宙組中日劇場メンバーのみなさま、初日おめでとうございます!
柴田さんの名作再演と、祐飛さんたちが宙組生になって初の公演で上演した「アパショナードII」。
週末が待ち遠しいです(^ ^)



さて。そんな今日ですが、私は日経ホールにて、「トークスペシャル in 東京 星組」に参加してまいりました(^ ^)

メンバーは、涼紫央(82期)、白華れみ(89期)、美弥るりか(89期)の3人。
メインが研16、あとの二人が研9という構成は、今まで私が参加したなかで一番平均学年の高いトリオでした(そもそも、新公学年無しが初めてです)が、さすがに三人とも上級生のスターを揃えただけあって話慣れていたし、内容もバラエティがあって、ほとんど竹下さんの出番がないくらいしっかりしたトーク内容でした。
新公の話ができないぶん、何を話すか、なんてところまでちゃんと打ち合わせをしてきたらしくて、3人の息のあったチームワークにとても感心しました(^ ^)。


面白かったのは、さんざんいろんなところで話題になっていますが、「オーシャンズ11」の脚本のあがり状況とお稽古の進み具合の話。
まあ、このあたりはどこまで書いていいのかわからないので、ちゃんと放映されるのを待つとして(^ ^)。

ほほう、と思ったのは、次のバウ公演で組替えになる美弥さんのために、同期がみんなで化粧前を森にしてくれたというエピソード。
卒業生の化粧前を白くするという話はよく聞きますが、組替えする人にもそういうのがあるというのは初めて聞きました(^ ^)。
今回、「天使のはしご」には同期が碧海さん一人しかいないので、大劇場でやったのでしょうね、きっと。

で、なぜ「森」なのかというと、美弥さんが動物(栗鼠やウサギや鹿や…)の置物が好きだから、なのだそうです。その葉っぱの陰に、涼さんが美弥さんの付け毛(緑)を隠すいたずらをしたそうですが、すぐに気づかれたらしい(^ ^)。
なんか、星組さんの楽屋は楽しそうですねえ……。




涼さんの青年館初主演となるバウ公演「天使のはしご」については、「鈴木圭さんの代表作になるように(^ ^)、精一杯がんばりたい」との力強いコメントでした。
鈴木さんとは新公時代から縁があったみたいで、「私のいろんな面を知ってくれている先生やから」と穏やかな笑顔。まだ脚本は見ていないけど、「オーシャンズ11みたいなことにはならないでしょうから」とさりげなくプレッシャーも(^ ^)。
「ロミオとジュリエットで髪を切ってから、『個性的な』男役を極めようとしてきた。『天使のはしご』は久しぶりに正統派の役になりそうなので、今までの経験を生かして、自分らしく『正統派』を極めたい」というようなことを仰ってましたが、、、なんというのでしょうか。上級生の貫録というか、迫力というか。芸事に回り道はなくて、すべては必要な道だった、という静かな自信に気圧されました。カッコよかった!(*^ ^*)


れみちゃんは「REON」組。あまり具体的な話は出なかったので、娘役さんはまだお稽古はじまっていないのかな?男役さんがヴォイスパーカッションをする場面があるみたいで、「柚希さんも加わってお稽古してるみたいです」とのこと。ちょっと新鮮な企画になりそうですね♪
振付は新しい人が加わるみたいで、藤井さんの人脈が楽しみです。せっかくの礼音くんだし、歌は他のメンバーに任せてしっかり踊ってほしいですね。


美弥さんは「天使のはしご」チームなので、「(音波)みのりちゃんに負けないくらい涼さんにぴーったりとくっついて、すべてを吸収していきたい」とのコメントでした。
「組替え前にもう一公演あるせいか、全然実感がなかったのですが、最近そうやって化粧前が変ったり、いろいろあって少しずつ実感している。REON組のメンバーとは一緒の舞台に立てるのもあと一週間かーと思うと、パレードなどでこみあげてくるものがある」としみじみ語っていましたが、いまのメンバーとたくさんの思い出をつくって、安心して月組においでくださいませ(^ ^)。


なんか最後は結構しみじみした空気になりましたが、終始ゆるやかな、そして温かな空気が流れるままの1時間でした。れみちゃんが「涼さんのすごいところは、すべてへの感謝をお忘れにならないところ」と言っていましたが、なんとなくわかるような気がします。
学年はだいぶ違うのに、3人とも本当に仲良さそうで、結構突っ込んだところまでしっかり聞けて、とても楽しいトークショーでした。



そうそう、最後に。れみちゃんの「これからやってみたい役」は、「ヘレン・ケラー」のサリヴァン先生だそうです(@ @)。さすが、女優!!私も観たいですっ!




【7月1日まで、あと151日】
東京宝塚劇場星組公演「オーシャンズ11」。

先日久しぶりに(新公以来)観劇して、あーすごい盛り上がってるなーと思いました。
楽へ向けての盛り上がりが凄い。やっぱり、私が最初に大劇場で観たころは、完全に舞台稽古だったんだなあ、とあらためて思いました。新人公演が終わると、下級生がみんな弾けますよね(^ ^)。
外は寒いのに、劇場内は熱くて、楽しかったです。脚本は突っ込みどころ満載だけど、結構私は、舞台後方ディーラーとお客さんのやり取りを視ているだけで公演が終わったりしています(汗)。

いろいろ行事が盛りだくさんな一月も終わったところで、本公演の話が途中になっていたことを思い出しました(^ ^)。公演もあと2日を残すのみですが、もう少しツボというかツッコミを書かせてください。



・イレヴンメンバーの打ち合わせ。
暗証番号を奪うのはどうするんだ?という話で、ダニーは「フランクの出番だ」と言いますが。
実際に暗証番号を奪うのはライナスだよね?
「俺は何をすればいいんだ?」というフランクの問いに、「いかさまBJ」って答えはおかしくないですか……?

っていうか、この話、全体的にフランクが気の毒だと思うんですが……
特技を生かすわけでもなく、単に『賭博協会のニセ委員(真風)』に捕まるだけの役割ですよね?
訳前が貰えるからいいのかもしれないけど、、、でも結局「ラモーン・エスカランテ」の名前だってもう使えなくなるだろうし。いいのかなあ、あんなんで。

しかも、彼なりに一生懸命情報収集してるのに、ダニーは知らないうちにブルーザー(汐月)と懇意になってあれこれ画策しているのも、なんとなく気の毒で仕方ない。フランクが危険を冒してディーラー仲間に聞いて回るより、最初からブルーザーに聞けばいいのに。……いえ、フランクはダニーがブルーザーと懇意にんっている事実を知らないんだから、良いんでしょうけれども。

……せっかく格好良いのになー、ともみん。



・バシャーとダイアナ
バシャー(壱城)に「何か、あたしが引き立つネタを考えて!」と依頼するダイアナ(白華)。
ここでダイアナを巻き込んだのは、偶然?それとも、バシャーからの働きかけがあったの?
そもそも、保安要員を脅してまで地下の金庫室に突入して3万ドルをせしめたのは、誰のアイディアですか……?



・ディーラーたち
ともみんと飛河さんとひろ香さん、めだつ場面でディーラーとしてテーブルについているのはこの3人なのですが、それぞれ個性があって、お客さんのあしらいかたが違うのが面白いです。
飛河さんは、東宝の最初の頃はほとんどシャッフルができなかったけど、だいぶ巧くなったような気がします。お客さんと会話しているときの笑顔が好きです。
ひろ香さんはカードの扱いが巧いですよね。時々、お客さんがいないときにちょっとパフォーマンスしていたりするのが楽しいです。

ともみんのことは皆さん観ていらっしゃると思いますが、さすがにスターだけあって客あしらいがうまいですよね(*^ ^*)。恰好良いなあ、もう!
テスとラスティがばったり逢ってしまう場面。ダニーがテスを連れて下手に動いた後、これ幸いとはけるラスティの背中に声をかけるのに、無視されて「ちっ!」みたいな顔をしているともみんフランクが好きです。自分が役に立っていないんじゃないか、的な不安があるのかなあ、なんて思ったりしながら観ています。

そういえば。
こないだは、ひろ香さんがどこかの場面でチップを勢いよくばら撒いてしまって、大変なことになってました(^ ^)。結構転がるんですよね、あのチップ。っていうか、あのチップは造り物じゃなくて本物なんですねえ……(バラバラに散ってた)。「カサブランカ」でちーちゃんがやり取りしてたルーレットのチップは塊になった造り物だったと思うのですが、今回は本物。いかにも本気で賭けているっぽく見えるのが楽しいです。私も久しぶりにブラックジャックをやりたくなりました!(@ @)



・ダイアナのリハーサル
ダンサーたちに高々と持ち上げられたキトリちゃんを見て、「ストーーーーーップ!!」と声をかけるダイアナ。
……キトリちゃんとねねちゃんはだいぶサイズが違うから、そこ持ち上げても練習にはならないと思うんだけどなあ……。



・失敗談
2幕のエル・チョクロのカウンター。帰ってこないリカルド(英真)を心配するポーラ(音波)とテレサ(柚美)をラスティが慰める場面。
ポーラの「警察に行ったほうがいいかなあ?」という問いかけに、「そうですよ!」とすかさず合の手をいれるジョー(朝都)が好きです。優しい個性ですよね。あと二日、舞台を思いっきり楽しんでくださいね。
そういえば。この場面の最後、暗転前のラスティとポーラのキスシーンで、東宝に来てすぐに観た時だと思うのですが、ポーラの付け毛がするっと落ちたことがありました。
どうするのかなあと思ったのですが、二人とも気がつかなかったのか暗転するので見つけられなかったのか、その後ずーーっと残っていて……(←2階席だったのでめちゃめちゃ気になりました汗)

ソールが出てきて、退場して、スリージュエルズたちが歌いながら舞台前面を下手~上手まで異動するところで、マイク(礼)がさりげなく拾って軽くパフォーマンスしていたのが恰好良かった!「逢ったらヤバい相手にも!♪」ってとこです、たぶん。



・ソールのボディーガード
ソールのボディーガードに扮するモロイ兄弟(如月、天寿)。
この二人の空気は大劇場と東宝でずいぶん変わりました(^ ^)。大劇場では、女性たち(スリージュエルズとか)に絡まれてドキドキしているバージル(如月)と、最初から最後までクールな無表情で通すターク(天寿)という感じだったのですが、東宝に来たら、むしろタークのほうが表情豊かになって、バージルは一生懸命『無表情を装っている』という感じになってました(^ ^)
いやー、タークが可愛いです。ソールの通る道をつくるために観客たちをどかす場面もめっちゃにこやかになったし、ベニーとソールの会話にいちいち「ほう♪」みたいな反応をしたり。……どう見てもプロのボディーガードには見えませんけど。どうしてあんなのに騙されるんだベネディクト!!



・ブキャナン登場
かずなさん(千寿はる)のブキャナンがソールに声をかけたとき。
一瞬「えっ?」という顔を見合わせるボディーガード二人。動揺しているのがバレバレすぎる……なぜそこで気がつかないんだベネディクト。
ソールに言われてブキャナンを捕まえに行く時の二人の走り方がめっちゃツボです。可愛い!



・ベネディクトの謎
ものすごーく素朴に疑問なんですが、どうしてベネディクトはダニーを捕えてわざわざVIPスイートに連れて行くんでしょうか。
その場で射殺、とかだったら嫉妬のあまりってわかるけど。恋しいテスを泣かされて、いじめてやろうと思ったの?そ、そんな……子供みたいなことさせないでくださいよ小池さん!

あと、ついでに。ベネディクトは、ウッズやリカルドも拷問してないんですよね?ダニーみたいに「誰も傷つけずに金を奪う」ことを誓ったわけでもないのに。「ウッズにサインさせるんだ。可及的速やかに!」とまで言っているのに、何故なんでしょう。
それともあれは、そもそもの最初からブルーザーに裏切られているっていう設定なのでしょうか……?



・銀行がお金を取りにきたときに、なぜベネディクトは暗証番号を書いた紙がないことに気がつかないんだろう。あの紙は、テーラーの分と二枚あるのか?いやでも、紙は「無い」んだからさ、気がつこうよ!!



・ベネディクトとテスが決定的に決裂する場面
ど真ん中を突っ切っていくリヴィングストン(美弥)とルーベン(美城)。
あれは、金とリカルド(たち)をホテルの外に持ち出すための手段……なんですよね?ウッズ夫妻も似たような手口で外に出されたのかな。

本来はリヴィングストンたちも脱出するべきだと思うんですが、小池さんがこの作品のクライマックスに選んだテスのイリュージョンの場面に出ないといけないから、もう一度戻ってくるんですよね、救急隊員の二人も含めて、イレヴンメンバーは全員。いろいろ危険は大きいと思うんだけどなあ。



・イリュージョン
テスもダニーも他のメンバーも、あのイベント会場から、どうやって逃げたんでしょうね。舞台から直接外に出る搬出口みたいなのがあるのかな??まあ、バシャーが仕込んだ仕掛けがいろいろとあるみたいだから、そういうルートもあらかじめ確保してあったんでしょう、きっと。
どいちゃんが隠れるお仕置きボックスのネタは結構簡単ですね。眼の錯覚を上手に利用しているな、と感心しました。秘書さんたちの動きが、もう少しさりげなかったらもっといいかも。




とりあえず、ツッコミはそんな感じです。
また何か思い出したら、もう一回くらい書くかもしれません(^ ^)。っていうか、一月は他にもいろいろ観たのに、ぜんぜん書いてない(T T)。「ボニー&クライド」「モンティ・パイソンのスパマロット」「CHESS In Concert」、そして花組と雪組バウ(「インフィニティ」)の詳細。
うーん、道は長いなあ。



【7月1日まで、あと149日】
星組東宝劇場公演「オーシャンズ11」も、あと1日となりました。

とりあえず、My楽を堪能してきましたので、少しだけ。


◆朝都まおさん。2004年入団の90期。
星組ファンではない猫にとっては、残念ながらあまりなじみのない方だったのですが、今回の作品でエル・チョクロのカウンターでの小芝居をみていて、素敵だな、と思いました。さりげない仕草もきれいで、控えめな笑顔が可愛くて。不動産屋のチャールズ(碧海)さんたちが暴れる場面で、一生懸命女の子たちやポーラを守ろうとビクビクしながら矢面に立つ芝居とか、すごく可愛くて好きでした。結局、最後はテレサ(柚美)に守られてしまうあたりも含めて(^ ^)。

大劇場の千秋楽では、「Never Give UP!」の場面で銀橋に連れて行かれるというサプライズがあったとCSでお話されていましたが、東宝でも何かあるのかなあ。思い出に残る素敵な公演になりますように。



◆未沙のえるさん。
9月の「おかしな二人」で、「MY WAY」を飄々と歌っていたマヤさん。決して朗々とではなく、「飄々と」という形容が似合う役者でした。
観ていてどう、というよりも、作者側が「使いたい」と思う役者なんだろうな、という気がします。そういう役者っているんですよね。どの作品観てもわりと同じようなキャラで、毎回「ここぞ」というところで持って行く役を演じている人。おいしいし印象にも残るけど、逆に印象が強すぎて何作も続くと飽きることさえある……そういう方の一人だったと思います。
そういうタイプなのにもかかわらず、先生方の愛が深すぎて登板回数もダントツ多く、一時期は「またマヤさん出てるのか…」と思ったこともありましたが。
でも、最近のマヤさんは、私が観はじめた頃からまた一段と飄々度が増して、舞台の上で自由に泳いでいらっしゃって。作家側も、もうある程度お任せにしちゃってる感じなのが面白かったです。

未沙さんで最初に印象に残っているのは何だろう。私はそんなに古いファンではないので、「ME AND MY GIRL」の初演再演は知らないし……私のファン生活の初期に観たマヤさんで印象深いのは、「心中・恋の大和路」のご隠居さんと、「黒い瞳」のサヴィーリィチですね。

その後も、あれこれ印象深い作品はたくさんありましたが、今回演じられたソール役は、ベテランの花道を飾るにふさわしい、良い役だったと思います。
毎日のアドリブ、みんなの反応をみてさらっと繋ぐそのセンス。あの場面は、観るのがいつも楽しかったです。

人生の大半を舞台に捧げてきた舞台莫迦。どうぞあと一日、幸せな時間が続きますように。



◆マイク
先日、天寿光希さんのお茶会に参加させていただいたのですが、その中で「お稽古初日にオーディションを受けた」というお話をされていました。歌劇に書いてあったような秋田弁のオーディションではなく!!(←当たり前)、歌のオーディションで、「今にして思えば、マイク役のオーディションだったんだと思います」とのことでした。

……それを聞いてからというもの、マイクの礼真琴くんを観るたびに、黒塗りで、黒髪をコーンロウにして、お姉さまたちに可愛がられているみっきぃさんを想像してしまい、なんか笑いが止まらなくなっています……(汗)。
みっきぃさんの声が好きなので、ソロの多いマイク役も観てみたかったなあ、なんて思ったりもしますが、その度に、やっぱりタークで良かったな、と思い直してます。ターク可愛いよターク。っていうか、みっきぃさんがマイク役だった場合、タークは礼くんだったんでしょうか。……うっ、それも観てみたかったかも(*^ ^*)。いやいや、いかんいかん!バージル(如月)の弟は、みっきぃさんじゃなくちゃ駄目だってば!!(←何故)



◆JACKPOT
下級生たちがスロットマシンの陰から出たり入ったりして踊りだす場面。
曲調が変わって盆が回りだし、下級生たちがはけていくと、後にキトリちゃん(稀鳥まりや)と妃白ゆあちゃんが二人だけ残ってちょっとポーズをきめたりしているのがすごくツボです。
キトリちゃんは元々(ハローダンシング以来)大好きだし、ゆあちゃんは最近(ランスロット⇒おかしな二人⇒オーシャンズ)私の中で急上昇中の花丸な美人さんなので、この二人がちょっとピックアップ(?)されているのがすごく嬉しい。そのまま階段の後ろを上手に歩いてハケていくのですが、軽く会話しながら可愛い二人がおっとりとはけていくのが凄く好きで、手前で下級生たちが踊りだしてもしばらく観ています。可愛いなあ。



◆フィナーレ
フィナーレめっちゃ好きです!もう観られないの残念だなあ……

ロケットは妃海風ちゃんがお気に入りです。なんかもう、ずーっと観ちゃってます。
「メイちゃんの執事」以来、結構目につく可愛子ちゃんですが、今回のロケットの表情豊かさはほとんど顔芸の域です(^ ^)。エル・チョクロの女の子もめっちゃ好き。なんというか、ロリータな色気のあるタイプだと思います。可愛い。本当に可愛い。
あれで踊りも歌もできるんだから、今の星組下級生はすごいなあ~~!

真風くんセンターのヒップホップは……いやー、その昔、宙組でヒップホップ系の振付があったときは(なんのショーでしたっけ?十二支の場面)、並み居るダンサーがみんな苦戦する中、ごく一部の下級生(華宮あいりちゃんとか)の巧さが際立っていたものですが………。
今の下級生はああいうダンス巧いなあ。みんな個性的で可愛いです。フォーメーションがくるくる動くのも楽しい。ああいう場面は、いろんな子を前にだしてあげたいですよね。

礼音くんセンターの大階段。やっぱ渋くて恰好良いなあ。
結構下級生まで出してもらっていて、どこ見ても楽しいです。おお、○○さんがあんなとことに!みたいなのを一生懸命チェックしてました。星組さんは一番下級生が(中堅も)わからない組でしたけど、今回の公演でだいぶ覚えたかな?次のバウでまた頑張りたいと思います。

男役が平舞台に出てきたところで参加する娘役さんたち。
オーガンジーのセパレートに臍ピアス(風の飾り)。なかなかセクシーな衣装で、みんなとても綺麗。
銀橋で礼音くんに絡むれみちゃんの鬘は日替わり。何種類観たかなあ……黒髪ショートボブ、金髪のふわふわショート、濃い色のウルフカット、、、どれもハンサムで恰好良かった!

そういえば、はるこちゃん(音波)の鬘は、いつも同じだと思っていたら、貸切はタイトにまとめたアップスタイルでした。キリッとしてみえて、とても似合ってました(^ ^)。ダンスナンバーなので振り乱せる巻き髪の方が動きが出て良いんですけど、タイトもいいなあ、と思いました。
キトリの髪は私が観た回は全部同じだったと思います。小柄同士で美弥さんと組んでいたのが微笑ましくて、いいコンビでした♪

真風くんの場面に出ていたメンバーも加わっての総踊り。みんなが楽しそうに自由に踊っていて、すごく好きです(^ ^)。星組さんらしい、自由な群舞だな、と思う。恰好良かった!

デュエットダンスのねねちゃんは、東宝に来てからはほとんど地毛のままだったような。大劇場で使っていたショートの鬘も可愛かったけど、あのダンスは長い髪を降ろして踊ると、髪をかきあげたりする仕草がすごく色っぽいので、私は降ろしている方が好きだなあ。
しかも今日は、ただ地毛を降ろしてるだけじゃなくて、サイドを可愛くアレンジしていて、すごく素敵でした。今まで観たねねちゃんで一番好きかも!(*^ ^*)。しかも、パレードでは綺麗に普通のまとめ髪に直していて、その早替りっぷりに驚愕しました。トップ娘役ってすごい!



なんだか、最後の方は鬘レポートになってしまいましたが(←すみません)、書きたかったことはだいたい網羅したかなあ……組替えされる方々は、まだもう一公演あるからまだ良いよね?(^ ^)

何はともあれ、卒業されるお二方にとって、素敵な一日となりますよう、お祈りしています。
いい千秋楽になりますように。



【7月1日まで、あと148日】
中日劇場にて、宙組公演「仮面のロマネスク/Apasionado!!2」を観劇いたしました。


いやー、楽しかった!!
っていうか、素晴らしかった(*^ ^*)。



柴田さんの「浪漫」の世界にどっぷり浸れるお芝居と、
藤井さんの「パッション」の世界にどっぷり嵌れるショーの二本立て。

どちらも良い作品で、面白い組み合わせだな、と思いました。本当に。


「仮面のロマネスク」
私は初演を観ていないので、噂に高い柴田さんの名作を楽しみにしていたのですが。

すごい脚本だった!!

なんというか、柴田作品のもつ『時代の空気感』って、すごいなあと思うんですよね。
いわゆる「ベルサイユのばら」に象徴される「フランス革命」の1789年からから40年がすぎた1830年の、巴里。革命後の混乱(「スカーレット・ピンパーネル」)からナポレオンの登場と破滅、王政復古という「一回り」を経て、再び貴族社会に戻ったフランス。ブルジョアの台頭による身分制度のゆらぎ。
そんな、不安定な時代の中で、閉じられた「貴族社会」という金魚鉢の中を泳ぎ抜こうとした、美しい魚たちの物語。

政治的な話はほとんど出てこないのに、そういった「現実」から目をそむけて、金魚鉢の中で生きようとした「貴族」という存在の、儚い美しさがとても印象的でした。


若く美しい社交界の華・フランソワーズ・メルトゥイユ夫人(野々)と、恋多き美青年ジャン・ピエール・ヴァルモン子爵(大空)の、意地の張り合いを軸にした恋模様。それだけを描いているようで、ぞっとするほど絶望的な「貴族」たちの未来に向ける切ないまでの優しい目線が、とても美しかったです。

ヴァルモンが眼をつける、貞淑で淑やかな、美しいマリアンヌ・トゥールベル夫人(藤咲えり)。
メルトゥイユの従妹で、修道院から出たばかりのうら若き乙女・セシル(すみれ乃麗)。
ヴァルモンとメルトゥイユの意地の張り合いに巻き込まれた二人の美女、中でも頑なに「恋」を拒むトゥールベル夫人の、その一途な生き方。
シンプルに「愛」を信じて、仮面をかぶらなかった二人と、仮面を被って「貴族社会」を泳ぎ抜こうとした二人。それぞれに夫や恋人や婚約者のいる二人の女性の対比もおみごとでした。

元々隙の無い脚本を、再演という形でどうイタに載せるか、苦労したんだろうな、と思いました。まだまだ、そのめくるめくような脚本の「多弁な行間」を表現しきれていない方もいらっしゃったような気がしますが、これからどんどん深化していくことが期待できる、美しい舞台でした!

「柴田浪漫」の傑作と言われるのもよくわかる作品。
初演から10年以上が過ぎて、またきっと初演とは全然違う作品になっているのだと思いますが、とても興味深く観ることができました。


あの時代の、ピンと張りつめた空気。その中で生きる「貴族たち」の緊張感が美しい。
祐飛さんとすみ花ちゃんで、この作品を観ることができたことが、とても嬉しいです(^ ^)
そして、藤咲えりちゃんのトゥールベル夫人を観ることができて、幸せです(*^ ^*)。



「Apasionado!! 2」
この「Apasionado!!」という作品は、もともと瀬奈さん率いる月組で、大野さんの「夢の浮橋」と同時上演された作品。
これが、大空&野々の宙組お披露目となった博多座で「大江山花伝」という往年の柴田作品と一緒に上演されて、今回が三度目。祐飛さん率いる宙組にとっては、2度目の上演ということになります。

黒塗りのホットなラテンショーで、「クール」が売りといわれていた祐飛さんには合わないのではないかと(上演前は)思っていた作品。これが思いのほか似合っていたことに驚いた博多座から、2年半。
卒業を見据えて円熟を極めたトップコンビと、熱くて元気な宙組っ子たち。博多座にも出ていた子たちの成長っぷりには驚かされました。「子」って学年じゃないけど(^ ^)、まさこちゃん(十輝)とかも含めて。

そして、2年半の間に上演された作品群の、鮮明なイマジネーション。特に、誰もが感じるところだと思いますが、小池さんの「ヴァレンチノ」を上演したことで、このショーの中の「ヴァレンチノ」の場面の雰囲気がずいぶん変わったな、と思いました。
なんといっても、カイちゃん(七海)のナターシャの空気感がまったく違う。初演の(城咲)あいちゃんも、博多座の(花影)アリスも、「ナターシャ」と役名はついていても、ナターシャの痛みを演じたわけではなく、ただの「喪服の語り手」として「ヴァレンチノ」を語っていた、と思う。
でも、カイちゃんの中には「ナターシャ・ランボア」がいる。そして、カイちゃんのナターシャが語る「ヴァレンチノ」は、あくまでも「ルディ」だった。
誰からも愛されるラテン・ラバー。すべての女を深く愛した、愛情深い天使・ルディ。
ナターシャを愛した優しいルディの思い出。
彼の破滅をただ見凝めるしかできない田舎娘と、「今の自分」を鏡に映してとまどう男。
「愛が欲しい」というソロを歌う和希くんの、なんというか……子供っぽい、素直な声がとても好きです。初演⇒再演とずいぶん声のイメージを変えたなあと思っていたのですが、また全然違う音を持ってきたな、と思いました。

大きな変更点は、他に(いや、ヴァレンチノは変更されたわけじゃなくてキャストが変わっただけですが)、神様が女役三人(梨花・美穂・鈴奈)になって歌が変わったことと、ともちん(悠未ひろ)が客席から登場する「ジャングル」の場面が追加されたこと、あと、最後のデュエットダンスの曲が変わったこと……でしょうか。
あとは、、、中日は博多座と違って中階段もない(せいぜい4、5段かな?)ので、セット都合で演出が変わったりしたところはたくさんありましたけど、基本的には博多座どおりだったと思います。


細かいところはまた改めて書かせていただくつもりですが、とりあえず、お花畑の花々だけ。

最初は、すみれ色のヴィオレッタ(悠未ひろ/十輝いりす/遼河はるひ)。
次は緋色のペンサミエント(凪七瑠海/珠洲春希/龍真咲)。
次はピンクのカーネーション(鳳翔大/同/青樹泉)。
次はハスミン(=ジャスミン)(十輝いりす/蓮水ゆうや/星条海斗)。
次は黒薔薇さま(寿つかさ/越乃リュウ)。
次はオレンジのチューリップ(七海ひろき/鳳樹いち/明日海りお)。
トドメは、青紫のラヴェンダー(北翔海莉/同/桐生園加)。

登場順は、博多座まではオレンジのチューリップが3番目で、その後カーネーション、黒薔薇様、ジャスミンときて、最後がラヴェンダーでした。カイちゃんが直前までナターシャで出ているので最後の方に回ったけど、衣装は小柄な人用のが回ってきたってことかな?と思います。初演・再演の人の名前は、衣装が同じ人を書いていますので、登場順(歌の位置)は違ってます。まあ、そもそも初演では半数は歌がなかったわけなので、お気になさらず(^ ^)。

「美しさ」では経験者でもある大ちゃんがダントツでしたが、ともちんも迫力美人で素敵でした。あと、可愛いはカチャがダントツかな(*^ ^*)。珠洲さんとあまりに違いすぎてびっくりしました。
まさこさんは再演でいちくんが歌っていたところ(「猫みたいに楽しみましょう♪」)を歌うのですが、なんと猫耳をつけての登場(真顔)。驚きました……。
今日まではずっと猫耳を付けていたらしいのですが、今日の夕方公演は緑のリボンを編み込んだ髪を盛り上げて耳(というより角?)みたいにしたツインテールの鬘で、それもとても可愛かったです。


ひとまずはそんなところです。
あ。
Apasionado!!の一番最初の「Ah~」の音程は、相変わらず正解がわかりません………(T T)




【7月1日まで、あと147日】
青山劇場にて、「CHESS in concert」を観劇いたしました。
もうすぐ梅田での公演が始まりますので、今のうちに書かせていただきます。


私はこの作品、岡幸二郎さんがよくコンサートで歌っていた「Anthem」一曲しか聞いたことがなくて、作品そのものは全く知らない(CDも聴いたことがない)のですが、噂で聴いていた以上に曲が素晴らしく、名曲ぞろいでした。
その名曲の数々を素晴らしい歌唱力で表現してくださったキャストのみなさまに、精一杯の拍手を。


ABBAの、アンダーソン&ウルヴァースコンビによる音楽で有名な作品ですが、脚本もティム・ライスなんですね。ティムがA・L・ロイド=ウェッバーと袂を分かってから、最初に組んだのがABBAの二人だった、というのが凄い。



物語は、冷戦時代を舞台に、チェスの世界大会というイベントをめぐる人間模様を描いています。
まあ、当時はオリンピックもいろいろ政治の舞台になったりしたこともありますし、チェスの世界大会なんて恰好の舞台なのかもしれませんね。


現在の世界王者であるロシアのプレイヤー、アナトリーに石井一孝。
アナトリーに挑むアメリカのプレイヤー、フレディに中川晃教。
ハンガリー出身の亡命者で、いまはイギリス国籍を取ってフレディのマネージャーをしているフローレンス役に安蘭けい。
アナトリーの妻、スヴェトラーナに、AKANE LIV(岡本茜=神月茜)
そして、大会の審判かつ語り手のアービターに、浦井健治

メインキャストは以上5名(一幕はスヴェトラーナもコーラス)。これに、実力派揃いのコーラス4人(池谷京子、角川裕明、田村雄一、ひのあらた、横関咲栄)とダンサー1人(大野幸人)の計10名による、パワフルな舞台でした。

青山劇場を広く感じさせなかった音楽の素晴らしさに、脱帽。



演出は荻田浩一。
今回、私はただ「CHESS」だから観ると決めて、キャストも演出も全然気にしていなかったのですが(^ ^;、一幕終わって、どうも私の知っている匂いがする!と思いながらプログラムを開いて、おお、荻田さんだったのか!と納得しました(^ ^)。
言われてみれば、キャストももろに荻田節全開ですね(^ ^)。

セットはあまり荻田色は強くなく、シンプルな階段セットでした。
コンサート形式とはいっても、別に舞台前面にスタンドマイクが並んでいるわけではなく、誰かのMCがあるわけでもなく、普通に皆さんワイヤレスマイクをつけて動きまわって、芝居しながら歌ってました。以前ウィーン版キャストが来日したときの「エリザベート」コンサート版みたな感じでしたね。
衣装も変えるし、ダンスもある。おそらく台詞のみの場面はカットされていたんだと思いますが、普通に一本のお芝居として観ても違和感のないレベルでした。

音楽監督は島健さん。言わずと知れた島田歌穂ちゃんの旦那様ですが、久しぶりに本気で弾いてる彼を観たような気がします。もともと素晴らしい音楽なんですけど、島さんのアレンジも素敵でした(はぁと)



アナトリーの石井さん。
カッコいい!!
荻田さんにとっての石井さんは、「優しすぎる男(←最初に観たのはオカマでしたが)」なんだな、というのを再確認。
優柔不断で、フローレンスにもスヴェトラーナにも押されっぱなしの優しい男。すべての女を幸せにしようとして、結局誰も幸せにできない、その無力感がとても荻田さんらしかった。
彼はフローレンスを救おうとしただけで、スヴェトラーナを捨てた自覚は無いんですよね……。優しすぎるのは時として罪となる。それを知っているスヴェトラーナが、自ら彼を罠にかけにいく、その女心が悲しかった。フローレンスのためにロシアへ戻る決心をするアナトリーを、本当のところスヴェトラーナはどう思っているのだろうか、と思いながら。

歌はさすがです。文句なし。
「Anthem」を、石井さんの声で、石井さんの芝居で、アナトリーの歌として聴くことができて幸せでした。幸ちゃんのコンサートバージョンの歌とは全く別の、切ないまでに美しい「世界」がそこにあったことに驚きました。ああいう場面で歌われる歌だったのか……(@ @)。



フレディの中川くん。
久しぶりに「中川くん」を堪能しました!
いやーいい声だった。天才性と幼児性を前面に出したキャラクターで、小池さんが引き出した「天才ヴォルフ」とはまた違ったエキセントリックさの“中川くんらしさ”があって、良かったと思います。

歌はもちろん文句なし!です(*^ ^*)。この作品をコンサートバージョンではなく一本のミュージカルとして上演するとしても、フレディは変る可能性が高いよなあ……と思うと、このコンサートバージョンで観る(聴く)ことができて本当に良かったなあ、と思います。



審判の浦井くん。
これはもう、「ルドルフ」などでもおなじみのキャラクター。ある意味「ロミオとジュリエット」のベンヴォーリオも似てるんですよね。「傍観者」という名前の語り手、その、自由自在な存在感。

歌は……今回はメインキャストもアンサンブルも、全員歌は文句なしなんだもん!何を書けばいいのかわからないよ!!(逆切れ)



フローレンスの安蘭けい。
実は退団後初トウコさんだったのですが、姿も歌唱力も女優として違和感なくて、さすがだなと思いました。
(中川くんより大きいのは当たり前なので違和感はない)

複雑な生い立ちと愛に翻弄されつつも、まっすぐに立って自分の脚で歩こうとする「毅然とした女」。良い役だなあ、と思いました。1幕が終わったときは、歌穂ちゃんで観てみたかったなーと思ったのですが、最後まで観るとやっぱりトウコさんかな、と納得。少なくとも、荻田さんがトウコさんを選んだのはよく判ったと思います(^ ^)。愛情に溢れた人にはなかなか難しい役ですね、あれは。



スヴェトラーナのAKANE LIV(岡本茜=神月茜)。
歌手としての活動を開始しているAKANEちゃん。美貌とナイスバディと美声を兼ね備えた美しい人ですが、スヴェトラーナは当たり役だったと思います。フローレンスとデュエットする「I know him so well」は素晴らしかった!!(興奮)
「母性」と「女」の狭間でアナトリーを愛するスヴェトラーナ。出番は2幕だけなんですが、少ない出番でもすごく印象的な存在感がありました。



「ダンサー」の大野さん。
なんというか、「ロミオとジュリエット」の「死」みたいな役どころなんですが、、、
ほとんど平面のない階段状のセットで、よくあんなに踊れるなあと感心しました。作品が醸し出す「時代の空気」に色をつける、大事な役割でしたが、素晴らしかったと思います。



アンサンブルのみなさん。
人数は少ないけど、出づっぱりで歌ってくれてました。お一人お一人それぞれに違う、バラエティのある声で、コーラスになると迫力があって……なんかすごく良かったです。うん。
ひのさんは結構ソロで目立つ場面が多かったような。田村さんもかな?メインキャストが全員テノールなので、重たい音質が必要な曲は彼らがこなしていたような気がします。他の方は顔と名前が一致しないので説明ができないのですが、女性も男性もソロフレーズはしっかり歌ってらして、恰好良かったです。

モノクロの衣装がシンプルで、舞台美術の一環として効果的。ダンスナンバーみたいなのはないのですが、結構フォーメーションを動かす場面が多くて、本当に「舞台美術の一部」という感じでした。



そんなところかな……。
冷戦時代、という中途半端に身近すぎて、逆に「現在」とのギャップを大きく感じる時代をテーマにした作品ですが、時代が変わっても「愛」は色褪せないんだな、と感じました。
時代の匂いを強く感じる作品、なんですよね。
その「時代」ゆえに「立場」が定まってしまい、身動きがとれなくなってしまうアナトリーとフローレンス。「自由」の中で孤立し、現実を拒否する方向に流れてしまうフレディ。そして、彼らを冷たく見守る「時代」そのもの目線を感じさせるアービター。

上にも書いた気がしますが、全体にありもののミュージカルだとは思えないほど、荻田節全開!の作品だったことに驚きました。
なんというか。荻田さんってやっぱり面白い……っていうか、やっぱり私は、なんだかんだ言っても荻田ファンなんだなあ(*^ ^*)。

「CHESS」の本編上演、それも演出=荻田さんでの上演を、切に願いつつ。




【7月1日まで、あと146日】
今日は星組バウホール公演「天使のはしご」の集合日でした。私はこの原作を読んではいないのですが、ちょっとだけ調べたので、メモ代わりに書きとめておきたいと思います。


筆者はイギリスの女流作家ジェーン・オースティン。私が読んだことがあるのは「エマ」だけかな……内容はほとんど覚えてませんが(滝汗)。
18世紀のイギリスの片田舎を舞台に、地主階級の人々を描いた作品。「ジェーン・エア」あたりと共通する世界観なんでしょうか。あれはもう数十年時代も新しいし、ロチェスターは地主階級ではなく貴族ですが。

現在の形で出版されたのは1813年だそうなので、ちょうど200年前。ナポレオンが失脚する直前くらいに書かれた物語なんですね。「仮面のロマネスク」より15~20年ほど前で、「スカーレット・ピンパーネル」より20~25年くらい後。日本は11代将軍家斉の時代(文化期)、か。



物語的にはあまり政治的背景に踏み込んではいないようですが、鈴木圭さんはどう料理するつもりなんでしょうね。かなり複雑な筋ですが、2幕かけてじっくり芝居にすればなかなか面白い作品になりそうなのですが。


◆ベネット家 田舎町ロンボーンの地主階級。
ベネット氏(美稀千種)
ベネット夫人(英真なおき)
長女ジェーン(華雅りりか)
次女リジー(音波みのり)
三女メアリイ(妃白ゆあ)
四女キティ(妃海風)
末妹リディア(綺咲愛里)

ガードナー夫妻(翔馬樹音&白妙なつ)ベネット夫妻の弟夫婦

いやー、美人姉妹で恐れ入りました。この5人を観るのに5回必要だよね!(え?)

ベネット夫人の英真さんがめっちゃ楽しみです……!!
でも、もう組長じゃないんですね。さびしい(涙)。



◆ダーシー家
フィッツウィリアム・ダーシー(涼紫央) ビングリーの友人
ジョージアナ(優香りこ)ダーシーの妹

キャサリン夫人(万里柚美)ダーシーの叔母で、コリンズの後見人。
デ・バーグ嬢(紫月音寧)キャサリンの娘。ダーシーの許嫁(?)
コロネル・フィッツウィリアム(美城れん) ダーシーの従兄弟。キャサリンの甥。

わーーーーーっ\(^O^)/(はぁと)



◆軍隊
ジョージ・ウィカム(夢乃聖夏)めっちゃ美男、らしい。
士官(汐月、真月、千寿、十碧、漣)

長身2枚目を揃えてきましたね!



◆ビングリー家
ビングリー(美弥るりか)ロンバーグに引っ越してきた、独身の青年資産家。
ハースト夫人(花愛瑞穂)ビングリーの姉
キャロライン(若夏あやめ)ビングリーの妹

こちらもなかなか濃いメンバー。でも、美弥さん以外はどの程度出てくるのかなあ……?



◆ロンボーンの人々
コリンズ(天寿光希)牧師。後見人であるキャサリン夫人の勧めで嫁探し中。
シャーロット(音花ゆり)エリザベスの友人。
ルーカス卿(大輝真琴)シャーロットの父親

コリンズはどうやらサー・アンドルー的なキャラクターらしい……あははは。楽しみです。

とりあえず、現時点で読まずにわかった役はこんなところかな。
ジェラルド(緑海)とデニー(麻央)はどんな役なんでしょうね。
使用人(空乃みゆ)は、ベネット家の侍女かなあ?



最後に、ものすごーーーく気になる配役(というか、役名)が!
天使(白鳥ゆりや)

……「セカンドライフ」でやらかしてくれた鈴木さんなだけに、なんとなぁくいやーんな予感に心ふるわせつつ。
ちいさくて可愛い星組っ子たちを楽しみにしています!(^ ^)




すごくどうでもいいことですが。

公式サイトの配役表、バウ公演の方はその他キャストが入っているのに、青年館はなぜダーシーとリジーだけなんですか!?……青年館先行なのにさ!
お願いですから、両方忘れずにメンテしてください>ご担当者様。それとも、まさかと思いますがキャスト変るのかなあ?(だから、バウじゃなくて青年館が先なんだってば!)



【7月1日まで、あと145日】
雪組青年館公演「SAMOURAI」について。
細かいツッコミは後で書こう、と思っていたのですが……
このままだとすっかり忘れてしまいそうなので、とりあえず書き遺しておきたいと思います。

観劇直後の日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/?day=20120118



本当は、原作を読んでから書くつもりだったのですが、この調子だと読めそうにないので。(←復活でさえ、明日初日だというのにまだ手つかずだし/汗)

なので、本当に覚書です。すみません。基本は登場順、で。


◆アイヌの娘(花瑛ちほ)
可愛かったし、歌声もすごく綺麗で良かったと思います。実力を見せたなあという感じ。
でも、個人的にはこの役より、後半の巴里ジェンヌの恰好良さが好きでした。戦闘的で男前で、そこらの男役よりキレがあったよ(^ ^)。

◆前田光子(麻樹ゆめみ)
前回の日記でも書きましたが、この人(前田正名の息子の妻となった元タカラジェンヌ)を出したばっかりに、正名(音月)とマリー(美海)の純愛が一気に嘘っぽくなってしまうのが残念というか、、、谷さんらしいというか。
ゆめみさん自身は良い芝居をしているだけに、残念感のぬぐえない場面でした。

◆鹿内圭介(彩風咲奈)
彩風さんのこういう役は好きだなあ。明るくて優しい青年。彼女の舞台姿には、天与の明るさがあると思うんですよね。ただ、後半の巴里で出てくるガスパール役も似たようなキャラだったのが残念ではありました。谷さん、同じ役者にわざわざ二役で同じようなキャラクターをやらせるのはやめてあげてください(泣)。
そして、終盤の墓場の場面。かなり真顔でガブローシュかと思いました。(Les Miserables)「チビ犬でも…♪」って歌ってほしい。彩風さんは小さくないから「ちび犬」じゃないけどー(^ ^)。



◆前田正名(音月桂)
いやもう。あの熱量と性急な若々しさは個性だなあとあらためて思いました。
昔から、ついつい巻き込まれてしまう「勢い」のある人だなあとは思っていたのですが、実際にトップとして組の真ん中に立つようになって、その「勢い」がさらに顕著になってきたような気がします。
このハチャメチャな物語がなんとか形になったのは、正名がキムちゃんだったからなんだろうなあ、と。よくわからないけど正名の勢いにみんなが巻き込まれていく……それが納得できたのは、キムちゃんだからですよねえ、やっぱり……。

◆坂本龍馬/フルーランス少尉(緒月遠麻)
いやはや、恰好良かった!龍馬だけでも死ぬほど恰好良いのに、フル―ランスまで持っていくか!
谷さんってそんなにキタロウみたいなタイプ好きだっけ?と不思議に思ったくらい、2役とも良い役でした(*^ ^*)。ここ数年のキタロウの役付きは神だな、と、心底から思います。

後半、フル―ランス少尉として正名と話しているのを観ながら、、、特に、正名が龍馬(坂本先生)の言ったことを思い出している場面などで、「ここで少尉の前世(=龍馬)の記憶が甦ったら面白いのに」、なーんてことを考えていたことは内緒です。

◆武士仲間たち(アルバイト)
上級生から下級生まで、とってもとっても!楽しそうでした(^ ^)。それにしてもせしるは美形だなぁ(しみじみ)。


◆モン・パリ
彩風⇒香稜⇒早霧という歌い継ぎは、なかなか素敵でした。
……チギちゃん、がんばれ!(小声)


◆マリー(舞羽美海)
登場時の紅のドレスは、、、豪華で素敵だけど、普段着にするには派手すぎませんか(@ @)。
それにしても、最初から最後までひたすら可愛かったー!!恋に恋する「思いこみの激しい少女」は、本当にみみちゃんの宛書きだと思いました。
あの「思いこみの激しさ」が可愛くてしかたない!

「喪われた家を再興しなくてはならないのに、私にはできない!」というプレッシャーに負けてしまうみみちゃんが、とても魅力的でした。そこで「誰かに頼ろう!」という方向に行かずに、「私一人だけでも頑張らなくちゃ!」となるところが、とってもみみちゃんらしい。
(「仮面のロマネスク」を観て、ヴァルモンが零落した家を再興した云々という台詞に悶えました……若いころは苦労したんだろうなあ、ヴァルモンも)

◆モンブラン伯爵(飛鳥組長)
曲がりなりにも「親日家」をきどるなら、娘の暴言はもう少し早く止めようよ……。
そういう、優柔不断にさえ見えてしまいかねない「優しさ」(真の優しさ)は、もしかして宛書き?と思いつつ。

◆渡会晴玄(早霧せいな)
美形は得だな、と思いました(真顔)。いや恰好良かったです。
なのに、彼の明言は「ねずみでも出ましたか?」だよね、と。そんなトボけたところが可愛い、というのはチギちゃんの武器ですね。

ところで。彼はマリーに片思いしていた、っていう解釈は正しいのでしょうか……? 最後の最後まで「お嬢さん」と呼ぶ姿勢を崩さなかったけど。



◆ノエル(奏乃はると)
普段はモンブラン家の執事。でも非常時には、フル―ランス少尉の部下に早替り。
いやはや、恰好良かったです!いい役でした。にわさんらしい堅実な芝居が、あの突拍子もない脚本の中で良い意味で目立ってました(^ ^)。


◆レオン(大湖せしる)
丸顔の多い雪組DCメンバーの中で、ほとんど唯一(?)の細面の美形。その美形っぷりを最大限に生かした分かりやすい悪役っぷりで、個人的にはかなりツボでした。
しかし、レオンの考え方って、時代背景考えたら、どれも普通に正しいと思うんですが、どうなんでしょう。どっちかと言うと、正名やフル―ランス少尉が言ってることが無茶だと思うんですよ(^ ^; 
まあ、そういう人たちだからこそドラマになるわけですけどね。でも、ちょっと一部は正名の考えじゃなく谷さんの考えに聞こえてしまって、違和感がありました。

◆チプリアニ(香綾しずる)
可愛かったー!!ちりちりパーマがイケてなくってとっても素敵♪
キャラクターも、いままでがおりちゃんが演じてきた役の中では異色だと思ったけど、考えてみたら「ゾロ」で新公主演したひとなんだった(^ ^)。ナウオンで垣間見えるあの面白さが、前面に出た役だったと思います。
彼のおいたちと純情。切ないくらい可愛い男だな、と。しみじみ、良い役でしたねー。

◆五島市之進(帆風成海)
彼の自刃に至る心理が、全く理解できません……(T T)。
しかも、自刃した直後にはもう生き返ってアルバイトしてるし。苦笑どころか、完全に笑っちゃいました(汗)ごめんなさい。



◆女優(花帆杏奈)
杏奈さんの芝居は癖があって、けっして巧くはないんですけど、、、嵌ると抜けられない魅力があると思います。華やかで無茶苦茶で、しかも色っぽい美人は大好きだ!
後半の戦いっぷりの男前さも素敵(はぁと)

◆マダム(涼花リサ)
正名を庇う場面や、五島の死を悼む場面の芝居がすごく良かった。しみじみと胸に刺さりました。野菜売りとのやりとりも、投げやりなところがなくて、男前で格好よくて、なのに色っぽくて、ホンモノの『佳い女』ってのはこういうもんだ!と思いました。
美しくてたおやかで妖艶な、得難い女役さん。卒業すると発表された今、あらためて思い返しても、この「SAMURAI」で一番好きな役はリサちゃんのマダムだったかも、という程度には本気で好きです。歌さえもう少しなんとかなれば、いくらでも活躍の場はあったと思うんですけどねぇ。リサちゃんの人生だからしかたないけど、本当に残念です(T T)。

◆野菜売り(此花いの莉)
しっとりした佇まいが良かった。新公卒業したらいい役がつきますように。
「OLDIES」の「プレイバック パートII」が印象的な此花さん。響きの柔らかな声で大好きなので、大劇場では影でもいいからソロがあると良いなあ。

◆歌姫(透水さらさ)
いつの間にか、すっかり歌姫で定着しましたね。
杏奈さんが恋人を喪って泣き崩れる後ろで、「さくらんぼ……」と歌いだすのがとても印象的でした。澄みとおった綺麗な声(*^ ^*)。


◆マリーの友達(早花まこ・桃花ひな)
しっかりと小芝居してましたね。ひなちゃんは本当に可愛いなあ。ぱっと見が花夏ゆりんちゃんに似てると思うんですがどうでしょう。さびしげな美貌。きゃびぃと並ぶと、なんかそこだけ可憐な花が咲いてる感じです。

◆スープ売り(天舞音さら)
馬の骨のスープを売ってたのさらちゃんでしたよね?(違ったらすみません)
ちょっと垢抜けない感じに造りこんでいたのが好印象でした。お芝居好きなのかなあ。活き活きしてました。
ところで、馬の骨のスープはあの後どうなったんでしょうか……?温めなおしに行ったまま、帰ってこないうちに戦いが始まってました……よね?

◆モンブラン伯爵家のメイドたち(星乃あんり・妃桜ほのり)
可愛い可愛い可愛い可愛い。


こうして見ると、娘役はみんな良かったなあ(*^ ^*)。雪組の娘役さんたちも、花組とは違う意味ですごく充実しつつあるのを感じました。


◆いろいろ
「冬の寒波がドイツ軍の包囲を緩めるだろう」、っていうのは、、、「北風と太陽」の北風さんの理屈ですよね。ドイツよりフランスの方が南にあるのに、どこからそういう話になるんでしょうね。
そして、クレタ戦争のエピソードもちょっと違うよなあ、と思いました。何を意図しての話なのか、良く判らなかった……パリ市民もがんばっているんだから、お前たちも逃げるなよ、って?いやだから、彼らはエトランゼなんですってば……。

◆パリ開城
貴族たちによる勝手な「パリ開城」を非難するけど、あれって江戸城の無血開城と何が違うんだろう?と思ったりしました。
とっくに戦いは始まっていて、無血じゃない(市民の血が流れてしまった)から?

実際の歴史としては、パリ開城じゃなくてアルザス・ロレーヌの割譲に対して怒った反対運動がレジスタンスの始まりみたいですね。最初から他国相手じゃなくて国内で政府を敵とみなした人たちの戦いだったんですね……。

◆ラストの戦い(墓場)。
刀を抜いて斬りかかる正名の殺陣はとても恰好良いんだけど……。
せっかく忍びよった末の接近戦なんだし、得物も刀なんだから黙って斬ればいいのに……。「ちぇすとぉ!」とか叫んだら、本隊にバレちゃうんじゃないでしょうか。

◆羽織
場面途中で正名が突然袖に引っ込んだ、と思ったら、次の登場では羽織を羽織っていたんですよね。観劇しながら、『その羽織はいったいどうしたの?戦うには邪魔じゃない?動きにくいし、しかも目立つし!』………なんて思っていたのですが。
最後の最後に、渡会に掛けてあげるためだったのね……!!なんて準備周到な(@ @)


しかし。「白旗が……!!」はナシでお願いしたかった……!!
あれは結構、辛かったです(T T)。




中日で「仮面のロマネスク」を観て、あらためて思いだすと、、、
「時代の空気」ってやっぱり大事だなあ、と思います。役者と脚本と演出が、全て噛み合わないと出てこないものなんですよね。雪組さんも、出演者はみんな良かったんだけどなあ……。

次の大劇場作品が、良い作品でありますように。



【7月1日まで、あと143日】
花組東京劇場公演「復活/カノン」、初日おめでとうございます。


今日からの一ヶ月と一週間、卒業される七人にとっても、その回りの仲間たちにとっても、花組ファンの皆様にとっても、思い出深い楽しい時間となりますように。




………「カノン」の祈りの場面、卒業生が七人そろって踊るように変更されていましたでしょうか?
三木さん、頼むよ………(涙)。



【7月1日まで、あと142日】



中日劇場にて、宙組公演「仮面のロマネスク/アパショナード2」を観劇しています。


一年前の2月11日も、中日公演を観ていました。
星組公演「愛するには短すぎる/ル・ポアゾン」。

一回公演で、この日が初見で。
ショーの途中で天寿さんが退場していくのを、茫然と見送った、あの日。


あれから一年。
みっきぃさんがすっかり元気になって、オーシャンズメンバーの一人として駆け回り、如月蓮さんのバージルにいちゃんとジャンプして肩をぶつけあったりしているのを観て、こっそり涙ぐんだりもしていたのですが(^_^;)

この公演の間に、去年お参りした神社にお礼参りにいかなきゃなあ、と思いながら、毎週末が過ぎていきます。

めぐる、季節の中で。



それにしても。
中日劇場って、私にとっては結構思い出深い劇場なんですよね……。
らぎちゃん(柊巴)に出会ったのもここだし。
そもそも、祐飛さんがもう一度中日の舞台に立つとも思っていなかった(^_^;)ので、今年も来られて良かったなと改めて思っています。


来年は来られるかなあ………?




来年のことを言ったら、鬼が笑いますけど、ね。




観劇の感想は帰ってから書くつもりですが、とりあえず一言だけ。

藤咲えりちゃんのトゥールベル夫人が、とても柔らかく、かわいらしくなっていました(はぁと)。
そりゃあヴァルモンが本気になるのもわかるわ〜(*^o^*)




宙組中日劇場公演「仮面のロマネスク」。



この作品を観て一番最初に思ったことは、
やっぱり私は、柴田さんの話術がすごく好きなんだな、ということでした(^ ^)。
だって!言葉の選び方がいちいちエレガントで素敵なんですもの!!あの脚本を喋れる役者はどんどん減ってきていますけれども、なんとか絶滅危惧種を大切にしてあげてほしいです……。



以前にも何度か書いたことがあるような気がするんですが、柴田さんの脚本って、「地の文」が無いんですよね。
冒頭でダンスニー(北翔)がちょっと状況を説明しますけど、もう本当にそれだけで、あとはすべてを会話で処理していく。
人間関係も、時代背景も、何もかも。

「地の文」が無いってことは、説明(解説)役がいないということ。
つまり、登場人物の心情を説明する人が存在しない。だから、みんな嘘を吐き放題になるんですよね。

登場人物がでてくるたびに嘘をつく。もう、「嘘」が主役と言ってもいいくらい、見事なお芝居だなあ、と本当に感心しました。宝塚作品って、特に大劇場公演はわりと単純明解が正義!みたいなところがあって、主要登場人物に嘘を吐かせるのは柴田さんと石田さんくらい……という印象があるのですが、このお芝居はその真骨頂かも、と思いました。



そして、そのめくるめくような「嘘で塗り固められた世界」こそ、まさに終焉に向かう19世紀の貴族社会そのもので。
意味もなく嘘を吐いているのではなく、そういう時代で、そういう世界であったのだ、ということが説明抜きで伝わってくるその脚本と、それを100%表現してのけた役者たちが、本当に素晴らしかった!!



舞台は、1830年のフランス・パリ。
1789年のバスチーユ陥落から、第一共和政(スカーレット・ピンパーネル)⇒第一帝政(トラファルガー)を経た、王政復古の時代。

1815年に王位についたルイ18世は、ルイ16世の弟。「ベルサイユのばら」でいうプロヴァンス伯ですね。そして、彼の死によって1824年に王位についた弟シャルル10世は、アルトワ伯。彼がこの「仮面のロマネスク」という時代のフランス国王ということになります。
彼ら二代は革命以来の「市民」たちの進化を無視し、ブルジョアのもつ財力を無視して貴族や聖職者を優遇する反動政治を執りました。
それでも、そんな政府がナポレオンの百日天下をしのいで15年も続いたのですから、やはり、革命後の混乱とナポレオン戦争で、フランス社会は疲弊しきっていたのでしょうね。

その、混乱した幼い市民社会の上に薄い板を敷いて、その上で優雅に貴族たちがワルツを踊っていた時代……それがこの、『ブルボン家による王政復古期』でした。
劇中でブルジョアのガボット(月映樹茉)が指摘しているとおり、シャルル6世とその近臣たちの失政によってこの時代は終わってしまうのですが、反動政治という「波」にのった貴族たちは、「革命」で喪ったなにもかもを取り返そうとがんばるあまり、「市民」たちの反感を買いまくってしまうんですよね。

「尊敬」の対象が何かのきっかけで「軽蔑」の対象に堕ちたとき、
そして、「軽蔑」していた者たちによって虐待を受けたときに、人はどこまで残酷になれるのか。
その怖さがリアルに伝わってくる作品でした。



革命によって零落したヴァルモン子爵家を復興した、28歳の青年貴族・ジャンピエール(大空祐飛)。

美しく艶やかな社交界の華、フランソワーズ・メルトゥイユ侯爵未亡人(野々すみ花)。

敬虔なカトリックで貞淑な法院長夫人、マリアンヌ・トゥールベル(藤咲えり)。

武術に秀でた体育会系のウブな22歳のお坊ちゃん、フレデリック・ダンスニー男爵(北翔海莉)。

メルトゥイユ夫人の元愛人でフランス軍の将軍、ジェルクール伯爵(悠未ひろ)。

修道院を出たばかりの金髪の美少女、セシル・ブランシャール(すみれ乃麗)。

メルトゥイユ夫人の現在の愛人・ベルロッシュ(鳳翔大)。


ジャンピエールとフレデリックの年齢はナウオンか何かで出ていましたが、他の登場人物の年齢(関係)はどうなっているんでしょうね。
私は原作を読んでいないのでかなり適当ですが、公演を観て、フランソワーズはジャンピエールよりちょっと年上設定かな?と思いました。ってことはちょうど30くらい?……まあ、個人的な印象ですが。
セシルは修道院を出たての14~15歳あたり。
マリアンヌは18前後くらいでしょうか。
ジェルクールは30前後か、もっと思い切って上でもいいかもしれませんね。
法院長(寿)は、40以上……もしかしたら50代なのかも?、という感じ。

基本的に、貴族の娘は修道院を出たばかりで年上の男性貴族に嫁がされ、その夫が亡くなって未亡人となったときに初めて自由の身になる……という時代だと思うので、そんな年齢設定かな?と思いました。
仲間内では、ジャンピエールとフランソワーズが幼馴染の初恋同士、という意見もありましたが、、、うーん、そんな齋藤作品みたいな設定はあまり感じなかったなあ(- -;)。ジャンピエール自身も、ヴァルモン子爵家を再興するために、、、年上の高貴な女性に取り入るのは得意だったんでしょうし、「人に知られない数々の艶話」の中には、そういうのも多かったのでしょうし、ね。



私は、初演を観ていないのみならず、ラクロの原作「危険な関係」も読んでいないのですが、原作は書簡形式の作品なのだそうですね。舞台を観ていて、手紙を読む場面が多いなあとは思っていたのですが、なるほどー!(^ ^)
電話のない時代の物語ですが、手紙を読んでいるところからスムーズに直接の言い争いにつながる演出はお見事の一言。演出は今回、植田景子さんがなさっていらっしゃいますが、そのあたりは初演どおりだと聴いて納得しました。内面世界なのか現実世界なのか、それがはっきりしないところがいい。内面世界なら作劇的に嘘はつけないけど、現実なら脚本的に嘘が吐ける。そして、観客には内面なのか現実なのかはっきりしない……というか、そこが騙し絵になっている。
表を辿っていたはずなのに、いつの間にか裏になってしまうメビウスの輪のように、


そもそも、原作は1789年の革命前夜の物語だそうですが、柴田さんはあえて1830年の7月革命直前に設定したそうですね。そして、物語自体にフランソワーズとジャンピエールの秘めた恋という軸を通して、「タカラヅカ」らしい恋愛譚に仕上げた。

この二つの変更点は、すごく効果的だったと思います。
あんなに嘘だらけの脚本なのに、登場人物の誰ひとり矛盾のある行動を取らないところがすごい。フランソワーズとジャンピエールの間に恋愛感情が色濃くあるから、それを軸にすべてのエピソードがつながるんですよね。マリアンヌを落す寸前でとまどったときの葛藤と、「フランソワーズ……!」という呼びかけの意味。フランソワーズとダンスニーの関係。
仮面をつけなければ生きていけなかった女の哀しさ。純粋であるには傷つきすぎて、生きるために強くならざるを得なかった女の、たったひとつの「欲しかったもの」。

この世にただひとつの「愛」を得るために生きている男と、
この世にただひとつしかない「欲しいもの」を得てしまったら、生きる理由がなくなる女。



ジャンピエールは、侯爵夫人である恋人に釣り合う男になろうと成り振り構わずにヴァルモン家を再興し、
フランソワーズは、若く美しい恋人の関心を惹く女でいつづけるために、その手を拒否する。


足許には市民たちの不満が渦巻いているのに。
運命の時が、すぐそこまで来ているのに、観ない振りして恋愛ゲームにいそしむ彼ら。


結局、この時代の「貴族」たちには、「政治」は無理なのだと。
反動王政を敷いたブルボン家と、その近臣たちは、滅びなくてはならないのだ、と。



「市民社会」の蓋となって「貴族社会」を支える板は、市民たちが腕を振り上げれば簡単に壊れてしまうような、非常に脆いものでした。
物語のラストは、いわゆる7月革命……1830年7月29日、なんですよね、たぶん。
その前夜だから、7月28日かな?

この後は、1848年の2月革命まで続くオルレアン家の王政がはじまります。
もはや貴族は実権をもたず、ブルジョアたちの指導者が権力を握った、フランス最後の王政時代のはじまり。

「仮面のロマネスク」とは無関係ですが、「レ・ミゼラブル」で語られる学生たちの暴動は、1832年のラマルク将軍の死をきっかけにしたものです。テナルディエはワーテルローで死者の懐をあさっていたという話があったりするし、まさにこの時代の物語なんですよね。
マリウスがコゼットと親しくなりたくて毎日公演を散歩して彼女が来るのを待っていたというエピソードは、ほぼダンスニーとセシルのエピソードと同じなので、観るたびについ笑ってしまいます(^ ^)。

さらにちなみに、7月革命で王位についたオルレアン家のフィリップは、ルイ14世の弟フィリップ(「薔薇の封印」で祐飛さんが演じたフィリップ王子)の後裔ですよね(^ ^)。そんな細かいエピソードを探しはじめたらキリがないくらい、この時代の作品は宝塚には多いです。20世紀のはじめと並ぶ、ドラマティックな時代なんでしょうね、きっと。




観ながらものすごく頭をつかうお芝居と、
頭をカラッポにして熱さに浸るラテンショー。

この宙組公演は、何度観ても面白いです!


この作品をやらせてくださったスタッフのみなさまと、その期待に応えて面白い芝居に仕上げてくれた宙組っ子のみなさまに、心からの感謝を(^ ^)。


【7月1日まで、あと139日】
宝塚歌劇公式サイトに、以下のような発表がありました。

月組の新体制について

この度、次期月組の体制が決定しましたのでお知らせ致します。
新生月組は、トップスター・龍 真咲、トップ娘役・愛希れいか、そして準トップスター・明日海りおを中心とした体制となります。


えーっと。

すみません。そもそもなんですけど、「○組の新体制について」っていう発表って、いつもありましたっけ……?
少なくとも、祐飛さんが花組に組替えしたときは「準トップスター」の発表なんてなかったぞ?



まあ、そんな言葉尻はどうでもいいです。

なにはともあれ。
まさお(龍真咲)、ちゃぴ(愛希れいか)、生え抜きの新トップコンビ誕生おめでとうございます!

そして、みりおくん(明日海りお)の「準トップスター」就任も。




月組で生え抜きのトップコンビって、久世さん&風花さん以来なんですよね。
まだ私がファンになる前のことですが(^ ^)。

組替えには組替えの良さがあるし、必ずしも生え抜きだから良いというものではありませんが、まあ、相手役さんや二番手さんと並んだ姿を観たことがあって、あの時はお似合いで素敵だったな、と思えるのは幸せなことです(^ ^)。




もともと月ファンである猫にとっては、可愛い可愛い生え抜きの子供たち。
あのやんちゃなヘタレ坊主・まさおがいよいよトップスターか、と思うと感慨深いというか……大丈夫か?と心配になるというか(^ ^;

でも、もう決まったことなので、がんばってもらうしかないんですよね。
……可愛い可愛い泣き虫なちゃぴとみりおと、三人でしっかり手をつないで、まっすぐに走り抜けてほしいなと思います。



いろいろ不安はたくさんあるんでしょうけれども、ね。

うちも不安でした。たった3年前の、あの寒い日。不安で不安で、銀座中を歩き回ったっけ。これから何が起こるのか、新しい組、良く知らない組で、いったいどうなるのか、と。
それを考えれば、生まれ育った組で、相手役も二番手(準トップスター)もよく知っていて。散々組んだ二人に囲まれて就任するまさおは、恵まれている……のかもしれませんよ、なーんて言ってみたりして。




お披露目公演はミュージカル「ロミオとジュリエット」。
初日は祐飛さんのお誕生日なんですね(←関係ない)。たった一週間とはいえ、まさおと祐飛さんがトップスターとして並ぶ日がくるんですね……。
「マジシャンの憂鬱」の居候チームで可愛がっていたレオーが、ねえ(*^ ^*)。懐かしい、なにもかもみな懐かしい。


この公演の目玉は、トップスターと準トップの役替り公演であること。

長い宝塚の歴史の中には、正式にダブルトップだったときもあるのですから、役替り自体はそんなに驚くことではないのかもしれませんが、、、お披露目公演での役替りはちょっと驚きました。

でも、仕方ない……よね。だって、まさおのティボルト、観たいもん!
……すみません。私は元々「レ・ミゼラブル」ファンなので、役替りに対する忌避感があまりないんですよね。純粋培養の宝塚ファンの方だと、ありえないほどショックなことなのかもしれませんが、私はたぶん、祐飛さんの退団公演がテルくんと役替りだと言われてもあんまりショックじゃないと思う。
だって、違うお芝居を二つ観られるってことでしょう?嬉しいですよ(^ ^)。回数増えます多分。

そういう心性の持ち主なので、最初に思ったのは「でかした劇団!」でした。
……少数派なんだろうなあ、たぶん。



まさおも、みりおも、もちろんちゃぴも、3人ともこれから大変だと思いますが。
まずは今の公演に全力を尽くして、卒業生たちをしっかり見送ってほしい。

それが終わったら、また次の公演に向けて、頑張ってほしいです。
遠くから応援しています。


ところで。
「月組お披露目ロミジュリで役替り」ときいて、真っ先に考えたことが「ロミオとジュリエットが役替り!!?」だった猫は、反省するべきでしょうか……?





それにしても、秋の全ツはどうなるんでしょうね?
個人的な希望を書かせていただきますが、二人の貴公子を再演してほしいです。
今の小柳さんで、今のまさおとみりおで、あの世界にもう一度浸ってみたい。
ちゃぴなら、しずくとは全然違うエミーリアが演じられると思うし、るうちゃんもゆりやんもいるし!!

全ツでなくてもいいのですが、二人が揃う時間がそう長くなるとは思えないので、なるべく早く!と焦ってしまいますね。この「新体制」でどのくらいひっぱるつもりなのかなあ。
この体制でどんな作品が回ってくるのか、それ次第で動員も変ってくると思うし、百周年にむけて、良い作品のヴァリエーションを増やすきっかけになればいいな、と思います。




まさお、ちゃぴ、みりお、、、3人とも、本当におめでとうございます。
3人が、月組子全員が、そして宝塚歌劇団員全員が、良い作品に、そして、良い役に巡り合えますように。





【7月1日まで、あと138日】
宙組中日公演「仮面のロマネスク」について。



……の、前に。
以前録画した「Energy ~仮面のロマネスク~」を視ました。
かしちゃん(貴城けい)主演の、雪組新人公演ダイジェスト。

ダイジェストなので前に観たときはよくわからなかったのですが、作品を知ってから観るとなかなか面白いです(^ ^)。

脚本はいろいろ細々と違っているんですね。
最初の前口上が、中日ではダンスニー(北翔/汐美)だけなのに、雪組版は途中ジェルクール(悠未/夢輝)が引き継いでいたり。台詞もずいぶん違う。演じ手が違えば芝居が違うのは当たり前ですが、予想外に脚本が違っていることにあらためて驚きました。
【追記:Energyは大劇場の映像ですが、本公演は、大劇場と東宝の間にもだいぶ変更されていたそうです】

驚いたのは、トゥールベル夫人(紺野)を彼女の部屋で口説いた場面の後です。
マリアンヌの部屋を出た後、逡巡の歌を歌ったジャンピエールが「フランソワーズ、君はどう思う…?」と呟いたこと(中日ではフランソワーズの名前を呼ぶだけ)。
そして、時計の音に我に返ったジャンピエールが「次はセシルだ」と宣言したこと、でしょうか(中日では無言でセシルの部屋のドアに向かう)【追記:そして、時計の音が鳴るのも、ヴァルモンがセシルの部屋に入った後になっています】。

いやー、その二言があるかないかで、ジャンピエールが別人になるなあ、と思いました(@ @)。
ジャンピエールがマリアンヌに本気で恋しかけてしまうのは同じですが、そんな自分に驚きつつ否定しようとするか、面白がろうとするか、その違い。
マリアンヌを手に入れる場面で、「ジャンピエール」と名前を呼ぶマリアンヌも、全然違う。



あと、ロベール(十輝)がしいちゃん(立樹)だったり、ベルロッシュ(鳳翔)が(華宮)あいりだったり、柴田さんの役に対するイメージは明解だなあと思ったりしました。
そして、ガボット(中日では月映樹茉)役が出てこなかったのがとても残念!オリジナルではどんな役だったのか知りたかったのにー

いやはや、面白かったです。
ダイジェストではない、フルの雪組版を観てみたいです。


しかし!
前口上のみっちゃん(北翔)の、「わたしはいま、『あんな男』と……ふっふっふっ、」という含み笑いが初見からずっと気になっていたのですが、雪組新公のケロさん(汐美)はやってなかったんですね。ってことは、本役の轟さんもやっていなかったのかなあ?舞台の上を生きる一人の人物像として違和感があるので、やめてほしいのですが……(←観るたびに、トラファルガーのハミルトンを思いだします)

そして、ジャンピエールがセシルに「鍵をあけておくように」と言ったとき、「Energy」のセシルが何の迷いもなく「はい、鍵はあけておきます!」と元気に答えてたことにも驚きました。れーれの、逡巡とそれを振り切るような返事がこっそりとジャンピエールに魅かれているセシルを表していてとても好きだったのですが、あれは景子さんの女性ならではの演出の一つだったのかな。

あと、雪組版には「ジェルクール、ヴァルモン=国王側、ダンスニー=オルレアン公側」という設定があったんですね。中日でこの設定が消えていたのは何故なんでしょう。ラストのジャンピエールとフランソワーズのダンスを観ながら、ダンスニーとセシルは幸せになったんだなあ…と思ったのに。

あと面白かったのは、松雪さんのソフィ(中日では夢涼りあん)。若いのに世話好きなおばさんみたいなキャラクターでした(^ ^)。達者だなあ。そういえば、私は彼女の歌声がとても好きだったんですけど、芝居をしているのはあまり観たことがなかったんだな……。




さて。新公映像との違いはそんなところにして、中日公演に戻ります(^ ^)。

第一場 プロローグ

まずは上手花道のすっぽんセリから白い軍服のヴァルモン子爵(大空)がセリ上がり。
下手花道に登場するメルトゥイユ侯爵未亡人(野々)と、いきなりの口争いがはじまる。

二人がひとくさり言い争ったところで、下手袖からダンスニー男爵(北翔)が登場。(ここのダンスニーの口上については、上で書いたので省略 ^ ^)

ダンスニーから口上を引き継ぐのは、メルトゥイユ邸の執事ロベール。
台詞を喋るたびに頭を抱えることが多いまさこちゃんですが、今回のロベールの台詞は良かったです!温かみのある優しい口調と朴訥な雰囲気が、あの役にとても合っていたような気がします。
先が見えすぎてキリキリしがちな、頭の良すぎる女主人を、ふわっと包む優しい執事さんでした。


邸でおこなわれる舞踏会のお客様を迎える使用人たち。
この場面で特筆するべきは、やはり深紅の薔薇を抱えて登場する青年貴族ベルロッシュ(鳳翔)。女主人フランソワーズの「現在の」恋人。
いやはや。素晴らしい大ちゃんクオリティでした!「クラシコ・イタリアーノ」の五峰さんの旦那様も素敵だったけど、今回も本当に素敵です。立ち姿の美しさと、相手役を見つめる目線の優しさが良いんですよね(^ ^)。
ちなみに、雪組版は薔薇を抱えていないらしいので、これは景子さんの夢を大ちゃんが叶えた、ってことでよろしいでしょうか(^ ^)。



紗幕があがると、華やかな舞踏会の真っ最中……1830年、春の宵。

真ん中で踊るのはジェルクール(悠未)とセシル(すみれ乃)……だったかな。
もう一組はダンスニーと貴族の女(瀬音リサ)。
てんれーさんとあゆみさんが踊ってるー、あらまあラブラブ(^ ^)。と思っていたら、お二人はちゃんと夫婦役でした(^ ^;(テチエンヌ公爵/天玲とその夫人/鈴奈)。
ブランシャール夫人(梨花)は春瀬くんと踊ってたような気がします。みとさんの完璧な貴婦人風にうっとり。

あとは誰だったかなー?
七海×夢涼、月映×美桜、愛月×花里、美月×真みや、七生×愛咲、、、、だったかな?とにかくかなり情報量の多い場面で、私の頭の中では処理しきれてないみたいですが(^ ^)。


曲が盛り上がったところで、メルトゥイユ夫人が登場。
取り巻きの美青年たち(ナヴァラン/澄輝、ヴァレリー/愛月)が彼女にまとわりついてダンスに誘う。七生・秋音あたりも参戦するけど、結局はベルロッシュに持っていかれるんですよね。それも当然と思わせる大ちゃんの美しさと華はさすがです。

「未亡人になってもますますあでやかに……」と讃えられるフランソワーズ。
未亡人になったからこその輝きなのかもしれませんが、とにかく、そこらの美青年たちとは格が違う、というのを見せつけた、すみ花ちゃんの美しさでした(*^ ^*)。


ジャン・ピエール・ヴァルモンが上手の階段に登場して、スポット。
その瞬間に、彼以外のすべてが朧にかすむ。
……メルトゥイユ夫人以外は。


格式高い侯爵夫人の舞踏会を台無しにするために、彼が連れてきた娼婦たち。エミリー(大海)とイヴォンヌ(舞花)の手慣れた風情。
彼女たちを連れて去るジャンピエールの従者、アゾラン(凪七)。

妻を連れてメルトゥイユ夫人に挨拶するトゥールベル法院長(寿)。
「しばらく仕事でパリを離れることになりまして、、、」
慎ましく夫の傍に寄り添いながら、
「心細くて……」
という、淑やかなトゥールベル夫人(藤咲えり)。

夫と仲睦まじく帰って行くトゥールベル夫人の背中をじっと眼の隅で追うヴァルモン。
ニヤリと笑いながらあごを撫でる仕草が色っぽくて好きです。

そして、そんな彼を凝っとみているフランソワーズ……。

こ、こ、こわい……とっても素敵だけど、でも、怖い(^ ^;


成りあがり(?)の青年男爵フレデリック・ダンスニーをブランシャール家のセシル嬢に紹介するフランソワーズ。
フランソワーズとダンスニーのこの時点での関係はよくわかりませんが、フランソワーズの旦那のとダンスニーの父親が懇意だったとか、そういう感じでしょうか。
若い彼は可愛らしいセシルに一目惚れ。分かりやすい彼の反応を面白がっているフランソワーズ。

ブランシャール夫人が慌てて、セシルの婚約が調ったことを公表する。
お相手は近衛隊の将軍・ジェルクール伯爵。

……それを聞いて、微かに眉をひそめるフランソワーズ。謎めいた無表情。

じっとセシルの眼をみながらその手にキスをして、国境の騒ぎをおさえに行くジェルクール。彼に従う副官(?)のフレネー(美月)とラヴァル(春瀬)。
無表情にそれを見送るジャンピエール。


「宴が果てて夜深く、仮面を脱いで二人きり……」
暗転の中、影コーラスがただよう。ジャンピエールとフランソワーズ、二人っきりの時間。

昔、ひそかに恋人同士となっていた二人。
別れた経緯についてのはっきりした説明はありませんが、身分の高い夫のいるフランソワーズには、若い男と遊ぶことは許されても、一人の男と「深い仲」になることは許されなかったのかな、と思ったりしました。
若いヴァルモンは、そんなフランソワーズに弄ばれたと思ったのかな、とか。

そのあたりの事情はわかりませんが、二人の会話は、とにかく怖いです。
言葉は刃なんだな、と思う。二人とも真剣を抱えて対峙しているかのような、それも構えているのではなく、居合抜きの達人同士みたいな気迫がありました(←わかりにくい)

すごいなあ。美しいなあ。怖いなあ。
ピンと張りつめた空気、腹のうちを探り合いながら、唇とはぜんぜん違うことを語っている瞳

「お互いもっと自由になるためにお別れしましたわね」
「僕は別れたつもりなんて」

「……あら。そうでしたの?」

フランソワーズの、謎めいた笑み。
『女』の全てを賭けた、笑み。


愛しているからこそ、「男のモノ」にはなれなかった女と、
愛している女のことだけは「モノに」できなかった男。


面と向かって決して本当のことを言わない二人の痛いほどの寂しさだけが、意味もわからずに伝わってきました。
本音で語り合う仲間を持たない、孤独な二人。


孤独の「孤」の字は今回はフランソワ―ズの背中にもちゃあんと見えました(^ ^)。



……そんなヨタ話で引っ張っていいのか、悩みつつ。



【7月1日まで、あと135日】
日本青年館宙組公演「ロバート・キャパ~魂の記録~」千秋楽おめでとうございます。

テルくん(凰稀かなめ)、宙組での初主演お疲れさまでした\(^ ^)/ゆうりちゃん(伶美うらら)も、初ヒロインおめでとうございます!
そして、この作品を最後に花組に組替えするみーちゃん(春風弥里)の幸いを祈っています(^ ^)(これからも逢いにいくので、別れの言葉は言いません。むしろ「花組へようこそ」って言いたい)。




さて、作品としての「魂の記録」について。

個人的には、面白くなる可能性のある作品だったと思います。
題材は興味深いし、キャストは実力派ぞろいでみんな良かったし。

でも、観終わっての感想は、残念ながら「素晴らしい」ではなく、、、「面白い」「興味深い」でもなくて、「もどかしい」だったのですが……(; ;)。


こういう作品は、何度か観ると面白くなってくることが多いんですよね。
脚本的に致命的な破綻があるわけではなく、書き込みが浅いだけで題材は面白いし、役者は巧い人ぞろいでみんなそれぞれに良い味を出している。そもそも登場するのはほとんどが実在の人物だから、脚本的には多少無理があっても役者のがんばりと観客側のフォローで行間を埋めれば、それなりに納得できるのが当然。事実として間違っていないなら、脚本的には飛ばされていても納得できる理由があるはずだ、と思って観ますからね、観客は。

逆に、初見はすごく面白いけど、何回か観るうちに飽きてしまうというか、いろいろ粗(ツッコミどころ)が見えてくる作品もありますが、「キャパ」はそういうのではなかったと思います。
ネットなどで感想を見ても、複数回ご覧になった方は誉めていらっしゃるケースが多いような気がするし。私はスケジュール的に一回しか観られませんでしたが、何回か観たら面白さがわかったのかな?




原田さんの作品は、「ジュ・シャント」「ニジンスキー」に続き3作品目。
私はいちおう3作とも観ていますが、わりとどれも似たような印象……です。「新人の割にまとまっていて破綻はないけど、私には響かない」という感じ。
あくまでも「私」という一人の観客感想ですので、ご容赦くださいませ。

もちろん、良いところもたくさんありますよ!
たとえば舞台美術。……今回でいえば、背景の空(雲)とそれを照らす照明が素晴らしかった!あの空の下で語られるだけで、ありきたりな愛の言葉の羅列が美しいラヴシーンになったんだから、凄いですよね(@ @)。
スタッフは、照明が氷谷信雄さん、美術は……装置の稲生英介さんが仕切られたのかな?キャパの事務所のセットとかは普通でしたけど、あの空と八百屋になっている床(地面)、そして舞台美術の一部としての照明の組み合わせは良く出来ていたと思います。


でもやっぱり、脚本は「もどかしい」し「残念」なんですよね……

そもそも、脚本中のアンドレ・フリードマン(のちのロバート・キャパ/凰稀かなめ)が目指したものが、ジャーナリストだったのかカメラマンだったのかが良く判らなかった(; ;)
たった一枚の写真でも、伝えられるものがある
というのは作品上も重要なキーワードだと思うのですが、
アンドレがやりたかったことは、「その瞬間をフィルムに留める」ことなのか、それとも、それによって「何かを伝える」ことなのか?というあたり。

「残す」ことと「伝える」ことは全然違うはずなのですが、脚本的にはかなり混乱していたような気がします。
「残す」のは時間軸で「伝える」は空間軸。「残す」のは自分一人の問題で、「伝える」ためには相手が必要。根源的なテーマだと思うのですが、いまひとつ整理がつかなくて曖昧なままのように見えました。


あるいは、母親(光あけみ)との確執。
母親が病的な心配性で、そんな母親に感謝しなくてはならないプレッシャーを抱えつつ、心のどこかで疎ましく思っている………みたいな感情があるんだろうな、というのは観ていて思ったのですが、何の伏線もなく突然怒られているのをみても、唐突すぎて全く響かないんですよね。
まだキャパが戦場カメラマンとして名を馳せる前で、大して危険なところに行ったわけでもなんでもないのに。

そこが響かないと、「キャパの正体を公表する」という決意もとってつけたように見えるし、ラストのアンドレが母親に許される場面も、なんのカタルシスもなく唐突に感じられてしまう。
頭で考えれば意味がわかるけど、感情的に伝わりにくいんですよね……って、え、私だけ?



スペイン内戦の取材に行くまでの経緯も唐突だし、、行ってからの展開もよくわからない。場面として突然始まるスパニッシュも、どうかと思うんですよね。彼らはスペインに遊びに行くわけじゃないのに(←いや、ダンサーは全員めっちゃ恰好良いですけどね!!)

「人間を愛したカメラマン」とか「彼が撮りたかったものは戦場ではなく、戦争が終わった後の笑顔」とか、そういう小奇麗なイメージはわかるんですけど、そのために彼が何をしたのか、が見えてこない。

「カメラを捨てて戦うべきじゃないのか」
と悩むところは、テルくんらしいリアルな悩みだな、と思うのですが
「大切なのはどう生きるかだ」とか
「あんたの役目はライフルを持つことでも俺を生き永らえさせることでもない、この現実をフィルムに残すことだ」とか、、、

分かりやすい格言は、あくまでも格言であって共感を得るための台詞ではありません。そういう台詞をクライマックスで語らせることは、「鏡面に絵を彫り込む」ような行為だと思うんですよ。

「いつか、戦場カメラマンが失業する世界が…」とか、良いなあと思う台詞もたくさんあるんですけどね。



設定が、あるいは役の人物の心情が観客に響くか響かないか……それは理屈ではないし、そもそも観客それぞれに違うはず。
ただ、一ついえるとすれば、伏線のないエピソードで共感を得るのは難しいです。伏線があれば、多少無理な設定でも共感が得やすい。それは、「ああ、あのときのあれはここにつながるのか!」という驚きがあるからです。
驚きと共に発見される情報は、感情を動かしやすい。それは、「与えられた(教えられた)情報」ではなく、「自分で発見した情報」に分類されるからだと思うんですよね。
まあ、生田さんのデビュー作(BUND NEON)みたいに、伏線が多すぎて時間内に拾いきれなかったりするのも問題ですが(^ ^;、原田さんみたいにまったく伏線ナシで話を進めるのも限界があると思うんですよね。
原田さんの次作は大劇場公演なので、時間制限もかなり厳しくなりますし……うーん、がんばってほしいなあ。





ここまで脚本の話ばかりしてきましたが、実際には脚本が舞台にあがるわけではなく、そこには当然役者がいます。
で。原田さんは、どちらかというと「自分が描きたいもの」が先に来るタイプで、座付き作家にしてはあまり役者(特に主演者)を視ていない方だな、という印象があるのですが、テルくんの今回の役も、テルくんの本来の魅力からはだいぶ遠い、パッショネイトな役でした。

まあでも、今回はそれもありかな、と。
テルくんも、宙組でこそ初主演だけど、主演自体は3作目。前回の「リラの壁…」がr再演だったので、今回も宛書きではなかったのが残念ではありましたが、今の立場で宛書きではない役と、わかりやすくて裏のない脚本をどうねじふせて盛り上げるか、みたいなところを勉強するのも大切だろうな、と思うので。
実際、ビジュアルから男っぽく創りこんだテルくんは恰好良かったし、「人を愛した」写真家、というところはよく伝わってきたと思います。元々テルくんの優しい芝居が好きなので、それぞれのエピソードの切り方がキャパの「優しさ」や「弱さ」を見せる方向だったのも良かったんだと思います。




回りのキャストは、みんな良かったです。印象的な人ばかりでしたね。
ちや姉(風莉)のピカソ、みーちゃんのチーキ、ちーちゃん(蓮水)のアンリ、(鳳樹)いちくんのフェデリコ、そしてモンチ(星吹)のシム。みんな本当に良かった!あの脚本からよくこれだけ「人間」を立ち上げたな、と感心しました。

役不足で残念だったのは、りっくん(蒼羽)とタラちゃん(愛花)かなあ。二人とも本当に芝居ができる人なだけに、勿体無い。今回も良い仕事をしているので、余計に切ないです。
あ、みーちゃんもこっちに入るでしょうか。良い仕事をしていたこともあわせて。……私はチーキがすごく好きでしたけどね(ラストの長台詞は、「ヴァレンチノ」エンディング前のパクリかと思いましたが)

ゆうりちゃんのゲルダは、脚本の矛盾点を一心に受けて、主役(キャパ)を作家の思い通りに(あるいは歴史通りに)動かす操縦士のような役でしたが……
芝居については経験不足が否めないし、最大の武器であるはずのビジュアルも微妙で残念な感じでしたが、響きのやわらかな、まろやかな声はとても好きです。
ちょっととなみちゃん(白羽)系?とか思ったのですが、これから先、どうなるんでしょうね……

グットマン社長の汝鳥さんはもう最高。
パリでアンドレを迎えるフーク・ブロック社長のまっぷー(松風)も、脂ぎった中年男を好演していたと思います。その愛人・ジャンヌ(美風)も、怖さがあってよかったなあ~。

みーちゃんについては上で書きましたが、ちーちゃんとモンチは可愛かったですねえ。中でも今回はモンチが可愛くてすごくツボでした。可愛かった!
ピカソとフェデリコは、スペイン内戦の象徴的な場面をそれぞれセンターでひっぱる役でしたが、どちらも本当に素晴らしかった。文句なく、この公演のMVPだと思います。

アンドレの弟・コーネル(桜木)は、、、出番が少ないうえに、どの出番も設定が唐突すぎて目眩がしましたが、ずんちゃん自身はすごく良かったです。テルくんの弟、と聞いてスタイルとかスタイルとかちょっと心配していたのですが、なかなかお似合いの二人でした。
兄貴との感情的なすれ違いをもっと正面から描いても話としては面白くなったと思うのですが、原田さんは、そういう「負」の感情をリアルに出す芝居はあまりお好みで無いらしいですよね……残念だなー(T T)。



でも、こうやって見ると、「ジュ・シャント」に比べればだいぶ役も増えてきているんですね。
それでも、あとは、えびちゃん(綾瀬)クラスでも殆ど台詞がなウェイトレスが本役なあたり、さびしいんですが。
次は本公演なので、なんとか頑張って役を増やしてくださいますように(切実)。


あとは、せっかくのサヨナラなので、ぜひともハッピーエンドでお願いいたします!
祐飛さんは、悲劇についてはあらゆるパターンをやってきているので、新人さんが挑むのはハードルが高いだろうと思いますし、ね。ハッピーエンドは少ないので、観劇後に幸せ感があるだけで新鮮だし、ファンも嬉しい(*^ ^*)。
多少行間に隙間の多い脚本でも、祐飛さんすみ花ちゃんと今の宙組メンバーなら埋めてくれると思うので、ぜひとも楽しくハッピーエンドで!!!(祈)




【7月1日まで、あと132日】
月組次回大劇場公演「ロミオとジュリエット」。

予想(←出演者が出てないので妄想というべきか)配役がまとまってしまいましたので、こっそり(?)書かせていただきます。
いちおう、ロミオとティボルト以外は役替り無し、という前提で。
(実際には他にもいろいろ役替りされそうですが)


・ロミオ     龍真咲/明日海りお
・ジュリエット  愛希れいか
・ティボルト   龍真咲/明日海りお

ここまでは決定。

・大公 星条海斗
・乳母 琴音和葉
・死  越乃リュウ
・愛  憧花ゆりの(または千海華蘭)

個人的目玉は、もちろんナホちゃんの「死」です。
としちゃんの「死」も観たいけどー、やっぱりここは組長に譲るべきかと(^ ^)。
で、ナホちゃんの「死」に相対するとなると、「愛」はこの二人のどちらかかな、と思いました。

っていうか、月でロミジュリやるなら、「愛」はちゃぴで決定と思っていたのになあ……。

マギーの大公は、期待を込めて。

琴音さんの乳母は絶対良いと思うんですよね。
みくちゃん(キャピュレット夫人)と逆でもいいかも?と思いつつ。

・マキューシオ    美弥るりか
・ベンヴォーリオ   宇月颯
・キャピュレット卿  光月るう(一樹千尋)
・キャピュレット夫人 花陽みら
・モンタギュー卿   華央あみり
・モンタギュー夫人  妃鳳こころ
・ロレンス神父    響れおな(英真なおき)

月組は上級生に歌える人が少ないので、結構難しかったです(T T)。
むしろ、新公のほうが楽しみかも。

・パリス  紫門ゆりや
・ピーター 綾月せり
・使者   煌月爽矢か珠城りょう

パリスは出番が少ないのですが、ゆりやんならバイトできますよね?雪組のひろみちゃんはバイト無しだったけど、星組のみっきぃさんはキャピュレットの男で(それ以外でも)踊ってたし。
あの作品の見所は両家のダンスなのですし、ゆりやんは踊れるので、ぜひ出してあげてほしいです。

使者は、たまきちの方が似合うかな?ゆうきだと、ちゃんとロミオを見つけてしまいそうな気がする(←どうゆう意味ですか)

雪組でキングとあゆちゃんがやっていた「恋人」役は、鳳月杏ちゃんと咲希あかねちゃんとか、そのあたりでどうでしょうか。両家のダンサーを兼ねるから、ダンサーにふってほしい気がします。


現時点では、そんなところでしょうか。


……あっ!あーさまの役がないいいい(T T)


.

宙組中日劇場公演もあとわずか。
さびしいです。もっと観たかったなあ。どうせなら本公演で再演してほしかった。 テルくんのフレデリックは嵌り役になると思うのですが、いかがでしょうか。

お芝居だけじゃなくてショーもすごく良いのでその話もしたいのですが、ぜんぜん辿りつけそうにありません。
せめて芝居だけでも一通り書きたいことは書いておきたいなあ……。



とにかく、これだけ脚本が良く出来ていたら、みんな楽しくて仕方ないんだろうなあ、というのを、観るたびにしみじみと思います(^ ^)。
下級生に至るまで役も多いし、やりがいがあるんでしょうね、きっと。

決して長い公演ではありませんが、毎回新しい発見があって、一人ひとりが本当にあの時代を生きているのがわかります。「時代の空気」ってやっぱり大事ですね。それがしっかりしたフレームとなって世界を囲んでいるからこそ、みんながどんな冒険をしても作品世界が壊れない。
もちろん、主演コンビを中心とするメインキャストにブレがないことも大きいですが、それ以上に「脚本」に何が描かれているか、どうすればそれを観客に伝えられるかを一人ひとりが自分の課題としてとらえ、全員が同じ方向を向いて芝居に取り組んでいるのが印象的でした。

突っ込みどころ満載な脚本を役者の気力でねじ伏せた公演も楽しいのですが、東京で「復活」、名古屋で「仮面のロマネスク」、そして大劇場では「エドワード8世」と作者が自分の存在を賭けてつくった力作が3つ並んだ今のタカラヅカは、ファンになって良かったなあ、と思わせてくれるような気がします(^ ^)。



それでは、公演について。


先日の日記で弟一部について書いたのですが、先日観てあらためて気づいたことがあるので、ちょっと補足します。

「貴族の女」の、夢涼りあんちゃんのお芝居について。

2月の前半に観た時は、普通にさんざめく女性客の一人だったはずのりあんちゃん。
先日観たら、最初の舞踏会からジェルクールの女として参加していました(@ @)。

ジェルクール(悠未)と踊っていたセシル(すみれ乃)が母親の許へ戻った後はべったりとジェルクールに貼りついて、彼が「国境で小競り合いが」とか「プロイセンまで」とか言うたびに心配そうな顔をしてみたり。
婚約者にだけ挨拶をして退出しようとする彼を恨めしげに見送り、扇を出して振り向きざまにセシルを睨んでみたり。
いやー、いつからあんな熾烈な女の戦いをしていたのでしょうか!!

睨まれたセシルも「私だって望んでいるわけじゃありませんわ」みたいな、ちょっと困ったような顔をしていたのが面白かったです。

そんなりあんちゃんが、第二場ではセシルの「修道院で机を並べた友人」ソフィとして登場するのが面白くてなりません(^ ^)。粋な配役だわー!



宴のあとの二人(ジャンピエールとフランソワーズ)の会話を締めくくる一言。
「うまくいったらご褒美をあげる……」
このわたし、と告げるフランソワーズの、謎めいたアルカイック・スマイル。

直観的に彼女の「嘘」を感じながら、おざなりな挨拶のキスで誤魔化す男。
……初演の花総さんは「25歳」と言っていたそうですが、今回の宙組公演は、やっぱりフランソワーズの方が少し上に見えるような気がします……。


すみ花ちゃんの仮面の微笑みをのこして暗転、すぐに上手袖から、秋音・美桜の下級生コンビがきゃっきゃうふふしながら登場。
二人を追うように登場する、若きフレデリック・ダンスニー(北翔)。
朝まだきの散歩道。テュイルリー公園。

「セシルが通るかと思って……」というフレデリックの台詞を聞くたびに、「レ・ミゼラブル」のマリウスを思い出します。ああいう役なんですよね、本来は。2枚目で、優しくて、愛されキャラで、、、でもちょっと流されやすい(←そこはマリウスとは違うかも)
そう思うと、もうちょっと普通に「二枚目の若者」な役づくりで良いんじゃないの?と思うんですよね。轟さんの役づくりに囚われる必要もないし。……みっちゃん、どうしてあんなに卑屈なキャラクターにしちゃったのかなあ。「男爵」は確かに貴族社会の中では身分的に低いかもしれないけど、物語の展開として、仮にもフランソワーズが(ジャンピエールへのあてつけにしても)選ぶ男ではあるのだから、もうちょっと「愚かだけど純粋」であってほしい!のですが。

で、下手奥から登場するジェルクールとその取り巻き(美月、春瀬)。
春瀬くんはまるっきりのボンボンでまだまだ道は遠いな、って感じですね。金髪がよく似合って目を惹く美形なのに、「ど、どんな人妻も!」とおどおど言ってしまうあたりにリアリティがあって、毎回笑ってしまいます。
美月くんの方がだいぶスレていて、将軍の域に達するにはあと少し、という感じですよね。台詞の声が良いのは博多から印象的でしたが、歌も巧いんだなあ。スタイルも良いし踊れるし、今の宙組若手で一番もったい人だと個人的には思っています。

それにしても、ともちんって凄いわあ。中年男の嫌らしさとずる賢さ、そして、単純すぎる「ブロンド信仰」。あんな嫌な男(おっさん)を、あんなに恰好よく見せちゃうなんて!!軍服もお髭も似合いすぎです。あんな言動にも関わらず、「将軍」として信頼を寄せるに足るオーラがあるところがすごい。すごいっていうか、ずるい。

ところで。ジェルクールのブロンド信仰は、そうでない女(メルトゥイユ夫人やトゥールベル夫人を含む)は貞淑ではない、というイメージを観客に植え付けようとしている、という解釈は正しいのでしょうか……?

彼らが立ち去ったあとに登場するセシルとソフィ。ここでのりあんちゃんはセシルの忠実なお友達。明るい色のドレスが似合ってて可愛いです。「シャングリラ」で美雨の子供時代をやっていたころはあまりツボに来なかったけど、最近面白い芝居をするようになったような気がします。何か目覚めたのかな(*^ ^*)。

ただ、この場面のフレデリックとセシルの会話は、もう少しぎこちなくても良いのでは、と思うんですよね。セシルが「浮世離れした」清らかな娘というより、もう少し積極的な、ちょっと前の女子高生みたいにみえてしまいます。

「お母様がいらっしゃるわ!」というソフィの台詞に、手を取り合って駆け出すフレデリックとセシル。
下手袖から登場するブランシャール夫人(梨花)とフランソワーズ。
「年頃の娘がいると心配で……」と愚痴ブランシャール夫人。みとさん独特の、完璧かつクールな「貴族の母親」像がセシルをたわめているのがよくわかる場面。セシルはいないのに、台詞だけで人を追い詰められるみとさんはすごいなあと思う。そして、穏やかに微笑みながら油を撒いているすみ花ちゃんも、すごい。海千山千のブランシャール夫人をして「あなたは世間知らずなんだから」と言わしめたフランソワーズの仮面の重さに目眩がします。
さくらんぼいろの唇の上で、美しく凍りついた微笑み。どんな熱にも溶かされることのない、氷の微笑。

舞台奥から登場する若者たち(澄輝&彩花、愛月&真みや、七生&舞花、秋音&美桜)。郊外へのピクニック(?)にフランソワーズを誘うのは良いんですが……君たち、女の子放置していいのかい?
(娘たちも気にしていないように見えます。……なんなんだいったい)

「テュイルリーの木陰 ミモザの花盛り……」
澄んだ歌声の中で、暗転。舞台はロワールのローズモンド夫人邸へ。



最初は邸の庭で、ヴァルモンの側仕えのアゾラン(凪七)と、トゥールベル夫人の小間使いジュリー(瀬音)の逢引。
今回のカチャ、良いです!ちゃらんぽらんで、いかにもワルっぽいのに、憎めない。まさに「ヤンチャ」って感じで可愛いんですよね。
今まで観たカチャの中で、もしかしたら一番好きかもしれません。意外な一面でした。


ジュリーが視たものを語る、というスタンスで始まる濡れ場(←違う)
部屋のドアをあけて出てくるマリアンヌ(藤咲)とジャンピエール。

……猫はえりちゃんが大好きなので、嬉しすぎて浮かれきった感想を書くのは差し控えることにします(^ ^)。
ただ、えりちゃんファンとして、えりちゃんが切望していた役をやらせてもらえたことを嬉しいと思う気持ち以上に、主演者のファンとして、トゥールベルがえりちゃんだったことが嬉しいです。

恋を知らぬまま、優しい年上の法院長(寿)に嫁いだマリアンヌは、本当に修道院とトゥールベル邸しか知らないのかもしれません。
夫は「夫」であって、「男」ではない。そういう意味では、「男を知らない人妻」として生きてきたマリアンヌ。たぶん、本当に若くて世間知らずなんでしょうね。
えりちゃんの涼やかな声で繰り返される拒絶の言葉、、、そして、最後の「わたくしのあやまりでございました…」という独白。
あああ、柴田さん本当に本当にありがとうございます。絶対配役決めたの柴田さんだよね!嬉しいなあ幸せだなあ可愛いなあ(惚)。


マリアンヌが私室に逃げ込んだところで、ルブラン神父(風羽)を連れて帰ってくるローズモンド夫人(美穂)。
ジャンピエールの叔母(伯母?)に当たる彼女を、甥は「おばさん」と呼ぶんですが、、、どーして「おばうえ」じゃないんだろう!?何か意味があるのかな。特に意味がないなら、ここだけは変更してほしかった。

そして、美穂さんの「年上の麗人」っぷりにワクワクします。この方がジャンピエールの最初のお相手かしら、なんてこともまで想像したくなってしまう、しっとりとした落ち着きと美しさ(*^ ^*)。
雪組時代の美穂さんは、どちらかというと先生っぽい感じで、あまり色事には向かない印象があったのですが、専科に異動されてから変ったなあ、と思います。
月組の次回公演に出演して、キャピュレット夫人か乳母を演じるとか、ありそうかも?





この調子で書いていたら絶対に終わらなそうなので、ちょっとだけショーのことも書かせてください。……単なるメモですが(すみません)

・プロローグ。すみ花ちゃんが歌う場面のカップルは、センターが北翔×すみれ乃、その回りに寿×花露、悠未×大海、十輝×純矢、凪七×結乃、七海×藤咲。

・ヴァンピーロの前に祐飛さんに絡む女性は、瀬音⇒純矢⇒大海⇒藤咲

・ヴァンピーロ(北翔)の場面のちわわポジ(=博多の桜子ポジ)は、結乃かなりちゃん!!いやー、ゆいちゃんのダンスは伸びやかで本当にいいです!「ナイスガイ」の群舞での立ち位置といい、藤井さんは本当にゆいちゃん(のダンス?)を気に入っているんでしょうね。
ゆいちゃんの隣でスタートする舞花くるみちゃんも好きなので、この場面のダンスをもう一度観られて嬉しかったです。博多の頃よりダンスもシャープになって、ホントにカッコいい(^ ^)。

・中詰め後のDream Girls(梨花・美穂・鈴奈)が大好き!いいなあ、ああいう場面本当に好きです(*^ ^*)

・ジャングル。ともちんが登場するたびに、毎回懲りずに驚いてしまいます。……だって、ついさっきまでお花ちゃんだったのに!!

・6匹の女豹たちがホントに素敵。みんな良いけど、個人的には夢莉みこちゃんが物凄く弾けていたのが嬉しかったです。ちょっと寂しげな美貌で、一瞬えりちゃんと見間違えることもあるくらいなのに!

・戦場のラスト。祐飛さんの倒れるタイミングが、博多より少し遅くなった気がするのですが、気のせいでしょうか?セリが下がり始める前にみっちゃんが歌いだすタイミングになったような。……別に良いんですが、拍手がいれづらくなったなぁと毎回思います。

・ラグリマ途中でのしのちゃん×ちわわリフトは、公演の前半はみっちゃんとえっちゃんだったけど、後半はともちんがやってました。みっちゃんどうかしたのかな?

・ロケット。滅多に観れないあっきーの美脚にうっとりと見惚れつつ、えなちゃん(月映)の後ろ姿にきゅんきゅんしてます。ゆいちゃんがロケットにいないのがさびしい……。

・紫の衣装の女役さんたちが祐飛さんと絡む順番は、純矢⇒花露⇒藤咲⇒結乃⇒大海。えりちゃんが可愛いいいいい(壊)。


……最後はお約束どおり壊れて終わります(^ ^)。



【7月1日まで、あと130日】
東京宝塚劇場花組新人公演「復活」を観劇いたしました。


新人公演演出は児玉明子さんでしたが、特に意識して「演出」として本公演を変えていた部分は無かったような気がします。ただ、役者が違うので完全に別物でしたけどね!


いやー、真由ちゃん(鳳)の芝居は、本当に刺激的。蘭トムさんとは全然違うドミトリーになることは予想していたのですが、、、いやあ、そう来るのか、と(@ @)。
蘭トムさんを突き動かすのが「熱」であり「恋」であるなら、真由ちゃんを突き動かすのは「義務」と「愛」なんだな、と。

からっと明るい、確信に満ちた蘭トムさんのドミトリーと、しっとりと湿った闇の中を、どうしたらいいのか分からずにもがいている真由ちゃんのドミトリー。全く同じ脚本なのに、全く違う人物と違う物語が立ちあがるのが本当に面白いです。真由ちゃんの新公は毎回そうでしたけど、今回は特にそれを感じました。
新人公演を卒業して、これからどんな役を演じてくれるのか、楽しみでなりません(^ ^)。



みりおん(実咲)は、堅実な芝居をする人だな、とあらためて思いました。
「カナリア」のアジャーニは随分と弾けていたので、もうだいたい殻は割れたかな?と思ったのですが、、、
良くも悪くも、みりおんはあくまでも「娘役」なんですね。で、「娘役」という枠に縛られた状態でカチューシャという難役を演じるのは難しいと思うのです。
蘭ちゃんは天然の「蘭ちゃん」で演じているから、清純な乙女と落ちぶれた娼婦がちゃんと一人の人物に見えるのですが、みりおんは、真面目に二つの状況の演じ分けに取り組んで、結果として「二役を演じている」ように見える瞬間があったような気がします。とはいえ、その二つの貌が同じ女の2面であることはわかるんですけどね。……ファナーリンの芝居との相性もあって、その2つが重なる「愛想づかし」の印象が弱かったのが残念です。

それにしても!
サブリナの時も思いましたが、蘭ちゃんのキュートな魅力、抗いがたく惹きつけられる可愛らしさ、というのは、理屈じゃないんですね……。
クリスティーヌとアジャーニをあんなに魅力的に演じることができたみりおん。歌も芝居もダンスもしっかりとこなせる実力派だと思うので、次の作品でも、みりおんらしい魅力を発揮してくれることを楽しみにしています。



そして、蘭ちゃんとは全く意味が違いますが、独自の「天与の笑顔」でミッシィという難役を魅力的にみせたべーちゃん(桜咲彩花)。最初の婚約披露の場面での、ぱぁっと辺りを照らすような明るい笑顔が印象的でした。
本公演では、あの役割を蘭トムさんが担っていたんだなあ、と気づいたりして。

「私と結婚すれば幸せになれるのに、あえて不幸へ踏み込んでいく男」を、憐れむことなく「一緒に悩みたかった」と嘆く少女。新人公演のミッシィはまだ子供なんですよね。それこそ「恋は人生のデザート」だと思っていて、男を「守ってあげたい」と思っている少女。芯の強い明るさと、根拠のない確信。
ミッシィは、物語が終わった後、どうするのかな、と思います。今より少し大人になった彼女が、他の男にその愛情を捧げている姿も浮かぶけど、、、今度こそ、カチューシャに振られて20世紀の扉を開けたドミトリーを「一緒に考えましょう、どう生きるのかを」と言いながら迎えに行ってあげてほしいような気がします。真由ちゃんのドミトリーには、力強く背中を叩いて「気にしない気にしない!」と言ってくれるべーちゃんが必要なんですよ!!(←ちょっとCSに毒されすぎですよ)



大河凜ちゃんのシェンボックも、柚香光さんのシモンソンもとても良かったし、他の役もどれも良かったです。
物語として、とても面白い新人公演でした!

詳しいことはまた後ほど語らせていただくとして。
でも、一つだけ。今日が最後の新人公演となった、真瀬はるかさんについて書かせてください。
(今日が最後の新公になったのは、真瀬くんだけじゃなくて、姫花ちゃんもそうだし91期は全員そうなんですけど、、、ここはご容赦くださいませ)(91期のみなさま、新公ご卒業おめでとうございます)


本役はマルチェンコ(本役:煌雅あさひ)。裁判の幕開きでソロを歌う、進行役の彼です。
真瀬くんが歌手であることはよく知っているつもりでしたが、あの短いソロでも心を掴めるのがすごいなあ、と感心しました。
ただ、スポットが入った瞬間、「ちっさ!」と思ったことは内緒です(^ ^;ゞ


でも。私が今回一番泣けたのは、そっちじゃなかったんですよね。
物語終盤、シベリアへ送られる兵士たちの客席登場。上手通路の先頭であるいてきた真瀬くんの声が、客席にがんがんに響いていました。歌いながら、客席を見向きもせずに(当然)、銀橋に上がって上手花道にはけていく真瀬くんを見ながら、いきなり涙が止まらなくなったのでした。
どちらかといえば涙もろいタイプではありますが、どうしてそこで泣いたのかよくわかりません。
なんだか突然、「あと少しなんだ……」って思ったら、もう駄目でした(T T)。本当に、その瞬間まで泣く気なんてなかったんですけど!!まさか、物語とは関係のないところで泣くとは思いませんでした……(汗)。

相変わらず隅から隅まで(マルチェンコ以外は)小芝居しまくりで、1回しか観られないんだから勘弁してくれ!の嵐でしたが、、、、まあ、楽しそうだったので良かったと思います。
本公演でも兵士なんだから、新公では囚人にならないかなあ……と思っていたのですが。うーん残念。



そして。最後の挨拶の真由ちゃん。
91期花組首席の真由ちゃんしか前に出ないご挨拶。
前半は滑らかに挨拶していて、おお、さすがの真由ちゃんも最後の挨拶はしっかり締めるか!?と私が思った、その瞬間。
聞えてきた言葉は、「~この、かけごえのない新人公演、……」
「かけがえのない」と言いたかったんだろうな、というのはすぐに分かったのですが、、、反射的にごめんなさい!どこで掛け声かければよかったんですか!?と訊きたかったのは私だけじゃあるまい。

んで。
真面目に挨拶する真由ちゃんをじぃっと視ていた真瀬くんが、一瞬倒れそうになっていたのが、とても可愛かったです(*^ ^*)


……真由ちゃん、大好きです(はぁと)(←そっち!?)



【7月1日まで、あと129日】
宙組中日劇場公演「仮面のロマネスク/アパショナード2」、千秋楽おめでとうございます\(o^∀^o)/



いやあ、楽しい1ヶ月でした。
もともと名作だったものを、舞台の上でどんどん進化させていった宙組っ子たちに、乾杯(はぁと)。



今日を最後に星組へ組替えするまさこちゃんには、こころからのエールと、「星組へようこそ!」という気持ちを伝えたいです。
あの暑い博多から一緒にやってきた、素敵な仲間が次の大劇場にいないのは寂しいですが、星組でのご活躍をたのしみにしています。




千秋楽の公演は、涙あり笑顔あり、アドリブありの熱い舞台。舞台もアツイけど、客席はもっとアツイ!という感じでした。
ラグリマの階段に立つ大空祐飛の泣き笑い、忘れません。




今日はラインナップの発表もあったりしたのですが、その話は帰京後にさせていただくことにして、今日のところは千秋楽のお祝いだけにさせていただきます。

祐飛さん、すみ花ちゃん、それからみんな、本当にお疲れさまでした!
明日からの短い休暇、ゆっくり休んで、次に備えてくださいね。



柴田先生、植田景子先生、藤井大介せんせい、、、そして、関わってくださったすべてのスタッフのみなさま。
素晴らしい幸せな時間を、本当にありがとうございましたm(_ _)m。




最近すっかり小出しになった、宝塚のラインナップ発表。
昨日は久しぶりにまとめて出たような気がしていたのですが、大劇場公演は一つだけだった(^ ^)。


■花組大劇場公演(蘭寿とむ、蘭乃はな)

ミュージカル・ファンタジー
『サン=テグジュペリ』
-「星の王子さま」になった操縦士(パイロット)-
作・演出/谷正純

ラテン・パッショネイト
『CONGA(コンガ)!!』
作・演出/藤井大介

私は音楽座が大好きで、その名作「星の王子さま」は初見から大号泣して、音楽座解散後も上演されるたびに散々通った人間なのですが。
あれにも飛行士をアントワーヌに見立てて「ばら」と対話する、切ない場面がありましたが……
谷さんがいったいどこからそのネタを!!

いや観にいきますよ。行きますけど!!
アントワーヌが「星の王子さま」になった、と言われるとすっごい違和感がある。
だいいち、「ばら」のモデルであるコンスエロとの間は決して円満ではなかったし……そのあたりの微妙な愛憎を描くのは、谷さんには向かないテーマだと思うんだけど、大丈夫かなあ(T T)。

アントワーヌ自身が物凄くドラマティックな人生を歩んだ人なので、下手に「星の王子さま」を絡めずに正面からアントワーヌを描いた方が、宝塚歌劇らしく面白くなると思うんですよね……。
宮沢賢治とジョヴァンニを交互に描いてみせた「イーハトーヴ・夢」みたいな構想を抱いていなことを祈ります。(あれは、藤井さんだから成功した稀有な例だし、宝塚っぽくはなかった)。

「星の王子さま」より、むしろ「夜間飛行」とかをベースにしたほうがいいんだけど、そのあたりは知名度の問題があるからしかたないかな……うーん、でも、コンスエロを王子さまに見立てるのはやめてね!違うから!!
蘭ちゃんの王子さまは観たいけど!!

あまり関係ありませんが、箱根に「星の王子さまミュージアム」があります。
http://www.tbs.co.jp/l-prince/
テーマパークっぽいつくりであまり「ミュージアム」という感じではありませんが、アントワーヌの生涯を紹介するパネル展示とかがあって、結構面白かったです。
……もう何年も昔に一回行ったきりなので、変っていたらすみません。

ショーは、藤井さんのラテンショー。黒塗り……かな?
真飛さん時代に続けざまに藤井さんにあたった花組だから、しばらくはないかと思っていたのですが、来ましたね。さすがショースター(^ ^)。ここ数年当たり続きの藤井さん。蘭寿とむというショースターを迎えて、また素敵なショーを創ってくださいますように。



■雪組梅田芸術劇場・博多座公演(音月桂・舞羽美海)

ミュージカル
『フットルース』
潤色・演出/小柳奈穂子

去年「ハウトゥサクシード」を引っ提げていった雪組が連続して担当する梅芸。今年はどうするのかな?と思っていたら、予想もしていなかった作品が出てきましたね。
私は観たことはないのですが、音楽は良いし、どうせ映像は放映されないでしょうから、行けたら行きたいなーと思ってはいます。小柳さんだしね!
……7月以降のことなので、どうなるかわかりませんが。



■雪組バウ・青年館公演(早霧せいな)

バウ・ミュージカル・プレイ
『双曲線上のカルテ』
~渡辺淳一作「無影燈」より~
脚本・演出/石田昌也

わー、「無影燈」やるんだ!しかも石田さんで!?
あまり内容覚えてないけど、どういう切り口でまとめるんだろう。しかもチギちゃん×石田さんといえば「殉情」以来な気がする。楽しみ!!



■星組全国ツアー(柚希礼音、夢咲ねね)

ミュージカル・ロマン
『琥珀色の雨にぬれて』
作/柴田侑宏  演出/正塚晴彦

ショー・グルーヴ
『Celebrity』
-セレブリティ-
作・演出/稲葉太地

「琥珀…」は、私は初演は観てなくて、チャーリーさんの再演(大劇場)と東宝の代役公演、そして春野さんの全国ツアー……を観てる、はず。
わー、なんか想像できないなあ。特にねねちゃんのシャロンって想像の外。むしろフランソワーズで観てみたかったけど、新しいねねちゃんに出会えそうで楽しみでもあります。
花男&花娘ここにあり!的なイメージが強いので、星男・星娘さんたちにも頑張ってほしいです。
観にいけますように!



■星組バウ・青年館公演(紅ゆずる)

Musical
『ジャン・ルイ・ファージョン -王妃の調香師-』
作・演出/植田景子

バウ6000円なんだー(@ @)。ってことはDVD出るのかな。おめでとうございます!(私信)

スーツ物の全国ツアー、華やかなコスチューム物のバウ。星組さんは毎回バランスがとれていて良いですね。ヒロインはマリー・アントワネットになるのかな……?華麗な王宮浪漫。「仮面のロマネスク」とは若干時代が違いますけど、ちょうど中日でやったばかりだから、それが生きていたら嬉しいな。
それにしても、今年は景子さん忙しいなあ。2月の中日(演出)、5月のバウ、9月のバウ……ってことは、大劇場の担当はないのかしら。忙しいからって手を抜ける人ではないと思うので、体調を崩したりしないよう気をつけつつ、良い作品にしてあげてください(^ ^)。



■明日海りおディナーショー

『Z-LIVE』
構成・演出/齋藤吉正
出演者/明日海りお、紫門ゆりや、鳳月 杏、花陽みら、晴音アキ

一年前の「STUDIO54」のスピンオフですか………!!
齋藤くん、やってくれたな。っていうか、やらかすなこれは。
行く。行きます。こういうのって電話すればチケット取れるの?どうせならナホちゃんが観る日に観たいよ~!(←違)



【7月1日まで、あと127日】
野々すみ花さま、お誕生日おめでとうございます\(^o^)/


2月27日といえば、3年前の忘れられない日。
(PC) http://80646.diarynote.jp/?day=20090227
(mo) http://80646.diarynote.jp/m/?day=20090227


あのときに書いた夢(もしかしたら、柴田さんや大野さんが、宛書のお芝居を書いてくれるかもしれない!)は、叶わなかったけれども。


でも、幸せな3年でした。
3年がすぎた今なら、言えます。


やっぱり、宝塚はひとつだったよ、と。



一年前の日記を、今読むと結構笑えます(^ ^)。
(PC) http://80646.diarynote.jp/?day=20110227
(mo) http://80646.diarynote.jp/m/?day=20110227


……はい、今も変わらず舞台に通ってます。
っていうか、2月ひとつきで遠征4回という新記録を樹立しましたけど、なにか。
(似たような期間で5回遠征した人はたくさんいるはず!)



まあ、いろいろなことがあった一年でした、、、ってことですね。



今度こそ、来年はどうしているんだろうなあ、と思う今日この頃。
………たぶん、相変わらず舞台に通っているんでしょうよ、どうせ私だもん(諦)。



【7月1日まで、あと125日】
花組新人公演「復活」について、つづき。


ここからは、印象に残った順に書いてみたいと思います。
っていうか、そういえばまだ本公演を書いてないんですね私。すみません……。


■大河凜(シェンボック/壮一帆)
本公演の、「からっと明るい、確信に満ちた蘭トムさんのドミトリー」に対峙する壮ちゃんのシェンボックは、表向きのやんちゃな不良学生の一面と、表層的でない、地に足のついた観察眼によって得られる知識を蓄えた賢者の一面を併せ持った優しいひとですが。
「湿った闇の中を、どうしたらいいのか分からずにもがいている真由ちゃんのドミトリー」と肩を並べたがりんちゃんのシェンボックは、ひょうひょうと人生を生きる自由人、という印象でした。
真由ちゃんのドミトリーに正面から対峙する存在ではなく、その隣で軽やかに生きている、という感じ。こちらも本役さんとは全然違っていて、個性的で面白い役づくりだったと思います。

ただ、その分、ドミトリーの孤独を強調する存在になっていて、彼に対する影響力はちょっと弱まっていたような気もしました。(本公演のドミトリーは、シェンボックの存在にかなり救われていると思う)
シェンボックという役は、原作から膨らませる過程でかなり大幅に石田さんの思想を反映した存在になっていただけに、石田さんと児玉さんの演出の違いが鮮明に出たのかな……?とも思いましたが、、、どうなんでしょうか。



■仙名彩世(アニエス/月野姫花)
率直に書きますが、がりんちゃんのシェンボックに対するには、仙名さんのアニエスはちょっと強すぎた…ような気がしました。
仙名さんが悪かったのではなく、組み合わせが悪すぎたと思います。
組む相手が壮ちゃんのシェンボックならあのくらいアニエスが強くても良いと思うのですが、がりんちゃんの演じる自由人シェンボックが「一緒にパリに行こう!」と思うだけのキュートさがないと、ラストの手紙の説得力が弱いと思うんですよね。
仙名さんは仙名さんなりにキュートなんですが、それよりも「パトロンを捕まえてロシアまで追い掛けてきた」たくましさみたいなものが前に出てしまっていたところが、がりんちゃんの軽やかさと合わなかったんじゃないかな、と。このあたりは、新人公演なんだから演出家が調整して舞台が成立するよう指導するレベルだと思うのですが、、、児玉さんだからなあ……。



■柚香光(シモンソン/愛音羽麗)
「愛のプレリュード」で歌も芝居も一通りこなせるところを見せてくれた下級生。
典型的な二枚目役のシモンソンがこんなにはまるとは思いませんでした。強く印象に残りました。

本役のみわっちは、見た目もふんわりやわらかいタイプだから、「非暴力主義」で「ビラ撒きしてただけなのにストライキを扇動したと勘違いされて」という説明にも納得感があったのですが、柚香くんの鋭角的な美貌や鋭い目つきを視ていると「いや扇動したでしょ」と思ってしまう……(^ ^;ゞという問題は若干ありましたが(汗)。

それにしても、あの「私はさっきカチューシャにプロポーズしました」とドミトリーに告げる場面の確信の深さはすごいなと思う。あの2枚目っぷりからくる自信過剰、という薄っぺらさじゃなくて、ちゃんと「カチューシャを安らがせてあげられるのは自分だ」という確信があるところが良い。
みわっちの、ちょっと気の弱い、公爵さまに遠慮がちな革命家もホントに素敵なんですけどね!!そこは、ドミトリーがカチューシャに対して抱く感情の種類の違いにも影響するので、お芝居の面白いところだな、と思う。
しかも、そのあたりを演出家がコントロールするのではなく、役者たちが勝手に落としどころを見つけて演じているようにしか見えないところもすごいです。



■月野姫花(マリア・パーブロア/花野じゅりあ)
とにかく可愛かった!!でれでれ。いままであんなに、一言喋るたびに気になってしかたがなかった姫花の声(口調)が、この公演に限っては本公演も新人公演も「(魅力の一つとしての)個性的な声」に聞えるのはなぜなでしょうか……すごく謎。
アニエスはともかく、どうしてパーヴロアがあんな舌ったらずな喋り方でいいんだよ!?……いやでも、全然気にならなかったんだよ私は……。
最後の最後に姫花の発音が良くなったのか、それとも、これぞ退団オーラなのか……?永遠の謎になったような気がします。
っていうかさ!こうなっちゃうと、すごく今更だけど新公ヒロインも観たくなっちゃうじゃん!!(涙)。



■水美舞斗(ファナーリン弁護士/華形ひかる)
人道派で有能な弁護士。もちろん悪くなかったし、みつるくんと比べるつもりもありません。ただ、カチューシャのところでもちょっと書いたのですが、
「愛想尽かししたのか!?」
という場面は、カチューシャの2面が交差するポイントを印象付ける台詞でもあるので、もう少し大事にしてほしかったような気がします。演出の違いと言われればそれまでですが。

ファナーリンは、それまでの芝居を切るような登場も多いので、居方の難しい役なんですよね……。決して悪くはなかったと思うので、もう少しパワーの配分を自由にコントロールできるようになったら、もっと良くなるんじゃないかな、と思いました。まだまだ一杯一杯すぎて、すべての場面を全力疾走で演じている感じなのが観ていて疲れる、、、というか、途中ちょっとだれたような気がしたので。
台詞も歌も、技術面のしっかりしている人なので、芝居巧者のみつるくんから学んだモノを次に生かしてくれれば鬼に金棒!次の作品を楽しみにしています。



■真輝いづみ(マトヴェイ検事/鳳真由)
92期の面々に続く、小芝居キングのマキシム。本公演でもダンサーとして小人数口に入ってきたし、芝居でもあちこち使われていて嬉しいのですが、今回の新公では真由ちゃん演じる検事さま。
よく怖さを出していたと思います。追い詰める時の迫力もなかなかでした。
マトヴェイとして登場する場面は少ないので、あとはいろいろアルバイトしていましたが、、、あまりちゃんとチェックしなかったのが悔やまれる(涙)。医療刑務所の患者とか、もっとちゃんと観ればよかったなあー。



■白姫あかり(イワノーヴァナ伯母/京三紗)
率直に言って、今まであまり役者としての評価が(私の中で)高くなかった白姫さん。今回はすごく良かったです!元々ダンサーとして高く評価されている人ですが、ああいう動きの制限された老婦人の役を、とても丁寧に、誠実に演じていたのが嬉しかったです。
「あたしがもっと若かったら…」のくだりも、ちゃんと気持ちが入っていて良かったと思います(^ ^)。
台詞回しは相変わらずなところもありましたが、京さんの、あのなんともいえずコケティッシュで可愛らしい魅力的な老婦人っぷりを、模倣ながらもちゃんと自分のものにして、楽しそうに演じていて、、、、なんだか、良かったなあ、と素直に思えました。



■彩咲めい(クララ/華耀きらり)
この公演を最後に卒業される彩咲さん。今まであまり大きな役がつかなかったけれども、最後にいい役がついて良かったね、と素直に思いました。しっとりとした大人の女性らしい仕草がきれい。
顔もホントに可愛いですよね!……ただ、クララという役にはちょっと可愛らしすぎるかな、という気もしましたが(化粧とか)。



それにしても、本当に女役の良い役が多くて羨ましい……。
石田さん柴田さん大野さんと、女役に良い役の多い三大作家を続けざまに観てしまったので、次に観劇する作品のハードルが上がっちゃいそうです(ドキドキ)(←娘役はね……)。


【7月1日まで、あと123日】