ただいま東宝公演中の花組さん、新人公演を目前にして休演者続発で、何から書けばいいのかわからないくらい動揺しています……。
昨日(11月3日)の時点では、月央和沙、瀬戸かずや、夏城らんか、輝良まさと、花峰千春、白華れみ、白姫あかり、鞠花ゆめ、菜那くらら、羽立光来……の、10名。
「A型インフルエンザ感染の疑い」とのことでした。
2日は月曜日で東宝は休演日だったから、この日に健康診断でもしたんでしょうか(涙)。
しっかし、新人公演の直前なのに、よっち以外の9人はどうするんだろう!?と思っていたら……
今日(11月4日)になって、月央和沙、瀬戸かずや、夏城らんか、輝良まさと、花峰千春の5人は復帰。その代わりに、花野じゅりあ、真輝いづみ、美花梨乃の三名が休演になって、合計8名。
うち新公学年は、最高学年のれみちゃんはじめ、7人。
今日になって復帰した、よっち~花峰さんの5人は、A型インフルエンザじゃなかった、ってことでOKですよね?逆に言えば、れみちゃん以下の5人はA型インフルエンザ確定ってこと…?(T T)
それでも、たしか星組のヒロさんは、火曜日に休演が発表されて、その週末には復帰されていたはずだから、ほんの数日……ではあるのですが。
ううう、新公は明日なのに、いったいどうなるんだー(泣)。
その昔、「ウェストサイド物語」の新人公演で、リフ役だった鳴海じゅんさんが休演し、すでに新公は卒業していた嘉月絵理さんが代役で特別出演したことがありましたが。
今回は……まあ、7人も休んだって役らしい役なのはカロンヌ夫人のれみちゃんくらい、という、素晴らしき哉『植田歌舞伎』、って感じではあるんですけど、それでも、それなりに10分なりとも出番はあり、一言なりとも台詞はあるわけで。
いったいどうなるんでしょうね。皆それぞれに、今まで役づくりに取り組んで頑張ってきたんだろうに……。
もちろん、本公演だって、皆たった一つの台詞を大事に大事に演じてきたんでしょうに。
ショーだって、一つ一つの出番を、大切に大切に踊り、歌ってきたんだろうに。
インフルエンザは空気感染する感染症だから、出歩いて菌をバラ撒くことは慎んでいただかなくてはなりませんが。
一日でも早く良くなって、元気な笑顔を見せてくださいますように。
そして、これ以上一人も休演者が出ませんように、と、
……どうか、かみさま(祈)。
CSでは、ついに宙組の稽古場レポートが流れましたね。
映画の雰囲気とはだいぶ違うらしい、ってことくらいしか解りませんでしたが、順調に進んでいるみたいで嬉しいです。インフルエンザウィルスをえんがちょしつつ、がんばって、でも無理はしないで、でもがんばって!!と二律背反な気持ち。
「カサブランカ」初日まで、あと、10日。
今日、携帯に「カウントダウン機能」というのがあるのを発見して、ちょっと設定してみたりしました。そして、あらためてお披露目初日が13日の金曜日であることを思い出したりしました(^ ^;ゞ。
有名なウィルスも、インフルエンザのウィルスも、どちらも爆発しないことを祈っています。
…しかし。
宙組の大劇場公演が始まる、ってことは、
イコール、月組の大劇場公演が千秋楽を迎える、ってことなんですよね……(溜息)
この公演で卒業する月組っ子が、全員ちゃんと最後まで舞台に立っていられますように。
そして、幸せな思い出が、たくさんできますように。
私にできることは、祈ることだけ、ですけれども。
……どうか、かみさま……
.
昨日(11月3日)の時点では、月央和沙、瀬戸かずや、夏城らんか、輝良まさと、花峰千春、白華れみ、白姫あかり、鞠花ゆめ、菜那くらら、羽立光来……の、10名。
「A型インフルエンザ感染の疑い」とのことでした。
2日は月曜日で東宝は休演日だったから、この日に健康診断でもしたんでしょうか(涙)。
しっかし、新人公演の直前なのに、よっち以外の9人はどうするんだろう!?と思っていたら……
今日(11月4日)になって、月央和沙、瀬戸かずや、夏城らんか、輝良まさと、花峰千春の5人は復帰。その代わりに、花野じゅりあ、真輝いづみ、美花梨乃の三名が休演になって、合計8名。
うち新公学年は、最高学年のれみちゃんはじめ、7人。
今日になって復帰した、よっち~花峰さんの5人は、A型インフルエンザじゃなかった、ってことでOKですよね?逆に言えば、れみちゃん以下の5人はA型インフルエンザ確定ってこと…?(T T)
それでも、たしか星組のヒロさんは、火曜日に休演が発表されて、その週末には復帰されていたはずだから、ほんの数日……ではあるのですが。
ううう、新公は明日なのに、いったいどうなるんだー(泣)。
その昔、「ウェストサイド物語」の新人公演で、リフ役だった鳴海じゅんさんが休演し、すでに新公は卒業していた嘉月絵理さんが代役で特別出演したことがありましたが。
今回は……まあ、7人も休んだって役らしい役なのはカロンヌ夫人のれみちゃんくらい、という、素晴らしき哉『植田歌舞伎』、って感じではあるんですけど、それでも、それなりに10分なりとも出番はあり、一言なりとも台詞はあるわけで。
いったいどうなるんでしょうね。皆それぞれに、今まで役づくりに取り組んで頑張ってきたんだろうに……。
もちろん、本公演だって、皆たった一つの台詞を大事に大事に演じてきたんでしょうに。
ショーだって、一つ一つの出番を、大切に大切に踊り、歌ってきたんだろうに。
インフルエンザは空気感染する感染症だから、出歩いて菌をバラ撒くことは慎んでいただかなくてはなりませんが。
一日でも早く良くなって、元気な笑顔を見せてくださいますように。
そして、これ以上一人も休演者が出ませんように、と、
……どうか、かみさま(祈)。
CSでは、ついに宙組の稽古場レポートが流れましたね。
映画の雰囲気とはだいぶ違うらしい、ってことくらいしか解りませんでしたが、順調に進んでいるみたいで嬉しいです。インフルエンザウィルスをえんがちょしつつ、がんばって、でも無理はしないで、でもがんばって!!と二律背反な気持ち。
「カサブランカ」初日まで、あと、10日。
今日、携帯に「カウントダウン機能」というのがあるのを発見して、ちょっと設定してみたりしました。そして、あらためてお披露目初日が13日の金曜日であることを思い出したりしました(^ ^;ゞ。
有名なウィルスも、インフルエンザのウィルスも、どちらも爆発しないことを祈っています。
…しかし。
宙組の大劇場公演が始まる、ってことは、
イコール、月組の大劇場公演が千秋楽を迎える、ってことなんですよね……(溜息)
この公演で卒業する月組っ子が、全員ちゃんと最後まで舞台に立っていられますように。
そして、幸せな思い出が、たくさんできますように。
私にできることは、祈ることだけ、ですけれども。
……どうか、かみさま……
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コインブラの珍説【2】
2009年11月2日 宝塚(星) コメント (2)宝塚星組 日本青年館公演「コインブラ物語」。
昨夜のヒキどおり、まずはイケメン軍団の話から。
とにかくこの作品、本筋に関係ないところで客席を盛り上げていた水夫さんたちや盗賊さんたちが、皆男前で、とっても驚きます。ああいえ、王子様も近衛隊長殿も、それはそれは美形なんですけど(*^ ^*)彼らにはあまり華やかな場面がないので(^ ^;ゞ
まあ、イケメン軍団の希少価値をあげようとしてか、出番は少ないんですけどね……。ああ、「外伝・ベルサイユのばら」と同じ手法じゃないか(T T)。イケメンは出し惜しみせずにもっと出せーーーーっ!!(暴)
……す、すみません、つい本音が。
イネスの父親(オリバレス/美稀千種)の船の水夫長コスタ・ともみん(夢乃聖夏)。
一緒に出てくる船長(天緒圭花)の曲者っぷりとの対比が良かったです。熱くて真直ぐで、あまり頭はよくないけど、愛に溢れた優しい男。……ともみんってこういう役が多いような気がするんですけど考えすぎ?(^ ^)。いちおう、「エル・アルコン」のティリアンとかも似合ってたし、それなりに曲者もやれる役者だと思っているんですが。
コスタの恋人・イサベラには、休演した水瀬千秋ちゃんの代役で、同期の夢妃杏瑠ちゃん。下級生なのに可愛いし歌えるし、エネルギーのある芝居も悪くない。初めての大役じゃないかと思うんですが、魅力的でした。これからの活躍が、とても楽しみです。
盗賊たちのリーダー、ベニー(紅ゆずる)。
いやーカッコいい。「龍星」の頃から美形だなあと思ってはいましたが。「スカーレット・ピンパーネル」前後で急激にスターダムに押し上げられてから以降、ちょっと戸惑っていた印象があったのですが、やっと華と実がついてきたように思います。美貌はあっても魅せるテクニックのなかった人が、やっと自分の美しさを武器にできるようになったんだな、と。
いやー、どんなに彼らのエピソードが脚本的に意味がなくても、ベニーのイケメンぶりは最後まで印象に残ります。うん。見事な存在感でした。
妹のミランダについては、まりもちゃんのところで書いたので割愛。とにかく可愛くて元気で、最高でした!
ミランダの恋人・フェルナンド(美弥るりか)。
夢のように綺麗な青年で、なのに声も仕草も男前で、ミランダがのぼせあがるのもわかるわあ、と納得しました(^ ^)。脚本的にはあまり意味のない役だったのが残念ですが、みやるりとまりもちゃんの並びがこんなに絵になるとは!嬉しい驚き(^ ^;ゞ。そういえばこの二人、「マイ・ディア・ニューオーリンズ」の新人公演で姉弟だったっけなあ……。
もっと、最初の登場の群舞のところでしっかり組んで踊るとか、そういう恋人らしい場面があるともっと良かったのになー、と思ったりしました。あの場面にはベニーもいるので、演出が難しいところではありますが。
ちょっと花組の瀬戸かずやくんに似てるような気がしたのは、長身でスタイルのいい汐月しゅうさん?かな?何が似合ってたって、二幕冒頭のシスターの扮装がめっちゃ可愛かったです(汗)。
水夫たちの群舞で、最下ぽいポジションで踊っていたのは、夏樹れいさん……でしょうか(すみません、プログラムを買い損ねました)。なんとなく、踊っているときの笑顔に宙組のかいちゃん(七海ひろき)の面影を感じたのですが……(気のせい?)表情豊かで可愛かったです。うーん。おとめの写真を見ると、違う子のような気がするなあ(T T)。フィナーレの後半の小人数口にも入っていたような気がするんですが、、、
真風涼帆さんは、ロドリゲスがメインになるのでしょうか?個人的には、イケメン軍団の一人としてガツガツと踊っているときの方がよっぽど格好良かったんですが。…ロドリゲスとしての出番があるばっかりに、盗賊たちの中に入ってなくて残念だったよ……。
観劇前に聞いた話では、ロドリゲスは「暗殺者」だ、という話だったので、勝手に「闇の者」的な、チェーザレ・ボルジアにとってのミケロットのような存在をイメージしていたんですが、脚本的には彼はペドロ王子とコンスタンサの結婚話をまとめるなど表舞台での活躍も大きくて、アルフォンソ四世の腹心の部下か懐刀か、という印象でした。「アル・カサル」のドン・ペドロにとっての、マルティン・ロペスみたいな感じ。
そう思うと、ちょっと真風くんのロドリゲスは、全体のイメージとして「闇の存在」すぎたのではないかな、と思います。衣装も黒づくめだし、表情とか、喋り方とか、存在感とか……何もかもが「闇」の属性を感じさせてくれました。
それを狙っているんだとしたら大したものだと思ったのですが、……演出の酒井さんはどういうイメージで演出したんだろうなあ…?
それにしても、ベニーのちょっと派手さのある黒とはまた違う、闇に沈んだような衣装が長身によく映えて、すごく格好良かったです♪ 水夫たちの群舞に混ざって踊っているときも、伸びやかですごく目を惹いたし、存在感が出てきたなーと思いました(^ ^)。
ただ、笑顔のパワーはちょっと封印気味?もっと、前みたいにぱぁっと全身で笑った方が魅力的なのに、と残念な気も。あと、せっかく声がいいのに、台詞が焦ったように転びがちなのがちょっと気になりました。以前は普通に落ち着いて喋れていたと思うので、「闇の者」っぽい喋り方…のつもりだったのでしょうか?表情ももう少し工夫がほしいところです。真面目な顔としかめっ面は違うので。基本的に、キツめになるか茫洋とした感じになるかどっちかに傾いてしまいがちなお顔立ちなので、表情のキープはとても大事かもしれません。
あとは、ペドロ王子の付き人(?)の大輝真琴くんが出番も多く目立ってましたね。相変わらず可愛くて達者で、いい子だなあ。ショーシーンではガンガン踊ってて、すっごい格好良かった。
上級生は皆さん良い芝居をしてましたね。上から順に轟さんの母父、イネスの父、コンスタンサの父母、、、だったかな?高貴な身分の人を演じるには、やはりある程度の経験は必要なんだな、と思いました。
で。
みきちぐの髭が似合いすぎて素敵です(はぁと)。っていうか、みきちぐの「パパ」っぷりに惚れました。包容力のあるみきちぐ!!観て良かった!!
……と、キャストの話をして、最後に。
この公演の、最大の問題点は、
もしかしたら、脚本の壊れっぷりではなくて、フィナーレがいまひとつだったことかもしれません(涙)……という問題発言をしてみたりして。
酒井さんはショー作家だから、どんなに脚本が最悪でも(←これは結構覚悟があった)フィナーレには7500円の価値があるだろうと思っていたのに!!なんだか盛り上がりに欠けるショーだったんですよね……(涙)。
イケメン軍団はカッコよかったけど、音楽か振付か、どちらかの(←両方?)リズムがドン臭くて、その格好良さも発揮しきれてなかったし(T T)。
芝居の幕が降りてからショーの幕があがるまでの間が、無駄に長いのも問題かと。緞帳を下ろしてから間があくと、なんか気がそがれちゃうじゃないですか(私だけ?/汗)。
セットも大したセットを出してくるわけじゃないし、板付きなのはとっくに出番が終わって着替えて待ってるはずのすずみんだけだし、もっと早く始められると思うんですけどねえ。別に、セットなんてなくたっていいくらいだし。……酒井さん的には、轟さんの素晴らしいお芝居の余韻を大切にするための間 だったりするんでしょうか、もしかして……(莫迦)。
……あ。でも。
まりもちゃんと轟さんのデュエットダンスは、文句なく素敵でした。あれは何回でも観たい気がした(*^ ^*)。まりもちゃんも可愛かったし、すごくコンビの息があっていて。さすが轟さん、年の功?(^ ^;
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昨夜のヒキどおり、まずはイケメン軍団の話から。
とにかくこの作品、本筋に関係ないところで客席を盛り上げていた水夫さんたちや盗賊さんたちが、皆男前で、とっても驚きます。ああいえ、王子様も近衛隊長殿も、それはそれは美形なんですけど(*^ ^*)彼らにはあまり華やかな場面がないので(^ ^;ゞ
まあ、イケメン軍団の希少価値をあげようとしてか、出番は少ないんですけどね……。ああ、「外伝・ベルサイユのばら」と同じ手法じゃないか(T T)。イケメンは出し惜しみせずにもっと出せーーーーっ!!(暴)
……す、すみません、つい本音が。
イネスの父親(オリバレス/美稀千種)の船の水夫長コスタ・ともみん(夢乃聖夏)。
一緒に出てくる船長(天緒圭花)の曲者っぷりとの対比が良かったです。熱くて真直ぐで、あまり頭はよくないけど、愛に溢れた優しい男。……ともみんってこういう役が多いような気がするんですけど考えすぎ?(^ ^)。いちおう、「エル・アルコン」のティリアンとかも似合ってたし、それなりに曲者もやれる役者だと思っているんですが。
コスタの恋人・イサベラには、休演した水瀬千秋ちゃんの代役で、同期の夢妃杏瑠ちゃん。下級生なのに可愛いし歌えるし、エネルギーのある芝居も悪くない。初めての大役じゃないかと思うんですが、魅力的でした。これからの活躍が、とても楽しみです。
盗賊たちのリーダー、ベニー(紅ゆずる)。
いやーカッコいい。「龍星」の頃から美形だなあと思ってはいましたが。「スカーレット・ピンパーネル」前後で急激にスターダムに押し上げられてから以降、ちょっと戸惑っていた印象があったのですが、やっと華と実がついてきたように思います。美貌はあっても魅せるテクニックのなかった人が、やっと自分の美しさを武器にできるようになったんだな、と。
いやー、どんなに彼らのエピソードが脚本的に意味がなくても、ベニーのイケメンぶりは最後まで印象に残ります。うん。見事な存在感でした。
妹のミランダについては、まりもちゃんのところで書いたので割愛。とにかく可愛くて元気で、最高でした!
ミランダの恋人・フェルナンド(美弥るりか)。
夢のように綺麗な青年で、なのに声も仕草も男前で、ミランダがのぼせあがるのもわかるわあ、と納得しました(^ ^)。脚本的にはあまり意味のない役だったのが残念ですが、みやるりとまりもちゃんの並びがこんなに絵になるとは!嬉しい驚き(^ ^;ゞ。そういえばこの二人、「マイ・ディア・ニューオーリンズ」の新人公演で姉弟だったっけなあ……。
もっと、最初の登場の群舞のところでしっかり組んで踊るとか、そういう恋人らしい場面があるともっと良かったのになー、と思ったりしました。あの場面にはベニーもいるので、演出が難しいところではありますが。
ちょっと花組の瀬戸かずやくんに似てるような気がしたのは、長身でスタイルのいい汐月しゅうさん?かな?何が似合ってたって、二幕冒頭のシスターの扮装がめっちゃ可愛かったです(汗)。
水夫たちの群舞で、最下ぽいポジションで踊っていたのは、夏樹れいさん……でしょうか(すみません、プログラムを買い損ねました)。なんとなく、踊っているときの笑顔に宙組のかいちゃん(七海ひろき)の面影を感じたのですが……(気のせい?)表情豊かで可愛かったです。うーん。おとめの写真を見ると、違う子のような気がするなあ(T T)。フィナーレの後半の小人数口にも入っていたような気がするんですが、、、
真風涼帆さんは、ロドリゲスがメインになるのでしょうか?個人的には、イケメン軍団の一人としてガツガツと踊っているときの方がよっぽど格好良かったんですが。…ロドリゲスとしての出番があるばっかりに、盗賊たちの中に入ってなくて残念だったよ……。
観劇前に聞いた話では、ロドリゲスは「暗殺者」だ、という話だったので、勝手に「闇の者」的な、チェーザレ・ボルジアにとってのミケロットのような存在をイメージしていたんですが、脚本的には彼はペドロ王子とコンスタンサの結婚話をまとめるなど表舞台での活躍も大きくて、アルフォンソ四世の腹心の部下か懐刀か、という印象でした。「アル・カサル」のドン・ペドロにとっての、マルティン・ロペスみたいな感じ。
そう思うと、ちょっと真風くんのロドリゲスは、全体のイメージとして「闇の存在」すぎたのではないかな、と思います。衣装も黒づくめだし、表情とか、喋り方とか、存在感とか……何もかもが「闇」の属性を感じさせてくれました。
それを狙っているんだとしたら大したものだと思ったのですが、……演出の酒井さんはどういうイメージで演出したんだろうなあ…?
それにしても、ベニーのちょっと派手さのある黒とはまた違う、闇に沈んだような衣装が長身によく映えて、すごく格好良かったです♪ 水夫たちの群舞に混ざって踊っているときも、伸びやかですごく目を惹いたし、存在感が出てきたなーと思いました(^ ^)。
ただ、笑顔のパワーはちょっと封印気味?もっと、前みたいにぱぁっと全身で笑った方が魅力的なのに、と残念な気も。あと、せっかく声がいいのに、台詞が焦ったように転びがちなのがちょっと気になりました。以前は普通に落ち着いて喋れていたと思うので、「闇の者」っぽい喋り方…のつもりだったのでしょうか?表情ももう少し工夫がほしいところです。真面目な顔としかめっ面は違うので。基本的に、キツめになるか茫洋とした感じになるかどっちかに傾いてしまいがちなお顔立ちなので、表情のキープはとても大事かもしれません。
あとは、ペドロ王子の付き人(?)の大輝真琴くんが出番も多く目立ってましたね。相変わらず可愛くて達者で、いい子だなあ。ショーシーンではガンガン踊ってて、すっごい格好良かった。
上級生は皆さん良い芝居をしてましたね。上から順に轟さんの母父、イネスの父、コンスタンサの父母、、、だったかな?高貴な身分の人を演じるには、やはりある程度の経験は必要なんだな、と思いました。
で。
みきちぐの髭が似合いすぎて素敵です(はぁと)。っていうか、みきちぐの「パパ」っぷりに惚れました。包容力のあるみきちぐ!!観て良かった!!
……と、キャストの話をして、最後に。
この公演の、最大の問題点は、
もしかしたら、脚本の壊れっぷりではなくて、フィナーレがいまひとつだったことかもしれません(涙)……という問題発言をしてみたりして。
酒井さんはショー作家だから、どんなに脚本が最悪でも(←これは結構覚悟があった)フィナーレには7500円の価値があるだろうと思っていたのに!!なんだか盛り上がりに欠けるショーだったんですよね……(涙)。
イケメン軍団はカッコよかったけど、音楽か振付か、どちらかの(←両方?)リズムがドン臭くて、その格好良さも発揮しきれてなかったし(T T)。
芝居の幕が降りてからショーの幕があがるまでの間が、無駄に長いのも問題かと。緞帳を下ろしてから間があくと、なんか気がそがれちゃうじゃないですか(私だけ?/汗)。
セットも大したセットを出してくるわけじゃないし、板付きなのはとっくに出番が終わって着替えて待ってるはずのすずみんだけだし、もっと早く始められると思うんですけどねえ。別に、セットなんてなくたっていいくらいだし。……酒井さん的には、轟さんの素晴らしいお芝居の余韻を大切にするための間 だったりするんでしょうか、もしかして……(莫迦)。
……あ。でも。
まりもちゃんと轟さんのデュエットダンスは、文句なく素敵でした。あれは何回でも観たい気がした(*^ ^*)。まりもちゃんも可愛かったし、すごくコンビの息があっていて。さすが轟さん、年の功?(^ ^;
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日本青年館にて、「コインブラ物語」を観劇してまいりました。
とりあえず。
脚本の小林氏も、演出の酒井氏も、いったい自分たちが何を描きたいのか、もう少し整理をしてから作品に取り掛かってほしかったなあ、と、それが観終わって最初の感想でした。
参考までに。原作、というかネタ元の「ペドロとイネス」の物語の本筋を簡単に書くと、こんな感じです。
①イネス(蒼乃夕妃)はカスティリア貴族の娘。コンスタンサ(優香りこ)とペドロ王子(轟悠)の結婚話が持ち上がって初めてコンスタンサの侍女としてポルトガルを訪れ、そこでペドロと恋に落ちる。
②ペドロの父王アルフォンソは王妃をないがしろにする息子に怒り、イネスをサンタクララ修道院に幽閉する。
③妃コンスタンサは、若くして王子を産んで病死する。
④ペドロ王子はイネスを王妃として正式に迎えようとするが、父王やその側近は王子に新しい妻をめとらせようとイネスを暗殺する。
⑤二年後に父王が崩御し、ペドロ王子が即位すると、彼はイネスの遺体を掘り出して王妃の冠を与え、イネスを暗殺した貴族たち(カスティリアに亡命)を引き渡すようカスティリア王ドン・ペドロに依頼し、残酷な刑に処した。
しかし、小林氏の脚本は全然違う物語になっていました。(ネタバレしてますのでご注意)
①イネスはポルトガル貴族の娘で、王妃(ペドロ王子の母/万里柚美)付きの侍女。王子の結婚話が持ち上がる前から二人は恋人同士だった。
②イネスは幽閉されたのではなく、父親(美稀千種)の留守中は危険だということで、一時的に修道院に身を寄せていただけ。
③コンスタンサは、ペドロとは臥所を共にすることなく、恋人(涼紫央)と共にインドへ逃げる。
④父王がイネスを暗殺しようとするのは、ペドロとコンスタンサとの仲を心配したからであって、コンスタンサにも他に恋人がいるなんて夢にも思っていない。
しかも、暗殺を命じられた連中は、イネスと間違えて彼女に良く似た盗賊団の娘を殺してしまう。
コンスタンサが逃げた後、王妃にと迎えに来たペドロをイネスが拒否して、幕。
……えーっと。
外伝というかホラーになってしまった「ベルサイユのばら」とかを観てきた身には、別にコメントするほどのこともない(←誉めてはいない)作品だな、くらいに思いながら観ていたのですが。
終幕の芝居に、というか脚本に、唖然……
それは、ない。
そんなラストだったら、史実どおりイネスを殺しておいたほうがよっっっっぽど宝塚作品としてはマトモだ。
出てくる人出てくる人、みんな格好良くて綺麗で元気で可愛くて、目には優しい公演だったんだけどなあ。
脚本が根本的に間違っているうえに、演出も何の疑問も抱かずにそのままイタに載せてしまった、という、そういう不味さ。そういえば、酒井さんってショー作家だったな と思いました。脚本の粗をカバーできるわけ、ないか……(T T)。
とにかく、この話の何がまずいかって、客寄せの目的もあってメンバーにいれたのであろう若手陣(夢乃聖夏・紅ゆずる・美弥るりか 他)の出番が、ショーアップされた見せ場としては最高に良い場面なのに、本筋と何の関係もないどころか脇筋にさえなっていないところ。
本筋と脇筋と両方にドラマがあるのはいいことなんだけど、彼らの出番は起承転結がないので筋になってない。ただ、場面があるだけ。
盗賊団の首領(紅)と妹がワケアリだっていうんなら、そのワケをもう少し活用しようよ。
実は、彼ら(カスティリアの没落貴族だった、って言ってたよね?)の仇はビメンタだった、ってのはどうよ。ビメンタもポルトガルに来ていると知って付け狙っていたら、はずみで一緒に居たコンスタンサを殺してしまう、とかさ。
あるいは、コンスタンサとビメンタを乗せた船(イネスの父親・オリバレス/美稀千種の持ち船)にドラマを作ってもいい。水夫長(夢乃)が「この航海が終わったら陸に上がる!」と言っているんなら、一番のドラマはその船が目的地に着かないことだよね。船が沈んだという知らせが来る、とか。
……すみません、あまり深く考えていません(汗)。
本来、「ペドロとイネス」の本筋だけでも、それなりに二幕もつはずだと思うんですよね。波瀾万丈な話じゃないですか。それが、イネスの暗殺という物語の根幹、一番大事なエピソードを無かったことにしてしまったから、ワケがわからなくなってしまったんじゃないか、と。
たとえて言うなら、モンタギュー家とキャピュレット家が対立していない「ロミオとジュリエット」みたいな感じ?両家の争いは平和を愛する宝塚っぽくないから、そんなエピソードは抜いちゃって、若くて純真な少年少女の恋物語でいいじゃないか!と。で、そうしてみたら、二人が最後に心中する理由がないので、じゃあ盗賊に殺されたことにしようかね、みたいな。
そんなん「ロミオとジュリエット」じゃない!と思うでしょう?
同じレベルで、これはぜんぜん「ペドロとイネス」の物語じゃないんです。殺されたわけでもないイネスが、妃が不在になったペドロの求愛を拒否するならば、そういう行動を納得させるだけのエピソードの積み重ねが必要なのに。それまでのイネスは、ただの美しく儚げなお人形さんでしかなかったのに。突然政治に目覚めて「王妃さまを追い出したと人々に謗られるのはペドロ様のためにならない」とか言い出すなんて、違和感ありまくりです。せめて「命を狙われたと知った恐怖で、恋に眩んだ目が醒めました」くらいの台詞を言わせた上で、そういうことを諭す目上の存在が居ればわかるんだけど、修道院長もイネスの決心に吃驚するだけで、ぜんぜん助言してる気配もないし。
そういう、説得力のあるエピソードを作ることもなく、脇「筋」にもなっていないショー場面で時間を使い切った脚本、それに疑問を抱かなかった演出&その他のスタッフ陣。
……こういうのを、「老害」っていうんじゃないですかねぇ、、、、(ひそひそ)。
轟さんに、25歳の王子様 をふるのはどうかと思う、っていう話は「オクラホマ!」「黎明の風」と繰り返し書いてますので割愛します。
いやもう、17歳の王子様じゃなかっただけいいよ、と思うことにする。
しかーし!!脚本的には、ペドロは全然25歳でさえない。もっとずっと無茶な、無鉄砲で愚かな人。恋ゆえに国をも滅ぼそうとする、愚かな熱情を抱いた、それこそ、童貞の17歳、って感じなんですよね。なのに……。
轟さんの芝居は、史実のペドロと脚本のペドロ(全くの別人)がごっちゃになって、中途半端になっていた印象がありました。実年齢の割に見た目は若くて美形で、コスチュームものもよく似合う方ではあるんですが、残念ながら声に若々しさがないのは如何ともし難い。喋るたびに違和感を感じました。
っていうか。イネスの死の真相にも気づかず、いたずらに嘆くしかない子供みたいな男は、そのへんの若手に任せておけよ、と思っちゃうんですよね…。そうすれば、もう少し水夫たちとか盗賊たちのエピソードを「脇筋」に出来たんじゃないかなあ。なまじ轟さんがいるから、あの単純な本筋が無駄に重たくなって、結果的に意味不明になったような気がします。
轟さんが演じるからには、普通の宝塚作品では描き難い、後年のペドロ一世、父王と対立し、イネスを奪った貴族たちに復讐する苛烈で激しい性格の男をきちんと演じてくれるんだろうと思っていたのに、まさか物語がそこまでたどり着かないなんて思わなかったわ(涙)。
まりもちゃんは、バランス感覚のある役者なんだな、と思いました。
私が最初にこの人を知ったのは「KEAN」のぶっ飛んだお嬢さんでしたが、こういう楚々としたお人形さん役もちゃんと演れるんだなー、と感心。控えめで儚げで、おとなしいのに芯の強い、頭のいいお嬢さん。これだけの器のある女性なら、ちゃんと王妃になったほうがいいと思うんだけどなあ……(隣国カスティリアのペドロ一世の愛妾にして王妃、マリア・デ・パデリアのように)
そして、うって変わった盗賊の娘・ミランダの覇気!!
まりもちゃんの魅力が爆発して、凄いコトになっていました。少し低めのかすれた声、蓮っ葉な喋り方。一時もじっとしていない手足、くるくる変わる表情。本当に可愛くて魅力的で、エネルギーに満ち溢れて。そういえばまだ下級生だったんだっけ、と気づいたりしました。
ああ、まりもちゃん、本当にいい子だなあ。ホントはもう少し大きい男役さんと組ませてあげたかったんですが、この人は身長よりも芸風が大きいことが目立つから、学年の離れたベテランじゃないと御しきれないだろうし……そうなると霧矢さんしかいないよね、と納得したりします。
どうぞ、月組のカッコいい女役さんたちに混ざって、誰よりもカッコいいトップになってくださいね。
カスティリアの近衛隊長にしてコンスタンサの恋人は、涼紫央。
いやー、王子様といえばすずみん、すずみんといえば王子様。コスチュームの似合いようといい、優しい佇まいやコンスタンサに語りかける口調といい、これぞ王子様だなあ!という感じ。
いや、厳密には、この役は騎士であって王子様ではないんですけどね。「ベルサイユのばら」でいえばフェルゼンにあたる役なので。
ところで。
コンスタンサの護衛してポルトガルに来て、そのまま「カスティリアの近衛隊長」という肩書きのまま留まるという設定がすごく不思議なんですけど。なぜ一国の王妃の護衛官が、他国の王に忠誠を誓った人間なんだろう…?それとも彼は、コンスタンサの傍に居るためにポルトガル王に剣を捧げたんだろうか?
カスティリアの姫・コンスタンサは、下級生の優香りこちゃん。彼女なりにがんばっていたけど、ずいぶん難しい役でしたね。理知的で頭のいい、しっかりした現実的な女性。「おにいさま」をリードするくらい、積極的で行動的で、元気なタイプ。
うーん、こういう役は本来、もっと経験豊富なベテラン娘役か、元気いっぱいな美貌の下級生か、どちらかがいいと思うのですが。優香さんはどっちでもなかった印象。脚本どおりに台詞を言って、演出どおりに動いているんですが、なにか「コンスタンサ」という一人の女が見えてこなかった気がしました。
うーん、星組さんには詳しくないので他組になっちゃいますが、たとえば花組だったら天咲千華ちゃんのコンスタンサは見てみたいな、とか。雪組だったら、晴香みどりちゃんとか涼花リサちゃんが似合いそうだな、とか。そんな感じです。
思いのほか長くなってしまった(脚本に対する不満ばかり書いちゃってすみません)ので、この作品の(唯一の)見所であるイケメン軍団については、また後日♪
.
とりあえず。
脚本の小林氏も、演出の酒井氏も、いったい自分たちが何を描きたいのか、もう少し整理をしてから作品に取り掛かってほしかったなあ、と、それが観終わって最初の感想でした。
参考までに。原作、というかネタ元の「ペドロとイネス」の物語の本筋を簡単に書くと、こんな感じです。
①イネス(蒼乃夕妃)はカスティリア貴族の娘。コンスタンサ(優香りこ)とペドロ王子(轟悠)の結婚話が持ち上がって初めてコンスタンサの侍女としてポルトガルを訪れ、そこでペドロと恋に落ちる。
②ペドロの父王アルフォンソは王妃をないがしろにする息子に怒り、イネスをサンタクララ修道院に幽閉する。
③妃コンスタンサは、若くして王子を産んで病死する。
④ペドロ王子はイネスを王妃として正式に迎えようとするが、父王やその側近は王子に新しい妻をめとらせようとイネスを暗殺する。
⑤二年後に父王が崩御し、ペドロ王子が即位すると、彼はイネスの遺体を掘り出して王妃の冠を与え、イネスを暗殺した貴族たち(カスティリアに亡命)を引き渡すようカスティリア王ドン・ペドロに依頼し、残酷な刑に処した。
しかし、小林氏の脚本は全然違う物語になっていました。(ネタバレしてますのでご注意)
①イネスはポルトガル貴族の娘で、王妃(ペドロ王子の母/万里柚美)付きの侍女。王子の結婚話が持ち上がる前から二人は恋人同士だった。
②イネスは幽閉されたのではなく、父親(美稀千種)の留守中は危険だということで、一時的に修道院に身を寄せていただけ。
③コンスタンサは、ペドロとは臥所を共にすることなく、恋人(涼紫央)と共にインドへ逃げる。
④父王がイネスを暗殺しようとするのは、ペドロとコンスタンサとの仲を心配したからであって、コンスタンサにも他に恋人がいるなんて夢にも思っていない。
しかも、暗殺を命じられた連中は、イネスと間違えて彼女に良く似た盗賊団の娘を殺してしまう。
コンスタンサが逃げた後、王妃にと迎えに来たペドロをイネスが拒否して、幕。
……えーっと。
外伝というかホラーになってしまった「ベルサイユのばら」とかを観てきた身には、別にコメントするほどのこともない(←誉めてはいない)作品だな、くらいに思いながら観ていたのですが。
終幕の芝居に、というか脚本に、唖然……
それは、ない。
そんなラストだったら、史実どおりイネスを殺しておいたほうがよっっっっぽど宝塚作品としてはマトモだ。
出てくる人出てくる人、みんな格好良くて綺麗で元気で可愛くて、目には優しい公演だったんだけどなあ。
脚本が根本的に間違っているうえに、演出も何の疑問も抱かずにそのままイタに載せてしまった、という、そういう不味さ。そういえば、酒井さんってショー作家だったな と思いました。脚本の粗をカバーできるわけ、ないか……(T T)。
とにかく、この話の何がまずいかって、客寄せの目的もあってメンバーにいれたのであろう若手陣(夢乃聖夏・紅ゆずる・美弥るりか 他)の出番が、ショーアップされた見せ場としては最高に良い場面なのに、本筋と何の関係もないどころか脇筋にさえなっていないところ。
本筋と脇筋と両方にドラマがあるのはいいことなんだけど、彼らの出番は起承転結がないので筋になってない。ただ、場面があるだけ。
盗賊団の首領(紅)と妹がワケアリだっていうんなら、そのワケをもう少し活用しようよ。
実は、彼ら(カスティリアの没落貴族だった、って言ってたよね?)の仇はビメンタだった、ってのはどうよ。ビメンタもポルトガルに来ていると知って付け狙っていたら、はずみで一緒に居たコンスタンサを殺してしまう、とかさ。
あるいは、コンスタンサとビメンタを乗せた船(イネスの父親・オリバレス/美稀千種の持ち船)にドラマを作ってもいい。水夫長(夢乃)が「この航海が終わったら陸に上がる!」と言っているんなら、一番のドラマはその船が目的地に着かないことだよね。船が沈んだという知らせが来る、とか。
……すみません、あまり深く考えていません(汗)。
本来、「ペドロとイネス」の本筋だけでも、それなりに二幕もつはずだと思うんですよね。波瀾万丈な話じゃないですか。それが、イネスの暗殺という物語の根幹、一番大事なエピソードを無かったことにしてしまったから、ワケがわからなくなってしまったんじゃないか、と。
たとえて言うなら、モンタギュー家とキャピュレット家が対立していない「ロミオとジュリエット」みたいな感じ?両家の争いは平和を愛する宝塚っぽくないから、そんなエピソードは抜いちゃって、若くて純真な少年少女の恋物語でいいじゃないか!と。で、そうしてみたら、二人が最後に心中する理由がないので、じゃあ盗賊に殺されたことにしようかね、みたいな。
そんなん「ロミオとジュリエット」じゃない!と思うでしょう?
同じレベルで、これはぜんぜん「ペドロとイネス」の物語じゃないんです。殺されたわけでもないイネスが、妃が不在になったペドロの求愛を拒否するならば、そういう行動を納得させるだけのエピソードの積み重ねが必要なのに。それまでのイネスは、ただの美しく儚げなお人形さんでしかなかったのに。突然政治に目覚めて「王妃さまを追い出したと人々に謗られるのはペドロ様のためにならない」とか言い出すなんて、違和感ありまくりです。せめて「命を狙われたと知った恐怖で、恋に眩んだ目が醒めました」くらいの台詞を言わせた上で、そういうことを諭す目上の存在が居ればわかるんだけど、修道院長もイネスの決心に吃驚するだけで、ぜんぜん助言してる気配もないし。
そういう、説得力のあるエピソードを作ることもなく、脇「筋」にもなっていないショー場面で時間を使い切った脚本、それに疑問を抱かなかった演出&その他のスタッフ陣。
……こういうのを、「老害」っていうんじゃないですかねぇ、、、、(ひそひそ)。
轟さんに、25歳の王子様 をふるのはどうかと思う、っていう話は「オクラホマ!」「黎明の風」と繰り返し書いてますので割愛します。
いやもう、17歳の王子様じゃなかっただけいいよ、と思うことにする。
しかーし!!脚本的には、ペドロは全然25歳でさえない。もっとずっと無茶な、無鉄砲で愚かな人。恋ゆえに国をも滅ぼそうとする、愚かな熱情を抱いた、それこそ、童貞の17歳、って感じなんですよね。なのに……。
轟さんの芝居は、史実のペドロと脚本のペドロ(全くの別人)がごっちゃになって、中途半端になっていた印象がありました。実年齢の割に見た目は若くて美形で、コスチュームものもよく似合う方ではあるんですが、残念ながら声に若々しさがないのは如何ともし難い。喋るたびに違和感を感じました。
っていうか。イネスの死の真相にも気づかず、いたずらに嘆くしかない子供みたいな男は、そのへんの若手に任せておけよ、と思っちゃうんですよね…。そうすれば、もう少し水夫たちとか盗賊たちのエピソードを「脇筋」に出来たんじゃないかなあ。なまじ轟さんがいるから、あの単純な本筋が無駄に重たくなって、結果的に意味不明になったような気がします。
轟さんが演じるからには、普通の宝塚作品では描き難い、後年のペドロ一世、父王と対立し、イネスを奪った貴族たちに復讐する苛烈で激しい性格の男をきちんと演じてくれるんだろうと思っていたのに、まさか物語がそこまでたどり着かないなんて思わなかったわ(涙)。
まりもちゃんは、バランス感覚のある役者なんだな、と思いました。
私が最初にこの人を知ったのは「KEAN」のぶっ飛んだお嬢さんでしたが、こういう楚々としたお人形さん役もちゃんと演れるんだなー、と感心。控えめで儚げで、おとなしいのに芯の強い、頭のいいお嬢さん。これだけの器のある女性なら、ちゃんと王妃になったほうがいいと思うんだけどなあ……(隣国カスティリアのペドロ一世の愛妾にして王妃、マリア・デ・パデリアのように)
そして、うって変わった盗賊の娘・ミランダの覇気!!
まりもちゃんの魅力が爆発して、凄いコトになっていました。少し低めのかすれた声、蓮っ葉な喋り方。一時もじっとしていない手足、くるくる変わる表情。本当に可愛くて魅力的で、エネルギーに満ち溢れて。そういえばまだ下級生だったんだっけ、と気づいたりしました。
ああ、まりもちゃん、本当にいい子だなあ。ホントはもう少し大きい男役さんと組ませてあげたかったんですが、この人は身長よりも芸風が大きいことが目立つから、学年の離れたベテランじゃないと御しきれないだろうし……そうなると霧矢さんしかいないよね、と納得したりします。
どうぞ、月組のカッコいい女役さんたちに混ざって、誰よりもカッコいいトップになってくださいね。
カスティリアの近衛隊長にしてコンスタンサの恋人は、涼紫央。
いやー、王子様といえばすずみん、すずみんといえば王子様。コスチュームの似合いようといい、優しい佇まいやコンスタンサに語りかける口調といい、これぞ王子様だなあ!という感じ。
いや、厳密には、この役は騎士であって王子様ではないんですけどね。「ベルサイユのばら」でいえばフェルゼンにあたる役なので。
ところで。
コンスタンサの護衛してポルトガルに来て、そのまま「カスティリアの近衛隊長」という肩書きのまま留まるという設定がすごく不思議なんですけど。なぜ一国の王妃の護衛官が、他国の王に忠誠を誓った人間なんだろう…?それとも彼は、コンスタンサの傍に居るためにポルトガル王に剣を捧げたんだろうか?
カスティリアの姫・コンスタンサは、下級生の優香りこちゃん。彼女なりにがんばっていたけど、ずいぶん難しい役でしたね。理知的で頭のいい、しっかりした現実的な女性。「おにいさま」をリードするくらい、積極的で行動的で、元気なタイプ。
うーん、こういう役は本来、もっと経験豊富なベテラン娘役か、元気いっぱいな美貌の下級生か、どちらかがいいと思うのですが。優香さんはどっちでもなかった印象。脚本どおりに台詞を言って、演出どおりに動いているんですが、なにか「コンスタンサ」という一人の女が見えてこなかった気がしました。
うーん、星組さんには詳しくないので他組になっちゃいますが、たとえば花組だったら天咲千華ちゃんのコンスタンサは見てみたいな、とか。雪組だったら、晴香みどりちゃんとか涼花リサちゃんが似合いそうだな、とか。そんな感じです。
思いのほか長くなってしまった(脚本に対する不満ばかり書いちゃってすみません)ので、この作品の(唯一の)見所であるイケメン軍団については、また後日♪
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ああ言えば女優、こう言えば大女優
2009年10月30日 演劇PARCO劇場にて、「印獣 ~ああ言えば女優、こう言えば大女優」を観劇してまいりました。
感動した!!
三田佳子、という驚異の大女優の巨きさに、涙がでました……。
ねずみの三銃士(生瀬勝久・池田成志・古田新太)主催&出演、宮藤官九郎脚本、川原雅彦演出……5年前に「鈍獣」で組んだ5人が、また組む。5年前には宮藤に岸田國士戯曲賞を獲らせたメンバーが、今度は何をしてくれるのか?と愉しみにしていたのですが。
いやはや。やってくれました。
実に興味深かったです。
三田佳子が演じるのは、『大女優』という名の生き物。
その、圧倒されるより他にない、強烈な生き様。ブレのない存在感。
そして、その回りをうろちょろする三銃士の、これまたブレのないキャラクター造形の見事さ。
プロローグは、山道を走る車のセット。
運転席には、編集者の児島(岡田義徳)。
助手席には、最初は携帯作家の飛竜一斗(生瀬)。あれこれ会話をしているうちに、事故みたいな音がして、一瞬の暗転。その一瞬に助手席の人物が入れ替わって、今度は、絵本作家の上原卓也(池田)。今ひとつ流れのつかめない会話を聞いているうちに、またもや事故のような演出があって、一瞬の暗転、次の瞬間には、助手席の人物は風俗ルポライターの浜名大介(古田)に変わっている。
聞いているうちに、児島が三人を仕事場へ連れていこうとしていることがわかってくる。連れて行く先は温泉の近くであるらしい。三人は共同で何かを書くことを依頼されているようだが、詳しい内容はよく知らないらしい。
演出的に、児島が三人をそれぞれ一人ずつ車に乗せて走っているので、児島が三人いるというネタかと思いましたが、全然関係ありませんでした(^ ^;ゞ。コンビニだらけの風景が見えたり、暗転するためにいちいち事故ったときのブレーキ音みたいな効果音をはさむので、実は児島はこのあたりで事故で死んだ亡霊だった…とか?、などといろいろネタを考えたのになー。
走る車に合わせて流れる背景の画像がなかなかよく出来ていて、「山道を走っている車」というリアリティがありました。会話が進むにつれて、だんだん鬱蒼とした雰囲気になっていくのが良かった。それでいて、突然回りにコンビニが立ち並ぶ風景が出てきたりして、どうも「別世界」感を出そうとしたんだろうな、と思います。
……全然関係なかったけどな。
事故(?)で放り出された三人が、山道で出会う。
いつの間にか姿が消えている児島。
いつの間にか現れる、古びた洋館。
開く扉。
吸い込まれるように、洋館の中にはいっていく、三人。
紗幕があがり、洋館の中のセット。これでプロローグが終わって、本編の始まりか?と思ったのに、ちょっと会話をしているうちに、三人とも床の穴に落ちて消えていく。
またもや暗転して、洋館のセットの床が上にあがり、地下室のセットになって、そこからが本番、ということになるのですが。
なんというか。
もう、ここまでのプロローグですでにすっかり引き込まれちゃっているんですよね。基本的に理屈に合わない会話ばっかりなんですけど、なんかよくわかんないけど、面白い。そんな感じ。
地下室に閉じ込められた三人に語りかけてくる天の声。
「あなたたちには、私の自伝を書いていただきます!」
そんな宣言と共に、電飾の椅子に載って現れる大女優・長津田麗子(三田)。
拍手喝采。
誰も知らない大女優、という存在。
「長津田麗子?誰?」という彼らに、彼女は騒ぐことなく嫣然と頬笑んで言う。
「ええ。私こそが長津田麗子」
大女優の貫禄。誰も知らなくても、間違いなく大女優。
こう言えるのは、大女優だからこそ。
こう言えるからこその大女優。
こう言える、という理由で、大女優。
どれも真実で、どれも間違い。
児島の娘を誘拐して言うことをきかせ、
「自叙伝が出版されたら、印税は丸ごとあげるわ。三人で折半なさい」
そして、無名の女優の自叙伝が売れる訳がない!と騒ぐ彼らに
「私が買います」
とキッパリ。
その潔さ。というか貫禄。というか、凄味。
彼女の狂気に巻き込まれて、「娘の命が懸かっている」から、「なんとしても書いてもらう!」とナイフで脅す児島。
悪いのは麗子のはずなのに、書こうとしない作家たちを責め続ける。
「何してるんすか!?早く書いてください!」
狂気、という風が、少しずつ吹き始める。
投げ遣りな雰囲気で第一章を書き上げた浜名に、彼女は言う。
「そんな展開、つまらないわ」
と。
「ボタ山で見た夢が、ボタ山で叶ってしまったら、それで終わりよ。夢も希望もないじゃないの」
その、自信に満ちた穏やかな声。
「でっちあげでもいいから、もっともっとドラマティックに盛り上げて頂戴!」
えっと。
あの。
今、彼らが書いているのは、貴女の自叙伝、ですよね………?
ええ、私の自叙伝なんですから、ドラマティックでなければ!
17歳で女優の付き人を始め、
撮影所の「センセイ」の愛人になり、
それが「センセイ」の奥様にバレて、せっかくの(エキストラだけど)出演場面のフィルムを破棄される。
その後、長い下積みを経て、いわゆる「戦隊モノ」らしい「カイセンジゃー!」の悪役『毒マグロ貴婦人』役を掴んだのも束の間、哀しい事件が起こって役を降ろされてしまう……
そして、拾ってくれた流れの劇団で主役を掴み、ポスターに載ったのも束の間、舞台の最中にツワリで倒れ、団長の娘を産んだけど、そのまま置いて行かれて。
歯を食いしばって娘(ユキエ)を育て、「女優」の夢を娘に賭けるけれども。なかなか思うようにはいかず……
そんな人生を、一つ一つ肯きながら受け入れる麗子。
だんだんと、フィクションであるはずの物語が、現実とリンクしていく。
「フィクション」と「現実」を隔てる壁が、薄く低くなっていく。
撮影所の「センセイ」は、有名な作家だった飛竜の父親。飛竜は、麗子を追い出した「本妻の息子」だった……
毒マグロ貴婦人を追い詰めた子供は、幼い日の上原だった。
そして、ユキエを追い詰めたのは……
次第にフィクションと現実の境目が見えなくなっていく世界の中で、長津田麗子はすっくと立って、宣言する。
「この素晴らしくドラマティックな人生を本にして、映画化するの。それこそが私の、初主演作よ!!」
その、清々しいまでの美しさ。
色濃く劇場を覆うオーラの輝き。
この世のものならぬ大女優の、奇跡。
いやあ、泣きましたよ私。終盤の、長津田麗子の長いモノローグで。
娘と二人で生きてきた人生を語る、モノローグ。女優が女優であるために、棄てたものと、喪ったもの。
わがままで自分勝手な言い訳と責任転嫁と、そして欺瞞。
悔恨も反省もなく、ただただ悲嘆にくれるばかりの、我侭な人生。
ユキエ役の人形を相手に芝居をする長津田麗子の恐ろしさ。
ユキエ役を人形にした宮藤&河原の怖ろしいまでの悪意と、自分を憐れむことのない、麗子の鮮やかすぎる信念。何の賞でもいいから三田佳子に「主演女優賞」を捧げたい、と、心から思いました。ああ、観てよかった。
三田さんのことばかり書いてしまいましたが、もちろん、「ねずみの三銃士」の三人が素晴らしかったことは言うまでもありません。前半から中盤までを支配した池田さん、全体を通して舞台を締めて(占めて?)いた古田さん、そして、ラストに全部持って行った生瀬さん。彼らだからこそ、三田さんがどれだけやりたい放題しても何の問題もなく、安心して観ていられたのだと思います。
ブレのない世界観。人間だから時々ブレたり迷ったりするはずなのに、登場人物の誰一人、悩んだりわかんなくなったりすることはあっても、ブレることはなかった。
それは、ラスト近くの長津田麗子の宣言と、それに対する生瀬さんの「……ブレてねーわ、あんた」という賞賛(?)の呟きに象徴されています。なのに、その感動(?)シーンの直後に、麗子に「書きな○°○っ!」という台詞と独特のポーズをやらせてしまう宮藤さんの、天才というか悪意というか、常人ではない感性が素晴らしい。しかも、一度は削ったのにまた河原さんが復活させたというのが、いかにもそれらしい(^ ^)。
「コンフィダント・絆」のときも思いましたが、この、それぞれに自分の活動拠点のリーダーであり、脚本も演出もしちゃう三人が、それでもあえて呼ばずにはいられない脚本家であり演出家なんだな、と。そんなことを思いました。
この物語のテーマは、たぶん「ストックホルム症候群(拉致監禁された被害者が、監禁者に対して抱く依存感情)ということになると思うのですが。
それも含めて、いろんな狂気が渦巻く芝居の中で、私には、最後まで「女優」という生き物が自分自身に対して抱く愛と、娘に対していだく愛と憎しみ、その相克がとても印象的でした。
母と娘の相克のおそろしさ、というと、有吉佐和子の「母子変容」が浮かぶのですが。
今回、麗子は「大女優」なんだけど、世間的には認められていない「誰も知らない大女優」なので。どちらかといえば、浅田二郎の「プリズンホテル・春(終章)」に出てくる春野ふぶきに近い、かなあ?アチラは娘がデキた子なので幸せな親子でしたが。
いやあ、それにしても三田佳子、本当に恐るべし。ランドセル背負った小学生から、セーラー服の女子高生、旅一座の花形、、、そして、スーツを着た母親。小学生はともかくとして(^ ^)、女子高生もちょっとそのへんに置いといて、鮮烈なオーラを纏う大女優と、娘を抑圧する教育ママ。その両役を、過不足なく演じきれる狂気。
いつか「母子変容」を舞台化してほしい。三田佳子の森江耀子が観てみたい!!(とっくに上演済みかもしれませんが↓↓)
いやー、本当に、興味深いとしか言いようのない作品でした。
何度も大笑いしましたよ。もう、古田さんが口をひらくたびに面白くて面白くて。どこまでが脚本でどこからがアドリブなのか、一回しか観ていないのでさっぱりわかりませんが、初見でもしらけることなく、テンポも乱れず、でも絶対アドリブだろう!?と思わせるあたりはさすがでした。こういうのを観ると、「ロシアンブルー」の呪文の場面はちょっと無理矢理だったな、というか、「アルバートとヘンリーの芝居」じゃなくて「水夏希と彩吹真央の即興」だったんだな、と思ったりはしますね。あれはあれで良かったんですけど、あくまでもファン前提で、リピーター前提だったんだなあ、と、ね。
ねずみの三銃士たちの、次の作品に期待します。
ってゆーか、「鈍獣」も再演してほしいよー! 当時はあまり芝居を観る環境ではなかったので、観れなかったんだもん(T T)。話題作だったし、観たかったのにー。
(映画になってたのは知らなかった……無知ですみません。今度ツタヤで探してみよう)
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感動した!!
三田佳子、という驚異の大女優の巨きさに、涙がでました……。
ねずみの三銃士(生瀬勝久・池田成志・古田新太)主催&出演、宮藤官九郎脚本、川原雅彦演出……5年前に「鈍獣」で組んだ5人が、また組む。5年前には宮藤に岸田國士戯曲賞を獲らせたメンバーが、今度は何をしてくれるのか?と愉しみにしていたのですが。
いやはや。やってくれました。
実に興味深かったです。
三田佳子が演じるのは、『大女優』という名の生き物。
その、圧倒されるより他にない、強烈な生き様。ブレのない存在感。
そして、その回りをうろちょろする三銃士の、これまたブレのないキャラクター造形の見事さ。
プロローグは、山道を走る車のセット。
運転席には、編集者の児島(岡田義徳)。
助手席には、最初は携帯作家の飛竜一斗(生瀬)。あれこれ会話をしているうちに、事故みたいな音がして、一瞬の暗転。その一瞬に助手席の人物が入れ替わって、今度は、絵本作家の上原卓也(池田)。今ひとつ流れのつかめない会話を聞いているうちに、またもや事故のような演出があって、一瞬の暗転、次の瞬間には、助手席の人物は風俗ルポライターの浜名大介(古田)に変わっている。
聞いているうちに、児島が三人を仕事場へ連れていこうとしていることがわかってくる。連れて行く先は温泉の近くであるらしい。三人は共同で何かを書くことを依頼されているようだが、詳しい内容はよく知らないらしい。
演出的に、児島が三人をそれぞれ一人ずつ車に乗せて走っているので、児島が三人いるというネタかと思いましたが、全然関係ありませんでした(^ ^;ゞ。コンビニだらけの風景が見えたり、暗転するためにいちいち事故ったときのブレーキ音みたいな効果音をはさむので、実は児島はこのあたりで事故で死んだ亡霊だった…とか?、などといろいろネタを考えたのになー。
走る車に合わせて流れる背景の画像がなかなかよく出来ていて、「山道を走っている車」というリアリティがありました。会話が進むにつれて、だんだん鬱蒼とした雰囲気になっていくのが良かった。それでいて、突然回りにコンビニが立ち並ぶ風景が出てきたりして、どうも「別世界」感を出そうとしたんだろうな、と思います。
……全然関係なかったけどな。
事故(?)で放り出された三人が、山道で出会う。
いつの間にか姿が消えている児島。
いつの間にか現れる、古びた洋館。
開く扉。
吸い込まれるように、洋館の中にはいっていく、三人。
紗幕があがり、洋館の中のセット。これでプロローグが終わって、本編の始まりか?と思ったのに、ちょっと会話をしているうちに、三人とも床の穴に落ちて消えていく。
またもや暗転して、洋館のセットの床が上にあがり、地下室のセットになって、そこからが本番、ということになるのですが。
なんというか。
もう、ここまでのプロローグですでにすっかり引き込まれちゃっているんですよね。基本的に理屈に合わない会話ばっかりなんですけど、なんかよくわかんないけど、面白い。そんな感じ。
地下室に閉じ込められた三人に語りかけてくる天の声。
「あなたたちには、私の自伝を書いていただきます!」
そんな宣言と共に、電飾の椅子に載って現れる大女優・長津田麗子(三田)。
拍手喝采。
誰も知らない大女優、という存在。
「長津田麗子?誰?」という彼らに、彼女は騒ぐことなく嫣然と頬笑んで言う。
「ええ。私こそが長津田麗子」
大女優の貫禄。誰も知らなくても、間違いなく大女優。
こう言えるのは、大女優だからこそ。
こう言えるからこその大女優。
こう言える、という理由で、大女優。
どれも真実で、どれも間違い。
児島の娘を誘拐して言うことをきかせ、
「自叙伝が出版されたら、印税は丸ごとあげるわ。三人で折半なさい」
そして、無名の女優の自叙伝が売れる訳がない!と騒ぐ彼らに
「私が買います」
とキッパリ。
その潔さ。というか貫禄。というか、凄味。
彼女の狂気に巻き込まれて、「娘の命が懸かっている」から、「なんとしても書いてもらう!」とナイフで脅す児島。
悪いのは麗子のはずなのに、書こうとしない作家たちを責め続ける。
「何してるんすか!?早く書いてください!」
狂気、という風が、少しずつ吹き始める。
投げ遣りな雰囲気で第一章を書き上げた浜名に、彼女は言う。
「そんな展開、つまらないわ」
と。
「ボタ山で見た夢が、ボタ山で叶ってしまったら、それで終わりよ。夢も希望もないじゃないの」
その、自信に満ちた穏やかな声。
「でっちあげでもいいから、もっともっとドラマティックに盛り上げて頂戴!」
えっと。
あの。
今、彼らが書いているのは、貴女の自叙伝、ですよね………?
ええ、私の自叙伝なんですから、ドラマティックでなければ!
17歳で女優の付き人を始め、
撮影所の「センセイ」の愛人になり、
それが「センセイ」の奥様にバレて、せっかくの(エキストラだけど)出演場面のフィルムを破棄される。
その後、長い下積みを経て、いわゆる「戦隊モノ」らしい「カイセンジゃー!」の悪役『毒マグロ貴婦人』役を掴んだのも束の間、哀しい事件が起こって役を降ろされてしまう……
そして、拾ってくれた流れの劇団で主役を掴み、ポスターに載ったのも束の間、舞台の最中にツワリで倒れ、団長の娘を産んだけど、そのまま置いて行かれて。
歯を食いしばって娘(ユキエ)を育て、「女優」の夢を娘に賭けるけれども。なかなか思うようにはいかず……
そんな人生を、一つ一つ肯きながら受け入れる麗子。
だんだんと、フィクションであるはずの物語が、現実とリンクしていく。
「フィクション」と「現実」を隔てる壁が、薄く低くなっていく。
撮影所の「センセイ」は、有名な作家だった飛竜の父親。飛竜は、麗子を追い出した「本妻の息子」だった……
毒マグロ貴婦人を追い詰めた子供は、幼い日の上原だった。
そして、ユキエを追い詰めたのは……
次第にフィクションと現実の境目が見えなくなっていく世界の中で、長津田麗子はすっくと立って、宣言する。
「この素晴らしくドラマティックな人生を本にして、映画化するの。それこそが私の、初主演作よ!!」
その、清々しいまでの美しさ。
色濃く劇場を覆うオーラの輝き。
この世のものならぬ大女優の、奇跡。
いやあ、泣きましたよ私。終盤の、長津田麗子の長いモノローグで。
娘と二人で生きてきた人生を語る、モノローグ。女優が女優であるために、棄てたものと、喪ったもの。
わがままで自分勝手な言い訳と責任転嫁と、そして欺瞞。
悔恨も反省もなく、ただただ悲嘆にくれるばかりの、我侭な人生。
ユキエ役の人形を相手に芝居をする長津田麗子の恐ろしさ。
ユキエ役を人形にした宮藤&河原の怖ろしいまでの悪意と、自分を憐れむことのない、麗子の鮮やかすぎる信念。何の賞でもいいから三田佳子に「主演女優賞」を捧げたい、と、心から思いました。ああ、観てよかった。
三田さんのことばかり書いてしまいましたが、もちろん、「ねずみの三銃士」の三人が素晴らしかったことは言うまでもありません。前半から中盤までを支配した池田さん、全体を通して舞台を締めて(占めて?)いた古田さん、そして、ラストに全部持って行った生瀬さん。彼らだからこそ、三田さんがどれだけやりたい放題しても何の問題もなく、安心して観ていられたのだと思います。
ブレのない世界観。人間だから時々ブレたり迷ったりするはずなのに、登場人物の誰一人、悩んだりわかんなくなったりすることはあっても、ブレることはなかった。
それは、ラスト近くの長津田麗子の宣言と、それに対する生瀬さんの「……ブレてねーわ、あんた」という賞賛(?)の呟きに象徴されています。なのに、その感動(?)シーンの直後に、麗子に「書きな○°○っ!」という台詞と独特のポーズをやらせてしまう宮藤さんの、天才というか悪意というか、常人ではない感性が素晴らしい。しかも、一度は削ったのにまた河原さんが復活させたというのが、いかにもそれらしい(^ ^)。
「コンフィダント・絆」のときも思いましたが、この、それぞれに自分の活動拠点のリーダーであり、脚本も演出もしちゃう三人が、それでもあえて呼ばずにはいられない脚本家であり演出家なんだな、と。そんなことを思いました。
この物語のテーマは、たぶん「ストックホルム症候群(拉致監禁された被害者が、監禁者に対して抱く依存感情)ということになると思うのですが。
それも含めて、いろんな狂気が渦巻く芝居の中で、私には、最後まで「女優」という生き物が自分自身に対して抱く愛と、娘に対していだく愛と憎しみ、その相克がとても印象的でした。
母と娘の相克のおそろしさ、というと、有吉佐和子の「母子変容」が浮かぶのですが。
今回、麗子は「大女優」なんだけど、世間的には認められていない「誰も知らない大女優」なので。どちらかといえば、浅田二郎の「プリズンホテル・春(終章)」に出てくる春野ふぶきに近い、かなあ?アチラは娘がデキた子なので幸せな親子でしたが。
いやあ、それにしても三田佳子、本当に恐るべし。ランドセル背負った小学生から、セーラー服の女子高生、旅一座の花形、、、そして、スーツを着た母親。小学生はともかくとして(^ ^)、女子高生もちょっとそのへんに置いといて、鮮烈なオーラを纏う大女優と、娘を抑圧する教育ママ。その両役を、過不足なく演じきれる狂気。
いつか「母子変容」を舞台化してほしい。三田佳子の森江耀子が観てみたい!!(とっくに上演済みかもしれませんが↓↓)
いやー、本当に、興味深いとしか言いようのない作品でした。
何度も大笑いしましたよ。もう、古田さんが口をひらくたびに面白くて面白くて。どこまでが脚本でどこからがアドリブなのか、一回しか観ていないのでさっぱりわかりませんが、初見でもしらけることなく、テンポも乱れず、でも絶対アドリブだろう!?と思わせるあたりはさすがでした。こういうのを観ると、「ロシアンブルー」の呪文の場面はちょっと無理矢理だったな、というか、「アルバートとヘンリーの芝居」じゃなくて「水夏希と彩吹真央の即興」だったんだな、と思ったりはしますね。あれはあれで良かったんですけど、あくまでもファン前提で、リピーター前提だったんだなあ、と、ね。
ねずみの三銃士たちの、次の作品に期待します。
ってゆーか、「鈍獣」も再演してほしいよー! 当時はあまり芝居を観る環境ではなかったので、観れなかったんだもん(T T)。話題作だったし、観たかったのにー。
(映画になってたのは知らなかった……無知ですみません。今度ツタヤで探してみよう)
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火曜日に出ていた、月組大劇場公演のもりえちゃん(青樹泉)の休演。
休演日をはさんで、今日からの代役はマギー(星条海斗)、マギーの代役にりこちゃん(麻月れんか)と発表された、ということは……残念だけど、数日で復帰してくれるという状況ではないのでしょうか(T T)。相変わらず原因が発表されないのが不安ですが、万全な状況になって復帰してくれることを祈っています。そして、自分も卒業公演なのに代役に入ってるりこちゃん、大変でしょうけれども、がんばって!!
星組さんも、「コインブラ物語」の水瀬千秋さんが青年館も休演と発表があって、こちらも原因が書いてないんですよね(T T)。最近ちょっと休演が多いような気がして、不安になってしまったのですが、他のみんなは大丈夫だよね?
特に水瀬さんは、これで卒業なので、なんとか……と思うのですが、難しいのでしょうか。このまま卒業になってしまうんだろうか………。ただの休演だって切ないのに、今まで応援してこられた方のお気持ちを考えると、本当に苦しいです。私だって最後に彼女のお芝居を観ておきたかったのに、残念(T T)。
月組も、星組も、他の組も、これ以上誰一人休演者が増えることなく、皆元気で公演を楽しむことができますように。本当に本当に、心の底から祈っています!
で。
話はかなり大きく飛びますが。
7月15日の日記に書いた宇宙戦艦ヤマトの歩数計ですが、無事イスカンダルまでの往復29万6千光年を歩くことができました(^ ^)。
http://80646.diarynote.jp/200907160254436110/
いやー、面白かったです。これは、やるべき!
冥王星を超えるまでに結構時間がかかり、冥王星を超えるころにはもう『イスカンダルまであと10万年』みたいなことになっていて、、、、あれ?地球から冥王星って1光年もないよね?とかいうツッコミが入ったりはしましたが。
まあ、そーゆー細かいことを気にしなければ、イベントも多くて大変楽しかったです。
さあ、もう一回歩くぞー!!
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休演日をはさんで、今日からの代役はマギー(星条海斗)、マギーの代役にりこちゃん(麻月れんか)と発表された、ということは……残念だけど、数日で復帰してくれるという状況ではないのでしょうか(T T)。相変わらず原因が発表されないのが不安ですが、万全な状況になって復帰してくれることを祈っています。そして、自分も卒業公演なのに代役に入ってるりこちゃん、大変でしょうけれども、がんばって!!
星組さんも、「コインブラ物語」の水瀬千秋さんが青年館も休演と発表があって、こちらも原因が書いてないんですよね(T T)。最近ちょっと休演が多いような気がして、不安になってしまったのですが、他のみんなは大丈夫だよね?
特に水瀬さんは、これで卒業なので、なんとか……と思うのですが、難しいのでしょうか。このまま卒業になってしまうんだろうか………。ただの休演だって切ないのに、今まで応援してこられた方のお気持ちを考えると、本当に苦しいです。私だって最後に彼女のお芝居を観ておきたかったのに、残念(T T)。
月組も、星組も、他の組も、これ以上誰一人休演者が増えることなく、皆元気で公演を楽しむことができますように。本当に本当に、心の底から祈っています!
で。
話はかなり大きく飛びますが。
7月15日の日記に書いた宇宙戦艦ヤマトの歩数計ですが、無事イスカンダルまでの往復29万6千光年を歩くことができました(^ ^)。
http://80646.diarynote.jp/200907160254436110/
いやー、面白かったです。これは、やるべき!
冥王星を超えるまでに結構時間がかかり、冥王星を超えるころにはもう『イスカンダルまであと10万年』みたいなことになっていて、、、、あれ?地球から冥王星って1光年もないよね?とかいうツッコミが入ったりはしましたが。
まあ、そーゆー細かいことを気にしなければ、イベントも多くて大変楽しかったです。
さあ、もう一回歩くぞー!!
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9月~10月に観た舞台で、まだ書いていないものを二本まとめて書かせていただきます。
●「静かじゃない大地」
下北沢本多劇場
主演の佐藤アツヒロくん目当てで観に行ったのですが。
……もう、すっかり記憶に遠いわ(涙)。あんなに、あんなに、もの凄く楽しかったのに。
作・演出はG2。
主演は佐藤アツヒロ。他の出演者は、田中美里筆頭に、、久ヶ沢徹、福田転球、辻修、内田慈、浜田信也、諏訪雅、池谷のぶえ、久保耐吉の合計10人。観たことがあるのは、アツヒロくん、田中さん、久ヶ沢さん、池谷さん、久保さん、……そのくらいかなあ?半々ってところか。
物語は、麻薬成分を含まないように品種改良した大麻を医療用に栽培する!というプロジェクトを中心に、それに関わる人々の人間模様……みたいな物語だったのですが。
いやはや。G2さんの発想の面白さにびっくりしました。
あの展開は凄いと思う!しかもラストの余韻も秀逸。幕が降りたあと、ああ、この話を誰かとしたい!!強く思いましたね。いつも一人で見てるし、最近は慣れてきて、あんまりそういう衝動にかられたりしなくなったんだけど。
アツヒロくんの芝居は元々好きなんですが、今回はまたピタッと嵌っていて、とにかく凄かったです。ああいうキャラクターが一番似合うのかもしれないな、と思う。G2さんとの相性が良いんだと思います。本人も楽しそうだったし、また組んでほしいと思いました(^ ^)。
あと印象的だったのは、家出(?)少女とアツヒロくんの妹(幻想)の二役だった内田慈ちゃん。文句なく、アツヒロくんの次に印象的だったのは彼女でした。二役どっちも良かったなあ。家出少女のあっけらかんとした現代っ子ぶりと、アツヒロくんの幻想シーンでの妹役の、怖さと。
多面性のある役者ぶりで、若いのにうまいなあ、と感心しました。
あとは、ヤクザ役の福田さんの嵌りようにも感心。内田さんとのかけあいも息があっていてさすがでした。
久ヶ沢さんのひょうひょうとしたとぼけっぷりも似合っていたし、池谷さんと久保さんの、ラストのオチに納得できる芝居も良かったし。G2さんの演出には隙がないなあ……
理屈抜きに、興味深い題材を面白く料理してくれたと思います。
素材も良かったし、仕上げも良かった。短い公演でしたが、観ることができてよかったです。
●「ラスト・フライト~帰りたい奴ら」
サンシャイン劇場
こちらは結構最近です。先週末。蘭香レアちゃんが目当て、だったのですが。
脚本は戸次重幸、演出は福島三郎。
出演は川原亜矢子、六角慎司、野仲イサオ、蘭香レア、小松彩夏、福島カツシゲ、川井“J”竜輔、戸次重幸、加藤貴子。
うーーーーん、、、
思いもよらない展開にびっくりしているうちに終わってしまった!(@ @;;;ゞ、って感じだったなー。
なんとなくドタバタ劇であることは予想していたんですが(根拠もないのに/笑)、よもやSFスペースオペラ的ドタバタ劇だとは思いもよらず。細かいネタがいろいろあって、いちいち面白かったんですけど、「んで、作品全体のテーマは何なの?」って思ってしまった瞬間に醒めてしまう、みたいな。
レアちゃんは素敵でした!!あの声が本当に好き。何度聴いても飽きません。
でもでも、たまにはまたシリアスな台詞劇のレアちゃんにも会いたいよーーー……!!
もちろん、シリアスなダンサーレアちゃんならもっと嬉しいんですが。ええ。一度DIAMOND☆DOGSと共演しないかなー。
プログラムを買い損ねてしまったのですが、んーーー、なんとなく、帰り道の気分が、お笑いを観にいった帰り道に似ているような気がしました。なんというのかな。(私は一人で観ていたんですが)、たとえば、友人と二人で観ていて、終演後にお茶したとしても、舞台の話はしないかも?って感じ。
もう一回観れば、いろいろと書きたいことも出てくるのかもしれませんが。とりあえず、戸次さんの作品を観るのも初めてのせいか、本当に「吃驚している間に終わっちゃいましたー」としか書きようがない感じです(涙)。なんだかすみません。。。
とりあえず、以上2題、でした。
10月公演で観たいなーと思っていた公演には、先週末に終わった公演が多くて。いろいろこの週末に観にいくつもりでいたのに、予想もしなかった仕事が金曜日に突然降ってきたため、全部キャンセルになりました。
中でも悔しいのは、座・高円寺で上演されていた「双数姉妹ソビエト マヤコフスキィ生誕116年」が観られなかったこと。メイエルホリド劇団の演出を手がけたこともあるソヴィエトの大衆詩人・マヤコフスキィの闘いを観てみたい、と思ってチケット取ったのになあ………
残業なんてどうせつけられないんだから、チケット代返せ~~~!! 久しぶりに徹夜ですよ。もう若くないのに(自虐)
そして、「組曲・虐殺」もいけずじまい。こちらは、当日券狙いで行くつもりだった日に、ついふらっと雪組を観てしまった…という問題行動の方がに理由があったのですが……はああ。10月はわりと暇だから、いろいろ観ようと思っていたのになあ(↓)。シカゴも観られなかったし、なんだか話題作を全然観ていないような気がする……しょぼん。
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●「静かじゃない大地」
下北沢本多劇場
主演の佐藤アツヒロくん目当てで観に行ったのですが。
……もう、すっかり記憶に遠いわ(涙)。あんなに、あんなに、もの凄く楽しかったのに。
作・演出はG2。
主演は佐藤アツヒロ。他の出演者は、田中美里筆頭に、、久ヶ沢徹、福田転球、辻修、内田慈、浜田信也、諏訪雅、池谷のぶえ、久保耐吉の合計10人。観たことがあるのは、アツヒロくん、田中さん、久ヶ沢さん、池谷さん、久保さん、……そのくらいかなあ?半々ってところか。
物語は、麻薬成分を含まないように品種改良した大麻を医療用に栽培する!というプロジェクトを中心に、それに関わる人々の人間模様……みたいな物語だったのですが。
いやはや。G2さんの発想の面白さにびっくりしました。
あの展開は凄いと思う!しかもラストの余韻も秀逸。幕が降りたあと、ああ、この話を誰かとしたい!!強く思いましたね。いつも一人で見てるし、最近は慣れてきて、あんまりそういう衝動にかられたりしなくなったんだけど。
アツヒロくんの芝居は元々好きなんですが、今回はまたピタッと嵌っていて、とにかく凄かったです。ああいうキャラクターが一番似合うのかもしれないな、と思う。G2さんとの相性が良いんだと思います。本人も楽しそうだったし、また組んでほしいと思いました(^ ^)。
あと印象的だったのは、家出(?)少女とアツヒロくんの妹(幻想)の二役だった内田慈ちゃん。文句なく、アツヒロくんの次に印象的だったのは彼女でした。二役どっちも良かったなあ。家出少女のあっけらかんとした現代っ子ぶりと、アツヒロくんの幻想シーンでの妹役の、怖さと。
多面性のある役者ぶりで、若いのにうまいなあ、と感心しました。
あとは、ヤクザ役の福田さんの嵌りようにも感心。内田さんとのかけあいも息があっていてさすがでした。
久ヶ沢さんのひょうひょうとしたとぼけっぷりも似合っていたし、池谷さんと久保さんの、ラストのオチに納得できる芝居も良かったし。G2さんの演出には隙がないなあ……
理屈抜きに、興味深い題材を面白く料理してくれたと思います。
素材も良かったし、仕上げも良かった。短い公演でしたが、観ることができてよかったです。
●「ラスト・フライト~帰りたい奴ら」
サンシャイン劇場
こちらは結構最近です。先週末。蘭香レアちゃんが目当て、だったのですが。
脚本は戸次重幸、演出は福島三郎。
出演は川原亜矢子、六角慎司、野仲イサオ、蘭香レア、小松彩夏、福島カツシゲ、川井“J”竜輔、戸次重幸、加藤貴子。
うーーーーん、、、
思いもよらない展開にびっくりしているうちに終わってしまった!(@ @;;;ゞ、って感じだったなー。
なんとなくドタバタ劇であることは予想していたんですが(根拠もないのに/笑)、よもやSFスペースオペラ的ドタバタ劇だとは思いもよらず。細かいネタがいろいろあって、いちいち面白かったんですけど、「んで、作品全体のテーマは何なの?」って思ってしまった瞬間に醒めてしまう、みたいな。
レアちゃんは素敵でした!!あの声が本当に好き。何度聴いても飽きません。
でもでも、たまにはまたシリアスな台詞劇のレアちゃんにも会いたいよーーー……!!
もちろん、シリアスなダンサーレアちゃんならもっと嬉しいんですが。ええ。一度DIAMOND☆DOGSと共演しないかなー。
プログラムを買い損ねてしまったのですが、んーーー、なんとなく、帰り道の気分が、お笑いを観にいった帰り道に似ているような気がしました。なんというのかな。(私は一人で観ていたんですが)、たとえば、友人と二人で観ていて、終演後にお茶したとしても、舞台の話はしないかも?って感じ。
もう一回観れば、いろいろと書きたいことも出てくるのかもしれませんが。とりあえず、戸次さんの作品を観るのも初めてのせいか、本当に「吃驚している間に終わっちゃいましたー」としか書きようがない感じです(涙)。なんだかすみません。。。
とりあえず、以上2題、でした。
10月公演で観たいなーと思っていた公演には、先週末に終わった公演が多くて。いろいろこの週末に観にいくつもりでいたのに、予想もしなかった仕事が金曜日に突然降ってきたため、全部キャンセルになりました。
中でも悔しいのは、座・高円寺で上演されていた「双数姉妹ソビエト マヤコフスキィ生誕116年」が観られなかったこと。メイエルホリド劇団の演出を手がけたこともあるソヴィエトの大衆詩人・マヤコフスキィの闘いを観てみたい、と思ってチケット取ったのになあ………
残業なんてどうせつけられないんだから、チケット代返せ~~~!! 久しぶりに徹夜ですよ。もう若くないのに(自虐)
そして、「組曲・虐殺」もいけずじまい。こちらは、当日券狙いで行くつもりだった日に、ついふらっと雪組を観てしまった…という問題行動の方がに理由があったのですが……はああ。10月はわりと暇だから、いろいろ観ようと思っていたのになあ(↓)。シカゴも観られなかったし、なんだか話題作を全然観ていないような気がする……しょぼん。
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宝塚歌劇団 花組・月組の次回大劇場作品が発表されました。
……が。その前に。
月組大劇場公演に出演中のもりえちゃん(青樹泉)、本日の昼公演から休演って……理由も書いていないんですけど、またすぐ復帰されますよね…?星組さんの「太王四神記」上演中の休演者は、「インフルエンザ」って病名まで出ていたと思うのですが……もりえちゃん、「体調不良」って何だろう?(不安)
鳳月杏ちゃんは新公でもりえちゃんの役でしたよね。杏ちゃんが代役ってことは、もりえちゃんが数日で復帰する予定だという解釈で良いのかしら…。それとも、明後日からは本来の代役の方が入られる、なんてこともありうるのかな?ちょうど今日が新公当日。緊張しただろうなあ……(; ;)
なにはともあれ、公演の成功と、もりえちゃんの一日も早い復帰を、お祈りしています。
で。
3月の花組大劇場公演は、「虞美人」。
白井氏の作品のリメイクではなく、長与善郎の原作「項羽と劉邦」から木村氏が新作として制作、ということのようなので、音楽とかも大きく変わるんでしょうね。
どちらにしても、白井氏の作品を観たことが無いので想像するしかないのですが。
まとぶん&壮ちゃんの古代中国コスプレ………!!
……もしかして、すっげー期待してもいいですか?(^ ^)
彩音ちゃんも大人っぽい役の方が似合うし、「黒蜥蜴」の時みたいに「その正体は少女!」みたいな無理設定もないでしょうから(←ないよね?アレも木村さんだけど)、花道になったとしても最高なのでは。
原作がしっかりしているから木村さんもそう無茶なことはできないでしょうし(←信じる者は救われる)、無茶をするにしても「オグリ」みたいな方向に羽目を外してくださる分には全然構わないので(^ ^)思う存分、楽しくはじけていただきたいです。
あとは。
木村さんの一本もので不安なのは、説教臭いことのほかに、役が少ないこと、ってのもあるんですが……これはもう、いかんともしがたい、の、かな(↓)。
ベルばらに続いて木村さんの一本モノ(; ;)。いくら「太王四神記」で役が多かったっていっても、その後丸一年それで食ってけってことですか(泣)
4月の月組大劇場公演は、予想通り「スカーレット・ピンパーネル」。
トップ娘役がまりもちゃん(蒼乃夕妃)と発表されたときから予想されていましたけれども、案の定、というところでしょうか。
きりやんのパーシーもまりもちゃんのマルグリットも、素直にとても楽しみです。
ま、個人的には、きりやんのショーヴランが観たかったので、パーシーになってしまったことが大変残念だったりしますけれども(^ ^;ゞ。星組で公演が決まった瞬間から、きりやん特出をどれだけ祈ったことか……(だって、オリジナルの「スカーレットピンパーネル」では、名曲は殆どがショーヴランのナンバーなんですもの!!)
しかーし、あひちゃん遼河はるひ)が卒業されてしまったら、ショーヴラン役はどなたがされるんでしょうね?ショーヴランはもともと、音域の広いハイバリトン向きのナンバーで、バルジャンよりジャヴェール系の役なんですが。宝塚でわかりやすいたとえをするなら、フランツよりルキーニ系、かな(←ちょっと違うけど)。
もりえちゃんだと柔らかすぎるし、まさお(龍真咲)は歌えるけど、声の響きが軽いのが残念。マギー(星条海斗)がもう少し緩急つけられるようになれば、声的には合いそうですが……しかし、芝居が熱すぎると、礼音くんみたいにギャグになってしまうしなあ(涙)。難しいですね。
今度こそ、普通に真面目な二枚目のショーヴランが観たいんですが。もりえちゃんががんばってボイトレする、っていうのが理想かなあ?
他組まで視野にいれるなら、、、うーん、個人的にはまっつ(未涼亜希)が歌と芝居の総合点で理想っぽいんですが、、、、無理かな(^ ^;ゞ。同じ84期のキムちゃん(音月桂)とみっちゃん(北翔海莉)なら、声の強さでキムちゃんのショーヴランが観たい気がします。ただ、上演するのが月組だということを考えると、みっちゃんの方がやりやすそうですよね。そっちの方が可能性は高いかな?宙組ファンとしては困っちゃいますが(^ ^;
スカーレット・ピンパーネルの嬉しいところは、娘役の役が多いところ。恋人たちに誰が入るのか、エリザに続いて小池さんの配役がとても楽しみです。ルイ・シャルルは花陽みらちゃんかな?それとも、少年ルドルフだった千海華蘭ちゃんとか??
そして、
心からの祈りをひとつ。
新人公演のマルグリット役は、今度こそ彩星りおんちゃんで!!
どうかどうか、お願いします。(>小池さん)
男役はどうでしょうねぇ。89期に歌手が二人(五十鈴・沢希)も居たせいか、それより下の男役で本格的な歌手って、あまり表に出てきていないような気がします。本役がついていたのは輝城みつるくんぐらいかな?(; ;)(すみません、上演中の公演を観ていないので、今回使われている子がいるのかも?)
まあ、90期は響くんも宇月くんもそこそこ歌えるんですが、、、、うーん、さすがに響パーシーに宇月ショーヴランとか書いたら誰かに怒られそうだわ(^ ^; ことだまは、「彩星マルグリット」だけにしておきましょうね。
…あ。そういえば、珠城りょうさんは新公どうだったのでしょうか。カゲソロとか良かったので、歌える人だと思うのですが。今日の評価次第では、ショーヴランが回ってくる可能性も?
それにしても!!
花組大劇場公演中に楽を迎える宙組ドラマシティ公演&宙組バウホール公演の演目と主演者は、いったいぜんたい、いつになったら発表されるのでしょうか……(凹)
発表したらまずいことでもあるのかっ!?
年度末から年度初め。予定自体が早く決まろうが遅くなろうが、休みにくいのは同じではありますが(涙)。でも、知りたいよ~~!
.
……が。その前に。
月組大劇場公演に出演中のもりえちゃん(青樹泉)、本日の昼公演から休演って……理由も書いていないんですけど、またすぐ復帰されますよね…?星組さんの「太王四神記」上演中の休演者は、「インフルエンザ」って病名まで出ていたと思うのですが……もりえちゃん、「体調不良」って何だろう?(不安)
鳳月杏ちゃんは新公でもりえちゃんの役でしたよね。杏ちゃんが代役ってことは、もりえちゃんが数日で復帰する予定だという解釈で良いのかしら…。それとも、明後日からは本来の代役の方が入られる、なんてこともありうるのかな?ちょうど今日が新公当日。緊張しただろうなあ……(; ;)
なにはともあれ、公演の成功と、もりえちゃんの一日も早い復帰を、お祈りしています。
で。
3月の花組大劇場公演は、「虞美人」。
白井氏の作品のリメイクではなく、長与善郎の原作「項羽と劉邦」から木村氏が新作として制作、ということのようなので、音楽とかも大きく変わるんでしょうね。
どちらにしても、白井氏の作品を観たことが無いので想像するしかないのですが。
まとぶん&壮ちゃんの古代中国コスプレ………!!
……もしかして、すっげー期待してもいいですか?(^ ^)
彩音ちゃんも大人っぽい役の方が似合うし、「黒蜥蜴」の時みたいに「その正体は少女!」みたいな無理設定もないでしょうから(←ないよね?アレも木村さんだけど)、花道になったとしても最高なのでは。
原作がしっかりしているから木村さんもそう無茶なことはできないでしょうし(←信じる者は救われる)、無茶をするにしても「オグリ」みたいな方向に羽目を外してくださる分には全然構わないので(^ ^)思う存分、楽しくはじけていただきたいです。
あとは。
木村さんの一本もので不安なのは、説教臭いことのほかに、役が少ないこと、ってのもあるんですが……これはもう、いかんともしがたい、の、かな(↓)。
ベルばらに続いて木村さんの一本モノ(; ;)。いくら「太王四神記」で役が多かったっていっても、その後丸一年それで食ってけってことですか(泣)
4月の月組大劇場公演は、予想通り「スカーレット・ピンパーネル」。
トップ娘役がまりもちゃん(蒼乃夕妃)と発表されたときから予想されていましたけれども、案の定、というところでしょうか。
きりやんのパーシーもまりもちゃんのマルグリットも、素直にとても楽しみです。
ま、個人的には、きりやんのショーヴランが観たかったので、パーシーになってしまったことが大変残念だったりしますけれども(^ ^;ゞ。星組で公演が決まった瞬間から、きりやん特出をどれだけ祈ったことか……(だって、オリジナルの「スカーレットピンパーネル」では、名曲は殆どがショーヴランのナンバーなんですもの!!)
しかーし、あひちゃん遼河はるひ)が卒業されてしまったら、ショーヴラン役はどなたがされるんでしょうね?ショーヴランはもともと、音域の広いハイバリトン向きのナンバーで、バルジャンよりジャヴェール系の役なんですが。宝塚でわかりやすいたとえをするなら、フランツよりルキーニ系、かな(←ちょっと違うけど)。
もりえちゃんだと柔らかすぎるし、まさお(龍真咲)は歌えるけど、声の響きが軽いのが残念。マギー(星条海斗)がもう少し緩急つけられるようになれば、声的には合いそうですが……しかし、芝居が熱すぎると、礼音くんみたいにギャグになってしまうしなあ(涙)。難しいですね。
今度こそ、普通に真面目な二枚目のショーヴランが観たいんですが。もりえちゃんががんばってボイトレする、っていうのが理想かなあ?
他組まで視野にいれるなら、、、うーん、個人的にはまっつ(未涼亜希)が歌と芝居の総合点で理想っぽいんですが、、、、無理かな(^ ^;ゞ。同じ84期のキムちゃん(音月桂)とみっちゃん(北翔海莉)なら、声の強さでキムちゃんのショーヴランが観たい気がします。ただ、上演するのが月組だということを考えると、みっちゃんの方がやりやすそうですよね。そっちの方が可能性は高いかな?宙組ファンとしては困っちゃいますが(^ ^;
スカーレット・ピンパーネルの嬉しいところは、娘役の役が多いところ。恋人たちに誰が入るのか、エリザに続いて小池さんの配役がとても楽しみです。ルイ・シャルルは花陽みらちゃんかな?それとも、少年ルドルフだった千海華蘭ちゃんとか??
そして、
心からの祈りをひとつ。
新人公演のマルグリット役は、今度こそ彩星りおんちゃんで!!
どうかどうか、お願いします。(>小池さん)
男役はどうでしょうねぇ。89期に歌手が二人(五十鈴・沢希)も居たせいか、それより下の男役で本格的な歌手って、あまり表に出てきていないような気がします。本役がついていたのは輝城みつるくんぐらいかな?(; ;)(すみません、上演中の公演を観ていないので、今回使われている子がいるのかも?)
まあ、90期は響くんも宇月くんもそこそこ歌えるんですが、、、、うーん、さすがに響パーシーに宇月ショーヴランとか書いたら誰かに怒られそうだわ(^ ^; ことだまは、「彩星マルグリット」だけにしておきましょうね。
…あ。そういえば、珠城りょうさんは新公どうだったのでしょうか。カゲソロとか良かったので、歌える人だと思うのですが。今日の評価次第では、ショーヴランが回ってくる可能性も?
それにしても!!
花組大劇場公演中に楽を迎える宙組ドラマシティ公演&宙組バウホール公演の演目と主演者は、いったいぜんたい、いつになったら発表されるのでしょうか……(凹)
発表したらまずいことでもあるのかっ!?
年度末から年度初め。予定自体が早く決まろうが遅くなろうが、休みにくいのは同じではありますが(涙)。でも、知りたいよ~~!
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Exciteさせるひと
2009年10月24日 宝塚(花) コメント (2)東京宝塚劇場にて、開幕早々の「外伝・ホラーのばら/EXCITER!」を観劇してまいりました。
いやあ、「ベルサイユのばら」ホラー篇の面目躍如。大劇場公演1ヶ月を経て、威力は留まるところをしらず(- -;。1回しか観ていないので変更点は解らないのですが、とりあえず変更が必要なところは全く変わっていなかったです。
…明らかに変わったな、と思ったのは、幕前の貴婦人たちの会話内容のみ、でした。
先月、大劇場で観たときの感想を再録して、感想も終了したいと思います。
ヒロインが幽霊でさえなければ何があっても大丈夫!と思っていたけど、幽霊よりも何よりも、生きている人間が一番怖いコトを知った!!
……あ。
二階席で観たので、大人数の衛兵隊のフォーメーションの流れるような動きの美しさと、革命のど迫力に気圧されたことは追記しておきます。特に、衛兵隊が幕前で数人(6人?)で歌い踊ったあと、紗幕があがると、その後ろで並んでいたメンバーと綺麗に列が揃っていたことに感動しました(*^ ^*)。
衛兵隊の総踊りと革命の場面は、間違いなく名シーンなんだよなあ……。ああ、これで脚本さえ(黙)
で、そんな私(たち?)の心を慰めてくれた、藤井さん渾身の新作ショー、「EXCITER!!」。
いやー、本当に素晴らしいです。宛書のショーっていいなあ(感動)。あああ、ショーだけのチケットがほしい……。
藤井さんといえば、おもちゃ箱を引っくり返したような奇抜な賑やかな画面構成、ちょっと頭のネジをしめてみてくなるような色彩感覚、場面ごとのバリエーションと空気の切り替えの巧さ、そういったイメージを持っていたのですが。
「Apassionado!!」「Soul Of Shiva!」「EXCITER!!」と連続して観て、色彩感覚についてはずいぶん落ち着いてきたんだなあ、と思いました。三作ともかなりドラマティックなマイナーコードの音楽を主題歌にした大人っぽいショーというのもあってか、赤と黒と金を中心にした色彩構成で統一していて、昔の藤井さんじゃないんだな(^ ^;、と、あらためて思いました。
いやー、それにしてもみんなカッコよくて面白い!
見所がおおくて、何度観ても見飽きそうにありません。
っていうか、声に出して笑ってしまうほど面白いショーって、私は初めてです(^ ^)。
幕間狂言みたいなつなぎの場面で「くすっ」という笑いを狙ってくるもの(←大概のは、狙いはわかるけど寒い)は多いけど、まるまる一場面、ミュージカルコメディをやってしまうショーなんて。しかも、そのコメディがそのまま次のカッコいい場面にちゃんとつながるなんて!
あそこの構成は神だなと思うし、あそこで切り替えきれる真飛さんと三人のドリームガールズ(桜一花、天宮菜生、芽吹幸奈)は素晴らしいと思いました(^ ^)。
真飛さんは、とにかくあの「CHANGE BOX」から出てきた瞬間の掴みが最高かな(^ ^)。
壮ちゃんも、Sっぷりに磨きがかかった感じで今回は本当に良いんですけど、一番好きなのは………Mr.YUが変身して引っ込んだ後、幕があがったときにセンターで研ぎ澄まされたウィンクを飛ばしてるところかな(^ ^)。大劇場で直撃を受けて、ちょっと落ちましたんで。
みわっち(愛音羽麗)は、ハバナも好きなんですが、フィナーレの大階段デュエットで姫花ちゃんと踊ってるときの、ふんわりと包み込むような優しい笑顔と空気が素敵。姫花ちゃんがいつも以上に可愛く見えます♪
まっつ(未涼亜希)の猫的お勧めは、大階段群舞の最初のところで、まとぶんのすぐ後ろで踊ってるとき、かな。いや、全部かっこいいんで選ぶの難しいんですけど(汗)。
ああ、エトワールは耳福です、もちろん(*^ ^*)。
みつるくん(華形ひかる)は、、、、デザイナー組長の歌にあわせて華月由舞ちゃんと銀橋をわたる場面がすごく好き。コケティッシュで小悪魔っぽい由舞ちゃんと、それに翻弄されるみつるくん、という図がいいなあ、と。
めおちゃん(真野すがた)は、、、、やっぱりハバナかなあ。歌ソロはちょっと微妙でしたが(合わせる華耀きらりちゃんもちょっと微妙だし汗)、その後のダンスとか、キメキメでよかったです。なんだか、この一年で完全に『めおちゃんポジ』を確立したよなあ……。
あとは、すみません、個人的な見所を学年順の箇条書きで。
・さおりさん(高翔みずき)って踊ってくれればいつだって素敵なんですけど、今回の大階段群舞で、くさび形のセンターで降りてくるときの胸のすくような格好よさは忘れられない。
・王子(眉月凰)があまり出てなくて寂しい。
・絵莉さん、いつも素敵なお姉さまなのに、今回のミュージカル場面でのオバサン(ミセス・ファット)役、最高です♪
・まりんさん(悠真倫)は、やっぱり社長かなあ……。ああ、今の会社もまりんさんみたいな社長だったら(夢)
・さあや(初姫さあや)は、まりんさんとこの秘書ももちろん可愛いんですけど(*^ ^*)、やっぱり、オープニングのスパニッシュの衣装かなあ。マメちゃんと同期で組んで踊っているんですけど、すっごく優しい顔でみつめていて、ちょっと泣けてきそうでした(←まだ早いよ)
・きらりんは、とにかく全てが可愛い。と言い切りつつ。
んー、やっぱりベストはセクシードールかなあ。まとぶんが来るのを待つときの、高く掲げた腕のラインの美しさと、広くて筋肉質な背中が好きなんです(汗)。
・あきらくん(瀬戸かずや)は、そりゃーやっぱり、フィナーレの男役群舞でしょう~~♪日高君と対はちょっと不利かな?とも思うけど、やっぱりスタイルいいし格好良いです~♪♪
・ルナちゃん(冴月瑠那)、あの白黒のど派手な服をきてスリ、って、、、あなたいったい(苦笑)。あの衣装そのものは藤井さんごのみなんですけど、あれは指示なんだろうか、ルナちゃんが自分で選んだんでしょうか……?
個人的には、あきらくんと並んでクラブで踊ってるときがめっちゃカッコつけてて好きです。あの身長差も含めて、あの二人の並びは好きなんですよ~。
・遼かぐらちゃん、オフィスレディがなんだかいつもと雰囲気がちがってて、すごく好きです。何が違うのかなあ……髪型?
・花峰千春さん、ミュージカル場面のボーイ役の笑顔が凄く可愛いです。大河凛ちゃんの強気な笑顔と好対照な感じでなんか気になる。一瞬の出番なのが残念です。
……並んでるネコちゃん(彩城レア)とか真輝いづみさんとかは普通なのになあ~?
・真瀬(はるか)くんは、ひたすら格好良かったです。なんか、ブイエ将軍以来マナセスイッチが入ったらしい(^ ^;ゞ。群舞のすみっことかで見かけるたびに「マナセカッコいい~~♪」モードからしばらく抜けられなくて困ってます。クラブシーンで、舞台センターで上級生が踊るのを見守っているときの表情とか、あああ、本当にカッコいい(惚)しかも、いつも良い場所にいるんですよね。センター奥とか、上手の真ん中らへんとか、不思議と目に付く所に(涙目)。
・天咲千華ちゃんは……もちろん、フィナーレの壮ちゃんとのデュエットダンスもとても可愛いんですけど、個人的にはハバナが好きかなあ。元気いっぱい!で。
これが花組にきてはじめてのショーのはずなんですけど、全然違和感がなくて、不思議な感じでした。
・初花美咲ちゃん、以前から可愛くてお気に入りなんですが、セクシードールはちょっとキました。羽桜しずくちゃん系の楚々とした美女系だとばかり思っていたんですが、案外強気な感じが似合ってて、すっごく色っぽい!!!
……でも。ロケットでちょっと目を疑った……全体のスタイルバランスは決して悪くないのに、脚をだしてはいけない人だったとは(↓)(衝撃)
・日高(大地)くん、フィナーレの男役群舞おめでとう!もしかして、少し痩せた…?なんだか身体が締まったようなきがしました。これからもがんばって♪
・柚香光さん 極楽鳥(ドリームバード)で最後まで出ている4人の一人ですが、とにかく小顔で綺麗でスタイルよくて、美脚で……出てくるたびに見惚れてしまいます(*^ ^*)衛兵隊でも綺麗で目立っているし、今後が楽しみだ!
・美蘭レンナちゃん ホットドッグ売りがすっごい可愛かった~~♪
そんなところでしょうか。
あんまり下級生がチェックできてなくて、すみません(汗)。「ベルばら」の方では相当チェックしてるんですが、「EXCITER」は作品自体が面白すぎて、猫にしては比較的全体を観ているような気が(^ ^)。
卒業生4人にちょっと目立つ見せ場があったり、藤井さんのそういう細かい配慮は本当に素晴らしいな、と思います。「Apassionado!」のちわわ&しのちゃんのリフトも嬉しかったもんなあ……。博多座では、イマイチ意味不明になってましたけど(↓)
とにかく、下級生も(芝居で出番がない分をカバーするかのように)見せ場があって、勉強になったんじゃないか、と。
藤井さん、良いショーをありがとうございま~す!!m(_ _)m。
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いやあ、「ベルサイユのばら」ホラー篇の面目躍如。大劇場公演1ヶ月を経て、威力は留まるところをしらず(- -;。1回しか観ていないので変更点は解らないのですが、とりあえず変更が必要なところは全く変わっていなかったです。
…明らかに変わったな、と思ったのは、幕前の貴婦人たちの会話内容のみ、でした。
先月、大劇場で観たときの感想を再録して、感想も終了したいと思います。
ヒロインが幽霊でさえなければ何があっても大丈夫!と思っていたけど、幽霊よりも何よりも、生きている人間が一番怖いコトを知った!!
……あ。
二階席で観たので、大人数の衛兵隊のフォーメーションの流れるような動きの美しさと、革命のど迫力に気圧されたことは追記しておきます。特に、衛兵隊が幕前で数人(6人?)で歌い踊ったあと、紗幕があがると、その後ろで並んでいたメンバーと綺麗に列が揃っていたことに感動しました(*^ ^*)。
衛兵隊の総踊りと革命の場面は、間違いなく名シーンなんだよなあ……。ああ、これで脚本さえ(黙)
で、そんな私(たち?)の心を慰めてくれた、藤井さん渾身の新作ショー、「EXCITER!!」。
いやー、本当に素晴らしいです。宛書のショーっていいなあ(感動)。あああ、ショーだけのチケットがほしい……。
藤井さんといえば、おもちゃ箱を引っくり返したような奇抜な賑やかな画面構成、ちょっと頭のネジをしめてみてくなるような色彩感覚、場面ごとのバリエーションと空気の切り替えの巧さ、そういったイメージを持っていたのですが。
「Apassionado!!」「Soul Of Shiva!」「EXCITER!!」と連続して観て、色彩感覚についてはずいぶん落ち着いてきたんだなあ、と思いました。三作ともかなりドラマティックなマイナーコードの音楽を主題歌にした大人っぽいショーというのもあってか、赤と黒と金を中心にした色彩構成で統一していて、昔の藤井さんじゃないんだな(^ ^;、と、あらためて思いました。
いやー、それにしてもみんなカッコよくて面白い!
見所がおおくて、何度観ても見飽きそうにありません。
っていうか、声に出して笑ってしまうほど面白いショーって、私は初めてです(^ ^)。
幕間狂言みたいなつなぎの場面で「くすっ」という笑いを狙ってくるもの(←大概のは、狙いはわかるけど寒い)は多いけど、まるまる一場面、ミュージカルコメディをやってしまうショーなんて。しかも、そのコメディがそのまま次のカッコいい場面にちゃんとつながるなんて!
あそこの構成は神だなと思うし、あそこで切り替えきれる真飛さんと三人のドリームガールズ(桜一花、天宮菜生、芽吹幸奈)は素晴らしいと思いました(^ ^)。
真飛さんは、とにかくあの「CHANGE BOX」から出てきた瞬間の掴みが最高かな(^ ^)。
壮ちゃんも、Sっぷりに磨きがかかった感じで今回は本当に良いんですけど、一番好きなのは………Mr.YUが変身して引っ込んだ後、幕があがったときにセンターで研ぎ澄まされたウィンクを飛ばしてるところかな(^ ^)。大劇場で直撃を受けて、ちょっと落ちましたんで。
みわっち(愛音羽麗)は、ハバナも好きなんですが、フィナーレの大階段デュエットで姫花ちゃんと踊ってるときの、ふんわりと包み込むような優しい笑顔と空気が素敵。姫花ちゃんがいつも以上に可愛く見えます♪
まっつ(未涼亜希)の猫的お勧めは、大階段群舞の最初のところで、まとぶんのすぐ後ろで踊ってるとき、かな。いや、全部かっこいいんで選ぶの難しいんですけど(汗)。
ああ、エトワールは耳福です、もちろん(*^ ^*)。
みつるくん(華形ひかる)は、、、、デザイナー組長の歌にあわせて華月由舞ちゃんと銀橋をわたる場面がすごく好き。コケティッシュで小悪魔っぽい由舞ちゃんと、それに翻弄されるみつるくん、という図がいいなあ、と。
めおちゃん(真野すがた)は、、、、やっぱりハバナかなあ。歌ソロはちょっと微妙でしたが(合わせる華耀きらりちゃんもちょっと微妙だし汗)、その後のダンスとか、キメキメでよかったです。なんだか、この一年で完全に『めおちゃんポジ』を確立したよなあ……。
あとは、すみません、個人的な見所を学年順の箇条書きで。
・さおりさん(高翔みずき)って踊ってくれればいつだって素敵なんですけど、今回の大階段群舞で、くさび形のセンターで降りてくるときの胸のすくような格好よさは忘れられない。
・王子(眉月凰)があまり出てなくて寂しい。
・絵莉さん、いつも素敵なお姉さまなのに、今回のミュージカル場面でのオバサン(ミセス・ファット)役、最高です♪
・まりんさん(悠真倫)は、やっぱり社長かなあ……。ああ、今の会社もまりんさんみたいな社長だったら(夢)
・さあや(初姫さあや)は、まりんさんとこの秘書ももちろん可愛いんですけど(*^ ^*)、やっぱり、オープニングのスパニッシュの衣装かなあ。マメちゃんと同期で組んで踊っているんですけど、すっごく優しい顔でみつめていて、ちょっと泣けてきそうでした(←まだ早いよ)
・きらりんは、とにかく全てが可愛い。と言い切りつつ。
んー、やっぱりベストはセクシードールかなあ。まとぶんが来るのを待つときの、高く掲げた腕のラインの美しさと、広くて筋肉質な背中が好きなんです(汗)。
・あきらくん(瀬戸かずや)は、そりゃーやっぱり、フィナーレの男役群舞でしょう~~♪日高君と対はちょっと不利かな?とも思うけど、やっぱりスタイルいいし格好良いです~♪♪
・ルナちゃん(冴月瑠那)、あの白黒のど派手な服をきてスリ、って、、、あなたいったい(苦笑)。あの衣装そのものは藤井さんごのみなんですけど、あれは指示なんだろうか、ルナちゃんが自分で選んだんでしょうか……?
個人的には、あきらくんと並んでクラブで踊ってるときがめっちゃカッコつけてて好きです。あの身長差も含めて、あの二人の並びは好きなんですよ~。
・遼かぐらちゃん、オフィスレディがなんだかいつもと雰囲気がちがってて、すごく好きです。何が違うのかなあ……髪型?
・花峰千春さん、ミュージカル場面のボーイ役の笑顔が凄く可愛いです。大河凛ちゃんの強気な笑顔と好対照な感じでなんか気になる。一瞬の出番なのが残念です。
……並んでるネコちゃん(彩城レア)とか真輝いづみさんとかは普通なのになあ~?
・真瀬(はるか)くんは、ひたすら格好良かったです。なんか、ブイエ将軍以来マナセスイッチが入ったらしい(^ ^;ゞ。群舞のすみっことかで見かけるたびに「マナセカッコいい~~♪」モードからしばらく抜けられなくて困ってます。クラブシーンで、舞台センターで上級生が踊るのを見守っているときの表情とか、あああ、本当にカッコいい(惚)しかも、いつも良い場所にいるんですよね。センター奥とか、上手の真ん中らへんとか、不思議と目に付く所に(涙目)。
・天咲千華ちゃんは……もちろん、フィナーレの壮ちゃんとのデュエットダンスもとても可愛いんですけど、個人的にはハバナが好きかなあ。元気いっぱい!で。
これが花組にきてはじめてのショーのはずなんですけど、全然違和感がなくて、不思議な感じでした。
・初花美咲ちゃん、以前から可愛くてお気に入りなんですが、セクシードールはちょっとキました。羽桜しずくちゃん系の楚々とした美女系だとばかり思っていたんですが、案外強気な感じが似合ってて、すっごく色っぽい!!!
……でも。ロケットでちょっと目を疑った……全体のスタイルバランスは決して悪くないのに、脚をだしてはいけない人だったとは(↓)(衝撃)
・日高(大地)くん、フィナーレの男役群舞おめでとう!もしかして、少し痩せた…?なんだか身体が締まったようなきがしました。これからもがんばって♪
・柚香光さん 極楽鳥(ドリームバード)で最後まで出ている4人の一人ですが、とにかく小顔で綺麗でスタイルよくて、美脚で……出てくるたびに見惚れてしまいます(*^ ^*)衛兵隊でも綺麗で目立っているし、今後が楽しみだ!
・美蘭レンナちゃん ホットドッグ売りがすっごい可愛かった~~♪
そんなところでしょうか。
あんまり下級生がチェックできてなくて、すみません(汗)。「ベルばら」の方では相当チェックしてるんですが、「EXCITER」は作品自体が面白すぎて、猫にしては比較的全体を観ているような気が(^ ^)。
卒業生4人にちょっと目立つ見せ場があったり、藤井さんのそういう細かい配慮は本当に素晴らしいな、と思います。「Apassionado!」のちわわ&しのちゃんのリフトも嬉しかったもんなあ……。博多座では、イマイチ意味不明になってましたけど(↓)
とにかく、下級生も(芝居で出番がない分をカバーするかのように)見せ場があって、勉強になったんじゃないか、と。
藤井さん、良いショーをありがとうございま~す!!m(_ _)m。
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シアターサンモールにて、Studio Lifeの音楽劇「十二夜」を観劇してまいりました。
役替りを基本とするStudio Lifeなので、この公演も役替り。珍しく、ちゃんと二パターン制覇したりしてみました(^ ^)。だって、永遠のトップコンビ(←組んで芝居してるのはあまり観たことないのですが)=笠原浩夫&及川健が揃って出てるんだもん☆
ここしばらく、Studio Lifeの感想は「演劇」カテゴリーにいれていたんですが、これは「ミュージカル」カテゴリーに入れてみました。今まで観た作品の中では、音楽的には一番良かったし、印象にも残ったので。
オープニングとエンディングに歌われる、「人生は雨と風」というテーマ曲がとても良かったです。ちょっと感動しました(^ ^)。あと、二幕で歌われる「セバスチャンの歌」というそのまんまなタイトルの歌も素敵でした。
と、思いつつ、プログラムをチェック。作曲は林有三。(しばらく間があく)……えっ?あの林有三?(←観ているときは全然気がつかず/汗)
林さんがこういう音楽を創られるというのもちょっと意外な気がしました。でも、良かったです。また手がけてほしいな。(とか書いておいて、今までも音楽は全部林さんだよ!とゆーオチだったらどうしよう/凹)
作品としては有名な話ですし、シェイクスピアの脚本のかなり忠実にやっていたと思いますので、まずはキャストごとの感想を簡単に。「αチーム/βチーム」の順に役者名を書いています。
ヴァイオラ 山本芳樹/松本慎也
松本さんの『男装した美少女』の嵌りっぷりに感動しました。
一生懸命男の子を演じている女の子にしか見えない!!瑞々しい若さに溢れて、本当に可愛い!!
そして、申し訳ないんですがそっちを先に観てしまったので、山本さんはハンサムな男性が美青年の役をやっているようにしか見えず(涙)。なので、ちゃんと可愛らしい女の子声で喋る姿に違和感があって、話に入れませんでした。
宝塚で、男役が女性の役を演じる(真琴つばさのジャッキー by ME AND MY GIRL)のと、男性の役で女装をする(真琴つばさのマリアンデル by 愛のソナタ)のが全然違うように、そして、そのいずれもが、「男装の麗人オスカル by ベルサイユのばら」とは全く違うモノであるように、
「男装の美少女」と「美少年」って、全く違う生き物なんですね。
いやあ、山本さんが悪いという話ではないんですが、とにかく松本さんが大当たりの嵌り役でした。いやはや、もう一回観たいくらいだ!!(真顔)
セバスチャン(奥田勉/関戸博一)
まず、キャスト表を見たときに、「ヴァイオラ」の次が「セバスチャン」だったことにちょっと目を瞠りました。この作品でこの役がこの位置にあるのを初めてみたわ。
お二人とも良かったですが、個人的には関戸さんの声が好きかな。笑顔が明るくて、ポジティヴなセバスチャンでした。アントーニオが尽くしてしまうのも解る魅力があってよかったと思います。
あと、最後に双子で並んだときのバランスも、松本&関戸は「確かに遠目で視たら間違えるかもねー」と思うくらいには似ていたような気がします。……いや、でも、結婚式を挙げる前には気づこうよ、オリヴィア…。
オーシーノ(曽世海司)
格好良かった!!ちょっと自己完結気味なキャラになってましたが、やさしい眼差しが好きなんです(*^ ^*)ちょっとばかりオリヴィアへの とゆーか、及川さんへの愛に溢れすぎてる気もしないでもなかったですが。
誰かもう少し若いオーシーノを出しても良かったのでは、とも思いましたが、特に曽世さんに不満はないです。最初にマイクを持って登場したときからステキでした(^ ^)。
ヴァレンタイン(及川健/山崎康一)
いやー、この役をこのキャスティングで来るとは!!
どっちもそれぞれに面白かったです。曽世さんとの相性も良かったし。山崎さんは普通におっさん臭く、及川さんは普通に可愛く。
山崎さんの髭面が自前だったのと、及川さんが眼鏡男子でめっちゃ可愛いくて萌えながら、どうみても30男だったことが衝撃的でした。
……いやー、可愛かった。
オリヴィア(舟見和利/及川健)
お二人とも佳い女っぷり。最初の場面の黒い喪服から、次の出番(シザーリオとの再会)では髪飾りだけ白くなっている女心がとても可愛かったです。
小柄な及川さんは、小さいのを武器にして跳んだりはねたり。どっかの場面で、垂直とびしてビンタしたのにびびりました。素晴らしいパフォーマンス!!いやー、やっぱりこの人の芝居は大好きです♪
舟見さんは、曲者の女を演じなれているせいか、視線の動きが色っぽくて意味ありげで、そこが面白いんですよね。スタイルが良いのでドレス映えして、綺麗でした。
サー・トービー(笠原浩夫/船戸慎士)
笠原さんのファンとして長らく過ごしてきた(途中だいぶ長期間抜けてますが)猫ですが。
彼にいったい何があったのでしょうか?つい一年前に比べて、輪郭が倍くらいに水増しされてますけどっ!?
い、い、いえ、あの、笠原さんが笠原さんの声で喋ってくれる限り、私は好きでいられると思うのですが。だし、サー・トービー的には、あのくらい丸々していてこそ納得できるので、あれは役作りだと思う。やくづくりやくづくりやくづくり(←ことだま?それとも呪文?)
笠原さんショックで、船戸さんの記憶が飛んでしまいました。すみません。
普通に格好良くて、髭面が渋くてステキなおじさまだったと思います。普通にマライアともお似合いで……うん。いいカップルでした。はい。
マルヴォーリオ(坂本岳大)
巧い人だなあと思いました。前半の“気取りまくった”髪型は凄くステキだったし、ラストに再登場したときのボサボサ髪も格好良かった!!今回公演唯一の客演ですが、いい風になったと思います。
ただ。
「十二夜」という物語は、ちょっと「ヴェニスの商人」チックなところがあるんですよね。マルヴォーリオがそこまで悪事を働いたわけではないのに、マライアたちは随分酷いことをするじゃないですか(^ ^;。シェイクスピア作品に多い、階級社会における理不尽さが出ているところだと思うんですが、見ていてちょっと後味が悪いなあと思う物語の一つではあります。
そういう意味で、私は、マルヴォーリオというキャラクターをもっと思い切ってデフォルメして、リアル感のないキャラクターとして創ったほうが(演出も、演じる側も)好きなのですが。
坂本さんは、たぶん、もともとはすごくリアルな芝居をされる人なんじゃないかなーと思うんですよね……。作品的に期待される以上のことをしてしまった、というか、彼自身も、そして回りも達者すぎて、オリヴィア館の使用人たちのやりとりが思いのほかリアルで怖くなっちゃったきらいはあったと思います。特に、笠原トービー&石飛マライアと組むと、あまりにも悪意が強くなりすぎてちょっと怖かったです。
全体でみれば喜劇としての面白さも十分にあるんですけど、オリヴィア館の部分は、根底にあるのが人を莫迦にした笑いなので、ちょっと後味が悪いなーと思ってしまいました。
こうなると、芸風的に達者すぎる人をもってきたこと自体がどうなんだろう、という話になってしまうんですけどね…(^ ^;ゞ
マライア(石飛幸治/林勇輔)
上に書いたような理由で、石飛さんのマライアはちょっと怖かったです。
石飛さんは、女役で数々実績があることは解っているんですけど、ここまでリアルな芝居ができる男なんだから、男役で使ってあげてほしいような気がします。
林さんのマライアは、根が明るくて真直ぐな印象があって。はっきりしないトービーに対する苛立ち、切ない女心の可愛らしさがすごくキュートで、魅力的でした。一番好きだったのは、一幕ラストに、ふっと立ち止まって屈託を見せたときの表情。本当に一瞬なんですけど、それまでのパワフルなイメージがパッと引っくり返るような、印象的な刹那、でした。
サー・アンドルー(青木隆敏)
いやはや。嵌り役でした。はい。心の底からそう思います。シングルキャストなのも納得です。
……以上。
フェステ(山崎康一/倉本徹)
倉本さんも良かったんですが、山崎さんのフェステは素晴らしかったです。片腕を隠して、一癖も二癖もある道化になりきった山崎さん。ヴァレンタインもステキでしたけど、いやー、抜群の存在感でしたね。ラストに、マルヴォーリオに向かって演説するところも凄く印象的で、ああ、これが締めなのか…と思いました。
思えば山崎さんって、私が初めてスタジオライフを観たときに、山本さんとダブルキャストでユリスモールに配役されていた……ような気がするんですが(- -;ゞ こんなステキなオジサマになるなんて思ってなかったなあ……。ああ、この方のマルヴォーリオもちょっとだけ見てみたい(*^ ^*)。
アントーニオ(牧島進一)
牧島さんの責任ではまったくないのですが。演出の倉田惇さんが、アントーニオの解釈にブレがあるような気がして、それってどうなの?と思いました。
アントーニオがセバスチャンに恋をしている、とゆー設定は、まああの恥も外聞もない最後の告白(シェイクスピアの脚本どおり)を聞けば誰でも思いつく解釈だし、いろいろ前例もありますけれども。
ラストシーンでのアントーニオの立ち位置くらい考えてから演出してください>倉田さん
アントーニオがセバスチャンに片思いという設定の場合、ラストにセバスチャンとオリヴィアの結婚を知った彼の反応には二種類あります。何事も無かったかのように笑顔で祝福するパターンと、振られた悲しみに耐えて、逃げるように去っていくパターン。
倉田さんが選んだ解釈は後者だったんですが、なんというか、結構『セバスチャンって酷い奴だなあ』という印象を与えてしまうんですよね。
せっかくの楽しいコメディなので、ラストに後味の悪さを遺さないように、もう少し何か演出的に考えてほしかったような気がします。
牧島さんご自身は、役はアレレでも、いかにも海賊っぽい眼つきの鋭さとか身のこなしの鋭さとか、格好良くてステキでした♪
船長・司祭(河内喜一朗)
いやはや。主宰が居ると舞台が締まりますね♪ どちらの役も、とても良かったです♪
コーラス隊
αチームでは、林・篠田仁志・冨士亮太の三人で、「鳩」と呼ばれていました。
……「可愛くない」らしい
βチームでは、大沼亮吉・荒木健太朗・三上俊・吉田隆太の四人で、「雀」と呼ばれていました。
……「まあ可愛い」と何回か言われてたな……
コーラスで歌ったり、ソロを歌うメインキャストの回りで踊ったり、休憩を宣言したり、お仕事はいろいろしていたのですが。
それ以外の場面でも基本的に舞台の上(セットの上とか)に固まっていることが多く、一応ずっと「鳥」の芝居をしているつもり、だったみたいです。芝居をしているキャストがセットの上に昇ってくると、パッと飛んで逃げてったりといったところが本当に小鳥みたいで可愛かったです♪♪
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役替りを基本とするStudio Lifeなので、この公演も役替り。珍しく、ちゃんと二パターン制覇したりしてみました(^ ^)。だって、永遠のトップコンビ(←組んで芝居してるのはあまり観たことないのですが)=笠原浩夫&及川健が揃って出てるんだもん☆
ここしばらく、Studio Lifeの感想は「演劇」カテゴリーにいれていたんですが、これは「ミュージカル」カテゴリーに入れてみました。今まで観た作品の中では、音楽的には一番良かったし、印象にも残ったので。
オープニングとエンディングに歌われる、「人生は雨と風」というテーマ曲がとても良かったです。ちょっと感動しました(^ ^)。あと、二幕で歌われる「セバスチャンの歌」というそのまんまなタイトルの歌も素敵でした。
と、思いつつ、プログラムをチェック。作曲は林有三。(しばらく間があく)……えっ?あの林有三?(←観ているときは全然気がつかず/汗)
林さんがこういう音楽を創られるというのもちょっと意外な気がしました。でも、良かったです。また手がけてほしいな。(とか書いておいて、今までも音楽は全部林さんだよ!とゆーオチだったらどうしよう/凹)
作品としては有名な話ですし、シェイクスピアの脚本のかなり忠実にやっていたと思いますので、まずはキャストごとの感想を簡単に。「αチーム/βチーム」の順に役者名を書いています。
ヴァイオラ 山本芳樹/松本慎也
松本さんの『男装した美少女』の嵌りっぷりに感動しました。
一生懸命男の子を演じている女の子にしか見えない!!瑞々しい若さに溢れて、本当に可愛い!!
そして、申し訳ないんですがそっちを先に観てしまったので、山本さんはハンサムな男性が美青年の役をやっているようにしか見えず(涙)。なので、ちゃんと可愛らしい女の子声で喋る姿に違和感があって、話に入れませんでした。
宝塚で、男役が女性の役を演じる(真琴つばさのジャッキー by ME AND MY GIRL)のと、男性の役で女装をする(真琴つばさのマリアンデル by 愛のソナタ)のが全然違うように、そして、そのいずれもが、「男装の麗人オスカル by ベルサイユのばら」とは全く違うモノであるように、
「男装の美少女」と「美少年」って、全く違う生き物なんですね。
いやあ、山本さんが悪いという話ではないんですが、とにかく松本さんが大当たりの嵌り役でした。いやはや、もう一回観たいくらいだ!!(真顔)
セバスチャン(奥田勉/関戸博一)
まず、キャスト表を見たときに、「ヴァイオラ」の次が「セバスチャン」だったことにちょっと目を瞠りました。この作品でこの役がこの位置にあるのを初めてみたわ。
お二人とも良かったですが、個人的には関戸さんの声が好きかな。笑顔が明るくて、ポジティヴなセバスチャンでした。アントーニオが尽くしてしまうのも解る魅力があってよかったと思います。
あと、最後に双子で並んだときのバランスも、松本&関戸は「確かに遠目で視たら間違えるかもねー」と思うくらいには似ていたような気がします。……いや、でも、結婚式を挙げる前には気づこうよ、オリヴィア…。
オーシーノ(曽世海司)
格好良かった!!ちょっと自己完結気味なキャラになってましたが、やさしい眼差しが好きなんです(*^ ^*)ちょっとばかりオリヴィアへの とゆーか、及川さんへの愛に溢れすぎてる気もしないでもなかったですが。
誰かもう少し若いオーシーノを出しても良かったのでは、とも思いましたが、特に曽世さんに不満はないです。最初にマイクを持って登場したときからステキでした(^ ^)。
ヴァレンタイン(及川健/山崎康一)
いやー、この役をこのキャスティングで来るとは!!
どっちもそれぞれに面白かったです。曽世さんとの相性も良かったし。山崎さんは普通におっさん臭く、及川さんは普通に可愛く。
山崎さんの髭面が自前だったのと、及川さんが眼鏡男子でめっちゃ可愛いくて萌えながら、どうみても30男だったことが衝撃的でした。
……いやー、可愛かった。
オリヴィア(舟見和利/及川健)
お二人とも佳い女っぷり。最初の場面の黒い喪服から、次の出番(シザーリオとの再会)では髪飾りだけ白くなっている女心がとても可愛かったです。
小柄な及川さんは、小さいのを武器にして跳んだりはねたり。どっかの場面で、垂直とびしてビンタしたのにびびりました。素晴らしいパフォーマンス!!いやー、やっぱりこの人の芝居は大好きです♪
舟見さんは、曲者の女を演じなれているせいか、視線の動きが色っぽくて意味ありげで、そこが面白いんですよね。スタイルが良いのでドレス映えして、綺麗でした。
サー・トービー(笠原浩夫/船戸慎士)
笠原さんのファンとして長らく過ごしてきた(途中だいぶ長期間抜けてますが)猫ですが。
彼にいったい何があったのでしょうか?つい一年前に比べて、輪郭が倍くらいに水増しされてますけどっ!?
い、い、いえ、あの、笠原さんが笠原さんの声で喋ってくれる限り、私は好きでいられると思うのですが。だし、サー・トービー的には、あのくらい丸々していてこそ納得できるので、あれは役作りだと思う。やくづくりやくづくりやくづくり(←ことだま?それとも呪文?)
笠原さんショックで、船戸さんの記憶が飛んでしまいました。すみません。
普通に格好良くて、髭面が渋くてステキなおじさまだったと思います。普通にマライアともお似合いで……うん。いいカップルでした。はい。
マルヴォーリオ(坂本岳大)
巧い人だなあと思いました。前半の“気取りまくった”髪型は凄くステキだったし、ラストに再登場したときのボサボサ髪も格好良かった!!今回公演唯一の客演ですが、いい風になったと思います。
ただ。
「十二夜」という物語は、ちょっと「ヴェニスの商人」チックなところがあるんですよね。マルヴォーリオがそこまで悪事を働いたわけではないのに、マライアたちは随分酷いことをするじゃないですか(^ ^;。シェイクスピア作品に多い、階級社会における理不尽さが出ているところだと思うんですが、見ていてちょっと後味が悪いなあと思う物語の一つではあります。
そういう意味で、私は、マルヴォーリオというキャラクターをもっと思い切ってデフォルメして、リアル感のないキャラクターとして創ったほうが(演出も、演じる側も)好きなのですが。
坂本さんは、たぶん、もともとはすごくリアルな芝居をされる人なんじゃないかなーと思うんですよね……。作品的に期待される以上のことをしてしまった、というか、彼自身も、そして回りも達者すぎて、オリヴィア館の使用人たちのやりとりが思いのほかリアルで怖くなっちゃったきらいはあったと思います。特に、笠原トービー&石飛マライアと組むと、あまりにも悪意が強くなりすぎてちょっと怖かったです。
全体でみれば喜劇としての面白さも十分にあるんですけど、オリヴィア館の部分は、根底にあるのが人を莫迦にした笑いなので、ちょっと後味が悪いなーと思ってしまいました。
こうなると、芸風的に達者すぎる人をもってきたこと自体がどうなんだろう、という話になってしまうんですけどね…(^ ^;ゞ
マライア(石飛幸治/林勇輔)
上に書いたような理由で、石飛さんのマライアはちょっと怖かったです。
石飛さんは、女役で数々実績があることは解っているんですけど、ここまでリアルな芝居ができる男なんだから、男役で使ってあげてほしいような気がします。
林さんのマライアは、根が明るくて真直ぐな印象があって。はっきりしないトービーに対する苛立ち、切ない女心の可愛らしさがすごくキュートで、魅力的でした。一番好きだったのは、一幕ラストに、ふっと立ち止まって屈託を見せたときの表情。本当に一瞬なんですけど、それまでのパワフルなイメージがパッと引っくり返るような、印象的な刹那、でした。
サー・アンドルー(青木隆敏)
いやはや。嵌り役でした。はい。心の底からそう思います。シングルキャストなのも納得です。
……以上。
フェステ(山崎康一/倉本徹)
倉本さんも良かったんですが、山崎さんのフェステは素晴らしかったです。片腕を隠して、一癖も二癖もある道化になりきった山崎さん。ヴァレンタインもステキでしたけど、いやー、抜群の存在感でしたね。ラストに、マルヴォーリオに向かって演説するところも凄く印象的で、ああ、これが締めなのか…と思いました。
思えば山崎さんって、私が初めてスタジオライフを観たときに、山本さんとダブルキャストでユリスモールに配役されていた……ような気がするんですが(- -;ゞ こんなステキなオジサマになるなんて思ってなかったなあ……。ああ、この方のマルヴォーリオもちょっとだけ見てみたい(*^ ^*)。
アントーニオ(牧島進一)
牧島さんの責任ではまったくないのですが。演出の倉田惇さんが、アントーニオの解釈にブレがあるような気がして、それってどうなの?と思いました。
アントーニオがセバスチャンに恋をしている、とゆー設定は、まああの恥も外聞もない最後の告白(シェイクスピアの脚本どおり)を聞けば誰でも思いつく解釈だし、いろいろ前例もありますけれども。
ラストシーンでのアントーニオの立ち位置くらい考えてから演出してください>倉田さん
アントーニオがセバスチャンに片思いという設定の場合、ラストにセバスチャンとオリヴィアの結婚を知った彼の反応には二種類あります。何事も無かったかのように笑顔で祝福するパターンと、振られた悲しみに耐えて、逃げるように去っていくパターン。
倉田さんが選んだ解釈は後者だったんですが、なんというか、結構『セバスチャンって酷い奴だなあ』という印象を与えてしまうんですよね。
せっかくの楽しいコメディなので、ラストに後味の悪さを遺さないように、もう少し何か演出的に考えてほしかったような気がします。
牧島さんご自身は、役はアレレでも、いかにも海賊っぽい眼つきの鋭さとか身のこなしの鋭さとか、格好良くてステキでした♪
船長・司祭(河内喜一朗)
いやはや。主宰が居ると舞台が締まりますね♪ どちらの役も、とても良かったです♪
コーラス隊
αチームでは、林・篠田仁志・冨士亮太の三人で、「鳩」と呼ばれていました。
……「可愛くない」らしい
βチームでは、大沼亮吉・荒木健太朗・三上俊・吉田隆太の四人で、「雀」と呼ばれていました。
……「まあ可愛い」と何回か言われてたな……
コーラスで歌ったり、ソロを歌うメインキャストの回りで踊ったり、休憩を宣言したり、お仕事はいろいろしていたのですが。
それ以外の場面でも基本的に舞台の上(セットの上とか)に固まっていることが多く、一応ずっと「鳥」の芝居をしているつもり、だったみたいです。芝居をしているキャストがセットの上に昇ってくると、パッと飛んで逃げてったりといったところが本当に小鳥みたいで可愛かったです♪♪
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阪急交通社のらぎちゃん
2009年10月20日 宝塚全体・OG コメント (2)元雪組85期の柊巴さんが「ソロモンの指輪/マリポーサの花」で雪組を卒業されてから、ちょうど11ヶ月が過ぎた、今日。
友人から、衝撃の(?)ニュースが届きました。(←ありがとう友よ)
「ベルサイユのばら 柊巴スペシャルトークショー」in東京宝塚劇場
http://www.hankyu-travel.com/tour/detail_d.php?p_company_cd=1001000&p_course_id=D90TR&p_hei=11
……すみません、今だけ阪急交通社の回し者になってみました(- -;
ついでなので、詳細も転記させていただきます。(どんだけ回し者/汗)
【日程】 2009年11月17日(火)
トーク、お食事、13:30開演の東京宝塚劇場「花組」貸切公演を観劇
ちなみに、1階S席12列目以内確約、だそうです。
【料金】 お1人様 15,500円
柊巴さんのトークで一緒に盛り上がりましょう♪
って書いてありますけど、
らぎちゃんのトークで、盛り上がる……?
……お仕事、ありがとうございますっ(逃避)
何故花組なんでしょうね。全く縁がない組って珍しくないですか?
もしかして、「派遣のオスカル」つながり?みわっちオスカルと扮装対決してくれるとか…(←しねーよ)
ドラマも最後の2回くらいは社員の役で顔も出してくれましたし、ふつうに「あー美人だなー」と思えて嬉しかったのですが。
うーん、一回くらいオスカルの扮装で振り向いて欲しかったよ……。
それにしても、なぜ花組……?いや、花組が悪いわけではなくて、どうしてこの週なんですか……?
宙組大劇場公演が始まってるっつーの!!
あーあ、雪組公演だったらもう少し休みやすかったのになあ………(溜息)
と、いうか。
らぎちゃん、芸能活動するんですか!?(ここで聞くな)
CSのニュースで、雪組千秋楽の様子を視ました。
(こっちを本題にするつもりだったのに吹っ飛んじゃった…)
水くん、しみじみと良いトップですよねぇ。
らぎちゃんシナちゃんが卒業したときも、最後まで惜しんでくれてありがとう、と思いましたけど、あそこまで言ってくれるトップスターって珍しいですよね。
幸せそうな、輝くような5人の笑顔。
ああ、良い公演だった、と、しみじみ思いました。ありがとう水さん、ありがとう雪組っ子+専科のお姉さまがた。
そういえば。
先日、最後に、と思って『ロシアンブルー』についていろいろ書かせていただいたのですが。
オープニングの魔女狩りからボルシェヴィキ革命までの流れの見事さや、「集団内の求心力を維持するために」敵(魔女からイリーナまで)を造る手法については書くのを忘れました……。
「魔女狩り」というモチーフをこう使うのか、というところも物凄く大野さんらしいなあと思っていたのに(汗)。
いやー、いろんな意味で、語り甲斐のある(=マニアックな)興味深いクリエーターだなあ、と(^ ^)。
なにはともあれ、大野さんの次作が、とっっっても楽しみです~~!!(結論)
.
友人から、衝撃の(?)ニュースが届きました。(←ありがとう友よ)
「ベルサイユのばら 柊巴スペシャルトークショー」in東京宝塚劇場
http://www.hankyu-travel.com/tour/detail_d.php?p_company_cd=1001000&p_course_id=D90TR&p_hei=11
……すみません、今だけ阪急交通社の回し者になってみました(- -;
ついでなので、詳細も転記させていただきます。(どんだけ回し者/汗)
【日程】 2009年11月17日(火)
トーク、お食事、13:30開演の東京宝塚劇場「花組」貸切公演を観劇
ちなみに、1階S席12列目以内確約、だそうです。
【料金】 お1人様 15,500円
柊巴さんのトークで一緒に盛り上がりましょう♪
って書いてありますけど、
らぎちゃんのトークで、盛り上がる……?
……お仕事、ありがとうございますっ(逃避)
何故花組なんでしょうね。全く縁がない組って珍しくないですか?
もしかして、「派遣のオスカル」つながり?みわっちオスカルと扮装対決してくれるとか…(←しねーよ)
ドラマも最後の2回くらいは社員の役で顔も出してくれましたし、ふつうに「あー美人だなー」と思えて嬉しかったのですが。
うーん、一回くらいオスカルの扮装で振り向いて欲しかったよ……。
それにしても、なぜ花組……?いや、花組が悪いわけではなくて、どうしてこの週なんですか……?
宙組大劇場公演が始まってるっつーの!!
あーあ、雪組公演だったらもう少し休みやすかったのになあ………(溜息)
と、いうか。
らぎちゃん、芸能活動するんですか!?(ここで聞くな)
CSのニュースで、雪組千秋楽の様子を視ました。
(こっちを本題にするつもりだったのに吹っ飛んじゃった…)
水くん、しみじみと良いトップですよねぇ。
らぎちゃんシナちゃんが卒業したときも、最後まで惜しんでくれてありがとう、と思いましたけど、あそこまで言ってくれるトップスターって珍しいですよね。
幸せそうな、輝くような5人の笑顔。
ああ、良い公演だった、と、しみじみ思いました。ありがとう水さん、ありがとう雪組っ子+専科のお姉さまがた。
そういえば。
先日、最後に、と思って『ロシアンブルー』についていろいろ書かせていただいたのですが。
オープニングの魔女狩りからボルシェヴィキ革命までの流れの見事さや、「集団内の求心力を維持するために」敵(魔女からイリーナまで)を造る手法については書くのを忘れました……。
「魔女狩り」というモチーフをこう使うのか、というところも物凄く大野さんらしいなあと思っていたのに(汗)。
いやー、いろんな意味で、語り甲斐のある(=マニアックな)興味深いクリエーターだなあ、と(^ ^)。
なにはともあれ、大野さんの次作が、とっっっても楽しみです~~!!(結論)
.
宝塚歌劇団雪組のみなさま、千秋楽おめでとうございます\(^o^)/
無事午前の公演のチケットをゲットして、2階の天辺で観てまいりました。
いやー、良い作品だったので、公演が終わってしまってとても寂しい。一ヶ月って本当に短いですね。なんだったら全ツもこれで良かったのになあ……なんて思ったり。
いえ、「情熱のバルセロナ」は観たことがないのでわからなくて、、、すみません(^ ^;
デボラのいづるん、
眼鏡っ子ネコタナのかぐやちゃん、
ペトルーシュカの愛輝ゆまさん、
ネコタンな寿々音綾さん、
メイエルホリド劇団員な冴輝ちはやくん、
みなさまご卒業おめでとうございますm(_ _)m。
これから歩んでいく道に、幸いの多きことを祈っています。
で、この「ロシアン・ブルー」。
キャストごとの感想とかは結構書いていると思うのですが、そういえば「作品」についてはあまり書いてない…かな?という気がしてきたので、最後にちょっとだけ呟かせてください。
最初に観たときも書きましたが、この話、当初の企画と話の内容がかなり変わったんじゃないか?という印象を抱いたのですが、実際はどうだったのでしょうか。
大野さんには「更に狂わじ」という前科(事前に出ていたあらすじとは、まっっったく違うストーリーだった)があるので、全然不思議じゃない(^ ^)。今回は表に出ていた部分(アルバートとイリーナに関わるところ)は影響なかったので、変更されたんだとしても問題ないし。
だって、何の説明もなくメイエルホリド劇団やバレエ・リュスを出しておいて放置、だなんて、大野さんらしくないような気がしたんです。彼だったら、仮に本筋に絡まないのは元々だったとしても、思いっきり薀蓄をかたむけてくれただろうに(; ;)。
もし変わったんだとしたら、たぶん、いろんな理由があったんだろうな、とは思うんですけどね。日本ではあまり知られていない話だから、説明するだけでも大変だし。でも、本来の彼の発想の中で、メイエルホリド劇団に関わるエピソードはどんな内容だったんだろう?どんな風に本筋に絡んでいたんだろう?と思うと、すごく残念な気がします。
それだけ、大劇場公演の一幕モノ100分、っていうのは構成が難しいんでしょうね。マニアックな人が創るとどうしても内容を詰め込んでしまいがちなので、大野さんも、大劇場については一本モノを任されるようになるまでは原作ありに絞ったほうがいいのかもしれません。原作ものは、原作に書いてあることはある程度省略できるので。(←「夢の浮橋」の成功が良い例)
んで、ドラマシティやバウでは、思いっきりマニアぶりを発揮して宛書してほしい(*^ ^*)。
ぜひぜひ宙組の春のドラマシティにっ!!お願いします~っっ(祈)(ことだま、ことだま)
こほん。
「ロシアンブルー」自体はすごく面白かったのですが。
でも、もう少し当時のソヴィエトの芸術レベルや、メイエルホリド劇団だけではない、『共産革命によって生まれた新しい世界でしか創り得ない、20世紀の新しい芸術』とかいうお題目、そして、それを見守る西側社会の目といったモノに対する大野さんの解釈を、聞いてみたかったなー、と思いました。
たとえば「ヘイズ・コード」は、作品自体のテーマが『ルールの是非』だったんですよね。
『くだらないルール』に対する反発と、『そもそもどういった理由でそのルールができたか』を両方きちんと(っつーか長々と)薀蓄込みで語った上で、『ルールには理由がある。でも、“やるからには最高を目指す(byハリウッドラバー)”なら、こんな抜け道があるんじゃね?』というのが主筋だった。
ウッドロウの屈託だとか、監督を襲うギャングだとか、そういうのは割とどうでもいい枝葉のエピソードで、主役は「ルール(ヘイズ・コード)」であり、そのルールに闘いを挑む芸術家たち。そして、『自分の為しうる最高のもの』とは何か?を諦めず、倦まずにいつまでも追求しつづける人々こそが芸術家である、という定義を語って物語を締めていました。
そういう、ちゃんと最後に伏線を拾って結論を出すところが、大野作品のいいところだと思う訳なのですが。
じゃあ「ロシアンブルー」のテーマは何か?というと。
ちょっと難しいんですが、私は、本来のテーマは「自由のないところに芸術はありうるのか?」というところにあったんじゃないか、と思っています。
たとえば、「ヘイズ・コード」は、「理由のあるルール」でした。制定された理由はちゃんとある。でも、あまりにも杓子定規に運営されれば芸術家の自由な発想を妨げるものとなる。結局のところ、ルール自体は正しくても、運営が間違っていれば無意味あるいは有害なものになりうるということだったと思うんですよね。
それに対して、「ロシアンブルー」のエジェフの行動には、ルールがない。
彼が本当に私利私欲の塊であったとしても(←事実はわかりませんが)、ソヴィエト式の共産主義社会は情報統制・思想統制が厳しく、自浄作用が働きにくいので、一度彼が権力を掴んでしまえばそれを引っくり返すことは非常に困難です。
あれだけあからさまな不正の証拠を握っても、せいぜい「軍なら、睨みくらいはきかせられるだろう」としか言えないのですから。
この情報や思想の統制というのは、共産主義自体が人々の裡から自然に出てきた思想ではなく、たぶんに哲学的な発想から生まれた理想主義的なものであり、教育的手段で植えつける必要があったこと、ソヴィエト(ロシア)があまりにも物理的に広く、民族的にも多様すぎて、同一の価値観を持たせることが困難であったこと、などから必要悪的に出てきたものであったわけですが。
実際には、権力を持ったものがあっという間に腐敗していったであろうことは想像に難くない。
そして、そんな権力者たちにとって、「ソヴィエトは健康的な社会である。なぜなら、自由のないところには育たないといわれる芸術が、こんなにも豊かに花開いている!」そういうふうに言うことが、絶対に必要だった。
だから彼らはこの当時、さまざまな芸術推進策をうっています。芸術家たちの家もその一つだし、さまざまなコンクールを実施したり、各地から才能のある子をスカウトしてきたり。
実際、この当時だったら、アメリカよりソヴィエトの方が文化レベルは高かったはずなんですよね。アメリカで作られたショーが、理由なく却下されても不思議はなかった。アメリカのショーは、芸術とは認められていなかったのですから。
アメリカの芸術が『世界的な』レベルになるのは、なんといっても第二次世界大戦でヨーロッパのユダヤ人が大量に亡命して以降なのですから。音楽も、絵画も、バレエも、なにもかも。
でも。
実際には、ソヴィエトの芸術レベル自体が高いことは事実でも、審査はそうはいかない。
エジェフ自らが呟くように「差し戻しが増えているとは思わんかね」ということになっているわけです。彼らは社会を抑圧しているわけですから。
社会が抑圧されていれば、芸術はそれに反発します。そうでなければ、芸術の意味がない。
そういう自然の摂理があるから、「自由のないところに(健康的な)芸術は無い」のです。
自由のないところには、反社会的な芸術がはびこるのが当然ですから。
そして。
「自由のないところに芸術は無い」ことと、
「革命が俺を裏切っても、俺は革命を裏切らない」ことは、裏表なのだと思います。
彼らは、革命によって自由な社会を得るつもりだった。
得られると思っていた。
ユーリの屈託は、「マリポーサの花」でネロが苦しんだ屈託と同じモノ。だけれども、ユーリはネロのようにすぱっと軍を辞めて自分のできることをはじめるのではなく、革命政府の中で、少しでも自分のやれることがないかを探している。
ネロもユーリも、自分にできることを精一杯やる という姿勢は同じです。ただ、方法が違っているだけ。
だから。
…おそらく、この物語よりも未来のどこかで、ユーリは何かを救うために命を賭けることになるのでしょう。それがとても切ない。彼は革命を裏切れないのだから。だから。革命を救うために、ひいては革命に飛び込んだ自分の心を救うために、革命に殉じてしまうのだろう、と。
願わくば。せめて、そのときの指導者がエジェフではなく、もう少し革命に対して真摯なひとであることを、祈りたい。
そして、この物語の主役は、革命に裏切られたユーリ先輩ではなく、ウィスラー一族の当主として、皆(何人居るのか知りませんが)の生活に責任があるアルバート。彼は、「一族だけじゃない、抑圧されている全ての人の役に立ちたい」と思って政治家を志し、ああかこうかと揺れながら、それでも(裏技を使いながら)下院議員にまでなった。
決して理想家肌ではないけれども、自分の責任は自覚しているし、そのために自分のできることがあるなら全部やってやろう、と思っているひとですよね。
ヘンリーと二人、結構手段を選ばずにやってきたのだと思うんです。まあ、あの「キラー・スマイル」は魔法じゃないみたいですが(^ ^)。
そんな彼が、ロシアで同族にめぐり合う。
イリーナとの出会いは運命の邂逅。「…薬のせいで」と言い合いながら、素直に惹かれあう二人。その絶妙の距離感がすごく好きです。
そして、最後の別れ。退去命令が出ているアルバートと、簡単には出国できないイリーナ。
銀橋で「ダスビダーニャ」と別れていく二人の間に希望の光があるだけに、この後の時代を知る現代の私は、切ないです。
「私が知っているのは、ここまで。……アメリカとソヴィエトが喧嘩をする、少し前のお話です」
という、ロビンのとぼけたナレーションが、せつないほどに優しくて。
絶滅寸前だった(というか、絶滅した)のに復活したロシアンブルーのように。
たとえ将来、アメリカとソヴィエトが喧嘩をおっぱじめても、それでも二人が再び巡り合う可能性は0じゃない。
それこそ大統領になってでも(←ならないけど)迎えに行くだろうアルバートの、もうブレることもない清々しい笑顔が、すごく眩しい。
『心無い笑顔』とヘンリーに評されたキラー・スマイルよりも、もっと威力のある、魅力的な笑顔を知って、彼は、彼の本来の戦場に戻っていく。
そして、イリーナもイリーナの戦場に。
一族を守り、そして、革命を裏切らない自分であるために。
ロシアの王侯貴族が愛した美しい猫、ロシアンブルー。
彼らは、第二次世界大戦中に姿を消します。物語の中で、モスクワには1930年代の時点でいなかったことになっていますが、実際はどうだったのでしょうか。
ちなみに、現在、世界で飼われるいるロシアンブルーは、当時の血統ではなく、シャム猫とブリティッシュ・ブルーという青猫から復元されたものなのだそうです。へーへーへー。
ロシアンブルー、というタイトルにこめられた大野さんの思いは、なんとなく、わかるようなわからないような…と思いつつ。
でもたぶん。公園中を必死で追いかけられるロシアンブルーは、喪われてしまった過去、あるいは自由の象徴、なんでしょうね。ネコタナ一族、ウィスラー一族の微妙な能力もまた、ロシアンブルーのようなものなのかもしれません。
……しかし、ロシアみたいな寒い土地に、あんな短毛で細長い種がもともと居たとも思えないんだが……そもそもの存在自体が不思議な猫だ。<ロシアンブルー
.
無事午前の公演のチケットをゲットして、2階の天辺で観てまいりました。
いやー、良い作品だったので、公演が終わってしまってとても寂しい。一ヶ月って本当に短いですね。なんだったら全ツもこれで良かったのになあ……なんて思ったり。
いえ、「情熱のバルセロナ」は観たことがないのでわからなくて、、、すみません(^ ^;
デボラのいづるん、
眼鏡っ子ネコタナのかぐやちゃん、
ペトルーシュカの愛輝ゆまさん、
ネコタンな寿々音綾さん、
メイエルホリド劇団員な冴輝ちはやくん、
みなさまご卒業おめでとうございますm(_ _)m。
これから歩んでいく道に、幸いの多きことを祈っています。
で、この「ロシアン・ブルー」。
キャストごとの感想とかは結構書いていると思うのですが、そういえば「作品」についてはあまり書いてない…かな?という気がしてきたので、最後にちょっとだけ呟かせてください。
最初に観たときも書きましたが、この話、当初の企画と話の内容がかなり変わったんじゃないか?という印象を抱いたのですが、実際はどうだったのでしょうか。
大野さんには「更に狂わじ」という前科(事前に出ていたあらすじとは、まっっったく違うストーリーだった)があるので、全然不思議じゃない(^ ^)。今回は表に出ていた部分(アルバートとイリーナに関わるところ)は影響なかったので、変更されたんだとしても問題ないし。
だって、何の説明もなくメイエルホリド劇団やバレエ・リュスを出しておいて放置、だなんて、大野さんらしくないような気がしたんです。彼だったら、仮に本筋に絡まないのは元々だったとしても、思いっきり薀蓄をかたむけてくれただろうに(; ;)。
もし変わったんだとしたら、たぶん、いろんな理由があったんだろうな、とは思うんですけどね。日本ではあまり知られていない話だから、説明するだけでも大変だし。でも、本来の彼の発想の中で、メイエルホリド劇団に関わるエピソードはどんな内容だったんだろう?どんな風に本筋に絡んでいたんだろう?と思うと、すごく残念な気がします。
それだけ、大劇場公演の一幕モノ100分、っていうのは構成が難しいんでしょうね。マニアックな人が創るとどうしても内容を詰め込んでしまいがちなので、大野さんも、大劇場については一本モノを任されるようになるまでは原作ありに絞ったほうがいいのかもしれません。原作ものは、原作に書いてあることはある程度省略できるので。(←「夢の浮橋」の成功が良い例)
んで、ドラマシティやバウでは、思いっきりマニアぶりを発揮して宛書してほしい(*^ ^*)。
ぜひぜひ宙組の春のドラマシティにっ!!お願いします~っっ(祈)(ことだま、ことだま)
こほん。
「ロシアンブルー」自体はすごく面白かったのですが。
でも、もう少し当時のソヴィエトの芸術レベルや、メイエルホリド劇団だけではない、『共産革命によって生まれた新しい世界でしか創り得ない、20世紀の新しい芸術』とかいうお題目、そして、それを見守る西側社会の目といったモノに対する大野さんの解釈を、聞いてみたかったなー、と思いました。
たとえば「ヘイズ・コード」は、作品自体のテーマが『ルールの是非』だったんですよね。
『くだらないルール』に対する反発と、『そもそもどういった理由でそのルールができたか』を両方きちんと(っつーか長々と)薀蓄込みで語った上で、『ルールには理由がある。でも、“やるからには最高を目指す(byハリウッドラバー)”なら、こんな抜け道があるんじゃね?』というのが主筋だった。
ウッドロウの屈託だとか、監督を襲うギャングだとか、そういうのは割とどうでもいい枝葉のエピソードで、主役は「ルール(ヘイズ・コード)」であり、そのルールに闘いを挑む芸術家たち。そして、『自分の為しうる最高のもの』とは何か?を諦めず、倦まずにいつまでも追求しつづける人々こそが芸術家である、という定義を語って物語を締めていました。
そういう、ちゃんと最後に伏線を拾って結論を出すところが、大野作品のいいところだと思う訳なのですが。
じゃあ「ロシアンブルー」のテーマは何か?というと。
ちょっと難しいんですが、私は、本来のテーマは「自由のないところに芸術はありうるのか?」というところにあったんじゃないか、と思っています。
たとえば、「ヘイズ・コード」は、「理由のあるルール」でした。制定された理由はちゃんとある。でも、あまりにも杓子定規に運営されれば芸術家の自由な発想を妨げるものとなる。結局のところ、ルール自体は正しくても、運営が間違っていれば無意味あるいは有害なものになりうるということだったと思うんですよね。
それに対して、「ロシアンブルー」のエジェフの行動には、ルールがない。
彼が本当に私利私欲の塊であったとしても(←事実はわかりませんが)、ソヴィエト式の共産主義社会は情報統制・思想統制が厳しく、自浄作用が働きにくいので、一度彼が権力を掴んでしまえばそれを引っくり返すことは非常に困難です。
あれだけあからさまな不正の証拠を握っても、せいぜい「軍なら、睨みくらいはきかせられるだろう」としか言えないのですから。
この情報や思想の統制というのは、共産主義自体が人々の裡から自然に出てきた思想ではなく、たぶんに哲学的な発想から生まれた理想主義的なものであり、教育的手段で植えつける必要があったこと、ソヴィエト(ロシア)があまりにも物理的に広く、民族的にも多様すぎて、同一の価値観を持たせることが困難であったこと、などから必要悪的に出てきたものであったわけですが。
実際には、権力を持ったものがあっという間に腐敗していったであろうことは想像に難くない。
そして、そんな権力者たちにとって、「ソヴィエトは健康的な社会である。なぜなら、自由のないところには育たないといわれる芸術が、こんなにも豊かに花開いている!」そういうふうに言うことが、絶対に必要だった。
だから彼らはこの当時、さまざまな芸術推進策をうっています。芸術家たちの家もその一つだし、さまざまなコンクールを実施したり、各地から才能のある子をスカウトしてきたり。
実際、この当時だったら、アメリカよりソヴィエトの方が文化レベルは高かったはずなんですよね。アメリカで作られたショーが、理由なく却下されても不思議はなかった。アメリカのショーは、芸術とは認められていなかったのですから。
アメリカの芸術が『世界的な』レベルになるのは、なんといっても第二次世界大戦でヨーロッパのユダヤ人が大量に亡命して以降なのですから。音楽も、絵画も、バレエも、なにもかも。
でも。
実際には、ソヴィエトの芸術レベル自体が高いことは事実でも、審査はそうはいかない。
エジェフ自らが呟くように「差し戻しが増えているとは思わんかね」ということになっているわけです。彼らは社会を抑圧しているわけですから。
社会が抑圧されていれば、芸術はそれに反発します。そうでなければ、芸術の意味がない。
そういう自然の摂理があるから、「自由のないところに(健康的な)芸術は無い」のです。
自由のないところには、反社会的な芸術がはびこるのが当然ですから。
そして。
「自由のないところに芸術は無い」ことと、
「革命が俺を裏切っても、俺は革命を裏切らない」ことは、裏表なのだと思います。
彼らは、革命によって自由な社会を得るつもりだった。
得られると思っていた。
ユーリの屈託は、「マリポーサの花」でネロが苦しんだ屈託と同じモノ。だけれども、ユーリはネロのようにすぱっと軍を辞めて自分のできることをはじめるのではなく、革命政府の中で、少しでも自分のやれることがないかを探している。
ネロもユーリも、自分にできることを精一杯やる という姿勢は同じです。ただ、方法が違っているだけ。
だから。
…おそらく、この物語よりも未来のどこかで、ユーリは何かを救うために命を賭けることになるのでしょう。それがとても切ない。彼は革命を裏切れないのだから。だから。革命を救うために、ひいては革命に飛び込んだ自分の心を救うために、革命に殉じてしまうのだろう、と。
願わくば。せめて、そのときの指導者がエジェフではなく、もう少し革命に対して真摯なひとであることを、祈りたい。
そして、この物語の主役は、革命に裏切られたユーリ先輩ではなく、ウィスラー一族の当主として、皆(何人居るのか知りませんが)の生活に責任があるアルバート。彼は、「一族だけじゃない、抑圧されている全ての人の役に立ちたい」と思って政治家を志し、ああかこうかと揺れながら、それでも(裏技を使いながら)下院議員にまでなった。
決して理想家肌ではないけれども、自分の責任は自覚しているし、そのために自分のできることがあるなら全部やってやろう、と思っているひとですよね。
ヘンリーと二人、結構手段を選ばずにやってきたのだと思うんです。まあ、あの「キラー・スマイル」は魔法じゃないみたいですが(^ ^)。
そんな彼が、ロシアで同族にめぐり合う。
イリーナとの出会いは運命の邂逅。「…薬のせいで」と言い合いながら、素直に惹かれあう二人。その絶妙の距離感がすごく好きです。
そして、最後の別れ。退去命令が出ているアルバートと、簡単には出国できないイリーナ。
銀橋で「ダスビダーニャ」と別れていく二人の間に希望の光があるだけに、この後の時代を知る現代の私は、切ないです。
「私が知っているのは、ここまで。……アメリカとソヴィエトが喧嘩をする、少し前のお話です」
という、ロビンのとぼけたナレーションが、せつないほどに優しくて。
絶滅寸前だった(というか、絶滅した)のに復活したロシアンブルーのように。
たとえ将来、アメリカとソヴィエトが喧嘩をおっぱじめても、それでも二人が再び巡り合う可能性は0じゃない。
それこそ大統領になってでも(←ならないけど)迎えに行くだろうアルバートの、もうブレることもない清々しい笑顔が、すごく眩しい。
『心無い笑顔』とヘンリーに評されたキラー・スマイルよりも、もっと威力のある、魅力的な笑顔を知って、彼は、彼の本来の戦場に戻っていく。
そして、イリーナもイリーナの戦場に。
一族を守り、そして、革命を裏切らない自分であるために。
ロシアの王侯貴族が愛した美しい猫、ロシアンブルー。
彼らは、第二次世界大戦中に姿を消します。物語の中で、モスクワには1930年代の時点でいなかったことになっていますが、実際はどうだったのでしょうか。
ちなみに、現在、世界で飼われるいるロシアンブルーは、当時の血統ではなく、シャム猫とブリティッシュ・ブルーという青猫から復元されたものなのだそうです。へーへーへー。
ロシアンブルー、というタイトルにこめられた大野さんの思いは、なんとなく、わかるようなわからないような…と思いつつ。
でもたぶん。公園中を必死で追いかけられるロシアンブルーは、喪われてしまった過去、あるいは自由の象徴、なんでしょうね。ネコタナ一族、ウィスラー一族の微妙な能力もまた、ロシアンブルーのようなものなのかもしれません。
……しかし、ロシアみたいな寒い土地に、あんな短毛で細長い種がもともと居たとも思えないんだが……そもそもの存在自体が不思議な猫だ。<ロシアンブルー
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先月CSで流れたバウホール公演「二人の貴公子」の録画を、やっと観ました(汗)。
いやー、何度観ても本当に美しいひとたちだこと(^ ^)うっとり。
この日記にももう一回書こうと思いながら、結局書かずじまいだったんですが、録画を視ながらあらためて思ったことがありましたので、少しだけ書かせていただきますね(^ ^)。
ちなみに、観劇直後に書いた日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/200903310301395827/
上の日記にも書いていますが、パラモン(龍真咲)は子供なんだね、と映像を視てあらためて思いました。
子供だから、裏切りを許さないし、許せない。
子供すぎて、相手の立場に立って考えるとか、事情を斟酌するとか、そういうことができないんですね。嘘は嘘で、裏切りは裏切り。どんな事情があろうとも、嘘が嘘であるがゆえに絶対に許さない、という潔癖さがある。
だから彼には、アーサイトの闇を理解することができない。
心の奥では、理解したい、理解されたいと希っているのに…。
もし、森のはずれで遍歴の騎士(紫門ゆりや)に出会ったのがパラモンであったなら、裏切ることなど思いつきもせずに、何もしないで別れたんだろうな、と思ったんですよね。
だけど、アーサイト(明日海りお)は違う。彼は、精神面では完全に大人になってしまっている。熱情に狂って無関係な人を傷つけることさえ是としてしまう、それだけの熱を持っている人。
彼はパラモンを裏切ったことを自覚している。そして、パラモンが決して裏切りを許さないことも知っている。だから、彼にとっての至上の罪はパラモンを裏切ったことであって、その罪を背負っている以上、それを無駄にするわけにはいかない。つまり、彼にとって、遍歴の騎士を襲ったことはそのついででしか、ない。
…で。
アーサイトは、パラモンを超えたくなかったんだろうな、ということを凄く思ったんですよね。
多分、パラモンはそれ(アーサイトが自分を超えること)を受け入れられないだろうから。
だけど。それでも彼は、最後の最後にはパラモンと相対し、彼を超えることを希む。どうせ隣を歩むことが許されないのなら、せめて正面に立ちはだかりたい、と。
いっそ滅ぼしてしまいたい、と、思ったのかどうかはわかりませんが、私はそのつもりで観てい
ました。
パラモンは、アーサイトにとっての最大にして唯一の壁。それを超えなくては成人になれない。
なのに彼は、パラモンのいない世界で生きていくことに意味を見出せない。
自分に敗れたパラモンが、敗北をそれを受け入れて生きていくはずがない。あの誇り高くて我がままなパラモンが。
どのみち、一度関係がこじれてしまった以上、二度と並んで歩くことは出来ないのだ。
……ならば。
与える愛も、与えられる愛も拒み通して、ただわがままに、欲しいものを欲しがるばかりの子供。そんなパラモンを、どうしてアーサイトはそんなに愛してしまったのかと思うのですが。
そんなパラモンの弱さを許して受け入れるだけの闇が、みりおくんにはあるんだなあ、と感心しました。
そして、そんな心の闇こそが、パラモンには決して理解できない部分なのだろう、と。
仲良しの二人が、ちょっとしたことで口喧嘩になる場面が、この作品には二箇所あります。
最初に、テーバイの街を出るの出ないのと議論している場面と、牢の窓からエミーリア姫を垣間見て恋に落ちた運命の刻、と。
どちらも始まり方は似ていて、完全な言いがかりから始まって言い合いになり、お互いに対する悪口に移行し、そして、ふ、と黙り込む一瞬がくるんですね。
で。一回目は、そこで二人が顔を見合わせて吹き出し、仲直りしました。
でも二回目は、まるでその瞬間を見計らっていたように、牢番(研ルイス)が現れるんですよね。つまり、この牢番こそが運命の使者の役割を果たすことになる。この瞬間に、二人は分かれ道を選んでしまう。ラストの悲劇に到る途、を。
たぶん、ここで牢番が現れなかったら、一回目より時間はかかったにしても、いずれ二人は仲直りできたと思うんですよね。ずっと二人で、同じ牢の部屋に閉じ込められていたならば。たぶん、アーサイトが譲る形で。だから、アーサイトのエミーリアに対する恋がどれだけ深いかで仲直りまでにかかる時間が決まる。
でも、一番「こんな奴知るもんか!」と思っている瞬間に牢番が現れて、二人のうち一人だけを釈放する、と告げにきてしまう。
パラモンの煮えたぎる怒りは納まらないし、アーサイトの激情も、もう抑えられない。
もしかしたら、アーサイトにとっては生まれて初めてだったかもしれない、パラモン以外の人への憧憬。それが、途中で断ち切られようとしている。もはやパラモンに許されるはずはなく、憧れた人との細い糸さえ途絶えてしまう…その恐怖が、森の闇の中で変質していく。
喪い得ないものならば、奪い取れば、いい。
振り向かない友ならば、振り向かせれば、いい。
騎士としての誠意まで棄てて。自身の名前さえ振り捨てて、姫の傍らを選んだ彼は。
そこまでしても、姫の愛を得ることは叶わなかった……
姫が恋したのは、いつも傍にいてくれて、心を分け与えた親友の話を聴いてくれた優しい騎士ではなく、白い鹿の化身。
美しく謎めいた、知らない男。
パラモンは二人の女(エミーリアと牢番の娘)とに恋されますが、彼の人間性をきちんと理解して愛した(←美しい友愛ですよもちろん)のはアーサイトだけなんですよね。女たちは二人とも、彼の人間性を理解する前に、愛の意味を見失って別の世界へ行ってしまう。
それは、パラモンが誰のことも『愛して』はいなかったから、だと思うのです。
だから。
アーサイトは自らの死をもって、パラモンに愛を教えようとする。
エミーリアがパラモンに恋していることに、彼だけが気づいていたから。
彼が求めたのは勝利。すなわち、パラモンを超えること。パラモンを超えてしまえば、アーサイト自身が生きる意味を喪うことを知っていながら。
パラモンが、自らの額に刻む血の刻印。
アーサイトの教えたことをパラモンが受けいれたのかどうか、その答えを観客の想像に委ねた小柳さんの演出それ自体は、良かったと思います。全然違う作品ですけど、「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」を思い出しました。
ただ、そこに到る芝居の指導がちょっと甘かったかな、とは思ってしまうのですけれども……(がんばれまさお)。
他のメンバーのことをほとんど書いておりませんが。
テーセウス様(萬あきら)とペイリトース(磯野千尋)の重鎮お二人の重みが良かったです。
テーセウス様とペイリトースの関係が色っぽくて(^ ^)、もしかしたら、パラモンとアーサイトもこんな風でありえたのかもしれないな、と。
だからこそ、ペイリトースにはアーサイトの気持ちがわかったのだろうな、と。そういう含みと裏のある芝居はさすがだ、と思いました。
テーセウスの妻ヒポリタ(天野ほたる)の豊饒たる美しさについては以前にも書きましたが、
その結婚式に乱入してくる王妃たち(夏月都、玲実くれあ、琴音和葉)も実に良かったです。三人とも綺麗で、貫禄があって、芝居も歌も良くて。……まだ下級生なのにねぇ。
(光月)るうちゃんと蘭ちゃんのカップルの可愛らしさは格別ですね。
手の届かない太陽(パラモン)に恋をして、身を灼かれ、心も砕かれてしまう娘。牢の鍵を持ち出して、太陽のもとへ走り出す狂熱、ひたむきでまっすぐな狂気の恋。牢を出てきたパラモンに初めて触れて、うっとりと呟く「白くて綺麗な手……王子様の手!」という台詞一つで、パラモンを罪の自覚へ追い詰める、天使の恋。
そんな娘の傍らにそっと寄り添って、自身なさげにおずおずと頭を撫でる優しい手。最近ギャング続きのるうちゃんの、あんな優しくておっとりした温かな役を観ることができて、良かったです。本当に可愛かった♪
騎士フィロストラーテ(紫門ゆりや)は、とにかくほのぼのとして可愛かった♪ 登場場面での明るさ、明朗さ、闇のなさ。なかなかあそこまで闇をもたないキャラクターも少ないと思うんですよね。アーサイトにいきなり襲われてしまう隙だらけなところも良かったし、村人たちに助けられて、良いように使われて、あげくに「面白くなってきました」という件とか。あの素直さは財産ですね♪♪ (*^ ^*)。
劇作家(彩央寿音)以下の村人たちチームのチームワークの良さは、いかにも月組らしい楽しさに溢れていました。響れおな、貴千碧のコンビの息の合いようは素晴らしかった!!フィロストラーテを助けて、「うちに来れば、薬と、食べ物と、、、、それに台本がありやす♪」というまんちゃんが、最高に素敵です。
そして、ヒロイン格の千海華蘭ちゃんの可愛いことといったら♪
下級生の星輝つばさ、天翔りいら、珠城りょうの三人も、台詞とかは少なかったけど出番は多くてがんばっていたし、その成果は「エリザベート」以降に出てきていますよね。今回の公演の新人公演で大抜擢された珠城りょうさんも、がんばってほしいです!
シェイクスピアは、どうしてもメイン以外の女性の役が少なくなりがちなのですが。
(男優が女装していた時代なので、アンサンブルの女性がいなかった)
今回も、娘役は基本的に村娘しか役がなくて寂しかった……。咲希あかねちゃん筆頭に、みんな可愛い子だったのになあ。花陽みらちゃんもちょっと台詞があったりして目立ってましたけど、、、あああ、勿体無い。
娘役で目立ったのは、あとは侍女の真愛涼歌ちゃんですね。エミーリア姫付きの侍女で、一幕は常に姫と一緒。控えめな存在感と、台詞の口跡の明晰なのにおっとりと穏やかな話しぶりがすごく好きです。声がまろやかなんですよね。博多座の「ME AND MY GIRL」以来、侍女づいてますが、可愛くて巧くて、大好きです☆
途中でちょっと侍女に入っていた愛風ゆめちゃんもめっちゃ可愛くて、一回で覚えました♪
「森」の狂気と非現実感を巧く使った、物語世界全体を貫く構造的な発想といい、色彩感覚や人の配置といい、牢番の娘(蘭乃はな)と光月るうちゃんの不器用だけどほっこりと温かい愛情表現といい、小柳さんの作品としてはかなりの佳作だと思いました。
再演してほしいなーと思っていたのですが、しずくちゃんの卒業で夢に終わってしまったのがとても残念(T T)。あああ、もう一回、あの美しさをナマで観たかったなあ~。
.
いやー、何度観ても本当に美しいひとたちだこと(^ ^)うっとり。
この日記にももう一回書こうと思いながら、結局書かずじまいだったんですが、録画を視ながらあらためて思ったことがありましたので、少しだけ書かせていただきますね(^ ^)。
ちなみに、観劇直後に書いた日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/200903310301395827/
上の日記にも書いていますが、パラモン(龍真咲)は子供なんだね、と映像を視てあらためて思いました。
子供だから、裏切りを許さないし、許せない。
子供すぎて、相手の立場に立って考えるとか、事情を斟酌するとか、そういうことができないんですね。嘘は嘘で、裏切りは裏切り。どんな事情があろうとも、嘘が嘘であるがゆえに絶対に許さない、という潔癖さがある。
だから彼には、アーサイトの闇を理解することができない。
心の奥では、理解したい、理解されたいと希っているのに…。
もし、森のはずれで遍歴の騎士(紫門ゆりや)に出会ったのがパラモンであったなら、裏切ることなど思いつきもせずに、何もしないで別れたんだろうな、と思ったんですよね。
だけど、アーサイト(明日海りお)は違う。彼は、精神面では完全に大人になってしまっている。熱情に狂って無関係な人を傷つけることさえ是としてしまう、それだけの熱を持っている人。
彼はパラモンを裏切ったことを自覚している。そして、パラモンが決して裏切りを許さないことも知っている。だから、彼にとっての至上の罪はパラモンを裏切ったことであって、その罪を背負っている以上、それを無駄にするわけにはいかない。つまり、彼にとって、遍歴の騎士を襲ったことはそのついででしか、ない。
…で。
アーサイトは、パラモンを超えたくなかったんだろうな、ということを凄く思ったんですよね。
多分、パラモンはそれ(アーサイトが自分を超えること)を受け入れられないだろうから。
だけど。それでも彼は、最後の最後にはパラモンと相対し、彼を超えることを希む。どうせ隣を歩むことが許されないのなら、せめて正面に立ちはだかりたい、と。
いっそ滅ぼしてしまいたい、と、思ったのかどうかはわかりませんが、私はそのつもりで観てい
ました。
パラモンは、アーサイトにとっての最大にして唯一の壁。それを超えなくては成人になれない。
なのに彼は、パラモンのいない世界で生きていくことに意味を見出せない。
自分に敗れたパラモンが、敗北をそれを受け入れて生きていくはずがない。あの誇り高くて我がままなパラモンが。
どのみち、一度関係がこじれてしまった以上、二度と並んで歩くことは出来ないのだ。
……ならば。
与える愛も、与えられる愛も拒み通して、ただわがままに、欲しいものを欲しがるばかりの子供。そんなパラモンを、どうしてアーサイトはそんなに愛してしまったのかと思うのですが。
そんなパラモンの弱さを許して受け入れるだけの闇が、みりおくんにはあるんだなあ、と感心しました。
そして、そんな心の闇こそが、パラモンには決して理解できない部分なのだろう、と。
仲良しの二人が、ちょっとしたことで口喧嘩になる場面が、この作品には二箇所あります。
最初に、テーバイの街を出るの出ないのと議論している場面と、牢の窓からエミーリア姫を垣間見て恋に落ちた運命の刻、と。
どちらも始まり方は似ていて、完全な言いがかりから始まって言い合いになり、お互いに対する悪口に移行し、そして、ふ、と黙り込む一瞬がくるんですね。
で。一回目は、そこで二人が顔を見合わせて吹き出し、仲直りしました。
でも二回目は、まるでその瞬間を見計らっていたように、牢番(研ルイス)が現れるんですよね。つまり、この牢番こそが運命の使者の役割を果たすことになる。この瞬間に、二人は分かれ道を選んでしまう。ラストの悲劇に到る途、を。
たぶん、ここで牢番が現れなかったら、一回目より時間はかかったにしても、いずれ二人は仲直りできたと思うんですよね。ずっと二人で、同じ牢の部屋に閉じ込められていたならば。たぶん、アーサイトが譲る形で。だから、アーサイトのエミーリアに対する恋がどれだけ深いかで仲直りまでにかかる時間が決まる。
でも、一番「こんな奴知るもんか!」と思っている瞬間に牢番が現れて、二人のうち一人だけを釈放する、と告げにきてしまう。
パラモンの煮えたぎる怒りは納まらないし、アーサイトの激情も、もう抑えられない。
もしかしたら、アーサイトにとっては生まれて初めてだったかもしれない、パラモン以外の人への憧憬。それが、途中で断ち切られようとしている。もはやパラモンに許されるはずはなく、憧れた人との細い糸さえ途絶えてしまう…その恐怖が、森の闇の中で変質していく。
喪い得ないものならば、奪い取れば、いい。
振り向かない友ならば、振り向かせれば、いい。
騎士としての誠意まで棄てて。自身の名前さえ振り捨てて、姫の傍らを選んだ彼は。
そこまでしても、姫の愛を得ることは叶わなかった……
姫が恋したのは、いつも傍にいてくれて、心を分け与えた親友の話を聴いてくれた優しい騎士ではなく、白い鹿の化身。
美しく謎めいた、知らない男。
パラモンは二人の女(エミーリアと牢番の娘)とに恋されますが、彼の人間性をきちんと理解して愛した(←美しい友愛ですよもちろん)のはアーサイトだけなんですよね。女たちは二人とも、彼の人間性を理解する前に、愛の意味を見失って別の世界へ行ってしまう。
それは、パラモンが誰のことも『愛して』はいなかったから、だと思うのです。
だから。
アーサイトは自らの死をもって、パラモンに愛を教えようとする。
エミーリアがパラモンに恋していることに、彼だけが気づいていたから。
彼が求めたのは勝利。すなわち、パラモンを超えること。パラモンを超えてしまえば、アーサイト自身が生きる意味を喪うことを知っていながら。
パラモンが、自らの額に刻む血の刻印。
アーサイトの教えたことをパラモンが受けいれたのかどうか、その答えを観客の想像に委ねた小柳さんの演出それ自体は、良かったと思います。全然違う作品ですけど、「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」を思い出しました。
ただ、そこに到る芝居の指導がちょっと甘かったかな、とは思ってしまうのですけれども……(がんばれまさお)。
他のメンバーのことをほとんど書いておりませんが。
テーセウス様(萬あきら)とペイリトース(磯野千尋)の重鎮お二人の重みが良かったです。
テーセウス様とペイリトースの関係が色っぽくて(^ ^)、もしかしたら、パラモンとアーサイトもこんな風でありえたのかもしれないな、と。
だからこそ、ペイリトースにはアーサイトの気持ちがわかったのだろうな、と。そういう含みと裏のある芝居はさすがだ、と思いました。
テーセウスの妻ヒポリタ(天野ほたる)の豊饒たる美しさについては以前にも書きましたが、
その結婚式に乱入してくる王妃たち(夏月都、玲実くれあ、琴音和葉)も実に良かったです。三人とも綺麗で、貫禄があって、芝居も歌も良くて。……まだ下級生なのにねぇ。
(光月)るうちゃんと蘭ちゃんのカップルの可愛らしさは格別ですね。
手の届かない太陽(パラモン)に恋をして、身を灼かれ、心も砕かれてしまう娘。牢の鍵を持ち出して、太陽のもとへ走り出す狂熱、ひたむきでまっすぐな狂気の恋。牢を出てきたパラモンに初めて触れて、うっとりと呟く「白くて綺麗な手……王子様の手!」という台詞一つで、パラモンを罪の自覚へ追い詰める、天使の恋。
そんな娘の傍らにそっと寄り添って、自身なさげにおずおずと頭を撫でる優しい手。最近ギャング続きのるうちゃんの、あんな優しくておっとりした温かな役を観ることができて、良かったです。本当に可愛かった♪
騎士フィロストラーテ(紫門ゆりや)は、とにかくほのぼのとして可愛かった♪ 登場場面での明るさ、明朗さ、闇のなさ。なかなかあそこまで闇をもたないキャラクターも少ないと思うんですよね。アーサイトにいきなり襲われてしまう隙だらけなところも良かったし、村人たちに助けられて、良いように使われて、あげくに「面白くなってきました」という件とか。あの素直さは財産ですね♪♪ (*^ ^*)。
劇作家(彩央寿音)以下の村人たちチームのチームワークの良さは、いかにも月組らしい楽しさに溢れていました。響れおな、貴千碧のコンビの息の合いようは素晴らしかった!!フィロストラーテを助けて、「うちに来れば、薬と、食べ物と、、、、それに台本がありやす♪」というまんちゃんが、最高に素敵です。
そして、ヒロイン格の千海華蘭ちゃんの可愛いことといったら♪
下級生の星輝つばさ、天翔りいら、珠城りょうの三人も、台詞とかは少なかったけど出番は多くてがんばっていたし、その成果は「エリザベート」以降に出てきていますよね。今回の公演の新人公演で大抜擢された珠城りょうさんも、がんばってほしいです!
シェイクスピアは、どうしてもメイン以外の女性の役が少なくなりがちなのですが。
(男優が女装していた時代なので、アンサンブルの女性がいなかった)
今回も、娘役は基本的に村娘しか役がなくて寂しかった……。咲希あかねちゃん筆頭に、みんな可愛い子だったのになあ。花陽みらちゃんもちょっと台詞があったりして目立ってましたけど、、、あああ、勿体無い。
娘役で目立ったのは、あとは侍女の真愛涼歌ちゃんですね。エミーリア姫付きの侍女で、一幕は常に姫と一緒。控えめな存在感と、台詞の口跡の明晰なのにおっとりと穏やかな話しぶりがすごく好きです。声がまろやかなんですよね。博多座の「ME AND MY GIRL」以来、侍女づいてますが、可愛くて巧くて、大好きです☆
途中でちょっと侍女に入っていた愛風ゆめちゃんもめっちゃ可愛くて、一回で覚えました♪
「森」の狂気と非現実感を巧く使った、物語世界全体を貫く構造的な発想といい、色彩感覚や人の配置といい、牢番の娘(蘭乃はな)と光月るうちゃんの不器用だけどほっこりと温かい愛情表現といい、小柳さんの作品としてはかなりの佳作だと思いました。
再演してほしいなーと思っていたのですが、しずくちゃんの卒業で夢に終わってしまったのがとても残念(T T)。あああ、もう一回、あの美しさをナマで観たかったなあ~。
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だいぶ前に終わってしまった公演ですが。
日生劇場で「ジェーン・エア」を観劇いたしましたので、いまさらですが落ち穂を拾わせていただきます。
「ジェーン・エア」。
原作は、イギリスの小説家シャーロット・ブロンテが書いた同題の小説。私がシャーロットの名前を知ったのは、永井路子の「歴史を騒がせた女たち(外国篇)」だったかな?海外の歴史上著名な女性について語った本でした。妹・エミリーの「嵐が丘」は、かの有名な「ガラスの仮面」で興味を持って読んでいたので、なんとなく家にあった世界名作文学全集みたいなのを読み始めたのですが、あまりにも分厚いし訳は古臭いしで途中で飽きてしまって、最後まで読んだかどうかすら曖昧でした(汗)。
今回観劇して、非常に興味を持ちましたので、今度こそ(違う訳で)もう一度読み直したいと思います(反省)。
2000年にブロードウェイで初演。トニー賞に作品や主演女優賞などでノミネートされたけど、「プロデューサーズ」に負けて無冠で終わった作品なんですよね、たしか。私も観たことはないのですが、作品としてはすごく話題になっていた記憶があり、日本初演を楽しみにしていました。
演出は大御所ジョン・ケアード、手堅くてリアルな作風が特徴の人ですが、今回も何から何までピタッと嵌る、見事な演出でした。
作曲はポール・ゴードン。名前は時々聞く人ですが、日本にきたのは初めてかな…?音楽も聴きやすくてすごく良かったです。
しかし。
演出も音楽も出演者も間違いなく良かったんですけど、それ以上にストーリーが興味深かったですね。あんなに面白い話だったとは……(反省)全然違いますけども、でもちょっとだけ「レベッカ」とか「ウーマン・イン・ホワイト」を彷彿とさせる部分があるような気がしました。
あれが「イギリス文学の薫り」というものなのでしょうか…?
タイトルロールのジェーンは松たか子。ロチェスターに橋本さとし。
とにかく、この二人の魅力で全てを引っ張っていましたねぇ。松さんは、今まで観たなかで私は一番好きかも。歌もすごく良かったです。得意な音域だったのかしら。
橋本さんは、「ミス・サイゴン」のエンジニアも素晴らしかったけど、ロチェスターも本当に素晴らしい。こういう、裏街道を歩いている二枚目をやらせたら、右にでるものはいないんじゃないでしょうか。生きることに貪欲で、一生懸命で、しかも、自分では器用に生きていると思っているのに傍から見ているともの凄く不器用、、、そんな可愛らしさがありました。
松さんが、雰囲気は柔らかいけど、実は芯が強くて絶対に折れない柳のような人だとしたら、橋本さんは水面にゆらゆらと漂い、茎を折ろうと思えばポキンと折れてしまう睡蓮のようなイメージ。
ちょうど、凸と凹がかみ合っている名コンビ、という印象でした。
ロチェスターに仕える女官頭?(むしろ乳母みたいな感じ/汗)のフェアファックス夫人に、寿ひずる。
元々巧い人ですが、いや、本当にさすがでしたね。大好きです。落ち着きと格の高さ、そしておおらかな包容力。愛情をきちんと見せつつべたべたしない在り方が、作品の格をあげていたと思います(*^ ^*)。いやー、素敵でした♪
ジェーンの伯母(養母)のリード夫人に、伊東弘美。
物語の、というか、ジェーンの人生にとってのキーとなる人物ですが、昔はファンテーヌ(レ・ミゼラブル)をやっていた方とは思えないような嫌味っぷりで、惚れ惚れしました。テナルディエ夫人の経験の方がありそう(←無いよ!!)
この人がリアルで存在感があったからこそ、ラストで泣けたのだと思います//松さんとの呼吸も良かったし、さすがだなあ…。
孤児院の先生、謎の女、デント夫人の三役を演じた旺なつき。
美しい人なんですけど、あまり顔をさらす役がなかったのがちょっと残念。
三役とも全く雰囲気が違っていて、観ているときは同一人物であることを全然意識していませんでした。姿も違えば声も違う。役者だなあ……。
孤児院でのジェーンの親友、ヘレン・バーンズのさとう未知子。
松さんがかなり若く見えるので、ちょっと歳上気味に見えてしまったのが残念でしたが、落ち着きのある柔らかな雰囲気が役に合っていて、ジェーンとの友情に説得力があったと思います。
声も綺麗。ミュージカルは初出演とのことでしたが、これからは色々出て欲しいような気がします!
ロチェスターの友人・リチャードの福井貴一。
全然予習していなかったので、いきなり福井さんが出てきたときは凄く吃驚しました。
やー、いつ観てもカッコいいなあ(*^ ^*)。役割としては「…で?」って感じがしないでもないんですが、出てきただけで場をさらって空気を変える力が必要な役なので、福井さんで正解だったな、と思います。っつか、かっこい~!
そういえば、この人は「レ・ミゼラブル」初演のアンジョルラスでしたね。ジョン・ケアードが演出しているだけあって、レ・ミ経験者が多いんだなあ…(羨)。
あとは、牧師だのなんだの、いろんな役を演じてくれた壌晴彦。いやはや、立っているだけで怪しくて妖しくて、凄くいいです。こういう、ホラーというほどではないけどミステリーというにはゴシックロマン風味、みたいな作品の場合、立っているだけで妖しくて怪しい人が一人いれば、それだけですごく面白くなるんですよね♪
貴族のお嬢さんでロチェスターに恋をしているブランチ・イングラムに、オペラ歌手の幸田浩子。
ブランチのナンバーは割に有名で、コンサートとかで1,2度聴いたことがあるのですが。さすが現役のプリマドンナ(?)、見事なソプラノで、本気で聞き惚れました(*^ ^*)
芝居というほどの芝居ではないので、これは歌重視のキャスティング(というかゲストに近い?)なんだな、と思いました。もっとブランチとジェーンのやり取りを掘り下げても面白そうなんですけどね。なかなかそうもいかない、かな?
芝居としては、とにかくジェーンとロチェスターの関係、二人のお互いに向ける心情の変化が丁寧に描かれていたのがすごく良かったです。
なんたってロチェスターが素敵!すぎて、かなりクラクラしました。橋本さん、ああいう色っぽい役やると凶器になるんですねぇ(*^ ^*)。エンジニアでさえ色っぽくて思わず目を逸らしてしまう感じだったのに、こんな全開な……ドキドキ。
松さんとの並びが、ちゃんと「歳の離れた二人」なのに「好き同士」というふうにちゃんと見えたのが、何より良かった、と思います。はい。
「ジェーン・エア」については、そんなところでしょうか。
やっぱり、観たらすぐ書かないといけないですねぇ、感想って。時間がたってまとまることもあるけど、下書きはしておかないと忘れてしまう(涙)
あと落ち穂で残っているのは……
G2演出の「静かじゃない大地」、途中で止まってしまっている「二人の貴公子」と「フィフティ・フィフティ」、というところでしょうか。いや、遡れば色々あるのですが(^ ^;ゞ
雪組公演「ロシアンブルー/RIO de Bravo!」も、あと2日で千秋楽ですね。
良い作品だったので、もっと観たかったなあ……と思いつつ、18日の予定(なんのことはない、休日出勤の予定だったのですが)があいたので、駄目モトでサバキ待ちに行ってみよう!と思っています♪ もう一回観れたらいいなあ~☆
.
日生劇場で「ジェーン・エア」を観劇いたしましたので、いまさらですが落ち穂を拾わせていただきます。
「ジェーン・エア」。
原作は、イギリスの小説家シャーロット・ブロンテが書いた同題の小説。私がシャーロットの名前を知ったのは、永井路子の「歴史を騒がせた女たち(外国篇)」だったかな?海外の歴史上著名な女性について語った本でした。妹・エミリーの「嵐が丘」は、かの有名な「ガラスの仮面」で興味を持って読んでいたので、なんとなく家にあった世界名作文学全集みたいなのを読み始めたのですが、あまりにも分厚いし訳は古臭いしで途中で飽きてしまって、最後まで読んだかどうかすら曖昧でした(汗)。
今回観劇して、非常に興味を持ちましたので、今度こそ(違う訳で)もう一度読み直したいと思います(反省)。
2000年にブロードウェイで初演。トニー賞に作品や主演女優賞などでノミネートされたけど、「プロデューサーズ」に負けて無冠で終わった作品なんですよね、たしか。私も観たことはないのですが、作品としてはすごく話題になっていた記憶があり、日本初演を楽しみにしていました。
演出は大御所ジョン・ケアード、手堅くてリアルな作風が特徴の人ですが、今回も何から何までピタッと嵌る、見事な演出でした。
作曲はポール・ゴードン。名前は時々聞く人ですが、日本にきたのは初めてかな…?音楽も聴きやすくてすごく良かったです。
しかし。
演出も音楽も出演者も間違いなく良かったんですけど、それ以上にストーリーが興味深かったですね。あんなに面白い話だったとは……(反省)全然違いますけども、でもちょっとだけ「レベッカ」とか「ウーマン・イン・ホワイト」を彷彿とさせる部分があるような気がしました。
あれが「イギリス文学の薫り」というものなのでしょうか…?
タイトルロールのジェーンは松たか子。ロチェスターに橋本さとし。
とにかく、この二人の魅力で全てを引っ張っていましたねぇ。松さんは、今まで観たなかで私は一番好きかも。歌もすごく良かったです。得意な音域だったのかしら。
橋本さんは、「ミス・サイゴン」のエンジニアも素晴らしかったけど、ロチェスターも本当に素晴らしい。こういう、裏街道を歩いている二枚目をやらせたら、右にでるものはいないんじゃないでしょうか。生きることに貪欲で、一生懸命で、しかも、自分では器用に生きていると思っているのに傍から見ているともの凄く不器用、、、そんな可愛らしさがありました。
松さんが、雰囲気は柔らかいけど、実は芯が強くて絶対に折れない柳のような人だとしたら、橋本さんは水面にゆらゆらと漂い、茎を折ろうと思えばポキンと折れてしまう睡蓮のようなイメージ。
ちょうど、凸と凹がかみ合っている名コンビ、という印象でした。
ロチェスターに仕える女官頭?(むしろ乳母みたいな感じ/汗)のフェアファックス夫人に、寿ひずる。
元々巧い人ですが、いや、本当にさすがでしたね。大好きです。落ち着きと格の高さ、そしておおらかな包容力。愛情をきちんと見せつつべたべたしない在り方が、作品の格をあげていたと思います(*^ ^*)。いやー、素敵でした♪
ジェーンの伯母(養母)のリード夫人に、伊東弘美。
物語の、というか、ジェーンの人生にとってのキーとなる人物ですが、昔はファンテーヌ(レ・ミゼラブル)をやっていた方とは思えないような嫌味っぷりで、惚れ惚れしました。テナルディエ夫人の経験の方がありそう(←無いよ!!)
この人がリアルで存在感があったからこそ、ラストで泣けたのだと思います//松さんとの呼吸も良かったし、さすがだなあ…。
孤児院の先生、謎の女、デント夫人の三役を演じた旺なつき。
美しい人なんですけど、あまり顔をさらす役がなかったのがちょっと残念。
三役とも全く雰囲気が違っていて、観ているときは同一人物であることを全然意識していませんでした。姿も違えば声も違う。役者だなあ……。
孤児院でのジェーンの親友、ヘレン・バーンズのさとう未知子。
松さんがかなり若く見えるので、ちょっと歳上気味に見えてしまったのが残念でしたが、落ち着きのある柔らかな雰囲気が役に合っていて、ジェーンとの友情に説得力があったと思います。
声も綺麗。ミュージカルは初出演とのことでしたが、これからは色々出て欲しいような気がします!
ロチェスターの友人・リチャードの福井貴一。
全然予習していなかったので、いきなり福井さんが出てきたときは凄く吃驚しました。
やー、いつ観てもカッコいいなあ(*^ ^*)。役割としては「…で?」って感じがしないでもないんですが、出てきただけで場をさらって空気を変える力が必要な役なので、福井さんで正解だったな、と思います。っつか、かっこい~!
そういえば、この人は「レ・ミゼラブル」初演のアンジョルラスでしたね。ジョン・ケアードが演出しているだけあって、レ・ミ経験者が多いんだなあ…(羨)。
あとは、牧師だのなんだの、いろんな役を演じてくれた壌晴彦。いやはや、立っているだけで怪しくて妖しくて、凄くいいです。こういう、ホラーというほどではないけどミステリーというにはゴシックロマン風味、みたいな作品の場合、立っているだけで妖しくて怪しい人が一人いれば、それだけですごく面白くなるんですよね♪
貴族のお嬢さんでロチェスターに恋をしているブランチ・イングラムに、オペラ歌手の幸田浩子。
ブランチのナンバーは割に有名で、コンサートとかで1,2度聴いたことがあるのですが。さすが現役のプリマドンナ(?)、見事なソプラノで、本気で聞き惚れました(*^ ^*)
芝居というほどの芝居ではないので、これは歌重視のキャスティング(というかゲストに近い?)なんだな、と思いました。もっとブランチとジェーンのやり取りを掘り下げても面白そうなんですけどね。なかなかそうもいかない、かな?
芝居としては、とにかくジェーンとロチェスターの関係、二人のお互いに向ける心情の変化が丁寧に描かれていたのがすごく良かったです。
なんたってロチェスターが素敵!すぎて、かなりクラクラしました。橋本さん、ああいう色っぽい役やると凶器になるんですねぇ(*^ ^*)。エンジニアでさえ色っぽくて思わず目を逸らしてしまう感じだったのに、こんな全開な……ドキドキ。
松さんとの並びが、ちゃんと「歳の離れた二人」なのに「好き同士」というふうにちゃんと見えたのが、何より良かった、と思います。はい。
「ジェーン・エア」については、そんなところでしょうか。
やっぱり、観たらすぐ書かないといけないですねぇ、感想って。時間がたってまとまることもあるけど、下書きはしておかないと忘れてしまう(涙)
あと落ち穂で残っているのは……
G2演出の「静かじゃない大地」、途中で止まってしまっている「二人の貴公子」と「フィフティ・フィフティ」、というところでしょうか。いや、遡れば色々あるのですが(^ ^;ゞ
雪組公演「ロシアンブルー/RIO de Bravo!」も、あと2日で千秋楽ですね。
良い作品だったので、もっと観たかったなあ……と思いつつ、18日の予定(なんのことはない、休日出勤の予定だったのですが)があいたので、駄目モトでサバキ待ちに行ってみよう!と思っています♪ もう一回観れたらいいなあ~☆
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なんだか、星組さんの感想を書いている間に週末が終わってしまい、呟きが溜まってしまったので、まとめて書かせていただきますね(^ ^)。
まずは、週末に観た雪組東宝公演の話。それから、スカイステージのネタを4つほど。
ただの呟きで埋めてしまって、本当にすみませんm(_ _)m。
というわけで。
またもや(^ ^)雪組を観てまいりました。
(どこのファンだよ自分)(←宝塚のファンです)
ヘンリーさんが眼鏡をかけていないんで、ちょっとがっかり。(↓)
ああ、あのさりげなくSな感じが素敵だったなあ…。その後も貸切公演には出没していらっしゃるみたいですが、残念ながら最後の週末には貸切が無い(涙)。……まあ、一回観られただけでも十分ラッキー、なんですけどね。
ひろみちゃんのクララは、これで金髪巻き毛・黒髪・金髪ショートボブと三回で三種類確認済み♪ 効率よくクリアしてますね私。全部で何種類あるんでしょうか?赤毛とかも似合いそうなんだけどなあ。
ナウオンステージでいづるんが話してくれた、中詰めでのキムちゃんとまゆみさんのダンスに、真剣に注目してしまいました。確かに凄いっす!!あの、背負い羽根を背負ってのまゆみさんの腰の振りようと、その周りをくるくるとまわりながら、着実にホールドしている(というか、触りまくりな)キムちゃんに感心(^ ^)。いづるん、素敵な見所をありがとうございます(*^ ^*)。
そして、アワアワしながら必死についていくみなこちゃんを視る水くんの目の優しさに、すごく幸せを貰ったような気がします。となみちゃんとの対等な感じのコンビも良かったけど、また新しい水さんに出会えた、ような。
二人目の相手役っていうのは、出来ないところもひっくるめて可愛いんでしょうね、きっと。まあ、観ていてちょっと、水くんの愛情は暑苦しそうな気もしますが(^ ^;)、でも、みなこちゃんのがんばりは報われているんだろうなあ、と思えることがとても嬉しい☆
CSの話その1。
宙組の稽古場レポートがやっと流れましたね!
集合日から二週間弱が過ぎ、初日までほぼ一ヶ月。話を聞いていると、着々と場面も進んでいるみたいで、迷いなくお稽古に集中していらっしゃるっぽい。ああぁ、良かった……。
すっしーさんと祐飛さん、組替えするまではあまり接点は無かったと思うのですが、博多座のお稽古が始まってからカウントすれば3ヶ月以上過ぎているんだし、しっかり馴染んでいるみたいですね♪ 可愛がっていただいているみたいでホッとしました。すっしーさんの前で、普通に下級生している貌が久しぶりに視れたのも、なんだか嬉しいです♪
それにしても、祐飛さんの宙組に対するリスペクトぶりは凄いなあ(^ ^)。無理して誉めている感じじゃなくて、なんだか、皆が面白くて仕方が無い、っていうのがリアルです。興味津々な子供(いや、良い大人っつーか上級生ですけど)みたいじゃありません?(*^ ^*)。
そして。
宙組稽古場レポートが終わった途端に始まった、カレンダー撮影風景に激萌え!!
みなこちゃん&すみ花ちゃん、なんだか信じられないほど可愛いんですけど。もしかして、私は単に丸顔が好きなのでしょうか。星組全ツを観ながら、キトリちゃんも天寿光希くんも丸顔だなあ、と気づいて以来、自覚したかもしれません(^ ^;ゞ ……ええ、だから、コロちゃんも好きですよ、もちろん(^ ^)。
そして。
録画していた「TAKARAZUKA BEAUTIES #2~花瀬みずか・美鳳あや」を視ました(*^ ^*)。
あーちゃんの『みっぽーちゃん』呼びと、みっぽーの『あーさま』呼びに萌え。
…と思っていたら、普段は『あーこさん』なんですね(^ ^;ゞ
ってか、なにげにみっぽーに対しても敬語なあーちゃん(*^ ^*)。クールでハンサムなみっぽーに、ふんわりおっとりなあーちゃん。月組の娘役を束ねる上級生二人の、なんと可愛らしいことか。
しかし、最後のナレーション、あーちゃんの和菓子は「繊細で上品さが出ています」で、みっぽーのは「大胆で個性が溢れています」って。……舞台どおり、ってコトですか、ソレは(^ ^)。
もう一つ、録画していた「君を愛してる」の新人公演も今頃ですが観ました。
ちょっとちょっと、がおりちゃんのフィラントが滅茶苦茶素敵なんですけど!?この人、こんな軽い雰囲気も出せるんですね。自由な人だ……。
コマちゃんの神父様が、憂き世離れしていてすごく良いです(はぁと)。説教くさいソロも凄く温かい。「カラマーゾフ」のアリョーシャも良かったし、こういう温もりのある役が似合うひとですね。
みなこちゃんは、可愛いけど別人みたいにぎこちないな(; ;)。やっぱり彼女は、「凍てついた明日」で目覚めたってことなんでしょうか。……荻田さん、ありがとう(*^ ^*)。
しかし、「ジョルジュモテモテ」場面の黄色いドレスとか、通りすがりの街の青年とか、サーカス団のピンクのスーツとか、そんな真那春人くんを見つけてしまう自分に、仰天しました(^ ^;ゞ。あずりんとかれのちゃんとかなら、役もついているし立ち位置も良いから判るんですけど、真那くんなんて、ピントが合うことは一度も(多分)無いのに、なんで判るんでしょうか>自分……??
最後に。
これこそ今更、なんですが。
「The Energy1994 ~エールの残照~」を、やっと観ました。
いやー、汐風幸ちゃん主演なのは知ってたんですけど、苑宮玲奈ちゃんがヒロインだったんですねぇ!!吃驚……。祐飛さんと同期の78期だから、、、この時、研2…かな?すげーーー!
そうか、娘役はこういうことがあるんですねぇ。最後は雰囲気のある素敵なダンサーとして卒業
されて、私も大好きだったんですが。ヒロイン経験があるとは知りませんでした(汗)。
そして。祐飛さんマイケルのあまりの声の高さと澄んだ声質に、呆然(@ @)
誰、これ。知らない声、知らない喋り方。知らない人だとしか思えない。
耳を疑う、とはこのことでしたわ。こ、こんなに全然違う人だったとは……。
しかし……ふにゃあっとした笑顔が実に可愛らしいなあ(*^ ^*)。15年後の今の姿なんて、どうしても想像できません。15年間で、モミアゲには黒いものが堆積し、眼つきもすっかり悪くなって……時の流れって凄いなあ(真顔)。
いえ、その三白眼が無かったら多分ファンになっていないでしょうから。時の流れよありがとう、とも思うのですが。
そ、それにしても違いすぎるだろう、と(汗)。あー驚いたよー!!
なんだか、とりとめないわりに、長くなってしまってすみません。
あー、雪組もっと観たかったなーーーーーっ。(←十分観てるからっ!!)(だいいち、まだ終わってないよっ!)
.
まずは、週末に観た雪組東宝公演の話。それから、スカイステージのネタを4つほど。
ただの呟きで埋めてしまって、本当にすみませんm(_ _)m。
というわけで。
またもや(^ ^)雪組を観てまいりました。
(どこのファンだよ自分)(←宝塚のファンです)
ヘンリーさんが眼鏡をかけていないんで、ちょっとがっかり。(↓)
ああ、あのさりげなくSな感じが素敵だったなあ…。その後も貸切公演には出没していらっしゃるみたいですが、残念ながら最後の週末には貸切が無い(涙)。……まあ、一回観られただけでも十分ラッキー、なんですけどね。
ひろみちゃんのクララは、これで金髪巻き毛・黒髪・金髪ショートボブと三回で三種類確認済み♪ 効率よくクリアしてますね私。全部で何種類あるんでしょうか?赤毛とかも似合いそうなんだけどなあ。
ナウオンステージでいづるんが話してくれた、中詰めでのキムちゃんとまゆみさんのダンスに、真剣に注目してしまいました。確かに凄いっす!!あの、背負い羽根を背負ってのまゆみさんの腰の振りようと、その周りをくるくるとまわりながら、着実にホールドしている(というか、触りまくりな)キムちゃんに感心(^ ^)。いづるん、素敵な見所をありがとうございます(*^ ^*)。
そして、アワアワしながら必死についていくみなこちゃんを視る水くんの目の優しさに、すごく幸せを貰ったような気がします。となみちゃんとの対等な感じのコンビも良かったけど、また新しい水さんに出会えた、ような。
二人目の相手役っていうのは、出来ないところもひっくるめて可愛いんでしょうね、きっと。まあ、観ていてちょっと、水くんの愛情は暑苦しそうな気もしますが(^ ^;)、でも、みなこちゃんのがんばりは報われているんだろうなあ、と思えることがとても嬉しい☆
CSの話その1。
宙組の稽古場レポートがやっと流れましたね!
集合日から二週間弱が過ぎ、初日までほぼ一ヶ月。話を聞いていると、着々と場面も進んでいるみたいで、迷いなくお稽古に集中していらっしゃるっぽい。ああぁ、良かった……。
すっしーさんと祐飛さん、組替えするまではあまり接点は無かったと思うのですが、博多座のお稽古が始まってからカウントすれば3ヶ月以上過ぎているんだし、しっかり馴染んでいるみたいですね♪ 可愛がっていただいているみたいでホッとしました。すっしーさんの前で、普通に下級生している貌が久しぶりに視れたのも、なんだか嬉しいです♪
それにしても、祐飛さんの宙組に対するリスペクトぶりは凄いなあ(^ ^)。無理して誉めている感じじゃなくて、なんだか、皆が面白くて仕方が無い、っていうのがリアルです。興味津々な子供(いや、良い大人っつーか上級生ですけど)みたいじゃありません?(*^ ^*)。
そして。
宙組稽古場レポートが終わった途端に始まった、カレンダー撮影風景に激萌え!!
みなこちゃん&すみ花ちゃん、なんだか信じられないほど可愛いんですけど。もしかして、私は単に丸顔が好きなのでしょうか。星組全ツを観ながら、キトリちゃんも天寿光希くんも丸顔だなあ、と気づいて以来、自覚したかもしれません(^ ^;ゞ ……ええ、だから、コロちゃんも好きですよ、もちろん(^ ^)。
そして。
録画していた「TAKARAZUKA BEAUTIES #2~花瀬みずか・美鳳あや」を視ました(*^ ^*)。
あーちゃんの『みっぽーちゃん』呼びと、みっぽーの『あーさま』呼びに萌え。
…と思っていたら、普段は『あーこさん』なんですね(^ ^;ゞ
ってか、なにげにみっぽーに対しても敬語なあーちゃん(*^ ^*)。クールでハンサムなみっぽーに、ふんわりおっとりなあーちゃん。月組の娘役を束ねる上級生二人の、なんと可愛らしいことか。
しかし、最後のナレーション、あーちゃんの和菓子は「繊細で上品さが出ています」で、みっぽーのは「大胆で個性が溢れています」って。……舞台どおり、ってコトですか、ソレは(^ ^)。
もう一つ、録画していた「君を愛してる」の新人公演も今頃ですが観ました。
ちょっとちょっと、がおりちゃんのフィラントが滅茶苦茶素敵なんですけど!?この人、こんな軽い雰囲気も出せるんですね。自由な人だ……。
コマちゃんの神父様が、憂き世離れしていてすごく良いです(はぁと)。説教くさいソロも凄く温かい。「カラマーゾフ」のアリョーシャも良かったし、こういう温もりのある役が似合うひとですね。
みなこちゃんは、可愛いけど別人みたいにぎこちないな(; ;)。やっぱり彼女は、「凍てついた明日」で目覚めたってことなんでしょうか。……荻田さん、ありがとう(*^ ^*)。
しかし、「ジョルジュモテモテ」場面の黄色いドレスとか、通りすがりの街の青年とか、サーカス団のピンクのスーツとか、そんな真那春人くんを見つけてしまう自分に、仰天しました(^ ^;ゞ。あずりんとかれのちゃんとかなら、役もついているし立ち位置も良いから判るんですけど、真那くんなんて、ピントが合うことは一度も(多分)無いのに、なんで判るんでしょうか>自分……??
最後に。
これこそ今更、なんですが。
「The Energy1994 ~エールの残照~」を、やっと観ました。
いやー、汐風幸ちゃん主演なのは知ってたんですけど、苑宮玲奈ちゃんがヒロインだったんですねぇ!!吃驚……。祐飛さんと同期の78期だから、、、この時、研2…かな?すげーーー!
そうか、娘役はこういうことがあるんですねぇ。最後は雰囲気のある素敵なダンサーとして卒業
されて、私も大好きだったんですが。ヒロイン経験があるとは知りませんでした(汗)。
そして。祐飛さんマイケルのあまりの声の高さと澄んだ声質に、呆然(@ @)
誰、これ。知らない声、知らない喋り方。知らない人だとしか思えない。
耳を疑う、とはこのことでしたわ。こ、こんなに全然違う人だったとは……。
しかし……ふにゃあっとした笑顔が実に可愛らしいなあ(*^ ^*)。15年後の今の姿なんて、どうしても想像できません。15年間で、モミアゲには黒いものが堆積し、眼つきもすっかり悪くなって……時の流れって凄いなあ(真顔)。
いえ、その三白眼が無かったら多分ファンになっていないでしょうから。時の流れよありがとう、とも思うのですが。
そ、それにしても違いすぎるだろう、と(汗)。あー驚いたよー!!
なんだか、とりとめないわりに、長くなってしまってすみません。
あー、雪組もっと観たかったなーーーーーっ。(←十分観てるからっ!!)(だいいち、まだ終わってないよっ!)
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神奈川のソウル・オブ・シヴァ
2009年10月12日 宝塚(星)星組全国ツアー公演「ソウル・オブ・シバ」。
4年前に初演されたときは、「長崎しぐれ坂」とセット。専科の轟さんが特別出演、そして、トップ娘役だった檀れいさんのサヨナラ公演でした。
一回しか観られませんでしたが、デュエットダンスの後、トレンチコートを羽織って大階段を上がっていく檀ちゃんの後姿を、今でも鮮明に思い出せます。
……逆に言うと、それ以外は本当に思い出せない(^ ^;
特に、シヴァ神のイメージが全然違うような気がするのですが、どちらかというと、その後に上演された全国ツアー版が元になっているんでしょうか?そちらは観ていないので解らないのですが。
幕が開くと、舞台の中央に靴が置いてある。
下手の花道から現れる、白い影。すーっと音もなく舞台の真ん中まで出てきて、スポットライトの輪中に入り、靴を履き替える。
白い衣装に白い靴だったのを、淡い水色の靴に履き替えるのがちょっと不思議でした。逆の方がよかったのでは?あるいは、もっと強い色か。なんでわざわざあの色なんだろう…。
軽やかにタップで踊りだすナタラージャ。ヒンドゥー教ではシヴァ神の化身で踊りの王ですが、礼音くんの「踊りの王」はとても可愛い。しかし、ヒンドゥー教の設定なのに何故タップ?タップはインド人のものでもあるんだろうか(byロシアンブルー)
シヴァ神(鳳稀かなめ)が現れて、三人の妻たちと共に歌いだす。
三人の妻は、英真なおき・百花沙里・毬乃ゆい。いやー、迫力の妻たちで、小顔長身のシヴァ様は取って食われてしまいそうで心配な感じでした(汗)。
下級生たちも出てきて群舞が始まり、一通り踊った後で、群舞の後ろに金の衣装に着替えた礼音くんが登場。ナウオンで「オギャー!」と言われていたところですね。周りを囲むのが、あかし(彩海早矢)・どいちゃん(鶴美舞夕)・しーらん(壱城あずさ)・れんた(如月蓮)・天寿光希くんという、私にいったいどうしろと的な豪華メンバーだったのですが、振りが単調でちょっと残念な感じでした。せっかく踊れるメンバーが揃っているのになあ(T T)。
ねねちゃんは金髪のストレートの鬘で華やかに登場。すごく可愛い♪
いったん場面が切れると、シヴァ神と三人の奥方が幕前に。テルくんは非常に可愛らしく、お茶目な雰囲気でした。礼音くんがナタラージャ(踊りの王)になるのをすっごく楽しみにしているパパ、って感じ。親莫迦というか、ただのファンとゆーか。
ナウオンの礼音くんに対する態度とか観ていると、どこか痒いというか、バカップルと呼んでいいですかとゆー気になる(^ ^;ゞ ただ、ああいう甘えたなところが、舞台では出すことも隠すことも自在になりつつあるのが頼もしいな、と思いますね。……お兄ちゃんなキャラクターだけはまだ想像できないけど。
次は、ブロードウェイの劇場街。
楽屋口から出てくる世紀の大女優、レディ・ドリーム(夢咲ねね)。
ねねちゃんは十分に可愛いんだけど、気迫が足りない、かも。嫣然と微笑んだだけで光り輝いていた、退団間近のベテラン・檀ちゃんと比べるつもりはないんですが…、作品として、あの場面を仕切るだけの気迫が無いと役として成り立たないんですよね。
月組時代は、下級生の頃から立っているだけで雰囲気があるタイプだったんですが、最近は、そういう無鉄砲なところが封印されてしまったような気がします。学年も立場上がって、逆に舞台の怖さに気づいてしまったのかなあ?(しょぼん)
レディ・ドリームが立ち去ると、プロデューサー役のあかしが、道端に立ち竦む青年レオンに声をかける。礼音くんの衣装が、ナウオンでも話していた「皆で描いた」衣装、ですね(^ ^)。手形とか似顔絵とか、もっとしっかり視れば良かったなあ。
あかしの靴を綺麗に磨いて、お代をたっぷり貰うレオン。ここはご当地アドリブが入ることになっているらしく、私のときは「崎陽軒のしゅうまい弁当」でした(^ ^)。皆さん、二回公演後のご飯は崎陽軒だったのかしら?
金を稼いだことが嬉しくて、ストリートの仲間たちと踊りだすレオン。乞食の格好で、小芝居しながら踊る水輝涼くんと梅園紗千さんが可愛い☆いや、他のストリートメンバーも皆可愛いんですけど、、、乞食のだぼだぼ衣装に包まって、にっこにこで踊る水輝。実に可愛い♪
シヴァ神が、遠眼鏡を片手に嬉しそう~~!にレオンを視ていたのは、ここだったかな?(違っていたらすみません。幸せそうなテルくんの笑顔しか覚えてない…)
テルくん、綺麗な人なのにシヴァ神の鬘はどれもあんまりイケてなかったような…。貌が小さすぎて、ボリュームのある鬘をかぶると負けてしまいがちな気がするんですよね…。「風の錦絵」の戦場の形状記憶鬘は死ぬほど似合っていたけど、絶妙のバランスで作られているから、ちょっとでも崩れると(-"-; になってしまう……。地毛でやっている場面はどれも綺麗なのに(; ;)。
レオンのショースターとしての才能を見抜いた(←そりゃそうだ)プロデューサーが、彼をスカウト。……そうか、だから彼は、次の場面でバレエ教室にレッスンを受けに来ているんですね。納得。
バレエ教室でバーレッスンをする下級生たち。キトリ(稀鳥まりや)ちゃんが落ちこぼれの少女で優等生が妃咲せあらちゃん、というのがすごく不思議でした。初演は、となみちゃんがオチコボレでコトコトが優等生、という、非常に説得力のあるキャスティングで、あまりに説得力がありすぎて「…いいのか?」とゆー感じだったのですが、キトリちゃんのコケ方は、あまりにもわざとらしいっす。その脚は、誰がどう見てもダンサーの脚だろう(^ ^)。
でも、そんな無理くりなところも含めて、すごく可愛いです(←ただのファン)
せあらちゃんはすごく天然で可愛くて、負けん気の強そうなオチコボレを優しく助け起こしてくれる優しい美少女、という感じ。キトリちゃんとの並びがなんだか微笑ましい。顔だけじゃなくて、姿の綺麗な人ですね。今回の全ツは歌にダンスに大活躍で、芝居もショーも、全ての場面に出ていたような気がします。
何度やってもできなくて、「もう駄目だあ~」と泣き崩れるキトリちゃん。そこに現れるレオン。そっと手を差し伸べて、一緒に踊ろうと誘ってくれます。最初はおずおずと、次第に大胆に踊りだすキトリちゃん。
せっかくキトリちゃんが礼音くんと組んで踊るのに、踊れない設定なのがとても残念。他の場面もあまりこれ!というダンスシーンがなくて、もっと思いっきり踊って欲しかったなあ…。
暗転して、幕前であかしがレディ・ドリームへの切ない恋を歌いあげる。
そして、このショーの最大の見所(多分)、クラブの場面へ。
いやー、もう、かっこいいっす………。星組男役陣、万歳。
いやもう、どいちゃんが格好良すぎるっ!!(壊)しーらんも、可愛いばかりじゃなく、色気もあって良かった。あと、おもむろにマイクスタンド持って出てきて、もったいぶって歌いだすクラブシンガーの水輝くんがめっさ良かったです。水輝らしくて。
……この場面には、テルくんも出してあげて欲しかったなあ(; ;)。
中詰めは、ラスベガスのショー。
シヴァ神と三人の妻たち+コトコトの歌でスタート。礼音くんと娘役さんたちの場面を挟んでロケットへ。ロケットセンターは海隼人さんだったんですね。スタイル良くて綺麗な人だなあと思ったけど、誰だか解らなかった(涙)。
黒髪のねねちゃんが登場して、リリアンダルマ(正式名称不明)で礼音くんと激しいデュエットダンス。スタイル抜群のねねちゃんに、あの衣装は最終兵器のような気がします。ただのダルマより色っぽいよ……。礼音くんとの、挑みあうような挑戦的なダンスがとても好きです。難しい振り付けですが、これは新場面なんでしょうか?檀ちゃんがあの衣装を着ていたのは覚えているんだけど、もしかしてJAZZ MANIAの時の記憶とごっちゃになってるのかな…?
礼音くん・テルくん・あかしのトリオダンスがあって、男役の総踊り(めっちゃカッコいい!!)があって、全員の総踊り。盛り上がるだけ盛り上がったところでトップコンビ他数人が抜けて、またシヴァ神に戻ったテルくんが歌い継ぎ、盛り上げて中詰めを締めくくります。
少し間をおいて、あかしが登場。
仲良く踊る二人、レオンとレディ・ドリームへのジェラシーを歌い上げる。
あかしは、歌はいまひとつ不得手だと思うんですが、気持ちが篭っていて迫力がありました。
芝居にしても歌にしても、もう少し力を抜くところと入れるところをコントロールできるようになると、舞台役者として頼りになると思うんだけどなあ……。
ミスター・アローの嫉妬心の化身(鶴美舞夕・壱城あずさ・海隼人・天寿光希)に痛めつけられるレオン。そのメンバーの誰よりも、レオンの方が大きくて強そうだと思うのは私だけでしょうか。いやー、ここもどいちゃんがクールで素敵でした。しーらん以下は、やっぱりまだひ弱いというか、可愛らしさが出てしまうような気が。
カゲソロは毬乃ゆいさん。雰囲気のあるいい歌でした♪
脚を痛めつけられて、「もう踊れない…」と絶望に沈むレオン。
舞台奥に現れるシヴァが、励ましの歌を歌う。このときのテルくんの表情が、すごく優しくて大好きです。好きな人を心から案じる貌。歌の表現力はまだまだですが、聞きやすい、良い声だなあと思います。
シヴァの妻たちや、白いインド風の衣装に身を包んだメンバーが登場。水輝くんから始まる歌い継ぎの中に、天寿くんが入っていたことにすごく驚きました。…そうか、歌手カウントされているんだなあ(*^ ^*)こんなところでソロが聴けるとは思わなかったのですごく吃驚しました。やっぱり良い声だ♪
他のメンバーはコロちゃんくらいしか判らなかったのですが。みなさん良い声で、耳福でした。
この声に呼ばれて登場できる礼音くんは、幸せだなあ、と思いながら。
フィナーレは、男役の総踊りから。ここもテルくんがいなくてとても残念(直前にシヴァ神と娘役のコーラスがあるので)。せっかくのボレロなのになー。
男役がはけて、ねねちゃん・テルくんが登場。礼音くんとトリオでの場面に。こういう場面で、二番手がソロを歌うのではなく、三人で踊るのって珍しいと思うのですが、今の星組にはすごくぴったりのラストだったような気がします。とにかくラブラブで可愛らしい三人が微笑ましい♪
いい雰囲気でした。
それにしても。
私は藤井さんのショーはどれも凄く好きで、今回も、本当に楽しかったです。よくできたショーだと思う。
ただ。
星組の前回大劇場公演「A Bientot」、博多座宙組「Apassionado!!」、花組大劇場公演「EXCITER!」、そして今回の星組全国ツアー公演「ソウル・オブ・シヴァ」。ほとんど同じ時期に、平行して新作一作+再演二作。それも、再演のうち一つは全く違う組で、もう一つも組は同じだけど上位陣のキャストは総入れ替えで、しかも半年前に今のキャストで別の作品をやったばかり。
……さすがの藤井さんもネタ切れというか、今回ばかりはスケジュール的に細かい手直しは無理だったのでしょうね……。
せっかく、柚希礼音という希代のショースターの「初めてのショー」なのに、新場面を作るのがギリギリで、『礼音くんのためのショー』に作り変えるだけの時間は無かったんだろうな、と、それがとても残念です。
それでも、十分に楽しめるレベルにまとめあげた藤井さんと、出演者の皆様の努力に感動しつつ、次の草野さんのショーも、心から楽しみにしています(*^ ^*)。
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4年前に初演されたときは、「長崎しぐれ坂」とセット。専科の轟さんが特別出演、そして、トップ娘役だった檀れいさんのサヨナラ公演でした。
一回しか観られませんでしたが、デュエットダンスの後、トレンチコートを羽織って大階段を上がっていく檀ちゃんの後姿を、今でも鮮明に思い出せます。
……逆に言うと、それ以外は本当に思い出せない(^ ^;
特に、シヴァ神のイメージが全然違うような気がするのですが、どちらかというと、その後に上演された全国ツアー版が元になっているんでしょうか?そちらは観ていないので解らないのですが。
幕が開くと、舞台の中央に靴が置いてある。
下手の花道から現れる、白い影。すーっと音もなく舞台の真ん中まで出てきて、スポットライトの輪中に入り、靴を履き替える。
白い衣装に白い靴だったのを、淡い水色の靴に履き替えるのがちょっと不思議でした。逆の方がよかったのでは?あるいは、もっと強い色か。なんでわざわざあの色なんだろう…。
軽やかにタップで踊りだすナタラージャ。ヒンドゥー教ではシヴァ神の化身で踊りの王ですが、礼音くんの「踊りの王」はとても可愛い。しかし、ヒンドゥー教の設定なのに何故タップ?タップはインド人のものでもあるんだろうか(byロシアンブルー)
シヴァ神(鳳稀かなめ)が現れて、三人の妻たちと共に歌いだす。
三人の妻は、英真なおき・百花沙里・毬乃ゆい。いやー、迫力の妻たちで、小顔長身のシヴァ様は取って食われてしまいそうで心配な感じでした(汗)。
下級生たちも出てきて群舞が始まり、一通り踊った後で、群舞の後ろに金の衣装に着替えた礼音くんが登場。ナウオンで「オギャー!」と言われていたところですね。周りを囲むのが、あかし(彩海早矢)・どいちゃん(鶴美舞夕)・しーらん(壱城あずさ)・れんた(如月蓮)・天寿光希くんという、私にいったいどうしろと的な豪華メンバーだったのですが、振りが単調でちょっと残念な感じでした。せっかく踊れるメンバーが揃っているのになあ(T T)。
ねねちゃんは金髪のストレートの鬘で華やかに登場。すごく可愛い♪
いったん場面が切れると、シヴァ神と三人の奥方が幕前に。テルくんは非常に可愛らしく、お茶目な雰囲気でした。礼音くんがナタラージャ(踊りの王)になるのをすっごく楽しみにしているパパ、って感じ。親莫迦というか、ただのファンとゆーか。
ナウオンの礼音くんに対する態度とか観ていると、どこか痒いというか、バカップルと呼んでいいですかとゆー気になる(^ ^;ゞ ただ、ああいう甘えたなところが、舞台では出すことも隠すことも自在になりつつあるのが頼もしいな、と思いますね。……お兄ちゃんなキャラクターだけはまだ想像できないけど。
次は、ブロードウェイの劇場街。
楽屋口から出てくる世紀の大女優、レディ・ドリーム(夢咲ねね)。
ねねちゃんは十分に可愛いんだけど、気迫が足りない、かも。嫣然と微笑んだだけで光り輝いていた、退団間近のベテラン・檀ちゃんと比べるつもりはないんですが…、作品として、あの場面を仕切るだけの気迫が無いと役として成り立たないんですよね。
月組時代は、下級生の頃から立っているだけで雰囲気があるタイプだったんですが、最近は、そういう無鉄砲なところが封印されてしまったような気がします。学年も立場上がって、逆に舞台の怖さに気づいてしまったのかなあ?(しょぼん)
レディ・ドリームが立ち去ると、プロデューサー役のあかしが、道端に立ち竦む青年レオンに声をかける。礼音くんの衣装が、ナウオンでも話していた「皆で描いた」衣装、ですね(^ ^)。手形とか似顔絵とか、もっとしっかり視れば良かったなあ。
あかしの靴を綺麗に磨いて、お代をたっぷり貰うレオン。ここはご当地アドリブが入ることになっているらしく、私のときは「崎陽軒のしゅうまい弁当」でした(^ ^)。皆さん、二回公演後のご飯は崎陽軒だったのかしら?
金を稼いだことが嬉しくて、ストリートの仲間たちと踊りだすレオン。乞食の格好で、小芝居しながら踊る水輝涼くんと梅園紗千さんが可愛い☆いや、他のストリートメンバーも皆可愛いんですけど、、、乞食のだぼだぼ衣装に包まって、にっこにこで踊る水輝。実に可愛い♪
シヴァ神が、遠眼鏡を片手に嬉しそう~~!にレオンを視ていたのは、ここだったかな?(違っていたらすみません。幸せそうなテルくんの笑顔しか覚えてない…)
テルくん、綺麗な人なのにシヴァ神の鬘はどれもあんまりイケてなかったような…。貌が小さすぎて、ボリュームのある鬘をかぶると負けてしまいがちな気がするんですよね…。「風の錦絵」の戦場の形状記憶鬘は死ぬほど似合っていたけど、絶妙のバランスで作られているから、ちょっとでも崩れると(-"-; になってしまう……。地毛でやっている場面はどれも綺麗なのに(; ;)。
レオンのショースターとしての才能を見抜いた(←そりゃそうだ)プロデューサーが、彼をスカウト。……そうか、だから彼は、次の場面でバレエ教室にレッスンを受けに来ているんですね。納得。
バレエ教室でバーレッスンをする下級生たち。キトリ(稀鳥まりや)ちゃんが落ちこぼれの少女で優等生が妃咲せあらちゃん、というのがすごく不思議でした。初演は、となみちゃんがオチコボレでコトコトが優等生、という、非常に説得力のあるキャスティングで、あまりに説得力がありすぎて「…いいのか?」とゆー感じだったのですが、キトリちゃんのコケ方は、あまりにもわざとらしいっす。その脚は、誰がどう見てもダンサーの脚だろう(^ ^)。
でも、そんな無理くりなところも含めて、すごく可愛いです(←ただのファン)
せあらちゃんはすごく天然で可愛くて、負けん気の強そうなオチコボレを優しく助け起こしてくれる優しい美少女、という感じ。キトリちゃんとの並びがなんだか微笑ましい。顔だけじゃなくて、姿の綺麗な人ですね。今回の全ツは歌にダンスに大活躍で、芝居もショーも、全ての場面に出ていたような気がします。
何度やってもできなくて、「もう駄目だあ~」と泣き崩れるキトリちゃん。そこに現れるレオン。そっと手を差し伸べて、一緒に踊ろうと誘ってくれます。最初はおずおずと、次第に大胆に踊りだすキトリちゃん。
せっかくキトリちゃんが礼音くんと組んで踊るのに、踊れない設定なのがとても残念。他の場面もあまりこれ!というダンスシーンがなくて、もっと思いっきり踊って欲しかったなあ…。
暗転して、幕前であかしがレディ・ドリームへの切ない恋を歌いあげる。
そして、このショーの最大の見所(多分)、クラブの場面へ。
いやー、もう、かっこいいっす………。星組男役陣、万歳。
いやもう、どいちゃんが格好良すぎるっ!!(壊)しーらんも、可愛いばかりじゃなく、色気もあって良かった。あと、おもむろにマイクスタンド持って出てきて、もったいぶって歌いだすクラブシンガーの水輝くんがめっさ良かったです。水輝らしくて。
……この場面には、テルくんも出してあげて欲しかったなあ(; ;)。
中詰めは、ラスベガスのショー。
シヴァ神と三人の妻たち+コトコトの歌でスタート。礼音くんと娘役さんたちの場面を挟んでロケットへ。ロケットセンターは海隼人さんだったんですね。スタイル良くて綺麗な人だなあと思ったけど、誰だか解らなかった(涙)。
黒髪のねねちゃんが登場して、リリアンダルマ(正式名称不明)で礼音くんと激しいデュエットダンス。スタイル抜群のねねちゃんに、あの衣装は最終兵器のような気がします。ただのダルマより色っぽいよ……。礼音くんとの、挑みあうような挑戦的なダンスがとても好きです。難しい振り付けですが、これは新場面なんでしょうか?檀ちゃんがあの衣装を着ていたのは覚えているんだけど、もしかしてJAZZ MANIAの時の記憶とごっちゃになってるのかな…?
礼音くん・テルくん・あかしのトリオダンスがあって、男役の総踊り(めっちゃカッコいい!!)があって、全員の総踊り。盛り上がるだけ盛り上がったところでトップコンビ他数人が抜けて、またシヴァ神に戻ったテルくんが歌い継ぎ、盛り上げて中詰めを締めくくります。
少し間をおいて、あかしが登場。
仲良く踊る二人、レオンとレディ・ドリームへのジェラシーを歌い上げる。
あかしは、歌はいまひとつ不得手だと思うんですが、気持ちが篭っていて迫力がありました。
芝居にしても歌にしても、もう少し力を抜くところと入れるところをコントロールできるようになると、舞台役者として頼りになると思うんだけどなあ……。
ミスター・アローの嫉妬心の化身(鶴美舞夕・壱城あずさ・海隼人・天寿光希)に痛めつけられるレオン。そのメンバーの誰よりも、レオンの方が大きくて強そうだと思うのは私だけでしょうか。いやー、ここもどいちゃんがクールで素敵でした。しーらん以下は、やっぱりまだひ弱いというか、可愛らしさが出てしまうような気が。
カゲソロは毬乃ゆいさん。雰囲気のあるいい歌でした♪
脚を痛めつけられて、「もう踊れない…」と絶望に沈むレオン。
舞台奥に現れるシヴァが、励ましの歌を歌う。このときのテルくんの表情が、すごく優しくて大好きです。好きな人を心から案じる貌。歌の表現力はまだまだですが、聞きやすい、良い声だなあと思います。
シヴァの妻たちや、白いインド風の衣装に身を包んだメンバーが登場。水輝くんから始まる歌い継ぎの中に、天寿くんが入っていたことにすごく驚きました。…そうか、歌手カウントされているんだなあ(*^ ^*)こんなところでソロが聴けるとは思わなかったのですごく吃驚しました。やっぱり良い声だ♪
他のメンバーはコロちゃんくらいしか判らなかったのですが。みなさん良い声で、耳福でした。
この声に呼ばれて登場できる礼音くんは、幸せだなあ、と思いながら。
フィナーレは、男役の総踊りから。ここもテルくんがいなくてとても残念(直前にシヴァ神と娘役のコーラスがあるので)。せっかくのボレロなのになー。
男役がはけて、ねねちゃん・テルくんが登場。礼音くんとトリオでの場面に。こういう場面で、二番手がソロを歌うのではなく、三人で踊るのって珍しいと思うのですが、今の星組にはすごくぴったりのラストだったような気がします。とにかくラブラブで可愛らしい三人が微笑ましい♪
いい雰囲気でした。
それにしても。
私は藤井さんのショーはどれも凄く好きで、今回も、本当に楽しかったです。よくできたショーだと思う。
ただ。
星組の前回大劇場公演「A Bientot」、博多座宙組「Apassionado!!」、花組大劇場公演「EXCITER!」、そして今回の星組全国ツアー公演「ソウル・オブ・シヴァ」。ほとんど同じ時期に、平行して新作一作+再演二作。それも、再演のうち一つは全く違う組で、もう一つも組は同じだけど上位陣のキャストは総入れ替えで、しかも半年前に今のキャストで別の作品をやったばかり。
……さすがの藤井さんもネタ切れというか、今回ばかりはスケジュール的に細かい手直しは無理だったのでしょうね……。
せっかく、柚希礼音という希代のショースターの「初めてのショー」なのに、新場面を作るのがギリギリで、『礼音くんのためのショー』に作り変えるだけの時間は無かったんだろうな、と、それがとても残念です。
それでも、十分に楽しめるレベルにまとめあげた藤井さんと、出演者の皆様の努力に感動しつつ、次の草野さんのショーも、心から楽しみにしています(*^ ^*)。
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神奈川県民ホールにて、宝塚星組全国ツアー「再会/ソウル・オブ・シバ!!」を観劇してまいりました。
「再会」初演は大劇場と1000daysで、「ソウル・オブ・シバ!!」は東宝で観ているはずなのですが、どちらも思いのほか記憶になくて、我ながらちょっと驚いてしまいました(汗)。
観る前に思い出せたのは、グンちゃん(月影瞳)の最初の図書館のシーンと、なるぴょん(成瀬こうき)の「電話するよー♪」という独特の言い回しと、ショーの方はとなみちゃんがコケていたシーン(バレエ学校)くらい。
実際に公演を観てみて、飄々と話を引っ掻き回していた(汐風)幸ちゃんとか、酔っ払いのかしちゃんとか、突然バイオリンを弾き始めてびっくりしたコムちゃんとか……を思い出したのですが。「長崎しぐれ坂/ソウル・オブ・シバ」は一回しか観てないけど、「再会/ノバ・ボサ・ノバ」は、三回も観ているはずなのに、どうしてこんなに覚えていないんだろう(^ ^;ゞ。
というわけで、初演との違いとかはよく判らないのですが……(汗)、お芝居の方は、記憶にあったイメージよりもずっと素直に観られたし、面白かったと思います。初演は轟さんと香寿さんという重厚な芝居を得意とするお二人がメインだったし、そもそもこの作品自体、良い大人がやることではないのは明らかなので、大人の男だったお二人には不利な作品だったと思うんですよね。それが、今回は役者がぐっと若返ったことで、実力的には不安定ながらも「まあ、若い頃はそういう莫迦なことをすることもあるよね」的な話になっていたんではないか、と。
そんなことを思いました。的外れだったらすみません。
ジェラール/スタン(柚希礼音)
大劇場・東宝とタムドンを演じてきた礼音くん。二作目にして、随分落ち着いて、堂々たるトップになったなあと思いました。ただ、かなり情熱的で猪突猛進なタイプに見えるので、『プレイボーイ』の軽やかさがちょっと足りないかなー、と(^ ^)。まあ、逆に、そこが魅力なのかもしれませんが、礼音くんのために書かれた物語を、早く観てみたいです☆
サンドリーヌ(夢咲ねね)
ねねちゃんの芝居は、思いきりが良くてはっきりしているし、根っこが明るいところも、石田作品と相性抜群なんだなあ、と感心しました。「大阪侍」は観れなかったのですが、評判良かったのもわかるなあ、と。「銀ちゃん」の小夏みたいな役はちょっと違うけど、「猛き黄金の国」の喜勢とか、「黎明の風」の正子とか、大概の役は似合いそう(*^ ^*)。
ただ、まだ若いせいか?芝居が真っ直ぐすぎて「俺の眼を見て嘘をついてみろ!」というシチュエーションでの「嘘」が、ただの「芝居」になってしまって、「嘘」になっていないな、とは思いました。まあ、その真っ直ぐさが彼女の魅力でもあるわけなので、無理をする必要はないんです。でも、サンドリーヌとしてはそこは足りない部分だったかな、と。
ねねちゃんも、ねねちゃんのために書かれた物語を早く観てみたい、です。
マーク(鳳稀かなめ)
今まで一度も、「凍てついた明日」を観ても思ったことは無かったのですが。
もしかして、テルくんの声って男役時代のタータンさんの声に似てますか? タータンさんも、男役としてはちょっと高めの、甘い声でしたよね。台詞を喋る声の質が微妙に似ている気がしたのと、歌のフレーズの終わりにふっと抜くときの雰囲気がすごく似ている、ような。
技術面のレベルがだいぶ違うせいか、普段はあまり思わないのですが。今回、タータンさんの芝居そのものは全然思い出せないのに、そこかしこで「あ、タータンさんの台詞だ!」と思って、そのことにすごく吃驚しました。
ま、それはともかく。
「太王四神記」でも思いましたが、本当に礼音くん・ねねちゃん・テルくんって、並びが綺麗なトリオですよね。裏も表もない、ひたすら真っ直ぐなトップコンビに、ちょっと裏を感じさせるテルくんという組み合わせが良かったと思います。
それと。なんだか、星組に行ってからのテルくんは可愛いんですよね(*^ ^*)。ちょっとヘタレに磨きがかかったのが気になるっちゃ気になるんですが、なんというか、「ヘタレな美形」というキャラクターを確立したような気もします。ヘタレだけどSな美形。うん、希少価値があるから、そのままでいいのかも(^ ^)。
スティーブ(彩海早矢)
ちょっと暑苦しい(^ ^)芝居が持ち味のあかしなので、飄々とさりげなーく事態をかき回して楽しんでいた幸ちゃんの役はちょっと難しかったかな?という印象。初演の幸ちゃんの細かい芝居を覚えているわけではないし、そもそも違う作品なんですから別に違ってて構わないんですが、観ていて、作品全体の中でスティーブの存在がちょっと強すぎるような気がしました。ああいう役って、全編同じハイテンションだと煩くなってしまうんだと思うのです。
あかしは決して空気が読めないタイプではないと思うのですが、こういう役でも引くところは引いて、大事な所でピリッと効かせられるようになると良いんだけどなあ(^ ^)。
アンドレ(水輝涼)
なるぴょんの「電話するよー」が凄く印象的だったので、じゅんなの台詞回しがふつーだったことにちょっと拍子抜け(^ ^)。いやー、しかし難しい役ですねぇ。嫌味な役だけど、笑わせておいてあまり後をひかないように、そして、ラストにもう一度サラっと笑わせて終わる、その絶妙の呼吸は、場を支配するような大役をやった経験がないと難しいのかもしれません。大した役じゃないと思っていたけど、なるぴょんの月組芝居は秀逸だったんだな……(しみじみ)。
ピエール(壱城あずさ)
立ち姿も綺麗だし、制服もよく似合ってて、良かったと思います。可愛かった☆なんてことはない役だし、初演のトウコさんは全然覚えていないのですが、若手男役らしい儲け役だな、と思いました。
「ホテル・ド・モンテカルロ」の場面センターもすごく似合っていたし、歌も明るい声でハマッてました。ダンサーのイメージが強かった人ですが、「太王四神記」新公ヒョンゴも良かったし、もっと歌手としてもクローズアップされて良いんじゃないかと思います(^ ^)。
酔っ払い(如月蓮)
芝居自体は良かったんですが、バッティングセンターとダンスホールと、それぜぞれ別人としてキャラ立てしているはずなのに、髪形とかが変わらないのであまり違いがわからなかったな。絡み方も同じだし…って、それは脚本どおりか(汗)。
もともと綺麗な人だし、その貌をあまり隠さないで酔っ払いを演じていたので、ラストのパーティーで紹介される時のギャップが無くてちょっと物足りなかったかも(^ ^;。
ジャン(天寿光希)
初演のときも、コムちゃんが唐突に出てきたときに『何をするんだろう?』と思ったんですが、今回も全く同じことを思ってしまいました(汗)。唐突に出てきて、楽譜台を立てるなどして、準備が整ったらおもむろに喧嘩が始まる、というのがまだちょっと段取りっぽくて違和感があったような。演出は同じなんでしょうか?
結構激しく言い返しておきながら、「演奏してくれ」って言われた途端に破顔一笑、っていうのも、変わり身早すぎっ!!って感じだし。……と言いつつ、彼女の笑顔にコロっと落ちてしまった(汗)。あああ、もう展開なんてどうでも良いらしい(*^ ^*)。あの笑顔は反則だよなあ……。
フローレンス(琴まりえ)とモントロン(鶴美舞夕)
この役って意外と難しい役なんだな、と思いました。どいちゃん、「ブエノスアイレスの風」とか観ててもそれなりに芝居も出来る人だと思うんですけど、老人の役を「役として」演じるのは難しいんだろうな、と。
残念ながら、お二人とも違和感ありまくりで、彼らの話を生真面目に聞いているジェラールとサンドリーヌが、ただの面白い人になっちゃってました(T T)。
最後まで通し役だと思わないで、二役演じるつもりで創ったほうがやりやすかったかもしれませんね…。
ポーレット(音花ゆり)
娘役ではサンドリーヌに続く役ですが、キュートで良かったです。思いのほかテルくんとの並びもお似合いで、可愛かった♪ てっきりせあらちゃんがやると思っていたので少し意外でしたが、コロちゃんも巧いから安心して観ていられました。テルくんのためには、コロちゃんで良かったような気がします(^ ^)。
個人的には、中盤の幻想のダンスで天寿くんとキトリちゃんが組んで踊ってくれたのがとても嬉しかったです。幸せでした。あああ、二人とも本当に可愛いなあ(*^ ^*)。
そして、最初の花嫁花婿ではじゅんなと踊っていたキトリちゃん。ああもう、なんでそんなに可愛いんだ!!天寿くんと組んでいた娘役さんも可愛かったけど、あれは誰なのかなあ…。
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「再会」初演は大劇場と1000daysで、「ソウル・オブ・シバ!!」は東宝で観ているはずなのですが、どちらも思いのほか記憶になくて、我ながらちょっと驚いてしまいました(汗)。
観る前に思い出せたのは、グンちゃん(月影瞳)の最初の図書館のシーンと、なるぴょん(成瀬こうき)の「電話するよー♪」という独特の言い回しと、ショーの方はとなみちゃんがコケていたシーン(バレエ学校)くらい。
実際に公演を観てみて、飄々と話を引っ掻き回していた(汐風)幸ちゃんとか、酔っ払いのかしちゃんとか、突然バイオリンを弾き始めてびっくりしたコムちゃんとか……を思い出したのですが。「長崎しぐれ坂/ソウル・オブ・シバ」は一回しか観てないけど、「再会/ノバ・ボサ・ノバ」は、三回も観ているはずなのに、どうしてこんなに覚えていないんだろう(^ ^;ゞ。
というわけで、初演との違いとかはよく判らないのですが……(汗)、お芝居の方は、記憶にあったイメージよりもずっと素直に観られたし、面白かったと思います。初演は轟さんと香寿さんという重厚な芝居を得意とするお二人がメインだったし、そもそもこの作品自体、良い大人がやることではないのは明らかなので、大人の男だったお二人には不利な作品だったと思うんですよね。それが、今回は役者がぐっと若返ったことで、実力的には不安定ながらも「まあ、若い頃はそういう莫迦なことをすることもあるよね」的な話になっていたんではないか、と。
そんなことを思いました。的外れだったらすみません。
ジェラール/スタン(柚希礼音)
大劇場・東宝とタムドンを演じてきた礼音くん。二作目にして、随分落ち着いて、堂々たるトップになったなあと思いました。ただ、かなり情熱的で猪突猛進なタイプに見えるので、『プレイボーイ』の軽やかさがちょっと足りないかなー、と(^ ^)。まあ、逆に、そこが魅力なのかもしれませんが、礼音くんのために書かれた物語を、早く観てみたいです☆
サンドリーヌ(夢咲ねね)
ねねちゃんの芝居は、思いきりが良くてはっきりしているし、根っこが明るいところも、石田作品と相性抜群なんだなあ、と感心しました。「大阪侍」は観れなかったのですが、評判良かったのもわかるなあ、と。「銀ちゃん」の小夏みたいな役はちょっと違うけど、「猛き黄金の国」の喜勢とか、「黎明の風」の正子とか、大概の役は似合いそう(*^ ^*)。
ただ、まだ若いせいか?芝居が真っ直ぐすぎて「俺の眼を見て嘘をついてみろ!」というシチュエーションでの「嘘」が、ただの「芝居」になってしまって、「嘘」になっていないな、とは思いました。まあ、その真っ直ぐさが彼女の魅力でもあるわけなので、無理をする必要はないんです。でも、サンドリーヌとしてはそこは足りない部分だったかな、と。
ねねちゃんも、ねねちゃんのために書かれた物語を早く観てみたい、です。
マーク(鳳稀かなめ)
今まで一度も、「凍てついた明日」を観ても思ったことは無かったのですが。
もしかして、テルくんの声って男役時代のタータンさんの声に似てますか? タータンさんも、男役としてはちょっと高めの、甘い声でしたよね。台詞を喋る声の質が微妙に似ている気がしたのと、歌のフレーズの終わりにふっと抜くときの雰囲気がすごく似ている、ような。
技術面のレベルがだいぶ違うせいか、普段はあまり思わないのですが。今回、タータンさんの芝居そのものは全然思い出せないのに、そこかしこで「あ、タータンさんの台詞だ!」と思って、そのことにすごく吃驚しました。
ま、それはともかく。
「太王四神記」でも思いましたが、本当に礼音くん・ねねちゃん・テルくんって、並びが綺麗なトリオですよね。裏も表もない、ひたすら真っ直ぐなトップコンビに、ちょっと裏を感じさせるテルくんという組み合わせが良かったと思います。
それと。なんだか、星組に行ってからのテルくんは可愛いんですよね(*^ ^*)。ちょっとヘタレに磨きがかかったのが気になるっちゃ気になるんですが、なんというか、「ヘタレな美形」というキャラクターを確立したような気もします。ヘタレだけどSな美形。うん、希少価値があるから、そのままでいいのかも(^ ^)。
スティーブ(彩海早矢)
ちょっと暑苦しい(^ ^)芝居が持ち味のあかしなので、飄々とさりげなーく事態をかき回して楽しんでいた幸ちゃんの役はちょっと難しかったかな?という印象。初演の幸ちゃんの細かい芝居を覚えているわけではないし、そもそも違う作品なんですから別に違ってて構わないんですが、観ていて、作品全体の中でスティーブの存在がちょっと強すぎるような気がしました。ああいう役って、全編同じハイテンションだと煩くなってしまうんだと思うのです。
あかしは決して空気が読めないタイプではないと思うのですが、こういう役でも引くところは引いて、大事な所でピリッと効かせられるようになると良いんだけどなあ(^ ^)。
アンドレ(水輝涼)
なるぴょんの「電話するよー」が凄く印象的だったので、じゅんなの台詞回しがふつーだったことにちょっと拍子抜け(^ ^)。いやー、しかし難しい役ですねぇ。嫌味な役だけど、笑わせておいてあまり後をひかないように、そして、ラストにもう一度サラっと笑わせて終わる、その絶妙の呼吸は、場を支配するような大役をやった経験がないと難しいのかもしれません。大した役じゃないと思っていたけど、なるぴょんの月組芝居は秀逸だったんだな……(しみじみ)。
ピエール(壱城あずさ)
立ち姿も綺麗だし、制服もよく似合ってて、良かったと思います。可愛かった☆なんてことはない役だし、初演のトウコさんは全然覚えていないのですが、若手男役らしい儲け役だな、と思いました。
「ホテル・ド・モンテカルロ」の場面センターもすごく似合っていたし、歌も明るい声でハマッてました。ダンサーのイメージが強かった人ですが、「太王四神記」新公ヒョンゴも良かったし、もっと歌手としてもクローズアップされて良いんじゃないかと思います(^ ^)。
酔っ払い(如月蓮)
芝居自体は良かったんですが、バッティングセンターとダンスホールと、それぜぞれ別人としてキャラ立てしているはずなのに、髪形とかが変わらないのであまり違いがわからなかったな。絡み方も同じだし…って、それは脚本どおりか(汗)。
もともと綺麗な人だし、その貌をあまり隠さないで酔っ払いを演じていたので、ラストのパーティーで紹介される時のギャップが無くてちょっと物足りなかったかも(^ ^;。
ジャン(天寿光希)
初演のときも、コムちゃんが唐突に出てきたときに『何をするんだろう?』と思ったんですが、今回も全く同じことを思ってしまいました(汗)。唐突に出てきて、楽譜台を立てるなどして、準備が整ったらおもむろに喧嘩が始まる、というのがまだちょっと段取りっぽくて違和感があったような。演出は同じなんでしょうか?
結構激しく言い返しておきながら、「演奏してくれ」って言われた途端に破顔一笑、っていうのも、変わり身早すぎっ!!って感じだし。……と言いつつ、彼女の笑顔にコロっと落ちてしまった(汗)。あああ、もう展開なんてどうでも良いらしい(*^ ^*)。あの笑顔は反則だよなあ……。
フローレンス(琴まりえ)とモントロン(鶴美舞夕)
この役って意外と難しい役なんだな、と思いました。どいちゃん、「ブエノスアイレスの風」とか観ててもそれなりに芝居も出来る人だと思うんですけど、老人の役を「役として」演じるのは難しいんだろうな、と。
残念ながら、お二人とも違和感ありまくりで、彼らの話を生真面目に聞いているジェラールとサンドリーヌが、ただの面白い人になっちゃってました(T T)。
最後まで通し役だと思わないで、二役演じるつもりで創ったほうがやりやすかったかもしれませんね…。
ポーレット(音花ゆり)
娘役ではサンドリーヌに続く役ですが、キュートで良かったです。思いのほかテルくんとの並びもお似合いで、可愛かった♪ てっきりせあらちゃんがやると思っていたので少し意外でしたが、コロちゃんも巧いから安心して観ていられました。テルくんのためには、コロちゃんで良かったような気がします(^ ^)。
個人的には、中盤の幻想のダンスで天寿くんとキトリちゃんが組んで踊ってくれたのがとても嬉しかったです。幸せでした。あああ、二人とも本当に可愛いなあ(*^ ^*)。
そして、最初の花嫁花婿ではじゅんなと踊っていたキトリちゃん。ああもう、なんでそんなに可愛いんだ!!天寿くんと組んでいた娘役さんも可愛かったけど、あれは誰なのかなあ…。
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新橋演舞場にて、劇団☆新感線の「蛮幽鬼」を観劇してまいりました。
中島かずき脚本・いのうえひでのり演出の、いわゆる「いのうえ歌舞伎」の本流。あまり意識はしていなかったのですが、そういえばこのコンビは「朧の森に棲む鬼」以来二年ぶりになるんですね。
いろんな意味で少年漫画チックな世界観が気持ちよくて、壮大で……でも、「朧の…」などに比べるとちょっと大人の世界になっていたような気がします。少年ジャンプからスピリッツになったくらいの感じ?(←適当)
観ながら漠然と「モンテ・クリスト伯みたいだな」と思っていたのですが、プログラムによると、元々「モンテ・クリスト伯」をやろうとしての作品だったようですね。
逆に、そう思って観たら、二幕の展開は全然関係なかった……のですが。
遠い古代。
大陸には強大な華拿国(カダノクニ)があり、その東の沖合いに、小さな島国があった。島国の名は鳳来国(ホウライコク)。文明的に遅れている鳳来国は、若く優秀な若者たちを舟に乗せ、華拿国へ送る。新しい世界を学ばせ、自国の活力とするために。
華拿国のモデルは、モデルは隋……かな?唐という感じはしないんですよね。いや、あんまり根拠はないのですが。鳳来国のモデルはもちろん大和朝廷、ですね。あとは、楼蘭がちらっと名前だけ出てきます。いや、字が違うかもしれませんが。「山の老人」伝説を参考にしたような暗殺集団として出てくるので、実際の楼蘭とは関係無さそうですが。
(「山の老人」の伝説は、「モンテ・クリスト伯」にも出てくる話だから使ったのでしょうか?シチュエーションは全然違いますが…)
鳳来国の優秀な若者として遣華使(?)として海を渡った4人、伊達土門(上川隆也)、京兼調部(川原正嗣)、稀浮名(山内圭哉)、音津空麿(栗根まこと)。5年の滞在で新しい文明を学び、もうすぐ故郷に帰れるという時に、事件が起きる。流星雨が降る夜に、天文寮で京兼調部が殺されたのだ。直前まで一緒に流星雨を見ていて、死んだときに行き合わせた土門に疑いがかかり、華拿王の前で裁かれる。その場で、「犯人は土門に間違いない」と証言する浮名と空麿。
仲間たちに裏切られ、監獄島に閉じ込められる土門。
ここまでがプロローグで、この後、十年間を監獄島で過ごし、そこで出会ったサジやペナンらと共に監獄島を脱出した土門が、鳳来国に戻り、裏切り者たちへの復讐を果たすまでが本筋になるわけですが。
主演は、伊達土門役の上川隆也と、楼蘭育ちの殺し屋・サジの堺雅人。二枚看板、というか、『表の主役・上川と裏の主役・堺』という感じでした。
復讐を誓い、他には何もいらないと誓う土門。
そんな彼を「守る」と誓うサジ。
サジにはサジの目的があり、土門の知らないところで動いていたりもするのですが。この二人の関係がいかにも複雑微妙で、すごく面白かったです。ずっと、この二人どうなるんだろう、というか、サジはどうするんだろう、と思いながら観ていて、期待に違わぬラストだったので、中島さんはさすがだな、と。
上川さんはもっぱら元婚約者である美古都(稲森いずみ)や、自分を裏切った浮名や空麿の二人と絡むのですが、サジは、とにかく土門へのこだわりがすべてで、あとは美古都の警護を勤める楼蘭人・刀衣(早乙女太一)との関係が深かったかな。
上川さんが骨太で格好良いのは今更書く必要もないことですが。
なかなか複雑な人間像を、実に見事に描き出していたと思います。歌も殺陣も人並み以上で、さすがだなあ、と。しかし汗がすごいなこのヒトは……。ライトの光量も多いんでしょうけれども、それにしてもキラキラというかテラテラというか…(汗)。
堺さんは、「人を殺すときにも笑顔でいる男」。土門に自らの持つ殺人術を伝え、復讐を手伝う男。実に不思議な存在感で、興味深かったです。「モンテ・クリスト伯」にはいないキャラクターなので、どう動かすのかなあと思っていたのですが、なるほど!という感じでした。
「美しき背徳」で、何の前触れもなく突然男同士の愛が出てくることに吃驚したばかりだったので、愛ではないけれども深いサジの感情に、とても素直に納得できました(*^ ^*)。
栗根・山内はシリアスな場面もギャグの場面もしっかり抑えて、とても良かったです。
山内さん演じる浮名の父親は、右大臣の稀道活(橋本じゅん)。朝廷で隠れもない権力を誇る右大臣として、大王(右近健一)をないがしろにし、いずれ取り除いて自分が王の座に座ろうと画策する、典型的な「悪役」(^ ^)。典型的な新感線役者として、ビジュアルの作り込みからギャグの間まで、実に実に見事でした(笑)。
息子の浮名は、ヤル気のない無責任なモラトリアム青年、みたいな役でしたが、なかなかに食えないキャラクターでした。最期は意外とあっさり滅んでしまうので、もう少し裏があってもいいのに……という感じもしましたね。
浮名と共に土門を裏切る空麿は、土門が鳳来国に帰ってきたときには「蛮教」という華拿国の宗教の指導者として権力に近いところにおり、稀家に協力している…という設定でした。架空の国とはいえ、眼鏡をかけているのが胡散臭すぎて、すごく笑えましたが……。
戻ってきた土門が「蛮神教」の教祖・飛頭蛮を名乗り、教義問答を仕掛けるのを受けて、見事に玉砕する…という、これまたお約束どおりの展開なのですが。
ひょうひょうとした栗根さんのキャラクターが生きた、面白い役でした。
華拿国で殺された京兼調部の妹・美古都(稲森いずみ)は、透明感のある美しさが役にあっていたと思います。凛としているところと儚いところが同居しているのが良かった。ちょっと矛盾のある役なので難しかったと思います。揺れる心を、もう少し脚本的な部分でもフォローしてあげたほうが良かったかな、と、ちょっと思いました。
調部と美古都の父親・京兼惜春(千葉哲也)は、堂々たる貫禄のあるオヤジっぷり(*^ ^*)。
「ユーリンタウン」の語り部・ロクスッポ警部の見事さにひけをとらない素晴らしさでした。
自分に仕え、忠誠を誓うくの一・丹色(山本カナコ)との場面の、たまらんほどの色っぽさにちょっとクラッときました。そういえば、「ユーリンタウン」では色っぽい場面はひとっつもなかったな……。
山本カナコさんも大好きなので、この二人の絡みはめっちゃ嬉しかったです♪
華拿国に滅ぼされたハマン国の姫君、ペナン(高田聖子)。
…高田さんがやってるくらいなんで、姫君っつっても……って感じですけど(^ ^;ゞ、監獄島で土門に出会い、助けられて一緒に日本まで来てしまう。密かに財産とかもどっかに隠していたらしく、「蛮神教」の布教活動をすすめる土門の資金源ともなる。土門への愛情は微かに感じられますが、美古都もいるし、土門側は何も気づかないままに終わる、って感じだったような。
二幕の中盤で、いきなり衣装を脱ぎ捨てて踊りだす場面があるんですが。真っ赤なチューブトップ(?)がとても素敵です。ええ。ちょっとテンションあがりました(^ ^;。あと、ハマン語でペラペラ喋りだす場面が何回かあって、それがめちゃめちゃ面白かったです☆
鳳来国の侍隊長、遊日蔵人は、山本亨。
土門とは、土門が遣華使に選ばれるまでは同じ衛士の仲間だった、という設定で、美古都と共に土門を待っていた、気は優しくて力持ち系の男。殺陣も見事で、カッコよかったです。
ああ、でも。
殺陣といえば、この人。
楼蘭一族の一人・刀衣役の早乙女太一。
思えば、私が彼に一番最初に落ちたのは、二年前の「クラブセブン セレクション」の殺陣シーンだったんですよね。あれは日本刀でしたけれども。
新感線の殺陣はいつも格好良いですけれども、彼の殺陣は、また別次元で素晴らしい。
斬られ役の技術ではなく、彼の殺陣そのものが、並みのダンサーのダンスよりも美しいんです。思わず、息を詰めて見入ってしまいます。女装しての舞もありましたし、あれも確かに綺麗なんですが、やっぱり私は、彼は男姿で殺陣をしていえるときが一番美しいと思います。
18歳、でしたっけ。わずか二年で顔立ちもずいぶん大人びて、面長になりましたよね。チラシを観たときは、早乙女くんだということに全然気がつきませんでした(汗)。背も伸びて、体つきがずいぶん変わったなあ……。
声も安定して、だいぶ芝居らしくなってきたような気がします。美古都に忠誠を捧げるようになるまでに何があったのかが語られない脚本で、難しかったと思いますが、今までだったら手も足も出なかったでしょうに、何かとっかかりを掴んだんじゃないかな、と思いました。
この公演の楽の頃には、もっとずっと大きくなっているんだろうなあ……。
魅力のある人なので今後もオファーは絶えないでしょうし、本流である劇団朱雀の活動も大変でしょうけれども、ぜひとも良い仕事を選んで、役者としても一流になってほしいな、と思います(*^ ^*)。
主な登場人物はそんなところでしょうか。
うーん、ネタバレしないのって難しい(涙)。ま、上川さんがカッコよかった!!の一言で終わりといえば終わりなんですけどね(真顔)。
いやー、それにしても面白かったです。さすが中島さん、息をつく暇もない怒涛の展開(^ ^)。
登場人物が多いのに、全員ちゃんと役があって、凄く面白かったです。
「蛮教」という宗教の独占を権力の礎(金銭的にも、人手的にも)におくというアイディアと、それに対抗する飛頭蛮=土門の、「儲からない宗教」の対立。その、非常に政治的なテーマを深く書き込む前に、あっさりと復讐譚として終わらせてしまうあたりがいかにも少年漫画っぽいんですけど(汗)、話としてはわかりやすかったかな、と。
もう少し宗教周りの話の決着をつけると、大人のコミックになるんだけどな。まあ、新感線だからな((^ ^;ゞ
で。
これはぜひ、今の宙組で観てみたい!!
中島さん、いのうえさん、宝塚デビューしませんか~~!?ぜひぜひ★祐飛さんの土門、蘭トムさんのサジ、すみ花ちゃんの美古都。皆がぴったりじゃないですか。みっちゃんにどの役をやらせるかちょっと迷うところなのですが、できれば、京兼惜春を演じてほしいぞ~~!!(^ ^)髭も似合うし♪みっちゃんはああいう、笑いの無い役の方が絶対似合う。あああ、観てみたい!
早乙女太一くんが演じた刀衣は、女装をすれば絶世の美女で、剣の名手という設定なので……うーん、誰がいいかなあ……。
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中島かずき脚本・いのうえひでのり演出の、いわゆる「いのうえ歌舞伎」の本流。あまり意識はしていなかったのですが、そういえばこのコンビは「朧の森に棲む鬼」以来二年ぶりになるんですね。
いろんな意味で少年漫画チックな世界観が気持ちよくて、壮大で……でも、「朧の…」などに比べるとちょっと大人の世界になっていたような気がします。少年ジャンプからスピリッツになったくらいの感じ?(←適当)
観ながら漠然と「モンテ・クリスト伯みたいだな」と思っていたのですが、プログラムによると、元々「モンテ・クリスト伯」をやろうとしての作品だったようですね。
逆に、そう思って観たら、二幕の展開は全然関係なかった……のですが。
遠い古代。
大陸には強大な華拿国(カダノクニ)があり、その東の沖合いに、小さな島国があった。島国の名は鳳来国(ホウライコク)。文明的に遅れている鳳来国は、若く優秀な若者たちを舟に乗せ、華拿国へ送る。新しい世界を学ばせ、自国の活力とするために。
華拿国のモデルは、モデルは隋……かな?唐という感じはしないんですよね。いや、あんまり根拠はないのですが。鳳来国のモデルはもちろん大和朝廷、ですね。あとは、楼蘭がちらっと名前だけ出てきます。いや、字が違うかもしれませんが。「山の老人」伝説を参考にしたような暗殺集団として出てくるので、実際の楼蘭とは関係無さそうですが。
(「山の老人」の伝説は、「モンテ・クリスト伯」にも出てくる話だから使ったのでしょうか?シチュエーションは全然違いますが…)
鳳来国の優秀な若者として遣華使(?)として海を渡った4人、伊達土門(上川隆也)、京兼調部(川原正嗣)、稀浮名(山内圭哉)、音津空麿(栗根まこと)。5年の滞在で新しい文明を学び、もうすぐ故郷に帰れるという時に、事件が起きる。流星雨が降る夜に、天文寮で京兼調部が殺されたのだ。直前まで一緒に流星雨を見ていて、死んだときに行き合わせた土門に疑いがかかり、華拿王の前で裁かれる。その場で、「犯人は土門に間違いない」と証言する浮名と空麿。
仲間たちに裏切られ、監獄島に閉じ込められる土門。
ここまでがプロローグで、この後、十年間を監獄島で過ごし、そこで出会ったサジやペナンらと共に監獄島を脱出した土門が、鳳来国に戻り、裏切り者たちへの復讐を果たすまでが本筋になるわけですが。
主演は、伊達土門役の上川隆也と、楼蘭育ちの殺し屋・サジの堺雅人。二枚看板、というか、『表の主役・上川と裏の主役・堺』という感じでした。
復讐を誓い、他には何もいらないと誓う土門。
そんな彼を「守る」と誓うサジ。
サジにはサジの目的があり、土門の知らないところで動いていたりもするのですが。この二人の関係がいかにも複雑微妙で、すごく面白かったです。ずっと、この二人どうなるんだろう、というか、サジはどうするんだろう、と思いながら観ていて、期待に違わぬラストだったので、中島さんはさすがだな、と。
上川さんはもっぱら元婚約者である美古都(稲森いずみ)や、自分を裏切った浮名や空麿の二人と絡むのですが、サジは、とにかく土門へのこだわりがすべてで、あとは美古都の警護を勤める楼蘭人・刀衣(早乙女太一)との関係が深かったかな。
上川さんが骨太で格好良いのは今更書く必要もないことですが。
なかなか複雑な人間像を、実に見事に描き出していたと思います。歌も殺陣も人並み以上で、さすがだなあ、と。しかし汗がすごいなこのヒトは……。ライトの光量も多いんでしょうけれども、それにしてもキラキラというかテラテラというか…(汗)。
堺さんは、「人を殺すときにも笑顔でいる男」。土門に自らの持つ殺人術を伝え、復讐を手伝う男。実に不思議な存在感で、興味深かったです。「モンテ・クリスト伯」にはいないキャラクターなので、どう動かすのかなあと思っていたのですが、なるほど!という感じでした。
「美しき背徳」で、何の前触れもなく突然男同士の愛が出てくることに吃驚したばかりだったので、愛ではないけれども深いサジの感情に、とても素直に納得できました(*^ ^*)。
栗根・山内はシリアスな場面もギャグの場面もしっかり抑えて、とても良かったです。
山内さん演じる浮名の父親は、右大臣の稀道活(橋本じゅん)。朝廷で隠れもない権力を誇る右大臣として、大王(右近健一)をないがしろにし、いずれ取り除いて自分が王の座に座ろうと画策する、典型的な「悪役」(^ ^)。典型的な新感線役者として、ビジュアルの作り込みからギャグの間まで、実に実に見事でした(笑)。
息子の浮名は、ヤル気のない無責任なモラトリアム青年、みたいな役でしたが、なかなかに食えないキャラクターでした。最期は意外とあっさり滅んでしまうので、もう少し裏があってもいいのに……という感じもしましたね。
浮名と共に土門を裏切る空麿は、土門が鳳来国に帰ってきたときには「蛮教」という華拿国の宗教の指導者として権力に近いところにおり、稀家に協力している…という設定でした。架空の国とはいえ、眼鏡をかけているのが胡散臭すぎて、すごく笑えましたが……。
戻ってきた土門が「蛮神教」の教祖・飛頭蛮を名乗り、教義問答を仕掛けるのを受けて、見事に玉砕する…という、これまたお約束どおりの展開なのですが。
ひょうひょうとした栗根さんのキャラクターが生きた、面白い役でした。
華拿国で殺された京兼調部の妹・美古都(稲森いずみ)は、透明感のある美しさが役にあっていたと思います。凛としているところと儚いところが同居しているのが良かった。ちょっと矛盾のある役なので難しかったと思います。揺れる心を、もう少し脚本的な部分でもフォローしてあげたほうが良かったかな、と、ちょっと思いました。
調部と美古都の父親・京兼惜春(千葉哲也)は、堂々たる貫禄のあるオヤジっぷり(*^ ^*)。
「ユーリンタウン」の語り部・ロクスッポ警部の見事さにひけをとらない素晴らしさでした。
自分に仕え、忠誠を誓うくの一・丹色(山本カナコ)との場面の、たまらんほどの色っぽさにちょっとクラッときました。そういえば、「ユーリンタウン」では色っぽい場面はひとっつもなかったな……。
山本カナコさんも大好きなので、この二人の絡みはめっちゃ嬉しかったです♪
華拿国に滅ぼされたハマン国の姫君、ペナン(高田聖子)。
…高田さんがやってるくらいなんで、姫君っつっても……って感じですけど(^ ^;ゞ、監獄島で土門に出会い、助けられて一緒に日本まで来てしまう。密かに財産とかもどっかに隠していたらしく、「蛮神教」の布教活動をすすめる土門の資金源ともなる。土門への愛情は微かに感じられますが、美古都もいるし、土門側は何も気づかないままに終わる、って感じだったような。
二幕の中盤で、いきなり衣装を脱ぎ捨てて踊りだす場面があるんですが。真っ赤なチューブトップ(?)がとても素敵です。ええ。ちょっとテンションあがりました(^ ^;。あと、ハマン語でペラペラ喋りだす場面が何回かあって、それがめちゃめちゃ面白かったです☆
鳳来国の侍隊長、遊日蔵人は、山本亨。
土門とは、土門が遣華使に選ばれるまでは同じ衛士の仲間だった、という設定で、美古都と共に土門を待っていた、気は優しくて力持ち系の男。殺陣も見事で、カッコよかったです。
ああ、でも。
殺陣といえば、この人。
楼蘭一族の一人・刀衣役の早乙女太一。
思えば、私が彼に一番最初に落ちたのは、二年前の「クラブセブン セレクション」の殺陣シーンだったんですよね。あれは日本刀でしたけれども。
新感線の殺陣はいつも格好良いですけれども、彼の殺陣は、また別次元で素晴らしい。
斬られ役の技術ではなく、彼の殺陣そのものが、並みのダンサーのダンスよりも美しいんです。思わず、息を詰めて見入ってしまいます。女装しての舞もありましたし、あれも確かに綺麗なんですが、やっぱり私は、彼は男姿で殺陣をしていえるときが一番美しいと思います。
18歳、でしたっけ。わずか二年で顔立ちもずいぶん大人びて、面長になりましたよね。チラシを観たときは、早乙女くんだということに全然気がつきませんでした(汗)。背も伸びて、体つきがずいぶん変わったなあ……。
声も安定して、だいぶ芝居らしくなってきたような気がします。美古都に忠誠を捧げるようになるまでに何があったのかが語られない脚本で、難しかったと思いますが、今までだったら手も足も出なかったでしょうに、何かとっかかりを掴んだんじゃないかな、と思いました。
この公演の楽の頃には、もっとずっと大きくなっているんだろうなあ……。
魅力のある人なので今後もオファーは絶えないでしょうし、本流である劇団朱雀の活動も大変でしょうけれども、ぜひとも良い仕事を選んで、役者としても一流になってほしいな、と思います(*^ ^*)。
主な登場人物はそんなところでしょうか。
うーん、ネタバレしないのって難しい(涙)。ま、上川さんがカッコよかった!!の一言で終わりといえば終わりなんですけどね(真顔)。
いやー、それにしても面白かったです。さすが中島さん、息をつく暇もない怒涛の展開(^ ^)。
登場人物が多いのに、全員ちゃんと役があって、凄く面白かったです。
「蛮教」という宗教の独占を権力の礎(金銭的にも、人手的にも)におくというアイディアと、それに対抗する飛頭蛮=土門の、「儲からない宗教」の対立。その、非常に政治的なテーマを深く書き込む前に、あっさりと復讐譚として終わらせてしまうあたりがいかにも少年漫画っぽいんですけど(汗)、話としてはわかりやすかったかな、と。
もう少し宗教周りの話の決着をつけると、大人のコミックになるんだけどな。まあ、新感線だからな((^ ^;ゞ
で。
これはぜひ、今の宙組で観てみたい!!
中島さん、いのうえさん、宝塚デビューしませんか~~!?ぜひぜひ★祐飛さんの土門、蘭トムさんのサジ、すみ花ちゃんの美古都。皆がぴったりじゃないですか。みっちゃんにどの役をやらせるかちょっと迷うところなのですが、できれば、京兼惜春を演じてほしいぞ~~!!(^ ^)髭も似合うし♪みっちゃんはああいう、笑いの無い役の方が絶対似合う。あああ、観てみたい!
早乙女太一くんが演じた刀衣は、女装をすれば絶世の美女で、剣の名手という設定なので……うーん、誰がいいかなあ……。
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大江山の花の伝説【10】
2009年10月7日 宝塚(宙) コメント (4)ふと思い立って、久しぶりに「検索ワード一覧」をチェックしてみたのですが。
ここ数日、「大空祐飛」とか「ゆうひ」とかで検索して来てくださった方がひとりもいない(↓)。それどころか、宙組関係はカイちゃんのみ。データの保持期間が短いので、最近ニュースになった新公配役に集中するのは仕方ないとしても、なぜ、カチャでもえりちゃんでもなくカイちゃんなの?(- -;ゞ
それに。公演中の花組雪組が多いのは当然なんでしょうけど、やたらと真瀬くんが多いのは気のせい?だいもんでもあまちゃきでもなく真瀬くんってところに、この日記の性格が出ているような気がします。雪も、キングでもあゆちゃんでも咲奈ちゃんでも、残念ながら真那春人くんでもなく(T T)、あずりんがダントツだし。不思議です。
さて。そんな反省(どんな)をこめて、大空祐飛さんが主演した博多座公演「大江山花伝」の思い出を語らせていただきます。
これで最後にしますので、もう少しだけお付き合いくださいませ。
ちなみに、前回の日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/200909180349191114/
そういえば書き忘れてましたが、盗賊の六郎太(鳳翔大)が登場してすぐ、
「何をしている?さっさと歩け!」
というカゲ台詞を言っているのは、どなたなのでしょうか?冷酷そうな美声ですよねぇ~。
その後の、
「よっく見ておけ、皆のもの。逃げた者の末路はこうじゃ。…旅の若者、礼を言おうぞ!」
という偉そうな声は、タマちゃん(天羽珠紀)の声で合ってますか…?
■第十三場 綱、助かる
茨木のソロから暗転して、綱が縛られている岩屋へ。四天王の季武(鳳樹いち)と貞光(澄輝さやと)、綱の部下たち(美月遥、風馬翔)が、藤の葉(野々すみ花)に案内されて駆け込んでくる。
鎖を解き、服を調え……そして、綱の脇に膝をついて剣を差し出す風馬くんの、「御太刀を!」という感極まった声が、とても良かったです♪(^ ^;
少し遅れて、都の姫たちを連れた公時(鳳翔大)が登場。みっちゃんと抱き合って喜ぶ大くんが可愛いです。鬼たちの呑む酒に眠り薬を仕込み、姫たちを救い…と、八面六臂の大活躍をしていたらしい。
そういえば、綱って捕まっていただけで実は何もしてないですね(^ ^;ゞ。原作では、茨木と酒呑童子の会話から『鬼たちの力の源は酒だ』ということを知った綱が仲間に伝えて…となっていたから、公時たちは綱の指示どおりに動いていた印象だったのですが。柴田さんの脚本では、それ(鬼たちの弱点)を知るのは綱ではなく藤の葉で、彼女が全てのお膳立てをしたように見える。だから、相対的に綱のポジションが下がってしまうんですよね…。
なんだか、藤の葉が大江山の鬼たちを滅ぼす方向に積極的に動くのが不思議な感じでした。
柴田さんには、藤の葉視点では酒呑童子たちは茨木の敵になるというイメージあったのでしょうか?
公時たちに姫たちを連れて先に行くよう指示して、綱は、藤の葉を連れて帰るべく説得を始める。
断固として拒否する藤の葉。山に残る、と。頑なに首を振る藤の葉に、業を煮やした綱の声が、大きくなる。
と、そこに通りがかる茨木と、胡蝶。「呑もうか、二人で」「後でな」の約束をたがえず、したたかに呑んだ挙句に、胡蝶の方を借りてかろうじて歩く茨木が、可愛いです。
武勇には長けていても、女を口説くには不器用な綱(と藤子)に、
「早く立ち去れ」
と、冗談めかして言い捨てる茨木。切なく見守る胡蝶。
そんな鬼に、
「残念だぞ!」
と、微かな涙まじりに訴える、綱。
この後の4人の舞は、素晴らしい名シーンでした。
空蝉の衣を脱ぎ捨てて、茨木のもとへ駆け出す、藤子の心。
軽々と受け止めて、ひたと見凝めあいながら、少しづつ距離を縮めていく、鬼。
惹かれあい、引き寄せ合って、かたく抱きあう、筒井筒の幼馴染。
思い出はタイムマシン。薄紫の過去へ、連れて行ってくれる。
ゆうるり、と、時は止まり、そうしてまた、動き出す。
タイムマシンから降り立った鬼は、貌をそむけたまま、筒井筒の少女の手を切なげに離す。
冷たい空気の中に放されて、無意識にぬくもりを探す少女。
振り向いて、その懐へ戻ろうとする少女を、手を伸ばして留める、茨木。
俺は鬼だから。
だから、お前とは、行かない。
行けない、のではなく、
ここに、残る。この、大江山、に------。
薄紫に染まる世界の中で、
鬼であることをやめて人間に戻ろうとした鬼と、
愛するもののために鬼になろうとした少女が、
目を合わせることなく、同じ方向を視て、立ち竦む……。
■第十四場a 山攻め
音楽が切れて紗幕が降りると、幕前で兵士たちの山攻めのダンス。
頼光さま(寿つかさ)や公時以下の四天王はいいとしても、初日は本当に、鬼メークのままの下級生がたくさんいて、密かに大笑いしてしまいました。それが、わずか三週間でどんどん垢抜けて、みんな本当に凄かったなあ~~!(感動)。保昌(雅桜歌)も、確か初日は変だった筈なのに、お盆休みには完璧だったし(*^ ^*)。
娘役も下級生は殆ど入っていたので、本当に一人一人のメークの変遷が面白かったです~♪
途中、緋の長袴でセリあがって、頼光四天王と渡り合う茨木。
……そうか。この作品、来年の全ツに持って行くに違いない、と思っていたのですが、もしかして、セリがないとこの場面がやれないんじゃないか…?(袖から長袴で出てくるのは厳しそう)
■第十四場b 茨木と藤子、果てる(滝壷)
紗幕があがると、舞台奥に滝壷のセット。その前に緋色の長袴の茨木、上手側の山道に、酒呑童子と四天王が並ぶ。
「我々は大江山を棄てて逃げ延びる。茨木、お前も来い」
そう口説く父を、息子はきっぱりと切り捨てる。
「私は大江山に残ります」
ここは私の故里だから、と。
原作からの改変点で、一番大きいのはココですね。
原作では、眠り薬を盛られた鬼たちは、頼光たちによって大江山で根絶やしにされます。退治されてしまう、というのが正しいかな。
そして、酒呑童子を手にかけるのは、茨木童子その人。妖力をもつ酒呑童子は、そう簡単には倒せないから。その奥には、自分以外に負けてほしくない、そんな気持ちも、あるのかもしれません。
そしてもう一つ、綱に手柄を取らせたい気持ちもある、はず。自分が生きている意味を見出せない(喪ってしまった)から、せめて最期に一度くらい、ヒトの役にたってみようか、と、そんな感じで。
でも。柴田さんは、あえて鬼たちを旅立たせました。
以前の襲撃で喪ったものの復讐は、ほぼ終わった。気が済んだ。…もう、いい。
大江山は、都に近すぎる。誘惑も多すぎる。もっと山奥の、人とのつながりを持つ可能性の低いところへ行って、自分たちだけで生きてみよう、…と。
こうすることで、茨木の鬱屈は、基本的に『ある荘園』での事件だけということになるんですよね。
酒呑童子によって与えられた苦しみは、舞台では語られません。ただ、喪ったと思った藤子との未来と、『三年前の事件』が彼の心を苦しめるばかりで。
自分が鬼であったために、死なせてしまった女。
一瞬の激情に負けて、女を死へおいやった、罪。その罪の重さに耐えかねて、生きることに倦んでいた、鬼の心。
…そこに飛び込んでくる、藤子。
「茨木だけじゃない、皆同じ。あたしたちはみんな、鬼なのよ…!」
すみ花ちゃんが泣くと、世界が泣く。そう言ったのは、誰だったか。
本当にそのとおりだな、と思いましたね。この場面を観るたびに。
たった一人舞台に立って、滔々と長台詞を語り、茨木の鬱屈を引っくり返してみせる、女優。
「あなたこそ、人間らしい人間なのよ!」
鬼がヒトで、ヒトが鬼で。
恐ろしい鬼が、この世で一番『人間らしい人間』で。
この世で一番弱いヒトも、心の底には鬼を棲まわせている。
藤子を都に帰らせたかった茨木。
綱と一緒になればいい、と思っていたはずの、茨木。
だから、ここでもう一度逢うつもりはなかったはず、の。
この首くれてやろうと思ったが、そうもいかなくなった。
もちろん、この台詞が出る直接のきっかけは、藤子の死ではあるのですが。
おそらくはもう少し前、藤子の呼ばわりに応えて姿を見せたときに、その覚悟はしていたはず。
藤子には幸せになってほしいと思っていたのに。
鬼の自分と添うことが、彼女の幸せだとは思えないのに。
それでも、もう、この手を放すことはできないから。
愛している、……ふじこ。
うれしい、と呟いて事切れた藤子の、頬の火傷にそっと触れて。
おそらくは、ありがとう、と。
生きていてくれて、逢いに来てくれて、探しに来てくれて、
……ありがとう、と。
言葉にはできない茨木の悲しさが、滝に洗われて、とけてしまえば良いのに……。
■第十五場 綱、悲しむ
滝つぼに張られた注連縄が切れて、暗転。下手花道の綱に、スポット。
大江山に再びやってきた綱が、幻の茨木や藤子と語り合う。
連れて帰ることのできなかった女と、救うことのできなかった鬼。綱の悔恨は切ないです。彼が悪かったのではないに。
みっちゃんの歌は心に沁みますね。ユミコさんみたいな癒し系の声とも違う、キムちゃんみたいな火傷しそうに熱い音とも違う、舞台の空気に溶けていくような、優しい声。
二回に一回は涙を流しての熱演だった綱さまですが、あの、子供のような感情の爆発ぶりが、みっちゃんの綱なんだなあ、と微笑ましくも思いました(^ ^)
■第十六場 二人、翔ける
紗幕があがると、盛装した茨木と藤子が、幸せそうに舞う。
二人が本当に幸せそうで、涙が出ました。
というか。あまりにも幸せそうで、なんだか、妬けちゃいそうでした……(^ ^;ゞ
死んでしまった二人が天国で結ばれる、というこの手のフィナーレは、宝塚の悲劇作品のお約束ではあるのですが。
原作のラストも余韻があって好きなんですが、どちらかといえば綱の寂しさを前面に出して終わるので、こういうすっきりした幸せ感とはまた違う印象でしたし…。
……やっぱり良いですね、こうやって救われる、宝塚の世界観って。
なんだか、全編を原作と比較しながら書いてしまいました。
どちらが良い/悪いではない、ということだけ、最後にもう一度明記させてください!
数ある木原作品の中でも格別にファンタジックかつポエティックな物語を、柴田さんは随分リアルに、かつ叙情的にもってきたな、と思います。1時間40分という時間をもたせ、かつ役を増やすために、大江山の鬼たちの幸せな日々描いてしまったせいか。頼光・綱陣営よりも大江山陣営の方が深く描かれてしまって、最後の処理が難しくなってしまったきらいはありますが、全体の内容の濃さは、大したものだと思います。まさか『鬼の泉』が入るとは想わなかった(汗)。
こんなところでしょうか。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
なんだか書き漏らしたこともあるような気がしますが、とりあえずは最後まで書き終わってホッとしました。
で。宙組大劇場公演初日まで、あと一ヶ月と一週間。……そろそろ、CSの最初のレポート(組長さんとトップのトーク)が流れる、かな??まだかな??(ワクワク)
.
ここ数日、「大空祐飛」とか「ゆうひ」とかで検索して来てくださった方がひとりもいない(↓)。それどころか、宙組関係はカイちゃんのみ。データの保持期間が短いので、最近ニュースになった新公配役に集中するのは仕方ないとしても、なぜ、カチャでもえりちゃんでもなくカイちゃんなの?(- -;ゞ
それに。公演中の花組雪組が多いのは当然なんでしょうけど、やたらと真瀬くんが多いのは気のせい?だいもんでもあまちゃきでもなく真瀬くんってところに、この日記の性格が出ているような気がします。雪も、キングでもあゆちゃんでも咲奈ちゃんでも、残念ながら真那春人くんでもなく(T T)、あずりんがダントツだし。不思議です。
さて。そんな反省(どんな)をこめて、大空祐飛さんが主演した博多座公演「大江山花伝」の思い出を語らせていただきます。
これで最後にしますので、もう少しだけお付き合いくださいませ。
ちなみに、前回の日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/200909180349191114/
そういえば書き忘れてましたが、盗賊の六郎太(鳳翔大)が登場してすぐ、
「何をしている?さっさと歩け!」
というカゲ台詞を言っているのは、どなたなのでしょうか?冷酷そうな美声ですよねぇ~。
その後の、
「よっく見ておけ、皆のもの。逃げた者の末路はこうじゃ。…旅の若者、礼を言おうぞ!」
という偉そうな声は、タマちゃん(天羽珠紀)の声で合ってますか…?
■第十三場 綱、助かる
茨木のソロから暗転して、綱が縛られている岩屋へ。四天王の季武(鳳樹いち)と貞光(澄輝さやと)、綱の部下たち(美月遥、風馬翔)が、藤の葉(野々すみ花)に案内されて駆け込んでくる。
鎖を解き、服を調え……そして、綱の脇に膝をついて剣を差し出す風馬くんの、「御太刀を!」という感極まった声が、とても良かったです♪(^ ^;
少し遅れて、都の姫たちを連れた公時(鳳翔大)が登場。みっちゃんと抱き合って喜ぶ大くんが可愛いです。鬼たちの呑む酒に眠り薬を仕込み、姫たちを救い…と、八面六臂の大活躍をしていたらしい。
そういえば、綱って捕まっていただけで実は何もしてないですね(^ ^;ゞ。原作では、茨木と酒呑童子の会話から『鬼たちの力の源は酒だ』ということを知った綱が仲間に伝えて…となっていたから、公時たちは綱の指示どおりに動いていた印象だったのですが。柴田さんの脚本では、それ(鬼たちの弱点)を知るのは綱ではなく藤の葉で、彼女が全てのお膳立てをしたように見える。だから、相対的に綱のポジションが下がってしまうんですよね…。
なんだか、藤の葉が大江山の鬼たちを滅ぼす方向に積極的に動くのが不思議な感じでした。
柴田さんには、藤の葉視点では酒呑童子たちは茨木の敵になるというイメージあったのでしょうか?
公時たちに姫たちを連れて先に行くよう指示して、綱は、藤の葉を連れて帰るべく説得を始める。
断固として拒否する藤の葉。山に残る、と。頑なに首を振る藤の葉に、業を煮やした綱の声が、大きくなる。
と、そこに通りがかる茨木と、胡蝶。「呑もうか、二人で」「後でな」の約束をたがえず、したたかに呑んだ挙句に、胡蝶の方を借りてかろうじて歩く茨木が、可愛いです。
武勇には長けていても、女を口説くには不器用な綱(と藤子)に、
「早く立ち去れ」
と、冗談めかして言い捨てる茨木。切なく見守る胡蝶。
そんな鬼に、
「残念だぞ!」
と、微かな涙まじりに訴える、綱。
この後の4人の舞は、素晴らしい名シーンでした。
空蝉の衣を脱ぎ捨てて、茨木のもとへ駆け出す、藤子の心。
軽々と受け止めて、ひたと見凝めあいながら、少しづつ距離を縮めていく、鬼。
惹かれあい、引き寄せ合って、かたく抱きあう、筒井筒の幼馴染。
思い出はタイムマシン。薄紫の過去へ、連れて行ってくれる。
ゆうるり、と、時は止まり、そうしてまた、動き出す。
タイムマシンから降り立った鬼は、貌をそむけたまま、筒井筒の少女の手を切なげに離す。
冷たい空気の中に放されて、無意識にぬくもりを探す少女。
振り向いて、その懐へ戻ろうとする少女を、手を伸ばして留める、茨木。
俺は鬼だから。
だから、お前とは、行かない。
行けない、のではなく、
ここに、残る。この、大江山、に------。
薄紫に染まる世界の中で、
鬼であることをやめて人間に戻ろうとした鬼と、
愛するもののために鬼になろうとした少女が、
目を合わせることなく、同じ方向を視て、立ち竦む……。
■第十四場a 山攻め
音楽が切れて紗幕が降りると、幕前で兵士たちの山攻めのダンス。
頼光さま(寿つかさ)や公時以下の四天王はいいとしても、初日は本当に、鬼メークのままの下級生がたくさんいて、密かに大笑いしてしまいました。それが、わずか三週間でどんどん垢抜けて、みんな本当に凄かったなあ~~!(感動)。保昌(雅桜歌)も、確か初日は変だった筈なのに、お盆休みには完璧だったし(*^ ^*)。
娘役も下級生は殆ど入っていたので、本当に一人一人のメークの変遷が面白かったです~♪
途中、緋の長袴でセリあがって、頼光四天王と渡り合う茨木。
……そうか。この作品、来年の全ツに持って行くに違いない、と思っていたのですが、もしかして、セリがないとこの場面がやれないんじゃないか…?(袖から長袴で出てくるのは厳しそう)
■第十四場b 茨木と藤子、果てる(滝壷)
紗幕があがると、舞台奥に滝壷のセット。その前に緋色の長袴の茨木、上手側の山道に、酒呑童子と四天王が並ぶ。
「我々は大江山を棄てて逃げ延びる。茨木、お前も来い」
そう口説く父を、息子はきっぱりと切り捨てる。
「私は大江山に残ります」
ここは私の故里だから、と。
原作からの改変点で、一番大きいのはココですね。
原作では、眠り薬を盛られた鬼たちは、頼光たちによって大江山で根絶やしにされます。退治されてしまう、というのが正しいかな。
そして、酒呑童子を手にかけるのは、茨木童子その人。妖力をもつ酒呑童子は、そう簡単には倒せないから。その奥には、自分以外に負けてほしくない、そんな気持ちも、あるのかもしれません。
そしてもう一つ、綱に手柄を取らせたい気持ちもある、はず。自分が生きている意味を見出せない(喪ってしまった)から、せめて最期に一度くらい、ヒトの役にたってみようか、と、そんな感じで。
でも。柴田さんは、あえて鬼たちを旅立たせました。
以前の襲撃で喪ったものの復讐は、ほぼ終わった。気が済んだ。…もう、いい。
大江山は、都に近すぎる。誘惑も多すぎる。もっと山奥の、人とのつながりを持つ可能性の低いところへ行って、自分たちだけで生きてみよう、…と。
こうすることで、茨木の鬱屈は、基本的に『ある荘園』での事件だけということになるんですよね。
酒呑童子によって与えられた苦しみは、舞台では語られません。ただ、喪ったと思った藤子との未来と、『三年前の事件』が彼の心を苦しめるばかりで。
自分が鬼であったために、死なせてしまった女。
一瞬の激情に負けて、女を死へおいやった、罪。その罪の重さに耐えかねて、生きることに倦んでいた、鬼の心。
…そこに飛び込んでくる、藤子。
「茨木だけじゃない、皆同じ。あたしたちはみんな、鬼なのよ…!」
すみ花ちゃんが泣くと、世界が泣く。そう言ったのは、誰だったか。
本当にそのとおりだな、と思いましたね。この場面を観るたびに。
たった一人舞台に立って、滔々と長台詞を語り、茨木の鬱屈を引っくり返してみせる、女優。
「あなたこそ、人間らしい人間なのよ!」
鬼がヒトで、ヒトが鬼で。
恐ろしい鬼が、この世で一番『人間らしい人間』で。
この世で一番弱いヒトも、心の底には鬼を棲まわせている。
藤子を都に帰らせたかった茨木。
綱と一緒になればいい、と思っていたはずの、茨木。
だから、ここでもう一度逢うつもりはなかったはず、の。
この首くれてやろうと思ったが、そうもいかなくなった。
もちろん、この台詞が出る直接のきっかけは、藤子の死ではあるのですが。
おそらくはもう少し前、藤子の呼ばわりに応えて姿を見せたときに、その覚悟はしていたはず。
藤子には幸せになってほしいと思っていたのに。
鬼の自分と添うことが、彼女の幸せだとは思えないのに。
それでも、もう、この手を放すことはできないから。
愛している、……ふじこ。
うれしい、と呟いて事切れた藤子の、頬の火傷にそっと触れて。
おそらくは、ありがとう、と。
生きていてくれて、逢いに来てくれて、探しに来てくれて、
……ありがとう、と。
言葉にはできない茨木の悲しさが、滝に洗われて、とけてしまえば良いのに……。
■第十五場 綱、悲しむ
滝つぼに張られた注連縄が切れて、暗転。下手花道の綱に、スポット。
大江山に再びやってきた綱が、幻の茨木や藤子と語り合う。
連れて帰ることのできなかった女と、救うことのできなかった鬼。綱の悔恨は切ないです。彼が悪かったのではないに。
みっちゃんの歌は心に沁みますね。ユミコさんみたいな癒し系の声とも違う、キムちゃんみたいな火傷しそうに熱い音とも違う、舞台の空気に溶けていくような、優しい声。
二回に一回は涙を流しての熱演だった綱さまですが、あの、子供のような感情の爆発ぶりが、みっちゃんの綱なんだなあ、と微笑ましくも思いました(^ ^)
■第十六場 二人、翔ける
紗幕があがると、盛装した茨木と藤子が、幸せそうに舞う。
二人が本当に幸せそうで、涙が出ました。
というか。あまりにも幸せそうで、なんだか、妬けちゃいそうでした……(^ ^;ゞ
死んでしまった二人が天国で結ばれる、というこの手のフィナーレは、宝塚の悲劇作品のお約束ではあるのですが。
原作のラストも余韻があって好きなんですが、どちらかといえば綱の寂しさを前面に出して終わるので、こういうすっきりした幸せ感とはまた違う印象でしたし…。
……やっぱり良いですね、こうやって救われる、宝塚の世界観って。
なんだか、全編を原作と比較しながら書いてしまいました。
どちらが良い/悪いではない、ということだけ、最後にもう一度明記させてください!
数ある木原作品の中でも格別にファンタジックかつポエティックな物語を、柴田さんは随分リアルに、かつ叙情的にもってきたな、と思います。1時間40分という時間をもたせ、かつ役を増やすために、大江山の鬼たちの幸せな日々描いてしまったせいか。頼光・綱陣営よりも大江山陣営の方が深く描かれてしまって、最後の処理が難しくなってしまったきらいはありますが、全体の内容の濃さは、大したものだと思います。まさか『鬼の泉』が入るとは想わなかった(汗)。
こんなところでしょうか。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
なんだか書き漏らしたこともあるような気がしますが、とりあえずは最後まで書き終わってホッとしました。
で。宙組大劇場公演初日まで、あと一ヶ月と一週間。……そろそろ、CSの最初のレポート(組長さんとトップのトーク)が流れる、かな??まだかな??(ワクワク)
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終わってしまった公演なのですが、先日、博品館劇場にて、ドラマプレイ「美しき背徳」を観劇しました。
DIAMOND☆DOGS ACTシリーズ第二弾、と銘打ったこの公演。去年の秋に上演された「ラストシーン」を私は観ていないのでなんとも言えませんが、今後も継続されるのでしょうか?なかなか面白い試みでしたが、個人的には、一幕がお芝居で二幕がショー、という宝塚スタイルは、すごく正解なのかもしれないな、と思いました。
ラストの短い数分間のショーシーンに、チケット代の3/4を払ったな、と思ってしまいましたもん。
皆さん普通に芝居できるし、脚本も興味深かったんですけど、「DIAMOND☆DOGS」の何が観たくて劇場に行くのかっていったら、やっぱりダンス(と歌)なんですよ私は…。劇場に入ってからストレートプレイだということを知って、ちょっと凹みました(汗)。
いや、面白かったんですけど。ホントに。
出演はDIAMOND☆DOGSフルメンバー+岩崎大(Studio Life)+加藤良輔。加藤さんは「テニスの王子様」でデビューされた方だそうで、そろそろ『ミュージカルファン』を自認するなら「テニスの王子様」が外せない時代になってきたなあ…と思いますね(^ ^;ゞ。うーむ、興味はあるんだけどなかなか暇がない……(そしてチケットもない、のかな?)
13年前の、夏。加々美与志也、という一人の男が、死んだ。
多額の遺産と、9人の男の子を遺して。
そして、13年が過ぎて。長男・悠平は、兄弟たちを呼び寄せる。
父親が死んだ、海近い崖に建つ旧い洋館に。
カモメたちが哀しげに啼き交わし、教会の鐘が寂しく響くーーーー函館の群青の海へ。
父親の死の真相を、知るために。
本妻の子:
・長男 悠平(岩崎大)
・次男 美宇(咲山類)
愛人その1の子:
・玲於(東山義久)
愛人その2の子:
・拓海(原知宏)
愛人その3(売春婦)の子:
・真樹(小寺利光)
愛人その4の子:
・双子の兄 心(森新吾)
・双子の弟 音(加藤良輔)
愛人その5(加々美家の家政婦)の子:
・涼(TAKA)
人工授精による子:
・リド(中塚皓平)
作・演出は友澤晃一。
ストーリーは、ぶっちゃけ栗本薫氏あたりが昔に書いていたような、あるいは篠田真由美氏あたりが書き続けていらっしゃるような耽美小説っぽいノリ。正直なところ、『この展開でいくなら、もう少し台詞の一つ一つに繊細な詩情があってほしかった』……とか思ったりしたところもありました。ちょっと説明口調が多かったので(いろいろ説明するところが多いので仕方ない面もあるんですけどねー)。役者たちは思ったよりもずっと芝居ができているのに、しかも、美形を揃えて(*^ ^*)明らかに『お耽美』を意識している作品なのに、脚本がお堅いんじゃあねぇ…。
しかも、それぞれに演劇的なバックグラウンドの違うメンバーが集まっているので、話し方やトーンがそれぞれ個性的すぎる。そのために、こういう緊迫感のある演劇をする上で必要な一体感が感じられず、ばらばらな感じがあったのも残念な気がしました。
9人のそれぞれの違いを、『同じ血をひいているけれども違う人生を歩んできたバラバラな兄弟』というイメージにつなげられるように巧く嵌めていけると、もっと面白くなったんじゃないかなーと思うんですけどね。ちょっと中途半端だった印象。
それと、クライマックスにきて愛憎が表沙汰になったり嫉妬が渦巻いたりし始めると、ちょっと観ていて引いてしまうのは……うーん、差別するわけじゃないけど、やっぱり『お耽美』っていうのは女性独特の世界なんでしょうか?と思ったりしますね。同じネタで同じメンバーで、「Studio Life」の倉田さんが作・演出だったらどんな作品になっただろうか?と、そんな、ある意味非常に下世話な興味を抱いてしまいました(^ ^;ゞ。
舞台装置は、基本一つ。崩れかけた教会をイメージしているように見えたのですが、話をきいていると、実は彼らの父親である加々美氏が生前住んでいた(そこで死んだ)豪邸……の、はず、で、あるらしい。その建物のイメージと現実の乖離の謎が、ちょっと篠田真由美氏の『建築探偵』シリーズっぽいなーと思ったりもしました。(多分関係ない)
演出は、ワンシチュエーションもの、ってことになるのでしょうか?セットは一つだけだし、時間もほとんど飛ばないし……(意識が飛んでいるかもしれません。すみません)
とにかく、上演中はずーっと彼ら9人(主に岩崎さん&リーダー)の会話を聞いているだけなのですが、台詞のないメンバーがちょこまか動き回るので、ついつい(いつもの癖で)追いかけて、気がつくと会話が飛んでいたり…ということがあったので、よく判っていないかもしれません(汗)。
岩崎さんは、ゲストなんですけど堂々たる主演に見えました。彼が兄弟たちを呼び集め、全てをコントロールしていくので。発散の場もなくて、なかなか難しい役でしたが、よくやっていたと思います。それにしてもカッコイイなあ(*^ ^*)。
……せっかく格好良かったので、フィナーレは別に出てくれなくても良かったのに……(小声)
リーダー(東山)は、まあ、よく動くしよく喋るし!!実は警察の関係者だという設定でしたが、ヤクザにも見えるし警察にも見える、という皮肉な立場が良く似合って、さすが胡散臭い役をやらせたら並ぶものは無い、と(←いやそんなことはないんですが)、そんな感じでした。
あと非常に印象的だったのは、威島真樹役の小寺さん。かなり高めの甘い声と、わざとらしく礼儀正しさを繕った雰囲気が実にぴったりで、加々美家の異常性をよく表現してくれていました。彼が喋るたびに不思議な空気が沸いてくるのが興味深かったです。うん。わざとオネエ言葉を使ったり小指が立っていたりするわけではないのに、、、本当に雰囲気なんですよね。不思議なものです。
水村心役の森さんも良かった。あのウザさがたまらない。こういう世界観の作品にはお約束のキャラクターではありますが、なかなか個性的で良かったと思います。うん。世界そのものに怯えきった風情がとても可愛かったです。
弟の水村音役の加藤さんは、ちょっとストレートプレイにはDIAMOND☆DOGSメンバーより更に不慣れな感じが漂っていましたが、それでも、あれだけの美貌があれば問答無用で「耽美」になれるんだな、と、そんなことに感心してみたりしました。
個人的に大好きなダンサー・中塚さんは、人工授精の子供、という特殊な役。……人工授精、といっても、なにも人工子宮で10月10日を過ごしたというわけじゃないだろうし、普通に代理母から生まれてしまえば普通の人として育つはずだと思うんですけど、設定的にはむしろアンドロイドのような、感情のない人形のような人間、というキャラクターでした。
中塚さんの、ダンサーとしての身体的な演技力というか表現力はDIAMOND☆DOGSの中でもダントツだと(ファンなので)思っていたりするのですが、…芝居、って、そういえば観たことないかも…?あの台詞回しは、アンドロイドのような人間、という設定だからああだったのか、あれしかできないからアンドロイドのようなキャラになったのか、微妙に不安になったりしました。
ラストのオチ…というか、『彼』の正体についてはほぼ読めていたので、特にどんでん返しという感じでは無かったのですが。何一つ解決していないのに、なんとなく『ちゃんと終わった』感があったのはすごいなー、と。
……もしかしたら、多少意識が飛んでいたのかもしれませんが……。
ラストのフィナーレは本当に格好良かったです。
お芝居は一幕で終わらせて、二幕はショーでよかったのにーーーーーー!!(それってどこの花組)
あああ、次のダンス公演、絶対行くぞ!!(決意)
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DIAMOND☆DOGS ACTシリーズ第二弾、と銘打ったこの公演。去年の秋に上演された「ラストシーン」を私は観ていないのでなんとも言えませんが、今後も継続されるのでしょうか?なかなか面白い試みでしたが、個人的には、一幕がお芝居で二幕がショー、という宝塚スタイルは、すごく正解なのかもしれないな、と思いました。
ラストの短い数分間のショーシーンに、チケット代の3/4を払ったな、と思ってしまいましたもん。
皆さん普通に芝居できるし、脚本も興味深かったんですけど、「DIAMOND☆DOGS」の何が観たくて劇場に行くのかっていったら、やっぱりダンス(と歌)なんですよ私は…。劇場に入ってからストレートプレイだということを知って、ちょっと凹みました(汗)。
いや、面白かったんですけど。ホントに。
出演はDIAMOND☆DOGSフルメンバー+岩崎大(Studio Life)+加藤良輔。加藤さんは「テニスの王子様」でデビューされた方だそうで、そろそろ『ミュージカルファン』を自認するなら「テニスの王子様」が外せない時代になってきたなあ…と思いますね(^ ^;ゞ。うーむ、興味はあるんだけどなかなか暇がない……(そしてチケットもない、のかな?)
13年前の、夏。加々美与志也、という一人の男が、死んだ。
多額の遺産と、9人の男の子を遺して。
そして、13年が過ぎて。長男・悠平は、兄弟たちを呼び寄せる。
父親が死んだ、海近い崖に建つ旧い洋館に。
カモメたちが哀しげに啼き交わし、教会の鐘が寂しく響くーーーー函館の群青の海へ。
父親の死の真相を、知るために。
本妻の子:
・長男 悠平(岩崎大)
・次男 美宇(咲山類)
愛人その1の子:
・玲於(東山義久)
愛人その2の子:
・拓海(原知宏)
愛人その3(売春婦)の子:
・真樹(小寺利光)
愛人その4の子:
・双子の兄 心(森新吾)
・双子の弟 音(加藤良輔)
愛人その5(加々美家の家政婦)の子:
・涼(TAKA)
人工授精による子:
・リド(中塚皓平)
作・演出は友澤晃一。
ストーリーは、ぶっちゃけ栗本薫氏あたりが昔に書いていたような、あるいは篠田真由美氏あたりが書き続けていらっしゃるような耽美小説っぽいノリ。正直なところ、『この展開でいくなら、もう少し台詞の一つ一つに繊細な詩情があってほしかった』……とか思ったりしたところもありました。ちょっと説明口調が多かったので(いろいろ説明するところが多いので仕方ない面もあるんですけどねー)。役者たちは思ったよりもずっと芝居ができているのに、しかも、美形を揃えて(*^ ^*)明らかに『お耽美』を意識している作品なのに、脚本がお堅いんじゃあねぇ…。
しかも、それぞれに演劇的なバックグラウンドの違うメンバーが集まっているので、話し方やトーンがそれぞれ個性的すぎる。そのために、こういう緊迫感のある演劇をする上で必要な一体感が感じられず、ばらばらな感じがあったのも残念な気がしました。
9人のそれぞれの違いを、『同じ血をひいているけれども違う人生を歩んできたバラバラな兄弟』というイメージにつなげられるように巧く嵌めていけると、もっと面白くなったんじゃないかなーと思うんですけどね。ちょっと中途半端だった印象。
それと、クライマックスにきて愛憎が表沙汰になったり嫉妬が渦巻いたりし始めると、ちょっと観ていて引いてしまうのは……うーん、差別するわけじゃないけど、やっぱり『お耽美』っていうのは女性独特の世界なんでしょうか?と思ったりしますね。同じネタで同じメンバーで、「Studio Life」の倉田さんが作・演出だったらどんな作品になっただろうか?と、そんな、ある意味非常に下世話な興味を抱いてしまいました(^ ^;ゞ。
舞台装置は、基本一つ。崩れかけた教会をイメージしているように見えたのですが、話をきいていると、実は彼らの父親である加々美氏が生前住んでいた(そこで死んだ)豪邸……の、はず、で、あるらしい。その建物のイメージと現実の乖離の謎が、ちょっと篠田真由美氏の『建築探偵』シリーズっぽいなーと思ったりもしました。(多分関係ない)
演出は、ワンシチュエーションもの、ってことになるのでしょうか?セットは一つだけだし、時間もほとんど飛ばないし……(意識が飛んでいるかもしれません。すみません)
とにかく、上演中はずーっと彼ら9人(主に岩崎さん&リーダー)の会話を聞いているだけなのですが、台詞のないメンバーがちょこまか動き回るので、ついつい(いつもの癖で)追いかけて、気がつくと会話が飛んでいたり…ということがあったので、よく判っていないかもしれません(汗)。
岩崎さんは、ゲストなんですけど堂々たる主演に見えました。彼が兄弟たちを呼び集め、全てをコントロールしていくので。発散の場もなくて、なかなか難しい役でしたが、よくやっていたと思います。それにしてもカッコイイなあ(*^ ^*)。
……せっかく格好良かったので、フィナーレは別に出てくれなくても良かったのに……(小声)
リーダー(東山)は、まあ、よく動くしよく喋るし!!実は警察の関係者だという設定でしたが、ヤクザにも見えるし警察にも見える、という皮肉な立場が良く似合って、さすが胡散臭い役をやらせたら並ぶものは無い、と(←いやそんなことはないんですが)、そんな感じでした。
あと非常に印象的だったのは、威島真樹役の小寺さん。かなり高めの甘い声と、わざとらしく礼儀正しさを繕った雰囲気が実にぴったりで、加々美家の異常性をよく表現してくれていました。彼が喋るたびに不思議な空気が沸いてくるのが興味深かったです。うん。わざとオネエ言葉を使ったり小指が立っていたりするわけではないのに、、、本当に雰囲気なんですよね。不思議なものです。
水村心役の森さんも良かった。あのウザさがたまらない。こういう世界観の作品にはお約束のキャラクターではありますが、なかなか個性的で良かったと思います。うん。世界そのものに怯えきった風情がとても可愛かったです。
弟の水村音役の加藤さんは、ちょっとストレートプレイにはDIAMOND☆DOGSメンバーより更に不慣れな感じが漂っていましたが、それでも、あれだけの美貌があれば問答無用で「耽美」になれるんだな、と、そんなことに感心してみたりしました。
個人的に大好きなダンサー・中塚さんは、人工授精の子供、という特殊な役。……人工授精、といっても、なにも人工子宮で10月10日を過ごしたというわけじゃないだろうし、普通に代理母から生まれてしまえば普通の人として育つはずだと思うんですけど、設定的にはむしろアンドロイドのような、感情のない人形のような人間、というキャラクターでした。
中塚さんの、ダンサーとしての身体的な演技力というか表現力はDIAMOND☆DOGSの中でもダントツだと(ファンなので)思っていたりするのですが、…芝居、って、そういえば観たことないかも…?あの台詞回しは、アンドロイドのような人間、という設定だからああだったのか、あれしかできないからアンドロイドのようなキャラになったのか、微妙に不安になったりしました。
ラストのオチ…というか、『彼』の正体についてはほぼ読めていたので、特にどんでん返しという感じでは無かったのですが。何一つ解決していないのに、なんとなく『ちゃんと終わった』感があったのはすごいなー、と。
……もしかしたら、多少意識が飛んでいたのかもしれませんが……。
ラストのフィナーレは本当に格好良かったです。
お芝居は一幕で終わらせて、二幕はショーでよかったのにーーーーーー!!(それってどこの花組)
あああ、次のダンス公演、絶対行くぞ!!(決意)
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花組のみなさま、千秋楽おめでとうございます(^ ^)。
マメちゃん、レネちゃん、聖花まいちゃん、嶺乃くん、大劇場卒業おめでとう!!東京でお待ちしてま〜す♪
で。
年末の宙組大劇場公演の新人公演一部配役と、月組公演の新人公演配役が、やっと発表されました!
カチャ(凪七瑠海)、初主演、おめでとう!
(藤咲)えりちゃん、初ヒロイン、本当におめでとう!めっちゃ嬉しいです(*^ ^*)
そして、
かいちゃん(七海ひろき)、ラズロ役すっごく楽しみです!!がんばれ〜!
皆様、私を「予言者」と呼んでくれたまえ(←偉そう)。
カチャのリックは予想どおりとして、えりちゃんのイルザ&かいちゃんのラズロが実現するなんて(はぁと)嬉しいな、楽しみだな★っていうか、ありがとう歌劇団(^ ^)。
新公最終学年がトップ、2番手を占めるパターンは最近珍しいですが、この二人なら見応えありそうで、楽しみです!
いや〜、ことだまって大切ですね\(^ ^)/
願望も書いてみるものだなあ。すごーく嬉しいです。これで、鳳樹いちくんのルノー警部、月映樹茉さんのシュトレッサー、風羽玲亜さんのサム、、、、、とかだったら、本気で予言者なんだけどな、私。
本公演イヴォンヌのせーこちゃん(純矢ちとせ)は、アニーナなのでしょうか。それとも、かっこよく鈴奈さんの役あたり?どっちも観てみたいなあ…。れーれ(すみれ乃麗)は、ここらで大人の女を演じておくのもいいと思うので、良い役が来ることを祈っています。
……とりあえず、雅桜歌ちゃんにフェラーリとかウガーテとかが回ってきたひには、大劇場まで観に行きますわ、私(←そっち?)。
同じく、月組公演新人公演配役。
こちらはもう、来週には初日ですよね。正塚さん、いつにも増してギリギリやなあ……。
まあ、今回は9月4日に相当な大人数が発表されたので………他の役の出番は推して知るべし、ってか……?(T T)
とりあえず。
どこから突っ込むべきか悩む所ですが。
最後の新公で組長の役が回ってきたみっしょん。
いやー、おめでとう。ある意味、とても嬉しいです。最後の新公、思いっきりはじけちゃってくださいな(*^ ^*)(いつもはじけてるけど)
卒業する音姫すなおちゃんの役には、玲実くれあちゃん。りこちゃん(麻月れんか)の役には沢希理寿ちゃん。
正塚さんは、卒業するからって良い役がつくとは限らないけど、でも、この二人はちょっとだけ楽しみにしておこう…。ってゆーか、何よりも理寿ちゃんが娘役に転向とかしなくてよかったです。「エリザベート」公演中は、オフもスカートだったりしたので、実は密かに心配してたんです。ちょっとだけね(苦笑)。
あーちゃん(花瀬みずか)に89期の妃乃あんじさん、(天野)ほたるに咲希あかねちゃん。こちらの美女二人も役柄的に面白そう♪
しっかし……こうして月と宙のキャスト表を見比べると、しみじみ正塚作品は役が少ないなあ、と思ってしまいますね。
まあ、役は少なくても「マリポーサの花」みたいな名作があるから、侮れないんですけれども。
「ラストプレイ」はどうなるんでしょうね。麻子さんのサヨナラなので、どこを切っても麻子さん、になるのは仕方ないんでしょうけどねぇ………(↓)。他の子も、皆うまく使ってもらえますように(祈)。
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マメちゃん、レネちゃん、聖花まいちゃん、嶺乃くん、大劇場卒業おめでとう!!東京でお待ちしてま〜す♪
で。
年末の宙組大劇場公演の新人公演一部配役と、月組公演の新人公演配役が、やっと発表されました!
カチャ(凪七瑠海)、初主演、おめでとう!
(藤咲)えりちゃん、初ヒロイン、本当におめでとう!めっちゃ嬉しいです(*^ ^*)
そして、
かいちゃん(七海ひろき)、ラズロ役すっごく楽しみです!!がんばれ〜!
皆様、私を「予言者」と呼んでくれたまえ(←偉そう)。
カチャのリックは予想どおりとして、えりちゃんのイルザ&かいちゃんのラズロが実現するなんて(はぁと)嬉しいな、楽しみだな★っていうか、ありがとう歌劇団(^ ^)。
新公最終学年がトップ、2番手を占めるパターンは最近珍しいですが、この二人なら見応えありそうで、楽しみです!
いや〜、ことだまって大切ですね\(^ ^)/
願望も書いてみるものだなあ。すごーく嬉しいです。これで、鳳樹いちくんのルノー警部、月映樹茉さんのシュトレッサー、風羽玲亜さんのサム、、、、、とかだったら、本気で予言者なんだけどな、私。
本公演イヴォンヌのせーこちゃん(純矢ちとせ)は、アニーナなのでしょうか。それとも、かっこよく鈴奈さんの役あたり?どっちも観てみたいなあ…。れーれ(すみれ乃麗)は、ここらで大人の女を演じておくのもいいと思うので、良い役が来ることを祈っています。
……とりあえず、雅桜歌ちゃんにフェラーリとかウガーテとかが回ってきたひには、大劇場まで観に行きますわ、私(←そっち?)。
同じく、月組公演新人公演配役。
こちらはもう、来週には初日ですよね。正塚さん、いつにも増してギリギリやなあ……。
まあ、今回は9月4日に相当な大人数が発表されたので………他の役の出番は推して知るべし、ってか……?(T T)
とりあえず。
どこから突っ込むべきか悩む所ですが。
最後の新公で組長の役が回ってきたみっしょん。
いやー、おめでとう。ある意味、とても嬉しいです。最後の新公、思いっきりはじけちゃってくださいな(*^ ^*)(いつもはじけてるけど)
卒業する音姫すなおちゃんの役には、玲実くれあちゃん。りこちゃん(麻月れんか)の役には沢希理寿ちゃん。
正塚さんは、卒業するからって良い役がつくとは限らないけど、でも、この二人はちょっとだけ楽しみにしておこう…。ってゆーか、何よりも理寿ちゃんが娘役に転向とかしなくてよかったです。「エリザベート」公演中は、オフもスカートだったりしたので、実は密かに心配してたんです。ちょっとだけね(苦笑)。
あーちゃん(花瀬みずか)に89期の妃乃あんじさん、(天野)ほたるに咲希あかねちゃん。こちらの美女二人も役柄的に面白そう♪
しっかし……こうして月と宙のキャスト表を見比べると、しみじみ正塚作品は役が少ないなあ、と思ってしまいますね。
まあ、役は少なくても「マリポーサの花」みたいな名作があるから、侮れないんですけれども。
「ラストプレイ」はどうなるんでしょうね。麻子さんのサヨナラなので、どこを切っても麻子さん、になるのは仕方ないんでしょうけどねぇ………(↓)。他の子も、皆うまく使ってもらえますように(祈)。
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