さいたま市文化センターにて、月組全国ツアー公演「愛するには短すぎる/Heat On Beat」を観劇してまいりました。



お芝居、とっても良かったです!(はぁと) お芝居だけでもいいから、もう一回観たい!


「愛するには短すぎる」は、昨年2月の中日以来。
http://80646.diarynote.jp/?day=20110211

この日の日記にも書いていますが、私、この作品好きだったんですよねー。
初演も好きだったけど、再演で更に好きになって、そして今回、やっぱり好きだ!と思いました(^ ^)。
やっぱりこの作品は、最初にサヨナラ作品として企画されたとは思えないほど、「若さ」が大切な意味を持つ物語なんだな、と思いました。


(湖月)わたるさん ⇒(柚希)礼音くん ⇒ まさお(龍)。特に共通点があるとも思っていなかった3人ですが、フレッドという役で観比べてみて、案外な共通点があるなと思いました。
純朴で素直 という共通点が。
あと、わたるさんは大人で包容力があったけど、、礼音くんとまさおは若くて未熟(←技術的な意味ではなく)で、包容力がない、というのがウリなのも面白いな、と思いました。

となみちゃん(白羽)⇒(夢咲)ねねちゃん ⇒ ちゃぴ(愛希)は、、、えっと、ねねちゃんとちゃぴには、不器用な包容力と一途な頑固さという共通点があるのが、それぞれ相手役とのコンビを考えた時に面白い(破れ鍋に綴じ蓋的な意味で)な、と思いました。

キャストのイメージがそうだから、というだけではないと思うんでうが、作品全体から受けるイメージも、やっぱり初演だけちょっと違っていて、中日の再演版と今回の月組版はよく似ているような気がします。
初演(わたるさんのサヨナラ公演)では世界(=宝塚)の外にあった「未来」が、中日以降は「トップスターとしてこれから歩く道」に見えるあたりとか、そんなところが。



などと、そんな分析はおいといて(^ ^)。
もう今回は、とにかくまさおが可愛くて可愛くて、莫迦な子ほど可愛いを地でいってて、ホントにツボに入りまくりでした。いやもう、ホントに可愛かった!
ちゃぴも本当に真っ直ぐで純粋で可愛かったし、まさおのフレッドの直情っぷりとぴったり釣り合って、すごく相乗効果がありました。「ロミオとジュリエット」でも思いましたが、まさおとちゃぴは二人ともあまりにも純粋で、良くも悪くも(良い意味でも悪い意味でも)子供なので、ある意味すごく似合うし、ある意味すごく作品を選ぶと思うんですよね。今のところ、2作続けて作品選びに成功していると思うし、次はお祭りなのでおいといて……5月の梅芸や夏の大劇場にどんな作品がくるのか、月組ファン的にはかなりドキドキしております(^ ^;ゞ



アンソニーは、トウコさん(安蘭)⇒ テルくん(凰稀)⇒ みやるり(美弥)。これは本当に共通点がない3人だなあ。。。一番「傍観者」で優しかったのがテルくんで、一番「バーバラへの恋」がはっきり見えて切ないのはみやるり、、、かなあ。
初演は、私の方がサヨナラを意識しすぎていたせいか、トウコさんが「わたるさんをちゃんと見送る」ことに専念していらしたように見えました。アンソニーという役としてよりも、「サヨナラ公演の2番手」として、芝居よりショーの印象の方が強いんですよね。もちろん、アンソニーが良かったからこそ、作品そのものも良い印象が残ったわけですが。

優しいばかりでなんの力も持たない(←金以外は)フレッド。
子供なりの正義と包容力しか持っていないバーバラ。
ライターとしての独特な視点と好奇心、現実で役に立つ知識、そして豊かな感受性を持ち合わせたアンソニー。
3人のそれぞれの役の個性がどれも魅力的でした。それぞれが生きる世界観の違いのぶつかりあいという意味では、まだ初日があいてすぐ(二日目)だったので若干ぎこちない部分もあったような気がしますが、ここから千秋楽へ向けての進化がとても楽しみだな、と思いました。
残念ながら私はさいたま公演しか観られないので(涙)、ぜひ千秋楽近辺をご覧になった方は、私にも様子を教えてくださいませ(^ ^)。




他のメンバーでは、初演・再演とマヤさん(未沙)が演じていたオサリバンを引き継いだすずな(憧花)はじめ、良い仕事をしている人がたくさんいました。
特に下級生までほとんど全員台詞やちょっとした見せ場があって、正塚さんありがとう!と思いました。それ以外の場面でも、みんなでちゃんと場面をみながら小芝居していたのが月組らしくて、観ていてなんだか嬉しくなりました(^ ^)。
やっぱり月組っ子は可愛いなあ。
全国ツアー千秋楽で卒業を発表した95期の麗奈ゆうくんも、バレエダンサーのレッスン風景で伸びやかなダンスを見せてくれたり、ちょっとしたところで立ててくれていて、とても良かったと思います。



そして、今回の公演で一番印象に残ったのは、フランク役のゆりやん(紫門)でした!
初演は礼音くん、再演ではともみん(夢乃)とマッチョ系の役者が歴任し、どちらかといえばチンピラ、いや「悪役」に分類されてきた役ですが、今回のゆりやんのフランクはバーバラのダンサー仲間でフレッドの恋敵である、というところがきっちり見えて、すごく良かったと思います。
元々は明るくて優しい、リーダーシップのあるダンサーで、バーバラもつい頼りにしてしまう男気のあるタイプだったんだろうなあ、と素直に納得できる役づくりでした。なのに、恋に狂い、愛を返してもらえないと判ってキレてしまったという経緯が、場面としては無いのに説得力をもって伝わってくる芝居。こんなに切ない役だったのか、と思いました。

バーバラが取り調べを受けている時の「ざまぁみろ」的な狂気と、フレッドが出てきたときの羨望交じりの悔しさ、そして、アンソニーに小切手を差し出されたときの苦しげな貌。……なのに、大した金額を書けない(書かない)優しさ。
お芝居の終盤、最後の夜を過ごすバーバラ(クラウディア)とフレッドを囲んで他のメンバーが歌う場面の切なさに至るまで、一人の「フランク」として丸ごと理解できる構成になったのは、ゆりやんフランクの優しさと不安定さがあってこそ、なんだろうなと思いました。



ドリーのゆめちゃん(愛風)も、アニメ声が役に合っていてとても良かったし(←歌えるドリーに初めて巡り逢いました!)、オコーナーのるうちゃん(光月)もキャラが嵌ってて説得力があったし、キャサリンのちゅーちゃん(咲希)は美しくて色っぽくて歌も良かったし!!……なんだか、上級生から下級生まで、みんな本当に良かったなあ(*^ ^*)(←贔屓目?)




それにしても。
バウと合わせて考えても、月組はメインに歌える人が多くて凄いなあ♪♪男役も娘役も、全員が歌えるのってすごい……!!次がベルばらなのがとても残念です(; ;)(いやもちろん、ベルばらはベルばらで楽しみなんですが、せっかくこんなにタレントがいるのに、役が少ないんだもん……)



日テレの「嵐にしやがれ!」を視ました。


いやー、面白かった!
普段ほとんど民放をみないので、この番組自体初めて(ファンの方すみません)拝見しましたが、良い番組ですね(^ ^)。嵐のみなさんがとても純粋に真っ直ぐ相手をみてくれて、ゲストの良さを引き出してくれたような気がします。バラエティに慣れていないタカラジェンヌをよく盛り上げてくださったな、と。
本当に、どんな無茶ぶりにもしっかりついていける5人の身体能力と頭の回転の速さは本当にすごいな、と感心しました(^ ^)。


それにしても、宙組メンが登場する前に、「七人いたらオネエが一人いますよね」とか、「わたし、アニキじゃないけど~」とかいろいろ言ってたのがまずツボ入っちゃって大変でした(^ ^)。いや、あの7人の中から一人オネェを選ぶとしたら誰だろう?的な視点で。



すっごい真顔で「『かなめアニキ』と(呼んでください)」というテルくんとか、
「よろしくおねがぃしまっす!」と元気に挨拶するカイちゃんとか、
衣装と羽だけ登場した祐飛さん(@クライマックス)とか、
嵐と宙組メンが立って並ぶ画面をつくらないよう非常に配慮された画面構成とか、
見事にオチを担当されていたリーダー(大野さん)の可愛らしさとか、
宙組メン全員がガッと脚を拡げた瞬間に弾けた恰好良さとか、
「インドの達人」に誰より早く反応したカイちゃん(←さすがヲタク)とか、
さくっと飛ばされた「おもわずビビるもの」のお題(←うちのテレビの解像度では嵐の回答もわからない涙)とか、
ツボはとってもたくさんありましたが。

まー、なにもかも最後のミニショーで吹っ飛びましたね!!
久しぶりに「フレイアの星」を聞いて、すごく東宝に行きたくなりました。……早く来週にならないかなあ(*^ ^*)。
なんだかんだ言っても、普段からダンス鍛えてる人は違うなあ(*^ ^*)っつか、さすが振り覚えは早いんですね!30分かー、すごすぎ。




しかし、大(?)階段でポーズを決めるときに、無意識に二段飛ばしをやってるテルくんとか、
ミニショーのお稽古中のみなさんの真剣な目とか、
……本当にさすがだったなあ、と(*^ ^*)。




それにしても、いつの間に「食べ物に名前を書く」が宙組の伝統的なルールになったんだ?祐飛さんがきてからのルールだよね?


花組東京宝塚劇場公演「サン=テグジュペリ/CONGA!」、千秋楽おめでとうございます。

愛音羽麗さん、
輝良まさとさん、
銀華水さん、
愛羽ふぶきさん、
雪華さくらさん、
ご卒業おめでとうございます。



先週観に行ったときに、存分にお別れしてきたつもりでしたが、、、、あらためて千秋楽、と思うと寂しいです。
みんな、輝く笑顔で歩いていかれたんだろうな……。

お芝居はともかく(←いや、私は好きですが)、「CONGA!」は本当に素晴らしいショーだったので、また再演してほしいなあ……と思いつつ。
でも、再演されるときにはみわっちは(ハマくんもすいちゃんも愛羽さんも雪華さんも、そして壮ちゃんも!!)いないんだなあ、と思うと、すごく切なくなります。
来る者がいれば去る者がいる。そうやって98年続いてきた宝塚なんだから、あたりまえのことではあるのですが、それでも。

ただただ、みなさまの幸せを祈りつつ、
また客席でお会いできる日を楽しみにしつつ……



……誰よりも宝塚ファンだった、涼さんとみわっち。
100周年を目前に、翔びたっていかれたお二人を惜しみつつ。


春の雪

2012年10月13日 宝塚(月)
月組バウホール公演「春の雪」を観劇してまいりました。



原作の薫りを色濃く残した空気に酔いしれました(^_^)。

原作未読でもわかるようにはなっていたと思いますが、時間が許せば読んでおかれることをお勧めします。それも、できれば4部作全部(^_^)



などと、詳しいことは後にして、いまはとりあえず一言だけ。
生田さん大好きだーっ!!


……一般受けするのかどうか、特に、みりおくんのファンにとって幸せな作品なのかどうかは、私にはわかりませんがf^_^;






そういえば、昔「忘れ雪」という作品があったなあ……なんておもいつつ(忘れろ)



愛音羽麗さんのディナーショー「麗人」のCS放送が始まりました。

そういえば詳細についてはまだ書いていない……と反省しつつ(すみません!いつか書きたいです!)、ちょっと補足を。

私が観たのは、9月1日の回でした。
http://80646.diarynote.jp/?day=20120902

で、この日記にも書きましたが、真由ちゃん(鳳)は、みわっちに「(ディナーショー2日目が終わったけど)どうやった?感想は?」といきなりふられて、
「このディナーショーに参加させていただけると判ってからの数ヶ月は、本当に………時は金なり、という感じで」
……というようなことを言って、舞台の上も客席も瞬間冷凍させていたのですが。

あれは、「光陰矢のごとし」と言いたかったのだ、と、お茶会で言い訳してました……。

それ以外にも、いろいろ言い訳してましたけど(^ ^)。




いや、もうねえ、
真由ちゃんのお茶会は、本当に本当に本当に死にそうに面白いので、おすすめですよ★

あの面白さを、文字で説明できないのがもどかしいです。
「私たちパイロット」「無線を傍受」「うわばみの絵に熱い思いをぶつける場面」などなど、迷言は数知れず、
そもそも司会に「お芝居、どうですか?」と訊かれて、いきなり滔々とあらすじを説明しはじめて、しかも収拾つかずに自爆してみたり、
自分で描いた飛行機の絵について「しっぽがよくわからなくて」とかね!!

……天然素材100%の悪戯天使は、本当に、油断も隙もありゃしないんですよ。



あれを聞いていると、麗人での「時は金なり」くらい、大したことじゃなく思えてくるから怖いです。
あああ、バウのお茶会も行きたかったなあ(T T)。


2012年も、早いものであと3カ月。

これから始まる公演は、雪組と星組の大劇場公演、宙組の東宝、月組全国ツアーと花組のドラマシティ、バウ公演が月組「春の雪」と花組「Victorian JAZZ」、青年館が花組「おかしな二人」、、、そして、梅芸でのタカラヅカスペシャル2012『ザ・スターズ』。

ここしばらくでいろいろ発表されていましたが、反応しきれていなかったので、ここでまとめて書いておきたいと思います。



■雪組大劇場公演「仁」

いまさらですが(^ ^;ゞ、透水さらさちゃん、新人公演初ヒロインおめでとうございます!
一期下だけど主演経験豊富な彩風さんとは、長身同士で並びもよさそうだし、歌えるコンビですよね♪
周りを取り巻くのも、チギちゃんの龍馬が彩凪翔くん、みっちゃんの勝がまなはる(真那)、まっつの恭太郎が煌羽レオくん、と手堅いメンバーで、とても楽しみ(^ ^)。個人的には、芝居好きのまなはるが勝にどう取り組むか、どういうアプローチでくるのか、とても期待しています。


■星組大劇場公演

かずなさん(千寿)の卒業は、予想外すぎてまだ実感がありません……。
以前から綺麗な人だなあと思っていたけれども、「オーシャンズ11」リカルドあたりから芝居も目立つようになってきて。ちょうどいま、舞台が面白くなってきたところなんじゃないかな、と思っていたのに。。。
新人公演を卒業して、なにか一区切りついた気がしてしまったのかな……と思うととても寂しいのですが、最後の公演が珍しい3本立てで、最後にいろいろな姿を観ることができるのを幸せと思って見送りたいと思います。素敵な作品になりますように。


◇「めぐり会いはふたたび 2nd.」

1st.にでていた人は、基本的にそのままなんですね。
相方がいなくなったのは、プルギニョン(紅)、ラルゴ伯爵夫人(万里)、レオニード(音波)、コレット(早乙女)……恋人たちのほとんど全組が離れ離れ(涙)。コクマ(十碧)も独りになっちゃったし、、、でも登場することは登場するんですね。
3本立てで時間も短いだろうから、彼らの顔見世がちょっとあって、あとはドラントとシルヴィアの恋物語がメイン、というような感じになるのでしょうか?
……で、あらすじにある「騎士」は、まさこちゃん(十輝)のクラウスのことでいいのかな?


◇「めぐり会いはふたたび 2nd.」新人公演

集合日で新人公演の全役が発表されるのは珍しい(@ @)。

とりあえず、ポコちゃん(十碧)、ふうちゃん(妃風)、初主演おめでとうございます!
今回のが「主演」一回にカウントされるのかどうか、よくわかりませんが……ってうか、エスプリトークは誰がやるんでしょうね?新人公演を芝居とショーと両方やるっていうこと自体が初体験なので、いったいどうなるのかさっぱり……。

プルギニョン(紅)は漣レイラさん。これもすごい抜擢だな、と思います。本役さんとは持ち味が180度違うけど、いつも良い芝居をする人なので、面白い配役だなあと思いました。ベニーとは全く違うアプローチでくるんだろうなあ(^ ^)どうなるんでしょうね。
クラウス(十輝)は飛河蘭さん。94期ですが、いままであまり目立つ役がついたことはない、ような気がしますが、どうだったっけ……?どんな役なのかわからないからなんとも言えませんが、チャンスだと思うのでがんばってほしいです。

オルゴン伯爵(英真)は92期の輝咲玲央さん。ユリウス(天寿)は93期の夏樹れいさん。楽しみなコンビ(?)です。ユリウスはせっかくの天寿→夏樹ラインなので、歌があったら幸せだなあ(期待はしませんが)。
進境いちじるしい礼真琴くんは、旅芸人のフォーマルハウト(美稀)!これも見逃せません。このあたり、本公演も新人公演も耳福なメンバーが集まっているので、たのしみです♪

娘役陣では……
前作で若い恋人を得たラルゴ伯爵夫人(万里)は、妃白ゆあちゃん(はぁと)。わーいわーい、嬉しいな!また新しいエピソードがありますように(祈)。
レオニード(音波)は綺咲愛里ちゃん。コレット(早乙女)は、「ジャン・ルイ・ファージョン」のロザリー役で印象的だった城妃美伶ちゃん!綺咲さんもヴィクトワールが思ったより良かったし、このあたりも楽しみです♪


◇グランド・レビュー『Etoile de TAKARAZUKA』

新人公演があるから、とはいえ、こんなふうにショーの配役が公演前に発表されるのって珍しいから、驚いてしまいました(^ ^)。
……中詰めの銀橋渡り、めっちゃ期待!!です(^ ^)。


◇『Etoile de TAKARAZUKA』新人公演

「ショーの新人公演」とはいっても、芝居仕立てだった「ノバ・ボサ・ノバ」と違って、今回は普通のショーだから、場面によって本役が違うんですね(^ ^)。
礼音くんの役に入るのは、真風くん、麻央くん、礼くん、十碧くん……かな?結構多いなあ。
ねねちゃんの役に入るのは、わかばちゃん、綺咲さん、珠華ゆふさん、城妃美伶さん……ですよね?(だれか抜けてたら教えてください)
……うーん、どういう構成になるのか想像できないなあ。これはもう、観にいくしかないか(汗)。


◇花組「おかしな二人」

配役が発表されましたね♪
轟さんはオスカー変らず、マヤさんのフィリックスをみつる(華形)が。轟さんのフィリックスもちょっと観てみたかったけど、最後に全部もっていくみつるもとても楽しみです(はぁと)

マレー(悠真)、スピード(紫峰)、ヴィニー(大河)、ロイ(柚香)は、香盤順……という感じでしょうか。いや、どう考えてもこのメンバーならこの配役になるとは思いますが(汗)。
娘役も、姉さんのグウェンドリンがさあやでセシリーが仙名さん、というのも楽しみ。せっかくのさあやなので、星組とは違うキャラ設定で演じてみてほしいところです。


◇タカラヅカスペシャル2012『ザ・スターズ』

出演者が発表されました♪

花組ドラマシティ公演が例年より早いおかげで、久しぶりに4組のトップコンビが揃う今年。
壮ちゃんは、花組生としての最後の舞台になるんですね。

いろいろ思うところはありますが、、、でも、べーちゃん(桜咲)の出演は素直に嬉しいです。はい。べーちゃん、おめでとう!

今年の作品を思い返して、コントはどうなるのかなあ……なんて思いつつ(^ ^)。



TBSのドラマ「ハイスクール歌劇団★男組」。
OGがたくさん出演するというのでいそいそと録画してみましたが、面白かったです(^ ^)。


いちおう主役は大東駿介くん演じる米原弘樹なんだけど、森川隼人役の若葉竜也くんが儲け役でしたね。すごく良かった(^ ^)。
真剣な顔をして勉強したり、セットを造っている芝居も良かったし、最後の方で、ダンスの練習をしている場面の、幸せそうな笑顔が好きです。舞台も一度観てみたい。



そして、高橋由美子が素晴らしかった!(はぁと)。子供たちにダンスを教える緑川華。こういうドラマには必ず出てくる、どちらかといえばありきたりのキャラなんだけど、「ありきたり」に埋もれない、さりげない闇と毒がとても素敵でした。
「タカラヅカ」に対する最初の拒否反応と、子供たちが基礎を乗り越えて本気になった後のギャップ。彼女にとって「過去」がどんな日々だったのか、くどくどしく説明しなくても伝わってくるんですよね、画面ごしなのに。単なる「嫌な日々」だったわけじゃない、大切な時間でもあったのだ、と。いろいろな痛みがあったことは事実でも、充実していたことも真実で。だからこそ、子供たちが本気になれば、緑川も本気になる……その絆が「タカラヅカ」なんだな、と。
後半の真剣さと笑顔に、緑川にとっても「過去」の黒い感情を清算できたんな、と納得できたあたりもさすがでした。

それにしても、あの顧問の先生、何者なんだ?(^ ^)緑川先生のレッスン代だって馬鹿にならないだろうし、まして、宝塚の元トップスターにどんな伝手があったんだろう……?進学校の先生って、そういう伝手があるものなのかなあ??
「大人たち」の中では緑川がドラマを担当していた分、リカさん(紫吹)たちの出番がちょっと勿体無いというか、お気の毒な感じになっちゃってましたけどね(; ;)。



基礎が大事なのは歌もダンスも同じなのですが、ドラマの中ではダンスしかやっていなくて……世間のイメージでは、「宝塚」=「ラインダンス」なんでしょうか(^ ^)。まあ、パレードをやるのは難しい(羽が手に入らない)でしょうから、そうなるとやっぱりラインダンスかな?
ロミオとジュリエットのバルコニーシーンも、思いの外いい場面になっていたけど、歌はなあ(苦笑)とりあえず、「ロミオさんま~♪」は録りなおしてほしかった(T T)。

バルコニーシーンといえば、観客席の空気の変化の表現も良かったです~。
隼人の父親(徳井優)が素敵すぎてときめきました(^ ^)。



うん、面白かった。
ドラマとしての肉付けは隼人と緑川が担っていて、でも、ちゃんとクライマックスで怪我をするのは弘樹くんで、、、ドラマの定番ネタを次々に繰り出しつつ、きちんと最後もまとめたところがさすがでした。


それにしても。「元になった事実」があることがすごいなあ、と思いました。
舞台版も観たかったな~~。



そして。
ものすごく一瞬だったけど、真瀬くん姫花ちゃんが寄り添っているイメージカットは、フェルゼンとアントワネットだった……のでしょうか?昨日、真瀬くんが「めおさんに所縁の扮装」と言っていましたが。。。。
……うん、そういえば、真瀬くんはたしか「扮装」って言ってた。「役」とは言ってなかった……な(しょぼん)出番は一瞬なんだろうなとは思っていたけど、まさか、あそこまで一瞬だとは思わなかったよ(苦笑)。いや、面白いドラマだったから良かったけどさ。



第一ホテル東京ローズルームにて、真瀬はるかディナーコンサートに行ってまいりました。


とにかく可愛かったし楽しかったし可愛かった!!
幸せな2時間弱でした(*^ ^*)。



まず、始まる前から客席の豪華さに大盛り上がりでした(^ ^)。
公演を終えた花組っ子は、ほとんど全員来ていたんじゃないだろうか。92期以上はテーブル、93期以下は後ろの椅子、OGもたくさんいらしてたみたいで、すごかったなあ。
あ、でも、月組85期は見かけなかった……めおちゃん(真野)が出るから、もしかしたら、と思ったんだけど(T T)。いや、忙しいでしょうけれども。



食事が終わってバンドメンバーがスタンバイし、照明が落ちて。
で、袖からでてきた人のシルエットに、すごいどよめきが

ライトが入ると、真ん中に肩を出した(そして背中も大きく出した)水色のドレスに、顔まわりにやわらかく髪をおろしたヘアスタイル。
……予想外に可愛くて(いや本当に)、吃驚しました。



たっぷり歌ってトークして、同期の百千糸ちゃんを呼んで、またトーク。
サーモンピンクのドレスに身を包んだももちと、水色のドレスの真瀬くん。大きさがずいぶん違うけど、可愛い二人でした。ピーナッツ歌ってくれても良かったのにな(^ ^)(←だからサイズがだいぶ違うってば)


「では、音楽学校の文化祭以来の同期デュエットを」と言って、真瀬は袖へひっこんで。
そこでかかる前奏は、もちろん「HOME」(ファントム)。
百千の声は、クリスティーヌにしてはちょっと色が濃い気もしましたが、さすがの歌唱力で歌いあげてくれました(はぁと)。

エリックが歌う番になって袖から出てきた真瀬は、燕尾っぽいパンツスーツに従者ヘア(^ ^)で、男役に早替り。化粧も少し変えてたのかな?さっきまで「リハビリ中の可愛い女子」だったのに、ちゃんと男役に見えました(*^ ^*)……ちいさいけど(^ ^;ゞ。
これでもか、とばかりに嬉しそうに歌ってました。
……ああ、やっぱり私、マグノリアコンサートに行くべきだったよなあ……なんて、とても今更なことを思いつつ。




百千がはけて、「次の曲は、エキサイター!」と盛り上げたところで、客席からゲストのめおちゃんが登場!
夜会巻きに黒のAラインっぽいワンピース(?)で、とても素敵な、美しいお姉さんだったのですが、そりゃあもう、キザッキザで「エキサイター」を歌ってくれました。
脚をガッと拡げて指さしウィンク。すげーカッコイイ!!夜会巻きのイケメンって存在できるんだなあ(感慨)


客席はもちろん大盛り上がりで、花組のみなさんは手拍子しながら無意識に指さしウィンクをしていた人がたくさんいらっしゃって、後ろから観ていてめっちゃ面白かったです(^ ^)。



そのあとは、真瀬くんの「真野さん大好きです★告白大会」(←告白してるのは真瀬くんだけですが何か)がかーなーりー長い時間にわたって繰り広げられ……彼女のブログ(っていうか定期ニュース)で「真瀬のマシンガントーク」と書いてあったのは、もしかしてこれのこと?と思いました(^ ^;ゞ
あ、でも、その前の「同期最高★」も「花組最高★★」も長かったな……9時過ぎるわけだわ(^ ^;ゞ


このあとも楽しいトーク&ソングが繰り広げられたのですが。
詳しいことはまた後日(^ ^)。



いやもう。
現役時代から、本当に人を幸せにしてくれる人でしたけれども。
卒業して、「ただの真瀬はるか」になって、さらにパワーアップして再登場!という感じがしました。

彼女の持つパワーと、そのパワーを人に伝える能力。
そして、彼女自身が幸せでいる、というパワー。

私が真瀬はるかのファンになったのは、そんなところだったんだろうな、と思ったら、なんか涙が止まらなかった(@ @)。


2ndコンサート、心の底から希望しています!!



STスポット横浜にて、「中也論 ~よごれたかなしみ~」を観劇いたしました。


脚本・演出はオノマリコ。
出演している俳優は5人。中原中也役の小栗剛、中原孝子役の大川翔子、中原家の書生・高森敦夫役と過去の中原を演じた戸谷絵里、青山二郎・富永太郎・小林秀雄の3役を演じ分けた芝博文、そして、長谷川泰子(小林佐規子)の百花亜希。



中也といえば、長谷川泰子をめぐる小林秀雄との三角関係かと思えば、むしろ、長男文也を喪って神経衰弱を患い、鎌倉に引っ越してからの短い時間をメインにしていたのが新鮮でした。

妻・孝子と二男・愛雅(よしまさ)と静かに暮らす鎌倉の中原家を訪ねてくる友人・青山二郎。
そして、中也の脳裏を去来する友人たち……富永太郎、小林秀雄、そして、かつての恋人・長谷川泰子。
自分は「芸術の器」だと語る中也に、青山二郎は言う。「詩人をやめろ」と。詩人をやめて、器ではなく、人間として生きろ、と。


富永太郎と青山二郎と小林秀雄。芝さんが微妙に着替えながら(^ ^)演じていた3役は、いずれも暴風雨のような中也に散々振り回された、中也の「年上の友人」。彼らにとっての中原中也は、本当に「困った奴」だったんだろうな、と思う。
そんな暴風雨を、それでも優しく見守る高等遊民の青山、耐えきれずに逃げ出す心優しい富永と、傲慢な小林。それぞれのキャラクターごとの微妙な中也に対する感情(評価)の違いを、ちゃんと適切に表現していた芝さんの巧さに、うなりました。すごいなあ。っていうか、青山の無関心な優しさと、富永の真摯な優しさの色の違いがちゃんと伝わるのってすごい。

そして、小栗さんの中也が、それぞれの人に魅せる貌の違いがとても怖くて、良かったです。
年上の友人たちに見せる、甘え切った子供の貌。妻に見せる貌、泰子に見せる貌、、、そして、書生の敦夫に見せる、冷たい「芸術家」の貌。中也にとって、家族以外の人間の評価軸には「芸術家」OR「芸術家でない」の2択しかなくて。後者に認定された敦夫が、それでも中也の傍に、中也の魂を知りたいと渇望するだけのカリスマが、たしかに見えたから。
文也を喪って擦り切れてしまったのは中也という「器」であって、芸術家の魂は、その磨り減って薄くなった器の壁越しに更に光っているのだ、と。薄くなってしまった中也の肉体では、もう、その魂を留めてはおけないのだ、と。


今まで私が勝手にイメージしていた孝子にぴったりな、実務能力の高い、リアルな生活臭のする、大川さんの孝子。中也との生活に擦り切れてはいても、まだ彼を包んであげられるしなやかな包容力。庭のエピソードとときおり爆発する怒りのボルテージ。たぶん、孝子は、中也にとって「家族」であると同時に「生活の芸術家」だったんだろうな、と思う。そういう評価があったからこそ、彼は彼女との絆を結び得たのだ、と。彼女がとても強かったから、中也がとても弱かったから。

百花さんの泰子は、とても魅力的で、次々と男を愛し、男に愛された「モガ」にぴったりでした。
可愛くて魅力的で、たおやかで優しくて芯がなくて、弱い……ある意味、「ジャン・ルイ・ファージョン」の王妃マリー・アントワネットのような、次々に男に愛されるけれども幸せにはならない女。
ラスト、中也の葬式で号泣する泰子(佐規子、咲子、、、名前は他にもたくさんあったけれども)。
結構ながい時間をずっと泣き続けていなくてはならない大変な役でしたが、不自然でなく、とても綺麗に泣いていて、そんなところが女優なんだな、と思ったりしました。



この物語のラストは、1937(昭和12)年。回想シーンで一番古いのは、中学を落第して京都に出てきた(出された)1923年、中也は16歳。
2012年9月の猫的には、「琥珀色の雨に濡れて」より少し後で、「サン=テグジュペリ」より少し前……という時系列で認識しているんですが、あっているのかな?
ちなみに、サン=テックスは1900年生まれで、小林秀雄より2歳上です。フィッツジェラルドが1896年だから、このあたりまで同世代とくくってもいいのかな……?1907年生まれの中也は、やっぱりちょっと年下な感じ。若くして亡くなったから、活動時期は短いですが。





最後に、この公演とは何の関係もない与太話を。

私には、祐飛さんのファンになったばかりの頃からずっと夢見ていた役がいくつかありまして、そのうちの一つがこの中原中也でした。
ケロさんの小林秀雄と祐飛さんの中也でW主演、という夢を、ケロさんが組替えするまでずっと抱いていたんだよなぁ(T T)。組替後は、しょうがないから中也の単独主演か……いや、宝塚的に無理だな中也単独は……と思っていたら、「The Last Party」と「銀ちゃんの恋」が回ってきてびっくりした思い出。

ああ、でも、やっぱり観てみたかったなー、中原中也。まともな宝塚ファンには、「銀ちゃん」以上に嫌がられるだろうけど(^ ^;;;;

外部では、藤原竜也がそろそろやらないと出来なくなっちゃうから早くやって!と思っています(いずれやる前提)(←誰が脚本演出するんだよおい)……要するに、私にとって「中也を演じられる俳優」の絶対条件は、丸顔で童顔、ってことなのか?(←「小柄」って条件は無視ですか)



星組青年館公演「ジャン・ルイ・ファージョン~王妃の調香師~」を観劇してまいりました。



作・演出は植田景子さん。「近松・恋の道行き」に続く今年2回目のバウ作品ということで、かなり期待してチケットを取りました。

舞台は18世紀末のフランス。宝塚でも「ベルサイユのばら」「スカーレット・ピンパーネル」などいくつもの名作を出している時代ですが、この激動の時代を、あえてブルジョアの視点で描いたという点は、新鮮に感じられました。
実際、王室御用達の香水商としての日常と、革命後の牢獄の様子を交互に見せる1幕の展開は、とても良かったと思います。ただ、2幕の後半からラストに向けての展開は、ちょっと安易というか、唐突な感じで……うーん、イマイチだなあと思ってしまいましたが(T T)。



タイトルロールのジャン・ルイ・ファージョン(紅)は、王室御用達の香水商。
田舎で香水を売っていた両親のもとで暮らしていた彼は、マリー・アントワネットが14歳でフランスに輿入れしてきたとき、「大きくなったらあのお姫さまに香水をつくって差し上げるんだ!」という夢(野望?)を抱く。長じてその夢に向かって努力し、勉強した彼は、王室御用達の香水商としてヴェルサイユに店を構えるまでになり、ついにプティ・トリアノンで幸せな日々を過ごす王妃に面会が叶う。。。

香水はただの化学薬品ではなく芸術品であるというのは、いつの時代も同じこと。
ただ、それが「芸術品」である以上、創るにはインスピレーションの源たるミューズが必要である、というのは面白い着眼点だなと思いました。

王妃の肖像画家であるルブラン夫人(音花)が、「私たちは絵筆で“美”を映し、香水づくりは香りで世界のさまざまな美しいものを表現しようとする」みたいなことを言っていましたが、、、こういうお題目って景子さんのライフワークなんですよね(- -;ゞ。
ただ、さすがの景子さんも、ここ数作はだいぶ芸術論的なお題目(“芸術は人の生活を豊かにする”的な説明台詞)を減らしてきたと思っていたのですが、今回は「香り」という言葉で説明しにくいものであるせいか、ちょっと理屈っぽい台詞が多かったような気がします(T T)。
「近松…」なんて、主人公が芸術とあまり関係ない人だったのもあって、そのあたりの加減がちょうどよかったのですが。。。ううむ、良くも悪くもライフワークだから仕方ないのかなあ……景子さんの芸術論と、正塚さんの自分探しと。



正塚さんといえば……というわけではありませんが(^ ^;、同じ星組が全国ツアー公演で上演中の「琥珀色の雨に濡れて」との関係もちょっとツボでした。
時代は1世紀以上違いますが、同じフランスを舞台にした二つの物語の、二人のヒロイン。
男に頼らない「自立した女」でありたいシャロンと、「愛される人形」でありたかった王妃。
たった独りで、誇り高く生きようとしたシャロンと、ルイ16世(大輝)という夫とフェルゼン(真風)という恋人、そしてジャン・ルイという“おともだち”を得て、それでも「しあわせ」ではいられなかった王妃。

クロードもジャン・ルイも、最初はただの「ミューズ」として相手を視ていたのも面白いな、と思いました。
それぞれの時代を自分なりに生き抜こうとする美女に対する、憧憬。それが「恋」になるかならないか。それは、もしかしたらごく小さな違いなのかもしれません。

ただ、「琥珀」と「ジャン・ルイ」は、男女の身分の関係が逆なんですよね。「琥珀」は男が貴族で女が職業婦人、「ジャン・ルイ」は男がブルジョワで女が王族。シャロンが最終的にクロードの許を離れる理由と、ジャン・ルイが王妃に対する気持ちをあくまでも「ミューズ」に留める理由は、似ているのかもしれません。

そして。ジャン・ルイが「王室御用達」に辿りつくだけの天与の才能と運とを持っていなかったならば、むしろ、同じ柴田作品でも「あかねさす紫の花」の天比古と額田女王のエピソードと同じラストになったのかもしれない、、、なんてことも思いました。
ミューズであると同時に顧客でもあったジャン・ルイと、「ミューズ」でしかなかった天比子のケースと、若干の違いはありますが、芸術家にとっての「ミューズ」とは何なのか?という論点では同軸で語れるのかな、と(^ ^)。



作品を貫くもう一つの大きなテーマは、「自由・平等・友愛」の意味、、、でしょうか。
貴族や、同じ平民である筈のブルジョワを、「自由」にさせ、「平等」に扱い、「友愛」を捧げるつもりなど全くない、近視眼的で狂信的な民衆。革命の初期にはよくあることです。「革命」の暴力に煽られて、「思いやり」を見失っている。
生まれながらの貴族ではないのに、平民ながら自分の才覚で商売を成功させ、貴族や王家とさえ繋がりをもったブルジョワたち。近代アメリカであれば「アメリカンドリーム」と讃えられたかもしれないけれども、18世紀のフランスでは、貴族たちからは「成り上がり」と蔑まれ、革命で実験を握った「貧しい民衆」たちには「貴族の犬」と唾棄され、大した証拠もなく死刑になってしまう。

ヴァレンヌ逃亡事件への関与を疑われたジャン・ルイは、裁判の席で、ブリュノー(汐月)による激しい尋問を受けます。何の証拠もなく、
ブリュノーの狂気じみた「金持ち」への憎しみに触れて、穏やかだけれども小心者の弁護士クーニエ(美城)の正義心が、少しずつ少しずつ目覚めていくところはとても好きです。革命の熱に煽られた人々も、そうやって早く自分の心を取り戻せばいい。
革命は間違いじゃないけれども、反対派を粛清し、全滅させようとする行為は、大概が間違っているのだから。


……ただ。作品として、2幕後半の裁判の展開は、さすがに唐突というか無理やり感があって、納得はできなかったなあ……。ちょっと、劇団四季の「李香蘭」の終盤の展開を思い出しました。無理やりというか、ご都合主義というか。その事件が起きたのは史実なんですけど、その大コーラスは違うだろう、と。
それまで丁寧に積み上げてきた世界観を、自分たちで突き崩したとしか思えませんでした……。ううむ。じゃあどうしたら良かったのか、というあたりはノンアイディアなんですけどね(- -;ゞ



ジャン・ルイが、最後に王妃への憧憬を昇華させ、妻ヴィクトワール(綺咲)の許に戻る展開は、「恋」の結末としてはシンプルすぎて余韻がないのですが、、、結局、王妃への想いは最後まで「憧れ」であり、「芸術家にとってのミューズ」でしかなかったんだろうな、と思うと、逆に切ない気がしてしまいます。フェルゼンに絶対の信頼を捧げた王妃と、そんな王妃に絶対の友情を与えたジャン・ルイ。きっと王妃にとっては、どちらも本当の意味で“たいせつなひと”だったんだろうな、と、、、
「わたくしのたいせつなおともだち」と繰り返していたわかばちゃんの、ラストの回想での人形めいた笑顔をみながら、そんなことを思いました。


わかばちゃん、バウヒロインは2作続けて不倫する王妃なのね……なんてことも思いつつ。



花組新人公演「サン=テグジュペリ」を観劇してまいりました!
仕事が全然終わらなくてまたもや開演に真に合わず、観劇すると予告していた真瀬くんにも逢えず(涙)、、、でしたが、公演自体は予想していたより良かったような気がします。



新人公演を観てあらためて気づかされたのは、蘭トムさんと蘭ちゃんという今の花組トップコンビのもつ、非現実的な空気感、でした。
蘭トムさんの嘘のなさ、現実味のない「正義のヒーロー」っぽさが、この作品の「童話世界」とマッチして、作品に説得力を与えていたんだな、と、そんな気がしました。

キキちゃん(芹香)と春妃うららさんのコンビは、とてもリアルで2面性のある、、、なんというか、本役とは違った意味で“大人な”コンビだったような気がします。
春妃さんなんて、まだ研2なのにとても落ち着いた大人っぽい声と台詞回しで、ずいぶんしっかりした子だな、と思いました。黒塗りのお化粧はまだまだ改善の余地があるし、首から下が顔と全然色が違っていたり、ちょっとした仕草が現代っ子だったり、課題はたくさんありましたけれども、ヒロインに大抜擢されたこと自体はとても納得できる輝きがあったと思います。
これからの成長を見守っていきたいなと思いました。


キキちゃんは、初主演の「愛と青春の旅だち」の頃から、若いのに嘘のつける役者で凄いなあと感心しているのですが(^ ^)、こういう個性の役者ならば、寓話と重ねあわせてファンタジーに寄せた今作よりも、偽善者で目立ちたがりで女たらしな、リアルな「サンテックス」を演じさせてみたかったような気がしました。彼の恋も人生も、とてもドラマティックなものだったことは間違いないので。
……まあ、そんなことはどうでもいいですね(^ ^;ゞ
衣装もよく似合っていたし、台詞回しもよくがんばっていたと思います♪ ミアミーゴの、本舞台から銀橋や花道の仲間たちをみる泣き貌とか、ぐっと胸が締め付けられました。NYでコンスエロに別れを告げる場面での、春妃さんをギュッと抱きしめて「とても弱い薔薇なんだよ、、、」という場面が、とても好きでした! ……ダンスのことは言うまい。



最後のご挨拶は、初めての長だった毬花ゆめちゃんも、花組では初主演となったキキちゃんも、どちらもとても感じのよい、しっかりしたご挨拶でした。
花組新人公演のご挨拶だとは思えませんでした(小声)(←でも結構真顔)



東京宝塚劇場にて、花組公演「サン=テグジュペリ ~星の王子さまになった飛行士~ /CONGA!!」を観劇いたしました。


私は、この作品が発表された時にも書いたような気がしますが、音楽座(現・Rカンパニー)のミュージカル「星の王子さま」がとても好きです。原作はその前に読んでいたはずなのですが、さっぱり興味がなかったようですっかり忘れていたのに、きつねの場面や、ラストの星空に号泣して、、、あれ以来、たしかに「星空」の意味が変わった気がします。

ミュージカルきっかけで原作のファンになり、それが嵩じて箱根の「星の王子さまミュージアム」にも行ってしまった、そんなヲタクな私ですが(^ ^)、そんな私には、かなりツボにくる公演でした!
……っていうか、単純に「星の王子さま」を朗読されただけで泣ける自信があるわけですけどね(汗)。

ただ。
「銀河英雄伝説」は、原作ファンにも原作を知らないヅカファンにも配慮した(そして配慮しすぎて若干自滅気味な)作品でしたが、「サン=テグジュペリ」は、原作でも何でもない「星の王子さま」を知らないとさっぱりついていけない作品になっていた……ような気がします。だって、内藤濯による岩波版「星の王子さま」の訳文が、作品全体の1/3くらいを占めているんですから。
それも、藤井大介作・演出の「イーハトーヴ・夢」のように、「作者(宮沢賢治/サンテックス)の現実」と「作品(銀河鉄道の夜/星の王子さま)の世界」が交錯するだけではなく、現実のサンテックスとコンスエロの会話の中でえんえんと引用されていたり、他にもいろいろなところで使われていたんですよね。
あそこまでいくと、「参考文献」じゃなくて「引用」だよなあ、と思いました。。。原作でもないのに。

というわけで。
この作品を楽しむためには、「星の王子さま」を読んでおいた方がいいと思います。短い童話だから、本屋さんで立ち読みしても大した時間はかからないし(^ ^)。ただ、あの物語は読む人を選ぶので(←単に私が理解できなかっただけかもしれませんが)、本当は、音楽座ミュージカル「星の王子さま」のDVDか何かを手にいれていただいて、事前に観ていだたくという手もあるかも(←どこの回し者?)



今回、演出的にすごく面白いな、と思ったのは、サンテックスとコンスエロに殆ど会話をさせなかったこと。
この物語のテーマでもある「大切なものは目には見えない」という名言は、「本当に大切なことは言葉では伝わらない」ということでもあるんですよね。
「うわばみの絵」というイマジネーションを共有した二人が恋に落ちる過程をダンスで著したのは、素晴らしい着眼だったと思います。どんな百万言を費やすよりも、ダンサーである二人の肉体の方が表現として適当だし、現実のサンテックスとコンスエロも、どちらかといえば本能的に恋に落ち、本能に敗れた自分を悔やんだコンスエロの抵抗が二人の関係を複雑にしたのですから。
音楽が進むにつれて、官能的に距離を狭める唇、絡みつく手足、蕩けていく男と女。ダンサーコンビの面目躍如たる、まさに名場面、でした。

その後も、サンテックスは飛行士仲間たちとの場面が多く、コンスエロはもっぱら女たちと一緒で、すれ違った二人はなかなか出会わない。そして最後に、軍隊に戻るサンテックスは、愛する妻に「星の王子さま」を捧げる。象を呑みこんだうわばみの絵から始まる物語を。
この場面の二人の会話さえ、半分以上(?)は「星の王子さま」の引用です。4本の小さな棘しか持っていない、我侭な薔薇の物語。薔薇のために星へ帰る王子さまは、無事戦争が終われば自分の薔薇の許に帰ってくるつもりだったのでしょう。この時は本気で、天と地の間に産まれた男が、故郷の空を、女のために捨てようと。この時は。

「会話」と「引用」で声色を変える二人が微笑ましくて、引用しながら妻を抱きしめるサンテックスが優しくて、その腕の中に収まった「小さな火山」の愛が燃え盛るのが見えるようで。出会いのタンゴと別れの抱擁、この2場面だけで十分に「恋」を……長い時間を一緒に過ごすことさえできない激しい炎を表現してのけたお二人に、拍手したい気持ちです。


史実のサンテックスが、飛行士としては旧式だったために何度も事故って除隊させられ、その度に貴族の権威と作家としての広告塔の役割にものをいわせて復隊し、花形だった偵察部隊に無理やり参加していた……ことはあっさり無視して、もしかして「カサブランカ」のラズロのモデルはサンテックスだったのか?と誤解させようとしているかのような(←宝塚的にはまさにラズロ本人ですが)、誠実で情熱的で現実的で生真面目な、蘭トムさんのサンテックス。
行動パターンは支離滅裂で訳がわかりませんが、とにかく魅力的な蘭トムさんでした(*^ ^*)。




ショーは、、、とにかく素晴らしかった!藤井さんブラボー!!

そして、プロローグの総踊りでいきなり泣きました……だって、すみからすみまで、全部観たのに真瀬がいないんだもん(T T)。……いや、いるわけないんですよ。知ってる。そもそも真瀬のことなんて、開演前も、お芝居の間も、休憩時間だって思いだしもしなかったのに。なのに、初っ端からいきなり全力投球な熱い群舞の中を、本当に無意識に探してた。真由ちゃんの並び、いない、ハマさんの並び、いない、2列目にもいない、、、あれ?3列目……途中で、何を探しているんだろう私?、と思ったら、いきなり視界が濁って、そして、真っ白になりました。
……なんだか、すごく不思議な気持ち。そんな人だっけ、私って。宙組を観たって、祐飛さんのこともえりちゃんのことも探したりしなかったのに。……ショーだからかな。大好きな藤井さんのショーだから。この群舞で幸せいっぱいに踊る真瀬を視れないことが切なくて、この楽しいショーに参加できない真瀬が可哀相な気がして。
真瀬は今だって十分に幸せそうで、もうすぐディナーショーでまた出逢うことだってできるのに。でも、何か切ないものが残る。辛くはないけど、切ない想い。あなたにここにいてほしかった。あなたの人生なのだから、あなたが思う通りに歩いてくれればいいのだけれど。でも、やっぱり私は、あなたにここにいてほしかった。これからの貴女も楽しみにしているけれども、でも、やっぱり。

……そんな個人的なハプニングはありましたが(^ ^;ゞ、本当に楽しいショーでした。
海の宝石から海賊への流れも良かったし、中詰めの盛り上がりも藤井さん全開!みつる(華形)・柚香さんの女役もとても魅力的でした(はぁと)。

一番好きな場面は、カッシーニの「アヴェ・マリア」が流れる中で白い衣装の蘭寿さんと蘭ちゃんが踊る「真実の愛」。後から加わるよっち(月央)と女役のルナちゃん(冴月)も素晴らしくて、とにかく良かった!感動しました。カゲソロも綺麗な声だなあと思ったら仙名彩世ちゃんだったんですね。さすがだー!!

とにかく、花組のダンスを堪能した!と思いました。
私はダンスの技術とか全然判らない人なんですが、なんか花組の群舞は他の組と違う…という気がします。トップコンビが揃ってダンサーなこともあるけど、男役も女役も、群舞の振付のレベルが他の組とは違う気がするんです。振り数が多い、というか。……藤井さんだから?それとも、ラテンって元々そういうものなんだっけ……?


元々花組にいる花男たちが恰好良いのは当たり前なんですが、今回瞠目したのは、みーちゃん(春風)の恰好良さでした。宙組で観るまぁくん(朝夏)も、「花男」らしい華やかさとアピール力があって凄いなあと思ったけど、宙組ではそれほど目立たなかったみーちゃんのスタイルの良さと、長い手足を使い切るような伸びやかでリズムのあるダンスは、良い意味で花組の群舞の中で浮いている感じで、ああ、劇団は良く視ているんだなあと思いました。

そして、花娘たちが可愛い。本当に可愛い!上級生は大人可愛く、下級生は無条件に可愛く、清楚に上品でかつ可愛くて個性的、という不思議なバランスを全員が体得していて、本当に凄いな、と思います。可愛いは正義!美しいはもっと正義!各組の娘役は、一度は花組に特出してみるべきだと思いました(真顔)


最後に。
中詰めの「ティグレ(虎)」の壮ちゃんの髪型、めっちゃ可愛いーっ!!その髪型で気障る壮ちゃんが素敵過ぎて、目が離せませんでした……。



宝塚大劇場公演「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」。

私は、開幕してすぐに観に行かずにいられなかったくらいには、原作ファン……の筈なのですが、実は原作本を持っていません。友人や図書館で借りて読んだだけ。だから、記憶はかなりあいまいですし、提督たちの細かいエピソードもだいぶ混乱ぎみ(^ ^;ゞ
というわけなので、私が書いていることは原作で確認しながら書いているわけではありませんので、あらかじめご容赦くださいませ。そして、間違ってたらご遠慮なく指摘してくださいね。



小池さん演出による「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」。なんというか、もう……男役のビジュアルだけでなんとかなる作品がある、ということに感嘆いたしました。
いやもう。カッコいい。話なんてどうでもいいと思ったくらいカッコいい上に、原作ファン的にツボだらけ。
もちろん、原作が面白いから、脚本的にどんなにすっ飛ばされていてもなんとかなるんですよ。ものすごいカットの嵐と言うか、ジェットコースターみたいなダイジェストぶりですが、権謀術数と戦闘シーンのバランスがとれていて、しかも、どちらも演出として非常に巧く表現されているから、なんとなく納得してしまう。

何度も観ると、一つ一つのエピソードやキャラクターの掘り下げが浅くて、物語全体を貫くテーマ性が弱いなと思うんですが、宝塚を初めて観る原作ファンや、ライトファンにはうってつけの作品だと思うんですよね。
特に、原作ファンには観てほしいなあ。マニアの域に入っている方には色々不満もあると思うけど、2時間ちょいにまとめなくてはならない潤色の苦労は理解できると思うし、実際、良く出来ていると思います。原作ファン的にいくつかあるツボも、ちゃんと押さえられているし。

小池さんって潤色については神だなあ、と思うのは、たとえばアンスバッハ(凪七)の「医務室に」という台詞を遺したところ。原作ファンにしかわからない部分をあえてカットせずに残しておいて、その言葉の裏付けとなる細かい演出はあっさりカットする英断は凄い。原作を知らない人には意味がわからないだろうけど、まあ一言だから違和感なく流せるだろうし、原作ファンはこの台詞があるだけですごいツボになる。。。。すごいと思うんですよね。

今回原作になかったのに追加されたエピソードの中で、いらないなーと思ったのはヤン(緒月)とジェシカ(純矢)のラヴソングくらいでしょうか。ヤンにはフレデリカが(この時点では恋愛感情はなかったにせよ)いるんだから、なにもジェシカとデュエットさせる必要はないと思うんですよね。ヤンの見せ場は芝居で作ればいいのであって、そもそも歌わせなくていいんだから!

ヒルダ(実咲)を秘書官にするタイミングをここにしたのは、@TAKARAZUKA的に仕方なかったと思いますし、元帥府を披くときに秘書官も揃えるのが当然だから、違和感はないのですが。その前のヒルダの手紙も、状況説明のために役だっているし。
一番ラストの場面で、「リヒテンラーデ公が…」という報告に対して、ラインハルトが振り向きもせず「もうオーベルシュタインが手をうっている」と応じるのに、ちょっとしゅんとして、でも笑顔で「……、了解」というところは割と好きだったりします。悪い娘じゃないんだよなー、ヒルダ。ただ、脚本上のキャラクターとして魅力的に描かれていないから、そういう脚本をはね返してまで魅力的な女の子に造形することは今のみりおんには難しいんだと思うんですよね。原作のヒルダは割と好きなキャラだったので、なんか残念です。



全体的に、男役が軒並みビジュアルやキャラクターでヒットを飛ばしているのに比べると、娘役陣(Not女役)が軒並み苦戦しているな、というのは、作品の完成度を考えるうえで非常に気になるところです。
元々宙組は、全体的に「娘役」力が低い組ではあるのですが(←ごめんなさい)、ヒルダとアンネローゼ(愛花)、そしてフレデリカ(すみれ乃)という、帝国と同盟両陣営のヒロイン格が3人とも大苦戦というのはさすがにちょっと苦しい。中でもアンネローゼが、、、原作ファン的にはタラちゃんのアンネローゼはあり得ないし、タラちゃん好きな宙ファンとしては、いつもの溌剌とした魅力を完全に封じられてしょんぼりとアンネローゼを演じているタラちゃんを視ているのが辛いです。アンネローゼは謎めいた美人じゃないと駄目なんですよ!ラインハルトとキルヒアイスの、あるいは、銀河帝国そのものにとってのファム・ファタルなんだから。
まだ、れーれのアンネローゼにタラちゃんのフレデリカの方が、二人の魅力が出たんじゃないかなあ……少なくとも、タラちゃんはフレデリカの方がずっといいと思う。れーれは……どうだろう(涙)。ホントは、れーれはユリアンが似合うと思っているのですけどね。うららちゃんのユリアンに不満はないけど。
ベーネミュンデ侯爵夫人(美風)とか、皇族の4人(鈴奈、花音、花里、綾瀬)とか、ヴェストパーレ男爵夫人(夢涼)とか、女役陣は皆いい仕事をしているだけに、なんか残念……。




■ラインハルト・フォン・ローエングラム(凰稀)

いやはや、美形(*^ ^*)。
「豪奢な金髪に蒼氷色の瞳」というビジュアルをきちんと実現してきたあたり、お披露目にむけて並々ならぬ気合を感じました。素晴らしかった!

正直、テルくんは役者としては受け身のタイプで、覇王を演じる素質は全くない(失礼)ので、ラインハルトという役は根本的に似合わないんですが(T T)、、、柄違いの役をよく消化して、すごく繊細に演じていたと思います。小池さんもだいぶキャラクターを書き変えていたしね。
テルくんのラインハルトを観ていたら、「エリザベート」の「もしも赦されるなら寛容で善意の名君と呼ばれたい」という歌が浮かびました。
でも、ラインハルトはフランツとは全く違う。原作のラインハルトは、核攻撃のことだって止めるつもりなど全くないし、そこで天使か悪魔か迷うような若造じゃない。他者を犠牲にすることなしに戦争には勝てません。少なくとも、「圧倒的な手柄」を立てることなどできるはずがない。「寛容や善意」は、自己満足のためではなく、臣民に「支配者の威信」を教え込むための飴として使わなくてはならないのだから、それ以外の時に垂れ流してはいけないのです。無駄なのではなく、害悪になる。ラインハルトは、非常識な若さで将軍、いえ、元帥になった男。それがわからないはずはありません。まして、貧乏貴族の若造がここまでくるのは並大抵のことではなかったのだから。

とはいえ、@TAKARAZUKA的には、テルくんのラインハルトありきなのだから、あれで良いのだと思います。だって素敵だもん!原作ファンとしても、親友や姉に甘えているときのラインハルトがすごく自然で、そういう魅力で最後までもっていけるところはさすがだな、と思いました。
自分の中の天使と悪魔に怯えるようなキャラじゃないんだよラインハルトは、と思いつつ、怯えてるテルくんが可愛くて可愛くて(はぁと)、と思ってしまうあたり、私の原作ファン度合いって……(汗)。



■パウル・フォン・オーベルシュタイン(悠未)

外部公演の「銀河英雄伝説 帝国篇」でも3番手だったオーベルシュタイン。
原作ではまったくそういうポジションにはいない人ですが、たしかに、2巻までのストーリーを組み立てようとすると、オーベルシュタインとキルヒアイスの対立を軸にするのが判りやすいんですよね。

相当に癖のある、面白い(いろんな意味で)キャラクターになってますが、@TAKARAZUKA的には自然な変更かな、と思っています。ラインハルトとチェスをしていたり、ああいう場面での尊大さというか、ラインハルトの弱みにつけこんだ感じは原作とは全然違っていて、ともちんってすごい宛書きされてるなあと思いました。
そこかしこで笑いもとって、話を進めて、ラインハルトを追い詰めて……よく出来た役ですよね。あらためて、ともちんってすごいなあ、と思います。

それにしても。まだイゼルローン攻防戦が始まってもいないのに、いきなり「イゼルローンで敵前逃亡して」……っていうのも凄い展開ですよねえ。
その後になるともっと凄いことが次々に起こるから、誰も気にしないんですけどね……。



■ヤン・ウェンリー(緒月)

正直、物語が2巻までと聞いたときは、ヤンが狂言回しをするのかと思ったものですが。
思いの外、メインに近い筋の中心人物としてちゃんとエピソードがあって、しかも、捕虜交換が印象的な名場面になっていたことに感動しました。イゼルローン攻略戦は完全に飛ばされたのにさ!(^ ^)。小池さんって本当に凄いなあ……。

キタロウのヤンは、とても優しくて、でも結構裏では毒舌を吐いていそうで、なんだかすごくイメージ通りでした。うん。バウか何かで「イゼルローン日記(外伝2巻)」をやってほしい!



■ジークフリード・キルヒアイス(朝夏)

組替えして初の大役。正直、どうかなあと思って(←悪く言えばお手並み拝見、くらいの気持ちで)いたのですが、とても良かったです!ヤンのキタロウ同様、良い宙組デビューになったと思います。
ああいう可愛いタイプの役を演じているまぁくんをあまり観たことがなかったので、とても新鮮でした。テルくんとの並びもよく似合っていたし、何より、「フレイヤの星」のデュエットの声質というかピッチがすごく合っていて、気持ち良かった!二人ともちょっと音程が微妙なので、どちらかがずれるとすぐ崩れてしまうのですが、ピタッと合った時の気持ちよさは凄い!と思いました(^ ^)。



■双璧(蓮水、七海)

ロイエンタールとミッターマイヤー。ビジュアル的には大成功ですよね、二人とも。ロイエンタールの目元に注目がいきがちですが、ミッターマイヤーのグレーの目元も、がんばったなあとしみじみ感動しました。……あの金髪は、蜂蜜色というにはちょっと色が薄すぎる気もしましたが。

原作ファン的には非常に重要なキャラクターですが、本格的に活躍しだすのは3巻以降だから、2巻位までだとあまり活躍の場がないのが残念。外伝のエピソード(ラインハルトとの出会い)がチラッとでも入っていれば違うんですが。
まあでも、観劇するまでは、双璧とは名ばかりで、元帥府にずっと並んでいるだけで台詞も割台詞だけかも(←外部舞台はそんな感じでした)、、、くらいに思っていたのですが、思ったよりはちゃんと役柄があったかな。出征前夜の場面が、せめて双璧だけでももう少し原作に沿っていてくれたら文句なかったのですが……うーん、難しいのかなあ。



ビッテンフェルト(澄輝)以下の提督たちは、短い自己紹介コーナーがある以外は皆で踊っているだけ、なのですが、美形男役が軍服で踊る訳だから、出てくるだけで目の保養でした(*^o^*)。

娘役も、下級生までそれぞれに目立つ役を与えられて、それ以外の場面は同盟兵士になったり帝国貴族の女になったり、、、着替えているか舞台にいるかどちらか、という感じでした。
とにかく下級生が着替えまくっていろんな役で出ているあたり、「太王四神記」を思い出しましたが、今回はあれの比じゃなかった気がします。場面が変わるたびに、「あれっ?君さっきの場面にも出てたよね!?」の連続で、驚いたのなんの。
同盟と帝国を行ったり来たりしている下級生諸君が、一番楽しそうに舞台を闊歩しているのが印象的でした(^ ^)。


.
星組全国ツアー公演「琥珀色の雨に濡れて/セレブリティ」。


主要な4人(シャロン、フランソワーズ、クロード、ルイ)については昨日書きましたので、それ以外で印象に残った方について。


■エヴァ(花愛瑞穂)とシャルル・ドゥ・ノアーユ子爵(壱城あずさ)

高級クラブ「フルール」のマダムと、その恋人にしてジゴロたちの元締めの子爵。
10年前のシビさんの余裕というか、若いジゴロたちを掌の上でコロコロしている感じは無かったけど、花愛さんのマダムも、なんか鷹揚で熱心な感じが良かったです。しーらんの恋人にもちゃんと見えたよ!まあ、さすがに年下には無理があったけど(T T)。

しーらんは、、、がんばって貫録を出そうとしていた努力は買うし、本当に恰好良かったけど、残念ながら「ジゴロ第一号」には見えなかったです……だって、話の流れ的にルイ(十輝いりす)よりさらに2、3世代上じゃないとおかしいんだもん。とてもとてもそうは見えませんでしたわよ。。。
いい役なんですけどね、シャルル。カッコいいし男前だし、物語の最後の方でルイと語らう台詞なんて、本当に柴田さんの真骨頂だなと思うのですが。……せめて髭くらいつけてみたら何とかなったのでは、とも思いましたが、、、似合わないのかなもしかして。

まさこちゃんのルイがとても良かったからあれだけど、まさこちゃんのシャルルでしーらんのルイという組み合わせもバランス的には良かったのかも、と、ちょっとだけ思いました。その場合、礼音くんのクロードとしーらんのルイの対等感に課題が残りそうですけどね。



■ジゴロたちとご婦人がた

いやはや。この作品、下手に役がつくより絶対ジゴロ陣の方がおいしい!とは思っていましたが、案の定のおいしさでした(*^ ^*)。いやーカッコいいよみんな。
ひたすら恰好良いアルベール(天寿光希)も、ひたすら気障ってるローラン(礼真琴)も、みんな素敵でしたわ!そして、案外おいしかったのはヘタレのピエール(麻央侑希)ですね。ああ、いえ、ピエールは元々すごくおいしいキャラなんですけど、役としてのおいしさ以上に麻央くんがおいしかった!「そこまでヤボじゃねえよ(ニヤリ)」が魅力的だったし、それ以外には大した台詞がないからボロもでないし、ね(^ ^)。しかも、だいぶ痩せたよね!?いやー、あのくらいでいてくれれば文句ないですわ♪
そんなドジでヘタレなピエールを「仕方ねえなあ」的にちゃんと庇ってあげてるアルベールさんがとても好きです。「今週のNo.1」は優しい人なんだなあ~!

ご婦人がたではなんたって優香りこちゃんが際だって魅力的。みっきぃさんとの息のあったダンスがたくさん観れて嬉しいです。いいよなあ~♪ ジュヌヴィエーヴ(五條まりな)に「一つ、貸しね」と言う場面のキュートな笑顔が、曲者顔でとても素敵でした(はぁと)。



■ジョルジュ・ドゥ・ボーモン伯爵(十碧れいや)

1年半前の中日「愛するには短すぎる」では船長を演じていたポコちゃん。正塚さんはポコちゃんがお気に入りなんでしょうね、きっと。
前回の花組では矢吹さんが演じていたシャロンのパトロン。ポコちゃんのジョルジュは、なんていうか……「やり手の銀行家」的な面が全面的に表に出ていて、女を囲う甲斐性がありそうにみえない、とゆーか、、、シャロンとの間にあるのはあくまでもビジネスであって色恋ではない、というふうに見えました。
それはそれで、一つの解釈としてありだと思うんですけどね。クロードの存在は、彼のビジネスにとっては邪魔にしかならないんだから。そうして、彼の側に愛が無いからこそ、シャロンの孤独も浮き彫りになるのかもしれないな、と思いました。

とりあえず眼鏡の似合う長身美形の優男、というポジションを確立しつつあるのは間違いない、かな?ジゴロも似合ったでしょうし、観てみたかったですが、今回はジョルジュで正解だったような気がします。



■ソフィー(万里柚美)と ミッシェル・ドゥ・プレール伯爵(鶴美舞夕)

クロードの姉とフランソワーズの兄。
いやはや、なんというか……貴族ってこのくらい浮世離れしてるものなのか?というか。
むしろ、柚希クロードと姉弟だったり、親友だったりがあり得ないくらい、礼音くんとは波長が違うお二人だったような気がします。はるこちゃんの地に足がついた存在感とも全然違ってて、なんだか不思議な感覚でした。
あの姉を護るためにクロードは事業を興そうとしたんだな、そのために資産家のミッシェルとがんばって交友関係を築いたんだな、と、、、そんな風に考えたくなるくらい、浮世離れした姉君がとても素敵でした(←単なる柚姐ファン)






ショーは、涼さん、ベニー、れみちゃん、真風くんと上の方がごっそり抜けているから、役替りが多くて楽しかったです。

一番最初の幕開き登場は、ポコちゃん(十碧)。「スター登場!」という輝きがあってとても素敵でした(はぁと)。

アカプルコのファッションデザイナーはどいちゃん(鶴美)、れみちゃんのポジションには優香さん、真風くんのところには麻央くん。歌は、後半の夏樹れいさんたちの分もあわせて、全部天寿さんが夢妃杏留ちゃんと歌ってました。いい声だった(はぁと)。

ヒーローの場面は、ヒロインがはるこちゃんに代わり、悪役はしーらん。GOOD BOYSは新人は入らずに海さんと礼くん、二人だけでやってました(^ ^)。ここは映像も使えないので演出もだいぶ変わってて、、、ラストのはるこちゃんがめっさ可愛かった!!です。
あと、アカプルコ~ヒーローの2場面については、スーザン(妃海)というバラエティ番組の司会みたいな女の子が出てきていろいろ説明してくれるんですが、これが判りやすくてなかなかGOODな変更点でした。「メランコリックジゴロ」のティーナの衣装を着たふうちゃん、可愛かったです!

次の涼さんの銀橋ソロはまさこちゃんのソロに代わって、本舞台の恋人たちのダンスは無し。
ダイアモンドはれみちゃんからしーらんに代わり、美しい裏声を披露しつつ途中でドスをきかせたりしてがんばってました。
サファイアは……すみません、みっきぃさんしか観てないもんで、メンバー覚えてません(←おい!)銀橋がなくなったのでちょっと振付が変わってました。どう変わったか具体的にかくのはやめておきますので、ぜひみなさまも生でご覧くださいませ。

エメラルドはカットで、そのままねねちゃんの「ダイアモンド」から黒燕尾へ。
黒燕尾の礼音くんの対はまさこちゃんで、それはそれは恰好良かったです(はぁと)。

総踊りを経て、次はストリートボーイズ。礼くんが歌いながらセンターをはっていて、それはそれは恰好良かったです。ええ。本当に凄い声だなあ。天与の声とはこのことか、としみじみしつつ。

金の場面は、れみちゃんのポジションにはるこちゃんが入って、全体にフォーメーションはだいぶ変わっていたと思います。ああもう、はるこちゃんが色っぽくて素敵すぎ!!大好き!
ねねちゃんの鬘は、私が観た回は栗色のストレートロングでした。それはそれでとても似合っていたけど、私は金髪のボブ(+額に紋様)がとても好きだったので、またあれも観てみたい……。
セリのない舞台ですが、最後に舞台奥でポーズを取ったファム・ファタルが、ぷいっと背を向けて去っていくのがとても切なくて、こういう演出もありだなあと思いました。

DAWNの最初のソロはみっきぃさん。音楽の雰囲気的に歌いあげる場面じゃないし、ちょうど本人的にもチェンジボイスで一番歌いにくい音域だから、あえていつもとは違う発声にチャレンジしたんでしょうけれども、、、元々歌に定評があっただけに、あの出来で舞台にのっていいのか?と思ってしまったくらいには手に汗にぎりました……(; ;)。まさか、みっきぃさんの歌で冷や汗をかく日が来ようとは。
ああいう発声は、歌いあげるのの倍くらい支えが必要なんですが、自信がないとそこまで支えきれなくなっちゃうですよね(T T)。声自体はすごく良いし、風のような声は場面にもとても合っていると思うから、とにかく死ぬ気で支えてほしい。音程がふらつくから、無理して歩かなくていいよ、もう(泣)。。。それでも、初日の映像よりは格段に良くなっていたので、なんとか梅田までには形がつくといいな、と祈っています。諦めないで、夜明けはきっとくるから。

ロケットボーイはしーらん。今回のショーは、しーらんの八面六臂の活躍ぶりにとにかく驚かされました。客席への働きかけがある場面は、例外なくしーらんに回っていた印象。稲葉さんの信頼篤いですよね!全ツ版の「セレブリティ」が良いショーになったのは、しーらんのがんばりのたまもの、という気もします。

ロケット後は、まさこちゃん+娘役さんたちの新場面。曲も変わって、なんかまさこちゃんらしい場面になったな、と思いました。
男役群舞は、大階段がないし人数も半減しているのでだいぶ手が入ってましたが、場面の雰囲気を崩さず、いいまとめ方だったと思います。無駄な動きが減って、良くなったなと思いました。みっきぃさんの登場の振付は、全ツのほうが絶対カッコいい!(^ ^)



東宝で観た「セレブリティ」とはかなり別物になっていましたが、なかなか見事なまとめ方だったと思います。稲葉さん、巧いなあ!と思う処理も多かったし、彼のポテンシャルの高さを確認できた気がしました。
そして、礼音くんと並んで踊って見劣りしないまさこちゃんの存在感と、しーらんの性別不問な迫力に感心しつつ、彼らに両脇を支えられた礼音くんとねねちゃんの充実ぶりに、あらためて感心してしまいました。

今週は名古屋ですよね。みんな、美味しいものをたくさん食べて、その分しっかり動いてくださいね(^ ^)。千秋楽まで、怪我などありませんように。



星組全国ツアー「琥珀色の雨に濡れて/セレブリティ」を観劇いたしました。


柴田侑宏さんの往年の名作の再演。
私は初演は観ておらず、匠ひびきのサヨナラだった2002年の花組版が初見。その時も柴田さんはもう演出はされておらず、今回と同じ正塚さんの演出でした。

あれから、早いものでもう10年が過ぎました。あの頃から少しずつ傾向が見えつつあった柴田浪漫を演じられるスターが育ちにくいという状況が顕著になった今の時代に、貴重な再演だったと思います。
柴田浪漫を上演するには、佳い女が不可欠。謎めいた佳人、何を考えているのかわからない、根は純粋なのに、いろいろなものを否応なく細い肩に背負った美女。

今の夢咲ねねのシャロンを観ることができて、良かったです。
今の音波みのりのフランソワーズに出会うことができて、幸せでした。
男役が軒並み柄違いで苦戦していても、メインの女役二人が嵌っていれば柴田浪漫はなんとかなるんだな、と実感した1時間半でした。
ねねちゃんはるこちゃんに引っ張られて、男役陣も千秋楽には役を掴めますように、と祈りつつ、梅田での観劇を楽しみにしています!(^^)


いやはや、それにしても星組すごいなあ。今のタカラヅカで、シャロンが演じられるのはねねちゃんだけだと思う。ちょっと前なら何人かいたけど、今は本当にいない……ねねちゃんだって、今だから良かったけど、ほんの1年前なら手も足も出なかったと思う。シャロンは、ファンタジックかつ謎めいていないと駄目なんですよね。ちゃぴはファンタジックだけど謎めいてないし(←そこが良い)、、、アンネローゼ次第だけど、3年後の伶美うららちゃんに期待できるといいんだけどなあ。
フランソワーズも難しい。芯の強い貴族の娘で、多少自分の容姿にコンプレックスがあって、、、「私たち、おしまいね」という台詞をああいう風に言えるのは、今は本当にはるこちゃんだけになっちゃったなあ……(T T)。あああ、野々すみ花ちゃんと藤咲えりちゃんの卒業が、今更ながら痛いです。柴田作品は、しばらく回ってこないだろうな宙組。。。テルくんは柴田作品似合いそうなんだけどねぇ(溜息)。



私はチャーリーさんの生硬なクロードがとても好きで、東京で代役を務めた春野さんのクロードは今一つぴんとこなかったのですが、今回礼音くんのクロードを観て、ああ、オサさんはどちらかというならルイのほうが向いてる役者だったんだな、と思いました。なんか世慣れた器用さを感じたんですよね。先に観たのがルイだったせいもあるかもしれませんが。
匠さんは、撃墜王というよりは学生っぽい印象でしたけど(苦笑)、「大貴族のおぼっちゃん」らしい礼儀正しさと傲慢さが同居していたのが好きでした。

礼音くんは、ルイ向きっていうのともちょっと違うんですが、世慣れた感じ、っていうのはあったかな。やんちゃな感じが撃墜王っぽくはあるんだけど、むしろ「銀河英雄伝説」の撃墜王たちみたいなイメージで、、、ああいうのはどちらかといえば第二次世界大戦のアメリカ空軍っぽい気がするんですよね。第一次世界大戦の空軍はほぼ貴族のお坊ちゃんたちの溜まり場で、第二次世界大戦になってやっと空軍にも庶民が入ったという話を聞いたことがありますが、なんかそんなイメージでした。(←ちゃんと調べたわけではないので、違っていたらすみません)

まさこちゃん(十輝)のルイは、嵌り役!でした。
いやはや恰好良い(*^ ^*)。一緒にトランブルーに乗ろう、ホテル代も持つよ、とクロードに言われたときの「鷹揚だねえ~(苦笑)」とか、ホテルでシャロンを口説く場面の「このあたりで認めてしまいなよ」の言い方とか、もううっとりします(*^ ^*)。
礼音くん、ねねちゃん、まさこちゃん、はるこちゃんで歌い継ぐ「セ・ラ・ヴィ」は、、、、まあ、かなり覚悟をもって聴いたので、あまり気になりませんでした(汗)。どうぞみなさま、そこは十分に期待値を下げておいてくださいね(^ ^)。




恋が終わっても思い出は残る……透明な雨の向こうに、琥珀色の湖がひろがるように。
いやはや、久しぶりに「宝塚の名作」に触れられて、幸せでした。

思い出を抱えたまま、フランソワーズと静かな生活を送るクロードを想像すると、なんだかドキドキします。いつかどこかでまたシャロンと出会ってしまったなら、今度こそすれ違うのか、それとも、今度こそ汽車に飛び乗るのか。それがわからないから。
先の見えない人生を歩きつづける、琥珀色の闇の中を。

この作品は、「バレンシアの熱い花」などに通じる、『身分違いの恋』の物語なんですよね。時代はだいぶ違いますが。
柴田作品の『身分違いの恋』は、身分が違うから諦めるという話じゃないところがすごく好きです。シャロンも、イザベルも、自分で自分が生きるべき世界を選んで男の許を去るんですよね。彼女には彼女の世界があって、貴族の玉の輿に乗ることがイコール幸せじゃない。だからといって、この時代の男が、貴族社会を離れて自分のところに来てくれるはずがないことも判っている。諦めるんじゃなくて、もちろん棄てられるのでもなくて、男のモノになることを拒む、誇り高い、自立した女。 私が柴田作品を好きなのは、自尊心の高い女性が主役だからなのかもしれません。ヒロインでなくても、2番手や3番手クラスに佳い女がいることが多いから。誇りゆえに男の許を去り、誇りゆえに死を選ぶ、譲らないものを持った女性は美しいから。

シンデレラストーリーじゃない。王子さまと結婚して幸せに暮らしました、というおとぎ話じゃない。柴田作品の女は、みんな男と出会う前から真剣に生きていて、男よりも自分の世界を、自分のプライドを選ぶんですよね。
茶番劇でもない、「ゴタゴタ」でもない、人生を変えた恋。
お互いに恋を終わらせて元の世界に戻ったようにみえても、もう人生は変わってしまった。世界は変わってしまった。世界のどこかに、琥珀色の雨が降っているかぎり。心のどこかに、琥珀色の雨が降り続けているかぎり。

そんな風に考えた時、今の時代に柴田浪漫を演じられる役者が育たないのも無理はないのかもしれない、とも思いました。時代が求めるのは「優しさ」や「平等」「公平」であって、「誇り高さ」というのは求められないものなのかな、と。
身分制度、というのは、その身分にみあった「責任」と表裏になっているもので、「平等」というのは、言葉は綺麗でも、無責任になりやすい。生まれながらに責任を課せられた存在がいないから、誰も責任を取らなくなってしまうのです。
「貴族」が「ノブレス・オブリージ」を自覚していた時代。彼らが誇りをもって生きていたということは、その下の層も、それぞれに自分の生き方、生きる世界に誇りを持っていたんだと思うのです。酒場の踊り子には踊り子の誇りと意地が。まして、新しい時代のマヌカンには、マヌカンの誇りと意地があったはず。
でも、そういう誇りと意地が、今の時代からはどんどん消えていっているような気がするんですよね。小説を読んでも、あまりそういう設定のものはなくて人々はみんな「平等」に憧れている。上に立つ者として責任を取るのは大変なことだから、誰もがそこから逃げているような気がしてならないのですが。

ただ、興行界っていうのは最後に残った「身分制度」の砦みたいなところがあると思うんですよね。座長がすべての責任を取る代わりに、ある程度好きなようにやれる、という意味で。
宝塚は、歌劇団という組織の中のトップスターだから完全な「座長」とは違うけど、誇り高くあらねばならないのは同じだと思う。だから、時代がどんなに変わっても、ああいう「身分違いの恋」を誇り高く演じられるスターがいる、上演できる劇団であってほしい、と思います。
本公演で上演するのは客入り的に問題があるのだとしたら、たとえば若手のワークショップとかでやってくれないかなあ。若い演出家も勉強になるだろうし。たまきち&ゆめちゃんで「琥珀」とか、キキちゃん&べーちゃんで「大江山」とか、咲奈&あんりちゃんで「バルセロナ」とか。このまま上演の機会が減っていったら、役者も育たないよ……(T T)。



そういえば。2002年の公演を観た時も、家に帰ってイタリアのガイドブックを調べたっけなあ。景勝地としてのマジョレ湖のことはいろいろ書いてあったけど、「琥珀色の雨」の伝説については一言も言及されていなくて、あれ?と思った記憶が。あの伝説自体、柴田さんの創作なのかなあ?それとも、現地では言われているのでしょうか。


天寿光希さま
お誕生日おめでとうございます\(^ ^)/


「ランスロット」「おかしな二人」から1年。
いろいろなことがあった一年でしたが、いつも舞台の上で全力投球なみっきぃさんが大好きです。
まだ研8。これからも、素敵な役にたくさん出会えますように。


月組東宝公演「ロミオとジュリエット」、千秋楽おめでとうございます!


公演期間の後半はまったく観られなかったので、実感がないというかなんというか……ですが。
でも、いいお披露目で、みなさん充実した時間を過ごせたんじゃないかな、と思います。不朽の名作「ロミオとジュリエット」ですものね。
発表されたときはいろいろ思ったけど、今となってみれば結果オーライかな、と思います。

まさおくん、ちゃぴ、本当におめでとう。これからも月組をよろしくお願いします!




最後に、昨夜書ききれなかった両家のダンサーを語って、感想を締めたいと思います。
もうちょっとだけお付き合いくださいませ(^ ^)。


■モンタギューの男たち

本公演はとしちゃん(宇月)のダンスが恰好良すぎて、どうしてもそこばっかり観てしまいました。
としちゃんが本気で踊ったらここまでいくのか、と再認識……惚れちゃいますわ(*^ ^*)(←何度目?)。カウントのタイミングが私の好みなんですよね。オンタイムか少し早目に動きだして、次の振りに入る前に一瞬極める感じ。タメがカウントの前に来る……のかな?観ていてすごく気持ちいいんです。
歌も、ソロこそないけど、前方席だと生で聴こえてくるぐらいガンガンに歌っていて、あらためて良い声だなあ、と。あと、小芝居が良い!仲間内では上級生から下級生までいろんな人と絡んでいるし、表情豊かで楽しそうで、観ている私まで笑顔になっちゃいます(^ ^)。

他のメンバーは、みっしょん(美翔)、ちなつ(鳳月)、からん(千海)、貴澄、隼海、朝美、夢奈。92期が二人入った以外は、学年はばらけてるんですね。
みっしょんは、マーキューシオの美弥さんと同期でメンバーの中でも上級生のせいか、自然とリーダーに見えました。カッコいいのは勿論なんですが、それ以上に落ち着いた大人っぽさが似合ってて、とても良かったです。
ちなつちゃんとからんちゃんは、それぞれに娘役の尻をおいかけてる感じが可愛かった!貴澄くん以下もそれぞれにちょっと目立つ振りをもらったり小芝居がついたりして、良い感じでした。
とにかく、みんな本当に良かったです。

新人公演は、輝城、翔我、美泉、他(←すみません)。
輝城くんは、髪型とかも本公演(キャピュレットの男)とあまり変えていなかったから違和感なく観ていて、、、モンタギュー卿で出てきたときに吃驚しました!
翔我くんはとにかく美形になっていて(←いつの間に?)すごく目を惹きました。ダンスも頑張っていましたね。
美泉くんは、なんとなく顔が好きで(ちょっとだけ、前回で卒業した篁くんに似てるような…気のせい?)本公演でも割と観ているんですが、パッショネイトに踊る人だな、と。台詞の声も良かったと思うので(たぶん)、次作品は台詞があるといいなあ。



■モンタギューの女たち

萌花、夏月、白雪、紗那、愛風、晴音、咲妃、海乃。
まいまいが活き活きと踊っていて、とても良かった!!
さち花ちゃんのスタイルの良さは相変わらず素晴らしい!
ゆずはのコケティッシュな小悪魔っぷり、ゆめちゃん・晴音さんの堅実さ、咲妃さんの華のある可愛らしさ、どれも素敵で目移りします。
海乃さんは、もう少し化粧と髪型を工夫すれば可愛くなると思うのですが。細面すぎてちょっと怖いよ…(- -; でも、「キレイは汚い」で乳母にからかわれて朝美さんとキスする場面は、なんか照れてるのが可愛かった!というか、あの場面は周りで囃し立てる上級生たち含めてみんな可愛いです。小学生かお前たちは。

新人公演は、風凛、都月、香咲、楓、美里、他。
風凛さんは、ダンサーだけど、こういう群舞の長をやるのは初めてかな?今までは上にさち花ちゃんやちゅーちゃん(咲希)がいたし……。なんだか、すごく周りをみながら踊っていたのが新鮮でした。
みあちゃんは可愛い!理屈じゃなく可愛い!!しかも、ガツガツ踊っててめっちゃカッコいい!
香咲さんも楓さんも美里さんも可愛くなったなあ。とくにみっこちゃん(美里)、顔周りが少しすっきりして、すごく目を惹きました。ショートヘアもよく似合ってて可愛かった(*^ ^*)。



■キャピュレットの男たち

光月、響、瑞羽、貴千、輝城、星輝、天翔、他。
キャピュレットチームには、コミカルな(=明るい)場面は、一幕の結婚ソングぐらい?かな?どちらかと言えば色っぽい振りが多くて、メンバーもどちらかといえば落ち着いた雰囲気の人が多かったような気がします。
るうちゃん(光月)は、プロローグでモンタギューのまいまいと恋におちるところと、ラストの和解で彼女を迎えに一歩前に出るところが好き。ダンスはもちろん素敵なんだけど、それ以上に芝居が良いんだなあとあらためて思いました。
ひびきち(響)は、ロングヘアを一つに結んで、めっちゃ色っぽい!結婚ソングでこころ(妃鳳)に振られて落ち込んでいるところは可愛くて仕方ないし、「今日こそその日」のダンスの色っぽさも格別!!踊る時のラインがとても美しい人ですが、パッショネイトなダンスも恰好良いです(*^ ^*)。
みずきちゃん(瑞羽)は、普通に踊っていても「強そう」に見えるのがすごいな、と。喧嘩の場面が多い芝居なので、みずきちゃんがすごく頼り甲斐ありそうでした。それにしても、本当にスタイル良いよね……(しみじみ)(今更)
まんちゃん(貴千)のキレのあるダンスも良かったです。個性的な髪型も似合ってる!輝城くんは歌の印象が強いけど、実はダンスも凄いんだよね(^ ^)。久しぶりにダンスを堪能しました!星輝くんは、しなやかで柔らかなダンスが魅力なんですが、、、もしかして少し太った……?いや、東宝にきてだいぶスッキリしたので今はもう大丈夫だと思うんですが、大劇場は……?(; ;)

新人公演は、星輝、星那、煌海、麗奈、他。
本公演でキャピュレットチームの人は、新公は基本的にモンタギューチームになるはずなのですが、星輝くんはパリスと掛け持ちなので、キャピュレットしか出られないんだよね……。だったら、本公演をモンタギューでも良かったのに、と思うのですが、星輝くんのダンスは、モンタギューじゃなくてキャピュレットチームに入れたくなるのもなんとなくわかるんですよ……。
星那くん煌海さんは今までそんなにダンサーチームに入ってるのを観た記憶がないような気がしますが、よくがんばっていたと思います。
ピーターで観客の視線を捕えた麗奈くんは、長すぎる手足を持て余しているように見えるときもありましたが(←すみません)、映える振りではめっちゃ素敵でした。



■キャピュレットの女たち

メンバーは妃鳳、琴音、玲実、咲希、風凛、花陽、楓、他。
2幕、ジュリエットの結婚を知ったティボルトに最初に絡んでいくところなど、今の月組じゃこころしかいないなあ……と思いつつ。パワフルで色っぽいダンスがとても恰好よくて、胸元の薔薇の入墨が素敵。
ちびあず(琴音)は、いままで可愛らしいイメージばかりだったのに、今回かなりお色気担当で、殻を破ったような気がしました。
ダンサー・くれよん(玲美)のシャープなダンスはさすがの一言。
ちゅーちゃん(咲希)のしっとりした華やかさは大事にしてほしいなあ、としみじみ思いました。元々綺麗な子だけど、さらに色っぽくなってきたなあと感心。役でのダンスも良かったけど、フィナーレの女役群舞での美しさと華やかさは抜群で、とても印象的でした。
風凛さんは、ダンスのタイプ的にはどちらかというとモンタギュー的かな、と思っていたけど、東宝に来てからはかなり激しさがでてきて、良くなったと思います。
みくちゃん(花陽)は、最近たまにみっぽー(美鳳あや)に似てるなあと思う時があるんですが(^ ^)、本当にキレイになったなあ、とも思うんですよね。小柄なのにキビキビと力強く踊るときの迫力がすごく好きです。今回、喧嘩シーンはとしちゃんと組んでることが多いんですが、めちゃくちゃ迫力があって怖いくらいカッコいいです(*^ ^*)。この二人で武器を持って殺陣をやったらすてきかも。特に、決闘シーンの後半、舞台奥の台の上で、みくちゃんを壁に押しつけて襲いかかるとしちゃんが激しく恰好良くて、観るたびにドキドキしてました。男役をああいうふうに魅せてくれる娘役になってきたんだなあ、と感慨深いです。

新人公演は、紗那・愛風、他。
台詞のあるところは、ゆずはがこころ(妃鳳)ポジに入ってましたよね。こころの貫録には至らないけど、ゆずはちゃんにしては柔らかく、女らしく、色っぽくをすごく意識して演じているな、と感心しました。
ゆめちゃんは、キャピュレットの方が化粧もキレイだったし、似合っていたような気がします。……しかし今回のゆめちゃんは、モンタギューの女でもキャピュレットの女でもなく、フィナーレの4組デュエットの女が滅茶苦茶キレイで、感動しました。ごてごてと髪型を造るよりも、顔立ちが華やかなんだからああいうストレートボブみたいなのが一番似合うのかもしれません。絶世の美女でした(*^ ^*)



そんなところでしょうか。
マントヴァの市民とか乞食とか商人たちとか旅人とか、書きたいことはいろいろありますが、、、あの辺の小芝居は、月組にしてはまだまだかな、という印象もありました。短い場面なんですけど、それ以外の時間はほぼ通し役なわけなので、あの場面をもっともっと楽しんでほしいような気がします。
「芝居の月組」はそういうところから始まっていたと思うので、新生月組も、その伝統を受け継いでいってほしいな、と思います。



なにはともあれ、お披露目公演のご盛況、おめでとうございます。
全国ツアー公演も楽しみにしています!



月組東宝劇場公演「ロミオとジュリエット」。
いまさらなのですが、こまごまとしたツボをもうすこし書かせてくださいませ。


■ロレンス神父(英真なおき/千海華蘭)

初演の星組版でもロレンス神父を演じていた英真さん。
今回の方がちょっと若づくり(?)な感じでしたが、なんともいえない温かみはさすがでした。
美穂さんとの「神はまだ我々をお見捨てにはならない!」というデュエットが大好きです。また、機会があったらぜひ歌ってほしい!

新人公演のからんちゃんは、「エドワード8世」のチャーチルが素晴らしかったのでとても期待していたのですが、今回は見た目のかわいらしさでちょっと損をしていた印象。ヴェローナの街でずっと教会を守ってきた尊敬すべき存在、というよりは、赴任したての若い神父、みたいな印象でした。ロミオのたまきちが大人っぽいので、ぱっと見で同世代に見えてしまって……チャーチルとプリンス・チャーミングはそんなことなかったのにな。不思議。



■ヴェローナ大公(輝月ゆうま/天翔りいら)

本公演の配役が発表された日の騒ぎが、忘れられません。新人公演の大公さまはあるかも、と思っていたけど、まさか本役で来るとは!!本当に驚きました。
ああ見えて(^ ^)まだ研4のまゆぽん。ものすごいプレッシャーがあったと思いますが、抜擢にはちゃんと応えていたかと。本当にがんばってくれて、良かったと思います。歌えることも喋れることも貫録があることも知っていたけど、さすがに本公演でああいう位の高い目立つ役でも通用するレベルだとは思っていなかったので、それなりに驚きました(@ @)。丈の長い衣装が長身に映えて、全体に小柄なスターが多い月組では異質な存在感でした。
ただ、台詞の声はまだ軽いんだなあ、というのが素直な感想ではありました。研4なんだからそんなの当たり前なんだけど、何でもできると思い込んでいるから、なんか驚いてしまうんですよね。いやでも、歌の貫録は素晴らしかった!
アルバイトは「キレイは汚い」の魚屋だけ……かな?朴訥とした優しげな立ち姿が男前でした(^ ^)

新人公演は、たまきちと同期のあまりら。
美形で歌える期待の若手なのになかなか役がつかないなあ、と思っていた矢先の大役。上級生のメンツにかけてがんばったんだろうな、と感心しました。歌も芝居もとても良かった!!得意の歌を披露できて良かったな、と思いました。
本公演とはロミオと大公の身長差が逆なのが非常にツボでした。同期だからどうこうというような役ではありませんが(残念)、信頼関係のみえる良い芝居をしていたと思います。



■ピーター(華央あみり/麗奈ゆう)

乳母のお付きのピーター。か、か、可愛い……(ぱたり)。あちょうさんがあんなに可愛くなるなんて!!反則としか思えん!小池さんGJ!!

そして、新公の麗奈ゆうくんの可愛らしさはまた特別でした(*^ ^*)。
いやはや、乳母に名前を呼ばれて「はぁーい!」と答える声の可愛らしさに驚愕し、あまりの小顔っぷり(あの身長との比較で考えただけでも驚愕なのに、絶対値でも小さいなんて!)に悶絶。「キレイはキタナイ」の銀橋やハケ際に、同期のまゆぽんや朝美さんと並んだら……おっとびっくり(@ @)。研1の頃から美貌とスタイルで目立っていた人ですが、本当にしみじみと凄いなあ。
っていうか、95期ってすごいなーーー(今更)



■パリス(紫門ゆりや/星輝つばさ)

「二人の貴公子」の遍歴の騎士以来、ゆりやんのシェイクスピア役者としての才能は素晴らしい、と常々思ってはおりましたが。。。にしても、凄いパリスだった!!星組のみっきぃさん(天寿)や雪組のひろみちゃん(彩那)ら、芝居巧者といわれる(た)ひとたちが毎回すごい苦労して創ってきたパリスを、こんなにあっさりと「当たり前」に存在させたゆりやん。本当に素晴らしかったです(*^ ^*)。
「アルジェの男」新公主演で一皮むけたゆりやん。「アリスの恋人」の帽子屋も、「エドワード8世」のボーウドウィンも素晴らしかったけど、このパリス役で、また役者としてもう一化けしてくれた気がしています。次の公演が楽しみ!……「愛するには短すぎる」では何をするんでしょうね。初演で和くんが演じた役をぜひやってほしいと思っているのですがどうなるかなあ。トウコさん⇒美弥さん、礼音くん⇒マギー、涼さん⇒るうちゃん、和くん⇒ゆりやん。……可能性としては結構高いと思うんだけどな(祈)。

新人公演の星輝くんは、正統に真正面から笑いを取りにきていて、それもすごく良かったです。あの貌と身体にマッシュルームカットとか、シンプルだしちゃんと似合ってもいるのに何故か笑ってしまうという見事なプロデュース力でした。良かった!






そうこうしている間に、月組公演「ロミオとジュリエット」も最後の週末になってしまいました。

私が最後に観てからもだいぶたつから、またみんな色々変化しているんでしょうね。
あああ、最後にもう一回づつ観たかったなー(T T)(きりがないよ!)。


なんだか体系だてて書くのは無理そうなので、とりあえず残しておきたいメモを。


■オープニング

星組では海さんと優香さん、雪組では蓮城さんと愛加さんだった、両家の引き裂かれる恋人は、月組は光月るうちゃんと萌花ゆりあさん。

二人を出会わせるのが愛なのは星組版からですが、今回の月組は、愛のゆうき(煌月)が二人を狙って恋に墜としたのが印象に残りました。
雪組はあまり覚えていないのですが(すみません)、星組は普通に自分から恋に落ちてたような記憶で、月組は愛によって引きあわされるイメージ。勝手な印象ですが。

「愛」といえば、星組のときはもっと衣装が薄くて、裏なしの1枚だけだったから身体のラインがよく見えていたような気がします。体型的にも、まだ若くてピチピチしてて、、、なんというか、肉体感があったんですよね。精神的な「愛」ではなく、もっとリアルな感覚。振付ももっと無邪気でかつ色っぽかったような気がします。

雪組の「愛」は、2枚がさねの衣装だったと思うんですよね。透け感のない柔らかな衣装と、せしるの優雅でしなやかで、そして力強いダンスによって表現される、幻想的なイマジネーションが印象に残っています。大人で強くて、最初から「死」より上位に立った「愛」だった……。あまり色気のあるタイプではない、というか、ぶっちゃけ色気は皆無だったけど、逆に、それがすごく精神的な「純愛」感になっていたような気がします(^ ^)。

月組のゆうきは、衣装はたぶん雪組と同じ?
ダンスというよりも、芝居がかった「意思」のある存在感が面白いなと思いました。
そういえば、ゆうきは顔に模様をつけてないんですよね。そのせいなのかな、あまり「幻想的」なイメージがなのは。すごく「意思」をもって能動的に恋人たちの気持ちを動かしていく「愛」だな、という印象を持ちました。

そうそう、舞踏会で「愛」が二階へ連れていくのは、ジュリエットじゃなくてロミオなんですよね。星組はぜったいジュリエットだったのに。雪組はどうだったっけ……すみません、雪組さんはあまり回数を観られなかったので細かいところを覚えてないんです(涙)



■僕は怖い(一幕)とジュリエットの銀橋

新人公演を観て、あらためて、この2曲があると無いでこんなに作品の世界観が変わるのか!!、と思いました。

新人公演のロミオとおジュリエットは、どこにでもいる普通の、純粋で幸せな若い青年と少女。
二人が出会って、恋をして、、、ごく普通の恋愛譚であったはずなのに、周囲の理解が得られずに悲劇が起きる、という展開がすごくスピーディーで、しかも当たり前に見えて。なんだか不思議な感覚でした。

本公演の、悲劇が起こる前から闇を視ているロミオと、幸せではないジュリエットの、現実を無視してお互いに縋りつくような痛々しい恋人っぷりが大好きで、好きすぎて、新人公演は物足りないなあなんて思ってしまったんですが(^ ^)、でも、普通に「ロミオとジュリエット」って言ったらこっちだよなあ……とも思いました(^ ^)。

面白いなあと思ったのは、ロミオと「死」の組み合わせでしょうか。

闇を知らないロミオと包容力のある大人なジュリエット、という組み合わせだった星組版は、能動的に「死」へと人々を連れ去ろうとする「死」とリアルで肉感的な「愛」。

闇に惹かれるロミオと、ただただ真っ直ぐで純粋なジュリエット、という組み合わせだった雪組版は、子供のように純粋な、少年ロミオの友達のような「死」と、姉のように世界を見守る女神のような「愛」。

今回、本公演の「死」と「愛」は、どちからといえば雪組系だったと思うんですが、新人公演は星組版に近かったと思うんですよね。たまきちのロミオは「闇」を知らないし、咲妃さんのジュリエットもしっかりした普通の女の子で、そのぶん、ちなつの「死」とゆーみんの「愛」は物凄く怖くて、異空間から二人を連れに来た存在という気がしました。

本公演のロミオ二人とジュリエットは、3人とも、すごく「闇」を怖れているんですよね。
「遊びなら何人かとつきあったけど」という言葉が強がりにしか聴こえないまさおロミオは、闇を怖がる子供そのものだし、ちゃぴジュリエットもそんな感じ。みりおロミオは闇に惹かれる自分に怯えきった少年。
3人とも、あまりにも闇に対する恐怖心が強くて、、、「たまきちはそんなに怖くないから大丈夫だよ!」と言ってあげたくなってしまう時もあるのですが(汗)、すごく好きです(はぁと)(結論はそこか)。


礼音くんの明るさとパワー。それを押しつぶして死へ誘うためには、真風くんくらいの存在感のあるスターが死を踊る必要があった。だって、あのロミオは、「僕は怖い」って言いながら全然怖そうに見えないんだもの。
キムちゃんやみりおのような、最初から闇を内包したスターには、元々死への道筋がついているから、その背をそっと押すだけでいい。だから彩風さんやたまきちがふさわしい。まさおは、闇を内包しているとかなんとかじゃなくて、単なる闇を怖がる子供だけど、「死」との関係性は同じなのだと思いました。闇に怯えながら闇に惹かれる、子供。ちゃぴもそう。本質的に子供同士の恋愛。



■バルコニー

バルコニーのちゃぴが可愛くて可愛くて、2階席が大好きになった今回の公演。
面白いな、と思ったのは、ロミオが登場して吃驚したジュリエットが「危ないわ」と下を見下ろすところのロミオの動き。
まさおロミオは、ジュリエットと一緒に下を見るんですけど、みりおロミオは、焦って下を確認するジュリエットの背中を微笑んで見守ってるんですよね。(←もしかしたら日によって違うかも)(最近は、基本的にジュリエットしか視てないかもですごめんなさい)



■キャピュレット家の女たち

最初に登場して、「だんなさまぁ~っ」と甘い声で呼びかける侍女は真愛涼歌ちゃん。本当に間が良いなあ~~。涼やかなのに色っぽい、良い声(はぁと)。ちょっとふっくらしているのも、こういう役だとすごく良いんですよね。新公のモンタギュー夫人も素晴らしかったです!ああう、「にくしみ」も聴きたかったよー(涙)。

後から出てくる侍女とキャットファイトしているのも可愛くて可愛くて、ついつい観てしまいます(*^ ^*)。2階ではジュリエットがニコニコしてるし、本当にどこに視線を合わせればいいのかわからなくて、目も耳も忙しい場面でした(^ ^)。

ちゅーちゃん(咲希あかね)の衣装は、星組ではキトリ(稀鳥)が着ていたもの。他のメンバーはあまり覚えていないんですが、どれが誰のかな?

美穂さんがすごく小さくなっていて吃驚します。小柄な男役よりよっぽど大きいはずなのに!
今回ちゃぴが娘役としては長身だから、小さくなりやすいのもあるんでしょうけど、動きもすごく自然で、すごいですよね。歌はもちろんさすがなんですけど、芝居が素晴らしいからこそのあの歌なんだなあ、と思います。



■決闘

ロミオがリフトされて「誰が誰を好きになってもいい 愛し合う心は誰もが変わらない」と歌っている時。
星組の涼ベンヴォーリオは、柚希ロミオを観てなかったと思うんですよね。そっちには背を向けて、客席に顔を向けていたはず。でも、聴いているのはわかりましたけど。
マギーは、客席に背をむけてロミオをじっと見上げてるんですよね。ナウオンで「ロミオを見上げるのを止めた」という話をしていましたが、あの場面はすごく印象に残っています。



■僕は怖い(リプライズ)

「僕は怖い。……神の怒りに触れた自分とジュリエットの行く先が」という歌詞の中で表現される、物理的な恐怖心。
まさおロミオは、恐怖の中でジュリエットの幻に救いを見出して、幸せいっぱいの表情を浮かべるんですよね。なのに、腕の中に抱きしめた瞬間に幻はかき消える。その儚さに恐怖がぶり返してさらに怯える、、、本能で生きているロミオ。
みりおロミオは、ジュリエットの幻にさえ怯えていたような気がします。腕の中に勝手にすべりこんでくる幻に怯えて、そんな幻を視てしまう自分に怯えて、舞台の端まで逃げていく。根源的で物理的な恐怖。

……だーかーらー、、、たまきちはそんなに怖くないってば……(^ ^;ゞ

ロミオと「死」の組み合わせは本当に面白いな、と思います。
まさおやみりおのロミオにちなつちゃんの「死」を組み合わせたら、たぶん「いつか」を歌うまでもなく死んでると思う。明るくてまっすぐで、裏表のないたまきちのロミオだったからこそ、ちなつちゃんの誘惑に耐えられた。礼音くんのロミオだったからこそ、ゆりか(真風)の支配をはねのけられた。いやはや、芝居というもの、「宛書き」というものの面白さだな、と思います。



■もしも。

神父さまの計略が何もかもうまくいって、ロミオとジュリエットがマントヴァで新しい生活を始めたとしたら、どうなっていただろうか、、、なんてことを、ときおり考えたりします。

髪はぼっさぼさ、肌はカッサカサになるジュリエット……なんとなく想像できるけど、でも、ちゃぴジュリエットならそんなことあまり気にしないかも、と思ったりします。星組の綺咲さんや、新公ジュリエットの咲妃さんは耐えられないかもしれないけど、ちゃぴならば。
ちゃぴジュリエットなら、ロミオさえ傍にいてくれれば全然大丈夫なんじゃないかなあ、と。

……だとしたら、耐えられないのはまさおロミオ、か(- -;ゞ

みりおくんのロミオは、意外に生活力もありそうだし、神父さまが二人の結婚を公表して町に平和が訪れるまで待てるかもしれません(^ ^)。
だけど、まさおロミオは無理だろうなあ……。やつれていくジュリエットを視ているのも無理だろうし、自分自身が変わっていくことにも耐性がなさそう。でもおめおめとヴェローナに戻ることもできずに、ちゃぴの紐になって暮らした末に……。末路がありありと想像できるなあ。。。



なんだかすごく勝手なことばかり書いて、すみません。
大公も神父さまも、すごく良かったですう~!と書こうとして、この二人の学年差を思って倒れそうになりました。まゆぽんって本当にすごいわ。専科さまと同列に感想書きたくなってしまうなんて!(^ ^;




宝塚ホテルにて、愛音羽麗ディナーショー「麗人」に参加してまいりました。



愛音羽麗。
「男」でも「女」でもない、まさに「麗人」としか言いようのない、うるわしのひと。
純粋培養の花組スター

大劇場公演を卒業した直後のディナーショーということで、涙涙の1時間になるのかな、と思っていたのですが、コーラスメンバーが絶妙で、予想以上に楽しかったです。コケットとシリアスのバランスも素晴らしく、みわっちのもつ柔らかな魅力満開の、歌もダンスも大満足のディナーショーでした(*^ ^*)。



構成・演出は藤井大介、音楽は青木朝子、背景に白薔薇を散らしたセットは新宮有紀。
コーラスメンバーはよっち(月央)、だいもん(望海)、あきら(瀬戸)、まゆちゃん(鳳)。

ダンスはよっち、歌はだいもんを中心にしつつ、上演中の時間の8割くらいは5人全員が舞台の上に居たような気がします。普通、ディナーショーっていうと、半分くらいの時間は主演一人か主演+コーラスの誰か一人、みたいな場面が占めるような気がするのですが、今回は本当に4人とも出番が多くて、忙しそうでした。
その分、衣装替えは少なめだったけど(^ ^)。




オープニングは、オリジナル曲「麗人」。
一曲歌って、短いMC(みわっち単独)をはさんで、「エキゾチックコーナー」=日本物&中国物(虞美人)コーナー。
服は、オープニングの衣装の上にちょっと派手目な着物を斜めに羽織ったような感じで、着替えに引っ込むことなく、MCから続けて歌ってくれました。
個人的には、博多までは観にいけなかった「あかねさす紫の花」の天比古の唄が聴けて、嬉しかったです。私が生で聴いたことがあるのは、月組全国ツアー版のまさお(龍)だけだったのですが、全く違う歌みたいだなあと思いました。ああ、曲だけじゃなくて「天比古」という役を演じるみわっちを観てみたかったなあ。

次のコーナーはフランスコーナー。
アデューマルセイユ、琥珀色の雨に濡れて、ル・パラディ……など、花組の過去公演の曲をいくつか歌ったあと、フランスメドレーと題してシャンソンメドレーに。メドレーのラストをコーラス4人の「呑め、呑め」でまとめると、次のコーナーは客席からオスカルさまが登場!
白い軍服にブロンドの巻き毛。客席を練り歩きながら「愛の巡礼」を歌うみわっちの美しさは、溜息がでるほどでした(*^ ^*)。



この後は、みわっちがファン時代に観ていた花組のショーナンバーを中心に、さまざまなジャンルの曲を歌って……涙ポイントもそこかしこにあったりして、、、泣いたり笑ったり、とても忙しかったような気がします。
東京で楽しみにされている方も多いと思いますので、今日のところはネタばれを避けてこのあたりにしたいと思います。



ただ、一つだけ。

全員でのトークはぐだぐだで、涙が出るほど愉快でした(^ ^)。

みわっちが天使であることは周知の事実ですが、今回のコーラスメンバーには、天使を超える天然が二人いたんですよね……よっちと真由ちゃん、という爆弾が。

よっちは、コーラスメンバーの中の最上級生としてMCコーナーを仕切ろうとして自爆してたし、
真由ちゃんは、ラストの挨拶で「このディナーショーに参加させていただけると判ってからの数ヶ月は、本当に………時は金なり、という感じで」と言い放って(←おそらくは「あっという間」かつ「とても貴重な時間」でした的なことを言いたかったのではないか、と推測)、、みわっち以下の上級生を吃驚させていたし。
もう、客席は笑っていいのか凍るべきなのかわからなくて、ちょっとオロオロしちゃいましたよ(滝汗)。


そんな下級生たちを穏やかな笑顔で包み込むみわっちは、本当に天使に見えました。
背中の真っ白な羽根が、ライトを浴びてキラキラ光っているのが見えそうなくらいに。
……挨拶はちょっとぐだぐだでしたけどね(^ ^)。




麗人。うるわしき、ひと。
愛音羽麗の「麗」をとって麗人、というのは、藤井さんがつけたタイトルだそうですが。

みわっちのためにあるような言葉だな、と、テーブルに置かれていたチラシをみながら、つくづくと思いました。
天使であり、かつ、麗人でもあるみわっち。

東京でのディナーショーも、楽しいものになりますように。
参加される方がいらっしゃいましたら、様子を教えていただけたら幸せです♪


.

< 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 >