宝塚大劇場宙組公演「風と共に去りぬ」千秋楽、おめでとうございます。


幸運にも友の会で当たったので、日帰りで見送りに行ってまいりました。

本公演の「風と共に去りぬ」については、実は先日Bパターンを観にいっていたのですが、やっとAパターンも観ることができましたので、後でまとめて書きたいと思います。


卒業生関連では、停車場の夢月車掌があちこちから構われていたことくらいしかわかりませんでしたが(←そもそも、1回しか観ていないので普段がどうなのかが解らない)、舞台と客席に漲る緊張感が気持ち良く、集中して観ることができました。

フィナーレは、夢月くんも貴姿くんもロケットでは花をつけていなくて、、、結局、全員パレードでしか花はつけていなかったと思います。……あ、ともちんはセントルイスブルースでつけてたかも?(泣いちゃったので覚えてませんすみません)
紅い衣装をビシっとキメて、客席にウィンクしながら「Comeon’ Baby!」と呼ばわったともちんは、くらっとくるほど素敵でした(はぁと)。




組長さんによるともちんの紹介をはさんで、「悠未ひろサヨナラショー」が開幕。


最初の曲は、「逆転裁判」の主題歌を、若手男役スター陣と一緒に。
エッジワースの扮装で、ビシッと「異議あり!」ポーズを決めるともちん。……きっと、3月には同じ場面がフェニックス・ライトでも(^ ^)再現されるんだろうな、と思ったら、元気が出るはずの曲なのにすでにうるっと(←早い)


曲が終わって群舞がはけると上手から黒い衣装のれーれ(すみれ乃)が登場。エッジワースの例の上着を脱ぎ捨てたともちんと、「逆転裁判3」の最後に踊ったデュエットを。あのデュエット、好きだったのでもう一度観られて嬉しかったです。……いや、振付を全部覚えているわけではないのですが。
この場面のカゲソロは誰だったのかなあ?


場面が終わると、暗転して二人でハケて……着替えの間、どうやってつなぐのかな?と思っていたら、すぐに、シャツの上に白い変わり燕尾の上着だけ羽織ったともちんが再登場!そのまま銀橋に出て、「傭兵ピエール」の「ラ・ピュセル」を熱唱。ともちんのおおらかな優しさが出ていて、ああ、良い歌だなあ……と思いました。

銀橋を上手から下手へ渡ったところで、下手花道の上級生女役さんたちに迎えられ、そのまま「銀ちゃんの恋」の全ツバージョンで追加された専務のソロに。たしか、ここは娘役さんに囲まれていたような……気がします。(違っていたらすみません)
歌い終わったところでどこからともなく緑色に輝くカラータイマーが登場。ちゃんと髪型も“秘書”に合わせて眼鏡まで用意してきたタラちゃん(愛花)を相手に、

「私はキザらないと死んでしまうんだ~!はああ、キザりたい~!」
「……ねえ、いつキザるの?」
「「今でしょ!」」

というネタを披露した末に、

「この指にすべてを託して……異議あり!(←それがキザることなんですか?)……あれっ?これ、カラータイマーじゃないじゃないの!」
「「「ぐっ!」」」

という流れから「銀河英雄伝説」の義眼ソング(←正式タイトル不明)へ。


いやはや、
……サヨナラショーって、泣くものだと思っていたよ……



義眼ソングはほんのワンフレーズで、そのまますぐに「ル・プティ・ジャルダン」の主題歌へ。
明るい流れで、この曲はたしか卒業生4人で絡みながら歌っていたと思います。……さすがに3人とも下級生すぎて、3人だけで歌う曲もないもんね……。もう一曲くらい「ル・プティ・ジャルダン」から歌ってくれるかと思ったのに、これだけだった……ディナーショーに取っておかれてしまったのかな。。。ディナーショーは行けないから悲しい……。



次の曲のイントロは、咄嗟には何の曲だか解らなかったのですが、、、気がついたら泣いてました。

「激情」の、十字架の曲。
本当に好きだったんです、あの場面。観るたびに泣いてたあの頃。あの作品に、下級生として参加していたともちんも、袖で毎日泣いていたのかな、なんて想像しながら。


♪振り返れば そこにはふるさとが いつも俺の心守り続けていた

という歌いだしが、この「風と共に去りぬ」という作品のテーマとも重なって見えて、ひどく切なくて。
ともちんのホセ、観てみたかった……と、これは今だから思うこと。聴いているときは、ただただ泣いてました。

ホセのパートが終わったところでまぁくん(朝夏)に引き継いで、ともちんはいったん退場。
さらにキタロウに歌い継いで、最後にみりおん(ミカエラ)が加わって、コーラスへ。

♪別れの時が来るとわかっても なぜか

サヨナラショーでこういう曲を歌わないでほしい……なぜかじゃないよ、ねえ(T T)(やつあたり)

♪愛すること、生きることは、どうして切ないのか

もともとこの曲は名曲なんですが、まぁくん、キタロウ、みりおんのコーラスが予想外に良くて、ずっと聴いていたい…と思いました。しみじみとした、しずかな追憶の時間。
人が変わり、時代が変わっても、やっぱり宙組はちゃんとコーラスを聴かせてくれる組でいてくれるのかな、と思いながら。




いい加減泣き疲れたあたりで、「明日へのエナジー」のイントロが流れて、ともちんが再登場。
すみません、もうこの頃には頭が飛んでいたので、ともちんが何を着ていたのか、どこから登場したのか、覚えていません(T T)

ただ、覚えているのは、ともちんの笑顔。
温かな、穏やかな、、、最近しばらく視ていなかったような気がする、明るい笑顔。


♪何億光年 彼方の星の光は語る
♪私の血潮には太古の記憶が流れてる

「激情」と「シトラスの風に」。
自分のサヨナラショーに、初舞台でもない下級生時代の作品から二曲選んだともちんの、「宙組」というものへの想いの深さと、熱さ。
宙組の生え抜きとして、「ミスター宙組」であることに誇りをもっていたともちんの、まだろくに役もついていなかった初代・姿月時代への憧憬の美しさと、痛々しさ。

最後に、自分の血潮に流れる「記憶」の色あいを確認したいと思ったのでしょうか。

ペンライトを振りながら、宙組自慢のコーラスに、ノックアウトされながら。
なんでこんなに切ないのかわからないのに、なんだか本当に涙が止まらなくて。

ともちんが去ってしまうから寂しいのも事実だけれども、たぶん、それだけじゃなくて。

宙組が発足したのは、1998年1月。
当時私は、まだ「宝塚ファン」としては初心者もいいところで、「新しい組ができた」ということの大変さなんて、何もわかっていなかったけれども。
それでも、「明日へのエナジー」の真ん中で「♪さあ翔んでゆけ 夢を信じて」と歌っていたずんこさんの姿は、何となく心のどこかに残っているような気がします。

昔が良かったとか、今いる人がどうこうとかじゃなくて。



宙組16年。宝塚100年の歴史の中ではほんのわずかな時間かもしれないけれども、それでもやっぱり、16年分の重みがあって。
その16年がすべてだった人が、いま、この宝塚を、宙組を、翔びたとうとしている。

♪さあ、翔んでゆけ。

私が「宝塚ファン初心者」時代にみた夢が綺麗に昇華されていくのを、涙と共に見送りながら。

♪遮るものはない
♪限りない力と 輝く若さと 夢を信じて

これは、ともちんから、後に残る宙組子たちへのメッセージなのだ、と。





終わって時計を見たら、わずか15分くらいの短いショーでした。

でも、そんな時間にはとても思えない、とても濃くて、笑うだけ笑って、泣くだけ泣いた、感情の起伏の激しい時間でした。

ともちんが、長いこと「宙組」という看板を背負ってきた自負と自信と、そして、愛。
長い時間の間にはいろいろな感情があったと思いますが、、、苦しみも悩みも、そのすべてを昇華させたような、ほんのりと温かなサヨナラショーでした。




挨拶は、下級生3人のほうがしっかりしてるかもしれん、なんて危惧したりもしたのですが、ともちんもしっかりと、「上級生」としての貫録を見せてくれて、ホッとしました(違)。
同期のお花は、元宙組トップ娘役、紫城るいちゃんから。「Dream A Dream」は今日はお休みなんだっけ。来てくれて嬉しいな。
東宝もるいちゃんが来てくれるのか、それともかなみちゃん(彩乃)か、、、はたまたみわっちさんとかあもたまさんとかそのあたりでしょうか?さすがに東宝の楽は観られないのですが、CSさんきっと流してくれますよね(^ ^)。


挨拶の内容は、記憶が曖昧なのと、どうせ明日のニュースで流れるだろうから、省略。

2回目のカーテンコールだったかな?緞帳があがったら、ともちんが一人で立ってる…と思ったら、その後ろからテルくんと卒業生たちがひょこっと顔を出したのがめっちゃ可愛かった!!あれ、センター席だと本当にともちんしか見えなかったんですよね。羽もないのに、すごいなあ(^ ^)。CSさん、センターカメラがあると良いんだけど!
緞帳が上がるたびに、テルくんがともちんにアイコンタクトしてて、君たちそこでラブラブしない!!と思いました。あと、何度目かのカーテンコールで、スカーレット役のまぁくんが、男役の恰好のまま、スカーレットの笑顔でアシュレともちんに笑いかけていたのが、とても微笑ましくて可愛かったです(^ ^)。テルくんもまぁくんも、ともちんとの身長差がとても良い感じで、二人に向けるともちんの笑顔の柔らかさと、首の角度がとてもツボでした。



ディナーショーのお稽古は、少しは余裕持ってやれるのでしょうか。
終わったらすぐに東宝が始まってしまうので、体調に気をつけて、楽しんでほしいなと思います。

東宝で、お待ちしています!(←チケットないけど/涙)


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東京宝塚劇場にて、花組公演「アンドレア・シェニエ」を観劇してまいりました。


大劇場で観てから2カ月。東宝公演が開幕してからでも1ヶ月。今回は長期公演だからあと一週間ありますが、通常ならもう公演も終わりなんですよね。客席も満席で、凄い熱気でした……観客がみんな、一瞬たりとも見のがすまいと舞台にまっすぐ向き合っていたような気がしました。

大劇場で観た時は、「民衆」たちの迫力はすごいけど、肝心の主筋がちょっと弱いような気がしたのと、植田景子さんらしい語り過ぎな脚本と組子たちの過剰な芝居がかみあわずに、全体にメリハリのない芝居になってしまっているな……、なんて思ったのですが、、、いまは、そんな風に思ったことが嘘のように圧倒されっぱなしです。さすが、いま絶好調の蘭寿とむ率いる花組の底力!!(真顔)
蘭寿さんも、蘭ちゃん(蘭乃)も、他のみんなも、本当に素晴らしかったです(^ ^)。



物語の中心となるのは、1789年7月14日の、いわゆる「フランス革命」=バスティーユ陥落当日の朝から、テルミドール(1794年7月28日)の3日前(ってことは7月25日か)までの5年間。フランスはその後も混乱が続き……ナポレオンの戴冠と失脚、王政復古、ナポレオンの100日天下、、、そして、騒乱が一段落して、ルイ18世による第二復古王政の4年目である1819年に、パンジュ侯爵(望海)が、かつて共に生きた革命詩人を回想する、という構成。
アンドレアの遺した詩を読み、彼の生き様を聞くメンバーの中にヴィクトル・ユゴー(真輝)が居ることは、植田景子さんの中ではきっと大きな意味があったのだろうな、と思いました。お隣の帝国劇場で上演中のミュージカル「レ・ミゼラブル」のジャヴェール警部と、「アンドレア・シェニエ」のモラン(春風)の類似と相違 が印象的だったので。

……しかし、パンジュ侯爵は物語の前半のアンドレアのことは何も知らないはずなので、彼を語り手にするのは無理があると思うんですけどね(^ ^)。



さて、何から書きましょう……まずは、全体の構成というか「構造」について。
ぶっちゃけ、この物語におけるアンドレア・シェニエとは「何」なのか、と。

実際、大劇場で観た時は、「アンドレア本人は何もしていない」という批判(?)に若干首肯するところがあったんですよね。植田景子さんの作品には、主人公の芸術家(あるいは職人)が、自分のやっていることや意義、あるいは世間の評価に悩んで行き詰まり、どん底に墜ちたところで、何かをきっかけに立ち直る……というゴールデンパターンがあり、この作品もその流れだろうという先入観があったのかもしれない、と、今では思います。

でも、先入観をとっぱらって、そういうものだと思って観た東宝公演。一番感銘をうけたのは、蘭寿さん演じるアンドレア・シェニエのゆるぎなさでした。
立っているだけで、この醜い現実ではなく、『理想』の世界だけを見て、『ミューズの聲』だけに耳を傾ける詩人。 こういう存在は、良く言えば「高潔な詩人」だけれども、悪く言えば「現実から目をそむけた無責任な男」にもなりうるわけです。主体的に物語を動かすのはジェラール(明日海)であり、モラン(春風)であり……なによりも、民衆たちの「幸せになりたい!」というひたむきなエネルギーであって、ひたすらに真理を追い求めるだけの『高潔な魂』は、歴史を動かす主体にはなれないのだけれども、それが芸術家の本質であり、そういう存在が鏡になって、一人ひとりが自らが生きる“現実”と向き合うことこそが、景子さんの語りたかった本当のテーマだったのかな、と。

結局のところ、この物語における「アンドレア・シェニエ」は、あくまでもタイトルロールであって、物語を動かす主体ではないということなんですよね。「ジュリアス・シーザー」におけるシーザー、あるいは「銀ちゃんの恋」における銀ちゃんのような、、、彼の存在によって物語は動き、時代をも変えていく。彼(アンドレア)は彼の物語を語っているだけなのだけれども、ジェラールは『理想』と出会ったことで革命の理想を思い出し、マリー・ジョゼフ(華形)は身近すぎる『高潔』に対する羨望と憎悪に苛まれ、、、そして、モランは詩人のみる『夢』の毒に身を灼かれる。
アンドレア自身が何をしたかではなく、彼の存在によって回りがどういう影響を受けたがが主筋なんだな、と納得させられたのでした。



いろいろ書きたいことはたくさんあるのですが、今日はとりあえずここまで。
続きはいつ書けるかなー?



眠れない男

2013年11月12日 宝塚(星)
星組大劇場公演「眠らない男」の、一部の配役が発表されました。


集合日から3日目でやっと発表され、しかも一晩明けたら人が増えて、表記の順番も変わっている……という不思議な発表でしたが、とりあえず現時点では以下の通り。初日までにはだいぶ増えると思いますが。

ナポレオン   柚希 礼音
ジョセフィーヌ 夢咲 ねね

バラス     一樹 千尋
グランマルモン 英真 なおき
レティツィア  美穂 圭子
タレーラン   北翔 海莉

スタール夫人  万里 柚美
フーシェ    美稀 千種
クレール    毬乃 ゆい
メッテルニヒ  美城 れん
ジョセフ    十輝 いりす
テレーズ    音花 ゆり
ベルティエ   鶴美 舞夕
マルモン    紅 ゆずる
ブリエンヌ   壱城 あずさ
ナポレオン2世 天寿 光希
オルタンス   音波 みのり
ミュラ     真風 涼帆
ウジェーヌ   礼 真琴


ナポレオンの家族は…レティツィアが母上でジョセフが兄(ナポリ王→スペイン王)ですよね。カロリーヌ(妹)もポーレット(妹)もいないけど、カロリーヌの夫(ナポリ王ミュラ)がいる、っていうのが良く判らない……あと、後妻のマリー・ルイーズはいないけど、彼女の息子ナポレオン2世は登場するんですね……これもだいぶ謎だなあ。
あとは、(家族じゃないけど)秘書ブリエンヌと、腹心の部下マルモンとベルティエ、、、グランマルモンは、マルモンの関係者かな?(違)


ジョゼフィーヌの関係者は……連れ子のオルタンスとウジェーヌ、親友テレーズ、、、くらいでしょうか。ああ、もちろんバラス(パトロン)がいますが(当たり前)、最初の夫も愛人シャルル大尉とかも出てこないんですね。逆に、ナポレオンの愛人ヴァレフスカとか、そのあたりもいないから、宝塚らしい純愛劇になるのかしら。。。それとも、単にキャストが発表されていないだけ?(ありうる)


政治家たちは、ブリュメールのクーデターで倒されたバラスと、倒した側のタレーラン、フーシェ。クーデターの首謀者シェイエス役は、後から発表されるのでしょうか。まあ、クーデター自体にはナポレオンはそんなに深く関わっていないので、その後も長くナポレオンと関わる二人だけでやったことにするのかもしれませんが。
それにしても、このあたりの名前を見ていると、ついつい「トラファルガー」(というか、蘭トムさんのナポレオン)を思い出して懐かしいですね……。


他は、評論家としてナポレオンと対立したスタール夫人と、オーストリアの宰相メッテルニヒ。
ロベスピエールがいないということは、物語の時代は総裁政府時代以降、って感じなのでしょうか。

クレールは……誰だろう?クララ……?




個人的に。ナポレオン2世(天寿)には驚きました。
だって、彼は1811年生まれ。ナポレオンが失脚した時には、まだたったの4歳なんですよ!?義兄ウジェーヌ(礼)が1781年生、義姉オルタンス(音羽)が1783年生、フランツ坊やとは30歳近く違うのに。礼くんより30歳下の坊やを天寿さんが……(- -;ゞ

いくら子役としてティリアンの子供時代をはじめ数々の名演がある天寿さんといえども、さすがに研9になって子役はないと思う(思いたい)ので、、、彼が大人になって(21歳で亡くなるので、それでもかなり若いけど)、自分の父親の人生を調べようとする……みたいなのを物語の発端にしてくれたらなあ、と思ったりします。それだったら、メッテルニヒがさやかさん(美城)なのも納得だし。
でも、もしそうなるとすると、彼の母親が出てこないのは明らかにおかしいから、、、やっぱり違うのかな。早乙女わかばちゃんあたりがマリー・ルイーズとか発表されればいいのですが……本当にどうするんでしょうねえ。

……どうなるにせよ、いかにも出番が少なそうな役名なので、民衆役とかのアルバイトをさせてもらえることを祈っています(切実)(「愛と革命の詩」で、鳳真由ちゃんがアルバイト無しだったので…心配…)。



ところで。
フランツといえば、以前私は、彼を主人公にしたこんな小説を読みました。
http://80646.diarynote.jp/?day=20090407

ライトノベルですが、読み物として普通に面白かったので、お勧めです(^ ^)。
今のタカラヅカだったら、あのゾフィーが似合いそうなのは、はるこちゃん(音波)かなあ?華やかで気の強い、率直で優しいお姫様(はぁと)



花組公演に嵌りすぎて、頭がすっかりテルミドール前で終わっていたのですが、、、一部とはいえ配役が発表されて、テルミドール後もかなり楽しみになってきました。
次に出るのは相関図でしょうか?待ち遠しいな~♪



大阪のシアターBRAVAにて、「滝の白糸」千秋楽を観劇いたしました。


東京(シアターコクーン)で観劇したあとの日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/?day=20131008

あれからもう1ヶ月以上が過ぎて、コクーン公演がとっくにおわり、BRAVAで初日をあけて1週間。
もやは、全然違う作品を観ているかのような気さえしました。

コクーンの初日頃にはまだ『少女』だったお甲が、いつの間にやらすっかり大人になって、艶やかに美しく、魅力的でした。アリダ青年(窪田)に「娼婦……!!」と罵られるだけのことはある、裏も表もある危険な存在。『ピュアで真っ直ぐ』という本質は変わらないけれども、もう『少女』とはいえない、リアルな艶のある“女”がそこにいました。
ちょっとした仕草や動きも短い時間にずいぶん洗練されて、柔らかくなったな、と感心しました。

まだ若い窪田くんの成長っぷりも本当にお見事で、初日頃を思えば本当に自由に舞台の上で呼吸をしていらっしゃいましたし、「女優」としてはまだわずか1ヶ月しか生きていない祐飛さんの進化っぷりもさすが。
ベテラン平さんでさえ、随分こなれて雰囲気が変わってきたくらいですから、あの戯曲のもつ力も大きいのかな、と思いますが、、、千秋楽は、平さん祐飛さん窪田くんの呼吸も本当にしっくり馴染んで、一つひとつの会話がすごく深くなって……あの理不尽な物語を説得力をもって語ってくれたな、と思います。
なんというか、、、すごい作品に出させてもらったのだな、と、あらためて思いました。

「タカラヅカ」とは真逆の作品で輝いている祐飛さんに逢えて、とても幸せな日々でした(*^ ^*)。

祐飛さん、女優デビュー作の成功、おめでとうございます♪
唐さん、蜷川さん、共演者のみなさま、スタッフの皆さま、本当にありがとうございました!!


次の舞台を、楽しみにしています(^ ^)。

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2日程遅れてしまいましたが、花組公演千秋楽おめでとうございます!


千秋楽は観られませんでしたが、CSニュースの映像をみて、朝からちょっとうるっときました。お芝居の方、裁判シーンでのモラン(春風)の激情と、兄に抱きしめられて茫然とするマリージョゼフ(華形)、という、私のツボ場面を二つともとらえてくれて、CSさんありがとうありがとうという気持ちです。



みーちゃん(春風)、こと華さん、蘭舞さん、ご卒業おめでとうございます。

もう、いまさら何も言うことはありませんが……ただただ、いま、このときに翔び立つ決心をしたことを絶対に後悔しないで、新しい道をまっすぐに進んでいってほしい、、、と。
希みはただ、それだけです。



お芝居もショーも、大好きな作品となった今回の公演。
蘭寿さんという素敵なトップさんのもとで、伸び伸びと舞台を楽しんでいる花組に、乾杯。



府中の森芸術劇場にて、月組全国ツアー公演「JIN/Fantastic Energy」を観劇いたしました。


雪組さんで上演されてから、1年ちょっと。東京組の猫にとっては、ちょうど一年、、、という気がする再演ですが、ずいぶん雰囲気の違う作品に仕上がったな、と思いました。

初演はやっぱり、トップコンビのサヨナラ公演で、他にも花帆杏奈ちゃんや詩風翠さんも卒業で……作・演出の齋藤さんの愛情がいっぱいに詰まった、思い出深い作品でした。
今回、全国ツアーということで10分ほど短くなり、詩風さんが演じた佐吉は役ごとなくなり、杏奈ちゃんの夕霧(都月)も最後の見得切りがなくなって、、、全体に枝葉が刈りこまれて、すっきりしたような気がします。

ただ、同時に主筋まで刈り込んでしまったような、そんな印象もありました。原作は長大な連作作品ですし、齋藤さん自身も初演を群像劇として組み立てていたと思うので、周囲のエピソードをおさえると、結果的に主筋も沈んでしまうんだと思うんですよね。
あと、舞台機構ですが、意外に銀橋の有無はこの作品に大きな影響を与えているなと思いました。銀橋の上と本舞台に分かれることで、「現代」と「過去」の距離感(遠さ)が感覚的に理解でき、「彼岸と此岸」にちゃんと見えたんですよね。それが、同じ本舞台で並んでしまうと、理性でワンクッションおかないと納得できないところはあるな、と。

まあでも、沢山のキャラクターが真剣かつ笑顔でその「時代」を生きていて、その、月組らしい端正な小芝居がすごくよかったです(*^ ^*)。まだ公演は始まったばかりなのに、いい空気ができているなと。これで、仁先生が「この場所で生きていく」と決意するまでの心境の変化と、決意した後の柔らかさが見えてくるとぐっと面白くなるはずなので、まさおには、もっと周りを信じて、劇場の空気に乗っかってほしいなと思いました。


橘咲のちゃぴ(愛希)は、とにかく可愛くて健気で一途な咲でした。……あの泣き虫ちゃぴが、龍馬も恭太郎も倒れ、仁先生もいなくなった後、仁友堂を泣きながら守ったんだなあと思うと泣けてくるんですよね(T T)。
「武士の娘」らしい強さはみみちゃん(舞羽)の方が上だったかなと思いますが、ちゃぴの健気さというか、必死で虚勢をはって「咲は武士の娘です!」と譲らないところが本当に可愛くて、ですねっ!!!(←落ち着け)


龍馬のコマちゃん(沙央)は、見た目の豪放磊落さと心奥の底知れなさのギャップをちゃんと表現していて、とても素敵でした♪ 口にする言葉や仁たちに見せる行動の軽やかさと、腹の中に抱えたモノの熱量のバランスがよくて、とても納得できる龍馬でした。
チギちゃんの二面性のある龍馬も良かったし、キムちゃんの仁にはその方が似合っていたような気がしますが、直情的なまさおの仁には、懐深く理想を抱えた優しい龍馬がとても合っていたような気がします。
公演後半の龍馬を観てみたかったです。。。。全国ツアーって難しいなあ(涙)


恭太郎のみやるり(美弥)。まっつ(未涼)の恭太郎もすごく好きだったけど、みやるりもとても良かったです!「あなたのそういうところが嫌いなんだ!」の言い方とか、記憶の中のまっつはもっと嫌みな感じでしたが、みやるりはちょっと諦めたように言うのが印象的でした。雪組版だとトップ同期のまっつが恭太郎で87期のチギちゃんが龍馬でしたが、月組は逆にトップ同期のコマちゃんが龍馬で下級生のみやるりが恭太郎で、、、どちらもありだけど、脚本的には恭太郎が下位のほうが解りやすいな、と思いました。(←言葉遣いとか)
妹の咲への愛情と、茜(晴音)をはじめとする町娘たちへの優しさと、旗本の総領息子としての信念と、そして、勝先生の弟子としてのプライドと確信と。恭太郎という人物を形成するさまざまな要素をちゃんと「一人の人物」としてまとめあげてくれて、物語のクライマックスでの行動にも説得力がありましたし、青天姿も素敵でした(*^ ^*)
殺陣は……がんばれ!!


勝先生のるうちゃん(光月)。初演がみっちゃん(北翔)だっただけに、ちょっと心配していたのですが、どうしてどうして、素晴らしかったです!!ちゃきちゃきの江戸っ子で、幕府の重鎮で、子供のように好奇心でいっぱいな、立派な大人。早口でべらべら喋っているのに、五月蠅くない落ち着いた声、芝居の間合いの良さ。とにかく、出過ぎず引きすぎずで、文句なく本当に良かったです!こういう役だったのか……と目から鱗でした。そして、あらためて新人公演の真那くんの勝先生を観たかった……!!と思いました(^ ^)。CSさん、早く流してくれないかなあ(^ ^)(12月に本公演の1st runなんだから、まだだいぶ先じゃない?)


佐分利先生のとしちゃん(宇月)と、山田先生のからんちゃん(千海)。可愛かった!!出演者が半分になったあおりで、仁友堂のメンバーは全部カットされてしまったので、完全にこの二人+仁と咲の4人で切り盛りする羽目になったわけですが(^ ^)、とても和気藹藹と盛り上がっていて、楽しそうに演じてくれていました。
仁先生が「この場所で生きていく」と決意するには、まずはやはり仁友堂のメンバーの笑顔が重要なわけで、月組の誇る芝居巧者な二人ががっつり組んで芝居している仁友堂は、本当に楽しそうな空気があったと思います。小柄な二人ですが、態度や話し方で鷹揚な雰囲気を醸し出していたからんちゃんと、ひたすら猪突猛進で明るい人物を楽しそうに演じていたとしちゃん。月組の芝居力もまだまだ大丈夫、嬉しかったです。


高岡さまのちなつちゃん(鳳月)。いやはや、89期の恭太郎どころか、87期の龍馬より、ちゃんと格上に見える92期のちなつちゃんの貫録は、さすが、皇子経験者は違いますね(←そこ?)。
丸顔の白い頬に傷、という、齋藤さんお得意のキャラクター(初演も再演も)ですが、他の人のエピソード場面が細かく削られている分、フルで残った高岡さま(←元々出番が少なかったともいう)は、初演より印象が強くなっていたような気がします。
アルバイトの町人も可愛かったです~(*^ ^*)。


千吉のたまきち(珠城)。初演のともみん(夢乃)とはずいぶん印象が違っていて、驚きました。ともみんの千吉は可愛かったけど、たまきちは恰好良かった(*^ ^*)。生真面目で実直で不器用で、とても優しい千吉……たまきちの茂次とか、案外似合うんじゃないかなんて思いました。(嫁に来るのか来ねぇのか、どっちでぃっ!?)(あー、でも、たまきちは尻に敷かれている姿が似合うから、茂次は違うかも……?)



他にも、中岡慎太郎(美翔)の傾城的な美しさだとか、読売(響)の大活躍っぷりだとか、ルロンさん(瑞羽)の違和感のなさだとか、いろいろ語りたいことはたくさんあるのですが。

とりあえず、一つだけ叫んでもいいですか。
ちゅーちゃん(咲希)のお駒さんが観たかったよーーーーっ!!





それにしても。
一年前、雪組さんは東宝で「仁」を上演していたわけですが、月組トップコンビは、そのちょっと前まで「愛するには短すぎる」で全国を回っていたんですよね……。
まさおのフレッド、可愛くて好きだったなあ……(←莫迦な子ほどかわいい)(CS放送鑑賞なう)。
仁は現代人だから、作品の舞台は江戸時代がメインでも、オスカルやアンドレやビルやルパンより、フレッドにずっと近い役だと思うのですが……まさおの台詞回しは、むしろルパンに近いですよね。なぜ?齋藤脚本の仁先生は、あんまり発散系の人物像ではないから……でも、もうちょっと現代人っぽい喋り方でも構わないと思うんだけどなあ……(ぶつぶつ)



「デルフィニア戦記」などを書かれた作家・茅田砂胡さんが、作家生活20年を記念して作られた、ほぼ全ページ書き下ろしで700ページ強の本。


……いや、まあ、京極夏彦の一連の本を見ているので、そんなもんかと思うのですが。でも……あまりに重たくて持ち運べないし、分厚すぎて結構読みにくい(T T)一所懸命拡げて読んだけど……やりすぎ注意、ですね。バラけたりしたらどうにもならないし。いやあ、いまの製本技術ってすごいなあとしみじみ思いました……(^ ^;ゞ。


内容は、基本的に茅田さんの人気シリーズ(デルフィニア戦記、桐原家、もものき事務所、レディ・ガンナー)の番外編……の、新作(^ ^)と、イラストを描いていた沖麻実也・鈴木理華・成る瀬かおり・睦月ムンクの書き下ろし漫画など。他にインタビューや対談も少し。これで1500円は安い……かも(^ ^)
デルフィニア戦記番外編の「紅蓮の夢」をドラマ化したCDつきの豪華版もありますが、このCDがなかなか良かったです。「デルフィニア戦記」、アニメ化すればいのになー(←とっくにしてたらすみません)。



私が好きで読んでいる作家さんの中では比較的順調に新刊が出ている方なので、これからもがんばってほしいなと思います。最近ちょっとストーリーが弱いものが多いのですが、キャラクターの魅力と文章のテンポの良さでついつい読んでしまう(^ ^)。次の新刊を楽しみにしています!!


ミュージカル「レ・ミゼラブル」凱旋公演、千秋楽おめでとうございます!


千秋楽のカーテンコールで、2015年の再演が発表されたそうですね!30周年となる2017年も上演するでしょうから、しばらくは2年に一回ペースで上演していくのでしょうか。
演出は変われども、作品が元々持っている力はしっかり継承されて、、、むしろ、短縮版で消えてしまったものがほんのりと戻ってきたような気がして、十数年ぶりに感動できた公演でした。

2015年が楽しみです♪♪
願わくば、「心は愛に溢れて」リプライズがフルバージョンに戻っていますように(祈)



大した回数を観たわけではないのですが、印象に残ったキャストについては簡単に書かせていただきます。
全キャストを観たわけではないので、お気にさわる点がありましてもご容赦くださいませ。


まずは、なんといってもファンティーヌのたっちん(和音美桜)。
これはもう、宝塚ファンの贔屓目抜きで、、、というか、十周年時代からの「レ・ミゼラブル」のファンとして、歴代でも3本の指にはいるハイクオリティなファンティーヌだったと言いたいです。
ただ、一点残念だったのは、、、鬘はもう少しどうにかならなかったのかな、と。新演出になって、ファンティーヌが髪を切る場面で袖に引っ込むようになったので、鬘替えもしやすくなったと思うのですが、、、むしろ、過去の公演より頭が大きく見える鬘になったのは何故なのでしょう。前回の公演(旧演出というか短縮版)でのたっちんファンテは、見た目もとても可愛かったのに~!!


バルジャンとジャベールは、吉原光夫さんと鎌田誠樹原さんの、コンビが好きでした。力強さと優しさ(丸さ)のある吉原バルジャン、切ないほど一途で生真面目な鎌田ジャベール。どちらもとても好きです。芝居の相性がいいんだな、と思いました。


マリウスとコゼットは、山崎育三郎くんと若井久美子さんのコンビがイチオシでしょうか(*^ ^*)。歌も安定していて、しかも声質が合っているというか、ピッチがあっていて、デュエットがとても素敵。見た目にもとてもお似合いで、とくに二幕で髪をアップにして大人っぽくなった若井コゼットの美しさは衝撃的でした。芝居もすごく好きだった……凱旋公演ではどうしても予定が合わなくて若井さんのコゼットが観れなかったのですが、最後にもう一回観てみたかった!!2015年にも出演してくださることを祈ります。


個人的にKENTAROさんのテナルディエがツボでした。二枚目系のテナルディエ、好きなんです。
テナルディエ夫人は、今回出演された3人(森公美子、浦嶋りんこ、谷口ゆうな)とも似たようなタイプで、森さんの後継者を探しているのかなーという気がしました。似たような雰囲気に似たような役づくりだったし……夏木マリさんや大浦みずきさんが演じていたようなタイプのテナルディエ夫人は、もう出てこないのでしょうか。。。


あとは、なんといっても今回のヒットは、菊地まさはるさんのグランテールです!
もともと、グランテール好きなので気にしてはいたのですが、今回は本当に良かった(はぁと)。優しくて温かくて不器用で、子供が大好きで無力な、一人の青年。「恵みの雨」の跡や「共に呑もう」での芝居が観るたびに違っていて、どれも好きでした。演出の変更も良い方向に作用していたような気がします。
とにかく、大好き!でした(^ ^)。



新演出になって、学生たちや女たちの服装も立ち位置もだいぶ変わってしまったので、数回観た程度ではなかなか見わけられないのですが、、、だいぶ覚えてきたので、次の公演ではしっかりチェックしたいと思います♪
2015年のキャスト発表、楽しみにしています!


星組大劇場公演『眠らない男・ナポレオン ―愛と栄光の涯(はて)に― 』の、その他配役が発表されました。

「主な配役」が発表されたときの日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/?day=20131112

さすが小池さん、ほぼ全ての人物を網羅してきましたね。。。すごいなあ。


ナポレオンの家族がらみでは、弟リュシアン(如月)と妹カロリーヌ(早乙女)、ポーリーヌ(妃海)が発表されました。エリザ(夢妃)とルイ(夏樹)も弟妹でしょうか?ジロラモもそのうち発表されるのでしょうか。
彼の愛人となることを断ったレカミエ夫人(優香)は出てくるけど、愛人たちはまだ出てこないですね。この後でるのか、それともいないのか。あ、でも、後妻にしてナポレオン二世の母親、マリー・ルイーズ姫(綺咲)は発表されましたね。良かった、ママが出てくるなら、ナポレオン二世が語り手となってもおかしくない(^ ^)。

ジョゼフィーヌがらみでは、愛人のイッポリト大尉(十碧)くらい、かな?

政治家では、シェイエス(美城)とロベスピエール(輝咲)が判明。そうだよね、いないはずはないよね(^ ^)。「日のあたる方へ」で抜擢された輝咲くんのロベスピエールは楽しみです♪ しかし、彼のもう一つの役、ミシェルは何だろう。。。?
オージュロー(海)、マッセナ(汐月)、ベシェール(漣)はナポレオンの元帥。

ロシア皇帝アレクサンドルI世(麻央)はそのままですが、ローマ法王(瀬稀)……って、ピウス六世か7世か、そのあたりでしょうか。固有名詞ではなく役職名なのは何か意味があるのかもしれませんが。

マリア・テレジアの夫にしてマリー・テレーズの父フランツ一世は、一樹さんが演じるってことはナポレオン二世の庇護者として出てくるのでしょうか。ナポレオン本人とは一歳しか違わない人ですから(^ ^)。

オランプ(白妙)は、女権活動家のオランプ・ド・グーシュでしょうか。あと、ダヴィッド(大輝)はポスターにもなった例の肖像画を描いたジャック=ルイ・ダヴィッド?


最初の発表でいないなーと思った人は、だいたい出てきましたね。あと謎なのはナポレオンの愛人たちくらい?
それにしても、リュシアンはやっぱりハンケチを振ってくれるのでしょうか?(←もしもし?齋藤さんに毒されてますよ?)



MIWA!!

2013年11月29日 演劇 コメント (2)
東京芸術劇場プレイハウス(旧:中ホール)にて、NODA・MAP 第18回公演「MIWA」を観劇いたしました。


当年とって78歳の美輪明宏(78才)をモデルに、「アンドロギュヌス」というフリークス(古田新太)に憑かれた美青年の半生を宮沢りえが演じきり、「昭和」の空気を見事に再生した舞台でした。
私は美輪さんの舞台は観たことが……もしかしたら無いのかしら?チラシを観るたびに観たいとおもっていたけど……結局、観ていないような気がします。

そんな私ですが、とても面白かったです。

主演の宮沢りえさんが瑞々しく美しく、そんなに似ているわけではないのでしょうけれども、こういう魅力のある人だったんだろうなあ、と、素直に納得できる気がしました。愛する人にすべてを否定され、あらゆる辛酸を舐めたひとが、ラストに辿りついた澄明な笑顔の美しさ。彼「女」の人生のすべてを観て、呑みこんできた「楽屋の鏡」ごしにみるその輝きに圧倒されて、茫然と見送ることしかできませんでした。

お目当てだった浦井健治さんは、銀巴里時代の歌手仲間。同性愛者であることを母親に否定されて死を選ぶ若い美青年の役で、「StarS」武道館コンサートで見せていたボケボケなイメージからは想像もつかない感じでした(←いまさら)。そして、タイツ姿で何度も脚線美を披露してくださいましたが、さすがでした。。。(なにが)

池田成志さんの七変化っぷりというか、たくさんの役の演じ分けもすごかったけど、それをあっさりネタにして「僕がここにいるから、オーナーは帰って来られないんだよ」とか言わせちゃう野田さんってやっぱり神だなあ、と思うのです。。。


古田さんの「アンドロギュヌス」の存在感はさすがすぎて、なんというか、飛び道具でしたね。野田作品では定番ともいえる、「いつも傍にいる」と約束してくれたフリークス。
決して美しくはない「化けもの」なのに、ぶっきらぼうに丸山少年を慰め、彼に生きる力を与えていたアンドロギュヌス。長じて自分の脚で歩きだし、銀巴里に居場所を見つけた彼がアンドロギュヌスを必要としなくなるとあっさり離れ、またっさりと戻ってくるあたりの展開もさすが。アンドロギュヌスが去った後、無意識にあたりを探る丸山青年の視線が寂しかったし、戻って来た時の感動的な演出のいっさいないさりげなさがとても好きでした。
野田さんがこの作品を思いついた次点で、すでに古田さんの登場は決定だったのだろうな、と思いました。



演出的に秀逸だったのは、原爆後の光景でしょうか。「世界」を覆う黒い薄布の下、苦しみもがく芝居にみせて、こっそり黒服に着替えていた「死体」たち。2階席の最後方センターの立ち見席から見下ろしたその光景は、巨大な光と熱量によって一瞬に焼けただれ炭になった人々の表現として、実にリアルでうつくしくて、凄惨で。
……そして、その「世界」を踏みつけて歩く「美少年」の輝かしさが眩しかった。踏みつけて、踏みしめて、彼は歩む。凄惨な世界の中を、諦めることなく、飽きることもなく、ただ、まっすぐに、「美」をもとめて。



それにしても!!
プログラムにある高校生時代の美輪さんの美しさには思わず息をのみました……まさに「奇跡の美貌」。あれはもはや、平凡な幸せなど望んでも得られないだろうから、ああやって燃え上がるしかなかったのだろう、と、、、すごくいろんなことがすとんと落ちた、そんな気がしました。




舞台とは全く関係ありませんが。
芸劇に行ったのは久しぶりだったのですが、建物の中の吹き抜けの空間に、正面から見ると羊の頭で、裏から見るとなんだかよくわからない容をした、不思議なバルーンオブジェ(?)があったのですが、、、あれはいったい何なのでしょうか?
昔読んだ童話「はなはなみんみ物語」に出てくる“おそろしい羊びと”を思い出したのは私だけ? 山を囲む雲が凝って生まれた化物、という設定にぴったりの姿だったんですが……(怖)