宙組博多座公演「大江山花伝/Apasioonado!!2」について。


……昨夜は、書いている途中で寝てしまいました(汗)。すみません。



やっと、録画していたNOW ON STAGEを見ました。
あああ、皆、本当に可愛いなあ(*^ ^*)。

前半は、まだまだ緊張感が溢れている様子が画面から伝わってくるなーと思っていたんですが(汗)、お芝居の話の後半あたりから突然盛り上がったのが面白かった(^ ^)。
ちーちゃん(蓮水ゆうや)と(鳳翔)大くんが一生懸命盛り上げてくれたのがとても嬉しいです。二人とも、本当に可愛いなあ(はぁと)(いや、もちろん他のメンバーも皆可愛いです♪ )

ショーについてのコメントで、「娘役も可憐に寄り添うって感じばかりじゃなくて……」というコメントがあって、そうだよね、元々月組の(=月娘の)ショーだもんね!と思ってしまいました(^ ^)。
いや、宙娘は可愛いね、って意味ですよ☆もちろん♪


……博多の歩道で踊るちーちゃん大くんすみ花ちゃんに会いたい(*^ ^*)。






さて、それでは、本番のイタに載った「大江山花伝」のレポートを。



■源頼光方

源頼光(寿つかさ)は、想像よりも公家寄りのメークや装束でしたが、それでもちゃんと武士らしい精悍さがあるのがすっしーさんらしくて素敵でした。場面としては少ないのですが、しっかり締めてくださって、いい組長さんですよね♪


四天王のうち、渡辺綱のみっちゃんは、昨日も書いたからちょっとおいといて。


坂田公時の大くんは、ちょっとヘタレだけど、おいしい役を真摯に演じていて、良かったと思います。私は本当にこの人の台詞の声が好きらしく、愛花ちさきちゃんの花園衛門と話す場面とか、ラスト前の綱との会話とか、思ったより台詞がたくさんあって嬉しかった(^ ^)。茨木の回想の中に登場する六郎太も、物語の核となる大切な役を丁寧に演じてくれて、良かったです~♪
ただ、四天王を名乗るほどの武士には見えなかった……のは、残念なところでありました。上背があるのに立ち姿が頼りない感じがするので、姿勢とか補正とか、もっともっといろいろ試してみてほしいなあ、と思います。
(「いいお手本が来たことだし」と書こうとして気づいた。祐飛さんのアレは自前なので、補正は教えられないよね…)


卜部季武(鳳樹いち)
思ったより装束が良く似合っててとても格好良い。この人も手堅い芝居をする人ですね。若いのにしっかりしてるなあ、という印象。特に目立つ場面はなかったような気がしますが、ただ立っているだけの場面でも何となく雰囲気に重みがあって、四天王としての存在感が感じられました。


碓井貞光(澄輝さやと)
あまりキャラクターを出すほど出番がなかったかな、という感じでしたが、何かしよう!という意欲はうっすら見えたような気がします(^ ^)。がんばれー!


頼光の部下・藤原保昌(雅桜歌)
四天王よりちょっと身分が上の人物として描かれていて、貴族的な美貌が立派な装束に負けず、よく映えていました。ああいう役でさりげなく格上感を出すのって難しいと思うのに、がんばってましたね。「逆転裁判」でも目についた人ですが、美人だし、台詞もしっかりしていて素敵でした(*^ ^*)。



■鬼たち

千年杉(萬あきら)
萬さんというと、ついつい色気たっぷりのオジサマを思い浮かべてしまうのですが(汗)、これはまた、吃驚するほど枯れた、雰囲気の優しい“おじいさま”でした(汗)。
いやあん、萬さん素敵っ!!(*^ ^*)ディナーショーも行きたかったよ~~っ!!(一年の間に、そんなのディナーショーばっかり行けません……)


羽黒(天羽珠紀)、天竜(珠洲春希)、仏(蓮水ゆうや)、佐渡(天玲美音)
頼光四天王は結構いろんな場面で4人で行動するので覚えやすいのですが、鬼の四天王は、4人だけの場面って無いし、鬼メークだし(^ ^;、でちょっと見つけるのが大変でした(汗)好きな人ばっかりで私は楽しかったけど、一人ひとりにもう少しエピソード(キャラ)があるのかなーと思っていたのでちょっと残念。
まあ、キャラが立ってくるのはこれからなんでしょうね。お盆休みの遠征が楽しみです♪

鬼たちの宴でソロを歌うたまちゃん(天羽珠紀)、相変わらずいい声だなあ(*^ ^*)。鬼メークもさすがで格好いい(はぁと)。
珠洲さんはいつ観ても美しい!!立っているだけでも引き込まれるような迫力がありますよね。凄いなあ。
ちーちゃんは上背があるせいか、姿勢がいいのか、ごく普通に鬼に見えました(←誉めてます)。髪型が好きだ。
天玲さんは思い切った鬼メークで面白かった。メークはあれで固定なのかな。それとも、まだ進化途中?


春風(蒼羽りく)、秋風(星吹彩翔)
いつも茨木童子と一緒にいる傍仕えの二人。最初の一条戻り橋の場面では、“侍女”なんですね。女装だったのか……(←気がつかなかったのか)(すみません)
いやー、表情豊かで可愛いです二人とも。メークはがんばりすぎだけど(^ ^)。次に私が観るころには、いろんなことに慣れて、少し余裕が出てくることを祈りつつ。

しっかし、後半の山攻めの場面で兵士に入っているりくちゃんと星吹さん。鬼メークがめちゃくちゃ目立ちすぎで、シリアスな場面なのにちょこっと笑ってしまいました(^ ^;ゞ。この場面の前はしばらく時間があるし、後は鬼としての出番もないんだし、もうちょっと直しちゃっても良いと思うんだけどなあ。下級生は忙しいのでしょうか……。


りんどう(舞花くるみ)、われもこう(瀬音リサ)、ひなげし(愛咲まりあ)
小鬼、というにはちょっと柄の大きいのが混ざってますが(汗)、超可愛かったです。
胡蝶姐さんのアリスちゃんに呼ばれて、「はぁい」って返事する声がめっちゃ好き!もうちょっと仕草に工夫がほしいような気がしましたが、小鬼というより普通に“子役”のイメージで演じていらっしゃるのでしょうか……?



■都の女たち

伊勢式部(鈴奈沙也)
鬼たちにさらわれて大江山に囚われ、下働きとしてこき使われている女たちの中でも、リーダー格の式部さん。
どちらかと言えばお笑い担当ですが、しみじみとした述懐もあったりして、いい役なんですよね。さすが鈴奈さん、貫禄のある女丈夫っぷりでした。


橘少納言(大海亜呼)
式部の下で、皆をまとめるような立場にいるらしい(?)少納言。ショーでは大活躍のえっちゃんですが、今回はちょっと辛抱役って感じかな?いじられてばかりの役ですが、さすがに間が良くて楽しいです。一人で目立つ場面はないけど、案外と出番も多くて嬉しかったです。
下級生とばかり思っていた彼女も、もう女役としてはこの座組で上から二人目。本公演になっても、美風さんに次いで三人目(ちなみに、4番目はアリスちゃん!)。上級生になったんだなあ…(しみじみ)


花園衛門(愛花ちさき)
娘役の中では藤子、胡蝶に継ぐ役。本当に柴田さんの脚本は娘役の大役が多いなあ…。
最初の鬼たちの宴で歌を強要されたときも、凛として応対する役ですが、鬼たちが迫力あるだけに、ちょっと線が細いかなあと思いました。ふわふわと可愛いだけじゃない、強さとしなやかさを持った女性像だと思うので、もうちょっとがんばってほしいなあ。……相手役の大くんが可愛いので、バランスが難しそうですが(汗)。
二役の萱野は、茨木の回想に出てくるだけなので難しいとは思うのですが、茨木の現状の鍵となる人物なので、もう少し個性を出してほしいような気がします。……これは、愛花さんより演出家に言うべきか?


桂尚侍(花音舞)、堀河の姫(千鈴まゆ)、紅少将(花里まな)
三人とも可愛かった~(*^ ^*)。
脚本的には案外書き込まれていたような気がするので、もっともっと個性が出てくるのを期待しています♪



■そのほか

少年茨木(綾瀬あきな)
ショーでは丸一場面ヒロイン格の場面があったりして大活躍の可愛い人。「逆転裁判」でも可愛かったので、活躍が楽しいです♪繊細な少年らしい少年で、茨木の子供時代というのがすんなり入りました。装束も髪もよく似合ってて可愛い♪


少女藤子(百千糸)
すみ花ちゃんの子供時代と言われてすんなり納得できる丸顔(^ ^;ゞ。
わがままで気の強い、でもそんなところが魅力的な姫君で、焼鏝の場面も説得力がありました。「薔薇に振る雨」新公では公爵夫人だったのに、打って変わって可愛いなあ☆


山攻めの兵士たち
花露すみかちゃん筆頭に、娘役も総動員のダンスシーンで、ちょっと「太王四神記」を思い出しました(^ ^;。
もちろん鬼たちも総動員だから、どうみても鬼の顔してる人たちが鬘を外しただけで弓矢持って踊ってて、面白いのなんの(汗)。
しかし、宙組の群舞は揃ってますね(*^ ^*)。長年月組を見慣れていたので、なんだか新鮮(汗)。



■カゲソロ

全体に、カゲソロの多い作品でした☆しかも、そのカゲソロ(男役)をすべて同じ人が担当するのは、何か演出上の意図でもあるのでしょうか…。もうちょっといろんな人に振っても良かったのでは、って気もするんですけどね。
筒井筒、綱が囚われた岩屋、滝つぼ前、そして、ラストのデュエットのカゲ。すべて、男役は風羽玲亜・天玲美音のお二人なんですよね。(滝つぼ前は風羽さんのみ、筒井筒は鈴奈・花音・百千の娘役三人も参加)。
まだ、どちらがどちらの声なのかは判りませんが(汗)、お二人とも、とても良い声でした(*^ ^*)
まだまだ、巧い人が隠れていそうだなー、宙組は。



駆け足でしたが、キャストごとの感想でした。またお盆休みにも行くので(ホントに莫迦だ)、作品についてはそのときに。
ショーは……あああ、こんなことになると知っていたら、もっと月組に通っておいたのになあ…(←邪道)




博多座にて、宙組博多座公演「大江山花伝/Apasionado!!2」を観劇してまいりました。



「あと三時間」というコメントを出したまま、放置してしまってすみません(滝汗)。
とりあえず、無事に幕が降りて、ホッとしています。


いまさらみたいですが。
祐飛さん、すみ花ちゃん、宙組デビュー、本当におめでとうございます!!






お芝居は、ああ、これが名作の誉れ高い「大江山花伝」か、と(^ ^)。
幕が開くまでテンションMAXのまま下がらなくて、いったいどうなることかと自分でも不安だったのですが、お芝居が始まった途端に落ち着きました(^^)v。
やっぱり不安だったんだろうな、と。初めて一緒にお芝居をつくるひとたちとの舞台、というもの、そのものが。

…莫迦みたい。外の舞台では、そんなの当たり前、なのに。





ということで、一応(それなりに)冷静に観ていられたんじゃないかな、と思います。
若干ですがネタバレありなので、ご注意を。


祐飛さんは、ちょっと喉が辛そうでしたけれども、翳りを抱いて光を愛し、闇に憧れる鬼を、愛情深く演じていらっしゃいました。
初日なだけに、いろいろとハプニングなのかどうなのか??というコトもありましたけれども、ほぼ、役をまっとうして息づくことができていたと思います。
対・藤子(野々すみ花)だけではなく、対・渡辺綱(北翔海莉)、対・酒呑童子(十輝いりす)、そして対・胡蝶(花影アリス)。彼を取巻くそれぞれの思惑、そして、彼が彼らに向ける想いがどれも切なくて、「ただ人として生きてみたかった」という茨木の悔恨が痛々しく胸に残りました。

柴田さんの「大江山花伝」は初めて拝見しましたので、初演とどのように違っているのか、とかは全くわかりませんが、原作の外伝にあたる、萱野とこぞ丸のエピソードが入っていたことに驚きました。祐飛さんの茨木だったら、むしろそちらをメインにした作品を観たいと思っていたくらい、痛みの深い物語ですが、あの短い時間で台詞で説明してしまうには、ちょっと難しいエピソードなんですよね……。
原作をご存じない方にあの痛みを伝えるには、もっともっと芝居を深めていかないと難しいんじゃないかな、と思ってしまいました。まぁ、
本来は演出家がなんとかする仕事だとは思うのですが、今回は、祐飛さん、がんばれ!!……って感じです(汗)。



渡辺綱のみっちゃんは、かっこよかった!
もうちょっと不器用で生真面目な猪武者らしさがあっても良かったかな、とは思いましたが。藤の葉に対する態度(彼女が断るはずがないと頭から決めているところとか)など、どちらかと言うと“良家のボンボン”っぽい役作りでしたが、あれは演出指示だったのでしょうか。
あー、でもみっちゃんの殺陣は格好良いなあ……。



酒呑童子のまさこちゃん。大柄なのを生かして大役に取り組んでいましたね。
装束もよく似合い、貫禄も充分。今日のところははだいぶ緊張していたようですが、これから祐飛さんともしっかりコミュニケーションを取って、芝居を深めていってほしいなあと思います。

しかし、学年にして8学年も違うのに、ちゃんと父と息子に見えるこの二人って……(^ ^;ゞ




胡蝶のアリスちゃんは、文句なく美しく、芝居も素晴らしかった!!
アリスちゃんって、今までは妹的な、あるいはマスコット的な役が多かった印象でしたが、今回は姐さんと呼ばれるにふさわしい艶やかさで、華のある佳い女っぷり。
鬼たちにイジられる都女たちをさりげなく庇う風情といい、一心に茨木を慕う切なさといい、気合いの入った美貌といい、「バレンシアの熱い花」新公イザベラを彷彿とさせる麗人ぶりで、可憐な藤子と素晴らしいバランスでした。
柴田作品には、本当にいつも“佳い女”が出てきますよね(嬉)だからこそ、ドラマに深みがあるんだな、と、アリスちゃんの胡蝶を見て、あらためて思いました。




藤子のすみ花ちゃんも文句なしに可憐で、なのに意志が剛くて、、、譲れない一線(茨木)を守り抜く、という真っ直ぐな気持ちが嬉しいくらいで。
ラスト、滝壺の前で手をかざし、「一歩も通さぬ!」と宣ずる藤子の凛とした美しさに、かなり惚れました(←今更)




ショーは、盛り上がりました!!
月組版も何度か観ているはずなのに、中詰め後のシーンが新場面になっていたこと以外はあまり大きな変更点に気づくことなく……

うん、やっぱりこのショー、大好きだ!!



で、その新場面。
月組の「レオン」の場面がまるっと差し替えになっていたのですが。
祐飛さんが、博多座で、迷彩服で、銃を持ってる!!

ぜんぜん違うんですけど、あの、幻の「BLUE MOON BLUE」博多座版を思い出してしまいました………。
藤井さん、ありがとうm(_ _)m。


すみ花ちゃんの白い蘭が、最高にキュートで可愛かったです(はぁと)

……あちこちで下級生に落ちたりしていたので(汗)、また後日詳しく書きたいです♪


ご挨拶は、組長のすっしーさん(寿つかさ)が穏やかな口調で。
「この公演から宙組生になった二人を紹介します」と言ってくださったときは、なんだか感無量という感じでした。……ちょっと拍手を引っ張りすぎてしまってすみません(汗)(←誰に)



祐飛さんのご挨拶は、「暑いですね!」から始まって。
夏が大好き、暑いの大好き!な筈の祐飛さんが、この冷夏にそんなことを!?と思いましたが、やっぱり、今までとは出番もやるべきことも、そしてスポットライトの光量も段違いに違うんだろうなあ、と納得したりしました。



ありがとう、と、幸せそうに繰り返す祐飛さんの姿を見ながら、

私も、ありがとう、と、

祐飛さんに。
すみ花ちゃんに。
みっちゃんに。
まさこちゃんに。
そして、宙組の皆様に。

この公演にかかわったすべての方に、100万回の「ありがとう」を、と。


わずか三週間の夢の時間を、ただただ、悔いのないように、と。

愛を込めて、祈っています。


博多より愛をこめて
博多に来ています。


とりあえず、博多座入口。恒例の大看板です。



……未だに信じられない自分。端からみたら、さぞ面白いんだろうな、と、思ったりして。



とりあえず、あと3時間………(緊張)

東京會館にて、和音美桜ディナーショーを観劇してまいりました。



私、博多座初日の直前に、こんな素晴らしい歌を聞いてしまって良いのだろうか!?と真剣に疑問に思ったくらい、本当に素晴らしかった〜っ!!




まず、幕開きの「ナイト&デイ」と「ラ・マンチャの男」で度肝を抜かれました。
私の1番好きな声が、会場全体に鳴り響いてる!!

……幸せな、とても幸せな十数分。あんまり幸せで、嬉しくて。涙が止まらなくなったことに驚きました。



タカラヅカ時代に歌った歌をまとめた長大なメドレーの最後を、七帆さん主演の「UNDERSTUDY」のテーマ曲で締めたり、
「今回のテーマは、癒し」と仰っしゃって、ジャズのスタンダードから数曲歌いながら、客席を回られたり。

美しい声だけじゃない。
歌ごとに、フレーズごとにがらっと表情も雰囲気も変わり、ひとつの芝居を観たような気分にしてくれるひと。

ラストは「ニューヨーク・ニューヨーク」。樹里さんの名唱を聞き慣れているはずの歌ですが、また雰囲気が違っていて、とても良かったです(はぁと)


そして。
止まらない拍手の中で、ピアニシモで入る前奏。ゆったりとした、和音の刻み。

たっちんの絶唱。「私だけに」



いやー、善いものを見せていただきました。
たっちん、そして、企画や構成をしてくれた関係者のみなさまに、限りない感謝を。




ゲストで数曲歌ってくださった角川さん(かっくん)も、柔らかな甘い声で、たっちんとのデュエットもソロの二曲も、どちらも素敵でした(^_^)。

なんだか、あたたかなショーで。
客席にいらっしゃったOGのみなさま(ウメちゃんは確認できました!!)も、嬉しそうでした(はぁと)




詳しくは、また落ち着いてから書かせていただきますね。

さすがに、博多座公演「大江山花伝/アパッショナード2」の初日を明日に控えて、あまり普通の精神状態ではないので…(汗)



ああ、自分のテンションの高さに驚く他はありません……

明日、ちゃんと起きられますように(^_^;ゞ



.
東京芸術劇場中ホールにて、「オペラ・ド・マランドロ」を観劇してまいりました。



ブレヒトの「三文オペラ」を原作とする作品は数多くありますが、これはブラジルの著名な作曲家シコ・ブアルキによる「ならず者のオペラ」。
日本版の脚本は鈴木勝秀、演出は荻田浩一、主催はアトリエ・ダンカン。



「マランドロ」は、ブラジル語で「ごろつき」「ならず者」という意味になるようですが、作品から受けた印象としては、もう少し愛のある言葉だったような気がします。「ろくでなし」とか、そんな感じ。




1941年、リオデジャネイロ。
1930年代後半から、独裁者ヴァルガスを中心に中央集権、ファシズムに向かっていたブラジル政府がナチス政権支持の声明を発表し、戦争に向かってまっしぐらに向かっていく、そんな時代。

マランドロたちの首魁マックス(別所哲也/マクヒース)は、娼婦マルゴ(マルシア/ジェニー+ルーシー・ロキット)のヒモ。マルゴに子供が出来たと聞いたマックスは、結婚の口約束をし、金を受け取って立ち去る。

その裏で、資産家で娼舘を営むシュトリーデル(小林勝也/ピーチャム氏、夫人は杜けあき)の娘・ルー(石川梨華/ポリー)と密かに結婚式をあげるマックス。
怒り心頭のシュトリーデル夫妻は、マックスの幼馴染で今は刑事(?)のタイガー(石井一孝/ロキット氏)にマックスを逮捕するように命じる……。



役者名の後ろは、「ベガーズオペラ」での役名です。
作品全体をブラジルの慈善団体「シングルマザーの家(代表:杜けあき)」のチャリティー公演、という枠に納めた形式の脚本は、もともとそういう形なのかな?ベガーズオペラもそうでしたし。
もともと、ラストのハッピーエンドが非常に唐突なので、こういう理屈づけもあるんだなあ、と納得しました。

あと、大きな役の中では、タイガーの娘が出てこなくて、彼女の役割(マクヒースの子供ができる&牢獄でポリーと鉢合わせして大喧嘩する)と、は娼婦マルゴがやっていました。確かに、女が三人居ると混乱するので、二人の方がすっきりしていたかも……。
で、マクヒースを裏切る娼婦ジェニーの役割を、ゲイでマックスの部下のジェニ(田中ロウマ)がやっていて、ブラジル流の面白い解釈だな、と思いました。

宝塚花組で上演された「SPEAKEASY」では、二番手の愛華みれさんがピーチャム役でしたが、今回は完全に、石井さん、が演じたタイガーが準主役。それ自体は別に違和感は無かったです。
タイガーがマックスの昔馴染み、というネタは、原作にある設定なのでしょうか?すみません、ちょっと記憶にない……。
タイガーがシュトリーデルの脅迫に屈する最大の原因が「昔はマランドロの仲間だった」ことをバラされたくない、という思いと、女(マルゴ)の存在である、という理由付けがはっきりしていたのも解りやすかったです。作品として、それがいいか悪いかは別として、すごく「解りやすい」脚本でした。
「三文オペラ」は、とにかく登場人物が多くて一回では飲み込めない部分があったので、解りやすくてよかったと思います。
ただ、やっぱりああいう猥雑さというか、いろんな人間関係が入り組んでごちゃごちゃしている中での感情の行き違いみたいな厚みは、弱くなってしまった……かもしれません。



荻田さんの演出は、脚本の面白さを前面に出して、あまり奇を衒わずシンプルでストレート。
随所に荻田さんらしいなあと思うところもありましたが、全体に登場人物の内面描写を重視して、閉塞感のある丁寧なつくりでした。

ただ。

一場面でもいいから、舞台全体を広く使う開放的な場面をいれると、あの閉塞感がもっと生きると思うんですが……。

もともと彼は、わりと大きなセットで舞台を埋めて、閉じられた小さな空間で芝居を作るのが好きなタイプの演出家なんですよね。「凍てついた明日」初演なんかは、芝居をする空間をごく小さくして、そのかわりに「オーディエンス」という役を置いて空間を囲む、という手に出ていたし。

ショーでは、あの広い宝塚大劇場の舞台の端から端まで&銀橋や花道まで、広々と使っていろんな物語を同時進行させていた人ですが、芝居で使う空間は、集中度を増すために小さくなりがち。

最初から最後まで、ごちゃごちゃと大きなセットが舞台の左右を占拠して、せっかく中ホールでやっているのに、小ホールよりもっと小さい舞台面しか使っていなかったと思う。
時代の閉塞感、登場人物の立場(差別される側)からくる夢のなさ、将来への夢の無さという閉塞感を出すには直感的にわかりやすいセットなのですが、いかんせん、一度もそれがハケないので、「本来はもっと広い世界にいける連中なのに、ここに閉じこもっている」という風には伝わらず、そもそも世界が広いという事実を知らない連中、というふうに見える。

……まぁ、それはそういう狙いなのかもしれませんが、あの舞台世界に入ってしまうと、観客も世界が広いことを忘れてしまうので、勿体無いと思うんです。
せっかく、マックスの仲間たちとして DIAMOND☆DOGSが全員出演しているんだから、一場面だけでも舞台全体使って思いっきり躍らせてやってほしかった……。
いや、それはもちろん、ちょこっと踊る振りがどれも粋で格好良かったんですけどね(^ ^;、
フィナーレじゃなくて、芝居の中で、一場面くらいセットを飛ばして欲しかったなあ、と。



「蜘蛛女のキス」の時も思ったのですが。
あの、閉塞感へのこだわりというのは荻田さんの個性なので、あれはあれで良いと思うんですけどね。ただ、やっぱり彼のショーが良かったのは、広い舞台を使い切る場面もちゃんと入れていたからだと思うんですよね。バリエーションがあってこそ、ポイントが生きるわけですから。
観客の立場としても、あれだけのダンサーが出ているミュージカルなんだからダンスシーンを期待してしまいますし。
せっかく才能に溢れた演出家なので、小さな世界に閉じこもることなく、(宝塚を離れても)広い舞台を使い切ることを忘れないで世界構築をしてほしいな、と思います。




それから、もう一つ面白かったのが、ルーのキャラクター。
可愛らしくて気が強い、普通の女の子、だと思っていたのですが……

むしろ、「ユーリンタウン」のヒロイン・ホープのようなキャラクターだったので吃驚しました。
マックスの妻として“事業”を引継ぎ、「表の家業」に変えていこうとする。
が、何もわかっていない強引な手段でマランドロたちの反発を招き、最終的には彼らを解雇して自分自身もマックスも窮地に陥れる。その先の見えなさというか、思いこみの激しさというか……彼女自身が必死であればあるほど、哀れで、そして、滑稽で。

女性であるルー、マルゴ、娼婦たち。
ゲイであるジェニ。
戦争へ向かうファシズムの中で、最初に切り捨てられるのは弱き者たち。彼女たちは無条件に差別され、蔑まれ、才能を認めらずに全てを奪われていく。

ユダヤ系であるシュトリーデルもある意味その仲間なのだけれども、彼はうまく立ち回って抑圧する側に回っているんですね。そのあたりの皮肉がきいていて、苦い物語でした。






別所さんは、男前。
調子が良くていい加減でハンサム。歌もさすがで、良かったと思います。公演が始まってからすぐに観たので、もう少し上演回数を重ねれば、バルジャン以来のヒットになるかも。
ただ、もうちょっと熱量があると、あの物語を支配下におさめることができると思うんですが。ちょっと二枚目すぎて大人しかった印象。マランドロというよりジゴロみたいな感じでした。

石井さんは、嵌り役(^ ^)。
生まれながらのタイガーでした……似合いすぎる。いやー、「蜘蛛女のキス」の主役・モリーナといい、荻田さんの信頼がありますね。むしろ彼に合わせて周りを演出したんじゃないかと思うくらい、自然にブラジル人で(汗)、ほんとうに良かった!!

マルシアは、ある意味主役だった!
マルシアと石井さんが並ぶと、ブラジルの空気が流れ出す気がしました。素晴らしかった!!



石川梨華さんは、回りのメンバーと全く空気が違うのが、良い意味で嵌っていたと思います。
これだけ持っている雰囲気が回りと違うと、こういうそもそも浮いた役が似合うなあ、と思います。この人は、回数を重ねて周りと馴染んでしまう前に観たほうがいいかもしれません(^ ^;

小林勝也さんは、文句なしの達者さ。
杜けあきさんは、新境地でした。いやー、最高だった!!杜さんを観るためだけに観にいっても、悔いは無いと思います☆お勧め☆

田中ロウマさんは、似合ってたなあ。「RENT」のエンジェルより、こういう毒々しいキャラクターの方が似合うような気がしました。
次は、ふつうの男の子の役も観てみたいなあ。そして、この役は一度新納くんで観てみたい、かも(*^ ^*)。




マランドロたちは、Diamond☆DOGSのメンバー。
それぞれにキャラクターがあって、グループ芝居をしていたんですが。リーダーの東山さんを中心に、がんばってました♪ 回数を重ねれば、また盛り上がってくるんだろうなあ…。



娼婦たちは、小此木麻理、岡本茜、荒木里佳、JuNGLEの4人。それぞれに個性的なキャラ付けがあって、もちろん役に合わせて役者を選んだんでしょうけれども、すごいぴったりでした。
小此木麻理ちゃんが可愛くて巧くて、大人になったなあ~と感慨深かったです。ここ最近あまり観ていなかったのですが、やっぱり可愛いなあ♪
そして、お目当ての一人だった岡本茜ちゃんが、娼婦のあちこち剥き出しな(汗)衣装でずーっと居てくれて、とても眼福で幸せでした(はぁと)



物語としても面白く、実力者ぞろいで、よくできた作品でした。
アトリエ・ダンカン、最近面白い企画が続いてますね♪これからも期待しています(^ ^)



博多座公演「大江山花伝/Apasionado!! 2」の初日まで、あと4日となりました。

CSのニュースにも稽古場レポートや稽古場映像がやっと流れて、ああ、もうすぐ始まるんだなあ、としみじみと思います。



……なんだか、未だに信じられないというか、不安が先にたつというか、、、、


どきどきどきどき。





「バレンシアの熱い花」以来、新公も欠かさず観ているし、すっしーさんから下級生まで、好きな人もたくさんいる宙組。
あらためて、博多での観劇予定回数を数えてちょっと財布を振ってみたりしますが(汗)、彼らをじっくりと、今までにない回数で観ることができることが、今はとても楽しみです。

皆が、自分の持てる力を出し切って舞台を楽しめるような作品であることを、切に祈っています。




稽古場レポートは、面白い人選でしたね♪ なんか、たまちゃん筆頭に好きな人ばっかりで嬉しかった(^O^)あらためて、このひとたちと一緒に作品を創っているんだなあ、と、不思議な感じ。
皆、東宝公演から休みなくお稽古入りして、新体制になれるヒマもなく、覚えることが多すぎる新作二本。大変なのがしみじみと伝わってきて、すごく応援したくなりました。
一番面白かったのは、天玲美音さんがすみ花ちゃんを語るときの崩れよう!「カワイイんですよ〜」って、語っているあなたも同じくらい可愛いですってば(*^ ^*)。
同期からみても、すみ花ちゃんは可愛いんだなあ……(^^ゞと、感心☆




稽古場風景は、なんだか見慣れなくて、血圧あがった気がする。早く本番を観たいような、このままそっとしておきたいような。

みっちゃんが居てくれるのは、やっぱり心強いですね。私はみっちゃんのアーネスト・ヘミングウェイ(The Last Party)がとても好きだったので、期待しています♪ 物語のラストまで、そして、公演千秋楽まで(!)、役作りを崩すことなく、小技に走らず、柴田作品と正面から取り組んでくださいね♪
「バレンシア…」のみっちゃんは良かったので、強面の剛の者・渡辺綱はとても楽しみです。



そして、十輝くんは、素の(トークとか)ほんわかぶりとはうって変わった格好良さで、こちらも楽しみですねぇ。祐飛さんの父親としての貫禄もちゃんと見えて、実際に本番の舞台に立ったらすごく伸びそう!
……そして、ダルマが素敵だ(はぁと)

とにかく、ショーの中詰めで祐飛さんに絡むお花さんたちが超カワイイです(*^ ^*)。
なんだか、怖くないのがちょっと物足りない気もするけど(汗)、でもカワイイ。っていうかスタイルいい!(^ ^)。

月組の組子全員を見分けることはできなくて悔しい思いもしましたが、博多座に出演する40人(萬さん含む)、全員チェックできるようがんばるぞ!!





初日まで、あと、4日。
「オペラ・ド・マランドロ」
「サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ」
「スペリング・ビー」
と、まだ観たっきり何も書いていない公演が3つ。

……がんばるぞ。いろいろと。




祐飛さん、すみ花ちゃん、宙組博多座チームのみなさま、そして、逆転裁判組&充電中の宙組っ子の皆様。
暑い夏、おいしいものをしっかり食べて、やるべきことをやり切れる身体を作って、

悔いの無い夏を、楽しく過ごされますように(祈)。




今更ですが。
……大空祐飛、というひねくれデビルを、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m。




宝塚月組 彩星りおん様、お誕生日おめでとうございます(はぁと)。


というわけで、お誕生日をお祝いしに(←嘘つくな)(っていうか、知らなかったくせに)、月組トークスペシャルに参加してまいりました。

メンバーは青樹泉、彩星りおん、鳳月杏ちゃんの三人。



いやーーーーー、ほんわかして可愛らしい三人でした。
男役二人は、白を基調に爽やかなスーツ姿でかっこよく、
りおんは白いちょっと不思議な形のミニで、ものすごくキュート。なんだか、生粋の娘役みたいな可愛いらしさに激落ち(*^ ^*)。「ME AND MY GIRL」本公演が終わってから転向したから、ちょうど一年とちょっとって感じなんですね。すっかり娘役がイタについて、めちゃくちゃしっかり者で素敵でした♪
もりえちゃんと杏ちゃんがほんわかと可愛らしいので、りおんがすごく落ち着いて大人に見えました(^ ^)。もりえちゃんも、さすがに舞台の話とかは落ち着いて大人っぽいんですけど、ちょっとした突っ込みとか、ぽろっと出る一言がいちいち可愛くて(汗)。

もりえちゃんと杏ちゃん、エルマー役で本役/新公の関係ですが、スタイルが近いので衣装はもりえちゃんのを着たそうです。「直しは無かった」そうで、いやー、もりえちゃんのスタイルに近いって凄いよなあ(@ @)と感心。



本公演については、役替りのこととか女官のこととか、いろいろ話してくれたのですが。
とりあえず、印象に残ったのは黒天使の鬘の話。
舞台稽古の時は、皆が凝りすぎ(?)で、長さとかもばらばらで、小池さんから却下されたのだそうです。「後姿は瀬奈トートと似たような長さに」という指示で、わずか1日か2日で全員が作り直したらしい。
杏ちゃんが、「全員が同じ鬘やさんに出していたので、全員(10人)分直した鬘やさんは、ほんとうに大変だったと思います」と飄々とコメントしていたのがおかしかった(^ ^)。
そういえば、4年前はもりえちゃんも黒天使だったなあ。あのときは黒髪まじりでしたが。そのときのエピソードは無かったですね、そういえば。



あと、杏ちゃんは、ロケットの時顔が白いので、あまり笑わずにクールな感じで踊っていたら「怖い」と言われた、と言ってました。……で、「今はどんな表情なんですか?」と突っ込まれておたおたしていたのが可愛かった。
もりえちゃんがさりげなく「男役なんだから、自分が格好良いと思う表情をすればいいんだよ」みたいなフォローをしていたのに感心してしまった(^ ^;ゞ 
……それが出来るのは“男役10年”を経た今だからこそ、なんだと思うんですけどねぇ?



新公についても、「カフェの前の早替わりをしに一目散に袖に駆け込んでいく(エルマーたちの)姿を観て、大丈夫かなー、出てくるかなー、と心配になった」というもりえちゃんのコメントがすべてを物語っているというか(汗)。
上級生は皆、親心で見守っているんですよね、きっと。可愛いなあ。

それにしても。
もりえちゃんが杏ちゃんについて語った、「よく、昔の私と同じようなことを指摘されているので、私はこうやって乗り越えたよ、みたいなことを話したりするんですよ」というエピソードがとても微笑ましくて素敵でした。
たしかに、似てるところは色々あるような気がします。<もりえちゃんと杏ちゃん。
スタイルが抜群で踊れて美形で、、、なのに、時々すごーく頼りないというか、ひよひよしている時があるとか、そういうところとか。

杏ちゃんが、もりえちゃんを真っ直ぐに尊敬している様子なのが、すごく可愛かったです。
そして、照れているもりえちゃんはもっと可愛かった(←あれ?)




りおんは、新公について「娼婦の長であるマダム」っていう言い方をしていて、あ、なるほどね、と役作りを思い出して納得したりしました。
小さい頃からミュージカルが大好きで、舞台に立ちたいと思っていた、と熱く語っていたのが印象的でした。星組の「エリザベート」のビデオを観てファンになったので、今、「エリザベート」に出ているのがとても幸せ、と、本当に幸せそうで(^ ^)。
もりえちゃんが「ああ、その顔を見ると、入れてよかったね、と思う」とごく自然にコメントしていたのがすごく可笑しかったです。

もりえちゃん自身は、野生児のように外を駆け回っていたそうで(^ ^)。あんなに色白で美肌のもりえちゃんに「野生児」とか言われても信じられないよ(汗)。
そして、そんなもりえちゃんの合格までを描いた情報番組を見て受験した、と杏ちゃん。「録画して、何度も繰り返して見ては、もりえさんが合格した場面で泣いてました」というエピソードが、なんともいえず笑えます。不思議な縁ですよね、そういうのって。

三人の共通点は、みんな予科のころ玄関掃除だったこと(?)、だったかな。題目として、そういうネタがあったわけではないのですが。



誕生日は、特別ケーキが出てきたりとか、そういうことはなかったのですが。
途中で司会者が「今日はなんの日だかご存知ですか?」と振って、客席から「誕生日!」と言ってくれて。
もりえちゃんが先導する形で、「Happy Birthday」をみんなで歌いました♪

りおんの、ものすごく嬉しそうで幸せそうな“全開の”笑顔を見ることができて、私も幸せなプレゼントを貰ったような気がしました(*^ ^*)。
「こんなに大勢の方に祝っていただいたのは初めてです☆」というコメントが、実感がこもっていて良かったなあ……ああ、りおんがあんまりにも可愛すぎて、見惚れすぎてて何を話していたか覚えてないよ………(↓)。




シアタークリエにて、『戸井勝海&辛島小恵joint live with石井一彰 「Welcome to Musical Tour!」』を観てまいりました。



東宝芸能所属の俳優たちが、さまざまなパフォーマンスを見せる、一夜かぎりの夢の舞台。
26日から31日までいろんな方がやられていて、26日の高橋由美子さんから始まって今日が三日目。出演者は、戸井勝海、辛島小恵、石井一彰のお三方。
ミュージカル界ではそれなりに知名度もあるメンバーで、ミュージカルの名曲を歌いまくろう、という企画。
企画・制作・主催は東宝芸能。

おそらくは。
宝塚でいう、「イゾラベッラ・サロン・コンサート」みたいな企画なのかな、と思いました。いや、イゾラベッラコンサートは行ったことないんですけど(汗)、演出家は無しで、プロデューサーと、制作のいろんな手配をする担当者はいるけれども、どんなパフォーマンスをするか、どんな歌を歌って、どう動いて……みたいなのはある程度出演者に任されていた感じ。



こんなコンサートがあること自体全く知らなかったので、週末に観た「サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ」で配布されていたチラシの束の中にこの案内を発見したときは仰天しました。これでも一応、戸井さんはチェックしていたつもりだったのにぃ(T T)。
なんとか仕事を抜けられたので行っちまえ!と思って行ってまいりましたが、実力派ぞろいでなかなか面白いコンサートでした。
もうちょっと、ちゃんと心構えをもってじっくり聴きにいきたかったです(汗)。




1997年から「レ・ミゼラブル」に参加し、2001年までにグランテール・コンブフェール・マリウスと三役を演じた戸井勝海。(その後、コンサートツアーにもマリウス役で参加)
2007年の「レ・ミゼラブル」にコゼット役で参加した辛島小恵。
同じく、2007年の「レ・ミゼラブル」フィイ役でデビューした石井一彰。
歌唱力も表現力も半端ない、なかなかいい組み合わせで、実のあるコンサートでした(はぁと)


しかし。


お願いですから、こういうキャストでコンサートをやらせる場合は、司会をつけるか、きちんと喋れる人をまぜてあげていただけませんか。
とにかく、キャリアも年齢も一番上だからって、戸井さんに喋らせるな。無理なものは無理なんだから。あの人は、きちんと脚本を与えて役作りさせるか、歌だけ歌わせておけばいいんです。ファンの集いと公式のコンサートの区別がつかない子供みたいな人なんだから、フォローしてあげてほしい(汗)。


なんて。いきなりちょっと文句モードに入ってしまいましたが、歌は文句無く素晴らしかったです。
曲目リストが無かったので、印象に残った曲だけになりますが。

「This is the Moment」(ジキル&ハイド)を聴くことができて、とても幸せです。
昔から、戸井さんに一度歌ってほしいと思い続けていた曲の一つだったので。
ラストの方で辛島さんと歌った「Take Me As I Am」も素晴らしかった!ワイルドホーンのナンバーは、戸井さんの鋼のように強くもなり、薄衣のように軽やかにもなれる幅の広い声に、よく似合うんです。私の夢は「スカーレット・ピンパーネル」のショーヴランのナンバー、とくに「マダム・ギロチン」を戸井さんの声で聴きたい!というものなので、いつか夢が叶ったら嬉しいなあ……


あと、特に希望してはいなかったのですが、予想外に素晴らしくて感動したのが、辛島さんとデュエットした「Phantom Of The Opera」(オペラ座の怪人)。「Music Of The Night」を歌う戸井さんはあまり想像ができませんが(あまり甘い声ではないので…)、そういえばこのテーマ曲とか、「The Point Of No Return」はいかにも似合うなあ(*^ ^*)。


あまり大型ミュージカルのメインキャストをはったことが無い人なので、持ち歌は少ないんですが、あえて「Empty Chairs at Empty Tables」(レ・ミゼラブル)を歌わなかったことは評価したいです。そのかわりに歌った「STARS」は、今後に繋がるといいなあ、と思わせる出来でした。
持ち歌といえるのは、「I Love You~愛の果ては?~」のナンバーくらいだったかな?あれはもう、さすがの一言ですね。全体通して、やっぱり持ち歌は違うな、と思いました。あれはいい作品だったのでもう一度観たいんですけどねぇ……初演のメンバーがあまりにもハマっていたから、再演は難しいんだろうなあ……。

「Bui Doi」(ミス・サイゴン)は、舞台でジョンを演じたことはないけど、ある意味持ち歌なんですよね。何度か聴いていますが、今回が一番良かったかなあ。久しぶりに鳥肌がたちました(*^ ^*)。
「アンセム」(チェス)は、ここ数年、お気に入りみたいで何かと言うと締めに歌っていらっしゃる曲ですが、だいぶ持ち歌っぽくなりましたね。緩急の付け方とか。歌詞を大切に、一言一言を芝居のように表現するのが、同じ歌を持ち歌みたいにしている岡幸二郎さんとの違いなんですが、良い歌だなあ、と毎回思います。

あとは何か歌ったっけ……?(記憶障害)。すみません!!覚えてないよー(T T)。
あ。幕開きのメドレーに続けて、「君住む街」(マイ・フェア・レディ)と「夜のボート」(エリザベート。辛島さんと)を歌ってたのを思い出した。そのくらいかな?(←すごくあやしい)




非常に残念だったのは、今回石井さんが「サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ」の公演中ということで、あまりお稽古もできなかったらしく、戸井さんと石井さんのデュエット、っていうのが無かったんですよね。
「モーツァルト!」のヴォルフとレオポルドのナンバーとか、「闇は広がる」とか、そういう男性二人のデュエットを聴いてみたかったなあ、と思いました。





辛島さんは、私もこの日記でその歌を絶賛したことがあるような気がしますが、2007年にコゼットでミュージカルデビューするまで、オペラ界を目指していた方。今回もさすがの歌声でした。

一番感動したのは、バーンスタインの名作「キャンディード」より、「着飾って、きらびやかに」。これはもう、本当に素晴らしかった!!稽古場で男二人が“ぽかぁん”と口をあけて聞き入ってしまう、というのも納得でした。歌も素晴らしかったけど、とにかくパフォーマンスとして素晴らしい。どんなキャラクターの、どんな場面なのか、「キャンディード」という作品を観たことがなくてもすんなり理解できてしまいそうな表現力でした。
この次に歌った「Take Me As I Am」もやわらかな響きに包容力があってよかったですし、後半はとにかく良かったです。ただ、残念ながら前半は、五線譜を超えた高音になると急に響きが低めになってしまって……聴かせどころの音域でピッチが低くなるので、ビブラートでぶれてしまったり、ピタッとこないもどかしさがありました。特に残念だったのは「Phantom Of The Opera」のオブリガード。オペラ歌手が歌うクリスティーヌって滅多に聴けないので、すごく楽しみにしていたのですが……(↓)しょぼん。

……なんでかなあ。緊張していらっしゃったのでしょうか。
それがあったので、余計にキャンディードの名唱とその後に歌った数曲の見違えるような煌びやかさに感動したんですけれども(汗)(←計算?)

途中、「クラシックを勉強していた自分の背景とつながるものを」ということで、A. L=ウェッバーの「レクイエム」より「Pie Jesus」と「Time To Say Goodbye」を歌われましたが。
どちらも大好きな曲なので、調子が万全の時に聴きたかったなあ(T T)。

彼女自身のラスト一曲に選んだのが、ミス・サイゴンの「命をあげよう」だったのは意外でした。あの歌は、もっと強い声の人でないと映えないので。
メロディラインをキレイに聞かせる歌唱はさすがでしたが、私は、せっかく彼女が万感こめて歌うなら、シェーンベルクならせめてファンティーヌが聴きたかったし、希望を書いていいなら、“クリスティーヌのナンバー”、ロイド・ウェッバー版の「Think Of Me」か、コーピット版の「Melody」とか「My True Love」を歌ってほしかったです…。




石井一彰さんは、幕開きのメドレーの後の最初の一曲が「Maria」(ウェストサイドストーリー)。あと、「ライト・イン・ザ・ピアッツァ」の歌と、辛島さんと「愛していればわかりあえる」、ソロで「残酷な人生」(モーツァルト)……だけだったかな?とにかく、彼は現在公演中ということで、出番も少なめだったし歌も少なかったんですよね。
しかし、美形だしスタイルが良くて(戸井さんがすごくおじさんに見えたわ…/涙)声も良い。なかなか存在感があって、華やかな人でした。マリウスもアンジョルラスも出来そうだし、ルドルフなんかも(軍服が)似合いそう。ヴォルフも悪くなかったし、すごく正統派の二枚目になりそうで、東宝ミュージカルアカデミーもいい人材を育てましたねぇ♪ これからの活躍が、凄く楽しみです♪

戸井さんがカフェ・ソングを歌わなかったので、彼が歌うのかなあ?と思ったのですが、残念ながらやらなかったですね。聴きたかったなー。「Why God, Why?」とかも似合うんじゃないかと思うんですよね。トゥイは持ち歌がないから残念だなあ。
若手の二枚目俳優は、井上・浦井、それに続くマリウス陣といっぱいいるので、そう簡単に役がもらえるものではないのかもしれませんが、将来有望な実力派の二枚目だと思うので、がんばってほしい!





感想の最初に、トーク(というか、進行)のぐだぐださについて書かせていただきましたが。

本音を言えば、このコンサートの最大の“もったいない”は、演出家がいなかったことだと思います。
誰がトークを仕切って進行をコントロールするか、っていうのも、ある程度演出家が台本を作ってあげればなんとかなったろうし。コンサート全体を見渡して構成を考える人がいなかったのが残念。
だって。
歌のプロである三人(特に戸井さんと辛島さん)のコンサートのラストを、ボディーパフォーマンスメインの「I GOT RYTHEM」で締めるなんて、あり得ない!

ボディーパーカッションに三人で初挑戦するのは良いと思うんです。がんばってたし、楽しかった。
でも、プロなら、自分の専門じゃないモノをラストには持って来ないはず。挑戦系のパフォーマンスは、オープニングの次くらいに持って来るのが当たり前です。
で、ラストは一番得意なもので締める。それが普通です。終わりよければ全てよし、なんですから。

この三人なら、ありがちですけどうまく編集して「ONE DAY MORE」で盛り上げるとか、そういうのが一番良かったんじゃないかと思うんですよね。カーテンコールもなかったから、なんだか拍子抜けしたまま終わってしまって、残念でした。
コンサート全体の演出を考える人がいなかったのが残念だなあ、というのは、そういうところです。出演者にそういう能力があればいいけど、、、それって歌の実力とは全く違う能力だからなあ(涙)。


……なんて、文句も書いてますけれども、他では聴けない素晴らしい歌を聴くことができて、楽しいコンサートでした。
価格もお手ごろだし、またやってほしいです(^ ^)。東宝芸能さん、よろしくね♪



風を継ぐもの

2009年7月27日 演劇
サンシャイン劇場にて、キャラメル・ボックス2009サマーツアー「風を継ぐ者」を観劇してまいりました。



一つの時代を走り抜けた集団「新撰組」の、下っ端たちの物語。


新撰組が京に落ち着いてしばらく後、池田屋事件よりちょっと(?)前。
壬生狼たちの詰め所では、入隊試験が行われている。受験者は立川迅助(佐東広之)と小金井兵庫(大内厚雄)の二人。剣の試験で相手をするのは沖田総司(畑中智行)、立会は土方歳三(三浦剛)と、勘定方の三鷹銀太夫(阿部丈二)。
剣の腕は素人同然だが、一生懸命でひたむきな迅助と、腕前は一級品だがヤル気がなくて集中力を欠いた小金井。土方は両名とも合格として沖田の隊につけて鍛えるよう命じ、浅黄の羽織を用意させる。


合格した迅助が向かった先は、叔父・桃山鳩斎(西川浩幸)の診療所。身内であるはずの彼らとの会話の中で、京の人々がどれだけ新撰組を憎んでいたかを端的に説明し、さらに迅助の“優しくて気の弱い”キャラクターを浮かび上がらせる手腕はさすがだな、と思いました。

彼(迅助)は足がとっても速い、という設定なんですが、この“足”は、あくまでも“逃げ足”なんですね。闘うためではなく、闘いを回避するための、足。けれども彼は、気の弱い自己を改革しようと新撰組という世界を選び、その中で、人を守ろうとするなら、逃げることはできない(正面から闘うしかないこともある)ということを、日々の訓練や活動の中で学んでいく。




物語は、基本的には歴史に沿って進んでいくかに見えるのですが、途中から長州秋吉家の仇討ち話というエピソードが入り込み、物語全体が私怨に堕していってしまうのですが。
……幕末って、そういう時代だったんだろうな、という説得力があって、私にはとても面白い構成でした。



そもそも、幕末の争いっていうのは本当に私怨に毛が生えたくらいのものなんですよね。
高邁な理想を語っていたのはほんの一握り。実際には、たくさんの人々がただひたすらに右往左往して、あちらで一押し、こちらで一休み、そっちで一喧嘩しているうちに時代が変わってしまった!というのが実情なんじゃないかと思うんです。

そこに必要なのは、理屈を超えた熱気。
勤皇の志士たちが『新しい時代』を渇望したのと同じ熱量で、新撰組の隊士たちもまた、『新しい時代』を求めていたのです。彼ら郷士や農民の子が、武士として認めてもらえる下克上の時代、を。
だからこそ、既に身分有る武士であった浪人たちとの戦いは熾烈を極めた。薩長の志士たちは、志士である前に武士であり、武士でありながら今の世の中を壊そうとする悪人だったわけです。
素朴で真面目な、農民出身の隊士たちにとっては。

もちろん、志士たちには志士たちの理想があり、立場がある。
だからこそ、彼らはお互いの正義を賭けて闘った。死力を尽くして。
……どちらが勝利したのかは、歴史の教えるところですが。



物語は後半、蛤御門の変に巻き込まれて怪我をした長州の女性・秋吉美弥を中心に動き、ただただ誠実に、仲間たちを守るために走り続ける迅助と、そんな彼らをただ凝っと見つめている小金井を描きだしていくのですが。


……彼らと行動を共にする沖田総司と、そして、彼を診察する女医者(鳩斎の娘)・つぐみ(實川貴美子)との交流が、とても良かったです(*^ ^*)。
つぐみは、「星影の人」の早苗にあたる役ですが、非常に聡明で落ち着いた女性として描かれていて、沖田の心が自分のところに留まれないことをよく理解している女性でした。
近藤や土方や、新撰組の隊士たちのモノでしかない、沖田の心。
沖田個人のものでもなく、ましてや、つぐみにあげられるものでは、ない。

そんなことはよく判っていて、だからこそ、生きていてほしいと願う女心が切ないです。
具体的な言葉は何一つ交わさぬままに、ただ、離れていく二人が。



そして、そんな二人を多分完全には理解できずにいるのであろう迅助が、可愛いです(^ ^)。



畑中さんの総司が、“小兵で愛嬌のある顔”という総司のイメージにぴったりで、とてもハマっていました(*^ ^*)。無駄に美形じゃないのが嬉しい♪小柄な身体をいっぱいに伸ばしての殺陣、特にジャンプして上から振りかぶっての上段斬りは、あまり実戦には向かないような気がしつつも、あまりにも格好良くて見惚れてしまいました(汗)。


作品としての主人公は迅助、
物語の中心に居るのは沖田、
そして、彼らと共に生き、走り、そして、彼らを語る小金井。

小金井は、当事者として思い出を語り、並んで走った友の思い出を語る。
幕府に、時代に裏切られた新撰組のメンバーとして、明治初期はさぞ苦労をしただろうに、なんとか身一つで新聞社に潜り込んだ彼は、ホンモノの『視る人』だったんでしょうね。
走る人でも、闘う人でもなくて。

彼が視つづけた、『走る人』『闘う人』の真実を、ちゃんと受け止められる観客でありたい、と思いました。そういう意味では、ラストを観た上で、もう一度最初から見直してみたい気がします。



キャラメルボックスの作品は、いつだって正直です。シンプルでストレートで、役者の真実が見えてくる物語。そんな作品世界を描き出す、誠実なひとたち。

これだけ動く人数も活動内容も大掛かりなものになっていながら、いつまでも家族的な集団であり続けようとする特異な劇団は、来年25周年を迎えるのだそうです。
上川隆也がついに独立する、ということを、嬉しそうにプログラムで報告しているプロデューサーの加藤氏が、いかにもキャラメルらしいなあ、と思う。この“ファミリー”を離れて、新しい一歩を歩き出した上川さんの、さらなるご活躍を祈ります。




作・演出は成井豊+真柴あずき。
なんちゃって新撰組マニアな猫には、とても面白い作品でした♪
あーあ、8月2日の、渡辺多恵子さんとのトークショーにも行きたかったなあ~~~(涙)。どんな話が出るのでしょうか~~?


架空の人物(迅助)を主人公にした物語ですが、キャラメルボックスは、この作品を世に出した後、「裏切り御免!」という、同じく迅助を主人公にしたアナザーストーリーを発表しているんですね。こちらは坂本竜馬が出てくるみたいですが。
うーん、面白そうだなあ。再演されたら観に行きたいぞ☆



東京宝塚劇場 月組新人公演「エリザベート」より。



この週末、本公演も観てまいりました。もう多分チケット取れないだろうから、これで最後になっちゃうだろうなあ(; ;)。かろうじて三人のルドルフを制覇できたのは良かったんですが、もうちょっと観たかったのになぁ……。

とりあえず、歌については本公演はさすがだな、と思いました。あいちゃんも、すこーしづつすこーしづつ低音が伸びてきているようで嬉しいです(^ ^)。楽まで気を抜かずにがんばって!!
しかし、相変わらず麗しいですゾフィー様。そして、ルドヴィカがさらに可愛くなっていてびっくり(惚)。一世代前のバイエルン王家の話とか、誰か作ってくれないかなあ(汗)(←「帝冠の恋」でいいんだけど。あいちゃんゾフィーで)



ルドルフ三人の中で、一番「引っ張り込まれる」度が高かったのはあひちゃん(遼河はるひ)でしたね。一番可哀相なルドルフでした。エルマーよりはずっと似合ってて、良かったです。ジェラルドの悪夢を繰り返さないでくれてありがとう(♪)

もりえちゃん(青樹泉)は、前にも書きましたが自ら闇に向かって踏み込んでいくルドルフで、今回公演の演出としては一番はまっていたんじゃないかと思います。新公の煌月爽矢さんの
ルドルフも、もりえちゃん版をベースにしていたような気がします(もちろん、だいぶ違いますけど)。
……ただ、この人は髭がすごーくよく似合うので、ルドルフだと勿体無いです(きっぱり)(←どういうこだわりなんだ)というわけで、エルマーがあまりにも格好良くて惚れてしまいました(滝汗)。

みりおくんは、やっと髭がすこーし馴染んできたかな……?大劇場でシュテファン役を観たときは、童顔の中に髭だけういていて、どこのとっちゃん坊やかと切なくなったのですが、もうそんなことは無かったです!!ああ、良かった♪
その美貌がルドルフ役にはぴったりだと思われがちですが、この人は本質的に「愛される」役よりも「恋する」あるいは「求める」役の方が似合うし得意な個性の持ち主なので、本当はエルマーを演じてみてほしかったです。……というか、トートが一番似合ってるよ(汗)。ああ、いつか本公演で演じてみてほしい……。




久しぶりに本公演を観て、今回の新人公演は、芝居としてはかなりハイレベルだったんだな、とあらためて思いました。
本公演とはまったく違うお芝居を、一人一人がちゃんと考えていたのが嬉しい。「二人の貴公子」メンバーが多かったのが良かったのでしょうか。小柳さん、がんばったなあ(*^ ^*)。
歌はいろいろ問題のある人がたくさんいましたが(ごめんなさい)、芝居は本当に、皆が良かったです。
そんな中で、みりおくんは歌も頭一つ抜けていた印象。さすがに低音の歌いだしは苦戦していましたが、あのくらいなら訓練次第でどうにでもなります。なんといっても、甘くて伸びやかな声が良かった!




成績順でも長で、主演だから、最後のご挨拶もみりおくんだけ。実に堂々とした、「みりおの新公」を象徴するようなしっかりとした挨拶でした。
89期はまだ半年あるけど、みりおくんはもう、一足先に卒業してもいいような気がします。いや、まだまだ観てみたいけど、それよりも本役で大きい役をつけてあげてほしい。……プルキルクラスの悪役が有るんだったら、ぜひ挑戦してみてほしい(*^ ^*)のはヤマヤマですが、正塚さんじゃあ期待できないしな……。




そうそう。今回は一生懸命チェックしたので、かろうじて一幕での沢希理寿ちゃんを捕獲できました(^ ^)。びっくりするほど美人だった!!(@ @)
マダム・ヴォルフなだけなら一幕は男役で問題ないはずなのに、あえて一幕から女役でアルバイトさせているってことは、もしかして転向する可能性があるのかなあ……。
美人だし、歌えるし、転向もありかとは思うんですが、ちょっとキャラ的に妃鳳こころとかぶりそうな気もする……(^ ^;ゞ







などと、本公演の話で長くなってしまって申し訳ありません。
新人公演の続きは、そのマダム・ヴォルフから。



○マダム・ヴォルフ(沢希理寿/彩星りおん)
一年前には、「ME AND MY GIRL」新公でマリア侯爵夫人を演じていたりおん。
ちょっと阿呆っぽい垂れ目メークに泣きぼくろ、ものすごくしどけなくて色っぽい娼婦の親玉でした(*^ ^*)。
本役の理寿ちゃんは、どちらかというと(美人だけど)遣り手婆って感じなのに、りおんはあくまでも娼婦の親玉な感じ。蓮っ葉で魅力的で、まだまだ引退したツモリなんてない、重臣たち一人一人にしっかり色目をつかいながら、お仕事はお仕事と割り切っている、その現実的な小狡さ。

歌も良かったし、キャラ立てもすごく良かったです。宇月くんとの同期並びもお似合いで色っぽくて(*^ ^*)。思い切ってスカートの中に手を突っ込んだ宇月くんの遠慮のなさにちょっと笑いました。




<重臣たち>

○グリュン伯爵(研ルイス/美翔かずき)
グリュンネ伯爵ってハプスブルク王朝を支えた重鎮のはずなんですけど、あんなに素敵で面白いのってありなんでしょうか?(誰に)

みっしょん……本当に楽しそうに演じていて、あなたが幸せそうだから私もとても幸せになったんですけど。髭もよく似合って、あまりの美老人ぶりに惚れ直しましたけど。声もとっても良いんですけど……。
……ああ、なぜあなたはみっしょんなの?私か?私が惚れたのがいけないのか?あんなに美形なのに、どうしてどうし(黙)。



○シュヴァルツェンベルク公爵(星条海斗/有瀬そう)
なかなかに押し出しのいい、立派な将軍でした。あんまり巧い人だという印象もなかったのですが、迫力もあってよかったです。もうちょっと絞ると二枚目でいけると思うんだけどなあ…。



○ラウシャー大司教(綾月せり/輝城みつる)
いやー、さすがでした。良い声だし巧いなあ(惚)。あの学年であの音域が出るとは(@ @)。
すっかり私の中では鳴海じゅんさんに似た人、という分類になっているんですが、どうなんでしょうか。まだ丸いけど、相当な美形ですよね♪ 声の強さも良く似ていて、好きな声質です。将来が楽しみ!!



○ヒューブナー男爵(彩央寿音/瑞羽奏都)
○ケンペン男爵(華央あみり/海桐望)
すみません、ここは二人まとめて。いやー、本役のお二人があまりにも格好良くて胡散臭くて最初からオジサマで素敵なので、美形のお二人はちょっと割を食った感もありましたが(汗)。こないだの雪組板以来、この二人は美形枠なので、なんだか嬉しくなりました(←意味不明)
それにしても、海桐さんの髭の似合いっぷりは凄いですね。ちょっと線が細いけど、美オジサマっぷりではあちょうさんにも劣らないかも!!(←大袈裟?)



○リヒテンシュタイン伯爵夫人(憧花ゆりの/夏鳳しおり)
タイプが大分違いますが、本公演も新公も比較的硬くて鋭い声の持ち主で、今回の演出意図としてはリヒテンシュタインは硬く、っていうのがあったのかなー?と思いました。
今までは、前回月組の(紫城)るいちゃんを除いては、声の豊かなベテラン歌手があたることが多かった役なので。

夏鳳さんとゾフィー役の玲実くれあちゃんも同期なんですけど、さすがにお互いいっぱいいっぱいだったのか、あいちゃんとすずなみたいな深い“信頼関係”はあまり感じられず、残念。でも、ただ一面的に冷たいわけではなく、国のためという気持ちがちゃんとあったので、きちんと役として呼吸できていたような気がします。



○美容師(白雪さち花/花陽みら)
白雪さんも柔らかなヴェルヴェットのような美声で良いなあ~♪と日々思っていたのですが、みらちゃんも本当に良い声ですね。もっとちゃんとソロのある役を早く観てみたいです。
踊れるし歌えるし可愛いし、これからの活躍が本当に楽しみ!



○侍女1(真愛涼歌/愛風ゆめ)
こちらはもう(*^ ^*)。本公演でも侍女の中で目立っている美少女ですよね。いやー、本当に可愛い!
声は初めて聴いたと思うんですが、とても可愛らしくて、嬉しくなってしまいました。94期なのね(@ @)。たぶん、「アパショナード」のロケットで可愛いなあと思っていた子だと思うんですが(←違っていたらすみません)、可愛い子はちゃーんと出てくるんですねぇ。



○死刑囚の母(妃鳳こころ/真愛涼歌)
お気に入りの真愛さんですが、すごい迫力で吃驚しました。
「ME AND MY GIRL」でも「二人の貴公子」でも、かなり出ずっぱりで主役級の人たちに絡む召使の役を、自然に、かつ温かみをもって演じた実力派。若いのに、相手の芝居を読んであわせる余裕があって凄いなーと思っていたんですが、今回も出番は少ないながらいい仕事をしてくれました(*^ ^*)。
幕が開いた後、ストーリーが本格的に動き出す前の大事な場面ですが、フランツの人物像を端的にあらわすエピソードなのですごく重要なんですよね。そのあたりをきちんと理解した上で演じているのがよくわかる。場を読める役者って少ないので、素直に感心します。ちょっとタイプは違いますが、青葉みちるちゃん系の役者になってくれたら言うことないなあ(*^ ^*)。



○侍従(美翔かずき・千海華蘭/星那由貴・煌海ルイセ)
本役(の片方)みっしょんがあまりにも楽しそうに間断なくアレコレやらかしてくれるので、ついつい新公は物足りないな、とか思ってしまいました。……ごめんなさい。それでいいんです。ええ。とても良かったです。お二人とも(^ ^)。
パントマイムとかスローモーションとか、意外とテクニックとして難しいものがある役ですが、そつなくこなしていて違和感なかったのはさすが♪




<市民たち>

「カフェ」も「ミルク」も、それから「キッチュ」も、皆それぞれに小芝居していて楽しそうでした。特に「カフェ」かな。男役も女役も、人数を多く見せようとしてかグルグル歩き回りながら芝居していて、全部はとても観られませんでしたが、とにかく楽しそうでした。

「ミルク」は、前回月組から今の演出になったのですが、今回本公演ではかなりおとなしい感じだったので、新公でだいぶがんばっているのを観て嬉しかったです。(席が2階のてっぺんだったので、あまりダイレクトに迫力を感じることはできませんでしたが/涙)
月組オリジナル(?)なんだから、誇りをもってがんばって!!

「キッチュ」の少年少女(香咲蘭、都月みあ)が可愛くて可愛くて、かなり壊れました(^ ^;ゞ。そんなんばっかりで本当にすみません。ああ、それにしても!月組も花組に負けず劣らず可愛い子が揃っているので、世界の美女たちの場面は残してほしかったなあ……(←無理)




以上です。
月組ファンとして、良い作品を良いキャストで上演できて本当に良かったな、と思います。
皆が何かを掴んで成長してくれたのを、本公演で確認できたので、それがとても嬉しい。

麻子さんの卒業を見えた今、この新公学年メンバーががんばって育って、半年後にトップさんが替わったら、その穴を埋めていかなくてはいけないわけですから。
死ぬ気でがんばってほしいなあ、と思います。



月組の未来が、幸いでありますように☆



東京宝塚劇場 月組新人公演「エリザベート」より。



主役二人と、全体の演出については前回書かせていただきましたので、キャストごとに、(なるべく)簡単に。



<ハプスブルクご一門>

○フランツ・ヨーゼフ(霧矢大夢/紫門ゆりや)
あまりにも優しくて、心が苦しくなるほど繊細で無力なフランツでした。
もともと、誠実でしっかりとした芝居をする人ですが、「嵐も怖くない」は、もっと若さを出した方がよかったような気がします(せっかく若いんだし!)。
百戦錬磨の本役さんはさすがだなあ、と思ってしまいました。

「扉を開けておくれ」から一幕ラストに続く流れはすごく良かったと思います。。優しさと線の細さが個性になったな、と感じさせてくれた一場面でした。
葬儀から「夜のボート」にかけての、悔いをにじませた老いの表現も良かったです。

全体に、本役ほどマザコンぶりを表には出さず、ただ本人の“優しさ”(=優柔不断さ)を行動の理由においた役作りだったような気がしました。穏やかでひっこみじあんで、国を憂えつつも画期的な手をうつくとができない皇帝。彼女なりに、一本筋のとおった一人の人間を表現できていたと思います。
……あまりにも優しすぎてルドルフとの対決が全然ダメだったところなど、作品におけるフランツの役割としてちょっと疑問を感じたところもありましたけど(- -;

声が軽いから、もっと歌いだしとかに苦労するかと思っていたのですが、音域は案外と広いんですね(*^ ^*)。よくがんばっていたと思います、うん(←贔屓目すぎる?)



○ゾフィー(城咲あい/玲実くれあ)
今回の本公演のゾフィーの解釈を踏襲してはいたようですが、あいちゃんほどの華やかさがないのでちょっと苦戦…といったところ。歌に結構期待していたのですが、やっぱりゾフィーのナンバーは難しいんですね。っていうか、あいちゃん本当にがんばったんだなあ(感心)。



○ルドルフ(役替り/煌月爽矢)
私は、本役はみりおくんともりえちゃんのルドルフを観ているのですが、、、どちらかと言うともりえちゃんに近いキャラクターだったような気がします。ヤル気満々で情熱的で、トートに引っ張り込まれるのではなく結構積極的に踏み込んでいく感じ。

なんでだか、もう少し背が高いイメージがあったのですが、思ったよりみりおくんと差がなくてちょっとびっくり(汗)。杏ちゃんの方がだいぶ高いんですね。ルドルフとエルマーの身長差にちょっと萌え(←え?)



○少年ルドルフ(羽桜しずく/千海華蘭)
からんちゃん可愛い(*^ ^*)。歌も良くて、感心しました。良い子だなあ~!

しかーし。地毛を金髪にしてそのまま登場しているので、少年ルドルフを観ながら“親戚にもカフェの男にもミルクにも居たよな、この子”とか思ったら笑いがこみ上げてしまいました(汗)。やっぱり鬘は必要だと思うの。しかも、ルドルフの出番が終わった後で、独立運動の場面にも二幕のラストの通行人にも居るんだもん!!あ、ルドルフだ!って思っちゃったよ、もぉ~っ(滝汗)。



<黄泉の国のみなさま>

○ルキーニ(龍真咲/宇月颯)
すっげー良かったんですけど。
……もしかして、ただのファンなんでしょうか私。確かに、「ハロー!ダンシング」の前、「暁のローマ」の頃からのお気に入りではあるんですけど。

……かっこよかったんですよ?
ルキーニのくせに(←真顔)

4年前の新公脚本とは、今回の脚本はかなり違う……のでしょうか?前回は、場面カットのしわ寄せがすべてルキーニにいってしまって、ルキーニ役のひろみちゃん(彩那音)が物凄い苦労をしていたんですが。今回はそういうのを全然感じさせませんでした。カットされた箇所はそんなに違わないと思うんですが、つなぎの説明台詞が少ないのかな?
ルキーニの説明が自然に流れていくので、最後まで違和感無く観ていられました。歯切れのいい台詞がこういう役にもぴったりですね♪
正塚さんの好きそうな役者なので、次回公演にちょっと期待してしまいます(*^ ^*)。
 


○黒天使の長(桐生園加/貴千碧)
園加とはまた違った熱量のあるダンスで、格好良かったです。ただ、鬘とかはもっと思い切って本公演と違えてくれてもいいと思うんだけどなあ。



○マデレーネ(蘭乃はな/麗百愛)
ポアントでの安定感はさすが。でも、本役の表現力には一歩及ばなかったかな。テクニックよりも男をソノ気にさせる(あるいは惑わせる)色香が必要な役なので、彼女には良い勉強になったんじゃないかと思います。技術面では他の追随を許さない人だけに、もう一段高みにあがってほしい!!



○鳥たち(咲希あかね・紗那ゆずは)
か、か、かわええ~~!!(感涙)。
こんなに可愛くてエロエロな鳥さんたち、初めて観た気がします。ううう、重臣たちも観たいのにー、娼婦たちも観たいのに~~~~っっっ!!(涙)


新人公演は、一回しかないぶん本公演以上に忙しい上に、席も2階のてっぺんだったので、黒天使の一人一人はほとんどチェックできませんでした(黒天使はライト当たらないから見えないし!)(涙)が、皆きれいに揃っていたし、がんばってたと思います。
将来の月組ショーを支えるダンサーたちが育っていくことを祈りつつ。


最後に、裁判官の声(彩央寿音/貴澄隼人)。
きっしーって良い声だったなあ…と思ったことをこっそり記しておきます。ごめんね、貴澄くん。あなたの声も決して悪くないのよ(汗)。





<革命家たち>

○エルマー(役替り/鳳月杏)
他の組では新公主演も出ている研4(92期)。……もう立派に一人前なんだなあ……。
思っていたよりずっと良かったです。とても革命が成功するとは思えなかったけど、本公演よりはちょっとはマシかなー?(^ ^;ゞ
衣装も似合っていたし、歌も良かった。でも、今回はあまり祐飛さんに似ているとは思いませんでした。少し大人になったのかな?



○シュテファン(役替り/星輝つばさ)
芝居がどうこう、歌がどうこうというよりも、二幕の髭がよく似合っていて男前だったのが印象的。杏ちゃん、珠城さんと三人並ぶと長身トリオで格好良かったです。



○ジュラ(珠城りょう)
この人は、ジュラとしてより「最後のダンス」のカゲソロが印象的でした。
良い声してるんですね。いつか、役としてのソロを聴いてみたいです。



○ツェップス(響れおな)
……髭が似合いすぎる(惚)。大好きすぎて今更歌だの芝居だのを誉めるのが気恥ずかしくなってしまうのですが、新しい発見があってちょっと惚れ直したりしました。
あんなに可愛くて愛嬌たっぷりなのに、ちゃんと貫禄を出しててすごいなあ……。4人の中ではちゃんと上級生なんですけど、学年以上にちゃんと“上位者”だったことに感心しました。しっかし本当にいい芝居するなあこの人は(←結局誉めてしまった/照)。




<バイエルン王家>

○マックス公爵(越乃リュウ/五十鈴ひかり)
最後の大役。良い声でした。マックスに歌手がくることって意外と無いので、“そっかー、巧いひとが歌うとこういう歌になるのかー”と思いながら聴きいってしまいました。……ちょっと違和感あったのも事実ですが(^ ^;ゞ、こういう役作りもありですよね。
シシィやゾフィーが歌える人だったら、もう少しバランスが取れただろうになあ、と思ってしまいました。結婚披露宴のラスト、心配げに娘を見送る風情は良かったです。



○ルドヴィカ(美鳳あや/琴音和葉)
すごく良かったです。本役のみっぽーとはまた違う愛らしさで、素敵なママでした(*^ ^*)。
歌も芝居も完璧(^ ^)で、さすがだ!!という印象。間の良い芝居をする人ですが、無理してコミカルにすることなく、間で笑わせるところはさすがだな、と思いました。
もっと色んな役で観てみたいひとです♪



○ヘレネ(萌花ゆりあ/蘭乃はな)
本公演でマデレーネ、新人公演でヘレネ。蘭ちゃんの役柄の振り幅にはちょっと感動します。
それにしても可愛かった!!しずくと蘭ちゃんが姉妹だなんて、どういう美貌の血が流れているんだ!弟たち(花陽みら・凛華もえ)も超可愛いし、琴音さん&おうさま、GJです(*^ ^*)

でも。
それでも、どんなに可愛くても“ヘレネ”という役への嵌り度は本役のゆりあちゃんの方が上なんだよね……(^ ^;ゞ。あの絶妙のダメダメさは、他の人にはとてもとても真似できない!
蘭ちゃんは、本役が本役なんだから、むしろ女官とかに入ってほしかったような気がします。はい。いや、ヘレネ可愛かったけど!!

カフェの女でイキイキしている蘭ちゃんは、とても可愛かったです。「ミルク」で、誰よりも熱く、激しかったところも、さすが(はぁと)
そして、破壊力抜群の娼婦まで。蘭ちゃんの娼婦に逢わせてくれて、ありがとう >配役を決めた誰か(小柳さん?)。本当に素晴らしかったです。鳥さんたちに目を奪われて、全部チェックできなかったことが悔やまれます(涙)。あああ、蘭ちゃん視点のDVDとか発売されたら絶対買うのにっ!!



○家庭教師(音姫すなお/白雪さち花)
白雪さんの、あまりにも見事なフランス語の発音にぶっ飛びました。もしかして帰国子女なんでしょうか…?やっぱり、あそこは嘘でもいいからそれらしく発音してほしいところなんですよね☆。

いろいろ忙しすぎて、バートイシュルまで旅をする間にマックス公爵とイチャイチャしているかどうかをチェックし損ねたんですが、どうだったのでしょうか?…一応はやっていたのかな?
おうさまのマックス公爵のキャラだけ見てると、あんまり色っぽいものは感じられなかったんですが。ただ、白雪さんは本役のオトキチより大人っぽい感じだし、しっとりとした色気もあったので、堅物な五十鈴パパがソノ気になってもおかしくない、かも。




とりあえず、そんなところでしょうか。
宮廷の人々については、また後日♪



花組の、次回公演での卒業生が、とても寂しいです。
4人とも可愛い花っ子で、銀ちゃんチームで、大事な大事なひとたちだった。


マメちゃん(日向燦)、(紫陽)レネちゃん。
……87期は、何か「同期数人で仲良く卒業する」誓いでもたてているんでしょうか?
(初姫)さあやが可哀相だと思わないのかっっっっ!!
せめて、さあやはいつまでも居てね。お願いね。(切祈)


まさかマメちゃんレネちゃんが卒業してしまうと思わなくて、本当に油断してました。
ああ、「ME AND MY GIRL」観に行ってよかった。「フィフティ・フィフティ」、いっぱい観ておいて、本当に良かった!!

祐飛ファン的には、トメさんとイルスのマメちゃんは、もう本当に特別なひとで。このひとが居ない花組って想像できない、ってくらい、本当に寂しい。
そしてレネちゃん、本当にお芝居好きなんだよね。トレバーさん、本当に良かったよ。お髭も似合うし、芝居できるし、これからやっと仕事をさせてもらえるようになると思っていたのに……
寂しいよ。本当に寂しい。


そして、9人の大所帯だった88期の一人、聖花まいちゃん。可愛い子ぞろいの花娘の中でも、結構目立つ位置で芝居している人ですが、「哀しみのコルドバ」のリサがすごく良かったから、このタイミングでの卒業はとても残念(T T)。もう少しがんばって、大人の女役で魅せてほしかったのになあ…。
嶺乃一真くんは、ラスト新公で、準主役級の役をやるのに何故(T T)…とても悔しいです。


でも。
ご自身の決められたことなら、悔やむことなく真っ直ぐに、幸せに向かってがんばってほしいと思います。藤井さんのショーが大好きなので、たぶん結構通っちゃうんじゃないかな(笑)。しっかり魅せていただきたいと思っています!
卒業されるみなさまの、ご活躍をお祈りしつつ。
(「外伝ベルサイユのばら」が一時間で、ショーが一時間半だったらいいのに…)






さて。
本日は、月組新人公演「エリザベート」を観てまいりました。

みりお(明日海りお)くんと(羽桜)しずくちゃんは、本当に相性が良いですね。
何もしなくても美しい二人なんですが、芝居の方向性がぴったりと噛み合って、きちんと心の交流が見えるところが本当に素晴らしい。
同期だから遠慮がない面はもちろんあるでしょうけれども、同期ならなんでもいいというものではもちろん無いわけで。やっぱり、この二人の相性が良いというのはあるんだろうと思います。
立場上、トップコンビとして組むことはあり得ない二人なのが、とても残念なくらい、本当によく似合う二人でした。


月組再演版の本公演は、「人間トート」という面白い試みをやっていたので、新人公演もそれを踏襲するのかな?と思っていたのですが、新人公演はごくオーソドックスな演出でした。
演出は小柳奈穂子。みりお、しずく、(紫門)ゆりやと今回と同じトリオがメインキャストを張った「二人の貴公子」を経ているだけに、主演コンビ二人の芝居の力量にすべてを任せて、下級生の育成と脇筋の芝居に力を入れたっぽい印象。「エリザベート」という作品としてはオーソドックスながら、本公演とは全くちがう演出をよくまとめきったな、と感心しました。
……そういえば、彼女の新公演出を観るのは初めてなのかな?あまり記憶にないけど…。


最初から最後まで緊張感を切らさない、“異世界感”の消えないトート。
エリザベートという一人の少女を深く愛し、誰よりも理解していながら、手の届かない闇の向こうで彼女の孤独な闘いを見守りつづける、寂しげなトート。
みりおくんのトートは、見た目はちょっと幼いので、まさに森川久美さんが描いた“少年”トートのようで。エリザベート自身が選ぶまで待っているのは、彼の希みが彼女の幸せだからなのだ、と素直に思えました。彼女を手に入れることではなく、彼女が幸せであることが彼の希み。だから、宮廷で孤独な闘いをしている彼女に怒りを隠せない。「それで君は幸せになれるのか?」と問わずにいられない。
子供だから、彼女を奪ったハプスブルクのことは憎んでいるかもしれない(←ミルク、闇が拡がる)。でも、ルドルフのことは愛している。トートは、ルドルフの不幸を望んだわけじゃない。シシィ同様、ハプスブルクの宮廷ではルドルフが幸せになれないことがわかっていたから、彼をそこから解放してあげたかったのだろうな、と、そんなことを思いました。



最初から最後まで頑なで一途で、諦めの悪いエリザベート。
本公演の少年ルドルフの歌がとても良かったので、エリザベートも大丈夫かな、と思ったのですが………甘かった(涙)。やっぱり、レベルが違いすぎたか…(T T)。特に、本公演のカチャも苦戦している「パパみたいに」と「私だけに」はかなり悲惨でした。
でも、彼女の芝居は、本当に素晴らしかった!

シシィってこういう人だったのか!!と目から鱗がたくさん落ちました。頑なで、一途で、諦めが悪くて、ひたむきで、真っ直ぐで。ルドルフを拒絶するところにも、「夜のボート」にも、きちんと一人の“大人の女性”として一本筋を通してくれたのが、素晴らしかったです。

長いこと私のマイ・ベスト・(宝塚版)シシィは麻子さんだったのですが(コンサートで観たマヤ・ハクフォートは、作品が違うので別カウント)、麻子さんのシシィの芝居のキーワードは「子供」だったと今でも思います。「子供に子供は育てられない」という侍女たちのナンバーが全てを物語っている、というか。
でも。しずくちゃんのシシィは、少女だったけど、子供じゃなかった。彼女の個性は“少女”なんですよね。子供じゃなくて、ファンタジーのある少女性。あの硬質な美貌は、それだけで価値があるのではなく、魔法のある存在感と、リアルで頑固な一途さがあって初めて、強烈に人を惹きつける。愛さずにはいられない存在感。なのに、こんなにも愛されキャラなのに、一度誰かを愛したら、簡単に自分を捨ててしまえる一途さも持っていて、しかも未練がない。揺らぐことのない、明解な価値観と意志。

「エリザベート」という作品は、音楽で全てが語られるオペラ形式の作品だから、メインキャストでありながら歌えないということは、どうしたって許されない罪です。いくら初舞台からのファン(?)な私でも、その点で彼女を擁護することはできません。実際一幕は全く歌えていなかったし、かろうじて歌えた曲(二幕のナンバー)であっても、作曲者が意図するところの半分も表現できていなかったと思う。
やっぱり、今でも(彩星)りおんのシシィは観てみたかったし、聴いてみたかったし、今回実現しなかったことがとても残念でもあります。他にも、花陽みらちゃんとか、シシィのナンバーを聴いてみたい娘役さんはたくさん居るし。

でも。
すべてを超えて、しずくちゃんのシシィが大好きだ!(断言)

たった一回の新人公演だからこそ出来たことだし、許されることでもあるんですけれど、ね。



みりおくんのトートは、いつかトップになったら、本公演でもやってほしいと思う。
りおんのシシィも、残念ながら新公はダメだったけど、もし万が一彼女がトップ娘役になることがあったりなんかしちゃったら、ぜひ、素敵なトート役者と組んで「エリザベート」を上演してほしい、という夢をみることもできる。

でも、しずくちゃんのシシィは、本公演では絶対にありえない。それだけは勘弁してくれ、と、誰よりも私が思う。

……とかいいながらも、考えずにはいられない、コト。
病院の場面があったらどう演じてくれたのか、観てみたかったナ……(; ;)。




異世界の少年としての、みりおくんのトート、

ファンタジーの塊のような、しずくちゃんのシシィ。

オーソドックスな演出と共に、得難い二人の役者によって描き出された「エリザベート」という痛々しい物語が、とても気持ちよく心に入ってきました。
耳に多少痛くてもいい。たった一回に全てを賭けた役者の気迫が、東宝劇場の空間を埋め尽くし、サラサラと音をたてて降り積もる。

一ヶ月という長期間にわたってテンションを保たなくてはならない本公演では、紡げない物語があるんだな、と、しみじみと思った2時間でした。




……ファンって、痛いな……。




他のメンバーも皆良かったのですが、とりあえず、今夜はこの二人のことだけ、で。


華耀きらり様、お誕生日おめでとうございます★
パメラ、大好きでした(*^ ^*)次公演も、素敵なきらりんにお会いできますように(はぁと)

何十年に一度の日食(しかも雨降り)の日にお誕生日だなんて(^ ^)。……きらりん、日食見たかなあ?(猫は全然ダメでした/涙)






というわけで、「フィフティ・フィフティ」の続き。


第三場(カークの決心)
ベンソン村の景。前髪をちょっと立てているだけの、ふんわりした髪型のカーク(望海風斗)と、父親のコールマン村長(眉月凰)が、親子喧嘩の真っ最中。

「おらは警察の試験に合格したんだ。街に出て警官になる!」
「村を捨てるのか!?」
「違う!」

……内容は結構深刻なのに、方言が不自然なので、言い争いに迫力がないのが残念(; ;)。
今作で、“ベンソン村”の方言として喋らせているのは、どのあたりの言葉なんでしょう。台詞の多いメンバーのほとんど(主演二人、ヒロイン二人、モーリス、キャシー、ビリー)は都会に出た経験があるってことで標準語で喋っているんですけど、コールマン村長とカークの二人は……台詞は多いわ演説はあるわ喧嘩はするわ、で大変そうでした。

「親父は勝手だ!最初は長男が家を継ぐもんだから次男は都会に出て一人立ちしろって言って、兄貴が都会に出ると次男は残れって……!」

親のエゴだなあ、良くも悪くも。兄貴には選択の権利が与えられ、弟には兄の択ばなかった道を進む義務が生じる。まあ、兄弟なんてそんなものです。兄は幼い頃から親からの干渉とプレッシャーに抗いつづけ、弟は弟で、親の無関心に傷ついて。姉妹だって同じ。どこも同じなんですよね、たぶん。

聞いていたヘレン婆さんが間に入って、親子喧嘩はひとまず中断…するんですが。
…これに続く一連の会話は、正直、もうちょっとコンパクトにまとめられたんじゃないか?と思いました。良い台詞も有るんですけど、でも、本筋とはあまり関係ないので。

石田さんの一番最初の構想では、「老人ばかりの村」というところにもっと深い意味があったんじゃないか?と思うんですよね。ヘレン婆さんがこの場面の最後に語る、「“別れ”の訓練をする村」というアイディアが、そもそもの設定だったんじゃないか、と。
実際の舞台脚本では、ベンソン村が救われるのは全然違うアイディアなので、この場面での会話は、ほとんど意味がなくなっているんですが。

…いや、結構良い話をしているんですよ?カークの「自分が幸せにならねば人を幸せにはしてあげられねぇ!」とか。「老い先短い老人が犬を飼うのは、(犬の将来なんぞクソクラエっていう)老人のエゴだ」っていうヘレン婆さんの名言も、ラストへの伏線になる大事な台詞だし。
でも、やっぱり、中途半端な感じがあるのは否めないかな、と。
突然奥から飛び出してきて、「村を捨てるのか!?」「裏切り者!」と口々にカークを責める“村人たち”(神房、鳳龍、花輝、桜帆)とかもそうなんですけど、なんか唐突なんですよね、なにもかもが。
それよりも、ジョナサンとヴィクターの出会いの場面を作ってほしかったなぁ~、なんて思ったり(^ ^;ゞ。


あ、でも。
“幸せな人”とは、夜寝る前に、次の朝起きるのを楽しみにできる人、っていうヘレン婆さんの台詞は、とても納得できました。
ジョナサンやヴィクターが、「明日の朝」を楽しみにしてベッドに入るとは思えないから。

「新しい自分との出会い」だとか、村長の「子育ても人生も、計画どおりにはいかないもんだ」とか、後に何度も繰り返されるテーマが、だいたいここで揃うんですよね。
そういう意味では大事な場面なんですけど、逆に、“テーマを全部並べるための場面”になってしまっていたのが勿体無いとゆーか、ちょっと残念な気がしました。



ところで。
下手側のベンチで、なんだかんだ作業をしながら仲良く話したり、男たちの会話に口を挟んだりするパメラとクララが、めっちゃキュートで女らしくて、可愛いです(*^ ^*)。



第四場(事件)
舞台の下手端の女三人の会話で暗転、舞台は都会に戻って、上手よりのベンチでファストフードにかぶりつくジョナサンとヴィクターにスポット。
そこに、奥からモーリスが登場。

「おお!俺のぶち込まれてた刑務所が見えるじゃねえか!」
「ちったあ反省しましたか」
「ばーか、誰が反省なんかするかよ!そんなんで反省するくらいなら、ハナっからヤクザなんかやってねえよ」

……もしもし?モーリス、あんたギャングじゃなかったの?それとも、“ギャング”の日本語訳って“ヤクザ”なのか……?

ムショ暮らしもそう悪いもんじゃない、冷暖房完備で三食つき、薬もタダなんだぜ♪と嘯くモーリスに、
「そんな連中のために、俺たちの貴重な税金が使われてるなんてねえ」
と、どう考えても税金を払ったことのなさそうな結婚詐欺師が突っ込むなよ。

でも。インチキブローカーったって、いちおう不動産を動かしているからには何らかの資格をとって事務所を登記しているはず。ヴィクターはともかく、ジョナサンは一応、税金も払っているんじゃないのか…?



「こないだの業務妨害の件で、お前たちの命を狙っている組織があるらしいから、気をつけろ」

と、物語を進めるために必要な情報を落としていくモーリス。っていうか、このために二人を探してたんだよね、この人。優しいヤクザ ギャングだなあ。

そんな場の、後ろのほうにひっそりと登場して、ドラマティックに泣き崩れる芝居をしているキャシーがめっちゃ可愛いです。
オーディションにまた落ちて、傷心のあまり泣き叫ぶ……お芝居をするキャシー。たしかに巧い。ジョナサンが
「キャシー、君は完璧すぎたんじゃないかなあ?」
と言うのも、わかるような気がします。っていうか、天咲さんって本当に空気を動かせる人なんだなあ…。


そんなキャシーを、モーリスが宥めながら連れ去った後。

「き・み・た・ち、こないだは銀行で、えらく派手にやってくれたそうじゃありませんか?」

ちょっと高めの甘ったるい声で呼びかけられる。
拳銃を構えて威嚇してくる、変な人。銀華水くん、渾身の一場面。 なかなか思うように怯えてくれない二人に焦れて地団駄を踏みながら拳銃を振り回すあたり、本当に芸が細かいっていうか、なんていうか……。

いやー、本当に面白いんですけどこの人。大好きだ☆

「俺は百発百中だぞ!」と自慢しておいてあっさり外した上に、跳弾で自分の足を傷つけるヒットマン。
痛みにのたうちまわる彼が、本当に面白いんですけど。どうしたら。

彼が落とした銃を拾おうとして、もみ合いになるジョナサン。音楽も変わり、さっきまでの爆笑モードとは掌をかえしたような緊迫感の中、はずみで引き金をひいてしまう……
ばさりと倒れるヒットマン。


銃を握ったまま、呆然と立ちすくむジョナサン。さっきまでの自信家で尊大な仮面が壊れて、怯えた子供の貌がのぞく。俺は今、何をした?夢でも見ているのか…?と。
細かく震える肩をちからづくで抱き寄せて、上手袖へ走り抜けるヴィクターが、とても男前(*^ ^*)。でも、めおちゃん、撃った直後の「ジョナ…サン…?」の呼びかけで笑いをとっちゃいかんだろ。せっかくみつるがいい芝居をしているので、客席の緊張が切れないよう、もうちょっと工夫がほしかったです。(石田さんの指示なのかな?)



第五場A(二人の女)
緊迫した場面をぶった切るように、客席登場のパメラとクララ。
タイトルテーマ「フィフティ・フィフティ」を踊りながら歌ってっくれます。残念ながら通路際の席は取れなかったのですが、とにかく二人とも可愛くてもうもう(壊)。

舞台にあがると、ネコちゃんとアーサー、花峰さん、天真くんの4人が出迎えて、紗幕前で6人のミニショー。場面転換のための単なるつなぎなんですけど、とにかく6人とも可愛くて可愛くて、石田さんありがとう!!な場面でした(単純)。あー、花峰さんの控えめな笑顔に癒される…。



第五場A(逃亡者)
紗幕があがると、舞台中央に車のセット。運転席にジョナサン、助手席にヴィクター。

「疲れただろう?運転、交代しようか?」
と話しかけるヴィクターの口調が、ものすごく優しくて、ちょっとくらっときて、
「いや、いい。何かしていたほうが気がまぎれる」
と応じるジョナサンのクールな男前っぷりに、惚れました。

ナビが壊れて地図もない。それでも、ひたすらに、どこか、へ。

「ま、いいか。どうせ計画なんぞない、成り行き任せの人生なんだから」
「人生の面白さは、計画外のところにあるのかもしれないな…」

そこに、後ろから追いすがってくる白バイ。
「前の車、止まれ~~!」
と言われ、諦めて停車するジョナサン。
「こんな夜中に、二人でドライブか」
と問われ、慌ててカップルの振りをする二人

どうやら、私が最初に観たのが、二人の初キスの回だったようなのですが。
その後はもう、回を重ねるごとにエスカレートする一方だったみたいですね……(@ @)。

……いや、いいんですけど、私は楽しかったし。
でも、別に、そこ、カップルの振りをする必要も意味もないよね?ふつーに友達同士だってドライブくらいするだろうし、普通カップルの振りしてキスシーンで誤魔化すのは、一方だけが顔が割れていて、その顔を隠すため、だから。
ってことは、あれは純然たるファンサービスってことですよね…?いや、たしかに楽しかったですけど(^ ^;ゞ

しかし、当然のように男役がみつるで女役がめおちゃんなのが、めっちゃ納得できてしまった(^ ^;ゞ。実際、車を降りて普通に立った状態(=明らさまにめおちゃんの方が長身)でさえ、みつるが腕を回す側で違和感なかったもんなあ…。不思議だ。
いや、でも、逆でも普通に嵌ったと思うんですけどね。一回くらい、逆パターンやってくれたりしなかったのかなあ…?(真顔)(みつるの女役に無理があるんじゃないかと思います先生)



免許証を確認して、本部に報告しようとするカーク。
いつのまに造ったのか、ものすごいリーゼントから目が離せません。よく、あのヘルメットの中に入ったもんだ(感心)。

二人の名前を報告する前に、指名手配されている二人の名前を聞き、免許証の名前と一致していることに気づく。
……そして、

逃げられない二人をベンソン村に連れて行けば、強制移住者二人、出来上がりだ!
これで村は救われる!!かも??と思いついた……らしい。

……え?本当に……?



余談ですが。
車から降りた後、罪悪感と、将来への不安のストレスで胃が痛くなるジョナサンに、
「大丈夫!医療費は、タダだ(はぁと)」
とのーてんきに言うヴィクターが大好きです。



舞台は暗転、下手端に電話のセットとキャシーとモーリスが登場。

受話器を奪い合い、電話コードに絡まりながら、「心配していたのよ」と労わり、「ヒットマンは生きている」と伝えて。
「でも、当分は帰ってくるな。指名手配されているから」
「…え?帰れない?なんで。……拉致されて、監禁されてるですってぇ~~っ!」
ベタな感じで状況を伝え合って、暗転(^ ^)。




第六場(再会)
高らかなファンファーレで始まる、ベンソン村の会合。
若者 村人たちが、腰まわりに馬の着ぐるみ(?)を着て、歌い、踊る。ネコちゃんの溌剌とした笑顔、花峰さんの花のような笑顔。馬を着ていないメンバーも実に楽しそうで、大好きです。はい。
ばっちりリーゼントのだいもんが真ん中で踊り、その隣でソロをとるのはアーサー。いやーーー、相変わらずいい声だわ(はぁと)ああ、格好良いったら☆

一曲終わると、村長だったかトレバー助役だったかが、「定住を考えてくれている若者を二人、紹介します」と、ジョナサンとヴィクターを皆に紹介します。
ここで、前に出てきて、ヴィクターを口説いている花蝶しほちゃんがめっちゃ可愛いです。もう一人は誰だったかな…(ごめんなさい)二人とも可愛かったです♪

僧服をまとったヴィクターがまずご挨拶。その間に、下手奥から登場したパメラとレベッカ(菜那くらら)が、舞台奥の壇上からクララを探しつつ、ふと前に立つヴィクターに目を留める。
分かりやすい“一目惚れ”の演出は特にありませんでしたが、ちゃんと、『あ、惚れたな…』とわかる芝居でした。可愛い(はぁと)

自治体の職員を名乗るジョナサンが挨拶を始めようとしたところで、クララが上手から登場。壇上からパメラが呼びかけると、ふと顔をあげたクララと、ジョナサンの視線が絡み合う。

「……知り合い、なのか…?」

不安げなヴィクターの声で、幕。



やっと一幕終了(*^ ^*)。

構成的に、一幕は設定を説明するための短い場面の連続で、めまぐるしく話が飛ぶので混乱気味。好きな人がたくさん居すぎて、ぐったり疲れました……。

二幕は、また後日アップさせていただきますね。ちょっと先になるかもしれませんが(^ ^)。



花組バウホール公演「フィフティ・フィフティ」ネタバレ感想。




第二場A(ジョナサンとヴィクター)
暗転して紗幕があがると、ジョナサン(華形ひかる)の事務所。
「これって詐欺じゃないの!?」
というキャシー(天咲千華)の叫びに、ジョナサンが
「冗談言っちゃいけない」
と窘めながら、“不動産ブローカー”の仕事を説明してくれる。

ホワイト夫人(鳳龍あや)に向かって、
「ブラウン夫人が、自分の土地を20万ドルで売りたいと言ってます」
と言って20万ドル貰い、もともと
「10万ドルであなたの土地を売ってほしい人がいるんですが」
と話していたブラウン夫人(銀華水)に10万ドル渡す、差額の10万ドルは俺のもの、というコミカルな歌を元気に歌うみつる。……歌うまくなったなあ(感涙)。

まー、ここは、揉み手して擦り寄るジョナサンよりも、それを大きな目を零れ落ちそうに見開いて見ているキャシーよりも、長い金髪の鬘を被ってキラキラしている銀華くんと鳳龍さんが、とってもキュートで素敵。ちょっと微妙な感じにくねくね(?)している二人が、もう、可愛くて可愛くて(^ ^)。お二人ともちょっとふっくら系なので、ぴっちぴちのタイトなミニワンピ姿がまた、……たまりません(^ ^;ゞ
お稽古場では爆笑していたであろうみつるくんが、上級生らしく真面目くさって歌い踊っているのもツボでした★

ナンバーが終わったあたりで、ひっそりと舞台奥のドアをあけて入ってきていたヴィクター(真野すがた)。場が落ち着いたところで、キャシーに声をかける。
「キャシー♪」
小さな花束を渡して、
「君は脚がキレイだから、ミニスカートがよく似合うねえ(はぁと)」
……天咲さんの脚は、どちらかとゆーと観賞用ではなく実用性重視の脚だと思うんだけど……と思った私は、ただのダルマ好きです。すみません。
「ヴィクター?そういう台詞は」
と可愛く笑顔で距離を詰めて、、、
「セクハラよ!」
一瞬にしてがらっと表情を変え、ドスのきいた響く声で言い放つキャシー。

天咲さん、本当に芝居巧くなったなあ~~!!(感心)本当に可愛いし、なんといっても声が良い。低いところを響かせてドスをきかせることもできるし、清純そうな裏声でもきちんと感情をのせて喋れる。「バレンシア」の新公ではあまりの棒読みにぶっ飛んだけど、ほんの数ヵ月後の全ツで吃驚するほど成長していたのは、偶然じゃなかったんですね(*^ ^*)。
あああ、残念だ……宙組で祐飛さんと芝居してほしかった……(T T)

「……嫌な世の中だな。女性の長所を誉めただけでそんなことを言われるようじゃあ、」
「結婚詐欺師は廃業か?」
「人聞きの悪いこと言うなよ。ジゴロって言ってくれ」

……詐欺師は犯罪者だけど、ジゴロ(=ヒモ)は寂しい女に夢を売る商売だ、っていう理屈ですかねぇ?
なにはともあれ。ちょっと唇を尖らせて「ジゴロって言ってくれよぉ~」と拗ねたように言うめおちゃんが可愛くて、何を言ってもあまり突っ込まずに放置しておいてあげよう、と思ってしまいましたが、あれは狙いなのか?(^ ^)。
石田さんにとって、めおちゃんってそういうキャラなんだろうなあ……(←すごく共感してます)。

ここで出てくる「女なんてなぁ」という石田さんの持論は、わざわざ公言しないで胸の底に隠しとけばいいのになあ、と思いました。本筋に関係ないしね。
石田さんも、こういうのが無ければ評価もかなり違うと思うんだけど……(←ファンなので、残念なのです)。あなたがその台詞を与えている言わせている二人も、実は女性なんだってこと、忘れないでほしい。(でも、こういうことを言わせちゃうところが石田さんらしい…ダメじゃん↓↓)


そこに登場する、モーリス(悠真倫)。
えらくチャラくて可愛い彼は、「ギャングの息がかかったフロント会社の、下請けの、そのまた孫請けの、トンネル会社の社員だぞー」と段々小さな声になるけど、いちおうギャングに分類される立場ではあるらしい。ジョナサンとヴィクター(っていうか、たぶん、主にジョナサン)が気に入っているらしく、自分の子分にならないかと誘ったりしている。

黒社会っていうのは、身分が定まった階層固定社会における、はみ出し者の受け皿でした。社会に適応できない若者を引き取り、家族として愛して兵隊に育てる。社会にとって必要な存在であったわけです。
でも、「行動の自由」を保障された自由社会においては、はみ出している人間にも“生きる権利”があるわけで。あえて制約の多い黒社会に所属して、苦労する必要が無いから、「グレているけど上下関係がめんどくさいから黒社会には入らない」連中が出てくる。
だから、「イマドキの若いもんは根性なくてよぉ~」という、モーリスの嘆きが出てくる。

そんなモーリスに、ギャングの“制服”について突っ込みを入れるジョナサン。
黒に白の縦ストライプのスーツは、ギャングの服装としてはそれほど派手なわけではないような気もしますが、まぁ、そのあたりはどうでもいいんだろうな(^ ^;

なにはともあれ、音楽と同時に黒服の男たち(彩城レア、煌雅あさひ、花峰千春)が登場して、ギャングのナンバーへ。……と思いきや、前奏でポーズ決めたところで終了(笑)。
いやー、ここのギャング三人が超かっこいいです(^ ^)。ちょっと「銀ちゃんの恋」の小夏のショーシーンを思い出しました。アーサー、めちゃくちゃスタイルがよくてカッコいい!!(壊)ネコちゃんも、スーツの補正がきれいにきまってて男前度アップ。花峰さんも、可愛らしい笑顔を帽子で隠すとえらくかっこいいのね。三人並ぶとアーサーが一回り大きくて、ネコちゃんと花峰さんはなんとなく似たようなスタイルなんですが、場面が終わってもヤル気満々なまりんさんに突っ込んでたのは、ネコちゃんでした。そういう役割分担か(^ ^)。

ちなみにこの場面、千秋楽のまりんさんは、音が止まってからも、てきとーな歌詞にてきとーなメロディでいつまでも歌い続けて、三回くらい拍手を貰ってました(^ ^)。あげくに「千秋楽くらいいいじゃねえか!」と自虐。ちょっと歌が長すぎたけど、気持ち良さそうだったからヨシとしましょう(←偉そう)

で、やりたい放題やったあげくに「今度新しく出来る銀行の業務妨害をしてくれ」という依頼をかるがる~しく伝えて、地図を渡してあっさり出て行く。このあたりの呼吸というか、間の良さには心底感心しました。「銀ちゃん」の監督も良かったし、まりんさんと石田さんって本当に相性がいいんだろうなあ…。



事務所に残されたジョナサンとヴィクターは、「しょうがねえなあ」と引き受ける羽目に。
“冷静で頭のいい”ジョナサンは、キャシーに『紙幣を(一部)燃やす』ことと、『紙幣を破る』ことを依頼し、ヴィクターには、女友達を集めるよう指示する。
「それで…?」
問うヴィクターに、軽く口の端に笑みを浮かべて
「銀行に両替させるのさ」
と言うジョナサンが、……ステキです(はぁと)。

袖からぞろぞろと出てきて、ヴィクターを取り巻く“レディ”たち。
その中には、……あれ?ホワイト夫人も、ブラウン夫人もいるんだけど、いいの?この二人はジョナサンの客であってヴィクターの客じゃないし、そんな悪事(いちおう合法的だそうだが)の片棒を担がせていいのか…?
……まぁ、楽しそうにやっているから、いいのか(^ ^)。

「破れた紙幣を交換して」「口座を開いて5ドルだけ貯金したいの」「私は1ドルだけ」「紙幣が燃えちゃったの」……窓口に長い行列を作って、口々に儲けにならいことを訴える“レディ”たち。
ちょっとあやしげな“美女”が何人か混ざった集団の中、ひときわ目につく長身美形のスタイルのいい美女は誰?と思ったら、舞月なぎささんでした。美人やなあ(*^ ^*)……などと女装メンバーを点呼するのに精一杯だったので、本当の美女たちをあまりちゃんと観られませんでした。残念。

彼女たちが札をもって並ぶ窓口には、銀行員のらいらい(夕霧らい)と天真みちるくん。
最初のうちは笑顔で応対しているのに、だんだん「?」と不安げな顔になって、おろおろしはじめて、、、「うわぁん、もう駄目だ~~!」となるまでの表情の変化が素晴らしい。天真くんの顔芸は言うに及ばずなんですけど、らいらいも、木漏れ日のような柔らかな笑顔が段々悲しげに歪んでいくところがすごく良かった。
ついついレディたちの面白さに目を奪われがちなシーンですが、銀行員たちに注目すると、ジョナサンたちは、凄く酷いことをしているんだなあ、と思わされます(- -;

ついに、対応をあきらめて窓口を閉め、「本日のところは、どうかこれで…」と、ジョナサンに頭を下げるらいらい。場面の最初の笑顔は跡形もなく、がっくりと背中を丸めて、札束の入ったアタッシュケースを重そうに抱えて。
「もう、クビだあ~」「待って~、ビリーさぁ~ん!」と叫びながら上手に駆け去っていく二人。二回目に観たときは、すごく遣る瀬無い感じがしました。この後の展開が、分かっていたから。



手伝ってくれた“レディ”たちに礼を配るジョナサンとヴィクター。
で、暗転すると、いきなり言い争ってる二人。シノギの金の分配でもめているらしい。
「アイディアを出したのは俺だぞ!」
「女たちを集めたのは俺だ!」
譲らない二人が取り合う札束を、横からかっさらうモーリス。
「そもそも話を持ってきたのは俺だよ~ん」
トボケた口調が緊迫感を切ってくれます。

そこに聞こえてくる、赤ん坊の泣き声。
いつの間にやら出かけていたらしいキャシーが、なぜか赤ん坊を抱いて帰ってきている。
……どこに捨てられていたのか知らないけど、なぜ拾ったんだキャシー。(←そうしないと話が始まらないからです)



慣れた手つきで子供をあやすヴィクター。…孤児院育ちだから、シスターの手伝いとかマメにしていたのかもね。

「しっかし子供を捨てるなんてなあ…。いっそ貧乏人は子供を作っちゃならなねぇって法律でも作りゃいいのに」
ぼやくモーリスに、真っ白い空気がアタリを包む。

「……モーリスさんの言うとおりだな」
ヴィクターの、低い、少しかすれた、声。

「そうしたら、俺たちみたいな不幸な子供が世に出ることもなかったかもしんねぇな」
しらけた空気を切ろうとするかのように、無理したように明るい、ジョナサンの、声。

この台詞。
初見のときはさらっと流してしまったのですが、二回目にかなりぐっときました。
『俺たちみたいな不幸な子供』と括っているけれども、ジョナサンとヴィクターの過去の傷が、実は全く違うものであることに、ジョナサン自身は全く気づいていないこと、に。

「俺たちみたいな不幸な子供」という言葉に、うなずきながらも昏い色を浮かべるヴィクターの瞳が、酷く痛々しくて。
幸せは同じ色をしているけれども、不幸の形は一人ひとり皆違う。何かで読んだそんな言葉を、思い出していました。




第二場B(回想)
暗い舞台中央に光がはいる。床にはいつくばって、絵を描いていた(?)少年時代のジョナサン(彩城レア)。
気配を感じて顔をあげる。輝くような、笑顔。
「おかあさん、お帰りなさい!」
転がるように母親(梅咲衣舞)に抱きつく少年。細い声が本当に怯えた幼い少年みたいで、感心しました。
母親の肩を抱く男(煌雅あさひ)に邪険に突き飛ばされて、訴えるように母親に縋りつく。
「ジョナサンか…あっちいってな」
ドスのきいた衣舞ちゃんの低い声が、もの凄く怖くて素敵です。しどけなく男にもたれて、巻いた赤毛をかきあげながら、縋りついてくる子供を振り払って、
「これでなんか買って食べな。しばらく帰ってくるんじゃないよ」
……美人で可愛いのに、ホントにいい役者だなあ、衣舞ちゃん。

泣き出したジョナサンに、黒い服を着た少女(花蝶しほ)が赤い傘を差しかける。
「クララ…」
「男の子は、泣いちゃだめ」
二人とも、小さな子供の口調が巧くて、臨場感がありましたね。
クララの両親が事故で死に、クララは今から遠い親戚の家に引っ越すという状況を簡単に説明して、
「ジョナサン、あたしのこと、忘れないでね」
という、幼いけれども神聖な誓い。

泣きそうな顔に微笑みを浮かべて、ジョナサンの手に傘を握らせ、迎えに来た男(花峰千春)のところに走っていくしほちゃんが、本当に可愛かったです。髪型も大人の二人(みつるくんとれみちゃん)に合わせていて、自然にこの二人の子供時代だと納得できる、いい芝居を見せてもらった気がします。



「……その後すぐに、母親は酒の飲みすぎで死んで、俺は孤児院に入れられた」
「その孤児院で、俺たちは出会った、ってワケ」

なんでもないことのように、軽い口調で語る二人の、お互い目をあわせない距離感が、とても印象的でした。

「俺たちは、ずっと探し続けていたんだ。俺たちの…」

なにを?とキャシーに問われて、ふと我に返る二人。
やっと目を合わせて、

「居場所、さ」


口の端だけ笑みをうかべて、二人交互に語る歌は、二幕でリフレインされるので、コメントはそのときに。
この場面では、割とよくあるパターンの歌だな、と思ったくらいでしたが、二回目からは泣けたなあ……。(涙もろくてすみません)



作品全体を通して、回想シーンはここだけなんですよね。
個人的には、孤児院でのヴィクターとジョナサンのシーンが無かったのがとても残念です。ヴィクターの心の傷の真実を、ビリーの部屋での言い争いまでとっておくためには、ヴィクターの子供時代をあまり詳しく描くわけにはいかないという事情はわかるのですが……観たかった(涙)。
出会ったばかりの頃は仲が悪かったに違いないのに(←なぜか確信している)、今みたいに仲良く一緒に行動するようになったのは、どんなきっかけがあったのかしら、とか、勝手にサイドストーリーを考えたくなったくらい、久々にツボなコンビでございました(^ ^)。




梅田芸術劇場公演「ME AND MY GIRL」、そして宝塚バウホール公演「フィフティ・フィフティ」、千秋楽おめでとうございます!



花組は「太王四神記」が終わってから長らくバラけていましたが、どれもこれも(哀しみのコルドバ/RED HOT SEA2、オグリ!、ME AND MY GIRL、巴里祭、フィフティ・フィフティ)本当に良い作品に恵まれて、花組ファンとして、とっても幸せな数ヶ月でした(^ ^)。……財布はだいぶ薄くなりましたが(T T)。
次の「外伝ベルサイユのばら」にはあんまり期待しないようにしてはいますが(涙)、藤井さんの新作ショーにすべての期待をかけて(^ ^)楽しみにしています!

楽からほんの数日で、イギリスだのアメリカだのから“おフランス”へ(←そういう意味では、巴里祭組が一番楽なのかな?)(いや、そういう問題じゃないだろう)モードを切り替えなくてはならない花組生の、ご健康とご活躍を、心の底から祈りつつ。






と、ゆーわけで、「フィフティ・フィフティ」ネタバレありで感想を書かせていただきたいと思います。
楽も終わったのに引っ張るのは個人的に抵抗があるんですが、どうかご容赦をm(_ _)m。





開幕前

のどかなカントリーウェスタン調の音楽が流れる中、二人の開演アナウンスが入ります。
みつるくんとめおちゃんって、意外と声質が似てますよね。トーンがだいぶ違うので、ナマ声は全然違うんですけど、録音のアナウンスだと意外とわかりにくい…。




第一場A(都会の孤独)

モノトーンでまとめた、ショーの一場面っぽい抽象的なセットに、シャープなゲーム系の音楽。
さっきまでののんびりムードは冗談だったのか、と思うほど、全然雰囲気の違う舞台美術と音楽に、ちょっとびっくり。

モノトーンの逆パターンの衣装でまとめた二人が、めちゃくちゃカッコいいです。
ダンスのテクニックでみつる、スタイルでめおちゃん、それぞれ目を惹くコンビ。今まで、同期のわりに本公演でもあまり並んでいるのを観たことがなかった二人ですが。持ち味が全然違うせいか、お互いがお互いをを引き立てる良いコンビだなあ、と思います。きちんと自立していて、依存がないところが凄く好き(*^ ^*)。
そして。小柄なみつるの方が男っぽくて、長身でスタイルのいいめおちゃんは繊細で柔らかい雰囲気、というギャップが、なんかツボ(^ ^)。この二人だと、敵対する関係ってあまり想像できないなあ……。漫画「時の地平線」(諏訪緑著)の孔明と士元とか、そういう関係の作品を観てみたい気がします(だから誰にもわからない話をするなっつーの)。


で。
この場面の主役は、もちろん85期のお二人なんですが、猫的には後ろのメンバーが非常にツボでした。
「ゲームの青年」夕霧らい、「ヘッドホンの少年」煌雅あさひ、「メールの少女」梅咲衣舞。抽象的なセットに嵌めこまれた、マネキンのような現実味のない三人。
そして、ATMか何かの機械に、「暗証番号を入れてください」と言われてパニックしている「老女」邦なつき。

機械が使えない「老女」が、そこらを通りがかる若い連中に尋ねる。
「飛行機のチケットが取りたいんだけんどぉ……」
機械に仕えている若い男(煌雅あさひ)は、冷たく言い放つ。
「飛行機なら、携帯でもパソコンでも、コンビニの機械でも簡単に取れるぜ!」
便利な世の中になったよなあ、と、自分の主を褒め称えながら。
自分の主が、全ての人の主だと信じて疑わず、に。


……ここの邦さんは、何か用事があって都会に出てきたヘレン婆さんなんでしょうか…?
髪が銀髪だったから(ヘレン婆さんは白髪まじりの金髪)違うんだよね?それにしちゃ、方言が同じだったんだが……深い意味はないのかな?(悩)

らいらいも、ビリーが都会で銀行に勤めている間の自宅での姿に見えるんですが、どうなんでしょうか。いちおう別人設定なのかなあ。真っ白な肌にサラサラストレートの金髪、なんだか物凄い美少年なんですけどどうしたら(動揺)。役名に「少年」とついているアーサーより、「青年」と書かれたらいらいの方が美少年に見えるのは何故だ……どっかのギムナジウムもの、花組に来ないかなあ(←娘役の出番がないっつーの)

いやー、それにしてもカッコいいです、この場面。大好き(*^ ^*)




第一場B(ファーマーズ・フェスティバルの稽古)

暗転すると、客席通路にカウガールっぽい衣装の美女二人にスポット。
上手に(白華)れみちゃん、下手にきらりん(華耀きらり)。
真剣に聞くと結構色っぽい歌詞なんですけど(男に抱かれると自分が女と気づく…とか)、この二人が踊りながら歌うと、ただただひたすらに可愛いです(*^ ^*)。ああもう、この目に録画機能がついていればいいのに!!

二人が舞台にあがって、ベンソン村メンバー全員による群舞に。「抱いてよ 骨がきしむほど」と歌う二人がとにかく可愛いです。でも、一生懸命に二人の間に入ろうとしては蹴りだされていただいもん(望海風斗)は、もっと可愛かった、かも(はぁと)。
ああ、どうして石田作品に出る人はみんな可愛くなってしまうんでしょうか……。



村長(眉月凰)と、その次男・だいもんの言い争いから、ベンソン村の現状を説明するナンバーに。
「村には産業がない」
「村には財源がない」
「村には若者がいない」
マイナー調の曲に合わせて、寂しい言葉が続いたところで。

「いるのは牛と豚だけ(T T)」

という歌にあわせて、舞台中央でポーズを取る、ブルくん(朝陽みらい)とカウちゃん(紗愛せいら)。
この、着ぐるみに着られた二人が死ぬほど可愛い です。
まさか石田さんが、こういう秘密兵器を出してくるとは思いませんでした。初見で死ぬかと思った……。笑いをこらえきれなくて、窒息しそうでした。ええ。
またこの着ぐるみが可愛いんです。おしりが大きくて、手も足もちゃんと偶蹄類なの。すごーくホンモノっぽいの!!手と足だけは!!!
その手で、バスケット持ったりマイクを持ったり、結構片付け要員なんですよね……大変だったろうなあ……。

っていうか、あの衣装でちゃんと踊ってたのが真面目に凄い!と思いました。ダブルターンとか、ちゃんとやっていたような気がする……あの大きなおしりはかなり空気抵抗ありそうだし、バランスがいつもと全然違うだろうに。しかも!!あの足(靴)でターンしたりジャンプしたり……凄すぎる(@ @)。靴が大きすぎるので怪我が心配だよー。あんな激しい踊りがなくても、居るだけで十分可愛いのに。
ダンスナンバーが終わって芝居になると、二人で遊びはじめるんですけど。だるまさんころんだ(たぶん)したり、かくれんぼ(たぶん)したり……後方なので、バウの前方席だと見え難いんですが、とにかく可愛いです。ううう、DVDの特典映像に、牛さん視点がほしい(^ ^;(←そもそもDVDは出るんでしょうか…?)

あ、それから。
あの着ぐるみ、みつるくんが着たがってましたんで、ぜひとも組本でお願いします!




えーっと。どこまで書いたっけ。…あ、ベンソン村の現状を語る歌の途中までか。

牛さんたちがポーズを取ってキメると、同じメロディだけどコードがメジャーに変わって、ヘレン婆さんが歌いだす。
「ベンソン村には自然がある。人情がある。泥棒もいない……」

邦さんのソプラノは、味があって良いですね(^ ^)
しかし。「泥棒がいない」=「何も取るものがない」という現実が…

「後継者がいない」「市町村合併」「このままではベンソン村はなくなる!」
というコーラスで、ナンバーは終了。


……えーっと。
後継者になりそうな若者は、そこでいっぱい歌い踊ってますけど? …なんて突っ込んじゃいけないんですよね?
あの美少女の群れも、美青年たちの群れも、気のせいなのよねっ!!

そう思うと、髭もじゃの男にして仕草とかも工夫していた天真みちるくんは、実に実に正しい。私が彼女を好きなのは、顔芸も凄いけど、そういう“やるべきこと”にも手抜きがないところ。やっぱり、宝塚を観に来ているんだから、本当に“後継者のいない”、爺さん婆さんばっかりの群舞を見せられても困るというのが正直な処ではあるんですが、天真くんを見ると、なんだか安心するんですよね(^ ^;ゞ。私にとっての良心、って感じなのかな……?



村人たちは、ほぼ全員登場。
センター脇は、さっきとはまた雰囲気を変えて登場するアーサーと、キラキラした笑顔で踊っているネコちゃん(彩城レア)。その後ろに、個人的にお気に入りの花峰千春さん、おっさんづくりの天真みちるくん、ちょっと崩したリーゼントみたいな髪形がなかなか良く似合っていた銀華水くん、いつもキビキビ踊っている神房佳希さんくらいまでが並んでて、最後列が、もうちょっと痩せればかなり好みのタイプなのにと観るたびに思う鳳龍あやさん、小顔でスタイル抜群の舞月なぎささん……だったかな?
「どうしたら村が救えるか」みたいな議論をするところでは皆一言づつ台詞があるんですが、方言のせいか、下級生はちょっと苦戦気味。何を言っているのかわからなかったり、タイミングが合わなくて会話になってなかったり。一言台詞って意外と難しいものなんだなあ、と思いました。


「移住者をよそ者扱いするのもよくない」
と指摘するヘレン婆さんたちに、
「そもそも、都会を捨ててこんな田舎で暮らしたい若者なんているもんか」
と言い放つパメラ(華耀きらり)。
「じゃあ、せっかく都会で働いてたお前はどうして帰ってきたんだ?男に騙されたのか?」
と突っ込んで、力いっぱい締め上げられているネコちゃんが可愛い。
「クララの前でなんてことを…」
窘めるカークは、優しい男なんだと思う。

パメラとクララ、二人のヒロインの過去を語って、場面は終了。




ところで。
この場面のだいもんの台詞で、「ファーマーズ・フェスティバルまであと一ヶ月」とゆーのがあったんですが。
物語のラストの前の場面がまさにそのフェスティバル(収穫祭)の予定日なんですよね。ってことは、この作品って、基本の部分は約一ヶ月間の物語なのか…(ラストシーンはもっとずっと後ですが)

たった一ヶ月。ジョナサンとヴィクターのそれまでの苦しみを思うと、その短さに唖然としてしまいます。
でも、そんなものなのかもしれませんね。何年もかかって溜めたダムだって、決壊するときは一瞬なんですから。人生なんて、たった一晩で何もかもが変わってしまうこともある。運命に出会う、というのは、そういうことだから。




最後に。
場面のラストで、クララの過去について話す、カークとヘレン婆さんの会話。

「都会で結婚詐欺師に騙されるなんて…」
「結婚詐欺師か……ひでえ男がいるもんだっぺ!」

…というヒキで暗転したので、絶対次はめおちゃんにスポットが来るに違いない!と思ったのに、明かりがついたらキャシー(天咲千華)とみつるだった(^ ^;ゞ 残念!!




まさか、第一場でこんなに長くなると思わなかった……(反省)14場まであるんだよ?大丈夫か?>自分

とりあえず、今夜はここまで(^ ^)



東京芸術劇場にて、「TEACHERS ~職員室より愛をこめて~」を観劇してまいりました。



“東京郊外の、どこにでもある普通の中学校”である楓中学校の、職員室を舞台にしたワンシチュエーションもの。
作・演出は吉村ゆう、制作は東映と梅田芸術劇場。2007年に初演されたようですが、キャストはかなり変わったようですね。初演のキャストが知りたいなあ。北岡ひろしさんの役とか、樹里ちゃんの役とか(^ ^)。

私の目当ては、宝塚OGの樹里咲穂さんと星奈優里さん。同期のお二人ですが、不思議と卒業後の方が縁が深くて、同じ作品に出ることが多いんですよね。なんとなく“お似合い”の二人なので、毎回嬉しく観ています♪



ちょっとネタバレが混ざっているかもしれませんが、ご容赦くださいませ。


物語の中心は、冴えない中年の国語の先生(高梨/モト冬樹)。
10年前に教え子を自殺で喪ってから、すっかり教育への情熱(自信?)を喪って、「いるのかいないのかわからない空気のような」先生、と言われている男。
10年前からこの学校にいるのは、この高梨と、学年主任の森田(夏樹陽子)の二人だけ。森田は高梨に、10年前の情熱を取り戻して欲しいと願っている。

そして10年前に自殺した少女は、“あの世”の「門番」(北岡ひろし)に許されて、2時間だけ、という約束で、楓中学校の職員室に戻ってくる。
誰の目にも見えない、天使として。




天使の羽をつけて、あちこち走り回り、飛び回っている高井空(尾崎由衣)のキュートな可愛らしさが、とても印象的でした。
この天使と、「門番」としてふらふらと歩き回る北岡ひろしの独特の存在感が、確かに“いかにも”この世のものではない、という感じで、すごく面白かった。この二人が居る所だけ、ちゃんと隔り世に見えるんですよね……不思議なものです。なまじ、セットや何かがすごく現実味のある“職員室”という空間なので、余計この二人が浮き上がって見えました。





天使の眼に映る職員室。
大好きだった(でも、最後に残念な行き違いがあった)高梨先生は、自分の死をきっかけに心を閉ざし、若い先生の無意識の暴力を受け流しながら、ただ日が過ぎていくのを待っている。

あたしが悪いの。あたしが考えなしだったから。
ごめんなさい、先生。あたし、……本当に後悔してるの。
大好きよ、先生。だから、許して。

その一言(いや、三行か)を伝えたくて。二時間という制限時間の中、天使は必死で高梨の周りを駆け回る。
無力な自分をかみ締めながら。




その職員室にいる、魑魅魍魎たち。

無気力で無責任な副校長(宮内洋)。
無駄に熱血で相手の話を聞かない体育教師、山崎(曽世海司)。
美人でおとなしくて優しい、英語教師の中村(星奈優里)。
クールで冷たい、権力志向の数学教師、永山(樹里咲穂)。
チャラくてKYな社会科教師、風間(齋藤ヤスカ)。
常識的で信頼感のある理科教師の嶋野(盛岡豊)。
イマドキの女の子みたいなイケイケな服装で皆を当惑させる、英語教師の下山(真由子)。
そして、厳しくて硬い学年主任の森田。



高梨先生みたいに、中学生の気持ちをリアルに聞こうとしてくれる人は、他にいないの。
だから先生?前みたいに、笑って?
……あたしを、許して?





そんなときに、事件が起こる。

「今日、合唱コンクールが始まる3時までに、大空へ向かって飛び立つ」

自殺することをほのめかす、怪メールが届く。



校長は出張で飛行機の中。
教育委員会に連絡するかどうか、校長になんとか連絡を取れないか、と悩む副校長と永山。
それに対して、森田は敢然と「そんなことより、生徒の所在確認を!」と主張する森田。

果たして、この怪メールは悪戯なのか?誰かの心の悲鳴なのか?





事件を解決しようと大人たちが右往左往する中、ついに高梨が心を開き、ふたたび教師として子供たちの前に立つことを決心する……
と、丸めちゃっていいのかな?
舞台のメインは、右往左往する“大人たち”の面白さなんですが。

中学校をメインにしながら、子供たちが一切出てこない(天使が一人と、あと、回想の中で作文を読む生徒が一人出てくるだけ)。そう、学校っていうのは子供たちだけのものじゃないんです。職員室っていうのは、子供が主役であるはずの学校の中で唯一の大人の牙城で、子供たちは原則立ち入り禁止。一朝コトあれば、大人たちが立て篭もる要塞にもなる空間。
ここを舞台に“学校”を描こう、というのは面白い試みだったなと思います。ちょっと説教節くさいところはありましたが、よくできた脚本だったと思います。



キャスティングについては……
モト冬樹さんは、そもそものキャスティングだったんでしょうし、イメージぴったりで当たり前なのですが……
贅沢を言うなら、途中で目覚めた高梨がキレて怒鳴り散らすところ、声がもう少し強いと格好良く決まるのになあ、と思いました。ちょっとひっくり返り気味だったのが残念。やっぱり、怒鳴り声っていうのは低音が響いてないと効かないんですよ。ええ。甲高い叱り声は、耳に痛いだけで心には響かないので。


森田先生の夏樹陽子さんは素晴らしかった。こういう先生居たなあ、と、懐かしく思いました。
厳しいばかりに見えて、意外と熱血で優しいっていうギャップが良かったです。


その森田先生と対等に戦わなくてはならない樹里ちゃん(永山)……私は樹里ファンなのでとても残念なのですが、ミスキャストなんじゃないかなあ、と思ってしまいました(T T)。声が軽いのが、こういうときは不利だなあ、と。夏樹さんが、いかにも年配の教師らしいハスキーな声なので、勝負にならない感じでしたね。……いっそ男役声でやったら良かったんじゃないかしらん?
薄いグレーのスーツがよく似合って、クールでシャープな感じはよく出ていたんですが、何というか、根本的なところでキャラ違い柄違いなんですよねえ。
……その割には、よくやっていたと思うんですけどぉ(凹)。


樹里ちゃんとは対照的なくらい、優里ちゃんの中村センセは素晴らしかったです。優里ちゃん、こういう役(ぶっ飛んだ少女みたいな大人の女性)多いなあ……そして、似合うなあ(^ ^)。
嶋野先生(盛岡豊)とのやり取りも、とても自然でした。さすが元トップ娘役、恋愛を語るのは慣れているんだなあ(^ ^)。


生活指導の山崎役の曽世さんは、STUDIO LIFEの重鎮。いやー、カッコいいです(惚)。素晴らしいKYっぷりにうっとりしてしまいました(←誉めてます)
あまりにも類型化されすぎているきらいはありますが、キャラ立ちがはっきりしているので観ていて解りやすかったですね。頭が悪い 思い込みが激しくて人(生徒)の気持ちを聴く気がないところが欠点なのだ、ということを、ちゃんと言葉で説明されてしまったところが切ない。
彼自身がどこまでわかったことになっているのか、この作品を観に来た山崎タイプの人がどこまで自覚しているのかはわかりませんが、現代社会で一番困りものなのは、こういう「わかったつもりでいる熱血漢」なんですよね……。そこに一本釘を刺したのは、ご両親が教師だったという作・演出の吉井さんの意思なんだろうな、と思いました。


チャラ男な風間先生は、「テニスの王子様」で人気の(らしい)齋藤ヤスカさん。
いやー、最近イケメンだなあと思う若い役者さんがほぼ100%「テニスの王子様」出身なので、一度観てみたほうがいいのかなあ、と思ってみたりしてしまいますね(^ ^;ゞ
彼だけは、“先生”というより、ありがちなオフィスものドラマの生意気な新入社員っぽいキャラづくりでしたが、、あれはあれで良いのかなあ。どちらにしても、「イマドキの先生ってこんななん?」と観客を不安にさせる役だと思うので、ちゃんと役割は果たしていたのかな。
ラストの成長がもう少しわかりやすく表現されていると良かったのにな、と思いました。本来はすごく良い役だと思うんですけど、ちょっと物足りなかったかなー。




なんとなく、展開としてもっと大勢が自分の傷を曝け出しあって、解決に向かうのかな、思っていたのですが、あまりそんなことはなく、過去の傷を掘り返したのは高梨先生と中村先生だけ。
あ、あとは副校長と下山先生か。傷じゃないけど、自分の過ちを認める発言をしてましたね。
永山先生と山崎先生、そして風間先生に、そういう場面が無かったのはちょっと残念です。休憩なしの2時間で、そんなに全員の回想やら告白やらをさせていたらとても時間が足りなかっただろうというのは解るんですが。
…まあ、今回のテーマは教師たちの成長物語ではなく、高梨と天使の心の交流だから、脇筋は抑えておいて正解だったのかな(^ ^)。





ところで。
一番最後に、メインテーマを歌いに出てこられたコーラス隊の皆様はどなただったのでしょうか?
プログラムにも何も書かれておらず……あれえ??



今回は、18日も19日も所用があってトークショー付きの公演にいけず、大変残念です。
樹里ちゃん、舞台でお堅い感じ(?)だった分を取り戻すかのように吹っ飛んでいたらしいんですが。観たかった……。



新橋演舞場にて「ガブリエル・シャネル」を、そして
ル・テアトル銀座にて、ミュージカル「COCO」を観劇して参りました♪


ガブリエル・ココ・シャネル。シャネルの創始者にして、モードの女王の人生を描いた二つの舞台が、ほぼ同時に、しかもどちらも宝塚OGをタイトルロールに迎えて上演される。これって、ただの偶然なんでしょうか?それとも何か仕掛け人がいたんでしょうか。
巴里のカンボン通りに最初の帽子店「シャネル・モード」を開店したのが1909年。今年は「シャネル」ブランドの誕生百周年だということで、彼女に関するいろんな企画が出るのは当然かもしれませんが、それにしても、日本だけでも舞台が二つに映画が三つ!!すごいなあ……。




新橋演舞場の「ガブリエル・シャネル」は、タイトルロールを大地真央、相手役として若くして亡くなった恋人アーサー・カペル(今井翼)を設定して、彼女の一生(20代から70代にしてモード界に復活する直前まで)を回想録の形で上演。制作は松竹。

ル・テアトルの「COCO」は、タイトルロールを鳳蘭、相手役は特におかず、70代でモード界への復活を目指すところから始まって、アメリカで受け入れられるまでのごく短い期間を濃密な人間関係と共に描き出す。
アンドレ・プレヴィン作曲、アラン・ジェイ・ラーナー(「マイ・フェア・レイディ」)脚本、主演キャサリン・ヘップバーンで、1969年に初演されたブロードウェイミュージカル「COCO」。
今回の翻訳・演出は、G2。




「ガブリエル・シャネル」が、若い頃から70代までの彼女の外面を割と淡々と描き出すのに対して、「COCO」は、「ガブリエル・シャネル」のラストにあたる、復活コレクションの準備から始まって、時折思い出話をはさみつつ、若いモデル(湖月わたる)との心の交流を中心に描かれていて、内面に踏み込んだ面白いテーマだったと思います。
私は先に「ガブリエル…」を見て、彼女の生涯のだいたいを頭にいれてから「COCO」を観たので、すごく面白かったです。彼女の生涯についてはほとんど知識が無かった(ココ・シャネルとガブリエル・シャネルは別人だと思ってたよ……恥)ので、この順番がとっても正解でした(^ ^)。「COCO」を先にご覧になる方は、もしかしたらあらかじめプログラムを読んでおいたほうがいいかもしれません。



どちらも興味深い作品でしたが、個人的には「COCO」が非常に印象的で、面白かったです。
まだご本人が生きている時代(1969年)に、これだけの作品を創ったブロードウェイってすごいなあ、と思いました(^ ^)。





それでは、簡単に、出演者について。まずは、新橋演舞場「ガブリエル・シャネル」


■大地真央(ガブリエル・シャネル)
いやーーーー、若い!!
1973年初舞台の59期。えーっと、えーっと、祐飛さんが78期だから、、、、
いえあの、タカラジェンヌはフェアリーだなあ、と、とっくに卒業された真央さんを見るたびに思います。どうして年をとらないんだろう……(謎)

最初が70代、そこから20代に戻って、さらにいったん少女時代まで戻ってから、30歳でドーヴィルに新しい店を開いたところまで飛んで、一幕が終了。
二幕はほぼ時系列に沿って、第一次世界大戦終結とアーサー・カペルの死 ⇒ 30代から40代の女盛りでの、芸術家たちのサロンでの華やかな活躍ぶり ⇒ お針子たちのストライキで店をたたんだ50代 ⇒ 冒頭のスイスの別荘に戻り、モード界への復活を力強く誓う70代のココを描いて、幕。

この華やかな人生の中で、もしかしたら一番似合っていたのは、一番最初の20代のときかもしれない……妖怪め(^ ^; 
とにかく、「70代」が似合わないことにもびっくりしました。この人は、本当に60歳70歳になってもまだハタチの小娘ができてしまいそうな怖さがありますね(汗)。
美しさ華やかさは文句無く、二幕の芸術家たちのサロンでの美しさは圧倒的でした♪


■今井翼(アーサー・カペル)
舞台の彼は、「SHOCK!」くらいしか観たことなかったのですが、思っていたよりずっと包容力があって、紳士的で魅力的な男でした。うん、すごく良かったです。私生児だという事実をきちんと受け入れて、それでも諦めずに、夢をかなえるために正面から闘っていく強さをもった男。ガブリエルの強さは、彼から受け継いだものもあったんだろうなあ、と思わせてくれる“ボーイ”でした(^ ^)。
それにしても、この人と並んで恋を語っても違和感の無い真央さんは、やっぱり妖怪なんじゃないか?と思う……。


■高橋恵子(ガブリエルの親友ミシア/20代のガブリエルが働くカフェのマダム)
美しく年を重ねた女優、そのものでしたね。美しいわ華やかだわ、素晴らしかったです。「自分では何も創らずに、才能のある人を見出して引き合わせては、そこで何かが生まれるのを愉しんでいるような人」とご自身がプログラムでミシア役について語っていらっしゃいますが、舞台上のミシアの、掴みどころの無いふわふわした存在感が面白かったです。根っからの貴族で、芸術の庇護者にして導き手、という、本来の意味での“パトロン気質”を持った美女でした。
実在のミシアとガブリエルの年齢関係はどうだったんでしょうか。真央さんと高橋さんだと、……親友、というより、養母と養女みたいな印象もありましたが……(^ ^;ゞ。



■彩輝なお(ガブリエルの年下の叔母、アドリエンヌ)
美しい!!そして歌も良かった!!
サエコさんは、女優の音域ならそこそこ歌えるんだなあと思いました♪男役時代から声は好きだったんですよね♪
しっかし、美女だなあ……。最初の登場が、20代でカフェの女給なんですけれども、あの時代のパリの服装、マキシ丈のスカートにフリルのブラウスみたいな格好が異常に似合う。しかも、お下げですよアナタ!!
可愛かったーーーー(壊)。
ガブリエルと常に行動を共にし、店が大きくなってからは事務方の長みたいな立場であれこれを取り仕切っている姿もカッコよかったんですが、なんたって私が感動したのは、2幕ラスト近くで、ガブリエルを訪ねてくる場面。
ほとんど外見年齢の変わらないガブリエルに対して、思い切った老けメイクと仕草で、可愛らしいおばあちゃんを演じていたのですが。すごい、本当に可愛いんですよ~っ! 声もきちんと芝居を作っていて、実にいい芝居をしていました。……ガブリエルよりいつのまに歳上になったの?っつー気はしましたが(苦笑)。

卒業してからのサエコさんは、観るたびにいい仕事をしていて感心します。美人だし芝居できるし、歌もなんとかなりそうだし、これからのご活躍を楽しみにしています!!


■葛山信吾(スイスの山荘で、70代のガブリエルの回想を聞いている作家)
語り手というか説明役として、ちょこちょこと舞台に出てくるのですが、語り口調といい声といい、ホントに素敵でした(*^ ^*)。


■升毅(ガブリエルの最初の恋人、エティエンヌ・バルサン)
典型的なルネッサンスの男……ってことになるんでしょうか。女が外に出て自己表現することをよしとせず、自分の隣で「自慢の美人」として微笑んでいてほしいと願うタイプ。
尊大だけれども嫌味のない、率直な、でも“時代遅れの”男でしたね。真央さんとの丁々発止ぶりは、さすがの迫力でした。翼くんには、真央さんの恋人はできても、対向者を演じるのはちょっと無理だよなあ、、、と、“役者の格”みたいなものについて考えさせられましたね。
ドーヴィルに最初の店を出したのはエティエンヌの援助だったわけで、彼は非協力的だったわけではないんですよね。ただ、彼が許したラインが、ガブリエルにとっては物足りなかっただけで。
そういう意味で、分不相応な恋人を持ってしまって可哀相な男だなあと思いました(汗)。

……調香師のポーが升さんなことは、プログラムを見て初めて知りました。全然気がつかなかったよーーー(↓)


■華城季帆(ガブリエルの妹、アントワネット/シャネルの店の店員)
ちゃきちゃきした勢いの良さが、役によくあっていたと思います。それにしても、大地・彩輝とひけを取らないスタイルの良さはさすがですね♪
「タイタニック」でも思いましたが、こういう癖の有る女役だと、こんなに良い芝居をする人だったんですねぇ……。“娘役芝居”っていうのは難しいものなんだなあ、と、なるちゃんを観ているとしみじみと思います(^ ^)。





なんだかだいぶ長くなってきましたが(汗)、続けて「COCO」です。


■鳳蘭(ココ・シャネル)
そんなに長い期間の物語ではないので、年齢は変わらず。こちらは1964年初舞台の50期。真央さんとは9年違うんですね。70代には勿論全然見えませんが、よくも悪くも、現実社会の中で遣り手のビジネスウーマンとしてやってきた誇りと自信を感じさせる、貫禄と現実感のあるココでした。
スケールの大きさや迫力、目力の強さが、「ココ・シャネル」という、時代を変えた、いえ、時代を超えた天才的な美女にマッチしていて、アタリ役だったと思います。うん。すごく格好良い女で、素敵だったなあ~!


■湖月わたる(モデル志望の女の子、ノエル)
登場時の垢抜けない田舎娘から、後半の、ココによって洗練されたショートボブの現代的美女までの変化感がすごく良かったです。ココに憧れ、ココの生き方に憧れて、でも自分はそんなふうには生きられない……という切なさがもう少しあると、良かったのになあと思ったのですが、逆に、ノエルが能天気だからこそ、ココの切なさが生きるのかもしれない、と思ったりもしました。

この二人のドラマのラストは、ネタバレになるので伏せておきますが、個人的にはすごく感動しました(*^ ^*)。鳳さんが本当に素晴らしかった!!


■鈴木綜馬(シャネルの会計士、グレフ)
カッコイイです(←当たり前です)
“マドモアゼル”ココを、あるいは「シャネル」ブランドを守ろうと、あれこれ手を尽くすグレフ。彼は彼なりにココを愛しているんだろうなあ、と思わせてくれたのが面白かったです。愛人の話を語り、妻へのプレゼントを抱えたままココの話を聞く、彼。年齢的にはココよりだいぶ(?)若い設定だったかと思うのですが、いかにもフランス男らしい伊達っぷりが素晴らしかったです。
ああ、この人は本当に、なにをしても素敵なんだなあ……(*^ ^*)

個人的に、わたるさんが現役時代に外部出演した「フォーチュン・クッキー」がすごく楽しくて大好きだったので、わたるさんと総馬さんの絡みが少なかったのが残念でした。そういえば、あの時のわたるさんの、「元気でめげない」キャラクターは、今回のノエルともかなり近いかも(^ ^)。


■今陽子(シャネルの事務方の長)
「ガブリエル・シャネル」ではサエコさんが後半やっていた役…のような気がします。全然違いましたけどね。長年ココのそばで働いてきた彼女は、ココが沈黙を守った15年間、何をしていたんでしょうね。家庭に戻って娘を育てていたのかな?(^ ^)
歌が凄いのはもちろん良く存じ上げていましたが、芝居もさすがですね。老女の役でしたが、実に自然に、「数十年間働き続けてきた」女性で、すごく良かったです。
綜馬さんともども、歌が少なかったのがちょっと残念(↓)


■岡幸二郎(シャネルの店に雇われた若いデザイナー、セバスチャン)
相変わらずぶっ飛んでて素敵でした(^ ^)。服も、髪も。
二幕の冒頭に丸々一曲ソロがあるのですが、もう私は、この人の歌を聴けるだけで幸せなので(笑)。どんなにぶっ飛んだ役でもOKです♪っていうか、ご本人がすっげ幸せそうでした(*^ ^*)
実際、作品にとって必要な役割はしっかり果たしてくれたと思います。さすがだ…。


■大澄賢也(ノエルの恋人、新聞記者のジョルジュ)
「ガブリエル・シャネル」のエティエンヌと同じタイプの男。ココの恋人ではなくノエルの恋人ですが、そもそもこの話はココとノエルが同じような境遇で、ココはノエルを“昔の自分を見ているような”気分で眺めているという設定なので、これはたぶん、ココにとってのエティエンヌなんだろうと思うんですよね。
で、そういう目で観ると、大澄さんっていうキャスティングは、ちょっと微妙だったのかなあ、と。大澄さんって、不思議とまともな男には見えないタイプなので……。
役者としての大澄さんは素晴らしいですし、この役も実に彼らしく演じていて面白かったんですが、彼を愛していることでノエルの格も下がってしまうように見えるのがちょっとマイナスかな、と。……なら誰が良いんだ?と言われると困ってしまうんですけどね(^ ^;ゞ


■小野妃香里(シャネルの店のモデル/ココの秘書、ドゥガトン)
長身美形で踊れるアンサンブルスターといえばピカリさん。声が個性的なので、一言喋るとすぐ判るんですが、ドゥガトンは咳払いしかしないんだもんなあ……(; ;)


■初嶺麿世(シャネルの店のモデル)
アンサンブルのモデル役の一人で、特に目立つ場面とかは無かったのですが、とにかく可愛かった!「A/L」で卒業されたときは「かっこいい男役になって…」と思ったものですが、やっぱり可愛いなあ(*^ ^*)。
モデルが皆長身ぞろいだったので、まよちゃんはやっぱり小柄でした(苦笑)。そんなところも可愛い♪



単品でも面白かったんですが、二本とも観ると、その視点の違いように驚きます。
ガブリエル・ココ・シャネル。毀誉褒貶の中を敢然と泳ぎきった、エネルギッシュでパワフルな女性。今自分たちが着ている服も、基本を作ったのはシャネルだと言っても間違いではないんすよね。素材的にも、デザイン的にも。

一人の女性について、これだけ違うテーマでドラマが作れる。
まずそれが、凄いことなんだと思いました。ココ・シャネル、万歳★


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花組バウホール公演「フィフティ・フィフティ」。



録画していたCSの「Now On Stage」を、やっと見ました。
なんだかもう、ピンク地に白い水玉のみつるくん(華形ひかる)と、白地にピンクの水玉のめおちゃん(真野すがた)が並んで喋っているのを眺めているだけで、なんだかいろいろ思い出して幸せです(^ ^)。
ああ~、もう一回観たいけどチケットがない~~~(T T)(←かなり本気で探している)






とりあえず、ナウオンに出ている人たちの話でもさせていただこうかな(^ ^)。


王子(眉月凰)
ベンソン村の村長で、らいらい(夕霧らい)とだいもん(望海風斗)のパパ。
役者としての舞台上の王子も最近すごく好きなんですけど、このナウオンのお姉さんな王子が素敵だなあ、と、あらためて思いました。「銀ちゃんの恋」のナウオンでも思ったんですけど、口調がやわらかくて、言葉遣いが優しいので、言っていることがすっと入ってくる感じがあるんですよね。この人に見守られている下級生が、すくすくと育っていくのも当然かも、という気がしています(^ ^)。

舞台上でも、決して器用な方ではないと思うのですが、誠実な役者だなあと思います。
今回も、悩める村長さんのパブリックな面と、悩める父親としてのプライベートの面がいいバランスで、とっても良かったです♪



みつる
石田さんの語るみつるくんのジョナサン像が、すごく真実を突いているような気がします。
馬鹿正直でまっすぐで熱血だったヤスとは、また全然違う役で、本当に役者だなあと感心しました。こっちの方が、みつるくん本人には近いのかな……?石田さんは本当に良く見ているなと思います。
れみちゃんともお似合いで、芝居のテンションがあっているのがとても気持ちよかったです。



めおちゃん
……「哀しみのコルドバ」のナウオンで、最下で皆にイジられまくっていためおちゃんが、えらくお姉さんっぽいのがすごくおもしろいです(^ ^)。

石田さん、よっぽど舞台上のめおちゃんが気に入ったんだなあ……と(^ ^)。本質的には「銀ちゃんの恋」の橘にかなり近いキャラクターでしたが、細かいところが随分違っていて、案外と芸の細かいタイプなんですね。
「蒼いくちづけ」で組んだきらりんとのコンビは、さすが。芝居の間も良いし、姿もつりあっていて、魅力的なコンビだなあ、と、あらためて思います。
ヒットマンを撃ってしまって呆然としているジョナサンをとっさに庇って一緒に逃げ出す優しさが好きかも。ジョナサンを護っているつもりで、実は護られているあたりの力関係(?)も好きだなあ(*^ ^*)。



きらりん(華耀きらり)
ベンソン村で酒場を経営しながら幼い妹レベッカ(菜那くらら)を育てているパメラ。
ラストのクライマックスを作る立役者になりますが、ヴィクターとの恋模様がさりげなくて自然で、すごく良かったです。愛情の濃やかな、しっかりと地に足のついたイイオンナでした(*^ ^*)。
朋子、セーム、メリッサと、どちらかといえばコワイ系の(いや、メリッサは別に怖くないよ)(←とどめはさしたかもしれないけどね)女性の役が続いていたきらりんですが、こういう色っぽい系のイイオンナって、もしかして初めてですか…?もう少し色っぽさというか、嫋やかさがあってもいいような気がするのですが、相手役がめおちゃんなので、ああいう伸びやかで真っ直ぐな少女っぽさがあった方が、しっとりと色っぽくいくより似合うような気もするし…。

ラストの彼女の行動が、意外ではあるけれども唐突に見えないのが、その前のシーンからの積み重ねを感じて、すごくいいなあと思います。本当に、愛情深い女性なんだな、と納得できる。
かなり難しい役だと思うのですが、ホントによくやっていたと思います(←ただのファン)。



れみちゃん(白華れみ)
ジョナサンの幼馴染で、両親を事故で亡くし、ベンソン村のヘレン婆さん(邦なつき)に育てられた少女。都会に出て結婚詐欺師(NOT ヴィクター)に騙され、傷ついて帰ってきたところ。
今回のメインのメンバーの中で、「銀ちゃんの恋」に出ていなかった唯一の人物なんですよね、れみちゃん。あ、天咲千華ちゃんも出てないけど、彼女は「殉情」に出てたし。れみちゃんと石田さんって、ほとんど接点が無いような気がするんですが、どうなんでしょう。「長い春の果てに」のときはまだ入団していないし、「大阪侍」は出てないし。

ちょっと「Young Bloods!」とかの、元気で猪突猛進なれみちゃんが久しぶりに観れて、楽しかったです。思いのほか、めおちゃんともみつるくんと似合っていたのが嬉しかったなあ。
ちょっと齋藤作品っぽい「あなたを護ってあげたい!」系の女の子がすごく似合うんですね。ラストの少し前の廃墟のシーンで、自分のトラウマを曝け出し、うずくまって頭を抱えるジョナサンをそっと抱きしめるクララの包容力に、すごく感動しました。



天咲千華
「銀ちゃんの恋」には出てないけど、「殉情」では、カチャ(凪七瑠海)の相手役として物語の本筋からは離れた現代人の役で、今回の役ともちょっと被る部分もありましたね。あれもすごく良かったので、今回の役もすごく納得です。
「殉情」と違うのは、今回は、千華ちゃんとまりんさん(悠真倫)の二人の会話も、ある意味すごく本筋だ、というところでしょうね。石田さんがこの物語の中で語りたかったことの、すごく大きな部分を、実はこの二人がになっているんですよね……。
ものすごい学年差があるまりんさんに、一歩もひかずに丁々発止とやっている千華ちゃんが、めっちゃ可愛いです♪「バレンシアの熱い花」の新公を見ているので、もの凄く感慨深いです(^ ^)。



銀華水さんのヒットマンとか、その場にいない下級生たちについて語り合うメンバーが、めっちゃ楽しそう(^ ^)。
お稽古映像は、あんまり大事な(?)ところは映らなかったのが残念だ……。ホワイトさんとブラウンさんとか、牛さんたちとか、素顔の彼らをちゃんと観てみたいのに(; ;)

……いや、それよりも舞台がもう一度観たいです……(T T)。



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バンダイから発売されている歩数計、
「宇宙戦艦ヤマト ~歩いてイスカンダルへ~」を買ってしまいました。
http://sss.channel.or.jp/sss/yuuho/yamato/




優柔不断なO型の典型である猫が、この数ヶ月、ずーーーーっと悩んでいた買い物だったのですが。
悔い無し!!



かの有名なTVアニメ「宇宙戦艦ヤマト」(原作:松本零士)のネタをまるごと使った歩数形計。同じシリーズに「母を訪ねて三千里歩こう」というのもあって、実に実にマニア好みな面白さに満ちています。



まずは、ストーリーだけでもご紹介を(すみません、転載させていただいております)


西暦20XX年。地球(あなたの体)は謎の異星人・ガミラス帝国の遊星爆弾(という名の自分自身の不摂生、暴飲、暴食、運動不足)による攻撃を受け、滅亡の危機に瀕していた。

そんな中、14万8千光年の彼方にあるイスカンダル星より、「放射能除去装置コスモクリーナーD」と、「内臓脂肪除去装置メタボクリーナーD」の情報がもたらされる。宇宙戦艦ヤマトはそれらを受け取るため、イスカンダルへと旅立つ。




見た目はごくごく普通の歩数計。
一日のノルマを自分で決めて、その歩数を歩くと自分で決めたキャラクター(私はもちろん、古代君♪)が「よくやったな!」と誉めてくれたり、ある一定の歩数を歩くとイベントが発生して、テレビシリーズを一話ずつ進んでいくような気分になれたり、、、、
とにかく楽しいです。毎日が刺激的です(^ ^)。



まだ旅は始まったばかり。がんばって、14万8千光年の彼方・マゼラン雲へ、辿りつきたいと思います。





運動嫌いで朝に弱くて、しかも夜が遅い仕事をしているもんで、最近ぶくぶくと体重が増加しておりまして。それこそモノレール猫(塀のうえに座っていると、塀の両側に肉が垂れてモノレールみたいになっている猫)みたいになりつつあるので(; ;)、古代くんに励まされつつがんばりたいと思います。
……あーあ、富山敬さんの声で励ましてくれたら、もっと頑張れるのになあ(←おい)


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宝塚大劇場にて、星組公演「太王四神記II」を観劇してまいりました。




あらためて。

柚希礼音くん、夢咲ねねちゃん、コンビお披露目おめでとうございます!

そして、

凰稀かなめさん、星組デビュー、おめでとうございますm(_ _)m。





無事、テルくんのホゲ様を観ることができて、安心しました。
こうなると、ちょっとともみんのホゲも観てみたくなりますが(^ ^)。





「新たなる王の旅立ち」という副題がついた、「太王四神記II」。
花組ファンとして、あれだけ通い詰めた、大好きな作品。
演じる役者は替わっても、やっぱり楽しかったです♪

花組版で「それはどうよ…?」と思ったところはほとんど改善されて、びっくりするほど流れが自然になっていました。役者個人のキャラクターに合わせた部分も勿論あるんですけど、それ以上に、脚本自体がかなり洗練されてわかりやすくなって、こっちが完成版という感じでしたね。


なによりも、最初の神話を丸々カットしたのは、大英断だったと思います。
これは、花の新人公演版のカットが成功したから…なのでしょうか?確かに、この物語は、どこかで語らなくてはならないけれども、何も一番最初にやらなくても良かったんですよね。
そして、その代わりに入ったのが、タムドクとキハの子供時代の出会いだというのが、本当に納得。そう、花組版は、これがないから話がおかしかったので。


ヤン王とその妹セーム(ホゲの母)の対立を、事前に先王の場面できちんと語っておいたり、
細かいことですが、タルビがパソンの妹になっていて割と早いタイミングから登場していたり、
最初のポンファ通りで、街人に絡まれそうになったキハを庇って、サリャンが「その方は天地神堂の巫女だから、普通の人と触れあってはいけない」とかわしたり……
いくつもある改変点が、どれも的確で感心しました。



中でも、冒頭からとっぱらった神話の物語を二幕冒頭のコムル村に持って来て、祭の余興として使ったのは秀逸なアイディアでした。
チュシンの王として覚醒し、コムル村にまで来ているのにも関わらず「今は女のことしか考えられない」などとホザく馬鹿者ではなく、神劇を観ながらキハのことを思い出し、「少し独りにしてくれ」という、まともな男。
ああ、礼音くん良かったねぇ(^ ^;ゞ

……小池さん、やればできるんだから、花組も、せめて東宝だけでも………




ただ、セームがプルキルに「もっと強い薬を」とねだる場面は、すぐ次の場面でタムドクが薬を持ってきてしまうので、ちょっと時間軸的におかしかったりとか、そういうのもあるんですけどね(^ ^)。でもまあ、全般的にはよくできた改変だったと思います。ええ。
もう一歩踏み込んで、プルキルがキハの記憶を取り戻そうとする場面は無くしても良かったと思いますけど。




タムドクとホゲについては、どうしたってあれだけ通い詰めた花組版のイメージが強すぎて違和感は拭えませんでしたけれども、どちらも格好よくて、予想よりずっと良かったと思います。
コスチュームがよく似合って、ビジュアルだけでも十分に愉しめる、いい舞台でした。
まだ大劇場だし、これからどんどん良くなっていくんじゃないかと思います。

で、テルくんの足は、もうすっかり良いのでしょうか。武道大会で銀橋を走って渡るところもちゃんと走っていたし……。殺陣はちょっとおっかなびっくりでしたけどね(^ ^;。たしかに、あれならパソン特製の槍が必要かも(^ ^)。



ねねちゃんのキハは、とにかく衣装がよく似合ってて可愛い♪
彩音ちゃんとは全く違う役作りで、多感な少女らしい、タムドクを深く愛しているキハでした。
繊細な役作りの中にも、生来の明るさというかおきゃんな空気が漏れてしまうのはご愛嬌ですね。経験を積んでいけば隙のない芝居もできるようになると思うんですけどね、と、ねねちゃんには甘い猫です(汗)。



フィナーレの構成は、花組版とほぼ同じ。
ただ、最初のテルくんの銀橋わたりの衣装が普通のショーっぽい衣装に変わっていて、あれ?という感じ。祐飛さんのは、なんだかちょっと不可思議な甲冑だったのに(↓)。


玄武には、本来はテルくんもいるはずなんですが、私が観たときはまだ参加していませんでした。東宝では本来の形に戻りますように。
星組版の玄武は、礼音くんが最後まで残って群舞を率いていました。で、玄武が終わるとすぐにねねちゃんが降りてきて、涼さんたちと少しつないでから、袖から礼音くんが着替えて登場、白虎のデュエットダンスが始まる、という構成になっていたんですが……
これは、テルくんが出ていないせいなんでしょうか。それとも、もともと星組版はこういう形になる予定だったんでしょうか?花組版では、真飛さんが先に着替えのためにハケて、祐飛さんが最後まで残っていたんですが…。
あの、ねねちゃんと男三人の場面が格好良くて好きなので、なくならないでほしいなあ。



礼音くんとねねちゃん、テルくん。
長身ぞろいでビジュアル抜群、なかなか個性的で面白いトリオですね♪
「太王四神記」もいい作品なので楽しいんですが、早くショーが観たい、と思いました。
まずは全ツ、そして次の本公演こそ、派手目のショーがありますように★



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