花組大劇場公演「太王四神記」 続き。

昨日から、まとぶんが二幕で歌う「♪愛とは何か間違ってばかり…」「♪命賭けて愛した人は…」っていう(たぶん)歌のメロディがぐるぐる頭の中を回っています。
ああいうメロディライン、凄く好き。コード進行など、どこかで聞いたことがあるような気がしてならないのですが、心当たりのある方はいらっしゃいませんか…?

そして、なぜか「ファントム」のオープニングの音楽(「僕の叫びをきいてくれ」のリプライズ)もぐるぐる回ってる(^ ^;)。「太王四神記」って、なんか音楽の傾向が「ファントム」に似てませんか?……気のせいですかね(^ ^;ゞ




さて。

第二場 チュシンの星~王の誕生

チュシンの星が輝くのを見て、火天(ファチョン)会の大長老をやっていたプルキルは、「チュシンの王の誕生に呼応して輝くはずの神器を探せ」と会士たちに命じ、国中に振り向ける。
とにかく4つの神器を集めたものが勝ち、であるらしい。

この前の神話場面から、すでに火天会士の先頭に立っているサリャンがとっても怪しい(^ ^)。






玄武の神器はコムル村に。

護り手であるヒョンゴ(後のまっつ。子役は梅咲衣舞ちゃん)はまだ少年で、先代村長(悠真倫)の管理下にあり、旅をしながらも火天会の目からは無事隠し通したらしい。

“コムル村”の由来がよくわかりませんが、『火天会に先を越されないよう、ホンモノのチュシンの王のために4つの神器を集めとけ』とかいう言い伝えでもあったんですかね。
神話時代の熊族の末裔だとか、そういう感じなのでしょうか…(←てきとー)

梅咲衣舞ちゃんの子ヒョンゴが、めっちゃ当たり役でした。ちょっと寂しげな細面が、まっつの子供時代にぴったり(^ ^)。大人ヒョンゴと子ヒョンゴが隣(ちょっと離れてますけど)に並んで立っている場面があるんですが、この子がこうなるのね、すごく納得!!って感じでした。
声も可愛いし、無理して作った子供っぽさじゃない自然な“少年っぽさ”があって、とても良かったです♪






朱雀の神器は、東百済のサビ城に。

王の誕生に呼応した神器の輝きを隠し切れず、火天会によって火を放たれた城では、護り手であるキハ(後のあやねちゃん。子役は月野姫花ちゃん♪)はまだ幼く、その母である王妃(天宮菜生)はキハとその妹を逃がして自害。
キハ自身も結局は逃げきれず、抱いていた妹を床下に隠してそのまま火天(ファチョン)会に捕えられる。

ここの王妃様のはるちゃんがそれはそれは美しく、若さに似合わぬ威厳もあって、とても素敵でした。子供たちを見送って、厳しい貌で自害するときの思い切りの良さも好きです。今回は台詞無しだったような気がしますが、本役の近衛隊隊士もシャープで印象的だったし、やっぱ美人は得だなぁ~(*^ ^*)。

姫花ちゃん、スタイルが良すぎて(←頭が小さくて、頭身のバランスが大人っぽい)あまり幼な児には見えないのですが、舌っ足らずな喋り方が可愛くて良かったです。
タムドクとヨン・ホゲはこの日に産まれたわけで、当然キハの方が二人より歳上なんですけど、ここでせいぜい4つか5つの子供に見えないと本編に入ってからちょっとね…って感じになってしまうので、さらに可愛く幼くなってくれるとうれしいです。
それにしても本当に可愛いなぁ……。ピンクの衣装がすごい良く似合ってる。火天会に捕まって、プルキルの烙印を受けるために肩を剥かれるところが凄く萌えです(^ ^;;

火天会が去ったあと、床下に隠された赤児を見つけて抱き上げる子ヒョンゴ。
額の黒朱雀の烙印を見つけて怯える様子が可愛い。そして、「…あ、消えた♪」と嬉しそうに村長(悠真倫)に見せる仕草が、ちゃんと少年っぽいのは凄いなーと思います。不慣れな感じがよく出てる。役者だなあ…。

ちなみに、この赤児がスジニなんだから、スジニの方が何ヶ月かタムドクより歳上です。「これからも兄と妹のように…」は無いんじゃないのか?>小池さん






青龍の神器は、西百済のカンミ城に。

護り手であるチョロ(後のめおちゃん。子役は華耀きらりん♪♪)はまだ少年だが、神器を護ろうとした父によって、心臓の中に神器を隠される(神器は何をしても護り手を殺すことはないらしい)。

カンミ城主は、たぶんプログラムに「城主」としか書いてなかった王子(眉月凰)だと思うのですが…すみません、展開が速すぎて目が泳いでいたのでよくわかりませんでした(涙)。

きらりんは可愛い。本当に可愛い。目の大きな、野兎のように怯えきった美少年が、そっと胸元をあけて神器を受け入れるまでの逡巡が、それはそれはイロっぽくてクラクラしました。はい。萌え。
あの美少年が、長じてめおちゃんになるのか……それも萌え(←意味不明)






白虎の神器は、北方靺鞨(マッカツ)の鍛冶師の村に。

この場合、パソン(桜一花)は護り手ではないので、父親(紫峰七海)か兄(天真みちる)が護り手だったんでしょうか。展開が早すぎて、よく聞き取れなかったのですが。
とにかく、パソンの父は刀の柄から神器を外し、兄に渡して逃がす。鍛冶師なら、うった刀じゃなくて鍛えるための鎚にでも神器がついていそうな気もしますけどねぇ…。神剣なのでしょうかアレは。
兄は妹パソンを背負って逃げるが、すぐに追い詰められ、妹を薦に包んで隠し、自ら火天会に囚われる。(殺されるんでしょうか。それとも、ドラマでは後で出てきたりするのかな…?)

昨日も書きましたが、パソンが滅茶苦茶可愛いくて、見てるだけでドキドキします。はい。

本編に入って、大人パソン(同じく桜一花)の弟子としていつも一緒に居る嶺乃一真くんとは、どんなシチュエーションで出会って弟子になったのかしら、なーんてことが気になったりして。
火天会が去った後、パソンは父も兄も居なくなった村に戻って、鍛冶の修行をしていたと思っていいのかしら、とか…(T T)。






第三場 成長

少年タムドク(野々すみ花)と少年ホゲ(白華れみ)。

ヤン王(星原美沙緒)は皇子タムドクが“チュシンの星が輝く刻”に生まれた子供だということを隠し、「愚かでひ弱な皇子を演じる」ことを命じる。

タムドクに付き従うコ将軍(扇めぐむ)がめっちゃカッコイイです。髭萌え♪


一人で槍の稽古をするタムドクのところに、遊びに来たホゲ。
“チュシンの星が輝く刻に生まれた親王”として知られ、強く賢い有能な王となるべく鍛えられていたホゲは、タムドクに槍を教え、二人は友情を育む。

「君が王なら僕は将軍になる」
「君が王なら僕は……友達になる!」
「もうなってるよっ!」

……無邪気に笑いあう二人。

お約束の場面ではありますが、ラストまで一回観てから再度見ると、しみじみと泣けてきます。
すみ花ちゃんの透明で純粋な、いかにも花娘らしい朗らかな柔らかさと、れみちゃんの硬さ、いかにも元月娘らしい力強さや元気さの対比。さすが小池さん、子役の配役がどれも絶妙です(*^ ^*)。
これだけ子役が出てきていながら、ヒョンゴを筆頭に「なぜこの子が成長してこの人に…?」という疑問が沸くキャストが一人もいないのは快挙!すごいなー、どうやって決めたんでしょうか。この役割は。






子供たちの槍の稽古が一段落ついたところで、大人タムドクが登場。
近衛隊と騎馬隊の争いから、タムドクと騎馬隊長(祐澄しゅん)の立会いになり、そこにヨン・ホゲが登場して水を差す…という流れは、簡潔に人間関係を伝えられる巧い展開だな、と思いました。

近衛隊長は、この作品で卒業する望月理世ちゃん、今回本当に良い!です。ファンの方は男役姿が観たいでしょうけれども、私は今まで観た理世ちゃんの芝居の役の中ではこのカクダンが一番好きです!
そして、近衛隊の美女ぞろいっぷりに震えました。転向組のはるちゃん(天宮菜生)が特別大柄にも男っぽくも見えない、カッコイイ女たち。なのにちゃんと色っぽさもあるのは、さすが花娘ですね(*^ ^*)。
まだ他の3人はいまひとつ見分けられていないのですが、前髪を長めに脇に垂らしている美女に、軽く撃ち抜かれました。あれは誰なんだろう…。動きのしなやかさで目を惹いたのですが。

あんなに美女ぞろいで目の保養なのに、一幕だけな上に理世ちゃん以外は戦闘場面やダンス場面もあまり無いのがとっても残念。

そして、しゅん様(←めちゃくちゃ男前!!今回かなりしゅん様落ちしました)率いる騎馬隊は、輝良まさとくんが居るバージョンと居ないバージョンと両方観たので、ちょっと混乱してます(汗)。
とりあえず日高(大地)くんは鎧がよく似合ってました(^ ^)。

あ、日高くんと言えば、神話時代の黒朱雀が良かったです。抜群のスタイルとなめらかな腕の動きで、あえて日高くんにやらせた小池さんの気持ちがわかったような(^ ^)。



この後の、タムドクとホゲの仲良し場面は、まぁ本当にありがちな場面なんですけど(^ ^)。
ただ、子供時代は「君が王なら僕は将軍になる!」と暢気に歌っていたホゲが、その言葉を言わなかったことと、
タムドクが「君が王なら僕は平民になる。君と争ったり、疑ったり(疑われたり)したくないんだ」とかなり正直なことを言うのが印象的でした。

そんなタムドクに、「俺がお前を疑ったりするはずがない」と、やっぱりコイツ暢気だなと思わせる言葉を吐くホゲが可愛いです(*^ ^*)



血筋でいえば、玉座に近いのは、タムドク。
そして、タムドクは自分がチュシンの王であることを知っている。

ホゲは、「タムドクがチュシンの王なり」という神託を受けていることは知らないけれども、血筋で上位のタムドクが、実は自分と同じ刻(チュシンの星が輝いた時)に生まれたことを知っている。
だから彼は、能力(武芸や軍略)で自らが玉座の器であることを証明しなくてはならない。


タムドクは、そうやって幼い頃から玉座に向けて奮励努力してきたホゲを知っている。
奮励努力しなくてはならなかった友を、一番近くで見守ってきたのは自分なのだから。
だから彼は、自分よりも友の方が玉座にふさわしいと思っている。

玉座は民のためのものであり、であればこそ、その座に相応しい者が埋めるべきだ、と、無意識のうちにそう思っている。
そして多分、その無意識の認識こそ、彼がチュシンの王である証。

だからこそ、ホゲにはチュシンの玉座は埋められない。
彼は人の世の王なのであって、神籍に入って玉座を埋めるべき存在ではないから。
ホゲには、愛する女が黒朱雀と化して世界を焼いても、彼女を射落とすことはできないだろうから……




そして。
危ういバランスで均衡を保っていた二人の間に、傷がつくのは、もうすぐ。
タムドクがホゲ以外の「喪いたくない」存在に出会うのは、もうすぐ。


「喪いたくない」ものを知ったとき、タムドクは生まれてはじめて「望み」を抱く。

そして、いかなるものであれその「望み」を叶えるためには、大切なものを護るためには、権力を握らなくてはならないことに気づいてしまう。



チュシンの王が目覚めるのは、もうすぐ……