東京宝塚劇場にて、花組公演「オーシャンズ11」を観劇いたしました。
楽しすぎた!!
まさに「ちょいワル」の代名詞、苦みばしった佳い男、蘭寿とむのダニー・オーシャン。
女から視ても男から視ても魅力的な、「コイツについていけば新しい自分に出会えるに違いない」と思わせる何かを持った男。もう本当に、こんな嵌り役があろうとは、、、と開幕からラストまでずーっと思い続けたほどの素晴らしさでした。
キュートでコケティッシュで、たまらなく魅力的な蘭乃はなのテス。
歌も良かったし(一安心)、蘭寿さんの一言一言に揺れる女心が可愛くて、蘭ちゃんの少女らしさが良い意味で映える役だなと思いました。
あと、良い意味でダニーとテスの年齢差が自然で、「何度家宅捜索されても捕まったことのない」ベテラン詐欺師と「ウブな女子大生」にちゃんと見えたのが良かったな、と。星組の礼音くんとねねちゃんは、どう見ても大学の同級生カップルで、どうがんばっても年齢差は三年くらいが限界だったので(^ ^;ゞ,
脚本は、初演で「ええー、それはないよー!」というところがいくつか変更されていて、やっぱり小池さんは、再演か三回目くらいで脚本としても完成するんだな、と思いました(^ ^)
とはいえ、根本的に、ベネディクトが真面目な苦労人(^ ^)で、ダニーチームが逆恨み色の濃い犯罪者チームにみえる、という、物語の根幹に関わる矛盾は変えようがないんですが……
星組のときは、やっぱり初演の勢いというか、ハッタリの迫力ですべてが進んでいくので、観終わった後に何も残らない感じがあったのですが(いや、あれはあれで、とても楽しかったんですけどね!!)
でも今回は、ベネディクトの後味も良かったし、ラストのダイアナも最高に恰好良かったし、、、なんというか、ハリウッドだわー!!という華やかさと、花組観たわーーーー!!という楽しさがとても印象に残ったのでした(^ ^)。
特に、ベネディクトのラストのくだりは良くなったと思いました。フィナーレ初っ端の銀橋でだいもんがセリ上がってきた時、一瞬「Never Give UP!」を歌いだすんじゃないかと思ったくらい(←そんなことしません)、前向きで挫けない、意思の堅固なベネディクトでした(はぁと)。
天寿さんには、この花組バージョンで新人公演をやらせてあげたかったなあ……(溜息)柚香くんが羨ましい(真顔)。
真ん中がこれだけ嵌っていれば、あとは周りが楽しいのは実証済みの作品なので(^ ^)
花男は軒並み個性的で恰好良いし、花娘はどこ見ても可愛くてキレイで華やかなのがごろごろしてて、、、そんな素敵な人たちが、一瞬の隙もなくずーっと小芝居し続けているんですよ(滝汗)
もう、これは通うしかない!と思いました。
そんな「恰好良い花男」の中でも、今回私のツボど真ん中だった方がお二人。
まずはバシャーのみーちゃん(春風)!オープニング、ちょっと長めの前髪を振り乱して踊るのが死ぬほど恰好良い、、、とハートを飛ばしていたら、フィナーレですっかりヤラれてしまいました。うわぁ、花男のみーちゃんって、危険物。。。
そしてもう1人が、リヴィングストンの真由ちゃん(鳳)。すいません、私この人から溢れるミラクルが好きすぎるみたいです。何をやっても好きでたまらなくて、目が離せません。リヴィングストンって、こんなに芝居の役だったのか……!!(目から鱗)
あー、でもチャイナみつるは悶えるほど可愛かったし、黒塗りあきらも恰好良かったし、、、ああもう、みんな素敵でした!!花野じゅりあ様のポーラが観られなかったのはとても残念ですが、華雅りりかちゃんのポーラも可愛かったし、若き日のテスの春妃うららちゃんが可愛すぎてっっっ!!(悶)蘭寿さんのやにさがった顔なんて、久しぶりに観せていただきました(^ ^)。
べーちゃん(桜咲)が可愛いのはデフォルトなのですが、、、フィナーレの臍ピアス衣装がっ!!程よいボリューム感がオーガンジーの薄物から透けて見えるのがとてもリアルに色っぽくて、他の娘役さんの細すぎる肢体より、場面のゴージャスなアダルトさを表現できていたような気がします。
……いやいや、みんなゴージャスだし、みんなアダルトなんですけどね、花娘は(*^ ^*)。
男役も娘役も、隙なく恰好良くて可愛い花組「オーシャンズ11」。理屈は言いません。とにかく通うしかない!
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楽しすぎた!!
まさに「ちょいワル」の代名詞、苦みばしった佳い男、蘭寿とむのダニー・オーシャン。
女から視ても男から視ても魅力的な、「コイツについていけば新しい自分に出会えるに違いない」と思わせる何かを持った男。もう本当に、こんな嵌り役があろうとは、、、と開幕からラストまでずーっと思い続けたほどの素晴らしさでした。
キュートでコケティッシュで、たまらなく魅力的な蘭乃はなのテス。
歌も良かったし(一安心)、蘭寿さんの一言一言に揺れる女心が可愛くて、蘭ちゃんの少女らしさが良い意味で映える役だなと思いました。
あと、良い意味でダニーとテスの年齢差が自然で、「何度家宅捜索されても捕まったことのない」ベテラン詐欺師と「ウブな女子大生」にちゃんと見えたのが良かったな、と。星組の礼音くんとねねちゃんは、どう見ても大学の同級生カップルで、どうがんばっても年齢差は三年くらいが限界だったので(^ ^;ゞ,
脚本は、初演で「ええー、それはないよー!」というところがいくつか変更されていて、やっぱり小池さんは、再演か三回目くらいで脚本としても完成するんだな、と思いました(^ ^)
とはいえ、根本的に、ベネディクトが真面目な苦労人(^ ^)で、ダニーチームが逆恨み色の濃い犯罪者チームにみえる、という、物語の根幹に関わる矛盾は変えようがないんですが……
星組のときは、やっぱり初演の勢いというか、ハッタリの迫力ですべてが進んでいくので、観終わった後に何も残らない感じがあったのですが(いや、あれはあれで、とても楽しかったんですけどね!!)
でも今回は、ベネディクトの後味も良かったし、ラストのダイアナも最高に恰好良かったし、、、なんというか、ハリウッドだわー!!という華やかさと、花組観たわーーーー!!という楽しさがとても印象に残ったのでした(^ ^)。
特に、ベネディクトのラストのくだりは良くなったと思いました。フィナーレ初っ端の銀橋でだいもんがセリ上がってきた時、一瞬「Never Give UP!」を歌いだすんじゃないかと思ったくらい(←そんなことしません)、前向きで挫けない、意思の堅固なベネディクトでした(はぁと)。
天寿さんには、この花組バージョンで新人公演をやらせてあげたかったなあ……(溜息)柚香くんが羨ましい(真顔)。
真ん中がこれだけ嵌っていれば、あとは周りが楽しいのは実証済みの作品なので(^ ^)
花男は軒並み個性的で恰好良いし、花娘はどこ見ても可愛くてキレイで華やかなのがごろごろしてて、、、そんな素敵な人たちが、一瞬の隙もなくずーっと小芝居し続けているんですよ(滝汗)
もう、これは通うしかない!と思いました。
そんな「恰好良い花男」の中でも、今回私のツボど真ん中だった方がお二人。
まずはバシャーのみーちゃん(春風)!オープニング、ちょっと長めの前髪を振り乱して踊るのが死ぬほど恰好良い、、、とハートを飛ばしていたら、フィナーレですっかりヤラれてしまいました。うわぁ、花男のみーちゃんって、危険物。。。
そしてもう1人が、リヴィングストンの真由ちゃん(鳳)。すいません、私この人から溢れるミラクルが好きすぎるみたいです。何をやっても好きでたまらなくて、目が離せません。リヴィングストンって、こんなに芝居の役だったのか……!!(目から鱗)
あー、でもチャイナみつるは悶えるほど可愛かったし、黒塗りあきらも恰好良かったし、、、ああもう、みんな素敵でした!!花野じゅりあ様のポーラが観られなかったのはとても残念ですが、華雅りりかちゃんのポーラも可愛かったし、若き日のテスの春妃うららちゃんが可愛すぎてっっっ!!(悶)蘭寿さんのやにさがった顔なんて、久しぶりに観せていただきました(^ ^)。
べーちゃん(桜咲)が可愛いのはデフォルトなのですが、、、フィナーレの臍ピアス衣装がっ!!程よいボリューム感がオーガンジーの薄物から透けて見えるのがとてもリアルに色っぽくて、他の娘役さんの細すぎる肢体より、場面のゴージャスなアダルトさを表現できていたような気がします。
……いやいや、みんなゴージャスだし、みんなアダルトなんですけどね、花娘は(*^ ^*)。
男役も娘役も、隙なく恰好良くて可愛い花組「オーシャンズ11」。理屈は言いません。とにかく通うしかない!
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落ち穂ひろい~「ホロヴィッツとの対話」
2013年4月7日 演劇PARCO劇場の「ホロヴィッツとの対話」。
作・演出は三谷幸喜。
出演は、天才ピアニストにしてトスカニーニの娘婿ホロヴィッツに段田安則、“彼の”調律師モアに渡辺謙、モアの妻エリザベスに和久井映美、ホロヴィッツの妻ワンダに高泉淳子の4人。
『「コンフィダント・絆」「国民の映画」に続く海外芸術家シリーズ三作目』という売り文句に騙されて そそられて観に行った作品だったのですが、「コンフィダント・絆」とは全く雰囲気の違う作品でした。
面白かったけど、「コンフィダント」を期待していくと肩透かしというか。。。ホロヴィッツも芸術家として非常にギリギリの人生を歩んだ人で、そういうところまで描かれるのかな、と期待していたのですが、そういうところは通り過ぎた後、晩年の、我侭だけど好々爺なホロヴィッツの姿がそこにありました。
主人公であるモアも、彼はあくまでも芸術家の手足となる職人であって「芸術家」ではないわけで。
芸術家同士の相克を残酷なまでに描きだした「コンフィダント」とは、テーマの選び方もキャラクターの配置もまったく異なる作品でした。
……まあ、私みたいに「コンフィダント」の一言でふらっと観に行く人間がいるのだから、そういう意味では見事なキャッチだったのかもしれません。でも、作品の評価という意味では、、、「コンフィダント」をイメージさせたのはあまり良くなかったんじゃないかなあ、なんて、、、ちょっとだけ思ったりもしました。
まあ、期待しすぎてしまった私がいけないんですけれども、ね。
なんて、不満げなことを書いていますが、その先入観をとっぱらった「ホロヴィッツとの対話」は、とても興味深い作品だったと思います。
特に、段田ホロヴィッツの、いかにも芸術家然とした佇まいが非常に見事でした。
我侭だけど、案外に素直で可愛らしい好々爺。支配的な妻との長い闘争の果てに、大きな犠牲と引き換えに小さな平穏を見出した、神経質な芸術家。闘いに明け暮れた無残な日々は終わりを告げて、もはや護るべきものも何もない、孤独な男。生きていくこと自体が苦しみであった彼にとって、今はもう、終わりを待つだけの平穏な日々なのでしょう。心の平穏と肉体的能力の衰退。彼を「天才」たらしめていた全てを喪って、残ったものは名声と愛、ただそれだけ。。。。
自らが引き起こしたのかもしれない「悲劇」の井戸の周りをぐるぐると回っているワンダに、そっと差し伸べる不器用な手がとても優しくて、他人をいつくしんだことのない「天才」ピアニストの慣れない優しさが、傍若無人で、それがとても切なくて。
彼の長い人生(享年86)の中で、愛娘ソニアの死は半分をちょっと超えたくらいのところにあり、この物語で描かれた一夜の後も、彼は20年以上も生きるのだ、、、と思うと、なんというか、「悠久の」という言葉を捧げたくなります。
音楽と共に生きた天才。音楽を愛し、ピアノを愛し、常に“神の前で”演奏していたピアニスト。
ラストシーン。
ずっと舞台の真中に置かれていた沈黙のピアノの前に、ホロヴィッツが座る。
蓋をあけて、椅子を調節して、、、さて!というところで暗転し、全編を彩る音楽を生演奏で弾いていた荻野清子さんのピアノが流れ出す。
段田さんが弾く振りをして、、、とかではなくて、完全な暗転から舞台奥の紗幕を隔てた向こう側で弾いている荻田さんを見せる、見事な演出。
お洒落で粋で、そして、切ないラストでした。
段田さんばかり語ってしまいましたが、高泉さんのワンダも、すごく高飛車で、良い意味でも悪い意味でも浮世離れしていて、、、迫力満点で、とても素敵でした(はぁと)。舞台作品の主役は、間違いなく謙さん演じる「スタインウェイの職人」モアであり、和久井さん演じる「普通の主婦」エリザベスなのですが、やっぱりこの物語(脚本)は「ホロヴィッツ」あるいは「ホロヴィッツ夫妻」の物語であり、タイトルロールはその二人なんだな、と、そんなことを強く感じました。
こういう物語である、と納得したところで、もう一回落ち着いてみたいなあ、、と思いましたが、千秋楽直前の観劇で果たせず、残念です。
いや、当日券が取れただけでもラッキーだったのは判っているんですけどね。……再演しないかなあ。
ああ、でも、再演といえば!
「コンフィダント・絆」の再演はまだですかっっっ!?(←キャストが揃わないんだってば)
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作・演出は三谷幸喜。
出演は、天才ピアニストにしてトスカニーニの娘婿ホロヴィッツに段田安則、“彼の”調律師モアに渡辺謙、モアの妻エリザベスに和久井映美、ホロヴィッツの妻ワンダに高泉淳子の4人。
『「コンフィダント・絆」「国民の映画」に続く海外芸術家シリーズ三作目』という売り文句に
面白かったけど、「コンフィダント」を期待していくと肩透かしというか。。。ホロヴィッツも芸術家として非常にギリギリの人生を歩んだ人で、そういうところまで描かれるのかな、と期待していたのですが、そういうところは通り過ぎた後、晩年の、我侭だけど好々爺なホロヴィッツの姿がそこにありました。
主人公であるモアも、彼はあくまでも芸術家の手足となる職人であって「芸術家」ではないわけで。
芸術家同士の相克を残酷なまでに描きだした「コンフィダント」とは、テーマの選び方もキャラクターの配置もまったく異なる作品でした。
……まあ、私みたいに「コンフィダント」の一言でふらっと観に行く人間がいるのだから、そういう意味では見事なキャッチだったのかもしれません。でも、作品の評価という意味では、、、「コンフィダント」をイメージさせたのはあまり良くなかったんじゃないかなあ、なんて、、、ちょっとだけ思ったりもしました。
まあ、期待しすぎてしまった私がいけないんですけれども、ね。
なんて、不満げなことを書いていますが、その先入観をとっぱらった「ホロヴィッツとの対話」は、とても興味深い作品だったと思います。
特に、段田ホロヴィッツの、いかにも芸術家然とした佇まいが非常に見事でした。
我侭だけど、案外に素直で可愛らしい好々爺。支配的な妻との長い闘争の果てに、大きな犠牲と引き換えに小さな平穏を見出した、神経質な芸術家。闘いに明け暮れた無残な日々は終わりを告げて、もはや護るべきものも何もない、孤独な男。生きていくこと自体が苦しみであった彼にとって、今はもう、終わりを待つだけの平穏な日々なのでしょう。心の平穏と肉体的能力の衰退。彼を「天才」たらしめていた全てを喪って、残ったものは名声と愛、ただそれだけ。。。。
自らが引き起こしたのかもしれない「悲劇」の井戸の周りをぐるぐると回っているワンダに、そっと差し伸べる不器用な手がとても優しくて、他人をいつくしんだことのない「天才」ピアニストの慣れない優しさが、傍若無人で、それがとても切なくて。
彼の長い人生(享年86)の中で、愛娘ソニアの死は半分をちょっと超えたくらいのところにあり、この物語で描かれた一夜の後も、彼は20年以上も生きるのだ、、、と思うと、なんというか、「悠久の」という言葉を捧げたくなります。
音楽と共に生きた天才。音楽を愛し、ピアノを愛し、常に“神の前で”演奏していたピアニスト。
ラストシーン。
ずっと舞台の真中に置かれていた沈黙のピアノの前に、ホロヴィッツが座る。
蓋をあけて、椅子を調節して、、、さて!というところで暗転し、全編を彩る音楽を生演奏で弾いていた荻野清子さんのピアノが流れ出す。
段田さんが弾く振りをして、、、とかではなくて、完全な暗転から舞台奥の紗幕を隔てた向こう側で弾いている荻田さんを見せる、見事な演出。
お洒落で粋で、そして、切ないラストでした。
段田さんばかり語ってしまいましたが、高泉さんのワンダも、すごく高飛車で、良い意味でも悪い意味でも浮世離れしていて、、、迫力満点で、とても素敵でした(はぁと)。舞台作品の主役は、間違いなく謙さん演じる「スタインウェイの職人」モアであり、和久井さん演じる「普通の主婦」エリザベスなのですが、やっぱりこの物語(脚本)は「ホロヴィッツ」あるいは「ホロヴィッツ夫妻」の物語であり、タイトルロールはその二人なんだな、と、そんなことを強く感じました。
こういう物語である、と納得したところで、もう一回落ち着いてみたいなあ、、と思いましたが、千秋楽直前の観劇で果たせず、残念です。
いや、当日券が取れただけでもラッキーだったのは判っているんですけどね。……再演しないかなあ。
ああ、でも、再演といえば!
「コンフィダント・絆」の再演はまだですかっっっ!?(←キャストが揃わないんだってば)
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若者たちのオーシャンズ
2013年4月11日 宝塚(花) コメント (2)花組新人公演「オーシャンズ11」を観劇いたしました。
キキちゃん(芹香)、べーちゃん(桜咲)、同期コンビ万歳!!
もう、本当に素晴らしかったです(^ ^)。
発表されたときから似合うだろうと思っていたキキちゃんのダニーはさすが!の一言。蘭寿さんのダニーとはまた全然違っていて、もっとリアルな、、、なんというか、“本当に居そうな感じ”がありましたね。蘭寿さんは、良くも悪くも芸風が劇画タッチなので(←そこが素敵なんです!!力説!!)、最高に「ハリウッド映画みたい」でしたけど、キキちゃんはもっと、、、なんだろうな、もっとリアルな質感のあるダニーでした。
というか、この学年で崩した色気が出せるのはすごいなあ、と思います。これからが、というか、まずは初のバウ主演に大いに期待!!
そして、発表された時は、芝居は合うだろうけど、技術的な(←主に歌の)面がすごく心配だったべーちゃんのテス。いつの間にか美しいソプラノを響かせるようになってくれて(←音程はちょっと怪しかったけど)、ファンとしてとても幸せでした(^ ^)。
あーもう、可愛い可愛いばかり思っていたべーちゃんですが、いつの間にこんなに美しくなったんだろう?と目から鱗で!べーちゃんの笑顔パワーは無敵の武器だけど、それだけじゃ役者としては物足りない……と思っていたところに、笑顔を封じてキリッとした「デキる女」で通す作品。劇団はよくかんがえているなあ、と思いました。
その美貌と程よいボリューム感が、テスの女らしさと意地っ張りな可愛らしさを強調していて、「あいつが惚れるのも無理はない、魅力的なイヴ」そのもの。特に、最初の登場シーンでカッ!とライトが当たった瞬間の輝きは、まさに女神と言うかなんというか……あー、本当にキレイだった!
べーちゃんの女優っぷりに乾杯。
元々の脚本は、ダニーとテスにはかなり年齢差がある設定(「ウブな女子大生に堕ちた」)。
花組は、星組とは逆に、本公演の方が年の差があって新人公演は同期カップルという組み合わせでしたが。。。星組本公演で強く感じた「年齢差を感じない」違和感は、実際には「年齢差」の問題ではなかったんだな、と思いました(いまさら)。
キキちゃんとべーちゃんは、どう観ても、同い年の対等カップルにしか見えなかったのですが、違和感はなかったんですよね。なんでだろう?と思いながらずーっと見て、、、本当の意味で「対等」な二人だからなのかな、と思いました。礼音くんダニーとねねちゃんテスは、見た目は対等に見えるけど、精神的には支配者と従属者であることが見えてきていたから、それが違和感だったのかな、と。
そう思うと、蘭寿さんと蘭ちゃんは、年齢差はあるけど対等なんですよね。蘭ちゃんが蘭寿さんの掌で空回っている感じではなくて、蘭寿さんも蘭ちゃんに振りまわされているいるし、蘭ちゃんも蘭寿さんに振りまわされている、、見た目の年齢差と、そういう対等感が両立していたからこその面白さだったのかもしれない、と、完全に対等な新人公演の二人を観ながら思ったのでした。
……いやえっと、若いテスが華雅りりかちゃんだったこともあって、今までで一番「ウブな女子大生に堕ちた」感のない公演ではあったのですけど、ね(^ ^)
演出は田渕大輔さん。彼の新公は結構観ていて、どれも良かったのですが、今回は待望のバウ「ヴィクトリアンジャズ」初演出の直後に続けて花組、ということで、良い関係をつくっているな、と感じました。彼の役者に対する宛書きの仕方はわりと独特で面白いのですが、「オーシャンズ11」は新人公演でのキャラ替えの余地が大きいので、わりと好き勝手やってましたね。
ああ、他の組でも彼のバウを観てみたいなあ~!!
本公演との演出の違いは、基本的には星組と同じ考え方だったような気がします。記者会見とか、2幕の繋ぎ方とか。スピーディーにうまく繋いであって、違和感はなかったですね
いやもう、とにかく良い新公でした(はぁと)
他のメンバーも皆良かったので、がんばって続きを書きたいです!特に良かったのは、今回で新公を卒業する92期!絶賛!!
。
キキちゃん(芹香)、べーちゃん(桜咲)、同期コンビ万歳!!
もう、本当に素晴らしかったです(^ ^)。
発表されたときから似合うだろうと思っていたキキちゃんのダニーはさすが!の一言。蘭寿さんのダニーとはまた全然違っていて、もっとリアルな、、、なんというか、“本当に居そうな感じ”がありましたね。蘭寿さんは、良くも悪くも芸風が劇画タッチなので(←そこが素敵なんです!!力説!!)、最高に「ハリウッド映画みたい」でしたけど、キキちゃんはもっと、、、なんだろうな、もっとリアルな質感のあるダニーでした。
というか、この学年で崩した色気が出せるのはすごいなあ、と思います。これからが、というか、まずは初のバウ主演に大いに期待!!
そして、発表された時は、芝居は合うだろうけど、技術的な(←主に歌の)面がすごく心配だったべーちゃんのテス。いつの間にか美しいソプラノを響かせるようになってくれて(←音程はちょっと怪しかったけど)、ファンとしてとても幸せでした(^ ^)。
あーもう、可愛い可愛いばかり思っていたべーちゃんですが、いつの間にこんなに美しくなったんだろう?と目から鱗で!べーちゃんの笑顔パワーは無敵の武器だけど、それだけじゃ役者としては物足りない……と思っていたところに、笑顔を封じてキリッとした「デキる女」で通す作品。劇団はよくかんがえているなあ、と思いました。
その美貌と程よいボリューム感が、テスの女らしさと意地っ張りな可愛らしさを強調していて、「あいつが惚れるのも無理はない、魅力的なイヴ」そのもの。特に、最初の登場シーンでカッ!とライトが当たった瞬間の輝きは、まさに女神と言うかなんというか……あー、本当にキレイだった!
べーちゃんの女優っぷりに乾杯。
元々の脚本は、ダニーとテスにはかなり年齢差がある設定(「ウブな女子大生に堕ちた」)。
花組は、星組とは逆に、本公演の方が年の差があって新人公演は同期カップルという組み合わせでしたが。。。星組本公演で強く感じた「年齢差を感じない」違和感は、実際には「年齢差」の問題ではなかったんだな、と思いました(いまさら)。
キキちゃんとべーちゃんは、どう観ても、同い年の対等カップルにしか見えなかったのですが、違和感はなかったんですよね。なんでだろう?と思いながらずーっと見て、、、本当の意味で「対等」な二人だからなのかな、と思いました。礼音くんダニーとねねちゃんテスは、見た目は対等に見えるけど、精神的には支配者と従属者であることが見えてきていたから、それが違和感だったのかな、と。
そう思うと、蘭寿さんと蘭ちゃんは、年齢差はあるけど対等なんですよね。蘭ちゃんが蘭寿さんの掌で空回っている感じではなくて、蘭寿さんも蘭ちゃんに振りまわされているいるし、蘭ちゃんも蘭寿さんに振りまわされている、、見た目の年齢差と、そういう対等感が両立していたからこその面白さだったのかもしれない、と、完全に対等な新人公演の二人を観ながら思ったのでした。
……いやえっと、若いテスが華雅りりかちゃんだったこともあって、今までで一番「ウブな女子大生に堕ちた」感のない公演ではあったのですけど、ね(^ ^)
演出は田渕大輔さん。彼の新公は結構観ていて、どれも良かったのですが、今回は待望のバウ「ヴィクトリアンジャズ」初演出の直後に続けて花組、ということで、良い関係をつくっているな、と感じました。彼の役者に対する宛書きの仕方はわりと独特で面白いのですが、「オーシャンズ11」は新人公演でのキャラ替えの余地が大きいので、わりと好き勝手やってましたね。
ああ、他の組でも彼のバウを観てみたいなあ~!!
本公演との演出の違いは、基本的には星組と同じ考え方だったような気がします。記者会見とか、2幕の繋ぎ方とか。スピーディーにうまく繋いであって、違和感はなかったですね
いやもう、とにかく良い新公でした(はぁと)
他のメンバーも皆良かったので、がんばって続きを書きたいです!特に良かったのは、今回で新公を卒業する92期!絶賛!!
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若者たちのオーシャンズ【2】
2013年4月13日 宝塚(花) コメント (4)花組新人公演「オーシャンズ11」。
新人公演学年まで芝居上手なタレントが揃った花組で、多すぎるほど男役の役が多い「オーシャンズ11」!本当に楽しかったです。
キャストについての感想は、久しぶりに学年順でいきたいと思います(^ ^)。
<92期>
■鞠花ゆめ(テレサ)
「銀ちゃんの恋」の焼き肉屋の女将で鮮烈なデビュー(←私的に)を果たしてから、、、4年半?今研8になったばかりだから、あのときまだ研3だったんですよね。。。あの頃からすでに完成された芝居巧者でしたけど、学年を重ねてさらに包容力を増して、大地のように優しくて大らかな、素敵な女役になったなあ、と思いました。
ちょっと蓮っ葉だけど温かいテレサの、娘に対する時と父親に対する時で微妙に違う優しさが、とても魅力的。リカルドに「(店は)お前がいれば大丈夫だ!」と言われる信頼感にも納得。お客さんたち(←いなかったけどねっ!)に信頼され、甘えられるママっぷりに説得力があって、「こういうひと絶対いる。。。」と思わされました。
最後のご挨拶も、かなり緊張していたようですけれどもしっかりと伝えるべきことを伝えてくれたと思います。最後にキキちゃんを呼ぶときの「(92⇒93期の)バトンタッチの想いを」という一言に篭められた万感が、胸に響きました。
赤毛のときの思いきった化粧やアクセも素敵だし、「客の女」でのゴージャスな衣装も良く似合う。芝居だけじゃなくて、そういう外見的な表現まで含めた幅の広さとセンスの良さも、本当に大好き!末永く花組をよろしくお願いいたします!!(真顔)
■天真みちる(ソール)
誰しもが予想したソール役。今回の新公で一番期待された役の一人だったと思いますが、予想以上の出来でした。本公演のやりすぎなガツガツぶりとはうってかわった、ちょっと枯れた男の役。
ああいう役を演じているタソは、本当に恰好良いなあと思うんですよね。本公演でも、早くああいう役が回ってくる立場になってほしいものです(^ ^)。
どちらかといえば、まりんさんより初演のマヤさんのソールに近い印象でしたが、「JUMP」の前の「飛ぶんだ、ライナス」という台詞の言い方が全然違っていて、、、なんというか、すごくグッときました。あの瞬間に、急にタソが大きくなったような気がしました。
そして!今回の瞠目ポイントは!
ゼルガのカイゼル髭が恰好良かった!!
あああ、素敵。。。素敵すぎる。。。
■日高大地(チャールズ)
芝居についてはいろいろいろいろある人ですが、ビシッとスーツを着こなした立ち姿は文句なく恰好良かった!ダンディな大人の男にちゃんと見えるんですよね、ああいう恰好をすると。本当に恰好良い。
芝居や歌はアレでも、ダンスができる生粋の花男は貴重なので、もう少しがんばってほしいな、と思います。いやあの、芝居も少しずつ良くなっていると思うので、これからも精進してください(^ ^)。
■神房佳希(リカルド)
この人の真骨頂は、「さりげない巧さ」なんですよね。鞠花ゆめちゃんのテレサとのやり取りが、遠慮がなくて本当に自然で、とても良かったです。テレサやポーラが心配するのも無理はない、ふわふわした無責任な軽やかさがあって、なのにちゃんと「父親」で。
昔からお芝居好きなんだろうなあ、と思っていましたが、最近やっと役らしい役がつくようになってきて嬉しいです。これからもがんばってください!
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新人公演学年まで芝居上手なタレントが揃った花組で、多すぎるほど男役の役が多い「オーシャンズ11」!本当に楽しかったです。
キャストについての感想は、久しぶりに学年順でいきたいと思います(^ ^)。
<92期>
■鞠花ゆめ(テレサ)
「銀ちゃんの恋」の焼き肉屋の女将で鮮烈なデビュー(←私的に)を果たしてから、、、4年半?今研8になったばかりだから、あのときまだ研3だったんですよね。。。あの頃からすでに完成された芝居巧者でしたけど、学年を重ねてさらに包容力を増して、大地のように優しくて大らかな、素敵な女役になったなあ、と思いました。
ちょっと蓮っ葉だけど温かいテレサの、娘に対する時と父親に対する時で微妙に違う優しさが、とても魅力的。リカルドに「(店は)お前がいれば大丈夫だ!」と言われる信頼感にも納得。お客さんたち(←いなかったけどねっ!)に信頼され、甘えられるママっぷりに説得力があって、「こういうひと絶対いる。。。」と思わされました。
最後のご挨拶も、かなり緊張していたようですけれどもしっかりと伝えるべきことを伝えてくれたと思います。最後にキキちゃんを呼ぶときの「(92⇒93期の)バトンタッチの想いを」という一言に篭められた万感が、胸に響きました。
赤毛のときの思いきった化粧やアクセも素敵だし、「客の女」でのゴージャスな衣装も良く似合う。芝居だけじゃなくて、そういう外見的な表現まで含めた幅の広さとセンスの良さも、本当に大好き!末永く花組をよろしくお願いいたします!!(真顔)
■天真みちる(ソール)
誰しもが予想したソール役。今回の新公で一番期待された役の一人だったと思いますが、予想以上の出来でした。本公演のやりすぎなガツガツぶりとはうってかわった、ちょっと枯れた男の役。
ああいう役を演じているタソは、本当に恰好良いなあと思うんですよね。本公演でも、早くああいう役が回ってくる立場になってほしいものです(^ ^)。
どちらかといえば、まりんさんより初演のマヤさんのソールに近い印象でしたが、「JUMP」の前の「飛ぶんだ、ライナス」という台詞の言い方が全然違っていて、、、なんというか、すごくグッときました。あの瞬間に、急にタソが大きくなったような気がしました。
そして!今回の瞠目ポイントは!
ゼルガのカイゼル髭が恰好良かった!!
あああ、素敵。。。素敵すぎる。。。
■日高大地(チャールズ)
芝居についてはいろいろいろいろある人ですが、ビシッとスーツを着こなした立ち姿は文句なく恰好良かった!ダンディな大人の男にちゃんと見えるんですよね、ああいう恰好をすると。本当に恰好良い。
芝居や歌はアレでも、ダンスができる生粋の花男は貴重なので、もう少しがんばってほしいな、と思います。いやあの、芝居も少しずつ良くなっていると思うので、これからも精進してください(^ ^)。
■神房佳希(リカルド)
この人の真骨頂は、「さりげない巧さ」なんですよね。鞠花ゆめちゃんのテレサとのやり取りが、遠慮がなくて本当に自然で、とても良かったです。テレサやポーラが心配するのも無理はない、ふわふわした無責任な軽やかさがあって、なのにちゃんと「父親」で。
昔からお芝居好きなんだろうなあ、と思っていましたが、最近やっと役らしい役がつくようになってきて嬉しいです。これからもがんばってください!
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シアターコクーンにて、「木の上の軍隊」を観劇いたしました
故・井上ひさしの脚本により、2010年に上演される予定だった「木の上の軍隊」。井上氏の逝去により幻となった作品を、蓬莱竜太が組み立てて栗山民也が演出した、まさに「幻」の公演。
松井るみによる巨大なガジュマルの樹が仁王立ちする舞台に、2010年にも出演予定だった藤原竜也と、山西惇・片平なぎさという3人の出演者が立ち竦む、、、そんな2時間(休憩なし)でした。
私が観たのは開幕してすぐの時だったのですが、山西さん(上官)と竜也くん(新兵)の会話の迫力に振り回されて、痛くて、もっていかれっぱなしでした。
あれから日も過ぎて、さらに迫力が増しているのでしょうか。もう一度観たいような、観るのが怖いような。蓬莱さんもよくこんな痛い脚本を書いてくれた、と感心するばかりです。
物語の舞台は、沖縄戦争末期の伊江島(沖縄本島から北西約9km)。
ときどき忘れそうになるのですが、いわゆる「沖縄戦争」は、「本土決戦」ではなかったんですよね。
私にとって「沖縄」は日本の一部で、だから日本軍は日本の国土としての沖縄を護ろうとして、護りきれなかった……と思いたいのですけれども。でも、実際には、資材も糧食も、兵士さえ現地調達した日本軍は、沖縄弁で喋ることを禁じ、志願兵にはろくな武器も渡さなかったと聞くと、忸怩たる思いが募ります。
それでも、「新兵」は「日本」を信じた……「日本」の代表としての「上官」を。その真っ直ぐな信頼は、重たかったかもしれないけれども、それでも「上官」は、ちゃんとそれを受け止めていたんですよね。
……戦勝パーティーの夜までは。
パーティーの意味に気づき、泣きながら残飯をあさる山西さんの慟哭に、理解しながら認められない「敗北」、「勝利」のために命を賭けていたからこそ認められない「敗北」の重さを感じて、胸が痛みました。
残飯の豪華さ、自分たちに支給された糧食との差に唖然とした彼の心が折れていくさまが哀しくて、痛くて。理性は「敗北」を認められないから、樹を降りることはできない。でも、彼の心は戦争が終わったことを理解している。「上官」として「新兵」に戦争が継続していることを信じさせながら、自分自身はその矛盾の狭間でどんどん壊れていく。……意味もわからずに「上官」の崩壊を見ているしかない「新兵」の不安も痛いし、「新兵」の眼を通じて自分の欺瞞を見せつけられる「上官」の懊悩も、今の私が受け止めるには、あまりにも痛すぎて。
「上官」と「新兵」は、どちらが正しいというのでもないと思うのです。ただ、自分が産まれ育った場所を護ろうとした志願兵と、軍人として戦略的・戦術的な目的をもって島にやってきた「上官」との、立場の違い。立場の違う二人が、最終的にわかりあえなかった……そういう物語。
もしも、あの夜、「上官」が何も気づかなかったなら。だとしたら、どうなっていたでしょうね。
食料が尽きる前に「上官」が「新兵」を殺して、そして、、、食料も毛布もないまま、樹の上で亜熱帯の冬を越せたかどうか、、、かな。
どちらにしても、「上官」と「新兵」が立場の違いを乗り越えて理解しあうことは難しかっただろうな、と思う。彼らの夢見た「平和」や「勝利」は、そもそも違うものだったのだから。
それが哀しくて、そして痛いのです……とても。
まだこちらには感想を書いていませんが、この公演を観る前に、宝塚歌劇団によるブロードウェイミュージカル「南太平洋」を観ました。
宝塚作品なので、南太平洋に展開したアメリカ軍にとっての「敵軍」が何かについては隠されていましたが、かつて南太平洋でアメリカと闘ったのはただ一国で、エミール(轟)とケーブル中尉(真風)が命を賭けて偵察した結果の勝利が太平洋の制海権奪取につながり、それが最終的には沖縄決戦につながったことは間違いないんですよね。
だから。後半の緊迫した場面で「新兵」が語る「アメリカ兵と遭遇した」というエピソードの「アメリカ兵」は、もしかしたらあの星組の海兵さんたちの誰かだったかもしれない、、、なんてことを考えながらの観劇になりました。
「南太平洋」における「貌のない敵軍」と、「木の上の軍隊」における「鬼のような敵軍」。
どちらも、実際に顔を合わせて会話をする機会があれば戦うことなんてできないだろうに、その機会を与えられず、ただ戦うことを強いられた彼らは、、、ある意味幸せだったのかもしれません。己の勝利を信じていられる間は。
「ハニー・バン」を歌いながら戦場に向かう海兵たちを視ながら、言葉にならない想いを持て余していたのですが、この「木の上の軍隊」を観て、どちらも同じものの裏表なんだな、と思ったら、なんというか、、、痛くてたまりませんでした。
「木の上の軍隊」を観た今、もう一度「南太平洋」を観たいような、もう観たくないような、そんな矛盾した気持ちがあります。喉にひっかかって呑みこめない、何かの叫びのように。
ガジュマルの木の上で、変わっていく「世界」を見凝めるキジムナーたち。彼らの眼には、こんなふうに揺らぐ気持ちが、どんなふうに映っているのでしょうか。
とはいえ、彼らは諦めたわけではない、と思うのですけれども。理解しあうことも、それ以外も、なにひとつ。
だって、ここで諦めるくらいなら、木の上に残らなかったと思うから。彼ら……彼らの魂は。
「作家」としての全てを賭けた蓬莱さんの気迫を、私がちゃんと受け止められたのかどうか、あまり自信がありません。
ただ、その痛みから目を逸らしてはいけないんだ、ということはわかったような気がします。上官の迷いからも、その矛盾からも。新兵が正しいのではない。ただ、彼らは「犠牲者」だった。上官が「犠牲者」であると同時に「加害者」でもあったのと同じように、全員が「犠牲者」だったのだ、と、、、言葉にすることの難しい、そんな想いは伝わったような気がします。
樹の上に残ったキジムナーたちの、ガラス玉のような瞳に映るものが、少しでも美しいものになりますように。
.
故・井上ひさしの脚本により、2010年に上演される予定だった「木の上の軍隊」。井上氏の逝去により幻となった作品を、蓬莱竜太が組み立てて栗山民也が演出した、まさに「幻」の公演。
松井るみによる巨大なガジュマルの樹が仁王立ちする舞台に、2010年にも出演予定だった藤原竜也と、山西惇・片平なぎさという3人の出演者が立ち竦む、、、そんな2時間(休憩なし)でした。
私が観たのは開幕してすぐの時だったのですが、山西さん(上官)と竜也くん(新兵)の会話の迫力に振り回されて、痛くて、もっていかれっぱなしでした。
あれから日も過ぎて、さらに迫力が増しているのでしょうか。もう一度観たいような、観るのが怖いような。蓬莱さんもよくこんな痛い脚本を書いてくれた、と感心するばかりです。
物語の舞台は、沖縄戦争末期の伊江島(沖縄本島から北西約9km)。
ときどき忘れそうになるのですが、いわゆる「沖縄戦争」は、「本土決戦」ではなかったんですよね。
私にとって「沖縄」は日本の一部で、だから日本軍は日本の国土としての沖縄を護ろうとして、護りきれなかった……と思いたいのですけれども。でも、実際には、資材も糧食も、兵士さえ現地調達した日本軍は、沖縄弁で喋ることを禁じ、志願兵にはろくな武器も渡さなかったと聞くと、忸怩たる思いが募ります。
それでも、「新兵」は「日本」を信じた……「日本」の代表としての「上官」を。その真っ直ぐな信頼は、重たかったかもしれないけれども、それでも「上官」は、ちゃんとそれを受け止めていたんですよね。
……戦勝パーティーの夜までは。
パーティーの意味に気づき、泣きながら残飯をあさる山西さんの慟哭に、理解しながら認められない「敗北」、「勝利」のために命を賭けていたからこそ認められない「敗北」の重さを感じて、胸が痛みました。
残飯の豪華さ、自分たちに支給された糧食との差に唖然とした彼の心が折れていくさまが哀しくて、痛くて。理性は「敗北」を認められないから、樹を降りることはできない。でも、彼の心は戦争が終わったことを理解している。「上官」として「新兵」に戦争が継続していることを信じさせながら、自分自身はその矛盾の狭間でどんどん壊れていく。……意味もわからずに「上官」の崩壊を見ているしかない「新兵」の不安も痛いし、「新兵」の眼を通じて自分の欺瞞を見せつけられる「上官」の懊悩も、今の私が受け止めるには、あまりにも痛すぎて。
「上官」と「新兵」は、どちらが正しいというのでもないと思うのです。ただ、自分が産まれ育った場所を護ろうとした志願兵と、軍人として戦略的・戦術的な目的をもって島にやってきた「上官」との、立場の違い。立場の違う二人が、最終的にわかりあえなかった……そういう物語。
もしも、あの夜、「上官」が何も気づかなかったなら。だとしたら、どうなっていたでしょうね。
食料が尽きる前に「上官」が「新兵」を殺して、そして、、、食料も毛布もないまま、樹の上で亜熱帯の冬を越せたかどうか、、、かな。
どちらにしても、「上官」と「新兵」が立場の違いを乗り越えて理解しあうことは難しかっただろうな、と思う。彼らの夢見た「平和」や「勝利」は、そもそも違うものだったのだから。
それが哀しくて、そして痛いのです……とても。
まだこちらには感想を書いていませんが、この公演を観る前に、宝塚歌劇団によるブロードウェイミュージカル「南太平洋」を観ました。
宝塚作品なので、南太平洋に展開したアメリカ軍にとっての「敵軍」が何かについては隠されていましたが、かつて南太平洋でアメリカと闘ったのはただ一国で、エミール(轟)とケーブル中尉(真風)が命を賭けて偵察した結果の勝利が太平洋の制海権奪取につながり、それが最終的には沖縄決戦につながったことは間違いないんですよね。
だから。後半の緊迫した場面で「新兵」が語る「アメリカ兵と遭遇した」というエピソードの「アメリカ兵」は、もしかしたらあの星組の海兵さんたちの誰かだったかもしれない、、、なんてことを考えながらの観劇になりました。
「南太平洋」における「貌のない敵軍」と、「木の上の軍隊」における「鬼のような敵軍」。
どちらも、実際に顔を合わせて会話をする機会があれば戦うことなんてできないだろうに、その機会を与えられず、ただ戦うことを強いられた彼らは、、、ある意味幸せだったのかもしれません。己の勝利を信じていられる間は。
「ハニー・バン」を歌いながら戦場に向かう海兵たちを視ながら、言葉にならない想いを持て余していたのですが、この「木の上の軍隊」を観て、どちらも同じものの裏表なんだな、と思ったら、なんというか、、、痛くてたまりませんでした。
「木の上の軍隊」を観た今、もう一度「南太平洋」を観たいような、もう観たくないような、そんな矛盾した気持ちがあります。喉にひっかかって呑みこめない、何かの叫びのように。
ガジュマルの木の上で、変わっていく「世界」を見凝めるキジムナーたち。彼らの眼には、こんなふうに揺らぐ気持ちが、どんなふうに映っているのでしょうか。
とはいえ、彼らは諦めたわけではない、と思うのですけれども。理解しあうことも、それ以外も、なにひとつ。
だって、ここで諦めるくらいなら、木の上に残らなかったと思うから。彼ら……彼らの魂は。
「作家」としての全てを賭けた蓬莱さんの気迫を、私がちゃんと受け止められたのかどうか、あまり自信がありません。
ただ、その痛みから目を逸らしてはいけないんだ、ということはわかったような気がします。上官の迷いからも、その矛盾からも。新兵が正しいのではない。ただ、彼らは「犠牲者」だった。上官が「犠牲者」であると同時に「加害者」でもあったのと同じように、全員が「犠牲者」だったのだ、と、、、言葉にすることの難しい、そんな想いは伝わったような気がします。
樹の上に残ったキジムナーたちの、ガラス玉のような瞳に映るものが、少しでも美しいものになりますように。
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若者たちのロミオとジュリエット
2013年4月25日 宝塚(星) コメント (4)間があいていてすみません(汗)。でももう、これは反応せずにはいられない!!ということで(^ ^)
次回星組公演「ロミオとジュリエット」の、新人公演配役が発表されました!
うおおお、礼くん、城妃さん、新人公演初主演おめでとうございます!!
それにしても。
研5で初主演の礼くんの、「待ちに待った」かつ「超・安心!」感は何なんでしょう。演目が発表されたときから礼くんだったらいいなあと思っていましたが、本当に楽しみです。これは東京まで待てないぞ(^ ^)。
「ロミオとジュリエット」初演の「愛」で話題をさらった礼くんも、もう研5なんですね。キキちゃんや彩風くん、たまきちあたりの初主演が研3だったことを思えば、意外に時間がかかったなという気もしますが、まあ、あのあたりとは違って“小柄”という弱みがある礼くんは、「満を持して」という条件が有った方がいいのかも、という気もします。役替りもあって過酷な公演になりそうですが、礼くん自身が3つの役を楽しんでくださったら嬉しいな、と思います。
そしてそして!!城妃さんのジュリエットがめっちゃ楽しみ!
「南太平洋」では男の子役がメインでしたが、本当に美少年んで可愛かったし、いくつかある娘役での出番も、めっちゃキュートで可愛かった!まだ研3だけど、台詞の声もきれいだし、表情やちょっとした仕草が可愛くて、大好きな娘役さん。ジュリエット、本当に楽しみです。
そして、今回はいきなり全キャストが発表になったのですが!ツボキャストが多すぎ!キャピュレット夫妻(漣&夢妃)、神父(ひろ香)、乳母(妃風)と、メインどころが私の希望配役そのままだったんで、ものすごく浮かれています(^O^)。
特に乳母は、本役がさやかさん(美城)だから男役に回ってしまうかも?と思っていたので、ふうちゃんでとても嬉しいです。「南太平洋」のネリーは本当に可愛かったけど、乳母も絶対良いと思う!楽しみすぎる!!
そしてそして!夏樹くん、ベンヴォーリオ役おめでとうございます!!あの美声での「どうやって伝えよう」……うわああああ。
ポコちゃん(十碧)の死も、キレイでしょうねえ(*^ ^*)ビジュアルも含めて、すごく期待してしまいます。
わーーー、全てが楽しみすぎる!こんなにツボな配役の新人公演は久しぶりです。
かなり本気で大劇も観たい。。。(真顔)
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次回星組公演「ロミオとジュリエット」の、新人公演配役が発表されました!
うおおお、礼くん、城妃さん、新人公演初主演おめでとうございます!!
それにしても。
研5で初主演の礼くんの、「待ちに待った」かつ「超・安心!」感は何なんでしょう。演目が発表されたときから礼くんだったらいいなあと思っていましたが、本当に楽しみです。これは東京まで待てないぞ(^ ^)。
「ロミオとジュリエット」初演の「愛」で話題をさらった礼くんも、もう研5なんですね。キキちゃんや彩風くん、たまきちあたりの初主演が研3だったことを思えば、意外に時間がかかったなという気もしますが、まあ、あのあたりとは違って“小柄”という弱みがある礼くんは、「満を持して」という条件が有った方がいいのかも、という気もします。役替りもあって過酷な公演になりそうですが、礼くん自身が3つの役を楽しんでくださったら嬉しいな、と思います。
そしてそして!!城妃さんのジュリエットがめっちゃ楽しみ!
「南太平洋」では男の子役がメインでしたが、本当に美少年んで可愛かったし、いくつかある娘役での出番も、めっちゃキュートで可愛かった!まだ研3だけど、台詞の声もきれいだし、表情やちょっとした仕草が可愛くて、大好きな娘役さん。ジュリエット、本当に楽しみです。
そして、今回はいきなり全キャストが発表になったのですが!ツボキャストが多すぎ!キャピュレット夫妻(漣&夢妃)、神父(ひろ香)、乳母(妃風)と、メインどころが私の希望配役そのままだったんで、ものすごく浮かれています(^O^)。
特に乳母は、本役がさやかさん(美城)だから男役に回ってしまうかも?と思っていたので、ふうちゃんでとても嬉しいです。「南太平洋」のネリーは本当に可愛かったけど、乳母も絶対良いと思う!楽しみすぎる!!
そしてそして!夏樹くん、ベンヴォーリオ役おめでとうございます!!あの美声での「どうやって伝えよう」……うわああああ。
ポコちゃん(十碧)の死も、キレイでしょうねえ(*^ ^*)ビジュアルも含めて、すごく期待してしまいます。
わーーー、全てが楽しみすぎる!こんなにツボな配役の新人公演は久しぶりです。
かなり本気で大劇も観たい。。。(真顔)
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若者たちのオーシャンズ【2】
2013年4月27日 宝塚(花)花組新人公演「オーシャンズ11」続き。(大幅に間があいててすいません。。。)
<93期>
■菜那くらら(アン・ウッズ)
芝居も歌も標準以上なのに、毎回子役ばっかりで、いつになったら大人の役が回ってくるんだろう?とずっと思っていたななくらちゃん。アン・ウッズのさりげない存在感も良かったし、自然に大人の女性の立ち居振る舞いができていて、やっぱりそろそろ子役は卒業させようよ、と、あらためて思いました。
ベネディクトの部屋でのアドリブは「頑張ったね」という感じでしたが、VIPルームで、ダニーに「調べましたよ?」と言われた時のさりげなさとか、大仰すぎなくてでも印象的で、巧いなー、と感心。ただ、全体にちょっと「手堅い」感があったので、役的には大人なんだけどもう少し弾けても良かったかもね、と思いました。
■真輝いづみ(イエン)
すっごい可愛かった!そして、身のこなしの軽やかさが半端ない!!ラスティに紹介される場面の片手側転とか、鮮やかすぎて驚きました。
オープニングのダンスとか、恰好よすぎて溜息ものでしたわ。大劇場でみつるくんが部分休演しているときも、マキシムが誰かの代役で前に出て踊っていたと聴いた記憶が。。。恰好良かっただろうなあ。
とはいえ、ヨーヨーの扱いは、さすがに何ヶ月もの間毎日真剣勝負の中で磨かれている人とは比べられないというか(汗)、いやいやこの短期間によくやったよというか、、、、お疲れさまでした、というか(^ ^;
芝居は以前から巧いなあと思っていた人ですが、あまり台詞のないこういう役でも、相槌の間とかが凄く良いんですよね。舞台勘のある人なんだな、と思います。そして、ダンスだけじゃなくて歌も良かった! なんだ、3拍子揃ってるじゃないか(@ @)。
次は長の学年になるんだし、しどころのある役がつくことを祈ります。
■大河凜(バシャー)
本役のみーちゃん(春風)から学んだ色気が、どちらかといえば可愛い系の容姿と爽やかな持ち味にプラスされて、なんともいえない魅力的なバシャーでした。みーちゃんみたいな「危険」な感じの色香じゃなくて、華やかに人を惹きつける綺麗な花のような。
ジョルジュ役も可愛かったです、ええ(^ ^)。
思えば、「愛と死のアラビア」新人公演でだいもんの役を演じていたのが最初の認識なんですよね。華奢で可愛くて、でもそれだけじゃなくて学年のわりに達者だなあと思ったっけなあ。「
愛のプレリュード」は残念な出来だったけど、いまのがりんちゃんには、もう一度主演させてあげたいと思う魅力があると思います。べーちゃんが今回のテス役で見事に「大人の女」で魅せてくれたように、がりんちゃんにももう一度、その実力を見せるチャンスが巡ってきますように。
■桜帆ゆかり(ルビー)
歌えることは知っていましたが、あんなに歌えるんだ!びっくり!
迫力のある良い声でした。黒塗りのお化粧も似合ってて、大人っぽくてびっくり。銀ちゃん組の下級生が、いつの間にかこんなに、ねえ。。。
■航琉ひびき(テーラー)
本公演もハロルドで抜擢されている航琉くん。うすくあごひげをつけた容貌はなかなかの悪い男で、切れ者の副官感と胡散臭さをが両立させていて凄いなあ、と感心しました。ほっそりした柚香くんと並ぶと、ボディーガードあがりっぽいゴツさがあるのもイイなあ、と(*^ ^*)。
いままであまり目立たなかったけど、ここのところ急速に役がついてきている気がするんですよね。どれも過不足なく演じていて、これからが楽しみです。たまには歌も聴いてみたいな(^ ^)。
■凪咲星南(エイミー)
ルナちゃん(冴月)演じる振付のエディを女性に変えての演出。ハロルド役と合わせてこの二役が女性になっているのは星組と同じ変更ですが、私、この女の子ばっかりの「クイーン・ダイアナ」軍団、大好きだったんですよね。女同士だからこその遠慮のなさとか、和気藹々としつつ大事なところにはシビアだったり、逆に見て見ぬふりしてあげたり、さりげない気づかいがあって良いなと思っていたのです。
特に今回は、3人とも学年が近いせいか、本当に学生時代からサークルで組んでやっていて、たまたまダイアナがスターになったからそのままプロになった的な(良い意味での)親しさが垣間見えて、それが逆に「プロ意識」の低さというか、ダイアナの我侭を放置する、ぬるま湯的な感覚にもつながっているような気がしました。。。。ラスト、ダイアナが1人でブロードウェイに旅立つのは、ベネディクトだけではなくエイミーたちをも捨てていくわけで。ダイアナというスターを喪った二人がこれからどうやってショービジネスを泳いでいくのか、そんなことを考えてしまいました。
……もし、意識して演出したんだとしたら、田渕さん、すごいなあ(^ ^)
■美花梨乃(ジュリー)
同期の航琉くんのハロルド役を女性に変えた役。演出上の意義は上に書いたとおりなので割愛しますが、すごく良かったです! 以前から可愛いなあと思っていたのですが、なかなか役がつかなくて、よほど芝居ができないのかとおもっていたのですが(失礼)、聴きとりやすいしきれいな台詞回しで、ダイアナやエイミーとの関係性もリアルだったし、とにかく良かったです。
髪型やアクセも、裏方らしくあまり凝り過ぎず、でも魅力的に自分の美貌を生かしていて、似合ってました。初めての役らしい役でも、与えられた役柄以上のものを見せてくれたと思うので、次もぜひ、やりがいのある役がつきますように!
■花奈澪(ローラ)
羽立くんが演じるバッキー・ブキャナンを女性に変えた役。思いきったメイクや鬘で、一瞬の出番なのにしっかり印象付けて、さすがだなと思いました。
他の場面はだいたい「客の女」でしたが、本公演とはだいぶ違うゴージャスな感じにつくっていて、そういうところはさすが花娘だなあと感心(^ ^)。いや、花奈さんだけじゃないですけどね(^ ^)。
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<93期>
■菜那くらら(アン・ウッズ)
芝居も歌も標準以上なのに、毎回子役ばっかりで、いつになったら大人の役が回ってくるんだろう?とずっと思っていたななくらちゃん。アン・ウッズのさりげない存在感も良かったし、自然に大人の女性の立ち居振る舞いができていて、やっぱりそろそろ子役は卒業させようよ、と、あらためて思いました。
ベネディクトの部屋でのアドリブは「頑張ったね」という感じでしたが、VIPルームで、ダニーに「調べましたよ?」と言われた時のさりげなさとか、大仰すぎなくてでも印象的で、巧いなー、と感心。ただ、全体にちょっと「手堅い」感があったので、役的には大人なんだけどもう少し弾けても良かったかもね、と思いました。
■真輝いづみ(イエン)
すっごい可愛かった!そして、身のこなしの軽やかさが半端ない!!ラスティに紹介される場面の片手側転とか、鮮やかすぎて驚きました。
オープニングのダンスとか、恰好よすぎて溜息ものでしたわ。大劇場でみつるくんが部分休演しているときも、マキシムが誰かの代役で前に出て踊っていたと聴いた記憶が。。。恰好良かっただろうなあ。
とはいえ、ヨーヨーの扱いは、さすがに何ヶ月もの間毎日真剣勝負の中で磨かれている人とは比べられないというか(汗)、いやいやこの短期間によくやったよというか、、、、お疲れさまでした、というか(^ ^;
芝居は以前から巧いなあと思っていた人ですが、あまり台詞のないこういう役でも、相槌の間とかが凄く良いんですよね。舞台勘のある人なんだな、と思います。そして、ダンスだけじゃなくて歌も良かった! なんだ、3拍子揃ってるじゃないか(@ @)。
次は長の学年になるんだし、しどころのある役がつくことを祈ります。
■大河凜(バシャー)
本役のみーちゃん(春風)から学んだ色気が、どちらかといえば可愛い系の容姿と爽やかな持ち味にプラスされて、なんともいえない魅力的なバシャーでした。みーちゃんみたいな「危険」な感じの色香じゃなくて、華やかに人を惹きつける綺麗な花のような。
ジョルジュ役も可愛かったです、ええ(^ ^)。
思えば、「愛と死のアラビア」新人公演でだいもんの役を演じていたのが最初の認識なんですよね。華奢で可愛くて、でもそれだけじゃなくて学年のわりに達者だなあと思ったっけなあ。「
愛のプレリュード」は残念な出来だったけど、いまのがりんちゃんには、もう一度主演させてあげたいと思う魅力があると思います。べーちゃんが今回のテス役で見事に「大人の女」で魅せてくれたように、がりんちゃんにももう一度、その実力を見せるチャンスが巡ってきますように。
■桜帆ゆかり(ルビー)
歌えることは知っていましたが、あんなに歌えるんだ!びっくり!
迫力のある良い声でした。黒塗りのお化粧も似合ってて、大人っぽくてびっくり。銀ちゃん組の下級生が、いつの間にかこんなに、ねえ。。。
■航琉ひびき(テーラー)
本公演もハロルドで抜擢されている航琉くん。うすくあごひげをつけた容貌はなかなかの悪い男で、切れ者の副官感と胡散臭さをが両立させていて凄いなあ、と感心しました。ほっそりした柚香くんと並ぶと、ボディーガードあがりっぽいゴツさがあるのもイイなあ、と(*^ ^*)。
いままであまり目立たなかったけど、ここのところ急速に役がついてきている気がするんですよね。どれも過不足なく演じていて、これからが楽しみです。たまには歌も聴いてみたいな(^ ^)。
■凪咲星南(エイミー)
ルナちゃん(冴月)演じる振付のエディを女性に変えての演出。ハロルド役と合わせてこの二役が女性になっているのは星組と同じ変更ですが、私、この女の子ばっかりの「クイーン・ダイアナ」軍団、大好きだったんですよね。女同士だからこその遠慮のなさとか、和気藹々としつつ大事なところにはシビアだったり、逆に見て見ぬふりしてあげたり、さりげない気づかいがあって良いなと思っていたのです。
特に今回は、3人とも学年が近いせいか、本当に学生時代からサークルで組んでやっていて、たまたまダイアナがスターになったからそのままプロになった的な(良い意味での)親しさが垣間見えて、それが逆に「プロ意識」の低さというか、ダイアナの我侭を放置する、ぬるま湯的な感覚にもつながっているような気がしました。。。。ラスト、ダイアナが1人でブロードウェイに旅立つのは、ベネディクトだけではなくエイミーたちをも捨てていくわけで。ダイアナというスターを喪った二人がこれからどうやってショービジネスを泳いでいくのか、そんなことを考えてしまいました。
……もし、意識して演出したんだとしたら、田渕さん、すごいなあ(^ ^)
■美花梨乃(ジュリー)
同期の航琉くんのハロルド役を女性に変えた役。演出上の意義は上に書いたとおりなので割愛しますが、すごく良かったです! 以前から可愛いなあと思っていたのですが、なかなか役がつかなくて、よほど芝居ができないのかとおもっていたのですが(失礼)、聴きとりやすいしきれいな台詞回しで、ダイアナやエイミーとの関係性もリアルだったし、とにかく良かったです。
髪型やアクセも、裏方らしくあまり凝り過ぎず、でも魅力的に自分の美貌を生かしていて、似合ってました。初めての役らしい役でも、与えられた役柄以上のものを見せてくれたと思うので、次もぜひ、やりがいのある役がつきますように!
■花奈澪(ローラ)
羽立くんが演じるバッキー・ブキャナンを女性に変えた役。思いきったメイクや鬘で、一瞬の出番なのにしっかり印象付けて、さすがだなと思いました。
他の場面はだいたい「客の女」でしたが、本公演とはだいぶ違うゴージャスな感じにつくっていて、そういうところはさすが花娘だなあと感心(^ ^)。いや、花奈さんだけじゃないですけどね(^ ^)。
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若者たちのオーシャンズ【3】
2013年4月28日 宝塚(花)花組新人公演「オーシャンズ11」続き。
<94期>
■舞月なぎさ(リヴィングストン)
可愛かった可愛かった可愛かった!!
実は私、彼女が入団する前のすみれ売りの頃からお気に入りなので(^ ^)、配役が発表されたときからだいぶ浮かれていたわけですが、いやー、可愛かったです!
本役の真由ちゃん(鳳)とは全然違う、どちらかといえば星組の美弥ちゃんをもっと若くしたような「普通の少年」っぽい感じの役づくりでしたが、とても楽しそうで、観ていて幸せな気持ちになりました♪
こんな大役がついたのは初めてで、台詞も歌もドキドキだったのですが、いやいや、危なげなくしっかりこなしてくれて、感心しました。顔がキレイなだけのタイプかと思っていたら、意外な実力者だったんですね。どんな舞台の隅っこで台詞もなくてもいつも楽しそうに小芝居していた人で、舞台勘もよさそうだし、これからがもっと楽しみになりました!
というか。
なにげに花組94期の首席であることを今初めて知りました……吃驚!!(←失礼)去年のおとめでは羽立くんより下だったので、研5の試験でがんばったんですね(@ @)凄いなあ!じゃあ、これからがんがん役がつく、かな? がんばれ~~!!
■仙名彩世(クイーン・ダイアナ)
この方はもう、文句なく最高の出来でした。カルロッタといい、今回といい、本当にこういう役が似合いますね。最後の啖呵の迫力といい、胸がスッとする出来でした(^ ^)。
べーちゃんのテスがすごく大人っぽい創りだったので、ダイアナのガチャガチャ感がうまい対比になっていたと思います。「Victorian JAZZ」の時とは違う関係だったけど、二人の芝居は方向性が全然違うので、うまく演出すれば作品の魅力を何倍にもするのかもしれない、と思いました。
そして、柚香くんとの並びはさすが経験者(^ ^)。田渕さん、ずるいなあ。
次のバウでのヒロイン役が発表されている仙名さん。どんな役になるのかわかりませんが、彼女の魅力が生きる役ならいいな、と思います。がんばれ!
■和海しょう(フランク)
歌はさすが。ダンスも悪くない。でも、「危険」な匂いがちょっと足りない……という印象でした。
いや、フランクは別に、危険じゃなくていいんじゃないか?星組はともみん(夢乃)だったんだし。。。という気もするのですが。「危険」というか、「裏街道」の匂いがしない、、、のかな。
いや、でも、恰好良かったです。色っぽかったし。バシャーも観てみたかったな、と思ったりしました……いや、がりんちゃんのバシャーに不満は無いですよ、もちろん(^ ^;ゞ
■華雅りりか(5年前のテス)
大劇場での本役は観ていないので、星組新公以来の「5年前のテス」。いやー、星組新公のりりかちゃんテスはすごく好きだったんですが、、、あれから1年が過ぎたいま、新公で演じるにはちょっと無理があるなと思いました。
キキちゃんとの並びは良かったんですが、りりかちゃんって「天使のはしご」あたりで一皮むけて、包容力のある、大人っぽい娘役になったと思うんですよね。「サン・テグジュペリ」の新公の方が、そういう意味では似合っていたと思います。今回はじゅりあの休演というアクシデントがあって新公でやることになってしまっただけで、本公演で蘭寿さん相手に演じる分には問題なかったかもしれませんが、春妃うららちゃんのテスを観てしまうと、ねえ。。。
■羽立光来(ハリー・ウッズ)
いつどんな役でも興味深く演じてくれる羽立くん。ハリーはどう来るのかと思っていたら、思いの外正攻法できた印象。さすがでした!いやもう、本当に素敵。ななくらちゃんとの並びも良い感じの身長差で、なんというか、妻の前ではデレデレしていそうな(←空想)、妻のために気軽く悪事に手を染めてしまいそうな、そんな盲目な感じがすごく説得力がありました。(←妄想)
■新菜かほ
役として目立ってたのは、ルーベン邸のメイドかな。一瞬だけど、落ち着いてて良かったです。あと、2幕はたしかディーラーにも入っていたはず。ちょっとした仕草がきれいですよね。
■夢花らん
役がついていないのでいろんな場面に出ていた可愛子ちゃんその2ですが、、、印象的だったのはJackPotの場面のディーラー、かな。色っぽくてキュートで、可愛かったです♪
プログラムを見たら、ベネディクトのオフィスで客人を案内してくるボーイも夢花さんだったんですね。気がつかなかった(涙)。
■冴華りおな(ルーベン)
ルーベン役と発表されたときはすごく意外に感じたのですが、実際観てみて納得。今まで恰幅の良い人というイメージがありましたが、冴華さんは特に胴布団を巻くでなく、ほっそりと華奢なスタイルのまま、ちょっと神経質なルーベンを演じていました。そうきたか!とちょっと手を打ちたい感じでした(^ ^)
いままで、普通の役をオカマにしてみたり、激しい顔芸で場をさらってみたり、癖の強い人だなあという印象が強かったのですが、今回は大役だったせいか、すなおに作品世界の中で演じていて、好感度がかなりあがりました(^ ^)。
まだ若いからいろいろやってみるのもすごく大事だけど、もう少しして新公でも上級生になってきたら、「場面を創る」ことを考えてみてほしいな、と思います。それができる人だと思うからこそ、余計に。
■紗愛せいら(ベス)
美人でしっかりしていて、さりげない色気もある、素晴らしい秘書でした。小池さんの現代ものにはだいたいこういう秘書が出てくるのですが、花組「オーシャンズ11」は、本公演・新公ともに、その面でも非常にレベルが高かったと思います(真顔)
というわけで、私の中ではかなりなレベルで「スター誕生!」という勢いで印象にのこった美女でした!成績が良くないみたいで心配ですが、芝居はすごく良かったと思うので、がんばってください!
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<94期>
■舞月なぎさ(リヴィングストン)
可愛かった可愛かった可愛かった!!
実は私、彼女が入団する前のすみれ売りの頃からお気に入りなので(^ ^)、配役が発表されたときからだいぶ浮かれていたわけですが、いやー、可愛かったです!
本役の真由ちゃん(鳳)とは全然違う、どちらかといえば星組の美弥ちゃんをもっと若くしたような「普通の少年」っぽい感じの役づくりでしたが、とても楽しそうで、観ていて幸せな気持ちになりました♪
こんな大役がついたのは初めてで、台詞も歌もドキドキだったのですが、いやいや、危なげなくしっかりこなしてくれて、感心しました。顔がキレイなだけのタイプかと思っていたら、意外な実力者だったんですね。どんな舞台の隅っこで台詞もなくてもいつも楽しそうに小芝居していた人で、舞台勘もよさそうだし、これからがもっと楽しみになりました!
というか。
なにげに花組94期の首席であることを今初めて知りました……吃驚!!(←失礼)去年のおとめでは羽立くんより下だったので、研5の試験でがんばったんですね(@ @)凄いなあ!じゃあ、これからがんがん役がつく、かな? がんばれ~~!!
■仙名彩世(クイーン・ダイアナ)
この方はもう、文句なく最高の出来でした。カルロッタといい、今回といい、本当にこういう役が似合いますね。最後の啖呵の迫力といい、胸がスッとする出来でした(^ ^)。
べーちゃんのテスがすごく大人っぽい創りだったので、ダイアナのガチャガチャ感がうまい対比になっていたと思います。「Victorian JAZZ」の時とは違う関係だったけど、二人の芝居は方向性が全然違うので、うまく演出すれば作品の魅力を何倍にもするのかもしれない、と思いました。
そして、柚香くんとの並びはさすが経験者(^ ^)。田渕さん、ずるいなあ。
次のバウでのヒロイン役が発表されている仙名さん。どんな役になるのかわかりませんが、彼女の魅力が生きる役ならいいな、と思います。がんばれ!
■和海しょう(フランク)
歌はさすが。ダンスも悪くない。でも、「危険」な匂いがちょっと足りない……という印象でした。
いや、フランクは別に、危険じゃなくていいんじゃないか?星組はともみん(夢乃)だったんだし。。。という気もするのですが。「危険」というか、「裏街道」の匂いがしない、、、のかな。
いや、でも、恰好良かったです。色っぽかったし。バシャーも観てみたかったな、と思ったりしました……いや、がりんちゃんのバシャーに不満は無いですよ、もちろん(^ ^;ゞ
■華雅りりか(5年前のテス)
大劇場での本役は観ていないので、星組新公以来の「5年前のテス」。いやー、星組新公のりりかちゃんテスはすごく好きだったんですが、、、あれから1年が過ぎたいま、新公で演じるにはちょっと無理があるなと思いました。
キキちゃんとの並びは良かったんですが、りりかちゃんって「天使のはしご」あたりで一皮むけて、包容力のある、大人っぽい娘役になったと思うんですよね。「サン・テグジュペリ」の新公の方が、そういう意味では似合っていたと思います。今回はじゅりあの休演というアクシデントがあって新公でやることになってしまっただけで、本公演で蘭寿さん相手に演じる分には問題なかったかもしれませんが、春妃うららちゃんのテスを観てしまうと、ねえ。。。
■羽立光来(ハリー・ウッズ)
いつどんな役でも興味深く演じてくれる羽立くん。ハリーはどう来るのかと思っていたら、思いの外正攻法できた印象。さすがでした!いやもう、本当に素敵。ななくらちゃんとの並びも良い感じの身長差で、なんというか、妻の前ではデレデレしていそうな(←空想)、妻のために気軽く悪事に手を染めてしまいそうな、そんな盲目な感じがすごく説得力がありました。(←妄想)
■新菜かほ
役として目立ってたのは、ルーベン邸のメイドかな。一瞬だけど、落ち着いてて良かったです。あと、2幕はたしかディーラーにも入っていたはず。ちょっとした仕草がきれいですよね。
■夢花らん
役がついていないのでいろんな場面に出ていた可愛子ちゃんその2ですが、、、印象的だったのはJackPotの場面のディーラー、かな。色っぽくてキュートで、可愛かったです♪
プログラムを見たら、ベネディクトのオフィスで客人を案内してくるボーイも夢花さんだったんですね。気がつかなかった(涙)。
■冴華りおな(ルーベン)
ルーベン役と発表されたときはすごく意外に感じたのですが、実際観てみて納得。今まで恰幅の良い人というイメージがありましたが、冴華さんは特に胴布団を巻くでなく、ほっそりと華奢なスタイルのまま、ちょっと神経質なルーベンを演じていました。そうきたか!とちょっと手を打ちたい感じでした(^ ^)
いままで、普通の役をオカマにしてみたり、激しい顔芸で場をさらってみたり、癖の強い人だなあという印象が強かったのですが、今回は大役だったせいか、すなおに作品世界の中で演じていて、好感度がかなりあがりました(^ ^)。
まだ若いからいろいろやってみるのもすごく大事だけど、もう少しして新公でも上級生になってきたら、「場面を創る」ことを考えてみてほしいな、と思います。それができる人だと思うからこそ、余計に。
■紗愛せいら(ベス)
美人でしっかりしていて、さりげない色気もある、素晴らしい秘書でした。小池さんの現代ものにはだいたいこういう秘書が出てくるのですが、花組「オーシャンズ11」は、本公演・新公ともに、その面でも非常にレベルが高かったと思います(真顔)
というわけで、私の中ではかなりなレベルで「スター誕生!」という勢いで印象にのこった美女でした!成績が良くないみたいで心配ですが、芝居はすごく良かったと思うので、がんばってください!
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