abcホールにて、激富公演「Angl Fang -天使の牙-」を観劇いたしました
もと宙組の藤咲えりちゃんがゲスト出演するということで観に行ったのですが、面白かったです!
物語は、古事記に魏志倭人伝を足して3で割って、四神伝説を加えたような感じでした(←たぶんちがう)
女王ヒミコ(椎名桂子)が治める邪馬台国は、周囲の各国を侵略して倭国に覇をとなえんと戦争を繰り返す強国。邪馬台国の侵略に怯える平和な国の代表は、王女テラス(藤咲えり)が護る箕直(みなくり)国、そして、王女タケヤ(中園彩香)がまとめる樫宮(かしみや)国。
ヒミコは先王の王妃から女王になった人物、テラスとタケヤはどちらも父親である国王の娘。3国とも女性が支配者であることに特別な意味はない…というか、「当時の政治体制は女がシャーマンとして国を治めるのが当たり前だった」的な設定ではありませんでしたが、三者三様の在り方で描かれていて、うまいなーと思いました。
邪馬台国が滅びた後の展開にはちょっと驚きましたが、そこまでの展開は、魏との関係を含め、すごく刺激的で面白かったと思います。
男優陣もみなさん魅力的だったのですが、それ以上に、女優陣がとても魅力的で、印象に残りました。
一方の主役というべき立役のヒミコは、椎名桂子さん。プログラムの写真だと普通に可愛らしい感じの方ですが、濃い目の舞台メイクで化けた姿はとても美しく、強烈な迫力がありました。
運命に翻弄されたというよりは、羨望の念や嫉妬心から間違った道に踏み込んだ異能者の哀しさをきちんと表現していて、えりちゃんの透明感との対比が素晴らしかったです。ヒミコが良かったからこそ、えりちゃんの涼やかさが際立ってみえて、その魅力が活きたのだと思いました。
タケヤ姫の中園さんは、とても愛くるしい雰囲気のある女優さんで、役柄にもぴったりでした。えりちゃんのテラス姫と幼馴染みという設定なのに、二人で並ぶ場面がなくて、とても残念。重たい秘密を抱えていながら、それを感じさせない柔らかな立ち姿がとても素敵でした。
テラスに従う箕直国の女将、キヨメ(上田晴海)。殺陣の鮮やかさに見惚れました。恰好良い~~~!!
宿命の命じるままにテラスを護り、「無償の愛」を教えるキヨメの巨きさがあってこその、ラストの選択だと思うのですが、その説得力が見事でした。
ヒミコの下で参謀的な役割を果たす副官・マガヒメ(染谷有香)。今回の舞台で、えりちゃん以外で一番印象に残った人でした。
美人でクールでキリッとしてて、ストイックな色気があって。ヒミコとの並びがとても良いなと思っていたら、“それ以上の仲”でしたが(滝汗)、なにをやっても清潔感のある、不思議な頑なさが、とてもキレイでした(はぁと)。
身のこなしも鮮やかで、恰好良かった!ちょっと「シャングリラ」の霙を思い出す雰囲気があって、この役も、えりちゃんが演じたらまた違うんだろうなーと思ったら、猛然と観たくなったりしました(^ ^)。……いや、染谷さんがとても素敵だったからこんな妄想を考えてしまうってだけですねすみません。
謎の歌人・サエズの結奈さん。白い神子衣装で、神の声を謡う不思議な存在(少年?)ですが、透明感のある美しい声が印象的でした。途中の一曲をえりちゃんとデュエットするのですが、不思議なくらい声がよく合っていて、美しいハーモニーでした(*^ ^*)。
肝心のえりちゃんは、「神の子」テラス役。
恋人(はだ一朗)によって父親を殺され、国を滅ぼされるところから物語が始まるのですが、過去と現在が錯綜する演出も、ちょっとした表情や声でしっかり表現してくれて、違和感なく、混乱もなく話をつなげられていたと思います(*^ ^*)。
危険なほどの一途な頑なさと、恋に迷う不安定さの両方が彼女の中に矛盾なくあって、恋に溺れても堕ちない清潔感とか、迷いを振り捨てたときの神々しいまでの美しさとか、、、ラスト前、ヒミコと凝っと見詰めあう場面のパワーのぶつかりあいも、えりちゃんならではの役だったな、と思いました。
見た目のかわいらしさはもちろんなんですけど、今回特に印象に残ったのは、その涼やかな「声」の魅力でした。昔から私はえりちゃんの声が好きで、好きで、大好き!!なのですが(汗)、今回の「神の子」という設定は、やっぱり「神の声」を持っているからこそなんですよね、たぶん。
途中でちょっと歌も歌ってくれるのですが、心に沁みる静かな声で、、、本当に綺麗だなあと。心にはいろんなドロドロしたものを抱えていても、表現形として非常に「綺麗」なものに昇華して舞台に載せてくれるのがえりちゃんの凄いところだと思っているので、「人の子」として嘆き、苦しむ「神の子」という存在は、まさに宛書きなんだろうなと思いました。
そして、殺陣。
娘役の割にはやっている方……ですよね?「シャングリラ」、「美しき生涯」新人公演、「逆裁」のフランジスカ、、、「誰がため」は銃を持ってたけど殺陣はなかったかな。まあでも、このくらいやっていれば十分「やっている方」ですよね。
もちろん、今回の参加者はほとんどが殺陣を売りにしている方々なので、その中に入ると、動きは綺麗だけど迫力のない……というか、ぶっちゃけ、見た目は派手だけどリアル感のない「殺陣ダンス」でしかない、のですが。。。いやでも、殺陣の相手を務めてくださった方々(主に、はださん)がめっちゃ恰好良いので、かなりサマになっていたと思います!(贔屓目?)
……いやはや、みなさんの殺陣が恰好良すぎて、それを観ているだけで幸せでした(はぁと)(結論)(←え?)
激富(げきとん)は、フランキー仲村さんが主宰する関西拠点の劇団。「激富」の「富」は「富田林」の「富(とん)」らしいです。
私は初観劇でしたが、演出の雰囲気や音楽の使い方が劇団☆新感線っぽいなーと思っていたら、仲村さんが新感線出身ときいて納得(^ ^)。あと、台詞回しが野田系っぽい役者が何人かいて、日本の小劇場世界は意外に狭いのかも、と思いました(^ ^;ゞ
あまり宝塚とは接点が無さそうなのに、どういう経緯でえりちゃんが出演することになったのかなあ?と不思議に思っていたのですが、激富さん側の希望は「宝塚の卒業生」というだけで、特に誰というのはなかったみたいですね。
(座長のフランキー仲村さんがパンフレットで熱く語っていらっしゃいましたが、えりちゃんの舞台は観たことがなかったらしい)(OGが出演するのは初めてだそうです)
実際に演じた役柄が先にあって、「清冽な透明感と清らかさのある娘役で、殺陣の経験者」を希望していて、その通りの人を紹介してもらえた感じだったのか、えりちゃんを紹介されたので、彼女に宛ててああいう役になったのか、どっちかな、、、?と思いつつ。
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もと宙組の藤咲えりちゃんがゲスト出演するということで観に行ったのですが、面白かったです!
物語は、古事記に魏志倭人伝を足して3で割って、四神伝説を加えたような感じでした(←たぶんちがう)
女王ヒミコ(椎名桂子)が治める邪馬台国は、周囲の各国を侵略して倭国に覇をとなえんと戦争を繰り返す強国。邪馬台国の侵略に怯える平和な国の代表は、王女テラス(藤咲えり)が護る箕直(みなくり)国、そして、王女タケヤ(中園彩香)がまとめる樫宮(かしみや)国。
ヒミコは先王の王妃から女王になった人物、テラスとタケヤはどちらも父親である国王の娘。3国とも女性が支配者であることに特別な意味はない…というか、「当時の政治体制は女がシャーマンとして国を治めるのが当たり前だった」的な設定ではありませんでしたが、三者三様の在り方で描かれていて、うまいなーと思いました。
邪馬台国が滅びた後の展開にはちょっと驚きましたが、そこまでの展開は、魏との関係を含め、すごく刺激的で面白かったと思います。
男優陣もみなさん魅力的だったのですが、それ以上に、女優陣がとても魅力的で、印象に残りました。
一方の主役というべき立役のヒミコは、椎名桂子さん。プログラムの写真だと普通に可愛らしい感じの方ですが、濃い目の舞台メイクで化けた姿はとても美しく、強烈な迫力がありました。
運命に翻弄されたというよりは、羨望の念や嫉妬心から間違った道に踏み込んだ異能者の哀しさをきちんと表現していて、えりちゃんの透明感との対比が素晴らしかったです。ヒミコが良かったからこそ、えりちゃんの涼やかさが際立ってみえて、その魅力が活きたのだと思いました。
タケヤ姫の中園さんは、とても愛くるしい雰囲気のある女優さんで、役柄にもぴったりでした。えりちゃんのテラス姫と幼馴染みという設定なのに、二人で並ぶ場面がなくて、とても残念。重たい秘密を抱えていながら、それを感じさせない柔らかな立ち姿がとても素敵でした。
テラスに従う箕直国の女将、キヨメ(上田晴海)。殺陣の鮮やかさに見惚れました。恰好良い~~~!!
宿命の命じるままにテラスを護り、「無償の愛」を教えるキヨメの巨きさがあってこその、ラストの選択だと思うのですが、その説得力が見事でした。
ヒミコの下で参謀的な役割を果たす副官・マガヒメ(染谷有香)。今回の舞台で、えりちゃん以外で一番印象に残った人でした。
美人でクールでキリッとしてて、ストイックな色気があって。ヒミコとの並びがとても良いなと思っていたら、“それ以上の仲”でしたが(滝汗)、なにをやっても清潔感のある、不思議な頑なさが、とてもキレイでした(はぁと)。
身のこなしも鮮やかで、恰好良かった!ちょっと「シャングリラ」の霙を思い出す雰囲気があって、この役も、えりちゃんが演じたらまた違うんだろうなーと思ったら、猛然と観たくなったりしました(^ ^)。……いや、染谷さんがとても素敵だったからこんな妄想を考えてしまうってだけですねすみません。
謎の歌人・サエズの結奈さん。白い神子衣装で、神の声を謡う不思議な存在(少年?)ですが、透明感のある美しい声が印象的でした。途中の一曲をえりちゃんとデュエットするのですが、不思議なくらい声がよく合っていて、美しいハーモニーでした(*^ ^*)。
肝心のえりちゃんは、「神の子」テラス役。
恋人(はだ一朗)によって父親を殺され、国を滅ぼされるところから物語が始まるのですが、過去と現在が錯綜する演出も、ちょっとした表情や声でしっかり表現してくれて、違和感なく、混乱もなく話をつなげられていたと思います(*^ ^*)。
危険なほどの一途な頑なさと、恋に迷う不安定さの両方が彼女の中に矛盾なくあって、恋に溺れても堕ちない清潔感とか、迷いを振り捨てたときの神々しいまでの美しさとか、、、ラスト前、ヒミコと凝っと見詰めあう場面のパワーのぶつかりあいも、えりちゃんならではの役だったな、と思いました。
見た目のかわいらしさはもちろんなんですけど、今回特に印象に残ったのは、その涼やかな「声」の魅力でした。昔から私はえりちゃんの声が好きで、好きで、大好き!!なのですが(汗)、今回の「神の子」という設定は、やっぱり「神の声」を持っているからこそなんですよね、たぶん。
途中でちょっと歌も歌ってくれるのですが、心に沁みる静かな声で、、、本当に綺麗だなあと。心にはいろんなドロドロしたものを抱えていても、表現形として非常に「綺麗」なものに昇華して舞台に載せてくれるのがえりちゃんの凄いところだと思っているので、「人の子」として嘆き、苦しむ「神の子」という存在は、まさに宛書きなんだろうなと思いました。
そして、殺陣。
娘役の割にはやっている方……ですよね?「シャングリラ」、「美しき生涯」新人公演、「逆裁」のフランジスカ、、、「誰がため」は銃を持ってたけど殺陣はなかったかな。まあでも、このくらいやっていれば十分「やっている方」ですよね。
もちろん、今回の参加者はほとんどが殺陣を売りにしている方々なので、その中に入ると、動きは綺麗だけど迫力のない……というか、ぶっちゃけ、見た目は派手だけどリアル感のない「殺陣ダンス」でしかない、のですが。。。いやでも、殺陣の相手を務めてくださった方々(主に、はださん)がめっちゃ恰好良いので、かなりサマになっていたと思います!(贔屓目?)
……いやはや、みなさんの殺陣が恰好良すぎて、それを観ているだけで幸せでした(はぁと)(結論)(←え?)
激富(げきとん)は、フランキー仲村さんが主宰する関西拠点の劇団。「激富」の「富」は「富田林」の「富(とん)」らしいです。
私は初観劇でしたが、演出の雰囲気や音楽の使い方が劇団☆新感線っぽいなーと思っていたら、仲村さんが新感線出身ときいて納得(^ ^)。あと、台詞回しが野田系っぽい役者が何人かいて、日本の小劇場世界は意外に狭いのかも、と思いました(^ ^;ゞ
あまり宝塚とは接点が無さそうなのに、どういう経緯でえりちゃんが出演することになったのかなあ?と不思議に思っていたのですが、激富さん側の希望は「宝塚の卒業生」というだけで、特に誰というのはなかったみたいですね。
(座長のフランキー仲村さんがパンフレットで熱く語っていらっしゃいましたが、えりちゃんの舞台は観たことがなかったらしい)(OGが出演するのは初めてだそうです)
実際に演じた役柄が先にあって、「清冽な透明感と清らかさのある娘役で、殺陣の経験者」を希望していて、その通りの人を紹介してもらえた感じだったのか、えりちゃんを紹介されたので、彼女に宛ててああいう役になったのか、どっちかな、、、?と思いつつ。
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コメント
私はきっと観る事のない外の舞台ですが、こうやって外に出て個性をきちんと活かせる役に巡り合えているのはヅカファンとしても嬉しいですね。
美しい声と共に品があって独特のムードを持ってらしたエリちゃん。どんどん活躍なさって欲しいです。
第一ホテルも行きたいですが、今の私には財力の限界です。
(実は富山にウタコさんのミーマイを観に行く)
で、えりちゃんの活躍は嬉しい。
私もあの声が大好きなので本当にどんどん出てきてほしいです。
なかなか直接聞きに行けなくて悔しいですが
東京のコンサートとかはお誘いくださいませ
> 美しい声と共に品があって独特のムードを持ってらしたエリちゃん。どんどん活躍なさって欲しいです。
なんだか、自分が誉められたみたいに嬉しいです(*^ ^*)。
もし、今後何かの機会がありましたら、ぜひぜひ観てあげてください♪
> (実は富山にウタコさんのミーマイを観に行く)
あららん、それはとっても残念だけど、反面だいぶ羨ましい(^ ^)
> 私もあの声が大好きなので本当にどんどん出てきてほしいです。
さらに磨きがかかって、艶やかな良い声でしたよー♪
> なかなか直接聞きに行けなくて悔しいですが
> 東京のコンサートとかはお誘いくださいませ
はいっ!!次の出演が発表されたら、お誘いします!(^ ^)