日本青年館にて、花組公演「コード・ヒーロー」を観劇してまいりました。


バウとの変更点は、細かいものはいくつかあったような気がしますが、大きいのが一点。
二幕でドロシー(菜那くらら)とキャサリン(天宮菜生)が語る場面が追加され、キャサリンのソロナンバーが増えてました。歌姫なのにソロが無いなーとは思っていたのですが、削られていたのね(納得)。

ちなみに歌は、物語の終盤にジャスティン(朝夏まなと)が歌う『子供の頃の夢はいつか叶うよ』的な歌と同じだったと思います(たぶん)。構成的には元々あったけど、時間の都合か何かで削られてしまった、って感じ。もしかしたら、バウの初日あたりには有ったのかな?(←「血と砂」じゃないんだから)

幸せそうな笑顔で兄を語るキャサリン。この場面があってこそ、後半に人質にされたキャサリンが兄を庇う気持ちも繋がってくるので、復活して良かったね、と思いました。
それにしてもこの兄妹、年は何歳違いという設定なんでしょうね。身体が大きい割に、お兄ちゃんに頼りっきりな感じだったけど。
そういえば、ドミニク(梅咲衣舞)の両親の話は散々出てくるけど、ジャスティンとキャサリンの親の話って出てこなかったですよね…?どうしてなんでしょうね。あの二人の生い立ちって、そういえば全然語られていないんだなあ…。



それにしても。
この作品、脚本にも演出にもキャスティングにもなにもかも問題だらけなのですが、一番無理なのは、爆笑せずにはいられないほどドシリアスなのが主役である、ところだと思うんですよね……。

まぁくんが超真顔で歌いだすたびに、笑いがこみあげてきて抑えるのが大変でした。黒いロングコートを翻して踊る姿はすごく格好良いはずなのに、どうしても「面白い」ように見えてしまう。
あんなにあんなに格好良いのに、どうしてあんなに面白いんだ!?
いっそのこと、あの面白さをネタとして使ってくれていたならば、その方が全然良いものになったと思うんですけどねえ。それこそ石田作品みたいなベタな感じにつくった方が、それなりに形がついたんじゃないでしょうか。


スタイル良くて雰囲気が明るくて、そこそこ歌えてダンスもできるまぁくん。
もともと声質が軽くて高いのは月組のまさお(龍真咲)と似ていますが、ロック調の音楽がメインとなる主演作で喉をつぶすところまで真似しなくてもいいのになあ。
まあ、まさおはつぶした喉も最近だいぶ安定してきて、色気のある良い声が出るようになってきましたが、まぁくんはどうなるでしょうね。大劇場公演が楽しみです。





さて。
もう公演もあと一回を残すのみ、となりましたので、ここからは思いっきりネタばれでいきたいと思います。





【千秋楽にして初観劇を予定されている方は、いますぐお戻りくださいませ】





さて。

とりあえず、まぁくんは毎日挨拶のたびに「蜘蛛の巣」の真似をして「真犯人は決して明かさないでください」と言ってましたが、実際のところ、この物語の最大のネタは 真犯人でも黒幕でもないと私は思っていたりします。

「真犯人」が下手人とその依頼人のことを言っているなら、二幕の割と早い段階で明かされてしまうし。
黒幕は……正直、花組ファンなら振り分けが出た時から予想ができただろうし(^ ^)。
そのあたりは、意外でもなんでもなかったのですが。


……ネタとして一番効果的だったのは、やっぱりだいもんと兄妹たちの正体、だと思うんですよね(^ ^)。
あれは本当に意外だったし、どんでん返し感があって良かったと思います。

いや、まあ、運び出されなかった時点でもしかして、とは思ったんですけどね(^ ^)。それでも、ちゃんと驚けたからこそ、楽しめたわけなので。
まぁくんの言う「真犯人」が「下手人」という意味ではないことは、たぶん伝わっていたんだろうな、と思いました。ネットとかでもほとんど書かれていなかったし、私自身も、未見の人には言うまいと思ったし。
なんたって、ネタばれしては勿体無い、と思ったネタは、あれだけだったので。



で。

そのネタをばらした上で、突っ込みたいことがイロイロ。

・ダニエルの正体は?
だいもんの仲間だったのなら、ボイド(高翔みずき)に近づいたのは何故?あそこまで言質を取っていれば、ぐずぐずしないで本来の職務に戻れば良かったのではないのだろうか?
まぁくんたちを危険に晒してまで、次の行動に移させる必要があったのか…?


・だいもんがまぁくんに、「護身用に」と格好つけて渡した銃は、結局空砲だったってことだよね……?そ、それは危険なのでは……?


・クリストファー(紫峰七海)の目的は一体何だったのでしょうか?なんのためのマインドコントロールだったの?

・ローズマリー(桜一花)の目的は、ドミニクの心にジャスティンへの憎しみを植え付けて、彼女の心を自分一人のものにしたかった、ってことで良いですか?


・ハルたちはどうしてジャスティンとヴァネッサ(実咲凛音)に目をつけたの?逃亡犯の捜査という嘘情報を流して現地警察を動かしてまで、あんな出会いを演出したからには、よっぽどの確信があったんだと思うのですが。

彼らが出会ったあの店にはヴァネッサがいるから、ハルたちの目的はヴァネッサだったのかなあ?だとしたら、とりあえずボイドはすでにマークされていたってコト……?


ジュニア(鳳真由)があんなことになったのは、ハル(望海風斗)が中々起きないからだと思うんですけど!
……だいもんはちょっと反省した方がいいと思います(きっぱり)。









今日の日記はネタばれしているので、要注意でお願いします!
(DiaryNoteは隠せないので、すみません。自衛してください)


まあ、いろいろと縷々書いておりますが。
だいもんの歌う「いつかくるさ 映画みたいなHappy End♪」という歌がとても好きです。

モノクロのピーターパンみたいな衣装で、泣き笑いでソロを歌う場面は、あんな作品なのに(!)ぐっときて、びっくりしました。

2010年、という一年を、「BUND NEON」に始まって「コード・ヒーロー」で終わった、まぁくんとだいもん。
いろいろと思うところはありますが、………やっぱり「BUND NEON」をもう一回観たかった、なぁー……。