帝国劇場にて、「レ・ミゼラブル」を観劇いたしました。
初めての“25周年版”。
1994年の帝劇で「レ・ミゼラブル」に嵌り、1997年から始まった“10周年版”に通いまくった猫ですが。ここの日記にも何度か書かせていただいたとおり、2003年以降の“短縮版”にはどうしても納得できず、ここ数年は公演ごとに一回観るか観ないか、という状況でした。
なので。ここは声を大にして、喜ばしいご報告を!
ナンバーが、ほとんど2001年以前に戻っていました!!
仮出獄のバルジャンに冷たくあたる宿屋と農場、ファンティーヌを責めるバマタボアのナンバー、「心は愛に溢れて」、、、一幕はほどんど元に戻っていたと思います(はぁと)。
2幕も、バリケードの最初のアンサンブルの歌い継ぎが戻ってました!!
残念ながら、ジャベールを捕える場面のコンブフェールの見せ場(←わかる人が何人いるんだろう?)と「共に呑もう」のリプライズはカットされたまま(T T)、「心は愛に溢れて」リプライズも、コゼットのソロなしで最初からバルジャンが入る短縮版の構成のままで……一番戻ってほしかった3場面のうち、2つは戻らなかったわけですが(涙)、でも、バリケードの歌い継ぎが戻っただけでも嬉しいです!!(感涙)。
上演時間は、25分の休憩をいれて3時間10分。10周年版以前は3時間25分だか30分だかかかっていて、アメリカ(かどこか?)の俳優協会だかオーケストラだかの規定に触れたために短縮版を創ったと言われていたので、25周年版もその制限内におさめなくてはならなかったはずなんですよね。
短縮版のために削ったナンバーを戻した分はどこで稼いだかというと、ナンバーとナンバーの間の間奏をこまかく削ってました。
で、これを可能にしたのが、盆を使わないセット転換だというのが、今回の演出の最大のツボだったのだと思います。
元々、1985年当時は衝撃的であったろう盆回りを多用した演出は、長大な物語を3時間半に押し込んだ脚本が要求したスピーディーな場面転換のために必要だったわけですが。
でも、逆に、盆が回ってくるのを待つ時間、というのは、意外に長いものだったんだな、と、今回の演出を観て、初めて気がついたのでした。
25年間の照明や舞台転換技術の進歩によって、盆より早い舞台転換が可能になったということなのでしょう、きっと。
ナンバーを削るのではなく、ナンバーとナンバーの間を削って、舞台や人の動きの工夫で間が詰まったことを感じさせない。
素晴らしい手腕だったと思います。
……もう少しだけがんばって、「共に呑もう」リプライズと、「心は愛に溢れて」リプライズのフルコーラスを実現してくれたら。。。。と贅沢なことを祈りつつ。
音楽的には、編成も以前とはだいぶ変わったせいか、全体的に落ち着いた印象でした。短縮版は音色も軽すぎていまいちだったのですが、こちらも技術の進歩があったのでしょうか。
場面転換の音楽が摘まれただけでなく、編曲もかなり変わっていましたが、特別に違和感を感じるようなことはなかったような気がします。ただ、ここしばらく、東宝レミゼで金管楽器がかますことはあまり無かったのですが。。。何度かすっぽ抜けていたので、やっぱり編曲が変わって練習不足なんですかね(- -;ゞ
演出としては、盆を封じた替わりにセットが動いたり人が動いたりするようになっただけ(?)で、場面のコンセプトが変わったところはあまりなかったと思います。一幕ラストの「ワンデイモア」はどうなるのかな?と、(ある意味)ワクワクしていたら、バルジャンやテナルディエ夫妻の立ち位置が変わったくらいで、アンジョルラスの登場の仕方も、最後に行列した背後に赤旗が翻るところも、、、そういうキーになる演出がどれも変わってなくて、逆に驚きました(^ ^)。
変化として一番大きかったのは、バリケードの向こう側を見せなくなったこと、です。
レミゼにとって、盆は、回すなら回しっぱなし、回さないなら全く使わない、そのどっちかなんですかね(^ ^;ゞ。
ガブローシュが弾を取りにいくところは、ガブローシュが飛び降りた後は「ちび犬」の歌だけが聴こえてきて、バリケードの中でやきもきしているメンバーをずっと観ている感じ。
最後にガブローシュがバリケードに戻ってきたところで撃たれてしまい、アンジョルラスに抱きとめられるのが切なかったです(T T)。
バリケードが陥ちた後も、バルジャンがマリウスを連れて地下道に逃げた後、すぐにバリケード自体が学生たちを載せたまま二つに分かれてハケてしまい、死体を検分するジャベールたちが残る、という感じでした。
でも、どうしてもアンジョルラスの見せ場は残したかったらしく(^ ^;ゞ、死体を運ぶ荷車に赤旗を敷いて、その上に例のポーズのアンジョルラスが積まれているという荒技で処理されていました(@ @)(←私もアンジョルラスファンだったので、気持ちは判るよ!!)
……要するに。
“25周年版”として、全く今までとは違うバージョンを創ろうとしたというよりは、「初演版(または10周年版)のファンが、盆のない劇場のために新たに演出した」っぽい印象の公演でした(^ ^)。
盆を使わなくてもいいところは以前の演出を踏襲し、盆を使わなくてはならないところは何らかの形でフォローする。そのアイディアがどれも秀逸で、なかなかセンスよくまとまっていたと思います。
あとは。。。冒頭の囚人が、ガレー船の漕ぎ手っぽい演出になっていたのと、工場の場面が女工たちメインになってたのが演出の変更点としては大きかった、かな。
映画と舞台と、どちらが先に動いていたのかわかりませんが、どちらかといえば映画が新演出を踏襲した感じなのでしょうか?
バリケードでふさがれた道のイメージや地下道など、背景として映し出される画像の雰囲気も映画のイメージに近いものがあって、映画を視て興味をもった観客にとっても、違和感なく入れる演出になっているんじゃないかな、と思いました。
変更点で印象深かったのは、「カルーセル」から「空のテーブル、空の椅子」への流れでしょうか。
「カルーセル」で女たちが弔いの蝋燭を持って登場し、歌いながら舞台上に置いて立ち去ると、舞台の奥からマリウスが登場し、蝋燭に囲まれて歌いだす(当然テーブルも椅子もないけど……)。
歌いだして少しすると、両袖から学生たちが登場して、、、マリウスを見守りながら少しづつ動いて蝋燭の前に並び、歌に合わせて、全員が床に置いてある蝋燭を拾い上げてふっ、と消す……(T T)すごく幻想的で、綺麗な、、、美しい場面でした。
そして。
演出の違いではないのですが、舞台の「レ・ミゼラブル」ファンにとっては重要なことが一つ。
出演者が、子役いれて36人でした!
今まで、「レ・ミゼラブル」の出演者は、大人30人+子役3人の合計33人だったんです(←特別公演除く)。それが、司教様(とレーグル)、工場長(とコンブフェール)、バマタボア(とグランテール)が別キャストになって、36人だったの!
これによって何が可能になったかというと、パリの街の一番最初、「誰が導くか?」に学生が大勢で出てきた!(←今までは、学生も全員乞食やヒモなどの役で出ていたので、学生はマリウスとアンジョルラス二人だけでした)
ちなみに、プリンシパルも役での出番以外はアンサンブルに交じっていろんな役をやっているのはそのままで、マリウスも囚人から農夫、宿屋の客、教会のやじうま、警官、裁判官という香盤は変わってませんでした。男性が3人増えたせいもあって、立ち位置とかはだいぶ変わっていたし、アンサンブルの香盤はだいぶ変わっていましたが、、、
あ、ファンティーヌは、バリケードでは少年じゃなくて普通の女性として参加してました(^ ^)。探す方は要注意。
歌詞は、あちこち変わっていたので全部は覚えきれませんでしたが……一番派手に変わったのは、ガブローシュの「ちび犬」ですかね。全然違うことを言っているので、最初聴きとれなくて焦りました(^ ^;ゞ
あと、印象的だったのは、アンジョルラスの「クールフェラック、見張りだ。朝まで来るまい」の後が、「誰も寝るな」から「助けは来る」に変っていたことでしょうか。これは結構、アンジョルラスのキャラクターに関わる歌詞変更だな、と思いました。
それぞれの役のキャラについては、役者による違いも大きいので、一回観ただけで書くのは怖いのですが……、アンジョルラスとコゼットは、今までのイメージとだいぶ違うキャラになっていたような気がしました。
アンジョルラスについては、私自身が、大好きだった岡幸二郎アンジョルラスの呪縛からやっと解放されただけのことかもしれませんが(汗)、歌詞のそこかしこで「市民は来る」と“信じようとしている”ような印象の残るアンジョルラスで、今まで観てきたような、確信に満ちた指導者、“若者たちの声”が聴こえているカリスマ、というイメージとは少し違うような気がしました。
グランテールとの関係性もかなり違っていて、そのあたりも含めて、映画版のイメージに近くなっていたような気がします。
コゼットは、今回がデビューとなる若井久美子さんだったのですが、早見優ちゃんのコゼット(←古い話ですみません)を思い出させる、覇気があって元気な、前向きで積極的なコゼットで、とても可愛かったです(^ ^)。他の二人を観ていないので、演出の違いなのか役者の違いなのかはっきりしませんが、服装のイメージも今までの清楚な紺のワンピに白レース、みたいなのではなくなってたし、2幕は髪も綺麗に結いあげて大人っぽくて……映画のアマンダ・サイフリッドも、とっても前向きでキュートなコゼットだったので、そちらの方に寄っていくのかな?という気がしました。
そして。コゼットのキャラがその方向になるのなら、「心は愛に溢れて」のリプライズは、やっぱりフルコーラス(コゼットのソロ→マリウスとデュエット→バルジャンと3人)に戻してほしいなあ……!!(祈)
ちなみに、早見優はソプラノが全然ダメだったけど、それ以外はすごく可愛くて包容力があって、大好きだったんですよね。。。まあ、コゼットでソプラノが出ないとか致命的なので仕方ないんですが。
あ、若井さんはソプラノへのチェンジも滑らかで、、、ハイCだけちょっと固かったのが残念ですが、十分及第点だったと思います(^ ^)可愛かった!
ここに書いている以外にも、変更点は山盛りありました。
とにかく、セットと人の出し入れが全然違うし、たとえばバルジャンが仮出獄証を破り捨てたところで、今までなら「1823年 モントルイユ・シュール・メール」と表示されたところにはシンプルに「Les Miserables」と書かれていたり、「10年後 パリ」という表記は無かったり、、、いらないっちゃいらないけど、今回初めてご覧になった方は、なくてもわかるのかな?と思ってしまうところも色々。
まあ、なければ無いで、なんとなくわかるんでしょうね、多分。うん。
あれだけの名作で、特に演出が秀逸だとして有名な作品の演出を大きくいじるのはとても勇気のいることだったと思いますが、「レ・ミゼラブル」という作品の世界観を大切にした変更で、とても良かったと思います。
オリジナルの、盆がぐるぐると回り続ける演出もとても好きなので、フルバージョンで出来るならたまには上演してほしような気がしますが、、、短縮版を観るくらいなら、今回の演出の方がずっと良い、と思いました(^ ^)。
演出だけで長くなってしまったので、キャストについては、後日あらためて。
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初めての“25周年版”。
1994年の帝劇で「レ・ミゼラブル」に嵌り、1997年から始まった“10周年版”に通いまくった猫ですが。ここの日記にも何度か書かせていただいたとおり、2003年以降の“短縮版”にはどうしても納得できず、ここ数年は公演ごとに一回観るか観ないか、という状況でした。
なので。ここは声を大にして、喜ばしいご報告を!
ナンバーが、ほとんど2001年以前に戻っていました!!
仮出獄のバルジャンに冷たくあたる宿屋と農場、ファンティーヌを責めるバマタボアのナンバー、「心は愛に溢れて」、、、一幕はほどんど元に戻っていたと思います(はぁと)。
2幕も、バリケードの最初のアンサンブルの歌い継ぎが戻ってました!!
残念ながら、ジャベールを捕える場面のコンブフェールの見せ場(←わかる人が何人いるんだろう?)と「共に呑もう」のリプライズはカットされたまま(T T)、「心は愛に溢れて」リプライズも、コゼットのソロなしで最初からバルジャンが入る短縮版の構成のままで……一番戻ってほしかった3場面のうち、2つは戻らなかったわけですが(涙)、でも、バリケードの歌い継ぎが戻っただけでも嬉しいです!!(感涙)。
上演時間は、25分の休憩をいれて3時間10分。10周年版以前は3時間25分だか30分だかかかっていて、アメリカ(かどこか?)の俳優協会だかオーケストラだかの規定に触れたために短縮版を創ったと言われていたので、25周年版もその制限内におさめなくてはならなかったはずなんですよね。
短縮版のために削ったナンバーを戻した分はどこで稼いだかというと、ナンバーとナンバーの間の間奏をこまかく削ってました。
で、これを可能にしたのが、盆を使わないセット転換だというのが、今回の演出の最大のツボだったのだと思います。
元々、1985年当時は衝撃的であったろう盆回りを多用した演出は、長大な物語を3時間半に押し込んだ脚本が要求したスピーディーな場面転換のために必要だったわけですが。
でも、逆に、盆が回ってくるのを待つ時間、というのは、意外に長いものだったんだな、と、今回の演出を観て、初めて気がついたのでした。
25年間の照明や舞台転換技術の進歩によって、盆より早い舞台転換が可能になったということなのでしょう、きっと。
ナンバーを削るのではなく、ナンバーとナンバーの間を削って、舞台や人の動きの工夫で間が詰まったことを感じさせない。
素晴らしい手腕だったと思います。
……もう少しだけがんばって、「共に呑もう」リプライズと、「心は愛に溢れて」リプライズのフルコーラスを実現してくれたら。。。。と贅沢なことを祈りつつ。
音楽的には、編成も以前とはだいぶ変わったせいか、全体的に落ち着いた印象でした。短縮版は音色も軽すぎていまいちだったのですが、こちらも技術の進歩があったのでしょうか。
場面転換の音楽が摘まれただけでなく、編曲もかなり変わっていましたが、特別に違和感を感じるようなことはなかったような気がします。ただ、ここしばらく、東宝レミゼで金管楽器がかますことはあまり無かったのですが。。。何度かすっぽ抜けていたので、やっぱり編曲が変わって練習不足なんですかね(- -;ゞ
演出としては、盆を封じた替わりにセットが動いたり人が動いたりするようになっただけ(?)で、場面のコンセプトが変わったところはあまりなかったと思います。一幕ラストの「ワンデイモア」はどうなるのかな?と、(ある意味)ワクワクしていたら、バルジャンやテナルディエ夫妻の立ち位置が変わったくらいで、アンジョルラスの登場の仕方も、最後に行列した背後に赤旗が翻るところも、、、そういうキーになる演出がどれも変わってなくて、逆に驚きました(^ ^)。
変化として一番大きかったのは、バリケードの向こう側を見せなくなったこと、です。
レミゼにとって、盆は、回すなら回しっぱなし、回さないなら全く使わない、そのどっちかなんですかね(^ ^;ゞ。
ガブローシュが弾を取りにいくところは、ガブローシュが飛び降りた後は「ちび犬」の歌だけが聴こえてきて、バリケードの中でやきもきしているメンバーをずっと観ている感じ。
最後にガブローシュがバリケードに戻ってきたところで撃たれてしまい、アンジョルラスに抱きとめられるのが切なかったです(T T)。
バリケードが陥ちた後も、バルジャンがマリウスを連れて地下道に逃げた後、すぐにバリケード自体が学生たちを載せたまま二つに分かれてハケてしまい、死体を検分するジャベールたちが残る、という感じでした。
でも、どうしてもアンジョルラスの見せ場は残したかったらしく(^ ^;ゞ、死体を運ぶ荷車に赤旗を敷いて、その上に例のポーズのアンジョルラスが積まれているという荒技で処理されていました(@ @)(←私もアンジョルラスファンだったので、気持ちは判るよ!!)
……要するに。
“25周年版”として、全く今までとは違うバージョンを創ろうとしたというよりは、「初演版(または10周年版)のファンが、盆のない劇場のために新たに演出した」っぽい印象の公演でした(^ ^)。
盆を使わなくてもいいところは以前の演出を踏襲し、盆を使わなくてはならないところは何らかの形でフォローする。そのアイディアがどれも秀逸で、なかなかセンスよくまとまっていたと思います。
あとは。。。冒頭の囚人が、ガレー船の漕ぎ手っぽい演出になっていたのと、工場の場面が女工たちメインになってたのが演出の変更点としては大きかった、かな。
映画と舞台と、どちらが先に動いていたのかわかりませんが、どちらかといえば映画が新演出を踏襲した感じなのでしょうか?
バリケードでふさがれた道のイメージや地下道など、背景として映し出される画像の雰囲気も映画のイメージに近いものがあって、映画を視て興味をもった観客にとっても、違和感なく入れる演出になっているんじゃないかな、と思いました。
変更点で印象深かったのは、「カルーセル」から「空のテーブル、空の椅子」への流れでしょうか。
「カルーセル」で女たちが弔いの蝋燭を持って登場し、歌いながら舞台上に置いて立ち去ると、舞台の奥からマリウスが登場し、蝋燭に囲まれて歌いだす(当然テーブルも椅子もないけど……)。
歌いだして少しすると、両袖から学生たちが登場して、、、マリウスを見守りながら少しづつ動いて蝋燭の前に並び、歌に合わせて、全員が床に置いてある蝋燭を拾い上げてふっ、と消す……(T T)すごく幻想的で、綺麗な、、、美しい場面でした。
そして。
演出の違いではないのですが、舞台の「レ・ミゼラブル」ファンにとっては重要なことが一つ。
出演者が、子役いれて36人でした!
今まで、「レ・ミゼラブル」の出演者は、大人30人+子役3人の合計33人だったんです(←特別公演除く)。それが、司教様(とレーグル)、工場長(とコンブフェール)、バマタボア(とグランテール)が別キャストになって、36人だったの!
これによって何が可能になったかというと、パリの街の一番最初、「誰が導くか?」に学生が大勢で出てきた!(←今までは、学生も全員乞食やヒモなどの役で出ていたので、学生はマリウスとアンジョルラス二人だけでした)
ちなみに、プリンシパルも役での出番以外はアンサンブルに交じっていろんな役をやっているのはそのままで、マリウスも囚人から農夫、宿屋の客、教会のやじうま、警官、裁判官という香盤は変わってませんでした。男性が3人増えたせいもあって、立ち位置とかはだいぶ変わっていたし、アンサンブルの香盤はだいぶ変わっていましたが、、、
あ、ファンティーヌは、バリケードでは少年じゃなくて普通の女性として参加してました(^ ^)。探す方は要注意。
歌詞は、あちこち変わっていたので全部は覚えきれませんでしたが……一番派手に変わったのは、ガブローシュの「ちび犬」ですかね。全然違うことを言っているので、最初聴きとれなくて焦りました(^ ^;ゞ
あと、印象的だったのは、アンジョルラスの「クールフェラック、見張りだ。朝まで来るまい」の後が、「誰も寝るな」から「助けは来る」に変っていたことでしょうか。これは結構、アンジョルラスのキャラクターに関わる歌詞変更だな、と思いました。
それぞれの役のキャラについては、役者による違いも大きいので、一回観ただけで書くのは怖いのですが……、アンジョルラスとコゼットは、今までのイメージとだいぶ違うキャラになっていたような気がしました。
アンジョルラスについては、私自身が、大好きだった岡幸二郎アンジョルラスの呪縛からやっと解放されただけのことかもしれませんが(汗)、歌詞のそこかしこで「市民は来る」と“信じようとしている”ような印象の残るアンジョルラスで、今まで観てきたような、確信に満ちた指導者、“若者たちの声”が聴こえているカリスマ、というイメージとは少し違うような気がしました。
グランテールとの関係性もかなり違っていて、そのあたりも含めて、映画版のイメージに近くなっていたような気がします。
コゼットは、今回がデビューとなる若井久美子さんだったのですが、早見優ちゃんのコゼット(←古い話ですみません)を思い出させる、覇気があって元気な、前向きで積極的なコゼットで、とても可愛かったです(^ ^)。他の二人を観ていないので、演出の違いなのか役者の違いなのかはっきりしませんが、服装のイメージも今までの清楚な紺のワンピに白レース、みたいなのではなくなってたし、2幕は髪も綺麗に結いあげて大人っぽくて……映画のアマンダ・サイフリッドも、とっても前向きでキュートなコゼットだったので、そちらの方に寄っていくのかな?という気がしました。
そして。コゼットのキャラがその方向になるのなら、「心は愛に溢れて」のリプライズは、やっぱりフルコーラス(コゼットのソロ→マリウスとデュエット→バルジャンと3人)に戻してほしいなあ……!!(祈)
ちなみに、早見優はソプラノが全然ダメだったけど、それ以外はすごく可愛くて包容力があって、大好きだったんですよね。。。まあ、コゼットでソプラノが出ないとか致命的なので仕方ないんですが。
あ、若井さんはソプラノへのチェンジも滑らかで、、、ハイCだけちょっと固かったのが残念ですが、十分及第点だったと思います(^ ^)可愛かった!
ここに書いている以外にも、変更点は山盛りありました。
とにかく、セットと人の出し入れが全然違うし、たとえばバルジャンが仮出獄証を破り捨てたところで、今までなら「1823年 モントルイユ・シュール・メール」と表示されたところにはシンプルに「Les Miserables」と書かれていたり、「10年後 パリ」という表記は無かったり、、、いらないっちゃいらないけど、今回初めてご覧になった方は、なくてもわかるのかな?と思ってしまうところも色々。
まあ、なければ無いで、なんとなくわかるんでしょうね、多分。うん。
あれだけの名作で、特に演出が秀逸だとして有名な作品の演出を大きくいじるのはとても勇気のいることだったと思いますが、「レ・ミゼラブル」という作品の世界観を大切にした変更で、とても良かったと思います。
オリジナルの、盆がぐるぐると回り続ける演出もとても好きなので、フルバージョンで出来るならたまには上演してほしような気がしますが、、、短縮版を観るくらいなら、今回の演出の方がずっと良い、と思いました(^ ^)。
演出だけで長くなってしまったので、キャストについては、後日あらためて。
.
今日は、月組宝塚大劇場公演の集合日。
3人の卒業生が発表されました。
ナホちゃん。
気がつけば、長い付き合いになりました。「エルドラード」新人公演の船長さんとか、「黒い瞳」新人公演の大尉とか、大好きだったなあ……。
祐飛さんとは本当にずっと仲良し(^ ^)で、お茶会のゲストに来て手をつないで写真を撮られていたのも懐かしい思い出です。「長い春の果てに」プログラムの“世界で一番好きな人”エピといい、「Hollywood Lover」の日本青年館千秋楽の挨拶といい、、、なにもかもみななつかしい。
舞台ではあんなにダンディなのに、根は乙女で泣き虫なナホちゃん。「ME&MY GIRL」でジョン卿を演じると発表される前からずっと覚悟はしておりましたが、ここまで来たら100周年まではいてくれるのかな、と思っていました。
まだ配役が発表されていないので最後に何を演じるのかわかりませんが、、、、とりあえず、ショーでは元気にバリバリ踊ってほしい!です(^ ^)。
しかし。麻子さんの時代から月組の管理職は任期が短い気がしますよね。。。なんとなく組内が落ち着いてないような印象があるんだよなあ。
ナホちゃんが卒業したら、すーちゃん(憧花)が組長になって、、、、まいまい(萌花)が副組長になるんでしょうか。それとも、専科からどなたか来てくださるのかな? 星組からみきちぐかさやかさんが来てくれたらいいのになあ~!(祈)
こころ。
全く予想外だった、とは言いません。でも、今だとは思ってなかった……悲しいです。全ツの「仁」で、夕霧姐さんを演じてほしかった!!
歌えて踊れて芝居も達者で、しかも美女なのに、いったいどうしたことかと思うほど役がつかなくて、いつも不思議で仕方ありませんでした。最後の公演が正塚さんではあまり期待はできませんが、遣り甲斐のある役でありますように。
ゆずは。
これまた、歌えて踊れて芝居も達者な、美貌の娘役。ショーでは結構目立つところで使われていますが、バウでも新公でもなかなか大きな役がつかなくて、いつもやきもきしていました。そんな彼女が、卒業(T T)……せめてあと一年、新公を卒業するまで居てほしかった。とてもとても、残念です。
中村一徳さんはゆずはのダンスは好きだと思うので、ショーで何か目立つ場面があるといいなあ……。
三人とも、大事な月組の戦力で、財産で、大事な仲間でした。
どんな想いを抱えて、100周年を目前にしたこのタイミングで卒業していくのかわかりませんが、これからの4ヶ月が、ご本人たちにとってもファンのみなさまにとっても充実した日々となりますように。
.
3人の卒業生が発表されました。
ナホちゃん。
気がつけば、長い付き合いになりました。「エルドラード」新人公演の船長さんとか、「黒い瞳」新人公演の大尉とか、大好きだったなあ……。
祐飛さんとは本当にずっと仲良し(^ ^)で、お茶会のゲストに来て手をつないで写真を撮られていたのも懐かしい思い出です。「長い春の果てに」プログラムの“世界で一番好きな人”エピといい、「Hollywood Lover」の日本青年館千秋楽の挨拶といい、、、なにもかもみななつかしい。
舞台ではあんなにダンディなのに、根は乙女で泣き虫なナホちゃん。「ME&MY GIRL」でジョン卿を演じると発表される前からずっと覚悟はしておりましたが、ここまで来たら100周年まではいてくれるのかな、と思っていました。
まだ配役が発表されていないので最後に何を演じるのかわかりませんが、、、、とりあえず、ショーでは元気にバリバリ踊ってほしい!です(^ ^)。
しかし。麻子さんの時代から月組の管理職は任期が短い気がしますよね。。。なんとなく組内が落ち着いてないような印象があるんだよなあ。
ナホちゃんが卒業したら、すーちゃん(憧花)が組長になって、、、、まいまい(萌花)が副組長になるんでしょうか。それとも、専科からどなたか来てくださるのかな? 星組からみきちぐかさやかさんが来てくれたらいいのになあ~!(祈)
こころ。
全く予想外だった、とは言いません。でも、今だとは思ってなかった……悲しいです。全ツの「仁」で、夕霧姐さんを演じてほしかった!!
歌えて踊れて芝居も達者で、しかも美女なのに、いったいどうしたことかと思うほど役がつかなくて、いつも不思議で仕方ありませんでした。最後の公演が正塚さんではあまり期待はできませんが、遣り甲斐のある役でありますように。
ゆずは。
これまた、歌えて踊れて芝居も達者な、美貌の娘役。ショーでは結構目立つところで使われていますが、バウでも新公でもなかなか大きな役がつかなくて、いつもやきもきしていました。そんな彼女が、卒業(T T)……せめてあと一年、新公を卒業するまで居てほしかった。とてもとても、残念です。
中村一徳さんはゆずはのダンスは好きだと思うので、ショーで何か目立つ場面があるといいなあ……。
三人とも、大事な月組の戦力で、財産で、大事な仲間でした。
どんな想いを抱えて、100周年を目前にしたこのタイミングで卒業していくのかわかりませんが、これからの4ヶ月が、ご本人たちにとってもファンのみなさまにとっても充実した日々となりますように。
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月組のミー&マイガール
2013年5月26日 宝塚(月) コメント (2)梅田芸術劇場メインホールにて、月組公演「ME AND MY GIRL」を観劇してまいりました。
再演を繰り返してきた月組の財産。
数年前の梅田芸術劇場公演(花組)のチケットがかなり余裕な感じだったので、今回も余裕だろうとばかり思っていたのですが、、まさかの土日完売には驚きました! やっぱり、この作品は「月組の財産」なんだなあ、と感慨深く思いつつの観劇になりました(^ ^)。
で!
ちゃぴのサリーが可愛すぎました!!
発表されたときから似合うだろうと予想し、私なりに精一杯ハードルを挙げて観に行ったわけですが、どんなハードルも軽々と越えていく透明な翼。ちゃぴの背中の翼は、彼女の涙でできているんだな、と思いました。
最初にヘアフォード邸にあらわれた時の蓮っ葉だけど可愛い「俺の女の子」っぷりから、早くもときめきが止まらない(汗)。まさおくんのビルが、驚くほどガキ(←子供じゃなくてガキ)っぽい役づくりだったので、サリーが、年齢は下なんだけど、その細い腕で精一杯ビルを包んで守ってきたのがわかるような気がしました。
大きなお邸にびっくりして目を瞠っていたサリー。降って湧いたチャンスに浮かれていた少女の、その澄んだ聡明な瞳に、邸の人々の様子がだんだんと見えてくる。「あたしが来ると、侯爵夫人はイヤな貌をするんだ」……貴婦人中の貴婦人であるマリア侯爵夫人が、そんな露骨に“嫌な貌”などするはずはないのですが、サリーの瞳には人の気持ちが映るんでしょうね。つくろった笑顔の裏の気持ち。でも、「悪意」がないこともわかっている。マリアにはマリアのやり方がある、ただそれだけ。
「侯爵夫人にはわかっているんだ……あの方が勝つのさ」
ビルの幸せのために必要なものは、自分ではなくマリアなのだと。自分が傍にいたのでは、ビルは「伯爵」にはなれない……それは、生まれついての彼の権利で、その場所に戻ることが彼のしあわせなのだから、と。
そのために何を喪うのか。サリーにはその覚悟があった。すべてを喪うことになっても、ビルのためなら、ビルの幸せのためなら怖くは無いと。
どんな運命も「あごで受け止めて」、、、「あたしは笑っているのさ」、と。
「あごで受け止めて」一曲で、あんなに泣いたのは初めてでした。
あの曲を、あんなに泣きながら歌うサリーも初めてみたような気がします。今にも“わっ”と泣きだしそうになって、その一歩手前で立ち止まって笑顔を浮かべるサリー。「笑ってんのさ」、と嘯きながら。
一生懸命で、けなげで、子供で、自分のことが見えてなくて、いつも必死な、守りたがりのちゃぴ。
本当に可愛くて、なんとしても幸せになってほしいと願わずにはいられないサリーでした。
ちゃぴのサリーを観ることができただけで、幸せです。ありがとう歌劇団。
私が観たのはBパターンなので、パーチェスターはコマちゃん(沙央)、ヘザーセットはマギー(星条)、ジャッキーがみやるり(美弥)でジェラルドがカチャ(凪七)でした。
コマちゃんとカチャは初月組子作品でしたが、まあ、、、特別公演でしたし、こういう作品ですのであまり違和感もなく(^ ^)普通に馴染んでいたと思います。まあ、大劇場で全員揃った時にどう見えるのかな、というのは気にはなりますが(^ ^)。
パーチェスターは、「貴族」でも「平民」でもない「ブルジョワ」階級(?)の人間として、この作品の中では特異な位置にいるんですが、そういう独特の立ち位置を、コマちゃんはちょっとイヤらしい感じに表現していて、面白いなと思いました。
ビルが「平民でも貴族でもない」サンドイッチのハムだとしたら、手に職のあるパーチェスターは、そもそも皿が違うサラダみたいな感じなんですよね、たぶん。そういう空気をあっさり醸し出せるあたり、さすがコマちゃんだなあ、と思いました。
ただ、「パーチェスター」という役に対して期待される“軽やかさ”みたいなものがちょっと足りなかったかも、とは思いました。地に足のついた実直さがコマちゃんの良いところだと思うし、組替えしたばかりで緊張していたのもあったのかもしれませんが。。。そう考えると、組替えしていきなりではなく、もう少し「月組」に馴染んでからこの役に取り組んでほしかったような気もしました。でも、逆に、その“浮いた”感じが役にあっていたのかもしれませんね。
みやるりのジャッキーは、歌の高音部はかなり苦しそうでしたが、見た目や芝居はとても良かったと思います。カチャのジェラルドの素直な感じも良かったし、軽やかで、やっぱりそういう役の方が似合うな、と思いました。
マリア侯爵夫人のすーちゃんは、期待以上に美しく貫録のある侯爵夫人ぶりでしたが、「30年以上も愛し合ってきた」と言われるのには少し若すぎたかも、、、という気もしました。やっぱり、京さんのマリアはキュートで可愛くて素敵だったなあ(^ ^)。
ジョン卿のナホちゃんは、可もなく不可もなく、という感じでしょうか。個人的にはコマちゃんのジョン卿が観てみたかったです。
としちゃんのボブ。
私は、ミーマイではいつもボブがすごく気になって、大好きなんですよね。すごく月組らしい役だと思うのです。いや、もちろん、花組で上演されたときもボブは良かったんですが、なんていうか、こういう役に命をかけるところが月組らしくてすごく好き。
サリーとの会話の一言一言、そして、閉じたドアに向かって軽く溜息をついて零す「幸運を祈っているよ、サリー」という祈りの言葉が、とても優しくて。ライトひとつあたらない舞台の隅でもずーーーーっと果物をいじったり乞食と小芝居しているのも、めっちゃ可愛かった!
ランベスに生きる人々の代表として、リアルな存在感のある役だと思うんですよね。ビルもまた、確かにここに生きていた、という片方の現実。そして、今となってはもう、ビルはランベスには戻れない、という現実もまた、ボブを見ているとわかってしまう。もう違う世界の住人なのだ、と。
そんな、ビルにとっては喪われた故郷ともいうべき「ランベス」を象徴する存在。
前回の博多座でボブを演じたのはひびきち(響)でしたが、あれからもうすぐ5年が経とうという今、ボブを演じるのは同期のとしちゃん(宇月)。いや、すごくいい役なので不満はないんですが、、、ミーマイって本当に役がないんだなあ(しみじみ)
るうちゃんのブラウン夫人。
目端がきいて儲け話は見逃さないけれども、約束はきちんと守る律義な人。生き馬の眼を抜くランベスで生き抜くすべと、その中で生きる仲間を見守る「大いなる母」の目線、両方を兼ね備えた人。るうちゃん(光月)の女役は初めて観たような気がしますが、思いの外自然だったし、おおらかな包容力があって、良かったと思います。
星組の美城さんみたいな、素敵な役者さんになってくれますように。
ゆりやんのサー・バターズビー。
姐さん女房(萌花)の尻に敷かれっぱなしの気弱なボンボン貴族。ゆりやんって、ああいう役にかけては天才的ですよね。なんともいえず間が良くて、大好きです。
……いや、「アルジェの男」のジュリアンもすごく良かったですよ!(←フォロー?)
特に印象に残ったのはそのあたりでしょうか。
「ミー&マイガール」、良い作品なのですが、いかんせん役がないので、裏が下級生バウだけだと辛いですね(涙)。でも、ちゃぴのサリーを観ることができて良かった!!(大事なことなのでもう一度)あの「あごで受け止めて」だけでもいいから、もう一回観たい………です。(←無理)
.
再演を繰り返してきた月組の財産。
数年前の梅田芸術劇場公演(花組)のチケットがかなり余裕な感じだったので、今回も余裕だろうとばかり思っていたのですが、、まさかの土日完売には驚きました! やっぱり、この作品は「月組の財産」なんだなあ、と感慨深く思いつつの観劇になりました(^ ^)。
で!
ちゃぴのサリーが可愛すぎました!!
発表されたときから似合うだろうと予想し、私なりに精一杯ハードルを挙げて観に行ったわけですが、どんなハードルも軽々と越えていく透明な翼。ちゃぴの背中の翼は、彼女の涙でできているんだな、と思いました。
最初にヘアフォード邸にあらわれた時の蓮っ葉だけど可愛い「俺の女の子」っぷりから、早くもときめきが止まらない(汗)。まさおくんのビルが、驚くほどガキ(←子供じゃなくてガキ)っぽい役づくりだったので、サリーが、年齢は下なんだけど、その細い腕で精一杯ビルを包んで守ってきたのがわかるような気がしました。
大きなお邸にびっくりして目を瞠っていたサリー。降って湧いたチャンスに浮かれていた少女の、その澄んだ聡明な瞳に、邸の人々の様子がだんだんと見えてくる。「あたしが来ると、侯爵夫人はイヤな貌をするんだ」……貴婦人中の貴婦人であるマリア侯爵夫人が、そんな露骨に“嫌な貌”などするはずはないのですが、サリーの瞳には人の気持ちが映るんでしょうね。つくろった笑顔の裏の気持ち。でも、「悪意」がないこともわかっている。マリアにはマリアのやり方がある、ただそれだけ。
「侯爵夫人にはわかっているんだ……あの方が勝つのさ」
ビルの幸せのために必要なものは、自分ではなくマリアなのだと。自分が傍にいたのでは、ビルは「伯爵」にはなれない……それは、生まれついての彼の権利で、その場所に戻ることが彼のしあわせなのだから、と。
そのために何を喪うのか。サリーにはその覚悟があった。すべてを喪うことになっても、ビルのためなら、ビルの幸せのためなら怖くは無いと。
どんな運命も「あごで受け止めて」、、、「あたしは笑っているのさ」、と。
「あごで受け止めて」一曲で、あんなに泣いたのは初めてでした。
あの曲を、あんなに泣きながら歌うサリーも初めてみたような気がします。今にも“わっ”と泣きだしそうになって、その一歩手前で立ち止まって笑顔を浮かべるサリー。「笑ってんのさ」、と嘯きながら。
一生懸命で、けなげで、子供で、自分のことが見えてなくて、いつも必死な、守りたがりのちゃぴ。
本当に可愛くて、なんとしても幸せになってほしいと願わずにはいられないサリーでした。
ちゃぴのサリーを観ることができただけで、幸せです。ありがとう歌劇団。
私が観たのはBパターンなので、パーチェスターはコマちゃん(沙央)、ヘザーセットはマギー(星条)、ジャッキーがみやるり(美弥)でジェラルドがカチャ(凪七)でした。
コマちゃんとカチャは初月組子作品でしたが、まあ、、、特別公演でしたし、こういう作品ですのであまり違和感もなく(^ ^)普通に馴染んでいたと思います。まあ、大劇場で全員揃った時にどう見えるのかな、というのは気にはなりますが(^ ^)。
パーチェスターは、「貴族」でも「平民」でもない「ブルジョワ」階級(?)の人間として、この作品の中では特異な位置にいるんですが、そういう独特の立ち位置を、コマちゃんはちょっとイヤらしい感じに表現していて、面白いなと思いました。
ビルが「平民でも貴族でもない」サンドイッチのハムだとしたら、手に職のあるパーチェスターは、そもそも皿が違うサラダみたいな感じなんですよね、たぶん。そういう空気をあっさり醸し出せるあたり、さすがコマちゃんだなあ、と思いました。
ただ、「パーチェスター」という役に対して期待される“軽やかさ”みたいなものがちょっと足りなかったかも、とは思いました。地に足のついた実直さがコマちゃんの良いところだと思うし、組替えしたばかりで緊張していたのもあったのかもしれませんが。。。そう考えると、組替えしていきなりではなく、もう少し「月組」に馴染んでからこの役に取り組んでほしかったような気もしました。でも、逆に、その“浮いた”感じが役にあっていたのかもしれませんね。
みやるりのジャッキーは、歌の高音部はかなり苦しそうでしたが、見た目や芝居はとても良かったと思います。カチャのジェラルドの素直な感じも良かったし、軽やかで、やっぱりそういう役の方が似合うな、と思いました。
マリア侯爵夫人のすーちゃんは、期待以上に美しく貫録のある侯爵夫人ぶりでしたが、「30年以上も愛し合ってきた」と言われるのには少し若すぎたかも、、、という気もしました。やっぱり、京さんのマリアはキュートで可愛くて素敵だったなあ(^ ^)。
ジョン卿のナホちゃんは、可もなく不可もなく、という感じでしょうか。個人的にはコマちゃんのジョン卿が観てみたかったです。
としちゃんのボブ。
私は、ミーマイではいつもボブがすごく気になって、大好きなんですよね。すごく月組らしい役だと思うのです。いや、もちろん、花組で上演されたときもボブは良かったんですが、なんていうか、こういう役に命をかけるところが月組らしくてすごく好き。
サリーとの会話の一言一言、そして、閉じたドアに向かって軽く溜息をついて零す「幸運を祈っているよ、サリー」という祈りの言葉が、とても優しくて。ライトひとつあたらない舞台の隅でもずーーーーっと果物をいじったり乞食と小芝居しているのも、めっちゃ可愛かった!
ランベスに生きる人々の代表として、リアルな存在感のある役だと思うんですよね。ビルもまた、確かにここに生きていた、という片方の現実。そして、今となってはもう、ビルはランベスには戻れない、という現実もまた、ボブを見ているとわかってしまう。もう違う世界の住人なのだ、と。
そんな、ビルにとっては喪われた故郷ともいうべき「ランベス」を象徴する存在。
前回の博多座でボブを演じたのはひびきち(響)でしたが、あれからもうすぐ5年が経とうという今、ボブを演じるのは同期のとしちゃん(宇月)。いや、すごくいい役なので不満はないんですが、、、ミーマイって本当に役がないんだなあ(しみじみ)
るうちゃんのブラウン夫人。
目端がきいて儲け話は見逃さないけれども、約束はきちんと守る律義な人。生き馬の眼を抜くランベスで生き抜くすべと、その中で生きる仲間を見守る「大いなる母」の目線、両方を兼ね備えた人。るうちゃん(光月)の女役は初めて観たような気がしますが、思いの外自然だったし、おおらかな包容力があって、良かったと思います。
星組の美城さんみたいな、素敵な役者さんになってくれますように。
ゆりやんのサー・バターズビー。
姐さん女房(萌花)の尻に敷かれっぱなしの気弱なボンボン貴族。ゆりやんって、ああいう役にかけては天才的ですよね。なんともいえず間が良くて、大好きです。
……いや、「アルジェの男」のジュリアンもすごく良かったですよ!(←フォロー?)
特に印象に残ったのはそのあたりでしょうか。
「ミー&マイガール」、良い作品なのですが、いかんせん役がないので、裏が下級生バウだけだと辛いですね(涙)。でも、ちゃぴのサリーを観ることができて良かった!!(大事なことなのでもう一度)あの「あごで受け止めて」だけでもいいから、もう一回観たい………です。(←無理)
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2013年のタカラヅカ【10】
2013年5月25日 宝塚(月) コメント (2)年末の月組公演の演目が出ました!
これで、あとは年末のイベント(あるとすれば)のみ……でも、それは「百周年」イベントの一環になりそうだから、「2013年」の演目としてはこれが最後、でしょうか。
最後の最後にびっくり演目がきて、、、100周年に向かう宝塚歌劇団の本気をみた、ような(^ ^)。
■月組全国ツアー公演
グランステージ『JIN-仁-』
原作「JIN-仁-」村上もとか(集英社「ジャンプコミックスデラックス」刊行)
脚本・演出/齋藤吉正
まさかの「仁」再演!
話題作でしたし、役も多くて楽しい作品でしたから、遠からずどこかで再演されるだろうとは思っていましたが、、、うーん、キムちゃんファンの方は複雑でしょうねぇ(- -;)。全国ツアーは11月から12月頭だから、東京の人間にとっては、雪組さんの「仁」が千秋楽を迎えてから「まだ一年も経ってない」んですよね……。
とはいえ、せっかく再演するなら、月組ファンだけでも盛り上がりたいところ。
普通の2本立てのお芝居より少し長めの作品でしたが、ツアーはどうなるのでしょうか。併演のショーはいつもと同じ長さだとしたら、お芝居を少し削るのかな?
いずれにしても、再演するなら脚本のこまごま壊れていたところは手当してほしいな、とは思いつつ。。。
ちゃぴの咲はぴったり!だと思うし、勝先生=コマちゃん、龍馬=みやるり、恭太郎=たまきち、千吉=としちゃん、ルロイ=ゆりやん、きんぐとがおりの二人をちなつちゃんとゆうきで、夕霧太夫=こころ、お駒=ゆずは、、、、とか妄想キャストを考えるのも、楽しくて仕方ありません(^ ^)。役が多いって素敵!!
そうそう!齋藤さん特権:野風=ちゅーちゃん(咲希)が発動されますように!!
グランド・レビュー『Fantastic Energy!』
作・演出/中村一徳
全員総出の「仁」の後に、全員総出の中村ショー(^ ^)。なんだか勿体無い気がします。「風共」で泣いている宙組に、少し役を分けてほしい!!
……中村さんのショーは無条件に好きなので、楽しみです♪ としちゃんが踊りまくってくれますように!
■ドラマシティ公演
MUSICAL『THE MERRY WIDOW』
~オペレッタ「メリー・ウィドウ」より~
原作/フランツ・レハール
脚本・演出/谷正純
みりおくんが抜けて、たまきちがバウ主演した今年、年末のドラマシティはどうなるんだろう……W主演?? とか思っていたのですが。
……そっか、みっちゃんがいたか!
轟さんの「南太平洋」に続いて、今年2つ目の専科さん主演作品は、レハールの名作オペレッタのミュージカル化。同じ谷さんが演出したシュトラウスの「ジプシー男爵」よりメジャーな作品なので、観たことがある人も多いでしょうし、みっちゃんなら歌唱力も十分なので、楽しい公演になりそうですね。
ダニーロはみっちゃんとして、ヒロインのハンナは誰になるでしょうね。エネルギッシュで華やかな未亡人、パッと思いつくのはみくちゃん(花陽)なんだけど、、、みっちゃんとも合うと思うのですが。バウヒロインが続いたみゆちゃん(咲妃)だと、あのエネルギッシュな未亡人にはちょっと線が細いような気がするし。
で、二番手は男爵になるのでしょうか、色男のカミーユになるのでしょうか。男爵にマギー、カミーユにカチャで、男爵夫人にすーちゃん、、、とか、そんなキャストだったら面白くなりそう(^ ^)。
しかし、他に役がないのがなあ……。オペラ(オペレッタ)は少人数のスター歌手と大勢のコーラスが基本なので仕方ないのですが、、、「仁」が役の多い作品なので、こちらにはスターはあまり出ないのかもしれませんね。それとも、谷さんがオリジナルの役をたくさん創ってくれるかな?(←ちょっと危険な香り)
.
これで、あとは年末のイベント(あるとすれば)のみ……でも、それは「百周年」イベントの一環になりそうだから、「2013年」の演目としてはこれが最後、でしょうか。
最後の最後にびっくり演目がきて、、、100周年に向かう宝塚歌劇団の本気をみた、ような(^ ^)。
■月組全国ツアー公演
グランステージ『JIN-仁-』
原作「JIN-仁-」村上もとか(集英社「ジャンプコミックスデラックス」刊行)
脚本・演出/齋藤吉正
まさかの「仁」再演!
話題作でしたし、役も多くて楽しい作品でしたから、遠からずどこかで再演されるだろうとは思っていましたが、、、うーん、キムちゃんファンの方は複雑でしょうねぇ(- -;)。全国ツアーは11月から12月頭だから、東京の人間にとっては、雪組さんの「仁」が千秋楽を迎えてから「まだ一年も経ってない」んですよね……。
とはいえ、せっかく再演するなら、月組ファンだけでも盛り上がりたいところ。
普通の2本立てのお芝居より少し長めの作品でしたが、ツアーはどうなるのでしょうか。併演のショーはいつもと同じ長さだとしたら、お芝居を少し削るのかな?
いずれにしても、再演するなら脚本のこまごま壊れていたところは手当してほしいな、とは思いつつ。。。
ちゃぴの咲はぴったり!だと思うし、勝先生=コマちゃん、龍馬=みやるり、恭太郎=たまきち、千吉=としちゃん、ルロイ=ゆりやん、きんぐとがおりの二人をちなつちゃんとゆうきで、夕霧太夫=こころ、お駒=ゆずは、、、、とか妄想キャストを考えるのも、楽しくて仕方ありません(^ ^)。役が多いって素敵!!
そうそう!齋藤さん特権:野風=ちゅーちゃん(咲希)が発動されますように!!
グランド・レビュー『Fantastic Energy!』
作・演出/中村一徳
全員総出の「仁」の後に、全員総出の中村ショー(^ ^)。なんだか勿体無い気がします。「風共」で泣いている宙組に、少し役を分けてほしい!!
……中村さんのショーは無条件に好きなので、楽しみです♪ としちゃんが踊りまくってくれますように!
■ドラマシティ公演
MUSICAL『THE MERRY WIDOW』
~オペレッタ「メリー・ウィドウ」より~
原作/フランツ・レハール
脚本・演出/谷正純
みりおくんが抜けて、たまきちがバウ主演した今年、年末のドラマシティはどうなるんだろう……W主演?? とか思っていたのですが。
……そっか、みっちゃんがいたか!
轟さんの「南太平洋」に続いて、今年2つ目の専科さん主演作品は、レハールの名作オペレッタのミュージカル化。同じ谷さんが演出したシュトラウスの「ジプシー男爵」よりメジャーな作品なので、観たことがある人も多いでしょうし、みっちゃんなら歌唱力も十分なので、楽しい公演になりそうですね。
ダニーロはみっちゃんとして、ヒロインのハンナは誰になるでしょうね。エネルギッシュで華やかな未亡人、パッと思いつくのはみくちゃん(花陽)なんだけど、、、みっちゃんとも合うと思うのですが。バウヒロインが続いたみゆちゃん(咲妃)だと、あのエネルギッシュな未亡人にはちょっと線が細いような気がするし。
で、二番手は男爵になるのでしょうか、色男のカミーユになるのでしょうか。男爵にマギー、カミーユにカチャで、男爵夫人にすーちゃん、、、とか、そんなキャストだったら面白くなりそう(^ ^)。
しかし、他に役がないのがなあ……。オペラ(オペレッタ)は少人数のスター歌手と大勢のコーラスが基本なので仕方ないのですが、、、「仁」が役の多い作品なので、こちらにはスターはあまり出ないのかもしれませんね。それとも、谷さんがオリジナルの役をたくさん創ってくれるかな?(←ちょっと危険な香り)
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2013年のタカラヅカ【9】
2013年5月18日 宝塚全体・OG コメント (5)体力がなくてリアルタイムに反応できませんでしたが(涙)、先週、今年後半のラインナップが一気にでました♪
■宙組大劇場公演
宝塚グランドロマン『風と共に去りぬ』
原作/マーガレット・ミッチェル
脚本・演出/植田紳爾 演出/谷正純
前半のラインナップで、唯一の二本立て(ショー付き)だった宙組。
この様子だと、後半はショー無しかもなあ、と覚悟はしていたのですが………まさか、よりによって「風と共に去りぬ」が来るとは(- -;ゞ
でも。
前向きに考えると、99周年に「ベルサイユのばら」と「風と共に去りぬ」を両方上演するということは、100周年にはやらないってことですよね?で、この2作品を100周年にやらないってことは、、、植田(紳)さんは、100周年記念式典の演出を花道に隠退してくださるってことっっ!!?
そうだよ、と言ってくれさえすれば、今年はがんばって花道を飾ります。。。お願いします>>劇団
それにしても。いま出ているあらすじには、ごくごくありきたりなことしか書いてないのですが、これ、何篇をやる予定なのでしょうか?
私の希望は、テルくんが物語の主役を演じるスカーレット篇なのですが、どうなるのかなあ。
どうせ「風と共に去りぬ」なら、特出または役替りはきっとあると思うのですが、、、ちょうどこの時期(大劇場9/27~11/4)に特出できる組って、前半に雪組、後半に月組しかいないんですよね。。。
というわけで、個人的な希望は以下のとおり。
スカーレット:凰稀
メラニー:実咲
バトラー:壮/悠未
アシュレ:龍/朝夏
特出期間中、その役の組子(ともちんorまあくん)が何をやるかが問題ですが。。ご夫人方にまざる、くらいの思いきった役替りでもいいような気がします(^ ^)。
ちなみに東宝は、前半に礼音くん、後半に蘭寿さんが出演可能なので、、、こんな感じ?
スカーレット:凰稀
メラニー:実咲
バトラー:蘭寿/柚希/悠未
アシュレ:朝夏
ちなみに、一路さんがスカーレットをなさった雪組公演では、特出したのは各組2番手さんだったようですが。。。いま、2番手スターって固定てない組が多いので、特出できるのはトップさんだけなイメージです。
あるいは、バトラー篇でいくなら、こんな感じでしょうか。
バトラー:凰稀
スカーレット1:壮/龍/実咲
アシュレ/フランク:悠未/朝夏
メラニー:すみれ乃/実咲
スカーレット2:朝夏/悠未(真顔)
壮ちゃんスカーレット……いや、綺麗だと思います(^ ^)w
この場合は、特出は大劇場のみで、東宝は組内役替りだと予想。
うーん、どうなるんでしょうね。作品には興味ないけど、キャスティングには興味津々(汗)。
あ。もしバトラー篇をやるのであれば、新公はぜひ、スカーレット1/2を伶美/蒼羽で、「私とあなたは裏表♪」をお願いしますっ!
■雪組大劇場公演
ミュージカル『Shall we ダンス?』
~周防正行 原案・脚本・監督『Shall we ダンス?』より~
脚本・演出/小柳奈穂子
ショー・ビッグモニュメント『CONGRATULATIONS 宝塚!!』
作・演出/藤井大介
祝!!小柳&藤井の二本立て!!
やっぱり、2作連続一本ものは無いですよね!良かった……!!何よりのラインナップです。
雪組さん、ホントに「Congratulation!!」ですね(はあと)
99周年の掉尾を飾り、100周年の最初の東宝劇場公演となるこの作品。まさか「アムール99」に続けて藤井さんで来るとは思いませんでしたが、、、劇団は藤井さんと心中する覚悟を決めたのでしょうか。。。
私は彼のショーが大好きなので、100周年が終わったら、少し充電期間をあげてほしいなあ、と思います。心から。
小柳さんは、100分のお芝居は初ですよね。原作も面白いですし、いままで短編で磨いてきた構成力とキャラクタライズの技を生かして、雪組の愉快な仲間たちにやりがいのある作品を創ってあげてくださいね♪
……100分ですよね?何も書いてないけど。
■星組ドラマシティ・日本青年館公演
ミュージカル『日のあたる方(ほう)へ ―私という名の他者―』
~スティーヴンソン作「ジキル博士とハイド氏の奇妙な物語」より~
脚本・演出/木村信司
真風くん、ドラマシティ(&東上)初主演、おめでとうございます!!
いやー、研8でドラマシティ主演かあ、すごいなあ(@ @)。
そして、木村さん(@ @)。てっきり年末の雪組大劇場公演だと思っていたので、かなり驚きました。彼の中小劇場って、壮ちゃんの「オグリ」くらいしか覚えてないけど、最近何かやったっけ?(汗)(潤色を除く)(ドラマシティは「不滅の棘」以来でしょうか)。
「ジキルとハイド」を原作にしつつ、ヒロインはジキルの父親ポジになるようなので、また全く違う構造の物語になるんでしょうね。。。
ここで真風くんがドラマシティということは、やっぱり、100周年にむけて、バウホールに何か手を入れる予定でもあるのでしょうか…?よくできた劇場だけど、だいぶ古くなっているはずだし。
バウホール公演は楽しくて大好きなので、これからも、いろいろな企画に挑戦してみてほしいです!ええ、内容的にも、キャスティング的にも、ね!!
■星組国際フォーラム・博多座公演
柚希礼音スペシャル・ライブ『REON!!II』
作・演出/藤井大介
えーっと。藤井さん、死なないでね。。。
私は、去年観た「REON!!」で一番好きだったのが「バーレスク」のれみちゃんと、一幕ラストの愛と死のデュエットダンス だったので、、、そのどちらもメインキャストが出られなくて、同じモノが観られないのがとても残念です。
いや、まあ、また新しいキャストで素敵な場面を魅せていただければ良いんですけどね!
……真風くんは、死も残念だけど、“ちえちゃんのママ”も観られなくて残念です(T T)。
さて、振り分けはいつごろ出るのでしょうか。今日、雪組の振り分けが出たところなので、遅くても1ヶ月後には出てるはず?早くわかるといいなあ。
みっきぃさんは、きっと去年出られなかった「REON!!」に出たいと思っているんだろうなあ。。。。ちっ。
これで、のこるは年末の月組(全国ツアー&ドラマシティ)のみ。
あ、あとイベントがどうなるか、ですね。100周年に向けて、ファンとしても盛り上がっていきたいなと思います♪
あ。最後に。
今日、雪組バウホール公演の「主な配役」が発表されました。
まさかの!4期上のヒロイン&二番手!!
92期の彩凪翔くん主演のバウなのに、ヒロイン(大湖)と二番手(鳳翔)が揃って88期ですよ!!いやー、これを驚かずして何に驚くというのか!
上級生が出るかも、とは思っていましたが、まさか88期が出るとは思いませんでした。
しかも!まなはる(真那)、ほたて(帆風)、あす(久城)と、私のお気に入りの下級生が軒並み出演するんですけど!彼ら全員に遣り甲斐のある役が与えられるのでしょうか!!!?
原田さんの今までの作品を振り返るに、難しそうだなあ。。。。まあ、次の大劇場が小柳&藤井だから、バウは諦められるか!?
チギちゃんのディナーショー(全ツ出演なし)にも驚きました。
これで、中日の「若き日の唄は忘れじ」のメインキャストで抜けるのはチギちゃん、コマちゃん、大ちゃん、翔くん。全ツで加わるのが、まっつ、ともみん、彩風さん……で、がおりちゃんあたりが替わるかな?結構、ガラっと雰囲気変わりそうですね。楽しみ♪♪♪
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■宙組大劇場公演
宝塚グランドロマン『風と共に去りぬ』
原作/マーガレット・ミッチェル
脚本・演出/植田紳爾 演出/谷正純
前半のラインナップで、唯一の二本立て(ショー付き)だった宙組。
この様子だと、後半はショー無しかもなあ、と覚悟はしていたのですが………まさか、よりによって「風と共に去りぬ」が来るとは(- -;ゞ
でも。
前向きに考えると、99周年に「ベルサイユのばら」と「風と共に去りぬ」を両方上演するということは、100周年にはやらないってことですよね?で、この2作品を100周年にやらないってことは、、、植田(紳)さんは、100周年記念式典の演出を花道に隠退してくださるってことっっ!!?
そうだよ、と言ってくれさえすれば、今年はがんばって花道を飾ります。。。お願いします>>劇団
それにしても。いま出ているあらすじには、ごくごくありきたりなことしか書いてないのですが、これ、何篇をやる予定なのでしょうか?
私の希望は、テルくんが物語の主役を演じるスカーレット篇なのですが、どうなるのかなあ。
どうせ「風と共に去りぬ」なら、特出または役替りはきっとあると思うのですが、、、ちょうどこの時期(大劇場9/27~11/4)に特出できる組って、前半に雪組、後半に月組しかいないんですよね。。。
というわけで、個人的な希望は以下のとおり。
スカーレット:凰稀
メラニー:実咲
バトラー:壮/悠未
アシュレ:龍/朝夏
特出期間中、その役の組子(ともちんorまあくん)が何をやるかが問題ですが。。ご夫人方にまざる、くらいの思いきった役替りでもいいような気がします(^ ^)。
ちなみに東宝は、前半に礼音くん、後半に蘭寿さんが出演可能なので、、、こんな感じ?
スカーレット:凰稀
メラニー:実咲
バトラー:蘭寿/柚希/悠未
アシュレ:朝夏
ちなみに、一路さんがスカーレットをなさった雪組公演では、特出したのは各組2番手さんだったようですが。。。いま、2番手スターって固定てない組が多いので、特出できるのはトップさんだけなイメージです。
あるいは、バトラー篇でいくなら、こんな感じでしょうか。
バトラー:凰稀
スカーレット1:壮/龍/実咲
アシュレ/フランク:悠未/朝夏
メラニー:すみれ乃/実咲
スカーレット2:朝夏/悠未(真顔)
壮ちゃんスカーレット……いや、綺麗だと思います(^ ^)w
この場合は、特出は大劇場のみで、東宝は組内役替りだと予想。
うーん、どうなるんでしょうね。作品には興味ないけど、キャスティングには興味津々(汗)。
あ。もしバトラー篇をやるのであれば、新公はぜひ、スカーレット1/2を伶美/蒼羽で、「私とあなたは裏表♪」をお願いしますっ!
■雪組大劇場公演
ミュージカル『Shall we ダンス?』
~周防正行 原案・脚本・監督『Shall we ダンス?』より~
脚本・演出/小柳奈穂子
ショー・ビッグモニュメント『CONGRATULATIONS 宝塚!!』
作・演出/藤井大介
祝!!小柳&藤井の二本立て!!
やっぱり、2作連続一本ものは無いですよね!良かった……!!何よりのラインナップです。
雪組さん、ホントに「Congratulation!!」ですね(はあと)
99周年の掉尾を飾り、100周年の最初の東宝劇場公演となるこの作品。まさか「アムール99」に続けて藤井さんで来るとは思いませんでしたが、、、劇団は藤井さんと心中する覚悟を決めたのでしょうか。。。
私は彼のショーが大好きなので、100周年が終わったら、少し充電期間をあげてほしいなあ、と思います。心から。
小柳さんは、100分のお芝居は初ですよね。原作も面白いですし、いままで短編で磨いてきた構成力とキャラクタライズの技を生かして、雪組の愉快な仲間たちにやりがいのある作品を創ってあげてくださいね♪
……100分ですよね?何も書いてないけど。
■星組ドラマシティ・日本青年館公演
ミュージカル『日のあたる方(ほう)へ ―私という名の他者―』
~スティーヴンソン作「ジキル博士とハイド氏の奇妙な物語」より~
脚本・演出/木村信司
真風くん、ドラマシティ(&東上)初主演、おめでとうございます!!
いやー、研8でドラマシティ主演かあ、すごいなあ(@ @)。
そして、木村さん(@ @)。てっきり年末の雪組大劇場公演だと思っていたので、かなり驚きました。彼の中小劇場って、壮ちゃんの「オグリ」くらいしか覚えてないけど、最近何かやったっけ?(汗)(潤色を除く)(ドラマシティは「不滅の棘」以来でしょうか)。
「ジキルとハイド」を原作にしつつ、ヒロインはジキルの父親ポジになるようなので、また全く違う構造の物語になるんでしょうね。。。
ここで真風くんがドラマシティということは、やっぱり、100周年にむけて、バウホールに何か手を入れる予定でもあるのでしょうか…?よくできた劇場だけど、だいぶ古くなっているはずだし。
バウホール公演は楽しくて大好きなので、これからも、いろいろな企画に挑戦してみてほしいです!ええ、内容的にも、キャスティング的にも、ね!!
■星組国際フォーラム・博多座公演
柚希礼音スペシャル・ライブ『REON!!II』
作・演出/藤井大介
えーっと。藤井さん、死なないでね。。。
私は、去年観た「REON!!」で一番好きだったのが「バーレスク」のれみちゃんと、一幕ラストの愛と死のデュエットダンス だったので、、、そのどちらもメインキャストが出られなくて、同じモノが観られないのがとても残念です。
いや、まあ、また新しいキャストで素敵な場面を魅せていただければ良いんですけどね!
……真風くんは、死も残念だけど、“ちえちゃんのママ”も観られなくて残念です(T T)。
さて、振り分けはいつごろ出るのでしょうか。今日、雪組の振り分けが出たところなので、遅くても1ヶ月後には出てるはず?早くわかるといいなあ。
みっきぃさんは、きっと去年出られなかった「REON!!」に出たいと思っているんだろうなあ。。。。ちっ。
これで、のこるは年末の月組(全国ツアー&ドラマシティ)のみ。
あ、あとイベントがどうなるか、ですね。100周年に向けて、ファンとしても盛り上がっていきたいなと思います♪
あ。最後に。
今日、雪組バウホール公演の「主な配役」が発表されました。
まさかの!4期上のヒロイン&二番手!!
92期の彩凪翔くん主演のバウなのに、ヒロイン(大湖)と二番手(鳳翔)が揃って88期ですよ!!いやー、これを驚かずして何に驚くというのか!
上級生が出るかも、とは思っていましたが、まさか88期が出るとは思いませんでした。
しかも!まなはる(真那)、ほたて(帆風)、あす(久城)と、私のお気に入りの下級生が軒並み出演するんですけど!彼ら全員に遣り甲斐のある役が与えられるのでしょうか!!!?
原田さんの今までの作品を振り返るに、難しそうだなあ。。。。まあ、次の大劇場が小柳&藤井だから、バウは諦められるか!?
チギちゃんのディナーショー(全ツ出演なし)にも驚きました。
これで、中日の「若き日の唄は忘れじ」のメインキャストで抜けるのはチギちゃん、コマちゃん、大ちゃん、翔くん。全ツで加わるのが、まっつ、ともみん、彩風さん……で、がおりちゃんあたりが替わるかな?結構、ガラっと雰囲気変わりそうですね。楽しみ♪♪♪
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I・NO・RI ~藤咲えり 1st Album~
2013年5月15日 音楽 コメント (2)
藤咲えりちゃんの1st Album、「I・NO・RI」が発売されました!
まずは、初アルバムおめでとうございます!!(はぁと)、の、キモチをこめて。
残念ながら地元のTSUTAYAには置いてなく(涙)、まだ手にいれていないのですが。。。
Amazonも品切れだし!!? あーあ、予約すればよかったなあ(反省)。
とりあえず、曲目リストだけでも。
1. 春の日の花と輝く ~eternal love~
原曲はアイルランド民謡。ハーヴァード大学の卒業式歌としても知られる曲、だそうです。
2. 幸せのおまじない
オリジナル曲
3. Greensleeves ~めぐる季節~
原曲はイングランド民謡。それをPOPにアレンジした…そうです。
4. 円舞曲
オリジナル曲
5. 祈り
オリジナル曲
くうう、いつになったら聴けるんだろう。。。えりちゃ~ん!!(おとなしくAmazonで視聴中)
GETされた方、いらっしゃったらぜひ、感想を教えてください★
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まずは、初アルバムおめでとうございます!!(はぁと)、の、キモチをこめて。
残念ながら地元のTSUTAYAには置いてなく(涙)、まだ手にいれていないのですが。。。
Amazonも品切れだし!!? あーあ、予約すればよかったなあ(反省)。
とりあえず、曲目リストだけでも。
1. 春の日の花と輝く ~eternal love~
原曲はアイルランド民謡。ハーヴァード大学の卒業式歌としても知られる曲、だそうです。
2. 幸せのおまじない
オリジナル曲
3. Greensleeves ~めぐる季節~
原曲はイングランド民謡。それをPOPにアレンジした…そうです。
4. 円舞曲
オリジナル曲
5. 祈り
オリジナル曲
くうう、いつになったら聴けるんだろう。。。えりちゃ~ん!!(おとなしくAmazonで視聴中)
GETされた方、いらっしゃったらぜひ、感想を教えてください★
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スカイナビゲーターズ
2013年5月14日 宝塚全体・OGスカイステージのスカイナビゲーターズ・スカイレポーターズの新メンバーが発表になりました!
http://kageki.hankyu.co.jp/news/detail/25dda9635dea79459a688f5113a45156.html
■第2期スカイ・ナビゲーターズ
(花組)鳳 真由 / 春花きらら
(月組)紫門ゆりや/ 白雪さち花
(雪組)真那春人 / 桃花ひな
(星組)天寿光希 / 優香りこ
(宙組)澄輝さやと/ 綾瀬あきな
真由ちゃんにゆりやんにまなはるにみっきぃさんにあっきー!?
えっと、あの、どう見ても 私が選んだとしか思えない人選ですが、、、、いいんですね?それで。後悔はしませんね?いや、良いんですよ、勿論。その覚悟さえあれば。
みなさま、これからもよろしくお願いいたします。
毎朝楽しく起きられそうです(^ ^)。
あらためて学年をみてみると、雪組以外は全員91期、雪組だけ92期の同期コンビ。去年の夏にれみちゃんから引き継いだばかりのわんこちゃんだけ続投で、あとは全員変ったんですね。
男役は、まなはる以外は全員スカイフェアリーズ経験者。雪組は、92期は凜城さん、91期は冴輝さんで、もうどちらも組にいない卒業しちゃったからしかたないですね。
逆に、娘役は全員違うんですねー。マイコちゃん、さち花、ひなちゃん、えびちゃん、みんな可愛くて、大好きです。マイコちゃんとか、花娘は人材豊富すぎてなかなか本公演では台詞が回ってこないので、ぜひここでたくさん声を聴かせてください♪
……っていうか、この男役5人ってもしかして「宝塚Dream Forever」のナレーションメンバーですか? 番組を観るたびに、スカステの中に声の好みが私と同じ人がいるな~、と思っていたのですが(^ ^)。少なくとも、花・雪・星はそうですね。宙組は蒼羽りくちゃんだったような気がするから違うかも??
■第5期スカイ・レポーターズ
(花組)夕霧らい / 梅咲衣舞
(月組)光月るう / 夏月 都
(雪組)香綾しずる/ 千風カレン
(星組)如月 蓮 / 白妙なつ
(宙組)七海ひろき/ 純矢ちとせ
こちらも、るうちゃんとなっつの月組コンビ以外は全員交替なんですね。
このあたりがもう「上級生」なんだなあ、と思うとしみじみするのですが、それぞれトークに定評のあるメンバーで、いろんなレポート番組がいまから楽しみです♪
最後に。
今日、5月14日は、大空祐飛さんの大劇場サヨナラの大楽から、ちょうど一年目、でした。
東京住まいの猫にとっては、大劇場のサヨナラはあまり大きな意味はないのですが(^ ^)、それでも、いちおう忘れてはいなかったです。あの日は寒かったなあ、なんて思いだしたりして。
あれから一年。
新しい舞台へ続く道を、歩いていらっしゃる祐飛さんにとって、この1年はどんな一年だったんでしょうね。
10月の舞台を、楽しみにしています。
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http://kageki.hankyu.co.jp/news/detail/25dda9635dea79459a688f5113a45156.html
■第2期スカイ・ナビゲーターズ
(花組)鳳 真由 / 春花きらら
(月組)紫門ゆりや/ 白雪さち花
(雪組)真那春人 / 桃花ひな
(星組)天寿光希 / 優香りこ
(宙組)澄輝さやと/ 綾瀬あきな
真由ちゃんにゆりやんにまなはるにみっきぃさんにあっきー!?
えっと、あの、どう見ても 私が選んだとしか思えない人選ですが、、、、いいんですね?それで。後悔はしませんね?いや、良いんですよ、勿論。その覚悟さえあれば。
みなさま、これからもよろしくお願いいたします。
毎朝楽しく起きられそうです(^ ^)。
あらためて学年をみてみると、雪組以外は全員91期、雪組だけ92期の同期コンビ。去年の夏にれみちゃんから引き継いだばかりのわんこちゃんだけ続投で、あとは全員変ったんですね。
男役は、まなはる以外は全員スカイフェアリーズ経験者。雪組は、92期は凜城さん、91期は冴輝さんで、もうどちらも組にいない卒業しちゃったからしかたないですね。
逆に、娘役は全員違うんですねー。マイコちゃん、さち花、ひなちゃん、えびちゃん、みんな可愛くて、大好きです。マイコちゃんとか、花娘は人材豊富すぎてなかなか本公演では台詞が回ってこないので、ぜひここでたくさん声を聴かせてください♪
……っていうか、この男役5人ってもしかして「宝塚Dream Forever」のナレーションメンバーですか? 番組を観るたびに、スカステの中に声の好みが私と同じ人がいるな~、と思っていたのですが(^ ^)。少なくとも、花・雪・星はそうですね。宙組は蒼羽りくちゃんだったような気がするから違うかも??
■第5期スカイ・レポーターズ
(花組)夕霧らい / 梅咲衣舞
(月組)光月るう / 夏月 都
(雪組)香綾しずる/ 千風カレン
(星組)如月 蓮 / 白妙なつ
(宙組)七海ひろき/ 純矢ちとせ
こちらも、るうちゃんとなっつの月組コンビ以外は全員交替なんですね。
このあたりがもう「上級生」なんだなあ、と思うとしみじみするのですが、それぞれトークに定評のあるメンバーで、いろんなレポート番組がいまから楽しみです♪
最後に。
今日、5月14日は、大空祐飛さんの大劇場サヨナラの大楽から、ちょうど一年目、でした。
東京住まいの猫にとっては、大劇場のサヨナラはあまり大きな意味はないのですが(^ ^)、それでも、いちおう忘れてはいなかったです。あの日は寒かったなあ、なんて思いだしたりして。
あれから一年。
新しい舞台へ続く道を、歩いていらっしゃる祐飛さんにとって、この1年はどんな一年だったんでしょうね。
10月の舞台を、楽しみにしています。
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月組バウホール公演「月雲の皇子」、千秋楽おめでとうございます!
わずか10日間の短い公演でしたが、若いメンバーの熱気に溢れ、成長も著しい、素晴らしい公演でした。
上田久美子さん、バウホールデビュー作の大成功、おめでとうございます!気が早いかもですが、次作も期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします(^ ^)。
千秋楽もすぎましたので、ネタばれ解禁……と思いつつ、まだあまり頭がまとまっていなくて、何から書けばいいのか解らなかったりするので、まずは、作品とは直接関係ない話を。
初見で思ったのは「あかねさす紫の花」と「太王四神記」を足したような物語だな、ということでした。
王となるべき穏やかで優しい皇子と、その次の順位にある知略に富んだ勇猛な皇子が、互いに互いを思いあい、共に「お前が王になるなら私はその補佐として役に立とう」と思っている、という設定は「太王四神記」と同じで、その二人が揃って愛した娘が巫女であるというのも同じ。そして、3人の関係は少し違いますが、「あかね…」は、兄弟二人が愛する幼馴染みの巫女、という設定と、衣装や1幕ラストの3人の舞の場面が良く似ていて、とても懐かしく思い出しました。
衣装といえば、2幕の中心となる土蜘蛛軍は「太王四神記」だったなあ。。。
そして、これは余談ですが、「太王四神記」の主人公タムドクは、いわゆる高句麗の「好太王」のことであり、彼の在位は4世紀の後半から5世紀初頭。安康(穴穂)~雄略(大長谷)の在位は5世紀中葉~後半と言われており、好太王碑に残る「倭軍」を率いたのは、二人の父允恭天皇か、あるいはその兄であった履中・反正の時代であろう、というのが有力なようです。
タムドクと木梨・穴穂がほぼ同時代の人物(1世代違いますが)であるのは面白いなあ、と思いました。この時代、高句麗には中興の祖であるタムドクが登場して朝鮮半島南部の百済・新羅を圧迫し、多数の渡来人が倭国を訪れるきっかけとなったんですよね。そして、彼らがやってきて数十年が過ぎ、有能な者は大和朝廷でそれなりの地位についた頃に、木梨・穴穂の物語は始まる。その時間関係が、面白いな、と。
穴穂が驚いた“黒船”は、新羅の舟。その舟に山と積まれた鋼の武器。
日本にもそれなりの製鉄技術はあったものの、やはり大陸の方が技術は進んでいたはず。宋に朝貢して印綬を貰い受けてはいても、実際に中華の大国と地理的に近く、鉱物資源も豊富な朝鮮半島は、身近な敵ではあったのでしょうね。
同じものをみても、木梨は“技術”のもたらす生産力の向上と国の繁栄を信じ、穴穂は“敵”の存在に気づいて国の将来を憂う。木梨が蜘蛛族の間に立ち入ってしようとしたことは、彼らに技術を与えてヤマトの民と一体化させることであり、いろいろな行き違いから多くの人を巻き込んだ大きな闘いを始めてしまうけれども、そもそもの目的は「平和」であったのだ、と。。。その行き違いの切なさとともに、それが「国産み」なのだ、と。そこにある「国」を護るのではなく、「ヤマト」という国を創ろうとするときの、それが苦しみなのだ、と、、、そういうふうに上田さんは言いたかったのかな、と思いました。
……ま、兄弟げんかは家でやれよ、とも思うんですけどね!!(真顔)
うしろだて、といえば。
……博徳役のまゆぽん(輝月)が1幕で歌う「銅鏡」からの説明のくんだりは、大長谷皇子(後の倭王武に比定される雄略天皇)にとって、非常に重要な情報なんですよね。後ろで寝てる場合じゃないよ!と、観るたびに思ってました(^ ^)。
全体的に重苦しい、深刻な場面の続く作品の中で、あの場面は、あとにつながる説明として非常に重要な場面でありながらもテンポよく楽しく、まゆぽんの研5とは思えぬ落ち着きと貫録、皇子たち(星那、煌海、朝美)の学年相応(←あーさとまゆぽんが同期、あとの二人は上級生)の軽やかさが印象的な場面でした。
皇子たちの運命の渦には踏み込まないながら、その外側で、誰よりもしたたかに生き抜いていく博徳。
一幕も二幕も、〆の台詞は彼が言うんですよね。特に、2幕ラストの「この国を、“いい国”にしましょうなあ……」という慨嘆は、とても胸に痛く響きました。皇子たちの運命に対しては傍観者としての立ち位置を守りながら、『ヤマトの国産み』に対しては当事者であった彼の、愛弟子へ向けた精一杯の餞。その愛情と厳しさを飄々とした語り口に籠めつつ、兄の希みを叶えて全てを喪った弟皇子に道を示す、そのさりげない包容力。
この作品におけるまゆぽんの存在の巨きさは、はかりしれなかったと思います。これから彼女がどんな道を歩むのかわかりませんが、すなおに真っ直ぐに、歩いていってほしいな、と思っています。
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わずか10日間の短い公演でしたが、若いメンバーの熱気に溢れ、成長も著しい、素晴らしい公演でした。
上田久美子さん、バウホールデビュー作の大成功、おめでとうございます!気が早いかもですが、次作も期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします(^ ^)。
千秋楽もすぎましたので、ネタばれ解禁……と思いつつ、まだあまり頭がまとまっていなくて、何から書けばいいのか解らなかったりするので、まずは、作品とは直接関係ない話を。
初見で思ったのは「あかねさす紫の花」と「太王四神記」を足したような物語だな、ということでした。
王となるべき穏やかで優しい皇子と、その次の順位にある知略に富んだ勇猛な皇子が、互いに互いを思いあい、共に「お前が王になるなら私はその補佐として役に立とう」と思っている、という設定は「太王四神記」と同じで、その二人が揃って愛した娘が巫女であるというのも同じ。そして、3人の関係は少し違いますが、「あかね…」は、兄弟二人が愛する幼馴染みの巫女、という設定と、衣装や1幕ラストの3人の舞の場面が良く似ていて、とても懐かしく思い出しました。
衣装といえば、2幕の中心となる土蜘蛛軍は「太王四神記」だったなあ。。。
そして、これは余談ですが、「太王四神記」の主人公タムドクは、いわゆる高句麗の「好太王」のことであり、彼の在位は4世紀の後半から5世紀初頭。安康(穴穂)~雄略(大長谷)の在位は5世紀中葉~後半と言われており、好太王碑に残る「倭軍」を率いたのは、二人の父允恭天皇か、あるいはその兄であった履中・反正の時代であろう、というのが有力なようです。
タムドクと木梨・穴穂がほぼ同時代の人物(1世代違いますが)であるのは面白いなあ、と思いました。この時代、高句麗には中興の祖であるタムドクが登場して朝鮮半島南部の百済・新羅を圧迫し、多数の渡来人が倭国を訪れるきっかけとなったんですよね。そして、彼らがやってきて数十年が過ぎ、有能な者は大和朝廷でそれなりの地位についた頃に、木梨・穴穂の物語は始まる。その時間関係が、面白いな、と。
穴穂が驚いた“黒船”は、新羅の舟。その舟に山と積まれた鋼の武器。
日本にもそれなりの製鉄技術はあったものの、やはり大陸の方が技術は進んでいたはず。宋に朝貢して印綬を貰い受けてはいても、実際に中華の大国と地理的に近く、鉱物資源も豊富な朝鮮半島は、身近な敵ではあったのでしょうね。
同じものをみても、木梨は“技術”のもたらす生産力の向上と国の繁栄を信じ、穴穂は“敵”の存在に気づいて国の将来を憂う。木梨が蜘蛛族の間に立ち入ってしようとしたことは、彼らに技術を与えてヤマトの民と一体化させることであり、いろいろな行き違いから多くの人を巻き込んだ大きな闘いを始めてしまうけれども、そもそもの目的は「平和」であったのだ、と。。。その行き違いの切なさとともに、それが「国産み」なのだ、と。そこにある「国」を護るのではなく、「ヤマト」という国を創ろうとするときの、それが苦しみなのだ、と、、、そういうふうに上田さんは言いたかったのかな、と思いました。
……ま、兄弟げんかは家でやれよ、とも思うんですけどね!!(真顔)
うしろだて、といえば。
……博徳役のまゆぽん(輝月)が1幕で歌う「銅鏡」からの説明のくんだりは、大長谷皇子(後の倭王武に比定される雄略天皇)にとって、非常に重要な情報なんですよね。後ろで寝てる場合じゃないよ!と、観るたびに思ってました(^ ^)。
全体的に重苦しい、深刻な場面の続く作品の中で、あの場面は、あとにつながる説明として非常に重要な場面でありながらもテンポよく楽しく、まゆぽんの研5とは思えぬ落ち着きと貫録、皇子たち(星那、煌海、朝美)の学年相応(←あーさとまゆぽんが同期、あとの二人は上級生)の軽やかさが印象的な場面でした。
皇子たちの運命の渦には踏み込まないながら、その外側で、誰よりもしたたかに生き抜いていく博徳。
一幕も二幕も、〆の台詞は彼が言うんですよね。特に、2幕ラストの「この国を、“いい国”にしましょうなあ……」という慨嘆は、とても胸に痛く響きました。皇子たちの運命に対しては傍観者としての立ち位置を守りながら、『ヤマトの国産み』に対しては当事者であった彼の、愛弟子へ向けた精一杯の餞。その愛情と厳しさを飄々とした語り口に籠めつつ、兄の希みを叶えて全てを喪った弟皇子に道を示す、そのさりげない包容力。
この作品におけるまゆぽんの存在の巨きさは、はかりしれなかったと思います。これから彼女がどんな道を歩むのかわかりませんが、すなおに真っ直ぐに、歩いていってほしいな、と思っています。
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MY FAIR LADY
2013年5月10日 ミュージカル・舞台日生劇場にて、ミュージカル「MY FARE LADY」を観劇いたしました。
G2さんの新演出版。なんというか、以前帝劇で観た時よりも、コンパクトにまとまった、観やすい舞台になっていたような気がします。そんなに覚えているわけではないので、どう違うとか言えないのですが、、、大きなセットで舞台面をつぶして、小さなエリアでの「芝居」に集中したのが良かったのかもしれません。
その分、華やかなダンスシーンがちょっと弱いのですが、そこは個人の魅力で魅せた、かな。
ただ、2幕の展開が緩いのは変えようがないんですけどね。。。一幕の怒涛の展開に比べて、2幕はイライザとヒギンズの「その後」の意地の張り合いがメインになるので、なかなか感情移入できないというか。演出的にも出演者的にも難しい作品だな、と思います。
1幕の展開をもう少し緩やかにして、クライマックスを2幕の頭にもってくるぐらいでもいいのに、と、これは以前観た時も思ったことです(^ ^)。
あと、一つ気になったものといえば、、、イライザのコックニー訛りの表現でしょうか。
原作だと、「ハヒフヘホ」が「アイウエオ」になるんですよね、たしか。だから、ヘンリーがランプを改造した不思議な装置を創る(「H」の発音ができていれば火が揺れて、できていなければ揺れない)ことになる。
でも、今回の舞台では、江戸っ子じゃないけど「サシスセソ」と「ハヒフヘホ」が区別がつかないというように描かれているんですよね。そうなると、「ハヒフヘホ」で揺れる火は、当然「サシスセソ」でも揺れるんですよっ!?その機械、おかしいんじゃ。。。
あと、歌も基本的に全部変っているようなのですが、有名な「スペインの雨は主に平地に降る」が……なんだっけ、「ひなたにひまわり」、みたいな、「ひ」を主体にした歌詞に変えてありした。それ自体は一貫性があっていいと思うのですが、この歌詞は、競馬場の場面で当たり障りのない「お天気の話」として「スペインの雨は……」と言いだす面白さにつながっているので、そこが曖昧になってしまったのは残念だなあ、と思いました。
「ひ」と「し」をテーマにするにしても、もう少し“お天気”または“健康”にまつわる歌になっていたら、と。
そんな、細かいところでいろいろ思った新演出版でしたが、全体の雰囲気やキャストはとても良かったと思います(^ ^)。
まず!
なんたって、ヘンリー・ヒギンズ教授の寺脇康文が素晴らしかった!(真顔)二枚目で、嫌味で、懐が小さくて(^ ^;ゞ 歌も良かったし、とにかく素敵でした(*^ ^*)。
そして、ピアス夫人の寿ひずる。さりげない佇まいがとても柔らかくて、優しい感じが伝わってっきました。本当に良い味出してるなあ~。
ヘンリーの母・江波杏子も素敵だったし、ピッカリング大佐(田山涼成)もドゥーリトル(松尾貴史)も、とてもよかったです!!……今回は本当に、年配陣が実力派をそろえていて、それがすごく成功しているイメージでした。
そしてそして!!今回の私の最大のヒットは、フレディ役の平方元貴!ですう(^ ^)。
柔らかな、落ち着いた響きのあるテノールと、味のあるとぼけた芝居。穏やかで温かみのある存在感で、“良いところのお坊っちゃん”らしい無力さと、それでもイライザを護りたいという強い意志、その両面をきちんと矛盾なく抱いているひと。
あまりに素敵すぎて、どうして最後にイライザがフレディを選ばないんだろう?と思ってしまったりもしがちなので、寺脇さんの絶妙の居方もすごいなあ、と思いました。
アンサンブルでは、月組OGの美鳳あやちゃんが、幕開き早々に花売り娘として1人で踊っていたのには驚きました(@ @)か、か、かわいいじゃないかぁ~~~!!
あとは、同じく月組OGの彩橋みゆちゃんと、後藤祐香ちゃんも同様な感じです。。。
で、肝心の(!)イライザ。
私が観た時は真飛聖さんでしたが、活き活きとして元気で、エネルギーの有り余ったイライザでした。顔芸も顕在(^ ^)。歌はちょっと苦戦気味かなあ……耳障りだというほどのことは全然なかったですが。
霧矢さんのイライザもすごくたのしみです♪
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G2さんの新演出版。なんというか、以前帝劇で観た時よりも、コンパクトにまとまった、観やすい舞台になっていたような気がします。そんなに覚えているわけではないので、どう違うとか言えないのですが、、、大きなセットで舞台面をつぶして、小さなエリアでの「芝居」に集中したのが良かったのかもしれません。
その分、華やかなダンスシーンがちょっと弱いのですが、そこは個人の魅力で魅せた、かな。
ただ、2幕の展開が緩いのは変えようがないんですけどね。。。一幕の怒涛の展開に比べて、2幕はイライザとヒギンズの「その後」の意地の張り合いがメインになるので、なかなか感情移入できないというか。演出的にも出演者的にも難しい作品だな、と思います。
1幕の展開をもう少し緩やかにして、クライマックスを2幕の頭にもってくるぐらいでもいいのに、と、これは以前観た時も思ったことです(^ ^)。
あと、一つ気になったものといえば、、、イライザのコックニー訛りの表現でしょうか。
原作だと、「ハヒフヘホ」が「アイウエオ」になるんですよね、たしか。だから、ヘンリーがランプを改造した不思議な装置を創る(「H」の発音ができていれば火が揺れて、できていなければ揺れない)ことになる。
でも、今回の舞台では、江戸っ子じゃないけど「サシスセソ」と「ハヒフヘホ」が区別がつかないというように描かれているんですよね。そうなると、「ハヒフヘホ」で揺れる火は、当然「サシスセソ」でも揺れるんですよっ!?その機械、おかしいんじゃ。。。
あと、歌も基本的に全部変っているようなのですが、有名な「スペインの雨は主に平地に降る」が……なんだっけ、「ひなたにひまわり」、みたいな、「ひ」を主体にした歌詞に変えてありした。それ自体は一貫性があっていいと思うのですが、この歌詞は、競馬場の場面で当たり障りのない「お天気の話」として「スペインの雨は……」と言いだす面白さにつながっているので、そこが曖昧になってしまったのは残念だなあ、と思いました。
「ひ」と「し」をテーマにするにしても、もう少し“お天気”または“健康”にまつわる歌になっていたら、と。
そんな、細かいところでいろいろ思った新演出版でしたが、全体の雰囲気やキャストはとても良かったと思います(^ ^)。
まず!
なんたって、ヘンリー・ヒギンズ教授の寺脇康文が素晴らしかった!(真顔)二枚目で、嫌味で、懐が小さくて(^ ^;ゞ 歌も良かったし、とにかく素敵でした(*^ ^*)。
そして、ピアス夫人の寿ひずる。さりげない佇まいがとても柔らかくて、優しい感じが伝わってっきました。本当に良い味出してるなあ~。
ヘンリーの母・江波杏子も素敵だったし、ピッカリング大佐(田山涼成)もドゥーリトル(松尾貴史)も、とてもよかったです!!……今回は本当に、年配陣が実力派をそろえていて、それがすごく成功しているイメージでした。
そしてそして!!今回の私の最大のヒットは、フレディ役の平方元貴!ですう(^ ^)。
柔らかな、落ち着いた響きのあるテノールと、味のあるとぼけた芝居。穏やかで温かみのある存在感で、“良いところのお坊っちゃん”らしい無力さと、それでもイライザを護りたいという強い意志、その両面をきちんと矛盾なく抱いているひと。
あまりに素敵すぎて、どうして最後にイライザがフレディを選ばないんだろう?と思ってしまったりもしがちなので、寺脇さんの絶妙の居方もすごいなあ、と思いました。
アンサンブルでは、月組OGの美鳳あやちゃんが、幕開き早々に花売り娘として1人で踊っていたのには驚きました(@ @)か、か、かわいいじゃないかぁ~~~!!
あとは、同じく月組OGの彩橋みゆちゃんと、後藤祐香ちゃんも同様な感じです。。。
で、肝心の(!)イライザ。
私が観た時は真飛聖さんでしたが、活き活きとして元気で、エネルギーの有り余ったイライザでした。顔芸も顕在(^ ^)。歌はちょっと苦戦気味かなあ……耳障りだというほどのことは全然なかったですが。
霧矢さんのイライザもすごくたのしみです♪
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千秋楽おめでとうございます
2013年5月5日 宝塚(花) コメント (4)初姫さあやさん、ご卒業、おめでとうございます!!
祐飛さんが花組に組替えして最初のディナーショーで、幕開きのアナウンス(?)をしてくれたさあや。芝居上手で間がよくて、歌もダンスも標準以上の美少女。大好きなさあやの卒業はとても残念ですが、上級生にも下級生にも、そして花組ファンにも深く愛されていることが良く判る、愛に満ち溢れた千秋楽でした。
明日からのさあやが、あの美しい笑顔を忘れずに、胸を張って歩いていってくれることを祈っています。
2月に始まった「オーシャンズ11 花組Edition」も、ついに千秋楽。私は東宝でしか観られませんでしたが、大劇場ではみつる(華形)の部分休演、東宝ではじゅりあ(花野)の全休と事件も多く、大変な公演だったと思います。でも、宛書きだとしか思えない蘭々コンビの嵌りようと、個々のキャラクターの魅力がそこかしこで輝いていて、とても素敵な公演でした。
星組も楽しかったけど、花組版の完成度は素晴らしかったと思います(^ ^)。
とにかく楽しい公演で、5週間があっという間でした(- -)。何度観ても新しい発見があり、日替わりのアドリブも何箇所かあって、さあやもみっちゃんも冴えてたし、下級生たちも遠慮なくがんがん参加していて、、、とにかく飽きるヒマなんてないくらい楽しかったです~~!!
他の公演より1週間長いんですが、それ以上に楽しすぎて、ずごく短く感じました(^ ^)
また再演してくれないかなあ。。。蘭々コンビだからこそ、あるいは、他のメンバーも今の花組メンバーだからこそ嵌ったんじゃないかな、という気もしますが、今回があまりにも良かったので、また新しいメンバーで観てみたい気もします。……などと書きながら、やるとしたら雪組かな?と思った途端に配役に盛り上がってしまいました(^ ^)。
壮ちゃんダニー、あゆちゃんテス、チギちゃんラスティ、まっつテリー、大ちゃんフランク、せしるイエン、キングバシャー、がおりリヴィングストン、咲奈ライナス、翔&レオでモロイ兄弟、、、とか……ですよね、きっと。まなはる&あすくんでボブとディック、ダイアナが……あれ?ダイアナがいない(T T)残念!!【ダイアナ=ヒメ、というご意見をいただきました。なるほど!ありがとうございます♪】
……などと、ちょっと真剣に考えてみたくなったくらい、楽しい公演でした(*^ ^*)。
花組は、次はバウホールとシアターオーヴ。どちらも楽しみです!花組っ子たちに、幸あれ(はぁと)
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祐飛さんが花組に組替えして最初のディナーショーで、幕開きのアナウンス(?)をしてくれたさあや。芝居上手で間がよくて、歌もダンスも標準以上の美少女。大好きなさあやの卒業はとても残念ですが、上級生にも下級生にも、そして花組ファンにも深く愛されていることが良く判る、愛に満ち溢れた千秋楽でした。
明日からのさあやが、あの美しい笑顔を忘れずに、胸を張って歩いていってくれることを祈っています。
2月に始まった「オーシャンズ11 花組Edition」も、ついに千秋楽。私は東宝でしか観られませんでしたが、大劇場ではみつる(華形)の部分休演、東宝ではじゅりあ(花野)の全休と事件も多く、大変な公演だったと思います。でも、宛書きだとしか思えない蘭々コンビの嵌りようと、個々のキャラクターの魅力がそこかしこで輝いていて、とても素敵な公演でした。
星組も楽しかったけど、花組版の完成度は素晴らしかったと思います(^ ^)。
とにかく楽しい公演で、5週間があっという間でした(- -)。何度観ても新しい発見があり、日替わりのアドリブも何箇所かあって、さあやもみっちゃんも冴えてたし、下級生たちも遠慮なくがんがん参加していて、、、とにかく飽きるヒマなんてないくらい楽しかったです~~!!
他の公演より1週間長いんですが、それ以上に楽しすぎて、ずごく短く感じました(^ ^)
また再演してくれないかなあ。。。蘭々コンビだからこそ、あるいは、他のメンバーも今の花組メンバーだからこそ嵌ったんじゃないかな、という気もしますが、今回があまりにも良かったので、また新しいメンバーで観てみたい気もします。……などと書きながら、やるとしたら雪組かな?と思った途端に配役に盛り上がってしまいました(^ ^)。
壮ちゃんダニー、あゆちゃんテス、チギちゃんラスティ、まっつテリー、大ちゃんフランク、せしるイエン、キングバシャー、がおりリヴィングストン、咲奈ライナス、翔&レオでモロイ兄弟、、、とか……ですよね、きっと。まなはる&あすくんでボブとディック、ダイアナが……あれ?ダイアナがいない(T T)残念!!【ダイアナ=ヒメ、というご意見をいただきました。なるほど!ありがとうございます♪】
……などと、ちょっと真剣に考えてみたくなったくらい、楽しい公演でした(*^ ^*)。
花組は、次はバウホールとシアターオーヴ。どちらも楽しみです!花組っ子たちに、幸あれ(はぁと)
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月組バウホール公演「月雲の皇子」を観劇してまいりました
たまきち(珠城)、バウホール公演初主演おめでとうございます!
そして、同時に、
上田久美子さん、初演出でこの出来、素晴らしいです!
いやはや、興味深い作品でした。
古事記に描かれたロマンティックな恋物語をベースにしつつ、斬新な新解釈による「ヤマトの国づくり」がリアリティをもって語られている。その国産みの辛さが痛々しくて、胸にずしんと響きました。
背景に描かれた大きな墨絵の月を生かした、シンプルな舞台装置。人間の肉体を絵筆にした謝珠栄の振付と、鮮やかな殺陣。それらを照らしだす美しい照明。舞台面の美しさも印象的でしたが、それ以上に印象に残ったのは、モノローグのないシンプルで明解な脚本でした。繰り返される「歌を詠む者と言葉を弄するもの」という台詞。故郷を喪った渡来人たちの思惑と、故郷を護ろうとする強い意志の相克。語るべき物語を見失った兄と、語られるべき物語を創ろうとした弟。
衣装やキャラクター設定に「あかねさす紫の花」や「太王四神記」などとの共通点が多く、場面場面で懐かしく思いだしたりもしたのですが、それらの名作の“焼き直し”とは違う、上田さんならではの豊かなイマジネーションに満ち溢れた、美しい舞台でした。
まだ開幕したばかりですのでネタバレは避けたいと思いますが、とにかく出演者も全員素晴らしくて、月組芝居の真髄を堪能できる2時間でした。
心情説明というものの全くないシンプルな脚本の行間を、流さずにしっかり表現してくれた役者たちに、ただただ拍手を贈ることしかできません。
88期のなっつ(夏月)、90期のちびあず(琴音)、91期のさち花(白雪)・ちゅーちゃん(咲希)という(比較的)上級生女役が特に素晴らしく、実力派ぞろいの若い座組みをしっかりとまとめていたのがまず高得点(^ ^)。中でも、ちびあずの威厳ある愛情深さと、ちゅーちゃんの凛々しさは、それだけでチケット代のもとがとれたと思うほどの素晴らしさでした!!
主演のたまきち、2番手のちなつちゃん(鳳月)は、、、実力的にもビジュアル面も不足はないうえに、涼やかな立ち姿が実に実にお似合いで!! いやあ、月組新公をずっと観てきて、芝居巧者な二人のことは以前から好きなのですが、二人が組んで芝居しているところはあまり観たことがなく……こうしてがっつり組んで芝居をしているのを観ると、絵としてもよく映えるし、何より芝居の相性がよくて、お互いの良さを引き立てあえる二人だな、と思いました。
穏やかで優しい兄・たまきちと、俯瞰した視野をもつ苛烈な弟・ちなつちゃん。どちらも同じように愛情深くて、それぞれ違う方向に優秀で、、、優秀すぎた二人の互いへの愛が、ひどく哀しくて痛々しいんですよね。二人を繋ぐ妹・衣通媛(咲妃)の澄明な存在感が眩しく感じられるほどの、二人を包む闇の深さが印象的でした。
そして、そうやってすれ違って行く兄二人を、痛みをもって見守るしかない哀れな末弟・大長谷(朝美)が、後に雄略帝として日の本を統べるのだと思い至って、遣る瀬ない想いが溢れだす……そんな観劇後でした。
下級生では、ハッチさん(夏美)と対等に渡り合うまゆぽん(輝月)の渋さと、晴音アキちゃんの身のこなしのキレの良さが印象的。他にも、からんちゃん(千海)の巧さや、有瀬・貴澄の達者さ、1幕のあーさ(朝美)のやんちゃな笑顔など、挙げ始めたらきりがないくらいに皆良かった!
詳しくはまた、帰宅したらゆっくり書きたいと思います(^ ^)。
なにはともあれ、美しい物語が好きな方は、是非ご覧くださいませ♪
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たまきち(珠城)、バウホール公演初主演おめでとうございます!
そして、同時に、
上田久美子さん、初演出でこの出来、素晴らしいです!
いやはや、興味深い作品でした。
古事記に描かれたロマンティックな恋物語をベースにしつつ、斬新な新解釈による「ヤマトの国づくり」がリアリティをもって語られている。その国産みの辛さが痛々しくて、胸にずしんと響きました。
背景に描かれた大きな墨絵の月を生かした、シンプルな舞台装置。人間の肉体を絵筆にした謝珠栄の振付と、鮮やかな殺陣。それらを照らしだす美しい照明。舞台面の美しさも印象的でしたが、それ以上に印象に残ったのは、モノローグのないシンプルで明解な脚本でした。繰り返される「歌を詠む者と言葉を弄するもの」という台詞。故郷を喪った渡来人たちの思惑と、故郷を護ろうとする強い意志の相克。語るべき物語を見失った兄と、語られるべき物語を創ろうとした弟。
衣装やキャラクター設定に「あかねさす紫の花」や「太王四神記」などとの共通点が多く、場面場面で懐かしく思いだしたりもしたのですが、それらの名作の“焼き直し”とは違う、上田さんならではの豊かなイマジネーションに満ち溢れた、美しい舞台でした。
まだ開幕したばかりですのでネタバレは避けたいと思いますが、とにかく出演者も全員素晴らしくて、月組芝居の真髄を堪能できる2時間でした。
心情説明というものの全くないシンプルな脚本の行間を、流さずにしっかり表現してくれた役者たちに、ただただ拍手を贈ることしかできません。
88期のなっつ(夏月)、90期のちびあず(琴音)、91期のさち花(白雪)・ちゅーちゃん(咲希)という(比較的)上級生女役が特に素晴らしく、実力派ぞろいの若い座組みをしっかりとまとめていたのがまず高得点(^ ^)。中でも、ちびあずの威厳ある愛情深さと、ちゅーちゃんの凛々しさは、それだけでチケット代のもとがとれたと思うほどの素晴らしさでした!!
主演のたまきち、2番手のちなつちゃん(鳳月)は、、、実力的にもビジュアル面も不足はないうえに、涼やかな立ち姿が実に実にお似合いで!! いやあ、月組新公をずっと観てきて、芝居巧者な二人のことは以前から好きなのですが、二人が組んで芝居しているところはあまり観たことがなく……こうしてがっつり組んで芝居をしているのを観ると、絵としてもよく映えるし、何より芝居の相性がよくて、お互いの良さを引き立てあえる二人だな、と思いました。
穏やかで優しい兄・たまきちと、俯瞰した視野をもつ苛烈な弟・ちなつちゃん。どちらも同じように愛情深くて、それぞれ違う方向に優秀で、、、優秀すぎた二人の互いへの愛が、ひどく哀しくて痛々しいんですよね。二人を繋ぐ妹・衣通媛(咲妃)の澄明な存在感が眩しく感じられるほどの、二人を包む闇の深さが印象的でした。
そして、そうやってすれ違って行く兄二人を、痛みをもって見守るしかない哀れな末弟・大長谷(朝美)が、後に雄略帝として日の本を統べるのだと思い至って、遣る瀬ない想いが溢れだす……そんな観劇後でした。
下級生では、ハッチさん(夏美)と対等に渡り合うまゆぽん(輝月)の渋さと、晴音アキちゃんの身のこなしのキレの良さが印象的。他にも、からんちゃん(千海)の巧さや、有瀬・貴澄の達者さ、1幕のあーさ(朝美)のやんちゃな笑顔など、挙げ始めたらきりがないくらいに皆良かった!
詳しくはまた、帰宅したらゆっくり書きたいと思います(^ ^)。
なにはともあれ、美しい物語が好きな方は、是非ご覧くださいませ♪
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月組バウホール公演「月雲の皇子」、初日おめでとうございます(^ ^)。
歴女のはしくれとして、とても期待しています♪
6月の花組バウホール公演「フォーエバー・ガーシュイン」、ヒロインのケイ・スウィフト(仙名)と、その夫(瀬戸)は先日発表されましたが、その他配役も発表されました(^ ^)
集合日前に全部発表されるのって珍し……いけど、たまにありますよね。発表が早い作品、遅い作品があるのは何故なんでしょうね。。。
何に驚いたって、長らくジョージとコンビを組んだ作詞家の兄アイラ・ガーシュインが天真だったところです。これは、野口さんの切り札なのかなあ?どんな役になるんでしょうね。
他にも、アステア姉弟がきらりん(華耀)と柚香くんだとか、ジョージ・ホワイトがマキシム(真輝)だとか、アーヴィング・バーリンがらいらい(夕霧)とか、アル・ジョルスンがボーイ(和海)とか、、、とにかくツボだらけの配役でめっちゃ楽しみです!!
マイティ(水美)のウォルター・ウィンチェルは、ゴシップ記者……ってことなので、ジョージとの関係が敵対なのか友情なのか、そのあたりが見どころになりそうな気がします。
7月の宙組バウホール公演「the WILD Meets the WILD」は、先行画像が出ました。。。
すごすぎる。(←何が)
若手演出家によるバウ公演。まだ雪組は情報が出ていませんが、100周年に向けて一番の急務はスターを育てられる演出家の育成だと思うので、上田さんも野口さんも生田さんも、この機会を生かして精進していただきたいと思います。
っていうか、理屈抜きで、単純に彼らの作品を観るのがとても楽しみです!!(^ ^)
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歴女のはしくれとして、とても期待しています♪
6月の花組バウホール公演「フォーエバー・ガーシュイン」、ヒロインのケイ・スウィフト(仙名)と、その夫(瀬戸)は先日発表されましたが、その他配役も発表されました(^ ^)
集合日前に全部発表されるのって珍し……いけど、たまにありますよね。発表が早い作品、遅い作品があるのは何故なんでしょうね。。。
何に驚いたって、長らくジョージとコンビを組んだ作詞家の兄アイラ・ガーシュインが天真だったところです。これは、野口さんの切り札なのかなあ?どんな役になるんでしょうね。
他にも、アステア姉弟がきらりん(華耀)と柚香くんだとか、ジョージ・ホワイトがマキシム(真輝)だとか、アーヴィング・バーリンがらいらい(夕霧)とか、アル・ジョルスンがボーイ(和海)とか、、、とにかくツボだらけの配役でめっちゃ楽しみです!!
マイティ(水美)のウォルター・ウィンチェルは、ゴシップ記者……ってことなので、ジョージとの関係が敵対なのか友情なのか、そのあたりが見どころになりそうな気がします。
7月の宙組バウホール公演「the WILD Meets the WILD」は、先行画像が出ました。。。
すごすぎる。(←何が)
若手演出家によるバウ公演。まだ雪組は情報が出ていませんが、100周年に向けて一番の急務はスターを育てられる演出家の育成だと思うので、上田さんも野口さんも生田さんも、この機会を生かして精進していただきたいと思います。
っていうか、理屈抜きで、単純に彼らの作品を観るのがとても楽しみです!!(^ ^)
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若者たちのオーシャンズ【4】
2013年5月1日 宝塚(花) コメント (2)花組新人公演「オーシャンズ11」続き。
<95期>
■水美舞斗(ラスティ)
恰好良かった!!もう、ホントにイケメンで、大人の男で、色っぽくて!!
リヴィングストンを迎えに来る場面の演出もさりげなくて良かったし、全体に、学年を感じさせない落ち着きのあるラスティでした。本役が割とガチャガチャした感じで元気に演じているので、全然違う印象でした。歌も力強い声で「JUMP!」の熱気が伝わってきたし、芹香ダニーとの並びも良かったし、とにかく“佳い男”だったなあ~!!
「カナリア」でいきなり出てきた印象のあった95期。いやはや、95期の人材豊富さには、どの組を観ても驚くばかりです(@ @)。
■柚香光(ベネディクト)
配属直後から抜擢つづきで、ダンスはピカ一&歌と芝居もそこそこ出来る、という印象のあった柚香さん。今回は、演出が田渕さんだったせいもあってか、直前にあったバウ「Victorian JAZZ」のアルバート皇太子の印象が色濃く残ったベネディクトでした。
「自分は正しい」という根拠のない自信。「悪事」の自覚をもたない「夢を売る男」。こういう役、こういう演出で臨むなら、周囲に悪事の部分をそっと処理してくれる担当がいなくてはならないのですが、、、それが航琉くんのテーラーってことなんですよね、たぶん。浮世離れした、肥大した自意識と英雄願望の塊みたいな若者と、社会の底辺を歩いてきた大人の男というコンビは、なかなか意味性を感じる取り合わせではありました。
本役のだいもんとは全然違うテリーになるだろうなというのは予想していたのですが(だいもんのテリーに近いのは、作品違うけど、星組新公の天寿さんだと思う。。。)、それにしても全然違うキャラクターすぎて驚きました。
あれはあれで、作品としては斬新で面白かったけど、アルバート皇太子の転生かと思うような役づくり(演出)は、柚香さんの経験(成長)という意味では一作勿体無かったような気もしましたが。。。。そのあたり、田渕さんのお考えをきいてみたい気もしました。
■真鳳つぐみ
リヴィングストンを逮捕しにくるミニスカポリスが一番目立ってたかな?マイティのラスティ(←ダジャレみたいだ)に口説かれて、とろんとしてる姿がめっちゃ可愛かった(*^ ^*)。
花組の誇る可愛子ちゃんの一人。そろそろ喋ったり歌ったりしてる姿も観てみたいなー。
■美蘭レンナ
しょみちゃんと一緒だったリヴィングストンを逮捕しにくる警官と、あとは、レストランでテリーを待つテスのところにワインを持ってくるソムリエでしょうか、単体で目立っていたのは。
キリッとした顔立ちなので、ああいうストイックな役柄だとシャープでカッコいいし、普通に「客の女」でドレスを纏えば、素晴らしく華やかで綺麗で、頭の小ささと首の長さ、デコルテの美しさが目に残ります。パッと目を惹く華やかさで、「ファントム」の頃から目立っていたのに、なかなか役がつかない。。。。成績が良くないとはいえ、あの美貌ならと思うんですが。もうちょっとボロが出なくなるのを待ってるのかな(←檀ちゃん的な?)不思議。
■こと華千乃
目立つ役といえるのは、ダイアナの最初のショーの生贄の役でしょうか。「すみませぇん!」の言い方とかも可愛かったです。
<96期以下(印象に残った方のみですすみません)>
■優波慧(ライナス)
キキちゃんにはあまりヘタレな空気がないので、もしかしたら新公の方が合うかも、、、くらいに思っていたのですが。でも、実際に観てみると、さすがに本役は本役だなあ、と思いました。似合わないなりに、ちゃんと「役」として生きることができているんですよね。
結構早くから抜擢されていて経験も積んでいるし、下手っていうのともちょっと違うんですが、なにを演じても“その役”じゃないなあ、という印象が残るのが残念。一度でいいから、ブルーザーとかテーラーみたいな役に取り組んでみたら勉強になるのではないかと思うんですが。。。
■乙羽映見(サファイア)、朝月希和(エメラルド)
歌も化粧も存在感も、とても良かったです♪ 桜帆ゆかりちゃんと合わせて3人、迫力のある良いトリオでした!
本公演ではダブルトリオにも入ってる二人。これからもがんばってください。
■蘭舞ゆう(バージル)、矢吹世奈(ターク)
モロイ兄弟、特にタークには思い入れのある私から観ても、可愛くて魅力的なタークでした。ちょっと雪組のホタテ(帆風)に似た印象の97期。本公演のギャンブラーにも入っているけど、並み居るダンサーと遜色なく踊れていて、すごいなーと思っています。これからも楽しみ!
■春妃うらら(ポーラ)
文句なく可愛い!!可愛くて可愛くて、ヘロヘロでした。
いやー、あんな幼いポーラだったら、ラスティが迷うのもわかるわー!!あの年の差が素敵★身体全体のスタイルバランスがちょっと子供っぽいのは残念ですが、お化粧や髪型はもっともっと磨けるはずだし、さらに素敵な娘役さんになってくれると信じて待っています(*^ ^*)。
そんなところでしょうか。
とにかく、花組若手のタレントの多さ、実力の平均点の高さに目を瞠った新人公演でした。みんな本当に巧い!特に、最初にも書きましたが、92期の芝居力の高さにはあらためて感じ入りましたし、93期以下も本当に巧い人が多いなあ、と思いました。
バウデビューを果たした田渕さんともども、花組若手の今後の活躍、楽しみにしています!
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<95期>
■水美舞斗(ラスティ)
恰好良かった!!もう、ホントにイケメンで、大人の男で、色っぽくて!!
リヴィングストンを迎えに来る場面の演出もさりげなくて良かったし、全体に、学年を感じさせない落ち着きのあるラスティでした。本役が割とガチャガチャした感じで元気に演じているので、全然違う印象でした。歌も力強い声で「JUMP!」の熱気が伝わってきたし、芹香ダニーとの並びも良かったし、とにかく“佳い男”だったなあ~!!
「カナリア」でいきなり出てきた印象のあった95期。いやはや、95期の人材豊富さには、どの組を観ても驚くばかりです(@ @)。
■柚香光(ベネディクト)
配属直後から抜擢つづきで、ダンスはピカ一&歌と芝居もそこそこ出来る、という印象のあった柚香さん。今回は、演出が田渕さんだったせいもあってか、直前にあったバウ「Victorian JAZZ」のアルバート皇太子の印象が色濃く残ったベネディクトでした。
「自分は正しい」という根拠のない自信。「悪事」の自覚をもたない「夢を売る男」。こういう役、こういう演出で臨むなら、周囲に悪事の部分をそっと処理してくれる担当がいなくてはならないのですが、、、それが航琉くんのテーラーってことなんですよね、たぶん。浮世離れした、肥大した自意識と英雄願望の塊みたいな若者と、社会の底辺を歩いてきた大人の男というコンビは、なかなか意味性を感じる取り合わせではありました。
本役のだいもんとは全然違うテリーになるだろうなというのは予想していたのですが(だいもんのテリーに近いのは、作品違うけど、星組新公の天寿さんだと思う。。。)、それにしても全然違うキャラクターすぎて驚きました。
あれはあれで、作品としては斬新で面白かったけど、アルバート皇太子の転生かと思うような役づくり(演出)は、柚香さんの経験(成長)という意味では一作勿体無かったような気もしましたが。。。。そのあたり、田渕さんのお考えをきいてみたい気もしました。
■真鳳つぐみ
リヴィングストンを逮捕しにくるミニスカポリスが一番目立ってたかな?マイティのラスティ(←ダジャレみたいだ)に口説かれて、とろんとしてる姿がめっちゃ可愛かった(*^ ^*)。
花組の誇る可愛子ちゃんの一人。そろそろ喋ったり歌ったりしてる姿も観てみたいなー。
■美蘭レンナ
しょみちゃんと一緒だったリヴィングストンを逮捕しにくる警官と、あとは、レストランでテリーを待つテスのところにワインを持ってくるソムリエでしょうか、単体で目立っていたのは。
キリッとした顔立ちなので、ああいうストイックな役柄だとシャープでカッコいいし、普通に「客の女」でドレスを纏えば、素晴らしく華やかで綺麗で、頭の小ささと首の長さ、デコルテの美しさが目に残ります。パッと目を惹く華やかさで、「ファントム」の頃から目立っていたのに、なかなか役がつかない。。。。成績が良くないとはいえ、あの美貌ならと思うんですが。もうちょっとボロが出なくなるのを待ってるのかな(←檀ちゃん的な?)不思議。
■こと華千乃
目立つ役といえるのは、ダイアナの最初のショーの生贄の役でしょうか。「すみませぇん!」の言い方とかも可愛かったです。
<96期以下(印象に残った方のみですすみません)>
■優波慧(ライナス)
キキちゃんにはあまりヘタレな空気がないので、もしかしたら新公の方が合うかも、、、くらいに思っていたのですが。でも、実際に観てみると、さすがに本役は本役だなあ、と思いました。似合わないなりに、ちゃんと「役」として生きることができているんですよね。
結構早くから抜擢されていて経験も積んでいるし、下手っていうのともちょっと違うんですが、なにを演じても“その役”じゃないなあ、という印象が残るのが残念。一度でいいから、ブルーザーとかテーラーみたいな役に取り組んでみたら勉強になるのではないかと思うんですが。。。
■乙羽映見(サファイア)、朝月希和(エメラルド)
歌も化粧も存在感も、とても良かったです♪ 桜帆ゆかりちゃんと合わせて3人、迫力のある良いトリオでした!
本公演ではダブルトリオにも入ってる二人。これからもがんばってください。
■蘭舞ゆう(バージル)、矢吹世奈(ターク)
モロイ兄弟、特にタークには思い入れのある私から観ても、可愛くて魅力的なタークでした。ちょっと雪組のホタテ(帆風)に似た印象の97期。本公演のギャンブラーにも入っているけど、並み居るダンサーと遜色なく踊れていて、すごいなーと思っています。これからも楽しみ!
■春妃うらら(ポーラ)
文句なく可愛い!!可愛くて可愛くて、ヘロヘロでした。
いやー、あんな幼いポーラだったら、ラスティが迷うのもわかるわー!!あの年の差が素敵★身体全体のスタイルバランスがちょっと子供っぽいのは残念ですが、お化粧や髪型はもっともっと磨けるはずだし、さらに素敵な娘役さんになってくれると信じて待っています(*^ ^*)。
そんなところでしょうか。
とにかく、花組若手のタレントの多さ、実力の平均点の高さに目を瞠った新人公演でした。みんな本当に巧い!特に、最初にも書きましたが、92期の芝居力の高さにはあらためて感じ入りましたし、93期以下も本当に巧い人が多いなあ、と思いました。
バウデビューを果たした田渕さんともども、花組若手の今後の活躍、楽しみにしています!
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若者たちのオーシャンズ【3】
2013年4月28日 宝塚(花)花組新人公演「オーシャンズ11」続き。
<94期>
■舞月なぎさ(リヴィングストン)
可愛かった可愛かった可愛かった!!
実は私、彼女が入団する前のすみれ売りの頃からお気に入りなので(^ ^)、配役が発表されたときからだいぶ浮かれていたわけですが、いやー、可愛かったです!
本役の真由ちゃん(鳳)とは全然違う、どちらかといえば星組の美弥ちゃんをもっと若くしたような「普通の少年」っぽい感じの役づくりでしたが、とても楽しそうで、観ていて幸せな気持ちになりました♪
こんな大役がついたのは初めてで、台詞も歌もドキドキだったのですが、いやいや、危なげなくしっかりこなしてくれて、感心しました。顔がキレイなだけのタイプかと思っていたら、意外な実力者だったんですね。どんな舞台の隅っこで台詞もなくてもいつも楽しそうに小芝居していた人で、舞台勘もよさそうだし、これからがもっと楽しみになりました!
というか。
なにげに花組94期の首席であることを今初めて知りました……吃驚!!(←失礼)去年のおとめでは羽立くんより下だったので、研5の試験でがんばったんですね(@ @)凄いなあ!じゃあ、これからがんがん役がつく、かな? がんばれ~~!!
■仙名彩世(クイーン・ダイアナ)
この方はもう、文句なく最高の出来でした。カルロッタといい、今回といい、本当にこういう役が似合いますね。最後の啖呵の迫力といい、胸がスッとする出来でした(^ ^)。
べーちゃんのテスがすごく大人っぽい創りだったので、ダイアナのガチャガチャ感がうまい対比になっていたと思います。「Victorian JAZZ」の時とは違う関係だったけど、二人の芝居は方向性が全然違うので、うまく演出すれば作品の魅力を何倍にもするのかもしれない、と思いました。
そして、柚香くんとの並びはさすが経験者(^ ^)。田渕さん、ずるいなあ。
次のバウでのヒロイン役が発表されている仙名さん。どんな役になるのかわかりませんが、彼女の魅力が生きる役ならいいな、と思います。がんばれ!
■和海しょう(フランク)
歌はさすが。ダンスも悪くない。でも、「危険」な匂いがちょっと足りない……という印象でした。
いや、フランクは別に、危険じゃなくていいんじゃないか?星組はともみん(夢乃)だったんだし。。。という気もするのですが。「危険」というか、「裏街道」の匂いがしない、、、のかな。
いや、でも、恰好良かったです。色っぽかったし。バシャーも観てみたかったな、と思ったりしました……いや、がりんちゃんのバシャーに不満は無いですよ、もちろん(^ ^;ゞ
■華雅りりか(5年前のテス)
大劇場での本役は観ていないので、星組新公以来の「5年前のテス」。いやー、星組新公のりりかちゃんテスはすごく好きだったんですが、、、あれから1年が過ぎたいま、新公で演じるにはちょっと無理があるなと思いました。
キキちゃんとの並びは良かったんですが、りりかちゃんって「天使のはしご」あたりで一皮むけて、包容力のある、大人っぽい娘役になったと思うんですよね。「サン・テグジュペリ」の新公の方が、そういう意味では似合っていたと思います。今回はじゅりあの休演というアクシデントがあって新公でやることになってしまっただけで、本公演で蘭寿さん相手に演じる分には問題なかったかもしれませんが、春妃うららちゃんのテスを観てしまうと、ねえ。。。
■羽立光来(ハリー・ウッズ)
いつどんな役でも興味深く演じてくれる羽立くん。ハリーはどう来るのかと思っていたら、思いの外正攻法できた印象。さすがでした!いやもう、本当に素敵。ななくらちゃんとの並びも良い感じの身長差で、なんというか、妻の前ではデレデレしていそうな(←空想)、妻のために気軽く悪事に手を染めてしまいそうな、そんな盲目な感じがすごく説得力がありました。(←妄想)
■新菜かほ
役として目立ってたのは、ルーベン邸のメイドかな。一瞬だけど、落ち着いてて良かったです。あと、2幕はたしかディーラーにも入っていたはず。ちょっとした仕草がきれいですよね。
■夢花らん
役がついていないのでいろんな場面に出ていた可愛子ちゃんその2ですが、、、印象的だったのはJackPotの場面のディーラー、かな。色っぽくてキュートで、可愛かったです♪
プログラムを見たら、ベネディクトのオフィスで客人を案内してくるボーイも夢花さんだったんですね。気がつかなかった(涙)。
■冴華りおな(ルーベン)
ルーベン役と発表されたときはすごく意外に感じたのですが、実際観てみて納得。今まで恰幅の良い人というイメージがありましたが、冴華さんは特に胴布団を巻くでなく、ほっそりと華奢なスタイルのまま、ちょっと神経質なルーベンを演じていました。そうきたか!とちょっと手を打ちたい感じでした(^ ^)
いままで、普通の役をオカマにしてみたり、激しい顔芸で場をさらってみたり、癖の強い人だなあという印象が強かったのですが、今回は大役だったせいか、すなおに作品世界の中で演じていて、好感度がかなりあがりました(^ ^)。
まだ若いからいろいろやってみるのもすごく大事だけど、もう少しして新公でも上級生になってきたら、「場面を創る」ことを考えてみてほしいな、と思います。それができる人だと思うからこそ、余計に。
■紗愛せいら(ベス)
美人でしっかりしていて、さりげない色気もある、素晴らしい秘書でした。小池さんの現代ものにはだいたいこういう秘書が出てくるのですが、花組「オーシャンズ11」は、本公演・新公ともに、その面でも非常にレベルが高かったと思います(真顔)
というわけで、私の中ではかなりなレベルで「スター誕生!」という勢いで印象にのこった美女でした!成績が良くないみたいで心配ですが、芝居はすごく良かったと思うので、がんばってください!
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<94期>
■舞月なぎさ(リヴィングストン)
可愛かった可愛かった可愛かった!!
実は私、彼女が入団する前のすみれ売りの頃からお気に入りなので(^ ^)、配役が発表されたときからだいぶ浮かれていたわけですが、いやー、可愛かったです!
本役の真由ちゃん(鳳)とは全然違う、どちらかといえば星組の美弥ちゃんをもっと若くしたような「普通の少年」っぽい感じの役づくりでしたが、とても楽しそうで、観ていて幸せな気持ちになりました♪
こんな大役がついたのは初めてで、台詞も歌もドキドキだったのですが、いやいや、危なげなくしっかりこなしてくれて、感心しました。顔がキレイなだけのタイプかと思っていたら、意外な実力者だったんですね。どんな舞台の隅っこで台詞もなくてもいつも楽しそうに小芝居していた人で、舞台勘もよさそうだし、これからがもっと楽しみになりました!
というか。
なにげに花組94期の首席であることを今初めて知りました……吃驚!!(←失礼)去年のおとめでは羽立くんより下だったので、研5の試験でがんばったんですね(@ @)凄いなあ!じゃあ、これからがんがん役がつく、かな? がんばれ~~!!
■仙名彩世(クイーン・ダイアナ)
この方はもう、文句なく最高の出来でした。カルロッタといい、今回といい、本当にこういう役が似合いますね。最後の啖呵の迫力といい、胸がスッとする出来でした(^ ^)。
べーちゃんのテスがすごく大人っぽい創りだったので、ダイアナのガチャガチャ感がうまい対比になっていたと思います。「Victorian JAZZ」の時とは違う関係だったけど、二人の芝居は方向性が全然違うので、うまく演出すれば作品の魅力を何倍にもするのかもしれない、と思いました。
そして、柚香くんとの並びはさすが経験者(^ ^)。田渕さん、ずるいなあ。
次のバウでのヒロイン役が発表されている仙名さん。どんな役になるのかわかりませんが、彼女の魅力が生きる役ならいいな、と思います。がんばれ!
■和海しょう(フランク)
歌はさすが。ダンスも悪くない。でも、「危険」な匂いがちょっと足りない……という印象でした。
いや、フランクは別に、危険じゃなくていいんじゃないか?星組はともみん(夢乃)だったんだし。。。という気もするのですが。「危険」というか、「裏街道」の匂いがしない、、、のかな。
いや、でも、恰好良かったです。色っぽかったし。バシャーも観てみたかったな、と思ったりしました……いや、がりんちゃんのバシャーに不満は無いですよ、もちろん(^ ^;ゞ
■華雅りりか(5年前のテス)
大劇場での本役は観ていないので、星組新公以来の「5年前のテス」。いやー、星組新公のりりかちゃんテスはすごく好きだったんですが、、、あれから1年が過ぎたいま、新公で演じるにはちょっと無理があるなと思いました。
キキちゃんとの並びは良かったんですが、りりかちゃんって「天使のはしご」あたりで一皮むけて、包容力のある、大人っぽい娘役になったと思うんですよね。「サン・テグジュペリ」の新公の方が、そういう意味では似合っていたと思います。今回はじゅりあの休演というアクシデントがあって新公でやることになってしまっただけで、本公演で蘭寿さん相手に演じる分には問題なかったかもしれませんが、春妃うららちゃんのテスを観てしまうと、ねえ。。。
■羽立光来(ハリー・ウッズ)
いつどんな役でも興味深く演じてくれる羽立くん。ハリーはどう来るのかと思っていたら、思いの外正攻法できた印象。さすがでした!いやもう、本当に素敵。ななくらちゃんとの並びも良い感じの身長差で、なんというか、妻の前ではデレデレしていそうな(←空想)、妻のために気軽く悪事に手を染めてしまいそうな、そんな盲目な感じがすごく説得力がありました。(←妄想)
■新菜かほ
役として目立ってたのは、ルーベン邸のメイドかな。一瞬だけど、落ち着いてて良かったです。あと、2幕はたしかディーラーにも入っていたはず。ちょっとした仕草がきれいですよね。
■夢花らん
役がついていないのでいろんな場面に出ていた可愛子ちゃんその2ですが、、、印象的だったのはJackPotの場面のディーラー、かな。色っぽくてキュートで、可愛かったです♪
プログラムを見たら、ベネディクトのオフィスで客人を案内してくるボーイも夢花さんだったんですね。気がつかなかった(涙)。
■冴華りおな(ルーベン)
ルーベン役と発表されたときはすごく意外に感じたのですが、実際観てみて納得。今まで恰幅の良い人というイメージがありましたが、冴華さんは特に胴布団を巻くでなく、ほっそりと華奢なスタイルのまま、ちょっと神経質なルーベンを演じていました。そうきたか!とちょっと手を打ちたい感じでした(^ ^)
いままで、普通の役をオカマにしてみたり、激しい顔芸で場をさらってみたり、癖の強い人だなあという印象が強かったのですが、今回は大役だったせいか、すなおに作品世界の中で演じていて、好感度がかなりあがりました(^ ^)。
まだ若いからいろいろやってみるのもすごく大事だけど、もう少しして新公でも上級生になってきたら、「場面を創る」ことを考えてみてほしいな、と思います。それができる人だと思うからこそ、余計に。
■紗愛せいら(ベス)
美人でしっかりしていて、さりげない色気もある、素晴らしい秘書でした。小池さんの現代ものにはだいたいこういう秘書が出てくるのですが、花組「オーシャンズ11」は、本公演・新公ともに、その面でも非常にレベルが高かったと思います(真顔)
というわけで、私の中ではかなりなレベルで「スター誕生!」という勢いで印象にのこった美女でした!成績が良くないみたいで心配ですが、芝居はすごく良かったと思うので、がんばってください!
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若者たちのオーシャンズ【2】
2013年4月27日 宝塚(花)花組新人公演「オーシャンズ11」続き。(大幅に間があいててすいません。。。)
<93期>
■菜那くらら(アン・ウッズ)
芝居も歌も標準以上なのに、毎回子役ばっかりで、いつになったら大人の役が回ってくるんだろう?とずっと思っていたななくらちゃん。アン・ウッズのさりげない存在感も良かったし、自然に大人の女性の立ち居振る舞いができていて、やっぱりそろそろ子役は卒業させようよ、と、あらためて思いました。
ベネディクトの部屋でのアドリブは「頑張ったね」という感じでしたが、VIPルームで、ダニーに「調べましたよ?」と言われた時のさりげなさとか、大仰すぎなくてでも印象的で、巧いなー、と感心。ただ、全体にちょっと「手堅い」感があったので、役的には大人なんだけどもう少し弾けても良かったかもね、と思いました。
■真輝いづみ(イエン)
すっごい可愛かった!そして、身のこなしの軽やかさが半端ない!!ラスティに紹介される場面の片手側転とか、鮮やかすぎて驚きました。
オープニングのダンスとか、恰好よすぎて溜息ものでしたわ。大劇場でみつるくんが部分休演しているときも、マキシムが誰かの代役で前に出て踊っていたと聴いた記憶が。。。恰好良かっただろうなあ。
とはいえ、ヨーヨーの扱いは、さすがに何ヶ月もの間毎日真剣勝負の中で磨かれている人とは比べられないというか(汗)、いやいやこの短期間によくやったよというか、、、、お疲れさまでした、というか(^ ^;
芝居は以前から巧いなあと思っていた人ですが、あまり台詞のないこういう役でも、相槌の間とかが凄く良いんですよね。舞台勘のある人なんだな、と思います。そして、ダンスだけじゃなくて歌も良かった! なんだ、3拍子揃ってるじゃないか(@ @)。
次は長の学年になるんだし、しどころのある役がつくことを祈ります。
■大河凜(バシャー)
本役のみーちゃん(春風)から学んだ色気が、どちらかといえば可愛い系の容姿と爽やかな持ち味にプラスされて、なんともいえない魅力的なバシャーでした。みーちゃんみたいな「危険」な感じの色香じゃなくて、華やかに人を惹きつける綺麗な花のような。
ジョルジュ役も可愛かったです、ええ(^ ^)。
思えば、「愛と死のアラビア」新人公演でだいもんの役を演じていたのが最初の認識なんですよね。華奢で可愛くて、でもそれだけじゃなくて学年のわりに達者だなあと思ったっけなあ。「
愛のプレリュード」は残念な出来だったけど、いまのがりんちゃんには、もう一度主演させてあげたいと思う魅力があると思います。べーちゃんが今回のテス役で見事に「大人の女」で魅せてくれたように、がりんちゃんにももう一度、その実力を見せるチャンスが巡ってきますように。
■桜帆ゆかり(ルビー)
歌えることは知っていましたが、あんなに歌えるんだ!びっくり!
迫力のある良い声でした。黒塗りのお化粧も似合ってて、大人っぽくてびっくり。銀ちゃん組の下級生が、いつの間にかこんなに、ねえ。。。
■航琉ひびき(テーラー)
本公演もハロルドで抜擢されている航琉くん。うすくあごひげをつけた容貌はなかなかの悪い男で、切れ者の副官感と胡散臭さをが両立させていて凄いなあ、と感心しました。ほっそりした柚香くんと並ぶと、ボディーガードあがりっぽいゴツさがあるのもイイなあ、と(*^ ^*)。
いままであまり目立たなかったけど、ここのところ急速に役がついてきている気がするんですよね。どれも過不足なく演じていて、これからが楽しみです。たまには歌も聴いてみたいな(^ ^)。
■凪咲星南(エイミー)
ルナちゃん(冴月)演じる振付のエディを女性に変えての演出。ハロルド役と合わせてこの二役が女性になっているのは星組と同じ変更ですが、私、この女の子ばっかりの「クイーン・ダイアナ」軍団、大好きだったんですよね。女同士だからこその遠慮のなさとか、和気藹々としつつ大事なところにはシビアだったり、逆に見て見ぬふりしてあげたり、さりげない気づかいがあって良いなと思っていたのです。
特に今回は、3人とも学年が近いせいか、本当に学生時代からサークルで組んでやっていて、たまたまダイアナがスターになったからそのままプロになった的な(良い意味での)親しさが垣間見えて、それが逆に「プロ意識」の低さというか、ダイアナの我侭を放置する、ぬるま湯的な感覚にもつながっているような気がしました。。。。ラスト、ダイアナが1人でブロードウェイに旅立つのは、ベネディクトだけではなくエイミーたちをも捨てていくわけで。ダイアナというスターを喪った二人がこれからどうやってショービジネスを泳いでいくのか、そんなことを考えてしまいました。
……もし、意識して演出したんだとしたら、田渕さん、すごいなあ(^ ^)
■美花梨乃(ジュリー)
同期の航琉くんのハロルド役を女性に変えた役。演出上の意義は上に書いたとおりなので割愛しますが、すごく良かったです! 以前から可愛いなあと思っていたのですが、なかなか役がつかなくて、よほど芝居ができないのかとおもっていたのですが(失礼)、聴きとりやすいしきれいな台詞回しで、ダイアナやエイミーとの関係性もリアルだったし、とにかく良かったです。
髪型やアクセも、裏方らしくあまり凝り過ぎず、でも魅力的に自分の美貌を生かしていて、似合ってました。初めての役らしい役でも、与えられた役柄以上のものを見せてくれたと思うので、次もぜひ、やりがいのある役がつきますように!
■花奈澪(ローラ)
羽立くんが演じるバッキー・ブキャナンを女性に変えた役。思いきったメイクや鬘で、一瞬の出番なのにしっかり印象付けて、さすがだなと思いました。
他の場面はだいたい「客の女」でしたが、本公演とはだいぶ違うゴージャスな感じにつくっていて、そういうところはさすが花娘だなあと感心(^ ^)。いや、花奈さんだけじゃないですけどね(^ ^)。
.
<93期>
■菜那くらら(アン・ウッズ)
芝居も歌も標準以上なのに、毎回子役ばっかりで、いつになったら大人の役が回ってくるんだろう?とずっと思っていたななくらちゃん。アン・ウッズのさりげない存在感も良かったし、自然に大人の女性の立ち居振る舞いができていて、やっぱりそろそろ子役は卒業させようよ、と、あらためて思いました。
ベネディクトの部屋でのアドリブは「頑張ったね」という感じでしたが、VIPルームで、ダニーに「調べましたよ?」と言われた時のさりげなさとか、大仰すぎなくてでも印象的で、巧いなー、と感心。ただ、全体にちょっと「手堅い」感があったので、役的には大人なんだけどもう少し弾けても良かったかもね、と思いました。
■真輝いづみ(イエン)
すっごい可愛かった!そして、身のこなしの軽やかさが半端ない!!ラスティに紹介される場面の片手側転とか、鮮やかすぎて驚きました。
オープニングのダンスとか、恰好よすぎて溜息ものでしたわ。大劇場でみつるくんが部分休演しているときも、マキシムが誰かの代役で前に出て踊っていたと聴いた記憶が。。。恰好良かっただろうなあ。
とはいえ、ヨーヨーの扱いは、さすがに何ヶ月もの間毎日真剣勝負の中で磨かれている人とは比べられないというか(汗)、いやいやこの短期間によくやったよというか、、、、お疲れさまでした、というか(^ ^;
芝居は以前から巧いなあと思っていた人ですが、あまり台詞のないこういう役でも、相槌の間とかが凄く良いんですよね。舞台勘のある人なんだな、と思います。そして、ダンスだけじゃなくて歌も良かった! なんだ、3拍子揃ってるじゃないか(@ @)。
次は長の学年になるんだし、しどころのある役がつくことを祈ります。
■大河凜(バシャー)
本役のみーちゃん(春風)から学んだ色気が、どちらかといえば可愛い系の容姿と爽やかな持ち味にプラスされて、なんともいえない魅力的なバシャーでした。みーちゃんみたいな「危険」な感じの色香じゃなくて、華やかに人を惹きつける綺麗な花のような。
ジョルジュ役も可愛かったです、ええ(^ ^)。
思えば、「愛と死のアラビア」新人公演でだいもんの役を演じていたのが最初の認識なんですよね。華奢で可愛くて、でもそれだけじゃなくて学年のわりに達者だなあと思ったっけなあ。「
愛のプレリュード」は残念な出来だったけど、いまのがりんちゃんには、もう一度主演させてあげたいと思う魅力があると思います。べーちゃんが今回のテス役で見事に「大人の女」で魅せてくれたように、がりんちゃんにももう一度、その実力を見せるチャンスが巡ってきますように。
■桜帆ゆかり(ルビー)
歌えることは知っていましたが、あんなに歌えるんだ!びっくり!
迫力のある良い声でした。黒塗りのお化粧も似合ってて、大人っぽくてびっくり。銀ちゃん組の下級生が、いつの間にかこんなに、ねえ。。。
■航琉ひびき(テーラー)
本公演もハロルドで抜擢されている航琉くん。うすくあごひげをつけた容貌はなかなかの悪い男で、切れ者の副官感と胡散臭さをが両立させていて凄いなあ、と感心しました。ほっそりした柚香くんと並ぶと、ボディーガードあがりっぽいゴツさがあるのもイイなあ、と(*^ ^*)。
いままであまり目立たなかったけど、ここのところ急速に役がついてきている気がするんですよね。どれも過不足なく演じていて、これからが楽しみです。たまには歌も聴いてみたいな(^ ^)。
■凪咲星南(エイミー)
ルナちゃん(冴月)演じる振付のエディを女性に変えての演出。ハロルド役と合わせてこの二役が女性になっているのは星組と同じ変更ですが、私、この女の子ばっかりの「クイーン・ダイアナ」軍団、大好きだったんですよね。女同士だからこその遠慮のなさとか、和気藹々としつつ大事なところにはシビアだったり、逆に見て見ぬふりしてあげたり、さりげない気づかいがあって良いなと思っていたのです。
特に今回は、3人とも学年が近いせいか、本当に学生時代からサークルで組んでやっていて、たまたまダイアナがスターになったからそのままプロになった的な(良い意味での)親しさが垣間見えて、それが逆に「プロ意識」の低さというか、ダイアナの我侭を放置する、ぬるま湯的な感覚にもつながっているような気がしました。。。。ラスト、ダイアナが1人でブロードウェイに旅立つのは、ベネディクトだけではなくエイミーたちをも捨てていくわけで。ダイアナというスターを喪った二人がこれからどうやってショービジネスを泳いでいくのか、そんなことを考えてしまいました。
……もし、意識して演出したんだとしたら、田渕さん、すごいなあ(^ ^)
■美花梨乃(ジュリー)
同期の航琉くんのハロルド役を女性に変えた役。演出上の意義は上に書いたとおりなので割愛しますが、すごく良かったです! 以前から可愛いなあと思っていたのですが、なかなか役がつかなくて、よほど芝居ができないのかとおもっていたのですが(失礼)、聴きとりやすいしきれいな台詞回しで、ダイアナやエイミーとの関係性もリアルだったし、とにかく良かったです。
髪型やアクセも、裏方らしくあまり凝り過ぎず、でも魅力的に自分の美貌を生かしていて、似合ってました。初めての役らしい役でも、与えられた役柄以上のものを見せてくれたと思うので、次もぜひ、やりがいのある役がつきますように!
■花奈澪(ローラ)
羽立くんが演じるバッキー・ブキャナンを女性に変えた役。思いきったメイクや鬘で、一瞬の出番なのにしっかり印象付けて、さすがだなと思いました。
他の場面はだいたい「客の女」でしたが、本公演とはだいぶ違うゴージャスな感じにつくっていて、そういうところはさすが花娘だなあと感心(^ ^)。いや、花奈さんだけじゃないですけどね(^ ^)。
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若者たちのロミオとジュリエット
2013年4月25日 宝塚(星) コメント (4)間があいていてすみません(汗)。でももう、これは反応せずにはいられない!!ということで(^ ^)
次回星組公演「ロミオとジュリエット」の、新人公演配役が発表されました!
うおおお、礼くん、城妃さん、新人公演初主演おめでとうございます!!
それにしても。
研5で初主演の礼くんの、「待ちに待った」かつ「超・安心!」感は何なんでしょう。演目が発表されたときから礼くんだったらいいなあと思っていましたが、本当に楽しみです。これは東京まで待てないぞ(^ ^)。
「ロミオとジュリエット」初演の「愛」で話題をさらった礼くんも、もう研5なんですね。キキちゃんや彩風くん、たまきちあたりの初主演が研3だったことを思えば、意外に時間がかかったなという気もしますが、まあ、あのあたりとは違って“小柄”という弱みがある礼くんは、「満を持して」という条件が有った方がいいのかも、という気もします。役替りもあって過酷な公演になりそうですが、礼くん自身が3つの役を楽しんでくださったら嬉しいな、と思います。
そしてそして!!城妃さんのジュリエットがめっちゃ楽しみ!
「南太平洋」では男の子役がメインでしたが、本当に美少年んで可愛かったし、いくつかある娘役での出番も、めっちゃキュートで可愛かった!まだ研3だけど、台詞の声もきれいだし、表情やちょっとした仕草が可愛くて、大好きな娘役さん。ジュリエット、本当に楽しみです。
そして、今回はいきなり全キャストが発表になったのですが!ツボキャストが多すぎ!キャピュレット夫妻(漣&夢妃)、神父(ひろ香)、乳母(妃風)と、メインどころが私の希望配役そのままだったんで、ものすごく浮かれています(^O^)。
特に乳母は、本役がさやかさん(美城)だから男役に回ってしまうかも?と思っていたので、ふうちゃんでとても嬉しいです。「南太平洋」のネリーは本当に可愛かったけど、乳母も絶対良いと思う!楽しみすぎる!!
そしてそして!夏樹くん、ベンヴォーリオ役おめでとうございます!!あの美声での「どうやって伝えよう」……うわああああ。
ポコちゃん(十碧)の死も、キレイでしょうねえ(*^ ^*)ビジュアルも含めて、すごく期待してしまいます。
わーーー、全てが楽しみすぎる!こんなにツボな配役の新人公演は久しぶりです。
かなり本気で大劇も観たい。。。(真顔)
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次回星組公演「ロミオとジュリエット」の、新人公演配役が発表されました!
うおおお、礼くん、城妃さん、新人公演初主演おめでとうございます!!
それにしても。
研5で初主演の礼くんの、「待ちに待った」かつ「超・安心!」感は何なんでしょう。演目が発表されたときから礼くんだったらいいなあと思っていましたが、本当に楽しみです。これは東京まで待てないぞ(^ ^)。
「ロミオとジュリエット」初演の「愛」で話題をさらった礼くんも、もう研5なんですね。キキちゃんや彩風くん、たまきちあたりの初主演が研3だったことを思えば、意外に時間がかかったなという気もしますが、まあ、あのあたりとは違って“小柄”という弱みがある礼くんは、「満を持して」という条件が有った方がいいのかも、という気もします。役替りもあって過酷な公演になりそうですが、礼くん自身が3つの役を楽しんでくださったら嬉しいな、と思います。
そしてそして!!城妃さんのジュリエットがめっちゃ楽しみ!
「南太平洋」では男の子役がメインでしたが、本当に美少年んで可愛かったし、いくつかある娘役での出番も、めっちゃキュートで可愛かった!まだ研3だけど、台詞の声もきれいだし、表情やちょっとした仕草が可愛くて、大好きな娘役さん。ジュリエット、本当に楽しみです。
そして、今回はいきなり全キャストが発表になったのですが!ツボキャストが多すぎ!キャピュレット夫妻(漣&夢妃)、神父(ひろ香)、乳母(妃風)と、メインどころが私の希望配役そのままだったんで、ものすごく浮かれています(^O^)。
特に乳母は、本役がさやかさん(美城)だから男役に回ってしまうかも?と思っていたので、ふうちゃんでとても嬉しいです。「南太平洋」のネリーは本当に可愛かったけど、乳母も絶対良いと思う!楽しみすぎる!!
そしてそして!夏樹くん、ベンヴォーリオ役おめでとうございます!!あの美声での「どうやって伝えよう」……うわああああ。
ポコちゃん(十碧)の死も、キレイでしょうねえ(*^ ^*)ビジュアルも含めて、すごく期待してしまいます。
わーーー、全てが楽しみすぎる!こんなにツボな配役の新人公演は久しぶりです。
かなり本気で大劇も観たい。。。(真顔)
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シアターコクーンにて、「木の上の軍隊」を観劇いたしました
故・井上ひさしの脚本により、2010年に上演される予定だった「木の上の軍隊」。井上氏の逝去により幻となった作品を、蓬莱竜太が組み立てて栗山民也が演出した、まさに「幻」の公演。
松井るみによる巨大なガジュマルの樹が仁王立ちする舞台に、2010年にも出演予定だった藤原竜也と、山西惇・片平なぎさという3人の出演者が立ち竦む、、、そんな2時間(休憩なし)でした。
私が観たのは開幕してすぐの時だったのですが、山西さん(上官)と竜也くん(新兵)の会話の迫力に振り回されて、痛くて、もっていかれっぱなしでした。
あれから日も過ぎて、さらに迫力が増しているのでしょうか。もう一度観たいような、観るのが怖いような。蓬莱さんもよくこんな痛い脚本を書いてくれた、と感心するばかりです。
物語の舞台は、沖縄戦争末期の伊江島(沖縄本島から北西約9km)。
ときどき忘れそうになるのですが、いわゆる「沖縄戦争」は、「本土決戦」ではなかったんですよね。
私にとって「沖縄」は日本の一部で、だから日本軍は日本の国土としての沖縄を護ろうとして、護りきれなかった……と思いたいのですけれども。でも、実際には、資材も糧食も、兵士さえ現地調達した日本軍は、沖縄弁で喋ることを禁じ、志願兵にはろくな武器も渡さなかったと聞くと、忸怩たる思いが募ります。
それでも、「新兵」は「日本」を信じた……「日本」の代表としての「上官」を。その真っ直ぐな信頼は、重たかったかもしれないけれども、それでも「上官」は、ちゃんとそれを受け止めていたんですよね。
……戦勝パーティーの夜までは。
パーティーの意味に気づき、泣きながら残飯をあさる山西さんの慟哭に、理解しながら認められない「敗北」、「勝利」のために命を賭けていたからこそ認められない「敗北」の重さを感じて、胸が痛みました。
残飯の豪華さ、自分たちに支給された糧食との差に唖然とした彼の心が折れていくさまが哀しくて、痛くて。理性は「敗北」を認められないから、樹を降りることはできない。でも、彼の心は戦争が終わったことを理解している。「上官」として「新兵」に戦争が継続していることを信じさせながら、自分自身はその矛盾の狭間でどんどん壊れていく。……意味もわからずに「上官」の崩壊を見ているしかない「新兵」の不安も痛いし、「新兵」の眼を通じて自分の欺瞞を見せつけられる「上官」の懊悩も、今の私が受け止めるには、あまりにも痛すぎて。
「上官」と「新兵」は、どちらが正しいというのでもないと思うのです。ただ、自分が産まれ育った場所を護ろうとした志願兵と、軍人として戦略的・戦術的な目的をもって島にやってきた「上官」との、立場の違い。立場の違う二人が、最終的にわかりあえなかった……そういう物語。
もしも、あの夜、「上官」が何も気づかなかったなら。だとしたら、どうなっていたでしょうね。
食料が尽きる前に「上官」が「新兵」を殺して、そして、、、食料も毛布もないまま、樹の上で亜熱帯の冬を越せたかどうか、、、かな。
どちらにしても、「上官」と「新兵」が立場の違いを乗り越えて理解しあうことは難しかっただろうな、と思う。彼らの夢見た「平和」や「勝利」は、そもそも違うものだったのだから。
それが哀しくて、そして痛いのです……とても。
まだこちらには感想を書いていませんが、この公演を観る前に、宝塚歌劇団によるブロードウェイミュージカル「南太平洋」を観ました。
宝塚作品なので、南太平洋に展開したアメリカ軍にとっての「敵軍」が何かについては隠されていましたが、かつて南太平洋でアメリカと闘ったのはただ一国で、エミール(轟)とケーブル中尉(真風)が命を賭けて偵察した結果の勝利が太平洋の制海権奪取につながり、それが最終的には沖縄決戦につながったことは間違いないんですよね。
だから。後半の緊迫した場面で「新兵」が語る「アメリカ兵と遭遇した」というエピソードの「アメリカ兵」は、もしかしたらあの星組の海兵さんたちの誰かだったかもしれない、、、なんてことを考えながらの観劇になりました。
「南太平洋」における「貌のない敵軍」と、「木の上の軍隊」における「鬼のような敵軍」。
どちらも、実際に顔を合わせて会話をする機会があれば戦うことなんてできないだろうに、その機会を与えられず、ただ戦うことを強いられた彼らは、、、ある意味幸せだったのかもしれません。己の勝利を信じていられる間は。
「ハニー・バン」を歌いながら戦場に向かう海兵たちを視ながら、言葉にならない想いを持て余していたのですが、この「木の上の軍隊」を観て、どちらも同じものの裏表なんだな、と思ったら、なんというか、、、痛くてたまりませんでした。
「木の上の軍隊」を観た今、もう一度「南太平洋」を観たいような、もう観たくないような、そんな矛盾した気持ちがあります。喉にひっかかって呑みこめない、何かの叫びのように。
ガジュマルの木の上で、変わっていく「世界」を見凝めるキジムナーたち。彼らの眼には、こんなふうに揺らぐ気持ちが、どんなふうに映っているのでしょうか。
とはいえ、彼らは諦めたわけではない、と思うのですけれども。理解しあうことも、それ以外も、なにひとつ。
だって、ここで諦めるくらいなら、木の上に残らなかったと思うから。彼ら……彼らの魂は。
「作家」としての全てを賭けた蓬莱さんの気迫を、私がちゃんと受け止められたのかどうか、あまり自信がありません。
ただ、その痛みから目を逸らしてはいけないんだ、ということはわかったような気がします。上官の迷いからも、その矛盾からも。新兵が正しいのではない。ただ、彼らは「犠牲者」だった。上官が「犠牲者」であると同時に「加害者」でもあったのと同じように、全員が「犠牲者」だったのだ、と、、、言葉にすることの難しい、そんな想いは伝わったような気がします。
樹の上に残ったキジムナーたちの、ガラス玉のような瞳に映るものが、少しでも美しいものになりますように。
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故・井上ひさしの脚本により、2010年に上演される予定だった「木の上の軍隊」。井上氏の逝去により幻となった作品を、蓬莱竜太が組み立てて栗山民也が演出した、まさに「幻」の公演。
松井るみによる巨大なガジュマルの樹が仁王立ちする舞台に、2010年にも出演予定だった藤原竜也と、山西惇・片平なぎさという3人の出演者が立ち竦む、、、そんな2時間(休憩なし)でした。
私が観たのは開幕してすぐの時だったのですが、山西さん(上官)と竜也くん(新兵)の会話の迫力に振り回されて、痛くて、もっていかれっぱなしでした。
あれから日も過ぎて、さらに迫力が増しているのでしょうか。もう一度観たいような、観るのが怖いような。蓬莱さんもよくこんな痛い脚本を書いてくれた、と感心するばかりです。
物語の舞台は、沖縄戦争末期の伊江島(沖縄本島から北西約9km)。
ときどき忘れそうになるのですが、いわゆる「沖縄戦争」は、「本土決戦」ではなかったんですよね。
私にとって「沖縄」は日本の一部で、だから日本軍は日本の国土としての沖縄を護ろうとして、護りきれなかった……と思いたいのですけれども。でも、実際には、資材も糧食も、兵士さえ現地調達した日本軍は、沖縄弁で喋ることを禁じ、志願兵にはろくな武器も渡さなかったと聞くと、忸怩たる思いが募ります。
それでも、「新兵」は「日本」を信じた……「日本」の代表としての「上官」を。その真っ直ぐな信頼は、重たかったかもしれないけれども、それでも「上官」は、ちゃんとそれを受け止めていたんですよね。
……戦勝パーティーの夜までは。
パーティーの意味に気づき、泣きながら残飯をあさる山西さんの慟哭に、理解しながら認められない「敗北」、「勝利」のために命を賭けていたからこそ認められない「敗北」の重さを感じて、胸が痛みました。
残飯の豪華さ、自分たちに支給された糧食との差に唖然とした彼の心が折れていくさまが哀しくて、痛くて。理性は「敗北」を認められないから、樹を降りることはできない。でも、彼の心は戦争が終わったことを理解している。「上官」として「新兵」に戦争が継続していることを信じさせながら、自分自身はその矛盾の狭間でどんどん壊れていく。……意味もわからずに「上官」の崩壊を見ているしかない「新兵」の不安も痛いし、「新兵」の眼を通じて自分の欺瞞を見せつけられる「上官」の懊悩も、今の私が受け止めるには、あまりにも痛すぎて。
「上官」と「新兵」は、どちらが正しいというのでもないと思うのです。ただ、自分が産まれ育った場所を護ろうとした志願兵と、軍人として戦略的・戦術的な目的をもって島にやってきた「上官」との、立場の違い。立場の違う二人が、最終的にわかりあえなかった……そういう物語。
もしも、あの夜、「上官」が何も気づかなかったなら。だとしたら、どうなっていたでしょうね。
食料が尽きる前に「上官」が「新兵」を殺して、そして、、、食料も毛布もないまま、樹の上で亜熱帯の冬を越せたかどうか、、、かな。
どちらにしても、「上官」と「新兵」が立場の違いを乗り越えて理解しあうことは難しかっただろうな、と思う。彼らの夢見た「平和」や「勝利」は、そもそも違うものだったのだから。
それが哀しくて、そして痛いのです……とても。
まだこちらには感想を書いていませんが、この公演を観る前に、宝塚歌劇団によるブロードウェイミュージカル「南太平洋」を観ました。
宝塚作品なので、南太平洋に展開したアメリカ軍にとっての「敵軍」が何かについては隠されていましたが、かつて南太平洋でアメリカと闘ったのはただ一国で、エミール(轟)とケーブル中尉(真風)が命を賭けて偵察した結果の勝利が太平洋の制海権奪取につながり、それが最終的には沖縄決戦につながったことは間違いないんですよね。
だから。後半の緊迫した場面で「新兵」が語る「アメリカ兵と遭遇した」というエピソードの「アメリカ兵」は、もしかしたらあの星組の海兵さんたちの誰かだったかもしれない、、、なんてことを考えながらの観劇になりました。
「南太平洋」における「貌のない敵軍」と、「木の上の軍隊」における「鬼のような敵軍」。
どちらも、実際に顔を合わせて会話をする機会があれば戦うことなんてできないだろうに、その機会を与えられず、ただ戦うことを強いられた彼らは、、、ある意味幸せだったのかもしれません。己の勝利を信じていられる間は。
「ハニー・バン」を歌いながら戦場に向かう海兵たちを視ながら、言葉にならない想いを持て余していたのですが、この「木の上の軍隊」を観て、どちらも同じものの裏表なんだな、と思ったら、なんというか、、、痛くてたまりませんでした。
「木の上の軍隊」を観た今、もう一度「南太平洋」を観たいような、もう観たくないような、そんな矛盾した気持ちがあります。喉にひっかかって呑みこめない、何かの叫びのように。
ガジュマルの木の上で、変わっていく「世界」を見凝めるキジムナーたち。彼らの眼には、こんなふうに揺らぐ気持ちが、どんなふうに映っているのでしょうか。
とはいえ、彼らは諦めたわけではない、と思うのですけれども。理解しあうことも、それ以外も、なにひとつ。
だって、ここで諦めるくらいなら、木の上に残らなかったと思うから。彼ら……彼らの魂は。
「作家」としての全てを賭けた蓬莱さんの気迫を、私がちゃんと受け止められたのかどうか、あまり自信がありません。
ただ、その痛みから目を逸らしてはいけないんだ、ということはわかったような気がします。上官の迷いからも、その矛盾からも。新兵が正しいのではない。ただ、彼らは「犠牲者」だった。上官が「犠牲者」であると同時に「加害者」でもあったのと同じように、全員が「犠牲者」だったのだ、と、、、言葉にすることの難しい、そんな想いは伝わったような気がします。
樹の上に残ったキジムナーたちの、ガラス玉のような瞳に映るものが、少しでも美しいものになりますように。
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若者たちのオーシャンズ【2】
2013年4月13日 宝塚(花) コメント (4)花組新人公演「オーシャンズ11」。
新人公演学年まで芝居上手なタレントが揃った花組で、多すぎるほど男役の役が多い「オーシャンズ11」!本当に楽しかったです。
キャストについての感想は、久しぶりに学年順でいきたいと思います(^ ^)。
<92期>
■鞠花ゆめ(テレサ)
「銀ちゃんの恋」の焼き肉屋の女将で鮮烈なデビュー(←私的に)を果たしてから、、、4年半?今研8になったばかりだから、あのときまだ研3だったんですよね。。。あの頃からすでに完成された芝居巧者でしたけど、学年を重ねてさらに包容力を増して、大地のように優しくて大らかな、素敵な女役になったなあ、と思いました。
ちょっと蓮っ葉だけど温かいテレサの、娘に対する時と父親に対する時で微妙に違う優しさが、とても魅力的。リカルドに「(店は)お前がいれば大丈夫だ!」と言われる信頼感にも納得。お客さんたち(←いなかったけどねっ!)に信頼され、甘えられるママっぷりに説得力があって、「こういうひと絶対いる。。。」と思わされました。
最後のご挨拶も、かなり緊張していたようですけれどもしっかりと伝えるべきことを伝えてくれたと思います。最後にキキちゃんを呼ぶときの「(92⇒93期の)バトンタッチの想いを」という一言に篭められた万感が、胸に響きました。
赤毛のときの思いきった化粧やアクセも素敵だし、「客の女」でのゴージャスな衣装も良く似合う。芝居だけじゃなくて、そういう外見的な表現まで含めた幅の広さとセンスの良さも、本当に大好き!末永く花組をよろしくお願いいたします!!(真顔)
■天真みちる(ソール)
誰しもが予想したソール役。今回の新公で一番期待された役の一人だったと思いますが、予想以上の出来でした。本公演のやりすぎなガツガツぶりとはうってかわった、ちょっと枯れた男の役。
ああいう役を演じているタソは、本当に恰好良いなあと思うんですよね。本公演でも、早くああいう役が回ってくる立場になってほしいものです(^ ^)。
どちらかといえば、まりんさんより初演のマヤさんのソールに近い印象でしたが、「JUMP」の前の「飛ぶんだ、ライナス」という台詞の言い方が全然違っていて、、、なんというか、すごくグッときました。あの瞬間に、急にタソが大きくなったような気がしました。
そして!今回の瞠目ポイントは!
ゼルガのカイゼル髭が恰好良かった!!
あああ、素敵。。。素敵すぎる。。。
■日高大地(チャールズ)
芝居についてはいろいろいろいろある人ですが、ビシッとスーツを着こなした立ち姿は文句なく恰好良かった!ダンディな大人の男にちゃんと見えるんですよね、ああいう恰好をすると。本当に恰好良い。
芝居や歌はアレでも、ダンスができる生粋の花男は貴重なので、もう少しがんばってほしいな、と思います。いやあの、芝居も少しずつ良くなっていると思うので、これからも精進してください(^ ^)。
■神房佳希(リカルド)
この人の真骨頂は、「さりげない巧さ」なんですよね。鞠花ゆめちゃんのテレサとのやり取りが、遠慮がなくて本当に自然で、とても良かったです。テレサやポーラが心配するのも無理はない、ふわふわした無責任な軽やかさがあって、なのにちゃんと「父親」で。
昔からお芝居好きなんだろうなあ、と思っていましたが、最近やっと役らしい役がつくようになってきて嬉しいです。これからもがんばってください!
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新人公演学年まで芝居上手なタレントが揃った花組で、多すぎるほど男役の役が多い「オーシャンズ11」!本当に楽しかったです。
キャストについての感想は、久しぶりに学年順でいきたいと思います(^ ^)。
<92期>
■鞠花ゆめ(テレサ)
「銀ちゃんの恋」の焼き肉屋の女将で鮮烈なデビュー(←私的に)を果たしてから、、、4年半?今研8になったばかりだから、あのときまだ研3だったんですよね。。。あの頃からすでに完成された芝居巧者でしたけど、学年を重ねてさらに包容力を増して、大地のように優しくて大らかな、素敵な女役になったなあ、と思いました。
ちょっと蓮っ葉だけど温かいテレサの、娘に対する時と父親に対する時で微妙に違う優しさが、とても魅力的。リカルドに「(店は)お前がいれば大丈夫だ!」と言われる信頼感にも納得。お客さんたち(←いなかったけどねっ!)に信頼され、甘えられるママっぷりに説得力があって、「こういうひと絶対いる。。。」と思わされました。
最後のご挨拶も、かなり緊張していたようですけれどもしっかりと伝えるべきことを伝えてくれたと思います。最後にキキちゃんを呼ぶときの「(92⇒93期の)バトンタッチの想いを」という一言に篭められた万感が、胸に響きました。
赤毛のときの思いきった化粧やアクセも素敵だし、「客の女」でのゴージャスな衣装も良く似合う。芝居だけじゃなくて、そういう外見的な表現まで含めた幅の広さとセンスの良さも、本当に大好き!末永く花組をよろしくお願いいたします!!(真顔)
■天真みちる(ソール)
誰しもが予想したソール役。今回の新公で一番期待された役の一人だったと思いますが、予想以上の出来でした。本公演のやりすぎなガツガツぶりとはうってかわった、ちょっと枯れた男の役。
ああいう役を演じているタソは、本当に恰好良いなあと思うんですよね。本公演でも、早くああいう役が回ってくる立場になってほしいものです(^ ^)。
どちらかといえば、まりんさんより初演のマヤさんのソールに近い印象でしたが、「JUMP」の前の「飛ぶんだ、ライナス」という台詞の言い方が全然違っていて、、、なんというか、すごくグッときました。あの瞬間に、急にタソが大きくなったような気がしました。
そして!今回の瞠目ポイントは!
ゼルガのカイゼル髭が恰好良かった!!
あああ、素敵。。。素敵すぎる。。。
■日高大地(チャールズ)
芝居についてはいろいろいろいろある人ですが、ビシッとスーツを着こなした立ち姿は文句なく恰好良かった!ダンディな大人の男にちゃんと見えるんですよね、ああいう恰好をすると。本当に恰好良い。
芝居や歌はアレでも、ダンスができる生粋の花男は貴重なので、もう少しがんばってほしいな、と思います。いやあの、芝居も少しずつ良くなっていると思うので、これからも精進してください(^ ^)。
■神房佳希(リカルド)
この人の真骨頂は、「さりげない巧さ」なんですよね。鞠花ゆめちゃんのテレサとのやり取りが、遠慮がなくて本当に自然で、とても良かったです。テレサやポーラが心配するのも無理はない、ふわふわした無責任な軽やかさがあって、なのにちゃんと「父親」で。
昔からお芝居好きなんだろうなあ、と思っていましたが、最近やっと役らしい役がつくようになってきて嬉しいです。これからもがんばってください!
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若者たちのオーシャンズ
2013年4月11日 宝塚(花) コメント (2)花組新人公演「オーシャンズ11」を観劇いたしました。
キキちゃん(芹香)、べーちゃん(桜咲)、同期コンビ万歳!!
もう、本当に素晴らしかったです(^ ^)。
発表されたときから似合うだろうと思っていたキキちゃんのダニーはさすが!の一言。蘭寿さんのダニーとはまた全然違っていて、もっとリアルな、、、なんというか、“本当に居そうな感じ”がありましたね。蘭寿さんは、良くも悪くも芸風が劇画タッチなので(←そこが素敵なんです!!力説!!)、最高に「ハリウッド映画みたい」でしたけど、キキちゃんはもっと、、、なんだろうな、もっとリアルな質感のあるダニーでした。
というか、この学年で崩した色気が出せるのはすごいなあ、と思います。これからが、というか、まずは初のバウ主演に大いに期待!!
そして、発表された時は、芝居は合うだろうけど、技術的な(←主に歌の)面がすごく心配だったべーちゃんのテス。いつの間にか美しいソプラノを響かせるようになってくれて(←音程はちょっと怪しかったけど)、ファンとしてとても幸せでした(^ ^)。
あーもう、可愛い可愛いばかり思っていたべーちゃんですが、いつの間にこんなに美しくなったんだろう?と目から鱗で!べーちゃんの笑顔パワーは無敵の武器だけど、それだけじゃ役者としては物足りない……と思っていたところに、笑顔を封じてキリッとした「デキる女」で通す作品。劇団はよくかんがえているなあ、と思いました。
その美貌と程よいボリューム感が、テスの女らしさと意地っ張りな可愛らしさを強調していて、「あいつが惚れるのも無理はない、魅力的なイヴ」そのもの。特に、最初の登場シーンでカッ!とライトが当たった瞬間の輝きは、まさに女神と言うかなんというか……あー、本当にキレイだった!
べーちゃんの女優っぷりに乾杯。
元々の脚本は、ダニーとテスにはかなり年齢差がある設定(「ウブな女子大生に堕ちた」)。
花組は、星組とは逆に、本公演の方が年の差があって新人公演は同期カップルという組み合わせでしたが。。。星組本公演で強く感じた「年齢差を感じない」違和感は、実際には「年齢差」の問題ではなかったんだな、と思いました(いまさら)。
キキちゃんとべーちゃんは、どう観ても、同い年の対等カップルにしか見えなかったのですが、違和感はなかったんですよね。なんでだろう?と思いながらずーっと見て、、、本当の意味で「対等」な二人だからなのかな、と思いました。礼音くんダニーとねねちゃんテスは、見た目は対等に見えるけど、精神的には支配者と従属者であることが見えてきていたから、それが違和感だったのかな、と。
そう思うと、蘭寿さんと蘭ちゃんは、年齢差はあるけど対等なんですよね。蘭ちゃんが蘭寿さんの掌で空回っている感じではなくて、蘭寿さんも蘭ちゃんに振りまわされているいるし、蘭ちゃんも蘭寿さんに振りまわされている、、見た目の年齢差と、そういう対等感が両立していたからこその面白さだったのかもしれない、と、完全に対等な新人公演の二人を観ながら思ったのでした。
……いやえっと、若いテスが華雅りりかちゃんだったこともあって、今までで一番「ウブな女子大生に堕ちた」感のない公演ではあったのですけど、ね(^ ^)
演出は田渕大輔さん。彼の新公は結構観ていて、どれも良かったのですが、今回は待望のバウ「ヴィクトリアンジャズ」初演出の直後に続けて花組、ということで、良い関係をつくっているな、と感じました。彼の役者に対する宛書きの仕方はわりと独特で面白いのですが、「オーシャンズ11」は新人公演でのキャラ替えの余地が大きいので、わりと好き勝手やってましたね。
ああ、他の組でも彼のバウを観てみたいなあ~!!
本公演との演出の違いは、基本的には星組と同じ考え方だったような気がします。記者会見とか、2幕の繋ぎ方とか。スピーディーにうまく繋いであって、違和感はなかったですね
いやもう、とにかく良い新公でした(はぁと)
他のメンバーも皆良かったので、がんばって続きを書きたいです!特に良かったのは、今回で新公を卒業する92期!絶賛!!
。
キキちゃん(芹香)、べーちゃん(桜咲)、同期コンビ万歳!!
もう、本当に素晴らしかったです(^ ^)。
発表されたときから似合うだろうと思っていたキキちゃんのダニーはさすが!の一言。蘭寿さんのダニーとはまた全然違っていて、もっとリアルな、、、なんというか、“本当に居そうな感じ”がありましたね。蘭寿さんは、良くも悪くも芸風が劇画タッチなので(←そこが素敵なんです!!力説!!)、最高に「ハリウッド映画みたい」でしたけど、キキちゃんはもっと、、、なんだろうな、もっとリアルな質感のあるダニーでした。
というか、この学年で崩した色気が出せるのはすごいなあ、と思います。これからが、というか、まずは初のバウ主演に大いに期待!!
そして、発表された時は、芝居は合うだろうけど、技術的な(←主に歌の)面がすごく心配だったべーちゃんのテス。いつの間にか美しいソプラノを響かせるようになってくれて(←音程はちょっと怪しかったけど)、ファンとしてとても幸せでした(^ ^)。
あーもう、可愛い可愛いばかり思っていたべーちゃんですが、いつの間にこんなに美しくなったんだろう?と目から鱗で!べーちゃんの笑顔パワーは無敵の武器だけど、それだけじゃ役者としては物足りない……と思っていたところに、笑顔を封じてキリッとした「デキる女」で通す作品。劇団はよくかんがえているなあ、と思いました。
その美貌と程よいボリューム感が、テスの女らしさと意地っ張りな可愛らしさを強調していて、「あいつが惚れるのも無理はない、魅力的なイヴ」そのもの。特に、最初の登場シーンでカッ!とライトが当たった瞬間の輝きは、まさに女神と言うかなんというか……あー、本当にキレイだった!
べーちゃんの女優っぷりに乾杯。
元々の脚本は、ダニーとテスにはかなり年齢差がある設定(「ウブな女子大生に堕ちた」)。
花組は、星組とは逆に、本公演の方が年の差があって新人公演は同期カップルという組み合わせでしたが。。。星組本公演で強く感じた「年齢差を感じない」違和感は、実際には「年齢差」の問題ではなかったんだな、と思いました(いまさら)。
キキちゃんとべーちゃんは、どう観ても、同い年の対等カップルにしか見えなかったのですが、違和感はなかったんですよね。なんでだろう?と思いながらずーっと見て、、、本当の意味で「対等」な二人だからなのかな、と思いました。礼音くんダニーとねねちゃんテスは、見た目は対等に見えるけど、精神的には支配者と従属者であることが見えてきていたから、それが違和感だったのかな、と。
そう思うと、蘭寿さんと蘭ちゃんは、年齢差はあるけど対等なんですよね。蘭ちゃんが蘭寿さんの掌で空回っている感じではなくて、蘭寿さんも蘭ちゃんに振りまわされているいるし、蘭ちゃんも蘭寿さんに振りまわされている、、見た目の年齢差と、そういう対等感が両立していたからこその面白さだったのかもしれない、と、完全に対等な新人公演の二人を観ながら思ったのでした。
……いやえっと、若いテスが華雅りりかちゃんだったこともあって、今までで一番「ウブな女子大生に堕ちた」感のない公演ではあったのですけど、ね(^ ^)
演出は田渕大輔さん。彼の新公は結構観ていて、どれも良かったのですが、今回は待望のバウ「ヴィクトリアンジャズ」初演出の直後に続けて花組、ということで、良い関係をつくっているな、と感じました。彼の役者に対する宛書きの仕方はわりと独特で面白いのですが、「オーシャンズ11」は新人公演でのキャラ替えの余地が大きいので、わりと好き勝手やってましたね。
ああ、他の組でも彼のバウを観てみたいなあ~!!
本公演との演出の違いは、基本的には星組と同じ考え方だったような気がします。記者会見とか、2幕の繋ぎ方とか。スピーディーにうまく繋いであって、違和感はなかったですね
いやもう、とにかく良い新公でした(はぁと)
他のメンバーも皆良かったので、がんばって続きを書きたいです!特に良かったのは、今回で新公を卒業する92期!絶賛!!
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落ち穂ひろい~「ホロヴィッツとの対話」
2013年4月7日 演劇PARCO劇場の「ホロヴィッツとの対話」。
作・演出は三谷幸喜。
出演は、天才ピアニストにしてトスカニーニの娘婿ホロヴィッツに段田安則、“彼の”調律師モアに渡辺謙、モアの妻エリザベスに和久井映美、ホロヴィッツの妻ワンダに高泉淳子の4人。
『「コンフィダント・絆」「国民の映画」に続く海外芸術家シリーズ三作目』という売り文句に騙されて そそられて観に行った作品だったのですが、「コンフィダント・絆」とは全く雰囲気の違う作品でした。
面白かったけど、「コンフィダント」を期待していくと肩透かしというか。。。ホロヴィッツも芸術家として非常にギリギリの人生を歩んだ人で、そういうところまで描かれるのかな、と期待していたのですが、そういうところは通り過ぎた後、晩年の、我侭だけど好々爺なホロヴィッツの姿がそこにありました。
主人公であるモアも、彼はあくまでも芸術家の手足となる職人であって「芸術家」ではないわけで。
芸術家同士の相克を残酷なまでに描きだした「コンフィダント」とは、テーマの選び方もキャラクターの配置もまったく異なる作品でした。
……まあ、私みたいに「コンフィダント」の一言でふらっと観に行く人間がいるのだから、そういう意味では見事なキャッチだったのかもしれません。でも、作品の評価という意味では、、、「コンフィダント」をイメージさせたのはあまり良くなかったんじゃないかなあ、なんて、、、ちょっとだけ思ったりもしました。
まあ、期待しすぎてしまった私がいけないんですけれども、ね。
なんて、不満げなことを書いていますが、その先入観をとっぱらった「ホロヴィッツとの対話」は、とても興味深い作品だったと思います。
特に、段田ホロヴィッツの、いかにも芸術家然とした佇まいが非常に見事でした。
我侭だけど、案外に素直で可愛らしい好々爺。支配的な妻との長い闘争の果てに、大きな犠牲と引き換えに小さな平穏を見出した、神経質な芸術家。闘いに明け暮れた無残な日々は終わりを告げて、もはや護るべきものも何もない、孤独な男。生きていくこと自体が苦しみであった彼にとって、今はもう、終わりを待つだけの平穏な日々なのでしょう。心の平穏と肉体的能力の衰退。彼を「天才」たらしめていた全てを喪って、残ったものは名声と愛、ただそれだけ。。。。
自らが引き起こしたのかもしれない「悲劇」の井戸の周りをぐるぐると回っているワンダに、そっと差し伸べる不器用な手がとても優しくて、他人をいつくしんだことのない「天才」ピアニストの慣れない優しさが、傍若無人で、それがとても切なくて。
彼の長い人生(享年86)の中で、愛娘ソニアの死は半分をちょっと超えたくらいのところにあり、この物語で描かれた一夜の後も、彼は20年以上も生きるのだ、、、と思うと、なんというか、「悠久の」という言葉を捧げたくなります。
音楽と共に生きた天才。音楽を愛し、ピアノを愛し、常に“神の前で”演奏していたピアニスト。
ラストシーン。
ずっと舞台の真中に置かれていた沈黙のピアノの前に、ホロヴィッツが座る。
蓋をあけて、椅子を調節して、、、さて!というところで暗転し、全編を彩る音楽を生演奏で弾いていた荻野清子さんのピアノが流れ出す。
段田さんが弾く振りをして、、、とかではなくて、完全な暗転から舞台奥の紗幕を隔てた向こう側で弾いている荻田さんを見せる、見事な演出。
お洒落で粋で、そして、切ないラストでした。
段田さんばかり語ってしまいましたが、高泉さんのワンダも、すごく高飛車で、良い意味でも悪い意味でも浮世離れしていて、、、迫力満点で、とても素敵でした(はぁと)。舞台作品の主役は、間違いなく謙さん演じる「スタインウェイの職人」モアであり、和久井さん演じる「普通の主婦」エリザベスなのですが、やっぱりこの物語(脚本)は「ホロヴィッツ」あるいは「ホロヴィッツ夫妻」の物語であり、タイトルロールはその二人なんだな、と、そんなことを強く感じました。
こういう物語である、と納得したところで、もう一回落ち着いてみたいなあ、、と思いましたが、千秋楽直前の観劇で果たせず、残念です。
いや、当日券が取れただけでもラッキーだったのは判っているんですけどね。……再演しないかなあ。
ああ、でも、再演といえば!
「コンフィダント・絆」の再演はまだですかっっっ!?(←キャストが揃わないんだってば)
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作・演出は三谷幸喜。
出演は、天才ピアニストにしてトスカニーニの娘婿ホロヴィッツに段田安則、“彼の”調律師モアに渡辺謙、モアの妻エリザベスに和久井映美、ホロヴィッツの妻ワンダに高泉淳子の4人。
『「コンフィダント・絆」「国民の映画」に続く海外芸術家シリーズ三作目』という売り文句に
面白かったけど、「コンフィダント」を期待していくと肩透かしというか。。。ホロヴィッツも芸術家として非常にギリギリの人生を歩んだ人で、そういうところまで描かれるのかな、と期待していたのですが、そういうところは通り過ぎた後、晩年の、我侭だけど好々爺なホロヴィッツの姿がそこにありました。
主人公であるモアも、彼はあくまでも芸術家の手足となる職人であって「芸術家」ではないわけで。
芸術家同士の相克を残酷なまでに描きだした「コンフィダント」とは、テーマの選び方もキャラクターの配置もまったく異なる作品でした。
……まあ、私みたいに「コンフィダント」の一言でふらっと観に行く人間がいるのだから、そういう意味では見事なキャッチだったのかもしれません。でも、作品の評価という意味では、、、「コンフィダント」をイメージさせたのはあまり良くなかったんじゃないかなあ、なんて、、、ちょっとだけ思ったりもしました。
まあ、期待しすぎてしまった私がいけないんですけれども、ね。
なんて、不満げなことを書いていますが、その先入観をとっぱらった「ホロヴィッツとの対話」は、とても興味深い作品だったと思います。
特に、段田ホロヴィッツの、いかにも芸術家然とした佇まいが非常に見事でした。
我侭だけど、案外に素直で可愛らしい好々爺。支配的な妻との長い闘争の果てに、大きな犠牲と引き換えに小さな平穏を見出した、神経質な芸術家。闘いに明け暮れた無残な日々は終わりを告げて、もはや護るべきものも何もない、孤独な男。生きていくこと自体が苦しみであった彼にとって、今はもう、終わりを待つだけの平穏な日々なのでしょう。心の平穏と肉体的能力の衰退。彼を「天才」たらしめていた全てを喪って、残ったものは名声と愛、ただそれだけ。。。。
自らが引き起こしたのかもしれない「悲劇」の井戸の周りをぐるぐると回っているワンダに、そっと差し伸べる不器用な手がとても優しくて、他人をいつくしんだことのない「天才」ピアニストの慣れない優しさが、傍若無人で、それがとても切なくて。
彼の長い人生(享年86)の中で、愛娘ソニアの死は半分をちょっと超えたくらいのところにあり、この物語で描かれた一夜の後も、彼は20年以上も生きるのだ、、、と思うと、なんというか、「悠久の」という言葉を捧げたくなります。
音楽と共に生きた天才。音楽を愛し、ピアノを愛し、常に“神の前で”演奏していたピアニスト。
ラストシーン。
ずっと舞台の真中に置かれていた沈黙のピアノの前に、ホロヴィッツが座る。
蓋をあけて、椅子を調節して、、、さて!というところで暗転し、全編を彩る音楽を生演奏で弾いていた荻野清子さんのピアノが流れ出す。
段田さんが弾く振りをして、、、とかではなくて、完全な暗転から舞台奥の紗幕を隔てた向こう側で弾いている荻田さんを見せる、見事な演出。
お洒落で粋で、そして、切ないラストでした。
段田さんばかり語ってしまいましたが、高泉さんのワンダも、すごく高飛車で、良い意味でも悪い意味でも浮世離れしていて、、、迫力満点で、とても素敵でした(はぁと)。舞台作品の主役は、間違いなく謙さん演じる「スタインウェイの職人」モアであり、和久井さん演じる「普通の主婦」エリザベスなのですが、やっぱりこの物語(脚本)は「ホロヴィッツ」あるいは「ホロヴィッツ夫妻」の物語であり、タイトルロールはその二人なんだな、と、そんなことを強く感じました。
こういう物語である、と納得したところで、もう一回落ち着いてみたいなあ、、と思いましたが、千秋楽直前の観劇で果たせず、残念です。
いや、当日券が取れただけでもラッキーだったのは判っているんですけどね。……再演しないかなあ。
ああ、でも、再演といえば!
「コンフィダント・絆」の再演はまだですかっっっ!?(←キャストが揃わないんだってば)
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