若人たちの仕立て職人
2011年12月8日 宝塚(宙) コメント (2)宙組新人公演「クラシコ・イタリアーノ」を観劇いたしました。
91期生のみなさん、新人公演ご卒業、おめでとうございます!
長にして初主演のあっきー(澄輝さやと)、
侯爵夫人クラウディア(五峰)の(藤咲)えりちゃん、
ピザ屋のおかみ(美風)の(花里)まなちゃん、
外務大臣、CMディレクター(風莉)、酒場のヴァイオリン弾き(天羽)と八面六臂の大活躍だったてんれーさん(天玲美音)、
サルヴァトーレの秘書ファビオ(愛月)の役を女性に変えて演じていたえびちゃん(綾瀬あきな)、
ペッピーノの妻・ジーナ(琴羽)の(舞花)くるみちゃん。
あらためて並べてみると、華も実もあるメンバーですよね。
これからは、本公演でのご活躍をお祈りしています!
あっきーは、本当に格好良かった!新公初主演、本当におめでとうございます(^ ^)。
スーツの着こなしもGJでした(*^ ^*)。ただ、ラストのナポリの場面での白シャツは残念な気もしましたが……(T T)。
台詞は本当に巧くなりましたよね!!前半の殻に閉じこもったサルヴァトーレの堅い台詞回しと、後半のナポリでの自分を思い出してからの柔らかさの差をつけつつ、ちゃんと一人の人間として通っていたのが良かったと思います。
歌は、得意な音域が微妙に祐飛さんとずれていたのが残念ですが、がんばってました(^ ^)。
きっと素はすごく素直で優しい人なんだろうなあ、、、と思わせる個性をベースに創り上げたサルヴァトーレは、表面的には祐飛さんの芝居をなぞっているのに、出てくるものが全然違うのが面白いなあ、と。いやあ、お芝居って難しくて、そして、楽しい。
初ヒロイン(おめでとう!)のゆうりちゃん(伶美うらら)。
大人っぽい美人さんですよねー(*^ ^*)。すみ花ちゃんは生まれながらに「何もないところで転んできました」というナチュラルなドジっ娘ですが、ゆうりちゃんは緊張のあまり足がもつれた感じに見えたかな。
プルチネッラの歌とダンスは難しそうなので、どうかなーと思っていたのですが、十分に魅せてくれて、とても魅力的でした(^ ^)。頭声のコントロールはまだまだでしたが、芝居としては良かったと思います♪
2階席だったので客席登場のところはよく見えなくて、、、っていうか、あの場面の警官役の二人(美月遥、桜音れい)は事件だったので、だいぶ吹っ飛んじゃいましたけどね!
ちなみに、桜音れいちゃんは超ミニスカポリスで、美月くんと逢引の真っ最中、という設定でした。銀橋の付け根で熱烈にキスしてる真っ最中にミーナに声をかけられ、いなくなってもう一度仕切り直し!というところで袖から「今、何時ですか?」と可愛い声。怒り狂った美月くんが素敵でしたー。興が殺がれた感じでクールに立ち去る二人が、もう(*^ ^*)。ああ、1階席で観たかったなあ~!
迎える警官側が笑いを取ってくれると、ミーナはやりやすいよね、と感心しました。大劇場のときは、あまり話題になっていなかったような気がするんですが、、、あの時もやっていたんでしょうか?
レニーの愛ちゃん(愛月ひかる)。
思いのほか本役のテルくんに良く似ていたことにびっくりしました。元々大きくわければ同じカテゴリーに入るタイプだとは思っていたのですが、本当に似てた(^ ^)。そして、似ているだけに愛ちゃんの発声(発音)の課題が浮き彫りになった気はしましたね。芝居は良い物を持っている人なだけに、「トラファルガー」から1年半、そろそろ技術面のブレイクスルーがほしいところです。
マリオのりっくん(蒼羽りく)。
いやー、良かった!ホントに良かったです。酒場の場面、初めて泣きました(; ;)。
りっくんの芝居はまっすぐに相手を見凝めて、そのすべてを役として受け止めてくれるんですよね。怒っても笑っても呑んで騒いでも、そこに居るのは「マリオ」で。マリオとして全てを見ていてくれる。
「俺がお前を追い詰めたのか?」と訊かれたときの貌。
酒場でのダンスで、振り向いてサルヴァトーレと目があった瞬間の、貌。
りっくんの切なさは、不思議なくらいすっと心に沁みてきます。時代の流れを読み切れずに必死で抗おうとするサルヴァトーレを、傍らで見守ることに疲れてしまった悲しみ。もう傍にいられないことが切なくて、辛くて、でも、選んだ道は間違いじゃない。これから先の道は離れてしまうかもしれないけれども、今まで一緒に歩いてきたことは絶対に無駄じゃなかったし、間違いでもなかった、、、そんな爽快感。そんな両極端な感情にかき乱されたマリオの心が、とても好きでした。
歌は、ねえ……がんばってくださいね。
別に巧くなくても良いんですよ。その芝居力でなんとか誤魔化せるくらいになれば、鬼に金棒。本人比で少しづつ良くなってきているのはわかるのですが、声自体は良いので、音程がもうちょっと安定すればなあ……(祈)。
アレッサンドロおやっさんのかける(風馬翔)。
良かった!!個人的には、今回の新公の立役者だったと思っています。「黎明の風」新人公演の吉田茂を思い出しました。
最初の場面(ナポリの海の散歩シーン)は、「若いなー」と思ったのですが、施設の職員(彩花まり)との場面で「お」と思い、BARの場面で「おおっ」となって………
そして、インタビューの場面の「年老いた男」っぷりに泣かされました。特に最初の登場の、歩き方や仕草のぎこちなさに。回想の中のおやっさんから10数年後という時の流れ以上に、息子と思ってきたサルヴァトーレを喪ったショックで一気に老けてしまった……みたいな、アレッサンドロ側のドラマがちゃんと見えたのが良かったんだと思います。
残念ながら、場面が進むにつれて少しづつ「いつものかける」が出てきたかな?とも思いましたが、なんとか最後まで演じきってくれました。……最後の退場で思わず拍手をしそうになってしまいました(^ ^;。
かなり役の多い作品なので、男性の役を女性に替えて娘役が演じていたり、意外な人がアルバイトをしていたり、、、全部をチェックはできませんでしたが、いろいろと興味深かったです。
新公演出は上田久美子さん。なかなか意欲的な、アグレッシブな演出でした。役者を良く見てくれて、その個性に合わせて自由にやらせてくれる人という印象をもっているのですが、今回もそんな感じでしたね。
場面はいじらないけど、台詞は細かいところが結構変っていたと思います。力のある人に自由にやらせつつ、最後にはちゃんと辻褄を合わせる、そのあたりの匙加減も、なかなかに絶妙でした(^ ^)。
どんな作品を作る方なのか、そろそろオリジナルを観てみたい気がします♪
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91期生のみなさん、新人公演ご卒業、おめでとうございます!
長にして初主演のあっきー(澄輝さやと)、
侯爵夫人クラウディア(五峰)の(藤咲)えりちゃん、
ピザ屋のおかみ(美風)の(花里)まなちゃん、
外務大臣、CMディレクター(風莉)、酒場のヴァイオリン弾き(天羽)と八面六臂の大活躍だったてんれーさん(天玲美音)、
サルヴァトーレの秘書ファビオ(愛月)の役を女性に変えて演じていたえびちゃん(綾瀬あきな)、
ペッピーノの妻・ジーナ(琴羽)の(舞花)くるみちゃん。
あらためて並べてみると、華も実もあるメンバーですよね。
これからは、本公演でのご活躍をお祈りしています!
あっきーは、本当に格好良かった!新公初主演、本当におめでとうございます(^ ^)。
スーツの着こなしもGJでした(*^ ^*)。ただ、ラストのナポリの場面での白シャツは残念な気もしましたが……(T T)。
台詞は本当に巧くなりましたよね!!前半の殻に閉じこもったサルヴァトーレの堅い台詞回しと、後半のナポリでの自分を思い出してからの柔らかさの差をつけつつ、ちゃんと一人の人間として通っていたのが良かったと思います。
歌は、得意な音域が微妙に祐飛さんとずれていたのが残念ですが、がんばってました(^ ^)。
きっと素はすごく素直で優しい人なんだろうなあ、、、と思わせる個性をベースに創り上げたサルヴァトーレは、表面的には祐飛さんの芝居をなぞっているのに、出てくるものが全然違うのが面白いなあ、と。いやあ、お芝居って難しくて、そして、楽しい。
初ヒロイン(おめでとう!)のゆうりちゃん(伶美うらら)。
大人っぽい美人さんですよねー(*^ ^*)。すみ花ちゃんは生まれながらに「何もないところで転んできました」というナチュラルなドジっ娘ですが、ゆうりちゃんは緊張のあまり足がもつれた感じに見えたかな。
プルチネッラの歌とダンスは難しそうなので、どうかなーと思っていたのですが、十分に魅せてくれて、とても魅力的でした(^ ^)。頭声のコントロールはまだまだでしたが、芝居としては良かったと思います♪
2階席だったので客席登場のところはよく見えなくて、、、っていうか、あの場面の警官役の二人(美月遥、桜音れい)は事件だったので、だいぶ吹っ飛んじゃいましたけどね!
ちなみに、桜音れいちゃんは超ミニスカポリスで、美月くんと逢引の真っ最中、という設定でした。銀橋の付け根で熱烈にキスしてる真っ最中にミーナに声をかけられ、いなくなってもう一度仕切り直し!というところで袖から「今、何時ですか?」と可愛い声。怒り狂った美月くんが素敵でしたー。興が殺がれた感じでクールに立ち去る二人が、もう(*^ ^*)。ああ、1階席で観たかったなあ~!
迎える警官側が笑いを取ってくれると、ミーナはやりやすいよね、と感心しました。大劇場のときは、あまり話題になっていなかったような気がするんですが、、、あの時もやっていたんでしょうか?
レニーの愛ちゃん(愛月ひかる)。
思いのほか本役のテルくんに良く似ていたことにびっくりしました。元々大きくわければ同じカテゴリーに入るタイプだとは思っていたのですが、本当に似てた(^ ^)。そして、似ているだけに愛ちゃんの発声(発音)の課題が浮き彫りになった気はしましたね。芝居は良い物を持っている人なだけに、「トラファルガー」から1年半、そろそろ技術面のブレイクスルーがほしいところです。
マリオのりっくん(蒼羽りく)。
いやー、良かった!ホントに良かったです。酒場の場面、初めて泣きました(; ;)。
りっくんの芝居はまっすぐに相手を見凝めて、そのすべてを役として受け止めてくれるんですよね。怒っても笑っても呑んで騒いでも、そこに居るのは「マリオ」で。マリオとして全てを見ていてくれる。
「俺がお前を追い詰めたのか?」と訊かれたときの貌。
酒場でのダンスで、振り向いてサルヴァトーレと目があった瞬間の、貌。
りっくんの切なさは、不思議なくらいすっと心に沁みてきます。時代の流れを読み切れずに必死で抗おうとするサルヴァトーレを、傍らで見守ることに疲れてしまった悲しみ。もう傍にいられないことが切なくて、辛くて、でも、選んだ道は間違いじゃない。これから先の道は離れてしまうかもしれないけれども、今まで一緒に歩いてきたことは絶対に無駄じゃなかったし、間違いでもなかった、、、そんな爽快感。そんな両極端な感情にかき乱されたマリオの心が、とても好きでした。
歌は、ねえ……がんばってくださいね。
別に巧くなくても良いんですよ。その芝居力でなんとか誤魔化せるくらいになれば、鬼に金棒。本人比で少しづつ良くなってきているのはわかるのですが、声自体は良いので、音程がもうちょっと安定すればなあ……(祈)。
アレッサンドロおやっさんのかける(風馬翔)。
良かった!!個人的には、今回の新公の立役者だったと思っています。「黎明の風」新人公演の吉田茂を思い出しました。
最初の場面(ナポリの海の散歩シーン)は、「若いなー」と思ったのですが、施設の職員(彩花まり)との場面で「お」と思い、BARの場面で「おおっ」となって………
そして、インタビューの場面の「年老いた男」っぷりに泣かされました。特に最初の登場の、歩き方や仕草のぎこちなさに。回想の中のおやっさんから10数年後という時の流れ以上に、息子と思ってきたサルヴァトーレを喪ったショックで一気に老けてしまった……みたいな、アレッサンドロ側のドラマがちゃんと見えたのが良かったんだと思います。
残念ながら、場面が進むにつれて少しづつ「いつものかける」が出てきたかな?とも思いましたが、なんとか最後まで演じきってくれました。……最後の退場で思わず拍手をしそうになってしまいました(^ ^;。
かなり役の多い作品なので、男性の役を女性に替えて娘役が演じていたり、意外な人がアルバイトをしていたり、、、全部をチェックはできませんでしたが、いろいろと興味深かったです。
新公演出は上田久美子さん。なかなか意欲的な、アグレッシブな演出でした。役者を良く見てくれて、その個性に合わせて自由にやらせてくれる人という印象をもっているのですが、今回もそんな感じでしたね。
場面はいじらないけど、台詞は細かいところが結構変っていたと思います。力のある人に自由にやらせつつ、最後にはちゃんと辻褄を合わせる、そのあたりの匙加減も、なかなかに絶妙でした(^ ^)。
どんな作品を作る方なのか、そろそろオリジナルを観てみたい気がします♪
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