「ランスロット」の小ネタ
2011年9月27日 宝塚(星) コメント (4)星組バウホール公演「ランスロット」。
昨日の続きを書くつもりだったのですが、ちょっとCSの「太王四神記(星組版)」に嵌ってしまって頭がまとまらないので(←いや、いつもはまとまっているのかと訊かれると弱いんですけど)、閑話休題で、いくつか小ネタを。
まずは、「アーサー王伝説」にはいくつも種本があり、「原作」と言えるようなものはないのですが、その中でみかけた面白設定などなど、です。
◆マーリン(如月蓮)とヴィヴィアン(美穂圭子)
魔法使いマーリンと湖の魔女ヴィヴィアンが恋仲であるという設定があるらしい(^ ^)。
しかも、どうやらヴィヴィアンがマーリンの弟子であるということは定説のようなので、ヴィヴィアンの魔力はマーリンから分け与えられたもののようなんですよね(モルゴースの魔力がヴィヴィアンから分け与えられたように)。
へーーー、れんたと美穂さんがねえ………(←違う)
◆モルゴース(花愛瑞穂)とモルガン(夢妃杏瑠)
私が見た本では、どちらも「アーサー(天寿光希)の異父姉」となっていたんですが、なんとなく混同されている気配もあったので、この二人の間に母子関係を設定してエピソードを整理したのは正解だったと思います。
モルゴースについては、「モルゴースとアーサーの間に産まれたのがモルドレッド(芹香斗亜)」という設定を読んで(@ @)となっていたのですが、
生田さんの脚本では、モルドレッドを誕生させるところだけ残して、アーサーとの血縁関係は無視してましたね。みっきぃさんとキキちゃんの父子関係がなくなったのはとても残念だけど、まあしかたないかな……、生田さんは、アーサー王をあくまでも『清廉潔白』にしたかったみたいだから。
ちなみに、モルゴースはガウェイン(麻央侑希)とアグラヴェイン(翔馬樹音)、ガレス(瀬稀ゆりと)、ガヘリス(蓮珠こうき)たち兄弟の母親でもあります。
本によっていろいろあるみたいですが、結構血縁関係入り組んでるんですよね……。
◆ケイ(千寿はる)
アーサーの育ての親・エクトルの息子。乳兄弟(ケイが兄)として育ち、非常に仲がいい。……生田さんは、みっきぃさんの同期の千寿さんにどうしてもケイをやってほしいと仰ったそうで、そういうリアルな仲の良さというか、信頼感がすごく感じられました。
本によっては相当な毒舌家だったりペシミストだったりする人ですが、「ランスロット」のケイは、ひたすらおとなしくて、優しくて、そして可愛かったです(はぁと)。
◆ブロスリアンドの森
フランス北西部のブルターニュにある深い森。……のことらしい。
古くから聖なる森として知られ、魔女モルガンの棲家でもあり、ランスロットを育てたヴィヴィアンの湖をも擁して、魔術師マーリンの墓もある(マーリンとヴィヴィアンが幸せに暮らした終の棲家であったらしい)、という、生田さんの脚本なみに詰め込み過ぎな森です(^ ^)。
さらに。「ランスロット」の2幕の後半、グウィネヴィアを救ったランスロットがアーサーと逢う場面のタイトルが「ブロスリアンド」なんですが……生田さん、まだ彼らは海を渡っていないはずなんだけど、いいんですかそれは?
まあ、アーサー王とランスロットの戦いは、王妃の祖国のある大陸側(フランス)への遠征になるわけで、間違ってはいないんですけどね。だったら船を探して云々って台詞をなくせばいいと思うんだけど。
それとも、「ブロスリアンド」っていうのは「聖なる森」みたいなイメージの普通名詞(?)で、あちこちにあったのでしょうか。……その方がありそうかな。エピソードも詰め込みすぎだし。
◆カムラン
2幕後半の場面タイトルは、第7場「ブロスリアンド」⇒第8場「カムランの戦い」→第9場「アヴァロン」と地名が続くのですが。
地名が出てくれば場所を特定したくなるのがオタクの性というもの(←え?)
アーサー王の最期の戦いであった「カムランの戦い」のカムランは、イングランド南西部、ブリストル湾のつけねあたりという説が有力なようです。
舞台の流れ的にはランスロットを追ったアーサーにモルドレッドは従軍しており、アーサーとランスロットの一騎討ちに横槍をいれる形になるので、やっぱりランスロットたちはブリテン島を出ていない方が自然なんですよねーーーー。
そうなると、ランスロットたちが最初に逃げ込む「ブロスリアンド」は、ブルターニュの聖なる森とは関係の無い(名前だけが共通の)、ハンプシャーあたりの広大な森をイメージしているのかもしれないなーと思ったりします。
エセックスあたりからフランスへ逃げるために海(南)へ向かう。でもドーヴァーは警備が厳しくて近づけず、海沿いの森の中を西へ向かう…のは、わかるような気がします。グウィネヴィアの祖国がヴィヴィアンの湖があるブルターニュ近辺なら、南西のプリマスなりフェイマスから船を出した方が効率的だし、キャメロットから遠いぶん、逃げ切れる確率も高いだろうし。
……結局のところ、逃げ切れなかったわけですが。
◆グウィネヴィア
この名前(Guinevere)の語源は、ウェールズ語のGwenhwyfar(グエンフイヴァル)。
ケルト語で「白い妖精」を意味するこの言葉を、生田さんはテーマ曲「Stargazer」の中で使っているんですね。
プログラムの最終頁にある歌詞を読んだときは、あまり深く考えずに流していた単語ですが……
♪遥か地平を染めるGwenhwyfar
♪キミという標を喪った僕は
♪どこへと向かえばいいのか
遥か地平を染める白い幻が「キミ=グウィネヴィア」で、それはもう喪われたものであるというイマジネーションは、とても寂しくて切ないなあ、と、あらためて思ったのでした。
◆舞台写真
今回、アーサー王の舞台写真は、なんと一人写りで三種類も出ています!
それはとってもとっても嬉しいし、心の底から「ありがとうございます!」と思っているのです。
が!!
……どーして三種類とも甲冑姿なのぉ?(T T)
私の知る限り、みっきぃさんは舞台写真が複数枚出ること自体が初めてだと思うし(←違っていたらすみません)、本当に本当に、発売されただけで夢のように嬉しいし幸せなんです!幸せなんだけど!でもどうして!?と思ってしまった。
たしかに、公演時間の大半をあの甲冑で過ごしていらっしゃいましたが、一幕最初の村人の格好でもいいし(←プログラムの稽古場写真には入ったのに……)、一幕後半から2幕の円卓会議までずっと着ている黒金の普段着もとっても似合ってたのにー。
あるいは、フィナーレ。っていうか、衣装がどうこうでなく、単純に格好良いから、フィナーレの写真がほしかったよぉーーーー(泣)。
ま、与えられれば与えられるだけ贅沢になる、って例の典型ですね。
申し訳ございません……m(_ _)m。でもでも、もう二度とないかもしれないのになぁ~(泣)。
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昨日の続きを書くつもりだったのですが、ちょっとCSの「太王四神記(星組版)」に嵌ってしまって頭がまとまらないので(←いや、いつもはまとまっているのかと訊かれると弱いんですけど)、閑話休題で、いくつか小ネタを。
まずは、「アーサー王伝説」にはいくつも種本があり、「原作」と言えるようなものはないのですが、その中でみかけた面白設定などなど、です。
◆マーリン(如月蓮)とヴィヴィアン(美穂圭子)
魔法使いマーリンと湖の魔女ヴィヴィアンが恋仲であるという設定があるらしい(^ ^)。
しかも、どうやらヴィヴィアンがマーリンの弟子であるということは定説のようなので、ヴィヴィアンの魔力はマーリンから分け与えられたもののようなんですよね(モルゴースの魔力がヴィヴィアンから分け与えられたように)。
へーーー、れんたと美穂さんがねえ………(←違う)
◆モルゴース(花愛瑞穂)とモルガン(夢妃杏瑠)
私が見た本では、どちらも「アーサー(天寿光希)の異父姉」となっていたんですが、なんとなく混同されている気配もあったので、この二人の間に母子関係を設定してエピソードを整理したのは正解だったと思います。
モルゴースについては、「モルゴースとアーサーの間に産まれたのがモルドレッド(芹香斗亜)」という設定を読んで(@ @)となっていたのですが、
生田さんの脚本では、モルドレッドを誕生させるところだけ残して、アーサーとの血縁関係は無視してましたね。みっきぃさんとキキちゃんの父子関係がなくなったのはとても残念だけど、まあしかたないかな……、生田さんは、アーサー王をあくまでも『清廉潔白』にしたかったみたいだから。
ちなみに、モルゴースはガウェイン(麻央侑希)とアグラヴェイン(翔馬樹音)、ガレス(瀬稀ゆりと)、ガヘリス(蓮珠こうき)たち兄弟の母親でもあります。
本によっていろいろあるみたいですが、結構血縁関係入り組んでるんですよね……。
◆ケイ(千寿はる)
アーサーの育ての親・エクトルの息子。乳兄弟(ケイが兄)として育ち、非常に仲がいい。……生田さんは、みっきぃさんの同期の千寿さんにどうしてもケイをやってほしいと仰ったそうで、そういうリアルな仲の良さというか、信頼感がすごく感じられました。
本によっては相当な毒舌家だったりペシミストだったりする人ですが、「ランスロット」のケイは、ひたすらおとなしくて、優しくて、そして可愛かったです(はぁと)。
◆ブロスリアンドの森
フランス北西部のブルターニュにある深い森。……のことらしい。
古くから聖なる森として知られ、魔女モルガンの棲家でもあり、ランスロットを育てたヴィヴィアンの湖をも擁して、魔術師マーリンの墓もある(マーリンとヴィヴィアンが幸せに暮らした終の棲家であったらしい)、という、生田さんの脚本なみに詰め込み過ぎな森です(^ ^)。
さらに。「ランスロット」の2幕の後半、グウィネヴィアを救ったランスロットがアーサーと逢う場面のタイトルが「ブロスリアンド」なんですが……生田さん、まだ彼らは海を渡っていないはずなんだけど、いいんですかそれは?
まあ、アーサー王とランスロットの戦いは、王妃の祖国のある大陸側(フランス)への遠征になるわけで、間違ってはいないんですけどね。だったら船を探して云々って台詞をなくせばいいと思うんだけど。
それとも、「ブロスリアンド」っていうのは「聖なる森」みたいなイメージの普通名詞(?)で、あちこちにあったのでしょうか。……その方がありそうかな。エピソードも詰め込みすぎだし。
◆カムラン
2幕後半の場面タイトルは、第7場「ブロスリアンド」⇒第8場「カムランの戦い」→第9場「アヴァロン」と地名が続くのですが。
地名が出てくれば場所を特定したくなるのがオタクの性というもの(←え?)
アーサー王の最期の戦いであった「カムランの戦い」のカムランは、イングランド南西部、ブリストル湾のつけねあたりという説が有力なようです。
舞台の流れ的にはランスロットを追ったアーサーにモルドレッドは従軍しており、アーサーとランスロットの一騎討ちに横槍をいれる形になるので、やっぱりランスロットたちはブリテン島を出ていない方が自然なんですよねーーーー。
そうなると、ランスロットたちが最初に逃げ込む「ブロスリアンド」は、ブルターニュの聖なる森とは関係の無い(名前だけが共通の)、ハンプシャーあたりの広大な森をイメージしているのかもしれないなーと思ったりします。
エセックスあたりからフランスへ逃げるために海(南)へ向かう。でもドーヴァーは警備が厳しくて近づけず、海沿いの森の中を西へ向かう…のは、わかるような気がします。グウィネヴィアの祖国がヴィヴィアンの湖があるブルターニュ近辺なら、南西のプリマスなりフェイマスから船を出した方が効率的だし、キャメロットから遠いぶん、逃げ切れる確率も高いだろうし。
……結局のところ、逃げ切れなかったわけですが。
◆グウィネヴィア
この名前(Guinevere)の語源は、ウェールズ語のGwenhwyfar(グエンフイヴァル)。
ケルト語で「白い妖精」を意味するこの言葉を、生田さんはテーマ曲「Stargazer」の中で使っているんですね。
プログラムの最終頁にある歌詞を読んだときは、あまり深く考えずに流していた単語ですが……
♪遥か地平を染めるGwenhwyfar
♪キミという標を喪った僕は
♪どこへと向かえばいいのか
遥か地平を染める白い幻が「キミ=グウィネヴィア」で、それはもう喪われたものであるというイマジネーションは、とても寂しくて切ないなあ、と、あらためて思ったのでした。
◆舞台写真
今回、アーサー王の舞台写真は、なんと一人写りで三種類も出ています!
それはとってもとっても嬉しいし、心の底から「ありがとうございます!」と思っているのです。
が!!
……どーして三種類とも甲冑姿なのぉ?(T T)
私の知る限り、みっきぃさんは舞台写真が複数枚出ること自体が初めてだと思うし(←違っていたらすみません)、本当に本当に、発売されただけで夢のように嬉しいし幸せなんです!幸せなんだけど!でもどうして!?と思ってしまった。
たしかに、公演時間の大半をあの甲冑で過ごしていらっしゃいましたが、一幕最初の村人の格好でもいいし(←プログラムの稽古場写真には入ったのに……)、一幕後半から2幕の円卓会議までずっと着ている黒金の普段着もとっても似合ってたのにー。
あるいは、フィナーレ。っていうか、衣装がどうこうでなく、単純に格好良いから、フィナーレの写真がほしかったよぉーーーー(泣)。
ま、与えられれば与えられるだけ贅沢になる、って例の典型ですね。
申し訳ございません……m(_ _)m。でもでも、もう二度とないかもしれないのになぁ~(泣)。
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