我が愛しき砂の女王よ
2008年2月5日 宝塚(月) コメント (4)月組トップ娘役の彩乃かなみ嬢が、「ミー&マイガール」千秋楽で退団されることが発表されました。
83期、研究科12年。月組トップ娘役に就任してから、丸3年。
…まだ就任したばかりかと思っていましたが、…3年かぁ。案外と長かったような、やっぱり短いような。
私がかなみちゃんを最初に認識したのは、「SPEAKEASY」のルーシー?でしたっけ?
ミキさんマクフィスの、最初の妻の役でした。
コロコロした可愛らしさで、笑顔の愛らしさが終演後までずっと印象に残っていたのを覚えています。
あれから…もう10年くらいになるのでしょうか。
抜擢するだけのことはある娘役さんだったんですねぇ…。ずっと見守ってきたわけではありませんが、ずっと“気になる娘役さん”でした。
一番好きだったのは、最初の花組エンカレッジコンサートのマダム・ヴォルフ。
そして、「レビュー・オブ・ドリームズ」の砂の女王(*^ ^*)。
多分私は、かなみちゃんを愛する大多数の方とは少し違って、ほんわかした可愛らしい笑顔よりも厳しい表情、への字に下がった可愛い眉よりも吊り上がった険しい眉、明るくキラキラした大きな瞳よりもキツい視線、そして、美しく澄んだソプラノよりも迫力のアルト…そんなかなみちゃんが好きなんだと思います。
麻子さんとのお芝居で見せる、愛され顔の幸せそうなかなみちゃんは、可愛らしくてこの上もなくキュートなんですけれども、
ショーでたまに見せる厳しい表情も、月娘のトップスターにふさわしく、豪奢な迫力に満ちていて、大好きでした。
月組にいらしてからは、芯は強いけどどちらかといえば控えめな、可愛らしい女性、という役柄が続いていて…宙組の頃はもう少し、包容力のある役とか、いろんなキャラクターを与えられていたと思うのですが(T T)、もっともっと、色んな貌を観てみたかったのに、と、終わりが決まった今更ながらに残念です。
なによりも、「A-"R"ex」で見せた、あまりにも透明で可愛らしくて、しかも子供の酷薄さを湛えた瞳を、あの瞳を持ったかなみちゃんを、もうしばらく観てみたかっ
た。
額田女王にカマラ、全国ツアーでは結構濃い大人の役もやっていらっしゃるんですけどね…。
去年の後半には、FNS歌謡祭やクリスマスCDなど、「歌姫」の呼び名にふさわしい、いえ、それ以上の大活躍ぶりで「宝塚」の名をあげてくれたかなみちゃん。
月組ファンとして、鼻が高かったです♪
……ああ〜!そっか、次は一本ものだから、もうかなみちゃんはショーには出ないのか〜!(泣←今頃気付いたか)
一度でいいから、きりやんとがっつり組んで歌いまくるかなみちゃんが観たかったなぁ〜(涙)。
麻子さんとは声質の相性が良いので、トップコンビのデュエットソングはいつもとても素敵でしたけれども、あの迫力のアルトできりやんと掛け合うような場面が、一回くらいあってもよかったのに…。
サヨナラショーでマダム・ヴォルフのコレクションを再演してくださらないかしら(涙)。
でもでも。
かなみちゃんはきっと、宝塚の外に出ても活躍し続けてくれると思うので。
あの歌がまた聴ける日がくることを信じつつ、
今は、
目の前の、ミー&マイガールを、
サリー役を、
……心の底から、楽しんでくださいますように。
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83期、研究科12年。月組トップ娘役に就任してから、丸3年。
…まだ就任したばかりかと思っていましたが、…3年かぁ。案外と長かったような、やっぱり短いような。
私がかなみちゃんを最初に認識したのは、「SPEAKEASY」のルーシー?でしたっけ?
ミキさんマクフィスの、最初の妻の役でした。
コロコロした可愛らしさで、笑顔の愛らしさが終演後までずっと印象に残っていたのを覚えています。
あれから…もう10年くらいになるのでしょうか。
抜擢するだけのことはある娘役さんだったんですねぇ…。ずっと見守ってきたわけではありませんが、ずっと“気になる娘役さん”でした。
一番好きだったのは、最初の花組エンカレッジコンサートのマダム・ヴォルフ。
そして、「レビュー・オブ・ドリームズ」の砂の女王(*^ ^*)。
多分私は、かなみちゃんを愛する大多数の方とは少し違って、ほんわかした可愛らしい笑顔よりも厳しい表情、への字に下がった可愛い眉よりも吊り上がった険しい眉、明るくキラキラした大きな瞳よりもキツい視線、そして、美しく澄んだソプラノよりも迫力のアルト…そんなかなみちゃんが好きなんだと思います。
麻子さんとのお芝居で見せる、愛され顔の幸せそうなかなみちゃんは、可愛らしくてこの上もなくキュートなんですけれども、
ショーでたまに見せる厳しい表情も、月娘のトップスターにふさわしく、豪奢な迫力に満ちていて、大好きでした。
月組にいらしてからは、芯は強いけどどちらかといえば控えめな、可愛らしい女性、という役柄が続いていて…宙組の頃はもう少し、包容力のある役とか、いろんなキャラクターを与えられていたと思うのですが(T T)、もっともっと、色んな貌を観てみたかったのに、と、終わりが決まった今更ながらに残念です。
なによりも、「A-"R"ex」で見せた、あまりにも透明で可愛らしくて、しかも子供の酷薄さを湛えた瞳を、あの瞳を持ったかなみちゃんを、もうしばらく観てみたかっ
た。
額田女王にカマラ、全国ツアーでは結構濃い大人の役もやっていらっしゃるんですけどね…。
去年の後半には、FNS歌謡祭やクリスマスCDなど、「歌姫」の呼び名にふさわしい、いえ、それ以上の大活躍ぶりで「宝塚」の名をあげてくれたかなみちゃん。
月組ファンとして、鼻が高かったです♪
……ああ〜!そっか、次は一本ものだから、もうかなみちゃんはショーには出ないのか〜!(泣←今頃気付いたか)
一度でいいから、きりやんとがっつり組んで歌いまくるかなみちゃんが観たかったなぁ〜(涙)。
麻子さんとは声質の相性が良いので、トップコンビのデュエットソングはいつもとても素敵でしたけれども、あの迫力のアルトできりやんと掛け合うような場面が、一回くらいあってもよかったのに…。
サヨナラショーでマダム・ヴォルフのコレクションを再演してくださらないかしら(涙)。
でもでも。
かなみちゃんはきっと、宝塚の外に出ても活躍し続けてくれると思うので。
あの歌がまた聴ける日がくることを信じつつ、
今は、
目の前の、ミー&マイガールを、
サリー役を、
……心の底から、楽しんでくださいますように。
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ハリウッドの恋人【4】
2008年2月2日 宝塚(月) コメント (4)花組中日劇場公演メンバーのみなさま、初日おめでとうございます!
そして、真飛さんお披露目おめでとうございま〜〜す(はぁと)。
ネットでの評判も上々のようで、良かった良かった☆私が観に行くのはまだ先で待ち遠しいんですが、コメディだからちょうどいいかも♪「メランコリックジゴロ」初演は未見ですが、テンポの良いお芝居らしいのでとっても楽しみです!
お怪我や病気にくれぐれも気をつけて、楽しんでくださいね♪
さてさて。
「Hollywood Lover」も、あんまりいつまでも引っ張るのもどうよ、と思いつつ、全然終わらないうちに「ホフマン物語」は終わってしまったし、中日公演が始まってしまったし…このまま「Me&My Girl」が始まってしまったらどうしよう(汗)という感じなのですが。
まだまだネタはたくさんあるので、ぼちぼちいきたいと思います…(^ ^;ゞ
「Hollywood Lover」という物語世界には、なんというか、3人の「闇を抱えた人」が居ます。
『愛を知らない』大物プロデューサー、リチャード(遼河はるひ)。
この世の、あるいは『大衆の悪意』の象徴としてのヘッダ・ホッパー(憧花ゆりの)。
そして、
無意識の『害意』となるマーガレット・コーマン(花瀬みずか)。
彼らは、『悪』ではありません。ただ、この物語世界においては主人公(ステファーノ&ローズ)と対比される対象であったというだけで、彼らには彼らの物語がある。
リチャードの“愛”は、『主観的だけれども』底知れず深く、大きなものだったし、
ヘッダが『悪意』そのものではなく、彼女はあくまでも『大衆の悪意』を“象徴するモノ”なのだし、
そして、マギーが抱いているものは『刃』ではなく、硬い『盾』でしかない。
この中で、マギーというキャラクターは、私の中でどこか消化不良なまま公演が終わってしまいました…(T T)。植田景子さんが、どういうつもりでこの女性を設定したのか、それが最後まで腑に落ちなくて。
ヘッダの、2幕後半の場面でウォルターに叫ぶ「それがハリウッド!」を聞きながら、
上手端にビリーと並んで立っているマギーもまた、心の奥底で呟いているのかもしれない、と思っていました。
…泣きながら、
「そう、それがハリウッドなのよ」
と。
私にとっては、あーちゃん演じるマギーの印象は、そんな感じでした。
ハリウッドという檻に閉じ込められたウサギ、あるいは、鳩……
コンラート・ローレンツの「ソロモンの指輪」で語られる、本能の壊れた、武器を持たない“平和的動物”、に近いものを感じるのです。
マギーはたぶん、愛(ビリー)と夢(女優としての成功)、どちらかを択ぶ本当の岐路に立ったことはないんですよね?
夢が叶うかもしれない、というギリギリの岐路には、残念ながら辿り着かなかった人だから。
ビリーのプロポーズを受けたとき、彼女は自分の女優としての未来を諦めかけていた。「とっても愛らしかった!」と言われるタイプの女優、いえ、そうとしか言われない女優が、年齢を重ねて末永く活躍することは大変な困難を伴いますから。
将来への不安を抱えた若い彼女にとって、女優を撮りつづけてきたカメラマンのビリーが自分を択んだことは、プライドに傷をつけずに未来を諦める格好の言い訳だった。
愛と夢、どちらかひとつ、という秤の前に立ったことのないマギー。
彼女は、愛されることによる満ち足りた満足とともに、自分の欲しいものが何なのかわからない、ただ絶望的に“何かがほしい”という渇望を抱いて生きていくことになる。
最後の答えをださずに、目を逸らして歩いてきた彼女にとって、その“渇望”に気づくことは恐ろしいこと。
それまでの人生が崩壊するときです。
そして。
人生の岐路に立ったことのない彼女には、分からない。
愛と夢が両側に載った天秤などというものは、現実には存在しないということが。
ローズの前にあった天秤に載っていたのは、
「愛すること」と「愛されること」だった。
少なくとも、ローズはそう思っていた。
実際には、そこに載っていたのは「生きること」と「誰かの夢になること」だったわけですけれども…。
でも。
それでも。
マギーの妊娠を知って、ローズは呟く。
幸せそうに、微笑んで。
「素敵…!でも私、もう何も羨ましいとは思わないわ」
ローズの心にも、幸せな結婚をしていつも微笑んでいるマギーを羨ましく思う気持ちは強くあったのでしょうね。
でも、もう、いい。
愛を取り戻したから。
「あなたに出会えた。私の人生には、それだけで十分…」
……ビリーと出会えただけで、それだけで十分だったはずなのに。
“ハリウッド”によって壊されたマギーの心に、どんな闇が巣食っているのか、今の(幸福な)ローズには、思いもよらず。
『Hollywood』。
英和辞書をひくと、この単語には口語的に「けばけばしい」とか「上っ面の」といったような語感の形容句としても使われることがあるようですね。
「Hollywood」という響きに、そういう意味があるのだとしたら。
「それがハリウッド!
あたしたちは真実が知りたいの。まやかしのヴェールの裏に隠された、“真実”が」
上っ面の事実ではなく、真実を、と、ヘッダは叫ぶ。
マギーは、海辺のヴィラで“自分の一番汚い部分”をローズの前にさらけ出しました。
自身の“真実”、
たぶん、本人も見たくなかったであろう、闇を。
「あたしたちは真実が知りたいの」
マギーは知りたかったんでしょうか。
自身の“真実”を?
それだけの勇気があったのだろうか、彼女には…?
たぶん、ヘッダは知りたかった。
自分の真実も、他人の真実も、
…すべてを。
彼女は常に、観客に「語りかけて」います。
問いかけるのでも、説明するのでもなく、ゴシップ誌の見出しを読み上げるようにたんたんと。
私は基本的に、「説明役」のいる脚本は作者の手抜きだと思っている人間なのですが(汗)、ヘッダは「説明役」ではなく、あくまでも「1940年代ハリウッドで生きている記者」でした。そう思えば、微妙に台詞回しが硬いのも許せる(笑)。がんばれすずな♪♪と思いながら見守っていましたが、青年館では、バウの初日に比べれば別人のように、空気を動かせる存在になっていたと思います。
…もう少し経験豊富な、たとえば滝川末子姐あたりで観たかった役ではありますが(T T)。
でも、すずなのヘッダは、
ゴシップを探すために歩き回っているようで、本心から「真実はゴミ溜めの中にある」と信じている。ゴシップという名の真実ではなく、その裏にあるはずの真実を見抜こうとしている、裏街道の記者魂をしっかりと見せてくれたので。
…これだけの大役はなかなか回ってこないと思うので、この経験を生かして、次もがんばってくださいね♪
ヘッダの“同業者”シーラは、言う。
「私の好奇心と最大の興味は人間、そして、愛。」と。
このハリウッドじゃ大安売りされすぎて、どれが本物かわからないけど、
「だから、応援したいの。あなたたちを」と。
彼女自身の生い立ち、そしてスコット・フィッツジェラルドとの悲恋。
「The Last Party」で、ドラマティックな人生を生きたスコットにとっては「余生」を彩るものにすぎなかった穏やかな愛が、シーラにとっては「全て」であったこと。
看取った誇りと、目の前で奪われた悲しみと。
彼女が興味を持つのが「愛」なのは、この作品の中では残念ながら一言も語られることのない「シーラの過去」を考えれば当然のこと。
ならば。
ヘッダが拘るのが「ゴミ溜めの真実」であることから、彼女の人生が推測できるのだろうか?
「過去」すなわち「関係性」であることから、彼女の人生を予測することができるか?なのでしょう。
二人以上の人間がいたときに、その間に交わされる感情はどんなものか。愛なのか、憎しみなのか、恨みなのか、嫉妬なのか、
……その裏返しとしての愛、なのか。
それがハリウッド!
あたしたちは真実が知りたいの。まやかしのヴェールの裏に隠された、真実が。
「真実など誰にもわからない」
と応じる、レイの声が。
あまりにも深くて、柔らかくて、艶やかで、優しくて、
何もかもを呑み込んでしまう闇そのもの、で。
「エルドラード」以来のナホ(の声)ファンの私。
久々の、ナホちゃんお芝居大ヒット作品だったので、あの声にはカナリ壊れてました(*^ ^*)。
……オ、オ、オチがつかないっっごめんなさいっっ(逃)。
.
そして、真飛さんお披露目おめでとうございま〜〜す(はぁと)。
ネットでの評判も上々のようで、良かった良かった☆私が観に行くのはまだ先で待ち遠しいんですが、コメディだからちょうどいいかも♪「メランコリックジゴロ」初演は未見ですが、テンポの良いお芝居らしいのでとっても楽しみです!
お怪我や病気にくれぐれも気をつけて、楽しんでくださいね♪
さてさて。
「Hollywood Lover」も、あんまりいつまでも引っ張るのもどうよ、と思いつつ、全然終わらないうちに「ホフマン物語」は終わってしまったし、中日公演が始まってしまったし…このまま「Me&My Girl」が始まってしまったらどうしよう(汗)という感じなのですが。
まだまだネタはたくさんあるので、ぼちぼちいきたいと思います…(^ ^;ゞ
「Hollywood Lover」という物語世界には、なんというか、3人の「闇を抱えた人」が居ます。
『愛を知らない』大物プロデューサー、リチャード(遼河はるひ)。
この世の、あるいは『大衆の悪意』の象徴としてのヘッダ・ホッパー(憧花ゆりの)。
そして、
無意識の『害意』となるマーガレット・コーマン(花瀬みずか)。
彼らは、『悪』ではありません。ただ、この物語世界においては主人公(ステファーノ&ローズ)と対比される対象であったというだけで、彼らには彼らの物語がある。
リチャードの“愛”は、『主観的だけれども』底知れず深く、大きなものだったし、
ヘッダが『悪意』そのものではなく、彼女はあくまでも『大衆の悪意』を“象徴するモノ”なのだし、
そして、マギーが抱いているものは『刃』ではなく、硬い『盾』でしかない。
この中で、マギーというキャラクターは、私の中でどこか消化不良なまま公演が終わってしまいました…(T T)。植田景子さんが、どういうつもりでこの女性を設定したのか、それが最後まで腑に落ちなくて。
ヘッダの、2幕後半の場面でウォルターに叫ぶ「それがハリウッド!」を聞きながら、
上手端にビリーと並んで立っているマギーもまた、心の奥底で呟いているのかもしれない、と思っていました。
…泣きながら、
「そう、それがハリウッドなのよ」
と。
私にとっては、あーちゃん演じるマギーの印象は、そんな感じでした。
ハリウッドという檻に閉じ込められたウサギ、あるいは、鳩……
コンラート・ローレンツの「ソロモンの指輪」で語られる、本能の壊れた、武器を持たない“平和的動物”、に近いものを感じるのです。
マギーはたぶん、愛(ビリー)と夢(女優としての成功)、どちらかを択ぶ本当の岐路に立ったことはないんですよね?
夢が叶うかもしれない、というギリギリの岐路には、残念ながら辿り着かなかった人だから。
ビリーのプロポーズを受けたとき、彼女は自分の女優としての未来を諦めかけていた。「とっても愛らしかった!」と言われるタイプの女優、いえ、そうとしか言われない女優が、年齢を重ねて末永く活躍することは大変な困難を伴いますから。
将来への不安を抱えた若い彼女にとって、女優を撮りつづけてきたカメラマンのビリーが自分を択んだことは、プライドに傷をつけずに未来を諦める格好の言い訳だった。
愛と夢、どちらかひとつ、という秤の前に立ったことのないマギー。
彼女は、愛されることによる満ち足りた満足とともに、自分の欲しいものが何なのかわからない、ただ絶望的に“何かがほしい”という渇望を抱いて生きていくことになる。
最後の答えをださずに、目を逸らして歩いてきた彼女にとって、その“渇望”に気づくことは恐ろしいこと。
それまでの人生が崩壊するときです。
そして。
人生の岐路に立ったことのない彼女には、分からない。
愛と夢が両側に載った天秤などというものは、現実には存在しないということが。
ローズの前にあった天秤に載っていたのは、
「愛すること」と「愛されること」だった。
少なくとも、ローズはそう思っていた。
実際には、そこに載っていたのは「生きること」と「誰かの夢になること」だったわけですけれども…。
でも。
それでも。
マギーの妊娠を知って、ローズは呟く。
幸せそうに、微笑んで。
「素敵…!でも私、もう何も羨ましいとは思わないわ」
ローズの心にも、幸せな結婚をしていつも微笑んでいるマギーを羨ましく思う気持ちは強くあったのでしょうね。
でも、もう、いい。
愛を取り戻したから。
「あなたに出会えた。私の人生には、それだけで十分…」
……ビリーと出会えただけで、それだけで十分だったはずなのに。
“ハリウッド”によって壊されたマギーの心に、どんな闇が巣食っているのか、今の(幸福な)ローズには、思いもよらず。
『Hollywood』。
英和辞書をひくと、この単語には口語的に「けばけばしい」とか「上っ面の」といったような語感の形容句としても使われることがあるようですね。
「Hollywood」という響きに、そういう意味があるのだとしたら。
「それがハリウッド!
あたしたちは真実が知りたいの。まやかしのヴェールの裏に隠された、“真実”が」
上っ面の事実ではなく、真実を、と、ヘッダは叫ぶ。
マギーは、海辺のヴィラで“自分の一番汚い部分”をローズの前にさらけ出しました。
自身の“真実”、
たぶん、本人も見たくなかったであろう、闇を。
「あたしたちは真実が知りたいの」
マギーは知りたかったんでしょうか。
自身の“真実”を?
それだけの勇気があったのだろうか、彼女には…?
たぶん、ヘッダは知りたかった。
自分の真実も、他人の真実も、
…すべてを。
彼女は常に、観客に「語りかけて」います。
問いかけるのでも、説明するのでもなく、ゴシップ誌の見出しを読み上げるようにたんたんと。
私は基本的に、「説明役」のいる脚本は作者の手抜きだと思っている人間なのですが(汗)、ヘッダは「説明役」ではなく、あくまでも「1940年代ハリウッドで生きている記者」でした。そう思えば、微妙に台詞回しが硬いのも許せる(笑)。がんばれすずな♪♪と思いながら見守っていましたが、青年館では、バウの初日に比べれば別人のように、空気を動かせる存在になっていたと思います。
…もう少し経験豊富な、たとえば滝川末子姐あたりで観たかった役ではありますが(T T)。
でも、すずなのヘッダは、
ゴシップを探すために歩き回っているようで、本心から「真実はゴミ溜めの中にある」と信じている。ゴシップという名の真実ではなく、その裏にあるはずの真実を見抜こうとしている、裏街道の記者魂をしっかりと見せてくれたので。
…これだけの大役はなかなか回ってこないと思うので、この経験を生かして、次もがんばってくださいね♪
ヘッダの“同業者”シーラは、言う。
「私の好奇心と最大の興味は人間、そして、愛。」と。
このハリウッドじゃ大安売りされすぎて、どれが本物かわからないけど、
「だから、応援したいの。あなたたちを」と。
彼女自身の生い立ち、そしてスコット・フィッツジェラルドとの悲恋。
「The Last Party」で、ドラマティックな人生を生きたスコットにとっては「余生」を彩るものにすぎなかった穏やかな愛が、シーラにとっては「全て」であったこと。
看取った誇りと、目の前で奪われた悲しみと。
彼女が興味を持つのが「愛」なのは、この作品の中では残念ながら一言も語られることのない「シーラの過去」を考えれば当然のこと。
ならば。
ヘッダが拘るのが「ゴミ溜めの真実」であることから、彼女の人生が推測できるのだろうか?
「過去」すなわち「関係性」であることから、彼女の人生を予測することができるか?なのでしょう。
二人以上の人間がいたときに、その間に交わされる感情はどんなものか。愛なのか、憎しみなのか、恨みなのか、嫉妬なのか、
……その裏返しとしての愛、なのか。
それがハリウッド!
あたしたちは真実が知りたいの。まやかしのヴェールの裏に隠された、真実が。
「真実など誰にもわからない」
と応じる、レイの声が。
あまりにも深くて、柔らかくて、艶やかで、優しくて、
何もかもを呑み込んでしまう闇そのもの、で。
「エルドラード」以来のナホ(の声)ファンの私。
久々の、ナホちゃんお芝居大ヒット作品だったので、あの声にはカナリ壊れてました(*^ ^*)。
……オ、オ、オチがつかないっっごめんなさいっっ(逃)。
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ハリウッドの小ネタ【2】
2008年1月31日 宝塚(月)しばらくシリアスな話が続いたので、ここらでちょっと、気軽な突込みを。
景子さんの日本語って、97%まではとっても良いんですけれども、時々“あれっ?”と思うほど不思議な言葉を使ってることがありますよね?
特に目立つのが、文字で読むにはいいけど、音で聞くといまひとつの言葉たち(わかりにくいとか、音として美しくないとか、そういうのです)。柴田さんは、さすがベテランというか。そのあたりはさすがだったなー。これは経験なのでしょうか…?(←反証は植田紳爾さんとかとかとか…)
-----
たとえば私が一番気になったのは、「さんせっと」の連呼でした(^ ^;ゞ。
“おおぞらゆうひ”さんが主演の作品なだけに、「ゆうひ」という言葉を避けようとしての措置なのかしらー?とかも思ったのですが。
「Sunset」ってあんまり使わない言葉なだけに、思わず「何回出てくるかなー」って指折り数えてしまったくらい、耳にひっかかりまくりでした。
「あの日のサンセット」「もうすぐサンセットだ」…ヘンな日本語ー、と思って思わず涙がひっこんだ回もあったしね(また良い場面で出てくるんですよ…)。
しかも、「さんせっと」って……つい頭の中で「3セット」と変換してしまったのは……私だけ?私だけなのっ!?
だってだって、「Sunset」って最初の「さ」にアクセントじゃないの?祐飛さんもあいちゃんも「せっ」にアクセントがあるんだもん。それは……「3セット」ですってば
…だからといって、何と言い換えればいいのかのアイディアはないのですが。
ただ、なにも全部「Sunset」にしなくても、一部は「夕焼け」とか「たそがれ」とか……いろんな言葉を使ったら駄目だったのでしょうか…?
そして。
一番問題なのは、そこまでして「ゆうひ」という言葉を避けて(多分)おいて、唯一残った「夕陽」が
「夕陽は沈む前の一瞬にもっとも美しく輝く」だった、という事実なんですけどねっ☆
-----
次はリチャードの台詞から。
ステファーノとリチャードが、映画ラストの車椅子のシーンについて言い争っている時の
「ローズが車椅子にのった惨めな老女(ろうじょ)を演じる必要があるのかね?」という台詞。
これ、確かに数回、「ローズが車椅子に乗った惨めなローズを演じる」と聞こえた日がありました……っていうか、リチャード絶対そう言ったよね!?と思ったんですよねー。。
これも、素直に「惨めな女(おんな)」でいいと思うんだけど。あえて「老」をつけて侮蔑的にしたいんだったら、やっぱ「老婆」でしょ。
-----
マーガレット「ステファーノがいつも一位で、ビリがいっつも」
ステファーノ「…ローズ…。ローズがいつもびりだった」
一幕前半のダニエルの店で、ステファーノがダーツでど真ん中を取ったときにマギーが“発表”するんですけれども。
私は、初日でこの台詞の一瞬間の間に「ビリがいっつもビリーだった」という落ちだと思いこんでしまいまして。……あまりのベタさ加減に、あやうく椅子から落ちるところでした(滝汗)。
この作品において、ビリーが『ビリー・コーマン』であることの意味ってあんまりないので、いっそのこと「マイク・コーマン」とかでも良かったと思うんですが……。真剣に「ビリがいっつも」「ビリー」っていう突っ込みをほしがっているんだったら、もっと堂々とやればいいし。
ちょっと不思議なネーミングでした。
-----
ちょっと違うネタなのですが。
ラストの、空港で、
…サムは、どこまで気づいていたのだと思いますか?
なーんにも知らずに「忘れないスから!」と叫んで観客の涙を絞っていたのかと思うと、景子さんってホントに凄いなあ、と思うし、
何もかも知っていて、もしかしたらローズの事故からの数日間、壊れてしまったステファーノの心を看ていたのかもしれない、なんぞと思うと、ものすご〜〜〜く萌える☆
ぼろぼろになって、人形のように無反応になったステファーノを、お守りするサム。
心配で心配で、ベッドに入れても寝ている気配もないし、食事を出しても何も食べずに酒ばかり。
思い余って、体力の落ちたステファーノを……
(真夜中に妄想に走ったので終了)
(っつーかサムじゃ無理だろう)
サム、なんていい役なんだ…!?(感嘆)。
…こ、こんなんで終わっていいとは思えないので、最後にもうひとつだけ突っ込んで終わりたいと思います。
-----
前にも書きましたが。
「Holllywood」は、「ヒイラギの森」であって「聖なるジャングル」ではないんですよ…(涙)!>景子さん♪
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景子さんの日本語って、97%まではとっても良いんですけれども、時々“あれっ?”と思うほど不思議な言葉を使ってることがありますよね?
特に目立つのが、文字で読むにはいいけど、音で聞くといまひとつの言葉たち(わかりにくいとか、音として美しくないとか、そういうのです)。柴田さんは、さすがベテランというか。そのあたりはさすがだったなー。これは経験なのでしょうか…?(←反証は植田紳爾さんとかとかとか…)
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たとえば私が一番気になったのは、「さんせっと」の連呼でした(^ ^;ゞ。
“おおぞらゆうひ”さんが主演の作品なだけに、「ゆうひ」という言葉を避けようとしての措置なのかしらー?とかも思ったのですが。
「Sunset」ってあんまり使わない言葉なだけに、思わず「何回出てくるかなー」って指折り数えてしまったくらい、耳にひっかかりまくりでした。
「あの日のサンセット」「もうすぐサンセットだ」…ヘンな日本語ー、と思って思わず涙がひっこんだ回もあったしね(また良い場面で出てくるんですよ…)。
しかも、「さんせっと」って……つい頭の中で「3セット」と変換してしまったのは……私だけ?私だけなのっ!?
だってだって、「Sunset」って最初の「さ」にアクセントじゃないの?祐飛さんもあいちゃんも「せっ」にアクセントがあるんだもん。それは……「3セット」ですってば
…だからといって、何と言い換えればいいのかのアイディアはないのですが。
ただ、なにも全部「Sunset」にしなくても、一部は「夕焼け」とか「たそがれ」とか……いろんな言葉を使ったら駄目だったのでしょうか…?
そして。
一番問題なのは、そこまでして「ゆうひ」という言葉を避けて(多分)おいて、唯一残った「夕陽」が
「夕陽は沈む前の一瞬にもっとも美しく輝く」だった、という事実なんですけどねっ☆
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次はリチャードの台詞から。
ステファーノとリチャードが、映画ラストの車椅子のシーンについて言い争っている時の
「ローズが車椅子にのった惨めな老女(ろうじょ)を演じる必要があるのかね?」という台詞。
これ、確かに数回、「ローズが車椅子に乗った惨めなローズを演じる」と聞こえた日がありました……っていうか、リチャード絶対そう言ったよね!?と思ったんですよねー。。
これも、素直に「惨めな女(おんな)」でいいと思うんだけど。あえて「老」をつけて侮蔑的にしたいんだったら、やっぱ「老婆」でしょ。
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マーガレット「ステファーノがいつも一位で、ビリがいっつも」
ステファーノ「…ローズ…。ローズがいつもびりだった」
一幕前半のダニエルの店で、ステファーノがダーツでど真ん中を取ったときにマギーが“発表”するんですけれども。
私は、初日でこの台詞の一瞬間の間に「ビリがいっつもビリーだった」という落ちだと思いこんでしまいまして。……あまりのベタさ加減に、あやうく椅子から落ちるところでした(滝汗)。
この作品において、ビリーが『ビリー・コーマン』であることの意味ってあんまりないので、いっそのこと「マイク・コーマン」とかでも良かったと思うんですが……。真剣に「ビリがいっつも」「ビリー」っていう突っ込みをほしがっているんだったら、もっと堂々とやればいいし。
ちょっと不思議なネーミングでした。
-----
ちょっと違うネタなのですが。
ラストの、空港で、
…サムは、どこまで気づいていたのだと思いますか?
なーんにも知らずに「忘れないスから!」と叫んで観客の涙を絞っていたのかと思うと、景子さんってホントに凄いなあ、と思うし、
何もかも知っていて、もしかしたらローズの事故からの数日間、壊れてしまったステファーノの心を看ていたのかもしれない、なんぞと思うと、ものすご〜〜〜く萌える☆
ぼろぼろになって、人形のように無反応になったステファーノを、お守りするサム。
心配で心配で、ベッドに入れても寝ている気配もないし、食事を出しても何も食べずに酒ばかり。
思い余って、体力の落ちたステファーノを……
(真夜中に妄想に走ったので終了)
(っつーかサムじゃ無理だろう)
サム、なんていい役なんだ…!?(感嘆)。
…こ、こんなんで終わっていいとは思えないので、最後にもうひとつだけ突っ込んで終わりたいと思います。
-----
前にも書きましたが。
「Holllywood」は、「ヒイラギの森」であって「聖なるジャングル」ではないんですよ…(涙)!>景子さん♪
.
ウメちゃん、
ウメちゃん、
ウメちゃん、
だいすきだから、
わすれないから、
まっているから、
だから、ゆっくりやすんでね…。
ここ数日忙しくてあまりネットを見ていなかったので、夜野さんのブログではじめて状況を知りました。
ウメちゃんの順調な快復を心から祈っています。
お稽古中の怪我、ということで、その場にいた宙組さんのメンバーも、さぞ衝撃は大きかったことでしょうね。怖いです。
トラウマが残らなければいいのですが。
やっぱり、舞台人にとって「怪我」って怖いものでしょうからね…。
でも、ここであせらないでね>ウメちゃん&劇団。
怪我を克服して復帰したダンサーはたくさんいます。でも、快復途中で復帰して、無事だったダンサーはいません。
どうぞゆっくり養生して、
しっかり治して、
ついでに他に悪いところがないか調べてみたりなんかして、
次にお会いするときは、100%の笑顔を見せてくださいねっ!!
かわいいウメちゃん、
かっこいいウメちゃん、
キレイなウメちゃん、
あせることはないよ。
みんなあなたがだいすきだから。
なかないで、
ちゃんとなおして、
また、喝采とライトをたんまりとあびておくれ。
だいじょうぶ、
だいじょうぶ、
だいじょうぶ、
きっとウメちゃんはだいじょうぶ、
あなたも、おおぜいのひとにあいされているのだから。
代役を務めるたっちん・まさみちゃん・カチャ、
さらにその代役をつとめるみなさん、
そして、彼らをフォローし、支えるみなさん……
ウメちゃん抜きの闘いに臨む宙組さん全員にとって
喜びのある公演になりますように。
.
ウメちゃん、
ウメちゃん、
だいすきだから、
わすれないから、
まっているから、
だから、ゆっくりやすんでね…。
ここ数日忙しくてあまりネットを見ていなかったので、夜野さんのブログではじめて状況を知りました。
ウメちゃんの順調な快復を心から祈っています。
お稽古中の怪我、ということで、その場にいた宙組さんのメンバーも、さぞ衝撃は大きかったことでしょうね。怖いです。
トラウマが残らなければいいのですが。
やっぱり、舞台人にとって「怪我」って怖いものでしょうからね…。
でも、ここであせらないでね>ウメちゃん&劇団。
怪我を克服して復帰したダンサーはたくさんいます。でも、快復途中で復帰して、無事だったダンサーはいません。
どうぞゆっくり養生して、
しっかり治して、
ついでに他に悪いところがないか調べてみたりなんかして、
次にお会いするときは、100%の笑顔を見せてくださいねっ!!
かわいいウメちゃん、
かっこいいウメちゃん、
キレイなウメちゃん、
あせることはないよ。
みんなあなたがだいすきだから。
なかないで、
ちゃんとなおして、
また、喝采とライトをたんまりとあびておくれ。
だいじょうぶ、
だいじょうぶ、
だいじょうぶ、
きっとウメちゃんはだいじょうぶ、
あなたも、おおぜいのひとにあいされているのだから。
代役を務めるたっちん・まさみちゃん・カチャ、
さらにその代役をつとめるみなさん、
そして、彼らをフォローし、支えるみなさん……
ウメちゃん抜きの闘いに臨む宙組さん全員にとって
喜びのある公演になりますように。
.
月組バウホール公演「ホフマン物語」、千秋楽おめでとうございます。
この作品を最後に、新しい道を進む青葉みちる嬢の、
そして、星組へ異動する夢咲ねね嬢の、
かげりなき明るい未来を、心の底から祈っています。
ふと気がつけば、Bパターンの感想も途中で終わってしまってるのに、楽がきちゃった……ごめんなさいっ。
Hollywood Loverが一段落したら、こちらも書きたいことが山のようにあるんですけどっっっ!!
でも、とにかく今日は、月組を旅立っていくお二人への賛歌を。
みちるちゃんの最後の役は、歌姫ステッラの侍女・アンドレア、音楽家クレスペルの女中・フランシスカ、物理学者・スパランツァーニの召使・コシュニーユの3役、そして、ヴェネツィアのジュリエッタ館の娼婦。
そして最後は再びルーテル酒場に戻り、アンドレアとしてステッラにつき従います。リンドルフとの間を取持つ道化の役を果たして銀貨をせしめ、「ニヤリ」と嘲いながら袖にはけていく、その後姿の見事さに、涙が出ました。
美しい役者、ですよね。
美形ではないかもしれないけれども、舞台に立つ容が、たとえようもなく美しい。
指の先から髪の一房まで、その「役」になるために必要な飾りで飾り立てて、それでも本質の「青葉みちる」は変わらない。常にまっすぐに役に向きあい、観客に向かい合って、胸を張って立っている。
召使3役は、1/16の日記でも書きましたが、トリックスター的な役。物語の“かき混ぜ役”です。
公演の前半戦で、同じ(男性役ですが)3役を演じたマギー(星条海斗)は、役者としての本質が立役タイプであるせいか、舞台の上の居場所そのものに物凄く苦労していました。
…っていうか、ぶっちゃけ“全身でぶつかって玉砕していた”としか言いようのない状態だと思ってしまったんですけどね(T T)。まぁ、その恨みを果たすかのように、後半戦の悪魔+4役が予想以上に素晴らしかったので、まぁプラスマイナスゼロかな、という感じではあるのですが(^ ^;ゞ
それにしても、
同期のみちるの召使三役は、あまりにも見事な“トリックスター”だったことに感嘆しました。
やりすぎず、足りなすぎず、
この絶妙の匙加減。
そして、「舞台」全体の流れを見渡す視界の広さ。
Bパターンで演じたアントニアも、予想以上に可愛くて、歌も巧くて、『十分ヒロインはれるじゃんっ!』と心の底から自慢したかったくらい素晴らしかったのですが。
このトリックスター3役を観てしまうと、ある意味「宝塚ヒロイン」にはもったいない役者なんだな、と思ってしまうんですよね。
うん、ピティキナッチョもやってほしかったよ!みちるがどんな切り口であのピティキナッチョを演じるのか、ぜひとも見てみたかった。
アントニアのような清純な美少女も、
アンドレアのような小利口な毒のある女も、
フランシスカのようなコメディタッチの老女も、
コシュニーユのような計算高いしっかりものも…
なんでもこい、の、役者魂。
かえりみれば、「飛鳥夕映え」の新公小足媛、「The Last Party」のスコットの秘書ローラ、「パリの空よりも高く」の新公エレノールなど…。ちゃきちゃきタイプから立役まで、幅広い役柄をこなして高く評価されてきた役者なんですよね。
まだ若いので、今まではなかなか役がつきませんでしたけれども。
これから、
本当に、本当に、これからだったのになぁ………。
(繰り言ばかりで本当にごめんなさい。だって残念なんだもん…)
でも。
最後に、“歌姫”アントニアと、召使三役を見ることができて、満足です。
私なりに、みちるちゃんはしっかり見送ってあげることが出来たかな、と思っています。
(Aパターンのジュリエッタを観られなかったことは心の底から悔いていますが。……あんな良い役だと思わなかったんだよ〜〜っ!泣)
…千秋楽が観られるものなら、観たかったけどね……(それは無理)。
いい千秋楽だったみたいで、何よりです。
最後がこんな、芝居の月組らしい作品で、
芝居巧者の実力を思いっきり発揮できる役を、しかも大量に(笑)いただいて、
しあわせな卒業公演だったのではないでしょうか。(泣)
みちるちゃんのこれからの人生に、幸せがたくさん訪れますように。
明日から星組へいってしまう、ねねちゃん。
今までいろんな役をやってきた人ですし、もうカナリ色がついてきたかな〜?、と思っていたのですが、
Bパターンのジュリエッタを観て、あらためて“このひとはまだまだ透明なんだな”ということを思ったのでした。
ジュリエッタとしてゴンドラに載っているときの、あまりといえばあまりにも圧倒的な美しさ。
この世のものならぬ、
魂を奪われるような、
影をも捧げてしまいたくなるような、美女。
でも、ねねちゃんのジュリエッタは透明だった。
シュレーミルがいくら追いかけても、
ホフマンがいくら強引に口説いても、
ねねちゃんのジュリエッタを“自分の色”に染めることはできないまま、です。
“ジュリエッタ”という流れにさらわれて、どこかの岸辺に捨てられるだけ。
美しさは申し分ありませんでしたけれども、
もう少し、なんというか「影の色に染まった女」の雰囲気があるともっと良かったのになぁ、と思ったのでした…。
儚い歌姫アントニアは、みちるちゃんもねねちゃんも、どちらもそれぞれに個性があってよかったです。
儚くて幼い、子供のようにひたすらにホフマンを慕う“美少女”という印象だった、ねねアントニア。
ホフマンが作ってくれた歌を歌いたい、というひたむきな気持ちが愛おしかった。ミラクル博士の「歌え!」という指示で歌いだす姿にも、「歌いたいの!」という気持ちが溢れていて。
しかも「歌いたいのは、この歌がホフマンの歌だからよ!」というところが、きっぱりしていて可愛らしくて♪
抱きしめてあげたいアントニアでした。
みちるのアントニアは、一人前の大人でした。
儚いけれども芯のしっかりした、歌姫として舞台に立つことを切望している、娘。
ホフマンの賞賛が嬉しくて、輝かしい栄光を夢見て、それが自分の幸せだと思っている、一人の娘。
ピアノを弾きながら歌いだしたホフマンの声に、階段を駆け下りて、踊り場で「ホフマン!」と叫ぶときの、
その、歓喜。
ねねちゃんもみちるちゃんも、曇りのない笑顔で明るい声で喜びを示すのですが。
みちるちゃんの手放しの喜びようが印象的でした。
病を恐れた父親に遠くへ連れてこられて寂しかったんだろうな、“もうホフマンさまに会えないかもしれない…”と不安になった夜もあったんだろうな、と、
そんなことを思わせる一言でしした。
ねねちゃんのアントニアとジュリエッタ。
この二役を観て思ったのは、この人はもう少し、低い声で語る口調のバリエーションを増やしたら、無敵だろうな、ということ。
(オランピアは今でも無問題☆)
まだ若いせいか、まだちょっと全体に声が高いのと、口調が一本調子なので、目を瞑って声だけ聴いていると、ジュリエッタとアントニア、あまり違いがないような気がしたので…。
まだまだ新公学年なのに、上級生のみちるやみっぽーと比較したくなること自体、ねねちゃんって本当に芝居が巧いんだな〜、と思うのですが(←贔屓目ですみません)、
ビジュアルの創りこみや、相手をみつめての仕草や受け答えの間など、基本的な技術点は十分に高いと思うので。
キャラクターにあわせた、あるいは場面での役割にあわせた声、というのを少し意識して、星組さんでものびのびと役に取り組んでくださいませ!!
あすかちゃんとねねちゃん、私の大好きな人が二人が揃う、星組。
ウメちゃんもみなみちゃんもいなくなってしまうけれども、
男役さんも結構チェックしている人多いし、
…多分、
また観劇回数増えちゃうんだろうなぁ………(^ ^;ゞ
.
この作品を最後に、新しい道を進む青葉みちる嬢の、
そして、星組へ異動する夢咲ねね嬢の、
かげりなき明るい未来を、心の底から祈っています。
ふと気がつけば、Bパターンの感想も途中で終わってしまってるのに、楽がきちゃった……ごめんなさいっ。
Hollywood Loverが一段落したら、こちらも書きたいことが山のようにあるんですけどっっっ!!
でも、とにかく今日は、月組を旅立っていくお二人への賛歌を。
みちるちゃんの最後の役は、歌姫ステッラの侍女・アンドレア、音楽家クレスペルの女中・フランシスカ、物理学者・スパランツァーニの召使・コシュニーユの3役、そして、ヴェネツィアのジュリエッタ館の娼婦。
そして最後は再びルーテル酒場に戻り、アンドレアとしてステッラにつき従います。リンドルフとの間を取持つ道化の役を果たして銀貨をせしめ、「ニヤリ」と嘲いながら袖にはけていく、その後姿の見事さに、涙が出ました。
美しい役者、ですよね。
美形ではないかもしれないけれども、舞台に立つ容が、たとえようもなく美しい。
指の先から髪の一房まで、その「役」になるために必要な飾りで飾り立てて、それでも本質の「青葉みちる」は変わらない。常にまっすぐに役に向きあい、観客に向かい合って、胸を張って立っている。
召使3役は、1/16の日記でも書きましたが、トリックスター的な役。物語の“かき混ぜ役”です。
公演の前半戦で、同じ(男性役ですが)3役を演じたマギー(星条海斗)は、役者としての本質が立役タイプであるせいか、舞台の上の居場所そのものに物凄く苦労していました。
…っていうか、ぶっちゃけ“全身でぶつかって玉砕していた”としか言いようのない状態だと思ってしまったんですけどね(T T)。まぁ、その恨みを果たすかのように、後半戦の悪魔+4役が予想以上に素晴らしかったので、まぁプラスマイナスゼロかな、という感じではあるのですが(^ ^;ゞ
それにしても、
同期のみちるの召使三役は、あまりにも見事な“トリックスター”だったことに感嘆しました。
やりすぎず、足りなすぎず、
この絶妙の匙加減。
そして、「舞台」全体の流れを見渡す視界の広さ。
Bパターンで演じたアントニアも、予想以上に可愛くて、歌も巧くて、『十分ヒロインはれるじゃんっ!』と心の底から自慢したかったくらい素晴らしかったのですが。
このトリックスター3役を観てしまうと、ある意味「宝塚ヒロイン」にはもったいない役者なんだな、と思ってしまうんですよね。
うん、ピティキナッチョもやってほしかったよ!みちるがどんな切り口であのピティキナッチョを演じるのか、ぜひとも見てみたかった。
アントニアのような清純な美少女も、
アンドレアのような小利口な毒のある女も、
フランシスカのようなコメディタッチの老女も、
コシュニーユのような計算高いしっかりものも…
なんでもこい、の、役者魂。
かえりみれば、「飛鳥夕映え」の新公小足媛、「The Last Party」のスコットの秘書ローラ、「パリの空よりも高く」の新公エレノールなど…。ちゃきちゃきタイプから立役まで、幅広い役柄をこなして高く評価されてきた役者なんですよね。
まだ若いので、今まではなかなか役がつきませんでしたけれども。
これから、
本当に、本当に、これからだったのになぁ………。
(繰り言ばかりで本当にごめんなさい。だって残念なんだもん…)
でも。
最後に、“歌姫”アントニアと、召使三役を見ることができて、満足です。
私なりに、みちるちゃんはしっかり見送ってあげることが出来たかな、と思っています。
(Aパターンのジュリエッタを観られなかったことは心の底から悔いていますが。……あんな良い役だと思わなかったんだよ〜〜っ!泣)
…千秋楽が観られるものなら、観たかったけどね……(それは無理)。
いい千秋楽だったみたいで、何よりです。
最後がこんな、芝居の月組らしい作品で、
芝居巧者の実力を思いっきり発揮できる役を、しかも大量に(笑)いただいて、
しあわせな卒業公演だったのではないでしょうか。(泣)
みちるちゃんのこれからの人生に、幸せがたくさん訪れますように。
明日から星組へいってしまう、ねねちゃん。
今までいろんな役をやってきた人ですし、もうカナリ色がついてきたかな〜?、と思っていたのですが、
Bパターンのジュリエッタを観て、あらためて“このひとはまだまだ透明なんだな”ということを思ったのでした。
ジュリエッタとしてゴンドラに載っているときの、あまりといえばあまりにも圧倒的な美しさ。
この世のものならぬ、
魂を奪われるような、
影をも捧げてしまいたくなるような、美女。
でも、ねねちゃんのジュリエッタは透明だった。
シュレーミルがいくら追いかけても、
ホフマンがいくら強引に口説いても、
ねねちゃんのジュリエッタを“自分の色”に染めることはできないまま、です。
“ジュリエッタ”という流れにさらわれて、どこかの岸辺に捨てられるだけ。
美しさは申し分ありませんでしたけれども、
もう少し、なんというか「影の色に染まった女」の雰囲気があるともっと良かったのになぁ、と思ったのでした…。
儚い歌姫アントニアは、みちるちゃんもねねちゃんも、どちらもそれぞれに個性があってよかったです。
儚くて幼い、子供のようにひたすらにホフマンを慕う“美少女”という印象だった、ねねアントニア。
ホフマンが作ってくれた歌を歌いたい、というひたむきな気持ちが愛おしかった。ミラクル博士の「歌え!」という指示で歌いだす姿にも、「歌いたいの!」という気持ちが溢れていて。
しかも「歌いたいのは、この歌がホフマンの歌だからよ!」というところが、きっぱりしていて可愛らしくて♪
抱きしめてあげたいアントニアでした。
みちるのアントニアは、一人前の大人でした。
儚いけれども芯のしっかりした、歌姫として舞台に立つことを切望している、娘。
ホフマンの賞賛が嬉しくて、輝かしい栄光を夢見て、それが自分の幸せだと思っている、一人の娘。
ピアノを弾きながら歌いだしたホフマンの声に、階段を駆け下りて、踊り場で「ホフマン!」と叫ぶときの、
その、歓喜。
ねねちゃんもみちるちゃんも、曇りのない笑顔で明るい声で喜びを示すのですが。
みちるちゃんの手放しの喜びようが印象的でした。
病を恐れた父親に遠くへ連れてこられて寂しかったんだろうな、“もうホフマンさまに会えないかもしれない…”と不安になった夜もあったんだろうな、と、
そんなことを思わせる一言でしした。
ねねちゃんのアントニアとジュリエッタ。
この二役を観て思ったのは、この人はもう少し、低い声で語る口調のバリエーションを増やしたら、無敵だろうな、ということ。
(オランピアは今でも無問題☆)
まだ若いせいか、まだちょっと全体に声が高いのと、口調が一本調子なので、目を瞑って声だけ聴いていると、ジュリエッタとアントニア、あまり違いがないような気がしたので…。
まだまだ新公学年なのに、上級生のみちるやみっぽーと比較したくなること自体、ねねちゃんって本当に芝居が巧いんだな〜、と思うのですが(←贔屓目ですみません)、
ビジュアルの創りこみや、相手をみつめての仕草や受け答えの間など、基本的な技術点は十分に高いと思うので。
キャラクターにあわせた、あるいは場面での役割にあわせた声、というのを少し意識して、星組さんでものびのびと役に取り組んでくださいませ!!
あすかちゃんとねねちゃん、私の大好きな人が二人が揃う、星組。
ウメちゃんもみなみちゃんもいなくなってしまうけれども、
男役さんも結構チェックしている人多いし、
…多分、
また観劇回数増えちゃうんだろうなぁ………(^ ^;ゞ
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愛されたかった。
誰かに愛されていたかった。
私の希みは、ただそれだけ。(サラ・ベルナール)
「Hollywood Lover」の中で、ハリウッドを離れんとするステファーノ監督が朗読する台詞ですが。
これって、実際にサラの言葉として残っているものなのでしょうか?私は寡聞にしてこのエピソードを知らないのですが、どんなシチュエーションで言われた言葉なのかなあ…。
そして、映画「サラ・ベルナール」では、どんなシーンでこの台詞が使われたのでしょうか。
リーニュ公爵と別れた後?
でも、あの映画では、最後の車椅子の場面でもリーニュ公爵(とーやん)が出てくるので、別れていないんだよなあの二人…。うーん、映画をちゃんと観てみたいです(*^ ^*)。
一般的に有名なサラの名言としては、
「私は舞台の上で死ぬわ。舞台は私の戦場なんだから」
というのがありますが(…サラの言葉でしたよね?)、
ステファーノがイメージし、ローズに演じさせたいと思ったサラは、こういう女優ではなく、もっともっと生身の、恋に生き、愛に飢えたサラだったのでしょうか……。
それとも、その両面を持っているからこそ、のサラだったのかな?
--------------------------------------------------
ローズ・ラムーアは、海沿いのヴィラで悲鳴をあげる。
クリムゾンに染まったSunsetを背に、
「あなたを愛してたから…!」と。
愛していたから、
愛しすぎていたから、
ひとときも離れられないほどに愛してしまったから、
だから……
ステファーノを喪うことが怖くて、
いつか喪うくらいなら、その前に投げ捨ててしまいたくて、
彼の前から逃げだしたのだ、と。
…消えることのない傷。
8年前、畏怖に負けて恋から逃げた、それが彼女の罪。
償いようのない、大いなる原罪。
「愛しすぎるより愛されるほうが楽でしょう?」
そう叫ぶ彼女を、今、一番苦しめているのは、
まさしく
『愛されなくなることへの恐怖』
である。
『私は怖くてたまらないわ。人から愛されなくなるのが。今手にしている全てが、明日には消えてしまうかもしれない…』
細い手首が折れそうに震える。
『…不安でたまらないの』
それを見凝めるステファーノの瞳が、揺れる。
「…リチャードを愛していたんじゃなかったのか…?」
ありのままの自分を
目をそらさず受け入れ
生きるしかない
そんなことは、彼にとっては当たり前のこと。
だから、当たり前のように恋人にもそれを求めた。
でも。
……ありのままの自分?
親に捨てられ
誰も信じられず
怯えてばかりで惨めったらしくて…
それがローラ・オズモンド、私の本名。
8年前から何も変わっていない、今の私。
細い肩を落として、少女に還った女優が項垂れる。
「陽だまりにまどろむことができない人間もいるのよ…」
恋人の期待に、応えられなかった自分を恥じて。
『愛する』ことも『愛される』ことも良く知っているステファーノには、解らないのかもしれない。
きっかけは何であれ、戦争に巻き込まれた家族のためにイタリアへ帰ることが当たり前にできた彼、には。
シチリアの家族関係は濃く、深い。
その濃密な人間関係の中で育った彼には、愛されることを知らないローラの真実は、理解できていなかったのかもしれない。
「少なくとも、俺を愛してはいなかった」
自分という存在が、どれほど彼女にとって『全て』であったのか、
彼女の『世界』の全てであったのか、
そんなことを露ほども理解せずに、彼は呟く。
「俺が君を愛したほどには…」
彼が本当のところを理解するには、多分、8年という年月が必要だったのでしょう。
8年前、恋人の上辺に翻弄されて、その内面を見抜けなかった、
それが彼の罪。
『彼は私に首ったけよ。ハリウッドの帝王に愛されて、嬉しくない女はいないわ』
瞳を逸らして、彼女は言ったのだろう。
『もう決めたことよ。あなたとは、もう終わり』
…彼女が瞳を逸らした理由に、気づかなかった、
それが、彼の、罪。
そうしてステファーノは、彼の犯した罪の償いを、彼自身ではなく、「ローズ・クリムゾン」と名付けた少女が負わされていたことに気づく。
閉じ込められ、抑圧され、「リチャードの夢」であることを強要された、生贄。
「彼女はアメリカの理想。美しい夢だ。」
それは真実。
でも、
夢は憧れられることはあっても、愛されることはない。
愛されることを切望したローラ・オズモンドは、
遠くから憧れを捧げられる、神聖な「夢」になる。
「夢」が抱く希みなど、だれも気にしない。
「必死で演じつつけたわ。アメリカ一輝いた女性ローズ・ラムーア」
なのに。
「なのに、やっぱり幸せにはなれなかった…」
…なれるはずが、ない。
自分の希みと現実がどんどん乖離していくのを、手を拱いてみているしかできない少女。
気がつけば、傍には誰もいない。
自分に夢しか見ていないリチャードと、そのリチャードしか見ていないレイ、そして何を考えているのかわからないカマラ、ただそれだけ……
祐飛さんはお茶会で、8年前にローズは18歳、ステファーノは27〜8歳くらい、と設定について仰っていらっしゃいましたが。
「愛」に餓えて育ったローラにとって、10歳近く年上の「大人の男」に愛される経験は、目も眩むような幸福と、そして不安がないまぜになったものだったのだろうなあ、とあらためて思いました。
彼女にとって、「ローズ・クリムゾン」という名前をくれた存在は、イコール「世界」だったのではないか、と。
ファンタジーでよくある「真実の名」をくれる魔法使いのように、
「ローズ」という名前を貰ったときに、ローラは自分の主導権をステファーノに明け渡してしまうのです。
その瞬間から、彼女は、彼なしで生きていくことができなくなってしまう。
彼の言うとおりに考え、彼の教えのとおりに生きて、
彼の望む女になる、それが、彼女自身の夢。
ステファーノ本人にとっては、「あの頃の俺は、まだぺーぺーだった。世間のことなど何も知らない、ただの若造」と語っている時代からそうは遠くないのでしょうけれども……
ステファーノへのあまりにも強い依存症に恐怖を感じた彼女は、いわば親離れを画策したんじゃないかと思うのです。
ステファーノ自身にはそんなつもりはなくても、ローズにとってのステファーノは、父であり、兄であり、恋人であり、世界の全てだった。
その親離れのきっかけに利用されたのが、リチャード。
でも、リチャードはローズの手に負える相手ではなかった。
過去を消され、「全米の夢」となることを強要されて。
せっかく貰った“真実の名”「ローズ・クリムゾン」は奪われて跡形もなく破壊され、「ローラ・オズモンド」はたわめられ、型にはめて成型されて。
ローズがもう少し大人だったら。
ローズが、もう少し我慢強くて、
「愛されること」よりも「愛すること」の方が、難しいけれども幸せになれることに気づいていたならば。
「愛されること」は、受け身でいればいいから楽な反面、「喪ったら生きていけない」と思った瞬間に精神的に崩壊してしまう脆さがあります。
「愛されること」は、相手がその気にならなくては無理で、自分の努力ではどうにもならないものだから。
反対に「愛すること」は、辛いことも多いですし、「かえりがない」ことに耐えられなければ無理なものなのですが。
「かえってくるものなどなくてもいい。自分が愛したいから愛するだけ」だと割り切ることさえできれば、精神的には安定します。それは、自分自身でどうするかを決めることができるからです。
ローズは、この物語の中でも、決して「愛する」ことを選んだわけではありません。
「ステファーノに」愛されることを選んだだけ。
いわば、8年前に戻っただけです。
同じことを繰り返さない保障は、ない。
ただ、リチャードと結婚したことが逃げだったことを認めて、その失敗と罪を自覚していることが8年前との違い。
愛されることを希むだけではなく、今度こそ、
…愛したい、と、思っているはず。
ありのままの全てを
ごまかさずにうけとめ
生きてゆきたい
ありのままの自分を、そのままさらけ出して。
こんなに愚かな私を、愛してくれる?
こんなに愚かな私が、愛することを許してくれる?
もう一度、愛した日々に。
もし。
もしも、リチャードにあそこまでの行動力がなかったら。
ローズが、断固として「契約終了」を盾にNY行きを拒否し、メキシコに向かっていたとしたら。
メキシコで落ち合って逃げた二人は、「めでたしめでたし」で幸せになったのだろうか…?
そんな疑問を、観劇するたびに弄んでいたのですが。
正直、どのみち幸せになるのは無理なんじゃ…、と思った日もありましたし、
メキシコに行かせてあげたかった…と心から思った日もありました。
ただ、ひとつだけ確かなこと。
ロッキー山中で発見されたローズの遺体は、
きっと、幸せそうに微笑んでいたことでしょう……。
--------------------------------------------------
「Hollywood Lover」という作品の全体像については、夜野愉美さまが克明に書いてくださっているので、とりあえずTBさせていただきます。
http://blog.so-net.ne.jp/nights-entertainment_troup-leader/archive/20080127
っていうか、私の書くことなんて何も残らないような気が…(T T)。
……リチャードさんのこと、書けるかなぁ…(汗)。
.
誰かに愛されていたかった。
私の希みは、ただそれだけ。(サラ・ベルナール)
「Hollywood Lover」の中で、ハリウッドを離れんとするステファーノ監督が朗読する台詞ですが。
これって、実際にサラの言葉として残っているものなのでしょうか?私は寡聞にしてこのエピソードを知らないのですが、どんなシチュエーションで言われた言葉なのかなあ…。
そして、映画「サラ・ベルナール」では、どんなシーンでこの台詞が使われたのでしょうか。
リーニュ公爵と別れた後?
でも、あの映画では、最後の車椅子の場面でもリーニュ公爵(とーやん)が出てくるので、別れていないんだよなあの二人…。うーん、映画をちゃんと観てみたいです(*^ ^*)。
一般的に有名なサラの名言としては、
「私は舞台の上で死ぬわ。舞台は私の戦場なんだから」
というのがありますが(…サラの言葉でしたよね?)、
ステファーノがイメージし、ローズに演じさせたいと思ったサラは、こういう女優ではなく、もっともっと生身の、恋に生き、愛に飢えたサラだったのでしょうか……。
それとも、その両面を持っているからこそ、のサラだったのかな?
--------------------------------------------------
ローズ・ラムーアは、海沿いのヴィラで悲鳴をあげる。
クリムゾンに染まったSunsetを背に、
「あなたを愛してたから…!」と。
愛していたから、
愛しすぎていたから、
ひとときも離れられないほどに愛してしまったから、
だから……
ステファーノを喪うことが怖くて、
いつか喪うくらいなら、その前に投げ捨ててしまいたくて、
彼の前から逃げだしたのだ、と。
…消えることのない傷。
8年前、畏怖に負けて恋から逃げた、それが彼女の罪。
償いようのない、大いなる原罪。
「愛しすぎるより愛されるほうが楽でしょう?」
そう叫ぶ彼女を、今、一番苦しめているのは、
まさしく
『愛されなくなることへの恐怖』
である。
『私は怖くてたまらないわ。人から愛されなくなるのが。今手にしている全てが、明日には消えてしまうかもしれない…』
細い手首が折れそうに震える。
『…不安でたまらないの』
それを見凝めるステファーノの瞳が、揺れる。
「…リチャードを愛していたんじゃなかったのか…?」
ありのままの自分を
目をそらさず受け入れ
生きるしかない
そんなことは、彼にとっては当たり前のこと。
だから、当たり前のように恋人にもそれを求めた。
でも。
……ありのままの自分?
親に捨てられ
誰も信じられず
怯えてばかりで惨めったらしくて…
それがローラ・オズモンド、私の本名。
8年前から何も変わっていない、今の私。
細い肩を落として、少女に還った女優が項垂れる。
「陽だまりにまどろむことができない人間もいるのよ…」
恋人の期待に、応えられなかった自分を恥じて。
『愛する』ことも『愛される』ことも良く知っているステファーノには、解らないのかもしれない。
きっかけは何であれ、戦争に巻き込まれた家族のためにイタリアへ帰ることが当たり前にできた彼、には。
シチリアの家族関係は濃く、深い。
その濃密な人間関係の中で育った彼には、愛されることを知らないローラの真実は、理解できていなかったのかもしれない。
「少なくとも、俺を愛してはいなかった」
自分という存在が、どれほど彼女にとって『全て』であったのか、
彼女の『世界』の全てであったのか、
そんなことを露ほども理解せずに、彼は呟く。
「俺が君を愛したほどには…」
彼が本当のところを理解するには、多分、8年という年月が必要だったのでしょう。
8年前、恋人の上辺に翻弄されて、その内面を見抜けなかった、
それが彼の罪。
『彼は私に首ったけよ。ハリウッドの帝王に愛されて、嬉しくない女はいないわ』
瞳を逸らして、彼女は言ったのだろう。
『もう決めたことよ。あなたとは、もう終わり』
…彼女が瞳を逸らした理由に、気づかなかった、
それが、彼の、罪。
そうしてステファーノは、彼の犯した罪の償いを、彼自身ではなく、「ローズ・クリムゾン」と名付けた少女が負わされていたことに気づく。
閉じ込められ、抑圧され、「リチャードの夢」であることを強要された、生贄。
「彼女はアメリカの理想。美しい夢だ。」
それは真実。
でも、
夢は憧れられることはあっても、愛されることはない。
愛されることを切望したローラ・オズモンドは、
遠くから憧れを捧げられる、神聖な「夢」になる。
「夢」が抱く希みなど、だれも気にしない。
「必死で演じつつけたわ。アメリカ一輝いた女性ローズ・ラムーア」
なのに。
「なのに、やっぱり幸せにはなれなかった…」
…なれるはずが、ない。
自分の希みと現実がどんどん乖離していくのを、手を拱いてみているしかできない少女。
気がつけば、傍には誰もいない。
自分に夢しか見ていないリチャードと、そのリチャードしか見ていないレイ、そして何を考えているのかわからないカマラ、ただそれだけ……
祐飛さんはお茶会で、8年前にローズは18歳、ステファーノは27〜8歳くらい、と設定について仰っていらっしゃいましたが。
「愛」に餓えて育ったローラにとって、10歳近く年上の「大人の男」に愛される経験は、目も眩むような幸福と、そして不安がないまぜになったものだったのだろうなあ、とあらためて思いました。
彼女にとって、「ローズ・クリムゾン」という名前をくれた存在は、イコール「世界」だったのではないか、と。
ファンタジーでよくある「真実の名」をくれる魔法使いのように、
「ローズ」という名前を貰ったときに、ローラは自分の主導権をステファーノに明け渡してしまうのです。
その瞬間から、彼女は、彼なしで生きていくことができなくなってしまう。
彼の言うとおりに考え、彼の教えのとおりに生きて、
彼の望む女になる、それが、彼女自身の夢。
ステファーノ本人にとっては、「あの頃の俺は、まだぺーぺーだった。世間のことなど何も知らない、ただの若造」と語っている時代からそうは遠くないのでしょうけれども……
ステファーノへのあまりにも強い依存症に恐怖を感じた彼女は、いわば親離れを画策したんじゃないかと思うのです。
ステファーノ自身にはそんなつもりはなくても、ローズにとってのステファーノは、父であり、兄であり、恋人であり、世界の全てだった。
その親離れのきっかけに利用されたのが、リチャード。
でも、リチャードはローズの手に負える相手ではなかった。
過去を消され、「全米の夢」となることを強要されて。
せっかく貰った“真実の名”「ローズ・クリムゾン」は奪われて跡形もなく破壊され、「ローラ・オズモンド」はたわめられ、型にはめて成型されて。
ローズがもう少し大人だったら。
ローズが、もう少し我慢強くて、
「愛されること」よりも「愛すること」の方が、難しいけれども幸せになれることに気づいていたならば。
「愛されること」は、受け身でいればいいから楽な反面、「喪ったら生きていけない」と思った瞬間に精神的に崩壊してしまう脆さがあります。
「愛されること」は、相手がその気にならなくては無理で、自分の努力ではどうにもならないものだから。
反対に「愛すること」は、辛いことも多いですし、「かえりがない」ことに耐えられなければ無理なものなのですが。
「かえってくるものなどなくてもいい。自分が愛したいから愛するだけ」だと割り切ることさえできれば、精神的には安定します。それは、自分自身でどうするかを決めることができるからです。
ローズは、この物語の中でも、決して「愛する」ことを選んだわけではありません。
「ステファーノに」愛されることを選んだだけ。
いわば、8年前に戻っただけです。
同じことを繰り返さない保障は、ない。
ただ、リチャードと結婚したことが逃げだったことを認めて、その失敗と罪を自覚していることが8年前との違い。
愛されることを希むだけではなく、今度こそ、
…愛したい、と、思っているはず。
ありのままの全てを
ごまかさずにうけとめ
生きてゆきたい
ありのままの自分を、そのままさらけ出して。
こんなに愚かな私を、愛してくれる?
こんなに愚かな私が、愛することを許してくれる?
もう一度、愛した日々に。
もし。
もしも、リチャードにあそこまでの行動力がなかったら。
ローズが、断固として「契約終了」を盾にNY行きを拒否し、メキシコに向かっていたとしたら。
メキシコで落ち合って逃げた二人は、「めでたしめでたし」で幸せになったのだろうか…?
そんな疑問を、観劇するたびに弄んでいたのですが。
正直、どのみち幸せになるのは無理なんじゃ…、と思った日もありましたし、
メキシコに行かせてあげたかった…と心から思った日もありました。
ただ、ひとつだけ確かなこと。
ロッキー山中で発見されたローズの遺体は、
きっと、幸せそうに微笑んでいたことでしょう……。
--------------------------------------------------
「Hollywood Lover」という作品の全体像については、夜野愉美さまが克明に書いてくださっているので、とりあえずTBさせていただきます。
http://blog.so-net.ne.jp/nights-entertainment_troup-leader/archive/20080127
っていうか、私の書くことなんて何も残らないような気が…(T T)。
……リチャードさんのこと、書けるかなぁ…(汗)。
.
ハリウッドの恋人【3】
2008年1月26日 宝塚(月) コメント (2)公演は終わってしまいましたが(涙)、
「Hollywood Lover」という作品については未だ語り足りないので。もうしばらく引っ張らせてくださいませ。
…月っ子たちがあんまり可愛くって、公演中はそっちにかまけちゃって作品について語る余裕が無かったので(汗)。
この作品、バウホールで初日を観たときからすごく印象的だったのは
「歌が少ない」ことと、「音楽が全編メジャーコードである」ことでした。
芝居ができるメンバーが集まっているせいか、全体にものすごく芝居の比重の高い作品だったと思います。
普通なら歌ってしまいそうな、最初のヴィラの場面とか、ステファーノとローズの電話の場面とかも、台詞のやりとりだけですませていますし。
でも、じゃあ音楽がいらないのかというと勿論そんなことはなくて。
なんというのか、舞台装置の一つのように音楽が使われているな、と思ったのでした。
現実のシーンと回想シーンを、照明と音楽を変えることで切り替えてみたり、
ステファーノの気持ちの変化を音楽で追ってみたり、
記者会見の場面などでは、台詞の合いの手として使ってみたり、
全体に、すごく映像的、あるいは映画的な音楽の使い方だなーと思ったのです。
全体に、使われている曲はどれも、ごくごくロマンティックな、シンプルだけど甘やかなメロディばかり。
あまり凝った音楽ではなくて、耳に残る優しい音楽をテーマにあわせてつくり、何度も繰り返し使う。
観客の心の中で音楽と芝居が融合し、イマジネーションが拡がるように。
そして、
歌だけでなく、舞台装置として使われている音楽も含めて、総じてメジャーコードで構成されていたんですよね。
悲劇なのに。
悲劇が起こった後に使われる曲でさえ、切なくて苦しいけれども、悲しくはない。
ステファーノの器の大きさ、底のない優しさ、ポジティブさを、作品全体の音楽でも表現しようとしているんですよね。
観客が、ハンカチを絞るほどの涙を流す作品とは思えないほど、音楽はやわらかく、そして、希望に満ちて明るい。
その明るさこそが、涙腺を壊すわけですが…(T T)。
記憶をひっくり返して、歌のリストを作ってみました。間違いに気づいた方はコメントお願いします!(タイトルは適当です)
1.「Opening」
ステファーノ
2.「Memory in Hollywood」
ステファーノ
3.「Filmin’ the Truth」
ステファーノ+撮影メンバー
4.「It’s All Right」
ステファーノ&ローズ
5.「Filmin’ the Truth」 Reprise
ステファーノ+撮影メンバー
6.「In Solitude」
ローズ
7.「You’re the Only One」
ステファーノ+撮影メンバー
8.「You’re the Only One」Reprise
ビリー&マギー
9.「Regend of Love」
リチャード&ステファーノ
10.「Memory in Hollywood」Reprise
ステファーノ
…やっぱり少ない気がする。歌手がいないから?(T T)
あ、こころ(リタ)の「White Christmas」はあえて抜いてます(^ ^;ゞ
歌の無い音楽で印象に残ったのは、回想シーンのテーマ音楽。
一幕最初の、撮影スタジオでの最初の夜から、繰り返し繰り返し、「過去のステファーノ」&「過去のローズ」が出てくる契機として流される、甘やかで軽やかな、音の羅列。
次第次第に、観客の頭の中にも「あの曲が流れたら回想シーンが始まる」という刷り込みが行われていく。
そして、
ラストの空港で。
シーラがステファーノに声をかける。
「ねぇ、いつかまた、還ってきてよ?ハリウッド」
二度と戻ることのできない
過ぎた時を
ただ胸の奥 閉じ込め
ただ心の底 抱きしめ
「ローズとの、思い出の街」
「…ステファーノ」
流れていた音楽が、止まる。
そして、
耳に馴染んだ、甘やかで軽やかな、音の羅列が。
ふ、と彷徨う、ステファーノの瞳。
観客の心も、一瞬舞台の上を走る。
「過去」の二人を探して。
「過去」の夢を、探して。
そして見つけるのは、今現在、ぱっくりと口をあけて真紅の血を流している傷口。
もう還らない、
愛しすぎる、
切な過ぎる、届かぬ夢。
もう二度と、ローズに会うことは、ない。
……だから。
耳の中で鳴り渡る音楽に聴き入りながら、ステファーノの瞳は虚空を見つめて、
彷徨って、
そして、目を閉じる…。
「時が、今の傷を洗い流してくれたら…」
ローズの幻を見せてしまうことは、簡単なことだったと思います。
空港の奥に、「今の」ローズの幻を現出する演出も、よくある手法だし、ここで使ってもおかしくなかったと思う。
でも。
ステファーノの心は、夢に逃げることを拒否する。
ローズの幻を見ることを、ステファーノの心が拒否している。
だから、ローズの幻は、観客の心の中を掠めるだけ。
ステファーノの瞳には、映らない。
時は流れ、思い出だけセピア色に遠ざかっていく。
いつか、この痛みも風化して、「過去」の宝石箱の中にしまうときがくるかもしれない。
そうしたら、彼の瞳も、再びローズの幻を見るのかもしれない。
でも、今は。
そして、ステファーノが幻を探して彷徨いだそうとする自分の心を留めることに成功して、
旅立つために、「思い出」の街に背を向けた瞬間に。
回想の音楽もとまり、
そして、新しい音楽が始まる。
そして。
ステファーノに憧れる若者が、振り絞るように叫ぶ。
「俺も、…忘れないスから!」
出会い、愛し、別れたこの街で、
乾いた風が運ぶ愛する人のメモリー。
「監督と仕事していたときのローズさん、生き生きとして、キラキラ輝いて……ほんっとうにキレイで!…あの姿、」
全ては Memory in my Mind…
「…絶対に忘れないスから!」
「Ciao!」という軽やかな挨拶と、広くゆるぎない背中。
振り返ることなく、「ステファーノ」が歩き出す。
未来へ向かって。
その未来に、ローズはいなくても。
……たぶん、ローズは今現在も、これからもずっと、ステファーノの肩あたりにいるんでしょうけどね……(^ ^;ゞ
プログラムによると、音楽は青木朝子さん、手島恭子さんのお二人。
残念ながら存じ上げなかったのですが、お二人ともいろいろな作品に参加されているみたいですね。シンプルでロマンティックな、いい音楽が多かったので、今後のご活躍が楽しみです♪
公式サイトも、音楽担当者から検索とかできるようにしてくれると面白いのになあ…。
ネットで検索したら、4月の中日公演「ドラキュラ伝説」という藤井さん演出の松平健公演の音楽に青木さんのお名前があってビビりました(汗)。こ、こんなところで。っていうか、藤井さんって外部演出するのか…いいのか?(^ ^;ゞ。
.
「Hollywood Lover」という作品については未だ語り足りないので。もうしばらく引っ張らせてくださいませ。
…月っ子たちがあんまり可愛くって、公演中はそっちにかまけちゃって作品について語る余裕が無かったので(汗)。
この作品、バウホールで初日を観たときからすごく印象的だったのは
「歌が少ない」ことと、「音楽が全編メジャーコードである」ことでした。
芝居ができるメンバーが集まっているせいか、全体にものすごく芝居の比重の高い作品だったと思います。
普通なら歌ってしまいそうな、最初のヴィラの場面とか、ステファーノとローズの電話の場面とかも、台詞のやりとりだけですませていますし。
でも、じゃあ音楽がいらないのかというと勿論そんなことはなくて。
なんというのか、舞台装置の一つのように音楽が使われているな、と思ったのでした。
現実のシーンと回想シーンを、照明と音楽を変えることで切り替えてみたり、
ステファーノの気持ちの変化を音楽で追ってみたり、
記者会見の場面などでは、台詞の合いの手として使ってみたり、
全体に、すごく映像的、あるいは映画的な音楽の使い方だなーと思ったのです。
全体に、使われている曲はどれも、ごくごくロマンティックな、シンプルだけど甘やかなメロディばかり。
あまり凝った音楽ではなくて、耳に残る優しい音楽をテーマにあわせてつくり、何度も繰り返し使う。
観客の心の中で音楽と芝居が融合し、イマジネーションが拡がるように。
そして、
歌だけでなく、舞台装置として使われている音楽も含めて、総じてメジャーコードで構成されていたんですよね。
悲劇なのに。
悲劇が起こった後に使われる曲でさえ、切なくて苦しいけれども、悲しくはない。
ステファーノの器の大きさ、底のない優しさ、ポジティブさを、作品全体の音楽でも表現しようとしているんですよね。
観客が、ハンカチを絞るほどの涙を流す作品とは思えないほど、音楽はやわらかく、そして、希望に満ちて明るい。
その明るさこそが、涙腺を壊すわけですが…(T T)。
記憶をひっくり返して、歌のリストを作ってみました。間違いに気づいた方はコメントお願いします!(タイトルは適当です)
1.「Opening」
ステファーノ
2.「Memory in Hollywood」
ステファーノ
3.「Filmin’ the Truth」
ステファーノ+撮影メンバー
4.「It’s All Right」
ステファーノ&ローズ
5.「Filmin’ the Truth」 Reprise
ステファーノ+撮影メンバー
6.「In Solitude」
ローズ
7.「You’re the Only One」
ステファーノ+撮影メンバー
8.「You’re the Only One」Reprise
ビリー&マギー
9.「Regend of Love」
リチャード&ステファーノ
10.「Memory in Hollywood」Reprise
ステファーノ
…やっぱり少ない気がする。歌手がいないから?(T T)
あ、こころ(リタ)の「White Christmas」はあえて抜いてます(^ ^;ゞ
歌の無い音楽で印象に残ったのは、回想シーンのテーマ音楽。
一幕最初の、撮影スタジオでの最初の夜から、繰り返し繰り返し、「過去のステファーノ」&「過去のローズ」が出てくる契機として流される、甘やかで軽やかな、音の羅列。
次第次第に、観客の頭の中にも「あの曲が流れたら回想シーンが始まる」という刷り込みが行われていく。
そして、
ラストの空港で。
シーラがステファーノに声をかける。
「ねぇ、いつかまた、還ってきてよ?ハリウッド」
二度と戻ることのできない
過ぎた時を
ただ胸の奥 閉じ込め
ただ心の底 抱きしめ
「ローズとの、思い出の街」
「…ステファーノ」
流れていた音楽が、止まる。
そして、
耳に馴染んだ、甘やかで軽やかな、音の羅列が。
ふ、と彷徨う、ステファーノの瞳。
観客の心も、一瞬舞台の上を走る。
「過去」の二人を探して。
「過去」の夢を、探して。
そして見つけるのは、今現在、ぱっくりと口をあけて真紅の血を流している傷口。
もう還らない、
愛しすぎる、
切な過ぎる、届かぬ夢。
もう二度と、ローズに会うことは、ない。
……だから。
耳の中で鳴り渡る音楽に聴き入りながら、ステファーノの瞳は虚空を見つめて、
彷徨って、
そして、目を閉じる…。
「時が、今の傷を洗い流してくれたら…」
ローズの幻を見せてしまうことは、簡単なことだったと思います。
空港の奥に、「今の」ローズの幻を現出する演出も、よくある手法だし、ここで使ってもおかしくなかったと思う。
でも。
ステファーノの心は、夢に逃げることを拒否する。
ローズの幻を見ることを、ステファーノの心が拒否している。
だから、ローズの幻は、観客の心の中を掠めるだけ。
ステファーノの瞳には、映らない。
時は流れ、思い出だけセピア色に遠ざかっていく。
いつか、この痛みも風化して、「過去」の宝石箱の中にしまうときがくるかもしれない。
そうしたら、彼の瞳も、再びローズの幻を見るのかもしれない。
でも、今は。
そして、ステファーノが幻を探して彷徨いだそうとする自分の心を留めることに成功して、
旅立つために、「思い出」の街に背を向けた瞬間に。
回想の音楽もとまり、
そして、新しい音楽が始まる。
そして。
ステファーノに憧れる若者が、振り絞るように叫ぶ。
「俺も、…忘れないスから!」
出会い、愛し、別れたこの街で、
乾いた風が運ぶ愛する人のメモリー。
「監督と仕事していたときのローズさん、生き生きとして、キラキラ輝いて……ほんっとうにキレイで!…あの姿、」
全ては Memory in my Mind…
「…絶対に忘れないスから!」
「Ciao!」という軽やかな挨拶と、広くゆるぎない背中。
振り返ることなく、「ステファーノ」が歩き出す。
未来へ向かって。
その未来に、ローズはいなくても。
……たぶん、ローズは今現在も、これからもずっと、ステファーノの肩あたりにいるんでしょうけどね……(^ ^;ゞ
プログラムによると、音楽は青木朝子さん、手島恭子さんのお二人。
残念ながら存じ上げなかったのですが、お二人ともいろいろな作品に参加されているみたいですね。シンプルでロマンティックな、いい音楽が多かったので、今後のご活躍が楽しみです♪
公式サイトも、音楽担当者から検索とかできるようにしてくれると面白いのになあ…。
ネットで検索したら、4月の中日公演「ドラキュラ伝説」という藤井さん演出の松平健公演の音楽に青木さんのお名前があってビビりました(汗)。こ、こんなところで。っていうか、藤井さんって外部演出するのか…いいのか?(^ ^;ゞ。
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宝塚歌劇団花組&花組ファンのみなさまへ
うちの「ひねくれデビル」を、
どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m。
本格的に一緒に舞台に立つのはだいぶ先なので、とても不安ではありますが。
どうぞ、可愛がってあげてくださいませm(_ _)m。
どうも、かなり本能で生きている人っぽいので、あまり細かい行動を深読みせずに
見守ってあげていただけると、とても嬉しいです。
下級生の頃はかなり人見知りだったようですけれども、
さすがに、あの学年になってそんなことも言っていられないでしょうしねぇ…(溜息★)
……踊れないのは本当にごめんなさい、としか言えません……m(_ _)m(←お前に謝られても)
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うちの「ひねくれデビル」を、
どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m。
本格的に一緒に舞台に立つのはだいぶ先なので、とても不安ではありますが。
どうぞ、可愛がってあげてくださいませm(_ _)m。
どうも、かなり本能で生きている人っぽいので、あまり細かい行動を深読みせずに
見守ってあげていただけると、とても嬉しいです。
下級生の頃はかなり人見知りだったようですけれども、
さすがに、あの学年になってそんなことも言っていられないでしょうしねぇ…(溜息★)
……踊れないのは本当にごめんなさい、としか言えません……m(_ _)m(←お前に謝られても)
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“月組の”大空祐飛さん、へ。
2008年1月25日 宝塚(月) コメント (2)まだあと数分あるので、叫ばせてください。
「月組の大空祐飛さん、だいすきです!」
…うん、大丈夫。
私はきっと、愛するだろう。
“花組の”大空祐飛さんも、
祐飛さんのいない月組も、
「宝塚はひとつ」と、ナホちゃんが言ったから。
日本青年館公演「Holllywood Lover」が、本日千秋楽を迎えました。
客席はサヨナラ公演もかくや、という盛り上がりようでしたが、
舞台の上は終始落ち着いて、端正にすすんでいきました。
アドリブらしいアドリブはなかったかと…あ、園加ちゃんが打ち上げパーティーで何か(「飲み競べだ!まいったか!」だったのかな?あまりよく聞き取れず…)言っていましたが、そのくらいだったと思います。
っていうか、何かあったら教えてくださいまし。お願い。(私のテンションが高すぎて、記憶が飛んでいる可能性あり)
あ、あとは。
開幕アナウンスの「月組の大空祐飛です」で拍手が起きてましたね(涙)。
この作品、ストーリーは『ありがちなメロドラマ』ながらも、キャラクターがよく練られていて、キャスティングの成功もあって、とても素晴らしい舞台に仕上がっているのですが。
昨年12月15日にバウホールで初日を迎えて以来、猫は終始、この作品を「芝居」として考えるよう努力してきました。
“イタリア ネオレアリズモの新鋭”ステファーノ監督と、“全米の憧れ”ローズ・ラムーア、そして“負け知らずの大物プロデューサー”リチャード・ローガンの物語なのだ、と。
でも。
今日、
最後の公演、二度と観ることのできないカンパニーによる千秋楽を観ながら。
初めて私は、自分自身に「ステファーノ」と「大空祐飛」を重ねることを許してしまった、みたいです。
痛い物語だ、とずっと思っていましたが。
…こんなに怖い話だったのか、
そして、こんなにも哀しくて優しい物語だったのか、
そして、なによりも、
植田景子さんは、どこまで祐飛さんを見ていてくれたのか、と…
台詞の一言一言をいちいち深読みして、
いちいち反応して、
連想して、
…泣いて。
千秋楽にいたって、そんなことをしているなんて、
ばかみたい。
そう思いながら。
自分に突っ込みながら。
それでも、涙は止まらなくて。
全てわかりあえるなんて、あるわけがない。
だから、
信じる誰かに裏切られ、傷ついても、
「It’s All Right.」
ありのままの全てを、誤魔化さずに受け止めて。
そんな、限りない肯定の意思。
「愛すること」の難しさと
「愛されること」の痛み、
そして、喪ったものの大きさと、それに負けずに歩き続ける強い意思。
昨日までは、そういったところにテーマを見ていたのですが。
「It’s All Right.」
それがこの作品のテーマだったのかもしれない、と、
今日はじめて思ったのでした。(←遅い)
「怖がる必要なんて何もない。君は大勢のひとから愛されてる」
……怖がることは何もないんだ。
あの人は、大勢の人から愛されているのだから。
今までで一番、明るくてさわやかな「チャオ!」の声に、
溢れる涙をぬぐうこともできないほど消耗して。
だから、大丈夫。
たぶん、きっと、ぜったいに、
これからも、
なにがあっても、
「It’s All Right.」
と。
フィナーレのラストに登場する祐飛さん。
グレイのコートでゆっくり現れて、
スポットが当たる。
とまらない拍手。
“月組の”大空祐飛、に、
タフでポジティブで優しい、最高の男“ステファーノ・グランディ”に、
乾杯。
緞帳があがると、副組長の越乃リュウちゃんが前に出る。
最初のうちは、きちんと月組の副組長として責務を果たし、専科のお二人の紹介や、今後の月組の活動について報告していたのに、
祐飛さんの組替を報告して、この公演での祐飛さんの様子や下級生との交流を話すうちに涙ぐんでしまって…。
挨拶につまった仲良しの下級生が、なんとか立て直そうと必死で
「続けます」と言うのに対して、「がんばって」と声をかける祐飛さん。
……それって、祐飛さん的には元気づけてるつもりかもしれませんけど、傍目には突っ込んでるようにしか見えませんが……?
挨拶の途中からぐてぐてになってしまったナホちゃんが、
なんとか必死にまとめようと口走った一言。
「宝塚はひとつです!」
後ろで爆笑している(あひちゃんとあいちゃんを巻きこんで、体を“く”の字に曲げて大笑いしていた)祐飛さんは、CSに流れちゃうんでしょうか……。
っていうか。
ファンが泣き笑いで倒れているのを見ながら、
帽子で顔を隠してまで笑い続けるのはやめてください。
どうして挨拶で腹筋鍛えなくちゃいけないんですか……。
(帽子の陰で泣いてたのは見なかったことにしてあげます)
「お待たせしました。皆が大好きなステファーノ・グランディ、“月組の”大空祐飛が、皆様にご挨拶いたします」
というナホちゃんの合図で、
「ゆうひさ〜ん(はぁと)」
と、下級生が全員、声を揃えて呼びかける。
ありがとう。
可愛い可愛い月組っ子たち。
愛してくれてありがとう。
私も愛しているよ。
いつまでも、ずっと。
爆笑していた祐飛さんは、その笑いを片頬に残したまま前へ。
「千秋楽の挨拶で、こんなに笑ったのは初めてです」
と、最後にハリセンをかましてから
「越乃副組長をこれからもよろしくお願いします」
と、本当に愛おしそうに笑い含みで言ったのが、また号泣ポイントでした。
挨拶自体はごくまともに、ありがちなご挨拶を。
っていうか、この作品、挨拶で言うようなことを台詞としてプレミアパーティーで言ってしまうので、やりにくかったかもしれませんが(苦笑)。
そういえば、笑いに紛れて名乗らなかったな、と、
そう思ったのは、2回目のカーテンコールの幕が上がったとき。
「これからも月組を、そして花組の大空祐飛を、よろしくお願いいたします」
と、そう言って、笑った。
とまらない拍手。
何度目かのカーテンコールで、幕が開いたとき。
月組の仲間たちの真ん中で、
満面の笑顔を浮かべて、
「最後にもう一回だけ言わせてください!」と前置きをして。
『月組の大空祐飛です』
と。
そこまで取っておいたのか、
本当は言わないでいるつもりだったのか、
そのへんはわかりませんが。
泣きすぎて頭が痛い猫は、最終兵器を発動されて死ぬかと思いました……。
もう二度と、この作品を見ることはできない。
もう二度と、このカンパニーが揃うことはない。
それでも。
「生きていくしかない」のだから。
そう。ナホちゃんの言うとおり、
「宝塚はひとつ」だから。
まずは、3月のディナーショーに向けて、準備等々大変そうですけれども。
…バウでも観て、また新しい世界を楽しんでください。
祐飛さんは、“祐飛さんの個性で輝いて”くれればいい。
私は、ずっと見凝めていくつもりだから…。
.
「月組の大空祐飛さん、だいすきです!」
…うん、大丈夫。
私はきっと、愛するだろう。
“花組の”大空祐飛さんも、
祐飛さんのいない月組も、
「宝塚はひとつ」と、ナホちゃんが言ったから。
日本青年館公演「Holllywood Lover」が、本日千秋楽を迎えました。
客席はサヨナラ公演もかくや、という盛り上がりようでしたが、
舞台の上は終始落ち着いて、端正にすすんでいきました。
アドリブらしいアドリブはなかったかと…あ、園加ちゃんが打ち上げパーティーで何か(「飲み競べだ!まいったか!」だったのかな?あまりよく聞き取れず…)言っていましたが、そのくらいだったと思います。
っていうか、何かあったら教えてくださいまし。お願い。(私のテンションが高すぎて、記憶が飛んでいる可能性あり)
あ、あとは。
開幕アナウンスの「月組の大空祐飛です」で拍手が起きてましたね(涙)。
この作品、ストーリーは『ありがちなメロドラマ』ながらも、キャラクターがよく練られていて、キャスティングの成功もあって、とても素晴らしい舞台に仕上がっているのですが。
昨年12月15日にバウホールで初日を迎えて以来、猫は終始、この作品を「芝居」として考えるよう努力してきました。
“イタリア ネオレアリズモの新鋭”ステファーノ監督と、“全米の憧れ”ローズ・ラムーア、そして“負け知らずの大物プロデューサー”リチャード・ローガンの物語なのだ、と。
でも。
今日、
最後の公演、二度と観ることのできないカンパニーによる千秋楽を観ながら。
初めて私は、自分自身に「ステファーノ」と「大空祐飛」を重ねることを許してしまった、みたいです。
痛い物語だ、とずっと思っていましたが。
…こんなに怖い話だったのか、
そして、こんなにも哀しくて優しい物語だったのか、
そして、なによりも、
植田景子さんは、どこまで祐飛さんを見ていてくれたのか、と…
台詞の一言一言をいちいち深読みして、
いちいち反応して、
連想して、
…泣いて。
千秋楽にいたって、そんなことをしているなんて、
ばかみたい。
そう思いながら。
自分に突っ込みながら。
それでも、涙は止まらなくて。
全てわかりあえるなんて、あるわけがない。
だから、
信じる誰かに裏切られ、傷ついても、
「It’s All Right.」
ありのままの全てを、誤魔化さずに受け止めて。
そんな、限りない肯定の意思。
「愛すること」の難しさと
「愛されること」の痛み、
そして、喪ったものの大きさと、それに負けずに歩き続ける強い意思。
昨日までは、そういったところにテーマを見ていたのですが。
「It’s All Right.」
それがこの作品のテーマだったのかもしれない、と、
今日はじめて思ったのでした。(←遅い)
「怖がる必要なんて何もない。君は大勢のひとから愛されてる」
……怖がることは何もないんだ。
あの人は、大勢の人から愛されているのだから。
今までで一番、明るくてさわやかな「チャオ!」の声に、
溢れる涙をぬぐうこともできないほど消耗して。
だから、大丈夫。
たぶん、きっと、ぜったいに、
これからも、
なにがあっても、
「It’s All Right.」
と。
フィナーレのラストに登場する祐飛さん。
グレイのコートでゆっくり現れて、
スポットが当たる。
とまらない拍手。
“月組の”大空祐飛、に、
タフでポジティブで優しい、最高の男“ステファーノ・グランディ”に、
乾杯。
緞帳があがると、副組長の越乃リュウちゃんが前に出る。
最初のうちは、きちんと月組の副組長として責務を果たし、専科のお二人の紹介や、今後の月組の活動について報告していたのに、
祐飛さんの組替を報告して、この公演での祐飛さんの様子や下級生との交流を話すうちに涙ぐんでしまって…。
挨拶につまった仲良しの下級生が、なんとか立て直そうと必死で
「続けます」と言うのに対して、「がんばって」と声をかける祐飛さん。
……それって、祐飛さん的には元気づけてるつもりかもしれませんけど、傍目には突っ込んでるようにしか見えませんが……?
挨拶の途中からぐてぐてになってしまったナホちゃんが、
なんとか必死にまとめようと口走った一言。
「宝塚はひとつです!」
後ろで爆笑している(あひちゃんとあいちゃんを巻きこんで、体を“く”の字に曲げて大笑いしていた)祐飛さんは、CSに流れちゃうんでしょうか……。
っていうか。
ファンが泣き笑いで倒れているのを見ながら、
帽子で顔を隠してまで笑い続けるのはやめてください。
どうして挨拶で腹筋鍛えなくちゃいけないんですか……。
(帽子の陰で泣いてたのは見なかったことにしてあげます)
「お待たせしました。皆が大好きなステファーノ・グランディ、“月組の”大空祐飛が、皆様にご挨拶いたします」
というナホちゃんの合図で、
「ゆうひさ〜ん(はぁと)」
と、下級生が全員、声を揃えて呼びかける。
ありがとう。
可愛い可愛い月組っ子たち。
愛してくれてありがとう。
私も愛しているよ。
いつまでも、ずっと。
爆笑していた祐飛さんは、その笑いを片頬に残したまま前へ。
「千秋楽の挨拶で、こんなに笑ったのは初めてです」
と、最後にハリセンをかましてから
「越乃副組長をこれからもよろしくお願いします」
と、本当に愛おしそうに笑い含みで言ったのが、また号泣ポイントでした。
挨拶自体はごくまともに、ありがちなご挨拶を。
っていうか、この作品、挨拶で言うようなことを台詞としてプレミアパーティーで言ってしまうので、やりにくかったかもしれませんが(苦笑)。
そういえば、笑いに紛れて名乗らなかったな、と、
そう思ったのは、2回目のカーテンコールの幕が上がったとき。
「これからも月組を、そして花組の大空祐飛を、よろしくお願いいたします」
と、そう言って、笑った。
とまらない拍手。
何度目かのカーテンコールで、幕が開いたとき。
月組の仲間たちの真ん中で、
満面の笑顔を浮かべて、
「最後にもう一回だけ言わせてください!」と前置きをして。
『月組の大空祐飛です』
と。
そこまで取っておいたのか、
本当は言わないでいるつもりだったのか、
そのへんはわかりませんが。
泣きすぎて頭が痛い猫は、最終兵器を発動されて死ぬかと思いました……。
もう二度と、この作品を見ることはできない。
もう二度と、このカンパニーが揃うことはない。
それでも。
「生きていくしかない」のだから。
そう。ナホちゃんの言うとおり、
「宝塚はひとつ」だから。
まずは、3月のディナーショーに向けて、準備等々大変そうですけれども。
…バウでも観て、また新しい世界を楽しんでください。
祐飛さんは、“祐飛さんの個性で輝いて”くれればいい。
私は、ずっと見凝めていくつもりだから…。
.
大空祐飛さんのディナーショーが発表されました。
3月12日・13日に宝塚ホテル、17日・18日に東京會舘。
……2007年度の有給休暇は、明日で使い切りますが?
もう風邪ひいても休まないわ、という覚悟で千秋楽を観るんですけど、…どうしろ、と?
とか愚痴りつつ、でもやっぱり、嬉しいものは嬉しいですね。
特に、中村一徳さんのショーは大好きなので、楽しみです。
ただ、彼のショーの一番の「イイトコロ」は人海戦術なんですよね。…ディナーショーに人海戦術ってありえなくね?(汗)うーん、ちょっとだけ不安だわ。
それと、あと気になるのが、どなたが出てくださるんでしょうか?ってこと。まさか祐飛さん一人でやれとか言わないよね??ね?(T T)。
物理的に出演不可能なのは、「蒼いくちづけ」後半と「舞姫」に入っているメンバー。
それ以外の方で……
…ごくごく、個人的希望ですが。
さお太(高翔 みず希)さん、(桜)一花ちゃん、(華耀)きらりちゃん、(白華)れみちゃん、という超(猫的)豪華メンバーだったりしたら、全日程コンプリートしたいくらい楽しみなのですが。
(↑その場合、お金と休暇はどこかから出てくるんでしょうか…?)
しかーし、
真面目な話、25000円かあ………。
ディナー抜きで、ショーだけ10000円、とかいうチケットがあればいいのになあ(泣)。
きりやさんやゆみこさんやとうこさんのうたにならそのくらいはらってもおしくな…(だまれ)。
…詳細の発表が楽しみです★
とりあえず中村さんにお願いがひとつ。
タイトルは、「S」で始まる単語でお願いします!(今までのDSタイトルが、「Selfish!」「Spark!」「Spark! 2」なので)
というわけで、今日は1月24日。
月組青年館公演「Hollywood Lover」も、あとわずか一日、たったの一回で終了、です。
久々の、はまりきって、浸りきった公演だったので、終わりが近づいてくるのがとてもさびしいです。
ステファーノさんに会えるのも、あと一回。
……たったの?
いつの間にそんなに時が流れてしまったのか、愕然とします。
でも、「時は後戻りはしない」(byローズ)ので。
最後の逢瀬を、存分に楽しんできたいと思っています。
で。
最後の最後に、見落としがないように、
下級生の小芝居をまとめておきたいと思います(^ ^)。
本当は、今日あたりもうネタバレも解禁だろう、ということで、リチャードさんについて語ろうと思っていたのですが。
……まとまらなかったんだもん(涙)。
■空港
ここは…すいません、みっしょん(美翔かずき)と(咲希)あかねちゃんのラヴラヴっぷりに気をとられていて、えりおっと(姿樹えり緒)たちをあまりちゃんと観てません…。
■記者会見
ここは、まぁ、台本どおりに進行しているだけなので、小ネタというほどのものはないのですが。
ここでは、えりおっとの台詞の巧さが突出しているなぁ…と、いつも感心してしまいます。あと、最近のお気に入りは、(真凜)カンナちゃんの「セクシィ〜〜〜(はぁと)」です(^ ^)。
■ダニエルの店
最初、明るくなってすぐ、上手側のカウンターに座るのは(舞乃)ゆかちゃん。少しして(彩星)りおんくんが来て、しばらく話しています。りおんくんが下手のテーブルに合流すると、ゆかちゃんは退場する…のかな?この二人の関係が結構謎なんですよね。単に一人客だったのをりおんくんがナンパしようとしたのでしょうか…?
下手側のテーブル(みっしょん、あかねちゃん、カンナちゃん)については先日も書きましたので省略。とにかく、ミーハーしている女の子たちにムッとしているみっしょんが可愛いです。
■撮影スタジオ
スタジオは全体的に、いろんなスタッフがくるくると動き回っているので、特に“何がどう”ということはないのですが。
とにかく全員がいっせいにいろんなことをしていて、しかも大まかな動きは同じでも、細かいところは少しづつ違ってたりするので、とてもとても追い切れません(涙)。
特に、みっしょんとカンナちゃんは、ジャーナリストになったり俳優になったりスタッフになったり、いろんな草鞋をはいているので、観ていてもホントに面白いです。
特にみっしょん。俳優のときは、一生懸命台本を読み込んだりしていることが多いのですが、「椿姫」の場面のアルフレッドはよほど嬉しかったらしく、撮影前にも台本を抱きしめて天に祈っているわ、テイクが終わって「OK」が出るとガッツポーズするわ、大変です。
とーやん(榎登也)やローズなど、「先輩たち」にペコペコしているところがまた可愛い!結構理不尽なことで怒られていたりして、非常に興味深くおもしろいです。
カンナちゃんも、いまひとつ仕事内容がよくわからないのですが、とにかく彼女は笑顔が可愛い(笑)。すれ違うスタッフ一人ひとりに笑顔で挨拶するカンナちゃんにめろめろです。可愛い〜〜♪♪
■シーラのパーティー
ここはまさに、小芝居の嵐というべきでしょうか…。
みんながみんな、ありとあらゆる小芝居をしていてものすごく楽しいのですが、とりあえずこの場面の主役と二番手をご紹介するにとどめましょう。
主役はベンのえりおっと。
二番手はマリオのきっしー(彩央寿音)。
です。
えりおっとは、とにかくなんでもいいので見てみてください。
最初はとーやんと話しているのかな?でも、宴もたけなわになって皆がカップルで踊り始めると、だんだんだんだん隅っこに寄っていって………、
客席に向かって「どうおもう?みんなひどいとおもわない?」みたいなアピールをしてみたり(^ ^;)。
最後には下手端で、ボーイの(紫門)ゆりやくんが持つお盆からグラスを両手で次々に掴み上げては飲み干す、という、ものすごい自棄酒っぷりを披露した後、
(光月)るうちゃんたちとか、そのあたりで踊っているカップルを切なげにみつめてから立ち去る、という離れ業。
もう、本当に目が離せませんわ、あの人は。
きっしーのマリオは、典型的なイタリアン。女と見れば声をかけるのが礼儀と思っている伊達男です。超男前!歌い終わった(妃鳳)こころに声をかけ、一踊り。すわ、ウォルター(磯野さん)のライバルに立候補かよっ!と騒然と(猫が)したところで、しつこい“大物俳優”から逃げてきた女優のカンナちゃんを拾いあげ、今度はしっとりと踊りだす…。
ホールドの手が柔らかくてかっこいいんですよ(*^ ^*)。美形度ではるうちゃんエドウィンの方が上だと思うんですけど、やっぱり女は、優しいきっしーマリオに惚れたいよね、と思ったりしました。
とにかく、その“とっかえひっかえ”ぶりがとても素敵です★きっしー。とにかく素敵なので、ぜひぜひ観てあげてください!!
■(ちょっと飛んで、2幕)「サラ・ベルナール」打ちあげ
小ネタではないんですが、最初に4人が喋りながら出てきたところでの、るうちゃんの「ステファーノも、これでやれやれだ」という台詞がすごーく好きです。声もいいし、言い方もすごく良い!なんでだか、あの台詞を聞くと笑顔になってしまうんですよ(笑)。
んで、えーっと、小ネタ小ネタ…。
ここもかなり、主役はえりおっとな感じ。
特にサイン関係のところは、彼(?)が良い味だしてますよね★
あと、個人的にですが。
ダニエルのかえこ(良基天音)ちゃんが「俺もサインがほしくて…」って話をしている間、彼の代理で“カウンターに入ってカクテルを作る”みっしょんに惚れました。役者だけでは食っていけないから、普段はここでバイトしてます、とか、そういうネタなんでしょうか(笑)。
戻ってきたかえちゃんと入れ替わるときも、ちょっとアクションが大きくてかっこいいです(はぁと)。
あと、妙に次から次と女の子とばかり話をしているマリオきっしーと、ほとんどずっと男同士でつるんでいるのに、なぜかあっさりダンスパートナーをゲットしているエドウィンるうちゃんの対比が非常に面白いです(笑)。
■プレミア・パーティー
きっしーはカンナちゃんの腰を抱いてスタッフ席に。いやー、その腰の抱き方がまた、色っぽくていいです★
ゆかちゃんは、下手のセンター脇くらいの位置に、一人で立っていたと思います。ローズの付き人として参加しているのかな?と思ったのですが、プログラムは「パーティーの女」なので違うのかな。ってことは、微妙に老け化粧なのはわざとなのかなあ…。あんなに可愛いのにもったいない!!と思っていたんですが(T T)。
みっしょんは、新聞記者として上手隅にみあちゃんと二人で。
このみあちゃんが、また物凄く凶悪に可愛いです。はい(にっこり)。
あかねちゃんとりおんくんは下手側の後ろに並んでた…かな?プログラムには「パーティーの男/女」になっているので、りおんくんもチャールズとして参加しているんじゃないみたいですね。
あかねちゃん、シルバーのドレスがめちゃくちゃ似合っててすごいキレイ、です。
ボーイはシーラのパーティーに引き続き、ゆりやくん。
「過去のステファーノ」ゆりやくんは、案外こまごまと登場するのに、「過去のローズ」蘭乃はなちゃんは、他の役では全く出てこないんですよね。最初の新聞記者だけ。
ドレスは着替えるのに時間がかかるのでしょうか…?ボーイだけでなくウェイトレスも居てくれたら、目の保養なのになあ。
月組下級生の小芝居のいいところは、場面を壊さないことだなあ、と、今回しみじみと思いました。
撮影所でもパーティーでも、あんなにやりたい放題いろんなことをやっているのに、場面としてはきちんと成立するんですね。
なかなかできないことだと思います。
舞台を楽しむこと。
出ている場面を楽しむこと。
自分の役を楽しむこと。
これが、観客を楽しませることにダイレクトにつながるのだ、と、
それが解っているメンバーが、愛おしくてなりません。
そして。
あと一日。
あと、たったの一回。
月組の皆様、祐飛さんをどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m。
.
3月12日・13日に宝塚ホテル、17日・18日に東京會舘。
……2007年度の有給休暇は、明日で使い切りますが?
もう風邪ひいても休まないわ、という覚悟で千秋楽を観るんですけど、…どうしろ、と?
とか愚痴りつつ、でもやっぱり、嬉しいものは嬉しいですね。
特に、中村一徳さんのショーは大好きなので、楽しみです。
ただ、彼のショーの一番の「イイトコロ」は人海戦術なんですよね。…ディナーショーに人海戦術ってありえなくね?(汗)うーん、ちょっとだけ不安だわ。
それと、あと気になるのが、どなたが出てくださるんでしょうか?ってこと。まさか祐飛さん一人でやれとか言わないよね??ね?(T T)。
物理的に出演不可能なのは、「蒼いくちづけ」後半と「舞姫」に入っているメンバー。
それ以外の方で……
…ごくごく、個人的希望ですが。
さお太(高翔 みず希)さん、(桜)一花ちゃん、(華耀)きらりちゃん、(白華)れみちゃん、という超(猫的)豪華メンバーだったりしたら、全日程コンプリートしたいくらい楽しみなのですが。
(↑その場合、お金と休暇はどこかから出てくるんでしょうか…?)
しかーし、
真面目な話、25000円かあ………。
ディナー抜きで、ショーだけ10000円、とかいうチケットがあればいいのになあ(泣)。
きりやさんやゆみこさんやとうこさんのうたにならそのくらいはらってもおしくな…(だまれ)。
…詳細の発表が楽しみです★
とりあえず中村さんにお願いがひとつ。
タイトルは、「S」で始まる単語でお願いします!(今までのDSタイトルが、「Selfish!」「Spark!」「Spark! 2」なので)
というわけで、今日は1月24日。
月組青年館公演「Hollywood Lover」も、あとわずか一日、たったの一回で終了、です。
久々の、はまりきって、浸りきった公演だったので、終わりが近づいてくるのがとてもさびしいです。
ステファーノさんに会えるのも、あと一回。
……たったの?
いつの間にそんなに時が流れてしまったのか、愕然とします。
でも、「時は後戻りはしない」(byローズ)ので。
最後の逢瀬を、存分に楽しんできたいと思っています。
で。
最後の最後に、見落としがないように、
下級生の小芝居をまとめておきたいと思います(^ ^)。
本当は、今日あたりもうネタバレも解禁だろう、ということで、リチャードさんについて語ろうと思っていたのですが。
……まとまらなかったんだもん(涙)。
■空港
ここは…すいません、みっしょん(美翔かずき)と(咲希)あかねちゃんのラヴラヴっぷりに気をとられていて、えりおっと(姿樹えり緒)たちをあまりちゃんと観てません…。
■記者会見
ここは、まぁ、台本どおりに進行しているだけなので、小ネタというほどのものはないのですが。
ここでは、えりおっとの台詞の巧さが突出しているなぁ…と、いつも感心してしまいます。あと、最近のお気に入りは、(真凜)カンナちゃんの「セクシィ〜〜〜(はぁと)」です(^ ^)。
■ダニエルの店
最初、明るくなってすぐ、上手側のカウンターに座るのは(舞乃)ゆかちゃん。少しして(彩星)りおんくんが来て、しばらく話しています。りおんくんが下手のテーブルに合流すると、ゆかちゃんは退場する…のかな?この二人の関係が結構謎なんですよね。単に一人客だったのをりおんくんがナンパしようとしたのでしょうか…?
下手側のテーブル(みっしょん、あかねちゃん、カンナちゃん)については先日も書きましたので省略。とにかく、ミーハーしている女の子たちにムッとしているみっしょんが可愛いです。
■撮影スタジオ
スタジオは全体的に、いろんなスタッフがくるくると動き回っているので、特に“何がどう”ということはないのですが。
とにかく全員がいっせいにいろんなことをしていて、しかも大まかな動きは同じでも、細かいところは少しづつ違ってたりするので、とてもとても追い切れません(涙)。
特に、みっしょんとカンナちゃんは、ジャーナリストになったり俳優になったりスタッフになったり、いろんな草鞋をはいているので、観ていてもホントに面白いです。
特にみっしょん。俳優のときは、一生懸命台本を読み込んだりしていることが多いのですが、「椿姫」の場面のアルフレッドはよほど嬉しかったらしく、撮影前にも台本を抱きしめて天に祈っているわ、テイクが終わって「OK」が出るとガッツポーズするわ、大変です。
とーやん(榎登也)やローズなど、「先輩たち」にペコペコしているところがまた可愛い!結構理不尽なことで怒られていたりして、非常に興味深くおもしろいです。
カンナちゃんも、いまひとつ仕事内容がよくわからないのですが、とにかく彼女は笑顔が可愛い(笑)。すれ違うスタッフ一人ひとりに笑顔で挨拶するカンナちゃんにめろめろです。可愛い〜〜♪♪
■シーラのパーティー
ここはまさに、小芝居の嵐というべきでしょうか…。
みんながみんな、ありとあらゆる小芝居をしていてものすごく楽しいのですが、とりあえずこの場面の主役と二番手をご紹介するにとどめましょう。
主役はベンのえりおっと。
二番手はマリオのきっしー(彩央寿音)。
です。
えりおっとは、とにかくなんでもいいので見てみてください。
最初はとーやんと話しているのかな?でも、宴もたけなわになって皆がカップルで踊り始めると、だんだんだんだん隅っこに寄っていって………、
客席に向かって「どうおもう?みんなひどいとおもわない?」みたいなアピールをしてみたり(^ ^;)。
最後には下手端で、ボーイの(紫門)ゆりやくんが持つお盆からグラスを両手で次々に掴み上げては飲み干す、という、ものすごい自棄酒っぷりを披露した後、
(光月)るうちゃんたちとか、そのあたりで踊っているカップルを切なげにみつめてから立ち去る、という離れ業。
もう、本当に目が離せませんわ、あの人は。
きっしーのマリオは、典型的なイタリアン。女と見れば声をかけるのが礼儀と思っている伊達男です。超男前!歌い終わった(妃鳳)こころに声をかけ、一踊り。すわ、ウォルター(磯野さん)のライバルに立候補かよっ!と騒然と(猫が)したところで、しつこい“大物俳優”から逃げてきた女優のカンナちゃんを拾いあげ、今度はしっとりと踊りだす…。
ホールドの手が柔らかくてかっこいいんですよ(*^ ^*)。美形度ではるうちゃんエドウィンの方が上だと思うんですけど、やっぱり女は、優しいきっしーマリオに惚れたいよね、と思ったりしました。
とにかく、その“とっかえひっかえ”ぶりがとても素敵です★きっしー。とにかく素敵なので、ぜひぜひ観てあげてください!!
■(ちょっと飛んで、2幕)「サラ・ベルナール」打ちあげ
小ネタではないんですが、最初に4人が喋りながら出てきたところでの、るうちゃんの「ステファーノも、これでやれやれだ」という台詞がすごーく好きです。声もいいし、言い方もすごく良い!なんでだか、あの台詞を聞くと笑顔になってしまうんですよ(笑)。
んで、えーっと、小ネタ小ネタ…。
ここもかなり、主役はえりおっとな感じ。
特にサイン関係のところは、彼(?)が良い味だしてますよね★
あと、個人的にですが。
ダニエルのかえこ(良基天音)ちゃんが「俺もサインがほしくて…」って話をしている間、彼の代理で“カウンターに入ってカクテルを作る”みっしょんに惚れました。役者だけでは食っていけないから、普段はここでバイトしてます、とか、そういうネタなんでしょうか(笑)。
戻ってきたかえちゃんと入れ替わるときも、ちょっとアクションが大きくてかっこいいです(はぁと)。
あと、妙に次から次と女の子とばかり話をしているマリオきっしーと、ほとんどずっと男同士でつるんでいるのに、なぜかあっさりダンスパートナーをゲットしているエドウィンるうちゃんの対比が非常に面白いです(笑)。
■プレミア・パーティー
きっしーはカンナちゃんの腰を抱いてスタッフ席に。いやー、その腰の抱き方がまた、色っぽくていいです★
ゆかちゃんは、下手のセンター脇くらいの位置に、一人で立っていたと思います。ローズの付き人として参加しているのかな?と思ったのですが、プログラムは「パーティーの女」なので違うのかな。ってことは、微妙に老け化粧なのはわざとなのかなあ…。あんなに可愛いのにもったいない!!と思っていたんですが(T T)。
みっしょんは、新聞記者として上手隅にみあちゃんと二人で。
このみあちゃんが、また物凄く凶悪に可愛いです。はい(にっこり)。
あかねちゃんとりおんくんは下手側の後ろに並んでた…かな?プログラムには「パーティーの男/女」になっているので、りおんくんもチャールズとして参加しているんじゃないみたいですね。
あかねちゃん、シルバーのドレスがめちゃくちゃ似合っててすごいキレイ、です。
ボーイはシーラのパーティーに引き続き、ゆりやくん。
「過去のステファーノ」ゆりやくんは、案外こまごまと登場するのに、「過去のローズ」蘭乃はなちゃんは、他の役では全く出てこないんですよね。最初の新聞記者だけ。
ドレスは着替えるのに時間がかかるのでしょうか…?ボーイだけでなくウェイトレスも居てくれたら、目の保養なのになあ。
月組下級生の小芝居のいいところは、場面を壊さないことだなあ、と、今回しみじみと思いました。
撮影所でもパーティーでも、あんなにやりたい放題いろんなことをやっているのに、場面としてはきちんと成立するんですね。
なかなかできないことだと思います。
舞台を楽しむこと。
出ている場面を楽しむこと。
自分の役を楽しむこと。
これが、観客を楽しませることにダイレクトにつながるのだ、と、
それが解っているメンバーが、愛おしくてなりません。
そして。
あと一日。
あと、たったの一回。
月組の皆様、祐飛さんをどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m。
.
サーカスと映画とタカラヅカと
2008年1月23日 宝塚全体・OG コメント (4)昨日、星組新公の話とこれから書く話題の両方をまとめて書いたのですが、いくつか間違いも指摘されたりしたので、だいぶ改稿しました(汗)。
なんだか解りにくくってすみません。
なお、内容的には、昨夜UPしていたものと大きくは変わっておりません。(一部に「君を愛してる」のネタバレを含んでいます)
雪組さんの「君を愛してる」の中で。
ユミコちゃん扮するアルガンは、マルキーズをはじめとするサーカス団員に向かって問いかけます。
♪変わらないでほしい、と、古くからの客は言う
でも、
本当に変わらなくて大丈夫なのか?
古くから通ってくれる客は、それ以上増えることはない。
そして、変わらずにいれば、新しい客を取ることは難しくなる一方だ。
変わることで古い客が離れるのは必然。
それで新しい客が取れなければ、おしまいだ。
それは真実。
でも。
変わらずにいれば、観客は目減りしていくばかり。
しょせん、今いる客も永遠ではない!
マルキーズは問いかける。
でも、若手はどうするの?
サーカスの芸は、幼い頃から訓練しなくてはならないものも
たくさんあるのよ?
アルガンは応えて歌う。
舞台に立ちたいなら、
舞台で食っていきたいなら、芸を磨けば良い。
世界は広い。
ロシア、アジア…身体能力が根本的に違う人間がたくさんいる。
芸が身についていない若手、
将来それが身につくかどうかも解らない連中を、
世話してやる必要がどこにある?
マルキーズは訴える。
サーカスは家族
助け合い、支え合って、初めて芸に取り組める。
サーカスは家族なのよ!
ま、プログラムには歌詞とか載っていなかったので、かなりてきとーな記憶ですが、大意はこんな感じだったかと。(違ったらご指摘ください)
で。
木村さん的には、まるっと宝塚の現状を語っているんだろうな、と思いながら、私は聴いていたわけです。
この問いかけに対して、彼がどんな答えを用意しているのか、とても楽しみにしつつ。
でも、残念ながらbig>木村さんはさらっと逃げてしまいました…。
…そりゃーそうですよね…(答えられる問題なら解決されているような…しょぼん)。
「君を愛してる」は、貴族制度が崩壊した以降のお話ですから、ジョルジュがバックについたからもう安心、ってのは違うんですよね。
基本的な活動を自力でできる程度に稼げる体質にならない限り、問題は根本的には解決しない。
となれば、するべきことはたった一つ。
『古い客を逃がさずに、新しい客を呼ぶこと。』
あるいは、
『古い客を逃がしてでも、それを埋めてあまりあるほどの新しい客を呼ぶこと。』
その、どちらかひとつ。
後者を選んだのがアルガン。
それは大きな賭けでしたけれども、今のところは成功している。
「大成功」と言ってもいいくらいに。
マルキーズは、本音では前者でさえ選びたくはない。
何も変えたくない。
今のままでいたいの。今のまま、今いるお客様に満足してもらえればいい。
だって。
彼女の夢は、“皆に夢を与えること”、なのだから…。
物語としては、「観客が目減りしていく」という根本的なテーマは、アルガンが指摘するけれども、作者も解決策を思いつかないので棚上げされ、「立ち退き問題」のみに焦点をあてて進みます。
最終的には、ジョルジュが無事に親の遺産を受け継ぎ、伯爵家を継いだうえで後援者として立つことで、「立ち退き」問題は解決するわけですが。
でも、このとき「サーカス団」は、非常にあやうい地盤に立っているんですよね。
彼らがジョルジュに頼りきらず自立するためには、どうしたらいいのか?
「シルク・ド・メール」が成功した方法は、使えない。
マルキーズの夢と真っ向から対立することになるから。
そして何よりも、柳の下には一匹しかドジョウはいないものだから。
ならばいったい、どうしたら?
エンターテイメントとしての「サーカス」は、どういうものであるべきなのか…?
似たような問題が、月組「Hollywood Lover」では、ハリウッド映画の現状として語られます。
<記者会見>
「しかし、(グランディ監督の作品は)今までのエムパイア映画の作風とは
まったく異色のように思えますが?」(byえりおっと)
「新しい風も必要でしょう。手厳しい一般大衆に飽きられないためには」(byリチャード)
<リチャードの執務室>
「お前は認めたくないだろうが、ローズ・ラムーアが大衆から
飽きられはじめているのは事実だ」(byウォルター・ローガン)
「大衆がローズに求めるものを、私が熟知している」(byリチャード)
「大衆ではなく、お前が求めるモノだ!」(byウォルター)
エンターテイメントとしての「映画」は、どういったものであるべきか。
エンターテイメントにとって、「大衆」とは何か?
クリエーターは、「大衆」あるいは「観客」がいなければアイデンティティを保てません。自分が無から苦労して創りだしたモノも、他人と共有されなければ意味がないのだから。
U.K.ル=グゥインの傑作SF「所有せざる人々」の主人公は、
「自分の発想」であり「インスピレーション」でもある“物理法則”を「他人と共有するために」命を賭ける一人の男、なのですが。
その「共有」する、ということに対する執着を、ル=グゥインは「芸術家気質」として表現します。
その「モノ」の価値ではなく、それが生み出す「感動」の価値で対価をつける。
そして、その対価づけを、一部の「見巧者」「聞巧者」のみを対象におこなうのが「芸術」で、「大衆」が受け取る「感動」でつけるのが、「エンターテイメント」、
…なのだとしたら。
サーカス団は、エンターテイメントであり続けるべき、なのでしょうか?
装置を巨大化し、キャストの質(=技術)を底上げして、その分観料をあげる“芸術”路線、あるいは「大規模化」する「シルク・ド・ソレイユ」とは一線を画して、あくまでも「大衆向けの」エンターテイメントとして生き残る。
広く「大衆」に「夢」を配ることを主目的として、「大衆」の笑顔に人生を賭けて。
そのためには。
プライドを保ちにくく、分の悪い賭けになりがちな「大衆向け」という地位を守るためには、その世界はある程度閉じている必要があります。
特に、サーカス団のような「特殊技能」を必要とする集団においては、家族的なつながり、絆の深さが何よりも大切です。どろどろとした濃い人間関係だけが、枷となってメンバー流出の歯止めとなりうるのですから。
ただ、この「隔離策」は双刃の剣で、行き過ぎれば一般社会からの人材流入が滞り、完全に閉じられた「サーカス団」の中で再生産が行われるようになってしまう。
それはすなわち、「エンターテイメント」の保守化、あるいは伝統芸能化、ということです。そこにはもはや進歩は望めない。狭隘な隔離社会の中では、長期にわたって再生産を続けることができず、いずれ血が凝ってどこかで途絶えてしまうから、です。
社会というものは、一度閉じてしまえば、再び開かれることはまずありません。それが開かれるときは、すなわち崩壊の時です。
そこの匙加減は難しいところですが、逆に考えれば、人材の流入がなくなる=「大衆のためのエンターテイメント」としての存在意義がない、ということなのかもしれません。
そこまできたら、あとは大規模化して見巧者な客だけを相手にするか、伝統芸能化するか、どちらかしかない、ということです。
(農業と一緒だな…)
サーカス団は、貴族(ジョルジュ)の保護を得て、当面はパリ市内に営業場所を確保しました。
彼の援助で設備もある程度新しくできるかもしれないし、宣伝も打てるかもしれない。
それをきっかけに、また「サーカス」という分野そのものが息を吹き返すことを祈って、彼らは今までと同じ朝を迎えようとする。
彼らにできることといっても、せいぜい自分の芸を磨くこと、くらいで。(でも、それが一番大切なんですけどね!)
………、
あまりにも、「君を愛してる」のサーカス団の現状がタカラヅカとそっくりすぎて、
ファンとして心が痛かったです。
また、具体的な解決策がなにひとつ提示されなかったので、余計に。
どうするんだろう、タカラヅカは。
どうなるんだろう、タカラヅカは?
「Hollywood Lover」の中では、その解決策らしきものが提示されます。
「ハリウッドの娯楽性と、俺の芸術の融合点を見つけるんだ」
「大衆受けを狙ったゴージャスな映像を入れたからって、サラ・ベルナールのドラマが描けないってことにはならない。やるからには最高を目指す」(byステファーノ)
大衆受けだけで創られたものは、愛されるけれどもすぐに飽きられてしまう。
芸術性だけで作られたものは、興味を持ってくれる「観客」との出会いの場が少ない。
…だから。
エンターテイメントとしての華やかさとHappiness、夢、
そういったものを全部、ふるって、まぜて、型にいれて、
そして、ひとふりの毒をふるの。
毒のないケーキは、甘くておいしくて、子供に受けがよくて、でも、すぐに飽きられてしまう。
ひとふりの“毒”が、大人の賞味に耐えるケーキに仕上げてくれる、ハズ。
タカラヅカはエンターテイメント。
だから、いつまでも「今を生きる」エンターテイメントでいてほしい。
歌舞伎が、ほんの100年前は「最先端のエンターテイメント」であったように、
あと100年もすれば、タカラヅカが「伝統芸能」になっているのかもしれない。
それは勿論、あり得ないことじゃない。
でも。
私は、100年たっても200年たっても、「タカラヅカ」はエンターテイメントであってほしい。
人材交流のある、「開かれた」エンターテイメントであってほしい。
そのために、具体的にどうしたらいいのか、は、
わからないけれども……(泣)。
ちなみに。
ちょっと話がずれますが。
「ロシア、アジア…」とアルガンが歌うのを聴きながら、私が思い浮かべていたのは劇団四季でした。
お芝居が大切な要素のひとつであるミュージカルのメインキャストを、やっと母音発声ができるようになったばかりの“ニホンゴスコシワカリマス”系キャストにやらせて、平然としている劇団。
だったらいっそ、芝居部分だけでも全員英語(あるいは韓国語・上海語など)で上演して、字幕をつけてくれた方がよほどマシなんだけどなあ…。英語なら、どんなに下手糞でも私にはわからないから、別に構わないし(←なんて自分勝手な!)。
…劇団四季よ、おまへはどこへむかふのか…?
.
なんだか解りにくくってすみません。
なお、内容的には、昨夜UPしていたものと大きくは変わっておりません。(一部に「君を愛してる」のネタバレを含んでいます)
雪組さんの「君を愛してる」の中で。
ユミコちゃん扮するアルガンは、マルキーズをはじめとするサーカス団員に向かって問いかけます。
♪変わらないでほしい、と、古くからの客は言う
でも、
本当に変わらなくて大丈夫なのか?
古くから通ってくれる客は、それ以上増えることはない。
そして、変わらずにいれば、新しい客を取ることは難しくなる一方だ。
変わることで古い客が離れるのは必然。
それで新しい客が取れなければ、おしまいだ。
それは真実。
でも。
変わらずにいれば、観客は目減りしていくばかり。
しょせん、今いる客も永遠ではない!
マルキーズは問いかける。
でも、若手はどうするの?
サーカスの芸は、幼い頃から訓練しなくてはならないものも
たくさんあるのよ?
アルガンは応えて歌う。
舞台に立ちたいなら、
舞台で食っていきたいなら、芸を磨けば良い。
世界は広い。
ロシア、アジア…身体能力が根本的に違う人間がたくさんいる。
芸が身についていない若手、
将来それが身につくかどうかも解らない連中を、
世話してやる必要がどこにある?
マルキーズは訴える。
サーカスは家族
助け合い、支え合って、初めて芸に取り組める。
サーカスは家族なのよ!
ま、プログラムには歌詞とか載っていなかったので、かなりてきとーな記憶ですが、大意はこんな感じだったかと。(違ったらご指摘ください)
で。
木村さん的には、まるっと宝塚の現状を語っているんだろうな、と思いながら、私は聴いていたわけです。
この問いかけに対して、彼がどんな答えを用意しているのか、とても楽しみにしつつ。
でも、残念ながらbig>木村さんはさらっと逃げてしまいました…。
…そりゃーそうですよね…(答えられる問題なら解決されているような…しょぼん)。
「君を愛してる」は、貴族制度が崩壊した以降のお話ですから、ジョルジュがバックについたからもう安心、ってのは違うんですよね。
基本的な活動を自力でできる程度に稼げる体質にならない限り、問題は根本的には解決しない。
となれば、するべきことはたった一つ。
『古い客を逃がさずに、新しい客を呼ぶこと。』
あるいは、
『古い客を逃がしてでも、それを埋めてあまりあるほどの新しい客を呼ぶこと。』
その、どちらかひとつ。
後者を選んだのがアルガン。
それは大きな賭けでしたけれども、今のところは成功している。
「大成功」と言ってもいいくらいに。
マルキーズは、本音では前者でさえ選びたくはない。
何も変えたくない。
今のままでいたいの。今のまま、今いるお客様に満足してもらえればいい。
だって。
彼女の夢は、“皆に夢を与えること”、なのだから…。
物語としては、「観客が目減りしていく」という根本的なテーマは、アルガンが指摘するけれども、作者も解決策を思いつかないので棚上げされ、「立ち退き問題」のみに焦点をあてて進みます。
最終的には、ジョルジュが無事に親の遺産を受け継ぎ、伯爵家を継いだうえで後援者として立つことで、「立ち退き」問題は解決するわけですが。
でも、このとき「サーカス団」は、非常にあやうい地盤に立っているんですよね。
彼らがジョルジュに頼りきらず自立するためには、どうしたらいいのか?
「シルク・ド・メール」が成功した方法は、使えない。
マルキーズの夢と真っ向から対立することになるから。
そして何よりも、柳の下には一匹しかドジョウはいないものだから。
ならばいったい、どうしたら?
エンターテイメントとしての「サーカス」は、どういうものであるべきなのか…?
似たような問題が、月組「Hollywood Lover」では、ハリウッド映画の現状として語られます。
<記者会見>
「しかし、(グランディ監督の作品は)今までのエムパイア映画の作風とは
まったく異色のように思えますが?」(byえりおっと)
「新しい風も必要でしょう。手厳しい一般大衆に飽きられないためには」(byリチャード)
<リチャードの執務室>
「お前は認めたくないだろうが、ローズ・ラムーアが大衆から
飽きられはじめているのは事実だ」(byウォルター・ローガン)
「大衆がローズに求めるものを、私が熟知している」(byリチャード)
「大衆ではなく、お前が求めるモノだ!」(byウォルター)
エンターテイメントとしての「映画」は、どういったものであるべきか。
エンターテイメントにとって、「大衆」とは何か?
クリエーターは、「大衆」あるいは「観客」がいなければアイデンティティを保てません。自分が無から苦労して創りだしたモノも、他人と共有されなければ意味がないのだから。
U.K.ル=グゥインの傑作SF「所有せざる人々」の主人公は、
「自分の発想」であり「インスピレーション」でもある“物理法則”を「他人と共有するために」命を賭ける一人の男、なのですが。
その「共有」する、ということに対する執着を、ル=グゥインは「芸術家気質」として表現します。
その「モノ」の価値ではなく、それが生み出す「感動」の価値で対価をつける。
そして、その対価づけを、一部の「見巧者」「聞巧者」のみを対象におこなうのが「芸術」で、「大衆」が受け取る「感動」でつけるのが、「エンターテイメント」、
…なのだとしたら。
サーカス団は、エンターテイメントであり続けるべき、なのでしょうか?
装置を巨大化し、キャストの質(=技術)を底上げして、その分観料をあげる“芸術”路線、あるいは「大規模化」する「シルク・ド・ソレイユ」とは一線を画して、あくまでも「大衆向けの」エンターテイメントとして生き残る。
広く「大衆」に「夢」を配ることを主目的として、「大衆」の笑顔に人生を賭けて。
そのためには。
プライドを保ちにくく、分の悪い賭けになりがちな「大衆向け」という地位を守るためには、その世界はある程度閉じている必要があります。
特に、サーカス団のような「特殊技能」を必要とする集団においては、家族的なつながり、絆の深さが何よりも大切です。どろどろとした濃い人間関係だけが、枷となってメンバー流出の歯止めとなりうるのですから。
ただ、この「隔離策」は双刃の剣で、行き過ぎれば一般社会からの人材流入が滞り、完全に閉じられた「サーカス団」の中で再生産が行われるようになってしまう。
それはすなわち、「エンターテイメント」の保守化、あるいは伝統芸能化、ということです。そこにはもはや進歩は望めない。狭隘な隔離社会の中では、長期にわたって再生産を続けることができず、いずれ血が凝ってどこかで途絶えてしまうから、です。
社会というものは、一度閉じてしまえば、再び開かれることはまずありません。それが開かれるときは、すなわち崩壊の時です。
そこの匙加減は難しいところですが、逆に考えれば、人材の流入がなくなる=「大衆のためのエンターテイメント」としての存在意義がない、ということなのかもしれません。
そこまできたら、あとは大規模化して見巧者な客だけを相手にするか、伝統芸能化するか、どちらかしかない、ということです。
(農業と一緒だな…)
サーカス団は、貴族(ジョルジュ)の保護を得て、当面はパリ市内に営業場所を確保しました。
彼の援助で設備もある程度新しくできるかもしれないし、宣伝も打てるかもしれない。
それをきっかけに、また「サーカス」という分野そのものが息を吹き返すことを祈って、彼らは今までと同じ朝を迎えようとする。
彼らにできることといっても、せいぜい自分の芸を磨くこと、くらいで。(でも、それが一番大切なんですけどね!)
………、
あまりにも、「君を愛してる」のサーカス団の現状がタカラヅカとそっくりすぎて、
ファンとして心が痛かったです。
また、具体的な解決策がなにひとつ提示されなかったので、余計に。
どうするんだろう、タカラヅカは。
どうなるんだろう、タカラヅカは?
「Hollywood Lover」の中では、その解決策らしきものが提示されます。
「ハリウッドの娯楽性と、俺の芸術の融合点を見つけるんだ」
「大衆受けを狙ったゴージャスな映像を入れたからって、サラ・ベルナールのドラマが描けないってことにはならない。やるからには最高を目指す」(byステファーノ)
大衆受けだけで創られたものは、愛されるけれどもすぐに飽きられてしまう。
芸術性だけで作られたものは、興味を持ってくれる「観客」との出会いの場が少ない。
…だから。
エンターテイメントとしての華やかさとHappiness、夢、
そういったものを全部、ふるって、まぜて、型にいれて、
そして、ひとふりの毒をふるの。
毒のないケーキは、甘くておいしくて、子供に受けがよくて、でも、すぐに飽きられてしまう。
ひとふりの“毒”が、大人の賞味に耐えるケーキに仕上げてくれる、ハズ。
タカラヅカはエンターテイメント。
だから、いつまでも「今を生きる」エンターテイメントでいてほしい。
歌舞伎が、ほんの100年前は「最先端のエンターテイメント」であったように、
あと100年もすれば、タカラヅカが「伝統芸能」になっているのかもしれない。
それは勿論、あり得ないことじゃない。
でも。
私は、100年たっても200年たっても、「タカラヅカ」はエンターテイメントであってほしい。
人材交流のある、「開かれた」エンターテイメントであってほしい。
そのために、具体的にどうしたらいいのか、は、
わからないけれども……(泣)。
ちなみに。
ちょっと話がずれますが。
「ロシア、アジア…」とアルガンが歌うのを聴きながら、私が思い浮かべていたのは劇団四季でした。
お芝居が大切な要素のひとつであるミュージカルのメインキャストを、やっと母音発声ができるようになったばかりの“ニホンゴスコシワカリマス”系キャストにやらせて、平然としている劇団。
だったらいっそ、芝居部分だけでも全員英語(あるいは韓国語・上海語など)で上演して、字幕をつけてくれた方がよほどマシなんだけどなあ…。英語なら、どんなに下手糞でも私にはわからないから、別に構わないし(←なんて自分勝手な!)。
…劇団四季よ、おまへはどこへむかふのか…?
.
若人たちの「エル・アルコン」
2008年1月22日 宝塚(星) コメント (2)宝塚星組 東宝劇場「エル・アルコン」新人公演を観て参りました。
しかーし。私、実は結局この作品、本公演をまだ観ていないので、詳細は、本公演を観てから書かせていただきたいと思います。
なので今日は、作品には触れず、お気に入りの人たちの印象についてのみ、ってことで。
ともみんは、吃驚するほど格好良かったし、歌もがんばっていたし、何より声が色っぽくて良かったです♪ただ、黒髪ロングの鬘は…それ自体は良く似合っていたけど、本来はああいう闇主系よりも、ラテン系が似合うタイプなんじゃないのかなあ…。ティリアンはかなりギリギリ、な感じでした。
「エル・アルコン」より、原作の本編にあたる「七つの海七つの空」(レッド主役)を観てみたかったような気がします。
キトリちゃんは、もっと可愛らしくなってしまうかと思っていましたが、案外と声が大人っぽいんですね(声聴いたの初めてかも)。容姿のかわいらしさを芝居でうまくカバーして、かっこいい女海賊でした♪
お気に入りの水輝くんも、サンタクルズ侯で美声を聴かせてくださって満足です。しっかし役つかないねぇ…(T T)。鶴美さん(ジェラード)はかっこよかった!ベニー(エドリントン他)は、役はちょっと物足りなかったけど、プリマスの男がとても素敵でした♪♪
麻尋くん筆頭に、星組さんの若手は声が良い人が多くて羨ましい!中でも美弥るりの、可愛らしい美貌に似合わぬ太い艶声に驚きました。あれだけの美貌であれだけ声が良い人って珍しい!うまく使われたらすっごい面白い存在でしょうね…。
そして。
近いうちに、真風さんに落ちるかもしれません……キャプテンブラック、素敵でした〜!(惚)。ビジュアル的には私の“タイプ”にど真ん中で、久々に胸が騒ぎました。ドキドキ。
「ハロー!ダンシング」で印象に残ったのは偶然じゃなかったのね…?スチールとか見ても全然反応しないのに、実物のど真ん中っぷりは何なんだろう…(汗)。
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しかーし。私、実は結局この作品、本公演をまだ観ていないので、詳細は、本公演を観てから書かせていただきたいと思います。
なので今日は、作品には触れず、お気に入りの人たちの印象についてのみ、ってことで。
ともみんは、吃驚するほど格好良かったし、歌もがんばっていたし、何より声が色っぽくて良かったです♪ただ、黒髪ロングの鬘は…それ自体は良く似合っていたけど、本来はああいう闇主系よりも、ラテン系が似合うタイプなんじゃないのかなあ…。ティリアンはかなりギリギリ、な感じでした。
「エル・アルコン」より、原作の本編にあたる「七つの海七つの空」(レッド主役)を観てみたかったような気がします。
キトリちゃんは、もっと可愛らしくなってしまうかと思っていましたが、案外と声が大人っぽいんですね(声聴いたの初めてかも)。容姿のかわいらしさを芝居でうまくカバーして、かっこいい女海賊でした♪
お気に入りの水輝くんも、サンタクルズ侯で美声を聴かせてくださって満足です。しっかし役つかないねぇ…(T T)。鶴美さん(ジェラード)はかっこよかった!ベニー(エドリントン他)は、役はちょっと物足りなかったけど、プリマスの男がとても素敵でした♪♪
麻尋くん筆頭に、星組さんの若手は声が良い人が多くて羨ましい!中でも美弥るりの、可愛らしい美貌に似合わぬ太い艶声に驚きました。あれだけの美貌であれだけ声が良い人って珍しい!うまく使われたらすっごい面白い存在でしょうね…。
そして。
近いうちに、真風さんに落ちるかもしれません……キャプテンブラック、素敵でした〜!(惚)。ビジュアル的には私の“タイプ”にど真ん中で、久々に胸が騒ぎました。ドキドキ。
「ハロー!ダンシング」で印象に残ったのは偶然じゃなかったのね…?スチールとか見ても全然反応しないのに、実物のど真ん中っぷりは何なんだろう…(汗)。
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宝塚月組 日本青年館公演「Hollywood Lover」の初日があいてから、早いものでもう3日が過ぎてしまいました…。
7日間・全11公演のうち、3日間・5公演が終了。ってことは、ちょうど明日が折り返し地点、なんですね。
…早いなあ。
バウホール公演との違いは、主に空間の広さ(天井の高さ)と音響、そして、脚本の細々とした手直し…それくらい?
このうち、空間については、出演者一同大きく動くことでカバー、していたような気が(^ ^)。とにかく、あまり違和感は感じませんでした♪
観客席の広さの違いによる緊張感の差というのは、少なりともあると思うのですが。今回は、そこも観客の熱気でカバーされているような気がする(^ ^)。
だって今回、絶対バウホールの時より、台詞の間というか、“沈黙という演出”が長くなっているような気がするんですよ。ステファーノとリチャードの、喧嘩腰のやり取りとか。
なのに、
観客席の緊張が、切れない。
不思議だ…。
BGMも何もない、普通の会話の場面で台詞の「間」を長く取ると、観客の緊張が途切れて、咳払いしたり、あるいはガサゴソ何かを探し始める人がいたり、でテンションが下がる(で、次の台詞が始まるとまた戻る、の繰り返し)のが常だと思うのですが。
今回は本当に、観客の緊張が切れなくて。針を一本落としてもわかるような「沈黙」が、台詞の合間合間に、しかもかなりの長時間入るんですよね……。ちょっと感動しました(^ ^)。
一番問題なのは音響、かな。
高音部(特に、男役さんで声が高めの人の台詞)がクリアになりすぎて、カスカスした雑音が入っているように聴こえる、
逆に、低音部がこもって聴こえてしまって再現できない、など。
特に思ったのが、ビリー(桐生)とマギー(花瀬)のラヴソングでした。バウホールでは「園加ちゃん、歌が巧くなったなー」と思ったのに、青年館では元通り、いやそれ以上にカスカス聴こえてしまったのが残念(T T)。
全体的に、マイクをオンにし忘れた、落とした、付ける場所を失敗して服がこすれたり小道具に当たったりして雑音が入る…などのハプニングも多いですね、今のところ。
短い公演なのにもったいない〜(涙)。
脚本的な手直しは、ホント微調整って感じ…だと思います。なんとなく、バウ版よりさらに「具体的にイメージがわきやすいような表現」に修正されていたところが多かったような(説明が全然具体的じゃなくてごめんなさい)。
個人的には、開幕すぐの最初の撮影現場で、サム(麻月)とナンシー(なっつ)がスタジオ中を駆け回るシーン。
二人を眺めるステファーノの、過去への回想の発端となるシーンですが。
ここのなっつの台詞が「わあ〜!ここで映画撮るのね〜!」に変わってたのがちょっと残念。これ、バウホールでは、直後に流れる過去のローズの「これが映画のスタジオ?」と同じ台詞だった記憶があるのですが…。
変えたのだとしたら、理由を知りたいなあ。前の方がスムーズに回想に入れていいなあと思っていたのにぃ〜。
…とかなんとか言っちゃって、私の思い込み記憶違いだったらすみませんm(_ _)m。
さてさて。
というわけで。脚本的的には大きな変更なし、演出的にも、空間の大きさを埋めるための動きの手直しくらい…ほとんど変更なしで、1週間の稽古を経てさらに深みを増した作品としてお目見えした「Hollywood Lover」(はぁと)。
バウで観たときにも書きましたが、この作品、ストーリーは実際たいした話じゃないんですよね。「あらすじ」としてプログラムに書いてあるとおりの話で、あの「あらすじ」の後に起こるっ出来事って、ほんの3〜4行って感じですもの。
でも。
物語が複雑であることと、「名作」かどうか、というのは全くリンクしていないんだなー、と思いました。
ごくごくまっとうな、真面目に働く人々しか出てこない、
ごくごくありふれた、恋の恍惚と不安の物語。
一番エキセントリックなリチャードでさえ、このくらいの人だったら職場に一人や二人はいるよね(いたら嫌だが)、というレベル。彼らの、なんと普通に、そこで「生きて」いることか。
だから。
だからこれは、オーソドックスな“永遠の恋”の物語。たりえたのだ、と。
……次あたり、そろそろネタバレ解禁して、リチャードとローズのことを語ってもいいでしょうか……?(←語りたい)
とか思いつつ。
まずは先に、下級生さんたちの話を☆
○こころ(妃鳳こころ)
ウォルター(磯野さん)の愛妾、リタ・ボーン
迫力美人。仇っぽくて美形で色っぽくてうつくしい。
そこに居てくれるだけで場が華やぐ、根っからの「愛妾」。
愛人がたくさんいるウォルターが、正式なパーティに連れて行くのは常にリタであるという事実が、彼女の地位を想像させてくれます♪
そして。
今回、一番印象的だったのは、シーラのクリスマスパーティーの歌手!!プログラムには「リタ」の名前で出ているので、元々歌手が本業、という設定なんでしょうか?
いつも、こころの台詞を聞く度に「ああ、いい声だなあ…」と、うっとりしている私ですが、今回の歌は本当〜に素晴らしかった!あの仇っぽい「ホワイト・クリスマス」を、ぜひCD「クリスマス・プレゼント」に入れてあげてほしかったです(*^ ^*)。
ちなみに。
クリスマスパーティ、青年館では絶対ニューイヤーパーティーになると思ってたのに、そういえば変わらなかったなあ…☆
○夏鳳しおりちゃん
ウォルターの愛人、グロリア・シモンズ
2幕で、ウォルターとリチャード親子が映画「サラ・ベルナール」について激論を戦わせる場面につれてこられる愛人さん。
座り方や仕草がちょっとガサツなのが気になっていたのですが、青年館にきてずいぶんなめらかになって、色っぽくなりましたねー♪
それ以外の場面では、あかねちゃんと一緒に撮影スタッフの衣装係としての登場が多いかな?てきぱきと動いていて、ベン(姿樹えり緒)のフォローもよくやっています♪
しおりちゃんは、本当に服が好きっぽい役作りのような気がしましたが、どうなんでしょうかねぇ…。
○咲希あかねちゃん
ウォルターの愛人、シルヴィア・パーソン
こちらは1幕の、ウォルターとリチャードの最初の会話に付き合っている女です。涼やかな美貌であまり「愛人」という感じでもないのですが、美人でスタイルがいいので、つれて歩いたら自慢になるだろうなあ〜、と納得、な感じ。
他の場面は主に衣装スタッフ。ちょっと好奇心の強いタイプっぽいですね。フィリップ(榎登也)にモーションをかけて、しおりちゃんに怒られたりしていたような気がする(←違うかも)
みっしょん(美翔かずき)のところにも書きましたが、最初と最後の空港でのアツアツの恋人っぷりには、ついつい注目してしまいます。特にラスト。いったん抱き合って別れを告げて、立ち去ろうとするみっしょんを追いかけるまでの逡巡の芝居がすごくいいです♪(どこを観てるんだお前)
あと、こちらもみっしょんと一緒ですが、最初にダニエルの店にステファーノたちが行った時の、隣のテーブルの客をやってるんですよね。これもかなり、好奇心のつよい、物怖じしない娘というイメージで、すごく魅力的でした!!
…そういえば、「椿姫」の撮影でアルフレッドを演じるみっしょんの衣装を直してあげる衣装係もあかねちゃんだったような気が。
背が高くてスタイルが良い二人、並びの絵面もよくお似合いで、コンビで応援したくなってしまいますわ(笑)。
最初の記者会見のジャーナリストでは、リチャードの発言に対して「強気ねぇ」と突っ込むあかねちゃん。とにかく、植田景子さんの中であかねちゃんは「勝気なお嬢さん」なんでしょうね……月娘め。
ちなみに、声もとっても好きです。なんていうか、勝気な声ですよね(^ ^)。
○舞乃ゆかちゃん
ローズの付き人、エヴァ。過去のマギー。
撮影現場で、最初に目に付いた可愛い子ちゃんでした。
付き人としてローズを気遣い、何かと世話をやいているのがわざとらしくなく一生懸命で、すごく好感がもてます。可愛いんだこれが♪
シーラのクリスマスパーティーでは、アーサー・フリードのみっしょんと一緒に踊る赤いドレスの金髪美人。最初の記者会見のジャーナリストでは、ステファーノの発言に対して「いい男〜」とうっとりしているのがそうですよね?声もきれいで発声もよくて♪まだ若いのに、なんか嬉しくなります♪
○真凜カンナちゃん
アン
表情豊かなファニーフェースが印象的なカンナちゃん。撮影現場では、こまごまと働いていて、いっときも落ち着いている時間がない感じ。
一番目立つのは、シーラのクリスマスパーティでかえこ(良基天音)ちゃんの“大物俳優”に口説かれている“若い女優”かな〜?
バウホールのときはカンナちゃん、かなり本気で嫌がっていましたが、青年館ではそうでもないような…?何か心境の変化でもあったのか?(^ ^)。
一幕のダニエルの店では、あかねちゃんと一緒にステファーノのサインをねだりに行く娘。ステファーノがサインしている時の、恥ずかしそうな満面の笑顔がたまらなく可愛かったです。
あれって、最初にステファーノに気がつくのはカンナちゃんなんだよね。あかねちゃんは全然気がつかなくて、カンナちゃんに言われても「誰それ?」みたいな反応(笑)。
でも、気がついた後の行動が早いのもあかねちゃんで、カンナちゃんは「えっ?ホントにいくの?」という感じ。
ついつい、ほのぼのと見守っててしまうお二人です♪
○都月みあちゃん
丸眼鏡にお下げ髪のジーン
舞乃ゆかちゃんとは違う意味で、最初に目に付いた娘でした。
ちょっと野暮ったいスカートを翻し、くるくる働く姿が、かーわーいーいー!!エヴァンゼリンを観てみたい!(*^ ^*)(ぜひ、ミッターマイヤーはみりおで)(←おい)。
最初の記者会見では、ローズの発言に対する蘭乃はなちゃんの「大根女優(けっ)」にうなづいて、「同〜感!」とうなづく娘がみあちゃんだったと思います。可愛いんだこれが♪
とにかく、今回出演している娘役さんたちは皆本当に可愛くて、しかも芝居が出来そうなメンバーばかり。凄く若いのに、ジャーナリスト役などで一言台詞を言うにも、まったくコケる心配をしなくていいのが嬉しい。しかも、どんどん上達してきている♪
無言の芝居もそれぞれ工夫していて、観るたびに違うんですよね。
いいお手本がいるってことなんでしょうけれども、本当にいい子たちが集まってくれたなあ、と幸せな気持ちでした。
役らしい役はまだ少ない子たちですけれども、少しでもチェックしてあげていただければ幸いです♪
毎度のことながら、長くなってしまってすみませんm(_ _)m。
最後まで読んでくださったすべてのみなさまに、心からのキスを!(←BYローズ)(ちなみに、返品不可です♪)
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7日間・全11公演のうち、3日間・5公演が終了。ってことは、ちょうど明日が折り返し地点、なんですね。
…早いなあ。
バウホール公演との違いは、主に空間の広さ(天井の高さ)と音響、そして、脚本の細々とした手直し…それくらい?
このうち、空間については、出演者一同大きく動くことでカバー、していたような気が(^ ^)。とにかく、あまり違和感は感じませんでした♪
観客席の広さの違いによる緊張感の差というのは、少なりともあると思うのですが。今回は、そこも観客の熱気でカバーされているような気がする(^ ^)。
だって今回、絶対バウホールの時より、台詞の間というか、“沈黙という演出”が長くなっているような気がするんですよ。ステファーノとリチャードの、喧嘩腰のやり取りとか。
なのに、
観客席の緊張が、切れない。
不思議だ…。
BGMも何もない、普通の会話の場面で台詞の「間」を長く取ると、観客の緊張が途切れて、咳払いしたり、あるいはガサゴソ何かを探し始める人がいたり、でテンションが下がる(で、次の台詞が始まるとまた戻る、の繰り返し)のが常だと思うのですが。
今回は本当に、観客の緊張が切れなくて。針を一本落としてもわかるような「沈黙」が、台詞の合間合間に、しかもかなりの長時間入るんですよね……。ちょっと感動しました(^ ^)。
一番問題なのは音響、かな。
高音部(特に、男役さんで声が高めの人の台詞)がクリアになりすぎて、カスカスした雑音が入っているように聴こえる、
逆に、低音部がこもって聴こえてしまって再現できない、など。
特に思ったのが、ビリー(桐生)とマギー(花瀬)のラヴソングでした。バウホールでは「園加ちゃん、歌が巧くなったなー」と思ったのに、青年館では元通り、いやそれ以上にカスカス聴こえてしまったのが残念(T T)。
全体的に、マイクをオンにし忘れた、落とした、付ける場所を失敗して服がこすれたり小道具に当たったりして雑音が入る…などのハプニングも多いですね、今のところ。
短い公演なのにもったいない〜(涙)。
脚本的な手直しは、ホント微調整って感じ…だと思います。なんとなく、バウ版よりさらに「具体的にイメージがわきやすいような表現」に修正されていたところが多かったような(説明が全然具体的じゃなくてごめんなさい)。
個人的には、開幕すぐの最初の撮影現場で、サム(麻月)とナンシー(なっつ)がスタジオ中を駆け回るシーン。
二人を眺めるステファーノの、過去への回想の発端となるシーンですが。
ここのなっつの台詞が「わあ〜!ここで映画撮るのね〜!」に変わってたのがちょっと残念。これ、バウホールでは、直後に流れる過去のローズの「これが映画のスタジオ?」と同じ台詞だった記憶があるのですが…。
変えたのだとしたら、理由を知りたいなあ。前の方がスムーズに回想に入れていいなあと思っていたのにぃ〜。
…とかなんとか言っちゃって、私の思い込み記憶違いだったらすみませんm(_ _)m。
さてさて。
というわけで。脚本的的には大きな変更なし、演出的にも、空間の大きさを埋めるための動きの手直しくらい…ほとんど変更なしで、1週間の稽古を経てさらに深みを増した作品としてお目見えした「Hollywood Lover」(はぁと)。
バウで観たときにも書きましたが、この作品、ストーリーは実際たいした話じゃないんですよね。「あらすじ」としてプログラムに書いてあるとおりの話で、あの「あらすじ」の後に起こるっ出来事って、ほんの3〜4行って感じですもの。
でも。
物語が複雑であることと、「名作」かどうか、というのは全くリンクしていないんだなー、と思いました。
ごくごくまっとうな、真面目に働く人々しか出てこない、
ごくごくありふれた、恋の恍惚と不安の物語。
一番エキセントリックなリチャードでさえ、このくらいの人だったら職場に一人や二人はいるよね(いたら嫌だが)、というレベル。彼らの、なんと普通に、そこで「生きて」いることか。
だから。
だからこれは、オーソドックスな“永遠の恋”の物語。たりえたのだ、と。
……次あたり、そろそろネタバレ解禁して、リチャードとローズのことを語ってもいいでしょうか……?(←語りたい)
とか思いつつ。
まずは先に、下級生さんたちの話を☆
○こころ(妃鳳こころ)
ウォルター(磯野さん)の愛妾、リタ・ボーン
迫力美人。仇っぽくて美形で色っぽくてうつくしい。
そこに居てくれるだけで場が華やぐ、根っからの「愛妾」。
愛人がたくさんいるウォルターが、正式なパーティに連れて行くのは常にリタであるという事実が、彼女の地位を想像させてくれます♪
そして。
今回、一番印象的だったのは、シーラのクリスマスパーティーの歌手!!プログラムには「リタ」の名前で出ているので、元々歌手が本業、という設定なんでしょうか?
いつも、こころの台詞を聞く度に「ああ、いい声だなあ…」と、うっとりしている私ですが、今回の歌は本当〜に素晴らしかった!あの仇っぽい「ホワイト・クリスマス」を、ぜひCD「クリスマス・プレゼント」に入れてあげてほしかったです(*^ ^*)。
ちなみに。
クリスマスパーティ、青年館では絶対ニューイヤーパーティーになると思ってたのに、そういえば変わらなかったなあ…☆
○夏鳳しおりちゃん
ウォルターの愛人、グロリア・シモンズ
2幕で、ウォルターとリチャード親子が映画「サラ・ベルナール」について激論を戦わせる場面につれてこられる愛人さん。
座り方や仕草がちょっとガサツなのが気になっていたのですが、青年館にきてずいぶんなめらかになって、色っぽくなりましたねー♪
それ以外の場面では、あかねちゃんと一緒に撮影スタッフの衣装係としての登場が多いかな?てきぱきと動いていて、ベン(姿樹えり緒)のフォローもよくやっています♪
しおりちゃんは、本当に服が好きっぽい役作りのような気がしましたが、どうなんでしょうかねぇ…。
○咲希あかねちゃん
ウォルターの愛人、シルヴィア・パーソン
こちらは1幕の、ウォルターとリチャードの最初の会話に付き合っている女です。涼やかな美貌であまり「愛人」という感じでもないのですが、美人でスタイルがいいので、つれて歩いたら自慢になるだろうなあ〜、と納得、な感じ。
他の場面は主に衣装スタッフ。ちょっと好奇心の強いタイプっぽいですね。フィリップ(榎登也)にモーションをかけて、しおりちゃんに怒られたりしていたような気がする(←違うかも)
みっしょん(美翔かずき)のところにも書きましたが、最初と最後の空港でのアツアツの恋人っぷりには、ついつい注目してしまいます。特にラスト。いったん抱き合って別れを告げて、立ち去ろうとするみっしょんを追いかけるまでの逡巡の芝居がすごくいいです♪(どこを観てるんだお前)
あと、こちらもみっしょんと一緒ですが、最初にダニエルの店にステファーノたちが行った時の、隣のテーブルの客をやってるんですよね。これもかなり、好奇心のつよい、物怖じしない娘というイメージで、すごく魅力的でした!!
…そういえば、「椿姫」の撮影でアルフレッドを演じるみっしょんの衣装を直してあげる衣装係もあかねちゃんだったような気が。
背が高くてスタイルが良い二人、並びの絵面もよくお似合いで、コンビで応援したくなってしまいますわ(笑)。
最初の記者会見のジャーナリストでは、リチャードの発言に対して「強気ねぇ」と突っ込むあかねちゃん。とにかく、植田景子さんの中であかねちゃんは「勝気なお嬢さん」なんでしょうね……月娘め。
ちなみに、声もとっても好きです。なんていうか、勝気な声ですよね(^ ^)。
○舞乃ゆかちゃん
ローズの付き人、エヴァ。過去のマギー。
撮影現場で、最初に目に付いた可愛い子ちゃんでした。
付き人としてローズを気遣い、何かと世話をやいているのがわざとらしくなく一生懸命で、すごく好感がもてます。可愛いんだこれが♪
シーラのクリスマスパーティーでは、アーサー・フリードのみっしょんと一緒に踊る赤いドレスの金髪美人。最初の記者会見のジャーナリストでは、ステファーノの発言に対して「いい男〜」とうっとりしているのがそうですよね?声もきれいで発声もよくて♪まだ若いのに、なんか嬉しくなります♪
○真凜カンナちゃん
アン
表情豊かなファニーフェースが印象的なカンナちゃん。撮影現場では、こまごまと働いていて、いっときも落ち着いている時間がない感じ。
一番目立つのは、シーラのクリスマスパーティでかえこ(良基天音)ちゃんの“大物俳優”に口説かれている“若い女優”かな〜?
バウホールのときはカンナちゃん、かなり本気で嫌がっていましたが、青年館ではそうでもないような…?何か心境の変化でもあったのか?(^ ^)。
一幕のダニエルの店では、あかねちゃんと一緒にステファーノのサインをねだりに行く娘。ステファーノがサインしている時の、恥ずかしそうな満面の笑顔がたまらなく可愛かったです。
あれって、最初にステファーノに気がつくのはカンナちゃんなんだよね。あかねちゃんは全然気がつかなくて、カンナちゃんに言われても「誰それ?」みたいな反応(笑)。
でも、気がついた後の行動が早いのもあかねちゃんで、カンナちゃんは「えっ?ホントにいくの?」という感じ。
ついつい、ほのぼのと見守っててしまうお二人です♪
○都月みあちゃん
丸眼鏡にお下げ髪のジーン
舞乃ゆかちゃんとは違う意味で、最初に目に付いた娘でした。
ちょっと野暮ったいスカートを翻し、くるくる働く姿が、かーわーいーいー!!エヴァンゼリンを観てみたい!(*^ ^*)(ぜひ、ミッターマイヤーはみりおで)(←おい)。
最初の記者会見では、ローズの発言に対する蘭乃はなちゃんの「大根女優(けっ)」にうなづいて、「同〜感!」とうなづく娘がみあちゃんだったと思います。可愛いんだこれが♪
とにかく、今回出演している娘役さんたちは皆本当に可愛くて、しかも芝居が出来そうなメンバーばかり。凄く若いのに、ジャーナリスト役などで一言台詞を言うにも、まったくコケる心配をしなくていいのが嬉しい。しかも、どんどん上達してきている♪
無言の芝居もそれぞれ工夫していて、観るたびに違うんですよね。
いいお手本がいるってことなんでしょうけれども、本当にいい子たちが集まってくれたなあ、と幸せな気持ちでした。
役らしい役はまだ少ない子たちですけれども、少しでもチェックしてあげていただければ幸いです♪
毎度のことながら、長くなってしまってすみませんm(_ _)m。
最後まで読んでくださったすべてのみなさまに、心からのキスを!(←BYローズ)(ちなみに、返品不可です♪)
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ハリウッド・スピリット
2008年1月18日 宝塚(月) コメント (2)月組青年館公演「Hollywood Lover」も、まもなく初日の幕があがります。
同時に、月組バウホール「ホフマン物語」もCパターンの初日を迎え、
そして、トップトリオはただいまイギリス&アイルランドツアー中♪♪
……月組生、みんなみんながんばってます!
そんな中でも。
「Hollywood Lover」の下級生たちについて、ちょっとレポートしておきたいと思います。
青年館公演で変更されるところがあるかもしれませんが、いちおう、せっかくバウでも観てきたので、青年館で初めてご覧になる方に、少しでも見逃しのないように(^ ^)情報提供を♪
「実在の人物」「イタリア人」のくくりは書いたので、次は撮影所のスタッフを。
「ハリウッド映画」の黄金期を支えた(支える?)スタッフたちの、熱意と技術を表現しようとあれこれ工夫してくれている月組っ子たちが、可愛くて可愛くて……。
ステファーノ監督の期待にこたえようと真剣なスタッフたち。
ウォルターとリチャードが経営する会社は、うまくいっているんだなーと思いました。リチャード自身も、今まで(ステファーノとの確執まで)は有能なプロデューサーとして、スタッフの羨望と信頼を浴びていたんだろうなぁ、、と…。
彼らの働く「現場」が、明るく熱気に溢れれば溢れるほどに、
しみじみとリチャードの孤独が身に凍みてくるんですよね……(T T)。
○えりおっと(姿樹えり緒)
スタイリスト?ヘアデザイナー?の、ベン。
おかまちゃんです。見事なキャラクター造形と芝居力。
忘れられない強烈な印象を与えますよね、この役。休憩時間なんかに、「あのおかまちゃんは誰?」って声をよく聴きます。
…“えりおっとですよ”、と振り返って教えたいのを我慢するのも、結構大変だった(苦笑)。
ぜひぜひ、みなさんも注目してあげてください。
一番の見せ場は、サラ・ベルナールの鬘を金髪にしろ、という無理難題に「よよよ…」と泣き崩れてしまうあたりのやりとりの緒面白さと、
2幕、「ダニエルの店」での打ち上げ会場でのステファーノとのやりとり。「いやぁん、なんてステキ☆」とか、ステファーノにサインをもらいながら呟いているエリオットが真剣にキュートで、ちょっと惚れそうでした。
良い役でしたねぇ〜。
ただ、彼のデザインした鬘が、あいちゃんローズに『ものすごく似合っている』かどうか、というと……
微妙、なのかもしれないなー……(←そこがいいと思います!)
○りこ(麻月れんか)ちゃん
ADのサム・ブライトン。
この役、本当においしい良い役なんですけど。りこちゃんの『高すぎる声』という欠点にもうまく宛てられていて、いい感じに“ちょっとウザいけど憎めない”というキャラクターができていたと思います。
いやー、良くがんばったよね、りこちゃん♪
出番も多いし、やることも多いし、しかも幕開きと閉幕どちらもサムだし……大変なプレッシャーだったと思うのですが。
また青年館で、一回り成長したサムに会えるのを楽しみにしています♪
ラストの空港での名台詞。へんにヒネらないでストレートに言ったのが良かったんでしょうかねぇ…。
バウでは観るたびに泣いていたこの場面、組替えが発表された今観たら、どんな精神状態になるのやら…自分でも予想ができません(^ ^;;;。
○なっつ(夏月都)
サムの恋人、ナンシー・ベネット
とにかく可愛い、ひたすら可愛い、
何はともあれ、ものすごく可愛い!
それが、なっつなんだなーと思いました。
普通なら絶対ウザくなるはずの役を、りこちゃんと二人で『爽やかにウザく』、ステファーノの郷愁を呼び起こすキーパーソンとして、話を引っ掻き回すトリックスター、道化者として場面場面にちょっかいをかけてくる存在。
一番可愛かったのは、「サラ・ベルナール」の試写会が終わるのを会場の外で待っているナンシー。
小さく丸くなってしゃがみこんだ、まるで見捨てられた子供のような姿勢のナンシーが切なくて可愛くて。「皆早く出てきてあげなよ!」っていうか、「ナンシーも入れてあげなよ!」っていうか……そんな気持ちにさせられましたね。
なっつがいなくても、この物語はこのとおり進行させることができますけれども。なっつがいなかったら、観客の気持ちが動く場面はもっと少なくなってしまったんじゃないかなーと思います。
そういう意味で、ナンシーという役は「観客」と「舞台」をつなぐ役でしたし、なっつは下級生の頃からそういう役が巧かったっけなあ、と思ったりしたのでした。
○とーやん(榎登也)
俳優のフィリップ・ディオン。映画「サラ・ベルナール」では、ヒロインの相手役を務めます。
イタリアンなスタッフからは「使えないアメ公」的な評価を受けるフィリップさんですが、私は結構あのキャラクターが好きだったりします。
きっしーに「頭悪そうだよなあ…(溜息)」とかぼやかれたその脇で気障っちく髪をかきあげる仕草とか、最高にステキでした。
それにしても87期はみんな声が高いなあ(苦笑)。
りこちゃんも高いけど、とーやんも負けじと高い。あの声では芝居の幅がどうしても狭くなってしまうから、ステファーノ監督の求める演技ができない、っていうのは解るのですが。
しかし、なんで「テキサス訛」なんだろう?
訛のためにトーキーで苦労する、っていうと、「雨に唄えば」のリナを思い出すのですが。
…サイレント映画の黄金期が「遠い昔に終わった時代」として語られる「サンセット大通り」が1950年の作品であることを考えると、フィリップは最初から“トーキーのスター”だったはずですよね…?
うーむ。
いくら当時の「ハリウッド映画」というか「大衆娯楽映画」に演技力が必要とされていなかったとしても、言葉の訛は難しい問題だと思うんだけどなあ…。
今までテキサス人の役を専門にやっていた売れっ子俳優だった、っていう可能性もありますが(西部劇は人気分野だし)、リチャードはどんな理由で彼を、ヨーロッパ色が濃厚になることがわかりきっている「サラ・ベルナール」のメインキャストに登用したんしょうねぇ…?
フィリップ以外の役では、最初と最後の空港の場面での旅行者の役がありますが。
…あのド金髪に派手な顔立ちはとっても目立つので、帽子を被って髪を隠すとか、サングラスをかけるとか、何か工夫してくださらないと『あれ?なんでフィリップがここに?』と思ってしまう私のような観客が…(←お前だけだ)
○みっしょん(美翔かずき)
俳優のハロルド。映画「サラ・ベルナール」では、挿入芝居である椿姫の場面でアルフレッドを演じています。
とにかく美しい人(惚)。
ジャーナリストと木っ端役者を交互に演じていますが、姿が美しいのでどこにいても目立ちます(^ ^)。
個人的には、最初と最後の空港の場面で、メインの芝居とは関係のない“通行人”として、咲希あかねちゃんと遠距離恋愛中の恋人(夫婦?)の芝居(幕開き:遠くから帰ってきて久しぶりに出会う、ラスト:再びの別れ)を万感をこめて、アツアツで演じているのが楽しそうで楽しそうで(笑)。
ハリウッドの大物たちが集まる、シーラ・グレアム主催のパーティーでは、プログラムによるとプロデューサーのアーサー・フリード役らしい。もちろん、映画「雨に唄えば」や「巴里のアメリカ人」などで有名な、あのアーサー・フリードですよね…?
ヒゲがものすごく良く似合って、ダンディで素敵なおじさまでした。うっとり…。
あと、ハリウッドに来たばかりのステファーノが園加ビリーに再会する「ダニエルの店」の客。咲希あかねちゃん・真凜カンナちゃんがステファーノにサインをもらいに行くのを“憮然”として嫌そうに眺めているのがとても楽しい。
で、サインをもらって戻ってきた女の子二人がきゃいきゃい盛り上がっているのを、話にのってあげてサインブックをのぞきこんだりしながら、時々「けっ」って顔までしているのも芸が細かくて大好きです♪♪
「あかねさす紫の花」での有間皇子でも思いましたが、本当にお芝居好きなんでしょうねぇ……。もう少し役がつくといいんですけどね(涙)。
○(彩星)りおんくん
フィリップの付き人、チャールズ。実は俳優志望らしい♪
私は、この人の芝居は割と以前から面白くて好きなのですが、
今回は「わがままなスターに振り回される俳優志望の付き人」という役をとても手堅く演じていて、良かったと思います。
キビキビとした動きとか、呼ばれたときの返事の歯切れよさとかが、現場の緊張感を伝えてくれたと思います。
でも。
今回のりおんくんの一番大事な仕事は、ラジオの声と、フィナーレの影ソロ。
ラジオの淡々とした柔らかな声と、いかにもアナウンサーらしい明確な発音。台詞の歯切れのよさっていうのは、大事なことなんだけど、やりすぎると劇団四季の若手みたいに芝居のニュアンスがゼロになってしまって意味がなくなってしまうものですが。
りおんくんの台詞は、滑舌がよくて解りやすいけど、カチカチしてない、いい台詞だなあ、と思います。
一度、本格的な古典劇に挑戦してみてほしい人です。
そして、主演コンビのデュエットダンスの、影ソロ。
いつまでも聴いていたい、何度でも聴きたい、素晴らしい歌でした。
踊れて、歌えて、喋れる。更なるご活躍を、楽しみにしています♪
長くなってきたので、可愛い可愛い娘役さんたちについてはまた後日。
…っていうか、この公演、祐飛さん好みの可愛子ちゃんたちが多すぎですよね…。共演者を顔で選んだのか、大空…。
「ホフマン物語」については、みっぽー(美鳳あや)ちゃんのインタビューが日刊スポーツに載っているとの情報をいただきましたのでご紹介させていただきます♪
http://osaka.nikkansports.com/entertainment/takarazuka/top-takarazuka.html
ワークショップの組長も2度目のみっぽー、しっかりモノらしいコメントで男前です♪
芝居巧者だから、ジュリエッタもさぞ良いだろうなあ…観たいなあ……(Bパターンのオランピアは、信じられないほど可愛らしくてキュートでした。詳しくはまた後日)
しっかし、もっと良い写真撮れなかったんかい…(涙)。ファンの贔屓目で見ても「美形」かどうかは…、とはいえ、普段はホントに可愛いのに…
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同時に、月組バウホール「ホフマン物語」もCパターンの初日を迎え、
そして、トップトリオはただいまイギリス&アイルランドツアー中♪♪
……月組生、みんなみんながんばってます!
そんな中でも。
「Hollywood Lover」の下級生たちについて、ちょっとレポートしておきたいと思います。
青年館公演で変更されるところがあるかもしれませんが、いちおう、せっかくバウでも観てきたので、青年館で初めてご覧になる方に、少しでも見逃しのないように(^ ^)情報提供を♪
「実在の人物」「イタリア人」のくくりは書いたので、次は撮影所のスタッフを。
「ハリウッド映画」の黄金期を支えた(支える?)スタッフたちの、熱意と技術を表現しようとあれこれ工夫してくれている月組っ子たちが、可愛くて可愛くて……。
ステファーノ監督の期待にこたえようと真剣なスタッフたち。
ウォルターとリチャードが経営する会社は、うまくいっているんだなーと思いました。リチャード自身も、今まで(ステファーノとの確執まで)は有能なプロデューサーとして、スタッフの羨望と信頼を浴びていたんだろうなぁ、、と…。
彼らの働く「現場」が、明るく熱気に溢れれば溢れるほどに、
しみじみとリチャードの孤独が身に凍みてくるんですよね……(T T)。
○えりおっと(姿樹えり緒)
スタイリスト?ヘアデザイナー?の、ベン。
おかまちゃんです。見事なキャラクター造形と芝居力。
忘れられない強烈な印象を与えますよね、この役。休憩時間なんかに、「あのおかまちゃんは誰?」って声をよく聴きます。
…“えりおっとですよ”、と振り返って教えたいのを我慢するのも、結構大変だった(苦笑)。
ぜひぜひ、みなさんも注目してあげてください。
一番の見せ場は、サラ・ベルナールの鬘を金髪にしろ、という無理難題に「よよよ…」と泣き崩れてしまうあたりのやりとりの緒面白さと、
2幕、「ダニエルの店」での打ち上げ会場でのステファーノとのやりとり。「いやぁん、なんてステキ☆」とか、ステファーノにサインをもらいながら呟いているエリオットが真剣にキュートで、ちょっと惚れそうでした。
良い役でしたねぇ〜。
ただ、彼のデザインした鬘が、あいちゃんローズに『ものすごく似合っている』かどうか、というと……
微妙、なのかもしれないなー……(←そこがいいと思います!)
○りこ(麻月れんか)ちゃん
ADのサム・ブライトン。
この役、本当においしい良い役なんですけど。りこちゃんの『高すぎる声』という欠点にもうまく宛てられていて、いい感じに“ちょっとウザいけど憎めない”というキャラクターができていたと思います。
いやー、良くがんばったよね、りこちゃん♪
出番も多いし、やることも多いし、しかも幕開きと閉幕どちらもサムだし……大変なプレッシャーだったと思うのですが。
また青年館で、一回り成長したサムに会えるのを楽しみにしています♪
ラストの空港での名台詞。へんにヒネらないでストレートに言ったのが良かったんでしょうかねぇ…。
バウでは観るたびに泣いていたこの場面、組替えが発表された今観たら、どんな精神状態になるのやら…自分でも予想ができません(^ ^;;;。
○なっつ(夏月都)
サムの恋人、ナンシー・ベネット
とにかく可愛い、ひたすら可愛い、
何はともあれ、ものすごく可愛い!
それが、なっつなんだなーと思いました。
普通なら絶対ウザくなるはずの役を、りこちゃんと二人で『爽やかにウザく』、ステファーノの郷愁を呼び起こすキーパーソンとして、話を引っ掻き回すトリックスター、道化者として場面場面にちょっかいをかけてくる存在。
一番可愛かったのは、「サラ・ベルナール」の試写会が終わるのを会場の外で待っているナンシー。
小さく丸くなってしゃがみこんだ、まるで見捨てられた子供のような姿勢のナンシーが切なくて可愛くて。「皆早く出てきてあげなよ!」っていうか、「ナンシーも入れてあげなよ!」っていうか……そんな気持ちにさせられましたね。
なっつがいなくても、この物語はこのとおり進行させることができますけれども。なっつがいなかったら、観客の気持ちが動く場面はもっと少なくなってしまったんじゃないかなーと思います。
そういう意味で、ナンシーという役は「観客」と「舞台」をつなぐ役でしたし、なっつは下級生の頃からそういう役が巧かったっけなあ、と思ったりしたのでした。
○とーやん(榎登也)
俳優のフィリップ・ディオン。映画「サラ・ベルナール」では、ヒロインの相手役を務めます。
イタリアンなスタッフからは「使えないアメ公」的な評価を受けるフィリップさんですが、私は結構あのキャラクターが好きだったりします。
きっしーに「頭悪そうだよなあ…(溜息)」とかぼやかれたその脇で気障っちく髪をかきあげる仕草とか、最高にステキでした。
それにしても87期はみんな声が高いなあ(苦笑)。
りこちゃんも高いけど、とーやんも負けじと高い。あの声では芝居の幅がどうしても狭くなってしまうから、ステファーノ監督の求める演技ができない、っていうのは解るのですが。
しかし、なんで「テキサス訛」なんだろう?
訛のためにトーキーで苦労する、っていうと、「雨に唄えば」のリナを思い出すのですが。
…サイレント映画の黄金期が「遠い昔に終わった時代」として語られる「サンセット大通り」が1950年の作品であることを考えると、フィリップは最初から“トーキーのスター”だったはずですよね…?
うーむ。
いくら当時の「ハリウッド映画」というか「大衆娯楽映画」に演技力が必要とされていなかったとしても、言葉の訛は難しい問題だと思うんだけどなあ…。
今までテキサス人の役を専門にやっていた売れっ子俳優だった、っていう可能性もありますが(西部劇は人気分野だし)、リチャードはどんな理由で彼を、ヨーロッパ色が濃厚になることがわかりきっている「サラ・ベルナール」のメインキャストに登用したんしょうねぇ…?
フィリップ以外の役では、最初と最後の空港の場面での旅行者の役がありますが。
…あのド金髪に派手な顔立ちはとっても目立つので、帽子を被って髪を隠すとか、サングラスをかけるとか、何か工夫してくださらないと『あれ?なんでフィリップがここに?』と思ってしまう私のような観客が…(←お前だけだ)
○みっしょん(美翔かずき)
俳優のハロルド。映画「サラ・ベルナール」では、挿入芝居である椿姫の場面でアルフレッドを演じています。
とにかく美しい人(惚)。
ジャーナリストと木っ端役者を交互に演じていますが、姿が美しいのでどこにいても目立ちます(^ ^)。
個人的には、最初と最後の空港の場面で、メインの芝居とは関係のない“通行人”として、咲希あかねちゃんと遠距離恋愛中の恋人(夫婦?)の芝居(幕開き:遠くから帰ってきて久しぶりに出会う、ラスト:再びの別れ)を万感をこめて、アツアツで演じているのが楽しそうで楽しそうで(笑)。
ハリウッドの大物たちが集まる、シーラ・グレアム主催のパーティーでは、プログラムによるとプロデューサーのアーサー・フリード役らしい。もちろん、映画「雨に唄えば」や「巴里のアメリカ人」などで有名な、あのアーサー・フリードですよね…?
ヒゲがものすごく良く似合って、ダンディで素敵なおじさまでした。うっとり…。
あと、ハリウッドに来たばかりのステファーノが園加ビリーに再会する「ダニエルの店」の客。咲希あかねちゃん・真凜カンナちゃんがステファーノにサインをもらいに行くのを“憮然”として嫌そうに眺めているのがとても楽しい。
で、サインをもらって戻ってきた女の子二人がきゃいきゃい盛り上がっているのを、話にのってあげてサインブックをのぞきこんだりしながら、時々「けっ」って顔までしているのも芸が細かくて大好きです♪♪
「あかねさす紫の花」での有間皇子でも思いましたが、本当にお芝居好きなんでしょうねぇ……。もう少し役がつくといいんですけどね(涙)。
○(彩星)りおんくん
フィリップの付き人、チャールズ。実は俳優志望らしい♪
私は、この人の芝居は割と以前から面白くて好きなのですが、
今回は「わがままなスターに振り回される俳優志望の付き人」という役をとても手堅く演じていて、良かったと思います。
キビキビとした動きとか、呼ばれたときの返事の歯切れよさとかが、現場の緊張感を伝えてくれたと思います。
でも。
今回のりおんくんの一番大事な仕事は、ラジオの声と、フィナーレの影ソロ。
ラジオの淡々とした柔らかな声と、いかにもアナウンサーらしい明確な発音。台詞の歯切れのよさっていうのは、大事なことなんだけど、やりすぎると劇団四季の若手みたいに芝居のニュアンスがゼロになってしまって意味がなくなってしまうものですが。
りおんくんの台詞は、滑舌がよくて解りやすいけど、カチカチしてない、いい台詞だなあ、と思います。
一度、本格的な古典劇に挑戦してみてほしい人です。
そして、主演コンビのデュエットダンスの、影ソロ。
いつまでも聴いていたい、何度でも聴きたい、素晴らしい歌でした。
踊れて、歌えて、喋れる。更なるご活躍を、楽しみにしています♪
長くなってきたので、可愛い可愛い娘役さんたちについてはまた後日。
…っていうか、この公演、祐飛さん好みの可愛子ちゃんたちが多すぎですよね…。共演者を顔で選んだのか、大空…。
「ホフマン物語」については、みっぽー(美鳳あや)ちゃんのインタビューが日刊スポーツに載っているとの情報をいただきましたのでご紹介させていただきます♪
http://osaka.nikkansports.com/entertainment/takarazuka/top-takarazuka.html
ワークショップの組長も2度目のみっぽー、しっかりモノらしいコメントで男前です♪
芝居巧者だから、ジュリエッタもさぞ良いだろうなあ…観たいなあ……(Bパターンのオランピアは、信じられないほど可愛らしくてキュートでした。詳しくはまた後日)
しっかし、もっと良い写真撮れなかったんかい…(涙)。ファンの贔屓目で見ても「美形」かどうかは…、とはいえ、普段はホントに可愛いのに…
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雪組大劇場公演「君を愛してる/ミロワール」を観劇してまいりました。
「ホフマン物語」の話も、まだ全然終わってないのに突然すみません。
ふと気がつけば、もう「Hollywood Lover」の青年館初日も目前!
初日までにハリウッドがらみの話は一通り終わらせるつもりだったのに、まだまだ本当にさわりしか書いてないし、でも、だからといってこのまま放っておいたら、せっかく観てきた雪組公演をすーっかり忘れてしまいそうだし(涙)というわけで、その前に。
■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■
「君を愛してる」
ごくごくシンプルな、邪気のないハッピーミュージカル。
とにかく楽しかったです。私は思いっきり楽しんでました(^ ^)。
ただし。
この作品を楽しむには、2つほどコツがあります。
せっかくなので、このコツを伝授してみますねっ♪♪
●【キムラ作品観劇時乃心得 1】
台詞も歌詞も、日本語ではないと信じる。
まず、“これは洋画なのだ”と思い込みましょう。開演前に3回唱えるといいかもしれません。
語られている言葉は日本語ではなく、キムラ語です。日本語じゃないんだから、意味がわからなくて当たり前。むしろ、意味がわかるような気がすることを警戒しましょう。それは気のせいです。たぶん、間違ってます。
あなたにキムラ語がわかるわけがないんですから。
真剣に観ていれば、自然と心のスクリーンに字幕が見えてきます。そんなに複雑な話ではないので、話がわからなくなる心配はいりません。あなたの心のスクリーンに出る台詞が、歌詞が、本当の台詞です。
どうぞ、安心して物語を楽しんでください。
●【キムラ作品観劇時乃心得 2】
誰でもいいので、下級生にお気に入りをつくる
できればご贔屓さんと違うグループに入っている人が良いでしょう。木村作品の最大ってゆーか唯一の美点である“下級生の出番が多い”ところを、無駄遣いしてはいけません。
雪組さんを初めて観る方なら、開演前にプログラムを開き、1ページに5人以上写真が載っているページで最初に目に入った人を“今日のお気に入り”と決めてみましょう。
名前を確認し、どの場面に出るのかをあらかじめCHECK!幕があがったら、場面が変わるたびにその人を探します。見つけることができれば、もうあなたは雪組ファンへの道をまっしぐら♪♪
木村作品の最大の欠点は、作者の主張したいテーマのプロパガンダが強く出すぎて、おしつけがましい作品になりがちなことと、日本語のセンスがないこと。
木村作品の最大の美点は、下級生が“舞台上にいる”時間が異例に長いこと。(←そんな用語あるのか…?)
…私は、「木村信司作・演出」の作品群を、以上のように評価しております。
そして私にとっては、「木村作品」=『なるべくなら避けて通りたい作品群』でした。「暁のローマ」までは。
「暁のローマ」は、決して名作ではなく、褒めても“迷作”どまりでしたが。
原作が戯曲なのでオペラや小説ほどの自由度がない(切り口が決まってるから)ので、彼のクリエーターとしては声高すぎる主義主張もそんなに入れられないし、意外にいいなー、と思ったんですよね。
その次の「黒蜥蜴」は、原作が小説だったせいか、木村さんの物語世界を無視した勝手な切り口で別物に切られてしまいましたが…
でも、彼が「演出」に徹すれば意外とまともな仕事をすることは「アーネスト・イン・ラブ」「不滅の棘」の2作で証明(?)ずみでしたし、「初の完全オリジナル」だという今回の作品がどうなるか、というのは、興味津々だったわけですが………。
吉、
と出たのかな、と思いました。私は。
複雑な、深みのあるストーリーを作りきるほどの想像力も構成力も無いのは予想していましたが、ここまで素直に『ありふれたハッピーミュージカル』を出してくるとは思わなかった。
でも。
宝塚作品において、一番大切なことは、キャスティングの妙と、演出のテンポのよさ。
この二つが揃えば、ストーリーなんてどうでもいいんでしょうねぇ、きっと……(一抹の寂)
それと。
次に彼の「長所」である、下級生の出番の多さ、については。
私が「暁のローマ」に通えた理由は、これが一番大きかったんですよね。
たとえ大道具がわりだとしても、舞台上に居るのと居ないのとでは全然違うと思うんですよ。0は何倍しても0ですから。
メインキャストが芝居をしているのを、同じイタの上で同じ空気を呼吸しているのと、袖で観ているのとは経験値としてまったく違います。特に、彼の作品はコーラスも多いし、割台詞も多いですから、ね。
だから、木村作品をやった組は、次の作品で下級生の成長っぷりを楽しみにしていていいと思うんです♪「パリの空よりも高く」の新公でそう思いました。(残念ながら、本公演はまったく出番皆無でしたが)
で。
このあたりをみるにつけ、木村さんは書けない日本語を書こうとがんばるのはすっぱり諦めて、プロデュース業に専念しないかなー、とか思うんですよね…。
彼のイメージするキャスティングとストーリーに沿って、マトモな日本語で脚本を書いてくれるライターと組んでくれないかなあ(^ ^)。
■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■
えーっと。
木村さん論を書いているときりがないので、内容にもちょこっとふれるべき?
本当に素直なハッピーミュージカルで、ストーリーはたいした話ではないのですが……
うーん。
幕があがると、色とりどりの荷車のセット。これは、「サーカス小屋がやってきた!」というイメージなのだそうですが、ゾウさんやいろんな動物の形をしていてかなり可愛い。
しかも、このサーカス小屋は、作品を通じてパリの町並みになったり部屋の調度になったり、目隠しっぽく使われていて、使い方がうまいなーと感心しました。
ちなみにらぎ(柊巴)ちゃんは、下手の端でお辞儀をしているロングヘアの大柄な人。一瞬で引っ込んでしまうのに、よく見つけた>自分、と自分を褒めてあげました(^ ^)。
ひろみ(彩那音)ちゃんは逆に一番上手側にいるので、一番長く観ていられます。ニコニコ笑顔がなんだか懐かしいです。
荷車が下手にハケると、ジョルジュの父上のお葬式で物語が始まる……
…この調子で書いていったら絶対に終わらないので、とりあえず、お気に入りの場面を二つ。
一つ目は、テル(凰稀かなめ)が「僕は何一つ決断できない…」と自分の優柔不断さを嘆く場面。
「悩んでばかりでいやになっちゃう」みたいな歌詞を受けて、上手から「じゃーーん!」という感じに飛び出してくる、キムちゃんフィラント。
登場するなり「悩むことなんて何一つ無いさ〜〜♪」って、アンタ親友(アルセスト)が悩んでるのきいてた!?って感じ。
あのKYっぷりがツボした(^ ^)。可愛いぞ〜!
もうひとつは、一樹さんといづるん(天勢いづる)の、夫婦愛の歌。
例によって歌詞は意味不明というか、日本語じゃない感じですが、お二人が「お似合いの連れ合い」に見えたところが素晴らしいなあ、と。
この素敵なお二人に育てられた(大月)さゆちゃんセリメーヌが、多少ぶっ飛んだ娘に育っても当たり前だよね、って。
ちなみに、オフ・ブロードウェイ・ミュージカル「I Love You 〜愛の果ては?」に、中年男が「結婚して40年がすぎても、君への愛が少しも減らないのはなぜ?」と、朝食のテーブルで一緒に食べる妻を見ながらモノローグで歌う場面があるのですけれども。
(ちなみに日本公演でのこの妻の役をしたのは絵麻緒ゆうさん)
そういう、「夫婦生活が長くなっても“空気”にはならない」人間関係って、羨ましいなあ〜、と思いました…。
となみちゃんのマルキーズはカンペキな天使で、
水くんのジョルジュが可愛くてけなげな乙メンで。
二人を暖かく見守る、ハマコさんのレオン神父が素晴らしくて。
ひろみちゃんのシャルルが大人でかっこよくて、
シナ(山科愛)ちゃんのリシャールが完璧な少女で、
キタロウ(緒月遠麻)のクレアント&かおりちゃん(晴華みどり)のアンジェラは、超お似合い!
クレアントはジョルジュの弟で貴族だけど、身分を捨てて芸術の道を選び、モデルだったアンジェラと結婚。まぁ、かーなーりーご都合主義的な人物像でしたが、キタロウのとぼけた味わいとかおりちゃんのしっかり加減がすごくぴったりで、いいキャスティングだったと思います。
…でもでも、木村さん!かおりちゃんは妊婦なんだから、ラストの総踊りでガンガン踊るのはどうかと思うなー。
リサリサ(涼花リサ)は、芸術家チーム。髪型とかちょっと垢抜けない感じだったのはわざとでしょうか?キャラクターは強気で可愛い♪
パリの踊り子チームのおねえさま方の迫力はオ・ミ・ゴ・ト♪お気に入りの花帆杏奈ちゃんは、相変わらずの見事なプロポーションで嬉しかったです。やっぱ可愛いなあ〜。
あとはもう、「暁のローマ」に通った月組ファンなら思わず“観なかったことにしたい…”と思うであろう、愛人ズの場面(驚)!
ジョルジュを囲んで、ラインダンスを始める“女”たち……
にわにわ(奏乃はると)の脚線美は、文句なく素晴らしかったです。
最初、仮面を被って出てきたとき、誰だろう?と思っていたら。仮面をはずした瞬間に「にわにわキターーーーっ!!」って感じで(汗)目が離せませんでした。
迫力ありすぎですからっ!!センターのにわにわと、その上手隣の(真波)そらちゃんと、もう、「そこの二人っ!!」って感じだったもん(^ ^;
次に観るときは、ほかのメンバーもチェックしなきゃ(汗)。
らぎちゃんは、サーカス団の中ではお兄さん格、って感じ?マルキーズのためにメンバーがジョルジュを試す場面で、引っ込みかけて「マルキーズは最近君のことしか言わないんだ」ってちょっと微笑みながら教えてあげる場面が、とっても格好よくて大好きです。
ちなみに、そう言われて「え?」という顔をしているジョルジュは、たまらないほど可愛いです。水くんって「かっこいい人」だとずっと思っていたのですが、今回は水くんの可愛らしさに転びっぱなし、かも(^ ^)。
それにしても、らぎちゃんに谷やん(谷みずせ)、そらちゃん、せしる、ひろみちゃん…、雪組さんの誇る美形軍団(また全員サーカス団なところが笑)が集まってはお互いにスキンシップしあっているので、なんだか目のやり場に困っちゃいました(^ ^;ゞ。
■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■
ショー「ミロワール」
このショーを見ながら、ついつい“お気に入り”と“贔屓”の違い、について考えてしまった……のは、個人的な話なのでおいといて。
よくできたショーだったと思います。まぁ、衣装はちょっとイマイチでしたけれども。「レ・ビジュー・ブリアン」の衣装になんとも思わなかった私が思ったのですから、かなりローレベルなんじゃないかと思うのですが。
ユミコさんとキムちゃんが合わせ鏡で踊る場面とか、
ヤンさん(安寿ミラ)振り付けの「メドゥーサ」の場面はすごーくカッコよかったですが。
個人的には、オーソドックスに中詰と黒燕尾大階段が好き…かな。ありふれた場面ですけど、音楽の流れが好きなので。贔屓も出てるし
アクアの場面は、ごくごく違和感なくショーの中に入っていて良かったと思います。もっと浮いちゃうかと思ったのですが。
まだちょっと振りがこなれていないというか、硬い感じがしてしまいましたが、東宝に来るころにはきっと素敵になっているだろうなあ♪
ここのひろみちゃんは色っぽくてやばいです。…くらっ…。
あとは、なんといっても白雪姫(ひろみちゃん)とシンデレラ(テル)のバトル場面が最高!!(笑)。中詰めへのつながりと、「この世で一番うつくしいひと」の最後の答えがうまくリンクしていて、ショーの中でも私的に最上のヒットでした。はい。
それにしても。
ひろみちゃん凶悪に可愛かったなー……。雪組に行って大人になった、と感心していたのに、大人になったうえに凶悪に可愛いって……危険人物だなあ(涙)。
テルは普通にキレイなお姉さんでした。首が長くてスタイルがいいからドレス映えしますねー。(ひろみちゃんもドレス映えでは負けてませんが、小柄だからなあ)
…せっかくなので、思いついたこともついでに書いておこうっと☆
バウ・ワークショップ公演「凍てついた明日」なのですが。
前半後半の役代わりで、ぜひテルにボニーとクライド、両方演じてほしいです。
前半クライド篇、後半ボニー篇、ってことで、荻田さん、どうぞよろしくm(_ _)m。
…と、落ちがついたところで、終わりたいと思います。
また東宝で観たら書きますね〜♪
.
「ホフマン物語」の話も、まだ全然終わってないのに突然すみません。
ふと気がつけば、もう「Hollywood Lover」の青年館初日も目前!
初日までにハリウッドがらみの話は一通り終わらせるつもりだったのに、まだまだ本当にさわりしか書いてないし、でも、だからといってこのまま放っておいたら、せっかく観てきた雪組公演をすーっかり忘れてしまいそうだし(涙)というわけで、その前に。
■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■
「君を愛してる」
ごくごくシンプルな、邪気のないハッピーミュージカル。
とにかく楽しかったです。私は思いっきり楽しんでました(^ ^)。
ただし。
この作品を楽しむには、2つほどコツがあります。
せっかくなので、このコツを伝授してみますねっ♪♪
●【キムラ作品観劇時乃心得 1】
台詞も歌詞も、日本語ではないと信じる。
まず、“これは洋画なのだ”と思い込みましょう。開演前に3回唱えるといいかもしれません。
語られている言葉は日本語ではなく、キムラ語です。日本語じゃないんだから、意味がわからなくて当たり前。むしろ、意味がわかるような気がすることを警戒しましょう。それは気のせいです。たぶん、間違ってます。
あなたにキムラ語がわかるわけがないんですから。
真剣に観ていれば、自然と心のスクリーンに字幕が見えてきます。そんなに複雑な話ではないので、話がわからなくなる心配はいりません。あなたの心のスクリーンに出る台詞が、歌詞が、本当の台詞です。
どうぞ、安心して物語を楽しんでください。
●【キムラ作品観劇時乃心得 2】
誰でもいいので、下級生にお気に入りをつくる
できればご贔屓さんと違うグループに入っている人が良いでしょう。木村作品の最大ってゆーか唯一の美点である“下級生の出番が多い”ところを、無駄遣いしてはいけません。
雪組さんを初めて観る方なら、開演前にプログラムを開き、1ページに5人以上写真が載っているページで最初に目に入った人を“今日のお気に入り”と決めてみましょう。
名前を確認し、どの場面に出るのかをあらかじめCHECK!幕があがったら、場面が変わるたびにその人を探します。見つけることができれば、もうあなたは雪組ファンへの道をまっしぐら♪♪
木村作品の最大の欠点は、作者の主張したいテーマのプロパガンダが強く出すぎて、おしつけがましい作品になりがちなことと、日本語のセンスがないこと。
木村作品の最大の美点は、下級生が“舞台上にいる”時間が異例に長いこと。(←そんな用語あるのか…?)
…私は、「木村信司作・演出」の作品群を、以上のように評価しております。
そして私にとっては、「木村作品」=『なるべくなら避けて通りたい作品群』でした。「暁のローマ」までは。
「暁のローマ」は、決して名作ではなく、褒めても“迷作”どまりでしたが。
原作が戯曲なのでオペラや小説ほどの自由度がない(切り口が決まってるから)ので、彼のクリエーターとしては声高すぎる主義主張もそんなに入れられないし、意外にいいなー、と思ったんですよね。
その次の「黒蜥蜴」は、原作が小説だったせいか、木村さんの物語世界を無視した勝手な切り口で別物に切られてしまいましたが…
でも、彼が「演出」に徹すれば意外とまともな仕事をすることは「アーネスト・イン・ラブ」「不滅の棘」の2作で証明(?)ずみでしたし、「初の完全オリジナル」だという今回の作品がどうなるか、というのは、興味津々だったわけですが………。
吉、
と出たのかな、と思いました。私は。
複雑な、深みのあるストーリーを作りきるほどの想像力も構成力も無いのは予想していましたが、ここまで素直に『ありふれたハッピーミュージカル』を出してくるとは思わなかった。
でも。
宝塚作品において、一番大切なことは、キャスティングの妙と、演出のテンポのよさ。
この二つが揃えば、ストーリーなんてどうでもいいんでしょうねぇ、きっと……(一抹の寂)
それと。
次に彼の「長所」である、下級生の出番の多さ、については。
私が「暁のローマ」に通えた理由は、これが一番大きかったんですよね。
たとえ大道具がわりだとしても、舞台上に居るのと居ないのとでは全然違うと思うんですよ。0は何倍しても0ですから。
メインキャストが芝居をしているのを、同じイタの上で同じ空気を呼吸しているのと、袖で観ているのとは経験値としてまったく違います。特に、彼の作品はコーラスも多いし、割台詞も多いですから、ね。
だから、木村作品をやった組は、次の作品で下級生の成長っぷりを楽しみにしていていいと思うんです♪「パリの空よりも高く」の新公でそう思いました。(残念ながら、本公演はまったく出番皆無でしたが)
で。
このあたりをみるにつけ、木村さんは書けない日本語を書こうとがんばるのはすっぱり諦めて、プロデュース業に専念しないかなー、とか思うんですよね…。
彼のイメージするキャスティングとストーリーに沿って、マトモな日本語で脚本を書いてくれるライターと組んでくれないかなあ(^ ^)。
■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■
えーっと。
木村さん論を書いているときりがないので、内容にもちょこっとふれるべき?
本当に素直なハッピーミュージカルで、ストーリーはたいした話ではないのですが……
うーん。
幕があがると、色とりどりの荷車のセット。これは、「サーカス小屋がやってきた!」というイメージなのだそうですが、ゾウさんやいろんな動物の形をしていてかなり可愛い。
しかも、このサーカス小屋は、作品を通じてパリの町並みになったり部屋の調度になったり、目隠しっぽく使われていて、使い方がうまいなーと感心しました。
ちなみにらぎ(柊巴)ちゃんは、下手の端でお辞儀をしているロングヘアの大柄な人。一瞬で引っ込んでしまうのに、よく見つけた>自分、と自分を褒めてあげました(^ ^)。
ひろみ(彩那音)ちゃんは逆に一番上手側にいるので、一番長く観ていられます。ニコニコ笑顔がなんだか懐かしいです。
荷車が下手にハケると、ジョルジュの父上のお葬式で物語が始まる……
…この調子で書いていったら絶対に終わらないので、とりあえず、お気に入りの場面を二つ。
一つ目は、テル(凰稀かなめ)が「僕は何一つ決断できない…」と自分の優柔不断さを嘆く場面。
「悩んでばかりでいやになっちゃう」みたいな歌詞を受けて、上手から「じゃーーん!」という感じに飛び出してくる、キムちゃんフィラント。
登場するなり「悩むことなんて何一つ無いさ〜〜♪」って、アンタ親友(アルセスト)が悩んでるのきいてた!?って感じ。
あのKYっぷりがツボした(^ ^)。可愛いぞ〜!
もうひとつは、一樹さんといづるん(天勢いづる)の、夫婦愛の歌。
例によって歌詞は意味不明というか、日本語じゃない感じですが、お二人が「お似合いの連れ合い」に見えたところが素晴らしいなあ、と。
この素敵なお二人に育てられた(大月)さゆちゃんセリメーヌが、多少ぶっ飛んだ娘に育っても当たり前だよね、って。
ちなみに、オフ・ブロードウェイ・ミュージカル「I Love You 〜愛の果ては?」に、中年男が「結婚して40年がすぎても、君への愛が少しも減らないのはなぜ?」と、朝食のテーブルで一緒に食べる妻を見ながらモノローグで歌う場面があるのですけれども。
(ちなみに日本公演でのこの妻の役をしたのは絵麻緒ゆうさん)
そういう、「夫婦生活が長くなっても“空気”にはならない」人間関係って、羨ましいなあ〜、と思いました…。
となみちゃんのマルキーズはカンペキな天使で、
水くんのジョルジュが可愛くてけなげな乙メンで。
二人を暖かく見守る、ハマコさんのレオン神父が素晴らしくて。
ひろみちゃんのシャルルが大人でかっこよくて、
シナ(山科愛)ちゃんのリシャールが完璧な少女で、
キタロウ(緒月遠麻)のクレアント&かおりちゃん(晴華みどり)のアンジェラは、超お似合い!
クレアントはジョルジュの弟で貴族だけど、身分を捨てて芸術の道を選び、モデルだったアンジェラと結婚。まぁ、かーなーりーご都合主義的な人物像でしたが、キタロウのとぼけた味わいとかおりちゃんのしっかり加減がすごくぴったりで、いいキャスティングだったと思います。
…でもでも、木村さん!かおりちゃんは妊婦なんだから、ラストの総踊りでガンガン踊るのはどうかと思うなー。
リサリサ(涼花リサ)は、芸術家チーム。髪型とかちょっと垢抜けない感じだったのはわざとでしょうか?キャラクターは強気で可愛い♪
パリの踊り子チームのおねえさま方の迫力はオ・ミ・ゴ・ト♪お気に入りの花帆杏奈ちゃんは、相変わらずの見事なプロポーションで嬉しかったです。やっぱ可愛いなあ〜。
あとはもう、「暁のローマ」に通った月組ファンなら思わず“観なかったことにしたい…”と思うであろう、愛人ズの場面(驚)!
ジョルジュを囲んで、ラインダンスを始める“女”たち……
にわにわ(奏乃はると)の脚線美は、文句なく素晴らしかったです。
最初、仮面を被って出てきたとき、誰だろう?と思っていたら。仮面をはずした瞬間に「にわにわキターーーーっ!!」って感じで(汗)目が離せませんでした。
迫力ありすぎですからっ!!センターのにわにわと、その上手隣の(真波)そらちゃんと、もう、「そこの二人っ!!」って感じだったもん(^ ^;
次に観るときは、ほかのメンバーもチェックしなきゃ(汗)。
らぎちゃんは、サーカス団の中ではお兄さん格、って感じ?マルキーズのためにメンバーがジョルジュを試す場面で、引っ込みかけて「マルキーズは最近君のことしか言わないんだ」ってちょっと微笑みながら教えてあげる場面が、とっても格好よくて大好きです。
ちなみに、そう言われて「え?」という顔をしているジョルジュは、たまらないほど可愛いです。水くんって「かっこいい人」だとずっと思っていたのですが、今回は水くんの可愛らしさに転びっぱなし、かも(^ ^)。
それにしても、らぎちゃんに谷やん(谷みずせ)、そらちゃん、せしる、ひろみちゃん…、雪組さんの誇る美形軍団(また全員サーカス団なところが笑)が集まってはお互いにスキンシップしあっているので、なんだか目のやり場に困っちゃいました(^ ^;ゞ。
■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■◇・◇■
ショー「ミロワール」
このショーを見ながら、ついつい“お気に入り”と“贔屓”の違い、について考えてしまった……のは、個人的な話なのでおいといて。
よくできたショーだったと思います。まぁ、衣装はちょっとイマイチでしたけれども。「レ・ビジュー・ブリアン」の衣装になんとも思わなかった私が思ったのですから、かなりローレベルなんじゃないかと思うのですが。
ユミコさんとキムちゃんが合わせ鏡で踊る場面とか、
ヤンさん(安寿ミラ)振り付けの「メドゥーサ」の場面はすごーくカッコよかったですが。
個人的には、オーソドックスに中詰と黒燕尾大階段が好き…かな。ありふれた場面ですけど、音楽の流れが好きなので。贔屓も出てるし
アクアの場面は、ごくごく違和感なくショーの中に入っていて良かったと思います。もっと浮いちゃうかと思ったのですが。
まだちょっと振りがこなれていないというか、硬い感じがしてしまいましたが、東宝に来るころにはきっと素敵になっているだろうなあ♪
ここのひろみちゃんは色っぽくてやばいです。…くらっ…。
あとは、なんといっても白雪姫(ひろみちゃん)とシンデレラ(テル)のバトル場面が最高!!(笑)。中詰めへのつながりと、「この世で一番うつくしいひと」の最後の答えがうまくリンクしていて、ショーの中でも私的に最上のヒットでした。はい。
それにしても。
ひろみちゃん凶悪に可愛かったなー……。雪組に行って大人になった、と感心していたのに、大人になったうえに凶悪に可愛いって……危険人物だなあ(涙)。
テルは普通にキレイなお姉さんでした。首が長くてスタイルがいいからドレス映えしますねー。(ひろみちゃんもドレス映えでは負けてませんが、小柄だからなあ)
…せっかくなので、思いついたこともついでに書いておこうっと☆
バウ・ワークショップ公演「凍てついた明日」なのですが。
前半後半の役代わりで、ぜひテルにボニーとクライド、両方演じてほしいです。
前半クライド篇、後半ボニー篇、ってことで、荻田さん、どうぞよろしくm(_ _)m。
…と、落ちがついたところで、終わりたいと思います。
また東宝で観たら書きますね〜♪
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月組バウホール公演「ホフマン物語」を観て、の、感想のつづき。
えーっと。
これはあくまでも「ワークショップ」なので。
……できていなかった人から先に書かせていただこうかと思います(滝汗)。
ちょっと辛口になってしまいましたが、次の公演での糧になることを信じつつ。
今回はっきりと「苦戦していた」と思ったのは、2幕4場(オランピア)までのマギー(星条海斗)でした(T T)。
アンドレス/フランツ/コシュニーユ、っていうのは、オペラでは5場(ジュリエッタ)のピティキナッチョと同じ人が演じる役で、つまりは典型的なトリックスターの役なんですよね。
物語をかき回して、調和を乱すだけ乱して、素知らぬていで立ち去っていく役。
それを、典型的な立ち役タイプのマギーが演じる?
そ、それは……難しいんじゃ?っていうか、無理だろう?今は、まだ。
また、すぐお隣に宝塚一のトリックスター、マヤ(未沙のえる)さんがいるのも辛かったかもしれませんね。どうしたって、観ていて“ああ、マヤさんとマギー、役が反対だったらなあ…”と思ってしまうのは止められませんでしたからね。
まぁ、本来なら「マヤさんに教えてもらえ!」っていうツモリも含めての配役だったんでしょうけれども。今回、マヤさんはマヤさんで、結構キャラクターの違うおじさん3役で大変そうだったし、そもそも“トリックスター”っていうのは、教えられるものではないし……(谷さん、そのくらいは理解してあげてくださいよ)。
ま、マギーにとっては、すごーくいい勉強になったはず、とは思います。こういう役って、確かにマギーの一番の弱点のような気がする。芝居を引っ掻き回すためには、場が読めないと難しいですから。
居方を掴もうとして苦しむのは、マギーみたいなタイプの役者には必要なことなのだと思います。芝居は、“自分ひとりの役をきっちり作ればいいんだ”、というものではありませんから。
マギーも、もう若手じゃないんだし…。
……次こそは、“何か”がつかめますように(祈)(^ ^)。
ジュリエッタの章のシュレーミル(ジュリエッタの求愛者)は、普通に2番手格の二枚目役でしたし、似合っててカッコよかったです。迫力ありましたねー。さすがマギー。
歌(有名な「ホフマンの舟歌」を歌う)もとても良かったです♪しかーし。もともと声量がある人な上に狭いバウホールなんですから、音響さんもう少しマイク感度を考えていただきたい、かも(涙)。
後半戦のマギーは、もりえちゃんがやっていた悪魔役。
…そりゃー似合うだろうしかっこいいでしょうねぇ〜!ああ、観たくなっちゃうよなあ(T T)。
そして、それ以上に(←ごめんなさい)観たくて観たくてたまらないのが、(青葉)みちるちゃんの召使3役。
みちるちゃんの今までのお芝居って、どちらかというと「落ち着いた」「地に足のついた」という感じだったのですが。
宝塚生活の最後に演じるのが、トリックスター。
この難しい役を学んで、そして、
…どこへ行くというの?みちるちゃん……(泣)。
マヤさんは、ルーテル酒場のおやじと、アントーニアの父親クレペルと、オランピアの創造者スパランツァーニと、ジュリエッタの下僕ピティキナッチョ。
一番似合っていたのはピティキナッチョで良いとして(背中に垂らした白い羽飾りが天使の羽みたいで、後姿がめっちゃキュートでした♪)、意外に苦戦していたのがクレスペルだったような気がしました。
クレスペルって、亡き妻を愛し、娘を愛する「普通の父親」なんですよね。
マヤさんの演じる「普通の父親」像、
……これにひっかかるのは、先入観、というものなのかもしれませんが……。
五十鈴ひかりちゃんをはじめとする、ルーテル酒場のホフマンの仲間たち、は、
一生懸命、だったなあ…(しみじみ)。
五十鈴さんはさすがに巧かったけど、結構新公などで役がついているはずのマグ(流輝一斗)ちゃんとかが案外とへろへろだったのが意外でしたねぇ。
マヤさんと五十鈴さんでなんとか場をもたせていた印象だなあ。
ここは、各場面のヒロインたちも普通に酒場の客として存在するので、娘役さんたちのチェックに忙しく、下級生があまり覚えられませんでした……。反省っ。名前ついてるのココだけなのにさーーーーっ!(涙)
二クラウスの宇月颯くん。
宇月くんって、私は「暁のローマ」の新公のときから「声がいい」ってメモに書いているくらい、実はお気に入りだったのですが。
なんだか最近、急速に(特にハロー!ダンシング以来?)役がつくようになって、ちょっと驚いています。
二クラウス役は、オペラではミューズと同じ人が演じるズボン役(メゾソプラノなど、ちょっと低めの声の女性が演じる青年役)。
まぁ、今回はミューズ役として別にみっぽー(美鳳あや)ちゃんがいたので、普通に男役として演じていましたが、結構微妙な芝居をきちんとやっていたのがとても好印象でした。
この役は本来、ホフマンの才能を愛し、魂を救おうとするミューズの化身なので。
実はホフマンを「愛している」、という解釈がなりたつのです。
ジュリエッタの館でのカードゲーム(賭け事)に耽溺していくホフマンに対して「やめておけ。それ以上やるというなら俺は帰る」(ちょっと違うかも?)という台詞を吐くときの苦しそうな態度とか、観ていて痛いくらい気持ちが入ってましたね。
基本的に「ホフマンを見守る」友人、というポジションに満足していながら、見凝めることしかできなくて切ない、心が痛い、という、相反する二つの思いを抱えて。
それでも、ミューズの命ずるままに、ホフマンを追う。
彼の魂を救いたい、と、希う。
それはまるで、恋のように。
ミューズが焦がれる詩人の魂、に。
ダンサーだとばかり思っていましたが。
芝居もかなりできるということも知っていましたが。
…歌えるというのは初めて知ったような気がします。
すごい、めちゃめちゃ好みの声でした。はい。
ううう、これ以上好きな人増やしてどうするんだろ私……。
「ME & MY GIRL」の新公、何をやるんでしょうね、宇月くんは。
「ファンシーダンス」で、あれだけ出ずっぱりで大活躍させてくれた三木さんの作品だから、結構良い役つくかもしれないなあ♪
(←観る気満々です♪)
.
えーっと。
これはあくまでも「ワークショップ」なので。
……できていなかった人から先に書かせていただこうかと思います(滝汗)。
ちょっと辛口になってしまいましたが、次の公演での糧になることを信じつつ。
今回はっきりと「苦戦していた」と思ったのは、2幕4場(オランピア)までのマギー(星条海斗)でした(T T)。
アンドレス/フランツ/コシュニーユ、っていうのは、オペラでは5場(ジュリエッタ)のピティキナッチョと同じ人が演じる役で、つまりは典型的なトリックスターの役なんですよね。
物語をかき回して、調和を乱すだけ乱して、素知らぬていで立ち去っていく役。
それを、典型的な立ち役タイプのマギーが演じる?
そ、それは……難しいんじゃ?っていうか、無理だろう?今は、まだ。
また、すぐお隣に宝塚一のトリックスター、マヤ(未沙のえる)さんがいるのも辛かったかもしれませんね。どうしたって、観ていて“ああ、マヤさんとマギー、役が反対だったらなあ…”と思ってしまうのは止められませんでしたからね。
まぁ、本来なら「マヤさんに教えてもらえ!」っていうツモリも含めての配役だったんでしょうけれども。今回、マヤさんはマヤさんで、結構キャラクターの違うおじさん3役で大変そうだったし、そもそも“トリックスター”っていうのは、教えられるものではないし……(谷さん、そのくらいは理解してあげてくださいよ)。
ま、マギーにとっては、すごーくいい勉強になったはず、とは思います。こういう役って、確かにマギーの一番の弱点のような気がする。芝居を引っ掻き回すためには、場が読めないと難しいですから。
居方を掴もうとして苦しむのは、マギーみたいなタイプの役者には必要なことなのだと思います。芝居は、“自分ひとりの役をきっちり作ればいいんだ”、というものではありませんから。
マギーも、もう若手じゃないんだし…。
……次こそは、“何か”がつかめますように(祈)(^ ^)。
ジュリエッタの章のシュレーミル(ジュリエッタの求愛者)は、普通に2番手格の二枚目役でしたし、似合っててカッコよかったです。迫力ありましたねー。さすがマギー。
歌(有名な「ホフマンの舟歌」を歌う)もとても良かったです♪しかーし。もともと声量がある人な上に狭いバウホールなんですから、音響さんもう少しマイク感度を考えていただきたい、かも(涙)。
後半戦のマギーは、もりえちゃんがやっていた悪魔役。
…そりゃー似合うだろうしかっこいいでしょうねぇ〜!ああ、観たくなっちゃうよなあ(T T)。
そして、それ以上に(←ごめんなさい)観たくて観たくてたまらないのが、(青葉)みちるちゃんの召使3役。
みちるちゃんの今までのお芝居って、どちらかというと「落ち着いた」「地に足のついた」という感じだったのですが。
宝塚生活の最後に演じるのが、トリックスター。
この難しい役を学んで、そして、
…どこへ行くというの?みちるちゃん……(泣)。
マヤさんは、ルーテル酒場のおやじと、アントーニアの父親クレペルと、オランピアの創造者スパランツァーニと、ジュリエッタの下僕ピティキナッチョ。
一番似合っていたのはピティキナッチョで良いとして(背中に垂らした白い羽飾りが天使の羽みたいで、後姿がめっちゃキュートでした♪)、意外に苦戦していたのがクレスペルだったような気がしました。
クレスペルって、亡き妻を愛し、娘を愛する「普通の父親」なんですよね。
マヤさんの演じる「普通の父親」像、
……これにひっかかるのは、先入観、というものなのかもしれませんが……。
五十鈴ひかりちゃんをはじめとする、ルーテル酒場のホフマンの仲間たち、は、
一生懸命、だったなあ…(しみじみ)。
五十鈴さんはさすがに巧かったけど、結構新公などで役がついているはずのマグ(流輝一斗)ちゃんとかが案外とへろへろだったのが意外でしたねぇ。
マヤさんと五十鈴さんでなんとか場をもたせていた印象だなあ。
ここは、各場面のヒロインたちも普通に酒場の客として存在するので、娘役さんたちのチェックに忙しく、下級生があまり覚えられませんでした……。反省っ。名前ついてるのココだけなのにさーーーーっ!(涙)
二クラウスの宇月颯くん。
宇月くんって、私は「暁のローマ」の新公のときから「声がいい」ってメモに書いているくらい、実はお気に入りだったのですが。
なんだか最近、急速に(特にハロー!ダンシング以来?)役がつくようになって、ちょっと驚いています。
二クラウス役は、オペラではミューズと同じ人が演じるズボン役(メゾソプラノなど、ちょっと低めの声の女性が演じる青年役)。
まぁ、今回はミューズ役として別にみっぽー(美鳳あや)ちゃんがいたので、普通に男役として演じていましたが、結構微妙な芝居をきちんとやっていたのがとても好印象でした。
この役は本来、ホフマンの才能を愛し、魂を救おうとするミューズの化身なので。
実はホフマンを「愛している」、という解釈がなりたつのです。
ジュリエッタの館でのカードゲーム(賭け事)に耽溺していくホフマンに対して「やめておけ。それ以上やるというなら俺は帰る」(ちょっと違うかも?)という台詞を吐くときの苦しそうな態度とか、観ていて痛いくらい気持ちが入ってましたね。
基本的に「ホフマンを見守る」友人、というポジションに満足していながら、見凝めることしかできなくて切ない、心が痛い、という、相反する二つの思いを抱えて。
それでも、ミューズの命ずるままに、ホフマンを追う。
彼の魂を救いたい、と、希う。
それはまるで、恋のように。
ミューズが焦がれる詩人の魂、に。
ダンサーだとばかり思っていましたが。
芝居もかなりできるということも知っていましたが。
…歌えるというのは初めて知ったような気がします。
すごい、めちゃめちゃ好みの声でした。はい。
ううう、これ以上好きな人増やしてどうするんだろ私……。
「ME & MY GIRL」の新公、何をやるんでしょうね、宇月くんは。
「ファンシーダンス」で、あれだけ出ずっぱりで大活躍させてくれた三木さんの作品だから、結構良い役つくかもしれないなあ♪
(←観る気満々です♪)
.
月組バウホール公演「ホフマン物語」を観てまいりました。
キャストはいわゆる「Bパターン」。
以前観たオペラ版のキャスティングについてはこちら。
http://diarynote.jp/d/80646/20071118.html
念のため、キャストを書いておきますね♪
全幕
ホフマン 明日海りお
ニクラウス 宇月颯
1幕1場
悪魔 青樹泉
ミューズ 美鳳あや
影法師S 流輝一斗、麗百愛
1幕2場 ルーテル酒場
リンドルフ 青樹泉
アンドレス 星条海斗
ルーテル 未沙のえる
エリオット 五十鈴ひかり
テオドール 流輝一斗
ヘルマン 煌月爽矢
ナターナエル 輝城みつる
ウィルヘルム 千海華蘭
グレッチェン 玲実くれあ
ファウスタ 花陽みら
レオノーレ 真愛涼歌
1幕3場 アントーニア
アントニア 青葉みちる
ミラクル博士 青樹泉
クレスペル 未沙のえる
フランツ 星条海斗
アントニアの母親 萌花ゆりあ
2幕4場 オランピア
オランピア 美鳳あや
コッペリウス 青樹泉
スパランツァーニ 未沙のえる
コシュニーユ 星条海斗
2幕5場
ジュリエッタ 夢咲ねね
ダッペルトゥット 青樹泉
ピティキナッチョ 未沙のえる
シュレーミル 星条 海斗
2幕6場 ルーテル酒場
ステッラ 羽咲まな
(他は1部と同様)
以上です。
とにかく音楽が素晴らしかった!
そして、
可愛い下級生たちが、とにかくもう必死!って感じで舞台の空間を埋めようとしていて、そのがんばりっぷりに真面目に涙が出ましたね。
「本公演」ではない、「ワークショップ」だからこそ許される、豊かで実りある、贅沢な時間でした。
細かいことを言いだしたら、本当にキリがないです。
そもそも主役のみりおくんが完全に喉を痛めていて、前奏が鳴り出すたびに観ているこっちまで緊張して手に汗を握ってしまうような状況でしたし、
1幕ルーテル酒場で話の進行役を勤める下級生がまるっきり棒読みだったり。
初日近くは上級生もずいぶんカミカミだったと聞きました。
それをもって、「4500円の価値はない」と断じるのは、とても簡単なことです。
でも、この公演はワークショップだから。
最初から「不可能」な課題を与えて、「どうすればこの障害を乗り越える道をみいだせるか」を学ばせる場であって、障害を乗り越えて目的地にたどり着くのは、次の公演、あるいはさらにその次の公演でもかまわない、と思うから。
そういう意味では、オペラの音楽を大半そのまま使ったこの作品は、音楽的にも芝居の上でも高いハードルを科してくれて、この上もなく素晴らしい勉強になったはず。
正統派の“男役”が主人公で、
いろんなタイプのヒロインと組んでがっつり芝居ができる作品。
切ないラブロマンス、
コメディ、そして、
幻想的な物語。
宝塚で求められる「お芝居」を、この一本で勉強できる。
それが、この作品が「ワークショップ向き」だ、と思うポイント。
思ったより役が少なくて(主要な役はほとんど、役替わりで少数の役者が演じてしまうので)、下級生はあまり出番がなかったのは若干残念でしたけれども。
でも、たぶん代役がついたりしているんだろうし、一本の作品であれだけバラエティに富んだ音楽と芝居を勉強できる機会って滅多にないので、いい経験にはなったはず。
全組これでも良かったんじゃないか、と思ってしまうほど、「ワークショップ」向きのいい作品でしたし、いい公演でした!
組ファンでない方、月組下級生に全然興味の無い方だと、ちょっと辛かったかもしれませんが。
ちょっとでもお気に入りの人が出ていたら、ぜったい涙が出てくると思いますよ!…ご贔屓さんのがんばりっぷりに。
それもこれも、作品自体が名作だから、なんですけどね。
ホフマン役のみりおくんは、ほんとーに美貌で華やかだ…。
歌は、今まで新公などで観てきて「かなり歌える人」という印象だったのですが、今回は…台詞声は良かったのですが、歌は本当にギリギリで(T T)。歌いだす前にも、ご本人が緊張して肩に力が入るので余計に出なくなっちゃうんでしょうね…。観ている方が疲れましたわ(涙)。
普段は物凄く芝居勘のある人なんですが、今回はちょっと苦戦したかな。声が出ない焦りもあったのかもしれないし、根本的に、“見た目が若すぎる”というのは、こういう役では不利なのかもしれません。
それと、彼女の芸風はとっても「リアル」な男の子、なんですね。浮世離れした美貌の割りには。
実際、今までヒットを飛ばしてきた「The Last Party」の学生、「パリの空よりも高く」のジャン、新公のアントニウス(「暁のローマ」)やボルディジャール(「「マジシャンの憂鬱」)……どれもこれも、非常にリアルで存在感のある、現実を見据えた有能な男、だったんですよね。
あんまり幻想的な役とかファンタジックな役は記憶にない。
あ、「エリザベート」の少年ルドルフがあったか。でも、みりおくんのルドルフは、大人になったら『祐飛さんでなくまさお(龍真咲)になる』ところが納得できる芝居だなーと思ったんだ…。
…だいぶ話が逸れてしまいましたが。
みりおくんのホフマンは、挿入話として語られる3つの物語のホフマンとしては違和感ありませんでした。
ハンサムで、魅力的で、自信家で、恋を語るにふさわしい、男。
でも。
最初と最後のルーテル酒場でのホフマンは、完全には掴みきれないままに千秋楽を迎えてしまった……そんな気がした、というのが観劇しての正直な感想でした。
ルーテル酒場でのホフマンは、「詩人」です。
「男」である前に、「詩人」。
現実処理能力を持たず、
それどころか「現実」を見ることさえできず、
夢の世界に生きている、男。
なのに彼は、天使でさえ、ない。
せめて天使であったなら、居場所を求め、愛するひとを求めて彷徨うこともなかったろうに。
でも彼は、天使じゃないからこそ、詩人たりうる。
天使じゃないから、ミューズの愛を勝ち得ることができたのだから…。
そんな。
「地に足のつかない」男を演じるには、今のみりおくんは、あまりに「リアル」でありすぎたと思います。
ただ、普通は、あの学年で「リアル」な男役になることの方が難しいと思うから。
今できないからって、永久に出来ないってもんじゃない。
みりおくん自身が、今回演じた「ホフマン」が完成形だ、と思わないでいてくれれば、それで十分だと思います。
伸びしろはまだまだいくらでもある人だと思うから。
「みりおくん」が、リアルもファンタジーも演じられる“男役”として完成される日を、楽しみに待っています。
そんでもって。
…二クラウス、観たいなあ……(うっとり)
悪魔/その他3役のもりえちゃん。
すっごく良かったです!
今までのもりえちゃんの中で、一番良かったかも!あ、いや、一番良かったのは、やっぱり「オクラホマ!」かな?(可愛かった♪)
でも、今回もすごく良かったです。あんまり期待してはいなかったので(ごめんなさい)、嬉しい驚きでした。
みりおくんはじめ、下級生が皆あっぷあっぷしている中で、さすがに大役馴れしているというか、落ち着いて演じていて、カンパニーの中でも重要なポジションにいるんだろうな、と思いました。
楽の挨拶でへろへろしている同期のみっぽーや下級生のみりおくんを、にこにこしながらちょっと心配そうに見守っている視線が萌えでした(^ ^)。
今回の芝居について、あえて苦言を呈するならば。
オランピアの場面でのコッペリウスの化粧は、あれでいいのでしょうか…?
全編通して悪魔メイクというか、目元の濃いアイシャドーと白い肌色のトートメイクのままだったのですが、このコッペリウスって、役的にはオランピアを作った発明家(物理学者?)スパランツァーニの弟子みたいな存在なんですよね。で、自分のアイディアをスパランツァーニ「先生」に取られて、その代金を請求するために現れる。
もりえちゃんの役づくり(台詞の言い方とか表情とか)は、普通に青年っぽい感じだったのですが…、メークがトートメークのままなので、なんだか笑って良いのか悪いのか…って感じになってしまったんですよね(^ ^;。
まぁ、オペラと違って連続で次の場が始まってしまうので、化粧替えをするのは不可能だったんでしょうけれども。
それならそれで、もう少し、演出家として役作りの指導をしたりするのも必要なのでは…?>谷さん。
演出的には、谷さんの演出は手堅いし、セットや衣装(使いまわしばかりでしたが)もよく考えられていて悪くはなかったのですが…。
場面転換だけは、もう少しどうにかしてほしかったなー。
各場が切れるときに、暗転してから平幕が降りてくるまでがすでに間抜けなほど間があいてしまうんです。あれをカーテン式にして「さーっ!」と閉める形式にするだけで、ずいぶん格好がつくと思うのですが。
この作品は、元がオペラなだけに場面も多く、しかも場が変わるごとにセット転換があるので、そこをどうつなぐかがこの作品を「ミュージカル」として上演する際の課題だと思うのですが。
菅沼氏は、そこはどうやって解決されたのでしょうねぇ。30年前は、今と違って2分や3分幕がおりっぱになっても何とも思わなかったのかな?(汗)
「心中・恋の大和路」では、場面転換が気になったことなかったのですが…。
ふぅ。
とりあえず、お二人書いたところで、いったんきりますね。
おやすみなさいませ…Zzz
.
キャストはいわゆる「Bパターン」。
以前観たオペラ版のキャスティングについてはこちら。
http://diarynote.jp/d/80646/20071118.html
念のため、キャストを書いておきますね♪
全幕
ホフマン 明日海りお
ニクラウス 宇月颯
1幕1場
悪魔 青樹泉
ミューズ 美鳳あや
影法師S 流輝一斗、麗百愛
1幕2場 ルーテル酒場
リンドルフ 青樹泉
アンドレス 星条海斗
ルーテル 未沙のえる
エリオット 五十鈴ひかり
テオドール 流輝一斗
ヘルマン 煌月爽矢
ナターナエル 輝城みつる
ウィルヘルム 千海華蘭
グレッチェン 玲実くれあ
ファウスタ 花陽みら
レオノーレ 真愛涼歌
1幕3場 アントーニア
アントニア 青葉みちる
ミラクル博士 青樹泉
クレスペル 未沙のえる
フランツ 星条海斗
アントニアの母親 萌花ゆりあ
2幕4場 オランピア
オランピア 美鳳あや
コッペリウス 青樹泉
スパランツァーニ 未沙のえる
コシュニーユ 星条海斗
2幕5場
ジュリエッタ 夢咲ねね
ダッペルトゥット 青樹泉
ピティキナッチョ 未沙のえる
シュレーミル 星条 海斗
2幕6場 ルーテル酒場
ステッラ 羽咲まな
(他は1部と同様)
以上です。
とにかく音楽が素晴らしかった!
そして、
可愛い下級生たちが、とにかくもう必死!って感じで舞台の空間を埋めようとしていて、そのがんばりっぷりに真面目に涙が出ましたね。
「本公演」ではない、「ワークショップ」だからこそ許される、豊かで実りある、贅沢な時間でした。
細かいことを言いだしたら、本当にキリがないです。
そもそも主役のみりおくんが完全に喉を痛めていて、前奏が鳴り出すたびに観ているこっちまで緊張して手に汗を握ってしまうような状況でしたし、
1幕ルーテル酒場で話の進行役を勤める下級生がまるっきり棒読みだったり。
初日近くは上級生もずいぶんカミカミだったと聞きました。
それをもって、「4500円の価値はない」と断じるのは、とても簡単なことです。
でも、この公演はワークショップだから。
最初から「不可能」な課題を与えて、「どうすればこの障害を乗り越える道をみいだせるか」を学ばせる場であって、障害を乗り越えて目的地にたどり着くのは、次の公演、あるいはさらにその次の公演でもかまわない、と思うから。
そういう意味では、オペラの音楽を大半そのまま使ったこの作品は、音楽的にも芝居の上でも高いハードルを科してくれて、この上もなく素晴らしい勉強になったはず。
正統派の“男役”が主人公で、
いろんなタイプのヒロインと組んでがっつり芝居ができる作品。
切ないラブロマンス、
コメディ、そして、
幻想的な物語。
宝塚で求められる「お芝居」を、この一本で勉強できる。
それが、この作品が「ワークショップ向き」だ、と思うポイント。
思ったより役が少なくて(主要な役はほとんど、役替わりで少数の役者が演じてしまうので)、下級生はあまり出番がなかったのは若干残念でしたけれども。
でも、たぶん代役がついたりしているんだろうし、一本の作品であれだけバラエティに富んだ音楽と芝居を勉強できる機会って滅多にないので、いい経験にはなったはず。
全組これでも良かったんじゃないか、と思ってしまうほど、「ワークショップ」向きのいい作品でしたし、いい公演でした!
組ファンでない方、月組下級生に全然興味の無い方だと、ちょっと辛かったかもしれませんが。
ちょっとでもお気に入りの人が出ていたら、ぜったい涙が出てくると思いますよ!…ご贔屓さんのがんばりっぷりに。
それもこれも、作品自体が名作だから、なんですけどね。
ホフマン役のみりおくんは、ほんとーに美貌で華やかだ…。
歌は、今まで新公などで観てきて「かなり歌える人」という印象だったのですが、今回は…台詞声は良かったのですが、歌は本当にギリギリで(T T)。歌いだす前にも、ご本人が緊張して肩に力が入るので余計に出なくなっちゃうんでしょうね…。観ている方が疲れましたわ(涙)。
普段は物凄く芝居勘のある人なんですが、今回はちょっと苦戦したかな。声が出ない焦りもあったのかもしれないし、根本的に、“見た目が若すぎる”というのは、こういう役では不利なのかもしれません。
それと、彼女の芸風はとっても「リアル」な男の子、なんですね。浮世離れした美貌の割りには。
実際、今までヒットを飛ばしてきた「The Last Party」の学生、「パリの空よりも高く」のジャン、新公のアントニウス(「暁のローマ」)やボルディジャール(「「マジシャンの憂鬱」)……どれもこれも、非常にリアルで存在感のある、現実を見据えた有能な男、だったんですよね。
あんまり幻想的な役とかファンタジックな役は記憶にない。
あ、「エリザベート」の少年ルドルフがあったか。でも、みりおくんのルドルフは、大人になったら『祐飛さんでなくまさお(龍真咲)になる』ところが納得できる芝居だなーと思ったんだ…。
…だいぶ話が逸れてしまいましたが。
みりおくんのホフマンは、挿入話として語られる3つの物語のホフマンとしては違和感ありませんでした。
ハンサムで、魅力的で、自信家で、恋を語るにふさわしい、男。
でも。
最初と最後のルーテル酒場でのホフマンは、完全には掴みきれないままに千秋楽を迎えてしまった……そんな気がした、というのが観劇しての正直な感想でした。
ルーテル酒場でのホフマンは、「詩人」です。
「男」である前に、「詩人」。
現実処理能力を持たず、
それどころか「現実」を見ることさえできず、
夢の世界に生きている、男。
なのに彼は、天使でさえ、ない。
せめて天使であったなら、居場所を求め、愛するひとを求めて彷徨うこともなかったろうに。
でも彼は、天使じゃないからこそ、詩人たりうる。
天使じゃないから、ミューズの愛を勝ち得ることができたのだから…。
そんな。
「地に足のつかない」男を演じるには、今のみりおくんは、あまりに「リアル」でありすぎたと思います。
ただ、普通は、あの学年で「リアル」な男役になることの方が難しいと思うから。
今できないからって、永久に出来ないってもんじゃない。
みりおくん自身が、今回演じた「ホフマン」が完成形だ、と思わないでいてくれれば、それで十分だと思います。
伸びしろはまだまだいくらでもある人だと思うから。
「みりおくん」が、リアルもファンタジーも演じられる“男役”として完成される日を、楽しみに待っています。
そんでもって。
…二クラウス、観たいなあ……(うっとり)
悪魔/その他3役のもりえちゃん。
すっごく良かったです!
今までのもりえちゃんの中で、一番良かったかも!あ、いや、一番良かったのは、やっぱり「オクラホマ!」かな?(可愛かった♪)
でも、今回もすごく良かったです。あんまり期待してはいなかったので(ごめんなさい)、嬉しい驚きでした。
みりおくんはじめ、下級生が皆あっぷあっぷしている中で、さすがに大役馴れしているというか、落ち着いて演じていて、カンパニーの中でも重要なポジションにいるんだろうな、と思いました。
楽の挨拶でへろへろしている同期のみっぽーや下級生のみりおくんを、にこにこしながらちょっと心配そうに見守っている視線が萌えでした(^ ^)。
今回の芝居について、あえて苦言を呈するならば。
オランピアの場面でのコッペリウスの化粧は、あれでいいのでしょうか…?
全編通して悪魔メイクというか、目元の濃いアイシャドーと白い肌色のトートメイクのままだったのですが、このコッペリウスって、役的にはオランピアを作った発明家(物理学者?)スパランツァーニの弟子みたいな存在なんですよね。で、自分のアイディアをスパランツァーニ「先生」に取られて、その代金を請求するために現れる。
もりえちゃんの役づくり(台詞の言い方とか表情とか)は、普通に青年っぽい感じだったのですが…、メークがトートメークのままなので、なんだか笑って良いのか悪いのか…って感じになってしまったんですよね(^ ^;。
まぁ、オペラと違って連続で次の場が始まってしまうので、化粧替えをするのは不可能だったんでしょうけれども。
それならそれで、もう少し、演出家として役作りの指導をしたりするのも必要なのでは…?>谷さん。
演出的には、谷さんの演出は手堅いし、セットや衣装(使いまわしばかりでしたが)もよく考えられていて悪くはなかったのですが…。
場面転換だけは、もう少しどうにかしてほしかったなー。
各場が切れるときに、暗転してから平幕が降りてくるまでがすでに間抜けなほど間があいてしまうんです。あれをカーテン式にして「さーっ!」と閉める形式にするだけで、ずいぶん格好がつくと思うのですが。
この作品は、元がオペラなだけに場面も多く、しかも場が変わるごとにセット転換があるので、そこをどうつなぐかがこの作品を「ミュージカル」として上演する際の課題だと思うのですが。
菅沼氏は、そこはどうやって解決されたのでしょうねぇ。30年前は、今と違って2分や3分幕がおりっぱになっても何とも思わなかったのかな?(汗)
「心中・恋の大和路」では、場面転換が気になったことなかったのですが…。
ふぅ。
とりあえず、お二人書いたところで、いったんきりますね。
おやすみなさいませ…Zzz
.
月組バウホール公演「ホフマン物語」Bパターンと、
雪組大劇場公演「君を愛してる/ミロワール」を観てまいりました。
土曜日にあんなこと(仕事が忙しいよ〜という泣き言)を書いて、何人かの方にご心配いただいてしまいましたが。
……なんのことはない、この遠征のために死ぬ気でがんばっていたのでした…(^ ^;ゞ
それにしても、さすがにキツかった(T T)。
うーん、昔は徹夜明けで新幹線ぐらい、たいしたことはなかったのになあ(涙)。若かったんだなぁ………(しみじみ)。
しっかし楽しかったです!
「ホフマン物語」は名作だったし、
雪組は肩の凝らない作品で、とっても幸せな気分で劇場を後にできました♪♪
…などと、つれづれ感想を書いていたのですが。
ちょっと失敗して書きかけのデータを消してしまった(涙)。
なので。
どこぞへ飛び立ってしまったのうみそたちが帰ってくるまで、感想はちょっとおいといて。
先に、でるふぃさまからいただいたバトンを回したいと思います。
でるふぃさまの素敵ブログはこちら
http://blogs.dion.ne.jp/peppermint/
ではでは、
…はじめてのばとんに、心ドキドキしつつ。
Q1.バトンを回す人を5人挙げて下さい。
ご、ごにんもおともだちいないの……(泣)。
というわけで、唯一のお友達であるいつかさんに回させていただきます。(私にバトンが来たときから覚悟はしてくれているものと思いますので、遠慮なく♪)
Q2. あなたの名前は?
みつきねこ。
昔、リアル友人が使っていたHNが可愛かったので、アレンジして使わせてもらってます。
いかにも月組ファンらしいHNですけど、実は宝塚ファンになるより前から使っていたんですよ(笑)。なので、どこの組のファンになっても使い続けると思います。
ちなみに“ねこ”は本名です(嘘です)。
Q3. あなたの好きなものは?
睡眠。
夢を見ること。
夢を見せてくれるものを観たり読んだりする時間。
……かな?
Q4.恋人はいる?
いません(即答)。
ご贔屓さんを「心の恋人」としてあげていらっしゃる方も多いようですが、私の場合、「恋人」というにはあまりに自分が不実なので。
やっぱり、いない、かな(^ ^;。
Q5.(いる人)その人との出会いは?
パス♪
Q6.好きなタイプは?
目つきの悪い人が好きです。きっぱり。(ごめんねらぎちゃん)(←謝るのはそこだけ…?)
あと、割と大事なのは横顔のシルエットと、首からデコルテにかけてのライン。男役さんはデコルテ出すことがほとんどないので、あまり気になりませんが。
あとは脚かなー。脚線美。あんまり細すぎる人形みたいな足より、適度に柔らかそうな脚の方が好きです♪
で、一番大事なのは、声、です。はい。
Q7. 嫌いなタイプは?
うーん。口先だけの人、かな…って、それ自分のことですけど。
基本的に自分が嫌いなので、自分と同じような人は嫌いかも。
Q8.好きな漫画、ゲーム、小説、映画は?
長くなりますがよろしいでしょうか?
映画は…去年こちらにも書きましたが「キサラギ」。
あとはアニメ映画かな。宮崎駿さんのシリーズとか。(ジブリではなく、あくまでも駿作品)
ゲームもほとんどしたことないです。テトリスだけ。
RPGは、嵌ったら破滅する自分を知っているので、やったことがありません。これからも縁のない人生を歩もうと思っています。
小説は…基本的に文字があれば調味料の裏面表示から新聞の折込まで読むタイプ。かなりの乱読派ですが、最近あまり新しい作家を開拓していません(涙)。…面白い本があったら教えてください。
ノンフィクションやエッセイでは、最相葉月、立花隆、中村紘子。
あと、民俗学・古代史・生物学・物理学系の新書も結構読んでいます。
新書系で一番のお勧めは、「ゾウの時間、ネズミの時間」(本川達雄)ですね。それと、「マクスウェルの悪魔」(都筑卓司)かな。どっちも人生観変わりました。(他にもあると思うけど、今思い出せない…)
SF/ファンタジー系は、ハインライン、ホーガン、クラークらの大御所からオースン・スコット・カード、ティプトリーJr.あたりまで。日本なら星新一、新井素子、菅浩江、茅野砂胡、菅野彰、篠田真由美、麻城ゆう、津守時生、氷室冴子、金蓮花、須賀しのぶ、ってところかな。
…小野不由美の新刊を、数年来待ち続けてます(T T)
推理小説はクリスティと仁木悦子。現役だと東野圭吾と宮部みゆき。
歴史モノとか文芸系では、遠藤周作、司馬遼太郎、塩野七生、有吉佐和子、宮本輝、山岡壮八、永井路子、浅田次郎…あと坂木司とか加納朋子とか。
そして最後に、アーサー・ランサムの「ツバメ号」シリーズ。私の心のふるさとです。
漫画もかなり乱読派!
佐々木淳子、水樹和佳、萩尾望都、諏訪緑、さちみりほ、筒井百々子、道原かつみ、紫堂恭子、篠原烏童、よしながふみ、、河村恵利、森川久美、よしながふみ、もんでんあきこ、坂井久仁江、遠藤淑子、山田圭子、、、、
そのへんでしょうか!?(↑いくらなんでも多すぎないか?)
Q9.回してくれた人の心の色は?
…やわらかなくさみどり。
勝手なイメージです。お気を悪くなさったらごめんなさい。
Q10. 最後に回す人のイメージカラーを付けて下さい。
…ひらひらしたさくらいろ。
以上!
こ、こ、こんなんでいいのでしょうか……ドキドキ。
ではでは、いつかさんどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m。
.
雪組大劇場公演「君を愛してる/ミロワール」を観てまいりました。
土曜日にあんなこと(仕事が忙しいよ〜という泣き言)を書いて、何人かの方にご心配いただいてしまいましたが。
……なんのことはない、この遠征のために死ぬ気でがんばっていたのでした…(^ ^;ゞ
それにしても、さすがにキツかった(T T)。
うーん、昔は徹夜明けで新幹線ぐらい、たいしたことはなかったのになあ(涙)。若かったんだなぁ………(しみじみ)。
しっかし楽しかったです!
「ホフマン物語」は名作だったし、
雪組は肩の凝らない作品で、とっても幸せな気分で劇場を後にできました♪♪
…などと、つれづれ感想を書いていたのですが。
ちょっと失敗して書きかけのデータを消してしまった(涙)。
なので。
どこぞへ飛び立ってしまったのうみそたちが帰ってくるまで、感想はちょっとおいといて。
先に、でるふぃさまからいただいたバトンを回したいと思います。
でるふぃさまの素敵ブログはこちら
http://blogs.dion.ne.jp/peppermint/
ではでは、
…はじめてのばとんに、心ドキドキしつつ。
Q1.バトンを回す人を5人挙げて下さい。
ご、ごにんもおともだちいないの……(泣)。
というわけで、唯一のお友達であるいつかさんに回させていただきます。(私にバトンが来たときから覚悟はしてくれているものと思いますので、遠慮なく♪)
Q2. あなたの名前は?
みつきねこ。
昔、リアル友人が使っていたHNが可愛かったので、アレンジして使わせてもらってます。
いかにも月組ファンらしいHNですけど、実は宝塚ファンになるより前から使っていたんですよ(笑)。なので、どこの組のファンになっても使い続けると思います。
ちなみに“ねこ”は本名です(嘘です)。
Q3. あなたの好きなものは?
睡眠。
夢を見ること。
夢を見せてくれるものを観たり読んだりする時間。
……かな?
Q4.恋人はいる?
いません(即答)。
ご贔屓さんを「心の恋人」としてあげていらっしゃる方も多いようですが、私の場合、「恋人」というにはあまりに自分が不実なので。
やっぱり、いない、かな(^ ^;。
Q5.(いる人)その人との出会いは?
パス♪
Q6.好きなタイプは?
目つきの悪い人が好きです。きっぱり。(ごめんねらぎちゃん)(←謝るのはそこだけ…?)
あと、割と大事なのは横顔のシルエットと、首からデコルテにかけてのライン。男役さんはデコルテ出すことがほとんどないので、あまり気になりませんが。
あとは脚かなー。脚線美。あんまり細すぎる人形みたいな足より、適度に柔らかそうな脚の方が好きです♪
で、一番大事なのは、声、です。はい。
Q7. 嫌いなタイプは?
うーん。口先だけの人、かな…って、それ自分のことですけど。
基本的に自分が嫌いなので、自分と同じような人は嫌いかも。
Q8.好きな漫画、ゲーム、小説、映画は?
長くなりますがよろしいでしょうか?
映画は…去年こちらにも書きましたが「キサラギ」。
あとはアニメ映画かな。宮崎駿さんのシリーズとか。(ジブリではなく、あくまでも駿作品)
ゲームもほとんどしたことないです。テトリスだけ。
RPGは、嵌ったら破滅する自分を知っているので、やったことがありません。これからも縁のない人生を歩もうと思っています。
小説は…基本的に文字があれば調味料の裏面表示から新聞の折込まで読むタイプ。かなりの乱読派ですが、最近あまり新しい作家を開拓していません(涙)。…面白い本があったら教えてください。
ノンフィクションやエッセイでは、最相葉月、立花隆、中村紘子。
あと、民俗学・古代史・生物学・物理学系の新書も結構読んでいます。
新書系で一番のお勧めは、「ゾウの時間、ネズミの時間」(本川達雄)ですね。それと、「マクスウェルの悪魔」(都筑卓司)かな。どっちも人生観変わりました。(他にもあると思うけど、今思い出せない…)
SF/ファンタジー系は、ハインライン、ホーガン、クラークらの大御所からオースン・スコット・カード、ティプトリーJr.あたりまで。日本なら星新一、新井素子、菅浩江、茅野砂胡、菅野彰、篠田真由美、麻城ゆう、津守時生、氷室冴子、金蓮花、須賀しのぶ、ってところかな。
…小野不由美の新刊を、数年来待ち続けてます(T T)
推理小説はクリスティと仁木悦子。現役だと東野圭吾と宮部みゆき。
歴史モノとか文芸系では、遠藤周作、司馬遼太郎、塩野七生、有吉佐和子、宮本輝、山岡壮八、永井路子、浅田次郎…あと坂木司とか加納朋子とか。
そして最後に、アーサー・ランサムの「ツバメ号」シリーズ。私の心のふるさとです。
漫画もかなり乱読派!
佐々木淳子、水樹和佳、萩尾望都、諏訪緑、さちみりほ、筒井百々子、道原かつみ、紫堂恭子、篠原烏童、よしながふみ、、河村恵利、森川久美、よしながふみ、もんでんあきこ、坂井久仁江、遠藤淑子、山田圭子、、、、
そのへんでしょうか!?(↑いくらなんでも多すぎないか?)
Q9.回してくれた人の心の色は?
…やわらかなくさみどり。
勝手なイメージです。お気を悪くなさったらごめんなさい。
Q10. 最後に回す人のイメージカラーを付けて下さい。
…ひらひらしたさくらいろ。
以上!
こ、こ、こんなんでいいのでしょうか……ドキドキ。
ではでは、いつかさんどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m。
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年明け早々、仕事が死ぬ程忙しくて、日記書いてる暇もありませんでした(涙)。
一週間で、ちゃんと終電までに帰った日が二日、タクシーが一日、始発が二日…世の中はまだまだ松の内なのに、なんでこんなことに(T_T)
反応したいことも色々発表されたのにぃ〜〜!!
だいぶ出遅れてしまいましたが、反応させていただきます。
まずはやっぱり、月組大劇場公演「ME&MY GIRL」配役。
役替わりですねえ〜!
予想はしてましたけど、実際に発表されるとやっぱり驚きます。あいちゃん、みりおくん、大変だけどがんばってね!!
…さすがに遠征は一回しかできない…(←ホントに?)ので、東宝でも役替わりしてくれることを祈ります。
そして、マヤさんの参加。
伝説のパーチェスター、(ですよね?)めちゃめちゃ楽しみです!
観たかったんですよ(感涙)
あと、気になるのは新人公演。個人的にビルはみりおくんかな、と予想していたのですが……、
本役が女役の大役では喉の管理も大変だし、ビルとなったらあまりに大変しぎるような気が…。
むしろ、マリア侯爵夫人だったりしないかなあ(はぁと)
あ、でも、みりおくんには「絶対に」転向してほしくないので(←それは勿体なさすぎ!)、この公演だけにして博多では男役に戻って欲しいのですが。いくらなんでもジャッキーとビルって……大変すぎません?
あ、でも
ファンの方は新人公演くらい男役で、って思うのかな?だったら…ジョン卿、とか?(←大変さはビルと変わらないような気が)
…もう一つ、星組「アンナ・カレーニナ」配役。
べにー(紅ゆずる)、カレーニン役、おめでとう!
絶対観に行きます!!頑張ってね!
…と思ったら、ともみん&べにーの公演中、月組ジャッキーはあいちゃんだった(はぁと)。
女役初のジャッキー、楽しみにしています!! プレッシャーは大きいと思うけど、応援しているので頑張ってね♪♪
.
一週間で、ちゃんと終電までに帰った日が二日、タクシーが一日、始発が二日…世の中はまだまだ松の内なのに、なんでこんなことに(T_T)
反応したいことも色々発表されたのにぃ〜〜!!
だいぶ出遅れてしまいましたが、反応させていただきます。
まずはやっぱり、月組大劇場公演「ME&MY GIRL」配役。
役替わりですねえ〜!
予想はしてましたけど、実際に発表されるとやっぱり驚きます。あいちゃん、みりおくん、大変だけどがんばってね!!
…さすがに遠征は一回しかできない…(←ホントに?)ので、東宝でも役替わりしてくれることを祈ります。
そして、マヤさんの参加。
伝説のパーチェスター、(ですよね?)めちゃめちゃ楽しみです!
観たかったんですよ(感涙)
あと、気になるのは新人公演。個人的にビルはみりおくんかな、と予想していたのですが……、
本役が女役の大役では喉の管理も大変だし、ビルとなったらあまりに大変しぎるような気が…。
むしろ、マリア侯爵夫人だったりしないかなあ(はぁと)
あ、でも、みりおくんには「絶対に」転向してほしくないので(←それは勿体なさすぎ!)、この公演だけにして博多では男役に戻って欲しいのですが。いくらなんでもジャッキーとビルって……大変すぎません?
あ、でも
ファンの方は新人公演くらい男役で、って思うのかな?だったら…ジョン卿、とか?(←大変さはビルと変わらないような気が)
…もう一つ、星組「アンナ・カレーニナ」配役。
べにー(紅ゆずる)、カレーニン役、おめでとう!
絶対観に行きます!!頑張ってね!
…と思ったら、ともみん&べにーの公演中、月組ジャッキーはあいちゃんだった(はぁと)。
女役初のジャッキー、楽しみにしています!! プレッシャーは大きいと思うけど、応援しているので頑張ってね♪♪
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ハリウッドのイタリア人
2008年1月7日 宝塚(月)日本青年館「A-"R"ex」、初日おめでとうございます♪
シビさんもりんかちゃんも、いよいよラストスパートですねぇ。
あとわずかに一週間。思いっきり舞台を楽しんでくださいますように。
(毎回同じコメントでホントすみません汗)
ふと気がつけば、もう7日だというのに私はまだ今年の観劇初めをしていません(家族サービスと仕事以外、基本的にずっと引籠ってたもんで…)。
この調子だと、初観劇は週末の遠征になる…かな?
うーむ。観たいものは多いんですけどねぇ(涙)。
衝撃の組替発表からもうすぐ2週間。…うおお、半月たっちゃうよー。
そのおかげで若干間があいてしまいましたが。
リハビリがてら、「Hollywood Lover」について少しづつ思い出し語りをしたいと思います。
バウホール公演も終わったことだし、そろそろネタバレしてもいいんじゃないかなーという気もしつつ、まぁ、ねた切れするまでは差し障りのない範囲で語っていきたいと思います♪
と、ゆーわけで、
今日のテーマは、ステファーノ・グランディ監督が連れてきた、イタリアンな3人組について。
ちわわ(涼城まりな)は、衣装デザイナーのモニカ・アジャーニ。
りこ(麻月れんか)ちゃんのサム(AD?)が、空港で挨拶する前から知っていて、「憧れの人がココにっ!!」というハート目で見ているところからすると、かなりのスターデザイナーなんでしょうね。
そして、ステファーノの恋人。それが、今のモニカ。
今回のちわわは、本当に良かったです。
今まで観てきた中で、彼女のベストアクトだと思います。…しみじみと。
「The Last Party」のときは、子役だったせいか、ちょっとやりすぎのお芝居が鼻につくところもあったのですが、今回は本当〜に魅力的だった!!
美しくて、有能で、サッシーナで、優しくて、大人。
ステファーノが「理想の男」なら、モニカは「理想の女」だと思う。そのくらい、景子さんの気持ちの入った役だったと思います。
娘役じゃない「女」役であれだけ良い役って、柴田作品には時々あるけどそれ以外では滅多に出会えないよね、ってくらいの良い役。
そして、その期待に十二分に応えたちわわが、本当に本当に素晴らしかった!
小柄だけど、スタイルの良いちわわ。
景子さんが吟味し尽くしたであろうこだわりの衣装が、どれも物凄くよく似合って、高級感のある女になりきっていたのが、まず◎でした。
そして、“ちょっとした”仕草のさりげなさがポイント!
撮影現場の合間に、ステファーノにデザイン画を見せながら話す時の、手の置き方、体重のかけ方、話しかけるときの目線。甘えるのではなく、とにかく自然に「恋人」の雰囲気を醸しつつ、「でも今は仕事中」というクールさがあって。
また、そんなモニカの存在を自然に受け入れているステファーノが素敵すぎなんですけどっ(*^ ^*)。
私がこの作品中で一番好きな場面は、1幕中盤の撮影風景。あひちゃんのローガンから映画の内容にクレームが入った後の、撮りなおしの場面です。
「Filmin’ The Truth」…歌詞でいえば「カメラが映し出す真実」のリフレインのところ。
で、ね。
…ここのちわわが、最高に良い女なんですよ〜!
「ローズ(城咲あい)のために最高の映画を撮ってやりたい」と全力を尽くすステファーノの横顔を、遠く見つめるモニカ。
撮りなおしが決まって、最初はなんとなくぎこちなかった現場。それが、ステファーノの“撮りたいもの”がスタッフ一人ひとりにも見えてきて、空気が少しづつ流れはじめる、
そんななか、で、
元々、イタリアで“芸術的”なステファーノ監督の映画に付き合っていたメンバーたちは、かえってとまどいを隠せない。
なぜ妥協するの?
蒙昧な大衆に迎合する必要なんてないじゃない。あなたの芸術はとっくに認められているのに、なぜ今更?
のーてんきなサムの言葉。
「ステファーノ監督、本領発揮!って感じッスね〜!」
でも、モニカは賛同できない。
「…いいえ…、」
“本領発揮?そんなはず、ない。そんなんじゃないはずよ…だって、”
「あんなステファーノ見るの、はじめてよ…」
その。
搾り出すようなたった一言の、声、が。
切ない声、でした…(T T)。
(光月)るうちゃんは、音楽担当のエドウィン・シュバーク。
きっしー(彩央寿音)は、照明のマリオ・カヴァッリ。
この二人は、ほぼコンビで登場。出番は2幕中盤で終わりますが、それまではリチャード・ローガンがメインの場面以外ほとんど出てるんじゃないかな…?
いやー、まだ研6なのに、この二人の芝居の巧さときたら……
感銘。
二枚目俳優役のとーやん(榎登也)を見ながら「…頭悪そうだもんなぁ……」とさらっと言ってのけるきっしー。
「新曲のメロディができた!」と貌をあげる瞬間に、喜びの中に“隠し味としての不安”と“ひとつまみの自信”を混ぜこんで見せる るうちゃん。
(嘉月)絵理ちゃんが言っていた「月組の芝居」は、さりげなさが真骨頂で。
まだ新公学年の下級生に、こんなにも脈々と受け継がれているのを見ると、それだけで本当に幸せになります。
っていうか、なにげに月組88期ってすごいですよね♪♪
この二人以外にもあちょう(華央あみり)さんがいて、鼓(英夏)さんがいて…、芝居好きの猫には、将来が楽しみでたまらないメンバーです♪
この3人と、ステファーノ。
「ハリウッド」という“異世界”の中で、この4人だけが共通の下地を持っています。
ステファーノの目指す映像、
ステファーノの目指す芸術、
我々がいなくては、それを達成することはできない、と自負している。
彼らが「イタリア映画界」でどのようなポジションにいて、ステファーノと出会い、一緒に仕事を始めてからどのくらいの時間がたっているのか、
いままでにどんな作品を作っているのか、
それは、作品中で語られることはありませんが。
たぶん、景子さんの頭の中には、そのへんもきっちり設定があるんだろうなあ〜〜〜。
(ほとんど妄想設定の域ですが)
景子さん、ぜひとも来週あたりに『「Hollywood Lover」の裏設定、ひとつのこらずぜ〜〜〜んぶ話してあげようトークショー』をやってくれないかなあ………。
(景子さんは荻田さんと違って、結構話したがりっぽく見えるので、場を与えれば絶対喋ってくれるとおもうんですけどぉ……)
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シビさんもりんかちゃんも、いよいよラストスパートですねぇ。
あとわずかに一週間。思いっきり舞台を楽しんでくださいますように。
(毎回同じコメントでホントすみません汗)
ふと気がつけば、もう7日だというのに私はまだ今年の観劇初めをしていません(家族サービスと仕事以外、基本的にずっと引籠ってたもんで…)。
この調子だと、初観劇は週末の遠征になる…かな?
うーむ。観たいものは多いんですけどねぇ(涙)。
衝撃の組替発表からもうすぐ2週間。…うおお、半月たっちゃうよー。
そのおかげで若干間があいてしまいましたが。
リハビリがてら、「Hollywood Lover」について少しづつ思い出し語りをしたいと思います。
バウホール公演も終わったことだし、そろそろネタバレしてもいいんじゃないかなーという気もしつつ、まぁ、ねた切れするまでは差し障りのない範囲で語っていきたいと思います♪
と、ゆーわけで、
今日のテーマは、ステファーノ・グランディ監督が連れてきた、イタリアンな3人組について。
ちわわ(涼城まりな)は、衣装デザイナーのモニカ・アジャーニ。
りこ(麻月れんか)ちゃんのサム(AD?)が、空港で挨拶する前から知っていて、「憧れの人がココにっ!!」というハート目で見ているところからすると、かなりのスターデザイナーなんでしょうね。
そして、ステファーノの恋人。それが、今のモニカ。
今回のちわわは、本当に良かったです。
今まで観てきた中で、彼女のベストアクトだと思います。…しみじみと。
「The Last Party」のときは、子役だったせいか、ちょっとやりすぎのお芝居が鼻につくところもあったのですが、今回は本当〜に魅力的だった!!
美しくて、有能で、サッシーナで、優しくて、大人。
ステファーノが「理想の男」なら、モニカは「理想の女」だと思う。そのくらい、景子さんの気持ちの入った役だったと思います。
娘役じゃない「女」役であれだけ良い役って、柴田作品には時々あるけどそれ以外では滅多に出会えないよね、ってくらいの良い役。
そして、その期待に十二分に応えたちわわが、本当に本当に素晴らしかった!
小柄だけど、スタイルの良いちわわ。
景子さんが吟味し尽くしたであろうこだわりの衣装が、どれも物凄くよく似合って、高級感のある女になりきっていたのが、まず◎でした。
そして、“ちょっとした”仕草のさりげなさがポイント!
撮影現場の合間に、ステファーノにデザイン画を見せながら話す時の、手の置き方、体重のかけ方、話しかけるときの目線。甘えるのではなく、とにかく自然に「恋人」の雰囲気を醸しつつ、「でも今は仕事中」というクールさがあって。
また、そんなモニカの存在を自然に受け入れているステファーノが素敵すぎなんですけどっ(*^ ^*)。
私がこの作品中で一番好きな場面は、1幕中盤の撮影風景。あひちゃんのローガンから映画の内容にクレームが入った後の、撮りなおしの場面です。
「Filmin’ The Truth」…歌詞でいえば「カメラが映し出す真実」のリフレインのところ。
で、ね。
…ここのちわわが、最高に良い女なんですよ〜!
「ローズ(城咲あい)のために最高の映画を撮ってやりたい」と全力を尽くすステファーノの横顔を、遠く見つめるモニカ。
撮りなおしが決まって、最初はなんとなくぎこちなかった現場。それが、ステファーノの“撮りたいもの”がスタッフ一人ひとりにも見えてきて、空気が少しづつ流れはじめる、
そんななか、で、
元々、イタリアで“芸術的”なステファーノ監督の映画に付き合っていたメンバーたちは、かえってとまどいを隠せない。
なぜ妥協するの?
蒙昧な大衆に迎合する必要なんてないじゃない。あなたの芸術はとっくに認められているのに、なぜ今更?
のーてんきなサムの言葉。
「ステファーノ監督、本領発揮!って感じッスね〜!」
でも、モニカは賛同できない。
「…いいえ…、」
“本領発揮?そんなはず、ない。そんなんじゃないはずよ…だって、”
「あんなステファーノ見るの、はじめてよ…」
その。
搾り出すようなたった一言の、声、が。
切ない声、でした…(T T)。
(光月)るうちゃんは、音楽担当のエドウィン・シュバーク。
きっしー(彩央寿音)は、照明のマリオ・カヴァッリ。
この二人は、ほぼコンビで登場。出番は2幕中盤で終わりますが、それまではリチャード・ローガンがメインの場面以外ほとんど出てるんじゃないかな…?
いやー、まだ研6なのに、この二人の芝居の巧さときたら……
感銘。
二枚目俳優役のとーやん(榎登也)を見ながら「…頭悪そうだもんなぁ……」とさらっと言ってのけるきっしー。
「新曲のメロディができた!」と貌をあげる瞬間に、喜びの中に“隠し味としての不安”と“ひとつまみの自信”を混ぜこんで見せる るうちゃん。
(嘉月)絵理ちゃんが言っていた「月組の芝居」は、さりげなさが真骨頂で。
まだ新公学年の下級生に、こんなにも脈々と受け継がれているのを見ると、それだけで本当に幸せになります。
っていうか、なにげに月組88期ってすごいですよね♪♪
この二人以外にもあちょう(華央あみり)さんがいて、鼓(英夏)さんがいて…、芝居好きの猫には、将来が楽しみでたまらないメンバーです♪
この3人と、ステファーノ。
「ハリウッド」という“異世界”の中で、この4人だけが共通の下地を持っています。
ステファーノの目指す映像、
ステファーノの目指す芸術、
我々がいなくては、それを達成することはできない、と自負している。
彼らが「イタリア映画界」でどのようなポジションにいて、ステファーノと出会い、一緒に仕事を始めてからどのくらいの時間がたっているのか、
いままでにどんな作品を作っているのか、
それは、作品中で語られることはありませんが。
たぶん、景子さんの頭の中には、そのへんもきっちり設定があるんだろうなあ〜〜〜。
(ほとんど妄想設定の域ですが)
景子さん、ぜひとも来週あたりに『「Hollywood Lover」の裏設定、ひとつのこらずぜ〜〜〜んぶ話してあげようトークショー』をやってくれないかなあ………。
(景子さんは荻田さんと違って、結構話したがりっぽく見えるので、場を与えれば絶対喋ってくれるとおもうんですけどぉ……)
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