ほんの話。

2008年4月30日 読書
帝国劇場「ラ・マンチャの男」を観てきました、とか、草月ホールの石井一孝さんのライブ(ゲスト:樹里咲穂)に行ってきました、とか……の話は、どっちも非常に素晴らしくて、あまりにも素晴らしくてモノスゴ〜ク長くなりそうなので(^ ^;ゞ、今日はパスさせていただくとして。



最近、またちょっと本屋通いをしています。

先月「yomyom」を買った頃から本屋に行く頻度があがったのですが、なんだか最近行くと必ず数冊買い込んでしまって(汗)、
いつ読むんだろうこんなに、って感じなんですけどね。


とりあえず坂木司さんのまだ買ってなかった2冊(「ワーキング・ホリデー」「ホテル・ジューシー」を見つけて買ってしまったあたりから箍が外れたみたいなんですが(汗)。

坂木さんの作品は、基本的に文庫化されるのを待つつもりだった(劇場通いで貧乏だから)のに、衝動買いしてしまった(笑)。なんで我慢できなかったんだろう…。



もうひとつは、宮部みゆき。
図書館で読むつもりだったのに、たまたま私が行くといつも借り出されていて読めないことが続いていたので、つい買ってしまった「ブレイブストーリー」。
今頃かよ、って感じで申し訳ないんですが、だいぶ嵌ってます(^-^)。

私は、この人の作品はどれも好きなんですが、とりあえず一つだけあげろと言われたら、マイナーな作品ですが「蒲生邸事件」なんですよね。

他にもかなり硬派なSFを何本も書いている人ですが。
「ブレイブストーリー」みたいなファンタジーノベルもさすがに達者だなぁ…と感心しつつ、もう「蒲生邸事件」みたいな作品は書かれないのかしら?と寂しく思ったりもします。「クロスファイア」の原型となった作品が入っている「鳩笛草」とかも、非常に好きなんですよね。超能力を持つがゆえに社会からはじき出されてしまう「彼ら」の哀しみを表現するには、彼女くらい天才的な構築力と文章力が必要なのです。っていうか、彼女だからこそあれだけのリアル感のある“超能力者”が描き出せるのだと思うので。

「クロスファイア」あたりからSFの作風が派手方向に行ってしまって寂しく思っていたのですが……
……いえ、「ブレイブストーリー」も、素直に面白いです。ファンタジーノベルとして、秀逸な出来だと思っています。心から。
まだ半分しか読み終わってませんけど。

でも、たまには硬派なSFも書いてくださるといいんだけどなぁ……(T T)。



そして。宙組の「黎明の風」の影響か、つい「群青に沈め」というタイトルに惹かれて買った一冊。
作者は、「邂逅の森」で直木賞を獲った熊谷達也氏。名前くらいは存じていましたが、作品を読んだのは初めてでした。

彼を著名にした「森」シリーズとは全く違う内容の作品のようですが、予想外に面白かったです。

神風隊(飛行機)、回天隊(魚雷)、海龍隊(潜水艦)、震洋隊(ボート)……様々な特攻隊が組織された太平洋戦争終末期において、伏龍隊、と名付けられた、“もう一つの特攻隊”に放り込まれた新兵たちの物語。非常に丁寧に少年たちの心理を追った佳作でした。

特攻隊=神風隊というイメージがあったんですけど、実際にはいろいろあったんですね。いえ、それ以前に、そもそも「特攻」というのは通常句ではないんですよね……。あくまでも「特別攻撃隊」の略称であって、日本語に元々「特攻」という詞があったわけではない。そんなことも解っていないレベルの読者(自分)にとって、ものすごくリアルに『彼らの日常』を、しかも淡々と描き出してくれたこの作品は、

切なくて、痛々しくて、…だけどやっぱり、切なかった。

熊谷氏の描きだす深い森の物語を、読んでみたいと思いました。




などなどいろいろ買い込んでしまったので、GWはちょっと読書三昧しようかなー、と、

……全然片付く気配の無い部屋を見ないように眼を背けつつ思ったりして……



うちに遊びに来てくださる予定のみなさま、もうちょっと待っててね(笑)。