だいぶ昔のことになりますが。(ちょうど一ヶ月前だわ)

天王洲の銀河劇場にて、「Cali 〜炎の女・カルメン」を観てまいりました。


TSミュージカルファンデーション作品なので、演出・振付は当然謝珠栄。
脚本は小手伸也さん、音楽(歌唱指導も)は林アキラさん。


「タンビエットの唄」以来のTS。
また全然違う傾向の作品でしたが、非常に興味深かったです。
謝さん的には、「激情」を演出していたときからあたためていたネタなんでしょうかねぇ……。おハナさまのカルメンを思い出して、感慨もひとしおでした。



キャストは以下のとおり。

カルメン  :朝海 ひかる

語り手
 ジャン   :今 拓哉(メリメの甥、という設定でした)
 ビゼー   :戸井 勝海(実は…という設定あり)

カルメンを愛した男たち
 ホセ    :友石 竜也
 スニーガ隊長:宮川 浩
 ガルシア  :天宮 良
 ヘンリー  :野沢 聡

盗賊団員
 ダンカイーレ:平野亙
 レメンダード:良知真次
 オマール  :東山竜彦
 ファニト  :三浦涼



林アキラさんの音楽は随分久しぶり(←タナボタ以来)でしたが、相変わらず耳にも心にも優しい美しい旋律の連続で、うっとりでした。
歌唱力のあるメンバーが揃っていたので、厚みがあってとても良かったです♪いやー、TSは良い人が集まりますよね、本当に。それだけ良い作品を作り続けていて、評価が高いってことなんでしょうね。


「カルメン」。
メリメの書いた小説。名作だけに、いろんなメディアで取り上げられ、作品化されていますが。
すべて、タイトルロールはカルメン、相手役はホセ、という構造は変わらず。

オペラでは、一幕はスニーガ、二幕はエスカミリオが恋敵役。
あとはジプシー仲間くらいで、ガルシアもヘンリーも殆ど出てきません。

宙組の、というか柴田さんの「激情 −ホセとカルメン−」では、二番手のタカコさんがメリメとガルシアを二役で演じ、三番手のワタルさんがエスカミリオ。樹里ちゃん以下は盗賊団でした。こちらもヘンリーのエピソードはなし。

謝さんの「Cali」は、スニーガ、ガルシア、ヘンリーと、ホセの嫉妬心の犠牲になった3人の男をメインに取り上げて、エスカミリオは登場せず。

最初にプログラムを観たとき、エスカミリオを出さないでどうすんだ!!と思ったのですが。
いやー、見事な落ちでした。謝さん、ブラボー。



ちなみに、スニーガはホセが所属する軍隊の隊長。ガルシアは盗賊団の首領でカルメンの夫。ヘンリーは、カルメンがその財産を手に入れるために近づいて籠絡しようとする金持ち男。
全員、嫉妬に狂ったホセによって殺される男たち。





えーっと。

一言で説明するならば。
非常に斬新な、新解釈のカルメンでした。


ものすごく面白かったです。
コムちゃんのカルメンは素晴らしかったし!歌もよかったよ!(←なぜ字が小さいんだよ?>猫)



ただし。

カルメンの死まで、で終わらせればもっと良かったのに、と、残念でなりません。戸井さんファンの一人として、彼の見せ場に文句をつけるのは非常に心苦しいのですが(←役者本人は悪くなかったから余計に)、
後半のメリメとビゼーの論争は蛇足だろうがっ!!



それこそ、「堕天使の涙」の金斗雲くらい蛇足だったと思います。(←そ、それはさすがに…)




謝さんが組み立てたカルメンが、本編そのままで十分素晴らしかっただけに。

心情表現力の弱いコムさんが、黒い肌とキツいメークに助けられて、つれない台詞の裏の女心を、隠し切れないホセへの深く濃い愛情を存分に表現していただけに!

メリメとビゼーが“カルメンの愛”の意味を説明しようとするのが、ウザくてたまりませんでした。(ごめんなさい)



後半の論争部分を全部削除して、ネタばれみたいに繰り返される解説シーンを本編の中に「物語」としてうまく入れ込んで、

「溢れんばかりに愛情豊かなカルメン」という新解釈のカルメン像を、普通に作品として表現すればよかったのに。



だって私は、後半のネタバレ解説場面なんて見なくたって、カルメンがホセに向かって言う台詞がいちいち泣けて泣けて、本編のラストは号泣してましたよ?

あれで、十分に表現できていたと思うのです。本能のままに男を愛し、守り抜こうとする母性に溢れた大地の女神が。



ビゼーがオペラで描いたカルメンは、ファム・ファタルでした。
決してただの“魔性の女”ではないんだけど。でも、「ファム・ファタル」だった。
自分が、愛した男を幸せにすることのできない女だと知っていた。

束縛を嫌い、自由がないと生きられない小鳥のような女。
自分が自分自身であるために、愛も恋も投げ捨てて、自分の道を貫き通す。そのためにはどんな犠牲もいとわない。
愛なんて一時の気の迷い。なくては生きていけないけど、続くものじゃない。そんな刹那的な人生論。





でも、違う。
謝さんのカルメンは、違う。

メリメのカルメンは、愛した男を幸せにするために全てを捧げる女だという新解釈。

自分の幸せも、身体も、大事なものなど何もない。ただ、愛する男が、ホセがいればいい。
ホセのために。
ただ、ホセを幸せにするためだけ、に。



以前東宝で上演された「カルメン」(大地真央主演、ホセはニッキ)では、たしかカルメンがホセの幸せのために自ら身をひいて金持ちの家へ行き、ホセを田舎に帰らせる、という、
椿姫みたいなエピソードが入っていましたが。
(今回の舞台の、ヘンリーのエピソードか?)


そんな中途半端な自己犠牲とは真逆の、
荒野を生きる、野生の狼のような女。



狼は、“自由を愛する生き物”ではありません。
彼らは常に小さな血縁集団を形成し、群れることで自分より大型の草食動物を狩ることができるようになったのですから。個体の、集団に対する忠誠心は絶大なんです。一夫一婦制を守り、自由行動など絶対にありえない。
また、ものすごく頭がよくて環境適応力が高く、学習能力も高いのだそうです。

狼といえば、ふらふらと出歩いて赤頭巾ちゃんを襲う、そんな生き物、というイメージですが。

実在する「オオカミ」という生き物は、小さなパーティ単位で狩をする群れ生活者であり、忠誠心の高い、愛情深い生き物なのです。

“カルメン”は、そういう女なのだ、と。



「犬と狼は一緒には暮らせないんだよ」
繰り返しカルメンが口にする、この台詞。

台詞自体は柴田さんの「激情」の脚本にもありましたので、メリメの小説にある言葉なんでしょうね。
普通に解される「荒野でも一人で生きていける一匹狼」的イメージで理解されると、カルメンの本質を見失うのかなー、と思いました。





そして。

敬虔なキリスト教徒である“ホセ”は、荒野の生き物ではなかった。
彼はあくまでも柵の中で世話されて生きている羊であり、荒野で生きていくことはできない。

カルメンを“自分の付属物”としか考えられず、彼女が彼女自身の意思で男を守ろうとすることなど想像もできない。
信じられないのではなく、想像できないのです。
そういうふうに、自律的に物事を考えることのできる女、という存在を。

赦せないのかもしれない。男を守ろうとする女が。
…男よりも先を歩こうとする、女が。


柵の中の羊は、案外凶暴です。
牧羊犬を蹴り殺したりすることもあるらしい。
犬は自分の仕事を知っているから、抵抗できないんですね。
自分の能力(本来は羊を食う生き物だということ)を、知っているから、歯止めがかかってしまう。



ホセを“守る”ことを優先して、自分の身を守らなかった女。
ホセの誤解を解くよりも、ホセを守ることを優先した、女。

たぶんそれは、ホセがそこまで判っていないと思わなかったから、なんですよね。
自分の“愛”が、深すぎて重たすぎて、子供には理解できない愛だということを。





そして。

コムさんのカルメンも素晴らしかったけど、
友石さんのホセがまた、それはそれは素晴らしかったです!
もし再演するのならば、この二人は外さないでほしい(^ ^)。

あり得ないほど体育会系。
そして、のうみそまで筋肉。

そんな言葉が、観ている間中、頭の中をくるくると……(^ ^;ゞ



聡明で視野が広くて経験豊富な“カルメン”という女を、ただ子供が母親を慕うように恋しがるだけで、
母親が自分の仕事をすることが赦せなくて、自分のそばで自分のごはんを作って頭を撫でる以外のことをするのが許せなくて、怒り狂う子供。

自分のごはんをつくるためには、材料を買ってこなくてはならないことも知らずに。


そんな、
「荒野を生きていく」能力のない男。

カルメンの100倍くらい、本能的に生きている、男。


……大好きだ♪友石くん、「ライオンキング」も良かったけど、こういう“のうみそまで筋肉”系のマッチョ男は最高にかっこいいです。歌も迫力、芝居も迫力!






最後に、毅然と胸を張って刃を待つカルメン。
自分の愛に自信があるから。
自分の行動に迷いがないから。
ホセがどんなに莫迦で阿呆でも、あたしは彼のそんなところもひっくるめて愛してる、と言い切れる強さ。

あまりにも無自覚で盲目的な、母性的な、愛。



背を丸めて、卑屈な目をして刃を突き立てるホセ。
自分の愛に自信がないから。
自分の行動に、確信がないから。

すべてをカルメンのせいにして、
カルメンがすべて悪いんだと言い聞かせて、

自分に「悪しき言の葉」を囁きかけるサタンを撃退するように。

多分、カルメンに向けた刃は“魔避けの銀のナイフ”なのだろう。
…彼にとっては。


カルメンという魔に魅入られた自分を、守るために。





そして、

牢の中で、彼は叫ぶ。


「カルメン!!」


未来永劫、叫び続ける。


「俺を見ろ!俺を愛せ!」


……と。



他の誰よりも深く愛されていたことに、気づこうともせずに。



.
秋の花組全国ツアーとドラマシティ公演の振り分けが発表になりました!!



■全国ツアー「エンター・ザ・レビュー」組……じゃない、「ベルサイユのばら〜アラン編/エンター・ザ・レビュー」組はこちら。

アラン・ド・ソワソン 真飛聖
ディアンヌ      桜乃彩音
アンドレ       壮一帆
オスカル       愛音羽麗


ここまでは、ほぼ予想どおり。
雪組の全国ツアー「ベルサイユのばら(オスカル編)」は観ていませんが、壮さんのアンドレはカッコイイって評判だったので楽しみだわ♪ みわっちのオスカルは普通に似合いそうだ☆



ところで。
……私は前回の全国ツアーを観ていないのですが、本公演の樹里ちゃん→壮ちゃん、ユミコちゃん→みわっち、になるんでしょうか?
コメディアンな壮ちゃんが想像できない……。

博多のユミコさんもかなり痛々しい感じでしたけど、どうなんですかねぇ。あれは樹里ちゃんのための、樹里ちゃんにしか出来ない役だと思うんですけど……あ、あと猛獣使いもね(こっちは園加も良かったですけど、あからさまにダンサーのための役なので)

酒井さん、なにか考えていただけないでしょうか?
「レ・ビジュー・ブリアン」の全ツでは、麻子さんと祐飛さんのために素晴らしい場面を追加してくださったじゃないですか。あんな感じで、今回も、壮ちゃんのために新場面を是非♪



他の出演者
専科:星原美沙緒
花組:
夏美よう 絵莉千晶 未涼亜希 桜一花 望月理世 花野じゅりあ 扇めぐむ
祐澄しゅん 愛純もえり 朝夏まなと 月央和沙 白華れみ 天宮菜生 華月由舞
浦輝ひろと 芽吹幸奈 彩城レア 遼かぐら 冴月瑠那 瀬戸かずや 夏城らんか
白姫あかり 鳳真由 花蝶しほ 春花きらら 初花美咲 日高大地 花織千桜
大河凜 桜咲彩花



えーっと。
アラン編って、誰が出てくるのでしょうか?ヒロインはディアンヌなんだから、原作中盤の話だけになるのでしょうか。

とりあえず、星原さんはブイエ将軍?かな?雪組全ツ(ジェローデル編)の一樹さんがえげつなく嫌な奴でとてもステキだったのですが……。ジャルジェパパは出てこないだろうし、えーと、あとは誰が考えられるのかしら。



まっつが全ツ組だったのはとてもショックです。
絶対ドラマシティに出てくれると思っていたのに。
だいたい、ベルばらって“芝居”として意味のある役がすっごい少ないのに、芝居巧者のまっつが行って何をするんだろう。
衛兵隊内部の人間関係をもっと濃く描いてくれるんだったら、アランの親友みたいなポジションの兵士をまっつにやってほしいんですけどね。ディアンヌとの淡い初恋みたいなのがあったりしたらさらに嬉しい。(←多分無い)

……でも、なんだかディアンヌを振る貴族の莫迦息子とかが回ってきそうで欝……。

エンター・ザ・レビューは、博多以来…ですか?>まっつ。
博多座でまっつに落ちた私なので、エンター出演はとても嬉しいです。ステキだったもんね。…とかいって、猛獣に入っていたらどうしよう………(鼻血)。いや、もっと怖いのはコメディアンか(涙目)


……そういえば。
マヌカンみほちゃんが今回で卒業されてしまいますが、あの場面は一体どうするのでしょうか。みほちゃん、本当に目が離せなくて最高に好きだったのに。
一花ちゃんあたりでやっちゃうのかなあ。好きだけど、ちょっと迫力が足りないような気が……。



一花ちゃんは、予想通り全ツ。
心の片隅で小夏を期待していたのに、残念!

オスカル様親衛隊のお嬢さんと、エンターの猛獣Sを楽しみに、絶対観に参ります!!(通えないのが辛い…)



れみちゃん、菜生ちゃん、由舞ちゃん、89期の可愛子ちゃんをそろえてきましたねぇ。ディアンヌの友達メンバーなのかなー、それともオスカル様親衛隊かなー(←自虐)



こ、個人的には、今回の大劇場公演初回観劇でいきなり覚えた日高大地くんが全ツなのが……残念なんですけど(じっくり観られないから)、でも、銀ちゃんだとダンスシーンがあまりないから、ショーのある全ツの方が本人的には嬉しいのかな?
絶対猛獣に入るよねっ!?すっげー楽しみです。はい。
酒井さん、よろしくです〜!



それにしても……あらためて、オスカル編とジェローデル編、同じ「ベルサイユのばら」で2回も全国を回った水くんって気の毒というべきか、大劇場でやらされてないだけ良かったねというべきか(^ ^;ゞ
花組も、全ツ終わって次の正月公演がベルばらでなくて、本当に良かったです………(^ ^;



■ドラマシティ公演「銀ちゃんの恋」組

専科:邦なつき
花組:
眉月凰 大空祐飛 悠真倫 華形ひかる 真野すがた 紫峰七海 初姫さあや
日向燦 白鳥かすが 紫陽レネ 夕霧らい 聖花まい 華耀きらり 雫花ちな
望海風斗 嶺乃一真 初輝よしや 煌雅あさひ 梅咲衣舞 瞳ゆゆ 野々すみ花
輝良まさと 真瀬はるか 鞠花ゆめ 月野姫花 菜那くらら 桜帆ゆかり


このメンバーだったら、小夏がきらりんかすみ花ちゃん、ヤスがみつるくんで橘がめおちゃん、って感じかなー?
あ、あの、橘って初演ではチョイ役だったみたいですけど、原作では格上の役者がやる敵役なので。ちょっと脚本を直していただいて、めおちゃんの柄の大きさや立ち姿の華を生かした役にしていただけたら良いんじゃないかな、と>石田さん。

みつるくんのヤスは結構はまりそう。ただ、「舞姫」でもちょっと思ったんですけど、「泣かせてやるぞ!」と思わないで役をつくってほしいなぁ〜。
ヤスは泣かせる役じゃないから。泣いてる役だから。

っていうか、個人的にはだいもんのヤスもカナリ興味があるんですけど(←たぶん私だけだろう)。
せっかくなので新公やってくれればいいのになー(笑)。DC公演に、こんなにたくさんスターさんが参加すると思わなかったので、ちょっとびっくりです…。



娘役も豊富ですよねぇ(*^ ^*)。
きらりんの小夏。
すみ花ちゃんの小夏。
どっちもいいだろうなあ。いっそ役替りしてほしいくらいですわ♪♪

ただ、問題は…
女役で、小夏以外に目立つ役って、銀ちゃんの新しい恋人と、ヤスの親戚の玉美、……そのくらいしかなかったような気が……(汗)
役替りじゃないとしたら、小夏じゃないほうは何をするんでしょうか。他にも、さあやちゃんとか月野姫花ちゃんとか可愛い子いますけど…娘役の役、増えるんだろうか…?(疑)



撮影所スタッフは、まりんさん、ふみかちゃん、マメちゃんあたり?さあやちゃんも入っていそうですね♪ちあき(白鳥かすが)もここでいいと思うんですけど、なんとなく橘の取り巻きに混ざっていそうな予感。




そして。

今回の発表で、一番衝撃だったのは、さお太(高翔みずき)さんが休養だったこと。

絶対「銀ちゃん」に出てくれるものと信じて疑っていなかったので、ものすごくショックです。初演メンバーだし、あの芝居を作っていくうえで、なくてはならない人だと思っていたのに。
お身体の具合なんでしょうか。今の花組に、さお太さんを遊ばせておく余裕なんぞないはずなのに(泣)。

…一刻も早く、お元気な姿を見せていただきたいです!!(; ;)



なんだか最近すっかり雪組ファンブログと化しているこの日記。
今日も雪組さんのニュースから(^ ^)。

大劇場公演「マリポーサの花」の新人公演主演者が発表にされました♪

ネロ(水夏希)が大湖せしるくん。
セリア(白羽ゆり)が、研2の舞羽美海ちゃん。

おお〜〜、お二人とも初主演おめでとう!



全ツミロワールの「シンデレラ」がとってもステキだったせしる。
その昔、樹里ちゃんのコンサートで、ひじりん(聖れい)と“売れないお笑い芸人”みたいな役に取り組んで、サムーい空気で劇場を満たしてはいじられまくっていた頃を思えば、出世したなあ、と(笑)。

技術面はともかく、芝居心のある人だと思っています。正塚さんの新公は絶対勉強になるので、がんばってほしいです。

そして、美海ちゃん。
バウ「凍てついた明日」Aチームのメアリーで驚愕した新人さん。可愛くて、声が良くて、いじらしい役者でした。
となみちゃんの役がどんな役かわかりませんが、めっちゃ楽しみです!

…チケット転がってますように(←無いよ)



星組さんも、雪組さんも、ちょっと前までは割と集中的に一人だけに連続で主演をさせて、ひたすら育てていた印象だったのですが、最近はかなりいろんな人に主演させていますよね。男役も、娘役も。
宙組さんも、うまいこと88期の三人を使っているし。

今までは、あんまり劇団とは意見が合わなかった私。
最近の新公キャストは、目が離せません♪



…ね、ベニー、良かったね(笑)。

あとは、あと1年半の間に、みっしょん(美翔かずき)の、せめて準主役格の役を観ることができれば本望ですわ(*^ ^*)。
(←本人は三枚目をやりたいそうですが…)(いいの。とりあえず書いておくの!)(あ、光月るうちゃんの主演も観たいぞー)




東宝劇場にて、月組公演「ME AND MY GIRL」を観てまいりました。



まぐ(流輝一斗)ちゃんの笑顔が目に入るたびに涙が零れて止まらず……(T T)。
キラキラと輝いた満面の笑顔で、百愛ちゃんと息の合ったダンスを見せるまぐ。キレイで、かっこよくて、可愛くて、甘やかで、優しげで、スタイル良くて。
ああ、ステキな男役さんになれる筈の人だったのになぁ……。


なんだか、26日の発表以来、涙腺の制御キーが飛んじゃったらしいです、私。


「おいでになりました」と言いながら、なめらかな無駄の無い動きでドアを開けるえりおっとの、
その声を聞くだけで切なくて。

…卒業するわけでもない、月組85期メンバーの笑顔を見るたびに、胸が締め付けられるみたいで。



底抜けに楽しいハッピーミュージカルを、心の底から楽しみながら。
なのに、なんでだか涙が零れて仕方ありませんでした。
幸せでも涙って出るんですよね。
そう、これは、“ハッピー”に対する条件(脊髄)反射。そう思うことにして。



ミーマイって本当に、音楽が良くて、脚本が良くて、振付が良くて、
本当に良い作品なんだなあ、と、心の底から思いながら。



かなみちゃんも、タキさんも、まちおさんも、
それぞれにファンの方の“心のスポット”を浴びてキラキラ輝いている。

それがあんまりキレイで、
まぶしくて、
目が眩んで、

……痛いほど。


まだ公演はあと一週間あるのに、
もうまだ一回みられるのに、なんだかとってもメランコリック(?)な猫でした。



とか、なんとか、言いながら。
いろんな知り合いがいろんな下級生のお茶会に行ってくれて、いろいろ情報をくれるので、それをチェックするのに、いつも以上に必死だったりもしましたが(笑)。

17日のトークイベントで出た話もチェックしなくちゃだし!いつにも増して忙しかったなー(^ ^)。
でも、今回はたまたま上手前方の結構良い席だったので、後ろの方とかあんまり見えなかったんですよね(T T)。
ゆりやん(紫門ゆりや)の調理場、“腕は悪くないけど、女の子をナンパしまくっているコック”も手前に人が多すぎて全然見えなかったし、まさお(龍真咲)&蘭乃はなちゃんの“ランベス・ウォーク下手奥テーブル”も、人と人の隙間から“時々”見えるだけ。

あああ、そういうチェックをするならやっぱり二階がいいなあ、と、贅沢の極みなことをしみじみと思ったりしてました。

ま、前方で楽しいのは、やっぱり袖でスタンバっている姿がチラ見できること(はぁと)、ですよね♪
特に、小道具の片付けなどなど出入り多い召使さんたちが、緊張してきっかけ待ちしている姿が可愛くて可愛くて…でした♪


いろんな人の話を総合すると、下級生のみなさん、ボーイさんもメイドさんも、コックさんも通行人もみーんなそれぞれの“設定”があるみたいですねー。
月組はいつもそうなので、誰か全員のお茶会ネタをまとめてくれるサイトを作ってくれないかなあ、といつも思うのですが(^ ^)、

とりあえず、私の乏しい人間関係から、一番面白かったネタを一つ。

ご先祖さまには、それぞれ全員に名前がついているそうです。

で。(←ここから本題)

濃い緑の帽子に芥子色のタイツをはいた美翔かずきさん扮するご先祖様のお名前は、なんと

「ベータカロチン・ヘアフォード」

………みっしょん………(^ ^;ゞ
そんな君が大好きだ。小ネタだらけなあなたのお茶会、ぜひ一度行ってみたい。

ちなみに、全身を鎧でかためた方(とーやん?きっしー?)は「鉄分」なんです、というコメントつきだったそうな。(アイアン・ヘアフォードなのかテツブン・ヘアフォードなのかは未確認)

というわけで。
他のお名前をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてくださいませm(_ _)m。



それにしても。
26日に揃ってお誕生日を迎えた、89期のみりおくんとみっしょん。楽屋でのお祝いは、どんなだったんでしょうねぇ。そして、そういうのは誰が仕切っているのかなあ〜。
こんなハッピーな公演の途中にお誕生日がくるなんて、なんだか楽しいパーティーをやってもらえそうで、いいなあ(笑)。

もちろん、この公演中にお誕生日を迎えた方はお二人だけではないんですけど(汗)、同期二人が揃って同じ日、ってのが珍しいので、ちょっと気になってしまったのでした…。

楽屋日記とかでちょこっと話が出るといいなあ。





まだまだ先が長いと思っていた「ME AND MY GIRL」も、残すところ、あとたったの1週間。
卒業される5人のみなさまも、そのファンのみなさまも、
そして見送る月組生たちも、みんなみんなが幸せで、実り多く思い出深い一週間になりますように(祈)。



…この記事が「月組」カテゴリーの100件目になるのも、何かの縁だなあと思いつつ(^ ^)。


東京芸術劇場中ホールにて、「A MIDSUMMER NIGHT’s DREAM 〜 THE じゃなくて、A なのが素敵〜」を観劇してまいりました。



演出は気鋭の演出家・G2。
初嶺麿代さんが出演されていた「憑神」は観られませんでしたが(笠原浩夫さんも出てたんだよね…観たかった!)、年末の「The Light In The PIAZZA」(主演:島田歌穂)は観ました。
ビジュアルへのこだわりと、勢いのあるスピーディーな演出。そして、“ダメな人間”への暖かなまなざし。私のとても好きな演出家の一人ですが。

彼が、今回は、シェイクスピアに挑戦!ってことで楽しみにしていた舞台。
一部分ですけれども。関西弁のシェイクスピアになってました。歌もたくさんあって、ちょっとした音楽劇っぽい構成。目新しくて面白かったです♪

キャスト。

元リリパット・アーミーの山内圭哉さんが、一応の主演格でした。
…だけど、役はディミートリアスなんだよねー。作品中ではごく普通の(関西弁だけど)ディミートリアスだったので、カーテンコールで最後に出てきたときはちょっとびっくりしました。
あと、途中でギターを弾いたりなんだり、いろいろなさってらっしゃいました。多芸な方なんですね。

ライサンダーは竹下宏太郎。
ハーミアは神田沙也加。
ヘレナは出口結美子

ヒポリタ/ティターニアは樹里咲穂。
私のお目当て★さんは、予想を10倍くらい超えた素晴らしさでした。なんだか嬉しい。っていうか、樹里ちゃんの母語は関西弁なんですね……

シーシアス/オーベロンは、コング桑田。やわらかーい雰囲気のオジサマ。美声がたっぷり聴けて幸せです♪

パックは、花組芝居の植本潤!!
予習不足で、植本さんが出ているのを知らず吃驚しました(^ ^;。白塗りに目元強調メーク、そして“挙動不審”(笑)。

ハーミア父/職人たちのリーダー役は、遊◎機械/全自動シアターの(今は違うのかな?)陰山泰さん。

妖精さんたち(職人さんたちと兼任)も豪華キャストでした〜!菜月チョビ、藤田記子、新谷真弓、権藤昌弘…私が存じ上げていたのは藤田さんと新谷さんだけですが、葉月さん権藤さんも素敵でした♪歌ってよし、語ってよしで、ステキ♪♪


これだけの多彩なメンバーが揃うっていうのが、G2というブランド、というか、演出家としての力なんだろうな、と思います。
「本当に笑えるシェイクスピア喜劇を」っていうコンセプトが、すごく良かったです。同時代人にとっては、シェイクスピア喜劇なんてきっと今の“よしもと”みたいな存在だったんだろうな、と、素直に思えたのが嬉しかったですね。

このコンセプトの中で、樹里ちゃんと山内さんをはじめとする関西弁でのやりとり(ディミートリアスとティターニアは会話しませんが)が、すごく自然に入っていたのがさすが。いや、ホントに自然でしたね。樹里ちゃんもヒポリタとしては東京弁のアクセントなんですけど、ティターニアとして関西弁でべらべら喋り始めると、「そっか、ヒポリタって異郷の人だったんだな」と思います(ヒポリタはアマゾネスの女王。アテネとの戦に破れてシーシアスの妻になる)。

あとは、衣装が凄かった……

ヒポリタの樹里ちゃんは、金色の円形をした金属板がびっしりとついた、ど黄色の超ミニワンピ。脚は丸出し(はぁと)。
あの金属板は、アマゾネスの鎧みたいなのをイメージしていたのかな?とは思うのですが、それにしても重たそうでした。

ティターニアは、黒づくめのエナメルコート。スリット…というか、腰から下は何本かの帯になっているような感じの服で、下にホットパンツを履いて黒いブーツ……だったような気がします。

とりあえず、樹里ちゃんのスタイルの良さがひたすら際だつ衣装でした。どちらも。


神田沙也加ちゃんは、流行っぽいAラインのミニ。……で。
白のかぼちゃパンツ!!
この服装で、思いっきり抱え上げられる場面とかあるんですよ(汗)。それはそれは、ステキな眺めでした(^ ^)。沙也加ファンの男の子はヤバかったんじゃないか、と(^ ^;;;;。

っていうか、沙也加ちゃんホントに可愛かったですっ!!
樹里ちゃんも、ヘレナの出口さんもスタイルがいいだけに、幼児体型なのが目立っていて、それを巧くギャグに使われていましたが。ヘレナと喧嘩する場面で「文楽人形!」とか「三頭身っ!!」とか言われてて。
いやもう、キツいアイメークに前髪パッツンの金髪ストレート、衣装は人形系、というそのビジュアルのインパクトと、キャラクターの可愛らしさと……ハーミア、という役からは考えられないほど面白いキャラクターでした。

出口さんは、もうちょっと大人っぽいラインの、でもやっぱりミニワンピ。こちらはアンダースコートみたいなひらひらのレースでした。
っていうか、ナニをチェックしているんだよ私っ!?

出口さん、何度か舞台でも観たことがありますが、美人でスタイルよくて、可愛いですよね。「私だって、ハーミアと並ぶ美人のはず…」っていう台詞に納得。ハーミアとは全っっっ然タイプが違いますが、可愛かったです。

……ヘレナって、私はどうしても「ガラスの仮面」の、あの鞭を持った強烈なヘレナを思い出してしまうのですが……



男二人は、「アテネの男の服装」と言われたパックが勘違いしなくてはいけないので、ラインの良く似た、派手派手なジャケットを着ていました。カラフルな色合いが男前☆二人ともカッコよかったなあ。



台詞は、シェイクスピア独特の美辞麗句というか、比喩的表現を安易に削ったわけではないのに、かなり自然な言葉になってました。
…ま、修正しきれなかった美辞麗句はネタにするという手で逃げていた部分もありましたけど(笑)。でも、さすがにある程度きちんと“喋れる人”が揃っているだけに、安心して観ていられました♪♪

重厚な台詞劇をお求める方にはあまり向いていないかもしれませんが、“シェイクスピアは眠い(T T)”と思っていらっしゃる方には滅茶苦茶お勧め。演出もスピード感があって途切れる瞬間がないし、少なくとも大団円の夜明けまでは、絶対眠くなるような間はないと思う。
……結婚式から後の、職人たちの劇中劇については、ちょっと長いかな、と思ったりもしますが……(^ ^;ゞ、うーん、でもあそこは切れないしなあ。っていうか、「詰まらない劇を笑顔で見守ってあげるオトナな貴族たち(シーシアスと若いカップル2組)と、散々あくびをした末に「詰まらないわ。まだやるの?」と言い放つヒポリタ、という構図で笑いを取るためには、その前の「詰まらない劇」を「つまらなく」やらなくちゃいけないからなぁ……仕方ない(汗)。

ま、ラストはともかく。
とにかく面白いですよ♪古典ではない、『今の時代を生き抜くシェイクスピア劇』だったと思います。
シェイクスピアは、あの冗長な台詞が飽きられがちですけれども、きちんと“今の言葉で喋れる”台本で、“ちゃんと喋れる”役者をもってすれば、こんなにちゃんと面白くなるんだなあ、と……そんな感銘を深くしてみたりして。

そして。

樹里ちゃんのティターニアは、もぅ最高でした♪♪大好きだ♪♪



雪組の柊巴さんと山科愛さんが東宝劇場千秋楽で、
そして、宙組の暁郷さんがバウホール公演千秋楽で卒業されることが、発表されました。

……(泣)。

らぎちゃんとしなちゃんは、正塚さん&荻田さんのゴールデンコンビ。
GOくんは、石田さん渾身の名作「殉情」の番頭役。

どちらも、きっとやりがいのある作品になることでしょう。

ファンとして、見送り甲斐のある舞台に、きっとなってくれるでしょう……。
そう、信じて。

らぎちゃん。
シナちゃん。
可愛い可愛い、大好きな85期も、もう研10。
新しい道を模索し始める時期なのでしょう、きっと。

残念だけど。
寂しいけれど。

でも、二人の決意を大切に受け止めなくっちゃ、と、理性はちゃんとわかってます。

笑顔で見送れるように、がんばります。

幸せな作品になりますように。
正塚さん、荻田さん、どうぞ二人を。
どうぞよろしくお願いいたします(願)。



本日付けで卒業された、4人の下級生も、新しい世界でがんばってくださいね。
それにしても、集合日付け、かぁ…。ファンは切ないだろうなあ(涙)。



そして、GO。
…宙バウって、別に今日が集合日なわけでもなんでもないですよね…?もう初日まで2週間くらいしかないし。
なぜ今日発表だったのかがよくわかりませんが。

期待していました。
ものすごく、これからの活躍を楽しみにしていました。

月組のまぐ(流輝一斗)、そして今回のGO。今研6の、89期。
なんで行ってしまうの。まだまだ、あなたたちは何もし遂げていないのに。

もっともっと大人になったあなたたちを、一人前の男役になった姿を、観てみたかった。
それは、どんなにか色っぽい、魅力的な姿だったろうか。

卒業なんてしないでよ、と思うのは、観客のエゴにすぎませんが。
でも、もう少しだけ観ていたかった。せめてあと1年、新公を卒業するまでくらい、は。

寂しいです。
切ないです。
悲しいです。

そして、……悔しいよ…



大好きならぎちゃんに、
シナちゃんに、
GOに、

それぞれのファンにとっても、
幸せな公演になりますように(祈)。


雪組バウホール公演「凍てついた明日」について語るのは、とりあえず今日で一段落つけたい…。



と、思いつつ、その前に一言だけ。
まっつ(未涼亜希)、みりお(明日海りお)、みっしょん(美翔かずき)、お誕生日おめでとうございます〜!

……なんか、私の好きな人ってかに座が多いような気がするんですが…何か共通点とかあるのでしょうかねぇ……?



さて。

初演と一番“違う役”になっていたのは、(涼花)リサちゃんのネルと、キタロウ(緒月遠麻)のテッドでした。
彼ら二人は、初演ではただの「クライドを取り巻く二人」だったのに、再演ではアニスやジェレミーと同じ位置に居たので。
テッドは“なれなかったクライド”であり、“クライドになれなかった”男。
ネルは“バロウ家の女”であり、「どうして変わってくれなかったの!?」と責める権利を持っていた、女。


「幼馴染でした」

作品の、第一声。それが、テッドの回想の言葉であったこと。

「弟は、大それた悪人なんかじゃないんです」

「何も特別だったわけじゃない」

「良い奴なんだ…」

「神様、ちょっとした間違いなんです…」


普通の男だった。
可愛い弟だった。
親友だった。

そして、

…愛して、いました…。


ネルもテッドも、AチームとBチームでそんなに大きな違いはなかったと思います。基本的に役替りのないクライド・カミー・フランクくらいしか接点のない役ですから、当然と言えば当然ですが。

キタロウのテッドは、本当に可哀相な男でした。
幼馴染を、さりげなく庇って、守ろうとして、結局何一つ守れなかった男。
ラストの佇まいの胸を打つ寂しさ。

あまり笑顔を見せない役でしたが、ああいう、熱いものを胸に収めて、たった一人で立っている姿が似合う男ですよね、キタロウって(惚)。ステキでしたー!!



ネルは、ホントに何もかも良かったんですけど。
私はやっぱり、花束を渡す場面が好きです。

万感の思いをこめて、弟に花束を渡す、姉。

「ボニーに、愛する人に、渡してあげて?」

クライドの傍らを通り過ぎ、すれ違う、青い服の幻影。

「アニス、花を贈るよ。…お祝いの、花束を」

星空の下で、一緒に歩いてくれた女に花束を差し出す、クライド。

…みなこボニーは、左手(舞台奥)で受け取り、見ようともしないでそのまま落としてました。

さゆボニーは、右手で受け取って、一度じっとみつめてからそのまま落としたんですよね。

ぐんボニーの、肩をすくめて鮮やかに投げ捨てていた印象が強くて、みなこちゃんのさりげない「なかったことに」する態度に驚きましたが。

さゆちゃんの、欲しい花束じゃない事実をかみ締めるような一瞬の間が、好きです。
ネルの思いを受け止めて、でも受け取らない。そんな、想いが。




三役をこなした、ハマコさん。

さすが。と、そうとしか言いようのない芝居力。
初演の風早さんの役者ぶりもしみじみと素晴らしかったけど、ハマコさんの迫力も凄かった。ビリーを捕えてジェレミーを脅しつける場面とか、テッドを責める場面とか、マジ怖かったです。

しかし。
ラストシーンの歌を聞きながら。
透明感のあるオーディエンス(白渚さん、雛月さん)の歌にかぶせていくドラマティックで重厚なハマコさんの声に聴きほれながら。

ハマコさんは、もう、ストレートな色の薄い歌は歌えないのかな、と思いました…。




レイモンドと、メアリー。
AチームもBチームでも、劇中での自分の役割を完璧に果たしていたコンビ。

コマちゃんって芝居できるんだなあ。
“悪人”の役のために、目許をかなりキツ目に作りこんでいて、どっかでみたような貌になっていました。ステキだった(はぁと)
別に息抜き役ではないので、あんまりやりすぎてはいけないんですけど、元々とても良い声なので、「ハニーっ!」というテンションの高い声でも不快にならなかったのは流石でした。

ラストの悲しさは、この物語の登場人物全員の中でもピカ一ですよね。初演よりあっさり目の死に様だったと思うのですが、とても心に残りました。
あまりにも下級生なメアリーたちを、よく導いて作品のレベルをあげていたと思います。お疲れさまでした!

Aチームメアリーの舞羽さんは、本当に可愛いうえに、芝居もものすごく良かったです。メアリー向きの役者なんでしょうね。なんて可愛いのかしら、どのへんの学年なのかしら、と思いながら終幕まで観て、フィナーレの並びに仰天したことは昨日も書きましたが。

歌はともかく、台詞声の良さに感動しました。泣き叫んでも喧しくなくて、可愛い(はぁと)。
これからの活躍が、とても楽しみです。




テッドの部下の、ボブ。
……、初演はしいちゃんだったもんで、私の中では「にこにこしてるだけの無能者」に分類されていたんですけど(汗)(しいちゃんファンの方ごめんなさい)(いや、彼女のスタイルの良さには釘付けでしたが)。

Aチームの梓晴輝さんも、Bチームの朝風れいさんも、めっちゃくちゃ強面で、有能そうで、ものすごくカッコよかったです。
前半は優秀なテッドの下について嬉しそうで、“尊敬する先輩”って感じなのに、後半になって、だんだん壊れていくテッドに焦れていく様子が、すごく丁寧に演出されていたと思いました。

Aチームは、どちらかといえば、煮え切らないテッドを庇って、“尊敬する先輩が本来の姿を取り戻すまで、俺が守るんだ!”的な気合を感じました。
Bチームは、後半は完全にテッドを見下している感じでしたね。朝風さんの、どちらかといえば冷酷な印象の美貌が、役柄に映えていたと思います。

どっちも好きだ(はぁと)

ただ。
朝風さんの声は素晴らしいと思うし、一幕半ばで、レクイエムを一曲、丸々歌いきるだけの技術も表現力も持っていることは承知の上で、あえて言いますが。

……その歌、ボブが歌うのはおかしいだろう…?
あの場面での朝風さんは、あくまでもボブではなくオーディエンスの一人であることはわかっているのですが(T T)、でもでも、やっぱりおかしいよ…。





ダイナーの店主と、シュミット保安官の、香音有希さん。
ちょっとともちん系?大きくてかっこいいので、群舞にいても目立っちゃってましたが(^ ^)。
ボニーを嘗め回すように見る目つきとか、意外と細かい芝居をする人だなあ、と。声がもう少し低いと、迫力も増すでしょうし、良い役者になりそう♪




他にも、ブランチが文句なく素晴らしかった千風カレンさんとか、ちょこちょこ小さな役がついていた透真かずきさんとか、達者な芝居で目立っていた悠月れなちゃんとか、「テレビで見たより、ボニーはキレイでした…」と万感こめてコメントしていた詩風翠さんの美貌とか、どこに居ても目立っていた凰華れのさんのスタイルとか……
言い出せばきりがないくらい、巧い人ぞろいで。
おかげさまで、雪組下級生もかなり覚えることができました(幸)。

次回の大劇場公演が、楽しみです♪♪







この作品の舞台は、アメリカ中西部。
その中でも、「ダラス」という街、この「どうしようもない街」「まともな男のいない街」という印象が、この作品の根底に流れていますよね。

私が好きなヤングノベルの某シリーズには、全然違う土地ですけれども、「そこに生まれて育ったばっかりに、まともな道を歩くことができない」と思い込んでいる男が出てきます。
彼は、犯罪者を輩出し、「檻に入る以外の方法でここを出て行くことはできない」と言われた土地を、ひょんなことで知り合った人物によって救い出されて東京へ来て、そこで愛する人と出会うのですが。

この物語も、カミーが繰り返し呟くように、「悪いのはすべて、この時代とこの土地」なのだ、と思い込もうとしたことが、全ての悲劇の発端だったんじゃないのか、と思います。
生まれた土地ではないにせよ、育った街を愛せない人々。故郷喪失者。それは、生きるうえでの“鑑”が無い人たちなのだと思うのです。

ここに暮らしているんだから、ここなんだから仕方がない。
その赦しが、辛く面倒な「まともな道」を歩もうとする気力を奪った。

アニスと共に歩んでいける“光の道”を、怠惰の中で諦めてしまった、それがクライドの罪。でも、「ダラスだから、仕方が無い」という皆の認識も、それを助長したことは事実で。

ネルやテッドが踏み出した階段を、クライドは登ろうとはしない。
それは、個性なのか、守るべきものが彼にはなかったからなのか?

アニスを守ろう、と、
アニスを守るのは俺だけなんだ、と、
そう思わなかったのは…それが彼の個性だったから?
それとも?


…それとも、同じ風景を視ている人を、無意識のうちに探していたのか?
アニスではなく?


「あんたはあの時、俺を助けてくれたじゃないか」
「…誰だってそうする」
「他の誰かじゃない!!…あんただったんだ」

という会話と、

「誰でも良かった。あなたじゃなくても」
「誰でも良かった。…でも、君だったんだ」

という会話の、痛み。
故郷を持たない男と女が、お互いの中に、“還るべき処”を見出した、瞬間の。


そして。

後の方の会話を聞いているジェレミーがどんな貌をしていたのかは、(目が二個しかないので)観ることはできなかったのですが。

……想像するだけで、キリキリと胸が痛む…。



テルくんって、芝居が巧いと思ったことは一度もないんですけど、今回は本当に嵌り役でした。
凰稀かなめが、そのまんま何も飾らずに「クライド・バロウ」として舞台に立っていた。

彼をクライドに配しただけで、役の心象風景の表現は、格段に楽になったはず。
たとえば。正直、芝居の巧拙でいったらキタロウの方がテルくんよりずっと巧いと思うのですが(ごめんなさい)、この役をキタロウがやってもうまくいかなかっただろう、と。キタロウのテッドが良すぎたのもありますが、やっぱり初演と同じ轍をふんだんじゃないかな、と。

とにかく、この「凍てついた明日」という作品でクライド役を演じるにあたって、必要なものは「立ち姿の美しさ」と「未熟さ」であった、ということ。
タータンさんに何の不足があるのではなく、ただ、熟して満ち足りた男役には決して演じることのできない役というものがある、そういうことなのだろう、と思ったのです。

テルくんが演じたことで、この「凍てついた明日」という作品は一つの結論が出たのかな、と思いました。再演してくださって、本当に良かったと思います。

テルくんの、そして彼と共に闘い抜いた27名(+専科2名)の、
今後の更なる活躍と幸せを、ねがってやみません。



まずは、タイトルとは関係ないんですけど、一言。
星組・水輝涼さん、お誕生日おめでとうございます☆スカーレット・ピンパーネル、良かったよ♪


さて。

今日になって、やっと「凍てついた明日」初演の映像を、ちょっとだけ観てみました。
#録画したのは随分前だったんですが、見てなかった(T T)。

…あー、ほんっとー!に全然違ーーーーう!

舞台セットは、違うよねーとは思っていました。オーディエンスが、もっと舞台後ろの高い所にいた記憶があったんですよね。
オーディエンス的な演出って外部舞台でも時々ありますが、あそこまで客席に相対する角度で「群集」になりきって視ている演出は観たことがなかったので、結構違和感があったのです。

個人的に、舞台装置は再演版方が好きです。初演では、位置的にどうしてもオーディエンスが舞台を見下ろすと、その延長線上に客席があるので、「向こうから視られている」みたいな違和感があって……。
この違和感は意図されたものなのかどうなのか?と、観ている間中ずーっと気になっていたんですよね。

再演版では、八百屋になった(しかも、横方向にも傾いているらしい)“通路”上で演技をする場面が多いので、出演者のみなさんは大変そうでした(初演では、セット手前の平らな部分がもっと広い)が、舞台効果の差は大きいと思うので、良かったなあ、と…って、そんなふうに思うのは私だけなんでしょうかねぇ。両方ご覧になっているみなさんのご意見は、いかがなものなのでしょうか。

…私が初演を観たのは、額縁の大きい青年館でしたので、バウの映像とはまたちょっとバランスが違っていたのかもしれません。
映像で観るよりもっと高くて、もっと遠かった印象でした。
やっぱり、初演もバウホールで観ていたら違ったのかもなぁ…。

などとあれこれ考えながら、
一応、感想をひととおり書き終わるまでは我慢、と思って、ジェレミーがクライドに駆け寄ってきた所で止めてみました(笑)。
しっかしトウコさん、若くて可愛くて良い声だぁ……(感動)


と言うわけで、今日のお題はジェレミー(凜城きら/真那春人)とビリー(花夏ゆりん/早花まこ)、そして、ジョーンズ(冴輝ちはや/彩風咲奈)。

本当に本当に本当にごめんなさい!!なんですが。
私、Aチームでは正直、ジェレミーはあんまり印象に残らなかったんですよね…(T T)。
Aチームは、とにかくボニーが痛々しくて、作品全体の痛みのすべてをボニーが引き受けていた印象があって。
ジェレミーの痛みや悩みは、相対的にですが、軽めに扱われていたような気がします…(←言い訳)。

凜城きらさんのジェレミーを観て、一番印象に残ったのは、“キレイで大人っぽいひとだなあ”。
トウコさんの、痛々しい美少年っぷりがかなり印象的だったので、大人っぽい、ちょっとおっとりした感じのジェレミーのキャラクターは意外でした。
ちょっとだけですけど、ジョーンズのキャラクターにかぶる感じもありましたし。

凜城さん自身の持ち味も、すごく「まとも」なものなんじゃないかと思います。さゆちゃんに通じる「まとも」さ。「リアル」な優しさ。新公などでも役がついている人なので、経験値も高いんでしょうね。きちんと男役らしい、良い声をしていましたし、達者な芝居だったと思います。

ただ、演出としては比較的普通の、健康的な人物像だったのが、私のツボにこなかった理由かな、と思います…(ごめんなさい)。


ジョーンズのお二人は、どちらも可愛かったです。
ハマコさんのジョーンズには、もう少しなんというか…見た目よりずっと子供っぽい子、というイメージを持っていたのですが、
Aチームの冴輝ちはやさんは、随分しっかりした感じでした。…まぁ、ジェレミーも大人っぽかったから、それに比べると凄く幼い感じでしたけど。……おかしいなあ、冴輝さんの方が上級生のはずなのに(笑)。

Bチームの彩風咲奈さんは、実際に観るまで、名前といい、プログラムの写真といい、花組の天宮菜生ちゃんみたいな小柄で可愛らしいタイプなのかな?と想像していたのですが。

……でかい(@ @)。
おとめによると、173cm、か。もっと大きい印象を受けましたね、舞台では。ジェレミー(同169cm)より頭一つ大きかった感じ。だから余計、ちゃきちゃきした小型犬ジェレミーが、自分よりでかくて、ちょっとゆっくりな大型犬ジョーンズの世話を焼いているのがなんともいえず微笑ましい(^ ^)。
…いや、あの、ジェレミーの真那さんも、そんなに小さくないんですけど、ね(汗)。

Aチームは、微妙にジェレミーの方が柄も大きいし、キャラクター的にもある程度の年齢差(ジェレミーの方が年上)を感じましたが、Bチームは同い年か、下手するとジェレミーの方がひとつふたつ下じゃない?という印象。
…おかしいなあ。学年は逆なのに(^ ^;ゞ


で、Bチームのジェレミー。真那春人くん。
……登場から痛いひとでした(T T)。
悪いことをしている自覚のひとかけらもない、子供。
明るい笑顔で、まっすぐにクライドを見詰める、キラキラした瞳の、目に痛い眩しさ。

クライドの歩く先にいちいち先回りして、ぐるぐる回っている、躾の良くない小犬。
クライドを後から追いかけるのじゃなく、その隣を歩きたいんだ!と、全身で叫んでいる、子供。

クライドと同じものを見ていた女(ボニー)と、

クライドが一緒に行きたかった女(アニス)、そして

連れて行きたくなかった、少年


初演では、メスヴィン農場への小径を歩き去る二人を見送りながら、安蘭ジェレミーが泣きながら歌っていたはずの、歌。

惜別のレクイエム。


真那ジェレミーに、そんな歌は歌えない。

そんな余力のひとかけらも残っているはずもない、渾身の慟哭。


ついていくことが出来なかった自分。
彼らの見ているものが、視えなかった、自分。

彼らが自分を、見捨てたわけじゃない。
裏切られたわけじゃ、ない。

視えない自分が、
わからない自分が、
ついていけない自分が、

罪は自分自身にあるというのに、
どうして自分は、まだ息をしているんだ?

あの二人がいる所が俺の居場所だと思っていたのに、

二人の居る処が、俺の世界だ、と。

なのに、

なぜ空は落ちてこない?
なぜ世界は崩壊しない?

なぜ神のいかづちは自分の身体を真っ二つに裂かないのだろうか、と。


傍らに寄り添おうとするビリーの柔らかな存在感も、
今の彼にとっては何の意味もなくて。

 

 

 
真那くんは、経験不足のせいか、感情が高ぶるとコントロールできなくなってしまうのがすこーし目立ちました。
私が観たときには、もうだいぶ声が枯れていたけど、初日頃はもう少し声も出ていたのかしら?あまり喉が強そうじゃないのがちょっと心配。声も高いし。

特に、終盤、クライドたちと別れてビリーの所に戻ってからの芝居で、あちこち声がひっくり返っていたのが残念でした。
「ビリー、俺を売ったのか!?」と叫ぶところとか、せっかく良い芝居をしているのに、声で台無しになっていたのが……がんばれ〜っ!


そして、ビリー。
初演では紺野まひるちゃんが演じた、ジェレミーの(自称)恋人。

Aチームの花夏ゆりんちゃん、Bチームのきゃびぃ(早花まこ)。
どっちも良かったです。この二人、一年違いなんですよね。ジェレミーの二人より、ゆりんちゃんで3学年、きゃびぃで4学年、上。初演はまひるちゃんとトウコさんだから、……えーっと、5学年下?かな?まひるちゃんは学年の割に経験値の高い人だったので、それほどの年の差は感じませんでしたが。

ただ、いかんせん彼女は“包容力”とか“母性”みたいなものをどっかにおいてきたタイプの役者だったので(ものすごく可愛くて巧いのに…涙)、どちらかといえば「ウザい」キャラになっていた。そのため、ジェレミービリーの許に戻る心理にはちょっと納得し難い面があったのですが。

今回、ジェレミーを思い切って下級生にしたことで、ビリーの包容力がかなり出て、ラストの説得力が増していたと思いました。
「俺は、行き場所がなくて…」って言う台詞が、泣きつくようになっていたのが凄く印象的。


ゆりんちゃんは、とにかく可愛い!!
ちょっと手の置き場所に困っていた風だったのが気になりましたが、とにかく可愛いのと、台詞の声が柔らかくてきゃんきゃん叫んでいても煩くなかったのが良かったと思います。

きゃびぃは、
すいません、私は彼女に今の愛称がついた頃からのお気に入りなので、ちょっと贔屓目なんですが。
あの、切なくも痛々しい、そしてコントロールを喪いがちな真那ジェレミーと組んで、よくフォローしていたと思います。
役づくり自体を思い切って年上設定にしたのも正解だったかと。

「あんたを電気椅子に座らせたくないの!」と叫ぶ、迫力。
真那ジェレミーが、完全にぶっ飛んで叫び芝居に入ってしまうところを、きちんと抑えながら場面を作る、芝居力。


ゆりんちゃんときゃびぃは、ほんとに全然違うキャラクターでしたけど、特に「あたしって、ホントに…莫迦だ…」って台詞が痛かったなあ…。

ゆりんちゃんは幸せそうに、笑顔で。
…普通に、あんまり振り向いてくれない冷たい恋人に、珍しくキスされて舞い上がってる少女。

きゃびぃは、切なく、寂しげに。
…彼のキスに、言葉に、真心がないことを知っている女の溜息をひとつ。

それだけ“ビリー”の立ち位置が違ったんですよね、チームによって。
それがすなわち、作品におけるジェレミーの位置の違いであり、ボニーのキャラクターの違いだったのだ、と、思います。

ラストの、銃弾の雨の幻影の中、悲鳴を上げて駆け出そうとするジェレミーを、全身で引き留める強さも、ずいぶん違いましたね。
ともすればクライドたちについていこうとするジェレミーを、現世に引き留めようとする、きゃびぃビリーのリアルな存在感。


音もなく崩れ落ちた、真那ジェレミーのシルエット。
ジェレミーの“凍りついた朝”が、溶け出す日が来るのかどうか。
…凍りついた世界が動き出す、そんな朝が?

そんな朝が来ないことを、誰よりも良く知っているのは、
実は、ビリーなのかもしれない…
そんなふうに見えた、二人。

きゃびぃと、真那くん。
こんなに痛々しいコンビが、あるんですねぇ。

…荻田さんって、ホントに酷いひとなんじゃないか…?



今日のお題は、アニス(大月さゆ、愛原実花)と、ロイ(香稜しずる)でいきたいと思います♪



ボニー&クライド、という二人のタイトルロールが居るこの作品で、
その“二人”それぞれの心の傷を象徴する二人、

ボニーの元夫・ロイと、
クライドの恋人・アニス。


今回のワークショップでは、アニスはみなこちゃんとさゆちゃんがそれぞれ役替り、ロイはがおりちゃんが通しで踊りましたが。



…アニスが違うのは当然として、ロイの違いにもちょっと驚きました。
同じ人が同じこと(多分)をしているだけなのに、
受けるボニーが違うと、こんなに印象って変わるのか……、と。

ちなみに、振付とか初演とは全然違いました…よね?(ドキドキ)
“ダンス”の量が激減して、その分“芝居”あるいは“マイム”の量が莫大になっていて。ロイ役が、“ダンサー”の役から“芝居”の役になった印象。(台詞はないままですが)

そして、

Aチーム、みなこちゃんのボニーはロイに怯えていて、
ロイはボニーの身も心も、全てを支配している。

Bチーム、さゆちゃんのボニーはロイに惚れていて、
ロイもボニーに惚れている(多分)。
惚れているのに、虐げずにはいられない自分に、傷ついている。

…なんとなく、そんな印象を受けました。




みなこちゃんのボニーがママに問い詰められながらロイの幻影に苛まれ、「もう愛していない!」と叫ぶのは、
ロイに対する完全な隷属から逃れられない自分への恐怖。
今になっても、ロイが呼んだら行ってしまうであろう自分への、深い恐怖。

そこにはもう、愛はない。だから、その言葉は嘘じゃない。
だけど、ボニーの心はロイから逃れられない。悪魔に魅入られた魂が、恐怖に、あるいは畏怖に、強烈に縛られているように。

さゆちゃんのボニーが同じ言葉を叫ぶとき。
さゆちゃんのボニーは、ロイを求めている。
「もう愛してなんかいない!」と叫びながら、それは嘘だと自分でも判っている。

本当は愛している。でも、もう一緒に暮らすことはできない。

だから、
さゆちゃんのボニーが視るロイは、過去の実像なのだ。

「キスをすればロイの唇を思い出す」
記憶の中のロイが、唇にそっと指をあてる。

「抱かれれば、ロイの腕を思い出す」
記憶の中のロイが、ふと腕を伸ばす。
袖からのぞく白い手首に当たる、ライト。

「どうして…」
すれ違う肩と、肩。

仕草やタイミングは全く同じなのに、みなこちゃんのボニーが視るロイは、現実味のない妄想でした。
過去の記憶の投影ではなく、あくまでも、ただの妄想。

ボニー自身、生身のロイを正面から見たことがないのじゃないか、と、…そんな感じ。

暴力に訴えようとするロイに対峙したときの、ボニーのあからさまな恐怖。
そのまま、冷たい瞳でボニーを後ろから抱きしめるロイの、怖さ。

全く同じ場面を、Bチームでのがおりちゃんは、腕をとめ、ふと悲しげな貌をして、切ない瞳を閉じてさゆちゃんを抱きしめていた…ような気がします。
(なんだか、だんだん私の妄想になってきたような気もしますが)

なんだろう。

みなこボニーが感じる“ロイへの畏怖”と、
さゆボニーが感じる“ロイへの恋情”、

どちらも完璧に受け入れたがおりちゃんのロイのうつくしさに、見惚れました。

オールバックにした秀でた額とか、ふと伸ばしただけの腕のシルエットの美しさとか、ハマコさんの歌に合わせて踊る場面のポーズの完璧さ、とか……

これが、つい数ヶ月前までは「ジョルジュモテモテ♪」と歌いながら満面の笑顔で微妙な可愛さを発揮しまくっていたひとと同一人物だ、っていうのは本当かっ!?と、小一時間問い詰めたいくらいの、圧倒的な“カリスマ”。

彼女がスカイフェアリーズで毎日ニュースのたびににこにこ笑顔を見せてくれていた頃からずっと、笑顔可愛いなあと思っていたけど、ついぞ「美形」だとは思ったことがなかった私。
……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい………。



今日の日記は、ものすごーく私の想像力というか妄想力が爆発しているので(笑)、ついでにもっと書いちゃいますね。
えっと、実際の舞台や、荻田さんの演出意図や、役者さんたちの演技プランとは全く関係ない話になっているかと思いますので、どうぞ読み飛ばしてくださいませm(_ _)m。



みなこちゃんのボニーは、

自分にとっての「神」であった夫・ロイの支配下から抜け出せずに苦しんでいる、本来は優しくて思いやり深い女性、という印象でした。
芯は強くて誇り高いけれども、支配力の強い母親へのコンプレックスが深く、自分自身を認めることができないままに大人になったため、支配されることに狎れていて、一度決めた「神」には徹底して尽くす、ちょっと古風でウェットなタイプ。

それに対峙するさゆちゃんのアニスは、
ものすごくリアルで現代的なお嬢さん、だった!

貴咲美里ちゃんのアニスのイメージは、完全にこちらだったと思います。
ごくごく常識的な、育ちのいい、優等生のしっかり者。
自分ならクライドを更正させてやれると思っていたんだよね、きっと。




さゆちゃんのアニスは、クライドの心の中に住んでいる影ではなく、リアルにダラスで生きている女の子、だった。

今までは、クライドと二人で夢を喰らって生きていたけれども、
少女の時間は終わってしまった。
夜は終わり、朝がくる。さあ、オトナにならなくちゃ、ね…

……なぜ?なぜわからないの?クライド。もう朝は来ちゃったのよ。あのまんま、星空の下で寝転んでいるわけにはいかないの。

だってほら、…星はもう、見えないわ…

クライドを理解できないアニス。
不思議の国から帰還したばかりの、アリス。




さゆちゃんのボニーは、

愛する夫・ロイに捨てられた自分を認められず、自己否定に走ってしまった女性。頭がよくてしっかり者の優等生で、自尊心が高く、母親と対等でありたいとする意識が強い。
ロイを喪ったことを「叩き出した」と表現する自意識と、それが嘘だとわかっている無意識の相克。その狭間で自分の立ち位置を見失った、そんなボニー。

ドライでリアルで、甘えたで親切な女性。



それに対峙するみなこちゃんのアニスは、
完全に、クライドの妄想の中にしかいない女、だった!

リアル感が、全くない。
アニスという役自体、リアルな人間として登場するのは一幕の2場面だけで、二幕はクライドの過去の記憶、幻影なのですけれども、

みなこちゃんのアニスは、一幕ラストの言い争いの場面でさえ、クライドの妄想にしか見えなかった。

初めて人を殺したばかりのクライドが、自分自身を責める言葉、自分自身を痛めつける言葉、
それを発するのがアニスの幻影である、という残酷さ。

クライドにとって、アニスは『善』だから。
クライドの中の、たったひとつの光、だから、
アニスを喪ったことで、クライドは光を見失う。

そうして、明日への道を見出せなくなる。

アニスと共にあったはずの「明日」は凍りつき、
アニスと共に歩くはずだった「道」は見えない。

だから。
「目の前の道を、ただまっすぐに進むだけ」のクライドが、あんな回り道をした末に、メスヴィン農場への道を辿るのだ。
アニスがいれば辿らなかったはずの、道を。

クライド自身がアニスの居ない道を択んだのに、
クライド自身が、アニスのところから逃げ出したのに、

アニスの「愛してる」の言葉に責め苛まれる、クライドの慟哭。



Aチームで一番被虐的だったのはボニーだったのに、

Bチームでは、アニスによって責められ、罰されることを切に希むクライドが、一番被虐的だった。



「こんなに愛してるのに」と繰り返すアニスが、一番の刃で。




「言えよアニス、俺のせいだって」

愛しているから。

「そう、俺は君に、ふさわしくない」

愛しているのに、
…こんなにも愛しているのに。



それでも。

「どうして変わってくれなかったのっ!?」

そう責めるアニスの言葉が、胸に刺さって。
 

 

 

 

 

 
それにしても。

「凍てついた明日」とは直接関係のない話なのですが。

みなこちゃんの、あの台詞。
クライドを責め苛むあの台詞が、まさに、小夏そのものでした。

「だって銀ちゃんっ!?」

そう泣き叫ぶ、小夏の、
落ちぶれた元女優の、声が聴こえました。

…すみ花ちゃん、一花ちゃん、きらりん、他の可愛い花娘さんたち、ごめんなさい。
猫はやっぱり、みなこちゃんの小夏が観てみたいです…。

今後、「銀ちゃん」をやりたがる男役なんて滅多に出てきそうにないことを考えると、このチャンスを逃したらもう、みなこちゃんが小夏を演じるチャンスはないかもしれない、とか思ってしまう。
だから、と、つい考える。

すみ花ちゃんの小夏は、さぞ素晴らしかろう。
一花ちゃんの小夏は、さぞ魅力的だろう。
きらりんの小夏は、さぞ可愛かろう。
百花繚乱の花娘さんたち、それぞれに魅力あふれる小夏を演じてくれるだろう……

…でも、と思ってしまう猫を、許してください…。

それとも、雪組さんにも5年もあれば銀ちゃん役者が出てくるのでしょうか…?
それはそれで、すごく楽しみです♪…とりあえず、ヤスには真那くんを推薦しておこうっと(^ ^;ゞ


大空祐飛さん、お誕生日おめでとうございます♪



去年は、絵理さん・末子姐・ななちゃんの衝撃の退団発表があったりして、ショックのあまりお祝いできなかったりしたので。
今年はめでたく、何事もなくお祝いできて、良かったです。


花組一年生の祐飛さん。

いつまで花組に、宝塚にいてくれるのかわかりませんが、

生まれ育った月組を離れて、それでもなお、嬉しそうに、楽しそうに、舞台の上で輝く姿を観ることができて、幸せです。

集合日まで、短いお休み、ゆっくりと楽しんでくださいね(^ ^)。



……そういえば、月雪にかまけていて、花組さんの公演についてはあんまり書いてないなあ、私…来月からがんばろう(笑)。

祐飛さん、花組のみなさま、
東京でお待ちしています!!
雪組バウホール公演「凍てついた明日」を観てまいりました。


以前書いた感想はこちら。(すっかり途中で止まってました…すみません)
http://diarynote.jp/d/80646/20080602.html
http://diarynote.jp/d/80646/20080604.html



とりあえず。
いっこだけ叫ばせてください。


Bチームでジェレミーを演じた真那春人くんに、落ちたような気がします。

(またか)
(何人目だよ)
(ちなみに、ロイの香綾しずるくんの美しさには、Aチームの時点で落ちてました)



決してAチームの凜城きらさんが悪かったというのではなくて。
ただただ、相性の問題かとは思うのですが。


…ジェレミーのお二人って、同期なんですね。92期か…。月でいえば、蘭乃はなちゃんとか、そのあたりってこと?
か、か、下級生だなあ…。

ジェレミーだけじゃなくて、Aチームのジョーンズ・冴輝ちはやさんがいっこ上、Bチームのジョーンズ・彩風咲奈ちゃんとAチームのメアリー・舞羽美海ちゃんが93期。……凄いなあ。こんな下級生なのに、ワークショップとはいえこれだけの大役をこなして、しかも舞台成果がものすごく高い、なんて。
荻田マジックなのか、雪組のこのあたりの子がレベル高いのか。この子たちが特別なのか。


いやぁ、それにしても、
真那春人くん。

初めて名前を聞きました、くらいノーチェックな方でしたし、ジェレミー以外の役でどうなのか見当もつきませんが。
少なくとも、ジェレミーはものすごい嵌り役だったと思います。

メスヴィン農場へ案内する言葉の上擦りよう。

ラストの悲鳴の痛々しさ。力なく崩れ落ちる身体。

彼はこれからどうなるんだろう。
ビリーの傍で、生きていくことができるんだろうか。

ビリーはいつか、悔やむのだろうか。自分のしたことの、結果を。

……この二人には、本当に泣かされました。

(本公演で見つけられますように!)



AチームとBチーム、間があいていたせいか、演出の違いはよくわかりませんでした。
あ、役者が違う分、舞台の上を流れる空気が全然違うのは当然なんですけど、具体的にここ前回と違うよね、と気づいたところがあんまりなかったんです。

はっきりと台詞レベルで違っていることに気がついたのは、ラスト、銃弾の雨がボニー&クライドに降り注ぐところで、ジェレミーが悲鳴をあげたのと、何もかも終わったあとで、舞台前面に二人が出てくるとき、ボニーが「愛してる」と呟いたこと、くらい。
……この二つは、Aチームではやってなかったと思うのですが。
私の勘違いでしょうか?


他に多分、細かい違いはたくさんあったんでしょうねぇ…。
ご存知の方、教えてくださいませm(_ _)m。



えーっと。何から書こうかな。(書きたいことが多すぎる)

まずは、ボニーについて。

どうしても、先に観ているミナコ(愛原実花)ちゃんのボニーと比べることにはなってしまいますが。
(大月)さゆちゃんのボニー、予想よりずーーーーっと!良かったです(嬉)。

私は、実は昔からさゆちゃん好きなんですけど、でも、彼女はあんまりファンタジックな持ち味の役者ではないな、とも思っているんです。
なんていうか、ご近所のカワイコちゃん的な存在感なんですよね、彼女は。

逆に、リアルにご近所とかに居そうな女の子をやらせると、すごく魅力的。

ミナコちゃんは本当にファンタジックというか、根っからちょっと異常な世界に生きている役者タイプ。だからこそ、花組に特出して小夏をやったらさぞ似合うだろうと思ったりするわけですが。


さゆちゃんのボニーを観て。
ああ、ボニーにはこういう解釈もありだったのか、と思いました。
目から鱗。

クライドやジェレミーの目に映る、一種の女神のようなボニーではなくて、
ビリーの目にうつる、“こないだまで一緒に働いていたのに…”という、本当はごく普通の女の子だったはずのボニーが、


彼女がなぜ、メスヴィン農場への小径を歩み去るに至ったか。


舞台に流れる、とても乾いた空気。
初演で演じた月影さんの、からからに乾いた透明な空気ともまた違う、やわらかな霞がかかったような、でも乾いた空気。

クールでハンサムだった月影ボニー。
しっとりとウェットな、よわくて優しい愛原ボニー。
そして、凜として脆くて、寂しがりやの大月ボニー。


みなこボニーの死に顔は、きっと微笑んでいたんだろう。

さゆボニーの死に顔は、さびしそうだったかもしれない。

そんなことを考えながら。



そうそう。あと、ヒロインの場数って伊達じゃないんだな、と思いました。さゆちゃんのヒロインってそんなに観ているわけじゃないけど、娘役らしい落ち着いたお芝居でよかったと思います。声のコントロールとか、ちょっとした仕草とかに経験の差が出たかな、と。
あと、(凰稀)かなめちゃんとさゆちゃんって芝居の相性が良いような気がしますね。「堕天使の涙」の新公も、さゆちゃんのリリスはとても良かったし。
「シルバーローズ・クロニクル」はイマイチだったのですが…もともと異形のモノには徹底的に向いてない人なので仕方ないかなー。


好きか嫌いか、でいうと、私は“痛い物語”が好きなので、存在自体がものすごく痛々しいみなこちゃんのボニーが圧倒的に好きなんですけど、
普通の視点で見れば、さゆちゃんのボニーもとても良かったと思います。

後半に入ったせいか、かなめちゃんのクライドが集中力を増して、とてもかっこよくなっていたのも収穫でした。
うん、やっぱりさゆちゃんには“かなめちゃんをかっこよく見せる”効果があるのかも(*^ ^*)。



それでは、みなさまからのコメントを楽しみにお待ちしつつ(*^ ^*)。


東京厚生年金会館にて、ロックミュージカル「ヘドウィグ アンド アングリーインチ」を観劇してまいりました。


初演(三上博史主演)以来、上演されるたびに観たいと思いつつ、スケジュールが合わなくて観られなかったこの作品。やっと観ることができて、とても嬉しいです。

もしかしたら映画をご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが…。
原型となったパンクロック・ナイトから映画まで、ずっとタイトルロールを演じていた俳優ジョン・キャメロン・ミッチェルが作った、魂の物語。作詞・作曲はスティーヴン・トラスク。
演出は鈴木勝秀。最近私の注目の演出家ですが、やっぱり良い仕事してくれますね♪

タイトルロールのヘドウィグは山本耕史。
相方のイツァークは、韓国の歌姫 ソムン・タク。
二人+バンドメンバーが5人、計7人で、

東京厚生年金会館の巨大な空間を、物凄く濃ゆいもので埋めた1時間45分。



一人のロックミュージシャンの、一夜のライブ、という形式の作品。
冒頭、舞台上にバンドとイツァークが揃い、「HEDWIG!」と呼びかけると。

客席通路をゆっくりと歩いてくるヘドウィグに、スポット。


ちょうど通路後ろの席だったのですが。
…すぐ目の前を、腰まである金髪ロングの鬘をひらめかせた、厚化粧の耕史くんが通っていきました♪

客席はいきなり総立ち!!
完全にロックコンサートのノリで、最初のナンバー「TEAR ME DOWN」。

…わかんない(^ ^;ゞ

耕史くん、いつからガイタレになったの?と思うほど、ネイティブっぽい英語。宝塚のカタカナ英語ならなんとかなるけど、ガイコクゴに弱いんだよ猫は。涙目。


目の周りに大量にキラキラがついた、ものすごい厚化粧。
土方歳三が良く似合っていた、たくましいマッチョな身体を包む、華やかな衣装。



うらぶれたライブ会場。すぐ隣で、世界的ロック・アイドルのトミー・ノーシスがコンサート中。
彼は、最近巻き込まれた事故の怪我(?)から復帰したばかり。
その車を運転していたのは、恋人だった、

…ということになっている、らしい。


ヘドウィグは言う。

「あの車を運転していたのは、トミー」

「あたしは運転なんてしてる暇はなかった。だって、イイコトをしてあげていたんだもの、彼に」

「彼が前を見ていなかったのは、あたしのせいじゃないわ…」

時折、
ヘドウィグは袖に入って、外のドアをあける。

袖から入ってくる、眩いライト。大音量のスピーカーらしい割れた声が、遠くに聞こえてくる。

「今日は僕のために集まってくれてありがとう!」

「あの事故は、僕の人生にとって大きな事件でした…」


ヘドウィグのライブ・パフォーマンス。

「あんたたちが聞きたいのは、トミーの話。そうね?」

華やかだけれども、どこか安っぽい衣装をひらめかせながら、ヘドウィグは語り続ける。

「あたしの話を聞いて頂戴。あたし、今夜はなんだか喋りたい気分」

東ベルリンに生まれた美少年ハンセルは、「壁」を警護していたアメリカ兵ルーサーと恋(?)に落ち、“手術”を受けて西側への脱出。
母のパスポートを持った彼(女)は、自由の国アメリカでルーサーと結婚。しかしもちろん、人生そううまくはいかない。
あっという間に離婚した彼(女)は苦しい生活の中でロックに傾倒。そして出会った少年・トミーとの恋は、しかし、悲惨な終わりを迎える…


それにしても、割り切った舞台でした。
台詞は日本語ですが、歌はすべて英語。
舞台奥に、大きなスクリーンがあって、さまざまな映像が流れていました。たまーに字幕(←英語の歌詞がロールアップされるだけですが)が出たりして。
まぁ、話自体で解らないところはなかったですけど。耕史くんも、タクさんも、表現力はずば抜けていましたし。

……しかし、歌詞も知りたかったなぁ…。意味不明な歌を聴きながら、メッセージを受け取ろうと観る側も必死でした。訳詩の字幕は無理でも、せめて英語の字幕でもいいから出してほしかった。
でも、字幕があるとついそっちを観てしまって役者を見なくなってしまうから、正解だったのかもしれませんね…。


役者の力、というのをこんなに強く感じたのは、久しぶりでした。
最近、演出家の力(あるいは力の無さ?)を感じることが多かったので。

言葉がわからなくても、ここまで心を奪うことができるのか、と。
何度も何度も、立ったり座ったり(ヘドウィグ・ファンが多いので、皆さんタイミングもばっちりでした)しながら、ヘドウィグが語る一人の人間の人生に、共感していく。

『Better Half』、引き裂かれた半身。
その半身を捜して、もう一度『完全な人間』に戻りたい、それが“Origin Of Love”。引き裂かれた半身と出会うために旅をするのが、人生。
ハンセルの“半身”探しの旅は、とても悲惨で哀しいものなのですが。

彼(女)を見守るイツァーク、という存在。
その存在そのもの、在り方そのものが、素晴らしかった。
ヘドウィグとイツァーク。二人の関係。
二人の間を流れる感情。

トミー、という、舞台の上には存在しないもう一人の主役。
ヘドウィグから視たトミー。
ヘドウィグ視点での、トミー・ノーシス。



ラスト。

金髪の鬘という『最強の盾』を、かなぐり捨てるヘドウィグ。

濃ゆいアイメークを落として。
額に十字架を享けた、『ただひとりの』存在。


半身を得た彼に、天使が歩み寄る…

白いドレスに身を包んだ、天使が。



白い光。

天使が青年を抱きしめる。

上手袖から入る、白い光。
遠くから聴こえてくる、雑音。


山本耕史の、類い稀なボディパフォーマンスと、
ソムン・タクの類い稀なソウルフルな歌声と。

ふたりが響きあい、共鳴してさらにふくらみを増す、熱い空間。



東京厚生年金会館の、だだっ広い空間が。
息苦しいほどの熱で溢れた、1時間45分。



素晴らしいライブを、ありがとう。
二人の歌を、忘れません。



月組新公「ME AND MY GIRL」。
今度こそ最後に!(2週間たってしまいましたが…)



ランベスの街角。

この場面は、とにかく好きでした。っつか、泣きました(T T)。

サリー(羽桜しずく)が可愛い(←デフォルト)。
ボブ(響れおな)が優しい。
アナスタシア(夏月都)が可愛らしい。
ジョニー(光月るう)が渋くてステキ。

…そして、ビル(明日海りお)が一途で可愛い…(T T)。



主要キャストはとりあえずおいといて。
果物屋のボブ。
優しい「友達」でした。実にさりげないたたずまい。響くんは、本当に芝居が巧いですね。心がある。サリーにあれこれ話しかけているときとか、最後に閉じられたドアに向かって、静かに「…幸運を祈っているよ、サリー」と伝えるところ、とか。
深い思いがたちのぼってくる感じで、本当に凄く良かったです。

かと思えば、ビルが投げたりんごを落としたときはすかさず「売り物だぞ!」と突っ込んでみたり。投げ返してよこされたりんごを、丁寧にためつすがめつ眺めてふきふきした末に、さりげなーく荷台に戻す仕草とか。
(う、売るの、それ…?と突っ込んだ人は多かったに違いない)

ふつーにそこに生きて、
果物を売って、
気になる女の子のひとりもいて、

いつかはランベスの街を出て、自分ひとりで歩くんだ、と、
俺も何者かになるんだ、と、
…そんな夢を持っていることさえ感じさせてくれる、一人の男。

あちょうさん演じる乞食と無言でやりとりしている様子とか、街の女たちとの会話とか、さりげなーい動きで「ランベスの住人」の様子を見せてくれる。
ランベスに生きている人、
ランベスの街、を。

ビルとサリーが、出会い、暮らし、別れようとする、街。

その、街の“象徴”としての、ボブの存在。
ランベスの温かさ、『自由でのんびり、縛られないで暮らせる』ところ。
ボブの優しさと、ビルの優しさ。
ボブの相手の幸せを祈る気持ちと、サリーの気持ち。

ビルはサリーのために伯爵の地位を捨ててランベスへ帰ろうとし、
サリーはビルのために、ランベスを捨ててどこかへ行こうとしている。
「幸運を祈っているよ、サリー」
その、嘘の無い気持ち。

ボブって良い役だなあ〜〜と思いました。博多座も楽しみにしています(*^ ^*)。




警官役は鼓英夏さん。小芝居の帝王だけあって巧いもんです。もったいぶって大仰で、“ランベスの人たち”と“お貴族さま”の距離感を見せてくれます。


電報配達(本公演はゆりやん)は、千海華蘭ちゃん。
さりげなーい感じで、なっつとのやり取りも自然でした。


まぐ(流輝一斗)ちゃんの役は、本公演にはいなかった…ような気がするんですけど、いましたっけ?台詞とかはないけど、ちゃんと役でしたよね?齋藤さんの愛か?

カーテンコールでジョン卿に戻らなくちゃいけないから、この場面が最後の出演。本当にカッコよかったです……
ううう、恨み言を言いたい。言わないつもりだったけど言いたい…なんでなんでなん(黙)


こほん。

アナスタシアのなっつ(はぁと)
素晴らしかったー!可愛くて可愛くてたまりません。みっぽーのブラウン夫人も可愛いけど、なっつはちょっと甲高い声で、舌っ足らずに喋ることで実に実に可愛らしいおばさんになってました。
巧いなあ〜!!
同期のるうちゃんとの芝居も、ホントに良かったです。「パリパリッと〜」ってとことか、間が良くてすごく笑えました。
ああ可愛い〜〜〜。

そして。なっつのもう一つGJは、カゲ口笛(^ ^)。巧いです〜!



夜の女の3人は、まだまだ工夫の余地あり、かな。しかし3人ともまだ若いのに、しっかり工夫しはじめているところがさすが月娘、ですね(笑)。



幻想のダンサーたちは、本公演より若返った分、溌剌とした幸せ感がものすごくて。その真ん中でサリーを探すみりおビルが、段々涙目になっていくのが本当に切なかったです。
サリーを見つけた瞬間のはじける笑顔。
見失ったことに気づいた瞬間の、怒りを含んだ悲しみ。

ああ、みりおくんのビルは、ここで怒るのか、と思いました。
悲しみながら、怒る。
帰ってこないサリーに、
隠してしまったマリア(誤解なんだけど)に、

二人とも家族だと思っているから、家族に裏切られて怒っている。


場面のラストにポーズを決めるのは、ちゃんと笑顔(多分)できっちりやってたと思うんですが。
それがどこか投げやりで、場面のキメとしては弱かったことが、芝居としては物凄く嵌っていたような気がします。

みりおくんの計算なのか、齋藤さんの演出なのか、偶然なのか…
音楽も振付もほとんど変更のなかったこの場面が、ショーになるか芝居になるか、それはすごく微妙な違いなんだな、と思いながら。
ほんとに涙が止まらなくて、我ながらびっくりしました……。





ラストシーン、ヘアフォード邸のホール。


本公演を観た時も強く思ったのですが。
ここの、ジェラルドとジャッキーの袖での芝居は、演出的にもう少しなんとかならないんですかねぇ……。
あんなに「あはんうふん」みたいな声を何度もやらなくても。
叩く音がして、しばらくはジャッキーが嫌がってて、でもそのうちに「(*^ ^*)ジェラルドぉ〜(はぁと)」ってなっちゃう…っていう場面なら、色っぽい声を聞かせるのは一回でいいと思うんですよね。

ビルとマリアが非常に緊迫した対話をしているところに横から聞こえてくるのが…オリジナルも同じ演出なんでしょうけれども、ちょっとしつこいような気がするんですよ。
…「あはんうふん」の言い方というか、声があんまり色っぽくないから、余計にそう思うのかなあ…?

2幕のジェラルドは宇月颯くん。ジャッキーは変わらず、蘭乃はなちゃん。
宇月くんは、「ホフマン物語」なんかを観ていてもダンサーなだけでなく十分に芝居もできる人なんですが、ジェラルドはちょっと苦戦してました。まぁ、二幕のジェラルドは、芝居としてはぶつ切れでやりにくい役だとは思いますが…。あとは、台詞の喋り方とかがあひちゃんにそっくりだったことに驚きました(^ ^;。あんな声でしたっけか…?



ビルとマリア。

出て行くよ、と、事実を事実として告げるビル。
愛する家族になったばかりの人、に。

「おばさんが、可愛い甥にキスしてくださらなくっちゃ」

「…あなたは、本当のヘアフォードの人間ですよ」

涙を拭きながら袖に退場する、というか、その場から逃げていく、ビル。

この邸にいたい。
マリアと、ジョニーと、新しい家族と一緒に、幸せに。

それでも、サリーがいないところでは、自分は幸せになれないから。

だから、

…さよなら、と。涙をぬぐって。



観ているこっちまで貰い泣きしたっつうの。




ジョニーとマリア。

るうちゃんとまなちゃん、こちらも同期ですね。
決死の覚悟でプロポーズするジョニー(最後まで言えないけど)と、それを受け入れたんだか受け入れないんだか誤魔化して去っていくマリアが、とても良い雰囲気でした。
本役のタキさんと比べると、お堅いイメージが強いまなちゃんのマリアが、ちょっと恥ずかしそうにジョニーをちらっと見て袖にひっこむときの色っぽさが良かったです。

一幕のりおんくんは普通に美人で華やかな貴婦人、っていう感じだったので、まなちゃんの厳格でお堅い、近寄り難い雰囲気は、いかにもマリアらしい不器用な感じもあって、すごく良かったと思います。
そういえば、東宝で観た涼風マリアも、華やかで美人だけど硬質で不器用な雰囲気があるのが凄く良かったんですよね。マリアってそういうキャラクターなんでしょうね。なんたって、30年以上もジョン卿の気持ちを無視して(?)来たんですものね。



ヘザーセット(二幕は海桐望)とジョン卿の会話も好きだし、パーチェスターもさりげなーく良い味出してたし…。
これだけ芝居のできる人が揃う場面って、本公演でも滅多にないので、ホントに楽しいです♪みんなすくすく育ってほしいなあ♪



ラスト。

ライトを浴びて、白いドレスで登場するサリーの美しさ。
純粋無垢、という名の輝き。


扇をゆっくり下ろすサリー。

両手にトランクを提げて、ふ、とそちらを視やる、ビル。



時間が止まる。

ビルの顔から表情が消える。

驚愕とか、怒りとか、喜びとか、
いろんな感情がいっぺんに表に出ようとして、あまりにも感情の幅が大きすぎて通り抜けられなくて。

無表情、という名の、表情。

嵐の前の静けさ。

サリーはこの瞬間にはもう泣いてたような気がします。
ビルが爆発した瞬間には。


「馬鹿野郎!」




可愛い、可愛い、

生きて動いてそこにいた、ビルと、サリーと、ヘアフォード家のみんなと、ランベスのみんなと、貴族階級のみなさんに、

乾杯。



(思い出しただけで泣けてくるよ……ああ、もう一回観たい…)

ヤクルトホールにて、宝塚友の会会員限定「トークスペシャルin東京」に参加してまいりました。

出演者は、まさお(龍真咲)、ゆりやん(紫門ゆりや)、蘭ちゃん(蘭乃はな)。


私はこのシリーズを見るのは初めてだったのですが。
…これからは毎回欠かさず参加できたらいいなー、と思ったくらい、とっても楽しかったです(はぁと)。

3人とも、とにかく可愛かった!男役二人は黒い上着にジーンズ、蘭ちゃんは黒のワンピ。上半身黒で揃えていて、シックでかっこよかったです。
司会者に「娘役さんで黒い服は珍しいですよね?」と言われて「このために買いました(にこっ)」と答える蘭ちゃんが…いやぁ可愛いのなんの。
「それは…龍さんに強制されて?」とさらに突っ込まれて、笑って誤魔化してたところを見ると、色はまさおが決めたんでしょうね(^ ^)。3人とも、よく似合ってました。

髪は、蘭ちゃんはキチッとまとめて、左にお団子。右側に大きな黒の飾りをつけていて、とにかく可愛い。手首のブレスレットとお揃いで、蘭ちゃんの手作りだそうです(これも今回のため、かな?)。
ゆりやんは金髪で結構長め。舞台ではかっちり撫で付けているので、ふんわりとした髪が珍しい♪普段はあんななのかー。量が多いんですね。男役をするには武器なのかな、それともやっぱり苦労なのかな…。

まさおは髪もキレイにセットして、メークもばっちり。近寄りがたいくらい、隙のない美しさでした。トーク内容もしっかりしていて、でもファン目線なところもちゃんと残していて…とにかくプロ意識の高さを感じましたね。観客の「目」を意識している、という感じ。
下級生は、二人ともトークショーといったものは全く初めての経験、ということで、まさおとは経験の差がでた部分もあるかとは思いますが、とにかく、3人の中では圧倒的な上級生っぷりでした(*^ ^*)。すっごい男前で、ちょっと惚れ直しちゃいました♪

ゆりやんは、舞台でもおっとりした雰囲気が魅力な人ですが、オフでは輪をかけておっっっとりしてる?雰囲気が柔らかくて温かいです。蘭ちゃんは、受け答えも落ち着いているし、下級生だけどゆりやんよりしっかりしていそうな印象でした。7月からのスカイフェアリーズコンビですが、もしかして主導権を握るのは蘭ちゃんなのでは?(笑)。


トーク内容を本気で書き始めるとキリがないのですが、
とりあえず、思い出すままに。

最初は「ME AND MY GIRL」の話。
まさおは「ファン時代に大好きだった作品なので、嬉しい。博多にいけるのも嬉しい」と興奮気味。
いや、あの、博多の前にまだ東宝が3週間以上あるから、ね?

蘭ちゃんが「初日のランベスウォークで客席も一体になってすごく盛り上がって、ああ、再演を待たれていたんだなーと思いました」というようなことを言って、「その気持ちを忘れないようにがんばります」と。

あと、『龍さんはいつも5人組で動いていますが…』と訊かれて、まさおが「5人組?え?なんのこと?」と目を白黒していたのが面白かったです。確かに仲買人、テニスプレーヤー、ランベスの男、幻想の男、フィナーレと同じようなメンバーで踊っていますけれども、全部メンバー違いますからっ>司会。5人なのは仲買人だけだし(^ ^;。
しかし、「いつもいる人だれか居たっけ」って、まさお…それもどうかと思うぞ(^ ^)。園加、マギー、るうちゃんあたりとはずーっと一緒だと思うんですが(^ ^)。スタンバイとかが違うのかな?

で、面白エピソードを披露してくれました。
大劇場のプログラムでは、まさおとるうちゃん、二人とも髭つけているんですよね。舞台観た後プログラムの写真を見て、「あれ?」と思っていたんですよ私。
あれは実は、元々仲買人は5人とも髭をつける予定だったんだそうです。だから、それで写真も撮った。それが、初日の舞台稽古(?)で、5人とも髭をつけてやっていたら「コメディみたいだから(重たすぎるから、だったかな?)少し髭を減らそう。つける人にはあとで言うから」と三木さんに言われ、全員髭を手にのせて「え、どうするの?私つけるの?つけないの?」とオロオロしたそうな(笑)。

結局、髭をつけているのはもりえとマギーの二人なわけですが…髭萌えモード継続中の猫としては、5人ともつけていたらどんだけ盛り上がったか自分でも不安になるので、三木さんの判断は正解だったと思います。(もりえちゃんの髭にときめき過ぎ)
でも、まさおの髭も観てみたかったなぁ……。本人も、自分のダンディさにはかなり自信があったらしく、残念そうでした。確かに、プログラムのまさお、かっこいいですよね(^ ^)。

ちなみに、“マイ髭”は持っていなくて、髭は床山さんから出るんだそうです。へーへーへー、全然知りませんでした。ご先祖たちとか、ショーの一場面でつけるのとかは当然出るんでしょうけれども。…あ、仲買人も一場面だけか(^ ^;ゞ。
霧矢さんの髭はどうなんでしょうね。あれはマイ髭?

髭の話で長くなってきたなぁ。えーっと、前半はずっとミーマイの話だったんですよね…。

ゆりやんのコックさんは、「貴族の皆様とは関わらないので、結構好き勝手なことをしている」んだそうです。女たらしなんだってさ(^ ^;)。暇さえあれば、とっかえひっかえ近くの子にコナかけているんだそうです。回りも、時々相手してくれたりするらしい。でも、「不真面目だけど、腕はいいんです」と言い訳してました(^ ^)。
一緒にやっているりこ(麻月れんか)ちゃんや沢希理寿さんのコックさんは、どういう設定なんでしょうね。私が観たときの印象は、りこちゃんは禁欲的(←意外と色っぽい)で、理寿ちゃんはちょっと不機嫌そうな感じでしたけど。…毎日違うのかな?

蘭ちゃんは、召使としては「生真面目な召使です」だそう。ゆりやんとまさおが口を揃えて「あの鬘可愛い!」と褒めていました。
ランベスの女では、まさおと同じテーブルについていて「やりたい放題」だそうです。何してたっけ…とにかく忙しくいランベス・ウォークですが、次回は忘れずにチェックしたいと思います。

このあと、新公のジャッキーとジェラルドの話になったのですが。
二人の話を、すごく真剣な顔で聞いているまさおが、とっても上級生でした(*^ ^*)。

ゆりやんが「大劇場でソロで歌うのも、真ん中で芝居をするのも初めてで…『やりたいこと』と『やること』、『やれること』のギャップに苦しみました」みたいな、凄く良い話をしていたんですが。それに対して「すごいなあ、その学年でそんなことまで考えているなんて…」と、しみじみ感心したようにコメントしつつ、ちゃんとフォローしていたのが印象的。
こういう素直なところがまさおの良い処だと思うんですよね。いろいろ大変な時期ではありますが、変に突っ張らず、素直に伸びていってほしい人材だと思います(はぁと)。

そして、コメントを聞くにつけ、おっとりしているけど、ゆりやんはまさに『今』が成長期なんだなあ、と思いました。ものすごい勢いで、色んなことを吸収している時期なんでしょうね。
「ゆりやん」の中で噛み砕かれたそれらの経験が、一回りして表に戻ってくる“時”が、とても楽しみです。


この後はしばらく、博多座ジャッキーに懸けるまさおの話で盛り上がりまくり(^ ^)。いや、面白いからいいんですけど、そりゃー女役の方が準備するものも多いだろうし、でも、…まさおはジェラルドもやるんですよね?……その話は全く出ませんでしたが、大丈夫なのかなぁ…(不安)。



席替えして、後半の話題は、初めて観た宝塚は?とか、受験のきっかけは?とか、宝塚に入って驚いたことは?とか…そんな話だったかな。

それから、下級生二人に「そんなお二人にとって、龍さんはどんな人?」という爆弾質問が(^ ^)。
指名されたゆりやんの方を、じぃーーーーっと見るまさお。
高まる緊張。
息を吸うゆりやん。
「……そんな言わんといて」と小さな声で訴えるまさお。(ある意味めちゃくちゃ可愛い)(惚)

お前いったい、普段何をしているんだまさお、と思ったのは、むしろファンだと思います。……小心者め。

そんなまさおのプレッシャーにも負けず、ほっこりした笑顔のゆりやんのコメントは、「いつもすごく、引っ張っていってくれる人。龍さんがいれば大丈夫、と思える。ついていける人」みたいな感じでした。
蘭ちゃんも可愛い笑顔でうなづいてました。良かったねまさお(*^ ^*)。


関係ないんですけど、まさおって下級生に「龍さん」って呼ばれているんでしょうか?(会話の中ではゆりやんも蘭ちゃんも「龍さん」だった)
となると、越乃リュウちゃんは何て呼ばれているんでしょうね?ナホさんと呼ばれている気配はないし、何より城咲あいちゃんの「えと文」で「リュウさん」って呼ばれてたよね?…謎。

ちなみに、まさおは蘭ちゃんのことは「らん」って呼んでいたような気がします。ゆりやんのことは「シモン」だったかな?蘭ちゃんとゆりやんがお互いに何と呼んでいるのかは不明。だったと思います。(聞き逃していたらすみません)


なんだかまさおの話ばっかりですね。
すみません、まさお好きなもんで、つい。(ゆりやんも蘭ちゃんも大好きですが、何か?)

素のまさおをナマで見たのは初めてだったんですが、頭の良い人だなあと思いました。頭が良くて、素直で、何でもできるけど、“何かが足りない、なのにそれが何なのかわからない”と思い込んでいるひと。

考えすぎているんじゃないかな、と思うんですよ。観客の「目」を、気にしすぎているんじゃないか、と。自身の現状に比べてプロ意識が高すぎる、というべきなのか、あるいはプライドが高すぎる、というべきか。

大事な大事な月っ子ですが。もしかしたら、生え抜きの温泉を出た方が、得るものは大きいかもしれないな、とも思いました。
そのほうが、観客の「心」に気づくかもしれない、と。

……すみません、戯言です。私は、まさおの芝居はとても好きなんです。優しくて、素直で。
だからこそ、ジェラルドはとても似合うんじゃないかな、と楽しみにしています。カタチに囚われず、ジェラルドに「なって」ほしい、と、心から思っています。


で、ゆりやん。

ゆりやんで一番印象に残ったのは、「ハリウッド映画が大好きで、ジョニー・デップのファン」で、なぜ彼のファンになったかというと「役によって、作品によって、見た目も声も喋り方も全然違うからなんです。だから自分も、役柄によって全然別人になれるような舞台人になりたい」と言ってくれたこと。

『芝居の月組』ファンとして、こんなに嬉しいコメントはない!
今はまだ「全然別人」ではないかもしれないけど、とにかく「芝居の役にきちんと入る」ことのできる人なので、これからがとっても楽しみです♪
あの、ほんわかした持ち味が今まではすごく生きていたのですが、次あたりで少し色濃い役、敵役が回ってくると凄く伸びるだろうなあ、と思うんですよね。…日生ギャツビーではどんな役なんでしょうか。配役が…というか、舞台がとにかく楽しみになる人です(*^ ^*)。


蘭ちゃんは、若いのにホントにしっかりしていて、しかもふんわりとした娘役らしい雰囲気も忘れない、娘役の鑑みたいなお嬢さんでした。笑顔が本当に可愛いです!スタイル抜群だし。
ただ、緊張していたのかもしれませんが、舞台では物凄く弾けている人なのに、オフではおとなしいんだなあ、というのが意外でした。あれが素なら良いんですが、もし、「娘役らしくしよう!」と思ってのキャラクター造形なのだとしたら、ちょっとやりすぎのような気が…舞台とのギャップが大きすぎるんだもん(^ ^)。

…しかし可愛かったです。文句なく。ずっと見ていたかったです…。


最後のお土産のメッセージカードの写真は、三人とも白いTシャツ。テーマは「ピュア」だそうです♪月組なので黄色いカードかと思っていたら、ピンクでした。…全組ピンクなのか?それとも微妙にずらしているのか?次回確認…できますように(*^ ^*)。

3人とも、今後の活躍をしみにしています!これからも月組をよろしくねっ☆



東宝劇場での「ME AND MY GIRL」新人公演。やっと半分きました!……がんばります。



幕間のミニショー。
ランベス・ウォークの幕が降りて、休憩かな?と思っていると、そのまま音楽が入ってライトが入る。
あれ?と思っていると…

上手からまん(貴千碧)ちゃん&もえ(麗百愛)ちゃん、下手から煌月爽矢さん、舞乃ゆかちゃんが登場。本公演フィナーレの最初の銀橋(青樹・龍・メイ役)の衣装で、4人ともめちゃくちゃ可愛かったです。
これ、どっちも同期コンビなんですよね。なんだか幸せそうな二組でした♪

しかし…せっかくまんちゃんともえちゃんが組んでるのに、踊らないなんてっ!(T T)。銀橋でもちょっとくらいなら踊れるはずなのにー。
ゆかちゃんは、目立つ場面はここだけだったかかな?いつどこに居ても可愛いんですけどね(はぁと)。かなり抜擢だと思うんですけど、齋藤さん好みの可愛らしさなのでしょうか。みあちゃんの方が好みかと思うんですが…(←齋藤さんを何者だと思っているんですか)



幕が開くと、図書室。
あれ?と思う暇もなく芝居が始まるんですが、まるっと一場面カットとは、齋藤さんも思い切ったことするな、と思いました(やっぱり今回の新公脚本は齋藤さんだったらしいですね)。

ビルとサリーの可愛いいやり取り。
サリーは、この前にマリアからビルと別れるように、それも、ビルが追いかけて行くことのないよう“はっきりと”別れることを依頼されているんですよね。そして、それを“あごで受け止めてスマイル♪しようと”している。そこの部分が丸ごと省略されてしまったわけですが、しずくちゃんのサリーは、場面がないなりに、その決意をしっかりと表現できていたと思います。

ビルの幸せだけが、彼女の希みだ、と。


そして、そんなサリーの想いに、ビルはぜんぜん気づかない…。
新しい家族を得て、有頂天なビル。一生懸命歴史を覚え、礼儀作法を覚え、どんどん知らない言葉を喋るようになっていくビル。
当たり前みたいに「ずっと一緒に」なんて言われても、あたしはいったいどうしたらいいの?傍にいたらいけないことだけは、わかる。だったらランベスに戻るしかない…サリーはそこしか知らないんだから。

「いちどハートを喪くしたら…」

でも、それでもサリーは幸せなのが、痛いほどわかる。
ビルはメイフェアで幸せになれるんだ、と、本当に本気で信じているから。

…痛いほど胸は苦しくても、自分は自分で、ランベスで幸せに生きていけると判っている。
だから、幸せ。ビルが幸せだから、だからあたしは、幸せ。


自分を犠牲にするという気持ちがこれっぽっちもないところが、しずくサリーの良さだったと思います。今の自分はメイフェアにふさわしくない。だから、ビルの傍にはいられない。たったそれだけの、端的な事実が見えているサリー。

端から見ていると本当にけなげで一途で。
ほんとに可愛いよお〜〜〜(*^ ^*)。




サリーが出て行くと、入れ違いにビルが戻ってくる。
マリアと共に。

二幕のマリアは、羽咲まなちゃん。りおんくんに比べるとずいぶん小柄でしたが(笑)、ヘアフォード家の歌は素晴らしかったです(*^ ^*)。

先祖さんたちも、それはそれは素晴らしかった……しかし!!
…すみません。あまりにも忙しくて、観るのに精一杯で、容量オーバーしました……(T T)。
とりあえず、本公演は全員男役さんなんですが、新公は結構娘役がいたのが面白かったです。大きさがいろいろで(笑)。しかし(都月)みあちゃんはホントに目立つな…(小さいのと、仕草に特徴があるので)。
五十鈴さんがいると思わなかった(本公演でも入っているから)のでびっくりしたんですが、あれは誰のポジションだったっけ?五十鈴さんが入るなら、りおんくんやゆりやんも入れて良かったんでは、と思うんですが、このへんは影コーラスでしたね。さすがに厚みのあるコーラスでした。

プログラムを見たのは終わった後だったんですが、台詞のある3人にちゃんと役名がついていたのにウケちゃいました(^ ^)。そうだよねー、ちゃんと名前があるのにねぇ。
3人とも、よく声を作りこんでいて良かったと思います。さすがの篁くんもちゃんと厳しい顔をしていたし(^ ^)。朝凪さん、有瀬さんはお二人とも上背があるので迫力でした。個人的に、鳳月杏ちゃんの頬のラインが祐飛さんに似ていたのがツボでした。祐飛さんのご先祖もあんな感じだったんでしょうか……。



ご先祖たちに翻弄されまくるみりおくんと、全く見えていないままにど迫力で歌いきる羽咲まなちゃんの対比が実に良かったです。
まなちゃん、以前からお芝居できる人だとは思っていましたが、さすがの貫禄ですねぇ。かっこ良かったです♪日生ではどんな役でしょうか。楽しみです♪



マリアが去った後は、男同士の本音で語ろう場面。
二幕のジョン卿は光月るうちゃん。パーチェスターはみっしょん(美翔かずき)。

るうちゃん、さすがのお芝居でした!!可愛いのに、渋い。底のない優しさと、オトナのオトコの包容力。
みりおくんの優しさとはまた違う、人生経験のある優しさを感じました。それでいてちゃんと小物感も外さない(^ ^;)。みりおくんとの芝居の相性も良かったし、なんだかいかにも「月組らしい」場面でした☆

みっしょんは、有能な弁護士というよりはヤリ手の営業マンみたい(^ ^; …パーチェスターって、本来は一幕冒頭の「お邸の弁護士」で全てのキャラクターを出して、あとはその余禄でおかしみを出すタイプの役柄なので、二幕だけやるのはすっごく難しかっただろうと思うのですが。…嵌り役だった五十鈴さんとはまた違う、みっしょんらしい可愛らしい役作りでしたね。どっしりしたキャラではなく、ちょっと刺身のツマみたいな。あれはあれで、全幕作りこんでいたら面白かったと思うのですが……
それでも、マリアが出てきたときの慌てっぷりでちゃんと笑いを取っていたのはさすが関西人(^ ^)。おとめの「好きな花」にサボテンをあげるだけありますねっ♪(・・)



呑ん兵衛たちの相談が無責任な感じにまとまったところで、マリアたちが登場。
…ぱっっ!、と逃げるパーチェスター、そろりそろりと隠れるジョン卿。お二人とも、本公演とは違うタイミングだったと思うんですが…どちらも性格がよく出ていたと思います。
そんな二人がちゃーんと視界に入っていながら、まったく無反応な羽咲マリアはとても男前でした。

連れてこられた意味がわかっていないっぽいジャスパー卿のきっしー(彩央寿音)が、とにかく間がよくてステキ。
バターズビー夫妻は、この場面だけすこーし卿(沢希理寿)の方が主導権を握っている感じ?(←先に立って歩いてくる、とか、そんな程度のことですが)
ジャッキーとジェラルドは、とにかく可愛い。二幕ジェラルドの宇月くんは、ゆりやんより少し小柄なので、ジャッキーの後をついてきた弟、みたいに見えちゃったのはいいのかなあ…と思いつつ、でも可愛かったのでOKかな、と♪



「愛が世界を回らせる」
この素晴らしいナンバー。みりおくんのビルと、るうちゃんのジョニー。可愛らしくて一生懸命でやさしい二人の、愛に満ちた場面でした。
サリーに会いたくて、今すぐ会いたくてたまらないビル。
若い二人を助けて、マリアへの愛を打ち明ける決心をしたジョニー。
愛が地球を回らせる。愛がなくちゃ生きられない。生きる意味がない!!

この可愛らしいナンバーで涙が出る自分ってどうなの?と突っ込みながら。

ぐるぐる回る世界の真ん中で、ぐでぐでと倒れこむ二人。
背中を合わせて支え合って、
「どうしてこんなにもかもぐるぐる回ってるんだろうねぇ…」
と呟くみりおくんが、可愛くて可愛くて。

ラストのオチで見せられた金時計に、一瞬全く反応しないジョニーに、そうそう、酔っ払ってる時って、反応鈍いときあるよね(^ ^)と思いつつ、

…二人とも、酔っ払いの芝居の巧さは本役以上だったよーな気がするんですけど、どゆことっ!?




夏の博多座公演「ME AND MY GIRL」のキャストが発表されました!

ビル(霧矢)&サリー(羽桜)&マリア(京)は判っていたので、他のキャストについて。
ちなみに、発表前の予想はこちら。
http://diarynote.jp/d/80646/20080523.html


ジョン卿 桐生園加
おおお、意外なキャスティング。きりやんも可愛いオジサマでしたけど、あれに輪をかけて可愛くなりそうですね(笑)。京さんマリアとは随分年齢差のあるカップルですが…。
でも、(私は観ていませんが)「ラ・エスペランサ」の新公ファビエルさんは良かったそうなので、オジサマ役も期待してしまおう!!

とりあえず、……声はなるべく低くお願いします。


ジャッキー&ジェラルド 龍真咲/明日海りお 役替り
今日から私を“予言者”と呼んでください(^ ^)
いやー、マジ実現すると思いませんでしたわ、役替り。
嬉しいです。夏の博多旅行、決定♪♪飛行機取らなくっちゃー!(←その前に、チケットは取れるのか…?)


ヘザーセット 研ルイス
楽しみですねぇ。「マジシャンの憂鬱」の執事も良かったし、期待のキャストです。台詞は少ないけど、印象的なものばかりなのであの美声で聴けるのは嬉しいな♪

そういえば。反応し損ねておりましたが、イゾラベッラ・サロンコンサート決定、おめでとうございます!!


パーチェスター 星条海斗
おめでとうございます!このキャストについては予想したときにコメントしたので、そのままで。とっても楽しみにしています!


バターズビー夫妻 良基天音&花瀬みずか
すずなとは全く持ち味が違うあーちゃん。副組長としての初仕事ですね!…ほわわんとしたかえこちゃんを、どうぞよろしくお願いいたします……(なんだかすごく浮世離れしたカップルになりそう…笑)


ジャスパー卿 朝桐紫乃
実はここがメチャクチャ楽しみだったりする(*^ ^*)。しのちゃん、がんばれ!!


ランベスキング&クィーン 麻月れんか&玲実くれあ
一年前の「ハロー!ダンシング」以来、ダンサー認定なりこちゃん。小柄だけどあの華やかな衣装に負けない存在感はある人だと思うので、楽しみです。くれあちゃんも良く似合いそうだなあ〜!


ソフィア・ブライトン 萌花ゆりあ
このキャスティングにはちょっと興奮。あの小さな頭の脇に葡萄が下がるのか……似合いそう!!声もかわいらしい人なので、あのさりげなーいトボけっぷりが早く観たい♪♪


ボブ 響れおな
新公が凄く良かったのでメチャクチャ楽しみ。芝居上手な人なので、霧矢さんと芝居で組むチャンスを逃さずに1ヶ月楽しんでほしいです。



本公演と同役なのは、85期のお姉さまトリオ(美鳳、音姫、天野)のみ。あとは全員変わるんですね。全然雰囲気違うんだろうなあ〜。
…あ。仲買人もテニスプレーヤー(男)も幻想の男も全員変わるのか。麻月、響、貴千、千海、輝城…あたりになるのかな?こちらも期待♪♪



まぁ、全ては今の東宝劇場公演をまっとうしてから、ということですけれども。
それにしても!きりやんのビル、メチャクチャ楽しみだ〜〜っっ!!!ああ、早く始まらないかなあ〜〜♪





最後に。

タイミングを外して、反応しそこねてしまった「イゾラベッラ・サロンコンサート」についてちょっとだけ。

たっちん(和音美桜)が8月、研ちゃんが9月…DSをするにはちょっと厳しい、組子の歌ウマさんのコンサート。実に実に素晴らしい企画をありがとう!!>劇団、という感じなのですが。

この流れで行くと、次は10月7日・8日で花組さん、11月4・5日で星組さん、12月2・3日で雪組さん、ですよね?
いや、それだと他の公演とかぶってしまうから無理かな?(このコンサートをやるような歌ウマの実力派上級生を遊ばせておく劇団とも思えない)…もしかして、10月は誰か専科さんかOG、11月に花組、12月に星組、来年早々に雪組、っていう計画だとか?

なんにせよ、続報が楽しみです♪そして、次こそはぜひ、私が宝塚に行けるときに開催してください…。たっちんのも研ちゃんのも、聴きたかったのに〜〜〜っ(T T)。




東宝劇場での「ME AND MY GIRL」。
本公演の前に、途中になっている新公の続きを。



パブ「ヘアフォード・アームズ」。

銃を抱いてパブへ現れるビル、満面の笑顔で迎えるサリー。
たったそれだけで、涙が出るほど切ない二人。

「あたしはランベスに帰るよ」
「駄目だ!」

という会話の切実さと迫力は、本役のお二人の方があると思うのですが、新公の二人は、とにかく胸が締め付けられるほど切なかった…(T T)。

「君が帰るんなら、僕も帰る」
「そんなこと、いけないよ…」

という会話の、甘やかな切なさ。

どうしてこんなに切ないんだろう、涙が出るんだろう…、と思っていたのですが。

かなみちゃんのサリーは、大人の女なんですね。とてもリアルに、女。恋人のことを深く理解していて、彼の幸せのために身をひくことができる、思いやり深く愛情深い、オトナの、女。
全然違うんですけれども、たとえば「ばらの騎士(=愛のソナタ)」の侯爵夫人のような、貫禄のある愛の女神のような…。

だから、かなみちゃんのサリーは哀れなんだけど、可哀相なんだけど、切なくはない。
彼女自身、自分が何をしているかを知っているから。



でも、しずくちゃんのサリーは、ものすごく“少女”だった。

学年や年齢の問題じゃないと思うんですよね。しずくちゃんもそんなに若いわけじゃないし。あくまでも、役者の持ち味の話なんですが。
しずくちゃんのサリーが“子供っぽい”っていうのともちょっと違う。単純に、かなみちゃんはいつだってリアルな“女”を演じようとするタイプで、しずくちゃんは根っからファンタジックな存在感の持ち主だ、っていう話。


「サリー」という役は、主人公が執着するだけの可愛らしさと、ジョン卿が「助けてあげたい!」と思うだけの魅力があれば良い訳で。魚市場で働きながら、小さなブティックを夢見る、ひたむきで一生懸命で、頭が良くて素直な女性、というだけの役。
別に、少女でもリアルに大人の女でも、どちらの解釈も全然問題なく成立するのですが。
(ビルが大人でも少年でもどちらもありであるように)


ただ。新公サリーがあんなにも切ないのは、“少女”だからなのではないか、と思ったんですよね。
何もわかっていない、自分が何をやっているのか、自分のやっていることの結果がどういうことか全然わかっていない。
罪作りで残酷な“少女”の一人。

かなみちゃんのサリーはひたすら魅力的で、可愛くて、でも、“切なく”はなかった。それは、彼女のサリーは自分が何をやっているのかわかっているからなんじゃないか、と。
だから、彼女は身を引かざるをえなくて哀れだけれども、「仕方ない」と思う。「仕方ない」と、サリー自身が思っている。


しずくちゃんのサリーは、“哀れ”じゃないんですよね。
憐れみをうける謂れはないんです。彼女は幸せだから。
切ないのは観ている観客だけで、サリー本人は自分がどう感じているのかさえ、真実のところは気づいていない。ビルに家族を与えてあげることができて良かった、と、そう思い込もうとしている。

自分を喪ったビルがどう思うか、は想像しているけれども、その思いの深さに気づいていない。彼に家族を与えてあげたい気持ちでいっぱいで。

あたしには家族がいるけど、彼の家族は、今まではあたしひとりだった。だけど、これからはあたしじゃない家族ができたんだ。良かった…

「彼のルーツはここにあるんだよ。ランベスにはないんだよ…」

その台詞を微笑みと共に語るサリーに……涙。



名曲「いちどハートを失くしたら」は、もちろんかなみちゃんの歌唱あってこその名曲。しずくちゃんには、いかにも荷が重いナンバーでしたが。
確かに、新公では手に汗を握りながらの場面になりましたけれども。

でも。しずくちゃん、声は細いけど声質そのものは澄んだソプラノだし、音程もそんなに悪くありません。かなみちゃんの歌を聴いていなければ、そんなに違和感なかったんじゃないか…と思うのは、前後の芝居が良かったからの贔屓目かな?
多分、二幕の「あごで受け止めて」の方がしずくちゃんにとってはハードルが高いはず。…だからこそ、の齋藤さんの親心かとは思います。が。博多座までは、まだ2ヶ月あるっ!!しずくちゃん、がんばれっ!!




ヘアフォードホールのテラス。

ヘザーセットは随分ビルよりになって、召使たちの雰囲気もだいぶ柔らかくなってきた、このタイミングでのパーティ。
この雰囲気づくりも本当に見事だなあと感心しました。ね、齋藤さん♪

役付きでは、ワーシントンワーシントン夫人(天野ほたる)の白雪さち花ちゃんが存在感があって良かったなあ♪声がいい人は本当にお得ですね。
ディス夫人(花瀬みずか)の妃乃あんじさんもしっとりと落ち着きのある美人で役にあっていたと思います。メイ(羽桜しずく)の咲希あかねちゃんは、ホントに可愛くて魅力的♪
ソフィア・ブライトン(ジャッキーズ役替り)の琴音和葉ちゃんは、お姉さんの達者さを彷彿とさせる巧さ。ぱっと目立つ美人ではないけど、いい芝居するんですよね、いつも。そういえば昔、Graphの企画で祐飛さんの相手をして「芝居の巧い子」と宣伝されていたっけなぁ(懐)。


このあたりまでは役付きを追いかけるのに精一杯で、あとはみっしょんくらいしか解りませんでした…。美女の肩をさりげなく抱いて階段を降りてくるみっしょんにときめきつつ、マリアの華やかな美しさにすっかり目を奪われておりました。
りおんくん、ほんっとーに美人だなーっ!!

ああ、もう一回(と言わず10回でも20回でも)観たかった……。早くCSでやらないかなあ(T T)。



乱入してくるランベスメンバー。

ランベスキング&クイーンの瑞羽奏都くん、玲実くれあちゃんのコンビは、華やかで衣装負けしない、いいコンビでした。本公演もそうなんですけど、これだけのダンサーを揃えているんだから、もう少ししっかり踊らせてほしいなー。

ランベス・ウォークの始まり、ビルに帽子を(頭ごと)差し出す研ちゃんポジは、鼓さん。満面の笑顔がすごく可愛い。帽子を取られた後、さりげなく懐からベレー帽を出して被る仕草がかっこいいです。やっぱり楠恵華さんに似てる気が…小芝居キングなところも含めて。
響くん、宇月くんあたりも賑やかに踊りまくっていましたが、残念ながらあまり余裕がなく(涙)。観たい人が多すぎて、あちこち目が泳いでしまって細かいところはあまり覚えていません(T T)。


あ。
ランベスメンバーを先に書いてしまって、ナンバーに入る前のビルとサリー、マリアの芝居を書いてませんでしたね(^ ^;ゞ

すでにビルを“家族”として受け入れている、マリア。

サリーとマリア、両方を“家族”にしたい、ビル。

そして、ビルに“ホントウの家族”を与えてあげたいと願う、サリー。

この3人の会話のすれ違いの、切ないこと…!


「ランベス・ウォーク」が始まってからも、しばらくビルに背を向けて、俯いているサリー。
そんなサリーを見て、一瞬笑顔を消すビル。

華やかに明るい、最高にゴキゲンなミュージカルナンバーの真ん中で。
丸めた背筋を伸ばし、笑顔を取り戻して踊りだすサリーと、そんなサリーを見て心底嬉しそうなビルと。

そんな二人をみているだけで、
胸が締め付けられるように苦しくて。

涙が止まらなくて。


ランベス・ウォークは、泣けるナンバーだったんですね…(T T)。
ただただ、観ているだけで幸せで、幸せすぎて、涙が溢れる。

仕事の疲れもストレスも、何もかも洗い流してくれた、ピュアなな涙。



この公演を観ることができて、本当に良かった。
ありがとう。心から、ありがとう。

齋藤さんと出演者全員に、心からの感謝を。



すいません…幕間のミニショーからは次回に…。

市川文化会館の、雪組全国ツアー公演「ミロワール」。

すごくどうでもいいことなんですが。
どうして全国ツアーとかバウ公演のプログラムって右綴じなんですか?

いや、むしろ逆か。どうして大劇場・東宝公演のプログラムは左綴じなんでしょう?宝塚って香盤がはっきりしていて、それは普通右手(上手)が上位になるものなんじゃないの?左綴じだと左上位になっちゃうんですけど…いいの?
まぁ、ジェンヌの名前を横書きにするなら、左綴じの方が見やすいなぁ、と全ツのプログラムを見ながら思うわけですけれども…いや、特に拘りはないんですが、同じ『宝塚歌劇団』なのにどうして劇場によって違うのかなー?ってふと疑問に思ったんですよね。

もし理由をご存知の方がいらっしゃいましたら教えてくださいm(_ _)m。



てなわけで。
まずは、中詰め。

となみちゃんが登場して、スキャットで歌いながら踊りだす。
周りを取り囲む男たち…。
黒シャツのメンバーには大凪くんが入って、ユミコ・キム・真波・大凪。茶色メンバーにはらぎちゃん筆頭に(…最上級生か…溜息)キレイどころ。

ここは結構、ケロさんに、じゃないや祐輝千寿さんに釘付けでした。ハロダンのときから似てる似てると思ってましたけど、マジでそっくり!ダンスが色っぽいところも似てるかも。っていうか、この人研いくつなんだ?まだ新公学年ですよね…?びっくり。

水くん登場。
茶色メンバーがはけて白雪姫(彩那音)とシンデレラ(大湖せしる)が参加してのダンスシーン。ここ好きなんです。ひろみちゃんもせしるも、女役メークの名残を気づかせない色っぽさ。…結構な早替わりの筈なのに、ちゃんと化粧も直しているの?それとも、ふつーに男役化粧であんな美女になっちゃうの…?妖怪め……。
一通り踊って、男たちと入れ替わりにお姉さまたちが水さんを囲む。いやぁ、いいですねぇ。色気のあるいい男に群がる(←失礼な)いい女たち♪

で、次がキムちゃんとひろみちゃんの「Sing-Sing-Sing」。
ダルマのお姉さまが最高です。っていうか、個人的に花帆杏奈ちゃんのスタイルが大好きなので、彼女に見惚れてしまってかぐやちゃんもじんじんもチラっとしか見なかった…愛加あゆちゃんにいたっては全く記憶にないよ(涙)。
……やっぱり予習って大事ですねぇ(T T)

で、「Night And Day」。
本公演では盆を使っての鮮やかな演出だったこの一連の転換も、全国ツアーでは人間が走るしかない(^ ^)。だけど、案外キレイに場面がつながっていたと思います。
ハマコさんたちが朗々と歌っていた「Night And Day」は、キングとかおりちゃん。かおりちゃん、単独で目立つ見せ場は芝居ショー通してここだけだったような気がするのですが。…でも、もしかして少し痩せましたか?衣装のせいかな?すごくキレイでした。スタイルさえ保ってくだされば風花舞嬢によく似た美貌の持ち主なんだから、もうちょっとなんとか…と思うんですけどねぇ(涙)。

トップコンビのデュエットは、本公演と同じくユミコさんのソロ。このデュエット大好きです!お似合いのトップコンビですよね、雪組さん。いいなあ〜。

皆が戻ってきて、華やかにキメると。

一瞬の空白ののち。
下手の花道に、“アクアの男”が登場。

ここのユミコさんのソロ、ホントに絶品なんですよねぇ。うっとり(*^ ^*)。
ユミコさんの声って、弦楽器だなあと思うことがあります。それも、弓で弾くタイプじゃなくて、ハープみたいな開放弦の楽器。あるいは、グラスハープとか、そういうもの。いくつもの音が重なり合い、共鳴しあって響きあう…たった一人で歌っていても、なぜかそういう空気がある。

不思議な声です。

“全てを包み込み、飲み込む水の声”的な今回のソロは、本当にぴったりだなぁと思いました。

…あれで、キャリエールの銀橋ソロみたいなのは意外と振るわなかったりするから、歌っていうのは判らないものなんですけどね……。

この場面、本公演でも1番好きな場面の一つだったので、今回らぎちゃんが参加してくれてとても嬉しいです。平澤さんの振付、好きなんですよ〜〜!!フォーメーション重視の振付なので、大人数をさばかなくてはならない宝塚作品には向いているんじゃないかな、と。
とにかく全体のカタチがキレイで、二階センターから観たのは大正解でした。幸せ!!


全員参加の場面が終了して、上手から銀橋に出てくるキムちゃん。カチッと音がしそうな鮮やかさで空気を変えて、ゴスペラーズ提供のアップテンポのナンバーを、軽やかに歌いながら舞台を渡ります。
こういうノリノリの曲で客席をノセながらの銀橋ソロ(←銀橋ないけど)を渡るのって、キムちゃんはお得意な感じがする。半年前の「Joyfull2」の時も、ジャズシーンの立ち上がりをきっちりこなしていたし。今回も、結構長いナンバーなのに余裕で場をもたせられるのがさすがです♪

幕があがって、ロケットセンターはとなみちゃん。いやー可愛い!!ロケッツは、お姉さまからお嬢さんまで、娘役ほぼ全員(+下級生男役)参加。いやー、あのロケッツの衣装、というか被り物は、丸顔の方が似合うような気がしました。となみちゃん、衣装はよく似合っていたからいいけど、被り物は皆と同じものでよかったような気がします。絶対似合っただろーに。
苺なシナちゃんの可愛らしさに悶えました。被り物が大変よく似合っていた笑顔の濃い目な男役さんは、彩凪くんかな?このプログラムの写真だとよくわからないわ…。

待ってました!の黒燕尾は、やっぱ小階段だと迫力足りませんけど、雪組さんの黒燕尾群舞の揃い様は素晴らしいですね。カウントのタイミングと腕や脚の角度がキチっと合っていて、実に美しい。ずっと観ていたい気持ちになります。
この後のトップコンビデュエットも好きだー!


フィナーレは、「らぎちゃんは下手だよ」という友人からの情報をいただいていたので、階段降りのメンバーも、下手をずーっと見ていました。

…そしたら。

あれ?誰だこの歌?私、絶対コノ声知ってるよね?誰?

そう思って、ふとセンターを見ると。

……らぎちゃんが、せしると二人でセンターで歌いながら降りてきてる!!


驚愕。


よ、よ、よかった気がついて……真顔で見落とすところだったよ……。


……そんな動揺のおかげで、ひろみちゃんの満面笑顔の階段降りを半分しか観られなかったことが、私の最大の心残りです(T T)。

わざわざ「らぎちゃん、パレードの歌手だよ」って速報くれた友よ。パレードの歌手=センター降りという常識に気づかなかった猫を許してm(_ _)m。次からもよろしくねっ(はぁと)




「凍てついた明日」Aチームもミーマイも書き終わってないのに、「ルドルフ」だの「HYMSS」だの「Calli」だのはまだ書き始めてさえいないのに、ベルばらで引っ張る自分はどうかと思う。

思いつつ、止められず。

すいません、もう少しお付き合いくださいませ。



まずは「外伝・ベルサイユのばら〜ジェローデル編」について、昨日書き忘れたこと。

音楽が一新されていましたが、どれも良かったです。
吉田優子さん、がんばりました!場面にあっていて、テンポもよく…構成力ありますね。
特に、フェルゼンの歌う二曲目が好きです。ユミコさんの歌唱力、特にバラードで威力を発揮するあの美声で、ホントに心を持っていかれる名唱でした。

ただ。アントワネット様への愛を切々と表明した銀橋ソロ(銀橋ナイけど)の後、幕があがるとそこにアントワネット様がいらっしゃる演出には、ちょっと笑いましたけど。(←違うってば。となみちゃん今回はアントワネット様じゃなくてソフィアなんだってば!)


あと、主題歌?の「それが二人の愛のカタチ」のリフレインも好きでした。ベタな曲ですけど、耳に残るいい曲ですよね。
ソフィアのソロもいい曲でした。


あと、意外にいいじゃん、と感心したのは、プロローグのナンバー。あれも新曲ですよね?(あまりベルばら観ていないので、よくわからない)耳障りのいいキレイな曲で、可愛い小公子・小公女たちがとてもキュートでした。
ってゆーか、ぶっちゃけ小公子センターの二人(上手ひろみちゃん、下手らぎちゃん)しか観ていないので、全員が可愛かったかどうかはコメントできませんけど。…あ、かおりちゃんと杏奈ちゃんだけちらっと見ました。超可愛かった!!むしろ、オスカルに備えて一人だけ白塗りで紳士をやっていたキムちゃんが、ちょっとだけ怖かった……。



一樹さんに率いられて、ソフィアの居る修道院に踏み込んでくる兵士たちに、85期男役が二人とも入っているのは反則だと思います。そりゃー嬉しいですけど…あんな暗くて、帽子被ってるから顔も見えないし……あやうく見逃すところでした(涙)。
パンフレットは事前に確認しましょう>自分。



大舞踏会で、“貴族の男”に扮するひろみちゃんとらぎちゃん。
終始上手で、二人仲良くあれこれお芝居しているんですが。実に実に可愛いんですけど、どうなんですかアレは。
ギーヌ伯令嬢(天勢いづる)に最初のメヌエットを申し込むオスカルに、ギーヌ伯令嬢の向こう側から自信満々で手を差し伸べてダンスに誘っているつもり満々なひろみちゃんが、涙が出るほどかっこいいです。そして、その3人を見比べながら目を白黒(ホントにやってたんです!)させているらぎちゃんが、涙が出るほど可愛かったです…(←駄目だこりゃ)



なんだか他にもあったような気がしますが…、“ちょっと”のつもりで長くなりすぎたので、このあたりでショー「ミロワール」に。


オープニングはいいとして。

ハートダンス、ユミコさんの歌はやっぱりサイコー!です。嬉しさと照れくささ、そしてユミコさんらしい優しさが滲み出ていて、ほんわかするんですよね。

そしてキムちゃんとの合わせ鏡ダンス。ここ、表情豊かなキムちゃんが顔を見せているので、すごく可愛い。そして、背中姿のユミコさんが男前。
スタイルがだいぶ違う割に、よく合ってますよねー、ダンス。

上手袖から続いて出てくる、ひろみちゃん以下のメンバー。
ひろみちゃんの全開の笑顔にかなりドキュンと撃たれました(^ ^)。
必死でキザっているキングが可愛い(はぁと)。

娘役さんたちも可愛かったんですが、ユミコさんと組んでたのが愛加あゆちゃん、キムちゃんと組んでたのが沙月愛奈ちゃん、ひろみちゃんと組んでいたのがじんじん、であってますか?
穂月はるなちゃんは衣咲真音くん、かおりちゃんはせしる、笙乃茅菜ちゃんはキングと組んでた…と思うのですが、違ったかな。はるなちゃんとかおりちゃんがちょっと自信ない。茅菜ちゃんは、相変わらず表情豊かで、上手端で踊っていても目立ちますね♪


次は、メデューサ。
らぎちゃんがトップ3人に入ったというので、始まる前から凄く緊張していたのですが。(手に汗握りましたわ…)
いや、よく踊れていたのでは。がんばってたし(贔屓目ですみません…本人比です)。

ちょっとキツ目のメークがめちゃめちゃキレイなのと、腕や脚が長いのは強みですね。役が役なので、表情はもう少し抑え目でもいいのかも。

キタロウの位置に入ったそらちゃんはとにかくカッコイイ。らぎちゃんがちゃんとはけてくれるので、水さんとのダンスを堪能できました♪良かった♪
それにしても忙しい場面だなー。娘役さんたちもみんなすごいカッコイイし。…本公演でも超忙しかったので、らぎちゃんが入ったのはある意味ショックです。いや、だって、本公演では基本的には水くんを観てたんですよ、私。すっげーカッコイイ〜っ!って。なのに、水くん観てるひま、ないし!!(←観てますけど)

で。
皆が石に変わった後に出てくるとなみちゃんの、空気を変える力にいつも感心します。確かに音楽も照明も変わるんだけど、それだけじゃない、惹き付ける魅力。水くんのメデューサが、一発で恋に落ちるのもよくわかる、魅力。

物語が悲しい結末を迎えると。



待ってました!白雪姫の登場です。

本公演でも嵌りまくったひろみちゃんの白雪姫は、さらにパワーアップして再登場!なのはいいんですが。

シンデレラ。

大湖せしるに、乾杯!!
って思いました。

美しい。
キッツい。
なんだコイツ、すっげー女だな!

…でも、ため息が出るほど美しい。

全身で白雪姫を罵り、卑下するシンデレラの強烈さ。パッショネート。
お綺麗で嫌味な感じだったかなめちゃんのシンデレラとは、全然違いました。

せしる、ブラボー!!


でも。

鏡の精のみなさん。

「サーカスの花形、マルキーズ」は良かったけど。

あの脚を丸出しにした真っ赤衣装を着こなした美女を「フェルゼンの妹、ソフィア」は無いだろう……?



お、終わらなかった……(ショック)
続きは、後日。




市川文化会館にて、雪組全国ツアー公演「ミロワール」を観劇してまいりました。



…え?ああ、はい、そういえば、「ミロワール」の前に1時間半ほど、実にオモロなコメディをやってましたね(*^ ^*)。思い出しました思い出しました。
はい、仰るとおり、正式な公演名は、「外伝・ベルサイユのばら〜ジェローデル編/ミロワール」です。これでよろしいでしょうか…?



…もとい。

「ストーリー」ということを全く考えなければ、あれはあれで面白い作品なのかも、と思いました。原作を知っていて、あとナポレオンの名前を知っていれば(原作にも砲兵時代のボナパルトがちらっと出てくる)、あとはなんとか推測できるでしょうし。
原作なんて全く知らない、ジェローデルって誰?という方には、宝塚の必殺技!「ショーだと思って観て」が通用するはず。だって、舞台面すごくきれいだから。

ま、一つだけ指摘するならば。
とりあえず、アンドレは出しとけ、な?>植田さん

どうしても全編書き直すのはイヤだというなら、一つだけ。アンドレを出して、平民議員たちが議場に立て篭もった場面で、オスカルが駆け込んできたときに一緒に来させるだけでだいぶ違うと思うんです。「オスカルには、自分よりもさらに影から愛を捧げているアンドレという男が、すぐ隣にいる。私は彼には敵わない…」と気づくことが絶対必要。それでこそ、「私の恋も」になるんですから。

あの場面、原作を知っている人なら「アンドレがいねーよ」と思って笑うだけですけど、原作知らない人だったら、ロベスピエールがオスカルの恋人で、オスカルは恋人を救いにきたんだと思っちゃうんじゃないか…?
そうとでも思わないと、あの台詞には納得できないと思うのですが…。っつか、原作ファン的には「身を引きましょう!」がほしかったなあ…。



他にもたくさん矛盾点はありますが、まともな話にするための試みはいろんなところでなされているようですので、ここでは割愛。



とりあえず、ひろみ(彩那音)ちゃんのロベスピエールがあまりにも素敵で、びっくりしました!!声がいい。あの歌、革命歌みたいな歌が素晴らしかった。ルキーニ以来、歌については聴く度に「おおっ巧くなった!」と思ってきましたが、今回は本当にびっくり!低音が響きますねぇ…(*^ ^*)。豊かで幅のある、物語性のある声。いつの間にあんなステキな声を手に入れていたのでしょうか…!

そして、(真波)そらちゃんの格好良さには圧倒されました。短いとはいえソロがあったのは、にわにわの代役かな…?ショーも含めて、ひろみちゃんの次はそらちゃんって感じでしたね、今回(笑)。いっそのこと、アクア5の5人目、そらちゃんでよかったのでは、と思いましたが…。



水さんはステキだったし、となみちゃんは美しくて包容力があったし、ユミコさんの歌は素晴らしかったし、キムちゃんのオスカルは小生意気だけど可愛い女の子だったし…キャストには全く不満はありません。
残念だったのは、100%脚本、ってことで。



で。

ぶっちゃけ、ミロワールは素晴らしかったです。
芝居無しで、ミロワールだけ2回繰り返し上演とかだったら(←なんだそりゃ)、何回でも通いたいです。人数が少ないのは全然気にならなかったし、役替りもみなさんよくがんばってらっしゃいました。

……某柊巴さんのファン的には、出番が本公演の倍以上ある、というわけで幸せの極みでした(死)。やっぱ寂しかったんだなあ、本公演…。ひろみちゃん大活躍で、作品としては好きだったし、“踊れないから仕方が無いよね…”と理性ではわかっていても。でも、やっぱり本当に心から寂しかったんだよ…(T T)。

ただの「好きな人」は、“見つけると幸せになれる”ので、とにかく出ていてくれさえすれば嬉しい(プラス)けど、
それが「贔屓」に近づくにつれて“出てなくて寂しい”(マイナス)と思うようになる…ものだ、と言っていいのでしょうか。…私だけ?
ま、今の一番ご贔屓さんについては、“似合う場面だけがっつり出てくれればいいよ。無理しないでくれ”と思うようになっているんですが(^ ^;ゞ、らぎちゃんはまだ、そこまで割り切れてないらしい(涙)。



…と、すみませんちょっと吹っ飛びましたが。

とりあえず、オープニングの金ぴかを観て、歌劇の「ドレスは金!」を思い出して吹いたのは内緒ってことで…


ショーの詳細を書き始めたら終わらなくなったので、とりあえず今日は以上で。
…なんかいろいろ書きたいことが溜まってきたなあ………(^ ^;ゞ



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