花組大劇場公演、千秋楽おめでとうございます。
盛り上がったんだろうなあ。。。みーちゃん、本当にお疲れさまでした!他のみなさまも、ゆっくり充電してくださいね。東京で、お待ちしています!




さて。
ちょっと時間がたってしまいましたが、雪組バウホール公演「春雷」について。

出演者(主な配役)が発表されたときに驚愕して遠征を決め、ポスターの美しさにワクワクしたこの作品。
実際に舞台を観ても、舞台面の美しさには感銘を受けました。中でも、舞台奥にずっと鎮座するおおきな樹がとても印象的で、時代感のある衣装もとても綺麗で、とにかく美しかった!

作・演出は原田諒。衣装は有村淳、舞台装置は大劇場の「愛と革命の詩」と同じく、松井るみ。
松井るみといえば、数々の舞台で印象的な装置を創ってきたひと…というか、私にとっては「装置が凄いなー」と思ってプログラムを見るとことごとく松井さん、という人。宝塚の舞台に参加されるのは同じ原田さんの「南大平洋」に続いて二度目だと思いますが(←コメントありがとうございました)、それがまた大劇場とバウとで同時なところも面白い偶然……なのでしょうか。
舞台全体を括る象徴的な大きなオブジェと、それを引き立てつつ舞台転換するちいさなセット(作品によって吊り物だったり運ばれてきたりいろいろですが)の組み合わせが絶妙で、結果的に舞台転換もスピーディーになる。演出と一体化した装置が得意なひとだから、うまく使いこなせれば舞台の質が格段にあがるんですよね。

しかし。
花組公演を観た時もちょっとだけ思ったのですが、生半可な作品では、松井さんの装置を使いきれないんですね……。
なんというか、装置が印象的すぎて、それに負けてしまうんです。セットありきの演出に見えてしまって、作品世界に入りにくい。
入ってしまえばあの「世界そのもの」のような装置が最大の味方になるのですが、そこまでいけるかどうかは演出(脚本)にかかっているのだな、と、あらためて思いました。

原田さんの作品は、舞台面の美しさには定評があって、「ロバート・キャパ」の空とか、「華やかなりし日々」のレビューシーンとか、本当に綺麗なんですよね。今回も、大きな樹を背景にした森の場面の美しさは格別でした。登場人物の美しさも含めて、これだけの美形ばかり集めたキャスティングができたことも含めて、プロデュース力はあるひとなんだろうな、と思います。
ただ、今回は、残念ながら原作から改変したところが悉く失敗していて、結果的に、彼の「物語」の構築力の弱さが露呈した形になったなと感じました。



「春雷」の原作は、ゲーテの名作「若きウェルテルの悩み」。
この作品の中でも象徴的に使われる「オシアンの歌」は、1765年にイギリスの詩人マクファーソンが「古代スコットランドの吟遊詩人オシアンによる叙事詩」であるとして発表したもの。この真贋については諸説あるようですが、同時代人であった若き日のゲーテは、「新しく発見された古代の叙事詩」である、と認識していたのでしょうね。
突如発見された古代の文書……いまでいえば、「死海文書」みたいなものなんでしょうか?叙事詩(物語)だから、それとはまたちょっと違うかな。むしろ、「東日流外三郡誌」みたいなものなのでしょうか?もしそうだとすると、「常識ある大人」を自称するアルベルト(鳳翔)が偉そうに「そんなお伽話を読んでいるのか」とシャルロッテ(大湖)を非難するのもわかる、かも。

原作のクライマックスで、長々と引用される「オシアンの歌」。
「春風よ、我を呼び起こししは何ゆえぞ」で始まるこの歌は、ウェルテルの決意を象徴する詞になっています。原田さんは、この詩をあまり具体的には使っていませんが、「我が葉をふるい落す嵐は迫れり」というあたりから今回の作品のタイトルをつけたのでしょうか?
春の嵐によってうちたおされる英雄と自分自身を重ねた、身勝手な若者のイマジネーションをあざ笑うように、舞台奥に鎮座していた世界樹の存在感。本来、その辺をねらった演出だったのだろうな、と推測はできるのですが、残念ながら終盤の脚本も演出も中途半端で、しかも、最後にゲーテの場面に戻したりするものだから、テーマがブレちゃったな、と、非常に残念に思いました。



とにかく、今回の作品の脚本面での最大の問題は、最初と最後に「若きゲーテ」を出したところだと思うんですよね。
なんというか、、、後味が悪い、というのかな。ウェルテルの選択の結果を見せられた後で、ゲーテの歓喜を見せられると、、、ウェルテルは運が悪かったんだね、というか、そういう気になってしまって……そう、とにかく後味が悪いんです。
ウェルテルは「若き」のまま消えうせ、ゲーテは「大人」になってたくさんの作品を後世に残す。その差がどこにあったのか、というところが、こういう展開にする場合に重要なことだと思うのですが、あの展開だと、二人の違いは「幸運」ということになってしまうのがなあ……。

せめて、ゲーテを出すにしても、「若き」ゲーテではなく、晩年の功なり名とげたゲーテなら、まだわかったかもしれないのですが。でも、それだと多分、原田さん的には意味がないんだろうな……たぶん(よくわかりませんが、たぶん)

そもそも論になりますが、原田さんには、「原作」である「若きウェルテルの悩み」に、もっとまっすぐに向き合ってほしかったな、と思う。彼の悩みが何であったか、観客にウェルテルの何を伝えたかったのか。
映画は映画でいいと思うけど、「原作」と「映画」の間には何らかの「解釈」があるわけだから、シチュエーションだけ拝借してはいけないと思うんですよね。ちゃんと「映画」を原作にするならそれもありなのですが、今回は違うのだから。
初の「原作もの」でしたが、「作品世界」に対する敬意というか重みの掛け方が、残念ながら私とはとことん合わないんだなあ、と思いました。



もう一点、今回の演出上の大きな疑問。
嵐の夜、ウェルテルとロッテの間に既成事実を作らせた意味は何だったのでしょうか?

あそこにラブシーンを入れるのはわかります。でも、本来は抱擁か、せいぜいキスどまりであるべきでは?
そこまでやったら洒落にならない。嵐の夜に、しかも野外ですよ?抵抗しないロッテもあり得ないし、あきらかに服が駄目になるだろうに気がつかない家族もどうかと思う。いくら母親がいないとはいえ……
いや、そんなことはどうでもよくて。
その後の展開のすべてが既成事実がない前提で進んでいくのが、、、本当に気持ちが悪くて、とにかく無理でした(涙目)。
ロッテ自身もそんな事実は無かったかのような態度だし、、、あのラブシーンがああいうことになったのは後付けだったと聞きましたが(しかも、実際の動きの細かいところは大ちゃんが付けたらしい/汗)、、、それならそれで、それ以降の脚本をそれに合わせて修正しないと、物語全体の構成がぶっ壊れるってことが何故わからないんだ!!(怒)

いろいろな点で、原田さんは、もう一度、「宝塚」で自分がやりたいことが何なのか、というか、やりたい何かが宝塚にあるのかどうか、考え直してみたほうがいいのではないかと真顔で思った観劇後でした



そういえば、上でもちょっと書きましたが、何故「春雷」というタイトルになったんでしょうね。ナウオンとかでもタイトルの話はしていなかったような?(聞き逃していたらすみません)
内容的には「若きウェルテルの悩み」で良かったと思うんだけどな。ゲーテを出したこと自体がそもそも蛇足の極みなのだし。



キャストは本当に皆素晴らしかったので、それはまたあらためて書きたいと思います!




ノーマルの隣で

2013年9月22日 演劇
シアタークリエにて、「Next to Normal」を観劇いたしました。


2009年にブロードウェイで上演され、その年のトニー賞の主演女優賞(アリス・リプリー)、楽曲賞(トム・キット)、編曲賞を受賞。作品賞は「リトル・ダンサー」に持って行かれたけれども、話題になったので、タイトルだけはそういえば記憶にある……かも?(←自信ない)



「双極性障害(いわゆる“躁鬱病”と同じっていう解釈でいいのかな?)」を抱えた独りの女性と、彼女を包む家族の物語。
題材的にはもっと突っ込んだ表現もできたと思うのですが、どちらかといえば「治療」の厳しさと精神科医のキャラクターにドラマを取られて、トラウマ部分については思ったよりサラッと解決させたな、という印象でした。
ところで、日本でもああいう治療はされているんですかね?あまり聞かないけど、ことがことだけに、当事者以外は知らないってのもあるだろうしな……。

個人的には、ヒロインのダイアナよりも、娘のナタリーに感情移入して観ておりまして、、、なんというか、途中でひどく辛くなったんですが、最後は思ったよりあっさり立ち直ってくれたので、良かったなと思いました。
ああいう世を拗ねた妹には、ああいう能天気な彼氏がいると安心ですね!(真顔)うん、きっとこれから良いことがあるよ、貴女の人生にも、辛いこともあるだろうけれどもね……と、声をかけてあげたい気持ち。

とかなんとか言いつつ、ラストは夫のダンに全部持って行かれました(*^ ^*)
ああ、岸さん素敵だった!!優しくて無力で、誰のことも(自分自身も)救えなくて。でも、確かに生きていました。彼が一番、リアルだった。彼がいちばん「ノーマル」に近いから、なんでしょうね、あのリアル感は。
実際には、もっとも「ノーマル」から遠いのも、彼なのだけれども。



この作品の最大の魅力は、やっぱり楽曲ですね。耳馴染みのいいロックとバラードが交互に流れる空間。作者の掌の上で、不安になったり高揚したり、彼らの思い通りに感情を転がされている気がするほどの、コントロールに優れた音楽。これ!という目立つアリアはないけれども、2時間を通して心をゆっくりと揺さぶり続ける音楽でした。

演出は「RENT」のマイケル・グライフ、日本版のリステージは、「Next to Normal」の前身となった2005年の「Feeling Electric」のADだったローラ・ピエトロピント。
舞台全体を埋める大きな3階建てのセットを組んで、それぞれのフロアで芝居をする斬新な演出は、平面的といえばこの上もなく平面的だけれども、立体的といえばこれ以上はないほど立体的で、とても効果的で面白く、圧倒的されました。
ただ、私は比較的後方のセンター席だったので、マーク・ウェンドランドの斬新な装置を堪能させていただきましたが、あれは、前方席だとかなり観にくいのでは……?と、人ごとながら心配になりましたが(^ ^;ゞ
前方席でご覧になったかた、いかがでしたか?





それでは、キャストごとに簡単に。
【ネタばれしておりますので、未見の方はご注意ください】





■ダイアナ(シルヴィア・グラブ)
シルヴィア、良かった!!歌も芝居も文句なく良かったです。ただ、一幕冒頭、「セックス、セックス!」と連呼する場面はもう少しセクシーに出てほしいな(冒頭だし)、と思いましたが、、、あれは演出なのでしょうか。抗鬱剤の副作用、という設定?

シルヴィアって、前田美波里なみに根っからのポジティブしかできないタイプに見えるけど、意外と闇を抱えた役が似合う役者なんですよね。今回はそれがすごくうまく嵌っていたなと思いました。
特に、同じ闇でも、「不安」と「自責」の泥沼に嵌っていく様子に説得力があって、それがすごく良かったです。
自分が悪いんだ、自分が家族の重荷になっている、という強迫観念は、結局家族全員を傷つける両刃の剣だから。それを握ってしまったダイアナの恐怖と怯え、その怯えた剣先を突き付けられたダンの報われなさ。
家の中には愛があるのに、それが地にうち捨てられ踏みつけになっている現実が、とても切なかったです。

今回はスケジュール的に一回しか観られないので、トウコさん(安蘭)のダイアナは観られないのですが、この役は本当に、二人とも観たくなる役替りだな、と思いました。
トウコさんはどんなふうにあのダイアナを演じるのでしょうか。私のイメージだと、もっと「怯え」を前面に出して来そうな気がするんですが、そうなると、話の根幹の設定がだいぶ変わるよなあ、、、と。
うーん、両方ご覧になったフラットな方の意見を聞いてみたいです(^ ^)。



■ゲイブ(ダイアナの息子/小西遼生)
ダイアナとダンの、幼い頃に死んでしまった息子……の、魂、なのかな?ダイアナの幻覚なんだけど、彼自身の意志があるものとして表現されていて、興味深い存在でした。
特にラスト、いままで自分のことを封じようとしてきた父親の前に現れた彼がとても優しくて、寂しそうで……なにかイケナイ展開が始まるのかとドキドキしてしまいました……すみませんすみませんすみません(滝汗)。

一幕の前半は、普通に「息子」として見えていて、彼が他の家族と会話をしていないことに全然気がつかなかったんですよね。演出が巧いんだけど、小西君もさりげなく巧いなーと思いました。特に「この世のものならぬ」雰囲気を出す必要のない役ではありましたが、場面ごとにコロコロと色を変えて登場してくれて、、、間がいいんだなあ、と感心しました。

小西くんといえば、「レ・ミゼラブル」にマリウスで出演してから、もう何年……?あの時は、歌が酷過ぎてあまり良い印象は無かったのですが、、、いや、今回は歌も良かったです。見た目は元々文句ないし、歌が上手になってくれて嬉しいです!これからのご活躍、チェックしていきたいと思います♪



■ダン(ダイアナの夫/岸祐二)
優しくて温かくて色気があって、愛情深いダイアナの夫。妻があの状態で、いったい何の仕事をしているのかちょっと疑問でしたが(汗)、歌も芝居も本当に良かったです。

ダイアナとの相互依存的な関係は、ダンか優しいだけにとても辛くて。
ドクター・マッデンに勧められて電気ショック療法を受けさせると決めるまでの葛藤はとても優しいのに、治療によって殆どの記憶を奪われた妻に、「なにもかもうまくいく…」と歌いながら次々に思い出の品を見せるところや、息子の死を隠そうとする場面の高圧的な感じのギャップが切なくて、そうせずにはいられないほど追いつめられた「夫」の苦悩が哀れでした。

記憶を取り戻した妻が出て行った後の、息子と二人の場面が、とても切なかった。ダンはそれまで、ゲイブのことは心から閉め出していた。ダイアナを喪ったことは、そのことへの罰なんですよね、きっと。
いつかきっと、ダイアナが帰ってくる。その日を信じて、時々カウンセラーに罹りながら待っている彼が、たぶん、「アメリカにおけるノーマル」なんでしょうね、きっと。

余談ですが、「ゲイブ」って「ガブリエル」の愛称なんですね。……生後たったの8ヶ月で逝ってしまったガブリエル。彼の誕生ゆえに若すぎる結婚をした二人にとって、彼の死は運命だったんだろうな。。。



■ナタリー(ダイアナの娘/村川絵梨)
ナタリーは「妹」なんだな、ということを、すごく強く思いました。
感性の鋭い、芸術家肌の「妹」。自分の中の母の血に怯え、自分にそそがれない愛情に飢えて、すべてに毒を吐き続ける。家庭に幸せがないから、新しい家庭をつくることに興味がもてない、孤独な少女。

現実には、彼女が生まれる前にゲイブは神に召されているので、彼女は「一人娘」なんですよね。でも、両親は彼女を「妹」として扱い、彼女自身も「自分は妹である」と思って育つ。彼女と両親の間には「兄」がいるんです。それは大きくて高い透明な壁で、彼女は親の愛を受けられなくなっている。

……正確には、彼女が受け容れられないだけで、それなりに愛は降り注がれてはいるのだけれど。

上でも書きましたたが、今回の観劇では、何故だかすごくナタリーに感情移入してしまったので、彼女がラストに母親と和解し、彼女の手を離してダンスパーティーに現れる場面で、かなり泣いてしまいました。
いままで彼女は、母親の手をつかむことができなかったから、離すこともできなかったんだよね。でも、あの病院で、はじめて彼女は魂の入った母親に抱きしめられて、愛されていることを実感する。
……だから、もう大丈夫、と手を離す。もう大丈夫、親離れできる、と。

彼女の中のダイアナの血が、彼女の魅力の一部を形作っているのだから、それを排除することはできない。
彼女がその「血」に怯えるさまはとても切なくて、リスクはなくならないから単純なハッピーエンドにはならないけれども、結局は自分を信じて前に進むしかない。ただ、「ノーマルの隣」で、諦めずに、孤独にならずに生きて行こう、と。もう独りではないのだから。



■ヘンリー(ナタリーの恋人/松下洸平)
優しくて能天気で、本能で生きている青年。
ナタリーみたいなタイプには、こういうまっすぐな好青年がいいよね!と思う。たぶん、ダンもこういう青年だったんだろうな、と(←それを思わせる演出もある)

松下さん、お名前は知ってましたが観たのは初めて……かな?温かみのある、いい芝居でした。ナタリーが、意地をはりつつも、気を抜くとつい甘えてしまう(←ただのツンデレ?)ところが可愛くて、そういう彼女の可愛いところを引き出したヘンリーの存在感に感心しました。良かったです!



■精神科医(新納慎也)
素晴らしかった!!「ダイアナにはロックスターに見える」ドクター・マッデンがメインでしたが、1幕前半の精神科医(薬物療法が中心)も、なんというか、、、あやしげで良かったです。

誰がどうみても、「ノーマル」から一番遠いのは彼でしたが、それは狙いどおりなのでしょうか?(^ ^;ゞ



6人の出演者が、全員役に嵌っていて、しかも誰ひとり歌も芝居もコケる人がいない。
素晴らしい座組で、素晴らしい音楽でした。人によっては受け入れにくいかもしれない、難しいテーマかなという気もしますが、私は良い作品だなと思いました(^ ^)。


奏乃はるとさま、イゾラベッラサロンコンサート、おめでとうございます!
残念ながら仕事で参加できませんでしたが、素敵なコンサートだったようでなによりです(^ ^)。全篇放映はないけど、ニュースでちょっとだけ流れますよね。月曜日が楽しみ!




宙組公演「風と共に去りぬ」も、新人公演の詳細配役が発表されましたね!
彩花まりちゃん、スカーレットII おめでとうございます!!
以前日生劇場で観たとなみちゃん(白羽)のスカーレットIIが大好きだったので、とっても楽しみです。

あと、目玉はベル(愛月)と3夫人(ワイティング夫人/星吹、メリーウェザー夫人/結乃、エルシング夫人/風馬)あたりでしょうか。……いやいや、個人的には美月くんのミード博士もかなり目玉なんですが(^ ^)。

っていうか、いま気がついたんですが、今回の日経トークショーは、ベルとメリーウェザー夫人とワイティング夫人なんですね……3人ともスカートだったりして?(^ ^)久しぶりに行きたいなあ。




新人公演の詳細配役が発表されると、いよいよ初日が近づいたなあ…という気がします。

でも、次公演の初日が近づいたということは、絶賛上演中の公演の千秋楽が近づいたということ。
みーちゃん(春風)たちが大劇場を卒業するまで、あとわずかに2日間。……寂しいかぎりですが、最後まで笑顔で、楽しい思い出がたくさんできますように(祈)



仙台のイズミティ21にて、雪組全国ツアー公演「若き日の唄は忘れじ/ナルシス・ノアール」を観劇いたしました。


ゲリラ豪雨と共に初日を迎え、台風と共に千秋楽を終えた全国ツアー。
台風18号が日本列島に着実に接近する中、私自身は、マンニィが関東に来るより前に東京を発ち、公演が終わった時にはもうすっかり通り過ぎた後だった……という、むしろ東京で何かを観ようとするより楽だったのではないかという一日でしたが、仙台は前日に豪雨だったそうで、、、いや、大変でしたよね。
雪組ファンのみなさま、お疲れさまでした。

どんな土砂降りでも突風が吹いても、交通機関さえ動いていたら這ってでも仙台まで行くぞ!と思ったくらいには、どうしても文四郎さまに逢いたかった私。愛は強し、と、改めて思ったのですが……。

壮ちゃんの文四郎さまには、それだけの価値がありました。
たった2週間前の市川で観た文四郎さまの素敵さとはまたレベルの違う、あまりにも圧倒的な恰好良さ。凛として清冽な、真っ直ぐな生き様が美しくて、愛に溢れていて、本当に素晴らしかった。

最後にもう一度、壮ちゃんの文四郎さまにお逢いできて、本当に幸せでした。



幕開きのソロの「16歳」の声。
若さと未来に溢れた少年の、まだまだ「なにものでもない」笑顔と、声。

役者というものの、年齢を超越した存在感には何度も感銘をうけてまいりましたが、今回の壮ちゃんは、本当にすごかった(@ @)。チークの入れ方、眉の描き方、声の出し方から、立ち方、歩き方、ちょっとした仕草も作品の前半と後半で別人のように違っていて。

心と技術、両方が釣り合っての文四郎さまの造形は
本当にありえないほど美しかった……(惚)。
「思い遺すことばかりです……!!」とか、その後の背中とか、、、とにかく、すべてが大好きすぎてもう……、もう!!(泣)(←言葉にならない)



もとい。
壮ちゃんが素敵すぎました、というのは当たり前の感想すぎるので、他に印象に残った方について。



逸平のともみん(夢乃)の、すべてにおいて「本能」で生きているところが大好きです。
文四郎の考えていることなんて全く理解できていないのに、全ての場面において真実をちゃんと見抜いているんだよね。その、わかっていなさと正しさの加減が絶妙で、文四郎は彼の存在に本当に救われただろうな、と思いました。
父との最後の面会の後、文四郎の替わりに泣いてくれる逸平。
本能的に文四郎とふくの気持ちに気づいていながら、文四郎に否定されると素直に受け容れる逸平。
そして、おふくの名を出した与之助を、慌てて留めようとする逸平。
言葉にすることは大概間違っているんだけど、でも本能で真実を見抜いてしまう不器用で優しい逸平が、大好きです。


与之助の彩風さん。いやもう、ヘタレな若者にはかなりのキャリアを積みつつある彩風さんですが、今回はかなりの嵌り役になったな、と思います。
“なまっちろくてひょろんとした”というイメージ通りのビジュアルと、ちゃんと頭が良さそうにみえる涼やかな声と明晰な台詞回し。八重歯が可愛い丸顔の男役って大変だなあとばかり心配していたけど、この半年くらいでまた痩せて、一段と男らしくなったな、と思いました


全然全く違うんですけど、なんとなく、「ロミオとジュリエット」のモンタギュー家の3人を思い出した3人でした。
壮ちゃんロミオ、ともみんベンヴォーリオ、彩風さんマーキューシオ……ちょっと観てみたい、かも(*^ ^*)。



江森(亜聖)と新川(和城)
山根(月城)の“金魚のふん”な二人。二人とも若いのに声が良いですよね。巧いのは知っていたけど、あらためて感心しました。
少年時代の、闇雲に苛々して嫌味を吐きだす感じと、大人になって本気で「敵対」したときの
ああ、やっぱり雪組新公観たいよ~~。


ふく(愛加)の両親(央雅、麻樹)。
央雅さんの声が本当に素敵(うっとり)。説明台詞をあんなに色っぽく(違)語ってくれる人は滅多にいないと思います。。。ゆめみさんの落ち着いた声との組み合わせも良かった♪


藤次郎(香音)
物語の序盤、火事見舞いを持ってくる、村の総代。助左衛門の性格やいろんな立場(設定)を伝えるためのエピソードですが、自然な芝居がとても気持ち良かったです。そして、クライマックスの欅御殿からの脱出で再び登場したときの存在感は、さすが。いい男ですよね、本当に。
娘の桃花ひなちゃんがまた可愛くて素敵に怖くて、とても良かったです。香音さんの娘なら、そのくらいの気働きはできるかも!?と納得させられました(^ ^)。


留伊(透水)
中日では、もう少し迷いが感じられた留伊。武部のキャラクターが変わったせいか、留伊の怒りが直接的になって、全体にわかりやすくなった気がしました。
歌声がとても好きなので、歌がなくて残念……。


萩(星乃)
可愛かった可愛かった可愛かった!!
中日でも可愛いと思いましたが、この半年でずいぶん大人っぽくなったな、と思いました。
……与之助が可愛すぎるから?


逸平の妻(笙乃)
いやー、可愛いです。頭ちいさくて細くて、日本髪がなんて似合うの(でれでれ)。
与之助の結婚式で、調子にのってベラベラ喋り出す夫をピシャッと抑える口調とか、素敵でした!顔に合わないハスキーな声が、こういう台詞だと映えるなあ、と、こんなところで大野さんに感心。いや可愛かった。


磯貝(朝風)と北村(煌羽)
欅御殿でふくを守る二人の武士。彼らが忠誠を尽くす「おふくさま」としての彼女の価値を教えてくれる役ですが、、、市川では、ごく個人的にちょっとだけ残念に思ったのですが、仙台ではとても良かったです。
私が観た時がたまたまイマイチだったのか、この2週間で替わったのか、私の気のせいか、さてどれだ?(^ ^)(磯貝の朝風さんについては、私が慣れたというのが大きいかも。中日で演じた久城さんの声が大好きなので)


役名のある人たちはこんなところでしょうか。
あとは、欅御殿の侍女たちがとても素敵でした(はぁと)。ひなちゃん、あんりちゃに加えて、うきちゃん(白峰)、妃桜、華蓮……なんという美女ぞろい!しかも、小太刀を構えた姿の極まりよう、目線の鋭さ!!雪娘おそるべし!!(*^ ^*) 




思ったより長くなってしまったので、ショーについてはちょっとだけ。

一言でいうなら、ゆるやかで落ち着いた、大人なショー、でした(^ ^)。
イズミティは1階しかないのですが、後方席でも意外と舞台が近く感じられて、とても観やすかったです!

どの場面も好きなのですが、、、一番好きなのは、実は「ジェラシー」かもしれません。。。
うきちゃんの挑戦的なウィンク爆撃に撃墜されたり、あんりちゃんの笑顔にふらふらしたり、ひーこのクールな表情にときめいたり、ひなちゃんの美しさにうっとりしたりしているうちに終わっちゃうんですけどね……(滝汗)。

「光と影」の後、喪服のあゆちゃんと一緒に出てくるコロンビーヌ二人(桃花・白峰)の無邪気な怖さに、ちょっと吃驚しました。華やかで可愛らしいトップ娘役を囲む、若手娘役二人。お二人の個性的な存在感は、これからの雪組の大きな切り札になるかもしれないな、と、楽しみになりました(^ ^)。

あとは、全ツのショーのお楽しみ、ロケットが素晴らしかった!
センターを取った彩風さんの美脚……というか、もともと脚が長くてスタイルが良いのは知っていたけど、本当に痩せたなあ!!(@ @)
腰回りがあんなにスッキリすると、シルエットはまるで別人ですね。。。すごいなあ。

若いと思っていた彩風さんも、もう研7。次で新人公演も卒業ですね。
これから先、どんなふうに成長していかれるのでしょうか。予想外に壮ちゃんとの相性も良かったし、これからもがんばって、お芝居の勉強をしてくれたらいいなあ。さらなるご活躍をお祈りしています。




千秋楽のご挨拶は、すずやかに、そして真っ直ぐに想いを伝えてくれて、とても温かな気持ちになりました。
カーテンコールのラストの一言に篭められた「気持ち」を、忘れません。


本当に素敵な公演でした。
台風の間を縫って全国を巡ってくださった雪組&雪組ファンのみなさま、本当にお疲れさまでした(^ ^)。

大劇場公演、めっちゃ楽しみです!!!


東京宝塚劇場にて、月組新人公演「ルパン」を観劇してまいりました。



新人公演演出は、谷貴矢さん。本公演を一回しか観ていないので演出上の違いとかはよくわかりませんが、概ね違和感なくまとまっていたと思います。
ただ、群衆芝居のまとめ方がちょっと弱い気がして、、、この1年、月組は大劇場では一本ものが続いて、緻密な芝居を一度もやったことがない下級生が多いんだから、もう少し演出家が指導してあげたらもっと全体に良くなったんじゃないかな、と思ったところもありました。

……月組なので、群衆芝居は出来て当たり前だと思っていたんだな、私。すみません、勝手にハードルを上げていたのは私です多分。



では、メインキャストについて一言ずつ。


■アルセーヌ・ラウール・ルパン(珠城)
たまきちの包容力と優しさが活きた、とても「大人」なルパンだったと思いました。
さまざまな過去の経験、完全に癒えることはないたくさんの傷を背負ったまま、それでも、ためらわずに前を向いて歩いていこうとする強さと、人を愛することに憶病な弱さをあわせもつ、寂しい男。
カーラへの深い愛情は確かにそこにあるのに、それを“カーラのために”必死でおさえつけようとする優しさ。たまきちの芝居は、いつだって本当に優しくて、情が深くて、、、抑えた感じが大人だなあ、と思うんですよね。どちらかと言えば受け身の芝居を得意とするタイプだと思いますが、ルパンもとても素敵でした♪

喉の調子があまりよくなかったようで、いつも滑舌がよくて柔らかな台詞回しが何度もひっかかったり、歌も若干苦戦気味だったのが残念ですが、芝居は本当に良かったです(*^ ^*)。



■カーラ・ド・レルヌ(咲妃)
「ロミオとジュリエット」「月雲の皇子」と、たまきちとの相性の良さは証明済みのみゆちゃん。
どちらかといえば浮世離れした役が似合う姫役者ですが、カーラの「お嬢さん」なところがとても魅力的になっていて、納得の芝居でした。
本役のちゃぴ(愛希)が、かなり気が強くて一途でなイメージに創っていたのに対して、ヘアフォール伯爵が用意してくれた館で何年でも大人しく待っていそうな、そんな頑固さと絶妙な儚さのある芝居は、みゆちゃんの個性だなあ、と。特に、ラストでたまきちに手をひかれて一緒に銀橋を渡る場面の可愛らしさが印象に残りました。
歌も芝居も標準以上の研4.いつまでも月組にいてくださいますように。



■モーリス・ルブラン(輝月)
今回の新人公演の敢闘賞を差し上げたい。
髭が似合うのも歌えるのも芝居ができるのも知っていましたが、それにしても良かった!!
ルブランがルパンの熱烈なファンであることが、こんなにこの芝居をわかりやすいものにするのか!と目から鱗でした。大好きなスターの前で興奮してキャッキャしているルブランが可愛くて、可愛すぎて、うるさいお喋りもKYな行動も全然気にならなかったよ!!

まゆぽんの落ち着いた声と柔らかな台詞回しで、膨大な台詞もすんなり入ってきたし、なにより、たまきちとの会話のテンポのよさはさすがでした。プライベートの仲がどうなのかは知りませんが、バウでもずっと一緒だし、新人公演でもお互い大役で絡みの多い役をいろいろやっているから、気心知れた仲であることは間違いないでしょうし、ね。



■トニー・カーベット(輝城)
みくちゃん(花陽)と二人、新人公演離れした実力を見せつけた、長の期のジョーくん。
ちょっと投げやりな感じもあった本役のコマちゃん(沙央)とはあえて役づくりを変えて、真面目な色悪に挑戦していましたが、これはこれですごく良かったと思います。
いい芝居する人なんですよね、本当に。新人公演を卒業したら、本公演でもちゃんと役がつきますように(祈)。



■ヘアフォール伯爵(朝美)
カーラと二人だけで会話をする、かなり長い場面がある役ですが、途中でダレることもなく、説明台詞(歌)をきちんと聴かせていて、さすがでした。元々しっかりした人で、落ち着きのある大人っぽい役は得意分野なのだと思いますが、それにしても歌も芝居も良かったし、優しさもあって、とても素敵でした(*^ ^*)

あえて難をいうなら、衣装の着こなしはもう一工夫できたかな……本公演のコロスやショーでの着こなしは良いのに、どうもお芝居でスーツを着ると着られてしまいがちなのは何故だろう(涙)。スタイル抜群というタイプではないけど、補正でどうにでもなる範囲だとおもうのですが。
それと、こういう役では難しいのかもしれませんが、もう少し「あーさならでは」のものがあると良いのにな、と思いました。いや、別に何が足りないということもないのですが。。。なんだろうなあ、ちょっと理性が勝った役づくりだったからかな。
一年前のマーキューシオはとても良かったので、あのくらい没頭できる役にまた出会えるといいな、と思いつつ。



■ドナルド・ドースン(蓮)
すっきりした二枚目に気障な眼鏡。実に見事な二枚目っぷりで、眼を惹きました。
役らしい役がつくのも今回が初めて……ですよね、まだ研3ですものね。その経験値であの難役をよくやりきったな、と素直に誉めたい出来ではありました。声も良かったし、台詞も自然で聴きやすくて。

しかし、そもそも本役のカチャ(凪七)が東宝に来た今でも大苦戦している印象のぬぐえない役を、経験値0に近い蓮くんにあてるからには、試されているのは演出家の力量(指導力)だと思うんですよね。。。
ううむ、お芝居って難しいな。
蓮くん自身はとても良かった、と思います。彼女なりに人事を尽くして舞台に立っているのがわかる出来でした。これからのご活躍を楽しみにしています。



あと印象的だったのは、コロスの娘役二人(紗那ゆずは、晴音アキ)でしょうか。
手足をまっすぐ伸ばして踊る姿はとても美しくて、男役4人の誰よりも恰好良かった!!


天寿光希さま
お誕生日おめでとうございます\(^ ^)/


博多座の「ロミオとジュリエット」から3年、
「ランスロット」「おかしな二人」から丸2年、
「琥珀色の雨に濡れて」から1年、
……そして、「ロミオとジュリエット Bパターン」の最終日から、明日でちょうど4週間。

新公を卒業して、にもかかわらず、びっくりするほど盛りだくさんな日々でした。



「琥珀色の雨に濡れて」の“完璧な”ジゴロ、「めぐり会いはふたたび2」のユリウス、「南太平洋」の2役、そして、「ロミオとジュリエット」のパリスとマーキューシオ。名前のないショーの役も含めて、たくさんの舞台ひとつひとつを糧に成長してきた天寿さん。
私が思っていたよりも、ずっと純粋で無垢な舞台莫迦だった研9のあなたを、私なりにちゃんと見凝めることができて、良かった……と思っています。


これからの一年が、役者としての天寿さんにとって、幸いな日々となりますように。



生まれてきてくださって、宝塚に入ってくださって、ありがとうございました。



稲葉さんの、稲葉さんによる、蘭寿さんと花組のためのショーを観劇してまいりました!


もとい。


宝塚大劇場にて、花組公演「愛と革命の詩/Mr. Swing! 」を観劇いたしました。
いやはや。テンションあがりすぎました………



お芝居は、植田景子さんの新作「愛と革命の詩」。革命詩人アンドレ・シェニエの人生を綴ったオペラ「アンドレア・シェニエ」を題材とした新作。
大きな翼の生えた装置(松井るみ)がとても印象的で、音楽もダンスもとても良かったのですが、全体を貫くテーマがちょっと弱いな、という印象もありました。まだまだ役者も探り探りなところがあった気がするので、、、やっぱり、こういう作品だと、舞台として完成するのは東宝なのかもしれないな、と思いました。

というわけで、現時点ではあまり詳細は書かず、東宝を楽しみにしています(^ ^)。

といいつつ、一人だけは書きたい!みつる(華形)が演じたアンドレの弟マリー・ジョゼフが、素晴らしかった!!!
断片的な出番、少ない台詞の中で、実に的確に高潔な兄への憧憬と憎悪という背反する想いをにじませ、実に説得力がありました。自分が創るモノに対する自信と疑問、兄の高潔さに対する苛立ちと焦り。最後に牢獄へ現れる場面、泣けました……(; ;)。

植田(景)さんの過去の佳作のテーマを考えると、オペラに合わせてアンドレアとジェラールを中心にするよりも、実在のアンドレとマリー・ジョゼフという詩人兄弟を中心にしたほうが面白くなったのではないかと思うのですが……それでは蘭寿さんが希望した「大!恋!愛!物!!」にならないから、駄目なのか……(納得)




ショーは、すごく良かった!

一年前の今頃、藤井さんの「CONGA!」に狂っていたことを思いだすと、花組のショー力の高さをしみじみと感じますね。良い作品に当たっているのもあるんだろうけど、良い作品にする力もあるんだな、と。
私は稲葉さんのショーは「カルネヴァーレ」からずっと好きなので楽しみにしておりましたが、今までの傾向からいて、いきなり「スウィングしなけりゃ意味がない」から始まるとは思ってなくて、すごく吃驚しました(@ @)。いくらタイトルがタイトルだって、そういうベタなオープニングをするとは思わなかったんだよー!

一番好きな場面は何だろう。。。意外と「Mr. FullSwing!」だったりするかも。みんな可愛くて可愛くてもう(←主に娘役が)
いや、どの場面も好きなんですけどね(真顔)

フィナーレ前の、みーちゃん(春風)を送り出す場面は、、、みーちゃんが卒業するから、というだけではなくて、場面としてとても良い場面だったのが嬉しかったです。スタイルが良くて歌える二枚目のダンサーが、美しくて軽やかなダンサー娘役とがっつり踊って、いろいろあって銀橋に出て客席を釣りながら歌って、、、思い入れを置いといても、ショーの一場面としてすごく好きです。
みーちゃんに思い入れのある人は何を観たって泣くんだけど、あれだったら、みーちゃんに興味がない(ツアー客とか)も、「おお、すごいな!」と思ってくれるんじゃないかな、と。

今回のショーの目玉でもある役替り、蘭寿さんとねっとりとデュエットを踊っていたのは、キキちゃん(芹香)。化粧替えの時間はないのでしょうが、がっつり男役化粧のままショートボブの鬘だけ被って、「ボーイッシュな美人」に見えるのは大したものだな、と思いました(*^ ^*)。ドレスは紅、割としっかり身体を覆った禁欲的なドレスで、情熱的な場面によく合っていました。……と思っていたのですが、初日映像を視てみたら、あきら(瀬戸)は肩回りがオーガンジーの紫のドレスだったので、3人ともドレスは違うのでしょうか。柚香くんは何色かなあ。……黒?(←それは芝居)


「稲葉さんらしさ」が少しずつ見えてきた、今回のショー。
東宝に向けて、さらに磨き上げられるのを楽しみに、大きな期待と共に!!東上をお待ちしています(^ ^)。



市川文化センターにて、雪組全国ツアー公演「若き日の唄は忘れじ/ナルシス・ノアール」を観劇いたしました。

素晴らしかった!

「若き日の唄は忘れじ」
冬の中日で初めて観劇し、心底から感動した名作。こうして、ふたたび壮ちゃんの文四郎さまにお逢いすることができて、とても幸せです。

そういえば、水さんととなみちゃんのお披露目だった「星影の人」も、中日では初顔合わせの初々しさが逆に新鮮で良かったけど、「エリザベート」を経た秋の全国ツアーではまた全然違う、しっとりとした魅力があって、とても素敵な公演だったなあ……なんて懐かしく思い出したりして。
どちらもお芝居が日本ものなのは偶然なんでしょうけれども、、、やっぱり日本物は(作品と人を選ぶけど)良いものだなあ、と思いました(^ ^)。


そして。
今回の全国ツアーは、出演者の関係で、中日とはだいぶキャストが変わったわけですが……キャストに合わせて演出が全く違うことに、本当に驚きました。
大野さんすげー!!
脚本を(ほとんど)変えてないのに、演出だけでこれだけ違う作品になるなんて!!


中日ではキング(蓮城)が演じた武部春樹に、大ちゃん(鳳翔)が演じた佐竹の要素を足した役をまっつ(未涼)が演じて、チギちゃん(早霧)が演じた小和田逸平をともみん(夢乃)が演じる。これが役の重みづけを大きく変えた部分ですが……いやはや、大野さんのまっつへの信頼というか期待というか……まっつにこういう役をやらせたかったんだな、というのがすごく伝わってきたし、まっつ側も、大野さんの期待に応えようという気合をすごく感じました。

石栗道場の師範代だった佐竹。彼にあった「剣豪」という要素を加えた武部のキャラクターは、とても複雑な、興味深いものになっていたと思います。単なる立身出世を望む策謀家ではなく、「剣」に生きたかったのに、「剣」に選ばれなかった哀れな剣士、というものに。
文四郎を温かく見守り、その成長を心の底から言祝いでいた佐竹とまったく同じ言葉を与えながら、心の底では文四郎を憎んでいた武部。文四郎の不運は、武部の眼の前で「剣」に選ばれてしまったことだった……たぶん。「剣」に選ばれた文四郎を羨みつつ憎みつつ、なのに、憎む理由から目をそらして生きるしかない武部が哀れにさえ見えて、、、こんな複雑な物語になりえたのか、と、目から鱗でした。
脚本はほとんど変わってないのにーーー!!

もちろん、まっつの武部はそれだけの男ではなくて。志摩守のために忠義を尽くし、牧助左衛門(夏美)の動向を探り…と大活躍。むしろ、里村(蓮城)のほうが武部に巻き込まれたんじゃないかと思ってしまうほどの有能っぷりがすごい。ナウオンで「(里村邸のメンバーは)みんな武部が好き」と大野さんが言ったとのエピソードが披露されていましたが、、、まあ「好き」っていうと若干語弊があるけど、「武部が中心」であることは間違いなかったですね。うん。

あとは、最初の野合わせでの文四郎と武部の遣り取りがすごく印象的で。
物語の終盤、逃避行のラストにラスボスとして武部が登場した時、あの野あわせの場面をすごく思い出しました。「秘剣・村雨を」と要求する声の響きが、とても好きです。まっつのああいう切羽詰まった芝居って珍しい気がするので、とても嬉しい(^ ^)。


他にもいろいろ印象的な役替りは多かったのですが、、、逸平と与之介(彩風)もまた全然違ってて、面白かったです。それこそ全く同じ台詞で同じ動きのはずなのに、ぜんぜん違いすぎて、、、本当にびっくり。
中でも凄いと思ったのは、、、壮ちゃんと彩風さんって11期違うんですよね。壮ちゃんとともみんが5期。なのに、16歳の親友トリオ、と言われて、違和感無かった!! 星組「ロミオとジュリエット」Aパターンで、ロミオを演じた礼音くんとベンヴォーリオの礼くんの学年差が10期で、あれだけ「親友に見えない!」って言われていたのに。
もちろん、研5の礼くんと研7の彩風さんの経験値の違いも多少はあるかもしれませんが、やっぱり壮ちゃんの16歳の違和感のなさが凄いってことじゃないかな、と思いました(*^ ^*)。

ともみんの逸平は、本能的な優しさとパワーのバランスがすごく良かったです。チギちゃんの逸平はもっと文四郎に近い感じがあったけど、ともみんの逸平は、本能的に文四郎を理解してはいてもそれを言葉に表せない感じがすごく可愛くて、絶妙な距離感のある遣り取りが、一つ一つがどれも大好きになりました。

彩風さんの与之介は、本当に情けなくて可愛くて、、、ちょっと違うんですけど、私が最初に彩風さんに注目した「凍てついた明日」のジョーンズを思い出しました。守られてばっかりで、それを情けないと思っているんだけどどうしようもない子供。そんな与之介と並ぶと、あの可愛いあんりちゃん(星乃)がすごく大人に見えて、箒を構えた姿勢がとても凛々しく決まっていて、、、素敵すぎました(*^ ^*)。

側室のきゃびぃ(早花)は、哀しかった。。。。中日のヒメ(舞咲)は、どちらかといえば「怖さ」が勝った印象だったと思うのですが、きゃびぃからはもっと、なんというか人間らしい感情がいろいろ見えたような。
台詞もない、動きだけの役ですが、ちょっと能でいう「直面」を思わせる無表情から、逆にいろんな感情が伝わってくるような気がしました。

石栗先生のにわにわ(奏乃)のとぼけた味わいと温かみは、飛鳥さんの重みや包容力とはまた違う役づくりで、とても興味深かったです。佐竹さんという存在がいなくなって、事実上道場を一人で切りまわしているわけですが(^ ^)、あのとぼけた調子で毎日を楽しく軽やかに過ごしていらっしゃるんだろうな、と、そんな想像をしてしまったほど、自然な「先生」感がありました。

山根清二郎の月城かなとくん。月城くんがどうこうというより、作品的に、中日で犬飼と山根に役が分れていたのが統合されて、文四郎との対立軸がわかりやすくなったなと思いました。剣士として武部に憧れているのもわかりやすかったし。
と言いつつ、設定とかなんとか全部ほっといて、月城くんが恰好良かった!!いやはや、二枚目ですね。って今更なんですけど、あれだけ大きな役で芝居しているのを観るのは初めて…少なくとも新公以外では初めてだと思うのですが、声の良さと押し出しに感動しました。あれで研5?95期、おそるべし(←いまさらだってば)




「ナルシス・ノワールII」
岡田さんの傑作ショーのリメイク。私は初演を観ていませんが、だいぶ違うのだそうですね。
中詰めは「ローズ・ガーデン」と同じだそうですが……「ローズ・ガーデン」観たはずなのに全然まったく記憶に無かった…(汗)。言われてみればたしかに、黒水仙というよりは薔薇という感じの場面だなあと思ったのですが。本当にそうだったとは。

その後の「光と影」は元々「ナルシス・ノワール」の場面なんですよね?ってことは、そこからフィナーレまでの構成は同じ?
全体的に、洗練された美しい場面の連続で、これぞ「ロマンティック・レビュー」の真髄というものなのかもしれないな、と思ったりしました。先年再演された「ル・ポアゾン」は(←これもだいぶ場面の入れ替えがあったようですが)、もう少しエネルギッシュというか、エロティックな場面があったりして体温があがる気がしましたが、「ナルシス・ノワールII」は、もう少し穏やかな、「気持ちいい」感じがありました。
一種の“充足感”、なのでしょうかね、あれは。

ちょっと全体の観にくい席だったので、詳しいことはもう一度観てから書きたいと思います。
あ、でも、娘役についてちょっとだけ。
ひーこ(笙乃)かわいいよひーこ!! ひなちゃんがお姉さんで美しすぎてすごくびっくりした(いまさら)。 うきちゃん(白峰)、今回はあんまり目立ってなかったような気が……彼女には、もっと布地の少ない衣装を着せたいです(真顔)。 




蝉しぐれの似合う季節、と壮ちゃんが初日のご挨拶で言っていましたが、、、休憩の間に劇場の外に出たら、本当に蝉の声が聴こえて、なんだかあらためて感動したのでした。

最後の仙台まで、誰も怪我などすることなくあの世界を生ききってくださいますように!
次の観劇を、楽しみにしています。


東京宝塚劇場にて、月組公演「ルパン/Fantastic Energy!」を観劇いたしました。


お芝居は、正塚さんの新作。まさおと正塚さんというと、「マジシャンの憂鬱」の新人公演が良かったのでわりと期待していたのですが……ううむ、どうしてこんな作品を創っちゃったかな。正塚さんは宛書きしてナンボなのに、まさおの魅力を引き出すのではなくて、なんとなく恰好良さそうな2枚目キャラを持ってきた印象。
同じルパンをモチーフにするにしても、齋藤さんがタニちゃん(大和)にあてた「アール」のラウールはとても魅力的だったし、ああいうキャラの方がまさおにも似合ったんじゃないかと思うのですが。

ちゃぴも可愛かったけど、ちゃぴの魅力が出ていたとは言い難いし、みっちゃん(北翔)に至っては、魅力どころか、キャラクタ―もない狂言回し。せっかくのスターなのに、勿体無いなあと思いました。
メインキャストで、役者に合わせて書かれていたのは、コマちゃん(沙央)くらいでしょうか。ああ、あと、マギー(星条)かな(^ ^)。


なんて、だいぶ辛口で書いていますが、この公演を最後に卒業する上級生(越乃、妃鳳)が、出番は多くないですがちゃんと使われていてホッとしました。特に組長、正塚作品での印象はそれほど強くなかったのですが、今回は良かったなあ、と。
こころは、いつもがあまりに扱いが悪すぎるので、このくらいで当たり前という気もしつつ、今回も素敵でした♪ いつものことですが、本当に佳い女っぷり(はぁと)
ゆずはちゃん(紗那)は、役はついてないけど、出てくると必ず目立つ位置にいた印象。可愛かったなあ~(*^ ^*)。



中村一徳さんの新作ショーは、、、楽しかった!!!
みんな出突っ張りで、引っ込んだと思うと着替えて出てくる神業の連続で、あいた口がふさがりませんでした(^ ^)。大変だろうなあ……千秋楽まで怪我などないようよろしくお願いいたします。
あまりにも忙しくて時間がないせいか、下級生だと髪型とかもずーっと同じままな子が多い中、美弥さんが場面ごとに髪型も化粧も変えて出てきていて、さすがだなあと感心しました。ああいうところは見習ってほしいかも。

ただ。場面ごとに観るとどれも面白くて楽しいのですが、ショー全体では、中詰めの盛り上がりに欠けて、全体の構成が散漫になった印象がありました。
どの場面も大人数で押せ押せなので、どれが中詰めだかよくわからないんですよね、たぶん(←私だけ?)
もう少しメリハリがあるといいんだけどな。トップさんが登場したーーーーっ、わーーーーっ!!というのが弱い感じ。


卒業する3人は、3人とも歌って踊れるダンサーなので、ショーでの活躍ぶりは気持ち良かったです。あえてつくった餞別の場面(まさおから3人に薔薇を渡す場面)も勿論良いのですが、私は個人的に、そっちより各人の得意技を普通の場面の中でもちゃんと使ってくれたほうが嬉しいので、幸せでした!


そして、ちゃぴが可愛い、ちゃぴが可愛い、ちゃぴが可愛いったら可愛い~~!!
(大事なことなので)



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翔馬寿音さま、
真月咲さま、
花愛瑞穂さま、

ご卒業k本当におめでとうございます!

幸運にも、星組公演「ロミオとジュリエット」千秋楽を観劇することができました。
客席の張りつめた空気、舞台を覆う熱いエネルギー。激しい愛と憎しみに満ちた舞台の中で、星組子も、観客も、みんなで4日間を駆け抜けたような、、、そんな気がしました。
充実期に入った星組を象徴するような作品になったのではないかと思います。

連日の酷暑でみなさまお疲れだったと思いますが、大きな事故もなく、なんとか最後まで乗りきってくれて、本当にホッとしました。
昨日観た時に、あと一日とはいえ、されど一日、どうなることか(T T)とすごく心配になったしーらん(壱城)も、声は本当に辛そうだったけど、とにかく最後まで演じ抜いてくれて、良かったぁあぁぁ(^ ^)となりました。
しっかし、こうして考えてみると、紅さんって喉丈夫なんですね。ティボルトとベンヴォーリオの役替りとか、厳しそう……。いや、マーキューシオが二人とも叫び過ぎなんですけど(^ ^;ゞ

大人たちも若者も、リアルに生きていたヴェローナ。
もうあの輪の中に入ることは出来ないんだな、とおもうと、猛然と寂しくなります。
みんな大好きでした。いえ、みんな大好きです。

走り抜けた後に残る、ぽっかりとした寂しさと満足感。
この作品に、このタイミングでふたたびめぐり会えた幸運に、感謝しています。



星組東京宝塚劇場公演「ロミオとジュリエット」も、明日で千秋楽。
15日にAパターンが再開してから、10日間。Bパターンもそうでしたけど、Aパターンも、わずか10日間でまるで別の作品に化けたような変化があって、観るたびに新鮮な驚きがありました。

柚稀さんのロミオ、ねねちゃんのジュリエット、そして専科のお二人と乳母役のさやかさんをはじめとする「大人」役のみなさまがつくった「ヴェローナ」という世界の中を、役替りの若者たちが突っ走っていて、、、それがすごく興味深かった。
良くも悪くも、今の「星組」というカンパニーのバランスの悪さと勢いの良さが前面に出た10日間だったな、と思います。Bパターンが終わってAパターンが再開した直後の、「作品」としてのトーンダウンと、そこからまた楽にむけて盛り上がっていく勢いが極端すぎて……すごく面白い(興味深い)けど、それなりのチケット代を取る大劇場の長期公演として、それでいいのか?とも思ってしまったんですよね。
その勢いが愛おしい、とも思うし、「タカラヅカ」は本来そういうところだとも思うのですが、でも。


……などと思ったりもしつつ、でも、しっかりと楽しませていただいているこの公演。
まずは、Aパターンの役替りメンバーについて。


■死(真風)
大劇場で観た時、「美しすぎる」と思った真風くんの「死」。
3年前より長くなった髪をきちんとさばいて、表現の一部としてきちんと魅せられていたのもすごいな、と。
一つ一つの振りの意味を確実に伝えながら、空気を動かし、支配する「死」。やっぱりこの人がオリジナルキャストで、本質的にこの人に宛てた役なんだな、と思いました。

今回の役替り、格でいうと紅さんと真風くんがベンヴォーリオとティボルトを分け合うのが自然なところを、あえて変則的な役替りになったのは、真風くんには「死」をやらせたい、という劇団側の判断があったんだろうな、と思っているのですが、その期待に十分以上に応えた出来だったと思います。
初演から大好きなので、もう一度逢えてとても嬉しいです(はぁと)。



■愛(鶴美)
礼くんの「愛」があまりに可愛らしくて肉感的なのに対して、どいちゃんの「愛」はすごく崇高なイメージ。大きく分類すれば、雪組の(大湖)せしるの「愛」に近い……かな?
大劇場では完全な無表情を通していたけど、これも麻央くんの「死」と同様、東京にきてだいぶ表情がやわらかくなって、温かみが増した気がします。大劇場の「無表情」は、役づくりではなかったのかな……。

愛らしさでは礼くんが圧倒的に分があるけど、仕草の一つ一つの洗練はさすが上級生の貫録だな、と思いました。いや、いくらどいちゃんがダンサーでも、スカートさばきにそんなに慣れている理由がないんだけど(苦笑)、たとえば2幕冒頭の教会(Aimer)の場面、「狂気の沙汰」がはじまる直前に「愛」が祭壇の前で片足を高く上げるポーズで、スカートが落ちないのが不思議で不思議で……(←そこ?)礼くんはいつもひざ下が丸見えだったのにー!



■ティボルト(紅)
ベニーは、単体で立つ役よりも、誰かとコンビになる役のほうが映えるタイプなのかもしれないな、と思いました。そういう意味で、ピンで立つしかないティボルト役は、不利だったのかな、と。
マーキューシオとのコンビ、あるいはロミオも加えたトリオで輝いていたベンヴォーリオのほうが、そういう意味ではベニーのキャラが生きていた気がしました。
ベニーのベンヴォーリオとしーらんのマーキューシオのコンビも観てみたかった、なあ。



■マーキューシオ(壱城)
「モンタギューのリーダー」はマーキューシオなんだなあ、と思ったAパターンでした(^ ^)。

しーらんのマーキューシオは、大劇場の時も思いましたが、クールな大人ですよね。女タラシでワルくて、「牡」の匂いをぷんぷんさせた、危険な魅力に溢れた男。
仲間たちと同じ位置で一緒にわいわい騒ぐのではなく、一段上から見下ろしながら、あるいは、「仲間の輪」の外側から、若者たちにちょっかいをだしている感じ。その距離感が、Aパターン再開直後はかなり遠くて、なんだかすごく関係が切れて見えたのですが、徐々にその距離も狭まって、「一歩」になってきたような気がします。
「一歩」=「手を伸ばせば届く距離」……なんだけど、そこであえて手を伸ばさないのがしーらんの役づくりなのかな、と。(Bパターンの天寿さんは、最初から最後まで輪の中にいた印象)

2幕の「街に噂が」は、先週観た時は悲しみよりも怒りが勝る役づくりで、大劇場で観た時の印象とそんなに大きく変わりませんでした。ただ、より「大人」になって、悲しみを背中で語っていたのが、さすが上級生!と感心はしたのですが。悲しいけど、それは表に出さずにロミオを叱る感じがすごく印象的でした。

しかし!!今日のしーらんは、こないだとはまるっきり別人で、身も世もなく悲しんでいるように見えました(@ @)
本気で泣きだす寸前というか。捨てられた子供みたいというか。1幕の彼は大人っぽいワルなので、そこでいきなり子供っぽくなるのは違和感もあるんだけど、逆にそのギャップが、彼の受けた衝撃の大きさを物語るのかもしれないな、と思ったりもしました。

あと、決闘でマーキューシオが切れるきっかけは、「お前はピエロだ」なんですね。そんなところは、クールでクレバーなペシミストであるところも含めて、美弥さんのマーキューシオにタイプとしては近いかなと思っていました。でも、なんか今日は全然違ってたんだよね………最終的にはどこにおちつくのか、楽しみです。喉がだいぶ辛そうでしたが、あと一日、なんとかがんばってほしいなと思います。

明日はいったいどうなるんでしょうね……。
元々振り幅の大きい役だと思ってはいたし、天寿さんも大概毎日別人格でしたが、ここまで設定が変わるとちょっとびっくりします。たぶん、ほどよく間をあけて観劇しているから、余計に差を感じるんでしょうけれども(^ ^;ゞ



■ベンヴォーリオ(礼)
礼くんのベンヴォーリオの、「ジュリエットは亡くなったよ」と告げる柔らかな低い声がとても好きです。
それがロミオにとってどれほどの衝撃か、よくわかっているつもりの、声。
でも、そこに篭められた慰めは受け容れて貰えない。実際には、そんな人間関係は幻想でしかなく、もっとずっと遠いところにいた二人。
嘆くロミオの名前を呼んでも応えてはもらえず、「独りにしてくれ」と言われて、その肩に触れることもできず、「ロミオはきっと大丈夫」と自分に言い聞かせてその場を立ち去る青年。

大劇場の時も思いましたが、彼の届かなさががとても切なくて、でも、マントヴァにロミオを置いて立ち去るという行動に、すごく納得感のあるベンヴォーリオでした。「伝えよう」と一大決心をして会いに来たのに、結局大事なことは何ひとつ伝えられなかったことを、気づいていながら目を逸らしている感じが。
「ロミオなら大丈夫」その盲信が、彼の犯した最大のミスだったのだ、と。



■パリス(天寿)
可愛かったです!嘘みたいに可愛い(*^ ^*)。
そして、「天使のはしご」のコリンズ牧師みたいでした!!可愛かった!!

あまりにも邪気のない、小鳥のように可愛らしくて軽やかなパリス伯爵。お金持ちのぼんぼんで、甘やかされて育って、誰かを疑ったり嫉妬したりしたことがないんだろうなあ、と納得できるキャラクターがしっかり見えました。さすが、オリジナルキャストは伊達じゃないなあ。
人には「悪い人じゃないし、お金持ちだし、愛してくれそうだし、良いんじゃないの?」と言われても、自分の夫としては想像できない……というジュリエットの気持ちもわかる気がしました。うん、納得できる。

……仮面舞踏会で顔をあわせた一瞬でそこまで見抜いたんだとしたら、ジュリエットって凄いなあ(^ ^)。




話は飛びますが。
礼くんって、「おとめ」の身長は170cmなんですね(@ @)。かなりすごい靴を履いているし、逆に礼音くんがちょっと屈んで小さくなってくれていることもあるのですが……Bパターンでは礼音くんとベニーが長身で、天寿さんが一人だけ小さかったけど、Aパターンだと、3人同じくらいのサイズ感に見えました。

でも。ロミオとベンヴォーリオ、ベンヴォーリオとマーキューシオ、マーキューシオとロミオ、それぞれの距離感は、Bパターンの方がずっと近くて、Aパターンはだいぶ遠い感じ。それは、カンパニーとしてのまとまりが云々ではなくて、マーキューシオとベンヴォーリオの役づくりの差なんだな、と思いました。

Bパターンは、まあ公演期間中の紆余曲折はありましたが(汗)、基本的にはロミオが中心で、その隣にベンヴォーリオがいて、さらにその隣にマーキューシオがいる、という感じでしたが、Aパターンは、「大人」なマーキューシオがリーダーで、「ウブ」なロミオと「生意気」なベンヴォーリオがその後をついて回る、というふうに見えるんですよね。

どちらも可能性としては有な設定だと思うし、物語はどちらでも成立するのですが、「街に噂が」の流れは違ってくるんだな、と。
友人の裏切りにあって、世界の崩壊と未来への不安に押しつぶされそうになるマーキューシオとベンヴォーリオ、というBパターン。
自分の庇護のもとにあったはずのロミオに裏切られて怒り狂うマーキューシオと、とまどいを隠せないベンヴォーリオ、というAパターン。
その両方が観れて、とても興味深く思いました。


あと一日。どうぞ全員悔いなく、ヴェローナで燃え尽きられますように。


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5月に宝塚を卒業した初姫さあやさんが、10月にコンサートをするそうです(はぁと)

http://www.hankyu-hotel.com/hotel/dhtokyo/event/YmmLDP94ln/index.html
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初姫さあやサロンコンサート
【出演】初姫さあや
【演奏】ピアノ 堺敦生
【料金】¥15,000
【日時】2013年10月25日(金),26日(土)
     ディナー 18:00~/ショー 19:00~
【場所】第一ホテル東京 2階 オールデイダイニング「アンシャンテ」
【発売日】2013年8月29日(木)12:00~
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去年、えりちゃんがやったところですね!あのコンサートも楽しかったなあ~~(*^ ^*)

東宝の本公演は花組、青年館では真風くんの「日の当たる方へ」、そしてシアターコクーンでは「滝の白糸」絶賛上演中、、、私の心が激戦区な時期の二日間ですが、でも、なんとか行きたいなあ。さあやの歌がたくさん聴ける時間……至福。

29日まで真剣に考えます。
……二回とも聴きたいけど~~~↓↓



話は違いますが、ともちん(悠未ひろ)の卒業に際して千秋楽にサヨナラショーが実施されることも発表されました。
涼さんの時は集合日に発表されたと思うのですが……なんで二日間遅れたんでしょうね。不思議。
でもまあ、実施してくれるなら何でもいいです!谷さんが構成することになるのか。。。素敵なサヨナラショーになりますように。

最後に一言だけ、ことだま。
この勢いで、ディナーショーもやってください~~~!!
【この日記を書いた翌日に開催が発表されました!ことだま万歳!!】


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星組「ロミオとジュリエット」Bパターンの公演が終わってAパターンが再開し、
花組「アンドレア・シェニエ/Mr. Swing」が初日を迎え、タカラヅカが100周年に向けてますます盛り上がっているいま。


宙組のともちん(悠未)をはじめとする4人が、年末の東宝で卒業されることが発表されました。


悠未ひろ、咲花莉帆、夢月せら、貴姿りょう。
莉帆ちゃん以下は、組ファンでないとわからないかもしれない下級生ですが、個人的には夢月くんは姿も綺麗だし、発声も良くてかなり期待していたので、とても残念です。貴姿さんも、やっと覚えたところだったのになあ……。

ともちんは、もう、「Cross Road」で和央さんの影をやっていたときから気になる人でした。
宙組誕生と同時に配属された「生え抜き」の最上級生。歴代最長身なうえに腰高でがっしりした、男役として“最高”に近いスタイル、ダイナミックなダンスと確かな歌唱力、ポチから色悪までこなす幅広い芝居力。どんな役でも「ともちんなら出来る」と思っていたし、ともちんの役を新人公演で担当する人は大変だなあ、と毎公演思っていました。

宙組にはともちんがいることが当たり前で、ともちんがいるところが宙組だと思っていたから、、、ともちんのいない宙組がいまは想像できなくて、かなり呆然としています。
寂しかったり切なかったりという感情が出てくるのは、公演が始まってからなんだろうなあ……。


「ル・プティ・ジャルダン」の再演希望が叶わなかったことが、とても残念です。せめてCSで放送してほしい!
あと、ともちんだったら最後にディナーショーがあるだろうと思っていたのですが、今日発表がなかったということは、ないのかしら(涙)。サヨナラショーもないみたいだし、そもそもショーのない一本立てだし……もっともっと歌ってほしいのにーーーー!!(泣)



星組「ロミオとジュリエット」、Bパターンの最終日を観劇してまいりました。


大劇場のBパターン初日を観た時も思いましたが、、、役替りっていうのは、予想外に広範囲で大きな影響があるものなんだな、と、あらためて思いました。
役替りメンバーと直接には関係ないはずのメンバーも含めて、舞台の上の全員に、ある意味「集大成」を見せようという気合があったような気がしたんですよね。お盆休みのど真ん中の平日昼間一回公演ですが、客席の雰囲気も凄かったし、、、やっぱり節目の公演なんだなあ、と思いました。(←私の周りだけ?)


「世界の王」や「綺麗は汚い」での、モンタギューチームメンバーがベンヴォーリオ(紅)やマーキューシオ(天寿)に向ける愛情、数えきれないほどの細々した構いようが愛おしくて、
「今日こそその日」や、決闘の最後での、キャピュレットチームメンバーがティボルト(真風)にぶつけてくる熱いエネルギーが眩しくて、、、公演の間中、ずっとアテられっぱなしでした。

「愛」(礼)と「死」(麻央)のお二人もすごく丁寧に踊っていたし、パリス(壱城)はいつも以上に隙のないイケメン二枚目だったし、、、主演コンビのキラキラ度合いも半端なくて、良い公演を観ることができてよかったです。


そうそう、「綺麗は汚い」で、乳母(美城)に「こんなカマキリみたいな男に惚れたのかしら?」と言われたベンヴォーリオさん。一拍おいてちゃんとカマキリっぽいポーズをしていて、さすがー!と思いました。髪型も、昨日はちょっと不思議な盛り髪にされていたのですが、今日はコンパクトにスタイリングされていて、とても似合ってました。

「綺麗は汚い」で、夏樹くんや汐月さんにぐりぐりされているマーキューシオも、めっちゃ可愛かったなあ~(*^ ^*)。


何はともあれ、関係者のみなさま、お疲れさまでした。
明日からAパターン!大劇場で一回しか観ていないAパターン、また集中して観てみたいと思います♪


星組東京宝塚劇場公演「ロミオとジュリエット」Bパターン 役替りメンバーについて。


■ベンヴォーリオ(紅)
礼音くんのロミオが大劇場版より幼くなった分、ベニーが引っ張らないといけない場面が増えて、少し立ち位置の難しい役になったような気がしました。
ベニーのベンヴォーリオは、ロミオの理屈を受け容れることでマーキューシオを喪い、仲間たちから孤立し、ついにはジュリエットの死を知って、もうどうしたらいいのかわからなくなってヴェローナを逃げ出す(=マントヴァへ向かう)……という、ある意味、かなりわかりやすいキャラクターで、大劇場の後半は、わりと自然に立っていたと思うのですが……。

ロミオにジュリエットの死を告げることがどういう意味をもつか(どういう可能性があるか)を全く考えずに、ただ、事実だけを告げに行く若さ。その罪に最後(霊廟)まで気がつかない愚かしさも含めて、本当に可愛い男だと思ったんですよね。
でも、東京に来て、ロミオに情報を告げることの意味に気づき始めている部分が、ちょっと消化しきれずに(←私が)残ってしまうような気がするのです。何が違う、というのはよくわからないのですが。

芝居は、回を重ねるごとにやり過ぎに陥りやすい人なのですが、今のところギリギリで踏みとどまっているかな、という印象。ただ、この土日の間にもだいぶ暴走しはじめているような気がするので、明日からのわずか3公演、何とかうまいところで立ち止まってくれることを祈っています。



■ティボルト(真風)
歌がさらに良くなった!!
いやー、すごい。このくらい歌ってくれれば、普通にミュージカルやってくれて良いです!「南太平洋」ですごく伸びたな、と思ったのですが、大劇場から東宝の間にもう一化けして、、、若いってすごいなあ。
「真実の俺じゃない」とか、歌が安定してきた分、芝居に集中できているのが良かったと思います♪♪

あと、大劇場と違うのは、ワイルドさが増したところでしょうか。
決闘の最初、いらんことを言ってくるマーキューシオに対して「うるさいっ!!」と怒鳴るところとか、「今日こそその日」の破れかぶれさとか。ワイルドな色っぽい男、という存在感が見えるようになってきたな、と思いました。



■パリス(壱城)
大劇場での、シャープで高慢ちきな、ちょっと嫌味なくらいの気取りや感を少し抑えて、どちらかといえば「普通の人」に近づけてきたような気がしました。。

それにしても!大劇場の時も思ったけど、本当にしーらんパリスはイケメンだし、生活力もありそうだし、、、乳母が「パリスさまに比べたら、ロミオなんざ雑巾です!」って言うのもわかるわー、という説得力があったような気がします。
乳母の裏切りにちゃんと理由(根拠)があることで、ジュリエットの頑なさが際立つ演出になっていたので、たぶん小池さんの意図どおりなのだと思うのですが……でも、正直にいえば、しーらんパリスにも、もう少し隙があって、「ジュリエットが嫌がるのもわからないでもないけど……」と思えたら、それはそれできっとわかりやすいんだろうなあ、と思いつつ。



■マーキューシオ(天寿)
大劇場の時も書きましたが、やっぱりマーキューシオの飼い主はロミオではなくてベンヴォーリオだと思います。それも、飼い犬じゃなくて飼い猫だよね、絶対。ベニーに首根っこを掴まれて、ひょいっと喧嘩の輪からどけられたりするのが、死ぬほど可愛いです。なんであんなに可愛いんですかあのドラ猫。
「決闘」でも「ヴェローナ」でも、ベニーに『待て』と手振りをされて、一瞬止まる天寿さんが本当に可愛い。犬じゃなくて猫(それもあまり躾られてない)だから、あんまり長くは待てない感じなのがまた可愛くて(←駄目みたい)。

……なんだかもう、今回の天寿さんのマーキューシオは、あまりにも好きすぎて全く冷静に語れません……すみません、長いので読み飛ばしてください。(←贔屓目なの知ってます、はい)

今回、Bパターンで一番好きな場面は、2幕の「街に噂が」です。
いままで、この曲についてちゃんと考えたことがなくて、漠然と“ロミオが仲間たちを説得しようとして失敗する場面”くらいに思っていたのですが……ロミオに向けて、皆で「お前は自分の未来を捨てるのか!?」みたいなことを歌う歌詞があるんですよね。ああ、そうか、“仲間たちがロミオを説得しようとするのに、ロミオが全然話を聞いてくれずに逃げてしまう” 場面ととらえることもできるんだな、と。
今までこの作品を何回観ているの?というか……視点が変わるとこうも見え方が変わるものか、というか(^ ^;ゞ。すみません、全然違う場面を観ているような気がしました。

それにしても。ロミオに裏切られた、という事実に対して、怒りよりも哀しみが先に来るマーキューシオが、とても新鮮でした。
裏切られたことが悲しくて悔しくて、そして、それ以上に友人の将来を心配しているのに、その想いがまったく伝わらない、受け取ってもらえないもどかしさ。
観ているだけで彼の辛さが伝わってきて、胸がきゅぅっと痛くなります。

天寿さんのお芝居は、毎回、わりと「痛々しい」印象が強い……のですが、マーキューシオは特に、彼が常時かぶっている「道化」の仮面が、完全に彼の「貌」になってしまっているところも切なくて(T T)、胸が痛む気がしました。
表は笑っているんだけど、その奥にあるのは、「本当の自分」をさらけだせない、怖がりで不器用な魂なんだな、と。自分の想いが伝わらない、伝えられないことに怯えている感じ。大公に対する態度とかも、「どうせ伝わりゃしない」という諦めを感じるんですよね。大公はマーキューシオを十分に可愛がっていると思うのですが。
なんというか、「ファントム」のエリックとキャリエールの前半のような距離感を感じました。銀橋場面に至る前に死んでしまうエリック。愛されているのに、それを受け取れない子供、というイマジネーション(マーキューシオはもう子供じゃないけど)。

そんな彼にも、「街に噂が」の中で、ロミオにナイフをつきつけた後、そのままフラフラとナイフを握ったままロミオの後をついていこうとしてベニーに止められる瞬間とか、ナイフをしまうときの、何かが切れたような表情とか……「道化」の仮面が外れてしまう場面が「決闘」の前にもいくつかあって、そのどれもが印象的でした。
敵と闘うためにナイフを握るティボルトと、自分を守るためにナイフを離さないマーキューシオの対比。そのナイフを人に向ける時は、自分が死ぬ時だ、と、そのくらいのことはわかっているクレバーさと、それでも抜かずにはいられない、「ティボルトぉ~~!!」という呪詛の呼びかけ。

なんかもう、いちいちツボすぎて、ツボが多すぎて何から書けばいいのかわかりません……。

そういえば。大劇場とは年齢設定がだいぶ違う(東宝の方が歳上っぽい)と感じたので、そっちを書いておきたいと思います。
大劇場では完全に、仲間たちに可愛がられている生意気な弟というイメージだったのに、、、ロミオやベンヴォーリオに対する態度が全然違ってて、対等にしてるなあ、と。
「マブの女王」を歌った後の「今夜は付き合えよ~!」も、大劇場はすっごい甘えたな口調(←すごく可愛くて大好きでした。なくなってしまって残念!)だったのに、東宝では「友人」に言う台詞になっていて、芝居って面白いなあ、と改めて思いました。
……猫は猫のままですけどね(^ ^)猫なので、犬の鳴き真似が下手糞なのもご愛嬌?



■愛(礼)
とにかく可愛い(メロメロ)。大劇場のときから完成度が高かった……というか、3年前の時点ですでに非常に良かったので、特に今回書くことがないくらい、全ての場面が大好きです。
一番好きなのは……実は、2幕冒頭の教会(「狂気の沙汰」の前)だったりします……(←聞いてない)



■死(麻央)
あらためて、麻央くんは黙っていれば本当に綺麗、と感心しました。
ただ、一つ気になったのは……大劇場ではほぼ完全な無表情で通していた「死」が、だいぶ表情豊かになってきたなと思いました。……ってことは、大劇場で無表情だったのは、役づくりでも演出でもなかったってことか!?



星組新人公演「ロミオとジュリエット」。


先日はメインキャストの印象をざっくり書きましたので、あらためて、作品(演出)について。

新人公演演出は田渕大輔。
去年「Victorian JAZZ」でデビューした新星ですが、それぞれの役者にキャラクターをきちんとはめて、一つの舞台としてしっかりまとめあげたな、と思いました。
作品として仮面舞踏会スタートになるのは、雪、月、星と全部同じなので、おそらく契約の関係なのでしょう。今回は、その前に少し神父(ひろ香)のナレーションで場面設定を説明する場面があって、そのあたりは一年前の月組新人公演での工夫を踏襲してきたのかな、という感じでした。



今回、本公演は大規模な役替り公演なわけですが、全体に、どちらかといえばAパターンがベースになっているような気がしました。
それぞれ役者の個性が違うのでだいぶ違うのですが、ベンヴォーリオが“ある確信(自信?)”をもってマントヴァへ向かうところとか、「街に噂が」のマーキューシオが、かなり本気で怒っていたこと、死が能動的で愛が受動的なところなど、私のツボが全部Aパターンよりだったんですよね。あと、「僕は怖い」リプライズのマーキューシオの踊りだしもAパターンだったし。

ただ、「死」(十碧)については、存在感として、Aパターンの「死」(真風)より、むしろ月組新人公演の「死」(鳳月)に近いものを感じました。
特殊メイクも復活していたし、存在の仕方がなんとなく似ていたような気がしたんですよね。ただ、ちなつちゃんは、振りと振りの間の動きがすごく独特で、動きのすべてが本公演とは全く違っていたのですが、十碧くんはそこまでではなく、動き自体は基本通り美しく踊っていたと思いますが……。


「ロミオとジュリエット」という作品も、宝塚だけでもう4演め。役替りや新人公演も含めると相当なヴァリエーションがありますが、こと「ロミオ」と「死」の組み合わせ、という観点でいうと、今まで上演されたものは、大きく4つのパターンに分類できると思うんですよね。

「生命力に溢れたロミオ」と「能動的に彼の運命を操ろうとする死」という組み合わせは、初演星組、雪組と月組の新人公演、再演星組Aパターンがそうですね。
とっつきやすくてわかりやすく、盛り上げやすい(盛り上がりやすい)バージョンだと思います。新規獲得用、という感じかな。

逆に、「最初から死に魅入られているロミオ」と、「彼が墜ちてくるのを待っている死」という組み合わせは、雪組版と、月組の明日海ロミオ版がそうだったと思います。
主人公が後ろ向きなため、舞台作品としては重くなりやすく「華やかな宝塚」というイメージとのバランスが難しいのですが、、、でも、成功すればポテンシャルは高いパターン。リピーター獲得用、とでもいう感じでしょうか。イメージですけど。

「死を拒否するロミオ」と彼が墜ちてくるのを待っている死」という組み合わせは、月組の龍ロミオ版がそうだったかな、と。……まあ、“死を拒否する”というより、“すぐ近くにいる死に気がつかない”という感じではありましたが(^ ^)
この組み合わせで物語を進めるには、最終的な「死」に向かう強力な牽引車が必要なのですが、月組版の場合は、これがジュリエット(愛希)だったと思います。ジュリエットが「家」を拒否して死に向かうから、ロミオも引き摺られてしまう。それだけの強さと愛のあるちゃぴジュリエット、大好きだったなあ……(しみじみ)

今回の星組新人公演は、「死を拒否するロミオ」と「能動的に彼の運命を操ろうとする死」という組み合わせ。特に礼ロミオの、真っ向勝負な「死ぬのが怖い!」という叫びが新鮮でした。
単なる「生命力に溢れすぎて死も手が出せない」という感じではなく、絶えず「死」が身近にいることを知っていて、小さなころからそれを拒否して生きてきた少年、という印象。
だからこそ、物語全体のフレームに、“ロミオと死の対決”というモチーフがうまく嵌っていたような気がします。もともと新人公演は、一幕の「世界の王~僕は怖い」の流れがカットされているので、どうしても「ロミオ」と「死」が近しい関係にあるところが表現しにくく、つい「対立」に持っていきたくなるのだろうな~、とも思うのですが……(←たまたま?)

いずれにしても、十碧くんの「死」は、氷のような冷たさと美しさがあって、とても良かったと思います(*^ ^*)。



東京宝塚劇場にて、星組新人公演「ロミオとジュリエット」を観劇いたしました!


礼くん、城妃さん、新人公演初主演おめでとうございます!


実力には定評のあるお二人ですが、予想以上に可愛くてお似合いの、お人形のようなコンビでした(^ ^)。
ちょっと固いかなと思ったところも、緊張しているんだなと思ったところもありましたが、若さにまかせた勢い勝負ではない、きちんと感情の裏付けのある良い芝居をしていて、二人とも若いのにすごいなあ、と思いました。
他のメンバーも、ダンサーたちは若く弾けて、大人たちは学年を感じさせない落ち着きがあって、実力者ぞろいで、実に興味深い新人公演でした(*^ ^*)。



ロミオの礼くんに関しては、舞台度胸も歌の実力も何もかも本公演その他で実証済みなだけに、もっとやれるんじゃないかという勝手な期待があったんだけどなー、という肩透かし感がありました。いや、どんだけ期待していたんだ?って話なのですけどね。でも、そういうのってきっとご本人にも伝わっていて、無駄なプレッシャーになっていたんだろうな、と思うと反省。。。。
とりあえず、「礼真琴」を知った3年前の夏から今まで、一度も観たことがなかった「緊張している礼真琴」に逢えたような気がして、ある意味親近感が湧いていたりします(^ ^)。

歌はさすがの一言……なのですが、とはいえ、ものすごくレベルの高いところで、もう一息深いところで歌ってくれたらもっと良かったのにな、とも思いました。いつもより少し、……上擦っているというほどではないけれども、いつもより若い声だなあと思ったんですよね。
元々が若くて、見た目も可愛らしいタイプだから、むしろ大人っぽくつくりたいところだろうに、声だけ普段より高めで、音質の軽い、明るい声で前半はずっと歌っていて……ちょっと不思議な気がしました。

後半になるにつれて、落ち着いてきたのか声が深くなって、追放前の「ひばり」はすごく色っぽい良い声で、惚れなおしました(*^ ^*)。全編この音色で歌ってくれていたらなあ……(^ ^)



ジュリエットの城妃さんは、本公演の群舞やフィナーレで観るたびに晴華みどりちゃん系の美貌だなあ、と思っていたのですが……ジュリエットの髪と衣装には若干苦戦気味だった、かな。観客側がねねちゃんのバランスで見慣れているから、どうしたって不利だし……。
でも、本当に声が可愛くて、歌も台詞も素晴らしいです(*^ ^*)。まだ若いのに、相手の目をしっかり視て、芝居のキャッチボールができている感じがありました。空気感の綺麗な娘役さんで、将来がとても楽しみです!



ベンヴォーリオの夏樹くん。まだ下級生だと思っていたのですが、もう新公の長なんですね(@ @)。落ち着きのある、一本筋のとおった真面目な若者像で、ベンヴォーリオ単体では、今まで観た中で一番好きかもしれません。
歌や芝居の落ち着き感と、見た目のキラキラした若さが、違和感あるような気もしましたが、逆にその違和感がベンヴォーリオの深さになっているのかな、とも思いました。ベンヴォーリオのリーダーシップがはっきり出ていて、きれいにピラミッドができているのもすごいな、と。

印象に残ったことはいろいろあったのですが、一番興味深かったのは、マントヴァにロミオを探しにきたときの会話でしょうか。本役の礼くんとも紅さんとも全然違う、優しい語り口がすごく印象的でした。「君に、逢いに……」と告げる彼の、これから自分がどんなにひどいことを告げようとしているかを知っている大人の、労わるような優しい声。「ジュリエットは亡くなったよ……毒を飲んで、みずから命を絶ったんだ……」沁み入るようにやさしく、想いやりにみちた……ある意味、上から目線の、声。

ロミオに拒否されて、本気で吃驚しているベンヴォーリオが、とても印象的でした。あの瞬間まで、彼は本気で「それを伝えるのはこの俺しかいない」と思っていたんですよね。本当に伝えたかったこと(「まだ俺がいる」こと)を伝える前に完全に拒否され、「ロミオ」と呼びかけるのが精一杯で、触れることもできないベンヴォーリオが悲しくて、切なくて、可哀相でした。
「どうやって伝えよう」が、歌としても芝居としてもすごく良かっただけに、マントヴァでの一連の芝居がしっくりと噛み合って、ああ、こういう話だったんだろうな、とすごく納得できました。

本公演でも、どこにいてもパッと目を惹く華やかな美人ですが、一度、ど真ん中の役でも観てみたいなあ、と思いました。



キャピュレット夫人の夢妃さん、乳母の妃海さん、神父のひろ香さん。配役が発表されたときから期待値が高かった方々ですが……その、高すぎるほど高い「希代のハードル」を、3人揃って軽々と乗り越えてくれたのが、作品全体のレベルアップになっていたと思います。

若くて可愛くて活き活きとした風ちゃんの乳母。本当にキュートで歌も巧くて……「南太平洋」のネリーでも思いましたが、良くも悪くも宝塚娘役の枠に納まらない人だなあ、と思いました。(遠野)あすかちゃんとはちょっとタイプが違うけど、でも、彼女の当たり役だった「シンデレラ」や「アーネスト・イン・ラヴ」のグウエンドレンみたいな、母性のあるヒロインをまた観てみたいです。

優しくて穏やかで、冬の陽溜まりのような、ひろ香さんのロレンス神父。本当にやさしそうで、怪しげな薬の研究をするようなケレン味のある人物にはあまり見えなくて、、、若い二人の勢いに巻き込まれてしまった気の毒な人、、、というふうに見えたのは……狙い、なんでしょうかね(^ ^;ゞ。

仇っぽくて艶やかな、杏瑠ちゃんのキャピュレット夫人。「憎しみ」が無かったのがとても残念!!でしたが、予想以上に良かったです。ずいぶん期待値をあげていたつもりだったのに、こんなに軽々と越えていかれると、もうどうしたらいいのかわからない(^ ^)。

モンタギュー夫人の珠華さんも、「罪びと」の歌いだしの低音部が完璧で、素晴らしかったです!!感動しました。こちらも「憎しみ」聴いてみたかったなあ。。。





宙組バウホール公演「the WILD Meets the WILD」、千秋楽おめでとうございます!


千秋楽の公演中に衝撃的なラインナップ発表がありましたが、それについては後日にとっておくとして(あ!でも一つだけ!各組バウ公演「New WAVE」、企画万歳!!)

週末にバウ公演を観劇した友人からのメールを、許可をいただいて転載させていただきます♪





以下、ネタばれ注意!








> バウのラスト、りくが死ななくなってすごく良くなりましたよ
> 後味の悪さがなくなって、スカッと楽しめる、それこそ小さなツッコミ所も気にせず気持ちよく楽しめる作品に変わりました

やっぱりそうですよね~~!後味って大事!


> 変更するにあたり、それまでのりくの心情や表情をこまごまと丁寧に表現する場をいくつか増やしてました。

具体的には……

> 台詞は多分変えてない。
> 袖にはける前にスポットあてて切なそうな寂しそうな表情を見せたり、階段ですれ違うところの「パパ」っていう呼びかけが弱気さや素直な感じになったり、場面の隅でパパに縋るような視線があったり。
> あくどいことしてる時とパパに向き合う時の差ができて、りくに繊細な芝居を付けたなぁと。

このあたり、一部はもしかしたら先週末のうちに変っていたかも、、、と思うのですが、根本的な設定と運命をセットで変えたのは、きっと休演日なんでしょうね。


> りくが悪党ではなく「父親の愛に躍らされた悲しい息子」に変わりました。

観てみたかった……。


> その変更ではっちさんの悪行に救い?が出るし、狂人でなく愛に行き過ぎた人に変わったし、
> なによりちーかいの優しさや作品全体のあったかさ愛しさみたいなもの?魅力の底力アップになって、
> たったひとりを殺さないだけでこんなに印象が変わるものかと驚きでした。
> 演劇って奥が深い

わあああ、観たいよー観たいよー観たいよー!!割とマジに、じゃなくて、本当に心から再演東上してほしい~~!!


> 何がすごいって、台詞を変えずに人物を変える細工もすごいし、
> そのフォローが死ななくなった事の説得力になって、違和感やいきなり感がなかった。
> さりげなくてドヤ感もなくてね。
> 変わってわかったけど、殺す悪党キャラとして人間味を抑えてたんだなぁとか。

ああ、なんだか、そんなふうに感じていただけたなら嬉しいです……
って、お前は何者だよっていう感想になってきましたが(滝汗)。

正直、最初にこの作品を観たときは、来年の花組大劇場公演大丈夫!?やっぱり(←)まだ早かったんjないか!? と思ったんですよね……
でも、こうなってみると、本公演はバウと違って公演期間が長いのだから、逆に、お客さまの反応を視ながら練り上げて東京に持っていくことができるのかもしれないなー、と思えてきました……ドキドキ。

だってほら、「ラスト・タイクーン」は原作ありだからね!!大丈夫だよね!!(誰に)(あの原作、結末がありませんけどね……)



あああ、新演出バージョンも、一度でいいから観てみたかったなあ。
DVDが発売されない作品だから、半年待たずにCSで流れますよね。それを楽しみに生きて行きますわ。


それでは、最後にもう一度。
再演(東上)希望!!




東京宝塚劇場にて、星組公演「ロミオとジュリエット」Bパターンを観劇してまいりました。


大劇場で観たものからまたさらに進化して、とても良くなっていました。
一人ひとりがすごい集中しているのがわかる。私は、この作品で一番好きなのは両家のダンサーたちの群舞なのですが、広いはずの舞台が狭く思えるくらい、みんなが必死で踊っていて、とても良かったと思います♪



■ロミオ(柚希)
大劇場のイメージ以上に、「少年(子供)」っぽさを前面に出して来たな、という印象でした。
良くも悪くも「モンタギューの一員」感は少なめで、その中でちょっと浮いた存在感が興味深かった。みそっかすな御曹司を、一族のみんなが大事に立てているような、その独特の空気感。……いや、もちろん柚希さんが「みそっかす」な訳ではないので、あくまでもイメージなのですが、良くも悪くも「同質な仲間」には見えないんですよね。でも、「大事な仲間」ではある、という感じ。

「West Side Story」のトニーは、「もうジェット団は卒業した」というのがポイントだったけど、ロミオは、「同じところに立ったことがない」感じ。まあ、身分制があるのが当たり前な時代なのでしょうから、そういうものなのかもしれません。御曹司なことは間違いないもんね。



■ジュリエット(夢咲)
麗しきファム・ファタル。
なんというか、年齢とは無関係なところで、「何も知らない」純粋な箱入り娘にちゃんと見えたところが凄いな、と思いました。
箱入りのピュアな生娘なのに、「琥珀色の雨に濡れて」のシャロン以上のファム・ファタルでありえたところが。

そして、雪組の美海ちゃん(舞羽)や月組のちゃぴ(愛希)と一番違うのは、もし神父の計画どおり二人で霊廟を脱出できたとしても、生活水準の違うところで生きていけるとは思えないところでしょうか……それも、たぶん、二人ともに。
だからこそ、ベンヴォーリオとマーキューシオはあんなにも必死になって止めるんだな、と納得したりしたのでした……。

銀橋で「約束の人に出会えますよう」と祈るジュリエットの、すごく子供っぽいんだけどすごく真剣な表情。幸せな結婚の夢をみていた美海ちゃんとも、崩壊した家庭で追い詰められていたちゃぴとも、どちらとも全然違う、ひどく生真面目そうな子供の真剣さがすごく好きでした。
あれこそが真骨頂なんだと思うし、ジュリエットはやっぱり、ねねちゃんがオリジナルなんだな、とも思いました。



■キャピュレット夫妻(一樹/音花)
今までに観てきた中で、一番お互いへの愛のあるキャピュレット夫妻だった……ような気がしました。月組版の家庭崩壊ぶりがあまりにも明らかだったので、その反動なのかもしれませんが(^ ^;ゞ

それでも、悲劇は起こる。長年連れ添った倦怠期の夫婦の、戯言に近い「夫を愛したことなどないわ」という言葉を真に受けて、「そんな風になりたくない!」と思いこむ、純粋な箱入り娘。
教訓。夫婦喧嘩は犬も喰わない。特に、娘の前ではやってはいけません!

それにしても。ジュリエットの思いこみの強さと頑固さは、確かにキャピュレット卿に似たのかもしれませんね。……娘のことをちゃんと理解しているのに、自分の考えを譲らない父親と、娘の頑固さを理解しようとしない母親。なんていうか、、、哀れだなあ。



■モンタギュー夫妻(美稀/花愛)
どちらも目立つソロ曲はないけど、すごく大事な存在である夫婦。今回、この役がお二人で良かったなあ、としみじみ思います。
初演の時から大好きだった、花愛さんのモンタギュー夫人。霊廟で、息子を見つけて駆け寄る時の必死さと、夫の慰めを受け容れずに拒否する誇り高さ、そして、罪の赦しのきっかけとなる想いの強さ。あらためて、やっぱりすごく好き!と思いました
みきちぐのモンタギュー卿も、ずいぶん喧嘩っぱやくなって、若いころはぶいぶい言わせていたんだろうな(←古い)、と改めて思ったし、なんていうのか……キャピュレット卿のちょっとお茶目というか可愛らしいところと、モンタギュー卿のちょっとお固くて体育会系なイメージと、、、「代々争ってきた」だけではなくて、この二人も本当に噛み合わなかったんだろうな……と思いました。

そして。
今日観ていて、「おお」と思ったことが一つ。
いまさらかもしれませんが、彼らにとってマーキューシオが死んだことはそれほど悲しくないんだな、と。

彼の死は、あくまでもロミオの罪につながったからこそショックなのであって……もちろん、血縁ではあるのでしょうから(大公の弟とモンタギュー卿の妹との間の子、とか、そんな感じでしょうか?)悲しくないわけではないにせよ、それよりも息子の身のうえが心配な両親。

ある意味当たり前なことだけど、なんとなくマーキューシオ目線で観ていたので「……あぁ」と思ってしまいました。
ティボルトの死については、キャピュレット夫人が深く嘆き悲しんでくれるけど、マーキューシオの死を悲しむのは、仲間たちだけなんだな、と……いや、違う。大公がかなり真顔で悲しそうでした(T T)ね。



■神父(英真)
ロレンス神父って難しい役ですよね。私もロミジュリはかなりいろんなバージョンを観ている方だと思うのですが、どの公演でも「ロレンス神父」に当たる存在はいて、そして、どれもこれも全然違っていたような気がします。
「神父」なんだからカソリックですよね。だから、一度結婚させたら離婚はできない。娘の結婚は親が決める時代に、娘の意思だけで勝手にした結婚だとはいえ、神の前に誓いをたててしまった以上、取り消しはできない。
だからこそ、ジュリエットを仮死状態にしてでもロミオに連れて行ってもらわなくてはならない。

……気持ちはすごく良く判るのですが!
でも。ロミオとジュリエットが家を出て二人で、乳母も誰もいなくて生きていけるかどうか、ちょっとは考えようよ……。



■乳母(美城)
さやかさんは星組の宝で、この作品の神です(*^ ^*)。

結婚式の直前、「さあ、準備を」と言ってジュリエットの背中を押そうとして……ためらう場面がすごく好きです。溢れる想いが、物理的な粘度と色をもって目に映る、そんな気がしました。

そして、「娘よ」の直前、ジュリエットが逃げ込んだドアの前で振り向いた瞬間に、凝っと娘を叩いた掌を見凝めるキャピュレット卿の背中を視て、何事かを決意してドアの中に入るさやかさんが、本当に好きです。
あの場面で乳母がジュリエットを裏切る理由、破滅への最後のボタンを押した理由が、ジュリエットとその父親への情だったことが、とても切ない。。。とにかく、これだけは言えます。さやかさんは神。



■大公(十輝)
恰好良い!
出番は少ないけど、貫録十分ですごくカッコいい上に、自分が守るべき「ヴェローナ」とその民たちに向ける愛情が深くて……愚かな民でごめんね、と、ついつい思ってしまいます。
マーキューシオとか、人の話は聞いてないし頭下げないし「けっ」って思ってるし……(←Bパターンに限る)、あんなに素敵な大公様が“伯父上”なのに、何の不満があるんだ!!

(たぶん、何もかも不満だらけなのだろうなと)(←真顔)



■ピーター(真月)
可愛い~~~~!!なんだか今回大好きすぎて、もうこれが最後だなんて信じたくないです……。

っていうか、初演ではさやかさんがピーターだったんだよね……時の流れって凄い!





役替りメンバーについてはまた別途書かせていただければと思います。




すごくどうでもいいことですが、ロレンス神父の項目を書いていて、一つ書きたかったことを思い出したので、メモっておきます。

宙バウ公演の夏美さんは、「神父」なんだから、妻も子もいないはず……だよね?

ロミジュリを観る前に、宙バウの続きを書くつもりだったのにー、生田さんが脚本変えたりするからすっかり予定が狂った……マジで5日に休み取って観に行きたい(涙)(チケットがないですよ)(←律速はそっちか…!)

来年の花組大劇場は、悔いのないよう考えたいと思います(^ ^)。



生田さんのおかげで 相変わらずバウに意識が飛んでいる猫でございます。
結末変更の内容、ご覧になった方のレポートを引き続き募集中です!



まあ、思い出してみれば、齋藤さんの「血と砂」も、初日あいて二日目に大工事があって、初日から観ていたメンバーは一人残らず“吃驚仰天”だったし、、、それ以降も毎回のように場面が戻ったり変わったりして、落ち着いたのは本当に終盤でしたが。。。

そんなところもかぶるなあ(^ ^;ゞ

「WMW」も、私が観ていた間にもちょっとした台詞(「りんごだわ!」とか)が増えたり、役者の出入りが変わっていたり、などと細々修正されてといたので……「彼」の運命の変更も、その延長線なのかな。でかい「延長」だけど。



ふわあ、観たいよぅーーーー。



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