新人公演もまだ終わっていないのですが、今日は日経ホールにて行われたトークショーに参加してまいりましたので、その話を。


このトークショーも、何回目かなあ。ヤクルトホールの時代から断続的に参加していますが、私が今までに参加した中では、今回のが一番トークがまともでした(^ ^)。
メンバーは、蓮水ゆうや、鳳樹いち、百千糸。
ちーちゃん以外は素で喋っている姿なんて観たことのないお二人でしたが、 舞台姿から想像していた以上にしっかりと、要領よく話をまとめて、簡潔に話すことのできるメンバーで、ほんとうに感心しました(@ @)。


まず。服装は、ちーちゃんといちくんはモノトーンで手堅くまとめていて、百千ちゃんは紅い薔薇の模様がついたシンプルなAラインワンピ。なんだか、背丈のバランスとか、いろんな面で並んでいてしっくりくる三人でした。
ちーちゃんと百千ちゃんは、みっちゃん(北翔海莉)のディナーショーに一緒に出演して仲良くなったそうです。ちーちゃんは、小柄な百千ちゃんを「リアルアリエッティ(「借り暮らしのアリエッティ」より)」と呼んでいるそうです(^ ^)可愛い!!



それでは、トーク内容を簡単に。


■お芝居の役について
・ちー(オーレリー) 人を「恨む」には凄いエネルギーが必要で、普段あまり感じることのない感情なので難しかった。
舞台に出る瞬間にパッと切り替えられるタイプなので、袖ではいつもどおり皆(同期とか)と遊んでます。

・いち(バラス)  歌と台詞の応酬で場面が進んでいくので、シェイエスの天玲とタイミング合わせに苦労しました。

・百千(いろいろ) 場面で一番多いのはレインボーカラーの召使い。最初の場面でハープを持っているので、勝手に自分はエマの芸術面の教師役だと思っています。あとは、オペラの場面でコーラスをしているんですが、イタリア語で歌うのが難しい。



■役づくりで苦労した点は
・ちー
あまり当時の政治情勢とかに関係のない役なので、「何かにとらわれて狂ってしまう人」ということで、そういう人を扱った映画を視たり……あと、青池保子氏の「トラファルガー」は読みました。私もマスケティアなので(←でも全然関係ないけどね!)
「愛する者のために戦う」がテーマの作品ですが、オーレリーも最初はそうだったはず。それが、ナポレオンに操られて(?)あんなふうになってしまったのかな、と。(←意訳)
結局、衣装をつけて舞台にあがれば見えてくるものがたくさんあって、なんとかなる。

ラストの死ぬところは、笑顔で飛び降りろ(兄の仇を討って満足して死ぬんだから)と演出指導が入った(@ @)らしいんですが、「怖くて笑えない」そうです。そりゃそうですよね…。
死んでからもしばらくハケられなくて、セットの裏で体育座りしながら場面が終わるのを待って、イギリス兵のみなさんと一緒にハケるのですが、皆がうるうると泣いているので非常にいたたまれない、という話が面白かったです(^ ^)

あと印象的だったのは……
オーレリーがハーディーに撃たれて落ちる場面でプシューっとあがる水煙について。
ちーちゃんはずっと、あれは自分が海に落ちたときの水しぶきだと思っていたんだそうです。なのに、どうして自分が落ちるより早く出ちゃうのかな?舞監さんおかしくない?と疑問に思って、訊きに行ったそうです。そしたら!
あれはちーちゃんの落下とは関係なく、排水管が破裂したことを表しているんだそうで。
へーへーへー………

・いち
ナポレオンより上に立つ人なので、どう重厚感を出せばいいのかと苦しみました。ナポレオンを扱った漫画とかだと、バラスはすごいおじいさんで、白髪で長い髭をはやして……みたいな感じで、でもビジュアルについては「ど金髪で外ハネ」という齋藤さんの指定があったから、歩き方や仕種で貫録を出そうとした。

・百千
ドレスが長くて立派なので、裾まできちんとサバくのに苦労しています。
召使いの衣装は凄く可愛くて、みんなで「負けないようにもっと可愛くなりましょう!」と日々頑張っているそうです。



■新人公演
・いち(ウィリアム)
竹下さんに「ウィリアムは良い人なの?」とふられたいちくん。
「すごく愛していたんですよ」と。
「5000ポンドで買ったときから魅了されていた(魅了されていたから買った)んだけど、それを表現する場がないところがが難しかった」

ちー「パレルモでエマを叩いたあと、その手をじっと見る芝居でぐっときた」
いち「あそこが唯一の表現できる場面ですね」
ちー「あれは演技指導?」
いち「それもありました。でも気持ちを入れるのが難しかった。すごく切ないんだけど、その切なさを見せてはいけないので」
竹下「プライドがあるから?」
いち「そうですね…」

大意はこんな会話だったと思います……が、違ってたらすいません。
そう!!先日の日記にも書きましたが、いちウィリアムの、エマを叩いた手を凝っと視て、そしてまた虚空に彷徨わせる一瞬の表情が絶妙に良いかったですよね!(強制)
シンプルな切なさではなく、もっと複雑な感情。その複雑さをどうすれば客席に伝えられるか、本当にいろんな努力をして作り上げたんだろうなあ……と思いました。

いちくんは本当に、誠実で朴訥な人なんだろうな、と思いました。
うん。いろんな意味で、ですが♪
「誰がために鐘は鳴る」の新人公演、いちくんに主演してほしい……かも(ことだまことだま)(*^ ^*)


・百千(ジュゼッピーナ)
本公演でもコーラスをさせていただいていますが、0番で歌うというのは、他のポジションとは全く違う経験でした。
ジュゼッピーナはただの「スパイ」というのともちょっと違っていて、役づくりの参考にしたのはルパン3世の峰不二子さんです。(@ @)


いち(挨拶)
直前まで何も考えられなくて、エマにネルソンの手紙を渡してハケた後、壁とお友達になって考えました。
客電がついているので、笑顔のお客さまの顔が見えてうれしい。

ちー(感想)
宝塚の時より数段良くなっていて、本当に皆がんばったと思う。
あとちょっとだから頑張ってね。



■ショー
振付で難しかったのは、太陽族の場面。
曲はなんとなく知っている曲も多いので、音を聴くとなんちゃってで踊れるんだけど、正式に振付を受けると「出来ない!」の連続。
振付の先生に、「昔は足腰の強い人が多かったけど、最近の人は足腰が弱いわね」と言われた。

■お気に入りの場面
・ちー 大階段の男役群舞。野郎度高く、けだるい感じでスタンバイするのが格好良い。
   あの腕まくりは、人によって色々。フィナーレの最初にでるちーちゃんたちは、最初から腕まくりした状態の衣装があるそうな。

・いち 「プラズマ」という答えを言うまえに、竹下さんみずからプラズマの話になっていました(^ ^)。もしいちくんの答えが「プラズマ」じゃなかったらどうするんだろう(←でもプラズマだよね、きっと笑)
最初の振付が半分くらいまできたところで「嘘、まだ半分!?」と皆倒れそうになった。

・百千 ひまわり。とにかく可愛い。あと、ロケットの発光手袋のところ。あそこになると客席がざわめくのがわかる。
酒場(太陽の戦士)は、「大人っぽく」「あばずれ」に。良い男がいたら自由に寄って行け、と言われた。




舞台に関してはこのあたりだったでしょうか。
あとは、オフの話(ちーちゃんといちくんのラブラブ話だったような……)とか。

そして最後に、

■今「宝塚にいるんだ!」と実感する瞬間は?
・百千 3歳の頃から宝塚を観ていて、合格したときは凄く嬉しかった。毎日パレードで、自分が手にしているシャンシャンに「ももち」って書いてあるのを見るだけで幸せ。

・いち フィナーレで、上手から下手へ(逆だったかも?)ホリゾンとを移動するとき、(鳳翔)大さんとモニターに映るエトワール(花影アリス)を観て、「宝塚だ!宝塚だ!」と大騒ぎをしている(←いみふ)
あと、パレードで銀橋の付け根あたりにいるのですが、ゆうひさんが振り向くときのナイアガラがぶわっと来た時に、ちょっとしみじみと。

・ちー ダンスが好きなので、ショーのときに凄く幸せになる。
本名の自分から「蓮水ゆうや」に切り替わる瞬間がとても好き。



最後にちょっとだけ、蘭トムさんのコンサート「“R”ising」の情報を落として終了しました。
とは言え、本当にちょこっとだけで……

・もうお稽古は徐々に始まっている。すごいハードスケジュール
・藤井さんに訊いたら、「ロックありラテンありJ-POP」ありだそうなので楽しみ!

……そのくらいかなあ(?)っていうか藤井さん、一番当たり障りのないところを言いましたね(^ ^;ゞ



ちーちゃんは二度目のトークショー。竹下さんが「三年まえ、七帆さんと一緒に出てくださったときは、ギンガムチェックのシャツが良く似合って少年のようだったのに………」

……萌えっ!




宙組東宝新人公演「Trafalgar」。


光海舞人(エドマンド・ネルソン/風莉じん)
穏やかで立派な、尊敬されるべき有能な牧師さん、というイメージそのままの存在感。
本役とは全く違うアプローチに驚きました。

本公演しか観ていなかったので、エドマンド牧師についてはあの可愛らしい、ちょっと惚けかけた“おじいちゃん”のイメージしかなかったのですが、台詞もなにもかも全くそのままで、こんなに別人になってしまうとは!!
「レディ・ハミルトンとは誰だね?」という台詞も、意味がわからずに言っているわけではなく、身体を悪くしてから引き籠り気味だから情報がなくて、純粋に「誰だね?」と思っている感じだし、
ファニーの「あなたの大事なおともだちに是非ご挨拶を」という台詞を受けての
「わしもご挨拶したい!」
という台詞も、子供がえりした男が「僕も僕もー!」と騒いでいるみたいに見えた本公演とは全く違っていて、普通に「(お前が世話になっとる人なら)わしも挨拶せんとな」と言っているかのような……ちょっと緊張感のある親子関係が見えたような気がしました。

なんとなくのイメージなんですが。
本公演のホレイシオとエドマンドは、若いころに家を出て都会へ行ってしまった息子と、田舎で彼を案じているばかりの、優しいけれどもちょっとウザい父親、みたいな関係に見えました。
息子にしてみれば、子供がえりしてしまった父親を見るのはちょっと辛いけど、そんなに深い思い入れがあるわけではない……みたいな。
それに対して、新人公演のホレイシオとエドマンドは、身体を悪くして車椅子生活になってしまったけれども、頭は明晰で優秀で……そして、生真面目な牧師と、その生真面目さを受け継いでいながら、お固い教会生活に我慢しきれず、世界も視野も狭い父親に反発して海軍に入った息子、、、みたいに見えたんですよね。ちょっと妄想入ってますけど、ホレイシオの選択の裏には、つねに父親への憧れと反発があったのではないか、と思ったんですよね。

決して仲が良いわけではない、『緊張感のある』親子関係。
だからこそ、ラストでの「ホレイシオがもうすぐトラファルガーから帰ってくる……!」に、こらえきれない感動があったのだと思います。

子供たちは、いつか必ず、親を超えていくもの。
親を超えてくれなくては、子供をつくる意味がありませんから。
でも。見事に自分を超えて、そして、死んでしまった息子(ホレイシオ)を想うあまり、すっかり弱ってしまったエドマンド。
そして、そんな夫と父親をずっと視てきたファニーの、包み込むようなやわらかい頬笑み。
愛されることよりも『愛する』ことを選びとり、「レディ・ネルソン」として生きるという固い決意に支えられたファニーの凛とした背中に守られ、運ばれていくエドマンドの「小ささ」が、切なくてたまりませんでした。
この新公エドマンドが、大劇場の時はあまり話題にならなかったのが不思議でたまりません。
えりちゃんのファニー、七生くんのジョサイア、そして、こーまいのエドマンド。ネルソン家の三人があまりにも本公演と違っていて、非常に興味深かったです。

風莉さんも、ああいう厳格な雰囲気の役づくりも全然できたと思うんですよね。なのに、本公演では“可愛いおじいちゃん”で作って、新人公演は“厳格な父親”路線でいくことにしたのは何故なんでしょうね。こーまいの希望だったのかなあ……?

アルバイトは、フランス兵にロンドン市民、ナポリの客、、、、本公演なみに入っていたような。でも、エドマンドが強烈すぎて、あまり覚えていませんごめんなさい。




千鈴まゆ(キャドガン夫人/美風舞良)
芝居巧者のちっすーが美風さんの役!配役が出た時から楽しみにしていましたが、期待にたがわぬ活躍ぶりでした(はぁと)。可愛らしい丸顔と芝居の質がちょっと月組の美鳳あやちゃんに似てるなーと思っていたのですが、本当に巧いし、可愛かったです♪いつか宙組で「エリザベート」を上演する日がきたら、ルドヴィカを観てみたいかも(*^ ^*)。

最初の銀橋でのエマとの掛け合いも良かったし、パレルモやロンドンで笑いを取りにくるところなんて、もう文句なしの達者さでしたが、なんと言っても今回良かったのは、「忘れられない人」の前、ホレイシアを抱かせてくれと訴えるホレイシオを退けるところ。
「エマも私も、ハミルトン家に厄介になっている身なのです」
やわらかいけれども有無を言わせぬ力強さは、何が何でも娘と孫を守ろうという母の強さ。
そのピンと伸びた背と、悄然としていながら追いすがることを許さない無言の圧力。りくちゃんには太刀打ちできない貫録がありました(*^ ^*)。

今まで、どちらかというと可愛らしくてコミカルな役の印象が強かった人ですが、このキャドガン夫人は当たり役だったな、と思います。

前回の「カサブランカ」では、すべての場面でアンサンブルトップみたいな感じでしたが、今回はキャドガン夫人という大役がついているせいか、アルバイトは殆ど無し。まさかのフランス兵(トラファルガー海戦)がありましたが、さすがに予想外すぎてチェック漏れでした。残念!





綾瀬あきな(ジゼラ/藤咲えり)
可愛いえりちゃんのジゼラを、これまた可愛いえびちゃんが演じていましたが、、、本当に可愛いなあ(*^ ^*)。齋藤さん、ジゼラは可愛子ちゃんと決めていたんですかね。さすがだわ。

アルバイトは、ナポリの淑女とフランス議員、そしてプラザの客、かな。
ナポリの淑女は、記憶違いでなければ本公演でちっすーがやっているハーディーと一緒に踊る美女ポジだったと思います。全く踊れないハーディーに手取り足とり教えつつ、脚を踏まれつつ……。ともちんとちっすーほどの背丈の差はないので、本公演ほど「手が届かない!」みたいな演技はしてなかったんですが、最後にえびちゃんがあっきーを支えてポーズを決める逆転振付があって、注目していた私は、曲の途中なのに思いっきり吹き出してしまいました(^ ^;ゞ
ドレスは本公演で伶美うららさんが着ている黄色いドレス……だったと思いマス。えっと、サイズを直す時間がどれだけあったのか判らないけど、たぶん! すごいお似合いで、超美少女でした(*^ ^*)。

あと印象的だったのは議員さんかなー。いくらなんでも小さすぎるから!!他に人おらんのかー?(←いないかも)




美影凛(カロリーナ妃/鈴奈沙也)
細面の美貌に豪華な衣装がよく映えて、とてもよかったです。スタイルの良い人は、何を着ても似合うなあ(*^ ^*)
そして。なんと言っても、芝居が良かった!!鈴奈さんとは全く違う声で、やわらかくて包容力があるけど、しっかり者の王妃さまを好演。
銀橋場面の終わりで、「彼女(エマ)は優秀な参謀でしょう?」と悪戯っぽく問いかける場面のコケティッシュさも良かったし、それでも威厳がなくならないところも良かったです。
美人だし、踊れるし、芝居できるし、歌えるし……凄いなあ(惚)。

アルバイト(?)はいろいろしていましたが、目立つところではオープニングの波A(衣装の色が濃い人の一人)を踊っていました。流れるようなラインがキレイで素敵でした♪




天玲美音(フェルディナンド国王/天羽珠紀)
本公演のシェイエスがあまりにも嵌り役すぎて、気弱な国王陛下はなんとなく気恥かしいというか(^ ^;ゞ、無理している感が満載すぎて、ちょっと……と思ってしまいました(汗)。
決して芝居が下手な人ではないと思うんですが、個性が強すぎるというか何というか……
もう少し「引く」芝居ができるようになると鬼に金棒かも、と思いました。んー、でも、引くことを覚えてしまったらもう天玲さんじゃないかもしれない、という不安もあるんですけどね(汗)。




夢莉みこ(ソニア/琴羽桜子)
愛白もあ(マリーア王女/綾瀬あきな)
咲花莉帆(アルベルト王子/涼華まや)
儚げな美貌の夢莉さんのソニア、カロリーナ王妃への尊敬の念などが伝わってきて、良かったと思います。パレルモでのさりげない居方もGOOD。
新公は王子も王女も一人ずつで、エマのスカートをめくり、ハーディーをからかう王子さまがなかなか忙しそうでした(^ ^)。細かい芝居は本公演とはだいぶ違っていましたが、ちゃんと笑いも取れていたので良かったと思います♪




美月遥(バラス/鳳樹いち)
本公演でもソロをもらっている歌手なんですが、最初はちょっと緊張していたのかな?それともマイクの位置がおかしかったとかそういう理由?ちょっと声が弱い印象だったのが残念でした。ホントは良い声なんだけどなあ。
目力のある人ですが、ちょっと鬘が浮いていたかなー(T T)。本公演も新人公演も、なんか素材の良さを生かし切れていないような気がするんですよね。特にビジュアル面についてはなんか歯がゆい(涙)。




風馬翔(リュシアン/春風弥里)
みーちゃんでも若干の無理を感じる“Oui”は、かなり玉砕してたな……。そもそも、誰よりも地に足のついた質実剛健を絵にかいたようなかけるくんに、その役は無理があると思う……(涙)
んー、芝居のできる人だし、本来はハーディーとかジャービスとか、あのあたりの役が似合いそうなものなのに、あえて議員が本役なんですよねえ。齋藤さん的にかけるくんに軍服を着せたなくなかったのか?とか邪推してみたけど、考えてみたら本公演では着ているんだし、関係ないよね。なんでかな。

まあでも、いい勉強にはなったと思います。ええ(真顔)
いつでも全力投球なかけるくん、私は応援しているのでこれからもがんばってね(はぁと)




実羚淳(シェイエス/天玲美音)
天玲さんが大ヒットを飛ばしているシェイエス役。
ナポレオン再度の物語を動かすキーポイントであり、ただでさえ説明台詞(や説明歌詞)が多くて喋りにくいのに、結構難しい音階の歌に合わせて唄んだから、そりゃー研2で多少の無理は仕方ないなあと思っていたのですが。
……「多少の無理」じゃなくて、「いくらなんでも無理」な感じ、だったかも(T T)。

「シャングリラ」の子ヒョウ役では、ちょっと浮いた感じの存在感であまり動きもなく…という感じでしたが、今回はかなり「必死」な感じでしたね。
とりあえず私も
衣装の着こなしから笑いかたから、何もかもが「必死」な感じ(^ ^)
男役って難しいんだなあ、と、あらためて思いました。




天風いぶき(フーシェ/光海舞人)
天風さんもがんばっていたんですが、やっぱり本役のこーまいは巧いんだなあ、と再認識してしまいました。……ごめんなさい、天風さん(汗)。


今日で終わるつもりだったんですが、少し残ってしまった/汗。
続きはまた、早いうちに。


宙組東宝新人公演「Trafalgar」。



肝心なことを書くのを忘れていましたが、新公演出は本公演の齋藤吉正さんご自身でした。

今回の公演、演出助手が「シャングリラ」の小柳奈穂子さんだったので、てっきり彼女がやると思いこんでおりまして。開幕アナウンスも全然チェックしておらず、小柳さんだと思いこんで観ていて「『シャングリラ』で随分成長したなあ」、「役者のキャラにあわせてちゃんと世界を構築できる、いい演出家になってきたなあ~(^ ^)」などと感心していたら、なんのことはない、新公も齋藤さんだった、というオチでした。

それにしても、齋藤さん(^ ^)。
役者個人に対する萌えよりも役者の成長を優先し、きちんと世界観を伝えた演出だったと思います。数々の伝説(^ ^)のある人ですが、荻田さんが抜けた後、「役者の個性を生かす」とか「役者を育てる」ことができる数少ない演出家の一人になってきたし、ないよりも、いい指導者になりつつあるなあ、と感心しています。
これからも、萌えのある良い役者を育ててあげてくださいね♪



そして、齋藤さんの拘りポイント。
オープニングムービーは、ちゃんと新公キャストで撮りなおして、画像処理のレベルもほとんど遜色ないものを使っていました。
てっきり、新公はこのツーロン攻囲戦は省略して「VICTORY」のセリ上がりから始まるに違いないと思っていたので、オーギュスト(風海恵斗/蒼羽りく)もコーネリアス(輝海せいや/月映樹茉)も、すべて省略無しだったことに驚きました。

本公演でりくちゃんもえなちゃんも苦労しているこの銀橋の説明台詞。
下級生ながら、風海くんも輝海くんも良くやっていたと思います。…っていうか、あれはもしや、役者本人の滑舌の問題ではなく、音響の問題なんだろうか(汗)。本役は二人とも、回を重ねるごとに少しづつ上手くなりつつある、という感じだもんなあ……




では、余談はこのあたりにして、まずはイギリス軍から。


風羽玲亜(フッド提督/寿つかさ)
お髭はなくても、ダンディなおじさまになれる!!いやー、さっつんの美貌は侮れませんな(←当たり前です)

本公演のタレーランみたいな曲者も素晴らしく嵌っていると思いますが、こういう穏やかな包容力のある役が本来のニンなのかも?という気もしました。
シャープな役も出来るし似合うけど、フッド提督はとても魅力的で、思いやりが深くて素敵でした。ノーフォークのネルソン邸を訪ねてきた場面で、ファニーの藤咲えりちゃんがヒステリーを起こした後の「やれやれ……」というところ、ちょっと悄然とした感じがすごく良かったです。
根本的に、人物像が優しいんですよね。声に深みがあるから余計に包容力を感じるのかな、と思います。
……また、あの声にタレーランが嵌るところが、芝居の面白いところだと思います(^ ^)。

アルバイトはパレルモの客と、ロンドンでの「ハミルトン家&ネルソン家 緊迫の食事会」場面での後ろのテーブルの客。「カサブランカ」で散々客の役をやっただけあって(?)、真ん中の芝居を邪魔しない、いい仕事っぷりでした。




澄輝さやと(トマス・ハーディー/悠未ひろ)
あっきーって、ちょっと前からともちんの役がよく回ってきてますよね?
正直、今までは新公を観ると「ああ、ともちんって巧いんだなあ…」と再認識する、みたいなところがあったのですが、今回は随分成長したなあ、と感心しました。
クール&シャープ系よりも、こういう素直で明るい役の方が、本来のキャラにも近くてやりやすいのかな?と思いますが、台詞をきちんと表現できるようになっただけ、格段の進歩だわ(*^ ^*)
なにはともあれ、ひとりの「人間」として、オープニングからエンディングまでキャラクターをコントロールできるようになったのがとても嬉しい。これからのご活躍を、楽しみにしています!!

トマスはかなり出番が多いので、アルバイトはしていなかったと思います。
しっかし、スタイルの良い美形は得だなあ。あのシンプルな軍服が似合うこと似合うこと!(@ @) 本当に格好良かったです!




天輝トニカ(ヘンリー王子/十輝いりす)
ブロンドの髪がよく似合う、美形の王子様でした。
結構難しい台詞が多い役なんですが、滑舌もはっきりしていて、難なくこなしていましたね。
歌もさすがでしたし、王族らしい気品もあって、とても良かったと思います。

しかし!!トニカちゃんとさっつんが並んでいると、どっちがヘンリー王子かわからない(T T)。
演出的に、イギリス海軍がずらっと並んで、その真ん中でヘンリー王子(十輝)とフッド提督(寿)が並んでいる場面が何度も繰り返されるのですが。
……何度言い聞かせても、背の高い方がヘンリー王子だと判断してしまう自分が情けない(T T)。
本公演でソンナコトが刷り込まれていなければ、何の問題もなかったはずなのにーーーー。

アルバイトは、パリの議員とパレルモの客、そしてロンドンの食事会の客、、だけ、かな?すみません。
パリの議員は、下手側(←バラス派)だったような。かなり熱くバラスを擁護していたような気がします(^ ^)
パレルモはいろいろ忙しくてあまり観れてません。ごめんなさい。




月映樹茉(サー・ジャービス/珠洲春希)
美形でした!
えなちゃんって、普段はどちらかというと「可愛い」系で、あまり「一般的な美形」枠には入らないタイプだと思うのですが。
このサー・ジョン・ジャービスは、本当に本当に、びっくりするほど美しかったです。前回公演のサムがあまりにも可愛くて、死ぬほど悶えさせられたのが嘘のよう(溜息)

そういえば、サムの本役の萬さんも、美形悪役をやらせたら右に出るものはいなかったっけ。
……まさか、萬さんの後継候補がこんなところ(研5)に!?(@ @)

声が良いとか何が良いとか、そーゆーのは公演のたびに猫はアレコレ叫んでいますので、ここでは割愛。
とにかく、ストロベリーブロンドの鬘が大変に良く似合う、腹に一物あるクールな美形悪役、そのものになりきっていたえなちゃんに、拍手(^ ^)。
しかも。面白かったのは、えなちゃんのジャービス提督がネルソンに叶わぬ恋をしていたところ。いや、あれは絶対、私の気のせいではない!!
演出的に、ジャービス提督の登場場面って、一通り会話が終わるとネルソン一人残して後は全員紗幕の裏に退避、みたいな展開が多いのですが、その度に、えなちゃんはネルソンの背中を食い入るように見凝めているんですよ(T T)。すごい切ない瞳で。
つい数分前まで、ネルソンに嫌味や皮肉をありったけ叩きつけていたことなど、無かったかのように。

ジャービス提督はあれですな。『好きな子ほど苛めずにはいられない』、ってやつ(^ ^)。

アルバイトは、パリの議員とパレルモの客、かな。こうしてみると、イギリス軍の上位連中はみんな同じですね。タイミング的に、ナポリの市民かパレルモの客か、どちらかになるんだけど、どういう基準で分けているんでしょうねぇ…?





星月梨旺(アルバート/鳳翔大)
春瀬央季(ジュリアン/七海ひろき)
本公演にも負けない、ビジュアル系の自覚をたっぷりと抱いた美形コンビでした。本公演も新公も、イギリス海軍に入るためにはビジュアルの(かなり厳しい)オーディションがあったことは間違いなさそうですね(汗)。

お二人とも美形なんですけど、アルバートの星月さんは、もう少し鬘を考え直してみても良かったかも。頭が小さくてスタイル抜群の大ちゃんだからこそ、あんなに重たい長髪ロン毛が似合うんであって、普通の人はあの髪型したらちょっとウルサイんじゃないかと……いや、余計なお世話ですが。




桜木みなと(トム・アレン/凪七瑠海)
「カサブランカ」の10年前のホテルのボーイさんの頃から、頬はぷくぷくだった桜木くん。
もしかして、トム・アレンを幼く見せるために含み綿しているんじゃないよね?と一瞬真顔で思ってしまったくらい、可愛らしくぷくぷくな幼な顔になってました。……いかがなものか。

しかし良い芝居しますよね!まず、なんといっても声が良い。素直な発声で、今後磨いていくうちに更に良くなるだろうなあ、という気がします。そして、持ち味が明るくて、元気!なんだと思うんですよね。前向きで、ネルソンが大好きで、、、とにかく、すごく良かったです。

うーーん、せっかくいい芝居が出来る人なので、もう少し痩せれば役も広がると思うんだけどなあ~。





七生眞希(ジョサイア/愛月ひかる)
こちらも凄く良かったです。
まず、ちゃんと「少年兵」に見えたので、役としてもすごく得していたと思う。「アイアイサー」のぶっきらぼうな言い方と、最後にネルソンに縋りつく場面の可愛らしさのギャップが面白かった。
台詞もいいし、出番ごとの一つ一つの仕種や表情に役としての感情が籠められていて、まだ下級生なのにいい芝居する子だなあと感心しました♪

ラストに、ファニーやエドマンドと一緒に出てくる場面は、ここはエドマンドがすご~く良かったんですが(; ;)、ジョサイアも、なんとも複雑な、気持ちのこもった表情で敬礼してくれて、良かったですー。
素顔は見たことがないのでよくわかりませんが、舞台化粧をして真面目な顔をすると、雪組のひろみちゃん(彩那音)系の美貌に、心が撃ち抜かれそうになりました(^ ^)。



とりあえず、イギリス軍は以上です♪


宙組東宝新人公演「Trafalgar」。


印象に残った人を、思いついた順に書いていきたいと思います。


鳳樹いち(ウィリアム/北翔海莉)
素敵でした(はぁと)。渋くてお髭で素敵なオジサマ。しかも、黒い!!
本役のみっちゃんよりも黒めの役づくりで、渋くて貫録があって、なんだかすごく「大使殿」だったような気がします(*^ ^*)。お髭は、ルノーのときの方が素敵だったなあ。今回はちょっと横広につけていたので、表情によっては「渋い」方向じゃなくて「淫猥な」方向にみえてしまって……いや、役がら的にはそれもアリなんですけどね。私のタイプじゃないというだけで(^ ^;ゞ。

一番印象的だったのは、パレルモでエマを叩いた後、その手をじっと見凝めて呆然としていたところかな。ネルソンに何か言われてカッとなって言い返して、、、でも動揺のあまり、エマが走り去ってもすぐには動けない。それでネルソンに先に行かれてしまって、その背中を見送りつつ、もう一度右手に目を落とす。……その手には、まだエマの頬の感触が残っている、そんなふうに。
本公演は、この場面、「どうしてウィリアムは動かないんだっ!!」とつい思ってしまう(←ここでウィリアムが追いかけてしまったら、話が始まりませんがな)のですが、新公のウィリアムは、この瞬間に自分がエマを愛しているということ、エマに向かう自分の感情が「愛」であるということに気がついたんだな、というのがすごく明解で、とっさに動けないほど動揺しているのが手に取るように判りました。素敵だった!

そして、この次にウィリアムが登場するのは、ロンドンに戻って、「オックスフォードのプラザで」食事の約束をする場面。
ここでのウィリアムは、、なんだかすごく可愛かったんですよね。冷たい、というよりも、心ここにあらずなエマに、一生懸命話しかけているのに、木で鼻をくくったような返事ばかりで、それでもくじけずに話しかける。不器用な人なんだな、とは思うけど、もう遅すぎる。今更そんなことを言われても、エマも素直になれるはずがない。というか、素直になる理由がない。「この人どうしちゃったのかしら?」くらいは思っているかもしれないけど、それ以上にはなりようがない。
それでも、ウィリアムは諦められない。「私たちは色々ありすぎた」……いいえ、色々ありすぎたわけではないわ。最初が悪かっただけ。「ホレイシオのことにも、神経質になりすぎていた」……それはむしろ、あなたの想像どおりだけれども?そんな、空回った会話がとても切なくて、必死なウィリアムが可哀想にさえ見えました。

この会食の本来の目的は、なんだったのかな、と思っていたのですが……みっちゃんの時には、まだ「面白がっている」感が強いのですが、新公のいちくんは、自分とエマが夫婦であることをネルソンに見せつけようとして設定したような気がしました。そこにちょうどファニーまで入ってくる。「これは面白い!」「こんなに楽しい夜なのに!」と。
……まさか二人の気持ちがそこまで進んでいるとは、ウィリアムは思っていなかったのかな……?と思いました。 
どうなんでしょうね、この場面は。本公演では、ネルソンとエマに恥をかかせてやろう、みたいな気持ちを強く感じるのですが、考えてみたら、ファニーが乱入していなかったらあの場面、ネルソンとエマは久しぶりの再会でラッキー、みたいな場面ですよね(^ ^)。

ウィリアムが、自分の気持ちと現状(エマは違う男に恋をしている)の溝に気付いてから、賭けを持ち出す心境に至るまでの葛藤を現す場面がないのがとても残念です。
いちくんがその時間をどんなにか有効に使って表現してくれたかと思うと、すごく観てみたかった。まあ、時間的に入らないので無理なんですが。
賭けを言い出して、そこから「忘れられない人」のコーラスに入るまでのドラマがちゃんと見えてくるのが、いちくんのお芝居の深いところだと思いました。



藤咲えり(ファニー/花影アリス)
幕あきは「波」の一人として最後まで踊ってくれて、次はロンドン市民。いやー、黄色いひらひらしたドレスのジゼラも滅茶苦茶可愛いけど、ロンドン市民も可愛いです(はぁと)小旗を振っているのを観ているだけで幸せ。
パリの議員さんたちに小柄な娘役さんがいっぱい混ざっていたので、もしや!?と思ったのですが……さすがにいませんでしたね。アルバイトはロンドン市民までで、次の出番はノーフォークのファニー。
ジョサイアからの手紙を読む姿には、特別苛々した感じとかは無いのが印象的でした。ただただ、寂しそうな背中。
そっか、ファニーは寂しいんだ……と、今更ながら当たり前のことに気付いてしまった(T T)。

ネルソンは不実な夫だったかもしれないけれども、ファニーも良き妻ではなかった、というのがこの物語の根幹にあるんですよね。
で、本役のアリスちゃんは、「子供っぽくて意地っ張りな、心は少女のままのわがまま娘」をファニーのキャラクターにしたんだと思います。どこまでアリスちゃん本人が意図したのかはわかりませんが、私はそんな印象を受けました。
それに対して、えりちゃんのファニーは大人で、寂しがり屋で、そして、物凄くリアルに「女」でした。
観ていてすごく思ったのは、えりちゃんは、最初の夫の設定をどういう風に考えていたのかな、ということでした。アリスちゃんのファニーは、あまりそういう「過去」の影を感じないのですが、えりちゃんのファニーは「過去」を強く感じたんですよね。具体的には、最初の夫は軍人ではないという設定だったのかな、と。植民地で出会ったはずなので、農民か何か、あまり旅に出て帰ってこないとか、そういうことのない、安定した人生を歩んでいた人なんじゃないか、と。
そんな彼女が、ふとハンサムな海軍軍人と恋をして結婚する。イギリスへ旅をし、ノーフォークのネルソン家で義父の世話をしながら過ごして。
……夫と過ごす時間のあまりの少なさに、愕然としたんじゃないでしょうか。

寂しい。
あの人は帰ってこない。
知らない土地に一人取り残されて、あたしはいったいどうしたら良いの?

……寂しい。

ネルソンは結婚したからといって生活を変えるわけにはいきません。彼は軍人ですから。
海に出て、女っけのない閉鎖空間で何カ月も過ごし、命のやり取りをして、、、、家に帰ったら、可愛い妻がただただ温かく迎えて、黙って傍にいてくれるだけで十分幸せなんだろうに、ファニーは、残念ながらそういう女性ではなかった。寂しいのに、それを表に出すわけにはいかないから、必死で理性を保って出迎えて……その緊張感で、かえって疲れてしまう、、、そんな二人だったんじゃないかな、と思いました。
アリスちゃんと祐飛さんは、もっと大幅にすれ違っている気がするんですけど、えりちゃんとりくくんは、お互いほんの一言が足りない、ほんの一歩ずれている、、、そんな気がしました。
それでも、その一言が、一歩が、埋められない溝なんですけどね(T T)。



プラザでの会食の場面で、視線を交わして心の中で会話をするネルソンとエマ。
それを隣の席から凝っと見ながら、ワイングラスを呷るファニー。
一息に飲み干して、そのまま歪んだ笑顔をうかべて、二人の視線での会話を断つように
「パレルモはいかがでしたか?」
と問いかけるファニー。

その歪んだ笑顔が切なくて、リアルでみにくくて、そして何よりキレイで。



今回の新公、私の泣きポイントは3つありまして。
一つ目は「忘れられない人」のラストのファニー。
二つ目が「ホレイシア」のキャドガン夫人、
そして三つ目が、トラファルガー海戦後のロンドンのハミルトン邸、エマを訪ねてくるファニー・エドマンド・ジョサイア、でした。


まー、その中でも、CSのトークでえりちゃんとトニカちゃんが語っていた「忘れられない人」のラストのファニーとネルソンは号泣寸前なポイントで(T T)。
「苦しめてきた、な」
と、苦しそうに告げるホレイシオ、そのホレイシオの手を握りしめ、凝っと眼を視ながら
「ジョサイアを救けてくれて、ありがとう」
万感の感謝をこめて礼を言うファニー。その真摯な瞳に気圧されたかのように、軽く手を引きながらも真剣な貌で
「こんな私でも、彼の父親だ」
……そう、ホレイシオはジョサイアを守った。ジョサイアの父親である自分を、自らの右腕で贖った。
ならば、私は?ファニーは、ホレイシオから眼を逸らして、自分自身に問いかける。

「私は、レディ・ネルソンになれていたのかしら………」

その切ない呟きが。酷く哀しくて。
彼女がレディ・ネルソンとして、ネルソンに安寧や幸いを与えられなかったことと、ネルソンが他の女性を愛したことには、直接の因果関係は無いのに。
それでも、ファニーは、そんな自分を責めて、ネルソンを肯定しようとする。
「私は、レディ・ネルソンに、」
……なりたかったのかしら?と。



この物語を考えるたびに、アーサー・ランサムの「ツバメ号」シリーズに出てくる、ウォーカー兄妹のお母さんを思い出します。海軍軍人の妻である彼女は、夫が帰ってくるときには彼の希みをすべて叶えるために生きていると言っても過言ではありません。子供たちもそのように躾けて、人間関係も大切にして、ひたすら彼の幸せと満足のために立ち回っています。
時代はだいぶ違いますが、ファニーにはこのウォーカー夫人のように生きることも出来ただろうに。

男と女のコトに「たられば」を言っても仕方がないのですが。
もし、ファニーがそうやって生きていたなら、ネルソンはエマと出会ってもあんなふうにはならなかった……の、かなあ?

……「俺にはわからねえ~~!」(byトム・アレン)




蘭ちゃん(蘭乃はな)、花組トップ娘役 お披露目公演初日、おめでとうございます!
私が観るのはだいぶ先なのですが、明日のニュースには流れるのかな?早く観たいですー。




そして!
としちゃん(宇月颯)、新人公演初主演、おめでとうございます~~~!!
みくちゃん(花陽みら)も初ヒロインですね。可愛くて歌えて踊れるみくちゃん、「ハムレット」ではとしちゃんの妹役でしたが、声の響きがよく似合う、いいコンビでした。お二人で、あのシュトラウスの名曲の数々をデュエットしてくれるのか、と思うと、涙が出るほど嬉しい!

いやあ、本当に幸せだ。小さな声で呟いておいた甲斐がありました♪ りおんのマルグリットといい、最近、月組に関しては私の予言の信頼性が増しているような気がします。
わーいわーい、つぎは紗那ゆずはちゃんにも役がつくといいなあーー!(ことだまことだま)




そして、今回の配役でもう一つ嬉しかったのは、たまきち(珠城りょう)を本気で育てようとしているんだなあ、と思ったこと。
「スカーレット・ピンパーネル」のパーシー役で結果を出したたまきちに、次の公演では汝鳥さんの役をふる。この流れって、一時期の雪組さんがよくやっていたような気がします。新公で主演を演じると、次はハマコさん(未来優希)というのがお決まりみたいになってましたもんね。
主役である程度の結果をだしたら、次はそういう、舞台を締める上級生の役に挑戦する。役者としてものすごく成長すると思うし、観ているほうも、色んなたまきちに会えて楽しいと思うんですよね♪

そして、同じ理由で、あーちゃん(花瀬みずか)のマリア・テレジアをりおんに、というのが本当に本当に嬉しい!やっぱり、一度ヒロインを演じなくては判らないものはると思うし、その経験を経ての女王役というのはすごく楽しみです。
そんなに出番は無いのかもしれませんが、とにかく頑張ってほしい!と思います(^ ^)。



まさおくんの役にゆうき(煌月爽矢)、みりおくんの役にゆりやん(紫門ゆりや)。
個人的には逆だったらいいなあ、と思っていたりもしたんですが、まあ、こっちが普通だよね。意外な配役は一人か二人でいいからっ(^ ^)

上級生の役の割り振りは、前回と結構似てる?
もりえちゃん⇒鳳月杏ちゃんとか、みっぽー⇒琴音和葉ちゃんとか、、、って、そのくらいか(汗)。
マギー(星条海斗)の役が、輝月ゆうまさん。これもすごく楽しみ!
本公演で役がついた愛希れいかさんが、新公で役名がないのがちょっと意外。そして、前回と同じく、愛希さんの役の新公は晴音アキさんがされるんですね。……ってことは、また子役なのかな?


いやー、これからの月組が、すごく楽しみです♪


宙組東宝新人公演「Trafalgar」を観劇してまいりました!


一言でまとめるならば、非常に新人公演らしい、フレッシュな新人公演だったな、と思いました。
技術的なことをいえば、というか、ぶっちゃけ歌について書いてしまうなら、主要三人(ホレイシオ/蒼羽りく、エマ/すみれ乃麗、ナポレオン/愛月ひかる)ともに音を外しまくりで、耳にはなかなか厳しい公演でした(^ ^;ゞ
ここしばらく、かなり歌える人がメインに入った新公が続いていたので、かえって新鮮だったくらいには(汗)。


でも、芝居はなかなか良かった!

りくくんのホレイシオ。
私は、もともとりくくんの芝居は役づくりの方向性も声もひっくるめて好きなのですが、今回は本当に良かったなあ。
祐飛さんの役づくりを踏襲しつつ、若さで押し切るところは押し切って。好戦的で前向きな、そして、とても優しいネルソンでした。
個人的には、トム・アレンと喧嘩をする執務室の場面が、本公演とは全く違うイメージですごく良かったなあ(*^ ^*)。



れーれのエマは、「大理石の女神像」というよりは「翡翠から彫りだした小鳥の置物」みたいな印象でした。
飛び方を知らない小鳥、海を知らないイルカ、走ったことのない仔馬、、、そんな、自分のいるべき場所を知らない生き物みたいな感じ。これはこれで、ありな解釈なのかもしれないな、と。少なくとも、私は結構好きです。「一人では生きていけない」的な弱さ(幼さ?)が全身から溢れているので、男が「俺が守らなくちゃ」と思うのはこういう女なんだな、と納得できたし。

ただ、それだけ特異なキャラクターに説得力を持たせるには、ある程度の技術的な裏付けが必要なのだな、ということもよくわかりました。……れーれは、もっと「今の自分」に出来ることを直視して、その中で勝負をしてみても良かったんじゃないか、と思いました。……うーん、でもこれは新公なんだから、そこは冒険してみて正解だったのかなあ……。

りくくんとれーれのコンビは、ビジュアルもなかなかお似合い♪
役づくりも、りくくんが結構真面目で一途で一生懸命な感じなので、ああいう生真面目なタイプが、浮世離れした可愛らしさに魅かれてしまった時の一直線ぶりが理解できたし、良かったと思います。ただ、デュエットはちょっと耐え難かったけど(- -;



愛月くんのナポレオンは、本公演で演じているジョサイアよりも、愛月くんのキャラクターに合っていたような気がしました。声も姿もどちらかというと硬いタイプなので、ああいう、常にファンファーレが鳴っている中登場してくるような大芝居系の役の方が得意なのではないか、と思います。
歌は高音部で若干苦戦していましたが、三人の中ではマシな方だったかな(^ ^)というか、蘭トムさんって声が高いんだなあ(感心)。




ウィリアムの鳳樹いちくんがいかに渋くて素敵だったか、
ファニーの藤咲えりちゃんがどれほど素晴らしかったか、、、については、長くなりそうなのでまた後日ゆっくりと。
特にファニーは、本役のアリスちゃんとはまったく違うアプローチで、ものすごくリアルに女らしい、大人っぽい役づくりだったのが印象的。ロンドンでの会食のラスト、ネルソンを追っていくエマの背中に「あ」という形にくちをあけて、でも何もいえずに…という芝居がすごく切なくて忘れらなくて。
CSニュースのトークで話していた「忘れられない人」のラストは、本当に良かったです。ちょっと泣けました。そしてラストも(^ ^)。アリスちゃんの演じるファニーとは全く違う、「ネルソンの妻」として銃後を守る、実にリアルな存在感のある女性像でした(*^ ^*)。


あと驚いたのは、、、、
ジャービスのえなちゃん(月映樹茉)があまりにも美しくて仰天したことと、
エドマンド・ネルソンの光海舞人さんの芝居が素晴らしかったことと、
キャドガン夫人のちっすー(千鈴まゆ)が、すごく可愛くて、すごく抱擁力があってそして、とても素敵だったことと、
トム・アレンの桜木みなとくん、ジョサイアの七生眞希くん、そして、ナポリ市民の場面で歌っていた彩花まりちゃんなど、まだ研2の95期がしっかりと実力を発揮して、良い仕事をしていたこと、でしょうか。

彩花まりちゃん、大劇場の新公で評判になっていたので楽しみにしていたのですが、艶と迫力のある良い声で、あの場面をよく表現できていたと思います。美人だしスタイル良いし芝居できるし歌えるし♪♪これからが楽しみ♪♪


……伶美うららさんは、美人なのに役がつかないなあ(T T)。今回はハミルトン家のメイドさんくらいかな、目立っていたのは。いつになったら声がきけるのでしょうか……。
(兵士の出番が多くて、しかも違和感とか全くなく、普通に美形なイケメンだった……汗)



あ、あと、プロローグの「波」に最後までえりちゃんがいました!!可愛かった~~~♪
ロンドン市民にも居たんですよ♪ソロは無かったけど、可愛かったなー。

プロローグといえば、「威風堂々」影ソロは花音舞さんでした。
本役の七瀬りりこ嬢とは違う、やわらかな含みのある声がとても良かったです♪


えーっと。
きりがないので、とりあえず、今日のところはここまで。


宙組公演……というよりも、猫の頭の中では「齋藤吉正脚本・演出」というジャンルに分類されているらしい、「Trafalgar ~ネルソン、その愛と奇跡~」。


ちゃんと真面目に、場面を追っていろいろ書くつもりだったのですが、思いのほか書きたいことがたくさんあることに気づきまして(汗)。
こ、こ、これは終わらないかも……という気がしてきたので、先に大事なこと(?)を書いておきたいと思います。



とりあえず。
大劇場でこの作品を観たとき、、、たぶん、二度目の観劇あたりでしみじみと思ったこと。

齋藤さんが「銀河英雄伝説」を舞台化するとしたら、祐飛さんに振る役は、もしかしてヤン・ウェンリーなんでしょうか(@ @)

あ。
著作:田中芳樹氏の「銀河英雄伝説」全十巻をご存知ない方は、今スグ図書館へGO!! (←おい)




もとい。

私は長いこと、宝塚で「銀河英雄伝説」を(イベントでもいいから)上演することがあるならば、祐飛さんにはぜひオスカー・フォン・ロイエンタールを!!と思っておりました。
ちなみに、猫のお気に入りキャラクターの一人はロイエンタールの「親友」ウォルフガング・ミッターマイヤーでして(^ ^)、月組時代は霧矢さんのミッターマイヤーが観たい!と思い、祐飛さんが花組に異動した直後はみわっち(愛音羽麗)のミッターマイヤーは素敵だろうなあ……と想像し、、、なんとなく、常に祐飛さんの近くにミッターマイヤーキャラを探していたのでした。



でも。
そういえば私、宙組に異動してきて以来、その手のことを考えることがなくなったんですよね。
そもそも宙組では祐飛さんはあまり「長身」ではない、という物理的な理由もあるのですが、やっぱり、存在する位置が、もうロイエンタールではなくなっていたのだと思います。


そして、この「Trafalgar」という舞台「を観たとき。
ああ、祐飛さんって、宙組ではヤンなんだ!!と納得したのでした。


昨年、宙組っ子の印象について問われて、ものすごい愛情をこめて「子供のように素直で可愛い(←意訳)」と答えた祐飛さん。
その、組子みんなの「一生懸命」で「純粋」で「純真」なところが、すごく同盟軍のイメージにかぶるんですよね。で、考え始めたら驚くほどすんなりと、宙組で同盟編を上演するなら、というキャスティングも出来たりして(^ ^)(どんな配役かはご想像にお任せしますが)

そして、初見のときに非常に謎だと思ったトム・アレン(カチャ)という役が、これは本来ユリアン・ミンツになるはずの役だったのかもしれない!と気付いた途端に、すごく存在の意味が納得できたりしたのでした(^ ^)。



もちろん、ネルソンの性格はヤン・ウェンリーとは全く違いますし、設定も物語も何もかも関係ありません。
トム・アレンはユリアンではないし、ハーディーはキャゼルヌでもシェーンコップでもないし、ナポレオンはラインハルトではない。
人間関係全般に不器用なヤンと、惚れっぽくて手が早いネルソンは、物語の軸になる恋愛観からして全然違いますし、なにより、ヤンに無かった「国家からの信頼」と「国家への信頼」が、ネルソンとイングランドには確かにあった。それは軍人として最大の喜びであり、幸せでもあったのだろう、と思います。

ネルソンは軍人としては幸せでした。
それに対して、ヤンは、軍人としては幸せとは言い難い。
だけど、二人とも最初から軍人志望ではなかったところも似ているし、どちらも少数精鋭の特攻をきっかけにした集中攻撃によって大軍を分断し、各個撃破する、という戦法が得意で、そのために必要な情報収集力と機動力(操船技術)を磨くことによって何度も奇跡を起こした、という共通点があります。


というか、この舞台のために色々と資料を読んてみたら、あきらかに田中氏がヤンの戦法を考える上で下敷きにした戦法はこれなんだな、というのがいくつも出てきたので、そもそもヤンの一部はネルソンがモデルになっていたのでは?という気がしていたり(^ ^)。



齋藤さんがどこまで意識して「Trafalgar」を書かれたのかは判りませんが、いろいろと想像の翼が広がる設定でございました(^ ^)。

うん。齋藤さんには、これからも色んな意味で期待していますわ♪





なお。
この『銀河英雄伝説』妄想配役というのは、私の頭の中で常にぽこぽこと沸いている妄想でして。

たとえば、まさおとみりおだったら(背が合わないのが残念だけど)まさおがラインハルトでみりおがキルヒアイスだよね、とか、
84期だったら、まっつはミュラーでキムちゃんはビッテンフェルトでみっちゃんはレンネンカンプかな、とか、

……あまり人には賛同してもらえそうにないことばかり、色々と考えているわけなんですが。



とりあえず、先週末に観劇しながらふと浮かんだ、大ちゃんのポプランとちーちゃんのイワン・コーネフという設定が自分の中でヒットしすぎて、王さまのみみはろばのみみーっ!!と叫びたいキモチが抑えられず、ここに書いてしまったのでした……。


すみません。舞台とは全く何の関係もない話に、ここまでお付き合いくださり、ありがとうございましたm(_ _)m。








これだけでは何なので、齋藤くんの日本語への突っ込みを箇条書きで。


■白いマストをひるがえし 
 翻るのは旗だろう、普通。っていうか、マストがひるがえったら怖いってば。

■貴女の望むすべての女性の幸せが手に入りますよ【さくら貝さま より】
「女性の幸せの全て」か、あるいは「貴女の望むすべて」か、どっちかじゃないの?

■汚職を犯している 
 えーっと、、、おかしいですよね?でも何が正しいんだろう。「汚職の罪を犯している」は正しい?

■おたけぶ
 ……ふつーは「雄叫びをあげる」と言います。でも、何年かしたら辞書に載るようになるかもね。

■あんな気丈な妻が待っている家には
 待っていて欲しくないのは「気丈な妻」ではなくて「気の強い妻」なんじゃありませんか?>フッド提督

■士官・海軍の招集を実行してもらいたい
 召集するのはこの場合、「士官・兵士」じゃないんでしょうか?
 そもそも、国務じゃないんだから厳密な意味では「軍」ではないはずだし。

■母上は離婚しませんよ
 自分のことを「母上」って言わないよ……なぜ「母」じゃダメなんですか?

■姉上は本当に意地悪なお方
 ……せめて「本当にお口がお悪い」くらいにしてこうよ、カロリーヌ。「悪気はない」んなら余計に。



あれ?こんなものでしたっけ
もっとあるような気がしていたんですが。なんだか残念だ……(齋藤さんを何だとおもっているんですか>自分)


あ。
日本語としておかしいわけではないんですが、コペンハーゲンの前から、ジョサイアが母との会話の中でホレイシオを「父上」と呼ぶことに、芝居として違和感を感じておりました。
そこは官職名で呼ぶべきだろう!!
「父上」って呼ばないとファニーが哀しむ、とか、そういう萌設定があるんでしょうか…(考えすぎ)



宙組東宝劇場公演「トラファルガー」続き。


■第4場 パリ(1799年11月9日)
本舞台の幕があがると、そこはパリ議会の会場。
議長バラス(鳳樹いち)がセンターの議長席に立ち、その周りを議員たちが囲む。

上手側が反バラス派、下手側がバラス派というくくりになっていたのかな。バラス派に鳳翔大くん、あっきー(澄輝さやと)、実羚絢くんあたりが下手側、カイちゃん(七海ひろき)、えなちゃん(月映樹茉)、ふーま(風馬翔)あたりが上手側にいたのは覚えています。……他のメンバーはどっちにいたっけなーーー(^ ^;
バラスと議員たちの掛け合いの歌がとても好きです。「革命から10年」で始まるこのナンバーは、この時代の混沌とした政治情勢を実に的確に処理していると思う。
バラスが権力を握った時期を、ロベスピエールが失脚した1794年だと定義するならば、約5年間。当時のめまぐるしい政治情勢の変化の中で、彼はフランスの政治の中心に立ち続け、愛人ジョゼフィーヌを与えたナポレオンと、テルミドール以来の協力者である秘密警察のフーシェ(光海舞人)を懐に、権力を思いのままにしていました。

そんな彼の追い落としをはかるベテラン政治家、シェイエス(天玲美音)。
「今こそ化けの皮を剥いでやる♪」と、難しい半音階の歌を歌いきってニヤリと黒く笑い、「その汚職政治とも今日でおさらばだ~!!」と、うっとりと呟く彼のアブナさ、たまりません。その真っ黒いオーラに比べたら、いちくんのバラスなんて真っ白で天使のようだと思ってしまった(^ ^;ゞ



ファンファーレが鳴り響き、上手花道にナポレオン・ボナパルトが登場。
彼の姿を認めたときのバラス以下、特にバラス派の議員たちの表情が結構見ものです。ここは忙しくてあまり一人一人をじっくり見ていられないのですが、それでも大くんとか、結構大げさに嫌そうな顔をしていて面白いです。反バラス派のメンバーがあまり嬉しそうじゃないのもツボ。この時点では彼らは「反バラス」なんであって「ナポレオン派」ではないんですよね……。

「バラスと議員たちを捕えろ!」
味方だったはずのフーシェの声と、乱入してくる軍人たち。衝撃を受けるバラスと議員たち。バラス派の議員たちは全員逮捕されて室外へ連れ出され、反バラス派のメンバーも、強引なやりくちに反感を隠さない。
それでも、ナポレオンの弟リュシアン(春風弥里)が提案した「バラスに変わる新しい第一執政」の選挙は、フーシェの恫喝を背景に順調に進む。第二執政であるシェイエスの推薦を受けたナポレオンを、残った議員たちは全員で承認するしか、ない。

一人ひとりの役作りの考え方を尋ねて歩きたいくらい、この場面で挙手するまでの彼らの逡巡と戸惑いは、個性的で面白いです。比較的早い段階でさっさと手を挙げる者、きょろきょろと両脇の動きをみてこっそりと手を挙げる者、下を向いて考え込んで、周りの様子は窺わずに適当なタイミングで挙げる者、などなど。
大くんカイちゃん意外はほとんどが下級生なのに、皆ちゃんと色々考えて芝居をしているんだなあ、というのが見えて、嬉しかったです。
ただ、決まったらすぐに、残った議員全員でのコーラス(「おーナポレオン、革命の獅子よ!」)を笑顔で歌わなくてはいけないので、ギリギリまで迷っている人はいかにも蝙蝠に見えてしまったりとか、いろいろ難しいんだなあと思いましたけどね(^ ^)。



ナポレオンとリュシアンを残して議員たちが退場。
「すぐにリーダーを求めるフランス国民」
と、彼らを馬鹿にしたように嘲笑うナポレオン。彼は、この後のミラノ歌劇場での場面でも説明されるとおり、もともとはイタリア人なので、フランスやフランス人に対してポジティヴな感情ばかりではないんですよね。
それを、リュシアンがさりげなく抑えるように言葉をかけるのに感心しました。斎藤さん、やるなあ。
妹たち(大海亜呼、愛花ちさき)とジョゼフィーヌ(五峰亜季)も登場し、一通り嫌みの応酬をしてから、ナポレオンを中心とした「獅子の時代」の大コーラスへ。
ジョゼフィーヌの五峰さん、大劇場では無理してる感が満載で違和感があったのですが、大劇場の後半から一気に良くなってきましたね。『年下の夫を舐めきって、留守中は遊び歩き、帰ってきたら小姑に苛められる哀れな妻を装う』女、という二面性が見えてきたと思います。今回ジョゼフィーヌの出番はすべてナポレオンと一緒で、ナポレオンに見せる貌しか観客にも見せないんですが、その裏に違う貌があることをうっすらと感じさせるキャラクターの強さが斎藤さんの意図だったのか(@ @)、と、その人選に納得しました。
何をしても、『善良でわかりやすい娘』には見えないのがまゆみさんの美点ですからね。さすがだわ、いろんな意味で。



「獅子の時代」が終わって、弟妹たちがはけると、入れ替わりに忍び込んできたオーレリー・バイロン(蓮水ゆうや)と、彼を取り押さえた警官(星吹彩翔)が登場。
ツーロン戦で死んだ兄の仇を討つためにナポレオンに仕え、来るイギリス戦で役に立ちたいと主張するオーレリー。
……この役は明らかに、青池保子さんの漫画「トラファルガー」のマスケティアからインスパイアされたものだと思うのですが、、、、観れば観るほど、原作どおりの設定(誰かに使ってもらわなくてはいけない「装填された銃」として生きてきた男)の方がいいと思うんだけどなあ……。斎藤くんがどうしても仇討ち要素をいれたいのは感情としては判るんですが、他の部分は相当に厳密な歴史劇として作りこんでいるだけに、こういう飛び道具を一つ放り込んだだけでこんなにリアリティがなくなるのか、と驚いてしまうのです。……不意打ちでも裏切りでもなんでもない、作法にのっとった国と国との戦争で死んだからといって、敵国の総司令官を仇と狙い、自国の総裁に自分を雇えと売り込みに行く。………なまじ、他の部分がリアルに描かれているだけに、訳がわからない気分になるんだってばー(涙)。



■第5場A ノーフォーク
ってなところで、暗転して舞台はノーフォークのネルソン邸へ。

ノーフォーク、と言われて私が最初に思い浮かべたのは、アーサー・ランサム著「ツバメ号」シリーズの中のオオバンクラブ連中が活躍する巻でした(^ ^)。ちょっと時代が違うんですけど、ネルソンの少年時代ってティットマウス号を操るトム少年みたいな感じだったのかも?なんて想像したりすると楽しいです。ジョンよりトム、と思うんだけど、どうでしょう。……なんて、ランサムサガをご存じない大多数の方には判らない話ですみません。

ジョサイア(愛月ひかる)が母ファニー(花影アリス)への手紙を朗読して、それにアリスちゃんの声がかぶっていく演出は、よくある演出の割に音響のフェードイン/アウトのタイミングが難しく、初日あいた直後はなかなか巧く行かなかったりもしましたが、だいぶ落ち着いてきましたね。音響さんの腕なのか、役者二人の技なのか、そのあたりがよくわかりませんが(^ ^)。

ナポリから帰国してはいるものの、ノーフォークの邸には一向に帰ってこない夫を苛々と待つファニー。
「ホレイシオがまた手柄を立てたと?」と喜ぶ義父エドマンド(風莉じん)に
「ええ、ナポリで男爵の称号をいただいたそうよ」と歌うように告げるファニー。
息子の手柄を素直に喜ぶ父親がとても可愛くて、それに対するファニーの怒りが強い、うまい場面ですよね。
そして、今までずっと舞台の上では隠して見せないようにしていたクールな強さを全開にしているアリスちゃんが美しくて、こんなに良い役者になれる人だったのに、どうして今まで隠していたんだろうかと惜しむ気持ちでいっぱいです。
そして、同期でネルソン家の侍女の綾音らいらちゃんが、控え目な存在感でファニーに従っているのも良かったです。ショーの毒々しい女役も良いけど、こういうのも案外似合うんですね。


この場面、フッド提督(寿つかさ)がネルソン邸を訪ねてくるんですが、この訪問の目的は何だったんでしょうね?ホレイシオがノーフォークに帰っていないことを知って驚いて(焦って?)いるところを見ると、ホレイシオから頼まれて様子を見にきた、とかではないし、単純にホレイシオを迎えに来たのかなあ。でも、この時点ではまだホレイシオには後ろめたいことはないから、別にみを隠しているつもりは無いと思うんだけど……ぶつぶつ。
単純に「あんな気の強い妻が待っている家には、私も帰りたくないのう……」と、ホレイシオへの共感の言葉を言わせたかっただけなんじゃないだろうか。でも斎藤さん、宝塚の観客は、9割以上が女性なんだからねっ!!その述懐には残念ながら納得できないわ……(T T)。



■第5場B ロンドン ~決意~
フッド提督だけを残してノーフォークのネルソン邸が幕の裏にしまわれると、そのままロンドンの海軍省の一室へ。
ヘンリー王子(十輝いりす)やジャービス提督(珠洲春希)も登場し、ネルソンの意見に真っ向から反対する。
盟友ナポリの危機。足元(国民)に火がついてしまったナポリを、放置してはおけない。そう主張するネルソン。しかし、国家中枢は出動を許可しない。
「ナポリへの援軍は、出さない!」そう宣言して出ていくヘンリー王子は、つい見惚れてしまうほど格好良いです。

イギリスは小国。資源もなく国土も狭く、技術と貿易に頼った経済状態です。
そんなイギリスに、他国を真っ向から支援するだけの体力はないんですよね。ナポレオンがいつエジプトから帰還するかわからない今、ヘンリーたちの立場では、艦隊の温存を選択するしかない。
でも、ネルソンは自分が勝てることを知っている。艦隊を損なうことなく、国王や王妃、そしてイギリス大使を救出するための算段がちゃんとある。
だから、彼は言う。
「これは国務ではない」
と。


「行きましょう!ナポリへ」
と明るく笑うハーディーが、とても好きです。大好きです(告白)。ここでネルソンを救うために、この役はあるんだと思っています。
アルバート(鳳翔大)とジュリアン(七海ひろき)を呼んで、兵士たちの招集を命ずるハーディー。


こうして、ネルソン軍は、イギリス国旗を降ろして、ナポリ動乱の真っただ中に飛び込んでいく。
ちなみに、ナポリの最初の革命は1799年1月。ナポリでのパーティーの4ヶ月後、第4場のクーデターより半年以上前の事件です。この事件そのものは半年程度でいったん終息し、フェルディナンドたちも国に帰るんですよね。だってナポレオンがエジプトへ行ったっきりなんだもん(^ ^)。

フェルディナンドが本格的にナポリを追われるのは、トラファルガーの海戦も終わった後の1806年。結局、トラファルガーの海戦はイギリス本土へのフランス軍の上陸を防ぎ、国家防衛の役割は果たしたけれども、ナポレオンの体面に傷をつけるところまではいかなかったんですね。補給基地はぶっつぶしたけど、エジプト征服は止められなかったナイルの海戦と同じような結果ということか……(しみじみ)。




話は違いますが。

祐飛さん、ともちん、大くん、カイちゃん………
イギリス海軍には容姿のオーディションがあるとしか思えんな(^ ^;ゞ



雪組&雪組ファンのみなさま、千秋楽おめでとうございます!!
……まだ全く実感が持てない(T T)なにはともあれ、当分はゆっくりとお休みくださいませ。暑い夏、消耗も激しかったことでしょうから、とにかくリフレッシュしてくださいね。
暑い暑い東京で、お待ちしております。




さて、宙組東宝劇場公演「トラファルガー」。


■第3場 ナポリ ~導火線~
銀橋のトリオ(ネルソン・ハーディー・トム)の歌が終わって暗転すると、本舞台の紗幕ごしにナポリでの華やかなパーティー風景が浮かび上がる。

下手で歌いだす妃宮さくらちゃん、豊満な美女ぶりと豊かな声が素敵。
上手側でコーラスを合わせる天輝トニカちゃん、下級生だけどさりげなく巧い♪
トニカちゃんと踊る黄色いドレスの美女(伶美うらら)の美しさは他を圧しますね。あんなに目立つポジションでありながら、全く歌わないところが微妙だけど(^ ^)。長身かつ抜群のスタイル、細面のちょっとキツめの美貌。大劇場では男役としてちょっと小柄なトニカちゃんが大変そうだなーと思いながら観ていたのですが、東宝では優しい包容力が出てきて、格好よかったです(感心)。
さくらちゃんの後を受けて歌う、花里まなちゃん。こちらは少し痩せたのかな?キレイになりましたねー♪祐飛さんが就任したこの一年で、“綺麗なお姉さん”が激増したような気がするのはファンの贔屓目でしょうか(^ ^)。娘役が可愛くてこその宝塚。みんな頑張ってね♪


ナポリ駐在イギリス大使夫妻(北翔海莉・野々すみ花)が登場。
「みなさま今宵はようこそ♪」
と歌うウィリアム(みっちゃん)の声は、ひどく柔らかくて軽やか。もっと力強い声でも歌える人なのに、今回公演は芝居もショーも柔らかい部分を担当しているんですよね(力強い唄は、基本的に悠未ひろさんが担当)。たまには違う声も聴いてみたいな、と、ちょっと我がままになってみたりする。


上手奥から、ネルソンとハーディーが登場。大使ウィリアムとのさりげない挨拶が大人です(^ ^)。
演目が発表された頃に出ていたあらすじだと、ウィリアムとネルソンの関係がかなり濃く描かれそうな雰囲気だったのに、ナポレオン=蘭寿とむ、ウィリアム=北翔海莉の配役が発表されたあたりで変っちゃったんですよねー。残念だ!!怒りと嫉妬にかられて、ネルソンを危険な戦場へ送り込むウィリアムな蘭トムさん、すっげー観たかったのに!(T T)。齋藤さんなら、ちゃんとウィリアムの嫉妬はエマに向けられたものなのか、それともネルソンなのかとゆーあたりを外さずに萌えさせてくれただろうにーーーーー!!(←こら)
二番手と三番手、という脚本的な役割以上に、キャラ的にみっちゃんでソレは無い(T T)のがざんね(←そのへんにしておきなさい)



現実の芝居では、何度かパーティーで顔を合わせたことがある上流階級同士、という程度の関係になってましたよね、ネルソンとウィリアム。改まって「5年前のツーロン戦」での支援の礼を言うところをみると、直接会うのはそれ以来なんだろうし。
ヘンリー王子の「君(ネルソン)はナポリでは人気者だ」なんて台詞があるんだから、ネルソンはナポリにしょっちゅう行ってたんじゃないの?と思うのですが、まあ、ナポリ国王夫妻(特にハプスブルク家出身の王妃マリア・カロリーナ)は反革命意識の非常に強い人なので、フランスと闘って勝利を重ねている唯一の将軍であるネルソンのファン(^ ^)だった、という設定なんでしょうか。

ただ、この時点でネルソンはハミルトン夫人エマに初対面というのが若干意外な印象を受けました。
齋藤さんの脚本的にはウィリアムがエマを買ったのはツーロン戦の後だし、戦いの最中に援軍を要請しにくることはあっても、パーティーに出たり大使館に招かれたりするような仲ではなかった、というだけのことなのでしょうか?



ところで。
初めてネルソンに出会ったエマの振舞が、なんというか、少し奇矯な感じに見えるのは、わざとなんでしょうか。
最初のうちは、コケティッシュで可愛らしい、ちょっと仇っぽい女性、というイメージで観ていたんですが、だんだん違うモノになっていったような。なんというか、妖精じみた浮世離れした存在に見えるんですよね。その非現実感は「五千ポンドのミューズ」という称号にふさわしいような気もするし、何かが違うような気もする。
ただの、婚約者に捨てられただけの若いお嬢さんが、こういう一種異様な魅力を放つようになるまでに、いったい何があったのか……と下世話な興味を抱いてしまうような、すみ花ちゃんの芝居でした。

対するネルソンは、生真面目で武骨な海の男。……あれっ?ネルソンってそういう人だったの?いろんなエピソードを積み重ねると、女好きで惚れっぽくて、戦場では優秀だけど平時は下半身に無責任なタイプかと思っていたんですが。そうでもなければ、補給のために立ち寄った植民地で未亡人(ファニー)を拾って帰ったりしないよね。いくら息子が可愛かったとはいえ。
斎藤さん、祐飛さんにいったいどんな夢をみているんですか?


このダンスシーンの目玉は、なんといっても祐飛さんたちの上手隣で踊るハーディーとちっすー(千鈴まゆ)。ハーディーは、登場してウィリアムに挨拶するとすぐに、舞台奥に立っている天風いぶきさんののところに嬉しそうに駆け寄っていって挨拶し、天風さんの連れであるちっすーや、さっつん(風羽玲亜)たちと談笑を始めるんですよね。観るたびに、ハーディーと天風さんの関係は?と思うのですが(^ ^)。とりあえず、ダンスの音楽が始まると、ちっすーはハーディーを連れて舞台前に出てきます。で、おとめの身長差20㎝(たぶん、実際はもっと違う)の二人のダンスは………もう、こればっかりは文字では説明できません(^ ^)。ぜひご覧ください。祐飛さんたちの隣ですよー。
ともちんは、その後の国王夫妻が登場した後も、王子様たち(綾瀬あきな、夢涼りあん)に遊ばれていました(^ ^)。本当に眼が離せない人だ……可愛いったらない(*^ ^*)。


一方、ダンスは何とかこなしたネルソン。こういうところで恥をかくことのないよう、士官学校ではダンスも教えるんだそうですね。きっとネルソンには、ジャービス先輩が懇切丁寧に教えてくれたに違いないわ!(それ妄想だから!)
エマの思わせぶりな会話に対応しきれず焦っているうちに、国王夫妻が登場。
瞬時に「お仕事」モードに切り替わって、膝をつくまでの動きがとても滑らかです♪


気弱な国王フェルディナンド(天羽珠紀)。一時期割と強い(悪い?)役が続いていたたまちゃんですが、こういう役も結構な嵌りようですよね。根本的に巧いというか、役柄が広い人だな、と思います。やわらかな口調がいかにもそれっぽい。
フェルディナンドについてはいろいろな説がありますが、斎藤さんは「あまり有能ではないけれども、愛情深く子煩悩な優しい男」という解釈で作っているんだろうなあ、と思いました。乱世を生き抜くには向かないけれども、平和な時代であれば名君と呼ばれたかもしれない、その柔らかさと優しさ。宝塚的には面白い造形だな、と思いました。

そして、気丈な王妃カロリーナ(鈴奈沙也)。マリア・テレジアの娘である彼女は、気弱な夫を叱咤激励して反革命運動を援助し続ける。海も陸も弱兵しかいないナポリは、しかしイタリアを代表する農業国の一つであり、金がある、という点ではフランスに似ています。彼らにとってイギリス海軍は、自分たちにはとても出来ない戦いを遂行してくれる、ありがたい傭兵のようなものだったのではないでしょうか。


フェルディナンドがナポレオンへの恐怖から、イギリスへの助力を断って逃げるように退室した後。
ぶつぶつと愚痴をこぼしながら外へ出ていくネルソンを、追いかけてくるエマ。
「国王陛下がダメなら、お妃さまにお願いすればいいじゃない?」
「…どういうことだ?」
さらっと言ってのけたエマに問い返すネルソン。と同時に、銀橋へ登場してくるマリア・カロリーナとその侍女(琴羽桜子)

「ナポリは地中海のイギリス軍に援助を約束しましょう♪」
柔らかくひろがる鈴奈さんの声がとても気持ちいい。鈴奈さん、今回はこれといい、ショーのアマテラスオオミカミといい、いい仕事をしているなあとしみじみ思います。歌姫と呼ぶには若干音域による差の大きい人ですが、この曲はすごく合ってるなあ、と感心しました。
『母親』の強さ、『国母』としての誇りと義務。
「愛するものたちのために 正義を貫く勇気を胸に♪」
さらっと歌われますが、このあたりはこの作品全体にかかるテーマなんだな、と思いました。

明日にでも物資の輸送を、と約束して立ち去る王妃さま。
いつも男前に踊っている印象しかなかった桜子が、淡いピンクのふわふわしたドレスに身を包んで、、優しい声で「お妃さま」と呼びかけたりしているのがすごく意外で、そして、大変に可愛かったです♪あんな可愛い声でも喋れたのねっ(はぁと)。


王妃たちを見送って、あらためてエマに礼を言うネルソン。
「貴女ほどの参謀は、我が海軍のどこを探してもいない!」
……堅物ネルソンにとっては最大級の褒め言葉なんだろうけど、ちょっとばかりどうかと思う……(^^;ゞ でも、エマが嬉しそうだから良いのかな、それで。
「伊語に仏語、歌に踊りに絵画まで習ったけど」
戦争だけは勉強したことがないわ、と言うエマの手を握って、ネルソンが言う。
「あなたが一緒なら、あのナポレオンにだって勝てる……!」

握られた手をきっかけに、「今まで知らなかった」あるいは「忘れていた」感情に気付くエマ。
今の自分の感情を、美しく頭の良い、蠱惑的な美女への純粋な賞賛だと思って疑わないネルソン。
義理の息子にハーディーへの伝言を頼みつつ、頭も心も完全に戦場に向かっている彼の、他意のない「息子ですよ、義理のですが」という台詞のさりげなさは、さすが祐飛さん、と思います(*^ ^*)。

二人の感情は一瞬ふれあい、けれども何事もなかったように離れていく。
「再会」を待ち遠しく思いながらも。




■第4場 パリ
とりあえず、長くなってきたので、時代背景だけ先に書きますね。

前場のナポリでのパーティーは、おそらく1798年8月末か9月頃に開催されていたはず。8月初のナイルの海戦から、イギリス経由でナポリへ直行したんだから……そんなものだと思うんですよね。

で。
このパリの場面は、バラスが失脚したブリュメールのクーデターなので、1799年11月9日ということになります。
アブキール湾の海戦で補給のベースを喪ってからも約一年間、上陸済みのフランス陸軍は遠征を継続しますが、なかなか狙ったとおりには進展しない。しかも、最大の軍事勢力がエジプトに取られている間に、各国がフランスへの攻勢を強めていく。そんな情勢の中、ナポレオンが事実上の『敵前逃亡』でエジプトを脱出したのが8月下旬。アレクサンドリアに上陸してから、1年と2ヶ月弱が過ぎていました。

しかーし!少数の精鋭だけを連れてエジプトを脱出したナポレオンは、フランスに帰るまでに2ヶ月半もかかったんですかねえ……。リュシアン(春風弥里)に「よく間に合いましたね」と言われてたけど、そんなにかかるものなの?
まあ、ろくな船も装備もなく、敵の領土を突破したんだから、そのくらいはかかるか……。


ブリュメールのクーデターの首謀者は、シェイエス(天玲美音)。ナポレオンは、シェイエスが使った剣にすぎません。
でも、ナポレオンにはナポレオンの計画があったことも事実でしょうね。とりあえずはシェイエスの話に乗るけど、とにかく力(軍隊)を握っているのは自分なのだから、という圧倒的な自信が、彼の行動原理なのだな、と思いました。
斎藤さんが、こんなに真面目に歴史的事実を積み上げるような作劇法をとるとは思いませんでした。びっくり(@ @)。



こんなところでしょうか。
ううう、こんなに書きたいことがたくさんあるなんて自分でも思いもよらず(凹)
新公前には終わりそうにないな、これは…。



宙組東宝劇場公演「トラファルガー」。


■第2場 ロンドン帰還
銀橋に残ったエマ(野々すみ花)の独白で暗転。本舞台に光が入ると、そこはロンドン。
ナイルの海戦でフランス軍を破ったネルソン艦隊を歓呼して迎える市民たち。

壇上で大きな旗をぶんぶん振り回している二人は、下手がモンチ(星吹彩翔)、上手がえなちゃん(月映樹茉)。まずモンチが歌いだすんですが、相変わらず良い声で良い度胸だ♪
続けて上手側で花露すみかちゃん、平場で美月遥くん、花音舞さん、美影凛ちゃんと歌い継いで、その時点での世界情勢を簡単に説明する。
「市民革命の波を恐れたのだ」とかっちり締めるさっつん(風羽玲亜)がステキ♪金髪が似合うなあ(*^ ^*)。


この辺は「カサブランカ」でリックのカフェの最初の歌と同じようなメンバーが多い印象。
場面的には、下級生~中堅の歌手にワンフレーズづつ歌わせて歴史的背景を状況を手際よく説明する、非常によく出来た場面ではあるのですが。
でも!!もうちょっと人数を増やしてもいいんじゃないの?>齋藤さん。ロンドン市民が男女8人づつの16人なんて、少なすぎる(涙)。前場のメイドさんたち以外は全員出られると思うんですが。
下級生にもっと出番を~~っ!!

イギリス軍のメンバーが少ないのは、新調のお衣装の都合があるのかな、と推察しているんですが(^ ^;、市民の衣装なんていくらでもあるでしょうに!!
……と思ったところでふと気付く。この公演が大劇場で幕を開けたときって、東宝ではスカーレット・ピンパーネル絶賛上演中だったっけな、そういえば。そっちに全部取られたてたのか、民衆の衣装が……?(←まさか)



1793年秋のツーロン陥落が「スカーレット・ピンパーネル」のちょっと(半年くらい?)前の話なら、ナイルの海戦は1798年8月、ロベスピエールの失脚から4年後。ツーロン攻略戦で名をあげたナポレオンは、ウィーン攻略とイタリア遠征の勝利によって『フランスの英雄』となっていた、んですよね。


広大な国土を持った豊かな農業国フランスは、伝統的に軍隊はあまり強くなく、長らく傭兵に頼って国を守っていました。
しかし、革命によってフランスが全ヨーロッパの台風の目となったとき、傭兵たちは当然、支払い能力の高い貴族側につくわけで。
共和政府は新しい軍隊のありかたを模索し、「国民のための共和フランスなのだから、国民が守るべきだ」と、事実上の徴兵による「国民軍」を作り上げる。その中心になったのがナポレオン。
徴兵による圧倒的な兵数にものを言わせて、革命政府をぶっつぶそうと襲ってくる各国の包囲網と手当たり次第に闘ってきたのが、この10年間のフランス。
最初はただの農民兵だった彼らも、ナポレオンをはじめとる有能な指揮官に恵まれて、陸戦に関しては連戦連勝。向かうところ敵なし、だった。

そんなフランスの前に、唯一立ちふさがったのが、海運と海軍にすべてをつぎ込んだイギリス。地味の乏しい、貧しい島国に暮らす彼らには、海しか無いんです。制海権を握り、貿易による富を獲得する以外に、生きるすべがない。
そして、当時のイギリスとフランスは、今私たちが日本で想像する以上に、心情的に近い関係にあったはず。ギロチンにかけられるフランス貴族たちは、イギリス貴族たちの知り合いで、友達で、もしかしたら親戚、いや従兄弟くらいの関係だったかもしれないのですから。



ナポレオンのエジプト攻略にはいろいろな理由や目的があったのでしょうけれども、その一つに、「敵対するイギリスの国力を削ぐために、イギリスとインドの連絡を絶つ」というものがあったのは間違いない。
インドとの貿易は、イギリス経済の生命線。そこを断てばイギリスの国力は一気におちる。そうでなくても、エジプトからトルコを攻略すれば、地中海の南東部はフランスのものです。イギリス艦隊の制海権さえ奪うことができれば、フランス陸軍は補給線の心配もなく、もっと自由に動けるようになる。
最終的にはイギリス本土攻略、というところまで視野にいれて、ナポレオンはエジプト遠征に出発。アレクサンドリアに上陸してカイロへ攻めのぼり、あっという間に陥としてしまう。

しかし、ナイル河口でベース(補給基地)となっていたフランス艦隊を発見したイギリス海軍は、わずか一晩の戦闘でこれを殲滅。これが、ここで称えられる「ナイルの海戦大勝利!」
この戦いは直接ナポレオンと闘ったわけではなく、彼の補給路を断っただけだし、この戦いの後もエジプト遠征は続くので、凱旋した彼らがどのくらい歓呼されたのかは良く分かりませんが(^ ^)、フランス艦はほぼ全滅、イギリス艦はほぼ無傷という、滅多にない大勝利ではあったようですね♪


「我がイギリスの危機♪」と歌うせーこちゃん(純矢ちとせ)、朗々と響く拡がりのある美声が、すごく嬉しそうで巧いなあ、と思います。
そして「ネルソン!ネルソン!」という歓呼の歌は、この後も繰り返し出てくる印象的なフレーズ。このあたりの場面の音楽は太田健さんですが、盛り上がりのある良い曲ですね。
楽しそうに小旗を振っているみーちゃん(春風弥里)やあっきー(澄輝さやと)のアルバイトっぷりがとても可愛い。みーちゃんはその後もずーっと壇上で見物していて、とても可愛いです。今回みーちゃんの本役であるルシアンは相当邪気のある役なので、あんなに可愛い笑顔は、お芝居の中ではここでしか見られません(^ ^)。

上手奥から入ってくる兵士たち。ここのメンバーが、この後もずっとイギリス兵ですね。基本的にイギリス兵になったりフランス兵になったり、という水増しをしていないのも、全体に舞台上に居る人数が少なめになっている理由でしょうか。「虞美人」はその点凄かったもんなあ(^ ^)。


市民たちの歓呼に応えて、破顔一笑、ものすごく嬉しそうに手を振り返すハーディー(悠未ひろ)。その笑顔、可愛いからっっ!! ネルソンに「まだ戦いは終わっていない!」と窘められて、「あちゃっ」という顔をするところもめちゃめちゃ可愛いです。
それにしても。一段下に立っているはずなのに、どーしてネルソンと目線が合うの?>ハーディー

金髪ロン毛を強調した大くん(鳳翔大)と、すっきり後ろにまとめたカイちゃん(七海ひろき)の美形コンビと、眼帯をしたネルソン、そしてひたすら可愛い笑顔のともちん。このイギリス海軍、美形率が高すぎてちょっと目眩がします。ナイルの海戦大勝利!でなくても、市民は集まってきそうなメンバーだわ(真顔)。


朗らかに温かいフッド提督(寿つかさ)と、奥歯にものが挟まったような嫌味っぽいジャービス提督(珠洲春希)の掛け合いが結構好きです。なんだかんだ意地悪を言ってるけど、ジャービス提督は結局はネルソンが大好きだよね、という感じが漂っていて、男の嫉妬は醜いけど可愛いなあ、と思ってしまいます(^ ^)。
そして、後から颯爽と登場して、「Welcome home、ホレイシオ!」と場をさらってしまうヘンリー王子(十輝いりす)の格好良さにくらくらします。ええ。彼の登場と同時にスッと片膝をつくネルソン以下の士官たちの動きも素晴らしい。きれいだなあ(*^ ^*)。


「実は、再びナポリに向かってほしいのだ」
と告げるヘンリー王子の、温かな声。盟友ホレイシオを心配しつつ、国のためにはそれが必要なのだとちゃんと判らせる言い方がとてもいいです。あまり台詞術に長けた人ではないのですが、心のある芝居をする人だな、と、こういう時に強く思います。


この辺りまでは、市民たちが若干名舞台に残っているんですよね。
下手の壇上に居たのは千紗れいなちゃんと愛咲まりあちゃんかな?
舞台中央の奥に真みや涼子ちゃんとえなちゃんが並び、上手の壇上にみーちゃんと花音さんが仲良く並んでいたような。なんだか嬉しそうに将軍たちのやり取りを眺めている様子が楽しげで皆可愛い♪


ナポリへの出航を命じられたネルソンに、つと寄り沿うハーディー。
ハケていく兵士たちにネルソンが呼びかける。
「ジョサイア」
兵士たちの一人(愛月ひかる)が、つと立ち止まって振り返る。ここは、照明さんがさりげなーく良い仕事をしています♪
ネルソンがちょっと後ろめたい感じで続ける。
「手紙を。……ノーフォークの、お前の母上に」
「アイアイサー、キャプテン・ネルソン」

さりげない会話ですが、手紙を自分で書く気もなく「お前の母上に」と言うところとか、「父親」への返事ではなく、上官に対する「アイアイサー」という返事であるところに微妙な家族関係を匂わせているあたり、その直前の会話の中でハーディーに「まだ妻と娘にもあっていないのに…」と嘆かせているコトも含めて、齋藤さんもだいぶ大人になったんだな、と思ったりしました(^ ^)。


この辺りで音楽が入り、トム・アレン(凪七瑠海)が荷物を持って登場。
「目指すはナポリ♪」と歌いだします。
ここで「風向き良好!」と歌う前に、ハーディーがちゃんと指を舐めて風向きを確かめているところが笑える(^ ^)。ちなみに、アーサー・ランサムの「ツバメ号」シリーズの中で、「指を舐めたって風向きなんてわからない」という台詞があったような気がするんですが(^ ^)。

ともちんと祐飛さんの声は案外合うなあ、とこのナンバーを聴くたびに思います。
そして、カチャの声はまた一段と癖が強くなったような?ちょっと気になる感じですね。今回はトム・アレンという役で、喋り方もちょっと乱暴な感じにしているので、その流れなのかな?とも思うのですが、曲調や一緒に歌う二人に合わないのは問題だと思うので、ちょっと考えてほしいような。



……なんだか、余計なことを書いて文字数を稼いでしまったような気が(^ ^;ゞ
この調子だといつまでたっても終わらないので、次からはもう少しスピードアップしたいと思います……。



まっつの組替発表から、一日が過ぎました。
何事もなかったかのように、今日も東京はピーカンで。

あのときは、もう少し沈鬱な天気だったような気がする。
2007年12月26日、祐飛さんの花組への組替発表があったあの日、は。




生粋の組子として育ち、
その組に無くてはならない人になって、
今後もこの組を支えていってくれるんだろう、と安心しつつ、
……だけど、いったいいつまで支えてくれるんだろう……?という不安は、いつでも胸の地番奥にひっそりと納まっていて。

そんな思いで過ごしていた、あの頃。


異動についていくしかないまっつファンの皆様も、
見送ることしかできない花組ファンの皆様も、さぞ不安なことでしょうね。
花組を出ることなんて、考えてもいなかっただろうし、「花組の未涼亜希」でないまっつを想像することも、当分はできないでしょう。

でも、タカラヅカは一つだから。
祐飛さんを、ありえないほど温かく迎えてくれた花組。
たぶん雪組も、同じ温かさでまっつを包んでくれると思うから。

だから、信じています。

宝塚は一つだから。
そして、まっつは強い人だから。


まっつが、そして、まっつを迎える雪組とまっつを喪う花組が、
みんな素敵な作品に恵まれますように。
もちろん、宙組も月組も星組も、ね!!



今後の雪組に関係する人事が、一気に発表された本日。
カテゴリーを「雪組」にするか「宝塚全体」にするか若干悩みつつ、まずは私にとって一番衝撃だったニュースから。



まっつ(未涼亜希)、組替えですか!!!


前回公演でユミコさん(彩吹真央)が抜けて、今公演で水さんが卒業。
次期トップのキムちゃんは(一応)順当だとしても、その両脇をいったいどうするつもりなんだろう?と思っていたのですが。



まさかのまっつ投入(@ @)。



同期の名歌手ということなら、みっちゃん(北翔海莉)という手もあったと思うのですが、そこはあえてまっつなんですね……。
うーん、微妙だ。でも、まっつというキャラクターには案外雪が合いそうなので、かなり期待しています。
しかも、キムちゃんのお披露目大劇場公演は「ロミオとジュリエット」!!
まっつはベンヴォーリオかしら、ティボルトかしら、マキューシオかしら(^ ^)。
いやもう、あの美声を響かせてくださるなら大公でも嬉しいし、、、なんでもいいです。歌ってくれれば♪♪
キムちゃんトップにまっつ、コマって、耳には良い布陣だなあ~~。これはチギちゃんにも歌をがんばっていただかねばっ!!(^ ^)。



しかし、それと同時に発表になったトップ娘役不在………(T T)。
月組にまりもちゃんがきりやんの相手役として就任したとき、皆が(ファンは勿論だけど、組の上級生も)あんなに喜んでいたのにねぇ………。




私は、一般的な(?)宝塚ファンの中では、トップ娘役不在だとか、スター専科だとか、そういう『異例の人事』に抵抗の少ない方だと思います。問題なのは人事ではなく作品であって、異例人事をするなら異例人事をしなくてはやれない作品をやってね、とは思いますが、人事そのものについてはあまり悲観的にならないようにしているので。

ただ、宝塚は残念ながらそういう「異常事態」を生かすことはあまり得意ではなくて、轟さんがいなければやれなかった「暁のローマ」と、お芝居とショーのヒロインをわけた「夢の浮橋/Apassionado!」くらいだと思うんですよね、成功事例は。


で、今度の雪組はどうなるか……?
観てみなくてはわかりませんが、今までに観てきた印象で言うと、キムちゃんは相手役を固定してあげた方が良かったんじゃないかな、、と思うんですよね。
キムちゃんは非常に熱量の大きい芝居をする人なので、それをちゃんと受け止める器(包容力)のある娘役さんと組ませてあげたいんですが、今の宝塚にはそういうタイプの娘役が少ないので、固定して普段から呼吸を合わせていったほうが良いと思うんですよね。
どうしても一人に絞れないというなら、Wトップ娘役でもいいから、固定してあげたかったなあ。

みみちゃんは可愛いと思うし、雪組のトップ娘役になる人として何ら不足は無いと思うのですが、ただ、キムちゃんの相手役として100%かというと、ちょっと違うかも、とは思っていました。
みみちゃんも自分から押していくタイプなので、キムちゃんとだとぶつかってしまうんですよね。テルくんだったらちょうど良いんだけど。個人的には、キムちゃんの相手役には宙組の藤咲えりちゃんとか、ちょっと大柄だけど花組の天咲千華ちゃんとか、そのあたりが相手の芝居を受けることのできる包容力のあって良いんじゃないかなーと思っていました。

そういう意味では、お披露目のドラマシティ公演「はじめて愛した」のヒロインがみみちゃんではなく愛加あゆちゃんだというのは納得でした。
そして、みみちゃんが轟さんの「オネーギン」のヒロイン、というのも、納得。華やかなみみちゃん、すごく楽しみ。



しかーし。
だったら何故、ジュリエットはみみちゃんと夢華あみさんなんだろう(T T)
夢華さんは歌えるみたいだけど、歌をメインで選ぶならかおりちゃん(晴華みどり)は??と。


これだけ熱心な「宝塚ファン」をしていて、雪組も毎公演必ず二回以上観ている私でさえ、はっきり言って「観たことがない」娘役。
そりゃあそうですよ。彼女が配属されてからまだ東宝公演に来たことが無いんだから。

唯一、大劇場の「スカーレットピンパーネル」新公で観ているはずですが、まさかこんなことになるとは思わなかったからノーマークでした。僅かなソロフレーズについて「力強い良い声」と日記に書いている自分をちょっと褒めたい感じ(^ ^)。



露出しすぎると飽きられてしまいますが、ここまで全く露出の無い人では興味を持つことが難しい。
せめてもう少し、本公演で目立つ役をやってから評価してくれれば良かったのになあ。




非常に個人的な話なんですが。
実は、今現在が私の宝塚ファン生活で最大の“トップ娘役黄金期”なんですよね(^ ^;ゞ。
蘭ちゃん、まりもちゃん、みなこちゃん、ねねちゃん、すみ花ちゃん………全員芝居とスタイルがよくて、踊れて、情があって声が可愛い!!ああ、蘭ちゃんが就任してからみなこちゃんが卒業するまでの間に、ぜひとも5組がそろうイベントをやってほしかった!!!(涙)

なので、みなこちゃんが抜けた後は誰が来るんだろう?というのは非常に気になっていたのですが…………

誰も埋めないのか。そうか。
……それはそれで、納得かも(^ ^;



秋のドラマシティ(「はじめて愛した」)とバウ(「オネーギン」)の振り分けも発表になりましたが。
……新生雪組は、ドラマシティのメンバーを中心に進むんでしょうねぇ。・

なんだか、いろいろ切ないなあ………。




ただいま絶賛上演中(^ ^)の宙組東宝劇場公演「トラファルガー/ファンキー・サンシャイン」より、お芝居の「トラファルガー」について。



ここ数日、若干いろいろあって少し落ちていたのですが、公演も中盤に入りましたので元気に盛り上げていきたいと思います!!
と、いうわけで、作品について語ろうかな、と思ったのですが。


んー、作品論で語ってしまうとちょっと身も蓋もなくなる可能性があるので、まずは場面ごとに、かるく私のツボ話でも聞いてください(^ ^)。
あ、場面タイトルはかなり適当です。



■序 ツーロン陥落

砲兵士官ナポレオン・ボナパルト(蘭寿とむ)の出世の糸口となった、1793年秋のツーロン攻囲戦を題材にした場面。
パリを脱出した王党派がイギリスやスペインと手を結び、地中海に面した港町ツーロンに立て篭もる。共和派の軍隊は街を包囲し、港を見下ろす高地(アレーナの丘?)を奪って大砲で狙い撃ちする……。
イメージで言うなら、鉄砲の導入によって無敵の武田騎馬隊を打ち破った長篠の戦いみたいなものだったんでしょうか?ナポレオンの玲名を轟かせた戦争ですね。

このときフランスを率いてきたロベスピエール(越乃リュウ)は、1793年6月にジロンド派を追い出して権力を握ったばかり。彼が失脚したテルミドールは1794年7月ですから、ナポレオンを引き立てた彼が権力の座に居たのは、わずか一年ちょっとなんですね。
ナポレオンが、その短期間にしっかりと地歩を固め、ロベスピエール失脚後も順調に出世していったのは、彼の卓越した戦術と指揮能力によるものなんだろうな、と思います。



対するネルソンも大活躍……なのは、史実なんでしょうか?(^ ^;ゞ 私がざっと調べた程度では、ツーロン攻囲戦にネルソンが参加していた証拠は見つけられなかったのですが。
でもまあ、条件としてはありそうな話ですね。
銀橋で兵士(月映樹茉)がナポレオンに問われて答えるネルソンの乗艦は、「64門艦アガメムノン号」。ちなみに64門艦は、当時の戦艦としては大きな方だったらしい。
ネルソンがアガメムノンの艦長になったのは1793年のことらしいので、そのままフッド提督と共にツーロンに入ったのかな?と。

そんなことを考えながら、いざ舞台へ~♪



上手から銀橋を駆け抜けて行く兵士たち(国民公会軍)は、さすがに区別がつきません(T T)。……一瞬でいいから、銀橋に立ち止まって客席に顔を向けてくれればいいのになー。
何度も観ているのに、あっきー(澄輝さやと)やらモンチ(星吹彩翔)やらがいることにさえ気づいてませんでした。プログラムって大事だなあ。


その後を追うように出てくる兵士A(蒼羽りく)。いや、ル・サンクによると、この場面のりっくんは部隊の副官だそうですね。そういえば「撃て!」って言ってたな(^ ^;

そこに駆け込んでくる兵士の台詞については、上でも書いたので省略。
この場面って、大劇場ではとにかく全員が何を言っているんだかさっぱり分からない場面だったのですが、東宝に来たらりっくんの台詞は随分聞きとれるようになってました!新スカイフェアリーズとして、滑舌の訓練でも受けた成果かしら?(^ ^)
ただ、その台詞を言うときの彼の気持ちや、戦いの高揚感みたいなモノは、大劇場の時の方が伝わってきていたような気がするんですよね。何を言っているのかは判らなくても、伝わってくるものがあった。
劇団四季の母音発声じゃないけど、滑舌を良くすると、一時的に芝居としては駄目になることが多いので、早くその発声を自分のものにしてほしいなと思います。

でもやっぱり、えなちゃん(月映樹茉)の台詞はもう少し聞きとれるように喋らないとまずいと思うなあ……。


水の上を滑るように自由に動き回るネルソンの操艦術は、陸戦を主体としたナポレオンには信じられないものだったんでしょうね。
その感動を、「黄金のハヤブサ」という、(宝塚においては若干ありふれているけれども)判りやすい称賛の言葉として表現するあたりが齋藤作品の判りやすいところでもあり、底の浅さや若干の安っぽさを感じるところでもあります。
うーん、やっぱり齋藤さんにはゴーストライターが必要なんじゃないかなあ、と思ったりする。彼の萌えを理解して美しい日本語に起こす作業ができる人っていないのかなー。なんだったら私とかど(黙)。



■第1場A VICTORY

ナポレオンの「ホレイシオ・ネルソン!」という感嘆で暗転し、紗幕に映像が流れる。
「黄金のハヤブサ」が、ナポレオン⇒ハミルトン⇒エマ⇒ネルソンと渡っていくオープニング画像で、なかなか良く出来ています。
音楽は「威風堂々」。影ソロはもちろん、宙組の誇る歌姫・七瀬りりこ嬢。


舞台にライトが入る。
紗幕の向こうに透けて見える、板付きのイギリス海軍士官たちと、セリ上がってくるネルソン。この場面が一番テンションがあがるかも。


齋藤さんの書く日本語にいちいち引っ掛かりたくはないのですが。
……でもでも!!「白いマストがひるがえり」は、無い。エマ、それはない!
東京で修正されるといいなーと思っていたのに、ここに限らず、台詞や歌詞の変更がほとんど無かったのは結構ショックだった……。



回り盆がくるりと回ると、フランス海軍とナポレオンが登場。
ナポレオンの歌う歌詞で好きなのは「黄金のハヤブサをこの手で堕とすまで」。私、実はこの歌詞をずっと「この手堕とすまで」だと思っておりまして(^ ^;ゞ かなりヤバい目の片思い設定だとばかり………。
意外にまともな歌詞だったんだなー(意外とか言うな)


この場面のチェック項目は、「波」役の娘役さんたちでしょうか。最初のネルソンの場面にしかいない藤咲えりちゃんとか、結構入れ替わりがあるので忙しいです。個人的には、(琴羽)桜子と(美影)凛さんがラインが綺麗だなーと思って見惚れてます。
それにしてもえりちゃん可愛いーっ♪(でれでれ)。すぐ次の場面に着替えて出なくてはならないので、本当に短い時間しか居られないのですが、出してくれてありがとう!! >齋藤さん
さすが、判ってるなー♪
【追記。えりちゃん、ハミルトンさんが出てきて歌う場面までは波にいますね。最初のネルソンのところしかいないかと思っていましたが、案外長い時間出ていました。短いのは召使いさんたちですね】


兵士たちは皆さまそれぞれにチェック項目があると思いますが、何度か観ていると、「あ、父上(エドマンド/風莉じん)がフランス軍に!」とか、そういうアルバイトさんたちへの突っ込みが自然と出てきます(^ ^)。
この場面は、次の場面に出ない人はほとんど出てるのでしょうか…?誰か出てない人いるのかしら。



舞台奥からウィリアム・ハミルトン(北翔海莉)登場。
曲調もかわり、ガラッと空気が変るのはさすがですね♪
その調子で、ヤスのソロもよろしくお願いしまーす!!

もとい。
ウィリアムがセンター奥、本舞台客席側の上手にネルソン、下手にナポレオンという配置が、なかなかうまいな、と思いました。祐飛さんと蘭トムさんは若干音程のピッチが違うので二人で声を合わせると結構苦戦するんですが、拡がりのあるみっちゃんの声を真ん中に置くと合わせやすそう。まあ、ここではそんなに難しい音程でハモるわけではないんですけどね。
「今、物語は始まった!」という言い切りが気持ちよくて、大好きです(*^ ^*)



■第1場B 一人の美女

「VICTORY」の音楽が終わって幕が降りると、下手の花道にキャドガン夫人(美風舞良)が登場。美風さん、軽やかな中にも毒があって、すごく良い。当たり役だなあ~~~(*^ ^*)
ママに呼ばれて登場したエマ。幸せいっぱいに婚約者への愛を歌いながら、ちょっと“浮かれた”感じで銀橋を渡ります。
この場面のエマは、髪型なんかも結構日によって違ったりして、すみ花ちゃんの努力がうかがえます。それにしてもすみ花ちゃん、この時代の衣装は本当によく似合いますね! 胴が短くて腰が豊かなので、「カサブランカ」で着ていたようなシンプルなワンピースより、こういう作りこんだラインのドレスの方がが映えるんだなあ♪

本舞台のメイドさんたちが、これまた皆可愛い(はぁと)
衣装の色は、千鈴まゆちゃんが薄紫、百千糸さんがサーモンピンク、七瀬りりこ嬢が薄いピンク、背音リサちゃんが水色、夢涼りあんちゃんが黄色、桜音れいちゃんが緑……であっているかしら?

でも、最後にウィリアムと一緒に登場するジゼラ(藤咲えり)の可愛らしさは、さらに格別、です!(*^ ^*)



史実らしきものをあたってみると、エマが「公娼」で、ウィリアムは60歳をすぎた「おじいちゃん」であったことは、どうやら事実であるらしい。
日本でいえば、芸者さんを身請けしたような感じだったのかなあ……?
むしろ、正式に妻にしたことで驚かれたみたいですし、ウィリアムさんは実は真面目な人だったのかもしれないな、と思ったりします。
ホレイシオとエマと三人で暮らしていた事実があったり、本当に色んな意味で事実は小説より奇なりという格言を思い出さずにはいられません。


こんな突拍子もない物語を、よく宝塚で上演したなあ、と思うのですが。
齋藤さんは、ウィリアムを40代の男ざかりに、エマを「初めての恋にワクワクしてたのに、5000ポンドで売られてしまった哀れな娘」に変更しましたが……
うーん、ウィリアムの年齢は宝塚的に当然だけど、エマのキャラは芸者のままでも良かったのでは?と思うんだけどなー。「心中・恋の大和路」みたいな作品もあることだし、職業に貴賤は無いはずなので。

エマを純真な娘にして、エマとネルソンの恋を純愛にしたかったのは判るのですが。
うーん、祐飛さんもすみ花ちゃんもどっぷり恋愛体質なので、設定的にちょっと中途半端になっちゃったんじゃないかな、と。
っていうか、齋藤さんって、祐飛さんにどんな夢を視ているんだろうか……?



ウィリアムが勝手なことを言って去ったあと、暗転する銀橋の上に立ち尽くしたエマ。
「私は、五千ポンドで婚約者に伯父に売られた」から「レディ・ハミルトンになった」までの録音のナレーションの間、という短い時間で、がらりと表情が変っていくすみ花ちゃんは、根っから女優なんだなあと思います。
表情の変化にあわせて、周囲の空気の色まで変っていく。
……お見事!



ここまでがプロローグなんですね。
また続きは近いうちに♪



2010/07/19

月組 退団者のお知らせ
下記の生徒の退団発表がありましたのでお知らせいたします。

(月組) 
美鳳 あや
天野 ほたる

     2010年11月21日(月組 東京宝塚劇場公演千秋楽)付で退団





私がはじめて観た「初舞台生」たち。
本当にみんな可愛くて、祐飛さんとも仲良しな期。

あの85期生の中で、最後に月組に残るのがもりえちゃん(青樹泉)になろうとは、、、、
本当に、思ってもいませんでした。



可愛い可愛いフランチェスカ(by「血と砂」)と、麗しのヒポリタ(by「二人の貴公子」)。

いつの間にか、すっかり上級生になって、場面をまとめる役割を果たしてくれていたお二人。

いままで月組に居てくれて、ありがとう。
11月まで、精一杯応援します。
だから。

「ジプシー男爵」と「ラプソディック・ムーン」が、素敵な作品でありますように(祈)。



珍しく、発売日より前にGraphをゲットしました。


いつもはだいたい、半月から三週間くらい遅れて買うので、コメントしたい記事があっても今更書けないことが多いのですが、今回はOKですよねっ!?


と、いうわけで、気になった順に。



「波乱爆笑わが人生」、今月のテーマは鳳翔大くん。
予想以上のぶっ飛んだ波乱爆笑っぷりに、感動のあまり言葉が出ません。こんなに感動したのは、ベニー(紅ゆずる)の回以来です……(真顔)。
………88期って。



「Especial Time」は、ひろみちゃん(彩那音)⇒ 祐飛さん。相変わらずのラブラブっぷりで、3ページ目の写真とか、見た瞬間にちょっと照れてしまいました(^ ^;。
いやー、さえちゃんもまぜて、三人でトークしてほしい!



サヨナラポートのアリスがめっちゃ可愛い。
そして、並んでいる舞台写真、「雨に唄えば」のキャシー以外の三枚は祐飛さんがトップになった後なのがなんとなく感慨深い。本当に、この一年間のアリスちゃんの「役者としての」変貌ぶりは、特筆するべきものだったと思います。
何度か書いていますが、もっと早くからこういう役が与えられていたならば、と思うんですけどね……(T T)。



「組子全員キメ顔特集」は、雪組さん。
すいません、非常に個人的な感想ですが、大湖せしるの写真に見惚れました。隣の大凪真生さんの写真とセットなんですが、、、、誰が考えたんだろう、このネタ。
先月の宙組くらいから、同期でネタを合せることが多くなってきた気がするんですけど、雪組さんのは色んな意味で完成度が高い、、、、かも(?)

せしるの迷作がなければ、文句なく喝采(私の)を浴びるのはキムちゃんなのかなあ。ああ、でも、水さんのもすげー。

そして、写真自体はごくごくふつーでまっとうな真那春人くん。でもあなた、「ONE PEACE」のルフィに……たしかに似てるわ(真顔)。……その邪気のない笑顔、大事にしてください(^ ^)。




表紙はねねちゃん(夢咲ねね)&みっちゃん(北翔海莉)。
「バーボンストリート」の後半チームでしたよね(^ ^)。私は残念ながらみっちゃんバージョンは観られなかったのですが、楽しそうだったなー。
みっちゃんのお化粧がいつもと違って、ややフェミニン(?)な感じ。もう少し眉を太く描いても良いんじゃないかな、と思ったりもしましたが、まあ良いのかな。ねねちゃんはホントに可愛い(はぁと)。
中のポートの最初の一枚は、「ロミオとジュリエット」のチラシ画像のパクリですか?(^ ^)。可愛いなあ~~♪

宙組公演「トラファルガー/ファンキー・サンシャインの舞台写真。
ひまわりの可愛い女の子たちが写っていなくてとも残念(T T)。でも、まあ、可愛い可愛い祐飛さんとすみ花ちゃんを大きく写すためには仕方ないのかな?(^ ^)
個人的には、YUKO(アリス/ショー)の後ろ姿がめっちゃ可愛くてツボです。あと、トラファルガーの写真はどれもいいなあ。ネルソンさん、カッコいい♪

「The 5Senses」は、柚希礼音くん。五感に関する質問への答えも面白いんですけど、ラストのページでスーパーボールと戯れている礼音くんがめっちゃ可愛い。

稽古場風景は、月組「スカ-レット・ピンパーネル」。
どれも良いけど、ガチャ(一色瑠加)、ナホちゃん(越乃リュウ)、きりやんの三人で他のひとたちの稽古を凝っと視ている写真がとても印象的。

「The Costume」は宙組大空祐飛&野々すみ花。
何度も観ているし、フィナーレの衣装なんて散々観ているつもりだったのに、細かいところが全然見えていないことが判明。明日観るので、しっかりチェックしたいと思います(^ ^)。

「カルトップクイズ」はきりやん。なかなか難しい!でも、読者向けの質問はどっちも答えが判ったような気がする……応募してみるか(^ ^)。



すべての記事についてコメントするのは無理なので、とりあえずはこんなところで。
祐飛さん&宙組&月組ファン的には、大変美味しい号でした(^ ^)。



2011年に100周年を迎える帝国劇場の、来年の演目とキャストが一部発表されました。


記念年には絶対やるだろうと思っていた「レ・ミゼラブル」ですが、思ったより期間が短いんですね。半年くらいやるのかと思ってましたが、二ヶ月ですか。
相変わらずキャストが多すぎ(涙)。二ヶ月間のイベント期間、って感じですねコレは。スペシャルメンバーも多いし。
……せっかく今井清隆さんが出演されるなら、ぜひジャベールも演じてほしい……絶対ジャベールの方がステキなのにぃ(T T)。



でもまあ、キャストが多いことには一面の美点もあります♪ いろんな人で観ることができるから、どの役も一人くらいはあたりが見つけられる(^ ^)。
とりあえず、たっちん(和音美桜)のファンテーヌ のために久しぶりに観劇することが決定(^ ^)したので、どの組み合わせを観るか、ちょっとワクワクしてみました。
……原田優一さんがマリウスなことにちょっとびっくり。アンジョルラス、良かったのになー。あれ?前回ってどうでしたっけ。出てた?(←チェックさえしてないことが判明)




そして!!
アンサンブルの画像が小さすぎてあまりよく見えないのですが………、

この、二段目の左から二人目の「絵理」って、もしかして嘉月絵理さんっ!?
うっそーーーー!!ファクトリーガール?ジベロット?まさかマダム??名前の順に並んでいるから役の予想は出来ないけど、絵理ちゃんならどれでも出来そうだし観てみたい♪♪
ああ、でもやっぱり、ファクトリーガールが観たいかなあ。……「共に飲もう」リプライズの泣き芝居をどうアプローチしてくるかが楽しみ、、、、などと、モノスゴくマニアックなところを楽しみにしてみたりして。

いやいや、何の役でも嬉しいです。ああ、でもこれって本当に絵理ちゃん?顔が見えないからあまり自信がない……。



あと、男性アンサンブルの2番目って、StudioLifeの石飛幸治さん…ですよね?
うわーーーーー。何をやるんだろう。コンブフェール(=工場長)とか、何気に似合いそうだけど。あるいは、歌唱力がよくわからないけど、キャラだけならバベも似合うかな?元々美声のダンサーが演じる役だけど(汗)。

なんて色々考えていますが、そういえば、2003年以降に上演されている短縮版ではアンサンブルの立ち位置とか変っているかもしれなんだな……(←短縮版になってからは、あまり回数を観ていないので)
とりあえず、がんばります(なにを)(^ ^)。





その後は、「風と共に去りぬ」を一か月。
寺脇康文さんのバトラーに、岡田浩暉さんのアシュレ!!
……絶対、観に行きます(^ ^)。



そして、7月後半から8月末まで、オランダミュージカル「三銃士」の日本初演。
これは、去年韓国で上演された作品とは別物ですよね?あれは韓国ミュージカルですもんね。

こちらも、たっちんがコンスタンス役にキャスティングされているので絶対観なきゃ(^ ^)。ここ数年、帝国劇場に入るのは年に二回もあるかどうか?という感じでしたが、2011年は結構通うことになりそうですね、私(^ ^)。
っていうか、来年の5月~8月は忙しくなる予定なんだけど、大丈夫なのかしら。

それにしてもコンスタンスって、王妃アンヌ・ドートリッシュ(シルヴィア・グラブ)の侍女で、ダルタニアン(井上芳雄)の恋人、ですよね?うっそー、たっちん、ファンテーヌの次は井上くんの恋人かよっ!?(@ @)
そこも楽しみですが、それ以上に楽しみなのはアンヌ王妃とコンスタンスのデュエットですね(はぁと)。一曲で良いからありますように!!

山田和也さんお得意の、軽やかで楽しいミュージカルでありますように♪




あ。
東宝さんのスタッフさんがこんなちっぽけな日記を読んでいらっしゃるはずはないと思いますが……
「三銃士」の紹介ページ、Titleが「風と共に去りぬ」になってますよ(^ ^)とひっそり書いておきます(^ ^)。




今週はいろいろと忙しかったので、今日やっと、CSニュースで流れていた梅田芸術劇場公演「ロミオとジュリエット」の初日映像と、舞台レポートと、プロダクションノートをまとめて視ることができました(^ ^)。


いやー、眩しいな(^ ^)キラキラしてる☆
月組・星組の「ウェストサイド物語」を観た時に(←だいぶ前ですが)しみじみと思ったのですが。
タカラジェンヌが演じる「若者」の、まごうことなき若さと輝きは、おそらく、本物の年若き少年が演じたよりもリアルで美しいんだろうなあ……。


歌については色々言われているようですが、とりあえず映像で流れた部分についてはあまり気にならなかったような。
良いところだけ流してくれたのかな?
まあ、歌いこめば皆さん良くなると思うので、博多で観劇する予定の私はあまり心配していません(^ ^)。

礼音くんもねねちゃんも、テルくんもすずみんもベニーも、主要人物全員がビジュアル最高!なところは、素直に凄いな、と思いました(^ ^)。


ねねちゃんのジュリエットは、大丈夫かなあ……?と思っていたのですが、月娘らしい男前さが良い方向に出そうな感じですね。「ロミオとジュリエット」は本当にいろんな解釈や潤色がありますが、私は基本的に、ジュリエットが主導権を握る解釈の演出が好きなので、余計に楽しみです。
2008年の「ウィーン・ミュージカル コンサート」でジュリエット役を歌ってくれたマジャーン・シャキ(ウィーン版ジュリエットオリジナルキャスト)もすごくステキで格好良かったので、ねねちゃんも頑張ってほしいです♪



それにしても、れみちゃん(白華れみ)の乳母、良さそうだなあ(感心)
乳母のソロは、良い歌なだけにすごく難しいので、若干心配していたのですが、れみちゃんって、今まで聴いていた細いソプラノよりも、ああいう太い胸声の方がよく響いてて表現力があるんですね!!
そういえば、もともと素で喋るときの声はそこらの男役さんより低めな感じですもんね。いやあ、本当に良い役者になってくれそうで、なんだかすごく嬉しい。




どいちゃん(鶴美舞夕)とキトリちゃん(稀鳥まりや)の鳩コンビは、映像にはあまり映ってなかったけど、アンサンブルシーンではいいところで踊っているみたいですね♪ 生舞台ではがっつり観るぞーー!(←真ん中もちゃんと観てね>自分)


パリスの天寿光希さんがあまり映らなくて残念ですが、まあ、パリスの分までティボルトがフィーチャーされた演出みたいだから仕方ないかな。
キャピュレットの男としてたくさん踊っていらっしゃるそうなので、生舞台を楽しみにしています。


大人たちはみんな良いですね!大公の水輝くん、キャピュレット家のヒロさん(一樹千尋)とコロちゃん(音花ゆり)、モンタギュー家のにしき愛さん、花愛瑞穂さん、ロレンス神父の組長。達者な人をきちんとあててきたことに感心します。
「ウェストサイド物語」と「ロミオとジュリエット」の一番の違いは、「若者たちの物語」と「大人たちの物語」が平行して進むことだと思うんですよね(ラストの違いは別として、ですが)。「ウェストサイド物語」は、物語としてはほぼ100%、若者たちだけの物語ですが、「ロミオとジュリエット」は、むしろ若者たちに振り回される大人たちをメインに追ったほうがわかりやすいくらい、彼らの心情がしっかりと描きこまれているので、その辺の役は凄く重要。

で、ヒロさんファンの猫としては、キャピュレット家のプロダクションノートでヒロさんさんがしっかり特集されていたので、とても嬉しい。いつ観ても素敵だなあ、ヒロさん(はぁと)。



「死」の真風くん、「水さんのトートが出現!」という噂(^ ^;)は聞いていましたが、本当にそっくりだ………(@ @)。
テレビの前でちょっと呆然としてしまいました。
私が真風くんを最初に覚えたのは「ハロー!ダンシング」で長い手足をいっぱいに伸ばして踊る姿だったので、歌や芝居に惑わされずにのびのびと踊る姿が観られそうで、なんだか嬉しいです。
……いつまでもそれじゃ困るんですけど、でもやっぱり、あの柔らかいダンスが好きなんですよね……。



プロダクションノートは、大人たちを特集してくれたのは嬉しかったけど、、、時間が短くてびっくりしました。
ほんの二ヶ月前に「スカーレット・ピンパーネル」のプロダクションノートに嵌ったばかりなので、あっさりした構成にかえって驚いてしまいました(^ ^)。
もう少し振付の風景とか駄目だしとかも映してくれたらよかったのになー。



なんて。
映像でわかることなんてごくごく僅か、なんですけど。
生の舞台をご覧になった方を羨みつつ、博多に行ける日を楽しみにしています(^ ^)。



つかこうへい様

  心より、ご冥福をお祈り申し上げます。





いよいよ具合が良くないらしい、という噂も耳にしてはいましたが、心のどこかでまさか、と思っていたようで、衝撃が収まりません。

対馬海峡で散骨を、というご遺言も、いかにも故郷を離れて芸術に生きた人らしい気概を感じます。


昭和の演劇界を引っ張ってきた、巨匠たちの一人。
とはいえ、まだたったの62歳!!こんなにお若かったのか……と、驚きました。
戦後生まれなんですね。井上さんが75歳だったんだから、一回り以上も違うのか(@ @)。
言われてみれば、髪も黒々として、まだまだ現役!って感じですよね。「飛龍伝」のプログラムの写真だって同じ顔で写ってたはずなんですけど、見てないんだなあ、私って。




私が初めて観たつか作品は、「広島に原爆を落とす日」だった、と思います。
あの衝撃は結構大きくて。その後しばらく、つか作品が上演されれば必ず観る、という日々が続きましたね。

つか作品に共通のキーワードは、「痛み」。
心の傷をすべてさらけ出して、剥き出し心がぶつかりあって、余計に大きな傷を生む。
相手の心を知ろうともせず、ただ自分の心を、過去を、傷を、汚濁を、惜しみなくさらけ出して。

それでも、傷つけ合うことでしか関係性を確認できない、心弱き男たちと、女たち。



つか作品に関しては、「好き」とか「嫌い」とかを超えるものがあったような気がします。
楽しいからもっと観たい、じゃなくて、もう義務というか…(汗)、観たら絶対痛いし辛いに決まっているんだけど、でも観なくてはならない、という感じでした。

まあ、あの痛み、心をキリキリと突かれるようなあの痛みが、限りなく快感に近いものであったことは、否定しませんが(あっ言っちゃった)。







病床でも新作(「新・蒲田行進曲」)を執筆されていたようですが、その作品はいつか上演される日がくるのでしょうか。
今のところ、北区つかこうへい劇団は「今後の予定はすべて未定」とされていますが、、、脚本の完成度にもよるんでしょうけど、もしある程度の形ができているなら、いつか是非上演してほしい!と祈る思いです。

しかし、基本的に『口立て』で知られた方なのに、稽古場に行けるかどうかもわからない、俳優たちと対面できるかどうかさえ分からない状態での執筆、さぞもどかしかったことでしょう。
満足のいく作品になっていればいいのですが。




そういえば、直近でのつか作品の上演予定は、シアターコクーンの「広島に原爆を落とす日」……だけ、かな?これから追悼公演の企画もいろいろ立ち上がってくるでしょうけれども、現時点では他には無いですよね…?

あ、もちろん、「蒲田行進曲」を原作とした「銀ちゃんの恋」がありますけど(^ ^;ゞ




このタイミングで「銀ちゃんの恋」が再演されるのも運命、というか。
プレッシャーも大きいかと思いますが、祐飛さんもすみ花ちゃんも、石田さんも、つかさんの思いをしっかと受け止めて、前よりもさらに良い舞台にしてくれるだろう、と信じています。

宙から見守ってくださるであろう、つかさんの為にも。





そして、最後に。
みなこちゃん、、、(T T)。


あなたの悲しみを心から悼みつつ、
宝塚最後の日まで、どうぞ後悔のないように、と、

……祈っています。




TRAFALGAR♪

2010年7月10日 宝塚(宙)
東京宝塚劇場にて、「TRAFALGAR/ファンキー・サンシャイン」を観劇してまいりました!



細かいことはおいといて、まずは変更点を。


一番目立つのは、やはり(先日ikkiさまにも教えていただきましたが)右腕を斬られた後がセリ下がりになったことと、それに合わせて、大劇場では舞台上手のセットの上だったナポレオン陣営(ナポレオン/蘭寿とむ、タレーラン/風羽玲亜、フーシェ/光海舞人)の会話が、上手花道になったことでしょうか。ネルソンがジョサイア(愛月ひかる)を助ける場面自体の位置は舞台奥の下手よりで、場所がそんなに大きく変ったわけではないのですが、その後少し戦いながら場所を移動して、セリの上で斬られる、、、という感じでした。
本舞台での劇的なクライマックス⇒暗転を待たず、花道ですぐに会話が始まる、というわけでテンポが更に良くなり、場面の迫力が増したと思います。


それと、観ていて驚いたのが、銀橋でのネルソンとエマの会話に続けて登場するマリア・カロリーナ王妃(鈴奈沙也)と侍女(琴羽桜子)が、上手からの登場に変ったこと。
これは「何故わざわざ?」と思いながら観ていたのですが、最後に王妃たちがハケるときに上手にハケることで、下手に向かうネルソンとエマの会話にスムーズに入れるんだな、と納得しました。



どっちも場面のテンポが良くなって良い変更だなーと思いました。



あとは箇条書きに。


・ラストシーンの海底の場面、ネルソンの右腕が復活していて、ホレイシア(すみれ乃麗)のこともエマのことも、最期にしっかり抱きしめることができました(^ ^)。
良かったね、ネルソン♪


・せーこちゃん(純矢ちとせ)たちのオペラの場面のあと、銀橋から呼ばれたオーレリー・バイロン(蓮水せいや)に、リュシアン(春風弥里)がなんか話しかけてたんですが、、、あのリュシアンとの会話でオーレリーの様子がおかしくなったような気がするのは考えすぎ?


・トラファルガー海戦のラスト、ネルソンの帽子が脱げるのは決まりになったのでしょうか?大劇場では被ったまま「神よ、I have done my duty.....」と言ってたと思うのですが。
とりあえず、落ちた帽子をジョサイアが拾って、場面の最後まで父親の替りに抱きしめていたのが印象的でした(^ ^)。


・その後、エマに会いに来たファニー(花影アリス)たちがハケた後、本舞台に残ってエマとホレイシアを見凝めるジョサイアが、ラストに敬礼していったのも、たぶん大劇場ではやってなかったと思う……(やってたらすみません)


・パレルモでの世紀をまたぐラヴシーンの場面、幕が降りる前に鐘の音が変ったんですけど、あれが「新世紀を報せる鐘」(?)大劇場でも変りましたっけ?
ちなみに、18世紀の鐘は何回鳴ると終わるんだろう。……意外とあそこの会話は長くて、相当な回数が鳴ってるんですけど。
イタリアの年末って除夜の鐘みたいに108回とか鳴ったりするものなの?(←そんな馬鹿な)



あと、字幕・映像関係では……

・「獅子の時代」と歌う場面で背後のセットに映写される“咆哮せる獅子”像が、ちょっと小さくなって、ちゃんと形がはっきりと見えるようになったのは気のせいでしょうか?
(友人には気のせいだと言われましたが)

・デンマーク戦の場面の前に、「Copenhagen」って字幕が出てました。

他にも映像関係はけっこう細かく変っていて、オープニングのトップセール(一番上の小さい帆)の海軍旗にハヤブサ(?)の絵が加わったり、結構いろいろありました(^ ^)。



芝居として大きく変更になったところは無いのですが、全体にネルソンとジョサイアのエピソードが、ネルソンとエマのエピソードに対抗する一方の筋として見えるようになってきたな、と思いました。
愛月くん、二か月で成長したなあ(感心)。

父と息子のラヴシーン(ラヴ言うな)の新密度がアップしていて、史実にいわれる「ジョサイアの義父になるためにファニーと結婚した」というエピソードが頭を過ぎりました……(大間違い)。いや、でも、そう考えるといろいろと辻褄が(黙)。




ショーは、特に変更点というほどのものは無かったと思います。
みんなが(特にアリスちゃん)とても元気に弾けていて、どの場面もすごく良くなっていましたが、、、ひまわりの女の子たちの配置も同じだったし、ロケットの七瀬りりこちゃんの衣装も変ってなかったし(←チェック項目はそこですか?)(どうよそれ)


……何かあったら、ぜひ教えてください(^ ^)。



あらためて、楽しいショーだなあ、と感じ入りました(^ ^)。
ゴキゲンなショーで、梅雨なんて吹っ飛ばせ!!って感じです。はい。


細かいところはまだまだ全然チェック出来ていませんが、取り急ぎ、初見の覚書は以上です♪



柊巴さま、お誕生日おめでとうございます★


先月は、舞台に立ったらぎちゃんに1年半ぶりにお会いできて、とても幸せでした。
これからも、「やりたいこと」目指して、がんばってくださいね♪


あなたの健康と幸福を、祈っています。






今日のCSニュースで、宙組東宝と星組梅芸の稽古場風景が流れました。
まずは宙組。とりあえず映像に流れた範囲では、変更は無し……かな?
【コメントで情報をいただきました。お芝居でネルソンが腕を落とされる場面、センターに変更になったそうです(@ @)】

ショーのアリスちゃんが大劇場より更に弾けていて、可愛かったーっ♪
早いもので、もう明後日には初日なんですね。早く梅雨明けないかなあ。あのショーは、まさに「ピーカン!」な太陽の下で観たい(^ ^)。

そして、星組。これはどこでお稽古しているんですか…?梅芸の稽古場?なんだかライティングが違いすぎて、みなさん別人みたい(^ ^;ゞ。音響もなんだか体育館かなにかみたいだし。いろいろ大変だろうなあ。
ラストシーン(映像の。舞台のラストは流れてません)のねねちゃんが、珍しく包容力をみせていたのが嬉しかったです。やっぱり、ジュリエットは純真無垢だけど包容力がある、っていうタイプが好きだ(^ ^)。
音楽も本当に素晴らしいので、生で観るのがとても楽しみです!!……といっても、私が行くのは博多なので、だいぶ先なんですけどね(涙)。CSさん、初日映像、期待してますよ!



そして、今月から始まった新企画「あの日、あの時タカラヅカ」は、4年前の月組「暁のローマ/レ・ビジュー・ブリアン」大劇場千秋楽風景。大きな白羽がこれでもかとばかりに並ぶ光景が、なんだかすごく懐かしいです。
祐飛さんが15年を過ごした月組。霧矢さん中心に、これからもご活躍を楽しみにしています!


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