千秋楽おめでとうございます
2007年4月2日 宝塚(月)宝塚歌劇団 月組のみなさま。
月組ファンのみなさま。
千秋楽、おめでとうございます♪
ラッキーなことに、千秋楽公演を観ることができました(^ ^)。
お芝居のアドリブについては、夜野さんのブログにとっても詳細にレポートされていたので、とりあえずトラバさせていただきまーす。
http://blog.so-net.ne.jp/nights-entertainment_troup-leader/2007-04-01
それにしても夜野さんすごい!私はもう、テンションあがりすぎて記憶が飛びました(汗)。なんにもおぼえてない。
夜野さんのレポート読みながら、記憶を辿って瞼の裏上演しています。
…うんうん、そんなことあったあった、みたいな(汗)。
お芝居の方のアドリブは、ほぼ網羅していただいているような。
ホントすごいわ〜。
あとは、最初にジョルジュが登場してアルマンドが誤魔化すところで、二人して「ピース」したらボーイさんたちも「ピース」で返してくれたことくらいかな?
イロイロあった気もしますが思い出せません…。
あと、アドリブなのか演出変更なのか、イマイチ確信できない変化もいろいろあったような。…うーん、誰かアドバイスしてくれた人でもいたのでしょうか?パーティーの客の動きとか、前回観たときからは細かく変わっていたような気がします。それとも単に日替わりだったのかなあ?毎日観ていたわけではないので、確信はないのですが。
「パリの空よりも高く」
脚本上のいろんな穴はともかくとして。
おいといて。
埋めといて。
…ないものとして。
お芝居、佳かったです。
ほんとうに、ピュアに楽しかった。
作品としては言いたいことたくさんありますが、
公演としては、本当に面白いものになったと思います(←見慣れた…?)。
月組のみなさま。
本当に本当に本当!!に、
おつかれさまでした♪(かなみナンシー風に)。
ショーの方は。
ちょっとちょっと麻子さん、パラソルの場面で紅い薔薇持って出てくるのは絶対、反則!ルール違反でしょソレっ!?
…まだ中詰め前だよ?
早すぎるでしょ?
なんの覚悟もしてませんでした。はい。
普通に可愛いお嬢さんたちを愛でつつ、車に飾り付けがしてある話を聞いていたので、それを楽しみにしていたのに。
ドアを開いてでてきた麻子さんが手にしていた、薔薇一輪。
似合うよなあ、でもあんなものいつも持っていたっけ?と思う暇もなく、
ふ、と葉月さらちゃんに差し出したフランク。
その仕草のかっこいいこと!!
さらちゃん、泣くかと思いました。
でも泣きませんでしたね。輝く笑顔でしたよ(泣)。
かなみちゃんが出てきて麻子さんと踊り出した後ろで、下手に夢咲ねねちゃんや萌花ゆりあちゃんたちと四人で固まって「なんなのよあのオンナ」みたいに話し合うところ。
さらちゃん、満面の笑顔で薔薇をみせびらかしてました(^ ^)。
可愛かったーーーー!
ねねちゃんがすごく羨ましげに見てて、「いいなあ」って形に口が動いてたのも可愛かった(笑)。
「Happy Birthday」という文字と、モールで飾り立てられた黄色い車を見て、麻子さんはのけぞって大笑い(笑)。
今日はエンストすることなくあっさりと走り出し、
と思ったら、麻子さんがかっこつけて「Thank You!」に投げキッスのおまけつき!(…だったような?違いましたっけ?)
悔しげな女の子たちにまじって、さらちゃんは薔薇を振ってお見送りしてました。
…泣けました。
ロケットガールのふじこ(紫水梗華)ちゃんは、胸に大きなピンクの花をつけて登場。割れるような大拍手でした。
本公演で見せ場があってよかったね、ふじこちゃん☆最高の笑顔でくるくるくるくる、思いっきり回ってくれました。
その前の、白い短手袋での男役群舞でのひら(有香潤)さんは、胸に濃紅の花を。
パレードのさらちゃんは、白い花のついた蔓を手首に巻き付けてましたね。帽子に左手をかける振りの時によく映えて、品がよくてとても素敵でした。ふーが(風雅)くんがつけてた花も赤かったような(←ちょっと曖昧でごめんなさい)。
ひらさん。
ふーがくん。
さらちゃん。
ふじこちゃん。
ご卒業、おめでとうございます。
4人とも、最高の笑顔で、いいご挨拶でした。
ほんとうにステキだった。
麻子さんも挨拶して、一番最後に歌う「すみれの花咲く頃」。
卒業する4人は、本当にキラキラと輝いて。
笑顔で。
幸せオーラが眩しくて、目が眩みそうでした。
そして。
ナホちゃんたち、卒業生の同期たちは。
頬を涙で光らせて、俯いて顔を隠して、でも一生懸命、精一杯の笑顔を浮かべながら。
みんなみんな、綺麗だった。
宝塚ってやっぱりいいな、と。
みんな宝塚が大好きで、宝塚の舞台が好きで、
そういう人ばっかりが集まっている宝塚。
宝塚って、やっぱり、いいですよね。
どうぞみなさま。
いつまでも、お幸せに…。
.
月組ファンのみなさま。
千秋楽、おめでとうございます♪
ラッキーなことに、千秋楽公演を観ることができました(^ ^)。
お芝居のアドリブについては、夜野さんのブログにとっても詳細にレポートされていたので、とりあえずトラバさせていただきまーす。
http://blog.so-net.ne.jp/nights-entertainment_troup-leader/2007-04-01
それにしても夜野さんすごい!私はもう、テンションあがりすぎて記憶が飛びました(汗)。なんにもおぼえてない。
夜野さんのレポート読みながら、記憶を辿って瞼の裏上演しています。
…うんうん、そんなことあったあった、みたいな(汗)。
お芝居の方のアドリブは、ほぼ網羅していただいているような。
ホントすごいわ〜。
あとは、最初にジョルジュが登場してアルマンドが誤魔化すところで、二人して「ピース」したらボーイさんたちも「ピース」で返してくれたことくらいかな?
イロイロあった気もしますが思い出せません…。
あと、アドリブなのか演出変更なのか、イマイチ確信できない変化もいろいろあったような。…うーん、誰かアドバイスしてくれた人でもいたのでしょうか?パーティーの客の動きとか、前回観たときからは細かく変わっていたような気がします。それとも単に日替わりだったのかなあ?毎日観ていたわけではないので、確信はないのですが。
「パリの空よりも高く」
脚本上のいろんな穴はともかくとして。
おいといて。
埋めといて。
…ないものとして。
お芝居、佳かったです。
ほんとうに、ピュアに楽しかった。
作品としては言いたいことたくさんありますが、
公演としては、本当に面白いものになったと思います(←見慣れた…?)。
月組のみなさま。
本当に本当に本当!!に、
おつかれさまでした♪(かなみナンシー風に)。
ショーの方は。
ちょっとちょっと麻子さん、パラソルの場面で紅い薔薇持って出てくるのは絶対、反則!ルール違反でしょソレっ!?
…まだ中詰め前だよ?
早すぎるでしょ?
なんの覚悟もしてませんでした。はい。
普通に可愛いお嬢さんたちを愛でつつ、車に飾り付けがしてある話を聞いていたので、それを楽しみにしていたのに。
ドアを開いてでてきた麻子さんが手にしていた、薔薇一輪。
似合うよなあ、でもあんなものいつも持っていたっけ?と思う暇もなく、
ふ、と葉月さらちゃんに差し出したフランク。
その仕草のかっこいいこと!!
さらちゃん、泣くかと思いました。
でも泣きませんでしたね。輝く笑顔でしたよ(泣)。
かなみちゃんが出てきて麻子さんと踊り出した後ろで、下手に夢咲ねねちゃんや萌花ゆりあちゃんたちと四人で固まって「なんなのよあのオンナ」みたいに話し合うところ。
さらちゃん、満面の笑顔で薔薇をみせびらかしてました(^ ^)。
可愛かったーーーー!
ねねちゃんがすごく羨ましげに見てて、「いいなあ」って形に口が動いてたのも可愛かった(笑)。
「Happy Birthday」という文字と、モールで飾り立てられた黄色い車を見て、麻子さんはのけぞって大笑い(笑)。
今日はエンストすることなくあっさりと走り出し、
と思ったら、麻子さんがかっこつけて「Thank You!」に投げキッスのおまけつき!(…だったような?違いましたっけ?)
悔しげな女の子たちにまじって、さらちゃんは薔薇を振ってお見送りしてました。
…泣けました。
ロケットガールのふじこ(紫水梗華)ちゃんは、胸に大きなピンクの花をつけて登場。割れるような大拍手でした。
本公演で見せ場があってよかったね、ふじこちゃん☆最高の笑顔でくるくるくるくる、思いっきり回ってくれました。
その前の、白い短手袋での男役群舞でのひら(有香潤)さんは、胸に濃紅の花を。
パレードのさらちゃんは、白い花のついた蔓を手首に巻き付けてましたね。帽子に左手をかける振りの時によく映えて、品がよくてとても素敵でした。ふーが(風雅)くんがつけてた花も赤かったような(←ちょっと曖昧でごめんなさい)。
ひらさん。
ふーがくん。
さらちゃん。
ふじこちゃん。
ご卒業、おめでとうございます。
4人とも、最高の笑顔で、いいご挨拶でした。
ほんとうにステキだった。
麻子さんも挨拶して、一番最後に歌う「すみれの花咲く頃」。
卒業する4人は、本当にキラキラと輝いて。
笑顔で。
幸せオーラが眩しくて、目が眩みそうでした。
そして。
ナホちゃんたち、卒業生の同期たちは。
頬を涙で光らせて、俯いて顔を隠して、でも一生懸命、精一杯の笑顔を浮かべながら。
みんなみんな、綺麗だった。
宝塚ってやっぱりいいな、と。
みんな宝塚が大好きで、宝塚の舞台が好きで、
そういう人ばっかりが集まっている宝塚。
宝塚って、やっぱり、いいですよね。
どうぞみなさま。
いつまでも、お幸せに…。
.
「SHOCK」、そして「朧の森に棲む鬼」
2007年4月4日 ミュージカル・舞台 コメント (5)年度末が過ぎて、ここ数日は年度末に積み残した仕事を片づけるのに必死になっています。
「年度末なので、今はちょっと待って下さい」と言い続けた日々はなんだったんだ>自分。結局一年中忙しいってぇのは、やっぱり要領が悪いんでしょうか…(涙)。
さて。
月組東京公演が終わって、ふと気が付けば。
2月に観た公演で、感想を書いていない作品が2つもありました。
ジャニーズの「SHOCK」(主演:堂本光一)と、松竹&劇団☆新感線の「朧の森に棲む鬼」(主演:市川染五郎)。
まずは、「SHOCK」。
樹里ちゃんが出演して以来ですから、5年…(?)ぶりの「SHOCK」。
私、あの公演で「KAT-TUN」を初めて知って、某Tくんに惚れ込んだんですよね…。長身でジャニーズの中ではスタイル抜群の彼は、絶対映像よりも舞台の方が映えるのに、なんで映像ばっかりなんでしょうか…売り方間違ってるよジャニーさん!それこそ、この「SHOCK」に出させてもらえれば少しは知名度も上がるでしょうに。
…なーんて思いながら、斗真くんのかっこよさにくらくらしてしまいました。
(ごめんねTくん)
光一さんはさすがですね。
かっこいい、ってだけじゃなく、エンターテイナーとして超一流。
作品的にも、6年前は「パリの空よりも高く」の10倍くらい突っ込みどころ満載のステキ脚本だった(というか、ストーリーと呼べるものではなかった)のに、数年のうちにすっかり進化して、今回のは「パリの空よりも高く」よりよっぽどマトモなストーリーなんじゃないの!?って感じでした。
…宝塚ファンとしては、かなり…痛い現実だわ…(涙)。
もとい。
今回、光一さんの回りは生田斗真くんとMAの4人で集中して固めていたので、それ以下の若手を覚える余地はなかったです。楽しみにしてたのに、残念。
MAは、ミュージカルもイロイロ出ていることもあって一番「舞台慣れ」してましたね。錦織さんや光一さんが可愛がるのも解る気がします。テレビに、コンサートに、そして舞台に、忙しいでしょうけれども、一番充実した時期だと思うので、ぜひがんばって、そして楽しんで毎日を過ごしてほしいです★
「朧の森に棲む鬼」。
相変わらず、新感線の作品は痛い。
心にむず痒い傷が残るの。
いつまでもうずいて、掻きむしりたくなってしまうほどに。
「感想」を言葉に直す作業がとても難しくて、今までほっぽらってしまったのですが。
そして、今に至ってもまだ、「言葉」が落ち着かなくて、何も書くべきことが見つからないままですが。
…みんな良い仕事してました。
脚本家も、演出家も、各スタッフも、キャストも。
特に装置が良かったです。虚仮威しチックだけど、すごくかっこよかった。本水も意義のある使い方されてると良いもんだなあ…
なんだか、うらやましいです。
プロが「良い仕事」をするのは当たり前ので、
観客は出来上がったものを美味しく戴けばいいはずで、
プロが作るモノなんだから、美味しいのが当たり前で。
でも、そうは言っても美味しいモノは案外と難しいらしいから、「あ、美味しい」と思ったら、素直にそう言えばいいのだけれども。
…普段「あれっ?」っていうものを食べ慣れているので、ついつい
「これが美味しいのは何故なのか」を追求したくなってしまうのですが…
追求しはじめると止まらないので、なるべく簡単にいきたいと思います。
市川染五郎も、阿部サダヲも、古田新太も、みんなよかった!
儲け役は文句なし阿部サダヲさんかな。
古田さんもおいしかったけど♪
でも、なんといってもこの作品の立役者は染五郎。
染さんと言えば、なんとなく昔、アマデウスをやっていた頃の「ぼんぼん♪」なイメージがあったのですが。
いつの間にこんなにハードな役が演じきれる役者になったのでしょうか。酷い男なの。傍若無人で、冷酷で、残忍で…なのに、圧倒的に魅力的。そんな「男」を。
どうせ染さんだしなー、観たいけどどうしようかなー、なんぞと考えていた自分を許してください。素晴らしかったです。
今回のお目当てだった秋山菜津子さん。
文句なく格好良かった〜!!(うっとり)。
私は菜津子さんという役者自身が大好きだし、新感線とコラボしている菜津子さんは最高にステキだと思うのです☆
高田聖子さんも文句なしです。
女の厭らしさとうとましさを完璧に表現してらした。素晴らしい!シキブが嫌われてこそ、あの話が成り立つんですよね…。本当にさすがです。
はじめまして、だった(多分)真木よう子さん。
凄い声ですね。菜津子さんも相当の美声(低音)ですが、真木さんも素晴らしい!
最初男役OGかと思ったんですよね。声低いし、スタイルも凄いし。知らない人だけど、OGさんなのかな、と。
どうやら違うようですが、この人が宝塚に入っていたら私はファンになったでしょう。…きっとね(笑)。
とにかく、ナニをドウ書けばいいのか解らないので内容については省略しますが(いまさらだしね)。
おねがいがあります。
中島さん、宝塚のために脚本書いてくださいませんか。
いのうえさん、宝塚の演出をお願いしたいんですけどどうですか…?
血まみれで極悪な「朧…」は難しいとは思いますが。
ぜひ「SHIROH」を〜〜!!! (←結局それかいっ)
.
「年度末なので、今はちょっと待って下さい」と言い続けた日々はなんだったんだ>自分。結局一年中忙しいってぇのは、やっぱり要領が悪いんでしょうか…(涙)。
さて。
月組東京公演が終わって、ふと気が付けば。
2月に観た公演で、感想を書いていない作品が2つもありました。
ジャニーズの「SHOCK」(主演:堂本光一)と、松竹&劇団☆新感線の「朧の森に棲む鬼」(主演:市川染五郎)。
まずは、「SHOCK」。
樹里ちゃんが出演して以来ですから、5年…(?)ぶりの「SHOCK」。
私、あの公演で「KAT-TUN」を初めて知って、某Tくんに惚れ込んだんですよね…。長身でジャニーズの中ではスタイル抜群の彼は、絶対映像よりも舞台の方が映えるのに、なんで映像ばっかりなんでしょうか…売り方間違ってるよジャニーさん!それこそ、この「SHOCK」に出させてもらえれば少しは知名度も上がるでしょうに。
…なーんて思いながら、斗真くんのかっこよさにくらくらしてしまいました。
(ごめんねTくん)
光一さんはさすがですね。
かっこいい、ってだけじゃなく、エンターテイナーとして超一流。
作品的にも、6年前は「パリの空よりも高く」の10倍くらい突っ込みどころ満載のステキ脚本だった(というか、ストーリーと呼べるものではなかった)のに、数年のうちにすっかり進化して、今回のは「パリの空よりも高く」よりよっぽどマトモなストーリーなんじゃないの!?って感じでした。
…宝塚ファンとしては、かなり…痛い現実だわ…(涙)。
もとい。
今回、光一さんの回りは生田斗真くんとMAの4人で集中して固めていたので、それ以下の若手を覚える余地はなかったです。楽しみにしてたのに、残念。
MAは、ミュージカルもイロイロ出ていることもあって一番「舞台慣れ」してましたね。錦織さんや光一さんが可愛がるのも解る気がします。テレビに、コンサートに、そして舞台に、忙しいでしょうけれども、一番充実した時期だと思うので、ぜひがんばって、そして楽しんで毎日を過ごしてほしいです★
「朧の森に棲む鬼」。
相変わらず、新感線の作品は痛い。
心にむず痒い傷が残るの。
いつまでもうずいて、掻きむしりたくなってしまうほどに。
「感想」を言葉に直す作業がとても難しくて、今までほっぽらってしまったのですが。
そして、今に至ってもまだ、「言葉」が落ち着かなくて、何も書くべきことが見つからないままですが。
…みんな良い仕事してました。
脚本家も、演出家も、各スタッフも、キャストも。
特に装置が良かったです。虚仮威しチックだけど、すごくかっこよかった。本水も意義のある使い方されてると良いもんだなあ…
なんだか、うらやましいです。
プロが「良い仕事」をするのは当たり前ので、
観客は出来上がったものを美味しく戴けばいいはずで、
プロが作るモノなんだから、美味しいのが当たり前で。
でも、そうは言っても美味しいモノは案外と難しいらしいから、「あ、美味しい」と思ったら、素直にそう言えばいいのだけれども。
…普段「あれっ?」っていうものを食べ慣れているので、ついつい
「これが美味しいのは何故なのか」を追求したくなってしまうのですが…
追求しはじめると止まらないので、なるべく簡単にいきたいと思います。
市川染五郎も、阿部サダヲも、古田新太も、みんなよかった!
儲け役は文句なし阿部サダヲさんかな。
古田さんもおいしかったけど♪
でも、なんといってもこの作品の立役者は染五郎。
染さんと言えば、なんとなく昔、アマデウスをやっていた頃の「ぼんぼん♪」なイメージがあったのですが。
いつの間にこんなにハードな役が演じきれる役者になったのでしょうか。酷い男なの。傍若無人で、冷酷で、残忍で…なのに、圧倒的に魅力的。そんな「男」を。
どうせ染さんだしなー、観たいけどどうしようかなー、なんぞと考えていた自分を許してください。素晴らしかったです。
今回のお目当てだった秋山菜津子さん。
文句なく格好良かった〜!!(うっとり)。
私は菜津子さんという役者自身が大好きだし、新感線とコラボしている菜津子さんは最高にステキだと思うのです☆
高田聖子さんも文句なしです。
女の厭らしさとうとましさを完璧に表現してらした。素晴らしい!シキブが嫌われてこそ、あの話が成り立つんですよね…。本当にさすがです。
はじめまして、だった(多分)真木よう子さん。
凄い声ですね。菜津子さんも相当の美声(低音)ですが、真木さんも素晴らしい!
最初男役OGかと思ったんですよね。声低いし、スタイルも凄いし。知らない人だけど、OGさんなのかな、と。
どうやら違うようですが、この人が宝塚に入っていたら私はファンになったでしょう。…きっとね(笑)。
とにかく、ナニをドウ書けばいいのか解らないので内容については省略しますが(いまさらだしね)。
おねがいがあります。
中島さん、宝塚のために脚本書いてくださいませんか。
いのうえさん、宝塚の演出をお願いしたいんですけどどうですか…?
血まみれで極悪な「朧…」は難しいとは思いますが。
ぜひ「SHIROH」を〜〜!!! (←結局それかいっ)
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今日は、日生劇場「ジキル&ハイド」の初日。
そして明日は、東京宝塚劇場花組公演と、東京芸術劇場「心中・恋の大和路」の初日。
…毎日どこかの劇場が初日を迎え、
どこかの劇場が千秋楽を迎え、
そして
どの劇場でも、観客は泣いて、笑って、みんなきっと、楽しんでいる。
ステキな、夢です。
時代は変わりましたねー。
昔は、まぁ「お芝居」はイロイロやっていたのかもしれませんが、「音楽劇」に類するものなんて宝塚が0〜1本、劇団四季が1〜2本、そしてそれ以外に1本か2本。合計4本もやっていたら「多いわね」くらいなもんだったのに。
今は、東京近郊だけで劇団四季が3〜4本、宝塚が1〜2本、それ以外が2〜5本。下手すると10本以上同時に走っていたりする時代ですものね。
それだけ観客層が増大して、観劇が「普通の娯楽」になったんだなあ、と思うと感慨深いです。
…私の回りはまだまだ時代遅れのようで、一つの作品を3回以上観ると言ったら変人扱いされましたが…(涙)。
宝塚も、せめて日本語としてまとも かどうかくらいは吟味してからイタに載せてほしいものです(懇願)。
もとい。
今回の日生「ジキル&ハイド」には、宝塚OGが3人出演されています。
真木めぐみさん、秋園美緒さん、岡本茜(神月茜)さん。
多分3人ともアンサンブル(メインは娼婦)だと思うのですが、この作品は音楽的に「アンサンブルが主役」の作品なので、がんばってほしいな〜!
スティーブンソンの傑作ホラー小説を、「スクルージ」「ヴィクター/ヴィクトリア」のレスリー・ブリカスが脚色し、
フランク・ワイルドホーンが作曲したブロードウェイ・ミュージカル「Jekyl & Hyde」。
「Never Say Good-bye」の作曲家として宝塚ファンにも名前を知られたワイルドホーンの、これが出世作。
私が初めてワイルドホーンを知ったのも、「jekyl&Hyde」でした。
フランク・ワイルドホーン。
私は本当にこの人の音楽が大好きです。
20世紀の世界は、たくさんの作曲家を生み出しました。
その中でも、私が“とりあえず”作曲家の名前「だけ」で観劇を決める作曲家は。
「レ・ミゼラブル」のシェーンベルク、「オペラ座の怪人」のウェッバー、「エリザベート」のリーヴァイ、そして、「ジキル&ハイド」のワイルドホーンの4人。
…多分、実際にはもっといると思いますけど。「香港ラプソディ」のディック・リーも、新作作ったら絶対観に行くだろうし。
でも、なんていうか。この4人は、私の中では別格、なのです。
そんな中でも、ワイルドホーンは本当に別格。
この人だけです。CDを聴いただけで嵌ったのは。(他の方は皆、舞台を観て嵌ったので)
音楽のカッコ良さ、力強さ。
甘美なとしか言いようのないメロディライン。
エロティックなコード進行。
どこかの怪しげな宗教団体と組んだら、あっという間に世界を制覇してしまいそうな、ありえない求心力。
名曲「This is the Moment」だけじゃないんです。
他にも名曲だらけ。
そして、一番素晴らしいのはアンサンブルのナンバー!とにかくワイルドホーンは、コーラスがカッコイイ!!コード進行なんかもすごく特別なんですよね。聴いていると本当に引き込まれてしまうんです。
日本版の初演では、メインキャストが軒並み歌唱面でコケる中、林アキラさんたちを中心とするアンサンブルのコーラスで作品を支えていました。ブロードウェイよりも日本の方がアンサンブルのレベルはずっと上だ、と言われていたのを覚えています(私も全く同感です)。
一幕で市民たちが辛い現実を嘆く「Facade」、2幕冒頭で殺人事件に怯えて騒ぐロンドン市民たちの「Murder, Murder」。この2曲を最大限に楽しむなら、2階席センターがお勧めです。コストパフォーマンスもいいですしね♪
気が狂った父(…アルツハイマーなのか、別の理由なのか?)に正気を取り戻させるため、人間の精神を作り替える薬、人間の心の「善と悪を分離」する薬を作ったヘンリー・ジキル。
そして、彼に絡む女性が二人。
貴族の娘で、ジキルと強い愛情で結ばれた婚約者エマ。
パブでジキルと出会って恋をし、ハイドとも惹かれ合う娼婦ルーシィ。
この物語は、この3人にジキルの親友アターソン、エマの父親にしてジキルの理解者であるダンヴァース卿を加えた5人を中心に進みます。
ジキルは、表面上は「この上もなくお堅い」優等生だった、という設定もありですが、「尊大で傲慢で、人を人とも思わない、自分を恃むこと大な、早熟の天才タイプ」というのもありなんですよね。
前者であれば、「優等生」の部分はエマを求め、その裏で抑圧された別人格が薬をきっかけに表に出て、ルーシィを求める、という関係になりますし、
後者であれば、「尊大さの陰に隠れた優しい青年」的な部分がエマを求め、薬をきっかけに「良心」と切り離された表人格(尊大な天才児)が暴走する話、ということになります。
ブロードウェイで観た時は、前者だと思ったのですが…(英語には弱いので台詞はわかりませんでしたが、なんとなく)、少なくとも日本版は、鹿賀さんの演技としても後者の方針で作っているのではないかと思います。(アターソンの台詞に「僕は君の数少ない友人の一人なんだよ」というのがありますし)
まぁ、どちらの設定でもエマはジキルを愛するだけな(ハイドの存在は最後まで知らない)ので、キャラクターもあまり変わりませんが、ジキルとハイド、両方に関わるルーシィは結構違うはずなんですよね…。
私がブロードウェイで観たルーシィ(以前TVで放送された時のルーシィ役)は、若くてものすごい美人でした。
不幸な境遇の中でけなげに生きている、というか、何をどうすれば自分が救われるのかさっぱり解らず、回りの人間の一挙手一投足に怯えて生きている子猫のような存在。
ジキルに憧れて、憧れて、でも、王子さまには手が届かなくて。
ただひたすら、星に手を伸ばすように夢見るばかりで。
最初から諦めている。
ハイドとはただ客と娼婦の関係で、お金を貰うためには仕方がないと思っているだけ。ハイドには惹かれないルーシィ。
厭で厭でたまらないのに、逃げられない現実。
だから、初めてジキルに振り向いてもらった(と思う)「A New Life」は、文字通り「人生これから!やり直すのよあたし!」的な、圧倒的な喜びに溢れていたんですよね…。
でも、日本版では。
マルシア、という、ちょっと日本語に不自由な歌手がキャスティングされているせいもありますが。
なんとなく、アジアの片隅から密入国船で入ってきて10年たった、そんな雰囲気で観てしまうのです。
(香寿さんになったらまた違うのでしょうね。楽しみです!)
どん底の店で、古株(売れっ子?)として君臨するルーシィにととって、「自分に興味を示さない」男というのがそもそも初めてだったんじゃないかと思います。
踊っていても性的な目では見ていない。
(実際には、ジキルは自分の研究のことで頭がいっぱいなだけなのですが)
だから、誘いをかけてみる。
水を向ける。「私で試してみない?」
その呪文で、ジキルは気づいてしまう。
そうだ。実験台なんかいらないじゃないか。自分で薬を呑んでみればいいんだ!!
そんな思いつきで頭がいっぱいになったジキルには、女のことなどほとんど残っちゃいなかったのでしょう。
そして。
ジキルは自分の研究室に戻り、呑んではいけない薬を口にする。
自分が失敗するわけがないと思っているから。
「自分が作ったものに間違いはない」
謙虚さのかけらもなく。
「頭の固い爺ぃ婆ぁが、なぜ自分の邪魔をするのか」、
「単に自分の才能に嫉妬しているだけに違いない!」
そんな思いこみ。
過剰な自信。それが、神の領域に踏み込む動機になる。
心の奥底で、良心は叫んでいたはずなのに。
『ヤバいよ、それは。やめておけよ。エマに相談してみろよ…』
それとも、呟いただけだったのか。
呟いただけでは、尊大な魂には伝わらないのに。
そして彼は、薬を口にする。
怪しげな蛍光レッドの液体を、一気に飲み干す。
『良心』から切り離され、『自由』を得た主人格。
心の赴くまま、誰に邪魔されることもなく街へ出てルーシィと出会う。
自分(ジキル)に実験を示唆した娼婦。
気の強い女。
でも、憐れみをほしがっている。
自分の纏う血の匂いに怯えている。
もっと。
もっとこの女を傷つけたら。
…ジキルは悲しむだろうか?
ジキルが悲しむことが俺は愉しい、
そんな嗜虐の気持。
そして、ルーシィ側にもそれ(虐待)を受け入れる素地がある。
被虐の快感。一度はまったら抜けられない地獄の穴に、落ちてしまったルーシィ。
そのくらいの、刺激的な関係。
それに比べて、ルーシィのジキルへの恋心は、相手をちゃんと見ていない幻想の恋。ある意味、とっても闇雲な恋です。
でも、諦めているわけじゃない。必ず手は届く、と信じている。
「A New Life」を聴きながら、思い浮かぶのは「ジキルのいる風景」。ルーシィは、ジキルとはじめる新生活を信じて疑わないんだと思ったのです。そして、そう思った自分に吃驚しました。CDでも、ブロードウェイでも、…そんなふうに思ったことは、なかったから…。
今回の公演では、どんな設定に見えるのでしょうか。
自分でもとても楽しみです。
なるべく白紙で観たいと思っております♪
2幕のハイドとルーシィのエロティックなナンバー、「Dangerous Game」。
実は、この作品の中でも一番好きな音楽だったりもするのですが。
ルーシィが応じて、自らハイドを求めるか、それともひたすら嫌がって逃げるか。
同じ歌でも、全然違う場面が作れる曲ですから。
どんなふうに演出されて、どんなふうに演じられるのか。
本当に、とっっっても楽しみです!
・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
宝塚で上演するとしたら(あり得ないけど)、娘役トップは絶対!エマ、なんですよね。
ルーシィは、専科時代の檀ちゃんとかあすかちゃんみたいな、主役もはれるけど『娘役トップ』ではない人がやる役。
役の印象としてはルーシィの方が濃いので、2番手娘役がやるわけにはいかない役なんですよね…。
うーん。ジキル/ハイド役は、主役であることをさっぴいても、どうしたって自分の贔屓にやってもらいたい役。
なので、あえて名前を挙げるのは避けますが。
ブロードウェイのプレイビルには「Young Smart Doctor」と書かれていたので、そういう人にやっていただきたいです(笑)。
話はいきなり吹っ飛びますが。
スティーブンソンが「ジキル博士とハイド氏の不思議な事件」を発表したのは、1886年のこと。
例の、「3回目の」パリ万博の3年前。
…ちょうど、アルマンドとジョルジュがパリに着いた頃の出来事なんですね♪(←違うからそれは)
.
そして明日は、東京宝塚劇場花組公演と、東京芸術劇場「心中・恋の大和路」の初日。
…毎日どこかの劇場が初日を迎え、
どこかの劇場が千秋楽を迎え、
そして
どの劇場でも、観客は泣いて、笑って、みんなきっと、楽しんでいる。
ステキな、夢です。
時代は変わりましたねー。
昔は、まぁ「お芝居」はイロイロやっていたのかもしれませんが、「音楽劇」に類するものなんて宝塚が0〜1本、劇団四季が1〜2本、そしてそれ以外に1本か2本。合計4本もやっていたら「多いわね」くらいなもんだったのに。
今は、東京近郊だけで劇団四季が3〜4本、宝塚が1〜2本、それ以外が2〜5本。下手すると10本以上同時に走っていたりする時代ですものね。
それだけ観客層が増大して、観劇が「普通の娯楽」になったんだなあ、と思うと感慨深いです。
…私の回りはまだまだ時代遅れのようで、一つの作品を3回以上観ると言ったら変人扱いされましたが…(涙)。
宝塚も、せめて日本語としてまとも かどうかくらいは吟味してからイタに載せてほしいものです(懇願)。
もとい。
今回の日生「ジキル&ハイド」には、宝塚OGが3人出演されています。
真木めぐみさん、秋園美緒さん、岡本茜(神月茜)さん。
多分3人ともアンサンブル(メインは娼婦)だと思うのですが、この作品は音楽的に「アンサンブルが主役」の作品なので、がんばってほしいな〜!
スティーブンソンの傑作ホラー小説を、「スクルージ」「ヴィクター/ヴィクトリア」のレスリー・ブリカスが脚色し、
フランク・ワイルドホーンが作曲したブロードウェイ・ミュージカル「Jekyl & Hyde」。
「Never Say Good-bye」の作曲家として宝塚ファンにも名前を知られたワイルドホーンの、これが出世作。
私が初めてワイルドホーンを知ったのも、「jekyl&Hyde」でした。
フランク・ワイルドホーン。
私は本当にこの人の音楽が大好きです。
20世紀の世界は、たくさんの作曲家を生み出しました。
その中でも、私が“とりあえず”作曲家の名前「だけ」で観劇を決める作曲家は。
「レ・ミゼラブル」のシェーンベルク、「オペラ座の怪人」のウェッバー、「エリザベート」のリーヴァイ、そして、「ジキル&ハイド」のワイルドホーンの4人。
…多分、実際にはもっといると思いますけど。「香港ラプソディ」のディック・リーも、新作作ったら絶対観に行くだろうし。
でも、なんていうか。この4人は、私の中では別格、なのです。
そんな中でも、ワイルドホーンは本当に別格。
この人だけです。CDを聴いただけで嵌ったのは。(他の方は皆、舞台を観て嵌ったので)
音楽のカッコ良さ、力強さ。
甘美なとしか言いようのないメロディライン。
エロティックなコード進行。
どこかの怪しげな宗教団体と組んだら、あっという間に世界を制覇してしまいそうな、ありえない求心力。
名曲「This is the Moment」だけじゃないんです。
他にも名曲だらけ。
そして、一番素晴らしいのはアンサンブルのナンバー!とにかくワイルドホーンは、コーラスがカッコイイ!!コード進行なんかもすごく特別なんですよね。聴いていると本当に引き込まれてしまうんです。
日本版の初演では、メインキャストが軒並み歌唱面でコケる中、林アキラさんたちを中心とするアンサンブルのコーラスで作品を支えていました。ブロードウェイよりも日本の方がアンサンブルのレベルはずっと上だ、と言われていたのを覚えています(私も全く同感です)。
一幕で市民たちが辛い現実を嘆く「Facade」、2幕冒頭で殺人事件に怯えて騒ぐロンドン市民たちの「Murder, Murder」。この2曲を最大限に楽しむなら、2階席センターがお勧めです。コストパフォーマンスもいいですしね♪
気が狂った父(…アルツハイマーなのか、別の理由なのか?)に正気を取り戻させるため、人間の精神を作り替える薬、人間の心の「善と悪を分離」する薬を作ったヘンリー・ジキル。
そして、彼に絡む女性が二人。
貴族の娘で、ジキルと強い愛情で結ばれた婚約者エマ。
パブでジキルと出会って恋をし、ハイドとも惹かれ合う娼婦ルーシィ。
この物語は、この3人にジキルの親友アターソン、エマの父親にしてジキルの理解者であるダンヴァース卿を加えた5人を中心に進みます。
ジキルは、表面上は「この上もなくお堅い」優等生だった、という設定もありですが、「尊大で傲慢で、人を人とも思わない、自分を恃むこと大な、早熟の天才タイプ」というのもありなんですよね。
前者であれば、「優等生」の部分はエマを求め、その裏で抑圧された別人格が薬をきっかけに表に出て、ルーシィを求める、という関係になりますし、
後者であれば、「尊大さの陰に隠れた優しい青年」的な部分がエマを求め、薬をきっかけに「良心」と切り離された表人格(尊大な天才児)が暴走する話、ということになります。
ブロードウェイで観た時は、前者だと思ったのですが…(英語には弱いので台詞はわかりませんでしたが、なんとなく)、少なくとも日本版は、鹿賀さんの演技としても後者の方針で作っているのではないかと思います。(アターソンの台詞に「僕は君の数少ない友人の一人なんだよ」というのがありますし)
まぁ、どちらの設定でもエマはジキルを愛するだけな(ハイドの存在は最後まで知らない)ので、キャラクターもあまり変わりませんが、ジキルとハイド、両方に関わるルーシィは結構違うはずなんですよね…。
私がブロードウェイで観たルーシィ(以前TVで放送された時のルーシィ役)は、若くてものすごい美人でした。
不幸な境遇の中でけなげに生きている、というか、何をどうすれば自分が救われるのかさっぱり解らず、回りの人間の一挙手一投足に怯えて生きている子猫のような存在。
ジキルに憧れて、憧れて、でも、王子さまには手が届かなくて。
ただひたすら、星に手を伸ばすように夢見るばかりで。
最初から諦めている。
ハイドとはただ客と娼婦の関係で、お金を貰うためには仕方がないと思っているだけ。ハイドには惹かれないルーシィ。
厭で厭でたまらないのに、逃げられない現実。
だから、初めてジキルに振り向いてもらった(と思う)「A New Life」は、文字通り「人生これから!やり直すのよあたし!」的な、圧倒的な喜びに溢れていたんですよね…。
でも、日本版では。
マルシア、という、ちょっと日本語に不自由な歌手がキャスティングされているせいもありますが。
なんとなく、アジアの片隅から密入国船で入ってきて10年たった、そんな雰囲気で観てしまうのです。
(香寿さんになったらまた違うのでしょうね。楽しみです!)
どん底の店で、古株(売れっ子?)として君臨するルーシィにととって、「自分に興味を示さない」男というのがそもそも初めてだったんじゃないかと思います。
踊っていても性的な目では見ていない。
(実際には、ジキルは自分の研究のことで頭がいっぱいなだけなのですが)
だから、誘いをかけてみる。
水を向ける。「私で試してみない?」
その呪文で、ジキルは気づいてしまう。
そうだ。実験台なんかいらないじゃないか。自分で薬を呑んでみればいいんだ!!
そんな思いつきで頭がいっぱいになったジキルには、女のことなどほとんど残っちゃいなかったのでしょう。
そして。
ジキルは自分の研究室に戻り、呑んではいけない薬を口にする。
自分が失敗するわけがないと思っているから。
「自分が作ったものに間違いはない」
謙虚さのかけらもなく。
「頭の固い爺ぃ婆ぁが、なぜ自分の邪魔をするのか」、
「単に自分の才能に嫉妬しているだけに違いない!」
そんな思いこみ。
過剰な自信。それが、神の領域に踏み込む動機になる。
心の奥底で、良心は叫んでいたはずなのに。
『ヤバいよ、それは。やめておけよ。エマに相談してみろよ…』
それとも、呟いただけだったのか。
呟いただけでは、尊大な魂には伝わらないのに。
そして彼は、薬を口にする。
怪しげな蛍光レッドの液体を、一気に飲み干す。
『良心』から切り離され、『自由』を得た主人格。
心の赴くまま、誰に邪魔されることもなく街へ出てルーシィと出会う。
自分(ジキル)に実験を示唆した娼婦。
気の強い女。
でも、憐れみをほしがっている。
自分の纏う血の匂いに怯えている。
もっと。
もっとこの女を傷つけたら。
…ジキルは悲しむだろうか?
ジキルが悲しむことが俺は愉しい、
そんな嗜虐の気持。
そして、ルーシィ側にもそれ(虐待)を受け入れる素地がある。
被虐の快感。一度はまったら抜けられない地獄の穴に、落ちてしまったルーシィ。
そのくらいの、刺激的な関係。
それに比べて、ルーシィのジキルへの恋心は、相手をちゃんと見ていない幻想の恋。ある意味、とっても闇雲な恋です。
でも、諦めているわけじゃない。必ず手は届く、と信じている。
「A New Life」を聴きながら、思い浮かぶのは「ジキルのいる風景」。ルーシィは、ジキルとはじめる新生活を信じて疑わないんだと思ったのです。そして、そう思った自分に吃驚しました。CDでも、ブロードウェイでも、…そんなふうに思ったことは、なかったから…。
今回の公演では、どんな設定に見えるのでしょうか。
自分でもとても楽しみです。
なるべく白紙で観たいと思っております♪
2幕のハイドとルーシィのエロティックなナンバー、「Dangerous Game」。
実は、この作品の中でも一番好きな音楽だったりもするのですが。
ルーシィが応じて、自らハイドを求めるか、それともひたすら嫌がって逃げるか。
同じ歌でも、全然違う場面が作れる曲ですから。
どんなふうに演出されて、どんなふうに演じられるのか。
本当に、とっっっても楽しみです!
・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
宝塚で上演するとしたら(あり得ないけど)、娘役トップは絶対!エマ、なんですよね。
ルーシィは、専科時代の檀ちゃんとかあすかちゃんみたいな、主役もはれるけど『娘役トップ』ではない人がやる役。
役の印象としてはルーシィの方が濃いので、2番手娘役がやるわけにはいかない役なんですよね…。
うーん。ジキル/ハイド役は、主役であることをさっぴいても、どうしたって自分の贔屓にやってもらいたい役。
なので、あえて名前を挙げるのは避けますが。
ブロードウェイのプレイビルには「Young Smart Doctor」と書かれていたので、そういう人にやっていただきたいです(笑)。
話はいきなり吹っ飛びますが。
スティーブンソンが「ジキル博士とハイド氏の不思議な事件」を発表したのは、1886年のこと。
例の、「3回目の」パリ万博の3年前。
…ちょうど、アルマンドとジョルジュがパリに着いた頃の出来事なんですね♪(←違うからそれは)
.
大和路に行きたかった……(号泣)
2007年4月7日 宝塚全体・OG コメント (2)日本の興行界は間違っている。と思う。
…と、大上段にかまえてみる。
なんで平日夜公演が6時開演なんですか?
平日6時、って(T T)。
普通に働いている人なら、定時5時だって今時早いくらいなのに。
定時ですぐ上がれない人だっているんですよ〜!
宝塚のメインターゲットは主婦だから、って理由であるならば。
主婦が出にくいって意味では終演が5時をすぎれば何時でも一緒じゃありません?
終演時間が遅くなると遠方の方が、って理由であるならば。
上演時間が3時間を越える東京宝塚劇場公演でさえ平日夜は6時半なんだから、もともとバウ作品で2時間半終わる公演は、もう少し開演時間を遅らせてもいいんじゃないのぉ?
というわけで(←意味不明)、今日は平日6時前に池袋に到着できる時間に会社を出るために大変苦労して苦労して、その末に、5時ちょっと前頃に突発事態がおこり、抜けられないまま結局8時すぎまで会社にいたねこが啼いています。
…7時開演だったらなあ。
6時ちょっとすぎくらいには一段落ついて、無理すれば出られないこともなかったのに。
7時開演だったら、あの時間に出てればぎりぎり間に合ったかもしれないのに…(涙)。
出演者のみなさま、空席作っちゃって本当にごめんなさい。
えーん、チケット代返せ〜(涙)。
しかも、明日も明後日も予定が詰まっているから(金土日の3日間で4作品、観劇チケット4枚!遠征組かお前は!)もう観られないんです私。
…悲しい。本当に悲しい………。
この日記をごらんになったみなさま。
ぜひ、「心中・恋の大和路」をごらんになって、
かわいそうなねこのために、くわしーーーーくレポートしてくださいましm(_ _)m。
瀬戸内さん峰さんは勿論、南風さんの梅川は初めてなので、すんごい楽しみにしていたんですよ(涙)。
どんな梅川を形づくられるのでしょうか。
前回のOG公演でとても素晴らしい梅川を披露してくださった若葉ひろみさんは…今回は花魁役?どんなに素敵な芝居をなさるのでしょうか。
汐風さん主演の雪組公演でおまんちゃんをやっていた愛さんは、卒業して初舞台。どんな女優を目指していらっしゃるのかしら。
るんぱさんは。葛城さんは。ほかの方も全員。
観たかった。
ほんとーに、観たかったんだよお(涙)。
いいもん。
録画したまま、まだ観ていないBrilliant Dreamsでも観て、心を慰めようっと…(涙)。
…と、大上段にかまえてみる。
なんで平日夜公演が6時開演なんですか?
平日6時、って(T T)。
普通に働いている人なら、定時5時だって今時早いくらいなのに。
定時ですぐ上がれない人だっているんですよ〜!
宝塚のメインターゲットは主婦だから、って理由であるならば。
主婦が出にくいって意味では終演が5時をすぎれば何時でも一緒じゃありません?
終演時間が遅くなると遠方の方が、って理由であるならば。
上演時間が3時間を越える東京宝塚劇場公演でさえ平日夜は6時半なんだから、もともとバウ作品で2時間半終わる公演は、もう少し開演時間を遅らせてもいいんじゃないのぉ?
というわけで(←意味不明)、今日は平日6時前に池袋に到着できる時間に会社を出るために大変苦労して苦労して、その末に、5時ちょっと前頃に突発事態がおこり、抜けられないまま結局8時すぎまで会社にいたねこが啼いています。
…7時開演だったらなあ。
6時ちょっとすぎくらいには一段落ついて、無理すれば出られないこともなかったのに。
7時開演だったら、あの時間に出てればぎりぎり間に合ったかもしれないのに…(涙)。
出演者のみなさま、空席作っちゃって本当にごめんなさい。
えーん、チケット代返せ〜(涙)。
しかも、明日も明後日も予定が詰まっているから(金土日の3日間で4作品、観劇チケット4枚!遠征組かお前は!)もう観られないんです私。
…悲しい。本当に悲しい………。
この日記をごらんになったみなさま。
ぜひ、「心中・恋の大和路」をごらんになって、
かわいそうなねこのために、くわしーーーーくレポートしてくださいましm(_ _)m。
瀬戸内さん峰さんは勿論、南風さんの梅川は初めてなので、すんごい楽しみにしていたんですよ(涙)。
どんな梅川を形づくられるのでしょうか。
前回のOG公演でとても素晴らしい梅川を披露してくださった若葉ひろみさんは…今回は花魁役?どんなに素敵な芝居をなさるのでしょうか。
汐風さん主演の雪組公演でおまんちゃんをやっていた愛さんは、卒業して初舞台。どんな女優を目指していらっしゃるのかしら。
るんぱさんは。葛城さんは。ほかの方も全員。
観たかった。
ほんとーに、観たかったんだよお(涙)。
いいもん。
録画したまま、まだ観ていないBrilliant Dreamsでも観て、心を慰めようっと…(涙)。
宙組公演「A/L」を観てまいりました。
斎藤さんとは思えないほど(←正直者)、まともな脚本でした!
痛快な娯楽活劇。スケールは小さいとはいえ、きちんとテーマとストーリーがあって、キャラが立っていて、ぴったり宛書。
タカラヅカ、において、一番大切な要素をきちんとクリアしている作品でした。
まぁ、ともちん(悠未ひろ)扮するルイ・アントワーヌ・レオンの動機が全く解らないし行動も意味不明という大穴はあいていますが、そのくらいは(←え?)スルーしてあげられますよねっ!?
あとは、ストーリー展開があらすじとも副題とも全く関係なかったですけれども、…まぁ、そんなことも気にしなければいいんです。
気にしない、気にしない、ひとやすみ、ひとやすみ♪
とにかく。
タニ(大和悠河)ちゃん、ウメ(陽月華)ちゃん、ステキなお披露目、本当におめでとうございますm(_ _)m。
タニちゃんの、一番良いところが出ていたんじゃないでしょうか。
爽やかな好青年で、可愛くて、コスチュームが似合ってて、優しくて、かっこいい。
…完璧!
そして。
斎藤さんが、いかに役者としての陽月華に惚れ込んでいるかがよくわかりました。
全編とおしてウメちゃんアニェスの視点でストーリーが進み、観客の感情もアニェスに沿って動く。
アニェスが笑うと観客も嬉しくなって、アニェスが哀しむとなんとなく切なくなって。
おてんば天使。
こんな称号の似合う娘役は他にいません。
これからも、なかなか出ないでしょうね、きっと。
この二人については。
あまりにも嵌り役すぎて、逆に本公演のお披露目を前にしてココまで宛書の作品をやってしまったら、次からいったい何をするんだろうと心配になってしまったほどです。
これで勢いがついて、本公演もうまくいくことを祈っています!
斎藤吉正。
彼の作品は、90%のキャラ萌えと10%の毒でできている。
ずっと長いこと、そう思っていました。
去年の「Young Bloods」シリーズは残念ながらほとんど観劇できなかったので論評は避けますが、
今回。「A/L」を観て、
私が思っていた斎藤さんと全く作風が違うことにびっくりしました。
むしろ、小池作品みたいじゃありませんでしたか?
大野さんというには底が浅くて、小池さんというにはキャラ萌えが強すぎて、
でも、斎藤作品を斎藤作品たらしめていた、あの甘美な『毒』が全く、ない。
これは、良いことなのか悪いことなのか。
今回は成功だったけれども、次はいったいどうなるのか。
一抹の不安は覚えますが。
斎藤さんがウメちゃんに見る夢は、まさしく「おてんば天使」なんでしょうね。
それだけはものすごーくよく解ります(笑)。
ってゆーか、この作品のテーマってそれだけなのかっ!?
斎藤さんの中の「肉」あるいは「毒」の側の代表であった叶千佳ちゃんとWヒロインだった「厳流」のアンナ。
あの救いも何もなく、“萌え”ONLYだったストーリーの中で、まさに「聖」の象徴だったウメちゃん。
今回も「聖きもの」としての扱いを受けていたウメちゃん。
今回、斎藤さんの“萌え”の対象がウメちゃん一人に集中していたことが、結果的に良い方向に転んだような気がします。
あとはまぁ、お披露目にふさわしく楽しく明るく、を意識なさっていたのと、とにかく「タニちゃんの良いところだけを見せよう!」と意識してくださったのではないかと。
思いますが。
(斎藤さんは、もともと役者の抽斗から「一番イイトコロ」を取り出して見せてくれる作家。…ストーリー展開よりも「魅せる」ことを優先してしまうのが痛いところなワケですが)
…斎藤さんってタニちゃんには萌えないんですねぇ。
わかるような気もしますが。
タニちゃんって、そういう対象としては考えにくいですものね。
良い意味で毒がないから。
それが、斎藤さんの「行きすぎ」を抑えて、ちょうど良い位置に引き留めたのだと思います。
本来なら毒がなさすぎてつまらなくなりそうなところを、ウメちゃんの聖性が誤魔化してくれている。
そして、ともちんやみっちゃん(北翔海莉)には、萌えはしないけどすごく信頼しているのを感じました。
この二人なら、なんとかしてくれそうな感じ。
ともちんはとにかくかっこいい!!魅力大爆発!
どんなにキャラが意味不明でもオオマヌケでもいいんです。かっこいいから全て許す。
歌ってよし、喋ってよし、踊ってよし。
こんな男役、他にいませんよ。大事にしてほしいなあ。
なんだったら月組にいらっしゃいませんか?(大歓迎/笑)
みっちゃんはやっぱり巧い!
笑顔のみっちゃんは、実はあまり好きではないのですが。
「『笑顔』と『シリアス』をキチンと使い分けている」みっちゃんは大好きです。
声もいいしね♪かなりコメディタッチなシャーロックホームズでしたが、すんごいぴったりでした。みっちゃんも「一番良いみっちゃん」を出してもらっていたような。
そして。
みっちゃんの相方、ワトソンくんの春風弥里くんっ!!
私は惚れました。
はい。
予感はありましたが。
本当に一撃でした。
いやもう、開幕前の漫才の時点で既に落ちてました。
素晴らしい声、素晴らしいキャラ。
ヤバイくらいステキでした。
ほんとーにほんとーに、大好きになりそうです。
ドキドキ。
しょっちゅういろんな人に落ちててすみません…m(_ _)m。
でも、絶対新公チケット取ろう!と思いました(爆死)。
とにかく、面白かったです!チケット代分、損はしないかと。
タニちゃんも「ぜひ名古屋まで足をお運びください」と仰っていましたので。
ぜひぜひ。
タニちゃんとウメちゃんのプチお披露目公演、観てあげてくださいね♪
.
斎藤さんとは思えないほど(←正直者)、まともな脚本でした!
痛快な娯楽活劇。スケールは小さいとはいえ、きちんとテーマとストーリーがあって、キャラが立っていて、ぴったり宛書。
タカラヅカ、において、一番大切な要素をきちんとクリアしている作品でした。
まぁ、ともちん(悠未ひろ)扮するルイ・アントワーヌ・レオンの動機が全く解らないし行動も意味不明という大穴はあいていますが、そのくらいは(←え?)スルーしてあげられますよねっ!?
あとは、ストーリー展開があらすじとも副題とも全く関係なかったですけれども、…まぁ、そんなことも気にしなければいいんです。
気にしない、気にしない、ひとやすみ、ひとやすみ♪
とにかく。
タニ(大和悠河)ちゃん、ウメ(陽月華)ちゃん、ステキなお披露目、本当におめでとうございますm(_ _)m。
タニちゃんの、一番良いところが出ていたんじゃないでしょうか。
爽やかな好青年で、可愛くて、コスチュームが似合ってて、優しくて、かっこいい。
…完璧!
そして。
斎藤さんが、いかに役者としての陽月華に惚れ込んでいるかがよくわかりました。
全編とおしてウメちゃんアニェスの視点でストーリーが進み、観客の感情もアニェスに沿って動く。
アニェスが笑うと観客も嬉しくなって、アニェスが哀しむとなんとなく切なくなって。
おてんば天使。
こんな称号の似合う娘役は他にいません。
これからも、なかなか出ないでしょうね、きっと。
この二人については。
あまりにも嵌り役すぎて、逆に本公演のお披露目を前にしてココまで宛書の作品をやってしまったら、次からいったい何をするんだろうと心配になってしまったほどです。
これで勢いがついて、本公演もうまくいくことを祈っています!
斎藤吉正。
彼の作品は、90%のキャラ萌えと10%の毒でできている。
ずっと長いこと、そう思っていました。
去年の「Young Bloods」シリーズは残念ながらほとんど観劇できなかったので論評は避けますが、
今回。「A/L」を観て、
私が思っていた斎藤さんと全く作風が違うことにびっくりしました。
むしろ、小池作品みたいじゃありませんでしたか?
大野さんというには底が浅くて、小池さんというにはキャラ萌えが強すぎて、
でも、斎藤作品を斎藤作品たらしめていた、あの甘美な『毒』が全く、ない。
これは、良いことなのか悪いことなのか。
今回は成功だったけれども、次はいったいどうなるのか。
一抹の不安は覚えますが。
斎藤さんがウメちゃんに見る夢は、まさしく「おてんば天使」なんでしょうね。
それだけはものすごーくよく解ります(笑)。
ってゆーか、この作品のテーマってそれだけなのかっ!?
斎藤さんの中の「肉」あるいは「毒」の側の代表であった叶千佳ちゃんとWヒロインだった「厳流」のアンナ。
あの救いも何もなく、“萌え”ONLYだったストーリーの中で、まさに「聖」の象徴だったウメちゃん。
今回も「聖きもの」としての扱いを受けていたウメちゃん。
今回、斎藤さんの“萌え”の対象がウメちゃん一人に集中していたことが、結果的に良い方向に転んだような気がします。
あとはまぁ、お披露目にふさわしく楽しく明るく、を意識なさっていたのと、とにかく「タニちゃんの良いところだけを見せよう!」と意識してくださったのではないかと。
思いますが。
(斎藤さんは、もともと役者の抽斗から「一番イイトコロ」を取り出して見せてくれる作家。…ストーリー展開よりも「魅せる」ことを優先してしまうのが痛いところなワケですが)
…斎藤さんってタニちゃんには萌えないんですねぇ。
わかるような気もしますが。
タニちゃんって、そういう対象としては考えにくいですものね。
良い意味で毒がないから。
それが、斎藤さんの「行きすぎ」を抑えて、ちょうど良い位置に引き留めたのだと思います。
本来なら毒がなさすぎてつまらなくなりそうなところを、ウメちゃんの聖性が誤魔化してくれている。
そして、ともちんやみっちゃん(北翔海莉)には、萌えはしないけどすごく信頼しているのを感じました。
この二人なら、なんとかしてくれそうな感じ。
ともちんはとにかくかっこいい!!魅力大爆発!
どんなにキャラが意味不明でもオオマヌケでもいいんです。かっこいいから全て許す。
歌ってよし、喋ってよし、踊ってよし。
こんな男役、他にいませんよ。大事にしてほしいなあ。
なんだったら月組にいらっしゃいませんか?(大歓迎/笑)
みっちゃんはやっぱり巧い!
笑顔のみっちゃんは、実はあまり好きではないのですが。
「『笑顔』と『シリアス』をキチンと使い分けている」みっちゃんは大好きです。
声もいいしね♪かなりコメディタッチなシャーロックホームズでしたが、すんごいぴったりでした。みっちゃんも「一番良いみっちゃん」を出してもらっていたような。
そして。
みっちゃんの相方、ワトソンくんの春風弥里くんっ!!
私は惚れました。
はい。
予感はありましたが。
本当に一撃でした。
いやもう、開幕前の漫才の時点で既に落ちてました。
素晴らしい声、素晴らしいキャラ。
ヤバイくらいステキでした。
ほんとーにほんとーに、大好きになりそうです。
ドキドキ。
しょっちゅういろんな人に落ちててすみません…m(_ _)m。
でも、絶対新公チケット取ろう!と思いました(爆死)。
とにかく、面白かったです!チケット代分、損はしないかと。
タニちゃんも「ぜひ名古屋まで足をお運びください」と仰っていましたので。
ぜひぜひ。
タニちゃんとウメちゃんのプチお披露目公演、観てあげてくださいね♪
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明智小五郎独り舞台/オサさんのショー
2007年4月10日 宝塚(花) コメント (5)花組東宝劇場公演を観て参りました。
私はこの公演、大劇場で幕があいてすぐに一回観たのですが。
(ちなみに日記はこちら
http://diarynote.jp/d/80646/20070214.html)
あの時点では、公演名
「黒蜥蜴/荻田さんのショー」
と認識していましたし、まぁそんなに間違ってなかったかな、という感想でした。
しかし。
あれから2ヶ月。
東宝劇場公演はまさに
「オサ(春野寿美礼)さんの、オサさんによる、オサさんだけのショー」としかいいようのないものに変貌していたのでした…。
月組でつい先日まで東宝劇場で上演していた「パリの空よりも高く」。
そして今花組で絶賛上演中の「明智小五郎の事件簿〜黒蜥蜴」。
この二つの芝居作品は、同じような生い立ちがあるんですね。
完成された「名作」と呼べる原作があって、それを植田/木村のシンジ師弟がそれぞれに舞台や設定を変えて潤色し、原作とは全く違う物語として再構成してみた(しようとした)…
そういう生い立ち。
そして同じ問題を抱えています。
潤色段階での、基本設定の整理不足、という問題を。
「パリの空よりも高く」は、細かいことを言えばキリがないくらい、いろんなハテナがあったわけですが。
一番大きいのは、やはり「太平洋戦争直前」という特殊な時代の「甑島」という閉ざされた孤島(地理的にも、情報的にも)だからこそ成立した人間関係を、開かれた大都会・世界の華パリに持ち込んで展開しようとしたこと。
しかも、国家事業クラスの大工事を題材にしてペテンを打たせたこと。
「明智小五郎の事件簿」は…そもそも、シリーズの基本設定が「大正ロマネスク」で「ブルジョアの物語」だったわけですよ。
それを、財閥解体後の戦後に持って行って「戦争反対」を叫ぶ。
…何をしたかったんだかさっぱりわからないワケです。
どうしたって、もともとの作品世界が「そっち」なので、戦後の混乱期という「時代の空気」が欠片もない。そんな作品に、脚本あるいは演出的に「時代の空気」を出そうという努力も見られない(説明台詞として「みんな戦争が悪いのよ」と繰り返すのみ)。
どちらも、原作はごくまっとうに起承転結があり、「時代の空気」があって、テーマとキャラとストーリーに齟齬がない。
まぁ細かいことを言えばキリがないんですけど、大きな穴は無いと言っていいでしょう。
しかし、シンジ師弟が潤色した大劇場作品は、師弟それぞれの理由で根本設定を変更し、時代も舞台も全く違う時空の彼方へ吹っ飛ばして、でも細かい設定に気を配ってはいないから「そもそも」に大穴があいたままになっている。
別にね、いいんですよ。
どんな大穴があいていたって、役者が魅力的なら。
それが、タカラヅカですから。
ただ、ね。
「そもそも」に大穴があいた作品を上演するにあたって、役者はどこまでやっていいのかという問題を、投げかけてくれたような気がするのです…。
月組、瀬奈&彩乃&出雲&霧矢&大空の5人は。
5人で一致団結して、他の組子ともども、公演を盛り上げるためにやれることは全部やっていた、と思います。
まぁ、作品としても「パリ空」は決して愚作じゃなかった。
植田さんにしては佳作と言いたいくらい(←え”)、役者次第でフォローできる程度の出来だったとは思います。
しかし。
花組は。
春野さん独りでソコまでやっちゃうの?
やっちゃっていいの?誰もついてきてないよ…?
花組の体制にも勿論問題はあると思います。
現体制は、あまりにもオサさん中心主義すぎですから。
二番手は“総受けの貴公子”の正当なる後継者・まとぶん。
そういうキャラだからもうどうしようもない。総Sのオサさんに、頭を垂れて跪くことしかできないんですから。
しかも、総受けなのにプライドが高い。自分を捨てられない男。そこが、元祖“総受けの貴公子”(←そう呼んでいたの私だけですか…?)ぶんちゃんとの違い(絵麻緒さんはプライドも捨てられる男を演じさせたら最高だった)。
なのに、黒蜥蜴の前ではその仮面がはがれてしまいそうで、取り縋ってしまいそうになって焦ったあげく、目の前の、一癖二癖ありそうだけど、とりあえず黒蜥蜴本人よりは少しは与しやすそうな容子さん(野々すみ花ちゃん)にプロポーズされて、「是」と応えてしまうところがいかにもMらしい(笑)。
3番手は、明智さんの鈍感な思い人・浪越くん。
ああもう、壮さん最高です。「鈍感だけがとりえの『いい人』」って、一つの組に二人も三人もいたら作品の創りようがなくなっちゃって困るけど、今のところ花組には壮さん一人しかいないから、すごく良いと思います。
立ってるだけで「鈍感だけどいい人」オーラを撒き散らす壮さん。今の時代には、そしてオサさんの隣には得難い人ですよねっ♪
その下の、みわっち、まっつ以下は、もうなにをかいわんや、って感じなので。
ある意味、キャストの数が少ない木村作品に「今」あたっておいてよかったね、と思いましたよ。
今の花組、タレントはいっぱいいるけど、あまりにも「オサさん中心」が根付きすぎていて…
…というか、オサさんがあまりにも『どっか』へ行ってしまって帰ってこないので、残った者は地に足つけてゆっくり行こうよ、という協定をしているような気がするとゆーのか(滝汗)。
オサさんの明智小五郎。
脚本の設定も大穴も小穴もなにもかもぜ〜んぶ吹っ飛ばして、高笑いしている明智小五郎。
すばらしかったんです、本当に。
トップはココまでやれるんだ、と。
トップはココまでやっていいんだ、と。
トップはココまでやらなくちゃいけないんだ、と。
トップはココまでイっちゃわなくてはならないのか、と。
身をもって「トップスター」の重責を示してくれたオサさん。
言葉ではなくて。
仕草でもなくて。
ただ、自分自身の『トップスター』という存在に賭けて、公演を成功させて見せるぞ!という意気込みと、気合い。
たったそれだけの武器で、2千人超の客が入るあの広大な大劇場を埋めてしまった稀有な人。
私の知っているオサさんは、どこへイってしまわれたのでしょう…?
私の知っているオサさんは、「歌」という武器を細い腕に握り締めて闘っていました。
あれも孤独な闘いだったけれども、オサさんは独りで奮闘努力していたけれども、でも。
オサさん自身が望んでの「独り」だとは思っていませんでした。
だけど。
アレは、オサさんの意思なんですね。
オサさんは望んで独りになっている。
孤独な明智小五郎。
周りの人間たちとは視点が違う、それだけではなくて。
周りの小人たちとは視界も目線も何もかも違うのだけれども、
それだけではなくて。
望んで違う世界に身をおこうとしているんですね…。
木村さんとオサさんの相性は、あまり良くないんだなーと大劇場公演のときは思いましたが。
もしかしたら、もの凄く合っているのかもしれませんね。
東宝劇場のど真ん中で、高らかに嘲うオサさんを観て、そう思ってしまったのでした…。
話はだいぶ変わりますが。
「明智小五郎の事件簿」では、明智さんと相棒の壮さんがほぼ出ずっぱり。そして、まとぶんは黒蜥蜴の手下で明智さんとの絡みは皆無。
まぁ、二番手は主役の相棒に置くより敵役においた方が、作品の視点が固定されなくて面白くしやすいので、どうしてもこういう配置になるんでしょうね…。
(パリ空も、二番手の霧矢さんはペテン師チームでなくエッフェルさんでしたもんね)
.
私はこの公演、大劇場で幕があいてすぐに一回観たのですが。
(ちなみに日記はこちら
http://diarynote.jp/d/80646/20070214.html)
あの時点では、公演名
「黒蜥蜴/荻田さんのショー」
と認識していましたし、まぁそんなに間違ってなかったかな、という感想でした。
しかし。
あれから2ヶ月。
東宝劇場公演はまさに
「オサ(春野寿美礼)さんの、オサさんによる、オサさんだけのショー」としかいいようのないものに変貌していたのでした…。
月組でつい先日まで東宝劇場で上演していた「パリの空よりも高く」。
そして今花組で絶賛上演中の「明智小五郎の事件簿〜黒蜥蜴」。
この二つの芝居作品は、同じような生い立ちがあるんですね。
完成された「名作」と呼べる原作があって、それを植田/木村のシンジ師弟がそれぞれに舞台や設定を変えて潤色し、原作とは全く違う物語として再構成してみた(しようとした)…
そういう生い立ち。
そして同じ問題を抱えています。
潤色段階での、基本設定の整理不足、という問題を。
「パリの空よりも高く」は、細かいことを言えばキリがないくらい、いろんなハテナがあったわけですが。
一番大きいのは、やはり「太平洋戦争直前」という特殊な時代の「甑島」という閉ざされた孤島(地理的にも、情報的にも)だからこそ成立した人間関係を、開かれた大都会・世界の華パリに持ち込んで展開しようとしたこと。
しかも、国家事業クラスの大工事を題材にしてペテンを打たせたこと。
「明智小五郎の事件簿」は…そもそも、シリーズの基本設定が「大正ロマネスク」で「ブルジョアの物語」だったわけですよ。
それを、財閥解体後の戦後に持って行って「戦争反対」を叫ぶ。
…何をしたかったんだかさっぱりわからないワケです。
どうしたって、もともとの作品世界が「そっち」なので、戦後の混乱期という「時代の空気」が欠片もない。そんな作品に、脚本あるいは演出的に「時代の空気」を出そうという努力も見られない(説明台詞として「みんな戦争が悪いのよ」と繰り返すのみ)。
どちらも、原作はごくまっとうに起承転結があり、「時代の空気」があって、テーマとキャラとストーリーに齟齬がない。
まぁ細かいことを言えばキリがないんですけど、大きな穴は無いと言っていいでしょう。
しかし、シンジ師弟が潤色した大劇場作品は、師弟それぞれの理由で根本設定を変更し、時代も舞台も全く違う時空の彼方へ吹っ飛ばして、でも細かい設定に気を配ってはいないから「そもそも」に大穴があいたままになっている。
別にね、いいんですよ。
どんな大穴があいていたって、役者が魅力的なら。
それが、タカラヅカですから。
ただ、ね。
「そもそも」に大穴があいた作品を上演するにあたって、役者はどこまでやっていいのかという問題を、投げかけてくれたような気がするのです…。
月組、瀬奈&彩乃&出雲&霧矢&大空の5人は。
5人で一致団結して、他の組子ともども、公演を盛り上げるためにやれることは全部やっていた、と思います。
まぁ、作品としても「パリ空」は決して愚作じゃなかった。
植田さんにしては佳作と言いたいくらい(←え”)、役者次第でフォローできる程度の出来だったとは思います。
しかし。
花組は。
春野さん独りでソコまでやっちゃうの?
やっちゃっていいの?誰もついてきてないよ…?
花組の体制にも勿論問題はあると思います。
現体制は、あまりにもオサさん中心主義すぎですから。
二番手は“総受けの貴公子”の正当なる後継者・まとぶん。
そういうキャラだからもうどうしようもない。総Sのオサさんに、頭を垂れて跪くことしかできないんですから。
しかも、総受けなのにプライドが高い。自分を捨てられない男。そこが、元祖“総受けの貴公子”(←そう呼んでいたの私だけですか…?)ぶんちゃんとの違い(絵麻緒さんはプライドも捨てられる男を演じさせたら最高だった)。
なのに、黒蜥蜴の前ではその仮面がはがれてしまいそうで、取り縋ってしまいそうになって焦ったあげく、目の前の、一癖二癖ありそうだけど、とりあえず黒蜥蜴本人よりは少しは与しやすそうな容子さん(野々すみ花ちゃん)にプロポーズされて、「是」と応えてしまうところがいかにもMらしい(笑)。
3番手は、明智さんの鈍感な思い人・浪越くん。
ああもう、壮さん最高です。「鈍感だけがとりえの『いい人』」って、一つの組に二人も三人もいたら作品の創りようがなくなっちゃって困るけど、今のところ花組には壮さん一人しかいないから、すごく良いと思います。
立ってるだけで「鈍感だけどいい人」オーラを撒き散らす壮さん。今の時代には、そしてオサさんの隣には得難い人ですよねっ♪
その下の、みわっち、まっつ以下は、もうなにをかいわんや、って感じなので。
ある意味、キャストの数が少ない木村作品に「今」あたっておいてよかったね、と思いましたよ。
今の花組、タレントはいっぱいいるけど、あまりにも「オサさん中心」が根付きすぎていて…
…というか、オサさんがあまりにも『どっか』へ行ってしまって帰ってこないので、残った者は地に足つけてゆっくり行こうよ、という協定をしているような気がするとゆーのか(滝汗)。
オサさんの明智小五郎。
脚本の設定も大穴も小穴もなにもかもぜ〜んぶ吹っ飛ばして、高笑いしている明智小五郎。
すばらしかったんです、本当に。
トップはココまでやれるんだ、と。
トップはココまでやっていいんだ、と。
トップはココまでやらなくちゃいけないんだ、と。
トップはココまでイっちゃわなくてはならないのか、と。
身をもって「トップスター」の重責を示してくれたオサさん。
言葉ではなくて。
仕草でもなくて。
ただ、自分自身の『トップスター』という存在に賭けて、公演を成功させて見せるぞ!という意気込みと、気合い。
たったそれだけの武器で、2千人超の客が入るあの広大な大劇場を埋めてしまった稀有な人。
私の知っているオサさんは、どこへイってしまわれたのでしょう…?
私の知っているオサさんは、「歌」という武器を細い腕に握り締めて闘っていました。
あれも孤独な闘いだったけれども、オサさんは独りで奮闘努力していたけれども、でも。
オサさん自身が望んでの「独り」だとは思っていませんでした。
だけど。
アレは、オサさんの意思なんですね。
オサさんは望んで独りになっている。
孤独な明智小五郎。
周りの人間たちとは視点が違う、それだけではなくて。
周りの小人たちとは視界も目線も何もかも違うのだけれども、
それだけではなくて。
望んで違う世界に身をおこうとしているんですね…。
木村さんとオサさんの相性は、あまり良くないんだなーと大劇場公演のときは思いましたが。
もしかしたら、もの凄く合っているのかもしれませんね。
東宝劇場のど真ん中で、高らかに嘲うオサさんを観て、そう思ってしまったのでした…。
話はだいぶ変わりますが。
「明智小五郎の事件簿」では、明智さんと相棒の壮さんがほぼ出ずっぱり。そして、まとぶんは黒蜥蜴の手下で明智さんとの絡みは皆無。
まぁ、二番手は主役の相棒に置くより敵役においた方が、作品の視点が固定されなくて面白くしやすいので、どうしてもこういう配置になるんでしょうね…。
(パリ空も、二番手の霧矢さんはペテン師チームでなくエッフェルさんでしたもんね)
.
ありがとうございましたm(_ _)m
2007年4月11日 呟き・ご挨拶・他 コメント (7)本日、というか日付は4月10日でしたが、
無事1万アクセスを突破いたしました♪
読んでくださったみなさま、ほんとうにありがとうございましたm(_ _)m。
日記を書きはじめて、4ヶ月弱。
今まで3日以上続いたことがないのに、「読んで下さる方がいる」というのはこんなにもエネルギーをいただけるものなのですね。
ほそぼそとした(でも長文)更新ですが、これからもぼそぼそという呟きを(でも長文で)書いていきたいと思っております。
…どうぞまた、(お時間のある時に)いらしてくださいね。
舞台の上で輝くパフォーマーたちに、全ての愛と幸せが訪れますように。
そして、この日記を読んで下さるみなさまが、楽しい時間を過ごされますように♪
みつきねこ 拝
無事1万アクセスを突破いたしました♪
読んでくださったみなさま、ほんとうにありがとうございましたm(_ _)m。
日記を書きはじめて、4ヶ月弱。
今まで3日以上続いたことがないのに、「読んで下さる方がいる」というのはこんなにもエネルギーをいただけるものなのですね。
ほそぼそとした(でも長文)更新ですが、これからもぼそぼそという呟きを(でも長文で)書いていきたいと思っております。
…どうぞまた、(お時間のある時に)いらしてくださいね。
舞台の上で輝くパフォーマーたちに、全ての愛と幸せが訪れますように。
そして、この日記を読んで下さるみなさまが、楽しい時間を過ごされますように♪
みつきねこ 拝
19世紀末のパリ。
宙組公演「A/L」も、月組公演「パリの空よりも高く」も、この、バスティーユ陥落からちょうど100年が過ぎ、第三共和政となっているパリを舞台にしています。
今となっては、どんな“時代”だったのか、は、想像するしかないわけですが…、
きっとドラマティックな時代だったのでしょうね。実際、小説などでもこの時代を取り上げたものがとても多いような気がします。
「パリの空よりも高く」は宝塚オリジナルなのでちょっと置いておくとして。
「A/L」の原作である「アルセーヌ・ルパン」シリーズ。
「ファントム」の原作である、ルルーの「オペラ座の怪人」。
「エリザベート」の主役・シシィがフランツと結婚したのが1854年、没年1898年。
以前も描きましたがマイヤーリンク事件が1889年、ということは「うたかたの恋」もこの時。
そして。
隣の日生劇場で上演されている「ジキル&ハイド」は、19世紀末のロンドンを舞台にしていますし、
「オクラホマ!(アメリカ中部)」と「堕天使の涙(パリ)」は、いずれも20世紀の初頭の物語いうことになっています…。
…そして!日本に目を向ければ。
「星影の人」「維新回天・竜馬伝」「大阪侍」、いずれもほぼ同時期の物語です。
「バレンシアの熱い花」は19世紀初頭でちょっと早いのですが、ここ1年弱の間に宝塚で上演された作品のほとんどが「19世紀末」か「20世紀前半」に集中している、というのも凄いことだなあと思います。
これだけ立て続けに同時代の作品を見ていると、それぞれの関係が段々面白くなってくるんですよね…。
19世紀末の、パリ。
革命からちょうど100年。
長く続いた混乱期も、1870年のナポレオン3世失脚(普仏戦争敗北)、それに続くドイツ皇帝のフランス戴冠と、それに反対するパリ・コミューンの動乱という山場を最後に落ち着きを取り戻し、ブルジョアを中心とする第三共和政の時代が始まって(1875〜)国力回復と「偉大なるフランス」の回復につとめた時代。
「世界の華」と謳われたパリは、アジアの片隅から見たらまさに天国のような世界だったことでしょう…。
坂本竜馬は、もしあんなところで夭折したりしなければ絶対!世界各国を(密航してでも)回っていそうな気がするので。
きっとエッフェル塔を観にパリに来て、パリ・オペラ座でちゃっかりオペラを観て(ぐっすり寝て)。それから、発売されたばかりのルブランの新刊をプレゼントされて「へぇ〜、鼠小僧みたいなのが仏蘭西にもおるぜよ〜」と感心し(←この頃はまだ鼠小僧=義賊という認識はなかったと思われますが)、
最後に、
ウィーンに立ち寄ってフランツ・ヨーゼフに謁見し、「奥さんキレイじゃき、おりょうがおらんかったら迷うぜよ(←言葉めちゃくちゃっ!)」とか言って嫌われていそう(笑)。
土方さんも喜んで行きそうですねぇ〜。
出来たばかりのエッフェル塔に、「鍛錬だ!」とか言ってエレベーター使わずに歩いて登りそう。でもオペラ座では、ちゃっかり入り込んで歌姫クリスティーヌのサイン貰っていたりとか(笑)。
ルブランの新刊は逆さに持って眺めてるだけっぽいし、
ウィーンでは、皇太子ルドルフと語り合って飲み明かして、あげくにルドルフ行きつけの娼館に連れて行ってもらって大いに盛り上がっていそうな気がします♪
慶喜さんも、ナポレオン3世から贈られた軍服を喜んで着ていた、というエピソードが物語るとおり相当なハイカラ好き、フランス好きなので。
まだエレベーターが動いていない頃にエッフェル塔に行って、がんばって登り始めるんだけど途中で(100段くらい上がったところで)力尽きて倒れていそう(^ ^;。
オペラ座は…いそいそと踊り子さんを観に行くかなあ。
フランツ・ヨーゼフとは比較的ちゃんと話をしそうな気がしますね。有能な政治家だったようですから。
桂小五郎は、実際外遊してましたよね…?あれっていつだっけ。
もともと、パリの「第二回目の」万博には、確か長州からも「出品」していたような気がします(他に薩摩と幕府)ので、桂はそれなりに関係あった可能性がありますね。日本政府が正式に「参加(出展)」したのはウィーン(1873年)ですが、このときはどうだったのかな。
1889年のパリ万博、彼は行ったのかしら…。行ったとしたら、ルブランの新刊はプレゼントされていそうだなあ(←フランス語が読める人は当時の日本に居たのでしょうかねぇ…)
なんだか、段々話が縒れてきてしまいましたが(^ ^;ゞ
いろんなエピソードの積み重ねで歴史は出来ていて、
表には出てこない「他のエピソードとの関係性」を想像するのが、歴史を学ぶ上で一番面白いところなんですよね。
ココのところ、割と時代が近い物語ばかり立て続けに観たので、すっかり面白くなってしまったのです♪
内容がないよー…なのに、長文になってしまってごめんなさいm(_ _)m
.
宙組公演「A/L」も、月組公演「パリの空よりも高く」も、この、バスティーユ陥落からちょうど100年が過ぎ、第三共和政となっているパリを舞台にしています。
今となっては、どんな“時代”だったのか、は、想像するしかないわけですが…、
きっとドラマティックな時代だったのでしょうね。実際、小説などでもこの時代を取り上げたものがとても多いような気がします。
「パリの空よりも高く」は宝塚オリジナルなのでちょっと置いておくとして。
「A/L」の原作である「アルセーヌ・ルパン」シリーズ。
「ファントム」の原作である、ルルーの「オペラ座の怪人」。
「エリザベート」の主役・シシィがフランツと結婚したのが1854年、没年1898年。
以前も描きましたがマイヤーリンク事件が1889年、ということは「うたかたの恋」もこの時。
そして。
隣の日生劇場で上演されている「ジキル&ハイド」は、19世紀末のロンドンを舞台にしていますし、
「オクラホマ!(アメリカ中部)」と「堕天使の涙(パリ)」は、いずれも20世紀の初頭の物語いうことになっています…。
…そして!日本に目を向ければ。
「星影の人」「維新回天・竜馬伝」「大阪侍」、いずれもほぼ同時期の物語です。
「バレンシアの熱い花」は19世紀初頭でちょっと早いのですが、ここ1年弱の間に宝塚で上演された作品のほとんどが「19世紀末」か「20世紀前半」に集中している、というのも凄いことだなあと思います。
これだけ立て続けに同時代の作品を見ていると、それぞれの関係が段々面白くなってくるんですよね…。
19世紀末の、パリ。
革命からちょうど100年。
長く続いた混乱期も、1870年のナポレオン3世失脚(普仏戦争敗北)、それに続くドイツ皇帝のフランス戴冠と、それに反対するパリ・コミューンの動乱という山場を最後に落ち着きを取り戻し、ブルジョアを中心とする第三共和政の時代が始まって(1875〜)国力回復と「偉大なるフランス」の回復につとめた時代。
「世界の華」と謳われたパリは、アジアの片隅から見たらまさに天国のような世界だったことでしょう…。
坂本竜馬は、もしあんなところで夭折したりしなければ絶対!世界各国を(密航してでも)回っていそうな気がするので。
きっとエッフェル塔を観にパリに来て、パリ・オペラ座でちゃっかりオペラを観て(ぐっすり寝て)。それから、発売されたばかりのルブランの新刊をプレゼントされて「へぇ〜、鼠小僧みたいなのが仏蘭西にもおるぜよ〜」と感心し(←この頃はまだ鼠小僧=義賊という認識はなかったと思われますが)、
最後に、
ウィーンに立ち寄ってフランツ・ヨーゼフに謁見し、「奥さんキレイじゃき、おりょうがおらんかったら迷うぜよ(←言葉めちゃくちゃっ!)」とか言って嫌われていそう(笑)。
土方さんも喜んで行きそうですねぇ〜。
出来たばかりのエッフェル塔に、「鍛錬だ!」とか言ってエレベーター使わずに歩いて登りそう。でもオペラ座では、ちゃっかり入り込んで歌姫クリスティーヌのサイン貰っていたりとか(笑)。
ルブランの新刊は逆さに持って眺めてるだけっぽいし、
ウィーンでは、皇太子ルドルフと語り合って飲み明かして、あげくにルドルフ行きつけの娼館に連れて行ってもらって大いに盛り上がっていそうな気がします♪
慶喜さんも、ナポレオン3世から贈られた軍服を喜んで着ていた、というエピソードが物語るとおり相当なハイカラ好き、フランス好きなので。
まだエレベーターが動いていない頃にエッフェル塔に行って、がんばって登り始めるんだけど途中で(100段くらい上がったところで)力尽きて倒れていそう(^ ^;。
オペラ座は…いそいそと踊り子さんを観に行くかなあ。
フランツ・ヨーゼフとは比較的ちゃんと話をしそうな気がしますね。有能な政治家だったようですから。
桂小五郎は、実際外遊してましたよね…?あれっていつだっけ。
もともと、パリの「第二回目の」万博には、確か長州からも「出品」していたような気がします(他に薩摩と幕府)ので、桂はそれなりに関係あった可能性がありますね。日本政府が正式に「参加(出展)」したのはウィーン(1873年)ですが、このときはどうだったのかな。
1889年のパリ万博、彼は行ったのかしら…。行ったとしたら、ルブランの新刊はプレゼントされていそうだなあ(←フランス語が読める人は当時の日本に居たのでしょうかねぇ…)
なんだか、段々話が縒れてきてしまいましたが(^ ^;ゞ
いろんなエピソードの積み重ねで歴史は出来ていて、
表には出てこない「他のエピソードとの関係性」を想像するのが、歴史を学ぶ上で一番面白いところなんですよね。
ココのところ、割と時代が近い物語ばかり立て続けに観たので、すっかり面白くなってしまったのです♪
内容がないよー…なのに、長文になってしまってごめんなさいm(_ _)m
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はっちゃんへ愛をこめて
2007年4月15日 宝塚(宙)宙組公演「A/L」も、今日で本当の千秋楽。
27名の出演者のみなさま、お疲れ様でした。
そして。
初嶺麿代さま。
私にとっては、かわいい少年役「初嶺まよ」さん。
ご卒業、おめでとうございます。
はっちゃんを最初に覚えたのは、和央ようかさんの「Cross Road」。
もちろん、エリザベートの子ルドルフも観ているのですが…あまり印象には残っていないようです(ごめんなさい)。
CrossRoadでは、たかこさんの仲間のロマの少年。
ちょっと小生意気な役作りで、すごくかわいかった。美少年でしたね。
滑舌が良くて、ダンスがキレてて。
それ以降はずっと注目して探していました。
特に記憶に濃いのは、「ミレニアム・チャレンジャー!」の「辰の刻」のダンス。TRFのSAMが振付けたことで話題になったヒップホップダンスで、それまで宙組で「ダンサー」と呼ばれていた(そして実際すばらしいダンサーだった)上級生がのきなみ「ヒップホップ」に苦戦する中、ものすごくカッコよく踊りこなしていた下級生数人のうちの一人で。
…樹里さんほっぽって、ずーっとはっちゃん観てました。あんまり素敵で、かっこよくて。
たぶん、あれは私が「ひっぷほっぷ(←ひらがな!?)」に初めて出会った瞬間だったんだと思います。
「ダンス」と一口に言っても、実は様々なジャンルがあって、「ダンサー」にも持ち味と技術によって得て不得手がある。…そんな、基本的なことを学んだときでした。
タカコさん時代の後半は、チケットが取り難かったこともあってあまり宙組を観ていなかったので、はっちゃんのことは大好きだったけど、しばらく観ていませんでした。
で。
久々に観た「A/L」のガニマール警部。
…目を、疑いました。
この人、すごくない…?
かっこいい。
しびれました。はい。
私の中では、ずっと「可愛いはっちゃん」で通っていた初嶺まよ。改名なさってからも、正しい文字が出ないからというだけでなく(正しくは「麿代」)、「私が知っているのはまよちゃんだもん!」という気持ちもあって、どうもしっくりこなかったのですが。
ガニマール警部を観て、納得しました。
たしかにこれは、「まよちゃん」じゃない。
かっこいい。
大人のはっちゃん。「麿代さん」なんだ。
…今更なにを言ってるんだこのねこは、っていう感じですが。
酸いも甘いも、っていうオトナの男を、あんなふうに演じられる役者になるとは思っていなかったんです。
はっちゃんはずーっと可愛いはっちゃんのままだと思ってた。
演技力があることも声がいいことも知っていたけど、あの可愛い、少女のようなはにかんだ笑顔があまりにも印象的で。
大人の役をやっても、どこかに少年の面影があったり、社会に適合できない悩みを抱えている役だったりしていた印象が強くて。
思春期の少年のようなイメージがあまりにも強烈で。
あの顔が、オトナの男の、「シニカルでクールな」笑みを浮かべられるとは思わなかったんです。
でも。
ガニマール警部、立派に「大人の男」でしたね。
まぁ、いじられ役であったことは否定しませんが。
タニ(大和悠河)ちゃんより、よっぽど大人。
タニちゃんがソルボンヌ大学の学生で、ガニマール警部はもう立派に部下もいるベテランの警部さん。
そんな年齢差がすごく自然で。
それに一番びっくりしました。
はっちゃん。
あなたが卒業を決めたとき、これは「A/L」観にいかなきゃ、と思いました。
観てみれば、作品も佳作で。出演者が全員キラキラ輝いていて。
とても素敵な時間をすごさせてもらいました。
でも。
その中でも、一番輝いていたのは、あなただったよ。
はっちゃんの、私の記憶の中では唯一の「ホンモノの大人」となったガニマール警部。
カッコよくて、この上もなく気障で、おしゃれで、でもドジで、
たまんなく抜けてて素敵。
千秋楽には、開幕前の漫才にも飛び入り参加されたりしたみたいですね。私が観たときはそれはなかったけど、でも、あのガニマール警部ならそれもありだったでしょう。
舞台の上のあなたは、本当にガニマール警部だった。
笑っても、怒っても、ハプニングに素で笑っているように見えても、初嶺まよじゃなかった。
あの、かわいらしいロマの少年が、こんな風に大人になって、
そして、宝塚を越えていく。
長いこと、楽しませてくれてどうもありがとう。
これからの人生に幸多きことを祈っています。
.
27名の出演者のみなさま、お疲れ様でした。
そして。
初嶺麿代さま。
私にとっては、かわいい少年役「初嶺まよ」さん。
ご卒業、おめでとうございます。
はっちゃんを最初に覚えたのは、和央ようかさんの「Cross Road」。
もちろん、エリザベートの子ルドルフも観ているのですが…あまり印象には残っていないようです(ごめんなさい)。
CrossRoadでは、たかこさんの仲間のロマの少年。
ちょっと小生意気な役作りで、すごくかわいかった。美少年でしたね。
滑舌が良くて、ダンスがキレてて。
それ以降はずっと注目して探していました。
特に記憶に濃いのは、「ミレニアム・チャレンジャー!」の「辰の刻」のダンス。TRFのSAMが振付けたことで話題になったヒップホップダンスで、それまで宙組で「ダンサー」と呼ばれていた(そして実際すばらしいダンサーだった)上級生がのきなみ「ヒップホップ」に苦戦する中、ものすごくカッコよく踊りこなしていた下級生数人のうちの一人で。
…樹里さんほっぽって、ずーっとはっちゃん観てました。あんまり素敵で、かっこよくて。
たぶん、あれは私が「ひっぷほっぷ(←ひらがな!?)」に初めて出会った瞬間だったんだと思います。
「ダンス」と一口に言っても、実は様々なジャンルがあって、「ダンサー」にも持ち味と技術によって得て不得手がある。…そんな、基本的なことを学んだときでした。
タカコさん時代の後半は、チケットが取り難かったこともあってあまり宙組を観ていなかったので、はっちゃんのことは大好きだったけど、しばらく観ていませんでした。
で。
久々に観た「A/L」のガニマール警部。
…目を、疑いました。
この人、すごくない…?
かっこいい。
しびれました。はい。
私の中では、ずっと「可愛いはっちゃん」で通っていた初嶺まよ。改名なさってからも、正しい文字が出ないからというだけでなく(正しくは「麿代」)、「私が知っているのはまよちゃんだもん!」という気持ちもあって、どうもしっくりこなかったのですが。
ガニマール警部を観て、納得しました。
たしかにこれは、「まよちゃん」じゃない。
かっこいい。
大人のはっちゃん。「麿代さん」なんだ。
…今更なにを言ってるんだこのねこは、っていう感じですが。
酸いも甘いも、っていうオトナの男を、あんなふうに演じられる役者になるとは思っていなかったんです。
はっちゃんはずーっと可愛いはっちゃんのままだと思ってた。
演技力があることも声がいいことも知っていたけど、あの可愛い、少女のようなはにかんだ笑顔があまりにも印象的で。
大人の役をやっても、どこかに少年の面影があったり、社会に適合できない悩みを抱えている役だったりしていた印象が強くて。
思春期の少年のようなイメージがあまりにも強烈で。
あの顔が、オトナの男の、「シニカルでクールな」笑みを浮かべられるとは思わなかったんです。
でも。
ガニマール警部、立派に「大人の男」でしたね。
まぁ、いじられ役であったことは否定しませんが。
タニ(大和悠河)ちゃんより、よっぽど大人。
タニちゃんがソルボンヌ大学の学生で、ガニマール警部はもう立派に部下もいるベテランの警部さん。
そんな年齢差がすごく自然で。
それに一番びっくりしました。
はっちゃん。
あなたが卒業を決めたとき、これは「A/L」観にいかなきゃ、と思いました。
観てみれば、作品も佳作で。出演者が全員キラキラ輝いていて。
とても素敵な時間をすごさせてもらいました。
でも。
その中でも、一番輝いていたのは、あなただったよ。
はっちゃんの、私の記憶の中では唯一の「ホンモノの大人」となったガニマール警部。
カッコよくて、この上もなく気障で、おしゃれで、でもドジで、
たまんなく抜けてて素敵。
千秋楽には、開幕前の漫才にも飛び入り参加されたりしたみたいですね。私が観たときはそれはなかったけど、でも、あのガニマール警部ならそれもありだったでしょう。
舞台の上のあなたは、本当にガニマール警部だった。
笑っても、怒っても、ハプニングに素で笑っているように見えても、初嶺まよじゃなかった。
あの、かわいらしいロマの少年が、こんな風に大人になって、
そして、宝塚を越えていく。
長いこと、楽しませてくれてどうもありがとう。
これからの人生に幸多きことを祈っています。
.
おてんば天使【その2】
2007年4月17日 宝塚(宙) コメント (2)宙組公演「A/L」。決して「おてんば天使」というタイトルではないのですが。
私の中ではこのテーマで分類されてしまいましたので。日記の通題はこれでいきたいと思います(笑)。…いえ、続くわけではなく、これで終わる予定なんですが(^ ^;
前回の日記でみっちゃんまでは感想を書いたので、あとはパンフレットに載っている順でいきたいと思います。
ラウール(タニちゃん)の母、アンリエットの光さんが、ベテラン専科の貫禄を見せたのは、ある意味当たり前っちゃ当たり前なのですが。
アンリエットの若いころを演じた鮎瀬美都さんも、落ち着いた美貌としっとりした演技で、ローアン枢機卿が惚れるのもわかる女っぷりでした。
でも斎藤さん、第二幕第一場は、確か二人が別れる場面だったのでは?(違ったらごめんなさい)。それだったら、光さんじゃなくて鮎瀬さんのほうが良かったんじゃないでしょうか…。
ウメちゃんアニェスの母、スーピーズ伯爵夫人は鈴奈沙也さん。若い夏大海さんを旦那に、かなりがんばっていらっしゃいましたが…さすがにちょっと苦しかったな。まぁ、夏さんは婿養子という設定だったので問題はないのですが、なんとなく、若いツバメをとっかえひっかえ夫にしているような印象が…(そんな台詞はまったくないのに/汗)美人で色っぽいので、余計に。
まして、ともちん(悠未ひろ)のレオンとの秘事めいた場面まであるものだから(それはホント)…頼りにならない旦那を見捨てて乗り替えるつもりかっ!?と勘繰ってしまった(^ ^)。
というか。そもそも、レオンの目的(首飾りを手に入れること)を考えれば、自分に見向きもせずに空想小説の主人公に夢中になっているアニェスのことなどとっとと諦めて、スーピーズ伯爵夫人を堕とした方が早くて確実だと思うんですけどね(笑)。旦那は離婚…あれ、このころのフランスはカトリックかな?だったら殺すしかないか。でもそのくらいの事やりそうでしたけどね、ともちんのレオンは。
いやぁ、何に驚いたって、「温かみがあって包容力のある大人の男」を演じさせたら天下一品、とばかり思っていたともちんに、こんな“クールな”、言ってしまえば“冷酷な”芝居の引き出しがあったことに一番驚いたんですよね。
今回、斎藤さんにしては珍しくシンプルな勧善懲悪モノ(宙組、いえタニちゃんに合わせた?)だったので、ああいう予定調和なラストになりましたが、いつもの斎藤さんならもうひとひねり(そこでやめておけばいいのに、更にもうひとひねりして意味不明にしてしまう可能性も高い)して、それこそ「血と砂」のガラベェトォ級の儲け役にしてしまいそうなノリを感じましたが…。
ヴィクトワールの美風舞良。
美人!上手い!
…すみません、無知で。ホント、贔屓組以外の人ってよっぽど本公演で役がついてる人じゃないとわからないんですよ。…美風さんは十分役がついているのですけれども、ごめんなさい。宙組はホントに観れてなかったんで。これからちゃんと観ます…。
とにかく、こんな上手な美人がいるなんて、嬉しいです♪
ただまぁ、役としては…いい役でしたけど、ちょっと意味不明な役ではありましたね(笑)。
斎藤さんが、作っていくうちに美風さんに触発されてどんどん重要な役にしてしまったような気がする(笑)。
ラウールの父親、ローアン枢機卿は十輝いりすくん。
めちゃくちゃカッコよかった!
「竜馬伝」での芝居も良かったし、彼は意外と大人の男が似合うのかも。やっぱり柄が大きいからやりやすい面もあるのでしょうね。ひげが似合う顔立ちもウラヤマシイ。
以前観たのは「プティ・ジャルダン」の料理長くんで、あの時は正直、芝居はどうか、と思いましたが…(苦笑)、若い芝居が苦手なのかな。
脚本的には鍵を握るはずの人物でありながら、結構早い段階(1幕半ば)でネタばれしてしまうし、どうするのかなー?と思っていたのですが。
ラストでああ出てくる、というのは、その前の場面で予想がついたにもかかわらず、しっかり泣かされてしまいました。
ラウール一人だったらこうはいかなかったよ。ローアンの十輝くんの、万感の想いをこめた背中が泣かせてくれたんだと思います。
これだけの渋い役を若手にふった斎藤さんも英断でしたが、しっかり応えて演じきった十輝くんを称えたい。
なんたって、あの学年で、アンリエットの光さんと並んで格負けしなかったのはすごい!学年もあがって今後は大人の役も増えるでしょうから、もっともっと輝くかも〜♪
これからが楽しみなひとです。
エヴァの和音美桜ちゃん、キュートで可愛くて、マドンナという設定も納得。ただ、ちょっと気になったのは肌を黒くしていたこと。19世紀末のこの時代に、肌の色が違う女の子が、街ならともかく、ソルボンヌ大学でマドンナになるなんてことはありえたんでしょうか?…ソルボンヌってそんなに庶民的な大学だったんだっけ。斎藤さんの指示かどうかはわかりませんが(普通はそうですよね…?)エヴァの背景というか設定については、ちょっと気になりました。
まぁ、和音さんには浅黒い肌の気の強い美女がよく似合っていたので、しつこく追求することではないのかもしれませんが…。
ラウールの仲間、ドニスの早霧せいな&バジルの麻音颯斗。ガニマールの相棒、ジャコの七海ひろき。3人とも、いろんな作品のいろんなレポート等で名前を聞くけど、あまり良く知らない3人でした。
…すげー、面白い!
斎藤さんが本当に上手く役をあててくれたなーと思います。この学年で、この時期に、これだけの宛書された役をやらせてもらって、彼らはラッキーだった。次の段階としては「宛書」でない役をこなす力を得なくてはならないわけですが、とりあえずはこの役で最高に輝くすべを学んでほしいと思いました。
目立つ役だから、というのではなくて、3つとも「キャラ萌えの斎藤」が真剣に作ってくれた「キャラクター」ありきの通し役。それをイチから自分で役として作っていけるのは、役者として一番の幸せだと思います。
アドリブも「早霧せいな」として受けるのではなく「ドニス」として受けてほしい。「ドニス」の部分がすごーく良かっただけに、上級生のアドリブを受けるときだけ「早霧せいな」に戻るちぎちゃんが、可愛かったけどちょっともったいなかったです。
でも、3人ともすごく魅力的だった。笑いもちゃんと取っていたし。
一回しか観ていないのでどれがアドリブでどれが脚本なのかわからない部分もありましたが、きっと毎回、あれこれ考えながら演じていたんでしょうね。そんな「迷い」が、ある意味「若さ」にも見えて、一緒に組んで芝居しているタニちゃんの輝きを増していたような気がします。
いいトリオ(学生たち)で、いいコンビ(刑事)でした!
回想シーンは、子ラウールが美牧冴京、子アニェスが千鈴まゆ。
二人とも「子供っぽい声」を意識しすぎかな?と思いましたが、二人とも可愛かったのでOKです(←おい)。そのまんま人形にして持って帰って、飾っておきたい(笑)。意外と出番も多いし、おいしい役でしたね〜。
レオン公爵の仲間、というか使い魔的な存在のミレディは、花露すみかさん。…88期ですか!びっくり!あの色っぽさ、貫禄。ともちん相手に一歩もひけを取らないどころか、手の上で転がされているように見えて実はしっかり舵を取っているところ…絶対ともちんより学年上だと思ったのに!!
いやはや。女は怖い(←おい)…じゃなくて。いやはや、花露さん、素敵です。あのしなやかさがいい!
贔屓組の娘(?)役さんたちは、揃いも揃って「組で一番男前なのはアタシ」と思っている(いや実際男前度ランキングつけたら、上位は娘役で埋まるだろう…)カッコイイひとたちばかりなので。
…ああいう「隙のない女らしさ」には、すごく憧れちゃいますね(苦笑)。
斎藤作品とは思えない、あ・かるいハッピーエンドの、毒のない斎藤作品。
「A/L」は、宛書も成功して、本当に楽しい作品でした。
でも、前回の日記にも書きましたが、「A/L」には斎藤作品を斎藤作品たらしめていた“マニアックさ”も“毒”もない。
次の「エル・アルコン」では、斎藤さんはまたもとの斎藤路線に戻るのでしょうか…?それとも今回の作風のまま青池保子に取り組むのでしょうか。
斎藤ファン(←え?)的には、とても楽しみな秋になりそうです…(^ ^;ゞ
.
私の中ではこのテーマで分類されてしまいましたので。日記の通題はこれでいきたいと思います(笑)。…いえ、続くわけではなく、これで終わる予定なんですが(^ ^;
前回の日記でみっちゃんまでは感想を書いたので、あとはパンフレットに載っている順でいきたいと思います。
ラウール(タニちゃん)の母、アンリエットの光さんが、ベテラン専科の貫禄を見せたのは、ある意味当たり前っちゃ当たり前なのですが。
アンリエットの若いころを演じた鮎瀬美都さんも、落ち着いた美貌としっとりした演技で、ローアン枢機卿が惚れるのもわかる女っぷりでした。
でも斎藤さん、第二幕第一場は、確か二人が別れる場面だったのでは?(違ったらごめんなさい)。それだったら、光さんじゃなくて鮎瀬さんのほうが良かったんじゃないでしょうか…。
ウメちゃんアニェスの母、スーピーズ伯爵夫人は鈴奈沙也さん。若い夏大海さんを旦那に、かなりがんばっていらっしゃいましたが…さすがにちょっと苦しかったな。まぁ、夏さんは婿養子という設定だったので問題はないのですが、なんとなく、若いツバメをとっかえひっかえ夫にしているような印象が…(そんな台詞はまったくないのに/汗)美人で色っぽいので、余計に。
まして、ともちん(悠未ひろ)のレオンとの秘事めいた場面まであるものだから(それはホント)…頼りにならない旦那を見捨てて乗り替えるつもりかっ!?と勘繰ってしまった(^ ^)。
というか。そもそも、レオンの目的(首飾りを手に入れること)を考えれば、自分に見向きもせずに空想小説の主人公に夢中になっているアニェスのことなどとっとと諦めて、スーピーズ伯爵夫人を堕とした方が早くて確実だと思うんですけどね(笑)。旦那は離婚…あれ、このころのフランスはカトリックかな?だったら殺すしかないか。でもそのくらいの事やりそうでしたけどね、ともちんのレオンは。
いやぁ、何に驚いたって、「温かみがあって包容力のある大人の男」を演じさせたら天下一品、とばかり思っていたともちんに、こんな“クールな”、言ってしまえば“冷酷な”芝居の引き出しがあったことに一番驚いたんですよね。
今回、斎藤さんにしては珍しくシンプルな勧善懲悪モノ(宙組、いえタニちゃんに合わせた?)だったので、ああいう予定調和なラストになりましたが、いつもの斎藤さんならもうひとひねり(そこでやめておけばいいのに、更にもうひとひねりして意味不明にしてしまう可能性も高い)して、それこそ「血と砂」のガラベェトォ級の儲け役にしてしまいそうなノリを感じましたが…。
ヴィクトワールの美風舞良。
美人!上手い!
…すみません、無知で。ホント、贔屓組以外の人ってよっぽど本公演で役がついてる人じゃないとわからないんですよ。…美風さんは十分役がついているのですけれども、ごめんなさい。宙組はホントに観れてなかったんで。これからちゃんと観ます…。
とにかく、こんな上手な美人がいるなんて、嬉しいです♪
ただまぁ、役としては…いい役でしたけど、ちょっと意味不明な役ではありましたね(笑)。
斎藤さんが、作っていくうちに美風さんに触発されてどんどん重要な役にしてしまったような気がする(笑)。
ラウールの父親、ローアン枢機卿は十輝いりすくん。
めちゃくちゃカッコよかった!
「竜馬伝」での芝居も良かったし、彼は意外と大人の男が似合うのかも。やっぱり柄が大きいからやりやすい面もあるのでしょうね。ひげが似合う顔立ちもウラヤマシイ。
以前観たのは「プティ・ジャルダン」の料理長くんで、あの時は正直、芝居はどうか、と思いましたが…(苦笑)、若い芝居が苦手なのかな。
脚本的には鍵を握るはずの人物でありながら、結構早い段階(1幕半ば)でネタばれしてしまうし、どうするのかなー?と思っていたのですが。
ラストでああ出てくる、というのは、その前の場面で予想がついたにもかかわらず、しっかり泣かされてしまいました。
ラウール一人だったらこうはいかなかったよ。ローアンの十輝くんの、万感の想いをこめた背中が泣かせてくれたんだと思います。
これだけの渋い役を若手にふった斎藤さんも英断でしたが、しっかり応えて演じきった十輝くんを称えたい。
なんたって、あの学年で、アンリエットの光さんと並んで格負けしなかったのはすごい!学年もあがって今後は大人の役も増えるでしょうから、もっともっと輝くかも〜♪
これからが楽しみなひとです。
エヴァの和音美桜ちゃん、キュートで可愛くて、マドンナという設定も納得。ただ、ちょっと気になったのは肌を黒くしていたこと。19世紀末のこの時代に、肌の色が違う女の子が、街ならともかく、ソルボンヌ大学でマドンナになるなんてことはありえたんでしょうか?…ソルボンヌってそんなに庶民的な大学だったんだっけ。斎藤さんの指示かどうかはわかりませんが(普通はそうですよね…?)エヴァの背景というか設定については、ちょっと気になりました。
まぁ、和音さんには浅黒い肌の気の強い美女がよく似合っていたので、しつこく追求することではないのかもしれませんが…。
ラウールの仲間、ドニスの早霧せいな&バジルの麻音颯斗。ガニマールの相棒、ジャコの七海ひろき。3人とも、いろんな作品のいろんなレポート等で名前を聞くけど、あまり良く知らない3人でした。
…すげー、面白い!
斎藤さんが本当に上手く役をあててくれたなーと思います。この学年で、この時期に、これだけの宛書された役をやらせてもらって、彼らはラッキーだった。次の段階としては「宛書」でない役をこなす力を得なくてはならないわけですが、とりあえずはこの役で最高に輝くすべを学んでほしいと思いました。
目立つ役だから、というのではなくて、3つとも「キャラ萌えの斎藤」が真剣に作ってくれた「キャラクター」ありきの通し役。それをイチから自分で役として作っていけるのは、役者として一番の幸せだと思います。
アドリブも「早霧せいな」として受けるのではなく「ドニス」として受けてほしい。「ドニス」の部分がすごーく良かっただけに、上級生のアドリブを受けるときだけ「早霧せいな」に戻るちぎちゃんが、可愛かったけどちょっともったいなかったです。
でも、3人ともすごく魅力的だった。笑いもちゃんと取っていたし。
一回しか観ていないのでどれがアドリブでどれが脚本なのかわからない部分もありましたが、きっと毎回、あれこれ考えながら演じていたんでしょうね。そんな「迷い」が、ある意味「若さ」にも見えて、一緒に組んで芝居しているタニちゃんの輝きを増していたような気がします。
いいトリオ(学生たち)で、いいコンビ(刑事)でした!
回想シーンは、子ラウールが美牧冴京、子アニェスが千鈴まゆ。
二人とも「子供っぽい声」を意識しすぎかな?と思いましたが、二人とも可愛かったのでOKです(←おい)。そのまんま人形にして持って帰って、飾っておきたい(笑)。意外と出番も多いし、おいしい役でしたね〜。
レオン公爵の仲間、というか使い魔的な存在のミレディは、花露すみかさん。…88期ですか!びっくり!あの色っぽさ、貫禄。ともちん相手に一歩もひけを取らないどころか、手の上で転がされているように見えて実はしっかり舵を取っているところ…絶対ともちんより学年上だと思ったのに!!
いやはや。女は怖い(←おい)…じゃなくて。いやはや、花露さん、素敵です。あのしなやかさがいい!
贔屓組の娘(?)役さんたちは、揃いも揃って「組で一番男前なのはアタシ」と思っている(いや実際男前度ランキングつけたら、上位は娘役で埋まるだろう…)カッコイイひとたちばかりなので。
…ああいう「隙のない女らしさ」には、すごく憧れちゃいますね(苦笑)。
斎藤作品とは思えない、あ・かるいハッピーエンドの、毒のない斎藤作品。
「A/L」は、宛書も成功して、本当に楽しい作品でした。
でも、前回の日記にも書きましたが、「A/L」には斎藤作品を斎藤作品たらしめていた“マニアックさ”も“毒”もない。
次の「エル・アルコン」では、斎藤さんはまたもとの斎藤路線に戻るのでしょうか…?それとも今回の作風のまま青池保子に取り組むのでしょうか。
斎藤ファン(←え?)的には、とても楽しみな秋になりそうです…(^ ^;ゞ
.
幸運なことに、花組公演の新人公演を観ることができました!
何かとバタバタ忙しくて、書くのがすっかり遅くなってしまいましたが…
新人公演の公演タイトルは。
正しく「黒蜥蜴」でした。
タイトルロールは、間違いなく黒蜥蜴。
まだ若い野々すみ花ちゃんの、その存在感というかパワーに、可愛い男の子たちは押されっぱなしでしたね。
でも。
最後の最後、すみ花ちゃんと二人っきりになってからのラストの朝夏まなとくんが。
それまでの1時間とは別人のように存在感を増して、輝きはじめたことに驚きました。
それまで、どうも上っ面をひっかいていたというか、「黒蜥蜴」という芝居作品の世界に入れなくて周りをうろうろしていた印象だったのですが。
突然世界にはまりこんだかと思ったら、
いきなり世界を支配していた!
…なんだか、不思議な展開でした。
本公演のオサ(春野寿美礼)さんは、もう最初から最後まで「春野ワールド全開!!」で、黒蜥蜴の彩音ちゃんも雨宮のまとぶん(真飛聖)も誰も彼も置き去りにして
「アチラ」へ行ってしまっていましたが。
新人公演、は。
最初は「緑川夫人」そして「黒蜥蜴」として、「アチラ」の住人として妖しく美しく世界を掻き回していた美女が、「さあ、帰りましょう…」と囁きながら船に乗って「自分の世界」へ辿り着いた時。
「自分の家」に帰った彼女は、「美女」の仮面を脱ぎ捨てて、一人の「少女」に戻ってしまう。
それはあたかも、魔法が解けたかのように。
そして。
「この世」の男として、頭は良くても何の力も持たず、崩れ落ちる世界を支える力のないことを嘆くばかりだったはずの明智が。
黒蜥蜴の島=「アチラ」へ着いた途端に、その世界のパワーを吸い取ったかのように力強く、世界の中心を支える存在と化してしまう。
多分、意図した芝居でも演出でもなかったのだと思うのですが。
少女の「家」は、逆に男にパワーを与えてしまう。
それは、少女の希みが「か弱い少女」であることだったから。
「か弱い少女」が幸せに生きていける世界、それは「戦争」とは対極にある世界である、と。
…そういうことが言いたかったのかな、と思いました。
月組新人公演が、メインキャストのキャラが嵌っていたのと、生田さんの手腕で(多分)ものすごく繊細に芝居のすみずみまで行き届いた演出になっていて驚いたものですが。
花組の原田さんの演出は、そこまでのモノは感じませんでした。
あの野々さんと朝夏さんの力関係の変化が、演出として意図されたものであったのならば、すごく面白い解釈だったと思うのですが。
多分違うんじゃないかなー、と(苦笑)。
(細かいところでは、キャラクターに合わない芝居をつけていたところもたくさんありましたので)
朝夏くんは、芝居スタートから1時間、ずーっと声に力が無くて、「Mind Traveller」の時、まぁ巧くはないかもしれないけど華やかで声もキレイだったのにどうしちゃったんだろう、と思っていたのですが…
オサさんの役、ということで必要以上に気負ってしまったのかな、と思いました。
最後の30分は、芝居は良かったですし、歌もギリギリ許容範囲だったと思います。
黒蜥蜴の野々すみ花ちゃん。
いわゆる「正統派の美人」ではないんですけど、でも、表情が豊かで目を惹きますね。ドレスもキレイに着てたと思います。
芝居は、本当に巧い人だと思うのですが…今回はちょっと中途半端だったかな。
脚本の「大人ぶった」少女、という設定が、実際本人があまりに若いせいか、芝居がある意味巧すぎるのか、ストレートに「背伸びした少女」に見えてしまったのがもったいない。正直、彩音ちゃんより芝居の技術点は高いと思うので、もう少し「自分の」解釈を前面に出しても良かったんじゃないかなーと思いました。
雨宮潤ちゃんの扇めぐむくん。
いやはや。カッコイイ!
歌える(湖月)わたるさん発見〜〜!!
いやぁ、本公演の金色の美女の美脚に釘付けの私としては、終始地味な色合いの服で、気が弱そうに受け受けしく立っている潤ちゃんは超!ツボでした。
ただ、本役の真飛さんがあまりにもMそのもの(←誉めてます)なので、ちょっと損してたかも…。M男っぷりでまとぶんと勝負できる男役はいませんから。
(←そこで勝負してないから!)
歌は、エンカレの時からすごく気になっていたのですが。
(「椿姫」のアルフレートは本当に良かった!)
本当に美声ですよね!
でも、美声に酔い過ぎちゃいけません。朗々と歌って自分が気持良くても、芝居としてはまだまだです。
今回、「プロポーズ」の歌を唄う3人の中では扇くんが圧倒的に上手だと思うのですが、意外と芝居の中での印象が弱くて残念でした。
「心を伝える歌」を、もう少し考えてくれるとすっごく伸びると思います!
しかしアレですね。扇さんには是非、「オサさんの新公」をやらせてあげたいですね…。(というか、聴きたいよ〜!)
波越警部のちあき(白鳥かすが)ちゃん。
去年の全ツは行けなかったし、本公演ではほとんど見つけられなかったので(なぜだ。月組の時はすぐに見つけられたのに/涙)、私にとってはこれが彼女の事実上の花組デビューなわけですが。
良かったんじゃないかな。うん。
本役の壮さんが、オサさんとのバランスも良くて当たり役だったので、それと比べてしまうとかなり苦しいですが。
月ファンとしての贔屓も含めて。
良かったんじゃないかと思います。ハイ。
ま、歌はおいといてね…。
マイクの音量がちょっとおかしくて、彼女だけ妙に声が大きかったりとか、イロイロあったのですが。
ごく生真面目な公務員らしさがあって良かったと思います。
芝居がやっぱり月っぽいというか、ちょっと繊細すぎる気もするので、もう少し仕掛けていくことも必要かなーと思いましたが。
あとはまあ、メークは、……がんばれ。
ちあきが一番輝いていたのは、文句なく楽園の少女だと思います。
なんだかエラいキレイで目立ってました…。大好きだよ♪
岩瀬氏の日向燦さん。
巧い!っつーか、凄い!
嫌みな言い回しも、男っぷりの良さも、傲慢さも。
何から何まで、とにかく良かった。
次はまた、若い役も観てみたいです♪
最後のご挨拶で、いろいろ突っかかりながら挨拶するまあくんを、辛抱強く暖かく見守っている笑顔がとっても印象的でした。
ああいう人が上級生になっていくんだな、いい組だな、と思いました。
早苗の華耀きらりちゃん。
頭小さくてスタイルイイですよねー!目が大きくて表情豊かで、とても良かったです。「早苗」の時と「葉子」の時の芝居の切り替えは今ひとつでしたが、最後に牢の中で雨宮の扇くんと語り合う場面が凄く切なくて良かったです。
扇くんの、ちょびっと一本調子な美声に聞き惚れながら、表情豊かに受けている葉子ちゃんが可愛くて可愛くて、最後に抱き合って涙を拭ってあげる扇くんの仕草が優しくて…ちょっとほろっときてしまいました(不覚)。
私の中ではポイント急上昇中です♪
さそりの華月由舞ちゃん。
どんなに可愛くても、ボディラインが最高にステキでも、芝居があそこまでどうにもならないとショーでしか使えないよなあ…と思っていたのですが。
さそりは、思ったより良かったです。案外大人っぽい役は大丈夫なのかな?声も落ち着いていたし。もう少し滑舌が良くなれば、いろんな役が出来るようになるかも!と俄然楽しみになりました。
ショーでは大活躍の由舞ちゃん、お芝居でもがんばってほしいです♪
お重の初姫さあやちゃん。
…すごいっ!!
岩瀬邸でのエピソードは、何から何まで全部この人が持って行きましたね。それでいて、仕草も声も新公学年とは思えない落ち着きっぷり。
本当に巧い人なんだなあ、とあらためて感心しきりでした。
印象に残ったのはこのくらいでしょうか。
エンカレでお気に入りだった夕霧らい(支配人)くん、望海風斗(みわっちの役)くんは、無難にまとめていたなあという感じ。
小林少年は…一花ちゃんの偉大さを思い知りました(←ごめんなさい)
花組さんの新公を観るのは初めてで、もっと全然知らない人ばっかりかと思いましたが、そんなことは無かったですね。
元々役が少ない作品なので、メインの役をやっている人はさすがに全員わかりましたし。
ただやっぱり、新公を観る前に、本公演をある程度回数観ておかないと、演出の違いもよくわからないし、書生たちも誰が誰やら区別がつかないし…もったいないなあと反省しましたm(_ _)m。
でも、本当にもの凄く楽しかったです。
新人公演はやっぱり良いですよね!
…次も観られますように…(祈)♪
.
何かとバタバタ忙しくて、書くのがすっかり遅くなってしまいましたが…
新人公演の公演タイトルは。
正しく「黒蜥蜴」でした。
タイトルロールは、間違いなく黒蜥蜴。
まだ若い野々すみ花ちゃんの、その存在感というかパワーに、可愛い男の子たちは押されっぱなしでしたね。
でも。
最後の最後、すみ花ちゃんと二人っきりになってからのラストの朝夏まなとくんが。
それまでの1時間とは別人のように存在感を増して、輝きはじめたことに驚きました。
それまで、どうも上っ面をひっかいていたというか、「黒蜥蜴」という芝居作品の世界に入れなくて周りをうろうろしていた印象だったのですが。
突然世界にはまりこんだかと思ったら、
いきなり世界を支配していた!
…なんだか、不思議な展開でした。
本公演のオサ(春野寿美礼)さんは、もう最初から最後まで「春野ワールド全開!!」で、黒蜥蜴の彩音ちゃんも雨宮のまとぶん(真飛聖)も誰も彼も置き去りにして
「アチラ」へ行ってしまっていましたが。
新人公演、は。
最初は「緑川夫人」そして「黒蜥蜴」として、「アチラ」の住人として妖しく美しく世界を掻き回していた美女が、「さあ、帰りましょう…」と囁きながら船に乗って「自分の世界」へ辿り着いた時。
「自分の家」に帰った彼女は、「美女」の仮面を脱ぎ捨てて、一人の「少女」に戻ってしまう。
それはあたかも、魔法が解けたかのように。
そして。
「この世」の男として、頭は良くても何の力も持たず、崩れ落ちる世界を支える力のないことを嘆くばかりだったはずの明智が。
黒蜥蜴の島=「アチラ」へ着いた途端に、その世界のパワーを吸い取ったかのように力強く、世界の中心を支える存在と化してしまう。
多分、意図した芝居でも演出でもなかったのだと思うのですが。
少女の「家」は、逆に男にパワーを与えてしまう。
それは、少女の希みが「か弱い少女」であることだったから。
「か弱い少女」が幸せに生きていける世界、それは「戦争」とは対極にある世界である、と。
…そういうことが言いたかったのかな、と思いました。
月組新人公演が、メインキャストのキャラが嵌っていたのと、生田さんの手腕で(多分)ものすごく繊細に芝居のすみずみまで行き届いた演出になっていて驚いたものですが。
花組の原田さんの演出は、そこまでのモノは感じませんでした。
あの野々さんと朝夏さんの力関係の変化が、演出として意図されたものであったのならば、すごく面白い解釈だったと思うのですが。
多分違うんじゃないかなー、と(苦笑)。
(細かいところでは、キャラクターに合わない芝居をつけていたところもたくさんありましたので)
朝夏くんは、芝居スタートから1時間、ずーっと声に力が無くて、「Mind Traveller」の時、まぁ巧くはないかもしれないけど華やかで声もキレイだったのにどうしちゃったんだろう、と思っていたのですが…
オサさんの役、ということで必要以上に気負ってしまったのかな、と思いました。
最後の30分は、芝居は良かったですし、歌もギリギリ許容範囲だったと思います。
黒蜥蜴の野々すみ花ちゃん。
いわゆる「正統派の美人」ではないんですけど、でも、表情が豊かで目を惹きますね。ドレスもキレイに着てたと思います。
芝居は、本当に巧い人だと思うのですが…今回はちょっと中途半端だったかな。
脚本の「大人ぶった」少女、という設定が、実際本人があまりに若いせいか、芝居がある意味巧すぎるのか、ストレートに「背伸びした少女」に見えてしまったのがもったいない。正直、彩音ちゃんより芝居の技術点は高いと思うので、もう少し「自分の」解釈を前面に出しても良かったんじゃないかなーと思いました。
雨宮潤ちゃんの扇めぐむくん。
いやはや。カッコイイ!
歌える(湖月)わたるさん発見〜〜!!
いやぁ、本公演の金色の美女の美脚に釘付けの私としては、終始地味な色合いの服で、気が弱そうに受け受けしく立っている潤ちゃんは超!ツボでした。
ただ、本役の真飛さんがあまりにもMそのもの(←誉めてます)なので、ちょっと損してたかも…。M男っぷりでまとぶんと勝負できる男役はいませんから。
(←そこで勝負してないから!)
歌は、エンカレの時からすごく気になっていたのですが。
(「椿姫」のアルフレートは本当に良かった!)
本当に美声ですよね!
でも、美声に酔い過ぎちゃいけません。朗々と歌って自分が気持良くても、芝居としてはまだまだです。
今回、「プロポーズ」の歌を唄う3人の中では扇くんが圧倒的に上手だと思うのですが、意外と芝居の中での印象が弱くて残念でした。
「心を伝える歌」を、もう少し考えてくれるとすっごく伸びると思います!
しかしアレですね。扇さんには是非、「オサさんの新公」をやらせてあげたいですね…。(というか、聴きたいよ〜!)
波越警部のちあき(白鳥かすが)ちゃん。
去年の全ツは行けなかったし、本公演ではほとんど見つけられなかったので(なぜだ。月組の時はすぐに見つけられたのに/涙)、私にとってはこれが彼女の事実上の花組デビューなわけですが。
良かったんじゃないかな。うん。
本役の壮さんが、オサさんとのバランスも良くて当たり役だったので、それと比べてしまうとかなり苦しいですが。
月ファンとしての贔屓も含めて。
良かったんじゃないかと思います。ハイ。
ま、歌はおいといてね…。
マイクの音量がちょっとおかしくて、彼女だけ妙に声が大きかったりとか、イロイロあったのですが。
ごく生真面目な公務員らしさがあって良かったと思います。
芝居がやっぱり月っぽいというか、ちょっと繊細すぎる気もするので、もう少し仕掛けていくことも必要かなーと思いましたが。
あとはまあ、メークは、……がんばれ。
ちあきが一番輝いていたのは、文句なく楽園の少女だと思います。
なんだかエラいキレイで目立ってました…。大好きだよ♪
岩瀬氏の日向燦さん。
巧い!っつーか、凄い!
嫌みな言い回しも、男っぷりの良さも、傲慢さも。
何から何まで、とにかく良かった。
次はまた、若い役も観てみたいです♪
最後のご挨拶で、いろいろ突っかかりながら挨拶するまあくんを、辛抱強く暖かく見守っている笑顔がとっても印象的でした。
ああいう人が上級生になっていくんだな、いい組だな、と思いました。
早苗の華耀きらりちゃん。
頭小さくてスタイルイイですよねー!目が大きくて表情豊かで、とても良かったです。「早苗」の時と「葉子」の時の芝居の切り替えは今ひとつでしたが、最後に牢の中で雨宮の扇くんと語り合う場面が凄く切なくて良かったです。
扇くんの、ちょびっと一本調子な美声に聞き惚れながら、表情豊かに受けている葉子ちゃんが可愛くて可愛くて、最後に抱き合って涙を拭ってあげる扇くんの仕草が優しくて…ちょっとほろっときてしまいました(不覚)。
私の中ではポイント急上昇中です♪
さそりの華月由舞ちゃん。
どんなに可愛くても、ボディラインが最高にステキでも、芝居があそこまでどうにもならないとショーでしか使えないよなあ…と思っていたのですが。
さそりは、思ったより良かったです。案外大人っぽい役は大丈夫なのかな?声も落ち着いていたし。もう少し滑舌が良くなれば、いろんな役が出来るようになるかも!と俄然楽しみになりました。
ショーでは大活躍の由舞ちゃん、お芝居でもがんばってほしいです♪
お重の初姫さあやちゃん。
…すごいっ!!
岩瀬邸でのエピソードは、何から何まで全部この人が持って行きましたね。それでいて、仕草も声も新公学年とは思えない落ち着きっぷり。
本当に巧い人なんだなあ、とあらためて感心しきりでした。
印象に残ったのはこのくらいでしょうか。
エンカレでお気に入りだった夕霧らい(支配人)くん、望海風斗(みわっちの役)くんは、無難にまとめていたなあという感じ。
小林少年は…一花ちゃんの偉大さを思い知りました(←ごめんなさい)
花組さんの新公を観るのは初めてで、もっと全然知らない人ばっかりかと思いましたが、そんなことは無かったですね。
元々役が少ない作品なので、メインの役をやっている人はさすがに全員わかりましたし。
ただやっぱり、新公を観る前に、本公演をある程度回数観ておかないと、演出の違いもよくわからないし、書生たちも誰が誰やら区別がつかないし…もったいないなあと反省しましたm(_ _)m。
でも、本当にもの凄く楽しかったです。
新人公演はやっぱり良いですよね!
…次も観られますように…(祈)♪
.
演劇フォーラム 花組
2007年4月21日 宝塚(花) コメント (2)演劇フォーラム『宝塚歌劇「明智小五郎の事件簿〜黒蜥蜴〜」をめぐって』に参加して参りました♪
一日遅れてしまいましたが、簡単にご報告させていただきますm(_ _)m。
最初の講師は、作家の荒俣宏さん。(←プロフィールでは博物学者が最初に書いてありましたから、ご本人的にはそっちが主なんですね!…私も彼の博物図鑑は大好きですが)
お題は「江戸川乱歩の世界」。
まず、入って来るなり。
挨拶もそこそこに、「こんなに女性ばっかりだとは思わなかった…」と仰った荒俣さん。
「僕は乱歩のことを話す演台は初めてではないのですが、だいたい乱歩っていうのはマニアックなファンが多くて、集まってくるのはほとんどが男性なんですよ」ってな話から入りました。
うーん、そりゃそうだろうなあ。私も一度、星新一ファンクラブ総会みたいなのに参加したことがありますが、そりゃーおじさんばっかりでしたからねぇ。乱歩はもっと凄いでしょうね…。
で、しばらく、荒俣さんの率直な乱歩賛歌を聞かせていただきました。
「あの『宝塚』が乱歩作品を取り上げるなんて考えられないくらい、どちらかといえば『アングラ』であり『エロ・グロ・ナンセンス』の世界を描いた作家だった」と、マニア向けの小説家だったということをお話ししていらっしゃいました。
私は、小学校の図書館に入っていた高学年向けの乱歩全集を全巻読んだはずなのですが、内容を覚えている作品は少ないんですよね…。その後読み返したこともないので、結局「知っているようであまりよく知らない作家」の一人になってしまっています。(ちなみに「A/L」のルパンシリーズも同じような位置づけ)
でも、荒俣さんのお話には本当に乱歩への愛と尊敬が溢れていて、聞いているうちに“乱歩もう一度読み返してみようかなあ…”とか思っちゃいました(←素直)。
ちょうど、先日発売された最相葉月さんの評伝「星新一(1001話をつくった人)」を読み終わったところなのですが。あれを読むと、日本では探偵小説とSF小説の間の壁が非常に低いんですね。探偵小説系の新人賞を獲って、SFを書いている人も多いですし。
そして、乱歩という人は「探偵小説の父」であるだけでなく、「空想小説の父」でもあり、「日本SFの祖父」くらいの役割を果たしてくれた人なんですね…。ご自身がSFを書いたとか、直接SF雑誌を編集したとかではありませんが、日本SFを育てた「宇宙塵」や「SFマガジン」にコメントを寄せ、星新一を見いだし、いい作品が出れば自身が主宰していた雑誌「宝石」に転載して広く読者に紹介し……
「文芸」とは違う「空想小説」というジャンルの読者を育て、作家を育てた、日本の出版界の神様みたいな存在だったんだろうなあ、とあらためて思ったりしたのでした。
その後、「レビュー」についてに続いたのかな。
「レビュー」は、年末などの区切りの時期に、劇場でその年一年間にあったことを振り返るもので、「事前に観る」意の「プレ・ビュー」の反対語「レ・ビュー」なのである、と。
一年間に起こった出来事を、今ならニュース映像の切り貼りで流すわけですが、当時はそんなもの(映像)がなかったので、劇場でやるようになった、と。
そういわれてみれば、歌舞伎の「忠臣蔵」なんかも事件が起こってから非常に早い時期に上演された「ニュース番組」であった、という話は聞いたことがあるなあ、と思ったり。
実際、テレビが無い頃には、旅回りの芸人集団が都のニュースを持っていったわけですが。彼らはただの噂話として話すのではなく、講談にしたり歌や踊りをつけたりして、「情報」としてではなく「芸」として金を取っていた訳ですよね。
それが、パリあたりの華やかな劇場で、一つの形式としてまとまったものがレビューの始まりかと思えば、すごく納得できます。
荒俣さんが「一つの場面を2,3分で、すごい早替わりで色んな人に成り代わって出てくるのも、いろんな事件を次から次に演じてみせるから必然的にそうなるんだ」という話をされていて。
おお、なるほど!と思ったのでした。
そして、「黒蜥蜴」は、小説自体が「レビュー」になっているんだ、と。
「クラブを舞台」とし、「緑川夫人の歌と踊りで始ま」って、「事件を語る」、という、その形式自体が「レビュー」である、と。
最初に「乱歩の世界はアングラである。宝塚の煌びやかな世界とは全く相容れない」という話をしておいて、「でも黒蜥蜴はレビューである」と。
「乱歩の世界のレビュー」に宝塚が挑戦する。そこが面白い、というような話をなさっていたと思います。
それから、黒蜥蜴の本来の舞台である大阪と通天閣について。
(木村版で上野の大仏さんになっている宝石の受け渡しの現場は、原作では通天閣)
どうしても「塔」ものに弱くなっている月組ファンとしては、当時の通天閣の話もとても面白かったです。また、「大阪」という微妙な土地を舞台にしているからこその面白さ、という話も出て、やっぱり時代や土地の匂いというのは、作品を作る上でもの凄く重要なんだなあ、と思ったのでした。
基本設定を変えるなら、全ての部分をチェックしないとダメですよ!
多分。
あの一階席を埋め尽くした1000人以上のお客さまの中で、「一番の目当て」が座談会でなかった人(私含む)は本当にごく僅かだっただろうと思いますが。
…私にとっては、とても興味深くて面白い15分間でした♪
本題とは何の関係もないのですが、星新一の評伝は、父親である星製薬初代社長・星一の業績からはじまって、戦後の日本SF黎明期の激動を細かく描いた、大変面白い本でした。
星新一、という、他に比べようもない数奇な運命を辿ってきた“御曹司”の、他に比べようもない偉大な才能とその限界について、容赦なく描ききったノンフィクション。星新一の作品のファンでなくても、明治から戦後までの「時代の空気」を感じられるいいルポだと思います。ご興味がありましたら、ぜひお手にとってみてくださいませ♪
次のコーナーは、木村信司トークショー。
★ちなみに、この先でネタバレがあります。まだ公演を未見の方はご注意ください★
まず。
「扉のこちら」で採用され、2作目を書くように言われた時。
「最初に思いついたのは、子供の頃から憧れていた理想の男・明智小五郎だった」そうです。
んで、その時も黒蜥蜴をやりたいと思ったけれども、「まだちょっと早いかなと思って黄金仮面にした」と。三島由紀夫の名作戯曲が既にあるわけですから、これは賢明なんですけれども。
「今回は、あれから12年たっていて、もういいかなと思って」黒蜥蜴を選んだんだそうで…。
(いやあの。まだまだ100年くらい早かったんじゃないでしょうか…?)
「乱歩作品の面白さは?」と問われて、
「すごく時代色が濃いところ。荒俣さんはエログロと仰ってましたが、僕は大正浪漫を感じる」と。
(だったら、どうして戦後なんだよ!)
三島戯曲と自作との違いは?と言う問いには。
「三島さんの作品はモノとモノの関係で語っている。人の内面に入っていかないから、逆の意味でファンタジーとして成立している」と。
「今回、明智にも黒蜥蜴にも赤い血がどくどくと流れている」のだそうですが…
(え?ものすごく人形劇チックな、心情的にあり得ない展開だと思ったのは私だけ?)
そして。一番大事な質問・「なぜこの時代を選んだのか」に対しては。
「宝塚化」、とは、イコール「ラブロマンスにすること」である。ゆえに黒蜥蜴と明智小五郎は愛し合わなくてはならない。かつ、ハッピーエンドではダメで、ドラマティックな悲劇を迎えなくてはならない。
平凡な発想では、普通に「愛される」=「他人に自分を預ける」ことを肯えない黒蜥蜴が、明智の愛を受け入れることを拒否して自殺する、という展開を思いつくわけですが。
木村さんが最初に思いついた「ドラマティックな悲劇」とは。
兄妹ネタ。
…それかよ〜〜〜〜!!!!!
愛し合い、それをお互い受け入れた後で、自分たちが兄妹で会ったことが判る。
それのどこが、ドラマティックな悲劇?
…今の時代の戯曲としては、そういうのを陳腐っていうんですけどね…
まぁ、突っ込みは置いといて。
最後まで兄妹であることに気づかない→顔がわからない→なぜ離ればなれになったのか?→戦争で離ればなれになった、という脳内展開があって、戦後の話になった、と。
先に「戦争は厭」という木村さんお得意の前提があって、戦争による悲劇として兄妹の別れ→最後の悲劇が起こってしまう、という発想の流れだとばかり思っていたので、少しだけ意外でしたが。
だからと言って、納得できるモンではありませんけどね…。
あとは、今までの作品を振り返って一言コメント、みたいなのをしていましたね。
ジュリアス・シーザーは、「オペラが続いたので、たまにはシェイクスピアをやりたいと思った」とか。
で、「コーラスをメインにした音楽劇、という作り方は、これで行き着くところまで行ったと思った」と。
で、最近過去の作品を読み返したのですが、「俺って変わってないな、懲りないな」と思った、と。
自分では結構変えているつもりだったのだそうですが。
たしかに変わってないし、成長してないよね…。
少しでいいから懲りてくれ、頼むから
…私はずっと、木村さんは「宝塚」ということに興味がないんだろう、と思っていました。
でも今回、彼の話を初めてじっくり聞いて。
「宝塚はラブロマンスでなくてはならない」「それも、ドラマティックで悲劇的な愛でなくてはならない」「だから、どうしても敵対関係にある二人が愛し合うという設定になりがちだ」という、非常に一元的ではあるけれども明快な意見を聞いて。
彼は彼なりに「宝塚でなければできないもの」「宝塚だからこそできるもの」を追求してココまで来たんだな、と思いました。
宝塚が好き、
宝塚が大好き。
その思いは誰にも負けない、という気合いを感じたのです。
私にとっても、「十二夜」とか「不滅の棘」とか、好きな作品もあるんですよ。
大劇場作品では「ゼンダ城の虜」は佳作だったと思いますし、「暁のローマ」は、歌詞さえ書き直してくれれば…と思い続けた迷作でしたし。
でも。
「鳳凰伝」と「王家に捧ぐ歌」、2作続けてどうしても性に合わなくて。
放浪の王子タカコさんも、偉大な将軍ラダメスのわたるさんも、豪華な衣装があまりにも完璧に似合ったハナちゃんも檀ちゃんも、本当に皆大好きだったのですが。
脚本に焼き付けられた木村さんの声高な主張がどうしても受け入れられなくて。
…その後は「暁のローマ」まで、木村作品は観ませんでした。
かなり話が飛んでしまって恐縮ですが。
童話作家の佐藤さとるさんの小説に、鏡つくりの話があります。
昔昔、まだ庶民が鏡というものを知らなかった頃のお話。
鏡は、ただ心を込めて真っ平らに磨き上げるべきもので、裏の細工がどんなに素晴らしくても、鏡面に曇りがあれば駄鏡、ましてや文様を鏡面に彫り込むに至っては愚の骨頂である、と。
そういう「寓話」なのですが。
「鳳凰伝」以降の木村さんの作品を観るたびに、この寓話を思い出します。
植田紳さんは、裏の細工に凝りすぎて鏡面に歪みが出てしまいがちなタイプ。
そして木村さんは、文句なく鏡面一面に文様を彫り込んでしまうタイプ。
作品を観るたびに、そう思うのです。
彼が彫り込むテーマが嫌いなんじゃないんです。
私だって戦争は嫌いだし、誰にも戦って欲しくない。
だけど、それを鏡の表に彫るのはやめてほしい。
見終わった観客が、全員胸の中で「そうだよね、戦争は良くないよね」って、すとん、と思うような作品を作ってほしい。
歌詞で、台詞で、「戦争は嫌〜♪」っていくら繰り返されても、それは当たり前のことで、皆が思っていることだから、「今更?」としか思わないじゃないですか。
そこに早く気が付いてほしい。
彼は最後に言っていました。
「次はもっと、『宝塚でこれをやるなんて』といわれるような題材に挑戦してみたい」と。
彼の発想は面白いです。
とっても。
宛書の才能もあると思う。
だから。
次の作品こそはぜひ、「鏡を磨き上げる」ことだけに集中してみてほしい。
題材だけを与えて、役者の内側から出てくるモノをもっと大事に演出してみてほしい。
木村さんは「宝塚」に愛がないから仕方ないんだ、とずっと思っていたのですが。
こんなに愛していたのなら、
途中できれい事に逃げるのをやめて、あがいてみてほしい。
説明台詞で愛は語れないんだ、と早く気づいて。
愛は美しいものだけれども、“きれい事”ではないのです。
そして、恋にも愛にも理由など、ない。
演出手法としてのハッタリ感や、マスゲーム調のアンサンブルの動かし方は面白いと思うのですが。
一度、それこそ柴田さんの往年の名作あたりの再演演出をしてみたら、勉強になるんじゃないでしょうか…。(柴田さん&柴田さんファンはお嫌でしょうけれども)
…だいぶ横道にそれてしまいました。すみませんm(_ _)m。
この後もいくつか話をして、最後に
「乱歩のご遺族がご覧になって『明智小五郎が格好良くて嬉しかった』というコメントをいただいた。とっても嬉しかった」という話を披露していました。
で、司会の水落さんが「確かに春野さん格好良かったですね」とコメントした瞬間に、会場から大拍手♪
いやー、オサさんのファンは皆様熱いですねぇ…。
第一部はここで終了。
少し時間が余ったので、木村さんが「5分早く休憩に入って、5分早くオサたちに出て貰いましょう」と発言して、またもや大拍手を貰っていました(笑)。
前回の月組フォーラムの植田さんと違って、一応会話がなりたっていたので、協会側のみなさんもホッとされたのではないでしょうか…。
ま、相手の話を聞いていないのは師弟よく似ていらっしゃいますが★
とりあえず、ココで15分の休憩が入りましたので。
続き(←普通の参加者にとってはここからが本番)はまた、近いうちにUPしたいと思いますm(_ _)m。
…久しぶりの5千字超えになってしまった…(涙)。
.
一日遅れてしまいましたが、簡単にご報告させていただきますm(_ _)m。
最初の講師は、作家の荒俣宏さん。(←プロフィールでは博物学者が最初に書いてありましたから、ご本人的にはそっちが主なんですね!…私も彼の博物図鑑は大好きですが)
お題は「江戸川乱歩の世界」。
まず、入って来るなり。
挨拶もそこそこに、「こんなに女性ばっかりだとは思わなかった…」と仰った荒俣さん。
「僕は乱歩のことを話す演台は初めてではないのですが、だいたい乱歩っていうのはマニアックなファンが多くて、集まってくるのはほとんどが男性なんですよ」ってな話から入りました。
うーん、そりゃそうだろうなあ。私も一度、星新一ファンクラブ総会みたいなのに参加したことがありますが、そりゃーおじさんばっかりでしたからねぇ。乱歩はもっと凄いでしょうね…。
で、しばらく、荒俣さんの率直な乱歩賛歌を聞かせていただきました。
「あの『宝塚』が乱歩作品を取り上げるなんて考えられないくらい、どちらかといえば『アングラ』であり『エロ・グロ・ナンセンス』の世界を描いた作家だった」と、マニア向けの小説家だったということをお話ししていらっしゃいました。
私は、小学校の図書館に入っていた高学年向けの乱歩全集を全巻読んだはずなのですが、内容を覚えている作品は少ないんですよね…。その後読み返したこともないので、結局「知っているようであまりよく知らない作家」の一人になってしまっています。(ちなみに「A/L」のルパンシリーズも同じような位置づけ)
でも、荒俣さんのお話には本当に乱歩への愛と尊敬が溢れていて、聞いているうちに“乱歩もう一度読み返してみようかなあ…”とか思っちゃいました(←素直)。
ちょうど、先日発売された最相葉月さんの評伝「星新一(1001話をつくった人)」を読み終わったところなのですが。あれを読むと、日本では探偵小説とSF小説の間の壁が非常に低いんですね。探偵小説系の新人賞を獲って、SFを書いている人も多いですし。
そして、乱歩という人は「探偵小説の父」であるだけでなく、「空想小説の父」でもあり、「日本SFの祖父」くらいの役割を果たしてくれた人なんですね…。ご自身がSFを書いたとか、直接SF雑誌を編集したとかではありませんが、日本SFを育てた「宇宙塵」や「SFマガジン」にコメントを寄せ、星新一を見いだし、いい作品が出れば自身が主宰していた雑誌「宝石」に転載して広く読者に紹介し……
「文芸」とは違う「空想小説」というジャンルの読者を育て、作家を育てた、日本の出版界の神様みたいな存在だったんだろうなあ、とあらためて思ったりしたのでした。
その後、「レビュー」についてに続いたのかな。
「レビュー」は、年末などの区切りの時期に、劇場でその年一年間にあったことを振り返るもので、「事前に観る」意の「プレ・ビュー」の反対語「レ・ビュー」なのである、と。
一年間に起こった出来事を、今ならニュース映像の切り貼りで流すわけですが、当時はそんなもの(映像)がなかったので、劇場でやるようになった、と。
そういわれてみれば、歌舞伎の「忠臣蔵」なんかも事件が起こってから非常に早い時期に上演された「ニュース番組」であった、という話は聞いたことがあるなあ、と思ったり。
実際、テレビが無い頃には、旅回りの芸人集団が都のニュースを持っていったわけですが。彼らはただの噂話として話すのではなく、講談にしたり歌や踊りをつけたりして、「情報」としてではなく「芸」として金を取っていた訳ですよね。
それが、パリあたりの華やかな劇場で、一つの形式としてまとまったものがレビューの始まりかと思えば、すごく納得できます。
荒俣さんが「一つの場面を2,3分で、すごい早替わりで色んな人に成り代わって出てくるのも、いろんな事件を次から次に演じてみせるから必然的にそうなるんだ」という話をされていて。
おお、なるほど!と思ったのでした。
そして、「黒蜥蜴」は、小説自体が「レビュー」になっているんだ、と。
「クラブを舞台」とし、「緑川夫人の歌と踊りで始ま」って、「事件を語る」、という、その形式自体が「レビュー」である、と。
最初に「乱歩の世界はアングラである。宝塚の煌びやかな世界とは全く相容れない」という話をしておいて、「でも黒蜥蜴はレビューである」と。
「乱歩の世界のレビュー」に宝塚が挑戦する。そこが面白い、というような話をなさっていたと思います。
それから、黒蜥蜴の本来の舞台である大阪と通天閣について。
(木村版で上野の大仏さんになっている宝石の受け渡しの現場は、原作では通天閣)
どうしても「塔」ものに弱くなっている月組ファンとしては、当時の通天閣の話もとても面白かったです。また、「大阪」という微妙な土地を舞台にしているからこその面白さ、という話も出て、やっぱり時代や土地の匂いというのは、作品を作る上でもの凄く重要なんだなあ、と思ったのでした。
基本設定を変えるなら、全ての部分をチェックしないとダメですよ!
多分。
あの一階席を埋め尽くした1000人以上のお客さまの中で、「一番の目当て」が座談会でなかった人(私含む)は本当にごく僅かだっただろうと思いますが。
…私にとっては、とても興味深くて面白い15分間でした♪
本題とは何の関係もないのですが、星新一の評伝は、父親である星製薬初代社長・星一の業績からはじまって、戦後の日本SF黎明期の激動を細かく描いた、大変面白い本でした。
星新一、という、他に比べようもない数奇な運命を辿ってきた“御曹司”の、他に比べようもない偉大な才能とその限界について、容赦なく描ききったノンフィクション。星新一の作品のファンでなくても、明治から戦後までの「時代の空気」を感じられるいいルポだと思います。ご興味がありましたら、ぜひお手にとってみてくださいませ♪
次のコーナーは、木村信司トークショー。
★ちなみに、この先でネタバレがあります。まだ公演を未見の方はご注意ください★
まず。
「扉のこちら」で採用され、2作目を書くように言われた時。
「最初に思いついたのは、子供の頃から憧れていた理想の男・明智小五郎だった」そうです。
んで、その時も黒蜥蜴をやりたいと思ったけれども、「まだちょっと早いかなと思って黄金仮面にした」と。三島由紀夫の名作戯曲が既にあるわけですから、これは賢明なんですけれども。
「今回は、あれから12年たっていて、もういいかなと思って」黒蜥蜴を選んだんだそうで…。
(いやあの。まだまだ100年くらい早かったんじゃないでしょうか…?)
「乱歩作品の面白さは?」と問われて、
「すごく時代色が濃いところ。荒俣さんはエログロと仰ってましたが、僕は大正浪漫を感じる」と。
(だったら、どうして戦後なんだよ!)
三島戯曲と自作との違いは?と言う問いには。
「三島さんの作品はモノとモノの関係で語っている。人の内面に入っていかないから、逆の意味でファンタジーとして成立している」と。
「今回、明智にも黒蜥蜴にも赤い血がどくどくと流れている」のだそうですが…
(え?ものすごく人形劇チックな、心情的にあり得ない展開だと思ったのは私だけ?)
そして。一番大事な質問・「なぜこの時代を選んだのか」に対しては。
「宝塚化」、とは、イコール「ラブロマンスにすること」である。ゆえに黒蜥蜴と明智小五郎は愛し合わなくてはならない。かつ、ハッピーエンドではダメで、ドラマティックな悲劇を迎えなくてはならない。
平凡な発想では、普通に「愛される」=「他人に自分を預ける」ことを肯えない黒蜥蜴が、明智の愛を受け入れることを拒否して自殺する、という展開を思いつくわけですが。
木村さんが最初に思いついた「ドラマティックな悲劇」とは。
兄妹ネタ。
…それかよ〜〜〜〜!!!!!
愛し合い、それをお互い受け入れた後で、自分たちが兄妹で会ったことが判る。
それのどこが、ドラマティックな悲劇?
…今の時代の戯曲としては、そういうのを陳腐っていうんですけどね…
まぁ、突っ込みは置いといて。
最後まで兄妹であることに気づかない→顔がわからない→なぜ離ればなれになったのか?→戦争で離ればなれになった、という脳内展開があって、戦後の話になった、と。
先に「戦争は厭」という木村さんお得意の前提があって、戦争による悲劇として兄妹の別れ→最後の悲劇が起こってしまう、という発想の流れだとばかり思っていたので、少しだけ意外でしたが。
だからと言って、納得できるモンではありませんけどね…。
あとは、今までの作品を振り返って一言コメント、みたいなのをしていましたね。
ジュリアス・シーザーは、「オペラが続いたので、たまにはシェイクスピアをやりたいと思った」とか。
で、「コーラスをメインにした音楽劇、という作り方は、これで行き着くところまで行ったと思った」と。
で、最近過去の作品を読み返したのですが、「俺って変わってないな、懲りないな」と思った、と。
自分では結構変えているつもりだったのだそうですが。
たしかに変わってないし、成長してないよね…。
少しでいいから懲りてくれ、頼むから
…私はずっと、木村さんは「宝塚」ということに興味がないんだろう、と思っていました。
でも今回、彼の話を初めてじっくり聞いて。
「宝塚はラブロマンスでなくてはならない」「それも、ドラマティックで悲劇的な愛でなくてはならない」「だから、どうしても敵対関係にある二人が愛し合うという設定になりがちだ」という、非常に一元的ではあるけれども明快な意見を聞いて。
彼は彼なりに「宝塚でなければできないもの」「宝塚だからこそできるもの」を追求してココまで来たんだな、と思いました。
宝塚が好き、
宝塚が大好き。
その思いは誰にも負けない、という気合いを感じたのです。
私にとっても、「十二夜」とか「不滅の棘」とか、好きな作品もあるんですよ。
大劇場作品では「ゼンダ城の虜」は佳作だったと思いますし、「暁のローマ」は、歌詞さえ書き直してくれれば…と思い続けた迷作でしたし。
でも。
「鳳凰伝」と「王家に捧ぐ歌」、2作続けてどうしても性に合わなくて。
放浪の王子タカコさんも、偉大な将軍ラダメスのわたるさんも、豪華な衣装があまりにも完璧に似合ったハナちゃんも檀ちゃんも、本当に皆大好きだったのですが。
脚本に焼き付けられた木村さんの声高な主張がどうしても受け入れられなくて。
…その後は「暁のローマ」まで、木村作品は観ませんでした。
かなり話が飛んでしまって恐縮ですが。
童話作家の佐藤さとるさんの小説に、鏡つくりの話があります。
昔昔、まだ庶民が鏡というものを知らなかった頃のお話。
鏡は、ただ心を込めて真っ平らに磨き上げるべきもので、裏の細工がどんなに素晴らしくても、鏡面に曇りがあれば駄鏡、ましてや文様を鏡面に彫り込むに至っては愚の骨頂である、と。
そういう「寓話」なのですが。
「鳳凰伝」以降の木村さんの作品を観るたびに、この寓話を思い出します。
植田紳さんは、裏の細工に凝りすぎて鏡面に歪みが出てしまいがちなタイプ。
そして木村さんは、文句なく鏡面一面に文様を彫り込んでしまうタイプ。
作品を観るたびに、そう思うのです。
彼が彫り込むテーマが嫌いなんじゃないんです。
私だって戦争は嫌いだし、誰にも戦って欲しくない。
だけど、それを鏡の表に彫るのはやめてほしい。
見終わった観客が、全員胸の中で「そうだよね、戦争は良くないよね」って、すとん、と思うような作品を作ってほしい。
歌詞で、台詞で、「戦争は嫌〜♪」っていくら繰り返されても、それは当たり前のことで、皆が思っていることだから、「今更?」としか思わないじゃないですか。
そこに早く気が付いてほしい。
彼は最後に言っていました。
「次はもっと、『宝塚でこれをやるなんて』といわれるような題材に挑戦してみたい」と。
彼の発想は面白いです。
とっても。
宛書の才能もあると思う。
だから。
次の作品こそはぜひ、「鏡を磨き上げる」ことだけに集中してみてほしい。
題材だけを与えて、役者の内側から出てくるモノをもっと大事に演出してみてほしい。
木村さんは「宝塚」に愛がないから仕方ないんだ、とずっと思っていたのですが。
こんなに愛していたのなら、
途中できれい事に逃げるのをやめて、あがいてみてほしい。
説明台詞で愛は語れないんだ、と早く気づいて。
愛は美しいものだけれども、“きれい事”ではないのです。
そして、恋にも愛にも理由など、ない。
演出手法としてのハッタリ感や、マスゲーム調のアンサンブルの動かし方は面白いと思うのですが。
一度、それこそ柴田さんの往年の名作あたりの再演演出をしてみたら、勉強になるんじゃないでしょうか…。(柴田さん&柴田さんファンはお嫌でしょうけれども)
…だいぶ横道にそれてしまいました。すみませんm(_ _)m。
この後もいくつか話をして、最後に
「乱歩のご遺族がご覧になって『明智小五郎が格好良くて嬉しかった』というコメントをいただいた。とっても嬉しかった」という話を披露していました。
で、司会の水落さんが「確かに春野さん格好良かったですね」とコメントした瞬間に、会場から大拍手♪
いやー、オサさんのファンは皆様熱いですねぇ…。
第一部はここで終了。
少し時間が余ったので、木村さんが「5分早く休憩に入って、5分早くオサたちに出て貰いましょう」と発言して、またもや大拍手を貰っていました(笑)。
前回の月組フォーラムの植田さんと違って、一応会話がなりたっていたので、協会側のみなさんもホッとされたのではないでしょうか…。
ま、相手の話を聞いていないのは師弟よく似ていらっしゃいますが★
とりあえず、ココで15分の休憩が入りましたので。
続き(←普通の参加者にとってはここからが本番)はまた、近いうちにUPしたいと思いますm(_ _)m。
…久しぶりの5千字超えになってしまった…(涙)。
.
大野拓史作・演出 「Never Sleep」
面白かった!
大野さんは、私にとって、出演者が誰であるかに関わらず「とりあえず観なくちゃ」という気持ちを起こさせる作家の一人。
今回も、大当たりでした。
彼の作品は、前回の「ヘイズ・コード」の時も思いましたが、
ストーリー展開は結構無茶なことをするんですよね(汗)。
あれ?そこでそう来る?みたいな。
でも。
彼の作品には「時代の香り」がある。
そして、「人間」が生きている。
彼の、「人間」とその「世界」に対する、限りない愛がある。
だから、好きです。
暗くて悲惨な、酷くリアルな世界に、一つまみの夢を撒く。
ひとかけらの、ファンタジーを。
振り撒く夢が多すぎれば、ただの夢物語になってしまう。
その、絶妙の匙加減。
観終わった後も、私の両手の中にまだ夢の卵があるような気がして。
転ばないように、失くさないように、そ〜っと持って帰りたくなる…
そんな、ひどく身近な気がする、夢の世界。
楽しかったです。
本当に。
こういう作品、これだけの力のある作品が。
脚本も振り付けもキャスティングも何もかも素晴らしくて、しかもキャスト一人ひとりが、本当に楽しそうに力を出し切れる、
こんな公演が。
それでも平日は売り切れないなんてねぇ……。
みなさま。
大野さんの作品は、ご覧になって絶対損はないですよ!
ぜひぜひ、その目で確認してみてくださいなっ♪♪
久々に、何の予習もせず。
他のブログ様も大型掲示板も意識して見ないようにして、まっさらな気持ちで公演を楽しんてみたのですが。
(蘭寿)とむくん。
さえない探偵社のペーペー。
…なんてかっこいいんだ!!
私の中のとむくんの基本は、「月の燈影」のわんころ。…あ、あれも大野さんだね、そういえば。
クールな兄貴分のユミコさんに、尻尾振ってついていく可愛い弟分。兄ぃが大好きで、くるみちゃんの姐さんが大好きで、メロメロのグタグタで…もう本当に、莫迦で、手がかかって、可愛くてしょうがない、放っておけない男、だった。
本当に本当に大好きだった!
今回は、ピンの主役だし、普通にカッコイイ二枚目なんだろうと油断して観にいったわけですが…
うっそぉ、かっこいいだけじゃなくてめっちゃ可愛いじゃん!(←半壊)
もうね、まず、妹の花影アリスちゃんにメロメロなの。
「おにいちゃん」なの。
マジでシスコン。絶対自分の恋人があんな顔して妹の顔見てたら蹴っ飛ばしてやりたい!ってくらいあからさまにメロメロな貌しちゃって。
また背のつりあいがちょうどよくて、「いい子いい子」して「話は帰ってからな」なんて言うの!ああ、もう駄目。現実にいたら絶対蹴っ飛ばしてるわ、あんな男。
でも、とむくんは、そこがカッコイイ。
青年館を埋める千人を超える観客が、いっせいに突っ込んだだろう。
「このシスコン!」って。
で、その後でくすっと笑う。
「もう本当にしょうがないわね、この男は」
ここですでに罠にかかっている。
ここで笑った人は、“とむくん可愛い病”への下り坂をまっしぐら。
…大野さん。
あなたって男性だよね?
なんでああいう、微妙なところを突いてくるんだろう…。
なんでわかるの?この微妙さが。
あれを、もうちょっとでも“格好よく”やっちゃったら、もう嫌味になっちゃうの。
とむくんが笑み崩れながらやるから、絵になる。
「もう、本当にしょうのないおにいちゃん」っていう、ドロシーの呟きがほんものになる。
それが、大野さんのリアル。
それが、私の好きな大野さんの世界、なんだよね…。
ヒロインは、コットンクラブのダンサー・美羽あさひちゃん。
良かった!
今まであんまり彼女に注目したことがなかったんだけど。
エイジ・オブ・イノセンスのわがままお嬢さんはあまり好きではなかったんだけど。
今回はほんとに良かった!
結構難しい役だったと思いますが、さすがに場数を踏んでるだけあって貫禄十分でしたね。
ポスターとかちょっと年齢が上っぽく写ってて「あれ?」って感じだったけど、舞台は可愛かったです。
横顔とかちょっとした表情が紫城るいちゃんに似ていて、ドキッとしたり。
宙組はトップが若いウメちゃんなので、貫禄ある大人の女がやれればいくらでも役があるしね。歌えるのもありがたい。バレンシアではどの役かなあ?これからの活躍が楽しみです。
七帆ひかるくん。
いやはや、すごいビッグチャンス!を、しっかりモノにしていたなあと思いました。
「竜馬伝」でも目立つ役だったけど、今回は本当に良い役でしたもんねぇ。
個人的には、横顔がノン(久世星香)さんに似ているのと、声が素晴らしいのがツボでした♪
正面の貌は全然似ていないんですが、横顔はそっくりだと思う!なんだか、もっと渋い役をやらせてみたい人ですね。
宙組さんは、上級生は少ないけど結構渋い役をやれる人が多くてうらやましいなあ☆
えーっと。
七帆くんマイルズにとって、相棒=恋人、っていう設定でいいんですよね?>大野さん
そりゃー、とむくんサミュエルみたいな鉄砲玉を恋人にするのは色々躊躇がありますよねぇ…
っていうか、昔の恋人相棒役の真央あきとくんって、最後のジェイムズの息子役もやってますよね?
人懐っこい可愛い笑顔は可愛いし、もう少し痩せれば結構いい線いくと思うのですが、いくらなんでも、今の真央くんでは2番手の昔の恋人役にはちょっとコロコロと健康的すぎたかな、と…
うーん、なんだかとっても残念でした。
七帆くんがせっかくクールビューティーなキャラでがんばっているんだから、もうちょっと目つきの鋭い、まともに台詞が言える人をあててあげてほしかったです。
マイルスの葛藤は、この作品のキモだと思うんですよ。
マイルスの過去が、結局はすべての糸につながっているわけですから。彼がもっと早く決断して、動いていれば、もっと早く解決できたかもしれないのに、彼は過去が蘇るのが怖くて一歩を踏み出せなかった。
この物語は、サミュエルの恋物語であると同時にマイルズが過去と決別する物語なわけですから。
その象徴である恋人元相棒の死は、もっと丁寧に演じられる人にあててほしかったなーと思うのです…。
…個人的には、今回出演のメンバーの中では天羽たまちゃんがお勧めなんですが。(←え?)ギャングのたまちゃんは、忠誠心のすべてをボスのロススタイン(美郷真也)に捧げちゃってるからなぁ…。(←おい)
たまちゃんがあんなに惚れちゃうなんて、まりえったさんのロススタインも、若いころはさぞ良い男だったんでしょうねぇ(←そのへんにしとけ)
とむくんサミュエルの最愛の妹、ドロシーの花影アリスちゃん。
いやぁ可愛い。
おにいちゃんに対する甘ったれた喋り方と、友達のアデリン(愛花ちさき)や素敵なマイルズに対する喋り方が同じだったのは改善の余地あり、かな?声がもう少し落ち着いて、大人っぽい「女」っぽい声が出せるようになれば、即トップでもおかしくないな、という華がありますね。
プロローグとフィナーレのショーシーンでの可愛らしさは格別!でした♪
そして。
どうしてもこの人だけは書きたい!人が一人。
暁郷くん。
あなたの声は本当に宝物ですね。
ガタイを生かした儲け役でしたが、あの五峰お姉さまと対等に芝居できる研5は君だけだろう…。
容姿に似合った声が出せる、というのは素晴らしいことだなあ、と、あらためて実感しました♪
宙組にはタイプ的にかぶる人も多いですけど、でも、GOくんにはGOくんしか出せない色があると思うので。
すげー楽しみにしてます。っつーか、今回本当に良かったです…!
ジャズエイジの時代。
フィッツジェラルドの時代。
その時代の、ハーレムやヘルズ・キッチンを舞台とした物語。
同じ時代だけど、フィッツジェラルドが持て囃されたのとは違う世界の物語。
大野さんの描く「人間」、
大野さんの描く「時代」。
大野さんの創る「世界」に、すっぽりと入り込んで2時間楽しんで。お持ち帰りのお土産は、夢をひとつ。
そんな、小旅行を。
外苑前で、ぜひご体験ください♪
んでもって。
大野さん。
お願いだから、次こそは久しぶりに月組にも書いてくださいねm(_ _)m。
星組ばっかりずるい!と思い続けて、やーっと他の組に書いたかと思えば宙組(涙)。
次は。次こそは、月に〜!!
きり×ゆひの友情ものとか…すげー萌えませんか?…駄目?(←その掛け算はいったい…)
.
面白かった!
大野さんは、私にとって、出演者が誰であるかに関わらず「とりあえず観なくちゃ」という気持ちを起こさせる作家の一人。
今回も、大当たりでした。
彼の作品は、前回の「ヘイズ・コード」の時も思いましたが、
ストーリー展開は結構無茶なことをするんですよね(汗)。
あれ?そこでそう来る?みたいな。
でも。
彼の作品には「時代の香り」がある。
そして、「人間」が生きている。
彼の、「人間」とその「世界」に対する、限りない愛がある。
だから、好きです。
暗くて悲惨な、酷くリアルな世界に、一つまみの夢を撒く。
ひとかけらの、ファンタジーを。
振り撒く夢が多すぎれば、ただの夢物語になってしまう。
その、絶妙の匙加減。
観終わった後も、私の両手の中にまだ夢の卵があるような気がして。
転ばないように、失くさないように、そ〜っと持って帰りたくなる…
そんな、ひどく身近な気がする、夢の世界。
楽しかったです。
本当に。
こういう作品、これだけの力のある作品が。
脚本も振り付けもキャスティングも何もかも素晴らしくて、しかもキャスト一人ひとりが、本当に楽しそうに力を出し切れる、
こんな公演が。
それでも平日は売り切れないなんてねぇ……。
みなさま。
大野さんの作品は、ご覧になって絶対損はないですよ!
ぜひぜひ、その目で確認してみてくださいなっ♪♪
久々に、何の予習もせず。
他のブログ様も大型掲示板も意識して見ないようにして、まっさらな気持ちで公演を楽しんてみたのですが。
(蘭寿)とむくん。
さえない探偵社のペーペー。
…なんてかっこいいんだ!!
私の中のとむくんの基本は、「月の燈影」のわんころ。…あ、あれも大野さんだね、そういえば。
クールな兄貴分のユミコさんに、尻尾振ってついていく可愛い弟分。兄ぃが大好きで、くるみちゃんの姐さんが大好きで、メロメロのグタグタで…もう本当に、莫迦で、手がかかって、可愛くてしょうがない、放っておけない男、だった。
本当に本当に大好きだった!
今回は、ピンの主役だし、普通にカッコイイ二枚目なんだろうと油断して観にいったわけですが…
うっそぉ、かっこいいだけじゃなくてめっちゃ可愛いじゃん!(←半壊)
もうね、まず、妹の花影アリスちゃんにメロメロなの。
「おにいちゃん」なの。
マジでシスコン。絶対自分の恋人があんな顔して妹の顔見てたら蹴っ飛ばしてやりたい!ってくらいあからさまにメロメロな貌しちゃって。
また背のつりあいがちょうどよくて、「いい子いい子」して「話は帰ってからな」なんて言うの!ああ、もう駄目。現実にいたら絶対蹴っ飛ばしてるわ、あんな男。
でも、とむくんは、そこがカッコイイ。
青年館を埋める千人を超える観客が、いっせいに突っ込んだだろう。
「このシスコン!」って。
で、その後でくすっと笑う。
「もう本当にしょうがないわね、この男は」
ここですでに罠にかかっている。
ここで笑った人は、“とむくん可愛い病”への下り坂をまっしぐら。
…大野さん。
あなたって男性だよね?
なんでああいう、微妙なところを突いてくるんだろう…。
なんでわかるの?この微妙さが。
あれを、もうちょっとでも“格好よく”やっちゃったら、もう嫌味になっちゃうの。
とむくんが笑み崩れながらやるから、絵になる。
「もう、本当にしょうのないおにいちゃん」っていう、ドロシーの呟きがほんものになる。
それが、大野さんのリアル。
それが、私の好きな大野さんの世界、なんだよね…。
ヒロインは、コットンクラブのダンサー・美羽あさひちゃん。
良かった!
今まであんまり彼女に注目したことがなかったんだけど。
エイジ・オブ・イノセンスのわがままお嬢さんはあまり好きではなかったんだけど。
今回はほんとに良かった!
結構難しい役だったと思いますが、さすがに場数を踏んでるだけあって貫禄十分でしたね。
ポスターとかちょっと年齢が上っぽく写ってて「あれ?」って感じだったけど、舞台は可愛かったです。
横顔とかちょっとした表情が紫城るいちゃんに似ていて、ドキッとしたり。
宙組はトップが若いウメちゃんなので、貫禄ある大人の女がやれればいくらでも役があるしね。歌えるのもありがたい。バレンシアではどの役かなあ?これからの活躍が楽しみです。
七帆ひかるくん。
いやはや、すごいビッグチャンス!を、しっかりモノにしていたなあと思いました。
「竜馬伝」でも目立つ役だったけど、今回は本当に良い役でしたもんねぇ。
個人的には、横顔がノン(久世星香)さんに似ているのと、声が素晴らしいのがツボでした♪
正面の貌は全然似ていないんですが、横顔はそっくりだと思う!なんだか、もっと渋い役をやらせてみたい人ですね。
宙組さんは、上級生は少ないけど結構渋い役をやれる人が多くてうらやましいなあ☆
えーっと。
七帆くんマイルズにとって、相棒=恋人、っていう設定でいいんですよね?>大野さん
そりゃー、とむくんサミュエルみたいな鉄砲玉を恋人にするのは色々躊躇がありますよねぇ…
っていうか、昔の
人懐っこい可愛い笑顔は可愛いし、もう少し痩せれば結構いい線いくと思うのですが、いくらなんでも、今の真央くんでは2番手の昔の恋人役にはちょっとコロコロと健康的すぎたかな、と…
うーん、なんだかとっても残念でした。
七帆くんがせっかくクールビューティーなキャラでがんばっているんだから、もうちょっと目つきの鋭い、まともに台詞が言える人をあててあげてほしかったです。
マイルスの葛藤は、この作品のキモだと思うんですよ。
マイルスの過去が、結局はすべての糸につながっているわけですから。彼がもっと早く決断して、動いていれば、もっと早く解決できたかもしれないのに、彼は過去が蘇るのが怖くて一歩を踏み出せなかった。
この物語は、サミュエルの恋物語であると同時にマイルズが過去と決別する物語なわけですから。
その象徴である
…個人的には、今回出演のメンバーの中では天羽たまちゃんがお勧めなんですが。(←え?)ギャングのたまちゃんは、忠誠心のすべてをボスのロススタイン(美郷真也)に捧げちゃってるからなぁ…。(←おい)
たまちゃんがあんなに惚れちゃうなんて、まりえったさんのロススタインも、若いころはさぞ良い男だったんでしょうねぇ(←そのへんにしとけ)
とむくんサミュエルの最愛の妹、ドロシーの花影アリスちゃん。
いやぁ可愛い。
おにいちゃんに対する甘ったれた喋り方と、友達のアデリン(愛花ちさき)や素敵なマイルズに対する喋り方が同じだったのは改善の余地あり、かな?声がもう少し落ち着いて、大人っぽい「女」っぽい声が出せるようになれば、即トップでもおかしくないな、という華がありますね。
プロローグとフィナーレのショーシーンでの可愛らしさは格別!でした♪
そして。
どうしてもこの人だけは書きたい!人が一人。
暁郷くん。
あなたの声は本当に宝物ですね。
ガタイを生かした儲け役でしたが、あの五峰お姉さまと対等に芝居できる研5は君だけだろう…。
容姿に似合った声が出せる、というのは素晴らしいことだなあ、と、あらためて実感しました♪
宙組にはタイプ的にかぶる人も多いですけど、でも、GOくんにはGOくんしか出せない色があると思うので。
すげー楽しみにしてます。っつーか、今回本当に良かったです…!
ジャズエイジの時代。
フィッツジェラルドの時代。
その時代の、ハーレムやヘルズ・キッチンを舞台とした物語。
同じ時代だけど、フィッツジェラルドが持て囃されたのとは違う世界の物語。
大野さんの描く「人間」、
大野さんの描く「時代」。
大野さんの創る「世界」に、すっぽりと入り込んで2時間楽しんで。お持ち帰りのお土産は、夢をひとつ。
そんな、小旅行を。
外苑前で、ぜひご体験ください♪
んでもって。
大野さん。
お願いだから、次こそは久しぶりに月組にも書いてくださいねm(_ _)m。
星組ばっかりずるい!と思い続けて、やーっと他の組に書いたかと思えば宙組(涙)。
次は。次こそは、月に〜!!
きり×ゆひの友情ものとか…すげー萌えませんか?…駄目?(←その掛け算はいったい…)
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演劇フォーラム 花組【座談会】
2007年4月23日 宝塚(花) コメント (2)お待たせしました!演劇フォーラム第二部。
春野寿美礼さま、桜乃彩音ちゃん、真飛聖さん、壮一帆さん、
4人の登場です〜♪
最初に数分間「黒蜥蜴」の映像が流れて(月組の時は昔の映像がしばらく流れて、「パリの…」の映像は本当にちょっとだけだったのに)、舞台転換の間に協会の案内があって。
幕が上がると、椅子が6脚。
で、まず、司会者と同時に木村さんが登場。
あれ…?花組は木村さんなしでジェンヌのみのトークは無しなの?(残念かも)
最初の質問は「乱歩を知っていましたか?」
壮ちゃんとあやねちゃんは、確か小学校の頃に読んだことがあるけど覚えてないと言ってたと思う。で、オサさんとまとぶんは読んでない、と。
司会の方に「これから読むように」と突っ込まれた後、「まぁもともと男の子が読む本ですからね」と木村さんがフォローしてました。
で、次に「今回の公演について」。
オサさん「最初の事件の、解決編を説明する場面で、皆の頭の中に絵が浮かぶように、流れないように、と思っています」
確かここだったと思うんですが、木村さんとオサさんの間で「論理が崩れないように細かいところまで稽古した」「鍵を掛ける音とかドアを閉める音にも凝った」というような話が出ていたと思います。
変装の場面については、木村さんから『売店のおやじはトッポジージョみたいな高めの声で』『松公はいつもより低めの声で』と注文があったが、一人一人別の人間として役作りをして本番に臨んだ、という話をされていたと思います。
あやねちゃんは「黒蜥蜴の大人っぽい妖艶な雰囲気を出すことができなくて、イメージもわかなくて、ずっと木村さんと自主稽古してもらった」と。
オサさんが「桜乃さんの黒蜥蜴どうですか?」と聞かれて、
「いやぁ色っぽいですね」と即答。
「ぞくぞくっとくることがあって、蘇る情熱を銀橋で歌う時にすごく盛り上がる」と。
うん、彩音ちゃんの黒蜥蜴、良かったですもんね。少女だけど。
ちなみに、ここだったと思うのですが、木村さんが「オサの黒蜥蜴」と口をすべらせて、大拍手を貰ってました(笑)。
でも、実際にホンを書いている時は「オサの明智が最初から見えていて、それを前提に書いていたので、全然思いつかなかった。書き終えてから、あぁオサの黒蜥蜴っていう手もあったなーと…」だそうです。
あら残念。
で、あやねちゃんの黒蜥蜴は見えてなかったそうですが、まとぶんの黒蜥蜴っていう案はなかったのでしょうか?
まとぶんは、終始ボケ役でした。
トークのまとぶんは初めて観たのですが、いつもあんなにボケボケなんでしょうか…?
キレイな顔してるのに…(←顔は関係ないってば)
「雨宮は、彼の人生で一番のドラマ(人を殺したところ)が場面として描かれないので、表現が非常に難しかった」ということが言いたかったんだと思うんですが、なんかぐちゃぐちゃになってました(笑)。
壮ちゃんは「波越警部はひたすら誠実な人。暗い過去を背負って生きている人ばかりの中で、彼は唯一新婚でとっても幸せな人なので、作品の中の光になれればいいな」、と。
で、「変装ができなかったのが心残り」だそうです。
すかさずオサさんが「していいんだよ。貸すよ。波越くんもそういうところ捜査に協力してもらわないとね」といたずらっぽく茶々を入れて。
(多分木村さん)「公務員だからなあ…」
壮ちゃん「イヌでもいいんですけど」(ホント意味判らん)
(オサさん?)「大仏さんとか」
もうこの辺で、舞台も客席も大爆笑。全部は覚え切れませんでしたが…いいトリオだな、と本当に思いました。
木村さんからは「結婚」ということについて、
「華やかなものではない、小さな幸せの象徴としての新婚家庭」というようなコメントが入りました。
確かに、壮ちゃんの警部は本当に幸せそうで、重たい明智とのバランスが良くて、そこだけ白い光が当たってるみたいで。
当たり役ですよね。
新公のちあき(白鳥かすが)になかったのは、この「幸福感」と「光」なんでしょうね…。
次の質問は、好きな台詞。
壮ちゃん:
自分の台詞は『一つ聞いてもいいか』に対する『なんでも』。
親友ならではの、全てを受け止める台詞。親友らしさを出したい。
壮ちゃん波越のあの台詞、最高に好きです!必要以上の感情を込めることなく、当たり前のこととして「なんでも」と応えられる誠実さが全身に溢れていて、壮ちゃんすごく良い!と観るたび思います♪
他の人の台詞では、オサさん銀橋の『追うものに追われるような』という歌詞。
あやねちゃん:
自分の台詞は、死ぬ前の『…大好き』今までいろんなものを憎んだり恨んだりしていたのに、最後に素直な気持ちで全てを赦すことができた、浄化した、そんな気持を込めて言っている。
他の人の台詞では、おじさんの『人は人なしでは生きられないんですよ』
オサさん:
「ファンの皆さまは多分『おいで』だと思うのですが(←へえ、そうなんだー)。自分としては沢山ありすぎて…」だそうです。
他の人の台詞では、あれ?何だったかな…?
まとぶん
「そうですねぇ…」と困っていると、木村さんが助け船のつもりかどうか、冒頭の「この俺が、自殺!?」って台詞を何度も繰り返して実演してくれました(客席笑)。
で、まとぶんは苦笑して「じゃあそこでいいです」。←って、おい
しばらく考えたあと、「牢屋のシーンで、葉子さんに『あなたにする』って言われて『俺で良いのか?』という台詞が、こんな自分でいいのか、こんな俺を本当に受け入れてくれるのか、という葛藤があって、とても大切にしています」と訥々と語っていました。
他の人の台詞では、もう一も二もなく「おいで」だそうです♪
木村さん:
「人は人なしでは生きられない」という台詞は中心においておきたかった、と。
それから、葉子の「あたしをあげる」というのは、「人生をあげるから、帰ってきて」というせっぱ詰まった気持を伝える場面で、ただの愛の告白じゃない、という話をされました。
ラブロマンスとして雨宮と葉子を見ると、えらい唐突、って感は否めないところなのですが。葉子はこの場面の前にすでに追いつめられて、“この世に居場所がない”女、なので。せめて目の前の「自分でなければ救えない男」を救って、それをこの世にすがりつく一筋の糸にしようとしたのだと思うんですよね。
それがまぁ、新公きらりちゃんの、可愛いばかりの葉子ちゃんでは表現しきれなかった部分だとは思うわけですが…。
木村さんは、今回東京で「他にあげるもの、何もないの」という台詞を追加して、その焦燥感をわかりやすくしたということをお話しされていましたが。まぁ、野々すみ花ちゃんの葉子は、その台詞がなくてもしっかり表現できていたけどね、とは思いましたが…。
この次が、役と自分にギャップがある場合、どうするか、という質問だったかな?
壮ちゃんは役に近づいていくタイプ。まとぶんは、「台本を読んで最初に感じたことを大切に役作りするんですけど…これってどっちなんでしょうね?」と(笑)
あやねちゃんは、「自分としては役に近づいていくタイプになりたいけど、今回は難しくて、自分に出来る黒蜥蜴になっちゃった」と反省の弁。
オサさんは「最初の役作りは自分が近づいていくんだけど、だんだん稽古や本番を重ねるうちに身体になじんで、自分になっちゃう」と。
うーん。あの東宝明智のぶっ飛びようを見ると、ご自分でもわかっているんだなあ、オサさん…。っていうか、それは要するに「役を自分に近づける」てことだと思うのですが。
そもそも。
役者は常に「台本に書かれている役になる」ことが仕事であって、「役を自分にひきつけようとして役作りする」のは役者じゃないんですよね。
多分、最初からそう思って役づくりするジェンヌはいないと思うんですよ…。
だから、この質問ってあまり意味がないよなぁ、と思いながら聞いていましたが。
それなりに皆さん違う答えをされていたのが印象的です★
次は、衣装の着こなしや小道具の扱いについて
まとぶんはぐたぐたでした。何言ってたか覚えてない(ごめんなさい)
明智はスーツなので、いつも以上に細かいところにこだわった。
アクセサリーなども、ただの探偵じゃない、インテリとしての明智という役づくりに拘ってみた、という話をされていたと思います。
黒蜥蜴は、初めて使うピストルに慣れるのが大変だった、と。
波越くんは、警部といえばトレンチコート。お衣装さんがコートのラインやベルトの締め具合にこだわって、舞台稽古でも何度もなおしてくれた、と。
走る時の翻り方などにはすごく気をつけている、とお話されてました。確かにキレイに走ってますよね、いつも。感心してます。
大きな失敗は?という質問には。
壮「出早をしてそのままUターンして戻ったことがある(多分過去)新公で階段でこけた、かぶり物を間違えた」など、「大きな失敗はないけど細かいのは沢山…」と言ってました。
で、オサさんが「『2時まであと5分!』でエレベーターへあがる陰段で、よくつまづいているよね」と冷静な突っ込みを。
壮ちゃんが「ものすごい急カーブなんですよ。全員が斜めになっているまま急な陰段に向かうので、ちょっとでも支えてくれる手が緩いと…」と急に饒舌になって説明を始めて、「人のせいかよ!」とまた突っ込まれてました(爆)。
で、木村さんがさらに突っ込み。「舞台稽古で『足遅いよ!』って声が聞こえたよな」と。
オサさんと壮ちゃんが、交互に「エレベーターに間に合わなかったんです」「大劇場の楽が終わってからサボっていて、舞台稽古で久しぶりに走ったら…」「もう死にものぐるいですよ」と。
もうね、マジで大笑いでした(^o^)
あやねちゃんは、無難に「階段が苦手で、パレードで降りてくる時に踏み外したり転びそうになったことがある」と。
オサさんは、きっぱりと「ない」と言い切った後、
「何もないところでつるんとこけて、照明さんに『どこにあてればいいのか』と言われたとか、細かいものはあるけど、大きいものはない」と。
…それって細かいのか…さすが神…。
まとぶんは、この公演ではないと思います、と。
で、過去なら。
「ベルばらの新公演で台詞を忘れて、ピヨっ?となって(首をかしげる)、あ、と思い出してこう(頭をまっすぐに戻す)喋り出したんですよね。自分では気が付いてなくて、うまく誤魔化せたと思っていたら、(同期に?)「オスカルさま、『ピヨっ?』ってなってたね」、と言われて…」という楽しいエピソードを披露。
「アンドレならフォローできないけど、オスカルで良かった」と自分でいってましたが…ええ〜!?それ絶対キャラクター間違ってると思う!アンドレはフォローできるけど、貴族のオスカル隊長が『ピヨッ?』ってしたらダメでしょうが〜〜〜!!!
っと力一杯突っ込んだのは私だけではないはずだ…。
(オスカル編を全幕やったはずなのに、なんてことを/涙)
…そんなところでしょうか。
本当に5分長かったのかどうかは判りませんが(笑)、月組の時よりは流れも良かったような…でも、質問は月組の時の方が面白かったなあ。
最初から木村さんがいらしたせいか、皆少し緊張気味だったのかもしれませんね。
最後に一つ。
どこで出てきた話か思い出せないのですが、木村さんが
「音楽劇が続いていたので、台詞をこれだけ書いたのは久しぶりだった。描き始めた時は、台詞をこんなに書けるかしらと思ったけど、書き出したら結構うまく書けた」ということを仰っていまして。
…え?どこが?
と思ったのは私だけではあるまい…。
次は星組。
テーマは「シークレット・ハンター」ではなく「さくら」。
どんな講師が来るのかなあ。谷さんも、どんな方なのか知らないのですごく興味はあるんですが…。
うーん、行ければ行きたいけど。ちょっと厳しいかもなぁ…。
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春野寿美礼さま、桜乃彩音ちゃん、真飛聖さん、壮一帆さん、
4人の登場です〜♪
最初に数分間「黒蜥蜴」の映像が流れて(月組の時は昔の映像がしばらく流れて、「パリの…」の映像は本当にちょっとだけだったのに)、舞台転換の間に協会の案内があって。
幕が上がると、椅子が6脚。
で、まず、司会者と同時に木村さんが登場。
あれ…?花組は木村さんなしでジェンヌのみのトークは無しなの?(残念かも)
最初の質問は「乱歩を知っていましたか?」
壮ちゃんとあやねちゃんは、確か小学校の頃に読んだことがあるけど覚えてないと言ってたと思う。で、オサさんとまとぶんは読んでない、と。
司会の方に「これから読むように」と突っ込まれた後、「まぁもともと男の子が読む本ですからね」と木村さんがフォローしてました。
で、次に「今回の公演について」。
オサさん「最初の事件の、解決編を説明する場面で、皆の頭の中に絵が浮かぶように、流れないように、と思っています」
確かここだったと思うんですが、木村さんとオサさんの間で「論理が崩れないように細かいところまで稽古した」「鍵を掛ける音とかドアを閉める音にも凝った」というような話が出ていたと思います。
変装の場面については、木村さんから『売店のおやじはトッポジージョみたいな高めの声で』『松公はいつもより低めの声で』と注文があったが、一人一人別の人間として役作りをして本番に臨んだ、という話をされていたと思います。
あやねちゃんは「黒蜥蜴の大人っぽい妖艶な雰囲気を出すことができなくて、イメージもわかなくて、ずっと木村さんと自主稽古してもらった」と。
オサさんが「桜乃さんの黒蜥蜴どうですか?」と聞かれて、
「いやぁ色っぽいですね」と即答。
「ぞくぞくっとくることがあって、蘇る情熱を銀橋で歌う時にすごく盛り上がる」と。
うん、彩音ちゃんの黒蜥蜴、良かったですもんね。少女だけど。
ちなみに、ここだったと思うのですが、木村さんが「オサの黒蜥蜴」と口をすべらせて、大拍手を貰ってました(笑)。
でも、実際にホンを書いている時は「オサの明智が最初から見えていて、それを前提に書いていたので、全然思いつかなかった。書き終えてから、あぁオサの黒蜥蜴っていう手もあったなーと…」だそうです。
あら残念。
で、あやねちゃんの黒蜥蜴は見えてなかったそうですが、まとぶんの黒蜥蜴っていう案はなかったのでしょうか?
まとぶんは、終始ボケ役でした。
トークのまとぶんは初めて観たのですが、いつもあんなにボケボケなんでしょうか…?
キレイな顔してるのに…(←顔は関係ないってば)
「雨宮は、彼の人生で一番のドラマ(人を殺したところ)が場面として描かれないので、表現が非常に難しかった」ということが言いたかったんだと思うんですが、なんかぐちゃぐちゃになってました(笑)。
壮ちゃんは「波越警部はひたすら誠実な人。暗い過去を背負って生きている人ばかりの中で、彼は唯一新婚でとっても幸せな人なので、作品の中の光になれればいいな」、と。
で、「変装ができなかったのが心残り」だそうです。
すかさずオサさんが「していいんだよ。貸すよ。波越くんもそういうところ捜査に協力してもらわないとね」といたずらっぽく茶々を入れて。
(多分木村さん)「公務員だからなあ…」
壮ちゃん「イヌでもいいんですけど」(ホント意味判らん)
(オサさん?)「大仏さんとか」
もうこの辺で、舞台も客席も大爆笑。全部は覚え切れませんでしたが…いいトリオだな、と本当に思いました。
木村さんからは「結婚」ということについて、
「華やかなものではない、小さな幸せの象徴としての新婚家庭」というようなコメントが入りました。
確かに、壮ちゃんの警部は本当に幸せそうで、重たい明智とのバランスが良くて、そこだけ白い光が当たってるみたいで。
当たり役ですよね。
新公のちあき(白鳥かすが)になかったのは、この「幸福感」と「光」なんでしょうね…。
次の質問は、好きな台詞。
壮ちゃん:
自分の台詞は『一つ聞いてもいいか』に対する『なんでも』。
親友ならではの、全てを受け止める台詞。親友らしさを出したい。
壮ちゃん波越のあの台詞、最高に好きです!必要以上の感情を込めることなく、当たり前のこととして「なんでも」と応えられる誠実さが全身に溢れていて、壮ちゃんすごく良い!と観るたび思います♪
他の人の台詞では、オサさん銀橋の『追うものに追われるような』という歌詞。
あやねちゃん:
自分の台詞は、死ぬ前の『…大好き』今までいろんなものを憎んだり恨んだりしていたのに、最後に素直な気持ちで全てを赦すことができた、浄化した、そんな気持を込めて言っている。
他の人の台詞では、おじさんの『人は人なしでは生きられないんですよ』
オサさん:
「ファンの皆さまは多分『おいで』だと思うのですが(←へえ、そうなんだー)。自分としては沢山ありすぎて…」だそうです。
他の人の台詞では、あれ?何だったかな…?
まとぶん
「そうですねぇ…」と困っていると、木村さんが助け船のつもりかどうか、冒頭の「この俺が、自殺!?」って台詞を何度も繰り返して実演してくれました(客席笑)。
で、まとぶんは苦笑して「じゃあそこでいいです」。←って、おい
しばらく考えたあと、「牢屋のシーンで、葉子さんに『あなたにする』って言われて『俺で良いのか?』という台詞が、こんな自分でいいのか、こんな俺を本当に受け入れてくれるのか、という葛藤があって、とても大切にしています」と訥々と語っていました。
他の人の台詞では、もう一も二もなく「おいで」だそうです♪
木村さん:
「人は人なしでは生きられない」という台詞は中心においておきたかった、と。
それから、葉子の「あたしをあげる」というのは、「人生をあげるから、帰ってきて」というせっぱ詰まった気持を伝える場面で、ただの愛の告白じゃない、という話をされました。
ラブロマンスとして雨宮と葉子を見ると、えらい唐突、って感は否めないところなのですが。葉子はこの場面の前にすでに追いつめられて、“この世に居場所がない”女、なので。せめて目の前の「自分でなければ救えない男」を救って、それをこの世にすがりつく一筋の糸にしようとしたのだと思うんですよね。
それがまぁ、新公きらりちゃんの、可愛いばかりの葉子ちゃんでは表現しきれなかった部分だとは思うわけですが…。
木村さんは、今回東京で「他にあげるもの、何もないの」という台詞を追加して、その焦燥感をわかりやすくしたということをお話しされていましたが。まぁ、野々すみ花ちゃんの葉子は、その台詞がなくてもしっかり表現できていたけどね、とは思いましたが…。
この次が、役と自分にギャップがある場合、どうするか、という質問だったかな?
壮ちゃんは役に近づいていくタイプ。まとぶんは、「台本を読んで最初に感じたことを大切に役作りするんですけど…これってどっちなんでしょうね?」と(笑)
あやねちゃんは、「自分としては役に近づいていくタイプになりたいけど、今回は難しくて、自分に出来る黒蜥蜴になっちゃった」と反省の弁。
オサさんは「最初の役作りは自分が近づいていくんだけど、だんだん稽古や本番を重ねるうちに身体になじんで、自分になっちゃう」と。
うーん。あの東宝明智のぶっ飛びようを見ると、ご自分でもわかっているんだなあ、オサさん…。っていうか、それは要するに「役を自分に近づける」てことだと思うのですが。
そもそも。
役者は常に「台本に書かれている役になる」ことが仕事であって、「役を自分にひきつけようとして役作りする」のは役者じゃないんですよね。
多分、最初からそう思って役づくりするジェンヌはいないと思うんですよ…。
だから、この質問ってあまり意味がないよなぁ、と思いながら聞いていましたが。
それなりに皆さん違う答えをされていたのが印象的です★
次は、衣装の着こなしや小道具の扱いについて
まとぶんはぐたぐたでした。何言ってたか覚えてない(ごめんなさい)
明智はスーツなので、いつも以上に細かいところにこだわった。
アクセサリーなども、ただの探偵じゃない、インテリとしての明智という役づくりに拘ってみた、という話をされていたと思います。
黒蜥蜴は、初めて使うピストルに慣れるのが大変だった、と。
波越くんは、警部といえばトレンチコート。お衣装さんがコートのラインやベルトの締め具合にこだわって、舞台稽古でも何度もなおしてくれた、と。
走る時の翻り方などにはすごく気をつけている、とお話されてました。確かにキレイに走ってますよね、いつも。感心してます。
大きな失敗は?という質問には。
壮「出早をしてそのままUターンして戻ったことがある(多分過去)新公で階段でこけた、かぶり物を間違えた」など、「大きな失敗はないけど細かいのは沢山…」と言ってました。
で、オサさんが「『2時まであと5分!』でエレベーターへあがる陰段で、よくつまづいているよね」と冷静な突っ込みを。
壮ちゃんが「ものすごい急カーブなんですよ。全員が斜めになっているまま急な陰段に向かうので、ちょっとでも支えてくれる手が緩いと…」と急に饒舌になって説明を始めて、「人のせいかよ!」とまた突っ込まれてました(爆)。
で、木村さんがさらに突っ込み。「舞台稽古で『足遅いよ!』って声が聞こえたよな」と。
オサさんと壮ちゃんが、交互に「エレベーターに間に合わなかったんです」「大劇場の楽が終わってからサボっていて、舞台稽古で久しぶりに走ったら…」「もう死にものぐるいですよ」と。
もうね、マジで大笑いでした(^o^)
あやねちゃんは、無難に「階段が苦手で、パレードで降りてくる時に踏み外したり転びそうになったことがある」と。
オサさんは、きっぱりと「ない」と言い切った後、
「何もないところでつるんとこけて、照明さんに『どこにあてればいいのか』と言われたとか、細かいものはあるけど、大きいものはない」と。
…それって細かいのか…さすが神…。
まとぶんは、この公演ではないと思います、と。
で、過去なら。
「ベルばらの新公演で台詞を忘れて、ピヨっ?となって(首をかしげる)、あ、と思い出してこう(頭をまっすぐに戻す)喋り出したんですよね。自分では気が付いてなくて、うまく誤魔化せたと思っていたら、(同期に?)「オスカルさま、『ピヨっ?』ってなってたね」、と言われて…」という楽しいエピソードを披露。
「アンドレならフォローできないけど、オスカルで良かった」と自分でいってましたが…ええ〜!?それ絶対キャラクター間違ってると思う!アンドレはフォローできるけど、貴族のオスカル隊長が『ピヨッ?』ってしたらダメでしょうが〜〜〜!!!
っと力一杯突っ込んだのは私だけではないはずだ…。
(オスカル編を全幕やったはずなのに、なんてことを/涙)
…そんなところでしょうか。
本当に5分長かったのかどうかは判りませんが(笑)、月組の時よりは流れも良かったような…でも、質問は月組の時の方が面白かったなあ。
最初から木村さんがいらしたせいか、皆少し緊張気味だったのかもしれませんね。
最後に一つ。
どこで出てきた話か思い出せないのですが、木村さんが
「音楽劇が続いていたので、台詞をこれだけ書いたのは久しぶりだった。描き始めた時は、台詞をこんなに書けるかしらと思ったけど、書き出したら結構うまく書けた」ということを仰っていまして。
…え?どこが?
と思ったのは私だけではあるまい…。
次は星組。
テーマは「シークレット・ハンター」ではなく「さくら」。
どんな講師が来るのかなあ。谷さんも、どんな方なのか知らないのですごく興味はあるんですが…。
うーん、行ければ行きたいけど。ちょっと厳しいかもなぁ…。
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初台の、新国立劇場中ホールで上演中のブロードウェイミュージカル「モダン・ミリー」。
こんなに爽快な気分になったのは久しぶり!というくらい楽しい公演でした。
…なんだか最近、どっかの公演プロモーターの宣伝マンみたいだな私…。
でも、本当に楽しかったんですよ!!
まずはキャストから。
宝塚OGは、リカ(紫吹淳)さん・樹里(咲穂)さんのお二人。
あとは川崎麻世さん、岡幸二郎さん、前田美波里さんのミュージカルスターに、歌手兼女優の今陽子さん。そして、元劇団四季の青山明さん、木暮清貴さん、レ・ミゼラブルなどで大活躍の高谷あゆみさん、西原純さん他、総勢24名のキャストが綴る、オトナの夢物語。
こうして見ると感心するくらい、実力派のキャストを集めたなーという印象です。その中で、歌に限ってはどうしても元男役のリカさんは一歩下がってしまうのですが、やはり舞台の上での華は抜群でした。1920年代っぽい“モダン”な衣装がもの凄く似合って、やっぱこの人は人間じゃない…って感じ。
樹里ちゃん共々、あのキレイな脚を全開にして舞台を駆け回ってます。あの美脚だけでもチケット代の元が取れます(←おい)
作品も音楽も、何もかももちろん良かったのですが、
なんと言っても最高だったのは演出・振付のジョン・マクニーリーなのだと思います。
モダン・ミリーのオリジナルブロードウェイ版でトニーの振付賞を獲ったRob Ashford本人は参加していませんが、マクニーリー自身、他作品で何度もノミネートされている実力派。しかも、モダン・ミリーは全米ツアー版から入っているから、作品理解も十分。
加えて、日本キャストの理解が素晴らしい!これはプロデューサーとの意思疎通がはかれていたおかげでしょうね。芝居の細かいところまで演出が行き届いていて、本当に良くできていました。
…ま、このスタッフとキャスティングなら、もう安心、って感じですよね(笑)。
2002年のトニー賞ミュージカル作品賞を獲得した「モダン・ミリー」。「マンマ・ミーア」や、脚本・演出・スコア賞を獲った「ユーリンタウン」を抑えての受賞でした。
ストーリー的には、シンプルな「A Boy Meets a Girl」系…とは言えませんね。
…「A Girl Dreams a Boy」とでもいいましょうか。
『玉の輿』=『ボスとの結婚』を夢見て面接を繰り返す、NYに出てきたばかりの田舎娘(テキサスだったかな…)、ミリー。
まず、この「あたしがボスを面接するのよ!」という意外性でまず笑えます。
リカさんが、あの丸顔にぱっつりボブで可愛らしく、キュートに、1920年代らしい“モダン”なファッション(モチロン膝上!)で歩くだけで、もうステキっ!!俺も面接してっ!!…って感じ(←オヤジすぎるよ自分)。
で、女性専用の貧乏下宿屋(というかウィークリーホテル?)“ホテル・プリシラ”のおかみ、ミセス・ミアースの前田美波里。
この役は、2002年のトニー賞の助演女優賞(ハリエット・ハリス)を獲った役ですが、ものすごーーーーく印象的な役でした。ビバリさんもすっごい楽しそうに(え?)演じていらっしゃいました(笑)。メークも何もかも、怖いのなんの。チラシのメークなんてごくごく普通の「ちょっと化粧が派手目な奥さん」って感じですが、まさに「悪魔メーク」。そのまま聖鬼魔IIと一緒にライブやって欲しい感じでした(爆笑)。
この人は、田舎からやってきた純真な女の子を格安で泊めてあげる替わりに、身寄りがないことが判った子はとっとと香港だかどこだかへ売り飛ばすという特別ルートの持ち主。
お父さんが亡くなって身寄りが亡くなった子を$400で売り飛ばすところから話が始まります。
樹里さん扮するドロシーは、そんなホテル・プリシラにうっかり迷い込んできた、「世間知らずな田舎のお嬢さん」。ただし女優志望。
これまた、1920年代だけど最先端ではなく少しクラシカルな、膝が隠れるスカートでに身を包んで、イライザみたいな(←意味不不明)縦ロール…
初日は登場しただけで爆笑だったそうですね(^o^)。
私が観た日はそんなこともなくて、私は一人で笑いをこらえるのに必死でした(大笑)。
でも今回、一番驚いたのはその扮装ではなく(←当たり前だ)、その、声。
先月のミュージカル・ガラ・コンサートからわずか一ヶ月半。
たったそれだけで、あんなに劇的に声が変わるとは!
あの時、出ることは出たけどあんなに不安定だった頭声が、信じられないほど見事に響いてくれて。ちょっと厚みのあるメゾの声。
岡幸二郎さんとのデュエットなんてもう最高でした!!いつまでも聴いていたかった(涙)。
その岡さんは、リカさんミリーに面接『される』ハンサムな社長さん。
ミリーはすっかり「私の婚約者」扱いされるのですが、全く気が付かない鈍感な仕事中毒。
ちょっと意外なキャラクターで、ラストも意外なところに落ち着くのですが。
ネタバレは後に取っておいて。
とりあえずは、岡さんのクラシカルな美声を、久しぶりなくらいうっとりと堪能できますよとだけ書いておきます♪
…っていうか、あのキャラは私の一番好きな“岡幸二郎”だったりします(幸)。
対する川崎麻世さんは。
ちょっとうさんくさい、神出鬼没のフリーター(?)青年。
実は大歌手のマジー(今陽子)と親しかったり、ドロシーとも以前からの知り合いっぽかったり、と謎の多い男ですが、とりあえず2枚目で、でも社長(ボス)じゃないからミリーの恋の対象にはならない。
そんな存在。
私は麻世さんってレ・ミゼラブルのジャベールを観るまであまり良い印象を持っていなかったのですが。
ジャベールは良かったんですよね、切れ者で。歌も、声が合っていて良かったですし。
その後も何度か拝見していますが、良い俳優さんだなーと思って観てきました。
そして、今回。
すっげー、かっこよかったです♪(^ ^)
なんというか、あの“うさんくささ”がいいんですよ!
まっとうな「美青年」ではない(もうそういうお年でもありませんし)、ちょっと嘘のある、でも誠実な役柄が、とってもよくお似合いで。
背中がイロっぽくて、リカさんとのバランスも良くて。
久々の麻世さんでしたが、とってもステキでした♪
まぁ、濃い人だらけのこのキャストの中で、リカさんのミリーと麻世さんのジミーだけが「まとも」な人生を歩もうとしている人間なので。
どうしても印象としてはミセス・ミアースとか樹里ちゃんのドロシーとか岡さんの社長とかが目立ってしまうのですが…
やっぱり、「まとも」な二人を主役にしないと話がまとまらないんですよね。
そして、「おかしな」人に囲まれた「まとも」な主役を演じるには、よほど圧倒的な「華」ないと本当に無理なんですね…。
ミセス・ミアースにしても、ドロシーにしても、社長にしても、キャラクターがものすごーく立っているだけに「見せ場」もはっきりしていて、そこで全てを持って行けるのですが。
ミリーとジミーは、それなりに見せ場はたくさんあるけれども、キャラクターがそこまで強烈ではないので、「全てをかっ浚う」感じにはならないんです。
でも、リカさんも麻世さんも、さすがに大劇場の座長を務めて来た人は違うな、という華がありましたね。
素直に凄い、と思いました。
2幕のリカさんのソロは、音域がちょっと合わないんで苦戦していらっしゃいましたが。
うーん、舶来ミュージカルは音域に自分を合わせないといけないので苦しいところですよね…。もうちょっとなので、がんばってほしいです!
あと、元劇団四季の誇るおじさん俳優、青山明さんが、ミセス・ミアースの悪事の手伝いをさせられている中国人の役で出演されていて。
彼が、最後の最後にすべてをさらっていってくれました。
四季を退団後初めて拝見しましたが、本当に良い味だしてくれて嬉しいです!
青山さんの弟役の西原純さんは、私は過去、一度だけストレートプレイで拝見したことがありますが、こんなに歌える方だとは露ほども思わず…!びっくりしました。
また兄弟そろって中国語のお上手なこと!青山さんは四季の中国公演とかにも行っていらっしゃるはずですが、西原さんはなんであんなに巧いんでしょうか。最初は(日本語全く話さない役なので)中国人キャストかと思いました(汗)。
中国服と帽子がメチャクチャお似合いで、小柄なのに動きのキレがよくて、相手役さんとのバランスも最高で(爆)、ホント良かったです。次の出演が楽しみ♪
ちなみに、27日の夜公演は、終了後に麻世さんと樹里ちゃんのトークショーがあるそうです。ご興味のある方は、ぜひ♪観てみてくださいませ♪後悔はさせませんぜ♪
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こんなに爽快な気分になったのは久しぶり!というくらい楽しい公演でした。
…なんだか最近、どっかの公演プロモーターの宣伝マンみたいだな私…。
でも、本当に楽しかったんですよ!!
まずはキャストから。
宝塚OGは、リカ(紫吹淳)さん・樹里(咲穂)さんのお二人。
あとは川崎麻世さん、岡幸二郎さん、前田美波里さんのミュージカルスターに、歌手兼女優の今陽子さん。そして、元劇団四季の青山明さん、木暮清貴さん、レ・ミゼラブルなどで大活躍の高谷あゆみさん、西原純さん他、総勢24名のキャストが綴る、オトナの夢物語。
こうして見ると感心するくらい、実力派のキャストを集めたなーという印象です。その中で、歌に限ってはどうしても元男役のリカさんは一歩下がってしまうのですが、やはり舞台の上での華は抜群でした。1920年代っぽい“モダン”な衣装がもの凄く似合って、やっぱこの人は人間じゃない…って感じ。
樹里ちゃん共々、あのキレイな脚を全開にして舞台を駆け回ってます。あの美脚だけでもチケット代の元が取れます(←おい)
作品も音楽も、何もかももちろん良かったのですが、
なんと言っても最高だったのは演出・振付のジョン・マクニーリーなのだと思います。
モダン・ミリーのオリジナルブロードウェイ版でトニーの振付賞を獲ったRob Ashford本人は参加していませんが、マクニーリー自身、他作品で何度もノミネートされている実力派。しかも、モダン・ミリーは全米ツアー版から入っているから、作品理解も十分。
加えて、日本キャストの理解が素晴らしい!これはプロデューサーとの意思疎通がはかれていたおかげでしょうね。芝居の細かいところまで演出が行き届いていて、本当に良くできていました。
…ま、このスタッフとキャスティングなら、もう安心、って感じですよね(笑)。
2002年のトニー賞ミュージカル作品賞を獲得した「モダン・ミリー」。「マンマ・ミーア」や、脚本・演出・スコア賞を獲った「ユーリンタウン」を抑えての受賞でした。
ストーリー的には、シンプルな「A Boy Meets a Girl」系…とは言えませんね。
…「A Girl Dreams a Boy」とでもいいましょうか。
『玉の輿』=『ボスとの結婚』を夢見て面接を繰り返す、NYに出てきたばかりの田舎娘(テキサスだったかな…)、ミリー。
まず、この「あたしがボスを面接するのよ!」という意外性でまず笑えます。
リカさんが、あの丸顔にぱっつりボブで可愛らしく、キュートに、1920年代らしい“モダン”なファッション(モチロン膝上!)で歩くだけで、もうステキっ!!俺も面接してっ!!…って感じ(←オヤジすぎるよ自分)。
で、女性専用の貧乏下宿屋(というかウィークリーホテル?)“ホテル・プリシラ”のおかみ、ミセス・ミアースの前田美波里。
この役は、2002年のトニー賞の助演女優賞(ハリエット・ハリス)を獲った役ですが、ものすごーーーーく印象的な役でした。ビバリさんもすっごい楽しそうに(え?)演じていらっしゃいました(笑)。メークも何もかも、怖いのなんの。チラシのメークなんてごくごく普通の「ちょっと化粧が派手目な奥さん」って感じですが、まさに「悪魔メーク」。そのまま聖鬼魔IIと一緒にライブやって欲しい感じでした(爆笑)。
この人は、田舎からやってきた純真な女の子を格安で泊めてあげる替わりに、身寄りがないことが判った子はとっとと香港だかどこだかへ売り飛ばすという特別ルートの持ち主。
お父さんが亡くなって身寄りが亡くなった子を$400で売り飛ばすところから話が始まります。
樹里さん扮するドロシーは、そんなホテル・プリシラにうっかり迷い込んできた、「世間知らずな田舎のお嬢さん」。ただし女優志望。
これまた、1920年代だけど最先端ではなく少しクラシカルな、膝が隠れるスカートでに身を包んで、イライザみたいな(←意味不不明)縦ロール…
初日は登場しただけで爆笑だったそうですね(^o^)。
私が観た日はそんなこともなくて、私は一人で笑いをこらえるのに必死でした(大笑)。
でも今回、一番驚いたのはその扮装ではなく(←当たり前だ)、その、声。
先月のミュージカル・ガラ・コンサートからわずか一ヶ月半。
たったそれだけで、あんなに劇的に声が変わるとは!
あの時、出ることは出たけどあんなに不安定だった頭声が、信じられないほど見事に響いてくれて。ちょっと厚みのあるメゾの声。
岡幸二郎さんとのデュエットなんてもう最高でした!!いつまでも聴いていたかった(涙)。
その岡さんは、リカさんミリーに面接『される』ハンサムな社長さん。
ミリーはすっかり「私の婚約者」扱いされるのですが、全く気が付かない鈍感な仕事中毒。
ちょっと意外なキャラクターで、ラストも意外なところに落ち着くのですが。
ネタバレは後に取っておいて。
とりあえずは、岡さんのクラシカルな美声を、久しぶりなくらいうっとりと堪能できますよとだけ書いておきます♪
…っていうか、あのキャラは私の一番好きな“岡幸二郎”だったりします(幸)。
対する川崎麻世さんは。
ちょっとうさんくさい、神出鬼没のフリーター(?)青年。
実は大歌手のマジー(今陽子)と親しかったり、ドロシーとも以前からの知り合いっぽかったり、と謎の多い男ですが、とりあえず2枚目で、でも社長(ボス)じゃないからミリーの恋の対象にはならない。
そんな存在。
私は麻世さんってレ・ミゼラブルのジャベールを観るまであまり良い印象を持っていなかったのですが。
ジャベールは良かったんですよね、切れ者で。歌も、声が合っていて良かったですし。
その後も何度か拝見していますが、良い俳優さんだなーと思って観てきました。
そして、今回。
すっげー、かっこよかったです♪(^ ^)
なんというか、あの“うさんくささ”がいいんですよ!
まっとうな「美青年」ではない(もうそういうお年でもありませんし)、ちょっと嘘のある、でも誠実な役柄が、とってもよくお似合いで。
背中がイロっぽくて、リカさんとのバランスも良くて。
久々の麻世さんでしたが、とってもステキでした♪
まぁ、濃い人だらけのこのキャストの中で、リカさんのミリーと麻世さんのジミーだけが「まとも」な人生を歩もうとしている人間なので。
どうしても印象としてはミセス・ミアースとか樹里ちゃんのドロシーとか岡さんの社長とかが目立ってしまうのですが…
やっぱり、「まとも」な二人を主役にしないと話がまとまらないんですよね。
そして、「おかしな」人に囲まれた「まとも」な主役を演じるには、よほど圧倒的な「華」ないと本当に無理なんですね…。
ミセス・ミアースにしても、ドロシーにしても、社長にしても、キャラクターがものすごーく立っているだけに「見せ場」もはっきりしていて、そこで全てを持って行けるのですが。
ミリーとジミーは、それなりに見せ場はたくさんあるけれども、キャラクターがそこまで強烈ではないので、「全てをかっ浚う」感じにはならないんです。
でも、リカさんも麻世さんも、さすがに大劇場の座長を務めて来た人は違うな、という華がありましたね。
素直に凄い、と思いました。
2幕のリカさんのソロは、音域がちょっと合わないんで苦戦していらっしゃいましたが。
うーん、舶来ミュージカルは音域に自分を合わせないといけないので苦しいところですよね…。もうちょっとなので、がんばってほしいです!
あと、元劇団四季の誇るおじさん俳優、青山明さんが、ミセス・ミアースの悪事の手伝いをさせられている中国人の役で出演されていて。
彼が、最後の最後にすべてをさらっていってくれました。
四季を退団後初めて拝見しましたが、本当に良い味だしてくれて嬉しいです!
青山さんの弟役の西原純さんは、私は過去、一度だけストレートプレイで拝見したことがありますが、こんなに歌える方だとは露ほども思わず…!びっくりしました。
また兄弟そろって中国語のお上手なこと!青山さんは四季の中国公演とかにも行っていらっしゃるはずですが、西原さんはなんであんなに巧いんでしょうか。最初は(日本語全く話さない役なので)中国人キャストかと思いました(汗)。
中国服と帽子がメチャクチャお似合いで、小柄なのに動きのキレがよくて、相手役さんとのバランスも最高で(爆)、ホント良かったです。次の出演が楽しみ♪
ちなみに、27日の夜公演は、終了後に麻世さんと樹里ちゃんのトークショーがあるそうです。ご興味のある方は、ぜひ♪観てみてくださいませ♪後悔はさせませんぜ♪
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日生劇場「ジキル&ハイド」。
もっと早く書くつもりだったのですが、なかなかまとまらなくて…この週末で東京公演は終わってしまうので(^ ^;ゞ、その前に。
先週のアフタートークの内容も併せて書くつもりだったのですが。
…あまりにも長くなってしまったので、アフタートークは別途書きますね(今更ですが…もう誰も待っててくれないでしょうけれども/涙)。
作品については初日に書きましたので。
今回は、観劇しての感想を…ということで、どうしてもキャスト寄りの話になってしまうのですが。
ご不快になる方もいらっしゃると思います。ごめんなさいm(_ _)m。
まず、私はこの作品、日本版の再演・再々演は、スケジュールが合わなくて観られなかったのですが…。
というか。
今だから正直に言いますが、「スケジュールを無理してまで観よう」とは思わなかったのですが(T T)。
日本版の初演を観て、感動したのはアンサンブルのみでした(涙)。
4月6日の日記にも書きましたが、元々音楽的にもワイルドホーンの音楽はコーラスが魅力ですし、また初演のアンサンブルメンバーは、キャスティングディレクター(誰だか知りませんが)がメインキャストの鬱憤(←言いすぎ)をアンサンブルではらしたんじゃないかと思うほど凄いメンバーで、本当に涙が出るほど素晴らしかったのですが。
タイトルロールの鹿賀丈史さんは、ハイドはとても良かったのですが、ジキルとしては受け入れがたくて。
エマの茂森あゆみさんは、声はキレイだけど、それだけ(涙)。
ルーシィ役で賞も獲ったマルシアさんは、日本語の発音もミュージカルの発声もまだまだ。芝居は悪くなかったけどちょっと空回り気味。
アターソンの段田さんは…ごめんなさい。ワイルドホーンの歌って、素晴らしいだけに難しいんです(涙)。役者としては素晴らしい方で私も大好きですが(遊眠社時代からずーっと観てますので)…
アターソンって、芝居がメインの役でソロ歌もないんですけど、やっぱりもう少し歌える人だったらなぁ…と思ったことは否めません。
…あ、でも、ダンヴァース卿の浜畑さんは初演から素晴らしかったです!忘れるな自分!
ごめんなさいm(_ _)m。
…初演は、作品というか音楽が本当に好きだったので、たぶん3回くらい観たと思うのですが。(というか、観る前にチケット取っていた)
再演・再々演ではエマとアターソンが変わって、また雰囲気は違ったのでしょうけれども。
無理して時間を作るだけの意欲が取り戻せないまま、楽日を迎えてしまったのでした…(涙)。
なので。
今公演の一番の注目は、前回公演で評判の良かったエマの鈴木蘭々さんと、アターソンの戸井勝海さん。
そして。
マルシアの成長ぶりに涙が出ました。
台詞は、ずいぶん聞けるようになったとはいえ、普通に「ジャパゆきさん」(←舞台は19世紀末のロンドンだってば)が慣れない異国で苦労している、という印象ではありましたが、
歌がね、全然違うんです。
ちゃんと「ミュージカル歌唱」になっていた。
そのうえで、しっかり芝居として成立させてくれていました。
それが、一番嬉しかったです。
私がこの作品の中で一番好きな曲は、2幕でハイドとルーシィが「どん底」で歌う色っぽいデュエット「Dangerous Game」。
そこが。
初演は「二人」で動きと歌の息を合わせることで精一杯、だった…
なのに、さすがは4演目。
お二人とも、息ぴったり!完璧!だった。
…幸せでした。
マルシアは、29日の日生楽が本当の千秋楽。
この後の梅田&中日公演は、香寿たつきさんがルーシィ役です。
たーたんのルーシィ、色っぽい娼婦の役…
…まったく想像がつかない…。
エマ役の鈴木蘭々さん。
台詞の声が独特で、面白いキャラクターだな、と思いました。
私は「ユーリンタウン」と「キレイ〜神様と待ち合わせした女」で拝見したのですが、あの声、実はかなり好きなんです…。
歌は、デュエットは良かったのですが「Once Upon a Dream」(2幕、ジキルの研究室で歌うソロ)がヘロヘロだったのが残念!あと、歌うときに腹の前に腕を組んでブレスに合わせて上下に動かすのが…見るまいとしてもどうしても目に入っちゃって、気になりました。
芝居自体は悪くなかったと思うのですが、あの腕の動きでどうしても「歌」と「芝居」が切れてしまうんですよね(涙)。もったいない癖だと思います。
戸井さんのアターソンは、そりゃー歌は良かったですよ、はい。
再演の池田成志さん、再々演の石川禅さんを観ていないので(←ごめんなさい)、まったく別次元なのですが。
キャラクターも、レ・ミゼのアンサンブル時代に培ったスケベっぷりと生真面目さの裏表、ジキル博士なんぞよりよっぽど二重人格じゃないのコイツ、ってくらいの変わりようで(^ ^)。面白かったです。
段田さんは、もう少し年齢的にも立場的にも上めな感じで、目上からヘンリー(ジキル)を見守り、心配するというスタンスだったように見えたのですが、戸井さんは「同じ目線」での友情、って奴を真正面から出していたと思います。
そういう解釈なんでしょうね、きっと。
実際の立場では、戸井さんから見たら鹿賀さんなんて雲の上なんじゃないかと思うのですが(苦)、そこはさすがに役者同士、対等の立場でやり合っていらしたと思います。
鹿賀さんのジキル/ハイド。
4演目になる今回は、かなり「尊大で傲慢で、人を人とも思わない、自分を恃むこと大な、早熟の天才タイプ」でした。
でも、エマの前でだけは素直になれる。
これはたぶん、「エマが若くて真っ直ぐ」だから、なのだと思いました。エマは若くて、幼くて、最初からヘンリー(ジキル)を「憧れの眼」で見ているんです。ダンヴァース卿が才能を認めた研究者だから、「私にはよくわからないけど、きっと素晴らしい才能があるんだわ」という、ある意味幸せな思い込み。
それが、なかなか「認知」されない研究を続けるヘンリーにとって唯一の救いとなる。
ブロードウェイ版を観た時の印象では、ヘンリーとエマは対等か、もしかしたらエマの方が年上?という感じだったんですよね。歌声にも包容力があって、とても魅力的なエマでした。
日本版の初演が受け入れられなかったのは、その印象が強かったせいもあると思うのですが(ごめんなさい)、ヘンリー役の鹿賀さんが「ミュージカル界の大御所」であり、完全に「座長」であったために、どうしてもヘンリーに比べてエマを「小娘」がやらざるをえなくなってしまう。
そこを、演出がフォローしきれていなかったのだと思います。
でも今回、蘭々さんのエマは。
上手い、とは言いません。特に歌は、上にも書きましたけど、もう一息伸びてほしい。
でも、演出の要求するキャラクターには合っているのだと思いました。
「ヘンリーを信じる」ことを貫く、幼くて純粋な“美少女”。
アリスの生意気さでビーコンズフィールドのおばさまに反論し、自分の信じたものに盲目で、それ以外のものをきっぱり捨てる強さが魅力的な娘。
たぶん彼女自身も、「上流社会」の中で微妙に“浮いた”存在だったんだろうな、と、
そんなことを想像させる存在感でした。
独特の声と、たたずまい。
それだけを武器に、19世紀末のロンドン社交界に闘いを挑む勝利の女神…というには貫禄が足りませんが(汗)、まぁヘンリーはそう思っていたんじゃないかな、と。
いちおう、意図してそういう演出になっていたのだと思います。
(思いたいです…)
そしてヘンリーは、薬を飲む。
「精神の異常は遺伝する」と思われていた時代。父が精神に異常をきたしているということは、いずれは自分も、という恐怖。それは、ただの恐怖ではなく、事実に基づく、物質的な「恐怖」となりうる。
精神治療の特効薬を開発することで、この恐怖から逃れるため、
自分を見下す人々を見返すため、
自分自身の名誉のため、
そして、自分を信じる人々(=愛する人々)を喜ばせるため、
そして大義名分としてはもちろん父親を救うために、
ヘンリーはどうしても「実績」を必要とする。
そして、その「実績」が、「他人」でなくてはいけないという理屈はないことに気づいたときに。
彼は、自分の中の「エドワード・ハイド」と出会う。
「First Transformation」〜「Alive」にかけての「変貌」シーン。初めて姿を現したハイドは、「自由だ!」と叫びます。
「良心」という鎖を断ち切った「尊大な暴君」は、今までの抑圧を糧とするかのように、「ヘンリーが」憎んだ人間を殺していく。
ヘンリーは、彼らを「高尚な研究を理解できぬ愚かな人間」と蔑んでいるので、いくら妨害されても殺したりしない。社会的良心だけではなく、自分自身のプライドにも邪魔されるから。
でも、ハイドにはその邪魔が入らない。
良心とプライドはどちらもジキル側。
ハイド側に残ったのは、ある意味一番「人間的な」、いえ、原始的な欲望のみ。
ヘンリーは「禅善と悪」を切り離す薬を作ったつもりだった。
でも完成した薬は、精神の「文明的」な部分と「本能的」な部分をわける薬だったのではないでしょうか?
19世紀末という時代の、新教国であるイギリスにおいて。
「文明的」=「善」、「本能的」=「悪」という図式が真実であったのかもしれませんが…。
だから、ハイドは現代的な意味での「悪意」の象徴ではないのだと思うのです。もっと子供っぽい「欲望」の象徴。
欲しいものは欲しいから、奪う。
憎い奴は憎いから、二度と見なくてすむように殺す。
それだけの存在。
で、また話が飛ぶんですけれども(毎回すみません)、
小野不由美さんの「魔性の子」という小説に、これと良く似た状況の物語があります。
主人公の少年を抑圧(苛めたり怪我をさせたり)すると、少年自身のあずかり知らないところで、非現実的としか思えない制裁を受ける。なぜそんなことが起きるのか、少年に「普通」の生活を送らせてやることはできるのか、といったことを主題としたストーリーなのですが…
まぁ、ヘンリーは比較的早い時期にハイドの正体に気づいて、自分で解決策(新薬)を開発するわけですから、物語の展開はまったく違いますし、勿論最後の結末もまったく違うのですが、
「自分の知らないところで、自分のための殺人が行われる」という発端だけは、良く似ているなぁ、と。
ヘンリーがそれを知ったときの衝撃。
「なぜだ?俺はそんなこと望んではいない!」という叫び。
それを作品の中で明示的に表現する場面は無いのですが、2幕でエマが研究室に訪ねてくる場面でのヘンリーが痛々しいのは、それを秘めているからなのかも、と今回思ったのでした。
そして。
この場面でヘンリーを苦しめたことが、最後の場面で、再びハイドに戻ってしまったときにエマを襲うひとつの理由なんじゃないか、と。
…「魔性の子」にも、主人公の少年への「愛のムチ」として叱っただけの人が、少年自身はその愛情を理解しているにも関わらず厳しい制裁を受ける、という場面があるのですが。
こういう「愛しているゆえに苦しめる」という“よくあるシチュエーション”を、「故意の苛め」と区別するポイントは何か、という難しい問題を出してきたな、と、
…たぶん、思い込みの考えすぎなんでしょうけれども、
そんなことを思ったりしたのでした…。
そんなハイドが、唯一執着する女・ルーシィ。
たぶん、なんらかの夢をみて日本ロンドンにきたんですよね、彼女は。
たぶんフィリピンモロッコあたりから(←また適当なことを)。
彼女は、この作品において、ハイドに捧げられる哀れな生贄として存在しています。
エマが決して受け入れることのない、それゆえにヘンリーは決して望むことの無い、
人間の本能としての嗜虐-被虐の関係。
傷つけることで自分の支配欲を満足させるハイド。
傷つけられることで支配される快感に酔うルーシィ。
2幕の「どん底」で。
ハイドの姿を見ただけで悲鳴をあげるほど怯えているルーシィが、ハイドの手が背中に触れた瞬間、硬直して、そして、
恍惚の表情を浮かべる。
怖い。
何をされるか判らない恐怖。
自分がどうなってしまうか解らない恐怖。
…怖い。
だけど、
忘れられない。
逃れられない。
ならば、酔ってしまえばいい。
受け入れてしまえば、怖くない。
恐怖を快感にすりかえる。
ほら、
もう、
…怖く、ない…
緊張の限界に達した精神が、どこまで耐えられるか、
希んで受け入れる苦痛、
それが「危険なゲーム」の真髄。
もしかしたら、無意識のどこか奥深くで、それがジキル博士本人であることに気づいているからなのかもしれない…
2幕終盤、ルーシィの部屋。
アターソンに「すぐにロンドンから出るように」と言われ、ジキル博士からの手紙を読んで、「A New Life」…文字通り「新しい生活」を夢見るルーシィは。
モロッコ(←だから違うってば)に帰ってやりなおすの!ではなくて、もう一度、あきらめた夢に挑戦してみよう、という「新しさ」のような気がしました。
そして、そばにはジキルがいる。ジキルがそばにいてくれるような自分になれる。きっと、そうよ、そんな新しい人生!
そんな、賛歌。
ジキルは、アターソンに「奴はルーシィを殺すかもしれない…」と打ち明け、ルーシィにロンドンから出るよう伝えることを依頼する。
ここってずっと謎だったんです。
なぜハイドはルーシィを殺すんだろう、と。
だってハイドは、それまでヘンリーの“愛する人”に手を出したことはないのに。
でも、今回観て、もしかしたら違うのかもしれない、と思ったのです。
ヘンリーは、ハイドがルーシィに執着していることを知っている。
そして、ハイドにとって「執着」=「殺意」だと思い込んでいた。
でも、ハイドにとってのルーシィは、「愛」の対象だったのではないでしょうか。
…まぁ、ちょっと原始的な、「子供の愛」ですけれども。
愛していた。
いえ、必要としていた、の方が近いかな?
いずれにせよ、部屋に行った時点で殺意があったのではないのではないか。
(苦痛を与えるつもりはあったかもだけど←酷っ)
ハイドが実際にルーシィを殺す動機は、
「奴にあって俺にないものはなんだ!?」という問いかけに対するルーシィの答え「あの人はやさしくしてくれたわ…」にあるのではないか、と。
その答えを聞いた瞬間、表情が凍りついてすっごい怖かったんです…(T
T)
ハイドが本気でルーシィに「当たり前の恋人が欲しがるもの」を求めたとは考えにくいけど、「現実世界」で、ハイドとある程度親密な関わりを持ったのはルーシィただ一人だったので、彼女の歓心はハイドにとって全世界にも等しかったのかもしれないな、とは思うのです。
で、「本能」の象徴であるハイドは、自分よりもジキル(自分を切り捨てようとする半身)を欲しがるルーシィを見てカァッとなったら、その衝動を止めることができない。止めるための手段(良心とか保身とか)を持っていないんですから。
そして、その衝動のままに彼女を手にかける。
そして、彼女を喪った衝撃でジキルに戻ってしまう…。
なんだか、こうやって色々理屈を(無理矢理ですが)つけてみると、実は哀れな存在なんですね、ハイドって…
だって、ハイドはヘンリーの活動(薬の開発)の邪魔もしないんですよ。薬屋も殺さないし、ノートも捨てない。
自分を消す薬を作っているのだと知らないはずはないのに。
…ヘンリーの活動はいっさい邪魔しないんです。“敵”を片付けているだけ。
なのにヘンリーには忌み嫌われ、誰も愛してくれない。
…哀れな存在…。
えーっと。
この後の「Confrontation(対決)」の場面は。
すみません。ここだけは日本版の演出も鹿賀さんの歌唱もどうしても受け入れられないので…(涙/だって鹿賀さん、最初から最後までハイドの声のままなんだもん!)。
…あれって、作品を観たことのない人でもあの場面だけは知ってる、ってくらい有名かつ「Jekyl & Hyde」という作品の象徴的な演出だと思うのですが…何か契約の関係とかで使わせてもらえなかったのでしょうか…?あっちこっちのパロディで散々使われている演出で、今更っちゅー気もするんですけどねぇ…(T T)
何年ぶりかでこの作品を観て、一番驚いたのは、ラストシーン。
あれ?場面の絵面が、宝塚版「ファントム」のラストシーンにそっくりだよ…?
というか、こっちの方が先なので。
「ファントム」のラストがこれにそっくりなのですけれども。
舞台センターに、「異形」の主役と、彼を抱きかかえる花嫁。
息をひきとった彼を抱いて、ヒロインが周りを見回す。
キッと、にらむように。
彼と自分の敵を、確認するかのように。
そして、そっと彼にキスをする。
舞台上手には、銃をもって主役を撃った、主役を「愛する」男。
彼は、「異形」の主役を守ろうとして失敗し、主役自身から「自分を殺すこと」を要求されて、一度は拒否するけれども、最後には希望を叶えてあげる。
…一緒じゃんっ!!!
もとい。
アターソンとキャリエール。
この二人には、大きな差があります。
キャリエールはエリック(=ファントム)をこの世に生み出したことに責任がある。
だから、エリック自身が死を望むなら、それを与えてやるのも責任のうち(自殺はできないから)。
だから、殺人の罪も、その悔恨も、彼自身が背負っていかなくてはならない十字架なのです。
アターソンには、その責任はないんですよ。
ハイドが生まれたのは、ヘンリー自身に責任があるわけで。
本来はヘンリー自身が始末をつけなくちゃいけない。
でも、ハイドはアターソンにその行為を依頼する。
「俺を自由にしてくれ」と。
「自由だ!」と産声をあげた彼は、死への旅路もそう表現する。
それとも、あれはハイドの声を使ったジキルの本心なのでしょうか…?
アターソンは、一度は断る。「できない」と。
だから、ハイド(ヘンリー)はもう一度エマに手を出す。
アターソンにもわかっていたはずなのに、
ハイド(ヘンリー)にエマは殺せない、と
なのに、アターソンはハイドの望みを叶える。
それが彼自身にとっても地獄への道だと知っていながら…
「自殺」できないキリスト教徒にとって、自分が「異形」であることを自覚したら、もう「殺してもらう」ことしかできないのでしょうか。
そして、その希望をかなえた人間は、その罪を背負って神の前に出ることになるんですね…。
それでも、彼の苦しみを取り去ってあげたい、とアターソンは思う。
友情、愛情、それら、ハイドが希んで、どうしても得られなかったもの。
そして、エマは最期にキスを与える。
愛、と、赦し。
その、証として。
この物語が幕を降ろした後、エマとアターソンはどんな人生を歩むのかな、というのがちょっと気になりました。
特に、アターソン。
彼は幸せになれるのかな…。
もともとゴチックホラーの小説が原作なので、そこまで想像しなくていいんですけど(^ ^;、つい習慣でいろいろ考えてしまうのでした…。
なにはともあれ。
日生劇場2階席は、音響良いし、価格は安いし、お勧めです♪
ちなみに。宝塚ファンとして付記。
1幕中盤、バー「どん底」の娼婦たちの登場は、
1階のセンター(階段の下)から登場するのが茜ちゃん、2階の下手側の窓がソン(秋園美緒)ちゃん。
2幕冒頭、「Murder!Murder!」のアンサンブル。
黄色のショールを巻いて最初の女性ソロを歌うのが茜ちゃん、ピンクのショールがソンちゃんです♪
役者が少ないので、アンサンブルの場面には基本的に全部出ているはず。宝塚と違って舞台が全体的に暗いので、見落とさないように探してみてください♪
.
もっと早く書くつもりだったのですが、なかなかまとまらなくて…この週末で東京公演は終わってしまうので(^ ^;ゞ、その前に。
先週のアフタートークの内容も併せて書くつもりだったのですが。
…あまりにも長くなってしまったので、アフタートークは別途書きますね(今更ですが…もう誰も待っててくれないでしょうけれども/涙)。
作品については初日に書きましたので。
今回は、観劇しての感想を…ということで、どうしてもキャスト寄りの話になってしまうのですが。
ご不快になる方もいらっしゃると思います。ごめんなさいm(_ _)m。
まず、私はこの作品、日本版の再演・再々演は、スケジュールが合わなくて観られなかったのですが…。
というか。
今だから正直に言いますが、「スケジュールを無理してまで観よう」とは思わなかったのですが(T T)。
日本版の初演を観て、感動したのはアンサンブルのみでした(涙)。
4月6日の日記にも書きましたが、元々音楽的にもワイルドホーンの音楽はコーラスが魅力ですし、また初演のアンサンブルメンバーは、キャスティングディレクター(誰だか知りませんが)がメインキャストの鬱憤(←言いすぎ)をアンサンブルではらしたんじゃないかと思うほど凄いメンバーで、本当に涙が出るほど素晴らしかったのですが。
タイトルロールの鹿賀丈史さんは、ハイドはとても良かったのですが、ジキルとしては受け入れがたくて。
エマの茂森あゆみさんは、声はキレイだけど、それだけ(涙)。
ルーシィ役で賞も獲ったマルシアさんは、日本語の発音もミュージカルの発声もまだまだ。芝居は悪くなかったけどちょっと空回り気味。
アターソンの段田さんは…ごめんなさい。ワイルドホーンの歌って、素晴らしいだけに難しいんです(涙)。役者としては素晴らしい方で私も大好きですが(遊眠社時代からずーっと観てますので)…
アターソンって、芝居がメインの役でソロ歌もないんですけど、やっぱりもう少し歌える人だったらなぁ…と思ったことは否めません。
…あ、でも、ダンヴァース卿の浜畑さんは初演から素晴らしかったです!忘れるな自分!
ごめんなさいm(_ _)m。
…初演は、作品というか音楽が本当に好きだったので、たぶん3回くらい観たと思うのですが。(というか、観る前にチケット取っていた)
再演・再々演ではエマとアターソンが変わって、また雰囲気は違ったのでしょうけれども。
無理して時間を作るだけの意欲が取り戻せないまま、楽日を迎えてしまったのでした…(涙)。
なので。
今公演の一番の注目は、前回公演で評判の良かったエマの鈴木蘭々さんと、アターソンの戸井勝海さん。
そして。
マルシアの成長ぶりに涙が出ました。
台詞は、ずいぶん聞けるようになったとはいえ、普通に「ジャパゆきさん」(←舞台は19世紀末のロンドンだってば)が慣れない異国で苦労している、という印象ではありましたが、
歌がね、全然違うんです。
ちゃんと「ミュージカル歌唱」になっていた。
そのうえで、しっかり芝居として成立させてくれていました。
それが、一番嬉しかったです。
私がこの作品の中で一番好きな曲は、2幕でハイドとルーシィが「どん底」で歌う色っぽいデュエット「Dangerous Game」。
そこが。
初演は「二人」で動きと歌の息を合わせることで精一杯、だった…
なのに、さすがは4演目。
お二人とも、息ぴったり!完璧!だった。
…幸せでした。
マルシアは、29日の日生楽が本当の千秋楽。
この後の梅田&中日公演は、香寿たつきさんがルーシィ役です。
たーたんのルーシィ、色っぽい娼婦の役…
…まったく想像がつかない…。
エマ役の鈴木蘭々さん。
台詞の声が独特で、面白いキャラクターだな、と思いました。
私は「ユーリンタウン」と「キレイ〜神様と待ち合わせした女」で拝見したのですが、あの声、実はかなり好きなんです…。
歌は、デュエットは良かったのですが「Once Upon a Dream」(2幕、ジキルの研究室で歌うソロ)がヘロヘロだったのが残念!あと、歌うときに腹の前に腕を組んでブレスに合わせて上下に動かすのが…見るまいとしてもどうしても目に入っちゃって、気になりました。
芝居自体は悪くなかったと思うのですが、あの腕の動きでどうしても「歌」と「芝居」が切れてしまうんですよね(涙)。もったいない癖だと思います。
戸井さんのアターソンは、そりゃー歌は良かったですよ、はい。
再演の池田成志さん、再々演の石川禅さんを観ていないので(←ごめんなさい)、まったく別次元なのですが。
キャラクターも、レ・ミゼのアンサンブル時代に培ったスケベっぷりと生真面目さの裏表、ジキル博士なんぞよりよっぽど二重人格じゃないのコイツ、ってくらいの変わりようで(^ ^)。面白かったです。
段田さんは、もう少し年齢的にも立場的にも上めな感じで、目上からヘンリー(ジキル)を見守り、心配するというスタンスだったように見えたのですが、戸井さんは「同じ目線」での友情、って奴を真正面から出していたと思います。
そういう解釈なんでしょうね、きっと。
実際の立場では、戸井さんから見たら鹿賀さんなんて雲の上なんじゃないかと思うのですが(苦)、そこはさすがに役者同士、対等の立場でやり合っていらしたと思います。
鹿賀さんのジキル/ハイド。
4演目になる今回は、かなり「尊大で傲慢で、人を人とも思わない、自分を恃むこと大な、早熟の天才タイプ」でした。
でも、エマの前でだけは素直になれる。
これはたぶん、「エマが若くて真っ直ぐ」だから、なのだと思いました。エマは若くて、幼くて、最初からヘンリー(ジキル)を「憧れの眼」で見ているんです。ダンヴァース卿が才能を認めた研究者だから、「私にはよくわからないけど、きっと素晴らしい才能があるんだわ」という、ある意味幸せな思い込み。
それが、なかなか「認知」されない研究を続けるヘンリーにとって唯一の救いとなる。
ブロードウェイ版を観た時の印象では、ヘンリーとエマは対等か、もしかしたらエマの方が年上?という感じだったんですよね。歌声にも包容力があって、とても魅力的なエマでした。
日本版の初演が受け入れられなかったのは、その印象が強かったせいもあると思うのですが(ごめんなさい)、ヘンリー役の鹿賀さんが「ミュージカル界の大御所」であり、完全に「座長」であったために、どうしてもヘンリーに比べてエマを「小娘」がやらざるをえなくなってしまう。
そこを、演出がフォローしきれていなかったのだと思います。
でも今回、蘭々さんのエマは。
上手い、とは言いません。特に歌は、上にも書きましたけど、もう一息伸びてほしい。
でも、演出の要求するキャラクターには合っているのだと思いました。
「ヘンリーを信じる」ことを貫く、幼くて純粋な“美少女”。
アリスの生意気さでビーコンズフィールドのおばさまに反論し、自分の信じたものに盲目で、それ以外のものをきっぱり捨てる強さが魅力的な娘。
たぶん彼女自身も、「上流社会」の中で微妙に“浮いた”存在だったんだろうな、と、
そんなことを想像させる存在感でした。
独特の声と、たたずまい。
それだけを武器に、19世紀末のロンドン社交界に闘いを挑む勝利の女神…というには貫禄が足りませんが(汗)、まぁヘンリーはそう思っていたんじゃないかな、と。
いちおう、意図してそういう演出になっていたのだと思います。
(思いたいです…)
そしてヘンリーは、薬を飲む。
「精神の異常は遺伝する」と思われていた時代。父が精神に異常をきたしているということは、いずれは自分も、という恐怖。それは、ただの恐怖ではなく、事実に基づく、物質的な「恐怖」となりうる。
精神治療の特効薬を開発することで、この恐怖から逃れるため、
自分を見下す人々を見返すため、
自分自身の名誉のため、
そして、自分を信じる人々(=愛する人々)を喜ばせるため、
そして大義名分としてはもちろん父親を救うために、
ヘンリーはどうしても「実績」を必要とする。
そして、その「実績」が、「他人」でなくてはいけないという理屈はないことに気づいたときに。
彼は、自分の中の「エドワード・ハイド」と出会う。
「First Transformation」〜「Alive」にかけての「変貌」シーン。初めて姿を現したハイドは、「自由だ!」と叫びます。
「良心」という鎖を断ち切った「尊大な暴君」は、今までの抑圧を糧とするかのように、「ヘンリーが」憎んだ人間を殺していく。
ヘンリーは、彼らを「高尚な研究を理解できぬ愚かな人間」と蔑んでいるので、いくら妨害されても殺したりしない。社会的良心だけではなく、自分自身のプライドにも邪魔されるから。
でも、ハイドにはその邪魔が入らない。
良心とプライドはどちらもジキル側。
ハイド側に残ったのは、ある意味一番「人間的な」、いえ、原始的な欲望のみ。
ヘンリーは「
でも完成した薬は、精神の「文明的」な部分と「本能的」な部分をわける薬だったのではないでしょうか?
19世紀末という時代の、新教国であるイギリスにおいて。
「文明的」=「善」、「本能的」=「悪」という図式が真実であったのかもしれませんが…。
だから、ハイドは現代的な意味での「悪意」の象徴ではないのだと思うのです。もっと子供っぽい「欲望」の象徴。
欲しいものは欲しいから、奪う。
憎い奴は憎いから、二度と見なくてすむように殺す。
それだけの存在。
で、また話が飛ぶんですけれども(毎回すみません)、
小野不由美さんの「魔性の子」という小説に、これと良く似た状況の物語があります。
主人公の少年を抑圧(苛めたり怪我をさせたり)すると、少年自身のあずかり知らないところで、非現実的としか思えない制裁を受ける。なぜそんなことが起きるのか、少年に「普通」の生活を送らせてやることはできるのか、といったことを主題としたストーリーなのですが…
まぁ、ヘンリーは比較的早い時期にハイドの正体に気づいて、自分で解決策(新薬)を開発するわけですから、物語の展開はまったく違いますし、勿論最後の結末もまったく違うのですが、
「自分の知らないところで、自分のための殺人が行われる」という発端だけは、良く似ているなぁ、と。
ヘンリーがそれを知ったときの衝撃。
「なぜだ?俺はそんなこと望んではいない!」という叫び。
それを作品の中で明示的に表現する場面は無いのですが、2幕でエマが研究室に訪ねてくる場面でのヘンリーが痛々しいのは、それを秘めているからなのかも、と今回思ったのでした。
そして。
この場面でヘンリーを苦しめたことが、最後の場面で、再びハイドに戻ってしまったときにエマを襲うひとつの理由なんじゃないか、と。
…「魔性の子」にも、主人公の少年への「愛のムチ」として叱っただけの人が、少年自身はその愛情を理解しているにも関わらず厳しい制裁を受ける、という場面があるのですが。
こういう「愛しているゆえに苦しめる」という“よくあるシチュエーション”を、「故意の苛め」と区別するポイントは何か、という難しい問題を出してきたな、と、
…たぶん、思い込みの考えすぎなんでしょうけれども、
そんなことを思ったりしたのでした…。
そんなハイドが、唯一執着する女・ルーシィ。
たぶん、なんらかの夢をみて
たぶん
彼女は、この作品において、ハイドに捧げられる哀れな生贄として存在しています。
エマが決して受け入れることのない、それゆえにヘンリーは決して望むことの無い、
人間の本能としての嗜虐-被虐の関係。
傷つけることで自分の支配欲を満足させるハイド。
傷つけられることで支配される快感に酔うルーシィ。
2幕の「どん底」で。
ハイドの姿を見ただけで悲鳴をあげるほど怯えているルーシィが、ハイドの手が背中に触れた瞬間、硬直して、そして、
恍惚の表情を浮かべる。
怖い。
何をされるか判らない恐怖。
自分がどうなってしまうか解らない恐怖。
…怖い。
だけど、
忘れられない。
逃れられない。
ならば、酔ってしまえばいい。
受け入れてしまえば、怖くない。
恐怖を快感にすりかえる。
ほら、
もう、
…怖く、ない…
緊張の限界に達した精神が、どこまで耐えられるか、
希んで受け入れる苦痛、
それが「危険なゲーム」の真髄。
もしかしたら、無意識のどこか奥深くで、それがジキル博士本人であることに気づいているからなのかもしれない…
2幕終盤、ルーシィの部屋。
アターソンに「すぐにロンドンから出るように」と言われ、ジキル博士からの手紙を読んで、「A New Life」…文字通り「新しい生活」を夢見るルーシィは。
モロッコ(←だから違うってば)に帰ってやりなおすの!ではなくて、もう一度、あきらめた夢に挑戦してみよう、という「新しさ」のような気がしました。
そして、そばにはジキルがいる。ジキルがそばにいてくれるような自分になれる。きっと、そうよ、そんな新しい人生!
そんな、賛歌。
ジキルは、アターソンに「奴はルーシィを殺すかもしれない…」と打ち明け、ルーシィにロンドンから出るよう伝えることを依頼する。
ここってずっと謎だったんです。
なぜハイドはルーシィを殺すんだろう、と。
だってハイドは、それまでヘンリーの“愛する人”に手を出したことはないのに。
でも、今回観て、もしかしたら違うのかもしれない、と思ったのです。
ヘンリーは、ハイドがルーシィに執着していることを知っている。
そして、ハイドにとって「執着」=「殺意」だと思い込んでいた。
でも、ハイドにとってのルーシィは、「愛」の対象だったのではないでしょうか。
…まぁ、ちょっと原始的な、「子供の愛」ですけれども。
愛していた。
いえ、必要としていた、の方が近いかな?
いずれにせよ、部屋に行った時点で殺意があったのではないのではないか。
(苦痛を与えるつもりはあったかもだけど←酷っ)
ハイドが実際にルーシィを殺す動機は、
「奴にあって俺にないものはなんだ!?」という問いかけに対するルーシィの答え「あの人はやさしくしてくれたわ…」にあるのではないか、と。
その答えを聞いた瞬間、表情が凍りついてすっごい怖かったんです…(T
T)
ハイドが本気でルーシィに「当たり前の恋人が欲しがるもの」を求めたとは考えにくいけど、「現実世界」で、ハイドとある程度親密な関わりを持ったのはルーシィただ一人だったので、彼女の歓心はハイドにとって全世界にも等しかったのかもしれないな、とは思うのです。
で、「本能」の象徴であるハイドは、自分よりもジキル(自分を切り捨てようとする半身)を欲しがるルーシィを見てカァッとなったら、その衝動を止めることができない。止めるための手段(良心とか保身とか)を持っていないんですから。
そして、その衝動のままに彼女を手にかける。
そして、彼女を喪った衝撃でジキルに戻ってしまう…。
なんだか、こうやって色々理屈を(無理矢理ですが)つけてみると、実は哀れな存在なんですね、ハイドって…
だって、ハイドはヘンリーの活動(薬の開発)の邪魔もしないんですよ。薬屋も殺さないし、ノートも捨てない。
自分を消す薬を作っているのだと知らないはずはないのに。
…ヘンリーの活動はいっさい邪魔しないんです。“敵”を片付けているだけ。
なのにヘンリーには忌み嫌われ、誰も愛してくれない。
…哀れな存在…。
えーっと。
この後の「Confrontation(対決)」の場面は。
すみません。ここだけは日本版の演出も鹿賀さんの歌唱もどうしても受け入れられないので…(涙/だって鹿賀さん、最初から最後までハイドの声のままなんだもん!)。
…あれって、作品を観たことのない人でもあの場面だけは知ってる、ってくらい有名かつ「Jekyl & Hyde」という作品の象徴的な演出だと思うのですが…何か契約の関係とかで使わせてもらえなかったのでしょうか…?あっちこっちのパロディで散々使われている演出で、今更っちゅー気もするんですけどねぇ…(T T)
何年ぶりかでこの作品を観て、一番驚いたのは、ラストシーン。
あれ?場面の絵面が、宝塚版「ファントム」のラストシーンにそっくりだよ…?
というか、こっちの方が先なので。
「ファントム」のラストがこれにそっくりなのですけれども。
舞台センターに、「異形」の主役と、彼を抱きかかえる花嫁。
息をひきとった彼を抱いて、ヒロインが周りを見回す。
キッと、にらむように。
彼と自分の敵を、確認するかのように。
そして、そっと彼にキスをする。
舞台上手には、銃をもって主役を撃った、主役を「愛する」男。
彼は、「異形」の主役を守ろうとして失敗し、主役自身から「自分を殺すこと」を要求されて、一度は拒否するけれども、最後には希望を叶えてあげる。
…一緒じゃんっ!!!
もとい。
アターソンとキャリエール。
この二人には、大きな差があります。
キャリエールはエリック(=ファントム)をこの世に生み出したことに責任がある。
だから、エリック自身が死を望むなら、それを与えてやるのも責任のうち(自殺はできないから)。
だから、殺人の罪も、その悔恨も、彼自身が背負っていかなくてはならない十字架なのです。
アターソンには、その責任はないんですよ。
ハイドが生まれたのは、ヘンリー自身に責任があるわけで。
本来はヘンリー自身が始末をつけなくちゃいけない。
でも、ハイドはアターソンにその行為を依頼する。
「俺を自由にしてくれ」と。
「自由だ!」と産声をあげた彼は、死への旅路もそう表現する。
それとも、あれはハイドの声を使ったジキルの本心なのでしょうか…?
アターソンは、一度は断る。「できない」と。
だから、ハイド(ヘンリー)はもう一度エマに手を出す。
アターソンにもわかっていたはずなのに、
ハイド(ヘンリー)にエマは殺せない、と
なのに、アターソンはハイドの望みを叶える。
それが彼自身にとっても地獄への道だと知っていながら…
「自殺」できないキリスト教徒にとって、自分が「異形」であることを自覚したら、もう「殺してもらう」ことしかできないのでしょうか。
そして、その希望をかなえた人間は、その罪を背負って神の前に出ることになるんですね…。
それでも、彼の苦しみを取り去ってあげたい、とアターソンは思う。
友情、愛情、それら、ハイドが希んで、どうしても得られなかったもの。
そして、エマは最期にキスを与える。
愛、と、赦し。
その、証として。
この物語が幕を降ろした後、エマとアターソンはどんな人生を歩むのかな、というのがちょっと気になりました。
特に、アターソン。
彼は幸せになれるのかな…。
もともとゴチックホラーの小説が原作なので、そこまで想像しなくていいんですけど(^ ^;、つい習慣でいろいろ考えてしまうのでした…。
なにはともあれ。
日生劇場2階席は、音響良いし、価格は安いし、お勧めです♪
ちなみに。宝塚ファンとして付記。
1幕中盤、バー「どん底」の娼婦たちの登場は、
1階のセンター(階段の下)から登場するのが茜ちゃん、2階の下手側の窓がソン(秋園美緒)ちゃん。
2幕冒頭、「Murder!Murder!」のアンサンブル。
黄色のショールを巻いて最初の女性ソロを歌うのが茜ちゃん、ピンクのショールがソンちゃんです♪
役者が少ないので、アンサンブルの場面には基本的に全部出ているはず。宝塚と違って舞台が全体的に暗いので、見落とさないように探してみてください♪
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またもや終わってしまった公演ですみません。
DOWNTOWN FOLLIES番外編「そっとおやすみ Killing you softly」。
…こんなに笑ったのは久しぶり(汗)。
笑いすぎて疲れたし、腹筋も痛くなりました。
毎年恒例の「DOWNTOWN FOLLIES」。今年は北村岳子さんが帝劇の「マリー・アントワネット」に出演(ジキル&ハイドに出て欲しかったのに〜〜〜!!)のため欠席、ということで、
メンバーは島田歌穂さん、玉野和紀さん、吉野圭吾さんの3人でした。
やっぱりね、岳子さんがいらっしゃらないのは寂しかったです。
あの「元気溌剌」っぷりと迫力あるダンスがないとね(涙)。
でも、その分歌穂ちゃんが絶好調!!って感じでしたね(苦笑)。今までなら4人で均等に場面を貰って、均等に大変な思いをして、均等に遊んでいたのに。
今回は完全に歌穂ちゃんセンターのつくり。
ま、男二人に女一人の構成だからそうなって当たり前なんですけどね。観劇前の私の予想では、玉野さんセンターに二人が絡むと思っていたので(笑)、外れちゃったーと思ったり。
ま、だからといって素直な展開になるわけないんですけどね…
歌穂ちゃんラストは一人だし。
それが「DOWNTOWN FOLLIES」。
私自身、今までのバージョン全てを観ているわけではないのですが。
大概は場面ごとにオムニバスっぽいショー、って感じだった「DOWNTOWN FOLLIES」。
今回は番外編、ということもあってか、いちおう一本のストーリーに沿って場面を作っていて、ストーリー仕立てのショー、という感じになってました。
…妄想族というか妄想の塊みたいな3人で、順繰りにいろんな妄想が展開されていくんで、どれが現実だかさっぱりハテナだけど、とりあえずどの妄想も爆笑の渦、ってゆーストーリーですけどね…。
…まぁ、あの。
チラシの煽り文句が「本格サスペンス」だったり、チラシ自体の雰囲気も今までと全然違ってシリアスな雰囲気だったり…
ひっかける気は満々だったようですが。
ま、騙される人はいませんよね(^ ^)
だって「DOWNTOWN FOLLIES」だもん♪
3人とも、のっけから笑わせてくださってありがとう。最初の場面が終わった時点で、既に腹筋痛くて死にそうだった私はいったいどうしたら…。
と言いつつ、実はネタはあまりよく判らなかったものも多いんですよね。パンフレットも売り切れで買えなかったし。
ミュージカルネタはだいたい判ったつもりですけど、ミステリー映画はあまり観ないので、映画ネタは全然判らず。
周りがドッと受けてもわからないのって結構落ち込みます(苦笑)。それでも十分笑えるところは、さすが「DOWNTOWN FOLLIES」クオリティ!なんですけど。
まぁ、「DOWNTOWN FOLLIES」というのはそういう作品なので。
番外編もそういうことになるんでしょうねー。
とりあえず、3人が3人とも、ダンスも芝居ももの凄いハイレベルな上に振付は神様が参加してるし、音楽のセンスもいいし…
良いことづくめのカンパニー。
歌だって、玉野さんはまぁこのメンバーの中では微妙ですけど十分平均点以上だし、吉野くんは本当に上手くなったなぁと感心するし、歌穂ちゃんは天下の島田歌穂だし…
常に最高のパフォーマンスを見せてくれるメンバー。
常に最高のパフォーマンスを用意してくれるカンパニー。
来年はまた4人揃うといいな、と思いつつ、
腹の筋肉痛をどうもありがとうございました、と、
とりあえずアンケートには書いておきました(^ ^;ゞ
.
DOWNTOWN FOLLIES番外編「そっとおやすみ Killing you softly」。
…こんなに笑ったのは久しぶり(汗)。
笑いすぎて疲れたし、腹筋も痛くなりました。
毎年恒例の「DOWNTOWN FOLLIES」。今年は北村岳子さんが帝劇の「マリー・アントワネット」に出演(ジキル&ハイドに出て欲しかったのに〜〜〜!!)のため欠席、ということで、
メンバーは島田歌穂さん、玉野和紀さん、吉野圭吾さんの3人でした。
やっぱりね、岳子さんがいらっしゃらないのは寂しかったです。
あの「元気溌剌」っぷりと迫力あるダンスがないとね(涙)。
でも、その分歌穂ちゃんが絶好調!!って感じでしたね(苦笑)。今までなら4人で均等に場面を貰って、均等に大変な思いをして、均等に遊んでいたのに。
今回は完全に歌穂ちゃんセンターのつくり。
ま、男二人に女一人の構成だからそうなって当たり前なんですけどね。観劇前の私の予想では、玉野さんセンターに二人が絡むと思っていたので(笑)、外れちゃったーと思ったり。
ま、だからといって素直な展開になるわけないんですけどね…
歌穂ちゃんラストは一人だし。
それが「DOWNTOWN FOLLIES」。
私自身、今までのバージョン全てを観ているわけではないのですが。
大概は場面ごとにオムニバスっぽいショー、って感じだった「DOWNTOWN FOLLIES」。
今回は番外編、ということもあってか、いちおう一本のストーリーに沿って場面を作っていて、ストーリー仕立てのショー、という感じになってました。
…妄想族というか妄想の塊みたいな3人で、順繰りにいろんな妄想が展開されていくんで、どれが現実だかさっぱりハテナだけど、とりあえずどの妄想も爆笑の渦、ってゆーストーリーですけどね…。
…まぁ、あの。
チラシの煽り文句が「本格サスペンス」だったり、チラシ自体の雰囲気も今までと全然違ってシリアスな雰囲気だったり…
ひっかける気は満々だったようですが。
ま、騙される人はいませんよね(^ ^)
だって「DOWNTOWN FOLLIES」だもん♪
3人とも、のっけから笑わせてくださってありがとう。最初の場面が終わった時点で、既に腹筋痛くて死にそうだった私はいったいどうしたら…。
と言いつつ、実はネタはあまりよく判らなかったものも多いんですよね。パンフレットも売り切れで買えなかったし。
ミュージカルネタはだいたい判ったつもりですけど、ミステリー映画はあまり観ないので、映画ネタは全然判らず。
周りがドッと受けてもわからないのって結構落ち込みます(苦笑)。それでも十分笑えるところは、さすが「DOWNTOWN FOLLIES」クオリティ!なんですけど。
まぁ、「DOWNTOWN FOLLIES」というのはそういう作品なので。
番外編もそういうことになるんでしょうねー。
とりあえず、3人が3人とも、ダンスも芝居ももの凄いハイレベルな上に振付は神様が参加してるし、音楽のセンスもいいし…
良いことづくめのカンパニー。
歌だって、玉野さんはまぁこのメンバーの中では微妙ですけど十分平均点以上だし、吉野くんは本当に上手くなったなぁと感心するし、歌穂ちゃんは天下の島田歌穂だし…
常に最高のパフォーマンスを見せてくれるメンバー。
常に最高のパフォーマンスを用意してくれるカンパニー。
来年はまた4人揃うといいな、と思いつつ、
腹の筋肉痛をどうもありがとうございました、と、
とりあえずアンケートには書いておきました(^ ^;ゞ
.
今日から月組全国ツアー組も活動再開。というわけで、
月組ッ子はほぼ全員仕事に入りました。
麻子さんのディナーショーも盛況だったみたいですね!お疲れさまでした♪CS放送が楽しみです♪
この次に幕があくのは、バウホール「ハロー!ダンシング」。初日はGW最終日の5/6。
大好きな響くんが全休演、っていう衝撃があってしばらく凹んでいたのですが(涙)、一人少ない19人で臨む「ハロー!ダンシング」。
ちわわを中心に、他のメンバーは思いっきり踊りまくって、怪我なく楽を迎えられますように祈っています。
ハロー!ダンシングが終わるといよいよ霧矢大夢出動!(笑)。ポスターがあんまりにもカッコイイんで、一瞬買おうかと思っちゃいました(←ポスターなんて貼るところないからついぞ買ったことないのに!)。
お勢が夢咲ねねちゃん、衣絵が麻華りんかちゃん、数馬がもりえ(青樹泉)ちゃん。面白いメンバーですよねー。
なんとしても観なくては。
そして、22日の梅田を皮切りに出動するインド隊、チーム“ダル湖”。
ラッチマン麻子さん、カマラかなみちゃん、ペペル祐飛さんまでは発表になっていましたが、それ以外の配役も今日発表されました!
あまりにも予想通りでびっくりしました(笑)
リタ(城咲あい)、クリスナ(遼河はるひ)、ラジオン(明日海りお)&ビーナ(白華れみ)、ピエール(桐生園加)は予想通り。クリスナの妻アルマのすずな(憧花ゆりの)も、今回上級生娘役がタキさんの次85期まで飛ぶので、キャラ的にすずなかオトキチ(音姫すなお)しかいないなーと思っていたし…
しっかし、カマラの祖父母が本当にタキさん&ナホちゃんになると思いませんでした…。いや、他に人がいないことは判っていたんですけどね、それでもびっくりしたよー。
立さんの婆様、大好きでした…タキさん、色気を振りまかない上品な奥様になってくださいますように。
ナホちゃんのチャンドラはごく素直に“とっても楽しみ”です。
星組でみっき(千秋慎)さんがやった役は両方とも一樹さんでしたね。それはそうか(汗)。研ちゃんの美声を聴きたいと思ってたけど、一樹さんの美声はもっと聴きたいもんね♪(苦笑)。
酒場の亭主の相手役はオトキチですねー♪、おいしいわ〜っ!!
まい(一色瑠加)ちゃんは忙しそうですねぇ。真中さんの役しか覚えていませんが、出番そんなに少なかったっけ…?3役もやれるのか?
しかし今の月組で“ジョルジュ”ですか…タイミングよすぎですってば>劇団。
お笑い警備隊コンビは研ルイス&光月るう。…超上級生の超オイシイ難役を…「オクラホマ」のアリ・ハキムで散々苦労した研ちゃんと、「暁のローマ」新人公演の漫才で苦労していたるうちゃんが…?
ま、るうちゃんは「パリ空」のジェラールが最高に!良かったし、研ちゃんのアリ・ハキムも、楽までにずいぶん変わったので。
今回は期待しています!!お二人とも、がんばって舞台を楽しんでくださいませー♪
個人的には、ヒロコ(久城彬)さんがすんごいキレカッコイイだったルネ(めっちゃおいしい役だったような気が…)のとーやん(榎登也)に超期待。美貌だけなら負けてないぞ!大根っぷりもそんなに変わらない!かもしれない!(←めっちゃ失礼)
ヒロコさんカッコよくて大好きだったなぁ…(遠い目)
みっぽー(美鳳あや)ちゃんのミシェル、って、マダムですよね?パリの。うーん、どんな役だったか覚えていませんが(汗)、かなり色っぽそーな役なんだけど大丈夫なのでしょうか…ドキドキ。
みっぽーちゃんにはフィナーレで園加ちゃんと踊りまくるという大事な仕事があるので(←本当か?)、もしかしたら芝居では役がないかも、くらいに思っていたのですが。
しかし、やっぱりそんなことはありえませんでしたね。
香盤順でいくと、娘(女)役でタキさんの次に来るのはみっぽー…なんだもん。そういえば、オクラホマではナホちゃんに次いで2番目でしたもんね。
「ノバ・ボサ・ノバ」で初舞台を踏んだ85期。まだまだ下級生だとばかり思っていたけど、もう新公も卒業したんだもんね…。
でも。
それにしたって、月組の上級生娘(女)役の少なさには眩暈がします…。
そして、大劇場を待たずに卒業を決めた子が、青年館も含めて4人。
下級生ばかりだけど、大劇場以外の公演は退団者0のことも多いので、今回はちょっと多いですね…凹むわ…。
まずは87期の彩橋みゆちゃん。くしゃっとした可愛い笑顔が大好きでした。台詞を喋っているところはあんまり観たことがないような気がしますけど、ショーではいつも探してましたよ私は。
全ツはゆりあちゃん、とーやん、ななちゃんと3人同期がいるんだね。良かったね…。
そして88期の織さん。職人の多い同期の中で、私も最近まであんまり意識していなかったのですが。
ファンシー・ダンスの、フィナーレ前の白チュチュで覚えて、やっと見分けがつくようになったところだったのに…。
ダル湖ではどんな役なんでしょうね。最後まで宝塚を楽しんでほしいです。
89期の姫咲ひなのちゃんは、大阪侍組なので、同期はねねちゃんだけ(涙)…さびしいでしょうねぇ、本人もねねちゃんも。っていうかねねちゃんは大変そう!初ヒロインに同期退団かぁ…。
でも、石田さんはきっと退団者にはいろいろ考えてくれるでしょうし、ひなのちゃんには良かったのかも。観にいきますから、がんばってくださいね!
そして全ツはもう一人、90期の風音まゆきさんも。
90期は響さんの休演もあるから大変そう…。
しっかし。年度が新しくなった途端に、研6−3の娘役ばっかり一人ずつ、か…。
皆それぞれの人生があるから何もいえませんけど、とっても残念です(T T)。
明後日星組大劇場公演が千秋楽を迎えれば、また研1さんの組配属も発表されたりするんでしょうけれども。
でもやっぱり、…さびしいです。
ハロダン組も。
組も。
全ツ組も。
みんなみんな、事故や怪我や病気のないように、
舞台を思いっきり楽しめますように、
全員が、幸せな気持ちで楽を迎えられられますように、
心から祈っています。
.
月組ッ子はほぼ全員仕事に入りました。
麻子さんのディナーショーも盛況だったみたいですね!お疲れさまでした♪CS放送が楽しみです♪
この次に幕があくのは、バウホール「ハロー!ダンシング」。初日はGW最終日の5/6。
大好きな響くんが全休演、っていう衝撃があってしばらく凹んでいたのですが(涙)、一人少ない19人で臨む「ハロー!ダンシング」。
ちわわを中心に、他のメンバーは思いっきり踊りまくって、怪我なく楽を迎えられますように祈っています。
ハロー!ダンシングが終わるといよいよ霧矢大夢出動!(笑)。ポスターがあんまりにもカッコイイんで、一瞬買おうかと思っちゃいました(←ポスターなんて貼るところないからついぞ買ったことないのに!)。
お勢が夢咲ねねちゃん、衣絵が麻華りんかちゃん、数馬がもりえ(青樹泉)ちゃん。面白いメンバーですよねー。
なんとしても観なくては。
そして、22日の梅田を皮切りに出動するインド隊、チーム“ダル湖”。
ラッチマン麻子さん、カマラかなみちゃん、ペペル祐飛さんまでは発表になっていましたが、それ以外の配役も今日発表されました!
あまりにも予想通りでびっくりしました(笑)
リタ(城咲あい)、クリスナ(遼河はるひ)、ラジオン(明日海りお)&ビーナ(白華れみ)、ピエール(桐生園加)は予想通り。クリスナの妻アルマのすずな(憧花ゆりの)も、今回上級生娘役がタキさんの次85期まで飛ぶので、キャラ的にすずなかオトキチ(音姫すなお)しかいないなーと思っていたし…
しっかし、カマラの祖父母が本当にタキさん&ナホちゃんになると思いませんでした…。いや、他に人がいないことは判っていたんですけどね、それでもびっくりしたよー。
立さんの婆様、大好きでした…タキさん、色気を振りまかない上品な奥様になってくださいますように。
ナホちゃんのチャンドラはごく素直に“とっても楽しみ”です。
星組でみっき(千秋慎)さんがやった役は両方とも一樹さんでしたね。それはそうか(汗)。研ちゃんの美声を聴きたいと思ってたけど、一樹さんの美声はもっと聴きたいもんね♪(苦笑)。
酒場の亭主の相手役はオトキチですねー♪、おいしいわ〜っ!!
まい(一色瑠加)ちゃんは忙しそうですねぇ。真中さんの役しか覚えていませんが、出番そんなに少なかったっけ…?3役もやれるのか?
しかし今の月組で“ジョルジュ”ですか…タイミングよすぎですってば>劇団。
お笑い警備隊コンビは研ルイス&光月るう。…超上級生の超オイシイ難役を…「オクラホマ」のアリ・ハキムで散々苦労した研ちゃんと、「暁のローマ」新人公演の漫才で苦労していたるうちゃんが…?
ま、るうちゃんは「パリ空」のジェラールが最高に!良かったし、研ちゃんのアリ・ハキムも、楽までにずいぶん変わったので。
今回は期待しています!!お二人とも、がんばって舞台を楽しんでくださいませー♪
個人的には、ヒロコ(久城彬)さんがすんごいキレカッコイイだったルネ(めっちゃおいしい役だったような気が…)のとーやん(榎登也)に超期待。美貌だけなら負けてないぞ!大根っぷりもそんなに変わらない!かもしれない!(←めっちゃ失礼)
ヒロコさんカッコよくて大好きだったなぁ…(遠い目)
みっぽー(美鳳あや)ちゃんのミシェル、って、マダムですよね?パリの。うーん、どんな役だったか覚えていませんが(汗)、かなり色っぽそーな役なんだけど大丈夫なのでしょうか…ドキドキ。
みっぽーちゃんにはフィナーレで園加ちゃんと踊りまくるという大事な仕事があるので(←本当か?)、もしかしたら芝居では役がないかも、くらいに思っていたのですが。
しかし、やっぱりそんなことはありえませんでしたね。
香盤順でいくと、娘(女)役でタキさんの次に来るのはみっぽー…なんだもん。そういえば、オクラホマではナホちゃんに次いで2番目でしたもんね。
「ノバ・ボサ・ノバ」で初舞台を踏んだ85期。まだまだ下級生だとばかり思っていたけど、もう新公も卒業したんだもんね…。
でも。
それにしたって、月組の上級生娘(女)役の少なさには眩暈がします…。
そして、大劇場を待たずに卒業を決めた子が、青年館も含めて4人。
下級生ばかりだけど、大劇場以外の公演は退団者0のことも多いので、今回はちょっと多いですね…凹むわ…。
まずは87期の彩橋みゆちゃん。くしゃっとした可愛い笑顔が大好きでした。台詞を喋っているところはあんまり観たことがないような気がしますけど、ショーではいつも探してましたよ私は。
全ツはゆりあちゃん、とーやん、ななちゃんと3人同期がいるんだね。良かったね…。
そして88期の織さん。職人の多い同期の中で、私も最近まであんまり意識していなかったのですが。
ファンシー・ダンスの、フィナーレ前の白チュチュで覚えて、やっと見分けがつくようになったところだったのに…。
ダル湖ではどんな役なんでしょうね。最後まで宝塚を楽しんでほしいです。
89期の姫咲ひなのちゃんは、大阪侍組なので、同期はねねちゃんだけ(涙)…さびしいでしょうねぇ、本人もねねちゃんも。っていうかねねちゃんは大変そう!初ヒロインに同期退団かぁ…。
でも、石田さんはきっと退団者にはいろいろ考えてくれるでしょうし、ひなのちゃんには良かったのかも。観にいきますから、がんばってくださいね!
そして全ツはもう一人、90期の風音まゆきさんも。
90期は響さんの休演もあるから大変そう…。
しっかし。年度が新しくなった途端に、研6−3の娘役ばっかり一人ずつ、か…。
皆それぞれの人生があるから何もいえませんけど、とっても残念です(T T)。
明後日星組大劇場公演が千秋楽を迎えれば、また研1さんの組配属も発表されたりするんでしょうけれども。
でもやっぱり、…さびしいです。
ハロダン組も。
組も。
全ツ組も。
みんなみんな、事故や怪我や病気のないように、
舞台を思いっきり楽しめますように、
全員が、幸せな気持ちで楽を迎えられられますように、
心から祈っています。
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ジキル&ハイド 裏か表か?
2007年4月30日 ミュージカル・舞台 コメント (2)「ジキル&ハイド」日生劇場公演、千秋楽おめでとうございます。
そして、7年間ルーシィという役と闘ってきたマルシア。
最後の最後に、素晴らしいルーシィを魅せていただきました。
楽間近な公演でのテンションの高さ、美しさ。
照明さんのスポットとは別に、マルシア自身の中からもの凄い輝きが出ていたと思います。
人のオーラって、見えるもんなんだなあ、と。
「ルーシィ」の、最後の輝き。
涙が出ました。
…ありがとうございましたm(_ _)m。
マルシア以外のカンパニーは、(多分)休む間もなくお稽古して
半月も経たずに梅田で初日、ですね。
香寿たつきさんが加わって、名古屋・中日の千秋楽まで約2週間。
どうぞみなさま、お怪我や病気のないように、
最後まで気を抜かないでがんばってくださいね!
最後にもう一度観ることができたのですが。
蘭々のエマ、歌もかなり佳くなってました!
歌いながら腕がブレスに合わせて上下してしまう癖はそのままでしたけれども、声は良くでていたし、音程もばっちり。「In His Eyes」のマルシアとのデュエットも、力強さで負けてない。
な〜んだ、大丈夫じゃん!
その調子で、梅田・中日とがんばってくださいね!楽しみにしています♪
戸井さんのアターソン、貴族服の着こなしがずいぶん良くなって、格好良くなっていたような(贔屓目?)。
あと、ホッとしたのが、最後の結婚式でのばかでっかい銃がなんとか隠せるようになっていたこと。
あれはねぇ…戸井さんが悪いんじゃないんですけどね。最後にジキル/ハイドを撃たなきゃいけないから、音と光を出せるサイズの銃、っていうと大きくなっちゃうのかもしれないけど…もうちょっとどうにかならなかったのかな>小道具さん(涙)。あんなデカい銃持って結婚式に出る人いませんからっ!!
それから、ラストシーン。
あらためて観てみて、自分の記憶していた流れと微妙に違うことに気づいてしまいました(滝汗)。
まだちょっと、ハイド(ジキル)の心理の流れとして私自身が納得できていないんですね。なので、細かい行動がまだ記憶に留まらないみたいで(T T)。
次回観たら、その辺をもう一度整理して書きたいなーと思っています。
最後に。
先週行われたアフタートークイベントの内容を(ホントいまさらですが)ちょこっとだけご報告させていただきます。
夜公演の終演後、10分くらい休憩を挟んで、幕があがると本舞台に椅子が4脚。
まず演出の山田さんが出てきてちょこっと挨拶して、それからマルシアさん、浜畑賢吉さん、戸井勝海さんの3人が登場。
3人ともカーテンコールの衣装だったのかな?マルシアが「どん底」のショーで着ている、前で分かれたスカートだったんですが…椅子に座るなり、隣をみてちょっと挙動不審な感じ。何かと思ったら、男性二人が座るとき、私は良く見てなかったんですけどすぐに脚を組んだらしいんですよね。
「この衣装じゃねぇ…」とボヤきながら脚を組もうとして、スカートの合わせ目から美脚丸見えのサービスをしてくださいました(笑)。
思わず私もオペラグラスを上げてしまったんですが(笑)、マルシアはすぐに脚を揃えて、スカートも合わせて手で押さえてしまいました。残念!(^ ^)。
最初の質問は「公演も半分過ぎたけどどう?」
マルシアは「普通」と。「鹿賀さんとも話してるんだけど、あと残り何回、とかは考えないようにしている」そうです。「一回一回を大事に生きている」と。
浜畑さんもそんな感じ。
戸井さんは、山田さんに「少しは落ち着いた?」みたいなことを訊かれて「そう見えませんか?」とちょっと拗ねたような口調で。
なんだか今回の戸井さんは、全体的に拗ね拗ねモードだったような気がします。初参加だから浮いてるのかなあ、とかちょっと心配になってしまいました(可愛がられてもいるようですが…笑)。
「初演を観劇して、アターソンをやりたい!と思ったので、夢が叶って幸せ」と。確か雑誌のインタビューでもそんなこと言ってましたね。最後の最後に参加できて、本当に良かったね…(感涙)
この流れで、「今までのアターソンと比べてどうか」という質問が出て。
マルシアがすっごく真剣な声で「素晴らしい」と言ってくれました。
…で、すぐに続けて、「すごくユニーク。エロエロで」(爆)。
戸井さんが「…役作り間違ってるってこと?」とか心配そうに訊いていました。マジ不安そうだった…。でも確か「どん底が楽しいんです」ってコメントしていたと思うので。多分大丈夫なんでしょう…。
浜畑さんからは、「段田さんや石川禅ちゃんは面白い人だったし、池田成志さんは真面目だった。戸井くんは、真面目なところもひょうきんなところも両方持ち合わせている。それと、ジキルに対して誠実」と、かなりベタ誉め。戸井さん背筋が痒そうでした(笑)。
山田さんからは「歴代で1番“二枚目”だけど、ダントツで“スケベ”なアターソン」と言われてました。
戸井さんは「最初の稽古で、えんえんと“どん底”でのルーシィとの絡みばっかりやったじゃないですか。それが役作りのベースになって…」と、スケベっぷりを説明。山田さんに「俺のせいか」と突っ込まれてました。
でもね、レ・ミゼラブルでアンサンブルの工場長やってたときから「スケベ」は戸井さんの特技の一つですから。言い訳してないでガンガンいっていただきたいです(笑)。
あと、ここだったかな。どこかで、山田さんが「僕が観劇すると、必ず何か事件が起こるんだけど。前回のトークショーの時は戸井ちゃんの銃が撃てなかった(鳴らなかった)。でも今日は何事もなかく幕が降りて、ホッとしました」をいう話をしたら、マルシアが「でも今日は、戸井さん帽子落とたのよ」とばらされてました(笑)。
まぁ、何事もなく公演が終わることは滅多にない人なので。毎回何かしらあるんでしょう、きっと…。
次の質問は、「初演からの7年間で変わったことは?」
マルシアがしみじみ〜と「大幅に変わったのは年齢」。
…場内爆笑。
浜畑さんは「マルシアにはそうでも、僕の年になるとあんまりね…」と。
まぁ、二人とも「やることは同じだけど、体力を保つことと、いかに新鮮でいられるかをいつも考えている」という結論でしたね。
戸井さんは「出られて良かった。とにかく全ての場面が楽しい」とコメント。浜畑さんが「初演は楽しめなかったよね。大変だったよね」ってマルシアに話しかけて、慌てて「みなさんがノセてくださっているので…」と言い訳してました。
あと、浜畑さんが「鹿賀さんは大変だな〜、とずっと思っていたけど、今回、やっと余計な力が抜けて、少し楽になったのかな?と思った」と言っていたのが印象的。確かにそんな感じもしましたね。舞台の上で自由になった感じ。
「ミュージカル界全体をみても、すごく力のある人が増えたし、お客さまも変わって、ものすごく沢山の人が見てくれるようになった」と嬉しそうに。たしかに、浜畑さんのキャリアを考えたらすごい変化かもしれませんね…。
あとは、幕間に募集していた観客からの質問をいくつか。
最初の質問「衣装がステキですが誰が作っているんですか、 …衣装さんです」と山田さんが質問を読み上げてそのまま平坦に答えまで喋ってしまったのがすごい笑えました。
で、まずはアターソンに、「どん底でのジキルとの会話はどんなことを話しているのか?」
普通に会話をしているんだそうです。どの娘が良い?とか、そんなレベルで(^ ^)。あの場面は「アターソンとして、ショーを楽しみながらヘンリーの様子を見て、フォローしている」そうです。
素でスケベしているんじゃありません、と一生懸命言い訳していました。…言い訳すればするほど怪しいから(笑)。
次はルーシィに。「今まで以上に可愛いのですが、意識していることは?」
今回は、どこで生まれて、どんな人生を歩んできて、どんな嫌なことがあって…ということを全部組み立てなおしたんだそうです。そしたら、すごく素直でピュアな女の子だった、と。「可愛くしよう、と思っているんじゃないけど、そこを組み立てたからかな?」
この辺で観客席から「可愛いっ」というかけ声がかかって。
マルシアがポッと両手で頬を押さえて「弱いんだよねその言葉…」と小さな声で嬉しそうに呟いていました♪
それから、「どうしてあんなスゴい声が出せるんですか」。
「出ちゃうものは出ちゃう」と即答した後、ちょっと考えて。
歌は魂の声、役の魂の叫びだから、と。
なんだか妙に納得してしまう答えでした。
最後の質問は全員に。「鹿賀さんの素晴らしいところは?」
浜畑さん「劇団四季時代から一緒にやってきたけど、いろんな顔を持っている人。生真面目なジキル、怖いハイド、そして、ひょうきんな顔。
20代の頃は、明るく楽しい第三の人格(ひょうきん)が表に出ていたけど、今はすべてをさらけ出して勝負している」
戸井さん「レ・ミゼラブルの時とは役の関係が違うので…。初めて組んだ稽古のとき、呑まれたというか負けたと思った。包み込むどころか、近寄ることもできない感じ」と、その大きさに圧倒されたことを告白。
今はもう乗り越えたようですけど、最初はさぞ大変だったでしょうねぇ…。
マルシア「初めての相手役が鹿賀さん。もうそれが全て。何もかも教えてもらった。本当に、説明できないけど本当に凄い人。
鹿賀さんと出会えて良かった(しみじみ〜)。もっと若かったら結婚したかったね」
この辺で切って、あとは抽選会して終了、という感じでした。
割と和気藹々と、戸井さんをスケープゴートにしつつ(笑)浜畑さんが要所をしっかりおさえつつ進みました。
カンパニー全体の雰囲気も楽しそうで、良かったなーと。
短いトークショーでしたが、面白かったです♪
最近、こういうアフタートークってすごく普通に実施されているみたいですね。モダン・ミリーも何回かやってたし。
昔は滅多に無かったと思うのですが。
宝塚ファンしていると、公演の途中にお茶会が当たり前にあって、そこでバックヤードの話を聞けたりするけど、他の公演ではお茶会って普通無いから、こういうイベントがあるのは嬉しいですね。
でも、一般発売後に設定が決まったりすると、スケジュール調整するのも大変なんですけど…。モダン・ミリーのも参加したかったよぉ〜。
.
そして、7年間ルーシィという役と闘ってきたマルシア。
最後の最後に、素晴らしいルーシィを魅せていただきました。
楽間近な公演でのテンションの高さ、美しさ。
照明さんのスポットとは別に、マルシア自身の中からもの凄い輝きが出ていたと思います。
人のオーラって、見えるもんなんだなあ、と。
「ルーシィ」の、最後の輝き。
涙が出ました。
…ありがとうございましたm(_ _)m。
マルシア以外のカンパニーは、(多分)休む間もなくお稽古して
半月も経たずに梅田で初日、ですね。
香寿たつきさんが加わって、名古屋・中日の千秋楽まで約2週間。
どうぞみなさま、お怪我や病気のないように、
最後まで気を抜かないでがんばってくださいね!
最後にもう一度観ることができたのですが。
蘭々のエマ、歌もかなり佳くなってました!
歌いながら腕がブレスに合わせて上下してしまう癖はそのままでしたけれども、声は良くでていたし、音程もばっちり。「In His Eyes」のマルシアとのデュエットも、力強さで負けてない。
な〜んだ、大丈夫じゃん!
その調子で、梅田・中日とがんばってくださいね!楽しみにしています♪
戸井さんのアターソン、貴族服の着こなしがずいぶん良くなって、格好良くなっていたような(贔屓目?)。
あと、ホッとしたのが、最後の結婚式でのばかでっかい銃がなんとか隠せるようになっていたこと。
あれはねぇ…戸井さんが悪いんじゃないんですけどね。最後にジキル/ハイドを撃たなきゃいけないから、音と光を出せるサイズの銃、っていうと大きくなっちゃうのかもしれないけど…もうちょっとどうにかならなかったのかな>小道具さん(涙)。あんなデカい銃持って結婚式に出る人いませんからっ!!
それから、ラストシーン。
あらためて観てみて、自分の記憶していた流れと微妙に違うことに気づいてしまいました(滝汗)。
まだちょっと、ハイド(ジキル)の心理の流れとして私自身が納得できていないんですね。なので、細かい行動がまだ記憶に留まらないみたいで(T T)。
次回観たら、その辺をもう一度整理して書きたいなーと思っています。
最後に。
先週行われたアフタートークイベントの内容を(ホントいまさらですが)ちょこっとだけご報告させていただきます。
夜公演の終演後、10分くらい休憩を挟んで、幕があがると本舞台に椅子が4脚。
まず演出の山田さんが出てきてちょこっと挨拶して、それからマルシアさん、浜畑賢吉さん、戸井勝海さんの3人が登場。
3人ともカーテンコールの衣装だったのかな?マルシアが「どん底」のショーで着ている、前で分かれたスカートだったんですが…椅子に座るなり、隣をみてちょっと挙動不審な感じ。何かと思ったら、男性二人が座るとき、私は良く見てなかったんですけどすぐに脚を組んだらしいんですよね。
「この衣装じゃねぇ…」とボヤきながら脚を組もうとして、スカートの合わせ目から美脚丸見えのサービスをしてくださいました(笑)。
思わず私もオペラグラスを上げてしまったんですが(笑)、マルシアはすぐに脚を揃えて、スカートも合わせて手で押さえてしまいました。残念!(^ ^)。
最初の質問は「公演も半分過ぎたけどどう?」
マルシアは「普通」と。「鹿賀さんとも話してるんだけど、あと残り何回、とかは考えないようにしている」そうです。「一回一回を大事に生きている」と。
浜畑さんもそんな感じ。
戸井さんは、山田さんに「少しは落ち着いた?」みたいなことを訊かれて「そう見えませんか?」とちょっと拗ねたような口調で。
なんだか今回の戸井さんは、全体的に拗ね拗ねモードだったような気がします。初参加だから浮いてるのかなあ、とかちょっと心配になってしまいました(可愛がられてもいるようですが…笑)。
「初演を観劇して、アターソンをやりたい!と思ったので、夢が叶って幸せ」と。確か雑誌のインタビューでもそんなこと言ってましたね。最後の最後に参加できて、本当に良かったね…(感涙)
この流れで、「今までのアターソンと比べてどうか」という質問が出て。
マルシアがすっごく真剣な声で「素晴らしい」と言ってくれました。
…で、すぐに続けて、「すごくユニーク。エロエロで」(爆)。
戸井さんが「…役作り間違ってるってこと?」とか心配そうに訊いていました。マジ不安そうだった…。でも確か「どん底が楽しいんです」ってコメントしていたと思うので。多分大丈夫なんでしょう…。
浜畑さんからは、「段田さんや石川禅ちゃんは面白い人だったし、池田成志さんは真面目だった。戸井くんは、真面目なところもひょうきんなところも両方持ち合わせている。それと、ジキルに対して誠実」と、かなりベタ誉め。戸井さん背筋が痒そうでした(笑)。
山田さんからは「歴代で1番“二枚目”だけど、ダントツで“スケベ”なアターソン」と言われてました。
戸井さんは「最初の稽古で、えんえんと“どん底”でのルーシィとの絡みばっかりやったじゃないですか。それが役作りのベースになって…」と、スケベっぷりを説明。山田さんに「俺のせいか」と突っ込まれてました。
でもね、レ・ミゼラブルでアンサンブルの工場長やってたときから「スケベ」は戸井さんの特技の一つですから。言い訳してないでガンガンいっていただきたいです(笑)。
あと、ここだったかな。どこかで、山田さんが「僕が観劇すると、必ず何か事件が起こるんだけど。前回のトークショーの時は戸井ちゃんの銃が撃てなかった(鳴らなかった)。でも今日は何事もなかく幕が降りて、ホッとしました」をいう話をしたら、マルシアが「でも今日は、戸井さん帽子落とたのよ」とばらされてました(笑)。
まぁ、何事もなく公演が終わることは滅多にない人なので。毎回何かしらあるんでしょう、きっと…。
次の質問は、「初演からの7年間で変わったことは?」
マルシアがしみじみ〜と「大幅に変わったのは年齢」。
…場内爆笑。
浜畑さんは「マルシアにはそうでも、僕の年になるとあんまりね…」と。
まぁ、二人とも「やることは同じだけど、体力を保つことと、いかに新鮮でいられるかをいつも考えている」という結論でしたね。
戸井さんは「出られて良かった。とにかく全ての場面が楽しい」とコメント。浜畑さんが「初演は楽しめなかったよね。大変だったよね」ってマルシアに話しかけて、慌てて「みなさんがノセてくださっているので…」と言い訳してました。
あと、浜畑さんが「鹿賀さんは大変だな〜、とずっと思っていたけど、今回、やっと余計な力が抜けて、少し楽になったのかな?と思った」と言っていたのが印象的。確かにそんな感じもしましたね。舞台の上で自由になった感じ。
「ミュージカル界全体をみても、すごく力のある人が増えたし、お客さまも変わって、ものすごく沢山の人が見てくれるようになった」と嬉しそうに。たしかに、浜畑さんのキャリアを考えたらすごい変化かもしれませんね…。
あとは、幕間に募集していた観客からの質問をいくつか。
最初の質問「衣装がステキですが誰が作っているんですか、 …衣装さんです」と山田さんが質問を読み上げてそのまま平坦に答えまで喋ってしまったのがすごい笑えました。
で、まずはアターソンに、「どん底でのジキルとの会話はどんなことを話しているのか?」
普通に会話をしているんだそうです。どの娘が良い?とか、そんなレベルで(^ ^)。あの場面は「アターソンとして、ショーを楽しみながらヘンリーの様子を見て、フォローしている」そうです。
素でスケベしているんじゃありません、と一生懸命言い訳していました。…言い訳すればするほど怪しいから(笑)。
次はルーシィに。「今まで以上に可愛いのですが、意識していることは?」
今回は、どこで生まれて、どんな人生を歩んできて、どんな嫌なことがあって…ということを全部組み立てなおしたんだそうです。そしたら、すごく素直でピュアな女の子だった、と。「可愛くしよう、と思っているんじゃないけど、そこを組み立てたからかな?」
この辺で観客席から「可愛いっ」というかけ声がかかって。
マルシアがポッと両手で頬を押さえて「弱いんだよねその言葉…」と小さな声で嬉しそうに呟いていました♪
それから、「どうしてあんなスゴい声が出せるんですか」。
「出ちゃうものは出ちゃう」と即答した後、ちょっと考えて。
歌は魂の声、役の魂の叫びだから、と。
なんだか妙に納得してしまう答えでした。
最後の質問は全員に。「鹿賀さんの素晴らしいところは?」
浜畑さん「劇団四季時代から一緒にやってきたけど、いろんな顔を持っている人。生真面目なジキル、怖いハイド、そして、ひょうきんな顔。
20代の頃は、明るく楽しい第三の人格(ひょうきん)が表に出ていたけど、今はすべてをさらけ出して勝負している」
戸井さん「レ・ミゼラブルの時とは役の関係が違うので…。初めて組んだ稽古のとき、呑まれたというか負けたと思った。包み込むどころか、近寄ることもできない感じ」と、その大きさに圧倒されたことを告白。
今はもう乗り越えたようですけど、最初はさぞ大変だったでしょうねぇ…。
マルシア「初めての相手役が鹿賀さん。もうそれが全て。何もかも教えてもらった。本当に、説明できないけど本当に凄い人。
鹿賀さんと出会えて良かった(しみじみ〜)。もっと若かったら結婚したかったね」
この辺で切って、あとは抽選会して終了、という感じでした。
割と和気藹々と、戸井さんをスケープゴートにしつつ(笑)浜畑さんが要所をしっかりおさえつつ進みました。
カンパニー全体の雰囲気も楽しそうで、良かったなーと。
短いトークショーでしたが、面白かったです♪
最近、こういうアフタートークってすごく普通に実施されているみたいですね。モダン・ミリーも何回かやってたし。
昔は滅多に無かったと思うのですが。
宝塚ファンしていると、公演の途中にお茶会が当たり前にあって、そこでバックヤードの話を聞けたりするけど、他の公演ではお茶会って普通無いから、こういうイベントがあるのは嬉しいですね。
でも、一般発売後に設定が決まったりすると、スケジュール調整するのも大変なんですけど…。モダン・ミリーのも参加したかったよぉ〜。
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