私にしてはめずらしく、ドラマについて。
上川隆也主演のドラマ(TBS系)が放映されている「ステップファザー・ステップ」。

写真(リンク)は、宮部みゆきによる原作本です。
突拍子もない設定と、それに輪をかけて突拍子もないキャラクター。独特なテンポの会話と、簡潔で的確な地の文。
卓越した文章力をもつストーリーテラー・宮部みゆきの、初期の大傑作、だと私は思っています(^ ^)。




上川隆也は好きだけど、あの突拍子もない物語を、いったいぜんたいどうやって実写化するんだろうか……と思っていたのですが。

ふつーに感動的なホームドラマになってますよっ!!?



いやー、誰かとこの感動を分かち合いたくて書いています。
判ってくださったかた、ぜひコメントください!お願いします(涙目)。





原作は絶対にそんな話じゃないんですよ。
ああ、いや、たしかにホームドラマはホームドラマなんですけどね。「家族」がいるところが「家」で、「家」であるためには「家族」が必要である、という逆転の発想が根本にあるのですから。
ただ、原作は、あの子供たちが普通の子じゃないことが前提なんです。
たとえば、第二話に出てきた白骨死体ですが、あれは原作にも出てくるエピソードで……「俺」は、子供たちが両親を殺したんじゃないかと疑うんですよ、本気で。そのくらい、普通の子供たちじゃない。



なのに!

ドラマの子供たち(渋谷龍生&樹生)の、可愛くてけなげで一途なことといったら!!
そして、上川隆也演じる「俺」の、意地っ張りで子供っぽくて可愛くて、なのにハンサムで恰好良いこと!!



……原作本から発案されたドラマであることはわかるけど、あまりにも全然違う世界観で描き出されるホームドラマ。なのに、なぜか根底にあるテーマはちゃんと踏襲されているところが凄いなあ、と思いながら毎週録画して視ています。

脚本は国井桂さん。
ドラマにはとことん疎い私は初めてきいたお名前ですが、翻案としては本当によくできた脚本だと思います(感心)。






「一人しかいない」両親に見捨てられた子供たちと、
家族を持つには精神的に子供すぎる男。
男の家族になってやりたかった大人(伊東四朗)と、
男に家族になってほしかった子供たち、


たったひとつ残された「家」を守るために、泥棒と「ステップファザー契約」まで交わしながら、
「帰ったって誰もいないんだ!」と、新たに家族になったばかりの犬を探して泣きながら夜の森を彷徨う子供たち。
「ごめんなさい、パパ」と泣き続ける子供たちを抱きしめて、「パパじゃねえ」しか言えない、さびしい眼をした男。

役者・上川隆也の吐く「嘘」のリアリティと、子供たちの純粋な直球勝負。いやー、本当に面白いです(*^ ^*)。




原作を知らない方は、あのドラマを視て、どう思われるのでしょうか。
原作の毒を知っているからこそ、それとのギャップが面白いだけなのでしょうか。特徴のない、ふつーのお涙頂戴系ホームドラマ、って感じなのかな……?
全く想像できません(T T)。