宙組新人公演「美しき生涯」について、その3。



◆大谷吉継(春瀬央季/七海ひろき)
せっかく綺麗な人なのに、メインの見せ場で覆面なのは残念……と、本公演と全く同じことを思ってしまいました。そのぶん、北ノ庄とか関ヶ原の武将、あるいは大阪城や長浜城の近習で美形っぷりは十分楽しめるんですけどね(^ ^;ゞ

新人公演の秀吉(松風輝)は、本公演とは全然違っていたのですが。その中でも特に、この場面で見せた、三成に対する悪意、あるいは憎悪のようなものがとても印象的だったのですが。
本公演では、ただ心配そうに三成を見守っている大谷が、新人公演では、思いっきり主従二人から目を逸らしていたのが面白い解釈だなと思いました。

うーん、やっぱり大谷と三成のエピソードは、ちょっとでいいから脚本の中に入れて欲しかったなあ……(涙)。


◆前田玄以(七生眞希/鳳樹いち)
僧侶でありながら信長の嫡男に仕えてその息子(三法師)を預かり、清州会議で秀吉が勝利するきっかけをつくった玄以。長く京都所司代をつとめ、一筋縄ではいかない人物ですが、まあ、この作品の中では単なる「五奉行」という記号なので、経歴を云々しても仕方がない、かな?
台詞もしっかりしているし、所作も存在感も、過不足なく演じていたと思います。ショーでもバザールの少年とか楽しそうに踊っていて、つい観てしまうんですよね(^ ^)。あれと、この僧侶姿、同じ人が演じてるのに、不思議だなあ。


◆長塚正家(実羚淳/愛月ひかる)
「シャングリラ」の雹の子供時代で、ポケッと立っていた実羚くん。ここに来て急に役がついて目立つようになったし、ショーでもすごい良い位置で踊ってますよね。芝居も所作も問題無かったし、下級生には「成長期」があるんだああ、としみじみ……。


◆増田長盛(和希そら/蒼羽りく)
先日も書きましたが、すごい下級生なのに声の良い子だな、と。りっくんも良い声なので、この役は声で選んでいるのか?(いやそんなはずはない)とさえ……
今回あたりから急に出てきたような気がするのですが、次回を楽しみにしています。


◆徳川家康(天玲美音/寿つかさ)
天玲さんの正しい使い方、、、かも、と思いました。牢獄での三成とのやりとりが、なかなか深くて良かったです。素敵♪


◆女童(愛白もあ、夢涼りあん、彩花まり、美桜エリナ)
4人ともよくがんばっていました。お化粧は表情とあわせてもう一工夫、かな。
歌は、ユニゾンはよく揃っていたけど、ハーモニーになるとがくんと崩れるのがなんとかなればなあ。本役の4人はさらっと歌っていますが、、、場数の問題なのでしょうか、やっぱり。


■天輝トニカ(山伏/天羽珠紀、清州の丘の領民、柴田軍の武将/澄輝さやと、関ヶ原前の領民、ラストの商人)

最後に、今公演で卒業してしまうトニカちゃんについて。
いろんな役を演じていましたが、一番大きいのは山伏……ですよね?すごく良かったです!ショーのバザール前の歌もすごく良いんですけど、なんというか、雰囲気のある歌を歌える人ですよね。

本公演でたまちゃんがやっている役とあっきーがやっている役をほぼカバーしていたと思うんですが、どこで出てきてっもすぐに見分けられる美貌もあとわずかかと思うととても残念。ご本人の新しい世界でのお幸せと、妹さんたちのご活躍を祈っています。、



宙組公演「美しき生涯」について、続き。

このあたりから、私的には本題に入った感があります(^ ^)。



■第七場 大阪城(天正16年?)(←初が嫁いだのは天正15年。鶴松が生まれたのが17年)

江も初もそれぞれに嫁ぎ、大阪城に一人残された茶々。
「我が父は猿ではないっ!」と言い捨てた時から数年が過ぎ、「筑前」と呼び捨てていた頃から数えても2年ほどが過ぎて。

「茶々は上様にお願いがございます」

楚々と手をついて、頭を下げる姫君。

誇り高い茶々が、三成が欲しいと秀吉に頼む。気持ちは通じているはずなのに、いくら待っても何も言ってくれない三成への恋心、隠しきれない切ない女心。恋をしているからこそ女はより美しくなり、その美しさが権力者の所有欲を刺激する。

このとき茶々は満19歳。数えで20歳、そろそろ「薹がたった」と言われる年頃?
このまま放っておかれては、尼にでもなるしかない。そう思って、精一杯の勇気を出して、「猿」と蔑んできた男に頭を下げる。
三成を、愛しているから。

「三成には許嫁がおります。……宇多頼忠の娘、あやと申す者…」

前場で三成本人に問うたときには、許嫁などいないと言っていたのに。
そう思うそばから、三成の言葉が耳に蘇る。

「上様からご命があった場合には…」

どこか自信無さげな、あやふやな口調。それでも、嘘がつけない三成が言っていたことだから、たぶん、そういうことなのだろう、と、茶々にはわかる。
それ以上のことは、わからないにしても。

「姫様はもっと巨きな男をお望みなさいませ」

猫なで声で囁きながら、秀吉が茶々の手に触れる。
嫌そうに顔をそむけながら、それでも手を振り払うことのできない茶々にスポットが残って、暗転。



ふすまが一枚動いただけで、別室で秀吉と三成の会話が始まる。
この作品最大の見せ場の一つ!

いやはや。この場面は、一挙手一投足どころか、三成が身じろぐたびに揺れる髪の先の動きまで、なにもかも完璧だ!と叫びたくなるほど大好きです!!
って、あはははは。



……あまりにも萌え萌えすぎて止まらないので、ちょっと割愛させていただきます(^ ^)。



「愛と忠義 どちらを選べばいいのか……!!」

呻く三成。
懊悩する三成を囲んで、心配そうに見守る女童たち。

「名もなき少年 拾い上げ育ててくれた」
「今では立派なもののふ」
「上様への恩義、三成さまは忘れまじ」
「忘れまじ……」

繰り返される無邪気なコーラス。
邪気の無いのが一番おそろしい、と思ったりします。4人ともめっちゃ可愛いんですけど、ね!



■第八場 大阪城

隠し部屋(物置)で逢引している疾風とさぎり。
……逢引というか、さぎりを誘い込んだという意識なんでしょうか。疾風的には。

三成と茶々を監視する寧々の「耳」を、その場に留めようとする疾風。
「茶々を護る」という疾風の意志と、そんな疾風を愛してしまった さぎりの気持ち。

「今夜、お前に動かれては困るのだ…」

うすうす疾風の気持ちに気付いていながら、進んでその手に囚われようとする女。
さぎりの本心に気付いていながら、見ないふりで茶々を護ろうとする疾風。

新人公演の疾風は、護りたいのが茶々なのか三成なのか途中からわからなくなっていたような気がしますが、本公演の疾風は、すべての関心があくまでも茶々に向いていたと思います。

考えれば考えるほど、根本的に設定の違う演出になっていたんですねえ……(しみじみ納得)。



同じ頃、茶々の部屋での三成と茶々。
いやー、ここに至る一連の場面の流れは素晴らしい!と、観るたびに感心しています。

愛する女を犠牲に捧げて社会的正義(「民の平安」)を実現しようとする三成と、彼の理想を受け容れて、共に生きようと決意する女。
「きれいごと」と片づけられがちなテーマだと思うんですが、二人の芝居が、ちゃんと「人間としての実感」を伴って伝わってくるところが、とても好きです。

思想的な背景は、かなりキリスト教的なものに近いと思うんですよね。
愛する女=一番大切なものを犠牲に捧げて、社会的正義(「民の平安」)を実現しようとする三成。これってあんまり日本の思想風土には無い考え方だと思うんですよ。毎夜の祈りの時間に、一番大切なもの(クリスチャンであればイエス・キリスト)を心の祭壇に捧げて、自分の心の平安を祈るのがキリスト教の本質であるとするならば、それにかなり近い思想だと思うのです。

愛する女だからこそ、心から大切に思っているものだからこそ、躊躇なく犠牲に捧げる。神に命じられて息子を捧げようとするアブラハムのように。
でも、その捧げものに価値があるから、神が望みを叶えてくれる、、、っていうのとはちょっと違うんですよね。自分が大切に思うものだからこそ、それを神にお返しする、それだけです。お返しすることによって、代わりに得られるのは、神の守護。利益そのものじゃないんですよね。「神が自分を見ていてくださる」という確信。あるいは、「神が見ているのだから、自分は間違っていない(間違うはずがない)」という確信。

「自分は間違っていない」という確信を得たときに、人は思いもよらない力を発揮します。とくに、それが社会的正義(と自分が信じるもの)の実現に向いた時のパワーは、十字軍にせよイエズス会による宣教活動にせよ、半端ないものがあります。勘違いでも何でも、それこそが西洋社会の発展を支えた原動力であり、近代文明への扉を開くきっかけでもあったのですから。


三成がキリシタンであったという事実はありませんが、この時代、経済に関係のする人間なら誰だって宣教師とはある程度の交流があったはずで、こういう思想が出てきても違和感はないんですよね。考え方自体は、宗教とは無関係な人間の心理として、ありな考え方だと思うし。
ただ、脚本的に直接表現が全くないので、どうなんだろう?とは思いますが。大石さんが三成をキリシタンだと解釈しているとも思えないし。どういう思想的背景をもってここの場面を描いたのか?というのは、是非とも聞いてみたいポイントではありますが。


ま、でも。
いずれにしても、茶々は三成の懇請を受け容れ、秀吉の側室となることを肯います。
それと引き換えに彼女が望むのは、初恋の男との一夜。

「ただ一度、義を棄てて、愛に生きておくれ……」

女には、思想もへったくれもない。
ただ、絶対に自分からは求めてくれない恋しい男が欲しい一心で、願いを口にしてしまう。
彼を苦しめてしまうことは判っている。でも、自分だって苦しい。だから、愛していると言っておくれ。たとえ一夜の夢であっても、夢を見せて慰めておくれ。

こんなことでもなければ、三成は決して行動してはくれなかったでしょう。
だから。もしかしたら、茶々にとっても渡りに船だったのかもしれません。だってほら、三成がこの躯を抱きしめてくれる。

今この時だけは、この男は妾のもの。
明日はまた関白のものになってしまうとしても、今夜だけは。



愛する女の「一生に一度の願い」を、三成は断れない。
だから、すべての罪を自分で背負っていこうとする。

柴田攻めの時などには結構謀略的なことも担当していたはずの三成が、夜討ちもできないほど莫迦正直な「義」一本の男になってしまったのは、この、たった一夜に棄ててしまった「義」を拾い集めるためだったんじゃないか?と思っています。
彼なりに、主君を裏切ってしまったことを償おうとして、戦国の世を生き抜いた武将としてはあり得ないほど、杓子定規に「義に生きる」男になりきろうとしたのではないか、と。

……ただ一度の過ちを、覆い隠すために。




宙組公演「美しき生涯」について。
もうすぐ千秋楽なのでちょっと焦りつつ(^ ^;



■第八場B 愛と義の狭間

前場で茶々と三成が抱き合ったところから始まる、「悪夢」の時間。
暗転後のスポットを浴びて、山伏(天羽/代役は風莉)の朗々たるソロ。
「愛と忠義 どちらを選べばいいのか」
繰り返されるフレーズが悲しく耳に残ります。

たまちゃんの声も好きだったけど、ちや姉の声もドラマティックで良いなあ(感心)。

カルマダンサーは素晴らしきダンサーぞろい。去年のプラズマメンバーがほとんどはいってるよ!!今回の公演で、芝居ショーを通じて一番のダンスシーンといえば、この場面だと思ってたりします(^ ^)。
珠洲さん、あこ姐(大海)、(鳳樹)いちくん、(美風)凜ちゃん、(琴羽)桜子、あっきー(澄輝)、えびちゃん(綾瀬)、(舞花)くるみちゃん、アリエッティ(百千)、愛白もあちゃん、ゆいちゃん(結乃)、かける(風馬)。12人全員素晴らしいけど、個人的には新公でも同じ場面に入ってたゆいちゃんがすごく好きでそこばっかり観てしまいます。ゆいちゃん、本公演では下手奥で踊ってるけど、新公は上手側だったんだよね。あこ姐の位置なのかな?この人の身体は鞭のようにしなやかで、長い手足をしならせて空気を切り裂く感じなのがとても好みだったりします。
あとは化粧がなんとかなればなー。カルマダンサーは良いんですが、ショーの化粧はまだまだ改良の余地があると思うんですよね。惜しい!

あとは。。。やっぱり珠洲さんのダンスは別格で格好良いです!(はぁと)
あっきーのダンスもきっちりしてて好きなんですが、あまりにも美人すぎて、すっかり娘役だと思って観てる自分に時々気付いたりしてます。
娘役もみんな巧いけど、やっぱり桜子のキビキビしたダンスが大好き!えびちゃんのバネ、くるみちゃんのしなやかさ、そして、凛ちゃんの優雅。宙組下級生のダンスのレベルは高いなあ。


……などと、あちこちキョロキョロしているもので、あんまり祐飛さんとすみ花ちゃんを観てないかも(^ ^;ゞ
カルマ(業)に翻弄される三成と、手を伸ばしても何もつかめない茶々。切ない恋人たちの芝居も大好きなんですが……ごめんなさいm(_ _)m。



■第九場 大阪城・北の丸

ここで、やっと冒頭の場面の続きに戻ります。

「若様でございます!」と呼ばわりながら城の中を走り抜けるたつの(すみれ乃)。
花見の宴の会場から、ぐだぐだとお喋りしながら中庭に向かう脇坂(春風)・平野(鳳翔)、糟屋(蓮水)、片桐(凪七)。
「おかしいとは思わぬか」
「100人からいる側室で、お子を産みまいらせたのは茶々さまお一人」
「……お子は、本当に上様のお子か……?」
「しぃっ!滅多な事を言うな!!」

誰の耳があるかもわからぬ銀橋で、そんな危険な話をするなよ!うつけ者ども。と思いつつ。

ここは、ちーちゃんが「こうだぞ!」と言いながら切腹の真似をするところが何故か好きです。あと、意外とカチャの芝居が好きだったりする。ひょうひょうと浮いた雰囲気があるのが、片桐という人間のイメージに合っているような気がします。……なんとなく。

本舞台で、喜々として棄丸(鶴松)を抱いている秀吉、
それを見守る茶々、そして、茶々づきの侍女となったさぎりとたつの。
真ん中あたりでぽけらっっと呑気に笑っている、えなちゃん(月映)の笑顔がすごく可愛い。

現れた三成に、棄丸を抱くよう勧める秀吉。
「淀からも言え」
と言われて、逡巡しながら、三成の貌も見ずに
「抱いてやって……おくれ」
と呟く茶々が切ないです。

登場したときから、どこかおどおどとした三成の態度。
いろいろバレバレすぎて、これは絶対秀吉も知ってて言ってるよね、と確信してしまうんですよね。三成の態度も、茶々の態度も、なんかおかしいもん。

三成に抱かれて、機嫌を直して笑いだす棄丸。
そんな光景の眩さに、茶々は思わず目を伏せ、秀吉は手を打って喜び、寧々は眼を逸らし、
……さぎりとたつのは、ニヤリと口の端で笑いながら目を交わす。

「へくちっ」
とくしゃみをして、茶々に部屋へ戻るよう諭される秀吉。
表を伏せてついていく寧々。
息をついて、すっ、と三成の傍に寄り添おうとする茶々。

ふいに棄丸の様子が変わる。
一気に緊迫感を増す空気。
御匙を呼びながら足早に下手袖へ戻る一同。舞台表に残るさぎり(純矢)。
客席へ笑みを残して、上手へ向かう。……寧々のところへ報告に行こうとしたのかな?

そんな彼女の前に、立ちふさがる疾風。
「鶴松君に毒を盛ったのはお前だな!命じたのはおねか!?」

……この台詞のイントネーション、ちょっと違和感があるのは私だけでしょうか。
「どくをもったのは」ってあのイントネーションであってるのかなあ…?

まあ、そんなことはおいといて。
せーこちゃんの「知らぬ」「知らぬ!」といういらえも、毎回若干の違和感をおぼえておりまして。
ここの会話は、新公の方がすんなり入れたんですよね。特に(藤咲)えりちゃんの最初の「知らぬ」のさりげなさは秀逸だった。それでこそ、二度目の「知らぬ!」の迫力が活きたんですよね。公演も終盤になった先週あたりから、せーこちゃんの二度目の「知らぬ!」も迫力を増して格好良くなってきたんですが、最初の返事はもう少し自然な感じでもわかると思うんだけどなー。

さぎりの懐剣と疾風の長剣での立ちまわり。ここは、大劇場の方がちゃんと剣を合わせてる感じがしたような気がします。東宝ではセットの位置が微妙に違うのか、立ち位置が変わったような……闘っているようには見えなくなっちゃったんですよね……残念だ。

崖(?)に追い詰められたさぎりが、振り向いて構える。
「いつまでもあんたに舐められてはいないんだよ!」
さすが元男役。迫力のある良い声です。
「あたしだって、しのびだからね」
……でも、その後の台詞はもうちょっと色気というか、甘さがほしい……と思うんだけどなあ……。


覚悟を決めたさぎりの迫力に呑まれて、一瞬剣が止まる疾風。
「鶴松ーーーーっ!」
茶々の悲痛な叫び。

一瞬気をとられた隙に、剣先をつかんで自らの胸に納めるさぎり。
驚きのあまり咄嗟に動けない疾風。

「良かった……あんたに、逢えて」

精一杯の、愛の告白。
愛してはいけなかった男に別れを告げて、ちゃんと「愛している」と教えるために。
「生まれてきた、かいが、あった……」
これがあたしの心臓の音。あんたには判っているはず。
そんなフレーズをソラミミしながら、身を投げる女を見守って。

「姉上!」

本舞台下手で、さぎりの妹・たつのが叫ぶ。
茶々たちといったん引っ込んだたつのが、首尾よく仕事を終えたことを姉に報告しに来たんですよね、たぶん。あるいは、寧々のところに直接報告に行くところだったのかな?
とにかく彼女は中庭へ戻ってきて、そして、姉の最期を見届けることになる。
……交わされた会話は聞えなかったけれども、命を喪う瞬間は視た。。
疾風の腕に握られた長剣が、姉の胸に突き刺さり、そのまま落ちた……その光景だけは。

たつのはこの後、ラストシーンまで出てきませんが、この場面の後は何をしていたんでしょうね。そのまま(出てこないけど)寧々のスパイとして茶々についたままだったのか、寧々との契約を破棄(?)して別のところへ行ったのか。
ラストの登場があまりにも唐突なので、なんだかいろいろ考えてしまうんですよね(^ ^。



たつのが一瞬で姿を消すのと同時くらいのタイミングで、セット上の疾風の前に立ちふさがる三成。
鶴松君を喪って泣き崩れる茶々を慰めてやらんでいいのか?と思いつつ、

……彼は、もしかしたら息子を喪ってホッとしていたのかもしれない、なんてことを考えています。
罪の子を喪って心のどこかで安堵しつつ、嘆き悲しむ茶々を視ていられなくて、いそぎ秀吉に報告するために傍を離れた……そんな感じなんじゃないでしょうか。あのタイミングで登場する、ってことは。
続く疾風とのやり取りの中で、鶴松を奪われたことに対するコメントはまったくないしね。



茶々を護るために、自分が傍仕えできるように取り計らってくれ、と頭を下げる疾風。
それが無理なら、危険因子を取り除く。つまり、寧々を殺すぞ、と。

秀吉の側近、七本槍をはじめとする武断派の連中や、前田氏など織田家中の頃から付き合いのある格上の連中を抑えるのに絶大な力をもっていた北政所を、みすみす斬らせるわけにはいかない、と、剣を抜いて疾風を留める三成。


ここでの会話は、この後の展開(の解釈)にとってかなり重要なのですが……
疾風は、茶々の心を救うためにもう一度抱いてあげるべきだ、それで子供ができれば、彼女の立場も護られる(秀吉との間に子供はできないから)、と主張する。
三成は愛と忠義に揺れて逡巡し、はっきりとした返事はしない。

ただ、疾風の本心に気付いてしまったから、彼の望み(茶々の傍について護る)については肯って、剣をおさめる。

主君と愛する女と、どちらも選びきれない自分には、姫を護りきれないことはわかっていたから。



「俺とお前は光と影……」

祐飛さんとテルくん、お二人の並びがお似合いすぎて、ドキドキします。
……歌のピッチも、最近はだいぶ合ってきたかな……?




ちなみに。
この作品の中で、棄丸は生まれて数日で死んだように描かれていますが、史実では病弱ながらもそれなりに生きたようですね。
逝年は数えで3歳。天正19年(1589年)、だそうです。

いっそ、数日で亡くなっていたほうが、秀吉も諦めがついたのかもしれないな、と思いつつ。



2012年の公演ラインナップの一部が発表されました。


去年は7月の前半にいきなり年間スケジュールが発表されて、追いかけるように7月中に最初のラインナップが出たのですが。例年、お盆の前後に年間スケジュールと最初のラインナップが同時に発表される、という感じだったと思うので、今年はちょっと早めなんですね。
ああ、でも、年間スケジュールはいつ出るんだろう……。


大劇場のお正月公演が花組、その次が月組。中日が宙で、その裏にバウ+青年館。ここまでは予定どおり。
ってことは、発表されなかったけど3月が雪組で4月(初舞台?)が宙組……ってことになるんでしょうね、たぶん。星組は2月の頭まで東宝で、その後たぶんドラマシティがあるんだろうし。

     大劇場       東宝劇場
花組 1月 1日~1月30日  2月10日~3月18日
月組 2月 3日~3月 5日  3月23日~4月22日
雪組 3月 9日~4月 9日  4月27日~5月27日
宙組 4月13日~5月14日  6月 1日~7月 1日

……宙組の東宝千秋楽は、7月1日、か……。





さて、それでは、演目について簡単に。


■花組大劇場公演(蘭寿とむ、蘭乃はな)

ミュージカル・プレイ
『カチューシャ』(仮題)
-レフ・トルストイ作「復活」より-
作・演出/石田昌也

トルストイの「復活」か!!
石田さんとロシア文学の関係がよくわかりませんが、斉藤さんの「カラマーゾフの兄弟」が非常に面白かったので、とっても期待しています!蘭ちゃんのカチューシャ(エカテリーナでしたっけ?)、可愛いだろうなあ♪


レビュー・ファンタシーク
『カノン』-Our Melody-
作・演出/三木章雄

三木さんかー。久しぶりの本家花組、、、かな?ずっと麻子さんや水さんばっかり担当していたけど、花組らしい花組ショーになりそうで、期待しています。ショースター・蘭寿とむの本領発揮!なショーになりますように。



■月組大劇場公演(霧矢大夢、蒼乃夕妃)

ミュージカル
『エドワード8世』-王冠を賭けた恋-
作・演出/大野拓史

きりやん、二作連続大野さんなんて、ずるい!!
どうして月組ばっかり~~~(嘆)


『Misty Station』
作・演出/齋藤吉正

大野&斉藤か。「ロシアン・ブルー」「リオ・デ・ブラボー」のコンビですね。いや、宙組もかなり恵まれていると思うので、文句はないんですが。
きりやんとまりもちゃん、4作連続ショーありでいいなあ。お二人の、そして月組っ子の魅力全開!なショーになりそうで、楽しみです♪



■宙組中日劇場公演(大空祐飛、野々すみ花)

ミュージカル
『仮面のロマネスク』
-ラクロ作「危険な関係」より-
脚本/柴田侑宏 演出/植田景子

初演は視ていませんが、噂には散々きかされてきた柴田さんの名作。
宙組で上演するという噂が前からありましたけど、本当だったんですねえ。びっくり。

大劇場作品が二作続けて大野演出の月組もすごいけど、大劇場→中日と植田景子&藤井大輔が続いて、しかも、両方とも続演じゃなくて再演、っていうのはすごすぎる(@ @)。
柴田原作、植田景子演出は、たしか花組全ツの「うたかたの恋」がそうでしたよね。あれはどうだったんだろう。観にいけばよかったなあ……。

とりあえず。
ヴァルモン=祐飛さん、メルトゥイユ=すみ花ちゃんは決定として。
トゥールベル夫人は、絶対絶対!藤咲えりちゃんでお願いします!!(ことだま、ことだま)


ファナティック・ショー
『Apasionado!!II』
作・演出/藤井大介

お披露目の博多で、汗だくになって(客席は冷や汗も多かったけど)踊っていた藤井さんの名作ショー。
すごく好きなショーなので、再演は素直に嬉しいです。なんだか、「メランコリック・ジゴロ」と「ラブ・シンフォニー」で全ツを回った真飛さんを思い出してみたりするけど、でもやっぱり、あの主題歌にもう一度浸れるのはとても幸せ。

お花さんたちは誰が来てくれるのかなあ(*^ ^*)。でかくてもうつけでも、可愛いよみんな。



■宙組バウホール公演(凰稀かなめ)

バウ・ミュージカル
『ロバート・キャパ 魂の記録』
作・演出/原田諒

ロバート・キャパ、ですか。木村さんが彼を題材に作品を作ろうとしたのに、許可が下りなかったという話を聞いたことがありますが、今回は通ったんですね!良かった良かった(^ ^)。
テルくんの持つ独特の雰囲気を、うまく生かした作品になると良いな。
ヒロインはどんな役になるんでしょうね。そして、誰が来るんでしょうね……まだだいぶ先だから、読めないなー。

中日「Apasionado!!」にテルくんが来てくれないのはとってもとっても!!残念ですが、こちらはこちらで、良い作品になることを祈っています。ちゃんと観にいきますので、がんばってね!


2012年の立ちあがりは、猫的にはかなり楽しそうな公演が並んでくれました♪
3月以降も、魅力的な企画が目白押しになりますようにと祈りつつ。



東京宝塚劇場宙組公演「美しき生涯/ルナ・ロッサ」。

いよいよ明日で楽というところまで来てしまいました。
昨日からたまちゃん(天羽珠紀)も山伏とキャメルマン、そしてパレードの3場面に復帰して、元気そうな顔を視ることができました。まだ全場面じゃないけど、それでも、全員揃って千秋楽を迎えられそうなことがとても嬉しい。
やっとちや姉(風莉じん)の歌に慣れたところだったので、久しぶりのたまちゃんの山伏は、なんだか懐かしかったです♪ ああそうそう、こうだったこうだった!みたいな(^ ^)。



先週あたりに、ものすごく繊細になっていた祐飛さんの三成は、今日はちょっと力強さを取り戻して、でも痛々しさはそのまま、という微妙なラインで演じきってくれたような気がします。
日によってあちらを強調したりこちらを詰めたり、いろいろやってくれる人ですが、さすがに明日へ向けてまとめに入ったかな?という感じ。
すみ花ちゃんの茶々も、祐飛さんの弱さに乗じて強さを増しているようで、さらに魅力的。力強くて押しが強くて我がままで、最高に可愛いです(*^ ^*)。
明日はどこまで行ってしまうのかしら、あの二人……。



お芝居がまだ半分くらいしか書いていないのですが、とりあえず明日で楽なので、気になっているところだけ書きとめておきたいと思います。中途半端ですみませんm(_ _)m。


■第十場 大阪城(文禄2年=1593年)

三成と疾風が銀橋を渡りきってはけると、本舞台に秀吉と寧々がお拾(秀頼)を抱いて登場。

「二人目の子も、お前さまにはまったく似ておりませんなあ」
「淀に似たんじゃ。わしに似んで良かった」

秀吉は、拾を自分の子だと思っているんでしょうか。
未沙さんは、腹の底が深すぎて、まったくわかりません(^ ^;;;
自分の子だと当然のように思っているようにも見えるし、違うと知っているようにも見える。

ただ、一つ間違いないのは、秀吉は赤児を自分の子であると言いたいのだ、ということ。
自分には子を作る能力があると思いたいのかもしれないし、彼なりに淀を愛していて、彼女の立場を護りたいのかもしれないし、あるいは単純に彼女を自分に縛っておきたいのかもしれない。
……やっぱり、秀吉さんの考えていることは全然わかんないや(涙)。私程度が偉そうに解釈するには、深すぎる……。


で。
美穂さんの銀橋は、本当に本当に素晴らしいです。
この歌を聴けただけで、この作品の価値があると思う!(←言いすぎ?)



■第十一場A 聚楽第

朝鮮遠征を諌める五奉行。
五奉行はそれぞれ立場が違うので、あんなふうに5人揃って同じ考えを述べるようなことは考えにくいけど、まあ、気にするまい。
個人的に、増田長盛が割と好きなので、りくがやると聞いたときはちょっと嬉しかったんですよね。なのに、実際観てみたら単なる記号だったのが残念。
でもまあ、三成以外の4人は、あれしか出番ないのによく膨らませたなと思います。大劇場の前半とは別人のように、ちゃんとキャラがあるのがすごい。


朝鮮征伐(←もうこの言い方しないのかな)を続ける理由として秀吉が述べる「外敵が必要」というのは、正しい理屈なんですよね。たくさんの政権が、統一を果たしたところで揺らいでしまうのは、軍隊の処理の失敗からなのですから。
でも、それではいつまでたっても『民』は幸せにならない。
主君と三成の、もしかしたら初めてかもしれない、意見のずれ。

今までなら、対立しても話は聞いてくれたはずの秀吉は、もはや三成と会話しようとはしない。本題と関係のない話をして、会話が成立しなくなってしまった。
それは、子飼いの部下に裏切られた秀吉の報復なのか、それとも……?
「耄碌」という言葉が、三成の脳裏をかすめた、、、かもしれません。



■第十一場B 淀城(文禄4年=1595年)(秀吉逝去は1598年)

「みな死ねば良いのでございます」

九場で三成に頼んだ通り、茶々の傍付きになった疾風が、茶々の耳に毒を吹き込む。

「秀吉も寧々も皆、この世を去り、関白英次を亡き者にすれば、天下はお方さまと秀頼君と、石田三成のもの」

淡々と静かに、けれども深い熱を抱いて。


この場面、新人公演では茶々と疾風が向かい合い、膝をついた疾風に立ったままの茶々が話しかける、という、ちゃんと二人が「会話」をしている場面になっていたんですよね。
この演出良いなーと思い、本公演もこうすればいいのに、と思っていたのですが。本公演の疾風は、あの淡々と醒めたところが個性なので、お互いの顔を見ようとしない本公演の演出の方が合うんですね。なるほど納得。

二人があの立ち位置で喋っていると、疾風の存在が幻であっても話が成立するなーと思うんですよね。
この会話自体が、茶々の妄想なんじゃないか、と。

関白英次を亡き者にするよう、秀吉に願えと疾風は言う。
茶々は「なんてことを!」と言いながら首を横に振るけれども、
……女童たちは謡う。「間もなく関白秀次さまは無実の罪で切腹」。



さて、ここで問題です。
茶々は本当に秀次の死を願い、秀吉を唆したのでしょうか……?


私は、すみ花ちゃんの茶々は、そのくらいやっても不思議はないと思っています。
彼女は、一刻も早く秀頼を正式な秀吉の後継者としてお披露目しなくてはならなかったのですから。

だって、
……彼女は、秀頼が秀吉の子でないことを知っていたはずなのですから。




私は、以前ちらっと書きましたが、「秀頼は三成の子ではない」と考えていたりします。
祐飛さんご本人は、当然三成の子だとお考えのようでしたが……すみません、やっぱりそうは見えないんだよー。

新人公演を観て、この三成なら、茶々が立ち直るまで何度も慰めに行ってもおかしくないなと思ったし、その結果として子ができたとしても、あんまり気にしないんじゃないかと思った。
秀吉が認めたなら、全力でそれに従うべきだ、と、そんな風に考えていそうに見えたので。


でも、祐飛さんの三成は、なんていうか、繊細すぎるんですよ……


脚本的には、どうにでも解釈できるようになっていると思います。
本人たち以外は、「100人からの側室がいるのに、子ができたのは淀殿一人」と、淀の密通を疑っているけど、本人たちはそれらしいことは一切言わないので。


私が脚本的にひっかかったのは、牢獄での茶々と三成の会話でした。
「契りを交わしたあの晩」……あの言い方は「契りを交わした夜」が二回も三回もあったようには聞えませんよ?
「初めて契りを交わしたあの晩」ならわかるんですけど。なぜあえてそこで単数なんですか?

そして、あの世で夫婦になるお許しを…の場面でも、夫婦のことしか言わないんですよね。
子供のことは言わない。家族三人で、とも言わない。
まあ、鶴松のことも言わないので、ここは生きている限り子供のことは口には出さぬと誓っているとか、そういう可能性もありますけど。


でも、素直に聞けば、三成は秀頼を秀吉の子だと考えていると思っていいんじゃないかな、と。

そうなると、矛盾が生じる。
茶々は、秀頼を三成の子だと思ってるよね……?
少なくとも、秀吉の子だとは思ってない。たしかにそう見える。


と、いうわけで。
やっぱり私の結論は、「疾風が三成になりすまして茶々を慰めに訪れた」です(^ ^)。
たぶん、そんなに回数は重ねてないと思うんですよね。1回か、せいぜい数回、傷心の茶々を慰めるために。
子供が出来たのは運命なのだと思う。だから彼は、最期まで茶々と秀頼につき、我が子と愛する女が死んだときに出家する。
その間、なんと15年。でも彼は、茶々にも秀頼にも感づかれることなく、忍びに徹していたのでしょう、きっと。

だから。彼は大阪城が落ちたとき、ホッとしたのかもしれません。

これでやっと、俺も自由になれる。
あとは三成、頼んだぞ、と。


大津城に茶々を連れて向かう前の「幸せな男だ…」という独白は、そういう意味だったんじゃないかなー?と。
三成を喪った茶々を護るのが自分の使命だと、そう覚悟を決めた男の貌。



あはは。本文に書いちゃった(^ ^)。
でも、これ、ありだと思うんだけどなあ。……駄目でしょうかね、やっぱり。


鶴松が死んだ後の立ち回りでの会話でも、三成は明解な返事をしないんですよね。
逆に疾風が自分の気持ちに気づいてしまう。抑えきれない想いに。

「俺とおまえは、光と影……」

どちらが光でどちらが影なのか、祐飛さんとテルくんだと、微妙だな……なんて思いつつ。

うーん……やっぱり無理かなあ(無理だよ)





話は違いますが、大石さんの脚本について、思ったことを書きとめておきます。

大石さんの脚本は、第三者視点の脚本だな、と思いました。
登場人物の誰の視点でもないから、誰のモノローグもない。あるのは会話だけ。比較的モノローグに近いのは5回ある銀橋わたりのソロ(三成、正則、疾風、寧々、茶々)くらいで、「説明台詞」どころか、モノローグとかが全然ないんですよね。
じっくりと時間をかけられる2幕物ではなく、筋立てがシンプルなことが多いワンシチュエーションものでもなく、大河ドラマを短くまとめた1幕物で、しかも団体客の多いタカラヅカで、説明台詞もモノローグもない(!)というのは、作劇としてかなり面白い試みだったんだな、と改めて思いました。


また、七本槍の描き方も面白かった。第三者視点だからあまり一人ずつの心情には踏み込まなんだけど、最初のおにぎりの場面では一致していた「三成をはじめとする文治派への反感」が、関ヶ原をはさんでどんどんバラけていくのが面白かったし、それぞれのメンバーがそれぞれの立場でいろんなことを考え、思想的に成熟していく様子がどんどん明解になていく様子が面白かったです。
「おかかさま」である寧々の懐を抜け出して、「世界」を見つけた子供たち。初めて海をみたガンバのように、吃驚して塩水をかぶっていればいいんですよ、ええ(^ ^)。

大劇場の頃、7人ともそのあたりの表現に迷っていた感じだったけど、回を重ねるごとにだんだんにしっくり噛み合ってくるのが楽しかった。彼らも手ごたえを感じて楽しかったんじゃないかな。いい勉強になったと思います♪





それにしても、今回はショーについて殆ど書いてないなあ。
結構好きなショーなんですけどね。下級生を探すのも楽しいし。


泣いても笑ってもあと一日。
素敵な一日になりますように。



宝塚歌劇団宙組のみなさま、東京宝塚劇場公演千秋楽おめでとうございます!


七瀬りりこちゃん、お誕生日おめでとうございます&ご卒業おめでとうございます。
可愛いリボン形にセットされたお花がとても可愛くて、可愛い笑顔によく似合ってました。

ご挨拶は、ところどこちょっと詰まったところもありましたが、ハキハキと明るく率直に!という感じ。これからもどこかで活動されるつもりがあるようで、嬉しかったです。今日のエトワールは本当に凄かった。あの歌は、ぜひまたどこかで聴かせてほしい!



天輝トニカちゃん、ご卒業おめでとうございます。
ショーのソロの後に拍手を入れたかったけど、音楽的に入れられなくて残念でした。千秋楽は二階席だったので、黒スーツのキビキビしたダンスが堪能できて嬉しかった!胸のお花も、全員がいれているチーフと同じ赤の花をさりげなくつけていて、センス良いなーと感心しました。オープニングの砂塵でつけていた渋い緑の花もとてもステキだった(はぁと)。


ご挨拶は、シンプルにまとめてしっかりと。笑顔が眩しくてとても格好良かったです。カーテンコールで祐飛さんに「何か一言」と言われて、りりこちゃんに「お誕生日おめでとう!」って言ったのにはちょっと泣けました。下級生からみたら、素敵なお姉さんだったんでしょうね。
私も宙組っ子たちと一緒に言えて良かったです。トニカちゃんのおかげで、素敵な時間を過ごさせていただきました。
トニカちゃんのこれからの人生が、幸いなものでありますように。



妃宮さくらちゃん、大劇場&東宝卒業、おめでとうございます!
まだまだヴァレンチノがありますので、今はくだくだしく感慨を語るつもりはないのですが……ショーの中詰めのソロで、拍手ができて良かったです。そして、良い挨拶でした。本当に本当に、素晴らかった!

今まで、本当にありがとう。
あと少しですけど、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m。



毎回書いているような気がしますが、お芝居は今日の11時公演が一番良かったと思います。
三成さまが物凄く繊細で、優しすぎちゃってひどいことになってましたけど、あの痛々しさはとても私の好み。
そして、すんごい細かいことかもしれませんけど、関ヶ原前の銀橋での疾風とのやり取りがとても良かったです。三成自身もちょっと不安を感じていながら、それを振り棄てて走り去ったところが絶妙に良かった(^ ^)。
「正義は勝つ!」という台詞を不安げに置く祐飛さんを初めて観て、とても新鮮でした!


ショーはやっぱり千秋楽が良かったなあ(*^ ^*)。
「祈り」でのみんなの表情がすでに恍惚としていて、とても良かった。感動しました。
祐飛さんって凄いなあ。ダンサーじゃないのに、ああいう表現ができるんだ……。

走り回り、飛び回っていた組子さんたち、お疲れさまでした。
ヴァレンチノ組の30名も、19日までどうぞよろしくお願いいたします!


そして。

祐飛さんもご挨拶で触れていましたが、花組のみなさまが東上されるのを、楽しみにお待ちしています(はぁと)。



8月5日に、2012年1~2月までのスケジュールが発表され、8日に年間のスケジュールが発表されました。

例年、正月公演の演目と同時に発表していたのに、どうして今年に限って3日もあいたんでしょうね。1~2月の演目で、どうしても5日に発表しなくてはいけないものがあったとは思えないし、逆にこの年間スケジュールで、どうしても8日以降でなくてはならないものも無い……ように見えるのですが。宙組公演の楽を待っていたとも思えないし。
友の会の冊子が早いところは届き始めているようなので、元々5日に両方発表する予定だったのに、年間スケジュールのどれかの最終決定(確認)が遅れて5日に発表できず、遅れた……っていう可能性が高いのでしょうか。


そして。
私は昨日、宙組公演が終わってちょっと気が抜けて…というか、仕事の没頭していてまったくネットにアクセスしていなかったため、スケジュールが発表されたことを今朝知りました(汗)。
モバイルタカラヅカの案内メールも来なかったし。ラインナップ(作品)じゃなくて単なるスケジュールだから…?いやいや、スケジュールも送ってくれよ!!



というわけで、一日遅れましたが、軽く反応したいと思います。

■本公演

   大劇場    東京宝塚劇場
花  1/ 1~ 1/30  2/10~ 3/18 (発表済)
月  2/ 3~ 3/ 5  3/23~ 4/22 (発表済)
雪  3/ 9~ 4/ 9  4/27~ 5/27
宙  4/13~ 5/14  6/ 1~ 7/ 1
星  5/18~ 6/18  7/ 6~ 8/ 5
月  6/22~ 7/23  8/10~ 9/ 9
花  7/27~ 8/27  9/14~10/14
宙  8/31~10/ 8 10/19~11/18
雪 10/12~11/12 11/23~12/24
星 11/16~12/15 (2013年度)

……あれっ?年始がらみでもないのに、秋の宙組公演が1ヶ月じゃない(@ @)。何故だ?
一ヶ月公演になってから、2月の東宝(大劇場→東宝の間隔を確保するため?)以外は話題作でもサヨナラでもお披露目でも公演期間は一定だったのに、なぜ?
話題作、、、それも、各組トップさん特出、みたいな特殊な公演でもやるのでしょうか。……何故?



■バウホール公演

   バウホール   青年館
雪  1/13~ 1/20         (未涼亜希主演で発表済)
宙  1/27~ 2/ 7  2/15~ 2/20 (凰稀かなめ主演で発表済)
星  3/19~ 3/31  3/ 7~ 3/12 (青年館先行)
花  5/ 3~ 5/14  5/23~ 5/28
雪  7/19~ 7/30  8/ 8~ 8/13
星  9/ 6~ 9/17  9/25~ 9/30
月 10/11~10/22 10/31~11/ 5
花 11/15~11/26 12/ 6~12/11

来年度のバウ公演は、全部東上するんですね。
私がタカラヅカを観はじめた頃もそうだったけど、若手の育成のためにワークショップとかエンカレッジコンサートとか、バウでしかやらない公演が増えてきて……最近、普通のバウ公演でもバウのみのものが多いなー、と思っていたのですが。

東京に来てくれるのはとてもありがたいけど、新鮮な若手やベテランのバウは、どうしても東上が難しいケースがあるから、バウのみの公演がないのは残念かも。
あ、でも、バウのみは後から発表されることも多いから、今出てなくても問題はないのかな。

個人的には、宙組のバウ公演が中日裏だけなのがとても残念。大劇場が2本続くスケジュールだから仕方ないけど、バウをやらせてみたいメンバーがたくさんいるので、年末にバウ公演が入ると良いなあ。
いや、それ以前に、宙組は年末何をやるんでしょうか?2013年の正月公演を担当するとなったら、大劇場公演が3回続くんですけど、、、、、ありえん(汗)。


2013年のお正月は、月組か宙組、どちらかということになりますが……普通は月組だよね?
例年だと宙組が年末のドラマシティ公演で月組が正月大劇場になる筈のスケジュールなんですけど、来年は年末がなくなって、その代わりに12月の前半に花組さんが担当するんですね。

12月のスケジュールがあいている組が二つもあるのは、梅田阪急に新劇場ができる話とリンクしているんでしょうか……?



■その他
宙組 中日劇場    2/ 1~ 2/24
星組 ドラマシティ  3/ 8~ 3/20 日本青年館 3/25~4/1
花組 全国ツアー   4/28~ 5/27
雪組 梅田芸術劇場  7/ 7~ 7/23
雪組 博多座     8/ 1~ 8/23
星組 全国ツアー   9/ 8~ 9/30
月組 全国ツアー  10/20~11/14
花組 日本青年館  11/22~11/29 ドラマシティ12/5~12/17

星組さんの二年連続博多座に続き、雪組さんが二年連続梅田!しかも博多座付き!!(@ @)
よほど何か勝算のある演目を予定しているのかな?ちょっとワクワク。

ドラマシティ公演は春と12月の2回のみ。10月のドラマシティは無いんですね。劇場があいてないとかなのかなあ。年末も例年とは時期がずれているし、、、何かあるんでしょうね、きっと。
全ツは三回。花と月は二年連続ですね。っていうか、月組は時期も似てる……いや、時期は今年の花組さんの全ツと同じで、東回り?

んー、いろいろわからないなー。
今年は星組が謎の焦点だったけど、来年の謎の焦点は宙組ですね。私がいったいいつまで宙組ファンでいるのか?という謎も含めて(^ ^;)




最後に。
今年の公演ですが、花組全国ツアー「ちいさな花がひらいた」の配役も発表されたんですね。
作品を観ていないのでコメントができず残念ですが、素敵な作品になりますように。
「カナリア」の配役は集合日待ちでしょうか……早く出るといいなー。


宙組公演千秋楽が終わって、あっ!というまに木曜日が終わってしまいました。
もういくつ寝ると「ヴァレンチノ」(はぁと)。だけど、その前に仕事が終わらないと休めないーーー(←涙も出ません)。



そんな悲惨な状況ですが、最後に一つだけ、私が大石静さんの「美しき生涯」を観ながら心の片隅で思いだしていた、諏訪緑の「時の地平線」をご紹介(^ ^)したいと思います。

三国志時代の蜀の知将、諸葛孔明を主人公にした作品。
普通に歴史漫画としても非常に面白い作品なんですが、大石さんが語ろうとした「三成」の、作品中ではまったく説明されていない部分を補完するイマジネーションを与えてくれた作品でした。

……たぶん、この作品とあの舞台を観て、そんな連想をするのは私だけなんだろうけど(^ ^;



漢王朝末期。黄巾の乱で焼け出され、弟妹と共に各地を放浪する少年、諸葛亮(孔明)。
彼と、その乱を鎮めて泰平の世を取り戻そうと闘っていた軍人・曹操との出会いが、歴史を動かすエネルギーを解放する……というエピソードから始まる物語。

戦乱のために荒れすさんだ世界に翻弄され、そんな世界を憎むしかない少年・孔明。
頭が良くて視野が広く、戦略思考に長けた彼は、ひたすらに「戦い」を憎み、農業の発展に身を捧げようとする。「食べる」ことで人々を幸せにするために。
けれども。「時代」は彼を放ってはおかなかった……。


こうしてストーリーを思い返してみると、三成と孔明、全く共通点がないんだなあ(@ @)。
三成は曲りなりにも「土豪の息子」で、焼け出されたわけでも農業を学ぼうとしたわけでもない。主君の妻を愛してしまうわけでもないし、主君に扇子でいじめられたりもしない(←そこ?)


とにかく、舞台から見えるところにいる時の三成と、「時の地平線」の孔明は、ぜんぜん似ていない…んだな、と思うんですよね。

たとえば、彼の「第一になすべきこと」は「民に平穏をもたらすこと」であって、主君である劉備への忠義は、それを実現するための道具なんですよね。もちろん、劉備自身が非凡な道具、、、いえ、非凡な主君であって、孔明の性急さを常に押しとどめ、「『平穏』を一気呵成につくることはできない」と教えさとしてくれたりするんですが、、、まあ、そんなところも全然違う。


じゃあ、どこでこの作品を連想したのか?というと……

結局は、全く語られることのない三成のシチュエーションに似た設定があるから……なんですよね。
たとえば、何故に三成がそんなにも(茶々を犠牲にしてまで)「民の平穏」を望むのか、という問いかけのヒントになったりとか。
あるいは、朝鮮出兵に対する「軍縮」という論点が最終巻のテーマだったりするし。


孔明が南方を旅する話とか、結構荒唐無稽な話がまざっていたりはするのですが、全体的に、かなり政治色と友情色の強い、「仲間たち」の物語。
三成との関係は、たぶん全然感じないのが普通だと思いますが(滝汗)、作品としても普通以上に面白いので、もし機会があればぜひ眺めてみてください♪




実はこの作品、以前から祐飛さん主演で舞台化されないかな~と思っていた作品の一つでした。役が多くていろんなエピソードがてんこもりにあるので、舞台化したら面白いと思うんですよ。
まあ、大河ドラマなのでどこを切り取るかで出てくるキャラクターも変わってくるし、なにより恋愛要素が薄いので宝塚で取り上げるのは難しいんですけどね。
でもまあ、祐飛さんの孔明には逢えなかったけど、三成には会えたから、良いかな(^ ^)。



宙組青年館公演「ヴァレンチノ」、初日おめでとうございます!


未曾有の大震災から5ヶ月。
これを長いというべきなのか、「あっというま」だというべきなのか、とても悩む部分はあります。
いや、そんなこと悩むんじゃなくて感じろ、って思うんですけどね。でも、なんか悩んでしまうんです。私の家族や仲の良いともだちでさえ被害を受けた人が何人もいて、今も避難生活を送っている友人さえいるというのに。

本当は、5ヶ月って長いんですよね。
2月に生まれたばかりだった友人の娘が、もう這い這いしていたことに衝撃を受けたり。
宙組っ子たちも、あの後いろいろあって、大劇場公演と東宝を経て、その上で今日があるわけで。当時はまだ組子だった蘭寿さんが花組でお披露目公演を迎え、ほとんど同時に東京で初日を迎えることになったのも必然、、、なのでしょう、きっと。
それでも、ひどく短かったように感じられるのは何故なのか。3月11日より前のことは、ひどく遠い過去の出来事のように感じられるのに。



それでも、舞台の幕があがれば、そこにあるのは別世界で。
現実世界ではいろんなことがあっても、やっぱりそれは舞台の外のお話で、この舞台の上は夢の世界だから。

演出の実務が小柳さんに代わったせいか、細かい演出がずいぶん変わっていたり、
役者の演技が全くの別物になっていたり、、、書きたいことはいろいろあるのですが。
それでも、舞台の上にある夢は、大震災直後にドラマシティで観せていただいた夢とおんなじで。

ひどく脆くて、眩しくて、そして切ない、オレンジ色の夢。
ルディーが夢見た、オレンジの実る丘の、夢。




「舞台に立つ意味を毎日考えながらの公演だった」と挨拶で仰った祐飛さん。
三谷幸喜さんが震災直後の「南へ」公演後に述べた挨拶をひいて、「お客さまに笑顔になってもらえるように」と仰っていたのが印象的でした。
ドラマシティでの「笑顔になることを恐れないで」に続き、舞台に立つ人の覚悟が見える言葉だな、と。

当時の三谷さんの挨拶についての記事はこちら。
http://www.nodamap.com/site/news/206

私も、当時この三谷さんのコメントを読んで号泣した記憶がよみがえり………実は、本編よりもこの挨拶で泣いてしまったりしました(^ ^;
祐飛さんってすごいなあ。




それにしても!
わずか一週間前まで、床山さんのかつらを被ったり黒塗りに化粧替えしたりと大忙しだったメンバーが、時代も国も全く違うハリウッドへ。
ご本人たちもさぞかし大変だったんだろうなと思いますが、この一週間「ヴァレンチノ」のお稽古に明け暮れて(←たぶん)すっかり切り替えられていた出演者に比べると、観る側はまだ前公演の余韻が全然抜けていなくて(汗)、ちょっと世界についていけてないような気がしました(^ ^;ゞ

明日も観るので、それまでに絶対切り替えるぞー!
(仕事ですけどなにか)



日本青年館宙組公演「ヴァレンチノ」。

月曜日の今日は、花組さんの休演日だったおかげで、客席がとっても豪華でした♪
壮さん、まりんさん、まぁくん、由舞ちゃん、だいもん、浦輝さん、アーサー、、、、OGでは(花影)アリスちゃん、紫陽さん、、、他にも何人か。あと、私は気がつかなかったんですが、安奈淳さんがいらっしゃってたそうですね。わー、すごいなー。


奇跡の再演の初日があいてから、2日。
わずか2日で、これまた奇跡のように進化している舞台に、瞠目しました。
一人ひとりの集中力が30人分集まると、こんなに凄いものになるのか(@ @)。ルディーやジューンたちメインキャストも素晴らしいけど、今回本当にすごいなあと思ったのは下級生たちです。通し役でこそないけれど、だからこそ、この短い公演時間にいくつもの役を生きる彼女たちが、それぞれの場面を精一杯に生きているのが印象的でした。
彼らがそうだからこそ、真ん中でストーリーを進めるルディーが、ジューンが、ナターシャが、ジョージが活きてくる。そういうところも、小池さんの天才ぶりがよくわかる、ような気がします。



で。
まずは、ドラマシティの時に書いていた文章にリンクさせていただきます。
http://80646.diarynote.jp/201103280224255887/
http://80646.diarynote.jp/201103290306101259/
http://80646.diarynote.jp/201103300312546724/

そのうち続きを書こう…と思っていたんですが、おそらく公演期間内に書き終わることは不可能だろうなあ……さて、どうしたものか(^ ^)。


まずは、【3】までに書いた部分で、ドラマシティの時とは大きく変わったことがあれば、それを書こうと思ったのですが。
「大きく変わった」ことは、無い……かな?

細かいところはいろいろと変ったような気がするし、全体から受ける印象はずいぶん違うのですが、台詞や動きがすごく大きく変わったところは無い……ような気がする。

でも、何かが違う。何か大きなものが変った。
そんな気が、します。



たとえば、ナターシャ。
回数を重ねるにつれて、段々と明確になってくるキャラクターの違い。

……うまく書けるかわからないんですが。
ドラマシティのナターシャは、それなりに才能のあった新進デザイナーが、恋に目がくらんで、そして、自分の真実から目を逸らしたために自滅してしまった……と思ったのですが。
青年館のナターシャは、そもそもの登場から、あまりスタッフに敬意を払われていないような気がしました。
ナターシャの才能とセンスを讃えるのは、ナジモヴァだけ……に見えるんですよね。

大女優ナジモヴァのお気に入りだから、みんな何も言わない。
ナジモヴァとナターシャの間に恋愛感情があるかないか、って話をしているんじゃないんですよ。せーこちゃんとカイちゃんのコンビに恋愛感情の入る隙間(?)は無いんですけど、ただ、ナジモヴァが認めるナターシャを、スタッフたちは否応なく受け容れるしかない……という空気をなんとなく感じるのです。

ある意味、ナターシャが、二幕で出てくる「ムッシュ・ボーケール」のヒロイン・ビーブ(妃宮さくら)の同類のようにも見えました。
ラスキー(寿)の愛人で、スタッフたちはそれを知り尽くしているから彼女の言うことは何でも聞く。監督のシドニー(月映)も、他のメンバーも。でも、女優としての彼女の才能を認めているかというと、そんな風には視えない。
だから。ナターシャがビーブを悪く言うのが、同類嫌悪のように見えてくる。ラスキーの愛人であることに満足しているビーブと、あたしは違う。大女優ナジモヴァが認めた天才。そう思いたい。だから、思いこんでる。思いこもうとしている。
回りのスタッフたちも、そういう目でナターシャを視ているような気がしてくるんですよね。


「自分」を信じて、「愛される自分」を信じて、そして人を愛してきたルディーの傍で、心を病んでいくナターシャ。自分の才能を過信して自滅したナターシャが、ルディーというインスピレーションを喪って「男爵」と共にアメリカに帰ってきたときの気持ちを想像すると、なんだか泣きたくなるんです。
「The Last Party」のゼルダ。高村光太郎の妻、智恵子。

ルディーはナターシャを喪っても変わらない。彼の心は、自由だから。
だから、ナターシャはルディーを喪っても何も変わらないというフリをする。それが彼女のプライドで、虚飾で、仮面で。

もしも。
もしも彼女が、素直に「ロドルフォ」を愛していたなら。
ファルコン・レアで、ルディーの「家族」になってあげることができていたなら。

……もし、も。




カイちゃんのナターシャが、すごく好きです(告白)
もちろん、すみ花ちゃんのジューンも、みーちゃんのジョージも、ともちんのデソウルも好きだけど。
でも、カイちゃんのナターシャが、すごく好き。

小池さんにもう少し時間があって、ナターシャとルディーの関係をもう少し深めた脚本に直すことができていたらなあ……。
ナターシャと別れ、「自立」を目指したルディーが「監督になりたい」という夢を語るのが、すごく切ないことであるような気がします。別れた後のナターシャを語るエピソードを、もう一ついれて欲しかった。伝聞での「男爵と一緒」だけじゃなくて。



今でも十分に、祐飛さんもカイちゃんも、役者にできる範囲で深めてくださってるんですけどね(^ ^)。観客は欲深いものなんです。


東京宝塚劇場にて、花組公演「ファントム」を観劇してまいりました。
とりあえず、Aパターン(ショレ=愛音、セルジョ=華形、シャンドン=朝夏)でした。

蘭寿さん、東京でのお披露目おめでとうございます!!の気持ちを拍手に籠めて。



大劇場でも観たんですが、東宝で、あらためて思ったこと。
蘭トムさんのエリックは、天使のようでした。

「カサブランカ」のヴィクター・ラズロについて語ったときも書いたと思うんですが。
私にとって蘭トムさんって、すっごく格好良いしダンスは素敵だし歌もちゃんと歌えるし……だけど、なんていうか、リアリティのない役者なんですよね。
湿り気がない、というか。あくまでもアメリカン・ヒーローで、すごく前向きで、いつだってポジティヴで。
現世の塵芥にまみれたことのないひと、というイメージがあるんです。


そのキャラクターで、なぜお披露目がエリックなんだろう?と思っていたのですが。
観てみて、なんとなく納得しました。

エリック=天使って、演出的にありだったんだな、と。




カーンと響く、金管楽器系の声質が、軽やかで明るいオケの音(指揮:塩田明弘)との相性も良くて。数々の演出変更がいい方向に作用して、重厚なゴシックロマンから、現代的な作品に生まれ変わった「ファントム」。
とても興味深く、面白かったです。


演出は今まで通り中村一徳さんですが、全面的な振付変更による従者たちのクローズアップといい、数々のセットの変更といい、ちょっとした人の動かし方といい、なんだか今までとは全然意がう印象を受けたところがたくさんありました。
今まで、「ファントム」という作品は音楽は大好きだけど演出がイマイチ、と思うことが多くて、あまり嵌っていなかったのですが、今回は嵌りそうです(^ ^)
中村さんも三回目の上演でいろいろお考えになった部分もあるでしょうし、演出助手さんが新しい感性で手伝った部分もあるんでしょうね、きっと。ちなみに演出助手は、新公を担当した田渕さんと、もう一人、生田大和さんのお名前が入っています。田渕さんも新公を観るかぎり才能ありそうですし、生田さんの才能については私はとってもとっても期待しているわけで(^ ^)。いや、なかなかに羨ましい布陣です。
……お披露目はやっぱり、劇団側も精一杯のスタッフを揃えてくれるんでしょうか(^ ^)。



蘭トムさんのエリックが「現実」を生きていない天使だなあと思ったところはいろいろあったんですが。
あらためて東宝で観て、一番印象に残ったのは「My Mother Bore Me」でした。

「My True Love」を歌ってくれたクリスティーヌに逃げられてしまったのに、絶望しないエリック。

新公の(鳳)真由ちゃんの「My Mother Bore Me」の歌い方がちょっと中途半端だなあと感じていたのですが、そうか!と思いました。
本公演は全く絶望していないから、ああいう歌い方になるのも当然なんですけど、新公は、エリックの解釈が全く違うのに歌い方だけ引き継いでいたから、なんか違和感あったんだな、と思いました。

蘭寿さんのエリックなら、あそこはあのくらい希望に溢れて歌うのが当然で、全く違和感はなくて。あの場面のエリックの確信が強く、そして深ければ深いほど、何もせずに地下へ戻ることができずに、クリスティーヌの姿を視た途端に飛び出してしまうエリックに納得もできて。


なるほど………。



そしてもう一つ、印象的だった変更点(というか、キャラクターの違い)。

今回のクリスティーヌは、フィリップに恋してますよね?

ビストロの後のデートシーン。
「ごめんなさいフィリップ。私はなんだか混乱しているの」
という、クリスティーヌのソロ。
……今まで、宙組版でも花組版でも、ここはクリスティーヌは別にフィリップのことはどうも思ってないのよ、今はちょっと舞い上がって混乱しているだけなの、という場面だと思っていたのですが。
今回に限っては、その次の
「優しいあなたに見守られて歌いたい」「恋に落ちた、そんな気持ち♪」
というフレーズに意味がある、ように見えました。

この場面のラストに、シャンドン伯爵の御者が来るのは以前のバージョンも同じだったのでしょうか?(←覚えてない)
そこのちょっとしたやり取りを見て、すごく二人(クリスティーヌとフィリップ)の心が近い感じがしたんですが。

そして、それと同時くらいに上手から登場するエリック。
まず、仮面を着けただけで、ふつーに花束持ってあらわれるのがとっても好きです。初演宙組の、電話ボックスみたいなセットがぐるっと回るとあらわれるのがすごく不思議だったので(^ ^;。

で。
御者を追うように、仲良く走っていくフィリップとクリスティーヌ。
それを切ない瞳で見送って、新曲「If She Loves Him」を歌うエリック。

ああ、そうなんだ。クリスティーヌは、フィリップを愛しているという設定なのか、と。
エリックに対する気持ちは、「先生」に対する感謝と信頼と、そして、「天使のような美少年」に対する憧れまじりの母性愛、それだけなのか、と。

初演の宙組版を観た時は、クリスティーヌは最初からエリックしか見えていなくて、フィリップがいくらアピールしても眼中にない!という感じでしたし、前回の花組は、そもそもエリックが愛したのはクリスティーヌの声であってクリスティーヌではない、という気がしていました。


でも、今回は違う。
クリスティーヌは、はっきりとフィリップに恋をしている。

ロイド=ウェッバー版の「オペラ座の怪人」のクリスティーヌが、ファントムに「父親」を視ていたような意味で、コーピット版のクリスティーヌがエリックに視るのは、最初は「先生」であり、そして、素顔を知った後では「ピュアな美少年」だった……のだ、と。




絶望しない、「前向き」で「ポジティヴ」なエリック。
エリックに感謝はしても「恋」はしない、現実的なクリスティーヌ。
そして、典型的なヒーロー像の一つとしての「貴族の御曹司」、フィリップ。



私が本公演を最初に観たのは、大劇場の新人公演の日の昼公演で、まぁくんのフィリップだったのですが。
その時はそんなふうには思わなかったんですよね。
フィリップがもっと可愛くて、ふわふわしてて、、、なんというか、エリックと「対等」には視えなかったから、なんでしょうか。

フィリップ単体では若々しくて美形で歌がうまくて、良いなあ…と思っても、やはりフィリップ役には「エリックと対等の存在感」がないと駄目なんだなあ……、と。

とはいいつつ、まぁくんのフィリップも決して悪くはなかったので、東宝でのBパターン観劇を楽しみにしているのですが(^ ^)。



とりあえずは、そんなところでしょうか。

蘭ちゃんは、大劇場で最後に観た時が一番良かったなーー……がんばれーっ!!蘭ちゃんはやればできる!だって大劇場で出来てたんだから!!
蘭ちゃんのクリスティーヌ、私はとても好きです。可愛くてピュアで幼くて、なのに母性がある芝居は、「クリスティーヌ」という役にとっても嵌っていると思う。

これで、歌がもうちょっとだけ安定しさえすれば!!!
……祈。




最後に、新人公演の感想としてエリックのことを書いたページにリンクさせていただきます。
案外ちゃんとエリック論(?)を展開しようとしてたんだな、私。
http://80646.diarynote.jp/201107140301062952/

で。この感想の中で、真由ちゃんの「My Mother Bore Me」について語っていることは、どうぞ忘れてください(汗)。
「演出」と「解釈」の狭間で迷子になっているだけで、技術的な問題ではなかったようですものねっ(^ ^;ゞ




宙組青年館公演「ヴァレンチノ」、千秋楽おめでとうございます。
そして、妃宮さくらちゃん、ご卒業おめでとうございます!



なんだか、作品についていろいろ書きたいことがあったんですが、昨日力尽きて寝てしまったらもう千秋楽という(T T)。
7日間10公演。長いようで短いようで長いようで、やっぱり短かったな、という気がしています。
観るには十分な期間だけど、咀嚼して自分の中で解釈をまとめるには時間が(体力も?)足りない。そんな感じでした。


まあ、とりあえずは深く考えず、せっかく観ることができた千秋楽の様子を。

まず。

カイちゃんが化けました。
青年館の初日でもすごく良くなってて、おお!と思ったカイちゃん(七海ひろき)のナターシャ。
その後も観るたびにいろいろ違っていて、おもしろいなあと思っていたのですが。
千秋楽にまた大きく変わっていて、びっくりしました(@ @)。特に違うなあと思ったのは2幕かな。最後の「おしまいね、なにもかも」につながる心情の動きを丁寧に見せていて、一人の女性としてすごくなめらかになった気がしました。


もちろん、カイちゃんだけじゃなくて、祐飛さんはじめみんな色々違っていたし、普段の公演よりも「これで最後だ!」という気持ちが強かったような気がします。
やっぱり、一度中途半端な形で終了させられた作品が奇跡の再演を果たしたことで、観客の気持ちもずいぶん違うけど、演者の思い入れはもっと大きいんだろうなあ、と実感しました。


さくら(妃宮)関連は……お芝居では特になかったと思います。(←見落としてるようでしたら教えてください!)
いつも宙組の千秋楽は、カフェの場面とかで卒業生の回りに人が集まっていろいろやるのが定番のような気がするんですが。今回はテックスの店でも人の動きはそんなに変わらなくて。
フィナーレのダンスで、衣装に白い花をつけていたのが嬉しかったです。今回は特例だったので、そういうのも何もなしかなあ、と思っていたので。

フィナーレの最後、いったん音楽が止まって皆が奥に並び、祐飛さんが「アランチャ」を歌いながら一人ずつ目を合わせつつ回っていく場面。
さくらのところまできたら、いつも目礼だけで素通りする祐飛さんが、思いっきりさくらをハグしてあげてました。
サプライズに驚いたさくらの笑顔に、いきなり泣けました(^ ^;



挨拶はごくシンプルにまとめた祐飛さん。
さくらにもちょっと振って、笑顔で見守っていたのが可愛かったー(*^ ^*)。




祐飛さん、29名の宙組生徒たち、そして、スタッフのみなさま。

この素晴らしい作品を再演してくださり、本当にありがとうございましたm(_ _)m1.
「ハッピーエンド」とは違うけれども、「ハートフル」ではある物語。
今、この時に、この熱い夏に、30名誰ひとり欠けることなくこの物語を紡いでくださったことに、心から感謝しています。




東京特別公演「ヴァレンチノ」が終わって、4日。
公演中は「ヴァレンチノ」が終わったら考えよう、と棚にあげていたいろんなことが一気に降ってきて、めまぐるしい4日間でした。
気温はその間に大きく下がり、「もう8月だというのに雪よ」、違う、「長袖よ」という感じでしたが、明日からはまた夏に戻るみたいですね(^ ^)。中庸はないのか、中庸は。
そんなこんなでちょっと体調を崩したりもしておりますが、なんとか最低線はキープして
仕事もプライベートも頑張りたいと思います。



と、いうわけで。
最近しばらく書いていなかったので、まずはCSから。

「ヴァレンチノ」千秋楽の日、会場に入ってまず嬉しかったのが、客席をつぶして設置された大きなカメラでした。
当初は収録予定の無かったドラマシティの千秋楽で、満席の劇場の後方通路に置かれた小さなカメラで、それでもニュースの映像だけでも撮ろうとしてくれたCSに感謝しようとした気持ちを思い出して。
ああ、大丈夫、このカメラ(しかも複数)が入っていれば、千秋楽はちゃんと全編放映されるはず。
それが、本当に嬉しくて。

ドラマシティとはいろんな意味で別物になっていた、夏の東京公演。
これがきちんと形に残ることが、とても嬉しい。


昨日から始まった「ヴァレンチノ」千秋楽映像は、なかなかツボをついた編集で、何度見てもあの感動がよみがえります。
ああ、たまみちゃん(妃宮)可愛いなあ~!!

あちこち好きだらけなんですけど、中でも好きなのは、みーちゃん(春風)ジョージの「俺はいまでもサンチョ・パンサだ」「ご主人様の想いを、ドルシネア姫に伝えに来た」という台詞かなあ。祐飛さんのドン・キホーテ、似合うんじゃないかと思っていたりします(^ ^)。
そして、ラスト前の
「ジューンの遺品のタイプライターで、回想録を書こうと思う」
も、身体が震えるほど好き(^ ^)。この作品で、私の中のみーちゃんポイントがまた上がってしまいました(^ ^)。「バレンシアの熱い花」新人公演、好きだったなあ……。



CSは最近、私のアンケートを元にニュースの構成を考えているんじゃないか、と思うほど、いろんなところでツボだらけです。(いつアンケートに答えたんですか)(聞かれてませんが何か)

とりあえず、としちゃんの「花組を、ピックアップ!」コールで始まった従者トーク!あれはいったい、何狙い!?
とりあえず、普段化粧に従者髪型な皆様をじっくり見ることができてとても幸せでした(はぁと)「髪型もねえ~」みたいなことを言いながら回りのメンバーの髪型にツッコミをいれる瞬間に、真瀬くんの左側のくるんくるんな一房にツッコミを入れていた真由ちゃんがめっちゃ可愛かった~~(*^ ^*)なんの罠か、と思いましたが。

いやあ、お兄さんなよっち(月央)という貴重なものを拝見出来て、とても楽しかったです!
このコーナー、「その2」は24日、「その3」は26日だそうなので、どうおお見逃しなく(はぁと)。


おなじくニュースの中の新コーナー「Re:Q」。
なんか私の好きな人が次から次と出てくれて、とても幸せです。
タカラヅカスターに対する定型質問ではないものが多いので、意外な話が聞けたりして、結構楽しい!!



そして、「Takarazuka Beaties More」の花組編。
べーちゃん(桜咲彩花)と仙名(彩世)さん、可愛すぎるっっっ!!

去年のふぇありーず以来、私の中でポイント上昇しっぱなしのべーちゃんは、可愛い子ぞろいの花組の中でもぱっと眼を惹く、笑顔の可愛い93期の天使(^ ^)。
仙名ちゃんは、ファントム本公演ではメグに抜擢、新人公演ではカルロッタに大抜擢されて好演した94期。
いやもう、これ以上可愛い子増やしてどうするんだと思うほど層の厚い花娘たちですが、まだまだこんなに可愛い子たちがいるんですよー(鼻高々)(←なぜおまえが威張るんだ)



べーちゃんといえば、「夢スポット」も素晴らしかった(^ ^)。アーサー(煌雅あさひ)と二人、涼やかに浴衣を着こなして、大劇場の回りをめぐるお二人は、本当にお似合いでした(*^ ^*)。長身のべーちゃんをさりげなくフォローできるアーサーの余裕が素敵です。さすが花男(はぁと)♪



他にもいろいろツボがあったんですが、長くなるのでこのあたりで。。



最後に。
今日、2012年度のカレンダー掲載メンバーが発表されまshた。。
……基本的にはトップに就任した二人(蘭寿とむ、舞羽美海)が追加されたほかは、ステージカレンダーに星組のベニー(紅ゆずる)、卓上カレンダーに花組のだいもん(望海風斗)、雪組のきたろう(緒月遠麻)、彩風(咲奈)くん、星組の真風(涼帆)くんが追加されたくらいでしょうか。
思うところはいろいろあれども、まあ、ほぼ予想通り、というところかなあ。

来年のカレンダーはどんな笑顔に逢えるでしょうか。
魅力的な笑顔に出会えますように。



二日連続の呟きで申し訳ありません……。
でも、今日のニュースはちょっと気持ち的に盛り上がったので(^ ^)。


■星組バウホール公演「ランスロット」の稽古場。
うわああ、みんなカッコいい~~!!

ストーリーは良く判りませんでしたが(^ ^;ゞ、とにかくもうすぐ始まるんだ!という気持ちがすっごい盛り上がりました♪

真風くん、殺陣がかっこよさそう!歌はあまり難しいものでないことを祈る(真顔)
みっきぃさん(天寿)の怪我はもうすっかり大丈夫そうですね(^ ^)。
キキちゃん(芹香)が良い感じに黒いキャラっぽくて嬉しい。
夢妃さんの魔女が予想どおり(予想以上?)に魅力的だ♪
みきちぐ(美稀)がすごい渋くて格好良い!!

バウの稽古場ってこんなに短かったっけ?と思いつつ、とにかく、生田さんが紡ぐ世界がどんな色になるのか、とっても楽しみです。
早く観たいよ~~~。



■花組公演 従者トークII
よっち(月央)がリーダーなのが新鮮だ~~~っ!(←そろそろ慣れようね)

喋りたくて隙を探してる真瀬くんが可愛いです。
っていうか、真瀬くんに喋る隙を与えないメンバーがすごい(^ ^)。っていうか!全員一度に喋るなー!


輝良さんがバーベキューの道具を持っていた話で、真瀬くんが輝良さんの真似をして「持ってる!」と手を挙げて言った瞬間、反射的に某「JAZZYな妖精たち」の彩乃かなみ嬢を思い出したのは私だけではないはずだ!(きっぱり)


ピクニックの翌日、蘭寿さんが従者たちにおにぎりを握ってきてくれた話をしながら、みんなでおにぎりを握る手振りをするところが可愛い。
そして、両手でおにぎりを持って、もぐもぐ食べながら泣きそうになっていた様子を実況する前列の上級生が本当に可愛いです(はぁと)。


その後の自主稽古の話の後半、舞月くんは柚香くんに何を突っ込んでいたんでしょうか?(わからん)
……だーかーらー、全員でいっぺんに喋るのをやめなさいってば。


よっちと(冴月)瑠那ちゃんが二人で並んでモニターチェックをしている姿を想像したらちょっとワクワクしました(^ ^)。


プロローグの、セリ上がりチーム、上手チーム、下手チームってもしかして鋼板順ですか?
セリ上がりが上級生4人なことは知ってたけど……
上手は真瀬・真輝・和海・水美、下手は日高・がりん・舞月・柚香……ってこと?
次回観劇するときに確認しなくてはー。



ヒキもかなり面白いんですけど、次回はどんな話をするのかなあ~。




花組新人公演「ファントム」を観劇してまいりました!



……その直前にあった宙組の卒業生の発表にものすごくものすごくものすごーーーーく!!凹んでいたのですが。
だってだって!!たまちゃん(天羽)、こっしー(珠洲)、綾音らいらちゃん、凜ちゃん(美影)、桜子(琴羽)、こーまい(光海)、、、ですよぉ(泣)。
「ヴァレンチノ」率、あるいは「大江山」率の高さに目眩がしそうですってば。
モバイルタカラヅカから来たメール見たら、立っていられなくなって座りましたけど。


なんて、そんな状態の私がちゃんとMAXまでテンション上がったんだから、新公はすごかったんだなあ(^ ^)。なんて、今頃呟いてみたりする。

このぶっ飛んだ頭で、持ち帰ってきた仕事で夜なべしている自分が怖いです。絶対明日の朝おかしなことに気がつくに違いない。と思いつつ、取引先にメール送っちゃったもんねー(^ ^)。
まあいいや、明日謝ろうっと。(←おい)




宙組卒業生については、明日まとめて書かせていただきたいと思います。


今日のところは、とりあえず。

真由ちゃん、真瀬くん、みりおん、ホントにホントに良かったよ!!


それぞれ単体も良かったんですけど、真由ちゃんとみりおん、真由ちゃんと真瀬くん、真瀬くんとみりおん、それぞれがお互いを見詰めて芝居をしているときに発するエネルギーの相乗効果、、、とでも言うのでしょうか。その熱量の総量が凄まじくて、本当にびっくりしてしまいました。

正直、大劇場の新人公演の出来を超えるのは難しいだろうなーと思っていたんですよ。舞台自体の出来は良くなっているとしても、なんというか、観客側の期待値が上がり過ぎてしまっているから、それをクリアするのは難しいんじゃないかなあ、と。
でも。

……脱帽しました(^ ^;ゞ。ホント、余計な心配だったよ……。



前半は若干マイク(←というか、音響さん?)の調子が悪かったらしく(?)、歌いだしで落ちがちだった真由ちゃんのエリック。
「HOME」あたりからは色々こなれてきて、本当に素晴らしかったと思います。
いやーーー、私本当に真由ちゃんの声と芝居が好きなんだなあ(*^ ^*)。

大劇場の新人公演を観劇したときに、しっくりこないなーと思った銀橋の「My Mother Bore Me」も、今日はとても素晴らしかった!
大劇場では「絶望」と「希望」のブレンド具合が中途半端だったんだな、とあらためて気がつきました。歌い方が変ったというより、「My True Love」から銀橋に出るまでの芝居が変わって、あの歌い方にあったエリックになっていたと思う。
ものすごく説得力のある場面に仕上がっていましたね。

そして、そのままの勢いで親子銀橋からラストまで突っ走っていった真由ちゃん。
いやはや、この人は本当に凄い!とにかく、大劇場とは全然違うのに、違和感なく『真由ちゃんのエリック』だったことに感動しました。真由ちゃんの“まわりを巻き込む力”って凄いなあ。素直に感嘆。


真瀬くんも、ロングコートの着こなしが劇的に改善されていたり(←ええ、あれでも!)、こまごまといろんなことが何もかも違っていて、とっても新鮮でした。

舞台役者にとって「巧い」っていうのは褒め言葉ではないんですが、今回のキャリエールは、本当の意味で彼女が単なる「巧い下級生」から脱皮するきっかけになるんじゃないかな、と思いましたね。
というか、本人自身も自分の課題をわかってて、そのきっかけにしようとしているらしいのが嬉しい。
この学年で「ファントム」が回ってきたこと、一期上に真由ちゃんがいたこと、何もかも運命なんだと思う。
幸運の女神の前髪をひっつかんで捕まえられるように、がんばってくださいな。

大劇場の新人公演を終えて、「あえて役づくりをしない、という役づくりで本番に臨んだ」と熱く語っていた真瀬くん。真由ちゃんのお芝居について「何が出てくるかわからない」から「私も(鳳さんのお芝居を)その時の感情で受け止めたい」とCSで語っていましたが、ホント、笑っちゃうほど視てましたよね、真由ちゃんのエリックを。
大劇場の時はもう少し回りを観ていたと思うんですが、今回は本当にエリックに集中している感じで、なんだかとっても微笑ましかったです。

そして。
大劇場では、「You Are My Own」で感情を爆発させた後、そのまま壊れてしまってラストにエリックを撃つところまで「キャリエール」を維持できなくなっていたんですが、今回はきちんとコントロールしてきたのはさすがだな、と感心しました。

そして、あらためて新鮮に思ったのが、新公のキャリエールは、許されるまでエリックには触れないんだな、というところ。
「愛しい息子だ」と今まで言えなかったのは、エリックに拒まれていたから……という大劇場での印象は、間違ってなかったような気がしました。

愛を知らないエリック。本公演のエリックが愛されて闇を知らずに育ったのとは対照的な、まさに闇に生きるエリックと、息子を闇に置いたことを悔やむ父親の図。
……真由ちゃんと真瀬くん、そういう意味でもお似合いの、良いコンビだなあと思いました。



みりおん(実咲凜音)も、とっても良かった!「Melody,Melody」から「HOME」までの初々しい可愛らしさと、ビストロでの恋する瞳、そして「My True Love」で片鱗を見せる母性。
歌には最初から定評があったけど、芝居もずいぶん良くなりましたよね♪最後の立ち回りでのクリスティーヌは、昂然として凛々しくて、とってもハンサムで素敵でした♪



闇を抱いたヒロイン・エリック、
優しすぎて臆病なライオン・ジェラルド、
そして、
闇を切り裂くエクスカリバーを持った英雄・クリスティーヌ。


……本公演とは全く違う物語を紡いでくれた演出の田渕さんに、乾杯。




最後の挨拶で、大劇場とはうってかわってしっかりと挨拶した真由ちゃん。
その後ろで、まだキャリエールから戻ってこれずに19世紀パリの地下で茫然としていた真瀬くん。にこにこと可愛い笑顔で真由ちゃんを見守っていたみりおん。

あああ、これからの花組が楽しみです♪♪♪



あらためまして。
昨日、宙組の次回公演での卒業生が発表されました(T T)。


■天羽珠紀(83期)
最初の出会いはバウホール公演「フリーダム」だったなあ……と遠い目をしてみる。
あのソロ、すごく好きだった。今でも時々、鮮明におもいだすことがあります。
そうやって、樹里ちゃんが異動してからウメちゃんが異動してくるまでの数年間、私にとってのたまちゃんは、「見分けがつく唯一の宙組下級生」でした。

時が流れ、いつの間にか上級生になっていたたまちゃん。私がウメちゃん目当てで宙組公演も複数回観るようになった頃には、癖の強いベテランの上級生として、印象に残るけれども出番の少ないピンポイントの役が回ってくるようになっていたたまちゃん。

祐飛さんが組替えしてきてからは、最初の大江山以来、すべての作品に一緒に出てくれた……のかな?
博多座、シャングリラ、銀ちゃん、ヴァレンチノ、、、毎回本当に良い仕事っぷりで祐飛さんを支えてくれて、感謝しています。メロソープも大好きだったし、それ以上に「ファン」の時の怖さがとっても好きでした!

なんでもできるけど、何をやらせても癖がある。そんなたまちゃんの一番の当たり役は、私にとっては「ル・プティ・ジャルダン」のロワゾー4役です。
だから。彼女が卒業を発表したいま、最後の作品が植田景子さんの作品であることに、つい意味を探してしまう私がいます。

最後の役は「パオロ・プッティ」。あおいさん(美風)と夫婦で、すみ花ちゃんの父親……とか、そんな感じでしょうか。
ロワゾーを超える役に、最後に出会えることを祈りつつ。



■珠洲春希(83期)
最初の出会いは、たぶん「ファントム」の従者、だと思います。初見の時は、従者は一人しかいないと思っていたくらい、こっしーさんに釘づけでした。すごく印象的なダンスを踊る人だなと思って、それ以来ずっと、ショーのたびに追いかけていました。

宙組には珍しいくらい、お洒落でセンスのいい美人さん。
祐飛さんが宙組に来てからは、大劇場以外でご一緒したのは博多座くらい、かな。でも、結構一緒にやっている印象が強くいんですよね。「カサブランカ」のジャン、「トラファルガー」のジャービス提督と癖のある人物でしっかり組んだうえで、回ってきたのが「誰がために鐘は鳴る」のアンセルモ。こっしーさんのお芝居ではベストアクトだったと思ってます。あの時に見せてくれたロバートとの絆。こっしーさんがいてくれて、こっしーさんのアンセルモに逢えて、本当に嬉しかった。ありがとう。

私にとって、こっしーさんの一番は、「宙・ファンタジスタ」の火星の場面で、ともちん(悠未)と踊っていた、あのダンスです。
だから、最後の作品が藤井さんであることにも納得はするんだけど、逆に、中日の「Apasshionado!!」にも出てほしかったのに……と残念に思ったりもします。
あの場面、再演されないかなあ。みっちゃんのソロをたまちゃんにして、同期3人で。別に、銀橋を渡る人がいなくたって、場面としては成立するし、すみ花ちゃんが出てくるまではともちんメインで場がつくれると思うんだけどなあ……。



ともちん(悠未)が「クロスロード」のアルフォンソの影、たまちゃんが「フリーダム」、こっしーさんが「ファントム」の従者。気付いたタイミングはそれぞれ違っていたし、この3人が同期だってこともつい最近まで気がつかなかったけど(^ ^;ゞ、今になってみれば凄いメンバーなんだなあ、宙組83期。
83期も、ついに劇団全体でともちんとみわっちの二人だけになってしまいますね。さびしい……
でも、退団発表の前に「Graph」の83期特集を読んでおいて良かったです。もう一回読みなそうっと(T T)。



■綾音らいら(88期)
らいらちゃんとの最初の出会いは、「Paradise Prince」新人公演のメイ。
でも、本当にちゃんと認識して、役を離れても見分けがつくようになったのは、たぶん「大江山花伝」からだと思います。
芝居もダンスも「しっかり者」という印象で、頼もしい女役さんだなと思いながら見守っていました。

宙組は上級生の女役が豊富なので、なかなか役がつきませんでしたが、「誰がために鐘は鳴る」とか、いつも良い芝居してたのになあ~(溜息)



■美影凜(90期)
最初の出会いは「カサブランカ」ってことになるのかな?
ぱっと眼を惹く美人で、スタイルが良くて、声が綺麗で、歌えて踊れる!なんて貴重な人材なのかと思うけど、さっぱり役がつかないままに研6を迎えていたんですよね……つくづく、勿体無かったなとおもいます。
去年くらいから急激に役がつくようになって、露出も増えて(CSの「ヤングパワー」とか。日経ホールのトークとか)、そして「Rising!」での抜擢。密かなお気に入りが突然アイドルになったみたいで、勝手に寂しくなったりもしつつ、嬉しかったんだけどなあ……。
まさかここで卒業されてしまうとは(涙)まだ研8なのにー!

ああいう、大人っぽくて歌えて踊れて芝居もできる美人は、これからが使い時なのになあ。「トラファルガー」のナポリ女王とか、すごく良かったのに。ああいう役が本役で回ってくるようになるまでにはもう少し辛抱が必要だけど、でも、あの優雅な仕草や雰囲気は貴重だったと思うんだけどなあ(T T)
制作側のスタッフも、残念に思っているに違いない……



■琴羽桜子(90期)
最初の出会いは、いちおう「大江山花伝」の五月雨、ということになるのでしょうか。
その前から、新人公演で何度かタラちゃん(愛花)の役っ桜子は、なんとなく判っていたはずだけど、でも、あんまりよく覚えてはいないんですよね(すみません)。
やっぱり五月雨の出会いは印象的だし、それ以上に「Apassionado!!」の格好良さが印象的でした。

研7だった去年、「トラファルガー」のジョセフィーヌ(本役:五峰)に「誰がために」のピラール(本役:京)と、女役として最高峰に近い役を歴任し、きちんと結果を出した実力派。可愛くて芝居ができて踊れて、私の中ではすでに“スター”の一人だったんだけどなあ……。

博多座、シャングリラ、ヴァレンチノと、「Rising!」の時期以外はずっと祐飛さんと一緒だった桜子。「ヴァレンチノ」では、ドラマシティ公演の時のレポートにも書いたけど、ハリウッドでのエキストラの場面の桜子が最高に面白かった……。
ファンの活躍も見事だったし、他の場面でもいろいろ弾けてて楽しそうだたなあ(*^ ^*)。
「黙示録の四騎士」でジュリオの相手役を務めるリハーサルシーン。(蒼羽)りっくんと踊っているときのぎこちなさと、ルディーと踊りだした途端に出てくる伸びやかさの対比がすごかった。ああいうのって、技術で相手を巧く見せることって出来るんですね……(もちろん、振付が絶妙なんだとは思いますが)。そして、踊り終わったあとの“ぽーーーーーーっ(*^ ^*)”とした、“心ここにあらず”みたいな雰囲気づくりも、すごく良かったと思います。あれこれ話しかけてくるりっくんを無視して(時には肘鉄も食らわせながら)、一生懸命ルディーの気を惹こうとしているのが凄く判りやすくて面白かった!!(^ ^)。

まあ、なんといっても圧巻は、ハイレグダルマでルディーにまとわりつくコロスでしたが。あの色っぽさと美しさ、そして怖さ、、、、あれはホント、半端なかった……。

でももう、桜子が決めたことなんだから。
引き止めはしません。引き止められるはずもないし。



ただひとつだけ。
藤井さん、お願いだから、ダンサー・桜子とダンサー・凜に、ちゃんとした見せ場を!!

……卒業生に限りない愛を注いでくれる藤井さんだから、期待してもいいかなあ……?



■光海舞人(90期)
そして、こーまい。
こーまいが卒業、と聞いた瞬間に、月組のきっしー(彩央)の卒業が発表されたときの衝撃を思い出しました。
しかーし!!君はきっしーより更に2年も若いんだぞ!!!
まだまだやるべきことを終えてないんじゃないのか!?

……と、叫びたい気持ち。
あんなに良い芝居をするのに、役らしい役がなかなかつかないこーまい。
「ヴァレンチノ」での活躍ぶりが、目の裏に残っているのが切ないです。

ハリウッドのエキストラ募集で、「ついてねえなあ、おい」と一言良い置いて去っていく男の、その背中の哀愁と絶妙のしょぼくれ具合が本当に素晴らしかったなあ(*^ ^*)。
煮えたぎっていた「ファンの女の子」、何度かある「店」の場面で、客として見せるちょっとした気配りと傲岸さ。こういう役で、ここまでいろんな表現ができるってすごいことだよなあ、と思いました。

景子さん、お願いだからこーまいにも「ちゃんとした」役をあげてくださいね。
こーまいの最後の役は、ミゲル。名字がないのが気になりますが、ちゃんと本筋に絡む、思い出に残るような役でありますように。



昨日のCS

2011年8月27日 宝塚(花)
CSの「従者トークIII」を視ました。

I、IIとほとんど喋る機会が無かった下級生に話をふったよっちに感心しつつ、観たいポイントが増えてしまって困っています。
あと12回……むり(T T)。
せめて、この放映が東宝公演前だったら……(真顔)


明日は早起きしないといけないのにさっきまで仕事をしていた…という状況なので、ちゃんとしたレポートは後日書かせていただきます。

っていうか、新公感想、メインの3人の分しか書いてない!駄目じゃん私!




……もとい。
「従者トーク」の、最後のサプライズを視ながら思ったこと。

蘭トムさんのエリックは、孤独じゃないんだな、と。
「僕は、きみたちといると心が休まるんだ」
……オペラ座の地下、という平穏な居場所を得たエリック。

新公の真由ちゃんエリックは、すごく孤独を感じました。
キャリエールの愛を拒否して、従者たちの愛をスルーして、ただただ寂しそうだった。
愛された記憶があるのに、自分の中に閉じこもったまま、愛されていることに気づかない。

不器用で臆病なキャリエールは、あまり愛情を表に出さないし、あまりに下級生すぎる従者たちは、人数が少ないせいもあって存在感が弱くて、エリックの孤独は際だつばかりでした。
瞳に闇を湛えて、ただ救いに来てくれる誰かを待っている、“ヒロイン”なエリック。



従者とエリックの間に流れる情が客席からも感じられる本公演のエリックは、孤独ではありませんでした。
瞳の奥に希望を抱いて、救うべき姫君を探している“ヒーロー”なエリック。


ああ、もう。
新人公演を観たときは、早くもう一度本公演を観たい!と思ったのに、
本公演を観たら、また新人公演を観たくてたまらなくなりました。

あの孤独な少年とその臆病な父親に、二度と逢えないのがとても寂しいです。


宝塚バウホールにて、星組公演「ランスロット」を観劇してまいりました。


作・演出は、新進の生田大和。

とりあえず、叫んでおきます。
生田さんのファンでいて良かった!!
(なんか違わないか?)(いいの事実だから)

私にとって、現時点での2011年中小劇場作品のBest、……少なくとも、「作品」は間違いなくBest1です(^ ^)。


いやあ、これ、東上してほしいなあ。
青年館なら即日完売とかしないだろうし、少し時間をおいて真風くんにもう少し歌をレッスンしてもらって、サウンドホライズン好きの人が気軽に観にこられる環境をつくってみてはどうでしょう。
私は「サウンドホライズン」って名前くらいしか知らなかったけど、そっちから宝塚に流れる人、結構いるんじゃないかなあ。たまたま近くの席にサウンドホライズンのファンの方がいたんですが、幕間も終演後もすごい盛り上がりようで、「オーシャンズ11」を観たい観たいと騒いたんですよね(^ ^)。Revoさんの提供曲は数曲で、あとは太田健さんが構成しているはずなんですが、「サウンドホライズン」の世界観にかなり合致していた、みたいだし、宝塚ファンだけを相手にするんじゃ勿体ないなあ、と思いました。

……いや、あの、「音楽」をキーにして新規を取りこむとなれば、真風くんには死ぬ気で歌を練習していただく必要がありますが(^ ^;ゞ



などという夢咄はおいといて、とりあえず……キャストごとに一言ずつ。
まだ公演も始まったばかりなので、ネタばれしないように書くつもりですが……なかなか難しいなあ(- -;


■湖の騎士ランスロット(真風涼帆)

バウ初主演でこの名作、おめでとうございます!

おっとりと優しくて、ヘタレなランスロット。心は熱いんだけど、ヘタレだからあまり表に出てこない真風くんが大好きな猫としては、なかなかおいしいキャラ設定でした。
水さん似の容姿と声から、なんとなくシャープなイケメン、というイメージを持たれることが多いような気がしますが、真風くんの中身は、本当に「おっとりと優しい」感じがします。

ランスロットは、円卓の騎士団の団長だったり、王妃との恋愛があったりするので、もう少し理知的でシャープなイメージかな、と思っていたのですが、生田さんの描いた等身大のランスロットは、真風くんの本来のキャラをそのまま生かして、とても魅力的でした。



冒頭のオープニングで、湖の魔女ヴィヴィアン(美穂)が、戦乱で母(妃白)と国を喪った少年ランスロット(妃海)に問いかける。

「あなたは何を望むの?この世界に」
「もう、何も喪いたくない……」

それが、希み。
幼い少年が全身全霊をかけて叫ぶ、祈り。
その祈りは正しい。でも、

「……強くなりたい。僕は、強い力がほしい!」

その言葉は間違っている。

それは本当の希みではない。
彼は選択を間違えた。彼の希みは、そんなものではないはず。
なのに、

「ならば、この剣を取りなさい……」

人の運命を紡ぐ湖の魔女は、彼の間違った希みを受け容れる。
そうして、動き出す歯車。運命の車輪は、悲劇への坂を一直線に滑り降りる。

最初の第一歩を間違えていた、ランスロット。
アーサーと出会うよりずっと前から、彼は間違った道を歩んでいた。だからこそ彼は、聖杯に欺かれ、主君を苦しめることになる。
主君アーサーが愛したのは、彼の「力」などではなかったのに。



■ブリテンの若き王アーサー(天寿光希)

素晴らしかった!

そもそもの最初から間違った道を歩んできたランスロット。
今までずっと、「正しき道」を選んできたアーサー。
生田さんが描きたかったのはそんな二人の対比であって、技術的にも芝居の構成的にも、どんだけみっきぃさんを信頼しているのか!?と驚いてしまったほど、比重の高い役でした。
まあ、CSの「Young Power!」で、主演でもないのに生田さんが出てきたときから期待はしてましたけど(^ ^)。



生まれながらの王ではなく、なりたかった王でもなく、人智を超えた存在(エクスカリバー)によって選ばれてしまった、王。この設定は、小野不由美さんの「十二国記」と同じで。このシリーズの王たちと同じ苦しみが、そこにありました。
否応なく与えられてしまった運命を受け容れて、いかに生きるか、という、悩み。
自分は本当にその器なのか?という、痛み。

プロローグでの、魔法使いマーリン(如月蓮)との会話の痛さに、まず泣けました(←早いよ)

「人である前に王であれ」
「王である前に人として生きたい」

王が人を愛してはいけないのなら、自分は王にふさわしくない。
そう応じる王は、本当に人々を、騎士たちを信じて、そして、愛していたのだと思う。

いや、マーリンの戒めは「王は、誰か一人を特別に愛することがあってはならない」ということなのでしょうけれども。それがたとえ王妃であっても、特別な愛を捧げてはならない、と。
それは理屈ではわかっていても、それでも彼はこう応じる。

「愛する心持たぬ王にはなりたくない」

人の心は御せないものだから。
運命のままに、人は出会ってしまうものだから。

それでも、アーサーは最後までマーリンの教えを守ろうとしたのだと思います。
思いがけない街での出会いで、グウィネヴィアに「恋」してしまったことを、隠そうとした。「愛」しているのだ、「王妃を愛して」いるだけだ、と、そう自分にも言い聞かせ、王妃の前でも「王」であらんとした。
「恋」している自分をさらけだすことが、どうしても出来なくて。

……そして、グウィネヴィアには彼の気持ちが判らなかった………。

ランスロットは火のように恋をする男。
グウィネヴィアへの気持ちも、アーサーの描き出す理想への想いも、同じように熱く、濃かったのでしょう。
それに対して、アーサーは穏やかな水。方円の容にしたがい、与えられた運命を受け容れて自分の中で消化し、義務(noblesse oblige)を果たそうとしていた。
その、痛々しいまでの生真面目な頑なさが、ちょうど今まで観てきたみっきぃさんのイメージとかぶって、ストレートに胸が痛みました。

みっきぃさんのお芝居は、前から本当に好きなんですけど。
でもやっぱり、休演からの復帰、そして「ユリウス」という大役での本公演のお芝居……いろんなことがあったこの一年で、別人のように成長したな、としみじみと思いました。
小柄なみっきぃさんが、甲冑に若干埋もれつつ、それでも強烈な光を発して「円卓の騎士」たちをまとめる様子を観ていたら、一回くらいこの人のセンターも観てみたいな、と思ってしまいました。
新人公演もあと一回。まあ、ここまでくれば、どんな役でも輝いてくれるだろうとは思いますが。
ここはやっぱり、ね(^ ^)。ことだま、ことだま。




この物語のテーマは、
自分自身の運命を切り拓くために必要なのは、「強い力」ではなく、「自分の頭で考え、意志をもつこと」
……かな、と思いました。

願ったようには動かせぬ世界。
望んだようにはならない人生。

何が幸いするかなんてわからないし、どこで「正しい道」を踏み外すのかも、人の身ではわかりはしない。
聖杯という奇跡に狂わされたランスロット、
グウィネヴィアへの恋とランスロットへの友愛の狭間で、「正しき道」を踏み外したアーサー。
与えられた奇跡に酔ったランスロットは罰を受け、自らの意志で道を外れたアーサーは救われる。
彼自身が描いた理想が、叶えられる。
それを永遠にできるかどうかは、そこに「生きて」在る者たちにかかっているのだけれども。


ちーくんのヨセフが繰り返しつぶやく、「それは誰が望んだ物語なのか?」という問いかけ。
「希み」を持つ者が物語を動かす。
それはつまり、「理想の世界」という希みを掲げたアーサーこそがこの物語の本当の「タイトルロール」なのだ、ということになるんだと思う。

そして、ランスロットは、アーサーの物語を紡ぐ駒の一つでありたかった。
そうなれなかったのが、彼への罰。そして、ランスロットがそうならなかったことが、アーサーの瑕になる。
……瑕の数だけ、彼は偉大な王になるだろう。それが彼の、希みだから。「愛する心を喪わぬまま、王でありたい」……と。



■隻腕の騎士モルドレッド(芹香斗亜)

出番はほぼ2幕だけでしたが、堂々たる悪役っぷりで、こちらも素晴らしかった!
フィナーレで、真風くんセンターに両脇がみっきぃさんとキキちゃん、なんて図を観たら、涙腺緩みますってば。

去年のスカイフェアリーズですっかり見慣れた可愛らしい笑顔からは想像もできないほど、「悪意」に満ちた芝居のできる数少ない色悪のスペシャリスト……などと、この学年(研5)で言われてしまって良いのかどうかわかりませんが(^ ^;ゞ、実に実に!素晴らしかったです。
ちょっとこの人を語りだすと長くなるしネタばれになるので割愛しますが、事実上、2幕の裏主役だったと言っても大袈裟ではないでしょう(^ ^)。



■魔女の娘モルガン(夢妃杏瑠)

アーサーの先王ユーサーと、森の魔女モルゴース(花愛瑞穂)の間の娘。
ユーサーは、ブリテンを護るために魔女の力を借りようとしたらしく、その代償に、モルゴースの子を王家に入れると約束した。けれども、その約束は反故にされた……らしい。(ユーサーが最初からそのつもりだったのか、約束を果たす前に滅んでしまったのかはよくわかりませんでしたが。どっちなんだろう?)
とにかく、モルゴースは娘に「お前を棄てた父親」「約束を護らなかった父親」への憎しみを植え付けて育て、ブリテン王家への復讐の道具として育てた。

こちらも裏ヒロインとも言うべき存在で、定評のある歌だけでなく、芝居も素晴らしかった!
良い役でしたねえ、ホントに。特に二幕の、ヴィヴィアンとの会話あたりからラストにかけて、すごく良かった!

グウィネヴィアと同じように、「自分の役目」を叩きこまれて育てられた少女でありながら、王妃が運命に流されて漂っているだけなのに対して、“自分の意志で”運命を変えようとする。
彼女が選んだのは、運命の打破。
その先に何も見えていなかったから、運命に勝つことはできなかったけれども。
それでも、彼女が意志を持ったことで、たしかに運命は変った。モルゴースという「母」の嘆き、という形で。



あとはもう、ちーくん(美稀)のヨセフがものすごいキーパーソンだったこととか、
汐月しゅうさんのボールスが、思わずオペラグラスを持つ手が震えたほどイケメンだったこととか、
千寿はるさんのケイがめっちゃ優しい瞳でずっとアーサーを視ていたこととか、
夏樹れいさんのパラミデュースが一人黒塗りにアラブ風の衣装(?)が似合ってて大変素敵だったこととか、
漣レイラさんのライオネルが、ボールスと同じ三つ編みを逆サイドにつけて(ボールスとライオネルは兄弟)紅いマントを翻すところが滅茶苦茶格好良かったとか、
書き始めるとキリがないので、今夜のところはこのあたりで。


あ。
少年ランスロットの妃海風ちゃんは、本当に可愛いし、芝居も良いですね!
「メイちゃんの執事」で気になった子ですが、「ノバ・ボサ・ノバ」でもすごく目についたし、パッとした華があるんだと思います。ぜひ、次の新公あたりで何か役がつきますように!






一年半前の、「Bund Neon-上海-」。
あのとき、一幕で拡げすぎた風呂敷を二幕でたたみきれずに玉砕していた生田さん。

今回も、一幕終わって時計を観たら12:10を過ぎていて。
……ああ、また駄目だったか、と肩を落とした幕間。

しかし!
一年半は一人の若者が成長するには十分な時間であったらしい(^ ^)

聖杯探索を2幕の冒頭3分で終わらせて、モルドレッドの誕生をあっさり終わらせ、すべての伏線を拾い切ってラストまで運んだ末に、フィナーレもしっかり3場面。そこまでをきちんと時間内に収めた手腕は素晴らしかった!

いやもう、ホントに良い作品でした。
星組の若手、技術的に未熟だったりいろいろあっても、キラキラした魅力的な子がいっぱいいるのになかなか使われないなあと思っていたら、ここで一気に来た!という気がしました。
若い座組の「若さ」を前面に出して、「未熟ゆえのすれ違い」をテーマにしたところが、生田さんの傑出したところなんだと思います。

そして、私は生まれて初めて、プログラムの作者言を読んで泣きました(- -;ゞ。
ありえん……どんだけファンなんだ自分。
そうだ、ファンレター書こう!(←そこ!?)(その前にみっきぃさんでしょ!!)


CSニュースの「ファントム」新人公演映像を視ました。


私が観劇した席が上手の端席で、「You Are My Own」の銀橋のキャリエールは背中しか見えず……(T T)だったので、ラストフレーズのキャリエールをしっかり流していただけて、とても嬉しいです。
流してほしいものはほぼ映していただいたかなと思いますが、一つだけ残念だったのは、「My True Love」を聴いている鳳エリックが無かったことかなあ。
あそこは、もちろん歌っているクリスティーヌも大事なんですけど、聴いてるエリックもすごく好きなので……。いや、もちろん、そんなことを言い出したら全編流してほしいという話しだと思いますけどね。

著作権の関係で、明日までしか舞台映像は流れないらしいので、まだご覧になっていない方、ご注意を。




さて。
先日、エリック・クリスティーヌ・ジェラルドの3人だけ叫んだままになっている花組新人公演感想の続きを。えーーーーっと、登場順に(^ ^)


■従者
人数も6人と半減し、通し役でもなくなった「従者」たち。
頑張っていたけど、あまりに下級生すぎるせいか、私が真由ちゃんと真瀬くんに目を奪われすぎていたのか、あまり目に入らなかった……というのが正直なところです。ごめんなさい。


■フィリップ(大河凜/愛音・朝夏)
良くも悪くも、大劇場のときとあまり印象が変わらなかった、かな。
回りがものすごく成長している中で、同じくらいがりんちゃんも伸びていたんだと思うのですが。そういう意味では、フィリップって損な役なのかも。


■ソレリ(月野姫花/華耀)
こちらも、よくも悪くも大劇場と印象が変わりませんでしたねえ。がりんちゃんとの並びは眼福でした(^ ^)。


■ピエロ(真瀬はるか)、風船売り(天真みちる)、手風琴(銀華水)
いやはや。私の席からはピエロはほとんど見えなかったのですが、大劇場よりさらに弾けてたみたいですね(^ ^)。CSさんがちょっとでも流してくれたらなーと期待していたのですが。いや、贅沢は言いませんが。
真瀬、天真、銀華の92期三人衆が揃って楽しそうに小芝居しているのを観るのはとても幸せです。どうしてあんなに可愛いんだろう3人とも。


■少女(桜咲彩花)、少年(美蘭レンナ)、花屋(春花きらら)、パン屋(花蝶しほ)
べーちゃんとレンナちゃんの眼福な少年少女に釘づけでした。べーちゃんも娘役としてはかなり長身なほうだと思うのですが、レンナちゃんは本当に背が高い!スタイル抜群で可愛くて、一時期の男の子ばっかりやっていたウメちゃん(陽月)を連想しました。
きららちゃん・しほちゃんも可愛いなー!お店での居方にも個性があって、可愛い二人でした。


■ジョセフ・ブケー(神房佳希/天真)
前から芝居の達者な人だなーとは思っていましたが、さすがですね。天真の役なので新公は苦労するかも、と思っていましたが、どうしてどうして(^ ^)。死体の迫力も凄かったです。


■カルロッタ(仙名彩世/桜)
大劇場でも素晴らしかったカルロッタ。こちらはパワーアップが著しくて、舞台を壊すぎりぎりのところにいたような。まあ、バランス感覚なんてものはこれから身につけばいいものなので、今は全然OKなのですが。
むしろ彼女の課題は化粧かも、と思いました。カルロッタは良いけど、本公演のメグは、もっと普通に可愛い美少女化粧の方がいいと思うし。そういう、役柄に合わせたメークが可能な顔立ちなんだな、と思いました。

それにしても、本当に巧いわーーーーーー。旦那様との、いちいちズレたやり取りがたまりません(^ ^)。


■音楽教師(花蝶しほ/高翔)
本役は男性役なのに、新公になったら女性…というのがちょっとびっくりでしたが、これはこれでありだなあと思いました。しほちゃん、落ち付いた教師役がとても似合っていて、良かったと思います。

■ダンス教師(白姫あかり/花野)
この役は、プロローグの「鳥A」とセットなんですね。本公演のじゅりあはさすがなんですが、白姫さんもさすがでした(^ ^)。個人的に、
「買収された男、文化大臣よ!」という激しい非難の声と、
「信じられる?あなたの衣裳係が、私たちの誰よりも良い声をしているなんて」という超嫌味な言い方がとっても良かった…ような。

ガブリエルとマダム・ドリーヌが、その役で最初に登場して歌う歌(夜のための着替え)は、大劇場よりはずーっとマシになっていた…と思います(^ ^;ゞ


■アラン・ショレ(輝良まさと/愛音・華形)
大劇場よりぐっと落ち着いて、良くなっていたと思います。立ち姿が格好良いのはさすがですが、ぶっ飛んだカルロッタを包み込む包容力が見えてきたような。
カルロッタの部屋にスタッフが入りこんできたときは、最後に服がひっかかって一緒に部屋の外に出てしまった……みたいな芝居になっていたのが面白かったです。オペラ座の女の子に片っ端から声をかけて言い寄っていたのが面白かった。変わり身が早い小者っぷりがおみごとでした。


■ヴァレリウス(春花きらら/初姫)
大劇場より少し抑え目にして、全体のバランスをみていたような気がします。良い仕事をしていました。それにしてもあの美貌に豪華なドレスは目立つなあ……(しみじみ)


■ジャン・クロード(天真みちる/夏美)
大劇場でも絶賛したジャン・クロード。東宝ではさらに落ち着いを増して、本当に本当に素晴らしかった!


■モーク・レール(日高大地/扇)
「愛と死のアラビア」から3年。日高くん、台詞巧くなったなあ!!(感嘆)
舞台監督(?)としての身のこなしの鮮やかさはさすがだし、いろいろ目を奪われました(*^ ^*)


■モンシャルマン(銀華水/紫峰)
案外と出番の多い役なんですが、銀華さんは本公演ほどヴァレリウスとラブラブではなかった……ような?むしろ、どっかの場面で違う子を口説いていたような。なかなか面白い、曲者感のある役づくりが面白かったです。
この学年で、こういう腹の深さがある芝居ができるのが、銀華さんのすごいところだなあと思います。


■ルドゥ警部(真輝いづみ/悠真)
相変わらずシャープな切れ者感が漂って、とても素敵でした。
キャリエールが「君たちはあちらを探してくれ」と言ったときの、莫迦にしきった反応とか、絶対こいつ、囮につかうつもりだな!って感じでした。
「生け捕りにするチャンスだ!」という台詞の説得力(?)もさすが。いやはや、さすがの一言です。


長くなってきたので、続きはまたいずれ、とさせてください m(_ _)m




同じニュースで流れた、「ランスロット」初日映像。
やっぱりモルドレッドがらみはネタばれ扱いなのね(^ ^;

個人的に、アーサー王とランスロットの絡みがほとんどなくて、とても残念です。
……千秋楽映像に期待。


花組新人公演「ファントム」。



■セルジョ(柚香光/華形・朝夏)
「愛のプレリュード」でスター候補としての可能性を見せつけた柚香さん。街の男でも団員でもとにかく華やかで、パッと目がいくんですよね。「フェアリークイーン」の妖精のダンスは軽やかで可愛くて、とても良かった!(でも、緑の角がなかったのは何故なんだろう……)
歌もちょっとだけど無難に歌っていて、仲間たちとの小芝居も楽しいし、すごく良かったです。次公演あたり、メインキャストに入ってきそうで楽しみ♪


■リシャール(水美舞斗/望海)
従者として踊っているときのシャープな印象とは全然違って、ほわんとした雰囲気の若者でした(^ ^)。オーべロンの歌は、東宝もとっても良かった!伸びのある優しい声で、場面にもよく合っていたと思います。


■ラシュナル(和海しょう/瀬戸)
新人公演はカルメンの場面がないので、目立つ場面は結構少ないのですが、しっかり存在感をだしていたと思います。すっきりとした二枚目で、オペラ座の若きスター!という感じでした。
歌える人なので、歌が少なかったのはやっぱり残念。


■フローラ(桜咲彩花/華月)
もう、可愛くて可愛くて(壊)
クリスティーヌが最初にオペラ座に来た時の「私に当てさせて!」とか……一連のやり取りが、叫びだしたいほど可愛かったです(はぁと)。
個人的に、ビストロでカルロッタが歌いだした時の反応が面白くて大好きです。
ほんのワンフレーズ歌っただけで、音も高らかに拍手をして、、、でもカルロッタが歌いやめないのでがっくりと肩をおとす、という芝居を、娘三人で順番にやっていたのがもうたまらない!!

■フローレンス(花奈澪/梅咲)
もう可愛くて可愛くて(以下同文)

■フルール(鞠花ゆめ/月野)
もう可愛くて可愛くて(以下同文)

三人とも、本当に可愛かったなー。
ディズニー版「美女と野獣」のスリーガールズをやってほしい!!と思いました(←そこ?)


■ベラドーヴァ(菜那くらら/芽吹)
子役を多く経験しているななくらちゃんですが、だからこそ、「若く純真な女性」を演じたらぴか一なのかも、と思ったくらい、可愛くて透明感がありましたね。声質も透明で柔らかくて、とても気持ち良かったです。
いろいろ気をとられていたので(すみません)あまりちゃんと芝居を観れていないのですが、がんばってたし、とっても可愛かったです♪


■ヤングキャリエール(優波慧/華形・朝夏)
こういう芝居は、経験がものを言うのかもなあ……、と、本公演の役替りを観て思いました。難しいんですよね、たぶん。銀橋のキャリエールが語る物語を、実際に演じて見せる、っていうのは難しいんだろうなあ。やりすぎて自分が出ても駄目だし、やらなかったら全然駄目だし。
キャリエールの真瀬くんとはどんな話をしたんでしょうね。朝月さんが育つと真由ちゃん、っていうのはなんとなく納得できたのに、優波さんが成長しても、あのキャリエールにはならないような気がする……(; ;)。



■薬草売り(美花梨乃/初花)
本公演の初花美咲ちゃんが迫力のある美貌と力強いダンスでとても印象的な薬草売り。
美花さんも、大劇場に比べると化粧がぐんと良くなって、なかなかの迫力でした(^ ^)。元々可愛らしいタイプなので、こういう「迫力美人」の役は苦戦ぎみかな?という気もしましたが、表情もクールで、なかなかにシャープな仕上がりでした(^ ^)。


■幼いエリック(朝月希和/実咲)
本役のみりおんより、さらに子供っぽい歌声と泣き声が印象的でした。キャリエールから仮面を受け取るまでのちょっとした芝居が切ない。
母親が亡くなる前のやんちゃで元気いっぱいな芝居も可愛くて、すごく良かったです。


メグの美蘭レンナちゃん(本役;仙名)は、やっぱり可愛いけど、台詞はまだまだ経験不足という印象。歌が(場面ごと)カットされていたのは、やっぱり残念だなあ。

ジョルジュの羽立光来(本役;彩城)のオネエキャラは健在で、最初の「夜のための着替え」から楽しませていただきました(^ ^)。下級生なのに達者な人だなあ~!

クリスティーヌが「HOME」を歌いだすとき、オペラ座のバレエダンサーのセンターで踊っているダンサー(本役:白姫)は、凪咲さん……でしょうか?ストップモーションでのポーズがすごく綺麗で、ぴくりとも動かないのに感心しました。

従者と警官(本役:夏城)を兼任していた冴華りおなさん。どの場面にもいるので、最初はちょっとびっくりしてしまいました(^ ^)。早替りの連続……ですよね?すごいなあ。



そんなところでしょうか。
もっといろいろチェック項目があったはずなのですが、、、また思いだしたら書きます(^ ^)。