中日劇場にて、星組公演「愛するには短すぎる/ル・ポワゾン」を観劇いたしました(^ ^)。


私は結構マメな宝塚ファンなので、毎年2月には一回くらい(?)中日に来ていると思うんですが……
初めての雪、でした。東京もちらほら降ってはいましたが、名古屋駅降りたら雪が積もってて、びっくり(@ @)新幹線遅れなくてよかったぁーーーーっ(感涙)

そんな雪も公演が終了した14時過ぎにはすっかり止んでいて、「2月も半ばだというのに、雪よ!」だけでなく、「おい、雪が止んだぜぇ!」でも遊ぶことができました(^ ^)。……回りは星組ファンばかりなので、たぶん誰も判らなかっただろうけど(^ ^)。
#「誰がために鐘は鳴る」東宝千秋楽の時は、みなさんノリが良かったのになー。




というわけ(←何が)で。
貴重なチケットを握りしめて、雪を払いながら中日の二階席に座ったわけですが。

楽しかったああああ!!



お芝居は「愛するには短すぎる」。

小林公平原案、正塚晴彦脚本・演出。
言わずと知れた湖月わたるさんのサヨナラ作品ですが、私、この作品かなり好きだったんですよねー♪
贔屓組でもなんんでもなかったので一回しか観てないと思うのですが、良い作品だなあ……と心に刻んだ公演でした。
わたるさんのおおらかで不器用な優しさと、となみちゃんの危っかしい包容力がうまく噛み合っていて、そこに加わるトウコさんのあざとさが、スパイシーで。
一つの旅が終わり、三人ともがそれぞれに違う途を歩きだす、というテーマもうまく現実にリンクしていて、巧い構成だなー!と感心したことを覚えています。最近失敗作続きの正塚さんですが、これは好きだった(^ ^)(この後の「マリポーサの花」も名作だと思ってるけど。そこまでかな)



今回の再演は、メインキャストがわたるさん⇒礼音くん、となみちゃん⇒ねねちゃん、トウコさん⇒テルくんというメンバー。
こういうことを言うと怒られるかもしれませんが、「ザ・星組」なわたるさん⇒礼音くん、月組芝居の色を濃く残すとなみちゃん⇒ねねちゃん、雪組色を脱しつつあったトウコさん⇒テルくん、という気がしました。
一人ひとりはそんなに「似てる」気はしないんですが、バックグラウンドが似ているせいか、組み合わせてみたら案外色合いは似てるんだね、という印象。組み合わせの妙、というか。


そんな中で、今回の再演のポイントは「若さ」なんだな、と思いました。
現実世界における実年齢とか、研いくつという学年とかとは関係のない、個性としての若さというべきもの。礼音くんとテルくんの、それは共通点なのかもしれません……あくまでも個性として、存在としての「若さ」あるいは「青さ」ですから。必ずしも技術的な未熟さとイコールでもないと思います。
いやあの、お二人に技術的な未熟さがないと言ってるわけでもないんですが(アセアセ)。



そう思ったのは何故か、というと。
「若さ」っていうのは、つまり「未来がある」ってことなので、ストレートにラストが納得できたんですよね。
分かれ道を歩きだす三人の前にあるのは、まったき「未来」なのだ、と。
萩尾望都の「11人いる!」のラストシーンのように。

この作品、初演はわたるさんのサヨナラ公演。つまり、本来は「旅の終わり」の話でした。未来は世界(=宝塚)の外にあったわけです。
旅を綺麗に終わらせることが重要で、その後の道は、とにかく歩いてみなくちゃわからないわよ、的な。

でも、今回は、正しい(自分が選んだ)途をもう一度歩きだすために、すべての想いに決着をつける。……そういう話だったのか、と思ったのでした。


そのへんの印象の違いは、「若さ」もそうなんですけど、テルくんのアンソニーがすごく優しかったのもポイントかもしれません。
トウコさんのアンソニーは、もっとフレッドとバーバラの間に入ろうとしていたイメージがあったのですが、テルくんは口ではいろいろ言いますけど、全然そんな気が感じられない(^ ^)。バーバラに興味がないわけではないと思うんですよ。でも、フレッドの邪魔はしない。フレッドが踏み出せない一歩(小切手)はとっとと蹴り飛ばすけど、それ以外のことは手も口もはさまない。
テルくんは、こういうシレッとしたツンデレをやらせたら天下一品なんじゃないかと思う。基本スタンスが傍観者なんだと思うんですよ。傍観者的な優しさ、当事者じゃないからこそ見える世界、そんな感じ。第三者の目線で、面白そうなところだけ突いてる。でも、優しいから結局は巻き込まれて、事件解決に一肌脱いじゃったりするんですけど(^ ^)。

初演が、わたるさんの「やさしさ」とトウコさんの「突っ込み」そしてとなみちゃんの「一途さ」だとしたら。
再演は、ちえちゃんの「若さ」とテルくんの「優しさ」、そして、ねねちゃんの「頑固」……かな。

とにかく!ねねちゃんの青臭い頑なさは、これまた一つの個性だな、と思いました。
いやはや、本当に可愛い。そして、口先だけの台詞と心の中のギャップをちゃんと表現する芝居は、さすが正塚作品のヒロインを歴任しているだけあるなあ、と感心。「マジシャンの憂鬱」「ブエノスアイレスの風に」そしてこの「愛するには短すぎる」。宛書きのヒロインこそ無いけど、今の在団者の中ではぴか一のキャリアなのではないでしょうか。


この作品は近年の大劇場作品には珍しいほどトリオが濃密に絡むので、この三人が嵌っているだけでも十分に見ごたえがありました(はぁと)。




他のメンバーも、それぞれに良かったです♪

初演と同じ役なのは、正塚さんのインスピレーションの女神(?)未沙のえるさんと、組長・副組長……だけ、かな?
あとは全部入れ替わっていたような。
すずみん(涼紫央)のお金持ちぼんぼんがどいちゃん(鶴美舞夕)、礼音くんが演じたフランクをともみん(夢乃聖夏)。
どいちゃんは……あれ?すずみんの出番ってこんなものだっけ?と思いました。ワンシーンくらい削られているのかなあ。
見せ場である船室のドアの前でのドリーとのやり取りが、なんか情けなさを増してとっても可愛かったです♪
ともみんは、他のことはともかくとして、ねねちゃんとのダンスシーンが格好良かった!!芝居は頑張ってたなーという感じでしたが、歌が良くなってたのに吃驚しました(@ @)。バウ効果ですよね、きっと。「愛と青春の旅立ち」では気がつかなかったけど……ソロ歌ってましたっけ?なんか手に汗握る気満々だったんですが、全然問題なかったです(^ ^)。

あとは、しいちゃん(立樹遥)の演じていた船長が十碧れいやさん、和涼華さんのデイヴが麻央侑希さん、という若手に回っていたのが印象的でした。若手といえば、ウメちゃん(陽月華)が演じていたナンシーとドリーも、まとめて早乙女わかばちゃんがやっていたなあ。
十碧さんは、スタイル抜群で制服がものすごーく良く似合っていました♪笑顔が明るくて魅力的で、良い子だなあ、と。ただ、可愛すぎちゃって「船長」という貫録が皆無だったのと、声が不安定で、芝居はまだまだ……と思ってしまいました。
まあ、初演のしいちゃんも巧い人ではないので、比べてどうこうというのは無いのですが(汗)。

デイブは……いやー、あの役って、初演もすっごく思ったんですけど、本来はめちゃめちゃ美味しい、良い役だと思うんですよ(涙)男役の懐の大きさと切なさ、クレバーな優しさ。上演当時、この作品をもし月組でやるとしたら、祐飛さんにやってほしい役はデイヴだなーと思った記憶があります。祐飛さんのデイヴと城咲あいちゃんのドリー!って。
そのくらい良い役なのに、どーして正塚さんは、初演に続きこういうキャスティングをするんでしょうねぇ……(すみません/溜息)。

早乙女わかばちゃんは、可も無く不可もなく……という感じ。ウメちゃんは二役ともすごく印象的だったのですが、やっぱり場面が減ってるのでしょうか。スタイルが良くて、衣装がよく似合ってたなー。肩幅がないと着こなせない衣装なので、わかばちゃんで良かったな、と。あ、でも、もう少し腰に詰め物をした方がバランスがいいかもしれません。ウメちゃんくらいスレンダーだと、それはそれでOKという気がしましたが、胸に詰めるなら(←自前でも)腰にも詰めましょう!(^ ^)



ちーくん(美稀千種)と毬乃ゆいさんのカラマンディス夫妻は、なんか記憶よりもあっさりだったようなー(←多分気のせい)
キャサリン(組長の愛人)は、初演は誰がやってたっけ。……今回は花愛さんでしたが、水商売らしさが良く出てて、良かったと思います。礼音くんにしなだれかかるあたりの色気の無さが面白かった(^ ^)。

ダンサーチームはみんな良かった!結構さりげなく難しい振りをしてますよね(^ ^)。(妃咲)せあらちゃんとキトリちゃん(稀鳥まりや)の並びがめちゃめちゃ可愛くて、きゃいきゃいとガールズトークしている姿が目に浮かびました(^ ^)。
みっきぃさん(天寿光希)は下手が多かったかな?ダンスもキビキビ踊ってたけど、合間合間の小芝居が好きだ。星組は娘役さんがあんまり判らなくて残念。
マイケル(大輝真琴)は、みっきぃさんと対な感じの立ち位置が多かったような。二人とも金髪なので、一瞬どっちだ!?とまごつくことが何度かありました(^ ^)。体型がだいぶ違うので、落ち着いて観ればわかるはずなんだけど。あ、でも、最近みっきぃさんは本当に痩せたので、昔ほどの差ではないのかも……?まー、お二人とも水兵服が似合いすぎでクラクラしたわよっ!!



それにしても、小林公平氏の「原案」ってのは、どこまで書きこまれたものだったんでしょうね。
コインブラ物語」のお見事な失敗ぶりを見ると、「大西洋を渡る船で再会し、恋に落ちる幼馴染二人。船が目的地に着いて、それぞれの歩むべき道を歩き出す」程度の、ごくごくシンプルなプロットのみだったんじゃないか、と思ったりするんですが。
メインのストーリーは、ありきたりの「旅先の恋」なんですよねー。それをいかにさりげなく、そして嫌味のない説得力をもって気持ちを動かしていくか?難しいのはそこだと思うんですよ。それを、、非常にさりげない日常的な台詞の積み重ねで最後の夜まで盛り上げて行った正塚さんの手腕は大したものだと思います(*^ ^*)。

でも、いくらなんでもそれだけでは1時間半も持たないので、軽い事件を起こす必要がある。さて、どんな事件を……?そのあたりは全部正塚さんに丸投げだったのか、それとも公平氏の中にある程度の構想があったのか、そのへんはどうなんでしょうねえ……。





初見の感想は、そんなところでしょうか。

ショーは「ル・ポワゾン」。
こちらも、さすが名作の誉れ高いショー♪ 主題歌は聞いたことがあっても、観るのは初めてでしたが、とてもよかった……と思います。
が。ちょっと個人的に非常にショッキングなことがありまして、頭の中が真っ白になってしまったので、今日のところはパスさせていただきます。
すみません。

どうぞ明日は、なにごともなく幕があがりますように……。
この願いが叶うなら、むこう一年ことだましません(誓)。

だから、一年分のことだま、ってことで、

……どうぞ、かみさま(祈)



星組東京宝塚劇場公演「愛と青春の旅だち」。



先日、先に新公の感想を書いたのですが、本公演ももちろん面白かったです♪
石田さん、がんばったなあ。…というか、石田さんはここのところ、地味にヒット続きじゃないか…?



私は原作映画を観ていないのですが、徴兵をやめたアメリカの軍隊プロパガンダ映画という印象がなんとなくあったようで(なぜだろう/汗)、あまり良い印象ではなかったんですよね。
でも、この舞台を観て、これは舞台が士官学校であるだけで、ごく普通の青春映画だったんだな、と思いました。

もちろん、この物語は舞台が士官学校であるからこそ成立する物語なんですが。
「士官たるものー」という慣用句をそのままタイトルにした原題は、想像以上に内容にぴったりでかっこいいな、と思いました。まあ、日本ではあまり馴染みのない言葉なので、そのまま邦題にはできなかったのもわかるんですが……それでも「愛と青春の旅だち」なんぞという陳腐なタイトルにしなくても良いのにねえ、なーんて思ってみたり。。


でも。
実際に観てみたら、あまりにも真っ直ぐな青春物語、典型的な「若者の成長物語」すぎて、思わず照れてしまいました。
思いのほか、タイトルも違和感無かったし。それは、この映画がそれだけ純粋な青春映画だからなんだろうな、と思いました。

いやー、若くてエネルギッシュな礼音くんが演じても尚こっ恥ずかしい、この「青臭い」パワーときたら!
なんとなく、実際に青春真っただ中にいる人は、「愛と青春のなんとか」なんて言葉、絶対に使わないんだろうな、と思いましたね。
そんな時代は遠い昔に過ぎ去ってしまった人が青春時代の真っただ中にいる人を見て、はじめて「愛と青春の○○」なんて言葉を思いつくの。
逆に言うと、彼らにとって、青春真っ只中の人がやることはすべて「愛と青春の○○」になるんだと思うんですよ。
何をしても、涙が出るほど懐かしいのよきっと。


そして、このタイトルがより似合うのは、本公演よりも新人公演だったな、と。
石田さんの脚本・演出も、演者たちの意識も、この物語をいかにして「青春映画」に仕上げるか、に集中していた感がありました。より若く、よりまっすぐに、よりエネルギッシュに、13週間という時間を駆け抜けることがすべて。
寄る辺もないまま、に。




映画を観ていないのであまり確信的なことは言えないのですが、ほぼ映画に忠実に展開しているっぽいストーリーの中で、一番の相違点はフォーリー軍曹のキャラクターだ、……という認識は、間違っているのでしょうか?

舞台を観てすごく思ったのは、この物語には大人が出てこないんだなー、ということでした。
大人といえるのは、校長先生(磯野千尋)くらいですよね?あとはポーラの母親(万里柚美)とシドの両親、くらいかな。
「物語」にきちんと絡む人はいないんですよね。
ザックの父親(英真なおき)は「責任能力のない若造」のまま生きてきた人だし、フォーリー軍曹(凰稀かなめ)はザックと精神的にはいくつも変わらないし。

とにかく、本来は大人であるはずのフォーリーがあまりにも若いのは、石田さんがあえて変更した点なんですよね?確かにフォーリーは準主役格の役なんでしょうけれども、よりによってテルくんにフォーリーをやらせる必要なんて無かったはずなのに。
テルくんのフォーリーも頑張っていたし、決して悪くはなかったんですけど、目の前に確実に当たり役になったであろうシド役が転がっているだけに、、、なんか残念な気がしてなりませんでした。
当たり前にテルくんにシドをやらせて、フォーリーは専科さんをお願いして……本来は、こういう役のために轟さんがいるんじゃないのか? あるいは、星原さんの卒業を飾るに絶好の役だったのでは?、、、とか(←星原さんのパブロに不満なわけではありませんので、誤解なきよう)


でも、石田さんはあえてフォーリーをテルくんに振りました。
ってことは、石田さんはフォーリーを「二番手」に置きたかったんですよね?
ザックと相対し、彼を成長させる、そういう存在を、「二番手」に置く。結構な冒険だったな、と思います。

たしかにフォーリーは良い役です。でも、キャラを選ぶよね云々の話の前に、物語の中で「準主役格」の役ではあっても、本来的には宝塚における「二番手」役ではないと思うんですよ。
それは、そもそも「宝塚」において、「二番手」はトップスターより格下なのが当たり前だから、です。

たとえば、真飛さんトップ前半の花組だったら、祐飛さんという上級生が二番手にいましたから、二番手の方が格上になるこういう作品も似合ったでしょうし、
今の雪組だったら、未涼亜希というトップ同期がいますから、キムちゃんのザック+まっつのフォーリー+チギちゃんのシド、、、男役は結構嵌るんですよね。
どちらも宝塚においては「異例」な体勢をとっている(た)ところですが、フォーリーみたいな役を二番手格で使おうとすると、こういう組の方が体制的には合うことになる。

テルくんが悪い、という話ではなくて、もったいなかったよね、という話なんですけどね。
実際、テルくんのフォーリー、私は決して嫌いじゃないんです。
最後、私闘の後で脚を引きずりながら肩を落として奥のドアに向かう後ろ姿とか、自然と拍手をしてしまうだけのナニカがあったと思うし、
ザックが投げた帽子を拾い上げてぱたぱたしてから、すっと差し出すまでの動きとか、「メイヨー少尉殿」「わたくしの上官であります」という柔らかな声とか、すごく好きだし。
ただ、テルくんが演じると、最後の最後で、ザックとフォーリーの間に友情が芽生えてしまうんですよね(^ ^;ゞ
ザック(士官)とフォーリー(下士官)の間にはかなり越えられない溝があるのに、良いのかなー?と思ってしまいました。
なぜか、芹香さんのザックと真風くんのフォーリーだと、あまり対等な感じがしなくて、普通に流して観られたんだけどなー。



話は若干違いますが。

この作品は、小林氏が「ぜひ上演を」と願ってものが実現した、という話がありますが。
それってもしかして……教育問題、なんでしょうか?

この士官学校で使われている戦略(?)は、一般的な教育手法としては良いことではなさそうですが、希望者に対して専門的な技術などを伝授するような団体ではよく聞く話のような気がします。
[1]一定期間外部との接触を断った閉鎖空間に押し込み、自分一人では立ち向かえないような強大で理不尽な「仮想敵」を設置することによって、同期全体の「仲間」意識を醸成し、協力し合ってことに当たることのメリットと、協力の仕方を学ぶ。
[2]全員で協力しあい、ボトムアップして全員が目標を達成することを目指しつつ、必要とされるレベルに達しない者は容赦なく切り捨てる。
って感じですよね。
たとえば、宝塚音楽学校なんて、この「仮想敵」が先生ではなく上級生(本科生)であるくらいで、ほぼ発想は同じ。

……音楽学校の体質についていろいろ言われているこの時代に、この作品の上演を希望されたということは、そういった教育思想の原点みたいなものを求めていたのかもね、と思ったりもしました。
そういうのも想像すると、面白いです。




それでは、キャスト順に一言ずつ。

■ザック(柚希礼音)
格好良かったです(はぁと)。もう少し焦燥感というか、「何者でもない自分」に対する苛立ちみたいなものを見せると良いのではないかと思いますが、そういう作品でもないのかなあ。

■ポーラ(夢咲ねね)
真っ直ぐで率直で意志が強くて、頑是ない少女みたいなところが凄く似合っていたと思います。あと一歩、「包容力」みたいなものが表に出てくるといいと思うんだけどなあ。

■フォーリー軍曹(凰稀かなめ)
上でいろいろ書いてしまいましたが、基本的にテルくんはお気に入りですし、すごく本人が頑張っていたのはわかるので、軍曹も嫌いじゃないんです。
でもまあ、100%ではなかったし、この役をテルくんが演じる意味って?みたいな想いがあったりしました(T T)。ええ。ご本人は楽しそうでしたけどね!

■リネット(白華れみ)
すごく良かったです!本当に、星組に来てからのれみちゃんのお芝居は、神駕かっているような。
「濃い化粧」のバランスも、褪せたブロンドをかきあげる仕草も、歩き方一つとってもそのときのリネットの計算が見えて、すごーく良かった!バウもがんばってくださいね♪

■ペリマン(涼紫央)
愛妻家の士官候補生。なかなか美味しい役どころで、ザックの「友情」面を一手に引き受けていた感がありました。
複雑な感情の行き違いをサラッと魅せる、こういうさりげなさを持っている人だったんだなあ、と感心しきりです。

■デラセラ(夢乃聖夏)
いやはや。これは当たり役でしょう!障害物競争の場面とか、長すぎる脚を持て余したかのようんな内股で、かつめっちゃ真面目(そう)に必死で走っている姿なんて、爆笑させていただきました(^ ^)。

■シド(紅ゆずる)
二回(+新公)観て、やっぱりシドは難役だなあ、、、と、しみじみと思いました。
ベニーのシドは、すごくベニーらしいシドだったし、みっきぃさんのシドは、すごくみっきぃさんらしいシドでした。どちらもそれぞれに魅力があって、イイなと思う場面があった、と思います。

■スーザン(妃咲せあら)
「激情」のミカエラは観られなかったのですが、あれよりもう少し“怖い”役ですよね(^ ^;
すごく可愛くて、自分の言っていることに何の疑問もない様子なのがかなり怖い、素敵なスーザンでした。

■少年ザック(稀鳥まりや)
キトリちゃんの子役芝居は、すでにベテランの域ですね。普通に歩く姿でさえ、ちゃんと「少年」に見えます。しかも超可愛い。あんな可愛い美少年を安酒場においといていいのか?と誰かに問いかけたいくらい、めっちゃ可愛いです。
そして、中盤のパーティーの場面、ねねちゃん・れみちゃんと舞台センターの段上で踊るキトリちゃんは、そのままお持ち帰りしてガラスケースに大事にしまっておきたいくらい(←褒めてるのか?)かわいかったです!!

■シーガー(音波みのり)
いやー、紅一点と言われるのに当たり前の納得感。可愛いし元気だし色白いし、大好きです!!

■カウボーイ(水輝涼)
石田さんのジェンヌへの愛が炸裂した場面でしたね。もっと歌が聴けたら幸せなんだけどなあ……(諦)

■ザックの父(英真なおき)
いつもながら達者な人だなあ、と思いました。最初と最後、どちらも印象的な存在ですが、やはり最後にザックに向かって敬礼する場面が好きです。

■ポーラの母(万里柚美)
柚美姐さんみたいなゴージャス美人が、ああいう零落した「もと美女」を演じると、非常に説得力がありますね……。
そういう意味でも、拍手したいくらいぴったり配役でした(^ ^)。


■シドの両親(にしき愛、毬乃ゆい)
スーザン同様、自分の言動に全くなんの疑問も持っていないところが怖い、「大人」の理屈で動いているお二人でした。
にしきさんの卒業がしみじみと寂しいです。組の重鎮として、まだまだ必要とされていたと思うんですが……千秋楽まで、悔いのないようにがんばってください。


そんなところでしょうか。
公演としては、「麗しのサブリナ」に引き続いての映画ネタでしたが、なかなかに面白かったです。
石田さん、来年もご活躍をお祈りしています!



今日、どうやら停電があったらしい……。

家に帰ってテレビをつけたら、なんと、スカイステージの録画予約が飛んでいました(涙)。

うえぇぇん。CSニュースの星組新公映像(愛と青春の旅立ち)が録れなかったよーーーーっ
放送はこれ一回だけなのね……しょんぼり。




今日は、「愛と青春の旅立ち」の本公演の感想を書こうと思っていたのですが。

……凹んだので、もう寝ます……。


東京宝塚劇場にて、星組公演「花の踊り絵巻/愛と青春の旅立ち」を観劇してまいりました。



日本物の少し短めのショーが先にあって、少し長めのお芝居+フィナーレ。
21世紀以降、この形式の上演は、、、東宝劇場こけら落としの「いますみれ花咲く/愛のソナタ」、月組「花の宝塚風土記/シニョール・ドンファン」、星組の「さくら/シークレット・ハンター」、雪組「風の錦絵/ゾロ~仮面のメサイア」、そして今回の星組……くらいのような気がします。
あ。月組の「MAHOROBA/マジシャンの憂鬱」も入れるべき?MAHOROBAはあまり「日本物のショー」という感じがしないんですが(^ ^)。

まあ、平均すると二年に一回くらいやっている和物のショー。花組さんが三本立てでやった「飛翔無限」とかも入れればもっと多いわけですが(^ ^)、私は結構好きなんですよね。
なんだかんだ言っても、チョンパは華やかで楽しい!!

「花の宝塚風土記」は、汐風幸ちゃんが好きだったので通ったし泣いたし、「風の錦絵」の川中島も美しくて大好きでした。
今回の星組さんでは、「波の詩(おけさ幻想)」が好きかなあ。あそこはもう一回観たいと思いました(^ ^)。

いやぁ、「もう一回観たい!」といえばチョンパですね!
今回は二階席のセンターだったので、めっちゃ気持ちよーくあの華やかさを堪能させていただきました♪♪

星組さんって、結構日本物をこなしているイメージなんですが、お化粧はイマイチな人が多かったような。上級生はさすがに皆さん綺麗なんですが、下級生は若干ムラがある気がしました。「長崎しぐれ坂」のときは、みんな綺麗だなーと思ったんですけどね。(←古い話ですみません)


日本舞踊には全く詳しくないので、巧いとか下手とかはよくわからないのですが(だからこそ楽しめるのかも?)、どいちゃん(鶴美舞夕)の殺陣の足さばきは綺麗だなーと思いました。
稽古場レポートで話していた「刀をキャッチする場面」はちゃんとチェックしましたよ♪ わざわざ話すくらいだからもっとタメがあるのかと思ったら予想外に慌ただしい場面で、ちょっと焦りましたけど(^ ^;


松本理事は、菊慈童の場面で出番は終了かと思ったら、おけさ幻想の後にせり上がってきたのでちょっと驚いてしまいました(^ ^;。
ただ、今まで観た松本さんの場面の中では、この「月と尾花」の娘が一番好きかもしれません。涼さんとの並びもきれいで、お似合いでした。すずみん、和物化粧がすごい綺麗だなあ~!!



「驟雨」の場面は結構長くて、ストーリーも複雑で、ショーの中でもメインの場面という感じがするのですが、、、ここを礼音くんとベニー(紅ゆずる)で構成するとは、酒井さん、思い切ったな、という感じでした。
ベニーは元々が細面の美形だし、目もとも切れ長なので、和物化粧が圧倒的に似合うはずだと思うのですが……もしかして、ほんのちょっとですが太ったのかなあ?眼の回りがもう少しすっきりしなくて、残念な感じでした。
白塗りすると、あのシャープな感じが見えなくなってしまうものなのかなあ……。鼻たても、そんなにくっきり白くしなくていいと思うんだけどな。もともと高くて形の綺麗な鼻なんだから。ぶつぶつ。

忍者たちが動きも面白くて良かったんですが、残念ながら、白塗りに頭巾を被られてしまっては、ほとんど見分けがつきませんでした……。唯一、ライトが当たっていたみやるり(美弥るりか)の零れ落ちそうに大きな瞳は判ったけど、あとは全然。みっきぃさんが居たのかどうかさえわからない(涙)。

「驟雨」の最後の影ソロは、あれはもしかして水輝涼さんですよね?ああ、良かった、最後にちゃんと歌が聴けて。
柔らかくて伸びのある、癒し系の声がとても好きです。迫力を出さなくてはいけない歌はあまり得意ではなかったようですが、ああいう歌は本当に良いわ。安定感のある、良い声ですよね。卒業されても、歌い続けてくれたら嬉しいです。



ねねちゃんの和物化粧は、綺麗になったなあ。……もしかして、ねねちゃんって日本もの初めて??……いや、とりあえず「大阪侍」がありましたね。他には?去年の舞踊会も若干微妙だなと思ったんですが……でも、今回は綺麗でした。もう少し華やかに描いてもいいかな、と思いましたが、すっきり上品な感じ。
そして、れみちゃん(白華れみ)の姫化粧がすごく綺麗で、びっくりしました。当たり前のように姫に見える(*^ ^*)。ねねちゃんもとっても可愛いけど、なんとなく町娘っぽい感じがするんですよね。れみちゃんは、衣装は普通でも不思議と姫とか花魁とか、そっち系統に見えるの。
和物化粧が映える顔だということでしょうか。



テルくんは、さすが雪組出身、、、というほど回りとの差は無かったような気がしますが(すみません)、普通に綺麗だったし、身のこなしも綺麗だったなあ。いや、元が綺麗な人は良いですねえ。
骨格的に非常に女性らしいラインの人なので、腰回りの線がくっきりと出てしまう薄い着物は色っぽくなってしまいがちだったんですが、今回は後ろ姿もすっきり着れていたと思います。いなせで格好良かった!痩せたのかな。それとも、着こなしにコツがあるのでしょうか。
そして、見た目よりも、歌が安定したことに感心しました。ティボルト効果でしょうか?呼吸が安定して、深くなりましたね(^ ^)。その調子でがんばれ!



おけさ幻想はすごく良かった。
2階席だったので後ろの方までよく見えて、水輝くんとかみっきぃさんとか、やっと捕捉できました(^ ^;ゞ
白塗りされると本当にわかんないよー。体型補正もいつもと違うし(泣)。



オープニングとラストの華やかさは、さすが宝塚!!という感動がありますね。
松本さんがねねちゃんの対で踊っているのに若干目を瞠りましたが、オペラグラスさえ使わなければ、普通の人は気がつかないかも(苦笑)。
おけさ幻想での柚美姐さん(万里柚美)も、れみちゃんの対にいるのを観て思わず2度見しちゃったけど、さすがの美貌と存在感で、違和感は無かったです(^ ^)。美しいってのは強いなあ…。



酒井さんの和物ショーは良いなあ、と、あらためて思った1時間でした。

再来年くらいにはまたどこかの組で和物ショーをやりそうですが、……ここのところやっていない組といえば、宙組ですね。さて、どうなるか(^ ^)。



東京宝塚劇場にて、星組新人公演「愛と青春の旅だち」を観劇してまいりました。



本公演を一回しか観ていないので、細かい比較はまったくできないのですが、若いパワーに溢れた、とても良い新人公演でした。

新公演出は生田大和。私はとにかく生田さんの演出が好きなので、とても嬉しかったです。今までの生田さん演出の新公は、わりと実力派を中心に据えた盤石の布陣が多い印象でしたが、今回は93期の芹香斗亜ちゃんが主演。ヒロインも学年こそ91期ですが初ヒロインの音波みのりちゃん。
新鮮な二人でしたが、とても良かったと思います♪


ザックの芹香さんは、スカフェアリーズでニコニコ笑っている姿からは想像もできないほど、登場シーンからぐっと観客を惹きつける魅力がありました。乱れた長髪と斜に構えた表情がワイルドでダークな雰囲気を醸しだして、色っぽかったです。
アナポリスに入隊して髪を短くしてからも、ちゃんと『一癖ある笑い方』ができる人なんだな、と思いました。フォーリー軍曹に「仲間を見捨てて逃げてしまうような奴」と評されるザック像にちゃんと説得力があって、それが、1時間半の間にきちんと成長していったのが、とても良かったと思います。
真っ直ぐで、真摯で、そして、頭の良い人ですね。舞台の上でもすごくクレバーだし、挨拶もまとまっていて良かったと思います。

ただ、まあ。正直、技術的な面はまだまでしたね……。まだ下級生なので、これから頑張ってくれれば十分なのですが(^ ^)。
台詞術や声は学年のわりに完成度が高く、とても良かったと思います。ただ、歌はかなり不安定だったなー。それと、もしかしてダンスは不得意なのでしょうか…?ああ、いや、ダンスそのものはそんなに無いので判らないのですが、訓練の時や喧嘩の場面などで、ちょっと身のこなしが重たい感じがするのが気になりました。役が役なので、それはサラッとこなしてほしいところです。
まあ、でも、そのあたりは今後の精進に期待しつつ、とりあえず今は、逸材が出てきたな、という印象でした(^ ^)。


ポーラの音波みのりちゃんは、もう、とにかく吃驚するほど可愛くて綺麗だった!!(@ @)可愛い子だなあとは思っていたけど、あんなに美人だとは!!
白羽ゆりちゃんをちょっとすっきりさせたような、実に魅力的な美貌でした(*^ ^*)。

優しい声も、包容力のあるお芝居も、ポーラという役にすごく合っていたし、歌も、ほんの半年前(「リラの壁の囚人たち」)が嘘のように巧くなっていました。さすが、役替りとはいえバウでヒロインを演じると違うものなのでしょうか(^ ^)。
いやー、本当に可愛い。「メイちゃん」役もとても楽しみ!!


フォーリー軍曹の真風涼帆さんは、太くて深みのある声がこの役に合っていたんじゃないかと思います。良い声ですよねー(*^ ^*)。
声が軽くて細いテルくんが苦戦している役ですが、声が腹の底から出ているだけで随分やりやすくなるんだな、と思いました。特に、テルくんの苦手な「イ段の長音(D.O.Rの『ディー』とか)」が普通に発声できていたのは大きかったような。
声の出し方以外はほぼテルくんに準じた役づくりでしたが、生田さんの助けもあってか、なかなか良い芝居をしていたと思います♪


シドのみっきぃさん(天寿光希)は、、、すみません、なんだかもう、滅茶苦茶良かったです(T T)ラストシーン、泣きました。
真面目な優等生で、兄の身代わりであることに疑問を持たずに生きてきた、愚かな青年。

みっきぃさんのシドは、本当に莫迦なんだな、と思いました。父親も母親も、それからスーザン(稀鳥まりや)も、ちゃんとシド本人を愛しているのに。なのに、兄の身代わりであることを辞めたら、自分はもう愛してもらえないと思い込んでいるんですから。
お兄さんが生きている間は、空気のように透明な存在として生きていたんでしょうね、きっと。オクラホマのデパートで、お客さまの相手をしながら。それが、兄の死を境に、何もかもが変る。兄の身代わりとして両親の眼にとまったことが嬉しくて、フィアンセもアナポリスも、その報酬として受け容れる。

両親の、そしてスーザンの愛を得るために、「シド」であることを自ら捨ててしまった彼は、リネット(早乙女わかば)の愛を得て、もう一度「シド」を生きようと決意する。
リネットの真意など、何も知らずに。

ラストの引っ込み前、下手花道での芝居。
「喪失」と「絶望」の二色で描き出された未来。
その前の、浮き浮きと銀橋をわたる場面が(歌もふくめて)素晴らしかっただけに余計に彼の喪失が痛々しくて、とても切なかったです。


スーザンの稀鳥まりやちゃんも良かったなあ。キトリちゃんって、どちらかというと元気で前向きな少女っぽい役が多かったので、こういう大人びた役は難しいかと思っていたのですが、どうしてどうして、なかなかの役者っぷりでした。
おっとりと穏やかに、そして「当たり前」にシドを追い詰める「女」の怖さが、とても良かったと思います。


リネットの早乙女わかばちゃん。ちょっと下級生の頃の城咲あいちゃんを思い出させるような雰囲気があって、良かったと思います。
役的には、もう少し芳醇な色気と毒があっても良かったかな、と思いますけどね。どちらかというとクレバーな雰囲気のある人なので、リネットみたいな役は本来は向いてないんじゃないかなあ?……まあ、本役のれみちゃんもリネットタイプではないんですけどね(^ ^;ゞ
今の星組でリネットが似合いそうな人……うーん、誰だろう。っていうか、リネットって本当に難役だなあ……。



他にも書きたい人はたくさんいらっしゃいますが……
デラセラのれんた(如月蓮)が素晴らしかった!!!とか。
校長先生のひろ香祐さんも、すごい下級生なのに、落ち着いてたし髭も似合っていたし、貫録もあって、とても良かった、とか(^ ^)。


なにはともあれ。
新人公演、お疲れさまでした!!明日からもがんばってくださいね♪


二日連続でCSの話題ですみません。


今更なのかな?紅ゆずるさんのBrilliant Dreamsをやっと視たのですが、、、爆笑しました。テレビに向かって突っ込みまくる寂しい人でしたわ、私。

いやーーーー、いろいろこまごまと面白かったんですが、とりあえず、みやるり(美弥るりか)の艶のある低音で
「俺のまんじゅう食った奴だれだ」
と言われた瞬間に倒れました。みやるり好きだーーーーっ!!


と書いても、ご覧になってない方はわかりませんよね(^ ^;ゞ。

新撰組の扮装をして、ぎゃあぎゃあ騒ぎながら京都太秦撮影所をうろうろする紅5(レッド=紅、ブルー=壱城、ブラック=美弥、イエロー=如月、グリーン=天寿)。そこに襲い掛かっってきた(?)浪人たち。
浪人たちは撮影所の俳優さんたちだったんですが、そのままベニーに殺陣の指導をして、一場面撮影することに。

道を歩いてくる沖田総司。
遮るように、バラバラと現れる三人の浪人たち。
「あなたがた、何人いらっしゃるんですか?」
「見てわからんか。三人じゃ」
「……お話になりませんね」
クールに云うベニーがなかなか格好良いです。殺陣も悪くなかった♪うん♪



で。

ベニーが俳優さんたちと一緒に撮影をしている間、こそこそと相談していた残りの4人。一通りネタを練って、さあ、4人で撮影を!
テーマは「仲間割れ」だそうですが……さて?


道を歩いてくる沖田総司。
遮るように、バラバラと現れる三人の隊員たち。

彼らをねめつけて、沖田(美弥)が問う。

「俺のまんじゅう食った奴、誰だ!?」

……倒れましたよ、本当に。

で。4人で立ち回りをするんですが。

れんた(如月蓮)「食ってないのに…」
みっきぃ(天寿光希)「食べてないのに!」
なんか、この二人の微妙な台詞の差がツボだった(^ ^)

そして、たーーーっぷりとタメを取って、
「……旨かった……」
そう呟いて幸せそうに死んでいったしーらん(壱城あずさ)が!(^ ^;;;

これで落ちかと思いきや、最後の最後に
「先に食っときゃ良かった……」
と呟いたみやるりは、そういえばしーらんと同期だったな、と思ったり。


大爆笑しているベニーの隣で、この光景を一緒に眺めていた俳優さんたちは、結構落ち着いて見守ってくれてました。ポーカーフェイスも訓練のうち?



いやー。トークもベニーのボケっぷりとしーらんとベニーのやり取りが面白くて、ホント笑いが止まりませんでした。可愛いなあ、5人とも。


みっきぃさんは、最下のせいかちょっと大人しかったような気が。まあ、あんまりこういう場で盛り上げ役に入るタイプじゃないんでしょうね。……それにしても痩せたなあ(@ @)。がっしり体型だから痩せてもあんまり変らないだろうと思っていたけど、どうしてどうして、シャープになったもんです。カッコいいかも(*^ ^*)。来週はもう新人公演かー、楽しみ、楽しみ!



星組博多座公演「ロミオとジュリエット」。


シェイクスピア作品の中でも短い方に分類される「ロミオとジュリエット」ですが、それでも公演によって省略されるエピソードはいろいろあります。
博多座のミュージカル版では「ロミオの恋」のエピソードが削られていました。ジュリエットと出会う前のロミオには、激しい片思いの対象であるロザラインという女性がいた、というエピソードが。
彼はずっと「ロザライン、ロザライン」と片恋の熱に浮かされて、家族にも仲間にも心配をかけており、キャピュレット家のパーティーに潜り込むのも「憧れのロザラインが出席する」と聞いたから、だったりするんですよね。なのに、そこで出会ったジュリエットといきなり恋に落ちる、という展開には結構無理があるんですよ。

今までに私が観たことがある舞台の中で、そのあたりを脚本どおりに進めていて面白い演出だなあと思ったのは、このエピソードによって「若者の恋の危うさ、不安定さ」を前面に出していたものでした。
「大人」とは違う時間が流れている「若者」にとっての「恋」=「刹那の激情」である、とでも言えばいいのでしょうか。

ロミオの側からすれば、「ジュリエットに向かうこの気持ちを恋と呼ぶなら、今までの恋は恋ではなかった」ってなところだったのに、幼くて純粋なジュリエットにとっては、疑いようもなく、生涯を懸ける価値のある「初めての恋」だった……その温度差が、すなわち「運命の恋」の無慈悲さであり、「大人の事情」の冷酷さでもあるのだな、と。


でも、ミュージカル版では余計なものを削って「純粋で一途な、輝くような運命の恋」が描かれます。
ロミオは、元々の戯曲におけるジュリエットと同じ立ち位置で、「恋に恋し」ており、「たった一人の、一生を捧げられる人」を探している。

そしてさらに、主人公の二人だけが純粋な恋をしていて、他の人々は違う、という設定もある。
マキューシオとティボルトは、タイプは違うようですがどちらも女たらし。
キャピュレット夫人と乳母は、口をそろえて「夫を愛する必要なんてない」と言い切り、キャピュレット卿は女中や他の女に手を出しまくる。
ロミオとジュリエットにとっては、「真実の愛」に身をささげているのはこの街で自分たちだけ……そんなふうに見えていた、はず。

内面的なことをいえば、ティボルトの真実の愛はジュリエットに捧げられているわけですが、その事実は誰も知らない。また、ベンヴォーリオの真実の愛は、もしかしたらロミオに捧げられているかもしれない(←おいこら)けれども、それはベンヴォーリオ自身にさえ自覚されることはない。
彼らは「真実の愛」に身を捧げた「若き恋人たち」にとっては別の生き物なんですよね。決して理解されることはない、理解しあえるとは思えない存在。

だからこそ、ロミオはたった一人の理解者であったジュリエットを喪ったと知って絶望し、死を希う。
自分が「恋」を捧げるのはただひとりだ、という想いがあるから、そこに疑問はないんです。そして彼は、ただ薬を飲むためだけに霊廟へ向かう。彼を妨げるパリスの登場もなく、ただ、彼を誘う「死」の微笑みに惹かれて。




ほかにもいくつかの変更点がありますが、中でも「おお」と思ったのは、ヴェローナの街の人々が二人の秘密結婚を知っている、という設定でした。

これって、実は結構重要で。これがなければ、もしかしたら悲劇は起こらなかったかもしれない。
父親は、パリスが噂を耳にする前にジュリエットと結婚させて持参金を手にしようと焦り、ティボルトの死の翌日(ロミオの追放の朝)にいきなり「明日結婚式を挙げるように」娘に命令する。
それゆえに追いつめられた娘は、神父の無茶な計画に乗らざるをえない。
時間の無い中、同時進行で進めた計画は、使者がロミオを見つけられずに頓挫し、最悪の結果を生む。

戯曲では、父親は秘密結婚の事実は知らず、ただ、ティボルトの死という事実に沈んだ娘を力づけるために結婚の準備を進める、という設定だったはず。でも、実際芝居として観ていると、別にそんなに急ぐ必要はないはずなのに、エピソードを進めるために結婚を急がせているように見えて、違和感を感じることが多かったんですよね。
以前、街の人々が知っているという設定の芝居を観たことがあって(神父がばらす場面まであった)、おお、これってわかりやすいなーと思ったのでした(^ ^)。







「ロミオとジュリエット」からインスパイアされた傑作ミュージカル「ウェストサイド物語」は、子供たちの物語でした。
物語に深くかかわる「大人」は、刑事(←公正に裁かない大公)とドック(←祝福を与えられない神父)の二人だけ。「父」も「母」も「神父」もなく、登場人物のほとんどが「子供」である世界。

「子供」を定義するならば、「責任をとれない存在」ということになると思うんですよね。リフにしてもベルナルドにしても、彼らは「リーダー」であって「指導者」ではない。子供たちの中では強くて頭が良いというだけで、大人ではないんです。

でもトニーは、「Something Comin’」を探すために「仲間」を抜けて、「大人」になろうとしているところでした。
まだ完全な「大人」ではないけれども、もう「子供」では、ない。だからこそ、彼は「マリアのために」喧嘩を止めに行くんです。巻きこまれたのではなく、意思をもって喧嘩をとめるために走り出す。
結果的には、喧嘩の現場にトニー(青年)が現れたことで子供(=ベルナルド)は引くに引けなくなり、すべては悲劇へ向かって転げ落ちることになるのですが。

トニーは、登場の最初から物語のラストまで、「大人」でも「子供」でもない「青年」でありつづけ、
少女であったマリアは、トニーを喪ったときに一足飛びに「大人」になる。そういう物語でした。

……そういえば、トニーも初恋でしたね、マリアが。
スピード感と最後のカタルシスを大切にしようとすると、ロザラインのエピソードは最初に削られるのかなあ(^ ^)。






それに対して、今回博多で上演されていた「ロミオとジュリエット」のロミオは、最初から最後まで「少年」であったような気がします。
彼の変化は、「まだ恋を知らない少年」から、「恋を知った少年」への変化のみ。子供ではないけれども青年にさえなっていない「少年」のまま、ロミオは短い青春を駆け抜ける。

彼らの回りにはたくさんの大人たちがいて、基本的に、若者たちは『大人たち』の支配下にあるんですよね。
「支配下」という云い方が悪ければ、「影響下」でもいい。勝手な理屈でティボルトを抑圧し、勝手に対立してマキューシオを駆り立て、ベンヴォーリオを悩ませる、我儘で身勝手な「大人たち」。


「ロミオとジュリエット」は、そのまま上演すれば普通はジュリエットが主役になるものです。
ロミオは頭が軽くて手の早い、「イマドキの青年」であり、純粋な「真実の愛」の体現者は、幼い少女ジュリエットなのですから。
自ら結婚を言いだし、若いロミオを駆り立てる、美しく残酷な少女。ロミオはむしろ、そんなファム・ファタルの犠牲になったようにさえ見えるかもしれません。


でも、このミュージカル版では、両家の不和に心を痛める優しい少年が、ちゃんと主役に見えました。
そして、彼を愛するジュリエットが「少女」から脱皮するのは、彼への愛ゆえに父親に口ごたえをして、さらには母代りの乳母に嘘を吐いた とき。

プレスギュルヴィック氏のオリジナルがそうなっているのか、宝塚用に小池さんが手を入れた結果なのか、実際のところはわかりませんが、心優しい少年が視る「不安」の象徴としての「死」という設定が、すごく印象的でした。




真風くんが扮する「死」は、ロミオが独りになると近づいてきます。
心優しい少年の裡に潜んでいた闇。それはたぶん、少年にとっては近しい存在だった。
爆発しそうなエネルギーに満ちた「仲間」たちよりも、もっと心の近くに在る存在。

それはたぶん、本来はキャピュレット卿やモンタギュー卿の心にもあったものなのだと思う。ただ、完全な「大人」になった暁には、もうその存在を脅かすことはできない、というだけで。
彼らの前で「死」が容を為すのは、彼らの死の瞬間のみ。そこが、「少年」「青年」と「大人」の違い。

そして「死」は、無邪気で無力な子供の瞳には映らない。
マキューシオやベンヴォーリオ、そしてティボルトには、彼の姿は視えないのです。



非常に面白いと思ったのが、ロミオとジュリエットが寄り沿って眠る霊廟での、「死」と「愛」の動きでした。
ジュリエットが剣で胸を突いた瞬間の、嬉しそうな「死」。
あえて形容するとしたら「残酷な」とつけ加えたい、そんな笑顔で。

倒れ伏した二人を発見した大人たち。
嘆く彼らを、舞台の上手端の壁のセットに寄り掛かってにやにやしながら視ている「死」。
バルコニーの上で、「世界」を心配そうに見おろす「愛」。

モンタギュー夫人(花愛瑞穂)が歌いだす、名曲「罪びと」。
次第に心を一つにして、手を取り合うキャピュレットとモンタギュー。

そんな光景を、嬉しそうに見守る「愛」と、慌てたように姿勢を変える「死」

舞台(世界)の向こう側に立つ「死」をじっと見凝めて、腕をさしのべる「愛」。
「愛」の微笑みを、呆然として受ける「死」。

バルコニーの上の「愛」が纏う光と、上手のセットの陰に隠れてしまいそうな「死」。
それは、どちらの勝利でもどちらの敗北でもなく、ただ、あるべき姿に戻っただけだったのだ、---と。

「死」が少年で、「愛」が子供であったからこそ、表現できた真実。



「愛」というタイトルで想像するような色っぽい女役ダンサーではなく、スタイルはいいけれどもダンスにはあまり色気のない、男役の色も女役の色もついていない下級生に「愛」をやらせたのには、単なる抜擢以上の意味があったのだと思います。
そして「死」についても、こちらはある程度「男役」としての経験を積んだ、でも、まだのびしろのあるダンサーを選んだんだろうな、と。

「愛」に必要なのは柔らかさと中性的な魅力であり、「死」に必要なのは静謐さと残酷なまでの優しさ。
そして、両役に共通して必要なのが、まったき若さ。

小池さんが、雪組版でこの二人に誰を選ぶのか、とても楽しみです。






あとはじゃあ、群衆たちのツボを簡単に。

■キャピュレットの男
・美城れんさんは、目立つ役としては一幕の乳母の従者(ピーター)があります。コミカルな動きと間の良さが印象的でした。あとはやっぱり、眼光鋭くモンタギューを睨みつけるところが迫力だったなあ(はぁと)

・海隼人さんは、最初の「ヴェローナ」の前の喧嘩シーンで、群衆に引き裂かれ、ボコられる恋人……でしたよね?(女性の方は優香さん)
綺麗な人ですが、今回も黒っぽい髪がワイルドで、とても目立っていたと思います。

・みっきぃさん(天寿光希)は………もちろん目立つ役というならパリスなんですが(^ ^;ゞ。
個人的には、「ヴェローナ」の前の喧嘩シーンで、汐月しゅうさんに担ぎあげられていたのに吃驚しました。確かに小柄だし、「リラの壁の…」のときよりさらに痩せたけど、筋肉質であまり軽い方ではないと思うんですけど、どうしてそんなに軽々と(涙)。
あとは……下手の奥で、キトリちゃんとお店をやってるっぽい芝居があったのは、「キレイは汚い」だったかな。星組のMyお気に入りさんが二人、一緒に芝居してくれて、二人ともめっちゃ可愛かったですー♪

そして、二幕の喧嘩(決闘)シーン。
下手側で戦うみっきぃさんをボコるのが、汐月さんとれんた(如月蓮)だったのは、私へのサービスかと思いました。しかも、スローモーションになったところでキトリちゃんがみっきぃさんを助けようと手を伸ばすんだよ!!すごい!!(←何がだ)

えっと。
……キャピュレットサイドは、みっきぃさんとキトリちゃんを観るのに精一杯で、あまり下級生チェックができませんでした。ごめんなさい。


■モンタギューの男
・どいちゃん(鶴美舞夕)の「目立つ場面」は、そりゃー仮面舞踏会のバトントワラーですよね(*^ ^*)あの場面、雪組ではどうするんだろうなあ……。
いつもハンサムなどいちゃんですが、編みこみの髪型もすごい迫力で、大好きでした。そして、あの髪型のおかげで仮面をつけていてもすぐに分かったのはありがたかったです♪

・れんた(如月蓮)は、ロレンス神父がマントヴァに居るロミオに差し向ける使者役が大きいかな。台詞はないけど、いい芝居してたなあ。薬売り(=「死」)に止められてロミオに会えない場面の必死さが良かったです。
モンタギューの男としては、ライオンヘアーが似合っていて格好良かった!

・汐月しゅうさんは、ちょっと私の中でブームが起きています。いやはや、本当に格好良かった!!色の薄いプラチナブロンドを高めのポニーテールにして、鋭角的なダンス。なんだか輝いてました。
……あの髪、鬘じゃないんですね。地毛?エクステ?すごい似合ってたけど、、、でもメチャメチャ驚いたわー。

・芹香斗亜さんは、スカイフェアリーズのほわあんとした可愛らしさとはうってかわって、けっこう激しいツンツン頭にシャープな化粧。長い手足で伸び伸び踊っていて、目を惹きました。……あまり迫力は感じなかったけど、ね。
夏樹れいさんはつんつんのショートへア、漣レイラさんはハニーブロンドを結んでいて、どちらも格好良かった♪


キャピュレットの女
・稀鳥まりやちゃんはとにかく可愛い!背を高く見せるためなのか、頭の上で高々と結んだ髪型がめっちゃ似合う。かと思えば、仮面舞踏会でのソバージュヘアも死ぬほど可愛い。要するに何をしても可愛いんですが。
歌はあまり得意じゃないと思っていたけど、今回程度の分量なら十分聴かせてくれました。ああ、次の公演はもう少し役がつくと良いんだけど。ショーがないと切ない(T T)。

・そこかしこで、あの美人は誰?と思うと、千寿はるさんだった……(@ @)。え、転向したわけじゃないよね?この公演だけ?美人でスタイル良くて、声も良い。ちょっとうっとりしてしまいました。


■モンタギューの女
・特に目立っていたのは、南風里名さんと優香りこさん……かなあ。
二人ともかなり女っぽい、どちらかというと「女役ダンサー」という感じの踊り手ですが、喧嘩の場面とかは迫力もあって、とても素敵でした。
優香さん、「コインブラ物語」の姫君役はあまりピンとこなかったけど、こういう役は格好よくて色気もあって良いですねぇ~~(*^ ^*)。



お芝居のラストシーンで流れる「Aimer」のカゲソロは、水輝涼さんと夢妃杏瑠ちゃんなんだそうですね。透明感のある美しい音色で、とても良かったです♪



博多座にて、星組公演「ロミオとジュリエット」を観劇してまいりました。

いやー、楽しかった!!
オリジナルを観たことはありませんが、ミュージカルファンの間では話題の作品。数年前の「ウィーンミュージカルコンサート」では、ウィーン版オリジナルキャストであるマジャーン・シャキ&ルカス・ペルマンの「Liebe(Aimer)」や「Balcon」を歌ってくれたり、マヤ・ハクフォートの乳母が聴けたりして、とても幸せな時間を過ごしました。極めつけは、ルカス&マテ・カマラス&アンドレ・バウアーの「世界の覇者」!!たった三人で、あの広い梅田芸術劇場大ホールの舞台狭しと走り回ってくれた三人が、とても格好良かった(はぁと)
……と、いうわけで、私は「世界の覇者」をとても楽しみにして、暑い博多に旅立ったのでした(^ ^)。



そして。

結論から言うと、とても楽しかったです(^ ^)。
礼音くんもねねちゃんも役にぴったりで、似合いすぎて吃驚しました。
この二人のロミオとジュリエットを観ることができて、良かった!

長いこと、私にとっての「柚希礼音ベストアクト」は、(古い話で恐縮ですが)「イーハトーブ・夢」のザネリでした。(←何年前だよ)
いかにもその辺にいそうな悪ガキで、ものすごく可愛かった!! んですが。
今回やっと、ベストが上書きされてとても嬉しい。可愛くて、素直で、優しくて、一生懸命な青年。子供だけど、少年じゃなくてちゃんと青年でした♪
やっぱり礼音くんには、「ブエノスアイレスの風」のニコラスや「ハプスブルクの宝剣」のエリヤーフー、あるいは「スカーレット・ピンパーネル」のショーヴランみたいな『過去のある男』よりも、ロミオみたいな過去のない、まっさらでまっすぐな青年が良く似合うな、と思いました。

ああ、似合う役を思いっきり演じているトップスターが発するエネルギーって凄いなあ(^ ^)。



ねねちゃんは本当にジュリエットそのもの!!あの 思いきりの良さ は貴重ですね。さすが「猪突猛進」と言われたお勢ちゃんだけのことはある。バルコニーシーンでの圧倒的な輝き、ロミオを見つけた時、結婚を申し込まれたときの真っ直ぐな喜び、神父に渡された薬を飲むときの確信、そして、ナイフを胸に収めるシーンのためらいのなさ。
あのジュリエットなら、有名な「剣よ、ここがお前の鞘」という台詞はいらないな と納得しました。
マイベストねねちゃんであり、現時点でのマイベストジュリエットです♪

歌も良かったです。ただ、歌詞を台詞として聴かせようとしたときに子供っぽい歌い方(喋り方)になってしまうのが、特に、感情が激する場面(父親と言い争うところとか)で若干気になりました。ミュージカルのジュリエットは13歳(原作)ではなく16歳なので、わざと子供っぽくする必要もないし、台詞は普通なので、歌う時の癖なんじゃないかと思うんですが。あとはピッチが少し高めなので、低めに取りがちな礼音くんと合わないのが残念なくらいかな。



そして、観た人が口をそろえてほめちぎる二人。乳母役の白華れみと、愛役の礼真琴。

れみちゃんは、とにかく良かった!文句なくベストアクト!
決して歌手ではないれみちゃんですが、最近の彼女の歌には、魂が籠っているなと感心します。
「きれいはきたない」の迫力も良かったし、「あの子はあなたを愛している」は本当に素晴らしかった。胴布団を巻いているとはいえ、顔は乳姉妹にしか見えない若さなので、ちょっと危ぶんでいたんですよ。あの歌はやっぱり「乳『母』」じゃないと成立しないから。……でも、心配ご無用でした。「自分が産んだ子じゃない/でも、私の子に違いない」というフレーズに切ないほど実感が籠っていて、本当にびっくりしました。
「生みの親にもわからせたい/あの子が望む生きる道を認めてほしい」という切なる願い。この歌が、二幕のキャピュレット卿(一樹千尋)の歌う「娘よ」と対になっているところがこの作品の一つのポイントだと思っているのですが、ベテランのヒロさんと十分に対抗できるだけの重みをもって歌えていたのが凄い!

同期の大月さゆちゃんは、『宝塚娘役』という壁を壊して、やっと本来の(研1の頃の)輝きと舞台センスを取り戻しましたが、れみちゃんは組替えするたびに「新しい魅力」を手にいれて、そして今やっと、『女役』として完成されたような気がします。同期のねねちゃんが、あの背にも関わらず根っからの「娘役」、「娘役」以外のものにはなれない人だったのに対して、れみちゃんは「娘役」を卒業して、一人前の「女役」になれる人だった……んですね。
本物の「別格」になるには、もう少し歌声のヴァリエーションを手にいれないと難しいんですが、あの華やかさで若いトップ娘役を圧倒する女役トップになってほしいものだ、と心から思いました。
……ああ、柴田さん並みに良い女役を書ける作家がでてきてくれれば、れみちゃんも励みにがんばれるだろうに……


礼さんについては、男役としての彼女を全く認識できていないので何も評価できないのですが、とにかく幕あき冒頭に、たった一人でセンターセリでせり上がってきて、まったく違和感のないオーラと美しさ!仰天しました。ま、まだ研2だよね?
そして、柔らかな腕の動き、空気を動かすようなダンスに瞠目し、口よりもずっと雄弁にいろんなことを語りかける眼の芝居に、完全にもっていかれました

一度声を聴いてみたい!! ので、「愛と青春の旅立ち」の新公配役に期待しています♪



賛否両論あったティボルトのテルくん。私はかなり満足しました。
根本的なところで、私がテルくんに求めているのは「弱さ」と「優しさ」なんですよね。「凍てついた明日」のクライド、「ハプスブルクの宝剣」のフランツ、「リラの壁の囚人たち」のエドワード。本来はそういうキャラではないはずの「太王四神記」のヨン・ホゲも、「ゾロ」のオリバレス総督も、テルくんが演じるとそういう男に見えてくる。あそこまでいくと、「演技の幅が狭い」んじゃなくて、「個性が強い」と言うべきだと思う。
「太王四神記」なんて、演出自体の方向性がそうなっていたくらいで、演出家もテルくんの魅力はそこにあると考えているのではないでしょうか。

で、ティボルト。
私は、「ロミオとジュリエット」という作品は結構いろんなバージョンを観ているつもりなのですが、ティボルト(あるいは彼にあたるキャラ)があんなに心弱いのは初めてでした(汗)。
キャピュレット夫人とデキてる設定はよくあるし(私がその昔に博多座まで観に行った公演もそんな感じだったな/笑)、ジュリエットを愛しているバージョンもたまにあるんですが。ティボルトって相争う二つのグループの一方のリーダーのせいか、たくましい肉体派が演じることが多い気がするんですよね。映像で観ただけですけど、今回の作品のオリジナル版でも、かなり身体の大きな男性が演じていたし。

でも、テルくんのティボルトはそうじゃない。リーダーだけど、あれはたぶん、子分じゃなくてただの取り巻きですよね。男の子のいないキャピュレット卿の甥で、養子に入ることが決まっているティボルト。大貴族の跡継ぎだからこそ皆はちやほやしてくれているわけで、キャピュレット家の七光りがなければ、なにも出来ないタイプ。
「15歳で女を覚えて」てから、数えきれないほどの女たちと遊んだ…という台詞に説得力を持たせるだけの魅力はある。でも、それはただの代償行為なんだと思わせるだけの虚無感も、ある。彼にとって、女たちは「キャピュレット家のもの」であって自分のものではないし、自分のものにしたいと思ったこともない。自分のものにしたいと思った唯一の女がジュリエットで、彼女にだけは手が出せない。たぶん彼は、決して手に入らないからこそ安心して欲しがっているんだと思う。そういうマゾヒスティックな壊れ方が、すごくテルくんらしい、と。

その虚無感というか、「手の中には何も無い」という離人感みたいなものに、「凍てついた明日」のクライドに通じるものを感じます。
でもティボルトは、クライドと違って逃げ出そうとはしない。彼は、彼なりにがんばっているんです。「キャピュレット家の跡継ぎ」として、伯母の話相手も(違う相手も)するし、家をまもろうと努力している。
キャピュレット家の一粒の宝石、ジュリエットを護るために。

「本当の俺じゃない/俺が何をしても大人たちが仕向けたんだ」「子供の頃には戻れない/俺を変えたのは大人たち」という、実に見事な責任転嫁的述懐が、「悪いことはすべて、この街のせい」と、「ダラス」に責任を押し付けていた「凍てついた明日」とすごく被るのが興味深い。荻田さんと小池さん、方向性の全く違う二人の天才の作品に、こういう類似性を見つけると、ちょっと不思議な感じ。
……「本当の俺」はオリジナル版にもあるみたいなので、これは小池さんじゃなく、元々あったテーマなのかな?(^ ^;

歌も良かったですよ(真顔)。私の周りでテルくんの歌について色々語っていた方はみなさん梅田でご覧になっていたので、ここ一カ月のボイトレの成果が出たんだろう、と思いたい(^ ^)(たんに、猫の耳がテルくん仕様になってるのか?)



ベンヴォーリオ(涼紫央)とマキューシオ(紅ゆずる)。
このお二人もすごく良かったけど、残念ながら歌に関しては聞いていたとおりだった……かな(T T)。
というわけで、一番楽しみにしていた「世界の覇者」が……正直、さびしかったです。ソロメンバーの歌唱力だけの問題ではなく(←問題は大きいけど)、コーラスの弱さ(←宙組を聴きなれちゃったからなー)と振付の単調さ。そのために、全体のビート感が弱くなって迫力が感じられない。みんな頑張っているんですけどね。
歌唱力をいきなりアップさせるのは難しいでしょうから、せめて群衆の振付だけでも……と思っちゃいました。

でも、二人とも芝居はすごく良かったです。うん。『キレやすい若者』そのものだったマキューシオ、一歩ひいたところでまぜっかえす、『お調子者』のベンヴォーリオ。いいコンビだったなあ。
特に、ジュリエットの死を知ったベンヴォーリオの慟哭がすごかった!! 歌自体もいい歌ですが、やっぱり芝居として魂が入ると違うなあと思いました。



パリス(天寿光希)
いやー、パリスって本当に演出によっていろんなバージョンがあるんですけど、、、
すっげー可愛かった!!(真顔)

えっと、今回のパリスは「十二夜」のサー・アンドルーみたいな存在でした。
オリヴィアに横恋慕して、サー・トービーに良いように遊ばれる、間抜けな大金持ちですね。今回の場合、トービーに当たるのがキャピュレット卿か。……そういえばあの話、サー・トービーはオリヴィアの叔父だったな、たしか(^ ^)。

予想どおりの出番の少なさ(パリスとしては)でしたが、でも、大きく盛り上げたトサカ頭に、真っ白いキラキラのついた超・豪華な衣装も良く似合っていたし、表情豊かに実に可愛らしく演じていて、とても楽しそうでした♪ねねちゃん、そんなに嫌がらなくても、あんなに可愛いんだから頭くらい撫でてあげたらいいのに(←違う)
ヒロさんとの掛け合いの歌が二回あるんですが、ちゃんと対等に歌えていたと思います♪ 良い声だな、本当に♪

しかーし、ジュリエットの仮死のエピソードがあるのに霊廟での決闘がないなんて(T T)。普通、パリス的には決闘が唯一の見せ場なのにー!……だからこそ、あんな下級生がやらせてもらえたんでしょうケド(涙)。
パリスの出番以外は、「キャピュレットの男」として赤チームの隅っこで踊っているみっきぃさん。金髪の短髪がシャープなお顔によく似合い、男臭くてめっさ格好良い!!あの眼が色っぽいのよー。うん、これはたぶん、贔屓目だけではないはず(はぁと)。



長くなったので、死と愛と大人たち、そして、作品論についてはまた後日♪


今週はいろいろと忙しかったので、今日やっと、CSニュースで流れていた梅田芸術劇場公演「ロミオとジュリエット」の初日映像と、舞台レポートと、プロダクションノートをまとめて視ることができました(^ ^)。


いやー、眩しいな(^ ^)キラキラしてる☆
月組・星組の「ウェストサイド物語」を観た時に(←だいぶ前ですが)しみじみと思ったのですが。
タカラジェンヌが演じる「若者」の、まごうことなき若さと輝きは、おそらく、本物の年若き少年が演じたよりもリアルで美しいんだろうなあ……。


歌については色々言われているようですが、とりあえず映像で流れた部分についてはあまり気にならなかったような。
良いところだけ流してくれたのかな?
まあ、歌いこめば皆さん良くなると思うので、博多で観劇する予定の私はあまり心配していません(^ ^)。

礼音くんもねねちゃんも、テルくんもすずみんもベニーも、主要人物全員がビジュアル最高!なところは、素直に凄いな、と思いました(^ ^)。


ねねちゃんのジュリエットは、大丈夫かなあ……?と思っていたのですが、月娘らしい男前さが良い方向に出そうな感じですね。「ロミオとジュリエット」は本当にいろんな解釈や潤色がありますが、私は基本的に、ジュリエットが主導権を握る解釈の演出が好きなので、余計に楽しみです。
2008年の「ウィーン・ミュージカル コンサート」でジュリエット役を歌ってくれたマジャーン・シャキ(ウィーン版ジュリエットオリジナルキャスト)もすごくステキで格好良かったので、ねねちゃんも頑張ってほしいです♪



それにしても、れみちゃん(白華れみ)の乳母、良さそうだなあ(感心)
乳母のソロは、良い歌なだけにすごく難しいので、若干心配していたのですが、れみちゃんって、今まで聴いていた細いソプラノよりも、ああいう太い胸声の方がよく響いてて表現力があるんですね!!
そういえば、もともと素で喋るときの声はそこらの男役さんより低めな感じですもんね。いやあ、本当に良い役者になってくれそうで、なんだかすごく嬉しい。




どいちゃん(鶴美舞夕)とキトリちゃん(稀鳥まりや)の鳩コンビは、映像にはあまり映ってなかったけど、アンサンブルシーンではいいところで踊っているみたいですね♪ 生舞台ではがっつり観るぞーー!(←真ん中もちゃんと観てね>自分)


パリスの天寿光希さんがあまり映らなくて残念ですが、まあ、パリスの分までティボルトがフィーチャーされた演出みたいだから仕方ないかな。
キャピュレットの男としてたくさん踊っていらっしゃるそうなので、生舞台を楽しみにしています。


大人たちはみんな良いですね!大公の水輝くん、キャピュレット家のヒロさん(一樹千尋)とコロちゃん(音花ゆり)、モンタギュー家のにしき愛さん、花愛瑞穂さん、ロレンス神父の組長。達者な人をきちんとあててきたことに感心します。
「ウェストサイド物語」と「ロミオとジュリエット」の一番の違いは、「若者たちの物語」と「大人たちの物語」が平行して進むことだと思うんですよね(ラストの違いは別として、ですが)。「ウェストサイド物語」は、物語としてはほぼ100%、若者たちだけの物語ですが、「ロミオとジュリエット」は、むしろ若者たちに振り回される大人たちをメインに追ったほうがわかりやすいくらい、彼らの心情がしっかりと描きこまれているので、その辺の役は凄く重要。

で、ヒロさんファンの猫としては、キャピュレット家のプロダクションノートでヒロさんさんがしっかり特集されていたので、とても嬉しい。いつ観ても素敵だなあ、ヒロさん(はぁと)。



「死」の真風くん、「水さんのトートが出現!」という噂(^ ^;)は聞いていましたが、本当にそっくりだ………(@ @)。
テレビの前でちょっと呆然としてしまいました。
私が真風くんを最初に覚えたのは「ハロー!ダンシング」で長い手足をいっぱいに伸ばして踊る姿だったので、歌や芝居に惑わされずにのびのびと踊る姿が観られそうで、なんだか嬉しいです。
……いつまでもそれじゃ困るんですけど、でもやっぱり、あの柔らかいダンスが好きなんですよね……。



プロダクションノートは、大人たちを特集してくれたのは嬉しかったけど、、、時間が短くてびっくりしました。
ほんの二ヶ月前に「スカーレット・ピンパーネル」のプロダクションノートに嵌ったばかりなので、あっさりした構成にかえって驚いてしまいました(^ ^)。
もう少し振付の風景とか駄目だしとかも映してくれたらよかったのになー。



なんて。
映像でわかることなんてごくごく僅か、なんですけど。
生の舞台をご覧になった方を羨みつつ、博多に行ける日を楽しみにしています(^ ^)。



すみません。ちょっと間があいてしまいましたが、
星組日本青年館公演「リラの壁の囚人たち」つづきです。



■白華れみ(ポーラ)。
プログラムの写真を見たときは、何のゲームのコスプレかと思ったれみちゃんですが、舞台では髪型も全く違っていて、大人っぽくて綺麗でした。今まで新人公演などで演じることの多かった、おとなしくて引っ込み思案で、どちらかというと後ろ向きな女性、というキャラクターではあったのですが、素のれみちゃんの明るさや元気さも完全には消えていなくて、生まれながらにおとなしかったわけではない、本来の前向きなパワーを抑圧された女性像を作り上げていたのが見事でした。

役によって印象の変わる人ですが、正月の花組バウでの、しっとりと落ち着いて自然な色気のある人妻っぷりと、今回の、清潔感のあるかたくなで後ろ向きな少女という振り幅の大きさに感心しました。いい役者になったなあ、本当に。

一番好きだったのは、テルくんと二人でそぞろ歩くパリを想像して、「シャンゼリゼなんて、もう何年も歩いてないわ…!」と言うところかな。
抑圧された「現在」を一時的に忘れて、本来の屈託のない無邪気な少女が顔をだしているところが凄く魅力的でした。そんなポーラが人形のようにうつろになるまでの年月、その過程を想像することがとても苦しくて、でも、その過程がこの作品の一方の柱なんだな、と思いました。

とにかく、今までに観たれみちゃんの中で、ベストだったかもしれません。
そして、テルくんという稀有な個性をもった男役には、そういう二面性を持ったヒロインがよく似合うんだな、と、あらためて思いました。
うん、「マラケシュ」をテル&れみで観たいと思った私の感性は、意外と正しいような気がする(^ ^)。



■紅ゆずる(ジョルジュ)。
難しい役だ!!というのが第一印象。
初演でノンさん(久世星佳)が演じた、という知識はあっても、観たことはないので何のイメージもなかったのですが。

この作品のタイトルロールは、ジョルジュなんじゃないかと思いました。(もちろん主役はエドなんですけど、テルくんのエドは「囚人」って感じがしないので)

リラの壁に閉じ込められて、身動きもならずに苛々を募らせ、ポーラに八つ当たりするジョルジュ。エドを演じるテルくんが、与えられた環境に満足しておとなしくとじこもっていそうなタイプなだけに、「囚人」という言葉から連想される焦燥感や不満を担当しているのはジョルジュだな、と思ったんですよね。

「龍星」の昔から、ベニーの美貌と小芝居が大好きだった私。でも、いわゆる「センター」周辺での芝居、そこで要求される存在感や居方というのは、いわゆる「小芝居」とは違うモノなんだなあ……、と気づかされたのが、「ブエノスアイレスの風」のビセントでした。
あれ以来、観るたびになにか歯がゆい思いをしていたベニーなのですが。
いろいろ不安定なところはあったし、芝居としても単調さが目立ってもう少しメリハリがあればなー、と思ったところもあったのですが、ラストに持っていく集中力はさすがでした。
この作品を大きく動かす主筋の一方の柱として、立派に舞台を支える力を見せてくれたことが、とても嬉しかったです。

次は「ロミオとジュリエット」。どの役になるのかわかりませんが……ベンヴォーリオあたりになるのかな?楽しみにしています♪



■壱城あずさ(ジャン)
いろんな解釈のできる役でしたが、しーらんの解釈は、わりと正統派というか、、、
横恋慕だけど、でも、ちゃんとポーラを愛している男というのが出来ていたので、ラストまでぶれることなく行動に説得力を持たせられていたと思います。

それにしても、立ち聞きするにも遠慮がなさすぎるだろう、ジャン……。
あれは初演どおりなんでしょうか……いくら下町の長屋みたいなものだと言っても、どうしてそんなにみんなで立ち聞きし放題なんだ。しかも、どーして皆気がつかないんだ(汗)。
エドなんて、モランさんにあんなに「用心しろ」って言われてんのに!!



■音波みのり(マリー)。
とにかく可愛くて、色っぽくて、とても良かったと思います。
「ここには誰も来やしなかったわ」
とギュンターにしなだれかかるのも可愛かったし、エドが無意識に「あなたは可愛い」と言うのもわかる、天然の輝きがありました。
ギュンターのところに行く決心をしたときに着ていた濃いピンクのツーピースがとてもよく似合っていて美しかっただけに、前半のどこか野暮ったい、あまり似合っていない髪型が残念至極ではありましたけどね(^ ^)。

学年のわりに色気のある大人っぽいタイプなので、今後がますます楽しみです。
ただ、、、、、歌はがんばれーーーっ!(T T)

あと、これはみのりちゃんが悪いんじゃないんですけど、「キャバレーの女の子」という設定の割には服装や髪型が普通すぎて、、、昼間の洗濯場面とかはともかく、夜の、店の仕事を抜けてきているはずの場面でもその服?!?と思ってしまいました。パラディっていったいどういう店なんだろう?喫茶店に毛が生えたようなものなのか?違うよね?
初演の衣装はどうだったのかな……。




■美弥るりか(ギュンター)。
プラチナブロンドが死ぬほど似合う白い肌。いやー、金髪碧眼の、いかにも親衛隊に居そうな外観に感動しました。しかし、ナチスというには小柄すぎるのがとても惜しい!あの体格ではアーリア系には見えないので(回りがでかいし)親衛隊じゃなくてドイツ国防軍なのも仕方ないなあ、と思っちゃいました。

相変わらずの美声(はぁと)で、マリーに話しかける声が色っぽくてステキすぎ(はぁと)。あの声で「おいで」とか言われたら、あたしだったらホイホイ行っちゃうだろうなー(おい)
マリーとの並びもキレイで、とても良かったです。ああ、もうちょっと背があればなー。



■天寿光希(ピエール)と麻央侑希(ルネ)
ピエールさんの格好良さについては先日叫んだので、今回はお二人のコンビについて。
長身スタイル良しのルネくん。CSの「阪急・浪漫沿線」でも、舞台で観ても、あまりにも可愛い『女の子』なんですよねー(T T)なんか、男役をやらせるのが可哀相なくらい可愛い。でも、さすがにあの長身ぶりでは娘役になるわけにもいかないので、ぜひぜひがんばってほしいと思います。
せっかく、みっきいさんというお手本と常に一緒の役なので、もっともっと盗んでほしいな。二人で前後になってセットの階段を駆け上がり、家のセットの中に入る、という芝居が何度かあるんですけど、駆け上がるときの走り方の違いに瞠目しました。上級生って凄いんだなあ……(しみじみ)。

小柄だけど骨格は結構がっしり系のピエールさん。首が長めでデコルテがきれいなので、大きな革ジャンとか着てもそれほど着られてない……かな。スタイル抜群の長身組には無い苦労をいろいろしている人ですが、彼女には声という武器があるので、とってもとっても楽しみにしています。あんまり下級生とべったり仲良くしそうなタイプではなさそうですが、あの「男臭さ」をしっかり伝授してあげてほしいな、と思いました。

それにしても!!何度でも書きますが、本当にいい声だなあ………(*^ ^*)



■美城れん(モラン)
素晴らしかった。
この作品の立役者だと思いました。レジスタンスを支えた「パリ市民」の象徴。真面目で思いやり深い、包容力のある父親像。彼がいるからこそ、この物語が始められたわけで。彼がいなかったら、「リラの壁」は囚人を持たずに追い返していたはずなんですよね。
いままでもいろんな作品でいい芝居をしていた人ですが、今回も本当に良かったです(*^ ^*)



■にしき愛(ルビック医師)
一回りも違う美城さんと「親友」でいられる若々しさ(もちろん、美城さんの巧さもある)と、ジョルジュの父親らしいエキセントリックさ。両者の絶妙なバランスをとりながら、緻密で堅実な芝居っぷりはさすがだなあと感心しました。
医師というには若干胡散臭い感じもりましたが(^ ^;、息子を愛しつつも持て甘している様子がよく伝わってきました。友人の娘であるポーラへの愛情も自然で、とても良かったです。
大劇場だとイロモノ系の役も多い人ですが、こういう役も素晴らしいですね♪



■万里柚美(ラルダ)
佳い女だな、と。
万里さんはこの学年になってもなお「現役の娘役」でいられる稀有な人ですが、今回もなかなか面白い存在でした。マリーよりよっぽど純情で可愛いんだもん(^ ^)
マリーがギュンターの申し出を断ったときの驚きようが素直で可愛い。ラルダの後をマリーが継ぐ、というのがとても自然でした。うん、そこはすごく納得できる。

個人的には、ラルダはモランに片思いしていたに違いない、と思っているんですが、、、
どうなんでしょうねぇ、そのあたりの「大人たち」の恋模様は……。



■直樹じゅん(リヒター)
えーっと。ゲシュタポ、なのかな?リヒターは。最初はギュンターの部下だと思っていたんですけど、そうではないんですよね?所属が違うから部下ではないけれども、階級的にはギュンターが上……というイメージで観ていたのですが、それであってるのかしら(自信無し)。
みやるりより上背があるので、そんなリヒターを抑えつけようと必死なみやるりがステキでした。うん。どっちが上か常に確認しあい、隙あらばとお互いを牽制しあっている二人の男、という感じが緊迫感を醸していたな、と。うん、二人とも良い芝居をしていたと思います。
声がもう少し落ち着いて、上擦らなくなったら、すごくよくなるだろうなあ~。



モレッティ夫妻は先日書いたし、女の子たちは皆可愛かった(*^ ^*)し、、、
あ。何故だかわからないけど、千寿はるさんがものすごく目立ってました♪ 美形は得だわ~~♪♪



昨日の花組に引き続き、今日は星組青年館公演「リラの壁の囚人たち」の千秋楽。
本城くれはさん、白百合ひめさん、ご卒業おめでとうございます(T T)。

82期の毬乃ゆいさんと「夫婦」という設定で、舞台となった袋小路の家主・モレッティ氏を演じた本城さん。10年先輩のお姉さまと組んで、尻に敷かれっぱなしのツバメ系の夫ながらも、大事なところではちゃんと包容力を見せてくれました。あああ、卒業しちゃうなんて残念だ……(T T)。


白百合さんも、ノルマ、とっても綺麗でした(^ ^)。
たしか、歌もどこかでワンフレーズ歌っていて、なかなかいい声だなーと思ったような。すみません、どこだったか忘れてしまいましたが(汗)。
うーん、今5組の中で、私が一番下級生が判らないのは、星組さんかもしれません。……がんばって勉強したいと思います(汗)。




本当は、昨日の続きを書くつもりだったのですが。すみません、これだけにさせてください。
っつか、宙組も書きたいんですけどー!!(忘れてしまいそうだわ↓↓)



花組のみなさま、千秋楽おめでとうございます!
もちろん千秋楽なんて観られませんでしたが、
桜乃彩音ちゃん、愛純もえりちゃん、花織千桜さん、
三人とも、ご卒業おめでとうございます!皆さまのこれからが、幸せでありますように(祈)。




さて。
日本青年館にて、星組公演「リラの壁の囚人たち」を観劇してまいりました。
小原さんの作品を観るのはまったくの初めてで、どんなものかと思いながら行ったのですが。
……いやーーー、いい作品だなあ(感動)。

まず、宝塚でワンシチュエーションものっていう発想にびっくりしました。どうしても舞台面の華やかさを求められがちな宝塚において、この構成は非常な冒険だったと思うのですが、このくらい隙のない脚本があれば可能なんだな、と思いました。
小原さんといえばこの作品からはじまった「レジスタンス三部作」が有名で、大劇場作品にはどんなものがあるのか、当時を知らない猫は全く知らないのですが……柴田さんの往年の作品を観たときも思うことですが、言葉の持つ力というものを、今の作家陣にもう一度思い出してもらいたい、あるいは、知ってもらいたいな、と、そんなことを思いました。

ワンシチュエーションで、しかも複数の筋が絡み合うタイプの展開ではなく、徹頭徹尾エドワードを中心に据えた一本筋。それでも、エド、ポーラ、マリー、ジョルジュ、ギュンター、ジャン、ピエールとルネ、モラン氏、ルビック医師、ラルダ、モレッティ夫妻、リヒター……役として独立した通し役だけでもこれだけいて、あとパラディの女の子たちもそれぞれに個性を出して演じていて、下級生まですごくやりがいがあって、勉強にもなるだろうなあ、と思いました。



「リラ」というのは、ライラックのフランス語よみ。紫色の薫り高い花が咲く、モクセイ科の植物。
モクセイ科といっても、キンモクセイやギンモクセイみたいなこんもりとした木姿とはちょっと違うみたいですね。最初、「リラの壁」というタイトルを聞いたとき、反射的にアイビーみたいなつる植物を思い浮かべたんですが、、、あれ?ライラックの木姿ってどんなんだっけ?と調べたけど、よくわからなかった。
セットには、下手の方にすっきりした姿の木があって、ファサードの天井からは藤の花みたいに紫色の花が下がっていたので、割と背が高くて姿のすっきりした、小型のケヤキかナラみたいな木なのでしょうか?



袋小路、というか、複数の家の裏庭がつながったような、小さな空間。
大きなリラの木があって、つる草の這った古びた煉瓦塀に囲まれた、小さな空間。

パリの建物は割と大きな集合住宅が多く、表通りにアプローチ無しで直接玄関をあけているものがほとんど。その裏にはぽっかりと空間が開けていて、同じ通りに面している建物の裏庭と共通になっている……私が以前パリに行ったときに泊ったホテルも、そんな構造でした。ホテルと隣の建物との間に、細い、猫しか通らないような通路があって、ホテルの管理人たちはそこを通って裏口から出入りしていたんですよね。そちらに行くと、実際洗濯ものが干してあったり、犬が放し飼いになっていたり。隣の建物との間にも塀もなにもなく、その一角全体の共通のバックヤードになっていました。
50年前のパリがどんなだったかわかりませんが、たぶん、今回の舞台になっているのも、そういうところなんですよね…?
大通りに面している側にはパラディがあり、そこから角を曲がったところにモランさんやモレッティ夫妻が住んでいる家があり、そこからもう一つ角を曲がったところにもまた別の建物がある。この建物の客席側に裏通りから直接裏庭に入れる通路があって、その入り口を守るようにリラの木が生えている……

この空間設定ひとつで、絶対面白い物語になる!と思えるんですよね。設定そのものの持つ魅力、というか、そんな感じ。




物語の舞台は、1944年。エドの傷が治ってすぐのポーラとの会話の中で、「BBC放送で昨夜ヴェルレーヌの詩が……」というあたりが、ノルマンディ上陸作戦(1944年6月6日)の直前のはず(有名な暗号通信なので)。
エド・ピエール・ルネが最初に逃げ込んでくるのは、リラの花が咲く春……たぶん4月頃なのでしょうから、それからポーラとの会話までに2カ月程度。
さらに、物語の最後、ギュンターがマリーを連れて戻ってくるのが、ナチスのパリ撤退の直前。この頃にはすでに連合国軍が近付くとの報が流れてピエールとルネは脱出しているし、パリの街中にはバリケードが築かれ、ゼネストが始まっている……という状況なので、1944年8月半ば以降のことなんでしょうね。

ナチス政権下で、夜間外出禁止令が出ている。
これよりだいぶ前だけど、「カサブランカ」でもそんな話が出ていたなー。あのときは、フランス軍のルノー大尉とよろしくやっていたリックのカフェは、夜間外出禁止令もちょっとお目こぼし、みたいな感じでしたが、ナチス軍ご用達のキャバレー「パラディ」も、お目こぼししてもらっているみたいですね。
「ジュ・シャント」も似たような時代を扱っていて、時代的には「カサブランカ」⇒「ジュ・シャント(二幕)」⇒「リラの壁の囚人たち」。
どの作品にも、ドイツ兵が出入りする「店」(「カサブランカ」ではリックのカフェ、「ジュ・シャント」ではアリスちゃんの舞台、「リラ」では「パラディ」)が出てきて、フランス人(亡命者)たちはそれを遠巻きに見ている……という構図があるのが面白いなあ、と思います。実際にもああいう感覚だったんでしょうね、きっと。「侵略者」に対する目線というのは。

進駐軍に対する日本人たちの目線も、いろいろ複雑だったんでしょうけれども。そういえば、宝塚ではあまりありませんね、その時代の日本の物語って。第二次世界大戦中あるいは戦後のヨーロッパを舞台にした話は結構多いのに。「黎明の風」くらいかな。




そんな時代背景の中で、イギリスの情報部員としてはたらくエドワード・ランス。
彼は、この物語のなかでは「情報部員」らしい仕事はいっさいしません。ヴェルレーヌの詩にも無反応だし、他にも色々。本当に情報部員なのかお前!?と思ってしまう。
ただ、「遠からず連合軍が上陸し、ナチスはパリを追い出される」と明言できる程度には戦局が見えているんですよね。ただのタラシじゃなくて(^ ^)。

私は、テルくんのことは役者として結構好きなんですが、彼女の一番の魅力は、あのにじみ出るような優しさだと思うんですよね。
じっと相手のことを見て、にこっと笑う。太陽のような眩しさのない、ひっそりとした月のような頬笑み。不幸な女をひっかける最大の武器を生まれながらに与えられて、その威力もわからずに振り回しているみたいなところが凄く好きなんです。
幸福な、生命力にあふれた女は、テルくんにはひっかからない。
「凍てついた明日」でも、アニスは「幸せになる」という意思があるから、彼から逃れるんですよね。でも、ボニーは「どこかへ行きたい」と思っているだけで、「幸せに生きる」ことに意味を見いだせない。だから、テルくんと一緒に行ってしまう。

ポーラもマリーも、幸せだとは言えない。
ジョルジュとの歪んだ関係に疲れ果てたポーラ。ろくに男を知りもしないで、身請け同然にナチスの将校に買われる自分に納得できないマリー。
そこに幸せがないことはわかっていても、どこかへ連れて行ってくれる男、あるいは一緒に逃げてくれる男を求めてしまう。エトランゼとして、「帰る地」を持つエドは、ちょうどそういう男だった、ということだと思う。
そういえば、クライドは「帰る地」を持たない男だったな、とふと思い出してみたり。


テルくんが演じる「エド」のキャラクターは、クライドに少し似ている部分もあるだけに、若干の違和感をぬぐえませんでした。
閉じ込められたら、おとなしく閉じこもっているタイプに見えるんですよねー。イラついて壁を叩いて歌いだすようなキャラだったことに驚きました(@ @)。
閉ざされた空間で、満足しておとなしくしていられる人に見えるんだけどな。まあ、人懐っこく裏庭の住人たちに話しかけるのは違和感ないんですけど、基本的には飼い猫っぽいので。

ただ、根本的なところでそういう違和感はありつつも、「情報将校」にはちゃんと見えるところがビジュアルの勝利だな、と。
絶対、身分を隠して女を口説いて情報を集めるタイプなのよ!と力説したい。(誰か聞いてください)情報将校として働いている姿はすごく想像できる。
ただ、あんまり自分の意思で「イギリスのために」「汎ヨーロッパの平和と安寧のために」なんていう大上段にかまえた思想を持っていそうに見えないだけで。
……マリア・テレジアの旦那とか、ああいう役は滅茶苦茶嵌るんだけどなー。キャラクターの抽斗の中に「黒」い部分が無さすぎる上に、熱いモノも全くないので、『白いヒーロー』をやらせると優しいだけになってしまうんだな、と納得してみたりしました。後ろ向きでアツくなれない、血圧の低そうなところが魅力の人だと思うのですが、『ヒーロー』を演じるには課題が多い人なんだな、と思いました。

ま、エドって本質的には『ヒーロー』として演じなくてもいい役だとは思うんですけど、今回は演出が中村さんなので、エドがわかりやすく『ヒーロー』でいてくれれば、もっと盛り上がれたかな、と思いました。



話はだいぶ飛ぶんですけど、エドのあまりの煮え切らなさに、私は途中まで、てっきりエドにはロンドンに妻かあるいは許嫁が待っているんだと思い込んでました(^ ^;ゞ
マリーのことを、頭から恋愛対象から抜いて話している姿とか、独り身ではありえんだろう!
ポーラに一目惚れしてマリーなんて目に入ってない、って感じでもないのに、「あなたは可愛い」とかサラっというのってありえないでしょー?女を口説く気持ち全く無しでそんなことが言えるのは、中年以上の枯れた紳士だけですよ。
相手を女だと思ってないんだもん。「女の子」だとしか。ひどいよなー。


ちなみに。ビジュアルキングの筈のテルくんですが、猫が一番悶えたのは、冒頭とラストの髭姿でした(*^ ^*)イヤぁん、似合いすぎるっっっ!!あの帽子の角度も最高よ♪♪





他のメンバーもそれぞれに良かったんですが、長くなってきたので、また明日にでも続きを書きたいと思います。



あ、でも、一言だけ。
ピエールの天寿光希さんが、最高に格好良かったです!!

普段はあんなに色白なのに、少し濃いめに地色をつくって、精悍な感じ。いつも笑顔が可愛いなあと思っていたのに、突然あんなに格好よくなるのは反則ですよ(^ ^;ゞ
しかも、声がめっちゃ低くて太い!!あんな声も出たのか……とびっくりしました。テルくんがちょっと甘えた感じの柔らかい声だし、ルネの麻央くんがまた女の子丸出しの可愛い声なので、一人だけ「男」な感じでした(*^ ^*)。
小柄なのが心の底から残念だけど、スタイルのバランスは悪くないと思うので(贔屓目?)、衣装の着こなしなど工夫しながらがんばってほしいです。

……せっかくの低音が魅力のピエールさんですが、さすがにあの声では歌えないのでしょうか?突然階段の上で歌いだしたときには、何事が起きたのかと思いました。太陽みたいな明るい笑顔に、少し高めの甘い声、という、いつもの見慣れたみっきぃさんでしたが、、、おーい、ピエールさんはどこに行った?って感じも若干(汗)。

いや、それもステキなんですけど!(←駄目かも)


なんか、若干墓穴を掘ったような気がするので、このへんで。


東京宝塚劇場にて、星組公演「ハプスブルクの宝剣/BOLERO」を観劇してまいりました。



鳩が可愛い!

白い鳩、といえば、「バビロン」のかよこちゃん(朝澄けい)が有名ですが、今回の鳩はどいちゃん(鶴美舞夕)とキトリちゃん(稀鳥まりや)。「ハロー・ダンシング」のパパラギコンビを、がっつり使ってくれた草野さん、ありがとう★
草野さんって、星組は「レビュー・オルキス」以来ですかねぇ?あのときもどいちゃんとキトリちゃんは結構使われていましたけれども、今回はまた特別なフィーチャーっぷり。
いやーーーー、ホントに可愛い♪

幕開き早々にいきなりソロで踊ってるどいちゃんに驚愕。身体のラインで礼音くんじゃないことはすぐにわかったんですが、まさか、と思いました(^ ^;ゞ。
ああ、本当にラインが綺麗な人だなあ。

次の場面で出てきて、どいちゃんと一緒に踊るキトリちゃんも、本当に重力を感じさせない可愛らしさ。あの二人のダンスを観るのはとても幸せです。
ああ、もう一度あの「パパラギ」が観たい……(*^ ^*)。




全体を通してのテーマは、風(ロメロ/柚希礼音)と花(ジゼル/夢咲ねね)の恋物語。
高橋陸郎氏の「鳩」という詩からのイマジネーションと、「風と花の恋」という言葉から連想する物語が絡み合って進んでいきます。

「2月4日」から「1月8日」まで、途切れ途切れに語られる、約一年間のロメロとジゼルの愛の軌跡。
日付を読み上げての場面説明的な意味の日記(?)がナレーションで入るところは、ちょっと処理として格好良くは無いな、と思いました。判りやすくていいんだけど、わかり易すぎてつい笑ってしまう(^ ^)。だって、「彼女を追って、彼女の故郷キリマンジャロへ向かった」とか言われても、どう反応すればいいのやら(汗)。しかも、そのナレーションと共に出てくるのは、たぶんそのイメージはサバンナ系。キリマンジャロは一応山なんだけどなあ。

あと、「RED HOT SEA」でも「二人の記念日」と歌われていた『7月10日』が出てきたときには、ついつい笑ってしまいました(^ ^)。草野さんにとって、7月10日って何の日なんでしょうね?





場面場面は明解なのですが、プログラムを読むまで「ロメロは風でジゼルは花」というモティーフが全然判らなかったので、草野さんの考えていたイメージがあまり私に伝わっていなかったことが、プログラムを読んで判明しました。

だって。


3月20日に出会って、
4月18日にめくるめく愛の嵐に吹き飛ばされた二人が、
5月6日にはもうお互いを見失ってあちらこちらを探して歩き、
10月21日から11月23日の間に再会して、
でも、またすぐに奪われ、
12月24日に再会して1月8日にフィナーレを迎える……
そんな物語のヒロインが、どうして花になるの?
普通の花は一年に三度も咲かないよ!


しかも、なぜキリマンジャロなんだ……?その後出てくる烏(カラス)たちは、コンゴ戦争だとでも?(←違うと思う)。





「風と花」というモティーフと、「鳩」というモティーフが、うまく融合していない印象を受けました。
……もしかしたら、私が鳩に集中しすぎていたのかもしれませんが(^ ^;ゞ。





まあ、そのあたりは本題にはあまり関係ない……というか、観ている分にはあまり気にならないのですが。

ただ、そういう構造的なわかりにくさのために、全体の構成が見えにくくなっていたのが気になりました。
『鳩』という印象の強い要素を持ち込んだことで、『風』と『花』というモティーフが象徴性を喪いかけてしまうんですよね。そのせいで、「無風(風通しの悪い大都会)」で淀んでしまい、花の跡を追えない風(礼音くん)とか、迷宮の男たちやカラスに何度奪われてもその都度蘇る花(ねねちゃん)といったエピソードが、どれもこれも伝わりにくくなっているんじゃないかな、そうだとしたら勿体無いな、と。

……単に、私のアンテナが寝ていただけかもしれませんが(汗)。





一番印象に残ったのは二羽の鳩で決まり、として。

その次は……やっぱり、ここは中詰めのねねちゃんのダルマかな。

ホワイトライオンのすずみんも、パンサーのともみんも、ゼブラのテルくんも、みんな綺麗でしたけど。
そういう意味では、黒豹の5匹の方が印象的でしたし!(前の3人の印象が吹っ飛びました……五人とも可愛かった!!)



セットとか、衣装とか、衣装とか、セットとか、いろいろ突っ込みたいところはありますが。
とりあえず、ねねちゃんが可愛かったので、ヨシとしたいと思います。

新トップコンビとして組んで、二作目。全ツを入れて三作品。
やっと二人が馴染んできたような……少しづつ、手探りでお互いの位置を確認しているような、そんな微笑ましさがありますね。
そして。トップトリオが、どの組み合わせで踊っても見栄えがするというのは、ショーをするうえで素晴らしい利点だなと思いました。いや、踊らなくても、ただ立って並んでいるだけで「おお!」となるのは、今は星組だけかも……と。
良いトリオになりそうで、もうしばらくこのまま観ていたいような気がします。



でも。なぜか、今回のショーも、全ツの「ソウル・オブ・シバ」も、礼音くんが「すげー!思いっきり踊ってるよ!」っていう場面が無かったような気がするんですけど……。
うーん。ソロダンスはいらないんだけど、たとえば鳩(男)とジゼルの場面があるんだから、鳩(女)とロメロの場面もあればよかった……のかなあ(T T)。


なんだか、いろいろ突っ込みどこが満載すぎて、何を突っ込めばいいのかわからなくなったショーでした。
プログラムを読んで設定を理解した上で、もう一回見たら絶対面白いんだろうな、と思うのですが、残念ながら今月はもう無理なので(T T)、全ツに期待したいと思います。


これからご覧になる方は、あらかじめプログラムを読んでおいたほうがいいですよ(たぶん)、とアドバイスを残しつつ。



東京宝塚劇場にて、星組公演「ハプスブルクの宝剣/BOLERO」を観劇してまいりました。




でも、またもや余談。
教は月組の「スカーレット・ピンパーネル」の集合日でした。
なのに!配役が出ない!!新人公演主演さえも出ないなんて~~~っ(嘆)
いったい何があるとゆーんだ、配役。ショーヴランの役替りだけでもうお腹一杯だとゆーのに(T T)。

東宝劇場公演千秋楽付けでの卒業が発表された紗蘭えりかさん、鼓英夏さん、愛那結梨ちゃん。
あああ、88期も二人(紗蘭・鼓)抜けて、残り五人か……寂しくなります。ふんわりとした存在感が魅力だった紗蘭さん、下級生の頃から小芝居の女王だった鼓さん。そして、研5での卒業となる愛那さん。……(安里)舞生ちゃんと同期だけど、四月をまたいで研5になるから、大階段はちゃんと降りられるのかな。本当に、あんまり下級生で卒業するのは本当に勘弁してほしいですよね、応援している方々の立場にしてみれば……。

みんなと素敵な思い出をたくさん作って、悔いなく卒業できますように。








さて、それでは、本題の星組公演。

お芝居は、作・演出植田景子。藤本ひとみさんの小説を原作とする、グランドロマン的なスケールの大きなミュージカル。
シルヴェスター・リーヴァイ氏作曲のオリジナル主題歌「魂に宿る光」が、さすがの素晴らしさでした♪



私は原作は未読なので、純粋に舞台だけを観ての感想になりますが……。

フランクフルトでユダヤ社会の裏切り者となったエリヤーフー(柚希礼音)が、ウィーン宮廷で孤独をかこっていたロレーヌ公フランツ・シュテファン(後の神聖ローマ皇帝フランツ一世)に救われ、ハプスブルクを救う影の功労者・エドゥアルトになる……というストーリーは、藤本氏らしい無茶な物語ですが、ネタが壮大で面白かったです。
原作はきっと全然違う展開なんだろうな、、と予想しつつ、ちょっと興味が湧いております(^ ^;ゞ


マリア・テレジアとフランツは、当時としては珍しい恋愛結婚。実際には色々と(ウィーン宮廷の因習とか、国際関係とか)あったにせよ、フランツの、国政には関わらずに名ばかりの皇帝として愛する女性をサポートし、子供たちを可愛がる有能で優しい夫というイメージは、マリア・テレジアの宮廷の信頼を高めるのに効果的でしたし、実際、30年足らずの結婚生活で16人の子供を儲けた二人は本当にラブラブだったんだろうな、と思います。

ハプスブルク家の出身らしく癇癪もちのマリア・テレジアとは、喧嘩をしたことだってあったでしょう。そもそも、国政に関わらなくなったのは、彼女との対立を避けようとしたためだし。
それでも、祖国ロレーヌを手放して(フランスに譲渡して)までもマリア・テレジアとの結婚を選んだ……いやむしろウィーンへ「嫁いで」きたフランツには、もう還るところはなかったのですから。

その「還るべき場所の喪失」で共鳴したフランツとエドゥアルト。二人の友情がとても切なく、そして美しい。



いやはや。
マリア・テレジアとその夫君には、元々興味があったのですが。
私の持っていたイメージに、テルくん(凰稀かなめ)のフランツ・シュテファンが見事に嵌っていたことに驚きました。なんといっても、「嫁いできた」感があるところが素晴らしい!さすが受身芝居の皇帝陛下。こんなにぴったりなキャストは無い!くらいに盛り上がってしまいました(^ ^;ゞ。

また優しいんだ、テルくんのフランツは。そういえば、クライド(「凍てついた明日」)も優しかったなあ……。あの後しばらく漂わせていた虚無感をやっと振り払って、今回のテルくんはすごく綺麗です。綺麗で優しくて、オンナノコが夢見る王子様そのもの。存在感を主張しすぎず、ただ綺麗なだけのお人形でいるために、大変な努力を払っている人だと思う。



それに対する礼音くんのエリヤーフー/エドゥアルトは、なかなか難しい役でした。

前半は、ユダヤ人として理想を抱き、教えを広めるためにその根幹を成すトーラー(律法あるいはモーゼ五書)をドイツ語に訳そうとする、優秀な青年エリヤーフー。
中世は、キリスト教もラテン語聖書しか無かったんですよね。訳すためには、神の詞を訳者が解釈しなくてはいけないのに、その解釈が正しいか否かの判定が非常に難しいから、書物は書物で持ちつつ、口頭で解釈を伝える師が力を持つわけですが。

……この時代のユダヤ人社会って、いったいどんな社会だったのでしょう。ユダヤ人社会、といえば「屋根の上のバイオリン弾き」が浮かぶけど、あれは時代も場所も全く違うし。
ただ、宗教的に「行動」を重視し、さまざまな「しきたり」(いずれもトーラーに由来がある)の色濃く残るユダヤ集団が、非常に保守的で閉じられた社会であったことは間違いないでしょうね。
そんな中で、新しいことに挑戦することは、非常に危険なことなのかもしれません。

結局彼は、アデルハイド(夢咲ねねの二役)との逢引を彼女のフィアンセ(壱城あずさ)に見つかり、決闘となって殺してしまうことで、完全にユダヤ社会からは排斥される訳ですが。
実際にはそれより前に、トーラーのドイツ語訳そのものが家族によって否定されているんですよね。自分の『魂の光』を否定された彼が、社会に順応できるはずもなく、彼の出奔はそのときに定められた運命だという気がしました。

…ただ。そう考えると、アデルハイドとの恋が展開的に意味がないというか、モーリッツが無駄死にというか、、、(^ ^;ゞ。
ちなみに。私は、しーらんは傷ついただけで生きていると思っていたのですが、脇に運ばれた後で亡くなる芝居をしているそうですね。……これは、あとでラストシーンで重要になるので、ちゃんと観ておけばよかったと思いました(T T)。




そのままエリヤーフーは逃亡してフランツに救われ、“エドゥアルト”という生き方を選ぶ。
ここって物語的に重要なところだと思うのですが、二人の出会いとか、改宗にいたるきっかけとか、そういうものが描かれていない(説明のみ)のがとても残念でした。礼音くんの芝居からもそのあたりの事情は伺えなくて、もどかしい感じ。
原作にはそのあたり、丁寧に描かれていたりするのでしょうか?
(っていうか、改宗した事実はプログラムを見て初めて知りました……そんなコト言ってた?)



ねねちゃんは、女王マリア・テレジアと、フランクフルトの裕福な家(?)の娘アデルハイドの二役。
芝居はしっかり別人として造り込んでいて良かったのですが、髪形が同じようなイメージだったのがちょっと残念。女王と平民なんだから、もう少し違いを出したほうがよかったんじゃないか、と思いました。
それにしても。
ねねちゃんと礼音くんの並びも華やかでよく似合うコンビだと思うですが、ねねちゃんとテルくんとの並びも素敵ですよね!! 今回、100分間のお芝居のほとんどの時間、ねねちゃんはフランツの妻マリア・テレジアとして過ごすので、ずーっとフランツと並んでてくれてうっとりしちゃいました。
それにしても、エリヤーフーとアデルハイドは普通にトップコンビらしい恋人同士ですが、エドゥアルトとマリア・テレジアはすごく微妙で、宝塚では珍しい関係だな、と思いました。



涼さんはフランツの側近・ジャカン。私は最初、深読みしすぎて彼は悪役なんだと思ってました(汗)。「紫子」の外記みたいな感じかな、と。実際には定嗣系の役でしたね。……フランツを愛していたかどうかは知りませんが(^ ^;ゞ。あ、でも、マリア・テレジアと良い雰囲気になるエドゥアルトを邪魔するために、エドゥアルトにとっては致命的な暴露(ユダヤ人であること)をするのはフランツのためだと思うので、やっぱり愛しているのかしら。

宮廷服が良く似合う王子様なのは基本なので特にコメントすることもないのですが、相変わらず素敵でした(*^ ^*)。



ハンガリートリオの彩海早矢・夢乃聖夏・紅ゆずるは、皆衣装が良く似合ってて素敵でした♪
良い場面だったし、この3人でちゃんと持たせられるんだなあ、と感心しました。

ただ、エドゥアルトがハプスブルクを救う唯一のエピソードなのに、彼の偉大さでハンガリー人たちも従ったぞ!すげーーっ!!とかではなく、単に旧知の仲だったというオチが……と思ったのは事実ですが。
原作だと、もしかしたらその「昔の戦争」が話も出てきたりするのでしょうか…?そこで英雄的な働きをしていて、だから無理な願いも訊いてもらえる、とか。何か、そういうエピソードが欲しくなる感じだった、かも。



イロイロ飛ばして、おそらく初見で一番印象に残る人物の一人であろう、少女オルガ(稀鳥まりや)。

私はキトリちゃんが大好きなので、彼女が登場するだけで結構幸せなんですが。
真直ぐな笑顔がとても可愛らしい人なので、ああいう役はぴったりだなあ、と思いました。暗さのない、ふんわりとした明るい可愛らしさがありますよね。人の気持ちを引き立てて、暗闇から救ってくれるような明るさ。
いや、ああみえても「エル・アルコン」の女海賊ギルダが似合ったりする人なんですけどね。七色のオーラを持っていて、声の強さと身体能力の高さが役の幅を広げていると思うのですが。

それにしても、可愛かった~~~!!(←結局それ?)

ただ。あのエピソード自体には、無理矢理感があったなぁ、と。
故郷を追われたユダヤ人たち(家族)に出会って、自分の行く末を見失ったまま、ホヘンフリーデベルクの闘いに敗れて傷ついた彼を助けてくれた少女オルガが、トーラーのドイツ語訳を持っていた。ディアスポラ(離散)の時代、ラビの訓戒も思うように得られないときに、『読める聖書』がどれだけ重要なものであるか。「これがあるから、あたしたちは大丈夫」と軽やかに微笑む少女によって、彼の中のエリヤーフーの部分が救われるのは、展開として正しい。

でも、エドゥアルトの部分まで同時に救われてしまうのが、とても不思議 でした。
だってエドゥアルトは、信頼篤い旧友のハンガリー人たちを全滅させてしまったわけですよね…?ホヘンフリードベルクの戦いは、オーストリアの惨敗。ハンガリー軍は壊滅し、彼自身も生死の境をさまよってオルガに救われる状況。
なのに、どうして?

もう『エドゥアルト』では居られない彼が、新しい名前を得ようとするのではなく、『エリヤーフー』に戻る決心をするのは理解できるような気もしますが、なんとなく釈然としない……展開に無理があるというか、礼音くんが最初からエリヤーフーすぎるというか。
ちょっと微妙な気がしました(^ ^;ゞ。



フランツの弟カール大公の真風涼帆さん、マリア・テレジアの妹マリア・アンナの音波みのりちゃん。まさに宮廷を彩る花、華やかな美男美女にうっとりしました(はぁと)。
いや~、美しいことは良いことだ♪ 新公では、真風くんがフランツ、みのりちゃんがエリヤーフーの姉ドロテーア(本役琴まりえ)。真風くんはもちろん、みのりちゃんも良いところに来てますね♪ 今後が楽しみです♪



エリヤーフーの学友たちに好きな子が集まっているので、あまりの出番の少なさにちょっと凹みました。でも、皆格好良かった!やっぱり天寿光希くんは好みらしい。髪が長くていつもと頬のラインが違うのでしばらく誰だかわからなかったのに、「なんか好みの美形がいる♪」と思っていた自分に笑いました。……どうなのよ、その偏った識別能力は。

偏った識別力といえば、バイエルン王カール・アルブレヒトの本城くれはさんをキッチリ発見した自分を誉めてあげたい。あまりにも美形すぎて、くらくらしました。あんな一瞬の出番なんて勿体無さ過ぎる~~っ!!(強く主張)



老臣たちが良い味を出していて、さすが上級生の層が厚い組は違うな、と思いました。
彼らが出てくるだけで癒されます(^ ^)。


お芝居はそんなところでしょうか。
ショーについては、また後日。


「カサブランカ」千秋楽が終わって腑抜けているところに、びっくりニュースが飛び込んできました。


星組梅田芸術劇場大ホール&博多座は、ちえちゃん・ねねちゃんのコンビで、フランスミュージカル「ロミオとジュリエット」を続演!!



おおおおお。
「ロミオとジュリエット」ですか!!(@ @)


2001年にパリで世界初演された、フランスミュージカル。
作(詞、曲)・演出はジェラール・プレスギュルヴィック。
ウィーン(独語)版の初演が2005年で、このときのキャストは、ロミオ=ルカス・ペルマン、ジュリエット=マジャーン・シャキ。


私は2007年の「ルカス・ペルマン×中川晃教コンサート」で、ルカスがゲストで参加していたマジャーンとデュエットしてくれた「Liebe」(「WEST SIDE STORY」における「ONE HAND, ONE HEART」にあたる曲)があまりにも素晴らしくて(; ;)、それ以来ずっと日本上演を切望しておりましたので、とりあえず観ることができるだけで素直に嬉しいです。


ただ。

2008年の「ウィーンミュージカルコンサート」では、名曲「Liebe」のほかにも、究極のラヴソングである『BALCON』(それこそ「TONIGHT」にあたる)や乳母のナンバー、ジュリエット父のナンバー、そして何よりカッコいいロミオ&マキューシオ&ベンヴォーリオ3人のナンバーを歌ってくれたのですが。
……どれも、凄い曲ばかりだったんですが、星組さんってそんなに歌える人が揃ってるんでしたっけ?(汗)。

まあ、なんとかなる、ものなのでしょうか……?(はてな)




梅田も博多も、今のところ裏は何も発表されていませんが、組子全員で動くのでしょうか…?
(去年は「フィフティ・フィフティ」が飛び込んだ枠)

役替りとかもありそうだけど、どうなるんでしょうね。
せっかくれみちゃんが組替えするのに、梅田も博多も、少なくともヒロインじゃないことは決定だしなあ。やり甲斐のある役が回ってくるといいのですが。
ちなみに、「ロミオとジュリエット」の二番手娘役は乳母でいいのかな?ソロもあるし。観たことはないので、そういうバランスがよくわからないのですが。

どちらにしても「演出=小池修一郎」と明記されているので、プレスギュルヴィックの演出とはだいぶ変わるんでしょうね。
新曲だって入るかもしれないし。

ただ、「ロミオとジュリエット」は元々宝塚向きの題材なので、小池さん的には『そのまま上演する』でいいと思うんだけど……。

音楽的には、ちえちゃんは以前に比べれば随分上手くなったんですけど、ロミオのナンバーはかなり音域が広いので、かなり修正が必要なんじゃないかなあ。小池さん、今年も忙しいだろうに大丈夫なんだろうか?



それにしても。
7月の梅田、ですか。宙組の東京公演と丸かぶりやんか(涙)。むしろ、博多の方が行きやすい……か?(←そんな莫迦な)


一年くらいしてほとぼりが冷めたら、ルカスとマジャーンでツアーしてくれないかなあ~。
「ファントム」みたいに、ロミオは浦井&ルカスのWキャスト、とかでも構いません。とにかく、ルカスとマジャーンがこの役にふさわしい年齢であるうちに、日本でも上演してほしい~~!!







最後に、願望を書いてもいいですか。

……あずるりでW主演バウ、そして、水輝涼&白華れみで巴里祭を、それぞれやってほしいです~~~っ!!

……あ。でも。ジュリエット父とか、神父あたりにも名曲があるので、水輝さんにはそっちを歌ってもらいたいかも(汗)。




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宝塚星組 日本青年館公演「コインブラ物語」。



昨夜のヒキどおり、まずはイケメン軍団の話から。


とにかくこの作品、本筋に関係ないところで客席を盛り上げていた水夫さんたちや盗賊さんたちが、皆男前で、とっても驚きます。ああいえ、王子様も近衛隊長殿も、それはそれは美形なんですけど(*^ ^*)彼らにはあまり華やかな場面がないので(^ ^;ゞ

まあ、イケメン軍団の希少価値をあげようとしてか、出番は少ないんですけどね……。ああ、「外伝・ベルサイユのばら」と同じ手法じゃないか(T T)。イケメンは出し惜しみせずにもっと出せーーーーっ!!(暴)


……す、すみません、つい本音が。



イネスの父親(オリバレス/美稀千種)の船の水夫長コスタ・ともみん(夢乃聖夏)。
一緒に出てくる船長(天緒圭花)の曲者っぷりとの対比が良かったです。熱くて真直ぐで、あまり頭はよくないけど、愛に溢れた優しい男。……ともみんってこういう役が多いような気がするんですけど考えすぎ?(^ ^)。いちおう、「エル・アルコン」のティリアンとかも似合ってたし、それなりに曲者もやれる役者だと思っているんですが。

コスタの恋人・イサベラには、休演した水瀬千秋ちゃんの代役で、同期の夢妃杏瑠ちゃん。下級生なのに可愛いし歌えるし、エネルギーのある芝居も悪くない。初めての大役じゃないかと思うんですが、魅力的でした。これからの活躍が、とても楽しみです。



盗賊たちのリーダー、ベニー(紅ゆずる)。
いやーカッコいい。「龍星」の頃から美形だなあと思ってはいましたが。「スカーレット・ピンパーネル」前後で急激にスターダムに押し上げられてから以降、ちょっと戸惑っていた印象があったのですが、やっと華と実がついてきたように思います。美貌はあっても魅せるテクニックのなかった人が、やっと自分の美しさを武器にできるようになったんだな、と。

いやー、どんなに彼らのエピソードが脚本的に意味がなくても、ベニーのイケメンぶりは最後まで印象に残ります。うん。見事な存在感でした。

妹のミランダについては、まりもちゃんのところで書いたので割愛。とにかく可愛くて元気で、最高でした!



ミランダの恋人・フェルナンド(美弥るりか)。
夢のように綺麗な青年で、なのに声も仕草も男前で、ミランダがのぼせあがるのもわかるわあ、と納得しました(^ ^)。脚本的にはあまり意味のない役だったのが残念ですが、みやるりとまりもちゃんの並びがこんなに絵になるとは!嬉しい驚き(^ ^;ゞ。そういえばこの二人、「マイ・ディア・ニューオーリンズ」の新人公演で姉弟だったっけなあ……。
もっと、最初の登場の群舞のところでしっかり組んで踊るとか、そういう恋人らしい場面があるともっと良かったのになー、と思ったりしました。あの場面にはベニーもいるので、演出が難しいところではありますが。



ちょっと花組の瀬戸かずやくんに似てるような気がしたのは、長身でスタイルのいい汐月しゅうさん?かな?何が似合ってたって、二幕冒頭のシスターの扮装がめっちゃ可愛かったです(汗)。
水夫たちの群舞で、最下ぽいポジションで踊っていたのは、夏樹れいさん……でしょうか(すみません、プログラムを買い損ねました)。なんとなく、踊っているときの笑顔に宙組のかいちゃん(七海ひろき)の面影を感じたのですが……(気のせい?)表情豊かで可愛かったです。うーん。おとめの写真を見ると、違う子のような気がするなあ(T T)。フィナーレの後半の小人数口にも入っていたような気がするんですが、、、



真風涼帆さんは、ロドリゲスがメインになるのでしょうか?個人的には、イケメン軍団の一人としてガツガツと踊っているときの方がよっぽど格好良かったんですが。…ロドリゲスとしての出番があるばっかりに、盗賊たちの中に入ってなくて残念だったよ……。

観劇前に聞いた話では、ロドリゲスは「暗殺者」だ、という話だったので、勝手に「闇の者」的な、チェーザレ・ボルジアにとってのミケロットのような存在をイメージしていたんですが、脚本的には彼はペドロ王子とコンスタンサの結婚話をまとめるなど表舞台での活躍も大きくて、アルフォンソ四世の腹心の部下か懐刀か、という印象でした。「アル・カサル」のドン・ペドロにとっての、マルティン・ロペスみたいな感じ。
そう思うと、ちょっと真風くんのロドリゲスは、全体のイメージとして「闇の存在」すぎたのではないかな、と思います。衣装も黒づくめだし、表情とか、喋り方とか、存在感とか……何もかもが「闇」の属性を感じさせてくれました。
それを狙っているんだとしたら大したものだと思ったのですが、……演出の酒井さんはどういうイメージで演出したんだろうなあ…?

それにしても、ベニーのちょっと派手さのある黒とはまた違う、闇に沈んだような衣装が長身によく映えて、すごく格好良かったです♪ 水夫たちの群舞に混ざって踊っているときも、伸びやかですごく目を惹いたし、存在感が出てきたなーと思いました(^ ^)。
ただ、笑顔のパワーはちょっと封印気味?もっと、前みたいにぱぁっと全身で笑った方が魅力的なのに、と残念な気も。あと、せっかく声がいいのに、台詞が焦ったように転びがちなのがちょっと気になりました。以前は普通に落ち着いて喋れていたと思うので、「闇の者」っぽい喋り方…のつもりだったのでしょうか?表情ももう少し工夫がほしいところです。真面目な顔としかめっ面は違うので。基本的に、キツめになるか茫洋とした感じになるかどっちかに傾いてしまいがちなお顔立ちなので、表情のキープはとても大事かもしれません。




あとは、ペドロ王子の付き人(?)の大輝真琴くんが出番も多く目立ってましたね。相変わらず可愛くて達者で、いい子だなあ。ショーシーンではガンガン踊ってて、すっごい格好良かった。


上級生は皆さん良い芝居をしてましたね。上から順に轟さんの母父、イネスの父、コンスタンサの父母、、、だったかな?高貴な身分の人を演じるには、やはりある程度の経験は必要なんだな、と思いました。

で。
みきちぐの髭が似合いすぎて素敵です(はぁと)。っていうか、みきちぐの「パパ」っぷりに惚れました。包容力のあるみきちぐ!!観て良かった!!






……と、キャストの話をして、最後に。

この公演の、最大の問題点は、
もしかしたら、脚本の壊れっぷりではなくて、フィナーレがいまひとつだったことかもしれません(涙)……という問題発言をしてみたりして。

酒井さんはショー作家だから、どんなに脚本が最悪でも(←これは結構覚悟があった)フィナーレには7500円の価値があるだろうと思っていたのに!!なんだか盛り上がりに欠けるショーだったんですよね……(涙)。
イケメン軍団はカッコよかったけど、音楽か振付か、どちらかの(←両方?)リズムがドン臭くて、その格好良さも発揮しきれてなかったし(T T)。

芝居の幕が降りてからショーの幕があがるまでの間が、無駄に長いのも問題かと。緞帳を下ろしてから間があくと、なんか気がそがれちゃうじゃないですか(私だけ?/汗)。
セットも大したセットを出してくるわけじゃないし、板付きなのはとっくに出番が終わって着替えて待ってるはずのすずみんだけだし、もっと早く始められると思うんですけどねえ。別に、セットなんてなくたっていいくらいだし。……酒井さん的には、轟さんの素晴らしいお芝居の余韻を大切にするための間 だったりするんでしょうか、もしかして……(莫迦)。




……あ。でも。

まりもちゃんと轟さんのデュエットダンスは、文句なく素敵でした。あれは何回でも観たい気がした(*^ ^*)。まりもちゃんも可愛かったし、すごくコンビの息があっていて。さすが轟さん、年の功?(^ ^;



日本青年館にて、「コインブラ物語」を観劇してまいりました。



とりあえず。
脚本の小林氏も、演出の酒井氏も、いったい自分たちが何を描きたいのか、もう少し整理をしてから作品に取り掛かってほしかったなあ、と、それが観終わって最初の感想でした。



参考までに。原作、というかネタ元の「ペドロとイネス」の物語の本筋を簡単に書くと、こんな感じです。

①イネス(蒼乃夕妃)はカスティリア貴族の娘。コンスタンサ(優香りこ)とペドロ王子(轟悠)の結婚話が持ち上がって初めてコンスタンサの侍女としてポルトガルを訪れ、そこでペドロと恋に落ちる。
②ペドロの父王アルフォンソは王妃をないがしろにする息子に怒り、イネスをサンタクララ修道院に幽閉する。
③妃コンスタンサは、若くして王子を産んで病死する。
④ペドロ王子はイネスを王妃として正式に迎えようとするが、父王やその側近は王子に新しい妻をめとらせようとイネスを暗殺する。
⑤二年後に父王が崩御し、ペドロ王子が即位すると、彼はイネスの遺体を掘り出して王妃の冠を与え、イネスを暗殺した貴族たち(カスティリアに亡命)を引き渡すようカスティリア王ドン・ペドロに依頼し、残酷な刑に処した。


しかし、小林氏の脚本は全然違う物語になっていました。(ネタバレしてますのでご注意)


①イネスはポルトガル貴族の娘で、王妃(ペドロ王子の母/万里柚美)付きの侍女。王子の結婚話が持ち上がる前から二人は恋人同士だった。
②イネスは幽閉されたのではなく、父親(美稀千種)の留守中は危険だということで、一時的に修道院に身を寄せていただけ。
③コンスタンサは、ペドロとは臥所を共にすることなく、恋人(涼紫央)と共にインドへ逃げる。
④父王がイネスを暗殺しようとするのは、ペドロとコンスタンサとの仲を心配したからであって、コンスタンサにも他に恋人がいるなんて夢にも思っていない。
しかも、暗殺を命じられた連中は、イネスと間違えて彼女に良く似た盗賊団の娘を殺してしまう。
コンスタンサが逃げた後、王妃にと迎えに来たペドロをイネスが拒否して、幕。


……えーっと。

外伝というかホラーになってしまった「ベルサイユのばら」とかを観てきた身には、別にコメントするほどのこともない(←誉めてはいない)作品だな、くらいに思いながら観ていたのですが。
終幕の芝居に、というか脚本に、唖然……

それは、ない。
そんなラストだったら、史実どおりイネスを殺しておいたほうがよっっっっぽど宝塚作品としてはマトモだ。



出てくる人出てくる人、みんな格好良くて綺麗で元気で可愛くて、目には優しい公演だったんだけどなあ。



脚本が根本的に間違っているうえに、演出も何の疑問も抱かずにそのままイタに載せてしまった、という、そういう不味さ。そういえば、酒井さんってショー作家だったな と思いました。脚本の粗をカバーできるわけ、ないか……(T T)。




とにかく、この話の何がまずいかって、客寄せの目的もあってメンバーにいれたのであろう若手陣(夢乃聖夏・紅ゆずる・美弥るりか 他)の出番が、ショーアップされた見せ場としては最高に良い場面なのに、本筋と何の関係もないどころか脇筋にさえなっていないところ。
本筋と脇筋と両方にドラマがあるのはいいことなんだけど、彼らの出番は起承転結がないので筋になってない。ただ、場面があるだけ。


盗賊団の首領(紅)と妹がワケアリだっていうんなら、そのワケをもう少し活用しようよ。
実は、彼ら(カスティリアの没落貴族だった、って言ってたよね?)の仇はビメンタだった、ってのはどうよ。ビメンタもポルトガルに来ていると知って付け狙っていたら、はずみで一緒に居たコンスタンサを殺してしまう、とかさ。

あるいは、コンスタンサとビメンタを乗せた船(イネスの父親・オリバレス/美稀千種の持ち船)にドラマを作ってもいい。水夫長(夢乃)が「この航海が終わったら陸に上がる!」と言っているんなら、一番のドラマはその船が目的地に着かないことだよね。船が沈んだという知らせが来る、とか。
……すみません、あまり深く考えていません(汗)。




本来、「ペドロとイネス」の本筋だけでも、それなりに二幕もつはずだと思うんですよね。波瀾万丈な話じゃないですか。それが、イネスの暗殺という物語の根幹、一番大事なエピソードを無かったことにしてしまったから、ワケがわからなくなってしまったんじゃないか、と。
たとえて言うなら、モンタギュー家とキャピュレット家が対立していない「ロミオとジュリエット」みたいな感じ?両家の争いは平和を愛する宝塚っぽくないから、そんなエピソードは抜いちゃって、若くて純真な少年少女の恋物語でいいじゃないか!と。で、そうしてみたら、二人が最後に心中する理由がないので、じゃあ盗賊に殺されたことにしようかね、みたいな。
そんなん「ロミオとジュリエット」じゃない!と思うでしょう?
同じレベルで、これはぜんぜん「ペドロとイネス」の物語じゃないんです。殺されたわけでもないイネスが、妃が不在になったペドロの求愛を拒否するならば、そういう行動を納得させるだけのエピソードの積み重ねが必要なのに。それまでのイネスは、ただの美しく儚げなお人形さんでしかなかったのに。突然政治に目覚めて「王妃さまを追い出したと人々に謗られるのはペドロ様のためにならない」とか言い出すなんて、違和感ありまくりです。せめて「命を狙われたと知った恐怖で、恋に眩んだ目が醒めました」くらいの台詞を言わせた上で、そういうことを諭す目上の存在が居ればわかるんだけど、修道院長もイネスの決心に吃驚するだけで、ぜんぜん助言してる気配もないし。

そういう、説得力のあるエピソードを作ることもなく、脇「筋」にもなっていないショー場面で時間を使い切った脚本、それに疑問を抱かなかった演出&その他のスタッフ陣。
……こういうのを、「老害」っていうんじゃないですかねぇ、、、、(ひそひそ)。





轟さんに、25歳の王子様 をふるのはどうかと思う、っていう話は「オクラホマ!」「黎明の風」と繰り返し書いてますので割愛します。
いやもう、17歳の王子様じゃなかっただけいいよ、と思うことにする。

しかーし!!脚本的には、ペドロは全然25歳でさえない。もっとずっと無茶な、無鉄砲で愚かな人。恋ゆえに国をも滅ぼそうとする、愚かな熱情を抱いた、それこそ、童貞の17歳、って感じなんですよね。なのに……。
轟さんの芝居は、史実のペドロと脚本のペドロ(全くの別人)がごっちゃになって、中途半端になっていた印象がありました。実年齢の割に見た目は若くて美形で、コスチュームものもよく似合う方ではあるんですが、残念ながら声に若々しさがないのは如何ともし難い。喋るたびに違和感を感じました。

っていうか。イネスの死の真相にも気づかず、いたずらに嘆くしかない子供みたいな男は、そのへんの若手に任せておけよ、と思っちゃうんですよね…。そうすれば、もう少し水夫たちとか盗賊たちのエピソードを「脇筋」に出来たんじゃないかなあ。なまじ轟さんがいるから、あの単純な本筋が無駄に重たくなって、結果的に意味不明になったような気がします。
轟さんが演じるからには、普通の宝塚作品では描き難い、後年のペドロ一世、父王と対立し、イネスを奪った貴族たちに復讐する苛烈で激しい性格の男をきちんと演じてくれるんだろうと思っていたのに、まさか物語がそこまでたどり着かないなんて思わなかったわ(涙)。




まりもちゃんは、バランス感覚のある役者なんだな、と思いました。
私が最初にこの人を知ったのは「KEAN」のぶっ飛んだお嬢さんでしたが、こういう楚々としたお人形さん役もちゃんと演れるんだなー、と感心。控えめで儚げで、おとなしいのに芯の強い、頭のいいお嬢さん。これだけの器のある女性なら、ちゃんと王妃になったほうがいいと思うんだけどなあ……(隣国カスティリアのペドロ一世の愛妾にして王妃、マリア・デ・パデリアのように)

そして、うって変わった盗賊の娘・ミランダの覇気!!
まりもちゃんの魅力が爆発して、凄いコトになっていました。少し低めのかすれた声、蓮っ葉な喋り方。一時もじっとしていない手足、くるくる変わる表情。本当に可愛くて魅力的で、エネルギーに満ち溢れて。そういえばまだ下級生だったんだっけ、と気づいたりしました。

ああ、まりもちゃん、本当にいい子だなあ。ホントはもう少し大きい男役さんと組ませてあげたかったんですが、この人は身長よりも芸風が大きいことが目立つから、学年の離れたベテランじゃないと御しきれないだろうし……そうなると霧矢さんしかいないよね、と納得したりします。
どうぞ、月組のカッコいい女役さんたちに混ざって、誰よりもカッコいいトップになってくださいね。




カスティリアの近衛隊長にしてコンスタンサの恋人は、涼紫央。
いやー、王子様といえばすずみん、すずみんといえば王子様。コスチュームの似合いようといい、優しい佇まいやコンスタンサに語りかける口調といい、これぞ王子様だなあ!という感じ。
いや、厳密には、この役は騎士であって王子様ではないんですけどね。「ベルサイユのばら」でいえばフェルゼンにあたる役なので。

ところで。
コンスタンサの護衛してポルトガルに来て、そのまま「カスティリアの近衛隊長」という肩書きのまま留まるという設定がすごく不思議なんですけど。なぜ一国の王妃の護衛官が、他国の王に忠誠を誓った人間なんだろう…?それとも彼は、コンスタンサの傍に居るためにポルトガル王に剣を捧げたんだろうか?




カスティリアの姫・コンスタンサは、下級生の優香りこちゃん。彼女なりにがんばっていたけど、ずいぶん難しい役でしたね。理知的で頭のいい、しっかりした現実的な女性。「おにいさま」をリードするくらい、積極的で行動的で、元気なタイプ。
うーん、こういう役は本来、もっと経験豊富なベテラン娘役か、元気いっぱいな美貌の下級生か、どちらかがいいと思うのですが。優香さんはどっちでもなかった印象。脚本どおりに台詞を言って、演出どおりに動いているんですが、なにか「コンスタンサ」という一人の女が見えてこなかった気がしました。
うーん、星組さんには詳しくないので他組になっちゃいますが、たとえば花組だったら天咲千華ちゃんのコンスタンサは見てみたいな、とか。雪組だったら、晴香みどりちゃんとか涼花リサちゃんが似合いそうだな、とか。そんな感じです。





思いのほか長くなってしまった(脚本に対する不満ばかり書いちゃってすみません)ので、この作品の(唯一の)見所であるイケメン軍団については、また後日♪



星組全国ツアー公演「ソウル・オブ・シバ」。
4年前に初演されたときは、「長崎しぐれ坂」とセット。専科の轟さんが特別出演、そして、トップ娘役だった檀れいさんのサヨナラ公演でした。
一回しか観られませんでしたが、デュエットダンスの後、トレンチコートを羽織って大階段を上がっていく檀ちゃんの後姿を、今でも鮮明に思い出せます。
……逆に言うと、それ以外は本当に思い出せない(^ ^;

特に、シヴァ神のイメージが全然違うような気がするのですが、どちらかというと、その後に上演された全国ツアー版が元になっているんでしょうか?そちらは観ていないので解らないのですが。





幕が開くと、舞台の中央に靴が置いてある。
下手の花道から現れる、白い影。すーっと音もなく舞台の真ん中まで出てきて、スポットライトの輪中に入り、靴を履き替える。
白い衣装に白い靴だったのを、淡い水色の靴に履き替えるのがちょっと不思議でした。逆の方がよかったのでは?あるいは、もっと強い色か。なんでわざわざあの色なんだろう…。

軽やかにタップで踊りだすナタラージャ。ヒンドゥー教ではシヴァ神の化身で踊りの王ですが、礼音くんの「踊りの王」はとても可愛い。しかし、ヒンドゥー教の設定なのに何故タップ?タップはインド人のものでもあるんだろうか(byロシアンブルー)


シヴァ神(鳳稀かなめ)が現れて、三人の妻たちと共に歌いだす。
三人の妻は、英真なおき・百花沙里・毬乃ゆい。いやー、迫力の妻たちで、小顔長身のシヴァ様は取って食われてしまいそうで心配な感じでした(汗)。
下級生たちも出てきて群舞が始まり、一通り踊った後で、群舞の後ろに金の衣装に着替えた礼音くんが登場。ナウオンで「オギャー!」と言われていたところですね。周りを囲むのが、あかし(彩海早矢)・どいちゃん(鶴美舞夕)・しーらん(壱城あずさ)・れんた(如月蓮)・天寿光希くんという、私にいったいどうしろと的な豪華メンバーだったのですが、振りが単調でちょっと残念な感じでした。せっかく踊れるメンバーが揃っているのになあ(T T)。
ねねちゃんは金髪のストレートの鬘で華やかに登場。すごく可愛い♪


いったん場面が切れると、シヴァ神と三人の奥方が幕前に。テルくんは非常に可愛らしく、お茶目な雰囲気でした。礼音くんがナタラージャ(踊りの王)になるのをすっごく楽しみにしているパパ、って感じ。親莫迦というか、ただのファンとゆーか。
ナウオンの礼音くんに対する態度とか観ていると、どこか痒いというか、バカップルと呼んでいいですかとゆー気になる(^ ^;ゞ ただ、ああいう甘えたなところが、舞台では出すことも隠すことも自在になりつつあるのが頼もしいな、と思いますね。……お兄ちゃんなキャラクターだけはまだ想像できないけど。



次は、ブロードウェイの劇場街。
楽屋口から出てくる世紀の大女優、レディ・ドリーム(夢咲ねね)。

ねねちゃんは十分に可愛いんだけど、気迫が足りない、かも。嫣然と微笑んだだけで光り輝いていた、退団間近のベテラン・檀ちゃんと比べるつもりはないんですが…、作品として、あの場面を仕切るだけの気迫が無いと役として成り立たないんですよね。
月組時代は、下級生の頃から立っているだけで雰囲気があるタイプだったんですが、最近は、そういう無鉄砲なところが封印されてしまったような気がします。学年も立場上がって、逆に舞台の怖さに気づいてしまったのかなあ?(しょぼん)

レディ・ドリームが立ち去ると、プロデューサー役のあかしが、道端に立ち竦む青年レオンに声をかける。礼音くんの衣装が、ナウオンでも話していた「皆で描いた」衣装、ですね(^ ^)。手形とか似顔絵とか、もっとしっかり視れば良かったなあ。
あかしの靴を綺麗に磨いて、お代をたっぷり貰うレオン。ここはご当地アドリブが入ることになっているらしく、私のときは「崎陽軒のしゅうまい弁当」でした(^ ^)。皆さん、二回公演後のご飯は崎陽軒だったのかしら?


金を稼いだことが嬉しくて、ストリートの仲間たちと踊りだすレオン。乞食の格好で、小芝居しながら踊る水輝涼くんと梅園紗千さんが可愛い☆いや、他のストリートメンバーも皆可愛いんですけど、、、乞食のだぼだぼ衣装に包まって、にっこにこで踊る水輝。実に可愛い♪

シヴァ神が、遠眼鏡を片手に嬉しそう~~!にレオンを視ていたのは、ここだったかな?(違っていたらすみません。幸せそうなテルくんの笑顔しか覚えてない…)
テルくん、綺麗な人なのにシヴァ神の鬘はどれもあんまりイケてなかったような…。貌が小さすぎて、ボリュームのある鬘をかぶると負けてしまいがちな気がするんですよね…。「風の錦絵」の戦場の形状記憶鬘は死ぬほど似合っていたけど、絶妙のバランスで作られているから、ちょっとでも崩れると(-"-; になってしまう……。地毛でやっている場面はどれも綺麗なのに(; ;)。



レオンのショースターとしての才能を見抜いた(←そりゃそうだ)プロデューサーが、彼をスカウト。……そうか、だから彼は、次の場面でバレエ教室にレッスンを受けに来ているんですね。納得。

バレエ教室でバーレッスンをする下級生たち。キトリ(稀鳥まりや)ちゃんが落ちこぼれの少女で優等生が妃咲せあらちゃん、というのがすごく不思議でした。初演は、となみちゃんがオチコボレでコトコトが優等生、という、非常に説得力のあるキャスティングで、あまりに説得力がありすぎて「…いいのか?」とゆー感じだったのですが、キトリちゃんのコケ方は、あまりにもわざとらしいっす。その脚は、誰がどう見てもダンサーの脚だろう(^ ^)。
でも、そんな無理くりなところも含めて、すごく可愛いです(←ただのファン)
せあらちゃんはすごく天然で可愛くて、負けん気の強そうなオチコボレを優しく助け起こしてくれる優しい美少女、という感じ。キトリちゃんとの並びがなんだか微笑ましい。顔だけじゃなくて、姿の綺麗な人ですね。今回の全ツは歌にダンスに大活躍で、芝居もショーも、全ての場面に出ていたような気がします。

何度やってもできなくて、「もう駄目だあ~」と泣き崩れるキトリちゃん。そこに現れるレオン。そっと手を差し伸べて、一緒に踊ろうと誘ってくれます。最初はおずおずと、次第に大胆に踊りだすキトリちゃん。
せっかくキトリちゃんが礼音くんと組んで踊るのに、踊れない設定なのがとても残念。他の場面もあまりこれ!というダンスシーンがなくて、もっと思いっきり踊って欲しかったなあ…。




暗転して、幕前であかしがレディ・ドリームへの切ない恋を歌いあげる。
そして、このショーの最大の見所(多分)、クラブの場面へ。

いやー、もう、かっこいいっす………。星組男役陣、万歳。
いやもう、どいちゃんが格好良すぎるっ!!(壊)しーらんも、可愛いばかりじゃなく、色気もあって良かった。あと、おもむろにマイクスタンド持って出てきて、もったいぶって歌いだすクラブシンガーの水輝くんがめっさ良かったです。水輝らしくて。

……この場面には、テルくんも出してあげて欲しかったなあ(; ;)。




中詰めは、ラスベガスのショー。
シヴァ神と三人の妻たち+コトコトの歌でスタート。礼音くんと娘役さんたちの場面を挟んでロケットへ。ロケットセンターは海隼人さんだったんですね。スタイル良くて綺麗な人だなあと思ったけど、誰だか解らなかった(涙)。

黒髪のねねちゃんが登場して、リリアンダルマ(正式名称不明)で礼音くんと激しいデュエットダンス。スタイル抜群のねねちゃんに、あの衣装は最終兵器のような気がします。ただのダルマより色っぽいよ……。礼音くんとの、挑みあうような挑戦的なダンスがとても好きです。難しい振り付けですが、これは新場面なんでしょうか?檀ちゃんがあの衣装を着ていたのは覚えているんだけど、もしかしてJAZZ MANIAの時の記憶とごっちゃになってるのかな…?




礼音くん・テルくん・あかしのトリオダンスがあって、男役の総踊り(めっちゃカッコいい!!)があって、全員の総踊り。盛り上がるだけ盛り上がったところでトップコンビ他数人が抜けて、またシヴァ神に戻ったテルくんが歌い継ぎ、盛り上げて中詰めを締めくくります。

少し間をおいて、あかしが登場。
仲良く踊る二人、レオンとレディ・ドリームへのジェラシーを歌い上げる。
あかしは、歌はいまひとつ不得手だと思うんですが、気持ちが篭っていて迫力がありました。
芝居にしても歌にしても、もう少し力を抜くところと入れるところをコントロールできるようになると、舞台役者として頼りになると思うんだけどなあ……。


ミスター・アローの嫉妬心の化身(鶴美舞夕・壱城あずさ・海隼人・天寿光希)に痛めつけられるレオン。そのメンバーの誰よりも、レオンの方が大きくて強そうだと思うのは私だけでしょうか。いやー、ここもどいちゃんがクールで素敵でした。しーらん以下は、やっぱりまだひ弱いというか、可愛らしさが出てしまうような気が。
カゲソロは毬乃ゆいさん。雰囲気のあるいい歌でした♪


脚を痛めつけられて、「もう踊れない…」と絶望に沈むレオン。
舞台奥に現れるシヴァが、励ましの歌を歌う。このときのテルくんの表情が、すごく優しくて大好きです。好きな人を心から案じる貌。歌の表現力はまだまだですが、聞きやすい、良い声だなあと思います。

シヴァの妻たちや、白いインド風の衣装に身を包んだメンバーが登場。水輝くんから始まる歌い継ぎの中に、天寿くんが入っていたことにすごく驚きました。…そうか、歌手カウントされているんだなあ(*^ ^*)こんなところでソロが聴けるとは思わなかったのですごく吃驚しました。やっぱり良い声だ♪
他のメンバーはコロちゃんくらいしか判らなかったのですが。みなさん良い声で、耳福でした。

この声に呼ばれて登場できる礼音くんは、幸せだなあ、と思いながら。




フィナーレは、男役の総踊りから。ここもテルくんがいなくてとても残念(直前にシヴァ神と娘役のコーラスがあるので)。せっかくのボレロなのになー。
男役がはけて、ねねちゃん・テルくんが登場。礼音くんとトリオでの場面に。こういう場面で、二番手がソロを歌うのではなく、三人で踊るのって珍しいと思うのですが、今の星組にはすごくぴったりのラストだったような気がします。とにかくラブラブで可愛らしい三人が微笑ましい♪
いい雰囲気でした。





それにしても。
私は藤井さんのショーはどれも凄く好きで、今回も、本当に楽しかったです。よくできたショーだと思う。
ただ。
星組の前回大劇場公演「A Bientot」、博多座宙組「Apassionado!!」、花組大劇場公演「EXCITER!」、そして今回の星組全国ツアー公演「ソウル・オブ・シヴァ」。ほとんど同じ時期に、平行して新作一作+再演二作。それも、再演のうち一つは全く違う組で、もう一つも組は同じだけど上位陣のキャストは総入れ替えで、しかも半年前に今のキャストで別の作品をやったばかり。
……さすがの藤井さんもネタ切れというか、今回ばかりはスケジュール的に細かい手直しは無理だったのでしょうね……。

せっかく、柚希礼音という希代のショースターの「初めてのショー」なのに、新場面を作るのがギリギリで、『礼音くんのためのショー』に作り変えるだけの時間は無かったんだろうな、と、それがとても残念です。
それでも、十分に楽しめるレベルにまとめあげた藤井さんと、出演者の皆様の努力に感動しつつ、次の草野さんのショーも、心から楽しみにしています(*^ ^*)。



神奈川県民ホールにて、宝塚星組全国ツアー「再会/ソウル・オブ・シバ!!」を観劇してまいりました。


「再会」初演は大劇場と1000daysで、「ソウル・オブ・シバ!!」は東宝で観ているはずなのですが、どちらも思いのほか記憶になくて、我ながらちょっと驚いてしまいました(汗)。
観る前に思い出せたのは、グンちゃん(月影瞳)の最初の図書館のシーンと、なるぴょん(成瀬こうき)の「電話するよー♪」という独特の言い回しと、ショーの方はとなみちゃんがコケていたシーン(バレエ学校)くらい。
実際に公演を観てみて、飄々と話を引っ掻き回していた(汐風)幸ちゃんとか、酔っ払いのかしちゃんとか、突然バイオリンを弾き始めてびっくりしたコムちゃんとか……を思い出したのですが。「長崎しぐれ坂/ソウル・オブ・シバ」は一回しか観てないけど、「再会/ノバ・ボサ・ノバ」は、三回も観ているはずなのに、どうしてこんなに覚えていないんだろう(^ ^;ゞ。


というわけで、初演との違いとかはよく判らないのですが……(汗)、お芝居の方は、記憶にあったイメージよりもずっと素直に観られたし、面白かったと思います。初演は轟さんと香寿さんという重厚な芝居を得意とするお二人がメインだったし、そもそもこの作品自体、良い大人がやることではないのは明らかなので、大人の男だったお二人には不利な作品だったと思うんですよね。それが、今回は役者がぐっと若返ったことで、実力的には不安定ながらも「まあ、若い頃はそういう莫迦なことをすることもあるよね」的な話になっていたんではないか、と。
そんなことを思いました。的外れだったらすみません。



ジェラール/スタン(柚希礼音)
大劇場・東宝とタムドンを演じてきた礼音くん。二作目にして、随分落ち着いて、堂々たるトップになったなあと思いました。ただ、かなり情熱的で猪突猛進なタイプに見えるので、『プレイボーイ』の軽やかさがちょっと足りないかなー、と(^ ^)。まあ、逆に、そこが魅力なのかもしれませんが、礼音くんのために書かれた物語を、早く観てみたいです☆


サンドリーヌ(夢咲ねね)
ねねちゃんの芝居は、思いきりが良くてはっきりしているし、根っこが明るいところも、石田作品と相性抜群なんだなあ、と感心しました。「大阪侍」は観れなかったのですが、評判良かったのもわかるなあ、と。「銀ちゃん」の小夏みたいな役はちょっと違うけど、「猛き黄金の国」の喜勢とか、「黎明の風」の正子とか、大概の役は似合いそう(*^ ^*)。
ただ、まだ若いせいか?芝居が真っ直ぐすぎて「俺の眼を見て嘘をついてみろ!」というシチュエーションでの「嘘」が、ただの「芝居」になってしまって、「嘘」になっていないな、とは思いました。まあ、その真っ直ぐさが彼女の魅力でもあるわけなので、無理をする必要はないんです。でも、サンドリーヌとしてはそこは足りない部分だったかな、と。
ねねちゃんも、ねねちゃんのために書かれた物語を早く観てみたい、です。


マーク(鳳稀かなめ)
今まで一度も、「凍てついた明日」を観ても思ったことは無かったのですが。
もしかして、テルくんの声って男役時代のタータンさんの声に似てますか? タータンさんも、男役としてはちょっと高めの、甘い声でしたよね。台詞を喋る声の質が微妙に似ている気がしたのと、歌のフレーズの終わりにふっと抜くときの雰囲気がすごく似ている、ような。
技術面のレベルがだいぶ違うせいか、普段はあまり思わないのですが。今回、タータンさんの芝居そのものは全然思い出せないのに、そこかしこで「あ、タータンさんの台詞だ!」と思って、そのことにすごく吃驚しました。

ま、それはともかく。
「太王四神記」でも思いましたが、本当に礼音くん・ねねちゃん・テルくんって、並びが綺麗なトリオですよね。裏も表もない、ひたすら真っ直ぐなトップコンビに、ちょっと裏を感じさせるテルくんという組み合わせが良かったと思います。
それと。なんだか、星組に行ってからのテルくんは可愛いんですよね(*^ ^*)。ちょっとヘタレに磨きがかかったのが気になるっちゃ気になるんですが、なんというか、「ヘタレな美形」というキャラクターを確立したような気もします。ヘタレだけどSな美形。うん、希少価値があるから、そのままでいいのかも(^ ^)。


スティーブ(彩海早矢)
ちょっと暑苦しい(^ ^)芝居が持ち味のあかしなので、飄々とさりげなーく事態をかき回して楽しんでいた幸ちゃんの役はちょっと難しかったかな?という印象。初演の幸ちゃんの細かい芝居を覚えているわけではないし、そもそも違う作品なんですから別に違ってて構わないんですが、観ていて、作品全体の中でスティーブの存在がちょっと強すぎるような気がしました。ああいう役って、全編同じハイテンションだと煩くなってしまうんだと思うのです。
あかしは決して空気が読めないタイプではないと思うのですが、こういう役でも引くところは引いて、大事な所でピリッと効かせられるようになると良いんだけどなあ(^ ^)。


アンドレ(水輝涼)
なるぴょんの「電話するよー」が凄く印象的だったので、じゅんなの台詞回しがふつーだったことにちょっと拍子抜け(^ ^)。いやー、しかし難しい役ですねぇ。嫌味な役だけど、笑わせておいてあまり後をひかないように、そして、ラストにもう一度サラっと笑わせて終わる、その絶妙の呼吸は、場を支配するような大役をやった経験がないと難しいのかもしれません。大した役じゃないと思っていたけど、なるぴょんの月組芝居は秀逸だったんだな……(しみじみ)。


ピエール(壱城あずさ)
立ち姿も綺麗だし、制服もよく似合ってて、良かったと思います。可愛かった☆なんてことはない役だし、初演のトウコさんは全然覚えていないのですが、若手男役らしい儲け役だな、と思いました。
「ホテル・ド・モンテカルロ」の場面センターもすごく似合っていたし、歌も明るい声でハマッてました。ダンサーのイメージが強かった人ですが、「太王四神記」新公ヒョンゴも良かったし、もっと歌手としてもクローズアップされて良いんじゃないかと思います(^ ^)。


酔っ払い(如月蓮)
芝居自体は良かったんですが、バッティングセンターとダンスホールと、それぜぞれ別人としてキャラ立てしているはずなのに、髪形とかが変わらないのであまり違いがわからなかったな。絡み方も同じだし…って、それは脚本どおりか(汗)。
もともと綺麗な人だし、その貌をあまり隠さないで酔っ払いを演じていたので、ラストのパーティーで紹介される時のギャップが無くてちょっと物足りなかったかも(^ ^;。


ジャン(天寿光希)
初演のときも、コムちゃんが唐突に出てきたときに『何をするんだろう?』と思ったんですが、今回も全く同じことを思ってしまいました(汗)。唐突に出てきて、楽譜台を立てるなどして、準備が整ったらおもむろに喧嘩が始まる、というのがまだちょっと段取りっぽくて違和感があったような。演出は同じなんでしょうか?
結構激しく言い返しておきながら、「演奏してくれ」って言われた途端に破顔一笑、っていうのも、変わり身早すぎっ!!って感じだし。……と言いつつ、彼女の笑顔にコロっと落ちてしまった(汗)。あああ、もう展開なんてどうでも良いらしい(*^ ^*)。あの笑顔は反則だよなあ……。


フローレンス(琴まりえ)とモントロン(鶴美舞夕)
この役って意外と難しい役なんだな、と思いました。どいちゃん、「ブエノスアイレスの風」とか観ててもそれなりに芝居も出来る人だと思うんですけど、老人の役を「役として」演じるのは難しいんだろうな、と。
残念ながら、お二人とも違和感ありまくりで、彼らの話を生真面目に聞いているジェラールとサンドリーヌが、ただの面白い人になっちゃってました(T T)。
最後まで通し役だと思わないで、二役演じるつもりで創ったほうがやりやすかったかもしれませんね…。


ポーレット(音花ゆり)
娘役ではサンドリーヌに続く役ですが、キュートで良かったです。思いのほかテルくんとの並びもお似合いで、可愛かった♪ てっきりせあらちゃんがやると思っていたので少し意外でしたが、コロちゃんも巧いから安心して観ていられました。テルくんのためには、コロちゃんで良かったような気がします(^ ^)。




個人的には、中盤の幻想のダンスで天寿くんとキトリちゃんが組んで踊ってくれたのがとても嬉しかったです。幸せでした。あああ、二人とも本当に可愛いなあ(*^ ^*)。
そして、最初の花嫁花婿ではじゅんなと踊っていたキトリちゃん。ああもう、なんでそんなに可愛いんだ!!天寿くんと組んでいた娘役さんも可愛かったけど、あれは誰なのかなあ…。



東京宝塚劇場にて、星組公演「太王四神記II」を観劇してまいりました。

#昨夜アップする予定だったのですが、途中で寝てしまったために一日遅くなってしまいました。すみません(汗)





8月、9月は何かと忙しく、なかなか観にいけなかったのですが、なんとか最後の週末に潜り込むことができました。
華美ゆうかちゃんと純花まりぃちゃんを、私なりにですがちゃんと見送ることができて、ホッとしています。
まりぃちゃん、本当に綺麗…。せっかく歌える美人なのに、結局ソロを歌うような役を観るることができず残念ですが、最後は本当に大輪の花の美しさでした。そしてセーム様、大劇場で観たときとは随分変わっていましたが、もの凄く良かったです!卒業は残念ですが、最後にいい役で、物語をしっかり締めてくれたことが嬉しいです。



華美さんのセーム様は、ものすごく息子への依存度の高い母親、でした。大劇場ではそんなに思わなかったのになあ…。息子を溺愛して、すさまじく甘やかしていそうな感じ。
ヨン・ガリョが割と“強い父親”像だったので、そこでバランスを取っている気がしました。

で。
母親に溺愛され、甘やかされて育った星組版のホゲ。ところどころで“ちょ、ちょっとテルくん、大丈夫?”と思ってしまったくらい、母と子の愛は濃くて深くて、深すぎな気がしました(- -;。
母子が同期で仲がよいから、とかだけじゃないと思うんですよね、アレは。芝居自体が、あるいは演出自体がそういうものになっていた、と思う。そして、華美さんのしっとりとした美しさと熱量のある演技は、その演出意図にしっかり応えていたんだろうな、と。



で。溺愛されたホゲ様につて(^ ^)。

先日、CSで流れていた大劇場のアフタートークを見ていたら、「ラストシーンのゴンドラに乗るとしたら、誰と乗りたいですか?」という質問がありまして。これに、質問者のコメントとして、「…ホゲ様は、やっぱりお母様とでしょうか?」というのがついていたんですよね。
そのときは「おいおい、んなわけないじゃん!」と思ったのですが。
舞台を観て、もの凄く納得してしまいました(^ ^;ゞ。確かに、テルくんのホゲは、ちょっとそんな雰囲気があったと思います。いわゆる“マザコン”的な、共依存の関係が。




…花組版は残念ながらそういう機会がありませんでしたが、もし花組版でもアフタートークがあって、同じ質問が出たとしても、コメントは違っていたんじゃないかな、と思うんですよね。むしろ、「チョク・ファンですか、それともイルスですか?」みたいな(滝汗)、そっちに流れたんじゃないかな、と(←単に私が気になってるだけですが)


うん。
花組版のホゲは、どちらかというと男同士の関係が強く印象に残り、
星組版のホゲは、どちらかというと女性との関係が印象としては残りやすかった、ような気がします。
小池さんの意図としては、タムドクとホゲの関係をシンプルにしよう、というのがあったんじゃないかな、と。セームとホゲの関係を強調し、ホゲのキハに対する想いを“純愛”側にふったことで、ホゲとタムドクとの関係は、シンプルな恋敵になりますから。




そう。「キスが巧い」という理由で「愛のない結婚」の場面でキハとキスすることになった大空ホゲ(「カサブランカ」制作発表での小池さんの発言より)と、本来の小池脚本どおり、キスはせず、「指一本ふれていない」という台詞も残った凰稀ホゲ。


なんだか今更書くと後出しジャンケンみたいなんですけど(^ ^;、私は、大劇場で星組版を観たときに、そうだよね、このホゲはキスしないよね、と思ったクチなんです。まさか、こちらが元々のカタチだとは思わなかったのですが、『こういうホゲもありだよなあ』、と。



私は、花組版のホゲは、キハ自身を愛してはいない、と解釈していたりするんです。
彼が愛したのは、「俺を王だと言った巫女」であって、「キハ」じゃない。
だけど、「愛のない結婚」の場面で彼の隣に立つ女は、「神懸って託宣を宣べる巫女」じゃなくて、正気の「キハ」、ただの女なのです。だから彼は、その“生身の女”にキスをすることで、「巫女」を縛ろうとする。自分の傍に。

祐飛さんのホゲは、キスをすることで自分の闇を再確認していたわけで、そこに愛はなかった。キスをする対象は、彼にとっての愛の対象ではなかったのだから。



でも、星組版のホゲは、キハの美しさに目が眩んで(?)、女としてのキハに恋をしているんですよね。もちろん「俺を王だと言った巫女」だからこそ、の恋なんですけど、でも、キハ自身に惚れていることも間違いない。
だから、彼は、恋しい女に“指一本触れられない”。彼女が愛しているのが誰なのか、わかってしまったから。



「俺が愛したのは炎の巫女」「お前が/私が愛したのは真の王」という歌が、星組と花組で全然違う意味に聞こえてきたのが面白いなあ、と。
花組版では、「俺が愛したのは炎の巫女」=「お前(キハ)じゃない」と聞こえ、「私が愛したのは真の王」=「あの人こそが真の王だから、私はあの人を愛した」「だが、今お前の隣にいるのは俺だ」と。
星組版では、「俺が愛したのは炎の巫女」=「お前こそが(俺の)炎の巫女」と聞こえ、「私が愛したのは真の王」=「私が愛したから、彼は(私にとっての)真の王になった」「ならば、俺もお前に愛されれば王になれる」、と。

そうと知ってもお前を/私を抱く
いつわりの愛に、この身をやつして……


……あれ?でも、ホゲはキハを抱かないよね……?(今頃気づいた)(あれ?星組版は歌詞変わってましたっけ?)(おろおろ)



考えてみれば、普通に男女三人の三角関係になっていた星組版の方が本来の形だ、というのは、宝塚なんだから当然なことで。花組版の、タムドクとホゲがお互いに依存しあって、それにキハが絡むという歪つな関係の方が、宝塚的には特殊なんですよね(^ ^;ゞ。
私みたいな深読み好きなファン(←少数派?)には、その歪さこそが興味深かったのですが(T T)。…まぁ、若い礼音くんを中心とする星組のトップコンビお披露目公演なんだから、シンプルで解りやすい三角関係が正解だし、キャストも皆さんも良く嵌っていたと思います(^ ^)。









話は変わるのですが。

大劇場では、ばたばたしてプログラムを買いそこね、下級生を全くチェックできなかったので、今回は事前チェックをがんばりました♪

そして。
最初の凱旋の場面で、黄色の親子(長が水輝涼、息子が天寿光希)が乾杯して仲良く喋っているのをみて、なんだかそれだけで幸せで。他のことはかなりどうでもよくなってしまった(^ ^)。
いやぁん、水輝くんも天寿くんも大好きだ☆

で。この親子、並んでみるとなんとなーく、あご周りの輪郭が似ている……ような気がするんですけど、気のせいでしょうか(汗)。



天寿くんといえば。最初のポンファ通での鴨のソロ(花組では真瀬くんが歌っていたところ)が天寿くんであることに、全然気づいていなかった……遅いっ(汗)。場面が始まったとき、どこに居るんだろう?と思って端から探していたんですよね。ああ、良かった気がついて!!いい声だなあ(*^ ^*)。
だいぶ本格的に嵌りつつあるみたいで、武道大会とかめっちゃ黄色チームばかり視てしまいました(滝汗)。身のこなしが軽くて可愛いなあ(←贔屓目?)。

あと、黒チームは面帽を降ろしているので、どれがセドル(壱城あずさ)だか判らず、すごく必死で探してしまいました。長の息子は腰帯が紅いことに気づいたのは、既に大会も終盤(涙)。ああ、もう少し早く気づきたかった……(←花組では気づかなかったんかい!!)(だって花組では探さなくても判ったからーーー)


新公でひっかかった本城くれはさんも気になるし、観客席のキトリちゃんは表情豊かでめっちゃ可愛いし、やっぱり武道大会は忙しい(T T)。一度や二度ではとても全部は見切れません(涙)。っていうか、やっぱり天寿くんに気をとられすぎ!玄武なんて、上手側の天寿くんしか視えてませんでしたよ……(溜息)





それにしても。
あらためて、最初の凱旋の場面で、ホゲと4部族の息子たちが揃って登場し、笑顔で会話をしてお互いに讃えあっているのを視ると、プルキルの提案した策略って、本当に悲惨な、酷い話なんだな、と実感しますね。
確かに、あの場面があるからこそ、花組版では無理のあった策略が、星組版ではちゃんと策略として成り立っていたんですけれども。

同じ釜の飯を喰い、共に闘った仲間であるはずの息子たちを虐殺する、そんな非道なことを、ヨン・ホゲがするはずが無い!と、誰もが思う。
だからこそ、その罪を、共に戦場に出ていないタムドクにかぶせることが可能になる。



……そうか、そういう策略だったんですね、あれは。

ただ。そこまで非道なことをやってのけてしまえるほどには、ホゲ自身が壊れていなかったのが問題だった、かな…。




すみません、だんだんホゲ様の話が止まらなくなってきましたが……そんなにテルくんのファンだったっけ私?(←いや、それは違うんじゃあ…)。





大劇場では全く思わなかったのですが。
今回、あらためて観劇して。

未来が見えなくなった(たぶん、4部族の息子たちを裏切った時?)あたりから、台詞の無いところでは常に薄嗤いを浮かべるようになるテルくんのホゲ………を、観て。


一年半前に嵌りこんだ、「凍てついた明日」のクライドを思い出しました。



この日記でもずいぶん熱く語ったテルくんのクライドですが。
具体的にどこがどう、ということではないんですが、シリアスな場面で浮かべるうす嗤いとか、そういうものに、クライドの深い絶望と諦念と同じものを感じたんですよね。
行ってはいけないと判っているのに、行き着くところまで行かないと止まれない。それはやっぱり、若さゆえの弱さなのかな、と。

クライドという役が、本質的なところでタータンよりもテルくんのための役になっていたように、ホゲもまた、テルくんの未完成さ、役者としての未熟さ・ヘタレさが、ちゃんとホゲの弱さとして表現されていた。そして、その“テルくんらしい”小器用な弱さが、礼音くんの荒っぽさとちょうどかみ合っていたんですよね。
「凍てついた明日」を2パターン演出した荻田さんも凄かったですが、今回の小池さんのテルくんの使い方も、さすが!と思いました(^ ^)。まあ、礼音くんと相性が良かった、ということなんでしょうけれども。
ますます、今後の星組が楽しみです。




……なんだか、ホゲ様と天寿くんのことしか書いてないような気がする(汗)。
タムドク様は普通に格好良くて、キハ様は普通に可愛くて、プルキル様はどうしたらいいのか解らないほど素敵でした(*^ ^*)。




何はともあれ、お披露目公演、千秋楽おめでとうございましたm(_ _)m。
全国ツアー組も、DC組も、スケジュール厳しそうですけど、がんばってくださいね(^ ^)。
楽しみにしています♪



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