2007年。

私にとって、本格的に宝塚に嵌って10年目を迎える記念の年です。

みつきねこ個人のファン生活にとって、大きな意味のある一年になるかもしれない、と思ってブログを始めてみました。


毎日更新、はどうやら無理そうですが(笑)、がんばって更新していきたいと思っております。

年末忙しくて語り損ねたこともたくさんありますが。
まぁ、ネタ切れしないよう、ぼちぼちと(笑)。

読んでくださる方に、心よりの感謝を捧げつつ。

とりあえず。


月組の皆さま、そして月組ファンのみなさま(同志!)、

初日おめでとうございます!!


来週行くから、待っててね♪


年もあらたまり、正月公演の初日も開きましたので
今年のラインナップについて呟いてみたいと思います。

2007年が、素敵な年になりますよう祈りつつ。



月組:
『パリの空よりも高く』〜菊田一夫作「花咲く港」より〜
『ファンシー・ダンス』

昨日初日を迎えた我がご贔屓組。
…まぁ、予想よりは随分いい、というのが概ねの感想のようで、来週の遠征を楽しみにしているところです。
個人的に、ご贔屓はいつもショーでは微妙な(扱いが悪ければやっぱり寂しいし、意味もなく良すぎると逆にすごーく困ってしまう)ひとなので…………………
今回は、良すぎて微妙な感じみたいなんでちょっとジレンマ。

でもまあ、初日はいつもダメダメな人なので、初日にご覧になる方、舞台稽古をお見せしてしまって本当ーにごめんなさいっm(_ _)m、と謝っておこう…。



花組:
『明智小五郎の事件簿―黒蜥蜴(トカゲ)』〜江戸川乱歩作「黒蜥蜴」より〜
『TUXEDO JAZZ(タキシード ジャズ)』

黒蜥蜴。まぁ三島版とは全然違う作品っぽいので、あまり先入観を持たずに楽しみにしたいと思います。木村さん、とにかく自分の主張は隠して娯楽大作に徹していただければ。
荻田さんは素直に楽しみです。っつーか月組は螺旋以来なんですけど……たまには来ていただけないでしょうかねぇ…。



星組:
『さくら』−妖しいまでに美しいおまえ−
『シークレット・ハンター』−この世で、俺に盗めぬものはない−

谷さんはいつもポスターが綺麗な印象があったので、今回のポスターはちょっとびっくりしてしまった…(ごめんなさい)。でも「春櫻賦」のショー場面は滅茶苦茶大好きだった私。キャストも多い組なので、期待しています。
児玉さんは…龍星で当てたトウコ(安蘭けい)さんなので楽しみです。下級生にも役を書いてあげてくださいね。



雪組:
『エリザベート』−愛と死の輪舞(ロンド)−

水くんがトートをやる日が来るとは…。喉を大切にして、発声を見直してがんばってほしいです。私もがんばってチケット取りたいと思います。個人的にユミコちゃんのフランツがめっちゃ楽しみ。キムちゃんはルキーニですよね…?化けてくれるといいな。



宙組:
『バレンシアの熱い花』
『宙 FANTASISTA!』

名高い名作「バレンシア」再演。私は未見ですが、男役3人に大きい役があるということで、かしげちゃんが卒業した後の宙組の体制にはぴったりなんでしょうね、きっと。ウメちゃんも入ってがらっと印象が変わる宙組。ご活躍を期待しています。



月組:
『MAHOROBA』−遥か彼方YAMATO−
『マジシャンの憂鬱』(仮題)

個人的に今年の超目玉。なんと言っても謝さんは良い!
ちょっと想像ですけど、雰囲気は昔姿月あさとさんと蘭香レアさんが出演した「DAWN」みたいな感じになるのかなあと勝手に期待していたりして。
作者は違いますが藤井さんのドラマシティ「Alas」のネオジャポネスクっぽい場面も滅茶苦茶かっこよかったので、あんな感じを期待しています。……これで、いわゆる「普通の日本物ショー」だったら泣く……。

正塚さんも本公演はバロン以来で、ご贔屓はブエノスアイレスの風初演以来…(涙)もっと早く来て欲しかったよ…。

いろんな意味で覚悟の必要な公演だとも思いつつ、とても楽しみにしておりますです。 はい。(言い切り)



花組:
『アデュー・マルセイユ』−マルセイユから愛を込めて−
『ラブ・シンフォニー』

今年は小池さんエリザと併せて2作なんですね。オサさんにどんな作品を書いてくれるのかなあ、と期待。MindTravellerで下級生たちに嵌ってしまったので、また彼らに会えるかと思うとワクワクドキドキ♪
中村Bさんのショーもいつも踊りまくりで大好きなので、若さ爆発!にしてくれますように!



星組:
『エル・アルコン―鷹―』
『レビュー・オルキス―蘭の星―』

斎藤さんが「エル・アルコン」………
我がご贔屓に「エル・アルコン」という通称(?)をつけ、不思議なテーマソングまで作ってくださった斎藤さんが、いよいよ本領発揮する……んでしょうか。
どんな風に料理されるのか、ものすごーーーく楽しみです。原作ファンなので不安もありますが。っつーか期待しすぎないように気を付けなくっちゃ、ですね。

草野さんのショーも続きますね。あすかちゃん大好きなので、今年の星組は通いたいです♪



総体的に、今年は楽しみな作品が多くていい年になりそうな予感♪
どの組も通えるものなら通いたいですねぇ。…金と暇があればなあ…。
ヘイズ・コードを観て参りました。


年末、ネットでトウコ(安蘭けい)さんの声が出ない、という噂をきいていたのでとても心配していたのですが…
(多分)何の問題もなく、演出も元に戻ってたいのではないかと思います。トウコさんの美声は素晴らしく、「この声無しで違和感なかった、って、大野さんいったいどんな演出変更を…??」と、逆にハテナマークが飛び回ってしまいました(笑)。

今だから言えることなんでしょうけど、変更後の演出も、是非一度観てみたいです(笑)。



それはまぁおいといて。
トウコさんも遠野あすかちゃんもしいちゃんもすずみんも、他の出演者も、全員すんごい輝いていて素敵でした♪出演者じゃなく、「作品」でこれだけハマれるって結構久しぶりで、新年早々幸せを満喫してしまいました(^ ^)。
チケットの無い公演ですけど、めっちゃ通いたいです。

…この週末は月組を観に遠征してしまうので、多分もう観られないんですけどね(涙/イヤ遠征は楽しみなんですが/)。




そして。

http://diarynote.jp/d/22804/20061219.html
緑野こあら様のブログで嘆かれていた、あの、カールトン監督(立樹ようさん)とジョニー(水輝涼さん)のラブシーン(?)カット…

無事、復活してました☆


さすが大野さん。戻さずには居られなかったようですな★


それにしても、何故このシーンがカットされていたんでしょうね…?トウコさんの声とは何の関係もないと思うんですけど。

あ、いえ、DC初日は観ておりませんので、全く同じだったのかどうかは判りません。もしかしたら微妙にソフト(?)になっているのかもしれませんが。
でも、【私にとっては】とっても衝撃的な愉しいシーンでした(*^ ^*)ので、あえてご報告させていただきます。



水輝くん、微妙に全体の雰囲気とか顔の輪郭とかが、月から花に行ってしまったちあき(白鳥かすが)ちゃんにちょっと似てるような気がするのですが…?プロローグで「あれ?なんでここにちあきが?」と思ってしまったのですが私だけ?

まぁ、それはともかく。星ファンではない私には全くノーマークの新人さんだったのですが、いきなり私の注目度が紅さん(龍星でとても可愛かったんですよね♪)と並んでしまいました!(←腐女子だなあ自分)

歌もお上手だし、これからのご活躍がとっても楽しみです。やっぱり「さくら」でも散財する運命なのね私(涙)。東宝チケット取れるのかしら。新公も観たいなあ〜。



そして。
「フェット・アンペリアル」を観にいけなかった私にとって、こんなにツボでステキなしいちゃんを観たのはもしかして初めてじゃないかしら?って気がします。

あの無敵の笑顔を全開にして、ジョニーを『落とし』て、最後にはミルドレットまで(お幸せに☆)『貰って』しまうカールトン監督。

素敵すぎます。



1幕のパーティーの後、あすかちゃんリヴィに「奴の踊りはすごかっただろう?」みたいなことを言う時の、ちょっと自慢気な、いたずらっ子な表情もむちゃくちゃツボでした。
ああ、トウコさんレイと超仲良かったんだろうなあ、と。

名門の家柄ゆえに夢を諦めて「つまらない仕事」についた「親友」に。つかず、離れず、ちょうどいい距離を保ち続けて幾年。なのに、久しぶりに会えば「やあ」と言える仲、って……難しい関係ですよね、リアルな世界では。
でも、しいちゃんの笑顔なら、どんな溝もひらりと跳び越えてくれそうで。

どんな気むずかしい人だって、あの笑顔を見たら嫌がれないよね、と。

トウコさんがまた、そこで一瞬目を逸らして、でもすぐ口の端に苦笑を浮かべて肩越しに「やあ。…変わらないな、お前は」って溜息まじりに言ってくれそうなキャラで。

そういう処が、「男の友情」っぽくて、すごくいいなあと思う訳です。羨ましいというか。

そういう処が、大野さんの超得意領域ですしね☆




とにかく「面白い人」だらけで楽しすぎる公演でした。

すずみんも素敵だったし。いきなり登場シーンで爆笑してしまったのは私だけじゃないはずだ!!
「愛するには短すぎる」でも思いましたが、ああいう罪のない「ぼんぼん」って、ホントすずみんのためにあるような役ですね。
南海まりちゃんロレインへの、微妙なシスコンぶりもツボでしたし。

あの笑顔は、「裏はあっても罪はない」って感じというか。しいちゃんのとは明らかに全然違うんですけど、罪の無さ(本人判ってないけど実は罪深いところも含めて)は同じくらいかなあ、とか思ったり(爆)。



んでもって、トウコさんの笑顔は……
「裏も罪もたっぷり♪」とゆーか。

一度嵌ると、それ無しではいられない、毒の魅力ですね。

もう文句なく。
ものすごい勢いでクリエーターの想像力をかきたてる人なんだろうなあ、と、ここ数作ずっと観てきて、あらためて思います。



月組時代から汐風幸さんが大好きだった私は、彼女が異動した後の雪組も、月組に次いでよく観ていたはずなのですが。
雪組時代はトウコさんの魅力に気づくことはなく(だってケロさんが素敵すぎたんだよ…)

気づいたのは、トウコさんが星に異動した後、「プラハの春」のヤン・ウェン…じゃなくてヤン・パラフ、でした。


あの熱い魂。
激しい感情。
リーダーシップ。

ああ、この人がトップになったら面白い作品が出来るだろうな、と。

この人でイマジネーションが湧かない人はクリエーターじゃないだろう、と。

そんなことを思ったものです。



…こんなに時間がかかるとは思いませんでしたが。
トップお披露目、本当におめでとうございます。



そして(遠野)あすかちゃんも。
あすかちゃんを語りはじめると長くなるので、またの機会に。

あ、でも一言だけ。
今一番、幸せになってほしい役者のひとりです。
長くなくてもいいから、いい作品と出会ってほしい。

トップお披露目、ホントウに心からおめでとうございます。



つらつらと書いて参りましたが。

トウコさん、あすかちゃん、星組ヘイズチームのみなさま。
素敵な時間を、本当にありがとうございました!!

…もいっかい観たいよお〜(涙)

.
月組公演を観てまいりました。

年が明けてから9日間に観た舞台。
星組「ヘイズ・コード」2回、星組「ハレルヤGOGO!」1回、そして月組「パリの空よりも高く/ファンシーダンス」5回(!)

……我ながら。

莫迦!

です。
知ってます。はい。…放っておいてくださいませ。


観劇しての感想。

  思って(覚悟して)たより、ずーっと面白かったです!!
  お正月にぴったりの、ぱぁっとした あ・軽いコメディ。
  麻子さんが素敵で、かなみちゃんときりやんが可愛くて。
  (嘉月)絵理さんが渋くて、ナホ(越乃リュウ)ちゃんが胡散臭くて、
  研(ルイス)ちゃんが若作りしてがんばってました♪

  下級生にまったく役がなかったのがどうにも…でしたが、
  ショーはめちゃめちゃ良かったし、私はなんとか通えそうです。

  ……みりお(明日海りお)くんが可愛くて可愛くて…
  持って帰りたかった…(溜息)。

以上、で終わらせてもいいんですが。

もうちょい真面目に、「作品について」語ってみてもいいでしょうか…。


月組はおかげさまで、ずいぶんと長いこと「植田といえば景子さん」でした。

だから。
ノン(久世星佳)さんの時代に初めて観て、ファンになって以来月組一筋の私にとって、
植田(紳)さんの芝居作品で、複数回観たことがあるのは、役替わりがあった「ベルサイユのばら」と「風と共に去りぬ」くらい。

他組でも、避けてたわけではないはずなんですが、案外観ていなくて…。
覚えているのは、宝塚ファンになりたてで訳がわからなかった「ザッツ・レビュー」、遅刻して途中から観たため、さっぱり話が見えなかった「天使の季節」、花柳芳次郎さんの振付が印象的だった全ツ「蝶・恋」…くらいでしょうか。どれも一回づつ。

あ、一昨年の全ツ「ジャワの踊り子」があったか。
あれは複数回観てるな。
でもあれも、菊田作品の谷演出ってイメージで、植田さんの作品、という気がしないしなあ。


何が言いたいかと言うと。

私はネットで散々書かれていた「植田(紳)かよ!?」という衝撃は、比較的軽い人だったわけです。
宝塚の演出陣の中で、一番「知らない人」だったから。

「ベルばら」と「風共」というのは、いずれも「宝塚」の「財産」で、「グランドロマン」で、「古典」で、「なくてはならないもの」。
しかも一般人受けする。私も会社の同僚などに「ベルばら観たいなー」と何度言われたことか。

だから。
植田さんの、「普通のコメディ」ってどんなものだろう、と。

すごく興味を持っていたのですよ。

(まぁ、「蝶・恋」を見てるんだから、あとは推して知るべし…って気もしますが)

そんな気持で観劇した、「パリの空よりも高く」

…菊田作品でした。

いや、違う。

正確には。

「菊田作品にベルばらを足して3で割りました」

…って感じ?


菊田さんの「花咲く港」、去年BSで放映したんですよね。録画しておけばよかったなあー。多分、普通に上質のコメディだったんだろうと思います。
キャストを吟味すれば、すごーーーく面白いですよ、きっと。

なのに。

…コホン。

植田さんに聞きたいことが、二つ、あります。

何故舞台をパリに移したの?
何故、ジョルジュがジュリアン・ジャッケの息子という設定を付け加えたんですか……?


最初の疑問の答えは、わかるような気がします。

華やかなパリ。
そのパリが、近代もっとも輝いた「黄金時代」、それがパリ万国博覧会の時代。
その「パリ万博」の目玉であったエッフェル塔を作る物語。

確かに、この設定が発表されるなり、ネットでの空気が(少し)変わったことは事実。

あ、塚ファンはここに喰いつくんだ、と。
(回りと意見が合わないことが多い)塚ファンの私は思ったものです。

でも。
「花咲く港」を観てもいないのに偉そうに言うのもなんですが。
多分。



原作の、一番おもしろいポイントは、
これが「田舎の出来事」だというところなんじゃないだろうか…?



聞きかじりなんですけど、原作は「船が週に1便しかない九州の小島」を舞台にしていて、「島のために新しい船を作ろう!」といってペテンにかける、というような話らしいじゃないですか。

つまり。

「トボけた都会の詐欺師」が、「純朴な田舎の人々」をペテンにかけようとして、彼らが「故郷のためにがんばる姿」に「ほだされ」ちゃうのが、本来のストーリーなんじゃないのかと思う訳なんですよ…

…それがなんで、華やかなりしパリの、しかも上流階級のお貴族様たちのパーティをえんえんとやってるような作品になっちゃうわけぇ?


「儲かる儲かるばかり言っては、かえって胡散臭くってよオッホッホッホッホ」と高笑いする末子姐(滝川末子)さんはこの上もなくステキなんですが。

株主にどう説明すればいいのか悩む財閥御曹司のあひる(遼河はるひ)くんも、声を発するだけで笑いがとれて素晴らいし。

誰よりも一番胡散臭い宿屋の女将、あ、いえ、自称「由緒あるオテルのオーナー」タキ(出雲綾)さんも、組長お披露目おめでとうございますお衣装の数々が羨ましい限りではあるのですが。

…ああもう、キャラクター多すぎるので明日以降に改めてさせていただきますけど!


あんな胡散臭い人たちに、どうして田舎者のペテン師コンビ(だって、パリまで汽車賃一人60フランかけて遥々来るんですよ…?田舎者なんじゃないの…?)が「ほだされ」なくっちゃならないんですか。

植田さん、ちょっと人間心理的にありえなくないですか…?

しかも。
原作では「週一便しか船がない」から、「逃げられる日も限られる」。なのに、逃げようとするたびに「何か」が起こって逃げそびれる、
そういうシチュエーションコメディの要素もあった筈。

それがパリじゃあ、「嵐で馬車もなかった」のはまぁいいけど、それ以外の日はいつだって逃げられるでしょ…?
しかも3年だよ3年。
なんで「逃げられる時に逃げなかったのは兄貴」になるの?


さらに、原作では作るのが船ですから、「嵐」が来ても、「人手でなんとか」なりますよ確かに。「みんなで協力」すれば、「嵐からも守れる」ものなんだもの。

だけど。「1000フィート=300メートルの鉄の塔」は、いくら「血を流しながら鉄骨を支えた」って守れるもんじゃありません。

それともアルマンドは実はサイボーグだったってゆーオチなんですかアレは?



せめて、パリッ子に浄財を募る話にすれば良かったんじゃないか、と思うんですよね。

パリに遊びに来た、南仏ではちょっと知られたペテン師コンビが、パリ下町の素朴な下宿屋で貧乏建築家のエッフェルに出会う。「地上と空を結ぶ橋を架けたい」という夢を聞いた二人は、その夢に賛同して(みせて)、パリッ子たちから浄財を募るうちに噂が広がり、ちょうど万博の目玉を探していた政府に目をつけられてーーーー!!

みたいな。

それだったら、たとえば女将さんがいると夜は外出できないから週に一回女将さんが留守にする時しか逃げられない、とかいう設定とかも考えられるし。

まぁ、3年という期間とか、嵐で守るモノの問題とかはどうにもならないけど…、そのくらいだったら目を瞑ることもできますよね。だって宝塚だもん!

舞台が「交通の便の悪い」「田舎」であること。
ペテン師コンビが「都会」から来たこと。

この2点は、原作を原作たらしめ、ハートフルコメディとして成立させるために必要不可欠な条件だったのではないでしょうか?

それを、完璧に逆転させた「パリの空よりも高く」。

植田さん、気は確かですか…?



そしてもう一つの問題が、ジョルジュの設定。

何故植田(紳)さんは、ペテン師コンビの片割れ・ジョルジュを、「20年前の第二回パリ万博の中心人物」ジュリアン・ジャッケの実の息子という設定にしたんでしょうか…?

その設定一つで、ものすごーーーーく話が捩れたと思うんですけど………。

まず「ジョルジュはジュリアンの息子なんだから、20歳以下(多分18歳か19歳、下手すると17歳かも!?)でなくてはならない」という設定があります。

…あのぉ?
………演じる大空祐飛は、研15なんですけどぉ?

いや、もちろん、わかってます。

私も大空ファンの一人ですが、それでもやっぱり、19歳だろうが10歳だろうが、逆に80歳だろうが役者たるもの、板の上に載る以上はなってみせろ!!とは思う訳なんですが。

いちおう、お手紙にも書いてみたりしましたし。

でもさ。

植田さん。それって虐めですか…?

いや。あの。

私が観ていた3日間の間にも、どんどん若くなっていってましたので、もう少し時間をいただければ、なんとかなるんじゃないかと一縷の希望を抱いてはいるのですが。

でも。
それでも、ね。

…新公のみりおくんが、ものすごーーーーく楽しみです。はい。
絶対「明日から本役と替われ!」と思ってしまいそうだ……。

そして。
そんなこと(ユウヒさんがんばれー!)よりさらに大きな問題があるんです。

だって。

ジョルジュがジュリアンの実の息子であるってことは。

そもそも、アルマンドはともかく、ジョルジュは「さびしーーーい処(麻子さんのこの言い方、好き)」に入る必要はないわけですよ。
だって、彼らが仕掛けたペテンは「ジュリアンがやったように、俺たちもパリ万博を盛り上げますよ!」っていうだけなんだから。

持ち逃げする現場を押さえられさえしなければ、ね。

さらに、一つ目の問題にも関わってくるんですけど、エッフェル塔なんてものに手を出しちゃったばっかりにペテンの期間が長すぎるんですよね…。


3年間真剣に取り組んで、世界一の塔をたててしまったジュリアン・ジャッケの息子とその仲間。

……そのままイベント屋でも開業してはいかがでしょうか……?


つまりさ。
話の根本がおかしくなっちゃうんですよ。

しかも、「なんのためにその設定が必要だったのか」がまったくわからない。

舞台をパリにしたことみたいに、「舞台を華やかにする」って目的もなければ、ジョルジュと父親のエピソードを使ってお涙頂戴場面を作るわけでもない。

タキさんがアルマンドに「父親」の思い出を話すシーンはあるけど、聞いてるのはジョルジュ(息子)じゃないし、ジョルジュが「俺も親父みたいに尊敬される人物になりたいなあ〜」っていう場面も、ちょっと工夫すれば感動場面にできると思うのに、そのまま茶化されて終わりだし…

…たとえば、天涯孤独な孤児ジョルジュが育った教会(勝手に設定を決めんなよ自分)の近所にジュリアンが住んでいて、時々教会に来ては華やかなりしパリの昔話をよくしていた、とか。
何かそんなような設定くらいで十分だと思うんですよ。

なのにわざわざ、ジュリアンの息子にしたのは何故なのか。

物語りの主題はあくまでもアルマンドとギスターヴなのに、なんでジョルジュの裏設定が必要なの?ってことです。

そもそも、ジュリアンが本当に「偉い」人物であったのかどうかもはっきりしないしね。
初見では、この人も実はペテン師だったっていう設定なんだろうと思いながら観てましたよ私は。最後まで。だって、最初にタキさんが「使途不明金があって行方をくらました」って話してるんだもん。

原作には、このジュリアンにあたる人物がいるんでしょうかねぇ?
少なくとも、ペテン師コンビは、島とはなんの係累もないって設定ではあるようですが。

ところで。
私がここまでえんえんと書いてきたのは、決して愚痴ではありません。

なんか色々書いちゃいましたけど、菊田さんの原作はとっても良くできたコメディだと思うんですよ。
だから。

舞台を観ながら。
「ここは田舎。パリっていう名の田舎の話」とか、
「このひとたちは、見た目はちょっと胡散臭いけど、
 みんな純朴でいいひとたちなのよ」とか、
「汽車は1週間に一本しか動いてないのよ」とか、
「このひとはこう見えても19歳なの。若いのよ!」とか。

いちいち自分に言い聞かせてみたら、いろいろなことが誤魔化せて面白くなったんですよ☆

というわけで。
以上、「パリの空よりも高く」を3倍楽しむ方法、でした(泣笑)。


舞台設定だけで長くなってしまって、キャストを語れなかった(涙)。

とりあえず、一言づつ書かせてください。また詳しくは後日。

アルマンド 推定年齢25歳。
 かっこいいいいいいいい!
 ペテン師らしい胡乱さと、若さゆえの誠実さのバランスがいいです。
 コメディらしい声色の使いわけとか、さすが花組仕込みと感心しました。
 そのままでいいので、一人で突っ走らないで時々回りを見てあげてくださいね。

 本当は30歳だけど若作りして25歳に見せてます、みたいなイメージが
 作れるともっといいんだけど、まぁ「ダメなペテン師」だからな…。
 
 

ミミ 推定年齢19歳。
 アルマンドへの密かな憧れがダダ漏れしていて可愛いです(笑)。
 ギスターヴに対しても、それなりに甘い気持はあったってことでOK?
 アルマンドとギスターヴの間で揺れる場面がないのが残念!

 ジョルジュのスルーっぷりが見事でとっても笑えます。
 …もしかして、ジョルジュの方が年下設定?
 
 
 
ギスターヴ 推定年齢20代後半。アルマンドより1,2歳上?
 私は配役発表されるまできりやんがジョルジュだと信じて疑わなかったので
 今でもものすごーーーーく残念なのですが…

 でもでも。
 ギスターヴ、良かったです。 とっても。
 脚本的にアルマンドと絡む場面が少なかったのが残念!
 でも、きりやんらしいギスターヴでしたね。
 最後、パリ郊外の丘まで一緒に来ちゃってもよかったと思うけど
 それはしないところがギスターヴらしいのかも。

 あああでもでも、出番減らして歌無しでいいから、
 ユウヒさんのギスターヴが観たかったよおお(身勝手)。
 ってゆーか麻キリのペテン師コンビが観たかったよおおお。
 
 
 
ジョルジュ 推定年齢はせいぜい24歳でしたが、がんばって18歳くらいまで…
 あまりに気の毒で、かける言葉もありません。
 せめて衣装がもっと子供っぽければいいのにね。無意味に立派で
 大人っぽいんだよ。難しい…。

 でも。
 役者たるもの、与えられた役の人物になりきれないのなら
 舞台に立つ資格はないんです。
 植田さんもユウヒさんを信じてるんですよ、きっと(え?)。

 …麻子さんの「気合い」、しっかり受けてあげてくださいねっ!!

  

ジャン 推定年齢12歳。
 可愛いです。犯罪的に可愛いです。
 キャトルでジャン人形発売してもらえないだろうか。
 …絶対買うのに…(言いたいことはそれだけか)。

.
雪組「エリザベート」の制作発表記事。

水さんのトートは、やっぱり蒼い髪だった〜!(笑)。

サエコ(彩輝直)さんのトートの髪がものすごーーーく好きだった私は、今度こそ「黒髪の死神」が登場するんじゃないかと楽しみにしていたのですが。

やっぱり水色だったか。

…お約束だもんね。

歌はまだキツそうでしたけど、月組のときも制作発表はどうなることかと思ったのに舞台ではなんとか(苦笑)なったし、なんといってもビジュアルが素敵で!!かなりテンションあがりましたよ(^ ^)。
となみ(白羽ゆり)ちゃんとの並びも綺麗だー!すげー!

フランツのユミコ(彩吹真央)さんは扮装無し。残念。
生真面目なあのほんわか天然キャラで皇帝陛下をやるのか…。

この上もなく優しくて、誠実で、
…でも、それだけの「皇帝」と、

この上もなく冷たくて、激しくて、恐ろしくて、
…そして、この世の誰より魅力的な「死神」。

はじめて、この3人の「恋物語」を観ることができるかもしれない、と、
とっても楽しみになったりしました。
(宙も花も月も、私には「恋物語」には見えなかったからなあ/涙)

ところで。
今回のハプスブルグ一家は、ゆみこフランツ、となみエリザベート、テルルドルフか…。
花組の樹里(咲穂/フランツ)、みどり(大鳥れい/エリザベート)・ユミコ(ルドルフ)の「どうみても家族」な3人とは全然雰囲気違いますねぇ(笑)。




キム(音月桂)ちゃんのルキーニ。
テル(鳳稀かなめ)くんのルドルフ。
どちらも順当配役ですね
順当すぎてちょっとツマンナイけど(笑)。
(とっても個人的に、テルのマデレーネが観たかったので)

キムちゃんもテルも、期待を裏切って「凄い!」って思わせてくれますように。




個人的にはハマコ(未来優希さん)が何をやるのか興味津々です。
私の夢を叶えてゾフィをやってくれるのか、
かっこよくエルマーに入ってテルを喰ってしまうのか、
はたまたマダムヴォルフに入ってキムを誘惑するのか。

ハマコのエルマーは、万が一あり得たならば、東宝初演の今さんを超える迫力だろうな…。

とか期待をもりあげておいて、司教さまだったらどうしよう!?
…おじさまズにはまる私。またかよ。
(月のときはのぞみ(楠恵華)さんの親父将軍に惚れまくってました)



今いちばん気になるコト。

ひろみちゃん、子ルドルフ再びはあり得ないよね?
なにやるんだろ。シュテファンか?

…マデレーネを期待しちゃ、ダメかな、やっぱり…。


何はともあれ。
「手垢がついた」と言われる演目ですが、やっぱり脇や下級生まで役があって、音楽が素晴らしくて、(ところどころ穴はあれども)ストーリーもしっかりした名作の再演。

羨ましーよー、羨ましーよーーーっ!
(月組ファンの嘆き。いえ、今の月でエリザベートは絶対!イヤっ!!ですけど)

初演で大評判をとった雪組で、「初出演」のトップコンビで上演する今回は、プレッシャーもひときわ大きいのでしょうけれども。

どうぞ、なんとしても乗り越えて、水色の死神を光臨させてくださいね。
心の底から楽しみにしています。

.
園加にはまりました。


以上。


で終わってもいいくらい、桐生園加さんが輝いていたショーでした。



えーーっと。

三木さん作・演出のショー「ファンシー・ダンス」。

「踊れる人」だけが、
「素晴らしい振付」を得て、
ひたすら踊りつづける。


そういう、素晴らしいショー作品。

まだ振付が身体に入っていない人も多く、こなすのに精一杯でまとまりがなかったのが残念ですが。
東宝ではこのショー目当てに通う予定でーす!


とにかく、振付がかっこいい。
中でもきりやんが凄い。
ペトルーシュカのきりやんの超絶ダンス!すげーーーーーっ!
もの凄いことになってます。

あそこ、ムーア人役があひちゃんじゃなくてマギー(星条海斗さん)とかだったら、もう本当にどこ観ればいいのかわからないですよ!

そして、私の大好きなKAZUMI-BOY振付の「ラスト・ダンス」。
これこそ、どこ観ていていいのかわからなくて目がうろうろしてます(←挙動不審)。全員かっこよすぎで巧すぎです。

ただ。
個々の場面の完成度はものすごいレベルになりつつあるのですが。
一つの「ショー」として全体を通してみると、いくつか大きな欠点があったことも事実、かな。


最大の欠点は中詰めの盛り上がらなさ。

場面のストーリー自体は面白いし、出演者も良くやっているんですけど。
せっかく麻子さんとかなみちゃんのデュエットダンスで最大限に盛り上がったのを、ナホ(越乃リュウ)ちゃんの「撮影終了!」で切ってしまうので、そこで観客の気持ちもいったん切れてしまうんですよね……。

それをもう一度、みんなが出てきて盛り上げるんですけど。
そこから銀橋に行くまでが短すぎて、テンションがあがりきる前に終わってしまう感じなのが……
残念で残念で。

宝塚のショーの中詰めって、若手からだんだんスター格が出てきて、「次はこの人か、お、次はこの人か、さあ次はトップだぞ来るぞ来るぞ、うおおおお出てきた!わーーーーーっ!!」 っていうのがあって、総踊りで更に盛り上げて、最高潮に達したところで銀橋に出る、っていうのが…
…なんというか、「お・約・束」って感じじゃないですか。

この「さあ来るぞ来るぞ、うおおおおキターーーーっ!」っていうのが、どこにもないんですよね、あのショー。

盛り上がらないままにとりあえず銀橋に出てきちゃっても、銀橋で盛り上げれば別にそれはそれでいいんですけど。
そこも時間的に短くてちょこっとポーズとってすぐ終わってしまうなんて…

もったいない。

麻子さんの「ワンモアタイム!」が空しく響きます。
寂しいです(涙)。

他にも、なんでせっかくの名場面「ペトルーシュカ」のラストに
「ご挨拶」を入れなくちゃいけないんだよ!?とか、いくつか構成上の不満はあります。


それにね。
なんていうか、そうそうたる顔ぶれの振付陣を見たときから懸念していたのですけれども。

気を抜く場面がないんですよね。
どの場面も、いい振付だらけ見所だらけで。

……集中して(しかもあちこちを)観なくてはならないので、かなり疲れるショーではあります。


わぁお、我ながら贅沢な悩みだなあ。
お芝居なんて、どこで起きようかな、って感じなのに(ヲイ)。


あと、ちょっと小さな声で言いたいんですけど。
いくらなんでも同じ人使いすぎなんじゃ。
(↑太字かよ)

麻子さん〜あひちゃんまでのスタークラスはそれぞれ場面をわけあっていますけど、それ以下は。

出ている人は全ての場面に出ているし、
出てない人は総踊りしか出番がない。

残酷なほどにはっきりと、線がひかれている。
あの「ライン」。

私の贔屓は、「ダンサー」ではまったくないので。
ああいうのは観ていて辛くなるところも多々あります。はい。
そんなこと言ってちゃいけないんですけどね。もちろんわかっているんです。
でもこれは、ホントウのホンネの根っこの滴。

本人がんばっているし、何より嬉しそうにやっているので、いつだって楽しいんですけどね。

ダンサーさんたちの見事なダンスに惚れ惚れと、その世界に浸り込みながら。

ほんの少し、胸の片隅がちりちりする、…そんなショーです。


…ああ、どうして私はあの人のファンになってしまったんだろう…(苦笑)。


いや、あの、その、そんなことはおいといて。

園加、マギー、まさお(龍真咲)、みりお(明日海りお)をはじめとするアイワナダンスメンバーは、本当にすべての場面に出ているような気がします。立ち位置もえらい位置にいて、びっくりすることしばしば。
まぐ(流輝一斗)、みっしょん(美翔かずき)、りこ(麻月れんか)ちゃんあたりもそうかな。とくにりこちゃんは、今まであんまり使われていなかったのに、オクラホマあたりから突然いいところに来るようになって、毎回驚いてしまいます(笑)。せっかく良い位置にいるので、ダンスがんばってね(^ ^)。

娘役ではあいあい(城咲あい)、みっぽー(美鳳あや)、ねね(夢咲ねね)ちゃん、れみ(白華れみ)ちゃん。とくにあいあいは、ペトルーシュカの黒いドレスが終わったと思ったらまたすぐに出てきたので驚きました。しかもあの短時間にちゃんとメークも変えてる。プロだ。

みっぽーは常に舞台の上にいます。今回はふじこ(紫水梗華)ちゃんが退団だし、麗百愛ちゃんも出てきているから出番も分け合うのかと思っていましたが…ぜーんぶみっぽーでしたね。驚愕。
(私はみっぽーのダンスが一番好きなので、嬉しいかぎりではありますが/汗)

まぁ、みっぽーは芝居巧者で、ダンサーとしても色んな色を出せる(清純派もいけるし色っぽくもコケティッシュにもかっこよくもなれる)希有な人なので、使い易いんでしょうけれども…。


でも、どうしても。
いくら巧い人たちでも。

同じ人が出れば、どうしたって色が似てしまいます。

振付も美術も衣装も何もかも違うけど、
でもやっぱり、「ああまた同じメンバーだ」と思ってしまう。
そんな人間心理。

やっぱちょっと、もったいない、かも。


…などと、構成上の問題はいろいろありますが。

もう少し全員振りが身体に入って、
回りを見る余裕ができてくれば。

フォーメーションを揃えよう、という気になってくれさえすれば。

そして、フィナーレ前の黒エンビだけでもいいから、振りを揃えよう!という意識をもってくれさえすれば!!(←月ッ子には無理だろーなー…涙)

そうなれば、私は東宝で、ものスゴーく通い詰めることになるでしょう…。




最後に、ちょっとだけ(本当か?)園加を語りたい。

園加ちゃんが凄いダンサーなことは知ってました。
花組のショーではいつも、さお太(高翔みずき)さんと園加に釘付けでしたから。

切れのいい、直線的で漢っぽい、野郎系のダンス。ジャンプ力というか上下の動きがすごく切れてて、滞空時間が長くて、3次元空間で踊る人だなあという印象を持っていました。
あと、スタイル自体はそんなに良い訳じゃないのに、決めポーズのラインをきっちり作ってトメるからすごいキレイで。

動いてよし、止まってよし。

そんな素材。ショー作家はさぞ使いたいでしょうね。
実際使われていましたし。…今回は桁の違う使われ方でしたけど(^ ^;)

でも。
はっきり言って、ビジュアルは(スタイルも)いけてない。
そう思っていた私。

園加って、ビジュアルもいけてたんだ………!(驚愕)

そんなことを、はじめて知った「シェヘラザード」でした。

私が「桐生園加」というジェンヌをはじめて覚えたのは、樹里さんのディナーショーでの強烈な女装(←そこかよ/涙)でした。
バストラインがどうみても作りモノじゃなくて。(←しかも、観てるのはそこか)
なのに、誰がどうみてもオカマで。(←なんでだ…号泣)

以来、カレはイロモノ、と思っていたフシがありまして。

いやはや。

ダンスよりも。

組んで踊っているみっぽーちゃんの軟体動物ぶり(関節いくつあるんだあの身体)よりも

…園加の美貌に釘付けだったなんて、とても口には出せない…。
(だからって文字にするか)


あの眼がいいんです。
危険をはらんだ、三白眼が。
前髪の隙間から、ちらっと見えるあのキツい眼。

…前髪なくっちゃダメよ園加。あの眼を晒しちゃいかん。ちょっと髪で隠れるくらいの方がいいの。リーゼントより絶対前髪があった方が好きです。
…はい、そのへんにしときます。やっぱり止まらなかったな園加語り…。


今日はまっつが月組を観にきていたそうですね。
うおおおおお、園加嬉しかったでしょうねぇ〜!
観たかったよーーー。

いや、すいません、もちろんまっつだけじゃなくて、花組の皆さまがいらしてくださったんだし(汗)、園加に会いに来たわけではなくて麻子さんもいるし、きりやんもいるし、普通に月組を観にきてくれたんですけど!

…単に私は腐女子なもんですからっっ(滝汗)

いやー、
…嬉しそうに花組メンバーにアピールしまくって、なのになんとなく照れ照れになってる園加…

いかん。つい想像してしまった。かわいーーーーっ。


とりあえず、作品については語りたいことは大体書いたような気がするので、公演の時間軸に沿って、思い出せることを一つづつ、書いてみたいと思います。

メモみたいなものですし、ネタバレ配慮もしておりませんのでご注意ください。
もの凄〜い長さになると思いますが、どうぞよしなに。



【パリの空よりも高く】
<プロローグ>
ごくありきたりの、レビューシーン。
「JAZZYな妖精たち」が、100分間の中でプロローグのほんの十数分だけは許せたように、観客の救いになる場面かと思っていましたが…
もちろん嫌悪感はないけど、JAZZYのアイリッシュタップは凄かったものなあ。あの感動と比べてしまうとちょっと物足りないかも。

麻子さんとかなみちゃんのデュエットダンスはやっぱりキレイ。そんなにテクニック的にものすごい訳ではない(多分。私にはよくわかりませんが)のに、なんでだろう。醸し出す雰囲気がいいからかなあ…。
かなみちゃん、すこーし首回りがすっきりしてキレイになったような?気のせい?



<オテル・ド・サンミッシェル>
ミミとジャンの姉弟が可愛い。タキ(出雲綾)さんのマダムが、ミミに対する時とジャンに話しかける時で声色が違うのがツボ。
怖いよタキさん…。タキさんのことは好きなんですけど、正直言って、ちょっと…キツイ、です。
なんて言うんだろ。カルロッタそのものなんですよね。一流ホテルのオーナーが、そんなやり手婆に見えてどうするんだ!前の日記にも書きましたが、もろ「宿屋の女将」って感じなんですよ。タキさん、グゥェンドレンの母親は結構上品な(でも怖い)おばさんで良かったのに。…まぁ、別に作品的にはやり手のマダムでもいい筈なんですけど、脚本的にはもうちょっと違う感じなんで…芝居と脚本(台詞)にズレがあるのでとっても微妙(涙)。

初見の時はここの会話を結構真剣に聞いていたんで余計そう思いました(2回目からは寝た。これからご覧になるみなさん、アルマンドが出てくるまでは寝てていいですよー)。
なんていうか、あの場面って、古臭い手法だけど「お芝居」になくてはならない場面なんですよね。過去の経緯を説明しているだけのようで、実際には登場人物たちの「キャラクター」を見せるための場面だから。…さすがに未沙のえるさんとエリ(嘉月絵理)さんは達者なんですけどね。やっぱり作品の意図(原作)と実際のキャラ(演出)がまるっきりずれているのでねぇ(涙)。

一番出番も見せ場も台詞も多いのはタキさんのマダム、ていう作品でしたが、あれを演者のキャラに合わせてもっとはっちゃけたばりばりのオバハンにしてたら、作品自体がもっと面白くなったのではないかしら、と思うと残念。宝塚なんだから、重要キャラは演者に宛書するのが当然で、演者が脚本のキャラになれないのは大目に見たいんですけどねぇ…。

この場面の見所は4人のボーイたち。ちょこちょこと働いてるんですけど、それぞれに個性があって観ていて飽きません。舞台上での目立とう精神ではなく、しっかり役とキャラを作り込んで、キチンと小芝居するのが月組若手の伝統。上級生が随分減って、そのあたりの伝統がどうなるか心配してましたけど、皆、今まで以上に楽しそうに芝居していて嬉しかったです。

学年関係なく、舞台上での見かけでいうとマギー(星条海斗)が一番先輩に見える(笑)。なんとなくですけど、テキパキしてて、しっかり先を読んで動いている感じ。
もりえ(青樹泉)はごく素直に、着実に仕事をこなしてる感じかな?ちょっとまだキャラが立ってないみたいなんで、下級生に負けないように頑張って欲しいな。
まさお(龍真咲)くんはちゃきちゃき。なんだか、しっかり者に見えて結構トボけているところとか、慌て者なところとか、竜堂4兄弟の終くんみたい(爆)。あのギラギラ感がたまりません。それにしてもまさおは本当に良い声だわ。これで芝居に心が入ったら鬼に金棒なんだけど…。あと、ふとした仕草とか横顔のシルエットとかがガイチ(初風緑)さんに似ている時があって、びっくりします。顔のほそさとか頬骨のラインとか、微妙に似ているような気が…私だけ?
(綾月)せりちゃんはごく普通の男の子、って感じ。竜堂4兄弟なら余くんかな♪4人共結構仲良くて、なんだかホントに兄弟みたいでほほえましいです。
そしてマッチ先輩の支配人が挙動不審で面白すぎる…。



ナホ(越乃リュウ)ちゃんとあひ(遼河はるひ)ちゃんが登場。
ナホちゃん、それじゃー銀行頭取には見えないよ…商売っ気ありすぎですから!個人的にはエリさんとナホちゃんは逆の方がよかったのではないかと思いますた。エリさんはさすがに巧いなあ。引くトコ引いて、なのにしっかり印象に残る。こういう役者は得難いです。
あひちゃん。あの仕草は…オカマちっくにしたいのか?ちょい内股で、ハンケチを振りながら腰振って歩いて。甲高い声で笑いを取って。出てくるだけで面白かったんですけど、路線として、組の3,4番手ポジションとして、どうなんでしょうかソレは……私は、好きですけど(笑)。



アルマンド登場。
麻子さんかっこいいー!さすが!テンションが高くていい感じです。「騙してやろう」感がありありで胡散臭さ倍増。ただ、彼が皆を騙そうと、ハイテンションで機関銃のように喋りまくる姿が…私にはちょっと痛かったです。なんだろう。彼は一人前のペテン師じゃないのかもしれない。初仕事で失敗して、次こそは、と、身内のジョルジュのネタを横取りしてきた…そんな感じ。

アルマンドは、「ペテン師である」ことを除けば、ものすごーーーく「普通」の人ですよね。ごくごく真面目で優しい好青年。実は良い家で育ったお坊ちゃんなんじゃないの?(苦笑)。ネットとかで「ペテン師に見えない」っていう感想を見かけますが、そうかなあ。私には十分ペテン師に見えましたよ。というか「ペテン師になりたい男」だなあと…。
……っていうか未だにこの人の「ペテン」の内容がよくわからない私。クロサギ読んで勉強(?)したのに、どーもこの時アルマンドが何を考えていたのかよくわからない。「ジュリアン・ジャッケの息子を騙って金を巻き上げてやろう」なんだろうけど…。植田(紳)なんだから考えるだけ無駄なんでしょうけどね。消化不良。



ジョルジュ登場
ドアマンのまぐ(流輝一斗)ちゃんがとってもステキ。重たげなロングのコートがよくお似合いです。ジョルジュが「アルマンド・ジャッケです!」って言ったときの、びっくりして口をあけた顔がとってもツボでした。可愛いわ。

そして祐飛さんはもっと(…)可愛い。がんばって若作りしてるなーと思う。…「がんばってるな」と思ってしまう時点で負けているわけですが。でも可愛いからいいの。
観るまでは「麻子さんの弟分?楽勝ー!さぞ可愛かろう♪」くらいに思っていた腐れファンの私ですが…。「血と砂」の頃は何の違和感もなく弟キャラだったのに、いつの間にこんなにおっさん臭くなったものか。私の中で、彼の時間は止まっていたみたいです。
でもあのヘタレっぷりがたまりません。もっと崩しちゃってもいいのにな。



<客室>
この場面転換は結構好き。シンプルで。どうにも全体に演出が古臭くて暗転+カーテン前(または銀橋)が多い中、このセットがあるだけホテル内が中心の作品でよかったなと思います。

麻子さんと祐飛さん、同期コンビの息はぴったり。でもそれは、「作品」が求めている息の合い方じゃないんですよね。仲良し同期の、馴れ合いとまでは思わないけど、素でお似合いだから舞台上でもお似合い、それ以上でもそれ以下でもない。かろうじて祐飛さんが弟分には見えてるけど、作品的に求められている関係ではない…。
タキさんのところにも書きましたけど、宝塚なんだからメインキャストについては宛書するのが当然なんじゃないの?この二人のコンビでコメディするなら、どうしたって素が見えちゃう(観客もそれを求めてしまう)んだから、素に合わせた設定にするべきだったと思います。…ってゆーか、素直にきりやんで良いじゃんかよ…(涙)。


ギスターブ登場
きりやん可愛い!ここ数作、渋くてかっこいい役が続いていたので、久々の可愛いきりやんにメロメロです。
どもりがちなおどおどキャラと、夢を語る時に突然饒舌になって滔々と語り出す時の目の輝き。2重人格かと思うような変貌っぷりがすごいです。大好き!
ボンボン歌いながら銀橋を渡る時のかわいらしさがまたたまらん。ここの3人は滅茶苦茶可愛くって最高です。毎回もだえてます。



<パリの街角〜噂〜>
わーい園加だー♪、と思いつつ、笑っている園加にはあまり興味がないので(←ひどい)、隣のみっぽー(美鳳あや)ちゃんに釘付けでした。いつも可愛いなあ。
ルミ姐(宝生ルミ)、音キチ(音姫すなお)、(天野)ほたる、(葉月)さらちゃん、と、ローマの愛人ズでも注目株の年上美人4人が勢揃いで眼福、眼福。
男役も研(ルイス)ちゃん、ふーが(風雅湊)くん、とーやん(榎橙也)、(光月)るうちゃんと美男揃い。

でも。わざとかと思うほどこの男役5人衆、みんな……声が高すぎですっ!(←あ、言っちゃった)。そんな中でも、女役を入れても一番声の高い園加ちゃん。その顔でその声はどうなの(←…ヲイ)。
女役より声の高い男役ってやっぱり許せん。ってゆーか、月組の女役が声低すぎなのでしょうか…。落ち着いた深みのある声が大好きな私としては、新加入のあひちゃん・園加ちゃんには真剣にがんばっていただきたいです(涙)。
どっちも顔に見合った声をだしてくれればいいから!(←たいがい失礼だな私)



アルマンド一行とミミたち登場。
この場面と直接関係ないですけど、ミミとアルマンドの出会いは、きちんと書くべきだったと思います。たとえば、ボンボン歌って銀橋渡ったところで本舞台でミミと出会う場面にするとか。そんなんでいいから。

ア「ジョルジュ、紙とペンを調達してきてくれ。俺たちはあっちを見てくるから」
ジ「わかったよ。早く帰ってこいよ!じゃあな!」
 とか言って下手花道にはける。同時に上手からミミたち登場。
ミ「ギスターヴさん!こんばんは!」
ギ「ミミミミミミ、ミミ!聞いてくれよ、この人が僕の夢に賛成してくれたんだよっ!」
ミ「まあ、良かったですねぇ!」
ギ「こちらアルマンドさんだ」
ア「(にっこり微笑んで)はじめまして、ミミ?」
ミ「…(見惚れて)あ、は、はじめまして、アルマンドさん。
 ギスターヴさんの夢を信じてくださってありがとうございます」
ア「…(にっこり)何を言っているんだい。君みたいな可愛い子が応援して
 くれるんなら、僕もがんばらないとな」
ミ「(ポっと俯いて)まぁ…」
 ギスターヴ、二人の間に流れる甘いムードに全く気づかず、ひたすら嬉しそうに
 ミミを見つめる。ここまでカーテン前。

んで、園加たちパリ市民の場面をはさんで、今度はジョルジュも加えた5人で登場。
前場があれば、そんなに脚本的には変更なくても大丈夫かな?誰かに「もう半年たったんですねぇ」とか言わせるくらいで。

あ、それから、もうちょっと季節感のある服装をしていただきたいんですが。パリの街の背景も使い回しすぎ。手前に木か何かをおいて、それの葉っぱが増えたり減ったりするだけでいいんですけど。3年間という長い時間経過があるのに、それが全く感じられないのがなんとも…。

ううう、苦しい。
…このへんで、私は脚本の意図を理解しようという努力を放棄します。今後はただただ、可愛い月組ッ子とマヤさんを愛でたいと思います。



<タワー建設準備会パーティー>
月組ッ子、濃すぎだろそれ。末子姐、あー(花瀬みずか)さま、ガチャ(一色瑠加)あたりの、イロイロ期待されているメンバーはともかく(←え?)、役名もなくただ「紳士」「貴婦人」と書かれただけの若手の楽しそうな様子ってば…。

でも、それぞれに役をちゃんと創った上で遊んでいるのが嬉しい。まだまだ固いけど、この先どんどんこなれてきそうなのが嬉しい。遊びを先に、じゃなくて、役を創るのが先。その基本がちゃんと身体に入ってる。
ああ、月組を観てるんだなあ、と嬉しくなります。
だからって初日は舞台稽古でいい、って訳じゃあないんですが(汗)。

でも、作品の創り方がそうだから、仕方ないのかな、と思える部分はある。贔屓だから甘くてごめんなさい、ですが。

退団、組替えでどんどんメンバーも入れ替わって、雰囲気がどんどん変わっていく。
でも、月組は月組なんだね。
たとえ主要メンバーがこんなに大きく変わってしまっても。
やっぱり月組は、私の大好きな月組なんだ。

それが、お芝居のそこかしこに出ている。
それが一番、うれしかった。



ギスターヴ登場。
きりやんステキです。きりやんかっこいいです。
「地上と天上を結ぶ橋を架けたいのです」…植田さん、たまには良い台詞を書くじゃないか!
この名台詞を発する時の、きりやんのキラキラぶりがツボ。かっこいいぞ!

それに引き込まれて、ふと表情が変わる上級生達。こういう呼吸で空気が変わるのっていいなあ。芝居の醍醐味だわ。
ローマの「アントニウスの演説」の場面でも、もちろんきりやんの歌の説得力が凄いんだけど、それ以上に反応する組子たちの空気感が好きでした。あの熱さには、観客もつい流されちゃう。客席の気持ちまで持って行ってしまうんですよね。
「愚かな民衆」をテーマにしたあの場面は、観ていて痛すぎて辛かったけど、「月組の群衆芝居」はやっぱすごいや、と思ったものです。

このパーティーの場面も、きりやんの台詞をきっかけに、それまでてんでんばらばらな方向を見ていた「群衆」が、ふと「同じ方向」を向く。
その「エントロピー最小」の状態を出現させるために必要なエネルギーが、「群衆」の意志、という形できっちり表現できているから、客席の私は「まあ、いっか」と思ってしまうのです。
…こういうのを「脚本の不備を役者がフォローする舞台」というのよ。



アルマンドたちの部屋。
アルマンドやっぱり格好いいです。たまらん。パーティーで演説するアルマンドの胡散臭さといい、ツボりまくりです。
ジョルジュとの遣り取りもここはかなりテンポ良く進んでいたような。ファンの贔屓目かしら?麻子さんのアルマンドは割と自己完結しちゃいがちなキャラなので、ジョルジュはそれをひたすら受けているんですよね。もう少し突っ込んでもいいんじゃないかな。さらに、もう少し立場の違い(年齢差?)が出せれば、面白くなると思います。期待。

でも、良い感じに流れているこの場面をみて、普通に「ここは原作どおりなんだな」と思ってしまう自分が悲しい…。劇団よ、お芝居大好きな組子が多いんだから、たまには良いお芝居くれよ…。



<パリの街角>
ボーイたちが歌い踊るおいしい場面。ここはショー場面、と心得てか、バリバリと目線飛ばしまくりなまさおが可愛いです。いつだってやりすぎだから、キミ。でも芝居が始まるといちおう役に戻るんだよね、嫌そうに(笑)。
もりえとマギーはツインタワーでかっこいい。そしてせりちゃんは可愛い。この子は将来、絵理さんのようになるんでしょうか。声の高さと舌ったらずさにちょっと将来を危ぶみつつ、血と砂メンバーは可愛いんでつい見守ってしまいます。



ミミ・ギスターヴ・ジョルジュ登場。
ミミに話しかけるたびにどもってしまうギスターヴが最高可愛い。そして、明らかに「分かってるのに」とぼけて見せるミミはもっと可愛い(爆)。嫌な女ですけど、そういう役だから仕方ない。かなみちゃんが悪いわけではないので許したい……(汗)。

きりやんとかなみちゃんって、そういえばあんまり組んだことないですよね?
スタイル的にも歌の実力的にも、それに持ち味も、すごーく合いそうなお二人なのに。
(…あ。額田と中大兄があるか。ごめんなさい、中日は行ってないのでわからないや)
珍しいお二人のデュエット。良い声だなあ、と。うっとり♪
…直後に同じメロディを、しかも一人で歌わされるジョルジュが哀れでなりません…。

ミミの、ギスターヴにはそれなりに好意を持っているけど「そのお気持ちにはお応えできませんわ。それでもいいんですよね?」という確信犯的な微笑みと。
ギスターヴのわかってない(ミミがそれなりの好意を抱いている事自体わかってない)っぷりが凄まじく痛いです。

なんだかなあ。ついつい、色々考えてしまうんですが。
ミミは、真面目に花を売ってるんでしょうか?
それとも、花だけじゃなくて「春」も売っているの?

…ねぇ?


ギスターヴとの出会いも、「春」のお客さんともめているところを通りすがったギスターヴに助けられた、とか、そんな…
いや、考えすぎなのは判ってます。ホテルに3ヶ月も逗留していたギスターヴと、毎朝花を届けに来るミミが出会ったのは、ホテル。それで何の疑問もありません。

でも。

そんなんツマラナイじゃないかーーーーっ!
(植田紳脚本に萌えを求めるんじゃありません)



ギスターヴは何も気づかずに、ただ絡まれてる女の子を助けたつもりでいたら、ホテルでよく出会う可愛子ちゃんだった。家まで送る途中で自分の夢の話をしたら、目を輝かせてうなずいてくれた。
…なんて良い子なんだ→こんな子がいつも傍にいてくれたらいいのに→「ミミミミミミ、ミミ、すすすすすす、す………」(結局言えないまま月日は流れる)

ミミの方も、優しげでステキなお兄さんに助けられて、感謝と憧憬の念を抱く。
でも、彼は自分の商売を知っていると(その上で黙ってくれているんだと)思いこんで悩み、さらに彼の子供っぽさを知るにつけて純粋な「憧れ」が、次第に変質してしまう。
いわく「この人なら、私の言うことはなんでも聞いてくれるはず」。
…打ち出の小槌を手に入れた子供のように。

そこに現れた王子さま。
ギスターヴより上の立場で、彼の夢を認め、その手助けをしてくれる人。動き出す空気。パリが動くんだもの、すごいことですよね。
今まで、口では「すごいですねー!」と言っていても、全くそんな夢も希望も本気にはしていなかったミミ。彼女にとっては衝撃的な状況。

『もしかして、あたしってばすごい現場に立ち会ってるんじゃないの?』

そんな。夢のようなコトを起こしてくれた王子さま。

あの人、またあたしを見てる。あたしがギスターヴさんの夢を最初に認めた人だと思って。
……どうしよう。あたし、何もしてないのに。ギスターヴさんの話はよく分からなかったけど、うん、うん、って頷いてあげると喜んだから。だから、うん、って言ってただけなのに。アルマンドさんは、口ばっかりで何もしないあたしを見て、どう思っているんだろう……。

そして。
塔の建設がだいぶ進んだある日。久しぶりにギスターヴ(とジョルジュ)に出会ったミミは、夕方、金持ちそうな男に声をかけられる。

パンはもう底をついた。この荷車の花も、明日が限界。明日売れなかったら、もう仕入れに行く金もない。…そうは言っても、ここにあるのは良い花ばかり(ジャンはああ見えて目利きという設定)だし、マダムエレノールのオテルは最近景気がいいから、頼めばきっと買いあげてくれるだろう。無理をしなくてもなんとかなる。

…だけど。

“ここで、まとまったお金が貰えたら”

「ジャン、先に帰ってて頂戴。あたしはご飯食べて帰るから、昨日の残り、あんたが全部食べて良いわよ。…そうね、遅くなるかもしれないけど、心配しないで。ちゃんと帰るから」

“半分くらいなら、……あのひとのところに持って行けるかもしれない…。”


…この時点で、すでにミミの頭の中にギスターヴは(もちろんジョルジュも)居ないんだろうなあ。いや、ジャンの心配そうな顔さえ目に入ってないかもしれない。哀れなり。

とゆーか、植田脚本でも妄想できる自分にちょっと感動…。



<深夜のロビー>
ペテン師二人が金庫を持って登場。
ジョルジュが金庫を開けると、いきなりなり出すベル。…こういう仕掛けって、こんな頃からあったんでしょうかねぇ…。
ちなみに、私が観た回のうち一回は、ジリジリ鳴っている間に金庫の蓋が「ぱたん」と閉じてしまいました。思わず息を飲んだよ。お二人は、何事もなかったようにそのままお芝居を続けていましたが。さすが年の功。

あの音量に驚いて起きてくるのがマダム一人、ってのもどうかと思うんですけど。
まちおさんとかボーイとか、どうしてるわけ?ああ、そういえば4人揃って遊びに出てましたね、さっき。もしかして通いなのか全員?

タキさん、やっぱり芝居は「それなりに」上手なんですよね。滑舌いいし抑揚もある。でも、「一流オテルのオーナー」には…見えない。きっぱり。
下町の、人情に厚い下宿屋の女将。やっぱりそれが一番似合います。

アルマンドに父親ジュリアンの話をするエレノール。だからソレはアルマンドの父親じゃないっての。っつーかジョルジュに聞かせてやってよ。呼んでやってよアルマンド。頼むから。ジョルジュの父親の話じゃんか…。
やっぱり「ジョルジュの父親がジュリアン」っていう設定は、この時点で作者の頭に残っていないものと思われます。


この後の、「俺たちが消えたら、おばさんは悲しむだろうな…」というアルマンドの独白はかなり胸を撞きました。もう少し溜息まじりでもいいとは思うけど。
複雑な胸中がかいま見えて、好きな場面です。

でも、「ほだされ」てしまうには、あまりにも弱いエピソードだと思うんですけどねえ…。
(ごめんなさい。もう脚本についてはコメントしないと誓ったのに)



そして。


金持ち男から貰った(ソレって確定?)お金を握りしめて、ミミ登場。
匂い立つ色気(ヤッてきたばかりだもんな…←だからソレって)と必死な目の色が眩しい。

つい昨日まで、「可愛いけどごく普通の、そのへんにいっぱいいる可愛子ちゃん」だったミミが、ファム・ファタルに変わる瞬間。
それは、夢に懸ける思いの強さと、犠牲の大きさ。

アルマンドは、ミミが懸ける「夢」=塔の建設、だと思った。
だから彼は、出されるがままに金を受け取る。

でもミミの「夢」は、本当はただ、アルマンドの微笑み。
たったそれだけ。

持ち物の少ないペテン師には、差し出せない犠牲を、そのために捧げたミミ。
それでも、「夢」のためならそれは、決して汚らわしいものではないのだから。

なのにアルマンドには判らない。
だって彼には、「夢」がないから。

だからこそ彼は、「彼らの」夢を実現することにこだわり始める。
いい加減金が集まってきたところで逃げ出そうよ、と、五月蠅くまとわりつくジョルジュを無視して。


 奴らの夢を実現してやれるのは俺たちだけなんだから。
 いいじゃないか、どうせ俺たちを疑うような知恵の働く奴なんかいやしない。
 慌てる乞食はもらいが少ない。金のがちょうはたっぷりと餌をやって朝を待て。
 ゆっくり時間をかけて、たーっぷりと搾り取ろうぜ、な?ジョルジュ。

 だって兄貴。こんなに長く一つ処にいるの、始めてじゃないか。
 俺、なんだか怖いんだよ。あまりにも話がうまくいきすぎてる。
 塔が建っちまったら、もう逃げられないんだぜ…?
 何考えてるんだよ、兄貴ィ!

 ジョルジュ。いいから俺に任せておけ。お前は心配しなくていいんだ。
 本当に…可愛いな、お前は。でも、あんまりウルサいと捨てていくぞ。

 !!冗談でもやめてくれよ!俺はもう、一人はイヤだからなーっ!!



…あの作品で、妄想できるのって私くらいなんじゃないだろうか。不安。

いくらなんでも長いので、いったん切ります。(一万字超えそうだ)
続きはいずれ。

.
このタイトルは、麻城ゆうさんの「天界樹夢語り」から取りました。内容は全く関係ないのですが、なんとなく。
今の月組で妄想するなら、月光界よりジョーカー・シリーズですかねぇ。ジョーカー=麻子さん。…いけるかも。

ってなことはおいといて、前回あり得ない長さに自分でも読み返す気が失せてしまった日記の続きです。
完全に舞台の上のキャラを無視した妄想に走っているうえに、…またもや長っっ(滝汗)。



この文章は、もはや実際の大劇場の舞台とは、何の関係もない…かもしれない…。



<パリの街角〜嵐の前〜>
月組の誇る美少女5人衆の登場に、息もできないほど集中してしまいました。あ、あ、あまりに可愛い。
あいあい(城咲あい)センターに、ちわわ(涼城まりな)、すずな(憧花ゆりの)、(白華)レミちゃん、(夢咲)ねねちゃん。
5人ともスタイル良くて可愛すぎっ!

声が一番好きなのはあいあい。白いフリフリドレスもよくお似合いです(いや、全員似合ってるんですけど)。
すずなの声は相変わらず特徴的でわかりやすい。あのキャラは貴重ですね〜。
ちわわとレミちゃんは、もう少し落ち着いて喋ると良いんじゃないだろうか。声は好きなんですが、ちょっと早口なのかな?
ねねちゃんは、エリザベートの頃と比べるとちょっと声が変わりましたよね?前の方が好きだったなあ。コケティッシュで可愛い声だったのに、なんだかワザとらしい声になっちゃったみたいで残念です。考えすぎてしまっているのでしょうか?もっと素直に声を出せばいいと思うんだけどなあ。



ミミとジョルジュ登場。
思い詰めたようなジョルジュ。…そうだよね、その夜のうちにもパリを発つ予定なんだから、「今、言わなきゃ」と必死なんだよね。

一人で生き抜けるくらいまでは父親に育てられたけど(その父親も裏社会系の人だったと私は思うんですが)、その父親に捨てられて(←いつ決まったんだその設定)、ストリートチルドレン(フランスだっての)として生きるうちに、ワルになりきれない優しいアルマンドに拾われた彼は(←だからその設定…)

パリの下町で、生まれてはじめて「守りたい」と思う少女に出会う。

だけど、自分達は根無し草で。
パリに腰を落ち着けることは、やっぱりできなくて。

自分にとっては「すべて」でさえあるアルマンドよりも、ミミを撰びとることもできなくて……


でも、言わずにはいられない。
それは自分の「真実」だから。

だから、ここに来た。
迎えに、来た。

彼にも本当は判っている。ミミが好きなのは自分じゃない。
ミミの目に、自分は入ってない。

でも認めたくない。認められない、そんな事実。

“兄貴ィ。いいだろ?俺がこのままパリに残ったってさ?”

そんなことが出来ないことは、自分が一番よく知っている。
拾ってくれたアルマンドを、自分から捨てるなんてできやしない。

でも、いつか。
いつかきっとアルマンドは俺をおいていくだろう。
親父が俺を置いてったように。
アルマンドだって、いつまでも俺を連れ歩いてくれるワケがない。俺だってもう一人前にならなきゃいけないんだ…

それが、判っているから。
…だからこそ、今は。



ジョルジュさん、ここは良かったと思います。もう少し無理して、若作りじゃない、「背伸び感」を出してほしかったかな、とは思いますが。
恋愛らしい恋愛のある役って、本当に「The Last Party」くらいしか経験がないのに、ミミを見送る切なさをよく出していたんじゃないか、と。

…ファンの身びいきですみません。

ただ。
祐飛さんの芝居って、結構「観てないとわからない」「注目している人にしかわからない」ところがあって……(涙)。
うーん。ここはどうだったんでしょうねぇ…(不安)。


それにしてもミミのスルーっぷりはお見事!の一言。

ミミは絶対「重度のファザコン」なんだと思います。
幼い頃にパパに死に別れて、親戚の間を転々として育ったの。だから、年上の、「尊敬できる」男にしか興味を持てない。同い年や一つ二つ上くらいじゃあ「男」として見られないんですよ。(←いいのかその脳内決定!)

ミミにとって、ジャンとジョルジュは「同列」の、「可愛い坊や」でしかないの。

「愛されたことがなかった」から、憧れと恋の区別もつかない。
だから、愛されていることを信じることもできなくて。

ジョルジュの言葉を信じることもできっこない。



…ってゆーかその前にさ、弟の、あんなにあからさまな愛が届いてないなんて…可哀相すぎるよ、ジャン(涙)。
わかってやってくれよ、姉さん…。



ミミを見送ったジョルジュに優しく声をかけるアルマンド登場。
ほえー、大人だーーーーっ!と、見惚れてしまうアサカナなファン、いや違う、アサハカなファン。
こーゆー美味しいところをさらっていってこそトップスター様ですわっ。

「俺たちがいつまでパリにいると思っているんだ」

突っ込むのもそこからですか。…確かに今夜出て行く(予定な)んだけどさ。
それにしてもキツイ一言です。ジョルジュさん、返す言葉もありません。



それにしても。
アルマンドのホンネでは、ミミをどうしたいんでしょうねぇ?


アルマンドの過去、ってついつい考えてしまうのです。
前にも書きましたが、アルマンドって実は良い家の坊ちゃんだったんじゃないかな、と思うんですよ、私は。

名前はアルマンドのはずがない(ジュリアンの息子アルマンドは祐飛さんの役だから。麻子さんの役の本名は多分ジョルジュだと思うんですけどね…でないと最初の遣り取りの辻褄が合わない)し、どこか田舎の、土地持ちの家の次男とかなんじゃなかろうか。

…ジョルジュ・ドゥ・シャンドン、とか?(←絶対違うから)

まぁ、そんな小ネタはおいといて。
(以後、この日記では「麻子さんの役=アルマンド」で統一します。でうせこの名前の入れ替えトリック自体、作者の頭には残ってないと思うし…悔)

とにかく、生家は結構上流階級で、当たり前に「上流階級」の言葉遣いや仕草、マナーをしっかり叩き込まれた人なんじゃないかと想像するわけです。
そうでなきゃ、あんなにすんなり信用されないでしょう?あの胡散臭いパーティーメンバーに(←胡散臭いの意味が違う…)

でも、何かがあった。

「ペテン師」という職業にこだわりを持っている様子を見ると、親がペテンに騙されて没落してしまった(←完全にクロサギじゃん)、とか
領主に何か理不尽な、あるいは無体な(…そりゃー美青年ですからねぇアルマンドは…コホン)要求をされて、それを蹴ったばかりに故郷にいられなくなった、とか
何かそんなような、「もの凄く理不尽な」目にあって、すっかり世の中に絶望してしまった青年、

なんじゃないかなー、と。

そうやって、世の中を拗ねて旅するうちに。
思いつきでちょっと甘い言葉をささやいてみたら、どこかの奥方はコロっと騙されて金をくれた。
どこかの実業家もころっと騙されて出資してくれた。

大きな仕事はしたことがないけど、プロのペテン師というよりは寸借詐欺とどう違うの?、くらいのセコい稼ぎで渡り歩いて。

ノルマンディーの港町(←どっから出てきたんだその設定)で、ストリートチルドレン(←だからここはフランス)のリーダーをしていたジョルジュ(←本名アルマンド。でもこの日記ではジョルジュで統一)と出会う。


ジョルジュの語る昔話。
「俺の親父はね…」

長いこと父親へ向けてきた限りない憧憬を、その父親自身に否定された少年ジョルジュ。(←妄想癖が…)
でも、やっと出会えた「もう一人の父親」アルマンドには、その傷を露わに語ることができない。
だから、するのはいつも、自慢話。

「俺の親父は、偉かったんだよ」

その話にうなずいてくれるアルマンドがいるから。
たまに、父親の機嫌が良い時に繰り返し話してくれた、パリでの話を思い出しては語る。
自分の父親は偉かったんだ、と。飲んだくれだった父親を忘れて、綺麗な色紙で飾り付けた父親像に酔ってみる。

だから、その時だけは忘れていられる。その「偉い父親」に、自分が捨てられたことを。


そんなジョルジュの傷に、アルマンドは気づかない。
ただ、折角舞い込んできた「偉かった男」のネタを、何かに使えないかと模索して…


そうやって乗り込んできたパリで、
彼は一人の少女と出会う。


何とも思ってなかったんだよね、最初は。

でも。あの、最初に逃げようとした夜のロビーで出会った時に。

絶望にまみれ、夢を見失っていた彼は。
久しく縁のなかった、まっすぐな「夢」と出会う。

ジョルジュの夢は、アルマンドに対しては力をもたなかった。
彼の夢は、「無い物」への憧れだから。
傷を癒すための嘘だから。

でも、ミミの夢は違う。ミミの夢は「アルマンドの微笑み」。
それは、そこに存在する「事実」だもの。
そして彼女は、手に入れた。しっかりと。

そんな、他人の見凝める夢に、酔う。
夢を叶えた人のもつ輝き、に。

感受性が強くて、優しいアルマンドだからこそ、いったん掴まったらもう逃げられない。


この時アルマンドは、恐怖を覚えていたんじゃないかと思う。
自分の足元が崩れていく恐怖。家を出てから、それなりに(ペテン師として)築いてきた地盤を揺るがされる恐怖。

ミミ、という、
ブラックホールのように、ただひたすらに「夢」だけを希求し、求める存在が。
アルマンドを引きずっていく。
パリの街に縫い止めて、逃がすまいとする。

家を出て以来、「自由」に生きてきたアルマンド。
自分の歩く道は自分で決めてきた。
だからミミ。お前にひきずられて、パリの街に縫い止められる俺は、俺じゃない。
そして、俺と一緒についてこられるお前でもない。

だからミミ。
…ギスターヴと、幸せに…。



いや、あの。

…申し訳ありませんm(_ _)m。すっかり暴走してしまいました。



話を戻しますが。
個人的に、ここのジョルジュは、もう少しアルマンドに甘える、あるいは頼るふうに解釈してくれると嬉しいんですよね…。
まあ、こういう(↑)訳のわからない妄想設定の上での解釈だから、植田(紳)さんのやらせたい演出とは全然違うのでしょうけれども、

ミミが恋しているアルマンドに嫉妬しているのか、アルマンドの心を捉えたミミに嫉妬しているのか、どちらなのかジョルジュ自身にもよくわからない、みたいな感じでお願いします。


…だから、そういう萌え方をするなってゆーのに。



<嵐の夜のロビー>
緑のコートにくるまれたきりやんが可愛い。
あの「必死!」さ、「一生懸命」さが人の心を動かすんですよ。
それは、舞台の上でも、下(素)でも同じなんでしょうね、きっと…。

きりやんギスターヴのためになら、私も嵐の現場に駆けつけるわよっ!!と、そう思った私は、サテ誰のファンでしょう…(←月ファンです)。



ペテン師コンビ帰還
どうでもいいことですが、このホテルには正面玄関しか出入り口がないのっ!?とゆー設定がカナリ笑えました。
でもまぁ、セットの問題があるから仕方ないか。裏口とか作ったらまた費用がかかりそうだもんね。

で、さっそくケンカを始めるお二人。いやさ、仲良きことは美しいから別に構わないんですけどぉ。 …なにもロビーで喧嘩始めなくてもいいんではない?さっさと部屋に戻ろうよ。 …ホラ、言ってるそばからマヤさんが来ちゃったじゃないか。
(実際、観劇しながらこのとおりのことを考えてました)

んでもって。
マヤさんの巧さに、脱帽しますた。

台詞といい、仕草といい、間といい、文句なし。
芝居ってのはこうでなくっちゃ。コメディってのはこうでなくっちゃ。

…いっそのことペテン師コンビを麻マヤで…(祐飛さんじゃなければ誰でもいいんか涙)。


いい経験しているじゃありませんか。がんばれ、月組ッ子。



ミミ登場。
そんな大嵐(どんなや)なのに、何故あなたはそんなに軽装で、髪にも一筋の乱れもなく…。
その押しつけがましさはどこからきたの、ねぇ。

でもアルマンドは行ってしまう。
さりげなく、当たり前のようにミミの肩を抱いて。
この時の、ミミの肩を抱くアルマンドの瞳が、ものすごーく強くて、思わず惚れてしまいそうでした。


そして。
残されたジョルジュの、あまりにも、あまりにも情けない「兄貴ィ…」が。


…寒くて、痛いよ……



<祝賀パーティー>
幕が降りて、上手から下手へ「パリ市民」が本舞台と銀橋を渡っていきます。下級生の唯一の見せ場!でもあまりに早すぎてチェックしきれません。
それにしても、89期のみっしょん(美翔)とか88期のなっつ(夏月都)、(麻華)りんかちゃんあたりが、プロローグのショー場面の次はここ(でそれでお芝居終了)、ってのはどうかと思います。ねぇ植田さん?

役がないなら無いなりに、全員をずーっと舞台の上に置いておいてくれた木村さん、その点だけは評価したい。



幕があがると、オテル・ド・サンミッシェルは祝賀パーティの真っ最中。

きりやんギスターヴの呼び出しをかけるマッチ先輩。
…この時すでに、彼は二人組の失踪を知ってるんだよね…?袖から登場した時から固い顔をしているもんね…?
なんで、マダムに耳打ちするとか何か、事前に入れておかないんだろう。
あれじゃーせっかくのパーティが台無しじゃありませんか。

何もあんなところで手紙を読み上げなくたっていいんだし。
警察に届けるのか、政府に報告するのか、他にもいろいろあるけどどうするのか、上司(マダム)の判断を仰ぐのが当たり前じゃないの?

被害額だってたかが60フラン=2万円?5万円?その程度でしょう?(どんな片田舎から来たのか知りませんが、片道の交通費より安いんだもん)

ずーっと「あの二人は怪しい」と疑ってた、とか、そういう伏線もないのに突然そんなことをされても、どう反応していいのかワカリマセン!



でもって。
「僕の恩人を…」
と叫び出すきりやんのギスターヴが。

この上もなく輝いていて。
素敵でした。

そもそも、登場の時からスポットを独り占めにして、ぴしっと正装して髪もととのえたきりやんは、それはそれはとてもステキなワケですが。
これがまた、「夢を叶えた人」の輝き、と言うのでしょうか。
美しい人、を体現していて、素晴らしかったんです。

そして。二人組の正体をバラされて騒然とした人々の真ん中で。
ちょっと口ごもりながら、でも、彼にできるかぎりの思いをこめて

「彼らは僕の恩人なんです」

その一言で、また空気が変わる。

「空気」を変える役者。
出てくるだけで、とは言いませんが、きりやんには「そういう」力があるんだなあと改めて思いました。
劇場中を巻き込むパワーというのでしょうか。

きりやんギスターヴに、ここまで信じてもらえたアルマンドとジョルジュは多分、幸せだったんだろう、と。
そう思える輝き。

歌はもちろん、さすがです。この声が好き。柔らかく劇場中を包む美声。…うっとり〜♪


でも、ファン的には、ギスターヴだけは真相を知っていて欲しかったんですよねー。
そんでもって、ミミを連れてモンマルトルの丘に行くの。
2番手なんだし、大人なんだし、そのくらいの役得があっても良かったと思うんだけどなあ…。

とにかく、ラストシーンにギスターヴも居てほしかったんです。
だって、アルマンドは「ギスターヴと、幸せに…」って思いながらミミを置いていくわけでしょう?

そこにギスターヴがいないのがなんとも残念…です。



<モンマルトルの丘>
カーテン前の二人組。音程のピッチが微妙に合わないのは、がんばって合わせていただきたい。
でも、お互いなだめるように微笑みあって歩いてくる姿は、結構ツボです。
やっぱりこのお二人、立って並ぶと豪華というか。ブルータス&カシウスの時も思ったけど、スタイルが釣り合っていて本当にお似合いなんですよね。

…だからと言って、組ませときゃいいだろ的な扱いはどうかと思いますが…。


幕があがると、そこはもうモンマルトルの丘。
遠景にエッフェル塔。
おもちゃのように、小さく見えます。

私も一度モンマルトルの丘に登ったことがあるのですが。
どうだったかなー。全然覚えてない(汗)。どちらにしても回りの建物が全く違うので、風景としては全く違うんでしょうけど。それにしても覚えてないな…。

でも。

二人の3年間の集大成が、あのおもちゃのような塔かと思うと、もうちっと良いセットにしてやってくれ、と泣きたくなりましたが。

この場面のお二人の芝居は、とっても好きです。

…演出的にどうでもいいピストルが出てきた時点で、かなり萎えてしまいましたが(涙)。

あ、でも、一つだけ突っ込みたい。
ジョルジュの、「もう2度としないよぉ」という台詞。
あの台詞を、あんなに甘ったるく言っていいのか、という技巧上の問題もあるんですけど、その前に。

何を「もう2度としない」の?ジョルジュ?
女の子のボタンを盗むことを?
それとも。

女の子に心を揺らすこと、を?

…それを禁じたとしたら。それは怖いぞ、アルマンド…。



下手から「アルマンドさ〜ん!」と声がかかって、ミミとジャンが登場。

この後のね、アルマンドとジョルジュの、目と目の会話が非常に好きなのです。
脚本のない場面だから、ある程度演者の裁量に任されている場面なんじゃないかと思うんですけど…

ここまでの、年の離れた(アルマンドが「可愛い可愛い」を連発する対象の)ガキのジョルジュと、
今、アルマンドを抑えてミミのもとに戻らせる、大人の男の瞳をしたジョルジュとが、

2重人格にしか思えない、のは置いておいて。(←いいのかそれで?)

その日の気分で、いろんな会話をしていそうに見えるんですよね、あの目。
二人の絆。時間をかけてはぐくまれた、そんな、脆いけれども大切なモノ。

それがあるからこそ、アルマンドをミミの元に戻らせることができるジョルジュ。
それがあるからこそ、ジョルジュと共に歩いていこうとするアルマンド。

そんなものを、しっかりと観せてくれる二人は、さすが年の功、ってところかな…。(←ただの深読みだから、ソレ)



デュエットが終わって、銀橋へ進むアルマンドへ、手を差し伸べるミミ。
ジャンが、不安げに駆け寄って、斜め後ろから姉を見守る。

今までずっと、その小さな手で守り続けてきた(つもり)の姉を、喪うかもしれない、と思った恐怖。
それが、それこそ父も母も知らないのであろうジャンの心をえぐったのでしょうか。

姉ちゃん…?
行かないよね。俺を置いて、行っちゃったりしないよね…?


そこまでは良いのですが。
その後、姉さんの後ろから腰に抱きついて引き留める姿は、ちょっとだけ「え?」でした。

…ジャンは、そこまで、必死に姉にすがりつくようなキャラじゃなかったはずなのになあ(汗)。
ラストでああ来るんなら。
だったらもっと途中、ジョルジュの邪魔をしている場面とかでも、「俺の姉ちゃんを連れて行く悪い奴」扱いでキレる演出にした方がよかったと思うのです。

場面場面では、今くらい可愛らしく邪魔してみせた方がウケるんですけど、ラストを考えると、もっと神経質っぽい子供に作った方がいいと思うんですよね。
さっきまではあんなに大人びた美少年だったのにさ…。

唐突すぎてついていけなかったよ…。

でも、文句は言ってもみりお(明日海りおちゃん)は可愛いです。可愛すぎて辛抱たまらん…。




ラスト前。
アルマンドが銀橋で思い出にふけっている時。

ジョルジュは下手花道で、
そんなアルマンドを暖かく見守って。

そして、ふ、と顔をエッフェル塔に向けて。

軽く、うなずく。


うん。
俺たち、いいことしたな。
俺たちがいなくなっても、パリの空の下には、地表と天上を結ぶ鉄の塔があるんだ。

空よりも高い、塔が。

…俺たちがいなくなっても、いつまでも。


それはお伽噺のラストのような。

いつまでも、いつまでも、
彼らは幸せに暮らしました、と。


一瞬泣きそうな瞳で、でも晴れ晴れと微笑んで。
そうして「少年」はパリに背を向ける。

もう彼は、アルマンドが来るのかどうか、不安に思うことはない。
一人でも生きていけるから。
そして、アルマンドとの絆を信じているから。

不安はない。
ただ、夢から醒めてしまった寂しさがあるだけ。


一つ大人になって。
ジョルジュは歩き出す。



そんなジョルジュを追うでなく、
アルマンドもまた、パリを去る。


ミミは、来ない。
そんなこと、わかってる。
俺も、留まることはできない。

だから、パリよ。
パリの女神よ。

…ギスターヴと、幸せに。


銀橋で遠くを見凝める麻子さんは、めちゃくちゃかっこよかったです…。

マミさんの「ゼンダ城の虜」のラストを思い出してしまった場面でした。



でも植田(紳)さん。
観客がココまで妄想してもまだ話がつながらないような穴だらけな脚本、二度と書くなよ。




ああ、やっとお芝居が終わった…(疲)。
まだショーが今から始まるんだよ。気が遠くなりそうだわ我ながら…。
今日(正確には17日なので昨日ですが)カウンターが1000を回りました。
ブログを始めてちょうど一ヶ月。コメントを初めていただいたりして、とても幸せです。本当にありがとうございます。

なんとなく、ふと思ったことを呟いているだけの、あまりに長すぎるこの駄文を読んで下さる方が。
…私以外にも、一人以上はいることが判って嬉しいです♪

今、そこにいてくださるあなたに、

心よりの感謝を捧げつつ。


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初めて携帯で自分のブログにアクセスしてみました。

…携帯では、私の超長文は全部表示されないんじゃん(涙)。
最大1万字、って書いてあるのに、携帯では2,3千文字しか表示されてないぞ。…これって常識…?

少し落ち着いたら、携帯用の文字数に整理して掲載したいと思います。と、とりあえず宣言ダケはしてみたりして。


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今日のタイトルは、もちろん「RENT」のパクリ。

過ぎ去った時間は、あなたにとっては長かったですか?それとも?

…私にとっては。

この一ヶ月は仕事がものすごーーーーく忙しくて、一瞬のうちに過ぎてしまったような気がする…。年を取るのも早くなるわけだ
なあ…(涙)。

.
というワケで、月組「ファンシー・ダンス」。


<プロローグ>高橋城&羽山紀代美
いきなりトップのソロダンスから。今日もかっこいいねぇ、うちのトップは♪とるんるんしてしまいます。

下手から、きりやん、祐飛さん、あひちゃん、園加が登場。

…そもそも、園加って花組時代はココに入るひとじゃなかったですよねっ?花組ならここの4人はユミコ、真飛、蘭トム、さお太(え?)…でしょう?今はユミコ・蘭トムが抜けて、壮&みわっち。たぶんまっつは入りません。なのに…

いやホントに、4人の中に園加を発見した時はビビりましたよ私は。


ここの男役群舞の振り付けはかなり好きです。揃わないけど(涙)。
揃えないのが月組クオリティ。
…ホントは揃えてほしいんだよ………ダンスが苦手ゆえについていけない人はともかく、上手いのに周りに合わせる気が無い人(しかも上級生)が多すぎる(涙。でもそんなバラバラな月組ダンサーズが大好き)。

女役さんたちの衣装は、どこで使った衣装なのでしょうか。色も形もすごくキレイ。スカートの翻り方も、さりげなく深いスリットも、いちいち色っぽくていいです。ニコニコ。

スカートの裏地?2枚重ね?の色が、スカートが翻るたびに華やかに舞いあがります。一人だけ濃色のあいあいは、きりやんとお揃いの色。本来は祐飛さんとペアになる色の衣装もあるはずなのに、いなくて寂しいです。東宝では誰か着てくれないかなあ…。


<アイ・ワナ・ダンス>鞍富真一&名倉加代子
いきなりライトが当たると。
園加が登場。

だからその登場、ありえないってば!
……いったい園加に何があったんだ…。


祐飛さんと下級生たち登場。みりお(明日海りお)、みっしょん(美翔かずき)、宇月颯、彩星りおん。
お気に入りのみっしょんだけでなく、ひそかにチェックしていた彩星くんまで一緒に出てくれて嬉しい!けど。…私の目は2個しかないっつーのに、どこ観ればいいんだ一体。

ここのストーリー。プログラムを読んだ時は祐飛さんに対するイジメかと思いましたが(苦笑)、実際は意外と良かったです。

キレイどころの4人は、祐飛さんよりずっと(←ヲイっ)巧いダンスを披露。
受けて立つ祐飛さんは、その独特の「個性」と、決めポーズの美しさ、ラインのキレイさで勝負。
見比べる園加の、ちょっと皮肉な、人を見下したような笑みが、またニヒルでいい!

そして園加は心を決める。宙に舞った紅い上着は、祐飛さんのもとへ(えーっ!? ←ヲイ)。

暗転してダンサーが登場、ショーが始まる。
心浮きたつリズム。
音楽にあわせ、時々刻々とフォーメーションが変化して、舞台の上に大きな花を創出していく。

もりえ、マギー、まさお、るう、まぐ、りこ。
…これから月組のショーを盛り上げるのは、このメンバーなんでしょうねぇ〜。つい感慨にふけってしまいます。
だってこのメンバーって、りこ(麻月れんか)ちゃん以外は全員次の「ペトルーシュカ」にも出てるんですよ!?しかも、マギーとまさおくんは早替りで人形役。チャレンジャーメンバーからも宇月くんが出るし。

さらに次の「ラスト・ダンス」にもまぐ(流輝一斗)以外、全員出てる。(チャレンジャーメンバーからはみりおが参加)
シェヘラザードはりこちゃんとまぐが抜けて宇月くんと紫門ゆりや。最後のフィナーレ群舞はもちろん全員…。

本当に「出ずっぱり」のメンバーたち。

でも。
キレイなんだよ、みんな。

若いっていいよね。
のびのびと、
身体をいっぱいに伸ばして、
縮めて、
矯めて、そして、ジャンプ!


そうしてショーが終われば。また次のショーのためのオーディションが待っている。

この、2度目のオーディションで。

今度は選ぶ側に立った祐飛さんの、暖かなほほえみが嬉しかったのです。
ああ、こういう顔ができる人になったんだな、と。

「父性」っていうのとも違うのかもしれませんが、マミさんが時々みせていた顔を思い出してしまいました。
組子を、限りない愛情と誇りをもって見守る瞳。

ああいう色が出せるようになったんだ、という感慨。
お芝居の一場面のような場面をくれた三木さんの愛情に深く深く、感謝します。

…と言いながら、一つだけ突っ込みたい…。
どうしてあの場面、最後に勝つのも園加なのぉ?
そこはもう若い4人だけにしておいて、日替わりでその日の気分で「次代のチャンプを選ぶ」でも良かったと思うのですが。

どうしても園加でなくてはならないのであれば(それも判るんです。園加のダンスは「圧倒的」ですから)、せめて鬘を変えてほしいな。
はっきりと、「さっきの白い上着の人とは別人」って判るように。でないと話が判らなくなるんで(苦笑)。


<ペトルーシュカ>吉田優子&ダレン・リー
文句なしの名場面。

なにやら怪しげな絵理さんの「人形遣い」も、
それに見入っている「子供たち」も、
人形たちのかわいらしい「人形振り」も、

センターで繰り広げられる切ない恋物語も、周りのダンサーズの濃ゆい濃ゆ〜いダンスも、

すべてが「カチリ」と音がするほどうまく噛み合って…

ええ、もう。言葉もありません。
語る必要を感じない、名場面、です。

不満は最後の「ご挨拶」だけよ…(あれはイラナイ)。


<ラスト・ダンス>高橋城&KAZUMI-BOY
「アイ・ワナ・ダンス」「ペトルーシュカ」と二場面続けて麻子さんは休憩。たっぷり休んで余裕十分、この場面では銀橋から輝きまくりです。
でも、この後はほとんど出ずっぱりなのよね。麻子さん、ずいぶん痩せたような気がするので、本当に身体に気をつけてほしいです。きりやん、祐飛さんは比較的出番をばらしてあるけど、麻子さんは最後までノンストップ。キツそうですよね、やっぱり。何よりも怪我が心配です…。

しかし麻子さんいい声だなあ。「フラット〜ぎみ〜の〜、か〜すれたハーミング〜」っていう歌が切なくてとても好きです。
本舞台で一人踊るかなみちゃんも、色っぽくていい。かなみちゃん、笑わない場面は本当にカッコいいんですよね…。麻カナには、「ほのぼの」よりああいう場面(攻めのかなみちゃん、その上手をいく麻子さん、みたいなの)が一番似合うと(勝手に)思っているので、この場面はとってもツボ。
それにKAZUMI-BOYさんの振り付け大好き!個性的で身体の使い方が独特で、祐飛さんにも出て欲しかったのに残念です!でも、あひちゃんもカッコよかったですね。身体の大きさが映えて、麻子さんの切なさが倍増。いい場面でした。

ラストの麻子さんのソロダンス、3連休の間にみるみる良くなってきていて、東宝がとても楽しみ。ずっと、麻子さんは、ソロで踊っている時より群舞センターやデュエットの方がかっこいいと思っていたのですが、このソロはいい!(というか、良くなりそう!)何度でも観たいです。

…というわけで。
とても好きな場面でした。でも、なにがどうオルフェなのかは謎のまま終わってしまったカモ…。


<ダンス・ウィズ・ミー>高橋城&ダレン・リー
幕開きはコミカルに。こういうところ、タキさんとかなみちゃんのコンビって最強ですね!
末子姐を中心とした「オールドファン」組も、それはそれはイケてます。…ってゆーか、85期はもうこっちの役なのね…。ほたるちゃんやさらちゃんは「可愛子ちゃんチーム」なのに、なぜなの…?

背景のポスターが「ヘイズ・コード」みたい、というより、ヘイズ・コードが「あの時代」の映画ポスターをもじっているんでしょうが…ちょっとだけナンダカナ。
でも、憂いを帯びたまなざしで相手役をみつめる麻子さんはステキでした。ぜひ、舞台写真として発売してほしいです!

暗転して、左右から傘が、いえ、パラソルもった可愛子ちゃんたちが登場。
ほんとーに、ほんとーに、めっちゃくちゃ可愛いです。ここの6人。
ほたるちゃん筆頭に、それはもう可愛らしさ満載。
月娘、万歳!(苦笑)

セットが飛んで、「クラブ・フルムーン」。
…月組の群舞に何を言っても無駄なことは(ファンなので)わかっているつもりですが。

でも。お願い、もう少し…ほんの少しでいいから、フォーメーションのラインをまっすぐにしよう、とか思ってくれないかなあ…。
結構複雑なフォーメーションが、揃い、乱れ、また別の形を現して…そうやってずーっと動き続ける、という、上手く揃えればすごくかっこいいはずの振付なのに、ぜんぜん生かされていないのが残念でなりません。

自分の語彙の少なさに眩暈がしてきますが…。
うーん、とにかく、月組の組子には「振付の意図を実現するべく」がんばってほしいです。…ねっ。

麻かなのデュエットダンス。
盆回しでセットがくるくる回る中を、駆け回って(?)踊る。
楽しそうで、幸せそうで、…涙が出ました。素敵なデュエットダンスでしたね。

中詰めの銀橋については最初の日記で語ったので省略。
あそこがもう少し盛り上がれば、もっと素直に「良いショーだった!」って言えるのになあ…。


<シェヘラザード>吉田優子&羽山紀代美
園加とみっぽーのビジュアルとダンスがあまりにも凄くて、私のハートはもう打ち抜かれてなにも残ってません、てな状態でした。

でも。何回目の観劇だったかな。
ふ、と、
下手端をみたら。

麗百愛ちゃんが。

なんだか、すごいポーズをしているのが目に入った…。

…反省。

次回はちゃんと、全組観るよう努力します!
(園加があんまりカッコいいからいけないんだよ…)


麻子さんの王様。
…やさしいよね。残酷だけど。
でもね、仕方ないの。彼は寂しいから。
だから、彼女たちが去ってしまう恐怖に耐えられなくて、殺してしまうの。
去られることには我慢ができないから。耐えられないから。

でも、自ら縊るなら。
自分で捨てることなら、できる。
ならば、手に入れたらすぐに、
去られる前に、殺してしまおう、と。

そんな、身勝手な思い込みに翻弄されるレミちゃんが、ねねちゃんが、あいあいが。
…あまりにキレイで可愛くて、もうどうしたらいいの状態なんですけど!?

いいなあ、麻子さんの王様は。あんなキレイで可愛くて尽くしてくれそうな花嫁さんが3人もいて。(←もしもし?)


麻子さんの衣を脱がせたねねちゃんが、そっとその服に頬をすりよせて「うっとり」しているのが一番のツボです。
そこを後ろから麻子さんに抱かれて「うふっ」っていう顔をして、…そのまま縊られてしまうのが哀れで…でも可愛い…。

かなみちゃん、ここは場面のイメージから言っても役の意味から言っても白い衣装の方がいいんじゃないかと思うんですが、真紅の衣装もかなりよく似合ってますね。
やっぱり肩のラインが少しすっきりしたんじゃないかしら。背中は相変わらず丸いけど、背中だけなら…「まろやかな女らしい背中」って言ってあげられるから(汗)。いいの別に。だってやっぱり、自組のトップさんには他組のトップさんの誰よりも「キレイ」で「カッコよく」あってほしいものですから。
ね、麻子さん、かなみちゃん♪

かなみちゃんの最大の武器は、歌。
それが、この場面では最大限発揮されていました。
全体に歌の少ないショーですが、ここの歌はポイント高いです!
音楽に合わせて飛ぶ紗幕、変わる装置…雰囲気もとても良かったし、麻カナならでは、の息の合い方でした♪


<フィナーレ>鞍富真一&名倉智代
出番の少ない上級生女役たちが、ものすごーーーーーーーーく嬉しそうに踊ってます。
それはそれは幸せそうに。

「音と戯れる」という表現に、これほどマッチした場面って、あんまりないかも。
末子姐はじめ、全員キラキラしていて最高です。かわいいぞ、月娘(←娘?)。

続く男役群舞。
だからさあ、揃えようよもう少し。ホント少しでいいから。
せっかく振りがかっこいいんだからさ……。


ロケット。
ふじこカッコいい〜〜〜!!
そのふくらはぎのムキムキ感、最高です。しびれます。
「これでもか」と回るふじこが、すごく可愛い。
「これでもか」と足をあげるロケットふじこ。
ギラギラと輝きながら、「これでもか」と踊るフジコを見ていたら、あまりの眩しさに涙が出そうでした…。


3組デュエット。
「3組デュエット」と言えば、かの名場面「シャレード」が浮かぶ私。

…時間、短くないですか?今回。
女役が板ツキじゃないせい?(男役3人だけで踊る時間が意外と長い)。
大階段でのデュエットじゃないせい?(女役が出てくるのは本舞台に降りてから)

ものすごぉーーーーーーっく楽しみにしていただけに、ちょっと食い足りない印象の3組デュエットでした…(涙)


エトワール
音キチ(音姫すなお)&すずな(憧花ゆりの)&(白華)レミちゃん。すずなもレミちゃんも大好きだけど、ことエトワールに関しては「音キチ一人でもいいのに…」と思ってしまいました。
ごめんなさい。懺悔。

だって。エトワール、って他の歌とは違うじゃありませんか。

…エトワールは、エトワールの声を持った人にやってほしかったんです。音キチはエトワールらしい声出せるけど、すずなとレミは違うでしょ?
そういうことです。
3人とも、「役者」としても「歌手」としても大好きなんですけどね…。


総体としては十分に楽しめるし私は大好きなショーですが、「ダンスが大得意!」以外の下級生ファンの方は相当悲しいでしょうね…特に今回、お芝居もアレなので。使われていない人は本当に…出番が少ない、でしょうから……。
特に歌好き、歌手好きには少々キツいかも。歌がメインの場面はほぼ無いですものね…。
もう少し全体の構成にメリハリがあれば、言うことないのですがね。>三木さん

でも、全編通して「月組がんばってるーっ!」感が満ちあふれていて、私はやっぱり大好きなのです(^ ^)。月組、がんばれーっ!!



星組「ハロー!ダンシング」。
感動しました。本当に素晴らしかった!!

2週間ぶりの月組もすごく良くなっていて、ああ、やっと台詞も振りも身体に染みたんだな、と思いましたし、これならなんとか東京も通えるかも、とホッとしたりもしたのですが。

でもでも!ごめんね月組! 15時の大劇場チケットなんてさっさとサバいて、バウをもう一回観たい!!と真剣に思ってしまったのも事実です……(^ ^; 懺悔っ。


まぁ、一日にバウと大劇場をハシゴした最終的な感想は。
「若いっていいな」&「上級生はさすがだな」の二つでしたので。
本公演には本公演の良さがあり、
新人公演には新人公演の輝きがある、
宝塚ってそういうものなんだなー、と。

あらためてそう思い、宝塚ってやっぱり良いなと思ったわけなのですが。


んで本題、星組「ハロー・ダンシング」。
さすがに草野さんは藤井・斎藤コンビとは格が違うね、というのが一番の感想です。

私は、藤井さんも斎藤さんも実は結構好きだったりします。
藤井さんの「イーハトーブ・夢」「Glorious」、斎藤さんの「BlueMoonBlue」、非常に微妙だけど「血と砂」、と、二人ともいくつか名作を出しているので、大劇場公演などを彼らが担当する、と聞けば、ほんの少し期待してみたりするのですが。

去年のYoungBloodsシリーズは。

そりゃーないだろアンタ、と(涙)。

出演者が可哀相だと思わんのか、と。

小一時間、体育館裏に呼び出して懇々と説教したい気分にかられたものです。



まぁ、彼らが悪いと言うよりは(悪いけど)、そもそもの劇団の企画に問題があったんでしょうけれども、ね。

「YoungBloods」が若手の役者(あるいはショースター)を育てるための企画であるならば、もっと経験豊富で指導力のある教師をあてるべきだった。

若手の作家・演出家を育てるための企画だと言うのならば、もっと経験豊富で作家に意見が言える、アドバイスが言える格、ってことは、本公演2・3番手あるいは別格クラスの役者にやらせなくてはならかった。

どちらもいっぺんに育てなくちゃダメなら、せめて経験豊富で若手の指導も若手作家へのアドバイスも、どちらもやれる組長・副組長クラスを2,3人出さなくては……。

なのに。

まだ感性だけで勝負している若手作家に作らせて、新公での主演もしたことがないような役者に演じさせ、しかも公演委員長はせいぜい新公の長か卒業直後くらい…

それで何をしたかったんだ?
何をさせたかったんだ!? と。

舞台いっぱいに原石の輝きをまき散らすコトしかできない若者たちを見凝めながら。
もう少し。
ほんの少しでも、「宝塚のショー」の見せ方、その秘密を教えてくれる人が指導層にいれば、と。

次代を担う若者たちに、まだ見たこともない新しい扉を開いてあげるための企画だったはずなのに。
あんな、滅多にないせっかくのチャンスに、ただただ「自分が持っている精一杯」を出し切ることしかできなかった彼らが憐れでならなかったのです。私は。

もちろん、去年のYBだって、楽しかった。
ものすごく楽しくて、本当にみんな輝いていて。
一人残らず、本当に全員、とても良かったんですよ。
何度でも観たいとあの時も思ったし、全組観たい、とも思っていました。

でも。

そうだよ。
YBはこういう企画であるべきだった。

きちんと指導することのできる作家が作った名作ショーをやってみる。
宛書のオリジナルである必要なんてない。
まだ若いんだから、まずは再演でいいじゃない。
お手本を見て、それを自分のものにすることからはじめればいい。

いつか。
いつか自分の色を見つけるために、
今はいろんな色に染まってみればいい。

エンカレとも違うんです。
あれはやっぱり「お稽古の発表会」の延長だった。
今年の「ハロー・ダンシング」
これはまさに、「ショーの新人公演」という感じ。

素晴らしい企画でした。本当に。
ありがとう劇団、と、今年初めて感謝しました…

絶対5組全部観たいぞ!(←物理的に無理そうですが)
…少なくとも月組は観るぞ!!



素晴らしい公演でした。
センター、という設定ではなかったけれども、終始あかし(彩海早矢)くんがセンターを取ってダイナミックに踊りまくりの出ずっぱりで。

…う、歌える園加だ!!(←褒めてます)
園加ったら、こんなところにも(←だから違うって)

そして、今回私の心を一番捉えたのは、(多分)夢乃聖夏さん。
何がどう良い、とコトバでは言えませんが、スタイルの良さと、ダンスの善し悪しはよくわからない(なんたって贔屓が…)私にもわかる、のびやかな踊りっぷりがものすごく印象的でした。

それと、あれがキトリちゃんっていうのかしら?稀鳥まりやちゃん。パパラギのデュエットを鶴美舞夕さんとなさってたんですが、それはそれは伸びやかで、軽やかで。
普段、力強くて男前な月娘ズのダンスを見慣れている目には、あまりにも儚げで、でも限りなく美しい、吸い込まれるようなダンスでした。

もちろん、受ける鶴美さんも素晴らしかったです♪表情豊かで、身体のラインのキレイな方ですよね。
あかしくんセンターに両側が夢乃さん・鶴美さん、という場面が多かったような気がするのですが、すごーく息が合ってる感じで、かっこよかったです。

…あ、今知った。夢乃さんって、「ともみん」さんなのか!
時々星組の公演感想で見かけるお名前ですが、誰だか判っていなかった(苦笑)。ごめんなさい…>星ファンの方。

「龍星」ですごーく良いお芝居をしていてお気に入りだった涼乃かつきさんが、凄いダンサーだったことも初めて知りました(ゴメンナサイ)月組でいえば、末子姐(滝川末子さん)みたいな存在なのでしょうか?本当に贔屓組じゃない組のことって知らないなあ…(汗)。

エンカレで名前を覚えた音花ゆりさん、パパラギの影ソロも素晴らしかったしフィナーレのソロも(こっちはチェンジボイスにちょっと苦戦しつつ)良かったのですが、予想以上にダンスもキレがあって格好いい。スタイルもいいんですね。将来が楽しみです!(覚えたし!)

あと印象に残ったのは汐月しゅうさん、美春あやかさん、真風涼帆さん…かな?(多分。プログラムの写真と見比べつつ)。
汐月さんはキチっと止まった時のポーズの綺麗さと表情の豊かさに。美春さんは首から背中にかけてのラインの綺麗さとこちらも表情の豊かさに。真風さんはあまりの手足の長さと優雅な踊り方に(まだちょっと男役じゃなくて女性ダンサーに見えちゃうこともありましたが)。

一回しか観られなかったので、全員は判りませんでしたけれども。
とにかく、名前が判らなかった人も含めて、全員が嬉しそうで、楽しそうで、輝いていて。

一生懸命で、
必死で、
真剣で、

そして

…幸せそうでした。

観ている私も、本当に幸せでした。
もう一回観たい…観たい…みたいよお(涙)。誰か交通費ください(T T)。

あと何公演あるんだろう?

宝石のような時間を、たっぷりと味わってほしいものです。

彼らの未来が、輝かしいものでありますように。


もう大分前のニュースなのに今更、という感じですが。

1996年に日本初演され、1998年に「日本最終公演」が行われた、ある意味伝説のミュージカル「蜘蛛女のキス」が

…ついに再演されるんですね。

私はこれ、ハロルド・プリンス演出の初演をアートスフィア(知らないうちに名前が変わってた!ホリプロ運営になっていたなんて…吃驚!!)で観て、衝撃のあまり寝込んだ記憶があります(苦笑)。

その後、二人芝居版も観て、原作(の翻訳)も読みましたが。

…やっぱり、今でもミュージカルを観た時の衝撃が忘れられません。



最初は小説として書かれ、映画と舞台になって、ミュージカルにもなった物語。

それぞれのメディア特性に合わせて様々な改変がなされていますが、どのメディアも成功している、というのは非常に珍しいケースなんじゃないかと思います。
それだけこの原作の力が大きかった、ということなのでしょうね。

…それとも、最初に出会ったのが小説だったとしたら、やっぱり映画も舞台もましてやミュージカルなんて、「あり得ない!」モノだったのかしら…。
もし「蜘蛛女のキス」を、先に小説を読んでから舞台(または映画)を観たよ、という方がいらっしゃいましたら、こっそり感想を教えてくださいましm(_ _)m




監獄の二人部屋に閉じこめられた二人の男、モリーナとヴァレンティン。
原作にも、お芝居にも、「オーロラ」というキャストは出てきません。(映画には出ているのかな…?)オーロラが『主役』として扱われるミュージカルでさえ、物語の主筋は、現実と非現実の境界線上に佇む二人の男、なのです。

ゲイである自分を認めて貰えず、映画の世界、美しい夢の中に逃避し、閉じこもろうとするモリーナ。
自分が存在する現実を現実として認められず、より良い時代、という夢に逃げ込んで、“革命”という大義名分のもと、暴力を駆使するヴァレンティン。

二人の男は、「監獄」という名の閉鎖空間に、閉じ込められていると同時に『閉じこもって』いるのです。

そしてモリーナは、ヴァレンティンに「夢」を語り続ける。
語っている間は、その「夢」に浸っていられるから。

そしてヴァレンティンは、モリーナの話を聞きたがる。
その世界の中になら自分の居場所があるのかもしれない、と思うから。



そうして彼らは、自己紹介ではなく、映画の話をし、その話を聞く中でお互いのことを知り、

そうやって、知らなかった自分の真実をも知り始める。



私は映画を見ていないので語れませんが、この、同じ作品を原作とした芝居とミュージカル、二つの作品において、ストーリーの骨格はさほど変わりません。
お芝居は二人の対話で進められ、ミュージカルは音楽で進められていくところが最大の違いかと思います。
もちろん、『オーロラ』という存在をキャストとしておくことで「幻想」と「現実」の境界を溶かしてしまったミュージカルと、あくまでも「二人の男」の物語として組み立てたお芝居とでは話法もかなり違いますが。

でも。
やっぱり、音楽の力というのは凄いものだ、と感心してしまいます。


遠くにある愛する人を想う「Dear One」の美しさ、革命歌というべき「Day After That」のもつ純粋で強烈な熱、テーマ曲「Kiss of the Spider Woman」の強烈な存在感(…コムさん、がんばれ…)、

そして、モリーナとヴァレンティンが終盤に来て歌う「Anything for Him」。

「(奴は)何でもするさ、俺のためなら」
「(あたしは)何でもするわ、彼のためなら」

そう呟く二人は、このとき初めて対等になってお互いを見詰めるのです。お互いがお互いを裏切ることを決めた、この時に。

この「Anything for Him」のメロディが。
甘い甘いラブソングにしか聞こえないところが。

この作品の、一番の痛いポイントだと思うのです…。



自分がなじめない「現実」を否定して、現実逃避の結果としてのテロを『革命』と名付け、その罪を自覚しながら他人を利用し、傷つけることを厭わないヴァレンティン。

「現実」になじめない自分を否定すしつつ、優しさと弱さの区別もつかない、ただただ他人に与えることしか知らないモリーナ。

二人の選ぶ結末は、あっさり消化できないからこそ、いつまでも棘のように心に残る。
単純に愛したのでもないし、単純に裏切ったのでもない。
二人とも、お互いに、それしか選べなかった。

それだけのこと。

だから、辛い。
だから、痛い。



荻田さんがこの作品を演出する。
この痛い作品を、荻田さんが!?
…いったいどうなるんだろう。
また私、寝込むんじゃなかろうか…。

世界に冠たるハロルド・プリンスの、虚仮威しに近い装置(でも、あの閉塞感を出すには必要なセットだったのかも)や、刻々と移り行く不安定な照明による昏いエネルギーに満ち溢れた演出とは、多分まったく違う世界観になるのでしょうね。

荻田さんって、外部のオリジナル作品では、登場人物の内面に入り込みすぎて観客を置いていってしまうことがあるのですが、このミュージカルは、内面描写を他人(オーロラ)を介して表現し、観客をその狂気に巻き込んでいくところが眼目なので。
その構造を生かして、観客に伝えたいこと…いえ、観客に『読み取らせたいコト』を整理して演出してくれたらいいなあ、と思っています(エラそうですみません!)



ミュージカルでない、二人芝居の方は、村井(国夫)さんと岡本(健一)さん再演と、山本(亨)さんと高橋(和也・元男闘呼組)さんの2回観ているのですが。

細かいところはあまり覚えていませんが、ミュージカル以上に濃くて胸が痛む展開に、「宝塚でやるなら(←やらないから)、絶対ケロ(汐美真帆)さんのモリーナにユウヒ(大空祐飛)さんのヴァレンティンだな、と思ったことだけは覚えています。
(もう少しまともなコトを覚えましょう)



…「日本最終公演」からももうすぐ10年。実際に公演をご覧になっていない方も多いと思います。
ですので、あえてキャストの話は、今はしません。

ただ、マルタ(ヴァレンティンが愛する女)について少しだけ。
あれって案外難しい役なんですよ。非常に複雑な人物なのに出番が少ないという難役。
初演の大浦みずきさん、再演の麻生かほ里さんはいずれもダンサーで、「マルタ」というより「オーロラの代役」という感じがしてしまって…重要な役だけに、唯一不満が残ったキャスティングだったのでした。

なので、今回カヨコ(朝澄けい)さんがキャスティングされていると聞いて、とても楽しみです。2006年3月の「アルジャーノンに花束を」で久々に拝見した彼女ですが、あの透明感と立ち姿の綺麗さ、存在感のある声があれば、幻想と現実の両方に存在する「マルタ」という女性がちゃんと立ち上がるかもしれない、と期待しています。

まぁ、逆にカヨコさんにオーロラ役をやれって言っても無理なので(苦笑)。たとえカヨコさんの「マルタ」が大浦さんのより良かったとしても、それは役者としての価値の話ではなく、合う役合う役者がいるってことですので、どうぞ誤解のなきようm(_ _)m。

大浦さんは、マルタよりやっぱりオーロラを観たかった!!いえ、過去形ではなくて今も観たいです、真剣に。いつか演じてくれるといいなあ。

勿論、コム(朝海ひかる)さんも楽しみですよ♪
ただ、人間外の役を得意とするコムさんですが、オーロラって本来はモリーナが語る映画のヒロインで、「実はそれが蜘蛛女」っていう…最初から人間外じゃないんですよね、あれは。
どうなるんでしょうね、いったい(笑)。正直、見当もつきません。

とりあえずは、観にいくしかないよなあ、コレ…。チケットあるんだろうか…。
まず一言。
…迷ったけど、行ってよかったです。


正直、今回の公演は最初の三連休で大劇場は終了するつもりでした。

植田さんだし。
どうせ東宝で何回も観なくちゃいけない(←なぜだ)んだし。

交通費かけて遙々行くのは、一回でいいや。十分だわ、と。


ごめんね、月組。
反省しました。

やっぱり私は、月組が好なんですね…。



どんなにヘイズ・コードが、作品的にもキャスト面でも素晴らしいものであったとしても。
(イヤ、本当に素晴らしかった)

どんなにハレルヤGOGO!が、作品的にもキャスト面でも充実していたとしても。
(実際すごく良かった)

どんなに、どんなにハロ!ーダンシングに感動したとしても。
(泣きました…)

どんなに私が「星組ずるい!!」と叫んでいても(実際かなり叫んでましたが)。
「月組のチケットなんてサバいてやる!」と叫んでいても(叫んだけどちゃんと観た)。

やっぱり私は、月組が好きなんです。


行ってよかった。

観て、良かった。

月組の全員が、一つにまとまって作品に取り組んでいた。
それが嬉しい。

月組の全員が、楽しそうに公演の時間を過ごしていた。
それが、何より嬉しい。

幸せな時間をいただきました。
未沙さん&月組のみんな、本当にありがとうございます。

次回はぜひ、大劇初日からこのレベルで!!
と、はかない希みを抱いてみたりして。…ダメか…。




【パリの空よりも高く】

お正月明けの3連休で観劇した時。最終日の3時公演を観劇して
「あ、やっと初日があいたな」と思ったものですが。

ハロー!ダンシングの感想にも書いてますが、今回の遠征では、やっと台詞も振りも“本当の意味で”身体に染みこんだんだな、という実感がありました。


元劇団四季の俳優・沢木順さんが、コンサートのトークなどでよくお話しされていたことに
「台詞は全部覚えて、そして、舞台に立つ前に全て忘れなくてはいけない」
というのがありました。

そして、
「台詞を本当に忘れることが出来た時、その舞台は本物になる」
とも。

正塚さんなんかも、それに類似することをよく仰っておられたようですが。
これはやっぱり、お芝居というものの本質なんだと思います。


月組メンバーが、今回でその域まで達していたとは、残念ながら思えません。

でも、やっぱり最初の一週間は「考えながら」「思い出しながら」喋っていたことが、合間をあけて、改めて観劇するとよくわかります。

今回も、いろいろな人がいろいろな箇所で台詞を噛みまくっていました。でも、それは「台詞を喋ろう」として「間違えて」噛んだのではなく、あくまでも「役の気持で語ろうと」していて、でも、「微妙に舌が回らなかった」という感じでした。
だから、芝居全体の流れが自然になっていたのだと思います。

コメディは、まず芝居全体が流れないと始まらないものですから。

「芝居」という皿があって、そこにアドリブが載る。
それでこそ、一つの料理になるのです。

「パリの空よりも高く」というお芝居は、まだやっと皿を洗い終わったばかり。
でも、大劇場公演が終わるまでには、きっと盛りつけもだいぶ進むだろう、と。
そう、十分に期待できる出来だったと思います。



しかし。
役者はがんばっても、脚本は公演中には変わらない…。



これまでの感想にも散々書きましたが、このお芝居にはいくつかの致命的な欠陥があります。

ざっとあげてみると…

1.舞台を都会にしたこと。
2.ペテン師の出自を田舎(パリに比べればどこでも田舎、という意味)にしたこと
3.創るものをエッフェル塔にしたこと
4.ジョルジュに「ジュリアンの息子」という設定を付け加えたこと
5.ミミが変な人になっていること
6.ミミとアルマンドの出会いの場面(恋に落ちる場面でも、恋を育てる場面でもなんでもいい)がないこと
7.エレノール以外の「大人たち」に活躍の場がない(だから、最初の説明場面が無駄になっている)こと

こ、こんなにあったのか。

あともう一つ、年齢問題がありますね。
ル・サンクには、確かに【アルマンド(登場時)=35歳】とあるので…ってことは、最後のモンマルトルの丘では、

 アルマンド=38歳
 ジョルジュ=21歳前後

…ってことでFA?


そんな年齢差の二人が、ミミの歌を聴きながら、目と目だけであんな対話をするもんかよっ!!変だよそれっっっ!!

やっぱり、25歳と18歳→28歳と21歳、という、舞台を観て抱いたイメージの方がふさわしいと思うんですけど、どうでしょうか。…やっぱダメなんでしょうねぇ……。
でも、38歳か………うう、無理だ……。



やっぱり、年を取らないことも含めて、アルマンドは実はサイボーグだった説が正解のような気がしきちゃいました…。

アルマンドは実は、ジュリアン・ジャッケが創ったサイボーグで、

ジュリアンの遺児ジョルジュを守りつつ、ジュリアンの功績を追って旅をしているの。

だから、ミミの気持には応えられない。

約束は一つ。
「20年後」のパリ万博に、ジョルジュを連れて行くこと。

20歳を超えて、一人前になったジョルジュには、もう保護者は必要ない。
だから、このパリへの旅は、アルマンドとジョルジュの、最後の旅。

だから、でっかい記念碑を建ててやりたかった。
これからも生き続けなくてはならない、ジョルジュのために。

パリの空よりも高い、鉄の塔を。



おお!この設定一つで、「欠点」の1〜4と6は解決するんでわっ!?


7は、多分宝塚においては「仕方のないこと」なんですよね。
でも、だったら最初の説明場面も削ってしまえばいいのに、と思ってしまいますが…


5は……
ミミもサイボーグだったとか…?(滝汗)

ジュリアンが万博の手配に奔走している傍ら、アルマンドの妹分として作り上げたサイボーグなの。
万博後に発覚したという「使途不明金」も、ミミの制作費なのよ。

で、「使途不明金」が発覚したジュリアンは、ミミを捨てて逃げてしまった。記憶巣を破壊され、パリの街をさまようミミを拾ってくれたのが、貧しいけれども明るくてお人好しな、ジャンの両親。


そんな設定でどうでしょうか?

すげー!植田紳、初めてのSF大作に挑戦!!

そんな意欲作だったとは…ついぞ気づかなかったよ欝…。




この書き込みは、以前某E社のマスカラ トラックバックキャンペーンに参加した時のものです。キャンペーン終了後、一部削除・訂正して残していますm(_ _)m。


ブログを始めた時から、一度参加してみたいと思っていた「トラックバックキャンペーン」。
丁度、会社でもらったシティリビングでキャンペーンを見つけたので、ちょこっと参加してみたいと思います。

「あなたがマスカラに求める機能は?」についてブログで語って、元記事にトラックバックをすれば良いらしいのですが。

私がマスからに求める機能…それはやっぱり、メヂカラUP↑です(←突然常識的なことを書いたので自分でも驚いている)。

正直、長いのがいいのか、ボリュームが出るのがいいのか…個々の機能を言われても、どれを使えば目ヂカラがアップするのかよく分からないのですが…(汗)
簡単にキレイにつけられて、乾きが早くて、目ヂカラがアップするマスカラがほしいです。>メーカーさま

機能を「一つだけ」択べ、ってことなら、乾きの早さかなあ私の場合は。
私のまつげって無駄に長いらしくて、すぐ下瞼にマスカラがついちゃうんです。あれって最悪〜!!だから、そういうことがないのがあったら嬉しいなあ。

…という愚痴をこぼしたら、会社の先輩にちゃんとビューラー使ってる?と言われてしまいました。
使ってるけど!…よく瞼を挟んで痛い思いをしてしまうのは、やっぱり不器用だから…?不器用な人にマスカラは無理ってことですかセンパイ……?(T T)

ビューラーといえば。

今日の朝日新聞に、ビューラー作ってる会社の記事が載っていましたね(関東だけかな?)。先輩が「ビューラーは資生堂のが一番よ!」と、まるでどっかの回し者のように言ってましたが(私もか)、あの記事も資生堂でしたねぇ。やっぱり大手のを使った方がいいの?100円ショップじゃダメなんでしょうか…。

と、そんなところでしょうか。キャンペーンのお題は。
シティリビングさん、よろしくお願いしまーす。

話はちょっと違いますが…
目ヂカラ、といえば、思い出す我がご贔屓。

普段、化粧品とかにそれほど興味のない友人が、ご贔屓さんのお茶会の時だけ可愛くお化粧して、マスカラまでつけていたりするのを見るたびに、なんだか微笑ましい気持がします。

ご贔屓はそれなりにスターさんなので、可愛くしたからどうってことは(多分)ないと思うんだけど。

でも、それって多分「気持」なんですよね。
ハレの日だ、という気合い。
今日はご贔屓の話がゆっくり聞ける、嬉しい!という気持。

そういう「気持」が、友人をより可愛く見せている。
化粧をしたから可愛い、んじゃない。
化粧をしたい!と思う、その気持が可愛いんだと思います。
そして、そういうファンの側の「気持」が、お茶会とかの場には絶対必要なのだと思うわけです。
(宝塚ファンは、観劇するだけだとあんまりハレじゃないんだよね…日常だから/笑)

そして。
タイトルにもしてみましたが、「舞台人」はやっぱり「目」が命だと思うわけです。

だって、「舞台人」は。
いくら贔屓が大口あけて笑ってくれたとしても、大劇場のB席から歯が見えるわけもない!

ファンはオペラグラスを常用しますから、まぁ歯ももちろん大事なんですけどね…

でも。こと大空祐飛、という舞台人に関しては。

絶対、「命」なのは、目だよなあ、と。

この世のモノではないものを見ている目、

私がそもそも大空さんのファンになった理由は、まさにそこにあるわけなので。

目ヂカラ、というもの。
それは、マスカラでもなく、アイシャドーでもなく、
ただ、その人の「気合い」なんだ、と。

マスカラもアイメークも、すべては
その人の「気合い」を具現化するために存在するものなのだ、と。

そんなことを、タカラヅカの舞台を観るたびに思うのです。

でも、簡単・お手軽に目ヂカラがアップできるアイテムがあるんなら、ほしいよーーーー。

それが、「素人」の素直な願い。



さてさて、こんな内容でいいのかどうかよく判りませんが、
とりあえずやってみよう!トラックバックキャンペーン。
でっきるっかなでっきるっかな、さてさてふぉふぉ〜♪(←こら)


ちなみに。
セパレートタイプのマスカラ現品をプレゼント!というキャンペーンだったのですが、残念ながら落選いたしました(T T)
諦めて買いましたが…。乾きも早いし、なかなかイイですよ♪


.
宙組公演を観てきました。
…ちょっと前ですが。

頭が整理つかなくって。
なかなか書けずにいたのですが。



かし(貴城けい)ちゃんと(紫城)るいちゃんの、あまりにあんまりな幸せオーラにあてられて。
もう、何がどうでも何でもアリ、な気分になりました。



正直にいえば。
作品的には、どうかと思う部分もたくさんありました。
でも、別に駄作とは思いません。面白かったし、正月明けに観に行った姪っ子も、すっかり嵌って帰ってきましたし。
突っ込みどころ満載っぷりでいえば、「パリの空〜」の方がずーーーーーっと上です(自虐)。

でも。

10作の中の1作なら、OKだった。

かしちゃんとるいちゃんの、最初で最後の1作でさえなければ、

それだったら、何ら問題なかったのに。



それが、あまりにも悔しくて。
悲しくて。



かしちゃんは輝いてました。
本当に。
全然ファンじゃなかったのに、
似合う役だなんて全く思えないのに、
名作だなんてこれっぱかしも思わないのに、

ぐいぐいと引き込まれて、しばらく戻ってこられなかった。





私が初めてかしちゃんを初めて観たのは、「春櫻賦」。
たしか、轟さんの弟の役でしたよね。キレイな人だな、と思った記憶があります。
(汐風幸さん目当てで観に行って、汐美真帆さんに墜ちた私に、それ以外の人の記憶なんぞあるわけがない…←ごめんなさい!)

はっきりとした記憶は、「浅茅が宿」のりん弥さま。
硬質と妖艶、まったく違う二つの色が入り交じったキャラクター造形が、強烈に印象に残っています。

その次は「Icarus」東京公演かな?
ノバ・ボサ・ノバのボールソも好きでした。祐飛さんと同じ役を実力者のかしちゃんがやる、というので、ものすごーくドキドキしながら先行の雪組公演を観たんですよね。…月組を観る時はビクビクで(滝汗)…そりゃー雪組が巧いに決まってるじゃん!くらいに開き直って座ってた記憶があります(汗)。
祐飛さんとかしちゃんのボールソ、一緒に動くオーロ役のキャラが違うせいもあってか、同じ役とは思えないほど印象が違うんで面白かったんですよね…。

かしちゃんと祐飛さんが同役をしたのは、「ノバ」ボールソ、「飛鳥夕映え」石川麻呂&鎌足、「ベルばら」オスカル、そして…「エリザベート」ルドルフ(かしちゃんは新公)、くらいかな。同じく同期の麻子さんとは鎌足だけですから、かしちゃんと祐飛さんって縁があったんでしょうね…

私が「タカラヅカファン」になったばかりの頃から、常に変わらず「路線ど真ん中」を歩いてこられたかしちゃん。
今も、この上もなく「大劇場のセンター1番」がお似合いで、
「トップライト」を浴びてキラキラと輝くかしちゃん。

ファンだったことは一度もない。
でも、あなたがもう2,3作トップをしていたら。
…私は、ファンになったかもしれない。

タカラヅカの王道を往く人だった。
今時のスター陣では唯一の、と言っても嘘じゃないくらい、王子さまがよく似合う人だった。

過去形にするには早すぎる。
もっと。
もう少し。

劇団は、この希有な人材を育てきれなかった責任を問われるべきだと思う。

貴城けいは、ちゃんと育ったのに。

使い切れなかった劇団の未来が、心配になる。



そして、るいちゃん。

大事な大事な、愛しいゼルダ。

幸せになってくれると思って送り出したのに。

確かに今のあなたは幸せそうだけれども。

かしちゃんの隣で、かしちゃん以上に輝いているけれども。

…幸せになってくれると、思っていたのに。


泣いちゃいけない。
「るいるいファン」じゃない私には、泣く権利なんか、ない。

でも、寂しい。

月組を観ても、るいちゃんはいない。

そして。

あと13日たったら、宙組を観てもるいちゃんはいないんだ……。


かしちゃんとるいちゃん。
奇跡のようなトップコンビに。

かしちゃんとるいちゃん。
あまりにも眩しく輝いていたお二人に。


公演の感想、なんてすっかり吹っ飛んで。

なぜなんだろう、

なぜこの二人で、

なぜこの作品で、

なぜ、今、なんだろう、と。



かしちゃんと、るいちゃん。


何度書いても、心の整理がつきません。

いつか整理がついたら書こう、と思いつつ、
そんな日が来ないことを知っている私。



ただ。

大好きだよ、と。

楽までどうぞ、悔いのないように、と。


祈りつつ…