花組大劇場公演「太王四神記」について、ごくごくごくごく一部の限られた方(←多分、私だけ)に、残念なお知らせがひとつ。


数日前、祐澄しゅん様が演じるチョク・ファン将軍について、この欄で熱く語った私ですが。
http://80646.diarynote.jp/200901280207082835/
さらに熱く煮えたぎったコメントを下さったCul様が、最新のニュースを送ってくださいましたm(_ _)m。



今日2回観劇しました…私が妄想したこと全部、誤解だって言われてるようにキッパリと、チョクファンのホゲへの想いを示す仕草は無くなってました

…私たちが、あんなに熱くコメント欄で煮えてから、わずか一週間なのにっ(T T)。
はっ。もしや、あんな煮えたぎった日記を読まれて、逃げられてしまったのでわ…………
しょぼーーーーん。

武人としての潔癖さは無くなって単に性格が優しい人になってました。
まっかつで諫めるのは本当に見かねたからだし、武道会での槍は、驚きはするものの、すぐ王とタムドクのやりとりに気を取られて、ホゲをどうこう…とは思わないみたい。

まあ、武道会での反応は元々一瞬でしたけどねぇ。
うーん、そこまで変わるとなると、小池さんの演出指示なのかな?という気がしますね。
だとすると、東宝までの間に元に戻ったりはしないのかなあ(T T)。

ヒョンミョンも、ホゲの死を激しく悲しんでくれたのは、私がみた幻想だったみたい 都暮らしが長い感じもしなくって(鴨売りは皆さんと仲良さそうなままだけど)、ヒョンゴたちと同じ表情で通りで歌うようになりました。…悲しい。

なんか、細かい芝居は各人整理されて、チームごとにまとまりましょう、そして神器とタムドクを盛り上げましょう、という方向に感じた。
確かにエネルギーが一方向にまとまって大きくなったけど、あの繊細な個人芝居は(萌を差し引いても)大好きだったのになぁ…

そう、そうなんですよね!!
花組さんは、大劇場では観るたびに印象が違う(変わったり戻ったりする)人が多いなーと思ったんですけど、今回は特にその印象が強いです。皆お稽古では段取りを覚えるだけで精一杯だったのかな?(汗)
大劇場公演も終盤に入って、やっと「タムドクを中心にした物語世界」がまとまり始めた印象があります。初日あけてすぐに見たときは、もっと群衆芝居な感じだったので。
何をやっても群衆芝居になってしまう月組っ子を長年見ててきたので、こうやって、好き勝手な方向を向いていたメンバーが、短い公演期間にどんどんセンターを引き立てる方向にまとまっていくのを見ると、ついつい吃驚してしまいます。芝居の組み立て方みたいなものが違うんでしょうねぇ(^ ^)。


またお稽古場で見直してから東上してくれると思うので、楽しみにお待ちしています☆
……しゅん様のお芝居だけは、もう一回ご検討いただけると嬉しいんですけどねぇ(^ ^;ゞ。








そして、そうこうしている間に、花組さんの全ツとバウの振り分けが発表になりました!

壮ちゃんのバウは、専科から萬あきらさんと藤京子さん、長はまりんさん(悠真倫)。二番手はみつる(華形ひかる)……ってことになるのかな?
ふみか(紫峰七海)、(初姫)さあや、マメ(日向燦)、、、、、芝居ができる人を全部もって行こうとしたんでしょうね、木村さん。責任もって、彼らを連れてっただけの意味のある作品を書いてくださいよねっっっ!!
あああ、組替え早々の天咲千華ちゃんもバウか!!がんばれ~~~っ!!




全国ツアーは、 組長さんが長で、専科から京三紗さん(喜)。
……て、あれっ?さおりさん(高翔みずき)は……??
今度こそ踊りまくるさおりさんが観られるはず、と思っていたのに、またお休みなの?大丈夫なのでしょうか…(泣)。


みわっち(愛音羽麗)かまっつ(未涼亜希)、どっちかはバウだと思っていたので、メンバーの豪華さにかなり驚愕してます。凄く嬉しくて楽しみなんですが、、、めおちゃん(真野すがた)にまぁくん(朝夏まなと)、だいもん( 望海 風斗)……スターが勢ぞろいしてますけど、こんなに役あるんですか?「哀しみのコルドバ」って(泣)。88期のスリータワー(扇めぐむ、夕霧らい、祐澄しゅん)まで勢ぞろいしてますけどーっ!?
娘役も、(桜)一花に(華耀)きらりん、(白華)れみちゃん、はるちゃん(天宮菜生)、(華月)由舞ちゃん、(月野)姫花ちゃん、、、、猫的にはめっちゃ勢ぞろいなんですけど、ホントにちゃんと使いきれるんでしょうか。心配。




とりあえず。「哀しみのコルドバ」はよく判らないのでおいといて。
「Red Hot SEA II」ですが……

まとぶんと祐飛さんの割り振りは変わらないとして。
壮ちゃんポジには基本的にみわっちが入ると仮定すると、妖精さんは、番手どおりならまっつになるんですよね…?
うーん、でもまっつは動かないような気がするなあ。出番を減らしてだいもんで来るか、娘役にして一花でいくか、どちらかのような気がする。ペドロは姫花ちゃんとか?★


かもめ&引き潮のチーム大空(まっつ&みつる)からみつるが抜けてしまいますが、ここに入るのは誰なんでしょうね。「かもめ」の男役二人は、娘役さんの群舞の中に入っても違和感の無い背丈がポイント(←ごめんなさい)のような気がするので、まっつとだいもんなんじゃないかなー?、と予測。
一花が妖精さんなら、きらりんのかもめAもありかしら(*^ ^*)。わくわくわくわく。
「引き潮」は、祐飛さん&きらりん、まっつ&一花or由舞、めおちゃん&姫花、、、、とか?(^ ^)



まぁ、実際にはみわっちが丸ごと壮ちゃんのところに入るわけではないんでしょうし、「II」がついているくらいなので構成とかも変わるんでしょうね。 変更点だけでも、先にわかるといいのになあ。
ま、でも。いずれにしても楽しみだ~!




そういえば、花組は組本出ないんでしょうか。星月雪と出て、次の東宝で花組も出ると思っていたのですが、噂を聞かない……。なぜかしら。
宙組さんもまだ出てないですよね。次で出るのでしょうか?タニちゃんとウメちゃんの扮装写真とか、見たいですもんねぇ~♪♪




東京国際フォーラムCにて、ミュージカル「タイタニック」を観劇してまいりました。



私はこの作品、初演は諸事情あって観られなかったことを大変悔いていたので、今回観ることができて嬉しかったです。キャストがだいぶ変わっていますが、初演もご覧になった方の感想はどうなんでしょうね?私はとても大満足したのですが。


「ファントム」と同じ、モーリー・イェストン作曲のミュージカル。映画「TITANIC」とはストーリーの切り口も音楽も全く違う、独立した作品でした。いわゆる「グランドホテル形式」の作品ですが、最後の結末がわかっているだけに、本家の「グランドホテル」以上にエピソード一つ一つに重みがあって、深く腹にひびいてくる感動がありました。
プログラムで演出のグレン・ウォルフォードが書いているとおり、悲劇を演じていないからこそ、伝わってくる感動だったと思います。


グレン・ウォルフォード女史の演出で観たことがあるのは、「グランドホテル」だけかな?私は。
うーん、賛否のある演出だったと思いますが、とりあえず「グランドホテル」より「タイタニック」の方が彼女の持ち味が生きていたんじゃないかと思います。ラストの演出はあまり好きではないのですが(汗)、その前までのいかにもな「悲劇」じゃない、悲劇的な状況の中で人々がどう行動するかを皮肉まじりに描き出す、という………ああいうのを「英国的」って言うんでしょうかねぇ。すごく好きでした。悲劇をちょっと高みから眺めて皮肉ってみせる、みたいなところの、絶妙な匙加減が。



まぁ、私は涙もろい性質なのでこんなテーマの作品観たら泣くに決まっているのですが、それにしても久しぶりなくらい号泣しました(^ ^;ゞ。
一番泣けたのは、二幕での諏訪マリーさんと光枝晴彦さんのデュエット。
死を見据え、輝かしい過去を振り返りながらしみじみと愛を歌い上げるラヴソングに、本当に“滂沱の涙”でした。
今週末には楽を迎えてしまいますが、今からご覧になる方、タオルハンカチは必須ですよ!




スタッフワークで印象的だったのは、音楽と装置だったのですが……
プログラムには「装置」ってないんですね。「美術」の島川とおるさんってことになるのかしらん?
舞台の中央に橋を渡したような、鉄筋づくりのシンプルでがっしりした装置一つで最初から最後まで通すんですが、橋の上を艦橋に見立てたり、本舞台を3等船室・橋の上を一等船室に見立てたり……船を適当なところで輪切りにして眺めているような、不思議な感覚がありました。
この装置が、本格的に船が沈む時にはセットごと客席側に倒れてくるのが物凄い迫力で、私は1階後方席だったのですが、1階前方席だったら怖いかも、と思いました(汗)。
あれって2階席だとどんな風に見えるんでしょうか…?ちょっと色んな席で観てみたくなりましたね(^ ^)。

私は「ファントム」の音楽がとても好きなのですが、この作品もさすがに素晴らしかったです(*^ ^*)。ただ、映画みたいなキャッチーな曲がなくて、シンプルなメロディの繰り返しだったのであんまり覚えられなくて(涙)。
音楽として耳に残って印象的だったのは、一幕で宮川浩さんと岡田浩暉さんの掛け合いの歌でしょうか。…歌えるほどは覚えられませんでしたけど(T T)。




ストーリーを説明するにも、グランドホテル形式なのでまずは登場人物を紹介しないといけないので、とりあえずキャストごとに整理してみたいと思います!
……メインのキャストだけでも結構な人数なんですけど(涙)。とりあえず順番は、プログラムを基本に。(違うこともありますが)



■トーマス・アンドリュース(タイタニック号設計士)松岡充

舞台で拝見するのは初めて、だと思います。っつーか、何が衝撃って、私はこのプログラムで初めて4月に舞台版「キサラギ」が上演されることを知りました。チケット取らなきゃ!松岡さんが主演らしいんですけど、あの作品の“主演”って家元?古沢さんの脚本そのままじゃなくて別で脚本を起こしてるってことは、映画版の舞台化ってことなんでしょうかねぇ…
………はっ、すみません、全然関係ないのに書かずにはいられず(汗)。


もとい。

「SOPHIA」のボーカルとしてお名前は存じてましたし、歌も聞いてましたけれども、ミュージカルとしてもこれだけ聞かせる歌になるのかー、と驚きました。トランペットかトロンボーンのような、カーンと鋭く突き抜けるような強い響きの声ですね。表現力もさすがでした。
プログラムに「自分、船長、社長の三人は、この船における神である」ということを書いていらっしゃいますが、確かに……と思いました。それだけの存在感と支配力を感じさせる役者ぶりだったと思います。

幕開きのソロでどかんと存在感を見せたあと、しばらくはおとなしく船内をくまなく歩いて私たち観客の案内人のような役割を果たすアンドリュース。このあたりの、社長のあしらい方とか、人々とのちょっとした交流の様子など、芝居も細やかでとても良かったです。
彼が、氷山に衝突した船の上で、やるべきこと・やれることが全て終わってしまった後に
「今ならわかる。船室の壁が低すぎたんだ。ここをこうすればいい、こうすれば誰も死ななかった、今からでもなおせるものなら…」と煩悶しながら歌う、血を吐くようなソロ。
もう彼は神ではなく、一人の力弱き人間として、救えたはずの人を救えなかった罪に苛まれながら船と共に沈んでいく。
しかも、残酷な作者はこのソロの前に船長・社長と三人で「誰のせいだ!」と責任を押し付けあう、物凄く深刻なんだけど切ないほど自分勝手な一曲を掛け合いで歌わせている。その一曲の傲慢さと、最期のソロの苦しさ。観ているだけでも胸が苦しくなるほど、アンドリュースの苦しさと絶望は圧倒的な迫力でした。

……あり得ないことですが、もし万が一「レ・ミゼラブル」に出演してくださるのなら、アンジョルラスで聞いてみたい声だなあと思いました(*^ ^*)。



■ハロルド・ブライド(二等通信士)岡田浩暉

笑顔の優しさといい、集中していると回りの音がまったく耳に入らない様子といい、宙を見据えているアブナい眼つきといい、ブライドのキャストとして他の人は考えられないくらいの嵌り役でした。…でも、初演はたまさん(鈴木総馬)だったんですよね?どんなだったんだろう~~っ!?たまさんなら、歌だけじゃなくて芝居も外すことは無いはずなんだけど、どうにもこうにも想像ができませんわ(T T)。

対人恐怖症で引っ込み思案のブライド。彼にとって、「通信士」という仕事は天職だった。
夜の闇を縫って飛び交う無線電信。一寸先も見えない闇の中、通信士は遠くからの声を聞く。
誰にという宛てもない、「誰かに」向けたメッセージを。
ツー、トン、トン、ツー……無機質な音の向こうに見える、“愛している、聞いて”というメッセージを。

通信士の孤独。闇の中にたった一人で幽り世の声を聞く巫女のような孤立。他の人には聴こえない音に耳をすます存在への、畏怖。それでも彼は、このうえもなく優しい。教育もないボイラー係のバレットの恋文を、そっと受け容れてあげられるほどに。
でも、彼の優しさでは誰一人救うことはできない……。
船が沈むまでの長くて短い時間、皆が賛美歌を歌っていたあの時間を、彼が独りで過ごしたのではないことを祈っています。



■フレデリック・バレット(ボイラー係)宮川浩

3等船室の客よりもさらに下層に属するボイラー係。愛する恋人をイギリスに残して旅にでる。
たぶん、いわゆる“船乗り”のイメージに一番近いのは彼なんだと思います。他のメンバーは、いかにも定期航路って感じ(←どんな感じだよ)がするのですが、彼だけはどこか「いつ帰れるかわからない」というイメージがあるんですよね。あれは狙いなんでしょうか。

「帰ったら結婚しよう」と切なく歌う、バレットのプロポーズソングは、この作品でも随一の甘く美しいメロディでした。ちょっと野生的で不器用そうなバレットが、生真面目な顔をして虚空に見える愛しい恋人の幻に微笑みながら腕を差し伸べる姿に、ほろっ、と(^ ^;

ただ。
宮川さんのガタイや、それに見合わない甘いテノールが、ボイラー係のバレットにぴったりなのはわかるのですが……
うーん、彼に「ダーリーン、帰ったら結婚しよう」って魅力的にかつ切なく歌われると、なんか…「40歳で初恋?いや50歳だっけ?」(←まぁ、そういうこともあるんだろうけど)って思ってしまうのがなー。……私だけ?
うーん、本来ならマリウスキャストの役だと思うんですが、設定年齢は何歳なんでしょうか。浦井君とかも似合いそうなんだけどなー。



■イジドー・ストラウス(メイシーズ百貨店経営者)光枝明彦
■イーダ・ストラウス(その妻)諏訪マリー

商売の一線は退いた、余裕たっぷりの老夫婦。
とにかく素晴らしかった!!褒め言葉も出ないほど素晴らしかったです。
存在の全てが愛おしかった。
印象的なデュエットも、音楽が素晴らしいだけじゃなくて、そこに持っていくまでの芝居がまた素晴らしいんですよ(*^ ^*)もう、あの場面を観るためだけにもう一回観たい!と思ったくらい素晴らしかったです。

そして。ラストのデュエットで全てをもっていってしまって、実は私は、あの曲の後エピローグっぽいラストシーンがあって終わったんだと思ってました……。
アンドリュースのソロも、ブライドのリプライズも、もちろん場面としては観ているしよく覚えているんですけど、ストラウス夫妻のデュエットより前にあったと思い込んでました。
……いやー、お二方に、乾杯♪




メインキャストだけでもまだまだたくさんいるんですが、長くなってきたのでいったん切りますね♪ では♪



東京国際フォーラムC「タイタニック」について、のつづき。



■ウィリアム・マードック(一等航海士)戸井勝海

ちょっとインテリっぽい容貌がこの役にはぴったりでした。その割に、底が浅いキャラクターが得意なのはこの人の強みなのか、それとも弱みなのか?などと思いつつ。

彼の見せ場は、船が沈むことが確定した後、船長に「私はあなたの期待に応えられなかった…」と言うところだと思うのですが、ちょっと芝居としては中途半端な印象があったのが残念です。
良い場面なのになあ。
…中途半端、っていうとちょっと違うのかもしれません。
一幕で船長に「何故君は船長にならずに(私の下で)航海士をしているんだね?」と聞かれた時の芝居と、この場面での芝居が続きすぎていて、この台詞自体が頭で考えた台詞に見えてしまったんですよね。
血を吐くような悔恨の中から出てきた言葉、のはずなのに。

一幕での「自信がありません」という台詞が、本当に自信がないから正直にそう言った、っていう芝居に見えたんです。戸井さんの解釈がどうであったのかわかりませんが、私にはそう見えた。だけど、「船長の期待に応えたい!」「応えなくっちゃ!」というプレッシャーに苦しみ、負けてしまった、というふうには見えなかった。
真ん中に立つ自信がなくて、船長を偉大な人だと尊敬しているという解釈なら、もっと熱い瞳で船長を見凝めていてほしかった。憧れの船長を、憧れの目でみてほしかった。

逆に、「あんたがとっとと引退してくれてれば、この船の船長は俺だったんだよ!」くらいの生意気さをもっている解釈もありだと思うのです。芝居的には、このあと銃を持って乗客を脅す(パニックを抑えるために)場面もあるので、そのくらい自信過剰なタイプも解釈としては成立するので。…でも、戸井さんの芝居は、ところどころに自信がほのみえつつも、そこまで確信的ではなかったんですよね。

だから、“中途半端”という印象だけが残ってしまったのでした…。

……すみません、戸井さん好きなので、ちょっと要求が細かすぎるかもしれません(汗)。
歌は多くは無かったですが、相変わらず良い声してますね。嬉しかったです♪

あああ、でも、初演では岡田浩暉さんがマードックだったと聞くと、どんな解釈で演じられていたのか観たくてたまらない気持ちになります…(涙)。船長を憧れの眼で見上げる、一生懸命で優しい航海士を想像してしまったら、止まりませんっ!
誰か教えて。どんなマードックだったのーっ!!
ちなみに、カーテンコールの引っ込みの時。上手側に船長(宝田)、バレット(岡田)、マードック(戸井)と並んでいたのですが。
船長が引っ込むのを袖の入り口で直立不動で(たしか敬礼もしてたはず)待つ岡田さんを見ていたら、岡田さんのマードックはこんな感じだったのかなー?と思ってしまいました(^ ^)。



■ジム・ファレル(三等船室の客)Kimeru
■ケイト・マクガワン(三等船室の客)華城季帆

ジムは、有名な映画「タイタニック」でレオナルド・ディカプリオが演じたジャックと同じような役なのかと思いましたが、だいぶ違ってました。
3等船室、っていうのは、最低の船室。タイタニック号ともなれば、さすがに雑魚寝ではなくて蚕棚みたいなベッドがあったかもしれませんが、おそらくは大部屋です。
彼らは客ではないので甲板に上がる権利はほとんどなく、ほぼ荷物に近い存在として“運ばれて”いた。

それでも彼らは、一等船客よりも皆、若く、明るく、夢を抱いて生きている。
一幕での、一等船客たちのパーティー(船長列席)と、三等船客たちのパーティーの違い。生きているというリアル感の多寡が印象的でした。溢れんばかりのパワーに溢れた三等船客たちが眩しくて、楽しそうで。
ケイトの複雑な人生の陰影、それを丸ごと守ろうとするジムの包容力。
生き残った二人の新天地での生き様は、きっとそれだけで一本のミュージカルになるに違いありません。

Kimeruさんは、舞台で観るのは初めて、かな?だいぶ個性的なお化粧でしたが、元々美形なんだからもっと普通でよかったのに、と思いました。でも歌は良かったです。ケイトに振り回されっぱなしの情けなさがすごく良かった。
ナルちゃん(華城季帆)ちゃんは、「黒蜥蜴」集合日での衝撃の退団から、はやくも2年たったんですねぇ…。宝塚の娘役現役時代は、どうも芝居が空回りしがちな人だという印象しかなかったのですが、今回はすごく良かったです。たしかにこういう芝居をする人に娘役は難しかったかもね…と思ったりしました。
こういう、歌で芝居をつづっていく作品はいいですね。気が強いのにどこか脆い、弱みをもっている女の子がとっても似合ってました。歌はさすがです。胸声で張るところから頭声で響かせるところまで、音色のコントロールをきちんと仕切っていたのが凄い。ボイトレしたんでしょうねぇ………。



■アリス・ビーン(エドガーの妻)入絵加奈子
■エドガー・ビーン(二等船室の客)青山明

金物屋、って言ってたかな?ちょっと成功して小金持ちになった2等船室の客。
まぁ、「中産階級」なんでしょうねぇ、たぶん。同じ船に有名人がたくさんいると知って、「なんとかお近づきになりたい!!」と猪突猛進していく行動力のある妻・アリスが、めちゃめちゃ可愛かったです。加奈子ちゃん相変わらずすごいパワーだなあ(*^ ^*)。
青山さんのおっとりゆっくりと良い感じに対照的で、眼が離せませんでした。そして、そんな二人のキャラクターを如実にあらわしつつ、ついでに一等船客のメンバー紹介をしてしまう波止場の場面の構成に、脚本のピーター・ストーンの底力を感じました。

それにしても……ラストの別れの芝居もそうですが、加奈子ちゃんって、あいう子供っぽいところの残ったおばさんをやらせたら右に出る者はいませんねぇ~!歌はもちろん文句ないし、本当にステキでした。



■ウォーレス・ハートリー(バンドマスター)浜畑賢吉

何がどう、ということもないのですが、居てくれるだけで場面が締まる、さすがの存在感でした。
結構、オケの人が舞台の方まであがってきて演奏することも多かったのですが、浜畑さんは本当に弾いていたような……。あれがフリだったら、それはそれで凄い技術だと思います。

ラストのパニックの中、「もう誰も聴いてませんよ!」という部下の訴えに「音楽は人の心を落ち着かせるんだ」(だったかな)と応える落ち着いた声。ああ、この声がパニックを鎮めるんだな、と納得した声でした。
浜畑さんが居てくれたことが本当に嬉しいです。ステキでした!(^ ^)。



■J・ブルース・イズメイ(ホワイト・スターライン社社長)大澄賢也

イヤらしい、クソ忌々しい“いばりんぼ”な小物、という存在感を全身で醸し出した大澄さんに、心からの拍手を。
イズメイは、この人しか考えられません!とにかく記録が創りたくて仕方が無い、記録のために処女航海の船に無理をさせようとする。無理なはずがないだろう、君が設計した船で、君が船長なんだから、と殺し文句を重ねながら、少しづつ少しづつスピードを上げて、少しづつ少しづ
、逃げ道をふさいでいくその話術の見事さ。
大澄さん、ちょうど一年前の「ウェディングシンガー」のグレンも独特のキャラクターが生きた面白い役でしたけれども、今回も本当に似合っていましたよーっ(*^ ^*)。

二幕。
「誰のせいだ」と船長やアンドリュースに責任を押し付けたイズメイ。
オケボックスの隅に創られた「救命ボート」に、“最後の一人”として“ちょこん”と正座して(?)乗って、タイタニックに残る人々が賛美歌を歌うなかセリ下がっていくときの、パラパラといろんなものが毀れていくようなその貌に、見入ってしまいました。
彼はたぶん、助かってももう、まともな社会生活は営めないのだろう、と、そんな予感の残る壊れ方でした。



■ヘンリー・エッチィズ(一等船室の客室係)藤木孝

なにもかもが終わって、救命ボートが去って、あとは沈むのを待つばかり、となった長くて短い夜。
1等船室を回って、超高級なシャンパンを注いで回る彼。諏訪マリーさんに「あなたは?」と薦められて、「わたくしは未だ仕事中でございますから」とサラリとかわすエッチィズ。
いい男だなあ、と感じ入りました……



■キャプテン・E・J・スミス(タイタニック号船長)宝田明

いやあー、なんかもう、絶対この人ホンモノのタイタニックに乗っていたでしょう!?と思ってしまうほど、船長そのものでした。
久しぶりの宝田さんでしたが、最強ですね。戸井さんゴトキのたちうちできる相手じゃない、って感じでした。
これはもう、「貫禄」の一言で終わり、ってことで…(^ ^)。。






謎の未亡人、ミセス・カルドザ(岡千絵)と、ロジャース(その正体は、トランプ詐欺師のイェーツ/泉拓真)のちょっとしたエピソード、
三等船室の“三人のケイト”の大ナンバー、
小さな物語があちらこちらに散りばめられた、巨大な「船」。

一つの世界そのものでもあった船の中でみた夢、叶った夢、忘れた夢……たくさんの夢の欠片を拾いに行く、観客たち。

世界の全てかと思った船が沈んでも、それでも地球はまだ回ってる。
だから、明日もまた陽は昇り、また沈んでいくのだろう…きっと。

人間の叡智と、神の気まぐれと。
故障もせずに最大速度を超えた速度を維持しつづけた、優秀なエンジンと、
氷山の配置と、いつにない規模。

それでも人は智恵をしぼり、“誰も行った事のない世界に行く”ことを望みつづけるのだろう。
新井素子が「ネプチューン」で語ったとおり、単細胞で海を漂っていた超古代から、ずっと。



年が明けてから、いろいろと書きたいものが溜まってきているのですが……
シアタークリエの「スーザンを探して」とか、
いのうえひでのりの「リチャード三世」とか、
わらび座の「天草四郎」とか、
宝塚月組「夢の浮橋/Appacionado!」(新公も)とか、
宝塚雪組「カラマーゾフの兄弟」の続きとか、
同じく雪組「忘れ雪」の原作の話とか、、、、、、、



でも。

とりあえず、やっぱり大劇場花組公演「太王四神記」について、東宝が始まって記憶が塗り替えられてしまわないうちに、メモを残しておきたいと思います。
今更ですが、すみませんm(_ _)m。


ちなみに、色んな小ネタについて、2月1日の日記のコメント欄にCul様から詳細なコメントをいただいております。ご興味のある方は、ぜひお読みになってくださいませ♪
……それ以外に、か……。難しいなあ(^ ^;ゞ



・ポンファ通り
プログラムを見て知ることってたくさんありますねー。
このポンファ通り、漠然と「城下町」だと思っていたんですが、プログラムには「国内城下」と書いてある。あの王宮のある城は、「国内(クンネ)城」っていうんですね!ほほーっ。

で。
ポンファ通りを彩る花々、トラジの店の女の子たち。
女主人のトラジ(さあや)を中心に、きらりん、れみちゃん、由舞ちゃん、芽吹さん、梅咲衣舞ちゃん、瞳ゆゆちゃん、花蝶さん、姫花ちゃん……ホントにカワイコちゃんばっかり!
「世界中の美女を」と歌っているとおり、アラビア系の美女(瞳ゆゆ)がいたりするのが不思議な感じ(笑)。ゆゆちゃんホントに可愛いなあ(*^ ^*)。…いえ、全員が本当に可愛いんですけどねっ!(言い訳)
ホゲ様が登場したときの、女の子たちの目の色の変わりようが面白かったです。さあや、女主人のくせにそんなに嬉しそうにしてていいのか?きらりん、うっとりしすぎだからっ!(^ ^)

その後の、武道籤(これが、耳で聞いていると何度観ても「葡萄食うぜ」と聴こえて困りました……)の場面では、タムドクがお忍びで来ているんですよね。
タムドクは、この前の場面で「独りで外に出たことがないんだ。…君(キハ)を案内できない」と落ち込んでいたので、早速出てきたのね、とわかるわけですが。
なんだか、『はじめてのおでかけ』にしては慣れてませんか?カッコよすぎだし(笑)。

で。この場面をあらためて見て、ああ、タムドクはセドル(月央和沙)と仲良くなったから、飛び入りの補欠を買って出て、結果的にホゲさまを陥れることになったのね……と、納得してみたりしました(←多分違う)

武道籤を買う列に並ぶメンバーがの小芝居が大好きです。どの籤を買うのかはその日によって違うみたいですねぇ。うっわー、チェックするの大変そう……(←するのか?)

あ、それから。チョロ様として登場する前にアルバイトで稼いでるめおちゃん(真野すがた)とか、セーム様の出番が終わってアルバイトを始めたじゅりあちゃんがステキなのでお見逃しなく♪




・天下一武道会

盆が回って観客席が後ろからパンしてくるとき、端に立ってきゃいきゃいと赤軍に声援を送っているトラジの店の女の子たちがめっちゃ可愛い。たぶんみんな、自分が買った籤に合わせて芝居をしている…… と思う(笑)。この場面は全体的に忙しすぎて、完全に目が泳いでおります(T T)。


で。
ちょっと拘りたいので、高句麗の五部制についてちょっと復習してみた。

高句麗は、そもそもは部族連合として成立。連合の中心になった五族(消奴部、絶奴部、順奴部、灌奴部、桂婁部)は、元はそれぞれに土地を領有する豪族(部族国家の王)。これが、王族の権威が伸張するにつれて豪族から王直属の大臣へと移り変わっていったのは、たぶん大和朝廷の進化と同じようなものだったのでしょう。
次第に五族は、豪族としては解体され、内・前・後・左・右の五部として国家権力に組み入れられていく。

…あるいは。
元々、騎馬民族には「中・前・後・左・右」の五部で一つの軍隊として機能する発想があったらしいので、それが伝わったのかもしれませんね。
ちなみに、ちょっと調べたところ、「5色」はあくまでも「陰陽五行」から来た青(東・左)・赤(南・前)・白(西・右)・黒(北・後)+黄(中央)であって、青・赤・黒・緑・黄ではないみたいなんですけどねぇ…。
#緑が入る場合は、白ではなく黒と入れ替えになるらしい。

作品全体のテーマが四神の神器を探す話で、この「四神」を象徴する色も陰陽五行から来ているので、凄く混乱する。朱雀の神を崇めるヨン家が朱で、でもこれは朱天会にはホントに関係無いのか? とか、気にしなければいいと解っていてもつい悩んでしまう…(; ;)。

赤軍(部族名不明。ヨン家+騎馬隊長)夏美よう、大空祐飛
黒軍(チョルロ部族)悠真倫、月央和沙
黄軍(スンノ部族)紫陽レネ、瀬戸かずや
緑軍(カンノ部族)夕霧らいらい、輝良まさと
青軍(ソノ部族)眉月凰、浦輝ひろと

青軍の“ソノ部族”と、西百済のカンミ城(青龍の神器の在り処)とは何の関係も無さそうだし、黒軍とコムル村はもちろん関係ない。そもそも、どうして青龍(東)が「西百済」で、朱雀(南)が「東百済」なの?白虎(西)は北方だしさーー、とか、突っ込み始めたら止まらなくなってきました(汗)。

とりあえず、黄色は「真ん中」で王の色、なので、王族が黄色でないとおかしいのでは?というのと、
ホゲの衣装は多くが紫なんですけど、王または大臣筆頭の貴色であったはずなので、なんか謎…
とか思ってしまう(^ ^;

五族を青・赤・白・黒・黄色に、天地神堂を緑にすれば、まだ少しはわかりやすかった、かな?
まぁ、どのみち二重構造になっているのは同じなので、やっぱりわかんないかなあ(涙)。



ホゲが闘いながら銀橋を渡ってきて、上手の客席に乱入しそうになる場面、とっさに袖で顔を隠すタムドクと、それをチラっとみて「ん?」という顔をするヒョンミョン(あれ?スジニだったかも?)が面白かった。

タムドクは、ホゲがイカサマしていることを知って、助っ人に入るんですよね?(確かパソンが説明している…あの場面、忙しくてあんまり観客席を観れないのですが)
…イカサマの槍を振り回すホゲさまが格好良すぎて、イカサマをする必要性を全く感じませんが、なにか?





娘役な兵士たち。

小池さんって凄いなあ、と思うのは、大量のキャストをサバキきれるところ。
正塚さんみたいに、舞台上に5人以上の人間がいる時間の方が短い、みたいな作品も下級生にお気に入りが多いと辛いものですし、だからと言って、木村さんみたいにただ舞台の上に飾っておけばいいというものじゃない。
さすがに80人からいる登場人物全員にキャラクターや運命を与えることは難しいでしょうけれども、それなりにちゃんと「勉強になる(=意味のある)」芝居をつけつつ、多人数が舞台上にいる時間を長くとる、という離れ業をやってのける。

一幕ラストのテジャ城はじめ、二幕クライマックスの、「戦場」にいたるいくつもの場面で、「高句麗軍」というくくりでお揃いの鎧を身につけている兵士たちの中に、娘役がたくさん混ざっていることをご存知でしょうか…?
特に二幕の「戦場」は多くて、愛純もえり、華耀きらり、白華れみ、天宮菜生、華月由舞、芽吹幸奈、花蝶しほ、初花美咲、月野姫花……花組の誇るきれいどころが勢ぞろい、というていです。
いやあ、初めてこの公演を観たとき、センター奥で巨大な盾を構える姫花ちゃんに仰天して、周りを良く観たらきらりんにれみちゃん、はるちゃん、由舞ちゃん……「えええええっっ!?」という驚きでした。
たしかに、娘役を総動員しないととてもあの壮大なフォーメーションは実現できなかったでしょうけれども…。

いやはや。それにしても、小池さんは偉大ですね(*^ ^*)。

とりあえず、色々探すのは無理にしても、姫花だけは観てあげてください。めっちゃ可愛いので(惚)。わりとずーっとセンター上手よりの最前列にいたと思いますので、すぐ判りますから!!

……っていうか、姫花だのきらりんだのの兵士を観た後で同じく兵士に混ざっている望月理世ちゃんをみつける、なんていうか、不思議な感覚(笑)。なんか男役の中に華奢で細っこい美人が混ざってる、っていう兵士の中に娘役が混ざっているのを見つけたときと同じ違和感があるんですよ。……理世ちゃん、ちゃんと男役なのにぃー(^ ^;




・フィナーレ
ロケットは、月野姫花ちゃんに釘付けです。っていうか、なんでこんなに姫花ちゃんに釘付けなんでしょうか私。

青龍の群舞は、皆カッコイイから絶対観よう!!と思いながら臨むのに、ふと気がつくと、さあやときらりんを追いかけて目が勝手に上手に行ってしまっています……。
二人ともかーわーいーいーーーーっ!!

玄武の群舞は、祐飛さんが出てるんですけど忙しいです。前列から最後列まで全部観たいのに、意外と舞台が暗くて、というかライトが断続的なのでゆっくり観られなくて悲しい。
アーサーがなぜかすごく眼を惹きます。色っぽくなった?ルナちゃんきれいすぎる!そして、真瀬くんもつい見入ってしまう人の一人ですね。日高くんは、もっと伸び伸び踊るダンスの方が似合ってるのかな?ヒップホップ(?)は難しいですね(T T)。

白虎のデュエットは、まず衣装が可愛くて好きです。毛皮だー♪せっかくなので虎縞にしたらいいのに、という友人の発言に爆笑して以来、衣装を見るたびに笑いがこみ上げます(^ ^)
それにしても、真飛さんがトップになって以来、デュエットダンスは三回とも同じような振り付けで残念……。「RED HOT SEA」で、二回もデュエットがあるのに二回ともがっちり組まないでポーズをキメてちょっと動いて、キメて、絡んで、キメて……みたいな振付だったので、今度こそ!と思っていたのになー。
「RED HOT SEA」も「II」がつくので、ぜひデュエットのどちらかは振付変えてくださいっ!>草野さん

パレードのエトワールは、はるちゃん。いい声でした♪♪

お芝居のパレードは、どうしても衣装も役の衣装だから、ショーのパレードの総スパンの羽根つきとかに比べたら地味目だし、音楽もマイナーな歌しか歌ってないキャラクターは不利だったりするんですけど(「マリポーサの花」のエスコバルのパレードはちょっと気の毒だった…)、
今回はうまくまとめたなあと思いました。
さすが、小池さんのフィナーレは黄金のワンパターンですよねっ!


……他にもいろいろあったような気がするのですが、とりあえず東宝待ち、ってことで、
この辺で……m(_ _)m。




雪組大劇場公演「ZORRO 仮面のメサイア」の、新人公演キャストが発表されました。


ドン・ディエゴ/ゾロ  水夏希   香綾 しずる
ロリータ/レディゾロ  白羽ゆり  愛原 実花
メンドーサ大佐     彩吹真央  凛城 きら
ベルナルド/ゾロの影  音月桂   帆風 成海
オリバレス総督     凰稀かなめ 彩風 咲奈
夜の稲妻        愛原実花  舞羽 美海



嬉しいです。
うれしすぎて涙が出ました。

がおりちゃん&みなこちゃんだなんてっっっ!!!

「凍てついた明日」のボニーとロイが、新人公演主演で組む日がくるなんてーーーっ!!





正直、予想もしていませんでした。こんな事態は。


嬉しいです。本当に嬉しい。
ずっと、ファンになった当初から、「どうせ私が好きになる人は劇団には評価されることの無いひとだから…」と拗ねていた私。がおりちゃんとみなこちゃん、この二人に(がおりちゃんは初、みなこちゃんは二回目の)主演が回ってくる劇団なら、まだまだファンしていられるような気がします。

なにを大袈裟な、といわれるかもしれませんが、本当に素直な本音のキモチ。

ああああ、どうしよう、大劇場の新人公演も行きたい………。




がおりちゃん(香稜しずる)。雪組美形軍団の若手候補のひとりとして、だいぶ以前からステキなダンサーだなあと思っていた人ですが。
「凍てついた明日」のボニーの元夫ロイは、まさにスマッシュヒットでした。

この人は、舞台の上で化ける人だと思う。
素顔はそんなに驚くような美形ではないかもしれないんですけど、舞台の上で、この世のものとは思えないほど美しい生き物になるときがある。

声がよくて、芝居もよくて、姿もキレイなひと。

だけど。
「大劇場の主役」、それも大芝居を必要とする谷作品での「主役」が、彼女にとって吉と出るか凶と出るかは賭けだと思います。ものすごく個性のある役者なだけに、もしかしたら、大きく外してしまうのかもしれない。

でも。

どんな経験も、役者として生きていくなら絶対に無駄にはならないものだから。
そしてがおりちゃんは、“いい役者”になるための条件は全て備えている人だと思うから。

がんばってほしい。

台詞のないロイを、あれだけ完璧に芝居のマイムとして演じてのけたがおりちゃんが、大劇場の真ん中でどんな芝居をしてのけるのか、観てみたい。




そして、みなこちゃん。
今度こそ!!絶対に観るぞーーーーーっ!!(絶叫)



みなこちゃんが好きです。本当に大好き。
大好きな人は他にもたくさんいますけど(←すみません)、みなこちゃんほど「こんな役を観てみたい、あんな役も演じてほしい、あ、あれもぜひ!!」みたいに思う人はいません。
この日記にも、ぜひ花組に特出して小夏を演じてほしいと書いたことがありました。すみ花ちゃんの小夏に何の不満もないけど、すみ花ちゃんの小夏を観れてしあわせだった気持ちとはまったく別のところで、みなこちゃんの小夏を観てみたいという思いは消えません。

みなこちゃんで観たい役、みなこちゃんに演じてほしい役が、私にはたくさんあります。
立場として、演じることになるとは全く想像の埒外だった、たくさんの役が。



ファンタジーとリアル、聖と邪悪、その両方を演じきれる人。
天を舞う大きな皓い翼と、陰を渡り歩く闇色のつばさ、両方を持っているひと。

この世の者ならぬファンタジックな存在にもなれるし、
ぶっ飛んだ世界をリアルなものとして感じさせる説得力をもたせることもできる、稀有な役者。




「忘れ雪」の静香のリアルな恐怖が、忘れられません。
あんなにも、ひとはたやすくアチラ側へ行ってしまうものなのだ、という恐怖が。

その狂気がホンモノではなく、演技であるということが一番怖かった。
みなこちゃんの演技の説得力が、静香という悪意に満ちた邪悪な女の行動に説得力を与えていたことが怖さに拍車をかけていましたね。まるで“静香の行動こそが正当である”かのように思えてくる自分への、凄まじい恐怖。





もちろん、新公ヒロインを一回や二回やったくらいで、どうなるものでもありません。
今はまだ、何が決まったわけでもない。
…でも。



がおりちゃんと、みなこちゃん。

……嬉しいです。(*^ ^*)
ドキドキするけど、不安だけど、これは幸せな不安なんですね。
みなこちゃんの芝居は、説得力がありすぎて諸刃の剣。この二人の組み合わせが吉と出るのかどうなのか、今は全く想像もできません。

でも。

あの二人は、ボニーとロイだから。

だから、きっと、大丈夫。そう、思っています。




がおりちゃんと、みなこちゃん。
お二人の舞台を、楽しみにしています!

絶対観にいきますからっ!!……少なくとも、東宝は、ね(^ ^)。






そして。
ユミコさん(彩吹真央)の役が、前回もエスコバルだった凛城きらさん。
キムちゃん(音月桂)の役が、「忘れ雪」で高校時代の一希を演じた帆風成海くん。
テルくん(凰稀かなめ)の役が、「マリポーサの花」新公で鮮烈な印象を残した彩風咲奈くん。



珍しく、最初からいきなり6人も発表されただけあって、なかなかに面白いメンバーですねっ!


帆風くん、名前は知ってるんだけどなーと思っていたんですが、つい先日思い出しました。「マリポーサの花」新公で、凛城さんのお医者さん役だった子だ!自分で日記に「声が良かった」とわざわざ書いているんですよ。あんな一瞬の出番なのに、よっぽど印象的だったんだなあ、自分的に。すごーい(*^ ^*)。
スタイルはいまいちだけど(ごめんなさい)、声が良くて情のある芝居をする。どこかキムちゃんにイメージがダブるタイプですね。雪組っぽいなあ。キムちゃんの役をやり続けるのはどうかと思いますが、「忘れ雪」とこの一作くらいなら問題ないですよねっ。
大事に育ててほしい存在ですねぇ。


彩風さんも、前回の新公で「歌える」そして「芝居もできる」ときっちりインプットされたので、超楽しみです。テルくんの役、かぁ(*^ ^*)。笑っちゃうくらいキャラが違いますけど、前回のキムちゃんの役はやりやすかったと思うので、今回は勉強ですね★

将来有望だけど経験の浅い子が揃っているので、新公演出にいい先生が来ることを祈っています。


しっかーし、キング(蓮城まこと)は何をするのでしょうか?ハマコさんの役あたり?(^ ^)。
個人的には、本役でも名前の出ていない真那春人くんの役が気になるところです。芝居をさせてもらえる役が来ますように!!






最後に、
みなこちゃんの「夜の稲妻」役は、「マリポーサの花」「忘れ雪」と続けてヒロインの経験を積んだ舞羽美海ちゃん。
うおお、これまた超楽しみ、です!!
っていうか、みなこちゃんってば新公で先に名前が出るような役をやるのかーーーー。
大劇場作品での大役は初めてですよね?あああ、本当に嬉しいよー嬉しいよー嬉しいよー(泣)




東京宝塚劇場にて、「夢の浮橋/Apasionado!!」を観劇してまいりました。



ついこの間始まったばかりと思っていたこの公演も、ふと気がつくと、早くも明日で千秋楽!?(@ @;; や、ヤバイ、まだ何も書いてない(汗)と、いきなり焦りだしました。
(新公の後で一回途中まで書いたんですけど、あんときも消えたんだよな……)


とりあえず、作品についてのおおまかな感想は先日(新公のときにも)書きましたので、いきなりキャストごとに感想を書かせていただきます。
本公演と新人公演を併記させていただきますが、とにかく演出意図(というかテーマ?)がかなり違う作品でしたので、同じ役でキャストを比較しているつもりは全くありませーん!そのあたりは誤解なさらないよう、ひらにお願いいたしますm(_ _)m。


あ!!でも、その前に、ちょっとだけショーの話を。

ちわわ、カッコイイよーーーっ!!
愛しい85期がまた一人減ってしまうだけで悲しいんですけど、それにしても今回のショーでのちわわの扱いは「破格」ですよね。ヴァンピーロ伯爵の場面のファンタスマリーダー、ラグリマでの紫乃ちゃんとの高いリフト、ロケットセンター・・・藤井さん、愛してくれてありがとうね。
すごく嬉しかったです。ええ本当に。モニカ、ジョーダンと良い芝居をするようになってきた矢先の卒業で寂しいかぎりですが、これだけ餞になる公演で卒業できるのは幸せだな、と思います。85期は、どの組も幸せに卒業していて嬉しいよぉ(^ ^)。

紫乃ちゃんも、良い笑顔で踊っていて、なんだかとっても癒されました。
フロルのダルマで久しぶりに(ロケット卒業してから初めて…だよね?)見た脚は、相変わらず長くて形がキレイで(*^ ^*)。いやー、これまたありがとう藤井さん(^ ^;ゞ。







匂宮(瀬奈じゅん/明日海りお)

麻子さんの匂宮は、華やかで悪戯好きで憎めない、なんとなく、原作の頭の中将を連想させる部分がありました。薫への競争意識を表に出しているのは、原作のイメージに近かったかな?なんというか、甘えたでわがままなふうに見える芸風にあわせて、そういう匂宮をちゃんと大野さんが演出してくれていたと思います。
ただ、結構野心家っぽく見えた一面があって、至高の椅子に座ることを拒否するのが、なんていうか「あなたしかいなんです!」と言ってほしいわがまま王子、みたいに見えたんだよな…でも、そんな我侭で小心者なところも匂宮の魅力のうちなんだからいいのかな(^ ^;
薫と並び称され、薫へのライバル意識から自分の衣に香を焚き染める…というあたりも納得できる可愛らしさのある匂宮でした。

ただ、光る君のようでありたいという気持ちが行き過ぎて、光る君と同じ罪を犯すことへの障壁が低くなってしまった、という解釈なのかなあ?ラストに至って、突然皇統を継ぐことを受け入れるのは良いんですけど、気持ちよーく“罪”に浸った後ろ向きなラストになってしまったのは違和感がありました。個人的には、ああいう救いようのない後味の悪いラストも嫌いではない(外部作品ではよくあるし)んですが、タカラヅカで観たいとは思わないんですよね……。
でも、今回に限ってはあれはあれでアリだったのかな、と思い直しました。だって、30分の休憩を挟んで男役ダルマ祭りなラテンショーがあるんだもん!!(笑)。誰だってご機嫌で帰りますよ!…ってなわけで、大野さんの勝ち(^ ^)。


みりおくんの匂宮は、あのメンバーの中では圧倒的に華やかで、目を惹く存在でした。ただ、あまりにも匂宮が華やかすぎて、“匂宮と薫が並び称される”という設定に疑問が残ったのは、原作的にはどうなんでしょうね。
…でも、ひとつの独立した作品としては、アリな設定なんですよね。本公演に比べて、原作との親和性の少ない、その分大野さんらしさのある物語になっていたと思います。
彼の意図がどちらにあったのかはわかりませんが。

圧倒的で、華やかで、なのに至高の椅子に座ることを恐怖する匂宮。
その匂宮を凌駕せねばならない兄宮の苦悩。
夕霧右大臣の「視野がお狭うございますな。光る君であれば、率先して宇治御幸を盛り上げてくださいましたでしょうに」という台詞の重みと、そう言われてしまう二宮の気持ちが痛々しかったです。確かに、宇治御幸を守り立てる華やぎが、宇月くんの二宮には足りないことが明白で。その台詞を言いながら、ちらっと匂宮を思い浮かべる重臣たちの目と、居たたまれない二宮の痛みがつらかったです。
「民に楽しみを与えてやる」ためには、生真面目で面白みのない皇子よりも、圧倒的に華やかなスターが必要なのだ、という理屈があまりにもタカラヅカで、目の前に明日海りおが立っているだけで悲しいほどに説得力がありました。
そして、真顔で「兄上だって十分盛り上げられますよ」とか言ってしまいそうな匂宮、そんなこと言われて、笑ってかわすことなど出来そうにもない生真面目な二宮、という組み合わせは、本当に見事としか言いようの無いキャスティングで。……上宮王家の剣を渡す二宮も、受け取る匂宮も、どちらも哀れで痛々しくて、たまりませんでした。

薫との関係も痛かったなあ。宮廷の評価も、薫自身の自覚も、“匂宮と並び立つ”ことなど思いもよらないだろうに、匂宮ひとりがこだわっている。「光る君」の直系の息子である薫、という存在に(実際には血のつながりはないにも関わらず)。
薫の真似をして香を焚き染め、薫の女に手を出して……そうやって、匂宮が追いかける薫は、現実の薫ではなく、「光る君の息子」である薫。匂宮は、大君の形代として浮舟を手元に置く薫を責める権利などないのです。匂宮自身、薫を光る君の形代として欲しているのだから。

だから、ラストに至って匂宮は、世界を救うために至高の椅子に座る決心をし、
……その代償に、薫の人生と未来を自分のものにする。
そうまでして座らねばならない椅子であり、
薫にとっても、それを差し出してまで匂宮を座らせねばならない椅子だった。

それでも。
匂宮はあくまでも自分で罪の椅子に座ることを択んだのであり、誰かに強制されたものではないことがわかっている。
だから、彼は不幸に浸らない。ピンと背を伸ばして、肩を張って、すべての民の罪を背負って壇をあがる。
壇の上に待つものが、罪深き闇であったとしても、

自分の背中をじっと見守る薫の存在を、知っているから。




薫( 霧矢大夢/光月るう)

いやー、きりやんもるうちゃんも、本来のキャラクターとしては薫じゃないと思うんですよね。
薫が主人公の「宇治十帖」で、匂宮を演じるのが本来のニンという気がします。
でも、なかなか面白い配役でした。原作どおりではない舞台ですから、こういう薫もありだし、素敵だったと思います(*^ ^*)。

きりやんの薫は、とにかく登場の「時雨」の歌が印象的で。いつものことながら素晴らしい歌唱力で、薫、という人物を心に刻み込まれたような気がします。いい歌ですよねぇ…(しみじみ)。花組公演を観に遠征して以来、ずっと頭の中で鳴り続けていた「太王四神記」の音楽の数々が、「夢の浮橋」を観て以来ぴたっと息を潜めて、薫の「時雨」の歌と、浮舟の歌ばかりが回っています。カラオケに入ったら歌ってみたい!(^ ^)

で。
本公演では、浮舟は薫を愛しているんですよね。
薫を愛しているのに、大君の形代としか見られていないことが哀しい。弾けない琴を、「薫様をお慰めするために必要だから」練習しようとする。なのにどうしてもうまく出来なくて、「私は何のためにこのお邸にいるんだろう…」と悩んでいる。
だから、本公演の薫は、すごく冷たい感じがするんです。浮舟が愛しているのは薫なのに、なぜ薫は!?って感じ。

でも。観ているうちにだんだんわかってくる。たぶん、薫が追いかけているのは匂宮なんですよね。愛しているかどうかはともかくとして(腐)、匂宮の関心を、自分一身に集めていたいとは思っているんでしょう。匂宮が他の人に関心を持つことに我慢ができない。だから、わざと自分の愛する女の情報を流して、誘うような真似だってしていそう……(←そういう腹黒いところも含めてすごく好き)
匂宮が「期待に応えるタチだ」ということを、知っているから。

浮舟のことは愛しているけれども、大君の形代にしているつもりは無かったけれども、
薫には、どうすれば人を愛することができるのかわからなかった。彼は、誰にも愛されなかったから……何事にも無関心な母にも、血の繫がらない父(光る君)にも。

最初の「雲隠れ」の場面で、光る君は最初に匂宮に誘いをかけます。
匂宮に、自分と同じ“罪”の匂いを感じたのか?それとも、実際には自分の血を引かない息子より、実の孫を択んだのか。
いずれにしても、薫は自ら手を挙げてはじめて認められる。
だから。手を挙げなければ認められない、それが自分。ただそこに居れば認められ、愛してもらえる匂宮とは、違う……そう、思い込んでいる。
浮舟に対する不器用な愛し方は、そんな思い込みが感じられるのです(考えすぎ?)。

そして彼は、匂宮の醜聞を煽りたて、実際にはそれほどのことでもない事件を大事にして匂宮を追い詰める。
最終的に匂宮の関心を自分に向けるため、に。


新公での蘭ちゃんの浮舟は、幼すぎて、愛の意味がよくわかっていない存在でした。
“薫を慰めるために”いろいろがんばるのは同じなのですが、それに挫折したときの嘆きの意味が違う。
あくまでも、薫は自分の保護者であり、皇族の血を引く自分を大切に育ててくれた父母の恩に報いるためにはここを追い出されるわけにはいかない、という強迫観念のように見えました。
そんな、いつも無理をしている寂しい少女が、初めてステキなお兄さんに優しくされてころっと恋に落ちる。「忘れ雪」ですな(←違うから)。

だからなのか? るうちゃんの薫は、蘭ちゃん浮舟のことをちゃんと愛しているように見えて、もしかしたら大君の面影を追っているだけなのかも?と思わせるところもありました。その匙加減が絶妙だったような気がします。
優しくて、優柔不断で、あんまりはっきりしないタイプ。薫自身は、匂宮に対してそれほど思い入れがないように見えました。逆に、みりおくんの匂宮のほうが、薫に拘っていた印象。

薫が匂宮に拘っていない分、ラストで匂宮に全てを捧げる薫が、哀れに見えました。
でも、自己犠牲に酔ってはいないところが清々しくて、圧倒的な華を持った“日嗣の皇子”と、その影として生きる運命を選んだ薫、という構図に、二人の強い意志を感じたんですよね。

本公演は、薫の支配下に匂宮が下った印象があって、だからこそ、匂宮はあんなにも辛そうに(嫌そうに)壇をあがっていくんだろうな、と思ったのですが……。これはこれで、「雲隠」で夕霧の命ずるままに壇を登る光る君にかぶって、興味深いラストだな、と思いました。




浮舟(羽桜しずく/蘭乃はな)

浮舟の芝居については上でも書いちゃいましたけど。
しずくちゃんは、なんというか、はっきり自分の意思を持った女として浮舟を演じたいんだろうな、と思いました。
最初の出会いで、暗闇なのに匂宮の正体を見破ったときや、「私を介さず、直接じゃれあってくださいな」と言うときのコケティッシュなイメージが。
それでいて、琴を弾くときの自信無さげで不安定な感じのギャップが、すごく魅力的。

薫を愛しているんだな、と、そこはしっかり作りこんでいながら、優しくて親切な(本当の関心がないから出来る優しさだとわかったうえで)お兄さんにふらっと揺れる女心をきちんと表現できるひと。
まっすぐに愛と向かい合える強さは、彼女の強みだと思います。
先日観たときは、風邪でもひいたのか声がずいぶん不安定で残念でしたが、次のバウ公演を楽しみにしています!!


蘭ちゃんの浮舟は、もうとにかく可愛かった!!(デレデレ)
紅梅の姫君と同系列の役作りではありましたが、きちんとしずくちゃんの芝居に引きずられない蘭ちゃんらしい(新公らしい)浮舟をつくっていたのが頼もしいです。
ショーでは必要以上に強気で元気でいっぱいいっぱい(*^ ^*)な蘭ちゃんなので、小宰相も観てみたかった気がしますが、今回は浮舟で正解だったかな?こちらもバウなんですよね。楽しみだなあ☆(←チケット取れるんですか?)



…うわっ、まさか3人しか書けないと思わなかった(涙)。
明日が千秋楽なのにーーーっ、ごめんなさい!しばらく引っ張るかもしれません(T T)。



幸運なことに、東京宝塚劇場月組公演千秋楽を観劇することができました♪


お芝居は、特に千秋楽だからといってアドリブが入ることもなく(シリアスな作品ですしね)、いつもどおり(たぶん)の完成度の高い出来。
あ、アドリブといえば、匂宮を女官たちが責め立てる場面で、こころの中務だったかな?がいきなり挙手して「最近、匂宮さまは中将の御許(ちわわ)がお気に入りのようですが」と発言!(^ ^)。次々に「いくらこの人が小顔だからといって!」「小顔なばかりでなくスタイルも良いですけれども!」などなど、(だいぶ適当な記憶なので間違っていると思いますが)口々に言いはじめたのを、ちわわが両頬に手をあてて「あら、まぁ、まぁ、、、」みたいな感じで嬉しそうに反応していたのが楽しかったです★
あげく、最後に…すずなだったかな?あれ、こっちがこころだったかな?が「でも私、大変なところを見てしまいましたの…中将の御許が、匂宮さまでない御方と抱き合っていらっしゃるのを!」みたいな爆弾宣言をして、「ええええーーーーっ!」みたいに皆がのけぞっていました(笑)。

ちわわを抱きしめて「よしよし」みたいにしている匂宮さまは、とってもかっこよかったです(*^ ^*)。そして、歌いながら銀橋に出てきたところで最前列下手サブブロックあたりにいらっしゃったらしい旦那さま候補(?)に、「お前か!?」と因縁をつけていらっしゃいました(^ ^;。
いやー、まぁお約束っちゃお約束な場面ではありますが、ほのぼのと楽しかったです!


先日拝見したときには、かなりヤバそうな感じだったしずくちゃんの喉も大分回復したらしく、歌声(裏声)はまだ辛そうでしたけれども台詞の声は良かったと思います。ホッとしました(汗)。バウのお稽古に入る前に、しっかり休んで治せるといいのですが。
最後のご挨拶で麻子さんも言ってましたが、この公演はウィルスとの闘いだったみたいですものねぇ……。花組さんもみなさん次から次と入れ替わり立ち代り辛そうになってましたが、両組とも、なんとか千秋楽を全員で迎えることができて、本当に良かったですね!




ショーのプロローグ、氷の女王レイナ(城咲あい)と氷の精たちのダンスの場面、麗百愛ちゃんと蘭乃はなちゃんの脚上げ合戦がいつもステキです。それにしても、二人とも本当にキレイなラインですよねぇ!!他にも可愛いひとがたくさんでているのに、ついこの二人を見てしまいます☆

麻子さんの“小林幸子”衣装が飛んで、華やかなオープニング。

まるでお約束のように、前髪をはらりと落とした朝桐紫乃ちゃんの美しさに見惚れて、あっという間に場面が終わってしまいました。

紫乃ちゃんの、ちょっと控えめな、でも最高に幸せそうな…幸せを噛み締めているような透明な笑顔に、いきなり涙が出て困りました。まだ始まったばかりなのにー!二人のこと、見送るためには今から泣いてちゃいけないのにーーーーっ!!

……紫乃ちゃん。「エリザベート」新公のグリュンネ伯爵も、「パリの空よりも高く」新公のアルベール、「ME AND MY GIRL」博多座公演のジャスパー卿……目立たないけれども、何かステキな、ワクワクするナニカを感じさせる芝居をしてくれる人でした。本公演では役らしい役がついたのも今回の右京が初めてという感じでしたが、よくがんばっていたと思います。
そして、最後のショーでのこの充実した笑顔。これを観ることができて、苦労してチケットを取った甲斐があったと思いました。







その次の、ヴァンピーロ~ヴァレンティノ~中詰めのダルマ祭りは、長くなるのでちょっと後回しにさせていただきまーす(汗)。

第五夜 カリエンテ

エンブラAのみりおくんは、前場に引き続き女の子。ストレートの鬘で可愛く装っています。
が、……マチョAのまさお、時間がないのはわかるんですが、そのぺったんこな前髪は……狙い?
セットする時間が無いんなら、ここは諦めて鬘にした方が良かったのではないでしょうか。それか、死ぬ気で前髪セットするか。元々が可愛らしい美人なのに、花役の前に女役用に少し化粧を直してますよね?それで、鬘をむしりとって着替えただけで短いとはいえ場面のセンターを取るのは……難しいんではないか、と(涙)。

この場面、結構レイたちが現れる前の幸せそうなダンスが好きでした。みっしょんと百愛ちゃんのコンビに結構釘付け。KAZUMI-BOYさんの振付、いいですよねぇ。レオンたちのダンスも好きなんです。いかにも獣(けだもの)っぽくて。
で、けっこうこの場面のレオンと人間たちの組み合わせが適当なんですよね。みっしょんは三人がかかりで群がり倒されて、しかもなかなか死なないんでエンブラAを庇おうとして力尽きて倒れる、みたいな芝居までしてるのに、レオン一人で二人とか三人食ってたりする。
なぜだ。みっしょんってばあんなに細っこいのに物凄く強かったりするのか?(^ ^;
(ネタジェンヌ的には月組最強かもしれんが…いや、園加には叶うまい)

で、そんなこんなはおいといて、まさおに襲い掛かるレイ園加が、すごく好きです(惚)。


エンブラみりおに恋をして、食うことを忘れるレイ。
本能を喪ったレイは、仲間として認められない。
それなのに、戻ってきた仲間たちから、咄嗟にみりをを庇おうとする。
みりおエンブラも、お腹の子供(まさおマチョの子)を守ろうと必死にレイに縋る。レイの後ろに隠れて、庇われようとする。女の、いいえ、母の本能は、生きることだけを望むのだから。
母が生きなくては、子は生まれられないのだから…。

それでも。

エンブラA(明日海りお)の涙が海となり、園中からラグリマたちが現れる……


その、白一色の衣装の中に、
ぱぁっと目立つ、美しい紅い華をつけた二人。

ちわわとしのちゃんが、センター奥に並ぶ。

自然と沸き起こる、拍手の渦の中で。
まさに、渦を作るかのように二人が踊る。

小柄なちわわを、まるで空気のように軽々と抱き上げる、しのちゃんの腕。
羽根のようにふんわりとしのちゃんの肩に乗って、また降りてくる小鳥。

二人が踊るたびに、紅い華がキラキラと光る。
二人が回るたびに、紅い華もくるくると回る。
二人が笑うたびに、紅い華が光を弾いてやわらかく微笑む。

再生の祈りを、ただ無心に踊り続ける月組っ子たち。
彼らの祈りは、きっと届くに違いない。
……どこか、に。



あひちゃんの銀橋(すみません、猫は本舞台のみっしょんに釘付けですが…)をはさんで、大階段を使ったフィナーレに。

麻子さんと娘役さんたちのダンス。一瞬麻子さんと組むみっぽーの、なんだろう、すべての仕草がしなやかでうっとりします。ドレスさばきも、腕の動きも、ひどく優雅で。小柄なみっぽーの、ピンっと伸びきった薄い背中が、すごくきれいで。
月娘たちは、これからこの背中を見て育つんだなあ、と、そんなことをふと思いました。
あの細い肩で、大事なモノを支えなくてはならない学年になったんですね。
ただただ、可愛い可愛い、と、可愛いがるばかりだった85期、が。

……10年。

初舞台から見守ってきて、今、彼らが研10であることに戸惑ってしまいます。
……ってことは、祐飛さ…(黙)。




平場に降りてのダンスが始まると、大階段の下手上方からロケッツが降りてくる。
ピンクと黒の、ちょっとオトナっぽいデザインの衣装。

場面の音楽が切れると、下手からモナSのちわわが登場。麻子さんとちょっと踊って(確かキスしてましたよね楽は!?)、センターへ。
卒業生の餞にロケットS、っていうのは結構珍しいことだと思うのですが。
小柄だと思っていたちわわの、驚くほど細くて長い、キレイな脚。眼福でした(*^ ^*)。
確か、ここでつけていたのは白い薔薇だったと思います。黒とピンクの衣装に映えて、キレイでした。銀橋に出てきて踊るとき、幸せそうに、ひとつひとつの振りを丁寧に踊るちわわ。

…いままでずっと、がんばってきてくれてありがとう。



次の黒燕尾で、髪をきっちり、一筋の乱れも無くまとめたしのちゃんの、毅然とした美しさに見惚れて、花をチェックするのを忘れました……ごめんなさいm(_ _)m。確か白だったと思うんだけど。
オープニングではあんなに幸せそうにニコニコ踊っていたしのちゃんが、何かを堪えるように目をうるませて、それでもきっぱりと顔をあげて踊っていた姿が、目にも鮮烈に残っています。
回りの下級生たちが、背伸びして気障ったり、かっこつけたり、一生懸命ウィンクしたりしている中で、泰然と笑顔で、求道者のように踊り続けたしのちゃん。その美しさは、きっと下級生にも伝わったことと思います。



パレードも、終始笑顔。
ちわわの花は、銀色に染めた花で、胸元に結構大きく飾られていました。
しのちゃんは、シャンシャンに合わせたのか、黒いレースで囲んだ紅い小薔薇(?)のようなデザイン。衣装の一部みたいに良く似合っていました。

ところで。
卒業生がパレードでいつ抜けるか、っていうのは、組によって違うんでしょうか?
らぎちゃん・シナちゃんが卒業した雪組さんでは、パレードで銀橋に行く前に確か二人ともハケたのに、月組は、ちわわもしのちゃんも銀橋に出て、まだ戻ってきてもハケず、最後に幕が降りるまで笑顔で舞台の上に居ました。
ナホちゃんのご挨拶が少し長めだったのかな?普通に、ご挨拶して、二人の手紙を読んで、コメントして…で、幕があがって、と、流れ自体は違和感なかったのですが。


ご挨拶はあさってにでもCSで流れるでしょうから割愛しますが、二人ともしっかりと、良いご挨拶でした。しのちゃんが途中で言葉が詰まってしまって、言いたかったことが全部いえなかったみたいでしたが(T T)、2回目か3回目のカーテンコールで、麻子さんが「言い残したことは?」みたいな感じで言わせていました。相変わらずよく気がつくトップさんですよねっ(嬉)。

ちわわは、いつもどおりのちわわで。
元気いっぱいで、はっきりきっぱりしてて、明るくて。

しのちゃんが「今が一番幸せです!……あ。……でも、(このへんの間がしのちゃんらしい)もっと幸せになれるようにがんばります(ぽわわん)」みたいなことを言えば、
ちわわも「もっと幸せになります!」と言い切ってみたりして。
麻子さんがそれを受けて、最前列下手サブセンターあたりを横目で見ながら「この大観衆の前で言ったからには、幸せにしていただかないと。月組全員が恨みますよ」と言ってみたり。

おっとりとやわらかな、優しい光みたいなものに満ちた、暖かな千秋楽でした。







で。
劇場の中はほんわかと暖かかったわけですがっ!!

……外は寒かった……。

3回くらい死ぬかと思いました。風が吹き荒れたときとか。
あの、お願いですからジェンヌのみなさん、12月1月2月に楽を迎える公演で卒業するの止めましょうよ(真顔)。ファンは本当に辛いんですよーーーーっ!!

ま、ともあれ。

最初に、なぜか麻子さんだけ出てきました。びっくりするほど早かった!お仕事だったんでしょうね。前回の「ME AND MY GIRL」の千秋楽でも、きりやんだけ先に帰ってましたが、そういうことって多いのかなあ?

その後、寒風吹きすさぶ中待ち続けること数十分、しのちゃんの出。
本当にキレイな、可愛い笑顔で、歩いていかれました。
こんなにコートだのマフラーだのに包まっている私がこんなに寒いのに、紋付の羽織一枚で平然と、幸せそうに歩いていくしのちゃんの清しさに、あらためて感心してみたりして。
…つくづく、ジェンヌさんは鍛え方が違うよなあ、と。

また少し間をおいて、今度はちわわ。
白を基調に、薄いピンクの花をあしらった可愛らしい花をもったちわわは、本当に涙が出るほど幸せそうで、そして、誰よりも可愛かった!!
ファンの掛け声に、「ありがとうございます!」といい声で返事をして、にこぉっと微笑んだちわわ。「幸せ」色のオーラが、噴水のようにあたりを包んでいました。
ファンの皆さんも、幸せだったでしょうねぇ。後ろで観ていたギャラリーたちまで、幸せのおすそ分けをもらったみたいで嬉しかったですよ(*^ ^*)。




でも。
さすがに耐え切れず、申し訳ないけど、卒業生二人を見送って、すぐ帰りました。
ああ、月組っ子の出待ち、見たかったなあ(涙)。


お二人のファンの皆様、今まで本当にお疲れ様でした!!
これからも宝塚を、どうぞよろしく(*^ ^*)。



次回月組大劇場公演「エリザベート」の、主な配役が発表されました。

フランツ 霧矢大夢
ルキーニ 龍真咲
ルドルフ 遼河はるひ/青樹泉/明日海りお


あいあいルキーニの夢やぶれたり
…いや、元々ネタだったんですけど(^ ^;ゞ。ルキーニがダメならゾフィーのリベンジ(新公は玉砕していたので…)希望なんですが、、、どうなるんでしょうねぇ。
美穂さんのゾフィーも聴きたかったし観たかったけど、今のあいちゃんのゾフィーなら楽しみなんだけどな。


なんだか、エリザベートについてはカチャ(凪七瑠海)のシシィで一公演分驚いたので、もう本当に何がきても驚かないつもりだったのですが。
まさおのルキーニ自体は驚かなかった(ある意味予想通り)し、みりおともりえの役替りまでは“夢想の範疇”に入っていたのですが。

…さすがに、あひちゃんのルドルフには吃驚してしまいました。まだそんな隠し玉があったとは………負けたわ>劇団。



で。
役替りの組み合わせについて、個人的な予想(とゆーか願望)を書いておきますねっ!(はぁと)

あひルド、もりえエルマー、みりおマデレーネ
  ↓     ↓      ↓
もりえルド、あひエルマー、みりおマデレーネ
  ↓     ↓      ↓
みりおルド、あひエルマー、もりえマデレーネ



……す、すみません、もりえちゃんの可愛いピンクのお花ちゃんの残像が(汗)。





なんだか、これ以上書いてもネタになるだけなので(もう十分ネタですが)、「エリザベート」についてはこのへんにしておきます。
あ、でも、特設サイトのトート(麻子さん)とシシィ(カチャ)、超キレイでかっこいいですね(喜)。暖色系のトートって珍しいし、実際に舞台で観るのが楽しみです。
サンケイスポーツの会見写真はどれも写りがイマイチな気がしますが、まぁメークはどのみち本番勝負だし、心配しないで待つことにします!(^ ^)無事チケットが取れますように(祈)。


あ、あとすみませんもう一つだけ。
小池さん、演出変更ナシなんて仰らず、黒天使の振付だけでも変えませんか……?









と、いうところで。
昨夜すっ飛ばした、ショーの第二夜~第四夜の話を書かせていただきます(^ ^)。



第二夜 ヴァンピーロ

ヴァンピーロ伯爵の手下、ファンタスマのメンバーは、かなり選りすぐりのダンサーぞろい。個人的には、次の場面との関係でみっぽーや蘭ちゃんがいないのが残念でしたが、男役も女役もお揃いの黒のパンツスーツでガツガツ踊るこういう場面を月でやっちゃうなんて、藤井さん……ったら!
ていうか、本当に、月娘ったら!(汗)。

いや、そんな月娘たちが大好きなんですけど(*^ ^*)。

シンガーとして入っているのは、彩星りおんと花陽みらちゃん。二人とも、ショートの鬘が良く似合って超イケメン(あれっ?)です。りおんは、ショートだと男役っぽくなっちゃうかなー?と思っていたんですが、全然そんなことは無かったですね。ちゃんと化粧が違うんだなー、さすが!元がキレイな人はイイですねぇ(惚)で。みらちゃんは、まだ下級生なせいか化粧はイマイチなことが多いんですけど、この場面は鬘がよく似合ってて無茶苦茶可愛いです。ああいう、頬にバサっとかかるような髪形が似合うのかな?可愛かったー!

それにしても。りおんは男役時代にはショーの小人数口にもよく入っていた人だし、みらちゃんも「ホフマン」でオランピアを踊ったダンス力。歌いながらちょろっと踊る姿が格好良くてステキでした!もっと観ていたかった……。

あまり回数を観なかったので、全員は見分けられていないような気がします。中では宇月くんがやっぱり凄く眼につきました。結構下手端のライトの当たっていないところで凄い速さでくるくる回っていたりするので、眼が離せない(T T)。
鳳月杏ちゃんは、あんまりにも祐飛さんに似ているので、観るたびについ「なんでこの場面に出てんの?」と思ってしまうんですが(汗)、いや杏ちゃんはダンサーなんだってば(^ ^;ゞ

後半のところで、ものすごく野心的な眼を輝かせて踊っている咲希あかねちゃんに心奪われました。美人は得だなあ。となりに紗那ゆずはちゃんが居たりするともうだめです。他のところも観たいのにーと思ううちに場面が終わる(汗)、いつものパターンです…。




第三夜 ヴァレンティノ

ルドルフ・ヴァレンティノの物語。
ここはとにかく「血と砂」のみっぽーが可愛くてステキでお気に入りなんですが、
今日改めて観て、ふと気がついたことがありました。


最初の「椿姫」。ヴィオレッタの萌花ゆりあちゃんは、監督のナホちゃん(越乃リュウ)の「カット!」の声が入った瞬間に、高飛車にヴァレンティノの手を払うんですね。
まだヴァレンティノの方が新人。ヴィオレッタは、ベテランの大女優(椿姫、という演目自体、ヴィオレッタのキャスティングで客入りが決まる作品ですが…)。

次の「血と砂」。ドンニャ・ソルの美鳳あやちゃんは、「カット」の後、差し出されたヴァレンティノの手を取って起き上がり、仲良く微笑みあい、挨拶しながらハケていきます。
同格の俳優同士。舞台の上では火花を散らして、バックヤードでは仲の良い戦友、そんな感じ。

最後の「熱砂の果て」。ヤスミンの蘭乃はなちゃんは一貫してヴァレンティノを憧れの眼で見つめる。今度は、「カット」の声と共に手を払うのはヴァレンティノの方。偉大なるヴァレンティノと、駆け出しの新人女優。


…あの短い場面で、ちゃんと時間が流れているんですね。しみじみ。

それを追うナターシャ(城咲あい)の追憶。
「ルドルフ・ヴァレンティノは死んだ。命の重みに、なんの依怙贔屓もしない神よ…」
と呟きながら、舞台奥を横切る喪服姿のナターシャ。その嘆き。その純粋な、一途な愛。

愛の物語を多く銀幕に残したルドルフ・ヴァレンティノの、これが最後に得た、愛だった…。




第4夜 ダルマ祭り

…えーっと、この場面ってそんなタイトルだったっけ…?

いいの!そんなことどうだって!
月組万歳!みんなみんな可愛いぞーーーーっ!!(ナホちゃんも!)




最初に銀橋を渡る7人のうち、一番“可愛い”のはもりえちゃんでした。可愛いにもほどがある!カチャがシシィする時代なんだから、背なんて気にせず娘役に転向してくれ!って思ったほど可愛くてスタイル良かった(*^ ^*)。
もりえのマデレーネが観たいです。扮装だけでもいい。超ボンッキュッボンな予感。
そして、まさおはギャル(←死語?)だった。

みりおくんは……なんだかみりおくんの女役に免疫がついたというか、珍しいと思わなくなったというか、……みりおくんは絶対男役の方が向いているので、どんなに可愛くても美人でも華やかで似合っていても、しばらく女役は封印してあげてほしいなあと改めて思いました。

あひるちゃんは普通に美女でしたね。こういう出し物で「普通に美女」って一番コメントに困る(汗)。

マギーは、もっとアメリカンなダイナマイトバディかと思っていたんですが、衣装のせいか、それほどのインパクトはありませんでしたね。こちらも普通に美女だった、と言うべきかな。

園加は相変わらず面白い。樹里ちゃんのディナーショーで披露して以来、園加の女装は“女装”のままだなあ。ラストに大きくウィンクをすると照明が落ちるところが、またなんとも言えずステキです。

ナホちゃんは可愛いです。ええ。ナニカモンクデモ?


とりあえず、全員に共通して言いたいことは一つ。
…どうせ女役するんだったら、脚出そうよみんな!(特にもりえとマギーに)




で。後ろのダルマさんたちも超気になりますっ!!はっきりいって、可愛い娘役さんたちを観ているヒマがない(涙)。(だって娘役さんはまたダルマしてくれるでしょうけど、彼らは二度としないかもしれないんだもん!)

ナホちゃんが銀橋に出てきた途端に前に出てくるガチャ(一色瑠加)・しの(朝桐紫乃)・きっしー(彩央寿音)・あちょうさん(華央あみり)の四人の迫力も凄いし(でも、何気に美脚な4人組なんですよね。怖いけど)、そうかと思えば千海華蘭ちゃんの隣に並んでもなお可愛いかえこちゃん(良基天音)みたいな人もいるし。
ダルマになっても当然のように顔芸しまくりウィンク飛ばしまくりなみっしょん(美翔かずき)とか、どこの美女かと一瞬戸惑うとーやん(榎登也)とか、久々にオラオラな感じで煽りまくってる(彩星)りおんとか、男役がダルマで小芝居してるの初めて観たよ、と感心してしまった鼓英夏ちゃんとか、、、バラエティ豊かで手加減ナシの月組若手(若手じゃないのも混ざってるけど/汗)、万歳!!



幕が上がって、本舞台で蜜蜂の王・麻子さんとダルマたちのダンス。平場で踊るダルマたちに、独りだけ娘役が混ざっていることにいったい何人の人が気づいただろうか。…麗百愛ちゃん、今更ですが本当にすごいよなーーーー。
きりやんの白蘭が登場して、麻子さんとのデュエット。誘うように腰をふるきりやんが色っぽくてたまりません。男役としては不利にもなりがちなボンッキュッボン!のスタイルが、こういうときは色っぽくていいですねぇ~(惚)。鼻の下を思いっきり伸ばして追いかける麻子さんの気持ち、とっても良くわかるわ(^ ^)。


いったん麻子さんがハケて、きりやんセンターでの花々の総踊り。
白い衣装に身を包んだちわわが、物凄い勢いで弾けるように踊っていて、すっごく可愛い。
そして、麻子さんも着替えて戻ってきて、ダルマたちも一緒に全員で中詰めの大盛り上がり。

千秋楽の盛り上がりは、本当に凄かったです。楽しいショーだなぁ……♪♪





一転して、客席からダッシュで登場する専科の萬さんと磯野さん。
渋くて本当にステキ。後から銀橋を渡って登場する梨花さんと3人、「年の功」の意味をとっくりと見せ付けてくださいます。ああ、うっとり。
大野さんも藤井さんも、お二人とも本当に専科さんの有難味を良く知っているお二人ですよね!
ああ、この場面を作ってくださってありがとうございますm(_ _)m。







………だいぶ順番が前後していますが、とりあえずショーは一通り書き終わったところで。

私はこのショー、大好きなんですよね(*^ ^*)。
基本的に藤井さんのショーで嫌いなものは無い…というか、単純に全部好きなんですけど(汗)、今回は特に、月組の変則体制を巧くつかいきってくれたことが嬉しかったです。

準トップとしても、トップ娘役代理としても標準以上の存在である霧矢大夢。
並みのトップ娘役より華やかな、むしろWトップに近いような気さえする、城咲あいの存在感。
ダルマにし甲斐のある、スタイル良しで美脚ぞろいの男役陣、
強く、誇り高く、個性的な娘役陣。

他の組ではできないショーを作ってくださったことに、心から感謝いたします。
まぁ、一つ要望としては、他の組ではできないついでに、黒燕尾のあとはトップスターのソロダンスに逃げないで、なにか斬新なアイディアを出してほしかったなー、と。だってさ、麻子さんはヴァレンティノのラストでもソロで踊られるんだし、あと数年以内にはあるであろう麻子さんの卒業公演で、やるものがなくなっちゃったら困るじゃないですか!
…いや、そんな先のことを考えても仕方が無いんですけど。

うーん、だからといって何をしてほしいかというと……特に希望があるわけではないんですけどね。
あ、個人的には、せっかくなのであいちゃんとしずくちゃんのデュエットダンスとか観てみたかったかも。男役同士のデュエットはときどきあるけど、娘役同士のダンスってあんまり無いですよね?今の月組の体制だったら、斬新でいいと思うんだけど。
……ダメですかねぇ。




東京芸術劇場中ホールにて、「作者をせかす六人の主人公たち」を観劇してまいりました。



東京芸術劇場ミュージカル月間の2作品め(1作目はわらび座の「天草四郎」、3作目は「SHOW店街組曲」)。


あまり期待はせずに観にいったのですが、予想外に大変面白かったので、ご紹介させていただきます(^ ^)。芸劇ミュージカル月間って、けっこう莫迦にならないんですよね。
ちなみに、今日が初日で15日まで、です(^ ^)。


作・演出は、カンコンキンシアター脚本の舘河憲雄さん。

主役(「作家」)は、声優の山寺宏一さん。
のっけから、開演前の放送で「こんばんは。ブラッド・ピットです。…正しくは、ブラッドピットの声です」というステキな声を聞かせてくださいました(はぁと)。
幕があくと、「フランダースの犬」らしき作品を執筆中、という場面から始まるのですが、それをしばらく台詞と地の文を声で演じてくれるのですが……
ネロ少年の声と、語り手の豊かな男性の響きと、『うぉん』という犬の鳴き声と、猫の鳴き声をおりまぜた一人芸に、うっとりしてしまいました。いやー、素晴らしかった!

役者としても、三谷作品などいくつか出ていらっしゃる方ですが、実にいい味出してました。役者は声だなあ……。




そして、私のお目当ての蘭香レアちゃんは、「作家」が書きかけで放置した「王女様は私」のヒロイン、エルザ。
宝塚のショーでよく出てくる、アラビア風のスケスケ衣装に身を包んだ(あんまり包みきれてない)彼女は、いつどこの舞台に出ても常に『露出度高めで布が少なくてすむ』(←玉野さんの名言)なあ、と感心します。いったい何歳まで臍を出しつづけてい(黙)

…もとい。
ベリーダンスやバレエやタップを幼いころから叩き込まれた王女様、という面白い設定で、踊り来る王女さまでした。美しいわ仕草はきれいだわ声は良いわ怒ると怖いわ、大変にステキな王女様でした。はい。
二幕で、「ナゾの農婦」という役もやっているんですが、こっちも良い役でした!(こちらは珍しく露出度低め)それにしてもこの人は、本当にあなどれないコメディエンヌですな。身体を張ってコメディしてくれるので、観ていて気持ちがいいです。大好きです♪とりあえず、今日は女豹と小悪魔の一発芸をやってくれました。ありがとう>山寺さん

二幕のラストで、とっちらかった話をまとめるのはこの王女様なんですが、この人の声の良さが生きた、いい場面になっていました。ちょっと低めでまろやかな、胸に沁みる声なんですよね。
「作家」の“憧れの女性”というポジションで終わりましたが、確かにちょっと“高貴”なイメージのある役(衣装はスケスケのヘソ出しですが)にちゃんとなっていたのは、あの声のよさのせいもあると思いました。
歌は…まぁ相変わらずでしたけど、声がいいので私は許してしまいます。っていうか、あの姿だけで全て許せるんですけどねっ(^ ^)。




「作家」が書きかけのまま放り出している作品は他にもたくさん(この物語に出てくるのは全部で6作)あり、それぞれの主人公たちが出てきて、「早く続きを書け!」「ちゃんと終わらせろ!」と作者を責める、というのがメインのストーリー。
まぁ、新井素子の「…絶句」みたいな話ですよ。あれはSF(一応)だったけど、こっちは「そういうもの」で全ての説明を終わらせている、という違いはありましたけど。

作品の一つが「王女様と私」以下、作品ごとにメインの登場人物だけ簡単に。




「王女様と私」エルザ&ライス(蘭香レア&飯尾和樹)
飯尾さんのライスは、エルザ姫の侍従。…ぼそっとしか喋らない人で、芝居が巧いとかいうことは無いんですけど、その「ぼそっ」で金を取るひとなんだなあ、とすごく納得しました。
あまりお笑いに詳しくない(←かっこうつけるな。全く知らないの間違い)んですが、居てくれるだけでいい、出てくれるだけでいい、という感じがすごくしました。
二幕で演じる「ホテルマン」も、いい味出してたなー。彼が喋ると、どれが台詞でどれがアドリブなのかわかりません(汗)っていうか、舘川さん自身、ライスには台詞を書いてない(適当にしゃべって、みたいな)ような気がする(^ ^;




「非情の殺し屋」ウォー(竹下宏太郎)
ものすごい渋い二枚目…と1/4、って感じの方でした(惚)。ステキだったー!!
「俺のバックに立つな」をキメ台詞にしていて、殺陣ついでのダンスシーンも多いんですけど、とにかく渋い!!いやー、いいです。声も素敵。こういう人材がまだまだいるんだなあ、とホント感心しました。
ラストにちょっと衝撃の運命が待っているんですが、それさえもステキ、でした(*^ ^*)。




「マイ・ファーストレディー」キャンディ(折笠富美子)
この方も声優さん。「レ・ミゼラブル」の配役見ても思いますけど、本当に声優さんって声が良いのはもちろんなんですけど、歌が巧くて可愛い人が多いですよね(感心)。
折笠さんも、ものすごくキュートで可愛らしい方でした(はぁと)。街の飴売りが、大統領に見初められて結婚を申し込まれる…という、絵に描いたような玉の輿物語なんですけど、彼女だったらそんなこともあるかもね、と思わず納得してしまう美女っぷり(*^ ^*)。
「銀ちゃんの恋」の姫花ちゃん(玉美)みたいな髪型に派手なドレスが良く似合って、まだ飴売りだったころの設定に戻って田舎訛でベラベラ喋りだすところとか、もぅ超絶キュートで素晴らしかった!!ですぅっ!

…ああ、姫花ちゃんにはああいう設定で玉美をやってほしかったかもっ!!と思ったりしました(^ ^;ゞ。花組さん観に来ないかなー。(←多分無理)




「パラダイス・オブ・パラダイス」サンデー(林愛夏)
「ライオンキング」ヤングナラ出身、と聞いて納得の美声&歌唱力でした。
しかも可愛い!!さりげなくコケティッシュで小悪魔な魅力と、女らしい包容力をあの年齢で兼ね備えている…って、すごいなあ。将来有望にもほどがある。

しかも、まっすぐでものすごく長い脚。今回、女性陣はみんなスタイルが超絶良かったんですが、「小さい頃からミュージカルに出ることが夢でした」というだけあって、将来有望な女優さんですな★




「出会ってしまった」ジャック&イヴ(山本匠馬&有村実樹)
山本匠馬くんは、何度も観ていますが今までで一番良かったかも。こんなに“美形”であることが重要な役を演じるの、初めてなんじゃないか(私が観ていないだけかもしれませんが)と思ったくらい似合ってました。いや本当に素晴らしかった。歌も良かったです。

そして、二幕で某作品の「弟」役を演じたときも、素晴らしい美貌と迫力、そして雰囲気があってお見事でした。フォーティンブラスとかめっちゃ似合いそうなんですけどねぇ…。
この作品の中で一番可哀想なのは彼なんじゃないかと思うんですが、よくやってました(*^ ^*)

有村さんはJJのモデル出身。顔に見覚えあると思ったら……女優さんになっていらしたんですね。
さすがの美貌とスタイル!レアちゃんと並んでも遜色のないスタイルの女優さんって少ないので、思わずまじまじと見てしまいました。声も澄んだ綺麗な声ですね。お芝居はあまりなさったことがないようですが、“ばさっ”と髪を払って「…女だから」と応える場面とか、物凄く良い間でした! これからも舞台に立ち続けて下さるなら、芝居の基礎を少し学ばれたら、すっごい飛躍できるんじゃないかなーと思ったりしました(^ ^)。




「バンデス四世」バンデス(ウド鈴木)
幻の剣を求めて一人旅をしている……という設定のはずだったけど、実は、、、、という物語。
いやー、この設定がシュールだったんですよね。よく思いついたなあこんな展開、という感じ。
しょうもないといえばこの上もなくしょうもないのですが(笑)、いきなり真正面からこうこられると思わなかった、という衝撃が…。
この方だけ役替りがあって、13日だけは吉岡毅志さんが演じられるそうです。観てみたいような気もするけど、無理だろうなあ(涙)。




登場人物はもう一人、作家の「友人」(高木渉)
「作家」の長年の(学生時代からの?)友人で、“非情の殺し屋ウォー”の元ネタを考えた(らしい)。今は、毎月「子供のための名作劇場」の脚本を「作家」に依頼している。
ちょい役といえばちょい役、キーパーソンといえばキーパーソン、という微妙な役柄を、独特の存在感でこなしていました。この方も声優さんなんですね。声優さん多いなあ。っていうか、芸達者な声優さんが多いのかな……?




ストーリー自体は、登場人物を紹介しただけで8割がた解るとおりのシンプルな物語なのですが。
アドリブっぽいギャグがいちいち滑って痛々しかったり(←初日だからかな?)、セットが幕にひっかかってひっくり返りそうになったりしつつも、全体としてはかなり面白かったです。
よくぞここまで赤裸々に書けるなあと思うくらい、「作家」の悩みが具体的かつ詳細で。…なんだか、“ファン”という立場で観ていても納得する部分があって、まんまと泣いてしまいました(苦笑)。


純粋に、面白かったです。ただ、気になるのは上演時間がだいぶ予定を超過していたことかな…。そもそも10分くらいおして始まったと思うんですけど、上演時間自体も長かったんですよねー。明日からの公演であちこちカットされていたりして…。
作品も終盤になって、某作品だけは完成させよう、ということになって、その物語を語りつづける長ーい場面があるので、あれを半分くらいにしてもいいのでは?と思ったりするのですが……うーん、難しいかな?音楽が流れているから、あの音楽を変えないと短くできないですしねぇ…(悩)。



次回雪組大劇場公演をもって卒業するトップ娘役・白羽ゆりの後任として、愛原実花ちゃんの就任が発表されました。

みなこちゃん、本当に本当におめでとう!!


まさに、つい先日この日記にも書いたとおり、ホントにホントに猫はみなこちゃん大好きなんです(*^ ^*)。我ながら、タイムリーさにびっくりしてしまったんですけど。
みなこちゃんは本当にステキな役者さんなので、水さん&水さんファンのみなさま、そして雪組ファンのみなさま、どうぞ可愛がってあげてくださいね(切祈)。




それにしても、
水くん、いいなあぁ~~~!!

だってだって、となみちゃんとみなこちゃんですよっ(@ @)
やっぱり、いい男にはいい女が寄ってくるんですねっ!

実際水くんって、月組を離れて何年になるのかわからないくらいなのに、観ていると「ああ、月組で育った人なんだなー…」、と納得させるお芝居をしてくれる人なので、みなこちゃんと丁々発止とやりあってくれるのかと思うとワクワクします。
となみちゃんとは全く違うコンビになりそうで、また新しい水くんが観られるのかと思うとファンの方も幸せだろうなあと思います★しかも、組の中でずっと見守ってきたみなこちゃん!!
いいなあ、いいなあ、羨ましいなあ……






……ただの普通の「娘役さん」でいる間は、次どんな役になるのかなあ、次は誰と組むのかなあ(はぁと)などといろいろ想像する余地があったのに、
もしかしたら某組に特出して○○!?とか(←無いから)いろんな夢を見る余地があったのですが、
水さんの相手役として固定されちゃうんだー、もったいなーい、と、発表を聞いたその瞬間に思ったのは、それでした。
トップになってしまうんだったら、その前に“思いっきり悪女”とか、“最低最悪の意地悪娘”とか、そういうトップになっちゃったら絶対に出来ない役をやっておいてほしかったなー、とか思ったり。
“二番手”になったことがなくて、大劇場公演では役らしい役がついたことがないみなこちゃん。次の「夜の稲妻」が最初の大役になると思いますが、面白い(興味深い)役でありますように~!(祈)


そういえば、あすかちゃんの就任が発表された時も、似たようなことを思ってたっけなー、私(汗)。
“トップ娘役らしさ”みたいなものだけを求められて、あすかちゃんの無鉄砲さとか、無茶っぷりを篭められてしまったらもったいないなあ、と思ったんですよね。

でも、結果的にはあすかちゃんは近年稀なくらい幸せなトップ生活で、長くはないけれども充実した時間を過ごして、今、最後の総仕上げにかかったところ。
みなこちゃんも、一緒に芝居を作っていけるトップさんと組んで、のびのびと、幸せな笑顔を見せてほしい。





同時に発表されたお披露目公演は、おもわず目を疑ったほどみなこちゃん仕様。
トップが魔法使いで、トップ娘役が魔女だとぉ~!?
大野さん、期待していいんですねっ!?(*^ ^*)。

水みなこでリオのカーニバルだとぉ~~~っっっ!
齋藤さん、みなこちゃんのダルマをお忘れなく!!(っていうか、それありき?)





いやー、同時に発表された星組さんの「太王四神記 Ver.2」の方が、私にとっては重大ニュースなはずなのに、そんなもん完全に吹っ飛んでしまったくらい衝撃的な概要でした。
大野さん、齋藤さん、どこまでもいっちゃってくださいな。楽しみにしています。

…間違いなく、水くんの新しい面は見られそうだな★






あすかちゃん、となみちゃん、ウメちゃん…大好きな娘役トップさんが次々に卒業を決めて、寂しく思っていた矢先に、可愛い月っ子ねねちゃんに続いての、みなこちゃんのトップ娘役発表!

凄くすごーく、嬉しいです

みなこちゃん、大好きだよ!!
お幸せに、ね(^ ^)。




月組東宝劇場公演「夢の浮橋」、キャストごとの感想のつづきです。
すみません、もう花組公演が始まってしまったので、超特急でいかせていただきます(汗)。




小宰相の君(城咲あい/咲希あかね)

物語のキーパーソン。今の月組で、あいちゃんをどう使うのかなーと思っていたら、こうきたか!!という新鮮な驚きがありました。
すごく良かったです、あいちゃんの小宰相。あいちゃんの大人っぽい容姿と、おきゃんな声の可愛らしさのギャップを生かした、二面性のある役でしたね。
「自由な人なんていやしない。…あたしたちだって」という独白が胸に痛い、いい女っぷりでした。

新公のちゅーちゃんは、ハロー!ダンシングあたりから目立ちはじめた91期。ショーではだいぶ小人数口に入るようになってきたけど、芝居で大役がついたのは初めてかな?「Hollywood Lover」組で楽しそうに小芝居していた姿が印象的。今回は、思いのほかあいちゃんの小宰相そっくりな役作りで、驚きました。容姿はあまり似ていないのに(似ているのはスタイルがいいところくらいかな?)声がそっくりなんですよねぇ…(感心)。違和感なく演技していて、すごく魅力的でした♪次のバウでも、活躍を楽しみにしています♪




光源氏(萬あきら/彩央寿音)

すべての“罪”の象徴。きっしーも芝居巧者なんですけど、残念ながら萬さんの存在感の巨きさにはまったく対抗できず…という感じでしたね。新公の方が、匂宮の光源氏への思い入れが薄い(その分、薫への思い入れが深い)気がしたので、あえてそういう演出だったのかもしれませんが。
きっしーの光る君は、萬さんほど壊れていなくて“傀儡であること”の怖さがあまり感じられなかったです。ただ、喪われた人(紫の上)への深い愛と、彼女の望みを叶えなかった後悔に苛まれた辛さは、逆にリアルに感じられました。新公の光源氏は、可哀想だった……。
ラスト、壇上で待つ光る君の怖さは、萬さんもきっしーもさすがでした。それはむしろ、大野さんの演出の力かも。




夕霧(磯野千尋/美翔かずき)

本公演と新人公演、その解釈の違いが面白かったです。いかにも貴公子然としてすっきりキレイなのに、腹の底は真っ黒な気がした新公のみっしょんと、最初から腹黒親父にみえて、意外にちゃんと“人民の幸せ”みたいなことも考えていそうな磯野さん。
「源氏物語」は、やはり当時は政治から完全に切り離されていた女性が書いただけあってあまり具体的な政治生活が描かれることはないので、今回描かれているような「圧倒的なスターをトップに戴くことで人民の心をとらえる」といういかにもタカラヅカな政治思想がぴったりと嵌るのですが、磯野さんはやはり結構したたかで、「人民の目を眩ませるような華やかなスターを真ん中において、裏では好きなようにやろう」みたいな感じがありました。
みっしょんは真顔で「人々は華やかなスターが見たいんだから」とか思っていそうな、ある意味すごく怖い人でした(汗)。でもステキ。

最初の「雲隠」での、「今日だけは父上にもしっかりしていただかねば」という台詞、磯野さんは当たり前の「政治的判断」の賜物としての台詞でしたが、みっしょんはちょっと、憧れの父に愛されなかった息子が、やっと父親を思いのままに動かす喜びに憑かれているように聴こえて、怖かったです。この人は、やっぱりどこかに狂気を宿した役が似合う人なのかもしれない、と思いました。
…大野さん、また月組担当してくださいね(*^ ^*)




明石の中宮(梨花 ますみ/羽咲まな)

梨花さん、やっぱり好きだ。ああいう“愛のない母親”の役をやらせるとピカ一の役者だと思います。素晴らしかった!「マラケシュ」の役も大好きでしたけど、今回はまたいいですねぇ♪
大野さんは、本当に専科の使い方が巧い…。
新公のまなちゃん、いい役者だなあとあらためて感心しました。瀧川末子姐とか、(青葉)みちるちゃんとか、上級生の“唄える女役”候補が次々に卒業していしまっているので、まなちゃんは是非是非これからも末永く!!月組にいてほしいなあ、と、心の底からお願いします。




女一宮(花瀬みずか/夏月都)

あーちゃん、久々のヒット!でしたね(はぁと)。「雲隠」の後、上手花道にせり上がってきたときの目を奪うような美しさ。下手の子供時代(花陽みらちゃん)と交互に語り、歌いだすまでのたおやかな風情。
薫が憧れていた、というのも納得の美しさ。匂宮ともう少しで濡れ場に突入しそうだったあやうい色気。最後に匂宮を送り出すときの「その方(浮舟)を連れてこられても、同じことですよ」という子供に言い聞かせるような言い方が良く似合う、あくまでも「姉」の立場を貫く強さ。
匂宮が、そして薫が欲しかったのは、華やかで幸せな「紫の上」の御殿での生活、子供時代の輝きであって、一宮自身ではないことを100も承知で、軽くかわしてみせる女心。

新公のなっつも良かったです。コケティッシュに可愛くなっちゃうかな?と思っていたのですが、意外とそんなこともなく、普通に温かみのある、大人のオンナでした。蘭ちゃんの浮舟がコドモな分、落ち着いた包容力が感じられて良かったです。
なっつもいい声ですよねぇ(*^ ^*)歌もがんばってました。鬼に金棒!卒業後の活躍が楽しみです。




二宮(遼河はるひ/宇月颯)

匂宮の項で散々書いたような気がしますが、二宮って今回本当に良い役ですよねーっ!!
あひちゃんの心優しい(そして弱い)皇子様っぷりと、宇月くんの堅苦しいマジメな優等生っぷり。匂宮が反発しながら愛している兄の、それぞれの個性の違いが、匂宮のキャラの違いとちゃんと呼応していて、大野さんさすがだなーと思いました。
あひちゃんの二宮は上宮(ちなみに本来は“しょうくう”と濁らないはず?)王家の剣を匂宮に渡すときにあまり気負いを感じないのですが、宇月くんはかなり強い思い入れを篭めて渡していたのが印象的でした。もしかして、宇月の二宮が剣を握った瞬間に考えたことは、匂宮暗殺だったのかもしれない、と、、、、そんなことさえ思ったくらいに。自分を愛しているあの弟を、この剣で斬り捨ててしまいたい、と。自分の人生から。
自分自身が、誰よりもあの輝きに魅せられていることを自覚していながら。

紅梅の姫との逢瀬は、さすがにあひちゃんは慣れているなあ、と感心しました。
宇月くんだって、それなりに新公ジェラルドとか良かったのに……なんか段取りどおりという感じがしてしまって残念でした。みらちゃんも不慣れだから、ある程度は仕方ないんでしょうけれども…(T T)。




五宮(明日海りお/煌月爽矢)

いやあ、もう、みりおの華やかさにはいろんな意味で目が眩みましたとも(感涙)。
煌月くんも相当かっこいいし群舞でも目立つのに、なんか覇気が足りない気がしてなりませんでした…ごめんなさい。五宮はホントにみりお宛書だったんだなあ。
演出的にも、新公では五宮は少し下げられていた印象でした。二宮の扱いが大きくなっていたから(本公演に比べて、匂宮の前向きでリアルなところを中心に描かれていたので…)、そのせいかもしれませんが。




仲信(越乃リュウ/華央あみり)

ナホちゃんもあちょうさんも、なんというか大人の色気と包容力で勝負してくれてありがとう!という感じでした。
ナホちゃん、組長になってすっかり芝居が落ち着きましたねぇ。一時期の荒れた芝居が嘘のようです。元々ファンなので嬉しいです♪
あちょうさんは、本当になぜ新公に出ているのかと一瞬思ってしまったくらい落ち着きに溢れていました。薫を陰からみまもる姿が、まるで実の父親みたいでちょっと泣けます。そこまで愛さなくてもいいような気がしますが、あちょうさんステキだからいいのよね!

あちょうさん、宇治田楽の場面で五十鈴ひかりさんと沢希理寿さんが歌っている花道の歌手に入っていましたが、いやー良かったです。良い声だ♪惚れ惚れ♪
……あの学年なのに重臣に入ってしまいそうな、しかも違和感がなさそうなあちょうさんが大好きです(きっぱり)。




横川僧都(一色瑠加/鼓英夏)

なんだかすごく今更なんですけど、ガチャって良い役者になったよなあ、と改めて思ったんですよね…。存在感がすごくあるし、声がやわらかくて、俗世を離れたアチラ側の人という感じがすごく強く感じられました。
小芝居の帝王・鼓さんが、こういう小芝居のしようがない役をやってるのを見るとなんとなく気の毒になってしまうのですが(出番も少ないし/汗)、決してそんなことはなく、良い役をちゃんと良い感じでこなしてました。やっぱり芝居が出来る人はいいですねぇ……。
しかーし、鼓さん隙をみてちゃんと小芝居もしてたんだけど、、、あれはいいんだろうか(^ ^;ゞ




時方(桐生園加/響れおな)

園加が麻子さんの従者をしているのは、やっぱり微笑ましい気がしてしまう…。
なんか、時方は本公演も新人公演も宛書に見えました。園加も響くんも、どちらも果てしなく優しいタイプだからかな?匂宮を愛して、ひたすら匂宮のために動くのが幸せそうで、観ていて楽しかったです。
特に解釈の違いといったこともなく、ひたすら可愛い二人という印象でした♪




道定(龍真咲/千海華蘭)

新公では、小君が道定をやっている……と思ってしまって、ちょっと混乱しました(汗)。
華蘭ちゃんの小君、ホント可愛いですよねぇ(*^ ^*)。

さて。まさお好きな猫としては、今回銀橋で歌っちゃうまさおにちょっとびっくりしました。
あぁ、やっぱり良い声だなあ(*^ ^*)。口軽く薫の秘密をベラベラ喋っちゃって、匂宮が「宇治へ行くぞ!」言い出したときの「し、しまった…」と臍を噛む表情が結構好きでした。
秘密は守れないけど、憎めない奴ですね!
華蘭ちゃんも、これだけの大役は珍しいと思うのですが、落ち着いてお芝居していましたね。歌もがんばってた!(^ ^)。響くんとの並びの相性が良くて、可愛いコンビでした♪




女三宮(天野ほたる/羽桜しずく)
柏木(美翔かずき/瑞羽奏都)

いやもう。美しすぎた罪、って、実際に美しくないと説得力がないんだなーと納得した、わずか5分の名場面。しずく、本公演で浮舟やっているだけあって、表情の変化が絶妙でした。プロだわ。
……すみませんすみません、本公演はほたるとみっしょんに、新公はしずくとみづきちゃんに見惚れて、結局匂宮と浮舟の濡れ場は一度も見られませんでしたワタクシ。誰かDVD見せてください、お願い(祈)。




六の君(夏月都/彩星りおん)

かーわーいーいーーーーっ!!(二人とも)
本公演のなっつは、どちらかといえば気の強いしっかりした姫君、という感じでした。旦那を尻に敷きたいタイプ。雲居雁(頭の中将の娘)の子じゃないはずなんだけど、なんとなくそっち系の血を感じる(^ ^;。匂宮みたいな、一人にのめりこむことに忌避を感じている人にとっては、ウザイ存在だったんだろうなあ、という感じ。
政治向きの話にもちゃんとついていって、自分は源家のために匂宮を繋ぎとめておかなくては、という使命感を感じているんだろうな、というのも感じました。可愛らしい顔をして、したたかで強引な、諦めないオンナ。……いい女だなぁ(*^ ^*)。

新公のりおんは、おとなしいけれども芯が強いというイメージで演じていらしたような気がします。ちょっと「エリザベート」のヘレネみたいな感じ。あるいは、ちょっと違いますけど「忘れ雪」の静香みたいだったかも?多くの女たちを次から次と手折っている間はなんとも思っていないけれども、一人のオンナを特別扱いして、自分の邸に迎えいれるという話になったら別…みたいな。源家のためというより、自分の愛ゆえに匂宮が欲しい、と言っているようにも見えて、興味深い違いだなあと思いました。
歌は(ワンフレーズですが)さすがでした。ああ、本当にこの声好きだ…。次の本公演、あひちゃんかもりえちゃんの時の子ルドルフとかやらないかなあ。(みりおの子供時代はちょっと無理だと思いますが…)




菊(琴音和葉/舞乃ゆか)
犬(彩星りおん/真愛涼歌)

舞乃ゆかちゃん、可愛いばかりじゃなく歌えるんだー♪と幸せな気持ちになりました。匂宮を惑わす台詞の声もいい!本役の子薫もめっちゃ可愛いんですけど、田楽場面の巫女の衣装も良く似合ってて可愛いです。
真愛涼歌ちゃんって、やっぱり琴音和葉ちゃんに似てる…同じ衣装に白塗りすると見分けがつかないかも、と思ってしまいました(汗)。そんなことないでしょうか?…“あれ?ここ本公演も琴音さん出てるよね?”と思ってしまったのは私だけ?

真愛さんもすごく良い声してるし歌も巧いんですけど、りおんの声は非常に個性的で力があって、この場面の「異世界」感を出すのに大きく貢献しているんですよね…。新公では普通に美声の歌手が歌っているだけになってしまって、異世界感が薄れてしまった印象がありました。
光る君もあんまり“異世界の怪物”らしい雰囲気ではなかったし。
みりおくんの匂宮は、あまり後ろ向きに異世界を覗き込んで喜ぶタイプではないので、そのせいで演出的にも“異世界感”を薄めたのかな、とも思いましたが。……大野さんを信用しすぎの考えすぎでしょうか…(^ ^;




他にも書きたい人はたくさんいるのですが、いったんここで終了させていただきます。
いずれにしても、「夢の浮橋」はよく出来た作品でしたし、大野さんの演出家としての矜持も非常に感じられました。面白い実験作だったと思います。
願わくば、今回の経験を生かして、次の「ロシアン・ブルー」を更なる名作に仕上げてくださいますように!
今後ますますのご活躍を、強く強く期待しています!!




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東京宝塚劇場にて、花組公演「太王四神記」を観劇してまいりました。


やっぱりこの作品、華やかで美形ぞろいで切ない、という「宝塚」の必須項目をすべて網羅した名作なんだなあ、と思いました。星組さんでの続演(?)が発表された今、花組メンバーの「俺たちが歴史を作るんだ!」的な気合もかなり感じられる(←多分気のせいですが)ような、熱気に溢れていました。
せっかくの良い作品なのに、公演期間が短くなってしまってとても残念なのですが(涙)、そうは言っても今年の中では少し長めのこの公演、がんばって通いたいと思います!



真飛さんのタムドク皇子は、最後に遠征したときに観たよりも、すこーし優しい感じになっていたかな?世界を覆う皓い翼が、すこーしづつ形を成しつつあるなあと思いました。
ただ。前回のトマスの時も書いたような気がしますが、この人のお芝居って、シリアスな芝居の中にちょこっと入る茶目っ気が魅力なんですよね(^ ^)。だから、今回みたいにここまで徹底してシリアスなお芝居だと、なかなか良さを出すのが難しいのかなあ、とか思ったりもして…
いや、ほんとに正統派の美形なんで、それだけでもいいのかなと思ってしまうんですけど(^ ^;ゞ



祐飛さんのヨン・ホゲは、大劇場でいろいろ作りこんできたものをいったんリセットして、最初(正月明け)に観たときの空気に戻っていたような気がします。
スタートに戻ったわけではなくて、螺旋状に一段上がった感じなんでしょうけれども、結構今回の役は私が観た限りでもずいぶんいろんなやり方を試していたように思うので、一通り試した上でまたリセットするその勇気が凄いなあ、と思います。
千秋楽までの変化を楽しみにしたいと思います。



桜乃彩音ちゃんのキハは、またちょっと大人っぽくなって良くなってました。
星組さんでは、(夢咲)ねねちゃんが花組同様キハになるのか、また違う、ドラマ版にのっとったストーリーでスジニをするのか(その場合、誰がキハをするのか)わかりませんが、彩音ちゃんのキハには彩音ちゃんにしかない魅力があると思うので、もっともっと舞台を楽しんでほしいなぁ、と思います。



壮ちゃんのプルキルは、もう最高です(*^ ^*)。文句なし!
「眠れ、愛しい子よ…」という歌が、すごく良くなってました!壮ちゃん、歌いまくりっぽいバウ主演に向けて、ボイトレがんばっているんでしょうねぇ…。世界を支配するに足る、良い声でした♪






この後、ふつうならみわっちとかまっつとかのことを語るところなのですけれども。
……あえて、(祐澄)しゅん様レポートを(笑)。

まずは神話時代の熊族から。
熊族の中ではかなりセンター付近にポジションをとっているしゅん様。基本的にはあまり表情を動かさないんですけど、虎族の女王カジン(キハの前世)が神の子ファヌン(タムドクの前世)に紅い紅玉(=火の力の源)を差し出した瞬間に、嬉しそうににこぉっと微笑むのが印象的でした。


チョク・ファンとしての最初の登場。
コ将軍(扇めぐむ)との嫌味の応酬が、台詞は同じなんですけど言い方がちょっと激しくなっていたような?(気のせいかもしれません)
カクダン(望月理世)率いる、女ばかりの近衛隊を、そして、彼女らを練習相手にしているタムドク皇子への莫迦にしきった口調と見下しきった目線が、実にイヤらしくていいです。
タムドクとチョク・ファンの“稽古”に割ってはいるヨン・ホゲ。ヨン・ホゲの名乗りを聞いた瞬間の、チョク・ファンの動揺がなんだか好きです。ところで、チョク・ファンはケマ部族(族長はヨン家)の一員、と思って良いんでしょうかねぇ?

ついでに近衛隊メンバーに一言。
自分たちへの侮辱は無表情で黙殺し、タムドク皇子への侮辱にカッとする理世ちゃんがステキです(はぁと)。
一人だけ、比較的最初から好戦的な遼かぐらちゃんも、この役ですっかりお気に入りになりました(^ ^;


靺鞨にて。
ここで、敬愛するヨン・ホゲに諫言し、祈るように、乞いるように連ねた言葉をすげなく拒否され、思わず腰の剣に手を伸ばそうとして、止めるチョク・ファン将軍を、皆様どうぞお見逃しなく。
(最後に遠征したときは、ずいぶん反応が弱くなっていたので心配したのですが、また強くなってたんでちょっとホッとしました ^ ^;)


ヨン家の宴にて。
最初、ヨン・ガリョがいろいろ話している間は、トラジの店の女の子(っていうか白華れみちゃん
メファ)にせまられてタジタジしている、女っ気ないにもほどがあるだろうって感じの可愛い将軍。
れみちゃんがちょっと離れて、息をついたところで、チラッとセンターを視る。
センターに居るのは、キハと二人で「愛の無い結婚」を歌いながら前に出てきたヨン・ホゲ。
ちょっと切ない眼でそちらを視ながら、れみちゃんが持ってきてくれたグラスを、「乾杯」の発声にあわせて、そっと掲げ……誰かと喋っているヨン・ホゲを陰ながら(ちょっとれみちゃんから逃げ腰な感じでしたが)見凝める眼は、最初に落ちたときと同じ、切なくて遠い眼だったと思います。

その後、スジニが入ってきてキハと会話を始めたあたりで、奥に向かうヨン・ホゲ。
共に奥へ向かいつつ、祝いの挨拶でもしているのか、穏やかにホゲと語り合うチョク・ファン。
上手側から話に加わるイルス(日向燦)。

イルスが入ったあたりで、なんとなく口数が減って、穏やかな瞳のまま、少しホゲから離れるチョク・ファン。そのまま近くの女の子(?)と談笑をはじめて…

初めて観たときの、ここですっと下手側に離れてじぃーーーーっとホゲを見凝める、という芝居は、やっぱりもうやらないみたいです。あの眼がすきだったのに。とても悲しい(T T)。




……っていうかさ、もうちょっとホゲ様も観ようよ>自分
イルスも良い味出してるよー?(←知ってます)



武道籤の売り上げは、確認できたところではトラジ(さあや)が緑(?)一枚、チャンミ(きらりん)が赤ともう1つ違う色(?)を一枚づつ、アルバイトのめおちゃんがなんか色んな色を4枚くらい持たされてました。同じくアルバイトのじゅりあも、結構買わされていたような…。
タムドク様は黒を三枚押し付けられて苦笑してました。で、お金を渡したらヒョンミョンが飛び上がって喜んでた(笑)。いったいいくら渡したんだ?…皇子様なんだから(^ ^;







とりあえず、このしゅん様煮えした頭を冷やしてから、出直したいと思います………(- -;ゞ

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シアタークリエにて、「スーザンを探して」を観劇してまいりました。

……だいぶ前、ですが。カラマーゾフと同じ頃ですから(汗)。
私が観たときの「スーザン」役は、真琴つばささん。
今はもう香寿たつきさんに替わられてしまいました。タータンさんのスーザンも観たいと思っているんですけど、予想外に二月は忙しくて、ちょっと無理かも(T T)。




さて。
パンクロックバンド「ブロンディ」の音楽を使った、いわゆる「ジュークボックス・ミュージカル」。2007年ロンドン初演。当時もウェスト・エンドミュージカルとしてそれなりに話題になっていましたが、こんなに早く、ブロードウェイより先に日本公演が行われるような作品だとは思いませんでした。

私はあまり(というか全然)ロックに詳しくないのでデボラ・ハリーの名前くらいしか知らなくて、曲は一つも知らなかったのですが(T T)、、、無知すぎ?
「ジュークボックス・ミュージカル」隆盛のはしりというべき「マンマ・ミーア」のABBAは知っていたんだけどなぁ……。「マンマ・ミーア」や「Movin’ OUT」(ビリー・ジョエル)を観て超感動し、「We Will Rock You」(クイーン)、「Our House」(マッドネス)あたりを観て、“………(T T;)”と思った私。やっぱり、「ジュークボックス・ミュージカル」は、元歌を知っているかどうかで感動が全然違う!と思っています。

まぁ、「マンマ・ミーア」はストーリー自体もよく出来ていたので、もしかしたらABBAの元歌なんて知らなくても感動したかもしれないな、と思いましたけれども。




で、話を戻しまして、「スーザンを探して」。
ストーリーの原案は、1985年の映画「マドンナのスーザンを探して」。猫は、こちらも全く知りませんでしたが…(^ ^;ゞ
オリジナル台本はウェストエンドの俳優、ピーター・マイケル・マリーノ。翻訳・演出はG2。
…なんだか最近G2づいてるなあ、私。

ストーリーは結構複雑で波乱万丈。
ブロンディの音楽を知らないので、作品の本質的な評価はできませんけれども、ラストのロバータの結論にはすごくうなずけるものがありました。説得力のある作品になっていたと思います。
スーザン側の登場人物の心理はかなりぶっ飛んでいてリアルじゃないんですが、ロバータ側の人物が皆ものすごく地に足がついている感じで、その落差も面白かったです。
良く出来た作品だな、と。原案になっている映画も、どこかのビデオ屋にあったらちょっと観てみたいなーと思いました。





ヒロイン・ロバータは保坂知寿。

幻のような女・“スーザン”に憧れる、抑圧された主婦。難しい役をよくこなしていました。スタイル抜群で立っているだけで華やかな人ですが、尊大な夫に支配される無気力な主婦の寂しさをよく出していたと思います。
劇団四季を退団して、二作目。次も大作が待っているし、これからも活躍が楽しみです♪



そして、相方(?)のスーザンは、OGの真琴つばさ。

私は本当にマミさんの大ファンだったのですけれども、現役当時も卒業後になっても、歌が巧いと思ったことが一度も無い(T T)。いや、声は好きなんですよ。だからファンになったわけで。
でも、こういう本格的なロックが歌えるような人だとはあまり……。
でもでも。
マミさんのスーザン、よかったです。蓮っ葉で、奔放で、気紛れで、自堕落で、いつだってその場しのぎで生きてきた女、しかも決して若くはない、、、というのがピンとくる。嵌り役でした。ああいうバランス感覚とセンスは、天性のものなんでしょうね。
タータンさんの歌も聴いてみたかったですが、とりあえずマミさんのスーザンが観れて幸せでした。


ただ。
この話、奔放な幻の女・スーザンに憧れる平凡な主婦・ロバータが、ひょんなことからスーザンの上衣を手にいれて、それを着て歩いていたらスーザンに間違われて……というのがドラマのきっかけになっているのですが。
…マミさんと知寿さん、肩幅が違いすぎて、同じ服を着ていても同一人物には見えない…というか、そもそも模様と背中の面積の比率が全く違うので、同じ服にも見えないんですけど。どうしたら。



スーザンの恋人・ジェイは、吉野圭吾。

まー文句なくせくしーでカッコよかったです!割としようもない役なんですけど(苦笑)、吉野君の魅力は満開でしたね。
……それにしても、マミさん若いなあ。ちゃんと、吉野くんと同い年くらいには見えたよ…?



ジェイの友人・デズは、加藤久仁彦。

いやー、素敵でした。「狩人」のお兄さんですよね。
舞台は馴れてない感じが漂ってはいますけれども、ちょっと気弱で、優しくて、優柔で、柔らかくて、でも頑固。っていうキャラクターにはぴったりはまってました。
そして、なんといっても、良い声だったなーーーーっ!



ロバータの義妹・レスリーは、杜けあき。

急遽の休演となった大浦みずきさんの代役として舞台に立ったはず…なのですが。
全然まったく違和感なく、っていうか、この役をなんのためにナツメさんがやる予定だったのかよくわかりませんでした(汗)。ダンスもないし、すごい普通の主婦の役でしたよ?
G2さんが、この役をわざわざ大浦さんにあててどんな演出をしようとしていたのか、ちょっと観てみたかったなーと思います。

でも、この“普通”さが結構難しい。そういう役でした。杜さん、適役だったと思います!
ちょっと仇っぽい、髪は隙なく結い上げて、ちょっとセクシーな香水をつけているような…絶妙なアンバランスさがとても魅力的でした。
こういうキャラクター芝居がきっちりできるところが、芝居のできる人の強みですねぇ。久しぶりの杜さんでしたが、やっぱりこの人の芝居は温かくて素敵です。



ロバータの夫・ゲリーは、山路和弘

この人の、なんというか“悪意の見える薄っぺらさ”みたいな芝居は怖いんですよね。けっこう、外面の尊大さに比べて情けない役だと思うんですけど、さすがに良い味出してました。
ラストの態度もポイント高いです。ホントにかっこいいなあ、この人は(*^ ^*)。





いかにも“薀蓄を語りたい人”がいっぱいいそうな作品らしく、プログラムは充実していてなかなか面白かったです。作品の舞台となった「1979年」という時代について語る対談が一番面白かった。読み応えありましたよ♪

で。
観終わった帰り道、プログラムを読んでいたら「マジック指導・駒田一」と書いてあって、すっごいウケてしまった!!!……なのに、どの場面にマジックがあったのか、思い出せない……(T T)


忘れ雪【原作】

2009年2月21日 読書
宝塚雪組バウホール公演「忘れ雪」の原作、「忘れ雪」(新堂冬樹著)を読了いたしました。



カテゴリーを雪組にするか読書にするか迷ったのですが、とりあえず「読書」にしておきます(^ ^)。

想像していたより、児玉さんは原作に忠実に劇化したんだな、と思いました。
表面的には、ですが。




普通に面白かったと思います。もうピュアな心では読めなかったので(ラストも知っているし、そもそも舞台で意味不明だったところは原作ではどうなの?というのが読み始めた動機だったし)、何も知らずに普通の小説として読んで面白い作品なのかどうかはコメントできませんが、とりあえずバウ公演をみて「うーん、あちこち穴があるけど案外面白かった、かも?」という感想をもたれた方にはお勧めします(^ ^)。




ただ、プロローグ(8年前のストーリー。全面的に深雪視点)以外は徹頭徹尾一希の視点で語られるので、予想していたより抜けてたエピソードは少なかったです。
京都の深雪の義父母のエピソードは元々少なかったし、南の出番も、深雪が失踪した後で一希を訪ねてくるところがあるくらいで大した違いはなかったし、鳴海の家族関係に関するエピソードも大きな違いはありませんでした。むしろ、鳴海の父親に関しては舞台の方が扱いが大きかったくらい。
まぁ、抜けてるところが大事だった、っていうのは予想どおりでしたけれども。




以下、舞台と小説、両方ネタバレありなのでご了承ください。




まず、一番印象が違うな、と思ったのは、一希が深雪に再会(一希は初めてだと思っている)したその瞬間に、完全に一目惚れしていること。

舞台では、「クロス!」という深雪の声とヘッドライト、そして急ブレーキの音?だったかな?事故をイメージさせて、流れの中でアクセントになる場面として印象的に演出し、そのまま手術室に持ち込んでいるので、一希と深雪の“出会いの場面”として独立させる余裕がないんですよね。
あの演出、普通は一希自身が事故にあうときに使う演出だから、初めて観たときはちょっとびっくりしたんですが、原作ではクロスは単に道をむりやり渡って一希に飛びついてくるだけで、車にはねられたわけではありません。ガラス片を踏んで怪我をしただけ。

舞台のクロスはぬいぐるみだから、飛びついてくる表現が難しい。だから、深く考えずにクロスが事故ったことにしたんだろうな、と推測はできますし、「出会った瞬間の一目惚れ」の表現ができない分、手術が終わった後の説明の場でいろいろ小細工しているわけですが、なんていうか、この時点のキムちゃんの一希は、普通に医者として患者の飼い主に説明しているだけに見えるんですよね。で、ミミちゃんの深雪だけがあれこれヒントを出すけれども、一希は全然気がつかない、と。
……ここは、大先輩の正塚さんを見習って、「運命を感じていた…」とかモノローグで言わせてしまえ!と思うくらい、結構大事な場面だと思うんですけどねぇ。


なぜ、この一目惚れが大切かというと、一希が深雪の手紙を読んで初めて自分の気持ちに気づいた、という設定であれだけの行動に出る、というのは、ちょっと無理があると思うからです。

音月桂、という役者の熱量は半端ないので、そうは言いつつも結構納得して観ていたわけですが、原作を読んで「おお!」と思ったんですよね。
そうか、そもそも一希は一目惚れしているのか、彼女に。
7年前の思い出なんてなくても、彼女に惚れてしまう。だから、それは結局のところは運命なのだ、と、
…ああ成程、そういう話だったのか、と。





そして。
そうして深雪に一目惚れしてしまった一希は、深雪の行動を深読みして誤解する。
深雪には、忘れられない昔の恋人がいる、そして自分は、彼に似ているらしい、と。

「あなたに似た人を知っていたの」という深雪の話は、そのまま児玉脚本にも使われています。
でも、対する一希のリアクションが違う。原作の一希は、その話を聞いて「その男に似ているから、彼女は俺に興味を持つのか…」と思いこむ。そして、「彼女が過去を忘れてやり直そうと思った男が南なら、彼女は南と幸せになるべきだ」「それが前向きな人生というものだ」と考える。
そのあたりの思考の流れがすごく自然で、やっぱり「地の文」がある小説はこういう繊細な心の動きを表現するのが楽でいいよね、と思うのですが。

でも、演劇でもこれが表現できないはずはないんですよ。モノローグを入れすぎるのはどうかと思いますけど(←Studio Lifeの倉田惇なら、解りやすく地の文をすべてモノローグにいれて、あげく私に『朗読劇かよっ!』と突っ込まれているでしょう)、もっと別の方法があったはず。
鳴海との会話で「お前、惚れたな、深雪ちゃんに」「…そんなことはない。彼女には婚約者がいる。それだけじゃない、俺はただ、彼女の昔の恋人に似てるだけなんだ…」って言わせるだけでいいと思うんです。それがあれば、キムちゃんの演技プランも変わっただろうし。

観客は「そうじゃないよ!深雪が言ってるのはあんたのことなんだってば!」って思うんでしょうけどね(^ ^;





こういう伏線があってはじめて、一幕ラストの深雪の手紙の件が意味を持つ。
この伏線が引けてないから、「変な手紙」になっちゃうんです。


そもそも、原作では一幕ラストの深雪の手紙は一希の家に届いたのではありません。
送られてはこなかった。あれは、「送られなかった手紙」なのです。



クロスを喪い、悲しみにくれた深雪は、ついに積極的な行動に出る。
「独りで家に帰りたくない。一緒に来て」と一希を誘い、家に連れて行く。
そこで「抱いて」と迫る深雪。
深雪が愛しているのは自分ではなく、『昔の男』だと思っている一希はそれを拒否する。
「南さんよりも、初恋の彼よりも、先に出会っていたなら…」、そんな台詞で。



怒った深雪は一希を追い出し、そのまま二週間がすぎる。
音沙汰のない深雪が恋しくてならない一希は、ついに決心して深雪の家をもう一度訪なう。



そこで一希が見たものは、


空っぽの部屋と、

イーゼルに架かった一枚の絵(「青年と犬」)、

そして、思い出をつづった一通の手紙。





「送られなかった手紙」だからこそ、綴られた言葉は自分勝手な欲望と虚しい希望に溢れ、思いがけないパワーを持つ。
相手のことを思いやることなく、自分の頭の中で完結した世界にのみ存在する、言葉たち。

…だから、送らない。
『あんな手紙を郵送するような女、やめとけ!』と誰もが思うような手紙。でも、それがそもそも「送られなかった手紙」であったなら。
「早く追いかけろ!」と思うしか、ない。送れなかった女心が、切ないから。

どんな手紙を書くか、そして、その書いた手紙を、送るか送らないか。
そこにこそ、「橘深雪」という人物が出ているわけで。
そこを無視して、切手を貼って出してしまった瞬間に、「橘深雪」というキャラクターが壊れてしまう。

人間、というのは、そういう繊細なものなのだということを、児玉さんは知るべきだと思う。






深雪については。
彼女は特に「絵」に夢を懸けていたわけではなくて、「絵」の存在意義は舞台と同じな感じでした。深雪の受けた衝撃に「絵を描けなくなった」という悲しみがあったのでは??
、、、とゆーのは、私の深読みしすぎでした(T T)。
手紙を送らなかったこと、事件直前に親友(新山初美/舞台版には出てこない)に電話で「一希さんが来ないの。…あとで病院に行ってみるわ」と言っていた、というエピソードがあったのが、一番の違いかな。あとはそんなに人間像としては変わってなかったと思います。






静香(愛原実花)や満(大湖せしる)、中里(蓮城まこと)あたりは、想像していたより原作に近いキャラクターでした。もっと全然違うのかなーと思っていたのですが。

あ、満は…満自身のキャラクターは同じなんですけど、兄との関係はちょっと違ってたかな。ライターの持ち主を探すことを兄に頼まれるような存在ではないし。それどころか、静香に裏切られて「無条件に人を信じる」ことができなくなった一希が最初に疑うのは、実の弟の満だったりするんですから。
ただ、たまたま犯人につながるものを見つけてM.S.の事務所に辿り着き、兄に知らせる…という流れは舞台も同じです。それを鳴海に密告されて、リンチに合うのも。




鳴海はずいぶん違いました。

まず、鳴海が深雪に惚れるのは、深雪が事故で失明して、「一希さんにはもう会えない」と絶望の淵に沈んでから
高校一年生の時に拾った仔猫と同様、『小さくて傷ついたもの』ものに弱い鳴海。最初は同情から、そして次第に愛へ、と……

……それならわかる!!納得!

いや、別にいいんですよ。鳴海がもっと早く(舞台でソロを歌っていた頃)から深雪を好きでも。でも、それだったらやっぱり、鳴海と深雪の場面を一つ作るべきだと思うんですよね。
それは完全に児玉さんの創作ってことになるわけですが、それはあのソロの前の父親との二度目の場面自体が原作ではありえないし……。
なんであんな中途半端な変更をするのか、それが不思議です。

あとはまぁ、そんなに違わなかったかな。一希を愛しているのも同じ(←おい)だし。


事件の裏が一希にバレた後の言い訳は、やっぱり文字で読んでるせいかわかりやすかったです。

あ。「俺が(笹川に)言ったのは『桜木の弟が見張っているから事務所から出るな』と、それだけだ。まさかこんなことになるとは…」という言い訳はさせてあげてほしかったなあ。一希のキャラを考えたら、まず最初に確認したいところだろうし。





笹川宗光(緒月当麻)は、全然違いましたー。
昌明さんではなく、鳴海義行様LOVE!だった(T T)。
「そんな勝手なことをするなら、お前(昌明)も始末してやるっ!」とか叫んじゃうんですよ、笹川ったら。いやー、ここに関してはナイスな変更でした(^ ^)>児玉さん

まぁ、それはともかく。どうして「鳴海代議士が南に脅迫されていた」なんて原作にないネタを創ったりしたんですか?何のために?
原作どおり、南と争って飛び出してきた深雪を通りすがりに撥ねてしまって(←過失)、それを隠そうとして喧嘩になって、つい…でいいと思うんですけど。

事件に代議士を巻き込みたかったのかな?それにしては舞台上でも中途半端な扱いでしたけどねぇ>飛鳥組長。





ラストで、清一郎の元に戻って桜木動物病院を支えようとする満と、事件直後に亡くなった義行を最期まで「父さん」と呼んであげられなかった鳴海の対比を、もう少し舞台ではクローズアップしても良かったのではないか、と思いました。
原作はとにかく一希視点なので、そういうところが描かれないかわりに、一希や深雪の心理を丁寧に追っているわけですが、舞台なら、逆に細かい心理を追うよりも、そういうエピソードで話を膨らませたほうがおもしろくなると思うんです。
まぁ、児玉さんの力量を考えると、無謀なことはやめておけ、って気もしますけどね。



何はともあれ、なかなか面白く読ませていただきました。
原作は原作で、舞台とは無関係に突っ込みどころ満載な作品ではあるのですけれども(^ ^;ゞ

……最近、突っ込みどころがないと面白くない、とか思ってないか?>自分


.
花組東宝劇場公演「太王四神記」。


もろもろ綴っているうちに、【4】まで数えていたんですね。あまり内容のあることは書いていないのに(←いつものことじゃないか)



先日から、というか、初遠征以来煮えっぱなしのチョク・ファン(祐澄しゅん)様については、ちょっとだけ落ち着いて観れるようになってまいりました(^ ^)。

っていうか、絶対1月4日のチョク・ファンは、今とは違う(ここで煮えて書いているような)お芝居をしていたはずなのですが、今は明らかに違いますね……(寂)。それも、なんとなくなんですけど、当時も『しゅん様自身が考えて役作りした結果』そうなっていたのではなく、偶然だったような気がしてなりません………(^ ^;ゞ。






とりあえず。
靺鞨での、腰の剣に手をかける場面も、右手がまったく動かなくなったので、ホゲ様を斬る意思は無いようです。もちろん、上司が間違っていると思ったから諫言しているわけで、それが聞き入れられない屈託を「偽りの結婚」の場面まで引きずっているのは変わってないんですけれども、あんまり深読みするのは違うんだなぁ、と(涙)。

……もう、いいです。諦めます。
ホゲ様の最期の場面で、膝から人形のように崩れ落ちる姿だけで、私は満足です……(; ;)。


で、「上司に諫言する」部下と、「ひたすら忠義を尽くす部下」について、夜野愉美さまが素敵な文章を書いていらっしゃったので、一方的で申し訳ありませんが、リンクさせていただきますね♪♪
http://nights-entertainment.blog.so-net.ne.jp/2009-02-19




で。
大劇場公演を観たあとで、神話時代から若きタムドク&ホゲの銀橋までは書いたので、その続きを少しづつ書いていきたいと思います♪



第5場 ポンファ通り

何回観ても、観たいものが多すぎて目が泳いでしまい、結局何がなんだかわからずに終わる名場面(笑)。

タムドクとホゲが銀橋を渡りきり、暗転すると、すぐに明るい音楽が入る。
両袖からいっぺんに出てくるセットと人々。

ヒョンミョン(望海風斗)の“鴨の干物”売りの歌。だいもん、今回はちゃんと大人の役で嬉しいです。いや、子役も可愛かったけど(*^ ^*)。
それを受ける町民(真瀬はるか)の“客の日干し”のソロ。真瀬くん、大抜擢!!だと思うんですけど、なぜか違和感のない落ち着きっぷりが凄いです。大物だなあ。研3?とは思えない達者さ。この人のヒョンゴが本当に楽しみです。

人が多すぎて、動きすぎてて、全然追いかけ切れていない猫ですが。
冴月瑠那ちゃんはセンター付近の店で野菜?か何かを売っていたような気がする。買い物してるのか口説かれているのかいまひとつ判然としなかった娘役さんは、可愛かったけど誰なんだろう(涙)。
浦輝ひろとさん、瀬戸かずやさんもどっかの店で何かを売ってたような気がする。どこだっけ。どっちかはルナちゃんと一緒だったかも(違ったらごめんなさい)。そうこうしているうちに、上手花道にスジニたちが登場してしまうので、チェックが出来ないんですー(言い訳)。


花道から、銀橋へ元気良く飛び出してくるスジニ(愛音羽麗)と、それを追いかけてくるヒョンゴ(未涼亜希)。詐欺まがいの商売をしていたコムル村の“同士”ヒョンミョンが、二人を見つけて下手から銀橋へ出てくる。
ヒョンゴに「お前、村長になったんだって!?」とタメ口で話しかけるヒョンミョン。ヒョンミョンとヒョンゴは、同世代だと思ってていいんでしょうか?

「着替えと、あんたの辻占いの店の準備は整ってるぜ!」と二人を連れて行くヒョンミョン。
とりあえず、ヒョンミョンが首都に潜んで情報を集める役割を負っていること、ヒョンゴとスジニも目的をもって都に出てきた、ってことがちゃんと解ります。このあたりの脚本の無駄の無さは、素直に小池さんすごい…と思いますね。



街のセットのセンターが開いて、華やかな衣装の娘たちが登場。
豪華絢爛、百花繚乱!!
トラジ(桔梗/初姫さあや)、チャンミ(薔薇/華耀きらり)、メファ(梅/白華れみ)、モラン(牡丹/華月由舞)、ポッコッ(桜/芽吹幸奈)、ナリ(百合/梅咲衣舞)、モンニョン(木蓮/瞳ゆゆ)、クカ(菊/花蝶しほ)、スリョン(睡蓮/月野姫花)……

わが愛しき花娘たち!(はぁと)

服はそれぞれの花のイメージに合わせているらしく、桔梗のさあやは大人びた薄紫、薔薇のきらりんは華やかな刺繍の入ったピンク、牡丹の由舞ちゃんは白に紅いアクセントの衣装で、絞りの入った白牡丹を思わせる、とか、みんな本当によく似合ってて可愛いですーーーーっ!!
瞳ゆゆちゃんだけは、“西域の美女”なので黒塗りにぱっちり目のお化粧で、濃い青みのピンクの衣装がよく映えて美しい。木蓮(木蘭)自体はせいぜい雲南省あたりの原産のはずで、そこまで黒い肌ではないはずなんですけど……まぁ、西域の花であることは間違い無いからいいのかな(^ ^;。


最初に歌いだすのは芽吹さん。いい声だなあ(惚)。それを受けて由舞ちゃんのソロ。……巧くなったなあ…(感心)。ちょっと低めのハスキーな声が色っぽくて好きです♪続いてきらりん。振りも結構オーバーアクションで、とにかく「華やか」という言葉が似合う人です。
一息ついて、店主(?)のトラジが歌いだす。落ち着いたまろやかな声。この人も滑舌がいいので、説明が聞き取りやすくてありがたいです。王妃役のときに見せた天女のような慈愛に満ちた“母”の笑顔と、トラジ役での、一癖も二癖もある「遣り手姐さん(←そんな用語は無い!)」としてのニヤリ笑顔。このひとの抽斗の奥深さに、本当にうっとりします。

女の子たちは、出番は結構多いんですけど声を出すのはここだけかな?うーん、何度観ても本当に可愛いなぁ~~(*^ ^*)。




この前後で、上手から紅いマントをつけた騎馬隊の面々が登場。
イルス(日向燦)、嶺乃一真くん、彩城レアちゃん、アーサー(煌雅あさひ)、鳳真由ちゃん。
それぞれ、店を物色したり女の子にモテたり、いろいろしているんですけど……なんだかもう、チェックしきれないんで諦めつつあります(だって女の子たちが可愛いんだもん!)(そんな投げやりな…)


騎馬隊の面々を店に誘う女の子たち。
舞台センター付近で、誰かを誘っていたきらりんが、ふと上手に視線を滑らせて、いきなりハートマークを撒き散らし、今まで話していた相手を無視して叫びだす。
「ちょっと!あれはヨン家のホゲ様よーーーーっ!!」

……ホゲ様、かっこいいです。女の子に囲まれて、鼻の下伸ばしていてもサマになる。
思わず溜息をついて諦めたくなったくらい、二枚目でした。
そして、そんなホゲ坊っちゃんを自慢げに見ているイルスが好きだ(^ ^;ゞ。

「一時間だけだぞ!」というキメ台詞(?)と共に、トラジの店の牡丹の間に通されるホゲ様一行。
…ホゲ様の台詞をきいたさあやの喜びようが素晴らしいです。手を打って飛び上がってるよこの人。………かわええ~~~(壊)。





時系列がちょっと怪しいのですが。
たしか、トラジの店の女の子たちが歌い踊るのを見ていたスジニが、このあたりでちょっと溜息をついて「あたし、ここでは男の子になるよ!」って言う…んでしたよね?
それはもっと前でしたっけ?

とにかく、トラジの店に入っていったホゲ様を見ながら、「あれがチュシンの星が輝く夜に生まれたヨン・ホゲか…(神器を見る)まぁ、しばらく様子をみてみよう」と落ち着いた声で呟くヒョンゴ。
とにかく辻占の店を開くことになり、「チラシを配ってこい」と言われて「えぇ~、あたしがぁ、じゃなくて、俺がぁ~!?」と律儀に言い直しながら舞台センターへ出てくるみわっち。

同時に上手から登場するのは、キハを先導するサリャン(華形ひかる)。
みわっちスジニに「そこの白髪のおにいさん!」と呼びかけられて、憮然として顔をあげるサリャンが素敵♪
しかーし、「急いでいるからどけ」っていうだけで良いはずなのに、サリャンに「ヤン王さまの具合が悪いのでご祈祷に行く途中なのだ」まで喋らせてしまう小池脚本の無駄のなさに感動します。で、二人が下手に立ち去った後、「噂だ噂だ!」と歌いだすトラジとヒョンミョンたちが凄い生き生きとしたエネルギーに満ち溢れていて、素敵。ホゲ様一行が“牡丹の間”にしけこんだ後も、客引きのため(?)に通りに残っていた甲斐があったね、さあや(*^ ^*)。



ちなみに。
“トラジの店”は……焼肉屋だってことでいいんでしょうか?劇場のすぐ近くにもありますけど(爆)。プログラムに広告載せてもらえばいいのに、商売っ気ないんだから…(^ ^;





第六場 王宮の書庫

「タムドク皇子とヨン・ホゲ様と、どちらがなるのか高句麗王!?」という人々のコーラスがキマると、くるりと盆が回って、王宮の書庫に。


下手端で、サリャンがキハに「神器に関する書物を探せ」というプルキルの指令を伝える。
書庫に忍び込むキハ。

街中の喧騒からはほどとおい書庫の中では、「文字さえ読めない」と言われているタムドク皇子が、父王の病を治す方法はないかと書籍を調べている。
ホゲの知らない、タムドクの真実。王宮の奥深く隠され、ほとんど「白痴」に近い風評を流されて。コ将軍や近衛隊の面々以外には軽んじられてばかりの自分を、そうあらねばならないことは解っていても、悔しくは思っているんでしょうね、きっと。

母は疾うに亡く、政務に忙しい父は遠い人で会うこともままならず、親友・ホゲとの交流も余人に知られてはならない。そんな中で、偶々知り合った天地神堂の巫女の不思議な存在感に心惹かれる。それはなんとなく、解るような気がします。

でも、会ったばかりの女を父王の許に連れて行くのは、もう少し慎重に考えたほうがいいと思うよ…?





第七場 ヤン王の寝室

王の病状を確認するため、後宮に向かう二人。

誰何して目的を聞くカクダンや近衛兵、侍女たちの目を怖れてびくびくしているキハが結構可愛い(^ ^)。
書庫で調べものをしていたときの暗い顔とはうってかわって、悪戯っ子っぽい顔をして先導するタムドク。書庫で「能力を教えてくれたら、書庫に忍び込んだことは黙っていてあげる」と言う場面もそうなんですけど、この辺のキャラクター設定にまとぶんらしさが出ていて、“可愛い男の子”なんですよね、皇子様は。隠されて育った彼にとって、これが「生まれて初めての冒険」だったんだろうなあ、と……。

ヤン王の寝室で、心配そうに、でも“遠い人”を視る眼で父王を見るタムドク。

父王に近づき、触れ、父王の口にするものに手をつけるキハを、見張る気配もなく好きなようにやらせているのはちょっと問題のような気もしますが。まぁ、チュシンの王には“信じるべき人”と“そうでない人”を一目で見分ける能力があるのかもしれん……と思うことにします(汗)。



医者の煎じた薬草茶に毒が入っていたことがわかり、なにやら決意の表情のタムドクにスポットがあたって、暗転。次の場面に行くわけですが。


長くなってきたので、今日はこのあたりで☆

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花組東宝劇場公演「太王四神記」について。



第8場 ヨン・ガリョ邸

いきなり下手に可愛い女の子たちが現れ、踊っているところから始まる場面。
宴に華を添えるため、選りすぐりの侍女たちを余興に踊らせてみた…みたいな設定なんでしょうか。このメンバーだと銀ちゃんチームの菜那くららちゃと桜帆ゆかりちゃんがかろうじてわかるくらいかな。…がんばって覚えなくては。



本舞台に光が入ると、ヨン家のメンバーと宴の客---各部族の族長たちが登場。
ヨン家(ヨン・ガリョ)は、五部族会議のリーダー的な地位にあるようですね。大和朝廷における蘇我氏みたいな感じなのでしょうか。しかーし大和朝廷では、蘇我氏の人間は王にはなれない(娘を王妃にして、王妃が王の死後王位を埋めることはできても、その子供は王になる権利がない)んですけど、高句麗は違ったんでしょうか…。

招く側は、ヨン家の主・ガリョ(夏美よう)、奥方セーム(花野じゅりあ)。
招かれたのは、各部族の長(ソノ部族長・眉月凰、スンノ部族長・紫陽レネ、カンノ部族長・夕霧らい)。
…ちなみに、チョ・ジュド(紫峰七海)は明らかに「招く側」なんですけど、彼はヨン家の家司なんでしょうか。それとも、他家の貴族で、ただヨン家側についているというだけなのでしょうか…。
3部族の長に対する態度がかなり上から目線なので、ヨン家の家司ってことはないような気もしつつ、歴史的には、王宮で強大な権力を持つ家があると、そこの家司が王家直参より立場が上になるのも良くあるコトなので、なんとも言えないですよねぇ。

こういう、細かい人間関係の積み重ねが、ドラマには描かれていたんだろうなあと思うんですけどねぇ……本は読めても、映像は無理だわ私(涙)。




えっと、理屈はおいといて。
青・黄・緑の色鮮やかな衣装に身を包んだ長たちが皆素敵です(はぁと)。
それぞれの色の持つ意味については以前ちらっと書きましたが、なんだか、そんなことどうでもよくて、それぞれのキャストに一番似合う色を着せたんじゃないか、と思っちゃいました(^ ^)。

すっとした二枚目の王子には、クールでシンプルな藍の衣装。髪もすっきり下ろして、見ようによっては3人の中で一番若々しい。上級生だけあって口火を切るのは彼が多いんですが、重みがあって素敵です♪
貫禄のある男前なレネさんには、ちょっと派手目な山吹色の衣装。髭も濃い目で、ちょっと南方系?とか勝手に思っています。台詞はそんなにないんですけど、芝居巧者だけあって小池さんに頼られているなぁと思います。彼が入っているから、族長たちの芝居はすごく安心して観ていられる♪
そして、可愛い童顔のらいらいは、明るい緑の衣装に作りこんだ髪、作りこんだ髭で、物凄く作りこんだ“中年男”を演じています。……色っぽいんだこれが(*^ ^*)。なんだか、なまめかしいの。声が高いせいか、若くして家を継いだ青二才みたいにも見えるんですけど、あまりにもオジサマの色気がありすぎて、ちょっと年齢不詳な感じです(笑)。でもカッコいい!!
……つい数ヶ月前はマコトだったなんて想像もできない変わりっぷりで、観るたびにびっくりするんですよね。(らいらいより、あの「二枚目イルス」がトメさんだったコトの方が衝撃的だけど)


3人とも、美人でスタイルよくて衣装映えするメンバーですよね☆意外と若いんですけど、よく健闘していると思います。組長のヨン・ガリョに位負けしないで立てているんだから大したもんだ!


チョ・ジュドのふみかちゃんは、立場はいまひとつよく判りませんが、ヨン・ガリョにとっては頼りになる参謀、って感じなんですよね?情報を集めてきて、打つべき手を考えてくれる人。
ホゲがヨン家を継ぐときには、もしかしたらイルスがその立場に立つのかもしれません。……そう思うと、ちょっと悶えてしまう(汗)。



この宴の目的は、具合の悪いヤン王が近く逝去することを見越して、その後の族長会議での後継者決めの流れを、あらかじめホゲ即位の方向に誘導しておこうというもの。
無論、酒だけではなく、お持ち帰りいただく金塊とか、そういうお土産もご用意しているでしょうし、強大な西域の商人とのつながりを見せ付けておこぼれの期待をもたせ、とにかくヨン家について損はないと思わせる。
チョルロ部族が反対したとしても、3家がヨン家につけば問題ないのですから……。

話をそちらへ持っていこうとするガリョ&チョ・ジュドの老獪さと、あまり深く考えずに「うちの息子」自慢をし始めるセームの可愛らしさが、たまらなく素敵です☆




宴が盛り上がっているところに、侍女が入ってくる。
「奥方さま、タムドク王子がお見えです」

取次ぎを待たずに、タムドクとコ将軍があがりこんできて、人払いを願う。




まぁ、ここで説明されるセームの行動は、無計画にもほどがあるんですけどねぇ…。

最初、医者に王家の証の指輪を与えたセーム。指令はおそらく、「兄上の命を縮め参らせよ」。
なので、医者は薬草茶にトリカブトを仕込む。お茶なんだから多分葉っぱを使ったんでしょう。葉は根に比べて毒性が弱いし、直接食うんじゃなくて煎じたものをさらに煮出して飲むだけで、そう簡単に死ぬはずがない。トリカブトは激烈な急性毒ですが、慢性毒としての効きはそんなに良いものではないので。
具合は悪くなったものの、なかなか死なない兄。なので、これまたヨン家の紋章入りの金を形のままで与え、「もっと強烈な毒」を飲ませるよう依頼をした。

頼むから、大事な息子のためにも、もう少し頭を使ってください>奥方様

なぜそんな杜撰な計画で今までばれなかったのか疑問。ヤン王は、人間不信がひどすぎて側近がいなかったんでしょうか。少なくとも、愛されて尊敬されている王なら、こんなことにはならないよなあぁ……。





この場面を見ながらいつも思うことがあります。
セームは、息子(ホゲ)を愛しているんだろうか?

彼女にとって、ホゲは自分の分身であり、自分が女の身であったが故に果たせなかった宿願(王になる)を果たすための道具だった。
可愛くて優秀で勇猛な息子を自慢には思っても、それは、騎馬兵が立派な愛馬を愛するのと同じ気持ち。そう、彼女は母性のない女だと思うのです。いつでも自分が一番で、息子に対しても見返りを求めるタイプ。愛してあげるから強くなりなさい、愛してほしいなら王になりなさい。王にならないあなたには何の価値もないわ、と……。

これがじゅりあの個性なのか、セームの元々のキャラクターなのか判然としませんが、私としては、セームにじゅりあを配した時点で小池さんの狙いだったと思いたいところです。



生まれて三日で母を亡くし、政務に忙しい父を遠く見ながら一人寂しさを噛み締めていたタムドク。
若く美しく高貴な母に構われ、可愛がられ、ペットのように世話をやかれて、でも「愛されて」はいなかったホゲ。

二人の少年が出会ったときには「君が王なら僕は将軍になる」と言ったホゲ。
たぶん、高句麗という国にとっても、それが一番幸せな形だった。紆余曲折の末、ふたたびタムドクの胸の中に戻ったホゲは、もう一度同じ歌を歌う。人々の幸せを望むなら、それが一番良い形だった、と気づいて。
でも。
この場面の前、大人になったタムドクとホゲは、お互いに愛し合い、許しあいながら、それでも「君が王なら僕は将軍になる」とは言ってあげられなくなっている。自分自身の気持ちとしては言いたくても、周囲の思惑や相手の気持ちが読めてしまう優しい二人の青年は、お互いに相手に対しても自分に対しても嘘を吐くしか、ない。


王位を継ぐために学ぶべきことは多く、それに追われるあまり「普通であること」に憧れを抱くタムドク。
母に愛してもらうには王になるしかなく、そのために塀の上で一人自主練を繰り返していた、ホゲ。


「君が王なら、僕は平民になる」
大臣にも、将軍にも、なってあげられない。君を喜ばせるためならそうしてあげたいけれども、多分、無理なんだ……だから。

俺がお前を疑うなんて、あるわけない!」
そうさ、あるわけがないんだよ、……君と僕と、この世にただ二人だけでいられるのならば。




そうしてタムドクは、親友の母、自分の叔母の胸に刃をあてる。

あなたがホゲを愛しているなら、彼の名誉をお守りください。
……ホゲを、あなたの息子を、愛してあげてください、と。





「流言飛語を懼れ、医者は極刑に処しました」
無言でセームに自決をほのめかしながら、タムドクは急いで邸を出ようとする。
ホゲが帰ってこないうちに、と。

……願いも虚しく、ちょうど帰ってきたホゲにばったり出会う。
「どうした?」
屈託のない笑顔で話しかけてくるホゲ。この二人は、ガキ大将ともやしっ子、に近い関係なんだろうなと思うんですよね。ホゲはどちらかといえば支配的な攻めキャラで、騎馬隊長のチョク・ファンがつっかかったときも庇ったように、今までずっと弱っちいタムドクを外部の暴力から守ってきたんだろう、と。
彼は、タムドクが実は自分と同じチュシンの星の許に生まれたことを知っているし、武芸も本当に女しか相手にならないほど酷いわけではない(自分には及ばないにしても)ことも知っているのだから。

タムドクは、本当の本気でホゲと刃を交えたことがないことは自覚しているにせよ、基本的にはホゲの言うとおりにして生きてきた。それがこのとき、初めてホゲに秘密を持つわけです。
自分が本来ホゲより上の立場(皇子)であること自体も長い間彼の瑕であったのでしょうけれども、今はそれにホゲの母を奪ったという秘密が加わる。

常に自分の前に居て、向かい風から守り、自分を引っ張ってくれていたホゲを、超えたくない。

このときのタムドクは、まだほんの子供なのです。
一人で街に出たことがない。
一人で城の外に出たことがない。

まだ父親の腕の中から出たことがない、子供。




そして。
ホゲもまた、この時点ではなにも気づいていない。

タムドクの闇にも、

……自分のうちの深い闇、にも。


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花組東宝劇場公演「太王四神記」について。



第9場 運命

母親・セームの死を知って取り乱すヨン・ガリョとヨン・ホゲを最後にライトが落ちて、
下手端に立ち竦むタムドクにスポット。


銀橋を歩きながら歌う「運命」の歌。

「今宵、たった一人の友達を喪った/心許せる友はもういない/孤独を抱いて生きていくのが運命だというのか……?」


父なる王は、タムドクに「王になれ」と言い聞かせて育てた。
父なる王は、タムドクにそれ以外のことは何も教えてくれなかった。

人は誰しも孤独なものなのだ、と。

心許せる友を得るためには、自分の一番大切なものを差し出しさなくてはならないのだ、と、

……そんなことは、なにひとつ。






冒頭のホゲとタムドクのラブラブな銀橋で、ホゲは言います。
「お前を疑うなんて、あるはずがない!」


ホゲには自信があった。
タムドクには負けない、という自信が。
あるいは、タムドクに負けても、俺は大丈夫だ、という、そんな根拠のない自信、が。


それは彼が、タムドクを信じていがから。
彼が嘘をついているはずがない、と。

だから、明るい瞳で言うことができる。
「俺がお前を疑うなんて、あるはず無い!」と。


でも、その言葉はタムドクにとっては鋭い刃だった。
彼は嘘をついている。初めて出会ったときから、言えずにいたことが、ある。
自分がチュシンの王だという預言を享けていること。
自分は運命の王だということ。


それでも彼は、ホゲが好きだった。
自分が彼に嘘をついていることを知っていても、
自分が嘘をついていることを彼が知ったら、きっと嫌われてしまうだろうと思いながらも、

それでもタムドクは、ホゲが好きだった。

明るくて、元気で、しっかりしていて、優しくて、強くて、かっこいい、

この世で一番のヒーロー、最高のカリスマを、愛していた。



「君が王なら」

それはどんなにか、素晴らしい王だろう。
素晴らしい世界を造ってくれることだろう。

だから僕は、そんな国の、
君が王として君臨し、支配する素晴らしい国の、
ただの普通の民になりたい。


それはタムドクの素直な思いで。
つまりそれは、ただ「僕は幸せになりたい」という、ただそれだけの呟きで。

それをタムドクは“ささやかな、なのに叶わない夢”だと思っている。



でも、それは間違いだ。
彼は“紛うことなきチュシンの王”なのだから。

タムドクは、全ての責任を放棄し、ホゲに押し付けて逃げだす幻想にとらわれている。責任から逃れることさえできれば、後はどうなってもいい、と。


責任がなければ、権利もないのだということに気づかない。
権利とは、威張り散らす権利とか、欲しいものを手に入れる権利とか、そういうことではなくて、
責任を取る覚悟と能力のない者には、守りたいものを守る権利も無いのだということに、未だ『守りたい者』を持たない子供な彼は、気づかない。




ヤン王は、まず最初にタムドクにそれを教えるべきだった。
「チュシンの王であることを秘密にしろ」と教える前に。
王として、臣下に弱みを見せてはならぬ、と教える前に。





「人を愛する心凍らせ/硬く冷たく氷のように生きていくことが運命なのか/それがチュシンの王だというのか…」




溜息のようにこぼれる、ハスキーなまとぶんの声がとても好きです。
彼の悩みは大きく間違っているんだけれども、誰も彼に「正しいこと」を教えてあげていないから仕方が無いんだろうなぁ……、と切なく思います。


彼は、今すぐにとって返して、親友に縋りつくべきなのです。
「すまなかった…お前を守るためには、こうするしかなかったんだ」と訴えるべきだ!



たとえそれでホゲが許してくれなくても、
たとえそれで、自分の真実をホゲに知られて更に嫌われる結果になったとしても、

それでも、一度はそこで縋りついておくべきだった。

そうしておくことで、たとえホゲとは決定的にダメになっても、次の出会いを大切に出来ただろうに。


でも、タムドクの歩みを留めるものは誰もいない。
唯一の心開ける相手、コ将軍も行ってしまった。



……そして、
銀橋を渉りきったところで、タムドクはキハに出会ってしまう。




少女のように純粋に、タムドクを心配するキハ。
タムドクを心配し、ただただ訳もわからずに許してしまう、キハ。

キハに闇雲に許されてしまったことで、タムドクは自分の傷を治す場を与えられてしまう。
そしてこの時、
他ならぬタムドクが縋りつく相手を間違えたときに、賢王と名将が一致協力して政を執る高句麗、という夢に到る道は完璧に閉ざされる。

チュシンの王が自ら「間違った道」に踏み込んでいく。



小池さんにはそんな意図は無いんでしょうけれども、
銀橋が、「この世」と「あの世」を繋ぐ橋、であるかのように見えてきます。
悩みながら、迷いながら、橋を渡って。
タムドクは、早くも「後戻りできないところ」にきてしまったのだ、と。




……そんなことを思いながら。
すごく不器用に、なのにものすごく幸せそうに、そっとキハを抱きしめるタムドクを観るたびに、「……まぁ、しょうがないか…」と思ってしまうのです。
そのくらい、まとぶんのこの一瞬に懸ける思いは凄いんだろうな、と。



で。
キハの年齢はタムドクよりだいぶ上のはずなんだけど、きっと火天会の魔術で年を取るのが遅くなっているってことでいいですか? (←納得)






第10場 セームの通夜

タムドクと別れたキハは、プルキルの手の中に落ちる。
“烙印の力”というのは、催眠術とは全然違うものなんでしょうか。……違うんだろうな、たぶん。よくわからないけど。

プルキルは、ヨン・ガリョ邸の宴で「チュシンの星の下に生まれたヨン・ホゲ」というセームの妄想(←事実ですけど)を吹き込まれている。とにかく『チュシンの王』を操って“4種の神器”を集めさせ、それによって“世界を支配する”という、……どっかの特撮ヒーローモノの悪役が、子供をさらいながら言いそうなネタを大事にしているプルキルがとても素敵です。

……でも、この場合の“世界”って、朝鮮半島のそれも北半分とかなんですよね?……狭いなあ(^ ^)。




紗幕があがって、母の棺に取りすがるホゲの場。

「母上が私のために国王を暗殺しようとしたなど…信じられません」


ホゲはこのときまで、自分が王にふさわしいと思っていたわけじゃないんですよね。
ただ彼は、『王にならなくてはならな』かった。
ただ、母の歓心を得るために。

だから今まで、あらゆる努力をしてきた。
王にふさわしい男になるタメに。



でも。
母が逝ったことでもその夢は醒めず、逆に彼女の夢が彼の義務になってしまう。
そして父もまた、セームの夢をかなえるために、今までよりも積極的に策略をめぐらすようになる。


……プルキルの狙いどおり、に。




大長老に操られ、タムドクと一緒に居たときとはまるで別人のような、美しいキハが、プルキルの先導で登場する。
紅い袖を翻して、“朱雀の神”に奉げる踊りを踊って、


「ヨン・ホゲ様こそ、紛うことなきチュシンの王!」



この言葉が、ホゲの理性を奪う。


今まで愛してきた(そして軽んじてもきた)タムドクに跪き、母の罪の許しを請う機会を、喪ってしまう。



自分がチュシンの王であるならば。

ならば、母の念願は正しいのだ。
母の行動は正当なもの。なぜならば、それは正しく“チュシンの王”を玉座に就けるための行動なのだから。


そんな言い訳をして、心を閉ざす。
タムドクの正義を認めない。
自分の庇護下を出たタムドクに、何が出来るものか、どうせ何もできないくせに、と思いこもうとする。

早々に誰かに苛められて、自分のところに泣きついてくるに違いない、と。



でも。
そんなことは、もう、あり得ない。

彼はタムドクが嘘を吐いていたことを知らなかった。
タムドクの真実を、見抜けなかった。

だから今まで彼を守ってきたのだし、彼に対する感情は尊敬ではなく、優越感の混じったものだった。

でも、今は知っている。
彼が自分を、欺いていたことを。

なぜ欺いていたのか、なぜ今まで何も言わなかったのか、胸倉を掴んで問い詰めればいいのに。
殴りつけて、蹴り上げて、「俺が王になったって、お前なんか知るもんかっ!!」と叫べばいいのに。


タムドクの裏切りは、ただ母を死に至らしめたことだけではない。
いやむしろ、母の死がどうこうよりも、今まで自分を欺いていたことにこそ怒りが沸いてくる。

母が死んだのは自分のためだ。
自分を玉座に座らせんと逸ったがゆえに、母は死んだ。
死ななくてはならなかった。

きっかけを作ったのはタムドクだとしても、
最終的に背を押したのはタムドクだったとしても、
罪を負うのはタムドク一人ではない。



でも。
自分を欺いてきた罪は、タムドク独りの罪だから。


「それが真の言葉なら/俺は正しく王位を得たい」


タムドクが投げ捨てたものを拾うのではなく、正式に認められたい。

タムドクより自分が王にふさわしい、と、
タムドクではなく、ホゲにこそ王になってほしい、と乞われたい。


友に裏切られた絶望の中、細い一筋の蜘蛛の糸に縋るように、炎の巫女の言葉に縋りついて。

「炎の巫女よ/俺の道を照らしておくれ」

俺の心に、光を与えてくれ、と、

……祈るように、叫ぶように、



瞳を闇に沈めたまま。




闇に沈んだホゲを、虎視眈々と狙う虎族の魔術師の存在を知りもせず、
……知ろうともせず、に。






どうでもいいことですが、天地新堂の大神官/絵莉千晶が、最初にヤン王の妃/初姫さあやに託宣を降すときの声とか、この場面でのキハの声とか、「神の詔」を伝えようとする巫女の声は素敵です。…怖いけど(^ ^;ゞ



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毎度のことながら、先が見えないレポートです。
花組公演「太王四神記」。



第11場 ヤン王の寝室

上手端にタムドク、下手端にヤン王が立って、会話を交わす。
「タムドク。自分の有能さを、ヨン・ガリョに明かしてしまったな…」
そう、小言を述べるヤン王。



小池さんの脚本において、全ての行動が謎に包まれているのは、実はヤン王なんじゃないかと思うのですが……どなたか私に、ヤン王の真意を説明してくださいませんか?(泣)。
そもそもヤン王は、火天会について何を知っているのでしょうか。「チュシンの王だと知られれば、命を狙われる」というのは、火天会の目的を知っていないと出てこない台詞ですよね?

そもそもヤン王は、甥のホゲをタムドクの身替りにするつもりだった、って解釈であってますか?
チュシンの王はホゲであり、タムドクは愚かでひ弱い皇子だと喧伝して、火天会にホゲを狙わせ、命を(あるいは身柄を)奪わせるつもりだった。
だから、いくらホゲが優秀な青年に育っても、脅威とは思っていない。いずれ火天会によって奪われる命。競争相手のホゲが消えてから、少しづつタムドクの“愚か者の仮面”をはがし、王位に就ける。

だから、「お前を王位に就けるまでは、私は死ねない」……そりゃ、そうなんだけど(^ ^;


そう考えてくると、ヤン王とセームの兄妹の争いは、蛇とマングースの闘いだったんだな、と納得するんですよ。
息子を(自分の代わりに)王にすることしか頭になくて、あれこれ動いた末に破滅する妹と、
火天会を使って息子の地位を脅かす甥を暗殺しつつ、その機を捉えて火天会をも滅ぼそう、くらいのことは考えていた兄。

おそらく、ヤン王は幼い頃から自分を莫迦にしていた妹を、心の底で憎んでいたんだろうなぁ、とか邪推したくなってしまうんですよ。その怨みの深さと、純粋な悪意に。




でも、彼はセームの小細工には気がつかない。それは、ヤン王自身の人徳に問題があるんじゃないかと思ってしまうのです。
猜疑心の強い、悲観的な支配者。

傍に近づける医者はただ一人で、そのただ一人とも信頼関係が築けていない。あるいは、医者の人間性を見抜けていない。彼の身体を純粋に心配し、あれこれチェックする人間も身近には居ない。唯一、息子タムドクだけが心配して書庫に籠もり、キハを連れてきてくれたことで命が助かるが、その行動自体を咎めずにはいられない……。



実際、この後の行動を考えても、ヤン王が何を考えているのか私にはさっぱりわかりません(泣)
もしかしたら、ヤン王は王位を継いだ自分に引け目があったのかもしれない。その「生まれには疑いがある」ということで。
だから、自分の息子に王位を継がせることに拘ってしまい、結果として大きく国を乱す……


……舞台で観ていると、ヤン王の行動はすっごく謎です。
謎なのはヤン王の行動だけじゃないから、まぁいいけど(汗)。




ところで。
ヨン・ガリョはセームのしていたことを知らなかった、と私は思っているのですが……
どうなんでしょうね。知っていたんですかねぇ?
チョ・ジュドも、どこまで知っているんだか。解らないことだらけだな。






そういえば、セームの通夜の場で書くのを忘れていたんですが、
プルキルが提案した「悪企み」って………あれは意味のあるものなんですか?(率直な疑問)

①ヤン王の快気祝いに、葡萄大会、違う、武道大会を開催する。
②闘っている隙に4部族の息子たちをさらって辺境へ連れて行って殺し、その罪をタムドクになすりつける。
③四部族の長を煽って王家への反乱を引き起こす。
④(ヤン王を退位させて?)ホゲを王位につける。


……えーっと。

①は良いんです。王の病気で沈んだ国民の気持ちを引き立て、景気を良くする好企画ですよね。
④も、わからないでもない。というか、ソレが目的だからね。

しかーし。
②の意味がわからない。これは③を実現するための企みですよね。でも、今現在タムドクに全く人望がないのに、③までしないと④が実現できないのか?
この時代の王位継承が、そんなにルール化されているとは思えないんだけどなあ。

そもそもホゲに王位を継ぐ権利がないんならわかります。大和朝廷だったら、ヨン家に降嫁したセームの血筋には、もう王位継承権は認められないはず。
でも、以前からホゲは王位の候補の一人だったわけで。血筋でタムドクか、能力でホゲか?ってところまでは来ていたわけでしょう?何故今更、そんな大騒ぎを引き起こしてまでタムドクを引き摺り下ろさなくてはならないのか?

朱雀の神の、詔まで戴いたというのに。



だから、これはやっぱり全面的にプルキルの企みなんだと思いたい。その目的も、脚本に書かれているようなことではなく、“闘い”のエネルギーがプルキルのパワーの源なのだ、って感じで。
高句麗世界が乱れれば乱れるほど、憎悪や悲しみ、苦しみを糧としてプルキルのパワーは増し、どんどん若返る…みたいな。

うーん、楽しそうな壮ちゃんのプルキルを観るたびに、この人の本当の目的はなんなのかなあと思ってしまいます……「世界を手に」して、そこで彼は何をしたいんだろうか、と。




……暗い話が長くなってしまってすみませんm(_ _)m。


第12場 ポンファ通り

何度観ても何を観ていいのかわからなくて、ぼけーっと眺めて居るうちに終わってしまう、切ない場面です(T T)。完全に目が“溺れて”いますね、私。


幕が開いたら、とにかく武道籤を売っているコムル村一党をチェック。「ヒョンゴが勝負の行方を占っている」……とプログラムにありますが、どう見てもヒョンゴは手相を見てます。手相でどうして“勝負の行方”がわかるんだろう(T T)。(白華)れみちゃん個人が賭け(籤)に勝つか負けるかがわかるのか?もう籤買っちゃってるのに?……意味不明。
(れみちゃんを例に出したのは、なんかすごく真剣っにヒョンゴ先生の手相占いを聞いてたから。深い意味はありません)


ヒョンミョンは首から箱を提げて、籤の販売中。お釣りを出すのがメチャメチャ早いんですけど、間違いとかないんだろうか。
前にも書きましたが、ここに出てくるめおちゃん(真野すがた)とじゅりあちゃんが面白い。あースタイルよくてカッコイイ街人がいるなー、と思うとめおちゃんだし、あー派手な美人、と思うとじゅりあだし(笑)。何度でも引っかかる私。
天真みちるちゃんの笑顔が好きです。なんか元気になる。そして、真瀬くんが好きだ。観ているだけで幸せになれる。

籤を買おうと並んでいる列に横入り(?)してくるシウ族の3人(朝夏まなと、冴月瑠那、夏城らんか)。みわっちスジニがぶらぶらと歩いてきて、さっとチュムチの服から財布を抜き出す。
それを見咎めるタムドク。
……すみませんすみませんすみません、私はあまりにいっぱいいっぱいで、タムドク様の登場を観たことがありません(T T)(ちなみに5場のヨン・ホゲも、きらりんが「ホゲさまよ!」と叫ぶまで観たことがない)。タムドク様は花道から登場されるのでしょうか。それとも袖から?“初めての外出”の割には堂々としてるよなーと毎回思うんですけど、登場から堂々とされているのでしょうか。それとも段々自信がついてくる感じ?
最初から自信たっぷりなのだとしたら、それは皇子様だからなのかしらん。と、誰にも答えられそうにない疑問をこねくってみたりして。


スジニの腕を掴んだまま、奪った財布を返すようにと促すタムドク。
そういえばスジニが女の子だと気づくのはいつなんでしょうね。最初から解っているように見える日もあるし、違うような気がするときもあるんですが。
【Cul様をはじめ、いろんな方に一斉に突っ込んでいただきました。スジニが自分で「少年!?女の子だよっっ!!」っと言ってるじゃんねぇ…(汗)。大変失礼いたしました!ご指摘いただいた皆様、ありがとうございますm(_ _)m】



財布を差し出されて、破顔一笑、嬉しそうに礼を言うまぁくんが可愛いです。そして、「お前ってホントドジだよなー」みたいに囃したてるルナちゃんと夏城くんが素敵(はぁと)。
喜ぶまぁくんに、お礼を強要するみわっち。女は強いなあ。

タムドクを振り返って、「見逃してくれた礼はこの店でいい?」みたいなことを言う。……トラジの店って、やっぱり焼肉屋なんでしょうか?スジニが入りたがってるってことは。
ここでもまた飛び上がって喜んでいるさあや。自分の顔を指差して、うんうん頷いてたのは見ました。タムドクt「トラジ?」「あ、あたしよあたし」みたいな会話をしていたような気がします……(曖昧)。



タムドクたちが店に入ろうとしたあたりで、上手にパソン姐さん(桜一花)が登場。
剣(「龍星」でウメちゃんが使ってた二本組のアレ)を両手に持って歌い踊る一花は、本当に本当に可愛いです(きゅん)。しかし、パソンは「チュシンの星が輝いた」子供時代にある程度の年齢になっていたはずなので、おそらくはキハより上、タムドクやホゲより10歳近く歳上のはずだと思うんですが………
なんてことはもう気にしません。だって一花だもん!可愛いよーホントに可愛いよー(*^ ^*)。


パソンに声をかける、チョルロ族のセドル(月央和沙)。
「山奥の田舎もんが、この剣の価値がわかるのかい!?」って一花、酷い(涙)。チョルロ族の出身地って、靺鞨とどんだけ違うんですか?靺鞨も相当な田舎だと思うんだけど。
そんなパソンを一所懸命フォローしている(でもイマイチ役に立ってない)チュモン(嶺乃一真)が無駄に可愛くて、つい注目してしまいます。


この間に、もう上手にはケマ族(日向燦、煌雅あさひ、鳳真由)が来ている。
パソンに声をかけ、商談に行く途中で……チョルロ族を「田舎もん」と莫迦にすることは忘れない。嫌味いっぱいのマメちゃんがとても素敵です。
アーサーの笑顔が好きだ。しかしこの人、どうしてこんなところで紅い甲冑をつけているんでしょうか。忙しいだろうに……(←余計なお世話)

この場面の用事はホゲ(あるいはヨン家)の私用なので、公的身分をもつチョク・ファンは居ません。ちょっと寂しい…(T T)。




ケマ族の軽口にシウ族が乗った形で、シウ族とチョルロ族が喧嘩を始める。
結構派手な取っ組み合い。いい年して、往来でそんなことすんなよ……。

店に入っていたはずのタムドクたちがいつの間にか居て(早っ)、喧嘩を止めに入る。大劇場の最初の頃は、なんかお店の前で屯ってたら巻き込まれちゃった、って感じだったと思うんですけど、いつの間にかタムドクが積極的に止めに出てくるようになったんですね。
手にした剣?で楽々と剣戟を止めるタムドク。

彼は、コ将軍や近衛隊のメンバー、そしてホゲ以外の人と戦ったのは、これが初めてなんですよね?もうちょっと「へぇー、普通の人ってこんなに弱いんだー」みたいな感動があってもいいような気がしたりもしましたが、まぁ、いらないのかな?

それを、上手セットの壇上で眺めるカグン将軍(高翔みずき)が素敵なオジサマっぷりなんですが、残念ながらこの時点ではかなり意味不明な人です。スポット浴びていることも含めて、すごく謎。



で、セドルの「高句麗一強いのは自分だと思っていたが、お前には勝てん!」という台詞があり、
「それではこのタムタム、武道籤はセドルに賭けよう!」と宣言するタムドク。
ちゃんとヒョンミョンから札も買って(毎回3枚4枚と押し付けられているのが笑えます)、ちゃんとお金を払って籤を買う皇子様。
それも、そこそこの小銭は用意してあるのが良いですよね♪身支度といい、お金といい、、、、タムドクのお出かけの準備を調えたのは誰なんでしょうね。カクダンじゃないよなあ(←カクダンも私用で街に遊びに出たことなんて無さそう)。やっぱりコ将軍……かなあ?ちょっと萌え。




そのまま、「あっちの通りまで籤を売りに行こう!タムタムもおいで!」と連れて行かれるタムドク。
そのままの勢いで、次の「武道大会の場」になだれ込むわけですが。




……国王快癒祝いのイベントに、皇太子が(公式に)出席しない、、、あり得ない事態だと思うんですが(涙)。どうなんでしょう……


.
東京宝塚劇場にて、花組新人公演「太王四神記」を観てまいりました。


すみ花ちゃん、だいもん、ブラボー~~~っっっ!!


今回は芸達者さんの多い88期のラスト新公だったから、88期中心に書くつもりだったのですが………、
きらりん、とみぃ、しゅん様、らいらい、よっち、まぁくん、愛純さん、聖花さん……みんな大好きだし、みんなみんな凄く良くて素晴らしかったんですけど!!



彼らが作る、がっちりとした土台の上で、見事に息づいて華を咲かせたお二人に、乾杯!






新公演出は、生田大和さん。
私、生田さん演出の新公はいくつか観ていますけれども、毎回感心しています。
役者をきちんと観て、脚本をきちんと読み込んで、役者に合わせて演出を変えることができる演出家なんですよね。みんな、すごく勉強になると思う。新人公演自体のレベルが上がるのは勿論なんですけど、そこで得るものって他の新公より大きいんじゃないか、なんてことを毎回思います。

また、不思議と生田さん演出の新公って実力派が良い役をやってるんですよね(*^ ^*)。「バレンシアの熱い花」のみーちゃん(春風弥里)もそうだし、今回のだいもん(望海風斗)も典型的な“生田新公”役者って感じ。演出の良さと役者の実力が、ちょうど良く噛み合って、良い舞台を作り上げていたと思います。



それにしても、みごとな潤色でした。2幕一本立て作品を、休憩を抜いて二時間弱。月組の「ミー&マイガール」新公(演出・齋藤吉正)も実に自然で見事なまとめ方でしたけれども、「太王四神記」のカットの仕方は芸術的!
「ミー&マイガール」は、それでも「フルでやらせてあげたかったなあ…」と思ったのに、今回は本当に、もしかして本編もこれで(休憩だけ入れて)、フィナーレをもっと派手に長くやるっていうので良いんじゃないの!?と思わせる出来の良さ。

大きく場面としてカットされたのは、「神話」~「チュシンの夜」まで。ここをヒョンゴ(真瀬はるか)の説明Onlyですっ飛ばし、いきなり少年タムドク(月野姫花)にヤン王(扇めぐむ)が言い聞かせている場面から始まります。サビ城陥落の場面がないので後半のキハとスジニの出会いが意味不明だったりはしますけど、それ以外はほとんど問題無かったような。それと武道会前のタムドクとヤン王の意味不明な会話や二幕冒頭のコムル村、キハとプルキルの銀橋、「愛の無い結婚」の歌(場面自体はある)、、、くらいだったんじゃないかな?
あとは、細かくいろんなところをつまんだり変更したりしているんですけど、とにかく流れが自然だったことに感心しました。「エリザベート」新公みたいに、ヒョンゴがひたすら喋り捲りで説明してるんじゃないか、とか結構心配していたんですが(^ ^)、そんなことは全然なく、ヒョンゴの台詞で増えたり変わったりしたのも、冒頭の説明の内容が変わったことくらいじゃないかしら?


しかも!役者のキャラに合わせて細かく演出が違ってるんですよっ(*^ ^*)。
公演全体が、新人公演というより全くの「別バージョン」という感じの完成度でした。

芸達者な88期の面々を思う存分使ってしっかりとした舞台を作り上げた上で、下級生を巧くノセてしまう…そのあたりのセンスが抜群に良いんだろうなあ、と思いました。





だいもんのタムドク。
欠点は、歌う時に笑顔になってしまう(発声の基本で頬をあげるんですが、これが笑顔にしか見えない)ことと、甲冑があんまり似合わないことくらい。あとは本当に、素晴らしかった~!
笑顔の明るい、不器用だけど優しくて魅力的な青年でした。
本公演と何が違うのかわからないんですけれども、全然違っていたんですよねぇー。

…あ、そうだ、すっごい可愛かった★です!特に一幕。本公演よりかなり幼い雰囲気を、わざと作ってたんだと思います(本役のヒョンミョンより全然若かったので)。
本公演を観ていてつくづくと思う、「タムドクってホンっトにガキっぽい……」っていうところが、逆に説得力をもって演じられていたのが凄いなーと思いました。ガキっぽいからこういう行動に出る。だからこういうことになる。そりゃーこうなるよね、でも、タムドクだからこういう助けの手が現れて、こうなる……ああ、やっぱり運命だったんだ、と、

そこに一本筋を通したな、という印象でした。


そして、最初の印象がすごく幼いだけに、「愛する人を疑ってばかり、愛とはなにか疑ってばかり」と歌うころの大人びた哀愁と色香に、愕然としました。

本公演を観ているときは、あまり“時間の経過”ということを考えたことがなかったのですが。
新人公演はタムドクの成長物語という面がすごく強く出ていたので、時間がどんどん流れていくのが見えるんですよね。
一幕の、見た目も中身も子供っぽいタムドク青年。初めてコ将軍やホゲ以外の人と触れ合って、いろんな間違ったことをして、、、でも魅力的だった彼の輝きと、見た目はそんなに変わらないのに、中身はまるで浦島太郎の玉手箱をあけたかのように大人びて。“やりたいこと”ではなく“正しいこと”をしようとしている彼の寂しげな後姿を見凝める、その寂しさ。


タムドクという“チュシンの王”が「紛うことのない存在」なのは、“愛される存在”だからなのだ、という構図が、凄く納得できました。
生田さん、よくその意味付けを見出したものだと本当に感心します。(小池さんは違うイメージで演出しているような気がする…)






そして、すみ花ちゃん!
いやぁー、もう、本当に素晴らしかった!なんだか、全然違う役みたいでした。キハ。

彩音ちゃんのキハは彩音ちゃんのキハで完成されていて素敵なんですけど…
なんていうのかな、物語の中の位置づけが、全然違う!と思いました。

まず。キハが、タムドクよりホゲより、ちゃんと歳上に見える!
新公はサビ城陥落の場面がなく、キハとタムドクの年齢設定については何も情報がありません。別段、本公演同様タムドクが歳上ってことになっていても、なんら問題は無いわけです。

でも、キハが歳上だからこそ、男たちは素直に泣きつけるんですよ。
これって、設定的には結構重要なことです。キハが歳上だからこそ、縋りつく男たちが格好悪くないんです。


そして。
まだ下級生なのに、あんなに可愛らしいのに、包容力があるのが素晴らしい。

セームが死んだ後、「親友を裏切った」タムドクが銀橋を渡って本舞台に戻ってきたとき。
すみ花ちゃんのキハは、タムドクを待っていたことがはっきりと解りました。噂を聞いて、彼を心配して駆けつけてきたんだろうな…というのが、最初に出迎えたときからはっきりと解る。
そして、彼女の心配そうな顔をみて、タムドクがふと微笑むんですよね、微かに(←たぶん。上手の席だったので、あまりよく見えませんでしたが)。
その瞬間のすみ花ちゃんの、タムドクを包み込むような優しい笑顔。
くしゃっとした泣き笑いの表情だけで、タムドクを抱きしめたように見えました。




彼女の最大の武器は、情感の深い声。あの声で、「ヤン王さま、なぜ自ら死を選ばれたのですか…」と絶望に満ちて呟かれると、聴いている観客にまで絶望が沁みてくる。
ああ、「愛の無い結婚」のデュエットを聴いてみたかったなあ……。



他にも印象的なことはとてもたくさんあったのですが……
いちいち書くことができないくらい、とにかく素敵だった!
お姉さんで、柔らかくて、なのに芯はしなやかに強く、折れない。ひっそりとした野の花のようでいて、たくましい野生と繊細な花序をもち、枯れることなく毎年咲いて、見る人の心を和ませる。

すみ花ちゃんの芝居は、リアルとかファンタジーとかという言葉を飛び越えたところにあるんですよね。
炎を操る巫女、神器の守護者…そういうファンタジーの道具立てを使って、誰よりもリアルな女を描き出すことができる。
男を愛し、子供を作り、その男に添えないと知るや他の男に嫁ぐことを承知して、世界を犠牲にしても子供を守ろうとする。そういう、強烈な意思とリアルなパワーを持つ“女”。


雪組のみなこちゃん(愛原実花)とか、ちょっとタイプが違いますけれども宙組のウメちゃん、星組のあすかちゃんも、リアルとファンタジー、両方を演じられる役者です。トップ就任済みのお二人は、あまり負の感情を本気で出したことはないんですけど、やれば多分できるんだろうと思う。(あすかちゃんはその昔、「琥珀色の雨にぬれて」フランソワーズで大失敗したことで成長しましたが…)

でも、すみ花ちゃんのラストの迫力は、本当に凄かった。ああ、黒朱雀になるというのはこういうことか、と。
だからこそ、キハを救うために全てを投げ出すタムドクが、より輝かしく美しく見えた のだと思うのです(*^ ^*)。




そういう意味で、今の若手娘役の中ですみ花ちゃんと雪組のみなこちゃん(愛原実花)の二人は飛び抜けていると思います。すみ花ちゃんの小夏も、みなこちゃんのボニー、アニス、静香さんも、本当に凄かったもんなぁ…強烈でしたわ、ええ(*^ ^*)。
私が視る始めたころの宝塚(←そんなに昔じゃないんですけど…)は、あまりそういう要素をヒロインに求めることはなかったと思うのですが、最近は大劇場でも結構面白い作品をやるので、負の感情を出せる役者は貴重だな、と思います。いわゆる「宝塚らしさ」とは違うのかもしれませんけれども、私にとっては、役者の好みを語る上で、とても大切な要素だったりします(あくまでも、好み、ですが)。





小池さん演出の本公演は、ごく宝塚らしい、シンプルな勧善懲悪ものだと思うのですが。…これだけテーマが違って見えるのは、生田さんの功績だと思います。


…とりあえず。

生田さん、そろそろバウでもやりませんか?
オリジナルでどんなものを出してきてくれるのか、すごく楽しみにしておりますので(*^ ^*)。


.
宙の奇跡
大空祐飛さんと、
野々すみ花さんが、


次期・宙組トップコンビとして内定したことが、発表されました。



大劇場でのお披露目はまだ演目未定ですが、
とりあえず、宙組での最初の公演は、8月の博多座公演「大江山花伝/Appasionado!2」。

「大江山花伝」!
観たことはありませんが、全盛期の柴田さんの作品ですよね?
その昔、祐飛さんのパーソナルブック1で、扮装していたのが記憶にも鮮明です。

さぞ、やりたかったんでしょうねぇ…………


とりあえず、写真をこっそり写メしてアップしてみたりして(^ ^;ゞ





お祝いのメールをくださった皆様、本当にありがとうございます。
なんだか、本当に手は震えるし脚はがくがくするし、むしろ大丈夫か自分!?って感じです。

何かを叫びたいのに、言葉にならない、
そんな気持ち。



おめでとうございます。

おめでとうございます。



……本当に、おめでとうございます。

これからずっと(そう長いことではないでしょうが)、すみ花ちゃんと一緒に芝居をすることができる!

それが一番、嬉しいです。




宙組ファンのみなさま、
どうか。

どうか、この不器用な人を、どうかよろしくお願いいたします(祈)。

花組への異動が発表された1年と2ヶ月前の不安が、また蘇る……。
でも、きっとどうにかなるだろうから。
大空さんも、すみ花ちゃんも、
宙組の皆様も、

いろんな試練を乗り越えてきた、皆だから。


どうか。

どうかよろしく、お願いいたしますm(_ _)m。





祐飛さんのファンになってからの年数も、ついに二桁の大台に乗りましたが。
その間、一度も『トップスター』の夢を見たことがない、とは言いません。

でも。

……トップに、なるんだ……




祐飛さんが?





なんだか。




意味がよく、わかりません………(呆然)






たとえ行き着く先が博多でも、
俺はもう、後戻りできないんだーーーーーっ!!







祐飛さんが、トップスターになる。

すみ花ちゃんと、がっつり組んでお芝居ができる。

もしかしたら、柴田さんや大野さんが、宛書のお芝居を書いてくれるかもしれない!






………幸せなんだなあ、私。(しみじみ)









と、いうわけで、



おめでとうございます。

幸せ、なんだと思います。たぶん。
望んだことのない地位につく、ご贔屓。
それも、縁の無かった宙組で。


少なくとも。
相手役がすみ花ちゃんであること、
博多座が柴田&藤井であること、、、

それは、祐飛さんにとって最高の条件なのだから。

これ以上の幸福は、ないのだから。

……そう、自分に言い聞かせて。









花組に組替えして、ちょうど一年と一ヶ月。
再びの組替えで宙組へ異動するまで、あとちょうど、3ヶ月。

初めての組替えだった超上級生を、よく構って可愛がってくださった、花組。

ありがとう。ありがとう。ありがとう。
本当に、花組生と花組ファンのみなさまには、感謝の言葉も見つからないほどです。

下級生もやっと覚えて、どこを観ても楽しくて楽しくてしょうがなかった、花組。
短い時間でしたけれども、決して忘れません。

花組生として過ごせる残り3ヶ月を、悔いなく楽しみたいと思います。



素敵な思い出をたくさん作って、
そして、

「やっぱり宝塚はひとつだった」、

……と。

そう、言えるように。





大空祐飛さんがトップスターになる。
野々すみ花ちゃんと、コンビを組む。

宙組に異動して、夢だった「大江山花伝」に挑む。




………今日って4月1日だったっけ……?(真顔)





すみ花ちゃん、お誕生日おめでとう!とか、
めおちゃん、みつるくん、バウ主演おめでとう!!とか、

書きたいことはたくさんあったはずなのに。

……また、落ち着いたらいろいろ書きたいと思います……。

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