今週は仕事でバタバタしておりまして、ずいぶん間があいてしまいました。すみません。
(誰も待ってない?…そんなホントのコトを涙)
宙バウの配役が発表されたり(天輝トニカちゃん、大劇場で待っています!!)、オリンピックが盛り上がってきたりしていますが、とりあえず、中日劇場にいく前に落穂ひろいを終わらせておきたいと思います。……もう少し、お付き合いくださいませ。





青山劇場にて、「ウーマン・イン・ホワイト」を観劇しました……一ヶ月ほど前に。

二年前の上演時の日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/m/200711240059480000/


思い出してみれば、あのときも「ウーマン・イン・ホワイト」と「蜘蛛女のキス」は、なにげにセットだったんですねぇ。偶然なのかしら。

そして。
感想も「蜘蛛女のキス」とよく似てる、かも。
やっぱり音楽が良いし脚本が良いし、前回から引き続きのメインキャストは皆さん素晴らしいし、変わったキャストはそれぞれに良い味を出しているし。

どっちも、ホントにすごく良いカンパニーでした(*^ ^*)。




キャストは大幅に変更されていて、メインキャストで継続だったのは、主役・マリアンの笹本玲奈と、マリアンローラの父の弟(ローラの叔父)で二人の後見役の光枝明彦のみ、でした。
変更キャストは……
マリアンの異父妹で、父親の遺産を相続した資産家の美少女・ローラが神田沙也加⇒大和田美帆。
姉妹が恋する貧乏な(下層階級の)美術教師・ウォルターを別所哲也⇒田代万里生。
ローラの許嫁・グライド卿を石川禅⇒パク・トンハ。
グライド卿の友人、エピキュリアンなイタリア男・フォスコ伯爵を上條恒彦⇒岡幸二郎。
そして、白い服を着た謎の女、アン・キャスリックを、山本カナコ⇒和音美桜。



いや、面白かったです。

一番印象的だったのは、上條さんから岡さんに変わったフォスコ伯爵かな。
というか、そもそもフォスコ伯爵ってものすごく印象に残る役なので、それが全くの別人になったことで、ずいぶん作品のイメージが変わったな、と思いました。
前回観たときは、『もうこの作品は、上條さんが主役でいいよ!』…と思ったりしたのですが、キャストが変わった今回は、違う意味で同じことを思いました(^ ^)。いやー、フォスコ伯爵って本当に良い役なんですねぇ。

上條さんだと、どうしても年齢的に「初老の男」になるので、ああいう行動を見ていると「色ボケ!」という気がしてしまうのですが(汗)、岡さんだとマリアンたちと同世代……は言いすぎにしても、まあ相手をしてもおかしくない感じはするので。いろんな行動が自然なんですよね。
マリアンに興味を持つ過程も、屋敷に訪ねてきたマリアンをモノにしようとする場面(you can get away with anything)も、すごくテンポが良くて面白かったです。
まあ、岡さんは残念ながらそういう意味での色気のない人なので、夢中になってしまった上條さんのような可愛らしさや、「あ~あ、オジサンったら騙されちゃって…」みたいな見えかたは無かったのですが。その代わりに、彼にあるのは『冷静な観察者』としての存在感、ですね。マリアンが一生懸命チャンスを狙ってアレコレするのを、一歩離れたところで面白がっているような、そんな空気を感じました。

マリアンに髭を嫌がられて、ちょっとしょんぼりしながら剃るために席を外した、後。
ヤル気満々で戻ってきてみたら、マリアンが書類を掴んで立ち尽くしていた……その、場面。
上條さんの、何とも言えず残念そうな、「まったく、貴女ときたら……」という声が聞こえてきそうな芝居がすごく好きだったのですが、岡さんの「まーったく、何か企んでいると思ったら案の定……」という、ちょっと蔑んだような冷たい態度も、なかなかにツボでした。
作品的には、やはり年代的に岡さんの方が役にはあっていたような気がしますが、二人のフォスコ伯爵を観ることができて、とても楽しかったです。



大きく印象が変わったのは、ぐっと若く、真直ぐになった田代さんのウォルターですね。
私は別所さんのバルジャンはすごく好きだったんですが、こういう普通の二枚目役、若くてハンサムなテノール向きの役はイマイチ似合わないんですよね…(涙)それでも、他の作品…たとえば「ユーリンタウン」の主人公みたいな、ああいう役に比べれば、ウォルターは元々マリアンやローラの“先生”なので、彼女たちより一世代上で大丈夫だし、頼りがいのある誠実で不器用な男、という設定なのでそこまでの違和感は無かったのですが、今回田代さんのウォルターを観て、やっぱりあれは違っていたんだな、と思いました(^ ^;ゞ。
ウォルターには、若さゆえの『無力さ』と『無鉄砲さ』が必要なんだな、と思ったのです。
彼は労働者階級で、喪うものなど何もない、“持たざる者”なのですから。ジェントルメン階級のマリアンとローラ、労働者階級のウォルター。ウォルターはそれでも食事をマリアンたちと一緒にとることを赦されますが、本質的には『ジェントルメン』ではない、とみなされているわけですから。
そういう“持たざるも者”の、“持てる者”へ向ける憧憬や焦燥、そういった感情が、別所さんには全く無かった。落ち着いた大人の男でした。でも、決して芝居が巧いわけではないはずの田代さんには、そういう“焦り”があったんですよね。
ローラに対しても、真直ぐに愛を表現するのではなく、後ろめたくて一直線に駆け寄るわけにはいかない、という空気を感じさせたところが良かったのだと思います。それがあるから、ローラも駆け落ちとかそういうのを考えることができないわけで。唯々諾々と姉の言うままに嫁ぎ、決定的な傷を負わされるまで気がつかない。


そして、パーシヴァル卿のパク・トンハ。
なんせ初演は石川禅ちゃんだったわけで、現役エポニーヌな玲奈ちゃんと現役バルジャン&ジャヴェールな別所&石川のコンビっていうのは物凄い違和感だったんだな、と、今回観てあらためて思いました。やっぱり、マリアンがエポニーヌならウォルターとパーシヴァル卿はマリウス&アンジョルラスクラスでないと、ね(^ ^)。
マッチョな見た目と頑固な雰囲気は、エピキュリアンなフォスコ伯爵の仲間というよりは、厳格な軍人家庭みたいなものの方がイメージかな、とも思いましたけれども、二幕ラストの光枝さんを脅しつけてサインをさせようとする場面の小物っぷりとか、的確に役の人物を表現していたような気がします。あと、「エリザベート」のルドルフでデビューしているだけあって、さりげなく貴族に見えるところはさすがでした。ウォルターに対する態度の傲慢さとか、マリアンやローラをさりげなく下に見ているところとか、パーシヴァル卿>マリアン・ローラ>ウォルターという身分の差がよく見えて、話がわかりやすくなっていたかな、と。


ローラの大和田さんは、それなりに歌えていたのでホッとしました。
ソロもデュエットも聴きやすかったし、芝居も無難で、良かったんじゃないかなあ。ただ、玲奈ちゃんが最近急激に綺麗になってきているので、ウォルターがどうしてマリアンじゃダメだったんだろう?と思ってしまいましたが。神田さやかちゃんは、歌はアレでも、やっぱり可愛かったもんな。
……いや、大和田さんも可愛いんですけどね。玲奈ちゃんが、一幕前半はもう少し地味に(衣装とか、髪型とか、お化粧とか)する必要があるのかもしれません。



アン・キャスリックのたっちん(和音美桜)。
いやー、可愛かった!初演の山本さんのあの線の細さとヒステリックな声質が役にすごく合っていたので、どうなるかなあと思っていたのですが、さすがたっちん。演技力は半端ないですね。
初演より実在感のある演技で、玲奈ちゃんと対等にやりあっていたのがさすがでした。ヒロイン経験っていうのはこういうところでも役に立つんだなあ。
一つだけ改良点を挙げるなら、物語のラスト、駅のセットの上に立って笑顔でマリアンたちを見守っている場面だけは、幽霊メークじゃなくて普通のメークでよかったと思う。
結構長い時間、笑顔で目立つ所に立っていて、照明も当たっている場面なのに、目元のクマとか頬のコケた影とかが強すぎて、怖かった……(T T)。



最後に。
マリアン・ハルカムの笹本玲奈。
初演時にこの役でいくつかの賞を獲り、女優として大きく躍進した玲奈ちゃん。あの後もいろんんな役を経て、大きく成長しての再演。
……すごく良かったです。名実ともに、主演女優でした。物語を立ち上げ、支え、そして幕を降ろす……その一番難しい所を、ちゃんと責任を持ってやっているように見えました。

ホントに、いい女優になったなあ(*^ ^*)。




今回は、歌や芝居の基本的な技術にハテナがつく人がいなかったので、とても気持ちよく観ることができました。ちあきしんさんが歌唱指導のみで出演されなかったのがとても残念ですが、ソンちゃん(秋園美緒)がいたり、レ・ミゼラブル組が何人もいたり、アンサンブル観てるだけでも楽しかったです。
やっぱりこの作品、音楽がいい!!玲奈ちゃんの「All For LAURA」、また聴きたいです。良い作品は何度でも再演してほしい。





そして。ロイド=ウェッバー作品が劇団四季以外で上演されるたびに思うことを、ことだまとして書かせていただきたいと思います。

【祈】「サンセット・ブールバード」の、四季以外での上演が実現しますように!!【祈】


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突然ですが。

私にとって、『もっとも回数を観た大劇場公演』は、長いこと月組の「螺旋のオルフェ/ノバ・ボサ・ノバ」でした。
大劇場に三回遠征して、二桁観劇した初めての公演。
東京だけなら「黒い瞳」の方が多いはずなのですが、大劇場と合わせてだとこっちの方が多かったはず。


そんな、ファンになりたてのころの、思い出の公演。


それでも、この頃の私は、一番のご贔屓さんが卒業した直後の新人公演を観るという頭が無くて。
せっかくのきりやんのソールを、観ようという努力さえしなかったんだなあ……あああ、なんて勿体無いことを(今更)。







きりやんのお披露目記念で流れていた「ノバ・ボサ・ノバ」新人公演映像を、やっと観ました。
録画はしていたんですが、ずっと暇がなくて。(いや、今日も暇だったわけでは決して無いんですが)


ひさしぶりに昔の月組を観て、懐かしさにほろりとしつつ、

……あああ、生で観たかったなあ……、と思ったりして。




なんだか、ものすごく感慨深いメンバーですよね。

エストレーラがあーちゃん(花瀬みずか)、
メール婦人がナホちゃん(越乃リュウ)。

ラストの、砂浜での別れの場面を観ながら、なんだか奇妙な既視感にとらわれました。
ソールとエストレーラ、そしてメール夫人という、(ほぼ)三人だけの場面。



ナホちゃんとあーちゃんのお二人が、今でもきりやんの傍にいてくれていることが、とても嬉しいです。



でも。
……それ以外は、もうほとんど誰もいないんですねぇ。
なるみんも、カオルちゃんも、あゆらさんも、末子姐も、タニちゃんも、三恵ちゃんも、千佳ちゃんも、葉月ちゃんも。
役がついている中では、かろうじてみっちゃんが宙組にいるくらい(←研2にしてボールソ役だったことに驚愕しました……凄いんだなみっちゃんって)(←今頃気づいたんかい)。


そりゃあ、そうか。「ノバ・ボサ・ノバ」は85期の初舞台公演ですものね(T T)。もりえちゃんとか、みっぽーとか、さすがにどこにいるのか良く判らない。ドアボーイの礼音くんがかろうじて、って感じですものね。
もちろん、ガチャとか研ちゃんとか、そこかしこで踊ってはいるのですが。まだ役がつくような学年じゃないんだなあ…。




それにしても、ホントに懐かしい。
このあたりの期は、みんな大好きだったんですよね……。
カオルちゃん(大樹槙)のオトコマエな挨拶もカッコいいし、
白い顔できりやんの隣に立っているナホちゃんの、何か不安げな表情が可愛らしい。



そして。
そんなことどうでも良くなってしまうほどに、ソールなきりやんが素敵すぎて、惚れてしまいますね。
なんて真直ぐに、眩いほどに輝いているんでしょうか。

若さに溢れて、健康で、元気で、キラキラしてて。



もう、十年も前の、幻のようなひととき。




ああ、早く中日に行きたいです……。(そっちか)

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今日のCSニュース総集編で、やっと「カサブランカ」の千秋楽映像を観ました。
萬さんがまるで主役のように(^ ^)たくさん映っていたのがとても嬉しいです。そして、「As Time Goes By」で、萬さんの歌から祐飛さんの歌につなぐ編集はお見事でした!私的に、永久保存版になりました(^ ^)。


でも。
……フィナーレのムーア人で、胸に花をつけて踊っていた舞生ちゃんのことも、一瞬くらい映してくれてもいいと思うんだけど(泣)。今までは、相当な下級生でも千秋楽映像では一瞬抜きがあったと思うのに。研4で卒業するってことは、こういうことなんですかねぇ……。





で。
しばらく、「カサブランカ」公演中に観た作品の落穂ひろいをしていきたいと思います。
まずは、花組公演「相棒」。


……この作品については、何といっても私はドラマを観ていないので、ドラマファンの皆様の熱いコメントのようにはとてもいかないのですが……
ドラマを知らなくても十分に楽しめる、とても素敵な公演でした(*^ ^*)。



まー、そうは言っても、たぶんドラマファンの皆様の半分くらいしか満喫していないんだろうなあ……と思いますが。
近くの席の方が、誰かが出てくるたびに大興奮してきゃいきゃいしていたのがとても羨ましかったので(^ ^)。
作品的には、というか、ネタ的にはどうなの?という感じはありましたが……どうやらそういう意味でも「逆転裁判」と同じようなものなんだろうな、と思いました(^ ^)。

いや、まあ、あの、ネタ的なダメさ加減は「逆転裁判」の方が上だったし、物語としての突拍子のなさは「相棒」の方が無理があったんですが。なんていうか、臓器移植と宗教という、非常に扱いの難しい問題を二個もいっぺんに放り込まなくてもいいと思うんだよね。しかも、そのどっちも実際に起こる事件とはあまり関係ないところが石田さんのダメダメなところだと思う。語りたい話をストーリーと無関係に無理矢理持ち込むから、ワケがわからなくなってしまうんですよ。
だから、石田さんには語りたい話だけをやらせておけ、って思うんですよねぇ。今回だって、臓器移植の話をしたいんだったらそっちに集中すればいいと思うんですよね。なにがどうなって新興宗教が出てきたのか、私にはよく判りませんでした……(T T)。



でも。
石田さんがプログラムで「小説、映画、劇画、韓流ドラマ、そしてゲームと様々なジャンルを『宝塚化』するのが100周年にむけての使命」ということを書いていらっしゃいますが。
宝塚はやっぱり唯一無二の宝塚なのであって、小説や劇画の二番煎じにはなってほしくないけれども、新しい風というのは常に必要なもので、「逆転裁判」も「カサブランカ」も「相棒」も、なくてはならない風だったんだろうな、と思います。
実際、どれも面白かったし(^ ^)。

こういった試みによって新しいファンが掴めたのかどうかは判りませんが、宝塚を観に来るきっかけの一つになれば、と思いますし、良い試みだと思っています(*^ ^*)。版権とかイメージとか、色々問題はあるでしょうけれども。どうぞこれからも、良いネタを探してがんばってくださいませ。




杉下右京の真飛聖。
水谷さんの喋り方を知らないのでアレですが、まとぶんの声のバリエーションとお茶目な雰囲気があんなに生きる役もないのではないか、と思いました♪
べったり撫で付けた髪が素敵です(^ ^)。



神戸尊の壮一帆。
壮ちゃん、なんだかホントに似合ってました!
雪組時代は「良い人」しかできないタイプかと思っていたのですが、花組に来て、本質はそっちじゃなかったことを知りました(^ ^)。「アデュー・マルセイユ」までは「悪い人」は全部ダメだったのに、「メランコリックジゴロ」くらいから突然豹変した印象があって、真飛さんとの舞台上での相性が良いのかな、と思いました。

クールで裏のある二枚目タイプなのに、結構右京さんに振り回されて可愛くなってる。そういうのがすごく似合いますね♪ 最後に「相棒?」って言って微笑みあうところが、すごく好きです。
ああいう、実は素直なのに表面だけ突っ張って素直じゃないっていう役がとっても似合う、と、思う(^ ^)。



パリス・エヴァンズの桜乃彩音。
思いのほか似合ってました。「相棒」世界にハマらない感じ、どこか浮いた感じが良かった、と、思う。前半は崩れた色気があって役にあっていたし、後半、というかラストの一花ちゃんとの会話の可愛らしさは、これが彼女の本質なのかな、と思いましたね。
卒業前に似合う役に当たって、良かったねと思いました♪



内村完爾の星原美紗緒。
頑固で視野の狭い部長。星原さんってこういう『可愛いオヤジ』的な役がめっちゃ似合うなあ、と思いました。相変わらず石田さんのキャスティングは冴えてるわ。(←単に猫と石田さんの感性が似ているだけなんでは……?)
竹刀を振り回すしか能のない頑固っぷりがすごく可愛かったです。憎むべき人が出てこないドラマの中で、キャラ勝ちしているなと思いました。


小野田公顕の夏美よう。
掴みどころのない官房室長。いい味だしてましたね。ニュースで流れた挨拶も、小野田さん口調でやっていてすごく面白かったし♪(小野田さんなのに噛んでいたところはご愛嬌☆)


三浦信輔の眉月凰。
捜査一課の巡査部長。背広姿が普通に決まりすぎていて、あまり目立たなかったような気が……。タカラヅカって不思議なところだなあ。あんなにきれいなのに(汗)


教祖(女)の絵莉千晶。
存在感があってさすがでした。……物語的には、かなり意味不明な存在でしたが(^ ^;ゞ
あまりにも意味不明すぎて、「石田さん、久々にやっちゃったな…」と思いましたが、でも、石田さん的には全面的に彼女を信頼しての役付けなんだろうな、と思ったりもしました。


ノーマン・エヴァンズの愛音羽麗。
かっこいい!
どんなに情けなくても、どんなにしょうもない男でも、みわっちがやるといい男に見える……。
愛情がちゃんと見えるところがいいんでしょうね、やっぱり。世間的には「気の毒な役」的な扱いでしたけど、振り幅の広い役者らしい、多面性のある役で、石田さんはみわっちを信頼しているんだな、と思いました。

考えてみれば、パリスも右京さんとの過去があったり、最後にはノーマンのところに戻ったり、と「カサブランカ」のイルザに似たエピソードがある人物なんですが、あまり話題にならなかったなあ。イルザはいろいろ言われていたのに。……作品が作品だから、かしらん。



角田六郎の未涼亜希。
いや、もう。素敵すぎて何も言いません。女の子たちに囲まれて鼻の下を伸ばしきったまっつが観られるなんて!!石田さん、ありがとう(*^ ^*)。

ただ。「暇かーっ!?」っていう挨拶は、ドラマの角田さんの定番なんだそうですね。そういうのを知らないと、まっつが全然オジサンに見えないので、いったいどういうキャラなのか謎なところもありました。……まぁ、それは仕方がないのかな。宝塚だもんね。



宮部たまきの桜一花。
可愛い。可愛い。可愛いったら可愛い!
落ち着いた風情と、ワケありげな立ち居振舞がすごく色っぽい。右京さんとの過去を想像させつつ、現在の絶妙な距離感を見せるところがとても素敵です。雰囲気がしっとりしていて、最後のパリスとの語りもいい。湿り気のある日本の女と、カラッとしたアメリカ女の空気感の違いが良く出てた。
一花ちゃん、可愛いばかりじゃなく、ああいう過去のある大人の女も出来る人なので、そろそろそっちの方でちゃんと使ってほしいなあ、と思います。もうすぐ研12なんですもんね(汗)。
とてもそうは見えないけどさ。



米沢守の華形ひかる。
この役はドラマファンには衝撃的だったらしく、みんな彼の話しかしないんですけど(汗)。近くの席に座っていたドラマファンらしい方も、米沢さんに一番反応していましたし。
私は、芝居としては、それほどオタクっぽい感じも無く、いつも通りの役者・みつるだったと思ったのですが……。

いや、もちろん、ドラマを観ていなくても、みつるくんがあの扮装で出てきただけで笑えましたけど、ね……。確かに、みつるくんはおかっぱにしてても二枚目なんだなあ、とゆ~のは感動ポイントでしたわ(^ ^;ゞ



伊丹憲一の真野すがた。
この人のキャラは、石田さんの中では完璧に確立されていて、他のキャラクターは考えられないんだろうなあ、と思いました。橘、ヴィクター、伊丹と、キャラは同じですよね。誰よりも二枚目なのに、立っているだけで何故か笑いが取れる。観ている観客にも、何がそんなにおかしいのかわからないんだけど、伊丹さんが出てくるだけで笑ってしまうんですよ……。なのに、彼がドラマの中心になると、ちゃんと感動させてくれる。そういう個性なんだな、と思います。
同じようなキャラが続いても、飽きないしね。それだけの魅力がある人なんだなあ、と思う。
石田さんと組んだときのめおちゃんが、一番好きです。うん、可愛かった♪



婦人警官の初姫さあや、華耀きらり、天宮菜生、芽吹幸奈。
もう。
私は、この作品、この4人を観にいった、といっても過言ではないかも、くらい楽しみにしていたんですが。
石田さん、ありがとう。期待に違わぬ可愛らしさでした。さあやもきらりんもはるちゃんもくみちゃんも、みんなすっごい可愛かったよーーーーーー!!

きらりんだけミニスカなところに、石田さんの『譲れない一線』を見ました。
……そこかい。



暴漢の扇めぐむ。
いきなり役名「暴漢」ってどうなの?と思っていたとみぃですが、確かに「暴漢」としか言いようのない役でした。しかも、サンタクロースの扮装だし(涙)。東京は松も取れた1月中旬だとゆーのに。(ドラマシティは年末だったのでわかるのですが……)

年末のドラマシティ公演が年明けに東京に来ると、割とこういう違和感がありがちなんですが、それにしても、今回はプログラムの写真からサンタクロースだったのがちょっと、ねぇ。
最初の襲撃は普通の服だったような気がするので、せめてそっちを使えばいいのになあ。

「貴様、どこの組のもんだ!」
「……花組だ」

っていう会話をやりたくてああいう役を設定したんだろうなあ、石田さん……
そういうベタなセンス、好きだけどさ、私は(^ ^;ゞ



キャロルの天咲千華。
パリス付の調律師で、ノーマンの浮気相手、その正体はスコットランドヤードの潜入捜査官。
とにかく可愛くて芝居上手で、お気に入りの千華ちゃん。遣り甲斐のある役で楽しそうでした♪♪
石田さんも千華ちゃん好きみたいだけど、毎回、わりと似たような傾向の役をつけているあたり、めおちゃんに対する評価と似た匂いを感じる(^ ^)。「銀ちゃん」「フィフティ」「相棒」と連続して石田作品に出ている人たちの中で、みつるくんだけは、毎回キャラクターが違うんですよね。王子もらいらいもきらりんもさあやも、大きくくくれば同じような役が続いているのに。面白いなあ。

話を戻して。千華ちゃん。
花組に来て、周りの可愛い花娘さんたちとは芝居の質がちょっと違うのかなーと思っていたのですが、それは宙組の個性なんじゃなくて千華ちゃんの個性なんだな、ということがあらためて判ったので(^ ^)、そういうところをガンガン出していっていいんじゃないかな、と思います。
同期の蘭ちゃん(蘭乃はな)が次の東京から来ますけれども、千華ちゃんは千華ちゃんらしく、生き生きと存在してほしいな、と思う。その輝きは彼女独特のもので、他には変えられないものだと思うから。





ドラマシティでは石田さんが千華ちゃんを「スコットランドヤードの潜入捜査官」と設定し、
バウホールでは生田さんが、真瀬くんに「(まぁくんに向かって)僕は貴方の相棒になれましたか?」と訊かせる。

両方観ると二度おいしい、みたいな設定が、花組ファン(←あれっ?)的にとても嬉しかったです。
星組の「ヘイズ・コード」以来、若い演出家はそういうネタをよく使うようになりましたが、石田さんって……『若い演出家』チームに入るのかしらん?(^ ^;



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東京芸術劇場中ホールにて、ミュージカル「蜘蛛女のキス」を観劇して参りました。


二年前に上演された、荻田浩一演出版の再演です。
その時の日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/m/200711070033480000/




前回とのメインキャストの変更点は……

モリーナ      石井一孝
ヴァレンティン   浦井健治
オーロラ(蜘蛛女) 金志賢 ← 朝海ひかる

モリーナの母    初風諄
所長        今井朋彦 ← 藤本隆宏
マルタ       朝澄けい  
ガブリエル     縄田晋

そして、役名はありませんが、ダンサーの辻本和彦さんが加わって、ダンスでの表現が非常に高度になっていました。





なんだか、作品については前回の日記と、そこから更にリンクしている日記(公演が発表された頃のもの)にだいたい書いたので、今日は、変更点を中心に述べさせていただきます。
よろしければ、昔の日記を合わせてお読みいただければ幸いです。

三年前の、発表時の日記に、大浦さんのオーロラを観てみたいと書いている自分……あらためて、哀しい(T T)




あ。でも。
変更点を語らせていただくまえに、残念ながら変更されていなかった点、について。
前回公演でも気になった、舞台と映像の使い方、なのですが。


荻田さんの、特に宝塚を卒業してからの作品を観ていて特徴的だな、と思うことは、舞台をとにかく小さく使うこと、です。
彼の演出思想の根幹に『閉塞感』というイマジネーションがあるんだろうな、とは思うのですが、それにしても極端なくらいに、彼は舞台の手前に大きなセットを置いて、間口を狭めたがるんですよね。

そして、狭めた間口の閉じた部分に、象徴的なものを置く。
それは、セットそのものであることもあるし、人を配置することもありますが、、、
意外と多いのが、映像を映写するという手法。


その演出手法自体が悪いとは言いません。
それで成功する事例もあります。映画とのコラボのようだった「カサブランカ」のように。

でも。

……「蜘蛛女のキス」には、余計な演出だと思うんですよね。

モリーナが語るのは、映画の物語。で、彼女が映画を語ると、映写機の回る『カラカラ』という音が鳴り、照明が、ザラついて薄汚れた映写機っぽい質感に変わり……
その役に扮したオーロラが舞台に登場する。

そこまでやっておいて、さらに間口を閉じたところに映像を映す、というのは、やりすぎだと思うんですよ。石井さんの語り口から映像を想像する楽しみが、ない。
しかも、その映像そのものがイケてない……(T T)



まあ、どうも映像の使い方にセンスがないな~と思っていた小池さんが「カサブランカ」でものすごく見事なコラボレーションを見せたので、荻田さんもいずれ自分のイマジネーションの中に映像を取り込めるのかもしれませんが。
……今のところ、映像の使い方については失敗続きなのがちょっと気になる……。





ま、そんなことはおいといて。

まず、なんと言ってもキャスト変更で大きいのは、主役3人の一角である処のオーロラ(蜘蛛女)。
歌は本当に素晴らしかったです(はぁと)。今回のキャストでCDを出してほしいです。ええ。


私は四季ファンとは名乗れなくなってから長く、「CATS」も「ライオンキング」も、金さんが出てきてからは観たことがないんですよね。お名前は勿論知っていますし、歌が素晴らしいという噂も聞いておりましたが、実際に聴いたのは初めてで……
第一声から、「おお~~~!!!」という感じでした(^ ^;ゞ

やっぱり、ジョン・カンダーの甘美な音楽は、甘美に歌い上げてくれる人で聴くと違いますね(*^ ^*)コムさんも予想よりずっと良かったんですけど、、、、根本的なレベルが違うのは仕方の無いことなので。


ただ。
オーロラ役がコムさんから金さんに代わったことで、荻田さんの演出から伝わってくるものも若干変わったことは事実で、それが彼の狙いだったのかどうなのかはわからないなあ……という気はしました。

コムさんのオーロラは、全く実在感のない人形的な象徴。その「血の通ってない」感じがすごく魅力的な蜘蛛女でした。でも、金さんはソコまで非現実的な存在ではなくて、むしろ宝塚時代の荻田さんのショーにおけるシビさん(矢代鴻)の存在感に近かったと思います。

そうか、荻田さんにとって、シビさん=蜘蛛女だったのか!(真顔)と思いましたので。


……シビさんの蜘蛛女、かなり聴いてみたいです。(←踊らなくていいから!)




コムさんとシビさん。
全くタイプは違うけれども、どちらも荻田さんにとってのミューズだったことは間違いないお二人。
シビさん本人ではないけれども、良く似たタイプでさらに現実感が高く、しかもダンサーとしても一定レベルをクリアしている金さんという役者との出会いは、荻田さんにとってラッキーだったのか、どうなのか。これからの舞台づくりに興味は尽きません。




そういえば。

コムさんから金さんに代わって、ダンス場面はどうするのかな?と思っていたのですが、すみませんすみません、金さんも十分にスタイル良いし踊れるんですね。どうもグリザベラとラフィキで評価された人という印象があって、金井小夜子さんと同列に考えていたのですが(^ ^;ゞ。
……あのド迫力のダンサー脚にはちょっと感動しましたわ(^ ^)。

ただ、金さんは、声では十分にファンタジックなんだけど、踊ると結構リアルに存在感があるんですよね。だから、歌っているシーンと踊っているシーン、場面ごとに蜘蛛女という存在の実在感にムラがあって、ちょっと違和感を感じてしまいました。
う~ん、なまじ踊れるからダンスもやらせてしまったけれども、今回はダンサーとして辻本さんが参加してもいるので、彼に身体表現は任せて蜘蛛女はただそこに居るだけ、という演出もありだったと思うんだけどな……。





もうお一人の変更キャスト、今井朋彦さん。
前回の藤本さんがマッチョで尊大な所長さんだったのに対して、非常に怖ろしい、真綿で首を絞めあげていくようなタイプの責め方をする人だな、と思いました。
石井さんのモリーナは割とシンプルに優しいので、こういうのに引っかかったらひとたまりもないな、という感じ。独特の存在感があって、面白い役者ですよね。
歌も良かったし、これからもミュージカルにぜひ出ていただきたいです♪……本業でお忙しいこととは思いますが(汗)。





そして。
浦井ヴァレンティンと石井モリーナ。


石井さん、ぶっ飛んでました。ええ。
本当に素晴らしかった。モリーナがタイトルロール(蜘蛛女)みたい に見えて、すごく新鮮。



対する浦井ヴァレンティンは、前回の、肩に力が入った感じ…というか、ちょっと突っ張った不良少年みたいなところが抜けて、下っ端のチンピラなりにプライドのある大人になっていた印象。
そして、モリーナへの愛は、初演の方が明確だったかな。今回はちょっと、計算の方が強く見えました。「なんでもするさ俺のためなら」と歌いながら、唇の端で嗤うあたりが。

でも、それでも「二度と自分を…」のくだりに愛があるのは、彼の魅力だと思うのです。と、まんまと泣いた猫は語る。(←単なる浦井ファンだから、それ)


前回に比べると、生意気な青さが影をひそめた分、あちこちがとんがって、あたりがキツくなった印象もありました。それが、より懐大きく、包容力を増した石井モリーナとの組み合わせの妙で、物語が大きく膨らんだように見えたのが面白いところだな、と。
ただ、マルタとの関係が少し変わったように見えたのがも面白いところだな、とおもいます。




で、カヨコちゃんのマルタ。
私は彼女の声というか存在感が好きすぎて、彼女が喋ったり歌ったりすると、もう、それだけで何でもいいやというか(^ ^;ゞそんな気持ちになるのですが。

マルタって役は難しい役で、ハロルド・プリンス演出版では、モリーナからの電話に出たときも、ほとんど動揺もみせずに「そんな男知らないわ。なんの話?」と言いきる女で。そもそもヴァレンティンが彼女を恋人だと思っていたこと自体が妄想だったのか?(←その場合、所長はガガセネタをつかまされていたことになる) それとも、ホンモノの組織の中心メンバーに近い女だから、恋人とはいえ下っ端の男の生死に心乱れたりしないという感じなのかな?と思いながら観ていたのですが。

荻田さんの演出では、マルタはすごく悩むんですよね。モリーナからの電話に対してすごく動揺を見せる。もしかしたら、彼女はモリーナが監視されているであろうことを予想してあんな態度に出たのではないか、と、そんな想像をする余地があるくらい、絶妙のお芝居でした。

舞台の前半の、アムネスティ・インターナショナルの一員として視察にきたという芝居(声のみ)では、すごく真剣に「ここには彼がいるはずです!」と詰め寄るような芝居をしていましたよね。あれは、マルタが彼を探しにきたという設定なのか、別人格のなのか……どっちだろう?と思ったり。難しい存在ですが、彼女の不安定さや掴みどころのなさがあってこそのモリーナであり、“蜘蛛女”なのですから、あれはあれで良いんだろうな、と思います(はぁと)。





……歌も踊りも、もちろん芝居も、どれも素晴らしくて。
やっぱり私は、この作品が好きだなあ……と思ったのでした。




う~ん。
非現実的な血の通わない人形タイプで、スタイルが人間離れしていて、肺活量があって中音域~低音域が柔らかい、音程の確かな美声の歌手?

……いないか、そんな人……(T T)


歌さえ歌えればみなこちゃん(愛原実花)で観てみたい役ではあるのですが、荻田さん的には、だったらコムさんで良いんだろうな、たぶん……。



.
今日は、宙組公演「シャングリラ」の集合日。
配役が発表されました。


……いや、原作があるわけではないので、配役が発表されたからどうなるってものでもないのですが(^ ^;ゞ



祐飛さん(ソラ)、すみ花ちゃん(ミウ)は以前に出ていたのでいいとして。
(っていうか、本当にSORAの奇跡だったな祐飛さん)


とりあえず。

蘭トムさんは、「ラン(嵐)」なんですね。ってところで笑いました。




今出ている粗筋に登場する人物は、3人。

荒野で倒れていた男【空(大空祐飛)】
旅芸人の一座に助けら一命を取り留めたが、記憶喪失に。蒼玉の首飾りを持つ。

旅芸人の一座の踊り子【美雨(野々すみ花)】
シャングリラを探しに向かったまま行方不明の恋人を探しに、空ともにシャングリラを探す旅に出る。

水源を支配する王【?】
幻の都シャングリラに棲む。



……「嵐」さんは、この王様で良いんでしょうか。しかも、一番最初に演目が発表されたときは、ラスボスっぽい感じで「竜王」というキャラがいた記憶があるのですが、いつのまに居なくなったんだ……?「竜王」なら、「嵐」さんで間違いないような気がするのに……。



で。
それ以外は、オリジナルだけあって誰がどんな役だかさっぱりわからないのですが、

氷(アイス) 悠未 ひろ
霧(フォグ) 純矢 ちとせ

この二人(←読みが英語の二人)は、コンビってことでいいですか?

ただ、そういう観点で分類すると、

空(ソラ) 大空 祐飛
霙(ミゾレ) 藤咲 えり
雹(ヒョウ) 蓮水 ゆうや

この三人もセットになるんですけど(*^ ^*)(←読みが日本語の三人)



あとは、

雲(ユン) 鈴奈 沙也
風(フォン) 十輝 いりす

が中国系の読みなことはわかるんですが、

海(カイ) 北翔 海莉
涙(ルイ) 七海 ひろき
蒼(ソウ) 蒼羽 りく
紅(コウ) 愛月 ひかる

このへんが、単なる音読みなのか、ユン・フォンと同じ分類になるのか、よくわからない(T T)。
とりあえず、私の好きなライトノベル(雲=ユン、風=フォン)では、「紅」は「ホン」で「海」は「ハイ」だったんですが。


あとは、全く違う観点での分類として、芸名から役名をつけた人たち、という分類もありえますね。

空(ソラ) 大空 祐飛
海(カイ) 北翔 海莉
蒼(ソウ) 蒼羽 りく

……りくちゃんは空が持っている蒼玉の化身で、みっちゃんは行方不明の美雨の恋人……とか?



文雀(ブンジャク) 鳳翔 大
飛燕(ヒエン) 愛花 ちさき

このあたりは、なんとなくですけど旅芸人一座っぽいな~と思ったりします。
もしかしたら、美雨(ミウ)を含めて音読み仲間(海、涙、蒼、紅)は全員旅芸人だったりして!(←凄い豪華メンバかも……)



そうやって考えてくると、

雲(ユン) 鈴奈 沙也
欣欣(ヤンヤン) 天羽 珠紀
風(フォン) 十輝 いりす
芳芳(フォンフォン) 花露 すみか

このあたりの中国読みの方々は、もしかしたら王様の側近だったり………しないかな(^ ^;




いや~~、何一つ情報のない完全オリジナルって、役の名前が出ても何もわからないので、想像を膨らませる余地がたっくさんありますね(苦笑)。
CSで稽古場情報が流れたら、少しはわかることもあるのかな…?その前に、祐飛さんと鈴奈さんの会話っていうのがなんか想像できないけど。



……さっつんに、たくさん台詞がありますように(ひっそり祈る)





そして。
千秋楽にて、91期の笹良えるさんが卒業されることが発表になりました。

やっと、カフェの縁取りのある白い服も、集会の茶色のワンピも、ヴィザも、全部みつけられるようになったのに(涙)。今ならもう、黒塗りでもわかるのに(涙)。
……役名も出ていなくて残念ですが、最後の舞台、ご活躍を楽しみにしています!


.
今、東京は2010年2月10日午前6時。

…仕事が終わって帰る途中です。
今寝ると絶対乗り過ごすので、携帯で遊んでます。

あと二時間後には、また家を出るんだよ〜(涙)




やってやって〜やりつづけて〜永遠に終わらな〜い〜
○○○(←会社のある場所)は〜俺たち〜の墓場だ〜
どうしたら〜いい〜(T_T)


資料の手配は完璧だ
あとは上司がうんと言うだけ……



……あのオトコはやめておけ!






ワタクシは起きている。
決して挫けない。


でも、たぶんラスト30分に作成した表は間違っているだろう!

ワ〜タクシは、起きてい〜た〜〜!!





……すみません。本格的に壊れてきたようなので、30分ほど仮眠します。
ああ、誰か私にモーニングコールしてください(涙)



コメントくださったみなさま。
大変申し訳ありませんが、お返事は今夜させていただきますm(_ _)m
「カサブランカ」千秋楽が終わって腑抜けているところに、びっくりニュースが飛び込んできました。


星組梅田芸術劇場大ホール&博多座は、ちえちゃん・ねねちゃんのコンビで、フランスミュージカル「ロミオとジュリエット」を続演!!



おおおおお。
「ロミオとジュリエット」ですか!!(@ @)


2001年にパリで世界初演された、フランスミュージカル。
作(詞、曲)・演出はジェラール・プレスギュルヴィック。
ウィーン(独語)版の初演が2005年で、このときのキャストは、ロミオ=ルカス・ペルマン、ジュリエット=マジャーン・シャキ。


私は2007年の「ルカス・ペルマン×中川晃教コンサート」で、ルカスがゲストで参加していたマジャーンとデュエットしてくれた「Liebe」(「WEST SIDE STORY」における「ONE HAND, ONE HEART」にあたる曲)があまりにも素晴らしくて(; ;)、それ以来ずっと日本上演を切望しておりましたので、とりあえず観ることができるだけで素直に嬉しいです。


ただ。

2008年の「ウィーンミュージカルコンサート」では、名曲「Liebe」のほかにも、究極のラヴソングである『BALCON』(それこそ「TONIGHT」にあたる)や乳母のナンバー、ジュリエット父のナンバー、そして何よりカッコいいロミオ&マキューシオ&ベンヴォーリオ3人のナンバーを歌ってくれたのですが。
……どれも、凄い曲ばかりだったんですが、星組さんってそんなに歌える人が揃ってるんでしたっけ?(汗)。

まあ、なんとかなる、ものなのでしょうか……?(はてな)




梅田も博多も、今のところ裏は何も発表されていませんが、組子全員で動くのでしょうか…?
(去年は「フィフティ・フィフティ」が飛び込んだ枠)

役替りとかもありそうだけど、どうなるんでしょうね。
せっかくれみちゃんが組替えするのに、梅田も博多も、少なくともヒロインじゃないことは決定だしなあ。やり甲斐のある役が回ってくるといいのですが。
ちなみに、「ロミオとジュリエット」の二番手娘役は乳母でいいのかな?ソロもあるし。観たことはないので、そういうバランスがよくわからないのですが。

どちらにしても「演出=小池修一郎」と明記されているので、プレスギュルヴィックの演出とはだいぶ変わるんでしょうね。
新曲だって入るかもしれないし。

ただ、「ロミオとジュリエット」は元々宝塚向きの題材なので、小池さん的には『そのまま上演する』でいいと思うんだけど……。

音楽的には、ちえちゃんは以前に比べれば随分上手くなったんですけど、ロミオのナンバーはかなり音域が広いので、かなり修正が必要なんじゃないかなあ。小池さん、今年も忙しいだろうに大丈夫なんだろうか?



それにしても。
7月の梅田、ですか。宙組の東京公演と丸かぶりやんか(涙)。むしろ、博多の方が行きやすい……か?(←そんな莫迦な)


一年くらいしてほとぼりが冷めたら、ルカスとマジャーンでツアーしてくれないかなあ~。
「ファントム」みたいに、ロミオは浦井&ルカスのWキャスト、とかでも構いません。とにかく、ルカスとマジャーンがこの役にふさわしい年齢であるうちに、日本でも上演してほしい~~!!







最後に、願望を書いてもいいですか。

……あずるりでW主演バウ、そして、水輝涼&白華れみで巴里祭を、それぞれやってほしいです~~~っ!!

……あ。でも。ジュリエット父とか、神父あたりにも名曲があるので、水輝さんにはそっちを歌ってもらいたいかも(汗)。




.
東京宝塚劇場宙組公演「カサブランカ」が、千秋楽を迎えました。



萬あきらさん、
安里舞生ちゃん、
ご卒業おめでとうございますm(_ _)m。


一ヶ月公演って短いなあ……(T T)。
本当に、あっという間でした。すっかり嵌っていたので、今、とても寂しいです。



昼の部は、今まで観た中で、芝居としては一番良かった、と思いました。
ちょっと体力的に無理が続いていたため、集中できるか非常に不安だったのですが、ものすごく引き込まれて、夢中になって観ているうちに、あっという間に終わってしまいました。
誰がどうこうというのではなく、宙組全体がピンっと張り詰めた綱の上を走っているかのような危うい緊迫感のようなものがあって、「カサブランカ」の世界を覆う不安の翳がすごく出ていたと思います。

それ以外の細かい部分の芝居については、なんというか……ひどくシンプルな、原点に戻った感があって。磨きぬかれた珠のような、底光りする印象、とでもいうのでしょうか。


……フィナーレはちょっとぐたぐたでしたけどね、祐飛さん(汗)。




千秋楽は。
昼に吹っ飛んでいた部分が少し落ち着いて、全体に端正な出来だったように思います。
世界全体を覆う不安の翳りが、ほんの少し前向きな意思に変換されて、明るい光の射すラストだったように思います。
「パリの思い出がある」
の言い方とか、リックがまた一際優しくなって、むしろラズロの孤高が際立つ構造になっていた……とまで言ったら、妄想かもしれませんが(汗)。リックの優しさに涙が出ました。
「俺たちの仲はパリで終わっている」
とか、も。

そして、蘭トムさんの
「あなたも、我々の仲間です」
の言い方が、少し変わったように思いました。なにが、と問われると答えられないのですが。
先日まではあんな言い方じゃなかったような……?
すべてを飲み込んで、リックの孤独を受け入れるところが、すごく好きです。







今日で宝塚を卒業するお二人は、なんだかもう、キラキラしすぎてて眩しかった。


警官役は、いつもどおりにしっかりと勤め上げた舞生ちゃん。
小さくて綺麗なお顔に髭がとても良く似合って、本当に、人形のように可愛らしいのに、誰よりも力強く走って、撃って、捕まえて、ロールペーパーを投げて(笑)と忙しくされていました。
さっつん(風羽玲亜)とのコンビネーションもばっちりで、結局私が観た時で「ボスのモットー」を失敗したことは無かったんじゃないかな?(^ ^)。


ラ・ベル・オーロールの客は、前半はいつもどおり、でも舞生ちゃん自身はいつも以上に明るい笑顔を振り撒いていたのですが。
蒼羽りくちゃんがイルザに手紙を届け、イルザがショックを受けて倒れた後。いったん倒れた女性(イルザ)を心配してそのテーブルの周りに集まった客たちが、どうやら大丈夫らしいと見極めて三々五々席に戻る時(このとき大幅な席替えがある)、さっつんがいきなり舞生ちゃんに抱きついるように見えて、すごく吃驚しました。一階席だったので、群衆の後ろであまりよく見えなかったのですが(T T)、どうなっていたのかご存知の方、ぜひ教えてくださいませ。

その後、カンカンが終わってまっぷー(松風輝)のテーブルに移った後も、とにかく通りがかる人々や、隣のテーブルでやさぐれていたえなちゃん(月映樹茉)とか、とにかく近くにいる人がみんな何かしら舞生ちゃんにちょっかいをかけていくのが、なんだかもう……
そのひとつひとつに、嬉しそうに応えていた舞生ちゃんの笑顔に、涙が止まらなくて困りました。もっとちゃんと観たいのにー。

で。最後の方で、、そんな様子を笑って眺めていたまっぷーがいきなり真顔になって、握手を求めてきた ときには、ちょっと舞生ちゃんもうるっときていたような気がします。
……その後すぐに、支配人(光海舞人)が「フランス軍がパリを撤退しました!」というニュースを言いに来てしまうので、まっぷーは(次の場面の準備のために)慌てて駆け出していってしまいましたが(^ ^;。



フィナーレのムーア人のダンスでは、白っぽい花を胸につけて、弾けて踊ってました(T T)。

本当に、毎回思うので毎回書いてますけれども。
どうして、卒業する人ってああも輝くのでしょうね。
舞生ちゃんは、元々綺麗な人だし、ダンスは得意なんでしょうけれども、それにしても綺麗で、キラキラしていました。


パレードはラ・ベル・オーロールの黒燕尾に花をつけて、笑顔で。一緒に降りてくる天輝トニカちゃんとか、上手花道にそろう92期が結構のきなみ涙目な感じだったのに、舞生ちゃん一人「超・笑顔♪」だったのが面白かったです。

いったん花道に並んで、スターさんたちが銀橋に並ぶときにハケるんだろうと思っていたのに、階段を降りて、そのまま袖に引っ込んでしまったことに驚きました(涙)。花道をガン見しようと思っていたのに~~(T T)。



組長さんの挨拶での、『今までで印象に残った作品・役』。
・「維新回天竜馬伝」新人公演  竜馬の影
・「殉情」  八兵衛
・「パラダイス・プリンス」  新人公演 スチュワートの子供時代と、Jr.
・「ダンシング・フォー・ユー」全体(たくさん踊らせてもらったから)
・「逆転裁判2」  手下
・「カサブランカ」  警官
・「カサブランカ」新人公演  エミール

エミールについては、「初めての通し役。信じられない気持ちと嬉しさで胸がいっぱいだった」というコメントもあって、エミールが来たからには、次もあっただろうに、もうちょっと続けてほしかったよ…………と、とっても今更で身勝手なことを改めて思ったりしました(泣)。



組長さんの「まうちゃ~ん」という呼びかけに、「はぁーーーいっ!」と元気に応えて、上手の袖から、トップさんの大きな羽の後ろを通って登場した舞生ちゃん。
研4っていうのは、まだ大階段も降りられない学年なんですね。……ああ、せめてもう一作(悔)


組からの花は、蘭トムさんから。同期からのお花は、代表して百千糸ちゃんから。両方あわせるとト音記号になる、ピンク系の可愛いお花でした(はぁと)

「宝塚。私にとって、夢のような場所」

高くて細いけれどもキリリと澄んだ、よく通る声。エミール役でしか声を聞いたことがない(; ;)ので、素の声がすごく新鮮。

「一緒に笑い合える下級生の皆と出会い、いつも優しく包み込んでくださる上級生のみなさまと出会い、どんなときも手を取り合って乗り越えてきた同期の皆と出会い、そして、いつも温かい拍手で応援し、見守りつづけてくださったくれたファンの皆様と出会い……」

一生懸命喋ってる。可愛いなあ(T T)。

「こんなに広い世界で、出会えたことは奇跡です。
皆様に出会えたからこそ、私も輝けました。出会えたすべての皆様へ、会えて本当に良かった。いまとっても幸せです。本当に、ありがとうございました。」

家族への感謝の言葉もはさみながら、しっかりと笑顔で締めくくって。

想像していたより落ち着いていて、頭が良くて表現力のある人なんだな、と思いました。
ご卒業されて、これからどんな道を歩まれるご予定なのかわかりませんが、これからも舞生ちゃんらしく歩いて、たくさんの素敵と出会われますように。
舞生ちゃんの笑顔があれば、怖いものはないような気がします。どうぞ、がんばってくださいね。





萬さんの、サム。

11時の部の最初のカフェの場面で、ドアマン(風馬翔)がドアをあけて、盆が回って、萬さんサムの歌が聞こえてきた瞬間から大きな拍手が(涙)。
#一瞬、ドアをあけて出てきた翔くんに拍手が入ったのかと思って驚きましたが(笑)


千秋楽の萬さんが、パレードでは化粧替えして黒燕尾で降りておいでになる、というのは、話には聞いていましたし、ニュース映像でも視ていたはずなのですが。
それでも、あらためて実際にこの眼で観ると、ものすごい感動!!で。
ピシっとキメた黒燕尾の似合うこと。40年間磨きぬいてきた美しさを、宙組っ子もしっかりと受け止めて、継いでいってほしいな、と思いました。


組長さんの掛け声にあわせて、組子全員で「ケイさ~ん!」と呼びかけると、緑の袴で降りてこられた萬さんが、ゆっくりと大階段の真ん中で一礼する。

組からの花は祐飛さん、専科からの花は磯野さん、同期からの花は、OGの東千晃さん。カサブランカの大枝を三本、さりげなく抱えて、笑顔で。

「夢に出会い、夢に生き、、、そして、本当に夢が醒める時が来ました。最高に幸せです」

清しい笑顔、優しい声。

「大空祐飛、野々すみ花のトップお披露目、新生宙組のメンバーとの出会い、『カサブランカ』という作品や、サムという役との出会い、、、、すべてが幸せです。この幸せを与えてくださったみなさま全員、本当に感謝しています。本当にありがとうございました」

大拍手。
……で終わるかと思いきや。さらに続く、名調子。

「退団するこのときになって、こんなにも宝塚を愛している自分に驚きました。これからは皆様と一緒に、宝塚を応援したいと思います」

「みんな、素晴らしい資質を持った子ばかり。これからもこの仲間たちが伸びやかに舞台を勤められますよう、温かく、そして時には厳しく、見守ってあげてください」

宙組ファンとしても、すごくありがたい、嬉しいご挨拶でした。
こちらこそ、いつも素敵な『男役』を見せてくださったケイさんには、感謝の言葉もありません(T T)。

しっかし……ケイさんから観ても、宙組っ子は「奇跡的にピュア」なのね(^ ^)。





最後に、祐飛さんからのご挨拶。

「東京のこの場所で、この大きな劇場で、この作品をたくさんの方々の前で上演でき、思い切り表現できる喜びを、毎日噛み締めていました」

関係者すべてへの感謝の言葉をはさみつつ。

「ケイさんに教えていただいた男役の素晴らしさ、宝塚の魅力を大切に受け止めて、これからも歩んでいきます」

ケイさんへの感謝を述べる祐飛さん。

「卒業生の幸せそうな笑顔を見ていて、宝塚の魅力って何だろう?と考えました。宝塚しか知らない私には、本当の意味では宝塚の良さってわからないのですが、でも、私にとって宝塚は夢の世界で、その夢のためであれば、全てを懸けても悔いはありません。
この宝塚の魅力を、独りでも多くの方にお伝えできるよう、これからも精進してまいります!」

本日はありがとうございました、と締めくくりながら、祐飛さんの瞳も随分うるんでいるな、と思いました。



カーテンコールの途中から一階はスタンディング。
何回目かに、祐飛さんと卒業生二人の3人でのご挨拶で、祐飛さんが頬のマイクを差し出して卒業生二人に何か喋らせようとしたとき。

舞生ちゃんは、よく通る大きな声で「私は幸せ者です!」

ケイさんは、一度やりかけてちょっと笑っちゃったのですが、仕切りなおして

「誰がhappy?」

と、男役のセクシーボイスで囁いてくださいました。

祐飛さんが、珍しく撃沈してた……(^ ^)





その次は、祐飛さん一人で。
「皆さんの瞳に乾杯!」と、笑顔で乾杯の仕草をしてから、仲間たちを呼んで、ご挨拶してくれました。





素晴らしい作品で、楽しい公演でした。
祐飛さんではありませんが、この作品に関わってくださった皆様全員に、お礼を言ってまわりたい気分です。

ありがとう。幸せを、本当にありがとう。


今週はさっそく、たまちゃん(天羽珠起)のイゾラベッラ・コンサートがありますね。
さすがに行けませんが、がんばってください&楽しいコンサートになりますように(はぁと)。

.
年明け以来、すっかり耽溺していた宙組公演「カサブランカ」も、いよいよ明日で千秋楽。

大劇場ではいろいろあったこの公演も、なんとか東宝は休演無しで乗り切れそうで、ホッとしています。
萬さん、(安里)舞生さん、どうぞ最後の舞台を愉しんで、素敵な思い出をたくさんつくってくださいね。私も集中して、幕が降りる最後の一瞬まで見守りたいと思っています。



あれだけ観ているのに、今日観てもまだ新しい発見がある作品。
何度も書いていますが、小池さんには感謝の言葉しかありません。ありがとう。本当にありがとう。
舞台はナマモノなんだな、というのをこんなに強く思ったのは久しぶりです。誰一人段取りのひとがいない。みんなが1941年のカサブランカで好き勝手に生きていて、その人間模様が面白くて面白くて……。
たとえば、バザールの買い物風景。あれは日替わりの小芝居とか言うものではないんですよね。みんな、本当に勝手に動いているんだもん(^ ^)。それなりに秩序をもってちゃんと芝居が流れているのが不思議なくらい、勝手なことをしているひとたち。しかも、皆毎日すごい買物量なんですけど、どんだけ金持ちなのよ…?





今日の新しい発見は……たくさんあったんですけど(^ ^)、すっごい今更な発見を一つ語ってもいいですか?
なんだか、一部の方にとってはめちゃくちゃ当たり前で何を今更、な感じなのかも……しれませんが(ドキドキ)

2幕 第14場 リックの店(深夜)。
巴里の思い出をよみがえらせて、心を通じ合わせた二人。

「だが、彼は君を喪う」

呟きながら、イルザに背をむけてブランディグラスを手に取るリック。

「もう私、あなたから逃げられない……」

悄然と呟いて、力なく椅子に座り込むイルザ。

酒をグラスに注いで、ふりかえるリック。

寂しげに俯いたイルザを見て、ふと足がとまり、表情が変わる………。


あ、このときにリックは決心したんだな、と。
そう思いました。

イルザは間違いなく自分を愛していて、だからこそ今こんなに苦しんでいるんだ、という真実に気づいて。
だったら、彼女を救えるのは自分だけなのかもしれない、と、



……そういう貌をしていました。祐飛さんは。
ホントに、立ち止まったほんの一瞬の、刹那のことですけれども。



永遠のような一瞬が過ぎて、すぐに平静な貌に戻ったリックは、数歩進んでイルザにグラスを渡す。

「さあ……、俺は君を、見凝めているんだよ…?」




リックの傷は、この瞬間に癒えたのかもしれない、と、

そんなことも。




すみません…………
実は今まで、この場面はずっとイルザしか観てなかったことに、今日気づきました。

……誰のファンだよお前(←宝塚のファンです)






明日は二回公演。
えっと。
なるべく視界を広く持ちつつ、リックさんから眼をそらさずに、「彼を見凝めて」いたいなあ、と思っています。


……千秋楽にもなって、新しい発見がてんこ盛りだったりしたらどうしよう(滝汗)。


.
日生劇場にて、ミュージカル「キャバレー」を観てまいりました(だいぶ前に)。



別件ですが、東京芸術劇場の「蜘蛛女のキス」も観ました(^ ^)。
こちらは、キャスト・演出ともに大変素晴らしくて、ぜひぜひ皆様に観ていただきたいと思うのですが(←ちなみに、7日が千秋楽です/涙)、とにかく「キャバレー」の話は「カサブランカ」の楽前に書いてしまいたいので、そちらを先に。




ブロードウェイ・ミュージカル「キャバレー」。

原作はイギリス人作家クリストファ・イシャーウッドのドイツ旅行記「ベルリン物語」。主人公の一人であるクリフォード・ブラッドショー(阿部力)は、クリストファ自身なのでしょうか。
脚本はジョー・マステロフ。
作詞・作曲は「蜘蛛女のキス」「カーテンズ」「シカゴ」「ザ・リンク」のジョン・カンダー&フレッド・エッブ。
1966年の初演の演出はハロルド・プリンス。関係ないですが、初演の演出がハルだったことも「蜘蛛女のキス」との共通点なんですね♪



私はこの作品を過去に二回観ています。(ライザ・ミネリ主演の映画版は未見)
一回目は、MC:市村正親、サリー:前田美波里、クリフ:草刈正雄。正直、音楽は素晴らしくて感動したけど、作品としては「ふぅん」という感じでした。
二度目はブロードウェイのリバイバル版(サム・メンデス演出)。これは素晴らしかった。ラストの演出も印象的でしたし、なんといってもサリー役の女優が若くて可愛くて、ホントにステキだったの♪♪





で、今回のホリプロ上演ですが。

正直、あまり期待はしていませんでした。小池さんの演出というのに惹かれて観たのですが、観る前は『なにもこんな時期(「カサブランカ」と丸かぶり)にやらなくってもねぇ……』という気持ちで一杯でしたし、キャストを聞いたときの印象も、「……」という感じでしたので。


でも。
予想外に面白かったです!
「カサブランカ」と同時上演だったのも納得だったし。いやー、本当に、ぜひお隣に通っていた皆様にも観ていただきたかったわ…。





1929~30年という時代の、ベルリン。

第一次世界大戦に敗れ、何もかも喪ったドイツ。ヴェルサイユ条約の厳しい締め付けと賠償金の取立ては凄まじいインフレを引き起こし、ドイツの経済は事実上崩壊していました。
これを救ったのが、アメリカ資本。追い詰められたドイツが窮鼠となって猫に噛みつく(ソヴィエトと手を組む、とか)を怖れたアメリカは、賠償金の支払い条件の緩和を提案し、資本投下によってドイツ経済の復興を促します。
この資本投下は、アメリカン・バブルで資本に余裕ができた20年代半ばから世界恐慌の29年まで続き、ベルリンは奇跡的な復興を果たしてヨーロッパ屈指の芸術の都として花開きます。オペラハウス、劇場、映画館、キャバレー、、、娯楽施設がひしめきあい、性的にも比較的自由な、解放的な芸術都市。街中に溢れる芸術の匂いに惹かれて、世界中から自称“芸術家”たちが流れ込んでいました……。

同性愛者であったイシャーウッドも、そんな匂いに惹かれてベルリンを訪れた“芸術家”たちの一人だったのでしょうか。
原作となった短編集「ベルリン物語」の一篇、「サリー・ボウルズ」は、享楽的に男から男を渡り歩く女性・サリーが主人公。捕まえようのない彼女の姿は、当時の“ベルリン”そのものであるかのようです。そして、そんな『ベルリンそのもの』と恋を語るアメリカ人のクリフ(“自称”作家)もまた、愚かな蛾たちの一人だ、と。そんなふうに。



まあ、詳しいストーリーはホリプロさんの公式サイトを見ていただくとして。


観劇しながら、この『クリフ』というアメリカ人は、「カサブランカ」におけるアメリカ人観光客カーティスであり、ヒーロー志願だったリック(過去の)でもある んじゃないか、と思いました。

ある都市の「現実」に起こっている、『怖ろしい事態』。
1930年のベルリンではナチスの台頭であり、1941年のカサブランカではナチスの侵攻であるわけですが、これが進む中で、常に『部外者』であり、『帰るところ』がある男。それが、クリフであり、カーティスであり、リックでもあるんだな、と。


シュナイダーやシュルツ、あるいはリックのカフェの客たちや店の従業員たちにとっては、今生きている地が全て。だけどクリフは、カーティスは、リックは、エトランゼなんですよね。あくまでも今は“仮住まい”で、いずれ『居るべき場所』に戻る。そういうものがあるひとたち。


もしかしたらリックは、一度はカサブランカに定住しようと本気で思ったのかもしれません。でも多分、彼自身の本音の一番深いところでは、やっぱりそれを選んではいなかった、と思う。イルザやラズロとのことがなかったとしても、いずれは自ら傷を癒して戻っていっただろうな、と思うんですよね。



そして。
カーティスにとっては『帰る場所』=アメリカで良いけど、
リックにとっては『還る場所』=戦場、という違いがあるわけですが。

クリフにとっては、劇中では『還る場所』=アメリカだったはずなのに、ラストでいきなり引っ繰り返ったことが、非常に興味深い解釈だな、と思ったのでした。
言ってみれば、カーティスがいきなりリックになっちゃったんですよ(^ ^;ゞ それも、ラストの数分間で!!(@ @)



本編の物語が全て終わって、クリフがベルリンを出るために汽車に乗った後。
それは、物語の一番最初に、ベルリンへ向かう汽車の中でエルンスト(戸井勝海)に出会ったときの風景に良く似ているけれども、時は確実に流れていて。

うたた寝するクリフに忍び寄る、MCの影。
彼は、クリフを連れて、影たちのキャバレー(?)に向かう。
そのまま、影たちに迷彩服を着せられ、銃を渡されるクリフ。


差別されるシュルツに心を痛め、虐げられる人々を護ろうとしたクリフ。でも、彼はベルリンではただの観光客。どんなに同情しても、地元のひとびとにしてみれば、「勝手なことを」という感じですよね。
だって、彼らは必死なんですから。命が懸かっているんですから。

……ならば俺も、命を懸けてやろうか?

そんな単純なものではない、とは思います。もちろん。
でも、リックが武器の横流しを始めたきっかけなんて、もしかしたらそんな程度のものだったのかもしれません。
掌いっぱいに溢れた好奇心と、指先につまんで振りかけた正義感。そんな程度、の。



クリフは、ベルリンを出るときに棄てたつもりの愛を引き摺って、武器商人……いや、あの素直さでは武器商人はちょっと難しそうですが、レジスタンスにはなりそうですよね。
あるいは、クリフは“自称”作家なので、剣より強いはずのペンで闘うのかもしれませんが。

彼の前に、そういった途を敷いてあげるMCが、怖いと思いました。
そこまでは、別に何とも思っていなかったのですが。ラストのMCは、怖かったです。本当に。

神の手、あるいは、キャバレーの幽霊。妖精。そんな、非現実的な存在に見えてきて。
MCという存在の意味を、あらためて考えた公演でした……。




それでは、キャスト別に。

■サリー・ボウルズ(藤原紀香)
ベルリンのキャバレー「キット・カット・クラブ」の歌姫。まあ、あれですよ。『誰かに会いたければ、キット・カット・クラブに行けばいい』的な店の、看板、というわけです。
なのに。愛人だったクラブのオーナーと喧嘩して店もアパートも追い出され、知り合ったばかりのクリフの家に転がり込み、そのまま居ついてしまう。

彼女には目の前の現実しかみえなくて。享楽的で刹那的で、男から男へ、気楽に渡り歩いてきた。そんな彼女の前半生にショックを受けるクリフ。
そんな二人でも、時間がたてば子供ができて、その子供のために二人でがんばろう、と誓い合うが……

さすがの華やかさと超絶なスタイルの良さで、一見の価値はありました。歌も、歌姫と呼ぶにはちょっと弱いけど、まあ、あのくらい歌えていればタレントとしては十分な仕事をしていたと思います。
ただ、以前観た前田美波里さんもそうだったんですが、藤原さんも健康的で前向きな精神の持ち主であることが随所に垣間見えてしまうので、どう考えてもサリーのような選択をしそうにない(- -; という印象が否めなくて(涙)。

どうして日本ではああも健康的なキャラクターがサリーに回ってくるんでしょうね(T T)。
ああ、でも確かに、不健康な色っぽい系の破滅的なタイプで、「歌姫」と言われるだけの華やかさと歌唱力があって……って言われても、うーん、思いつかない……。



■クリフォード・ブラッドショー(阿部力)
容姿も芝居も歌も、すべてが「素直」の一言、という感じで、役には非常に合っていたような気がします。以前観た草刈さんがあまりにも濃ゆくて胸焼けがする感じだったので、このくらいサラッとした存在感のクリフもありだなあ、と思いました。

水のように、全てを受け容れ、赦して去っていくエトランゼ。その生活感の無さが、いかにも『外国人』らしくて良かったような気がします。手垢がついていない感じなんですよね。あれは彼の個性だと思うので、素直さを武器にご活躍いただきたいと思います。



■フロイライン・シュナイダー(杜けあき)
キャスティングを聞いたときの私の印象は、「事実上の主役はシュナイダーとシュルツの二人だな」でした……(^ ^;ゞ いやー、めっちゃ楽しみでした(はぁと)。

杜さんにとってもあそこまでの老け役は冒険だったんじゃないかと思うんですが、大地の女神のような重たさのある見事な芝居で、「キャバレー」という物語の一方の核としての役割を、きちんと果たしていたと思います。私の期待値のハードルは相当に高かったはずなのですが、それでも期待以上だった杜さんはさすがだな、と思います(*^ ^*)。


シュナイダーの選択は、当時の『ドイツ人』にとっては「普通の」選択、なんですよね。
それがどんなにか厳しい差別であり、『庶民』一人一人が、恐怖からそういう差別に加担することによって、差別する側にもされる側にも逃げ場がなくなっていく という現実はあるのですけれども、それでも、彼らはそうやって、自分の運命を「選択」していく。それは彼らの罪ではないのか?という疑問を抱えつつ。
当時はまだワイマール政権下。ナチスは台頭してきているとはいえ、ドイツ人とユダヤ人の結婚が表立って禁じられているわけでも、罪もないユダヤ人の財産が没収されたりといったことが罷り通っていたわけでも、まだ、ない。
それでも、確かに恐怖はあった。だから、アニーナとヤンが故郷を棄てたように、シュナイダーはシュルツを、彼女自身の生涯最後の恋を切り捨てる。
それでも彼女は、生きていくことを望むのです。
このベルリンで。今まで生きてきたとおりに。

今までと同じ時代は、もう間もなく終わるのに。


……そういう“時代の重み”を独りで、……いや、シュルツの木場さんと二人できちんと伝えてくれたのが凄いなあ、と。うん。歌も素晴らしかったし、(木場さんが巧いのに驚きました!もっとミュージカルに出てほしい!!)
本当に、大変良かったです(*^ ^*)。



■ヘル・シュルツ(木場勝己)
フロイライン・シュナイダーの恋人。ユダヤ人。
もう、木場さんが本当に素敵すぎてクラクラしました。……こないだ観たときは、無骨だけどヤることはしっかりヤってたタルボット卿(ヘンリー六世)だったのに!

なんて可愛いんでしょう。なんて素敵なんでしょう。
「……でも、私はドイツ人です」
その一言の重み、そこに籠められた明解な誇りが、とても胸に刺さります。木場さんだからこその、見事なシュルツでした。良いものを見せていただきました!



■フロイライン・コスト(高嶺ふぶき)
フロイライン・シュナイダーの下宿の下宿人。
生き延びるために、次から次と男を連れ込む娼婦同然の女。色っぽい化粧としどけないしぐさが珍しくて、思わず見入ってしまいました。歌も芝居もさすがで、とても良かったです♪



■エルンスト・ルートヴィヒ(戸井勝海)
ベルリンに向かう汽車の中でクリフと知り合うビジネスマン。実は、ナチスの党員。
とってもお似合いでした。そういえば、「ミス・サイゴン」ではトゥイでしたね♪
前半はちょっと企みすぎかな?とも思ったのですが、後半、シュナイダーとシュルツの結婚式での豹変ぶりをみると、あれでも大分抑えていたんだな、と思います。

もし万が一、「カサブランカ」を外部で上演することがあれば、シュトラッサーはこの人でお願いしたい!!この人の声で「シュトラッサーの屈辱」を聴いてみたいです(*^ ^*)。



■MC(諸星和己)
想像していたよりもずっと良くて、非常に感心しました。
私は光GENJI時代をほとんど知りませんが、いつの間にか、こんなに良い役者になってたんですね(@ @)。歌もダンスも、ミュージカルっぽくはないけれどもアイドルチックでもなくて、なんとなくMCという役の存在にあっているような気がしました。
「大好きな役をやっている!」という喜びが全身から溢れていて、素晴らしかったです。
……ローラースケートは、まあ、ファンサービスかな?(^ ^)。



アンサンブル陣もなかなか充実していたし、全体に小池さんらしいキャスティングだな、と思いました。「キャバレー」という作品のファンの方にとってはイロイロ思うところもおありでしょうけれども、なかなかに面白い試みだったと思います。
ぜひ、お隣の東京宝塚劇場とのコラボという斬新な試みに、付き合ってあげてくださいませ(^ ^)。

.
花組大劇場公演「虞美人」の、新人公演メインキャストが発表されました。


項羽 (真飛聖) 鳳真由
虞美人(桜乃彩音)天咲千華
劉邦 (壮一帆) 瀬戸かずや

真由ちゃん、新人公演初主演、おめでとうございます!!

バウ公演「BUND NEON ~上海~」の芝居がすごく良かったので、ちょっと期待していました(^ ^)。「マグノリア・コンサート」も、カメラを突き抜けて伝わってくるような芝居心のある歌いっぷりが凄く良かったし、とっても楽しみです♪ 本当におめでとう~!



あきらくんも、これだけの大役は初めてですよね?この人もバウの好演が評価されての役付きかな、と思います。ここ一年くらいで急激に華やかになってきた人なので、この役をきっかけに、更に化けてくれることを期待★90期だから、今年が新公の長、か。……チャンスが無いわけじゃ、ないんですね。がんばれ!



千華ちゃんは「外伝・ベルサイユのばら」に続いて二度目。
次の公演からはトップとして同期の蘭ちゃんが来るので、もしかしたら最後の新公ヒロインかも?と思いつつ、衣装も似合いそうだし、こちらも楽しみです。初主演の真由ちゃんを、しっかり助けてあげてくださいね♪



う~ん、楽しみです。がんばってチケット取るぞ~~~!!



それにしても、だいもんの殷桃娘は誰がやるんでしょうね。男役?娘役?……主演が発表されると、他のメンバが気になる。知りたがりは人間の性なんだなあ…。

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東京宝塚劇場宙組公演「カサブランカ」。




■第16場 リックの店(最後の夜) ~1941年12月3日 夜~

歌いながら銀橋を渡って、リックが本舞台に戻るのと同時に音楽が変わります。

「ボンソワ~ル♪」
ルノーさん(北翔海莉)の、妙にのーてんきな響きが可愛いです♪
「通行証を見せてくれ」
「疑り深い奴だ」
というやりとりの後、階段の陰に隠れるルノー。


店のドアを開けて、イルザが駆け込んでくる。

「リチャード!」

その、甘い響き。

イルザが彼を「リチャード」と呼ぶのは、ここと、前の晩に「お願いよ、パリの貴方に戻って!」というところと、空港の三回だけ。どれも、なんというか「上から目線」というか、「クレーム」っぽい台詞なのが面白いなあ、と思ったりします。

「彼は、私が一緒に行くと思っているわ。私が残ると彼に伝えていないの?」


この場面。
イルザは、リックが自分の願いを容れて、ラズロを脱出させるつもりだと思っているんですよね。
そして、自分はリックの傍に残るべきだと思っている。

でも、リックは、二人を脱出させるつもりでいる。

そしてラズロは、、、、私は最初、彼はリックがイルザを連れて出て行ってくれると思っているんだよね?と思っていたのですが、、、やっぱり、イルザと自分と二人で脱出するつもりでいるのでしょうか…?金を渡そうとするところとか、リスボンに連絡が取れたって話のあたりとか。



リックが差し出す通行証を、逡巡なく受け取るラズロ。
その瞬間をみはからって、階段の陰からルノーが登場する。

「ヴィクター・ラズロ!逮捕する。ドイツ特使殺害容疑だ」

手をあげてルノーを凝視するラズロとイルザ。

「私の親友・リッキーはな、人助けより愛を選んだのだ。……な?」

そんな自慢げな男の台詞の間に、ゆっくりと懐から銃を取り出す、元レジスタンス。

「いつから親友になったんだ?」

いやあん、カッコいい~(はぁと)★



舞台上手の椅子にルノーを座らせ、電話を渡すリック。

「空港に電話して、指示をするんだ」

忌々しげに受話器を取って、電話をかける。……それに合わせて、上手の花道セリでせりあがってくる長身の人物は、シュトラッサー少佐(悠未ひろ)。
ルノーの一方的な指示を聞いて、周りにハテナを飛ばしながら、別の番号を回す。
「大至急、私の車を。それと、警官一分隊をただちに飛行場へ!可及的速やかにだ!」

……この台詞、「かきゅうてきすみやかに」が無事言い切れた日は、つい拍手したくなるんですが……(^ ^;ゞ





■第17場 空港 ~1941年12月3日 夜~

シュトラッサーが花道で電話している間に本舞台は暗転し、下手から建物のセットが出てくる。
受話器を持って、管制塔へ視界や霧の様子を報告しているえなちゃん(月映樹茉)が、超可愛いんです♪♪

「管制塔へ。10分後にリスボン行きが離陸いたします」

そんなところに、ルノーたちの一行が登場。
ルノーは制服、リックとイルザはトレンチコートを着込んで、なのに、ラズロだけはなぜか背広のまま。そんな格好で、寒くないの?ヴィクター……

先頭を歩くルノーの後ろで、帽子の下に隠した銃を話さないリック。
ラズロに荷物の積み込みを任せて、イルザに向かい合う。

「出国者の名前は……ヴィクター・ラズロ夫妻だ」

この瞬間まで、ラズロ一人を行かせるつもりだったイルザ。
この瞬間まで本音を隠して、時間切れを狙ったリック。

「何故なのリチャード!?」

昨夜、全てを話し合ったはずのあたし達なのに!

「君がヴィクターとあの飛行機に乗る、それがベストだ」

そして、君と別れたあとに俺は彼とも話したんだよ。

「私も一晩中考えて、あなたと生きる決心をしたのに」

……考えて決心するようなものじゃない。頭で考えて選ぶものではないんだから、愛は。
ただ、流されるだけで。

頭で考えて選んだ結論なんざ、クソクラエ。
俺は君を幸せにする。ラズロには出来ないやり方で。後悔は、させない。

「ヴィクター・ラズロを支えているのは、君だ。君自身、そのことを誇りに思い、生きる証になっている」

「どちらを選んでいいかわからないときは、自分がやるべきほうを選んでおくんだ。そういうときは、どっちを選んでも必ずあとで後悔する。同じ後悔するなら、すこしでも軽いほうが良いだろう?
やるべきことを選んでおけば、やるべきことを放棄しなかったぶんだけ、後悔はかるくてすむだろうから」(by「月の影 影の海」)


……だから。
たとえ、その“誇り”が君にとってどんなに重荷になっていたとしても、君は、一度背負ってしまったその荷物を投げ捨てるべきではないんだよ。


「あなたは…?」

俺?俺はもう、大丈夫さ。だって俺には、

「……巴里の思い出が、あるさ」

名台詞と同時に流れ出す、「As Time Goes By」のしらべ。
あの輝かしい日々。笑顔に溢れた、花の都・巴里。

音楽を聴くだけで血を流していたリックの傷が、むず痒さを残して癒えた瞬間。

「ずっと封印していた想いを、昨夜、二人で蘇らせたのだから………」

リックが傷ついていたのは、イルザに振られたことそのものではなく、イルザが本当に自分を愛していたのかどうかに確信が持てなかったからなのだ、と思います。
それが、前夜の様子で、イルザもちゃんと本気だったと確信できた。
ラズロに向ける思慕とは違うものだけれども、自分のことを愛していたことは、紛れもない真実。

そこに真実があるのなら、それでいい。
たぶん、リックはそう思ったのでしょう。
ならば、いい。今はとにかく、ラズロと一緒に行けばいい。
それが一番良いんだ。だって、
ラズロには君が近くに居ることが必要だけれども、俺は、遠く離れていても大丈夫。

「君は決して離れない。俺の心の中から」

俺は必ず、超えてみせる。あのスーパーヒーローを。
君がいなくても、俺は闘える。狂った世界に立ち向かい、人々に笑顔を取り戻して……そして、もう一度君に会いに行くよ。

「さあ、顔をあげて。俺は君を、見つめているんだよ」

世界の果てで、また、会う日まで、

「……君の瞳に、乾杯」

手の中にグラスは無くても、前夜の乾杯の音が蘇る。
高まる音楽と共に。




音楽が落ち着いたあたりで、戻ってくるラズロ。

グラフ(2月号)の対談によると、ここのラズロさんは『空気を読んで』戻ってきているらしいんですが。……そうだったのか(@ @)大劇場で観たとき、あまりにも堂々と戻ってくるラズロさんが格好よくてちょっと惚れ惚れしてたんですが、、、(^ ^)空気を読んでたとは知らなかったな(汗)。


「君に一つ、聞いてほしいことがある」

お互いに、真実と嘘が交ざりあっていることを知りながら、それでも、言わなくてはならない言い訳が、ある。

「昨夜、彼女が店に来ていたんだ。通行証を渡してくれと頼みに」

これは、真実。

「彼女はまだ俺を愛している振りをし、俺も調子を合わせた」

これは、嘘?

「でも、俺達の仲は巴里で終わっている……」

これは、真実?

話しているリックにも、聴いているラズロにも、どこまでが嘘でどれが真実なのか、本当のところはよく判らなくなっている。
ただ、真実は。

リックとラズロはイルザを愛し、イルザはリックとラズロを愛している、ということ………。

通行証を受け取って、右手を差し出すラズロ。

「あなたも我々の仲間です」

あなたが自分の信念から逃げることを辞めるのならば、私達はいつでも歓迎しますよ、と。

右手に握った銃を左手に持ち替えて、握手に応えるリック。

あんたみたいに正面からやったって、力づくでつぶされるだけだ。
俺には俺の、やり方がある。

………女連れでやるには、あまりに危険なやり方が、な。



イルザの腰を抱いて、飛行機へ向かうラズロ。
見送るリック、そして、ルノー。


飛行機が二人を飲み込んで、ゆっくりと回頭を始めたとき、一台の車が滑り込んでくる。
ナチスの軍服を着込んだシュトラッサー。車を降りてルノーに詰め寄る彼は、たぶん、本当に“雲突くような大男”なんでしょうね、ルノーにとっては。


リックと言い争いになって、ついに撃ち殺されるシュトラッサー。
現役の将校が、現場を離れて二年半も経ってる元ゲリラに負けてどーするんだ、と思ったりもしますが(^ ^;ゞ、斃れてもやっぱりともちんは格好良いです(はぁと)


そこへ、次々に到着する警官隊。さっきシュトラッサーが呼んだ連中が、やっと来たか、という感じですが。
ルノーの「シュトラッサー少佐が撃たれた。犯人を探し出せ」という指示で、思わず眼を剥くリックが可愛い、です。
でちょっと眼を逸らして警官隊を見送ってから、ふとリックの方を振り返ってニコっと笑うみっちゃんが、すっごい可愛い日があるんです(^ ^)。
そこでルノーさんが可愛いくなってしまうと困ることもあるんですが、まぁ、どうなっても祐飛さんは受けられるだろうし、心配ないかな、と思っています。

しかし。
いずれシュトラッサーの後任が来ます……よねえ?あるいは、ハインツはちゃんと居るわけで。
彼にはどういうふうに言い訳するんでしょうね。ラズロは逃亡、リックも逃亡、そして、通行証のサインはホンモノ……、そんな状況を(謎)。






「君は、またファシストとの戦いに戻ったんだな」

ちょっと感慨深げに、リックに声をかけるルノー。

「そうだ、君に通行証をやろう。カサブランカを出て、北アフリカのレジスタンスの基地にいけるよう、手配してやるよ」

おや?君にも、そんな伝手があったんかい?




お芝居の一番ラストの台詞は、ルノーの

「これからの、(俺達の)友情の、な」

なんですが。
この台詞って、たしか映画ではリックがルノーに言うんですよね…?

たしかに、みっちゃんのルノーのキャラは、そういうことを言いそうな軽さがあるし、
祐飛さんのリックは、そういうことを言いそうに無い感じはしますけど。
でも、なぜあえて逆にしたのか、小池さんの意図をちょっと聞いてみたい気がします。





♪頬にしみる冷たい風は
♪夜霧に溶けて道を濡らす
♪俺の心も霧に溶けて 傷みを忘れる

プロローグで、カサブランカに入る直前に歌った歌が、ここでリフレインするのが凄く好きです。
あのときは、「温くて乾いた風」だった。
今は逆に、「冷たく」て「濡れた」風。


恋は消え去っても、それが真実であったなら、熱い想いは消えはしない。


イルザにとっては、彼女自身の脚で立って歩きだすために、乗った飛行機。

愛した記憶。
愛された記憶。
自分が守りたい、護らなくてはならない男を選んだ女は、たぶん、誰よりも強いのだから。

護られなくてはいけないほど、弱くはない生き物なのだから。



明日からの人生も、誰かの付属物としてではなく、ただ独り、前を向いて歩いていく。
愛の面影を、抱きしめて。



.
東京宝塚劇場宙組公演「カサブランカ」。




■第14場 リックの店(深夜) ~1941年12月3日 早朝(?)~


店の奥で乾杯したリックとイルザ。
そこに、店の表からバタバタと駆け込んでくる音がする。

イルザを二階に隠れさせて、様子を見に出るリック。
店の表には、侵入者が二人。……カール(寿つかさ)とラズロ(蘭寿とむ)。

ボスがまだ起きていることに気づいて驚くカールを二階に上がらせ、「2階のゴミを棄ててきてくれ」というリック。カールとイルザを片付けて、ラズロと対決するために。

しかーし。カールがサラッと「何人か捕まっちまって…」と言ってますけど、店のスタッフは皆無事なんでしょうか………?(心配)



カールを見送って、ふとかえりみるリック。
ラズロは、手の傷に巻いた包帯を直している(←その包帯はいったいどこから?)

「……あんた、本当に不死身だな……」
感心したように呟くリック。
「ナチスが滅びるまで、死ぬわけにはいかない」
案外と、軽い口調で返すラズロ。

「降りてしまいたくならないか?」
「いいえ、まったく」
という会話が、実はものすごく好きだったりします。
特に、この後の
「でも、ひとつ降りてもいいゲームがある。……イルザのことです」
というラズロの台詞のさりげなさが、すごく好き。




こんな公共の場に書いていい話題なのかどうかわからない……というか、書き方が非常に難しい話題なのですが。

実は。

私、大劇場で初めて観たときから、ラズロとイルザの間には、俗に言う“夫婦生活”がないんじゃないか、と思っております。と、小さな字で書いてみる(汗)。


すごく、宗教的なものを感じたんですよね、あの二人の関係に。
特に、銀橋でのラズロの抱擁が、あまりにもなんというか、痛々しくて。
蘭トムさんのラズロには、肉欲を感じないんです。



私の中で、蘭トムさんっていうのは、正真正銘の『アメリカン・ヒーロー』なんですよ……。

一番最初に印象に残った役は「月の燈影」の、犬っころみたいにまっすぐに幸蔵(彩吹真央)を慕う岡っ引きだったんですが、その後は、何と言っても「Never Sleep」と「逆転裁判」(『スカウト』は観てないんですすみません)なんです。
どちらも、アメリカのTVドラマにぴったりのヒーロー像だと思うんです。それこそ、大好きだったドラマの「アメリカン・ヒーロー」を宝塚化する日が来るなら(←来ないけど!)、ラルフは蘭トムさんしかいない!!と思っていたりします(^ ^)。
ドジで憎めなくて、一生懸命で可愛い“いい奴”というキャラが、あんなに嫌味なく嵌る人って他にあまり思いつかないんですよね。

二番手に回ってきがちな黒い役とかは結構苦戦しているケースも多いような印象もあるんですが、私は徳川慶喜もすごく好きだったし、とにかく、芝居としては「ヒーロー」が一番嵌るタイプの役者なのだと思っています。

「真ん中にしかいられない」という意味では宙組の前任トップであったタニちゃん(大和悠河)という人ががいますが、彼女はあくまでも「キラキラな王子さま」でしたよね。蘭トムさんは、決して『王子さま』ではなく、あくまでも『アメリカン・ヒーロー』なんです。私の中では(^ ^;ゞ



で。
アメリカのTVドラマって、恋バナは必ずあるけれども、濡れ場はない、という印象があるんですよ。アメリカという国のお茶の間事情があるんだと思っているんですが…っていうか、何か根拠があって書いているわけではなく、なんとなくのイメージに過ぎないのかもしれませんが。
蘭トムさんにはそういうイメージがあって、、、恋はするけれども、肉欲を感じない男、なんですね。

イルザのことを愛している。
だから、たとえようもなく優しい、甘い声で、
「僕はいつでも、君を愛しているよ…」
と囁く。
でも、それ以上は何もしない。そういう、『紳士』に見えるんです。

使命を果たしたなら、ナチスが滅んだなら、その時こそは必ず、と。まるで、そんな約束を交してでもいるかのような。




対するイルザのすみ花ちゃんと、リックの祐飛さん。
この二人はもう、やるべきことはとっととやってるだろう、としか思えません……(- -;ゞ
そしてイルザには、ラズロとの距離感に、物足りなさがあったんじゃないのかな、と。
『女』として、本当に愛されているのか、不安になるときがあったのではないか、と。
ラズロがあまりにも完璧な『世界を救うヒーロー』でありすぎて、『自分の男』だという確信が持てなかったのではないか、と。

だからこそ、リックとの『本能的』=『肉体的』な愛に抗いきれず、ラズロとの『理性的』=『精神的』な愛を裏切る結果になってしまうのではないか、と……



念のため、補足。
蘭トムさんに色気がない、っていう話では全くないんです。だって彼は、ショーでは誰よりも色っぽいんですから。
でも芝居では、不思議なほど禁欲的な役が似合うんですよね。
彼は常にヒーローだから。痩せ我慢こそがヒーローの美学、だから。

でも、祐飛さんは、そういうモノを抑えたことは一度も無い……ような気がする。「哀しみのコルドバ」のお髭のオジサマ・ロメロさんでさえ、何一つ抑えてはいなかったし、『痩せ我慢の美学』とは最も遠いところにいる役者だと思う。そういうものを抑えなくてはいけない役が回ってこない、というのは、宛書を身上とする宝塚においては正式な評価であり、制作部の総意なんだろうな、と思うワケですが。
そして、そういう評価が、小池さんの「キスシーンが巧い」につながっているんだと思っているワケですが。



…長々と書いてきましたが、以上のようなことは、漠然と大劇場で観たときから思っていました。
ただ、なんというか。このへんのことは、心の奥にしまっておこうと思っていたんですよね。

しかし。
新人公演を見て、やはり書かねば!と思ったのでした……。

新人公演のラズロとイルザは、普通に夫婦なんだな、と思ったので。

本公演のような、愛の形としてはいびつなものではなく、普通に愛し合って夫婦になっていた、イルザとラズロ。
新人公演はパリの場面が無かったので、芝居におけるラズロの比重がものすごく高くなっていた のですが、かいちゃん(七海ひろき)の芝居はものすごく愛に溢れていて……もう、イルザのことが心配で不安で、最初のカフェの場面でも、ワケありげな二人をみながらちょっと不愉快そうだったり、すっごく人間的だったんですよ。

出番のすべてにおいて、常に『ヒーロー』だった蘭トムさんに対して、かいちゃんのラズロは、対イルザの場面のみ、完全に『ただの男』だったのがすごく新鮮でした。

だからこそ。女としての自信を喪うこともなかった(藤咲)えりちゃんのイルザは、びっくりするほど精神的に強靭で頑固で、……なのに、思い出に溺れてしまってからは可愛かった★んですが(*^ ^*)。

ただ、どちらのラズロにしても、やはりイルザの不安は拭えないんですよね。
彼女の不安は、彼の『愛』は、果たして自分と同じものなのかどうか?という不安であり、また、自分は本当に彼にふさわしい女なのか?という不安でもある。つまり、自分自身に対する不安です。
リックはそういう不安を掻き立てる存在ではなかった。
ただ一緒に居るだけで幸せで、精神的にも肉体的にも満たされていた。
……短い時間だったけれども。



ラズロは、死の淵から生還した自分を出迎えてくれたイルザに、何かがあったことに気づいたのでしょうか?

「マルセイユで私のヴィザが発行されなかったとき、どうして先に行かなかったの?」
「……それは、君を愛していたから……」

という会話の裏に、

「あそこで君を置いて先に脱出していたら、君は本当に、追いかけてきてくれたんだろうか…?」

という不安が見え隠れしている…と思うのは、故ない妄想なのでしょうか……?








「それほどまでにイルザが好きか?」
と問うリックの、激情を抑えて平静を装った貌。
「ええ、好きです。……自分の命に代えても!」
と応えるラズロの、確信に満ちたようにも、自分に言い聞かせているようにも見える、貌。

何かを言おうとするリックを遮るように、ドアが蹴破られて警官隊がなだれ込んでくる。

「ムッシュ・ラズロ?あなたを逮捕します!」

……さっつん(風羽玲亜)の声は本当に素敵だ♪(*^ ^*)
フランス兵(天風いぶき)に手錠をかけられるときに、傷に触られて「痛っ!」という顔をするラズロさんが結構ツボです。

「どうやら、運命の悪戯はまだ続くようだな…」

リックの言葉に、振り向くラズロ。

「また、会おう」

必ず、今の会話の続きを。
そう眼で語るリックに、軽くうなずくラズロ。




■第15場 本当のリック ~1941年12月3日 早朝~昼間?~

リックの頭の中で、さっきまでのラズロの台詞がぐるぐる回っている。

「あの通行証で、イルザを連れて二人でカサブランカを脱出していただきたい。どこか、安全なところへ!」

イルザを連れて、二人で。
あの男は確かにそう言った。
『イルザをカサブランカにおいておくのは危険だし、自分自身、女連れでは身動きがとれない。彼女に野宿させるわけにはいかないし、万が一彼女が囚われたら、自分にはもう選択の余地がない。』
たとえ世界と引き換えにしてでも、彼女を救いたいと思ってしまうだろうから。

それが、本当のヴィクター。
ならば、俺は?


♪金がほしくて始めたはずの 武器の横流し

椅子に掛けていたジャケットを取って、吐き出すように歌いだす。

♪だが人が死ぬのを見るのは怖い
♪人の笑顔を見ていたい

だからカフェを始めたのか!誰もが笑顔でいられる場所を作りたくて!!(ポン)

結果的には、あのカフェはレジスタンスの溜り場であり、ファシズムとの闘いの前線にもなったわけで、ある意味、すごく理想どおりなのかもしれませんね。……死人は出ちゃった(ウガーテ)んですけどね。

♪本当の俺はどこにいる
♪本当の俺はどう生きる?

銀橋下手にルノー(北翔海莉)が登場。
さっきまでの真剣な顔を拭い去って、こ狡い中年男の仮面を被ったリック。

「ラズロを釈放しないか?もっと大きな罪を着せて現行犯逮捕してやれば、お前も出世するだろう」
「どんな罪だ?」
「ドイツの通行証の窃盗」

口先八寸でルノーを騙しにかかる。

この場面、以前映画で観たときは、私は全然リックの本意に気がつかなくて、最後のどんでん返しですごく驚いた記憶があります。

でも、小池版では「本当の俺はどう生きる?」と歌いながらの挿入場面なので、観客が騙される余地がないんですよね。……まあ、わかりやすくていいのかな、と思いますが。

「ラズロ釈放のときは、尾行は外してくれよ?」
万が一シュトラッサーにバレたら、計画はおじゃんだ、と言いながら。

♪本当の俺はどこにいる

ちょっと苦しげに、囁くように、

♪本当の俺はどう生きる?


次は、フェラーリとの商談。
「店を譲ってくれるとは嬉しいが、急だな」
「営業停止になって思い立ったんだ。従業員たちの契約を今までどおりで守ってやってくれるなら、な」
「保証しよう」
「ならば、手打ちだな」

銀橋の真ん中で、ハイタッチをする祐飛さんと磯野さん、なんていう図が観られるとはねぇ……(しみじみ)



♪人のために危ない橋は渡らない、と誓ってきた
♪人のために涙は流さない
♪どんな女も愛さない

ラズロに限りませんが、「世界を救う」ことを希む人というのは、だいたい自分自身が本当に不幸になったわけではないことが多いんですよね。
両親を殺されたとか、妻を惨殺されたとか、そういう人は活動員として重要ですけれども、リーダーではないことが多い。リーダーは、それこそ「他人のために涙を流し」「他人のために危ない橋を渡ることを厭わない」人。つまり、「すべての人を愛している」人が多い。

だからこそ、ラズロの身近にいる人たちは大変だと思うのです。
イエスを愛したマグダラのマリア(ジーザス・クライスト・スーパースター)のように。
あるいは、イエスを愛したユダ、の、ように……(T T)。

でも、リックはそんな風には生きられなかった。
人の死に耐えることができないほどに、他人を愛してしまっていた、から……。



♪心に楔を打ち込んで あの日から生きてきた
♪本当の俺はどこにいる
♪本当の俺はどう生きる?


ルノーを呼びつけ、店を処分して。……リックがこのとき、考えていることは?

ラストにシャウトして、心の澱をすべて吐き出したリック。
もう、迷わない。
どこにいようと、どこへ行こうと、必ずめぐり合えるのだから。

世界の果ての、その先で。


.

霧矢さん、蒼乃夕妃ちゃん、トップコンビお披露目公演初日、おめでとうございます~~~\(^O^)/


半年前に博多座でお披露目した祐飛さんも、きっと喜んでくれていると思います♪
「紫子」と「HEAT ON BEAT」、すっごい楽しみ★もちろん、本公演の「スカーレット・ピンパーネル」も、めちゃめちゃ期待していますので、がんばってくださいねー♪




なんだかパソコンの調子が悪い、、、長文が書きにくいよー(涙)。

東京宝塚劇場宙組公演「カサブランカ」について。



本題の前に一つ。
本日観劇してまいりまして、やっと、トークスペシャルでカイちゃん(七海ひろき)が話していたパリ南駅での(藤咲)えりちゃんとカイちゃん夫婦を発見しました!
いったん改札を通ったメンバーが袖から再度出てくるターンで、まずはえりちゃんが上手の袖から駆け込んできて、群衆の一番後ろにつきます。舞台奥の壁沿いに立っているんですが、次々に皆が駆け込んでくるので、1階席だと見つけ難いかも。

で、えりちゃんは全然カイちゃんを探してなかった(@ @)。明らかに汽車に乗る気満々で、列の後ろに並んで前に行こうと一生懸命アピールしてる(^ ^)。

カイちゃんは、最初のターンで汽車に乗るのが遅い(銀橋では真ん中近くにいるので、本舞台に戻るのが遅れるため)せいか、なかなか出てこず……今日は、サムとリックが駅員を乗り越えて行った後になって、やっと上手袖から出てきたような気がします。
カイちゃんは、舞台に出た瞬間からキョロキョロと人を探している様子で、「どうしようもない 逃げるしかない…♪」とコーラスが響く中、ちゃんと妻(えりちゃん)を見つけて、二人で固く抱き合いながら歌う……というドラマティックな芝居で場面を締めてました(^ ^)。可愛いなあ、二人とも。
でも、えりちゃんはカイちゃんが思っているほど夫を愛してはいない……ような気がしました(^ ^)。

ちなみに、カイちゃんと同時かちょっと前後する感じでみーちゃん(春風弥里)たちも出てきます。みーちゃん、たしかに「サラリーマン」だと言われれば「そうかもね」という感じに見えました(^ ^)。






小ネタは以上、です。

【12】まで書いて、ちょっと放置していた本公演。
とりあえず、あとちょっとなので続きを書かせていただきたいと思います。
ちなみに、【12】はこちら⇒ http://80646.diarynote.jp/201001210514577824/



■第13場 地下水道での集会② ~1941年12月2日 夜~

暗転の中、銀橋の上手側にラズロが登場。本舞台の上手半分と花道にもメンバーが勢ぞろいして、ラズロの演説に聞き入っている。

「今日、リックのカフェが閉鎖された。ナチスの締め付けはますます厳しくなるだろう」

深く哀しんでいるリックの店の従業員たち。さりげなく彼らを慰める ヘルム 雅桜歌ちゃんが結構ツボです。雅さん、ついさっきまでドイツ兵だったくせにー(^ ^;。

他のメンバーは、国歌対決での盛り上がった気持ちをそのまま持ってきた感じで、すごく熱いです。手を握り合ったり、拳を高々と掲げたり。……国歌対決ではドイツ兵だったお二人(雅&春瀬)もちゃんと付いてってるのは、素直に凄いかも。
邪魔が入るまでのごく短いシーンですが、二幕頭の集会とか、国歌対決での熱気がちゃんとつながっている感じで、よく出来ていたと思います。

……でも、もうちょっと長くてもいいと思うんだけど(T T)。


「いたぞ!」「地下道を包囲しろ!」
下手からバタバタと駆け込んでくる警官たち。
「逃げろ!!」
蜘蛛の子を散らすように逃げ出すレジスタンスたち。

銀橋を走り出す蘭トムさんの足の速さに、一度前方席で観たときにちょっと感動しました(*^ ^*)。銀橋を本気で走る人ってあまりいないので。……あ。「太王四神記」でホゲさんが駆け抜けてたな。あれも早かったっけ(^ ^)。

上手花道を走ってくる警官たち。鋭い発砲音。
「検挙者は?」
「十数名ほど」
「ラズロは?」
「取り逃しました」
「馬鹿者!!」
この会話のテンポが結構好きです。ポンポンと進むのが。
……あっきー(澄輝さやと)、せっかく二枚目なんだから、台詞もがんばって……。


ラスト、財布から札を出すルノー(北翔海莉)と、それを受け取るジャン(珠洲春希)の台詞のないやり取りが結構好きです。狐と狸の化かし合い、って感じ♪




■第14場 リックの店(深夜) ~1941年12月2日 深夜(3日早朝?)~

紗幕があがって、リックの店に戻る。
第12場の後、どれだけの時間が流れたのかは不明。ただ、ある程度の時間が流れて、二人の間にも『何か』があったことはわかります。だって、リックとイルザの表情が、10分前とは全く違う。

♪たとえ世界が夜の闇に沈んでも 俺は見つけ出すだろう
♪君の輝きだけは

リックがひどく優しい声で歌う。
それに応えて歌うイルザを、ピアノにもたれて、ひどく遠い眼をして見凝めるリック。
手を触れようともせず、ピアノの周りをぐるぐる回りながら歌う、二人。

♪世界の果てまでもこの愛を持っていこう
♪砂漠の彼方 海も越えて
♪昼も夜もかかわらず

#……日本語としては、「関わらず」じゃなくて「関係なく」だと思うんだが……。
 歌詞としてのバランスでいうなら、「どんなときも」とかそんな感じ?

♪どこにいようと どこへ行こうと
♪必ず廻り逢う 愛は燃え続ける
♪世界の果てまでも……

再び廻り逢い、口づけを交わす二人。
うっとりと、全てを投げ出してリックに預けてしまったイルザが、とても切ないです。先刻まで、彼女は自分の足で独り立って、ラズロのために銃を掲げていたのに、今カフェでリックに抱かれている彼女は、ただの少女に戻ってしまっている。



えりちゃんだったかすみ花ちゃんだったか、どちらかが何かのトークで「ラズロへの愛は理性的な愛で、リックへの愛は本能的な愛」だ、というようなお話をされていましたが。

「理性」というか、「理由」あるいは「理屈」のある感情なんですよね、イルザからラズロに向かう想い、というのは。

たとえば、ラズロがマルセイユで
「もうこんなことは辞めよう、イルザ。このままアルプスの山奥に隠れて、畑でも耕しながら戦争が終わるのをまとう。こんなこと、長く続くわけがないんだから」
……とかなんとか言い出したとしたら、イルザはついていかなかったんじゃないかと思うんですよね。
なんていうのかな。イルザがラズロについてきたのは、ラズロがそんなことを言うわけがない男だから、なのではないか、と。実際ラズロはそんなことを言わない男だし、考えもしない男として描かれているのですが、それ以前に、イルザがラズロに惹かれたのは、そういう男だったからだ、と。

でも、リックに向かう想いは、違う。イルザは最初、リックのことを何も知らなかったことは間違いない。もちろん、彼が安易に権力に迎合するような男じゃないことは付き合っていれば判るでしょうし、彼女なりに組織の一員として何らかの情報に触れる機会があったとしても、それが彼を愛した理由ではない(←そもそも愛に理由など無い) はず。

「過去は聞かないという言葉に溺れてしまったのね、私…」


もしかしたら、彼女自身が『ラズロ』というスーパーヒーローの傍にいることが辛くなり始めていたのかもしれません。
チェコが併合されて、組織に対する眼は厳しくなっていたはず。年単位で彼の身を案じて、案じて、案じて……逮捕されてからもひたすらに心配して、あげくに死亡通知を受け取って。まだ若い彼女は、そういう生活に疲れていたのかもしれない。

そんな彼女にとって、『過去の無い女』でいられる時間というのは、とても幸せなものだったはず。優しくて、ハンサムで、気紛れで、金持ちで、人生経験豊富で、そして権力には迎合しない男であったリックは、本能的に恋に落ちても不思議はない。

愛と、恋。
ラズロに向かう思慕はむしろ恋に近い、不安に満ちたものであり、リックに向かう気持ちは、安心して傍にいられる、居てくれる、幸せなものだった。故郷のオスロを出て以来、彼女が無条件に幸せだったのは、もしかしたらこの短い数ヶ月だけだったのかもしれない。

それでも彼女は、ラズロの生存を知ったとき、嘆きながらも、迷うことなく不安を選んだ。
ラズロは世界のものだったけれども、リックは自分のものだったから。
リックはイルザのものだったから、だから彼女は、いくらでもわがままになれた。「世界で最後のキス」を求めておいて、そのまま棄てる、そんな残酷なことさえも。
そして、そのまますっかり忘れて、懐かしい思い出の一頁にしてしまうことさえも。

リックがどれほど苦しんだか、彼女は知らなかった。彼女自身が、「自分は使命を選んだのだ」と思っていたのだから…。



それでも、変わり果てたリックを視て、自分が今でも彼を愛していることに気がついたとき。
イルザの心は、あの幸せな数ヶ月を求めてしまう。
リックに対する罪悪感が、使命感を削ぐ。そうして余計な感情を消し込めば、後に残るのは、本能的な愛だけ。

「あたしはもう、あなたから逃げられない……」

蘇ってしまったパリの思い出が、イルザを縛る。
もはや、使命感だけでは感情をコントロールできない。それがどれほど、自身の人生を否定することであっても、あふれ出してしまった記憶の奔流は止まらない。

「でも彼は、君を喪う」

それが、彼にとってどれほど致命的なことであるか。
その言葉を口にしたリックよりも、言われたイルザの方が、その痛みは大きい。

椅子に座り込んで肩を震わせるイルザに背をむけて、ブランデーをグラスに注ぐリック。
イルザにグラスを差し出して、

「……俺はずっと、君を見凝めているんだよ……?」

君がパリで俺から去ったときも。この店に突然舞い降りたときも。……そして、今も。

そっと受け取って、うるんだ瞳で縋るようにリックを視るイルザ。

「……君の瞳に、乾杯」


チン、という柔らかい音がとても綺麗で、名台詞の効果を高めてくれる気がします。あれって効果音ではないですよね?マイクにもちゃんと入っているのが凄いなーといつも思っているんですけど、入ってますよね…?なんか、私の幻聴だったらどうしよう(汗)。




そんなところに、バタバタと走りこんでくる無粋な足音。……から先は、また後日。


.
今日の日記で、「宙組」カテゴリが件数で単独3位に上がるはずです♪
祐飛さんが組替えになった時点では、2位の花組の半分以下、「呟き・ご挨拶・ほか」と同じくらいだったはずなのに、博多座以来6ヵ月、よく頑張ったなあ私(自画自賛)。
まあ、博多座、「逆転裁判」、「カサブランカ」と、語り甲斐のある作品が続いたおかげではありますが。

さて。この調子で、一位の月組を追い越す日は来るのでしょうか…?(^ ^)




現時点で積み残しているのは、外部作品で「ウーマン・イン・ホワイト」と「キャバレー」、「蜘蛛女のキス」。宙組関連では本公演の感想【13】以降。あと、花組関連がだいぶ溜まっていて、「相棒」と「BUND NEON 上海」の詳細、そして、「フィフティ・フィフティ」の二幕をどうしよう?……ってところかな(^ ^;ゞ。

ちなみに。一部の方からご質問をいただきましたが、残念ながら猫は、「花組マグノリア・コンサート」には行ってません(T T)。物凄く行きたかったし、ニュースで聴いて「何故行かなかったんだ~~っ!!?」と滅茶苦茶後悔しましたけど、さすがに無理でしたわ……↓↓
CSでの放送が待ち遠しい♪ …結構有名なミュージカル曲がたくさんあったらしいですけど、まさかカットとか無いですよね?(^ ^;;




さて。
そういうわけで(←どういうワケですか)今日は、「カサブランカ」の小ネタ拾いをしたいと思います。



■パリ南駅
先日のトークスペシャルで明かされた真実(^ ^)を確認するべく、目を皿のようにして観てまいりました。
みーちゃん(春風弥里)&ちーちゃん(蓮水ゆうや)の兄弟設定はチェック済みなので、まずはかいちゃん(七海ひろき)と雅桜歌ちゃんを。たしかに、雅くんがお兄さんに見える(@ @)。
間に入っている娘役さん(あれっ?誰だっけ?観ているときは判ってたのに↓)と三人で兄弟、という感じでした。
次は下手。れーれ(すみれ乃麗)とまっぷー(松風輝)と百千糸ちゃんは、たしかにかなり深刻そうに小芝居してます!もちろん声が聞こえるわけではないので詳しいことは判りませんが、心の中でアテレコしながら見入ってしまいました。

ここはいつも、銀橋上手の付け根付近でぎゅ~っと抱き合っている安里舞生ちゃんと瀬音リサちゃんを観てしまっていたので、久々に違う視点で面白かったです。


しかーし!いったん汽車に乗り込むべく奥にはけたあと、再び出てくる人の群れは判別しきれず(涙)。みーちゃんはわかったけど、残念ながらカイちゃんとエリちゃんの夫婦は見つけられませんでした(T T)。楽までに見つけられるかなあ……(凹)



■トレンチコート
パリ南駅の場面、6月だとゆーのに、なぜ皆トレンチコートなの??という私の素朴な疑問に、hanihaniさまが以下のようなコメントをくださいました。

> これってさ、前に「アンネの日記」の映画を観たときに持てるだけの荷物を持って
> 出国するわけだから、帽子とコートも気温云々には関係なく身につけられるから
> 身につけていくんじゃないのかな?

なるほど~~!!とすごく目から鱗だったので、転載させていただきました。
本当に、初見のときから謎だったんです(^ ^)v ありがとうございました!


さて。
リックさんは、3回、トレンチコートを着ます。プロローグの銀橋、パリ南駅、そして、ラストの空港。
このうち、プロローグだけが袷がシングルで、上衿が立っていないシンプルな形のもので、あと二回はダブルの厚手のコートなんですよね。胸のところに切り替えがあって、上衿が立っているやつで、たぶん二回とも同じものだと思うのですが。
パリを出るときとモロッコに入るときのコートが違うのがとても不思議だと思ったのですが、「全部持っていく」と考えれば、あの厚手のコートは着ちゃったほうが荷物が少なくてすむ、ってことかしら、と納得しました。


そして。
最初と最後のスーツがそっくりに見えることには、何か意味があるのでしょうか?
帽子が黒(最初)とカーキ(最後)で色が違うのと、ピンホールピンがある(最初)と無い(最後)のしか違いがわからない。あまり間近で観たことがないのですが、遠くから観ると、ライトの反射が良く似ていて素材も同じものに見えるんだけど……違いますかねえ?

モロッコに入るときと出るときに同じスーツ。……意味がわからん。



■貨幣価値
「カサブランカ」はハリウッド映画なので、お金の単位はドルだったように思うのですが、この舞台ではすべて「フラン」を使っています。
で。ちょっと金額が入った台詞を抜き出してみました。

・マリアのダイヤの指輪が2千4百フラン(値崩れしている)。
・密航の費用が1万5千(フラン?)
・ヘルムがサインしてった飲み代が100フラン
・リックとルノーの賭け。ラズロの脱出に1万フラン。
・闇ヴィザ二枚に、2万フランでは足りない。
・ちゃちいレースが「千フラン→700」「200で十分だ」「もう100でいいよ」
・外交官特権のある通行証に「10万出しましょう」「100万でも売らない」


ざっくり、1フラン=20円くらいかな?と思ったのですが、それで換算してみるとこんな感じです。
・ダイヤの指輪が4万8千万円
・密航の費用が30万円
・ヘルムの小切手が2千円
・リックとルノーの賭けが20万円
・闇ヴィザ二枚40万円では足りない。ってことは、一枚25万か30万くらい?
・レースが、言い値1万4千円、リックの提示が4千円
・通行証の価格「200万円出しましょう」「2千万でも売らない」


……ヘルムの飲み代がちょっとセコいな(汗)。


あと、通行証の価格は、命の価格だと思うとちょっと安い、ですよね。
イメージで言うなら、ポンと
「1千万出しましょう」
「一億でも売らない」
くらいの会話をして欲しいんですが、そうなると……

・ダイヤの指輪が24万円。
・密航の費用が150万円。
・ヘルムの小切手が1万円。
・リックとルノーの賭けが100万円。
・闇ヴィザ二枚で、200万円では足りない。→一枚につき100万円以上する。
・ちゃちいレースが「10万円→7万円」「2万円で十分だ」

バザールで2万円(言い値7万)のレースはありえない!とか、
リックとルノーの賭けも「経費だな」とゆーわけには行かない金額だよね、とか、
……いろいろ突っ込みは入るんですが。


それに、「一千万」「二千万」って話になると、ラズロの資金源は何?っていうのが気になってきます。トラックを手配するしか能のない(←失礼な)レジスタンスにそんな資金があるとも思えないし。
ラズロのモデルとなった人は貴族なんですけど、長男でもない彼が自由に使えるお金ってどのくらいあったんだろうか…?ましてや、この時代に。

まあ、間をとって1フラン=50円換算くらいがちょうどいいのかな(^ ^)。



■人生を変えた3日間

1941年11月30日(?)
 ドイツ領事(?)が殺され、通行証が奪われる


1941年12月1日 
 昼間:カーティス夫妻とシュトラッサー夫妻がカサブランカに到着。
 たぶん、ラズロとイルザが着いたのもこの日だろう。

 夜:皆がリックの店に集まる。ウガーテ逮捕。
 ラズロとイルザが来店。リックとの再会。いろんな人と話をして、退店。
 おそらく、この時点ではまだ日付は変わっていないと思います。

 夜中:店を閉めて、呑んだくれているリック。慰めようとするサム。

 夜明け前:イルザが店に訪ねてくる。
 同じ頃、ラズロは地下集会でもりあげている。※
 その場には愛月くんもいるので、彼はイルザをホテルへ送った後合流したらしい。

※夜明け近くまで、ラズロとバーガーは何をしていたんでしょうね。
 単に、集会というのは夜中いっぱいかかるのが当たり前なものなのでしょうか?


1941年12月2日
 朝7時から並んだのにルノーに遭えないヤンとアニーナ。
 朝10時(半)に出頭するラズロとイルザ。
 二人を帰して、アニーナだけを入れるルノー。

 午前中:ブルー・パレットにフェラーリを訪ねてくるヤン、リック、ラズロ。

 午後?:捜査令状を持ってリックの店に現れるカッセルたち。
 
 夜:リックに相談するアニーナ、ヤンに勝たせるリック。
 「内密の話」をしにくるラズロ。サムのピアノを聴きながら待っているイルザ
 ドイツ国歌を歌いだすドイツ兵たち。

 尾行をまいて、地下集会へ出かけるラズロ。
 夫と別れて、リックの店に向かうイルザ。
 
 夜明け近く:リックの店に逃げ込んでくるラズロとカール。※
 隠れるイルザ。
 ラズロの逮捕。

※「おとといの夜、気づいていました。私たちは同じ女性に恋をしている、と…」
 と言っているから、この時点ではもう日付が変わってて3日なんでしょうね。


1941年12月3日
 昼間:ルノーとの交渉、フェラーリとの交渉。

 夕方:ラズロ釈放

 「リスボンへの夜間便が飛ぶ30分前」の夜:
 ルノー来店、ラズロとイルザも来店。
 

1日の様子から見て、リスボンへの夜間便は日付が変わる前に飛ぶんだと思います。
従って、この物語は、12月1日~12月3日までの3日間の出来事、ということになるんですね。


リックの、ラズロの、イルザの人生を変えた3日間。
運命の、永遠にも等しい3日間。

長い人生も、わずか3日でまるっきり姿を変えてしまうことがある。
これは、そういう物語なんですね。
ドラマティックな事件が起こったわけではなく、ただ、極限状況のど真ん中で気持ちをぶつけ合った結果、今までとはまったく違う風景が見えるようになった、3人の男女。
悲恋ではない、愛の物語。


大空祐飛という、タカラヅカのスターらしくないスターだからこそ完成出来た、「格好悪い」ヒーロー像。

こんな素敵な作品で、お披露目できた幸運を、天に感謝しています!(真顔)

.
今日は、花組の大劇場公演「虞美人」の集合日だったんですね。

モバイルタカラヅカから、次々に来るメールに翻弄された一日でした(汗)。




まず発表されたのは、88期の愛純もえりちゃんと、92期の花織千桜さんの卒業。
東宝公演千秋楽(5月30日)付、かぁ~。もえりちゃん、バウでもお姐さま役をがんばっていて、良い感じだったのになあ。歌えて踊れて思い切りの良い芝居ができて……うーん、寂しい。そして、花織さん。研5になったばかりで散ってしまうのは、しみじみ惜しいです。
彩音ちゃんのサヨナラショーで、良い場面がもらえますように。(楽を観られるわけではないけれど)




ついで発表されたのは、「虞美人」の配役。
桃娘=だいもん(望海風斗)って、なにごとっっ!?

……だいもんの場合、ヘタにあの時代の甲冑を着るくらいなら、娘役の派手めな衣装の方が似合って可愛いかも(^ ^;)。もともとシャープな美人だし。そもそも殷桃娘って項羽を父(扇めぐむ)の仇と狙う人なので、殺陣があるんだろうし(*^ ^*)。
(原作では男装していたような気がします。随分昔に読んだっきりなのであまりよく覚えてませんが)
(白井鐵造版は観ていないのですが……、今回は別の作品として上演するんですよね?)




そして、次に来たのが、組替えのお知らせ。

花組 白華れみ 「虞美人」大劇場公演千秋楽付けで星組へ。
月組 蘭乃はな 「ハムレット」青年館公演千秋楽付けで花組へ。

このとき、私は公式サイトにアクセスできなかったので、この情報だけしか見てなくて…
すっごいハテナが頭の中を飛びかってました(- -;。

……いや、まあ、このタイミングで組替えしてくる人がいる以上、もしかして?と思いはしたんですが。
でも、まさか、ねぇ………?と。





で。
このまま、次のメールが来るまでなんと1時間半も待たされたんですよ~~~っっ!!
何故だ。私の携帯ってば、そんな大事なところで受け取り拒否したんじゃないだろうな(T T)。



と、まあ、ご本人たちには何の関係もないところでイロイロありはしたものの。
何はともあれ。

蘭ちゃん、花組トップ娘役就任、おめでとうございます~~~!!



今の宝塚で、新人公演ヒロインとバウヒロインの両方を経験していて、6月以降も在団予定の娘役って、実はほとんど居ないんですよね。
れみちゃん、蘭ちゃん、美海ちゃん、アリスちゃん………そのくらいしか居ない気がする。

まあ、娘役トップの場合、経験がなくてもなせば成るんでしょうけれども、とりあえずこの中から選ばれる分には、劇団的には順当なんだろうな、と思っていました。
個人的な希望や願望はいろいろありましたけれども、ね(^ ^;ゞ

この中から選ぶなら、組内のれみちゃんか、学年の近いトップが上に来たばかりで、並んだときの雰囲気が真飛さんに似合いそうな蘭ちゃんがいいな、と思っていたのですが。
……良かったね、蘭ちゃん。大事にしてもらってね。
ダンスはパワフル、歌はがんばれ!笑顔がかわいくて、声はちょっとアニメ系だけど滑舌良くて聴きやすい。芝居は憑依系の成り切りタイプ。存在自体にファンタジックな何かがあるひとなので、それをつぶさないような作品と出会えるといいな、と思います。
芝居自体はリアルだから、経験を積めば大人の女性もやれると思うし。

とにかく!花組の皆様、ちょっと負けん気強いけど可愛い月娘を、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m。





蘭ちゃんが就任したら、5組の娘役トップスターは、組順に蘭ちゃん、まりもちゃん、みなこちゃん(卒業予定)、ねねちゃん、すみ花ちゃん。
凄い!5人とも、芝居のできる、私の大好きな娘役さんばっかりだ!!
みなこちゃんが卒業するまでの短い期間だけど、一度でいいからこの5人で集まって何か芝居をして欲しいなあ……。「若草物語」とかどうでしょう。ママがまりもちゃん、長女から順にねねちゃん、みなこちゃん、すみ花ちゃん、蘭ちゃん。

いや、そんなヨタ話はどうでも良いんですが。




それにしても、れみちゃん組替えかー。
あすかちゃんの時みたいに専科じゃなくて、組替えなんですね。でも、意味的には同じなのかしら?
実は私、れみちゃんがこのタイミングで星組に組替えときいて、全国ツアーに参加してミカエラ役だと早合点してめっちゃ期待した(ミカエラは絶対似合う!!と小躍りした)のですが、「リラの壁の囚人たち」に出演されるんですね。
テルくんとは美男美女のカップルになりそうで、こちらも楽しみです(*^ ^*)。

これからのれみちゃんの前に、どんな道が広がっているのか、一観客でしかない私にはわかりませんが。
ただひたすらに、月組ファンの端くれとして、あなたの幸せを祈り、応援しています☆





と、いうわけで、大劇場で花組を観なくてはならない(役替りがあるので)ことが判明した今日。
あわてて遠征計画を練り直しています。



いろいろ精密に予定を組んでいるんだから、あんまりギリギリになっていろいろ発表されても、困るんですよね(T T)。マグノリアコンサートとか、イゾラベッラコンサートとか、やるんだったら早く発表してくれ~~っっ!!>劇団



.
日経ホールにて、「トークスペシャル in 東京」宙組に参加してまいりました。



みーちゃん(春風弥里)は、白とベージュの太いストライプのシャツに、黒のジャケット、薄いグレーのパンツ。
「リック’s カフェ・アメリカン 日比谷店から参りました」と最初のご挨拶。

かいちゃん(七海ひろき)は、濃グレーのかっちりしたスーツ。
「2010年1月27日午後19時、皆様にお会いできて嬉しいです」
と、ラズロさんっぽい感じでご挨拶。司会の竹下さんに
「七海さんはヤクルトホールの方には出ていただいたのですが、新しいホールは初めて?」
と振られて、
「はい、新しいホールなので、汚さないように気をつけます」

れーれ(すみれ乃麗)は、オフホワイトのシフォンワンピ。挨拶はごく普通でした。
トークショーは初めてなので、緊張しすぎて朝からお腹が痛くなったそうです。「早いね」と突っ込まれてたのが可愛かった♪

服装は三人とも、とくにモノトーンで揃えたというワケでもなく、結果的には皆モノトーンでしたが、あまり関係ない感じ(←どんな感じだ)、でした(^ ^)。




まずは「カサブランカ」の作品について。
結構面白い話がいろいろあったのですが……さて、どこまで覚えているかな?

一番キャラクターが明解なのはサッシャなので、簡単にキャラクターを説明してました。
『ロシア人だから、すぐ女の子を口説いちゃうようなタイプ』と小池さんに指示されたらしいんですが、、、小池さん、その認識はどっから出てきたんですか(汗)。
情に篤いスラヴ人だから、寂しげにしている子を慰めているうちに本気になる、みたいな話ならわかるんですけど。またみーちゃんが素直に受け止めて、「ファティマ可愛いよ」とか、アプローチしまくりの軟派野郎みたいに言うのが気になるー(汗)。
髪型は、小池さんからの指定は特に無く、自由にやらせてもらった。くせっ毛っぽい感じにしたくて、でも舞台で整髪料をつけると半端なパーマは伸びてしまうので、普段はキツめになってます、とのこと。誰かにトイプードルみたいと言われたらしい。いい得て妙………(感心)。

かいちゃんは、
「特に設定は言われなかったんですが、検索してみたらビゴーというのはフランス系の名前みたいなので、フランス人のつもりでやっています」
ちなみに、映画ではビゴーに当たる人が「エミール」と呼ばれているみたいですね。
ただ、この映画での彼の役名は「ウェイター」だそうなのですが、かいちゃんは自分の役を「マネージャー」だと主張していました(^ ^;)。
『マネージャーなので、お金に厳しいという設定を(勝手に?)考えて』、きっちりめのリーゼントにキメているんだそうです。で、最近のこだわりはピシっと一本落ちているシケだそうで。シケといえば大くんの専売特許かと思っていたんですが……
ちなみに、かいちゃん『シケ』って言葉が出てこなくて、適当に流してました(^ ^)。

あ、あと。ビゴーは、本人曰く「店一番の働き者」だそうです。


れーれは、
「可愛い花売りなんですけど、実はレジスタンスの一員で……」
とあくまでも可愛らしく。人が集まるリックの店で情報を集めて、活動に生かしているんだそうです♪
台詞であまり語れないので、バーガー(鳳翔大)さんとしょっちゅうアイコンタクトを取っている……というところで、みーちゃんが
「バーカウンターにいるバーガー宛のウインクを、間違えて受け取って返したりしてる」
とコメント。……だから君たち……。

髪型については、
「ファティマはベールをずっと被っているので、顔が隠れないよう、影が落ちないよう、被り方に気をつけています」
とのこと。ベールを止めてる肩口のブローチがムーア娘のお洒落のポイントで、カフェのお客様たちはキラキラした石がついていたりするけど、ファティマは働いているので、あまり派手にせず、地味目のにしているらしい。で、「これは紅珊瑚なの♪」とこっそり自慢しているらしい(^ ^)kawaii!!

ちなみに、あのベールの下は鬘を被っておらず、ただのお団子なのでつるんとしているらしい(@ @)。「ベールが取れないように命かけてます」というれーれが、本当に可愛かった!!




駅の場面についての、それぞれの裏設定。
・ちーちゃん(蓮水ゆうや)とみーちゃんは、兄弟(みーちゃんが弟)。逃げる途中ではぐれたお母さんを探している。みーちゃんが持っている鞄には、お母さんの持病の薬が入っていて、一緒に逃げないとお母さんが死んでしまう!と必死になっている。
・かいちゃんと雅桜歌ちゃんも、兄弟(かいちゃんが弟)
・れーれとまっぷー(松風輝)は黒人の夫婦。百千糸ちゃんが案内人(?)で、れーれが「財布をホテルに置いてきてしまった!取りに行かなきゃ!」というと、百千さんが「もう無理です!」となだめて汽車に乗せる、という芝居をしている。

いったん駅に入って、その後もう一度袖から出てきたときの設定。
・みーちゃんは、仕事をしていて、騒ぎを聞いて慌てて出てきた人。
・かいちゃんは、妻(藤咲えり)とはぐれて、探して、やっと出会えて抱き合って喜ぶけど、汽車には乗れないというドラマを演じているらしい。さすがに観てなかった(T T)……今度チェックします。
・れーれは、兄(月映樹茉)を探して、駅員(星吹彩翔)に掴みかかるという芝居をしています、だそうです。



あと、カゲコーラスの話もありました。
みーちゃんと84期の二人が女役の声でカゲコーラスをやっているそうなのですが、みっちゃんが肉布団を着ていて非常に幅が大きいので、マイクに届かなくて大変、という話をしていました。また、ソルーナさんとすっしーさんも同じパートを歌うのですが、こちらもお二人揃って相当に場所を取るので、狭いところで大変そう、だそうです。

竹下さんに「それにしても宙組のコーラスは凄いですね!」と言われて、すごく自慢げなみーちゃんがツボでした。
名場面となった国歌対決のお稽古でも、「自分の思いを全部出してやってみろ」と言われてやってみたという話があって……
みーちゃんは「椅子を壊しそうになった」、かいちゃんは「凄い泣きました」、れーれは「隣で七海さんが泣いているので、慰めていたら感極まってしまった」だそうです。

こういう話を聞くたびに、本当に宙組っ子は『奇跡的にピュア』なんだなあ、と感心します(*^ ^*)っつか、備品壊すなよ>みーちゃん(汗)




あとは……
カラー版の映画『カサブランカ』は、異国情緒があってとても良いそうです。
で、竹下さんの「今回は映像も素晴らしくて…」みたいな話を受けて、
「『カサブランカ』を客席から観たい」
と言うかいちゃんに、みーちゃんが
「あの店で真面目なのはビゴーだけなのに、いなくなったら困る」
とか一生懸命引き止めていたのが面白かったな~。

そんな話からの流れで、「ボスはどうですか?」みたいな話になりまして。
みーちゃんとかいちゃんが、口を揃えて
「階段から降りてくるリックを見て、ああ、この店で働いていて良かった、と思う」
というような意味のことを言っていたのが印象的でした。
竹下さんも、
「来たばかりのトップさんとは思えない?」
と結構突っ込んだことを訊いてくれたんですが、
「(3人とも逆転裁判チームなので)今回が初めてなんですが、そんな風にはとても思えない」
とか
「話を聞いてくれるし、笑ってくれるし、すごく温かくて」
「われらが誇るべきボス!って感じ♪」
などと、ちょっとリップサービス入ってるかもしれないけど、でも結構本音っぽく見えました(^ ^)。
上手く遣れているみたいで、良かった良かった……。


で。
カジノでの「ロシア式のお祝いでーす!」の後、かいちゃんは「サッシャだけずるい…」と突っかかって、エミールのちーちゃんに慰められている、とゆー話が出ていました。
ちなみに、ボーイの千鈴まゆちゃんは、「おらにもしてくれ」と言っているらしい。可愛い~~~!!(壊)







新公について。
ラズロのかいちゃんは「まゆさんのような包容力を見せたいと思ってがんばった」そうです。
「集会のナンバーは、皆の目が訴えてくるようで、ついうるうるしました。とにかく、最後の新公が『カサブランカ』で良かった」、と。

アニーナのれーれは、「しっかりしてて、大人で……と考えすぎて、行き詰ってしまって…」と迷いを見せながら、「本番は気持ちを切り替えてやれたと思います」と。

新公を卒業したみーちゃんが、本番やお稽古での二人の様子を、すごく丁寧に話してくれたのが嬉しかったです♪




■「カサブランカ」の登場人物で、好みのタイプは?

・みー 恋をするならリック、一生を共にするならラズロ(割と標準的な答えかな?)
・かい ラズロは自分が演じたので、まったくそういう対象としては考えられない……
    シュトラッサーなんてどうでしょう。あれで、意外と家庭的な優しいパパかも
・れーれ ファティマは、実はビゴーに片思いしているので、ビゴーさんです。

そして。
このファティマの告白を聞いたサッシャとビゴーの反応がめっちゃ面白かった!(*^ ^*)。
くるっと振り向きざま、声まで男役声に切り替えて話しかけたかいちゃん。
「サッシャは、ルノーがファティマを狙おうとするのから護ったりしてるのに、それでもダメですか?」と拗ねるみーちゃん。
君たち、本音が出すぎてますよ…?



■やってみたい役は?

・みー 黒い役。「スカーレット・ピンパーネル」のショーヴラン。是非歌ってください!!
・かい 友達や恋人のために死ぬ役。それも、誰かの腕の中で死にたい。
    これ、帰り道で友人たちとどんな役があるか考えたのですが、案外と見つからず…。
    ちょっと意味は違いますが、「銀ちゃんの恋」のヤスとか どうでしょうか?
・れーれ ストレートプレイや日本物やコスチュームプレイ。
     最後のは、たぶんわっかのドレスが着たいだけだと自分で言ってました(^ ^)。



■得意技(?)は?

・みー 宴会芸(公演のパロディとかやるらしい。観たい………)
・かい グラフの連載の話からなので、「絵も描ける」とかいうあたりでしょうか。
・れーれ いろんなものにラインストーンをつけて飾ることに嵌っています。

で。れーれが「(東宝公演中に誕生日を迎えた)ビゴーさんのために、ペットボトルのキャップをデコレートしたものをつくったのに、ずーっと忘れてきてばかりで……」と恥ずかしそうに告白してました。なんだか、高校生の恋模様を視ているみたいで、なんか照れる(汗)。
すっげー嬉しそうに鼻の下を伸ばしたかいちゃんが超ツボでした。
そして、「そうやって私をおいていく……いいわねビゴー」とめっちゃ棒読みで呟いたみーちゃんが死ぬほど可愛かった……。
この話のきっかけをつくったれーれが「来年のサッシャさんのお誕生日には、イヤホンをデコしたものをプレゼントします!」と言って、やっとおさまりました。しかし、……来年、なのか?>れーれ……。



あと、話の流れは忘れましたが、娘役さんは鬘とかアクセサリーとか自分で作って凄いよね、という話の流れから、男役ならではの苦労、という話になって。
「娘役さんは、地毛は一度まとめてしまえば後はあまり触らないからいいけど、男役は整髪料でガチガチに固めた髪を途中でなおしたりするから、髪が痛む痛む…」みたいな話になりました。
カミノモトが後援しているみっちゃんがいる宙組ならではの話題だなあ、と思いつつ(^ ^)。

で、「キッチリ目のリーゼント」のコツは?と訊かれて、即答で「横髪の角度」と応えたみーちゃん、「あと、前髪の高さ……かな?」と言ったかいちゃん。
どちらも、人によって似合う角度や高さがあるので、それを見つけるのが難しい、という話をしていたと思います。



最後に、竹下さんから「名古屋でお仕事があるそうですが」と振られたみーちゃんとれーれ。
来月中旬のトークショーの話をして、「みそカツ食べようね(はぁと)」と盛り上がる二人。
真ん中に挟まれて、キョロキョロしていたかいちゃんが、一言。
「そっか、私も行けば良いんだ」
……みなさま、かいちゃんは朝の7:30から並ぶらしいですよ(^ ^)v


あとは、二人がバウの話をさらっとして、かいちゃんがドラマシティの話をしてくれました。
公式に出ているあらすじ以上の情報はどちらも無かったのですが、
「近未来もので、アニメっぽいらしい、と聞いて、(アニメ好きの自分としては)キラキラ~~~っ♪♪という感じです♪」とハイテンションだったかいちゃんが素敵でした。

かいちゃん、「逆転裁判2」のナウオンでも、「ゲームが大好きで、凄く出たかったので嬉しい!!」と興奮気味に話していたときの盛り上がりようが凄かったっけ。私も元アニヲタなので、ヲタ同士、なんとなく気持ちが通じるような気が……するのは気のせいですが(^ ^;ゞ、とりあえず、楽しみが増えたような気がします。
「近未来」というだけで盛り上がれたカイちゃんを見習って、私も盛り上がらなくては(^ ^)



多少抜けがあると思いますが、だいたいそんなところだったと思います。
特別に暴走している人も、おとなしくて引っ込み思案な人もいなくて、ごく普通に、ナチュラルに会話している仲良しの3人、という印象でした。そして、3人とも想像していたより真面目な人たちだった(^ ^)ような気がします。みんな本当に可愛いわ(^ ^)
『奇跡的にピュア』な宙組っ子たちに、乾杯。

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東京宝塚劇場 宙組新人公演「カサブランカ」より。


久しぶりに、本公演を観てまいりました。
……中日を過ぎて、新公も終わって、、、、また随分と演出が変わったような気がします。
「キャバレー」が一段落ついて小池さんがあいたのか、新公を観てみなさんの意識が多少変わったのか?いろいろ面白かったです。特に変わっていたのは、すみ花ちゃんのイルザでしょうか?いろいろ記憶と違っていて、あれ?と思いながらの観劇になりました。



さて。では、昨日の続きを。


・安里舞生(エミール/蓮水ゆうや)
どの組を見ても、芸達者ぞろいの92期。宙組も例外ではなく、サムで私の心を掴んだえなちゃん(月映樹茉)をはじめ、多士済々いるとゆーのに、声を聞いたこともない舞生ちゃんがどうしてこんなに気になるのやら……。
どう考えても168cmもあるとは思えない小柄な男役さんですが、スタイルが良いので一人で立っていると大きく見えるときもあります(^ ^)。……よりによって宙組に配属されたのに、それでも男役を選んだのは……よっぽど男役をやりたかったんでしょうねぇ(T T)。たしかに、あのサイズでも舞台の上では全く女の子っぽく見えないのは評価してあげたいなぁ、とは思います。
……せっかく美人なのになー。


と、前置きはそのくらいにして、新公エミール役について。

裁判所前広場が丸ごとカットされていたので、レジスタンスのアルバイトは無し。ついでに、シュトラッサー少佐は空港から街まで歩いて行かれるらしく、運転手のアルバイトもなし(^ ^)。
第4場のリックの店のカジノで、初登場です。

小さな頭が、髪をオールバックにすると余計に小さい(^ ^;ゞ。本役のちーちゃん(蓮水ゆうや)より相当に小柄なので、ルーレット台がずいぶん大きく見えました。っていうか、私は割と前方席だったので、周りのお客さんたちの陰に隠れて、すぐ見えなくなってしまうのが切なかった…(T T)。
客の一人一人に声をかけつつ、ごくなめらかにルーレットを回し、チップを集める。場をコントロールするための目配りとか、ひとつひとつの仕草に注目するのはさすがに無理でしたが、動きに無駄がなくて良かったと思います。やるべきことの多い役ですし、ここでバタバタしてしまうと、プロっぽく見えないので……。

カフェの外で話しているリックとルノーのところに、2万フランを貰いに来る場面。
ちーちゃんはプロとしての自尊心に傷がついて落ち込んでいる感じでしたが、舞生ちゃんはちょっとだけ、「ちくしょう負けるもんか!」みたいな負けん気があったような気がしました。
リックの“肩に手をやってぽんぽん”が、落ち込んでいるエミールを引揚げるだけではなく、逸るエミールを抑えるような空気もあったのが面白かったです。

まともに舞生ちゃんの台詞を聞いたのはこれが初めてだと思うのですが、とくに違和感なく、すっと入ってくる声でした。姿のイメージからもっと可愛らしい声を想像していたのですが、思ったより男役向きの声だったと思います。

ウガーテ逮捕の一幕は、さりげなく近くの女客をかばったりして、ちょっと男前でした。野次馬よろしくカフェの方まで出てきて、お客さんたちに責められているエミール。ちーちゃんもナウオンで「大変」と話していましたが、舞生ちゃんが責められていると、本気で可哀相になってきます(汗)。


地下水道での集会は、腕を一杯に伸ばして一生懸命踊っていて、ちょっと涙が出そうになりました。ダンスの技術の良し悪しはわかりませんが、伸び伸びと嬉しそうに踊る人だな、とフィナーレのダンスシーンでいつも思っていたので、また違うダンスを観ることができて嬉しかったです。
と言いながら。実は私、エミールさんがその場面に出ているのはもちろん知っているのですが(っていうか、いつもちーちゃんばっかり観てる)、なんとなく舞生ちゃんに思いが到らず(汗)、前に出てきたときに、ついつい「あれっ」と思ってしまいました……ごめんなさいっ。


「ボスのモットー」のナンバーがカットされていたので、舞生ちゃんのソロ歌を聴く機会は無しで終了いたしました……しょぼん。小柳さんのいじわるー。


カジノの場面は、リックとのアイコンタクトはもう少しさりげない方が……と思ったくらい、ちょっとがっつりヤリスギていたような気がしますが、良い感じに負けん気があって、「絶対に22を出す!!」という気合を感じました。
無事、二回連続で「22」を出したあとのさりげない笑顔と、他の客たちに「どうぞ」という様子でルーレットを確認させているときの「ふふん♪」という顔が、とても可愛かったです(^ ^)。



最後のご挨拶は、上手側の真ん中らへんにいたのかな?あれ?上下はどっちだったかな。……とにかく、清々しい笑顔でした。
ちょっとぼーっとして見えたのは、感無量だったのでしょうか…?

この新公の出来が今後につながるわけではないひとなので、舞生ちゃん自身が自分なりに納得できたのなら、それだけで十分だと思います。
私?私は、最後の新公に間に合って、舞生ちゃんの最後の新公を観ることができて、幸せでした。



彼女の人生は彼女のもの。それは、よく判っているのですが。……研4で卒業は、寂しいです……(T T)。

千秋楽まであと二週間弱。どうぞ最後まで、悔いのないようにがんばってください。(←こんな処に書いてないで、お手紙でも出せばいーのに……)



■94期(研2)
94期と95期は、役がついていてわかる方方のみ、とさせていただきます。すみません。

・美月悠(カッセル中尉/澄輝さやと)
声が良くて、下級生とは思えない台詞回しの達者な人。博多座でも感心しましたが、カッセルも非常に感心しました。
軍服の着こなしもよくがんばっていて、綺麗に出られていたと思います。もう少し表情に、「無表情」とか「普通の顔」とかいうバリエーションが増えると役柄が広がると思います。今はちょっと、癖が強すぎるような気がするので、勿体無いような。
あ、本公演ロケットの笑顔は、輝きすぎてますが、大好きです★


・風馬翔(ジャン/珠洲春希)
同じく博多座組のかけるくん。ジャンは文句なく良かったです。髭が超お似合い!!
カジノやカフェでの、周りの客たちとは一線を画した空気、「こいつは違う」という空気感があったのがさすがでした。本役の珠洲さんとは、体格も経験も何もかも違いましたが、一癖も二癖もある男役になりそうで、将来が楽しみです。
ただ、スリの腕はまだまだ訓練が必要、かな……?(^ ^)


・星月梨旺(トネリ大尉/月映樹茉)
カフェの場面で、ついついトネリの白い軍服を追いかける癖がついていることに、新公で気がつきました。ふと気がつくと目が追っている(汗)ファンなんだなあ、私(最近自覚しました)。

細かい動きや仕草まで、えなちゃんの芝居を良くトレースしていたような気がします。空港でシュトラッサーとカッセルの間に割って入るところのタイミングとか、コリーナに突っ込んで行って軽く躱されるところとか。独特の歩き方から、腕の振り方まで。……がんばったね、お疲れさまでした(^ ^)。


・春瀬央季(アンリ/愛月ひかる)
台詞はそんなに無いけど、意外とやることが多い役。本公演ではドイツ兵さんなので、切り替えが難しいんじゃないか、などと余計な心配をしていたのですが、全然問題なかったです。(←それを言うなら、アンリの本役は新公ではシュトラッサーーだよ/汗)
下級生なのにスーツの着こなしも綺麗で、ビジュアルばっちり!でした。
「アンリ」って言うからには、この人はフランス系なんですよね…?さりげなくお洒落な感じがしたのも良かった、かも(^ ^)。





■95期(研1)
・桜木みなと(ヤン/凪七瑠海)
カチャよりも、ちょっと気が強いというか、直情的な青年につくっていたような気がします。興奮すると周りが見えなくなる、っていう性格付けをしているのかな?と。
二幕のカジノで負けが込んできたとき、止めようとするアニーナをかなり思いっきり突き飛ばしていたのが怖かった。本公演は可愛いばかりなので意外でした。

ただ、最初のカフェの場面で、宝石商(七瀬)に腕輪を差し出したとき、あえなく断られて泣き崩れるアニーナを慰めるところではちゃんと包容力を見せたり、本性は優しいんだろうな、という雰囲気もちゃんと出ていたし、そのあたり(の普段のヤンとの落差)が、状況の切迫感を盛り上げていたと思います。
ご本人がそこまで考えてそういう風に役を作ったのか、小柳さんの指導なのか、興味は尽きませんが(^ ^)。


・実羚淳(カジノの客/光海舞人)
たった一言の台詞なんですが、カジノにパンしてきて最初の台詞だし、案外難しいと思うんですよね。でも、実羚さんはなかなかさりげなく、違和感なく返していて。その後の、カジノでの居方もすごく自然で、良かったと思います。次はもっとちゃんとキャラクターのある役が来るといいですね!


・七生眞希(ドアマン/風馬翔)
一番最初に、「リックの店」のドアが見えてきたときに、ドアをあけて欠伸をする青年。
本役のかけるくんも非常に笑顔がかわいい人ですが、七生さんも非常に可愛らしいですね♪
黒塗りでせっかくの美貌がちょっと隠れ気味でしたが、動きも違和感無く、がんばっていたと思います。


・朝央れん(空港の兵士/月映樹茉)
滑舌もよく、声もしっかりしていて、とても研1とは思えない出来でした。
長身ぞろいの宙組の中でも、かなり大きなほうの朝央さん。あのスタイルで、ちゃんと喋れるのは強みですね♪




最後の方はちょっと駆け足でしたが、以上です。
本公演が作品としての完成度が高すぎて、「新人公演という別の芝居」と言えるほどの出来ではありませんでしたが、本公演でがんがん使われて伸び盛りの下級生が皆、持てる力を出し切っていて、幸せな舞台になっていました。
あと二週間、「カサブランカ」でいろんな経験をして、次のバウ/ドラマシティに、そして更に次の「トラファルガー」に生かしてほしいな、と思います。

宙組下級生たちの、更なる成長を祈りつつ。



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東京宝塚劇場 宙組公演「カサブランカ」新人公演。



本公演・新人公演それぞれのリック・ラズロ・イルザの三角形の形の違いについては、別稿で述べたいと思います(^ ^)。
まずは、新公ひとりひとりについて、学年順に。


■91期(研5)
・野々すみ花
気をつけていたつもりだったのですが、やはり一回しか観られない新公でメインを観ないではいられないので、なかなかチェックが難しくて……。カフェの「ムーア人の女」はほとんど全滅しました(T T)。
集会の女は、浅黒い肌でのびのびと踊っていて、とても素敵だった(*^ ^*)。
バザールの「ムーア人の男」は、最初わからなくて焦りましたが、なんとか捕獲♪ 意外と髭が似合ってて可愛かったです♪

すみ花ちゃんと藤咲えりちゃん、それぞれ全く違うイルザ像(←リックもラズロも全然違ったしね……)をしっかり創りこんできたヒロイン二人。
同期で成績もワンツーのお二人。これからも切磋琢磨して、良い舞台を見せてくださいますように!!


・花里まな(亡命者/美月遥)
この公演、短いながらもソロを歌う人が大量にいる(しかも皆ものすごい下級生)ので、いったいどうするのかなー?と思っていたのですが。カフェでの宝石商や亡命者たちを全部娘役にしたのは英断でしたね。しかも、皆上手くてびっくり!本役が皆下級生なので、男役にしては少し高めの音域ではあるのですが、それにしても上手かった。
芝居も、たった一回の本番にかける熱意が、毎日の公演での経験を上回った……かな?と思いました。切羽詰り感がよく出ていて、迫力があったと思います♪


・天玲美音(行商人男/天羽珠紀)
行商人のソロはさすがでした!!貫禄!
ちなみに、天玲さんはカフェのソロ(星吹彩翔)もやってましたよね?すごく良かったけど、あれは、さすがモンチは本役だな、と感心しました。歌唱力自体は多分天玲さんの方が上だと思うのですが、思わず観ていて息を呑むほどの苦しさというか、切なさがモンチの芝居からは伝わってくるんですよね……。まあ、本公演はカフェの前に裁判所前広場の場面があるので、「リスボンまで乗せてくれー!」という絶叫から、気持ちを作っていきやすい、というのはあると思いますが。


・綾瀬あきな(カフェの客、亡命者)
あんまり見つけられませんでした(T T)。本公演は、髭つけててもすぐ判るのに、なんでだろう。ごめんなさい、もう少し精進します。


・舞花くるみ(密航業者/天玲美音)
こちらも娘役さんに代わっていたソロですが、怖さというか、非情な感じというのは本役の天玲さんの方が上だったと思います。くるみちゃんは、やはり見た目が可愛らしいぶん、歌を聴いていてもあまりシャープさを感じなくて(汗)。ただ、実際に観てみると、それまでの印象とは随分違っていて、迫力のある歌が歌える人なんだな、と思いました。
博多座では、カゲソロも人材がすごく偏っていたので、くるみちゃんが歌えるって知りませんでした………(^ ^;ゞ。また、歌のある役が回って来ますように★


・笹良える(ムーア人の女、集会)
最近、やっと本公演でも見つけられるようになったばかりの笹良さん。集会で思いっきり踊っているのは見つけたけど、黒塗りしちゃうとわからないよ~(T T)。
……もう少し精進します……。





・澄輝さやと(サッシャ/春風弥里)
本役がカッセルなので、あんまりド金髪にするわけにもいかず……でも、しっかり癖っ毛にはしてましたね。あれはどうやってセットしたのか知りたいです(^ ^)。
スタイルが良いのでバーテンの衣装が良く似合っていたし、動きの綺麗な人なので、カクテルを作るところとかもバタバタせず、動きが滑らかでとても良かったです。芝居(というか台詞)も、いろんな壁にぶち当たりつつ、随分良くなったなあと感心しました。まあ、サッシャは比較的等身大の役なので、やりやすかったのかな?(^ ^)。お手本も良かったし

本役のみーちゃんに比べると、誉めて言うなら「自然で良かった」し、ちょっと厳しめに言うなら「存在感が薄い」……という印象が残りました。ソツなくやっているんですけど、せっかく弾けた役なのに、おとなしくて物足りない、って感じ。もっとやっちゃえば良いのに、と。
なんていうのかな、みーちゃんの「過剰さ」や「ヤリスギ感」は、みーちゃんの役者としての個性であると同時に、「カサブランカ」という作品にとって必要不可欠なスパイスにもなっているんですよね。もちろん、スパイスなのはサッシャだけじゃないんですけど、サッシャは特に、ある程度の過剰さが必要な役なんじゃないか、と。

……いや、このあたりは、演出の小柳さんがコントロールするべき問題で、あっきーには責任は無いんですけどね(汗)。すみません。

あっきーが演じると、サッシャが二枚目役になるという事実に、ちょっとびっくり(←どういう意味だ)。なのに、それでもやっぱり返事は「合点!」なのね、と、そんなところに滅茶苦茶ウケてしまいました(汗)。





■92期(研4)
・百千糸(ボーイ/千鈴まゆ)
本役のまゆちゃんほどに自由自在な存在ではありませんでしたが、可愛くて元気一杯で、良かったと思います。歌える人ですが、本公演で散々歌っているから新公は良いのかな(^ ^;。


・すみれ乃麗(アニーナ/花影アリス)
夫(ヤン)への愛情も感じられるし、芝居そのものは決して下手では無いと思うのですが、声というか喋り方が子供っぽすぎて、「私、マダムですの」な役には向いていなかったような気がしました。
個人的にはイヴォンヌが観てみたかったので、残念。単に、アニーナをせーこちゃん(純矢)で観たかっただけかも(^ ^;ゞ

ただ、れーれには何かしら「ソソる」ものがあるみたいで、彼女が悄然とルノーのオフィスに入ってきたとき、思わずやに下がったルノ(鳳樹)の気持ちがわかったような気はしました(^ ^)。そういう意味では、本役のアリスちゃんは全く色気のないタイプなので、れーれの方が役にはあっていたのかもしれません。あとは技術面がどうにか誤魔化せる程度になればなあ……。


・天輝トニカ(ヘルム/雅桜歌)
サッシャのバーの「8人目の客」、ヘルム役。丸顔で可愛らしい天輝さんですが、声なども工夫して、一生懸命シャープさを出していらっしゃいました。ちょっとだけ月組のふぁーびー(綾月せり)を思い出させる人なんですが、「逆転裁判」でも良い芝居を見せてくれたので、今後も楽しみにしています♪


・松風輝(ハインツ/風莉じん)
手堅い芝居でした。ハインツって、飄々としているようで意外と小芝居の多い人なんですが、どれもよくやっていたと思います。見せ場の一つである国歌対決の前の小競り合いがカットになっていたのですが、他の場面でも十分にあの“怖さ”を見せていたので、さすがだなーと思いました。


・月映樹茉(サム/萬あきら)
絶品。いやー、本当に素敵でした!!当日の日記にも書きましたが、猫は本当にサムに思いいれてしまって、「As Time Goes By」で泣けたんですよね……。すごいなあ、えなちゃん(*^ ^*)。


・夢莉みこ(ムーア人の男、集会)
笹良さん同様、最近やっと本公演でも見つけられるようになったばかりの夢莉さん。黒塗りに髭までつけたらサッパリわからないってば(T T)。


・千紗れいな(生地屋の女/千鈴まゆ)
バザールの個性溢れる商人たちの一人。千紗さんも台詞は達者で、上手だったと思います。ただ、まゆちゃんの衝撃には全く届きませんでしたが……。
可愛らしいひとですが、そろそろダイエットを意識してほしいかも。今のままでは、宝塚の娘役でいるのは難しいのでは?(T T)


・安里舞生(エミール/蓮水ゆうや)
すみません。ファンなので、別項で存分に語らせてくださいm(_ _)m
あああ、あんなに可愛いのに、あんなに素敵なのに、なんで卒業しちゃうんだ舞生ちゃん~!!(T T)





■93期(研3)
・蒼羽りく(バーガー/鳳翔大)
やっぱり、りくちゃんの芝居は良いなあ~、と改めて思いました。今回は歌もほんのワンフレーズなので(しかも本役が大ちゃん)全然問題なかったし、すごく良かったです。
芝居の方向性は、本公演で演じている『後先を考えない反独派の若者』と同じでしたが、地下に潜むレジスタンスとしての微妙な翳りというか、裏を感じさせる部分がちゃんとあって、本役の「ひたすら真直ぐで直情的な若者」とは一線を画していたのがさすがでした。


・星吹彩翔(アブドゥル/鳳樹いち)
本公演の役とはまったく立ち位置が違う役でしたが、さりげない存在感がすごく良かったです。
黒塗りが似合ってて可愛い♪


・瀬音リサ(行商人女)
スカイフェアリーズのリサちゃん、歌えることを全然知らなかったのでかなり吃驚しました(@ @)良い声でした!
他の場面は、「ムーア人の男」なんですね(^ ^;ゞ全然気がつかなかったよー(T T)。


・愛月ひかる(シュトラッサー/悠未ひろ)
長身に軍服が映えて、実に格好良かったです。若いのに髭がよく似合っていて、まずはビジュアルで大成功、という感じ。
声がまだまだ出来上がっていないので凄みが足りず、特に歌は残念至極でしたが、あの難しい役をこの学年でよく頑張ったな、と思いました。もう少し経験を積んでから観てみたかったです。

……それにしても、ともちんの役って毎回新公で苦戦しているような気がします。それだけ、毎回難しい役をやってるってことなんでしょうか……。ぜひ次回は、ともちんの役をさっつん(風羽玲亜)か、えなちゃんあたりに振ってみてほしい(^ ^)。


・七瀬りりこ(宝石商/天輝トニカ)
本公演のエトワールで美声を堪能させていただいているりりこちゃん。ソプラノの見事さだけでなく、胸声の中音域も実に素晴らしいことがわかって、これからの活躍が本格的に楽しみになってきました。
オペラのプリマドンナ体型なのはあの声を維持するために必要なのでしょうか……?娘役としてはかなり無理があるけど、女役でならゴージャスな美人になれそうなので、あらためて将来を楽しみにさせていただきます♪


・結乃かなり(ムーア人の女)
本公演では、カンカン以外はムーア人の「男」を演じている結ちゃん。ムーア人の女は普通に可愛かったです。「大江山花伝」ではなかなか良い芝居をしていたので、ドラマシティが楽しみ♪


・愛白もあ(行商人女)
もあちゃんも歌えるんですねー(@ @)。良い声だったんで吃驚しました。天玲さん・リサちゃんともよく合う声で、とても良かったです。


・夢涼りあん(ファティマ/すみれ乃麗)
・風海恵斗(ビゴー/七海ひろき)
すみません。ここはお二人とも似たような感想だったので、まとめて書かせてください。

お二人とも段取りの多い役なのですが、たった一回の新公だと、その段取りが体に入っていないのが判ってしまうんですよね……。あれやって、これやって、あれやって、、、、あ!感情を入れるのを忘れてた!!みたいな(←いや、それは言いすぎ?)ところがあって、ちょっとばかり人形っぽい動きになっていたような気がします。
それと、どちらも役自体が大きな役なのでは無く、役者本人の華というかオーラで目を惹いて、大役に見せていたんだな、と思いました。夢涼さんも風海さんも、綺麗だし芝居も上手な方だと思うので、どうすれば観客の目を惹きつけられるかをもっと意識されると良いのかもしれません。


・雪乃心美(カフェの客、集会)
本公演ではムーア人なので黒塗りの雪乃さん。ちょっとおとなしい感じですが、可愛くて目だってました。……うーん、カフェのお客さんたち(ムーア人含む)については小芝居までチェックしきれてなくて残念です(T T)。





あと少しなのですが、、、、長くなってしまったので、94期・95期はまた後日にさせてください。
…というか、あらためてこの作品、役が多いなーーーーーっ。研1でも大半の子に役名がついているなんて(感心)。

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