ロミオとジュリエット【オリジナル】
2012年10月24日 ミュージカル・舞台 コメント (8)シアターオーブにて、フランス招聘版「ロミオ&ジュリエット」を観劇いたしました。
作品として面白かったのはもちろんなのですが、観終わった後で最初に思ったことは、「小池さんは、やっぱり神だった!少なくとも、宝塚にとっては!」でした(^ ^)。
あれだけ完成度の高い名作ミュージカルを、結構根本的なところを演出的にいじって「宝塚版」にする……なかなかできないことだと思うんですよね。
今回観たものが、そのままフランスで上演された通りの形なのか、それともある程度は度舞台機構の制限や来日人数などの関係で省略された部分があるのか、実際のところはわかりません。
ついつい舞台(役者)を視てしまって、字幕を読み損ねた曲も多かったですし。
でも、とりあえず印象として大きく違ったのは、キャピュレット夫人(ステファニー・ロドリグ)が夫を求めていたことでしょうか。
夫に飽きられた、という悲しみをずっと抱えて生きてきたキャピュレット夫人。宝塚版の、夫も妻も全く別々方向をみていて、お互いに対しても娘に対しても無関心な夫婦(家庭)ではなく、夫に振り向かれない悲しみや悔しさを娘にぶつけてしまう、抑圧された母親としてのキャピュレット夫人。
女の怖さというか、有吉佐和子の「母子変容」にも通じそうな底知れなさを感じさせて、秀逸でした。
でも、こういう女性側の抑圧された闇の部分って、宝塚ではあまり正面から描かれることのない部分だと思うんですよね。ほら、「清く正しく美しく」ない部分だから。
これをさくっと削除して、逆に「甥とのただならぬ関係」という設定を追加してみせるセンスが、小池さんの「神」たるゆえんなのだと思います(^ ^)。
他に印象的だったのは……まずはヴェローナ大公(ステファヌ・メトロ)かな。
ちょっとヤクザの親分的な、あるいは、それこそ「銀河英雄伝説」のフェザーン自治領主ルビンスキーのような存在感は、本当に素晴らしかったです。
あれを観てしまうと、宝塚版の大公はおとなしいなあ、という気がしました(^ ^)。
私が観た日は、ジュリエットがジョイ・エステールではなく、代役のカンディス・パリーズでしたが、歌も演技も十分に素敵でした♪
ただ、ロミオ役のシリル・ニコライ(これがまた、城田優系のイケメンかつ美声だったんですよねー!)と並んだときの感じが東宝版の城田優&昆夏美コンビとそっっっくりで、なんだかすごくデジャ・ヴな気がしました(^ ^;ゞ
ベンヴォーリオ(ステファヌ・ネヴィル)は、びっくりするほど小顔のイケメン(^ ^)。
フランス招聘版ではジュリエットの服毒の場面が決闘のリプライズになっていなかったので、2幕の出番は少ないのですが、「どうやって伝えよう」の苦悩は聴いているこちらまで苦しくなるほどでした。
マーキューシオ(ジョン・エイゼン)は、完全に「イッちゃってる人」として紹介される、という人物象で、日本初演(星組)版の紅マーキューシオがキャラクターとしては一番近かったんじゃないかな、と、ある意味納得しました。
やっぱり、海外ミュージカルは再演・再々演と繰り返し上演されるうちに宝塚オリジナルになっていくんだと思うんですよね(といいつつ、月組が上演すると、一気に宝塚化することが多いような気もしますが ^ ^)
ティボルト(トム・ロス)は、ガタイはいいけど柔弱な優男で、マーキューシオが死んだことを知って動揺のあまりナイフを取り落とすようなタイプだったのがちょっと新鮮でした。
乳母(グラディス・フライオリ)は、一番近いのは雪組のコマちゃん(沙央)かな?温かみのある雰囲気と柔らかな声がとても良かったです。
キャピュレット卿(セバスティエン・エル・シャト)は、もうヒロさん!!だった(^ ^)。
私は月組版の「ロミオとジュリエット」が本当に好きですし、ナホちゃん(越乃)のキャピュレット卿もすごい説得力でしたけど、、、やっぱりキャピュレット卿はヒロさんなんだなあ~!(^ ^)
モンタギュー夫人(ブリジット・ヴェンディッティ)の艶やかな天鵞絨のような声は、本当に素晴らしかった!モンタギュー卿がいないので、モンタギュー家を一人で背負っていらっしゃいましたが、全く見劣りすることもなくて、本当に素晴らしい存在感でした。もっとあの声を聴いていたかった……。
ロレンス神父(フレデリック・シャルテール)もすごい声でした。オペラチックな美声で、歌いだすたびにちょっと2度見してしまう感じでしたが(^ ^)、芝居も愛に溢れて、とても良かったです。
「死」(オーレリー・バドル)は、白い衣装に身を包んだ女性。宝塚版では男役、東宝版では男性が黒衣で踊った「死」ですが、フランス招聘版では死の息をもつ精霊なんですね。
振付だけではなく、演出自体が全く違うので比べようもありませんが、しなやかな身体の動きがとても綺麗で、目が離せませんでした。
演出面では、芝居(台詞)の部分がほとんどなくて、まるでオペラ形式の作品のように 歌だけで進行していく 感じになっていました。
日本版で非常に重要な乳母とジュリエットの会話とか、ロミオと神父の会話とか、そのあたりがほとんどなくて。霊廟で目覚めたジュリエットの台詞もないし、、、
フランスでの上演はこういう演出だったのか、それとも基本的に言葉が違うから、歌だけ残して台詞(芝居)はカットしたのか、どっちなんだろう…と思いつつ。
日本で上演するときに、新たに創った役(キャラクター)は、モンタギュー卿と愛、そして、歌のある役としてのパリスの3人、かな?。……フランス招聘版には役自体がなくてびっくりしました(@ @)。
とにかく、パリスが一言も歌わずにマイムのみで退場していくのを、呆然と見送ってしまいました。小池さんってホントにすごい……。
最後に。
全然本題と関係ないうえにものすごく今更なのですが(すみません)、
先日「仁」を観て、今の雪組で「ロミオとジュリエット」を観てみたかったな、と思いました。
ジュリエットはトップ娘役の美海ちゃん固定、キムちゃんのロミオにチギちゃんのティボルト、まっつとみっちゃんのマーキューシオとベンヴォーリオ(なんだったら役替りで)!
……単に、84期歌手トリオの「世界の王」を聴きたいだけですすみません。
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作品として面白かったのはもちろんなのですが、観終わった後で最初に思ったことは、「小池さんは、やっぱり神だった!少なくとも、宝塚にとっては!」でした(^ ^)。
あれだけ完成度の高い名作ミュージカルを、結構根本的なところを演出的にいじって「宝塚版」にする……なかなかできないことだと思うんですよね。
今回観たものが、そのままフランスで上演された通りの形なのか、それともある程度は度舞台機構の制限や来日人数などの関係で省略された部分があるのか、実際のところはわかりません。
ついつい舞台(役者)を視てしまって、字幕を読み損ねた曲も多かったですし。
でも、とりあえず印象として大きく違ったのは、キャピュレット夫人(ステファニー・ロドリグ)が夫を求めていたことでしょうか。
夫に飽きられた、という悲しみをずっと抱えて生きてきたキャピュレット夫人。宝塚版の、夫も妻も全く別々方向をみていて、お互いに対しても娘に対しても無関心な夫婦(家庭)ではなく、夫に振り向かれない悲しみや悔しさを娘にぶつけてしまう、抑圧された母親としてのキャピュレット夫人。
女の怖さというか、有吉佐和子の「母子変容」にも通じそうな底知れなさを感じさせて、秀逸でした。
でも、こういう女性側の抑圧された闇の部分って、宝塚ではあまり正面から描かれることのない部分だと思うんですよね。ほら、「清く正しく美しく」ない部分だから。
これをさくっと削除して、逆に「甥とのただならぬ関係」という設定を追加してみせるセンスが、小池さんの「神」たるゆえんなのだと思います(^ ^)。
他に印象的だったのは……まずはヴェローナ大公(ステファヌ・メトロ)かな。
ちょっとヤクザの親分的な、あるいは、それこそ「銀河英雄伝説」のフェザーン自治領主ルビンスキーのような存在感は、本当に素晴らしかったです。
あれを観てしまうと、宝塚版の大公はおとなしいなあ、という気がしました(^ ^)。
私が観た日は、ジュリエットがジョイ・エステールではなく、代役のカンディス・パリーズでしたが、歌も演技も十分に素敵でした♪
ただ、ロミオ役のシリル・ニコライ(これがまた、城田優系のイケメンかつ美声だったんですよねー!)と並んだときの感じが東宝版の城田優&昆夏美コンビとそっっっくりで、なんだかすごくデジャ・ヴな気がしました(^ ^;ゞ
ベンヴォーリオ(ステファヌ・ネヴィル)は、びっくりするほど小顔のイケメン(^ ^)。
フランス招聘版ではジュリエットの服毒の場面が決闘のリプライズになっていなかったので、2幕の出番は少ないのですが、「どうやって伝えよう」の苦悩は聴いているこちらまで苦しくなるほどでした。
マーキューシオ(ジョン・エイゼン)は、完全に「イッちゃってる人」として紹介される、という人物象で、日本初演(星組)版の紅マーキューシオがキャラクターとしては一番近かったんじゃないかな、と、ある意味納得しました。
やっぱり、海外ミュージカルは再演・再々演と繰り返し上演されるうちに宝塚オリジナルになっていくんだと思うんですよね(といいつつ、月組が上演すると、一気に宝塚化することが多いような気もしますが ^ ^)
ティボルト(トム・ロス)は、ガタイはいいけど柔弱な優男で、マーキューシオが死んだことを知って動揺のあまりナイフを取り落とすようなタイプだったのがちょっと新鮮でした。
乳母(グラディス・フライオリ)は、一番近いのは雪組のコマちゃん(沙央)かな?温かみのある雰囲気と柔らかな声がとても良かったです。
キャピュレット卿(セバスティエン・エル・シャト)は、もうヒロさん!!だった(^ ^)。
私は月組版の「ロミオとジュリエット」が本当に好きですし、ナホちゃん(越乃)のキャピュレット卿もすごい説得力でしたけど、、、やっぱりキャピュレット卿はヒロさんなんだなあ~!(^ ^)
モンタギュー夫人(ブリジット・ヴェンディッティ)の艶やかな天鵞絨のような声は、本当に素晴らしかった!モンタギュー卿がいないので、モンタギュー家を一人で背負っていらっしゃいましたが、全く見劣りすることもなくて、本当に素晴らしい存在感でした。もっとあの声を聴いていたかった……。
ロレンス神父(フレデリック・シャルテール)もすごい声でした。オペラチックな美声で、歌いだすたびにちょっと2度見してしまう感じでしたが(^ ^)、芝居も愛に溢れて、とても良かったです。
「死」(オーレリー・バドル)は、白い衣装に身を包んだ女性。宝塚版では男役、東宝版では男性が黒衣で踊った「死」ですが、フランス招聘版では死の息をもつ精霊なんですね。
振付だけではなく、演出自体が全く違うので比べようもありませんが、しなやかな身体の動きがとても綺麗で、目が離せませんでした。
演出面では、芝居(台詞)の部分がほとんどなくて、まるでオペラ形式の作品のように 歌だけで進行していく 感じになっていました。
日本版で非常に重要な乳母とジュリエットの会話とか、ロミオと神父の会話とか、そのあたりがほとんどなくて。霊廟で目覚めたジュリエットの台詞もないし、、、
フランスでの上演はこういう演出だったのか、それとも基本的に言葉が違うから、歌だけ残して台詞(芝居)はカットしたのか、どっちなんだろう…と思いつつ。
日本で上演するときに、新たに創った役(キャラクター)は、モンタギュー卿と愛、そして、歌のある役としてのパリスの3人、かな?。……フランス招聘版には役自体がなくてびっくりしました(@ @)。
とにかく、パリスが一言も歌わずにマイムのみで退場していくのを、呆然と見送ってしまいました。小池さんってホントにすごい……。
最後に。
全然本題と関係ないうえにものすごく今更なのですが(すみません)、
先日「仁」を観て、今の雪組で「ロミオとジュリエット」を観てみたかったな、と思いました。
ジュリエットはトップ娘役の美海ちゃん固定、キムちゃんのロミオにチギちゃんのティボルト、まっつとみっちゃんのマーキューシオとベンヴォーリオ(なんだったら役替りで)!
……単に、84期歌手トリオの「世界の王」を聴きたいだけですすみません。
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