新歌舞伎座にて、「陽だまりの樹」を観劇してまいりました。
手塚治虫の名作漫画を原作とした、幕末の時代劇。
女に弱い、やんちゃな蘭医に上川隆也、生真面目な青臭い武士に吉川晃司。なかなかの豪華キャストで、どうしても観たいと思っておりましたので、無事観ることができて良かったです。
舞台でのお芝居には慣れていない吉川の堅苦しさが、頑なに「徳川さま」を守ろうとする伊武谷万ニ郎役にぴったりでした。そして、いい加減に生きているように見えても、熱い心で「人を救う」ことに命を賭けられる若き医師手塚良庵の、時代を超えた軽やかさは上川によく似合っていたと思います。
ただ、、、さすがの上川も、もうそろそろ良い年なんだな、とは思ってしまいました(^ ^;ゞ
立派な大人なんだけど、中身が若い(いやむしろ子供)っていうのが彼の魅力で、だからこそドラマの「ステップファザーステップ」の「俺」みたいな役がひどく良く似合うわけですが。
こういう、年齢的にも立場的にも「ひたすら若い」役、ていうのは、さすがにそろそろ厳しいな、と。
同い年の吉川晃司は若く見えたんだけどなー、さかやきの武士姿のせいなのかなあ……。
あと、印象的だったのは、手塚良庵の父親である蘭医、石倉三郎。
ごく普通の、女好きでちょっといい加減で、でも真面目な医者で。
良庵の熱い心は、この父親譲りなんだろうなと素直に納得できる良い芝居でした。
ヒロインは高野志保さんだったのですが、印象としてはイマイチだったかなあ。もうちょっと、透明感というか、少女らしい頑なさが欲しかった役のような気がしました。
芸者役の花影アリスちゃんは、さすがの美しさ。ストーリーにまったく絡まなかったのが残念なくらい、綺麗でたおやかで、なかなかの色っぽさでした。
最後の挨拶は、基本的に上川隆也が仕切ってましたね。まあ、散々やってて慣れてるからなー。挨拶、関係各位へのお礼、そして宣伝と手慣れた調子でまとめていて、さすがでした。
吉川はおとなしく、振られたら喋る、て感じでした。私が観た日の前日はかなり彼が喋ったみたいで、「俺は昨日ので反省したから今日はおとなしくしとく」みたいなことを言ってました(^ ^)。
物語としては、長い話をダイジェストにしているせいか、どのエピソードも中途半端な感じが否めませんでしたが、最後に向かっての盛り上がりはさすがでした。
幕末という時代を生きることの難しさ。何が正しいのか、「どっちが前なのか」がわからない時代に、自分の信じた方向が「前」なのだという信念を持ち続けることの難しさ。
彼らの生きた時代。
今の私たちが生きる時代。
「どっちが前なのか」に悩むのは同じだけど、その方向はだいぶ違うんだろうな、なんてことを考えながら帰りました。
生き延びて、末に手塚治虫につながった手塚家の系譜。
夢を抱いて「時代」を走り抜けた若者たちに、乾杯。
【7月1日まで、あと43日】
手塚治虫の名作漫画を原作とした、幕末の時代劇。
女に弱い、やんちゃな蘭医に上川隆也、生真面目な青臭い武士に吉川晃司。なかなかの豪華キャストで、どうしても観たいと思っておりましたので、無事観ることができて良かったです。
舞台でのお芝居には慣れていない吉川の堅苦しさが、頑なに「徳川さま」を守ろうとする伊武谷万ニ郎役にぴったりでした。そして、いい加減に生きているように見えても、熱い心で「人を救う」ことに命を賭けられる若き医師手塚良庵の、時代を超えた軽やかさは上川によく似合っていたと思います。
ただ、、、さすがの上川も、もうそろそろ良い年なんだな、とは思ってしまいました(^ ^;ゞ
立派な大人なんだけど、中身が若い(いやむしろ子供)っていうのが彼の魅力で、だからこそドラマの「ステップファザーステップ」の「俺」みたいな役がひどく良く似合うわけですが。
こういう、年齢的にも立場的にも「ひたすら若い」役、ていうのは、さすがにそろそろ厳しいな、と。
同い年の吉川晃司は若く見えたんだけどなー、さかやきの武士姿のせいなのかなあ……。
あと、印象的だったのは、手塚良庵の父親である蘭医、石倉三郎。
ごく普通の、女好きでちょっといい加減で、でも真面目な医者で。
良庵の熱い心は、この父親譲りなんだろうなと素直に納得できる良い芝居でした。
ヒロインは高野志保さんだったのですが、印象としてはイマイチだったかなあ。もうちょっと、透明感というか、少女らしい頑なさが欲しかった役のような気がしました。
芸者役の花影アリスちゃんは、さすがの美しさ。ストーリーにまったく絡まなかったのが残念なくらい、綺麗でたおやかで、なかなかの色っぽさでした。
最後の挨拶は、基本的に上川隆也が仕切ってましたね。まあ、散々やってて慣れてるからなー。挨拶、関係各位へのお礼、そして宣伝と手慣れた調子でまとめていて、さすがでした。
吉川はおとなしく、振られたら喋る、て感じでした。私が観た日の前日はかなり彼が喋ったみたいで、「俺は昨日ので反省したから今日はおとなしくしとく」みたいなことを言ってました(^ ^)。
物語としては、長い話をダイジェストにしているせいか、どのエピソードも中途半端な感じが否めませんでしたが、最後に向かっての盛り上がりはさすがでした。
幕末という時代を生きることの難しさ。何が正しいのか、「どっちが前なのか」がわからない時代に、自分の信じた方向が「前」なのだという信念を持ち続けることの難しさ。
彼らの生きた時代。
今の私たちが生きる時代。
「どっちが前なのか」に悩むのは同じだけど、その方向はだいぶ違うんだろうな、なんてことを考えながら帰りました。
生き延びて、末に手塚治虫につながった手塚家の系譜。
夢を抱いて「時代」を走り抜けた若者たちに、乾杯。
【7月1日まで、あと43日】
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