ヘイズ・コードの話の続きにしようか、先にHalleruja Go!Go!の話をさせていただこうか、と結構迷ったのですが。

まずはトウコさんとも関わりの深い玉野さんを中心に「ヘイズ・コード」と、彼が主催した「Club 7」のお話を。


トウコ(安蘭けい)さんのファンの方なら、お名前くらいはご存知かと思いますが。
日生劇場「雨に唄えば」、そして今回のDC「ヘイズ・コード」の振付を担当された、世界に誇るタップ・キング玉野和紀。

元々ミュージカルオタクな私にとっては、ヘイズのプログラム見て「え”、玉野さんが振付に入ってる〜!!すげ〜〜〜、さすがトウコさん!!」って友人にメールしてしまったくらいの有名人(苦笑)、なワケですが。

さすがに振付の腕は見事なもので、パーティーでの華やかなタップシーンはもちろん最高に華やかにカッコよく。そして、女の子たちがリヴィあすかをからかう場面や、悪漢とカールトンしい(立樹よう)さま&ジョニー水輝くんの対決などなど、「ダンス」で芝居をする場面をきっちり作り、しっかりキャストを動かして見せる腕の冴えが。
さすが、です♪

国産ミュージカルは大好きなので色々観ているつもりですが、あんな風に タップで物語を紡げるのは、玉野さんだけだと思うんですよね…。
“タップの名手”、“名ダンサー”、そして“名振付家”は他にもたくさんいらっしゃいますが。

玉野さんって人は、やっぱり偉大、なんです。

たとえば、今月組で公演中のショー「ファンシー・ダンス」も、錚々たる顔ぶれの振付家を集めて構成されたショーですけれども。
「ダンスシーン」としては素晴らしくても、「芝居」として見たらまるっきりつまらない。

だって。

ペトルーシュカもオルフェも「ただの三角関係」になりさがり、糸が切れたら(=恋が成就すれば)死ぬしかないペトルーシュカの悲哀も、自分のミスでエウリディーチェをを失うオルフェの慟哭も関係ないし、シェヘラザードは「出てきただけで王様の心をとかしてしまう美女」だし…。

それは、勿論 振付家の責任ではなく、場面構成を考えて指示した三木氏の責任なわけですが。
でもまあ、やっぱり「ヘイズ・コード」のあの成功には、大野さんの依頼どおりに、いえ、多分想像以上の名場面にしてくれた玉野さんの功績も大きいよね、と思ってしまうわけです。

だって、玉野作品に出る役者は皆幸せそうなんだもん!

だって、星組ッ子たち、本当に本当に楽しそうで、幸せそうで、見ているこっちまで夢見心地だったんですもん♪

踊れる人には、(泣きたいほど大変だけど)幸せな場面を。
そして、踊れない人には笑いをとれる場面を…
 (私が応援している役者さんは、玉野作品では常にお笑い担当です。なぜだ)

どんな作品でどんな役でも、その人に合った見せ場を必ず用意してくれる、そんな振付家で、演出家で、作家、それが玉野和紀。

そして、たぶん、大野さんもそうなんじゃないでしょうか。
大野さんは、玉野さんにもない「脚本力」という力もあるので。
ぜひ、これからも良いものを作ってください。
とりあえず、大野作品は万難払って観にいきますので。


玉野さんの作品は、96年(多分)の「UP★RUSH!」が初めてだったと思います。
大爆笑のショー(?)作品でしたが、これですっかりファンになって。その後は、欠かさず、とは言いませんけど大概のものは観ているはず。

CLUB SEVENは、そんな彼が品川プリンスホテルと組んで(多分)、3年くらい前からやり続けている「クラブのショータイム形式のショー」。
品川プリンスホテルの「クラブeX」を舞台に繰り広げられる、ディナーショーのディナー無し(←意味わからん)みたいなモノ、です。

珍しく真面目に、出演者紹介なんてものをしてみましょうか。

玉野さん中心に、宝塚OGがガイチ(初風緑)さん、優子(風花舞)姫、(蘭香)レアちゃん。ミュージカル界から吉野圭吾さん、西村直人さん、原知宏さん、桜木涼介さんの8人(あれ?Club7じゃないじゃん…?)
吉野さんは言わずとしれた、唄って踊れるミュージカルスター。
西村さんは、レ・ミゼラブルでアンサンブルをしていた実力派。面白い舞台には大概出ていらっしゃいます。玉野さんの舞台は8割くらいの確率で出ているんじゃないかな?脇を締めるというタイプではないけれど、ダンサーで歌も巧くて笑いもとれる…歌も芝居も巧い園加ちゃん、みたいな存在でしょうか(←多分全然違う)。
原くんは元四季だったかな。背の高いハンサムくん。
桜木くんは、去年樹里さんたちとも共演した実力派ダンサーです。

宝塚OGは、多分ガイチさんは初めてだと思います。優子(風花)さんと蘭香レアちゃんは2回目かな?前回は思ったほど出番がなくてとても残念だったのですが。(ところでレアちゃんって芸名を宝塚時代に戻したのでしょうか?退団直後は本名、その次は「三咲レア」で活動されていて…探すの大変だから決めてほしいなあ…)

上でいろいろ(振付を)褒めた後で言うのもなんですが、玉野さんの「脚本力」とゆーのは、まぁ、宝塚でいえば斎藤さんや藤井さんのレベルなので。(あの二人もショーは良い物作るし、レベルはかなり近いかも)。

なので、「芝居仕立て」のショーはいいけど、「ショー仕立てのお芝居」は…激つまらん、のも事実ではあるのですが。

でもでも、楽しかったもん!
なんたって本物のダンサーが揃ってますから。
ダンスシーンはどこも手抜き無しで、まばたきする暇もなく。
音楽が止まると、ぐったり疲れます。
すごい集中して観ているから。

オープニングの総踊りがあまりにかっこよくて、ついつい燃え尽きた…優子姫、健在!でした。

あっというまに時間が過ぎて。

…個人的に、優子姫の藪かゆみ(ヤブ蚊)が再見できると思ってなかったのでとても幸せ(^ ^;ゞ。

レアちゃんは相変わらず最高にキレイ。透明で硬質で、なのに時々、ほろっと蕩けてしまう色っぽさもあって。
なのに、玉野作品に出演するのに必要不可欠なお笑い感性は、本当に!!凄いんです…(疲)。あの数々のネタはいったいどこから出てくるんでしょうか。宝塚時代にあの片鱗を見せていたら、大人気スターになっていたかもしれないと思うのですが…。(でも私は、そんな生真面目なレアちゃんが大好きでした。ポ)

ガイチさんは可愛い。
3人の中で、一番可愛い「女の子」だったかもしれません。
少なくとも、一番「乙女」だったのは間違いないような気がする…。

あの、エネルギッシュで濃密な時間を、どう表現すればいいのか悩みつつ。

それ以上に、

ああ、このとりとめのない文章を、どのカテゴリーに入れればいいんだろうなあ……悩む……。

.
星組バウホール公演「Hallelujah Go!Go!」。
とっくのとぉに公演は終了してしまいましたが…

何について語るのがいいのか、悩んでいるうちに日がすぎてしまいました。



楽しかった。
輝いてた。
みんなぴったりハマリ役で、
舞台のそこかしこに若さが溢れていて、

…本当に、楽しかった。

感想、って言われても、ソレしかないんですもんっ!!



新鋭・稲葉さんの第2作目(ですよね?春の花DCでデビューして、次がこれですよね…?)。残念ながら日程が合わなくてアパルトマン・シネマは観られなかったのですが。
友人の話などから、とりあえず宛書は巧みらしい、というくらいの印象で今回の客席に座りました。


すげー、ぴったり…。


以上。

そんな感じでした(←どんな感じや!)。



レオン(柚希礼音)くんは、主役でした。
堂々たる主役。

この作品、「物語」の主筋が二つあるので、普通に演じたらレオンくんより和(涼華)くんが主役に見えても全然おかしくないんです。
だって、「デニスの物語」は一幕の後半、ブレンダを見つけたところで終了してしまうんですもの。

それに対して、和くん演じる「ブライアンの物語」は、2幕が本番。デニスは、2幕ではブライアンを助けるために動くだけで、物語の主筋は動かさない。

だけど。

普通だったら、終演後は2幕の主役の方が印象に残るはずなのに。

1幕2幕通して、主役はレオンくんだった。
力づくで、レオンが主役になっていた。


伊達や酔狂で何作もワークショップ主演をしていたワケじゃないんだなあ、と。そのセンターの似合いっぷりに感動しつつ思いました…。



ウメ(陽月華)ちゃんは、ヒロイン。

私がウメちゃんを初めて認識したのは、夢輝のあさんの「イーハトーブ・夢」。白い鬘に真っ白な小顔、身体にぴったりした衣装で目の下に星をつけた彼女は、まさしく夢のように可愛くて。

藤井さんの紡ぐ、どこかリアルでどこか嘘っぽい「夢」の世界にぴったりの存在でした。

オスカルの子供時代の男前さも大好きだったし
「ヴィンターガルテン」の少年も可愛かったなあ。
そういえば、あの頃のウメちゃんは男の子役が続いていて、それがまたどれもこれも良くて、「初の男役転向者になるんじゃないか」と期待(?)したりしたものですが。

転機は「雨に唄えば」のキャシーだったでしょうか。
スカートさばきに苦労しながら、幸せそうにタップを踏む姿をみて。
ああ、可愛いな、と。
娘役として生きていく、決心というか覚悟ができたのかな、と。
…勝手に思ったものです。

そして、「王家に捧ぐ歌」の次が「巌流」のアンナ。
大変に不可思議な役ではありましたが(さすがサイトーくん)、これはウメちゃんにとって一つのエポックだったのではないかと、これまた勝手に思っています。

「立っているだけ」で「なにか」を感じさせる存在感。
立ち姿の美しさ、
台詞の抑揚や滑舌などの技術的なモノはともかく、あの嫋かな凛々しさと持って生まれた雰囲気、それだけで「真ん中」をはれる印象の強さ。
ああ、この人はいずれトップになるのかもしれないな、と思ったのもこのときです。

そして、ブレンダ。

本公演でも良く組んでいたレオンくんですが、芝居でここまでがっぷり組んだのは「龍星」くらい?(そうでもないかな…?)
スタイルも持っている雰囲気もよくお似合いの格好いいコンビで、これが最後になってしまうのは残念ですが。

でも。

最後がこの作品で良かったよね…
稲葉さん、ありがとう!と言いたいです。

「謎の女」をやっているときの目を奪う輝きと、
「ブレンダ」として舞台に立った時の淑やかな美しさ。

ウメちゃんはさらっと演じていたけど、ブレンダは案外難役だと思うのです。
教会のコーラスで並んでいる時の、観客の視線がすーっとコーラス隊の面々をなでて、通り過ぎて…そして、ふっと戻る。“…あれ、ウメちゃん?”
その瞬間の、新鮮な驚き。
あれは、なかなかやれません。最初から目立ってしまうか、通り過ぎてそのまま気づかれずに終わるかどちらか。

スポットが当たっているわけでもなく、衣装が特に華美なわけでもないのに、なぜか「ふっ」と視線が止まるのは、空気感が違うから。
ああ、この人は本物のスターなんだ、と感じるのはこんな時です。

それにしても。
ウメちゃんに「お嬢さん」ができるとは思っていませんでした。
ごめんなさい、ウメちゃんを甘くみてたよ。
稲葉さん、勇気あるよなあ……。



和くん。

お芝居、がんばれ〜!!

「愛するには短すぎる」のデイブは、滅多にないくらい美味しい役でしたね。上手くやればレオンくんのフランクより印象に残りやすい役だったはず。
なのに。

正塚さんでも育てきれなかったか…というのがちょっと衝撃。
ううう、がんばれ。

まず、もう少し表情を研究した方が良いと思います。
なんとなく、真面目な顔をしているつもりなんだろうけど「半笑い」みたいに見える瞬間があって、それがすごくもったいない。
かっこいいのに。
声もいいのに。
歌えるのに。

ダンスも決して悪くないのに。

役づくりに照れがあるのでしょうか。なかなか芝居に入りこめないタイプ?

デニスへ向ける友情、
妹へ向ける愛情、
モニカへ向ける恋情、
ガイへ向ける複雑な気持ち…

その全てを、あるがままに受け入れて「ブライアン」になってほしかった。頭で考えて表情を作ったつもりでも、ブライアンにはなれないから。
顔も声も大好きなので、ぜひぜひ、がんばって私を見返していただきたいです…。



蒼乃夕妃ちゃん。
本当にスタイルいいですねぇ〜!思い切った衣装がどれもよくお似合い。ウメちゃんと並んで見劣りしないってのが凄い。
デニスからブライアンに乗り換える、へたすると嫌な女になってしまう役なのに、すごく魅力的に演じてらして感心しました。稲葉さんも蒼乃さんをよく見てるなあ…。

ウメちゃんが組替えして、蒼乃さんが出てくるんでしょうか。
次の本公演、楽しみです。


ゆかり(綺華れい)ちゃん。

…キレイだった…。

この人に躍らせたり歌わせたり喋らせたり、稲葉さんって本当に勇気あるよな……。


でも、どんなに妙な役でも、どんなに歌がダメダメでも、どんなに………どんなに×がたくさんあっても。

それでもいいの。私はゆかりちゃん、大好きです。
観ているだけで幸せ。
あんなにいっぱい喋ってくれて、唇の端をぐいっとあげる嫌味な笑い方いっぱいしてくれて、めちゃくちゃ楽しかったです。
どんなにキャラが大馬鹿でもいいの。ゆかりちゃんは素敵だから。(←頭わる…)



みきちぐ(美稀千種)
すいません。みきちぐファンなので語らずにはいられません。
ねぇねぇ稲葉さん、なぜみきちぐにあんな衣装を着せるの?
……似合いすぎて笑いが止まらなかったよ…。苦しくて死ぬかと思ったじゃないか!なぜなんだ〜!!

物語の主筋には絡まないのに、劇場を後にするとみきちぐのことしか覚えていない。いつだってそんな存在。
またこの人は上手いんだよね、そういうのが…。
本当に楽しんで舞台に立っているから回りも楽しいし、観客席までそのオーラが押し寄せてくるから観客も楽しくて仕方なくなってしまう。

それにしても。今回の笑いのツボは、何よりもやっぱり衣装、だったな……。



千雅てる子
フィナーレのスパニッシュも素敵でしたが。
やはり、あの年輪を感じさせる声と仕草が。最高でした。
シスター・フィオナ。
デニスとブレンダを見守る天使さま。
絶対あのシスターの衣装を脱ぐと、背中に羽が生えてるんだよ。
小さな声で、そう教えてあげたい感じでした。

長いことお疲れさまでした。
どうぞこれからも、お元気で…。



ミックの如月蓮さんはじめ、いろいろ目についた下級生もたくさんいたのに、間が開いてしまったので何を語るつもりだったのかわからなくなってしまった…反省っ。やっぱりすぐ書かないといけませんね(汗)。


とにかく楽しい公演でした!
ね。

文句を言うとしたら、ラストの「ジュニア」が意味わからん、というくらいで。
正月早々、幸せな気分にしてくださってありがとう!

一回しか観られなかったので、CS放送を楽しみに待っています♪

 

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おかげさまで、今日中に2000アクセスをいただけそうです♪
私がよくお伺いするブログ様は、どこも○万ヒットだ○十万ヒットだと仰せなのに恥ずかしいかぎりですが(^ ^)。
1000アクセスに一ヶ月、次の1000が2週間弱、そのうち1万アクセスとかになったりする日がくるのでしょうか…。
そもそも、こんな呟きを読んでくださっている方がおられること自体、信じられない気もしつつ、これからも色々呟いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたしまーす!
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心中・恋の大和路。
菅沼 潤、という、私みたいな新参のファンは名前しか知らない演出家の作品。
彼の現役時代の他の作品に、どんなものがあるのかも知りませんが。

私が「宝塚歌劇団の作品で一番好きなものは?」という質問をされたとしたら。

もちろん、すごーくすごーく悩んでしまうでしょうけれども、
「公演」でなく「作品」ならば、この作品をあげる可能性は結構高い、かもしれません。

そのくらい、大好きな作品です。

正直、レ・ミゼラブルマニアだった私にとって、この作品以前に観た宝塚の作品ってどれも「脚本」が物足りないものばかりだったんですよね…。
この作品に出会わなかったら、今でも「宝塚は面白いしキレイだしエンタメとして大好きだけど、“芸術”(←何をエラそーに)としてはちょっとね」とか(ごめんなさい!)思っていたかもしれません……。

だから。
再演すると聞いて、とても嬉しいです。

「宝塚」にはこんなに素敵な作品があるってことを、宝塚「喰わず嫌い」の方に教えてあげたいですo(^ ^)o



私は、この作品、都合3公演観ています。

最初が、汐風幸さんで再演されたバウホール公演。
(忠兵衛 汐風幸、梅川 貴咲美里、八右衛門 汐美真帆)
汐風さんも汐美さんも大好きだったので、生まれて初めて「バウのためだけに」遠征して。
終演後、客席で号泣して立てませんでした。

ハマコ(未来優希)さんの歌。
布を使っただけのシンプルきわまりない、壮絶な装置。
白一色の、凛然とした世界に、ひっそりと嵌る透明な二人。

あ、梅川が逝ったな、と思った瞬間の幸さんの動き。
ふわっ、と手が動いて、そして、ふ、と顔をあげる幽かな動き。
…ああ、忠兵衛も逝くんだな、と。

鳴り響くドラム。
泣き叫ぶベース。


運命はかく扉を叩き、
この汚れた世界から透明な二人を運び去る…



二人を死の道へ送り込むのが、二人をずっと見守ってきた「保護者」八右衛門であり、
死の道へ向かう二人を見取るのが、花魁に叶わぬ恋をした与平(未来優希)であり、

どちらも二人を愛しているからこそ、「世知辛い世間」から解き放ってやりたいと思ったのかもしれない、と。

そのくらい、あの白い世界で抱き合う二人は、ある意味、幸せそうで。
自分たちを受け入れない“世界”を、拒否してのける程の、恋だったのだ、と。
この究極の恋を成就させるためには、あの世界に閉じこもるしかなかったのだ、と。

愛の大和路、ではなく、「恋」の大和路。
それが、すとんと落ちてきて。

涙で前が見えません…(←そこでギャグを飛ばしてどーするんだ私)



文楽や歌舞伎の「冥途の飛脚」は、私が知る限り全幕での上演はされていないと思うので、名場面としての道行きと封印切りくらいしか観ていないのですが。
「心中・恋の大和路」と「冥途の飛脚」は、違う話と言ってもいいくらい違う印象でした…。

まぁ、全幕観れば違うのかもしれませんね。

歌舞伎も、名場面集ばかりじゃつまらないから、たまには全幕ものをやってほしいなあと思うのですけれどもね(やっているのかしら?歌舞伎座の演目はチェックしているつもりなのですが…涙)



次に観たのは、ものすごーくものすごーーーく楽しみに待っていた日本青年館公演。
(忠兵衛 汐風幸、梅川 貴咲美里、八右衛門 朝海ひかる)

前半のコメディ部分の流れが良くなっていたことで、ラストへの展開の怒濤感が増し、感動がいや増したんじゃないかなと思いました。

忠兵衛が朝帰りした時の愛さんとの遣り取りとか、婆さまを誤魔化すために八右衛門に協力を頼むところとかのテンポが良くなって。この大悲劇の中で、笑わせるところはしっかりと笑わせ、泣かせるところはしっかりと泣かせるメリハリの良さ。

劇場自体が広かったり、生演奏じゃなかったり(バウはナマ)、客席もちょっと寒かったり(…涙)、マイナスポイントは多かった筈ですが、役者の集中力があがっていて、公演時間がさらに短くなったような気がしたものです。


個人的には、八右衛門のケロ(汐美真帆)さんがあまりにもあまりにも素敵だったので、コム(朝海ひかる)さんはかなり大変だったろうな、というか、正直可哀相だったんじゃないかと思うのですが。

でも、私はコムさんの八右衛門もとても良かったと思います。
幸さんが半年ですごーく良くなっていたので(笑)、その相乗効果があったかな、という気もしますが。

なんというか。
ケロさんの八右衛門さまは、あまりにも格好良かったんですよね。
見た目も落ち着いているので(…ごめんなさい。ケロさん大好きです)、幸さんの忠兵衛と随分年が離れているように見えました。だから、「近所のもの慣れた兄貴分」が、可愛い弟分を「色街に連れて行って、作法のイチから教えてやった」みたいに見えたんですよね。

それが、コムさんは見た目も可愛らしいので(←ケロさんと同期であることさえ知りませんでした)、忠兵衛と同年に見えるようになって。「一緒に色街で遊んでいる対等な兄弟分」、に見えるようになったのです。

だから。

八右衛門の名場面、後を追うことを決めたときの台詞にも、

ケロさんはどこかに保護するべきものを「守りきれなかった痛み」があり、ほんのかすかに「手のうちから逃げてしまったことへの怒り」さえほのめかして(←考えすぎ?)いらっしゃったような気がするのです。

それに比べて、コムさんは、ただひたすら「自分の余計な一言で傷つけてしまった」「親友」を心配し、無事を祈っていた、ような気がしました。


観ていても、全然違うお二人のキャラに合わせて違う解釈をされていて、どちらもとても好きでした。

そして、受ける幸さんも、お二人に対する態度は全然違ってい
たんですよね。特に大和で追いつかれた時の反応の違いは大きくて。
八右衛門のキャラで、全体の印象がここまで変わるのか、と、ちょっと驚きました…。


あと、個人的にですが、愛耀子さんの子役が憧れている丁稚役のユミコ(彩吹真央)さん→蘭香レアちゃんの役替わりが印象的でした♪どっちも可愛かったです♪
しかし、あの頃から疑問に思っていたことが。

ユミコさんはあの時点で与平の代役だったんじゃないかと思いますが(エンカレで歌われた主題歌は素晴らしかったです!!公演でも聞きたかった!)、レアちゃんはどうだったんでしょうね。歌は決して得意ではない彼女ですが…。代役は違う人だったのかなあ……。


その後上演された、池袋芸術劇場でのOG公演も勿論観ました!
(忠兵衛 瀬戸内美八、梅川 若葉ひろみ、八右衛門 峰さを理)
瀬戸内さん、初めて観ましたが滅茶苦茶大人の色気があって、ぞっとするほど「色男」でしたねぇ…。なのに可愛らしくて、そりゃあ、女なら誰だってあの世までついて行きますわ、あれは。

アレを観てしまうと、幸さんは生真面目な旦那だったなあ、と思いますねぇ。まぁ、生真面目な人が燃え上がった時の方が怖い、という意味では、説得力ありましたけど。
誰にもわからないレミゼ話で恐縮ですが、「石川禅さんのマリウス=30過ぎて初恋に狂った男は怖い」っていうのと同じレベルで、汐風さんの忠兵衛も、女は「溜息ついてついて行くしかない」妙な迫力、がありましたね……

OG公演は、あまりにも瀬戸内さんの印象が強くて、峰さんはラストの道行きの歌の素晴らしさで号泣ましたが、芝居としてはちょっと弱かったのかな?瀬戸内さんよりかなり若く見えてしまうのに、キャラとして忠兵衛より「上」に立たなくてはいけないのが辛そうでした。峰さん自身は素晴らしかったと思いますが、「忠兵衛より若い八右衛門」で全然構わないから、そういう形で演出してあげればいいのになあ、と思いました。

今回の再演では、そのあたりに期待しています♪>谷さん


……長くなってしまった…(いつもか)
すいません。とにかく、大好きな作品なので。
がんばってチケットGETして、観に行きたいと思います!





そして。

もし、万が一将来現役での再演があり得るのであれば。

ぜひ、まっつ(未涼亜希)さんの忠兵衛でお願いいたします〜!!

八右衛門は、花組あまりよく知らないのでアレですが…ふみか(紫峰七海)さんあたりでいかがなものでしょうか。あるいは他組ですけどキタロウ(緒月遠麻さん)とか…全然違うかな!?
とにかく、まっつと同世代に見えて、愛情に溢れたお芝居ができて、でもちょっと裏があるっぽい深みのある大人がやれる人がで観てみたい…さらに歌えればベスト。そんな感じで(どんな感じだ)お願いします!


…ま、キャストに関係なく。
名作なので、再演は常に切望してます。はい。


谷演出は、今回のOG公演を最後にして、次回からは大野演出でやってみてくれないかなあ…。

そんなことしたら、梅川ほっぽって八右衛門×忠兵衛で心中しちゃいそうだからダメなのかしらん(…キコエナイフリ)


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一年前の2月5日。
私は、飛行機に乗って伊丹空港へ向かっていました。

たった一日きりの、「ベルサイユのばら」観劇のために。



あれから一年たった今日。
大劇場の舞台にオスカル様とアンドレが登場したと聞いて。

ウケてしまって仕事になりませんでした……(反省っ)



一年前の今日。
私にとって2人目のオスカル様を観劇。

最初に観たオスカル様は、星組「オスカル編」の稔幸さん。
丸顔ですが(笑)スタイルが良いので軍服がキレイに映えて、ほんのりと漂う色気が滑らかで、とても好きなオスカルでした。
原作ファンなので脚本には突っ込みまくり、というか、「何も考えたくない…」域にまで達してしまいましたけどねっ。

原作のイメージ(=格好良くない、お間抜けキャラ)に一番近い(←失礼)樹里さんのアンドレにすっかりハマって、トップコンビサヨナラ楽を含むGW近辺のチケット探しに奔走したことを、今でも時々思い出します。


そして時は流れて。

宙組の「ベルばら」は観る機会がなく、去年観たのが初めての「フェルゼン編」だったのですが。

オスカル編でさえ突っ込みまくりだった私。
…フェルゼン編って凄い脚本ですよね………?
ってゆーか、ただの名場面集だからソレ。一本の脚本じゃないじゃん。
原作を知らない人は、あの話で意味判るんでしょうかねぇ…。

などという今更な話はおいておいて。



大空祐飛さんのオスカルは、私の目に、ひどく純粋で、まっすぐで、…そして潔癖な、精神的に幼い「子供」に映りました。

ひどく残酷で、矛盾に満ちていて、でも彼女の中にはどんなに不可思議なものでも一本筋が通っていて、「信念」に裏打ちされている自信がある。

アンドレの気持に気づきながらキレイに無視できる残酷さと、
貴族でありながら貴族のありかたに不満を抱く潔癖さ、そして
王家への忠誠を疑わない矛盾。



植田紳さんのフェルゼン編自体、フィクションの存在であるオスカルの存在意義がない脚本なので非常に観ていて痒い部分も多かったのですが。
それでも、祐飛さんの作った「オスカル」という人間像は、とてもリアルで、魅力的でした。
安蘭アンドレより縦にも横にも大きくて、肩も抱いて貰えなかった唯一のオスカルでしたけどね……。

祐飛さんが演じると、どうしても宝塚的ヒーローにはならないケースが多いので、たとえばオスカル編のオスカル役を祐飛さんで観たい!!とかは(ファンだけど)あまり思わないのですが。
あんな下らない「名場面集」ではなく、ちゃんとした「ベルサイユのばら」の祐飛オスカルは、ぜひ観てみたいです(^ ^;ゞ



…すみません、ファン莫迦です。





そして今日。
パリの空の下、モンマルトルの丘の上で。

アルマンドが銃を構える。

パン、パン、パンッ!

破裂音。


ジョルジュが。

…片眼をおさえて、右手を遠くへ伸ばす…



「見えていないのか!?」

アルマンドの絶叫。

「なぜついてきたーーーっ!!!」


………。


いやはや。

友人からメールを貰って、本当に会社で倒れるかと思いましたよ。

ま、実際には祐飛さんが星組でオスカル、麻子さんは雪組でアンドレだったわけですが。

やっぱり、この二人で組むなら逆ですよねぇ?


ああ、この瞬間を客席で迎えたかったなあ。

一瞬呆然として、それから爆笑。

ああ、同じ呆然と同じ爆笑を、皆で共有したかった。
楽を観劇なさったみなさまが羨ましい。


でも。

東宝でもあれこれ思い切って遊んでほしい気持が半分、
(だって何度も観るんですもの…)

作品としての芝居を壊すアドリブは勘弁してほしい気持が半分。
(一般人を誘いにくくなるので)


麻子さん率いる月組は、どんな戦略で攻めてくれるのか。
…とても楽しみです。ホントです。はい。




そして。
退団者4人へのコメントを書くつもりだったのですが。
…東宝楽まで待ってください。
思い入れが深すぎて。

ひらさん、ふーがくん、ふじこちゃん、さらちゃん。
大事な大事な、月組の仲間たち。

書くべきことなんて、とてもまとめられないから…



4月1日まで、あと2ヶ月弱。

どうぞ悔いのないように、
一日一日を
タカラジェンヌとして
最高に楽しく、最高に充実して過ごしてください。

悔いのない2ヶ月になりますよう、心より祈っています…。


折しも、東京と名古屋では「幕末」を舞台にした物語が二つ、同時に語られているんですね…。


2度目にして最後の、東宝宙組観劇。
…「幕末」という時代の、熱に煽られて帰ってきました。


かし(貴城けい)ちゃん、本当にキレイだった。
先日の日記にも書きましたが。

(紫城)るいちゃんともども、本当に「輝いて」いた。

なんであんなにキレイなんだろう。
なんであんなに、


なんであんなに幸せそうなんだろう………



コトバもなくって。
ただ、泣いてました。客席で。


ぶん(絵麻緒ゆう)ちゃんの時はどうだったっけ。
ぶんちゃんも本当に大好きだったので、苦労してチケット取って、泣きに行ったけど…
あんなふうに「イッちゃってる」ふうな輝き方だったろうか。

…本当に、観れば観るほど、この世のものとは思われないほどキレイ。

退団者、って、キレイなものだけど。
輝くものだけど。

…それにしても、なあ……



タニ(大和悠河)ちゃんは可愛い。
どうにもしどころのない、(キレイで目の保養だけど)居ても居なくても脚本的には何の問題もない役ですが。

もうすぐ、あと1週間もすればあなたがトップになるんだね…。
なんだか想像もつかないような、
月組での厚遇を見守ってきた身には「あれ、まだトップじゃないんだっけ」と言いたいような。

星組博多座「ドルチェ・ヴィータ」でのドウニモナラナイ美しさに心を奪われて以来、あなたの真ん中を楽しみにしていました。

…でも。
かしちゃんとタニちゃん、という、今の宝塚で一番(多分)綺麗な男役トップ&2番手コンビを、もう少し眺めていたかったなあ…。



蘭(蘭寿)とむくん
慶喜、嵌り役でしたね。

慶喜さんって非常に優秀な人なのに、明治政府側視点でも幕府軍視点でも、割と「裏切者」っぽく描かれることが多くて可哀相な人なんですが。
石田さんの解釈はそれ自体納得できて面白かったし、それ以上に、蘭とむくんの的確な役作りで場面を盛り上げてとても良かったと思います。
歌も、ショーの歌はイマイチなのにここの銀橋ソロは良かった、よね…?

「月の燈影」以来、蘭とむくん=わんころ、のイメージが(私の中に)焼き付いていたのですが、「人の上に立ち、人の運命を司る者としての将軍」慶喜をしっかり演じてくれた蘭とむくん、良い役者だなあ〜、と思いました。
あと1週間、かしちゃんとるいちゃんをよろしくお願いします…。



ともちん(悠未ひろ)
同じ石田さんの「猛き黄金の国」では、しい(立樹よう)ちゃんが演じた武市半平太。
出番は少ないけど、「倒幕派」の、ある意味最初の犠牲者として、時代を転がし始める役。

ともちんの持ち味は「おおらかさ」と「茫洋とした優しさ」だと思うので、この役はどうなのかなーとも思っていたのですが、さすがに石田さん、座付きだけのことはありますね。
いい芝居してました!やっぱりともちん、大好きです!



みっちゃん(北翔海莉)。
何を隠そう、みっちゃん大好きな私。(小声)
なんだか、月に居た頃より自然な感じですごーく良くなってたなあ…。月ファンとして嬉しいし誇らしいけど、ちょこっと複雑です。
タニちゃんもそうだけど、宙で修行したら月に帰っておいで、とか思っていたのに予想外に「宙のみちこ」はハマッっていて。
もう宙ッ子なんだなあ、月には帰ってこないんだなあ、と…すごく寂しい気持でいっぱい。

まぁ、元々笑いさえしなければ芝居の巧さで2枚目になれる人なので。
月だと、アダルトな役はどうしても上級生に取られてしまって、似合わない「可愛い系」の役が回ってきがちでしたが(JAZZY…の妖精なんて目を覆いましたさ)、上級生の少ない宙に来て、役に恵まれて、実力に見合う人気が出ることを祈りつつ…

みっちゃんの凄いところは、これっぱかしも「宝塚」に染まる気がないところ。
そして、普通に「宝塚ファン♪」している人を取り込もうという気がないところ。
…あの潔さ。他にはいないよなあ、あんなジェンヌ…。



たま(天羽珠紀)ちゃん
どこで語るか迷ったのですが。
この方とまりえ(美郷真也)&すっしー(寿つかさ)の家政婦教会コンビは、私が宙組を観に行く動機なので。書いちゃおうかな、と。

私にとって、(嘉月)絵理ちゃん二世なたまちゃん。
樹里さんの初バウ「Freedom」で、音乃いづみちゃんと下級生代表でソロを歌ってくれて以来、宙を観る時は最初に探す(まりえさんやすっしーさんは探さなくても見つかるけど、たまちゃんは探さないと無理)、そういう存在でした。

…可愛かったたまちゃんが、ごくごく普通に上級生していてちょっとビビった。ってゆーか、たまちゃんってるいちゃんと同期よね。上級生になったんだなあ…。

…あれ?珠洲春希くんも同期だということを今はじめて知りました!すずちゃんはもっと下級生だと思いこんでた。何故だろう…?



たっちん(和音美桜さん)
可愛いなあ♪(グラフを見てのけぞったことなどすっかり忘れたい)舞台化粧のたっちんは可愛くて大好きです。声も好き。

芝居はまあ、目立つ割にあまりしどころのない役で残念でしたが、今まで観てきて巧者だと思っているのでもう少し「引き」の芝居の面白さがわかってくれるといいのになー、などと高度な要求をしてみたりして。
これからのご活躍を期待しております♪



咲花杏ちゃん
…可愛いよぅ。可愛いよぅ。可愛いよぅ。
辞めないでほしいよぉ………(しょんぼり)





そして、名古屋で上演中の、もう一つの幕末。

今週末は名古屋に行く予定です。
チケットは手配していませんが、なんとかなるよね、ね!?(←楽天的なO型)

こっちの幕末は柴田さん。
ロマンスの王道を往く柴田さんが、どんな風に「幕末」を描くのか、興味津々。

…という訳で。
ちょこっとだけ(←多分無理)「幕末」について語って見たいと思います。


「幕末」。


日本の歴史には、いくつかの転回点があります。
旧くは、「あかねさす…」の舞台となった飛鳥〜大津京時代。
一人の人間の来し方にいくつもの分岐点があるように。「日本」という「国」の歴史にも、いくつかの大きな分岐点があります。

そんな中で。
やっぱり、一番大きな「転回点」は「明治維新」だったんだろうなあ…。

「幕末」の総括、というのは、案外歴史学会でもきちんとなされてはいないような気がします。

日本の政治体制も経済体制も大きく変わり、開国・文明開化を断行。政治の刷新と経済の大改革(産業革命)と情報革命(開国)が同時に降りかかり、それに伴って民衆の生活も大きく替わった、それが日本の「明治維新」。

歴史に「たられば」は野暮。それは判っているのですが。

この明治維新は、調べれば調べるほど「歴史の必然」感が強いんですよね。
ただ、そもそも思想としての「尊皇攘夷」を説く人間がいなかったらどうなっていただろうか、とは思ってしまうのです。

もともと「開国派」=幕府、「攘夷派」=尊皇(=倒幕)、という思想だったはずなのに、実際に幕府を倒した途端、「開国論」に一瞬にして切り替わった倒幕派の切り替えの良さというのは驚くばかりなんですけどね…。

結局、倒幕派はその時点で「武士」ではなかったんだろうな、と。
「武士は喰わねど高楊枝」の武士とは違うイキモノだったのだろう、と。

そんなイキモノに、「武士」であることに自分の存在意義の全てを見ていた幕府側なんぞが勝てる訳がなかったんだろう、と…。



私は福島県内に故郷があるせいか、どうしても奥羽越列藩同盟側、というか、明治政府を樹立した側とは反対の立場に立った見方をしてしまいがちで(滝汗)

だから、青春群像としての新撰組が好きだったりするわけですが(←そ、それは何の関係もないんじゃ…)


彼らはテロ集団ではなかったし、
特高でもなかった。
やり過ぎてしまったことはあったかもしれないけれども、最初の一歩は、ただの「夢」だったのだろうと思うのです。

今の、ささやかな幸せを守りたい、という。


それに対して、倒幕派は必死だった。
幕府を倒さなくては、日本をひっかき回して、民衆の生活も何もかもひっくり返さなくては、生きることが出来なかった…。


幕府中枢は愚かだったかもしれない。
時代遅れだったかもしれない。

だけど、夢はあったはず。
人々が(今までどおり)幸せに生きられるように俺たちが守るんだ、と。


倒幕派にも夢があった。
坂本竜馬が描いた夢が。

「ニッポンの夜明けを見たい」、と。


夢に正邪はない。
彼らは皆、ただ夢を夢見ただけ。

…だから。



坂本竜馬、という、誰よりも大きな夢を描いた人は、「宝塚」という夢の世界に一番ふさわしい主人公なのかもしれません。



夢を見た人々の物語に参加するために。
私は東宝へいき、そして、名古屋にも多分行くでしょう…



.
…刹那、っていうのは、時間の単位なんですよね。
具体的に何分の何秒か、みたいなのはいろいろあるみたいですが。

とりあえず、「時間を分割する最小の単位」をさす、らしい。




たった、一作品に咲いて散る、潔い花のように、
刹那を駆け抜けたトップコンビ。


これ以上分割することのできない時間。
これ以上、

これ以上濃密な時間は、もう2度とないだろう…。





3連休は、関西の方へ(?)仕事ついでに旅行をしていたのですが。
新幹線を降りて、大荷物を抱えて日比谷へ直行して参りました。

最後の最後に、人波の向こう、頭の間からとぎれとぎれに見える、卒業生たち。

残念ながら、私は宙組ファンではないので、全員はわかりませんでした。
下級生では、かろうじてエンカレで可愛いな、と印象に残っていた(でも舞台ではわからなかった…ごめんなさい)白峰さゆりちゃん、咲花杏ちゃんのお二人。
あと貴羽右京さんと、トップコンビのお二人。
それしかわからない。

でも。


なんとか間に合って、全員のお顔を拝見することができました。

ちょうど私の前に立っていた方が詳しい方で、あれがさゆりちゃん、あれがあいらちゃん、と隣の方に教えてあげていたのをダンボして、顔と名前を一致させることもできました♪

途中、歌劇誌をチェックしながら、
スカステのトークできいた天翔さんのエピソードやなんかを思い出しながら。



みんな、キレイな笑顔でね。
幸せそうでね…。

あんまり幸せそうで、涙がでました。


ひとりひとり。
私は知らない方でも、(当たり前だけど)みんなみんな、誰かに愛されて。
たくさんの人に愛されて。

あなたを愛した人も、きっと幸せだったんだよ、
だって、あなたがそんなに幸せそうなんだもの、
…と。





だから。

るいちゃん。
かしちゃん。

刹那の時間が、あってよかった。

あなたに会えて、良かった。



かしちゃんの笑顔。
かしちゃんの愛。
かしちゃんに向けるファンの笑顔。
かしちゃんが向けるファンへの笑顔。

こんなにも、愛に溢れた人だったんだね。
私は、あなたのこと、何も知らなかった。
舞台はそれなりに観ていたつもりだったけど。
月に特出してくれた時に、すごーく大切な人になった。

だけど。

かしちゃんの愛。
こんなにも、愛する喜びに溢れた人だったんだね…。



るいちゃんの幸せそうな笑顔に泣いて。
かしちゃんの愛の深さに泣いて。


いろんな可能性があったんだろう。
いろんな道があったんだろう。

いろんな思いが、きっとあったんだろう。


でも。
二人のコンビに出会えて良かった。
願わくば、という思いは消せないけれども、
でも。


かしちゃんと、るいちゃん。
大好きなお二人へ。


ご卒業、おめでとうございます…(号泣)。







.
花組の大劇場公演「明智小五郎の事件簿〜黒蜥蜴/タキシード・ジャズ」を観てきました。


…感想ですか?


木村さんのお茶会があったら、私は必ず参加させていただきます。

参加して、「なぜ原作と全く関係ない話にこのタイトルをつけたんですか?」って聞くの。
応えるまで返さないもんっ。


答えは分かってるつもりなんですけどね。
「その方が興味を惹くと思ったから」でしょ?どうせ。
違いますか?



そういうのを換骨奪胎、いやこれは違うか、木村さんは新しいものなんて何も詰めてないもんね。皮をはいで木枠に貼っただけ。…こういうのはなんて言えばいいんでしょう…虎の威をかる狐とか?(←違うだろソレ)

「黒蜥蜴」ってゆー美々しい看板をかかげた、中身は空っぽの蜥蜴。そんな感じデシタ。



なんにしろ。

プログラムで木村さんはえんえんと乱歩を褒め称えていらっしゃいますが…

10年越し?20年越しの思い、だとぉ?意味がわからん。
乱歩を評価しているなら、なぜ大正浪漫にしないんだ。
なぜ孤児なんだ。
なぜ戦後なんだよーーーーーっ!!?


自分のやりたいテーマが決まっていて、それに合わせて話を作るなら、「原作」のネームバリューを悪用するのはやめていただきたい。
原作を愛し、原作を尊重する気持がないのにその名前だけ利用するのは卑怯者のすることです。

原作や、そこから生まれたものを愛する気持を踏みにじり、切ない思いをさせる。それは、そこに愛がないから。
たとえどんな駄作でも、そこに愛があれば癒される、
それが宝塚ファンというものなのに。


私は、木村さんの作品に「愛」を感じたことがありません。

「舞台」として見せるにあたって、「ほら、これ、どう?可愛いでしょ?僕の宝物なんだよ!」というドキドキ感。
観客は、創り手の宝物をこっそり見せてもらっている高揚感に背中を押されて、その作品世界への最初の一歩を踏み出すのです。

木村さんの創る作品には、その含羞がない。

だから私は、なかなか木村さんの作品に感動できないのだと思います…(悲)。




といいつつ、実は二つほど好きな作品があったりする(^ ^;。
花組DC「不滅の棘」と、月組バウ「十二夜」。

「十二夜」は、かなり原作に忠実なつくり。
演出も手堅くて、キャストも充実していて普通に面白かった。

「不滅の棘」は…原作は読んでいませんが、キャストの個性を生かして、不可思議な作品世界がしっかり作り込まれていたんですよね。
原作ファンの方が身近にいないので何とも言えませんが、原作を知らない身には普通に面白かったですし、今でも印象深く記憶に残っています。



なので。

今回の芝居も、もしかしたら「黒蜥蜴」を知らなければすごく面白かったんじゃないか、と思ってしまうのです。
「黒蜥蜴」が原作だ、と宣伝されてさえいなければ、芝居作品として正当な評価を得られたのではないか、と。

少なくとも「なんで戦後なんだ!」に引っかかる人はいなかったでしょうし、
「なんで少女なんだよ!」とか叫ぶ人もいなかったはず。

そういう、作品の根幹に関わるけど「原作」との乖離がなければ全く問題なかったはずの部分にいちいちクレームをつけたくなるのは、木村さん自身にとっても気の毒なことだし、

何よりも、演じている花組生が可哀相だと思うのです…。


黒蜥蜴、という作品は、それ自体が名作。
キャラクター造形からストーリー展開まで非常に印象に残る、クリエーターなら映像化してみたくなる作品なのだそうです。
映画にもなりましたし、舞台も有名で、観ている方も多いでしょう。
特に今回は、タイミングも合っていたから麻実れいさんの舞台を観に行った組子も多かったはず。

そういう勉強が、まるまる無駄になったし、おそらくお稽古も、そういった「思いこみ」の「先入観」を払拭するところから始めなくてはならなかったことでしょう。

木村さん、莫迦だったと思います。
最初から「黒蜥蜴」だ、なんて言わなければよかったのに。
「明智小次郎の事件簿」とでも題して、プログラムに「乱歩へのオマージュ」と書くくらいにしておけば良かった。

もともと「黒蜥蜴」という作品自体、宝塚向きでもなければ彩音ちゃんがトップ娘役をしている花組向きでもなかったのですから、
最初から「少女怪盗参上!」とでもしておけば良かったのに!
(←イヤ、そのタイトルは勘弁してくれよ…)



芝居作品としての突っ込みどころも沢山あります。
それこそ、「パリの空よりも高く」とタメをはれるくらいに。

なんといっても、木村さんは日本語が母国語だとはとても思えない語彙量をお持ちなんですから!

でも。

発想自体は悪くない。
今回に限っては、真面目にそう思っているのです。
私は、この作品世界、決して嫌いではありません。
むしろ、非常に面白い世界設定、人物設定だと思っています。

潔癖性で、思いこみが激しくて現実世界になじめない、元戦争孤児の大富豪の養女。

そんな少女が閉じこもろうとする「夢」の世界と、
「現実」で彼女を待つ王子さま。

あちこちが痒くなりそうなほど、あまりにも少女漫画そのものの設定ですけれども…
その設定が面白いからこそ、「黒蜥蜴」という、全く関係のない作品と関連づけられた作品が、可哀相に思えてならないのです。


彩音ちゃんは、「潔癖性の子供」を巧く表現していました。
彼女のお芝居はダメダメ、と思っていましたが、クリスティーヌあたりからずいぶん良くなりましたよね。声が一種類しかないので台詞がどれも一本調子ですが、役の核は掴めていたように思います。

「大人の世界」を拒否して、自分のルールで全てを動かそうとする子供。
世界が自分のルールで動くと思っている子供。
その浮き上がり方はかなりイイ!好き!です♪

木村さんの脚本も、子供の「理屈のない残酷さ」を見事に表現していました。
明智の入ったソファを海に投げ込ませておいて、明智を喪った自分を憐れんで号泣する、精神的にはまだ幼い『少女』。

大人は、「子供は純粋で素直で愛らしい」と思いこみたがって、そういった「純粋故の残酷さ」や「愚かな痛さ」を認めたがりませんけれども。
子供、というのは本来残酷で愚かな存在ですし、やることなすこと「大人」にとっては困ることばかりにきまっている。

だって、「大人」のルールに従わないのが「子供」なのですから…。

そんな「少女」を、明智は「大人」として見守ります。
彼女の痛みを受け入れて、癒そうとする。
そうすることによって彼女を救いたいと願う、それが既に「愛」なのだと木村さんは言うわけです。

彼女をただ盲目的に愛し、その意に従おうとする雨宮(真飛聖)ではなく、彼女を教え諭し、正道へ導こうとする明智を、少女も愛するはずだ、と。

…それはちょっと短絡的なんじゃないかと私は思いますがね…。
まぁ、木村さんは、今までの作品を観るかぎり、異常なまでの権力志向をお持ちのようなので、そういった支配的な愛し方を高みに置かれるんでしょうね。

カエサルに恋をする愛人ズのように、少女も英雄に恋をするはずだ、と。

そんなことないと思うけどね。
少女は強引に奪われない限り、雨宮を虐めながらも手放さないと思いますよ…。




まぁ、そんなことはどうでもいいのです。

名作だ、とは全く思いませんが。

「黒蜥蜴」という原作さえ利用しようとしなければ、結構悪くない作品だったと思います。

…後味が良いとは言えないストーリーですし、「残酷で愚かな少女」をトップ娘役が演じることに抵抗を感じる方もいらっしゃるでしょうから、『宝塚ファン受け』や『一見の団体客受け』するかどうか、というのは全く別の問題になりますけれども。

一つの舞台作品として、「子供の感じる痛み」をきちんと表現できる作品、というのは少ないですし、面白い試みではあったと思います。

まぁ正直、DCあたりで観たかったような気もしますけれども。
これはこれで、タイトルさえ違えば佳作くらいにはなったかもしえれないな、と思います。

タイトルは今更変えられないので、評価が良くなることは考えにくいのですが…。
ああ、花組生可哀相だ…。



…ここまで真面目に語ってきて、
ここに書いたことに一欠片の嘘もないのですけれども。

書いていないことも、それはたくさんあります。

観劇しながら都合5回は倒れそうになったこととかね…。


倒れたきっかけは、それぞれ歌だったり舞台装置だったり台詞だったり人の動きだったり…いろいろですが。



「黒蜥蜴」という原作のことはキレイサッパリ忘れて。

台詞はすべて、頭の中で吹き替える覚悟で。

歌詞はいっさい聴き取らないよう、あれはスワヒリ語だと自分に言い聞かせて。

途中でツボって吹き出してしまっても大丈夫なようタオルを持って。

…ぜひ、ショタコンで嗜虐趣味の明智先生と、

レスボス島の女王を気取るこちらもいぢめっこな少女怪盗の、

妄想と幻想の狭間を体感しに、劇場へ行ってみてください……。







長くなってしまったのでショーについては後日に回しますが。
一言だけ。

「TUXEDO JAZZ」は名作です。

荻田作品は何もかもみな素晴らしい、
あの素晴らしさがわからないのは観る側のレベルが低いから…
という最近の風潮にはついていけないのですが。

「TUXEDO JAZZ」は、私にとっては「パッサージュ」以来のヒットでした♪

まっつ(未涼亜希さん)を使ってくださってありがとう、荻田さん(感涙)


雪組中日劇場公演「星影の人/Joyfull2」を観てきました。

…感想ですか?

柴田さんのお茶会があったら、必ず参加させていただきます。

参加して、「なぜ新撰組と全く関係ない話なのにこの題材を使ったんですか?」って聞くの。


…答えてくださるでしょうか、柴田さんは。



題材が新撰組ということで、先日まで東宝劇場で上演されていた宙組の「維新回天・竜馬伝」と同じ時代の作品であることは誰でもわかることなのですが。

夜野愉美さまのブログでご指摘いただいて初めて気が付きましたが、今週末から東宝劇場で始まる月組の「パリの空よりも高く」も、同じ時代の作品なんですね。
http://blog.so-net.ne.jp/nights-entertainment_troup-leader/2007-02-08

ちょっと違う形で時代が動いたならば。
彼らはパリ万博に遊びに来ていたかもしれないんだな、と思いながら。



世界の都・パリと、ニッポンの京都。

産業革命前と、後。

舞台装置の質の差は大きいですけど(苦笑)、
乗っ取られてしまう前に、
全てを奪われてしまう前に、
ニッポンは「革命」をしなくてはいけなかったわけだなぁ…(感慨)



「星影の人」

初演は1976年。31年前、なんですね。

…とにかく、ふるい。

今の演出の主流が、幕前・暗転を極力減らして盆やせり、装置の変形・移動を多用する方向になってきている中で、細切れのエピソードを暗転でつなぐ演出が「古さ」を強調しているような気がします。

でも、それはそれ。
演出だけの責任じゃない。やっぱり、脚本自体も古すぎるような気がしてなりません。


31年前。
最初の新撰組ブームはいつだったのでしょう…?
少なくとも、「新撰組マニア」は、今では想像できないくらいアングラだったのではないでしょうか。

ほんの3年前の大河ドラマの時代でも、ネットのあちこちで「あんなテロ集団の話をNHKが取り上げるなんて」という論調が見られたのです。

ましてや、31年前。

31年前に、タカラヅカで新撰組を取り上げた、というのは、もしかしたら凄いことだったのではないんでしょうか…?

…それはさすがに、考えすぎカナ?



この作品は、あくまで「沖田総司の恋物語」であって、「新撰組」の話ではないんですね。
血生臭い「革命」の物語ではなく、「清く、正しく、美しい」恋の物語。

同時期に上演された「竜馬伝」と、どうしても比べたくなってしまうのは悪い癖なのですが…

「竜馬伝」は、「幕末」の話でした。
登場人物が、全員真剣に「これからの日本」を案じ、どうすればいいのか、自分は何をすれば日本のためになるのか、を考えている。
「ニッポンの夜明けが見たいぜよ」というキャッチコピーは、気恥ずかしいけれども見事に作品のホンネを突いていたと思います。

それでいて、きちんと竜馬とおりょうの想いも、心の交流も描いたし、石田さんの、幕末という時代への愛が漏れ漏れで、すごくって。
全体としては、突っ込みどころ満載ながらもそれなりに佳作ではあったと思います。



それに対して、この「星影の人」は。

「幕末」でもなければ「新撰組」でもない。
描きたいのは、「沖田総司」。

それもアリだとは思うのですが。
ちょっと食い足りない感じは否めないんですよね…。

私は、柴田さんの「チェーザレ・ボルジア」で宝塚初見、大劇場作品で好きな作品は?と聞かれたら、5本の指のうちには必ず「黒い瞳」が入る、という、なんちゃって柴田ファンなのですが。

柴田さんの作品の、おそらく一番の特徴というのはあの「ロマンティック」至上主義的な切り口なんだと思うのです。

名作「あかねさす紫の花」にしても、額田を挟んだ三角関係だけで、あの激動の時代の政治の動きを全部説明してしまおうという暴挙に出ていらっしゃったし、
「うたかたの恋」も、原作映画ではあそこまでマリーだけのために何もかも捨てる設定ではなかったですし…

柴田さんの全盛期の作品を、柴田さんご自身で演出した公演を観たことがないのであまり偉そうなことは言えませんが、柴田さんの作品っていうのはもの凄く「ロマンティック」だなあ、といつも思うのです。

「恋のために何もかも捨てる」とか、
「あなたさえいれば何もいらない」とか、
そういうシチュエーションが繰り返し出てきますよね?

それ自体はすごく宝塚的なモチーフですし、私も大好きなので全然構わないのですが。


「沖田総司」は、「友のために恋を捨てる」人なので。

なぜ柴田さんは沖田を取り上げたのかなあ、と思ってしまうのです…。


私が観ていないから知らないだけで、柴田さんってああいう“痩せ我慢(愛しているからこそ身を引く)系”の男が主役の作品もあるのでしょうか…?どちらかと言うと植田(紳)さんの専売特許かと思っていたのですが。



ミズ(水夏希)くんの沖田は、溌剌とした若さと明るさがあって、とても良かったと思います。
声が高いのは男役としては欠点なのですが、今回の役に限っては沖田の若さを強調する効果があって良かったと思います。
ミズくんは、巷で言われているほど「渋い」男よりも少年っぽい役の方が嵌るンじゃないかなー、と思いました。
ロミオもすっごく若いイメージでしたしね☆



ユミコ(彩吹真央)ちゃんの土方は、目ヂカラのある化粧がとても良かったな。声を随分低く創ってきていたので、沖田に対する年上感があってよかったです。
やっぱり日本物のユミコちゃんって大物感があっていいわーーー。
声を創りすぎたのか、得意の筈の歌がちょっと微妙になっちゃったのが残念でしたが、ささやくように歌う「星影の人」はメチャクチャ良くて嵌りました。

あとは、もう少ししっとりとした色気があると良いんだけど。
ちょっと生真面目な剣士っぽさになってしまっていたのが残念。
照葉との場面も、もう少し土方に匂い立つような色気があると、迷う女の意味もわかるのですが…
今回の流れだと、ぶつ切れのエピソードの一つで終わってしまって、作品の中でのこのエピソードの意味がわかりにくい、と思いました。

結局は女関係が派手だった土方のキャラを出すための場面のように思えるのですが、31年前に何かこれに関係する話題でもあったんでしょうかね…?
とりあえず、ガチガチの尊攘派だった十津川郷士田村某、って、新撰組プチマニアのつもりだった私は初めてきいた名前でした…まだまだだな>自分。



となみ(白羽ゆり)ちゃんの玉勇は可愛かったー!
阿呆っぽいのは役作り?素?とても魅力的な芸妓さんでしたが、ちょっとコトバに違和感があったような…?



ひろみ(彩那音)ちゃんの山南は、今回一番の驚き。
あの可愛かったひろみちゃんが、すっごい男前で出てきた!

声をもの凄く低くしていて、ミズくんの沖田より上に見せるために出来ることは全てやりました、感がありあり。
…そんなあからさまに努力の跡を見せちゃだめだけど。
でも、その気持は買いたいです、私は。

「沖田くん」と呼びかけても違和感のない人物に、
…千秋楽までになれますように…。

とりあえず、衣装の着付けはもう一度見直してください。衣装部さんと仲良くなって、いろいろ教えて貰うといいかも。羽織に着られてしまっているのはちょっと切ないです…。



テル(凰稀かなめ)の桂小五郎。
宙組のみっちゃん(北翔海莉)の桂が、歌も芝居も達者ながら「美形じゃないのが残念」と言われていたのに対して。
テルの桂は「そこまでキレイって志士としてヤバくない?」という感じでした。

剣が使えそうに見えなかったのが惜しいのかも。

とにかくキレイでしたが、ひろみちゃん以上に「沖田くん」に無理があったなあ…。
池田屋の後、逃げる途中で沖田を心配する場面なんて、どこの恋人の心配しているのかと思いましたし。

石田さんは、「猛き黄金の国」で沖田と竜馬に相互理解の糸をはりましたが、柴田さんは「星影の人」で、沖田と桂を結びつけるんですね。
三谷幸喜の大河ドラマ「新撰組!」では、竜馬と近藤・土方の間に交流を持たせていましたが…

沖田と桂。
最初は桂の怪我を見て沖田が見逃し(←斬っとけよ…)、
2度目は池田屋から逃げる途中に桂が沖田の病状を訴えて、
3度目にやっと祇園の料亭で対峙し、剣での会話が始まるけれども、またすぐに玉勇に邪魔されて。

桂さん、沖田くんとの心の交流をぶった切られて可哀相…、
とかいう腐女子視点は置いておいて。

桂さんって、剣と剣での会話を望むような単細胞ではないと思うんだけど、というのも置いておいて。

さすがに二人とも身のこなしがキレイで、見応えのある殺陣でした。




それにしても柴田さん。
どうしても「新撰組の沖田総司」でなく「沖田総司の恋」を描きたかったのならば。
そのために、池田屋事件を暗転に声のみで演出する、なんていうジョーカーを出さなくても、素直に「屯所で待っている玉勇」を描けば良かったんじゃないかと思うんですけどねぇ。

事件の現場を描かずに、そのバックヤードを描いて、事件については観客の想像に任せる、というのは、芝居においてはよくある手です。
具体的には、ホテルのロビーから一歩も出ない「パリの空よりも高く」の嵐の場面とか。
あんな感じで、屯所で玉勇がドキドキしながら待っていると、次々にけが人が運ばれてきて、最後に沖田が虫の息で登場、原田くんとか源さんとかが事件の様子を語る…のでも十分だったと思うのです。

それどころか、話自体を池田屋の後から始めたって良い。
どうせプロローグも池田屋から生還した後の場面のリプライズなんですから、話もそこから初めて、途中で回想に入って、また元の時代に戻る。柴田さんのお得意の手法じゃありませんか?

柴田さん的に、そういう手法が確立する前の作品ということになるのかなあ…

エピソードのぶつ切れ感は、脚本だけが悪いのか、演出の問題なのか演者の問題なのか…初演は「名作」と呼ばれたのに、今回こんなに流れが悪く感じられるのは、時代なのかなんなのか。

31年前。
あまりにも遠い昔で、想像することも難しいです…。



「Joyfull II」

私、藤井大介さんのショーって好きなんです★

バウデビューの「Non-Stop」、DCデビューの「Alas」、大劇場デビューの「GLORIOUS」…どれも本当に大好きで。
姿月あさとさんのサヨナラ公演だった「GLORIOUS」を、和央ようかさんのお披露目全ツに持って行くことになった時、いったいあのサヨナラ仕様のショーをどうするんだ!?と思っいたら、見事にお披露目仕様に作り替えていた腕の冴えにすっかり感動して…

Joyfull!本公演を見逃しているので今回の変更点はよくわかりませんが、ネットの感想などを読んでいると随分褒められているので、さすがにあの「宛書」の腕はなまっていないんだなあと嬉しくなりました。

まぁ、あの、斎藤さんともどもショーに専念してほしい作家ではありますが。
タカラヅカの座付きは、宛書してナンボだと思いますので。
がんばっていただきたいです。ショー作家として。


で。

らぎ(柊巴さん)落ちしました。

スタイル良いですよね。頭小さいし。
芝居の「井上先生」が、童顔で可愛らしくてどうしていいのかわからないくらい可愛かったんですが、ショーになったらえらく「キリっ」とした顔で踊られていて。

あれ、らぎ、とっても良いじゃない?と思っていたら。

中詰めの始まりで。

ユミコちゃんセンターの後ろの群舞に、いくら探してもらぎがいない!
谷みずせさんも、真波そらさんも、白帆凛さんも、岬麗さんも、大凪真生さんも…とにかく若手はみんないるのに、組長までいるのに、

らぎがいない。

あれ……?と思って

盆が回ったら

…センターだった。



涼花リサちゃんとデュエットしてるよっ!?

すげーかっこいいいいいい!

ってゆーか、可愛いいいい!

しかも、こんなに歌えるの!?


本当に驚きました。
全く知らなかった。


これから雪組は、ひろみちゃんとらぎとかなめちゃんときたろうと………←多すぎだから。目は2個しかないんだから。

コホン。

とりあえず、エリザベートが楽しみです。
チケットがありますように♪



麻子さんのディナーショー、かなみちゃん出ないんですね。ちょっと意外でした。私だけ?

園加ちゃんは出るんですね。当たり前か。そして、すずな(憧花ゆりの)とゆりあ(萌花ゆりあ)、みりお(明日海りお)か〜。
豪華メンバーだなあ。DSじゃなくてコンサートならなぁ……。

スパニッシュな麻子ちゃん、かっこいいでしょうね。
CSに期待して待ってます(T T)。






昨夜アップした「星影の人」観劇日記に、はにはにさまが素晴らしいコメントをくださいました。

このままコメントにしておくのはあまりにももったいないので、
ご本人の了解も得ず大変申し訳ありませんが、本文に転載させていただきます…m(_ _)m。


はにはに様 WROTE:
こんにちは
31年前に観劇した私が、簡単に背景をご紹介しておきますね。それにしてもそんなに年月が経っていたとは・・・なんだかすごい長老って感じがしますよねぇ・・・とほほ
先ず、調べてみたところ1968年にNHKで大河ドラマ「竜馬がゆく」1970年にTV朝日で「燃えよ剣」が放映されて第一次新撰組ブームになったと思います。
当時は何しろ家族全員で紅白を見ていた時代ですから、子供も大人も幕末とか新撰組とかに妙に詳しくなったと思ってくださいませ。ですから沖田総司といわれたら、大人も子供もあんな感じだなぁという程度には一般常識?としてイメージがあったかと。
同様に土方さんはカッコよくて女性にもてるっていうイメージがありましたね(笑)
雪組公演は1976年ですから時代背景がお判りいただけるかと。

ああ、そうなんですね!「燃えよ剣」は6年も前だったのか…。
ってことは、まぁ「新撰組って何?」という人は少数派だけど、多摩時代(試衛館時代)を知っている人は殆どいない、そんな時代ということですね…。

で、戦後「忠臣蔵」とかが上映禁止になったように新撰組とかも余り表だって取り上げるのは憚られたのかもしれません。だからご推察のとおりアングラだったかなと。
で、もう幕末も新撰組も知ってるという前提で、宝塚としては沖田総司を、その悲恋の主人公として取り上げたのは画期的だったように思います。
「星影の人」ってそうなんですよ、多分。「竜馬伝」と比較するのは、基本の土俵が違うのでちょっとなぁなんて感じました。

同時期に上演されていたのでつい比較してしまいましたが(^ ^;、お気を悪くなさらないでくださいませm(_ _)m。

あと、柴田先生がなんで沖田を取り上げたのかとか、「やせ我慢」系の男を取り上げたのかという疑問ですが、これは公演をした雪組の特異性と関係していると思います。
当時のトップ汀夏子さんは小柄でわりと可愛いというか弟キャラだったのです。
でもすごーーーくクサい宝塚チックな人でして、熱いファンが多かったの。
雪ファンというと、当時は公演を毎日観るのが普通と言われていましたよ、わはは
ま、チケット代金が安くて、東宝のA席(今のSS&Sね)が2500円、D席(一番安い席)が300円だったか350円?そんな金額だったので、中学生、高校生でも学校の帰りに公演を見に行かれたし。で、2番手が麻実れいさんでして、ターコさんは若いのに大人っぽくて色気があったので、ファンは女ったらしのターコさんが見たかったということでしょう。
私も着流しで「総司・・・」とニヤっとしながら話すターコさんにクラクラきていました(笑)

なるほどー。
私も、友人に「汀さんはとっても小柄で弟キャラで、沖田が本当にぴったりだったのよ!」と言われ、なるほどなぁと思っていたのですが…。
柴田さんは宛書の名手だった、ということなんでしょうね、きっと。

で、当時トップさんと2番手は学年差があり、今ならオサがトップだったら2番手はまっつ?!
という感じかな? 間には新公主演経験者とか、別格ダンサーとか別格歌手がいたりして層の厚さが違ったような気がします。だからこそ、下級生でも汀さんを子供扱いしても不自然じゃないような空気がありました。
クールな大人な魅力をもった常花代さんとか、厚く渋く踊る尚すみれさんとかいて、柴田先生はうまくあてがきしたと思っていました。そうそう、桂さんもかなり若かったけど、貫禄あったなぁ(笑)かなめちゃんよりもオヅキのほうがバランスよかったかもね♪

に、にばんてがまっつ…(想像がつかなくて頭が真っ白)

…コホン。(ねこは悶死したようです)

確かに、声の高さ以外はどう見ても水しぇんが一番年上ですからねぇ…。ユミコさんはちゃんと「酸いも甘いも」の大人の男に見えますが、桂と山南は…(滝汗)。
観る前に予想していたよりは、お二人ともずっと良かったですけれども☆

それを今の上級生の少ない雪に当てはめるのはちょっと辛いだろうとは想像できますが・・・
ちなみにターコさんは研6くらいから、いつもお兄さん役だったので持ち味が大人だったってことでしょう。
娘役も高宮さんが一応トップでしたが、持ち味が色っぽいお姉さんだったので、それを考えて配役すると玉勇さんは年上のお姐さんというわけですね。ちなみに玉勇さんは仇っぽくはあったけど阿呆っぽくはなかったので、これはとなみちゃんの個性ですね、きっと。
娘役さんたちもとてもうまく宛書されていると当時は思いました。
なんか昔のほうが生徒さんの個性が強かったかもしれません。子供なりに生徒さんの好き嫌いとか結構あったように思いますし。今はそんなに苦手な人っていなくなったような気がします。

となみちゃんの玉勇は、アダっぽいというよりは…うーん(笑)。でもすごいキレイでしたし、水しぇんとの並びもお似合いでした。これからの雪組、楽しみです。

娘役陣は、おみよのしな(山科愛)ちゃんが達者でした。愛らしくて、でもしっかりしていて、沖田はんが大好きで。
早苗のかおり(晴華みどり)ちゃんは、キリッとしたまなざしと声が印象的。私は、かおりちゃんとの最初の出会いは樹里さんのコンサート「Jubelee-s」なので、格好いい役が大好きなのです♪最近可愛らしい役が多かったので、医者の卵はとても似合っていて嬉しいです♪
染香姐さん、幾松、明里…さらに加代、安紀。こんなに女役の役が多い作品は滅多にない、ってくらいの作品ですよね。演じている娘役陣も幸せそうで。柴田さんの作品は魅力的な女役が多くていいですよね♪みなさん座付きなんだから、こうあってほしいものです♪

あとね、池田屋騒動を声だけでってのも違和感があまりなかったのです。
というのも、昔ってラジオドラマが今よりももっと普通で、あと深夜放送とかでラジオを聞くのが流行ってたりしたせいか、ドラマの作り方が今とは違うような気がします。
それに宝塚がマスコミに登場するのも、私もラジオが多かったですね、関西がメインのラジオ放送を東京で一生懸命にダイヤルをぐるぐるして聞いた覚えがあります。おまけにビデオとかなかったから公演は全てレコードだったんですわ。ビジュアルに全く訴える手段が無くて耳が頼りとなるとやはりラジオドラマの手法として声だけになるんじゃないかな?
NHKのTV中継もカセットで録音してましたし・・・(ベルバラとかカセットで残ってますよ!)
ビデオとかTV中継が増えてきて柴田先生も作劇を変えたかなと思いました。
ま、当時を知る友人たちに聞いてみたら「星影の人」のLPレコードをカセットに録音して100回聞いたなんて言ってるから多分それでよかったんでしょう。

なるほど…
時代、というのかなんというのか、テクノロジーは演出手法も変えていくのかもしれませんね。
とっても納得しました♪

ただ中日で再演するにあたっては、みつきねこさまがおっしゃるような演出に変更したほうがずっと良かったですよね。「その通り!」なんてご意見拝見しながら言ってました。

(^o^)。   

流れの悪さとかは、私が中日をまだ観てないので何ともいえませんが、テンポが遅いのが今に会わないんだと思います。
それこそ20年くらい前に「南の哀愁」とか「ジャワの踊り子」とか再演したときに
「名作なのよぉ〜」と感動する母に「え〜っ!かったるいだけだよ」などと文句を言った覚えがありますもの。歴史は繰り返してますね、わはは

流れが悪い、というか、エピソードの接ぎ穂が切れている印象を受けました。もしかしたら、キャラクターの嵌り度合いの問題かもしれませんね。

…ジャワの踊り子…。祐飛さんのタムロンに感動して大ハマりしたもの、作品自体はやっぱり古い印象がぬぐえなかったんですよね…。
うーん。歴史は繰り返すのかなあ。

現在名作と呼ばれている、たとえば「愛するには短すぎる(すみません、私的2006年の大劇場芝居作品BEST1なので)」も、30年後に再演したら「なんじゃこれ」って言われるのでしょうか…。

でもでも、たとえば「心中・恋の大和路」なんかは今観ても全く古さを感じさせないし、100年たっても絶対大丈夫!と思うんですけどねっ!

長くなりまして済みません。バウとかで再演だったら
らぎか ひろみ:沖田
オヅキ    :土方
かなめ    :桂
にわにわ   :山崎
なんて配役で観たいですね。 (2月15日18時40分 はにはに様)

その配役、通います。
通い詰めて壊れるかも。

きたろうの土方がめちゃくちゃツボです!男の色気のある人だから、すごーく似合いそう♪
でも、かなめの土方にきたろうの近藤、らぎの桂も観てみたいかも☆
 
 
 
 
 
 
…はにはにさま、本当にありがとうございました。

実際に舞台をご覧になった方のコメントは、やはり重みがありますね。
行けるものならもう一度遠征して、いろいろと確認してみたい気がします。ちょっと無理そうですが。

はにはに様は今週末おいでになると仰ってましたね。
よろしければ是非、感想をお聞かせくださいませm(_ _)m。



芝居は時代を映す鏡。
それでも、時代を超える力のある作品は必ずあります。

「星影の人」は、そうなれるのか。
それとも、なれないのか。
それはまだ、わかりません。

だから。

千秋楽まで成長を続けるであろう雪組ッ子たちに、心からのエールを贈りつつ…。

.
宝塚歌劇団月組のみなさま、東宝劇場初日おめでとうございます。
多少は台詞などの変更もあったみたいで、アルマンド=サイボーグ説の反証なるか?My観劇日を楽しみにしたいと思います(^ ^)。


で。

かく言う私は、今日は東宝劇場ではなく、天王洲へロックミュージカル・ガラを体験しに行って参りました。

予想以上に良い作品なのに、あまりに宣伝不足で誰も知らない公演なのが悲しい(T T)ので。
もしかして、万が一、ココを読んで興味を持ってくださる人がいらっしゃいましたら、明日(18日13時開演)の千秋楽をぜひぜひ観てあげてほしい、と思い、急いで書いてみました。

…でも誰も読まないよねきっと(涙)。



旧アートスフィア、知らないうちに名前が(主催も)替わっていて吃驚したのですが、今は「天王洲 銀河劇場」と言うのだそうですね。相変わらず観やすくて、座席も良くて、音響も良くて、いい劇場なんですが…いかんせんアクセスが良くないのと、どうも使用料が高いらしくてチケット代が高めなんですよね、いつも(涙)。どの作品も集客には苦労していた記憶があります。
でも、「蜘蛛女のキス」を観たのもここでしたし「I Love You 〜愛の果ては?」とか「香港ラプソディ」とか、良い作品やっているんですよね…。銀河劇場に生まれ変わっても、がんばってほしいです。

さて。
今回のガラ「GENERATIONS」は、宝塚ファン的にはどっかの若手本のタイトルみたいで笑えるんですが(^ ^;、「RENT」日本公演でコリンズを演じ、(私的に)大評判をとった石原慎一さんが中心になって構成されたもののようです。


70年代に次々と発表・制作され、一世を風靡した「ロックミュージカル」。

1967年に初演された「HAIR」を皮切りに「FAME」、71年の「GODSPELL」と「Jesus Christ SuperStar」…そして、1996年の「RENT」までの約30年間。

時代は動き、人は変わる。
それでも、決して変わらないものがそこにあるから。

だからこそ、人は生きる。

今日という日は、二度とない。
そして No Day But Today、今日でない日はないのだから、と。

昨日もない
明日もない
ただ、今日を生きるだけ


作品的には「GODSPELL」がメインの扱いでしたが(もともと昨年「GODPELL」が再演される予定があったのに中止になったので、その代わりに、という感じの企画だったらしい)、内容的には石原さんがメインだったこともあって、前半の山に「RENT」を持ってきていました。
ちょうど、2008年秋に「RENT」再演の予定があるようですし、昨年の映画もヒットしていたのでちょうどタイムリーな感じ。
もっと宣伝したらこの公演ももっとお客さま入ったでしょうに、もったいない…。

(全然関係ないのですが、なぜRENT再演は東宝なんでしょうか。あれは東宝がやる作品じゃないでしょうに!?不安…/涙)



日本版コリンズの「I’ll Cover You〜リプライズ」を、時を経て再び拝聴でき、とてもとっても!幸せでした。
客席でいろいろ思い出してしまって、滂沱の涙…。

私は本当に「RENT」という作品が好きなんだなあ、と(^ ^;ゞ。

来日公演も観に行きましたし、ブロードウェイでも観ているのですが。
私は実は、日本初演版が一番好きです。
なんといってもエンジェル(KOJIRO)とコリンズ(石原慎一)が秀逸だった。今のところ、あれを超えるコンビは観ていません。
そしてモーリーン&ジョアンナの森川美穂& 坪倉唯子もサイコー!日本にもあんなソウルフルな人がいるのか!?と目から鱗でした。

もちろん、マークの山本耕史も素晴らしかった。再演には、彼は絶対はずせません!山本耕史抜きで日本版RENTはあり得ない。そのくらい、彼のマークは「RENT」の世界そのものだったのです。

アンサンブルも、知らない人ばかりでしたが全員歌もダンスも素晴らしく、本当にすみずみまで充実した公演でした。

「RENTが好き」
スタッフのその一念が、キャスティングから訳詞から、なにからなにまでを覆い尽くしていました。


日本でも、凄いものが作れるんだ、と。
日本にもこれだけの役者がいるんだ、と、ミュージカルファンとして誇らしい公演でした。
(と言いつつ、ロジャーミュージカル界から出せなかったのは残念でしたが… ^ ^;ゞ)

同じように「熱狂的なファンのいる、オン・ブロードウェイのアングラ作品」とくくられがちな「Jekyl&Hyde」日本公演(東宝)の企画の杜撰さ、作品への愛の無さに比べて、なんという違いなのか、と。
それこそ、作曲家としてのワイルドホーンの熱狂的なファンとしては、どれほどに悲しかったことか…(涙)。
(RENT東宝再演…すっごく不安です…祈)



ま、そんな話はおいておいて。
Generationsの話。


幕開きは「ヘアー」より「Aquarious 〜Let The Sunshine In」。
あまりに有名な曲ですが、あらためて舞台で聴く機会というのは案外ないもの。
やはり名曲は名曲です。ぜひ聴いてみてください!


次は、高橋洋子さんで「Out Here On My Own」(FAME)。
高橋さんは、スタジオボーカリストとしてご活躍されている方で、『新世紀エヴァンゲリオン』の「残酷な天使のテーゼ」「魂のルフラン」などを歌われている方。CMソングも多くレコーディングされているようで、トークの中ではミツカンのCMソングを口ずさんでくださいました(笑)。
1991年の「P.S. I miss you」で日本レコード大賞新人賞を取られた歌手だそうです。

私は全然存じ上げなかった(エヴァンゲリオンは勿論見てますが)のですが、本当に素晴らしい声の持ち主でした。歌唱力・表現力ともに抜きん出て、「さすが、『歌だけ』で勝負してきた(←そして勝ってきた)プロは違う!」という感じでした。
ただ、ステージで歌われることにはあまり慣れていらっしゃらないようで、手の動きなどはちょっと気になった処もありましたが…(^ ^;ヾ



一曲一曲の詳細は、今回パンフレットが無かったので覚えていない部分も多く、語るとボロが出そうなので割愛しますが、「ロック・ミュージカル」の魂を伝えたい、という制作側の気持はすごく伝わりました!

HAIR。
FAME。
LITTLE Shop Of Horrors。
Jesus Christ Superstar。
天使にラブソングを。

そして、RENTとGODSPELL。

形式にとらわれずに。

昨日と違う今日、
今日と違う明日、
たった一度の“今日”を、精一杯生きてみようよ!
生きなくちゃいけないよ!

という、魂の根幹からのメッセージ。

それを、あらためて私に教えてくれたコンサートでした…




キャストは、豪華!
本当に豪華でした♪

宝塚OGは真織由季さん一人でしたが、ミュージカル界やポップス、シャンソンまで錚々たるメンバー。
いちおう、一通りご紹介してみますね。

ご本人の自己紹介は当然それぞれにおありですが、ここでは私の中での分類で書かせていただきます♪(敬称略)

■宝塚OG
 真織由季

■「レ・ミゼラブル」組
 鈴木ほのか、戸井勝海、宮川浩、山形ユキオ

■クンツェ・リーバイ組
 新納慎也(=初演トートダンサーのNIROくん)と野沢聡

■「RENT」チーム
 石原慎一、結樺健(山本耕史さんとユニットを組んだアルバム絶賛発売中)、Tina(ボーカリストと言った方がいいかも?)

■シャンソニエ
 花木佐千子(元劇団四季→天狼プロ【中島梓=栗本薫主催のミュージカル制作事務所。石原慎一さんもよく出ていらっしゃいました】)

■「GODSPELL」組
 中山眞美(MAMI)。
 この公演では、宮川・真織・戸井・新納・野沢・結樺がGODSPELL組という扱いでした。


前半はいかにもガラコンサートっぽく、一作品2曲くらいずつ。
そして後半は、「GODSPELL」の大半の曲を使った「GODSPELL GALA」。

「GODSPELL」って、ご覧になっていない方も多いかもしれませんが、タイトル(「神の詞」)どおり、「マタイの福音書」の物語を音楽と寸劇でつづった作品です。

ジーザス(初演は山本耕史、再演再々演は新納慎也)とユダ(再演は戸井勝海、初演と再々演が大沢樹生)のみ固定で、あとのメンバーは「十二使徒」ということで、特に役柄を固定することなく、ジーザスの「ファン」あるいは「おっかけ」として存在し続けます。
「マタイによる福音書」の内容に沿って寸劇を繰り返し、「マグダラのマリア」になったり、「出奔した息子とその父」になったり、「羊と山羊」になったり…。
そして、最終的には「愛するゆえに」ジーザスとユダを追いつめ、ゲッセマネへとなだれ込むのですが…。

「宗教」に対する思い入れ・思いこみの強い方にはあまり向かない作品ですが、よく言われているような「洗脳系」の作品では全く(!)なくて、ごく普通に「標は自分で探さなくてはいけない(与えられてはいけない)」ということを教えてくれる作品でした。

最初と最後に歌われる「Prepare Ye」も「道 整え 迎えよう 主を」という歌詞のとおり、最初に「道を整える」のは自分自身、なのです。
決して「神に祈れば道を造ってくれる」とか、ましてや「皆で神に祈って道を造ってもらおうよ!」という話ではなくて、ね。

私はキリスト教徒では決してありませんので、この欧米における「常識」=「聖書」をどこまで理解しているのか、全然自信がありません。
なので、これ以上語るのは遠慮しておきます。

ただ、「GODSPELL」を観もしないで、「聖書物語そのものの説教ミュージカル」と呼ぶのはどうぞやめてくださいm(_ _)m。


今回のコンサートでは、途中でトークを挟みながら、基本的には公演でやった役に合わせて次々と歌ってくださいました。
でも結構違ってた歌も多かったかな…。
ユダ役だった戸井さんが「Turn Back,O Man」の中盤のジーザスのソロを歌ってたり(前半のユダの部分は花木さん)。あと、名曲「Day By Day」を高橋さんで、など、初めて歌う方も多かったですしね。


うーん、このパンフレットというか無料配布の紙、歌う人の名前もないし掲載順と歌った順番も違うから全然わかんないよーーーーっ。
ちゃんとしたパンフレット売って欲しかったなあ(涙)。


装置はシンプルだけど階段形式になっていて、そこにバンドを配し、キャストがその間を縦横無尽に動き回る、という、ちょっと凝った創りになっていました。

衣装は。
なんと!女性陣の服は真織さん、男性陣は新納(NIRO)くんが揃えてくれたようです。鈴木ほのかさんが、トークで「上から下までぜ〜んぶ真織さんの私物です」と仰ってました(^O^)。
ちなみに、誰か(石原さんかな?)に「さすが元宝塚、あり得ないような服をお持ちですよね」とコメントされていました(爆)。

ミュージカル俳優の岡幸二郎さんも、コンサートとかは良く衣装担当をしていましたが、新納くんもそういうのが好きなんでしょうかねぇ。
真織さんほどぶっ飛んだ衣装は用意されていませんでしたが…。

でもでも、一つだけ尋きたい。
新納くん、あなたにとって、戸井さんのイメージはそれ(ピンク)なんですか…(哀)。


ココまで読んでくださった奇特な貴女。
ぜひぜひ、18日の13時に、銀河劇場でお会いしましょう♪


切なくもやるせない呟き。



今日、家に帰ったら。
おひなさまがたくさん飾られていました。

…【たくさん】?


はい。それで正しいです。



うちには段飾りがないので。
おひなさまとお内裏さま、その一対が、【たくさん】。



おかーさん、何を考えているのあなたは。

毎年飾っている、1段だけのおひなさまは端に寄せられて。
貰い物の立ち雛が3種類、
小さなマスコットみたいな人形雛が4種類、
そして、
孫(私の姪か甥)が作った折り紙のお雛様が…5種類かな?11個あるけど(なんでだ)。

…お雛様をいくつ並べたって、私が嫁に行くとは限らないと思いますが?なにか?

帰宅早々、ちょっと不機嫌になったねこでした。


.
絶賛上演中!の(でも私はまだ観てない…)東宝劇場公演「パリの空よりも高く/ファンシー・ダンス」が終わったら、月組は3つに分かれて公演、ということになります。

誰がどの公演に出るのか、東宝公演が開幕する前に発表されるだろうと待っていたのにナカナカ出てこない(涙)なので、痺れをきらして(苦笑)、ここらでひとつ、予想なんてしてみたいと思います。
(その前に、東宝劇場公演を観とけよ、ヲイ >自分)



最初に開幕するのが、「ハロー!ダンシング」。

続いて、霧矢さんのバウホール&青年館「大坂侍」。

そして最後に幕をあけるのが全国ツアー「ダル・レークの恋」。

そしてもう一つ。麻子さんのディナーショー『EL VIENTO』
があるわけですが。

ディナーショー以外の公演は、出演者がダブるのはかなり厳しい日程…ですよね。まぁ、今回雪組では、きたろう(緒月遠麻)くんの休演で蓮城まことくんが急遽「ハロー!ダンシング」とキムちゃんバウの両方に出ることになったりもしていますので、月組も不可能ではないのですが…。

でもまぁ、意味のない無理はしないだろう、ということで。

前置きが長くなりましたが、とりあえず「勝手に予想」にいきたいと思います☆



■ハロー・ダンシング:
■公演日程:2007年5月6日(日)〜5月12日(土)

男役:
光月るう、綾月せり、流輝一斗、美翔かずき、響れおな、宇月颯、彩星りおん、瑞羽奏都 他4名。
女役:
美鳳あや、夏月都、麻華りんか、麗百愛 他4名

本音では、マギー(星条海斗)のセンターが希望なのですが、星・雪と新公主演の無かった方(彩海早矢、大湖せしる)がセンターをされているので、月だったらるうちゃんかな、と。

みっぽーは昨年同様、組長格で。りんか嬢は歌手枠で。
「二人のダンス」のソロは百愛ちゃんでしょうか…?
本当はすずな(憧花ゆりの)や萌花ゆりあちゃんにも出てほしかったのに、麻子さんに取られちゃったよー(がんばれ!)


■バウ&青年館「大坂侍」。
■公演日程:2007年5月19日(土)〜6月4日(月)
  青年館:2007年6月9日(土)〜6月15日(金)

  (発表済み)霧矢大夢

  嘉月絵理、遼河はるひ、一色瑠加、宝生ルミ、涼城まりな、
  城咲あい、龍真咲、姿樹えり緒、羽咲まな、五十鈴ひかり、
  彩央寿音、華央あみり、蘭乃はな 他。

ヒロインはあいあい、2番手娘役は抜擢で蘭乃はなちゃん。
2番手はあひる、3番手がまさお。あとは歌手を揃えて…う、そうでもないか。うーん。ちょっと全体的に弱いかなー?
ハロー!ダンシングがもっと若い子にシフトするなら、るうちゃん、せりちゃんあたりはバウかもしれませんね。


■全国ツアー「ダル・レークの恋」
■公演日程:5月22日(火)〜6月18日(月)
  (発表済み:括弧内は星組本公演キャスト)
  ラッチマン(麻路)=瀬奈じゅん、
  カマラ(星奈)=彩乃かなみ、
  ペペル(稔)=大空祐飛

  (予想配役)
  クリスナ(絵麻緒)=青樹泉、ラジオン(彩輝)=明日海りお
  ピエール(音羽)=桐生園加、チャンドラ(夏美)=越乃リュウ
  リタ(羽純)=夢咲ねね、ビーナ(妃里)=白華れみ

  出雲綾、北嶋麻実、越乃リュウ、花瀬みずか、良基天音、
  研ルイス、桐生園加、音姫すなお、青樹泉、天野ほたる、
  青葉みちる、憧花ゆりの、萌花ゆりあ、麻月れんか、
  鼓英夏、明日海りお、夢咲ねね、白華れみ、沢希理寿 他。

九州の人はなるべくツアーに連れて行く方向で調整中(熊本では公演がないので、れみちゃんは行かないでバウかも…)。
若手のスター候補が、みりおくん以外皆ハロー!ダンシングチームに入る(入れてあげたい)ので、ツアーとバウがちょっと物足りない、かも…。



こんな感じで、いろいろ考えたりしてます(←だからその前に行くところがあるだろうと/苦笑)。

…なんでもいいから、早く発表してください!>歌劇団様
ツアーは、スケジュール立てるの大変なんですからねっっ!!

.
まず叫びます。

ユミコ(彩吹真央)ちゃん、DC主演おめでとうございます〜〜〜!!


まず間違いないとは思っていましたが、やっぱり発表されると嬉しいものですね。
ファンのみなさまも、本当におめでとうございますm(_ _)m。

しかし、たった2行の作品紹介とタイトルが、どうにも萩尾望都さんの「メリーベルと銀のばら」というか、ポーの一族シリーズを連想させてしまうところがなんとも…。
霧の都ロンドンのヴァンパイアの少女、ですよ?
「エヴァンスの遺言」か?「すきとおった銀の髪」か?それとも、真っ向勝負で「メリーベルと銀のばら」アラン主役編なのか?

たしかにユミコちゃんは、ついこないだまで少年役をやらせたら右に出る者はいないかも、というタイプとして認識されていたかもしれませんが。
ここ最近、キャリエールに土方と色っぽい大人の男を演じて、次はフランツ。大人の男ができる役者としても評価されつつある人なのに、今更それ?萩尾望都の美少年ですか?

小柳さん、「アメリカン・パイ」と同じ過ちを繰り返すのだけは避けてほしいのですが。

心の底から心配です…。

…………詳細ストーリーが出るのが楽しみです。はい。

一抹の不安はありますが、題材そのものは面白そうだし、小柳さんのセンスは結構好きなので、楽しみです。絶対観にいきますよ!



そして、雪組全国ツアーは「星影の人/Joyfull2」
…土方さんがいませんけど?

今度こそ、ハマコさんが渋くやるんでしょうか?

それはそれで、別の意味で楽しみですが。

キム(音月桂)ちゃんの、超絶・攻めキャラ土方も、とても楽しみです。


とか言って、蓋をあけてみたら(鳳稀)かなめちゃんだったりして…(^ ^;ゞ



月組のメンバー振り分け。
なぜ今まで発表されなかったのかがまず知りたい気もしますが、
とりあえず、せっかく予想してみたので答え合わせをしてみたいと思います。

「ハロー!ダンシング」

組長はちわわ(涼城まりな)、歌手枠は羽咲まなちゃんでしたね。麻華りんか嬢は霧矢さんバウかー。
男役は、(光月)るうちゃんじゃなくてりこ(麻月れんか)ちゃんでしたね。やっぱりアイワナダンスメンバーで固めてきたなあ。

あとは大体あってました。当然っちゃ当然ですが。12人中、9人正解。
一番意外だったのはみっぽー(美鳳あや)ちゃんが入らなかったこと!実は、めちゃくちゃショックです。ちわわと同期で二人入ったっていいじゃんか〜(涙)。楽しみにしてたのに!うわあああん…。

このメンバーだとセンターはまぐ(流輝一斗)ちゃん?学年順だとりこちゃんなんですが…(え?)。
星組の鶴美舞夕さん・夢乃聖夏さん(雪では祐輝千寿さん・蓮城まことさん)枠はみっしょん(美翔かずき)と、もう一人は…宇月颯くんかな。…ってことは、もしかしてもしかすると、まぐとみっしょんで「ブエノスアイレス」のタンゴ踊っちゃったりするのかっ!?(←壊)…行くっ!!絶対観に行きますっ!!


「大阪侍」
ひ、ヒロインはあいあい(城咲あい)じゃないのかっ!(驚愕)

このメンバー、誰がヒロインなのでしょうか。(夢咲)ねねちゃん?あー(花瀬みずか)ちゃん?背の釣り合いその他を考えるとあーちゃんはお似合いっぽいし、きりやんとの長大でロマンティックなデュエットはぜひ聴いてみたいのですが(^ ^)、
でも、芝居はねねちゃんの方が巧いし、「又七にぞっこんの我儘娘・お勢」というキャラがメチャクチャ嵌りそう!!見応えありそうなのはねねちゃんかなあ…。

男役陣は、組長嘉月さんは予想どおり。もりえ(青樹泉)、マギー(星条海斗)、まさお(龍真咲)とホテルのボーイはまとめて三人お買い上げ、ですか…。この三人、秋の全国ツアーでも一緒だったんですよね。バラして売り出すつもりはないのでしょうか?
…第2のシューマッハに育てたいのかな?

そのうち、みりおくん入れて四人で巴里祭とかやりそうな気がします…。

kさまよりコメントをいただきました。…ごめんなさい!!昨秋のもりえちゃんは、全国ツアーではなく日生「オクラホマ!」です!!。可愛いウィルくん、凄いハマり役で感動したのに…、失礼いたしましたm(_ _)m。
全国ツアー、若手3人でいつも一緒だーと思ったのはマギー&まさお&みりおですね。本当にごめんなさい!


他に正解だったのは宝生ルミ姐、姿樹えりおっと、彩央寿音ちゃん、蘭乃はなちゃん。13人中6人。半分行かなかったか。イマイチだったな…くすん(哀)。

しっかし、石田さんはまた幕末なんですね。
幕末、という時代と、そこに生きた人々への愛がダダ漏れしていて私も大好きではあるのですが、さすがに続きすぎのような気もしてしまいます…。
あ、でも、幕末だったらマギーは欧米大使とかっていう配役が可能なのかな?(すみません原作読んでみます…)

でもまあ、楽しみですけどね!勿論観に行きますよ♪がんばってくさいね♪


「ダル・レークの恋」

リタ=城咲あいちゃんですか!それは…バウヒロインだと思い込んでいたのでノーマークでしたが、ある意味嬉しいかも♪
あいあいのお芝居、かなり好きなんですよ私。特に、声が可愛くて大好きなので♪
なのに祐飛さんと芝居で組んだことが無かったので、このままどこかへトップ娘として組替えになってしまう前に、じっくり組めそうで嬉しいです。
リタって、私の幽かな記憶によると結構難しい役だったような気がするので、あいちゃんのお芝居に期待します♪サリーも似合い
そうだし、とっても楽しみです♪

ビーナは(白華)れみちゃんですよね、きっと!うわー、可愛いだろうなあ〜♪

タキ(出雲綾)さんとナホ(越乃リュウ)ちゃんで率いるツアー、内部も楽しく盛り上がっていそうですね。
二番手はあひちゃん、その次は…芝居の上ではみりおくん、ショー部分は園加ちゃんが出てくるといいなあ、と思っています。

とりあえず、星組でみっき(千秋慎)さんがやった役は、研ルイスちゃんでお願いします>劇団。

そして、みっぽーも思いっきり踊る場面があると嬉しいです。

ツアーは19人あげて12人正解か…。まあ、麻子さんのDSメンバーというヒントがありましたからね、あまり威張れませんが。
(←いや、そんなことを当てても全然威張れないから)


やっと観ることができた、月組東宝劇場公演。
いくつか台詞の変更があったくらいで、演出もほぼそのまま。特にアルマンド&ジョルジュのペテン師二人に関係したところには、ほとんど変更無かったと思います。

変えて欲しかったところもたくさんあったんですけどねぇ?>植田さん



でも。
びっくりするほど変わっていたと思います。
月組ッ子の、お芝居が。



私は、以前の日記でこう書きました。

「芝居」という皿があって、そこにアドリブが載る。
それでこそ、一つの料理になるのです。

「パリの空よりも高く」というお芝居は、まだやっと皿を洗い終わったばかり。
でも、大劇場公演が終わるまでには、きっと盛りつけもだいぶ進むだろう、と。
そう、十分に期待できる出来だったと思います。


…うん。
期待は裏切られませんでしたよ!

正直に言えば。
大劇場の楽を経て、お稽古があって、その上での東宝公演ですから。
…初日から一週間も過ぎた今では、すっかり盛りつけ完了!になっていることを、(心の隅で、少しだけ)期待していたことは否定しませんが…。

まあ、メインの料理がのって、これから付け合わせをどう載せていくか考えているところ、という感じだったかもしれません…


…まだまだ先は長い東宝公演ですからね。
じっくり試行錯誤していただければ、ね。

どうせ何度も観ますから、私は。


たった一度しか観ない方、本当にごめんなさい…m(_ _)m。



台詞の変更点。

いくつかあったのですが、ギスターヴがらみが多かったですね。
街中で出会ったボーイさんたちとの会話が長くなったりとか。
(関係ないですけど植田さん、ホテルに4人しかいないボーイが全員早番って、そんなシフトあんまり考えられませんけど…?あの台詞変更、意味がわかりません!それともあのホテル、ボーイは入れ替え制なんでしょうか…。)

あと、ミミとの会話の場面で、ミミに
「アルマンドさんって本当にステキですよねぇ〜♪」
とか言われて落ち込むお芝居が増えてたりとか。
あのギスターヴ、本当に可愛いですよね♪すっかり見惚れてしまいました。
その後、ついでのように(?)誉められて、
「…本当にそう思ってくれるのかい?」
と、ちょっとだけ自信なさげに問いかけるところがまた母性本能をくすぐります。歌い出すと朗々と素晴らしいところも含めて(^ ^)、本当にステキ。大好きです、ギスターヴさん。


全体的に、台詞変更の多くはギスターヴの“大人の男の可愛らしさ”を増す方向になっていたような。

中でも、嵐の夜にエレノールからアルマンドたちは現場へ行ったんじゃないか、と聞かされて、思わず呟いた風な
「僕も連れて行ってくれればいいのに」(記憶曖昧)
が、あまりにも可愛くてツボりました♪


大劇場で数回観た時、私はギスターヴはアルマンドより1,2歳年上、というイメージだったのですが、この台詞が加わったこともあってか、なんとなく若返った感じ。
東宝のギスターヴは、アルマンドと同い年か、もしかしてちょっと下?という印象でした。


大劇場では、アルマンドがギスターヴに対してはちょっと遠慮がち(?)な芝居をされていたので、余計ギスターヴが年上に見えていたのだと思いますが、東宝ではかなり対等っぽい態度(遣り取り)になっていたので。
…設定自体が変わったのかな、と思ったのですが。
どうなんでしょうね。

アルマンドに対するギスターヴとジョルジュの違いをたてるために、あえて年上/年下という差をつけていたのかと思っていたのですが、全然関係なかったのかなあ…。

アルマンドとギスターヴが一緒に舞台に出ている場面って、すごく短いんですけれども、ちょっとした遣り取りで二人の関係をしっかり見せてくれるので、深読みするのが楽しいです(^ ^)。


あと台詞としては、同じく嵐の場面でパリ全体が水没したらどうなるか、みたいな会話が増えていましたね。
「とにかく、僕の設計に間違いはありませんっ!」
と、自信満々に言い切ったはずのギスターヴさんが、なんだか不安げな顔をなさっていたように見えたのですが…何か台詞を間違えたか飛ばしたかしたのでしょうか?それとも私の見間違い?
またすぐにもう一度観るので、そのへんは確認してみたいと思っています。

他にも細かい手直しはいくつかありましたが、「歯車の掛け違い」とか、はっきりした間違いが修正されなかったことが哀しいです。

宝塚歌劇団制作部には、校正する人はいないのでしょうか…。これだけネットなどに書かれてしまったミスくらいは直してほしかったのですが

タカラヅカって、まだ「正しい日本語」をきちんと習得していない小学生とかが観たりすることも多いのでね…。



芝居。

ジョルジュが、前半に単なる「若さ」だけじゃなくて「幼さ」を出してきたのがすごく良くなったなあと思いました。
未熟な幼さ
それは、アルマンドにもギスターヴにもない、ジョルジュの個性になっていましたから。(ファンの贔屓目ですみません)

未成年で、誰からも「一人前」と認めて貰えないことに対する寂しさ(「俺も親父みたいに…」の言い方とか)は、まだ完全に表現しきれていないような気がしてしまいましたが(あと5週間だ。がんばれ!)、

その、焦り。

アルマンドと肩を並べたい、アルマンドに頼ってもらえるような、一人前のペテン師(え?)に“なりたいのに、どうしたらなれるんだ俺は!?”という焦燥感が、すごく出てきた気がしました。

それを受けて、アルマンドもすごく「大人ぶった」芝居をするようになって(いや、こっちが先か。トップの麻子さんがそういう芝居をされるから祐飛さんが受けているんだと思いますが)、
二人のコンビの色がはっきりしてきたなあと思いました。


祐飛さん。
…ちゃんと18歳に見えましたよ!(痛っ)
ミミより年下にもちゃんと見えたし。(これは大丈夫かな)
「え!?まさか」と言われてしまう存在=弟(明日海りお)と同世代、という難題も、(ファンの贔屓目には)クリアしてくださってありがとうございます。

植田さん、祐飛さんに高いハードルを課してくださってありがとうございます…(^ ^;ゞ



観劇友達に言われて気づいたのですが。

アルマンドはペテン師ですから、あんまり自分の事を人に語る機会がないんですよね。
「他人」に対しては、嘘しか言えない。

だから、彼は、ジョルジュに向かって話すのです。
…自分のアイデンティティの、全てを。


ジョルジュが、「若く」(一人前でない)、「幼い」少年の役のはずでありながら、トップと同期の祐飛さんに回ってきたのは、そのへんの役割もあるのかなあと、今頃になって思いました。
アルマンドの台詞を観客の立場で受けて、アルマンドへ返す、という役割が。

ギスターブとジョルジュのキャストが発表された時、「え”ー、なんでーー!?」と怒りに震えた私ですが。
やっぱりこの役は、どんなに可愛らしくて幼い少年の役でも、やっぱり下級生じゃなくてキリヤンか祐飛さんのどちらかに回ってこなくてはならない役だったんだなあと思いました。


…キリヤンのジョルジュ、観たかったんですけどね。
また全然違う作品になったんでしょうね…。



「ファンシー・ダンス」
このコトバを、広辞苑でひいてみたことがある方はいらっしゃいますか?(←そんなことするのはお前だけだ)


「ファンシー」:
『?想像、空想?新規な趣向を凝らしたさま』。
ちなみに「Fancy Ball」には「仮装舞踏会」という意味があるようです。

「ダンス」:
色々書いてありましたが、最初に出ていたのは『舞踊、舞踏』。
舞は手の動きを、踊・踏は足の動きを表すのだそうです。


……だから何だよっ!という感じですが…。
すみません。その昔、「たほいや」が大好きだった私は、今でも広辞苑が愛読書(?)の一つ。考えごとに行き詰まると、どうでもいいことを調べはじめるのが学生時代からの癖でして…。



「ファンシー」の第一義が「空想・想像」だったことにまず驚きました。
「新規な趣向を凝らした」の方が先だと思っていたので。
んじゃあ津々浦々の「ファンシーショップ」は「空想の店」なのか!?って感じですよねぇ…。



「ファンシーダンス」=「空想舞踊」。

踊っているつもり(=空想)の人は、まさにファンシーなダンサーと言えるのではないでしょうか?
(反語。いや決して言えない、と続く…)。



えーっと。
…こんな事に文字数を消費してしまってすみませんm(_ _)m。





ファンシー・ダンス。

まさに「新規な趣向を凝らした」、ダンサーの幸せのためにあるような、ダンサーが空想したようなショーですよね!

大劇場で初めて観た時から「これはハマるな」、という予感があったのですが。

今、マジでハマってます。



55分間。

…早い!と毎回思うのです。
あれ、もうシェヘラザードなの?って。


桐生園加さんとか、
美鳳あやさんとか、
紫水梗華さんとか、
…そして、キラキラと輝くアイワナダンスメンバーの若手たち、とか。


タイプこそ違え、踊れるトップと2番手に、トップ娘役もそこそこ、な月組。
ここにダンサー好きの演出家が入ると、若手もこれだけがんばれるんだなあ、と感慨しきりです。

リカ(紫吹淳)さんの時は、せっかくダンサートップなのに本当に作品に恵まれなくて、洋物ショーは歌中心の「With a Song In My Heart」のみ。
踊れる組子が本当に可哀相だなあ、と悲しかったので余計に…。

今回は本当に、素晴らしい振付ばかりなので、ただ観ているだけで幸せなのですが。
さらに、若手がどんどん「男役」のダンスになっていくのが目に見えるようで、それがもの凄く気持ちいいです。

ハロー!ダンシングの出演者が先日発表されましたが。

公演の中心となるのは、アイワナダンスメンバーですよね。
彼らがこの公演でどこまで成長できるかで、「ハロー!ダンシング」の評価も決まると思うので。

ココを正念場と思ってがんばってほしいです。



大劇場のレポートを書いた頃は、まだ園加ちゃんしか目に入っていなかったので(今も、時間配分で言ったら男役は園加ちゃんを観ている時間が一番長いと思いますが)…

トップ〜4番手までは既にいろいろなファンサイトで語られていますし、前回書きましたので割愛して。

まずは一言づつ、上級生順に。

■エリ(嘉月絵理)さん
一般的にはマトリョーじゃなくてペトルーシュカの人形遣いがメインになるのでしょうか。確かに、あそこのキリヤンとのデュエットは耳福♪メークも鬘も大好きです♪
でも、私はやっぱり、プロローグやフィナーレ(燕尾に白手袋)など、群舞での流麗なダンスのエリさんが一番好きです。カウントの取り方が気持いいんですよねっ♪
ちょっと前、ショーの出番が少なくて寂しい時代があったので、ここ数作、演出家の信頼も厚いダンサーエリさんが観られて嬉しいです。次も期待〜♪

■ナホ(越乃リュウ)ちゃん
(*^ ^*)。
ペトルーシュカでの美鳳あやちゃんとの身長差カップルに、超・萌えています。キリヤンを観たくてオペラグラスを外してるのに、結局観てるのはそこかい!と自分に突っ込むことも多いし(汗)。
カップルの時はそうでもないですが、一人で踊る時のカウントの取り方は独特ですよね。ナホちゃんだけをガン見していれば気にならないのですが、オペラグラスを外すとちょっと気になるかも。せめて男役群舞では、もう少し回りに合わせて(ナホちゃんのキャラでは、回りを自分に合わせさせるのは無理そうなので)くれると、またレベルアップすると思うのですが。
…無理かなあ…。

■ひら(有香潤)さん
ペトルーシュカのタンゴがメチャメチャかっこいい!これが最後だなんて信じられないです…(涙)。もう79期もナホちゃん一人になっちゃうんですね…。

■ガチャ(一色瑠加)
ふと気が付けば、ガチャももう上級生なんですね…研12?うわぁ、信じられない。
どちらかと言えばキチッと踊られるダンサーだという認識なのですが、ペトルーシュカは結構苦戦しているような…?気のせい?

■かえこ(良基天音)
見た目のかわいらしさにそぐわぬ熱いダンサー・かえちゃんなのに、今回は出番少なめ。と言いつつ、中詰めの弾けっぷりと華やかな笑顔に癒されて、「まぁいいか」と思う私。

■研(ルイス)ちゃん
初見の時、冒頭のプロローグで、ずーっと研ちゃんを探してしまいました(苦笑)。な〜んだ、台の上にいるのか、と(笑い)。
ペトルーシュカも最初ちょっと浮いてたけど、東宝に来てからすごく良くなりましたね。ラスト・ダンスも同じ感じ。

歌も芝居もイケる、貴重な人材ですから大事にしてほしいです。


■ふーが(風雅湊)くん
萌希くんに続き、ふーがくんまで(涙)。月組おじさん候補がなかなか残らないのが残念…(ナホちゃんが居れば安泰か?)
ショーの出番はまさに、プロローグ、中詰め、フィナーレ。もうちょっと観てみたかったなあ。



…まあ、あの。

ダンサーじゃない若手は、徹頭徹尾出番がないわけですが…。


がんばれ月組。
くじけるな。



謝さんは歌手もすごく大事にするから、一芸がある人なら大丈夫。次作は期待できますよ、きっと!

…芝居しか出来ない人はどうしたらいいんでしょうか神様…(祈)

.
新人公演。

1ヶ月以上続く公演の、ただ一日だけ、「新人」たちが演じる公演。

「たった一日」だからこそ出せる力。

一つの「役」に対する、本公演とは「違う解釈」「違う切り口」。

力を尽くして、今やれる精一杯をやり切った役者の輝き。

技術的には拙くても、出演人数が少なくても。
それでも、伝わるものは伝わるものですから。


「暁のローマ」に続く今回の月組の新人公演は。

贔屓目かもしれませんが、とてもレベルが高いものの一つだったんじゃないかと思います。




それにはまず、新人公演担当の演出家・生田大和さんの功績が大きいのではないかと。
生田さんってまだバウとかやったことないですよね…?
いずれデビューなさった暁には、キャストに関わりなく、万障繰り合わせて観に行きたいと思っております。はい。(…行けるといいなあ…)


まずなんと言っても、まさお(龍)をして最後の挨拶で「芝居は会話のキャッチボール」と言わしめたことを評価したいです。

元々能力の高いまさおくん。
そこに気がついてくれさえすれば、これからどれ程成長することか。


いつかまさおくんが、この新人公演を思い出す日が来るんだろうな、と思いながら、東宝劇場を後にしました。



明日の朝が早いので、詳細なレポートは後日にさせていただいて。

今日は、一番印象に残った人を一人だけ語りたいと思います。


「パリの空よりも高く」で一番印象に残った人。

文句なしで。

エレノール(本役・出雲綾)の青葉みちる






みちるちゃんは、「The Last Party」の秘書役以来、注目していた芝居巧者。今回の配役でも、タキさんの役ということでメチャクチャ期待していました。


今回の新公、事実上の主役というか裏のヒロインとも言えるエレノール役を城咲あいちゃんにふるという選択肢もあったと思うのですが。
(エリザベート新人公演でゾフィーをふったように)

…今のあいあいなら、きっと見事にこなしたと思いますし、それも観たかった!と思いますけれども。


でも。


みちるちゃんのエレノールが観れて、良かった。
素晴らしかった〜〜!

幸せでした、本当に。


本公演で。
「はっきり言って無駄な場面だよね」と思っていた、お芝居冒頭のアルマンド登場までの15分間。

なかなか面白くて、いい場面になっていたことに、まず驚かされました。
それはもう全面的に、みちるちゃんのエレノールが的確だったからだと思うのです。

もちろん、出ているメンバーも皆さん本役にひけを取らない(←かなり贔屓目)実力者ばかりでしたけれども…。

 参考:ドミニク将軍(嘉月)=姿樹えり緒
    アルベール (越乃)=朝桐紫乃
    レオニード (未沙)=彩央寿音
    ジェラール (遼河)=光月るう
    シュミット (北嶋)=綾月せり




こんな言い方をしても、私はタキさんが嫌いなわけでは決してありませんよ!
そこは誤解していただきたくないのですが。
「ファントム」のカルロッタも、「Ernst In Love」のブラックネル夫人も、ものすごく好きでしたし、他にこの役を「真に」こなせる人はいない、と今でも思っています。

でも、エレノールは違う。
タキさんくらい個性の強い人じゃないとこなせない役もあれば、
タキさんくらい個性が強い人にはどうしてもこなせない役もあるんです。

たとえば、夏河ゆらさん。
後年の彼女しか知らない方なら、ゆらさんにもエレノールは無理だと普通に思うでしょうけれども。

もし彼女が、「螺旋のオルフェ」でドミニクを演じた頃に戻って下さるのであれば。
それならば、ぜひエレノールをやってほしいです。

タキさんにも、私が知らないだけで、きっとそういう役を演じきったことがおありだと思うのです。
だってタカラジェンヌなんだもの。
入団以来ずーっとカルロッタをやってきた訳じゃないはずなんです。

でも。

現在絶賛上演中!のエレノールは、カルロッタやブラックネル夫人と役作りの根幹が同じに見えます。
もちろん違う役ですよ?同じ役として演じていらっしゃる、という話ではありません。
カルロッタとブラックネル夫人も、全然違う役ですから。

でも。
同じ根っこから生えている。
そんな感じ。

それではエレノールは、無理です。



みちるちゃんのエレノールは。

ジュリアン・ジャッケとの恋の記憶を今も心の片隅に残す、ロマンチストで信頼の厚い女性でした。
多分、ジュリアンの後も2,3人恋をしただろう。
でも、初恋の人=ジュリアンを忘れることはできず、
忘れられない思い出を胸に、ずっと一人で生きてきた女丈夫。


それをずっと陰ながら見守ってきたらしいアルベール(=しのちゃん)が、
「あんたが惚れていたんじゃなかったのかい」
と笑いながら、そっとエレノールの肩を抱く仕草が、ひどく色っぽくて。

ドキっとしました。


それだけ、エレノールが可愛くて魅力的な女性だった、ということなんじゃないかと思うのですよね。

ジュリアンとエレノールの微妙な関係を、ここではっきりと観客に伝えているからこそ。
中盤の、金庫を持ち出そうとする場面でのエレノールとアルマンドの会話が、余計胸にしみるのです。
ここが良くなると、その後のアルマンドの迷いがすごく明確になってくる。ラストにちゃんとつながっていくのです。

エレノールが登場人物の誰よりも偉大で力強い本公演では、いくら彼女が
「そうしているとお父様そっくり…」
と言って涙を零しても、どこかで嘘っぽく聞こえてならないのですが…(T T)。


みちるちゃんにカルロッタやブラックネル夫人は難しいでしょう。
それと同じように、タキさんにエレノールは「無理」だった、という話です。

タキさんがエレノールであることで、ペテン師コンビの一番近くに居る人がペテン師コンビよりずーっと胡散臭くなって(…え?)しまって、ペテン師がどうして改心するのか全然わからなくなってしまったのが本公演なら。

エレノールに儚さと懐の深さを出したことで、ペテン師の回りの人々が、ちゃんと「純朴」に見えた新人公演。

ペテン師が、周囲の「純朴」な人々の「純粋」な情にほだされるのが物語の根幹なわけですから。

「田舎者のペテン師」が「都会」に出てきて、そこの「自分たちよりよっぽど胡散臭くて腹黒そうな人たち」のどこにほだされてしまったのやらサッパリ判らない、というハテナではなく。
「田舎者だけど必死で突っ張っているペテン師」が「都会」にでてきて、「すれているようでスレていない、純朴な都会人」に出会い、ほだされてしまう…


…あれ?脚本どこもいじってないのに、それなりにまともな話に見えるよ…?

…生田さんGJ、ってことでしょうかねぇ…。



エレノール。

物語をきちんと語る上で本当に大切な役だからこそ、組長さんにふられたのでしょうけれども。



エレノール。

女手ひとつで由緒あるホテルを切り回すマダムで、パリ万博(国運を賭けた大事業だったはず)の目玉事業の世話人を務めるだけの、社交界での地位と格と人望を持っている得難い人。



エレノール。

…20年前の第2回万博当時は、何歳だったんでしょうね一体…?