今日は、宝塚月組大劇場公演「夢の浮橋/Apasionado!!」の集合日でした。



「夢の浮橋」の詳しい配役と、そして、

涼城まりな
朝桐紫乃

両名の卒業が発表されました(T T)。





85期のちわわ、86期のしのちゃん。
このあたりの学年が、公演のたびにぽろぽろと減っていくのが、とてもさみしいです。
ちわわのジョーダン・ベイカーは絶品だった!
でも、1番好きなのは、やっぱり「HollywoodLover」の、モニカ。有能で包容力のある、やさしい大人の女。
小柄で子役も多かったけど、印象に残っているのはどれも大人の役です。

しのちゃんの博多座ジャスパー卿も、本当に素晴らしかった!あと、私は「パリ空」の新公(越乃リュウ)がすごく好きでした。柄にあった大人の役がやっと回ってくるようになってきたトコロなのに、残念です。



最後の舞台は、すずなが“中将の御許”、しのちゃんが“右京大夫”。
大野さん、二人の魅力を、どうぞたくさん教えてくださいね。














そして、配役発表。

匂宮が麻子さん、薫がきりやん、浮舟が羽桜しずくちゃん。

八の宮の姉妹(大君、中君)が出てこないので、どういう経緯で薫と浮舟が出会うのか謎ですが。
「更に狂わじ」で、きりやんの色気というものを余すところなく引き出した大野さんが、「飛鳥夕映え」で、麻子さんにはハッタリのきいた色男な鎌足を演出した大野さんが、それぞれにどんな色っぽい薫を、どんな素敵な匂宮を書いてくれたのか、とても楽しみにしています。
と同時に、二人の愛の狭間に迷うしずくちゃんの浮舟も、まさに水に浮かぶ船のような揺れ動く想いを描き出してくれることと期待しています。

……ああ、来年まで待てないかも……。





個人的には、回想場面が死ぬほど楽しみなんですけど、いったいどういう構成になるんだろう…。

だってだって、配役が

光源氏:萬あきら
女三の宮:天野ほたる
柏木:美翔かずき

ですよ!!

萬さんの光源氏!!!
ほたるちゃんの女三宮!!!
そしてそして、みっしょんの柏木ーーーー!!



ありがとう、大野さん。やっぱりあなたは私の気持ちをわかってくださるわ(感涙)。
「みっしょんに役がなーい」と嘆けば役をつけてくれる大野さん。しかも柏木。美しいほたるに憧れて憧れて、忍び込んでしまうKYな男。それも、よりによって萬さんの恋敵!

これ、回想シーンのほんの5分で終わったら泣くからねっ!!



匂宮(幼少) 咲希 あかね
薫(幼少) 舞乃 ゆか
女一の宮(幼少) 花陽 みら


この3人の子供たちもツボー!
そして、可愛い3人を見守るおじいちゃんな萬さんと、おばあちゃんな梨花さんと、パパな磯野さん(はぁと)。


……大野さん、ここまで私のキモチを盛り上げておいて、源氏と夕霧は幽霊で狂言回し~♪ みたいなオチ(by NeverSleep)だったら許さん…。




道定のまさお(龍真咲)は結構ちょこちょこ出てくれそうだし、小君の千海華蘭ちゃんも楽しみだなあ。さぞ可愛かろう(*^ ^*)。

あと、あえて麻子さんの従者に(桐生)園加ちゃん、きりやんの従者にナホ(越乃リュウ)ちゃんをつけて、萌え心をくすぐる大野さんの確信犯ぶりに嵌りそうですわ。
いやあん、きりやん薫をイケズに見守るナホちゃんとか、めっちゃツボだから!




たぶん、大野さんなら何をしでかしても私のツボにだけは嵌りそうなので、何もかもが、とにかく楽しみです。
絶対「コレのどこが宇治十帖……?」ってゆー話になると思いますけど、ね。
(だって。匂宮が、薫の想い人である浮舟に嫉妬してその身体を奪う、って話になるんでしょう?)(←んなわけないだろーが)(- -;ゞ



ああ……新公配役発表が待ち遠しい……。っつか来年が待ち遠しい…。




東京グローブ座にて、ミュージカル「アプローズ」を観てまいりました。
※ちなみに、有吉京子さんの漫画とは全く関係ありません(^ ^)




「アプローズ」は、1970年にトニー賞を獲った名作ミュージカル。
映画「イヴの総て」を元にしていますが、映画版のタイトルロールであるイヴではなく、その先輩の大女優マーゴが主役。日本初年は1972年、劇団四季。その後何度か再演されましたが、1983年の公演で主役マーゴを演じたのが、当時○歳の前田美波里。



今回の公演は、劇団四季とは直接関係はないようですが、26年ぶりにマーゴを演じる前田美波里を主演に迎え、その相手役としてビルを演じたこともある浜畑賢吉を演出に迎えての公演でした。

マーゴの恋人・ビル(演出家)は、バリトン歌手で普段はオペラを主戦場にしている「二期会のプリンス(←プログラムにそう書いてあったんだもん!)」、宮本益光。
マーゴの友人・ドウェインには、俳優の佐野瑞樹。
ヒット脚本家のバズとその妻に、オペラ&ミュージカルの越智則英と、元四季の駒塚由衣。
プロデューサーのハワードに、俳優の倉石功。

主題曲「アプローズ」を歌う役者の卵に、宝塚OGの紫城るい。
そして、影の主役・イヴ役は、宝塚OGの貴城けい。




40年も前に作られた作品とは思えない、内容の濃い名作でした。
芝居としてもとても良く出来ていて、映画を観てみたくなりました。


役者も皆素晴らしかった~!!
特に、ビルの宮本さんとイヴのかしげ(貴城)ちゃんは、もう他のキャストが考えられないくらい嵌り役で、素晴らしい!!女優として走り始めたばかりのかしげちゃんは勿論ですが、宮本さんは、ぜひぜひまたミュージカルに出てほしい!と思いました。




名だたるミュージカル俳優の誰よりも素晴らしい歌声で、歌による芝居がきっちりと出来て、
歌じゃなくて台詞の芝居もそこそこやれて、しかも、オペラ歌手にしては細身でスタイル良くてカッコいい(*^ ^*)。なんて完璧なんだ!!

ぜひ、ハイバリトンの中年男性で包容力のある美声を必要とする役……
市村正親さんがザザを引退した後のジョルジュとか?(*^ ^*)、「レベッカ」とか…?
……ぜひとも、コンサートでもいいので聴いてみたいですっっっ!!








ちょっと宮本さんで頭がぶっ飛んでしまいましたが。

かしちゃんも、本当に良かったです。一幕での野暮ったさと、二幕での変身ぶりの素晴らしさ。
メークやかつらだけでなく、姿勢から喋る声、ちょっとした仕草まで、一分の隙も無い変身ぶりが本当に見事でした。
…少なくとも、私が観た中ではかしちゃんのベストアクトですね、今回のイヴ役は。
今後も、ご活躍をお祈りしています!





(紫城)るいちゃんは、可愛かった!
「アプローズ」という歌は、音域は広いし、音程は微妙だし、フレーズがぶつ切れになりがちで、歌いにくい難しい歌なのですが、よくがんばっていたと思います。……ま、まだまだ上を目指してほしい感じではありましたが。
でも。ジョー・アレン亭にたむろする「役者の卵」たちのリーダーとして、パッと目を惹く華やかなオーラと、駆け出しではない貫禄があったのが凄く役に合っていて、芝居の役としてはとても良かったと思います。歌で心情を表現する技術がずいぶん身について、わずか二年でこんなに変わるのか、と思いました。




そして。
「アプローズ」という、この作品のテーマ曲を歌うのが、スターたちではなくアンサンブルであるということが、映画をミュージカル化するときのキモだったんだろうな、と思いました。

「拍手があたしを燃やすの」
「とり憑かれたの魔法の音 アプローズ(拍手)に」

場末の酒場ジョー・アレン亭にたむろする“ジプシー”(コーラス)たちが、歌い、踊る。

「あの音の虜だわ、アプローズ!」






意地悪な新聞記者に
「どうしても金が必要になったら、どっちを売る?ダンスシューズか、自分の母親か」
と問われて、即答する青年。

「おふくろ」

……迷いも無く。




彼らは選ぶのだ。
世界のすべてよりも、アプローズを。





だけど、
スポットライトの中にいるスターは、どうする?


我侭で気紛れで躁鬱で、実は気が小さくて不安神経症気味な大スター・マーゴが、最後に択ぶものは、何か。


イヴが求めたものは、なんだったのか。







……そう。

ひとりの観客として、素晴らしい作品に酔い、物語を愉しみながらも、
幕切れのマーゴの選択に、微かな淋しさをおぼえたことも、事実ではあります。



それは、この名作ミュージカルが「舞台作品」だからこそ、
舞台の上でスポットライトを求めて蠢いている「彼ら」の叫びを直に聞いてしまう作品構成だからこそ感じずにはいられない後味の苦さであり、

その苦さを呑みこんで、はじめてわかる“大人の味”なのだと思いました。





少なくとも。
もしもこの作品に、もっと若い頃に出会っていたならば、私は、あのラストに凄く理不尽な思いをしたかもしれません。

でも、今はもう、マーゴの選択を祝福することができる。

彼女のラストソングを、一抹の寂しさを感じつつ受け入れることができる。



そうすることで初めて、この物語が「イヴの総て」ではなく、「アプローズ」の物語に、なるのです。




ひたむきにアプローズを、“光”を求めることができる【若さ】と、

アプローズの重みを支えきれなくなって、柔らかな優しい“闇”を求め始める、【老い】。



そんな、

“時間”という名の魔法使いの残酷な所業に想いを馳せながら、彼らの夢に酔う3時間を。


ぜひぜひ、のぞいてみませんか?☆







1 2