まりもちゃん、やっぱりミュージックサロンをやってくれるんですね!!
うれしいな♪

……いや、チケットが取れるかどうかはまた別のお話ですが。(←財布の中身に関わらず、観れるものなら観たい)



しかーし、残念ながらまりもちゃんのミュージックサロンは東京公演がない!!(T T)
いや、やってくれるだけありがたいのかもしれませんが。

3月 7日(水)~3月 8日(木)霧矢大夢DS<宝塚ホテル>
3月 9日(金)~3月10日(土)蒼乃夕妃MS<宝塚ホテル>
3月10日(土)~3月11日(日)霧矢大夢DS<第一ホテル東京>

そしてこのとき、大劇場では雪組さんが、ドラマシティでは星組さんが公演中……。
東京では、花組さんが本公演、青年館は星組バウチーム。ううむ、いろいろ厳しいスケジュールだけど、でも観たい~~っ。




国際フォーラムCにて、ミュージカル「ROCK OF AGES」を観劇いたしました。


1980年代のロック音楽、それも「全米トップ40をにぎわしたヒットチューン」で構成されたジュークボックスミュージカル。
プログラムの演出家言でスズカツさん(鈴木勝秀)が明言しているとおり、ストーリーより楽曲がメインな作品でした……ああ、いや、それは違いますね。ストーリーは結構ちゃんとあるんですよ。「RENT」と「三銃士」を足して二で割ったような……いやあの、だいぶ違うけど(^ ^;ゞ、でもまあ、そんな感じの、ちゃんとしたストーリーが。
しかし!残念ながら、何を言っているのか聴きとれない(汗)のですが……それもまた、スズカツさんによれば「『ロック・オブ・エイジズ』の一番正しい見かたは、『理解すること』ではなく『感じること』」なんだそうですから。しかたない(^ ^)。


いや、でも、楽しかったです。
「歌」の持つパワーと同時に、「ROCK」という音楽ジャンルのポテンシャルをすごく感じました。
数ある「ロックミュージカル」は好きだけど、「ロック」という音楽ジャンルに特別な興味がなかった私でさえ引き込む力。もちろん歌い手のパワーが重要なんですけど、それだけじゃないものを感じました。
知ってる曲はほとんど無かったのになー。(おそらく、ある程度の年代以上で、ちょっと洋楽に興味がある方なら普通に知ってる曲ばかりなんだろうと思いますが)


そして。
ミュージカルファン的には、いろんな端々で「RENT」を思い出したのがちょっと面白かったです。
ドラッグとか同性愛とかの要素はほとんどなくて、テーマはホントに全然違うんですが、、、抗議行動の場面とか、主人公のドリューが往く道を選ぶ場面とか。作品が、というか、演出が似てるのかな。面白い共通点だな、と思いました。



それでは、出演者ごとに。
順番は独断と偏見で(^ ^)。

◆ドリュー(西川貴教)
ロックスターに憧れる青年。サンセット大通りのライブハウス「Bourbon Room」のバーテン見習い。
見事に夢見る青少年にしか見えないのが凄い!あなたいったいいくつですか。ずいぶんと前から活躍なさってらっしゃいますけど。
奇跡のような嵌り役でした。キッズバンドとして売りだされてしまいそうになる可愛らしさと歌唱力・演技力、ぜんぶ揃っている人は他にあまり思いつきません(^ ^; いやもう、歌はさすがの一言。さすが現役ロックスターは違うな、と思いました。
コンサートにも行ったことがありますが、並みの舞台俳優と彼の違うところは、客席のコントロール能力だと思うんですよね。客席側も立っているから自由に動けるってのもあるんですが(^ ^)、彼の思う通りに客席が動くのがすごいなあ、と感心しきりでした。
それと全く同じではないんですが、この作品も、「ストーリーより楽曲がメイン」なだけあって、コンサートとかなり近い感覚で動かされたのを感じました。


◆シェリー(島谷ひとみ)31歳
女優になるために家を出て、ロスアンジェルスに出てきた少女。ひったくりにあって困ったいた時にドリューに出会い、「Bourbon Room」でアルバイトを始める。
思ったよりずっと良かったです。歌唱力は折り紙つきだし、可愛いし、スタイルが良いのでどの衣装もよく似合ってました♪
それにしても、島谷さんより年下に見える西川さんはホントに化け物だな。そして、ベタ靴なのにヒールブーツの西川さんより微妙に大きいシェリー(; ;)……2幕でストリッパー役があるので、そうそう小柄な人を配役できなかったのはわかるけど、ちょっと面白かった、かも。


◆ロニー(川平慈英)
「Bourbon Room」の……いちおうバーテンでいいのかな?
作品の中では狂言回しの役割を果たしていましたが……ま、アドリブ担当って感じでしたかね。私は一回しか観ていないのでアドリブかどうかわからない部分もあるのですが、ほぼ90%アドリブだったような気もします(^ ^)。
西川さんがアフタートークで「ロニーの方が目立つし主役っぽい」みたいな愚痴(?)を言ってましたが、ロニーが目立つ役だというよりは、慈英くんを自由にさせたら当然の帰結という気がします。それこそ「I Love You, you’re perfect, now change?」の初演で思い知らされてますから私は。


◆デニス(なだぎ武)
「Bourbon Room」のオーナー。伝説のロックスターだったり、ロニーを拾った恩人だったりするらしいんですが、よくわからなかった(←歌詞が聞き取れず……)。
ちょっと無責任(?)だけど、子供の心を忘れていないオトナ、という存在感が素敵でした。こういう作品ではありがちな役ですが、これが原点なのかな、と思うくらい、嵌ってました。


◆クライマン氏(鈴木綜馬)
「クリーンで、ピュアで、効率的な未来都市」を目指して、ロサンジェルスを掃除しようとする建設会社の社長。
彼の「綺麗」の中にはロックンロールは含まれない……というところで物語に食い込んでくるわけですが。綜馬さんってすごいなあ、とあらためて思いました。「ドラキュラ」は観てないけど、「ウェディング・シンガー」のやさぐれミュージシャンと、今回の事業家が同一人物だとか信じられない。「ウェディング・シンガー」のイメージでいったら、ぜったいデニスなのにー。

自分の娘くらいの少女に諭されてコロっと価値観が変わるあたりも、綜馬さんだと不思議と「いい加減」には見えないところが面白いです。彼の誠実さは伝わるんだなあ。
それにしても、彼が父親に否定された「夢」って何だったんだろう……。

一幕ラストやフィナーレナンバーでのノリノリの笑顔と60’s っぽいダンスが素敵でした。ええ。音楽は80’sですけどね!


◆ステイシー(山崎裕太)31歳
伝説のロックバンド「アーセナル」のヴォーカル。女好き。
シェリーを口説いたりして、作品の中では悪役っぽい扱いですが、「アーセナル」を抜けて独立しても鳴かず飛ばずだったり、自分が抜けた後の「アーセナル」が大ヒットを飛ばしたり、いろいろ凹んで酔っ払っている場面が結構好きでした。

アフタートークでは西川さんにめっちゃいじられてたなー(^ ^)。仲良きことは美しき哉。


◆ジャスティス(高橋由美子)
ストリップクラブ「VENUS」のオーナー。ディーヴァを夢見て家を出た過去を持ち、傷ついたシェリーを拾って仕事を与え、導く。「生きていくため」に。
年齢相応の由美子さんを初めて観たような気がします。
未だにおさげ髪のナンネール(モーツァルト!)に違和感のない丸顔の童顔ですが、こういう役もいいなあ。ディーヴァを目指したのも当然と思わせる歌唱力と存在感。でも、なれなかった理由もわかる、そんな絶妙さ。
ナンネールの後半で見せる「闇」が、良い感じに「オトナのオンナ」を演出して、シェリーを食い物にする寸前で守ってあげるその絶妙な匙加減が良かったです。うん。


◆ワギーナ(misono)27歳
クライマン氏が「Bourbon Room」を買収し、壊す予定だと知って座り込みを指揮する少女。本来は都市計画管理官だが、職務を投げうって「自由な都市」を、そして「ROCK」を守ろうとする。
可愛かったー!小柄でスタイル抜群で、「都市計画監理官」のときのお堅い服装も似合ってたけど、抗議行動が始まってからのラフな服とおろした髪が可愛くて可愛くて!(舞い上がり)
ちょっと舌ったらずな喋り方や硬い声質が、他の作品だったら気になるかもしれないけど、この作品では全然OK♪って感じでした。フランツお藤田君ともお似合い!いやはや、可愛いは正義!

そして「RENT」のモーリーンをやってほしい!!
オーディション受けてくれないかなあ……(真顔)


◆フランツ(藤田玲)23歳
綜馬さんのクライマン氏の息子。気が優しくて、キャンディーショップを経営する夢があるけど、父親に逆らえずにいる。「Bourbon Room」の立ち退き問題でワギーナと知り合い、恋に落ちる。
長身イケメン、お芝居に対する誠実さが垣間見える舞台姿でした。一生懸命スウィーツへの愛を語る場面(客席登場)も良かったし、気弱で奥手だけど、とても優しい魅力的な青年を丁寧に演じていて、とても可愛かった(!)です♪


◆市長 他(石橋祐)
ロサンジェルス市長と、ドリューを誘うレコード会社のプロデューサー(?)と、、、他にもいろんな役をやっていらっしゃいました。いやはや、何をやっても渋くて素敵でした♪


◆店員 他(明星真由美)
「Bourbon Room」の店員と、ストリップクラブ「VENUS」のダンサー(なんだっけ、名前を呼ばれてたけど忘れちゃった……)と、、、他にもやってらっしゃったけどなんだっけな。
明星さん、久しぶりに拝見したような気がする……相変わらずの包容力と素晴らしい歌唱力でした(^ ^)。惚れるわー。



キャストも穴ないし、バンドも良かったし、なかなか楽しい作品でした(はぁと)。
東京はもうすぐ終わってしまうけど、まだ大阪と北九州で公演があるそうなので、地元の方ぜひご検討ください(←どこの回し者ですかあなたは)


本題に入る前に、一つだけ叫ばせてください。
「紅5コンサート」決定、おめでとうございます!!
いやー、自分が参加できるかどうかはまた別の問題なのでおいといて、こういう企画が実現したことに驚いています。劇団主導ではない、ジェンヌさんの「内輪受け」から始まった企画ユニットがこんなふうに実を結ぶことがあるなんて!!

……企画構成を考えるのにまたお休み返上になりそうですが、どうぞお身体をいといつつ、せっかくのチャンスなので精一杯楽しんでほしいなと思います。がんばれ、紅5!



さて、本題。
東京宝塚劇場にて、雪組公演「仮面の男/ロイヤルストレートフラッシュ!」を観てまいりました。

「黒い瞳」も「ハウトゥサクシード」も観て、「ロミオとジュリエット」もみみちゃんのジュリエットしか観ていない私には、「舞羽美海娘役トップお披露目」とか言われても今更、って感じでピンとこないのですが。
ふつーに、熱いキムちゃんと可愛いみみちゃんのコンビがお似合いで、それを観ているだけで幸せでした。


私は大劇場公演を観ていないので、どこがどのように変更されたのかが判らないのですが。
なんといえばいいのかな。駄目なところは十分にたくさん目についたのですが、ある意味「コードヒーロー」みたいな突き抜け感がないというか、この程度の作品は今までにもいろいろあったな…(遠い目)程度の拙さに収まってはいたと思います。
それが、修正されたおかげでそのレベルになったのか、そのあたりは不明ですが。


気になったのは、「あー、ここから盛り上がるのかな?」と思うたびに肩透かしを食らう、みたいな“がっかり”感と、そして「その場面長すぎませんか?」的なところ、かな。
とにかく、緊張感が最後まで続かないんですよね。個々の場面は良いなと思うところもあるんだけど、最後まで観て、緞帳が降りてくるのを待ちながら、
「……で、何の話だっけ?」
と思ってしまったテーマの弱さが結構致命的なんじゃないかな、と。

この作品で児玉さんが描きたかったものは何なのでしょうか。
フィリップの優しさ?強さ?ルイーズの純愛?三銃士の格好良さ?宮廷と民衆の対立?太陽王ルイの元で繁栄を謳歌したフランス宮廷?それともダルタニアンの復讐譚?
どれもすごく中途半端で、ぜんぜん描けてないと思うんですよ。

フィリップは優しいし、ルイーズは可憐だし、三銃士は格好良いし、サンマールは素敵だし、、、良い場面もそれぞれにあるんだけど、それがつながらない。最終的に「で?」で終わってしまう。観終わった後で残念感しか残らない気がするんです。

児玉さんが描こうとしたテーマが、演出変更の中で消えてしまったのかもしれません。本来は、もっとちゃんとしたテーマがあって、それに沿った演出だったのかも。
でも、、、正直、児玉さんの今までの作品を振り返れば、元々あまりちゃんとした「オリジナルのテーマ」を持った作品を創った実績がない人ではありますよね。
「龍星」とか「メイちゃんの執事」とか、大劇場作品では「シークレットハンター」とか、佳作とまではいかなくてもまあ普通に楽しめる作品もあるんですけど、「伝えたいテーマ」を中心に据えた作品づくりをしたことがないんじゃないか、と思う。

……そんなことを観劇しながら考えてしまったくらい、なんというか、隙間だらけで集中しにくい作品だった、というのが全てかも(; ;)。
ネタ作品であっても、伝わってくる『テーマ』がちゃんとあれば、私は結構楽しめるんですけど。そういうものがないと、ツッコミどころを探す気力もなくなって、「早く終わらないかなー」と思ってしまうんですよね……。



なんて、作品に対する愚痴はこのくらいにして、キャスト別に簡単に。


◆ルイ/フィリップ(音月桂)
ピュアで優しいフィリップと、尊大で我慢のきかない、我侭なルイ。二役の演じ分けはさすがでした。
ただ、宝塚スターとしてのキムちゃんの持ち味はフィリップ的なところにあると思うので、ルイは無理している感も強かったし、ああいう言い訳のできない悪役をトップが(半分とはいえ)演じて、勧善懲悪の結果として成敗されてしまうという落ちは違和感があるなあ、と思いました。
それを誤魔化すために、ダルタニアンが復讐する対象はルイではなく、実際に手を降したルーヴォアということにしたわけですが、、、ルーヴォアが仇であることが判明するまでの経緯も無茶だったしなあ、、、。
ちぎちゃんとキムちゃんなら体格も似ているし、ちぎちゃんにルイをやらせるっていう手もあったと思うんだけどなーと思ったりもしました。

◆ルイーズ(舞羽美海)
かわいいー。みみちゃんの持ち味でもある「頑固さ」が良い意味でいきる無茶な役で、良かったです♪ ラウルのことをあっさり忘れてしまうのはアレだけど、まあ「コードヒーロー」より100倍マシかな。(←比較対象はそこでいいのか?)

◆ダルタニアン(早霧せいな)
ちぎちゃんは格好良かったけど、、、意味不明な役でしたね。ダルタニアンっていうから、「ハウトゥ」のバドみたいな可愛いちぎちゃんにまた逢えるのかと楽しみにしていたのに……。
残念。
あゆちゃんのコンスタンスとはお似合いで可愛かったです。でも、一番お似合いだったのは、ショーでのせしるとの美男美女並び!

◆ルーヴォア(彩那音)
演技巧者なひろみちゃんですが、こういう「ちゃんとした悪役」は、もしかして初めてかな?
最後にして新しい挑戦、という感じでしたが、渋みがあってとても良かったです。「エリザベート」の頃は髭をつけてもなんか違和感があったのに、もうすっかり板について……格好良かった(はぁと)。
ルイが中途半端な役(←トップが二役で演じる役だから)になってしまった中で、ルーヴォアがカバーする領域は大きかったと思いますが、その期待によく応えてくれたと思います。
卒業は残念だけど、千秋楽まで「大好きな宝塚」を満喫してくださいますように。

◆アトス(未涼亜希)
いやはや、格好良かった!!(はぁと)
アトスってホントおいしい役ですよね。作品によって設定は色々だけど、必ずおいしい(^ ^)。
ラウルの兄で三銃士のリーダー格。クールでハンサムなまっつにぴったりの良い役でした!
バウも期待してます♪

◆ポルトス(緒月遠麻)
ほっと息をつかせてくれる役どころをきちんとこなしていて、やっぱりキタロウはこうでなくちゃ!と思いました(はぁと)。単なるコミカルな役ではなくて、キタロウの存在そのものに面白みがあるからこそ、ああいう役が良いんですよね。まっつ・キングとのバランスも良かったです。

◆アラミス(蓮城まこと)
で、今回大当たりだったキングのアラミス。キングの軽やかな明るさは、役に嵌ると本当に魅力を発揮しますね。まっつの重み、キタロウの面白み、そしてキングの明るさと可愛げ。この三人の個性のバランスが秀逸で、とても良かったです。

◆サンマール(沙央くらま)
銃士隊の隊員として、隊長のダルタニアンに従い、牢獄の管理を受け持つ男。
フィリップとの会話の底知れない怖さや、ラストシーンの「当たり前」のようにダルタニアンに一礼する姿にぐっときました。面白い役だったな~。

◆ロシュフォール(大湖せしる)
あらためて綺麗な人だなあとしみじみ。台詞もだいぶ良くなってきましたよね。
ルイの回りは、ルーヴォア、ロシュフォールと綺麗な人ばっかりで、ルイは女性だけじゃなくて部下たちも顔で選んでいるのかと突っ込みたい。

◆アンヌ王太后(梨花ますみ)
「不吉」とされた息子をあっさりと手放す冷たさと、その息子が戻ってきたときに抱擁する腕のまろやかさ、、、その両方をあわせもつ女性。優しいばかりの“愛情に溢れた”女性ではないこういう役を、さりげなくできるのはみとさんの強みだなと感心しました。
新公のあゆちゃんがどんなふうに取り組むのか、ちょっと好奇心。

◆ミレディ(舞咲りん)
「三銃士」という作品では、なんというか、お約束的な役なので何の説明もなく出てくる意味不明な役ですが、ヒメ個人はよくやっていたと思います。
個性的な女役はこういうピンポイントの役で使ってこそだな、と実感。

◆酒場の主人(奏乃はると)
ここ数年、酒場の主人ばっかりやっているような気がするのは気のせいでしょうか。
さすがに手慣れたもので、あちこちで皆が勝手なことをしている場面をよくおさめていたような気がします。85期男役も、ついに最後の一人になっちゃうんですね………。

◆酒場の女房(花帆杏奈)
にわにわと同期で夫婦役の杏奈ちゃん。大好きな二人があれこれ小芝居しているのを観るのはとても楽しいです。もっとやれー!

◆ラウル(彩凪翔)
ルイーズの恋人でアトスの弟。出番は前半で終わってしまいますが、いわゆる「若手スターを売りだすための良い役」の典型的な役。とても良かったと思います。文句なしの美貌に長身、ルイーズとの並びも良かったし、衣装もアラが出ないように工夫されていて……。これは実際、人気出るんじゃないかな(出るといいな)、と思いました。
新公主演おめでとうございます。がんばってね!

◆仮面の男(真那春人)
役名になっている仮面の男より、酒場の男がすっごい印象的でした。かわいー。
新公は大役ダルタニアン。喋る声が好きなので、CSニュースでインタビューされてるだけで嬉しくなってしまいます。新公はチケットを持っていないので観られるかどうかわからないけど、がんばってくださいね!

◆モリエール(彩風咲奈)
劇作家。アトスの旧友。狂言回し的に「早わかり世界史」を語ったりしてくれる役ですが、なんつーか……ちょっと児玉さんの犠牲者的な印象があったかも。彩風さんが悪いんじゃないけど、彼女の場面は丸ごといらないよね、みたいな。
でも、歌が聴けたから良しとするべきかな。あの学年で役がつくだけ凄いことなんだし。

◆大女優(晴華みどり)
◆水戸光圀(大凪真生)
お二人とも、名前のついている役よりもアンサンブルで貴婦人や銃士をやっているときの方が素敵だったけど……うーん。卒業生なのにこの役かー、というべきか、卒業生だからこそ無理やり役をつくってくれたと解釈するべきなのか。いやあの、作品を壊してまで餞別してくれなくてもいいのに、と思うのは、私がお二人のファンではないからなのでしょうか。

……お二人とも、役でも、役以外のいろいろな場面でも、良い仕事してくれてました。
もちろん、ショーは大活躍だったし。
でもなんか、忸怩たる思いは残ってしまう、かも……↓


そんな感じでしょうか。
ショーはいかにも齋藤さんっぽくて楽しかったです。一番好きなのは文句なく「渇望」。がおりちゃん(香稜しずる)が格好良すぎ!!もう、がおりちゃんに夢中で下級生が全然チェックできませんでした。あの場面だけもう一回観たいです。
その次は、せしるが娘役をやっている青いインディアンの場面、かな。せしる綺麗だったー!(←そこ?)


日本青年館にて花組公演「カナリア」を観劇いたしました。

楽しかった!


ドラマシティの時と演出的に変わっていたのは……えっと、細かい違いはありすぎるほどあったけど、「演出の違い」となると……?なんかあったかな。
とりあえず、ヴィムが神父たちに投げつけようとする石の2個目が大きな岩になってました(←その説明じゃ全然わかんないよ)。あと、フィナーレのみわっちさんを取り囲む青いワンピの娘役さんたちのアクセサリーがこまごま変ってて、華耀きらり嬢の鬘も変わって(増えて?)ました。ドラマシティでのショートボブの鬘も超カワだったけど、栗色のベリーショートも滅茶苦茶似合ってた!!ホントに可愛すぎる!!

うーむ、でも、どっちも「演出変更」ではないですよねえ、多分。
全編通じてそんなんだらけで。
美容師(真瀬はるか)の一挙手一投足とか。
ヴィムとアジャーニのデュエットの拍の取り方とか。
シャンパングラスを掲げるアジャーニのタイミングとか。
小悪魔なきらりんと柚香光ちゃんのじゃれあいとか。
刑事二人(朝夏まなと・扇めぐむ)のやり取りとか。
アジャーニに襲われる銀行のスタッフさんたちの愛憎ドラマとか。
そして、ラブロー神父(愛音羽麗)のすべてとか。

何が細かくて何が重要なのか全く判らないほど、ヴィムの壮ちゃんからして毎日新鮮に演じてるな~~っ!!と、感心するしかありませんでした。




こんなに感想の書きにくい「面白い芝居」は久しぶりです。
本当に愉快で、楽しくて、そして、深い。

そして、正塚作品の面白さはその「テーマ性」にあるんだな、とあらためて思ったりしたのでした。



コメディでもシリアスでも、正塚作品はかなりメッセージ性が高いものが多いんですが、それらすべてのテーマは結構共通なものがあると思うんですよね。
で、それは、一言でいうなら「価値観の変革(逆転または転換)」…ってことになるんじゃないかな、と。

よく正塚作品のテーマは「自分探し」だと言われますが、、、、それはちょっと違う、と思う。ドラマっていうのは、大きくくくれば大概は「主人公の自分探し」が中心になるもので、その表現がいろいろあるだけだと思うんですよ。そのヴァリエーションが無限にある。
でも、正塚作品がどれも似通ったテーマに見えることは事実で、それは、前段としての「価値観の転換」=「自分は社会不適合者であるという自覚」が目立つからなんじゃないかと思うのです。
彼の作品の多くは、革命に敗れ(あるいは勝利し)て、その結果変わった世界に馴染めない自分、というところから始まるような気がします。世界は変わった、そして、その変革に自分は何の役割も果たせなかった……そういう忸怩たる思いを抱えて、それでも現実を生きて行くしかない主人公。だからこそ、彼らは「自分の生きる道」=「目の前の現実との折り合い」を探してさまようしかない。そのためには、革命を起こそうと思った過去の自分(の価値観)との決別が必須で、だからこそ、社会的な大きな事件がなくても、「誰かとの出会い」だけで彼の精神世界では大きなドラマとなる。
コメディ系の作品で、主人公に過去がない話(「メランコリックジゴロ」「マジシャンの憂鬱」など)は、物語が始まる前の主人公が「現実」と積極的に関わろうとしていなかったものが多いですよね。誰かの庇護下でぬくぬくと過ごしていた青年が「現実」の壁に直面して右往左往し、自分なりの価値観を確立させて「現実」と折り合いをつけるまでの物語。
シリアス系に入ると思うけど「CrossRoad」なんかもそんな感じでした。

そういうのと並べて考えると、「カナリア」はストレートに「価値観の逆転」そのものをテーマにした作品だなー、と思いました。「社会不適合」どころか、「悪魔」を主人公にして、「人間社会」を外から眺める……その発想自体は他にもいろいろあると思うのですが、彼らが半人前の学生であるという設定、そして悪魔の眼にうつる人間世界が「綺麗」だという事実が、非常に新鮮な印象でした。

正塚さんの眼には、この世界はそう見えている(いた?)んだなあ、と思ったんですよね。
彼の眼には、もっと汚い所に見えているのかと思っていたみたいです。でも、やっぱり、彼の眼に映る「人間界」は、ちゃんと「タカラヅカ」なんだな、と、、、そんなことに安堵したんですよね。



「価値観の逆転」。こう書けば、たかだか6文字の言葉です。
でも、それを実現するために、あの2時間と、実力者ぞろいの出演者全員の力が必要だった。

主人公はヴィムなので、作品の主筋はヴィムの変化にあるわけですが、実際には他のメンバーもほとんどが最初とは違う価値観を持つようになる。
物心ついたときから「不幸の極み」を生きてきて、それでも、殺されそうになったら「死にたくないよ!」と叫ぶアジャーニは、ヴィムが幸せなら自分も幸せ(=ヴィムが幸せでないなら自分も不幸)だと思うようになるし。ラブローは……良く判らないけど、変ったものはあるんだと思うんですよ。最初からちょっと違ってた、と言われたらそれまでだけど。

アジャーニと出会って、「思い通りにならない現実」にぶつかったヴィム。
ヴィムと出会って、「生きる意味」を見つけたアジャーニ。
はっきりとした「恋愛感情」には至らない二人ですが、「きっと俺は疲れているんだ/きっとあたし、好かれているわ…」というデュエットがとても好きです。恋を知って、生まれて初めて「幸せ」を感じている女と、「幸せ」ってなぁに?と思っている悪魔の、交わりそうで交わらない、すれ違っているようですれ違いきれない、絶妙な距離感。
価値観のずれは生きる世界のずれ。二人は結局、最後まで本質的な意味で「出会う」ことはないんですよね。それでも運命の扉は最後に開き、二人の途は一瞬だけ交錯し、再び分岐する。
最期の挨拶を交わすことも無いままに、アジャーニの時計は動き出す。ヴィムの「時」を、受け取るかのように。




……なんだかうまくまとまりませんが、長くなってしまったのでキャストごとの感想はまた後日。
いや、それにしても楽しい作品でしたっ!!今さらですけど、初演が観られなかったのが心の底から残念……。




以下ネタばれ注意。



ところで。
最初にドラマシティで観た時からずーっと気になっているんですが。


ヴィムって最後、記憶を奪われてませんよね?
ティアロッサミの杖でこつん、とやられて、思い出してますよね?「課題」に反応してるし。

ってことは、アジャーニの魂譲渡契約は破棄されていないのでは……?
パシャ先生は「お前の記憶がなくなると同時に破棄される」みたいなこと言ってたと思うんですけどね?



他にもそういうレベルの疑問がいくつかあって。
……これ、児玉さんや谷さんあたりがこういう脚本を書いたら、ふつーに袋叩きなんだろうなあ、と思ったりもしました(^ ^;ゞ

結局、作品の良し悪しは脚本に矛盾があるかどうかではなく、作者が伝えたいテーマがきちんと観客に伝わっているかどうか、その一点に尽きるんだな、と思います。
いや、観客が受け取ったものが「作者が伝えたいと思ったこと」であるかどうかも関係ない。とにかく、観た人が「何か」を受け取れれば、その観客にとってその作品は「成功」なんだし、「良い作品」なんだろうな、と。


そんなことを考えつつ、、、
舞台を観ているときは、何も考えずにひたすら笑ってるんですけどね(^ ^)。だってほら、壮ちゃんのヴィムは本当に宛書きだとしか思えないし。みわっちのラブローも、あの姿で生まれてきたとしか思えないし。みりおんのアジャーニは今まで観た中でいちばん良いみりおんだし。小悪魔はみんな可愛いし。役名はないけどやたらに出番が多くて目を惹きまくる人はいるし。娘役はみんな可愛いし(*^ ^*)。

花組最高!!



宙組大劇場公演、千秋楽おめでとうございます!
あもたまさん(天羽珠紀)、
珠洲(春希)さん、
綾音らいらさん、
(琴羽)桜子、
(美影)凜ちゃん、
こーまい(光海舞人)、、、
みなさん、ご卒業おめでとうございます!!

CSニュースは明日ですよね。ドキドキ……(朝から泣かないように)



10月11月となんだかんだいろいろあって、宙組公演の感想は最初の週の遠征先でちょこっと書いただけになってしまいましたが、もちろんあの後もちゃんと観ておりまして(さすがに、梅田まで行って花組だけ観て帰ったりしない笑)、観るたびにツボが増えています。

作品自体も佳作なんですが、それを出演者たちが盛り上げて、徐々に「名作」に近づけている、という手応えがあるんじゃないかな。
ゆうひさん・すみ花ちゃんは最初からある程度出来上がっていたし、テルくんも良かったけど、たとえば撮影チームのアシスタント(りく・モンチ)とか、仮面劇団メンバーとか、新公を終えて公演後半に入ったあたりで個性が出てきて、人間関係も見えて面白くなったなあ、と。
特に、帰国が決定した後の撮影チームで、レニーにかなり心酔してるっぽいモンチと、そんな彼を心配そうに見守るカメラマンのかいちゃんのちょっとした小芝居が大好きだったりします。
あああ、東京公演が本当に待ち遠しい!!


ただ、特に「クラシコ・イタリアーノ」については、手放しで「素晴らしい名作!」だと思っているわけではないんですよね。もちろんいい話だし、キャスト含めた「舞台作品」としての完成度は高いと思うし大好きなんですけど、「名作」にカウントするにはちょっと設定に無駄が多いな、と。
……「無駄」という言葉がふさわしいのかどうかわかりませんが。えーっと、初見の時から気になっていたのは、物語の中で「対立軸」がぶれていること、でした。



物語の前半でフィーチャーされるのは、サルヴァトーレが始めた「既製服スーツ」。これは、オートクチュールとプレタポルテの対立ではないんですよね?サルヴァトーレの店ではどうやら分業によって効率化した手縫いの吊るし服を売っているらしいし。レニーが、初日の仕事を終えてから「ナポリ中のテーラーを回っ」て手に入れた服を翌日着てきているってことは、そういうことですよね?
袖丈やズボン丈くらいならすぐ直してくれるかもしれないけど、身頃や肩のラインまで一晩で直すのは無理でしょう。つまり、マリオが中心となったグランチェッロの工房のメンバーは、実際にそのスーツを着る人に逢うことなく型紙を取り、最後まで仕立てているわけです。
そして、そのスーツの製法の開発には、全面的にマリオが協力していたはず。そうでなくては工房を仕切ることなどできませんから。

斬新な色・形・材質による「お洒落なスーツ」の誕生。これは、マーケティングでいう「争点(論点)の移動」です。それまで「格を担保するための制服」だったスーツを、「日常のお洒落着」にした、ということですから。
これが定着すれば、グランチェッロ以外のスーツを着ている人は「野暮」ということになる。「新しいスーツ」は独占販売なわけです。しかも、日常に着るモノとなれば、一人の人間の購入数(在庫可能数)が激増します。「スーツ」の予算を奪い合うのではなく、「衣服費」全体がパイになる。
そして、その「争点の移動」を可能にしたのは、マスコミへの情報提供の一本化によるブランドイメージの確立と、商品品質の担保、そして、分業体制による「圧倒的な生産力」と、それによる売り場の独占……そんなところでしょうか。そして、この「商品品質」と「生産力」のバランスを担保していたのがマリオの存在だった……。

物語の後半、サルヴァトーレとマリオが対立するのは、このバランスを「生産力」側に傾けようとする力に対して、マリオがそれまで抱えてきた不満が爆発した、という展開になるわけですが、、、
ここが、どうしても脚本的に弱くなっているんですよね。
だって、マリオは「既製服スーツ」に不満はなかったはずなんですよ。
良く判らないけど、たぶん、一人の仕立て職人が型紙からポケットつけまでスーツ製造のすべての工程を一人でやるのが最高峰なんですよね?で、グランチェッロみたいな、型紙もある程度決まっている上、工程ごとに職人をわけて効率をあげるやり方は、スーツの格としては落ちるけど、だけど、技術の無い人間に簡単な仕事を与えて育てつつ、生産量をあげて価格を下げられる(大衆化)というメリットがある。


セルフ市場でのマーケティング理論を物語の中でうまく使ったなーと感心しつつ、結局のところ、景子さんの向かう方向はいつも同じなんだろうな、と思うんですよね。

毎回思いだすのは、「Hollywood Lover」での、ステファーノの台詞。
「『ハリウッド』の娯楽性と、俺の芸術の融合点を見つけるんだ」「大衆受けを狙ったゴージャスな映像を入れたからって、サラ・ベルナールのドラマが描けないってことにはならない。やるからには最高を目指す」っていう、あれです。

サルヴァトーレの一番の拘りを「伝統(クラシコ)」=手縫いでしか実現できない品質におきつつ、それでも、どこを妥協すれば「大衆」に届けることができるのか。それこそ、彼がマリオと徹底的に考えたところのはずですよね。
だったら、そこをもっともっと描いてほしかったと思うのです。
そこを曖昧に「既製服スーツは成功した」っていうところからスタートすると、マリオとサルヴァトーレが対立する意味がわからない。あるいは、最初から対立するしかなくなって、和解する意味がよくわからなくなってしまう。

大衆受けだけで創られたものは、愛されるけれどもすぐに飽きられてしまう。
芸術性だけで作られたものは、興味を持ってくれる「客」との出会いの場が少ない。
その両方の「良いところどり」をするための彼の努力が何だったのか、グランチェッロの「既製服スーツ」が守ろうとしたものが何なのか、、、それを、もっとちゃんと描いてほしかったなあ……と思うんですよね。
そこが「対立軸」であるべきだったと思うし、そこが解決したときに「和解」がある、っていう展開じゃないと、すごく中途半端な印象が残ってしまうな、と。
サルヴァトーレがナポリに帰って伝統の技を伝えて行こうと決意するのは、いい。
でも、そのときに、彼が元々希求していたはずの「大衆に届けられるスーツ」という夢はどうなったのかの結論だけは、きちんと片づけてほしかったなと思うのです。

サルヴァトーレにとって、アメリカに進出するという夢を見ることは必要でした。その夢に破れることも、それで目が覚めることも。
でも、「目が醒めた」結果、ナポリに帰って「サルヴァトーレ・フェリのスーツじゃなきゃ着ない」という目が肥えたお客さんだけを相手にする商売に戻る、っていうのは違うんじゃないか?と思わずにはいられない。グランチェッロの、「大衆の手に届く、着ているだけで幸せになれる軽やかなスーツ」みたいなコンセプトを、ジュリアーノは本当に守ってくれるんでしょうか。マリオもサルヴァトーレもいないのに。



なんて、いろいろ書いていますが、まあその程度なら普通は芝居でカバーできるんですよね。
ちょっと物語後半の無理やりさがあるだけなんだから。
でも、それを芝居でフォローするには、みっちゃんのマリオが残念ながら力不足だったな、と思います。みっちゃんは、技術力が高いだけに「一人の人物としての共感」を得る前に「場面ごとに最適化した芝居」をしてしまう人なので、工房にいるときと酒場にいるときで全くの別人になってしまうんですよね……。
さすがみっちゃんで、酒場の場面の芝居はそこだけ観ると凄く良いんだけど、工房でサルヴァトーレと対立している場面の人物像とは全くつながらない。サルヴァトーレの幼馴染で、仲良くやってきた単なる「良い奴」に見える。声もアクセントも、語尾の切り方さえ違う。場面によってそういうところを変えられるのは技術としてすごいなと思うけど、大した時間が過ぎたわけでもない同じ一人の人物を演じているはずなのに、何故変える必要があるのか、と思うんですよね……。
みっちゃんをマリオに据えるなら、対立軸を整理して、サルヴァトーレとマリオは和解せずに終わらせた方が良かったんじゃないかと思いました。いえ、具体的にどうすればいい、というアイディアがあるわけではないのですが。
んー、初日直後に観た時は、みっちゃんもそこまで違和感なかったんだけどなあ……(; ;)。








本題とは全く関係ない話で恐縮ですが。
明日(11月8日)は、日本青年館公演「血と砂」の千秋楽からちょうど10年の記念日になります。

今年のスケジュールが発表されたときは「おお~」と思ったこの日付。
今となってはごく普通の良作公演の千秋楽で、私自身は普通に働いて過ごしていたし、明日は研修の後「カナリア」観劇だし。あははー、という感じなのですが、やっぱり、いろいろ考えることはありますね。
2001年という年は、大空さんのファンにとっても、そして現代に生きる人間としても、大きな事件のあった濃い一年間で、思い起こせば本当にいろいろなことがありました。
あれから10年目にあたる今年は、何かにつけて「あれから10年……」と思うことがたくさんあるのですが。そんな中でも、11月8日という日付は、やっぱりすごく思い入れがあるんですよね……。
それにしても。バウの初主演から10年間在籍した人って、過去に存在するんだろうか?(←祐飛さんがすべての前例です)



そして、もっと全然関係ないのですが!
「クラシコ」と入力したいのに、何度やっても懲りずに「暮らし粉」と変換してくれる私のパソコン。なんか料理でもしてくれるのか君は!


日本青年館公演「カナリア」。
キャスト別の感想を簡単に。


◆ヴィム(壮一帆)
いやもう、とにかく可愛くて可愛くて、パシャ先生の気持ちがとてもよくわかってしまいました。
宛書きとしか思えない、の一言です。、

……髪型も衣装もキャラクターも、何もかもがあまりに似合いすぎてて、他に書くこと思いつかない……(^ ^;ゞ

どの場面のどの行動もすべて可愛いんですが、1幕ラストで、神父とシスターの歌を邪魔しようと石を投げたりいろいろちょっかいを出しているときの活き活きとした表情が特別好きかなあ。なんであんなに可愛いんでしょうあのひと 悪魔。
そして二幕、ベッドで眠るアジャーニを見下ろして「可哀相な奴だ…」と呟く場面の切ない表情がすごく好き。あそこから、目覚めたアジャーニと会話して教会に行くまでの芝居がすごく好きです。正塚芝居の真骨頂だな、と思う。


◆アジャーニ(実咲凜音)
みどりちゃんのアジャーニを観ていないので比べてどうかは判りませんが、あの難役を良くやってるなあ、と感心しました。
特に、青年館に来てからは「嵌り役」と言ってもいいのではないかと思います。未だ研3の若さで、あの落ち着きっぷりはすごい!(@ @)と思う。
パッと目を惹く美貌、とかいうタイプではないので、いかにも娘役娘役した役よりアジャーニみたいなぶっ飛んだ役の方がやりやすいのかも?あとはやっぱり、「歌」という武器があることが自信につながっているんでしょうね、きっと。いや、アジャーニにはそんなに歌の見せ場がある訳ではないんですけど。

とにかく、一幕のホテルの場面での一連の芝居、特にヴィムとのやり取りがすごく好きです。
「屈折してるねぇ……」という台詞の甘ったるい言い方、「きっと俺は疲れているんだ/きっと私、好かれているわ」のデュエットでの浮かれた感じ、シャンパン一杯で酔っ払って、甘えかかるような仕草。初めての恋に浮かれた女の子そのもので、すっごく可愛かった(はぁと)。
そして二幕、ヴィムへの罪悪感に押しつぶされそうになりながら、それでもヴィムの傍に居ることを諦めない挫けなさが可愛かった!

この作品って、冷静に設定を考えるとすごく悲惨な話なんですけど、ヴィムもアジャーニも、自分自身の価値観の中でポジティヴに生きてるんですよね。二人ともベストを尽くしたし、だからこそヴィムは、逃げ隠れせずに笑顔で裁きを受け容れる。そういう真っ直ぐな生き方が良いなあ、と思わせてくれました。


◆ラブロー(愛音羽麗)
いや、もう、この人も可愛くて可愛くて、ですね!!
宛書きとしか思えない人がここにもいましたね。っていうか、他にもたくさんいらっしゃいますけどね!

えーっと、一番好きなラブロー神父は、やっぱり
「でどころはどうでもお金はお金ーーーーーっっ!!」
でしょうか。いやもう、あの台詞をピュアに言い切れる神父様は天然だなあと思いましたわ。
あとは、、、うーん、どれも好きだけど、実は一番最初の「笑う門には福来る」がお気に入りだったりします(^ ^)。

ラブロー神父がみわっちにあまりにも似合っていて、嵌り役過ぎて、、、私はずっと、ジュール(司会者)もラブローの裏の顔だとばかり思っていました。教会の運営資金を稼ぐために、毎日テレビ局でアルバイトをしている、みたいな感じで(←えっと)。
……そのくらいお似合いだった、ってことで(^ ^;ゞ


◆ヴィノッシュ(仙名彩世)
「ファントム」新人公演のカルロッタで場面をさらった研3.歌の実力とコメディエンヌぶりを遺憾なく発揮して、がんばってました(はぁと)。


◆ティアロッサミ(桜一花)
一花ちゃんは、本当に正塚さんの女神なんだなあ……と思いました。いやー、それにしても最近の彼女は本当に弾けているなあ……。初演の未沙さんがいったいどんな風に演じていたのか、全く想像がつきません。


◆ヴァンサン(朝夏まなと)
ちょっとした間の取り方で全く印象の変る役ですが、だいぶ良くなってきましたね!まぁくんのこういう役はあまり観たことがないような気がしますが、同期とじっくり芝居のキャッチボールを楽しんでいる感じが、とても良かったです。
……ね、まぁくん!お芝居って面白いでしょう?(^ ^)


◆ディディエ(扇めぐむ)
「街角には、おばあちゃんか」の名台詞で私の心を掴んだディディエ。あのとぼけた味わいは、観れば観るほど味がでてくるな、と。決して巧いわけではないんですが、まぁくんとの相性がいいんだな、と思います。


◆ディジョン(月央和沙)
ドラマシティで観た時は、前半の「怖さ」が足りないなーと思ったよっちのディジョン。
青年館にきて、出番の最初からコメディタッチになっていたことに吃驚しました。そうなのか、あれは怖さが必要な役ではなかったのか!(@ @)いや、考えてみたら「怖さ」が必要ならよっちにはふらないよね(汗)。

いやもう、犬になってからの可愛らしさにメロメロでした。柴犬にしか見えない……なぜなんだ(←よっちの可愛さに理由を求めても)


◆アイリス(初姫さあや)
きれい。こわい。素敵。美人。強くて優しい。でも、やっぱりこわい……

正塚さんの女神が一花ちゃんなら、さあやは私の女神です。


◆ポリーヌ(乙羽映見)
「ファントム」のアンサンブルで目立っていた、長身で可愛い娘役さん。
通し役は初めてだと思うんですが、ドラマシティで最初に観たころを思えば、台詞も仕草も格段に良くなったなあと思います。「しょうがないよ、行こうよ」とか、そういうさりげない台詞もだいぶ自然になってきたし、ディジョンにじゃれつかれて「もうっ!」と膨れるところも凄く可愛い。
さあやとがっぷり組めるなんて滅多にあることではないので、がんばって色々吸収してくださいね♪


◆パシャ(悠真倫)
いやー、どの場面も楽しそうですよね!観ていてとても幸せな気分になりました。
髪型もメイクも思いきってやっていましたが、あの迫力と間の良さはさすがです(はぁと)。
100年後の卒業生は、ちゃんと卒業試験に受かってくれるといいですね♪


◆小悪魔(華耀きらり、白姫あかり、天真みちる、真輝いづみ、柚香光、真鳳つぐみ)
きらりんのホットパンツ+ショートブーツ、白姫さんの弾けたダンス、天真くんのツインテール、マキシムの一癖ありげな笑顔、柚香くんの色気、そして、ヴィムに首根っこを掴まれて「うにゃあー!」となってるつぐみちゃん。みんな、ホントにホントに可愛かったです~!(そればっかり)


◆ウカ(水美舞斗)
「小悪魔たちのリーダー」といわれる役で、下級生なのにがんばって大人ぶっているのが可愛かったです。「ファントム」のオーべロンで美声を聴かせてくれた歌は安心して聴いていられました。これからの活躍が楽しみです♪


通し役なのはこのくらい……かな?
他にも印象的な役がたくさんあったので、役者別にまとめてみました。



■浦輝ひろと
メインの役は「司会悪魔」ってことでいいのかな?テンポよく説明台詞を喋る役ですが、滑舌もよくて判りやすかったです。
あと印象に残ったのは何度かあった通行人ですね。ふつーに男っぽくて「誰?」って思いました(^ ^)。


■花蝶しほ
一番印象に残るのは、やっぱりブティックのマヌカンですよね。黒っぽいタイトなスーツもよく似合ってたし、裏表のある芝居がすごく好きです(*^ ^*)。
あと、2幕後半に何度か出てくる通行人(真瀬くんとカップル)もすごく好きです。ちょっとお姉さんぶってるときが多いけど、ときどきめっちゃ可愛かったりもして、かーわーいーいー。


■春花きらら
いろいろ出てますが、一番好きなのは悪魔学校の職員(という役名だったことを今知りました)です。紅いメッシュのショートボブがめっちゃ良く似合ってて素敵!!声も娘役にしてはちょと低めの落ち着いた声で、とーっても「らしい」んですよね(*^ ^*)
あと、アジャーニのホテルのメイドもさりげなく可愛いんですよね。なんていうか、佇まいの良い人だな、と思います。


■真瀬はるか
へたに役がつかなくて良かったよね、と、心の底から真顔で思いました。
あのカリスマ美容師(オネエ)は伝説になるんだろうなあ……(しみじみ)。

一番最後の挨拶の場面で、銀行員の銀華水ちゃんに口説かれているのがどんどんエスカレートしていってるのが面白すぎる。あの無秩序きわまりない挨拶とカーテンコールを特典映像にとして全日程いれてくれるんだったら、DVDでも何でも迷わず買うんですが……。


■鞠花ゆめ
一番目立つ役は、大悪魔四天王を出迎えてあれこれ挨拶している受付悪魔。「銀ちゃんの恋」の頃から芝居の巧さで際だっていた人ですが、ここにきて急激に綺麗になったな、と感心しました。……丸顔なのは変らないけど、垢抜けましたよね!(^ ^)痩せたのかなあ、それとも化粧が変わったのかなあ。

悪魔学校の職員も大好きです。小さくて可愛いのに、言ってることはかなり容赦ない(^ ^)。ああ、ハリー・ポッターのハリー役がすごく似合いそうなのに勿体無い……(←おい)

あと、アジャーニが襲う銀行の職員も好きだー!(←単に、鞠花さんがやる役は全部好きなだけかも)初見では客の一人だと思っていて、なんで彼女だけ立ったり座ったりしてるんだろう?なーんて思ってたんですが、、、銀華さんと恋仲という裏設定を聞いて納得しました(^ ^)
……あの一連の場面は、真瀬くんのカリスマ美容師(オネエ)に持っていかれすぎてて、あんまり回りを観れてないんですよ(泣)ああう、千秋楽になる前にいろいろチェックしなくてはー!!(決意)


■日高大地
アジャーニを捕えた牢獄の看守やら、マフィアやら、通行人やら、、、であの超絶スタイルを披露してくれて嬉しいです。台詞もずいぶん自然に喋れるようになっておねえさんは嬉しいよ。「愛と死のアラビア」でぶっ飛んでから、もう3年ですか……来年は研7かぁ(しみじみ)。がんばってくださいね。

とりあえず、私にとっての日高くんの最大の見せ場は、二幕ラスト前の「ユートピアの男」です。踊ってる日高は本当にカッコいい!!


■銀華水
本当にこの人は「素敵なおじさま」が似合う。研6の若さでその貫録は何事かと思うんですが、それが銀華さんだからしかたない、ですよね。
背広を着込んだ銀行員の素敵っぷりは言うまでもないとして、個人的に好きなのはホームレスです。なんていうか、自然なの(^ ^)。ホームレスさんたちも、某真瀬はるかさんのホームレスの凄みに魅入られてしまったもんであんまり回りが見えてないんですが、銀華さんの創りこみもなかなかです(^ ^)。


■凪咲星南
芝居として目立つのは、何度かある通行人と、あと一幕ラストのシスター(ヴィノッシュさんと一緒に出てきて、真瀬くんのホームレスを助け起こそうとして拒否される役)かな。大悪魔四天王を迎える場面の衣装もよく似合ってました。ちょっとファニーだけど可愛ですよね♪


■羽立光来
悪魔学校の職員さんが、身体の大きさの割に声が高くておもしろキャラになっているところが好きです。歌の少ない芝居なので残念ながら見せ場はないのですが、でっかい金塊ダンサーが、可愛くて可愛くてたまりません(^ ^)。


■美蘭レンナ
その美貌で「愛のプレリュード」くらいからすごく気になっている美人さん。「ファントム」のメグは、歌はカットされてたからわからないけど芝居は悪くなかったんだし、もう少し役がついてもいいと思うんだけどなあ~(T T)。
とにかく小顔でスタイル抜群の美人で、どこに居ても目立つんですよね。大悪魔四天王を迎える場面で、ずらっと並んだ悪魔たちの中での浮きっぷりとか、、、ホント、早く役をつけて育てた方が色んな意味で良いと思うんだけどなあ。
金塊ダンサーやってても美人に見えるって、半端じゃないですよ!!


■朝月希和
壮ちゃんのディナーショー「Bright」の最下さん。ラスト前の「ユートピアの女」で、真ん中でフェッテをしていたのがとてもきれいでした。歌の人かと思っていたら、踊れるんですね!これからどんどん活躍してくれたらいいなあ♪
【最初、顔がよく見えなかったので凪咲さんだと思ってました。ここにお詫びして訂正させていただきます。ご指摘ありがとうございました】


印象に残った人(役)はそのくらいかなー。

あーあ、もうすぐ終わってしまうのが残念……もっともっと観て、いろいろツボりたかった……
ホントに、この秋の花組は作品に恵まれてましたよね!!(^ ^)


まずは、本日発表された花組新人公演キャスト。
真由ちゃん、みりおん!3回目の主演、そして「ファントム」に続いて二度目のコンビ、おめでとうございます。
正直、今回はがりんちゃんか、もしかしたらもっと下級生が主演するんじゃないかと思っていたので意外でしたが、真由ちゃんの芝居が好きなので素直に嬉しいです(^ ^)。

しっかし、まだ発売まで1週間以上あるのにこのタイミングで出るのって珍しいような気がする……。この勢いで他のメンバーも集合日に出るといいんですが。真瀬くんは何をやるのかなー。いっそこのこと、京さんの役とかどうでしょう(^ ^)。勉強になると思うんですが。




さて、本題。
東京宝塚劇場にて、雪組新人公演「仮面の男」を観劇いたしました。


率直な感想は、
せっかく良い子が揃ってるんだから、もうちょっとまともな作品で新公させてあげたかった(T T)

いやあの。出演者はみんなよくがんばっていたと思うんですよ。
だからこそ、余計にふびんで(T T)。


新人公演演出は原田諒さん。こまかいところで色々と違っていたような気がしますが、本公演を一回しか観ていないのであまり確信がないなー。ただ、キャラクターとして大きく印象が違う人はいなかったような気がします。設定としては、最近観た新公の中では、断トツで独自色が薄かったような(←単に、私が本公演を理解していないからそう思ったのかも)。


では、キャストごとに簡単に。

◆フィリップ/ルイ(彩凪翔)
バウ公演「灼熱の彼方」でバウの真ん中に立った彩凪くん。昔から美貌で目立っていた人ですが、さすがにここ1年の注目のおかげで磨かれましたねー。金髪のロングソバージュがよく似合うのに、女性っぽくない鋭角な美貌。とても格好良かったし、尊大なルイと心弱いフィリップの表情の演じわけもよく頑張っていたと思います。ただ、ルイの「権高な強さ」とフィリップの「芯の強さ」の演じわけは、同じ「強さ」なだけに難しいんだなあ、と思いました。
芝居ができない人ではないと思うんですが、初主演のプレッシャーでこの難しい二役はちょっとハードルが高かったんじゃないかな、という気がします。

でも、「灼熱の彼方」の時に比べると、台詞回しがこなれて聴きやすくなりましたね。もうちょっと歌が安定して、台詞の声ともども腹からでるようになるとぐっと良くなると思うので、がんばってほしいです♪


◆ルイーズ(星乃あんり)
こちらも「灼熱の彼方」で大抜擢された95期。本公演でもずいぶん華やかで目立つようになってきて、注目されると自然と自覚が生まれるものなんだなあと思います。
透明感のある可愛らしい娘役さんで、今回の役にもよく合っているなあと思いました。スタイルが良くてドレス映えするのは強みですね。みみちゃんの頑固さはあまり感じられず、たおやかで典型的な娘役タイプの人に見えますが、まだ若いのでいろんな役に挑戦してみてほしいな、と思いました。


◆ダルタニアン(真那春人)
「灼熱の彼方」はコモドゥス篇しか観られなかったのですが、まなはるくんに一言くらいしか台詞がなくて悲しい思いをしたので、無駄に(ごめんなさい)台詞の多いダルタニアン役がとても嬉しかったです。
「凍てついた明日」の時からずっと言ってますけど、本当に好きなんです、この人の台詞回しと声。
歌の声は全然違うのが残念ですが。

よく「顔芸」と言われる人ですが、さすがに今回は、役が役なだけにしっかり抑えて演じていて、珍しく(←)とてもクールでした。もともと作品の穴を全部背負わされて破綻した役なので、やりようがないというか、いろいろ気の毒だったんですけど、、、でも、やっぱり芝居のできる人は良いなあ(^ ^)。




明日は朝が早いので、ちょっと短いけど、今夜はこのあたりにさせていただきます。
続きはまた明日にでも♪


雪組新人公演「仮面の男」より。


◆ルーヴォア(彩風咲奈)
彩風さん、良かった!丸顔童顔を髪と髭でうまーく誤魔化して貫録を出すすべを、ひろみちゃんに教えてもらったのかな、と思いました。「マリポーサの花」新人公演のショー場面で度肝を抜いてくれた華やかさを、やっと「男役」の枠の中で発揮できるようになってきたなあ、と思いました。
「悪役」としての凄みはまだまだですが、落ち着きがあって、しっかりと場を掌握していたし、新公メンバーの中では突出していたような気がします(←贔屓目?)
本公演でも重用されて、それが当たり前な気分になっていますが、まだ研4なんですよね。「マリポーサ」から3年……どちらかといえば、よくあのときにやらせたな、と思うべきなのかな(^ ^;ゞ
今回の役は良かったと思うので、あまり急がず、この調子で順調に経験を積んでいってほしいです。


◆ロシュフォール(凛城きら)
本公演で、まず「痩せたなー」と感心した凜城さんですが、意外にロシュフォールは苦戦していたような気がします。眼帯をかけると、せっかく痩せたのにやっぱり丸く見えるのね(←そこ?)
芝居は過不足なく、もともと巧い人だし、落ち着もあったし安定していました。ただ、このあちこち理不尽な作品の中で、しかも彩風ルーヴォアの下でそれをやると、本当に普通の「真面目な部下」役になってしまって……ロシュフォール、というキャラクターが見えてこなかったような。
うーむ、存在感って難しいものなんですね…。


◆ミレディ(舞園るり)
役としての面白さみたいなのはちょっとおいといて(芝居として意味のある役ではないので)、歌が上手でびっくりしました。いい声!本役のヒメより歌詞も聞きやすかったかも。
この公演が終わったら、次はまっつのバウですよね!歌ってくれますように(はぁと)。


◆アトス(久城あす)
カッコいい~~~~(*^ ^*)。歌も芝居も安定していて、すごく良かったです。そして、やっぱり何度観ても蘭トムさんに似てる、と思う。……実姉の藤咲えりちゃんが蘭トムさん好きなのわかるなあ(←そこ?)
あんなふうにカッコいい男役さんになってくださいね(*^ ^*)(いや、久城さんが久城さんですから)


◆ポルトス(帆風成海)
ほたても痩せましたよね。いやー格好良くなってて嬉しい!
キタロウとはずいぶんキャラが違ってましたけど、ホタテのもつ天然の包容力は本当に魅力的だなと思います。老け役も良いけど、こういう役でもしっかり実力を発揮して、アピールしてくれるのが嬉しいです。


◆アラミス(悠斗イリヤ)
可愛かったー。下手の花道つけねでフィリップと語る場面、本公演もかなり好きなんですけど、新公もすごく良かったです。穏やかな中にも志を曲げない強さが感じられて。
キングの場合は、持ち前の明るさがフィリップの心に沁みこんでいくような感じだったけど、悠斗くんはフィリップの中にある明るさを思い出させてくれた感じでしたね!(←わからん…)


◆サンマール(煌羽レオ)
シャープな美貌にべったりとなでつけてシケを残した黒髪。なんていうか、、、無駄に色っぽくてドキドキしました。本公演のコマちゃんも無駄に色気が洩れてるなーと思ったんですが、あれは本来、どういう役なんですか?フィリップをどんなふうに「扱って」いるのかひじょーに気になったんですが。新人公演の最後の場面を観ながら「ダルタニアン、いいの?そいつ(サンマ―ル)を自由にしておいて?」と思ってしまった……。
本公演はそこまで思わなかったんですけどね。サンマール自身が具体的に罪を犯してるわけじゃないし。でも、新公のサンマールは底知れない凄みがあって、怖かったです。ダルタニアンの命令に対する慇懃無礼な応答がめっちゃ素敵でした(←おい)。


◆ラウル(橘幸)
素直に良かった、と思います!やっぱりこの役は若手スター売りだし用ですね。ビジュアルも綺麗だったし、芝居も一途で可愛かったです。
たしか歌える人だったと思うので、バウでのご活躍に期待しています♪


◆モリエール(透真かずき)
鬘も工夫していたし、少し年齢も上めに設定して貫録をだしていたのはさすがでした。アトスが学年の割に大人っぽい人なせいか、「昔の知り合い」という設定に説得力があったと思います。


◆コンスタンス(花瑛ちほ)
コンスタンスとしての出番は少ないけど、綺麗だったし歌も良かったです。まなはるくんの不安定な歌声をよくフォローしてたんじゃないかな。雪組さんは歌える娘役さんが多いんですね(^ ^)。


◆マリー・テレーズ王妃(桃花ひな)、モンテスパン公爵夫人(寿春花果)、マンシーニ夫人(杏野このみ)、フォンダンヌ嬢(天舞音さら)
ルイに絡む女性たち。それぞれに個性的で良かったです。寿春さん弾けてたなあ~♪ 杏野さんも美人。桃花ひなちゃんも綺麗だったー!!ちょっと花組の衣舞ちゃんを思わせる寂しげな雰囲気が、役に似合いで良かったです。

全然関係ないけど、マリー妃といえば「薔薇の封印」では花瀬みずか嬢やってたっけなーーー(遠い目)(遠い目ついでに、あの時はルイ14世がきりやん、フィリップ(双子ではない)が祐飛さん、モンテスパン夫人がコモさん、フィリップの妻で王の愛人アンリエットがるいちゃんだった/懐)(小池さんのオリジナルって、あれが最後かな?)


◆マントノン夫人(笙乃 茅桜)
可愛かった!!広間での貞淑そうな風情と、寝室での「もう一つの」貌のギャップがおみごとでした。細すぎて色気もへったくれもないはずなんだけど、動きの優雅さでちゃんと色気を絞りだしてましたね。バウでもたくさん踊ってくれますように☆


◆アンヌ王太后(愛加あゆ)
雪組さんって意外にあの時代の作品をやっていないのかな?みとさんの艶やかな仕草を観たばかりだったせいか、豪華なわっかのドレスの扱いに若干苦労していたのがちょっとだけ気になりました。でも、役の年齢相応の落ち着いた雰囲気があって、悪くはなかったです。
ただ、あの役は母性を持たない女王というみとさん宛書きの役なので、あゆちゃんの持ち味どおりに可愛らしく演じてしまうと違和感があるなー、とは思いました。あゆちゃんがいけないのではなく、演出家(というか脚本)の問題だと思いますが。


◆酒場の主人(央雅光希)、酒場の女房(雛月乙葉)
お二人ともしっかり小芝居しつつ場面を仕切っていて、良かったと思います。
酒場の場面は、店員の亜聖樹くんに釘付けでした。なにやってんの君(^ ^)。みみちゃんの黒衣には気がつかなかったよ……どうりで投げた酒瓶が面白いことになってると思ったら(^ ^;ゞ


◆洗濯(白渚すず)
巧い!役者に学年は関係ないんだな…と思った数分間でした。
この人もバウかー。バウはいったい何をやるんだろう(←その前にチケットを探してください)


◆モリエール一座
印象的だったのは、オープニングのマリー・アントワネット(華吹乃愛)。ちょっと派手目な美人さんで本公演でも使われ始めましたが、あんなにいい声だとは!!かおりちゃんより少し低めの声が色っぽくて、ちょっとけだるげな感じなのが「ベルばら」とは違うマリー像になっていて感心しました。
ジャンヌ・ダルク(此花いの莉)はさすがの一言。
水戸光圀(詩風翠)も落ち着いていて良かったです。



ちゃんと判別して観て印象に残っているのはこのくらいでしょうか。
細々と気になった人はたくさんいたのですが、、、正直、誰が誰やr(涙)

とにかく、出演者はみなさん頑張っていて良かったと思います。
でも、脚本と演出の粗をカバーできるほどではなかったのが残念……次の作品が、最低限でも「君を愛してる」くらいの作品になりますように。



劇団四季 自由劇場にて、ブロードウェイミュージカル「コーラスライン」を観劇してまいりました。


あまりに有名なスタンダードミュージカルですが、私が観たのは映画を1回と、舞台は3回目かな。たぶん。とりあえず、印象深いのは味方隆司さんのポールと前田美波里さんのシーラ、飯野おさみさんのザック、青山弥生さんのコニー、坂本里咲さんのディアナ……くらいかな。どんな組み合わせだったのかはあまりよく覚えていませんが。

原案・振付・演出は、マイケル・ベネット。
ベネット自身を投影したであろうザック役の発する「踊れなくなったらどうする?」という問いかけが、「加藤敬二」の口から出ると衝撃的に重たく聴こえました。


コーラスラインに並ぶために、男性4人女性4人のコーラスを探すオーディションに参加する24人。
一次で7人が落ち、19人が残る。
その中で、誰が残るのか。

「♪この仕事がどうか取れますように」
「♪かみさま、お願い…」
繰り返される祈りのような歌に満たされた舞台で、オーディションのラインに並ぶ、19人。
「君たちは何者だ?」
そう問いかける、演出家(ザック)の声。

舞台の上と下。選ぶものと選ばれるもの。
そして、コーラスラインの前と後ろ。
人と人との間には境界線があって、決して混ざり合うことはない。
それでも、ときおりその「ライン」を超える人がいる。超えるために全てを捧げて、そのうえで更に「運」という名の魔法を得た、ごく一握りの人たちだけが。



すみからすみまで面白い作品なのですが、今回非常に印象に残ったのは、今まで「退屈なエピソード」だと思っていたザック(加藤敬二)とキャシー(坂田加奈子)のやり取りでした。
私が一番四季に嵌っていた時代(世紀末)に、彗星のように現れてすべてのダンスシーンを塗り替えた加奈子ちゃん。シャープでカッコいいダンスが大好きで、彼女のパガニーニを観るために通ったものです。
そんな彼女を抜擢し、まさに「スター」に仕立て上げた加藤さんが、ザックとして「コーラスライン」からはみ出そうとする彼女を叱る。
「キャシー、腰を振るな」「キャシー、腕をまっすぐ」「キャシー、勝手に踊るな!!」
なのに、いざ彼女が回りにあわせてきちんと踊り始めると、ラインから引っ張り出して、辞めるように懇願する。

「どうして?私、ちゃんとやっているじゃないの。みんなに合わせて、みんなを感じて踊っているわ」

それこそが耐えられないんだ、僕には。
彼女の才能を見出し、抜擢し、その才能を愛した男が嘆く。

彼女をラインに戻らせたザックの苦しげな後ろ姿。
選ぶことも、決めることもできなくなって、自分の立っている場所さえ覚束なくなった彼は、ひたすらダンサーたちを踊らせる。
時間を稼ぐために。
自分の人生を見直す時間を、つくるために。

疲れてくれば、事故は起きる。
オーディション中のポールの怪我。古傷を痛めたポールを病院へ送りだしたザックが、若いダンサーたちに問いかける。

「踊れなくなったら、どうする?」

「ダンサーだもの。いつか必ず限界は来るわ」
落ち着いた声でシーラが呟く。
「だから私、準備してる。スタジオを経営するの。それがいいことなのか、悪いことなのか、、、私にはわからない」

「自分のやりたいことを誰かに教えて過ごすなんてまっぴらよ!!」
そう叫んだキャシーにも、自分の衰えは本当は判っていたはず。


名曲「愛した日々に悔いはない」と歌いあげるディアナの、澄みきった若さと輝き。
映画ではキャシーが歌った名曲ですが、やはりここは過去をもたないまっさらなダンサーが歌うことに意味があるんだな、と納得しました。
キャシーには、あそこで「悔やまない」とは言えないと思う。だって彼女は、そんな言葉を吐くには大人になりすぎてしまったから。

実際に踊れなくなった時に、真実をこめて「悔やまないわ」と言えるのは彼女だと思うけれども。



以前観た時は、キャシーは最初から覚悟していたように見えたんですよね。
ザックにいろいろ言われても、言葉のキャッチボールがされているようには見えなくて。

でも、加藤さんと加奈子ちゃんは、本当に会話をしているように見えました。ザックに何かを言われて、何かを答えるたびに、キャシーの覚悟は定まり、肝が据わっていく。最初は優位に立って話を進めていたザックを、覚悟を決めたキャシーが次第に凌駕していく。超えられなかった壁(ザック)を、乗り越える。

実際の役づくりはどうだかわかりませんが、私には、オーディションの最初に「ザック、二人で話したいんだけど」と言う加奈子キャシーは「お願いだから合格させて頂戴」っておねだりお願いするつもりなんじゃないかな、と思ったんですよね。でも、若い人たちの話を聞いて、いろいろ思いだして……「Music&Mirror」前の会話では、そんな気持ちはなくなっていた。そして、ザックといろいろ話すうちに、心の中が整理されていく。覚悟はできてる。そうよ、私はこのコーラスラインで踊りたい。ラインの前で演技をしたいんじゃないの。踊りたいの。


加奈子ちゃんの歌なんて初めて聴いた気がしますが、素晴らしかったです。吃驚しました。いや勿論、歌手として巧いわけではないのですが(^ ^;ゞ、前回観たキャシーが林下さんで、ダンスは素晴らしいけど歌はボロクソという感じだったので、余計に(感涙)「Music&Mirror」ってホントに良い曲ですよねえ(*^ ^*)。
歌の後のダンスシークエンス、凄かったけど前とは振付同じなのでしょうか。最後の盛り上がりの音楽にあわせて舞台をジュテで一周していたような記憶があるのですが、加奈子ちゃんはしなかったので。いやでも、ベネットの振付をそのままやってるはずだよね……?あれは「コーラスライン」じゃなくて、「ソング&ダンス」か何かであの曲を使った時の記憶なのかなあ?




あとは、キャスト別に簡単に。

◆ザック 加藤敬二
上で書きましたが、今の四季で一番ザックにふさわしいのは、文句なく加藤さんでしょうね。ダンサーで振付家で演出もしてて。決して芝居の人ではありませんが、ザックは嵌り役だと思いました。
ダンスはさすが!!です。やっぱり加藤さんが踊ると「粋」なんですよね。素敵でした(*^ ^*)。

◆キャシー 坂田加奈子
こちらも上で書きましたが、嵌り役でした。「踊るチャンス頂戴!」と歌いあげるキャシーに思いっきり持っていかれました。素晴らしかった、ブラボー!!

◆シーラ 団こと葉
実は、この作品で一番好きなキャラはシーラなんですよ、私。「男の子4人、女の子4人」って言われて、「あら、じゃあオンナは要らないの?」と腰を振りながら言うところとか。ボビーとのさりげない交流とか、最後に「踊れなくなったらどうする?」と問われた時の答えとか。
団さんのシーラは初めてみましたが、なかなか婀娜っぽさがあって良かったと思います。ちゃんと「人生」を生きてきた人だなあと思えるところとか。
美人じゃないのが惜しいけど、なんかぐっとくる人でした。

◆ボビー 丹下博喜
コメディタッチな長広舌に混ざる毒が痛々しくて、とても良かったと思います。傷ついた者同士、シーラと惹かれあうのがとても自然で、優しくて、大人で。
元々いい役なんですけど、丹下さんの芝居もとても良かったと思います。

◆グレッグ 道口瑞之
この人目当てで観にいったのですが、グレッグがどの役だか全然判ってなくて(名前で判るのはザック、キャシー、ラリー、ポール、シーラ、ディアナ、ヴァル、コニーだけなんです)道口くんの顔を観て驚愕しました。髭!!(@ @)。初めて……ではないかもしれないけど、新鮮だったわー。
いやあ、グレッグってあの役なんですねえ。実はボビーかアルの役どころだと勘違いしていたので、微妙に残念だったりはしたんですが、でも良かったです(*^ ^*)。「ゲイだってことは……」と逡巡して、言葉を探す表情にぐっときました。いろいろ抽斗の広い人だなあ(←惚れた欲目)
「コーラスライン」が終わったら、次は何に出るんだろう。次はたくさん歌ってくれる役だといいなあ……。

◆ポール 竹内一樹
その昔観た(←何年前だよ)味方さんのポールがすごく好きだったのですが、割と似た雰囲気があってよかったと思います。周囲から一歩離れた感じとか。彼らが語る「エピソード」の中では、彼のが一番切ないんですよね。もちろん「アット・ザ・バレエ」の3人の少女時代も悲しいんだけど、ポールのは「切なくて痛い」の。
その痛みを受け取って、そっと畳みなおすザックが、優しいと同時に、ひどく痛々しい、傷ついた子供に見える。愛する少女(キャシー)に裏切られた、一人の少年に。

◆ディアナ 鳥原如未
「美女と野獣」のベルで評判をとった宝塚OG(七星きら)。残念ながらベルはキャストが変わってしまって観ることができませんでしたが、ディアナはとても良かったです。「愛した日々に悔いはない」はちょっと声が細いかなと思ったけど、コーラスが入れば問題ないレベルだし。
プエルトリコ系のお化粧のせいか、いわゆる「美人」とい感じではありませんでしたが、表情豊かで生き生きしていて、とても素敵でした。人生を懸けて舞台に立つ彼女が「♪悔やまない」と歌うことで、どれだけの人が勇気付けられるか、鳥原さんにはわかっていたんだな、と思う。
次の役も、楽しみにしています!

◆ヴァル 鳥海郁衣
「ダンス10、ルックス3」は歌もダンスも弾け方も、とても良かったです。ただ、残念ながらそんなにメリハリのあるスタイルではないので、そこはもっと入れるモノ入れて、形から説得力を……と思ってしまったのはビジュアル優先の宝塚ファンだからでしょうか。
まあ実際、シーラの方が形も綺麗で大きいとか、ちょっと役づくりとしてどうかと思うわー。(その話題で終わりかよ)

◆マギー 松元恵美
◆ビビ 出口恵理
シーラ、マギー、ビビ。家庭に恵まれず、バレエに救いを求めた寂しい少女時代。「アット・ザ・バレエ」の三人娘ですが、三人とも良かったと思います。
マギーはすごく可愛い!声もきれいなソプラノで、それこそ「Evita」のミストレスとか似合いそうな感じ。作品の後半で転んじゃったり、声がひっくり返ったところがあって驚いたけど、大丈夫だったのかな。
ビビも良かったです。母親に「美人じゃない」と言われたことがトラウマになったビビ。いや、確かにちょっとファニーフェースだけど、可愛いよ?と思いました……あはは。

◆アル 川口雄二
◆クリスティン 染谷早紀
以前観た時はすっごいラブラブで当てられっぱなし、って印象があったんですが、気のせいだったのかな?と思うほど、メインのナンバー(クリスティンの)以外は普通でしたね。
クリスティンは音痴っぷりも上手だったし、可愛かったです。もうちょっとスタイルがよければなー。
アルは、クリスティンの歌への合の手がちょっと弱いのが気になりました。そこはもっと、アルが引っ張るくらいの方がいいのに!!

◆ラリー 影山徹
ザックの助手。台詞は相当に無理がありましたが、ダンスは良かったです。ザックに「彼のダンスは私の理想に近い。極めて30年代的なスタイル」と言われるほどのものがあったのかはよくわかりませんが……。

◆コニー 桜野あら
青山さんは偉大だったなあ……と思いましたけど、桜野さんも決して悪くはなかったです。青山さんほどの完璧な子供体型で、かつ歌えるひとはなかなかいないので、しかたないかな、と。
本来のナンバーよりも、ヴァルに「あたしもそれ(胸)、欲しいわ!」と言うところとか、そういうちょっとした台詞が若干気になりましたが、まあでも、許容範囲だったと思います。

◆ジュディ 坂本すみれ
可愛くて華やかでスタイル抜群で、とっても素晴らしかったんですが……「コーラスライン」は芝居がメインなので、あの台詞回しではメインキャストに入れるのは無理なのでは、と思いました。
ダンスは良いんだけどな。「クレイジー・フォー・ユー」のアンサンブルならぴったりなのに(; ;)。
あと、オーディション中の立ち姿がずっとO脚でダンサーに見えないのは、ああいう役なんでしたっけ……?最後の「愛した日々に悔いはないを歌うあたりでは綺麗に立っていたので、役づくりであえてやっていたのか、歌う時だけ気合が入るからまっすぐ立てるのか……どちらかだと思うんですが。いやでも、ジュディってダンサーの役だし、役づくりであの立ち方って考えにくいんだけどなあ。



他のメンバーも皆良かったけど、残念ながら誰がだれやらわからないので、すみません。
でも、若干あり得ない体型の方が混ざってたりしましたが……大丈夫なのか、四季。

それにしても、この作品で加藤さんが出てて、土日なのに自由が埋まらないなんて(@ @)。
昔は、前売りはあいてても「加藤さんが出る」となれば当日券で全部はけてたのになあ……。



あ。ちなみに、自由劇場の2階A席は、普通に観やすくて良かったです。
秋劇場の2階席が、客をなめているとしか思えない見切れの嵐&音響最悪なのに比べれば、天国のようなA席でした(^ ^)。ザックの大ファン以外の方なら、十分満足できると思います♪

開幕当初のキャストはあまり良くなかったようですが、今のキャストは価格相応のレベルには達していたと思います。またすぐ変ってしまいかねないから、観劇するなら今がチャンス!かも(^ ^)(責任は取れませんが!)。


PARCO劇場にて、「TRIANGLE vol.2 -探し屋ジョニー・ヤマダ-」を観劇いたしました。


2009年に上演された「No.1」に関する日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/?day=20090412


出演者は、前回と同じ井上芳雄、新納慎也、彩乃かなみの三人。
2年間でみんなパワーアップして、特に、前回は退団後初舞台だったかなみちゃんの2年半の成長ぶりは半端なかったです。いやー、輝いてました本当に。

スタッフもほとんど前回と同じ……ですよね。
脚本:蓬莱竜太
演出:宮田慶子
衣装も有村さんのままでしたが、前回ので反省なさったのか(←遅い!)、今回は良かったと思います。かなみちゃんのスカートの微妙なミニ加減とブーツがなかなかに絶妙で。いやでも、今回はかなみちゃんの努力もあったのかな?(^ ^)



パルコ劇場で、1988年まで上演されていた伝説の「SHOW GIRL」シリーズ。
その新シリーズとしてスタートした(らしい)「TRIANGE」。
こういうものは最初よりもVol.2が難しい、とゆーのが定番ですが、その高い壁も、なんとかクリアできていたような気がします。うん。荒唐無稽さに磨きがかかっていたところは次が心配ですが、とりあえず面白かったし、3人とも、前回とは違う新しい魅力を発揮できていたし。音楽の使い方や曲の選び方もまとまってきて、Vol.1の「冒険心100%」から、継続性のある「旅」へと、全体の方向性が固まってきた気がしました。

そして、そして!!私が前回希望として書かせていただいた曲目リスト(しかも歌詞つき!)がプログラムにあったことがとても嬉しいです!(^ ^)わーい、アンケートに書いた甲斐があったかな?いや、私だけじゃなかったんでしょうけれども、そういう細かいところが改良されていたのが次回への期待度を高めたような気がします。
うん。次回も楽しみ、と素直に思いました。

メンバー固定で、毎回通しの「物語」(多少荒唐無稽でも)があるショーアクト、という制約の多い形式の舞台で、どんなヴァリエーションで魅せてくれるのか、彼らのこれからの活動を楽しみにしています。





で。

物語は、ずいぶんと思いきったSF仕立てでした。
腕時計のような機械を合わせることで、相手の心に潜りこみ、相手の脳が見失った記憶のシナプシスを繋いで「失くし物」を探す……ジョニー(井上)は、世界に8人(?)しかいないその機械の「ライセンス」を取って、政府のお偉いさんを相手に商売をしている30間近の男。

……ううむ。この物語における「ジョニー」のキャラクターを考えると、そういう機械(というか商売)があってそのライセンスを取る、、、というよりも、誰も知らない特殊能力に突然目覚めて、何の苦労もせずにそれを仕事にした……という方が納得できるんだけどなあ。

まあ、そういう特殊能力故の苦悩とかのエピソードを盛り込みたくなくて、あえて外したのかな、とも思いますが。



まあ、いずれにしても、物語のテーマ自体にはこの「記憶を潜る能力」はあまり関係ありません。

テーマは幼馴染の3人の成長の軌跡であり、人間同士の交流における気持ちの一方通行さ。他人の記憶を潜る能力は、そういう関係性を語るために必要な「神の小道具」に過ぎません。
小説であれば「神の三人称」で語られるであろう物語を、舞台の上で一人称で語ろうとして、苦し紛れにそういう小道具を出してみた……という印象。

だから、たとえば「他人の記憶に潜る」ことによって生じるいろいろな問題(プライバシーの侵害とか、恋人が自分に隠していた秘密とか)の処理が曖昧で、力づくで「語りたいテーマ」に寄せただけに見えました。
それでも、語られるテーマに力があるから無茶もギリギリ通ったのですが、、、Vol.3は、出来ればこういう飛び道具を使わずにやってほしいなあ……と思いました。



◆ジョニー(井上芳雄)
井上くんらしい明るい弾けっぷりと、井上くんらしくない荒唐無稽さ。それがずっとジョニーの人物像のぶれとして見えていたんですが、物語の最後の最後にそこが統合されて、ああ、こういうテーマだったのか、と納得しました。
もうちょっと違う見せ方もあったかなと思うんですが、蓬莱さんのキャラクターの立て方は結構好きです(^ ^)。

ところで、私が観た時は、最初にジョニーが小学校4年生になって出てくるところがコサックダンスをしながらの登場だったのですが、あれはアドリブなんでしょうか……。後半のダンスシーンでも、ジョニーが熱唱している後ろでかなみちゃんがコサックダンスに取り組んだりしていたんですけど!(^ ^;;;
もしもし?面白すぎですよあなたたち。


◆トーマ(新納慎也)
他人との関係構築をうまくやれない、気弱な青年。
人間関係に対して臆病で、常に無理をしているうちに、その無理が嵩じて「世界」を拒否してしまう。その拒否っぷりのエネルギーがもの凄い(部屋に引きこもるとかじゃなく、「自分自身」の中に閉じこもってしまう)です。NIROくんってすげえ。
こないだ「スリル・ミー」を観たばかりなので、彼の幅広さにあらためて驚きました。本当に優等生が似合うよなー、、、えっ!?ちょっと待ってよNIROくんが優等生かよ!?みたいな振れ幅がすごかった……。

ラスト、夢と現実が繋がって彼を包んでいた殻が割れた時、彼はもっと暴れてもいいのにな、と思いました。NIROくんが本気で暴れる場面がなかったのがかなり残念。
でもまあ、そういう脚本であり演出だしなー。蓬莱さんは、というか、このシリーズ全体の構想として、一つの作品で出演者の多面的な魅力を出すことはせず、一つの作品では一面の魅力、違う魅力はまた来年ね!!……っていうのがあるのかもね、なんてことを思いました。


◆ビッキー(彩乃かなみ)
すぐに手(足)が出る乱暴者の女の子。頭の回転が速くて口が達者でリーダーシップがあって、、、小学校の頃によく一緒に遊んだ女の子をすごく思いだしました。彼女も家庭的にはいろいろあった人で、子供の私の眼からはとても大人っぽく見えました。今の自分の眼でが振り返れば、「マセていた」んだな、と思う、そんな痛々しさ。ビッキーの痛みはそれと同じものなのかな、と。

ビッキーのジョニーに対する思いがとても真っ直ぐで、可愛いなあと思いました。トーマの気持ちを知りながら、ジョニーに向かう自分の気持ちを否定して、全てを曖昧なまま置いておこうとする女心が悲しいですよね。
普段の前向きさと恋に対する臆病さ、自分に対する自身と不安。すべてはジョニーに対する不安に起因するんですが、、、そりゃーあのジョニーじゃ不安になるよね、とつい納得してしまうところが、井上くんも蓬莱さんもうまいよなーと思います。

ラストの開き直ったビッキーがやっぱり可愛い。かなみちゃん、宝塚を卒業してから本当に芝居が良くなったなあ。外部の芝居のほうが合うんですよね。良かった良かった(*^ ^*)。
ぜひいつか、「I Love You, you’re perfect, now change!」に、初演で堀内敬子嬢が演じた役で出演してほしい。今のかなみちゃんなら、「ローズ・リッツのお見合いビデオ」を演じられるんじゃないかと思う。あと、三谷の芝居も似合うと思います(^ ^)。もっともっと世界を広げて、どんどん遠くへ羽ばたいていってくださいますように。


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日経ホールにて、雪組トークスペシャルに参加してまいりました。


出演は蓮城まこと、真那春人、舞園るりのフレッシュな3人。なんだかほのぼのとした明るいトークで、センターの上級生の色が出るものなんだなあと思いました。

キングはグレーのスーツ。まなはるくんはブラウンのジャケットに細身のパンツをブーツイン。るりちゃんはピンクの膝丈ワンピに白いファーボレロ。「秋らしく」というテーマで揃えた……のかな?という感じでした。


まずは本公演の話から。

アラミスのイメージはどうやってつくりましたか?みたいな質問で始まったんだったかな。
キングが「色々な本を読みました」といいつつ、何か「子供向けの本の表紙のイラスト」になっていたアラミスの「長いサラサラの金髪」をみて、「これだーっ!と思った」……という話を一生懸命していました(^ ^)。その文庫のシリーズ名が思いだせないらしかったんですが、何でしょうね。イラストがあったってことは、青い鳥文庫とかあっちのほうかなー?

とりあえず、役づくりのテーマは「伊達男」だそうです(^ ^)。
「魅力的な人物だと思うので、ああいう男になりたいと思う」と言ったら、るりちゃんがすかさず「なれてますよ!」みたいな合の手をいれていて、回転の早い子だなーと感心しました。
「復活四銃士」の出番前、袖でマントをつけて神をファサーっ!とやっている姿がとっても格好良いらしい(るりちゃん談)♪

児玉さんからの指示は「達観している人」だったそうで……。「『達観』の意味を辞書で調べたり」…と話すキングがめっちゃ可愛かったです。



るりちゃんは、「タマネギをやってます」と嬉しそう。タマネギだけかよ!?と思いつつ、でも可愛いからいいか、と思ってしまいました。
あの衣装は頭が意外に重たくて取れそうになる、という話と、「初めて野菜の役をいただいたので、タマネギの気持ちを考えて踊っています」という、物凄く真摯なコメントにとても感動しました。野菜の役、か……!(感心)

CSのYoung Powerを視たときも思ったんですが、本当にしっかりした、頭の良い人なんでしょうね、きっと。歌が上手なだけじゃなく、喋る声自体がまろやかで良い声だと思うので、やり甲斐のある役を与えてあげてほしいな、と思いました。そして、あの美声で本領はダンスなのかー、というのがちょっと驚き。

ちなみに。
三銃士そろってタマネギの衣装を着てポーズをとった写真というものがあるそうです。キャトルで四つ切りにして売ってくださいソレ。お願い。



まなはるくんは、タイトルロール(笑)の「仮面の男」。表情が見えないので、身体全体で「伝える」芝居をするのが難しい……と、まなはるくんらしい熱量で語ってくれました。
舞台の上ではキムちゃんを視て、、、いや違う、仮面の男がキムちゃんと同時に登場することはほとんどないので、「声を聴いて、今日のフィリップさん(ルイ)はこんな感じ、というのを感じて演じるようにしている」のだそうです。
「仕草とかをなるべく合わせたり、とにかく桂さんになるぞ!という気合で演じてます」とのこと。まあ、まなはるくんとキムちゃんだと、身長はともかくスタイルはだいぶ違うと思うんですが、最後の立ち回りの後の入れ替わりも意外に鮮やかですよね。

……今気がついたけど、仮面の男も二役なんですねえ。
ちなみに、袖でキムちゃんに逢うとびっくりされるそうです。うーん、似てるのかなー?




たしかこのあたりで新公の話になったと思います。

るりちゃんのミレディは、悪役がとっても楽しかった!と晴れやかな笑顔で断言してました。(そして、キングが「楽しそうだったよ」と突っ込んでました)
シリアスな場面に高笑いしながら入って行くのがイイ、と。


まなはるくんのダルタニアンは、「動かないお芝居に苦労しました」そうです。
「やろうやろうとすると小さく見える」とチギちゃんに言われた、と。
本公演は表情を隠された仮面の男。新人公演んは心を隠したダルタニアン。今回は、まなはるくんには試練の公演でしたね。次の公演につながる発見があったなら良かったですが。……黙っている甲斐のある役だったら、もっとやりやすかっただろうにね<ダルタニアン



そして、今回の殺陣はフェンシングがメインということで、フェンシングの話に。
雪組はあまりフェンシングのある作品をしたことがなく、基本の動作を習う講座(?)があったそうです。
で。その基本の動きに、しゃがんだ状態から立ちあがりざまにツキをいれる、という動作があって。
……その動作をえんえんとやらされたメンバーは、翌日小鹿のように歩いてた(脚の筋肉がパンパンでまともに歩けず、内またでちょこちょこ歩く様子をそう言っていたんだと思われる)らしい。キングやまなはるくんがトナカイの角つけて歩いている姿を想像して煮えたぎった……けど、絶対この想像は間違っているんだろうなあ。



次は、ショーについてそれぞれの「好きな場面」を下級生順に。

るりちゃんは「インディアン」と即答して、すぐに続けて「猛獣ショー」。「猛獣似合ってる!」と一欠片の悪意もなく言い切ったキングの笑顔が本当に素敵でした(^ ^)。キングが銀橋から花道にはけるとき、ちょうどそのあたりにるりちゃんがいて、お出迎え(?)してくれるらしい。


まなはるは、こちらも即答で「渇望」。お芝居仕立ての場面だから、芝居としても楽しい、と。


キングはアリス。前半は「マトリックス」を意識したキャラでオーディションに臨むタレントなんだけど、アリスが変身し(←ボディコンになって、と言ってた。君はいくつだい?)たら、ヲタクになる、、、その変化が楽しい、と。
………そこ!?(@ @)と思ったことは内緒です。



あとはプライベートの話かな。
休演日は何をしますか?という質問に、るりちゃんは今度も即答で「ディズニーランド!」
よっぽど好きなんだなあ。
あんまり楽しそうで、私も久しぶりに行きたくなりました(^ ^)。

まなはるくんは(あまりテーマパークには興味がないらしく)映画をよく観るそうです。今公演は三銃士に嵌った、と(^ ^)。まあ、そりゃそうでしょうねぇ。楽屋でも大人気なんだそうです。


キングは……あれ?そういえば、キングは質問には答えてないような?今の公演が終わったら家族とディズニーシーに行く、というピンポイントな予定は教えてくれたけど、、、

そういえば、るりちゃんのTDL話の途中で、キングが下級生時代の思い出を話してくれました。まだせーこ(純矢)が雪組だったころ、同期みんなでTDLに行こう!となって、キングは事前に分刻みのスケジュールを作ってみんなに配ったそうです(^ ^)。「行く前が楽しい」「プランを作るのが好き」というコメントが微笑ましくて、ちょっといばった感じの言い方が可愛かったー♪

あと、竹下さんが「作品に関係のあるところに行ったりとかしますか?」と訊いてくれたんですが、キングは「(雪組はヨーロッパの話が多いんですが)私、ヨーロッパに行ったことないんです」と。
「まとまった休みがなかなか無くて、どうせ行くなら数日じゃ嫌だし…」とぶつぶつぼやいていたら、まなはるくんが「プランをちゃんと立てて、ね!」とフォロー(?)してました。下級生がんばった!



今年はどんな年だった?という質問には、「ロミジュリで始まって……」と、ロミジュリの思い出話にちょっと花が咲いてました。あれから一年、か。長かったような、短かったような。
雪組さんは結構バラエティに富んだ作品をたくさんやっていたせいか、下級生二人が口をそろえて「いろんな役に巡り合えた一年」と言っていたのが印象的でした。



ほわんほわんなキングと、しっかり者の下級生二人。なかなかに面白い、新鮮な組み合わせで、した。話がちょっとあちこち飛びがちで、「……で、何の話だっけ?」と思うことも多かったけど、華やかで明るい空間で、楽しい時間(はぁと)竹下さんも仕切りやすそうに見えました。


今日の発見は、素化粧で黙ってすまーしているまなはるくんが、月組の響れおな嬢によく似て見えたこと、かな。まなはるくんのことは大好きだけど、ついぞビジュアル系だと思ったことはないんだけどなあ。(ひびきちは、私にとって相当なビジュアル系です)(←譲れない)
そして、まだ93期のるりちゃんが、本当にびっくりするほどしっかりしていて素敵な女役になりそうだな、というのも発見でした。月娘かと見まごうほどの「強い女役」っぷりに感動。雪組さんは下級生娘役に逸材が多くて羨ましいなあ。




次回のトークスペシャルは、12月の宙組。うっかりしていて友会入力を忘れてしまったのですが、すっごい楽しみにしているのでチケットを探しています。もし余っている方がいらっしゃいましたら声かけてくださいねー(^ ^)。



2012年の公演ラインナップが発表されました。


■宙組大劇場公演(大空祐飛、野々すみ花)

ミュージカル
『華やかなりし日々』
作・演出/原田 諒

グランド・ショー
『クライマックス』-Cry‐Max-
作・演出/三木章雄

……大劇場の千秋楽は、5月14日。
そして、東宝の千秋楽は、7月1日。

それだけ覚えておけばいいかな、この公演については。

原田さんは、作品のつくりが大雑把(←誉めてます)なので、バウ作品より大劇場作品の方が向いてるかも…と期待しています。大劇場デビューが思いのほか早くてびっくりですが、あまりぶっ飛んだことはしない方だと思うし、数少ないベテラントップと組める幸運を生かして、多士済々な宙組っ子の魅力をしっかり魅せてくださることを期待しています。

ショーは三木さん(@ @)。まさか三木さんが祐飛さんに作品を書いてくださる日がくるとは思わなかったので、とっても吃驚しているのですが………
私が大好きなショーの一つである「ル・ボレロ・ルージュ」のような、素敵なショーになりますように。

そして。
今書くことじゃないかもしれませんが、前回の公演から3公演連続2本立て、ってことは、ここ数年の傾向から見て、その次の公演は一本立てですよね、たぶん。
どんなキャストで何をするのか、興味津々、です(^ ^)。
…と思ったけど、よーく考えてみたら月組は次作まで4公演連続2本立て、それも全部洋ものですね(^ ^;ゞ



■星組大劇場公演(柚希礼音、夢咲ねね)

ミュージカル・プレイ
『メモリアル・アゲイン』(仮題)
作・演出/正塚晴彦

ショー・グルーヴ
『Celebrity』-セレブリティ-
作・演出/稲葉太地

こちらも正統派の二本立て。珍しく、2012年前半の大劇場公演は全組芝居+ショーの二本立て、それも、すべて洋ものの新作(!)なんですね。100周年を前に「タカラヅカ」の本来の形を見直そう、みたいな考えでもあるのでしょうか。それとも、後半に大作が続くのか?



■花組バウホール公演(主演:愛音羽麗)

上方絵草紙
『近松・恋の道行』
脚本・演出/植田景子

ここは叫びます。
みわっち、バウ&青年館主演おめでとうございます!!
もちろんとっくに青年館でも主演しているみわっちなんですけど、最初から東京特別公演も発表された公演の主演は初めてですよね。
いやー、本当におめでとうございます。しかも、「舞姫」に続けて植田景子!!しかも近松!!これは楽しみすぎる!!

宙組の大劇場千秋楽と同じ日に楽を迎えるバウ公演。霧矢さんの大楽に発売される青年館公演。
いろいろバタバタしていそうな時期ですが、なんとか観に行きたいと思います。



■花組全国ツアー公演(蘭寿とむ、蘭乃はな)

ミュージカル・ロマン
『長い春の果てに』
原作/アレクサンドル・アルカディ 脚本・演出/石田昌也

レビュー・ファンタシーク
『カノン』-Our Melody-
作・演出/三木章雄

わーーーーーっ、「長い春の果てに」再演だーーーっ!!
祐飛さんとすみ花ちゃんで観てみたいなーと思っていたんですが、蘭トムさんと蘭ちゃんに回ったかー。まあでも、今の布陣だと壮ちゃんのいる花組の方が確かに向いているかも。

去年の「黒い瞳」に続き、私が通い詰めてた時代の作品が、いかにも似合いそうなメンバーで再演されるのはとても嬉しいです。宙組と被ってるのがかなり痛いけど、でも、絶対観るぞ!


みんなが幸せな一年になりますように。


次回の花組本公演で卒業するジェンヌさんが発表されました。

88期の扇めぐむ、
90期の煌雅あさひ、
91期の彩咲めい、
そして、
92期の真瀬はるか、月野姫花。


まさかの卒業。
あまりの衝撃に、言葉もありません。



エンカレッジコンサートで出会ったとみぃとアーサーから、全ツのあっちゃんで日本の半分を涙に沈めた姫花まで、可愛い可愛い花っ子たち。
ただただ、3月18日までの公演が幸せなものでありますように、
そして、その後の日々が幸せに満ちたものになりますように、と祈るばかりです。




……ああ、それにしても残念すぎる……。

真瀬くんの新公長の挨拶と、「第3期スカイナビゲーター」の夢は、叶いませんでした。

結構真面目に、真瀬くんがCSの番組を持つ日を楽しみにしていたんだけどなぁ(T_T)↓↓↓



雪組東宝劇場公演、千秋楽おめでとうございます。


ひろみちゃん、かおりちゃん、大凪さん、
お三方の明日からの日々が、輝かしいものでありますように。





いろいろ書きたいことはあるのですが、昨日の発表の衝撃からまだ立ち直れなくて頭がまとまりません(←言い訳)。
とりあえず、今日家に帰ったら「カナリア」のお茶会で買ったオフの写真が届いていて、、、、なんというか、空気読め!!と思いました(T T)。



宝塚バウホールにて、月組公演「アリスの恋人」を観劇いたしました。



作・演出は小柳菜穂子。
デビューしてしばらくは、あまり具体的な恋愛を描かない人だなあという印象でしたが、「二人の貴公子」「シャングリラ」あたりから急激に恋愛……それも、いわゆる「少女の恋」的なものに焦点をあてた作品づくりをするようになってきましたね。
今回の作品は、ファンタジーからインスピレーションを得た現代もので、なかなか面白い構造をもった物語でした。

構造的な話をするとすごくネタばれになってしまうので今は自重しますが、とりあえず、画像から連想するような子供向けの話ではまっっったくないです(^ ^)。
衣装やセットが華やかだし、可愛い動物キャラ(ウサギ、チェシャ猫、ヤマネ)がいたりするので子供が見ても楽しめるとは思いますが、物語のテーマも展開もかなり複雑で、きちんと理解するのは難しいかもしれないな、と感じました。

……ま、そうはいっても、もちろん文芸作品ではないわけで、漫画とかライトノベルっぽいと言ってしまえばそれまでですけどね(^ ^)。
あくまでも、ルイス・キャロルの「アリス」シリーズに出てくるキャラクターを使った、現代人の「夢」の物語、でした。



この作品を観て連想したのは、ホーガンの「内なる宇宙」とか、佐々木淳子の「赤い壁」や「ダークグリーン」など、いろんなSF系の作品によく出てくる「夢世界」設定でした。
そして、一番似てる!!と思ったのは、坂木司の「引き籠り探偵」シリーズ。これ、どっかで舞台化しないかなーとずーっと思っていたんですが、こんなところに主役がいたよ! ……小柳さん、意外に私と本の趣味が似てる気がするんですが、本棚を見せてくれないかなー(^ ^)。



うーむ、いろいろ書くとネタばれしそうなので、先にキャスト別に簡単に一言。
※いちおう気をつけるつもりですが、結果的にネタばれになってしまっているかもしれません。未見の方はご注意くださいませ。


■ルイス・キャロル(明日海りお)
引き籠りの少年(年齢不詳)
二幕で語られる彼の設定を聞いていると、中学生かな?という気もするんですが、、、まあ、ミドルティーンかハイティーンなりたてか、そのあたりって感じですよね、きっと。

「現実世界」はプロローグとエピローグの2場面しかありませんが、だぶだぶのコートにマフラーを巻いたみりおくんは、中学生にも余裕で見える可愛らしさでした(^ ^)。ただ、仕草は大人のままなので、はっきり少年という感じでもなかったかな。
それはそれで格好良くて素敵なんですけど、上演時間のほとんどを占める「ファンタスマゴリア(夢世界)」での彼は「大人」なので、そのギャップを見せるためには、衣装だけじゃなく仕草や動きで年齢を表現してほしかったなー、と思います。外見的に少年の彼が、内面(精神世界)で大人であること自体が、テーマに深くかかわってくるので。

しっかし、それにしてもカッコ良かった!
以前から書いてますけど、私はみりおくんってすごく男っぽい芝居をする人だと思うんですよね。男っぽいというか、『愛する』側の芝居ができるひと。
自分の方から相手に対して想いをかける役が似合うと思うのです。

そして今回は、そんな個性にさらにひとひねり入って、ツンデレという素晴らしいキャラクターに仕上がってましたけど。一つ間違えれば、ただのクソ小生意気なガキなんですけどねえ……。それを、「耽美」という調味料を使わずにああいう風に料理して、「ツンデレ」という一皿を仕上げた小柳さんは、五つ星のコックさんだなと思いました。



■アリス(愛希れいか)
出版社に勤める、童話担当の編集者の卵。
アシスタントではなく、それなりに担当作家を持っていたみたいだから、入社3年目くらいなのかなあ?(出版社の内実には全く詳しくないので適当に書いてます)
仕事で失敗して、怒られて、カレシに愚痴ったら「うるさい」と振られて……みたいな、主観的な不幸に嵌っているタイミングで悪酔いしたあげく、インナーワールドの境界が弱まってルイス・キャロルの運命に巻き込まれ、ファンタスマゴリアに落ちてしまう。
ルイス・キャロルとは逆に、彼女は外見こそ立派な大人だけれども、内面は潔癖で莫迦正直な少女のままだった。だから、ファンタスマゴリアでの彼女は「少女」になる。幼くはない、大人の一歩手前で立ち止ったままの、ひどく一途でひたむきな、「少女」。

ちゃぴの魅力は、存在自体がファンタジックなところだと思います。
ひらひらした衣装が似合うだけじゃなくて、存在としてファンタジーがあるんです。スカートさばきとか、台詞の声とか、化粧とか……娘役としてまだまだ磨かなくてはならない点はたくさんあるんですけれども、でも、彼女が歩くだけでファンタジーが生まれてくるような気がします。
みりおくんがリアルに「姫を愛する王子」なら、ちゃぴは「王子さまを助けに来る少女」なんだと思う。なんていうのか、ちゃぴを観ていると胸がキューっと痛くなるんですよね。自分の手が届くすべてを「守ってあげたい」と、「守ってあげられる」と信じている、少女。そう、まさに、宮崎アニメのヒロインタイプ(^ ^)。壮ちゃんと組んで「カリオストロの城」とか観てみたい!それか、ラピュタとか。ナウシカもいいなあ(←真剣に考えてるらしい)

いや、もう、ホントに。
理屈は言いません。ちゃぴが可愛くて可愛くて、もう駄目でした。こういうのは本当に理屈じゃない。ただただ、可愛かった!(*^ ^*)。



■ナイトメア(星条海斗)
ファンタスマゴリアの住人……でもないんですよねこの人は。
「白の女王(花瀬みずか)」と対立する存在ですが、いろいろ書くとネタばれになるのでちょっと置いときます。あ、一回しか観ない方は、プロローグのみりおくんとのやりとりをよーく観ておいた方がいいですよ(忠告)(私はあまり観てなくて後悔しました…)。

紫の長髪、蒼白い化粧。表情の作り方や動きに、「ホフマン物語」の悪魔の経験が生きてるなあと思いました。そういえば、この物語は作品全体の枠組みが「ホフマン物語」に似ているところがありますね。みりおくんのホフマン役は当たり役だったから、そういうところからもインスパイアされてる部分もあるのかな、と思ったりしました。
しかし、「悪魔」のままにはしなかったのが小柳さんの手柄ですね。良い役でした。こんなに良い役で、しかも暴走していない「正しいマギー」を久しぶりに観たような気がします。うん、あらゆる意味で、今まで観たマギーの中で一番好きかもしれません。
二幕の、激情を抑えて淡々と演じるところとか、緩急があってすごく良かったです。回を重ねると暴走しやすい人なので、なんとか青年館まで抑えてほしいな、と思います。ちからのある人なので、これをきっかけに「芝居」の面白さに気づいてくれたらなあ……。



■赤の女王(愛風ゆめ)
我侭で無垢な、幼き女王。「その者の首を刎ねよ!」が口癖の、無敵の女王様。
いや、もう、可愛いのなんの!

プログラムの写真は普通に可愛い「女の子」に見えるんですが、舞台の髪型や化粧と何が違うんだろう……?別人みたいに迫力が出て、「少女」とは違う「子供」の危なかっかしい怖さがちゃんと見えた気がして、感心しました。子供特有の、底知れない怖さ。
佐々木淳子の「おばあちゃんの人形」を連想したのは私だけかな……。



■レイブン(萌花ゆりあ)
ナイトメアを「マスター」と呼ぶ生き物。
「ホフマン物語」の影法師(流輝一斗、麗百愛)のようなイメージの役でしたが、ダンサーとしての本領を発揮したまいまいは本当にキレイでした。蒼白い化粧も美しく、存在感があってとても良かったです。



■白の女王(花瀬みずか)、ルーク(光月るう)、ポーン(琴音和葉)
「夢の管理人」と名乗る白の女王と、白の女王がナイトメアを退治するために(?)遣わす部下二人。

るうちゃんは、ちょっと古いけど「Young Bloods!」でひまりんと組んでたときの役みたいな感じ。狂言回しではないんだけど、ある役割を与えられて物語の中に放り込まれた系のキャラクターでした。優しくてかっこよくて、でもちょっとドジ。こういう役はピカ一ですね!
ちびあず(琴音)、きゃぴきゃぴした小さな女の子っぽいキャラ。何かを言うたびに「○○○、でーすっ!」と言うキャラなんですけど、ちょっとウザい感じが良い息抜きになって、とても可愛いです。さすがに達者だなあ……。
あーちゃんは、「薔薇の国の王子」の役どころと似たような役でした。美しいし存在感もあって悪くはないんですけど、正直に言えば、彼女の存在自体の嘘くささが物語全体の弱点になっているので、脚本的にももうひとひねり欲しかったし、あーちゃんの芝居も、もう少し威厳を出すとか、何か出来たんじゃないかなーと思いました。


だいぶ、長くなってきたので、他のメンバーは後日まとめさせていただきますね。



最後に一つだけ。



「夢世界」のテーマである「醒めたら消えてしまう夢」というイマジネーションと、「生きる」こと、「創る」ことをうまく絡ませた二幕の展開が、とても好きです。

小柳さんは「リアルワールド」と「インナーワールド」を交互に切り替えて表現するのが得意だという印象があったのですが、今回は「リアル」と「インナー」の境界を曖昧にすることで一つの筋書きでまとめていましたね。そのせいで若干説明台詞が多く(←ルイス・キャロルの生い立ちとか)なっていましたが、るうちゃんの台詞回しが巧いのですっと入ってきたと思います。
普通の作品なら「回想シーン」みたいなもので表現しそうな場面なのに、台詞だけに任せたのはすごいな、と。


ただ、ナイトメアの気持ちを整理するのに、荘子の「胡蝶の夢」を出してきたのはちょっと疑問に思いました。せっかくアリスなんだから、赤の王様の話をうまく使えばいいのになあ……と。実際、ナイトメアの思考の全体は、「胡蝶の夢」より「赤の王様」のエピソードの方が似と思うんですよね。

アリスの、『この世界』の夢をみている赤の王。
トウィードルディーとトウィードルダムが、アリスに問いかける。

「王さまが目醒めたら、きみはどうなっちゃうと思う?」
「いまのままここにいるんだわ、もちろん」
「ちがうね!」
「きみはどこにもいなくなっちゃうんだよ!」
「王さまが目を覚ましたら、きみは、ロウソクが消えるみたいに『パッ』と消えちゃうんだ」

『ロウソクが消えるみたいに』というモチーフは別のところで繰り返し出てきますが、ナイトメアがイメージするのは、あくまでも「胡蝶の夢」なのが不思議でした。何故なんだろう。ナイトメアは、おそらく眠らない(眠っても夢をみない)存在であるはずなのに。

まあ、そんな細かいところが気になりつつ、非常に説得力のある、よく出来た脚本だったと思います(^ ^)。小柳さん、ノッてますね!!
来年も良い仕事をしてくださいますように♪



来年以降の星組に関係するニュースがいろいろ出ましたね。


一番驚いたのは、やっぱり……
2013年4月の台湾公演。

月組が「MAHOROBA」を上演したとき、この作品を持って月組が台湾公演へ行くという噂がありましたが、あれは単なる噂だったのか、それともあの頃から話はあって、やっと実現したのか…?
アジア一の親日で知られる台湾なのに、宝塚が行ったことがないというのは意外ですよね。宝塚ファンも多いという話を聞くので、喜んでもらえたらいいな、と思います。

作品は何を持っていくんでしょうね。「MAHOROBA」と「ノバ・ボサ・ノバ」とか?……みんな死にそうだな……。



それにしても、2013年か!
礼音くん、5年目突入は確定ですね。若いっていいなあ。
そして、私はその頃どうしているんだろうか………(遠い目)(←意外と星組ファンしてたりしてね/苦笑)





そして、3月のドラマシティとバウの振り分けと、バウの一部配役も発表されました。

とりあえず、はるこちゃん(音波みのり)、バウヒロインおめでとうございます!
「めぐり会いはふたたび」以来、涼さんの相手役が続いているはるこちゃん。お二人の芝居の方向性はよく合っていると思うので、とても楽しみ。
キャストも芝居重視のメンバーで、嬉しいです。鈴木さん、お願いだから原作の良さを生かしてうまくまとめてくださいね。そこそこのホンなら、なんとかできるメンバーは揃えていただいたようですので(^ ^)。
青年館公演は花組東宝のラスト直前なので何回観られるかわかりませんが、良い作品になりますように、心から祈っています。



ドラマシティはもっと若手のダンサーを使うのかと思っていましたが、意外とスターを集めてきた印象。チケット結構厳しそうだなあ……。

2幕形式のコンサート作品って、私が観たことがあるのは優子姫(風花舞)の「LAST STEPS」、麻子さんの「SENA」、蘭トムさんの「“R”ising!! 」、園加の「Dancin’ Heroes」……くらいかなあ。体力配分の問題もあって、なかなか観客が期待するほど踊りっぱなしのショーにはならないのが常ですが、歌手カウントの上級生がいないのはちょっと心配ですね。

まあでも、細かいところはおいといて、どいちゃん(鶴美舞夕)&キトリちゃん(稀鳥まりや)が踊ってくれたらそれでいいです、私は(^ ^)。



月組バウホール公演「アリスの恋人」つづき。
(間があいてしまってすみません!)



■帽子屋(紫門ゆりや)
いやーーーー、嵌り役だったと思います。
「女狂い」には見えなかったけど(^ ^)、なんとなく裏がありそうな感じとか、胡散臭い印象……なのに、ちゃんと王子様に見えるところがゆりやんらしくて素晴らしい、と思いました。

ナウオンでも話が出ていましたが、ちょっとした仕草……髪をかきあげたり、あごで“くいっ”と指示するような仕草が、存分に偉そうで嫌味で上から目線(^ ^)なのに、あざとさがなくて自然で、すごく良かったんですよね(←わかりにくい)。
もともと持っている子供っぽい優しさや素直さと、そらっとぼけた胡散臭さが同居しているあたりが、とにかく良かったです。

個人的に一番好きな場面は、マギーのナイトメアに縋りついて、「俺はまだ消えたくない!」って叫ぶところでしょうか。……ゆりやんは、攻め芝居と受け芝居、両方できる人なんだな、と思います。今まで、どちらかというと受けの芝居が多かったけど、「アルジェの男」のジュリアンくらいから攻め芝居も見せてくれるようになって、役者として幅が広がったなあと思います。

それにしても。
あんなに派手な美男が、眼鏡におさげの地味で冴えない(でも眼鏡をとると可愛い←定番)女の子に惚れて、みっともないほどオロオロしているあたり、本当に一昔前の少女漫画によく居たキャラだなーと思いながら観てました。いつか「有閑倶楽部」を舞台化するときがきたら(←しないってば)、ぜひ美童・グランマニエはゆりやんにお願いしたいです(^ ^)(ドラマでは子安武人さんだったんですよね……視てないけど、どうだったんだろう…)



■ヤマネ(鳳月杏)
いつも眠そうにクッションを抱えて、ふらふらと歩いている(あるいは転がっている)ヤマネ。
金髪マッシュルームカットに丸いぽわ耳。「アルジェの男」の切れ味のいい色悪はいったいどこに消えてしまったのかと思うほど、とにかく激萌えな可愛さでした。
台詞はほとんどない、というか、ひたすら寝ているヤマネですが、出番は多いし一度見たら忘れられないし、けっこうおいしいなーと思います。長い脚を持て余して長々と寝ている姿も、クッション抱えて目を擦っているようすも、とにかく可愛い。あんな弟がいたらめっちゃ可愛がるのにー!!

ただ、惜しいなーと思ったのは、クッションのデザイン。形も素材もシンプルな、普通の枕みたいなクッションを持っていたんですが、せっかくなのでアリスの衣装みたいなひらひらフリルつきとか、形がハート型で素材もベロアとか、そういうのだったらよかったのに………(真顔)。



■チェシャ(貴千碧)
大きめの猫耳に、アライグマみたいな太い尻尾。ずーっとニコニコ笑いながら、台詞の語尾に「にゃ」とつくチェシャ猫。格好が面白いだけじゃなくて台詞にも「にゃ」が入るあたり、難しい役だと思うんですが、ごく自然にやっていて、すごいなーと思いました。
元々ダンサーなので身のこなしが綺麗なのはさすがですよね。

役割としては、ヤマネと同様、本筋にはあまり関わらない賑やかしという感じですが、まんちゃんの独特の穏やかな空気が小柳世界にはすごく合っているんだなあと思います。「二人の貴公子」の劇団員も良かったけど、あれから2年経験を積んだ今のまんちゃんは、たまらなく目を惹きますね(^ ^)。



■マーチ・ラビット(珠城りょう)
典型的な狂言回し、でしたね。幕開きは仕方ないにしても、本篇が始まったらもっと作品世界に入るのかな?と思っていたんですが、最後まで「世界」の外にいる狂言回し。私はあまりこういう存在が好きではないので残念でしたけど、たまきち自身は滑舌もいいし、がんばっていたと思います。
本当は、トランプ一座の口上役でもいいから「ファンタスマゴリア世界」の中での役割がはっきりあれば、やりやすかったんじゃないかと思うのですが、たまきちの学年と経験値で、ああいう立場で作品に関わることができたのかラッキーなのかも。作品全体を見られるからすごく勉強になるだろうし、客席の空気を感じて物語を動かして行く役だから。この経験はしっかりモノにして、次につないでほしいです。

……っていうか、たまきちの真面目くさったウサ耳、最高に似合ってました(^ ^;ゞ
衣装も面白かったですね。上衣の襟とチョッキの飾りで、ちゃーんとウサギになっているのがめっちゃ可愛い(*^ ^*)。


ところで。
小柳さんは判って作っていらっしゃるんだろうと思いますが、時計を持って「急がなきゃ、急がなきゃ!」と走ってくるウサギは「白ウサギ(White Rabbit)」であって三月兎ではないなんですよね。
まあ、ウサギが二匹出てくるとわかりにくいし、「三月兎のような」って言葉がある(←元々は繁殖期の兎の激しい求愛行動から来ているらしい)から、あえて使っているんでしょうけれども。

原作の三月兎は、帽子屋やヤマネと一緒にお茶会をしているキャラクター。今回は、その役割をほぼチェシャ猫が担当していた印象でした。チェシャ猫は、原作では単独で出てくるキャラで、それこそ狂言回しにふさわしい役だと思うんですが、、、たまきちとまんちゃんのキャラクターを考えて種類を決めたのかな、と思いつつ。

さらにどうでもいいことですが、三月兎の英名は本当は「Martch Hare」なんですね。ちなみに、「Hare」は野ウサギで「Rabbit」は穴ウサギ。Hareの方が身体が大きくて脚が長い(^ ^)はずだから、たまきちはマーチ・ヘアーでいいじゃん、と思うんだけど、、、日本だと「兎=ヘアー」に馴染みがないから、しかたないのでしょうか。
日本語だと「ウサギ」は1カテゴリーだけど、英語だと「Rabbit」と「Hare」の2カテゴリーになるんだなあ、と思ったことがあるので、蛇足ながら書かせていただきました。



■友人(晴音アキ)
アリスの同僚?先輩?という感じの役。プロローグとエピローグで似たような会話を繰り返すんですが、もう少しヴァリエーションがあってもいいかなあ、と思いましたが、概ねよかったと思います。
ただ、あの役はもっとちゃんと「先輩」という位置づけにして、ちゅーちゃん(咲希あかね)あたりにやらせても良かったと思うんですよね。そうすれば、現実世界でのアリスの年齢ももう少し上に見えたかもしれないし……ま、繰り言ですが。



■同僚(有瀬そう)
こちらはちゃんと役名が「同僚」になってますね。おじさまが似合う有瀬くんだから、「上司」とかでも良かった気がするんだけどな。

役での出番は最後だけですが、良い味を出していて、もう中堅なんだなあと感慨深いっです。
月組はきっしー(彩央寿音)が抜けた穴を埋めなくてはいけないので、下級生もがんばってほしいなあ。



■ジョーカー(一色瑠加)
ファンタスマゴリアのトランプ一座の座長。いい加減でとぼけたおっさんで、、、、すっっっっごい良かった!!!
独特の間の良さと包容力のある佇まい。素晴らしく魅力的な座長さんでした(*^ ^*)。公演の長はあーちゃん(花瀬)ですが、きっとガチャも一緒にみんなの世話をしているんだろうなあ……という納得感がありました。

一番好きなのは、2幕で「パッ」とマントを開いてお茶会をはじめる場面。
……原作のイメージだと、あれをやりそうなのは帽子屋なんですけどね(^ ^)。ゆりやんはそういうキャラじゃないからなあ(^ ^)。



■エース(沢希理寿)
トランプ一座の歌い(語り)手。
赤の女王に観せる「ジャバーウォックの物語」の芝居を、ほとんど無声映画の弁士のように一人で語り、歌ってくれます。いやー、久しぶりに沢希くんの歌がたーーーっぷり聴けて、とても幸せです(^ ^)。ビジュアルも良かったですーーー!



■トランプ(男)
みづきちゃん(瑞羽奏都)は相変わらず良い男っぷり。本当に色っぽくて格好良いです。シャープな美貌に餓えたような目線、好きだなあ。

貴澄隼人さんは、アルジェくらいから化粧が変わったような気がします。ロングの金髪が良く似合ってて、一瞬誰かと思いました。

ジョーくん(輝城みつる)は、今回は歌がなかった……よね?残念だなあと思ったことは覚えているんだけどな。

輝月ゆうまくんは、あれはオカマキャラ……なんですよね?宝塚伝統の「芸」って、男役だけじゃなくてオカマ役にも伝承されているものがあるのでしょうか(@ @)。ホンの半月前に観たばかりの某カリスマ美容師(真瀬はるか)と、シナの作り方とかよく似ていて、本当にびっくりしました
優ひかるくんと二人で荷物を運ぶ場面の台詞のやりとり、あれはきっとアドリブなんですよね?まだ下級生なのに凄いなあ(*^ ^*)。

しかし、組も違うのに酷な言い草かもしれませんが、オカマキャラは目立つし印象に残りやすいので、直近の公演でそういうキャラが居たことが分かったら、違う切り口を考えた方がいいのかも、と思いました。輝月くんは本当に巧い人なだけに、真似?とか思われたらちょっと勿体無い気がしてしまいました。



■トランプ(女)
くれよん(玲実くれあ)のダンスはやっぱりいいなあ。もっと踊ってほしかったー。レイブンがもう一羽いてもいいと思うんだけどなあ……。

ちゅーちゃんはとにかく可愛くて可愛くて素敵でした。しかし、せっかくバウだというのに役がつかないのが残念すぎる。巧いのにー。

真愛涼歌さんは、スタイルもだいぶ戻ったし、相変わらず可愛いです。声がホントに素敵なので、台詞が少ないのがとても残念。小柳さん、「二人の貴公子」では使ってくれたのになあ(↓)。

都月みあちゃんもホントに可愛いです!!最近みあちゃんを見つけるたびにあまりに可愛いんで二度見してしまうんですよね。ものすごい美少女だと思うんだけどなあ……そろそろ役がついてほしいですー。

楓ゆきちゃんも可愛い~(はぁと)。このあたり、月組の中でも1,2を争う可愛い子が揃ってる感がありますね。ただ、彼女もなかなか役はつかないんだけどね……(; ;)。



そんなところでしょうか。

みりおくん、佳作でのバウ&青年館単独初主演、本当におめでとうございます。
なまじ美貌なばかりに女役も多く経験しているみりおくんですが、彼女の本領は男役(「愛する」側)にあることを証明してくれた小柳さん。ありがとうございました。
霧矢さんの卒業が発表された今、月組の重要なポジションを任されることはほぼ間違いないみりおくんが、この経験を糧にどんな男役になってくれるのか、これからも楽しみに見守っていきたいと思います。

ま、とりあえずは、東京でお待ちしています(^ ^)。



神奈川県民ホールにて、月組全国ツアー公演「我が愛は山の彼方に/ダンス・ロマネスク」を観劇いたしました。



「我が愛は山の彼方に」
1971年に鳳蘭・安奈淳・大原ますみのトリオで初演。その後、峰さを理・山城はるか・湖条れいか、稔幸・絵麻緒ゆう(彩輝直)・星奈優里、と星組で再演を重ね、月組での上演は今回が初。私が観劇するのも今回が初めてです。
ちなみに、初演の演出は長谷川一夫氏。今回の演出は脚本の植田さんが兼任しておられますが、個人的には、誰かもっと若い人の演出で観てみたかったなーと思いました。

それにしても、霧矢さんは、劇団的にあの時代の星組の系譜を継ぐ人と思われているんでしょうかねえ。鳳さん・峰さん時代の作品が多いような気がするんですけど、気のせい?



鳳さんと安奈さんって、初演当時はダブルトップ体制だったそうですね。観劇してみて納得しました。これは、男二人が対等じゃないと話にならない(- -; 万姫がどちらを選ぶのか最後までわからないからこその面白さがあるはずだったんじゃないかと思うんですよね。

今回のキャストは、高麗の武将・朴秀民に霧矢大夢、零落した高麗貴族の姫・万姫に蒼乃夕妃、女真軍の武将・チャムガに龍真咲というトリオ。うーむ、観ての率直な感想は、どちらかといえば、霧矢さんがチャムガで秀民をまさおくんが演じた方が話として判りやすかったんじゃないかな……?という感じです。
いろんな細かいところで秀民が主演にみえるような演出がなされていましたが、根本的なところがダブルトップ仕様の作品だと思うので、チャムガ主役に書き変えてしまうことは可能だったんじゃないのかなあ。「あかねさす紫の花」の中大兄皇子篇と大海人皇子篇、みたいな感じで、秀民篇とチャムガ篇がそれぞれ成立する作品だと思うんですよ。

今回は前回と比べてもかなり大きな改変がなされていたようなので、だったらいっそのこと……と思ってしまいました。原作がすごく面白そうなので、いろいろ勿体無かったような気がするんですよね。
ただ、脚本的に「戦のむなしさ」みたいなものを前面に出した会話が多いのが気になりました。これはそういう話じゃないだろう。戦いは虚しい、戦争なんてなければよかったのに、という話ではなくて、コミュニケーションギャップがある中で、人と人が心を通わせるには何が必要か、という話なんじゃないのかなあ?

なんだか「戦争がすべていけない!」みたいな展開になると、すごく話が薄っぺらくなって、互いを思いやる3人の感情までもが薄っぺらいものにみえてきてしまうのが残念でした。



それでは、キャスト別に。

■朴秀民(霧矢大夢)
高麗の武将。
万姫と出会ってから「半年の間、お逢いしなかった日は無かった」ほど通い詰めて彼女の心をGET!晴れて恋仲となり、結婚の赦しを得るために都へ向かう。その留守の間に女真軍の襲撃で万姫を奪われ、彼らを滅ぼすための策をたてるが……。

いやはや、格好良いです!よっ、二枚目!
衣装もよく似合って、武将らしい貫録がありました。あまり「愛」を前面に出す役ではないのですが、懐の深さと優しさがとても霧矢さんらしくて素敵でした。
でも、、、あのラストの嘆きは、ちょっと納得できないけどーーーー(←霧矢さんの問題ではなく、脚本の問題です)



■万姫(蒼乃夕妃)
零落した高麗貴族の姫。
あまり「高貴な姫」という感じはしませんでしたが、芯の強い凛とした佇まいがとても印象的でした。
作品的に、もう少し迷いというか、自分の運命に対する戸惑いのようなものがあっても良い役だと思うのですが、ああいう「きっぱり」感がまりもちゃんの美徳なので、しかたないんですよね、たぶん。

ちなみに、「迷いのなさ」といっても、まりもちゃんの場合は、ねねちゃんみみちゃんと違って「頑な」ではなく「男前」なんですよね(^ ^)。そして、あんなにも強くてきっぱりと男前で格好良いのにもかかわらず、あくまでも「守られる花」として存在できるまりもちゃんが、とても好きです。本当に霧矢さんとお似合いだった……。



■チャムガ(龍真咲)
女真国の武将。秀民が留守の間に万姫の故郷を襲い、万姫を連れて帰るが、「必ず高麗に戻す」と約束する。
感情を表に出さずにぐっと抑えつつ、一年の時をかけて異国の姫との間に絆をつくる……本当に滅多にないほどやりがいのある良い役だと思うんですが、本当に難しい役でもあるんだなあ、というのが率直な感想でした。
霧矢さんの卒業が決まり、まさおくんにとってはここが正念場だと思うんですが……うーむ、どうしたものか(溜息)。

万姫と二人の場面がない(なくなった?)こともぁり、芝居としての難度が相当に高いのはわかるのですが、まさおくんの最大の課題である「芝居をしている相手とのコミュニケーション」あるいは「『愛する』という芝居」が、今回もクリアしきれずに残ってしまったような気がしました。

美貌もスタイルも歌唱力も、、、たくさんのモノを天に与えられた人なのに、役者として一番大事なことがどうしても理解できない……悲劇だなあ、と思います。「合う役」「合わない役」というのは誰にでもあるものだし、センターに立つときには「合う役」が与えられるはずだから心配しなくていいのかもしれませんが、、、さて。



■玄喜(青樹泉)
秀民の副将。
武人だけどとても優しい人で、秀民に心酔し、心の底から尊敬しているんですよね。そういう、ひたすらでまっすぐなリスペクトが似合う役者だなあ、と感心します。

出番はあまり多くないけど、大事なところをしっかり押さえる役。万姫と再会していったん引っ込んだ後、懐剣を返しに現れた場面での台詞がとても好きです。台詞自体も良い台詞だけど、もりえちゃんの口から出ると、さらに価値が上がる気がする。言葉に命を吹き込める役者になったんだなあ……と感心します。「紫子」の風吹以来、本当に良い芝居をするようになりましたよね(*^ ^*)ずっと月組で見守ってきただけに、今、とても嬉しいです。



■永順(磯野千尋)、柳花(一原けい)
万姫の世話役と乳母。
かつては大家に仕えていた誇りと、厳しい現実を生き抜くための知恵の両輪で生きて行く二人。万姫をいつくしむ気持ちが伝わってくるベテランのお二人でした。

しっかし、全ツに付き合うのって、専科さんは大変ですおねえ……(; ;)。あそこまで役がない作品なら、組子でがんばってもよかったのに、と思ってしまいました(; ;)。磯野さん一原さんが悪いんじゃないんですが(←当たり前)



■エルムチ(越乃リュウ)
チャムガの副将。寡黙であまり感情を表に出さないチャムガの代わりに、「おかしら」の気持ちから世界情勢まで、あらゆることをベラベラと説明してくれる、豪放磊落な男。
本音をいえば、ナホちゃんの芝居には軽みがないので、こういう役は無理があると思うんですけどね……。ちょっと前の月組にはこういう役を得意とする上級生がわんさかいたんですが、いつの間にか誰もいなくなっちゃって(泣)。

でも、二度の戦闘シーンでセンターで踊るナホちゃんは、死ぬほど格好良いです!あの2場面のためにこの役が決まったんだな(納得)(←えっ?)



■楚春(憧花ゆりの)
万姫の侍女。
設定年齢は何歳なんだろう……?少なくとも万姫よりは年下ですよね(@ @)うーん、、、、無理な気がするわ。

私は昔からすーちゃん好きだし、「スカーレットピンパーネル」のマリーはなかなかの当たり役だと思っているんですが、、、楚春はちょっと無理があったよなあ……↓↓
役としてはあのくらいの大役をやってもいい人だと思うんですが、普通に「侍女」という立場で、台詞の内容はあのままで、設定年齢だけ上げればいいのになあ…と思いました。



それ以外のメンバーは、ふぁーびー(綾月せり)が高麗の将軍だったほかはみなさん十把一絡げに「兵士」という感じ。それでも、男役は宇月(颯)くん筆頭に最下の若手までしっかり台詞があったのは良かったんですが、、、、娘役は万姫と楚春以外は台詞がなかったような気がします。
ただ、出番でいうと娘役は花の精をやったり兵士をやったりで意外と舞台にでているんですが、男役は兵士のみなので出番も限定されていて………
とにかく、何でもいいからプロローグは全員出しなさい!!と心から思いました(T T)。
この公演で卒業する真凜カンナちゃんとか、この出番と扱いは本当に残念↓↓↓



ショーは、本公演も良かったけど、全ツになって、また違う意味で面白くなっていました。
とりあえず、宇月くんのファンは通うべき!(きっぱり)。みりおくんがやっていたロケットボーイと、まさおくんが歌っていた「かもめ」の最初の銀橋でソロを歌い、パレードでは小階段を一人降りですよ!!お芝居のしどころのなさと足して2で割ってもお釣りがきます(*^ ^*)。
ただ、ノートルダムの場面に最後まで出てくれるんじゃないかとの期待は裏切られちゃいました……残念。次の場面で板付きだから仕方ないけど、ヤンさんがつけてくれたというダンス、観てみたかったなー。

月組男子は、まさおくんメインで「月下美男」へ。音楽も変って、だいぶ色っぽい(ホストっぽい?)場面になってました。みんな頑張ってたけど、下級生ではゆーみん(隼海惺)のジャニーズっぷりに愕然。個人的にお気に入りのあまりら(天翔りいら)&あーさ(朝美絢)も、がんばりすぎて可愛くなっていたけど、でもやっぱり格好良かったです(^ ^)。

ロケットボーイと月組男子以外のみりおくんのポジションにはもりえちゃんが入っていたのかな?本公演も回数を観ていないのであまり覚えていませんが……。プロローグでまさおの後に出てきたときとか、あまりの格好よさにくらくらしました。
「タリスマン」の部下は、みっしょん(美翔かずき)とゆうき(煌月爽矢)。村人たちも減ってしまって梅田ではかなりスカスカ感があったのですが、一週間たつと変るものだなあと感心しました。


名場面のカモメも、この一週間でびっくりするほどまとまりましたねー。人数が減った分、一人ひとりのエネルギーをすごく感じました。そして、初日は相当に緊張しきってまったく支えられなくなっていた宇月くんのソロ(手に汗にぎりましたわ……)も、びっくりするほどよくなってました!(←贔屓目?)響きのやわらかい伸びやかな声は、あの笑顔じゃないと出ないんですよねー。気持ち良さそうに歌っていて、安心しました。ホールの音響が悪かったのが残念だー!

そして、「カモメ」の次のまさおくんのソロも良かった♪ 今回ソロが一曲減ってしまった(その代わりに中詰めで客降りしてくれるんですが♪)んですが、その分までこのカモメ後の銀橋にかけてくれていたような気がします。

霧矢さんとまりもちゃんのデュエットダンスは、曲も振りも変ってましたね。DVD対策?
終わりが見えてきた二人だからこそ、「Endless Love」が心に沁みます。ダンサーコンビのいろんなデュエットを観ることができて、とても嬉しい。こういうところ、中村Sさんは外さないな、と感心しますね(*^ ^*)



直近でやっていた花組全国ツアーが、今の時代にぴったりの名作「小さな花がひらいた」だったので、今回の芝居は(題材的に)残念感がありましたが、、、でも、ショーが良かったので楽しめました♪
霧矢さん、まりもちゃん、それから、みんな!あと半月、怪我のないように突っ走ってくださいね。



東京宝塚劇場宙組公演「クラシコ・イタリアーノ/ナイス・ガイ」を観劇してまいりました。



大劇場で観た時の感想……というか、雑感はこちらに書かせていただきました。
http://80646.diarynote.jp/?day=20111107

えーっと。
脚本的にも芝居(役者)的にもかなり完成度が高くて、その完成度ゆえにかえって感想を書くのが難しい……と悩んでいるうちに大劇場が終わり、そのまま東宝が始まってしまいました。
いちおう宙組ファン(←最近すごくあやしいけど)の一員の日記として、公演の真っ最中なのに更新が20日ぶりってどうなんだ?いかんいかん!



……というわけで、東宝を観てまいりました。

人の動かし方とか間の取り方とか、細かいところの変更点はいろいろあったような気がしますが(少年サルヴァトーレのマイクが入っていたりとか)(レニーの「最後、セリ下がってましたよ…」とか)、とりあえず台詞レベルで違っていたところで気がついたのは2箇所ですかね(他にもあると思いますので、気がついた方教えてください!)。

1つ目は、最初の撮影前のミーナの電話。これは、場面として追加されてますね。
「初めての仕事が決まったんよ!明日が撮影!」
と“おばあちゃん”に掛ける電話で、大劇場からあった「CMが決まった!」という電話の前振りになるわけですが。

最初の撮影直前のミーナと、それを無事撮り終え、オーディションにも参加して、お情けではなく自力で仕事を獲得したミーナ。『誰かがいる』ことに気づいて、強くなった彼女の変化を表すための場面追加なんだろうなーー、とは思うのですが……あまりに短いうえに、相手のいない「電話」というのは、ちょっと難度が高すぎるような気がしました(; ;)。
すみ花ちゃんは可愛かったけど、どうせ増やすならレニーとミーナの会話(インタビューを取りたいとサルヴァトーレに伝言をする場面)が観たかった……いや、そこまでの時間はなかったかもしれませんが(^ ^;ゞ

しっかし、ほんの1,2分だと思うんですけど、この場面を入れるために何かを削った……はずですよねえ?転換の時間とかを削って捻出したのかなあ……?



もう一つは、マリオたちの酒場のシーンで、駆けつけてきたサルヴァトーレがマリオに掛ける言葉。
「ジュリアーノ(寿)が、お前に辞表を提出させたと聞いた」
という台詞が追加になって、これに続けて大劇場の時の
「俺がお前を追い詰めたのか?」
につながったんですよね。

ここの会話は、ル・サンクが出た時にだいぶ話題になりました。
印刷された脚本では
「ジュリアーノが、辞表を出すようお前を追い詰めたと聞いた。俺は、お前を守れなかった」
というセンチメンタルな台詞になっていて、、、いやー、削除されて良かった、と思ったものです。

しかし、東宝で変更された台詞は、同じことを言っているのに全然ニュアンスが違うのがすごいな、と感心しました。さすが景子さん(^ ^)。このたった一言があるかないかで、マリオの立場は全然違うものに見えてくるし、作品の印象さえ、だいぶ変わったような気がします。

脚本の台詞だと、サルヴァトーレとジュリアーノは完全に対立し、マリオは『犠牲者』になってしまう。マリオ自身がどう考えているかによらず、サルヴァトーレはジュリアーノに敗北したことになってしまうんですよね。だから、削除した。それは、正しい。

でも、この会話がないと、マリオがすごく勝手な男になってしまう。辞める必要はないのに、何もかも面倒になって、全部捨ててしまうヴァガボンドみたいな印象が残ってしまうんです。もちろん、実際にはマリオはそういう人間ではないはずので、台詞がなくてもそこは芝居でカバーするべき(してほしかった)部分ではあるんですけどね。

だから。
東宝で追加された台詞によって、ジュリアーノの立場がはっきりしたのはすごく良かったと思います。
ジュリアーノがサルヴァトーレの意志を無視してマリオを追いだしたわけじゃない。マリオがサルヴァトーレの意志を無視して勝手に出て行ったんでもない。サルヴァトーレの中にはジュリアーノに賛同する部分とマリオを必要とする部分の両方があって、ジュリアーノにもマリオにも、そしてサルヴァトーレ本人にも、その迷いは判っていたんですよね。だからこそジュリアーノが動き、だからこそマリオは納得し、、、、だからこそ、サルヴァトーレの目も醒める。
自分が今歩いている道は、本当に自分の理想につながる道なのか?ということを、考え始める……。


話の展開的に、ジュリアーノがヒューストン(悠未)から金を貰ってマリオを切ったとか、そういう話じゃないはずなんですよね。
ヒューストンの目的は「アメリカ市場で馬鹿売れする(=大儲けできる)廉価なナポリスーツ」であって、何もサルヴァトーレ自身が欲しいとかそういう話じゃない。(←違いますよね? ^ ^;ゞ)
グランチェッロ側から売りこんだのか、ヒューストンが買いにきたのか、そのあたりは語られませんが、たぶん、最初の頃は「廉価なナポリスーツ」を提供してくれそうだったのはグランチェッロだけだったんですよね。
けれども、業界トップのグランチェッロは、プライドが高くて扱いにくい。何かというとすぐ「伝統の…」とか言い出して、歴史のない自分たちを馬鹿にしている(←ように聴こえる)
後から出てきた成り上がりのアジャーニの方が、言うなりになるだろうから、最初の話はなかったことにしてしまいたい。だから、グランチェッロがとても呑めないような条件を突きつけて、あとくされなく切ってしまおう……というのが、物語のスタート時点でのヒューストン側の意向のはず。

サルヴァトーレも、それは気づいているんでしょうね。先方は自分の商品に惚れこんで買いにきたわけではなく、話題性と物珍しさがほしいだけだ、と。品質が良ければそれに越したことはないくらいは思っているかもしれないが、それが付加価値になるとは思っていない、と。
だったら、こちらからお断りだ!……と自分の方から切り捨てるには、先行投資をしすぎてしまっている……というのが、グランチェッロ側の状況。少なくとも、ジュリアーノはそう思ってるんですよね。そういう台詞もあるし。
……たぶん、ミシンを大量に買っちゃってたんでしょう(^ ^)。

そんな状況の中で、今のマリオの存在は、邪魔でしかない。サルヴァトーレが決断するのを待っていては遅すぎる。だったら私が……とジュリアーノが動くのは、とても良く判ります。
長々と書いてしまいましたが、たった一言付け加えただけで、ジュリアーノとマリオの立場が全く違って見えるのが面白いなあ、と感心しました。

まあでも、こうなるとますます、サルヴァトーレ(とマリオ)が去った後の「グランチェッロ」の行く末が厳しそうに思えるんですが……仕事場の若者たちは大丈夫なのでしょうか(; ;)。
ジュリアーノも頑張ってくれるとは思うのですが、サルヴァトーレのセンスも技術面を支える存在もないとなれば、価格競争に陥るのは時間の問題ですからねえ……(泣)。




なーんて、、、余計なことばかり書いているような気がしますが。
そのくらい、本当にいろいろなことを考えてしまう作品でした。私にとっては。

その中でも、一番切ないのは、「アメリカ」という夢への純粋な憧憬なのかもしれません。
それは豊かさの象徴であり、平和の象徴であり、幸せの象徴でもあり……なにより、憧れのすべて、だったのでしょう。

映像の中の、ニーノ(月映)の語り。
「皆で手分けして作ったスーツがいつかアメリカに渡るかもしれねえ……そう思うと、ワクワクしてさ」
そのときの、えなちゃんの笑顔……。
手の届かない憧れだけど、憧れることができる自分は幸せなんだ、と。生きることだけに必死だった頃を思えば、夢を視ること自体が夢のようだよ、と。台詞ではそんなこと全然言ってないのに、そんな声が聴こえるような気がしてするんです。

「戦後のイタリア人にとって、アメリカは憧れそのもの。豊かさこそが幸せだと信じ、それを追い求めてきた。……だが、そのために喪ったものもあるのかもしれない。この国も、そして、自分も」
というサルヴァトーレのインタビューの直後なだけに、余計その憧れの純粋さが胸に沁みます。切なくて、痛々しくて、でもその純粋さが羨ましい、そんな感じ。

このお芝居はいろいろ胸に痛い台詞がたくさんあって、あちこちでうるうるしながらも泣くのは堪えている……んですが、その努力が無に帰すのは、だいたいこの場面ですなんですよね。映像を見ながら唇を噛みしめているサルヴァトーレも好きすぎる。
……毎回、あの場面のレニーの貌を見ようと思うんですが、未だ果たせてません(^ ^;ゞ おやっさんは結構観てるんだけどなあ。。。




かろうじて一匹捕獲したのに、写真を撮る前に食べてしまったので(←意地きたなくてすみません)、記事にコメントします。



見た目はアレですが、合成着色料ではなくすべて天然色素で、身体に悪いものではないらしい。とりあえず身体を乗っ取られたりもしていないので(←スライムにそんな能力ないよ)、大丈夫みたいです。

味も普通においしかったです(^ ^)。井村屋の肉まんは普段あまり食べないので味の違いがよくわからないけど、具は同じなのでしょうか。暗闇で食べたらわからなかったりしてね(^ ^)。



しかし、一番面白かったのはケースにスライムが並んでいる姿と、そこに貼られた手描きPOPでした。店前の看板も素晴らしい!!やっぱり、面白い商品が出るとそれだけで店頭が活性化しますね。店員さんもいろいろ考えて盛り上げるの楽しいだろうし。

当たったからといって増産すると、途端に飽きられてしまったりするから難しいところですけれども……



とりあえず、味は普通でしたよ、というご報告でした(^ ^)。