秋の月組全国ツアー公演&バウの演目が発表されました。


■バウ&青年館

バウ・ミュージカル『春の雪』
~三島由紀夫 著 「春の雪」(豊饒の海 第一巻)より~
脚本・演出/生田大和

とりあえず、生田さんファンとして叫んでいいですか。

生田さん、初東上おめでとうございます!!

わーいわーいわーい、これでやっと関東のみなさまに生田作品を観ていただける!!
きっと気合をいれて作ってくれると思うので、楽しみです(^ ^)。

美貌と実力を兼ね備えたみりおくんの、2度目の単独主演に三島。生田さんの題材選びはいつも凄いなあ。
しかし、2番手と相手役は誰になるんでしょうね?早く知りたいー。(ちょっと落ち着け)



■月組全国ツアー

ミュージカル『愛するには短すぎる』
原案/小林公平、脚本・演出/正塚晴彦

主演はもちろん、龍真咲&愛希れいか。
私は「愛するには短すぎる」という作品が初演のときからわりと好きだったし、去年の星組さんの中日公演もとても良かったので、今回も楽しみです。
まさおくんの弱さと優しさは、大事なところで一歩を踏みだせない(踏み込まない)フレッドに似合いそうだし、ちゃぴの瑞々しさはバーバラにぴったり!!「ロミオとジュリエット」とは違う新たな魅力が発揮できそうな作品で嬉しいです。
そういえば、月組さんはお披露目の「ロミオとジュリエット」が役替りだから、この全国ツアーがトップコンビのお披露目みたいな気がしますね。雪組の「黒い瞳」もそんな感じだったけど……ううむ、楽しみ(*^ ^*)。

しかし!!
アンソニーは誰がやるんだ!?

せっかくトップスターと拮抗する準トップがいる組なのに、みりおくんはバウだし……誰がやるんでしょうね、あの役。良い役なんだけど。
わたるさんに対するトウコさんのアンソニーと、礼音くんに対するテルくんのアンソニーは全然違うアプローチだったので、まさおくんに対するアンソニーも、過去のアンソニーとは全然違う役になるんだろうなと思います。
個人的に、みやるりにはみりおくんのバウで活躍してほしいので、としちゃんの生真面目なアンソニーか、ゆりやんの飄々としたアンソニーか、たまきちの……う、想像つかないけど可愛い(気は優しくて力持ち系?)アンソニーが観てみたいですも。はい。
あーでも真面目な話、アンソニーとフランクのどっちかがるうちゃんととしちゃん、オコーナーゆりやん、デイヴがちなつちゃんとかだったら通う!かも(^ ^)。その場合、ドリーはちゅーちゃんでお願いします♪



ファンタスティック・ショー『Heat on Beat! (ヒート オン ビート)』
作・演出/三木章雄

歌を得意とするトップスター・まさお&ダンサーちゃぴの初ツアーに、ダンサー瀬奈さんのサヨナラ(しかも相手役なし)を持ってくるのかすごく不思議です。
もちろん、この作品は中日で霧矢さんのお披露目作品として再演されたわけですけど。まりもちゃんの出番が少なくて、パレードの順番も悲しかった思い出(T T)。おなじく麻子さんのやもめ時代のショーをコンビお披露目用に作り直した「Apassionado!」が非常に良かっただけに、残念感があったのですが、、、それを、また、やるの……?

霧矢さん時代のショー、たとえば「ONE」とかの方が、歌がメインだしまさお向きだと思うんだけどなー。それか、一路さんとか涼風さんみたいな歌手トップ時代の名作ショーはないのでしょうか。「ル・ポアゾン」はもうやっちゃったけど、他にもあるんじゃないのかな。
個人的には「シトラスの風」とかまさおに似合いそうだと思うんだけどな。まさおくんの希望なんでしょうか今回の演目は。

……椅子の場面とか。裸足でのソロダンスとか。全ツのセットであの黒燕尾とか。……どうなんだろうなあ。まあ、観てみればきっと、「ああ、なるほど!」になるんでしょうけどね。


まさおとちゃぴの、そして月組っ子たちの魅力が溢れる作品になりますように。
さーて、どこに観にいこうかなあ(^ ^)。






【7月1日まで、あと61日】
第一ホテル東京にて、明日海りおディナーショー「Z-LIVE」を観劇いたしました!


作・演出は齋藤吉正。
昨年上演された「Studio54」でみりおくんが演じたZ-BOYにひっかけて、『Z-BOYのライブ』という設定で構成をした……というイメージでしたけど、実際に観てみたらごく普通の「明日海りおディナーショー」、でした。
……いや、「ごく普通の」というのは語弊があるかも。
非常に出来の良いディナーショーでした(はぁと)。


コーラスメンバーは、紫門ゆりや、鳳月杏、花陽みら、晴音アキ。
下級生だけど皆歌えて踊れる粒ぞろいなメンバーで、よく盛り上げてくれていたと思います。全員「Studio54」出演者ということで、そういう絆を感じられるメンバーでした。



オープニングは「BLUE MOON BLUE」から。
CSの稽古場映像でも流れましたので何となく予想はしていたのですが……なんと、「Endless Dream」「Blue Illusion」「二人だけのデート(One Night Dream)」「バハル・アサフィー」と、ぶっ続けに4曲も歌ってくれました!!ま、衣装はごく普通だったんですけど(^ ^)、それでも、当時からの月組ファンとしては非常~に感慨深い十数分でした♪
みりおくんが宝塚ファンになったきっかけの作品(初めて観た宝塚作品)がこの「LUNA/BLUE MOON BLUE」だった、ということで、オープニングから思い出の作品を……ということになったらしいのですが、本当に懐かしかったよー(T T)。

それにしても、みりおくんはよく歌ってました。なんとなくマミさん(真琴)に声が似ている気がしたりして……懐かしすぎて涙でたわ(^ ^; ……最近本当に涙腺がゆるいんです私(汗)。
ああ、みりおくんは本当に月っ子なんだなあ……、と、そんな感動。




以下、ネタばれしてますので、知りたくない方はご用心ください。




軽いMC(挨拶程度)をはさんで、次のコーナーはK-POP。
私が知っているのは、「ダンス・ロマネスク」で使われた「STICK!」だけでしたが、その前にみりおくんが客席降りして歌った「僕の頭が悪いから」というのもなかなか良い曲でした。


コーナーのラストを「STICK!」で〆て、そのまま間をあけずに次のコーナーへ。
次は「愛と死の輪舞」から始まる「明日海りおヒストリー」でした。


◇エリザベート
トートの「愛と死の輪舞」のみ。「闇は広がる」を遣らなかったのはちょっと意外……かな。まあ、トートもルドルフもみりおくんしかいませんが(^ ^)。

◇ME AND MY GIRL
最初に主題歌をゆりやん(紫門)とはーちゃん(晴音)で。ピンクの変り燕尾のゆりやんと、薄紫のドレスのはーちゃんは、ほんわかした空気感がお似合いで、歌の雰囲気も良く合った、可愛らしいコンビでした(^ ^)。
一曲終わると他の3人も登場して「ランベス・ウォーク」。ここでちなつちゃん(鳳月)の衣装が薄紫でみくちゃん(花陽)がピンクだったのにちょっとウケました。最初からビルとサリーの二人にお揃いの衣装を着せればいいのに、不思議な拘りだなあ(^ ^;ゞ

◇二人の貴公子
「ランベス」で盛り上がったところで暗転、3人が抜けて舞台上には紅い衣装のみりおくんと、薄紫のちなつちゃん。
ここで「旅立ち」のイントロがかかるとか!!
いやまあ、これもCSのニュースで少し流れたので知ってはいましたが!でも、あらためて吃驚したよ!まさおくんのところをちなつちゃんが歌ってる!!

えっと、あの、良かったですとっても。ちなつちゃんの声は落ち着いていて柔らかいので、みりおくんの声ととても良く合うな、と思いました。融け合うような二人の声が、親友同士の甘えにも、互いとの訣別にも聴こえてくる。
芝居として演じたらどうかはわかりませんが、コンサート的に一曲を聴かせるという意味では非常に良い出来だったと思います。

◇ホフマン物語
食事をしながら曲目リストを観ていて、なんだっけこの曲?と思っていたタイトル。「ロマンス」。聴いてみたら、ホフマンのメインテーマでした(^ ^;
娘役二人を従えてのみりおくんのソロ。いやー、良い曲だなあ。

◇Dancin’ Fool
中日の「Heat On Beat!」でしたっけ、みりおくんがこの曲歌ってたのって。たしかゆりやんと一緒でしたよね、あの時は。
ホフマンの甘いメロディとはうってかわったハードな曲調にちゃんと合わせて、男役3人で熱唱してくれました。恰好良かった!!

◇アリスの恋人
「Your Story」をみくちゃんとデュエットしてから、全員で主題歌を。
いやはや、みくちゃん、さすがに貫録の美声でした。本当に素晴らしかった!!
全員での主題歌も良かったです。ピッチがちゃんと合っていて、5人とは思えない厚みのあるコーラスでした(^ ^)。


ここまでで前半終了ですが、私的にはここまでで既に大満足!な感じでした(^ ^)。
みりおくんって、技術的な意味での歌唱力ももちろん標準以上なんだけど、それ以上にやっぱり芝居が巧いんだな、と思いました。いろんな曲を、それぞれの色をもって表現できるスター。
いわゆる「圧倒的な歌唱力」みたいなものは無いんですけど、一曲一曲で「世界」を構築して、そこに人を引き込む力は十分にある人なんだと思います。
ゆりやん・ちなつちゃんもどちらかというと芝居歌を得意とする似たタイプ。今の月組は、わりとそういう人が揃っている時期なんだと思うんですよね。「ロミオとジュリエット」のナンバーは相当に難しいので若干の不安は残りますが、それでも、この3人が中心にいてくれるなら心配いらないかな、と思っています。
とりあえず、ゆりやんのパリスがあらためて楽しみになりました!

芝居歌を得意とする男役3人と、きっちりフォローできる実力派歌姫二人。なかなかいいメンバーが揃ったな、とあらためて感じ入りつつ。
……後半については、また後ほど。


【7月1日まで、あと60日】
明日海りおディナーショー「Z-LIE」。


昨日書き忘れましたが、「Blue Moon Blue」の3曲目、アフロはなしでした(; ;)。
きっとみんな残念がっていると思うので(真顔)、宝塚ホテルの最終回はぜひ被ってあげてください!(真顔)


というわけで、続きを。
あ、ネタばれしてますので、知りたくない方はご用心くださいませ(^ ^)。





前半が終わったところで、次はMCコーナー。
最初はみりおくんが4人を紹介しつつ、お題を振って途中で抜けるという構成でした。

まずは、「キザり名人」ゆりやん。
私は、ゆりやんに割と「ほんわか」なイメージを持っていたのですが、ここ1年くらい、だいぶキャラが変わりましたよね(^ ^)。いや、本来のキャラが表に出てきたんでしょうか。面白いなあ。
みりおくんが「たまらなく愛おしくなる瞬間」を披露してくれたんですが、ゆりやんについては「真剣な話をしている最中に、ふっ、とわらうところ」、なんだそうです。
ちょっと真似してくれたみたいなんですが、角度的に顔が見えなくて、どんな表情なのか(「微笑う」のか「笑う」のか「嗤う」のか)わからなかったのですが、その後に続けて「ニヒルだよねゆりちゃんは」と言っていたので、どちらかというと「嗤う」系なのかなあ?いやでも、それが「たまらなく愛おしい」って……みりおくん、大人なんだなあ。

次は、「ポーカーフェース」ちなつ。
なんか、祐飛さんも言われてたなー。でも「クールビューティ―」とは言ってもらえないのね<ちなつちゃん。悪戯っぽく「ボーカーフェースなのにうきうきしてるときが本当に愛おしい」と言われて、照れてるちなつちゃんがめっちゃ可愛かったです(*^ ^*)あれはたしかに、「クールビューティ―」ではないかも。
ちなみに、無表情にウキウキしてるのは「新しいジュースを買ってきたときとか」だそうです。あああもう、可愛すぎる!!

次は「天然系」みく。
舞台を見ているとしっかりした子だなと思うんですけど、トークは天然系ですよね(^ ^)。としちゃんとの新公トークが可愛かったなー。

そして最後は、「切れ味抜群」はーちゃん。
彼女の「切れ味」、噂には聞いたことあるけど本当なんだなー、と思いました。さすが月娘!


それに続く下級生4人でのトークは、ゆりちゃんが仕切ってた……かな?あまり仕切れてなかったけど。
お題は「帰ったら一番にやること」。

ちなつちゃん…「座らないでまずテレビをつける。テレビっ子なのでずっと視てます。もっぱらスカステ」
みくちゃん…「ちなつさんと同じです」
はーちゃん…「一度座るともう立てないので、まず洗濯機を回します(←偉い!)」
ゆりやん…「ボーっとするのが趣味なので、とにかくボーっとする」

ちなみに、みりおくんは「とりあえず座る。で、気がつくと2、3時間が過ぎている」そうです。

……こいつらは……。


このコーナーだけではないんですが、5人の印象は……
ほんわかな男ども+しっかりした娘たちって感じ(^ ^)。稽古場レポートでも言っていましたが、男役3人は本当にほわんほわんしてそうで。特にトークは、ゆりやんもちなつちゃんもグダグダでした(- -;。
それをしっかり者の娘たちがフォローして、良い意味でリラックスしたショーになっていたと思います♪



MCコーナーが終わって、次はいよいよ「Z-BOY Legend」。
「STUDIO54」⇒「スパイダーランド」の流れはそのままでしたね。今回はディナーショーということでスタンディングとか出来なかったのが残念(^ ^)(いや、勿論、青年館の公演でも立ったりしてませんけど!)

このコーナーだけは、ゆりやんもちなつちゃんも「Studio54」のときとよく似た長髪の付け毛をつけて登場。しっぽ可愛いよ尻尾(^ ^)。
みりおくん、こういうシャウト系の歌だとちょっとだけ樹里ちゃん(樹里咲穂)と声質が似てる……かも?と思いました。ああいう声は無条件に好きなんですよね。
「Gimme! Gimme! Gimme!」とか、みりおくんとゆりやんで踊るのが恰好良かった!ちなつちゃんも娘役二人を従えて踊ってて、めっちゃ二枚目だった(*^ ^*)。

コーナーの最後は「人ごみの中の孤独」をしっとりと客席で聴かせてくれました。
みりおくん、大人になったなあ。


そのまま間をあけずにエンディングパートへ。
最初の曲は「フライングゲット」。下級生4人で歌い踊っているところに、客席後方からみりおくん登場。盛り上がりました!
次の「空へ…」「チェリー」あたりは、「Z-BOY」として歌っていた前コーナーとはまた違う、ナイーヴな少年っぽい、ピュアな声。みりおくんの表現力にちょっと感心。


ラスト前の曲は、中島みゆきの「銀の龍の背に乗って」。
正直、あまりの難曲(←音の動きが難しいんですあれは)に、かなり苦戦していた印象ですが、、、あえて今、この曲を選んで歌ったみりおくんのメッセージは、十分伝わったと思います。
いろいろ難しい時期だし、難しい立場だけれども、「銀の龍」の背を信じて、がんばってほしいなとあらためて思いました。

ラストの「Z-BEAT」は、オリジナル曲だそうですね。【にょにょさま、ありがとうございます】
MCが何もなかったので、面白い曲だしタイトルもぴったりだけど誰の曲かなー?とか思ってました(汗)。このあたり、最後の2曲についてはMCいれて欲しかったような気もしますが、あのスピード感が「Z-BOY ライブ」っぽくて良かったのかな。



アンコールは「心の翼」。
薄水色からゴールドに着替えたみりおくんが一人で歌ってくれました。……ちょっと泣けた(T T)。


最後にもう一度下級生を集めて、「今の気分は?」みたいなことを聞くのですが。
もう、男役二人は本当にグダグダでした(汗)。
ゆりやんも良い感じにグダグダでしたが、ちなつちゃんは「もう一回やりたい」と言ってみりおくんに突っ込まれてました。(「ジャージに着替えてあたしの部屋に集合ね」的な)
さらに「…ちなつ一人でやるんだよ」と言われて、「さゆみさんのDS……!」とちいさく反論していたのが死ぬほど可愛かったです。

みりおくんは「お稽古も始まらないうちから『すぐ終わっちゃう…』って寂しかった」とコメントして、感動をかみしめている(?)下級生たちに「こういう時は何か言ってよ!」と発破をかけてました。
……いや、そういう時に何か言ってほしいなら人選間違ってると思うよ……?



会場が狭くてテーブルがすごく詰め込まれていて、あまりゆっくり客席を歩けなかったのが残念そうでした。下級生たちは前半分しか行けなかったしね。
でも、楽しかったです。5人のチームワークが感じられて、これからの月組があらためて楽しみになりました。
宝塚ホテルでご覧になるみなさまも、楽しんでくださいね。
そしてみりおくん、くれぐれも体調管理には気をつけてください!


【7月1日まで、あと59日】
東京宝塚劇場にて、雪組公演「ドン・カルロス/シャイニングリズム!」を観劇いたしました。

あまり事前に情報を入れないようにして観劇したのですが、お芝居は予想していたよりずっと良作でしたし、ショーは曇りなく中村一徳節全開のショー(^ ^)で、どちらもなかなか面白かったです!!



まずは、お芝居の「ドン・カルロス」。
作・演出は木村信司。まあ、あの、私が木村作品と相性があまりよくないのは今まであれこれ書いているとおりですが。
でも、そういえば私、「君を愛してる」は割と好きだったんですよね。雪組+木村さんの組み合わせは好きなのかも?(フィラントのキムちゃん、大好きだったなぁ~!)

オペラとは吃驚仰天なほど話が違いますが、まあ、、、先入観なくみれば、こういう展開もアリかな、と。
カルロス王子とフェリペ二世の父子関係、王妃イサベルの寂しさと葛藤、すべてを見守る王妹フアナの威厳、、、興味深い題材を、いじりすぎず、かなりの程度で役者に任せて、素直に舞台にのせていたような気がします。(史実とも全然違いますが以下同文)



一番印象に残ったのは、今回で卒業する涼花リサちゃんが演じた、王妹フアナ。
フェリペ2世(未涼)の妹にしてポルトガル前王妃。夫の死後、王子を遺してスペインへ戻り、留守がちな兄の摂政を務めた女傑。そんな史実のイメージに近い、視野が広く感性鋭く謹厳実直な、姿も心も凛として美しい人
要所要所で発する彼女の「声」が、とても心に刺さりました。
昔から……伝説の「殉情」や「さすらいの果て」以来、ずっと大好きな女優が卒業してしまうのはとても寂しいのですが、最後に大輪の花を見事に咲かせてくれてありがとう(T T)という気持ちの方が強いかな。

広い領土を見回るために不在がちの兄フェリペの代理として、生まれてすぐに母を亡くした王子カルロスの母代りとして、若くして嫁いできた王妃イザベルの教育係として、、、王女として国に尽くし、王妹としての責任を果たそうとした貴婦人。
彼女が育てたカルロスやイザベルが、理解しがたいほど真っ直ぐで生真面目でお堅くて、国民の幸せを真剣に考える人間に育ったのは、フアナ自身がそういう人間だからなのだ……と。机上の空論ではない、説得力のある生真面目さがフアナの凛とした佇まいから漂ってくるから、彼女が育てた子供たちも自然とそう考えるようになったんだろうな、と……そういう納得の仕方があるんだな、と思いました。

最後の大役で、あえて歌わせなかったことも含めて、木村さんのリサちゃんに対する愛情は本物だな、と思いました。一人のファンとして、本当に感謝しています。



そしてもう一人、忘れられない人。フェリペ二世のまっつ。
凛として強く、誰よりも「正しい」フアナに対して、人を……息子を信じきれない卑屈で孤独な王者。
王は自分が「正しくない」ことを知っているんですよね。彼にとっては、フアナやカルロスの真っ直ぐさは眩しすぎて直視できないもの。……「他人」を信じて心を開ける妹や息子を羨ましいく思う気持ちに気づくことさえゆるされない「絶対君主」という立場。
抑圧された羨望の念が「国王」という立場ゆえに歪み、曲がって……その末に「疑心暗鬼」という鬼に食われてしまいそうになる。自分の心が産み育てた鬼、に。

カルロスの父である彼は、本来はものすごく愛情深い人だと思うんですよね。最初の王妃を喪った痛手から、何年も過ぎても完全に立ち直れないくらい、「思いこんだら一直線」な人なんだと(カルロスの一途さは遺伝に違いない!)
そんな彼が、息子と現王妃イザベルとの仲を疑う場面の演出がとても好きです。木村さんって、こういうケレン味のある演出が素晴らしい。そこは素直に称賛したいです。心から。

で。そんな疑いを持つということは、少なからず王妃に興味が……愛情を持っている、ということなんだけど。隔離されて育ち、人の感情(愛情)に疎いフェリペは、自分の気持ちに名前がつけられない。苛立ちがばかりが募って、どうしたらいいのかわからない。そんな兄を、妹が歯がゆく、でも口は出さずに遠くから見守っている……その図がとても好きでした。

何もできずにただ見守るしかない立場、ってのも辛いんですよね、きっと。
イサベルの教育係であるフアナがもう少し動いてあげていれば、話があんなによれなくて済んだのでは?とも思うんですが、、、フアナはスペインの摂政であると同時に、ポルトガル次期国王の母親でもある。しがらみは当然あるんですよね、おそらく。フェリペもそれは判っていて、妹に甘えつつ、プライドの高さが邪魔をしてそれを認められない。フアナは兄の立場を理解して、一歩下がって国を支えつつ不器用な二人を見守る。
そんな兄妹をみていると、王子カルロスは一直線すぎて、まだまだ子供なんだな、と思います。

……そんな裏設定(?)のどこまでが木村さんの意図なのかはよくわかりませんが。



王子カルロスは、私の中ではキムちゃんの当たり役認定なんですが、ファンの皆様にとってはどうなのでしょうか?

お芝居冒頭の銀橋で「すべてを与えられた人、そう育てられてきた…」という歌を歌っているのが、ひどく胸に沁みました。
印象的な歌だったのでプログラムに歌詞が書いてあるかなと思ったのですが、なくて残念。でも、「僕自身だけが空っぽな僕を知っている」みたいなところに続いてましたよね。
……この歌とか、お芝居のラストの解決策とか、、、もしかしてキムちゃん、この作品で卒業する予定だったの? 早すぎる卒業と思っていたけど、むしろ一作伸びたのではないか!?……と思ってしまったほど、「クラシコ・イタリアーノ」並みに卒業作品的な構造の作品だという気がしてしました。

いや、「フットルース」があるんだから、そんなことあり得ないと思うんですけどね。

とにかく、キムちゃんが本来持っている熱量がしっかりと生きた役で、アテガキとしては成功だったと思います。表面的な明るさや正義感(責任感)と、その裏にほのみえる孤独な少年時代。フィラントみたいな吹っ飛んだ役も好きだけど、2面性のあるこういう役も良いなあ、と思いました。

ただ、、、衣装は残念だった……(←ごめんなさい)。色は綺麗だったんだけど、形が……有村さんかー、もうちょっとどうにかならなかったのかなあ(; ;)。

スタッフ陣ではもう一人、印象的だったのが装置の大田創さん。
形自体はシンプルなスペイン風セットで木村さんらしいデフォルメのし方なんですが……、今回面白いなと思ったのは光の扱いです。
セット自体が光と影に染め分けられていて、照明と相俟って、スペインの強い陽射しを感じさせてくれました。

一つのセットで長い時間の経過を表現する場面がないからこそ使えた装置ですが、木村さんらしいハッタリのある舞台面を造るのに非常に効果的だったと思います。


大枠で書きたかったのはそのくらいかな。
宗教改革の扱いについては色々言いたいことがありますし、ましてネーデルランド問題については、、私が語りだすとウザいと思うので、、、ネタばれしてもいけないし、ここは「木村さんだから仕方ない!」という一言で終わらせたいと思います(^ ^)。



【7月1日まで、あと58日】
5月5日は「晴れ」の特異日。
昨日も昼から豪雨、明日の天気予報も「雨」の中、今日だけはぽっかりと五月晴れ!半袖でも汗ばむくらいの陽気に、特異日ってすごいなあ、とあらためて思った一日でした。

そういえば、昨日は雨が上がった後(夕方)に綺麗な虹が見えたので、宙組公演の初舞台生ロケット(Somewhere Over The Rainbow)を思い出したんですよね(^ ^)。
今日の陽射しは今年初めての「ファンキーサンシャイン」だったし、なんだか感慨深いです。

しかも、このGWは月が地球に大接近している満月(スーパームーン)。
ほぼ真円形の、驚くほど大きな銀盤が、晴れ渡った東空のちょうど目の高さくらいにあって、、、あの眩しい光は何だろう?と真顔で思ったほどでした。



さて。
そんな今日は、月組さんの集合日。
とはいえ、新トップのお披露目で卒業する人はいつも少ないし、配役はほぼ全部出てしまっているので、今日は特に何もないかな?と思っていたのですが……

なんと、新人公演配役が全部出ました!(@ @)

集合日に新人公演の配役が、しかもほぼ全員出たのは割と珍しい……ですよね?
とりあえず主演コンビ(せいぜいティボルトまで)が先に出るだろうから、そしたら希望配役を書こう~と思っていたのに、まんまとヤラれちゃいました(苦笑)。


というわけで、せっかくなのでキャストごとに。

■ロミオ(珠城)、ジュリエット(咲妃)、ティボルト(煌月)
これは、ほぼ大方の予想通り……ですよね?(^ ^)

まずは咲妃さん、初ヒロインおめでとうございます!可憐な容姿は役にぴったりだと思うけど、歌は……どうでしたっけ汗 まあでも、ジュリエット役はまずは容姿が重要な役なので、期待しています(^ ^)。


■ロレンス神父(英真)のからんちゃん(千海)
うーん、こうきましたかー。
ロレンス神父は、実はゆうき(煌月)を希望していたんですよね。この役は新公の長の学年が担当するべき役だと思うし、新公主演経験者であるゆうきは、卒業前に一度こういう役をやってみた方が、スターとして大きく成長できると思うので。
でもまあ、新人公演という「一つの公演」のことを考えたら、からんちゃんの方が適役かな、と納得しました。「長の学年の長」にふさわしい役だから。


■乳母(美穂)のはーちゃん(晴音)
個人的には、モンタギュー夫人の真愛涼歌ちゃんと逆が希望だったんですが。
でも、みりおくんDSでしっかり上級生をフォローしつつ盛り上げていたはーちゃんをみて、もしかしたら乳母に来るかも、と思っていたので、今ではとても楽しみです。
芝居は「可憐な娘役」みたいな役より大人っぽかったり弾けてたりする役の方が魅力的なタイプだし、なんたって、歌は文句なしですからね!


■死(珠城)のちなつちゃん(鳳月)
いやー、ダンサー・ちなつの本気のストーリーダンスをがっつり観られるかと思うと(^ ^)すごく楽しみです!
歌と芝居の実力は去年散々見せてもらったので、今年の一作目は芝居とダンスですね。「死」は2幕とおして、芝居歌ならぬ芝居ダンスをずーっと遣り続ける役なので、やりがいあるだろうなあと思います(^ ^)
……カットがないことを祈る(←でも多分、プロローグは削られちゃうだろうなあ……残念)


■愛(煌月)の隼海さん
小柄なダンサー枠で、ずっと抜擢されてきている隼海さん。「ダンス・ロマネスク」の子カモメも可愛かったので、今回も期待しています!


■キャピュレット夫人(憧花)のみくちゃん(花陽)
これは本役で希望していたくらいなので……ある意味、勿体無いなーと思います。
ジュリエットのナンバーも、何かで聴いてみたいです(^ ^)


■キャピュレット卿(越乃)のスミス(貴澄)
おお~、スミス良い役来ましたね!
個人的には、本公演で大公役に大抜擢された輝月くんのキャピュレット卿を楽しみにしていたんですが、ベンヴォーリオに取られたんじゃ仕方ない。スミスには期待してます!


■モンタギュー夫人(花瀬)の真愛涼歌ちゃん
■モンタギュー卿(綾月)のジョー(輝城)
キャピュレット夫妻は卿が92期で夫人が93期。モンタギュー夫妻はその逆できましたね。
お二人とも包容力のある歌ウマさんなので、とても期待しています。とくに真愛さん、「罪びと」の歌いだし、がんばってくださいね。


■ベンヴォーリオ(星条)のまゆぽん(輝月)
■マーキューシオ(美弥)のあーさ(朝美)
95期コンビできましたか!!(@ @)。ロミオがたまきち(94期)で友人二人が95期。……わっかいなあ!!しかも、もしかしてトリオでの歌唱力は今までで一番じゃないか……?(←いやいや、本公演も十分歌ウマですから!)
大柄で男前なまゆぽん、切れ味鋭い美形のあーさ。たまきちの両側にこの二人で「世界の王」って!!本当に楽しみすぎます(^ ^)。


■パリス(紫門)のきえちゃん(星輝)
きえちゃん、コメディ得意だから楽しみだなあ~。ゆりやんとは全然違うパリスになりそうですね。可愛いだろうな(*^ ^*)。


■大公(輝月)のあまりら(天翔)
本公演も大抜擢ですが、新人公演も今までの役づきで考えると相当な抜擢ですよね。あまりら大好きなのですごく嬉しいし楽しみです!
大公だなんて全然考えてなかったから、ちょっとだけ「愛」を期待していたりしたんですが、、、いやー、まさか大公役が来ようとは!がんばれーーー!!



ジョンとピーターが「*」表示になっているのは、新公ではカットされる予定だからなんでしょうか。それとも、単純にまだ決まっていないだけなんでしょうか。
個人的には、ピーターは侍女に替えて紗那ゆずはちゃんか愛風ゆめちゃんに振る手があるかなあ、と思うのですが……ああでも「キレイは汚い」は丸ごとカットされそうだなあ…。

雪組の新人公演は、1幕の前半をALL CUTして「仮面舞踏会」からスタート、という無謀な構成でしたが……今回はもう少し丁寧に構成してくれる方が担当してくださいますように。
次のバウが生田さんだから、もしかしたら生田さんが助手に入ってる、かも……?(←めっちゃ羨ましい)



【7月1日まで、あと57日】
サンシャイン劇場にて、ミュージカル「薄桜鬼 ~斎藤一 篇~」を観劇いたしました。


「薄桜鬼」は、たぶん原作はゲームってことになるんですよね?
私は二宮サチさんが描いた漫画しか知りませんが、アニメにもなっているのかな。

脚本・演出・作詞は毛利亘宏、音楽は佐藤俊彦。制作の中心は30-DELUX、だそうです。
初めて作品に触れましたが、面白かったです。まあ、無理してミュージカルにせんでも……とは思いましたが、キャラクターの再現率といい、ストーリーの構成力といい、なかなかのレベルだったと思います。
特に原作ファンというわけではありませんが、新撰組という題材自体が面白いこともあって、楽しめました。なんたって、殺陣が本当に恰好良い!! 殺陣は斬られ役のレベルが重要なので、そこに巧い人が揃っている団体が主催している公演は良いんですよね。
またチャンバラものを上演してほしいです(期待)。


物語は、幕末の池田屋~会津戦争までを、「新撰組」の視点で描く本筋と、「薩長と手を組んだ鬼たち」と「人間を怪物化する薬」というエンタメでよくある設定を組み合わせた、ファンタジックなストーリー。
前半は「変若水(おちみず)」という薬をめぐる謎を追っているのに、1幕の半ばくらいでその謎はあっさり解けて、あとは「薬を飲むか飲まないか」の葛藤が人間側の中心テーマになっていくのがちょっと面白いというか、頭の切り替えが必要な感じでした。

現実の史実とは微妙に重なっているんですが、新撰組としてはマイナーな池田屋以降の活動がメインになっている上に、近藤局長や山南さん、伊東甲子太郎たちが誰も出てこないので、基本的にはオリジナルストーリーだと思って観た方がいいような気がします。
でも、戊辰戦争で敗北して事実上解散し、近藤を喪い、、、「甲陽鎮撫隊」と名前を変えても「新撰組」の精神を持ち続けた土方とその仲間たち という図がとても切なくて……物語の裏に流れる歴史を知っていて観ると、2幕後半は涙なくしては観られない感じでした。
別れてしまった仲間たちが戻ってくるラストは、大人のファンタジーなんだな、と。
そういう意味で、この物語全体が明治まで生き残った斎藤の夢として語られること自体が、衝撃的なのかも、と思いました。


それでは、キャストごとに簡単に。

■松田凌(斎藤一)
斎藤篇、ということで、彼の「変らなさ」がテーマになった構成の作品。
キャラクターの再現率、というか、芝居的にはとても良かったし、殺陣も斎藤のイメージにあっていて悪くなかったと思います。彼が「新撰組」の精神をちゃんと引き継いだからこそ、土方は笑って蝦夷地へ向かえたのだから、と。

ただ……うーん、ミュージカル作品で主演するには、歌がきつかったなあ……。
音楽的にも歌唱による表現力を必要とする作品ではなかったし、客層的にも作品的にも音響的にも、全編録音で良かったのでは、、、と思いました。すごい派手な殺陣をしながら歌っているところはどのみち録音なんだろうし(←違ってたらすみません)、普通のところも全部録音で音楽の質を高めた方が楽しめたと思うんですが。
……肉体的な面での表現力は十分ある人だと思うので、無理して歌わせなくてもいいのにな、と。
それがちょっと残念でした。


■廣瀬大介(沖田総司)
美形だなーとしみじみと。殺陣がもうちょっとシャープだと文句なかったんですが、、、キャラクターはすごく伝わってきたし、良かったと思います。
私にとって「沖田」はやんちゃ坊主なので、ああいう設定なのは嬉しかったな。
最初の登場のときから「星組の真風くんに似てるなー」と思っていたのですが、最後まで観て、真風くんの沖田が観たくなりました。秋のベニー主演のバウが新撰組ものじゃないのが、とても残念です(真顔)。


■矢崎広(土方歳三)
さすがにミュージカルの大舞台を踏んでいる人だけあって、歌い継ぎで土方さんが歌いだすとホッとする……の連続でした。
それにしても恰好良かった!!役も良かったけど、矢崎くん自身がすごく良かったです。手放しで絶賛(^ ^)。一幕の紫の着物も良かったけど、二幕の洋装は鼻血ものでしたわよ!(そこかよ)


■池田純矢(藤堂平助)
身体能力も、いろんな表現力も、なんだか凄かった。たまたま私が観た回は最後の挨拶で彼がコメントを述べてくれたんですが、その内容が本当に素晴らしくて、だいぶ惚れました。司会(?)の清水さんが「あれで19歳ですよ」と言っていたのがすごく印象的。
舞台歴は短いようですが、これからの活躍に期待いたします。

※ちなみに、途中で薬を飲んで羅刹になって大暴れする場面って、スタントですよね?あれは誰だったんだろう……。


■小野健斗(原田左之助)
長身スタイル抜群。赤毛もよく似合ってて、長槍を振りまわす原田役にぴったり!目が離せないくらい恰好良かったです。
豪放磊落な、兄貴分的な雰囲気があるのも良かったなあ。良い役でした(はぁと)。


■宮崎秋人(永倉新八)
原田といつも一緒にいる役。小柄で丸顔で可愛らしい雰囲気で、今までの永倉のイメージ(気は優しくて力持ち的な)とはだいぶ違ってましたが、長身でシャープな小野さんとの並びはとても良かったです。


■天野博一(山崎蒸)
山崎としては身軽で短刀を使った殺陣の見事さに見惚れました。監察らしい、一歩下がった雰囲気も良かったです。
30-DELUXのメンバーとして、清水さんと二人で開幕前のMCを担当されてましたが、さすがの呼吸でした。


■森大(井上源三郎)
ちょっと外した感じの存在感が凄く面白かった。元々私は源さんが大好きなのですが、この源さんも素敵だなあ、と。若いキャストがみんな生真面目にキャラクターを演じている中で、飄々と生きているおっさん(^ ^)が、とても魅力的でした。


■鈴木勝吾(風間千景)
「鬼」の首領として薩長と手を組み、「人間」たちの皆殺しを計画している……のかな?途中から目的がすり替わってる気もしましたが、いいのかな(^ ^)。
立っているだけで「空気が違う」のってすごく難しいんだな、と思いました。音楽とか照明とかでフォローしてくれているんですけどね。
でも、殺陣の動きの独特さはさすがでした。人間の動きとは違う、っていう感じがよく出てたと思います。


■清水順二(天霧九寿)
「鬼」の一員だけれども、「平穏に暮らす」ことが希望なだけで、人をどうにかしようとは思っていない。むしろ人に交じって生きて行きたいんだろうな、という感じ。そういう優しさと、でも人間とは少し思考回路が違う感じがちゃんと両立できていて、面白かったです。
殺陣はすごい!!「鬼」の(っていうか、素手の)殺陣だけじゃなくて、普通の人間としての(刀を持った)殺陣も観てみたかった(涙)。


■柏木佑介(不知火匡)
「鬼」の一員で、わがままな暴走坊や。
ありがちなキャラクターですが、なんだかすごく良かったです!身体能力の素晴らしさに唖然。歌も良かったし芝居も良かった!!……と思っていたら、結構ミュージカルにも出演経験があるみたいですね。今後の活躍が楽しみ!


■吉田仁美(雪村千鶴)
うたのおねえさんだったという経歴を見て納得の美声でした。役柄的にはもう少しシャープに動けると良かったのに、と思うのですが、、、まあ仕方ないかな。可愛かったです。小柄な斎藤ともお似合いでした(^ ^)。



【7月1日まで、あと56日】
10月に始まるの雪組大劇場公演「仁」の主な配役が出ました♪


■南方仁  音月桂
■橘咲   舞羽美海

ここまでは予定どおり……なんですよね?私はドラマを視ていないのでよくわかりませんが。

■坂本龍馬 早霧せいな

チギちゃんの最後の新公主演って「竜馬伝」ですよね。
私は観てはいませんが、かしちゃんの竜馬は、可愛くて魅力的で素敵だったなあ。。

そういえば、私はぶんちゃん(絵麻緒ゆう)の竜馬(@猛き黄金の国)が大好きでした。「仁」の竜馬はまた違うキャラだとは思いますが、竜馬自体がすごく魅力的なキャラクターだと思うので、チギちゃんのお芝居がとても楽しみです(^ ^)。

■勝海舟  北翔海莉

うわあ!みっちゃん、専科生としての初出演は雪組!!
花組公演までは物理的に出られないし、宙組に出るなら専科に行く意味がないので、大劇場公演に出るとしたら雪組だなーとは思っていましたが、こんなに早く84期同期揃い踏みが実現するとは! まさかのキムちゃん卒業発表で、叶わぬ夢かもと思ったのに(^ ^;ゞ

それにしても、ちや姉が7月1日に卒業したら、全組でも5人しかいない84期が4人揃うんだ……凄いなあ。
いっそのこと美城さんも特出してしまえ!!…なんて思ったりする(^ ^)。

■橘恭太郎 未涼亜希

美海ちゃん演じる咲ちゃんのお兄さん、なんですね。
小出恵介くんの演じた役をまっつが!!すごいなあ~~!(*^ ^*)
このタイミングで配役が出るということは、ポスターに出ちゃったりするんでしょうか!(興奮)はやくみたいー。

他の配役も早く知りたいです♪



それにしても。

なぜ、8月末にスタートする宙組「銀河英雄伝説」の配役は出ないんですか?(素朴に疑問)
まあ、今までにも翻訳ミュージカルなどで制作発表があったりすると、他の公演よりも配役発表が早かったことはありますが、、、それにしても早い!という気がします。
みっちゃんが出演することを案内したいだけなら、出演者だけ発表しても良いのに。

ああ、いえ、もちろん配役を発表した方が盛り上がるし、宝塚に興味のない方も「仁」なら興味を持つでしょうから正しい戦略なんですけどね。なんだか、雪組公演「仁」については異例なことだらけだな……とあらためて思ってしまいました。


明日は新人公演ですね。
私は残念ながらお留守番(?)ですが、研7以下のみなさま、がんばってくださいね(^ ^)。
CSニュースを楽しみにしています!


【7月1日まで、あと54日】
宙組大劇場公演「華やかなりし日々/クライマックス」が、千秋楽を迎えました。


土曜日から行っておりましたが、お芝居もショーもあまり大きな変化(アドリブなど)はなく、落ち着いた雰囲気で千秋楽までたどり着いた気がします。
千秋楽らしいアドリブは、フォーリーズの稽古場で、振付家のあっきー(澄輝)が踊り子のサリー(百千糸)を「すごくいいぞ!!」と褒め称えていたこと、かな。すかさずサリーに当たった白いピンスポが、すごく嬉しかった!!あらかじめ打ち合わせていたのかもしれないけど、こういうところ、宝塚は本当に優しいなあ、と思います。


あとは、キングの大ちゃん(鳳翔大)。
フォーリーズの初日終演後に出てきたときは「いやーキラキラしてたなあ、さすがトップスターは違うな」
としみじみ言ってた(^ ^)。その後愛ちゃん(愛月)に「ジュディをさらう計画は!?」と詰め寄られて「うるせえ!計画はナシだ!」とわがまま放題な感じで言ってたのが可愛かったです♪つ い数分前に(←違います)「お前の初舞台はイーストりヴァ―の川底だ!」といきがっていたのは別人ですか?(^ ^;ゞ

市長夫妻(風莉、藤咲)関連は特になかったような気がします。花露さんもか。
いや、トップコンビの二人に関しても、アドリブっていうのは特になかった……かな。


お芝居のラスト前、「ジークフェルト・フォーリーズ」のショーを観る祐飛さんの、口元に佩かれた儚い笑みがどんどん深みを増していくのが切ないくらいでした。
あれは、1階席の下手側通路よりの席で、客席を歩くロナウドの横顔をじっっくり視るのもとても良いんですが、銀橋について夢見るように上を見上げるロナウドを、2階の上手席から見下ろすのもツボです(*^ ^*)本当に、両方ともぜひ観ていただきたいです……一階席を歩くときって、本舞台ではフォーリーズのショーが華やかに繰り広げられているので、なかなか観れないんですけどね(^ ^;;;;;


ショーでの卒業生の胸のコサージュは、娘役3人が中詰めとフィナーレとパレード、ちや姉は中詰めとパレード。祐飛さんすみ花ちゃんは特につけていなかったような気がします。まあ、そんなものをつけなくても十分きらきらと華やかに輝いていましたけどね。
どの花も、それぞれにご本人らしいイメージの形と色でしたが、パレードのエトワール3人は、それぞれに違うデザインだけど青い花をモチーフにしたコサージュをつけていて、それがとても印象的でした。
……続いて降りてくる「パレードの歌手」のえりちゃんがピンクの可愛いコサージュだったから、余計にあの青いコサージュが印象的でした。



サヨナラショーは、思ったより短かったけど、充実していたと思います。

・カサブランカ(メドレー)←大空
・ファンキーサンシャイン(プロローグ)←全員
・誰がために鐘は鳴る(寝袋と煙草)←大空・野々
・トラファルガー(グランオーシャン)←大空・凰稀・北翔
・RED HOT SEA(引き潮)←大空&野々、鳳翔&すみれ乃、蓮水&綾瀬
・ナイスガイ(エトワール)←百千
・バレンシアの熱い花(瞳の中の宝石)←藤咲
・Apassionado2(プロローグ途中のスローナンバー)←花露
・エクスカリバー(未来へ)←風莉+花露・藤咲・百千
・ヴァレンチノ(アランチャ)←大空
・誰がために鐘は鳴る(主題歌)←大空
・銀ちゃんの恋(蒲田行進曲)←全員

以上、かな?(抜けていたら教えてください)

久しぶりに「カサブランカ」を聴いて、ああ、リックじゃなくて「大空祐飛」が歌ってるんだなーと思ったのですが、「トラファルガー」もネルソンではないなーと思いました……ただ、ネルソンについては、歌い継ぐテルくんがもちろんナポレオンではないので(^ ^)、バランスはよかったと思います。普通に、一曲の歌として壮大で良い曲だな、とあらためて思いました(^ ^)。
みっちゃんが途中から入って、そのままネルソンのパートを歌い続けるのも違和感なくて、、、みっちゃんとテルくんのデュエットもいいなあ、と思いました。あと、ここは宙組子のコーラスもすごい迫力でした♪

そして、これだけ時間をとって着替えるからには、何をやってくれるの……?と思っていたら。
幻のコンビによる「引き潮」!!!
今回サヨナラショーで一番観たかった場面だったので、とても嬉しかったです。可愛かったなあ~~(デレデレ)
両脇の2カップルをもっと観たいけど、、、むり(涙)。


卒業生のソロ場面は、百千が黄色、えりちゃんがピンク、花露さんが水色のドレス。それぞれの個性に合わせた色選びだなあ、と感心しました。そして、最後にセリ上がったちや姉は、宙組カラ―の紫のスーツ。それで「未来へ」を熱唱するちや姉を見たら、涙が止まらなくなりました(T T)。


すみ花ちゃんのソロがなくて(「寝袋と煙草」はほぼソロですが)、、、すみ花ちゃん本人が望んだんだろうけど、何かもどかしい気持ちになりました。お芝居もショーも、サヨナラショーまで「大空祐飛のサヨナラ公演」になっているのが、結構キツい。なのに、そんな私の気持ちとは関係なく、すみ花ちゃんがものすごく幸せそうなのが余計に切なかった。。。
やっぱりすみ花ちゃんには、祐飛さんを見送って、もう少し残ってほしかったなあ(T T)。どこからどう見てもご本人の希望にしか見えないから、何も言えませんけどね。しょぼん。


「ヴァレンチノ」と「誰がために」の祐飛さんは、いままで見たこともないような黒銀の豪華な衣装。
まあ、「アランチャ」の歌唱は素晴らしかったけど、祐飛さんにしては珍しいくらい、芝居抜きで歌っているように見えたのは……衣装から来る錯覚でしょうか(汗)。

ラストはお約束(というか、予想どおり)の「銀ちゃんカッコいい~!!」で、〆。
組子たちにもみくちゃにされる祐飛さんを見ながら、「Holllywood Lover」の「君は大勢の人に愛されてる」という台詞を思い出しました。……あのときの不安な気持ちと、今のこの感動。あのときの不安があったからこそこの幸せがあるんだな、と思うと、禍福は糾える縄のごとし、としか言いようがありません。


「銀ちゃん」という役に出会えたことは運命だと言った祐飛さん。
たしかに、あのタイミングで、花組と宙組の両方で「銀ちゃん」をやれたことは、とても幸せなことだったのだな、と思います。


大丈夫、あの人はたくさんの人に愛されてる。
舞台の上でも、舞台を降りても。

21年間という時間の重みと、それによって磨き抜かれた軽やかさ。
おおぞらゆうひ、という役者の凄みと、彼女に出会えた幸せと。
それを、あらためて感じた1日でした。




ご挨拶は、明日のCSに流れるはずなので、今はちょっと省略。
一番印象的だったのは、祐飛さんの「男役大空祐飛にリアリティを持たせることができた今、」というコメントかな。
百千から祐飛さんまで、無駄な言葉のない、よくまとまった挨拶でした。
みんな、祐飛さんの挨拶に慣れているだけあって巧いですよね。門前の小僧……というのとは違うかもですが。でも、本当に感心しました。



またすぐ(二日後)には大空祐飛ディナーショーの初日、
風莉じんイゾラベッラコンサート、
そして来週にはパレスホテルでの大空祐飛ディナーショーと野々すみ花ミュージックサロン……
詰め込み過ぎの2週間を経て、再来週の金曜日には東宝の初日。

あらためて書いてみると、物凄いというか凄まじいスケジュールですね……祐飛さんも他のメンバーも、本当に身体に気をつけてくださいね……(心配)。

これからの毎日が華やぎに溢れた幸せなものでありますように。


【7月1日まで、あと48日】
宙組ファン、いえ、大空ファンにとっては怒涛の一週間が終わり、今日は星組さんの大劇場公演初日ですね。


たった4日前の大劇場千秋楽が、もはや夢の中の出来事のように遠いです。
……なんだか、あまりよく思い出せないくらいに。



ずっと余裕がなくて視られなかった火曜日のCSニュースを、やっと視ました。
祐飛さんすみ花さんはもちろん、ちや姉(風莉)、れなさん(花露)、えりちゃん(藤咲)、アリエッティ(百千)、それぞれの見せ場をちゃんと抜いてくれてとても嬉しい。
「引き潮」の、そして「銀ちゃん」の祐飛さんの笑顔が目に沁みます。

あれから色々なことがありすぎて、もう風化しそうに遠い記憶のような気がしていたのですが。
あらためて映像で視ると、まだまだ心の一番やわらかいところに刻まれたまま、まったく癒えていない傷に気がついてしまいました(- -;

実際に客席で挨拶を聞いていた時よりも、こうして映像であらためて見た時のほうが切ない気がするのは何故なのでしょうね。あの劇場のあの空間で、階段を降りてくる彼らから放射される「幸せ」のオーラを浴びていたときは、気がつかなかった切なさと寂しさ、喪失感。
まだ東京組の私にとっては何も終わっていないのに、不思議なものです。



「ゆうひさーん」と組子たちに呼びかけられて「はいっ」とオトコマエな声で返事をした祐飛さん。
大方の予想通り、黒燕尾で降りてくる姿。白づくめのテルくんと、可愛らしいミニスカート姿のかしちゃん(貴城)から渡された、宙組カラーのブルーローズ。
相変わらずの完璧なご挨拶と、穏やかな笑顔。


この人を応援してきた日々に悔いはない。
そう思えたことが、嬉しい。


と、いうわけで、あらためまして。
祐飛さん、すみ花ちゃん、ちや姉、れなさん、えりちゃん、アリエッティ、
大劇場ご卒業おめでとうございました。






月曜日から数えて4回の夜のうち、徹夜1回に夜行バス2泊という強行軍の中で、いろいろな気持ちも感慨も磨り減ってしまいそうだったのですが、映像というのはすごいなあ、と思いました。



で、
……なにをそんなに強行軍だったのかと申しますと。

宝塚ホテルにて、大空祐飛ディナーショー「YUHizm」に参加してまいりました!(^ ^)




まだ東京があるので、ここはネタばれをしないよう、簡単にメモっておきたいと思います。


今までのディナーショーは、割と「みんなで」の場面が多かったのですが、今回は本当に「大空祐飛ディナーショー」にゲストが4人(美風、蓮水、凪七、純矢)という構成。

基本的な構成は、祐飛さんがソロで3曲歌うとゲストが登場、二人で舞台上手側に設置されたバーカウンターに座ってトークをして、デュエットして、また祐飛さんがソロ…の繰り返し。
で、このトークが!星組の某グループではありませんが、フリーダムかつランダムな爆笑トークで。
このキャッチフレーズは宙組にこそふさわしいよなあ、と思った次第でございます。


ま、とりあえず、死ぬほど笑いました(^ ^)。
すごく楽しかった!!



いや、その合間に多少泣いたりもしましたけど、ほとんどの時間は笑ってました。
サヨナラショーといい、ディナーショーといい、、、
祐飛さん、あなた、ファンを気持ちよく泣かせてくれる気はないのね………(^ ^;;;;



ゲストは基本学年順で、一番最初がカチャ。
小道具を持ってくるので、それを見た瞬間に「あ、もしかして!!」と思ったら、案の定……という感じでした。
トークはまあ置いといて(←カチャは「トークラッシャー」なんだそうです)、歌は良かったです。祐飛さん、声が出ててびっくり(@ @)。
個人的なツボは、、、カチャが歌っている間に祐飛さんが舞台下手奥のチビ階段を昇ってカチャに向かって手を差し伸べる振りがあるんですが、そのときの祐飛さんの表情がすごく好きでした。
うん。あの役は本当にもう一回観たかったよ………。

2番目はせーこ。
せーこについては、最後のディナーの回のトークで、祐飛さんが「せーこを解明するのは無理!」と宣言していたのがなんか説得力ありました(^ ^)。いい味出してるなあ、せーこ。
歌は素晴らしかったです。せーこ、ああいう役合いますねえ……。祐飛さんのピッチにきれいにあわせてくれるせーこの柔らかな声、とても良かったです。

次はちーちゃん。
ちーちゃんのトークの爆笑レベルは、89期の二人とはワンランク違う感じ。笑い疲れる、という域でした。
デュエットは本当に良かったです!曲自体もすごく好きなんですが、歌っているお二人が本当に楽しそうで、セッションを楽しんでいる雰囲気が伝わってきました。
本当はこのお二人で歌ってほしかった曲があったのですが、観てみたら、これがやりたかったのねー、という気がしました(^ ^)。こういう雰囲気でがんがんやりあえる相手をみつけるのは難しいことだし、思いきりやっている二人が本当に幸せそうで。お稽古大変だったと思いますが、ちーちゃん、お付き合いくださってありがとう!と思いました♪

最後はあおいちゃん。
まあもう、出てきただけで笑いがとれるあおいちゃんは、さすがとしか言いようがありません。
トークもデュエットもハイレベルで、さすがだなあと感心しました。うん。デュエットは、本来は男3人で歌うナンバーを祐飛さんとあおいちゃんの二人で歌ったんですが、十分な厚みのある曲に仕上がったのがすごいなあと思いました。


どの曲も、あるいみ新鮮でとても良かったのですが、一番感動したのは最後の曲(アンコールじゃなくて、その前)。
祐飛さんの歌もとても良かったのですが、なによりたった4人で『宙組コーラス』を実現したあおいちゃん以下の4人に、乾杯したいです。



ネタばれなしで書けるのはこのくらいかなー。

そうそう、どの曲も、祐飛さん比で歌が巧くなっていて驚きました。
研21になっても、のびしろがある!さすが、伝説になるだけのことはありますね、祐飛さん。……もっと早くn(黙)


【7月1日まで、あと44日】

陽だまりの樹

2012年5月19日 演劇
新歌舞伎座にて、「陽だまりの樹」を観劇してまいりました。


手塚治虫の名作漫画を原作とした、幕末の時代劇。
女に弱い、やんちゃな蘭医に上川隆也、生真面目な青臭い武士に吉川晃司。なかなかの豪華キャストで、どうしても観たいと思っておりましたので、無事観ることができて良かったです。

舞台でのお芝居には慣れていない吉川の堅苦しさが、頑なに「徳川さま」を守ろうとする伊武谷万ニ郎役にぴったりでした。そして、いい加減に生きているように見えても、熱い心で「人を救う」ことに命を賭けられる若き医師手塚良庵の、時代を超えた軽やかさは上川によく似合っていたと思います。

ただ、、、さすがの上川も、もうそろそろ良い年なんだな、とは思ってしまいました(^ ^;ゞ
立派な大人なんだけど、中身が若い(いやむしろ子供)っていうのが彼の魅力で、だからこそドラマの「ステップファザーステップ」の「俺」みたいな役がひどく良く似合うわけですが。
こういう、年齢的にも立場的にも「ひたすら若い」役、ていうのは、さすがにそろそろ厳しいな、と。
同い年の吉川晃司は若く見えたんだけどなー、さかやきの武士姿のせいなのかなあ……。



あと、印象的だったのは、手塚良庵の父親である蘭医、石倉三郎。
ごく普通の、女好きでちょっといい加減で、でも真面目な医者で。
良庵の熱い心は、この父親譲りなんだろうなと素直に納得できる良い芝居でした。

ヒロインは高野志保さんだったのですが、印象としてはイマイチだったかなあ。もうちょっと、透明感というか、少女らしい頑なさが欲しかった役のような気がしました。

芸者役の花影アリスちゃんは、さすがの美しさ。ストーリーにまったく絡まなかったのが残念なくらい、綺麗でたおやかで、なかなかの色っぽさでした。



最後の挨拶は、基本的に上川隆也が仕切ってましたね。まあ、散々やってて慣れてるからなー。挨拶、関係各位へのお礼、そして宣伝と手慣れた調子でまとめていて、さすがでした。
吉川はおとなしく、振られたら喋る、て感じでした。私が観た日の前日はかなり彼が喋ったみたいで、「俺は昨日ので反省したから今日はおとなしくしとく」みたいなことを言ってました(^ ^)。



物語としては、長い話をダイジェストにしているせいか、どのエピソードも中途半端な感じが否めませんでしたが、最後に向かっての盛り上がりはさすがでした。
幕末という時代を生きることの難しさ。何が正しいのか、「どっちが前なのか」がわからない時代に、自分の信じた方向が「前」なのだという信念を持ち続けることの難しさ。

彼らの生きた時代。
今の私たちが生きる時代。
「どっちが前なのか」に悩むのは同じだけど、その方向はだいぶ違うんだろうな、なんてことを考えながら帰りました。

生き延びて、末に手塚治虫につながった手塚家の系譜。
夢を抱いて「時代」を走り抜けた若者たちに、乾杯。


【7月1日まで、あと43日】
神奈川県民ホールにて、花組全国ツアー公演「長い春の果てに/カノン」を観劇してまいりました。



懐かしい思い出の作品、「長い春の果てに」。
「黒い瞳」ほどではないにせよ、色んな意味で好きだった作品の一つですが、今回の花組版は、また全然趣の違う作品に仕上がっていたと思います。
ステファンを取り巻くたくさんのキャラクター(役者)中心で動いていた月組初演と、物語優先で進んでいた花組全国ツアー版、という印象。一人ひとりのキャラクターやその関係性は弱いけど、その分、エヴァの吹っ飛び具合と「ステファン」という人物が浮かび上がってきていたと思います。

正直にいえば、一人ひとりのキャラクターは初演版の方が個性豊かで面白かったような気がするのですが、全国ツアーという場での芝居としては、娘役がちゃんと娘役を演じて、主筋がはっきりとメインになった今回の演出の方が、初見でもわかりやすくて良かったのではないかと思います(^ ^)。



手術の失敗で患者を死なせたことがトラウマになっている脳外科医・ステファン。
難病を抱えながら、「世界で一番好きな人」の傍にいるために必死になっている少女・エヴァ。
二人の「必死」が重なったときに、奇跡が起きる。
たとえば、正道を踏み外した親友が戻ってきてくれたり、いろいろな恋が実ったり。

ステファンだけじゃなく、ナタリーにもフローレンスにも、エヴァにも、ステファンにもクロードにも、アルノーにも。登場人物のそれぞれに瑕ついた過去があり、それを乗り越えて今がある。
けれども、その傷に目を瞑って、忘れたふりをしているだけでは未来に向かって歩きだすことはできない。「今」を生きることはできたとしても、「未来」は見えてはこない……そんなテーマがすごく前面にでてきて、共感しやすくなっていたような気がします。


蘭トムさんの演じるステファンは、とてもとても優しくて。その優しさは罪なんだけど、その罪ゆえに救われる人もたくさんいるんだろうな、と思いました。
彼が優しすぎるからこそ、クロード(壮)が闇に沈んでいく、その関係が、切なくてたまりませんでした。クロードの瑕はステファンの優しさでは癒されなかったけれども、彼自身がそれを乗り越えて正道に戻ることができたのは、自分を信じてくれるピエール(大河)と、ライヴァルとしてのステファンの存在があったからこそなのだろうな、と。
……っていうか、初演はもう少し、エヴァとクロードの間にやり取りがあって、クロードはステファンのためではなくエヴァのために検体になったような印象があったのですが……気のせいでしょうか…?

いやー、それにしても壮ちゃんのクロードは良かった!ここ数年の壮ちゃんは、本当に神がかっているような気がします。大好き(*^ ^*)。


きらりん演じるフローレンスが可愛くて可愛くて、ごくごく普通のオンナであることが魅力的で。
しっかり者の同業者ナタリーにも、ふんわりした可愛いフローレンスにも「本気」にはなりきれなかったステファンが、初めて本気で向かい合ったのが素直で真っ直ぐな子供だった、、、という事実の説得力が素晴らしい。
そして、「僕は綺麗になりたい奥様方に求められている」と嘯くアルノー(朝夏)も、「だってパリには君がいるから…!」と本音を零すブリス(望海)も、素直で普通の可愛い男たちで。
普通の男女が出会って恋をする、、、ちょっぴりステファンやエヴァに振り回されてはいても、惹かれあう男と女だから、そこはきっかけひとつ。そんなところもきちんと描かれていながらも、脇筋にきちんとはまっていたのは、キャラクターが突出していないから。そのあたり、石田さんの計算は確かだな、と思いました。



初演のパンフレットには、組子が一人ひとり「世界で一番好きな人」を書くコーナーがあって、祐飛さんのは誰かさんが勝手に書いてたっけな……なんてことを思い出しながらの観劇でした。蘭トムさんとリカさん、ぜんぜん違う個性を持ったスターなんですけど、宝塚スターとしてのあり方は案外似ているのかもしれないな、と思いました。
リカさんの作品はどれも蘭トムさんに似合いそうな気がするんですよね。以前から思ってましたが、やっぱり「Guys & Dolls」は、今の花組で再演するべきだ!!(真顔)



【7月1日まで、あと42日】
今年のラインナップ、最後に残されていた年末の花組の予定が発表になりました!


■バウホール公演
バウ・ミュージカル
『Victorian Jazz(ヴィクトリアン ジャズ)』

作・演出/田渕大輔
主演/望海風斗


おおー!だいもん、バウ初主演&田渕さんバウデビュー!!
お二人ともおめでとうございます!(はぁと)

バウのみなのが辛いところですが、絶対!!観たいです。
「上海」の劉、「コード・ヒーロー」ハル。まぁくん主演の2作品を2番手として支え、全く方向性の違うキャラクターを見事に造形しただいもんが、満を持しての主演。解説を読むと、あの美声でたっぷりとジャズを歌ってくれそうだし、、、なんだか本当に楽しみだなー。

しかも、演出はそれこそ“満を持して”の田渕さんデビュー。彼については、花組「ファントム」星組「オーシャンズ11」と新公演出で当てているので、そろそろオリジナルが観たいーと思っていたんです。
いやあ、嬉しいなあ。
ただ……このあらすじ、往年の月組ファン的にはすっごく見覚えがあるんですけど、、、大丈夫かしら(^ ^;ゞ




■シアター・ドラマシティ&日本青年館公演
蘭寿とむコンサート
Song & Dance『Streak of Light -一筋の光…-』

作・演出/酒井澄夫
主演/蘭寿とむ、蘭乃はな


ショースター・蘭寿とむに、酒井さんのショーを二幕!!
おめでとうございます。これはまた楽しみですね~♪ 酒井さんのプロデュースによる 蘭々コンビのコンテンポラリーダンスとか、マジ観たい!!(盛り上がり)
いや、ダンスに関してはあんまり期待してはいけないことは重々承知しておりますが。。。あああ、でもやっぱり、期待は高まっちゃうよー!!わーん、酒井さん、お願いしますう!!

星組さんの「REON」の時は、ねねちゃんが出演するかどうかは出演者発表までわからなかったのに、今回は最初から出てるんですね。……それにしても「蘭寿とむの過去・現在・未来」か……。悔いのないように観れるといいな。チケット取れますように(切実)




■日本青年館公演
バウ・コメディ
『おかしな二人』
-THE ODD COUPLE(Original Version) by Neil Simon-

原作/ニール・サイモン
脚色・演出/石田昌也
出演/轟 悠、華形ひかる ほか


やったーーーー!!「おかしな二人」東京再演!しかも、轟さんの相手役はみつる!!
これは通うしかない……と思ったら、なんとわずか4日間なんですね(T T)。っていうか、青年館かよ(涙)。博品館とか、東京芸術劇場小ホールとかが借りられたら良いのになあ……。
いや、でも、やっぱり名作にまた逢えるのは嬉しいです。ぜひ、バウで轟さんが演じたオスカーをみつるに、未沙さんが演じたフィリックスを轟さんでお願いしたいです!!


ちなみに、私は9月にこの作品を観劇した時に「他の組でも続演してほしい」と書いております。
http://80646.diarynote.jp/?day=20110923

で、その時の希望キャストが……娘役は、花組は初姫さあや&華耀きらりでした(^ ^)。
星組さんでは92期と93期の若手が演じた役ですが、ベテランでも出来る(むしろ、戯曲の本来の役柄的にはベテラン女優の役)し、面白くなりそうだなと思ったので。
ああでも、花組だったら春花きらら&鞠花ゆめとかめっちゃ良さそうで観てみたい。あと、若いところで菜那&紗愛とか?いつもながら、花娘は人材豊富すぎて候補がいっぱいいるわ(^ ^)。

ポーカー仲間は、どんな配役になるんでしょうね。
観劇時の妄想では、まりんさん(悠真)、真瀬、天真、銀華……の4人だったのですが(溜息)。

だいもんのバウにも、ある程度芝居のできる人が必要でしょうから難しいところだけど、、、まあでも、92期の男役4人のうち、一人か二人は出るだろうなあ。で、キキちゃん(芹香)か、がりんちゃん(大河)のどちらかは出そうな気がします。そこはかとなく黒い人が一人必要なので。
あともう一人は、95期の柚香くんかマイティー(水美)あたり?で、ベテランはまりんさんかふみかか。まりんさんならマレー警部、ふみかならスピードかロイ、って感じでしょうか。そうなると、95期がヴィニーかな?

……なんて、想像がいろいろ止まりません(^ ^)。
歌劇団さま、面白い公演を、ありがとうございました!!楽しみにしていまーす!




【7月1日まで、あと37日】
渋谷の大和田さくらホールで、ミュージカル・レビュー「ダウンタウン・フォーリーズ Volume8(deluxe)」を観劇してまいりました。


構成・演出は高平哲郎、音楽監督に島健、振付に川崎悦子というスタッフ陣も、島田歌穂・玉野和紀・吉野圭吾・北村岳子のオリジナルキャストも、10年前と変らず。それに、さらに平澤智と樹里咲穂という強力なメンバーを加えてのコント付きレビュー。
これまでの8公演、全部観れているわけではありませんが、今回は集大成ということで、だいぶ懐かしい場面もありました(^ ^)。


相変わらずのコント三昧でしたが、一番笑ったのは、最初の「カウボーイとエイリアン」かな(^ ^)。
28個のりんごを7人でわける算数の問題を久しぶりに観て、あらためて笑いました(^ ^)。歌穂ちゃん凄すぎる!

シリアスシーンでは、「All That JAZZ」で始まったレイバー&ストレーラーシリーズが素敵でした。岳子さんのオトナなダンスが久しぶりに堪能できて幸せ!一緒に踊る樹里ちゃんの、溌剌とした色気の無さもまた魅力だなと思いました。

一幕ラストの「実録・南太平洋」は、懐かしかったー!歌穂ちゃんの男役は、観るたびにうまくなっていくなーと感心しました。最初に観た男役はマリウス(レ・ミゼラブル)だったなあ。。。懐かしいわ。


2幕の目玉は、なんといっても「ジキルとハイド」より、対決。
ダウンタウンフォーリーズではありませんが、「That’s Japanese Musical」で市村さんが演ったネタを、吉野くんが再演しようとは!!
まだ「ジキルとハイド」がブロードウェイで幕を開けてから何年も経っていなかったあの頃。
私があの作品に嵌ったのは、市村さんのアレだったと言っても過言ではない……かもしれない、あの名場面。市村さんの、「(テレビに)出たいくせに~~~!!」というハイドの叫びが、今も耳に残っています。
吉野さんは、まだ「対決」を演じきれるほどの声のヴァリエーションはないんだな、と思いましたが、芝居としては良かったし、いずれあの役も演じてくれる日が来ることを楽しみにしています。

ただ、当時のミュージカル界と今とではあまりにも状況が違いすぎて、、、まだ「ミュージカル」がアングラの一部だったあの頃には本当に切実だったあの一連のやり取りが、今はもう遠いなあ、、、と、一抹の寂しさと共に思ってしまいました(^ ^)。
あと、日本初演前だった「That’s Japanese…」の時は有名なブロードウェイオリジナルと同じ演出だったのに、今回は吉野くんも出ていた日本版の演出になっていたのが残念な気がしました。あの演出、パロディされすぎてちょっとアレですが、やっぱり好きなんだもん。

あと、「ジキルとハイド」とセットでネタになっていた「ボニー&クライド」。
ブロードウェイ版は2週間のプレビューのみで打ち切りとなった失敗作でCDも出ていない、というネタで落ちをつけるはずが、「実はCDが出ているらしいと昨日お客さまから聴きました…」というのが落ちになってました(^ ^;ゞ あれは元々の仕込みなのか、本当に昨日わかったのか(^ ^)。
そういえば、私も1月に観たのに感想書いてなかったなあ。あははー。


「くるみ割り人形」をパロディにした「犯罪舞踏」は、前回観た時もすごいなーと思ったけど、やっぱり印象的だったなあ。「万引きの踊り」は樹里ちゃんが華麗に踊ってくれて、さすがでした!「不法投棄夫婦の踊り」と「結婚詐欺師の踊り」は以前と同じキャストで、これはもう文句なく素敵(はぁと)結構オリジナルのバレエの振りが残っているのがまた良いんですよね♪♪


インストの「ファンタジア」を経て、歌穂ちゃんがソロで歌ったのは、ホイットニー・ヒューストンの「The Greatest Love Of All」。これはもう、文句なく素晴らしかった!!
フィナーレは定番の3曲。この3曲、特にラストの「グッバイ」を聞くと、あーダウンタウン見たわー、という気がします。……そういえば、「Producers」の日本初演を観た時も「あーダウンタウンみ……てないよ!!!」と思ったっけなあ(^ ^)。だって歌詞も一緒だしー!!


いや、楽しい3時間でした。
アラフィフな4人+アラフォーな2人。みんな汗だくで、気持ちいいくらい笑顔で。楽しいんだろうな、と思ったらすごく嬉しくなりました。
10年前からこれをやってる4人(+1)と、何の違和感もなく馴染んで見えた樹里ちゃん。いいメンバーだなー、と、幸せな気持ちで家に帰りました。来年も楽しみにしています!(^ ^)。


【7月1日まで、あと36日】
日本青年館にて、花組公演「近松・恋の道行」を観劇いたしました。


作・演出は植田景子。
景子さんって、本格的な(江戸以前の)和物は初めて……かな?何かやったことありましたっけ。(忘れていたらすみません)
若手で和物といえば大野さんというイメージでしたが、景子さんもロマンティックでいいなあ。飛鳥時代とか、一度挑戦してみてほしいです。

……なんてことを思ったくらい、お見事な作品でした(^ ^)。



観終わって最初に思ったことは、、、この作品、主役はもちろん嘉平次(愛音)なんですけど、タイトルロールはやっぱり近松門左衛門(夏美)であり、そのドラ息子の鯉助(春風)なんだな、と。
景子さんのライフワークともいうべき「クリエイターの苦悩」がこの作品においてもテーマになっていて、
普通の心中物……たとえば「心中・恋の大和路」のテーマが「純愛」であるのとはちょっと違う作品になっていたんだと思います。

そして。
一番印象に残ったのは、実は2幕ラスト前、嘉平次とさが(実咲)が生玉神社で心中した後の、翌朝の場面でした。
骸の処理を見物しながら、いつもどおりの日常に浸る人々、
悲嘆にくれる死者の家族たち、
無邪気に「心中ごっこしよう!」と騒ぐ子供たち、
現実を受け容れられずに、ただ声をあげて、全身全霊で嗤うことしかできない鯉助。

鯉助はこの時、初めて本当に「死」に触れて、それゆえに初めて「生きる」ことを理解したんですよね。
「本気で生きる」ことのできない者には「創作」は不可能である、というのは景子さんがずっと追いかけてきたテーマで、だからこそこの物語は、クリエイターである近松の物語であり、鯉助の物語でもあるんだな、と。
鯉助がこの後どんな物語を紡いだのかは問題ではなくて(←史実としては、残念ながら大した才能は無かったようですが)、彼がこの後は「本気で生きる」ことが出来たのかどうか、が問題で。
その謎かけへの答えを、あの高笑いだけですませた景子さん。今までの彼女だったら、最後の近松の口説の中で“その後の鯉助”を説明させてしまいそうなところを、役者・春風弥里と観客の感性に委ねることができたことは、彼女自身の充実を物語っているようで、彼女の作品のファンとしてとても嬉しかったです。



作品についてはこのくらいにして、出演者について簡単に。


■一つ屋嘉平次(松屋町の茶碗屋『一つ屋』の跡取り息子) 愛音羽麗
「上方絵草紙」という副題の意味が、みわっちが出てくるだけで伝わってくるような気がしました。
はんなり、という言葉が本当によく似合う、親に厳しく育てられた、真面目一方の好青年。
あまりの真っ直ぐさと曇りなさゆえに、幼馴染として近しいところで生きてきたはずの長作に憎まれるに至るところが悲しいですが、おさがが嘉平次に恋をするのも、その真っ直ぐさ故かと思えば、仕方ないことなのかな、と。
みわっちの芝居は、本当に情が深いというか、一挙手一投足に情緒があるんですよね。「くらわんか」「舞姫」「近松」と、主演作がどれも和物なのも、「和」の情緒があるスターといえばやっぱり今はみわっちが第一人者なのかな、と思ったりしました。
声の良さは元々なんですけど、今回は歌も心情がのっていてすごく良かったし、言葉に苦労していない分、芝居としての表現はさすがの深さでした。いやもう、要するにみわっちすっごくすっごく良かったよ!!ってことで(*^ ^*)。


■柏屋さが(嘉平次と相思相愛の『柏屋』の見世女郎) 実咲凜音
「カナリア」のアジャーニで、思いっきり弾けてくれたみりおん。今回は女郎役で、ぐっと抑えた役なのかと思えば、、、案外元気で前向きな人だったのでよく似合っていたような気がします。
アジャーニもそうでしたけど、おさがも「過去」に幸せな時代がないキャラクターなんですよね。そういえばクリスティーヌもそうだったなあ。。。客観的に見たらどんなに不幸でも、本人の気の持ちようで「幸せ」と感じることができる、という、ある意味すごく前向きな芝居が似合う人なんだな、と思います。
愛されることに素直で、愛することに怯えがない。過去に「幸せ」の記憶がないかわりい、「幸せを奪われた」こともないから、すごく前向きなんですよね。それが小弁との大きな違いで、だからこそ彼女は、死でさえも前向きに、幸せな気持ちで受け容れることができる……その対比が哀れで、切なくて、でも羨ましくさえあるのかもしれません。


■小弁(喜世)(さがの妹女郎、浅野家家臣・原惣右衛門の妾の娘) 桜咲彩花
「幸せな子供時代」の記憶と、「幸せを奪われた」記憶の両方を抱えて生きる娘。
それでも、「幸せ」の味を知っている彼女は、一時の激情にかられないかぎり、自ら死を選ぶことは無い。いつかその「幸せ」を取り戻すことができると信じる強さを、ちゃんと持っている人だから。

べーちゃんのことは、ずっと笑顔の可愛い元気娘というイメージで観てきたのですが、泣いていても、男に縋りついても、本当に可愛い!!!ですよね(*^ ^*)。本来は勝気でプライドの高いお嬢さんだけど、好いた男の前では必死になれるところとか、けなげで可愛いです。「殉情」のこいさんとか、ああいう役も似合いそうな気がします。……いや、もちろん、あの爆発的な笑顔をもっと生かした役も観てみたいんですけどね!でも、ああいう上から目線な泣き顔の可愛さというのも、べーちゃんの魅力の一つだなとすごく思いました。


■早水清吉(忠清)(小間物の行商人、赤穂浅野家家臣・原家に代々仕えた足軽の息子) 華形ひかる
いやはや。恰好良いです。ええ。もう、言葉もないほど恰好良い。
「舞姫」も良い役だったけど、今回も良い役ですよね。これ以上はない二番手役でした……素敵だった(*^ ^*)。


■杉森鯉助(近松景鯉)(浄瑠璃作家を目指す近松門左衛門の二男) 春風弥里
上で散々語ったので、省略。


■徳兵衛(浄瑠璃人形)(『曽根崎心中』の主人公、醤油問屋平野屋の手代) 柚香光
■お初 (浄瑠璃人形)(『曽根崎心中』の主人公、天満屋の見世女郎) 乙羽映見
柚香くんの美貌と姿の良さ、そして、なんともいえない独特の空気感を堪能させていただきました。人形振りも巧かったし、いろんな意味で印象的な存在だったと思います。
「Hollywood Lover」の過去の恋人たち(紫門・蘭乃)と同じような位置づけの存在でしたが、「生玉心中」自体が「曽根崎心中」の大ヒットという時代背景のもとに起こった事件であったことを考えれば、この二人は、劇中劇ではなくて物語の外枠なんですよね。ふわりと出てくるだけで空気を変えられる、その存在感はすごいなあと思いました。鼻たてをした和物メークの美しいこと!!舞台写真が出たら買いたいです(^ ^)。


他にも出演者はたくさんいるので、そのあたりのツボについてはいずれまた(^ ^)。
まー、花組の誇る芝居巧者を全員集めた完璧な布陣に感心しました。いや、景子さんってすごいなー。


【7月1日まで、あと35日】
日曜日に、東宝劇場公演の千秋楽を迎えた雪組。
その雪組に関して、仰天のニュースが流れました。


「雪組 大湖せしる 女役転向について」(@ @)。



え?せしるって……研11、ですよね?
新公主演経験のあるスターが、研11で女役に転向!これを『仰天のニュース』と言わずして何をいうのか!?



もとい。
小柄でほっそりした美形のせしるは、ショーとかでもしょっちゅう女役をやっていたし、なんといっても「ロミオとジュリエット」の愛が素晴らしかったこともあって、女役転向はとても楽しみではあるのですが。
うーん、でもなあ。「男役が時々女役をする」のと、転向して「もう二度と男役として踊ることがない」ってのは、全然違うことなんですよね……(T T)。せしるのダンスは本当に恰好良いから、女役は勿論楽しみなんだけど、男役のダンスがもう見れなくなるのはとても寂しい。


以前、月組の彩星りおんや愛希れいかが転向を発表したときも書きましたが、こういうのって、もう少し早く発表するわけにはいかないんでしょうか……?
せしるの最後の男役姿を目に焼き付けたかったのに……と思う隠れファンも少なくないと思うのですが。(←自分のことです)

それとも、ご自身のファンには事前にこっそり案内したりしてるのでしょうか……(T T)。



でもまあ、かおりちゃん(晴華)とリサちゃん(涼花)を続けて喪った雪組の美女軍団の補強としては最善の人材である、というのはとても納得するので、仕方ないんでしょうね、きっと。
歌と台詞はちょっと不安が残るけど、ホンモノの美人だからなあ。




スケジュール的には、次のバウ公演から女役として出演。……ということは。

えーっと、も、もしかして、ともみん(夢乃)の恋人役とか、そんな事件 がありえたりするんでしょうかっっっ!?
わーわーわー、そんなことになったら楽しみすぎるっっっ!!

ああ、そうか。
ともみんと大ちゃん、近い学年の長身美形が二人も来てくれるから、せしるの女役も組む相手に困らなくなるんですね。(←ロイヤルストレートフラッシュでのチギちゃんとの並びも可愛かったですけどね!)
今までは、転向したくても回りが小柄すぎて無理でしたもんね!!なるほどー、研11での転向にも理由はあるのかもしれませんね。


バウで、あるいは次の大劇場公演で、美女・せしるがどんなふうに使われるのか、楽しみにしています!
とりあえずは、石田さん!!どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m



【7月1日まで、あと34日】