SWAN~白鳥の乙女
2009年4月19日 宝塚(雪)東京會舘にて、白羽ゆりミュージックサロン「SWAN」を観ることができました♪
出演は、雪組84期の三人。白羽ゆり・音月桂・麻樹ゆめみ。
となみちゃんとキムちゃんは、舞台でも絡むことが多いんですけど、ゆめみちゃんはあんまり絡まないので、「あ、そういえばこの三人で同期なんだなー」と思ったのですが……
先月観たあすかちゃんの「Postlude」は、普通のディナーショーにかなり近い形式でしたが、となみちゃんは完全に 入団してからの10年間(音楽学校時代も含めて12年間?)を振り返る という形式でした。
最初に初舞台公演の「未来へ」と「シトラスの風」で始まって、カラマーゾフの「心の中の神」で終わる、その構成も実に見事でした。構成・演出は、ベテランの三木さん。となみちゃんをセンターに立たせつつ、キムちゃんの見せ場もきちんと作って、ゆめみさんの場面もつくって……それでいて寄せ集め感のない、流れるような“ベテラン”らしい味のある構成でした。
初舞台の二曲が終わって、ちょっとトークをはさんで「下級生時代の曲をお聞きください」と始まったのが、BLUE MOON BLUEより、「二人だけのデート」。
可愛い曲でしたが、あのローズルーム一杯に詰め込まれた観客の、いったい何割が当時のとなみちゃんを知っているんだろう? な~んてことを思いました。
本公演はもちろん、当時はまだ新人公演とかでも大した役はついてなかったんですよね。まぁ、「BLUE MOON BLUE」は、ウサギちゃんという大役がついていたので映像で観てもすぐわかりますけど。本当に可愛かったなぁ……(*^ ^*)。となみちゃんが卒業したら、ウサギちゃんたちもあーちゃん(花瀬みずか)を残すのみ、になるんですね。博多ウサギもとっくに卒業してしまったし。“この中から何人トップが出るだろう?”とワクワクしていたのに、結局となみちゃんだけ。……皆可愛かったのになあ(T T)。
続いて、キムちゃんとのデュエットで「逃れえぬ想い(更に狂わじ)」。……いやぁ、これタニちゃん(それも9年前の!)とのデュエットだったんだよね。……ありがとうキムちゃん。あらためて聴くと、いい歌だわ本当に。
となみちゃんも本当に歌が巧くなったなあ、としみじみ懐かしいです。
「更に狂わじ」。…書いてる途中で根本ストーリーが大きく変わったのが丸見えな作品で、いろいろ惜しいところはありましたが、今につながる大野さんの香気が色濃く漂っていた作品。また何かの機会に再演してほしいなあと思っています。……動員に苦戦しがちな日本物で、しかも主演(きりやん)が娘役とは恋愛しない作品なので、難しいとは思いますけれども。
キムちゃんが引っ込んでとなみちゃんだけが残り、ゆめみさんが出てきて、二人で「あなたと私は裏表」。いやー、可愛い。眼福、眼福。
私はこの作品(日生劇場「風と共に去りぬ」)でとなみちゃん落ちしたので、とても懐かしかったです。スカーレットIIがめっちゃ可愛かったんだもん(*^ ^*)。今回、この曲が選ばれて、ああ、となみちゃんにとってもあの役は大事な役だったんだな、と思って、とても嬉しかったです。
続いてキムちゃんと「モヤモヤモヤ(恋天狗)」のデュエット。途中まで、なんだっけ……「キエレメ・ムーチョ」だっけ?ノバ・ボサ・ノバの曲のどれかにすごく似ていたので、ノバの曲だとばかり思っていましたが。恋天狗だったのか。……そういえば見てないんですよね、あのシリーズは。月組でさえ、何か忙しい時期だったか何かでどうしても行けなくて、すごく悔しい思いをした記憶が……。観たかったなあ(T T)。
で、「タカラヅカ・グローリー」で締めて、もう一度トークに。
「同期でラブソングをデュエットするのは、恥ずかしいけど、嬉しいです……」とか言っていたのはこのときかな?
たぶん、音楽学校時代の思い出を話したのもこのときだと思うんだけど。もしかしたら最初のトークだったかな?(すみません覚えてません)
となみちゃんの方言が凄かったっていう話と、とにかく凄く一生懸命だった…という話くらいで、特に「ココだけの話!」みたいなのは無かったような。とにかく三人仲良いんだな、と微笑ましくなるようなトークでした。
で、となみちゃんが着替えに引っ込んで、キムちゃんとゆめみさんで「そうして彼女は、84期初のトップ娘役になりました!」みたいな前フリをしてから、二人で「ごらんなさい」を歌い始めました。
白スパンの衣装にキメキメの男役メイクで、必死に可愛らしく小公子を演じようとするキムちゃんと、イイ女メイクのままこれまた可愛らしい小公女になりきろうとしているゆめみさんが、それはそれはとても素敵で、眼が離せませんでした。
長いナンバーをフルコーラス歌って、ポーズまで決めたところで、アントワネットのとなみちゃんが登場。
ここはやっぱり、ホンモノの女王様衣装+女王様鬘を期待してしまったのですが、出てきたとなみちゃんは予想外にシンプルな衣装と鬘で。黄色でまとめた髪飾りも、すべてがとても美しく似合っていたんですけど、いかんせん暗転の中で想像していた姿とは全然違っていたので、反射的に「…あれっ?」と思ってしまいました……(^ ^;ゞ
これからご覧になる皆様。残念ながらアントワネット様は登場されませんので、いらん期待をなさいませんように!
歌は「青きドナウの岸辺に」と「ばらのスーベニール」二曲続けて。とても良かったです。衣装のショックから抜けた後は、素直に感動しました。うん、貫禄ついたなあ、、、と。
二曲歌うと、この衣装はそれでおしまいらしく、軽やかに舞台袖へ引っ込みます。そして、ラテンな衣装に着替えたキムちゃんとゆめみさんの「コパカバーナ」。すごく良かったです!やっぱりキムちゃんにはラテンが似合う。(ゆめみさんには何でも似合います♪)
途中から、紅の衣装に着替えたとなみちゃんも加わって、三人で「コパカバーナ」を熱唱。
そして、すぐに続けて「来てよ男」ですよあなた(!)。
となみちゃんの「来てよ男」、ものすご~~~く好きだったので、めっちゃ嬉しかったです。ああ、ピアノのセットが欲しかったよっ!(涙)。キムちゃんの合いの手もタイミングよく入って、お稽古期間なんてほとんど無いのに、同期ってすごいなあ、と感心しました。
それにしても、となみちゃんの低音の響きの豊かさにはうっとりします。弦楽器みたいな声ですよね。ちゃんと身体が鳴ってるの。チェンジボイスの訓練をして、もう少し低音の響きを残してソプラノが歌えるようになったら、ミュージカル女優としては一流になるのになあ。とりあえず、ミシェル・ルグランの曲を歌うことは決定しているので、がんばってほしいなあと思います☆
ここでまたちょっとトークをはさんだと思うんですが。キムちゃんが着替えに抜けたはずなので、ゆめみさんと二人でつないだはずなんだけど、、、あれっ?すみません、内容覚えてないぞ。何をだっけなー。
とりあえず、「今までは私の出た作品から選ばせていただいたのですが、次はちょっと雰囲気を変えて、大好きな街・NYの歌を聴いてください」というような前フリがあって、客電が落ちると、客席後方からキムちゃんが登場!でした。
そういえば。今回の「SWAN」では、客席登場はほとんどなかったんですよね。となみちゃんは、客席降りは何度かあったけど客席登場は無し。キムちゃんはココと、あとゆめみさんと二人で後方から登場したことが一回あったはず……なんのときだっけ?(私の可愛い海馬よ…)
宝塚のショーで「NY」の場面によく出てくる、太い縦ストライプのジャケットのキムちゃんは、客席を回りながらのNYメドレー。客席いじりも慣れたものです。全ツとかでの客席降り、多いですもんねぇ。
三曲くらいは歌ったのかな?かなりがっつりと「キムちゃん」を堪能できた場面でした。舞台にあがってからも色っぽく歌いつづけて、ちょっとドキドキするくらい格好良かったです。この人がまだディナーショーをやったことがない、ってことが信じられない。好きそうなのに。
しばらーくキムちゃんが歌って、また綺麗に着替えて化粧もちょっと直したとなみちゃんが登場。黒のシンプルなスパンコールドレス。デコルテの美しさと腰まわりの細さ。本当に、こういうシンプルなドレスがよく映えるスタイルだなあ、と感心しながら。
で、二人で「初めての恋(ガイズ&ドールズ)」。月組で「ガイズ」を上演したときは、となみちゃんはもう組替え後だったんですよね。…残念だなあ。となみちゃんのサラ、当たり役になったんじゃないかと思うのに…。ぱっと眼を惹く美しさと気の強さ、そして酔っ払ったときのコケティッシュさ。うーん、ぴったりだと思うんだけど(*^ ^*)。
ここでもう一度トークをはさみます。とりあえず、着替えるために袖に入ったキムちゃんの話で盛り上がっていたのはココかな?「頼りになるね」っていう話から、「あんなに可愛かったのに…」みたいな話になって。「いや、今でも可愛いよ」「いや、頼りになりますよ」と焦ったように持ち上げる二人が、なんだかお姉さんでした(^ ^)。
着替えたキムちゃんが、袖から顔だけ出して「なになに?今なんて言った?」と突っ込むと、「いや、キムは可愛いねって」と、フォローできてないことを言うゆめみさん。でも、満面の笑顔で「えっ?そうなの?もっと言って!」と促すキムちゃん、あなたはちょっと男役の自覚が足りないんではないかい?男役10年だっつーのに…。
で、「せっかく同期三人揃ったので(←おそらく、“歌える同期が”と言いたかったのではないかと思われます)ちょっと難しい歌も歌ってみよう、ということで、、、Let’s JAZZ!」とう前フリで、流れた曲が「IN THE MOOD」。
三人のコーラスが絶妙で、これは吉田優子さんの編曲の勝利かな?となみちゃんは低音が魅力だし、ゆめみさんは上から下まで全部出る歌姫だし、キムちゃんも男役としては音域広くて高いところも安定して歌えるし…というわけで、三人のパートが入り乱れて上を歌ったり下を歌ったりするかなり難しい編曲でしたが、見事に歌いこなして、ばっちりでした♪息もあってて、さすが同期!という感じ。
そのまま三人で「ムーンライトセレナーデ」につないで、となみちゃんが着替える間に二人で「Unforgetable」。この辺までが、スタンダードナンバーコーナー。
でも、ほとんどは何かのショーで使ったことがある曲なんじゃないか…?と思ったりしつつ。
着替えて戻ってきたとなみちゃんは、ロングのストレートな鬘に変えて、神々しいほど美しくて。
「伝わりますか(ジェローデル編)」と「心の中の神(カラマーゾフの兄弟)」を続けて歌って、締めました。
オリジナル曲は無かったけど、「心の中の神」は、となみちゃんのための名曲だったんだな、と。となみちゃんの音域にあわせて、声質にあわせて、となみちゃんのタメに、齋藤さんが用意してくれたオリジナル曲だったんだ、と思いました。
祐飛さんの一番最初のディナーショー「Selfish!」で、ほぼ相手役待遇だったとなみちゃん。
あのときの可愛いサリーが、こうして大輪の華を咲かせて花園を去ろうとするときに、最後の締めの音楽を提供したのが齋藤さんだったことは、単なる偶然ですけれども。なんだか、嬉しかったのは事実です。
止まらない拍手。
止まらないアプローズ。
アプローズに応えて、鳴り出した音楽は……
前奏を聴いて、会場中の人が息を呑みましたね。
こういうコンサートでは、版権の問題か何かで歌えないのかと思っていたのに。
軽やかな音の羅列は、あきらかに、
「エリザベート」より、「私だけに」。
となみちゃんの、“天使のような”シシィが、私は本当に大好きでした。
国を治めることなど全く不可能な、天然100%の無垢なシシィが、繋がれた鎖をただ否定するためだけに歌われた、名曲「私だけに」。
でも。
この「SWAN」の「私だけに」は、凄まじい光と開放感に溢れかえって、ものすごいパワーのあるHappy Songでした。
聴いている観客を、無理矢理に“幸せ”にしてしまうパワーを持った、歌。
「エリザベート」という作品とは無関係なところで、「音楽」の、この歌の持つ力に圧倒されて。卒業を前にしたとなみちゃんの、その「前へ」飛び出していこうとするパワーに、打ち倒されて。
自分の来し方を振り返って、通ってきた道を辿りなおして、そして、その先へ続く道を歩き続けよう、と。
となみちゃんの、そういう明解な意思とパワーを、強く感じたコンサートでした。
涙をこらえながら「本当に楽しくて…幸せです。」と、小さな声で挨拶していたとなみちゃん。
研1の「から騒ぎ」の時から、ずっと見てきたとなみちゃん。
10年間、夢を見せてくれてありがとう。
視ていた私も、幸せだったよ。
.
出演は、雪組84期の三人。白羽ゆり・音月桂・麻樹ゆめみ。
となみちゃんとキムちゃんは、舞台でも絡むことが多いんですけど、ゆめみちゃんはあんまり絡まないので、「あ、そういえばこの三人で同期なんだなー」と思ったのですが……
先月観たあすかちゃんの「Postlude」は、普通のディナーショーにかなり近い形式でしたが、となみちゃんは完全に 入団してからの10年間(音楽学校時代も含めて12年間?)を振り返る という形式でした。
最初に初舞台公演の「未来へ」と「シトラスの風」で始まって、カラマーゾフの「心の中の神」で終わる、その構成も実に見事でした。構成・演出は、ベテランの三木さん。となみちゃんをセンターに立たせつつ、キムちゃんの見せ場もきちんと作って、ゆめみさんの場面もつくって……それでいて寄せ集め感のない、流れるような“ベテラン”らしい味のある構成でした。
初舞台の二曲が終わって、ちょっとトークをはさんで「下級生時代の曲をお聞きください」と始まったのが、BLUE MOON BLUEより、「二人だけのデート」。
可愛い曲でしたが、あのローズルーム一杯に詰め込まれた観客の、いったい何割が当時のとなみちゃんを知っているんだろう? な~んてことを思いました。
本公演はもちろん、当時はまだ新人公演とかでも大した役はついてなかったんですよね。まぁ、「BLUE MOON BLUE」は、ウサギちゃんという大役がついていたので映像で観てもすぐわかりますけど。本当に可愛かったなぁ……(*^ ^*)。となみちゃんが卒業したら、ウサギちゃんたちもあーちゃん(花瀬みずか)を残すのみ、になるんですね。博多ウサギもとっくに卒業してしまったし。“この中から何人トップが出るだろう?”とワクワクしていたのに、結局となみちゃんだけ。……皆可愛かったのになあ(T T)。
続いて、キムちゃんとのデュエットで「逃れえぬ想い(更に狂わじ)」。……いやぁ、これタニちゃん(それも9年前の!)とのデュエットだったんだよね。……ありがとうキムちゃん。あらためて聴くと、いい歌だわ本当に。
となみちゃんも本当に歌が巧くなったなあ、としみじみ懐かしいです。
「更に狂わじ」。…書いてる途中で根本ストーリーが大きく変わったのが丸見えな作品で、いろいろ惜しいところはありましたが、今につながる大野さんの香気が色濃く漂っていた作品。また何かの機会に再演してほしいなあと思っています。……動員に苦戦しがちな日本物で、しかも主演(きりやん)が娘役とは恋愛しない作品なので、難しいとは思いますけれども。
キムちゃんが引っ込んでとなみちゃんだけが残り、ゆめみさんが出てきて、二人で「あなたと私は裏表」。いやー、可愛い。眼福、眼福。
私はこの作品(日生劇場「風と共に去りぬ」)でとなみちゃん落ちしたので、とても懐かしかったです。スカーレットIIがめっちゃ可愛かったんだもん(*^ ^*)。今回、この曲が選ばれて、ああ、となみちゃんにとってもあの役は大事な役だったんだな、と思って、とても嬉しかったです。
続いてキムちゃんと「モヤモヤモヤ(恋天狗)」のデュエット。途中まで、なんだっけ……「キエレメ・ムーチョ」だっけ?ノバ・ボサ・ノバの曲のどれかにすごく似ていたので、ノバの曲だとばかり思っていましたが。恋天狗だったのか。……そういえば見てないんですよね、あのシリーズは。月組でさえ、何か忙しい時期だったか何かでどうしても行けなくて、すごく悔しい思いをした記憶が……。観たかったなあ(T T)。
で、「タカラヅカ・グローリー」で締めて、もう一度トークに。
「同期でラブソングをデュエットするのは、恥ずかしいけど、嬉しいです……」とか言っていたのはこのときかな?
たぶん、音楽学校時代の思い出を話したのもこのときだと思うんだけど。もしかしたら最初のトークだったかな?(すみません覚えてません)
となみちゃんの方言が凄かったっていう話と、とにかく凄く一生懸命だった…という話くらいで、特に「ココだけの話!」みたいなのは無かったような。とにかく三人仲良いんだな、と微笑ましくなるようなトークでした。
で、となみちゃんが着替えに引っ込んで、キムちゃんとゆめみさんで「そうして彼女は、84期初のトップ娘役になりました!」みたいな前フリをしてから、二人で「ごらんなさい」を歌い始めました。
白スパンの衣装にキメキメの男役メイクで、必死に可愛らしく小公子を演じようとするキムちゃんと、イイ女メイクのままこれまた可愛らしい小公女になりきろうとしているゆめみさんが、それはそれはとても素敵で、眼が離せませんでした。
長いナンバーをフルコーラス歌って、ポーズまで決めたところで、アントワネットのとなみちゃんが登場。
ここはやっぱり、ホンモノの女王様衣装+女王様鬘を期待してしまったのですが、出てきたとなみちゃんは予想外にシンプルな衣装と鬘で。黄色でまとめた髪飾りも、すべてがとても美しく似合っていたんですけど、いかんせん暗転の中で想像していた姿とは全然違っていたので、反射的に「…あれっ?」と思ってしまいました……(^ ^;ゞ
これからご覧になる皆様。残念ながらアントワネット様は登場されませんので、いらん期待をなさいませんように!
歌は「青きドナウの岸辺に」と「ばらのスーベニール」二曲続けて。とても良かったです。衣装のショックから抜けた後は、素直に感動しました。うん、貫禄ついたなあ、、、と。
二曲歌うと、この衣装はそれでおしまいらしく、軽やかに舞台袖へ引っ込みます。そして、ラテンな衣装に着替えたキムちゃんとゆめみさんの「コパカバーナ」。すごく良かったです!やっぱりキムちゃんにはラテンが似合う。(ゆめみさんには何でも似合います♪)
途中から、紅の衣装に着替えたとなみちゃんも加わって、三人で「コパカバーナ」を熱唱。
そして、すぐに続けて「来てよ男」ですよあなた(!)。
となみちゃんの「来てよ男」、ものすご~~~く好きだったので、めっちゃ嬉しかったです。ああ、ピアノのセットが欲しかったよっ!(涙)。キムちゃんの合いの手もタイミングよく入って、お稽古期間なんてほとんど無いのに、同期ってすごいなあ、と感心しました。
それにしても、となみちゃんの低音の響きの豊かさにはうっとりします。弦楽器みたいな声ですよね。ちゃんと身体が鳴ってるの。チェンジボイスの訓練をして、もう少し低音の響きを残してソプラノが歌えるようになったら、ミュージカル女優としては一流になるのになあ。とりあえず、ミシェル・ルグランの曲を歌うことは決定しているので、がんばってほしいなあと思います☆
ここでまたちょっとトークをはさんだと思うんですが。キムちゃんが着替えに抜けたはずなので、ゆめみさんと二人でつないだはずなんだけど、、、あれっ?すみません、内容覚えてないぞ。何をだっけなー。
とりあえず、「今までは私の出た作品から選ばせていただいたのですが、次はちょっと雰囲気を変えて、大好きな街・NYの歌を聴いてください」というような前フリがあって、客電が落ちると、客席後方からキムちゃんが登場!でした。
そういえば。今回の「SWAN」では、客席登場はほとんどなかったんですよね。となみちゃんは、客席降りは何度かあったけど客席登場は無し。キムちゃんはココと、あとゆめみさんと二人で後方から登場したことが一回あったはず……なんのときだっけ?(私の可愛い海馬よ…)
宝塚のショーで「NY」の場面によく出てくる、太い縦ストライプのジャケットのキムちゃんは、客席を回りながらのNYメドレー。客席いじりも慣れたものです。全ツとかでの客席降り、多いですもんねぇ。
三曲くらいは歌ったのかな?かなりがっつりと「キムちゃん」を堪能できた場面でした。舞台にあがってからも色っぽく歌いつづけて、ちょっとドキドキするくらい格好良かったです。この人がまだディナーショーをやったことがない、ってことが信じられない。好きそうなのに。
しばらーくキムちゃんが歌って、また綺麗に着替えて化粧もちょっと直したとなみちゃんが登場。黒のシンプルなスパンコールドレス。デコルテの美しさと腰まわりの細さ。本当に、こういうシンプルなドレスがよく映えるスタイルだなあ、と感心しながら。
で、二人で「初めての恋(ガイズ&ドールズ)」。月組で「ガイズ」を上演したときは、となみちゃんはもう組替え後だったんですよね。…残念だなあ。となみちゃんのサラ、当たり役になったんじゃないかと思うのに…。ぱっと眼を惹く美しさと気の強さ、そして酔っ払ったときのコケティッシュさ。うーん、ぴったりだと思うんだけど(*^ ^*)。
ここでもう一度トークをはさみます。とりあえず、着替えるために袖に入ったキムちゃんの話で盛り上がっていたのはココかな?「頼りになるね」っていう話から、「あんなに可愛かったのに…」みたいな話になって。「いや、今でも可愛いよ」「いや、頼りになりますよ」と焦ったように持ち上げる二人が、なんだかお姉さんでした(^ ^)。
着替えたキムちゃんが、袖から顔だけ出して「なになに?今なんて言った?」と突っ込むと、「いや、キムは可愛いねって」と、フォローできてないことを言うゆめみさん。でも、満面の笑顔で「えっ?そうなの?もっと言って!」と促すキムちゃん、あなたはちょっと男役の自覚が足りないんではないかい?男役10年だっつーのに…。
で、「せっかく同期三人揃ったので(←おそらく、“歌える同期が”と言いたかったのではないかと思われます)ちょっと難しい歌も歌ってみよう、ということで、、、Let’s JAZZ!」とう前フリで、流れた曲が「IN THE MOOD」。
三人のコーラスが絶妙で、これは吉田優子さんの編曲の勝利かな?となみちゃんは低音が魅力だし、ゆめみさんは上から下まで全部出る歌姫だし、キムちゃんも男役としては音域広くて高いところも安定して歌えるし…というわけで、三人のパートが入り乱れて上を歌ったり下を歌ったりするかなり難しい編曲でしたが、見事に歌いこなして、ばっちりでした♪息もあってて、さすが同期!という感じ。
そのまま三人で「ムーンライトセレナーデ」につないで、となみちゃんが着替える間に二人で「Unforgetable」。この辺までが、スタンダードナンバーコーナー。
でも、ほとんどは何かのショーで使ったことがある曲なんじゃないか…?と思ったりしつつ。
着替えて戻ってきたとなみちゃんは、ロングのストレートな鬘に変えて、神々しいほど美しくて。
「伝わりますか(ジェローデル編)」と「心の中の神(カラマーゾフの兄弟)」を続けて歌って、締めました。
オリジナル曲は無かったけど、「心の中の神」は、となみちゃんのための名曲だったんだな、と。となみちゃんの音域にあわせて、声質にあわせて、となみちゃんのタメに、齋藤さんが用意してくれたオリジナル曲だったんだ、と思いました。
祐飛さんの一番最初のディナーショー「Selfish!」で、ほぼ相手役待遇だったとなみちゃん。
あのときの可愛いサリーが、こうして大輪の華を咲かせて花園を去ろうとするときに、最後の締めの音楽を提供したのが齋藤さんだったことは、単なる偶然ですけれども。なんだか、嬉しかったのは事実です。
止まらない拍手。
止まらないアプローズ。
アプローズに応えて、鳴り出した音楽は……
前奏を聴いて、会場中の人が息を呑みましたね。
こういうコンサートでは、版権の問題か何かで歌えないのかと思っていたのに。
軽やかな音の羅列は、あきらかに、
「エリザベート」より、「私だけに」。
となみちゃんの、“天使のような”シシィが、私は本当に大好きでした。
国を治めることなど全く不可能な、天然100%の無垢なシシィが、繋がれた鎖をただ否定するためだけに歌われた、名曲「私だけに」。
でも。
この「SWAN」の「私だけに」は、凄まじい光と開放感に溢れかえって、ものすごいパワーのあるHappy Songでした。
聴いている観客を、無理矢理に“幸せ”にしてしまうパワーを持った、歌。
「エリザベート」という作品とは無関係なところで、「音楽」の、この歌の持つ力に圧倒されて。卒業を前にしたとなみちゃんの、その「前へ」飛び出していこうとするパワーに、打ち倒されて。
自分の来し方を振り返って、通ってきた道を辿りなおして、そして、その先へ続く道を歩き続けよう、と。
となみちゃんの、そういう明解な意思とパワーを、強く感じたコンサートでした。
涙をこらえながら「本当に楽しくて…幸せです。」と、小さな声で挨拶していたとなみちゃん。
研1の「から騒ぎ」の時から、ずっと見てきたとなみちゃん。
10年間、夢を見せてくれてありがとう。
視ていた私も、幸せだったよ。
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宝塚大劇場にて、雪組公演「風の錦絵/ZORRO」を観てまいりました。
月組バウ公演「二人の貴公子」の続きは、すみません、後回しにさせてください。
なんだか書きたいことがいっぱいあって溢れてしまいそうなので(笑)、忘れないうちに雪組さんを、ってことで。
『風の錦絵』
石田さんの日本もののショー。
えーっと、たぶん、私は初めて観る……と、思います。っていうか、過去にやったことがあるんでしょうか彼は。 <全編和物のショー。
ショーの一部になんちゃって和物な場面を入れるのは得意な印象がありますけどね。「ミレニアム・チャレンジャー」の「大漁ソーラン」、好きだったなあ。あれがあったから、今回のショーは結構楽しみにしていました。その期待は、裏切られなかった……かな?
#私にとっての「ソーラン」初演は、湖月さんではなくて1000days劇場の樹里ちゃんですが(^ ^)。
というか、去年は「黎明の風」「殉情」「銀ちゃんの恋」と、再演二本を含む高打率だった石田さん。
今回も含めて、ここ数年間洋ものをやっていないような気がするのは気のせいでしょうか?
何かあったっけ。「黎明」の前も「大阪侍」だし……
……も、もしかして、2005年の「ワンダーランド」まで遡るのでは?石田さんの“洋物”って。
おお。「和物」の印象が強い谷さんがここ数年洋物ばかりだなあとは思っていたのですが、その分石田さんが和物をやっていたんですね。……いや、「銀ちゃん」は日本ものだけど、和物ではない、ような気が…言葉の定義って難しいなあ(汗)。
話がちょっと飛んでしまいましたが、面白かったです。とっても。
私は、和物のショーで真剣に通ったのは「花の宝塚風土記」と「MAHOROBA」くらいなんですが、嵌りまくった「MAHOROBA」には及ばないにせよ、結構好きなショーです。
一番好きなのは、風林火山かなあ。皆かっこいい!!中でも、テルくん(凰稀かなめ)の美しさにはちょっと見惚れました。顔にかかる髪の確信犯ぶりが素晴らしい。ああ、大劇場まで行っておいて良かった! ほぼテルくんを観にいったようなもの(他の皆様&チギちゃんは東宝でお会いできる)だったので、予想以上の美しさに満足しました(^ ^)。
テルくんといえば、ちょうど今日、星組さんの「太王四神記」のポスターが劇団公式サイトにアップされましたね♪ なんて美しい…(*^ ^*)。祐飛さんのホゲさまとは全く違うキャラになりそうですが(タムドクもキハも全然違いそうですし)、新しい組に行っても、がんばってほしいと思います!
風の盆も、後ろの鏡が効いていて、いい雰囲気でした。ああいう演出は巧いなあ、と感心。しかも、石田さんさすが!と思ったのは、松本さんを独りで踊らせずに下級生もたくさん出したこと!プロと一緒に舞台に立つことで下級生も勉強になったでしょうし、観客にとっては観るべきところがたくさんあって楽しい場面になりました(^ ^)。
菊人形も面白かったなあ…。
一回しか観ていないのと、プログラムを買い損ねたのであまり細かい流れが思い出せないのですが(すみません)、卒業する谷やん(谷みずせ)がすごく可愛かった(笑)。
とにかく、見所が多くて飽きないショーでしたね。私には日本舞踊の良し悪しはあまりよくわからないのですが、衣装の着こなしが粋なのはさすが雪組さん、と思いました。
お化粧は、キレイな人はきれいだけど、下級生は他の組とそんなにレベル変わらないかも。日本物の雪組、と呼ばれてはいても、ここ最近はご無沙汰でしたもんね。水くんがトップになってからは、中日/全ツの「星影の人」くらい?あのときは結構下級生まで皆きれいだなーと思ったのですが。
幕開きの坊さんとかはアイディアだなーと思うし、AQUA5の使い方も巧いなーと感心しましたが、目明しのとなみちゃんはちょっとやりすぎかも?最初の登場はあれでもいいんですが、オープニングの間に着替えてしっとり踊る場面くらい創ってあげてほしかった。
ああいうおきゃんなキャラもとなみちゃんの魅力ではありますが、お芝居の方もそんな感じなので、せめてショーではもう少しいろんなとなみちゃんに会いたかったです。
……ミュージックサロンに期待しろって?チケットがあればねー(悄然)。
『ZORRO ~仮面のメサイア』
谷さんの後物のお芝居。
でも、フィナーレが長いので、同じ後物でも「マリポーサの花」よりは大分短いような?
いやーーーーー、なんというか。
あちこち綻びがあるあたりは谷さんだなあ、とは思っちゃいましたけど、でも、ホントに面白かったですよ!!
「愛と死のアラビア」に通った過去を捨てたい猫的には、「これは組ファンなら通うでしょ!?」とゆー感じ。
1800年代初頭のスペイン領カリフォルニア。
この時代のカリフォルニアの人種構成がよく判らないのですが(←無知ですみません汗)、
征服者であるスペイン人(オリバレス総督/テル)は白人。
現地には、彼らによって搾取される富裕農民層(ディエゴ/水、ロリータ/となみ)と、総督におもねる層(メンドーサ/ユミコ、ガルシア/キタロウ)がいて、どちらかといえば後者の方が身分が低いんだけど、権力側にいるので立場が強い、ってな感じなんですよね?
そして、彼ら(総督以外)は基本的にスペインからの入植者たち、つまり、人種的には白人。ってことは、当時のカリフォルニアには白人だけで3階層あって、さらにその下に“被征服民”であるネイティブアメリカン(ベルナルド/キム、ブラックエルク/ヒロミ)がいた、ってことですよね…。
この「人間」たちの4層構造を、もう少し判りやすく整理して描き出すことができていたら、結構感動的な物語になったのでは…と思うんですよね。こういうのは台詞で説明されても混乱するばかりで、もっと日常的なエピソードの積み重ねで自然に描き出すべきなのですが、そういう枝葉のエピソードが谷作品には全く無いのが残念。
人間関係も複雑だし、それによって対立軸が複数になるので解りにくくなっちゃうんですよね。
総督&現地社会の底辺層チームによる、入植者たちへの抑圧。
スペイン人たちとネイティブたちの征服戦争。
その二つの闘いと、オリバレス総督が支持するナポレオン戦争がエピソードとして入り乱れていて、なにがなにやら……(T T)。
結局、ディエゴとメンドーサが相容れなかったのは、お互いが身をおいていた闘争の内容が違っていたわけで。まったく噛み合っていなかったのがちょっと拍子抜けなくらいでした。
幼馴染だったんなら、そのくらいの過去は聞いておけよ!>ディエゴ、と、胸倉つかんで言ってやりたい。
…と、まぁ、細かいことはおいといて。
ゾロはかっこいいし、ロリータは可愛いし、メンドーサ大佐は真っ黒いし、ベルナルドはかなり新境地だし、ブラックエルクは存在感あるし、オリバレス総督は美しいし……それぞれに個性的なキャラクターが集まっていて、面白かったです。
一番印象に残ったのは、最後の最後に結構攫ってくれた花帆杏奈ちゃんの“ゆっくり系”総督夫人(総督夫人らしい場面はそこだけでしたが…)と、全編を笑いで彩ってくれた緒月遠麻のガルシア軍曹、でした。
ああ!そういえば今日は、新人公演だったんですよね!真那春人くんのガルシア軍曹はどうだったんでしょうか(^ ^;ゞ。
いや、そのまえに、がおりちゃんとみなこちゃんがどうだったのか気になってならないのですが~~!!
ご覧になった方、お願いだから教えてください(祈)。
あとは、、、
キムちゃんは台詞がないと余計に顔芸しちゃうんだなあ…(でもそういう暑苦しさがキムちゃんの魅力なんだろうなあ)、とか、
酒場の主人のにわにわ(奏乃はると)が久しぶりに出番も多くてカッコよかった、とか、
その弟子(?)の帆風成海ちゃんが可愛かった、とか、
フェリペ神父様の真波そらちゃんが、色気がありすぎてそんな神父はヤバいだろう!と思ったとか、
ロリータに振り回される侍女コンビの大月さゆちゃん、舞羽美海ちゃんが死ぬほど可愛かったとか、
ネイティブチームの彩風咲奈ちゃんが相変わらず可愛くて、それでいいのか?と思ったとか、
…夜の稲妻の愛原実花ちゃんは、本当に台詞ひとつ、目線一つで観客を泣かせる力のある人なんだなあ、とか。
そんなことをつらつら想いながら観ておりました。
ま、とりあえず。
「太王四神記」のホゲ様につづき、『死ぬ前に言わなくちゃならないこと』が多い役は大変だなあ……と、大劇場を観てもバウを観ても思いましたね。
そういえば「忘れ雪」もなかなか死ななかったっけ…。「マリポーサの花」なんて、取っ組みあいの喧嘩してたしな。
そう思うと、万感の思いをこめて一言喋って逝ったヤスは、偉かったんだなあ……。
……死なないけど。
そんなところでしょうか。簡単ですみません。
テルくん、千秋楽まで、そして星組へ行ってからもがんばってくださいね。
チギちゃんに会える東宝も、とても楽しみです♪がんばれー。
.
月組バウ公演「二人の貴公子」の続きは、すみません、後回しにさせてください。
なんだか書きたいことがいっぱいあって溢れてしまいそうなので(笑)、忘れないうちに雪組さんを、ってことで。
『風の錦絵』
石田さんの日本もののショー。
えーっと、たぶん、私は初めて観る……と、思います。っていうか、過去にやったことがあるんでしょうか彼は。 <全編和物のショー。
ショーの一部になんちゃって和物な場面を入れるのは得意な印象がありますけどね。「ミレニアム・チャレンジャー」の「大漁ソーラン」、好きだったなあ。あれがあったから、今回のショーは結構楽しみにしていました。その期待は、裏切られなかった……かな?
#私にとっての「ソーラン」初演は、湖月さんではなくて1000days劇場の樹里ちゃんですが(^ ^)。
というか、去年は「黎明の風」「殉情」「銀ちゃんの恋」と、再演二本を含む高打率だった石田さん。
今回も含めて、ここ数年間洋ものをやっていないような気がするのは気のせいでしょうか?
何かあったっけ。「黎明」の前も「大阪侍」だし……
……も、もしかして、2005年の「ワンダーランド」まで遡るのでは?石田さんの“洋物”って。
おお。「和物」の印象が強い谷さんがここ数年洋物ばかりだなあとは思っていたのですが、その分石田さんが和物をやっていたんですね。……いや、「銀ちゃん」は日本ものだけど、和物ではない、ような気が…言葉の定義って難しいなあ(汗)。
話がちょっと飛んでしまいましたが、面白かったです。とっても。
私は、和物のショーで真剣に通ったのは「花の宝塚風土記」と「MAHOROBA」くらいなんですが、嵌りまくった「MAHOROBA」には及ばないにせよ、結構好きなショーです。
一番好きなのは、風林火山かなあ。皆かっこいい!!中でも、テルくん(凰稀かなめ)の美しさにはちょっと見惚れました。顔にかかる髪の確信犯ぶりが素晴らしい。ああ、大劇場まで行っておいて良かった! ほぼテルくんを観にいったようなもの(他の皆様&チギちゃんは東宝でお会いできる)だったので、予想以上の美しさに満足しました(^ ^)。
テルくんといえば、ちょうど今日、星組さんの「太王四神記」のポスターが劇団公式サイトにアップされましたね♪ なんて美しい…(*^ ^*)。祐飛さんのホゲさまとは全く違うキャラになりそうですが(タムドクもキハも全然違いそうですし)、新しい組に行っても、がんばってほしいと思います!
風の盆も、後ろの鏡が効いていて、いい雰囲気でした。ああいう演出は巧いなあ、と感心。しかも、石田さんさすが!と思ったのは、松本さんを独りで踊らせずに下級生もたくさん出したこと!プロと一緒に舞台に立つことで下級生も勉強になったでしょうし、観客にとっては観るべきところがたくさんあって楽しい場面になりました(^ ^)。
菊人形も面白かったなあ…。
一回しか観ていないのと、プログラムを買い損ねたのであまり細かい流れが思い出せないのですが(すみません)、卒業する谷やん(谷みずせ)がすごく可愛かった(笑)。
とにかく、見所が多くて飽きないショーでしたね。私には日本舞踊の良し悪しはあまりよくわからないのですが、衣装の着こなしが粋なのはさすが雪組さん、と思いました。
お化粧は、キレイな人はきれいだけど、下級生は他の組とそんなにレベル変わらないかも。日本物の雪組、と呼ばれてはいても、ここ最近はご無沙汰でしたもんね。水くんがトップになってからは、中日/全ツの「星影の人」くらい?あのときは結構下級生まで皆きれいだなーと思ったのですが。
幕開きの坊さんとかはアイディアだなーと思うし、AQUA5の使い方も巧いなーと感心しましたが、目明しのとなみちゃんはちょっとやりすぎかも?最初の登場はあれでもいいんですが、オープニングの間に着替えてしっとり踊る場面くらい創ってあげてほしかった。
ああいうおきゃんなキャラもとなみちゃんの魅力ではありますが、お芝居の方もそんな感じなので、せめてショーではもう少しいろんなとなみちゃんに会いたかったです。
……ミュージックサロンに期待しろって?チケットがあればねー(悄然)。
『ZORRO ~仮面のメサイア』
谷さんの後物のお芝居。
でも、フィナーレが長いので、同じ後物でも「マリポーサの花」よりは大分短いような?
いやーーーーー、なんというか。
あちこち綻びがあるあたりは谷さんだなあ、とは思っちゃいましたけど、でも、ホントに面白かったですよ!!
「愛と死のアラビア」に通った過去を捨てたい猫的には、「これは組ファンなら通うでしょ!?」とゆー感じ。
1800年代初頭のスペイン領カリフォルニア。
この時代のカリフォルニアの人種構成がよく判らないのですが(←無知ですみません汗)、
征服者であるスペイン人(オリバレス総督/テル)は白人。
現地には、彼らによって搾取される富裕農民層(ディエゴ/水、ロリータ/となみ)と、総督におもねる層(メンドーサ/ユミコ、ガルシア/キタロウ)がいて、どちらかといえば後者の方が身分が低いんだけど、権力側にいるので立場が強い、ってな感じなんですよね?
そして、彼ら(総督以外)は基本的にスペインからの入植者たち、つまり、人種的には白人。ってことは、当時のカリフォルニアには白人だけで3階層あって、さらにその下に“被征服民”であるネイティブアメリカン(ベルナルド/キム、ブラックエルク/ヒロミ)がいた、ってことですよね…。
この「人間」たちの4層構造を、もう少し判りやすく整理して描き出すことができていたら、結構感動的な物語になったのでは…と思うんですよね。こういうのは台詞で説明されても混乱するばかりで、もっと日常的なエピソードの積み重ねで自然に描き出すべきなのですが、そういう枝葉のエピソードが谷作品には全く無いのが残念。
人間関係も複雑だし、それによって対立軸が複数になるので解りにくくなっちゃうんですよね。
総督&現地社会の底辺層チームによる、入植者たちへの抑圧。
スペイン人たちとネイティブたちの征服戦争。
その二つの闘いと、オリバレス総督が支持するナポレオン戦争がエピソードとして入り乱れていて、なにがなにやら……(T T)。
結局、ディエゴとメンドーサが相容れなかったのは、お互いが身をおいていた闘争の内容が違っていたわけで。まったく噛み合っていなかったのがちょっと拍子抜けなくらいでした。
幼馴染だったんなら、そのくらいの過去は聞いておけよ!>ディエゴ、と、胸倉つかんで言ってやりたい。
…と、まぁ、細かいことはおいといて。
ゾロはかっこいいし、ロリータは可愛いし、メンドーサ大佐は真っ黒いし、ベルナルドはかなり新境地だし、ブラックエルクは存在感あるし、オリバレス総督は美しいし……それぞれに個性的なキャラクターが集まっていて、面白かったです。
一番印象に残ったのは、最後の最後に結構攫ってくれた花帆杏奈ちゃんの“ゆっくり系”総督夫人(総督夫人らしい場面はそこだけでしたが…)と、全編を笑いで彩ってくれた緒月遠麻のガルシア軍曹、でした。
ああ!そういえば今日は、新人公演だったんですよね!真那春人くんのガルシア軍曹はどうだったんでしょうか(^ ^;ゞ。
いや、そのまえに、がおりちゃんとみなこちゃんがどうだったのか気になってならないのですが~~!!
ご覧になった方、お願いだから教えてください(祈)。
あとは、、、
キムちゃんは台詞がないと余計に顔芸しちゃうんだなあ…(でもそういう暑苦しさがキムちゃんの魅力なんだろうなあ)、とか、
酒場の主人のにわにわ(奏乃はると)が久しぶりに出番も多くてカッコよかった、とか、
その弟子(?)の帆風成海ちゃんが可愛かった、とか、
フェリペ神父様の真波そらちゃんが、色気がありすぎてそんな神父はヤバいだろう!と思ったとか、
ロリータに振り回される侍女コンビの大月さゆちゃん、舞羽美海ちゃんが死ぬほど可愛かったとか、
ネイティブチームの彩風咲奈ちゃんが相変わらず可愛くて、それでいいのか?と思ったとか、
…夜の稲妻の愛原実花ちゃんは、本当に台詞ひとつ、目線一つで観客を泣かせる力のある人なんだなあ、とか。
そんなことをつらつら想いながら観ておりました。
ま、とりあえず。
「太王四神記」のホゲ様につづき、『死ぬ前に言わなくちゃならないこと』が多い役は大変だなあ……と、大劇場を観てもバウを観ても思いましたね。
そういえば「忘れ雪」もなかなか死ななかったっけ…。「マリポーサの花」なんて、取っ組みあいの喧嘩してたしな。
そう思うと、万感の思いをこめて一言喋って逝ったヤスは、偉かったんだなあ……。
……死なないけど。
そんなところでしょうか。簡単ですみません。
テルくん、千秋楽まで、そして星組へ行ってからもがんばってくださいね。
チギちゃんに会える東宝も、とても楽しみです♪がんばれー。
.
みなこちゃん、おめでとう♪
2009年2月12日 宝塚(雪) コメント (2)次回雪組大劇場公演をもって卒業するトップ娘役・白羽ゆりの後任として、愛原実花ちゃんの就任が発表されました。
みなこちゃん、本当に本当におめでとう!!
まさに、つい先日この日記にも書いたとおり、ホントにホントに猫はみなこちゃん大好きなんです(*^ ^*)。我ながら、タイムリーさにびっくりしてしまったんですけど。
みなこちゃんは本当にステキな役者さんなので、水さん&水さんファンのみなさま、そして雪組ファンのみなさま、どうぞ可愛がってあげてくださいね(切祈)。
それにしても、
水くん、いいなあぁ~~~!!
だってだって、となみちゃんとみなこちゃんですよっ(@ @)
やっぱり、いい男にはいい女が寄ってくるんですねっ!
実際水くんって、月組を離れて何年になるのかわからないくらいなのに、観ていると「ああ、月組で育った人なんだなー…」、と納得させるお芝居をしてくれる人なので、みなこちゃんと丁々発止とやりあってくれるのかと思うとワクワクします。
となみちゃんとは全く違うコンビになりそうで、また新しい水くんが観られるのかと思うとファンの方も幸せだろうなあと思います★しかも、組の中でずっと見守ってきたみなこちゃん!!
いいなあ、いいなあ、羨ましいなあ……
……ただの普通の「娘役さん」でいる間は、次どんな役になるのかなあ、次は誰と組むのかなあ(はぁと)などといろいろ想像する余地があったのに、
もしかしたら某組に特出して○○!?とか(←無いから)いろんな夢を見る余地があったのですが、
水さんの相手役として固定されちゃうんだー、もったいなーい、と、発表を聞いたその瞬間に思ったのは、それでした。
トップになってしまうんだったら、その前に“思いっきり悪女”とか、“最低最悪の意地悪娘”とか、そういうトップになっちゃったら絶対に出来ない役をやっておいてほしかったなー、とか思ったり。
“二番手”になったことがなくて、大劇場公演では役らしい役がついたことがないみなこちゃん。次の「夜の稲妻」が最初の大役になると思いますが、面白い(興味深い)役でありますように~!(祈)
そういえば、あすかちゃんの就任が発表された時も、似たようなことを思ってたっけなー、私(汗)。
“トップ娘役らしさ”みたいなものだけを求められて、あすかちゃんの無鉄砲さとか、無茶っぷりを篭められてしまったらもったいないなあ、と思ったんですよね。
でも、結果的にはあすかちゃんは近年稀なくらい幸せなトップ生活で、長くはないけれども充実した時間を過ごして、今、最後の総仕上げにかかったところ。
みなこちゃんも、一緒に芝居を作っていけるトップさんと組んで、のびのびと、幸せな笑顔を見せてほしい。
同時に発表されたお披露目公演は、おもわず目を疑ったほどみなこちゃん仕様。
トップが魔法使いで、トップ娘役が魔女だとぉ~!?
大野さん、期待していいんですねっ!?(*^ ^*)。
水みなこでリオのカーニバルだとぉ~~~っっっ!
齋藤さん、みなこちゃんのダルマをお忘れなく!!(っていうか、それありき?)
いやー、同時に発表された星組さんの「太王四神記 Ver.2」の方が、私にとっては重大ニュースなはずなのに、そんなもん完全に吹っ飛んでしまったくらい衝撃的な概要でした。
大野さん、齋藤さん、どこまでもいっちゃってくださいな。楽しみにしています。
…間違いなく、水くんの新しい面は見られそうだな★
あすかちゃん、となみちゃん、ウメちゃん…大好きな娘役トップさんが次々に卒業を決めて、寂しく思っていた矢先に、可愛い月っ子ねねちゃんに続いての、みなこちゃんのトップ娘役発表!
凄くすごーく、嬉しいです
みなこちゃん、大好きだよ!!
お幸せに、ね(^ ^)。
.
みなこちゃん、本当に本当におめでとう!!
まさに、つい先日この日記にも書いたとおり、ホントにホントに猫はみなこちゃん大好きなんです(*^ ^*)。我ながら、タイムリーさにびっくりしてしまったんですけど。
みなこちゃんは本当にステキな役者さんなので、水さん&水さんファンのみなさま、そして雪組ファンのみなさま、どうぞ可愛がってあげてくださいね(切祈)。
それにしても、
水くん、いいなあぁ~~~!!
だってだって、となみちゃんとみなこちゃんですよっ(@ @)
やっぱり、いい男にはいい女が寄ってくるんですねっ!
実際水くんって、月組を離れて何年になるのかわからないくらいなのに、観ていると「ああ、月組で育った人なんだなー…」、と納得させるお芝居をしてくれる人なので、みなこちゃんと丁々発止とやりあってくれるのかと思うとワクワクします。
となみちゃんとは全く違うコンビになりそうで、また新しい水くんが観られるのかと思うとファンの方も幸せだろうなあと思います★しかも、組の中でずっと見守ってきたみなこちゃん!!
いいなあ、いいなあ、羨ましいなあ……
……ただの普通の「娘役さん」でいる間は、次どんな役になるのかなあ、次は誰と組むのかなあ(はぁと)などといろいろ想像する余地があったのに、
もしかしたら某組に特出して○○!?とか(←無いから)いろんな夢を見る余地があったのですが、
水さんの相手役として固定されちゃうんだー、もったいなーい、と、発表を聞いたその瞬間に思ったのは、それでした。
トップになってしまうんだったら、その前に“思いっきり悪女”とか、“最低最悪の意地悪娘”とか、そういうトップになっちゃったら絶対に出来ない役をやっておいてほしかったなー、とか思ったり。
“二番手”になったことがなくて、大劇場公演では役らしい役がついたことがないみなこちゃん。次の「夜の稲妻」が最初の大役になると思いますが、面白い(興味深い)役でありますように~!(祈)
そういえば、あすかちゃんの就任が発表された時も、似たようなことを思ってたっけなー、私(汗)。
“トップ娘役らしさ”みたいなものだけを求められて、あすかちゃんの無鉄砲さとか、無茶っぷりを篭められてしまったらもったいないなあ、と思ったんですよね。
でも、結果的にはあすかちゃんは近年稀なくらい幸せなトップ生活で、長くはないけれども充実した時間を過ごして、今、最後の総仕上げにかかったところ。
みなこちゃんも、一緒に芝居を作っていけるトップさんと組んで、のびのびと、幸せな笑顔を見せてほしい。
同時に発表されたお披露目公演は、おもわず目を疑ったほどみなこちゃん仕様。
トップが魔法使いで、トップ娘役が魔女だとぉ~!?
大野さん、期待していいんですねっ!?(*^ ^*)。
水みなこでリオのカーニバルだとぉ~~~っっっ!
齋藤さん、みなこちゃんのダルマをお忘れなく!!(っていうか、それありき?)
いやー、同時に発表された星組さんの「太王四神記 Ver.2」の方が、私にとっては重大ニュースなはずなのに、そんなもん完全に吹っ飛んでしまったくらい衝撃的な概要でした。
大野さん、齋藤さん、どこまでもいっちゃってくださいな。楽しみにしています。
…間違いなく、水くんの新しい面は見られそうだな★
あすかちゃん、となみちゃん、ウメちゃん…大好きな娘役トップさんが次々に卒業を決めて、寂しく思っていた矢先に、可愛い月っ子ねねちゃんに続いての、みなこちゃんのトップ娘役発表!
凄くすごーく、嬉しいです
みなこちゃん、大好きだよ!!
お幸せに、ね(^ ^)。
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若きゾロ&レディ・ゾロ
2009年2月6日 宝塚(雪)雪組大劇場公演「ZORRO 仮面のメサイア」の、新人公演キャストが発表されました。
ドン・ディエゴ/ゾロ 水夏希 香綾 しずる
ロリータ/レディゾロ 白羽ゆり 愛原 実花
メンドーサ大佐 彩吹真央 凛城 きら
ベルナルド/ゾロの影 音月桂 帆風 成海
オリバレス総督 凰稀かなめ 彩風 咲奈
夜の稲妻 愛原実花 舞羽 美海
嬉しいです。
うれしすぎて涙が出ました。
がおりちゃん&みなこちゃんだなんてっっっ!!!
「凍てついた明日」のボニーとロイが、新人公演主演で組む日がくるなんてーーーっ!!
正直、予想もしていませんでした。こんな事態は。
嬉しいです。本当に嬉しい。
ずっと、ファンになった当初から、「どうせ私が好きになる人は劇団には評価されることの無いひとだから…」と拗ねていた私。がおりちゃんとみなこちゃん、この二人に(がおりちゃんは初、みなこちゃんは二回目の)主演が回ってくる劇団なら、まだまだファンしていられるような気がします。
なにを大袈裟な、といわれるかもしれませんが、本当に素直な本音のキモチ。
ああああ、どうしよう、大劇場の新人公演も行きたい………。
がおりちゃん(香稜しずる)。雪組美形軍団の若手候補のひとりとして、だいぶ以前からステキなダンサーだなあと思っていた人ですが。
「凍てついた明日」のボニーの元夫ロイは、まさにスマッシュヒットでした。
この人は、舞台の上で化ける人だと思う。
素顔はそんなに驚くような美形ではないかもしれないんですけど、舞台の上で、この世のものとは思えないほど美しい生き物になるときがある。
声がよくて、芝居もよくて、姿もキレイなひと。
だけど。
「大劇場の主役」、それも大芝居を必要とする谷作品での「主役」が、彼女にとって吉と出るか凶と出るかは賭けだと思います。ものすごく個性のある役者なだけに、もしかしたら、大きく外してしまうのかもしれない。
でも。
どんな経験も、役者として生きていくなら絶対に無駄にはならないものだから。
そしてがおりちゃんは、“いい役者”になるための条件は全て備えている人だと思うから。
がんばってほしい。
台詞のないロイを、あれだけ完璧に芝居のマイムとして演じてのけたがおりちゃんが、大劇場の真ん中でどんな芝居をしてのけるのか、観てみたい。
そして、みなこちゃん。
今度こそ!!絶対に観るぞーーーーーっ!!(絶叫)
みなこちゃんが好きです。本当に大好き。
大好きな人は他にもたくさんいますけど(←すみません)、みなこちゃんほど「こんな役を観てみたい、あんな役も演じてほしい、あ、あれもぜひ!!」みたいに思う人はいません。
この日記にも、ぜひ花組に特出して小夏を演じてほしいと書いたことがありました。すみ花ちゃんの小夏に何の不満もないけど、すみ花ちゃんの小夏を観れてしあわせだった気持ちとはまったく別のところで、みなこちゃんの小夏を観てみたいという思いは消えません。
みなこちゃんで観たい役、みなこちゃんに演じてほしい役が、私にはたくさんあります。
立場として、演じることになるとは全く想像の埒外だった、たくさんの役が。
ファンタジーとリアル、聖と邪悪、その両方を演じきれる人。
天を舞う大きな皓い翼と、陰を渡り歩く闇色のつばさ、両方を持っているひと。
この世の者ならぬファンタジックな存在にもなれるし、
ぶっ飛んだ世界をリアルなものとして感じさせる説得力をもたせることもできる、稀有な役者。
「忘れ雪」の静香のリアルな恐怖が、忘れられません。
あんなにも、ひとはたやすくアチラ側へ行ってしまうものなのだ、という恐怖が。
その狂気がホンモノではなく、演技であるということが一番怖かった。
みなこちゃんの演技の説得力が、静香という悪意に満ちた邪悪な女の行動に説得力を与えていたことが怖さに拍車をかけていましたね。まるで“静香の行動こそが正当である”かのように思えてくる自分への、凄まじい恐怖。
もちろん、新公ヒロインを一回や二回やったくらいで、どうなるものでもありません。
今はまだ、何が決まったわけでもない。
…でも。
がおりちゃんと、みなこちゃん。
……嬉しいです。(*^ ^*)
ドキドキするけど、不安だけど、これは幸せな不安なんですね。
みなこちゃんの芝居は、説得力がありすぎて諸刃の剣。この二人の組み合わせが吉と出るのかどうなのか、今は全く想像もできません。
でも。
あの二人は、ボニーとロイだから。
だから、きっと、大丈夫。そう、思っています。
がおりちゃんと、みなこちゃん。
お二人の舞台を、楽しみにしています!
絶対観にいきますからっ!!……少なくとも、東宝は、ね(^ ^)。
そして。
ユミコさん(彩吹真央)の役が、前回もエスコバルだった凛城きらさん。
キムちゃん(音月桂)の役が、「忘れ雪」で高校時代の一希を演じた帆風成海くん。
テルくん(凰稀かなめ)の役が、「マリポーサの花」新公で鮮烈な印象を残した彩風咲奈くん。
珍しく、最初からいきなり6人も発表されただけあって、なかなかに面白いメンバーですねっ!
帆風くん、名前は知ってるんだけどなーと思っていたんですが、つい先日思い出しました。「マリポーサの花」新公で、凛城さんのお医者さん役だった子だ!自分で日記に「声が良かった」とわざわざ書いているんですよ。あんな一瞬の出番なのに、よっぽど印象的だったんだなあ、自分的に。すごーい(*^ ^*)。
スタイルはいまいちだけど(ごめんなさい)、声が良くて情のある芝居をする。どこかキムちゃんにイメージがダブるタイプですね。雪組っぽいなあ。キムちゃんの役をやり続けるのはどうかと思いますが、「忘れ雪」とこの一作くらいなら問題ないですよねっ。
大事に育ててほしい存在ですねぇ。
彩風さんも、前回の新公で「歌える」そして「芝居もできる」ときっちりインプットされたので、超楽しみです。テルくんの役、かぁ(*^ ^*)。笑っちゃうくらいキャラが違いますけど、前回のキムちゃんの役はやりやすかったと思うので、今回は勉強ですね★
将来有望だけど経験の浅い子が揃っているので、新公演出にいい先生が来ることを祈っています。
しっかーし、キング(蓮城まこと)は何をするのでしょうか?ハマコさんの役あたり?(^ ^)。
個人的には、本役でも名前の出ていない真那春人くんの役が気になるところです。芝居をさせてもらえる役が来ますように!!
最後に、
みなこちゃんの「夜の稲妻」役は、「マリポーサの花」「忘れ雪」と続けてヒロインの経験を積んだ舞羽美海ちゃん。
うおお、これまた超楽しみ、です!!
っていうか、みなこちゃんってば新公で先に名前が出るような役をやるのかーーーー。
大劇場作品での大役は初めてですよね?あああ、本当に嬉しいよー嬉しいよー嬉しいよー(泣)
.
ドン・ディエゴ/ゾロ 水夏希 香綾 しずる
ロリータ/レディゾロ 白羽ゆり 愛原 実花
メンドーサ大佐 彩吹真央 凛城 きら
ベルナルド/ゾロの影 音月桂 帆風 成海
オリバレス総督 凰稀かなめ 彩風 咲奈
夜の稲妻 愛原実花 舞羽 美海
嬉しいです。
うれしすぎて涙が出ました。
がおりちゃん&みなこちゃんだなんてっっっ!!!
「凍てついた明日」のボニーとロイが、新人公演主演で組む日がくるなんてーーーっ!!
正直、予想もしていませんでした。こんな事態は。
嬉しいです。本当に嬉しい。
ずっと、ファンになった当初から、「どうせ私が好きになる人は劇団には評価されることの無いひとだから…」と拗ねていた私。がおりちゃんとみなこちゃん、この二人に(がおりちゃんは初、みなこちゃんは二回目の)主演が回ってくる劇団なら、まだまだファンしていられるような気がします。
なにを大袈裟な、といわれるかもしれませんが、本当に素直な本音のキモチ。
ああああ、どうしよう、大劇場の新人公演も行きたい………。
がおりちゃん(香稜しずる)。雪組美形軍団の若手候補のひとりとして、だいぶ以前からステキなダンサーだなあと思っていた人ですが。
「凍てついた明日」のボニーの元夫ロイは、まさにスマッシュヒットでした。
この人は、舞台の上で化ける人だと思う。
素顔はそんなに驚くような美形ではないかもしれないんですけど、舞台の上で、この世のものとは思えないほど美しい生き物になるときがある。
声がよくて、芝居もよくて、姿もキレイなひと。
だけど。
「大劇場の主役」、それも大芝居を必要とする谷作品での「主役」が、彼女にとって吉と出るか凶と出るかは賭けだと思います。ものすごく個性のある役者なだけに、もしかしたら、大きく外してしまうのかもしれない。
でも。
どんな経験も、役者として生きていくなら絶対に無駄にはならないものだから。
そしてがおりちゃんは、“いい役者”になるための条件は全て備えている人だと思うから。
がんばってほしい。
台詞のないロイを、あれだけ完璧に芝居のマイムとして演じてのけたがおりちゃんが、大劇場の真ん中でどんな芝居をしてのけるのか、観てみたい。
そして、みなこちゃん。
今度こそ!!絶対に観るぞーーーーーっ!!(絶叫)
みなこちゃんが好きです。本当に大好き。
大好きな人は他にもたくさんいますけど(←すみません)、みなこちゃんほど「こんな役を観てみたい、あんな役も演じてほしい、あ、あれもぜひ!!」みたいに思う人はいません。
この日記にも、ぜひ花組に特出して小夏を演じてほしいと書いたことがありました。すみ花ちゃんの小夏に何の不満もないけど、すみ花ちゃんの小夏を観れてしあわせだった気持ちとはまったく別のところで、みなこちゃんの小夏を観てみたいという思いは消えません。
みなこちゃんで観たい役、みなこちゃんに演じてほしい役が、私にはたくさんあります。
立場として、演じることになるとは全く想像の埒外だった、たくさんの役が。
ファンタジーとリアル、聖と邪悪、その両方を演じきれる人。
天を舞う大きな皓い翼と、陰を渡り歩く闇色のつばさ、両方を持っているひと。
この世の者ならぬファンタジックな存在にもなれるし、
ぶっ飛んだ世界をリアルなものとして感じさせる説得力をもたせることもできる、稀有な役者。
「忘れ雪」の静香のリアルな恐怖が、忘れられません。
あんなにも、ひとはたやすくアチラ側へ行ってしまうものなのだ、という恐怖が。
その狂気がホンモノではなく、演技であるということが一番怖かった。
みなこちゃんの演技の説得力が、静香という悪意に満ちた邪悪な女の行動に説得力を与えていたことが怖さに拍車をかけていましたね。まるで“静香の行動こそが正当である”かのように思えてくる自分への、凄まじい恐怖。
もちろん、新公ヒロインを一回や二回やったくらいで、どうなるものでもありません。
今はまだ、何が決まったわけでもない。
…でも。
がおりちゃんと、みなこちゃん。
……嬉しいです。(*^ ^*)
ドキドキするけど、不安だけど、これは幸せな不安なんですね。
みなこちゃんの芝居は、説得力がありすぎて諸刃の剣。この二人の組み合わせが吉と出るのかどうなのか、今は全く想像もできません。
でも。
あの二人は、ボニーとロイだから。
だから、きっと、大丈夫。そう、思っています。
がおりちゃんと、みなこちゃん。
お二人の舞台を、楽しみにしています!
絶対観にいきますからっ!!……少なくとも、東宝は、ね(^ ^)。
そして。
ユミコさん(彩吹真央)の役が、前回もエスコバルだった凛城きらさん。
キムちゃん(音月桂)の役が、「忘れ雪」で高校時代の一希を演じた帆風成海くん。
テルくん(凰稀かなめ)の役が、「マリポーサの花」新公で鮮烈な印象を残した彩風咲奈くん。
珍しく、最初からいきなり6人も発表されただけあって、なかなかに面白いメンバーですねっ!
帆風くん、名前は知ってるんだけどなーと思っていたんですが、つい先日思い出しました。「マリポーサの花」新公で、凛城さんのお医者さん役だった子だ!自分で日記に「声が良かった」とわざわざ書いているんですよ。あんな一瞬の出番なのに、よっぽど印象的だったんだなあ、自分的に。すごーい(*^ ^*)。
スタイルはいまいちだけど(ごめんなさい)、声が良くて情のある芝居をする。どこかキムちゃんにイメージがダブるタイプですね。雪組っぽいなあ。キムちゃんの役をやり続けるのはどうかと思いますが、「忘れ雪」とこの一作くらいなら問題ないですよねっ。
大事に育ててほしい存在ですねぇ。
彩風さんも、前回の新公で「歌える」そして「芝居もできる」ときっちりインプットされたので、超楽しみです。テルくんの役、かぁ(*^ ^*)。笑っちゃうくらいキャラが違いますけど、前回のキムちゃんの役はやりやすかったと思うので、今回は勉強ですね★
将来有望だけど経験の浅い子が揃っているので、新公演出にいい先生が来ることを祈っています。
しっかーし、キング(蓮城まこと)は何をするのでしょうか?ハマコさんの役あたり?(^ ^)。
個人的には、本役でも名前の出ていない真那春人くんの役が気になるところです。芝居をさせてもらえる役が来ますように!!
最後に、
みなこちゃんの「夜の稲妻」役は、「マリポーサの花」「忘れ雪」と続けてヒロインの経験を積んだ舞羽美海ちゃん。
うおお、これまた超楽しみ、です!!
っていうか、みなこちゃんってば新公で先に名前が出るような役をやるのかーーーー。
大劇場作品での大役は初めてですよね?あああ、本当に嬉しいよー嬉しいよー嬉しいよー(泣)
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宝塚歌劇団雪組の、
81期のゆり香紫保さん、
86期の谷みずせさん、穂月はるなさんの3人が、東京宝塚劇場千秋楽をもって卒業することが発表されました。
すでに発表済みの白羽ゆり嬢(84期)と合わせて、4人。
誰が辞めても寂しいのにかわりはないのでしょうけれども、4人とも悲しいなあ。
ラギちゃんが卒業されて、これからは仲良しさんだったジャニーズ系美少年・たにやんを応援しよう!と思っていた矢先でした。
「星影の人」で、きゃびぃ(早花まこ)と二人でヤンヤヤンヤしていたはるなちゃん、「Joyfull!2」でも「ミロワール」でも、ラギちゃんと組んで踊ってくれたはるなちゃん、本当に本当に、可愛くてお気に入りだったのになぁ…(T T)
そして、ラギちゃんやシナちゃんの最後の白い服に、可愛いキリンとゾウのアップリケをしてくれたゆり香さん。雪組は上級生が少なくて、灯さんが卒業された今、娘役の一番上はゆり香さんだったんですよね。下級生にとってはすごく心強い存在だったんだろうと思います。
となみちゃんももちろん残念だし、4人とも……(T T)。
最後の公演が、素敵な作品になりますように☆
さて。
日本青年館「忘れ雪」。
今日は、橘深雪さん(舞羽美海)から。
みみちゃん、とりあえず、ランドセルが似合ってたことに驚きました。
どちらかといえば学年の割に大人っぽい美貌だと思うし、ダンサーでスタイルも良くて、あまり子供っぽい感じでは無いはずなんですが、本当に違和感なく小学生でしたね。
不思議な人だ。
そして。
私はずっと、彼女が絵を描く人だというのをもっと前面に出せばいいのに、と思っていました。
事故によって彼女が喪ったものは、ただの視力ではなく「絵を描くことそのもの」であり、「画家としての未来」でもある…んですよね。
巴里へ留学してまで勉強してきた、絵。それを奪われた深雪。
深雪はただ、「眼が見えなくなった」から一希の前から逃げたのではないのだろう、と思うのです。
夢を喪ったから、もう一希の前には出られない、と思った。
新しい夢を見つけるまで(そんな日はこないかもしれないけれども)、夢を追い続けるあの人のもとに戻ることはできないのだ、と。
去年の年末に上演されていた宙組の「Paradise Prince」のキャサリンの迷いが思い出されて。
…その作品力のあまりの違いに、涙が出ました。
児玉さんには、そういう意図は全くないだろうことが余計に腹立たしい。もうちょっと考えるべきことがあるでしょう!サックスやマーチングを練習させるよりも、もっと大事なことがあるんじゃないのかっ!?(怒)
………いかんいかん、落ち着け自分。
「絵の勉強」を、義父や婚約者から逃げる方便につかっただけにしか見えなかったのが残念です。
深雪は、もう少し前に義父や南と対決するべきだった。
対決した上で逃げ出すならいいんです。養女にすぎない彼女の立場が弱いのは仕方が無いんだから。でも、その場面は入れるべきだった、と思う。
そちらの家庭での様子が全くわからないので、深雪が今まで長いこと遠慮して小さくなって生きてきたのか、そうでもないのか、南との婚約も強圧的に決められて断れなかったのか、マリア公園で一希と静香のデートを目撃した深雪が自棄を起こしてOKしただけなのか、そのあたりが不明なままなのですが…
まぁ、義父っていっても赤の他人ではないわけで、深雪から見たら「叔父さん」になるのかな?両親が死んで、伯父さん(葵吹雪)のところに引き取られたらその伯父の家が破産して、「京都の弟」のところに行った、んだから、叔父さんですよねぇきっと。
ランドセルを背負った可愛い小学生だった深雪と、7年が過ぎて美しく女らしく成長した深雪に、人格的な変化がない(←子役を使わなかったので当然)ってことは、そう虐待された生活を送っていたわけではなく、まあちょっと遠慮がちではあったとしても普通に生活していたってことなのかなー?と思うんですよね。
そうなると、南との婚約も自棄を起こした深雪自身が「Yes」と言ったとしか思えないわけで。
それを「何も言わずに一人で巴里へ行きます」って………
おいっ!!と思うわ(^ ^;
もうちょっと、鳴海と父親くらいの扱いで、深雪と義父の親子関係も示しておくべきだったんじゃないか、と思います。
……んで、深雪義父はにわにわ(奏乃はると)でお願いします、是非♪♪(言いたかったのはそれか!)
一幕ラストと二幕ラスト。深雪は二回(正確に言うなら、最初の京都行きを含めて三回)一希の前から姿を消すわけですが。
なんだかねー、せめて二幕の方だけでも、
絵を描けない私なんて生きる意味がないわ、とか、
一希さんの貌も見えないのに、傍にいちゃいけないんだわ、とか、
そういうのが欲しい。
じゃないと、一希がすごく無駄死ににみえるので。
……いや、実際無駄死にじゃん、って言われると返す言葉がないんですが(T T)。
笹川宗光(緒月遠麻)。
鳴海代議士(飛鳥裕)の秘書。
……いや、あんな政治家秘書ありえないでしょ。眼つきが悪すぎですから(- -;
いやー、バウで見たときは「フェルッティよりはだいぶマシか…」以上の感想はなかったのですが。
青年館で一番心が震えたのは、キタロウでした。
キタロウの「昌明さん」は、危険物だと思います。
この人、危ない。
反射的にそう思ってしまいました。
この人、ヤバい。だってこの人、なんだかんだ理屈つけてるけど鳴海代議士のことなんてこれっぽっちも考えてないでしょ!
愛しているのは昌明だけ
昌明のために彼の恋敵を潰そうとしたのか、あるいは、昌明が惚れた男が憎かったのか?
……どっちだよ、おい。
っていうか、後者ですよね?だって、一希が邪魔なだけだったらあんな手間隙かけて楽しそうに暴力を振るう必要無いんですもの。薬でも飲ませて、海に放り込んでThe END。あんな中途半端に暴力を振るってちゃったら、最終的に口を封じたっていろいろバレちゃいそうだし…。だったらさっさと(恋しい「昌明さん」にバレる前に)ヤっとけ、って!!
で。
そっと告白します。
私は、この公演みて、結構マジで泣いたんですが。
一番号泣したのが、ミナコちゃんの「先生を誰にも渡したくなかったからっっっ!!」という絶叫で、
その次が、キタロウの「…昌明さん……っ」でした……(^ ^;ゞ
あははははは(腐)。
気を取り直して、一希の弟、桜木満(大湖せしる)。
あははははー、満が出てくるたびに、「えっとこの話、時代はいつだっけ」と思いました。
まぁ、“半端者”は得てして時代遅れな服を着ているものですが、それにしてもさぁ……
それでもステキでした。せしる好きだー!!ああいう“チャラい”役をやらせると本当に絶品だと思うんですよ(*^ ^*)。ビジュアル万歳。ヘタレなツッパリ万歳。
…誰だよ、せしるにチャモロだのネロだのやらせやがったのは。
「兄貴のことは諦めなよ…」
静香さんに対して、不器用に思いを告げる満がかなり好きです。ミナコちゃんの受け方がいいのもあって、すごく切ない場面に仕上がっていた。せしるの不器用さがすごく愛おしいです。
そんな満に「そういう兄貴、きらいじゃないぜ」とか言わせてしまう児玉さんを東京湾に沈めたいんですけど、いいでしょうか。…まぁ、あの台詞を衒いもなく言えるせしるが一番凄いのかも、と思ったので、差し引きゼロでいいんですけど。
でも、結局とっ捕まって、そこでまた無駄にしょうもないことを言っちゃう満。ああ、本当に児玉さん、何を考えているんだ。何も言わないで、「……ごめん兄貴、ドジ踏んでホントごめん…」だけにしておけばいいのにっ!!
ここで笹川たちが「待ち構えて」いるのは、鳴海の密告があったからなんですよね?
鳴海は、父親の立場を守るタメに、そして深雪を得るために、親友を売った。
「一希には瑕をつけるな」とは言ったにしても、
「ライターからお前の正体がわかったらしい。適当に誤魔化して追い返せ」って言ったつもりだったとしても、
売ったことにかわりはない。
鳴海が、どんなふうに笹川たちに指示をしたのかがどうしても想像できなくって、児玉さんが(そしてテルくん本人が)どういうふうに考えて組み立てていらっしゃったのかが知りたいです。
深雪へ向かう気持ちを表現する場面がなかったのも残念。モノローグの歌一曲では無理でしょう普通。そういう、脚本にあいた大穴を埋められるようになったら鬼に金棒なんだけどなあ、テルくんは。
ところで。
なんで笹川たちはライター一個でそんなに逆上すんの?
たかがライターひとつ。警察に証拠物件として認められてもいない、本当に事件と関係しているのかどうかだってわかりゃしないものなのに。
死体の下になっていたとか、血痕がついてたとか、事故の直前まではそこにはなかったとか、何かそういう条件があるならまだしも、浮浪者(葵吹雪)が小遣い稼ぎのために適当なことを言って、そこらで拾ったライターを出した可能性だって否定できないのに…。
なのに、何故…?
中里信一(蓮城まこと)。
「腹に一物」抱えているひとたちと、「ピュアすぎて」闇に堕ちてしまった人たちしか出てこないこの物語の中で、唯一中里くんだけが普通でまともな人物でした。
とにかく普通の人。可愛くて優しくて、抜けてるんだけど意外とよく見てて、陽気で、元気で、歌が巧くて(?)、彼がいてくれるだけで、空気が明るくなる、そんな感じ。
鼻歌は毎日日替わりだったみたいですね。よくがんばった!!
満の静香さんへの気持ちは案外突っ込んで描いてあったのに、中里くんの気持ちはすごくおざなりだったのが微妙でした。もう少し突っ込んでもいいと思うんですが。「テリアの形の海苔」だけじゃなくって、ね。
あと、年齢設定が微妙だったなあ……眼鏡をかけると逆に大人っぽい感じになるんですね、キングって(*^ ^*)。いっそのこと、一希よりずっと歳上設定にしてしまう手もあったのでは、と思いました。清一郎(未沙のえる)の助手として長年勤めてきたベテランで、静香の狂恋をそっと見守る、みたいなスタンスの人にしても良かったのでは、と。
原作どおりなんですかねぇ…。
……掃除しないと鼻歌が歌えないから、下っ端にした、とか?(←ありそうで嫌だなあ)
最後に、高校時代の一希(帆風成海)。
みみちゃんと同期、ですか………わか~い!
高校時代を別人にする必要があるのだとしたら、キムちゃんより童顔でキムちゃんより子供体型で…っていうと帆風さんしかいないな、と納得できる人選ではありました。
仕草やらなにやらは、もっさりしていて垢抜けない感じでしたけど、一希の生来の優しさとオクテな感じは良く出ていたし、いい配役だったと思います。この学年にしては声も出来ていたし(*^ ^*)。これから痩せていけば、いい男役さんになるんじゃないでしょうか♪
次回大劇場の「ゾロ」でも、早速役がついたみたいなので(真那春人くんにはまだつかないのに/涙)、ぜひぜひがんばってほしいです!!
むしろ、深雪の子供時代は違う子の方がよかったと思うのですが、香盤を見ると娘役の最下がみみちゃんなので、無理だったんでしょうねぇ(T T)。
一番笑ったのは、帆風くんを笹川の事務所で見つけたときでした。
高校時代の己にぶちのめされる一希……萌え。
がおりちゃん(香稜しずる)は、メインは二幕ラストの蛇なんですけど、私は一幕のバーアルカトロスの客(最上手テーブル)の美貌に撃ち抜かれてました。いやあん、ホントにカッコイイ。
アルカトロスは、バーテンさんたちのダンスもカッコイイし、踊り子さんたちも可愛いし、思いっきり眼が泳いでました。
相変わらず花帆杏奈ちゃんが気になる私。ショーシーンの最初で、バックライトに浮かぶシルエットのラインを見て「おっ、イイオンナ♪」と思ったのが杏奈ちゃんでした(^ ^;ゞ。見惚れるわ~~!
二幕の刑事は、にわにわとがおりちゃん。この二人、本当にリアルで滅茶苦茶ステキでした。もっと出てくればいいのにーーーーっ。
にわにわの“つかみどころの無い”いやらしさと、がおりちゃんの性急な青さ。いいコンビネーションで、きっと検挙率高いんだろうなあ~と思わせるコンビでした。
卒業されてしまった葵さんは、深雪の伯父さんとか浮浪者とかあちこちで活躍しまくりでしたが、個人的なツボは、アルカトロスのバーテンさん。ショーを観ながら、なんか一人まぁるいひとがいるなー、と思ったらあーたんだった(汗)。ステキすぎる。
一希と深雪がデートをする遊園地の天使は、じんじん(神麗華)。「ホフマン物語」のピティキナッチョ(未沙のえる)をちょっと思い出してみたりしました。笑顔が可愛くてしっかり踊ってくれるじんじん、すごい良かったです。ありがとう児玉さん。
そして最後に、深雪の婚約者・南信一(真波そら)。
雪組の誇る美形軍団の筆頭の一人であるそらちゃん。あー、やっぱりカッコイイし、好きだ(*^ ^*)。
でも、やっぱり南の役をちゃんとやらせるのは無理だったんだろうなあ……(T T)。
あまりにも南が意味不明な人すぎるので、せめてあと二場面は欲しいんですよね。
一幕で、深雪義父と二人、あるいは深雪を入れて三人で今後について話し合う場面。
そして、二幕で深雪を探して一希のところに来る場面、あるいは、飛ばして鳴海代議士と対決する場面だけでもいいです。
この作品を物語として成立させるためには、かなり重要な役だと思うんですが……。
うーん、ホントはキタロウと逆の方がよかったような気がします。
そらちゃんの笹川は、キタロウとは違う意味で怖くてよかっただろうな、と思うし。
ただ観ながら思ったことを書いているだけなのに、結構不満が多いなあ。
面白かったんですけどね。やっぱりあれじゃあ役者が気の毒だもんねぇ。
それでも、挫けず諦めず投げ出さず、最後まで踏みとどまってがんばった総勢30名(専科の未沙さん含む)のがんばりに、大きな大きな大きな拍手!!を。
そして、この作品で卒業された葵さんの歩み往く道に、幸いの多からんことを祈って。
.
81期のゆり香紫保さん、
86期の谷みずせさん、穂月はるなさんの3人が、東京宝塚劇場千秋楽をもって卒業することが発表されました。
すでに発表済みの白羽ゆり嬢(84期)と合わせて、4人。
誰が辞めても寂しいのにかわりはないのでしょうけれども、4人とも悲しいなあ。
ラギちゃんが卒業されて、これからは仲良しさんだったジャニーズ系美少年・たにやんを応援しよう!と思っていた矢先でした。
「星影の人」で、きゃびぃ(早花まこ)と二人でヤンヤヤンヤしていたはるなちゃん、「Joyfull!2」でも「ミロワール」でも、ラギちゃんと組んで踊ってくれたはるなちゃん、本当に本当に、可愛くてお気に入りだったのになぁ…(T T)
そして、ラギちゃんやシナちゃんの最後の白い服に、可愛いキリンとゾウのアップリケをしてくれたゆり香さん。雪組は上級生が少なくて、灯さんが卒業された今、娘役の一番上はゆり香さんだったんですよね。下級生にとってはすごく心強い存在だったんだろうと思います。
となみちゃんももちろん残念だし、4人とも……(T T)。
最後の公演が、素敵な作品になりますように☆
さて。
日本青年館「忘れ雪」。
今日は、橘深雪さん(舞羽美海)から。
みみちゃん、とりあえず、ランドセルが似合ってたことに驚きました。
どちらかといえば学年の割に大人っぽい美貌だと思うし、ダンサーでスタイルも良くて、あまり子供っぽい感じでは無いはずなんですが、本当に違和感なく小学生でしたね。
不思議な人だ。
そして。
私はずっと、彼女が絵を描く人だというのをもっと前面に出せばいいのに、と思っていました。
事故によって彼女が喪ったものは、ただの視力ではなく「絵を描くことそのもの」であり、「画家としての未来」でもある…んですよね。
巴里へ留学してまで勉強してきた、絵。それを奪われた深雪。
深雪はただ、「眼が見えなくなった」から一希の前から逃げたのではないのだろう、と思うのです。
夢を喪ったから、もう一希の前には出られない、と思った。
新しい夢を見つけるまで(そんな日はこないかもしれないけれども)、夢を追い続けるあの人のもとに戻ることはできないのだ、と。
去年の年末に上演されていた宙組の「Paradise Prince」のキャサリンの迷いが思い出されて。
…その作品力のあまりの違いに、涙が出ました。
児玉さんには、そういう意図は全くないだろうことが余計に腹立たしい。もうちょっと考えるべきことがあるでしょう!サックスやマーチングを練習させるよりも、もっと大事なことがあるんじゃないのかっ!?(怒)
………いかんいかん、落ち着け自分。
「絵の勉強」を、義父や婚約者から逃げる方便につかっただけにしか見えなかったのが残念です。
深雪は、もう少し前に義父や南と対決するべきだった。
対決した上で逃げ出すならいいんです。養女にすぎない彼女の立場が弱いのは仕方が無いんだから。でも、その場面は入れるべきだった、と思う。
そちらの家庭での様子が全くわからないので、深雪が今まで長いこと遠慮して小さくなって生きてきたのか、そうでもないのか、南との婚約も強圧的に決められて断れなかったのか、マリア公園で一希と静香のデートを目撃した深雪が自棄を起こしてOKしただけなのか、そのあたりが不明なままなのですが…
まぁ、義父っていっても赤の他人ではないわけで、深雪から見たら「叔父さん」になるのかな?両親が死んで、伯父さん(葵吹雪)のところに引き取られたらその伯父の家が破産して、「京都の弟」のところに行った、んだから、叔父さんですよねぇきっと。
ランドセルを背負った可愛い小学生だった深雪と、7年が過ぎて美しく女らしく成長した深雪に、人格的な変化がない(←子役を使わなかったので当然)ってことは、そう虐待された生活を送っていたわけではなく、まあちょっと遠慮がちではあったとしても普通に生活していたってことなのかなー?と思うんですよね。
そうなると、南との婚約も自棄を起こした深雪自身が「Yes」と言ったとしか思えないわけで。
それを「何も言わずに一人で巴里へ行きます」って………
おいっ!!と思うわ(^ ^;
もうちょっと、鳴海と父親くらいの扱いで、深雪と義父の親子関係も示しておくべきだったんじゃないか、と思います。
……んで、深雪義父はにわにわ(奏乃はると)でお願いします、是非♪♪(言いたかったのはそれか!)
一幕ラストと二幕ラスト。深雪は二回(正確に言うなら、最初の京都行きを含めて三回)一希の前から姿を消すわけですが。
なんだかねー、せめて二幕の方だけでも、
絵を描けない私なんて生きる意味がないわ、とか、
一希さんの貌も見えないのに、傍にいちゃいけないんだわ、とか、
そういうのが欲しい。
じゃないと、一希がすごく無駄死ににみえるので。
……いや、実際無駄死にじゃん、って言われると返す言葉がないんですが(T T)。
笹川宗光(緒月遠麻)。
鳴海代議士(飛鳥裕)の秘書。
……いや、あんな政治家秘書ありえないでしょ。眼つきが悪すぎですから(- -;
いやー、バウで見たときは「フェルッティよりはだいぶマシか…」以上の感想はなかったのですが。
青年館で一番心が震えたのは、キタロウでした。
キタロウの「昌明さん」は、危険物だと思います。
この人、危ない。
反射的にそう思ってしまいました。
この人、ヤバい。だってこの人、なんだかんだ理屈つけてるけど鳴海代議士のことなんてこれっぽっちも考えてないでしょ!
愛しているのは昌明だけ
昌明のために彼の恋敵を潰そうとしたのか、あるいは、昌明が惚れた男が憎かったのか?
……どっちだよ、おい。
っていうか、後者ですよね?だって、一希が邪魔なだけだったらあんな手間隙かけて楽しそうに暴力を振るう必要無いんですもの。薬でも飲ませて、海に放り込んでThe END。あんな中途半端に暴力を振るってちゃったら、最終的に口を封じたっていろいろバレちゃいそうだし…。だったらさっさと(恋しい「昌明さん」にバレる前に)ヤっとけ、って!!
で。
そっと告白します。
私は、この公演みて、結構マジで泣いたんですが。
一番号泣したのが、ミナコちゃんの「先生を誰にも渡したくなかったからっっっ!!」という絶叫で、
その次が、キタロウの「…昌明さん……っ」でした……(^ ^;ゞ
あははははは(腐)。
気を取り直して、一希の弟、桜木満(大湖せしる)。
あははははー、満が出てくるたびに、「えっとこの話、時代はいつだっけ」と思いました。
まぁ、“半端者”は得てして時代遅れな服を着ているものですが、それにしてもさぁ……
それでもステキでした。せしる好きだー!!ああいう“チャラい”役をやらせると本当に絶品だと思うんですよ(*^ ^*)。ビジュアル万歳。ヘタレなツッパリ万歳。
…誰だよ、せしるにチャモロだのネロだのやらせやがったのは。
「兄貴のことは諦めなよ…」
静香さんに対して、不器用に思いを告げる満がかなり好きです。ミナコちゃんの受け方がいいのもあって、すごく切ない場面に仕上がっていた。せしるの不器用さがすごく愛おしいです。
そんな満に「そういう兄貴、きらいじゃないぜ」とか言わせてしまう児玉さんを東京湾に沈めたいんですけど、いいでしょうか。…まぁ、あの台詞を衒いもなく言えるせしるが一番凄いのかも、と思ったので、差し引きゼロでいいんですけど。
でも、結局とっ捕まって、そこでまた無駄にしょうもないことを言っちゃう満。ああ、本当に児玉さん、何を考えているんだ。何も言わないで、「……ごめん兄貴、ドジ踏んでホントごめん…」だけにしておけばいいのにっ!!
ここで笹川たちが「待ち構えて」いるのは、鳴海の密告があったからなんですよね?
鳴海は、父親の立場を守るタメに、そして深雪を得るために、親友を売った。
「一希には瑕をつけるな」とは言ったにしても、
「ライターからお前の正体がわかったらしい。適当に誤魔化して追い返せ」って言ったつもりだったとしても、
売ったことにかわりはない。
鳴海が、どんなふうに笹川たちに指示をしたのかがどうしても想像できなくって、児玉さんが(そしてテルくん本人が)どういうふうに考えて組み立てていらっしゃったのかが知りたいです。
深雪へ向かう気持ちを表現する場面がなかったのも残念。モノローグの歌一曲では無理でしょう普通。そういう、脚本にあいた大穴を埋められるようになったら鬼に金棒なんだけどなあ、テルくんは。
ところで。
なんで笹川たちはライター一個でそんなに逆上すんの?
たかがライターひとつ。警察に証拠物件として認められてもいない、本当に事件と関係しているのかどうかだってわかりゃしないものなのに。
死体の下になっていたとか、血痕がついてたとか、事故の直前まではそこにはなかったとか、何かそういう条件があるならまだしも、浮浪者(葵吹雪)が小遣い稼ぎのために適当なことを言って、そこらで拾ったライターを出した可能性だって否定できないのに…。
なのに、何故…?
中里信一(蓮城まこと)。
「腹に一物」抱えているひとたちと、「ピュアすぎて」闇に堕ちてしまった人たちしか出てこないこの物語の中で、唯一中里くんだけが普通でまともな人物でした。
とにかく普通の人。可愛くて優しくて、抜けてるんだけど意外とよく見てて、陽気で、元気で、歌が巧くて(?)、彼がいてくれるだけで、空気が明るくなる、そんな感じ。
鼻歌は毎日日替わりだったみたいですね。よくがんばった!!
満の静香さんへの気持ちは案外突っ込んで描いてあったのに、中里くんの気持ちはすごくおざなりだったのが微妙でした。もう少し突っ込んでもいいと思うんですが。「テリアの形の海苔」だけじゃなくって、ね。
あと、年齢設定が微妙だったなあ……眼鏡をかけると逆に大人っぽい感じになるんですね、キングって(*^ ^*)。いっそのこと、一希よりずっと歳上設定にしてしまう手もあったのでは、と思いました。清一郎(未沙のえる)の助手として長年勤めてきたベテランで、静香の狂恋をそっと見守る、みたいなスタンスの人にしても良かったのでは、と。
原作どおりなんですかねぇ…。
……掃除しないと鼻歌が歌えないから、下っ端にした、とか?(←ありそうで嫌だなあ)
最後に、高校時代の一希(帆風成海)。
みみちゃんと同期、ですか………わか~い!
高校時代を別人にする必要があるのだとしたら、キムちゃんより童顔でキムちゃんより子供体型で…っていうと帆風さんしかいないな、と納得できる人選ではありました。
仕草やらなにやらは、もっさりしていて垢抜けない感じでしたけど、一希の生来の優しさとオクテな感じは良く出ていたし、いい配役だったと思います。この学年にしては声も出来ていたし(*^ ^*)。これから痩せていけば、いい男役さんになるんじゃないでしょうか♪
次回大劇場の「ゾロ」でも、早速役がついたみたいなので(真那春人くんにはまだつかないのに/涙)、ぜひぜひがんばってほしいです!!
むしろ、深雪の子供時代は違う子の方がよかったと思うのですが、香盤を見ると娘役の最下がみみちゃんなので、無理だったんでしょうねぇ(T T)。
一番笑ったのは、帆風くんを笹川の事務所で見つけたときでした。
高校時代の己にぶちのめされる一希……萌え。
がおりちゃん(香稜しずる)は、メインは二幕ラストの蛇なんですけど、私は一幕のバーアルカトロスの客(最上手テーブル)の美貌に撃ち抜かれてました。いやあん、ホントにカッコイイ。
アルカトロスは、バーテンさんたちのダンスもカッコイイし、踊り子さんたちも可愛いし、思いっきり眼が泳いでました。
相変わらず花帆杏奈ちゃんが気になる私。ショーシーンの最初で、バックライトに浮かぶシルエットのラインを見て「おっ、イイオンナ♪」と思ったのが杏奈ちゃんでした(^ ^;ゞ。見惚れるわ~~!
二幕の刑事は、にわにわとがおりちゃん。この二人、本当にリアルで滅茶苦茶ステキでした。もっと出てくればいいのにーーーーっ。
にわにわの“つかみどころの無い”いやらしさと、がおりちゃんの性急な青さ。いいコンビネーションで、きっと検挙率高いんだろうなあ~と思わせるコンビでした。
卒業されてしまった葵さんは、深雪の伯父さんとか浮浪者とかあちこちで活躍しまくりでしたが、個人的なツボは、アルカトロスのバーテンさん。ショーを観ながら、なんか一人まぁるいひとがいるなー、と思ったらあーたんだった(汗)。ステキすぎる。
一希と深雪がデートをする遊園地の天使は、じんじん(神麗華)。「ホフマン物語」のピティキナッチョ(未沙のえる)をちょっと思い出してみたりしました。笑顔が可愛くてしっかり踊ってくれるじんじん、すごい良かったです。ありがとう児玉さん。
そして最後に、深雪の婚約者・南信一(真波そら)。
雪組の誇る美形軍団の筆頭の一人であるそらちゃん。あー、やっぱりカッコイイし、好きだ(*^ ^*)。
でも、やっぱり南の役をちゃんとやらせるのは無理だったんだろうなあ……(T T)。
あまりにも南が意味不明な人すぎるので、せめてあと二場面は欲しいんですよね。
一幕で、深雪義父と二人、あるいは深雪を入れて三人で今後について話し合う場面。
そして、二幕で深雪を探して一希のところに来る場面、あるいは、飛ばして鳴海代議士と対決する場面だけでもいいです。
この作品を物語として成立させるためには、かなり重要な役だと思うんですが……。
うーん、ホントはキタロウと逆の方がよかったような気がします。
そらちゃんの笹川は、キタロウとは違う意味で怖くてよかっただろうな、と思うし。
ただ観ながら思ったことを書いているだけなのに、結構不満が多いなあ。
面白かったんですけどね。やっぱりあれじゃあ役者が気の毒だもんねぇ。
それでも、挫けず諦めず投げ出さず、最後まで踏みとどまってがんばった総勢30名(専科の未沙さん含む)のがんばりに、大きな大きな大きな拍手!!を。
そして、この作品で卒業された葵さんの歩み往く道に、幸いの多からんことを祈って。
.
日本青年館にて、雪組公演「忘れ雪」を観劇してまいりました。
とりあえず、千秋楽も過ぎましたのでネタバレします。
(前回も書きましたが、原作は未読ですのでご了承ください)
まずは、桜木一希(音月桂)。
キムちゃんの芝居って、以前も書いたことがあると思いますが、凄く情が深いんですよね。
濃すぎるくらいの、一つ間違えばウザくなってしまうくらいの熱量があるタイプ。
一希は、本来ならもっと優柔不断な根っからの犬猫オタクであるべきなんじゃないのか?と思うんですけど、キムちゃんはむしろ、母の死によるトラウマを重要視して、外部へのアクセスを閉ざした引きこもりタイプと解釈して演じているのかな、と思いました。
深雪と出会った高校時代の一希(帆風成海)が、明るくて優しい「おにいさん」タイプだったことからの想像ですけれども。
表面上は誰にでも優しくて、でも、内面には誰も踏み込ませない、そういう青年。
愛することにも、愛されることにも怯えている。他人と深い感情をやり取りすることができないタイプ。
そして、そうなってしまったきっかけは、母の死だという解釈なんだろうな、と。
東宝劇場で上演中の月組「夢の浮橋」も、“愛しすぎた罪”をテーマにした物語ですが、「忘れ雪」も、根底にある設定はよく似ているんだな、と思いました。
…似ているのは設定だけで、そこから生じる事件は全く違いますけれども。
夫を愛しすぎた挙句、次第に壊れていく母を近くで見守っていた「長男」という一希の立場。
甘やかされた「末っ子」としての満(大湖せしる)の立場。
その結果として、父親(未沙のえる)は酒におぼれ、長男は心を閉ざして精神的“ひきこもり”のまま動物病院を継ぐ。
ちなみに、グレて“半端者の世界”へ行ってしまったらしい末っ子も、案外ちゃんと家に帰ってきてるし、看護師の静香と仲が良いってことは病院にも顔を出しているらしい。…いい子じゃないか(^ ^)。いい家族なんだなーと思います。
それを、鳴海との対比という形でもっと表に出しても良かったのに、と。
…ま、それはともかく。
この作品において、児玉さんはどうして一希の両親のエピソードを説明台詞ですませたのかなー?と不思議に思います。
これが無いから、どうも話がよくわからないということになる。鳴海父子の関係とか、鳴海父と南のエピソードとか、深雪と義父のエピソードも同様。どうも、「大人側の事情」が全然見えてこないのが全体のストーリーを意味不明にしているような気がしてならないのです。
なにも、齋藤さんみたいに一希をマザコンにする必要はないんですよ。
でも、一希が高校時代と7年後で全く別人のように(実際別人だっていうのは置いといて)なってしまったことの契機となったのが母の死であるならば、そのエピソードは入れて欲しかった。
どんな芝居であれ、主役が首尾一貫した性格でないと観ている方は混乱するんです。たった7年で人格が変わってしまうなら、せめて「こんなことがあったら、変わっちゃっても仕方ないよね」という納得がほしい。
壊れていく母親にすがり付いて泣いている満と、必死で世話をする一希、みたいな回想シーンを入れてもいい。
父親に抗議する満だけじゃなくて、その時の一希の立場をもう少し明確に描くだけでも違う。
それも無理なら、せめて鳴海との会話の中で「いろんなことがあったから、高校時代のことは何も覚えていないんだよ俺」とか独白するだけでもいいんです。
とにかく、“ちょっとオクテで引っ込み思案だけど、心優しい普通の男の子”だったはずの一希が、7年を経て“優柔不断で潔癖症の子供みたいな男”になった理由を納得させてほしいんです。
ついでに、記憶障害の理由も、な……。
10代の女の子は変わりますから、7年も経ったらそりゃー深雪の顔はわからなくても不思議はないですけど、クロスの名前を聞いて、十字架の傷跡をみて、それでも気がつかないってどゆこと!?ホント、真顔で“ホンモノの一希はどうなっちゃったんだろう?ここに居るのは誰なんだろう……”って考えこんじゃいましたよ…(T T)私だけ?
…ま、それはともかく。
キムちゃんの「本当に」凄いところは、そんなオタクで優柔な引きこもり青年が、深雪の本音を聞いた途端、情熱を取り戻し、熱く燃え盛る火の玉みたいになっても違和感がないところ(^ ^)。
愛に怯え、好意を寄せられることにさえ嫌悪感を抱いていたはずの一希が!?とか思ってしまいそうな場面なのに、なぜか納得してしまうのは、その前に深雪に魅かれている一希が観客に見えているからなんですよね。
あのしょうもない遊園地の場面(マーチングバンドは楽しいけど、意味が無いにも程がある)と、それに続くマリア公演の僅か2場面で、実に丁寧に感情の動きを表現している。
深雪に魅かれていく自分へのとまどい。
その思いが、自ら張り巡らせた囲いをトントン叩いていることを、自身もなんとなく気づいている。
だから、深雪への気持ちを自覚したときに、いろんなものを叩き壊してやっと外へ出てきた「一希」は、子供のように自由で思い込みが強くて、猪突猛進なキャラになっているんです。
今まで閉じ込められていたから、そういうところだけが突出している。
……あの手紙を読んだら、男なら“怖い…”と思うのが普通なんじゃないか、とか言っちゃいけないんだろうなあ(^ ^;ゞ
鳴海昌明(凰稀かなめ)。
バウと青年館で観て、一番変わったなーと思ったのはテルくんでした。
まだまだ、『駄作をちからづくでなんとかする』域には全然達していないんですけれども、「自分がやらなくてはならない」という自覚を持って役に向き合うことができるようにはなったみたいだな、と、少し安心しました。
作品の中での自分の役の立場をきちんと把握して、全体のバランスを見ながら芝居をしようとしていたのが嬉しい。
まだまだ成果としてはキムちゃんにおんぶに抱っこでしたけど、「公演の二番手」という立場で“やるべきこと”を、ちゃんと考えられるようになったかな、と。
星組に異動して、どういう立場になるのか判りませんけれども。とにかく、その美貌とキャラクターを武器にして、挫けないでがんばってくださいねっ!!
正直、鳴海という役はテルくんには難しい役柄だったと思います。
なくとも児玉脚本での鳴海は、攻めでヘタレでM、という、ある意味すごく難しいキャラでしたから。
そもそも、テルくんには攻めキャラが難しい。圧倒的な美貌とスタイルで、立っているだけで視線を集めてしまうテルくんには、状況に流されてどこまでも彷徨ってしまうクライドが良く似合っていました。受け身でヘタレでどM、というキャラクターが。
Sなキャラはできるんですよね。本音を見せないロジャー(マリポーサの花)はOKでしたから。でも、攻め(=能動的に行動する)キャラクターは難しい。
あくまでも受け身の役者なんですよね。
児玉さんの脚本を素直に読めば、鳴海は一希に熱烈に恋をしているとしか解釈できないはず(真顔)なのに、テルくんの鳴海はどうしてもそうは見えなかった。かといって、深雪に恋しているようにはもっと見えない(描かれていない)。
だから、何故鳴海が深雪を一希から隠すのか理解できないんです…。
鳴海と深雪、二人の場面が一つも無いのに、どうやって恋心を表現しろっちゅーねん!?って感じですけどね(T T)。児玉さん的には、『鳴海が愛しているのは一希だけ。一希が深雪を愛したから、鳴海も深雪に恋してみることにした』っていう設定だから鳴海と深雪の場面なんていらないのよ★ってなところなんじゃないかと思うんですが、その設定間違ってるから!!>児玉さん
テルくんの芝居は根本的なところが優しくて可愛いので、一幕は良かったと思います。深雪との場面がないのはテルくんの責任じゃないし。
でも、二幕になると完全に破綻してしまう。深雪への恋情も、父親(飛鳥裕)への甘えまじりの反発も、どちらも表現しきれない。まぁ、父親との確執については飛鳥さんの責任も大きいんですけど(涙)、それにしても無理すぎる。
それがバウでの正直な感想でした。
でも。青年館では父親との会話の雰囲気が少し変わっていました。
バウではもっと、拗ねた子供のような甘えた感があったと思うんです。直前の一希との会話での狎れた雰囲気を引き摺っていて。その、なんというか“べたべた”した感じがラストの告白に繋がらなくて、すごく妙な印象が残りました。
それが、青年館では、一希との会話が終わってスツールを立った瞬間、それまでの甘えたな感じが消えて、ぴったりとシャッターを降ろしたような感じがしたんですよね。
豹変した、というか。
息子として“父親”に無闇に反発するのではなく、一人の青年として納得できないことに反論している感じを出したいのかな、と思いました。…残念ながら出来てはいなかったし、そもそも飛鳥さんがそういう変化を受け止められなくて全然ダメダメだったんですけど、テルくん自身が能動的に芝居を創ろう(動かそう)としたことを評価したいです。
個人的には。
差し伸べた手を一希に力いっぱい振り払われた瞬間のテルくんの苦しげな瞳に、クラッとできなかったのが残念でした。
視力を喪った深雪と一緒に逃げようとする鳴海。
「恋人が蛇になったら、自分も蛇になって共に生きる」…それが彼の、優しさゆえの選択。
でも、それはただの逃避で、現実の否定にすぎない。
彼は、一希に手を振り払われて初めてその事実に気づく。
自分には、一希を救う権利が無いことに。
あのとき、外科医の彼は一希が長くは保たないことを知っていた筈ですよね。
それでも行かせる……
……そういう、濃すぎる想いって……テルくんの一番の不得意分野だよな……。
テルくんの鳴海なら、原作どおりに静香さんが一希を刺した方が良かったと思います。>児玉さん
金井静香(愛原実花)。
脚本的には何一つ書き込まれていないのに、ミナコちゃんが立っているだけでナイトメアのオーラが漂うようで、ワクワクしました。
原作ではもっとヤバい人なんだろうな(宝塚で、若いスターが演じる役が原作より悪い人になることはまずあり得ないので)、とか想像しつつ、宝塚離れした悪意のあるキャラクターを見事に造形してのけるミナコちゃんに心底感動しました。
素晴らしい。
たぶん、この物語の中で真実「ピュア」なのは、一希と静香の二人だけなんですよね。
たった一つのことだけを思い詰めて、その一色に心を染めあげてしまった人。
鳴海にも深雪にも、邪念があった。父親への反発とか、一人ぼっちになることへの恐怖とか、一希へのライバル心とか、功名心とか。
でも、一希と静香には、それがない。
“深雪を迎えにいく”という一念を貫くために、命も鳴海もいらないと思った一希。
“一希が欲しい”一念で心を闇に染め上げて、“アチラ側”へ行ってしまった静香。
愛は人を幸せにするけれども、恋は人を鬼にする。
でも、もしかしたら。
鬼になってしまえるのなら、その方が幸せなのかもしれない……。
共に、鬼になって傍に居てくれる人がいるのなら。
…ミナコちゃんなら、最後に一希を刺すところまでキチンと説得力をもって創りあげてくれただろうに、もったいない……。
あれ?長くなってしまった。なんでだろう。
……すみません。続くみたいです……(嘆)。
.
とりあえず、千秋楽も過ぎましたのでネタバレします。
(前回も書きましたが、原作は未読ですのでご了承ください)
まずは、桜木一希(音月桂)。
キムちゃんの芝居って、以前も書いたことがあると思いますが、凄く情が深いんですよね。
濃すぎるくらいの、一つ間違えばウザくなってしまうくらいの熱量があるタイプ。
一希は、本来ならもっと優柔不断な根っからの犬猫オタクであるべきなんじゃないのか?と思うんですけど、キムちゃんはむしろ、母の死によるトラウマを重要視して、外部へのアクセスを閉ざした引きこもりタイプと解釈して演じているのかな、と思いました。
深雪と出会った高校時代の一希(帆風成海)が、明るくて優しい「おにいさん」タイプだったことからの想像ですけれども。
表面上は誰にでも優しくて、でも、内面には誰も踏み込ませない、そういう青年。
愛することにも、愛されることにも怯えている。他人と深い感情をやり取りすることができないタイプ。
そして、そうなってしまったきっかけは、母の死だという解釈なんだろうな、と。
東宝劇場で上演中の月組「夢の浮橋」も、“愛しすぎた罪”をテーマにした物語ですが、「忘れ雪」も、根底にある設定はよく似ているんだな、と思いました。
…似ているのは設定だけで、そこから生じる事件は全く違いますけれども。
夫を愛しすぎた挙句、次第に壊れていく母を近くで見守っていた「長男」という一希の立場。
甘やかされた「末っ子」としての満(大湖せしる)の立場。
その結果として、父親(未沙のえる)は酒におぼれ、長男は心を閉ざして精神的“ひきこもり”のまま動物病院を継ぐ。
ちなみに、グレて“半端者の世界”へ行ってしまったらしい末っ子も、案外ちゃんと家に帰ってきてるし、看護師の静香と仲が良いってことは病院にも顔を出しているらしい。…いい子じゃないか(^ ^)。いい家族なんだなーと思います。
それを、鳴海との対比という形でもっと表に出しても良かったのに、と。
…ま、それはともかく。
この作品において、児玉さんはどうして一希の両親のエピソードを説明台詞ですませたのかなー?と不思議に思います。
これが無いから、どうも話がよくわからないということになる。鳴海父子の関係とか、鳴海父と南のエピソードとか、深雪と義父のエピソードも同様。どうも、「大人側の事情」が全然見えてこないのが全体のストーリーを意味不明にしているような気がしてならないのです。
なにも、齋藤さんみたいに一希をマザコンにする必要はないんですよ。
でも、一希が高校時代と7年後で全く別人のように(実際別人だっていうのは置いといて)なってしまったことの契機となったのが母の死であるならば、そのエピソードは入れて欲しかった。
どんな芝居であれ、主役が首尾一貫した性格でないと観ている方は混乱するんです。たった7年で人格が変わってしまうなら、せめて「こんなことがあったら、変わっちゃっても仕方ないよね」という納得がほしい。
壊れていく母親にすがり付いて泣いている満と、必死で世話をする一希、みたいな回想シーンを入れてもいい。
父親に抗議する満だけじゃなくて、その時の一希の立場をもう少し明確に描くだけでも違う。
それも無理なら、せめて鳴海との会話の中で「いろんなことがあったから、高校時代のことは何も覚えていないんだよ俺」とか独白するだけでもいいんです。
とにかく、“ちょっとオクテで引っ込み思案だけど、心優しい普通の男の子”だったはずの一希が、7年を経て“優柔不断で潔癖症の子供みたいな男”になった理由を納得させてほしいんです。
ついでに、記憶障害の理由も、な……。
10代の女の子は変わりますから、7年も経ったらそりゃー深雪の顔はわからなくても不思議はないですけど、クロスの名前を聞いて、十字架の傷跡をみて、それでも気がつかないってどゆこと!?ホント、真顔で“ホンモノの一希はどうなっちゃったんだろう?ここに居るのは誰なんだろう……”って考えこんじゃいましたよ…(T T)私だけ?
…ま、それはともかく。
キムちゃんの「本当に」凄いところは、そんなオタクで優柔な引きこもり青年が、深雪の本音を聞いた途端、情熱を取り戻し、熱く燃え盛る火の玉みたいになっても違和感がないところ(^ ^)。
愛に怯え、好意を寄せられることにさえ嫌悪感を抱いていたはずの一希が!?とか思ってしまいそうな場面なのに、なぜか納得してしまうのは、その前に深雪に魅かれている一希が観客に見えているからなんですよね。
あのしょうもない遊園地の場面(マーチングバンドは楽しいけど、意味が無いにも程がある)と、それに続くマリア公演の僅か2場面で、実に丁寧に感情の動きを表現している。
深雪に魅かれていく自分へのとまどい。
その思いが、自ら張り巡らせた囲いをトントン叩いていることを、自身もなんとなく気づいている。
だから、深雪への気持ちを自覚したときに、いろんなものを叩き壊してやっと外へ出てきた「一希」は、子供のように自由で思い込みが強くて、猪突猛進なキャラになっているんです。
今まで閉じ込められていたから、そういうところだけが突出している。
……あの手紙を読んだら、男なら“怖い…”と思うのが普通なんじゃないか、とか言っちゃいけないんだろうなあ(^ ^;ゞ
鳴海昌明(凰稀かなめ)。
バウと青年館で観て、一番変わったなーと思ったのはテルくんでした。
まだまだ、『駄作をちからづくでなんとかする』域には全然達していないんですけれども、「自分がやらなくてはならない」という自覚を持って役に向き合うことができるようにはなったみたいだな、と、少し安心しました。
作品の中での自分の役の立場をきちんと把握して、全体のバランスを見ながら芝居をしようとしていたのが嬉しい。
まだまだ成果としてはキムちゃんにおんぶに抱っこでしたけど、「公演の二番手」という立場で“やるべきこと”を、ちゃんと考えられるようになったかな、と。
星組に異動して、どういう立場になるのか判りませんけれども。とにかく、その美貌とキャラクターを武器にして、挫けないでがんばってくださいねっ!!
正直、鳴海という役はテルくんには難しい役柄だったと思います。
なくとも児玉脚本での鳴海は、攻めでヘタレでM、という、ある意味すごく難しいキャラでしたから。
そもそも、テルくんには攻めキャラが難しい。圧倒的な美貌とスタイルで、立っているだけで視線を集めてしまうテルくんには、状況に流されてどこまでも彷徨ってしまうクライドが良く似合っていました。受け身でヘタレでどM、というキャラクターが。
Sなキャラはできるんですよね。本音を見せないロジャー(マリポーサの花)はOKでしたから。でも、攻め(=能動的に行動する)キャラクターは難しい。
あくまでも受け身の役者なんですよね。
児玉さんの脚本を素直に読めば、鳴海は一希に熱烈に恋をしているとしか解釈できないはず(真顔)なのに、テルくんの鳴海はどうしてもそうは見えなかった。かといって、深雪に恋しているようにはもっと見えない(描かれていない)。
だから、何故鳴海が深雪を一希から隠すのか理解できないんです…。
鳴海と深雪、二人の場面が一つも無いのに、どうやって恋心を表現しろっちゅーねん!?って感じですけどね(T T)。児玉さん的には、『鳴海が愛しているのは一希だけ。一希が深雪を愛したから、鳴海も深雪に恋してみることにした』っていう設定だから鳴海と深雪の場面なんていらないのよ★ってなところなんじゃないかと思うんですが、その設定間違ってるから!!>児玉さん
テルくんの芝居は根本的なところが優しくて可愛いので、一幕は良かったと思います。深雪との場面がないのはテルくんの責任じゃないし。
でも、二幕になると完全に破綻してしまう。深雪への恋情も、父親(飛鳥裕)への甘えまじりの反発も、どちらも表現しきれない。まぁ、父親との確執については飛鳥さんの責任も大きいんですけど(涙)、それにしても無理すぎる。
それがバウでの正直な感想でした。
でも。青年館では父親との会話の雰囲気が少し変わっていました。
バウではもっと、拗ねた子供のような甘えた感があったと思うんです。直前の一希との会話での狎れた雰囲気を引き摺っていて。その、なんというか“べたべた”した感じがラストの告白に繋がらなくて、すごく妙な印象が残りました。
それが、青年館では、一希との会話が終わってスツールを立った瞬間、それまでの甘えたな感じが消えて、ぴったりとシャッターを降ろしたような感じがしたんですよね。
豹変した、というか。
息子として“父親”に無闇に反発するのではなく、一人の青年として納得できないことに反論している感じを出したいのかな、と思いました。…残念ながら出来てはいなかったし、そもそも飛鳥さんがそういう変化を受け止められなくて全然ダメダメだったんですけど、テルくん自身が能動的に芝居を創ろう(動かそう)としたことを評価したいです。
個人的には。
差し伸べた手を一希に力いっぱい振り払われた瞬間のテルくんの苦しげな瞳に、クラッとできなかったのが残念でした。
視力を喪った深雪と一緒に逃げようとする鳴海。
「恋人が蛇になったら、自分も蛇になって共に生きる」…それが彼の、優しさゆえの選択。
でも、それはただの逃避で、現実の否定にすぎない。
彼は、一希に手を振り払われて初めてその事実に気づく。
自分には、一希を救う権利が無いことに。
あのとき、外科医の彼は一希が長くは保たないことを知っていた筈ですよね。
それでも行かせる……
……そういう、濃すぎる想いって……テルくんの一番の不得意分野だよな……。
テルくんの鳴海なら、原作どおりに静香さんが一希を刺した方が良かったと思います。>児玉さん
金井静香(愛原実花)。
脚本的には何一つ書き込まれていないのに、ミナコちゃんが立っているだけでナイトメアのオーラが漂うようで、ワクワクしました。
原作ではもっとヤバい人なんだろうな(宝塚で、若いスターが演じる役が原作より悪い人になることはまずあり得ないので)、とか想像しつつ、宝塚離れした悪意のあるキャラクターを見事に造形してのけるミナコちゃんに心底感動しました。
素晴らしい。
たぶん、この物語の中で真実「ピュア」なのは、一希と静香の二人だけなんですよね。
たった一つのことだけを思い詰めて、その一色に心を染めあげてしまった人。
鳴海にも深雪にも、邪念があった。父親への反発とか、一人ぼっちになることへの恐怖とか、一希へのライバル心とか、功名心とか。
でも、一希と静香には、それがない。
“深雪を迎えにいく”という一念を貫くために、命も鳴海もいらないと思った一希。
“一希が欲しい”一念で心を闇に染め上げて、“アチラ側”へ行ってしまった静香。
愛は人を幸せにするけれども、恋は人を鬼にする。
でも、もしかしたら。
鬼になってしまえるのなら、その方が幸せなのかもしれない……。
共に、鬼になって傍に居てくれる人がいるのなら。
…ミナコちゃんなら、最後に一希を刺すところまでキチンと説得力をもって創りあげてくれただろうに、もったいない……。
あれ?長くなってしまった。なんでだろう。
……すみません。続くみたいです……(嘆)。
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宝塚バウホールにて、雪組公演「忘れ雪」を観劇してまいりました。
多分私は、キムちゃんのファンなんだと思います。
どんなに作品が間抜けでも、キムちゃんがずーーーーっと舞台上にいて、
あの声で歌っているか、あの声で喋っているか、…それとも殴られているか(←おい)、
とにかく舞台上にずっと居てくれるという、喜び。
キムちゃんの声が好きです。歌声も、台詞声も。
なんだか、しみじみーと自覚した2時間半でした。
……作品がどんなに間抜けでも。
プログラムに、作・演出の児玉明子さんがこう書かれています。
「(前略)正直、初めは戸惑いました。これがテレビドラマや映画だったら良いのですが、歌も踊りもある宝塚で、いったいどうやって表現したら良いのだろう?…と(後略)」
こ、この無責任な他人事っっぷりは、いったい何!?
この原作を宝塚化しよう、と、最初言い出したのは誰なの!?
「忘れ雪」を音月桂で舞台化することを、そして、その実行部隊の総指揮官として、よりによって児玉明子を指名した誰かさんを、体育館裏(←どこだよ)に呼び出して、集団リンチにかけたい気分です……。
私は原作の「忘れ雪」(新堂冬樹)は読んだことがないのですが、
それなりの評価をされている作品のようですし、おそらく一つの物語としてちゃんとまとまっているんんだろうと思うんですよね。
だけど、児玉さんが舞台化するにあたって選んだ場面が、悉く間違っているような気がするのです。
クリエーターとして他の人の作品をきちんと読み込み、理解した上で「宝塚化したい!」あるいは「○○ にこの台詞を言わせたい!」という“思い”をもって舞台化したならば、「衝動、衝動、衝動~♪」でも、世界の名作「カラマーゾフの兄弟」が戦隊モノになっていても、観客にはしっかりと受け入れられるものなのです。
でも、「えー、宝塚で○○やんのー?なんであたしがー(凹)」という程度の“思い”で舞台化しようったって、そんなの巧くいくはずがない。宝塚化、潤色、といっても、それは立派な“創造”なのですから。
一つの物語世界をクリエートするには、それなりの犠牲が必要なのに、児玉さんにはその気合が感じられない。忘れ雪が降る世界をキチンと立ち上げよう、という気持ちが無いように見える。
正直、読み込みが足りないんじゃないか?という気もします。なぜ幼い深雪があんなに一希に入れ込むのか、なぜ一希が深雪のことを全く思い出さないのか、なぜ鳴海がああいう行動に出るのか、、、そのあたりの「何故?」を、児玉さん自身が全く解決できていないような気がするのです。
本人がわかっていないから、どのエピソードが必要でどのエピソードが不要なのか判断できない。だから、あんなにいらない場面ばかりの作品になってしまう。あれでは世界が立ち上がらないのに、それに気づくことさえできない。
確かに悲惨な物語です。
でも、悲惨だから×、とは、私は思いません。
たしかに暴力シーンが長すぎると思いますが、それは“無駄なエピソード”の一つであるというだけのことで、作品の評価において決定的な点だとも思いません。
ただただ、不要な場面が多すぎて、数少ないメインキャストの真情が全く伝わってこなかったのが残念です。
それにしても。
力技でキャラクターを立ち上げ、説得力を持たせてのけたキムちゃんとミナコちゃん(愛原実花)の、役者としての才能に感服しました。
二人に引っ張られて、ただただ真っ直ぐにキャラクターで魅きつけたみみちゃん(舞羽美海)や(大湖)せしる、キング(蓮城まこと)も良かったです。みみちゃん、やっぱり「凍てついた明日」のメアリーやっただけのことはある!「マリポーサの花」は本公演も新公もいまひとつだったので、正塚さんとは芝居(演出)の相性が悪いのかもしれませんが、あのけなげな可愛らしさは武器だなあと思いました。
テルくんは、ビジュアルは文句なく素敵なんですけど、「力技でキャラクターを立ち上げる」域に達するにはまだだいぶかかりそうだな、と(汗)。来年には研10になるテルくん。本公演でも番手がつく立場になりつつあるので、そろそろ「力技でなんとかする」ことが出来る役者になって欲しいかも。
「力技」で解決するためには、「私はこうしたい!」という強い意志、役に対する“思い”が必要なんですよ。テルくんはそういうものが感じられないところが個性でもあるのですが、やっぱりそれだけだと、「良い役がくれば良いけど、駄目なときはダメなのね~」で終わってしまって、もったいないと思うんですよね。
「凍てついた明日」で、舞台というか芝居の面白さがすこーし判ってきつつあるのかな?と思ったので、青年館で化けることを期待しています!
にわにわ(奏乃はると)は、、、歌も芝居も出来る人なのに、どうも「マリポーサの花」といい、なかなか良い役にめぐり合えませんねぇ。
キタロウ(緒月遠麻)は、、、、フェルッティの情けなさを思えば、短期間でよく成長したものだな、と☆
かおりちゃん(晴華みどり)は、みみちゃんの母親は本当に一瞬なので(汗)、クラブのシンガーの方が印象的でした。それにしても美人だなーーーーっ!
(真波)そらちゃんは、深雪(みみちゃん)の婚約者役、なのですが…。この役が一番意味不明だった(涙)。せめてもう少し……後から説明されるだけじゃなくて、南さんサイド(=深雪の父親サイド)の話をちゃんと書けば良かったのに、と思うんですよね。原作にあるのかないのか判りませんが、もし無いとしても適当に作っちゃってもいいくらい、重要なエピソードだと思うんですよ。
南=そら、深雪父=にわにわとかで2場面くらいあれば、随分話がわかりやすくなると思うんですよね。
とにかく、下手にサスペンス仕立てにして裏のエピソードを全部省いたばかりに、良くわからない話になってしまったような気がします。舞台で“サスペンスもの”は本当に難しいんだから、児玉さんが手を出すいは10年早いような気が……。
原作ではどういうふうに構成しているんでしょうね。(←読め)
がおりちゃん(香陵しずる)&沙月愛奈ちゃんの蛇が実に素晴らしかったので、もう少しこの蛇に関わるエピソードもちゃんとまとめて欲しかったなー。特に、「一緒に蛇になる」という鳴海の答えを、もっと象徴的な形でラストに示して欲しかった。
とにかく、いらない場面をスパっと削って、「これを伝えたい!」という“思い”を持って場面選定をしていただきたかったです。一幕最初の“クロスの訓練”の場面は丸ごといらないし、もったいぶって出てくる「マズルコントロール」というワードも、その後一度も出てこないし。
とりあえず、「なんで一希はあんなにキレイサッパリ深雪ちゃんのこと忘れてんのかしら。記憶喪失って感じでもないし。…あ、もしや、誰も知らないうちに別人とすり替えられている、とか?(鳴海だけが正体を知っている)…いやいや、きっとサイボーグなんだわ(鳴海だけが以下同文)」などと色々考えすぎてワクワクしていた時間を返してください……(←さかうらみ)
なにはともあれ、作品的にはいろいろあっても、キムちゃんがなんとか形にまとめてくれていました。
たぶん、脚本・児玉明子、演出・音月桂って書いたほうが実態に即しているんじゃないかと思うくらい、キムちゃん=一希の“思い”が空間を満たしていて、素晴らしかった!!
他のメンバーも、キムちゃんに引っ張られて、よくがんばっていたと思います。
上級生なのにコロス多すぎで、違う意味で泣ける人もいますが…。
青年館公演ももうすぐ始まりますね。
いろいろ大変そうですが、私ももう一回観られるので、皆がどんな風に成長しているのか、楽しみにしています☆
.
多分私は、キムちゃんのファンなんだと思います。
どんなに作品が間抜けでも、キムちゃんがずーーーーっと舞台上にいて、
あの声で歌っているか、あの声で喋っているか、…それとも殴られているか(←おい)、
とにかく舞台上にずっと居てくれるという、喜び。
キムちゃんの声が好きです。歌声も、台詞声も。
なんだか、しみじみーと自覚した2時間半でした。
……作品がどんなに間抜けでも。
プログラムに、作・演出の児玉明子さんがこう書かれています。
「(前略)正直、初めは戸惑いました。これがテレビドラマや映画だったら良いのですが、歌も踊りもある宝塚で、いったいどうやって表現したら良いのだろう?…と(後略)」
こ、この無責任な他人事っっぷりは、いったい何!?
この原作を宝塚化しよう、と、最初言い出したのは誰なの!?
「忘れ雪」を音月桂で舞台化することを、そして、その実行部隊の総指揮官として、よりによって児玉明子を指名した誰かさんを、体育館裏(←どこだよ)に呼び出して、集団リンチにかけたい気分です……。
私は原作の「忘れ雪」(新堂冬樹)は読んだことがないのですが、
それなりの評価をされている作品のようですし、おそらく一つの物語としてちゃんとまとまっているんんだろうと思うんですよね。
だけど、児玉さんが舞台化するにあたって選んだ場面が、悉く間違っているような気がするのです。
クリエーターとして他の人の作品をきちんと読み込み、理解した上で「宝塚化したい!」あるいは「○○ にこの台詞を言わせたい!」という“思い”をもって舞台化したならば、「衝動、衝動、衝動~♪」でも、世界の名作「カラマーゾフの兄弟」が戦隊モノになっていても、観客にはしっかりと受け入れられるものなのです。
でも、「えー、宝塚で○○やんのー?なんであたしがー(凹)」という程度の“思い”で舞台化しようったって、そんなの巧くいくはずがない。宝塚化、潤色、といっても、それは立派な“創造”なのですから。
一つの物語世界をクリエートするには、それなりの犠牲が必要なのに、児玉さんにはその気合が感じられない。忘れ雪が降る世界をキチンと立ち上げよう、という気持ちが無いように見える。
正直、読み込みが足りないんじゃないか?という気もします。なぜ幼い深雪があんなに一希に入れ込むのか、なぜ一希が深雪のことを全く思い出さないのか、なぜ鳴海がああいう行動に出るのか、、、そのあたりの「何故?」を、児玉さん自身が全く解決できていないような気がするのです。
本人がわかっていないから、どのエピソードが必要でどのエピソードが不要なのか判断できない。だから、あんなにいらない場面ばかりの作品になってしまう。あれでは世界が立ち上がらないのに、それに気づくことさえできない。
確かに悲惨な物語です。
でも、悲惨だから×、とは、私は思いません。
たしかに暴力シーンが長すぎると思いますが、それは“無駄なエピソード”の一つであるというだけのことで、作品の評価において決定的な点だとも思いません。
ただただ、不要な場面が多すぎて、数少ないメインキャストの真情が全く伝わってこなかったのが残念です。
それにしても。
力技でキャラクターを立ち上げ、説得力を持たせてのけたキムちゃんとミナコちゃん(愛原実花)の、役者としての才能に感服しました。
二人に引っ張られて、ただただ真っ直ぐにキャラクターで魅きつけたみみちゃん(舞羽美海)や(大湖)せしる、キング(蓮城まこと)も良かったです。みみちゃん、やっぱり「凍てついた明日」のメアリーやっただけのことはある!「マリポーサの花」は本公演も新公もいまひとつだったので、正塚さんとは芝居(演出)の相性が悪いのかもしれませんが、あのけなげな可愛らしさは武器だなあと思いました。
テルくんは、ビジュアルは文句なく素敵なんですけど、「力技でキャラクターを立ち上げる」域に達するにはまだだいぶかかりそうだな、と(汗)。来年には研10になるテルくん。本公演でも番手がつく立場になりつつあるので、そろそろ「力技でなんとかする」ことが出来る役者になって欲しいかも。
「力技」で解決するためには、「私はこうしたい!」という強い意志、役に対する“思い”が必要なんですよ。テルくんはそういうものが感じられないところが個性でもあるのですが、やっぱりそれだけだと、「良い役がくれば良いけど、駄目なときはダメなのね~」で終わってしまって、もったいないと思うんですよね。
「凍てついた明日」で、舞台というか芝居の面白さがすこーし判ってきつつあるのかな?と思ったので、青年館で化けることを期待しています!
にわにわ(奏乃はると)は、、、歌も芝居も出来る人なのに、どうも「マリポーサの花」といい、なかなか良い役にめぐり合えませんねぇ。
キタロウ(緒月遠麻)は、、、、フェルッティの情けなさを思えば、短期間でよく成長したものだな、と☆
かおりちゃん(晴華みどり)は、みみちゃんの母親は本当に一瞬なので(汗)、クラブのシンガーの方が印象的でした。それにしても美人だなーーーーっ!
(真波)そらちゃんは、深雪(みみちゃん)の婚約者役、なのですが…。この役が一番意味不明だった(涙)。せめてもう少し……後から説明されるだけじゃなくて、南さんサイド(=深雪の父親サイド)の話をちゃんと書けば良かったのに、と思うんですよね。原作にあるのかないのか判りませんが、もし無いとしても適当に作っちゃってもいいくらい、重要なエピソードだと思うんですよ。
南=そら、深雪父=にわにわとかで2場面くらいあれば、随分話がわかりやすくなると思うんですよね。
とにかく、下手にサスペンス仕立てにして裏のエピソードを全部省いたばかりに、良くわからない話になってしまったような気がします。舞台で“サスペンスもの”は本当に難しいんだから、児玉さんが手を出すいは10年早いような気が……。
原作ではどういうふうに構成しているんでしょうね。(←読め)
がおりちゃん(香陵しずる)&沙月愛奈ちゃんの蛇が実に素晴らしかったので、もう少しこの蛇に関わるエピソードもちゃんとまとめて欲しかったなー。特に、「一緒に蛇になる」という鳴海の答えを、もっと象徴的な形でラストに示して欲しかった。
とにかく、いらない場面をスパっと削って、「これを伝えたい!」という“思い”を持って場面選定をしていただきたかったです。一幕最初の“クロスの訓練”の場面は丸ごといらないし、もったいぶって出てくる「マズルコントロール」というワードも、その後一度も出てこないし。
とりあえず、「なんで一希はあんなにキレイサッパリ深雪ちゃんのこと忘れてんのかしら。記憶喪失って感じでもないし。…あ、もしや、誰も知らないうちに別人とすり替えられている、とか?(鳴海だけが正体を知っている)…いやいや、きっとサイボーグなんだわ(鳴海だけが以下同文)」などと色々考えすぎてワクワクしていた時間を返してください……(←さかうらみ)
なにはともあれ、作品的にはいろいろあっても、キムちゃんがなんとか形にまとめてくれていました。
たぶん、脚本・児玉明子、演出・音月桂って書いたほうが実態に即しているんじゃないかと思うくらい、キムちゃん=一希の“思い”が空間を満たしていて、素晴らしかった!!
他のメンバーも、キムちゃんに引っ張られて、よくがんばっていたと思います。
上級生なのにコロス多すぎで、違う意味で泣ける人もいますが…。
青年館公演ももうすぐ始まりますね。
いろいろ大変そうですが、私ももう一回観られるので、皆がどんな風に成長しているのか、楽しみにしています☆
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雪組「カラマーゾフの兄弟」チームのみなさま、千秋楽おめでとうございます★
って、千秋楽を観てきたわけではないのですが(汗)、赤坂ACTシアターにて、宝塚雪組公演「カラマーゾフの兄弟」を観劇してまいりました。
胸を張って宣言したい。
私は齋藤作品が好きだ!!
その勢いで、14日までベニサン・ピットで上演していた「届かなかった手紙」(演出:齋藤吉正、出演:今拓哉、高野力也、麻乃佳代)も観にいくつもりだったのですが………仕事が終わらず(T T)。
どんな作品だったんでしょうね?チラシの雰囲気も、キャスティングも、あんまり齋藤さんらしくなくてすごく興味をもったのですが。
なにも、自身が演出した「カラマーゾフの兄弟」東京公演と同時にやることないじゃん!!と言いたかったです。解体前に、最後にベニサンに行くちょうどいい機会だと思ったのに。昔はよく行ったベニサンですが、ここ数年あんまり行ってなかったんですよねぇ……(; ;)。
ご覧になられた方がいらっしゃいましたら、様子を教えてくださーい!
…まぁ、観られなかった公演のことはおいといて。
「カラマーゾフの兄弟」。
もしも。
駅かどこかに貼ってあったポスターを見て、「へー、宝塚ってドストエフスキーもやるのね」な~んて興味を持ってご来場くださった元・文学少女の方がいらっしゃったなら。
齋藤さんに代わって心よりお詫びを申し上げますm(_ _)m。
…っていうか、翻訳の亀山さんとか、こないだトークショーでお話してくださった明治大学の斎藤孝明教授とか、そういった方々はご覧になってどんな感想をもたれたのでしょうか…?
こ、こわい。
「ロシア文学」を重苦しいものと捉えていらっしゃる方には、受け入れが難しいであろう有り余るエネルギーとパワーに溢れかえった物語世界。「愛」と「肉欲」と「トラウマ」と「政治」と「精神」と「神」と「民衆」……すべてを同じテーブルに載せて、全く同じエネルギーで表現しようとする、その表現者としての齋藤さんの“欲深さ”を、これでもか、これでもか、と舞台から見せ付けられるような気がしました。
あの長大な原作を、ミーチャとグルーシェニカを中心に、実に巧くまとめあげたことにまず感心します。登場人物もよく整理されていたし、宝塚的にイワンの思想的な部分ははしょらざるをえないし、スメルジャコフの扱いもこれ以上でもこれ以下でもおかしいという絶妙なバランスにあって、見事なものです。
二幕頭の「大審問官」が戦隊モノのテーマソングみたい(振り付けも)だったり、「欲望、渇望……」だの「衝動、衝動……」だの、と、お前はどこの木村信司だ!?と目を背けたくなるような面白い歌詞があったりもしましたが。
齋藤さんの良いところは、そういう歌詞を書いても押し付けがましくならないところ。
ただただ、溢れてしまったエネルギーのままに言葉を並べるとそういう歌詞になるんだな、と妙に納得してしまうんですよね。それ以外の部分もエネルギーが溢れすぎているから。
雪組さんのトップコンビ+二番手も揃って、かなり平均年齢の高いチームだったと思うのですが、本当にびっくりするほど皆さんパワフルでした(^ ^;
こうなってくると、「エル・アルコン~鷹~」も、一本ものにしてもう一度練り直してほしくなりますねー!!齋藤さんに足りないものは時間であって、構成力ではないみたいだから(^ ^)
とにかく。
プロローグから、いきなり「衝動、衝動、衝動、衝動、カラマーゾフの衝動!」と歌われて、激しい眩暈に襲われたのですが。
…齋藤さんが、このドストエフスキーの長大な原作から感じたものは、『衝動』であり『無茶なエネルギー』だったんでしょうね。
それが、本能的で野生的な男である父・フョードル(未来優希)や長兄・ミーチャ(ドミトリー/水夏希)の“わかりやすい”性的なエネルギーと、次兄・イワン(彩吹真央)の“陰にこもった”知的なエネルギー。どちらも同じ『衝動』であり、現れ方は違っていても、『衝動的な』『持て余すほどの』『扱いきれないほどの』膨大なエネルギーを抱えたカラマーゾフ家、という存在がすべてのきっかけをつくり、話を動かしていき、
そして、裁判でころころと態度を変える民衆、という『衝動的な存在』に行き着く。
原作を読んだのはもう遠い昔すぎて細かいことはすっかり忘れていた所に、齋藤さんの物語があまりにも衝撃的で、すっかりいろんなことが吹っ飛んでしまったのですが。
宝塚、というジャンル、もうあと5年もすれば伝統芸能の一員になろうというこの劇団に、まだまだこれだけの膨大なエネルギーが眠っていることを知って、とても嬉しかったです。
「カラマーゾフの兄弟」が名作かどうかは猫には判りませんが(だって齋藤ファンですから)、「この作品が創れる宝塚はまだ大丈夫」かもしれない、と、そんなふうには思いました。
そして。
すっかり優雅で美しい姫役者という評価を確立しつつあった白羽ゆりに、アグラフェーナ(グルーシェニカ)というどっしりと地に足のついた大地の女を与え、今までにない最大の魅力を引き出して見せてくれたことにも、心から感謝します。
そういえば、となみちゃんの猫的ベストアクトを書いたときに、日生劇場での「スカーレットII」を挙げるのを忘れていました。大好きだったんですよ、あの気の強さと気っ風の良さが。
アグラフェーナは、あの延長線上にある役だったんじゃないかと思いました。彼女は、自分で自分の生き方を選ぶ女ですから。「待つ」という生き方も含めて、流されたいと思うことはあっても、実際に流されることのない女。
月組時代からお気に入りだったとなみちゃんが、こんなに素敵な女優として大輪の華を咲かせてくれて……。育ててくださった雪組・星組のみなさま、特に相手役の水さんには、感謝の言葉もありません(感涙)。
そして。
水くんはじめ、メインのキャストは皆さん嵌り役すぎてあんまり書くことがない…(^ ^;ゞ
素敵でした。そして、説得力があった。水くんも、ユミコさんも、ひろみちゃんも、コマちゃんも、さゆちゃんも、ハマコさんも、大凪さんも……とにかく全員!
長くなりそうなので、続きはまた今度書きます。
……願わくば。
齋藤さんには、今後も名作文学シリーズを手掛けていただきたい!!
柴田さんで上演されているものは、もうちょっと齋藤さんが成長するまでは大事にとっておきつつ、
宗教方面で深い話(レ・ミゼラブルとか)は、今回のイワンの様子を観ているとそれだけで話を作るのが無理そうなので避けて通りつつ、
愛とか恋がひっ絡まって、どろどろしまくる話が向いていると思うので……
えーっとえーっと、「嵐が丘」とかどうでしょう!?
ヒースクリフ祐飛さんで。いや、祐飛さんの黒髪ロンゲをもう一度観たいだけなのがバレましたか(^ ^;ゞ
あるいは、ヘミングウェイとか向いているんじゃないでしょうかねぇ。軍服コスできるし、齋藤さんやりたそう。
……かくも妄想は翼を拡げ、天を覆う……
.
って、千秋楽を観てきたわけではないのですが(汗)、赤坂ACTシアターにて、宝塚雪組公演「カラマーゾフの兄弟」を観劇してまいりました。
胸を張って宣言したい。
私は齋藤作品が好きだ!!
その勢いで、14日までベニサン・ピットで上演していた「届かなかった手紙」(演出:齋藤吉正、出演:今拓哉、高野力也、麻乃佳代)も観にいくつもりだったのですが………仕事が終わらず(T T)。
どんな作品だったんでしょうね?チラシの雰囲気も、キャスティングも、あんまり齋藤さんらしくなくてすごく興味をもったのですが。
なにも、自身が演出した「カラマーゾフの兄弟」東京公演と同時にやることないじゃん!!と言いたかったです。解体前に、最後にベニサンに行くちょうどいい機会だと思ったのに。昔はよく行ったベニサンですが、ここ数年あんまり行ってなかったんですよねぇ……(; ;)。
ご覧になられた方がいらっしゃいましたら、様子を教えてくださーい!
…まぁ、観られなかった公演のことはおいといて。
「カラマーゾフの兄弟」。
もしも。
駅かどこかに貼ってあったポスターを見て、「へー、宝塚ってドストエフスキーもやるのね」な~んて興味を持ってご来場くださった元・文学少女の方がいらっしゃったなら。
齋藤さんに代わって心よりお詫びを申し上げますm(_ _)m。
…っていうか、翻訳の亀山さんとか、こないだトークショーでお話してくださった明治大学の斎藤孝明教授とか、そういった方々はご覧になってどんな感想をもたれたのでしょうか…?
こ、こわい。
「ロシア文学」を重苦しいものと捉えていらっしゃる方には、受け入れが難しいであろう有り余るエネルギーとパワーに溢れかえった物語世界。「愛」と「肉欲」と「トラウマ」と「政治」と「精神」と「神」と「民衆」……すべてを同じテーブルに載せて、全く同じエネルギーで表現しようとする、その表現者としての齋藤さんの“欲深さ”を、これでもか、これでもか、と舞台から見せ付けられるような気がしました。
あの長大な原作を、ミーチャとグルーシェニカを中心に、実に巧くまとめあげたことにまず感心します。登場人物もよく整理されていたし、宝塚的にイワンの思想的な部分ははしょらざるをえないし、スメルジャコフの扱いもこれ以上でもこれ以下でもおかしいという絶妙なバランスにあって、見事なものです。
二幕頭の「大審問官」が戦隊モノのテーマソングみたい(振り付けも)だったり、「欲望、渇望……」だの「衝動、衝動……」だの、と、お前はどこの木村信司だ!?と目を背けたくなるような面白い歌詞があったりもしましたが。
齋藤さんの良いところは、そういう歌詞を書いても押し付けがましくならないところ。
ただただ、溢れてしまったエネルギーのままに言葉を並べるとそういう歌詞になるんだな、と妙に納得してしまうんですよね。それ以外の部分もエネルギーが溢れすぎているから。
雪組さんのトップコンビ+二番手も揃って、かなり平均年齢の高いチームだったと思うのですが、本当にびっくりするほど皆さんパワフルでした(^ ^;
こうなってくると、「エル・アルコン~鷹~」も、一本ものにしてもう一度練り直してほしくなりますねー!!齋藤さんに足りないものは時間であって、構成力ではないみたいだから(^ ^)
とにかく。
プロローグから、いきなり「衝動、衝動、衝動、衝動、カラマーゾフの衝動!」と歌われて、激しい眩暈に襲われたのですが。
…齋藤さんが、このドストエフスキーの長大な原作から感じたものは、『衝動』であり『無茶なエネルギー』だったんでしょうね。
それが、本能的で野生的な男である父・フョードル(未来優希)や長兄・ミーチャ(ドミトリー/水夏希)の“わかりやすい”性的なエネルギーと、次兄・イワン(彩吹真央)の“陰にこもった”知的なエネルギー。どちらも同じ『衝動』であり、現れ方は違っていても、『衝動的な』『持て余すほどの』『扱いきれないほどの』膨大なエネルギーを抱えたカラマーゾフ家、という存在がすべてのきっかけをつくり、話を動かしていき、
そして、裁判でころころと態度を変える民衆、という『衝動的な存在』に行き着く。
原作を読んだのはもう遠い昔すぎて細かいことはすっかり忘れていた所に、齋藤さんの物語があまりにも衝撃的で、すっかりいろんなことが吹っ飛んでしまったのですが。
宝塚、というジャンル、もうあと5年もすれば伝統芸能の一員になろうというこの劇団に、まだまだこれだけの膨大なエネルギーが眠っていることを知って、とても嬉しかったです。
「カラマーゾフの兄弟」が名作かどうかは猫には判りませんが(だって齋藤ファンですから)、「この作品が創れる宝塚はまだ大丈夫」かもしれない、と、そんなふうには思いました。
そして。
すっかり優雅で美しい姫役者という評価を確立しつつあった白羽ゆりに、アグラフェーナ(グルーシェニカ)というどっしりと地に足のついた大地の女を与え、今までにない最大の魅力を引き出して見せてくれたことにも、心から感謝します。
そういえば、となみちゃんの猫的ベストアクトを書いたときに、日生劇場での「スカーレットII」を挙げるのを忘れていました。大好きだったんですよ、あの気の強さと気っ風の良さが。
アグラフェーナは、あの延長線上にある役だったんじゃないかと思いました。彼女は、自分で自分の生き方を選ぶ女ですから。「待つ」という生き方も含めて、流されたいと思うことはあっても、実際に流されることのない女。
月組時代からお気に入りだったとなみちゃんが、こんなに素敵な女優として大輪の華を咲かせてくれて……。育ててくださった雪組・星組のみなさま、特に相手役の水さんには、感謝の言葉もありません(感涙)。
そして。
水くんはじめ、メインのキャストは皆さん嵌り役すぎてあんまり書くことがない…(^ ^;ゞ
素敵でした。そして、説得力があった。水くんも、ユミコさんも、ひろみちゃんも、コマちゃんも、さゆちゃんも、ハマコさんも、大凪さんも……とにかく全員!
長くなりそうなので、続きはまた今度書きます。
……願わくば。
齋藤さんには、今後も名作文学シリーズを手掛けていただきたい!!
柴田さんで上演されているものは、もうちょっと齋藤さんが成長するまでは大事にとっておきつつ、
宗教方面で深い話(レ・ミゼラブルとか)は、今回のイワンの様子を観ているとそれだけで話を作るのが無理そうなので避けて通りつつ、
愛とか恋がひっ絡まって、どろどろしまくる話が向いていると思うので……
えーっとえーっと、「嵐が丘」とかどうでしょう!?
ヒースクリフ祐飛さんで。いや、祐飛さんの黒髪ロンゲをもう一度観たいだけなのがバレましたか(^ ^;ゞ
あるいは、ヘミングウェイとか向いているんじゃないでしょうかねぇ。軍服コスできるし、齋藤さんやりたそう。
……かくも妄想は翼を拡げ、天を覆う……
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今日、出かけた帰りに本屋に入ったら、新堂冬樹の「忘れ雪」が一番目立つところに売っていました。
「カラマーゾフの兄弟」も「海外小説」のコーナーに平積みになっているし、
「大王四神記」の解説本やら写真集やら、4,5種類並んでいるし……
……もしかしてこの本屋、経営者か店員にヅカファンがいるのか…?
(そういや昔は歌劇を置いてたんですよねー。いつの間にかやめちゃったけど)
別に、どこにも「宝塚歌劇団が舞台化!」とか書いてあるわけではないのですが。
そういえば「血と砂」も売ってたな…。
ってことは、そのうち「怪傑ゾロ」が並んだりするのかな~。
小さな“町の本屋さん”ですけど、「書源」系列の、割とマニアックな本を置いてくれる店なので気に入っています。姪っ子の誕生日が近いので何かないかなーと思って行ってみたのですが、いろいろ収穫がありました♪
この日記では読んだ本の話はあまり書いていませんが、私はとりあえず調味料の裏書も一文字残さず読むくらいの活字中毒なので、みなさまも面白い本があったら教えてくださいね♪
雪組「ソロモン/マリポーサ」については、書きたいことはとりあえず全部書いたつもりだったのですが、尊敬する大先輩の夜野愉美さまのサイトでちょっとコメントさせていただいた内容を、すごーく上手にまとめていただいたので、こっちからもリンクさせていただきます(トラバしようと思ったのに、やり方が解んない/泣。Diarynoteめーーーーっ!!)。
ご興味のある方は、私なんかより100倍くらい表現力のある夜野様のサイトで、作品を思い出してあげてくださいませ。
http://nights-entertainment.blog.so-net.ne.jp/2008-11-21
そう。あの話は、あそこまで露骨に、細部にわたって「キューバ」らしさを出していながら、あくまでも「架空の国」であることが(正塚さん的な)ポイントなんだろう、と思って観ていました。
チャモロ(=カストロ)の人生にもたくさんの分かれ道があって、
今のキューバはその分かれ道の一つの結果でしかなくて、
グランマ号で上陸した時点では、まだまだ無限の可能性があったはずだった、と。
もちろん、その可能性の中にはカストロ(とチェ)が上陸と同時に命を落とすというものもあったし、
二人が仲良く最後まで国づくりに取り組むというのもあったはず。
でも、カストロは無限の分かれ道のどこかでチェとは違う道を選んだ。
チェは、無限の分かれ道のどこかで、カストロとは違う道、キューバを離れるに至る道を選んだ。
たぶん、バティスタ政権が倒れるよりもずっと前、に。
正しい道など存在しない。ただ、分かれ道を一つ一つ選んできただけ。
グランマ号に乗るか乗らないか、
山へ逃げるか、残って闘うか、
キャンプに籠もるか、討って出るか、
……英雄になるか、ならないか。
ネロもまた、分かれ道をひとつひとつ、選んでここまで生きてきた。
「できることがあるなら、やる」と。
それが俺の価値だ、と。
ああ、………本当にいい男だったなあ、ネロもエスコバルも……(うっとり)。
.
「カラマーゾフの兄弟」も「海外小説」のコーナーに平積みになっているし、
「大王四神記」の解説本やら写真集やら、4,5種類並んでいるし……
……もしかしてこの本屋、経営者か店員にヅカファンがいるのか…?
(そういや昔は歌劇を置いてたんですよねー。いつの間にかやめちゃったけど)
別に、どこにも「宝塚歌劇団が舞台化!」とか書いてあるわけではないのですが。
そういえば「血と砂」も売ってたな…。
ってことは、そのうち「怪傑ゾロ」が並んだりするのかな~。
小さな“町の本屋さん”ですけど、「書源」系列の、割とマニアックな本を置いてくれる店なので気に入っています。姪っ子の誕生日が近いので何かないかなーと思って行ってみたのですが、いろいろ収穫がありました♪
この日記では読んだ本の話はあまり書いていませんが、私はとりあえず調味料の裏書も一文字残さず読むくらいの活字中毒なので、みなさまも面白い本があったら教えてくださいね♪
雪組「ソロモン/マリポーサ」については、書きたいことはとりあえず全部書いたつもりだったのですが、尊敬する大先輩の夜野愉美さまのサイトでちょっとコメントさせていただいた内容を、すごーく上手にまとめていただいたので、こっちからもリンクさせていただきます(トラバしようと思ったのに、やり方が解んない/泣。Diarynoteめーーーーっ!!)。
ご興味のある方は、私なんかより100倍くらい表現力のある夜野様のサイトで、作品を思い出してあげてくださいませ。
http://nights-entertainment.blog.so-net.ne.jp/2008-11-21
そう。あの話は、あそこまで露骨に、細部にわたって「キューバ」らしさを出していながら、あくまでも「架空の国」であることが(正塚さん的な)ポイントなんだろう、と思って観ていました。
チャモロ(=カストロ)の人生にもたくさんの分かれ道があって、
今のキューバはその分かれ道の一つの結果でしかなくて、
グランマ号で上陸した時点では、まだまだ無限の可能性があったはずだった、と。
もちろん、その可能性の中にはカストロ(とチェ)が上陸と同時に命を落とすというものもあったし、
二人が仲良く最後まで国づくりに取り組むというのもあったはず。
でも、カストロは無限の分かれ道のどこかでチェとは違う道を選んだ。
チェは、無限の分かれ道のどこかで、カストロとは違う道、キューバを離れるに至る道を選んだ。
たぶん、バティスタ政権が倒れるよりもずっと前、に。
正しい道など存在しない。ただ、分かれ道を一つ一つ選んできただけ。
グランマ号に乗るか乗らないか、
山へ逃げるか、残って闘うか、
キャンプに籠もるか、討って出るか、
……英雄になるか、ならないか。
ネロもまた、分かれ道をひとつひとつ、選んでここまで生きてきた。
「できることがあるなら、やる」と。
それが俺の価値だ、と。
ああ、………本当にいい男だったなあ、ネロもエスコバルも……(うっとり)。
.
らぎちゃんのご卒業を見送って、ちょっと腑抜けています。
いやだから、今は忙しいんだってば!腑抜けてないで気合いれて働きなさい!!>自分
………(無理みたい?)
というわけで(←なにがだ)、ちょっと、リハビリ兼ねて「マリポーサの花」を観ながら思ったことを書き留めておきたいと思います。
楽の終わった公演なのに、すみません。
まず思ったことは。
正塚作品の主人公は、嘘を吐かないんだな、ということでした。
直前に嵌っていた「蒲田行進曲」の銀ちゃんが、嘘しか言わないのとは対照的に。
とにかく、「マリポーサの花」と「蒲田行進曲」の文法の違いが興味深かったんですよね。
「銀ちゃんの恋」の主人公:銀四郎は、とにかく嘘ばかり吐いている。どれが本音なのかわからないように、嘘の言の葉をたくさんばら撒いて、誤魔化して。木の葉を隠すなら森に、を実践しているんですよね。
こんなに嘘しか言わない主人公って、タカラヅカでは珍しい!!
これは、いわゆる「地の文」がないからできたことだったのでは、と思うのです。
小説にも『「地の文」には嘘は書かない』というルールがありますが、芝居では「モノローグ」が小説でいう「地の文」にあたります。で、「銀ちゃんの恋」という作品には、タイトルロールのモノローグがない。なぜなら、語り手がタイトルロールじゃないから、です。
語り手はあくまでも小夏とヤスなのであって、銀ちゃんはその二人によって語られる存在、だから。
だから、銀ちゃんの台詞はすべて「小夏の耳を通した」「ヤスの耳を通した」台詞なわけです。
モノローグじゃない。
ラストの「ヤス!あがってこい!」だって、ヤスの耳を通した台詞なわけです。
観客はヤスの身になってあの台詞を聞く。
観客は、ヤスの身になって階段を登ろうとして、
……そして、泣くのですから。
銀ちゃんがこういうことを言った、という事実はある。
でも、それが銀ちゃんにとっての本音なのか嘘なのか、それは聞き手である小夏やヤスにはわからない。
だから、タイトルロールがひたすら嘘を吐いている、ああいう作品ができあがるわけです。
翻って、「マリポーサの花」。
こちらは、「語り手」が居ません。
だから、必要最小限の説明を主人公本人がしなくてはならなくなっている。
寡黙なハードボイルドキャラであるはずのネロが、妙に饒舌にあれこれ過去の事情や自身の真情を語るのは、作劇上の欠点ではあるのですが、これはもう、正塚さんがこの手法を選んだ以上、どうしようもない。
まだしも「ブエノスアイレスの風」の方が、必要な説明はリカルドが受け持ってくれていたので分散されていたし、
不必要な説明までぜーーーんぶ喋り捲る相棒(デュシャン)を置いて成功したのが「クロスロード」というワケですが、
残念ながら、ネロの相棒は、ネロよりもっと寡黙でハードなエスコバルさんなので(*^ ^*)、
これはもう、仕方がない。
エスコバルが喋らないんだから、ネロさんが喋るしかない。
…というわけで。
正塚さんは、作品に「語り手」をおかない分、主人公の喋る分量に下限がつくことと、主人公に嘘を言わせられないということで作品の幅を狭めているのではないか、と思ったのでした。
芝居において、「語り手」と「狂言回し」、そして「説明役」はすべて違うものだと私は勝手に思っておりまして。
「説明役」を置いた芝居は失敗作。
「狂言回し」が居る芝居は、少数の例外を除いて大概は凡作になりがち。
それは、説明してくれる人がいることで作者が安心してしまうからではないかと思っています。
それに対して、「語り手」は必要な要素です。
物語を誰に語らせるか。誰の視点で物語をすすめるか。それは基本の設計図なわけで。
ただ。
宝塚では「主演男役」という役割がハッキリ決まっているので、他の人に「語り手」をさせることが難しい、という問題があります。
だから、「ジュリアス・シーザー」は上演が難しい。これこそ、轟さんの存在なくしては宝塚化できなかった作品だと思います。
森川久美の「KING OF JIPANG」も、きっと難しいだろう。
そして、「銀ちゃんの恋」も難しかった。
タカラヅカでは、基本的に主人公=語り手である、という基本ルールを守った正塚さんと、
原作どおり小夏とヤスに「語り手」を勤めさせた「銀ちゃんの恋」の石田さん。
…私は、どちらも大変に良くできた(そして見事に宛書された)作品だったと思います。
どっちも通い詰めました。
芸術の秋にふさわしい、2演目だったと思います(←贔屓目)
…というわけで。
「マリポーサの花」についてはまだ書きたいことがあるような気がするのですが、とりあえず一通りは書き終わったような気がするので。
次回からは、「銀ちゃん」の続きを書いちゃおうかなっ(x^ ^)。
.
いやだから、今は忙しいんだってば!腑抜けてないで気合いれて働きなさい!!>自分
………(無理みたい?)
というわけで(←なにがだ)、ちょっと、リハビリ兼ねて「マリポーサの花」を観ながら思ったことを書き留めておきたいと思います。
楽の終わった公演なのに、すみません。
まず思ったことは。
正塚作品の主人公は、嘘を吐かないんだな、ということでした。
直前に嵌っていた「蒲田行進曲」の銀ちゃんが、嘘しか言わないのとは対照的に。
とにかく、「マリポーサの花」と「蒲田行進曲」の文法の違いが興味深かったんですよね。
「銀ちゃんの恋」の主人公:銀四郎は、とにかく嘘ばかり吐いている。どれが本音なのかわからないように、嘘の言の葉をたくさんばら撒いて、誤魔化して。木の葉を隠すなら森に、を実践しているんですよね。
こんなに嘘しか言わない主人公って、タカラヅカでは珍しい!!
これは、いわゆる「地の文」がないからできたことだったのでは、と思うのです。
小説にも『「地の文」には嘘は書かない』というルールがありますが、芝居では「モノローグ」が小説でいう「地の文」にあたります。で、「銀ちゃんの恋」という作品には、タイトルロールのモノローグがない。なぜなら、語り手がタイトルロールじゃないから、です。
語り手はあくまでも小夏とヤスなのであって、銀ちゃんはその二人によって語られる存在、だから。
だから、銀ちゃんの台詞はすべて「小夏の耳を通した」「ヤスの耳を通した」台詞なわけです。
モノローグじゃない。
ラストの「ヤス!あがってこい!」だって、ヤスの耳を通した台詞なわけです。
観客はヤスの身になってあの台詞を聞く。
観客は、ヤスの身になって階段を登ろうとして、
……そして、泣くのですから。
銀ちゃんがこういうことを言った、という事実はある。
でも、それが銀ちゃんにとっての本音なのか嘘なのか、それは聞き手である小夏やヤスにはわからない。
だから、タイトルロールがひたすら嘘を吐いている、ああいう作品ができあがるわけです。
翻って、「マリポーサの花」。
こちらは、「語り手」が居ません。
だから、必要最小限の説明を主人公本人がしなくてはならなくなっている。
寡黙なハードボイルドキャラであるはずのネロが、妙に饒舌にあれこれ過去の事情や自身の真情を語るのは、作劇上の欠点ではあるのですが、これはもう、正塚さんがこの手法を選んだ以上、どうしようもない。
まだしも「ブエノスアイレスの風」の方が、必要な説明はリカルドが受け持ってくれていたので分散されていたし、
不必要な説明までぜーーーんぶ喋り捲る相棒(デュシャン)を置いて成功したのが「クロスロード」というワケですが、
残念ながら、ネロの相棒は、ネロよりもっと寡黙でハードなエスコバルさんなので(*^ ^*)、
これはもう、仕方がない。
エスコバルが喋らないんだから、ネロさんが喋るしかない。
…というわけで。
正塚さんは、作品に「語り手」をおかない分、主人公の喋る分量に下限がつくことと、主人公に嘘を言わせられないということで作品の幅を狭めているのではないか、と思ったのでした。
芝居において、「語り手」と「狂言回し」、そして「説明役」はすべて違うものだと私は勝手に思っておりまして。
「説明役」を置いた芝居は失敗作。
「狂言回し」が居る芝居は、少数の例外を除いて大概は凡作になりがち。
それは、説明してくれる人がいることで作者が安心してしまうからではないかと思っています。
それに対して、「語り手」は必要な要素です。
物語を誰に語らせるか。誰の視点で物語をすすめるか。それは基本の設計図なわけで。
ただ。
宝塚では「主演男役」という役割がハッキリ決まっているので、他の人に「語り手」をさせることが難しい、という問題があります。
だから、「ジュリアス・シーザー」は上演が難しい。これこそ、轟さんの存在なくしては宝塚化できなかった作品だと思います。
森川久美の「KING OF JIPANG」も、きっと難しいだろう。
そして、「銀ちゃんの恋」も難しかった。
タカラヅカでは、基本的に主人公=語り手である、という基本ルールを守った正塚さんと、
原作どおり小夏とヤスに「語り手」を勤めさせた「銀ちゃんの恋」の石田さん。
…私は、どちらも大変に良くできた(そして見事に宛書された)作品だったと思います。
どっちも通い詰めました。
芸術の秋にふさわしい、2演目だったと思います(←贔屓目)
…というわけで。
「マリポーサの花」についてはまだ書きたいことがあるような気がするのですが、とりあえず一通りは書き終わったような気がするので。
次回からは、「銀ちゃん」の続きを書いちゃおうかなっ(x^ ^)。
.
あなたにあえてよかった
2008年11月17日 宝塚(雪) コメント (2)だいぶ遅くなってしまいましたが。
柊巴さん、山科愛さん、
ご卒業おめでとうございます。
2008年11月16日、
前日の祈りも虚しく、朝から随分な雨の中の入りでしたけれども(涙)、
らぎちゃんもシナちゃんも、最高の笑顔で入っていかれました。
幸せな涙雨ってあるんだなあ、と。
らぎちゃんの白いパーカーの背中には、象さんのアップリケ。
シナちゃんの背中には、キリンさんのアップリケ。
ゆり香紫保さんのお手製だということは、ネットで知りました。
可愛かったーーーー!!
あの後姿を写真に撮られた方、ぜひぜひ猫にご連絡くださいませm(_ _)m。
公演は、11時公演も千秋楽の15時半公演も、なんというか、端正な出来でした。
千秋楽のアドリブは、ショーの幕開きの未沙さんの呼び込みと、お芝居のカフェの場面でのエスコバルとアリシアの会話くらいかな?カフェの方は、特に千秋楽だから云々ということはないのですが……。
基本的に荻田さんも正塚さんも作品の完成度を追求するタイプで、あまりアドリブを好まれないみたいですよね。出演者のトークでそういう話が出ることも多いし。
ねこは、普段の公演では基本的にアドリブ無しでいいと思っているのですが、千秋楽などのイベント日は、何かあってもいいのになーと思うタイプなので、ちょっと寂しかったです。
でも、たしかに入れる場所がないんですけどねー…。
ご挨拶は。
…もうスカイステージにも流れてしまいましたが、らぎちゃんのご挨拶は、あり得ないほどぐだぐだでした(苦笑)。
詰まりまくりで、絶対その場で考えてる!ってバレバレな感じ。
いちファンとして“手に汗を握った”というか、飛鳥組長のコメントを聞きながら流れ始めていた涙が、ぴったりと止まってしまったというか。
ハマコさん!!どうして今回は「お願いだから考えて」って言ってくれなかったのっ!!と
…逆恨みしてみたりして。
でも。
ポツポツと、詰まりながら、言い直しながら、言葉を繰り返して訳がわからなくなりながらも、
それでも。
らぎちゃんは誠意のある人なんだな、と思いました。
適当な言葉で誤魔化すことができないひと。
だから事前に考えておけよっ!!と全員が突っ込んでも、
たぶんご自身も突っ込んでいらっしゃたのでしょうけれども、
それでも、譲れなかったんだな、と。
「階段を降りて、そのときの気持ちを真っ直ぐに伝えたい」と、
そんな無茶なことを思ってしまったら、そのとおりにしかやれない。
あらかじめ考えてきたことは、彼女にとって嘘なんだろう。
その瞬間に、ちゃんと言葉を見つけられる自分じゃないことは百も承知で、
それでも、その瞬間の気持ちを見つけたかった。
だから。
……いいよ、わかったよ、と。
らぎちゃんの挨拶が終わって、ホッと(ファンが)留めていた息を吐いた瞬間に。
上手下手に並んでいた雪組生たちが、みんな一斉に腕をあげて涙をぬぐっていたのが印象的でした。
巧い挨拶なんて、いらないんだな。
詰まりながらでも、言葉が足らなくても、
らぎちゃんが「感謝の気持ちでいっぱい」で、「今がとても幸せ」だってことは伝わったから。
そして、たぶん、それだけでいいんだ、と。
それが正解なのだろう、と。
泣かないだろうと思っていたらぎちゃんが、ぽろぽろ涙を流していたのがすごく意外でした。
絶対、満面の笑みを崩すことなく、幸せいっぱいの貌で卒業していくのだろうと思っていたのに。
でも、声に涙をまぜることなく、(詰まり詰まりながらも)最後まできちんと語りきったらぎちゃんは、偉かったと思います。
……本当に本当に、よくがんばりました(はぁと)。
シナちゃんは、さすがに言葉もしっかり明瞭で、とても素敵な文句なしのご挨拶でした。
らぎちゃんの挨拶では手に汗握って泣けなかったぶん、シナちゃんの挨拶で存分に泣かせていただきました。
水くんの、暖かな真情のこもった言葉。
大劇場に引き続き、今回も鼻をぐすぐす言わせながら挨拶するトップスターは、
「本当に痛手なんだよ君たち!」と発破をかけてくださって。
何回目のカーテンコールだったか。
シナちゃんの髪に載った紙ふぶきを水さんが取ってあげたとき、
それまではかろうじて笑顔を保っていたシナちゃんが、みるみる顔をしかめて泣き顔になってしまったのが、メチャメチャ可愛かったです。
ああ、人ってこういう貌をして泣くんだな、と思ったのです。
そして、それを見て大笑いしているらぎちゃんも、めっちゃ可愛かった(笑)。
85期の残される6人も、目元をぬぐいながら笑顔で見守っていて。
むしろ、組長さんとか副組長とか、上級生の涙が目立ったような気がします。
愛されてるなあ、二人とも。
愛されてるなあ、85期。
しみじみとそんなことを思いながら。
出のらぎちゃんは、これがまたあり得ないほど綺麗で輝いてました。
うつくしいひとだった。
もうちょっと小柄で、肩が細かったなら。
もしらぎちゃんが娘役だったら、どんなにか可愛らしく魅力的な美女になっていただろうか、と、
そんなあり得ないことを惜しみながら。
彼女のこれからに何が待っているのか、全く知らないのですけれども、
それでも。
あなたの、これからの永い人生に、幸せが溢れていることを祈りつつ、
信じつつ、
あなたに会えた幸福をしみじみと噛み締めながら、わたしはたぶん、宝塚ファンを続けていくのでしょうねぇ…(*^ ^*)
.
柊巴さん、山科愛さん、
ご卒業おめでとうございます。
2008年11月16日、
前日の祈りも虚しく、朝から随分な雨の中の入りでしたけれども(涙)、
らぎちゃんもシナちゃんも、最高の笑顔で入っていかれました。
幸せな涙雨ってあるんだなあ、と。
らぎちゃんの白いパーカーの背中には、象さんのアップリケ。
シナちゃんの背中には、キリンさんのアップリケ。
ゆり香紫保さんのお手製だということは、ネットで知りました。
可愛かったーーーー!!
あの後姿を写真に撮られた方、ぜひぜひ猫にご連絡くださいませm(_ _)m。
公演は、11時公演も千秋楽の15時半公演も、なんというか、端正な出来でした。
千秋楽のアドリブは、ショーの幕開きの未沙さんの呼び込みと、お芝居のカフェの場面でのエスコバルとアリシアの会話くらいかな?カフェの方は、特に千秋楽だから云々ということはないのですが……。
基本的に荻田さんも正塚さんも作品の完成度を追求するタイプで、あまりアドリブを好まれないみたいですよね。出演者のトークでそういう話が出ることも多いし。
ねこは、普段の公演では基本的にアドリブ無しでいいと思っているのですが、千秋楽などのイベント日は、何かあってもいいのになーと思うタイプなので、ちょっと寂しかったです。
でも、たしかに入れる場所がないんですけどねー…。
ご挨拶は。
…もうスカイステージにも流れてしまいましたが、らぎちゃんのご挨拶は、あり得ないほどぐだぐだでした(苦笑)。
詰まりまくりで、絶対その場で考えてる!ってバレバレな感じ。
いちファンとして“手に汗を握った”というか、飛鳥組長のコメントを聞きながら流れ始めていた涙が、ぴったりと止まってしまったというか。
ハマコさん!!どうして今回は「お願いだから考えて」って言ってくれなかったのっ!!と
…逆恨みしてみたりして。
でも。
ポツポツと、詰まりながら、言い直しながら、言葉を繰り返して訳がわからなくなりながらも、
それでも。
らぎちゃんは誠意のある人なんだな、と思いました。
適当な言葉で誤魔化すことができないひと。
だから事前に考えておけよっ!!と全員が突っ込んでも、
たぶんご自身も突っ込んでいらっしゃたのでしょうけれども、
それでも、譲れなかったんだな、と。
「階段を降りて、そのときの気持ちを真っ直ぐに伝えたい」と、
そんな無茶なことを思ってしまったら、そのとおりにしかやれない。
あらかじめ考えてきたことは、彼女にとって嘘なんだろう。
その瞬間に、ちゃんと言葉を見つけられる自分じゃないことは百も承知で、
それでも、その瞬間の気持ちを見つけたかった。
だから。
……いいよ、わかったよ、と。
らぎちゃんの挨拶が終わって、ホッと(ファンが)留めていた息を吐いた瞬間に。
上手下手に並んでいた雪組生たちが、みんな一斉に腕をあげて涙をぬぐっていたのが印象的でした。
巧い挨拶なんて、いらないんだな。
詰まりながらでも、言葉が足らなくても、
らぎちゃんが「感謝の気持ちでいっぱい」で、「今がとても幸せ」だってことは伝わったから。
そして、たぶん、それだけでいいんだ、と。
それが正解なのだろう、と。
泣かないだろうと思っていたらぎちゃんが、ぽろぽろ涙を流していたのがすごく意外でした。
絶対、満面の笑みを崩すことなく、幸せいっぱいの貌で卒業していくのだろうと思っていたのに。
でも、声に涙をまぜることなく、(詰まり詰まりながらも)最後まできちんと語りきったらぎちゃんは、偉かったと思います。
……本当に本当に、よくがんばりました(はぁと)。
シナちゃんは、さすがに言葉もしっかり明瞭で、とても素敵な文句なしのご挨拶でした。
らぎちゃんの挨拶では手に汗握って泣けなかったぶん、シナちゃんの挨拶で存分に泣かせていただきました。
水くんの、暖かな真情のこもった言葉。
大劇場に引き続き、今回も鼻をぐすぐす言わせながら挨拶するトップスターは、
「本当に痛手なんだよ君たち!」と発破をかけてくださって。
何回目のカーテンコールだったか。
シナちゃんの髪に載った紙ふぶきを水さんが取ってあげたとき、
それまではかろうじて笑顔を保っていたシナちゃんが、みるみる顔をしかめて泣き顔になってしまったのが、メチャメチャ可愛かったです。
ああ、人ってこういう貌をして泣くんだな、と思ったのです。
そして、それを見て大笑いしているらぎちゃんも、めっちゃ可愛かった(笑)。
85期の残される6人も、目元をぬぐいながら笑顔で見守っていて。
むしろ、組長さんとか副組長とか、上級生の涙が目立ったような気がします。
愛されてるなあ、二人とも。
愛されてるなあ、85期。
しみじみとそんなことを思いながら。
出のらぎちゃんは、これがまたあり得ないほど綺麗で輝いてました。
うつくしいひとだった。
もうちょっと小柄で、肩が細かったなら。
もしらぎちゃんが娘役だったら、どんなにか可愛らしく魅力的な美女になっていただろうか、と、
そんなあり得ないことを惜しみながら。
彼女のこれからに何が待っているのか、全く知らないのですけれども、
それでも。
あなたの、これからの永い人生に、幸せが溢れていることを祈りつつ、
信じつつ、
あなたに会えた幸福をしみじみと噛み締めながら、わたしはたぶん、宝塚ファンを続けていくのでしょうねぇ…(*^ ^*)
.
20万ヒット♪ \(^ ^)/
2008年11月15日 宝塚(雪) コメント (7)雪組東宝劇場公演も千秋楽まであと一日、と迫ったところで、
20万ヒットを達成しましたっ♪
春に10万ヒットを達成したときは、「今年中に達成できたらいいな~~」くらいに思っていたのですが、予想外に早かったです。それもこれも、いつも読んでくださってコメントくださるみなさまのおかげです!
本当にありがとうございますm(_ _)m。
月組ファンとして始めた日記も、いつのまにか2年目の終わりに近づいています。
2年足らずの間に、ねこはらぎちゃんに落ち、祐飛さんは花組に異動し、二度とないと思っていた主演公演を二本(しかも一本は「銀ちゃんの恋」!?)もこなして、
……そしてらぎちゃんの卒業も目前です。
時の流れは早いなぁ……。
この日記を書き始めたころには、らぎちゃんを舞台で認識したこともほとんど無かったはずのねこが。苦労して(嘘です。友人が友の会で当ててくれました。ありがとう友よ)千秋楽のチケットをGETして、お見送りもするつもり満々で、とりあえず白いコートを出してみたり(笑)。
最後の一日。並んで待つファンのみなさまのためにも、雨が降りませんように……かみさまほとけさま水さま、お願いします(祈)。
「ソロモンの指輪」は、あれだけの回数を観てもなお、毎回新しい発見があり、新しい衝撃があります。
たとえば昨日の新発見は、海が終わった後の嘆きの風の場面(5場)で、「白い花」のシナちゃんと、「白い風」になった85期の男役3人が水さんと躍らせていただいている場面の下手で踊っている下級生さんたち。
とくに、笙乃茅桜ちゃんのラインの綺麗なダンスに見惚れてしまいました。組んでいる彩凪翔くんもしっかり支持しててすごいなーと思いました。舞羽美海ちゃん&彩風咲奈ちゃん、沙月愛奈ちゃん&大凪真生くん、3組ともすごく綺麗で可愛い!
ここは、どうにもこうにも「白い風」が綺麗すぎてそちらばかり観ていて、彼らがハケた後はちょっと気が抜けてしまって(汗)“なんとなく全体を”観ていたので……全然注目していなかったんですよねぇ(T T)。
らぎちゃんが荻田さんに愛されていることはよーーーーっく判りましたし凄く嬉しいけど、私は、一度でいいかららぎちゃんの出ていない「ソロモンの指輪」を観てみたいです。
だって、らぎちゃんが出てるとらぎちゃんしか見えないんだもん!!(泣)
来年あたり、どっかの組で再演しないかなあ(涙)(←絶対ないから!)
……らぎちゃんはこの作品を「旅する」ためのキーパーソンの一人なので、たぶん、らぎちゃんがいなかったらまた全然別の作品になるんだろうな、と思いつつ…。
話は違いますが。
ユミコさんとキムちゃん、というお二人が揃った雪組の醍醐味を使い切った荻田さんは、本当にすごいなあと思います。
ひどく透明でまっすぐで、肉欲を感じさせないユミコさん。ハープのような、開放弦の響きで遠くまで拡がっていく甘やかな声。
生命力の強さと輝き、“肉”を感じさせるキムちゃん。金管楽器のような、空気を切り裂き、腹に直接響いてくる強靭な声。
「海」での、お二人の使い方の絶妙さに、毎回驚いてしまいます。
海に落ちた指輪、
さがしにきた女、
海が見せる“指輪”のまぼろし。
誰よりも指輪を欲していたのは、海だったのだろう。
そうして指輪は、海に抱かれて夢を見る。
天使の夢を。
この公演も、明日で千秋楽。
あと、たったの二回。
もっともっと観たかったなあ~~。
指輪の視る夢を旅しながら、
銀橋の彼方に見える「光」を求めて走り去るらぎちゃん、シナちゃんを、しっかり見送ってきたいと思います。
お二人にはきっと、悔いはないのでしょう。
幸せで、あんまりにも幸せで、泣けてくるくらいに。
ファンにはまだまだ観たかったものがあったはずなのに、
「もう、いいや」と思ってしまうくらいに。
幸せを祈っています。
そして。
たぶん私は、明日も幸せなんだろうなぁ…。
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20万ヒットを達成しましたっ♪
春に10万ヒットを達成したときは、「今年中に達成できたらいいな~~」くらいに思っていたのですが、予想外に早かったです。それもこれも、いつも読んでくださってコメントくださるみなさまのおかげです!
本当にありがとうございますm(_ _)m。
月組ファンとして始めた日記も、いつのまにか2年目の終わりに近づいています。
2年足らずの間に、ねこはらぎちゃんに落ち、祐飛さんは花組に異動し、二度とないと思っていた主演公演を二本(しかも一本は「銀ちゃんの恋」!?)もこなして、
……そしてらぎちゃんの卒業も目前です。
時の流れは早いなぁ……。
この日記を書き始めたころには、らぎちゃんを舞台で認識したこともほとんど無かったはずのねこが。苦労して(嘘です。友人が友の会で当ててくれました。ありがとう友よ)千秋楽のチケットをGETして、お見送りもするつもり満々で、とりあえず白いコートを出してみたり(笑)。
最後の一日。並んで待つファンのみなさまのためにも、雨が降りませんように……かみさまほとけさま水さま、お願いします(祈)。
「ソロモンの指輪」は、あれだけの回数を観てもなお、毎回新しい発見があり、新しい衝撃があります。
たとえば昨日の新発見は、海が終わった後の嘆きの風の場面(5場)で、「白い花」のシナちゃんと、「白い風」になった85期の男役3人が水さんと躍らせていただいている場面の下手で踊っている下級生さんたち。
とくに、笙乃茅桜ちゃんのラインの綺麗なダンスに見惚れてしまいました。組んでいる彩凪翔くんもしっかり支持しててすごいなーと思いました。舞羽美海ちゃん&彩風咲奈ちゃん、沙月愛奈ちゃん&大凪真生くん、3組ともすごく綺麗で可愛い!
ここは、どうにもこうにも「白い風」が綺麗すぎてそちらばかり観ていて、彼らがハケた後はちょっと気が抜けてしまって(汗)“なんとなく全体を”観ていたので……全然注目していなかったんですよねぇ(T T)。
らぎちゃんが荻田さんに愛されていることはよーーーーっく判りましたし凄く嬉しいけど、私は、一度でいいかららぎちゃんの出ていない「ソロモンの指輪」を観てみたいです。
だって、らぎちゃんが出てるとらぎちゃんしか見えないんだもん!!(泣)
来年あたり、どっかの組で再演しないかなあ(涙)(←絶対ないから!)
……らぎちゃんはこの作品を「旅する」ためのキーパーソンの一人なので、たぶん、らぎちゃんがいなかったらまた全然別の作品になるんだろうな、と思いつつ…。
話は違いますが。
ユミコさんとキムちゃん、というお二人が揃った雪組の醍醐味を使い切った荻田さんは、本当にすごいなあと思います。
ひどく透明でまっすぐで、肉欲を感じさせないユミコさん。ハープのような、開放弦の響きで遠くまで拡がっていく甘やかな声。
生命力の強さと輝き、“肉”を感じさせるキムちゃん。金管楽器のような、空気を切り裂き、腹に直接響いてくる強靭な声。
「海」での、お二人の使い方の絶妙さに、毎回驚いてしまいます。
海に落ちた指輪、
さがしにきた女、
海が見せる“指輪”のまぼろし。
誰よりも指輪を欲していたのは、海だったのだろう。
そうして指輪は、海に抱かれて夢を見る。
天使の夢を。
この公演も、明日で千秋楽。
あと、たったの二回。
もっともっと観たかったなあ~~。
指輪の視る夢を旅しながら、
銀橋の彼方に見える「光」を求めて走り去るらぎちゃん、シナちゃんを、しっかり見送ってきたいと思います。
お二人にはきっと、悔いはないのでしょう。
幸せで、あんまりにも幸せで、泣けてくるくらいに。
ファンにはまだまだ観たかったものがあったはずなのに、
「もう、いいや」と思ってしまうくらいに。
幸せを祈っています。
そして。
たぶん私は、明日も幸せなんだろうなぁ…。
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マリポーサを君に捧ぐ【3】
2008年11月11日 宝塚(雪) コメント (2)宝塚雪組東宝劇場公演「ソロモンの指輪/マリポーサの花」。
セリアの芝居が、楽も間近な今になって、ずいぶん変わってきたような気がします。
前半の、何も気づいていない(リナレスの本質にも、ネロの正体にも)女の子のキャラクターはそのままなんですけど、
大劇場のときにどうにも違和感が拭えなかった後半の芝居が、だいぶ変化してきているような。
ネロにとってのセリアは、ファム・ファタル以外のなにものでもないので、なんの理屈も説明もなく、出会ってすぐの「すでに予感をもってセリアをみつめていた」の一言で終わってしまっているんですが、セリア側の心情の変化は結構書き込まれているんですよね。
偶々行ったナイトクラブで、スターとしてステージで踊っていたネロに抱いたほのかな憧れ。
その彼が父親のパートナーとして家に現れたとき、その憧れのままに「近くにいたい」と願う気持ちを抱いて、ダンサーとしてのオーディションを受ける。
憧れの人の傍で、同じステージに立つ喜び。幸せ。
そんな中で、リナレスが起こした事件を知ったときの衝撃。
庇ってくれたネロへの感謝と共に、何も気づかなかった自分への怒りで落ち込んで。
…そんななか、公園で久しぶりに出会ったリナレスとの会話の後。
「警告を無視して、勝手に帰ってくるんじゃない!」という、吐き棄てるような叫びが、強く語尾を切るようになって、ヒステリックな感じが減ってきたような気がしました。
「リナレスだけで十分よ……!!」という言い方には未だ微妙に違和感があるのですが、全体的に反応が大人っぽくなって、凄く胸に迫る場面になったなあ、と。
大劇場ではとにかくヒステリックな印象があって、「じゃ、俺は行くよ」と下手に消えていくエスコバルを観ながら『…逃げたなこいつ』って感じだったんですけど(^ ^;、今は、“リナレスだって行かせたくないのに!!”という気持ちがはっきりと出てきて切ないです。
そして、下手袖に消えていくエスコバルに対しては、『気をつかってくれてありがとう』と思えるようになりました。
…たぶん、ネロが『おっ俺を置いていくなっ!!』と涙目してるのは同じかなっと思いますケドね(^ ^;。
公園の場面で、つい勢いあまって真情を吐露してしまうネロを見て怯えるセリアが、すごく等身大の女の子で可愛いです。
背伸びしてナイトクラブで踊ってはいても、まだ人生の挫折を知らない少女。
「一人でも生きていけるひと。怖いほど傷ついて、叫んでいるのに…」という歌を聴きながら、セリアにはまだ、包容力がないんだなぁとしみじみ思いました。
ネロの中には泣いている子供がいるのに、彼はそれを隠して、いいえ、しまいこんで次の一歩を踏み出していく。その、彼の中の子供に気づいてしまったセリアは、まだその子供ごと彼を包み込めるレベルの女になってはいない。
『かっこいい大人のネロさん』に憧れていた彼女にとって、剥き出しの感情をさらけだすネロの弱さは、『安心できない怖いもの』でしかなくて、
……なのに、それでもなお、彼に向かう心を留められない。
いくら想っても、恋をしても、無駄なのに。あのひとの心の中に、私の居場所なんてこれっぽっちもないのに……。
だからセリアは、ネロを責めない。
「お店でしょう?いいのよ」
だから娘は、口を閉ざして背を向ける。
ネロが見ている世界を、見ようとしない。
「……今日は、いいから……」
届かないことを知っているから。
いくら背伸びをしても、想像もつかない過去をもつ男の背中に、手が届くとは思えないから。
「いっそ、巡り合わなきゃ良かったのに…」
それでも。
彼に二度と会えないかもしれない、と想ったときに、彼女は自分の心の断崖から飛び降りてしまう。
怖いから避けていた彼の心の奥に、まっすぐに飛び降りていく。
「死んでしまう…あなたが死んでしまう!!」
背中にすがりつく女の悲しさ。
引き留められるはずがないことを、彼女は知っている。
そして、男が行くのは自分のためであることも、無意識にわかっている。
「もういらない!愛の言葉なんて!」
愛の言葉よりも、傍に居てほしかった。
愛してくれなくてもいいから、見つめていたかった。
それでも男は出て行く。
……祖国のため、そして、そこで待ってくれる女のために。
個人的に、私にとっての『この作品でもっとも印象的な会話』は、
「二人で生きればいいじゃない!一緒なら、地の果てでも…」
「そんなところには絶対に行かせない!俺は、もっと素晴らしい処で君を愛したい!」
…だったりします。
『二人一緒なら地の果てでも!』って、ある意味ものすごくタカラヅカ的定番の台詞じゃないですか。
なのに、それをキッパリと否定するネロさんが、めちゃくちゃカッコイイ!とおもうのです。
俺は逃げない。逃げたくない。
やれることがあるなら、ひとつづつ遣り遂げたいから。
だから君も、どうか逃げないで待っていてほしい、と。
時代が変わるそのときを、この美しい祖国で。
…ま、私も女なので、「待ってろ」というのは男の我儘だと思ったりもするんですけど(^ ^)、
水くんととなみちゃんっていうのは、そういう意味ではちょっと古風なコンビなのかもしれませんね。
“強い男”と“待っている女”、そういう構図がはまるコンビなのかな、と。
たとえばトウコさんとあすかちゃんだったら、絶対あすかは待ってないと思うんですよね。戦場まで追いかけていく。たぶん、エスコバルの位置にあすかちゃんが来ると思う。
タニちゃんとウメちゃんだったら、そもそもウメちゃんが先に戦場に行っちゃって、タニちゃんが追いかけていきそうな気が(^ ^;
まとぶんと彩音ちゃんはどうなんでしょう…。まだちょっとよくわからないなあ。この二人はむしろ、手に手をとって“地の果て”を目指すのが似合うのかも。
こういうとき、月組の今の体制はコメントに困りますね。(←お前だけだ)
……そうこうしているうちに、
あああ、最後の火曜日が終わっちゃった…。この公演も、あとたったの7回か……。
(しみじみ)
.
セリアの芝居が、楽も間近な今になって、ずいぶん変わってきたような気がします。
前半の、何も気づいていない(リナレスの本質にも、ネロの正体にも)女の子のキャラクターはそのままなんですけど、
大劇場のときにどうにも違和感が拭えなかった後半の芝居が、だいぶ変化してきているような。
ネロにとってのセリアは、ファム・ファタル以外のなにものでもないので、なんの理屈も説明もなく、出会ってすぐの「すでに予感をもってセリアをみつめていた」の一言で終わってしまっているんですが、セリア側の心情の変化は結構書き込まれているんですよね。
偶々行ったナイトクラブで、スターとしてステージで踊っていたネロに抱いたほのかな憧れ。
その彼が父親のパートナーとして家に現れたとき、その憧れのままに「近くにいたい」と願う気持ちを抱いて、ダンサーとしてのオーディションを受ける。
憧れの人の傍で、同じステージに立つ喜び。幸せ。
そんな中で、リナレスが起こした事件を知ったときの衝撃。
庇ってくれたネロへの感謝と共に、何も気づかなかった自分への怒りで落ち込んで。
…そんななか、公園で久しぶりに出会ったリナレスとの会話の後。
「警告を無視して、勝手に帰ってくるんじゃない!」という、吐き棄てるような叫びが、強く語尾を切るようになって、ヒステリックな感じが減ってきたような気がしました。
「リナレスだけで十分よ……!!」という言い方には未だ微妙に違和感があるのですが、全体的に反応が大人っぽくなって、凄く胸に迫る場面になったなあ、と。
大劇場ではとにかくヒステリックな印象があって、「じゃ、俺は行くよ」と下手に消えていくエスコバルを観ながら『…逃げたなこいつ』って感じだったんですけど(^ ^;、今は、“リナレスだって行かせたくないのに!!”という気持ちがはっきりと出てきて切ないです。
そして、下手袖に消えていくエスコバルに対しては、『気をつかってくれてありがとう』と思えるようになりました。
…たぶん、ネロが『おっ俺を置いていくなっ!!』と涙目してるのは同じかなっと思いますケドね(^ ^;。
公園の場面で、つい勢いあまって真情を吐露してしまうネロを見て怯えるセリアが、すごく等身大の女の子で可愛いです。
背伸びしてナイトクラブで踊ってはいても、まだ人生の挫折を知らない少女。
「一人でも生きていけるひと。怖いほど傷ついて、叫んでいるのに…」という歌を聴きながら、セリアにはまだ、包容力がないんだなぁとしみじみ思いました。
ネロの中には泣いている子供がいるのに、彼はそれを隠して、いいえ、しまいこんで次の一歩を踏み出していく。その、彼の中の子供に気づいてしまったセリアは、まだその子供ごと彼を包み込めるレベルの女になってはいない。
『かっこいい大人のネロさん』に憧れていた彼女にとって、剥き出しの感情をさらけだすネロの弱さは、『安心できない怖いもの』でしかなくて、
……なのに、それでもなお、彼に向かう心を留められない。
いくら想っても、恋をしても、無駄なのに。あのひとの心の中に、私の居場所なんてこれっぽっちもないのに……。
だからセリアは、ネロを責めない。
「お店でしょう?いいのよ」
だから娘は、口を閉ざして背を向ける。
ネロが見ている世界を、見ようとしない。
「……今日は、いいから……」
届かないことを知っているから。
いくら背伸びをしても、想像もつかない過去をもつ男の背中に、手が届くとは思えないから。
「いっそ、巡り合わなきゃ良かったのに…」
それでも。
彼に二度と会えないかもしれない、と想ったときに、彼女は自分の心の断崖から飛び降りてしまう。
怖いから避けていた彼の心の奥に、まっすぐに飛び降りていく。
「死んでしまう…あなたが死んでしまう!!」
背中にすがりつく女の悲しさ。
引き留められるはずがないことを、彼女は知っている。
そして、男が行くのは自分のためであることも、無意識にわかっている。
「もういらない!愛の言葉なんて!」
愛の言葉よりも、傍に居てほしかった。
愛してくれなくてもいいから、見つめていたかった。
それでも男は出て行く。
……祖国のため、そして、そこで待ってくれる女のために。
個人的に、私にとっての『この作品でもっとも印象的な会話』は、
「二人で生きればいいじゃない!一緒なら、地の果てでも…」
「そんなところには絶対に行かせない!俺は、もっと素晴らしい処で君を愛したい!」
…だったりします。
『二人一緒なら地の果てでも!』って、ある意味ものすごくタカラヅカ的定番の台詞じゃないですか。
なのに、それをキッパリと否定するネロさんが、めちゃくちゃカッコイイ!とおもうのです。
俺は逃げない。逃げたくない。
やれることがあるなら、ひとつづつ遣り遂げたいから。
だから君も、どうか逃げないで待っていてほしい、と。
時代が変わるそのときを、この美しい祖国で。
…ま、私も女なので、「待ってろ」というのは男の我儘だと思ったりもするんですけど(^ ^)、
水くんととなみちゃんっていうのは、そういう意味ではちょっと古風なコンビなのかもしれませんね。
“強い男”と“待っている女”、そういう構図がはまるコンビなのかな、と。
たとえばトウコさんとあすかちゃんだったら、絶対あすかは待ってないと思うんですよね。戦場まで追いかけていく。たぶん、エスコバルの位置にあすかちゃんが来ると思う。
タニちゃんとウメちゃんだったら、そもそもウメちゃんが先に戦場に行っちゃって、タニちゃんが追いかけていきそうな気が(^ ^;
まとぶんと彩音ちゃんはどうなんでしょう…。まだちょっとよくわからないなあ。この二人はむしろ、手に手をとって“地の果て”を目指すのが似合うのかも。
こういうとき、月組の今の体制はコメントに困りますね。(←お前だけだ)
……そうこうしているうちに、
あああ、最後の火曜日が終わっちゃった…。この公演も、あとたったの7回か……。
(しみじみ)
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マリポーサを君に捧ぐ【2】
2008年11月8日 宝塚(雪)宝塚雪組東宝劇場公演「ソロモンの指輪/マリポーサの花」。
ちょっと更新が滞っておりましたが、本格的に雪組公演にはまっております(^ ^;
「ソロモンの指輪」も本当に本当~に!大好きなのですが、先日「正塚晴彦 二本立て」を観て以来、「マリポーサの花」を観るたびにいろいろ考えてしまって。……で、アレコレ書いているうちに、ネタばれになってしまった部分がありますのでご了解くださいませ(汗)。
大劇場公演を観た後の感想で、私は「ニコラスは、この後数年を経て、ネロみたいな男になるんだろうと思った」みたいなことを書いたのですが。
実際に二本立てで観てみると、逆かも、という気がしてきました。
もちろん、ニコラスとネロは生きている国も、思想の背景もまったく違います。
ニコラスはアルゼンチンの学生運動出身。大学でエヴァと一緒に法律を学び、武力闘争に身を投じて安田講堂に立て籠もり過激派グループ「バリエンテ」を組織したが戦いに敗れ、何人かは国外へ脱出、本人は投獄。しかし数年後に独裁政権は倒れ、新政府の特赦で解放されるが、功労者として迎えられることもなく、身一つで娑婆へ出たところ。
ネロはキューバの軍人あがりですから、そもそも思想の根幹が違う。学生の理想論じゃなく、目的を遂行するためのプランを策定してきた人。サルディバルの配下でクーデターに参画、成功するも政府には入らずにそれなりの褒章をもらって退役。目晦ましを兼ねた“大統領御用達”クラブを経営しつつ、密輸で儲けて学校や病院を作る夢を追う。
そんな、生きている道筋がまったく重なることのない、二人の男。
ネロがあの後、山中に篭ってゲリラ活動をするカストロチャモロ軍に参加するのか、メキシコに逃げてそのまま
チャモロの成功を待つのか、それは明言されていないのでわかりませんが。
ただ、定期的にマリポーサの花を届けるには、山中のキャンプに篭ったら無理だよなあ、とか思いつつ(笑・今みたいにインターネットで手配するわけにもいかないでしょうから!)、まぁそんなことは本当にどうでもいいんですけど。
ただ。
あのまま外国に逃げて数年を過ごし、チャモロの成功を待って帰国したのだとしたら。
チャモロにはほとんど名乗りもしていない彼が、「上陸作戦の功労者」として認められた可能性も低い。リナレスが居ればともかく、彼がいなければ、ネロを知るものは誰もいないんですから。
だとしたら。ネロもまたニコラスのように、ただ生きるために仕事を探し、とりあえずの居場所を確保したら、次にやることは、セリアに会いにいくことかもしれない。
メキシコで生き抜くことに精一杯で、花を贈る余裕をなくして数年が過ぎていたならば、まずは陰からこっそり様子を見てみよう、と思うのも自然な心理だと思うし。
そうして、彼女がそのまま(変わってしまったのではなく)大人になって、新しい恋人と一緒にいる姿を見たら。
……ただ微笑んで、背中を向けることができるだろう。
「もっと素晴らしいところで君を愛したい」と叫んだ彼が、
“君と二人で、平穏に幸せに暮らせる祖国を勝ち得るために”闘いに戻っていった彼が、
平穏に幸せに暮らそうとしている元恋人を見て、何かを言うはずはないのだから。
「ブエノスアイレスの風」の初演を観たとき、ニコラスは最初から平穏に倦んでいるのだと思っていました。
ベトナム兵が、平和な祖国に戻って少しづつ壊れていったように、ニコラスも平穏の中で平凡に生きることが難しい男なのだろう、と。
それでも、平凡に生きていくしかないことを知っている彼が、平凡に生きようと模索して選んだのが、あの店だったんだろう、と。
「するべきことがない」時間を初めて得た彼、が。
もしかしたらそれは、初演ニコラスのリカさんの個性だったのかもしれません。
もしかしたらそれは、当時の正塚さんの演出がそうだったのかもしれない。
でも。
再々演を観たとき。
…本当に冷静な事実を言うなら、たぶん私は、最初の30分くらいは礼音くんの芝居を真っ直ぐに見てはいなかったと思います。
その1時間前までどっぷり浸っていた「マリポーサの花」の世界、ネロの思想から頭が離れなくて、そのままの頭で観ていたので。
でも。
解放されたニコラスが、ひどく幸せそうに街を歩いていたような気がしたのです。
過去は苦しい。
辛い。
仲間を守れなかった過去、仲間と共に逝けなかった過去は、時折フラッシュバックして彼を苦しめる。
仲間と一緒に「新しい世界」を生きることができなかった罪が。
でも、「今」のブエノスアイレスは、祖国は、こんなにも明るく、賑やかだから。
ネロならば、そこで笑うだろう。
「ここが、祖国」だから。
ネロも、ニコラスも、そしてリナレスも、根底にあるのは祖国への愛。
彼らには生きるべき国があり、その国をよりよくしたいという願いがあった。
リカルドも、ちょっとジコチューで我侭で子供だけれども、根底にあるのは「自分が生きる世界をもっと良いものにしたい」という思いだから、そんなにかけ離れているわけではない。
自分が生きる世界=祖国、なのだから。
そんな中で、エスコバルだけが、「祖国喪失者」だった……。
彼にとっては、ネロが「たったひとつの祖国」であったのかもしれない、と、
新旧二本立ての「正塚晴彦」を観ながら、そんなことを考えていました。
「俺は生きて何を」と唄う彼の過去に、いったい何があったのか。
これこそ外伝を創ってもらいたいものだ、と、心の底から思いながら……
話がいきなりファンモードに切り替わるのですが。
らぎちゃんのコントレラスさん、なんだかすごく良くなったような気がするのは贔屓目ってやつでしょうか?
「参りましたねぇどうも…」の言い方というか、間がすごく好きなんです。マヤさんの台詞を受けて、ちょっと溜息をついて(この溜息がちょっと色っぽい)呆れたような声で「参りましたねぇどうも…」って。相手を見下して、“どうせうちに売るしかないくせに”と舐めきっている傲慢さが、すごく良いです。
コロスのダンスも、周りがダンサーばかりの中でよくがんばっているなあ、と(*^ ^*)。もともと肩幅があって手足が長くて腰が細い、スーツ着てるだけで合格点貰えちゃう人なんですが、ちゃんとダンスも及第点取れているように見えるのは……
贔屓目?やっぱり私の目は曇ってる……?それとも単に、無理なく踊れる靴を履いているだけ?(←いつもより微妙に小柄に見えるんですが。気のせい?)
ちなみに、私が一番好きなのは、戦場の兵士だったりします。帽子の下からのぞくあごから首へのラインが好き。身体も、かなり厚みをいれてますよね?バランスよく、たくましい男に見えるのがとても嬉しいです。GIじゃなくてキューバ政府軍の兵士なのに金髪に白い肌なのはちょっと違和感ですが、ひろみ(彩那音)ちゃんと並んで踊ってるのがすごくツボ。
チャモロ軍のにわにわ(奏乃はると)とあまり絡まないのが、とても残念です。
お店(そういえば、あの店なんていう名前なんでしょうか?)のショーシーンの白い衣装のダンスも、この作品で唯一の笑顔の場面というのもあって結構好きです。その後もずーっと衝立の向こうであっちの女の子、こっちのお客さんとふらふら動いているのが、二階席だと意外と見えるのが凄く面白い。ネロさんたちの緊迫した会話もそっちのけでオペラグラスで追ってしまいます(笑)。大統領が撃たれた騒ぎの後も、下手の衝立脇で喋っている女の子たちを呼びにきて、上手まで衝立の向こう側を横切っていくまでをじーーーーっと観てしまう(笑)。ファンってけなげだなあと思う今日この頃です(*^ ^*)。
泣いても笑っても、あとたったの一週間。
タカラヅカの男役としての柊巴も、
タカラヅカの娘役としての山科愛も、
この一週間が過ぎてしまえば、二度と出会えない花。
一ヶ月に一度、いいえ、一年に一度でもいいから、届けてくれる人がいればいいのに、と思いながら。
でも、二度と出会えないからこそ、あんなにも美しく、きらきらとした透明な輝きを背負ってそこに居てくれるのだ、と、
それもわかっているから。
「一分一秒無駄にしない」で、キタロウにもしっかり協力していただきつつ、
思い出をたくさんたくさん、作ってくださいね。
最後まで、応援しています。
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ちょっと更新が滞っておりましたが、本格的に雪組公演にはまっております(^ ^;
「ソロモンの指輪」も本当に本当~に!大好きなのですが、先日「正塚晴彦 二本立て」を観て以来、「マリポーサの花」を観るたびにいろいろ考えてしまって。……で、アレコレ書いているうちに、ネタばれになってしまった部分がありますのでご了解くださいませ(汗)。
大劇場公演を観た後の感想で、私は「ニコラスは、この後数年を経て、ネロみたいな男になるんだろうと思った」みたいなことを書いたのですが。
実際に二本立てで観てみると、逆かも、という気がしてきました。
もちろん、ニコラスとネロは生きている国も、思想の背景もまったく違います。
ニコラスはアルゼンチンの学生運動出身。大学でエヴァと一緒に法律を学び、武力闘争に身を投じて
ネロはキューバの軍人あがりですから、そもそも思想の根幹が違う。学生の理想論じゃなく、目的を遂行するためのプランを策定してきた人。サルディバルの配下でクーデターに参画、成功するも政府には入らずにそれなりの褒章をもらって退役。目晦ましを兼ねた“大統領御用達”クラブを経営しつつ、密輸で儲けて学校や病院を作る夢を追う。
そんな、生きている道筋がまったく重なることのない、二人の男。
ネロがあの後、山中に篭ってゲリラ活動をする
チャモロの成功を待つのか、それは明言されていないのでわかりませんが。
ただ、定期的にマリポーサの花を届けるには、山中のキャンプに篭ったら無理だよなあ、とか思いつつ(笑・今みたいにインターネットで手配するわけにもいかないでしょうから!)、まぁそんなことは本当にどうでもいいんですけど。
ただ。
あのまま外国に逃げて数年を過ごし、チャモロの成功を待って帰国したのだとしたら。
チャモロにはほとんど名乗りもしていない彼が、「上陸作戦の功労者」として認められた可能性も低い。リナレスが居ればともかく、彼がいなければ、ネロを知るものは誰もいないんですから。
だとしたら。ネロもまたニコラスのように、ただ生きるために仕事を探し、とりあえずの居場所を確保したら、次にやることは、セリアに会いにいくことかもしれない。
メキシコで生き抜くことに精一杯で、花を贈る余裕をなくして数年が過ぎていたならば、まずは陰からこっそり様子を見てみよう、と思うのも自然な心理だと思うし。
そうして、彼女がそのまま(変わってしまったのではなく)大人になって、新しい恋人と一緒にいる姿を見たら。
……ただ微笑んで、背中を向けることができるだろう。
「もっと素晴らしいところで君を愛したい」と叫んだ彼が、
“君と二人で、平穏に幸せに暮らせる祖国を勝ち得るために”闘いに戻っていった彼が、
平穏に幸せに暮らそうとしている元恋人を見て、何かを言うはずはないのだから。
「ブエノスアイレスの風」の初演を観たとき、ニコラスは最初から平穏に倦んでいるのだと思っていました。
ベトナム兵が、平和な祖国に戻って少しづつ壊れていったように、ニコラスも平穏の中で平凡に生きることが難しい男なのだろう、と。
それでも、平凡に生きていくしかないことを知っている彼が、平凡に生きようと模索して選んだのが、あの店だったんだろう、と。
「するべきことがない」時間を初めて得た彼、が。
もしかしたらそれは、初演ニコラスのリカさんの個性だったのかもしれません。
もしかしたらそれは、当時の正塚さんの演出がそうだったのかもしれない。
でも。
再々演を観たとき。
…本当に冷静な事実を言うなら、たぶん私は、最初の30分くらいは礼音くんの芝居を真っ直ぐに見てはいなかったと思います。
その1時間前までどっぷり浸っていた「マリポーサの花」の世界、ネロの思想から頭が離れなくて、そのままの頭で観ていたので。
でも。
解放されたニコラスが、ひどく幸せそうに街を歩いていたような気がしたのです。
過去は苦しい。
辛い。
仲間を守れなかった過去、仲間と共に逝けなかった過去は、時折フラッシュバックして彼を苦しめる。
仲間と一緒に「新しい世界」を生きることができなかった罪が。
でも、「今」のブエノスアイレスは、祖国は、こんなにも明るく、賑やかだから。
ネロならば、そこで笑うだろう。
「ここが、祖国」だから。
ネロも、ニコラスも、そしてリナレスも、根底にあるのは祖国への愛。
彼らには生きるべき国があり、その国をよりよくしたいという願いがあった。
リカルドも、ちょっとジコチューで我侭で子供だけれども、根底にあるのは「自分が生きる世界をもっと良いものにしたい」という思いだから、そんなにかけ離れているわけではない。
自分が生きる世界=祖国、なのだから。
そんな中で、エスコバルだけが、「祖国喪失者」だった……。
彼にとっては、ネロが「たったひとつの祖国」であったのかもしれない、と、
新旧二本立ての「正塚晴彦」を観ながら、そんなことを考えていました。
「俺は生きて何を」と唄う彼の過去に、いったい何があったのか。
これこそ外伝を創ってもらいたいものだ、と、心の底から思いながら……
話がいきなりファンモードに切り替わるのですが。
らぎちゃんのコントレラスさん、なんだかすごく良くなったような気がするのは贔屓目ってやつでしょうか?
「参りましたねぇどうも…」の言い方というか、間がすごく好きなんです。マヤさんの台詞を受けて、ちょっと溜息をついて(この溜息がちょっと色っぽい)呆れたような声で「参りましたねぇどうも…」って。相手を見下して、“どうせうちに売るしかないくせに”と舐めきっている傲慢さが、すごく良いです。
コロスのダンスも、周りがダンサーばかりの中でよくがんばっているなあ、と(*^ ^*)。もともと肩幅があって手足が長くて腰が細い、スーツ着てるだけで合格点貰えちゃう人なんですが、ちゃんとダンスも及第点取れているように見えるのは……
贔屓目?やっぱり私の目は曇ってる……?それとも単に、無理なく踊れる靴を履いているだけ?(←いつもより微妙に小柄に見えるんですが。気のせい?)
ちなみに、私が一番好きなのは、戦場の兵士だったりします。帽子の下からのぞくあごから首へのラインが好き。身体も、かなり厚みをいれてますよね?バランスよく、たくましい男に見えるのがとても嬉しいです。GIじゃなくてキューバ政府軍の兵士なのに金髪に白い肌なのはちょっと違和感ですが、ひろみ(彩那音)ちゃんと並んで踊ってるのがすごくツボ。
チャモロ軍のにわにわ(奏乃はると)とあまり絡まないのが、とても残念です。
お店(そういえば、あの店なんていう名前なんでしょうか?)のショーシーンの白い衣装のダンスも、この作品で唯一の笑顔の場面というのもあって結構好きです。その後もずーっと衝立の向こうであっちの女の子、こっちのお客さんとふらふら動いているのが、二階席だと意外と見えるのが凄く面白い。ネロさんたちの緊迫した会話もそっちのけでオペラグラスで追ってしまいます(笑)。大統領が撃たれた騒ぎの後も、下手の衝立脇で喋っている女の子たちを呼びにきて、上手まで衝立の向こう側を横切っていくまでをじーーーーっと観てしまう(笑)。ファンってけなげだなあと思う今日この頃です(*^ ^*)。
泣いても笑っても、あとたったの一週間。
タカラヅカの男役としての柊巴も、
タカラヅカの娘役としての山科愛も、
この一週間が過ぎてしまえば、二度と出会えない花。
一ヶ月に一度、いいえ、一年に一度でもいいから、届けてくれる人がいればいいのに、と思いながら。
でも、二度と出会えないからこそ、あんなにも美しく、きらきらとした透明な輝きを背負ってそこに居てくれるのだ、と、
それもわかっているから。
「一分一秒無駄にしない」で、キタロウにもしっかり協力していただきつつ、
思い出をたくさんたくさん、作ってくださいね。
最後まで、応援しています。
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雪組東宝劇場公演「ソロモンの指輪/マリポーサの花」を観劇してまいりました。
頭が昭和40年代(?)の映画界からなかなか戻ってきていなかったのですが。
……あまりにも世界そのものが美しすぎて、言葉も無く、呆然と劇場を後にしました。
「ソロモンの指輪」の、圧倒的な美しさ。
「マリポーサの花」の、禁欲的で求道者的な美しさ。
オイルショック前の、猥雑で奔放な「映画スタァ」を描いた「銀ちゃんの恋」と、同じ宝塚劇団の演目とは思えません……(笑)。
と、とりあえず、東宝観劇第一回目の感想は、そんな感じです。
水さんも、ユミコちゃんも、となみちゃんも、キムちゃんも、テルくんも、ひろみちゃんも、らぎちゃんも、シナちゃんも、とにかくみんなみんな美しかった。正しく「タカラヅカ」な世界でした。
「銀ちゃんの恋」もずいぶん(初演を思えば)タカラヅカになったものだと思いましたが、やっぱりだいぶ違いますねー(^ ^;ゞ
いろいろあるから、タカラヅカ。
みんなちがって、みんないい。
あらためてそんなことを思った、夜。
怒涛のようだった2008年10月も、今日でおしまい。
明日からは、またいろんな舞台を観て、書いていきたいと思います。
……で、銀ちゃんの続き、あと多分10回くらいで終わると思うんですけど、最後まで書いてもいいですか……?
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頭が昭和40年代(?)の映画界からなかなか戻ってきていなかったのですが。
……あまりにも世界そのものが美しすぎて、言葉も無く、呆然と劇場を後にしました。
「ソロモンの指輪」の、圧倒的な美しさ。
「マリポーサの花」の、禁欲的で求道者的な美しさ。
オイルショック前の、猥雑で奔放な「映画スタァ」を描いた「銀ちゃんの恋」と、同じ宝塚劇団の演目とは思えません……(笑)。
と、とりあえず、東宝観劇第一回目の感想は、そんな感じです。
水さんも、ユミコちゃんも、となみちゃんも、キムちゃんも、テルくんも、ひろみちゃんも、らぎちゃんも、シナちゃんも、とにかくみんなみんな美しかった。正しく「タカラヅカ」な世界でした。
「銀ちゃんの恋」もずいぶん(初演を思えば)タカラヅカになったものだと思いましたが、やっぱりだいぶ違いますねー(^ ^;ゞ
いろいろあるから、タカラヅカ。
みんなちがって、みんないい。
あらためてそんなことを思った、夜。
怒涛のようだった2008年10月も、今日でおしまい。
明日からは、またいろんな舞台を観て、書いていきたいと思います。
……で、銀ちゃんの続き、あと多分10回くらいで終わると思うんですけど、最後まで書いてもいいですか……?
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若人たちのマリポーサ
2008年10月21日 宝塚(雪) コメント (6)雪組東宝劇場新人公演「マリポーサの花」を観劇してまいりました。
む、む、むずかしい。
大好きな作品だけに、こ、こんなに難しい芝居だったのか!!と思ってしまいました。
うーん、(大湖)せしるも、(舞羽)美海ちゃんも、よくやっていたのになあ。
凜城きらさんもがんばってたのになぁ。
……むずかしいものなんだなあ……。
新公演出は稲葉大地。
彼自身の作品を演出する場合はまた違うのでしょうけれども、今回の新公演出は、「シークレットハンター」の新公でぼんやりと思った印象が、今回も残りました。役者が違うのに、本役と同じ芝居を演出しようとする…という印象が。
「シークレットハンター」の新公の感想を書いたときに、私は『本役の芝居解釈力というか、咀嚼力というか、その咀嚼した者を観客に伝えきれる表現力の豊富さというか、そういうところばかりが印象に残った』ということを書いているのですが、今回もそんな感じだったんですよね。
新人公演って本当に一期一会なものなので、作品とか、本役とか、新公演出とか、いろんなことで運があって、タイミングがあって、、、、、つい最近まで私の中で同じグループ(ビジュアル系ヘタレ組)だった、同じ88期の二人(星組の紅くんとせしる)の明暗、というのは……
なにもかもが運命なのだ、と言ってしまえばそれまでなのですが。
ま、これ一つで全てが決まるわけじゃない。
新人公演自体が成功するかしないかは、役者としての評価にはあまり関係がなくて。
大切なのは、この新人公演で何を学んで次の公演に生かすか、あるいはあさってからの公演に生かすかだと思うので。
せしるくんには、今まで以上に踏ん張ってほしいなあと思っています。
せしるは、本当にカッコよかった。本公演ではアフロヘアに髭をつけてチャモロをやっていますが、ネロさんはすっきりと髪をまとめて、シャープですごく素敵でした!
ただ、ちょっと小柄なので、エスコバルの凜城さんもリナレスの彩風咲奈ちゃんもサルディバルのキング(蓮城まこと)も、回り中みーんな大柄なのに囲まれて、にもかかわらず『誰よりも格上で強い男』でなくてはならない、というそもそもの設定に、かなり問題があるような気がしてしまいました。
たとえば「君を愛してる」みたいな作品だったらあんまり気にならなかったんだろうに、と思うと、作品との相性も本当に大事なんだなあと思うんですよね…。
せしる好きなんだけどなー。芝居もいいもの持っていると思うし。ただ、ヘタレだから台詞の声が安定しないのがちょっと惜しいですね。ネロは特に、脅しつけるような台詞が結構あるので。
……歌の声が安定すればもっといいです。はい。(←深い意味はありません)
「凍てついた明日」のメアリーで感銘をうけた、美海ちゃんのセリア。
白羽ゆりちゃんがちょっと苦戦している難しい役を、よくがんばったと思います。
キレイでスタイルも良くて、すごい華やかなひとなんだけど、芝居はまだお人形さんでしたねぇ(T T)。メアリー良かったのになー。本公演のブランカとあまり変わらなくて、ちょっと心配な感じでした。
しかし眼を惹くことは間違いない。しかも踊れる(ショーシーンの華やかなこと!!)
歌は声量がなくて不安定でしたが、それもメアリーの時はそこそこ出来てたんですよね。なんだろう、荻田マジックだったのかしら?(不思議)
凜城さんのエスコバルは、ちょっと消化不良な感じ。っていうか、エスコバルって本当に難しいんだなー。なんだか、凜城さんには、なぜ自分がネロの後をくっついて回っているのか解っていないような気がしました。ただ、そういう役だから(ユミコさんがそうしてるから)そうしてる。そんな風に見えてしまったのが、一番残念でした。
良い役なんだけどなーーーーっ!難しい…。
ちょっとふっくら系なのも、「エスコバル」という禁欲的な役を演じる上ではマイナスだったし、顔立ちもキレイなんだけど、まだ柔らかくて可愛らしい感じだし…外見から入るのも難しかったんだろうな、と。まだ下級生なんだし、歌えて踊れる実力派なんだし(ですよね?)、今回無理してこんな難しい役をやらせなくても次回まで待てばよかったのに、と、個人的には思いました。
スター誕生だ!と思ったのは、彩風咲奈さんのリナレス。
「Savola Me」の艶やかな声、伸びやかなダンス、華やかな笑顔。
メークは駄目駄目でしたが、それ以外は本当に、今すぐにでも大役を任せられる華やかさと安定感がありました。研2だなんて信じられない!!まだ声が高いから少年役以外は難しいと思いますが、それでも「女の子の声」じゃなくて「少年の声」だったのが印象的。
本役のキムちゃんよりは随分若い役作りで、大学入ったばかりでしょアンタ、って感じでしたけど(キムちゃんは4年生か5年生かOBか、って感じ)、元々ネロやエスコバルに対して若さゆえの性急さや誇り高さや我慢のなさが大事な役なので、すごく似合っていたと思います。
芝居も良かった。嵌り役でしたね。
まぁ、ここから脱皮して、痩せて、声をひくくして……大人の男がやれる男役になるまでには、まだまだハードルがたくさんありますけれども。将来有望な逸材が出るのを観たぞ!という感激がありました(*^ ^*)。
ロジャーのがおり(香稜しずる)くんは、本当に美しい人(*^ ^*)。
本公演の印象より、ずいぶんと冷ややかなロジャーでした。美しくて、冷ややかで、でも裡に持っている熱量は大きい、みたいな。
ラスト、銃を持って闘いに参加することに納得できる「CIA」でした。
ラファエルは、「凍てついた明日」Bチームのジェレミーで落ちた真那春人くん。
やっぱジェレミーはもう喉つぶしてたんですねぇ。実に実に良い声でした。素敵だ。滑舌もいいし、とにかく熱がこもった芝居をする人なので、何をしていても観ていて楽しいです。
……個人的にでは、お店でのショーシーンで笙乃茅桜ちゃんと組んで踊っていた時の笑顔がとても好きです。(←あまり笑顔の似合わない顔だと思っていたので…ごめんなさい)
あと印象に残ったのは、アリシアのミナコ(愛原実花)ちゃん。
いづるんとは全然違うキャラクターで、本当に素敵でした。ああ、ユミコさんのエスコバルとサシで勝負させてあげたかった!(←勝負じゃないから!)
他にも印象に残ったひとはたくさんいるので、ちょっと箇条書きで。
・船長の香音有希さんが貫禄あって素敵でした♪学生にも入っているんですが、ちょっとおっさんっぽいところがかえってリアル感(^ ^)。
・お医者様の帆風成海さんが滅茶苦茶いい声でびっくり!あんなお医者さまにかかってみたい!
・イスマヨールの紫友みれいさん、飄々とした専科さんの役をがんばってました。いい味出てましたよー。
・シーナのさゆちゃん、滅茶苦茶可愛いっ!
・フェルッティの子分、梓晴輝さんと朝風れいさんって滅茶苦茶おいしい。大凪真生さんのフェルッティは、部下を顔で選んだんじゃないか…?(疑惑)
・コロスの振り付けって本公演と一緒ですか?ダンサーばっかりだからレベルを上げたとか…ないですよね?(←レベルを下げる最大の原因のファンをしていると、つい不安に…)
・警備兵の電話をかける方はどなたでしょうか?
・ベルレディの花夏ゆりんちゃん、「セリア様と仰る方から…」の言い方がすごく好き。
・闘いへ向かう前のナンバーは、人数が足りないのでリナレス以外は全員女の子。でも、結構迫力あってよかったです。コーラスは軍隊も警察隊も陰で入ってたのかな…?
…そんなところでしょうか。
全体に、難しいストレートプレイに全力で挑みかかる子供たち、という印象もありましたが、必死さが良い方向に出た人もいて、観終わった後の印象は、本公演より爽やかなくらいでした。
一生懸命、「今の思い」を伝えようとする、きゃびぃやせしるの挨拶も、良かったと思います。
雪組88期、お疲れさまでした!明後日からの本公演も、どうぞよろしくね♪
.
む、む、むずかしい。
大好きな作品だけに、こ、こんなに難しい芝居だったのか!!と思ってしまいました。
うーん、(大湖)せしるも、(舞羽)美海ちゃんも、よくやっていたのになあ。
凜城きらさんもがんばってたのになぁ。
……むずかしいものなんだなあ……。
新公演出は稲葉大地。
彼自身の作品を演出する場合はまた違うのでしょうけれども、今回の新公演出は、「シークレットハンター」の新公でぼんやりと思った印象が、今回も残りました。役者が違うのに、本役と同じ芝居を演出しようとする…という印象が。
「シークレットハンター」の新公の感想を書いたときに、私は『本役の芝居解釈力というか、咀嚼力というか、その咀嚼した者を観客に伝えきれる表現力の豊富さというか、そういうところばかりが印象に残った』ということを書いているのですが、今回もそんな感じだったんですよね。
新人公演って本当に一期一会なものなので、作品とか、本役とか、新公演出とか、いろんなことで運があって、タイミングがあって、、、、、つい最近まで私の中で同じグループ(ビジュアル系ヘタレ組)だった、同じ88期の二人(星組の紅くんとせしる)の明暗、というのは……
なにもかもが運命なのだ、と言ってしまえばそれまでなのですが。
ま、これ一つで全てが決まるわけじゃない。
新人公演自体が成功するかしないかは、役者としての評価にはあまり関係がなくて。
大切なのは、この新人公演で何を学んで次の公演に生かすか、あるいはあさってからの公演に生かすかだと思うので。
せしるくんには、今まで以上に踏ん張ってほしいなあと思っています。
せしるは、本当にカッコよかった。本公演ではアフロヘアに髭をつけてチャモロをやっていますが、ネロさんはすっきりと髪をまとめて、シャープですごく素敵でした!
ただ、ちょっと小柄なので、エスコバルの凜城さんもリナレスの彩風咲奈ちゃんもサルディバルのキング(蓮城まこと)も、回り中みーんな大柄なのに囲まれて、にもかかわらず『誰よりも格上で強い男』でなくてはならない、というそもそもの設定に、かなり問題があるような気がしてしまいました。
たとえば「君を愛してる」みたいな作品だったらあんまり気にならなかったんだろうに、と思うと、作品との相性も本当に大事なんだなあと思うんですよね…。
せしる好きなんだけどなー。芝居もいいもの持っていると思うし。ただ、
……歌の声が安定すればもっといいです。はい。(←深い意味はありません)
「凍てついた明日」のメアリーで感銘をうけた、美海ちゃんのセリア。
白羽ゆりちゃんがちょっと苦戦している難しい役を、よくがんばったと思います。
キレイでスタイルも良くて、すごい華やかなひとなんだけど、芝居はまだお人形さんでしたねぇ(T T)。メアリー良かったのになー。本公演のブランカとあまり変わらなくて、ちょっと心配な感じでした。
しかし眼を惹くことは間違いない。しかも踊れる(ショーシーンの華やかなこと!!)
歌は声量がなくて不安定でしたが、それもメアリーの時はそこそこ出来てたんですよね。なんだろう、荻田マジックだったのかしら?(不思議)
凜城さんのエスコバルは、ちょっと消化不良な感じ。っていうか、エスコバルって本当に難しいんだなー。なんだか、凜城さんには、なぜ自分がネロの後をくっついて回っているのか解っていないような気がしました。ただ、そういう役だから(ユミコさんがそうしてるから)そうしてる。そんな風に見えてしまったのが、一番残念でした。
良い役なんだけどなーーーーっ!難しい…。
ちょっとふっくら系なのも、「エスコバル」という禁欲的な役を演じる上ではマイナスだったし、顔立ちもキレイなんだけど、まだ柔らかくて可愛らしい感じだし…外見から入るのも難しかったんだろうな、と。まだ下級生なんだし、歌えて踊れる実力派なんだし(ですよね?)、今回無理してこんな難しい役をやらせなくても次回まで待てばよかったのに、と、個人的には思いました。
スター誕生だ!と思ったのは、彩風咲奈さんのリナレス。
「Savola Me」の艶やかな声、伸びやかなダンス、華やかな笑顔。
メークは駄目駄目でしたが、それ以外は本当に、今すぐにでも大役を任せられる華やかさと安定感がありました。研2だなんて信じられない!!まだ声が高いから少年役以外は難しいと思いますが、それでも「女の子の声」じゃなくて「少年の声」だったのが印象的。
本役のキムちゃんよりは随分若い役作りで、大学入ったばかりでしょアンタ、って感じでしたけど(キムちゃんは4年生か5年生かOBか、って感じ)、元々ネロやエスコバルに対して若さゆえの性急さや誇り高さや我慢のなさが大事な役なので、すごく似合っていたと思います。
芝居も良かった。嵌り役でしたね。
まぁ、ここから脱皮して、痩せて、声をひくくして……大人の男がやれる男役になるまでには、まだまだハードルがたくさんありますけれども。将来有望な逸材が出るのを観たぞ!という感激がありました(*^ ^*)。
ロジャーのがおり(香稜しずる)くんは、本当に美しい人(*^ ^*)。
本公演の印象より、ずいぶんと冷ややかなロジャーでした。美しくて、冷ややかで、でも裡に持っている熱量は大きい、みたいな。
ラスト、銃を持って闘いに参加することに納得できる「CIA」でした。
ラファエルは、「凍てついた明日」Bチームのジェレミーで落ちた真那春人くん。
やっぱジェレミーはもう喉つぶしてたんですねぇ。実に実に良い声でした。素敵だ。滑舌もいいし、とにかく熱がこもった芝居をする人なので、何をしていても観ていて楽しいです。
……個人的にでは、お店でのショーシーンで笙乃茅桜ちゃんと組んで踊っていた時の笑顔がとても好きです。(←あまり笑顔の似合わない顔だと思っていたので…ごめんなさい)
あと印象に残ったのは、アリシアのミナコ(愛原実花)ちゃん。
いづるんとは全然違うキャラクターで、本当に素敵でした。ああ、ユミコさんのエスコバルとサシで勝負させてあげたかった!(←勝負じゃないから!)
他にも印象に残ったひとはたくさんいるので、ちょっと箇条書きで。
・船長の香音有希さんが貫禄あって素敵でした♪学生にも入っているんですが、ちょっとおっさんっぽいところがかえってリアル感(^ ^)。
・お医者様の帆風成海さんが滅茶苦茶いい声でびっくり!あんなお医者さまにかかってみたい!
・イスマヨールの紫友みれいさん、飄々とした専科さんの役をがんばってました。いい味出てましたよー。
・シーナのさゆちゃん、滅茶苦茶可愛いっ!
・フェルッティの子分、梓晴輝さんと朝風れいさんって滅茶苦茶おいしい。大凪真生さんのフェルッティは、部下を顔で選んだんじゃないか…?(疑惑)
・コロスの振り付けって本公演と一緒ですか?ダンサーばっかりだからレベルを上げたとか…ないですよね?(←レベルを下げる最大の原因のファンをしていると、つい不安に…)
・警備兵の電話をかける方はどなたでしょうか?
・ベルレディの花夏ゆりんちゃん、「セリア様と仰る方から…」の言い方がすごく好き。
・闘いへ向かう前のナンバーは、人数が足りないのでリナレス以外は全員女の子。でも、結構迫力あってよかったです。コーラスは軍隊も警察隊も陰で入ってたのかな…?
…そんなところでしょうか。
全体に、難しいストレートプレイに全力で挑みかかる子供たち、という印象もありましたが、必死さが良い方向に出た人もいて、観終わった後の印象は、本公演より爽やかなくらいでした。
一生懸命、「今の思い」を伝えようとする、きゃびぃやせしるの挨拶も、良かったと思います。
雪組88期、お疲れさまでした!明後日からの本公演も、どうぞよろしくね♪
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大劇場最後の週末の、らぎちゃん【2】
2008年9月22日 宝塚(雪) コメント (5)昨日は、がんばって携帯から書き込みしてみたのですが……
PCから見ると、改行が出来てなかったみたいですね。読みにくくてすみません。携帯からしか見てなかったから全然気づいてませんでした。
というわけで(←何が?)
大劇場雪組公演「ソロモンの指輪/マリポーサの花」、幸運なことに千秋楽まで3回連続で観ることができました。
チケットのかみさま、ありがとう♪♪
朝かららぎちゃんとファンの皆様は、真っ白になっての楽屋入り。
みなさん笑顔で、泣いてみえる方がいないのが不思議な感じでしたが、ファンのみなさんに手を振っているらぎちゃんの満面の笑顔を見たら、納得してしまいました。
こういうのを“輝く笑顔”って言うんでしょうね。
やるべきことを終えて、新しい道に向かおうとする人の、輝き。
CSのの「わくわくカフェタイム」でご本人が言っていたとおり、「今すごく楽しい」と、心から思っていらっしゃるんだろうな、というのが本当にわかってしまう。
そして、ファンのみなさんもそれをホントに解っていらっしゃるんだな、と。
暖かな、いい入りでした。
すぐ後に続いたシナちゃんも、超可愛かった~~!!
自主的に真っ白になった猫は、
……なんだかすごーーーーく普通に作品を楽しんでしまいました(^ ^;ゞ
「ソロモン」の幕開き、未沙さんの宝石売りの口上で「今日は千秋楽~」と言ってたくらいで、
ショーも芝居も、アドリブの入る余地はほとんどなく。
ただただ、圧倒的なその世界に巻き込まれ、思考はぐるぐる回るばかりで。
でも。
暖かな、良い楽でした。
「ソロモン」で、シナキリンが人間に戻るところで大きな拍手。
そして、銀橋に走り出すラギシナに、さらに大きな拍手。
暖かな観客の目線。
新しい世界へ二人を送り出すキムちゃんの目が、いつにも増して暖かく、優しい。
新しい世界へ向かう二人を見送るひろみちゃんの目が、大きくてキラキラしてる。
新しい世界へ向かう二人とすれ違うとなみちゃんたちが、いつにも増して圧倒的な美しさで、
おままごとのような可愛らしい二人を微笑みで祝福する。
私がこのショーで一番好きな場面は、海が終わった後の嘆きの風の場面(5場)。
「白い花」のシナちゃんと、「白い風」になった85期の男役3人が水さんと踊り、
ハマコさんのひきづるような歌が心に沁みる。
「白」の4人は割とすぐにハケてしまうのですが、ヴァルキューレの群舞も好きなんです。
還らない過去への惜別と戻れない故里への郷愁、っていうのは荻田さんの創る世界の底辺をいつも流れるテーマのひとつですが、ここに一番それが溢れ出ていて、とても美しいと思うのです。
「マリポーサの花」は、昨日も書きましたが、本当にテンポが良くなりましたね!
会話の間が自然になって、ひっかかるところがほとんどない。本当に映画を見てるみたいな気持ちになります。
ただ。
「最後だ」と思ってあらためて見て、笑顔の少ない芝居だなーと思いました。
笑顔なのはショー場面のメンバーくらいで、あとはコロスも含めてずーっと真顔ばっかり。かろうじてアリシアと、コマちゃんのイヴァンくらいか、笑顔が出るのは。
らぎちゃんも、本当に笑顔なのは白い衣装でのショー場面と、あとはフィナーレのパレードのみ。フィナーレ男(6人口)も、キレイでかっこいいけどめっちゃシリアスだし。
あ、芝居のオープニングとエピローグのダンスは微かだけど笑顔か、いちおう。
まぁ、とにかく「ソロモンの指輪」の「楽園」でしっかり堪能しないと、“最後の大劇場”の満面の笑顔はほとんど見られないってことですね。……東宝にむけて心ておこうっと。
フィナーレの男(6人口)で、白い花をつけていたらぎちゃん。
ここは予想していたので、涙腺はちゃんとSTOPできました。せっかく正塚さんが愛情ひとつで出してくれた大事な場面、ちゃんと観られてよかった…(^ ^)。
パレードでは、中に着ている青いシャツに合わせて、鮮やかな青が一部に入った白い花。
こういうのって同期のみなさんが用意してくれるんだよね……まぁ雪組85期は人数多いから大丈夫だったろうけど、でも、本当にありがたい。
水さんを迎えて、銀橋に出る途中でハケていく卒業生。
そうか、ここでいなくなるのか!!とびっくりしました。銀橋出てこないんですね。知らなかった!……あれ?こないだの花組も、みほちゃんかりやんって銀橋にいなかったんだっけ?気づかなかった!!(どこ観てたんだ私!?)
(汐風)幸ちゃんは銀橋にも居た記憶があるから、サヨナラショーがある場合は違うのかな?
まぁ、それはともかく。
いつもどおりに幕が降りて、
組長さんのご挨拶、今後の予定(TCAスペシャルには触れず)、そして、卒業生の紹介。
「らぎちゃんが宝塚を受験しようとしたきっかけは、高校二年生の時に地元で観たツアー公演」
という話は聞いていましたが。
「部活を卒業してから1年間、ちゃんとレッスンしてから受験するつもりだったのに、記念受験のつもりで受けた一回目で思いもよらず合格」
……そりゃー、あの美貌とスタイルがあったら、私でも取るな。
でも、もう一年待てばよかったのにね!!(真顔)スタッフも今頃そう思っているに違いない…。
「雪組公演ノバ・ボサ・ノバで初舞台。それ以来、雪組一筋で、10年」
いやあの、85期は全員一人残らず月組ノバにも出てますから!!東宝では修正してください、お願い…(月ファンの呟き)。
「猛き黄金の国の新人公演で演じた沖田総司(本役・蘭香レア)を研究するうちに、嫌いだった新撰組が大好きになり」
なんで嫌いだったの?ねぇ?
「Joyfull!のツアー公演で、初ソロで故郷に錦を飾り」
Joyfull!か~~。私が落ちたのもあのソロだったなあ……(懐)
「エンカレッジコンサートは、どうしても出たい!と思ってオーディションで一番に歌わせてもらった。はじめて自分で勝ち取った!と思った公演でした」
エンカレか…。行きたかったんですよねぇ、雪組も。エンカレッジコンサートという企画が好きだったので、都合がつくものはなるべく行くようにしていたんです(またやってほしいから)。
ああ、無理しても行けばよかったなあ。そうしたら、このときに落ちていたかもしれないのに…。
「昨年の中日劇場公演で、大好きな新撰組の井上源三郎として生きられたことが嬉しくて、心から楽しんで、もうこれ以上望むことも、思い残すこともなくなった気がしました」
……よ、よかったです、ここで満足して「エリザベート」で退団、とかしなくて。ホントに。
でも源さん、本当に良かったですもんね。山南さん切腹の引っ込みの後の台詞の力強さ、今でも忘れられません。
らぎちゃんの、きっと色々微妙だったであろう(笑)コメントを、キレイにまとめてくださり、
「これからは、雪組だけではなく、たくさんの世界の人にらぎの愛を届けてくれると思います」
と締めくくってくれた、優しい組長さん。
ありがとうございましたm(_ _)m。
シナちゃんの紹介もすんで、緞帳があがる。
「らぎ!」という組長の呼び声に、
「はいっ!!」と、男らしく(?)きっぱりと応えたらぎちゃん。
ど金髪をラフに固めて、宝塚歌劇団の制服・緑の袴に身を包み、ゆっくりと降りてきました。
一歩、一歩、噛みしめるように。
同期からのお花は、にわにわ(奏乃はると)から。
緑の袴に、鋭い線を描く白い花がとても映えます。
「今、とっても幸せな気持ちでいっぱいです!」
と、本当に本当に、心底幸せそうに言う、らぎちゃん。
どうして卒業生って、みんな判で捺したように同じことを言うんだろう。
みんなみんな、口を揃えて、
「幸せだ」
と。
本当に清しい笑顔で、声で、ただまっすぐに言葉を紡ぐらぎちゃん。
「『なんて楽しそうなんだろう!』なんて、少々安易な動機で受験した私ですが」
おいおい、いきなりそんな笑いを取りに来ないでください…
「入団後の芸の道は楽しいことばかりではなく、常に自分との戦いだった」
ところどころ詰まりながらも、
「でも、いつも独りではなく、雪組の仲間がいてくれました」
雪組の上級生、下級生、同期、諸先生方、スタッフのみなさま、家族、友人、お客様、ファンの皆様……お約束どおりの順番でひとつづつ数え上げ、礼の言葉を述べながら、
終始笑顔で、涙なく、
ただ、訥々と。
シナちゃんの方が、すこーし涙目で、鼻声だったような気がします。
「とても幸せで、だから今、別れが寂しい」
という切ない言葉で、かなりすすり泣きの声があがりました。
でも。
可愛いシナちゃんも、しっかりと最後は笑顔で挨拶をつとめあげて、
満面の笑顔で礼をして、後ろに下がって。
雪組トップスター・水夏希のご挨拶は、
鼻をぐすぐす言わせながらのご挨拶でした。
……泣くなよ……。
むしろ、らぎちゃんやシナちゃんが挨拶しているときより、こっちで貰い泣きしてた人多数でした。舞台上は。
でも、らぎちゃんはあくまでも笑顔でした(^ ^)。そんなに幸せか、お前!と突っ込みたかったです、私(←ぼろ泣きした人)
2回目か3回目のカーテンコールで、卒業生二人を抱えた水さんが、
「私は組替えしてきたので、初舞台から二人を見守ってきたわけではないのですが、雪組に来て以来、85期には本当に助けられました。」というような前置きをしてから、
「85期万歳!」
と言ってくれたのが、とても嬉しかったです。
スタンディングオベーションの嵐の中で。
あくまでも笑顔のらぎちゃんを見凝めながら。
ありがとう、本当にありがとう、と、繰り返して。
……東京在住の猫にとっては、これからが本番、というかなんというか。
とりあえずの一区切り、という以上のものではないのですが。
らぎちゃんにとって、シナちゃんにとって、そして、お二人のファンのみなさまにとって、
悔いのない一日であったなら良かったな、と思います。
すくなくとも、私にとっては、悔いなくお見送りできた気がして、とても幸せな一日でした。
らぎちゃん、本当にいろんな幸せをありがとう。
また11月16日まで、長いようで短い2ヶ月弱を、どうぞよろしくお願いします!
.
PCから見ると、改行が出来てなかったみたいですね。読みにくくてすみません。携帯からしか見てなかったから全然気づいてませんでした。
というわけで(←何が?)
大劇場雪組公演「ソロモンの指輪/マリポーサの花」、幸運なことに千秋楽まで3回連続で観ることができました。
チケットのかみさま、ありがとう♪♪
朝かららぎちゃんとファンの皆様は、真っ白になっての楽屋入り。
みなさん笑顔で、泣いてみえる方がいないのが不思議な感じでしたが、ファンのみなさんに手を振っているらぎちゃんの満面の笑顔を見たら、納得してしまいました。
こういうのを“輝く笑顔”って言うんでしょうね。
やるべきことを終えて、新しい道に向かおうとする人の、輝き。
CSのの「わくわくカフェタイム」でご本人が言っていたとおり、「今すごく楽しい」と、心から思っていらっしゃるんだろうな、というのが本当にわかってしまう。
そして、ファンのみなさんもそれをホントに解っていらっしゃるんだな、と。
暖かな、いい入りでした。
すぐ後に続いたシナちゃんも、超可愛かった~~!!
自主的に真っ白になった猫は、
……なんだかすごーーーーく普通に作品を楽しんでしまいました(^ ^;ゞ
「ソロモン」の幕開き、未沙さんの宝石売りの口上で「今日は千秋楽~」と言ってたくらいで、
ショーも芝居も、アドリブの入る余地はほとんどなく。
ただただ、圧倒的なその世界に巻き込まれ、思考はぐるぐる回るばかりで。
でも。
暖かな、良い楽でした。
「ソロモン」で、シナキリンが人間に戻るところで大きな拍手。
そして、銀橋に走り出すラギシナに、さらに大きな拍手。
暖かな観客の目線。
新しい世界へ二人を送り出すキムちゃんの目が、いつにも増して暖かく、優しい。
新しい世界へ向かう二人を見送るひろみちゃんの目が、大きくてキラキラしてる。
新しい世界へ向かう二人とすれ違うとなみちゃんたちが、いつにも増して圧倒的な美しさで、
おままごとのような可愛らしい二人を微笑みで祝福する。
私がこのショーで一番好きな場面は、海が終わった後の嘆きの風の場面(5場)。
「白い花」のシナちゃんと、「白い風」になった85期の男役3人が水さんと踊り、
ハマコさんのひきづるような歌が心に沁みる。
「白」の4人は割とすぐにハケてしまうのですが、ヴァルキューレの群舞も好きなんです。
還らない過去への惜別と戻れない故里への郷愁、っていうのは荻田さんの創る世界の底辺をいつも流れるテーマのひとつですが、ここに一番それが溢れ出ていて、とても美しいと思うのです。
「マリポーサの花」は、昨日も書きましたが、本当にテンポが良くなりましたね!
会話の間が自然になって、ひっかかるところがほとんどない。本当に映画を見てるみたいな気持ちになります。
ただ。
「最後だ」と思ってあらためて見て、笑顔の少ない芝居だなーと思いました。
笑顔なのはショー場面のメンバーくらいで、あとはコロスも含めてずーっと真顔ばっかり。かろうじてアリシアと、コマちゃんのイヴァンくらいか、笑顔が出るのは。
らぎちゃんも、本当に笑顔なのは白い衣装でのショー場面と、あとはフィナーレのパレードのみ。フィナーレ男(6人口)も、キレイでかっこいいけどめっちゃシリアスだし。
あ、芝居のオープニングとエピローグのダンスは微かだけど笑顔か、いちおう。
まぁ、とにかく「ソロモンの指輪」の「楽園」でしっかり堪能しないと、“最後の大劇場”の満面の笑顔はほとんど見られないってことですね。……東宝にむけて心ておこうっと。
フィナーレの男(6人口)で、白い花をつけていたらぎちゃん。
ここは予想していたので、涙腺はちゃんとSTOPできました。せっかく正塚さんが愛情ひとつで出してくれた大事な場面、ちゃんと観られてよかった…(^ ^)。
パレードでは、中に着ている青いシャツに合わせて、鮮やかな青が一部に入った白い花。
こういうのって同期のみなさんが用意してくれるんだよね……まぁ雪組85期は人数多いから大丈夫だったろうけど、でも、本当にありがたい。
水さんを迎えて、銀橋に出る途中でハケていく卒業生。
そうか、ここでいなくなるのか!!とびっくりしました。銀橋出てこないんですね。知らなかった!……あれ?こないだの花組も、みほちゃんかりやんって銀橋にいなかったんだっけ?気づかなかった!!(どこ観てたんだ私!?)
(汐風)幸ちゃんは銀橋にも居た記憶があるから、サヨナラショーがある場合は違うのかな?
まぁ、それはともかく。
いつもどおりに幕が降りて、
組長さんのご挨拶、今後の予定(TCAスペシャルには触れず)、そして、卒業生の紹介。
「らぎちゃんが宝塚を受験しようとしたきっかけは、高校二年生の時に地元で観たツアー公演」
という話は聞いていましたが。
「部活を卒業してから1年間、ちゃんとレッスンしてから受験するつもりだったのに、記念受験のつもりで受けた一回目で思いもよらず合格」
……そりゃー、あの美貌とスタイルがあったら、私でも取るな。
でも、もう一年待てばよかったのにね!!(真顔)スタッフも今頃そう思っているに違いない…。
「雪組公演ノバ・ボサ・ノバで初舞台。それ以来、雪組一筋で、10年」
いやあの、85期は全員一人残らず月組ノバにも出てますから!!東宝では修正してください、お願い…(月ファンの呟き)。
「猛き黄金の国の新人公演で演じた沖田総司(本役・蘭香レア)を研究するうちに、嫌いだった新撰組が大好きになり」
なんで嫌いだったの?ねぇ?
「Joyfull!のツアー公演で、初ソロで故郷に錦を飾り」
Joyfull!か~~。私が落ちたのもあのソロだったなあ……(懐)
「エンカレッジコンサートは、どうしても出たい!と思ってオーディションで一番に歌わせてもらった。はじめて自分で勝ち取った!と思った公演でした」
エンカレか…。行きたかったんですよねぇ、雪組も。エンカレッジコンサートという企画が好きだったので、都合がつくものはなるべく行くようにしていたんです(またやってほしいから)。
ああ、無理しても行けばよかったなあ。そうしたら、このときに落ちていたかもしれないのに…。
「昨年の中日劇場公演で、大好きな新撰組の井上源三郎として生きられたことが嬉しくて、心から楽しんで、もうこれ以上望むことも、思い残すこともなくなった気がしました」
……よ、よかったです、ここで満足して「エリザベート」で退団、とかしなくて。ホントに。
でも源さん、本当に良かったですもんね。山南さん切腹の引っ込みの後の台詞の力強さ、今でも忘れられません。
らぎちゃんの、きっと色々微妙だったであろう(笑)コメントを、キレイにまとめてくださり、
「これからは、雪組だけではなく、たくさんの世界の人にらぎの愛を届けてくれると思います」
と締めくくってくれた、優しい組長さん。
ありがとうございましたm(_ _)m。
シナちゃんの紹介もすんで、緞帳があがる。
「らぎ!」という組長の呼び声に、
「はいっ!!」と、男らしく(?)きっぱりと応えたらぎちゃん。
ど金髪をラフに固めて、宝塚歌劇団の制服・緑の袴に身を包み、ゆっくりと降りてきました。
一歩、一歩、噛みしめるように。
同期からのお花は、にわにわ(奏乃はると)から。
緑の袴に、鋭い線を描く白い花がとても映えます。
「今、とっても幸せな気持ちでいっぱいです!」
と、本当に本当に、心底幸せそうに言う、らぎちゃん。
どうして卒業生って、みんな判で捺したように同じことを言うんだろう。
みんなみんな、口を揃えて、
「幸せだ」
と。
本当に清しい笑顔で、声で、ただまっすぐに言葉を紡ぐらぎちゃん。
「『なんて楽しそうなんだろう!』なんて、少々安易な動機で受験した私ですが」
おいおい、いきなりそんな笑いを取りに来ないでください…
「入団後の芸の道は楽しいことばかりではなく、常に自分との戦いだった」
ところどころ詰まりながらも、
「でも、いつも独りではなく、雪組の仲間がいてくれました」
雪組の上級生、下級生、同期、諸先生方、スタッフのみなさま、家族、友人、お客様、ファンの皆様……お約束どおりの順番でひとつづつ数え上げ、礼の言葉を述べながら、
終始笑顔で、涙なく、
ただ、訥々と。
シナちゃんの方が、すこーし涙目で、鼻声だったような気がします。
「とても幸せで、だから今、別れが寂しい」
という切ない言葉で、かなりすすり泣きの声があがりました。
でも。
可愛いシナちゃんも、しっかりと最後は笑顔で挨拶をつとめあげて、
満面の笑顔で礼をして、後ろに下がって。
雪組トップスター・水夏希のご挨拶は、
鼻をぐすぐす言わせながらのご挨拶でした。
……泣くなよ……。
むしろ、らぎちゃんやシナちゃんが挨拶しているときより、こっちで貰い泣きしてた人多数でした。舞台上は。
でも、らぎちゃんはあくまでも笑顔でした(^ ^)。そんなに幸せか、お前!と突っ込みたかったです、私(←ぼろ泣きした人)
2回目か3回目のカーテンコールで、卒業生二人を抱えた水さんが、
「私は組替えしてきたので、初舞台から二人を見守ってきたわけではないのですが、雪組に来て以来、85期には本当に助けられました。」というような前置きをしてから、
「85期万歳!」
と言ってくれたのが、とても嬉しかったです。
スタンディングオベーションの嵐の中で。
あくまでも笑顔のらぎちゃんを見凝めながら。
ありがとう、本当にありがとう、と、繰り返して。
……東京在住の猫にとっては、これからが本番、というかなんというか。
とりあえずの一区切り、という以上のものではないのですが。
らぎちゃんにとって、シナちゃんにとって、そして、お二人のファンのみなさまにとって、
悔いのない一日であったなら良かったな、と思います。
すくなくとも、私にとっては、悔いなくお見送りできた気がして、とても幸せな一日でした。
らぎちゃん、本当にいろんな幸せをありがとう。
また11月16日まで、長いようで短い2ヶ月弱を、どうぞよろしくお願いします!
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大劇場最後の週末の、らぎちゃん
2008年9月21日 宝塚(雪) コメント (2)宝塚大劇場にて、雪組公演「ソロモンの指輪/マリポーサの花」を観てまいりました。
ナウオンステージで、正塚さんが「プロットは一年前にはできていて、どこでやろうかと考えていた」という主旨のコトを仰っていましたが。
…水くん、ユミコさん、キムちゃんが揃った雪しかないだろうなあ、と、あらためて納得しました。
麻子さんには、シャンドールがホントにぴったりだったしね。
ただ、今回、これだけ暗いシリアスな話で、音楽もマイナーコードが多いなかで、フィナーレナンバーを構成するのは難しかっただろうなあ、と。
「ソロモンの指輪」は大好きだけど、「マリポーサの花」は普通に前モノ芝居+後モノショーで観たかった、かも…
「まほろば/マジシャン」が、内容の濃いシリアスな芝居仕立てのショーに軽い芝居、というこの上ないコンビネーションだったので、
ちょっと惜しかったなあ、と思ってしまうのです。
いや、今回の二作品、どちらも目茶苦茶好きで、嵌っているんですけどね(汗)
さて。
いよいよ明日に迫った大劇場千秋楽。
久しぶりの観劇でしたが、舞台の上の集中力と緊張感が凄すぎて、一回観るだけでぐったりしてしまうほどでした。
出演者が皆、一回一回を大事にされているのがすごく伝わってきて、
終わってしまうのが怖くなった。
シナちゃんも、らぎちゃんも、ショーの冒頭からお芝居のラストまで、めずっとピンスポを浴びているみたいでした。
いいえ、違う。彼等はただ、自分の翼を拡げて飛び立つ準備をしていただけ。
自身の裡から輝いていただけ。
ルンペンらぎちゃんの美しいこと。
無垢な青年(彩那音)の美しさを護るために、指輪の見せる幻影の奥懐へ嵌りこみ、
そして愛を見つける、その愛の、哀しいほどの美しさ。
いつの間にか、銀橋に入るシナちゃんとらぎちゃんに拍手が入るようになったんですね。
ワクワクカフェタイムでも話に出ていたので、千秋楽は入るかな〜と楽しみにしていたのですが、まさか定番になっていたとは(@_@)。
…らぎファンとしては嬉しいけど、一観客としては、流れが切れるのでちと残念な気もしました。
東宝では最初から入るのかなー?
85男三人で踊る風の場面、振りがこなれて、すごく良くなっていました。らぎちゃんとひろみちゃんで肩を組む場面、ひろみちゃんがちょっとうるうるしていたように見えたのは、幻?
楽園の祭の賑やかさ。
後半、シナちゃんをセンターにひろみちゃんとらぎちゃんが並ぶ場面の、突き抜けたような明るさ。輝くような笑顔。
透明感のある白と金の衣装の洪水。そこに落とされた、毒々しく重たい純金の鈍い輝きと、ひとしずくの血の涙。
マリポーサ、コントレラスさんはだいぶ間がよくなりましたね(はぁと)。未沙さんにいろいろ教えていただいたんでしょうね。
お店のショーシーンで、白い衣装で出てきた時、衣装の余りように少しビビりました(汗)。もしかして、幕があいてから物凄く痩せたのでは…?
兵士の場面で、すごく小さく見えるのが気になって、気になって。
まだまだ、あと東宝楽まで二ヶ月もあるので、明日が終わったら少しゆっくりしてほしい…と思いつつ。
でも、そこで力いっぱい出し切ってしまうひとだから、私も好きになったんだな、と、
納得しつつ。
まずは、明日。
明日という一日を、
らぎちゃんも、もちろんシナちゃんも、
精一杯楽しんでくださいますように。
ナウオンステージで、正塚さんが「プロットは一年前にはできていて、どこでやろうかと考えていた」という主旨のコトを仰っていましたが。
…水くん、ユミコさん、キムちゃんが揃った雪しかないだろうなあ、と、あらためて納得しました。
麻子さんには、シャンドールがホントにぴったりだったしね。
ただ、今回、これだけ暗いシリアスな話で、音楽もマイナーコードが多いなかで、フィナーレナンバーを構成するのは難しかっただろうなあ、と。
「ソロモンの指輪」は大好きだけど、「マリポーサの花」は普通に前モノ芝居+後モノショーで観たかった、かも…
「まほろば/マジシャン」が、内容の濃いシリアスな芝居仕立てのショーに軽い芝居、というこの上ないコンビネーションだったので、
ちょっと惜しかったなあ、と思ってしまうのです。
いや、今回の二作品、どちらも目茶苦茶好きで、嵌っているんですけどね(汗)
さて。
いよいよ明日に迫った大劇場千秋楽。
久しぶりの観劇でしたが、舞台の上の集中力と緊張感が凄すぎて、一回観るだけでぐったりしてしまうほどでした。
出演者が皆、一回一回を大事にされているのがすごく伝わってきて、
終わってしまうのが怖くなった。
シナちゃんも、らぎちゃんも、ショーの冒頭からお芝居のラストまで、めずっとピンスポを浴びているみたいでした。
いいえ、違う。彼等はただ、自分の翼を拡げて飛び立つ準備をしていただけ。
自身の裡から輝いていただけ。
ルンペンらぎちゃんの美しいこと。
無垢な青年(彩那音)の美しさを護るために、指輪の見せる幻影の奥懐へ嵌りこみ、
そして愛を見つける、その愛の、哀しいほどの美しさ。
いつの間にか、銀橋に入るシナちゃんとらぎちゃんに拍手が入るようになったんですね。
ワクワクカフェタイムでも話に出ていたので、千秋楽は入るかな〜と楽しみにしていたのですが、まさか定番になっていたとは(@_@)。
…らぎファンとしては嬉しいけど、一観客としては、流れが切れるのでちと残念な気もしました。
東宝では最初から入るのかなー?
85男三人で踊る風の場面、振りがこなれて、すごく良くなっていました。らぎちゃんとひろみちゃんで肩を組む場面、ひろみちゃんがちょっとうるうるしていたように見えたのは、幻?
楽園の祭の賑やかさ。
後半、シナちゃんをセンターにひろみちゃんとらぎちゃんが並ぶ場面の、突き抜けたような明るさ。輝くような笑顔。
透明感のある白と金の衣装の洪水。そこに落とされた、毒々しく重たい純金の鈍い輝きと、ひとしずくの血の涙。
マリポーサ、コントレラスさんはだいぶ間がよくなりましたね(はぁと)。未沙さんにいろいろ教えていただいたんでしょうね。
お店のショーシーンで、白い衣装で出てきた時、衣装の余りように少しビビりました(汗)。もしかして、幕があいてから物凄く痩せたのでは…?
兵士の場面で、すごく小さく見えるのが気になって、気になって。
まだまだ、あと東宝楽まで二ヶ月もあるので、明日が終わったら少しゆっくりしてほしい…と思いつつ。
でも、そこで力いっぱい出し切ってしまうひとだから、私も好きになったんだな、と、
納得しつつ。
まずは、明日。
明日という一日を、
らぎちゃんも、もちろんシナちゃんも、
精一杯楽しんでくださいますように。
3万文字も書けることがふと判明したりする、ニュー・diarynote。
誰が書くんだ。っつーか、誰が読むんだ3万字。
長々と、昔書きかけたチェ・ゲバラとカストロの話とかアップしたくなるじゃないか!(笑)
……もとい。
初回放送を録画しそこねた「雪組85期 楽屋わくわくカフェタイム」を、無事GETすることができました(はぁと)。
いやぁ。
シナ(山科愛)、ひろみ(彩那音)、ヒメ(舞咲りん)、らぎ(柊巴)。
このメンバーの中にいると、らぎちゃんが口を挟む隙はまったくないんだなあ……
と、しみじみと感動してしまいました。
……いや、らぎちゃんの場合、どんなメンバーでも口を挟むのは難しそうですけどね(^ ^;ゞ
月組時代、ひろみちゃんってひたすらおとなしくて可愛いタイプと思いこんいたのですが。
キチッと仕切って、天然なヒメをちゃんと操縦して、黙ってニコニコしているらぎちゃんに話を振って……八面六臂の大活躍!だったのがすごく新鮮でした。
典型的な“妹”キャラかと思っていましたが、案外しっかりモノなんですねぇ(はぁと)。
シナちゃんは、本来なら優等生らしくキッチリ仕切ってくれそうな気もしますが、今回はひろみちゃんとヒメに任せてた感じでした。卒業生ということでお客さま扱いになってたのかな?
もうもうもぅ、とにかく可愛かったですーーーー!(惚)
ヒメはひたすら天然の盛上げ屋!失言っぽいのもあったけど(^ ^)、最高に面白かったです!
ひろみちゃんが「ちゃんと考えて喋ろうね」と抑えてしまったネタが何だったのか知りたい(笑)。
らぎちゃんは、きっといつもあんな感じなんでしょうねぇ…。
「睡れる月」のナウオンも、「Daytime Husler」のナウオンも、おとなーしく黙ってひたすらニコニコしてたもんなぁ(^ ^)。そういうところが可愛くて好きです。
そして、話を振られると慌てて考えて、考えて、考えて…(間)えーっと、えーっと、と言いながら目が泳いでいるのも大好きです(←だから駄目なんだってば)
一番笑ったのは……
ひろみちゃんが自分の演説場面でのヒメの様子を話してて、ヒメが「そういえば、『しゃしゃり出る』って舞台稽古ですごく噛んじゃって……」という話になって。
「みんな『しゃしゃりでる』って言ってみて!」と言われて、シナちゃんとひろみちゃんはすぐ言ったのに(上手だった!)、
らぎちゃん一人だけニコニコして何も言わずに誤魔化してたところ(^ ^)。
3人とも気がついてただろうに(ヒメはわかりませんが、ひろみちゃんはチラっと見てたような)何事もなかったように流してあげたところも、本当に優しいな、と思いました。
らぎちゃん、素敵な同期に囲まれて、本当に良かったね(はぁと)(85期大好き!)
シナちゃん、らぎちゃん。
あと、大劇場公演が1週間ちょっと。
東宝までいれても、2ヶ月とちょっと。
10年分の、たくさんの思い出を作って、
そして、
舞台を楽しんでくださいますように。
それにしても、雪組85期……楽しそうだなあ~♪まずは、研10になって8人っていうのが凄い!けど。雰囲気がいいんでしょうねぇ(*^ ^*)。
誰が書くんだ。っつーか、誰が読むんだ3万字。
長々と、昔書きかけたチェ・ゲバラとカストロの話とかアップしたくなるじゃないか!(笑)
……もとい。
初回放送を録画しそこねた「雪組85期 楽屋わくわくカフェタイム」を、無事GETすることができました(はぁと)。
いやぁ。
シナ(山科愛)、ひろみ(彩那音)、ヒメ(舞咲りん)、らぎ(柊巴)。
このメンバーの中にいると、らぎちゃんが口を挟む隙はまったくないんだなあ……
と、しみじみと感動してしまいました。
……いや、らぎちゃんの場合、どんなメンバーでも口を挟むのは難しそうですけどね(^ ^;ゞ
月組時代、ひろみちゃんってひたすらおとなしくて可愛いタイプと思いこんいたのですが。
キチッと仕切って、天然なヒメをちゃんと操縦して、黙ってニコニコしているらぎちゃんに話を振って……八面六臂の大活躍!だったのがすごく新鮮でした。
典型的な“妹”キャラかと思っていましたが、案外しっかりモノなんですねぇ(はぁと)。
シナちゃんは、本来なら優等生らしくキッチリ仕切ってくれそうな気もしますが、今回はひろみちゃんとヒメに任せてた感じでした。卒業生ということでお客さま扱いになってたのかな?
もうもうもぅ、とにかく可愛かったですーーーー!(惚)
ヒメはひたすら天然の盛上げ屋!失言っぽいのもあったけど(^ ^)、最高に面白かったです!
ひろみちゃんが「ちゃんと考えて喋ろうね」と抑えてしまったネタが何だったのか知りたい(笑)。
らぎちゃんは、きっといつもあんな感じなんでしょうねぇ…。
「睡れる月」のナウオンも、「Daytime Husler」のナウオンも、おとなーしく黙ってひたすらニコニコしてたもんなぁ(^ ^)。そういうところが可愛くて好きです。
そして、話を振られると慌てて考えて、考えて、考えて…(間)えーっと、えーっと、と言いながら目が泳いでいるのも大好きです(←だから駄目なんだってば)
一番笑ったのは……
ひろみちゃんが自分の演説場面でのヒメの様子を話してて、ヒメが「そういえば、『しゃしゃり出る』って舞台稽古ですごく噛んじゃって……」という話になって。
「みんな『しゃしゃりでる』って言ってみて!」と言われて、シナちゃんとひろみちゃんはすぐ言ったのに(上手だった!)、
らぎちゃん一人だけニコニコして何も言わずに誤魔化してたところ(^ ^)。
3人とも気がついてただろうに(ヒメはわかりませんが、ひろみちゃんはチラっと見てたような)何事もなかったように流してあげたところも、本当に優しいな、と思いました。
らぎちゃん、素敵な同期に囲まれて、本当に良かったね(はぁと)(85期大好き!)
シナちゃん、らぎちゃん。
あと、大劇場公演が1週間ちょっと。
東宝までいれても、2ヶ月とちょっと。
10年分の、たくさんの思い出を作って、
そして、
舞台を楽しんでくださいますように。
それにしても、雪組85期……楽しそうだなあ~♪まずは、研10になって8人っていうのが凄い!けど。雰囲気がいいんでしょうねぇ(*^ ^*)。
マリポーサを君に捧ぐ
2008年9月8日 宝塚(雪)雪組大劇場公演「マリポーサの花」。
ネタバレはしません。たぶん。(←たぶん?)
まずは、じゃあ、らぎ(柊巴)ちゃんの話から。
らぎちゃん、お芝居では、マヤ(未沙のえる)さん扮する大農園主・イスマヨールの作物を買い付けに来たアメリカ企業の営業マン(?)。
タイトミニのスーツを着たミナコ(愛原実花)ちゃんと二人、首を縦に振らないイスマヨールをちょっと持て余し気味。
ちょっとミナコちゃんがエキセントリックなキャラづくりで、“そ、それじゃあ商談はうまくいかないよ……”と普通に思ってしまうのですが(汗)、らぎちゃん自身、営業マンとしてはあんまり有能な感じがしないよー(T T)。
うーん、でもド金髪をべったりなでつけた髪、嫌味なくらい真っ白な肌、そして椅子の背に身体を預けたまま、熱くまくしたてるイスマヨールをチラっと視る目つきとかに、『現地人を見下したアメリカ資本』のイヤらしさがあって、良かったです。マヤさんという大先輩と、短い時間ながらもがっつりやりあうお芝居ができて、最後にいい思い出になるんじゃないかなー。……今はまだ、手も足も出てない感じでしたけれども。
ここでイスマヨールの焦燥感(俺は何をしているんだ)という思いを引き出すことができると、この後のネロとの密輸の話がすんなりいくと思うので、らぎちゃんの役は結構大事なんだよね、と思いました。
ここで言う「密輸」の材料は、たぶん砂糖なんだよね?砂糖はこのとき、専売になっているはずだから。マイアミマフィア(キタロウ)に目をつけられるくらいだからヘロインかなーとも思ったのですが、自分とこの作物に自信を持っているイスマヨールが、気軽に「よしやろう!」「とにかくやろう」で始める密輸だから、商材自体は合法で、ただ横流しなだけかなー、と。
らぎちゃんたちは、『専売だからこれ以上の値段をつけるところはない』ことを知っていて買い付けに来ているから、あんなに上から目線で横柄なのか、
それとも、彼ら自身も密輸している可能性もあるのでしょうか?(専売だったら彼らの出る幕ないはず…ですよね)
うーん、どうなんでしょうねぇ…。
しかし……そうなると、らぎちゃんたちの企業が「イスマヨールのところは、うちを拒否してどこに売ってやがるんだ?」と調べ始めたら、彼らのやっていることは一発でバレちゃうと思うんだけど……
芝居としては、らぎちゃんの出番はここだけ。
あとは「コロス」としての出番のみになりますが。
……レッスン、がんばったんだろうなあ(*^ ^*)。
すっごくキレイに踊ってました。元々スタイルが良いから、コロス系のああいうスーツダンスが映えるタイプではあるんですけど。それにしても巧くなってた!がんばったんだね。ダンサーではないけど、なんたってホラ、ダブルターンちゃんと回ってたよね!?
感動。やればできる。信じれば回れる!(←某研17のことを思い浮かべたのはいうまでもない)最後の公演でこんな感動をくれるなんて…ありがとう、らぎちゃん。ファンの一人として、幸せをかみ締めています。
コロスしか出番のない時間が長い(約1時間半?)ので、ものすごく目立つど金髪がとてもありがたいです。金髪の人他にいないから、すぐ判る。しかも、ライトがなくても肌が白いから結構貌がちゃんと見える♪もしかして、アメリカ人の役を振ったのは卒業生への正塚さんの愛なのか?(笑)。
らぎちゃんの場面は、イスマヨールのキャラクターを表現するための場面であって、その後の物語にはあまり関わってこないんですが。
でも。たとえばテルくん(CIA)は、基本的にはらぎちゃんサイドの利益を守るために駐在しているんですよね。マイアミマフィアではなく、あくまでも“アメリカ資本”の利益を守るために。
だから、テルくんの言動を見ながら「らぎちゃんを守りたいんだなー」と思うとちょっと萌えます。(←全然関係ないから)
せっかくの美形二人、(私が観るようになってからは)ショーでも芝居でも、ついに絡むことなく終わるんだなー、と、それがとても残念です。
「マリポーサの花」は、正塚晴彦やりたい放題!な作品なワケですが。
正塚作品の永遠のテーマといえば「自分探し」だというのは定説、ってことにして良いでしょうか…?
月組の「マジシャンの憂鬱」の時に。
私は、
正塚さんが描きたいのは「人間」そのものではなく「人と人との関わり」なのだ
と思う、ということを書きました。
だから、
彼の主人公には「逃れたい過去」あるいは「忘れたい過去」があり、
それ故に、誰かとかかわりを持つことに恐れをいだきつつ、
常に「自分の居場所を探して」いて、
彼がついに「人間関係を修復し(主に運命の女との出会いによる)」、「自分の居場所を見つけた」時に「物語は終わる」のだ、と。
でも。
ここ数年の正塚作品は、そうじゃないんですね。
「マジシャンの憂鬱」のシャンドールは、最初から一つの居場所=大勢の居候を抱えた邸、を持っていました。
捨ててきた過去、も、「忘れられない過去」も、何も無かった。
あるいは、過去の幻影から完全に逃げ切った男、だった。
「マリポーサの花」のネロは、「店」を持っている。
捨てた過去はあるけれども、彼はもう「自分の居場所を探して」はいない。自分のやるべきこと、やれることを見据えて、“やれることをやる”を実行している。
過去の事実(自分の犯した罪=サルディバルへの助力)から逃げることなく、“あの頃”と同じ希望を抱いて一歩づつ歩もうとする誠実な男。−−−−−「ブエノスアイレスの風」のニコラスが、「CROSSROAD」のアルフォンソが、迷いに迷って、大事な人を喪ってはじめて見出した真実に、最初から気がついている。
だから。
ネロ、というキャラクターに一番近いのは、ニコラスのその後なのだと思う。
“ブエノスアイレスの風”も再演を控えているのでネタバレは避けますが、この二つの作品を同じ時期に東京で上演するのは、それなりに意味があるんじゃないか、と思っています。
(いや、あの、もちろん「ブエノスー」の舞台はキューバじゃないし、サルサじゃなくてタンゴだし、実際には全然関係ないですからね!!念のため)
ネロが、典型的な正塚作品の主人公の3年後(自分の居場所に完全に落ち着いた頃)だとするならば。
エスコバルは、正塚作品では結構珍しいキャラクターのような気がするのですが、どうなのでしょうか。私は「ブエノスアイレス」以前の正塚作品を知らないので、すごーく適当なことを書いているような気がしてならないのですが。
エスコバルの冷静なカッコよさと、人間としての卑小さ、そのギャップの大きい造形は、すっごく正塚好みのような気もするし、やっぱりユミコさんのキャラクターあってこそなのかなー、とも思うし…考えれば考えるほど、よくわからなくなってきます。
でも!
とにかく、エスコバルは超カッコイイ!!
いづるんじゃないけど、「豹よ、豹!」って感じ。飼いならされていない美しさ。ネロの手からしか餌を食わない、野生の生き物。
ネロとエスコバルの、なんというか濃すぎる関係、っていうのはいろいろな妄想を呼ぶわけですが(←私だけ?)。
軍隊生活長かったみたいだから、多少そんな関係があったって不思議じゃないし、なくたって不思議じゃない。あったとしても、それがネロ×エスコバルなのかエスコバル×ネロなのか、そんなことは本当にどうだっていいし。
ただ、二人がどちらも依存していないのが素敵でした。
お互いがお互いを「なくてはならないもの」と認識していながら、決して依存はしていない。1+1の関係。
こういう話で、しかもこういうキャラクターだと、割と依存しあった異常な関係になりやすいので、そのあたりのバランスを見事にとった役者二人と正塚さんには拍手を贈りたいです。
二人の過去について妄想をたくましくすることを許されるならば。
二人の恋人関係を想像するよりも、私は、エスコバルの恋人を想像してしまいます。たぶんその恋人は、サルディバルの革命で喪ったんだろう。…いやむしろ、ネロを救うための犠牲になったんじゃないか、と。
特殊部隊だったみたいだから、女性も居てもおかしくないし。
危険なところに取り残されて、救出が間に合わなかった、とか、
脱出行の殿軍を勤めた、とか。
エスコバルの、女性(アリシア)に対する露骨な忌避感。
ネロの、エスコバルに対する微妙な遠慮。そして、エスコバルの、ネロに対する微妙な感情なんかを観ていて、漠然と想像しただけですが。
それにしても、この二人の
「俺はお前の部下だった」
「お前は部下なんかじゃない!たった一人の親友だ!」
「そうか。…なら行けよ」
っていう、文字で書くと本当にしょうもないお惚気会話なんですけど。
エスコバルの「なら行けよ」が、ものすごくカッコイイ!と思いました。
…はい。ただの惚気です…。
こういう、対等な大人の男たちの会話がある一方で。
「一足飛びに理想を実現できないのなら、行動の意味がない」というリナレスの主張は、青臭い理想主義にすぎません。
それでも、リナレスの熱はネロの心を炙るのですけれども。
こういう、自らの熱で周囲の人を巻き込むタイプのキャラクターは、キムちゃんの嵌り役だなあと思いました。
ベッドの上で、うわごとのように「ラジオを聴いていればわかるのに…」と呟く彼の熱に、
煽られて、絆されて、炙られて。
今の雪組、メンバーの組み合わせの妙が凄いな、と思いました。
人間味の強い、やさしすぎるほど優しい芝居をする水くん。
どちらかといえば、寂しがりやで見た目をクールに繕ったような役を得意とするユミコさん。(情熱を表に出さずに秘めている役がカッコイイ)
熱くて、吸引力があって、回りを引っ張り込む力のあるキムちゃん。
そして、
文句無く美しい「ファム・ファタール」、となみちゃん。
正塚晴彦は、宝塚らしくない作品を作ると思われていますが。
ものすごく宝塚らしい!と思うのは、恋に理屈を言わないところ。
トップスターとトップ娘役が出会えば、恋に落ちるのが当然だ、という“真実”があるから、面倒なやりとりはすっ飛ばせる。
「マジシャンの憂鬱」みたいに、いずれ恋に落ちるのは当然、の前提で、そこに至る過程を楽しむ作品もありますが、
今回は、男たちの過去と現在を語るのに精一杯で、運命の女との恋物語に費やす時間はない。だから、そこはさらっと「俺はすでに、ある予感を持ってセリア(白羽ゆり)を見凝めていた」ですませて、ネロの心情を描くことに徹している。
その辺の戦略も、見事だと思いました。
(これでセリアとの恋まで丁寧に描き始めたら、それこそフィナーレやってる時間なかったと思う)
これで、テルくんのCIAとキタロウのマイアミマフィアが、もう少し格好がつけばなー、作品としては完璧なんだけどなー(^ ^)。
まぁ、キタロウは正塚作品に良く出てくるの「ダメダメ悪」の典型なので、あんなものなのかもしれませんが、テルくんにはもうひとがんばり、「切れ者」感と「怖さ」が欲しいです。
特に、カフェの場面で。
なんていうのか、今はまだ「テルくんのロジャー」」になってなくて、誰かの芝居の「真似」をしているのが丸わかりで芝居が浮いているのが気になってしまって…(誰かの、っていうか、多分正塚さんの見本どおりにやろうとしているんじゃないかしら、と…)
あんまり頭で作った演技が出来るタイプだとは思えないのですが、もう少し「ロジャーってそもそも何がしたいんだ?」を考えてみるといいんじゃないかな、と思いました。
とはいえ、あの酷薄な目つきは天性のものなんですよね♪最高に素敵です。できれば、ラファエル(彩那音)とリナレスを拷問する場面が観たいです!(←そんなこときっぱり宣言するなよ…)。
.
ネタバレはしません。たぶん。(←たぶん?)
まずは、じゃあ、らぎ(柊巴)ちゃんの話から。
らぎちゃん、お芝居では、マヤ(未沙のえる)さん扮する大農園主・イスマヨールの作物を買い付けに来たアメリカ企業の営業マン(?)。
タイトミニのスーツを着たミナコ(愛原実花)ちゃんと二人、首を縦に振らないイスマヨールをちょっと持て余し気味。
ちょっとミナコちゃんがエキセントリックなキャラづくりで、“そ、それじゃあ商談はうまくいかないよ……”と普通に思ってしまうのですが(汗)、らぎちゃん自身、営業マンとしてはあんまり有能な感じがしないよー(T T)。
うーん、でもド金髪をべったりなでつけた髪、嫌味なくらい真っ白な肌、そして椅子の背に身体を預けたまま、熱くまくしたてるイスマヨールをチラっと視る目つきとかに、『現地人を見下したアメリカ資本』のイヤらしさがあって、良かったです。マヤさんという大先輩と、短い時間ながらもがっつりやりあうお芝居ができて、最後にいい思い出になるんじゃないかなー。……今はまだ、手も足も出てない感じでしたけれども。
ここでイスマヨールの焦燥感(俺は何をしているんだ)という思いを引き出すことができると、この後のネロとの密輸の話がすんなりいくと思うので、らぎちゃんの役は結構大事なんだよね、と思いました。
ここで言う「密輸」の材料は、たぶん砂糖なんだよね?砂糖はこのとき、専売になっているはずだから。マイアミマフィア(キタロウ)に目をつけられるくらいだからヘロインかなーとも思ったのですが、自分とこの作物に自信を持っているイスマヨールが、気軽に「よしやろう!」「とにかくやろう」で始める密輸だから、商材自体は合法で、ただ横流しなだけかなー、と。
らぎちゃんたちは、『専売だからこれ以上の値段をつけるところはない』ことを知っていて買い付けに来ているから、あんなに上から目線で横柄なのか、
それとも、彼ら自身も密輸している可能性もあるのでしょうか?(専売だったら彼らの出る幕ないはず…ですよね)
うーん、どうなんでしょうねぇ…。
しかし……そうなると、らぎちゃんたちの企業が「イスマヨールのところは、うちを拒否してどこに売ってやがるんだ?」と調べ始めたら、彼らのやっていることは一発でバレちゃうと思うんだけど……
芝居としては、らぎちゃんの出番はここだけ。
あとは「コロス」としての出番のみになりますが。
……レッスン、がんばったんだろうなあ(*^ ^*)。
すっごくキレイに踊ってました。元々スタイルが良いから、コロス系のああいうスーツダンスが映えるタイプではあるんですけど。それにしても巧くなってた!がんばったんだね。ダンサーではないけど、なんたってホラ、ダブルターンちゃんと回ってたよね!?
感動。やればできる。信じれば回れる!(←某研17のことを思い浮かべたのはいうまでもない)最後の公演でこんな感動をくれるなんて…ありがとう、らぎちゃん。ファンの一人として、幸せをかみ締めています。
コロスしか出番のない時間が長い(約1時間半?)ので、ものすごく目立つど金髪がとてもありがたいです。金髪の人他にいないから、すぐ判る。しかも、ライトがなくても肌が白いから結構貌がちゃんと見える♪もしかして、アメリカ人の役を振ったのは卒業生への正塚さんの愛なのか?(笑)。
らぎちゃんの場面は、イスマヨールのキャラクターを表現するための場面であって、その後の物語にはあまり関わってこないんですが。
でも。たとえばテルくん(CIA)は、基本的にはらぎちゃんサイドの利益を守るために駐在しているんですよね。マイアミマフィアではなく、あくまでも“アメリカ資本”の利益を守るために。
だから、テルくんの言動を見ながら「らぎちゃんを守りたいんだなー」と思うとちょっと萌えます。(←全然関係ないから)
せっかくの美形二人、(私が観るようになってからは)ショーでも芝居でも、ついに絡むことなく終わるんだなー、と、それがとても残念です。
「マリポーサの花」は、正塚晴彦やりたい放題!な作品なワケですが。
正塚作品の永遠のテーマといえば「自分探し」だというのは定説、ってことにして良いでしょうか…?
月組の「マジシャンの憂鬱」の時に。
私は、
正塚さんが描きたいのは「人間」そのものではなく「人と人との関わり」なのだ
と思う、ということを書きました。
だから、
彼の主人公には「逃れたい過去」あるいは「忘れたい過去」があり、
それ故に、誰かとかかわりを持つことに恐れをいだきつつ、
常に「自分の居場所を探して」いて、
彼がついに「人間関係を修復し(主に運命の女との出会いによる)」、「自分の居場所を見つけた」時に「物語は終わる」のだ、と。
でも。
ここ数年の正塚作品は、そうじゃないんですね。
「マジシャンの憂鬱」のシャンドールは、最初から一つの居場所=大勢の居候を抱えた邸、を持っていました。
捨ててきた過去、も、「忘れられない過去」も、何も無かった。
あるいは、過去の幻影から完全に逃げ切った男、だった。
「マリポーサの花」のネロは、「店」を持っている。
捨てた過去はあるけれども、彼はもう「自分の居場所を探して」はいない。自分のやるべきこと、やれることを見据えて、“やれることをやる”を実行している。
過去の事実(自分の犯した罪=サルディバルへの助力)から逃げることなく、“あの頃”と同じ希望を抱いて一歩づつ歩もうとする誠実な男。−−−−−「ブエノスアイレスの風」のニコラスが、「CROSSROAD」のアルフォンソが、迷いに迷って、大事な人を喪ってはじめて見出した真実に、最初から気がついている。
だから。
ネロ、というキャラクターに一番近いのは、ニコラスのその後なのだと思う。
“ブエノスアイレスの風”も再演を控えているのでネタバレは避けますが、この二つの作品を同じ時期に東京で上演するのは、それなりに意味があるんじゃないか、と思っています。
(いや、あの、もちろん「ブエノスー」の舞台はキューバじゃないし、サルサじゃなくてタンゴだし、実際には全然関係ないですからね!!念のため)
ネロが、典型的な正塚作品の主人公の3年後(自分の居場所に完全に落ち着いた頃)だとするならば。
エスコバルは、正塚作品では結構珍しいキャラクターのような気がするのですが、どうなのでしょうか。私は「ブエノスアイレス」以前の正塚作品を知らないので、すごーく適当なことを書いているような気がしてならないのですが。
エスコバルの冷静なカッコよさと、人間としての卑小さ、そのギャップの大きい造形は、すっごく正塚好みのような気もするし、やっぱりユミコさんのキャラクターあってこそなのかなー、とも思うし…考えれば考えるほど、よくわからなくなってきます。
でも!
とにかく、エスコバルは超カッコイイ!!
いづるんじゃないけど、「豹よ、豹!」って感じ。飼いならされていない美しさ。ネロの手からしか餌を食わない、野生の生き物。
ネロとエスコバルの、なんというか濃すぎる関係、っていうのはいろいろな妄想を呼ぶわけですが(←私だけ?)。
軍隊生活長かったみたいだから、多少そんな関係があったって不思議じゃないし、なくたって不思議じゃない。あったとしても、それがネロ×エスコバルなのかエスコバル×ネロなのか、そんなことは本当にどうだっていいし。
ただ、二人がどちらも依存していないのが素敵でした。
お互いがお互いを「なくてはならないもの」と認識していながら、決して依存はしていない。1+1の関係。
こういう話で、しかもこういうキャラクターだと、割と依存しあった異常な関係になりやすいので、そのあたりのバランスを見事にとった役者二人と正塚さんには拍手を贈りたいです。
二人の過去について妄想をたくましくすることを許されるならば。
二人の恋人関係を想像するよりも、私は、エスコバルの恋人を想像してしまいます。たぶんその恋人は、サルディバルの革命で喪ったんだろう。…いやむしろ、ネロを救うための犠牲になったんじゃないか、と。
特殊部隊だったみたいだから、女性も居てもおかしくないし。
危険なところに取り残されて、救出が間に合わなかった、とか、
脱出行の殿軍を勤めた、とか。
エスコバルの、女性(アリシア)に対する露骨な忌避感。
ネロの、エスコバルに対する微妙な遠慮。そして、エスコバルの、ネロに対する微妙な感情なんかを観ていて、漠然と想像しただけですが。
それにしても、この二人の
「俺はお前の部下だった」
「お前は部下なんかじゃない!たった一人の親友だ!」
「そうか。…なら行けよ」
っていう、文字で書くと本当にしょうもないお惚気会話なんですけど。
エスコバルの「なら行けよ」が、ものすごくカッコイイ!と思いました。
…はい。ただの惚気です…。
こういう、対等な大人の男たちの会話がある一方で。
「一足飛びに理想を実現できないのなら、行動の意味がない」というリナレスの主張は、青臭い理想主義にすぎません。
それでも、リナレスの熱はネロの心を炙るのですけれども。
こういう、自らの熱で周囲の人を巻き込むタイプのキャラクターは、キムちゃんの嵌り役だなあと思いました。
ベッドの上で、うわごとのように「ラジオを聴いていればわかるのに…」と呟く彼の熱に、
煽られて、絆されて、炙られて。
今の雪組、メンバーの組み合わせの妙が凄いな、と思いました。
人間味の強い、やさしすぎるほど優しい芝居をする水くん。
どちらかといえば、寂しがりやで見た目をクールに繕ったような役を得意とするユミコさん。(情熱を表に出さずに秘めている役がカッコイイ)
熱くて、吸引力があって、回りを引っ張り込む力のあるキムちゃん。
そして、
文句無く美しい「ファム・ファタール」、となみちゃん。
正塚晴彦は、宝塚らしくない作品を作ると思われていますが。
ものすごく宝塚らしい!と思うのは、恋に理屈を言わないところ。
トップスターとトップ娘役が出会えば、恋に落ちるのが当然だ、という“真実”があるから、面倒なやりとりはすっ飛ばせる。
「マジシャンの憂鬱」みたいに、いずれ恋に落ちるのは当然、の前提で、そこに至る過程を楽しむ作品もありますが、
今回は、男たちの過去と現在を語るのに精一杯で、運命の女との恋物語に費やす時間はない。だから、そこはさらっと「俺はすでに、ある予感を持ってセリア(白羽ゆり)を見凝めていた」ですませて、ネロの心情を描くことに徹している。
その辺の戦略も、見事だと思いました。
(これでセリアとの恋まで丁寧に描き始めたら、それこそフィナーレやってる時間なかったと思う)
これで、テルくんのCIAとキタロウのマイアミマフィアが、もう少し格好がつけばなー、作品としては完璧なんだけどなー(^ ^)。
まぁ、キタロウは正塚作品に良く出てくるの「ダメダメ悪」の典型なので、あんなものなのかもしれませんが、テルくんにはもうひとがんばり、「切れ者」感と「怖さ」が欲しいです。
特に、カフェの場面で。
なんていうのか、今はまだ「テルくんのロジャー」」になってなくて、誰かの芝居の「真似」をしているのが丸わかりで芝居が浮いているのが気になってしまって…(誰かの、っていうか、多分正塚さんの見本どおりにやろうとしているんじゃないかしら、と…)
あんまり頭で作った演技が出来るタイプだとは思えないのですが、もう少し「ロジャーってそもそも何がしたいんだ?」を考えてみるといいんじゃないかな、と思いました。
とはいえ、あの酷薄な目つきは天性のものなんですよね♪最高に素敵です。できれば、ラファエル(彩那音)とリナレスを拷問する場面が観たいです!(←そんなこときっぱり宣言するなよ…)。
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