュ)のがとても微笑ましかった(^ ^)。いつかアキラさんを肩車してあげてください >岡さん
◆グランテール 石飛幸治
初見でしたが、吃驚するほど前向きな、そして「普通の大人」なグランテールでした。
……1997年シリーズのグランテールが基準の私にとっては(^ ^)。
アンジョルラスに対する執着がなさすぎて、なのに最後にバリケードを駆け上がる背中に説得力があるのが不思議。ああいう解釈もあるんだなあ、と感心しました。
◆ジョリ 大津裕哉
吃驚するほど小柄で童顔で、そのままガブローシュやっても違和感無さそう…と思ってしまいました(汗)。年齢はおいくつなんだろう。若いのかなあ……?声もちょっと不思議な発声で、目立ってました。
親友のマリウスが禅ちゃんなので、なんというかあのー、という感じもしましたが、芝居自体は良かったと思います。……うん。
前回おや?と思った、バリケード陥落後の片足でのぶら下がりですが、普通にやっていました。ただ、以前よりバリケードの回りだしが早くなったので、片足を外してぶらんとぶら下がる頃には下手からは見えなくなっちゃうんですね。だから前回気がつかなったのか……と納得。
軽いので、小柄な齋藤さんに担がれていても違和感なかったです♪ ああ、だからあの死体はジョリなんだなあ…。
◇レーグル 武井基治
前回と同じ役(前回と同じ方は「◇」を使ってます)でしたが、司教さまナシでレーグルだけ、っていうと、また少し印象が変わりますね。司教さまのソロは素晴らしかったけど、レーグルのソロはあまり印象に残らないなーと思ったのですが、今回は、ついアキラさんの声を期待して、“あ、違った”というのがあり、とても印象に残りました……。
武井さんの声は強くて豊かで、ああ、こういう声もありだねーと思いました。どちらかといえば大須賀さん系?……かなあ?
◆クールフェラック 西川大貴
◇コンブフェール 谷口浩久
◆フイイ 鎌田誠樹
◇バベ 高山光乗
◆ブリジョン 田村雄一
◇プルベール 五葉隼人
◇モンパルナス 尾崎功使
◆クラクスー 石川剛
あまりキャスト表を真剣にチェックしていなかったので、田村雄一さんが出ていることに全然気がつかなかった……あららー。プリュジョンはちょっと予想外だった(汗)。
そう言われてみれば、テナルディエ一味、みんな二枚目だったなあ(←化粧がすごすぎてよくわからんかったが)
石川剛さんはさすがでした。よっ、男前!
フイイの鎌田さんも良い声でした。ああ、「共に呑もう」リプライズを聴いてみ(黙)。
◆買入れ屋 吉川恭子
◇マテロット 曲木佐和子
◇ファクトリーガール さとう未知子
◇ジベロット 中村美貴
◇マダム 谷口ゆうな
◇少年1 北川理恵
◆少年2 高田亜矢子
◇かつら屋 絵理
女性陣は殆ど前回と同じメンバーでした。
印象に残ったのは、少年2の高田さんの澄んだ声かな。ちょっと印象的な声でした。
絵理ちゃんはやっぱり巧いなー、とあらためて感心。仕草の一つ一つがさりげなくリアルなんですよねー。さすがだなあ。ファンティーヌが追い出される工場での一つ一つの動きを追っていくとすごく面白い。コゼット役の女の子(最初はファンティーヌの味方なのに、途中で裏切る)をさりげなく庇う仕草とか、好きだー。
◇ガブローシュ 鈴木知憲
◇リトルコゼット 飛鳥井里桜
◇リトルエポニーヌ 蒲生彩華
女の子二人は前回と同じでした。飛鳥井さんは前回の方が巧かったような。でもどっちも可愛いからいいんです。
ガブローシュは元気な美少年でした。いやー、ホント美少年だった!!くりくり頭がよく似合う(*^ ^*)歌はちょっと不安定でしたが、芝居は元気いっぱいで良かったです。
死体になってからずーっと目をあけていたような気がするんですが、気のせい?盆が回るまでだいぶ時間あるけど、、、、(^ ^;ゞ
そんなところでしょうか。
全体的に、スペシャルキャストを観てみて、あらためて最近(ここ数年)の日本ミュージカル界のレベルアップを実感しました。
外れキャストがいないし、アンサンブルもレベル高いし。
でも、それと面白さは必ずしもイコールではないんだな、と。
マリウスとアンジョルラス、マリウスとエポニーヌ。役者の好き嫌いとは関係なく(多分)、禅ちゃん、幸ちゃん、歌穂ちゃんには、何年も一緒にやってきた仲間意識と連帯感を感じました。ここ数年、トリプル、クアトロキャストが当たり前になって、カンパニーとしての求心力を弱めていた「レミゼ」スタッフおよびキャストにとって、喝になったらいいなあ、と思いますね。
ケアード演出版はこれで最後。
次回はどんな演出になるんでしょうね。…と思いつつ、もう一回くらい今の作品を観ておきたいなーとも思いつつ。まあ、チケットは完売のようなのでどうなるかわかりませんが(^ ^)。
なんかあんまり(というか全然)作品の内容に触れてないけど、こんなんでいいのかな~?
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四季劇場「秋」にて、劇団四季オリジナルミュージカル「夢から醒めた夢」を観劇してまいりました。
赤川次郎原作、三木たかし(&宮川彬良)作曲、浅利慶太演出。初演以来、何度かリニューアルされながら再演を繰り返し、劇団四季の誇る名作ミュージカルのひとつ。
この作品は、私にとって、日本のオリジナルミュージカル(除く宝塚)の中で5本の指に入るくらい好きな作品なので、ちょっとあらすじなど紹介してみたりします(^ ^)。
夢の配達人が案内する「夢」の世界。彼は一人の女優に「ピコ」という少女の役割を与え、観客を案内していく。
ちょっとだけ幽霊の世界をのぞいてみたい、なんて好奇心旺盛なピコは夜の遊園地で幽霊の少女マコに出会う。突然の交通事故で命を落としたマコは、嘆き悲しむ母親に一目会ってお別れが言いたい。そのために入れ替わってくれる人を探してさまよっていた。
話を聞いたピコは、マコへの友情と好奇心から彼女の願いを叶え、一日だけ、霊たちの世界を旅する冒険は始まる……。
初演は1987年。このときはファミリーミュージカルだったのが、翌年にはパワーアップして「オリジナルミュージカル」に。
私が初めて見たのはいつかなあ……。1994年くらいだったのかな?そのときのキャストは、ピコ=保坂千寿、マコ=堀内敬子、マコ母=末次美沙緒、メソ=荒川務、デビル=光枝明彦、エンジェル=八巻大、夢の配達人=下村尊則、、、、あとはヤクザの野中さんくらいしか覚えていませんが(キャスト表はどっかにあるはずだが探せない)、とにかく泣いて笑ってまた泣いて、忙しい観劇だったことは鮮明に覚えています。
作品(音楽)がすっかり気に入って、その後も何度か観ていましたが、本格的にハマったのはたぶん2000年のリニューアル後。メソを演じていた道口瑞之さんの声に惚れて、しばらく通い詰めてましたね(^ ^)。
その後、事情があってあまり観劇できなくり、四季の会も自然消滅してすっかり観なくなっていたのですが、たまたま道口さんが夢の配達人を演じている(!)と聞いて、慌ててチケットを取ってみました(^ ^)。
今回の上演は2000年の加藤敬二さんによる新演出版で、開演前のロビーパフォーマンスもそのまま。ついついメソ役の方がやっている操り人形の遣い手に握手をしてもらったりしていたのですが、今回の目当てはそっちじゃなくて配達人だった!と思いだして、開演ギリギリに登場する青いマントの後をついて歩いてみたのですが……あの人は手を出せない(配達人の衣装がばれちゃうから)ので握手は無理なのでした(T T)しょぼん。
この作品の一番の売りは、なんといっても三木たかしの甘いメロディだと思うので、歌唱力のあるメンバーが揃った今回のキャストはまあまあ良かったと思います。
ただ、2000年のリニューアル以来、最初の遊園地の場面や霊界空港でのダンスも売りの一つになっていると思うのですが、そこはちょっと不満が残りました。アクロバティックな振りがちょっと残念な感じ。あと、霊界空港の女性アンサンブルも、もう少しスタイルが揃っていると見栄えがいいのになーと思いました。
でもまあ、全体的には十分満足♪
それでは、キャストごとに一言ずつ。
■夢の配達人 道口瑞之
すみません、猫は道口くんのファンで、あの声を聞いただけで幸せになってしまうので、全く客観的な評価はできません(^ ^;
いやあ~、何年もあの声を聴かずにいたなんて信じられない。おっかけが復活してしまいそうです(^ ^;;;;夢醒めが終わったら何に出るんだろう~~~?
■デビル 川原洋一郎
光枝明彦さんが退団されたときに、たくさんの人が抱いたであろう疑問。
「デビルはこれから誰がやるの?」「っていうか、夢醒めは今後上演できるの?」
いやー、宝塚版「ファントム」のカルロッタも、出雲綾さんが卒業されたときに同じように思ったんですが、案外どうにかなるものなんですねえ。
【すっかり四季から離れていたので知らなかったのですが、道口くんがデビルを演じたこともあるんですね!(@ @)いや~、観たかった~~!!】
川原さんのデビル。全く想像もしていなかったけど、観てみれば「なるほどー」という感じでした。もっと全然違うキャラクターになるのかなと思っていたけど、脚本的にも、その解釈も、ほぼ光枝さんの時と同じでした。
ギャグも同じだったし(^ ^)。
光枝さんは自由奔放にやってましたが、川原さんはまだ探り探りかな?という気もしましたが、ただの先入観なのかも。光枝さんのを観たことがなくて今回初めて観た人だったら、たぶん何の問題もないんじゃないかなあ……。
あ、でも、個人的には鬘は付けた方がいいんじゃないかなーと思いましたが(汗)。
むしろ気になったのは脚本というか、ギャグが古くなっちゃったことですね。
「規制緩和」とかの一連は、当時はホントに爆笑しちゃうくらい鮮烈だったけど、今となっては……という感じだし。
これは演じ手の問題ではなく、時代の問題だと思うんですが。
■ピコ 岡村美南
ちーさん(保坂千寿)と樋口麻美さんのお二人は観たことがあるので、3人目のピコ、ということになる……のかな?あれ、吉沢さんのピコも観たことあるかな?(記憶喪失)
まあそれはともかく。
岡村さん、良かったと思います。ロングランキャストとして過不足ないんじゃなかな。ちーさんのファンなので、ちーさんと比べるといろいろいろいろ言いたくなりますが、そういうのを抜きで考えれば、歌も良かったし芝居も可愛かったし。
エルファバに入ったこともある人だそうですが、納得の実力だったと思います。
ただ、劇団四季の女優としてはものすごい長身な人で、小柄なマコと並ぶと親子みたいでしたけど(汗)、まあ今回は配達人も長身だから問題なかったかな。
あの長身とスタイル、そして顔の感じがちょっと男役っぽいというか、ぶっちゃけ昨年末に卒業した星組の水輝涼さんにすごく良く似ていて、開幕してからしばらくは真顔で「まさか……?」と思ってました(^ ^;
■マコ 苫田亜沙子
苫田さんを観たのは初めてかな…?お名前は見たことがあるような気がしますが。
今まで観たマコの中で、一番『強い』マコでした。幽霊だから「元気」っていうのではないのですが……一番近いのは「頑固」かな(^ ^)。二幕の後半で「悲しみに別れ告げて 私ひとり逝くの」と歌う声の強さに、とても感動しました。
「行かないで」のナンバーで、マコ母ではなくマコの歌に泣かされたのは初めてでした(汗)。
これだけマコが強いと、生半可なピコでは負けてしまうと思うのですが、岡村さんの明るいパワーというかエネルギーも素晴らしかったです。このお二人の組み合わせが良かったのかも。
■マコの母 早水小夜子
ここは不動ですね。歌唱力は相変わらず素晴らしいなあ。芝居も相変わらずだけど(^ ^;。
■メソ 飯村和也
荒川さん、道口くん、有賀くんときて、4人目のメソ……かな?
長身の二枚目で、歌もテノールの良い声でした。若干インパクトには欠けたけど、まあこんなものかなあ。
びっくりしたのは、メソの自殺の原因がイジメになっていたこと(オリジナルでは、受験の失敗を苦にして…だったはず)。
うーん、まあ確かに、2000年当時でさえ、“浪人くらいで自殺なんてするかよ…”と思ってはいましたけど(- -;
■エンジェル 有賀光一
歌も芝居も良かったです。やっぱり有賀くんは根っからの天使なんだなあ(*^ ^*)
「み~んなが幸せになれたらいいなあ~」という決め台詞が、ちょっと流れてしまっていたのが気になりましたが、意外としっかりデビルに突っ込んでいたりして面白かったです。
■ヤクザ 野中万寿夫
光枝さんなき今、唯一のオリジナルキャストですね(^ ^)。
本当に素晴らしい。ピコが霊界空港を離れる場面のヤクザの芝居が、さらに情に脆くて可愛くなっていて、、、泣けましたー!
■暴走族 西尾健治
■部長 田中廣臣
お二人とも手堅く演じていらっしゃったような。田中さんの部長は全然悪くないんですが、今まで結構印象的な人が演じていらっしゃったので(広瀬さんとか)、大変だろうなーと思いました。
■老人 高橋征郎
■老婦人 佐和由梨
高橋さん、ってこの役は何回くらいなさっているんでしょうか。芝居はがちょっとぎこちないような気がしました。あんなものかなあ。
佐和さんはとにかく素晴らしかった!!コンビとしては良かったと思います♪
■子供たち
三人とも良かったんですけど、あれは誰だったんだろうー?
昔はソロのある三人の子供はキャスト表に名前があったと思うのですが、今回は女性アンサンブルのうちの誰がどれなのかわからなくて残念。
三人とも良かったけど、とくにラストの「パレスチナの子供」の声が印象的でした。
出身地は「アジア」「アフリカ」「パレスチナ」で、私が初めて観たころに戻っていたような気がします。たしか、オリジナルは「アジア」「アフリカ」「アラビア」だったはず(それぞれの間奏がそれっぽい音楽になっている)。
公演のたびに、「カンボジア」になったり「アフガニスタン」になったり「ボスニア・ヘルツェゴビナ」になったりしていましたが、けっこう音楽のイメージが鮮明なので、現実の紛争地帯に拘る必要はないと思っていたんですよねー。
あ、歌詞は「パレスチナの子供」の死因がテロになっていたのが前と違ってました。他にもこまごま違っていたような気がするけどわからない(涙)。
そんなところでしょうか。
久しぶりに観て、ああ、やっぱり良い作品だなーと嬉しくなりました♪
しばらくご無沙汰していた劇団四季ですが、またちょっと復活するかも(^ ^)。
その中でも、道口くんのご活躍をお祈りしています♪ もうルミエール(美女と野獣)は演じていらっしゃらないのかしら?(^ ^)あと、ついにスカーもやったんですね!(私が観ていたころは、キャスティングはされたけど演じたことはなかった……涙)他の役でもいいから、あの声をたくさん聴きたいー!
.
赤川次郎原作、三木たかし(&宮川彬良)作曲、浅利慶太演出。初演以来、何度かリニューアルされながら再演を繰り返し、劇団四季の誇る名作ミュージカルのひとつ。
この作品は、私にとって、日本のオリジナルミュージカル(除く宝塚)の中で5本の指に入るくらい好きな作品なので、ちょっとあらすじなど紹介してみたりします(^ ^)。
夢の配達人が案内する「夢」の世界。彼は一人の女優に「ピコ」という少女の役割を与え、観客を案内していく。
ちょっとだけ幽霊の世界をのぞいてみたい、なんて好奇心旺盛なピコは夜の遊園地で幽霊の少女マコに出会う。突然の交通事故で命を落としたマコは、嘆き悲しむ母親に一目会ってお別れが言いたい。そのために入れ替わってくれる人を探してさまよっていた。
話を聞いたピコは、マコへの友情と好奇心から彼女の願いを叶え、一日だけ、霊たちの世界を旅する冒険は始まる……。
初演は1987年。このときはファミリーミュージカルだったのが、翌年にはパワーアップして「オリジナルミュージカル」に。
私が初めて見たのはいつかなあ……。1994年くらいだったのかな?そのときのキャストは、ピコ=保坂千寿、マコ=堀内敬子、マコ母=末次美沙緒、メソ=荒川務、デビル=光枝明彦、エンジェル=八巻大、夢の配達人=下村尊則、、、、あとはヤクザの野中さんくらいしか覚えていませんが(キャスト表はどっかにあるはずだが探せない)、とにかく泣いて笑ってまた泣いて、忙しい観劇だったことは鮮明に覚えています。
作品(音楽)がすっかり気に入って、その後も何度か観ていましたが、本格的にハマったのはたぶん2000年のリニューアル後。メソを演じていた道口瑞之さんの声に惚れて、しばらく通い詰めてましたね(^ ^)。
その後、事情があってあまり観劇できなくり、四季の会も自然消滅してすっかり観なくなっていたのですが、たまたま道口さんが夢の配達人を演じている(!)と聞いて、慌ててチケットを取ってみました(^ ^)。
今回の上演は2000年の加藤敬二さんによる新演出版で、開演前のロビーパフォーマンスもそのまま。ついついメソ役の方がやっている操り人形の遣い手に握手をしてもらったりしていたのですが、今回の目当てはそっちじゃなくて配達人だった!と思いだして、開演ギリギリに登場する青いマントの後をついて歩いてみたのですが……あの人は手を出せない(配達人の衣装がばれちゃうから)ので握手は無理なのでした(T T)しょぼん。
この作品の一番の売りは、なんといっても三木たかしの甘いメロディだと思うので、歌唱力のあるメンバーが揃った今回のキャストはまあまあ良かったと思います。
ただ、2000年のリニューアル以来、最初の遊園地の場面や霊界空港でのダンスも売りの一つになっていると思うのですが、そこはちょっと不満が残りました。アクロバティックな振りがちょっと残念な感じ。あと、霊界空港の女性アンサンブルも、もう少しスタイルが揃っていると見栄えがいいのになーと思いました。
でもまあ、全体的には十分満足♪
それでは、キャストごとに一言ずつ。
■夢の配達人 道口瑞之
すみません、猫は道口くんのファンで、あの声を聞いただけで幸せになってしまうので、全く客観的な評価はできません(^ ^;
いやあ~、何年もあの声を聴かずにいたなんて信じられない。おっかけが復活してしまいそうです(^ ^;;;;夢醒めが終わったら何に出るんだろう~~~?
■デビル 川原洋一郎
光枝明彦さんが退団されたときに、たくさんの人が抱いたであろう疑問。
「デビルはこれから誰がやるの?」「っていうか、夢醒めは今後上演できるの?」
いやー、宝塚版「ファントム」のカルロッタも、出雲綾さんが卒業されたときに同じように思ったんですが、案外どうにかなるものなんですねえ。
【すっかり四季から離れていたので知らなかったのですが、道口くんがデビルを演じたこともあるんですね!(@ @)いや~、観たかった~~!!】
川原さんのデビル。全く想像もしていなかったけど、観てみれば「なるほどー」という感じでした。もっと全然違うキャラクターになるのかなと思っていたけど、脚本的にも、その解釈も、ほぼ光枝さんの時と同じでした。
ギャグも同じだったし(^ ^)。
光枝さんは自由奔放にやってましたが、川原さんはまだ探り探りかな?という気もしましたが、ただの先入観なのかも。光枝さんのを観たことがなくて今回初めて観た人だったら、たぶん何の問題もないんじゃないかなあ……。
あ、でも、個人的には鬘は付けた方がいいんじゃないかなーと思いましたが(汗)。
むしろ気になったのは脚本というか、ギャグが古くなっちゃったことですね。
「規制緩和」とかの一連は、当時はホントに爆笑しちゃうくらい鮮烈だったけど、今となっては……という感じだし。
これは演じ手の問題ではなく、時代の問題だと思うんですが。
■ピコ 岡村美南
ちーさん(保坂千寿)と樋口麻美さんのお二人は観たことがあるので、3人目のピコ、ということになる……のかな?あれ、吉沢さんのピコも観たことあるかな?(記憶喪失)
まあそれはともかく。
岡村さん、良かったと思います。ロングランキャストとして過不足ないんじゃなかな。ちーさんのファンなので、ちーさんと比べるといろいろいろいろ言いたくなりますが、そういうのを抜きで考えれば、歌も良かったし芝居も可愛かったし。
エルファバに入ったこともある人だそうですが、納得の実力だったと思います。
ただ、劇団四季の女優としてはものすごい長身な人で、小柄なマコと並ぶと親子みたいでしたけど(汗)、まあ今回は配達人も長身だから問題なかったかな。
あの長身とスタイル、そして顔の感じがちょっと男役っぽいというか、ぶっちゃけ昨年末に卒業した星組の水輝涼さんにすごく良く似ていて、開幕してからしばらくは真顔で「まさか……?」と思ってました(^ ^;
■マコ 苫田亜沙子
苫田さんを観たのは初めてかな…?お名前は見たことがあるような気がしますが。
今まで観たマコの中で、一番『強い』マコでした。幽霊だから「元気」っていうのではないのですが……一番近いのは「頑固」かな(^ ^)。二幕の後半で「悲しみに別れ告げて 私ひとり逝くの」と歌う声の強さに、とても感動しました。
「行かないで」のナンバーで、マコ母ではなくマコの歌に泣かされたのは初めてでした(汗)。
これだけマコが強いと、生半可なピコでは負けてしまうと思うのですが、岡村さんの明るいパワーというかエネルギーも素晴らしかったです。このお二人の組み合わせが良かったのかも。
■マコの母 早水小夜子
ここは不動ですね。歌唱力は相変わらず素晴らしいなあ。芝居も相変わらずだけど(^ ^;。
■メソ 飯村和也
荒川さん、道口くん、有賀くんときて、4人目のメソ……かな?
長身の二枚目で、歌もテノールの良い声でした。若干インパクトには欠けたけど、まあこんなものかなあ。
びっくりしたのは、メソの自殺の原因がイジメになっていたこと(オリジナルでは、受験の失敗を苦にして…だったはず)。
うーん、まあ確かに、2000年当時でさえ、“浪人くらいで自殺なんてするかよ…”と思ってはいましたけど(- -;
■エンジェル 有賀光一
歌も芝居も良かったです。やっぱり有賀くんは根っからの天使なんだなあ(*^ ^*)
「み~んなが幸せになれたらいいなあ~」という決め台詞が、ちょっと流れてしまっていたのが気になりましたが、意外としっかりデビルに突っ込んでいたりして面白かったです。
■ヤクザ 野中万寿夫
光枝さんなき今、唯一のオリジナルキャストですね(^ ^)。
本当に素晴らしい。ピコが霊界空港を離れる場面のヤクザの芝居が、さらに情に脆くて可愛くなっていて、、、泣けましたー!
■暴走族 西尾健治
■部長 田中廣臣
お二人とも手堅く演じていらっしゃったような。田中さんの部長は全然悪くないんですが、今まで結構印象的な人が演じていらっしゃったので(広瀬さんとか)、大変だろうなーと思いました。
■老人 高橋征郎
■老婦人 佐和由梨
高橋さん、ってこの役は何回くらいなさっているんでしょうか。芝居はがちょっとぎこちないような気がしました。あんなものかなあ。
佐和さんはとにかく素晴らしかった!!コンビとしては良かったと思います♪
■子供たち
三人とも良かったんですけど、あれは誰だったんだろうー?
昔はソロのある三人の子供はキャスト表に名前があったと思うのですが、今回は女性アンサンブルのうちの誰がどれなのかわからなくて残念。
三人とも良かったけど、とくにラストの「パレスチナの子供」の声が印象的でした。
出身地は「アジア」「アフリカ」「パレスチナ」で、私が初めて観たころに戻っていたような気がします。たしか、オリジナルは「アジア」「アフリカ」「アラビア」だったはず(それぞれの間奏がそれっぽい音楽になっている)。
公演のたびに、「カンボジア」になったり「アフガニスタン」になったり「ボスニア・ヘルツェゴビナ」になったりしていましたが、けっこう音楽のイメージが鮮明なので、現実の紛争地帯に拘る必要はないと思っていたんですよねー。
あ、歌詞は「パレスチナの子供」の死因がテロになっていたのが前と違ってました。他にもこまごま違っていたような気がするけどわからない(涙)。
そんなところでしょうか。
久しぶりに観て、ああ、やっぱり良い作品だなーと嬉しくなりました♪
しばらくご無沙汰していた劇団四季ですが、またちょっと復活するかも(^ ^)。
その中でも、道口くんのご活躍をお祈りしています♪ もうルミエール(美女と野獣)は演じていらっしゃらないのかしら?(^ ^)あと、ついにスカーもやったんですね!(私が観ていたころは、キャスティングはされたけど演じたことはなかった……涙)他の役でもいいから、あの声をたくさん聴きたいー!
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モーツァルト!【2】
2010年12月29日 ミュージカル・舞台毎年、年末は宝塚公演が一段落した後で、いろんな公演を観まくることが多いのですが……、今年はちょっとした事情があって友人の家のベビーシッターを引きうけることになり、年末が飛ぶことになったのでした……(T T)。
1月は宙組公演中なので、アンナ・カレーニナだけは年末に観ておこうとか思ってたのになあ……。
いや、それどころか!正月には友人が泊りにくるというのに、大掃除もできないよー。ごめんよ、友よ(←すでに諦めているらしい)(いいのかそれで)
と、いうわけで。日記に書くようなことも無いので、12月に観て、まだ日記に書いていない作品について、簡単に書かせていただきます。
・モーツァルト
・SAMURAI7
・GODSPELL
……だけ、かな?(他にもあったりして?)
と、いうわけでまずは「モーツァルト!」の二回目観劇について。
かろうじて、井上芳雄ヴォルフの「モーツァルト!」を観劇することができました。
千秋楽直前でチケットはとっくに無く、キャストを選んでいる場合ではなかったので、ヴァルトシュテッテン男爵夫人は前回と同じ涼風真世さん。せっかく二回観るなら香寿さんのも観たかったなーと残念にも思いつつ、やっぱり涼風さんの男爵夫人は素晴らしい!と、大満足でした♪
で。
前回観劇したときにいろいろ書かせていただいたので、今回は井上くんのヴォルフガングについて。
えっと。
私は、井上くんのヴォルフガングを観たのは、8年ぶりになります。
別に避けていたわけではなく、単純に中川(晃教)くんのヴォルフが好きだったのでそちらを優先していたのと、前回公演は予定が合わなくて一回も観なかったせい、なのですが。
いやー、良かったです(^ ^)!
本当に良くなっていた!と思う。
初演でしか観ていなくて、あまり良い印象を持っていなかった私のような方が他にもいらっしゃるようでしたら、ぜひ次回公演あたりで井上くんのヴォルフも観ていただきたいなと思いました。
初演時はかなり音域的に無理があった高音部もだいぶ磨かれて、ギリギリでしたけどちゃんと歌いきれてました。
本当は、もう1,2度上まで出ると余裕を持って歌えると思うのですが、感情が高ぶる部分なので、その不安定さが逆に芝居を援けていたような気もしましたし。
ただ。
面白いな、と思ったのは、やっぱり山崎(育三郎)くんのヴォルフは、系統でいえば中川くん系統なんだな、と思ったことでしょうか。
中川くん⇒山崎くんのヴォルフは、なんというか「天才肌」で、才能(=アマデ)に振りまわされたエキセントリックな青年だったのですが。
井上くんのヴォルフはもっと普通の存在で、愛し、愛される普通の青年、なんですよね。いろんな意味で。
初演時も同じことを思い、だからこそ中川くんのヴォルフが好きだったのですが。
井上くんの「好青年」なヴォルフも、いろんなことがここまで完璧に磨かれれば十分に魅力的なんだな、と納得したのでした。
それが8年という月日であり、彼の成長だったのだと思いますが。
解釈として一番違うな、と思ったのは、一幕の「僕こそミュージック」でした。
「愛されない僕」の寂しさを前面に出して、「愛してほしい」と全身で訴える山崎(≒中川)ヴォルフと、
「僕は愛されるのが当然」と確信した上で、「どうして愛せないの?」と父親を責める……責めるが言い過ぎなら、『不思議に思う』というところでしょうか。そんなふうに見えた、井上ヴォルフ。
もちろん、どちらが正解というものでもなく、役者本人のキャラクターと解釈の相乗効果なんですけど、ヴォルフガングという役の解釈にはこの二種類が成立するんだなあ、と思ったのでした。
ちょっと話はそれるのですが。
生で聴いたわけではありませんが、以前CSで流れていた「花組マグノリア・コンサート」での真瀬はるかさんの「僕こそミュージック」は、どちらかといえば中川くん系統だったと思います。(役づくりは吃驚するほど子供でしたが)
まあ、そういうイベントもので単独で歌われる場合は、役づくりと言ってもその一曲分だけですからだいぶ違うとは思いますが(^ ^)。
まあ、どちらにしても彼が真実に望んだものは手に入らず、アマデを道連れにこの世に別れを告げることになるのですが。
ただ、天上の音楽だけをこの世に遺して。
(「音楽の他に、彼が遺したものは借金だけよ」byスタンツィ)
井上芳雄、という役者は、「エリザベート」のルドルフ役で、まさに“彗星のように”デビューした時からとても好きでした。「モーツァルト」のヴォルフガングはあまりピンときませんでしたが、その後も(順不同ですが)「ファンタスティックス」のマット、「ミス・サイゴン」のクリス、「ME AND MY GIRL」のビル、、、どれも大好きで。
そして、昨年の「ウェディング・シンガー」で、またひと山越えたな、と思ったところでした。(祝再演!)
デビューがルドルフだったせいか、デビュー後しばらくは弾けた役が不得手だというイメージがあった井上くんでしたが、私は「ファンタスティック」で、実はこの人、弾けた役の方が魅力的なんじゃないか?と思い、そういう役が来ればいいのになーと思っていたくらいでした。
でも、彼に本当に似合う「弾け方」は、ヴォルフガングみたいな『エキセントリックな』人物ではなく、「ウェディングシンガー」のような、しっかりと地に足のついた優しさのある愛されキャラなんだろうな、と、あらためて思ったことも事実です。
それでも、そんな彼にしかできない「愛されキャラ」なヴォルフガングはとても魅力的でしたし、その特異な解釈での舞台をきっちりと支える技術面の確かさと華やかさは、彼ならではのものだと思いました。
そして、もう一人。
前回観劇したときから、「可愛いなあ~~~、うーん誰かに似てる!」と思っていた、スタンツィの島袋寛子さん。
たぶん私だけだと思いますが(^ ^;ゞ、ちょっと斜めになったときの口もとや頬の感じが、星組の稀鳥まりやちゃんに似てるような気がしました。
……サイズがだいぶ違いますけど(汗)。
そっか、だから無条件に可愛い!と思ったんだなー、私(納得)。
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1月は宙組公演中なので、アンナ・カレーニナだけは年末に観ておこうとか思ってたのになあ……。
いや、それどころか!正月には友人が泊りにくるというのに、大掃除もできないよー。ごめんよ、友よ(←すでに諦めているらしい)(いいのかそれで)
と、いうわけで。日記に書くようなことも無いので、12月に観て、まだ日記に書いていない作品について、簡単に書かせていただきます。
・モーツァルト
・SAMURAI7
・GODSPELL
……だけ、かな?(他にもあったりして?)
と、いうわけでまずは「モーツァルト!」の二回目観劇について。
かろうじて、井上芳雄ヴォルフの「モーツァルト!」を観劇することができました。
千秋楽直前でチケットはとっくに無く、キャストを選んでいる場合ではなかったので、ヴァルトシュテッテン男爵夫人は前回と同じ涼風真世さん。せっかく二回観るなら香寿さんのも観たかったなーと残念にも思いつつ、やっぱり涼風さんの男爵夫人は素晴らしい!と、大満足でした♪
で。
前回観劇したときにいろいろ書かせていただいたので、今回は井上くんのヴォルフガングについて。
えっと。
私は、井上くんのヴォルフガングを観たのは、8年ぶりになります。
別に避けていたわけではなく、単純に中川(晃教)くんのヴォルフが好きだったのでそちらを優先していたのと、前回公演は予定が合わなくて一回も観なかったせい、なのですが。
いやー、良かったです(^ ^)!
本当に良くなっていた!と思う。
初演でしか観ていなくて、あまり良い印象を持っていなかった私のような方が他にもいらっしゃるようでしたら、ぜひ次回公演あたりで井上くんのヴォルフも観ていただきたいなと思いました。
初演時はかなり音域的に無理があった高音部もだいぶ磨かれて、ギリギリでしたけどちゃんと歌いきれてました。
本当は、もう1,2度上まで出ると余裕を持って歌えると思うのですが、感情が高ぶる部分なので、その不安定さが逆に芝居を援けていたような気もしましたし。
ただ。
面白いな、と思ったのは、やっぱり山崎(育三郎)くんのヴォルフは、系統でいえば中川くん系統なんだな、と思ったことでしょうか。
中川くん⇒山崎くんのヴォルフは、なんというか「天才肌」で、才能(=アマデ)に振りまわされたエキセントリックな青年だったのですが。
井上くんのヴォルフはもっと普通の存在で、愛し、愛される普通の青年、なんですよね。いろんな意味で。
初演時も同じことを思い、だからこそ中川くんのヴォルフが好きだったのですが。
井上くんの「好青年」なヴォルフも、いろんなことがここまで完璧に磨かれれば十分に魅力的なんだな、と納得したのでした。
それが8年という月日であり、彼の成長だったのだと思いますが。
解釈として一番違うな、と思ったのは、一幕の「僕こそミュージック」でした。
「愛されない僕」の寂しさを前面に出して、「愛してほしい」と全身で訴える山崎(≒中川)ヴォルフと、
「僕は愛されるのが当然」と確信した上で、「どうして愛せないの?」と父親を責める……責めるが言い過ぎなら、『不思議に思う』というところでしょうか。そんなふうに見えた、井上ヴォルフ。
もちろん、どちらが正解というものでもなく、役者本人のキャラクターと解釈の相乗効果なんですけど、ヴォルフガングという役の解釈にはこの二種類が成立するんだなあ、と思ったのでした。
ちょっと話はそれるのですが。
生で聴いたわけではありませんが、以前CSで流れていた「花組マグノリア・コンサート」での真瀬はるかさんの「僕こそミュージック」は、どちらかといえば中川くん系統だったと思います。(役づくりは吃驚するほど子供でしたが)
まあ、そういうイベントもので単独で歌われる場合は、役づくりと言ってもその一曲分だけですからだいぶ違うとは思いますが(^ ^)。
まあ、どちらにしても彼が真実に望んだものは手に入らず、アマデを道連れにこの世に別れを告げることになるのですが。
ただ、天上の音楽だけをこの世に遺して。
(「音楽の他に、彼が遺したものは借金だけよ」byスタンツィ)
井上芳雄、という役者は、「エリザベート」のルドルフ役で、まさに“彗星のように”デビューした時からとても好きでした。「モーツァルト」のヴォルフガングはあまりピンときませんでしたが、その後も(順不同ですが)「ファンタスティックス」のマット、「ミス・サイゴン」のクリス、「ME AND MY GIRL」のビル、、、どれも大好きで。
そして、昨年の「ウェディング・シンガー」で、またひと山越えたな、と思ったところでした。(祝再演!)
デビューがルドルフだったせいか、デビュー後しばらくは弾けた役が不得手だというイメージがあった井上くんでしたが、私は「ファンタスティック」で、実はこの人、弾けた役の方が魅力的なんじゃないか?と思い、そういう役が来ればいいのになーと思っていたくらいでした。
でも、彼に本当に似合う「弾け方」は、ヴォルフガングみたいな『エキセントリックな』人物ではなく、「ウェディングシンガー」のような、しっかりと地に足のついた優しさのある愛されキャラなんだろうな、と、あらためて思ったことも事実です。
それでも、そんな彼にしかできない「愛されキャラ」なヴォルフガングはとても魅力的でしたし、その特異な解釈での舞台をきっちりと支える技術面の確かさと華やかさは、彼ならではのものだと思いました。
そして、もう一人。
前回観劇したときから、「可愛いなあ~~~、うーん誰かに似てる!」と思っていた、スタンツィの島袋寛子さん。
たぶん私だけだと思いますが(^ ^;ゞ、ちょっと斜めになったときの口もとや頬の感じが、星組の稀鳥まりやちゃんに似てるような気がしました。
……サイズがだいぶ違いますけど(汗)。
そっか、だから無条件に可愛い!と思ったんだなー、私(納得)。
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