シアターコクーンにて、「唐版・滝の白糸」初日を観劇いたしました。


以前に私が観たのは、西岡徳馬の銀メガネ、富司純子のお甲、藤原竜也のアリダで、たぶん2000年版。……もう13年も前なのかーーーーー、驚愕。


今回のキャストは、平幹二郎・大空祐飛・窪田正孝。

平さんの銀メガネがさすがの貫録で、蜷川デビューの窪田くん、女優デビューの祐飛さんをしっかりと引き上げて、舞台としてまとめてくれていたな、と。
物語前半の枯れた印象と、ラストに豹変してからの色気の発散がすごかった!!


窪田くんは、素直な芝居でとても好感をもちました。まだ初日なので、これからどんどん良くなるだろうな、と。
芝居の相手をしっかり視れているのが、すごくいい。非日常を描く難しい芝居なのに、素直で優しい少年の心情の変化がとてもストレートに伝わってきて、圧倒的な存在感で魅せた藤原竜也とはまた違う、魅力的なアリダでした(^ ^)。


祐飛さん、女優デビュー初日、おめでとうございます!
こういう役(芝居)で女優デビューできて、幸せな人だな、と思います。紅いシンプルなドレスがとてもよく似合って、可愛かった(*^ ^*)。登場した直後の数分間は声が出てなくて、大丈夫かな?と心配していたのですが、、、どうやら単純に緊張していただけらしく(^ ^;ゞ、最初のひとくさりが終わって台から降りた後は、とても良かったです。今まで舞台で聞いていたより少し高めの声は、発声に無理がないせいか聞きとりやすく、滑舌も良かったし(←贔屓目)、仕草も特に違和感なく、ウルフカットのミドルショートがとても良く似合って、本当に可愛かったです(*^ ^*)
……後半の水芸を見せる場面の和装(正装)は、、、なまじ着慣れているぶん、ちょっと男役がはみだしていましたが(^ ^)。

以前に観た冨司さんのお甲は、酸いも甘いもかみわけた、「大人のオンナ」の象徴的な存在に見えたのですが、祐飛さんのお甲は少女でした。
こんなにキャラクターが全然違っても、「芝居」として成立するところがすごいな、と思ったくらい。全然イメージが違ってて。でも、これはこれで、有りだなあ、と思ったんですよね。平さん・窪田くんに組み合わせるなら、あの「少女の必死」はありだなあ、と。
ハイティーンの少女が、守るべきものを守るために全てを投げ出してしまう必死さがとても強烈に印象的で、、、祐飛さんの、ああいう無茶な行動に説得力をもたせる力は相変わらずすごいなあ、と、素直に感心してしまいました。



……すみません、贔屓目すぎて、客観的なことがまったく書けていないのですが、、、あらためて、ああ、面白いお芝居だなあ、と思いました。昭和の(一万円札が聖徳太子だったり!)下町の、さびれた路地裏の、猥雑な世界観の中で繰り広げられる「くだらない」言い争い。そのリアルさとじっとりと湿った感じがすごく伝わってきて、ぞくっとするほど新鮮でした。

カーテンコールで登場された唐さん・蜷川さんも、ちゃんとゴキゲンに見えたので、初日としてはちゃんと良かったのではないかな、と勝手に思っています(^ ^)。

次に観る予定は週末なので、それまでにどのくらい進化しているのか、とても楽しみです!