またね、またね、きっと、必ず…
2009年4月11日 宝塚(星) コメント (2)東京宝塚劇場にて、星組公演「My Dear NewOrleans/A bientot」を観劇してまいりました。
お芝居の話はあらためてさせていただくとして。
とりあえず、藤井さん渾身の「60分間のサヨナラショー」から。
思えば。
藤井さんの大劇場デビューは、ずんこさん(姿月あさと)のサヨナラ公演、「Glorius」でした。
あれ以来、というか、その前に観たドラマシティの「Alas」以来、私は藤井ショーのファンのまま今に至るわけですが。
……本当に、この人の造る「サヨナラ公演」って凶器なんだな、と。
噂には聞いていましたが、本当に「60分間のサヨナラショー」そのものだったことに改めて驚きました。特に、後半の怒涛のようなサヨナラ場面のてんこもりっぷりには。
溢れる涙は、止まる暇もなくて。
ラストの大階段でのソロの「時間を止めて」は、久々の凶器でした。
っていうか、星組さんのファンは大変だなあ…と思ったのは、幕が降りてからの送り出しの音楽としてトウコさんの「さよならみなさま」が流れてくること(T T)。
い、痛いよあれは……。あやうく、立てないかと思いました(泣)。
全体の構成は「Non-Stop」そのもの。
古びたレビュー小屋の妖精たちだけが知っている、夢のレビュー。
ショーの終盤、楽屋で物思いに沈むアランが立ち上がると、ふいにセットがハケて後ろの組子たちの笑顔が見えた瞬間の感動は、言葉では表せません。
そこからもう、パレードのラストまで涙が止まらなくて。いやー、藤井さんのサヨナラショーを甘く見てタオルを用意していなかった私の大失敗でした。
そして、そこから続く、あすか以外の組子ほとんど全員とトウコさんが絡む場面は、音楽こそ違いますけど全体の動きはほぼ「Glorious」と同じ。ずんこさんがサヨナラ公演で希望を訊かれて、「組子全員と絡みたい」と言った、というエピソードに沿った名場面を再び観ることができて幸せです。
組子たちに愛されて、組子を愛して、、、本当に、長くはないけれども幸せなトップ生活だったんじゃないかと思います。若い頃の抜擢ぶりを考えれば異例な遅さでの就任で、もしかしたらご本人には焦りもあったのかもしれないけれども、終わりよければ全て良し!なのではないでしょうか。
宝塚という枠を離れて、さらに自由になるために、今は精一杯、この大きな舞台と、大勢の仲間たちと、大編成のオーケストラと、眩いライトと、華やかな衣装と、、、そんなさまざまな“美しいもの”たちを、満喫してくださいね。
そして、あすかちゃん。
ああ。トップスターのサヨナラ公演というのは、あくまでも「トップスターのサヨナラ公演」なんだなあ、と思いました。
トップコンビのサヨナラ公演ではなく、あくまでもトップスターのサヨナラ公演。
藤井さん入魂の“60分間のサヨナラショー”は、あくまでも10人のサヨナラショーではなく、「安蘭けいのサヨナラショー」。
当たり前のことです。
宝塚なんだから、そんなの、当たり前。
だけど。
トップスターと次期トップのデュエットダンスはとても良い企画だと思うけど、なにもその二人で銀橋にまで出てこなくたっていいんじゃないのっ!?
トップコンビのデュエットダンス、とっても素敵だったのに、ちょっと短くない!?
あすかちゃんにも銀橋に出てほしかったよーーーーー。銀橋に出て、二人でポーズ決めて、それからあすかちゃんだけはけてトウコさんのソロ、でもいいじゃないかーーーーー(T T)。
あすかちゃんはあすかちゃんで、センターでの見せ場もたくさんもらって、贅沢すぎるって言われてしまいそうなんですけど。
“大女優エトワルアムール”のあまりの可愛らしさも、その美しさも、ジザベルの完璧なスタイルも、カンカンの圧倒的な華やかさも、エトワールのそれはそれは絶品の素晴らしさも、間違いなく素晴らしいプレゼントだったんですけど。
でも、コンビでの場面も、もっともっとほしかったなあ(T T)。
…すみません、欲深なファンでm(_ _)m。
それにしても、短いとはいえデュエットダンスの音楽が「愛の讃歌」というのは、拷問……と思う…(T T)。
しいちゃん。
ソロでの見せ場を貰うよりも(もちろん中詰めではソロありですが)、トウコさんとあすかちゃんの三人での場面を選んだんでしょうか。しいちゃんらしい?良い場面でした。あすかちゃんはあの素晴らしいスタイルを存分に見せ付けて美しかったし、しいちゃんはなんていうか、凄絶な迫力だった。
私にとって、しいちゃんのベストアクトは1に「ヘイズ・コード」、2に「スカーレット・ピンパーネル」だったので、ああいう優しいけどちょっと鈍感な紳士が最後に観られなかったことは残念でしたが、本当に美しい人だと改めて思いました(*^ ^*)。
あと2週間、かぁ。寂しくなるなあ…。
和くんは、(夢咲)ねねちゃんと一場面。ちょっとコミカルな場面でしたが、スターになって激しく踊る場面も伸び伸びしていて、幸せそうだったのが嬉しい。
キンさん(朝峰ひかり)、紫蘭ますみさん、涼乃かつきちゃん、星風エレナちゃん、一輝慎さん……皆、輝くような笑顔で踊ってましたね(; ;)。麻尋くんも、特別場面があったりとかはしなかったけど、なんていうか、不思議と目を惹く「卒業生オーラ」がありました。
……思う存分お見送りするのは大変そうですが、ファンの方、しっかりと見守ってあげてくださいませ(T T)。
歌劇誌の大劇場千秋楽の写真とか見ても、10人って多いんだなあ、と、しみじみ思います。
組ファンの皆様の心中を思うと、切ないです。
しかも、このチケットの無さがまた(涙)。通いたいのに通えない人、多そうだもんなあ…。観たい方々全てに、チケットがゆきわたりますように。(でも、私ももう一回観たいよ~~~!!)
そして、送り出す側に立った礼音くん。
プログラムの写真を一目見て、「ザ、ザネリ…」と思ったことは、正直に告白しておきます。
そういえば、あれも藤井さんでしたね。「イーハトーブ・夢」。ものすごく好きなバウ作品の一つですが。
…いやー、踊れるっていいですね。今回は、妖精役のせいか、割とバレエチックな振り付けが多かったので、本来の礼音くんの魅力がいつもより出ていたような気がします。
脚を上げるにしても、腕を挙げるにしても、やわらかく上がって高い位置で留まる、あの雰囲気がすごく好きなんですよ、私。肩や腰がぶれることなく、脚なら脚だけがすっと軽く上がるところも好き。どんだけ筋力があるんだ!といつも感動します(^ ^)。
だけど、男役として踊っているときはどうしてもビシっと上げてビシっと止まることを要求されがちなんですよねー。もちろん礼音くんはそういう踊り方もできるけど、やっぱり本来の踊りじゃないんだなー、と思うことがあるので。
メインで踊る鏡の場面は、振り付けが平澤さんなのでかなりテクニカル(?)なんですけど、すごく気に入りました。藤井さんお得意の(そしてよくキャスティングで失敗している)耽美系の場面ですが、今回は平澤さんの振り付けとあかし(彩海早矢)の色気に助けられた…かな?(^ ^;。
藤井さんって、主演にあわせて宛書するのは天才的なのに、二番手さんのキャラクターを間違えていることが多いので、博多座がちょっとだけ不安です。お願いだから、みっちゃんにドラキュラとかさせないでね(涙)。
そして、この場面を名場面にした(と私は思う)、じゅんな(水輝涼)のカゲソロに泣きました。美声だとは思っていた(というか知ってた)けど、ああいう柔らかい声も出せたんだ……。硬軟自在じゃないか。しかもあのラストの高音!!あれ難しいんだよ(@ @)。うわあ、こんな歌を聴いてしまうとまた欲が出るじゃないか(泣)。
ところで、あの歌って既存曲…なのでしょうか?ご存知の方、曲名とか教えてください(泣)。もし新曲だったら、じゅんなに合わせて音楽の手島恭子さんが書いてくださったってこと?……すげーーー。(←かなり考えにくいけど汗)
キトリ(稀鳥まりや)の“カゲ台詞”が段々低くなっていって、じゅんな(水輝涼)のソロにつながっていくところが凄く好きです。じゅんなも新公を卒業して、だいぶ上級生枠に入ってきましたが、これからも末永く活躍してください!!(切に祈る)。
すずみんは、最初の銀橋での“ご婦人”の口真似も可愛かったけど、やっぱり中詰めの最初の歌が好きです。エレナ様との絡みも、色っぽくて好き。
ねねちゃんは、和くんの場面んの相手役と、中詰めの「フル・フル」がメイン…かな。
なかなか踊れない(?)和くんを慰めて励ますねねちゃんがとてもけなげで可愛いです。「エリザベート」で大抜擢された昔から「純粋な少女の包容力」を持っていた人ですが、心配そうに相手役を見つめながら踊る後姿に、胸を掴まれました。
そして、「フル・フル」。「絢爛II」の隅っこで踊っていた頃から嫌味のないコケティッシュさで目を惹いていたねねちゃん。少し大人になって『舞台の怖さ』を知った今、「フル・フル」のコケティッシュさは痛々しいほどで。
あれはあれで大好きなんですけど、ね。一階席で観てみたかった…(*^ ^*)。
でも、いつの日か、そんな怖さも不安も乗り越えて、もう一度あの輝く笑顔で魅せてくれることを祈っています。
ともみん(夢乃聖夏)のダンスはやっぱり好きだなあ。彼女のスタイルの素晴らしさは、すでに財産だと思う。藤井さん、ダルマを用意してくださってありがとうございます。
そして。どうやら私は、先日の新公で天寿光希さんに落ちたらしく、気がつくと彼女を追いかけていました。……いやあ、本当に綺麗な人ですよねっ!(←誤魔化すな)
オープニングのカゲソロが素晴らしい!と思っていたら、音花ゆりちゃんだったんですね。誰だろうと思ったのですが。「ブエノスアイレスの風」のフローラ以来、すっかり歌姫に定着ですね(^ ^)。
中詰めのピエロ(ピトル)の大輝真琴ちゃんがめっちゃ可愛い。
…他にもいろいろ書きたいことはあるのですが、あまりにも長くなるのもどうかと思うので、このあたりで。
あ。
とか言いつつ、質問を二つばかり。
中詰めのオレンジのダルマさんたちが一列に並ぶところ(しいちゃんとコトコトの場面の本舞台)で、センター二人の上手側の方はどなたでしょうか??スタイルの良さに釘付けだったのですが、顔がわからず(涙)。
カンカンで(違うかも?)見事な側転を披露していたのは、どなたでだったのでしょうか…?
【リリー様から情報をいただきました。本城くれはさんと麻央侑希さんだそうです。リリー様、ありがとうございました!】
あああ、最初で最後のお別れをしっかり言うために行ったはずなのに、やっぱりもう一回観たいよお~(泣)。
.
お芝居の話はあらためてさせていただくとして。
とりあえず、藤井さん渾身の「60分間のサヨナラショー」から。
思えば。
藤井さんの大劇場デビューは、ずんこさん(姿月あさと)のサヨナラ公演、「Glorius」でした。
あれ以来、というか、その前に観たドラマシティの「Alas」以来、私は藤井ショーのファンのまま今に至るわけですが。
……本当に、この人の造る「サヨナラ公演」って凶器なんだな、と。
噂には聞いていましたが、本当に「60分間のサヨナラショー」そのものだったことに改めて驚きました。特に、後半の怒涛のようなサヨナラ場面のてんこもりっぷりには。
溢れる涙は、止まる暇もなくて。
ラストの大階段でのソロの「時間を止めて」は、久々の凶器でした。
っていうか、星組さんのファンは大変だなあ…と思ったのは、幕が降りてからの送り出しの音楽としてトウコさんの「さよならみなさま」が流れてくること(T T)。
い、痛いよあれは……。あやうく、立てないかと思いました(泣)。
全体の構成は「Non-Stop」そのもの。
古びたレビュー小屋の妖精たちだけが知っている、夢のレビュー。
ショーの終盤、楽屋で物思いに沈むアランが立ち上がると、ふいにセットがハケて後ろの組子たちの笑顔が見えた瞬間の感動は、言葉では表せません。
そこからもう、パレードのラストまで涙が止まらなくて。いやー、藤井さんのサヨナラショーを甘く見てタオルを用意していなかった私の大失敗でした。
そして、そこから続く、あすか以外の組子ほとんど全員とトウコさんが絡む場面は、音楽こそ違いますけど全体の動きはほぼ「Glorious」と同じ。ずんこさんがサヨナラ公演で希望を訊かれて、「組子全員と絡みたい」と言った、というエピソードに沿った名場面を再び観ることができて幸せです。
組子たちに愛されて、組子を愛して、、、本当に、長くはないけれども幸せなトップ生活だったんじゃないかと思います。若い頃の抜擢ぶりを考えれば異例な遅さでの就任で、もしかしたらご本人には焦りもあったのかもしれないけれども、終わりよければ全て良し!なのではないでしょうか。
宝塚という枠を離れて、さらに自由になるために、今は精一杯、この大きな舞台と、大勢の仲間たちと、大編成のオーケストラと、眩いライトと、華やかな衣装と、、、そんなさまざまな“美しいもの”たちを、満喫してくださいね。
そして、あすかちゃん。
ああ。トップスターのサヨナラ公演というのは、あくまでも「トップスターのサヨナラ公演」なんだなあ、と思いました。
トップコンビのサヨナラ公演ではなく、あくまでもトップスターのサヨナラ公演。
藤井さん入魂の“60分間のサヨナラショー”は、あくまでも10人のサヨナラショーではなく、「安蘭けいのサヨナラショー」。
当たり前のことです。
宝塚なんだから、そんなの、当たり前。
だけど。
トップスターと次期トップのデュエットダンスはとても良い企画だと思うけど、なにもその二人で銀橋にまで出てこなくたっていいんじゃないのっ!?
トップコンビのデュエットダンス、とっても素敵だったのに、ちょっと短くない!?
あすかちゃんにも銀橋に出てほしかったよーーーーー。銀橋に出て、二人でポーズ決めて、それからあすかちゃんだけはけてトウコさんのソロ、でもいいじゃないかーーーーー(T T)。
あすかちゃんはあすかちゃんで、センターでの見せ場もたくさんもらって、贅沢すぎるって言われてしまいそうなんですけど。
“大女優エトワルアムール”のあまりの可愛らしさも、その美しさも、ジザベルの完璧なスタイルも、カンカンの圧倒的な華やかさも、エトワールのそれはそれは絶品の素晴らしさも、間違いなく素晴らしいプレゼントだったんですけど。
でも、コンビでの場面も、もっともっとほしかったなあ(T T)。
…すみません、欲深なファンでm(_ _)m。
それにしても、短いとはいえデュエットダンスの音楽が「愛の讃歌」というのは、拷問……と思う…(T T)。
しいちゃん。
ソロでの見せ場を貰うよりも(もちろん中詰めではソロありですが)、トウコさんとあすかちゃんの三人での場面を選んだんでしょうか。しいちゃんらしい?良い場面でした。あすかちゃんはあの素晴らしいスタイルを存分に見せ付けて美しかったし、しいちゃんはなんていうか、凄絶な迫力だった。
私にとって、しいちゃんのベストアクトは1に「ヘイズ・コード」、2に「スカーレット・ピンパーネル」だったので、ああいう優しいけどちょっと鈍感な紳士が最後に観られなかったことは残念でしたが、本当に美しい人だと改めて思いました(*^ ^*)。
あと2週間、かぁ。寂しくなるなあ…。
和くんは、(夢咲)ねねちゃんと一場面。ちょっとコミカルな場面でしたが、スターになって激しく踊る場面も伸び伸びしていて、幸せそうだったのが嬉しい。
キンさん(朝峰ひかり)、紫蘭ますみさん、涼乃かつきちゃん、星風エレナちゃん、一輝慎さん……皆、輝くような笑顔で踊ってましたね(; ;)。麻尋くんも、特別場面があったりとかはしなかったけど、なんていうか、不思議と目を惹く「卒業生オーラ」がありました。
……思う存分お見送りするのは大変そうですが、ファンの方、しっかりと見守ってあげてくださいませ(T T)。
歌劇誌の大劇場千秋楽の写真とか見ても、10人って多いんだなあ、と、しみじみ思います。
組ファンの皆様の心中を思うと、切ないです。
しかも、このチケットの無さがまた(涙)。通いたいのに通えない人、多そうだもんなあ…。観たい方々全てに、チケットがゆきわたりますように。(でも、私ももう一回観たいよ~~~!!)
そして、送り出す側に立った礼音くん。
プログラムの写真を一目見て、「ザ、ザネリ…」と思ったことは、正直に告白しておきます。
そういえば、あれも藤井さんでしたね。「イーハトーブ・夢」。ものすごく好きなバウ作品の一つですが。
…いやー、踊れるっていいですね。今回は、妖精役のせいか、割とバレエチックな振り付けが多かったので、本来の礼音くんの魅力がいつもより出ていたような気がします。
脚を上げるにしても、腕を挙げるにしても、やわらかく上がって高い位置で留まる、あの雰囲気がすごく好きなんですよ、私。肩や腰がぶれることなく、脚なら脚だけがすっと軽く上がるところも好き。どんだけ筋力があるんだ!といつも感動します(^ ^)。
だけど、男役として踊っているときはどうしてもビシっと上げてビシっと止まることを要求されがちなんですよねー。もちろん礼音くんはそういう踊り方もできるけど、やっぱり本来の踊りじゃないんだなー、と思うことがあるので。
メインで踊る鏡の場面は、振り付けが平澤さんなのでかなりテクニカル(?)なんですけど、すごく気に入りました。藤井さんお得意の(そしてよくキャスティングで失敗している)耽美系の場面ですが、今回は平澤さんの振り付けとあかし(彩海早矢)の色気に助けられた…かな?(^ ^;。
藤井さんって、主演にあわせて宛書するのは天才的なのに、二番手さんのキャラクターを間違えていることが多いので、博多座がちょっとだけ不安です。お願いだから、みっちゃんにドラキュラとかさせないでね(涙)。
そして、この場面を名場面にした(と私は思う)、じゅんな(水輝涼)のカゲソロに泣きました。美声だとは思っていた(というか知ってた)けど、ああいう柔らかい声も出せたんだ……。硬軟自在じゃないか。しかもあのラストの高音!!あれ難しいんだよ(@ @)。うわあ、こんな歌を聴いてしまうとまた欲が出るじゃないか(泣)。
ところで、あの歌って既存曲…なのでしょうか?ご存知の方、曲名とか教えてください(泣)。もし新曲だったら、じゅんなに合わせて音楽の手島恭子さんが書いてくださったってこと?……すげーーー。(←かなり考えにくいけど汗)
キトリ(稀鳥まりや)の“カゲ台詞”が段々低くなっていって、じゅんな(水輝涼)のソロにつながっていくところが凄く好きです。じゅんなも新公を卒業して、だいぶ上級生枠に入ってきましたが、これからも末永く活躍してください!!(切に祈る)。
すずみんは、最初の銀橋での“ご婦人”の口真似も可愛かったけど、やっぱり中詰めの最初の歌が好きです。エレナ様との絡みも、色っぽくて好き。
ねねちゃんは、和くんの場面んの相手役と、中詰めの「フル・フル」がメイン…かな。
なかなか踊れない(?)和くんを慰めて励ますねねちゃんがとてもけなげで可愛いです。「エリザベート」で大抜擢された昔から「純粋な少女の包容力」を持っていた人ですが、心配そうに相手役を見つめながら踊る後姿に、胸を掴まれました。
そして、「フル・フル」。「絢爛II」の隅っこで踊っていた頃から嫌味のないコケティッシュさで目を惹いていたねねちゃん。少し大人になって『舞台の怖さ』を知った今、「フル・フル」のコケティッシュさは痛々しいほどで。
あれはあれで大好きなんですけど、ね。一階席で観てみたかった…(*^ ^*)。
でも、いつの日か、そんな怖さも不安も乗り越えて、もう一度あの輝く笑顔で魅せてくれることを祈っています。
ともみん(夢乃聖夏)のダンスはやっぱり好きだなあ。彼女のスタイルの素晴らしさは、すでに財産だと思う。藤井さん、ダルマを用意してくださってありがとうございます。
そして。どうやら私は、先日の新公で天寿光希さんに落ちたらしく、気がつくと彼女を追いかけていました。……いやあ、本当に綺麗な人ですよねっ!(←誤魔化すな)
オープニングのカゲソロが素晴らしい!と思っていたら、音花ゆりちゃんだったんですね。誰だろうと思ったのですが。「ブエノスアイレスの風」のフローラ以来、すっかり歌姫に定着ですね(^ ^)。
中詰めのピエロ(ピトル)の大輝真琴ちゃんがめっちゃ可愛い。
…他にもいろいろ書きたいことはあるのですが、あまりにも長くなるのもどうかと思うので、このあたりで。
あ。
とか言いつつ、質問を二つばかり。
中詰めのオレンジのダルマさんたちが一列に並ぶところ(しいちゃんとコトコトの場面の本舞台)で、センター二人の上手側の方はどなたでしょうか??スタイルの良さに釘付けだったのですが、顔がわからず(涙)。
カンカンで(違うかも?)見事な側転を披露していたのは、どなたでだったのでしょうか…?
【リリー様から情報をいただきました。本城くれはさんと麻央侑希さんだそうです。リリー様、ありがとうございました!】
あああ、最初で最後のお別れをしっかり言うために行ったはずなのに、やっぱりもう一回観たいよお~(泣)。
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愛するわが街の若人たち
2009年4月9日 宝塚(星) コメント (4)星組東宝劇場新人公演「My Dear NewOrleans」を観劇してまいりました。
なのですが。
実は、まだ本公演を観ていないのです……(^ ^;ゞ
なので、作品についてはとりあえずコメントしません。純粋に、印象に残ったキャストだけ、簡単にメモを残させていただきます。
ジョイ・ビー (安蘭 けい) 真風 涼帆
がんばってました。いや本当に。
トウコさんのを観ていないので、歌はあまり気にならず。元々台詞の声が好みなので、それだけで100点満点の20点くらい下駄をはかせてしまう(汗)し、さらにその抜群のスタイル(ビジュアル)でさらに20点プラス、みたいな感じなのですが(^ ^;ゞ、
とにかく“真ん中に立つ華”として育てたいと劇団が思うのも当然だな、というのはすごく納得しました。
ただ。
作品が難しかったね!!
作品にはコメントしないと書きましたが、やっぱりちょっとだけ書いちゃいます。
これって景子さんお得意のメロドラマですよね?ラストシーンなんてもろ「Hollywood Lover」だし。
特に大きな矛盾もなく、人間心理として間違ったこともやってない。ただ、ちょっと展開とか性格とか事件に対する反応が類型的にすぎるだけ。これって、宝塚一般でいえば、十分“中の上”以上の作品だと思うんですよね。類型的だからこそ解りやすいし、一般受けもしやすいわけで。
だけど、こういう作品が“佳作”になるか“凡作”になるか、それはけっこう演出次第だし、また役者次第でもあるんだろうなあ、と思ったのでした。
「ハロー!ダンシング」ですでに目立っていた真風くんは、十分に逸材だと思うし、本当によくがんばっていたと思います。あえてトウコさんの役をやらせることで勉強させたかった劇団側の気持ちもわかる。真風くん自身の成長のためには、今回主演することも大切だったのでしょう。それは、なんとなくわかるような気がします。
でも、残念ながら、今回の新人公演は、完全に“勉強の場”でした。“勉強中”という札を下げていたような印象。真面目な貌は男らしくて結構かっこいいのに(言われるほど水くんに似てるとは私は思わないのですが)、笑うと途端に可愛らしくなってしまう若者には、ジョイはまだ随分と遠い役だったと思います。
「スカーレットピンパーネル」の群衆の隅っこで、長い手足をいっぱいに伸ばして伸び伸びと踊っていた彼女が大好きで、今回の主演もかなり期待して楽しみにしていただけに、ちょっと残念だな、というのが感想でした。
次はぜひ、プルキルあたりで新境地をひらいてほしい!(^ ^)。
ルル (遠野 あすか) 蒼乃 夕妃
芝居上手でスタイルが良くて、大好きなまりもちゃん。もともとあまり華やかな顔立ちの人ではありませんが、豪華な衣装と黒塗りがきれいに似合って、『ニューオーリンズ一美しいクレオール』と呼ばれるのも違和感なく、存在感がありました。
ヤクザな弟レニーと、恋しい男ジョイとの間で揺れる女心が哀しくて、「キーン」のわがまま娘が本当にいい女になったなあ、と感心。あの柔らかさと包容力が、彼女の魅力ですね。
ただ、ところどころ、あすかちゃんの台詞回しなんだろうなあと思わせる癖があったのが気になりました。まぁ、とは言ってもあすかちゃんのルルを観たわけではないので、気のせいだと良いのですが。
シスター・サラ (美穂 圭子) 夢咲 ねね
かーわーいーいーーーーーっ!!
美穂さんがこの役をやっている姿が全く想像できません。とにかく可愛い。優しくて思いやり深く可愛らしいシスターでした。声がとにかく可愛い。あんなシスターがいたら毎日教会に通っちゃうぞ私(←なにか違う)。聖歌隊の面々が羨ましいぞ。
芝居としては特に何か特筆することもないのですが、10年という歳月が過ぎたことを全く感じさせなかったのは、いいのかな。他のメンバーもあまり感じさせなかったから(衣装も同じだし)そういう演出なのでしょうか。
歌は一瞬なんですね。あれは、新公演出の上田久美子さんの愛?それとも、せっかく美穂さんが出演なさっているのに元々あれしか歌わないのでしょうか…?
ポン引きのボブ (美稀 千種) 本城 くれは
友人に、「ニューオーリンズの街で、派手な上衣を着ている男は誰?」と訊ねたら、それはみきちぐの役だと教えていただきました。ってことは、本城さんだったってことですよね…?あまりの色っぽさ(?)に惚れまして、後半ずーっと追いかけてしまいました(汗)。カッコよかったです。とっても。
しかし、あの衣装をみきちぐが着るの?想像できない……。
ジュール・アンダーソン (立樹 遥) 十碧 れいや
いやー、一目観た瞬間に“これはしいちゃんの役にちがいない!”と思いました(^ ^)。
93期の「とあれいや」さん。すごい大抜擢だったんですね。ルル、ジョイ、ネティと4人で歌うナンバーが見せ場になると思うんですけど、下級生のわりにはよくがんばっていたと思います。
主役の真風くんと並んで、「がんばってます!」という札が出てる感じでしたけど(^ ^;
アルバート・ジョーダン (涼 紫央) 天寿 光希
こちらも、幕開き早々に登場した瞬間、絶対すずみんの役だ!と思いました(^ ^)。
美しい人だな、と観るたびに思います。最初の場面での、ジョイとの程よい距離感。芝居の声色や間の取り方で、ちゃんとそういう立ち位置を明確にみせてくれるあたりが好きです。
そして圧巻だったのは、物語の中盤、1917年のニューオーリンズに登場したときの、その「異世界」感。南部に登場した「ニューヨークの薫り」を、まだ若いのによく表現してのけたなあ、と、もちろん肌があまりにも真っ白だったり意味もなくど金髪だったりすることで外見から違いを出しているのもあるんですけど、それにしてもあの浮き上がりっぷりは見事でした。
これからが本当に楽しみな人です(*^ ^*)。
レニー (柚希 礼音) 美弥 るりか
カッコよかった!声が好きな人なので、あんなに出番も台詞もいっぱいある役だとそれだけで幸せです。
ただ、あまりにも二枚目すぎて、ちょっと脚本の“レニー”のイメージから逸脱してしまったような気がしました。レニーは本来、もう少し頭が悪いチンピラの役なんじゃないのかなあ?
みやるりは、見た目も声もものすごくシャープで、“切れ者”感があるんですよね。そういう人が、あんなに格好良く、というか“ハンサム”かつ“スマート”に作ってしまうと、物語自体が崩壊してしまう。
彼が愚かだから「ねえちゃんとしあわせになるために」無茶な仕事なんぞに手をだそうとするわけで。シスコンでジコチュウだから姉さんに泣きついてくるわけで。
そういう、「しようのない男」であることが彼の魅力なのだから。
みやるりのレニーだったら、そんな無茶してドジを踏むはずもないし、ドジを踏んだからと言ってパニクった挙句姉さんのところに泣きついてきたりもしなさそう。姉さんの気持ちにも、もっと早くちゃんと気づいてあげられた、んじゃないのかなあ。
とにかく、一人の役者としてのみやるりを高く評価している私ですけど、今回の作品の「レニー」役はちょっと無理があったな、というのが正直な感想でした。
……あああ、みやるりのジョイ、観てみたかったなあ………。
ゲイブ (夢乃 聖夏) 壱城 あずさ
暑苦しいほど熱くて、激しいゲイブ。愛にも憎しみにも正直で真っ直ぐな、愛されるべき人。
っていうか、この役良い役ですよねぇ……。しーらんも本当に体当たりで演じていましたが、とても良かったと思います。メイともお似合い(はぁと)。
っていうか、みやるりのジョイにしーらんのレニーではいけなかったんだろうか、と……。
いや、真風くんも好きなんですけど。作品として、というか、芝居として、そんなキャストも観てみたかった…。
バディ (和 涼華) 大輝 真琴
オリヴァー (彩海 早矢) 如月 蓮
二人とも可愛かった!なんだか、星組子役専科の二人がずーっと並んで芝居しているのを観ているだけで楽しかったです。
大輝くんは水色のスーツが良く似合って、やんちゃな感じがぴったりでした。
れんたくんはアフロヘアでがんばってましたが、ちょっとデカい子供、って感じで可愛かったです。
しかし。どうでもいいっちゃどうでもいいんですが、バディが突然「俺ももうすぐこの街を出て行くんだ」って言い出したときは唐突さに驚きました…。景子さん、内輪受けを狙うにしても、もう少し伏線をひいてあげてもいいのでは?あまりの唐突さに、きっとこの役は和くんか麻尋くんかどちらかだろうな、と思ったら、案の定和くんでした(苦笑)。
ネティ (夢咲 ねね) 稀鳥 まりや
あらためて名前を見ると、極端なキャスティングですよねぇ。衣装はいったいどうしたんだろうか……(^ ^;ゞ。
ねねちゃんのは観ていませんが、キトリちゃんはキトリちゃんらしく、元気いっぱいなネティでした。溢れるエネルギーを、うまくコントロールしきれない少女。
91期だから真風くんより一期上なのに、どう見ても“幼馴染”には見えなかったのはご愛嬌、なのかな…。「ブエノスアイレスの風」のバックで踊っているところとかは十分に大人っぽかったので、大人の女ができない訳ではないはずなんですけど、どうも役作りをして演じると幼くなってしまう傾向がありますね。小柄なせいもあるのかなあ。個性といえば個性なんでしょうけれども。
芝居心のある人なので、もう少し役柄の幅が拡がると鬼に金棒なのになあ、と思います♪
メイ (蒼乃 夕妃) 音波 みのり
こんなところにも美人さんが!とびっくりしました。目が大きくて黒塗り化粧がよく映える。
ゲイブ(しーらん)との並びもお似合いで、いい雰囲気でした。91期なんですね。これからの活躍に期待。
ビッグ・ノーズ・ジョー (如月 蓮) 妃白 ゆあ
ジョー・コールマン (真風 涼帆) 麻央 侑希
ジョー・コールマンが、ビッグ・ノーズ・ジョーの成長後、で合ってますよね…?ビッグ・ノーズ・ジョーの妃白ゆあちゃんは可愛かったけど、成長して麻央さんになると、ずいぶん顔の感じが変わるんだなあ、と思ってしまいました(^ ^)。
せっかく聖歌隊なんだから、ちょっとソロを披露してくれればいいのに、と思いつつ。
印象に残った人はそんなところでしょうか。
新公演出は上田久美子さん。「Paradise Prince」の新公演出をされて、続けて今回…ということは、植田景子さんと組んで学んでいるところ、という感じなのでしょうか。
本公演を観ていないので演出面についてのコメントはできないのですが、キャストの芝居の組み立て方、特に元々力のある人(みやるりとか)を全くコントロールできず、芝居力の弱い人を引揚げることもできなかったことで全体のバランスを欠いた点は、「Paradise Prince」の新公のときから成長してないな、と思ってしまいました。
景子さんはそのあたりプロだと思うので、一刻も早くその技術を学んで、一人前の「座付き演出家」になってほしい、と、心の底から祈っています。
.
なのですが。
実は、まだ本公演を観ていないのです……(^ ^;ゞ
なので、作品についてはとりあえずコメントしません。純粋に、印象に残ったキャストだけ、簡単にメモを残させていただきます。
ジョイ・ビー (安蘭 けい) 真風 涼帆
がんばってました。いや本当に。
トウコさんのを観ていないので、歌はあまり気にならず。元々台詞の声が好みなので、それだけで100点満点の20点くらい下駄をはかせてしまう(汗)し、さらにその抜群のスタイル(ビジュアル)でさらに20点プラス、みたいな感じなのですが(^ ^;ゞ、
とにかく“真ん中に立つ華”として育てたいと劇団が思うのも当然だな、というのはすごく納得しました。
ただ。
作品が難しかったね!!
作品にはコメントしないと書きましたが、やっぱりちょっとだけ書いちゃいます。
これって景子さんお得意のメロドラマですよね?ラストシーンなんてもろ「Hollywood Lover」だし。
特に大きな矛盾もなく、人間心理として間違ったこともやってない。ただ、ちょっと展開とか性格とか事件に対する反応が類型的にすぎるだけ。これって、宝塚一般でいえば、十分“中の上”以上の作品だと思うんですよね。類型的だからこそ解りやすいし、一般受けもしやすいわけで。
だけど、こういう作品が“佳作”になるか“凡作”になるか、それはけっこう演出次第だし、また役者次第でもあるんだろうなあ、と思ったのでした。
「ハロー!ダンシング」ですでに目立っていた真風くんは、十分に逸材だと思うし、本当によくがんばっていたと思います。あえてトウコさんの役をやらせることで勉強させたかった劇団側の気持ちもわかる。真風くん自身の成長のためには、今回主演することも大切だったのでしょう。それは、なんとなくわかるような気がします。
でも、残念ながら、今回の新人公演は、完全に“勉強の場”でした。“勉強中”という札を下げていたような印象。真面目な貌は男らしくて結構かっこいいのに(言われるほど水くんに似てるとは私は思わないのですが)、笑うと途端に可愛らしくなってしまう若者には、ジョイはまだ随分と遠い役だったと思います。
「スカーレットピンパーネル」の群衆の隅っこで、長い手足をいっぱいに伸ばして伸び伸びと踊っていた彼女が大好きで、今回の主演もかなり期待して楽しみにしていただけに、ちょっと残念だな、というのが感想でした。
次はぜひ、プルキルあたりで新境地をひらいてほしい!(^ ^)。
ルル (遠野 あすか) 蒼乃 夕妃
芝居上手でスタイルが良くて、大好きなまりもちゃん。もともとあまり華やかな顔立ちの人ではありませんが、豪華な衣装と黒塗りがきれいに似合って、『ニューオーリンズ一美しいクレオール』と呼ばれるのも違和感なく、存在感がありました。
ヤクザな弟レニーと、恋しい男ジョイとの間で揺れる女心が哀しくて、「キーン」のわがまま娘が本当にいい女になったなあ、と感心。あの柔らかさと包容力が、彼女の魅力ですね。
ただ、ところどころ、あすかちゃんの台詞回しなんだろうなあと思わせる癖があったのが気になりました。まぁ、とは言ってもあすかちゃんのルルを観たわけではないので、気のせいだと良いのですが。
シスター・サラ (美穂 圭子) 夢咲 ねね
かーわーいーいーーーーーっ!!
美穂さんがこの役をやっている姿が全く想像できません。とにかく可愛い。優しくて思いやり深く可愛らしいシスターでした。声がとにかく可愛い。あんなシスターがいたら毎日教会に通っちゃうぞ私(←なにか違う)。聖歌隊の面々が羨ましいぞ。
芝居としては特に何か特筆することもないのですが、10年という歳月が過ぎたことを全く感じさせなかったのは、いいのかな。他のメンバーもあまり感じさせなかったから(衣装も同じだし)そういう演出なのでしょうか。
歌は一瞬なんですね。あれは、新公演出の上田久美子さんの愛?それとも、せっかく美穂さんが出演なさっているのに元々あれしか歌わないのでしょうか…?
ポン引きのボブ (美稀 千種) 本城 くれは
友人に、「ニューオーリンズの街で、派手な上衣を着ている男は誰?」と訊ねたら、それはみきちぐの役だと教えていただきました。ってことは、本城さんだったってことですよね…?あまりの色っぽさ(?)に惚れまして、後半ずーっと追いかけてしまいました(汗)。カッコよかったです。とっても。
しかし、あの衣装をみきちぐが着るの?想像できない……。
ジュール・アンダーソン (立樹 遥) 十碧 れいや
いやー、一目観た瞬間に“これはしいちゃんの役にちがいない!”と思いました(^ ^)。
93期の「とあれいや」さん。すごい大抜擢だったんですね。ルル、ジョイ、ネティと4人で歌うナンバーが見せ場になると思うんですけど、下級生のわりにはよくがんばっていたと思います。
主役の真風くんと並んで、「がんばってます!」という札が出てる感じでしたけど(^ ^;
アルバート・ジョーダン (涼 紫央) 天寿 光希
こちらも、幕開き早々に登場した瞬間、絶対すずみんの役だ!と思いました(^ ^)。
美しい人だな、と観るたびに思います。最初の場面での、ジョイとの程よい距離感。芝居の声色や間の取り方で、ちゃんとそういう立ち位置を明確にみせてくれるあたりが好きです。
そして圧巻だったのは、物語の中盤、1917年のニューオーリンズに登場したときの、その「異世界」感。南部に登場した「ニューヨークの薫り」を、まだ若いのによく表現してのけたなあ、と、もちろん肌があまりにも真っ白だったり意味もなくど金髪だったりすることで外見から違いを出しているのもあるんですけど、それにしてもあの浮き上がりっぷりは見事でした。
これからが本当に楽しみな人です(*^ ^*)。
レニー (柚希 礼音) 美弥 るりか
カッコよかった!声が好きな人なので、あんなに出番も台詞もいっぱいある役だとそれだけで幸せです。
ただ、あまりにも二枚目すぎて、ちょっと脚本の“レニー”のイメージから逸脱してしまったような気がしました。レニーは本来、もう少し頭が悪いチンピラの役なんじゃないのかなあ?
みやるりは、見た目も声もものすごくシャープで、“切れ者”感があるんですよね。そういう人が、あんなに格好良く、というか“ハンサム”かつ“スマート”に作ってしまうと、物語自体が崩壊してしまう。
彼が愚かだから「ねえちゃんとしあわせになるために」無茶な仕事なんぞに手をだそうとするわけで。シスコンでジコチュウだから姉さんに泣きついてくるわけで。
そういう、「しようのない男」であることが彼の魅力なのだから。
みやるりのレニーだったら、そんな無茶してドジを踏むはずもないし、ドジを踏んだからと言ってパニクった挙句姉さんのところに泣きついてきたりもしなさそう。姉さんの気持ちにも、もっと早くちゃんと気づいてあげられた、んじゃないのかなあ。
とにかく、一人の役者としてのみやるりを高く評価している私ですけど、今回の作品の「レニー」役はちょっと無理があったな、というのが正直な感想でした。
……あああ、みやるりのジョイ、観てみたかったなあ………。
ゲイブ (夢乃 聖夏) 壱城 あずさ
暑苦しいほど熱くて、激しいゲイブ。愛にも憎しみにも正直で真っ直ぐな、愛されるべき人。
っていうか、この役良い役ですよねぇ……。しーらんも本当に体当たりで演じていましたが、とても良かったと思います。メイともお似合い(はぁと)。
っていうか、みやるりのジョイにしーらんのレニーではいけなかったんだろうか、と……。
いや、真風くんも好きなんですけど。作品として、というか、芝居として、そんなキャストも観てみたかった…。
バディ (和 涼華) 大輝 真琴
オリヴァー (彩海 早矢) 如月 蓮
二人とも可愛かった!なんだか、星組子役専科の二人がずーっと並んで芝居しているのを観ているだけで楽しかったです。
大輝くんは水色のスーツが良く似合って、やんちゃな感じがぴったりでした。
れんたくんはアフロヘアでがんばってましたが、ちょっとデカい子供、って感じで可愛かったです。
しかし。どうでもいいっちゃどうでもいいんですが、バディが突然「俺ももうすぐこの街を出て行くんだ」って言い出したときは唐突さに驚きました…。景子さん、内輪受けを狙うにしても、もう少し伏線をひいてあげてもいいのでは?あまりの唐突さに、きっとこの役は和くんか麻尋くんかどちらかだろうな、と思ったら、案の定和くんでした(苦笑)。
ネティ (夢咲 ねね) 稀鳥 まりや
あらためて名前を見ると、極端なキャスティングですよねぇ。衣装はいったいどうしたんだろうか……(^ ^;ゞ。
ねねちゃんのは観ていませんが、キトリちゃんはキトリちゃんらしく、元気いっぱいなネティでした。溢れるエネルギーを、うまくコントロールしきれない少女。
91期だから真風くんより一期上なのに、どう見ても“幼馴染”には見えなかったのはご愛嬌、なのかな…。「ブエノスアイレスの風」のバックで踊っているところとかは十分に大人っぽかったので、大人の女ができない訳ではないはずなんですけど、どうも役作りをして演じると幼くなってしまう傾向がありますね。小柄なせいもあるのかなあ。個性といえば個性なんでしょうけれども。
芝居心のある人なので、もう少し役柄の幅が拡がると鬼に金棒なのになあ、と思います♪
メイ (蒼乃 夕妃) 音波 みのり
こんなところにも美人さんが!とびっくりしました。目が大きくて黒塗り化粧がよく映える。
ゲイブ(しーらん)との並びもお似合いで、いい雰囲気でした。91期なんですね。これからの活躍に期待。
ビッグ・ノーズ・ジョー (如月 蓮) 妃白 ゆあ
ジョー・コールマン (真風 涼帆) 麻央 侑希
ジョー・コールマンが、ビッグ・ノーズ・ジョーの成長後、で合ってますよね…?ビッグ・ノーズ・ジョーの妃白ゆあちゃんは可愛かったけど、成長して麻央さんになると、ずいぶん顔の感じが変わるんだなあ、と思ってしまいました(^ ^)。
せっかく聖歌隊なんだから、ちょっとソロを披露してくれればいいのに、と思いつつ。
印象に残った人はそんなところでしょうか。
新公演出は上田久美子さん。「Paradise Prince」の新公演出をされて、続けて今回…ということは、植田景子さんと組んで学んでいるところ、という感じなのでしょうか。
本公演を観ていないので演出面についてのコメントはできないのですが、キャストの芝居の組み立て方、特に元々力のある人(みやるりとか)を全くコントロールできず、芝居力の弱い人を引揚げることもできなかったことで全体のバランスを欠いた点は、「Paradise Prince」の新公のときから成長してないな、と思ってしまいました。
景子さんはそのあたりプロだと思うので、一刻も早くその技術を学んで、一人前の「座付き演出家」になってほしい、と、心の底から祈っています。
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コバルト文庫「帝冠の恋」(須賀しのぶ著)
…diarynoteには、本にレビューをつける機能もあるらしいのですが、なぜか機能していないらしい……。なんだかなあ、もう。
えーっと。愚痴はおいといて。
この作品は、ミュージカル「エリザベート」の影の主役・ゾフィー大公妃の、若き日の恋物語を描いた作品です。
舞台は19世紀、ウィーン。
ハプスブルク家に嫁いだ美しく聡明なバイエルンの王女ゾフィーと、ナポレオンの血をひく美青年フランツとの禁断の恋模様。
著者は須賀しのぶ。コバルト文庫の「キル・ゾーン」シリーズが好きでずっと読んでいたのですが、これはちょっと毛色が変わっていて、「こんなものも書くのかー!」と感心した作品。
発売されたのは2008年の4月。私が買ったのは、たぶん夏ごろ…だと思うのですが。
読み終わってからほどなくして月組「エリザベート」の発表があったので、「エリザベート」のゾフィー役の配役が発表されたら書こう!」と楽しみに取っておいたネタでした(^ ^)。
……まさか、あいあい(城咲あい)のゾフィーが観られるとは、露ほども思っていなかったのですが!
話としても大変面白い作品ですが、この美しく聡明でやんちゃなゾフィーが、長じてあのゾフィー大公妃になるのか、と思いながら読むと、余計楽しいです。
そして。クンツェ&リーヴァイが残酷なまでにリアルに描いた、人生の終わりに近づきつつある厳格なゾフィー大公妃を観ながら、彼女の若かりし日々を思い描くであろう自分が、その時にいったい何を思うのか、興味津々です。
全てを賭けてフランツ青年を愛し、求めたバイエルンの王女ゾフィー。
バイエルン王家の血を色濃く継いだ、早熟の天才であったゾフィー。
一皮剥いてしまえば、ゾフィーもエリザベートも、結局のところは“バイエルンの天使”たち。案外と近しい生き物だったんでしょうね。
ハプスブルク家のフランツ・ヨーゼフとは、別種の生き物。近くに寄り添っているようで、まるっきり重なり合うところのない親子。
ただ、ゾフィーは恋よりも国を選んだ「王者」の血筋であり、シシィは最後まで「国」を理解できなかった「子供(瀬奈)」または「天使(白羽)」だった、という違いはありましたけれども。
…あ、いえ、あいあいやカチャ(凪七瑠海)がどういう役作りをするかわからないので、そのあたりの解釈も違うかもしれませんね。お二人の解釈がどんな方向に落ちるのか、幕が開くのを楽しみに待っています(^ ^)。
…個人的には、バウあたりで上演しても面白いんじゃないか、と思ったりするんですけどね。
具体的にキャストとかを考えているわけではありませんが。っていうか、主役のフランツがちょっとヘタレなので、脚色が難しそうですけれども。(ゾフィーの方が何倍も格好良い)
「エリザベート」の番外編、ってことで、小池さんが創ってくれたらいいのになー。…無理か(^ ^;。
「帝冠の恋」は、ミュージカル「エリザベート」とは全く関係のないところで、ひとつの歴史小説として普通に読んでも面白いと思います。
私が須賀作品を好きなのは、リズムのある読みやすくて明朗な文体とか、事物の描写のわかりやすい的確さとか、キャラクターの個性が豊かで意外性に富んでいるところとか、ストーリーの突拍子のない面白さとか……いろいろあるのですが。
この作品は彼女の良いところが前面に出つつ、キャラクターにはきちんと時代性に合わせた思考をさせていて、安心して読めたと思います。扱う時代も興味深いし、せっかく文章力・構成力のある人なので、もっと歴史物を書いてほしいなあ、と思ったりします(^ ^)。
……とりあえず、あいちゃんのゾフィーを観る前に、ゾフィーという一人の女傑の、ミュージカルでは語られていない一面を知るともっと面白いかもね、ということでご紹介させていただきました☆
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…diarynoteには、本にレビューをつける機能もあるらしいのですが、なぜか機能していないらしい……。なんだかなあ、もう。
えーっと。愚痴はおいといて。
この作品は、ミュージカル「エリザベート」の影の主役・ゾフィー大公妃の、若き日の恋物語を描いた作品です。
舞台は19世紀、ウィーン。
ハプスブルク家に嫁いだ美しく聡明なバイエルンの王女ゾフィーと、ナポレオンの血をひく美青年フランツとの禁断の恋模様。
著者は須賀しのぶ。コバルト文庫の「キル・ゾーン」シリーズが好きでずっと読んでいたのですが、これはちょっと毛色が変わっていて、「こんなものも書くのかー!」と感心した作品。
発売されたのは2008年の4月。私が買ったのは、たぶん夏ごろ…だと思うのですが。
読み終わってからほどなくして月組「エリザベート」の発表があったので、「エリザベート」のゾフィー役の配役が発表されたら書こう!」と楽しみに取っておいたネタでした(^ ^)。
……まさか、あいあい(城咲あい)のゾフィーが観られるとは、露ほども思っていなかったのですが!
話としても大変面白い作品ですが、この美しく聡明でやんちゃなゾフィーが、長じてあのゾフィー大公妃になるのか、と思いながら読むと、余計楽しいです。
そして。クンツェ&リーヴァイが残酷なまでにリアルに描いた、人生の終わりに近づきつつある厳格なゾフィー大公妃を観ながら、彼女の若かりし日々を思い描くであろう自分が、その時にいったい何を思うのか、興味津々です。
全てを賭けてフランツ青年を愛し、求めたバイエルンの王女ゾフィー。
バイエルン王家の血を色濃く継いだ、早熟の天才であったゾフィー。
一皮剥いてしまえば、ゾフィーもエリザベートも、結局のところは“バイエルンの天使”たち。案外と近しい生き物だったんでしょうね。
ハプスブルク家のフランツ・ヨーゼフとは、別種の生き物。近くに寄り添っているようで、まるっきり重なり合うところのない親子。
ただ、ゾフィーは恋よりも国を選んだ「王者」の血筋であり、シシィは最後まで「国」を理解できなかった「子供(瀬奈)」または「天使(白羽)」だった、という違いはありましたけれども。
…あ、いえ、あいあいやカチャ(凪七瑠海)がどういう役作りをするかわからないので、そのあたりの解釈も違うかもしれませんね。お二人の解釈がどんな方向に落ちるのか、幕が開くのを楽しみに待っています(^ ^)。
…個人的には、バウあたりで上演しても面白いんじゃないか、と思ったりするんですけどね。
具体的にキャストとかを考えているわけではありませんが。っていうか、主役のフランツがちょっとヘタレなので、脚色が難しそうですけれども。(ゾフィーの方が何倍も格好良い)
「エリザベート」の番外編、ってことで、小池さんが創ってくれたらいいのになー。…無理か(^ ^;。
「帝冠の恋」は、ミュージカル「エリザベート」とは全く関係のないところで、ひとつの歴史小説として普通に読んでも面白いと思います。
私が須賀作品を好きなのは、リズムのある読みやすくて明朗な文体とか、事物の描写のわかりやすい的確さとか、キャラクターの個性が豊かで意外性に富んでいるところとか、ストーリーの突拍子のない面白さとか……いろいろあるのですが。
この作品は彼女の良いところが前面に出つつ、キャラクターにはきちんと時代性に合わせた思考をさせていて、安心して読めたと思います。扱う時代も興味深いし、せっかく文章力・構成力のある人なので、もっと歴史物を書いてほしいなあ、と思ったりします(^ ^)。
……とりあえず、あいちゃんのゾフィーを観る前に、ゾフィーという一人の女傑の、ミュージカルでは語られていない一面を知るともっと面白いかもね、ということでご紹介させていただきました☆
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月組ファンのつぶやき
2009年4月6日 宝塚(月) コメント (5)次回月組大劇場公演「エリザベート」について、詳細の配役と、千秋楽付けでの卒業生が発表になりました。
卒業生は、三人。
82期のかえちゃん(良基天音)。
87期のとーやん(榎登也)。
89期の王様(五十鈴ひかり)。
東宝劇場公演千秋楽(8月9日)をもって、ご卒業。
三人とも、考えてみるまでもなく、名前を見ただけで思い出すことはたくさんあって。
「血と砂」の千秋楽のアルフォンソに泣かされたこととか。
「SPARKII」で散々笑わせてくれた“オークル系の美形”とか。
初めてエーアンの歌を聴いて、慌てて学年を調べてぶったまげた(研2の終わりだった)こととか。
悲しいけど、残念だけど、寂しいけど。
でも、あなたたちが択んだ道を祝福できる自分でありたいから。
だから。
……ありがとう、今まで。そして、8月9日まで、よろしくお願いしますm(_ _)m。
最後まで、舞台を楽しんでくださいますように。
そして、配役。
ある意味、今回の月組エリザベートはそもそもが冗談みたいな話だったので、何があっても驚かないぞ!と思ってはいたのですが。
そうは言っても、やっぱりまんまと驚いてしまいました(汗)。うーん、劇団ずるいなあ。
とりあえず、キャストごとの配役の変遷はわりといろんな方が書いていらっしゃるようなので、ちょっとひねくれて(^ ^)、私は役者ごとに演じた役をまとめてみました☆
#Diarynoteで表組みにするやり方がわからないので、見難くてすみませんm(_ _)m。
2005本公 2005新公 2009本公 2009新公
瀬奈じゅん シシィ - トート -
越乃リュウ ツェップス - マックス -
霧矢大夢 ルキーニ - フランツ -
花瀬みずか ヘレネ - スターレイ -
一色瑠加 黒天使 - ツェップス -
遼河はるひ - - ルド/エル -
良基天音 市長 - 病院長 -
研ルイス 黒天使 - グリュンネ -
桐生園加 (黒天使) (ルキーニ) 黒天使 -
美鳳あや 女官 ルドヴィカ ルドヴィカ -
音姫すなお 美容師 リヒテンシ 家庭教師 -
青樹泉 黒天使 トート 三役 -
天野ほたる 女官 ヘレネ - -
城咲あい 黒天使(マ) ゾフィー ゾフィー -
星条海斗 黒天使 エルマー 将軍 -
憧花ゆりの 家庭教師 マダムW リヒテン -
妃鳳こころ - 女官 死刑囚の母 -
龍真咲 黒天使 ルドルフ ルキーニ -
麻月れんか - 黒天使 市長 -
美夢ひまり - 女官 女官 -
萌花ゆりあ - 女官 ヘレネ -
榎登也 - ヒューブナ - -
綾月せり 侍従 マックス ラウシャー -
羽咲まな 侍女 女官 女官 -
光月るう 黒天使 ジュラ ジュラ -
夏月都 - 侍女 ヴィン嬢 -
彩央寿音 - ツェップス ヒューブナ -
華央あみり - シュヴァル ケンペン -
鼓英夏 - ケンペン - -
明日海りお 侍従 子ルドルフ ルド/シュ トート
美翔かずき - 黒天使 - グリュンネ
沢希理寿 - 黒天使 マダムW -
五十鈴ひかり エーアン - - マックス
羽桜しずく - - 子ルド エリザベート
妃乃あんじ - 姪 - スターレイ
響れおな - 黒天使 黒天使 ツェップス
彩星りおん - カフェの男 女官 マダム・ヴォルフ
宇月颯 - 黒天使 黒天使 ルイジ・ルキーニ
琴音和葉 - - 女官 ルドヴィカ
玲実くれあ - 黒天使 女官 ゾフィー
夏鳳しおり - 美容師 女官 リヒテンシュタイン
瑞羽奏都 黒天使 - - ヒューブナー
海桐望 - - - ケンペン
貴千碧 - - 黒天使 黒天使
紫門ゆりや - - 黒天使 フランツ・ヨーゼフ
白雪さち花 - - 美容師 家庭教師
麗百愛 - - 黒天使 黒天使(マデレーネ)
咲希あかね - - - 黒天使
有瀬そう - - - シュヴァルツェンベルク
華那みかり - - - 女官
蘭乃はな - - 黒天使(マ) ヘレネ
千海華蘭 - - - ルドルフ(少年)
舞乃ゆか - - - 女官
煌月爽矢 - - 黒天使 ルドルフ
貴澄隼人 - - - 黒天使
鳳月杏 - - 黒天使 エルマー
真愛涼歌 - - - 死刑囚の母
風凛水花 - - - 女官
愛那結梨 - - - 女官
輝城みつる - - エーアン ラウシャー
花陽みら - - - 美容師
星輝つばさ - - 黒天使 シュテファン
真凜カンナ - - - 女官
紗那ゆずは - - - 黒天使
翔我つばき - - - 黒天使
隼海惺 - - - 黒天使
天翔りいら - - - 黒天使
珠城りょう - - - ジュラ
香咲蘭 - - - 女官
前回公演と「同役」なのは、黒天使の園加くらい?(園加は花組だからもっと昔ですが)
あとは、新公と同役なのが、「女官」とかを除いて、二人の母親みっぽー(ルドヴィカ)とあいあい(ゾフィー)。
……バイエルン王家の血って、どういう風に流れているんでしょうねぇ。みっぽーの旦那がナホちゃんで、娘がカチャと萌花ゆりあちゃん、姉があいあいで甥がきりやん、とか思うとすごく笑えます。
専科さんの出演が無いので、マックス=ナホちゃん、グリュンネ=研ちゃんは予想どおり。
まいちゃんのツェップスも予想通りといえば予想通りかな。グリュンネと逆かな、とも思っていたのですが。
マギーのシュヴァルツェンベルク将軍は、(たぶん)ぴったり!!でしょうねぇ。思いっきりやっちゃってホシイ(^ ^)。
その周りを囲む「密告者たち」が、きっしーとあちょうさんなのが素晴らしい!!
……ラウシャーのふぁーびーも、「二人の貴公子」のお医者さん役を観ると案外ラウシャーは似合いそうだし、なかなか楽しみな面子ですね♪
雪組さんの重臣ズが、どうみてもハマコさんのハーレムにしか見えなかったのとはうってかわって、重厚な重臣たちで嬉しいです。いや、雪組の美形軍団も大好きでしたけど(^ ^;ゞ。
今回、私の予想(というか希望)はほとんど当たらなかったんですよねぇ(↓)。当たったのは新公フランツのゆりやんとルキーニの宇月くらい。
特に女性陣が丸っと外れました。中でもあーちゃんのスターレイは意外。ほたるの役名無しも意外。
すずなのリヒテンシュタインは納得かな。ゆりあちゃんのヘレネは意外だったけど納得。
こころの死刑囚の母は……歌唱力と芝居と両方を持っていないとウザいだけの役になりがちなので、こころというのは良い配役だとは思うんですけどね。でも、マダム・ヴォルフ観たかったなあ(涙)。いや、理寿ちゃんのヴォルフもすごく楽しみなんですけど(美人だしスタイル良いし歌えるし!)、でも、こころで観たかったよ……(←まさおとこころのキスシーンに勝手に萌えていた猫)
なっつのヴィンディッシュ嬢もちょっと意外でしたが、これまた「二人の貴公子」の王妃役の出来を考えると納得かも。ヴィンディッシュは物語の鍵になる役なので、カチャと二人、探り合ってしっかり役作りができるよう、祈っています。
そして。ルドルフ/エルマー/シュテファンで役替りがある今回の公演。
ジュラ役のるうちゃん(とツェップスのまいちゃん)ががんばらないと、ハンガリーチームまとめようがなくて大変そうですよね。……がんばれ~~~!
あ、そういえば、るうちゃんも前回新公と同じ役なんですね、ジュラ。じゃあ、いちおう一歩リードはしているんですね。がんばってね!
とーやんと鼓さんの役名なしはとても残念。まぁ、鼓さんは役がなくても勝手に芝居をしてくれるので構わないかもしれませんが、とーやんはラストなのに(T T)。たぶん親戚とかカフェの男とか、出番はたくさんあるんでしょうけれども、なんとなく寂しい……。
前回の月組「エリザベート」公演は、2005年。
あのときって91期生(貴千碧ちゃん以下)は初舞台なので出てなかったんですね。
最下で90期のみづきちゃん(瑞羽奏都)が黒天使に入ってたのをよく覚えています。美人でスタイルよくて、吃驚しました。……なのに今回は役なしだなんて(泣)。もう一回黒天使って訳にはいかないんでしょうし、親戚とかカフェの男とか、そのあたりに入ったりもするんでしょうけれども。
今回の最下は研3の輝城みつるくんと星輝つばさくん。残念ながら研2は本公演役無しでしたね。カフェでソロを歌いそうな子とかは居るのかな。
新公は、星輝くんがシュテファン、輝城くんはラウシャー。凄いなあ。小池さんの信頼篤いんですねぇ!
新公ジュラは、研2の珠城りょうさん。「二人の貴公子」でなかなか落ち着いた良い芝居をしていたので(台詞は少なかったけど)、ちょっと期待。
個人的に「二人の貴公子」でかなりお気に入りになった天翔りいらさんは、新公黒天使。うーん、可愛かったんだけど、チェックできるでしょうか……(自信なし)
花陽みらちゃんの美容師は楽しみ!
紗那ゆずはちゃんの黒天使もめっちゃツボです。あの美少女が、どんなメークで黒天使やるんだろう。…前回の新公で黒天使に入っていた白華れみちゃんみたいな感じかな?
翔我つばきくん、隼海惺くんもがんばってくださいね!楽しみにしています♪
博多座以来のお気に入り・真愛涼歌ちゃん(「二人の貴公子」でずっとエミーリアの傍についている方の女官)。あんなに声も芝居も可愛いのに、死刑囚の母かよ!!でも歌と芝居が両立できる人なのでちょっと期待してしまいます。
新公ルドルフは煌月爽矢くん、エルマーは鳳月杏ちゃん。子ルドルフは千海華蘭ちゃん。
おお、このあたりの役が92期に降りてくるのか…。そっか、もう研4ですもんね。星組さんでは真風くんが主演しているくらいだし、この辺りでもっともっとがんばってもらわないといけないんですねぇ……がんばれ!!
蘭乃はなちゃんは、新公ヘレネで本役がマデレーネ。……小池さんGJ。技術的なことはよくわかりませんが、霧やんを誘惑する蘭ちゃん!!と思っただけで、個人的にかなり盛り上がりました(^ ^;。
新公マデレーネは百愛ちゃん。これまた楽しみなダンサー対決ですね。いつも群舞で闘っていた二人、同じ役で勝負するのは初めて……かな?二人とも力を尽くしてがんばってほしいです☆
その百愛ちゃんは、本役も黒天使。「ホフマン物語」の影がものすごく素敵だったので、めっちゃ楽しみです!今回の黒天使キャストで一番の期待株かもしれません(^ ^;ゞ。
まんちゃんは本公演も新公も黒天使。…芝居もできる人なので、新公は重臣ズに入ってくれると思ったのになあ…。まぁ、園加ポジションのようなので、出番とかも違うのでしょうけれども。でも惜しい。
90期女傑三人(←私が勝手に呼んでいるだけ)の琴音和葉・玲実くれあ・夏鳳しおりは、それぞれ新公でルドヴィカ・ゾフィー・リヒテンシュタインの女傑をしっかりGET。さすがです!
本公演は三人とも女官なんですよね。なんだか今回の女官さんたちは、皆さん月娘の中でも特に強い人が集まっている……ような気がします…(←皆大好きですが何か?)。
りおんの新公マダム・ヴォルフにちょっと愕然。そりゃー似合うよ……決まってるじゃないか!!(感動)
響くんのツェップスは、ひたすら優しいツェップスになりそうだなあ。わくわく。ダンスも好きなので、本役黒天使もとても嬉しい♪
みっしょんは相変わらず本公演役無し(T T)。うーん、本当に役がつかない人だなあ…。でも新公はグリュンネ\(^ ^)/……素敵なおじさまバージョンのみっしょんに会えるのが嬉しいです♪好きなんですよグリュンネ(*^ ^*)。
新人公演でのエリザベート役は、何度も書きましたが私は彩星りおんちゃんのシシィがすごーく観たかったので、しずくちゃんは大好きだけど、ちょっとがっくり(涙)。
でも、そうは言ってもしずくちゃんは大好きなのでとても楽しみです。どんな切り口で演じるのか、どうくるのか。みりおくんとは相性もいいし、本公演とは全く違う作品になりそうで、とても楽しみです!
っていうか、新公演出が気になる……。誰なんでしょうねぇ。
とりあえず、「エリザベート」新人公演で一番大変なのはルキーニなので、宇月くんにはがんばっていただきたいなと思います(^ ^)。
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卒業生は、三人。
82期のかえちゃん(良基天音)。
87期のとーやん(榎登也)。
89期の王様(五十鈴ひかり)。
東宝劇場公演千秋楽(8月9日)をもって、ご卒業。
三人とも、考えてみるまでもなく、名前を見ただけで思い出すことはたくさんあって。
「血と砂」の千秋楽のアルフォンソに泣かされたこととか。
「SPARKII」で散々笑わせてくれた“オークル系の美形”とか。
初めてエーアンの歌を聴いて、慌てて学年を調べてぶったまげた(研2の終わりだった)こととか。
悲しいけど、残念だけど、寂しいけど。
でも、あなたたちが択んだ道を祝福できる自分でありたいから。
だから。
……ありがとう、今まで。そして、8月9日まで、よろしくお願いしますm(_ _)m。
最後まで、舞台を楽しんでくださいますように。
そして、配役。
ある意味、今回の月組エリザベートはそもそもが冗談みたいな話だったので、何があっても驚かないぞ!と思ってはいたのですが。
そうは言っても、やっぱりまんまと驚いてしまいました(汗)。うーん、劇団ずるいなあ。
とりあえず、キャストごとの配役の変遷はわりといろんな方が書いていらっしゃるようなので、ちょっとひねくれて(^ ^)、私は役者ごとに演じた役をまとめてみました☆
#Diarynoteで表組みにするやり方がわからないので、見難くてすみませんm(_ _)m。
2005本公 2005新公 2009本公 2009新公
瀬奈じゅん シシィ - トート -
越乃リュウ ツェップス - マックス -
霧矢大夢 ルキーニ - フランツ -
花瀬みずか ヘレネ - スターレイ -
一色瑠加 黒天使 - ツェップス -
遼河はるひ - - ルド/エル -
良基天音 市長 - 病院長 -
研ルイス 黒天使 - グリュンネ -
桐生園加 (黒天使) (ルキーニ) 黒天使 -
美鳳あや 女官 ルドヴィカ ルドヴィカ -
音姫すなお 美容師 リヒテンシ 家庭教師 -
青樹泉 黒天使 トート 三役 -
天野ほたる 女官 ヘレネ - -
城咲あい 黒天使(マ) ゾフィー ゾフィー -
星条海斗 黒天使 エルマー 将軍 -
憧花ゆりの 家庭教師 マダムW リヒテン -
妃鳳こころ - 女官 死刑囚の母 -
龍真咲 黒天使 ルドルフ ルキーニ -
麻月れんか - 黒天使 市長 -
美夢ひまり - 女官 女官 -
萌花ゆりあ - 女官 ヘレネ -
榎登也 - ヒューブナ - -
綾月せり 侍従 マックス ラウシャー -
羽咲まな 侍女 女官 女官 -
光月るう 黒天使 ジュラ ジュラ -
夏月都 - 侍女 ヴィン嬢 -
彩央寿音 - ツェップス ヒューブナ -
華央あみり - シュヴァル ケンペン -
鼓英夏 - ケンペン - -
明日海りお 侍従 子ルドルフ ルド/シュ トート
美翔かずき - 黒天使 - グリュンネ
沢希理寿 - 黒天使 マダムW -
五十鈴ひかり エーアン - - マックス
羽桜しずく - - 子ルド エリザベート
妃乃あんじ - 姪 - スターレイ
響れおな - 黒天使 黒天使 ツェップス
彩星りおん - カフェの男 女官 マダム・ヴォルフ
宇月颯 - 黒天使 黒天使 ルイジ・ルキーニ
琴音和葉 - - 女官 ルドヴィカ
玲実くれあ - 黒天使 女官 ゾフィー
夏鳳しおり - 美容師 女官 リヒテンシュタイン
瑞羽奏都 黒天使 - - ヒューブナー
海桐望 - - - ケンペン
貴千碧 - - 黒天使 黒天使
紫門ゆりや - - 黒天使 フランツ・ヨーゼフ
白雪さち花 - - 美容師 家庭教師
麗百愛 - - 黒天使 黒天使(マデレーネ)
咲希あかね - - - 黒天使
有瀬そう - - - シュヴァルツェンベルク
華那みかり - - - 女官
蘭乃はな - - 黒天使(マ) ヘレネ
千海華蘭 - - - ルドルフ(少年)
舞乃ゆか - - - 女官
煌月爽矢 - - 黒天使 ルドルフ
貴澄隼人 - - - 黒天使
鳳月杏 - - 黒天使 エルマー
真愛涼歌 - - - 死刑囚の母
風凛水花 - - - 女官
愛那結梨 - - - 女官
輝城みつる - - エーアン ラウシャー
花陽みら - - - 美容師
星輝つばさ - - 黒天使 シュテファン
真凜カンナ - - - 女官
紗那ゆずは - - - 黒天使
翔我つばき - - - 黒天使
隼海惺 - - - 黒天使
天翔りいら - - - 黒天使
珠城りょう - - - ジュラ
香咲蘭 - - - 女官
前回公演と「同役」なのは、黒天使の園加くらい?(園加は花組だからもっと昔ですが)
あとは、新公と同役なのが、「女官」とかを除いて、二人の母親みっぽー(ルドヴィカ)とあいあい(ゾフィー)。
……バイエルン王家の血って、どういう風に流れているんでしょうねぇ。みっぽーの旦那がナホちゃんで、娘がカチャと萌花ゆりあちゃん、姉があいあいで甥がきりやん、とか思うとすごく笑えます。
専科さんの出演が無いので、マックス=ナホちゃん、グリュンネ=研ちゃんは予想どおり。
まいちゃんのツェップスも予想通りといえば予想通りかな。グリュンネと逆かな、とも思っていたのですが。
マギーのシュヴァルツェンベルク将軍は、(たぶん)ぴったり!!でしょうねぇ。思いっきりやっちゃってホシイ(^ ^)。
その周りを囲む「密告者たち」が、きっしーとあちょうさんなのが素晴らしい!!
……ラウシャーのふぁーびーも、「二人の貴公子」のお医者さん役を観ると案外ラウシャーは似合いそうだし、なかなか楽しみな面子ですね♪
雪組さんの重臣ズが、どうみてもハマコさんのハーレムにしか見えなかったのとはうってかわって、重厚な重臣たちで嬉しいです。いや、雪組の美形軍団も大好きでしたけど(^ ^;ゞ。
今回、私の予想(というか希望)はほとんど当たらなかったんですよねぇ(↓)。当たったのは新公フランツのゆりやんとルキーニの宇月くらい。
特に女性陣が丸っと外れました。中でもあーちゃんのスターレイは意外。ほたるの役名無しも意外。
すずなのリヒテンシュタインは納得かな。ゆりあちゃんのヘレネは意外だったけど納得。
こころの死刑囚の母は……歌唱力と芝居と両方を持っていないとウザいだけの役になりがちなので、こころというのは良い配役だとは思うんですけどね。でも、マダム・ヴォルフ観たかったなあ(涙)。いや、理寿ちゃんのヴォルフもすごく楽しみなんですけど(美人だしスタイル良いし歌えるし!)、でも、こころで観たかったよ……(←まさおとこころのキスシーンに勝手に萌えていた猫)
なっつのヴィンディッシュ嬢もちょっと意外でしたが、これまた「二人の貴公子」の王妃役の出来を考えると納得かも。ヴィンディッシュは物語の鍵になる役なので、カチャと二人、探り合ってしっかり役作りができるよう、祈っています。
そして。ルドルフ/エルマー/シュテファンで役替りがある今回の公演。
ジュラ役のるうちゃん(とツェップスのまいちゃん)ががんばらないと、ハンガリーチームまとめようがなくて大変そうですよね。……がんばれ~~~!
あ、そういえば、るうちゃんも前回新公と同じ役なんですね、ジュラ。じゃあ、いちおう一歩リードはしているんですね。がんばってね!
とーやんと鼓さんの役名なしはとても残念。まぁ、鼓さんは役がなくても勝手に芝居をしてくれるので構わないかもしれませんが、とーやんはラストなのに(T T)。たぶん親戚とかカフェの男とか、出番はたくさんあるんでしょうけれども、なんとなく寂しい……。
前回の月組「エリザベート」公演は、2005年。
あのときって91期生(貴千碧ちゃん以下)は初舞台なので出てなかったんですね。
最下で90期のみづきちゃん(瑞羽奏都)が黒天使に入ってたのをよく覚えています。美人でスタイルよくて、吃驚しました。……なのに今回は役なしだなんて(泣)。もう一回黒天使って訳にはいかないんでしょうし、親戚とかカフェの男とか、そのあたりに入ったりもするんでしょうけれども。
今回の最下は研3の輝城みつるくんと星輝つばさくん。残念ながら研2は本公演役無しでしたね。カフェでソロを歌いそうな子とかは居るのかな。
新公は、星輝くんがシュテファン、輝城くんはラウシャー。凄いなあ。小池さんの信頼篤いんですねぇ!
新公ジュラは、研2の珠城りょうさん。「二人の貴公子」でなかなか落ち着いた良い芝居をしていたので(台詞は少なかったけど)、ちょっと期待。
個人的に「二人の貴公子」でかなりお気に入りになった天翔りいらさんは、新公黒天使。うーん、可愛かったんだけど、チェックできるでしょうか……(自信なし)
花陽みらちゃんの美容師は楽しみ!
紗那ゆずはちゃんの黒天使もめっちゃツボです。あの美少女が、どんなメークで黒天使やるんだろう。…前回の新公で黒天使に入っていた白華れみちゃんみたいな感じかな?
翔我つばきくん、隼海惺くんもがんばってくださいね!楽しみにしています♪
博多座以来のお気に入り・真愛涼歌ちゃん(「二人の貴公子」でずっとエミーリアの傍についている方の女官)。あんなに声も芝居も可愛いのに、死刑囚の母かよ!!でも歌と芝居が両立できる人なのでちょっと期待してしまいます。
新公ルドルフは煌月爽矢くん、エルマーは鳳月杏ちゃん。子ルドルフは千海華蘭ちゃん。
おお、このあたりの役が92期に降りてくるのか…。そっか、もう研4ですもんね。星組さんでは真風くんが主演しているくらいだし、この辺りでもっともっとがんばってもらわないといけないんですねぇ……がんばれ!!
蘭乃はなちゃんは、新公ヘレネで本役がマデレーネ。……小池さんGJ。技術的なことはよくわかりませんが、霧やんを誘惑する蘭ちゃん!!と思っただけで、個人的にかなり盛り上がりました(^ ^;。
新公マデレーネは百愛ちゃん。これまた楽しみなダンサー対決ですね。いつも群舞で闘っていた二人、同じ役で勝負するのは初めて……かな?二人とも力を尽くしてがんばってほしいです☆
その百愛ちゃんは、本役も黒天使。「ホフマン物語」の影がものすごく素敵だったので、めっちゃ楽しみです!今回の黒天使キャストで一番の期待株かもしれません(^ ^;ゞ。
まんちゃんは本公演も新公も黒天使。…芝居もできる人なので、新公は重臣ズに入ってくれると思ったのになあ…。まぁ、園加ポジションのようなので、出番とかも違うのでしょうけれども。でも惜しい。
90期女傑三人(←私が勝手に呼んでいるだけ)の琴音和葉・玲実くれあ・夏鳳しおりは、それぞれ新公でルドヴィカ・ゾフィー・リヒテンシュタインの女傑をしっかりGET。さすがです!
本公演は三人とも女官なんですよね。なんだか今回の女官さんたちは、皆さん月娘の中でも特に強い人が集まっている……ような気がします…(←皆大好きですが何か?)。
りおんの新公マダム・ヴォルフにちょっと愕然。そりゃー似合うよ……決まってるじゃないか!!(感動)
響くんのツェップスは、ひたすら優しいツェップスになりそうだなあ。わくわく。ダンスも好きなので、本役黒天使もとても嬉しい♪
みっしょんは相変わらず本公演役無し(T T)。うーん、本当に役がつかない人だなあ…。でも新公はグリュンネ\(^ ^)/……素敵なおじさまバージョンのみっしょんに会えるのが嬉しいです♪好きなんですよグリュンネ(*^ ^*)。
新人公演でのエリザベート役は、何度も書きましたが私は彩星りおんちゃんのシシィがすごーく観たかったので、しずくちゃんは大好きだけど、ちょっとがっくり(涙)。
でも、そうは言ってもしずくちゃんは大好きなのでとても楽しみです。どんな切り口で演じるのか、どうくるのか。みりおくんとは相性もいいし、本公演とは全く違う作品になりそうで、とても楽しみです!
っていうか、新公演出が気になる……。誰なんでしょうねぇ。
とりあえず、「エリザベート」新人公演で一番大変なのはルキーニなので、宇月くんにはがんばっていただきたいなと思います(^ ^)。
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天王洲アイルの銀河劇場にて、ミュージカル「回転木馬」を観劇してまいりました。
日本初演は、1969年の宝塚雪組。1993年にブロードウェイでリバイバルされ、トニー賞を獲ったのをきっかけに東宝で上演(1995年帝国劇場)。
その昔、某作品について「宝塚で上演されても日本初演には数えられない(だから自分のところが日本初演だ)」などと失礼なことをヌかした某劇団関係者がいましたが、実際雪組さんの「回転木馬」はどういう構成だったんでしょうかね…?
そのままでは、あまり宝塚らしい世界観の作品ではないと思うのですが。
ロジャース&ハマースタインIIの名曲が詰まった作品。音楽は大好きでCDは何度も聴いているのですが、正直、帝劇公演はあまりぴんとこなくて(汗)、今回の上演も「…まぁ、一回くらい観ておくか…」くらいの気持ちで出かけたのですが。
……まんまと泣いてしまいました(^ ^; 涙腺弱すぎ>自分。
嫌な話だと思うんですよね。
物語の始まりは、「カルメン」に似てるなぁと思います。ミセス・マリン(風花舞)にクビを言い渡され、自棄になったビリー(浦井健治)と、雇い主のバスコム氏に「寮母さんに言い訳してあげるから、一緒においで」と言われても、たった今、自分のために仕事を喪ったばかりの男の傍から離れられないジュリー(笹本玲奈)が、リーリャス・パスティアの酒場で帰隊ラッパを聴いたホセにかぶる。
恋に落ちたばっかりに、仕事もプライドも喪った男。
彼は、自分が愛する女を守れない、食わせてやれない無一文であることに深く傷つき、しまいには自分を惹きつけた女に仕事が見つからないヤツアタリをするようになる。
でも。
「愛する女を殴るなんて!」と責める人々に、「たった一度だ!」と叫ばずにいられない彼の若さ、いえ、幼さがいとおしいんですよ。その不器用さ、いじらしくさえあるその幼さが、彼の魅力で、ジュリーもミセス・マリンも、それゆえに彼を諦められないのだと納得できてしまう。
だから、こんな悲惨な、救いのない物語なのに、ラストに何かが昇華されてしまうのでしょう……。
そしてジュリーが、ただの純粋な少女じゃなく、ちゃんと“女”だったのが凄く良かったです。
母性の塊のような、不器用でやんちゃな子供みたいなビリーを愛し、包んであげられるだけの器もった大人の女性。
ぱっと見の美人さ、顔立ちの華やかさは、キャリーのはいだしょうこ(千琴ひめか)の方が上なのに、玲奈ちゃんのたたずまいにはしっとりと落ち着いた柔らかさがあって、いかにも“永遠の少年”が恋をしそうな女性に見えました。
ビリーの持つ少年性と、ジュリーのもつ母性が惹き合った結果が、あの恋だったのだ、と。
玲奈ちゃんって、ただの可愛い少女もできるけど、年齢の割にしっかりした大人の女性が似合う人なんだなあ、とあらためて感嘆しました。「白衣の女」のヒロインも良かったもんね。
顔立ちは幼いのに、背が高くて(安奈淳さんより大きかったのに驚き!)スタイルが良いのでこの時代のドレスがよく似合います。特に、髪をアップにすると途端に大人びて美人になって、二幕後半の艶やかさは半端じゃなかった。
男と恋をしている真っ最中よりも、彼を喪って思い出に生きているときの方が美しい、そんなひと。
ラスト前に、天から戻ってきたビリーが見守る中、ベンチに放置された“星”を拾い上げて、呆然と座り込む場面の二人に泣かされてしまったことは、……別に内緒にはしてません(^ ^;ゞ
演出はロバート・マックィーン。
舞台の上半分に「天上」のセット(煌く星が飾られたオルゴールメリーみたいな……)。
その回りには回廊があって、「星の番人」(安原義人)と天使(西本健太郎/岡亮)がいる。地上を見守る存在、いわゆる「常に見ている存在」が具体的に居るんですね。
ビリーも、そういう存在を意識していたら、悪いことなんて出来なかったろうに、と思いながら。
「星の番人」たちは2幕でビリーが死ぬまで台詞はありません。たしか、帝劇版では前半は全く登場せず、最後になって突然出てきたんで「誰あんたたち」って思った……ような気がする(違うかも)。
今回は、オープニングでまず紗幕の向こうにきらめく星と番人たちをうっすらと見せる、という手法で“見守っている存在”を象徴的に表現していましたのが、メッセージとして解り易くて良かったです。
帝劇版で印象的に使われていた大きな回転木馬のセットみたいなものは最後まで登場せず、天上の星の下、人間界には大きなセットは登場せず、以前は「スフィア」と呼ばれていた円形の舞台を、円いままに使ったシンプルな舞台でした。
ちなみに、演奏も生オケ。天上のセットの奥にオケを入れて、プロローグの間は客席にも見せておき、そこだけ幕を降ろして本編が始まる、という見せ方がプロでした。
…一幕終わってふと振り向いたら、役者に指揮者が見えるよう設置された結構大きなスクリーンに、指揮の塩田明弘さんが大写しになっていたので笑ってしまいました(^ ^)。客席のど真ん中に、あんなに大きなスクリーンを置いて使う劇場も珍しい(笑)。
演出的に印象的だったのは、オープニング。一言の台詞もないけど、立派に芝居のシーンになっていたので。
オープニングの音楽が流れ、工場の男たち・女たちが踊りだし、舞台面が華やいだところで、遊園地のメンバーが登場。アクロバティックな踊りを披露するダンサー(中川賢、三木雄馬)たちが凄かった!他にも手品をしてる人とか、いろいろ。うわーかっこいいーーーーっ♪と思っていると、白いカウボーイ服で登場するビリー。チケット売り場(?)に座る経営者のミセス・マリンの手にキスをして、さて、と客引きを開始する。
きゃあきゃあ騒ぐ女の子たち。
その中でも、ひときわ熱っぽい目で彼を見つめるジュリーに、ちょっかいをかけるピエロ(?)。嫌がるジュリーを見て、そいつを殴り倒し、ジュリーの手をとって誘うビリー。
チケット売り場から出て、二人を引き離そうとするミセス・マリン。
明るく軽やかなカルーセル・ワルツに乗って、その後の悲劇につながる全ての種が蒔かれていく。
ミセス・マリンに嫌味を言われて(?)、駆け去るジュリー。追いかけるキャリーと、そして、ビリー。
音楽は鳴りつづける。回転木馬は回り続ける。ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる、と…。
この場面に限ったことではないのですが。
セットに頼らず、役者一人ひとりの感情の持っていき方をきちんと指導してこそ、初めてこういう難しい作品が成立するんだなあ、と、感心しました。
帝劇公演をご覧になって、「音楽は良いんだけど、うーん…」と思われた方は、ぜひご覧になってみてくださいませ(^ ^)。
それでは、キャストについて。
ビリーとジュリーについてはだいたい書いた…かな?
ビリーは、移動遊園地の回転木馬の客引き。
ジュリーは土地(アメリカ北東部の海辺の町)の娘。バスコム氏の紡績工場で働いている、おとなしいけれども芯の強い娘。
どちらも本当に当たり役でした。玲奈ちゃんはその包容力(母性)が、浦井くんはとにかくその後ろ向きな意地っ張り加減と精神的な脆さが、物語を動かす原動力になっていたと思います。
彼らでなかったら、この悲惨なストーリーにこんなふうに共感することは出来なかったと思う。
ありがとう(*^ ^*)。
ミセス・マリン(風花舞)は、回転木馬の所有者で、ビリーの雇い主。
ビリーへの執着は半端ないんですけど(ビリーが女の子とイチャついたくらいでクビにしちゃうくらいだから)、実際この二人は寝てた仲なのかなぁ…?などとちょっと下世話な興味を抱いてしまいました。
美しい、まだまだ女ざかりの色っぽい女。ミセスと名乗りながら旦那がいる気配がないってことは、死に別れたのか逃げられたのか?しっとりとした“大人の女”の色気と、ねつい口調の怖ろしさがとても良かったです。
優子姫って、いつの間にこんなに怖い女が演じられる女優になっていたんだろうか、と。
散々やりあった挙句、死んだビリーにそっとキスをする、その、愛。彼女なりに真剣な恋だったのだ、と、そう思わせて。
固唾を呑んで見守る連中(=観客)に、乱れたショールを巻きなおして対峙し、背筋をピンと伸ばして舞台の奥へ消えていく後姿。赤いショールに包まれた、その、虚勢を張った細い背中に、
……ああ、「ウェストサイド物語」のマリアがここに、と。
キャリー(はいだしょうこ)は、ジュリーの友達。
口調の可愛らしさと罪の無さ。本当に“小鳥のよう”な存在感で、実に実に素晴らしかった!(*^ ^*)。
二幕のジガーとのひと幕にも全く罪はなく、“人間界の善悪”に染まったスノウが、とても惨めに見えたほど。
普段からあんな喋り方なんでしょうかねぇ…。いやー、本当に可愛かった!!
スノウ(坂元健児)は、生真面目な漁師で、キャリーの恋人。
この役は、帝劇で演じた林アキラさんの印象が強すぎて最初は違和感あったのですが。キャリーとデレデレ恋を語っているばかりではない、生真面目な堅物、自分の理想にこだわりすぎてありのままのキャリーを全然見ていない器の小ささは、サカケンの方が合っていたような気がします。とにかくアキラさんは優しすぎ・器がゆるすぎて、二幕のジガーとじゃれているキャリーに対する怒りさえ“な、何を言い出すの?”という感じだったので。
突然怒り出す(いや、怒るのが当然なんですけどね!)スノウに吃驚して、しょぼんと背中を丸めるキャリーが可愛くて可愛くて、たまりませんでした。いやー、本当に天然だ…(っていうか、気づきなさい)
ジガー(川崎麻世)は、いわゆる「悪漢」。
ジュリーと結婚したものの、稼ぎも無くイラついているビリーにまとわりつく“前科モノ”。ビリーを唆して強盗をしようとするけれども、一度は断られ、それでも彼の傍を離れない。
これまた帝劇で演じていた市村正親さんの印象が強いのですが、川崎さんはまた全然違っていましたね市村さんは結構観客を笑わせながらいろいろやっていたんですが、川崎さんはひたすら“怖”かった。
ハンサムなのは当たり前ですが、ああやって無精ひげに髪ぼさぼさでも、それだけで男前度が下がるものではないんですね。苦みばしったいい男っぷりで、スノウが咄嗟に嫉妬するのもよくわかる、と思いました。
この男前なハンサムが、執拗にビリーを誘う。
その、ゆがんだ愛情が怖かった。むしろ恋なんじゃないかと思うほど、ビリーの家庭生活を心配するような素振りで、実際には二人の間に溝を作っているのは他ならぬジガーなわけで。
ビリーは気づいていないけど、ジガーには当然わかっているはず。
それでも、ジガーはビリーを諦めない。ビリーの青さ、脆さ、弱さ……ちょっと突けば掌に落ちてくるはずの青年が、なかなか堕ちてこないことに苛つきながら、それでも周到に網を張って待っている。まるで、蜘蛛のように。
そういう周到さ、執念にも似たビリーへ向かう想いのようなものは、帝劇版では感じなかったと思います。
演出なのか役者の個性なのかわかりませんが、川崎麻世さんの当たり役って、私の中ではずっとジャベールだったんですが、今回のジガーはジャベールを越えたなあ、と。それが、彼に関する感想のすべてかも。
ジュリーとビリーの娘・ルイーズ(玉城晴香)と、彼女と踊るカーニバルボーイ(西島千博)。
西島さんのバレエはさすがでした(*^ ^*)。時間は短いけど、彼のダンスを観るだけでも元がとれるかも、と一瞬思ったくらい凄かった!
ルイーズの玉城さんも素晴らしかったけど、残念ながらスタイルはいまいちだったなあ。同じ場面にカーニバルの女王として登場する優子姫の、惜しげもなくさらされた脚線美をみてしまうと……(^ ^;ゞ。ルイーズ、という清純な乙女の役であの振り付けを踊るには、ちょっと生々しい筋肉質な脚だったのが残念な感じ。
技術的な難しいことはよくわからないので、素人の意見ですけどね。っていうか、単に全盛期の優子姫であのヴァリエーションを観てみたいなあ、と思っているだけですが。
カーニバルボーイは本当にそこしか出ないのですが、ルイーズは結構しっかりと芝居がありまして、割と良かったと思います。気の強い、でも子供っぽいところが表に出ていて、一途で可愛かった♪
スノウ・ジュニア(俵和也)のぼけーっとしたぼんぼんぶりとも良い対比で、可愛いカップルだな、と思いました。
…つい今しがたまで、情熱的に踊っていたカーニバルボーイはどうするの?とも思いましたが。
もちろん、最終的に択ぶのはルイーズなんですけど。どうするんでしょうね?実際には。
ドクター・シェルドン(安原義人)は、“星の番人”と同じキャストを使うだけあって、ちょっと哲学的な台詞を述べる役どころ。
ラストのルイーズの卒業式で祝辞を述べる医者、という役なのですが、完全にルイーズに向けて語り聞かせる台詞が、すごくいい。
「父母の成功を忘れなさい。それは父母の成功である」「父母の失敗を忘れなさい…」
…父親がどんな人間でも、娘を愛していたことは間違いのない事実で。
それを否定してはいけない。お前は、愛されてこの世に生まれてきたのだから。
「聴くんだ!ルイーズ、彼の話を!」と脇で囁きながら。
その言葉を、自分で娘に言ってやれないビリーの悔しさと、そして透明な諦念。
もういいんだ、と。
自分がいなくても、この言葉を彼女に言ってくれる大人がちゃんと居るんだから、と。
ビリーが地上に一日だけ戻る権利があるのは、それだけ彼が地上で嘘をついていたから。
彼は一度も本当のことを言わなかった。
ジュリーに、愛している、という一言を。
ルイーズに、愛している、という一言を。
だから、その一言が言えなかった彼には、一日だけ戻る権利が与えられる。
その一言を言えなかった自分に気づき、反省させるために。
言えなかった自分に、「次があれば、必ず言うよ…」と言わせるために。
だから。
ビリーが地上に戻るのは、ルイーズを救うためじゃない。
ジュリーを救うためでもない。
ルイーズを、ジュリーを救うのは、地上の人がしてくれるだろう。
ビリーは、自分自身を救わなくてはならない。
自分自身を、掬い上げなくてはならないのだ。深くて暗い、後悔という名の海の底から。
もう一度、光になるために。
それこそが、神の慈悲なのだから。
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日本初演は、1969年の宝塚雪組。1993年にブロードウェイでリバイバルされ、トニー賞を獲ったのをきっかけに東宝で上演(1995年帝国劇場)。
その昔、某作品について「宝塚で上演されても日本初演には数えられない(だから自分のところが日本初演だ)」などと失礼なことをヌかした某劇団関係者がいましたが、実際雪組さんの「回転木馬」はどういう構成だったんでしょうかね…?
そのままでは、あまり宝塚らしい世界観の作品ではないと思うのですが。
ロジャース&ハマースタインIIの名曲が詰まった作品。音楽は大好きでCDは何度も聴いているのですが、正直、帝劇公演はあまりぴんとこなくて(汗)、今回の上演も「…まぁ、一回くらい観ておくか…」くらいの気持ちで出かけたのですが。
……まんまと泣いてしまいました(^ ^; 涙腺弱すぎ>自分。
嫌な話だと思うんですよね。
物語の始まりは、「カルメン」に似てるなぁと思います。ミセス・マリン(風花舞)にクビを言い渡され、自棄になったビリー(浦井健治)と、雇い主のバスコム氏に「寮母さんに言い訳してあげるから、一緒においで」と言われても、たった今、自分のために仕事を喪ったばかりの男の傍から離れられないジュリー(笹本玲奈)が、リーリャス・パスティアの酒場で帰隊ラッパを聴いたホセにかぶる。
恋に落ちたばっかりに、仕事もプライドも喪った男。
彼は、自分が愛する女を守れない、食わせてやれない無一文であることに深く傷つき、しまいには自分を惹きつけた女に仕事が見つからないヤツアタリをするようになる。
でも。
「愛する女を殴るなんて!」と責める人々に、「たった一度だ!」と叫ばずにいられない彼の若さ、いえ、幼さがいとおしいんですよ。その不器用さ、いじらしくさえあるその幼さが、彼の魅力で、ジュリーもミセス・マリンも、それゆえに彼を諦められないのだと納得できてしまう。
だから、こんな悲惨な、救いのない物語なのに、ラストに何かが昇華されてしまうのでしょう……。
そしてジュリーが、ただの純粋な少女じゃなく、ちゃんと“女”だったのが凄く良かったです。
母性の塊のような、不器用でやんちゃな子供みたいなビリーを愛し、包んであげられるだけの器もった大人の女性。
ぱっと見の美人さ、顔立ちの華やかさは、キャリーのはいだしょうこ(千琴ひめか)の方が上なのに、玲奈ちゃんのたたずまいにはしっとりと落ち着いた柔らかさがあって、いかにも“永遠の少年”が恋をしそうな女性に見えました。
ビリーの持つ少年性と、ジュリーのもつ母性が惹き合った結果が、あの恋だったのだ、と。
玲奈ちゃんって、ただの可愛い少女もできるけど、年齢の割にしっかりした大人の女性が似合う人なんだなあ、とあらためて感嘆しました。「白衣の女」のヒロインも良かったもんね。
顔立ちは幼いのに、背が高くて(安奈淳さんより大きかったのに驚き!)スタイルが良いのでこの時代のドレスがよく似合います。特に、髪をアップにすると途端に大人びて美人になって、二幕後半の艶やかさは半端じゃなかった。
男と恋をしている真っ最中よりも、彼を喪って思い出に生きているときの方が美しい、そんなひと。
ラスト前に、天から戻ってきたビリーが見守る中、ベンチに放置された“星”を拾い上げて、呆然と座り込む場面の二人に泣かされてしまったことは、……別に内緒にはしてません(^ ^;ゞ
演出はロバート・マックィーン。
舞台の上半分に「天上」のセット(煌く星が飾られたオルゴールメリーみたいな……)。
その回りには回廊があって、「星の番人」(安原義人)と天使(西本健太郎/岡亮)がいる。地上を見守る存在、いわゆる「常に見ている存在」が具体的に居るんですね。
ビリーも、そういう存在を意識していたら、悪いことなんて出来なかったろうに、と思いながら。
「星の番人」たちは2幕でビリーが死ぬまで台詞はありません。たしか、帝劇版では前半は全く登場せず、最後になって突然出てきたんで「誰あんたたち」って思った……ような気がする(違うかも)。
今回は、オープニングでまず紗幕の向こうにきらめく星と番人たちをうっすらと見せる、という手法で“見守っている存在”を象徴的に表現していましたのが、メッセージとして解り易くて良かったです。
帝劇版で印象的に使われていた大きな回転木馬のセットみたいなものは最後まで登場せず、天上の星の下、人間界には大きなセットは登場せず、以前は「スフィア」と呼ばれていた円形の舞台を、円いままに使ったシンプルな舞台でした。
ちなみに、演奏も生オケ。天上のセットの奥にオケを入れて、プロローグの間は客席にも見せておき、そこだけ幕を降ろして本編が始まる、という見せ方がプロでした。
…一幕終わってふと振り向いたら、役者に指揮者が見えるよう設置された結構大きなスクリーンに、指揮の塩田明弘さんが大写しになっていたので笑ってしまいました(^ ^)。客席のど真ん中に、あんなに大きなスクリーンを置いて使う劇場も珍しい(笑)。
演出的に印象的だったのは、オープニング。一言の台詞もないけど、立派に芝居のシーンになっていたので。
オープニングの音楽が流れ、工場の男たち・女たちが踊りだし、舞台面が華やいだところで、遊園地のメンバーが登場。アクロバティックな踊りを披露するダンサー(中川賢、三木雄馬)たちが凄かった!他にも手品をしてる人とか、いろいろ。うわーかっこいいーーーーっ♪と思っていると、白いカウボーイ服で登場するビリー。チケット売り場(?)に座る経営者のミセス・マリンの手にキスをして、さて、と客引きを開始する。
きゃあきゃあ騒ぐ女の子たち。
その中でも、ひときわ熱っぽい目で彼を見つめるジュリーに、ちょっかいをかけるピエロ(?)。嫌がるジュリーを見て、そいつを殴り倒し、ジュリーの手をとって誘うビリー。
チケット売り場から出て、二人を引き離そうとするミセス・マリン。
明るく軽やかなカルーセル・ワルツに乗って、その後の悲劇につながる全ての種が蒔かれていく。
ミセス・マリンに嫌味を言われて(?)、駆け去るジュリー。追いかけるキャリーと、そして、ビリー。
音楽は鳴りつづける。回転木馬は回り続ける。ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる、と…。
この場面に限ったことではないのですが。
セットに頼らず、役者一人ひとりの感情の持っていき方をきちんと指導してこそ、初めてこういう難しい作品が成立するんだなあ、と、感心しました。
帝劇公演をご覧になって、「音楽は良いんだけど、うーん…」と思われた方は、ぜひご覧になってみてくださいませ(^ ^)。
それでは、キャストについて。
ビリーとジュリーについてはだいたい書いた…かな?
ビリーは、移動遊園地の回転木馬の客引き。
ジュリーは土地(アメリカ北東部の海辺の町)の娘。バスコム氏の紡績工場で働いている、おとなしいけれども芯の強い娘。
どちらも本当に当たり役でした。玲奈ちゃんはその包容力(母性)が、浦井くんはとにかくその後ろ向きな意地っ張り加減と精神的な脆さが、物語を動かす原動力になっていたと思います。
彼らでなかったら、この悲惨なストーリーにこんなふうに共感することは出来なかったと思う。
ありがとう(*^ ^*)。
ミセス・マリン(風花舞)は、回転木馬の所有者で、ビリーの雇い主。
ビリーへの執着は半端ないんですけど(ビリーが女の子とイチャついたくらいでクビにしちゃうくらいだから)、実際この二人は寝てた仲なのかなぁ…?などとちょっと下世話な興味を抱いてしまいました。
美しい、まだまだ女ざかりの色っぽい女。ミセスと名乗りながら旦那がいる気配がないってことは、死に別れたのか逃げられたのか?しっとりとした“大人の女”の色気と、ねつい口調の怖ろしさがとても良かったです。
優子姫って、いつの間にこんなに怖い女が演じられる女優になっていたんだろうか、と。
散々やりあった挙句、死んだビリーにそっとキスをする、その、愛。彼女なりに真剣な恋だったのだ、と、そう思わせて。
固唾を呑んで見守る連中(=観客)に、乱れたショールを巻きなおして対峙し、背筋をピンと伸ばして舞台の奥へ消えていく後姿。赤いショールに包まれた、その、虚勢を張った細い背中に、
……ああ、「ウェストサイド物語」のマリアがここに、と。
キャリー(はいだしょうこ)は、ジュリーの友達。
口調の可愛らしさと罪の無さ。本当に“小鳥のよう”な存在感で、実に実に素晴らしかった!(*^ ^*)。
二幕のジガーとのひと幕にも全く罪はなく、“人間界の善悪”に染まったスノウが、とても惨めに見えたほど。
普段からあんな喋り方なんでしょうかねぇ…。いやー、本当に可愛かった!!
スノウ(坂元健児)は、生真面目な漁師で、キャリーの恋人。
この役は、帝劇で演じた林アキラさんの印象が強すぎて最初は違和感あったのですが。キャリーとデレデレ恋を語っているばかりではない、生真面目な堅物、自分の理想にこだわりすぎてありのままのキャリーを全然見ていない器の小ささは、サカケンの方が合っていたような気がします。とにかくアキラさんは優しすぎ・器がゆるすぎて、二幕のジガーとじゃれているキャリーに対する怒りさえ“な、何を言い出すの?”という感じだったので。
突然怒り出す(いや、怒るのが当然なんですけどね!)スノウに吃驚して、しょぼんと背中を丸めるキャリーが可愛くて可愛くて、たまりませんでした。いやー、本当に天然だ…(っていうか、気づきなさい)
ジガー(川崎麻世)は、いわゆる「悪漢」。
ジュリーと結婚したものの、稼ぎも無くイラついているビリーにまとわりつく“前科モノ”。ビリーを唆して強盗をしようとするけれども、一度は断られ、それでも彼の傍を離れない。
これまた帝劇で演じていた市村正親さんの印象が強いのですが、川崎さんはまた全然違っていましたね市村さんは結構観客を笑わせながらいろいろやっていたんですが、川崎さんはひたすら“怖”かった。
ハンサムなのは当たり前ですが、ああやって無精ひげに髪ぼさぼさでも、それだけで男前度が下がるものではないんですね。苦みばしったいい男っぷりで、スノウが咄嗟に嫉妬するのもよくわかる、と思いました。
この男前なハンサムが、執拗にビリーを誘う。
その、ゆがんだ愛情が怖かった。むしろ恋なんじゃないかと思うほど、ビリーの家庭生活を心配するような素振りで、実際には二人の間に溝を作っているのは他ならぬジガーなわけで。
ビリーは気づいていないけど、ジガーには当然わかっているはず。
それでも、ジガーはビリーを諦めない。ビリーの青さ、脆さ、弱さ……ちょっと突けば掌に落ちてくるはずの青年が、なかなか堕ちてこないことに苛つきながら、それでも周到に網を張って待っている。まるで、蜘蛛のように。
そういう周到さ、執念にも似たビリーへ向かう想いのようなものは、帝劇版では感じなかったと思います。
演出なのか役者の個性なのかわかりませんが、川崎麻世さんの当たり役って、私の中ではずっとジャベールだったんですが、今回のジガーはジャベールを越えたなあ、と。それが、彼に関する感想のすべてかも。
ジュリーとビリーの娘・ルイーズ(玉城晴香)と、彼女と踊るカーニバルボーイ(西島千博)。
西島さんのバレエはさすがでした(*^ ^*)。時間は短いけど、彼のダンスを観るだけでも元がとれるかも、と一瞬思ったくらい凄かった!
ルイーズの玉城さんも素晴らしかったけど、残念ながらスタイルはいまいちだったなあ。同じ場面にカーニバルの女王として登場する優子姫の、惜しげもなくさらされた脚線美をみてしまうと……(^ ^;ゞ。ルイーズ、という清純な乙女の役であの振り付けを踊るには、ちょっと生々しい筋肉質な脚だったのが残念な感じ。
技術的な難しいことはよくわからないので、素人の意見ですけどね。っていうか、単に全盛期の優子姫であのヴァリエーションを観てみたいなあ、と思っているだけですが。
カーニバルボーイは本当にそこしか出ないのですが、ルイーズは結構しっかりと芝居がありまして、割と良かったと思います。気の強い、でも子供っぽいところが表に出ていて、一途で可愛かった♪
スノウ・ジュニア(俵和也)のぼけーっとしたぼんぼんぶりとも良い対比で、可愛いカップルだな、と思いました。
…つい今しがたまで、情熱的に踊っていたカーニバルボーイはどうするの?とも思いましたが。
もちろん、最終的に択ぶのはルイーズなんですけど。どうするんでしょうね?実際には。
ドクター・シェルドン(安原義人)は、“星の番人”と同じキャストを使うだけあって、ちょっと哲学的な台詞を述べる役どころ。
ラストのルイーズの卒業式で祝辞を述べる医者、という役なのですが、完全にルイーズに向けて語り聞かせる台詞が、すごくいい。
「父母の成功を忘れなさい。それは父母の成功である」「父母の失敗を忘れなさい…」
…父親がどんな人間でも、娘を愛していたことは間違いのない事実で。
それを否定してはいけない。お前は、愛されてこの世に生まれてきたのだから。
「聴くんだ!ルイーズ、彼の話を!」と脇で囁きながら。
その言葉を、自分で娘に言ってやれないビリーの悔しさと、そして透明な諦念。
もういいんだ、と。
自分がいなくても、この言葉を彼女に言ってくれる大人がちゃんと居るんだから、と。
ビリーが地上に一日だけ戻る権利があるのは、それだけ彼が地上で嘘をついていたから。
彼は一度も本当のことを言わなかった。
ジュリーに、愛している、という一言を。
ルイーズに、愛している、という一言を。
だから、その一言が言えなかった彼には、一日だけ戻る権利が与えられる。
その一言を言えなかった自分に気づき、反省させるために。
言えなかった自分に、「次があれば、必ず言うよ…」と言わせるために。
だから。
ビリーが地上に戻るのは、ルイーズを救うためじゃない。
ジュリーを救うためでもない。
ルイーズを、ジュリーを救うのは、地上の人がしてくれるだろう。
ビリーは、自分自身を救わなくてはならない。
自分自身を、掬い上げなくてはならないのだ。深くて暗い、後悔という名の海の底から。
もう一度、光になるために。
それこそが、神の慈悲なのだから。
.
年度替りで怒涛の一週間が終わり、死んでいます。いやー、キツかった。
昨日は完徹で朝帰り。もう若くないので徹夜は厳しい(T T)。
でもまぁ、なんとか一山超えまして、来週は少しは人間らしく……無理かな(泣)
そんなわけで、今日は9時に寝て4時に起きました。……あれっ!?もう薄暗いよっ!?
ああ、17時開演のさいたま「ムサシ」のチケットを、昨日のうちに埼玉県民に押し付けたのは正解でした…。でもいつ行けるんだろう。しょぼん。
何が何でも今日は花見に行かなくては!!とゆう使命感に燃えていたので、とりあえず適当に着替えて外出。遠出できるような時間でも体調でもなかったので、近所の川沿いを3キロ歩いて満足しました(^ ^)v
3分咲くらいの頃に降ったきり、寒は戻ったけど雨が降ることなく4月を迎え、ほぼ満開で土日。しかもその週末がからっと晴れて青空が見える、なんて、何年ぶりの快挙でしょうか(^ ^)。ああ、幸せだ。
今夜は雨と予報で言ってたけど、まだ降っていないですよね?明日までこの天気が保ってくれればなあ……。
いやー、満開の桜の美しいこと。桜色の雲が薄蒼い空に溶けるように馴染んで、白い光を発しているかのようです。川に向かって枝を伸ばす、樹齢の揃ったソメイヨシノは、ここ数年美しさを増して、女盛りの柔らかさ。
ところどころにひっそりと混ざるオオシマザクラ(?)の白い花と薄緑の葉っぱのコントラストが目に優しい。桜色のぽわぽわとした雲とは樹形が違うので、そこだけぽっかりと異空間。雲の上を舞う、白い服を着た天人みたいだなー。
街中の桜並木なので背景が無粋なのが残念ですが、本当にいい樹が並んでいるので幸せです♪
近所の有名な公園の桜はそろそろ“枯れた味わい”になりつつあるので、ここもあと何年…と想いながらも、一番綺麗なときを満喫しておきたいな、と思います☆
普段はそれなりに季節ごとにいろんな花が咲いている遊歩道なのに、この季節だけは本当に桜しか植わっていないみたいで。桜吹雪はやっぱり異界に通じる門だよなあ、なーんてことを考えながら歩いていたのですが。
……桜の季節って、やっぱり人は狂うものなのでしょうか。
何が驚いたって、私が花見をしたのは、川沿いの普通の遊歩道なんですよ。なのに、そこかしこに敷物敷いて酒盛りしているグループが……。テーブルと椅子(とターフ)まで持ち込んで、どこかのバーベキュー広場と勘違いしているグループまでいるし。
ここって公道だよね?そういうことしていい場なのか……?いや、いけないとは書いてないけどさ。普通はしないだろうに。
っていうか、毎年必ず歩くけど、あんな光景初めてですよ。…土日の夕方だから?さすがに、泥酔して通りすがりの女の子に絡むような頭のおかしな人はいませんでしたが、何かあってからじゃ遅いし、取り締まった方がいいと思うんだけどなあ。
異界に通じる門の前に茣蓙を広げて、酒を呑んでる異形のものたち。
……門から出てきた化けものに喰われてしまえっ!!と思ったことは内緒です(^ ^;ゞ
.
昨日は完徹で朝帰り。もう若くないので徹夜は厳しい(T T)。
でもまぁ、なんとか一山超えまして、来週は少しは人間らしく……無理かな(泣)
そんなわけで、今日は9時に寝て4時に起きました。……あれっ!?もう薄暗いよっ!?
ああ、17時開演のさいたま「ムサシ」のチケットを、昨日のうちに埼玉県民に押し付けたのは正解でした…。でもいつ行けるんだろう。しょぼん。
何が何でも今日は花見に行かなくては!!とゆう使命感に燃えていたので、とりあえず適当に着替えて外出。遠出できるような時間でも体調でもなかったので、近所の川沿いを3キロ歩いて満足しました(^ ^)v
3分咲くらいの頃に降ったきり、寒は戻ったけど雨が降ることなく4月を迎え、ほぼ満開で土日。しかもその週末がからっと晴れて青空が見える、なんて、何年ぶりの快挙でしょうか(^ ^)。ああ、幸せだ。
今夜は雨と予報で言ってたけど、まだ降っていないですよね?明日までこの天気が保ってくれればなあ……。
いやー、満開の桜の美しいこと。桜色の雲が薄蒼い空に溶けるように馴染んで、白い光を発しているかのようです。川に向かって枝を伸ばす、樹齢の揃ったソメイヨシノは、ここ数年美しさを増して、女盛りの柔らかさ。
ところどころにひっそりと混ざるオオシマザクラ(?)の白い花と薄緑の葉っぱのコントラストが目に優しい。桜色のぽわぽわとした雲とは樹形が違うので、そこだけぽっかりと異空間。雲の上を舞う、白い服を着た天人みたいだなー。
街中の桜並木なので背景が無粋なのが残念ですが、本当にいい樹が並んでいるので幸せです♪
近所の有名な公園の桜はそろそろ“枯れた味わい”になりつつあるので、ここもあと何年…と想いながらも、一番綺麗なときを満喫しておきたいな、と思います☆
普段はそれなりに季節ごとにいろんな花が咲いている遊歩道なのに、この季節だけは本当に桜しか植わっていないみたいで。桜吹雪はやっぱり異界に通じる門だよなあ、なーんてことを考えながら歩いていたのですが。
……桜の季節って、やっぱり人は狂うものなのでしょうか。
何が驚いたって、私が花見をしたのは、川沿いの普通の遊歩道なんですよ。なのに、そこかしこに敷物敷いて酒盛りしているグループが……。テーブルと椅子(とターフ)まで持ち込んで、どこかのバーベキュー広場と勘違いしているグループまでいるし。
ここって公道だよね?そういうことしていい場なのか……?いや、いけないとは書いてないけどさ。普通はしないだろうに。
っていうか、毎年必ず歩くけど、あんな光景初めてですよ。…土日の夕方だから?さすがに、泥酔して通りすがりの女の子に絡むような頭のおかしな人はいませんでしたが、何かあってからじゃ遅いし、取り締まった方がいいと思うんだけどなあ。
異界に通じる門の前に茣蓙を広げて、酒を呑んでる異形のものたち。
……門から出てきた化けものに喰われてしまえっ!!と思ったことは内緒です(^ ^;ゞ
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宝塚大劇場にて、雪組公演「風の錦絵/ZORRO」を観てまいりました。
月組バウ公演「二人の貴公子」の続きは、すみません、後回しにさせてください。
なんだか書きたいことがいっぱいあって溢れてしまいそうなので(笑)、忘れないうちに雪組さんを、ってことで。
『風の錦絵』
石田さんの日本もののショー。
えーっと、たぶん、私は初めて観る……と、思います。っていうか、過去にやったことがあるんでしょうか彼は。 <全編和物のショー。
ショーの一部になんちゃって和物な場面を入れるのは得意な印象がありますけどね。「ミレニアム・チャレンジャー」の「大漁ソーラン」、好きだったなあ。あれがあったから、今回のショーは結構楽しみにしていました。その期待は、裏切られなかった……かな?
#私にとっての「ソーラン」初演は、湖月さんではなくて1000days劇場の樹里ちゃんですが(^ ^)。
というか、去年は「黎明の風」「殉情」「銀ちゃんの恋」と、再演二本を含む高打率だった石田さん。
今回も含めて、ここ数年間洋ものをやっていないような気がするのは気のせいでしょうか?
何かあったっけ。「黎明」の前も「大阪侍」だし……
……も、もしかして、2005年の「ワンダーランド」まで遡るのでは?石田さんの“洋物”って。
おお。「和物」の印象が強い谷さんがここ数年洋物ばかりだなあとは思っていたのですが、その分石田さんが和物をやっていたんですね。……いや、「銀ちゃん」は日本ものだけど、和物ではない、ような気が…言葉の定義って難しいなあ(汗)。
話がちょっと飛んでしまいましたが、面白かったです。とっても。
私は、和物のショーで真剣に通ったのは「花の宝塚風土記」と「MAHOROBA」くらいなんですが、嵌りまくった「MAHOROBA」には及ばないにせよ、結構好きなショーです。
一番好きなのは、風林火山かなあ。皆かっこいい!!中でも、テルくん(凰稀かなめ)の美しさにはちょっと見惚れました。顔にかかる髪の確信犯ぶりが素晴らしい。ああ、大劇場まで行っておいて良かった! ほぼテルくんを観にいったようなもの(他の皆様&チギちゃんは東宝でお会いできる)だったので、予想以上の美しさに満足しました(^ ^)。
テルくんといえば、ちょうど今日、星組さんの「太王四神記」のポスターが劇団公式サイトにアップされましたね♪ なんて美しい…(*^ ^*)。祐飛さんのホゲさまとは全く違うキャラになりそうですが(タムドクもキハも全然違いそうですし)、新しい組に行っても、がんばってほしいと思います!
風の盆も、後ろの鏡が効いていて、いい雰囲気でした。ああいう演出は巧いなあ、と感心。しかも、石田さんさすが!と思ったのは、松本さんを独りで踊らせずに下級生もたくさん出したこと!プロと一緒に舞台に立つことで下級生も勉強になったでしょうし、観客にとっては観るべきところがたくさんあって楽しい場面になりました(^ ^)。
菊人形も面白かったなあ…。
一回しか観ていないのと、プログラムを買い損ねたのであまり細かい流れが思い出せないのですが(すみません)、卒業する谷やん(谷みずせ)がすごく可愛かった(笑)。
とにかく、見所が多くて飽きないショーでしたね。私には日本舞踊の良し悪しはあまりよくわからないのですが、衣装の着こなしが粋なのはさすが雪組さん、と思いました。
お化粧は、キレイな人はきれいだけど、下級生は他の組とそんなにレベル変わらないかも。日本物の雪組、と呼ばれてはいても、ここ最近はご無沙汰でしたもんね。水くんがトップになってからは、中日/全ツの「星影の人」くらい?あのときは結構下級生まで皆きれいだなーと思ったのですが。
幕開きの坊さんとかはアイディアだなーと思うし、AQUA5の使い方も巧いなーと感心しましたが、目明しのとなみちゃんはちょっとやりすぎかも?最初の登場はあれでもいいんですが、オープニングの間に着替えてしっとり踊る場面くらい創ってあげてほしかった。
ああいうおきゃんなキャラもとなみちゃんの魅力ではありますが、お芝居の方もそんな感じなので、せめてショーではもう少しいろんなとなみちゃんに会いたかったです。
……ミュージックサロンに期待しろって?チケットがあればねー(悄然)。
『ZORRO ~仮面のメサイア』
谷さんの後物のお芝居。
でも、フィナーレが長いので、同じ後物でも「マリポーサの花」よりは大分短いような?
いやーーーーー、なんというか。
あちこち綻びがあるあたりは谷さんだなあ、とは思っちゃいましたけど、でも、ホントに面白かったですよ!!
「愛と死のアラビア」に通った過去を捨てたい猫的には、「これは組ファンなら通うでしょ!?」とゆー感じ。
1800年代初頭のスペイン領カリフォルニア。
この時代のカリフォルニアの人種構成がよく判らないのですが(←無知ですみません汗)、
征服者であるスペイン人(オリバレス総督/テル)は白人。
現地には、彼らによって搾取される富裕農民層(ディエゴ/水、ロリータ/となみ)と、総督におもねる層(メンドーサ/ユミコ、ガルシア/キタロウ)がいて、どちらかといえば後者の方が身分が低いんだけど、権力側にいるので立場が強い、ってな感じなんですよね?
そして、彼ら(総督以外)は基本的にスペインからの入植者たち、つまり、人種的には白人。ってことは、当時のカリフォルニアには白人だけで3階層あって、さらにその下に“被征服民”であるネイティブアメリカン(ベルナルド/キム、ブラックエルク/ヒロミ)がいた、ってことですよね…。
この「人間」たちの4層構造を、もう少し判りやすく整理して描き出すことができていたら、結構感動的な物語になったのでは…と思うんですよね。こういうのは台詞で説明されても混乱するばかりで、もっと日常的なエピソードの積み重ねで自然に描き出すべきなのですが、そういう枝葉のエピソードが谷作品には全く無いのが残念。
人間関係も複雑だし、それによって対立軸が複数になるので解りにくくなっちゃうんですよね。
総督&現地社会の底辺層チームによる、入植者たちへの抑圧。
スペイン人たちとネイティブたちの征服戦争。
その二つの闘いと、オリバレス総督が支持するナポレオン戦争がエピソードとして入り乱れていて、なにがなにやら……(T T)。
結局、ディエゴとメンドーサが相容れなかったのは、お互いが身をおいていた闘争の内容が違っていたわけで。まったく噛み合っていなかったのがちょっと拍子抜けなくらいでした。
幼馴染だったんなら、そのくらいの過去は聞いておけよ!>ディエゴ、と、胸倉つかんで言ってやりたい。
…と、まぁ、細かいことはおいといて。
ゾロはかっこいいし、ロリータは可愛いし、メンドーサ大佐は真っ黒いし、ベルナルドはかなり新境地だし、ブラックエルクは存在感あるし、オリバレス総督は美しいし……それぞれに個性的なキャラクターが集まっていて、面白かったです。
一番印象に残ったのは、最後の最後に結構攫ってくれた花帆杏奈ちゃんの“ゆっくり系”総督夫人(総督夫人らしい場面はそこだけでしたが…)と、全編を笑いで彩ってくれた緒月遠麻のガルシア軍曹、でした。
ああ!そういえば今日は、新人公演だったんですよね!真那春人くんのガルシア軍曹はどうだったんでしょうか(^ ^;ゞ。
いや、そのまえに、がおりちゃんとみなこちゃんがどうだったのか気になってならないのですが~~!!
ご覧になった方、お願いだから教えてください(祈)。
あとは、、、
キムちゃんは台詞がないと余計に顔芸しちゃうんだなあ…(でもそういう暑苦しさがキムちゃんの魅力なんだろうなあ)、とか、
酒場の主人のにわにわ(奏乃はると)が久しぶりに出番も多くてカッコよかった、とか、
その弟子(?)の帆風成海ちゃんが可愛かった、とか、
フェリペ神父様の真波そらちゃんが、色気がありすぎてそんな神父はヤバいだろう!と思ったとか、
ロリータに振り回される侍女コンビの大月さゆちゃん、舞羽美海ちゃんが死ぬほど可愛かったとか、
ネイティブチームの彩風咲奈ちゃんが相変わらず可愛くて、それでいいのか?と思ったとか、
…夜の稲妻の愛原実花ちゃんは、本当に台詞ひとつ、目線一つで観客を泣かせる力のある人なんだなあ、とか。
そんなことをつらつら想いながら観ておりました。
ま、とりあえず。
「太王四神記」のホゲ様につづき、『死ぬ前に言わなくちゃならないこと』が多い役は大変だなあ……と、大劇場を観てもバウを観ても思いましたね。
そういえば「忘れ雪」もなかなか死ななかったっけ…。「マリポーサの花」なんて、取っ組みあいの喧嘩してたしな。
そう思うと、万感の思いをこめて一言喋って逝ったヤスは、偉かったんだなあ……。
……死なないけど。
そんなところでしょうか。簡単ですみません。
テルくん、千秋楽まで、そして星組へ行ってからもがんばってくださいね。
チギちゃんに会える東宝も、とても楽しみです♪がんばれー。
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月組バウ公演「二人の貴公子」の続きは、すみません、後回しにさせてください。
なんだか書きたいことがいっぱいあって溢れてしまいそうなので(笑)、忘れないうちに雪組さんを、ってことで。
『風の錦絵』
石田さんの日本もののショー。
えーっと、たぶん、私は初めて観る……と、思います。っていうか、過去にやったことがあるんでしょうか彼は。 <全編和物のショー。
ショーの一部になんちゃって和物な場面を入れるのは得意な印象がありますけどね。「ミレニアム・チャレンジャー」の「大漁ソーラン」、好きだったなあ。あれがあったから、今回のショーは結構楽しみにしていました。その期待は、裏切られなかった……かな?
#私にとっての「ソーラン」初演は、湖月さんではなくて1000days劇場の樹里ちゃんですが(^ ^)。
というか、去年は「黎明の風」「殉情」「銀ちゃんの恋」と、再演二本を含む高打率だった石田さん。
今回も含めて、ここ数年間洋ものをやっていないような気がするのは気のせいでしょうか?
何かあったっけ。「黎明」の前も「大阪侍」だし……
……も、もしかして、2005年の「ワンダーランド」まで遡るのでは?石田さんの“洋物”って。
おお。「和物」の印象が強い谷さんがここ数年洋物ばかりだなあとは思っていたのですが、その分石田さんが和物をやっていたんですね。……いや、「銀ちゃん」は日本ものだけど、和物ではない、ような気が…言葉の定義って難しいなあ(汗)。
話がちょっと飛んでしまいましたが、面白かったです。とっても。
私は、和物のショーで真剣に通ったのは「花の宝塚風土記」と「MAHOROBA」くらいなんですが、嵌りまくった「MAHOROBA」には及ばないにせよ、結構好きなショーです。
一番好きなのは、風林火山かなあ。皆かっこいい!!中でも、テルくん(凰稀かなめ)の美しさにはちょっと見惚れました。顔にかかる髪の確信犯ぶりが素晴らしい。ああ、大劇場まで行っておいて良かった! ほぼテルくんを観にいったようなもの(他の皆様&チギちゃんは東宝でお会いできる)だったので、予想以上の美しさに満足しました(^ ^)。
テルくんといえば、ちょうど今日、星組さんの「太王四神記」のポスターが劇団公式サイトにアップされましたね♪ なんて美しい…(*^ ^*)。祐飛さんのホゲさまとは全く違うキャラになりそうですが(タムドクもキハも全然違いそうですし)、新しい組に行っても、がんばってほしいと思います!
風の盆も、後ろの鏡が効いていて、いい雰囲気でした。ああいう演出は巧いなあ、と感心。しかも、石田さんさすが!と思ったのは、松本さんを独りで踊らせずに下級生もたくさん出したこと!プロと一緒に舞台に立つことで下級生も勉強になったでしょうし、観客にとっては観るべきところがたくさんあって楽しい場面になりました(^ ^)。
菊人形も面白かったなあ…。
一回しか観ていないのと、プログラムを買い損ねたのであまり細かい流れが思い出せないのですが(すみません)、卒業する谷やん(谷みずせ)がすごく可愛かった(笑)。
とにかく、見所が多くて飽きないショーでしたね。私には日本舞踊の良し悪しはあまりよくわからないのですが、衣装の着こなしが粋なのはさすが雪組さん、と思いました。
お化粧は、キレイな人はきれいだけど、下級生は他の組とそんなにレベル変わらないかも。日本物の雪組、と呼ばれてはいても、ここ最近はご無沙汰でしたもんね。水くんがトップになってからは、中日/全ツの「星影の人」くらい?あのときは結構下級生まで皆きれいだなーと思ったのですが。
幕開きの坊さんとかはアイディアだなーと思うし、AQUA5の使い方も巧いなーと感心しましたが、目明しのとなみちゃんはちょっとやりすぎかも?最初の登場はあれでもいいんですが、オープニングの間に着替えてしっとり踊る場面くらい創ってあげてほしかった。
ああいうおきゃんなキャラもとなみちゃんの魅力ではありますが、お芝居の方もそんな感じなので、せめてショーではもう少しいろんなとなみちゃんに会いたかったです。
……ミュージックサロンに期待しろって?チケットがあればねー(悄然)。
『ZORRO ~仮面のメサイア』
谷さんの後物のお芝居。
でも、フィナーレが長いので、同じ後物でも「マリポーサの花」よりは大分短いような?
いやーーーーー、なんというか。
あちこち綻びがあるあたりは谷さんだなあ、とは思っちゃいましたけど、でも、ホントに面白かったですよ!!
「愛と死のアラビア」に通った過去を捨てたい猫的には、「これは組ファンなら通うでしょ!?」とゆー感じ。
1800年代初頭のスペイン領カリフォルニア。
この時代のカリフォルニアの人種構成がよく判らないのですが(←無知ですみません汗)、
征服者であるスペイン人(オリバレス総督/テル)は白人。
現地には、彼らによって搾取される富裕農民層(ディエゴ/水、ロリータ/となみ)と、総督におもねる層(メンドーサ/ユミコ、ガルシア/キタロウ)がいて、どちらかといえば後者の方が身分が低いんだけど、権力側にいるので立場が強い、ってな感じなんですよね?
そして、彼ら(総督以外)は基本的にスペインからの入植者たち、つまり、人種的には白人。ってことは、当時のカリフォルニアには白人だけで3階層あって、さらにその下に“被征服民”であるネイティブアメリカン(ベルナルド/キム、ブラックエルク/ヒロミ)がいた、ってことですよね…。
この「人間」たちの4層構造を、もう少し判りやすく整理して描き出すことができていたら、結構感動的な物語になったのでは…と思うんですよね。こういうのは台詞で説明されても混乱するばかりで、もっと日常的なエピソードの積み重ねで自然に描き出すべきなのですが、そういう枝葉のエピソードが谷作品には全く無いのが残念。
人間関係も複雑だし、それによって対立軸が複数になるので解りにくくなっちゃうんですよね。
総督&現地社会の底辺層チームによる、入植者たちへの抑圧。
スペイン人たちとネイティブたちの征服戦争。
その二つの闘いと、オリバレス総督が支持するナポレオン戦争がエピソードとして入り乱れていて、なにがなにやら……(T T)。
結局、ディエゴとメンドーサが相容れなかったのは、お互いが身をおいていた闘争の内容が違っていたわけで。まったく噛み合っていなかったのがちょっと拍子抜けなくらいでした。
幼馴染だったんなら、そのくらいの過去は聞いておけよ!>ディエゴ、と、胸倉つかんで言ってやりたい。
…と、まぁ、細かいことはおいといて。
ゾロはかっこいいし、ロリータは可愛いし、メンドーサ大佐は真っ黒いし、ベルナルドはかなり新境地だし、ブラックエルクは存在感あるし、オリバレス総督は美しいし……それぞれに個性的なキャラクターが集まっていて、面白かったです。
一番印象に残ったのは、最後の最後に結構攫ってくれた花帆杏奈ちゃんの“ゆっくり系”総督夫人(総督夫人らしい場面はそこだけでしたが…)と、全編を笑いで彩ってくれた緒月遠麻のガルシア軍曹、でした。
ああ!そういえば今日は、新人公演だったんですよね!真那春人くんのガルシア軍曹はどうだったんでしょうか(^ ^;ゞ。
いや、そのまえに、がおりちゃんとみなこちゃんがどうだったのか気になってならないのですが~~!!
ご覧になった方、お願いだから教えてください(祈)。
あとは、、、
キムちゃんは台詞がないと余計に顔芸しちゃうんだなあ…(でもそういう暑苦しさがキムちゃんの魅力なんだろうなあ)、とか、
酒場の主人のにわにわ(奏乃はると)が久しぶりに出番も多くてカッコよかった、とか、
その弟子(?)の帆風成海ちゃんが可愛かった、とか、
フェリペ神父様の真波そらちゃんが、色気がありすぎてそんな神父はヤバいだろう!と思ったとか、
ロリータに振り回される侍女コンビの大月さゆちゃん、舞羽美海ちゃんが死ぬほど可愛かったとか、
ネイティブチームの彩風咲奈ちゃんが相変わらず可愛くて、それでいいのか?と思ったとか、
…夜の稲妻の愛原実花ちゃんは、本当に台詞ひとつ、目線一つで観客を泣かせる力のある人なんだなあ、とか。
そんなことをつらつら想いながら観ておりました。
ま、とりあえず。
「太王四神記」のホゲ様につづき、『死ぬ前に言わなくちゃならないこと』が多い役は大変だなあ……と、大劇場を観てもバウを観ても思いましたね。
そういえば「忘れ雪」もなかなか死ななかったっけ…。「マリポーサの花」なんて、取っ組みあいの喧嘩してたしな。
そう思うと、万感の思いをこめて一言喋って逝ったヤスは、偉かったんだなあ……。
……死なないけど。
そんなところでしょうか。簡単ですみません。
テルくん、千秋楽まで、そして星組へ行ってからもがんばってくださいね。
チギちゃんに会える東宝も、とても楽しみです♪がんばれー。
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宝塚バウホールにて、「二人の貴公子」を観劇してまいりました。
まさお(龍真咲)、みりお(明日海りお)、初主演おめでとうございました!
そして、千秋楽おつかれさまでしたm(_ _)m。
二人とも、ワークショップ(まさおは「Young Bloods!」、みりおは「ホフマン物語」)で主演経験がありますが、今回は期間も長く役替りもない通常公演。いろいろ大変だったんだろうなーと思います。私が観たのは楽に絡む週末だけなのですが、ほぼ満席だったし、客席はすごい熱気でした(*^ ^*)。
原作は、ジョン・フレッチャーとウィリアム・シェイクスピアの合作で、原作台本は河合祥一郎訳。脚本・演出は小柳奈穂子。
白いキャンバスをイメージしたセットに、美しいメンバーを美しいままに載せて、美しい物語を紡ぐ……というところは、なかなかがんばっていたと思います。まぁ、素材(原作と役者)がしっかりしているので、演出家の苦労も少なかったかもしれませんが(苦笑)。
少なくとも、「忘れ雪」の児玉さんみたいに、プログラムに「こんなもの全然やりたくなかったのにー(←意訳)」と書いてあったりはせず、なかなかに意欲的な言葉が書いてあったことにホッとしました(^ ^)。
全編を彩る「真夏の夜の夢」のイマジネーションは、小柳さんのアイディアでしょうか?なかなかうまくはまっていたと思います。「牢の中」と「外」をひっくり返す(「あのお二人がいるところが牢の外で、あたしたちがいるここが牢の中だとでもいうように」<牢番の娘>、「我々が牢に閉じ込められているのではなく、この世の悪から護られているんだと思えばいいのだ」<アーサイト>)…それによって“見える世界”をひっくり返したように、「幻想(妄想)世界=森の中」と「現実=森の外」という二つの世界を象徴的に構築するために、「森」の狂気をもっとも端的にあらわした『真夏の夜の夢』を使うあたり、うまいアイディアだなあと感心しました。
仮面の扱いと、「森の中では違う自分が目を醒ます」という歌が雰囲気づくりに効いていたと思います。
ただ、原作での劇中劇はもっと象徴的なものであるらしいので、そちらだったらもっとテーマがダイレクトに伝わったのかもなあ、と思ったりはしました。原作を読んでいないので、わからないのですが…。
ネットで感想を読むと、作品的には賛否あるようですが、私はとても気に入りました(はぁと)。
役者が目当てでの遠征でしたが、作品としても非常に興味深い作品だったと思います。
ただ。
正直に言えば、面白かったからこそ、違う演出家で見たかったなあ、という思いはあります。まだまだ男役10年にも届かない彼らなのに、芝居として任された部分が大きすぎるような気がしたので。
特にラスト!!あの難しい芝居を、そのままやらせてしまったことは罪が深いと思う。
もう少し、演出としてするべきことがあったと思うし、まだ彼らは、そういうスタッフワークを必要とする学年だと思うのです。
たとえばこれが、かしげちゃんのパラモンに祐飛さんのアーサイトとか、水くんのパラモンにユミコちゃんのアーサイトとか、そういうコンビでの舞台だったら、ある程度任せていいと思うんですよね。でも、まさおとみりお、とくにまさお(パラモンの方が芝居として難しいので)に関しては、ちょっと厳しかったんじゃないかなー、と思ってしまいました。
そしてそれが、作品全体の賛否両論になったのではないか、と。
…とりあえず、メインキャストについて。
パラモン(龍真咲)
「太陽と月」という比喩の中で、あくまでも「太陽」であり、わがままで自分勝手で子供で、なのにどうしようもなく愛されるキャラクター。
その美貌も輝きも他の何にも替え難く、「愛さずにはいられない子供」なキャラクターをやらせたらこの人を超えることは難しいんじゃないかと思っているくらい、私は、まさおの演じる子供っぽい男が大好きです。どうしようもなく子供だからこそ、好き。
パラモンって本当に、わがままだし気分屋だし想像力が無いから相手の立場になんて絶対に立たないし、口が達者で、尊大で、わがままで、身近にいたら絶対「最低っ!!」と思うことが一日に一回くらいあるだろうなぁ、と思うんですよね。なのに、本能的なところでものすごく優しいし、意外なところで正義漢で、絶対に嘘を吐かないし、一生懸命だし、裏切らない。とにかく、精神的には『健康な子供』のまま、身体だけが美しく成熟しつつある青年。
こういうアンバランスさというのは、なかなか演じようと思っても演じられるものではないものなのですが。
龍真咲、という役者には、「Young Bloods!」の頃から変わらず、それだけは腐るほどあるんですよね……。
そういう意味で、もう少し力のある演出家と組んでいたなら、パラモンはまさおの代表作になりえた役だった、言い方を変えれば、まさおが「Young Bloods!」以降で伸び悩んでいたところを一挙に解決させられる役だった筈なのに、と残念でなりません。
「二人の貴公子」という戯曲は、まさにそういう「身体は大きくなったけど我侭な子供のまま」であった青年が、もっとも大切なものを喪って、大人になる物語なのですから。
姿が美しく、声も滑舌も良く、動きもきれい。殺陣はまだまだ不慣れな感じでしたが(良い斬られ役がいないせい?)、よく頑張っていたと思います。
ただ、やっぱり内面の構築が弱いんですよね、彼女は。まさおの芝居を観るたびに思うのですが、この人には「愛する」芝居が難しいらしい。だから、ジャッキーみたいな役は嵌るんですけど、なかなか役柄の幅が広がらない。ジェラルドが限界で、それ以上に深く「愛する」芝居をしようとすると、子供みたいに「欲しがる」演技になってしまいがち(^ ^;
「優しくする」「可愛がる」「憧れる」などは出来るので、今回はなんとか、エミーリアへの恋を「憧れ」で処理し、牢番の娘へは「優しくする」ことで芝居として成立させていましたが、毎回それで誤魔化すのは難しいと思うんですよね。
まさおの、あの美貌に内面が伴えば天下無敵だと思うので。
どうか、一刻も早く恋人でも作るとか(真顔)、いろいろトライしてみてほしいなあ、と思います。
アーサイト(明日海りお)
パラモンの従兄弟。「太陽と月」という比喩の中では常に「月」であり、「この世に生きて意味があるのはパラモンで、彼のいない自分には意味がない」くらいのことを思っている男。
今回の公演で驚いたのは、二人の宛書っぷり(汗)でした。純粋で真っ直ぐで我侭な子供・パラモンと、そんなパラモンに憧れてひたすら追いかけ続け、あれやこれやとフォローしていくうちに大人になってしまった青年・アーサイト、という構図に、萌。
……というか、みりおくんは本当に色っぽいですよね!まさおくんにはない色気があって、内面の充実が伺えます(^ ^)。
アーサイトの苦悩は、必ずしもエミーリアへの恋心だけじゃないんですけれども、でも、根っこのところにきちんと愛があるのがすごく良かったです。
アーサイトは、一方的な一目惚れながらもちゃんとエミーリアを愛したからこそ、「二度と会えない」ことへの悲しみが深いんですよね。「二度と会えない」どころか、名乗ってさえいない彼は、エミーリアに存在を知って貰うことさえできないのですから。
恋したばかりで一番盛り上がっているときに、「二度と相見えることは無い」という宣告を受けた男が、もう一度彼女に会える、もしかしたら傍近くに仕えることさえできるかもしれないチャンスにめぐり合ったら、どうするか。
その答えが、アーサイトの行動として納得できたところが凄いなあと思いました。
「名前は牢の中に置いてきました…」と低く言いながら“遍歴の騎士”(紫門ゆりや)に剣をたてるアーサイト。剣の柄に手をかけた瞬間の、昏い貌。愛のために、あるいは真の希みを叶えるために、友も自分も裏切る覚悟で、振り翳す白刃。
みりおくんって、どちらかと言えば優等生で「正しい」人を得意とするタイプだと思われがちな印象がありますが、この人はあの「暁のローマ」のアントニウスを演じきった人。嘘も裏切りも、なんでもござれなんですよね。この学年で、本当に幅の広い人だなあ、と感心します。
「エリザベート」新公は、やっぱりトートなんでしょうか。ぜひぜひ彩星りおんのシシィと組んで、素晴らしい公演を…(←言霊)
エミーリア姫(羽桜しずく)
すみません、私はやっぱりしずくちゃんのファンみたいです。エミーリアは、彼女しか考えられません(泣)。
一人前の女ではない、記号としての「少女」でなくてはならないエミーリア。
妹ではない、ロリータでもない、まさに処女神ディアナの化身のような“少女”。
親友であったフラヴィーアとの思い出を大切に両手に抱いているために、他のものを受け入れる隙間がない。他のものを受け入れることが、すなわちフラヴィーアへの裏切りだと感じてしまう、『少女』。
そういう頑なさと、子供っぽい潔癖さ。パラモンが子供である以上に、エミーリアが“子供”であることは、物語上の大きなポイントだと思います。
パラモンがエミーリアに抱いたものは憧れだったけれども、アーサイトはエミーリアを愛していた。
そしてエミーリアは、アーサイトに親しみを感じていて、パラモンには恋をしてしまった。
しかも姫は、パラモンへの恋を自覚できない。フラヴィーアを裏切った自分を認められないから。
アーサイトへの親しみは、それだけでは罪を形成しない。けれども、そんな理由でアーサイトを択ぶことはできない。
……そのすれ違いが、悲劇の始まり……。
登場のピンクのドレスも、二幕のディアナの神殿での蒼い衣装も、後半の花嫁衣裳も、どれも本当によく似合って神々しいまでに美しく見えました(←たぶん贔屓目)。
二人の美しい貴公子が、遠くから眺めただけで問答無用で恋に落ちるに十分な美しさ。
二幕の決闘シーンも、「このひとのためなら命を賭けるのも仕方ない」とすんなり納得してしまう。
可愛い娘役は数多居れども、ピンスポを浴びて「神々しい美しさ」で長時間立っていられる姫役者は案外少ないもの。彼女の持つ「透明で硬質」な美しさが、このエミーリアという役に合っていたのだと思います。
存在自体がファム・ファタルなひとなので、劇団も大切にしてほしいなあ…。
鬘やアクセサリーは、批判される方が多いので、改善の余地はたくさんあるんでしょうねぇ。…あの美貌にさらに伸び代があるなんて信じられない、と思う自分は、単なるファンです、多分(^ ^;ゞ。
……そして、この水晶のように硬質な姫役者に、熟しきった手弱女の美しさを存分に発揮した天野ほたるを併せて使った小柳さんのセンスには脱帽しました。いやあ、眼福、眼福。
「サウダージ」であーちゃんにワケアリの大人の女をやらせようとして玉砕していた稲葉さんのセンスとは雲泥の差、かもしれません。
あらら、やっぱり長すぎちゃった(T T)。
すみません、続きはまたいずれ。(ってか、雪組も書くよね?いつ?)
.
まさお(龍真咲)、みりお(明日海りお)、初主演おめでとうございました!
そして、千秋楽おつかれさまでしたm(_ _)m。
二人とも、ワークショップ(まさおは「Young Bloods!」、みりおは「ホフマン物語」)で主演経験がありますが、今回は期間も長く役替りもない通常公演。いろいろ大変だったんだろうなーと思います。私が観たのは楽に絡む週末だけなのですが、ほぼ満席だったし、客席はすごい熱気でした(*^ ^*)。
原作は、ジョン・フレッチャーとウィリアム・シェイクスピアの合作で、原作台本は河合祥一郎訳。脚本・演出は小柳奈穂子。
白いキャンバスをイメージしたセットに、美しいメンバーを美しいままに載せて、美しい物語を紡ぐ……というところは、なかなかがんばっていたと思います。まぁ、素材(原作と役者)がしっかりしているので、演出家の苦労も少なかったかもしれませんが(苦笑)。
少なくとも、「忘れ雪」の児玉さんみたいに、プログラムに「こんなもの全然やりたくなかったのにー(←意訳)」と書いてあったりはせず、なかなかに意欲的な言葉が書いてあったことにホッとしました(^ ^)。
全編を彩る「真夏の夜の夢」のイマジネーションは、小柳さんのアイディアでしょうか?なかなかうまくはまっていたと思います。「牢の中」と「外」をひっくり返す(「あのお二人がいるところが牢の外で、あたしたちがいるここが牢の中だとでもいうように」<牢番の娘>、「我々が牢に閉じ込められているのではなく、この世の悪から護られているんだと思えばいいのだ」<アーサイト>)…それによって“見える世界”をひっくり返したように、「幻想(妄想)世界=森の中」と「現実=森の外」という二つの世界を象徴的に構築するために、「森」の狂気をもっとも端的にあらわした『真夏の夜の夢』を使うあたり、うまいアイディアだなあと感心しました。
仮面の扱いと、「森の中では違う自分が目を醒ます」という歌が雰囲気づくりに効いていたと思います。
ただ、原作での劇中劇はもっと象徴的なものであるらしいので、そちらだったらもっとテーマがダイレクトに伝わったのかもなあ、と思ったりはしました。原作を読んでいないので、わからないのですが…。
ネットで感想を読むと、作品的には賛否あるようですが、私はとても気に入りました(はぁと)。
役者が目当てでの遠征でしたが、作品としても非常に興味深い作品だったと思います。
ただ。
正直に言えば、面白かったからこそ、違う演出家で見たかったなあ、という思いはあります。まだまだ男役10年にも届かない彼らなのに、芝居として任された部分が大きすぎるような気がしたので。
特にラスト!!あの難しい芝居を、そのままやらせてしまったことは罪が深いと思う。
もう少し、演出としてするべきことがあったと思うし、まだ彼らは、そういうスタッフワークを必要とする学年だと思うのです。
たとえばこれが、かしげちゃんのパラモンに祐飛さんのアーサイトとか、水くんのパラモンにユミコちゃんのアーサイトとか、そういうコンビでの舞台だったら、ある程度任せていいと思うんですよね。でも、まさおとみりお、とくにまさお(パラモンの方が芝居として難しいので)に関しては、ちょっと厳しかったんじゃないかなー、と思ってしまいました。
そしてそれが、作品全体の賛否両論になったのではないか、と。
…とりあえず、メインキャストについて。
パラモン(龍真咲)
「太陽と月」という比喩の中で、あくまでも「太陽」であり、わがままで自分勝手で子供で、なのにどうしようもなく愛されるキャラクター。
その美貌も輝きも他の何にも替え難く、「愛さずにはいられない子供」なキャラクターをやらせたらこの人を超えることは難しいんじゃないかと思っているくらい、私は、まさおの演じる子供っぽい男が大好きです。どうしようもなく子供だからこそ、好き。
パラモンって本当に、わがままだし気分屋だし想像力が無いから相手の立場になんて絶対に立たないし、口が達者で、尊大で、わがままで、身近にいたら絶対「最低っ!!」と思うことが一日に一回くらいあるだろうなぁ、と思うんですよね。なのに、本能的なところでものすごく優しいし、意外なところで正義漢で、絶対に嘘を吐かないし、一生懸命だし、裏切らない。とにかく、精神的には『健康な子供』のまま、身体だけが美しく成熟しつつある青年。
こういうアンバランスさというのは、なかなか演じようと思っても演じられるものではないものなのですが。
龍真咲、という役者には、「Young Bloods!」の頃から変わらず、それだけは腐るほどあるんですよね……。
そういう意味で、もう少し力のある演出家と組んでいたなら、パラモンはまさおの代表作になりえた役だった、言い方を変えれば、まさおが「Young Bloods!」以降で伸び悩んでいたところを一挙に解決させられる役だった筈なのに、と残念でなりません。
「二人の貴公子」という戯曲は、まさにそういう「身体は大きくなったけど我侭な子供のまま」であった青年が、もっとも大切なものを喪って、大人になる物語なのですから。
姿が美しく、声も滑舌も良く、動きもきれい。殺陣はまだまだ不慣れな感じでしたが(良い斬られ役がいないせい?)、よく頑張っていたと思います。
ただ、やっぱり内面の構築が弱いんですよね、彼女は。まさおの芝居を観るたびに思うのですが、この人には「愛する」芝居が難しいらしい。だから、ジャッキーみたいな役は嵌るんですけど、なかなか役柄の幅が広がらない。ジェラルドが限界で、それ以上に深く「愛する」芝居をしようとすると、子供みたいに「欲しがる」演技になってしまいがち(^ ^;
「優しくする」「可愛がる」「憧れる」などは出来るので、今回はなんとか、エミーリアへの恋を「憧れ」で処理し、牢番の娘へは「優しくする」ことで芝居として成立させていましたが、毎回それで誤魔化すのは難しいと思うんですよね。
まさおの、あの美貌に内面が伴えば天下無敵だと思うので。
どうか、一刻も早く恋人でも作るとか(真顔)、いろいろトライしてみてほしいなあ、と思います。
アーサイト(明日海りお)
パラモンの従兄弟。「太陽と月」という比喩の中では常に「月」であり、「この世に生きて意味があるのはパラモンで、彼のいない自分には意味がない」くらいのことを思っている男。
今回の公演で驚いたのは、二人の宛書っぷり(汗)でした。純粋で真っ直ぐで我侭な子供・パラモンと、そんなパラモンに憧れてひたすら追いかけ続け、あれやこれやとフォローしていくうちに大人になってしまった青年・アーサイト、という構図に、萌。
……というか、みりおくんは本当に色っぽいですよね!まさおくんにはない色気があって、内面の充実が伺えます(^ ^)。
アーサイトの苦悩は、必ずしもエミーリアへの恋心だけじゃないんですけれども、でも、根っこのところにきちんと愛があるのがすごく良かったです。
アーサイトは、一方的な一目惚れながらもちゃんとエミーリアを愛したからこそ、「二度と会えない」ことへの悲しみが深いんですよね。「二度と会えない」どころか、名乗ってさえいない彼は、エミーリアに存在を知って貰うことさえできないのですから。
恋したばかりで一番盛り上がっているときに、「二度と相見えることは無い」という宣告を受けた男が、もう一度彼女に会える、もしかしたら傍近くに仕えることさえできるかもしれないチャンスにめぐり合ったら、どうするか。
その答えが、アーサイトの行動として納得できたところが凄いなあと思いました。
「名前は牢の中に置いてきました…」と低く言いながら“遍歴の騎士”(紫門ゆりや)に剣をたてるアーサイト。剣の柄に手をかけた瞬間の、昏い貌。愛のために、あるいは真の希みを叶えるために、友も自分も裏切る覚悟で、振り翳す白刃。
みりおくんって、どちらかと言えば優等生で「正しい」人を得意とするタイプだと思われがちな印象がありますが、この人はあの「暁のローマ」のアントニウスを演じきった人。嘘も裏切りも、なんでもござれなんですよね。この学年で、本当に幅の広い人だなあ、と感心します。
「エリザベート」新公は、やっぱりトートなんでしょうか。ぜひぜひ彩星りおんのシシィと組んで、素晴らしい公演を…(←言霊)
エミーリア姫(羽桜しずく)
すみません、私はやっぱりしずくちゃんのファンみたいです。エミーリアは、彼女しか考えられません(泣)。
一人前の女ではない、記号としての「少女」でなくてはならないエミーリア。
妹ではない、ロリータでもない、まさに処女神ディアナの化身のような“少女”。
親友であったフラヴィーアとの思い出を大切に両手に抱いているために、他のものを受け入れる隙間がない。他のものを受け入れることが、すなわちフラヴィーアへの裏切りだと感じてしまう、『少女』。
そういう頑なさと、子供っぽい潔癖さ。パラモンが子供である以上に、エミーリアが“子供”であることは、物語上の大きなポイントだと思います。
パラモンがエミーリアに抱いたものは憧れだったけれども、アーサイトはエミーリアを愛していた。
そしてエミーリアは、アーサイトに親しみを感じていて、パラモンには恋をしてしまった。
しかも姫は、パラモンへの恋を自覚できない。フラヴィーアを裏切った自分を認められないから。
アーサイトへの親しみは、それだけでは罪を形成しない。けれども、そんな理由でアーサイトを択ぶことはできない。
……そのすれ違いが、悲劇の始まり……。
登場のピンクのドレスも、二幕のディアナの神殿での蒼い衣装も、後半の花嫁衣裳も、どれも本当によく似合って神々しいまでに美しく見えました(←たぶん贔屓目)。
二人の美しい貴公子が、遠くから眺めただけで問答無用で恋に落ちるに十分な美しさ。
二幕の決闘シーンも、「このひとのためなら命を賭けるのも仕方ない」とすんなり納得してしまう。
可愛い娘役は数多居れども、ピンスポを浴びて「神々しい美しさ」で長時間立っていられる姫役者は案外少ないもの。彼女の持つ「透明で硬質」な美しさが、このエミーリアという役に合っていたのだと思います。
存在自体がファム・ファタルなひとなので、劇団も大切にしてほしいなあ…。
鬘やアクセサリーは、批判される方が多いので、改善の余地はたくさんあるんでしょうねぇ。…あの美貌にさらに伸び代があるなんて信じられない、と思う自分は、単なるファンです、多分(^ ^;ゞ。
……そして、この水晶のように硬質な姫役者に、熟しきった手弱女の美しさを存分に発揮した天野ほたるを併せて使った小柳さんのセンスには脱帽しました。いやあ、眼福、眼福。
「サウダージ」であーちゃんにワケアリの大人の女をやらせようとして玉砕していた稲葉さんのセンスとは雲泥の差、かもしれません。
あらら、やっぱり長すぎちゃった(T T)。
すみません、続きはまたいずれ。(ってか、雪組も書くよね?いつ?)
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宝塚に来ています。
花の道の桜は七分咲き。天気もよくて、いい一日です。バードウォッチングしたい気分p(^^)q
(写真は、桜喰い中の雀)
雪組大劇場も、月組バウも、皆さんキラキラしてて素敵です(はぁと)。詳しくはまた後ほど♪
初めての携帯からの写真つき投稿です。ドキドキ。
うまくいくかなー。
花の道の桜は七分咲き。天気もよくて、いい一日です。バードウォッチングしたい気分p(^^)q
(写真は、桜喰い中の雀)
雪組大劇場も、月組バウも、皆さんキラキラしてて素敵です(はぁと)。詳しくはまた後ほど♪
初めての携帯からの写真つき投稿です。ドキドキ。
うまくいくかなー。
新しいブレインで、何を感じる?
2009年3月26日 ミュージカル・舞台シアタークリエにて、ミュージカル「ニュー・ブレイン」を観てまいりました。
……いえ、今日観てきたわけではなくて、花組公演中にお隣にこっそり(?)入ってみたんですけどね。今日まで忙しくて書くヒマがなかった(汗)。
といいつつ、その前に。
ウメちゃん(陽月華)ちゃんのミュージックサロンが発表されましたね!!
宝塚で平日のみ、って何のイジメ?七帆くんも出るし、東京でやったら絶対行くのに!あるいは、休日だったら遠征も考えたのに(涙)。週に一度のノー残業デーもおぼつかない今の私に、いくらなんでも平日遠征は厳しすぎる(涙)。
木曜日に早退してカクテルショー観て、泊まって、月エリザの初日を観て……という妄想も考えたけど、さすがにちょっと無理だよなあ。せめて花バウがこの日までやっていれば、もう少し真剣に考えるんだが(T T)
……ウメちゃーーーん!!
と、いうわけで。
シアタークリエ「ニュー・ブレイン」について。
面白かった!!凄く!!
キャスティングもなかなか隙がなくて興味深かったし。
ただ、結構露骨なゲイカップルの話なので、観る前にある程度覚悟をしておくことが必要かな、と思いました。
別に濡れ場があるわけじゃないんですけど、なんていうのかな……。すごくリアルなんですよね、そのカップルっぷりが(^ ^;。同じような題材を扱っていても、「RENT」とは全然違う現実感がある。ホンモノっぽく見えるんですよ。
それと、石丸さんってファンにとっては“王子さま”なので、そういうのを期待していると大きく裏切られます。劇団四季を退団して、初めての主演作だから、ファンは『格好良い石丸幹二』を期待してしまうみたいで、結構ショックであるらしい。
だってね!
今作の石丸さんは、ものすごく可愛いんですよっ!!
恋人(畠中洋)が来ないと言っては拗ねて、やっと帰ってきたと思ったら拗ねて喧嘩して、布団被って丸まっちゃうのっっっ!!(壊)……本当に子供みたいに可愛い!!(*^ ^*)
あんなに可愛い石丸さんを、初めて観たような気がします。「アンデルセン」のハンスも無茶苦茶可愛かったけど、それを超える可愛らしさでした。
そして私は、すっかり石丸さん(と畠中さん)のファンになりました!!(←何か?)(←ある意味、予定どおりだね)
それでは、キャスト別に一言づつ。
ゴードン(石丸幹二)
NYに暮らす売れない音楽家。脳の病で倒れ、脳手術をすることになる。
無事に戻ってこられるのか?たとえ命はあったとしても、脳に手をいれたら、今までの自分がいなくなってしまうのではないか?…音楽を創っているのはどこだ?脳じゃないのか?
現在の不安、将来への不安。さまざまな葛藤の中で悩み苦しみながら、手術の朝を迎える彼の懊悩を描いた作品なわけですが。それを、明るく楽しくサラっと軽やかに、そして日常的かつ現実的に表現してしまうところが、作詞・作曲・脚本のウィリアム・フィンの個性なんだろうなあ、と思いました。
フィンの作品、私はトニーの作詞作曲賞を獲った「スペリング・ビー」のCDを友人の家で聴かせてもらったことがあるくらいで、まったく観たことがないのですが、ブロードウェイではおなじみのミュージカル作家のようですね。
リアルでデイリーな舞台空間は、舞台があまり身近でなく、ドラマティックな作品を好む日本の観客にはちょっと選ばれにくい世界観かもしれませんけれども、絶妙なゆがみ方とか、抜き方が独特で、どっぷりと身を浸せばとても面白い世界です。むしろ吉本とかに近いんじゃないかな?と思うのですがどうなんでしょうか。
そういう世界に、石丸さんというピースがぴたっとはまったのが、面白い偶然だなあと思いました。
ロジャー(畠中洋)
ゴードンの恋人で、ヨットマン(?)。
最初、ゴードンが病気で倒れたときは、『遠いところを航海していて当分は帰れない』と言われていて、その言葉どおり、しばらく出てきません(苦笑)。
で、
やっと出てきたと思ったら、ソロの大曲ですよ!「I’d Rather be Sailing」素晴らしい名曲で、私はこの作品の中で一番好きな曲です。そうだなあ……宝塚なら、ユミコちゃん(彩吹真央)に歌ってほしい曲ですね。きりやんじゃなくて、ユミコちゃん。きりやんにはゴードンをやってほしいです(萌)…って話はおいといて。
とにかく畠中さんは格好良い!!よっ、男前!と声を掛けたくなるくらい男前でした。しかも色っぽい。たいしたことをするわけではないのに、凄い濡れ場だったような気にさせる人です。うん。いいなあ、良い役者だなあ(*^ ^*)。
畠中さんの格好良さは、彼が演じる人物の、人生の格好良さなんですよね。どの役を観ても、彼の人生に共感してしまう。それは本当に凄いことだと思います。
そして、ついつい ロジャー目線でゴードンを視てしまうので、すごく可愛く見えてくる(^ ^)。なんだか、魔法にかかったような気さえしてきます(汗)
ローダ(樹里咲穂)
ゴードン担当のエージェント。スーツの似合う遣り手のキャリアウーマン、という、等身大なようでちょっとズレのある役を、颯爽とこなしていました。かっこいい!!彼女は、ゴードンに打算まじりの好意を持ってはいるようですが、ロジャーから奪おうとかそういう気持ちは全く無い。「金持ちでハンサムで良い男なのに、女に興味がないなんてねぇ…」という自嘲めいた独り言が“らしい”です。
もうちょっと積極的にゴードンに迫ったりとか、そういうシーンがあるのかなー?と思っていたのですが、残念ながらまったくなくて。ゴードンとの関係は、あくまでも「親友」って感じでしたね。母親とのやり取りも多くて、芝居として重要な役割をきちんとこなしていました。
特別目立つソロというのは無かったと思いますが、フレーズ単位のソロはかなり多くて、声がたくさん聴けてよかったです♪
ゴードンのママ(初風諄)
文字通り、ゴードンのママ。勝気で頭の良い人で、夫はいない(家族を棄てて家を出たらしい)。
いやー、私がこの作品で一番泣いたのは、手術の前夜(?)、ロジャーを求める息子に「もうママはいらないの…?」と問いかけるところでした。
“母親の愛情”というものの、なんと無償で純粋なものなのか、と。
ゾフィーのような“厳格で尊大な母親”よりも、こういう、等身大で愛情深い母親のほうが、初風さんには似合うんだよなあ、と、最近拝見するたびに実感します。いつまでもお元気で、そのキャラクターと歌唱力を保っていただきたい、と、心から想います(^ ^)。
リチャード看護師(パパイヤ鈴木)
病院の看護師。……という以外の説明がひじょーに難しい!あれはもう、観ていただくしかないかと(笑)
キャラ勝ちな役でしたが、予想外に歌がお上手でびっくりしました。コレだけのメンバーの中にいて見劣りしないというか、安定していて全然違和感がないって凄いことだなあ、と。
芝居はもう、そこにパパイヤさんがいてくれるだけでいいです。これが宛書じゃなくてもともとある役だというのが信じられないくらい、個性的でした。はい。素晴らしい!!
ちなみに、この病院は結構ぶっ飛んだ病院でした(@ @)。
医者(友石竜也)もぶっ飛んでるし、もう一人の看護師ナンシイ(中村桃花)も、顔は最高に可愛いけどぶっ飛び具合ではパパイヤさんと良い勝負だし、牧師(田村雄一)(←それも病院のスタッフなのか!?)もなにげなくステキでしたね!
石丸さんがメインのせいか、元四季が三人揃って仲良くやっていて、その時代の四季を観てらした方なら懐かしいのではないでしょうか。
ホームレス(マルシア)
文字通り、ゴードンたちが生きている街(NY)をさまよう、影のような存在。
歌も芝居も素晴らしかったけど、正直、なぜマルシアがこの役なの?という疑問は残りましたね。
「RENT」の、片袖の取れたコートを売る女のような役割。こないだの再…演ではケロさんがやっていましたけど、本来はアンサンブルリーダー格の歌い手(「Seasons Of Love」のソロをとる人)がやる役だと思うんです。
本来はそういう役なのに、マルシアがやるから何か違和感がある。確かにソロは多かったし、演出的にも工夫されて、メインキャストらしい扱いにはなってましたけれども。
でも、本編とは全然関係ないし、出てくるたびにイミフだし、、、正直、なんで??って気がしてしまうんですよね……。
いえ、あの、マルシアのソロがたっぷりと聴けて、とても幸せな時間ではあったのですが。
もしかして、マルシアがこの作品に出たがったのでしょうか?声優の野沢雅子が「ラスカルの声をやりたい」と希望してオーディションを受けた、っていう話と似たような話なのか…?
ミスター・バンジー(赤坂泰彦/本間ひとし)
ゴードンのボス。着ぐるみのカエルが歌い踊るショーのプロデューサーか何かなのでしょうか?
舞台には、基本的にゴードンの妄想として登場します。カエルの着ぐるみを着て。
リアルで日常的な作品世界をぶっ壊すために異界から遣わされたモノ、みたいだよ(汗)。
私が観たときは赤坂さんでしたが、カエルの着ぐるみも実によく似合ってらして、Wキャストの相手がかわいそうだなあなーんて思っていたのですが……本間さんの回を観た友人は「断然本間さんがいいわ!!」なんて言っていたし、どうなんでしょうね。作品も面白かったので、もう一回本間カエルを観にいくのもありかなーと思ったりはしています。
……
ちょっと馴染みのない作品世界でしたが、石丸さんは可愛いし、畠中さんはカッコイイし、樹里ちゃんはステキだしで一見の価値はあるかも!(^ ^)。正直、あまり売れてないみたいで(←そりゃそうだろう)いろんなサービスチケットが出ているみたいですので、もしご覧になる方がいらっしゃいましたらネットとかで調べてみるといいかもしれませんよ☆
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……いえ、今日観てきたわけではなくて、花組公演中にお隣にこっそり(?)入ってみたんですけどね。今日まで忙しくて書くヒマがなかった(汗)。
といいつつ、その前に。
ウメちゃん(陽月華)ちゃんのミュージックサロンが発表されましたね!!
宝塚で平日のみ、って何のイジメ?七帆くんも出るし、東京でやったら絶対行くのに!あるいは、休日だったら遠征も考えたのに(涙)。週に一度のノー残業デーもおぼつかない今の私に、いくらなんでも平日遠征は厳しすぎる(涙)。
木曜日に早退してカクテルショー観て、泊まって、月エリザの初日を観て……という妄想も考えたけど、さすがにちょっと無理だよなあ。せめて花バウがこの日までやっていれば、もう少し真剣に考えるんだが(T T)
……ウメちゃーーーん!!
と、いうわけで。
シアタークリエ「ニュー・ブレイン」について。
面白かった!!凄く!!
キャスティングもなかなか隙がなくて興味深かったし。
ただ、結構露骨なゲイカップルの話なので、観る前にある程度覚悟をしておくことが必要かな、と思いました。
別に濡れ場があるわけじゃないんですけど、なんていうのかな……。すごくリアルなんですよね、そのカップルっぷりが(^ ^;。同じような題材を扱っていても、「RENT」とは全然違う現実感がある。ホンモノっぽく見えるんですよ。
それと、石丸さんってファンにとっては“王子さま”なので、そういうのを期待していると大きく裏切られます。劇団四季を退団して、初めての主演作だから、ファンは『格好良い石丸幹二』を期待してしまうみたいで、結構ショックであるらしい。
だってね!
今作の石丸さんは、ものすごく可愛いんですよっ!!
恋人(畠中洋)が来ないと言っては拗ねて、やっと帰ってきたと思ったら拗ねて喧嘩して、布団被って丸まっちゃうのっっっ!!(壊)……本当に子供みたいに可愛い!!(*^ ^*)
あんなに可愛い石丸さんを、初めて観たような気がします。「アンデルセン」のハンスも無茶苦茶可愛かったけど、それを超える可愛らしさでした。
そして私は、すっかり石丸さん(と畠中さん)のファンになりました!!(←何か?)(←ある意味、予定どおりだね)
それでは、キャスト別に一言づつ。
ゴードン(石丸幹二)
NYに暮らす売れない音楽家。脳の病で倒れ、脳手術をすることになる。
無事に戻ってこられるのか?たとえ命はあったとしても、脳に手をいれたら、今までの自分がいなくなってしまうのではないか?…音楽を創っているのはどこだ?脳じゃないのか?
現在の不安、将来への不安。さまざまな葛藤の中で悩み苦しみながら、手術の朝を迎える彼の懊悩を描いた作品なわけですが。それを、明るく楽しくサラっと軽やかに、そして日常的かつ現実的に表現してしまうところが、作詞・作曲・脚本のウィリアム・フィンの個性なんだろうなあ、と思いました。
フィンの作品、私はトニーの作詞作曲賞を獲った「スペリング・ビー」のCDを友人の家で聴かせてもらったことがあるくらいで、まったく観たことがないのですが、ブロードウェイではおなじみのミュージカル作家のようですね。
リアルでデイリーな舞台空間は、舞台があまり身近でなく、ドラマティックな作品を好む日本の観客にはちょっと選ばれにくい世界観かもしれませんけれども、絶妙なゆがみ方とか、抜き方が独特で、どっぷりと身を浸せばとても面白い世界です。むしろ吉本とかに近いんじゃないかな?と思うのですがどうなんでしょうか。
そういう世界に、石丸さんというピースがぴたっとはまったのが、面白い偶然だなあと思いました。
ロジャー(畠中洋)
ゴードンの恋人で、ヨットマン(?)。
最初、ゴードンが病気で倒れたときは、『遠いところを航海していて当分は帰れない』と言われていて、その言葉どおり、しばらく出てきません(苦笑)。
で、
やっと出てきたと思ったら、ソロの大曲ですよ!「I’d Rather be Sailing」素晴らしい名曲で、私はこの作品の中で一番好きな曲です。そうだなあ……宝塚なら、ユミコちゃん(彩吹真央)に歌ってほしい曲ですね。きりやんじゃなくて、ユミコちゃん。きりやんにはゴードンをやってほしいです(萌)…って話はおいといて。
とにかく畠中さんは格好良い!!よっ、男前!と声を掛けたくなるくらい男前でした。しかも色っぽい。たいしたことをするわけではないのに、凄い濡れ場だったような気にさせる人です。うん。いいなあ、良い役者だなあ(*^ ^*)。
畠中さんの格好良さは、彼が演じる人物の、人生の格好良さなんですよね。どの役を観ても、彼の人生に共感してしまう。それは本当に凄いことだと思います。
そして、ついつい ロジャー目線でゴードンを視てしまうので、すごく可愛く見えてくる(^ ^)。なんだか、魔法にかかったような気さえしてきます(汗)
ローダ(樹里咲穂)
ゴードン担当のエージェント。スーツの似合う遣り手のキャリアウーマン、という、等身大なようでちょっとズレのある役を、颯爽とこなしていました。かっこいい!!彼女は、ゴードンに打算まじりの好意を持ってはいるようですが、ロジャーから奪おうとかそういう気持ちは全く無い。「金持ちでハンサムで良い男なのに、女に興味がないなんてねぇ…」という自嘲めいた独り言が“らしい”です。
もうちょっと積極的にゴードンに迫ったりとか、そういうシーンがあるのかなー?と思っていたのですが、残念ながらまったくなくて。ゴードンとの関係は、あくまでも「親友」って感じでしたね。母親とのやり取りも多くて、芝居として重要な役割をきちんとこなしていました。
特別目立つソロというのは無かったと思いますが、フレーズ単位のソロはかなり多くて、声がたくさん聴けてよかったです♪
ゴードンのママ(初風諄)
文字通り、ゴードンのママ。勝気で頭の良い人で、夫はいない(家族を棄てて家を出たらしい)。
いやー、私がこの作品で一番泣いたのは、手術の前夜(?)、ロジャーを求める息子に「もうママはいらないの…?」と問いかけるところでした。
“母親の愛情”というものの、なんと無償で純粋なものなのか、と。
ゾフィーのような“厳格で尊大な母親”よりも、こういう、等身大で愛情深い母親のほうが、初風さんには似合うんだよなあ、と、最近拝見するたびに実感します。いつまでもお元気で、そのキャラクターと歌唱力を保っていただきたい、と、心から想います(^ ^)。
リチャード看護師(パパイヤ鈴木)
病院の看護師。……という以外の説明がひじょーに難しい!あれはもう、観ていただくしかないかと(笑)
キャラ勝ちな役でしたが、予想外に歌がお上手でびっくりしました。コレだけのメンバーの中にいて見劣りしないというか、安定していて全然違和感がないって凄いことだなあ、と。
芝居はもう、そこにパパイヤさんがいてくれるだけでいいです。これが宛書じゃなくてもともとある役だというのが信じられないくらい、個性的でした。はい。素晴らしい!!
ちなみに、この病院は結構ぶっ飛んだ病院でした(@ @)。
医者(友石竜也)もぶっ飛んでるし、もう一人の看護師ナンシイ(中村桃花)も、顔は最高に可愛いけどぶっ飛び具合ではパパイヤさんと良い勝負だし、牧師(田村雄一)(←それも病院のスタッフなのか!?)もなにげなくステキでしたね!
石丸さんがメインのせいか、元四季が三人揃って仲良くやっていて、その時代の四季を観てらした方なら懐かしいのではないでしょうか。
ホームレス(マルシア)
文字通り、ゴードンたちが生きている街(NY)をさまよう、影のような存在。
歌も芝居も素晴らしかったけど、正直、なぜマルシアがこの役なの?という疑問は残りましたね。
「RENT」の、片袖の取れたコートを売る女のような役割。こないだの再…演ではケロさんがやっていましたけど、本来はアンサンブルリーダー格の歌い手(「Seasons Of Love」のソロをとる人)がやる役だと思うんです。
本来はそういう役なのに、マルシアがやるから何か違和感がある。確かにソロは多かったし、演出的にも工夫されて、メインキャストらしい扱いにはなってましたけれども。
でも、本編とは全然関係ないし、出てくるたびにイミフだし、、、正直、なんで??って気がしてしまうんですよね……。
いえ、あの、マルシアのソロがたっぷりと聴けて、とても幸せな時間ではあったのですが。
もしかして、マルシアがこの作品に出たがったのでしょうか?声優の野沢雅子が「ラスカルの声をやりたい」と希望してオーディションを受けた、っていう話と似たような話なのか…?
ミスター・バンジー(赤坂泰彦/本間ひとし)
ゴードンのボス。着ぐるみのカエルが歌い踊るショーのプロデューサーか何かなのでしょうか?
舞台には、基本的にゴードンの妄想として登場します。カエルの着ぐるみを着て。
リアルで日常的な作品世界をぶっ壊すために異界から遣わされたモノ、みたいだよ(汗)。
私が観たときは赤坂さんでしたが、カエルの着ぐるみも実によく似合ってらして、Wキャストの相手がかわいそうだなあなーんて思っていたのですが……本間さんの回を観た友人は「断然本間さんがいいわ!!」なんて言っていたし、どうなんでしょうね。作品も面白かったので、もう一回本間カエルを観にいくのもありかなーと思ったりはしています。
……
ちょっと馴染みのない作品世界でしたが、石丸さんは可愛いし、畠中さんはカッコイイし、樹里ちゃんはステキだしで一見の価値はあるかも!(^ ^)。正直、あまり売れてないみたいで(←そりゃそうだろう)いろんなサービスチケットが出ているみたいですので、もしご覧になる方がいらっしゃいましたらネットとかで調べてみるといいかもしれませんよ☆
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子供たちのサウダーデ
2009年3月25日 宝塚(月) コメント (2)昭和女子大学人見記念講堂にて、月組公演「SAUDADE(サウダージ)」を観劇してまいりました。
著名な数学者にしてエッセイストである藤原正彦さんの「数学者の休憩時間」に収録されたエッセイ「父の旅、私の旅」(氏の父上である新田次郎が書いた小説の取材地をめぐる旅行エッセイ)で、繰り返し語られる「サウダーデ」というポルトガル語の言葉。
ここで語られる「サウダーデ」、そして、それに触発されて読んだ新田次郎の「孤愁-サウダーデ」(ポルトガルの外交官モラエスの伝記)に描き出された「サウダーデ」。
私は、「SAUDADE」とこの「サウダーデ」が全然一致しておりませんで(汗)。
プログラムを読んで、はじめて「あ!あのサウダーデか!」と気づいたのでした。
理由がよく判らないのですが、私、どうやら「サウダージ」を「サルヴェージ」と勘違いしていたみたいなんですね。本来は沈んだ船や積み荷の引き揚げ、曳航などをすることを言う言葉ですが、「沈んだものを引揚げる」⇒「隠されたものを暴く」あるいは「喪われたものを探す」などの連想があって。
SF作家のオースン・スコット・カードの「辺境」シリーズにも「サルヴェージ」という短編があるんですが、それが結構「喪われたものを惜しむ」みたいなテーマだった(多分)ので、それと勘違いしたんだと思います。はい。
……ひとつ、質問。
普通の方は、「サウダージ」と聞いたらサザンを思い浮かべるのでしょうか?ポルノグラフィティ?それとも、盛田隆二さん著の小説「サウダージ」?
(←自分が普通ではない自覚はあるらしい。良かった良かった)
ちなみに。
「国家の品格」で、すっかり人気作家になってしまった藤原氏ですが、私は彼の「若き数学者のアメリカ」がものすごく好きで、彼の作品はほぼ読んでいます。どころか、藤原さんの講義があればいそいそと出かけていたくらい、普通にファンです(笑)。
本職の数学の授業なので、私なんぞが聞いても、判るのは“てにをは”と接続詞くらいでしたが(^ ^;ゞ。
前置きが長くなってすみません。
瀬奈さん率いる月組精鋭(全員精鋭だけどな!)13人による、ショーアクト「SAUDADE」。
作・演出は稲葉太地さん。えーっと、「Halleluya!…」以来で、観るのは二作目、かな?(新公演出は何度か観てますが)
うーーーーん。
面白かったけど、芝居としては脚本が(あるいは表現力)弱く、ショーとしてはダンスが弱い、全体にちょっと中途半端だったかな、という感想でした。
せっかくショースター★瀬奈じゅんを中心にした座組なのに、なんか生かしきれていなかった印象。
いくら不世出のショースターでも、独りで二幕もたせるって大変なことなんでしょうね(@ @)。(桐生)園加にしてももりえちゃん(青樹泉)にしても、バウでのセンター経験もあるんだし、もっと場面を任せても良かったのでは?
稲葉さんにはもう少し考えてほしかったような気がします。
麻子さんが魅力的なショースターであることは間違いないし、歌も踊りも、何をやらせても安心だし、彼女を中心にしてショーを創るのはさぞ楽しいだろうなあ、と思うんですよね。
だけど、もう少しなんていうか、麻子さんの“新しい魅力”も知りたかったし、月組っ子たちにも、“今まで観たことがない魅力”を出させてあげてほしかったなぁ、と。
そして。
プログラムを読むと、「SAUDADE」」という言葉をかなり重要視していらっしゃるようですが。
私は正直、全体を通してあまり「サウダーデ」を感じられず…。
「サウダーデ」の持つ負のイメージ、「嘆き」の割合の高いウェットな感情が見つけられなくて、むしろ強かったのは「ここではないどこか」への憧憬だったような気がしたのです。
「サウダーデ」は「ノスタルジー」とは違う言葉。今回の稲葉さんの「SAUDADE」は、どちらかというと「ノスタルジー」に近い感情を取り扱っているように見えます。より「憧憬」に近い、「ちょっとセンチだけれどもプラス方向のイメージ」のみが残った幻想への回帰を夢見るものがたりだから。
だけど、「サウダーデ」は、もっと痛い言葉なのではないか、と思うのです。負の方向に大きく揺れる心。それでも、それがあるからこそ強くなれる、という強い意志。喪われたものに惜別の涙を流して、泣き伏して、それでもそれを自分の芯に抱いたまま、再びたちあがり、歩き出すのが人間なのだ、と。
自分が今居るところは、自分が選んだ道。だから、それを悔やみはしない。
ただ、純粋に寂しいだけ。自らの選択の結果として棄ててきたものではあっても、喪われたことにかわりはないから。
切ないのは、実は“そういう人生も択べた”から、なのではないでしょうか。今ここに居る自分を認めた上で、愛した上で、“でも、違う自分もありえたかもしれない…”という幻想に遊ぶ。
…そんな心意気がないと、FADOは詠えないと思うから。
そんなことを考えながら一幕のショーが終わり、二幕の芝居が始まったときに。
あ、と思ったのでした。
…ああ、これは、子供たちの「サウダーデ」だったのか、と。
何かを択んで何かを棄てたことのない子供たちが、自分たちの責任でなく喪ったもの、奪われたもの。それに惜別の涙を流しながら、必死で背伸びして未来を探そうとしている物語だったのか、と。
なるほど、と納得して、でもちょっと納得しきれないものが残ったりもして…。
一幕で好きだったのは、「夜の蝶」の萌花ゆりあちゃん。
柔らかく流れるような動きが、すごく綺麗でした。やっぱりANJUさんの振り付けは良いなあ~!
あと、「人形の家」の園加。久しぶりの長髪耽美系園加でしたが、いやー、ハニーマンと同一人物とは思えませんわ。
ここは、もりえちゃんも凄く良かった!軍服似合いますよねぇ~~♪♪ルドルフが楽しみだわっ!
私は割と、子供っぽいキャラクターに惚れがちなせいか、
「ここではないどこか」に行ってみたいんだ、と憧れを笑窪に刻んで話すウェイター(宇月颯)とか、
何もわかっていない子供みたいな水兵さん(麻月れんか)とか、
「僕じゃないですよ。音楽が人を幸せにするんです」と微笑む辻音楽師(鳳月杏)とか、
イカサマだらけの奇術師の弟子(煌月爽矢)あたりの、若さと夢にあふれて未来しか見ていない子供たちが、とても魅力的に見えました(^ ^;)。
りこちゃんは、とにかく芝居の声が高すぎて、一声喋るたびに面白かったんですけど、「Hollywood Lover」といい、ああいうキャラクターはぴったりですね!一幕のダンスは良いところでキレイに踊っていて、いつの間にダンサーになったの!?と未だに驚きます(@ @)。
宇月は、ダンスは言うまでもないけど、歌も芝居も好きなので、、、もっと見せ場があるんじゃないかなあ、と小声で思っていたので、ちょっと残念。でも、相変わらず止めるべきところでピタっと止まる、無駄なタメのない鮮やかなダンスが素敵です。
煌月さんのソロ、初めて聞いたかな?なかなか聴かせますね。芝居も、ちょっと嫌味な感じがよくでてて、最後の笑顔との落差にちょっとやられました(*^ ^*)。
祐飛さんに似ていると評判の(私もずっとそう思ってた)杏ちゃんですが、今回はあまり思いませんでした。祐飛さんが痩せちゃったからかな?元々、踊りだすと全然似てない(だって杏ちゃん踊れるもん)んですけどね(^ ^;ゞ。
稲葉さんも、この4人はすごく気に入っているみたいでしたね★良い子たちだなあ~。
上級生陣は、まぁなんといってもナホちゃん(越乃リュウ)が凄かったー!
あんな色っぽい男になった今になっても、素はやっぱり乙女なんでしょうか……信じられん。
そして、ガチャ(一色瑠加)。メンバーの中で一番キレイで耽美が似合う男役だと思うんですが、期待したほど耽美場面がなくて残念至極(←どんだけ…)。
二幕の“伯爵”は、さすがでしたね。ゆりあちゃんともお似合いの並びで、眼福でした♪
娘役4人は、それぞれヒロイン格の場面があってよかったです。芝居もそれぞれに良い役で、皆キレイで可愛い(*^ ^*)。
おときちの可愛らしさを、ひさしぶりにじっくり堪能できました♪「人形の家」で着ていた衣装が似合ってて素敵だった!二幕のお芝居もいいけど、個人的にエピローグの「黒い鷲」での男前なダンスが好きです☆
皆で一言づつ歌い継いでいくところ(多分、二幕のお芝居)で、あーちゃんの歌の別格ぶりに感動しました。いやー、真実上手い、っていうのはこういうことを言うんでしょうね…。
オトキチも十分上手いんだけど、あーちゃんの声は特別なんですね……。うーん、「エリザベート」では何をやるのかなあ…。
で。ゆりあちゃんのあのお芝居は、演出指示なんでしょうか…。夫(ガチャ)を待っているうちに、心を閉ざして人形のようになってしまった…っていう芝居なんでしょうけど、うーむ…と思ってしまった。もしそういう意図なら、夫が戻ってきたときにもう少し「人間」としての芝居をしないと、ただ単に芝居ができない人みたいに見えちゃうよー(←…えーっと)
そして。
たった独りで芝居をしていたすずな(憧花ゆりの)が、たとえようもなく美しかった!!
なにはともあれ。
12人が、一人残らずセンターを見て、ひたすらセンターについていって、特に下級生の二人なんてもう“必死”って顔に書いてありましたけど(^ ^;ゞ、すごく楽しそうだったから、何も不満はないです!
とにかく、この年度末のど平日なのに、一回観ることができて満足です(はぁと)。
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著名な数学者にしてエッセイストである藤原正彦さんの「数学者の休憩時間」に収録されたエッセイ「父の旅、私の旅」(氏の父上である新田次郎が書いた小説の取材地をめぐる旅行エッセイ)で、繰り返し語られる「サウダーデ」というポルトガル語の言葉。
ここで語られる「サウダーデ」、そして、それに触発されて読んだ新田次郎の「孤愁-サウダーデ」(ポルトガルの外交官モラエスの伝記)に描き出された「サウダーデ」。
私は、「SAUDADE」とこの「サウダーデ」が全然一致しておりませんで(汗)。
プログラムを読んで、はじめて「あ!あのサウダーデか!」と気づいたのでした。
理由がよく判らないのですが、私、どうやら「サウダージ」を「サルヴェージ」と勘違いしていたみたいなんですね。本来は沈んだ船や積み荷の引き揚げ、曳航などをすることを言う言葉ですが、「沈んだものを引揚げる」⇒「隠されたものを暴く」あるいは「喪われたものを探す」などの連想があって。
SF作家のオースン・スコット・カードの「辺境」シリーズにも「サルヴェージ」という短編があるんですが、それが結構「喪われたものを惜しむ」みたいなテーマだった(多分)ので、それと勘違いしたんだと思います。はい。
……ひとつ、質問。
普通の方は、「サウダージ」と聞いたらサザンを思い浮かべるのでしょうか?ポルノグラフィティ?それとも、盛田隆二さん著の小説「サウダージ」?
(←自分が普通ではない自覚はあるらしい。良かった良かった)
ちなみに。
「国家の品格」で、すっかり人気作家になってしまった藤原氏ですが、私は彼の「若き数学者のアメリカ」がものすごく好きで、彼の作品はほぼ読んでいます。どころか、藤原さんの講義があればいそいそと出かけていたくらい、普通にファンです(笑)。
本職の数学の授業なので、私なんぞが聞いても、判るのは“てにをは”と接続詞くらいでしたが(^ ^;ゞ。
前置きが長くなってすみません。
瀬奈さん率いる月組精鋭(全員精鋭だけどな!)13人による、ショーアクト「SAUDADE」。
作・演出は稲葉太地さん。えーっと、「Halleluya!…」以来で、観るのは二作目、かな?(新公演出は何度か観てますが)
うーーーーん。
面白かったけど、芝居としては脚本が(あるいは表現力)弱く、ショーとしてはダンスが弱い、全体にちょっと中途半端だったかな、という感想でした。
せっかくショースター★瀬奈じゅんを中心にした座組なのに、なんか生かしきれていなかった印象。
いくら不世出のショースターでも、独りで二幕もたせるって大変なことなんでしょうね(@ @)。(桐生)園加にしてももりえちゃん(青樹泉)にしても、バウでのセンター経験もあるんだし、もっと場面を任せても良かったのでは?
稲葉さんにはもう少し考えてほしかったような気がします。
麻子さんが魅力的なショースターであることは間違いないし、歌も踊りも、何をやらせても安心だし、彼女を中心にしてショーを創るのはさぞ楽しいだろうなあ、と思うんですよね。
だけど、もう少しなんていうか、麻子さんの“新しい魅力”も知りたかったし、月組っ子たちにも、“今まで観たことがない魅力”を出させてあげてほしかったなぁ、と。
そして。
プログラムを読むと、「SAUDADE」」という言葉をかなり重要視していらっしゃるようですが。
私は正直、全体を通してあまり「サウダーデ」を感じられず…。
「サウダーデ」の持つ負のイメージ、「嘆き」の割合の高いウェットな感情が見つけられなくて、むしろ強かったのは「ここではないどこか」への憧憬だったような気がしたのです。
「サウダーデ」は「ノスタルジー」とは違う言葉。今回の稲葉さんの「SAUDADE」は、どちらかというと「ノスタルジー」に近い感情を取り扱っているように見えます。より「憧憬」に近い、「ちょっとセンチだけれどもプラス方向のイメージ」のみが残った幻想への回帰を夢見るものがたりだから。
だけど、「サウダーデ」は、もっと痛い言葉なのではないか、と思うのです。負の方向に大きく揺れる心。それでも、それがあるからこそ強くなれる、という強い意志。喪われたものに惜別の涙を流して、泣き伏して、それでもそれを自分の芯に抱いたまま、再びたちあがり、歩き出すのが人間なのだ、と。
自分が今居るところは、自分が選んだ道。だから、それを悔やみはしない。
ただ、純粋に寂しいだけ。自らの選択の結果として棄ててきたものではあっても、喪われたことにかわりはないから。
切ないのは、実は“そういう人生も択べた”から、なのではないでしょうか。今ここに居る自分を認めた上で、愛した上で、“でも、違う自分もありえたかもしれない…”という幻想に遊ぶ。
…そんな心意気がないと、FADOは詠えないと思うから。
そんなことを考えながら一幕のショーが終わり、二幕の芝居が始まったときに。
あ、と思ったのでした。
…ああ、これは、子供たちの「サウダーデ」だったのか、と。
何かを択んで何かを棄てたことのない子供たちが、自分たちの責任でなく喪ったもの、奪われたもの。それに惜別の涙を流しながら、必死で背伸びして未来を探そうとしている物語だったのか、と。
なるほど、と納得して、でもちょっと納得しきれないものが残ったりもして…。
一幕で好きだったのは、「夜の蝶」の萌花ゆりあちゃん。
柔らかく流れるような動きが、すごく綺麗でした。やっぱりANJUさんの振り付けは良いなあ~!
あと、「人形の家」の園加。久しぶりの長髪耽美系園加でしたが、いやー、ハニーマンと同一人物とは思えませんわ。
ここは、もりえちゃんも凄く良かった!軍服似合いますよねぇ~~♪♪ルドルフが楽しみだわっ!
私は割と、子供っぽいキャラクターに惚れがちなせいか、
「ここではないどこか」に行ってみたいんだ、と憧れを笑窪に刻んで話すウェイター(宇月颯)とか、
何もわかっていない子供みたいな水兵さん(麻月れんか)とか、
「僕じゃないですよ。音楽が人を幸せにするんです」と微笑む辻音楽師(鳳月杏)とか、
イカサマだらけの奇術師の弟子(煌月爽矢)あたりの、若さと夢にあふれて未来しか見ていない子供たちが、とても魅力的に見えました(^ ^;)。
りこちゃんは、とにかく芝居の声が高すぎて、一声喋るたびに面白かったんですけど、「Hollywood Lover」といい、ああいうキャラクターはぴったりですね!一幕のダンスは良いところでキレイに踊っていて、いつの間にダンサーになったの!?と未だに驚きます(@ @)。
宇月は、ダンスは言うまでもないけど、歌も芝居も好きなので、、、もっと見せ場があるんじゃないかなあ、と小声で思っていたので、ちょっと残念。でも、相変わらず止めるべきところでピタっと止まる、無駄なタメのない鮮やかなダンスが素敵です。
煌月さんのソロ、初めて聞いたかな?なかなか聴かせますね。芝居も、ちょっと嫌味な感じがよくでてて、最後の笑顔との落差にちょっとやられました(*^ ^*)。
祐飛さんに似ていると評判の(私もずっとそう思ってた)杏ちゃんですが、今回はあまり思いませんでした。祐飛さんが痩せちゃったからかな?元々、踊りだすと全然似てない(だって杏ちゃん踊れるもん)んですけどね(^ ^;ゞ。
稲葉さんも、この4人はすごく気に入っているみたいでしたね★良い子たちだなあ~。
上級生陣は、まぁなんといってもナホちゃん(越乃リュウ)が凄かったー!
あんな色っぽい男になった今になっても、素はやっぱり乙女なんでしょうか……信じられん。
そして、ガチャ(一色瑠加)。メンバーの中で一番キレイで耽美が似合う男役だと思うんですが、期待したほど耽美場面がなくて残念至極(←どんだけ…)。
二幕の“伯爵”は、さすがでしたね。ゆりあちゃんともお似合いの並びで、眼福でした♪
娘役4人は、それぞれヒロイン格の場面があってよかったです。芝居もそれぞれに良い役で、皆キレイで可愛い(*^ ^*)。
おときちの可愛らしさを、ひさしぶりにじっくり堪能できました♪「人形の家」で着ていた衣装が似合ってて素敵だった!二幕のお芝居もいいけど、個人的にエピローグの「黒い鷲」での男前なダンスが好きです☆
皆で一言づつ歌い継いでいくところ(多分、二幕のお芝居)で、あーちゃんの歌の別格ぶりに感動しました。いやー、真実上手い、っていうのはこういうことを言うんでしょうね…。
オトキチも十分上手いんだけど、あーちゃんの声は特別なんですね……。うーん、「エリザベート」では何をやるのかなあ…。
で。ゆりあちゃんのあのお芝居は、演出指示なんでしょうか…。夫(ガチャ)を待っているうちに、心を閉ざして人形のようになってしまった…っていう芝居なんでしょうけど、うーむ…と思ってしまった。もしそういう意図なら、夫が戻ってきたときにもう少し「人間」としての芝居をしないと、ただ単に芝居ができない人みたいに見えちゃうよー(←…えーっと)
そして。
たった独りで芝居をしていたすずな(憧花ゆりの)が、たとえようもなく美しかった!!
なにはともあれ。
12人が、一人残らずセンターを見て、ひたすらセンターについていって、特に下級生の二人なんてもう“必死”って顔に書いてありましたけど(^ ^;ゞ、すごく楽しそうだったから、何も不満はないです!
とにかく、この年度末のど平日なのに、一回観ることができて満足です(はぁと)。
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花組大劇場/東宝劇場公演「太王四神記」千秋楽おめでとうございます!
無事、東京公演が終了いたしました。
最終的に“忘れられない思い出の公演”になったこの作品。小池さんと新公演出の生田さんに深く感謝しつつ、星組さんでの続演も楽しみにしております。
千秋楽公演は、特にアドリブも無く、端正な出来……というのかな。
とにかくテンションが高くて、パワーのある舞台でした。
ポンファ通りとか武道大会で何かアドリブが入るかな?と思ったのですが、特に無かったと思います。…どちらも常に目が泳いでいるので、何かあっても気づかなかった可能性もありますが。
ただ、湖々マリアちゃんの立ち位置は、いつもよりちょっと前にしてもらっていたような気がしたのですが、どうだったのでしょうか。すみません、普段の位置を正確に覚えているわけではないので確信は無いのですが、なんとなく、いつもより目立っていたような。
…あれも『卒業生オーラ』というものなのでしょうか?
フィナーレは、まず望月理世ちゃんが青龍(Club-MIX)で紫の花(羽?)飾りを左胸につけていて(T T)、ひたすらに明るくパワフルな満開の笑顔と共に『卒業生オーラ』を出しまくり。マリアちゃんは何色だったっけ…?(ごめんなさい)。可愛い笑顔だったのは覚えている(というか、しっかり観た!)んですけど。
真飛さんは、銀橋を渡りながらの合いの手に卒業生の名前を呼び、「おめでとう!」とか「千秋楽!」とか「ありがとう!」とか「花組!」とか、そういう言葉を挟んでくださいました。
…優しいトップさんだなあ(T T)。
あと、男役が皆ハケて4人(めお、みつる、理世、まぁ)だけ残って踊るところ、下手側でめおちゃんが理世をリフトしてあげてました。あんな振り、いつもは無いですよぇ…?ゞ
そして、4人がワンフレーズづつピンスポを貰ってソロで踊るところも、理世ちゃんに特大の拍手が贈られました。笑顔、輝いてたなあ……。
玄武ファイターズの理世ちゃんの飾りは、深い真紅。シャープな美貌によく似合って素敵。割と背の高い、羽飾りみたいな形のを、ちょっと高めにつけて肩の上まで出るようにしていたので、玄武ファイターズの激しい振りで動くたびにゆらゆら揺れてすごくキレイでした。
作った人のセンスが良いんだろうな(*^ ^*)。
パレードは、マリアちゃんが天地神堂の白と金の衣装に赤い花。華やかで美しく、マリアちゃんの可愛い笑顔を引き立ててました。
理世は、カクダンの甲冑姿に、髪をまとめたところと胸に純白のたっぷりとした花飾り。すっきりとモノトーンにまとめて、男装の少女の禁欲的な美しさを出していました。
二人とも可愛かった……。
階段降りの花は、マリアちゃんがオレンジ系。ふんわりと可愛らしいご挨拶。
理世ちゃんは、髪型も眉も男役に戻って、花はすっきりと白一色。口調もしっかりして、内容もしっかりまとまったご挨拶。
お二人のキャラクターが出た、良い挨拶でした!
マリアちゃんが89期。同期の花はだいもんが一人で渡しに行きましたが、皆うるうると見守ってましたね。
下手側のはるちゃんがぼろぼろ泣いていたのが印象的。
理世ちゃんには、ふみかとじゅりあが二人揃って。そうかー、もう二人しかいないんだ。淋しいなあ。
涙を拭っている人も多くて、みつるくんもだいぶ泣いてたような気がします。しゅん様とか。学年も近いし、仲良しだったんでしょうか。
新しい扉を開くお二人の、前途に幸いがたくさん待っていることを祈っています。
宝塚全体でも、新年をはさんで人事関係の大きな発表が相次いだ数ヶ月でした。
大空祐飛さんと野々すみ花ちゃんの宙組次期トップコンビ内定のニュースが流れてから、3週間とちょっと。その都度都度に、いろんな想いを抱いて公演を観てまいりましたが。
千秋楽の挨拶で、組長さんからの祐飛さん&すみ花ちゃんの二人に向けていただいた暖かい餞の言葉に、涙がこぼれてしかたありませんでした。
お二人の挨拶も良かったです。並んで出てきても、まだ「コンビ」には見えないお二人ですが、これから少しづつ、お互い寄り添って、前に進んでいってほしい、と、心から祈ってやみません。
たった一年しかいられなかった花組。たくさんの新しい出会いがあった花組。
幸せな思い出がたくさんありすぎて、しまいこみきれそうにない、花組時代。
ディナーショー「SORA」、「愛と死のアラビア/RED HOT SEA」、「銀ちゃんの恋」、「太王四神記」、そして次は、「哀しみのコルドバ/RED HOT SEA2」。……考えてみれば、すべての作品でご一緒させていただくのはきらりん(華耀きらり)ただ一人なんですね(*^ ^*)。きらりん大好きなので、なんだか嬉しい☆
なんだかんだ言いつつ、作品にも仲間たちにも恵まれて、ファンとして観ていても幸せそうな一年間でした。本当にありがとうございました…は、また実際に組替えする6月に、あらためて書かせていただきますね☆
あと二ヶ月半。時が過ぎた後で、「ああ、大空がいたことは花組にとっても良かったんだね」と言っていただけるようなナニカを置いていくことが、できたらいいなあ、と思っています。
そして。
「花組に配属されて、以来ずっと慈しんで育ててきた野々すみ花」という組長さんの言葉に、おもわず頭を下げた祐飛ファンは多かったんじゃないかと思います。
すみません、すみません、掌中の珠を奪っていくプルキルのような大空さんを、どうぞお許しくださいまし!大事にしますからっっっ!!(誓)
いずれにしても。
あと2ヵ月半、どうぞよろしくお願い申し上げますm(_ _)m。
第2幕11場 阿佛蘭寺
いきなり上手袖から登場して踊りだす瞳ゆゆちゃんがめっちゃ可愛い!つづいてぱらぱらと出てくる巫女さんたちが、皆、普通に可愛いくってドキドキします。
産婆たち(初姫さあや、愛純もえり、芽吹幸奈)もがんばってます!…しかーし。……あんな美人を三人も揃える必要が、どこにあったと言うんだろう(^ ^;ゞ
そうでなくても、火天会の巫女役の瞳ゆゆちゃんとか花蝶しほちゃんあたりが、産婆のさあやを取り囲んで守っているのを見ると、つい ポンファ通りのトラジの店は、情報を集めるために火天会が管理していた店(従業員は全員、火天会士)みたいだなー……とか思ってしまうのに(^ ^;ゞ
ヨン・ホゲの死を見届けたタムドクは、キハと子供を取り戻すために、、チーム勢ぞろいで阿佛蘭寺へ向かう。
阿佛蘭寺では、おりしもキハの出産直前。火を焚いた産屋の中で、キハが苦しんでいる。
生まれた子供と引き換えに、神器をプルキルに渡そうとするタムドク。
それを留めようとするキハ。
神話では、子供をカジン(キハ)に奪われた神の子ファヌン(タムドク)が
「神器を渡せば、世界が終わってしまう!」
と、神器をカジンに渡そうとするセオ(スジニ)を留めようとし、
「子供の命より、ひとの命が大切なのっ!?」
「それがわたしたちの運命なのだ」
という押し問答をしている間に子供を殺されてしまい、激昂したセオが黒朱雀になってしまうのですが。
現世では、そもそも愛し合って子供が出来るのはタムドクとキハ。子供を奪われ、黒朱雀になろうとしているキハが、それでも神器と引き換えに子供を取り戻そうとするタムドクに叫ぶ
「その男を信じては駄目!神器を渡せば、世界が終わってしまう!!」
立場、完全に逆転しているんですね。
神話で、“神の子”の立場で愛する女より世界を優先しようとして、結局女に世界を滅ぼされそうになり、自らの手で射抜く羽目に陥ったファヌンが、
現世では、“人間”の立場で世界より愛する女を優先しようとして、逆に女に窘められている。
子供のために黒朱雀にならんとしている、女に。
プルキルは、炎の中で人形のように踊るキハに
「カジン様、火の力を我に!」
と叫ぶ。そのあたりを考えると、彼の目的は、神話時代の「火の力」を取り戻すことが目的だった……のでしょうか。
いや、なぜ「火の力」が必要だったのか、が問題なのか。プルキルを語る上では。
…というわけで、プルキルの“目的”はやっぱり意味不明なままではあるのですが。
まあ、小池作品によく登場する、「世界征服」したがりな悪役、ということで割り切ることにして。
この一公演、あるいはこの一役で、役者として高いステップを一つ登った感のある壮ちゃん。
いやー、本当に凄いなあ、と思いました。
私の中で、美人でスタイルよくて歌も台詞もがんばっているのに、どうしても「悪役」に向かない人、っていうカテゴリーの一人(他に、星組のしいちゃんとか…)だったはずの壮ちゃんが、いつの間にこんなに悪役がぴったり似合うステキな役者になっていたのでしょうか。
いかにも小池さんらしく、とても劇画チックで、作りこみすればするほど演じやすくなる役ではありましたが、しっかり存在感があって、含み笑いの良く似合う、かっこいい「悪役」っぷりが素晴らしかったと思います。声も随分低くなりましたよねっ(^ ^)。
壮ちゃん自身はさぞ苦しまれたでしょうけれども、大劇場の中盤くらいから本当に良くなって、心底楽しそうでした。役の幅も拡がって、役者として素晴らしい財産になったと思います(*^ ^*)。
お稽古もいれて約4ヶ月間の髭役、本当にお疲れさまでした!!
久々の二枚目!「オグリ」楽しみにしています♪
迷っているタムドクに、プルキルは火天会士を向かわせる。
プログラムを見て、仰天したこと。
このときタムドクに襲い掛かる火天会士に、ついさっきまでホゲの死に号泣していたイルス(日向燦)とチョク・ファン(祐澄しゅん)がいるっっっ!?
一番最初の、サビ城落城の場面で、子キハ(月野姫花)を押さえつけているのがしゅん様だとか、その隣に立っているのがマメちゃんだとか言うのはわかるんですけど、この場面は、明るいところで止まってくれる場面がないので、何度観てもよくわからない(涙)。
お願いだから小池さん。火天会士の覆面と、武道大会黒軍の面帽は、お願いですから星組では取っちゃってあげてくださーいっ!!……(泣)。
わかんないよーーーーっ(絶叫)
それにしても。
巫女さんたちのダンスがちょっとあるとはいえ、物凄い早替わりですよね…?上に赤い上衣を羽織るだけにしても、かなり厳しい。そこまでして二人を出す意味があるのか?と思うのですが。
あらためて殺陣を視て、なんとなく納得しました。やっぱり、殺陣は経験なんですね。タムドクにかっこよく斬られる役は、下級生や娘役さんには難しかったのでしょう。……あまり確信はないのですが、たぶんこの二人なんだろうなー、と思う人が、とっても格好よく斬られてくれていたので(*^ ^*)。
なるほど……。大変なんだなあ、殺陣って、と。(しみじみ)
そうしてタムドクは、ファヌンが女から世界を護るために呼び寄せた四神を、天に帰すことを誓う。
パワーアイテムを棄て、身一つで炎の中に飛び込んでいくタムドク。
見守る仲間たち。
仲間たちがいるから、タムドクは全ての責任を放り投げて、女のために世界を棄てることができる。
彼らがいるから、後のことはなんとかなるだろう、と。
そして。
女のために世界を棄てることが、最終的には世界を女から護ることになった。
“神の子”が世界よりも愛した“ひと”の存在が、“世界”よりも“ひと”を択んだ真実が、全てを解決する。火は収まり、救われた子供は心優しい妹が守り育てることになる。
この上もなくご都合主義で、この上もなくありがちな、この上ないハッピー・エンディング。
第2幕12場 天空
クレーン登場。
私は雪組さんの「ベルサイユのばら」を見なかったので、初クレーンでした(@ @)。
……コメントは、控えさせていただきます……。
あ、でも、やっぱり2階1列センターで観たときは、周りの初めてご覧になったらしい方たちがすごく喜んでいたので、あれはあれで良いのかもね、と思うようになりました。
でも、10年に一回でいいよ、ああいうのが出てくるのは…(溜息)
クレーンが前に出てくるときに、邪魔になるセットを毎回慌てて片付けているシウ部族のメンバーが、なんとなく可愛かったです☆
タムドク(高談徳)は、その後パワーアイテムに頼ることなく、気心の知れたチームメンバーの情報収集力と、ホゲが鍛え上げた高句麗軍の破壊力によって積極的な対外政策を行い、周辺諸国を次々に平定して広い国土と安定した時代を築き上げ、「広開土王(好太王)」との諡号をおくられる。
そんなマメ知識を思い出しつつ。
調べてみたら、彼は374年生誕、先王の死とともに391年(392年説もあり)に王位を継承してました。……17歳(18歳)かよっ!?若いなあ(@ @)。
まあ、なんだかんだ書いてきましたけれども。
小池さんってやっぱり天才なんだなあ、
凡人にはよくわからない展開が多いところも含めて、
……と、心の底から実感した作品でした。
星組版は、また違う雰囲気になりそうですね☆
配役も変わるのかと想像していたのですが、キハがヒロインなのは同じなようなので、骨子は同じになるのかなあ?
とにかく、楽しみにしています!!
.
無事、東京公演が終了いたしました。
最終的に“忘れられない思い出の公演”になったこの作品。小池さんと新公演出の生田さんに深く感謝しつつ、星組さんでの続演も楽しみにしております。
千秋楽公演は、特にアドリブも無く、端正な出来……というのかな。
とにかくテンションが高くて、パワーのある舞台でした。
ポンファ通りとか武道大会で何かアドリブが入るかな?と思ったのですが、特に無かったと思います。…どちらも常に目が泳いでいるので、何かあっても気づかなかった可能性もありますが。
ただ、湖々マリアちゃんの立ち位置は、いつもよりちょっと前にしてもらっていたような気がしたのですが、どうだったのでしょうか。すみません、普段の位置を正確に覚えているわけではないので確信は無いのですが、なんとなく、いつもより目立っていたような。
…あれも『卒業生オーラ』というものなのでしょうか?
フィナーレは、まず望月理世ちゃんが青龍(Club-MIX)で紫の花(羽?)飾りを左胸につけていて(T T)、ひたすらに明るくパワフルな満開の笑顔と共に『卒業生オーラ』を出しまくり。マリアちゃんは何色だったっけ…?(ごめんなさい)。可愛い笑顔だったのは覚えている(というか、しっかり観た!)んですけど。
真飛さんは、銀橋を渡りながらの合いの手に卒業生の名前を呼び、「おめでとう!」とか「千秋楽!」とか「ありがとう!」とか「花組!」とか、そういう言葉を挟んでくださいました。
…優しいトップさんだなあ(T T)。
あと、男役が皆ハケて4人(めお、みつる、理世、まぁ)だけ残って踊るところ、下手側でめおちゃんが理世をリフトしてあげてました。あんな振り、いつもは無いですよぇ…?ゞ
そして、4人がワンフレーズづつピンスポを貰ってソロで踊るところも、理世ちゃんに特大の拍手が贈られました。笑顔、輝いてたなあ……。
玄武ファイターズの理世ちゃんの飾りは、深い真紅。シャープな美貌によく似合って素敵。割と背の高い、羽飾りみたいな形のを、ちょっと高めにつけて肩の上まで出るようにしていたので、玄武ファイターズの激しい振りで動くたびにゆらゆら揺れてすごくキレイでした。
作った人のセンスが良いんだろうな(*^ ^*)。
パレードは、マリアちゃんが天地神堂の白と金の衣装に赤い花。華やかで美しく、マリアちゃんの可愛い笑顔を引き立ててました。
理世は、カクダンの甲冑姿に、髪をまとめたところと胸に純白のたっぷりとした花飾り。すっきりとモノトーンにまとめて、男装の少女の禁欲的な美しさを出していました。
二人とも可愛かった……。
階段降りの花は、マリアちゃんがオレンジ系。ふんわりと可愛らしいご挨拶。
理世ちゃんは、髪型も眉も男役に戻って、花はすっきりと白一色。口調もしっかりして、内容もしっかりまとまったご挨拶。
お二人のキャラクターが出た、良い挨拶でした!
マリアちゃんが89期。同期の花はだいもんが一人で渡しに行きましたが、皆うるうると見守ってましたね。
下手側のはるちゃんがぼろぼろ泣いていたのが印象的。
理世ちゃんには、ふみかとじゅりあが二人揃って。そうかー、もう二人しかいないんだ。淋しいなあ。
涙を拭っている人も多くて、みつるくんもだいぶ泣いてたような気がします。しゅん様とか。学年も近いし、仲良しだったんでしょうか。
新しい扉を開くお二人の、前途に幸いがたくさん待っていることを祈っています。
宝塚全体でも、新年をはさんで人事関係の大きな発表が相次いだ数ヶ月でした。
大空祐飛さんと野々すみ花ちゃんの宙組次期トップコンビ内定のニュースが流れてから、3週間とちょっと。その都度都度に、いろんな想いを抱いて公演を観てまいりましたが。
千秋楽の挨拶で、組長さんからの祐飛さん&すみ花ちゃんの二人に向けていただいた暖かい餞の言葉に、涙がこぼれてしかたありませんでした。
お二人の挨拶も良かったです。並んで出てきても、まだ「コンビ」には見えないお二人ですが、これから少しづつ、お互い寄り添って、前に進んでいってほしい、と、心から祈ってやみません。
たった一年しかいられなかった花組。たくさんの新しい出会いがあった花組。
幸せな思い出がたくさんありすぎて、しまいこみきれそうにない、花組時代。
ディナーショー「SORA」、「愛と死のアラビア/RED HOT SEA」、「銀ちゃんの恋」、「太王四神記」、そして次は、「哀しみのコルドバ/RED HOT SEA2」。……考えてみれば、すべての作品でご一緒させていただくのはきらりん(華耀きらり)ただ一人なんですね(*^ ^*)。きらりん大好きなので、なんだか嬉しい☆
なんだかんだ言いつつ、作品にも仲間たちにも恵まれて、ファンとして観ていても幸せそうな一年間でした。本当にありがとうございました…は、また実際に組替えする6月に、あらためて書かせていただきますね☆
あと二ヶ月半。時が過ぎた後で、「ああ、大空がいたことは花組にとっても良かったんだね」と言っていただけるようなナニカを置いていくことが、できたらいいなあ、と思っています。
そして。
「花組に配属されて、以来ずっと慈しんで育ててきた野々すみ花」という組長さんの言葉に、おもわず頭を下げた祐飛ファンは多かったんじゃないかと思います。
すみません、すみません、掌中の珠を奪っていくプルキルのような大空さんを、どうぞお許しくださいまし!大事にしますからっっっ!!(誓)
いずれにしても。
あと2ヵ月半、どうぞよろしくお願い申し上げますm(_ _)m。
第2幕11場 阿佛蘭寺
いきなり上手袖から登場して踊りだす瞳ゆゆちゃんがめっちゃ可愛い!つづいてぱらぱらと出てくる巫女さんたちが、皆、普通に可愛いくってドキドキします。
産婆たち(初姫さあや、愛純もえり、芽吹幸奈)もがんばってます!…しかーし。……あんな美人を三人も揃える必要が、どこにあったと言うんだろう(^ ^;ゞ
そうでなくても、火天会の巫女役の瞳ゆゆちゃんとか花蝶しほちゃんあたりが、産婆のさあやを取り囲んで守っているのを見ると、つい ポンファ通りのトラジの店は、情報を集めるために火天会が管理していた店(従業員は全員、火天会士)みたいだなー……とか思ってしまうのに(^ ^;ゞ
ヨン・ホゲの死を見届けたタムドクは、キハと子供を取り戻すために、、チーム勢ぞろいで阿佛蘭寺へ向かう。
阿佛蘭寺では、おりしもキハの出産直前。火を焚いた産屋の中で、キハが苦しんでいる。
生まれた子供と引き換えに、神器をプルキルに渡そうとするタムドク。
それを留めようとするキハ。
神話では、子供をカジン(キハ)に奪われた神の子ファヌン(タムドク)が
「神器を渡せば、世界が終わってしまう!」
と、神器をカジンに渡そうとするセオ(スジニ)を留めようとし、
「子供の命より、ひとの命が大切なのっ!?」
「それがわたしたちの運命なのだ」
という押し問答をしている間に子供を殺されてしまい、激昂したセオが黒朱雀になってしまうのですが。
現世では、そもそも愛し合って子供が出来るのはタムドクとキハ。子供を奪われ、黒朱雀になろうとしているキハが、それでも神器と引き換えに子供を取り戻そうとするタムドクに叫ぶ
「その男を信じては駄目!神器を渡せば、世界が終わってしまう!!」
立場、完全に逆転しているんですね。
神話で、“神の子”の立場で愛する女より世界を優先しようとして、結局女に世界を滅ぼされそうになり、自らの手で射抜く羽目に陥ったファヌンが、
現世では、“人間”の立場で世界より愛する女を優先しようとして、逆に女に窘められている。
子供のために黒朱雀にならんとしている、女に。
プルキルは、炎の中で人形のように踊るキハに
「カジン様、火の力を我に!」
と叫ぶ。そのあたりを考えると、彼の目的は、神話時代の「火の力」を取り戻すことが目的だった……のでしょうか。
いや、なぜ「火の力」が必要だったのか、が問題なのか。プルキルを語る上では。
…というわけで、プルキルの“目的”はやっぱり意味不明なままではあるのですが。
まあ、小池作品によく登場する、「世界征服」したがりな悪役、ということで割り切ることにして。
この一公演、あるいはこの一役で、役者として高いステップを一つ登った感のある壮ちゃん。
いやー、本当に凄いなあ、と思いました。
私の中で、美人でスタイルよくて歌も台詞もがんばっているのに、どうしても「悪役」に向かない人、っていうカテゴリーの一人(他に、星組のしいちゃんとか…)だったはずの壮ちゃんが、いつの間にこんなに悪役がぴったり似合うステキな役者になっていたのでしょうか。
いかにも小池さんらしく、とても劇画チックで、作りこみすればするほど演じやすくなる役ではありましたが、しっかり存在感があって、含み笑いの良く似合う、かっこいい「悪役」っぷりが素晴らしかったと思います。声も随分低くなりましたよねっ(^ ^)。
壮ちゃん自身はさぞ苦しまれたでしょうけれども、大劇場の中盤くらいから本当に良くなって、心底楽しそうでした。役の幅も拡がって、役者として素晴らしい財産になったと思います(*^ ^*)。
お稽古もいれて約4ヶ月間の髭役、本当にお疲れさまでした!!
久々の二枚目!「オグリ」楽しみにしています♪
迷っているタムドクに、プルキルは火天会士を向かわせる。
プログラムを見て、仰天したこと。
このときタムドクに襲い掛かる火天会士に、ついさっきまでホゲの死に号泣していたイルス(日向燦)とチョク・ファン(祐澄しゅん)がいるっっっ!?
一番最初の、サビ城落城の場面で、子キハ(月野姫花)を押さえつけているのがしゅん様だとか、その隣に立っているのがマメちゃんだとか言うのはわかるんですけど、この場面は、明るいところで止まってくれる場面がないので、何度観てもよくわからない(涙)。
お願いだから小池さん。火天会士の覆面と、武道大会黒軍の面帽は、お願いですから星組では取っちゃってあげてくださーいっ!!……(泣)。
わかんないよーーーーっ(絶叫)
それにしても。
巫女さんたちのダンスがちょっとあるとはいえ、物凄い早替わりですよね…?上に赤い上衣を羽織るだけにしても、かなり厳しい。そこまでして二人を出す意味があるのか?と思うのですが。
あらためて殺陣を視て、なんとなく納得しました。やっぱり、殺陣は経験なんですね。タムドクにかっこよく斬られる役は、下級生や娘役さんには難しかったのでしょう。……あまり確信はないのですが、たぶんこの二人なんだろうなー、と思う人が、とっても格好よく斬られてくれていたので(*^ ^*)。
なるほど……。大変なんだなあ、殺陣って、と。(しみじみ)
そうしてタムドクは、ファヌンが女から世界を護るために呼び寄せた四神を、天に帰すことを誓う。
パワーアイテムを棄て、身一つで炎の中に飛び込んでいくタムドク。
見守る仲間たち。
仲間たちがいるから、タムドクは全ての責任を放り投げて、女のために世界を棄てることができる。
彼らがいるから、後のことはなんとかなるだろう、と。
そして。
女のために世界を棄てることが、最終的には世界を女から護ることになった。
“神の子”が世界よりも愛した“ひと”の存在が、“世界”よりも“ひと”を択んだ真実が、全てを解決する。火は収まり、救われた子供は心優しい妹が守り育てることになる。
この上もなくご都合主義で、この上もなくありがちな、この上ないハッピー・エンディング。
第2幕12場 天空
クレーン登場。
私は雪組さんの「ベルサイユのばら」を見なかったので、初クレーンでした(@ @)。
……コメントは、控えさせていただきます……。
あ、でも、やっぱり2階1列センターで観たときは、周りの初めてご覧になったらしい方たちがすごく喜んでいたので、あれはあれで良いのかもね、と思うようになりました。
でも、10年に一回でいいよ、ああいうのが出てくるのは…(溜息)
クレーンが前に出てくるときに、邪魔になるセットを毎回慌てて片付けているシウ部族のメンバーが、なんとなく可愛かったです☆
タムドク(高談徳)は、その後パワーアイテムに頼ることなく、気心の知れたチームメンバーの情報収集力と、ホゲが鍛え上げた高句麗軍の破壊力によって積極的な対外政策を行い、周辺諸国を次々に平定して広い国土と安定した時代を築き上げ、「広開土王(好太王)」との諡号をおくられる。
そんなマメ知識を思い出しつつ。
調べてみたら、彼は374年生誕、先王の死とともに391年(392年説もあり)に王位を継承してました。……17歳(18歳)かよっ!?若いなあ(@ @)。
まあ、なんだかんだ書いてきましたけれども。
小池さんってやっぱり天才なんだなあ、
凡人にはよくわからない展開が多いところも含めて、
……と、心の底から実感した作品でした。
星組版は、また違う雰囲気になりそうですね☆
配役も変わるのかと想像していたのですが、キハがヒロインなのは同じなようなので、骨子は同じになるのかなあ?
とにかく、楽しみにしています!!
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太王の宿命~第二幕【3】
2009年3月21日 宝塚(花) コメント (2)東京宝塚劇場花組公演「太王四神記」。
最後の三連休も二日が終わり、あと1日で千秋楽です。
なんか、あらためて「こんなに(気分的に)盛り上がった公演は久しぶりだ…」と思ってしまった(^ ^;。だって、その前は谷さんの「目が点なアラビア」だったしさー(ショーは結構好きでしたが)。
その前は…あ、「MAHOROBA」か。あれも好きだった(遠い目)。でも、もう10年も前のような気がします。祐飛さんが花組に来て、まだ一年だなんてどうしても信じられない(T T)。
花組っ子たちが可愛くて可愛くて、別れるのがとてもとても寂しいです……(> <)。
さて。
今日、観劇して、いくつか初めて気づいた小ネタがあったので呟かせていただきます。
①ポンファ通り
トラジの店の女の子たちのコマーシャルソング。瞳ゆゆちゃんに抱きついてあちこち触っているルナちゃんは、その後客引きする女の子たちに順番に掴まり、最終的には花蝶しほちゃんに思いっきり抱きついて、そのまま店に引っ張り込まれ……そうになったところで、一緒にお店をやっている奥さん(?)に叱られて、連れ戻されていました。
こ、こんなドラマがあったなんて!!知らなかったぞーっ!
②二回目のポンファ通り
スリョンとして出ている姫花ちゃんは、タムドクが店に入る時に一緒に入った後、出てこないんですね。あれっ?と思っていたら、次の武道大会では天地神堂の巫女だった!(@ @)…いつの間に。
③ヤン王葬儀
赤族の遼かぐらちゃんとイルス(日向燦)。キハがタムドクに剣を向け、刺すときに思いっきりニヤリ笑いを浮かべて顔を見合わせていました。ワルいわ~~っ(*^ ^*)。
その後ろでおとなしく控えているチョク・ファン(祐澄しゅん)は、どちらかと言うと他の部族同様、タムドクが刺されるときには目を瞑って沈鬱な表情をし、助かったと知って微かな笑顔を浮かべます。ただ、他の部族と違うのは、笑顔をすぐに消し、顔を伏せるところ。赤い服を着たほかの人々に、タムドクが生き返ってホッとしている姿を見られてはまずいと思うんでしょうね。
見るたびに印象の違う人でしたが、ここ最近ですっかり「優しくて朴訥な、正直者の職業軍人」というキャラクターが定着したんだなー、と思いました。
④タムドクの帰還
ヒョンゴが「スジニは王妃にはなれない」ことを縷々説明するくだり。
チュモン(嶺乃一真)が、話を聞きながらヒョンミョンの腕に縋るようにして、『ねぇ、なんとかしてあげられないの?』みたいなことを訊いてました。それに対して、ヒョンミョンは心配そうにスジニを見守りながら、チュモンに対しては『仕方ないんだよ』みたいクールに突き放していて、めっちゃ格好良かった!!
…そんなところかな?
本当に観るべきところが多すぎて、毎回「…え?こんな場面あったっけ?」「こんなことしてたのっ!?」と何度も思う作品でした。そーゆーところはさすが小池さんです。
星組版も観られますように(^ ^)。
第2幕7場 ヨン・ホゲの帰還 ~ 愛のない結婚 (続き)
ヨン・ホゲの婚約発表を兼ねた、凱旋パーティ。
プルキルが、武力を握ったホゲに神器を探させるために仕組んだ結婚。
『子供を守るため』に、プルキルに従うキハ。
「神器が揃い次第、祝言をあげる」
ヨン・ガリョの宣言と共に、紫の服に甲冑を重ねたホゲとオレンジの衣装に身を包んだキハが、部下たちが居並ぶ中を進んでくる。
「本当にこれでいいのか」
「あなたこそ構わないの?」
目を合わせようともせず、静かに、深い絶望とともに語り合う二人。
「お前が産む子供の父親になれば、朱雀の神器は俺のもの」
遠いところを見凝めたまま、呟くように。
「子供が生まれるまでに、残りの神器を見つけて」
プルキルによって課せられた約束。
神器が揃ったら祝言をあげる。
子供が生まれるまでに祝言をあげ、ヨン家の子供として生んでプルキルから守ってもらう。二重・三重のはかりごと。
幾重にも二人を縛る、重たい鎖。
「愛のない結婚でお前は傷つかないのか」
「あなたこそ、他に好きな人がいるのでは…?」
背を向け合って問いかける、切ないまでに悲しい恋心。
「俺が愛したのは炎の巫女」
目を伏せて、
「俺を王だと言った女」
自らに言い聞かせるように。
「私が(お前が)愛したのは真の王。そうと知っても私を(お前を)抱く」
やわらかに揃うハーモニー。二人とも、あまり歌を得意とする人たちではありませんが、絶妙に声とピッチが合うんですね。デュエットの響きが、とても美しい。
すれ違う想いの美しさ。
ホゲはもう、キハにとっての「真の王」が誰であるかを知っているのに。それでも、どうしても諦めることができなくて。
「…偽りの愛に、この身をやつして…」
白華れみちゃんに迫られて、タジタジになっているチョク・ファンとか、きらりんと物凄く楽しそうにお喋りしているイルスとか、物凄く女たらしなアーサー(煌雅あさひ)とくどかれ上手なくみちゃんとか、月野姫花ちゃんをめぐる日高大地&大河凛のひそかな争いとか、花蝶しほちゃんをめぐる結構あからさまな争いとか、見所満載な場面ではありますが、
ここはやはり、ホゲ様とキハのすれ違いっぷりをしっかりチェックしないといけません!
ちなみに、チョク・ファンはれみちゃんに無理矢理(?)フロアの真ん中近くに連れ出された後、軽く乾杯して別れ、一息ついたところで今度は瞳ゆゆちゃんに引っかかってました(笑)。
「乾杯!」と軽くグラスを掲げたあとの、ホゲとキハのキスシーンは、以前のように目を背けたり不機嫌になったりすることなく、ただ穏やかに微笑んでいて、すごく大人っぽくなってました。なのにゆゆちゃんが触れてくるとキョドってみたりして、どうしてそんなに可愛いんだろうか…(汗)。
そうこうしているうちにホゲ様とその崇拝者たち(←おい)は舞台奥に向かって穏やかに談笑をはじめ、
フロアに残って人々から少し離れたキハには、小さな声がかかる。
「…ちょっと」
物陰からキハを呼ぶスジニ。
「もう一度タムドク様に会ってあげて」
タムドクの望みを叶えたい一心で、彼の愛する女に訴える。切ないけれども、傍にいられる女の心。
「私は、タムドク様に剣を向けた女。あの方の前からは消えました」
そのために、ヤン王は私にお命じになったのだから。タムドク様に、私を憎ませるために。
会話の流れで二人ともサビ城の姫であることが判明し、姉妹であることがわかる二人。
再会を約して、消えるスジニ。
舞台奥でイルスやチョク・ファンと語らっていたホゲが、ふと振り向いてキハを迎えに来る。
紗幕に隠れた溶暗の中、幽かに微笑んで二人を見守るチョク・ファンの寂しげな瞳に、大劇場での衝撃とはまた違う射抜かれ方をしてしまう自分は、単なるしゅん様ファンのような気もしてきます。
それにしても。
みわっちと彩音ちゃん。学年にして5年も逆転しているのに、違和感なく「姉」と「妹」でいられる二人が凄いなー、と思わずにはいられません☆
第2幕8場 玉座の間
タムドクにピンスポット。銀橋には出ずに、本舞台で歌うソロ。
見失った希望。
チュシンの王になるという目的は得た(与えられた)けれども、
『誰のために』というところが空白になってしまった…
ひびわれた心の底を、風が吹き過ぎていくばかりで。
『愛する人を疑ってばかり、愛とは何か疑ってばかり』
震える声でそう嘆くタムドクを、ここまで来てもまだ子供のままなんだな、と、哀れに思います。
愛することの苦しさを、はじめて知った男の子。
どんなに彼が苦しくても、それは誰にも助けられない。
『命掛けて愛した人の名は、キハ…!』
そこに現れる、“心優しい娘”、スジニ。
「私の、お姉さんに会って欲しいんだ…」
ただ、タムドクの笑顔が見たい、と、ただそれだけの一途な少女。
「キハ……っ!」
思いもよらない人物の登場に、驚愕を隠せないタムドク。
新人公演のだいもんは、ここで抑えきれずに嬉しそうに笑んだような気がしたのですが、私の気のせいでしょうか?
まとぶんは、むしろ“死んだ筈の者が生き返ってきた”かのような驚きよう(^ ^)。
「お腹の子供が目立たないように」
黒い服を着てきた、と告白するキハ。
ヨン・ホゲの子を身籠った、と言われて、自嘲的に微笑むタムドク。
カウリ剣の儀式で、一度は死を覚悟した二人。
「だが私は生き残り、お前も生きている。生きているから子供が生める、それでいいじゃないか」
たった一夜限りでも、お前は僕に、希望と勇気を与えてくれたのだから。
こんな僕でも、愛は得られるのだ、と。
愛を知らない二人。
愛されたことのない、愛し方を知らない恋人たち。
「命掛けて愛した人の名は……」
溜息と共に吐き出して。
誰のために?
誰のために諦めるのか、この恋を……?
第2幕9場 国内城内
タムドクの行動について議論する、ヨン家一党+プルキル。
狩に行って見知らぬ男を連れて戻ってきた。
なのに何も言わず、おとなしく勉強ばかりで、とても青龍の神器を見つけたとは思えない。
「そんなことより白虎の神器早く見つけねば!」
プルキルはだいぶ焦りが出ている。
「お前の水晶玉 もう信じはしない!」
プルキルをまっすぐに指差して、そう宣言するホゲ様は、めちゃめちゃ切れ者の男前(*^ ^*)。
「外国と闘って勝利を収め、奴隷を連れて凱旋することで王にふさわしいと認めさせる!」
「ヨン・ホゲ様こそチュシンの王」
繰り返すプルキル。
この時彼は、すでに真のチュシンの王が誰なのかを知っているはず。なのにヨン家に固執するのは、軍隊を掌握しているヨン家の方が神器探しで有利と思っているから、って解釈で良いのでしょうか?
「もう聞き飽きた。キハの産む子供の父親こそ、チュシンの王だ」
「ヨン家の血をひかない子供なら、キハは阿佛蘭寺で出産を」
ホゲは、キハの子が自分の子でないことは最初から知っている。(婚約式でも歌っているし)
でも、プルキルはこの時までホゲは知らないと思ってた、ってこと…?
えええ?ってことはプルキルはキハとホゲは寝てると思っているんですよね?いつの間にそんなことに?
…こほん。
「勝手にしろ!俺は靺鞨の北、契丹を攻める!」
“靺鞨”は高句麗の版図、“契丹”は外国。だから当然、契丹との戦いは西百済同様“戦争”に該当するわけです。
「噂によれば、白虎の神器の持ち主は契丹に逃げたという。勝てば神器を探せる!」
このあたりの会話を思い返してみて、しみじみと思ったのですが。
…この作品って、よーく考えてみると、ものすごい情報戦なんですよね。
プルキル&チョ・ジュド陣営は、いろんな噂を流して情報操作することには長けている(らしい)けれども、調査能力に欠けていて正確な情勢がつかめていない。コムル村チームは、逆に情報収集力が突出していて、正確な情勢をつかんでいるが、権力がないので操作は難しい。
チームミーティングのたびにいろんな情報を流してみたり煽ってみたり、お互いに民心を操作しあって相手の裏をかこうとしているやりとりがすごく面白いです。
うーん、小池さん「三国志」とかやってみたくないですか?(^ ^)。
今の作品だと、そういった情報操作がいちいち「えぇ~!?なんでそんな変なコトするのぉ?」って感じなので、ちゃんと権謀術数がかみ合っている原作で作ってみてほしいんですけど。
ああ、でも私は、どうせ「三国志」をやるなら「レッドクリフ」じゃなくて諏訪緑のコミック「時の地平線」をうまく潤色してほしいので、大野さんで観たいかも……。
あと。
ここで話題にすることでもないような気がするんですが、忘れないうちに聞いてみていいですか?
“カウリ剣”の儀式で裁かれた罪って、何?
ホゲがタムドクに尋ねたとおり、「近衛隊にヤン王殺害を命じた」罪なんでしょうか。キハが刺したのではなく、近衛隊が殺したことになっているのは…情報操作か?
で、四部族の息子たちを殺した罪は放置ですか?
「公平たるべき皇子の身で一部族に肩入れした」罪は不問で「王の代理」になっちゃうの?
…こっちについてあ、ヨン・ホゲのイカサマを告発するためだった、といわれたらそれまでか。
「神の裁きはくだされた。タムドク皇子は潔白である」
と大神官は宣言しますが、それは「罪が無い」ってことなるのでしょうか。儀式のタイトルになった罪だけでなく…?
ヨン・ホゲたちが契丹を攻めるらしいと聞きつけた(さすが情報収集のプロ)ヒョンゴたちのカーテン前をはさんで、
天幕でのホゲと、忍んできたサリャンの会話。
「キハ様を阿佛蘭寺へお送りにならないでください」
必死の訴え。
「プルキルは西域の商人ではなく、火天会の大長老。集めた神器をチュシンの王の子供の血で神器を洗い、世界を手にいれようとしているのです!」
キハを救うため、必死なサリャン。
すべての秘密を話してでも、キハだけは助けよう、助けたい、と。
自分自身に課せられた烙印の目さえ、かいくぐって、忍んできた天幕。
「…サリャン」
天幕の影から現れる、赤と黒の影。
サリャンの命を奪い、朱雀の神器と引き換えにキハを連れて本拠地へ帰っていく。
サリャンの人生って、結局何だったのでしょうね。
どういうきっかけがあって、火天会に入ったのでしょうか。…キハと同様に、さらわれてきたのかも?
ホゲ様の「…哀れな奴」という述懐が、彼にとっては一番の餞なのかもしれません。キハに惜しまれることさえない、彼の人生。最後の最後に幸せそうな二人の笑顔を見るたびに、サリャンの淋しい死に顔が浮かぶのです…。
もう一度タムドクチームが登場し、カーテン前で契丹攻めにどう対応するかを協議。
「私が治める国は、戦で人が死なない国だ!」
高句麗の実在の王・広開土王は、実際に契丹を攻めたんでしょうか。彼はかなり戦好き、というか、広く戦争を仕掛けてあちこち征服してまわった王様(国を広げたから諡に「広」の字が入った)なので、「戦で人が死なない国」なんて思ってなかったと思うんだけど…。
むしろ、ホゲの方がキャラクターイメージには近いんだけどな(^ ^;ゞ
神器の意味を知らないパソンが、“国を出るときから持っているお守り”をチュムチに渡す。
「あんた、そそっかしいから持っていきな!」
残念ながら姐さんらしくは全く見えない“永遠の少女”一花ですが、この場面は、なかなか良いです。
「生きて帰ったら、タルビと夫婦になるんだろう?」とからかうところなんか、偉そうでステキです!そして、すみ花ちゃんを軽々と抱き上げるまぁくんが男前(でも、ほんのちょっとだけ『うちのすみ花に触らないでよ!』と思ってしまう自分…ごめんなさい!汗)
第2幕10場 戦場
契丹へ向けて行軍する高句麗軍。
ここのフォーメーションは本当に驚くほど格好良いです。ホントに、二階席から観るべきですよこの場面は。
盾の列の上に聳え立つリフト。しゅん様とマメちゃんの、揺ぎ無い足元が素晴らしい。祐飛さん、さぞ重たいだろうに…。
小池さんの天才を心の底から実感する、場面です。
ヨン・ホゲを留めるために現れる、タムドクチーム。
とりあえず盾は持ってきてみたけど、装備も人数も貧弱なのに代わりはない。っていうか、そういえば百済兵は連れてきていなんですね、チョロ様は。身一つ(カグン将軍だけ連れて)で参加したのか……。
「王の許可なく戦争を始めることは禁じられている。今すぐ撤退しろ!」
「俺の王は俺自身だ!お前の指図は受けない!」
あまりにも圧倒的な兵力差。それでも勝負を挑むタムドク。
乱戦になる戦場で、ふいにチュムチが倒れ、“お守り”が輝くー。
本人さえも知らなかった、運命。
白虎の守り主であったチュムチが、当たり前のようにタムドクに惹かれ、部下として付き従うようになったのも、運命。
そしてまた神器の守り主と、神器を運ぶ手が、同時に“チュシンの王”に出会い、行動を共にしていたのも、運命の必然。
神器の探し方も、結局はタムドクが正解だった。
ホゲは、戦上手で経験豊富だったことが仇になった。
闘って奪うことしか思いつかなかったのだから。
話し合いで、もしくは愛で尊敬を勝ち得る、そういう発想がホゲにはなかった。それがホゲの罪で、チュシンの王との器の差、ということなのでしょう…(T T)。
だって。チュシンの王が玉座を埋めるのは、それ自体が運命なのだから。
「神器をよこせぇ~~っ!」
悪鬼の表情で、向かっていくホゲ。
「多くの人の命を奪って、何になる!?」
必死で諭すタムドク。
「俺に説教するのか。俺に槍を習ったお前が?」
「そうだ。もう一度教えてもらおうか。一対一で!」
槍を奪われ、腰の刀を握るホゲ。
「俺はもう、後戻りできないんだ!」
ガツっ、と得物を合わせ、力勝負に持ち込まれて。
「やり直せる!きっと!」
タムドクの、必死の訴え。
なのに。
そうこうしている間に、火天会兵士たちが花道に一瞬登場し、矢を放って去る。
タムドクを狙った矢が、見事に胸に突き立ってしまう、ホゲ。
タムドクの腕の中で、抱きしめられる大きな肩。
1階席だと、タムドクの貌とホゲの横顔が美しく映り、
2階席だと、タムドクの貌は影になってほとんど見えないけど、ホゲの貌は正面からばっちり見える………
ど、どっちもステキです。ぜぇはあ。
それにしても。
いくらタカラヅカとはいえ、盛りだくさんすぎる死に際でしたね。
朱雀の神器を渡し、
ヤン王自決の真相を語り、
キハの子供の父親を教え、
彼女の身に危険が迫っていることを伝え、
…「思い出すぜ…城の壁を…」
自主練習の思い出を語り、「俺が王なら…」と夢を語る。
もう少しなんとかすることはできなかったのかなあ。たとえば、キハ関係は戦いの中で無駄口叩かせておくとか。
できれば、「思い出すぜ…」から始まってもらいたいもんです。
あ、あとちょっとだ!!
公演もあと一日だけど(涙)。
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最後の三連休も二日が終わり、あと1日で千秋楽です。
なんか、あらためて「こんなに(気分的に)盛り上がった公演は久しぶりだ…」と思ってしまった(^ ^;。だって、その前は谷さんの「目が点なアラビア」だったしさー(ショーは結構好きでしたが)。
その前は…あ、「MAHOROBA」か。あれも好きだった(遠い目)。でも、もう10年も前のような気がします。祐飛さんが花組に来て、まだ一年だなんてどうしても信じられない(T T)。
花組っ子たちが可愛くて可愛くて、別れるのがとてもとても寂しいです……(> <)。
さて。
今日、観劇して、いくつか初めて気づいた小ネタがあったので呟かせていただきます。
①ポンファ通り
トラジの店の女の子たちのコマーシャルソング。瞳ゆゆちゃんに抱きついてあちこち触っているルナちゃんは、その後客引きする女の子たちに順番に掴まり、最終的には花蝶しほちゃんに思いっきり抱きついて、そのまま店に引っ張り込まれ……そうになったところで、一緒にお店をやっている奥さん(?)に叱られて、連れ戻されていました。
こ、こんなドラマがあったなんて!!知らなかったぞーっ!
②二回目のポンファ通り
スリョンとして出ている姫花ちゃんは、タムドクが店に入る時に一緒に入った後、出てこないんですね。あれっ?と思っていたら、次の武道大会では天地神堂の巫女だった!(@ @)…いつの間に。
③ヤン王葬儀
赤族の遼かぐらちゃんとイルス(日向燦)。キハがタムドクに剣を向け、刺すときに思いっきりニヤリ笑いを浮かべて顔を見合わせていました。ワルいわ~~っ(*^ ^*)。
その後ろでおとなしく控えているチョク・ファン(祐澄しゅん)は、どちらかと言うと他の部族同様、タムドクが刺されるときには目を瞑って沈鬱な表情をし、助かったと知って微かな笑顔を浮かべます。ただ、他の部族と違うのは、笑顔をすぐに消し、顔を伏せるところ。赤い服を着たほかの人々に、タムドクが生き返ってホッとしている姿を見られてはまずいと思うんでしょうね。
見るたびに印象の違う人でしたが、ここ最近ですっかり「優しくて朴訥な、正直者の職業軍人」というキャラクターが定着したんだなー、と思いました。
④タムドクの帰還
ヒョンゴが「スジニは王妃にはなれない」ことを縷々説明するくだり。
チュモン(嶺乃一真)が、話を聞きながらヒョンミョンの腕に縋るようにして、『ねぇ、なんとかしてあげられないの?』みたいなことを訊いてました。それに対して、ヒョンミョンは心配そうにスジニを見守りながら、チュモンに対しては『仕方ないんだよ』みたいクールに突き放していて、めっちゃ格好良かった!!
…そんなところかな?
本当に観るべきところが多すぎて、毎回「…え?こんな場面あったっけ?」「こんなことしてたのっ!?」と何度も思う作品でした。そーゆーところはさすが小池さんです。
星組版も観られますように(^ ^)。
第2幕7場 ヨン・ホゲの帰還 ~ 愛のない結婚 (続き)
ヨン・ホゲの婚約発表を兼ねた、凱旋パーティ。
プルキルが、武力を握ったホゲに神器を探させるために仕組んだ結婚。
『子供を守るため』に、プルキルに従うキハ。
「神器が揃い次第、祝言をあげる」
ヨン・ガリョの宣言と共に、紫の服に甲冑を重ねたホゲとオレンジの衣装に身を包んだキハが、部下たちが居並ぶ中を進んでくる。
「本当にこれでいいのか」
「あなたこそ構わないの?」
目を合わせようともせず、静かに、深い絶望とともに語り合う二人。
「お前が産む子供の父親になれば、朱雀の神器は俺のもの」
遠いところを見凝めたまま、呟くように。
「子供が生まれるまでに、残りの神器を見つけて」
プルキルによって課せられた約束。
神器が揃ったら祝言をあげる。
子供が生まれるまでに祝言をあげ、ヨン家の子供として生んでプルキルから守ってもらう。二重・三重のはかりごと。
幾重にも二人を縛る、重たい鎖。
「愛のない結婚でお前は傷つかないのか」
「あなたこそ、他に好きな人がいるのでは…?」
背を向け合って問いかける、切ないまでに悲しい恋心。
「俺が愛したのは炎の巫女」
目を伏せて、
「俺を王だと言った女」
自らに言い聞かせるように。
「私が(お前が)愛したのは真の王。そうと知っても私を(お前を)抱く」
やわらかに揃うハーモニー。二人とも、あまり歌を得意とする人たちではありませんが、絶妙に声とピッチが合うんですね。デュエットの響きが、とても美しい。
すれ違う想いの美しさ。
ホゲはもう、キハにとっての「真の王」が誰であるかを知っているのに。それでも、どうしても諦めることができなくて。
「…偽りの愛に、この身をやつして…」
白華れみちゃんに迫られて、タジタジになっているチョク・ファンとか、きらりんと物凄く楽しそうにお喋りしているイルスとか、物凄く女たらしなアーサー(煌雅あさひ)とくどかれ上手なくみちゃんとか、月野姫花ちゃんをめぐる日高大地&大河凛のひそかな争いとか、花蝶しほちゃんをめぐる結構あからさまな争いとか、見所満載な場面ではありますが、
ここはやはり、ホゲ様とキハのすれ違いっぷりをしっかりチェックしないといけません!
ちなみに、チョク・ファンはれみちゃんに無理矢理(?)フロアの真ん中近くに連れ出された後、軽く乾杯して別れ、一息ついたところで今度は瞳ゆゆちゃんに引っかかってました(笑)。
「乾杯!」と軽くグラスを掲げたあとの、ホゲとキハのキスシーンは、以前のように目を背けたり不機嫌になったりすることなく、ただ穏やかに微笑んでいて、すごく大人っぽくなってました。なのにゆゆちゃんが触れてくるとキョドってみたりして、どうしてそんなに可愛いんだろうか…(汗)。
そうこうしているうちにホゲ様とその崇拝者たち(←おい)は舞台奥に向かって穏やかに談笑をはじめ、
フロアに残って人々から少し離れたキハには、小さな声がかかる。
「…ちょっと」
物陰からキハを呼ぶスジニ。
「もう一度タムドク様に会ってあげて」
タムドクの望みを叶えたい一心で、彼の愛する女に訴える。切ないけれども、傍にいられる女の心。
「私は、タムドク様に剣を向けた女。あの方の前からは消えました」
そのために、ヤン王は私にお命じになったのだから。タムドク様に、私を憎ませるために。
会話の流れで二人ともサビ城の姫であることが判明し、姉妹であることがわかる二人。
再会を約して、消えるスジニ。
舞台奥でイルスやチョク・ファンと語らっていたホゲが、ふと振り向いてキハを迎えに来る。
紗幕に隠れた溶暗の中、幽かに微笑んで二人を見守るチョク・ファンの寂しげな瞳に、大劇場での衝撃とはまた違う射抜かれ方をしてしまう自分は、単なるしゅん様ファンのような気もしてきます。
それにしても。
みわっちと彩音ちゃん。学年にして5年も逆転しているのに、違和感なく「姉」と「妹」でいられる二人が凄いなー、と思わずにはいられません☆
第2幕8場 玉座の間
タムドクにピンスポット。銀橋には出ずに、本舞台で歌うソロ。
見失った希望。
チュシンの王になるという目的は得た(与えられた)けれども、
『誰のために』というところが空白になってしまった…
ひびわれた心の底を、風が吹き過ぎていくばかりで。
『愛する人を疑ってばかり、愛とは何か疑ってばかり』
震える声でそう嘆くタムドクを、ここまで来てもまだ子供のままなんだな、と、哀れに思います。
愛することの苦しさを、はじめて知った男の子。
どんなに彼が苦しくても、それは誰にも助けられない。
『命掛けて愛した人の名は、キハ…!』
そこに現れる、“心優しい娘”、スジニ。
「私の、お姉さんに会って欲しいんだ…」
ただ、タムドクの笑顔が見たい、と、ただそれだけの一途な少女。
「キハ……っ!」
思いもよらない人物の登場に、驚愕を隠せないタムドク。
新人公演のだいもんは、ここで抑えきれずに嬉しそうに笑んだような気がしたのですが、私の気のせいでしょうか?
まとぶんは、むしろ“死んだ筈の者が生き返ってきた”かのような驚きよう(^ ^)。
「お腹の子供が目立たないように」
黒い服を着てきた、と告白するキハ。
ヨン・ホゲの子を身籠った、と言われて、自嘲的に微笑むタムドク。
カウリ剣の儀式で、一度は死を覚悟した二人。
「だが私は生き残り、お前も生きている。生きているから子供が生める、それでいいじゃないか」
たった一夜限りでも、お前は僕に、希望と勇気を与えてくれたのだから。
こんな僕でも、愛は得られるのだ、と。
愛を知らない二人。
愛されたことのない、愛し方を知らない恋人たち。
「命掛けて愛した人の名は……」
溜息と共に吐き出して。
誰のために?
誰のために諦めるのか、この恋を……?
第2幕9場 国内城内
タムドクの行動について議論する、ヨン家一党+プルキル。
狩に行って見知らぬ男を連れて戻ってきた。
なのに何も言わず、おとなしく勉強ばかりで、とても青龍の神器を見つけたとは思えない。
「そんなことより白虎の神器早く見つけねば!」
プルキルはだいぶ焦りが出ている。
「お前の水晶玉 もう信じはしない!」
プルキルをまっすぐに指差して、そう宣言するホゲ様は、めちゃめちゃ切れ者の男前(*^ ^*)。
「外国と闘って勝利を収め、奴隷を連れて凱旋することで王にふさわしいと認めさせる!」
「ヨン・ホゲ様こそチュシンの王」
繰り返すプルキル。
この時彼は、すでに真のチュシンの王が誰なのかを知っているはず。なのにヨン家に固執するのは、軍隊を掌握しているヨン家の方が神器探しで有利と思っているから、って解釈で良いのでしょうか?
「もう聞き飽きた。キハの産む子供の父親こそ、チュシンの王だ」
「ヨン家の血をひかない子供なら、キハは阿佛蘭寺で出産を」
ホゲは、キハの子が自分の子でないことは最初から知っている。(婚約式でも歌っているし)
でも、プルキルはこの時までホゲは知らないと思ってた、ってこと…?
えええ?ってことはプルキルはキハとホゲは寝てると思っているんですよね?いつの間にそんなことに?
…こほん。
「勝手にしろ!俺は靺鞨の北、契丹を攻める!」
“靺鞨”は高句麗の版図、“契丹”は外国。だから当然、契丹との戦いは西百済同様“戦争”に該当するわけです。
「噂によれば、白虎の神器の持ち主は契丹に逃げたという。勝てば神器を探せる!」
このあたりの会話を思い返してみて、しみじみと思ったのですが。
…この作品って、よーく考えてみると、ものすごい情報戦なんですよね。
プルキル&チョ・ジュド陣営は、いろんな噂を流して情報操作することには長けている(らしい)けれども、調査能力に欠けていて正確な情勢がつかめていない。コムル村チームは、逆に情報収集力が突出していて、正確な情勢をつかんでいるが、権力がないので操作は難しい。
チームミーティングのたびにいろんな情報を流してみたり煽ってみたり、お互いに民心を操作しあって相手の裏をかこうとしているやりとりがすごく面白いです。
うーん、小池さん「三国志」とかやってみたくないですか?(^ ^)。
今の作品だと、そういった情報操作がいちいち「えぇ~!?なんでそんな変なコトするのぉ?」って感じなので、ちゃんと権謀術数がかみ合っている原作で作ってみてほしいんですけど。
ああ、でも私は、どうせ「三国志」をやるなら「レッドクリフ」じゃなくて諏訪緑のコミック「時の地平線」をうまく潤色してほしいので、大野さんで観たいかも……。
あと。
ここで話題にすることでもないような気がするんですが、忘れないうちに聞いてみていいですか?
“カウリ剣”の儀式で裁かれた罪って、何?
ホゲがタムドクに尋ねたとおり、「近衛隊にヤン王殺害を命じた」罪なんでしょうか。キハが刺したのではなく、近衛隊が殺したことになっているのは…情報操作か?
で、四部族の息子たちを殺した罪は放置ですか?
「公平たるべき皇子の身で一部族に肩入れした」罪は不問で「王の代理」になっちゃうの?
…こっちについてあ、ヨン・ホゲのイカサマを告発するためだった、といわれたらそれまでか。
「神の裁きはくだされた。タムドク皇子は潔白である」
と大神官は宣言しますが、それは「罪が無い」ってことなるのでしょうか。儀式のタイトルになった罪だけでなく…?
ヨン・ホゲたちが契丹を攻めるらしいと聞きつけた(さすが情報収集のプロ)ヒョンゴたちのカーテン前をはさんで、
天幕でのホゲと、忍んできたサリャンの会話。
「キハ様を阿佛蘭寺へお送りにならないでください」
必死の訴え。
「プルキルは西域の商人ではなく、火天会の大長老。集めた神器をチュシンの王の子供の血で神器を洗い、世界を手にいれようとしているのです!」
キハを救うため、必死なサリャン。
すべての秘密を話してでも、キハだけは助けよう、助けたい、と。
自分自身に課せられた烙印の目さえ、かいくぐって、忍んできた天幕。
「…サリャン」
天幕の影から現れる、赤と黒の影。
サリャンの命を奪い、朱雀の神器と引き換えにキハを連れて本拠地へ帰っていく。
サリャンの人生って、結局何だったのでしょうね。
どういうきっかけがあって、火天会に入ったのでしょうか。…キハと同様に、さらわれてきたのかも?
ホゲ様の「…哀れな奴」という述懐が、彼にとっては一番の餞なのかもしれません。キハに惜しまれることさえない、彼の人生。最後の最後に幸せそうな二人の笑顔を見るたびに、サリャンの淋しい死に顔が浮かぶのです…。
もう一度タムドクチームが登場し、カーテン前で契丹攻めにどう対応するかを協議。
「私が治める国は、戦で人が死なない国だ!」
高句麗の実在の王・広開土王は、実際に契丹を攻めたんでしょうか。彼はかなり戦好き、というか、広く戦争を仕掛けてあちこち征服してまわった王様(国を広げたから諡に「広」の字が入った)なので、「戦で人が死なない国」なんて思ってなかったと思うんだけど…。
むしろ、ホゲの方がキャラクターイメージには近いんだけどな(^ ^;ゞ
神器の意味を知らないパソンが、“国を出るときから持っているお守り”をチュムチに渡す。
「あんた、そそっかしいから持っていきな!」
残念ながら姐さんらしくは全く見えない“永遠の少女”一花ですが、この場面は、なかなか良いです。
「生きて帰ったら、タルビと夫婦になるんだろう?」とからかうところなんか、偉そうでステキです!そして、すみ花ちゃんを軽々と抱き上げるまぁくんが男前(でも、ほんのちょっとだけ『うちのすみ花に触らないでよ!』と思ってしまう自分…ごめんなさい!汗)
第2幕10場 戦場
契丹へ向けて行軍する高句麗軍。
ここのフォーメーションは本当に驚くほど格好良いです。ホントに、二階席から観るべきですよこの場面は。
盾の列の上に聳え立つリフト。しゅん様とマメちゃんの、揺ぎ無い足元が素晴らしい。祐飛さん、さぞ重たいだろうに…。
小池さんの天才を心の底から実感する、場面です。
ヨン・ホゲを留めるために現れる、タムドクチーム。
とりあえず盾は持ってきてみたけど、装備も人数も貧弱なのに代わりはない。っていうか、そういえば百済兵は連れてきていなんですね、チョロ様は。身一つ(カグン将軍だけ連れて)で参加したのか……。
「王の許可なく戦争を始めることは禁じられている。今すぐ撤退しろ!」
「俺の王は俺自身だ!お前の指図は受けない!」
あまりにも圧倒的な兵力差。それでも勝負を挑むタムドク。
乱戦になる戦場で、ふいにチュムチが倒れ、“お守り”が輝くー。
本人さえも知らなかった、運命。
白虎の守り主であったチュムチが、当たり前のようにタムドクに惹かれ、部下として付き従うようになったのも、運命。
そしてまた神器の守り主と、神器を運ぶ手が、同時に“チュシンの王”に出会い、行動を共にしていたのも、運命の必然。
神器の探し方も、結局はタムドクが正解だった。
ホゲは、戦上手で経験豊富だったことが仇になった。
闘って奪うことしか思いつかなかったのだから。
話し合いで、もしくは愛で尊敬を勝ち得る、そういう発想がホゲにはなかった。それがホゲの罪で、チュシンの王との器の差、ということなのでしょう…(T T)。
だって。チュシンの王が玉座を埋めるのは、それ自体が運命なのだから。
「神器をよこせぇ~~っ!」
悪鬼の表情で、向かっていくホゲ。
「多くの人の命を奪って、何になる!?」
必死で諭すタムドク。
「俺に説教するのか。俺に槍を習ったお前が?」
「そうだ。もう一度教えてもらおうか。一対一で!」
槍を奪われ、腰の刀を握るホゲ。
「俺はもう、後戻りできないんだ!」
ガツっ、と得物を合わせ、力勝負に持ち込まれて。
「やり直せる!きっと!」
タムドクの、必死の訴え。
なのに。
そうこうしている間に、火天会兵士たちが花道に一瞬登場し、矢を放って去る。
タムドクを狙った矢が、見事に胸に突き立ってしまう、ホゲ。
タムドクの腕の中で、抱きしめられる大きな肩。
1階席だと、タムドクの貌とホゲの横顔が美しく映り、
2階席だと、タムドクの貌は影になってほとんど見えないけど、ホゲの貌は正面からばっちり見える………
ど、どっちもステキです。ぜぇはあ。
それにしても。
いくらタカラヅカとはいえ、盛りだくさんすぎる死に際でしたね。
朱雀の神器を渡し、
ヤン王自決の真相を語り、
キハの子供の父親を教え、
彼女の身に危険が迫っていることを伝え、
…「思い出すぜ…城の壁を…」
自主練習の思い出を語り、「俺が王なら…」と夢を語る。
もう少しなんとかすることはできなかったのかなあ。たとえば、キハ関係は戦いの中で無駄口叩かせておくとか。
できれば、「思い出すぜ…」から始まってもらいたいもんです。
あ、あとちょっとだ!!
公演もあと一日だけど(涙)。
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太王の宿命~第二幕【2】
2009年3月20日 宝塚(花) コメント (4)東京宝塚劇場花組公演「太王四神記」。
最後の三連休も始まり、千秋楽まであと三日。いよいよラストスパートです!!
花組子のみなさま+ほっしゃん先輩、最後まで、どうぞよろしくお願いいたします!
……と思いながらパタパタと打っていたのに、途中で寝てしまった……
というわけで、三連休の最初の一日が終わりました。
春の嵐だった3月20日。
一年前は日本青年館「舞姫」の千秋楽をやっていたこの春分の日に、とても嬉しいニュースがありました(喜)。
今年の巴里祭は、花組のまっつ(未涼亜希)がメインだそうです!!
今年の7月に巴里祭が可能なのは、花と宙のみ。
去年が宙(ともちん)だったんだから今年は絶対花だろうし、だとしたら絶対まっつだよね!?と予想してはいたのですが、発表されるとしみじみ嬉しいです。
わーいわーい、今度こそ行くぞ~~~っ!
まっつ、おめでとうございまっつ★
他には誰が出るんでしょうねぇ。とりあえず、アーサー(煌雅あさひ)とかが来てくれたら嬉しいなあ~(*^ ^*)
さて。
第2幕4場A 出立準備
パソン特製の鎧をつけて、左右から登場するタムドクチーム。
鎧をつけているのはコムル村組(ヒョンゴ、スジニ、ヒョンミョン)、シウ族(チュムチ他6人)、そしてコ将軍の11人。コ将軍の鎧って、パソン特製ですよね…?将軍なのに、自分用の鎧を持ってないの?歩兵なら国から制服がわりに貸与される可能性もあるけど、将軍はふつう漏っているだろう…。職業軍人どころか、家柄が将軍の家柄だろうに。
ちなみにこのとき、パソンとチュモンは着けていない。ってことは、この二人は非戦闘員で、ヒョンゴは戦闘員カウントなんですね。ほほぉ。パソンの方がよっぽど強そうなのに、と思うのは私だけ?
シウ部族は、ポンファ通りから引き続いての朝夏まなと・冴月瑠那・夏城らんかの3人に、ここで初登場する瀬戸かずや・鳳真由・真瀬はるか・真輝いづみで、合わせて7人。
彼らは元々傭兵なんですよね、たぶん。雇い主を探して国内城下へ来て、物色していたところでセドルやタムドクに出会い、友人になった。その後一緒に行動する中、どのタイミングで契約したのかはわかりませんが、この時点では正式にタムドクの部下として雇われているのでしょうか。
チュムチが「俺が仲間を集める!」って言ったときに契約した、って感じかな?ホゲが将軍として軍を治めることが決まった以上、なんらかの力を持つ必要にかられたでしょうから。
ルナちゃんとらんかちゃんは、前から行動を共にしていただけあって、チュムチと仲良さそう。タルビが登場したときも思いっきりチュムチをからかっていたりとか、なにかと絡んでくるのはこの二人、という印象です。
瀬戸くんは長身が衣装に映えて、すごく格好良い(*^ ^*)。髪型も超似合う~♪ちょっとだけ、卒業してしまった月組のしのちゃん(朝桐紫乃)に面影が似ていませんか?
ルナちゃんといつも隣にいるので、眼福眼福と思いながら観ています。
そして、真由ちゃんを観るたびに“武道大会では赤軍だったくせにっ!”と思ってしまいます(^ ^;。なにげに真瀬くんと並んでにこにこしている姿がお気に入り。真瀬くん、本当に格好良くなったなあ……(しみじみ)。戦闘シーンになると、この二人は本当に顔つきが変わる!かっこいいです♪
真輝いづみちゃんは、新公のときも思いましたが、よっち(月央和沙)に似てますよね(笑)。最初の頃は何度も見間違えました(汗)。最近は、逆に「よっちに似てるのは真輝さん」と思っているので、よっちを見間違えたりします↓↓
「11人か…あれ?もう一人は?」
と問うパソンに、実はもう一人、どうしても参加したいという人がいて、と登場するフッケ将軍。
……だーかーらー、フッケ将軍は将軍なだけじゃなくてチョルロ部族の長なんでしょう?自前の鎧はないの?律数段階は鎧の数なんだから、将軍二人が自前になれば、シウ族の戦闘員をあと二人連れて行けるのに。
案外と予算の都合だったりしてね。…国王も大変だねぇ……。
そうこうしているところに、タルビ(野々すみ花)が登場。「がんばります!」すみ花ちゃんの声で激励されて、みんなが「おお!」と雄叫び(?)をあげると、皆が一斉にくるん!と回れ右して行進を始める。
みなが奥へ行進していく間に盆が回りはじめ、上手からカンミ城のセットが回ってくる……。
っと、場面はかわってカンミ城になるんですが、
その前に。先日の日記で、ここの一つ前のタムドクチームミーティングのことを書いたとき、なんだか色んなことを書き忘れていたので、追記(汗)。
①「7日間で何枚できる?」の問いに、両手で日数を数えつつ「ひ、ふ、み、、、12枚!」と、全然7でも12でもない数字を表示しているようにしか見えないのに、確信を持って答えるチュモン(嶺乃一真)。その数字、どっから出てきたの?
しかもそれには、タムドクの分は入っていないんですね。もしかして、普通の鎧は一日二枚作れるけど、“タムドク様のためのトックベツな奴”を作るのには丸一日かかる から、(7-1)日×2=12枚、“トックベツ”な奴は別、っていう計算だったのか…?
②ヒョンゴが「腹が減っては戦は出来ぬ。料理の出来る知り合いはいないか?」と言ったときに、上手で思いっきり手をあげてアピールしているパソン(←恋する娘)と、それを必死で止めようとパソンの袖を引くチュモン。
マイク入ってないけど、「り、料理なんてできないくせにっ!」と口が動いてる…ような気がする。
③「お待ちください!」と出てくるコ将軍って、とっても格好良い(見た目)んだけど、実は情けない(自軍を掌握できてなかった)ですよね。そのギャップが素敵♪
④そんなコ将軍の力を計ろうとして、まったく太刀打ちできずにすぐに降るチュムチが可愛い。
……たぶん、他にもたくさんあるんだろうけど、今日のところは以上、です。
第2幕4場B カンミ城
盆で回ってくる、山道のセットを天守(?)に見立てているらしい。
音楽も変わり、青い照明と共に密やかな、何か異様な空気感を盛り上げる。
膝をついた髭の老軍人(側近のカグン将軍/高翔みずき)と、水煙管(?)を嗜む仮面の男。西百済を治める、カンミ城のチョロ(真野すがた)。
カグン将軍がコムル村の村長(ヒョンゴ)からの手紙を差し出す。
「チュシンの王・タムドクに、青龍の神器を差し出してほしい」という手紙を。
「神器は俺の心臓の中だ。…死ねということか?」
唇の端を吊り上げて、チョロは問う。
そこに駆け込んでくる伝令(浦輝)。いい声なのに、柔らかな声質なので伝令役には不向きなのがちょっと残念。
百済兵は、意外な豪華キャストに毎回驚きます。近衛隊長(望月理世)に黄の長(紫陽レネ)に緑の長(夕霧らい)!しかも、ヤン王葬儀の場からそんなに時間の余裕はないと思うのですが、理世ちゃんは男役になっているし、レネちゃん・らいらいもちゃんーんとひげを取って化粧も変えているのが凄い。
彼らは次の場面(キハの記憶)にも出るのですぐにハケてしまうのですが、残ったメンバーが倒れた王(チョロ)を心配そうに見守る姿もとても好きです。下手の席で観たとき、くいいるようにチョロを視ているレネちゃんとか、祈るように目を閉じる花峰千春ちゃんとかに目を奪われました。
父親の手によって心臓の中に埋め込まれた神器。神器は身体を蝕み、皮膚を石化させていく……ってことで良いのでしょうか?(^ ^;)。
自分を滅ぼしかねないモノを、取り除いてくれたチュシンの王。美しい皮膚を取り戻し、タムドクの前に膝をついて忠誠を誓うめおちゃんの美貌が、輝いていてとても良いです。
そして、主が美しい姿を取り戻して嬉しそうなカグン将軍と百済兵たちが、とてもとても可愛いです☆
第2幕5場 靺鞨
そんな幸せそうな主従を載せて、盆は回る。
和気藹々とした明るい空気が、一瞬にして凍りつく。
狭苦しく舞台前方に張り出した岩のセット。上下で襲われている靺鞨の人々。
「床下まで軍隊を送り込み、虱潰しに調べたが白虎の神器は出てきません」
と報告するイルスに、
「お前たちの探し方が手ぬるいのだ!」
癇癪を起こすヨン・ホゲ。
「見つからないなら賞金をだし、密告させるのだ!」
下手側のセットの上で、捕まえた村人にむかって威嚇のニヤリ笑いを見せる遼かぐらちゃんが、めちゃくちゃステキです。
上手側のセットの上がアーサーとじゅりあ(民衆)…でしたっけ?あそこも本当に暗くて、チラっと見たくらいじゃ判別つかないんですよねぇ…(T T)(←さすがにここはホゲ様としゅん様を観ているので、なかなかチェックできない…)。
っつーか、さ、「床下まで軍隊を送り込み」って……どんな軍隊ですかソレ。訓練された鼠の部隊、とか?
もとい。
真ん中の階段を中ほどまであがり、
「白状しないなら、村中皆殺しに!」
と叫ぶヨン・ホゲ。
「それはやりすぎでは!?」
というチョク・ファンの諫言も、耳には届かず。
今はもういない幻のチョク・ファンについては、煮えたぎっていた頃に散々書いたので、ここでは省略させていただきます。
http://80646.diarynote.jp/?day=20090126
でも、なんだかんだ言って、今のチョク・ファンも大好きなんです私(*^ ^*)。
職業軍人の矜持とホゲへの憧憬、そして棄てきれない信頼がいとおしい。本当に優しい人なんだなあ、と思います。
この人の信頼を得ることができたホゲは、本質的に王にふさわしくない人ではなかったんだよね。チュシンの王ではなかった、というだけで。
ホゲの進む道がどこへ繋がっていようとも、そこに道がある限りついていくのだろうイルスと、
“正しい道”へ戻ってほしいと願いながら、帰る道を見つけられないチョク・ファンと。
二人のどちらが幸せだったのか、それは誰にもわからないことなんだろうな、と思いながら。
第2幕6場A
花道の両側にプルキルとキハがせり上がり、銀橋をゆっくりと歩いて出会う。
プルキルはキハの前世(虎族の女王カジン)の記憶を思い出させようとして、ついうっかり“消したはずの過去の記憶”(サビ城落城)を取り戻させてしまう……
新公ではあっさりカットされた場面ですが、確かに、物語的には不要な場面だなーと思ってしまいます。
大長老様がただのウッカリさんだということがバレて、だんだんギャグキャラに見えてきてしまうし…。
心配そうにキハを見守るサリャン(華形ひかる)とか、麗しのキハ母(天宮菜生)とか、いろいろ観るところが多くて場面としては無くなったら寂しいんですけどね(涙)。
なんたって、虎族(ふみか・らいらい・よっち)・熊族(理世・浦輝ひろと・輝良まさと)が意味もなく豪華。……さっきまで、ふみか以外は皆百済兵だったのに、忙しいなあ(^ ^;。
第2幕6場B タムドクの帰還 ~ スジニの花嫁衣裳
タムドクチームの凱旋を、こっそりと出迎える大神官さま。
「一緒に来てくれたみんなのおかげだ」
嬉しそうに笑う、タムドク。
“街にも出たことが無”く、“隠された皇子”“愚かでひ弱な皇子”として蔑まれて育ち、パロ宮廷で寂しく育ったディーン(マリウス)(←判る方いらっしゃいますか?)のような存在だったタムドク。
彼にとって、西百済への遠征は“初めての長旅”で、12人(戦闘員)+3人(非戦闘員)は、ホゲ以来はじめて得た「ともだち」であったはず。
そんなタムドクに、フッケ将軍はある提案をする。
嫁をとってはどうか、と。
東百済のサビ城の姫である、スジニを、と。
フッケ将軍は、チョルロ(絶奴)族の長。他の4部族には「田舎者」と蔑まれていますが、歴史的には絶奴族こそ妃部、つまり王妃を出す家柄でした。(ヤン王やセームの母親がどお部族だったのかはわかりませんが)
いずれにしても、フッケ将軍は本来、一族の娘から王妃を出す予定だったはず。たまたま娘(よっちの妹?^ ^;)がいないのか、スジニが良い子だから気に入ったのか、とにかく慣習をやぶってスジニを王妃に薦めるフッケ将軍。
用意されていた花嫁衣裳を奉げ持ってくる、パソンとタルビ。見交わす目が楽しそう。
見たとたんにそっちに向かってダッシュしてわくわくしているルナちゃんと真瀬くんが可愛いです(*^ ^*)。スジニをとっ捕まえて服を着せるメンバーたち。口ではあれこれ言いながら、まんざらでもなさそうなスジニ。
かーわーいーいー!
ここで、まっつが「でもスジニは花嫁になれない…」と語り始める、そのきっかけが結構難しいのか、わりとタイミングを外しがち(^ ^)。もしかしてわざとのなんでしょうか。なんだか、千秋楽まであと2日と迫った今になっても、まだちょっとここの会話はテンポが良くないなあ、と思うことがあります。
…明日に期待。
大神官様が、空気の読めないフッケ将軍を怒り狂いながら牽制しようとしているのに、気づきゃしないまりんさんがステキです☆
皆が退散したあとの、タムドクとスジニとの会話。
ス「親友だと思っていた人を愛してしまった、でもそれは、愛してはいけない人だったんだ…」
タ「……私も同じだ」
………へー?
えーっと。
タムドクさん?君の親友はホゲだよね?
キハがいつ“親友”になったのっ!?
いえ、タムドクが「私も同じ」だと同意しているのは「愛してはいけない人だった」ってところなんだろうなー、とゆーのは判るのですが。せっかくなのでいろいろ深読みしたくなる台詞ではあります。
しかも、
タ「いつまでも、兄と妹のようでいてくれ…」
いやー、それはどうかと思うよ>タムドク。
タムドクはスジニの気持ちに気づいているのかいないのか?については、私は「気づいてる」派です。ただし、気づくのは「親友だと思っていた人を愛してしまった…」という台詞を聞いたときに、だと思ってますが(そういう反応をしているから)。
でも、気持ちを知っててこういうことを言う男って最悪よね……(汗)
「…うん、」
と、ちいさく答えるスジニが、切なくていとおしいです。
第2幕7場 ヨン・ホゲの帰還 ~ 愛のない結婚
暗転して光が入ると、トラジの店の女の子たちが縦一列に並んでいる。(でもトラジはいない…/涙)暗いのにきれいに並ぶよなあ、みんな。
ひとさし舞って、ばらけるメンバー。
上手にイルス&チャンミ(華耀きらり)、下手にチョク・ファン&メファ(白華れみ)。
……一度に観たいのにー(T T)。
きらりんと楽しそうに喋っているイルス、れみちゃんに迫られて、ちょっと後退り気味のチョク・ファン。
二組とも大好きだ!
これは、ヨン・ホゲの凱旋&婚約披露パーティ、であるらしい。神器は見つからなかったけど、“靺鞨の蛮族を征伐する”という目的は果たされたから、凱旋カウントなのか(^ ^)。なるほど。
紹介を受けて、二人で並んで前に出てくるホゲとキハ。
だいぶ進んだなー。……よくがんばってるな>自分。
ここから先は、明日書きま~す!
.
最後の三連休も始まり、千秋楽まであと三日。いよいよラストスパートです!!
花組子のみなさま+ほっしゃん先輩、最後まで、どうぞよろしくお願いいたします!
……と思いながらパタパタと打っていたのに、途中で寝てしまった……
というわけで、三連休の最初の一日が終わりました。
春の嵐だった3月20日。
一年前は日本青年館「舞姫」の千秋楽をやっていたこの春分の日に、とても嬉しいニュースがありました(喜)。
今年の巴里祭は、花組のまっつ(未涼亜希)がメインだそうです!!
今年の7月に巴里祭が可能なのは、花と宙のみ。
去年が宙(ともちん)だったんだから今年は絶対花だろうし、だとしたら絶対まっつだよね!?と予想してはいたのですが、発表されるとしみじみ嬉しいです。
わーいわーい、今度こそ行くぞ~~~っ!
まっつ、おめでとうございまっつ★
他には誰が出るんでしょうねぇ。とりあえず、アーサー(煌雅あさひ)とかが来てくれたら嬉しいなあ~(*^ ^*)
さて。
第2幕4場A 出立準備
パソン特製の鎧をつけて、左右から登場するタムドクチーム。
鎧をつけているのはコムル村組(ヒョンゴ、スジニ、ヒョンミョン)、シウ族(チュムチ他6人)、そしてコ将軍の11人。コ将軍の鎧って、パソン特製ですよね…?将軍なのに、自分用の鎧を持ってないの?歩兵なら国から制服がわりに貸与される可能性もあるけど、将軍はふつう漏っているだろう…。職業軍人どころか、家柄が将軍の家柄だろうに。
ちなみにこのとき、パソンとチュモンは着けていない。ってことは、この二人は非戦闘員で、ヒョンゴは戦闘員カウントなんですね。ほほぉ。パソンの方がよっぽど強そうなのに、と思うのは私だけ?
シウ部族は、ポンファ通りから引き続いての朝夏まなと・冴月瑠那・夏城らんかの3人に、ここで初登場する瀬戸かずや・鳳真由・真瀬はるか・真輝いづみで、合わせて7人。
彼らは元々傭兵なんですよね、たぶん。雇い主を探して国内城下へ来て、物色していたところでセドルやタムドクに出会い、友人になった。その後一緒に行動する中、どのタイミングで契約したのかはわかりませんが、この時点では正式にタムドクの部下として雇われているのでしょうか。
チュムチが「俺が仲間を集める!」って言ったときに契約した、って感じかな?ホゲが将軍として軍を治めることが決まった以上、なんらかの力を持つ必要にかられたでしょうから。
ルナちゃんとらんかちゃんは、前から行動を共にしていただけあって、チュムチと仲良さそう。タルビが登場したときも思いっきりチュムチをからかっていたりとか、なにかと絡んでくるのはこの二人、という印象です。
瀬戸くんは長身が衣装に映えて、すごく格好良い(*^ ^*)。髪型も超似合う~♪ちょっとだけ、卒業してしまった月組のしのちゃん(朝桐紫乃)に面影が似ていませんか?
ルナちゃんといつも隣にいるので、眼福眼福と思いながら観ています。
そして、真由ちゃんを観るたびに“武道大会では赤軍だったくせにっ!”と思ってしまいます(^ ^;。なにげに真瀬くんと並んでにこにこしている姿がお気に入り。真瀬くん、本当に格好良くなったなあ……(しみじみ)。戦闘シーンになると、この二人は本当に顔つきが変わる!かっこいいです♪
真輝いづみちゃんは、新公のときも思いましたが、よっち(月央和沙)に似てますよね(笑)。最初の頃は何度も見間違えました(汗)。最近は、逆に「よっちに似てるのは真輝さん」と思っているので、よっちを見間違えたりします↓↓
「11人か…あれ?もう一人は?」
と問うパソンに、実はもう一人、どうしても参加したいという人がいて、と登場するフッケ将軍。
……だーかーらー、フッケ将軍は将軍なだけじゃなくてチョルロ部族の長なんでしょう?自前の鎧はないの?律数段階は鎧の数なんだから、将軍二人が自前になれば、シウ族の戦闘員をあと二人連れて行けるのに。
案外と予算の都合だったりしてね。…国王も大変だねぇ……。
そうこうしているところに、タルビ(野々すみ花)が登場。「がんばります!」すみ花ちゃんの声で激励されて、みんなが「おお!」と雄叫び(?)をあげると、皆が一斉にくるん!と回れ右して行進を始める。
みなが奥へ行進していく間に盆が回りはじめ、上手からカンミ城のセットが回ってくる……。
っと、場面はかわってカンミ城になるんですが、
その前に。先日の日記で、ここの一つ前のタムドクチームミーティングのことを書いたとき、なんだか色んなことを書き忘れていたので、追記(汗)。
①「7日間で何枚できる?」の問いに、両手で日数を数えつつ「ひ、ふ、み、、、12枚!」と、全然7でも12でもない数字を表示しているようにしか見えないのに、確信を持って答えるチュモン(嶺乃一真)。その数字、どっから出てきたの?
しかもそれには、タムドクの分は入っていないんですね。もしかして、普通の鎧は一日二枚作れるけど、“タムドク様のためのトックベツな奴”を作るのには丸一日かかる から、(7-1)日×2=12枚、“トックベツ”な奴は別、っていう計算だったのか…?
②ヒョンゴが「腹が減っては戦は出来ぬ。料理の出来る知り合いはいないか?」と言ったときに、上手で思いっきり手をあげてアピールしているパソン(←恋する娘)と、それを必死で止めようとパソンの袖を引くチュモン。
マイク入ってないけど、「り、料理なんてできないくせにっ!」と口が動いてる…ような気がする。
③「お待ちください!」と出てくるコ将軍って、とっても格好良い(見た目)んだけど、実は情けない(自軍を掌握できてなかった)ですよね。そのギャップが素敵♪
④そんなコ将軍の力を計ろうとして、まったく太刀打ちできずにすぐに降るチュムチが可愛い。
……たぶん、他にもたくさんあるんだろうけど、今日のところは以上、です。
第2幕4場B カンミ城
盆で回ってくる、山道のセットを天守(?)に見立てているらしい。
音楽も変わり、青い照明と共に密やかな、何か異様な空気感を盛り上げる。
膝をついた髭の老軍人(側近のカグン将軍/高翔みずき)と、水煙管(?)を嗜む仮面の男。西百済を治める、カンミ城のチョロ(真野すがた)。
カグン将軍がコムル村の村長(ヒョンゴ)からの手紙を差し出す。
「チュシンの王・タムドクに、青龍の神器を差し出してほしい」という手紙を。
「神器は俺の心臓の中だ。…死ねということか?」
唇の端を吊り上げて、チョロは問う。
そこに駆け込んでくる伝令(浦輝)。いい声なのに、柔らかな声質なので伝令役には不向きなのがちょっと残念。
百済兵は、意外な豪華キャストに毎回驚きます。近衛隊長(望月理世)に黄の長(紫陽レネ)に緑の長(夕霧らい)!しかも、ヤン王葬儀の場からそんなに時間の余裕はないと思うのですが、理世ちゃんは男役になっているし、レネちゃん・らいらいもちゃんーんとひげを取って化粧も変えているのが凄い。
彼らは次の場面(キハの記憶)にも出るのですぐにハケてしまうのですが、残ったメンバーが倒れた王(チョロ)を心配そうに見守る姿もとても好きです。下手の席で観たとき、くいいるようにチョロを視ているレネちゃんとか、祈るように目を閉じる花峰千春ちゃんとかに目を奪われました。
父親の手によって心臓の中に埋め込まれた神器。神器は身体を蝕み、皮膚を石化させていく……ってことで良いのでしょうか?(^ ^;)。
自分を滅ぼしかねないモノを、取り除いてくれたチュシンの王。美しい皮膚を取り戻し、タムドクの前に膝をついて忠誠を誓うめおちゃんの美貌が、輝いていてとても良いです。
そして、主が美しい姿を取り戻して嬉しそうなカグン将軍と百済兵たちが、とてもとても可愛いです☆
第2幕5場 靺鞨
そんな幸せそうな主従を載せて、盆は回る。
和気藹々とした明るい空気が、一瞬にして凍りつく。
狭苦しく舞台前方に張り出した岩のセット。上下で襲われている靺鞨の人々。
「床下まで軍隊を送り込み、虱潰しに調べたが白虎の神器は出てきません」
と報告するイルスに、
「お前たちの探し方が手ぬるいのだ!」
癇癪を起こすヨン・ホゲ。
「見つからないなら賞金をだし、密告させるのだ!」
下手側のセットの上で、捕まえた村人にむかって威嚇のニヤリ笑いを見せる遼かぐらちゃんが、めちゃくちゃステキです。
上手側のセットの上がアーサーとじゅりあ(民衆)…でしたっけ?あそこも本当に暗くて、チラっと見たくらいじゃ判別つかないんですよねぇ…(T T)(←さすがにここはホゲ様としゅん様を観ているので、なかなかチェックできない…)。
っつーか、さ、「床下まで軍隊を送り込み」って……どんな軍隊ですかソレ。訓練された鼠の部隊、とか?
もとい。
真ん中の階段を中ほどまであがり、
「白状しないなら、村中皆殺しに!」
と叫ぶヨン・ホゲ。
「それはやりすぎでは!?」
というチョク・ファンの諫言も、耳には届かず。
今はもういない幻のチョク・ファンについては、煮えたぎっていた頃に散々書いたので、ここでは省略させていただきます。
http://80646.diarynote.jp/?day=20090126
でも、なんだかんだ言って、今のチョク・ファンも大好きなんです私(*^ ^*)。
職業軍人の矜持とホゲへの憧憬、そして棄てきれない信頼がいとおしい。本当に優しい人なんだなあ、と思います。
この人の信頼を得ることができたホゲは、本質的に王にふさわしくない人ではなかったんだよね。チュシンの王ではなかった、というだけで。
ホゲの進む道がどこへ繋がっていようとも、そこに道がある限りついていくのだろうイルスと、
“正しい道”へ戻ってほしいと願いながら、帰る道を見つけられないチョク・ファンと。
二人のどちらが幸せだったのか、それは誰にもわからないことなんだろうな、と思いながら。
第2幕6場A
花道の両側にプルキルとキハがせり上がり、銀橋をゆっくりと歩いて出会う。
プルキルはキハの前世(虎族の女王カジン)の記憶を思い出させようとして、ついうっかり“消したはずの過去の記憶”(サビ城落城)を取り戻させてしまう……
新公ではあっさりカットされた場面ですが、確かに、物語的には不要な場面だなーと思ってしまいます。
大長老様がただのウッカリさんだということがバレて、だんだんギャグキャラに見えてきてしまうし…。
心配そうにキハを見守るサリャン(華形ひかる)とか、麗しのキハ母(天宮菜生)とか、いろいろ観るところが多くて場面としては無くなったら寂しいんですけどね(涙)。
なんたって、虎族(ふみか・らいらい・よっち)・熊族(理世・浦輝ひろと・輝良まさと)が意味もなく豪華。……さっきまで、ふみか以外は皆百済兵だったのに、忙しいなあ(^ ^;。
第2幕6場B タムドクの帰還 ~ スジニの花嫁衣裳
タムドクチームの凱旋を、こっそりと出迎える大神官さま。
「一緒に来てくれたみんなのおかげだ」
嬉しそうに笑う、タムドク。
“街にも出たことが無”く、“隠された皇子”“愚かでひ弱な皇子”として蔑まれて育ち、パロ宮廷で寂しく育ったディーン(マリウス)(←判る方いらっしゃいますか?)のような存在だったタムドク。
彼にとって、西百済への遠征は“初めての長旅”で、12人(戦闘員)+3人(非戦闘員)は、ホゲ以来はじめて得た「ともだち」であったはず。
そんなタムドクに、フッケ将軍はある提案をする。
嫁をとってはどうか、と。
東百済のサビ城の姫である、スジニを、と。
フッケ将軍は、チョルロ(絶奴)族の長。他の4部族には「田舎者」と蔑まれていますが、歴史的には絶奴族こそ妃部、つまり王妃を出す家柄でした。(ヤン王やセームの母親がどお部族だったのかはわかりませんが)
いずれにしても、フッケ将軍は本来、一族の娘から王妃を出す予定だったはず。たまたま娘(よっちの妹?^ ^;)がいないのか、スジニが良い子だから気に入ったのか、とにかく慣習をやぶってスジニを王妃に薦めるフッケ将軍。
用意されていた花嫁衣裳を奉げ持ってくる、パソンとタルビ。見交わす目が楽しそう。
見たとたんにそっちに向かってダッシュしてわくわくしているルナちゃんと真瀬くんが可愛いです(*^ ^*)。スジニをとっ捕まえて服を着せるメンバーたち。口ではあれこれ言いながら、まんざらでもなさそうなスジニ。
かーわーいーいー!
ここで、まっつが「でもスジニは花嫁になれない…」と語り始める、そのきっかけが結構難しいのか、わりとタイミングを外しがち(^ ^)。もしかしてわざとのなんでしょうか。なんだか、千秋楽まであと2日と迫った今になっても、まだちょっとここの会話はテンポが良くないなあ、と思うことがあります。
…明日に期待。
大神官様が、空気の読めないフッケ将軍を怒り狂いながら牽制しようとしているのに、気づきゃしないまりんさんがステキです☆
皆が退散したあとの、タムドクとスジニとの会話。
ス「親友だと思っていた人を愛してしまった、でもそれは、愛してはいけない人だったんだ…」
タ「……私も同じだ」
………へー?
えーっと。
タムドクさん?君の親友はホゲだよね?
キハがいつ“親友”になったのっ!?
いえ、タムドクが「私も同じ」だと同意しているのは「愛してはいけない人だった」ってところなんだろうなー、とゆーのは判るのですが。せっかくなのでいろいろ深読みしたくなる台詞ではあります。
しかも、
タ「いつまでも、兄と妹のようでいてくれ…」
いやー、それはどうかと思うよ>タムドク。
タムドクはスジニの気持ちに気づいているのかいないのか?については、私は「気づいてる」派です。ただし、気づくのは「親友だと思っていた人を愛してしまった…」という台詞を聞いたときに、だと思ってますが(そういう反応をしているから)。
でも、気持ちを知っててこういうことを言う男って最悪よね……(汗)
「…うん、」
と、ちいさく答えるスジニが、切なくていとおしいです。
第2幕7場 ヨン・ホゲの帰還 ~ 愛のない結婚
暗転して光が入ると、トラジの店の女の子たちが縦一列に並んでいる。(でもトラジはいない…/涙)暗いのにきれいに並ぶよなあ、みんな。
ひとさし舞って、ばらけるメンバー。
上手にイルス&チャンミ(華耀きらり)、下手にチョク・ファン&メファ(白華れみ)。
……一度に観たいのにー(T T)。
きらりんと楽しそうに喋っているイルス、れみちゃんに迫られて、ちょっと後退り気味のチョク・ファン。
二組とも大好きだ!
これは、ヨン・ホゲの凱旋&婚約披露パーティ、であるらしい。神器は見つからなかったけど、“靺鞨の蛮族を征伐する”という目的は果たされたから、凱旋カウントなのか(^ ^)。なるほど。
紹介を受けて、二人で並んで前に出てくるホゲとキハ。
だいぶ進んだなー。……よくがんばってるな>自分。
ここから先は、明日書きま~す!
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東京宝塚劇場花組公演「太王四神記」。
第2幕1場 コムル村~幻想
一幕も二幕も、ヒョンゴ(未涼亜希)のピンスポで始まる。
小池さん、どんだけまっつが好きなんだ…(^ ^)。なんつったって“海馬の帝王”だもんな(←しつこい)。
「コムル村の民は、“チュシンの王”として目覚めたあなたに忠誠を誓います!」
白い“コムル村の制服”を着てタムドクを取り囲むメンバーは、スジニ(愛音羽麗)、ヒョンミョン(望海風斗)、くみちゃん(芽吹幸奈)、ネコちゃん(彩城レア)、アーサー(煌雅あさひ)、彩咲めいさん、鞠花ゆめちゃん、銀華水さん、花輝真帆さん、神房佳希さんかぁ……。いつもアーサーに気をとられてしまうのですが、センターちょっと下手の娘役さんは誰でしょう?
タムドクを“王”と呼ぶ村人たちに向かい合い、彼は
「僕はなによりも、なぜキハが父上を殺したのかが気になるんだ」と告げて、立ち去る。
「キハ、教えてくれ、なぜ僕を苦しめるのか?」と呟きながら。
小池さん……。
ここはせめて、「キハと暮らすために国も父王も捨てようとした自分など放っておけ」(NHKの太王四神記公式サイト 第十話あらすじより)」くらいのことを言わせてやってください。
いくらなんでも、チュシンの王として覚醒した身で「王位なんてどうでもいいもん!キハの方が大事だもんっ!!(←意訳)」は無いのでは……?
ドラマの台詞だと、タムドクは『王たる自覚をもってやるべきことを選択している』けど、舞台の台詞だと『王たる自覚がない』としか思えない。行動(コムル村を離れて王宮へ向かう)は同じなんですけど、動機が違う。一つ一つは細かいことなんですけど、主役の心理の変化を追っていくと、ここで断絶があって勿体ないなあと思うのです。
だって。
新公にはこの場面がないから、一幕ラストで覚醒したタムドクが、そのまま神剣を持ってヤン王葬儀の場に現れて、カウリ剣の儀式を受け、「父上の遺志、しかと承りました!」となり、次に王になるためにカンミ城へ向かうぞ!っていうところまで、タムドクの気持ちがぶれなくてすむんですよ。
それ(テジャ城での覚醒)まで、タムドクは「王になりたくない」と思っていた。それは、いろんな理由があったわけですが、最終的にはそれ(“王になること”)がタムドクにとっての“義務”だから嫌だった訳ですよね。
で、覚醒した=自らに課せられた義務に納得した、んだと思うんですよ。責任を自覚した、というか。
その上で、『コムル村の忠誠』を受け入れることは拒否する。
偶々知り合ったスジニやヒョンゴという個人の友情はありがたいけれども、自分が宿命の王だから、という理由で奉げられる団体の忠誠は受け入れられない。
それが、「自分のことなど放っておけ」という台詞の、本来の意味だと思うのです。
タムドク・キハ・ホゲの掛け合いの歌はとても好きなんですが、その歌につながる伏線としてコムル村を出すと、コムル村があまり説明されていないこともあって、判りにくいんですよね。
ちょっと不適切だったんじゃないかなー、と思います。
あえて芝居の場面として「高句麗の隠れ里」を出さなくても、普通に二幕の幕があいたら、いきなり板つきでタムドクが歌いだしても、別に問題ないと思うんだけど、ダメなのかしら……。
第2幕2場 ヤン王葬儀
三人のコーラスが終わり、ホゲだけが舞台に残ると、いったん暗転して紗幕があがる。
二つのポンファ通り&武道大会に並ぶ、猫的“オペラグラスを持つ手が(疲れて)震える”場面の始まりです。
幕があがると、天地神堂での儀式の最中。
コーラスを歌いながら、ヤン王の棺とその前の花のセットを人力で舞台前方に運ぶ兵士たちが結構ツボ。真ん中に偉そうに立っているコ将軍と、両側を固めるイルス&チョク・ファンが格好良い♪
鎧にマント姿の彼らは、舞台上をところせましとウロウロしている色とりどりの大きな衣装に紛れて見えなくなりがち。この作品は、やっぱり二階がお勧めです★……イルスもチョク・ファンもコ将軍も、それぞれがバラバラにいろんな小芝居をやっていて、全部チェックするのはほとんど不可能ですけどね……(T T)。
あとは、とりあえず、舞台下手にじっと直立不動で立っている兵士二人(華月由舞・白華れみ)をお見逃しなく。超可愛いですから!
5色の衣装に身を包んだ各部族のみなさまが、次々にポジションを替えながら入れ替わり立ちかわり、ちょっかいを掛け合い、脅しをかけあい、コソコソ噂話をしているのを視ていると、あっという間に場面が終わります。
基本的には武道大会の息子以外のメンバーを残しつつ(ケマ部族以外)、近衛隊など他のメンバーも入れていて、結構微妙なメンバー構成なんですよね。あと、息子たちをさりげなく入れ替えて出しているのがなんとなくおかしい(笑)。
(赤)ケマ部族(夏美よう/遼かぐら、煌雅あさひ、白姫あかり、朝陽みらい)
遼かぐらちゃんの小芝居、とても好きです。チョルロ族や、時には天地神堂の大神官の言でさえ、莫迦にしたように鼻で笑う仕草がとても嫌味でかっこいい。タムドクが現れ、「カウリ剣の儀式を受ける!」と言った瞬間にも、そして刺された瞬間にも、思いっきり「ニヤリ」とするんですよーっ(はぁと)ああ、素敵にどSなお姉さまになってくれそう…(嬉)。
アーサーは、そんなかぐらちゃんの後ろにどっしりと構えて見守っている風情が素敵です。なんだか今回、アーサーは見守り役ですね。新公もコ将軍だし(^ ^)。
白姫あかりちゃん、近衛兵もカッコイイけど、この場面も好きです。まだ他の場面では見分けられないのですが、この公演の間に覚えるぞー!
(青)ソノ部族(眉月凰/月央和沙、天宮菜生、天真みちる、和海しょう)
えーっと、セドルさん死んだら青族に生まれ変わったのね!と毎回突っ込まずにはいられません(^ ^)。息子たちは皆生まれ変わっているんですけど、よっちが一番目立つんですよ。
最初に観たとき、青族のキレイな男役さんは誰だろう、と思ったらはるちゃんだった(^ ^)とことん好みなんだなあ(照)。ここは普通に“中性的な”男役に見えます(^ ^)。可愛い~♪
天真くんはどんな場面でも手抜きなしで顔芸してくれるのでついつい観てしまいます☆
ふ、と思った。
…『表情豊か』と『顔芸』の違いって、何…?
(黒)チョルロ部族(悠真倫/彩城レア、日高大地、大河凜、舞月なぎさ)
他4族に真っ向から対立するフッケ将軍の後ろで、うんうん頷いたり、ヨン・ガリョの発言に「なに言ってやがる!」みたいに威嚇してみたり、ころころ表情が変わったり、かなり面白い。黒族はこの場面ではドラマの中心にいるので、メンバー一人一人が芝居をがんばらないと盛り上がらないんですよね。
新公を観て、大河くんは芝居巧いなあと感心したんですが、ここでもとても表情豊かにいい小芝居をしているので、観ていて楽しいです。
舞月なぎささんって、ロケットで日高くんの二人隣くらいにいますか?美人ですよねー♪
(黄)スンノ部族(紫陽レネ/輝良まさと、花峰千春、銀華水、鳳龍あや)
ハマちゃんいつの間に生まれ変わっ(以下略)
花峰さん、卒業したちあき(白鳥かすが)に似た美貌、という印象の人なんですが、なにげにちょこちょこ動いていて、要チェックです。
銀華さんは、天真くんに負けない顔芸っぷりがかなりツボ。
(緑)カンノ部族(夕霧らい/望月理世、浦輝ひろと、神房佳希、航琉ひびき)
初めて観たとき、「り、理世ちゃんがこんなところに!」と感動したところ。やっぱり美人だなあ、とつくづく思います。理世ちゃん、あと5cm身長が低かったら、シャープでかっこいい、素敵な娘役さんだったろうなあ……。っていうか、この役でも“娘役がこんなところに”と思わせてしまう理世ちゃんって(汗)。
浦輝さんは、他の場面では結構ほんわかした雰囲気につくっているのに、ここだけなんだかえらくシャープで怖いくらいです。意外と、メンバーの怖さは緑族が一番かも、と思ったりする。
忙しすぎて天地神堂の大神官さまや巫女さんたちまで目が回らないのですが、絵莉さんのこの場面の芝居の声色の使い分けがいいなあ、と毎回思います(←耳は足りているらしい)。
なんとかカウリ剣の儀式を回避しようとする大神官と、なんとしても儀式に持ち込みたいヨン・ガリョの間で、ああいえばこういう議論が盛り上がる。
ちなみに、「カウリ剣」は剣の名前ではなく(剣の名前は“チュモ神剣”)儀式の名前なんでしょうか。古代日本でいう“盟神探湯(くがたち)”みたいなものなのかなあ?
「誰が皇子を刺せましょう」
という大神官様の、強い調子が印象的です。
でも、そんな目論みもホゲの一言で潰えさる。
「私なら、同じチュシンの星の下に生まれました」
ホゲの意図がどんなにミエミエでも、もうどうしようもない。
「草の根をわけてもタムドクを捜し…」
「それにはおよびません!」
そう呼ばわりながら登場するタムドク。さすがの格好良さです。主役だー!という迫力。
タムドクに王の死の真相を尋ねられ、
「陛下は自害なさられたのです」と答えるキハ。
『なさられたのです』…って、変な日本語!と思うんですけどどうなんでしょうか。
っていうか、そんな瑣末なことはどうでもいんですが。
せっかくヤン王が「タムドクにお前を憎ませろ」と遺言して死んで、その悪夢に何度も苛まれているはずなのに、 そんな言い訳を本人の前でしちゃったら、意味ないじゃん!!
ここでタムドクが差し出す剣は、一幕ラストで彼が掲げた蛍光灯 光の剣ではなく、仕掛けが無いのでずっと華奢にできています。別物すぎてちょっと笑えるくらい。
ホゲが剣を受け取ると、それをキハが奪い取る。
「朱雀の守り主が、天に問います!」
…この場面の芝居の間とか、刺したあとのキハの表情とか、ホゲを気遣うイルスとか、回りの各部族の反応とか、、、新公の方が良かったところもあり、本公演はさすがだなあと思うところもあり……。
すみ花ちゃんキハは、タムドクが生き返った瞬間に、人形に血が通ったように瞳が急に潤んで、涙がぽろっとこぼれたんですよね。あれはすごかった!タムドクに剣を突き立ててから、生き返るまでの数分間、キハも死んでたんだな、と納得できる芝居でした(*^ ^*)。
彩音ちゃんは、あまり感情が表情に出ないタイプなのですが、タムドクが助かったとわかった瞬間に姿勢が崩れるのが凄く良かった。それを支える祐飛さんの、愛のない冷たい瞳が好きです。
ホゲが愛しているのは、やっぱりキハじゃなくてタムドクだと思う。(きっぱり言うな)
キハによって心臓に神剣を突き立てられ、倒れるタムドク。
取り縋るスジニの泣き声。
…ふ、と音楽が変わり、タムドクが目覚める………。
ここの間が、どうにも短すぎるような気がします。もうちょっとタメがあってもいい。
みわっちの泣きが止まるのも、ちょっと唐突すぎる。
でもまぁ、タムドクが生きていると判った瞬間の、まっつの笑顔がとても可愛いです★
「タムドク皇子は潔白である!」
という大神官の宣言に、思いっきり反論するヨン・ガリョ。
「青龍と白虎、二つの神器の護り主が敬い、慕う、その者こそがチュシンの王。
それがはっきりするまで、タムドクが仮王として、ヨン・ホゲが将軍として国を治めよ」
たしかに、その気になればタムドクの方が視界が広いし、良い王になりそう。
勇敢で武術に長けた(はずの。イカサマしたけど)ホゲは、将軍として、司令官として既に実績がある。
「天地神堂の決定である」
と言われて、錚々たる部族長や有力者たちが一言も言い返せない。
神の預言でなくとも、彼女の言にはそれだけの重みがあるし、やはり現実に沿った発言をしているっていうのも事実なんでしょうねぇ……。
第2幕3場
カーテンが下りて、タムドクとヒョンゴたち三人が場に残る。
と同時に、上手から出てくるチュムチたち。
「天地神堂のおふれを聞きました!残りの神器を探すんですね?」
当たり前のようにそう訊いてくるパソン。
『ぼくはね、ぼくは、王様になんてなりたくないんだよ……』
そんな本音を、言いだせるはずもなく。
……いや、もう、この時のタムドクは、それは本音じゃないんですよね。
「父上の遺言、しかと承りました!」
と言ったとき、彼はついに、自分の運命を受け容れたのだから。
従うことをあんなに嫌がっていた運命、一度は本気で捨てようとした運命を。
積極的にアイディア(「狩に行くふりをして、河伝いにカンミ城を目指そう!」)を出して、実現の可能性を探りながら。
誰のために?という「一番大切なところ」を、置き去りにしたままで。
そういえば。
どうでもいいツッコミですが、火天会はカンミ城の主を殺した後は、すぐ引き上げたんですよね。サビ城も同じく。火をかけて、どんな小さな隅もあまさずに捜索したら、あとは見捨てて去るだけ。
なんとか隠れて逃げ切ったチョロを連れたカグン将軍が城に戻って、散らばった部下たちを集めて“西百済”という国を再建しても、火天会は黙認というか無視するんですね……。
うーん。そのまま国を支配する、っていう発想は、プルキルには無かったんでしょうか。
不意をついたとはいえ、いくつもの城を同時に落とすだけの実力があるのに、もったいない。
部下たちは、プルキルが操っているだけで自分で判断することができない生き人形たちだから、殺すことや探すことはできても、支配することはできない、とか、そういうこと?
っていうか、とにかくプルキルの目的が謎だ。
私にはわからない理屈で動いているんだなあ、彼は…。(しみじみ)
タムドクチームが左右にハケて、中央のセットからヨン家一党が登場。
「残りの神器はどこにある?」
性急に問いただすヨン・ガリョ。
「わかりません…」
そこまではずっと自信満々にいろんな策謀をめぐらしてきたチョ・ジュドが、初めて自分の無力にうちひしがれる。
そこに、勝ち誇ったようなプルキルの声。
「水晶玉に訊きました……」
しかし!
プルキルの水晶玉は、自分の支配下にあるキハを映したり操ったりすることはできるけれども、自分の支配下にないもの(他の三つの神器のありか)を示すことはできない。だから、ここで彼が
「西百済に青龍があり、北の靺鞨に白虎がある」
と告げるのは、十数年前の「チュシンの夜」にあがった烽火の記憶にすぎません。
実際には、白虎の神器はパソンが持って国内城に来ているんだから、水晶玉が当てにならないのは事実。でも、この時点ではそんなことはまだ判らない。ミョンヒョン山を示したプルキルの力の幻影に、全員が惑わされたまま。
「西百済を攻めるとなると、戦争になる」
「国王(代理のタムドク)の許可なく戦争はできない」
「ならば、靺鞨の蛮族を成敗するふりを!」
すっ、と手をあげてチョク・ファンを呼び、遠征の準備を命ずるヨン・ホゲがかっこいいです。
そして、「はっ!!」というチョク・ファンの返事が、とてもとても男前(*^ ^*)。
やっぱりしゅん様素敵だわー♪(最後はそれか)
.
第2幕1場 コムル村~幻想
一幕も二幕も、ヒョンゴ(未涼亜希)のピンスポで始まる。
小池さん、どんだけまっつが好きなんだ…(^ ^)。なんつったって“海馬の帝王”だもんな(←しつこい)。
「コムル村の民は、“チュシンの王”として目覚めたあなたに忠誠を誓います!」
白い“コムル村の制服”を着てタムドクを取り囲むメンバーは、スジニ(愛音羽麗)、ヒョンミョン(望海風斗)、くみちゃん(芽吹幸奈)、ネコちゃん(彩城レア)、アーサー(煌雅あさひ)、彩咲めいさん、鞠花ゆめちゃん、銀華水さん、花輝真帆さん、神房佳希さんかぁ……。いつもアーサーに気をとられてしまうのですが、センターちょっと下手の娘役さんは誰でしょう?
タムドクを“王”と呼ぶ村人たちに向かい合い、彼は
「僕はなによりも、なぜキハが父上を殺したのかが気になるんだ」と告げて、立ち去る。
「キハ、教えてくれ、なぜ僕を苦しめるのか?」と呟きながら。
小池さん……。
ここはせめて、「キハと暮らすために国も父王も捨てようとした自分など放っておけ」(NHKの太王四神記公式サイト 第十話あらすじより)」くらいのことを言わせてやってください。
いくらなんでも、チュシンの王として覚醒した身で「王位なんてどうでもいいもん!キハの方が大事だもんっ!!(←意訳)」は無いのでは……?
ドラマの台詞だと、タムドクは『王たる自覚をもってやるべきことを選択している』けど、舞台の台詞だと『王たる自覚がない』としか思えない。行動(コムル村を離れて王宮へ向かう)は同じなんですけど、動機が違う。一つ一つは細かいことなんですけど、主役の心理の変化を追っていくと、ここで断絶があって勿体ないなあと思うのです。
だって。
新公にはこの場面がないから、一幕ラストで覚醒したタムドクが、そのまま神剣を持ってヤン王葬儀の場に現れて、カウリ剣の儀式を受け、「父上の遺志、しかと承りました!」となり、次に王になるためにカンミ城へ向かうぞ!っていうところまで、タムドクの気持ちがぶれなくてすむんですよ。
それ(テジャ城での覚醒)まで、タムドクは「王になりたくない」と思っていた。それは、いろんな理由があったわけですが、最終的にはそれ(“王になること”)がタムドクにとっての“義務”だから嫌だった訳ですよね。
で、覚醒した=自らに課せられた義務に納得した、んだと思うんですよ。責任を自覚した、というか。
その上で、『コムル村の忠誠』を受け入れることは拒否する。
偶々知り合ったスジニやヒョンゴという個人の友情はありがたいけれども、自分が宿命の王だから、という理由で奉げられる団体の忠誠は受け入れられない。
それが、「自分のことなど放っておけ」という台詞の、本来の意味だと思うのです。
タムドク・キハ・ホゲの掛け合いの歌はとても好きなんですが、その歌につながる伏線としてコムル村を出すと、コムル村があまり説明されていないこともあって、判りにくいんですよね。
ちょっと不適切だったんじゃないかなー、と思います。
あえて芝居の場面として「高句麗の隠れ里」を出さなくても、普通に二幕の幕があいたら、いきなり板つきでタムドクが歌いだしても、別に問題ないと思うんだけど、ダメなのかしら……。
第2幕2場 ヤン王葬儀
三人のコーラスが終わり、ホゲだけが舞台に残ると、いったん暗転して紗幕があがる。
二つのポンファ通り&武道大会に並ぶ、猫的“オペラグラスを持つ手が(疲れて)震える”場面の始まりです。
幕があがると、天地神堂での儀式の最中。
コーラスを歌いながら、ヤン王の棺とその前の花のセットを人力で舞台前方に運ぶ兵士たちが結構ツボ。真ん中に偉そうに立っているコ将軍と、両側を固めるイルス&チョク・ファンが格好良い♪
鎧にマント姿の彼らは、舞台上をところせましとウロウロしている色とりどりの大きな衣装に紛れて見えなくなりがち。この作品は、やっぱり二階がお勧めです★……イルスもチョク・ファンもコ将軍も、それぞれがバラバラにいろんな小芝居をやっていて、全部チェックするのはほとんど不可能ですけどね……(T T)。
あとは、とりあえず、舞台下手にじっと直立不動で立っている兵士二人(華月由舞・白華れみ)をお見逃しなく。超可愛いですから!
5色の衣装に身を包んだ各部族のみなさまが、次々にポジションを替えながら入れ替わり立ちかわり、ちょっかいを掛け合い、脅しをかけあい、コソコソ噂話をしているのを視ていると、あっという間に場面が終わります。
基本的には武道大会の息子以外のメンバーを残しつつ(ケマ部族以外)、近衛隊など他のメンバーも入れていて、結構微妙なメンバー構成なんですよね。あと、息子たちをさりげなく入れ替えて出しているのがなんとなくおかしい(笑)。
(赤)ケマ部族(夏美よう/遼かぐら、煌雅あさひ、白姫あかり、朝陽みらい)
遼かぐらちゃんの小芝居、とても好きです。チョルロ族や、時には天地神堂の大神官の言でさえ、莫迦にしたように鼻で笑う仕草がとても嫌味でかっこいい。タムドクが現れ、「カウリ剣の儀式を受ける!」と言った瞬間にも、そして刺された瞬間にも、思いっきり「ニヤリ」とするんですよーっ(はぁと)ああ、素敵にどSなお姉さまになってくれそう…(嬉)。
アーサーは、そんなかぐらちゃんの後ろにどっしりと構えて見守っている風情が素敵です。なんだか今回、アーサーは見守り役ですね。新公もコ将軍だし(^ ^)。
白姫あかりちゃん、近衛兵もカッコイイけど、この場面も好きです。まだ他の場面では見分けられないのですが、この公演の間に覚えるぞー!
(青)ソノ部族(眉月凰/月央和沙、天宮菜生、天真みちる、和海しょう)
えーっと、セドルさん死んだら青族に生まれ変わったのね!と毎回突っ込まずにはいられません(^ ^)。息子たちは皆生まれ変わっているんですけど、よっちが一番目立つんですよ。
最初に観たとき、青族のキレイな男役さんは誰だろう、と思ったらはるちゃんだった(^ ^)とことん好みなんだなあ(照)。ここは普通に“中性的な”男役に見えます(^ ^)。可愛い~♪
天真くんはどんな場面でも手抜きなしで顔芸してくれるのでついつい観てしまいます☆
ふ、と思った。
…『表情豊か』と『顔芸』の違いって、何…?
(黒)チョルロ部族(悠真倫/彩城レア、日高大地、大河凜、舞月なぎさ)
他4族に真っ向から対立するフッケ将軍の後ろで、うんうん頷いたり、ヨン・ガリョの発言に「なに言ってやがる!」みたいに威嚇してみたり、ころころ表情が変わったり、かなり面白い。黒族はこの場面ではドラマの中心にいるので、メンバー一人一人が芝居をがんばらないと盛り上がらないんですよね。
新公を観て、大河くんは芝居巧いなあと感心したんですが、ここでもとても表情豊かにいい小芝居をしているので、観ていて楽しいです。
舞月なぎささんって、ロケットで日高くんの二人隣くらいにいますか?美人ですよねー♪
(黄)スンノ部族(紫陽レネ/輝良まさと、花峰千春、銀華水、鳳龍あや)
ハマちゃんいつの間に生まれ変わっ(以下略)
花峰さん、卒業したちあき(白鳥かすが)に似た美貌、という印象の人なんですが、なにげにちょこちょこ動いていて、要チェックです。
銀華さんは、天真くんに負けない顔芸っぷりがかなりツボ。
(緑)カンノ部族(夕霧らい/望月理世、浦輝ひろと、神房佳希、航琉ひびき)
初めて観たとき、「り、理世ちゃんがこんなところに!」と感動したところ。やっぱり美人だなあ、とつくづく思います。理世ちゃん、あと5cm身長が低かったら、シャープでかっこいい、素敵な娘役さんだったろうなあ……。っていうか、この役でも“娘役がこんなところに”と思わせてしまう理世ちゃんって(汗)。
浦輝さんは、他の場面では結構ほんわかした雰囲気につくっているのに、ここだけなんだかえらくシャープで怖いくらいです。意外と、メンバーの怖さは緑族が一番かも、と思ったりする。
忙しすぎて天地神堂の大神官さまや巫女さんたちまで目が回らないのですが、絵莉さんのこの場面の芝居の声色の使い分けがいいなあ、と毎回思います(←耳は足りているらしい)。
なんとかカウリ剣の儀式を回避しようとする大神官と、なんとしても儀式に持ち込みたいヨン・ガリョの間で、ああいえばこういう議論が盛り上がる。
ちなみに、「カウリ剣」は剣の名前ではなく(剣の名前は“チュモ神剣”)儀式の名前なんでしょうか。古代日本でいう“盟神探湯(くがたち)”みたいなものなのかなあ?
「誰が皇子を刺せましょう」
という大神官様の、強い調子が印象的です。
でも、そんな目論みもホゲの一言で潰えさる。
「私なら、同じチュシンの星の下に生まれました」
ホゲの意図がどんなにミエミエでも、もうどうしようもない。
「草の根をわけてもタムドクを捜し…」
「それにはおよびません!」
そう呼ばわりながら登場するタムドク。さすがの格好良さです。主役だー!という迫力。
タムドクに王の死の真相を尋ねられ、
「陛下は自害なさられたのです」と答えるキハ。
『なさられたのです』…って、変な日本語!と思うんですけどどうなんでしょうか。
っていうか、そんな瑣末なことはどうでもいんですが。
せっかくヤン王が「タムドクにお前を憎ませろ」と遺言して死んで、その悪夢に何度も苛まれているはずなのに、 そんな言い訳を本人の前でしちゃったら、意味ないじゃん!!
ここでタムドクが差し出す剣は、一幕ラストで彼が掲げた
ホゲが剣を受け取ると、それをキハが奪い取る。
「朱雀の守り主が、天に問います!」
…この場面の芝居の間とか、刺したあとのキハの表情とか、ホゲを気遣うイルスとか、回りの各部族の反応とか、、、新公の方が良かったところもあり、本公演はさすがだなあと思うところもあり……。
すみ花ちゃんキハは、タムドクが生き返った瞬間に、人形に血が通ったように瞳が急に潤んで、涙がぽろっとこぼれたんですよね。あれはすごかった!タムドクに剣を突き立ててから、生き返るまでの数分間、キハも死んでたんだな、と納得できる芝居でした(*^ ^*)。
彩音ちゃんは、あまり感情が表情に出ないタイプなのですが、タムドクが助かったとわかった瞬間に姿勢が崩れるのが凄く良かった。それを支える祐飛さんの、愛のない冷たい瞳が好きです。
ホゲが愛しているのは、やっぱりキハじゃなくてタムドクだと思う。(きっぱり言うな)
キハによって心臓に神剣を突き立てられ、倒れるタムドク。
取り縋るスジニの泣き声。
…ふ、と音楽が変わり、タムドクが目覚める………。
ここの間が、どうにも短すぎるような気がします。もうちょっとタメがあってもいい。
みわっちの泣きが止まるのも、ちょっと唐突すぎる。
でもまぁ、タムドクが生きていると判った瞬間の、まっつの笑顔がとても可愛いです★
「タムドク皇子は潔白である!」
という大神官の宣言に、思いっきり反論するヨン・ガリョ。
「青龍と白虎、二つの神器の護り主が敬い、慕う、その者こそがチュシンの王。
それがはっきりするまで、タムドクが仮王として、ヨン・ホゲが将軍として国を治めよ」
たしかに、その気になればタムドクの方が視界が広いし、良い王になりそう。
勇敢で武術に長けた(はずの。イカサマしたけど)ホゲは、将軍として、司令官として既に実績がある。
「天地神堂の決定である」
と言われて、錚々たる部族長や有力者たちが一言も言い返せない。
神の預言でなくとも、彼女の言にはそれだけの重みがあるし、やはり現実に沿った発言をしているっていうのも事実なんでしょうねぇ……。
第2幕3場
カーテンが下りて、タムドクとヒョンゴたち三人が場に残る。
と同時に、上手から出てくるチュムチたち。
「天地神堂のおふれを聞きました!残りの神器を探すんですね?」
当たり前のようにそう訊いてくるパソン。
『ぼくはね、ぼくは、王様になんてなりたくないんだよ……』
そんな本音を、言いだせるはずもなく。
……いや、もう、この時のタムドクは、それは本音じゃないんですよね。
「父上の遺言、しかと承りました!」
と言ったとき、彼はついに、自分の運命を受け容れたのだから。
従うことをあんなに嫌がっていた運命、一度は本気で捨てようとした運命を。
積極的にアイディア(「狩に行くふりをして、河伝いにカンミ城を目指そう!」)を出して、実現の可能性を探りながら。
誰のために?という「一番大切なところ」を、置き去りにしたままで。
そういえば。
どうでもいいツッコミですが、火天会はカンミ城の主を殺した後は、すぐ引き上げたんですよね。サビ城も同じく。火をかけて、どんな小さな隅もあまさずに捜索したら、あとは見捨てて去るだけ。
なんとか隠れて逃げ切ったチョロを連れたカグン将軍が城に戻って、散らばった部下たちを集めて“西百済”という国を再建しても、火天会は黙認というか無視するんですね……。
うーん。そのまま国を支配する、っていう発想は、プルキルには無かったんでしょうか。
不意をついたとはいえ、いくつもの城を同時に落とすだけの実力があるのに、もったいない。
部下たちは、プルキルが操っているだけで自分で判断することができない生き人形たちだから、殺すことや探すことはできても、支配することはできない、とか、そういうこと?
っていうか、とにかくプルキルの目的が謎だ。
私にはわからない理屈で動いているんだなあ、彼は…。(しみじみ)
タムドクチームが左右にハケて、中央のセットからヨン家一党が登場。
「残りの神器はどこにある?」
性急に問いただすヨン・ガリョ。
「わかりません…」
そこまではずっと自信満々にいろんな策謀をめぐらしてきたチョ・ジュドが、初めて自分の無力にうちひしがれる。
そこに、勝ち誇ったようなプルキルの声。
「水晶玉に訊きました……」
しかし!
プルキルの水晶玉は、自分の支配下にあるキハを映したり操ったりすることはできるけれども、自分の支配下にないもの(他の三つの神器のありか)を示すことはできない。だから、ここで彼が
「西百済に青龍があり、北の靺鞨に白虎がある」
と告げるのは、十数年前の「チュシンの夜」にあがった烽火の記憶にすぎません。
実際には、白虎の神器はパソンが持って国内城に来ているんだから、水晶玉が当てにならないのは事実。でも、この時点ではそんなことはまだ判らない。ミョンヒョン山を示したプルキルの力の幻影に、全員が惑わされたまま。
「西百済を攻めるとなると、戦争になる」
「国王(代理のタムドク)の許可なく戦争はできない」
「ならば、靺鞨の蛮族を成敗するふりを!」
すっ、と手をあげてチョク・ファンを呼び、遠征の準備を命ずるヨン・ホゲがかっこいいです。
そして、「はっ!!」というチョク・ファンの返事が、とてもとても男前(*^ ^*)。
やっぱりしゅん様素敵だわー♪(最後はそれか)
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東京宝塚劇場花組公演「太王四神記」。
第16場 高句麗内あちらこちら(この場面タイトルに、いつもウケてしまいます)
ミョンヒョン(?)山でタムドクとキハが岩屋に篭ると、暗転して下手に部族長たちが登場。
「息子たちが帰ってこない!!」と騒ぐ父親たち。
ここでは、チョルロ族の長・フッケ将軍も他の三人と一緒に怒り狂い、王家への反感を募らせます。
二幕では、真っ向からヨン・ガリョや他3家と対立してタムドク側につくのに、なぜ?という疑問に対しては、某友人が「さらわれた直後は頭に血が昇っていたんだねー」とあっさり答えてくれました(^ ^)。
なるほど納得。
しかし、「息子たちはヨン・ホゲにまかせて、父は王宮へ!」というのも乱暴な話だよなあ、と思うんですけどどうなんでしょう。
普通、父親ならとりあえず息子のもとに駆けつけたいんじゃないの?「兵はお貸しするから、王宮はよろしくお願いします」と言いたいでしょうに。それとも、“頭に血が昇っていて”思いつかなかったんでしょうか…。
本舞台にライトが入り、上手奥からヨン・ホゲを先頭に一軍が向かってくる。
この軍隊は、本来はヨン家の私兵であるべきだと思うんですよね。目的が目的なので。
でも、プログラムには「高句麗軍」と書いてあるし、チョク・ファンもいる。こんな悪辣な企みにも正規軍を連れてこれるっていうのは、すごいなーと思うんですよ。
高句麗という国にとって、このときまでヨン・ホゲは唯一無二の凄い英雄だったってことなんですよね、たぶん。
下手のセットの上で、朝陽を浴びて衣服を直すタムドク。
「ずいぶん早起きだな。それとも眠れなかったのか」
硬い声で問いかける。
「生まれてはじめてぐっすり眠った」
ホゲの胸の裡になど気づかない王者の、暢気ないらえ。
「炎の巫女よ」
切なく問いかけるホゲ。
「なんのお話かわかりませんわ」
すげなく振り捨てるキハ。
大劇場の頃はあまり思わなかったのですが、最近、ホゲはもしかしたら、進軍しながら迷っていたのかもしれないな、と思うようになりました。
“親友”でいられたはずの皇子と、“あなたこそ真の王!”と言ってくれた炎の巫女。
当たり前のように与えられた王座を捨てて逃げ出したタムドクと、その手を取って走り出したキハ。
この短いフレーズの会話の中で、硬く凍りついた表情の中にあった陰りが徐々に消えていくのが、とても怖いんです。ホゲが、本当の意味で「戻れない道」を歩き出すのは、この朝の会話からなんじゃないか、と思えて。
まだ迷いはある。
でも、戻る手段は捨ててしまった。
……壊してしまった。なにもかも。
「一緒にテジャ城へ来てほしい。四部族の息子たちが火天会に誘拐された」
この言葉をきいて、うなづくタムドク。
タムドクには何もわかっていないんだなあ、と思うのはこんな時です。
彼は、自分が何を捨ててきたのか解っていない。
彼が捨てようとしたものは、“王座”。それを拒否したら、もうセドルを救うことも、キハを守ることも、何もできないのに。
自分の愛するものを幸せにしてあげることが、できないのに。
「王位は譲る!」
そんな一言で譲れるものではないのだということに気づかない。
気づこうとしない。
彼が、生まれながらのチュシンの王、だから。
王位は譲る。
でも、セドルは救いたい。
キハを守りたい。自分の手で幸せにしたい。
それは、無理な我侭だ。
自分の望みを叶えたいなら、責任をとらなくてはならない。
責任のある地位につかなくては、自分の望みは叶えられない。
仲間を救いたい。
愛する人を幸せにしたい。
国を豊かに富ませたい。
戦で人が死なない国を創りたい。
そのすべてを叶えるために、彼は王になるしか、ない。
セドルを救うために、ホゲと共にテジャ城へ向かうことを肯うタムドク。
友を救うために、愛する女を人質に渡す。
「だいじょうぶ。また会える」
あまりにも遠く、虚しい口約束。
キハの方が、現実が見えているんでしょうね。
「大丈夫。すぐ会える」
とは言えない男に、切なげに、でも優しく微笑みかける。
「さようなら」
とは、口には出さずに。
……まぁ、実際、タムドクにはあまり選択の余地はないんですよね。
剣こそ向けられてはいないけれども、ホゲの口調こそ依頼になっているけれども、実際には逃げ切れなくて捕らわれたも同然なのですから。
愛しい女と引き離されるのも、当たり前っちゃ当たり前。
それとも、セドルを助け、隙を見てもう一度逃げ出してキハを迎えに…くらいのことは考えているのかな?
この時点では、スジニたちがどこまで味方してくれるのかは判ってないだろうけど、コ将軍や近衛隊は味方カウントできるし。
そんなこんな、いろんな思惑が交錯しつつ、場面は変わって国内城下。
ヒョンミョンがちゃっかりヨン家の情勢を調べて、報告している。
コムル村の民は“チュシンの王”を探しているわけで。
この時点での“チュシンの王”候補は、未だヨン・ホゲだけ、ですよね?武道大会でタムドクの怒りに神器が反応した時、ヒョンゴは「チュシンの王が怒ると光るんだ!」と教えてくれるけど、誰の怒りに反応したと思ったのかは語らないし。プルキルははっきりと「ヨン・ホゲ様こそチュシンの王」だと確信してたし。
なのに、なにがどうなってタムドクに味方することになったんでしたっけ…?
単に仲良しになったから応援する、ってことでいいのか?(こういう、大事なときに大事な人とちゃんと知り合い、仲良くなって味方を増やす、っていうのが“宿命の王”の特徴)
ここで、「テジャ城に向かわなくては!」という気分的な盛り上がりを音楽がちゃんと演出しているのも、小池さんらしい手腕だなあと感心しています。
「いますぐ向かおうテジャ城に~~~!!」という全員コーラスの盛り上がり。
その後すぐに、王座の間の静かな空気が流れるところが、お見事!って感じ(^ ^)。
第17場 玉座の間
キハをつれて国内城へ戻るチョク・ファン(祐澄しゅん)。
大劇場で初めて観てからずっとしゅん様に煮えっぱなしの猫ですが(私一人じゃないことが段々判ってきてちょっと安心)、前場のミョンヒョン山ラストでの「しゅっぱぁーーーつっ!」という掛け声のカッコ良さに毎回うっとりしています☆
で、ここで声をかけるコ将軍にキハを渡したがらないのは、キハをタムドクに対する人質だと思っていて、タムドク派のコ将軍に渡したくなかったからなのかなー、と、ちょっと思ったりもしました。
…いやあの、天地神堂は全面的にタムドク派なので、それはないでしょ>自分。
天地神堂がタムドク派であることをホゲたちが知らない…ってことはないか。「天地神堂が僕を推しても、貴族会議は君を推すだろう」ってタムドク自分で言ってたもんなあ。
じゃあやっぱり、単純にコ将軍への反感、ってことになるんでしょうかねぇ。あのムッとした感じは。ふえええん、しゅん様CSとかでトークしてくれないかしら…。
幕があがって、玉座に座るヤン王。
ヤン王の言動は、なにからなにまで謎だらけなんですが、ここもかなり謎な場面だと思います。
だって、
「私はお前を王にするまでは死ねないのだ」
と言っていたはずなのに、
タムドクは未だ王になってはいないのに、“タムドクのために”自害するなんて!
まぁたしかに、タムドクの性格を考えたら、キハがタムドクの前から突然姿を消したからってアッサリ諦めてくれそうな気はしませんが…。
でも、別に忘れかねてうじうじしたって良いじゃん、と思っちゃうんですよね…。一番簡単なのは、火天会の回し者だということがわかった時点で殺すことなんじゃないのかな?死んでしまえば、いくら心を残したっていずれ諦めるしかないんだから。
……あ。
そういえば、キハはヤン王にとって命の恩人なのか。そりゃー、あまり理不尽に殺すわけにはいかないな。
となると、自分が死ぬしかないのか。なるほど……(納得したらしい)
一番の問題は、ヤン王がタムドクを愛しているようには見えないこと、だと思うんです。
「ひ弱な皇子のふりをしろ」というのは、火天会の目を眩ませるために必要な措置だったのかもしれませんが。
なんだか、愛する王妃を死なせた息子……と、そんなうがったことを考えてしまうほど、ヤン王の言動には、タムドクへの愛が感じられないんです。
そして、ヤン王が愛を持って接していないからこそ、タムドクは「王座」に夢が持てずにいたんじゃないのかなあ、…と。
タムドクは、神剣で刺しても死なない“チュシンの王”。
もしかしたらヤンは、“チュシンの王”たりえなかった自分と息子との差を計っては、落ち込んだりしていたのかもしれません。
そんな忸怩たる思いが、事態が切羽詰ったときに溢れてしまう。自分を滅ぼして、タムドクに傷をつける方向に。
…ここまで書いてきて、初めて気づく。
近衛隊が侍る玉座の間に、堂々と忍び込んでいるサリャン&火天会士たち。彼らは最初から(というか、常時)潜んでいるんでしょうか。それとも、キハのいるところならテレポーテーションできるとか、何かそういう超自然的な話なんでしょうか…。
いずれにしても、その気になればどこの城でも自由自在に落とせそうな彼らに、なんのために残りの神器が必要なのか、理解できません(T T)。
どう見ても出場選手の中で圧倒的に一番強そうなホゲ様がなぜイカサマをするのか、っていうのと同じ疑問だな。
自分の実力に気づいていないのか、単純にイカサマが楽しくてヤメラレナイのか、どっちなんでしょうね(^ ^)。
(たぶん、プルキルは後者)
カクダンとサリャンの一騎打ち。ここの殺陣(栗原直樹)がカッコよくて大好きです。
ちゃんと“殺陣”になっていて、カクダンが斬られるところまで説得力がある。斬られる理世ちゃんがもっと巧ければ、もっとかっこいいんだけどなあ…(理世ちゃんは斬られ役じゃないから!)
カクダンの危機に、駆け込んでくる近衛兵たち。
はるちゃん(天宮菜生)ちゃんも後姿が色っぽくて好きなんですけど(←注目するポイント違うから!)、最近一番のお気に入りは遼かぐらさん。前髪を二房下ろした髪型もツボ(*^ ^*)なんですけど、なんたって格好良いのは、ここでカクダンに「盾になれ」と言われた後、火天会のメンバーと闘いながら、囮になって一人で上手袖に向かうところ。超男前なんです!!
ぜひぜひチェックしてみてくださいませ(*^ ^*)。
惑乱するキハを助け出したサリャン。
チュシンの王の子を身籠ったキハは、大長老の術を撥ね退ける。
っていうか、ここまで来たら“タムドクこそがチュシンの王”なのは明らかですよねぇ?
なのになぜ、プルキルはいつまでもホゲに固執するんだろう……?かっこいいか(黙)
第18場 テジャ城
いきなり「たのもーう」と声をかけるタムドク皇子。
…どこの時代劇かと(汗)。
タムドクに呼びかけるチョ・ジュド(紫峰七海)の声が素敵!花組は、というか、今回の公演はホントに声の良い人に台詞が回っている印象(審判のアーサーとか)
この場面では、顔を隠しているけど「ああ、あのモミアゲの濃い悪い人ね」と観客にわからせないといけないので、特徴のある美声のふみかは適役だなあと納得しました。新公の彩城レアちゃんは、そのあたりがちょっと弱かったのが残念。
門が開かれると、矢ぶすまになった4人の戦士。
…この4人、結構長時間さらされているにも関わらずピクリとも動かないのが凄いなーと思いながらいつも見ています。
彼らを見つめるタムドクはどんな貌をしているのか?といつも思うのに、つい違うところ(大抵しゅん様、ときどき高句麗軍のきらりんや姫花)を観てしまってます。楽までにはなんとか…(汗)。
タムドクを成敗しようとするホゲ。
「誰も手を出すな」
と言われて、びっくりしたように構えをくずすイルスが可愛いです。
っていうか、一番びっくりしているのはタムドクだよね?こんなにシリアスな場面なのに、あまりにも真っ正直に鳩豆なタムドクを観ると、つい笑ってしまいそうになるんですけど(汗)。
いやー、ホゲ様、無理あるわー。あの人を陥れようとしても、なんか無駄な気がしてなりませんってば。
緊迫した場面にかかる「待った!」の声。
「誰だ」
「タムドク様の仲間だよっ!」
…せめて「近衛隊だ!」くらい言おうよ、スジニ。
カクダンの報告を聞くタムドク。
それをみているホゲ。
…ホゲは、適当な処で切り上げさせて、近衛隊と彼らと合流した面々を捕えて殺すべきだった…と思うんですけど。
いちお、そのツモリなんですよね?実際には神剣が覚醒してしまって、全員逃げられてしまったけれども。
あの蛍光灯 神剣を掲げて立つタムドク。
重いだろうなー、などと、つい不謹慎なことを考えてしまう私をお許しください。
上手で剣を構えたまま、目線もホゲに向いたままのイルスと、
剣を降ろして、ただ呆然とタムドクを見上げるチョク・ファン以下の高句麗軍たち。
ここまでホゲについてきた彼らの、そのとまどいが、酷く哀れに思えてなりません。
「今蘇る 私の中に」
神剣を掲げて、チュシンの王が歌いあげる。
「人と人が永遠に愛し合える国」
チュシンの王として覚醒し、自ら望む“国”のビジョンを語る。
「人と人が信じ合える世界 それが私のチュシンの国」
それは夢、それは希望。
それでも、そんな国を夢見て我は往かん、と。
「私は生まれた 同じ星の下に」
そう歌うホゲが、とても切ないです。
彼はもう、戻れない道に踏み出しているのに。
戻るつもりなど、無いというのに。
…と、いうところで。
やっと一幕終了、です。あははは(乾笑)。
.
第16場 高句麗内あちらこちら(この場面タイトルに、いつもウケてしまいます)
ミョンヒョン(?)山でタムドクとキハが岩屋に篭ると、暗転して下手に部族長たちが登場。
「息子たちが帰ってこない!!」と騒ぐ父親たち。
ここでは、チョルロ族の長・フッケ将軍も他の三人と一緒に怒り狂い、王家への反感を募らせます。
二幕では、真っ向からヨン・ガリョや他3家と対立してタムドク側につくのに、なぜ?という疑問に対しては、某友人が「さらわれた直後は頭に血が昇っていたんだねー」とあっさり答えてくれました(^ ^)。
なるほど納得。
しかし、「息子たちはヨン・ホゲにまかせて、父は王宮へ!」というのも乱暴な話だよなあ、と思うんですけどどうなんでしょう。
普通、父親ならとりあえず息子のもとに駆けつけたいんじゃないの?「兵はお貸しするから、王宮はよろしくお願いします」と言いたいでしょうに。それとも、“頭に血が昇っていて”思いつかなかったんでしょうか…。
本舞台にライトが入り、上手奥からヨン・ホゲを先頭に一軍が向かってくる。
この軍隊は、本来はヨン家の私兵であるべきだと思うんですよね。目的が目的なので。
でも、プログラムには「高句麗軍」と書いてあるし、チョク・ファンもいる。こんな悪辣な企みにも正規軍を連れてこれるっていうのは、すごいなーと思うんですよ。
高句麗という国にとって、このときまでヨン・ホゲは唯一無二の凄い英雄だったってことなんですよね、たぶん。
下手のセットの上で、朝陽を浴びて衣服を直すタムドク。
「ずいぶん早起きだな。それとも眠れなかったのか」
硬い声で問いかける。
「生まれてはじめてぐっすり眠った」
ホゲの胸の裡になど気づかない王者の、暢気ないらえ。
「炎の巫女よ」
切なく問いかけるホゲ。
「なんのお話かわかりませんわ」
すげなく振り捨てるキハ。
大劇場の頃はあまり思わなかったのですが、最近、ホゲはもしかしたら、進軍しながら迷っていたのかもしれないな、と思うようになりました。
“親友”でいられたはずの皇子と、“あなたこそ真の王!”と言ってくれた炎の巫女。
当たり前のように与えられた王座を捨てて逃げ出したタムドクと、その手を取って走り出したキハ。
この短いフレーズの会話の中で、硬く凍りついた表情の中にあった陰りが徐々に消えていくのが、とても怖いんです。ホゲが、本当の意味で「戻れない道」を歩き出すのは、この朝の会話からなんじゃないか、と思えて。
まだ迷いはある。
でも、戻る手段は捨ててしまった。
……壊してしまった。なにもかも。
「一緒にテジャ城へ来てほしい。四部族の息子たちが火天会に誘拐された」
この言葉をきいて、うなづくタムドク。
タムドクには何もわかっていないんだなあ、と思うのはこんな時です。
彼は、自分が何を捨ててきたのか解っていない。
彼が捨てようとしたものは、“王座”。それを拒否したら、もうセドルを救うことも、キハを守ることも、何もできないのに。
自分の愛するものを幸せにしてあげることが、できないのに。
「王位は譲る!」
そんな一言で譲れるものではないのだということに気づかない。
気づこうとしない。
彼が、生まれながらのチュシンの王、だから。
王位は譲る。
でも、セドルは救いたい。
キハを守りたい。自分の手で幸せにしたい。
それは、無理な我侭だ。
自分の望みを叶えたいなら、責任をとらなくてはならない。
責任のある地位につかなくては、自分の望みは叶えられない。
仲間を救いたい。
愛する人を幸せにしたい。
国を豊かに富ませたい。
戦で人が死なない国を創りたい。
そのすべてを叶えるために、彼は王になるしか、ない。
セドルを救うために、ホゲと共にテジャ城へ向かうことを肯うタムドク。
友を救うために、愛する女を人質に渡す。
「だいじょうぶ。また会える」
あまりにも遠く、虚しい口約束。
キハの方が、現実が見えているんでしょうね。
「大丈夫。すぐ会える」
とは言えない男に、切なげに、でも優しく微笑みかける。
「さようなら」
とは、口には出さずに。
……まぁ、実際、タムドクにはあまり選択の余地はないんですよね。
剣こそ向けられてはいないけれども、ホゲの口調こそ依頼になっているけれども、実際には逃げ切れなくて捕らわれたも同然なのですから。
愛しい女と引き離されるのも、当たり前っちゃ当たり前。
それとも、セドルを助け、隙を見てもう一度逃げ出してキハを迎えに…くらいのことは考えているのかな?
この時点では、スジニたちがどこまで味方してくれるのかは判ってないだろうけど、コ将軍や近衛隊は味方カウントできるし。
そんなこんな、いろんな思惑が交錯しつつ、場面は変わって国内城下。
ヒョンミョンがちゃっかりヨン家の情勢を調べて、報告している。
コムル村の民は“チュシンの王”を探しているわけで。
この時点での“チュシンの王”候補は、未だヨン・ホゲだけ、ですよね?武道大会でタムドクの怒りに神器が反応した時、ヒョンゴは「チュシンの王が怒ると光るんだ!」と教えてくれるけど、誰の怒りに反応したと思ったのかは語らないし。プルキルははっきりと「ヨン・ホゲ様こそチュシンの王」だと確信してたし。
なのに、なにがどうなってタムドクに味方することになったんでしたっけ…?
単に仲良しになったから応援する、ってことでいいのか?(こういう、大事なときに大事な人とちゃんと知り合い、仲良くなって味方を増やす、っていうのが“宿命の王”の特徴)
ここで、「テジャ城に向かわなくては!」という気分的な盛り上がりを音楽がちゃんと演出しているのも、小池さんらしい手腕だなあと感心しています。
「いますぐ向かおうテジャ城に~~~!!」という全員コーラスの盛り上がり。
その後すぐに、王座の間の静かな空気が流れるところが、お見事!って感じ(^ ^)。
第17場 玉座の間
キハをつれて国内城へ戻るチョク・ファン(祐澄しゅん)。
大劇場で初めて観てからずっとしゅん様に煮えっぱなしの猫ですが(私一人じゃないことが段々判ってきてちょっと安心)、前場のミョンヒョン山ラストでの「しゅっぱぁーーーつっ!」という掛け声のカッコ良さに毎回うっとりしています☆
で、ここで声をかけるコ将軍にキハを渡したがらないのは、キハをタムドクに対する人質だと思っていて、タムドク派のコ将軍に渡したくなかったからなのかなー、と、ちょっと思ったりもしました。
…いやあの、天地神堂は全面的にタムドク派なので、それはないでしょ>自分。
天地神堂がタムドク派であることをホゲたちが知らない…ってことはないか。「天地神堂が僕を推しても、貴族会議は君を推すだろう」ってタムドク自分で言ってたもんなあ。
じゃあやっぱり、単純にコ将軍への反感、ってことになるんでしょうかねぇ。あのムッとした感じは。ふえええん、しゅん様CSとかでトークしてくれないかしら…。
幕があがって、玉座に座るヤン王。
ヤン王の言動は、なにからなにまで謎だらけなんですが、ここもかなり謎な場面だと思います。
だって、
「私はお前を王にするまでは死ねないのだ」
と言っていたはずなのに、
タムドクは未だ王になってはいないのに、“タムドクのために”自害するなんて!
まぁたしかに、タムドクの性格を考えたら、キハがタムドクの前から突然姿を消したからってアッサリ諦めてくれそうな気はしませんが…。
でも、別に忘れかねてうじうじしたって良いじゃん、と思っちゃうんですよね…。一番簡単なのは、火天会の回し者だということがわかった時点で殺すことなんじゃないのかな?死んでしまえば、いくら心を残したっていずれ諦めるしかないんだから。
……あ。
そういえば、キハはヤン王にとって命の恩人なのか。そりゃー、あまり理不尽に殺すわけにはいかないな。
となると、自分が死ぬしかないのか。なるほど……(納得したらしい)
一番の問題は、ヤン王がタムドクを愛しているようには見えないこと、だと思うんです。
「ひ弱な皇子のふりをしろ」というのは、火天会の目を眩ませるために必要な措置だったのかもしれませんが。
なんだか、愛する王妃を死なせた息子……と、そんなうがったことを考えてしまうほど、ヤン王の言動には、タムドクへの愛が感じられないんです。
そして、ヤン王が愛を持って接していないからこそ、タムドクは「王座」に夢が持てずにいたんじゃないのかなあ、…と。
タムドクは、神剣で刺しても死なない“チュシンの王”。
もしかしたらヤンは、“チュシンの王”たりえなかった自分と息子との差を計っては、落ち込んだりしていたのかもしれません。
そんな忸怩たる思いが、事態が切羽詰ったときに溢れてしまう。自分を滅ぼして、タムドクに傷をつける方向に。
…ここまで書いてきて、初めて気づく。
近衛隊が侍る玉座の間に、堂々と忍び込んでいるサリャン&火天会士たち。彼らは最初から(というか、常時)潜んでいるんでしょうか。それとも、キハのいるところならテレポーテーションできるとか、何かそういう超自然的な話なんでしょうか…。
いずれにしても、その気になればどこの城でも自由自在に落とせそうな彼らに、なんのために残りの神器が必要なのか、理解できません(T T)。
どう見ても出場選手の中で圧倒的に一番強そうなホゲ様がなぜイカサマをするのか、っていうのと同じ疑問だな。
自分の実力に気づいていないのか、単純にイカサマが楽しくてヤメラレナイのか、どっちなんでしょうね(^ ^)。
(たぶん、プルキルは後者)
カクダンとサリャンの一騎打ち。ここの殺陣(栗原直樹)がカッコよくて大好きです。
ちゃんと“殺陣”になっていて、カクダンが斬られるところまで説得力がある。斬られる理世ちゃんがもっと巧ければ、もっとかっこいいんだけどなあ…(理世ちゃんは斬られ役じゃないから!)
カクダンの危機に、駆け込んでくる近衛兵たち。
はるちゃん(天宮菜生)ちゃんも後姿が色っぽくて好きなんですけど(←注目するポイント違うから!)、最近一番のお気に入りは遼かぐらさん。前髪を二房下ろした髪型もツボ(*^ ^*)なんですけど、なんたって格好良いのは、ここでカクダンに「盾になれ」と言われた後、火天会のメンバーと闘いながら、囮になって一人で上手袖に向かうところ。超男前なんです!!
ぜひぜひチェックしてみてくださいませ(*^ ^*)。
惑乱するキハを助け出したサリャン。
チュシンの王の子を身籠ったキハは、大長老の術を撥ね退ける。
っていうか、ここまで来たら“タムドクこそがチュシンの王”なのは明らかですよねぇ?
なのになぜ、プルキルはいつまでもホゲに固執するんだろう……?かっこいいか(黙)
第18場 テジャ城
いきなり「たのもーう」と声をかけるタムドク皇子。
…どこの時代劇かと(汗)。
タムドクに呼びかけるチョ・ジュド(紫峰七海)の声が素敵!花組は、というか、今回の公演はホントに声の良い人に台詞が回っている印象(審判のアーサーとか)
この場面では、顔を隠しているけど「ああ、あのモミアゲの濃い悪い人ね」と観客にわからせないといけないので、特徴のある美声のふみかは適役だなあと納得しました。新公の彩城レアちゃんは、そのあたりがちょっと弱かったのが残念。
門が開かれると、矢ぶすまになった4人の戦士。
…この4人、結構長時間さらされているにも関わらずピクリとも動かないのが凄いなーと思いながらいつも見ています。
彼らを見つめるタムドクはどんな貌をしているのか?といつも思うのに、つい違うところ(大抵しゅん様、ときどき高句麗軍のきらりんや姫花)を観てしまってます。楽までにはなんとか…(汗)。
タムドクを成敗しようとするホゲ。
「誰も手を出すな」
と言われて、びっくりしたように構えをくずすイルスが可愛いです。
っていうか、一番びっくりしているのはタムドクだよね?こんなにシリアスな場面なのに、あまりにも真っ正直に鳩豆なタムドクを観ると、つい笑ってしまいそうになるんですけど(汗)。
いやー、ホゲ様、無理あるわー。あの人を陥れようとしても、なんか無駄な気がしてなりませんってば。
緊迫した場面にかかる「待った!」の声。
「誰だ」
「タムドク様の仲間だよっ!」
…せめて「近衛隊だ!」くらい言おうよ、スジニ。
カクダンの報告を聞くタムドク。
それをみているホゲ。
…ホゲは、適当な処で切り上げさせて、近衛隊と彼らと合流した面々を捕えて殺すべきだった…と思うんですけど。
いちお、そのツモリなんですよね?実際には神剣が覚醒してしまって、全員逃げられてしまったけれども。
あの
重いだろうなー、などと、つい不謹慎なことを考えてしまう私をお許しください。
上手で剣を構えたまま、目線もホゲに向いたままのイルスと、
剣を降ろして、ただ呆然とタムドクを見上げるチョク・ファン以下の高句麗軍たち。
ここまでホゲについてきた彼らの、そのとまどいが、酷く哀れに思えてなりません。
「今蘇る 私の中に」
神剣を掲げて、チュシンの王が歌いあげる。
「人と人が永遠に愛し合える国」
チュシンの王として覚醒し、自ら望む“国”のビジョンを語る。
「人と人が信じ合える世界 それが私のチュシンの国」
それは夢、それは希望。
それでも、そんな国を夢見て我は往かん、と。
「私は生まれた 同じ星の下に」
そう歌うホゲが、とても切ないです。
彼はもう、戻れない道に踏み出しているのに。
戻るつもりなど、無いというのに。
…と、いうところで。
やっと一幕終了、です。あははは(乾笑)。
.
先がさっぱり見えない日記ですが、公演の終わりが見えてきてしまったのでがんばりたいと思います。
東京宝塚劇場花組公演「太王四神記」。
(もうどこまで書いたか覚えてないよ……あ、二度目のポンファ通りまでだった。……まだ一幕かっ!!)
第13場 高句麗一武道大会
武道籤をあっちの通りに売りに行こう!とスジニたちがタムドクを連れて上手にはける前に、背景の壁が飛んで、武道大会のセットに。どぉん、どぉんと鳴る打音にあわせて、ゆっくりと盆が回ってくる。このときのワクワク感ったらないですよね(^ ^)。「もうすぐはじまる武道大会♪」という静かなコーラスがだんだん盛り上がっていくのが良い!!
ここの演出、大好きです☆胸が熱くなる☆
新公では時間短縮のためにこの演出が丸ごとカットされて、いきなり闘いから始まったのですが。
スジニたちの会話の途中から後ろで盆が回り始めたことにすごく驚きました。「え、え、盆が回り出しっちゃったよ!どうするの一体!?」と客席でオロオロしてた(汗)。最初からあの演出だったらとまどいもなかったのかなあ……?でも、やっぱり回ってくる間の五軍紹介が大好きなので、無くて寂しかったです(T T)。
審判アーサー(煌雅あさひ)の声にあわせて、ワンフレーズづつパフォーマンスを見せる各軍のメンバーたち。
それぞれを応援する人たちが、その都度盛り上がって応援しているんですが。
…ここもポンファ通りなみに目が足りない場面なんですよねー。いつもいろんなところに目移りしまくった末に、終わってみたらなんにも覚えてなーい(嘆)。
こないだ初めて気がついてすごくツボったのは、青軍パパ(眉月凰)の親バカっぷり(^ ^)。
いつもは上手奥の観客席に気をとられて、あまり下手のパパたちが観れていないのですが、先日、たまたまそっちをチェックしたんです。
パパたちは3人ともそれぞれにパフォーマンスが大仰で楽しいんですが、服の色どおりにいつもクールな青軍パパが、滅茶苦茶ハイテンションに息子に向かって手を振り、手をメガホンにして何か叫んでいるなんて!(^ ^;ゞ。
漠然と、黄軍パパ(紫陽レネ)のパフォーマンスが一番激しいだろうと予想していたんですけど、いやいや青軍が一番オモシロかったです。
緑軍パパ(夕霧らい)は、パフォーマンスというか、ちょっと色気を振りまいて引っ込んでいたような(汗)。あの行動は日替わりなんでしょうか。次回観るときは忘れずにチェックせねば。
上手の観客席は、凄いです。激しいです。
とりあえず、“ホゲ様のお気に入り”の座を譲る気なさそうなきらりん(華耀きらり)・くみちゃん(芽吹幸奈)の二人は、赤い札を必ず一枚は持っていて(^ ^)、赤軍の紹介のときとかにはそれを振ってアピールしてます。ホゲ様もたまには応えてあげればいいのになー。(←そんな余裕ないから)
きらりんは赤のほかに緑を持ってるときが多いかな?らいらい同期だからでそうか。右手に赤、左手にもう一色、みたいな感じで両手をあげて振ってたりする。(←やりすぎなところが可愛い)。セドルよっち(月央和沙)も同期なんですけど、黒を持ってることは少ないような。
くみちゃんは、私が見るといつも赤しか持ってない気がします(^ ^)。
さあやは緑か黄色が多い…かな。赤を持っているのは殆ど見たことありません(残念)。あと他に、絶対赤を持っているのはアルバイトのめおちゃんとじゅりあ。特にじゅりあは、赤しか持っていないことが多いような気がします。
一通りパフォーマンス(入場行進?)が終わると、あらためて競技が始まる。
まずは、青軍(浦輝ひろと/天真みちる・真輝いづみ・和海しょう)と黄軍(瀬戸かずや/花峰千春・銀華水・鳳龍あや)の闘い。
平場に8人が広がって、2人づつ4組に組んだとき、一番手前の上手側でジャンプする青軍の天真みちるくんに惚れました。ジャンプそのものというより、着地のなめらかさが凄くキレイ。音も無く舞い降りるんですよね。基本的に、ジャンプ力があって着地の静かな人が好きなので、嬉しいです。(でもロケットの顔芸はかんべんしてほしい……)
いつもそこに目を奪われているうちに決着がついてしまうのがちょっと残念。天真くんと組んでいるのが誰かもわからないんですよねー。黄軍は全員区別がつくはずなんだけど、天真くんしか見てないらしい…。
……という勢いで逐一書いているといつまでたっても終わらないので、ちょっと飛ばします。
あああ、天地神堂の巫女さんたちを全員わかる自分になりたかった……。
とりあえず。大劇場の最初の頃にも書きましたが、
祐飛さん、あなたはイカサマする必要まったく無いですからっ!!
第14場 謀略
息子を王位に就けんと策謀を寝るヨン・ガリョ様の腹黒さが素敵です。
でも、新公ヨン・ガリョの優しさと甘さも大好きだ(*^ ^*)。
そういえば。
ここでも語られる、「四部族の息子たちを攫って殺し、タムドクの仕業にみせかける」という謀略ですが。
ドラマのあらすじを読み直したのですが、ヨン・ガリョたちは『王がタムドクの即位に反対させないために部族長の息子たちを人質に取った』と部族長たちに信じさせる のですね。
最初から殺すことが目的ではなく、王が彼らを人質にしたと思い込ませることで反感をあおることが目的だった、ということであれば、一応謀略として成立する…かも?
ここはともかく、タムドクの即位に反対させることが目的なんですよね。
タムドク(“ひ弱な皇子”)に王位を継がせることに元々反対な部族長たちが『部族長の息子たちを人質にしてまで有能な後継候補を退け、無能な愛息子を王位に就けようとする姑息な王』に従うはずもなく、反乱の中でヤン王自身が退位せざるを得なくなるのも時間の問題。
息子たちを直接的に殺したのがタムドクかどうか、よりも、息子たちを攫ったのが王であると信じさせることの方が重要のような気がするし、納得もしやすいですよね。
舞台における“謀略”の意味不明さは、物語全体の「ご都合主義」というか「ヤっちゃった感」をすごーく強めていると思うので、もう少し慎重に潤色してほしかったなあ、と思います。
花組はもうどうしようもないから、星組版はこのあたり手を入れてほしいなあ。
セームの葬儀の後、「それなら良い手がございます」の次に
「息子たちを攫い、部族長たちに『王に脅迫されている』と思い込ませる」
という、ちょっと複雑な内容をうまく説明するだけで、後はほとんど変更なしでいけると思うんですよね。
で、「王を惑わす軟弱な皇子タムドクをヨン・ホゲが成敗する」とか、さ。(←ちょっと乱暴)
なーんてことを思いつつ。
「あの巫女はタムドクの恋人か?」
「どうせタムドクの片思い」
「だが手を取って逃げた」
「相手は皇子。恥はかかせられない」
という掛け合いが、とても好きだったりします。
ホゲの切ない思いが、悲しい。
「手を取って逃げた…」と呟くときの目が良い。
愛してはいないのに、恋しい。
恋しいから、切ない。
そうやってプルキルの前に隙だらけで立っているホゲの“若さ”が、いろんな経験を積んで初めて演じられる“若さ”であり、無理して背伸びしている“青さ”だから、とても哀しくなるのです。
“若さ”ゆえの先の視えない怖さ、というものは、先を知っているからこそ現実味をもって感じられるのかもしれません。
……こんなことを考えるのは、観ている私がもう若くないからなのかもしれませんが…(^ ^;ゞ
ドラマのホゲは、(いろんな人の話を総合すると)本気でキハを愛しているんですね。
キハのために全てを奉げてしまう?という話を聞きました。
花組の、本公演のホゲは、一人の人間としてのキハのことは全く愛していないのだと私は解釈しています。
ホゲはキハという女を知らない。どんな女で、どんな考えを持っていて、どんな生き方をしてきたのか、そんなことは、なにひとつ。
ただ、「彼を王だと言った女」に、“恋”をしているだけ…。
“王座”という目に見えぬものに恋をした男の、アイデンティティそのもの。
それは、母との確執 の妄執にさらされた末の、究極の自己愛であり、「王にふさわしからぬ」心のありようだった…。
第15場 ミョンヒョン山
山道を往くタムドクとキハ。
上手の端で、プルキルの水晶玉に見入るヨン家チーム。
ここの演出も巧いなあ、と思います。サリャンが上手袖から水晶玉を持って現れると、舞台中央から移動して上手に集まるわるものチーム。同時に後ろがあいて、山道のセットが回ってくる。
おしのび用の気軽な衣装だけど、生い立ち的に山になんて行ったことがないであろうタムドクと、イベント用の巫女の正装のままのキハ。
どちらも、なんとなく歩きにくそうなところがツボです。
プルキルが水晶玉に術をかける(?)と、キハの肩の烙印が熱を持ってキハを操ろうとする。
「先に行ってください…後から参ります」
あれは、「このまま私は大長老の許に連れ戻されてしまう…でも、タムドク様だけは逃がして差し上げなくては!」ってことでいいですか?
…っつーか、観劇中はそんなこと全く考えず、ひたすら、彩音ちゃんの白い肩よりもっと白い真飛さんの手に見惚れている自分って…。
タムドク(=チュシンの王)がキハの肩の烙印に手を当てることで、プルキルの力が消される。
これってつまり、プルキルの力自体が神器のパワーを利用したもの、と解釈しても良いのでしょうか?若返ったのも子キハ(=朱雀の神器)を手に入れた後だし。
神器は潜在的に超自然的なエネルギーを持っているので、うまくそれを利用すれば何でもできる(←「百億の昼と千億の夜」のオリハルコンとか)。そして、その利用方法を知っているのは、この時代にはプルキルただ一人だった。(神話の時代には当たり前の技術だったかもね)
ただ、神器自体が“チュシンの王”の支配下にあるので、タムドクが望めば神器のパワーはタムドクの意思に従う。…タムドクは、生まれながらの超能力者で、本能的に神器のコントロールができる、ってことでいいのかな。(←何か納得したらしい)
ってことは、“烙印の力が消された”時点で、『チュシンの王』の正体は明らかだ、と…。(あれっ?)
「烙印の力が消された…」
という大長老様の呆然とした呟きを最後に、上手のわるものチームは暗転。
タムドクとキハのラブラブな愛の賛歌に。
この歌、好きなんです実は。「あなたの瞳に希望の光が見えたから」好きになったの、と告白するキハに対して、「それは、僕が君を見ていたからさ」と応えるタムドク……気障すぎて、初恋だとは思えません。女の子の口説き方は誰に教わったんですか?コ将軍は無理ですよねぇ…。
…まぁ、タムドクさんは「キハと一緒にいる」かぎり、「絶望にうちひしがれる」ことはないはずなので、プログラムの歌詞を改めて読むと、矛盾しているなあ、と思うんですが(*^ ^*)。
「生れ落ちたこの岩屋で、僕はもう一度生まれなおしたい。…きみとふたりで」
甘い囁き。
にっこり笑ってうなずくキハの手を、っていうか結構手首あたりをギュッと握って、カーテンの中に入っていくタムドクさんの性急な様子が、微笑ましくて可愛いです☆
長くなってしまったので、また切ります。
……せっかく武道大会を諦めたのに、一幕終わらないなんて……(↓)。
.
東京宝塚劇場花組公演「太王四神記」。
(もうどこまで書いたか覚えてないよ……あ、二度目のポンファ通りまでだった。……まだ一幕かっ!!)
第13場 高句麗一武道大会
武道籤をあっちの通りに売りに行こう!とスジニたちがタムドクを連れて上手にはける前に、背景の壁が飛んで、武道大会のセットに。どぉん、どぉんと鳴る打音にあわせて、ゆっくりと盆が回ってくる。このときのワクワク感ったらないですよね(^ ^)。「もうすぐはじまる武道大会♪」という静かなコーラスがだんだん盛り上がっていくのが良い!!
ここの演出、大好きです☆胸が熱くなる☆
新公では時間短縮のためにこの演出が丸ごとカットされて、いきなり闘いから始まったのですが。
スジニたちの会話の途中から後ろで盆が回り始めたことにすごく驚きました。「え、え、盆が回り出しっちゃったよ!どうするの一体!?」と客席でオロオロしてた(汗)。最初からあの演出だったらとまどいもなかったのかなあ……?でも、やっぱり回ってくる間の五軍紹介が大好きなので、無くて寂しかったです(T T)。
審判アーサー(煌雅あさひ)の声にあわせて、ワンフレーズづつパフォーマンスを見せる各軍のメンバーたち。
それぞれを応援する人たちが、その都度盛り上がって応援しているんですが。
…ここもポンファ通りなみに目が足りない場面なんですよねー。いつもいろんなところに目移りしまくった末に、終わってみたらなんにも覚えてなーい(嘆)。
こないだ初めて気がついてすごくツボったのは、青軍パパ(眉月凰)の親バカっぷり(^ ^)。
いつもは上手奥の観客席に気をとられて、あまり下手のパパたちが観れていないのですが、先日、たまたまそっちをチェックしたんです。
パパたちは3人ともそれぞれにパフォーマンスが大仰で楽しいんですが、服の色どおりにいつもクールな青軍パパが、滅茶苦茶ハイテンションに息子に向かって手を振り、手をメガホンにして何か叫んでいるなんて!(^ ^;ゞ。
漠然と、黄軍パパ(紫陽レネ)のパフォーマンスが一番激しいだろうと予想していたんですけど、いやいや青軍が一番オモシロかったです。
緑軍パパ(夕霧らい)は、パフォーマンスというか、ちょっと色気を振りまいて引っ込んでいたような(汗)。あの行動は日替わりなんでしょうか。次回観るときは忘れずにチェックせねば。
上手の観客席は、凄いです。激しいです。
とりあえず、“ホゲ様のお気に入り”の座を譲る気なさそうなきらりん(華耀きらり)・くみちゃん(芽吹幸奈)の二人は、赤い札を必ず一枚は持っていて(^ ^)、赤軍の紹介のときとかにはそれを振ってアピールしてます。ホゲ様もたまには応えてあげればいいのになー。(←そんな余裕ないから)
きらりんは赤のほかに緑を持ってるときが多いかな?らいらい同期だからでそうか。右手に赤、左手にもう一色、みたいな感じで両手をあげて振ってたりする。(←やりすぎなところが可愛い)。セドルよっち(月央和沙)も同期なんですけど、黒を持ってることは少ないような。
くみちゃんは、私が見るといつも赤しか持ってない気がします(^ ^)。
さあやは緑か黄色が多い…かな。赤を持っているのは殆ど見たことありません(残念)。あと他に、絶対赤を持っているのはアルバイトのめおちゃんとじゅりあ。特にじゅりあは、赤しか持っていないことが多いような気がします。
一通りパフォーマンス(入場行進?)が終わると、あらためて競技が始まる。
まずは、青軍(浦輝ひろと/天真みちる・真輝いづみ・和海しょう)と黄軍(瀬戸かずや/花峰千春・銀華水・鳳龍あや)の闘い。
平場に8人が広がって、2人づつ4組に組んだとき、一番手前の上手側でジャンプする青軍の天真みちるくんに惚れました。ジャンプそのものというより、着地のなめらかさが凄くキレイ。音も無く舞い降りるんですよね。基本的に、ジャンプ力があって着地の静かな人が好きなので、嬉しいです。(でもロケットの顔芸はかんべんしてほしい……)
いつもそこに目を奪われているうちに決着がついてしまうのがちょっと残念。天真くんと組んでいるのが誰かもわからないんですよねー。黄軍は全員区別がつくはずなんだけど、天真くんしか見てないらしい…。
……という勢いで逐一書いているといつまでたっても終わらないので、ちょっと飛ばします。
あああ、天地神堂の巫女さんたちを全員わかる自分になりたかった……。
とりあえず。大劇場の最初の頃にも書きましたが、
祐飛さん、あなたはイカサマする必要まったく無いですからっ!!
第14場 謀略
息子を王位に就けんと策謀を寝るヨン・ガリョ様の腹黒さが素敵です。
でも、新公ヨン・ガリョの優しさと甘さも大好きだ(*^ ^*)。
そういえば。
ここでも語られる、「四部族の息子たちを攫って殺し、タムドクの仕業にみせかける」という謀略ですが。
ドラマのあらすじを読み直したのですが、ヨン・ガリョたちは『王がタムドクの即位に反対させないために部族長の息子たちを人質に取った』と部族長たちに信じさせる のですね。
最初から殺すことが目的ではなく、王が彼らを人質にしたと思い込ませることで反感をあおることが目的だった、ということであれば、一応謀略として成立する…かも?
ここはともかく、タムドクの即位に反対させることが目的なんですよね。
タムドク(“ひ弱な皇子”)に王位を継がせることに元々反対な部族長たちが『部族長の息子たちを人質にしてまで有能な後継候補を退け、無能な愛息子を王位に就けようとする姑息な王』に従うはずもなく、反乱の中でヤン王自身が退位せざるを得なくなるのも時間の問題。
息子たちを直接的に殺したのがタムドクかどうか、よりも、息子たちを攫ったのが王であると信じさせることの方が重要のような気がするし、納得もしやすいですよね。
舞台における“謀略”の意味不明さは、物語全体の「ご都合主義」というか「ヤっちゃった感」をすごーく強めていると思うので、もう少し慎重に潤色してほしかったなあ、と思います。
花組はもうどうしようもないから、星組版はこのあたり手を入れてほしいなあ。
セームの葬儀の後、「それなら良い手がございます」の次に
「息子たちを攫い、部族長たちに『王に脅迫されている』と思い込ませる」
という、ちょっと複雑な内容をうまく説明するだけで、後はほとんど変更なしでいけると思うんですよね。
で、「王を惑わす軟弱な皇子タムドクをヨン・ホゲが成敗する」とか、さ。(←ちょっと乱暴)
なーんてことを思いつつ。
「あの巫女はタムドクの恋人か?」
「どうせタムドクの片思い」
「だが手を取って逃げた」
「相手は皇子。恥はかかせられない」
という掛け合いが、とても好きだったりします。
ホゲの切ない思いが、悲しい。
「手を取って逃げた…」と呟くときの目が良い。
愛してはいないのに、恋しい。
恋しいから、切ない。
そうやってプルキルの前に隙だらけで立っているホゲの“若さ”が、いろんな経験を積んで初めて演じられる“若さ”であり、無理して背伸びしている“青さ”だから、とても哀しくなるのです。
“若さ”ゆえの先の視えない怖さ、というものは、先を知っているからこそ現実味をもって感じられるのかもしれません。
……こんなことを考えるのは、観ている私がもう若くないからなのかもしれませんが…(^ ^;ゞ
ドラマのホゲは、(いろんな人の話を総合すると)本気でキハを愛しているんですね。
キハのために全てを奉げてしまう?という話を聞きました。
花組の、本公演のホゲは、一人の人間としてのキハのことは全く愛していないのだと私は解釈しています。
ホゲはキハという女を知らない。どんな女で、どんな考えを持っていて、どんな生き方をしてきたのか、そんなことは、なにひとつ。
ただ、「彼を王だと言った女」に、“恋”をしているだけ…。
“王座”という目に見えぬものに恋をした男の、アイデンティティそのもの。
それは、母
第15場 ミョンヒョン山
山道を往くタムドクとキハ。
上手の端で、プルキルの水晶玉に見入るヨン家チーム。
ここの演出も巧いなあ、と思います。サリャンが上手袖から水晶玉を持って現れると、舞台中央から移動して上手に集まるわるものチーム。同時に後ろがあいて、山道のセットが回ってくる。
おしのび用の気軽な衣装だけど、生い立ち的に山になんて行ったことがないであろうタムドクと、イベント用の巫女の正装のままのキハ。
どちらも、なんとなく歩きにくそうなところがツボです。
プルキルが水晶玉に術をかける(?)と、キハの肩の烙印が熱を持ってキハを操ろうとする。
「先に行ってください…後から参ります」
あれは、「このまま私は大長老の許に連れ戻されてしまう…でも、タムドク様だけは逃がして差し上げなくては!」ってことでいいですか?
…っつーか、観劇中はそんなこと全く考えず、ひたすら、彩音ちゃんの白い肩よりもっと白い真飛さんの手に見惚れている自分って…。
タムドク(=チュシンの王)がキハの肩の烙印に手を当てることで、プルキルの力が消される。
これってつまり、プルキルの力自体が神器のパワーを利用したもの、と解釈しても良いのでしょうか?若返ったのも子キハ(=朱雀の神器)を手に入れた後だし。
神器は潜在的に超自然的なエネルギーを持っているので、うまくそれを利用すれば何でもできる(←「百億の昼と千億の夜」のオリハルコンとか)。そして、その利用方法を知っているのは、この時代にはプルキルただ一人だった。(神話の時代には当たり前の技術だったかもね)
ただ、神器自体が“チュシンの王”の支配下にあるので、タムドクが望めば神器のパワーはタムドクの意思に従う。…タムドクは、生まれながらの超能力者で、本能的に神器のコントロールができる、ってことでいいのかな。(←何か納得したらしい)
ってことは、“烙印の力が消された”時点で、『チュシンの王』の正体は明らかだ、と…。(あれっ?)
「烙印の力が消された…」
という大長老様の呆然とした呟きを最後に、上手のわるものチームは暗転。
タムドクとキハのラブラブな愛の賛歌に。
この歌、好きなんです実は。「あなたの瞳に希望の光が見えたから」好きになったの、と告白するキハに対して、「それは、僕が君を見ていたからさ」と応えるタムドク……気障すぎて、初恋だとは思えません。女の子の口説き方は誰に教わったんですか?コ将軍は無理ですよねぇ…。
…まぁ、タムドクさんは「キハと一緒にいる」かぎり、「絶望にうちひしがれる」ことはないはずなので、プログラムの歌詞を改めて読むと、矛盾しているなあ、と思うんですが(*^ ^*)。
「生れ落ちたこの岩屋で、僕はもう一度生まれなおしたい。…きみとふたりで」
甘い囁き。
にっこり笑ってうなずくキハの手を、っていうか結構手首あたりをギュッと握って、カーテンの中に入っていくタムドクさんの性急な様子が、微笑ましくて可愛いです☆
長くなってしまったので、また切ります。
……せっかく武道大会を諦めたのに、一幕終わらないなんて……(↓)。
.
明日へと続く Postlude【2】
2009年3月15日 宝塚(星) コメント (2)遠野あすかミュージックサロン「POSTLUDE」(東京會舘)。
今日で宝塚ホテルもおしまいですね。
盛り上がったんだろうなあ……行きたかった!!
さてさて。それでは、「シンデレラ」コーナーから。
黒いマーメイドドレスに身を包んだあすかがドラマティックに「Kiss of the SPIDER WOMAN」を歌いきると同時にライトが落ち、一瞬会場が闇に包まれる。
盛大なアプローズの中、あすかが引っ込むと、会場を色とりどりの鮮やかなライトが回りだし、軽やかな前奏が流れる。
……客席の真ん中に登場する、お母さま(あかし)、ジョイ(ともみん)、ポーシャ(じゅんな)。
いやーーーー、もう。
目を疑うほどに、
……三人ともかわいいぞっ!!(真顔)。
ロジャース&ハマースタインの名作ミュージカル「シンデレラ」。
あすか好きなら誰でも知っている名作。花組に異動してすぐに樹里咲穂さんの王子様と組んで出演し、その後も真飛さんと組んでもう一度演じた、あすか史上のベストアクトの一つ。
可愛くて、けなげで、純粋で、コケティッシュで、素直で、ちょっと生意気だけど、とにかく文句無くかわいかった!!
今でもときどき思い出すし、また観たいなあ、と思っていた作品でした。さわりだけとはいえ、ここでもう一度会うことができてとても幸せでした。
あすかが卒業したら、ぜひフルで上演してほしい、と、あらためて思います。
「なんて素敵な舞踏会だったのかしら!」
「なんてったって、一番素敵だったのは王子様よねっ!」と口を揃えて、
「星組の安蘭けいさんにちょっと似てたわよ☆」という確信犯的なネタをはさみつつ、
「すてきな夜」を歌いながら舞台に向かう3人。
ナンバーが終わって三人が舞台に上がってシンデレラを呼ぶと、上手から出てくるシンデレラ。
お掃除中のボロ服。うわあああああ、かわええ~~~っ!!
……あまりの可愛さと懐かしさに、思いもよらずポロポロと涙がこぼれた私。
お母様やお姉さまたちにいじめられながら、「月明かりの中」を夢見るように歌うあすか。
誰もいなくなった部屋で想像の翼をひろげて。
「秘密の場所には地図がある。私はなんにでもなれる…」
そこへ突然のノックの音が。
「突然ですが、王子様です」
と素直に名乗って現れる、白い軍服に身を包んだともみん。
か、か、かっこいーーーーっ!(@ @)
その超絶スタイルと声質が、樹里ちゃんによく似ている事実に驚きました。
前からお気に入りのともみんですけど、そんな理由だったのか自分っ!?全然気づいてなかったよっ!
しっとりと「5分前」を歌う二人。あすかと樹里ちゃんのデュエットを聞いてるみたいな気がして、懐かしかった……。(いや、ともみんはともみんで素敵なんですけど☆)
歌が終わってシンデレラは引っ込む。
その隙に、袖から現れたお母様とポーシャの「姉たちの嘆き」に翻弄される王子様がかわいい。っていうか、お母様のあかしもポーシャのじゅんなも、なんとも言えず愛嬌があって本当に可愛らしいんですもん。ちょっと低めのあかしの声と、歌声からは本当に想像もできない、高くて可愛らしいじゅんなの声が左右から交互に聴こえて、なんだか凄く不思議な気分でした。
その後、緑と白のドレスに着替えたシンデレラが再登場、
「愛しているから」で締めて、全員でポーズをとって、「シンデレラコーナー」終了☆
どの曲も懐かしくて、あすかも三人も可愛くて、大笑いしながらも本当に、胸を締め付けられるほど懐かしかった(; ;)。
そのまま、ドレス姿のあすか、お母様のあかし、王子様のともみん、ポーシャのじゅんなという、たいへんにオモシロいメンバーでMCに。
まずはあすかの挨拶。
「以前演じたことがあって、大好きな役でした。この個性的過ぎる三人のおかげで、再現することができました。」
という、ごくまっとうなご挨拶のあと、
「どうでした?娘役のお芝居は」
と三人に振る振る!
あかし。
「あすかさんのポストリュードなのに、新しい自分のプレリュード?って感じです」
と、上級生らしくきれいにまとめました。
ともみん。
あすかに「ジョイ姉さん!」と呼ばれて、
「いやぁんっ!」
と、王子様の格好でしなをつくる(^ ^;
「ジョイ姉さん!」
「いやぁんっ!」
「王子様!」
「はっはっはっはっ」
「ジョイ姉さん!」
「いやぁんっ!」
「王子様!」
「はっはっはっ……」
と言う繰り返しでしばらく遊んでたあすか。
ともみんは、王子様の格好のまま
「すみませんこんな汗だくで」←すごい早替りらしい。
と挨拶したあと、「いやぁん」と「はっはっはっはっ」について
「なんかね、腹筋の使いどころが違うんですよ」
と説明していました。あははは(^ ^;
じゅんな。
「すべるから何も喋るな」と言われて凹むじゅんなが可愛い。
ああ、本当にかわいい。なんて可愛いんだこの人。
表の顔と素の顔が、こんなに全然違うなんて!!
金髪の巻き髪を嬉しそうにもてあそびながら、
「この格好がもう東京でできないなんてっ」
と、歌声からは想像もつかない(←枕詞かよ)可愛らしく高い声で嘆くじゅんな。
「宝塚のドレスが着れましたっ」と、きゃっきゃ嬉しそうに喜んでいるじゅんな。
衣装合わせで、あすかシンデレラの正装のドレスが自分の衣装だと思い込んだじゅんな。
「かわいい!これだ!!」と飛び上がって(←推測)喜んだじゅんな。
「意外にシンプルでした」と、微妙に不満そうなじゅんな。
「いいんです。巻髪だから」と自分を慰めるじゅんな。
……想像だにしていなかった可愛らしさに心臓を撃ちぬかれた私は、星組公演を観ても、ちゃんと卒業生の皆様を見られるのかどうか不安です(^ ^;
三人から一通りコメントを貰って、「そろそろ時間だから」と袖に戻そうとするあすか。
とりあえず、あかしが「MC担当から一言」とことわって、
「あすかさんどうですか、心境は」
あすか。
「どうって…初日中日楽、しかないからなあ」とコメントして拍手を貰い、
「自分らで言うも何ですけど、このお稽古期間でよくやったよね」と自分を誉めてました(笑)。
で、お稽古場がいかに大変だったか、という話で一通り盛り上がった後、
あかし。
「東京會舘の思い出は」
あすか。
「ご飯が美味しい!」
……即答かよ(^ ^;ゞ
コーラスの三人を着替えに送って、シンデレラの衣装のままで、一曲。
「Someone To Watch Over Me」。
スタンダードナンバーとしても有名ですが、私は基本的に保坂知寿さんと濱田めぐみさんのしか聴いたことがない…かな?
普通にあすかの柔らかいソプラノで聴くと、イージーリスニング系の気持ちよさがある曲なんですね。すごく良かったです。
「クレイジーフォーユー」の中の曲としては「But Not for Me」(四季版だと「聞いてよ太陽…」で始まる曲)が好きなんですが、あすかの声だとやっぱり「Someone…」が合っているのかな、と思いました。
「But Not for Me」もドラマティックな名曲なので、いつかあすかで聴いてみたい気もしますが。
あすかが引っ込んで、ちゃんとキラキラの燕尾に着替えた三人が登場、「シトラスの風」のテーマソングを歌い踊ります。
えーっと、あすかの初舞台だよね?(涙)懐かしいなあ……。
「眠る時代を呼び起こせ!」
と歌った後、またあすかを褒め称えつつ歌い、着替えたあすかを出迎えてすぐにはける三人。
トップになってからの三曲を歌う、遠野あすか。
「大切な人」~「七つの海七つの空」~「忘れましょう」
今まで歌ってきた歌は、ほんの発声練習だったのか?と思うほど、持ち歌を歌うあすかは、本当に、気高いほどに美しかった。
安定した声、チェンジボイス、澄んでやわらかい声質を保った豊かなビブラート、ピアニッシモのロングトーンでも全く音程のぶれない筋力と肺活量。
「大切な人」に奉げるサウダーデ(郷愁)。
「七つの海」を背負う女王の貫禄。
「忘れましょう」に篭められた、愛。
この人の歌は、技術云々を超えたところにあるんだな、と、
表現したいことを表現するために、
伝えたいことを伝えるために、磨かれた技術なんだな、と、
そんな今更なことをしみじみと思います。
そのまま暗転し、インストゥルメンタルで繋ぐ中で早替わりして出てきたあすか。
「Don’t Cry Loud」を歌って最後のMCに入り、
「Change The World」をラストに。
「Change The World」の途中からコーラスの三人も加わって、盛り上げる。
止まらない拍手。
カーテンコールに応えて出てきたあすかは、白いマリエのようなドレス。
「人はみないつか 新しい朝迎えなければ」という歌詞の入った、(多分)オリジナル曲。
その前に歌った「Don’t Cry Loud」も“Postlude”という歌詞が入っていたので、たぶんオリジナルですよね?(違ってたらすみません)旅立つあすかのために、藤井さんの愛情がいっぱいに籠もった曲でした。
とくにカーテンコールは、泣けたなあ………(T T)。
「Ernest In Love」をはじめとする花組時代の曲がほとんどなかったのが残念ですが(着替え待ちのインストゥルメンタルで流れた「帽子の歌」くらいかな)、
『遠野あすか』という稀有な役者の一面を、ゆっくりを見せていただけたショーだったと思います。
あとたったの一週間で、こんなに嵌っている花組「太王四神記」が終わり、
星組公演が始まります。
東京で待ってる。
そう、あなたの笑顔を、待っています。
だから、あすかちゃん、
……大好きだよ☆
.
今日で宝塚ホテルもおしまいですね。
盛り上がったんだろうなあ……行きたかった!!
さてさて。それでは、「シンデレラ」コーナーから。
黒いマーメイドドレスに身を包んだあすかがドラマティックに「Kiss of the SPIDER WOMAN」を歌いきると同時にライトが落ち、一瞬会場が闇に包まれる。
盛大なアプローズの中、あすかが引っ込むと、会場を色とりどりの鮮やかなライトが回りだし、軽やかな前奏が流れる。
……客席の真ん中に登場する、お母さま(あかし)、ジョイ(ともみん)、ポーシャ(じゅんな)。
いやーーーー、もう。
目を疑うほどに、
……三人ともかわいいぞっ!!(真顔)。
ロジャース&ハマースタインの名作ミュージカル「シンデレラ」。
あすか好きなら誰でも知っている名作。花組に異動してすぐに樹里咲穂さんの王子様と組んで出演し、その後も真飛さんと組んでもう一度演じた、あすか史上のベストアクトの一つ。
可愛くて、けなげで、純粋で、コケティッシュで、素直で、ちょっと生意気だけど、とにかく文句無くかわいかった!!
今でもときどき思い出すし、また観たいなあ、と思っていた作品でした。さわりだけとはいえ、ここでもう一度会うことができてとても幸せでした。
あすかが卒業したら、ぜひフルで上演してほしい、と、あらためて思います。
「なんて素敵な舞踏会だったのかしら!」
「なんてったって、一番素敵だったのは王子様よねっ!」と口を揃えて、
「星組の安蘭けいさんにちょっと似てたわよ☆」という確信犯的なネタをはさみつつ、
「すてきな夜」を歌いながら舞台に向かう3人。
ナンバーが終わって三人が舞台に上がってシンデレラを呼ぶと、上手から出てくるシンデレラ。
お掃除中のボロ服。うわあああああ、かわええ~~~っ!!
……あまりの可愛さと懐かしさに、思いもよらずポロポロと涙がこぼれた私。
お母様やお姉さまたちにいじめられながら、「月明かりの中」を夢見るように歌うあすか。
誰もいなくなった部屋で想像の翼をひろげて。
「秘密の場所には地図がある。私はなんにでもなれる…」
そこへ突然のノックの音が。
「突然ですが、王子様です」
と素直に名乗って現れる、白い軍服に身を包んだともみん。
か、か、かっこいーーーーっ!(@ @)
その超絶スタイルと声質が、樹里ちゃんによく似ている事実に驚きました。
前からお気に入りのともみんですけど、そんな理由だったのか自分っ!?全然気づいてなかったよっ!
しっとりと「5分前」を歌う二人。あすかと樹里ちゃんのデュエットを聞いてるみたいな気がして、懐かしかった……。(いや、ともみんはともみんで素敵なんですけど☆)
歌が終わってシンデレラは引っ込む。
その隙に、袖から現れたお母様とポーシャの「姉たちの嘆き」に翻弄される王子様がかわいい。っていうか、お母様のあかしもポーシャのじゅんなも、なんとも言えず愛嬌があって本当に可愛らしいんですもん。ちょっと低めのあかしの声と、歌声からは本当に想像もできない、高くて可愛らしいじゅんなの声が左右から交互に聴こえて、なんだか凄く不思議な気分でした。
その後、緑と白のドレスに着替えたシンデレラが再登場、
「愛しているから」で締めて、全員でポーズをとって、「シンデレラコーナー」終了☆
どの曲も懐かしくて、あすかも三人も可愛くて、大笑いしながらも本当に、胸を締め付けられるほど懐かしかった(; ;)。
そのまま、ドレス姿のあすか、お母様のあかし、王子様のともみん、ポーシャのじゅんなという、たいへんにオモシロいメンバーでMCに。
まずはあすかの挨拶。
「以前演じたことがあって、大好きな役でした。この個性的過ぎる三人のおかげで、再現することができました。」
という、ごくまっとうなご挨拶のあと、
「どうでした?娘役のお芝居は」
と三人に振る振る!
あかし。
「あすかさんのポストリュードなのに、新しい自分のプレリュード?って感じです」
と、上級生らしくきれいにまとめました。
ともみん。
あすかに「ジョイ姉さん!」と呼ばれて、
「いやぁんっ!」
と、王子様の格好でしなをつくる(^ ^;
「ジョイ姉さん!」
「いやぁんっ!」
「王子様!」
「はっはっはっはっ」
「ジョイ姉さん!」
「いやぁんっ!」
「王子様!」
「はっはっはっ……」
と言う繰り返しでしばらく遊んでたあすか。
ともみんは、王子様の格好のまま
「すみませんこんな汗だくで」←すごい早替りらしい。
と挨拶したあと、「いやぁん」と「はっはっはっはっ」について
「なんかね、腹筋の使いどころが違うんですよ」
と説明していました。あははは(^ ^;
じゅんな。
「すべるから何も喋るな」と言われて凹むじゅんなが可愛い。
ああ、本当にかわいい。なんて可愛いんだこの人。
表の顔と素の顔が、こんなに全然違うなんて!!
金髪の巻き髪を嬉しそうにもてあそびながら、
「この格好がもう東京でできないなんてっ」
と、歌声からは想像もつかない(←枕詞かよ)可愛らしく高い声で嘆くじゅんな。
「宝塚のドレスが着れましたっ」と、きゃっきゃ嬉しそうに喜んでいるじゅんな。
衣装合わせで、あすかシンデレラの正装のドレスが自分の衣装だと思い込んだじゅんな。
「かわいい!これだ!!」と飛び上がって(←推測)喜んだじゅんな。
「意外にシンプルでした」と、微妙に不満そうなじゅんな。
「いいんです。巻髪だから」と自分を慰めるじゅんな。
……想像だにしていなかった可愛らしさに心臓を撃ちぬかれた私は、星組公演を観ても、ちゃんと卒業生の皆様を見られるのかどうか不安です(^ ^;
三人から一通りコメントを貰って、「そろそろ時間だから」と袖に戻そうとするあすか。
とりあえず、あかしが「MC担当から一言」とことわって、
「あすかさんどうですか、心境は」
あすか。
「どうって…初日中日楽、しかないからなあ」とコメントして拍手を貰い、
「自分らで言うも何ですけど、このお稽古期間でよくやったよね」と自分を誉めてました(笑)。
で、お稽古場がいかに大変だったか、という話で一通り盛り上がった後、
あかし。
「東京會舘の思い出は」
あすか。
「ご飯が美味しい!」
……即答かよ(^ ^;ゞ
コーラスの三人を着替えに送って、シンデレラの衣装のままで、一曲。
「Someone To Watch Over Me」。
スタンダードナンバーとしても有名ですが、私は基本的に保坂知寿さんと濱田めぐみさんのしか聴いたことがない…かな?
普通にあすかの柔らかいソプラノで聴くと、イージーリスニング系の気持ちよさがある曲なんですね。すごく良かったです。
「クレイジーフォーユー」の中の曲としては「But Not for Me」(四季版だと「聞いてよ太陽…」で始まる曲)が好きなんですが、あすかの声だとやっぱり「Someone…」が合っているのかな、と思いました。
「But Not for Me」もドラマティックな名曲なので、いつかあすかで聴いてみたい気もしますが。
あすかが引っ込んで、ちゃんとキラキラの燕尾に着替えた三人が登場、「シトラスの風」のテーマソングを歌い踊ります。
えーっと、あすかの初舞台だよね?(涙)懐かしいなあ……。
「眠る時代を呼び起こせ!」
と歌った後、またあすかを褒め称えつつ歌い、着替えたあすかを出迎えてすぐにはける三人。
トップになってからの三曲を歌う、遠野あすか。
「大切な人」~「七つの海七つの空」~「忘れましょう」
今まで歌ってきた歌は、ほんの発声練習だったのか?と思うほど、持ち歌を歌うあすかは、本当に、気高いほどに美しかった。
安定した声、チェンジボイス、澄んでやわらかい声質を保った豊かなビブラート、ピアニッシモのロングトーンでも全く音程のぶれない筋力と肺活量。
「大切な人」に奉げるサウダーデ(郷愁)。
「七つの海」を背負う女王の貫禄。
「忘れましょう」に篭められた、愛。
この人の歌は、技術云々を超えたところにあるんだな、と、
表現したいことを表現するために、
伝えたいことを伝えるために、磨かれた技術なんだな、と、
そんな今更なことをしみじみと思います。
そのまま暗転し、インストゥルメンタルで繋ぐ中で早替わりして出てきたあすか。
「Don’t Cry Loud」を歌って最後のMCに入り、
「Change The World」をラストに。
「Change The World」の途中からコーラスの三人も加わって、盛り上げる。
止まらない拍手。
カーテンコールに応えて出てきたあすかは、白いマリエのようなドレス。
「人はみないつか 新しい朝迎えなければ」という歌詞の入った、(多分)オリジナル曲。
その前に歌った「Don’t Cry Loud」も“Postlude”という歌詞が入っていたので、たぶんオリジナルですよね?(違ってたらすみません)旅立つあすかのために、藤井さんの愛情がいっぱいに籠もった曲でした。
とくにカーテンコールは、泣けたなあ………(T T)。
「Ernest In Love」をはじめとする花組時代の曲がほとんどなかったのが残念ですが(着替え待ちのインストゥルメンタルで流れた「帽子の歌」くらいかな)、
『遠野あすか』という稀有な役者の一面を、ゆっくりを見せていただけたショーだったと思います。
あとたったの一週間で、こんなに嵌っている花組「太王四神記」が終わり、
星組公演が始まります。
東京で待ってる。
そう、あなたの笑顔を、待っています。
だから、あすかちゃん、
……大好きだよ☆
.
明日へと続く Postlude
2009年3月14日 宝塚(星)東京會舘にて、遠野あすかミュージックサロン「POSTLUDE」に行ってまいりました!
私事ですが、会社で衝撃の異動発表(自分は動かないのですが、チームの上司が他へ動いて補充なし!!!せっかくこの3ヶ月、『週に一回ノー残業デー』の誓いを守ってきたのにもう無理っっっ/涙)があり、今後の引継ぎ計画とか送別会とか、いろんなことをバタバタと打ち合わせしてから会場に向かったので、だいぶ急いで食べる破目になってしまいましたが。
すっごく良かったです!!
私は、「ベルサイユの薔薇」地方公演も観られませんでしたし、大劇場公演にも参りませんでしたので、卒業が発表されてからあすかちゃんに会うのは初めてでした。
心のどこかで、卒業を信じていなかった(信じたくなかった)のかもしれません。
でも。
キレイなドレスを着て、
独りスポットを浴びて歌い、MCをするあすかを観ながら。
ああ、これで最後なんだ、と。
もうすぐ行ってしまうんだ、と。
思ったら、なんだか涙が止まらなくなっていました。
構成・演出は藤井大介。
やっぱり藤井さんのショーは良いなあ。性にあう、とでも言うんでしょうか。テンポが合うのかな、私と。
あすかのキャラクターの素朴な可愛らしさを存分に引き出した構成が見事でした。
しかも、藤井さんにしては珍しく衣装もまともで、あすかの完璧なスタイルを存分に引き出してました。
……あすかが自分で択んだのかも?(笑)
出演は、あすかの他には、あかし(彩海早矢)、ともみん(夢乃聖夏)、じゅんな(水輝涼)。
出番は多いほうだったのかな?三人ともそれなりに上級生のスターたちですもんね。“DSでも人海戦術で勝負!”な中村一徳さんほどのことはありませんでしたけど、キャラを生かした大活躍ぶりでした。お稽古期間がほぼゼロなので、もっとコーラスに徹するのかと思いましたけど、意外とちゃんと絡んでましたし。後半はあすかのソロが続くので、あまり出番なかったけど、前半は本当にでずっぱり!すごいなあ、いつお稽古したんだろう……。
オープニングは、客席後方からあかし以下の三人が登場。客席を煽りながら前に出て、舞台前で歌。その間にあすかが舞台上に登場し、軽やかにショーが始まります。
このときのあすかのドレスがめちゃくちゃ可愛い!!ひらひらした羽みたいな白とマットなシュガーピンクのドレス。元は何の衣装だったのかなあ……。あすかのスタイルに映えて、本当~に可愛かったです。客席を歩くときも、ちょうど私の席のまん前を通ってくれて、嬉しかったー!(^ ^)。
数曲歌ったところで、MC。
最初のご挨拶で、途中で止まるあすか。
「………」
銀ちゃん あすか、間ぁ長いよっ!!
「………」
カメラ!アップしてやれ、そしたら台詞言うからっ!
「……言うこと忘れちゃった☆」
小さい声で告白しつつ、(てへっ☆)という貌をしたあすかが、死ぬほど可愛かったです。
そして、さらに可愛かったのは、とっさに駆け寄ってあすかに耳打ちしているコーラス三人(とくにあかし)でした…(*^ ^*)。
いいもん見せてくれてありがとうございます♪
軽く挨拶して、コーラスを紹介。
「それでは、私のMCを助けてくれる素敵な仲間たちをご紹介します。あかし!」
と紹介された、あかし。
「MCのお手伝いをさせていただく彩海早矢です」
そして、ともみん。
「無事にお江戸での千秋楽を迎えられて……」
そして、あすか。(←あれっ?)
「このように個性的な仲間たちに囲まれて……」
「待って!!」(コーラス)
……呆然と立ち尽くすじゅんな。
「こ、こんなの打ち合わせになかったですよ(T T)」
と、あの深みのある歌声からは想像もできない高くて細い声で呟いて。
気をとりなおしたように、というか、自棄っぱちな感じで客席に向き直り、
「水輝涼でございますっっ!!」
拍手喝采。
「まさか忘れられると思わなかった……(泣)」
と嘆きながらも、
「……もっと存在感を出せるように、がんばりたいと思います!」
と締めて、もう一度拍手喝采を浴びていました。
その機転にちょっと感心しました(*^ ^*)。いやー、度胸あるなあ。
バンドの皆様を紹介して、コーラスの3人が引っ込み、あすかのMCで次のコーナーへ。
「LOVE SONG メドレー」
メドレーというか、なんというか、いろんな歌を掛け合いで歌ってました。あの構成(というか編曲)にカナリ感心。
まず、「愛が欲しい!」と歌うあすかの前にあかしが現れ、二人で「愛と青春の旅立ち」をデュエット。
……なんか違う、という貌をしながら歌っているあすか。
途中からともみんが無理矢理入ってきて、「I Always Love You」を朗々と歌い上げる。振り向いてそちらに微笑みかけ、嬉しそうにデュエットするあすか。……でもやっぱり違う、らしい。
下手側にあかし、上手側にともみんであすかをはさみ、両側から違う歌を歌いかける。両方にあわせてフレーズごとに切り替えて歌うあすか。いやー、本当に面白かった。この場面の編曲は、やっぱり「音楽」の青木朝子さんがしたのでしょうか?本当に見事でした。感心。
あんなコント場面で使ってしまうのがもったいないくらい良くできてた(^ ^)。青木さん、いいなあ。最近“ここって音楽誰だろう?”って思って調べると、大概青木さんなんですよね♪才能ある人なんだなあ~。
そうこうしている間に、真打のようにじゅんなが出てきて、あの美声で優しく甘く歌いかける。
「あなただったのね!」と、あかし・ともみんの間からすり抜けて、幸せそうにじゅんなに寄り添うあすか。声の相性が良いんでしょうね。ハーモニーがものすごくキレイでした(*^ ^*)。このあたりの人選は、さすが藤井さん、間違いないなあ……。
二人がラブラブ歌っている間、振られたことに気づいたあかしとともみんの小芝居が超面白かったです。
まずは、あすかが抜けたことに気づかず、自分の歌に酔ったまま隣を抱きしめてキスしようとする二人。あすかじゃないことに気づいてびっくりして飛び離れ、あすかを探す。
あすかがじゅんなに抱きしめられてラブラブしているのを見て、ものすごーーーーーく情けなーーーーい貌をする。
顔を見合わせて、男泣きに泣き出す二人。
互いに肩を抱いて慰めあう。
なぐさめ………あれっっっ?抱き合ってますよ?え?え?どうすんのあんたたち、あああああああ…………
キスしちゃったよ…(落)。
そんな小芝居が後方で繰り広げられていることに気づきもせずに、ラブラブ歌い続ける二人。
でも。
だけど、「やっぱり違う!!」と気づいてしまうあすか。腰を抱いているじゅんなの腕を思いっきり振り払って、また一人で歩き出す。
……ここで、トウコさんの「ひとかけらの勇気」あたり録音で流したら、大喝采だったろうに(*^ ^*)。
いやーーー、面白かったです。はい。
ちょっと拍手の間をあけて、あすかが一曲歌い、コーラスに入れ替わって一曲。
あすかを褒め称え、「星のプリンセス!」で終わるナンバーがちょっと気恥ずかしい(笑)。
黒のドレスに着替えたあすかが客席後方から登場。
「アイ・カランバ」で華やかに盛り上げ、キューバメドレーに。
あすかは、裏声も胸声もそれぞれにこなせる人なんですけど、どうしようもなくチェンジボイスが下手なんだなあ……もったいない(T T)。ラテンナンバーってどうしても娘役のチェンジボイス周辺を上下することが多い(っていうか、本来は胸声で歌うべき)ので、だいぶ苦戦してました。
その流れで「蜘蛛女のキス(テーマ)」で締め。持ち歌以外は音程が不安定になりがちなあすかにしては凄く良かったんですが、元々あの歌はソプラノの裏声で歌う歌じゃないので、ちょっともったいなかったなあ……ソロなんだから、もっと音程を下げて胸声で通させればよかったのに。
せっかくあすかが歌うなら……でも「Dear One」って訳にはいかないよなぁ…(T T)。
このあたりで、思ったより長くなってしまったのでいったん切りますね。
次のコーナーは、お待ちかねの「シンデレラ」なのですが(^ ^)。……絶対長くなるので。
ちなみに、「Postlude」の意味は「後奏」。「プレリュード」の反対語。
で、「ディナーショー」と「サロンコンサート(ミュージックサロン)」の違いって何だろう……?という疑問が残ったりしました(^ ^;
.
私事ですが、会社で衝撃の異動発表(自分は動かないのですが、チームの上司が他へ動いて補充なし!!!せっかくこの3ヶ月、『週に一回ノー残業デー』の誓いを守ってきたのにもう無理っっっ/涙)があり、今後の引継ぎ計画とか送別会とか、いろんなことをバタバタと打ち合わせしてから会場に向かったので、だいぶ急いで食べる破目になってしまいましたが。
すっごく良かったです!!
私は、「ベルサイユの薔薇」地方公演も観られませんでしたし、大劇場公演にも参りませんでしたので、卒業が発表されてからあすかちゃんに会うのは初めてでした。
心のどこかで、卒業を信じていなかった(信じたくなかった)のかもしれません。
でも。
キレイなドレスを着て、
独りスポットを浴びて歌い、MCをするあすかを観ながら。
ああ、これで最後なんだ、と。
もうすぐ行ってしまうんだ、と。
思ったら、なんだか涙が止まらなくなっていました。
構成・演出は藤井大介。
やっぱり藤井さんのショーは良いなあ。性にあう、とでも言うんでしょうか。テンポが合うのかな、私と。
あすかのキャラクターの素朴な可愛らしさを存分に引き出した構成が見事でした。
しかも、藤井さんにしては珍しく衣装もまともで、あすかの完璧なスタイルを存分に引き出してました。
……あすかが自分で択んだのかも?(笑)
出演は、あすかの他には、あかし(彩海早矢)、ともみん(夢乃聖夏)、じゅんな(水輝涼)。
出番は多いほうだったのかな?三人ともそれなりに上級生のスターたちですもんね。“DSでも人海戦術で勝負!”な中村一徳さんほどのことはありませんでしたけど、キャラを生かした大活躍ぶりでした。お稽古期間がほぼゼロなので、もっとコーラスに徹するのかと思いましたけど、意外とちゃんと絡んでましたし。後半はあすかのソロが続くので、あまり出番なかったけど、前半は本当にでずっぱり!すごいなあ、いつお稽古したんだろう……。
オープニングは、客席後方からあかし以下の三人が登場。客席を煽りながら前に出て、舞台前で歌。その間にあすかが舞台上に登場し、軽やかにショーが始まります。
このときのあすかのドレスがめちゃくちゃ可愛い!!ひらひらした羽みたいな白とマットなシュガーピンクのドレス。元は何の衣装だったのかなあ……。あすかのスタイルに映えて、本当~に可愛かったです。客席を歩くときも、ちょうど私の席のまん前を通ってくれて、嬉しかったー!(^ ^)。
数曲歌ったところで、MC。
最初のご挨拶で、途中で止まるあすか。
「………」
「………」
カメラ!アップしてやれ、そしたら台詞言うからっ!
「……言うこと忘れちゃった☆」
小さい声で告白しつつ、(てへっ☆)という貌をしたあすかが、死ぬほど可愛かったです。
そして、さらに可愛かったのは、とっさに駆け寄ってあすかに耳打ちしているコーラス三人(とくにあかし)でした…(*^ ^*)。
いいもん見せてくれてありがとうございます♪
軽く挨拶して、コーラスを紹介。
「それでは、私のMCを助けてくれる素敵な仲間たちをご紹介します。あかし!」
と紹介された、あかし。
「MCのお手伝いをさせていただく彩海早矢です」
そして、ともみん。
「無事にお江戸での千秋楽を迎えられて……」
そして、あすか。(←あれっ?)
「このように個性的な仲間たちに囲まれて……」
「待って!!」(コーラス)
……呆然と立ち尽くすじゅんな。
「こ、こんなの打ち合わせになかったですよ(T T)」
と、あの深みのある歌声からは想像もできない高くて細い声で呟いて。
気をとりなおしたように、というか、自棄っぱちな感じで客席に向き直り、
「水輝涼でございますっっ!!」
拍手喝采。
「まさか忘れられると思わなかった……(泣)」
と嘆きながらも、
「……もっと存在感を出せるように、がんばりたいと思います!」
と締めて、もう一度拍手喝采を浴びていました。
その機転にちょっと感心しました(*^ ^*)。いやー、度胸あるなあ。
バンドの皆様を紹介して、コーラスの3人が引っ込み、あすかのMCで次のコーナーへ。
「LOVE SONG メドレー」
メドレーというか、なんというか、いろんな歌を掛け合いで歌ってました。あの構成(というか編曲)にカナリ感心。
まず、「愛が欲しい!」と歌うあすかの前にあかしが現れ、二人で「愛と青春の旅立ち」をデュエット。
……なんか違う、という貌をしながら歌っているあすか。
途中からともみんが無理矢理入ってきて、「I Always Love You」を朗々と歌い上げる。振り向いてそちらに微笑みかけ、嬉しそうにデュエットするあすか。……でもやっぱり違う、らしい。
下手側にあかし、上手側にともみんであすかをはさみ、両側から違う歌を歌いかける。両方にあわせてフレーズごとに切り替えて歌うあすか。いやー、本当に面白かった。この場面の編曲は、やっぱり「音楽」の青木朝子さんがしたのでしょうか?本当に見事でした。感心。
あんなコント場面で使ってしまうのがもったいないくらい良くできてた(^ ^)。青木さん、いいなあ。最近“ここって音楽誰だろう?”って思って調べると、大概青木さんなんですよね♪才能ある人なんだなあ~。
そうこうしている間に、真打のようにじゅんなが出てきて、あの美声で優しく甘く歌いかける。
「あなただったのね!」と、あかし・ともみんの間からすり抜けて、幸せそうにじゅんなに寄り添うあすか。声の相性が良いんでしょうね。ハーモニーがものすごくキレイでした(*^ ^*)。このあたりの人選は、さすが藤井さん、間違いないなあ……。
二人がラブラブ歌っている間、振られたことに気づいたあかしとともみんの小芝居が超面白かったです。
まずは、あすかが抜けたことに気づかず、自分の歌に酔ったまま隣を抱きしめてキスしようとする二人。あすかじゃないことに気づいてびっくりして飛び離れ、あすかを探す。
あすかがじゅんなに抱きしめられてラブラブしているのを見て、ものすごーーーーーく情けなーーーーい貌をする。
顔を見合わせて、男泣きに泣き出す二人。
互いに肩を抱いて慰めあう。
なぐさめ………あれっっっ?抱き合ってますよ?え?え?どうすんのあんたたち、あああああああ…………
キスしちゃったよ…(落)。
そんな小芝居が後方で繰り広げられていることに気づきもせずに、ラブラブ歌い続ける二人。
でも。
だけど、「やっぱり違う!!」と気づいてしまうあすか。腰を抱いているじゅんなの腕を思いっきり振り払って、また一人で歩き出す。
……ここで、トウコさんの「ひとかけらの勇気」あたり録音で流したら、大喝采だったろうに(*^ ^*)。
いやーーー、面白かったです。はい。
ちょっと拍手の間をあけて、あすかが一曲歌い、コーラスに入れ替わって一曲。
あすかを褒め称え、「星のプリンセス!」で終わるナンバーがちょっと気恥ずかしい(笑)。
黒のドレスに着替えたあすかが客席後方から登場。
「アイ・カランバ」で華やかに盛り上げ、キューバメドレーに。
あすかは、裏声も胸声もそれぞれにこなせる人なんですけど、どうしようもなくチェンジボイスが下手なんだなあ……もったいない(T T)。ラテンナンバーってどうしても娘役のチェンジボイス周辺を上下することが多い(っていうか、本来は胸声で歌うべき)ので、だいぶ苦戦してました。
その流れで「蜘蛛女のキス(テーマ)」で締め。持ち歌以外は音程が不安定になりがちなあすかにしては凄く良かったんですが、元々あの歌はソプラノの裏声で歌う歌じゃないので、ちょっともったいなかったなあ……ソロなんだから、もっと音程を下げて胸声で通させればよかったのに。
せっかくあすかが歌うなら……でも「Dear One」って訳にはいかないよなぁ…(T T)。
このあたりで、思ったより長くなってしまったのでいったん切りますね。
次のコーナーは、お待ちかねの「シンデレラ」なのですが(^ ^)。……絶対長くなるので。
ちなみに、「Postlude」の意味は「後奏」。「プレリュード」の反対語。
で、「ディナーショー」と「サロンコンサート(ミュージックサロン)」の違いって何だろう……?という疑問が残ったりしました(^ ^;
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ポンファ通りの小ネタ
2009年3月11日 宝塚(花)東京宝塚劇場花組公演「太王四神記」。
今日は、二回ある「ポンファ通り」でのいろんな小ネタを集めてみたいと思います。
面白いネタに遭遇された方は、ぜひコメント欄にレポをお願いします★
◆新人公演◆
たった一度の新人公演。最初のポンファ通りでもいろんな人がいろんなことをしてくれて、とても忙しくて大変な思いをしながら観ていたのですが。
なにもかも吹っ飛ばすほど面白かった小ネタがあったので、それだけ書いておきます。
◇二度目のポンファ通り(籤売り)。
セームの転生・華耀きらりんが、本公演のじゅりあちゃんと同じ青い服に身を包んで、ポンファ通りをひやかして歩く。上手端まで来たところで、刀剣の並んだ小さな店にふと入り、一本一本、ためつすがめつ眺めて、ちょっと手にもって振ってみたりする。
…兵士でもないのに、何故そんなに真剣なんだよ姐さん?(また王様を暗殺するための武器でも探してんの?)(きらりん、二幕は兵士ですけど何か)
で。
一振りを手に持って、2、3度振り、満足したかのようににっこりと微笑んで、
そのまま、売り物を持ったまま店を出ようとしやがりました。
さっきまで、道端でコマーシャルソングを歌い踊るパソン(華月由舞)の隣でにこにこしていたチュモン(冴月瑠那)が、ダッシュで追いかけて、きらりんの肩をぐいっと掴む。
「あら?」という風情で振り返って、にっこりと華のように微笑むきらりん。
ちょっとタジタジしながらも、引き下がらないチュモン。
2,3秒見合ってから、きらりんが「ちっ…」という顔をして肩をすくめていたのがめっちゃツボでした。はい。でも、その後剣を返したんだったかお金を払っていたんだか覚えてない……。
そのまま上手にはけていったのは覚えているんだけどなあ。
……というワケで、私は新公ヒョンゴ(真瀬はるか)の占い風景はほとんど見てません(滝汗)。
あっちはあっちで小ネタの宝庫だったようなので、みなさまからの情報をお待ちしております!
◆本公演◆
◇籤売り
セーム様の転生・花野じゅりあは、手相占いをしているヒョンゴ(未涼亜希)に色目を使うのに忙しい。
列に並んで順番を待つ間も、ちょっとはみだしてはアピールしまくり。
やっと自分の番が来た!!という嬉しそうな笑顔。
しかし、ツンデレなまっつはいきなりそこで手相占いをやめて、誰か(スジニだったかなあ、誰だったかなあ…)とおしゃべりを始める。止まらない。
じゅりあのことは無視。
焦れるじゅりあ。
…たしか、最後にはじゅりあちゃんが力づくで手相を見させていたような気がします。
腕をがしっと掴んで自分の差し出した掌を支える形をとらせてました。女王様素敵っ!
◇店街
上手から登場したイルス(マメ)が、袖にむかって「ホゲさま~!」と声をかけるはずのところ。
マメちゃんが振り返った瞬間に、なぜか上手の端にいた誰かが思いっきりぶつかってきて、「あ、ぶつかった」と思った瞬間に喧嘩が始まりました(^ ^;ゞ。
たしか、さりげなくホゲ様が仲裁していたような気がするんだけど、あんまり良く観てなかった…。
◇店街
トラジの店の女の子たち。全員でコマーシャルソングを歌った後は、そこらに居る人々を片っ端から誘って営業活動にいそしんでいらっしゃいますが。
いつもちゃんとセンターちょっと下手の舞台前面にスタンバイして上手から出てくるホゲ様を待つチャンミ(きらりん)。その日はたまたま、ご贔屓筋でも通りがかったのか、誰かと話している間にイルスが出てきてしまったらしい。
慌てて話をぶったぎり、「あれはヨン家のホゲ様よ!」と叫びながら走りだしたきらりん。
無事、定位置(ホゲ様の下手隣)を確保し、満面の笑みで「はぁーい」と言うきらりん。
……そんなきらりんがダイスキです。
そして、一瞬にして置き去りにされたお相手が、ちょっと肩を落として見送っていたのがツボでした(笑)。
あああ、あれは誰だったんだろう……(大劇場の最初の頃だったので、誰が誰やら/涙)
◇店街/籤売り
セームの転生・じゅりあの小芝居も毎日違ってて面白いんですけど、チョロの前世・めおちゃん(真野すがた)も相当に素敵です。籤売りでも、毎回買う枚数も種類が多くて、どうしてそんなことに、と思うほど、持ちきれないほど持ってたりするんですよねー。あんなんで元を取れるはずないよねぇ…。スジニが売っているんなら、チョロは前世からスジニ狙いなのねっ! と納得するんですが(←するな)、売ってるのヒョンミョンだしなー…。
きっとボンボンなんだね!(^ ^)
ガツガツしたヤル気満々の下級生の中で妙に浮いてしまうめおちゃんの存在感、かなり好きです。何かを売りつけられるときの、ちょっと困ったように眉を寄せた笑顔がとても可愛い(^ ^; と、思う ゞ。
なんだか他にもいろいろあったはずなんですけど、ネタが細かすぎて、多すぎて思い出せませんでした(汗)。
もっとこまめに書いておけばよかった……(反省)。
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今日は、二回ある「ポンファ通り」でのいろんな小ネタを集めてみたいと思います。
面白いネタに遭遇された方は、ぜひコメント欄にレポをお願いします★
◆新人公演◆
たった一度の新人公演。最初のポンファ通りでもいろんな人がいろんなことをしてくれて、とても忙しくて大変な思いをしながら観ていたのですが。
なにもかも吹っ飛ばすほど面白かった小ネタがあったので、それだけ書いておきます。
◇二度目のポンファ通り(籤売り)。
セームの転生・華耀きらりんが、本公演のじゅりあちゃんと同じ青い服に身を包んで、ポンファ通りをひやかして歩く。上手端まで来たところで、刀剣の並んだ小さな店にふと入り、一本一本、ためつすがめつ眺めて、ちょっと手にもって振ってみたりする。
…兵士でもないのに、何故そんなに真剣なんだよ姐さん?(また王様を暗殺するための武器でも探してんの?)(きらりん、二幕は兵士ですけど何か)
で。
一振りを手に持って、2、3度振り、満足したかのようににっこりと微笑んで、
そのまま、売り物を持ったまま店を出ようとしやがりました。
さっきまで、道端でコマーシャルソングを歌い踊るパソン(華月由舞)の隣でにこにこしていたチュモン(冴月瑠那)が、ダッシュで追いかけて、きらりんの肩をぐいっと掴む。
「あら?」という風情で振り返って、にっこりと華のように微笑むきらりん。
ちょっとタジタジしながらも、引き下がらないチュモン。
2,3秒見合ってから、きらりんが「ちっ…」という顔をして肩をすくめていたのがめっちゃツボでした。はい。でも、その後剣を返したんだったかお金を払っていたんだか覚えてない……。
そのまま上手にはけていったのは覚えているんだけどなあ。
……というワケで、私は新公ヒョンゴ(真瀬はるか)の占い風景はほとんど見てません(滝汗)。
あっちはあっちで小ネタの宝庫だったようなので、みなさまからの情報をお待ちしております!
◆本公演◆
◇籤売り
セーム様の転生・花野じゅりあは、手相占いをしているヒョンゴ(未涼亜希)に色目を使うのに忙しい。
列に並んで順番を待つ間も、ちょっとはみだしてはアピールしまくり。
やっと自分の番が来た!!という嬉しそうな笑顔。
しかし、ツンデレなまっつはいきなりそこで手相占いをやめて、誰か(スジニだったかなあ、誰だったかなあ…)とおしゃべりを始める。止まらない。
じゅりあのことは無視。
焦れるじゅりあ。
…たしか、最後にはじゅりあちゃんが力づくで手相を見させていたような気がします。
腕をがしっと掴んで自分の差し出した掌を支える形をとらせてました。女王様素敵っ!
◇店街
上手から登場したイルス(マメ)が、袖にむかって「ホゲさま~!」と声をかけるはずのところ。
マメちゃんが振り返った瞬間に、なぜか上手の端にいた誰かが思いっきりぶつかってきて、「あ、ぶつかった」と思った瞬間に喧嘩が始まりました(^ ^;ゞ。
たしか、さりげなくホゲ様が仲裁していたような気がするんだけど、あんまり良く観てなかった…。
◇店街
トラジの店の女の子たち。全員でコマーシャルソングを歌った後は、そこらに居る人々を片っ端から誘って営業活動にいそしんでいらっしゃいますが。
いつもちゃんとセンターちょっと下手の舞台前面にスタンバイして上手から出てくるホゲ様を待つチャンミ(きらりん)。その日はたまたま、ご贔屓筋でも通りがかったのか、誰かと話している間にイルスが出てきてしまったらしい。
慌てて話をぶったぎり、「あれはヨン家のホゲ様よ!」と叫びながら走りだしたきらりん。
無事、定位置(ホゲ様の下手隣)を確保し、満面の笑みで「はぁーい」と言うきらりん。
……そんなきらりんがダイスキです。
そして、一瞬にして置き去りにされたお相手が、ちょっと肩を落として見送っていたのがツボでした(笑)。
あああ、あれは誰だったんだろう……(大劇場の最初の頃だったので、誰が誰やら/涙)
◇店街/籤売り
セームの転生・じゅりあの小芝居も毎日違ってて面白いんですけど、チョロの前世・めおちゃん(真野すがた)も相当に素敵です。籤売りでも、毎回買う枚数も種類が多くて、どうしてそんなことに、と思うほど、持ちきれないほど持ってたりするんですよねー。あんなんで元を取れるはずないよねぇ…。スジニが売っているんなら、チョロは前世からスジニ狙いなのねっ! と納得するんですが(←するな)、売ってるのヒョンミョンだしなー…。
きっとボンボンなんだね!(^ ^)
ガツガツしたヤル気満々の下級生の中で妙に浮いてしまうめおちゃんの存在感、かなり好きです。何かを売りつけられるときの、ちょっと困ったように眉を寄せた笑顔がとても可愛い(^ ^; と、思う ゞ。
なんだか他にもいろいろあったはずなんですけど、ネタが細かすぎて、多すぎて思い出せませんでした(汗)。
もっとこまめに書いておけばよかった……(反省)。
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