東京宝塚劇場 宙組公演「カサブランカ」新人公演。



本公演・新人公演それぞれのリック・ラズロ・イルザの三角形の形の違いについては、別稿で述べたいと思います(^ ^)。
まずは、新公ひとりひとりについて、学年順に。


■91期(研5)
・野々すみ花
気をつけていたつもりだったのですが、やはり一回しか観られない新公でメインを観ないではいられないので、なかなかチェックが難しくて……。カフェの「ムーア人の女」はほとんど全滅しました(T T)。
集会の女は、浅黒い肌でのびのびと踊っていて、とても素敵だった(*^ ^*)。
バザールの「ムーア人の男」は、最初わからなくて焦りましたが、なんとか捕獲♪ 意外と髭が似合ってて可愛かったです♪

すみ花ちゃんと藤咲えりちゃん、それぞれ全く違うイルザ像(←リックもラズロも全然違ったしね……)をしっかり創りこんできたヒロイン二人。
同期で成績もワンツーのお二人。これからも切磋琢磨して、良い舞台を見せてくださいますように!!


・花里まな(亡命者/美月遥)
この公演、短いながらもソロを歌う人が大量にいる(しかも皆ものすごい下級生)ので、いったいどうするのかなー?と思っていたのですが。カフェでの宝石商や亡命者たちを全部娘役にしたのは英断でしたね。しかも、皆上手くてびっくり!本役が皆下級生なので、男役にしては少し高めの音域ではあるのですが、それにしても上手かった。
芝居も、たった一回の本番にかける熱意が、毎日の公演での経験を上回った……かな?と思いました。切羽詰り感がよく出ていて、迫力があったと思います♪


・天玲美音(行商人男/天羽珠紀)
行商人のソロはさすがでした!!貫禄!
ちなみに、天玲さんはカフェのソロ(星吹彩翔)もやってましたよね?すごく良かったけど、あれは、さすがモンチは本役だな、と感心しました。歌唱力自体は多分天玲さんの方が上だと思うのですが、思わず観ていて息を呑むほどの苦しさというか、切なさがモンチの芝居からは伝わってくるんですよね……。まあ、本公演はカフェの前に裁判所前広場の場面があるので、「リスボンまで乗せてくれー!」という絶叫から、気持ちを作っていきやすい、というのはあると思いますが。


・綾瀬あきな(カフェの客、亡命者)
あんまり見つけられませんでした(T T)。本公演は、髭つけててもすぐ判るのに、なんでだろう。ごめんなさい、もう少し精進します。


・舞花くるみ(密航業者/天玲美音)
こちらも娘役さんに代わっていたソロですが、怖さというか、非情な感じというのは本役の天玲さんの方が上だったと思います。くるみちゃんは、やはり見た目が可愛らしいぶん、歌を聴いていてもあまりシャープさを感じなくて(汗)。ただ、実際に観てみると、それまでの印象とは随分違っていて、迫力のある歌が歌える人なんだな、と思いました。
博多座では、カゲソロも人材がすごく偏っていたので、くるみちゃんが歌えるって知りませんでした………(^ ^;ゞ。また、歌のある役が回って来ますように★


・笹良える(ムーア人の女、集会)
最近、やっと本公演でも見つけられるようになったばかりの笹良さん。集会で思いっきり踊っているのは見つけたけど、黒塗りしちゃうとわからないよ~(T T)。
……もう少し精進します……。





・澄輝さやと(サッシャ/春風弥里)
本役がカッセルなので、あんまりド金髪にするわけにもいかず……でも、しっかり癖っ毛にはしてましたね。あれはどうやってセットしたのか知りたいです(^ ^)。
スタイルが良いのでバーテンの衣装が良く似合っていたし、動きの綺麗な人なので、カクテルを作るところとかもバタバタせず、動きが滑らかでとても良かったです。芝居(というか台詞)も、いろんな壁にぶち当たりつつ、随分良くなったなあと感心しました。まあ、サッシャは比較的等身大の役なので、やりやすかったのかな?(^ ^)。お手本も良かったし

本役のみーちゃんに比べると、誉めて言うなら「自然で良かった」し、ちょっと厳しめに言うなら「存在感が薄い」……という印象が残りました。ソツなくやっているんですけど、せっかく弾けた役なのに、おとなしくて物足りない、って感じ。もっとやっちゃえば良いのに、と。
なんていうのかな、みーちゃんの「過剰さ」や「ヤリスギ感」は、みーちゃんの役者としての個性であると同時に、「カサブランカ」という作品にとって必要不可欠なスパイスにもなっているんですよね。もちろん、スパイスなのはサッシャだけじゃないんですけど、サッシャは特に、ある程度の過剰さが必要な役なんじゃないか、と。

……いや、このあたりは、演出の小柳さんがコントロールするべき問題で、あっきーには責任は無いんですけどね(汗)。すみません。

あっきーが演じると、サッシャが二枚目役になるという事実に、ちょっとびっくり(←どういう意味だ)。なのに、それでもやっぱり返事は「合点!」なのね、と、そんなところに滅茶苦茶ウケてしまいました(汗)。





■92期(研4)
・百千糸(ボーイ/千鈴まゆ)
本役のまゆちゃんほどに自由自在な存在ではありませんでしたが、可愛くて元気一杯で、良かったと思います。歌える人ですが、本公演で散々歌っているから新公は良いのかな(^ ^;。


・すみれ乃麗(アニーナ/花影アリス)
夫(ヤン)への愛情も感じられるし、芝居そのものは決して下手では無いと思うのですが、声というか喋り方が子供っぽすぎて、「私、マダムですの」な役には向いていなかったような気がしました。
個人的にはイヴォンヌが観てみたかったので、残念。単に、アニーナをせーこちゃん(純矢)で観たかっただけかも(^ ^;ゞ

ただ、れーれには何かしら「ソソる」ものがあるみたいで、彼女が悄然とルノーのオフィスに入ってきたとき、思わずやに下がったルノ(鳳樹)の気持ちがわかったような気はしました(^ ^)。そういう意味では、本役のアリスちゃんは全く色気のないタイプなので、れーれの方が役にはあっていたのかもしれません。あとは技術面がどうにか誤魔化せる程度になればなあ……。


・天輝トニカ(ヘルム/雅桜歌)
サッシャのバーの「8人目の客」、ヘルム役。丸顔で可愛らしい天輝さんですが、声なども工夫して、一生懸命シャープさを出していらっしゃいました。ちょっとだけ月組のふぁーびー(綾月せり)を思い出させる人なんですが、「逆転裁判」でも良い芝居を見せてくれたので、今後も楽しみにしています♪


・松風輝(ハインツ/風莉じん)
手堅い芝居でした。ハインツって、飄々としているようで意外と小芝居の多い人なんですが、どれもよくやっていたと思います。見せ場の一つである国歌対決の前の小競り合いがカットになっていたのですが、他の場面でも十分にあの“怖さ”を見せていたので、さすがだなーと思いました。


・月映樹茉(サム/萬あきら)
絶品。いやー、本当に素敵でした!!当日の日記にも書きましたが、猫は本当にサムに思いいれてしまって、「As Time Goes By」で泣けたんですよね……。すごいなあ、えなちゃん(*^ ^*)。


・夢莉みこ(ムーア人の男、集会)
笹良さん同様、最近やっと本公演でも見つけられるようになったばかりの夢莉さん。黒塗りに髭までつけたらサッパリわからないってば(T T)。


・千紗れいな(生地屋の女/千鈴まゆ)
バザールの個性溢れる商人たちの一人。千紗さんも台詞は達者で、上手だったと思います。ただ、まゆちゃんの衝撃には全く届きませんでしたが……。
可愛らしいひとですが、そろそろダイエットを意識してほしいかも。今のままでは、宝塚の娘役でいるのは難しいのでは?(T T)


・安里舞生(エミール/蓮水ゆうや)
すみません。ファンなので、別項で存分に語らせてくださいm(_ _)m
あああ、あんなに可愛いのに、あんなに素敵なのに、なんで卒業しちゃうんだ舞生ちゃん~!!(T T)





■93期(研3)
・蒼羽りく(バーガー/鳳翔大)
やっぱり、りくちゃんの芝居は良いなあ~、と改めて思いました。今回は歌もほんのワンフレーズなので(しかも本役が大ちゃん)全然問題なかったし、すごく良かったです。
芝居の方向性は、本公演で演じている『後先を考えない反独派の若者』と同じでしたが、地下に潜むレジスタンスとしての微妙な翳りというか、裏を感じさせる部分がちゃんとあって、本役の「ひたすら真直ぐで直情的な若者」とは一線を画していたのがさすがでした。


・星吹彩翔(アブドゥル/鳳樹いち)
本公演の役とはまったく立ち位置が違う役でしたが、さりげない存在感がすごく良かったです。
黒塗りが似合ってて可愛い♪


・瀬音リサ(行商人女)
スカイフェアリーズのリサちゃん、歌えることを全然知らなかったのでかなり吃驚しました(@ @)良い声でした!
他の場面は、「ムーア人の男」なんですね(^ ^;ゞ全然気がつかなかったよー(T T)。


・愛月ひかる(シュトラッサー/悠未ひろ)
長身に軍服が映えて、実に格好良かったです。若いのに髭がよく似合っていて、まずはビジュアルで大成功、という感じ。
声がまだまだ出来上がっていないので凄みが足りず、特に歌は残念至極でしたが、あの難しい役をこの学年でよく頑張ったな、と思いました。もう少し経験を積んでから観てみたかったです。

……それにしても、ともちんの役って毎回新公で苦戦しているような気がします。それだけ、毎回難しい役をやってるってことなんでしょうか……。ぜひ次回は、ともちんの役をさっつん(風羽玲亜)か、えなちゃんあたりに振ってみてほしい(^ ^)。


・七瀬りりこ(宝石商/天輝トニカ)
本公演のエトワールで美声を堪能させていただいているりりこちゃん。ソプラノの見事さだけでなく、胸声の中音域も実に素晴らしいことがわかって、これからの活躍が本格的に楽しみになってきました。
オペラのプリマドンナ体型なのはあの声を維持するために必要なのでしょうか……?娘役としてはかなり無理があるけど、女役でならゴージャスな美人になれそうなので、あらためて将来を楽しみにさせていただきます♪


・結乃かなり(ムーア人の女)
本公演では、カンカン以外はムーア人の「男」を演じている結ちゃん。ムーア人の女は普通に可愛かったです。「大江山花伝」ではなかなか良い芝居をしていたので、ドラマシティが楽しみ♪


・愛白もあ(行商人女)
もあちゃんも歌えるんですねー(@ @)。良い声だったんで吃驚しました。天玲さん・リサちゃんともよく合う声で、とても良かったです。


・夢涼りあん(ファティマ/すみれ乃麗)
・風海恵斗(ビゴー/七海ひろき)
すみません。ここはお二人とも似たような感想だったので、まとめて書かせてください。

お二人とも段取りの多い役なのですが、たった一回の新公だと、その段取りが体に入っていないのが判ってしまうんですよね……。あれやって、これやって、あれやって、、、、あ!感情を入れるのを忘れてた!!みたいな(←いや、それは言いすぎ?)ところがあって、ちょっとばかり人形っぽい動きになっていたような気がします。
それと、どちらも役自体が大きな役なのでは無く、役者本人の華というかオーラで目を惹いて、大役に見せていたんだな、と思いました。夢涼さんも風海さんも、綺麗だし芝居も上手な方だと思うので、どうすれば観客の目を惹きつけられるかをもっと意識されると良いのかもしれません。


・雪乃心美(カフェの客、集会)
本公演ではムーア人なので黒塗りの雪乃さん。ちょっとおとなしい感じですが、可愛くて目だってました。……うーん、カフェのお客さんたち(ムーア人含む)については小芝居までチェックしきれてなくて残念です(T T)。





あと少しなのですが、、、、長くなってしまったので、94期・95期はまた後日にさせてください。
…というか、あらためてこの作品、役が多いなーーーーーっ。研1でも大半の子に役名がついているなんて(感心)。

.