きりやん、おめでとう★
2010年2月1日 宝塚(月)霧矢さん、蒼乃夕妃ちゃん、トップコンビお披露目公演初日、おめでとうございます~~~\(^O^)/
半年前に博多座でお披露目した祐飛さんも、きっと喜んでくれていると思います♪
「紫子」と「HEAT ON BEAT」、すっごい楽しみ★もちろん、本公演の「スカーレット・ピンパーネル」も、めちゃめちゃ期待していますので、がんばってくださいねー♪
なんだかパソコンの調子が悪い、、、長文が書きにくいよー(涙)。
「カサブランカ」【14】
2010年2月2日 宝塚(宙) コメント (3)東京宝塚劇場宙組公演「カサブランカ」。
■第14場 リックの店(深夜) ~1941年12月3日 早朝(?)~
店の奥で乾杯したリックとイルザ。
そこに、店の表からバタバタと駆け込んでくる音がする。
イルザを二階に隠れさせて、様子を見に出るリック。
店の表には、侵入者が二人。……カール(寿つかさ)とラズロ(蘭寿とむ)。
ボスがまだ起きていることに気づいて驚くカールを二階に上がらせ、「2階のゴミを棄ててきてくれ」というリック。カールとイルザを片付けて、ラズロと対決するために。
しかーし。カールがサラッと「何人か捕まっちまって…」と言ってますけど、店のスタッフは皆無事なんでしょうか………?(心配)
カールを見送って、ふとかえりみるリック。
ラズロは、手の傷に巻いた包帯を直している(←その包帯はいったいどこから?)
「……あんた、本当に不死身だな……」
感心したように呟くリック。
「ナチスが滅びるまで、死ぬわけにはいかない」
案外と、軽い口調で返すラズロ。
「降りてしまいたくならないか?」
「いいえ、まったく」
という会話が、実はものすごく好きだったりします。
特に、この後の
「でも、ひとつ降りてもいいゲームがある。……イルザのことです」
というラズロの台詞のさりげなさが、すごく好き。
こんな公共の場に書いていい話題なのかどうかわからない……というか、書き方が非常に難しい話題なのですが。
実は。
私、大劇場で初めて観たときから、ラズロとイルザの間には、俗に言う“夫婦生活”がないんじゃないか、と思っております。と、小さな字で書いてみる(汗)。
すごく、宗教的なものを感じたんですよね、あの二人の関係に。
特に、銀橋でのラズロの抱擁が、あまりにもなんというか、痛々しくて。
蘭トムさんのラズロには、肉欲を感じないんです。
私の中で、蘭トムさんっていうのは、正真正銘の『アメリカン・ヒーロー』なんですよ……。
一番最初に印象に残った役は「月の燈影」の、犬っころみたいにまっすぐに幸蔵(彩吹真央)を慕う岡っ引きだったんですが、その後は、何と言っても「Never Sleep」と「逆転裁判」(『スカウト』は観てないんですすみません)なんです。
どちらも、アメリカのTVドラマにぴったりのヒーロー像だと思うんです。それこそ、大好きだったドラマの「アメリカン・ヒーロー」を宝塚化する日が来るなら(←来ないけど!)、ラルフは蘭トムさんしかいない!!と思っていたりします(^ ^)。
ドジで憎めなくて、一生懸命で可愛い“いい奴”というキャラが、あんなに嫌味なく嵌る人って他にあまり思いつかないんですよね。
二番手に回ってきがちな黒い役とかは結構苦戦しているケースも多いような印象もあるんですが、私は徳川慶喜もすごく好きだったし、とにかく、芝居としては「ヒーロー」が一番嵌るタイプの役者なのだと思っています。
「真ん中にしかいられない」という意味では宙組の前任トップであったタニちゃん(大和悠河)という人ががいますが、彼女はあくまでも「キラキラな王子さま」でしたよね。蘭トムさんは、決して『王子さま』ではなく、あくまでも『アメリカン・ヒーロー』なんです。私の中では(^ ^;ゞ
で。
アメリカのTVドラマって、恋バナは必ずあるけれども、濡れ場はない、という印象があるんですよ。アメリカという国のお茶の間事情があるんだと思っているんですが…っていうか、何か根拠があって書いているわけではなく、なんとなくのイメージに過ぎないのかもしれませんが。
蘭トムさんにはそういうイメージがあって、、、恋はするけれども、肉欲を感じない男、なんですね。
イルザのことを愛している。
だから、たとえようもなく優しい、甘い声で、
「僕はいつでも、君を愛しているよ…」
と囁く。
でも、それ以上は何もしない。そういう、『紳士』に見えるんです。
使命を果たしたなら、ナチスが滅んだなら、その時こそは必ず、と。まるで、そんな約束を交してでもいるかのような。
対するイルザのすみ花ちゃんと、リックの祐飛さん。
この二人はもう、やるべきことはとっととやってるだろう、としか思えません……(- -;ゞ
そしてイルザには、ラズロとの距離感に、物足りなさがあったんじゃないのかな、と。
『女』として、本当に愛されているのか、不安になるときがあったのではないか、と。
ラズロがあまりにも完璧な『世界を救うヒーロー』でありすぎて、『自分の男』だという確信が持てなかったのではないか、と。
だからこそ、リックとの『本能的』=『肉体的』な愛に抗いきれず、ラズロとの『理性的』=『精神的』な愛を裏切る結果になってしまうのではないか、と……
念のため、補足。
蘭トムさんに色気がない、っていう話では全くないんです。だって彼は、ショーでは誰よりも色っぽいんですから。
でも芝居では、不思議なほど禁欲的な役が似合うんですよね。
彼は常にヒーローだから。痩せ我慢こそがヒーローの美学、だから。
でも、祐飛さんは、そういうモノを抑えたことは一度も無い……ような気がする。「哀しみのコルドバ」のお髭のオジサマ・ロメロさんでさえ、何一つ抑えてはいなかったし、『痩せ我慢の美学』とは最も遠いところにいる役者だと思う。そういうものを抑えなくてはいけない役が回ってこない、というのは、宛書を身上とする宝塚においては正式な評価であり、制作部の総意なんだろうな、と思うワケですが。
そして、そういう評価が、小池さんの「キスシーンが巧い」につながっているんだと思っているワケですが。
…長々と書いてきましたが、以上のようなことは、漠然と大劇場で観たときから思っていました。
ただ、なんというか。このへんのことは、心の奥にしまっておこうと思っていたんですよね。
しかし。
新人公演を見て、やはり書かねば!と思ったのでした……。
新人公演のラズロとイルザは、普通に夫婦なんだな、と思ったので。
本公演のような、愛の形としてはいびつなものではなく、普通に愛し合って夫婦になっていた、イルザとラズロ。
新人公演はパリの場面が無かったので、芝居におけるラズロの比重がものすごく高くなっていた のですが、かいちゃん(七海ひろき)の芝居はものすごく愛に溢れていて……もう、イルザのことが心配で不安で、最初のカフェの場面でも、ワケありげな二人をみながらちょっと不愉快そうだったり、すっごく人間的だったんですよ。
出番のすべてにおいて、常に『ヒーロー』だった蘭トムさんに対して、かいちゃんのラズロは、対イルザの場面のみ、完全に『ただの男』だったのがすごく新鮮でした。
だからこそ。女としての自信を喪うこともなかった(藤咲)えりちゃんのイルザは、びっくりするほど精神的に強靭で頑固で、……なのに、思い出に溺れてしまってからは可愛かった★んですが(*^ ^*)。
ただ、どちらのラズロにしても、やはりイルザの不安は拭えないんですよね。
彼女の不安は、彼の『愛』は、果たして自分と同じものなのかどうか?という不安であり、また、自分は本当に彼にふさわしい女なのか?という不安でもある。つまり、自分自身に対する不安です。
リックはそういう不安を掻き立てる存在ではなかった。
ただ一緒に居るだけで幸せで、精神的にも肉体的にも満たされていた。
……短い時間だったけれども。
ラズロは、死の淵から生還した自分を出迎えてくれたイルザに、何かがあったことに気づいたのでしょうか?
「マルセイユで私のヴィザが発行されなかったとき、どうして先に行かなかったの?」
「……それは、君を愛していたから……」
という会話の裏に、
「あそこで君を置いて先に脱出していたら、君は本当に、追いかけてきてくれたんだろうか…?」
という不安が見え隠れしている…と思うのは、故ない妄想なのでしょうか……?
「それほどまでにイルザが好きか?」
と問うリックの、激情を抑えて平静を装った貌。
「ええ、好きです。……自分の命に代えても!」
と応えるラズロの、確信に満ちたようにも、自分に言い聞かせているようにも見える、貌。
何かを言おうとするリックを遮るように、ドアが蹴破られて警官隊がなだれ込んでくる。
「ムッシュ・ラズロ?あなたを逮捕します!」
……さっつん(風羽玲亜)の声は本当に素敵だ♪(*^ ^*)
フランス兵(天風いぶき)に手錠をかけられるときに、傷に触られて「痛っ!」という顔をするラズロさんが結構ツボです。
「どうやら、運命の悪戯はまだ続くようだな…」
リックの言葉に、振り向くラズロ。
「また、会おう」
必ず、今の会話の続きを。
そう眼で語るリックに、軽くうなずくラズロ。
■第15場 本当のリック ~1941年12月3日 早朝~昼間?~
リックの頭の中で、さっきまでのラズロの台詞がぐるぐる回っている。
「あの通行証で、イルザを連れて二人でカサブランカを脱出していただきたい。どこか、安全なところへ!」
イルザを連れて、二人で。
あの男は確かにそう言った。
『イルザをカサブランカにおいておくのは危険だし、自分自身、女連れでは身動きがとれない。彼女に野宿させるわけにはいかないし、万が一彼女が囚われたら、自分にはもう選択の余地がない。』
たとえ世界と引き換えにしてでも、彼女を救いたいと思ってしまうだろうから。
それが、本当のヴィクター。
ならば、俺は?
♪金がほしくて始めたはずの 武器の横流し
椅子に掛けていたジャケットを取って、吐き出すように歌いだす。
♪だが人が死ぬのを見るのは怖い
♪人の笑顔を見ていたい
だからカフェを始めたのか!誰もが笑顔でいられる場所を作りたくて!!(ポン)
結果的には、あのカフェはレジスタンスの溜り場であり、ファシズムとの闘いの前線にもなったわけで、ある意味、すごく理想どおりなのかもしれませんね。……死人は出ちゃった(ウガーテ)んですけどね。
♪本当の俺はどこにいる
♪本当の俺はどう生きる?
銀橋下手にルノー(北翔海莉)が登場。
さっきまでの真剣な顔を拭い去って、こ狡い中年男の仮面を被ったリック。
「ラズロを釈放しないか?もっと大きな罪を着せて現行犯逮捕してやれば、お前も出世するだろう」
「どんな罪だ?」
「ドイツの通行証の窃盗」
口先八寸でルノーを騙しにかかる。
この場面、以前映画で観たときは、私は全然リックの本意に気がつかなくて、最後のどんでん返しですごく驚いた記憶があります。
でも、小池版では「本当の俺はどう生きる?」と歌いながらの挿入場面なので、観客が騙される余地がないんですよね。……まあ、わかりやすくていいのかな、と思いますが。
「ラズロ釈放のときは、尾行は外してくれよ?」
万が一シュトラッサーにバレたら、計画はおじゃんだ、と言いながら。
♪本当の俺はどこにいる
ちょっと苦しげに、囁くように、
♪本当の俺はどう生きる?
次は、フェラーリとの商談。
「店を譲ってくれるとは嬉しいが、急だな」
「営業停止になって思い立ったんだ。従業員たちの契約を今までどおりで守ってやってくれるなら、な」
「保証しよう」
「ならば、手打ちだな」
銀橋の真ん中で、ハイタッチをする祐飛さんと磯野さん、なんていう図が観られるとはねぇ……(しみじみ)
♪人のために危ない橋は渡らない、と誓ってきた
♪人のために涙は流さない
♪どんな女も愛さない
ラズロに限りませんが、「世界を救う」ことを希む人というのは、だいたい自分自身が本当に不幸になったわけではないことが多いんですよね。
両親を殺されたとか、妻を惨殺されたとか、そういう人は活動員として重要ですけれども、リーダーではないことが多い。リーダーは、それこそ「他人のために涙を流し」「他人のために危ない橋を渡ることを厭わない」人。つまり、「すべての人を愛している」人が多い。
だからこそ、ラズロの身近にいる人たちは大変だと思うのです。
イエスを愛したマグダラのマリア(ジーザス・クライスト・スーパースター)のように。
あるいは、イエスを愛したユダ、の、ように……(T T)。
でも、リックはそんな風には生きられなかった。
人の死に耐えることができないほどに、他人を愛してしまっていた、から……。
♪心に楔を打ち込んで あの日から生きてきた
♪本当の俺はどこにいる
♪本当の俺はどう生きる?
ルノーを呼びつけ、店を処分して。……リックがこのとき、考えていることは?
ラストにシャウトして、心の澱をすべて吐き出したリック。
もう、迷わない。
どこにいようと、どこへ行こうと、必ずめぐり合えるのだから。
世界の果ての、その先で。
.
■第14場 リックの店(深夜) ~1941年12月3日 早朝(?)~
店の奥で乾杯したリックとイルザ。
そこに、店の表からバタバタと駆け込んでくる音がする。
イルザを二階に隠れさせて、様子を見に出るリック。
店の表には、侵入者が二人。……カール(寿つかさ)とラズロ(蘭寿とむ)。
ボスがまだ起きていることに気づいて驚くカールを二階に上がらせ、「2階のゴミを棄ててきてくれ」というリック。カールとイルザを片付けて、ラズロと対決するために。
しかーし。カールがサラッと「何人か捕まっちまって…」と言ってますけど、店のスタッフは皆無事なんでしょうか………?(心配)
カールを見送って、ふとかえりみるリック。
ラズロは、手の傷に巻いた包帯を直している(←その包帯はいったいどこから?)
「……あんた、本当に不死身だな……」
感心したように呟くリック。
「ナチスが滅びるまで、死ぬわけにはいかない」
案外と、軽い口調で返すラズロ。
「降りてしまいたくならないか?」
「いいえ、まったく」
という会話が、実はものすごく好きだったりします。
特に、この後の
「でも、ひとつ降りてもいいゲームがある。……イルザのことです」
というラズロの台詞のさりげなさが、すごく好き。
こんな公共の場に書いていい話題なのかどうかわからない……というか、書き方が非常に難しい話題なのですが。
実は。
私、大劇場で初めて観たときから、ラズロとイルザの間には、俗に言う“夫婦生活”がないんじゃないか、と思っております。と、小さな字で書いてみる(汗)。
すごく、宗教的なものを感じたんですよね、あの二人の関係に。
特に、銀橋でのラズロの抱擁が、あまりにもなんというか、痛々しくて。
蘭トムさんのラズロには、肉欲を感じないんです。
私の中で、蘭トムさんっていうのは、正真正銘の『アメリカン・ヒーロー』なんですよ……。
一番最初に印象に残った役は「月の燈影」の、犬っころみたいにまっすぐに幸蔵(彩吹真央)を慕う岡っ引きだったんですが、その後は、何と言っても「Never Sleep」と「逆転裁判」(『スカウト』は観てないんですすみません)なんです。
どちらも、アメリカのTVドラマにぴったりのヒーロー像だと思うんです。それこそ、大好きだったドラマの「アメリカン・ヒーロー」を宝塚化する日が来るなら(←来ないけど!)、ラルフは蘭トムさんしかいない!!と思っていたりします(^ ^)。
ドジで憎めなくて、一生懸命で可愛い“いい奴”というキャラが、あんなに嫌味なく嵌る人って他にあまり思いつかないんですよね。
二番手に回ってきがちな黒い役とかは結構苦戦しているケースも多いような印象もあるんですが、私は徳川慶喜もすごく好きだったし、とにかく、芝居としては「ヒーロー」が一番嵌るタイプの役者なのだと思っています。
「真ん中にしかいられない」という意味では宙組の前任トップであったタニちゃん(大和悠河)という人ががいますが、彼女はあくまでも「キラキラな王子さま」でしたよね。蘭トムさんは、決して『王子さま』ではなく、あくまでも『アメリカン・ヒーロー』なんです。私の中では(^ ^;ゞ
で。
アメリカのTVドラマって、恋バナは必ずあるけれども、濡れ場はない、という印象があるんですよ。アメリカという国のお茶の間事情があるんだと思っているんですが…っていうか、何か根拠があって書いているわけではなく、なんとなくのイメージに過ぎないのかもしれませんが。
蘭トムさんにはそういうイメージがあって、、、恋はするけれども、肉欲を感じない男、なんですね。
イルザのことを愛している。
だから、たとえようもなく優しい、甘い声で、
「僕はいつでも、君を愛しているよ…」
と囁く。
でも、それ以上は何もしない。そういう、『紳士』に見えるんです。
使命を果たしたなら、ナチスが滅んだなら、その時こそは必ず、と。まるで、そんな約束を交してでもいるかのような。
対するイルザのすみ花ちゃんと、リックの祐飛さん。
この二人はもう、やるべきことはとっととやってるだろう、としか思えません……(- -;ゞ
そしてイルザには、ラズロとの距離感に、物足りなさがあったんじゃないのかな、と。
『女』として、本当に愛されているのか、不安になるときがあったのではないか、と。
ラズロがあまりにも完璧な『世界を救うヒーロー』でありすぎて、『自分の男』だという確信が持てなかったのではないか、と。
だからこそ、リックとの『本能的』=『肉体的』な愛に抗いきれず、ラズロとの『理性的』=『精神的』な愛を裏切る結果になってしまうのではないか、と……
念のため、補足。
蘭トムさんに色気がない、っていう話では全くないんです。だって彼は、ショーでは誰よりも色っぽいんですから。
でも芝居では、不思議なほど禁欲的な役が似合うんですよね。
彼は常にヒーローだから。痩せ我慢こそがヒーローの美学、だから。
でも、祐飛さんは、そういうモノを抑えたことは一度も無い……ような気がする。「哀しみのコルドバ」のお髭のオジサマ・ロメロさんでさえ、何一つ抑えてはいなかったし、『痩せ我慢の美学』とは最も遠いところにいる役者だと思う。そういうものを抑えなくてはいけない役が回ってこない、というのは、宛書を身上とする宝塚においては正式な評価であり、制作部の総意なんだろうな、と思うワケですが。
そして、そういう評価が、小池さんの「キスシーンが巧い」につながっているんだと思っているワケですが。
…長々と書いてきましたが、以上のようなことは、漠然と大劇場で観たときから思っていました。
ただ、なんというか。このへんのことは、心の奥にしまっておこうと思っていたんですよね。
しかし。
新人公演を見て、やはり書かねば!と思ったのでした……。
新人公演のラズロとイルザは、普通に夫婦なんだな、と思ったので。
本公演のような、愛の形としてはいびつなものではなく、普通に愛し合って夫婦になっていた、イルザとラズロ。
新人公演はパリの場面が無かったので、芝居におけるラズロの比重がものすごく高くなっていた のですが、かいちゃん(七海ひろき)の芝居はものすごく愛に溢れていて……もう、イルザのことが心配で不安で、最初のカフェの場面でも、ワケありげな二人をみながらちょっと不愉快そうだったり、すっごく人間的だったんですよ。
出番のすべてにおいて、常に『ヒーロー』だった蘭トムさんに対して、かいちゃんのラズロは、対イルザの場面のみ、完全に『ただの男』だったのがすごく新鮮でした。
だからこそ。女としての自信を喪うこともなかった(藤咲)えりちゃんのイルザは、びっくりするほど精神的に強靭で頑固で、……なのに、思い出に溺れてしまってからは可愛かった★んですが(*^ ^*)。
ただ、どちらのラズロにしても、やはりイルザの不安は拭えないんですよね。
彼女の不安は、彼の『愛』は、果たして自分と同じものなのかどうか?という不安であり、また、自分は本当に彼にふさわしい女なのか?という不安でもある。つまり、自分自身に対する不安です。
リックはそういう不安を掻き立てる存在ではなかった。
ただ一緒に居るだけで幸せで、精神的にも肉体的にも満たされていた。
……短い時間だったけれども。
ラズロは、死の淵から生還した自分を出迎えてくれたイルザに、何かがあったことに気づいたのでしょうか?
「マルセイユで私のヴィザが発行されなかったとき、どうして先に行かなかったの?」
「……それは、君を愛していたから……」
という会話の裏に、
「あそこで君を置いて先に脱出していたら、君は本当に、追いかけてきてくれたんだろうか…?」
という不安が見え隠れしている…と思うのは、故ない妄想なのでしょうか……?
「それほどまでにイルザが好きか?」
と問うリックの、激情を抑えて平静を装った貌。
「ええ、好きです。……自分の命に代えても!」
と応えるラズロの、確信に満ちたようにも、自分に言い聞かせているようにも見える、貌。
何かを言おうとするリックを遮るように、ドアが蹴破られて警官隊がなだれ込んでくる。
「ムッシュ・ラズロ?あなたを逮捕します!」
……さっつん(風羽玲亜)の声は本当に素敵だ♪(*^ ^*)
フランス兵(天風いぶき)に手錠をかけられるときに、傷に触られて「痛っ!」という顔をするラズロさんが結構ツボです。
「どうやら、運命の悪戯はまだ続くようだな…」
リックの言葉に、振り向くラズロ。
「また、会おう」
必ず、今の会話の続きを。
そう眼で語るリックに、軽くうなずくラズロ。
■第15場 本当のリック ~1941年12月3日 早朝~昼間?~
リックの頭の中で、さっきまでのラズロの台詞がぐるぐる回っている。
「あの通行証で、イルザを連れて二人でカサブランカを脱出していただきたい。どこか、安全なところへ!」
イルザを連れて、二人で。
あの男は確かにそう言った。
『イルザをカサブランカにおいておくのは危険だし、自分自身、女連れでは身動きがとれない。彼女に野宿させるわけにはいかないし、万が一彼女が囚われたら、自分にはもう選択の余地がない。』
たとえ世界と引き換えにしてでも、彼女を救いたいと思ってしまうだろうから。
それが、本当のヴィクター。
ならば、俺は?
♪金がほしくて始めたはずの 武器の横流し
椅子に掛けていたジャケットを取って、吐き出すように歌いだす。
♪だが人が死ぬのを見るのは怖い
♪人の笑顔を見ていたい
だからカフェを始めたのか!誰もが笑顔でいられる場所を作りたくて!!(ポン)
結果的には、あのカフェはレジスタンスの溜り場であり、ファシズムとの闘いの前線にもなったわけで、ある意味、すごく理想どおりなのかもしれませんね。……死人は出ちゃった(ウガーテ)んですけどね。
♪本当の俺はどこにいる
♪本当の俺はどう生きる?
銀橋下手にルノー(北翔海莉)が登場。
さっきまでの真剣な顔を拭い去って、こ狡い中年男の仮面を被ったリック。
「ラズロを釈放しないか?もっと大きな罪を着せて現行犯逮捕してやれば、お前も出世するだろう」
「どんな罪だ?」
「ドイツの通行証の窃盗」
口先八寸でルノーを騙しにかかる。
この場面、以前映画で観たときは、私は全然リックの本意に気がつかなくて、最後のどんでん返しですごく驚いた記憶があります。
でも、小池版では「本当の俺はどう生きる?」と歌いながらの挿入場面なので、観客が騙される余地がないんですよね。……まあ、わかりやすくていいのかな、と思いますが。
「ラズロ釈放のときは、尾行は外してくれよ?」
万が一シュトラッサーにバレたら、計画はおじゃんだ、と言いながら。
♪本当の俺はどこにいる
ちょっと苦しげに、囁くように、
♪本当の俺はどう生きる?
次は、フェラーリとの商談。
「店を譲ってくれるとは嬉しいが、急だな」
「営業停止になって思い立ったんだ。従業員たちの契約を今までどおりで守ってやってくれるなら、な」
「保証しよう」
「ならば、手打ちだな」
銀橋の真ん中で、ハイタッチをする祐飛さんと磯野さん、なんていう図が観られるとはねぇ……(しみじみ)
♪人のために危ない橋は渡らない、と誓ってきた
♪人のために涙は流さない
♪どんな女も愛さない
ラズロに限りませんが、「世界を救う」ことを希む人というのは、だいたい自分自身が本当に不幸になったわけではないことが多いんですよね。
両親を殺されたとか、妻を惨殺されたとか、そういう人は活動員として重要ですけれども、リーダーではないことが多い。リーダーは、それこそ「他人のために涙を流し」「他人のために危ない橋を渡ることを厭わない」人。つまり、「すべての人を愛している」人が多い。
だからこそ、ラズロの身近にいる人たちは大変だと思うのです。
イエスを愛したマグダラのマリア(ジーザス・クライスト・スーパースター)のように。
あるいは、イエスを愛したユダ、の、ように……(T T)。
でも、リックはそんな風には生きられなかった。
人の死に耐えることができないほどに、他人を愛してしまっていた、から……。
♪心に楔を打ち込んで あの日から生きてきた
♪本当の俺はどこにいる
♪本当の俺はどう生きる?
ルノーを呼びつけ、店を処分して。……リックがこのとき、考えていることは?
ラストにシャウトして、心の澱をすべて吐き出したリック。
もう、迷わない。
どこにいようと、どこへ行こうと、必ずめぐり合えるのだから。
世界の果ての、その先で。
.
「カサブランカ」【15】
2010年2月3日 宝塚(宙) コメント (6)東京宝塚劇場宙組公演「カサブランカ」。
■第16場 リックの店(最後の夜) ~1941年12月3日 夜~
歌いながら銀橋を渡って、リックが本舞台に戻るのと同時に音楽が変わります。
「ボンソワ~ル♪」
ルノーさん(北翔海莉)の、妙にのーてんきな響きが可愛いです♪
「通行証を見せてくれ」
「疑り深い奴だ」
というやりとりの後、階段の陰に隠れるルノー。
店のドアを開けて、イルザが駆け込んでくる。
「リチャード!」
その、甘い響き。
イルザが彼を「リチャード」と呼ぶのは、ここと、前の晩に「お願いよ、パリの貴方に戻って!」というところと、空港の三回だけ。どれも、なんというか「上から目線」というか、「クレーム」っぽい台詞なのが面白いなあ、と思ったりします。
「彼は、私が一緒に行くと思っているわ。私が残ると彼に伝えていないの?」
この場面。
イルザは、リックが自分の願いを容れて、ラズロを脱出させるつもりだと思っているんですよね。
そして、自分はリックの傍に残るべきだと思っている。
でも、リックは、二人を脱出させるつもりでいる。
そしてラズロは、、、、私は最初、彼はリックがイルザを連れて出て行ってくれると思っているんだよね?と思っていたのですが、、、やっぱり、イルザと自分と二人で脱出するつもりでいるのでしょうか…?金を渡そうとするところとか、リスボンに連絡が取れたって話のあたりとか。
リックが差し出す通行証を、逡巡なく受け取るラズロ。
その瞬間をみはからって、階段の陰からルノーが登場する。
「ヴィクター・ラズロ!逮捕する。ドイツ特使殺害容疑だ」
手をあげてルノーを凝視するラズロとイルザ。
「私の親友・リッキーはな、人助けより愛を選んだのだ。……な?」
そんな自慢げな男の台詞の間に、ゆっくりと懐から銃を取り出す、元レジスタンス。
「いつから親友になったんだ?」
いやあん、カッコいい~(はぁと)★
舞台上手の椅子にルノーを座らせ、電話を渡すリック。
「空港に電話して、指示をするんだ」
忌々しげに受話器を取って、電話をかける。……それに合わせて、上手の花道セリでせりあがってくる長身の人物は、シュトラッサー少佐(悠未ひろ)。
ルノーの一方的な指示を聞いて、周りにハテナを飛ばしながら、別の番号を回す。
「大至急、私の車を。それと、警官一分隊をただちに飛行場へ!可及的速やかにだ!」
……この台詞、「かきゅうてきすみやかに」が無事言い切れた日は、つい拍手したくなるんですが……(^ ^;ゞ
■第17場 空港 ~1941年12月3日 夜~
シュトラッサーが花道で電話している間に本舞台は暗転し、下手から建物のセットが出てくる。
受話器を持って、管制塔へ視界や霧の様子を報告しているえなちゃん(月映樹茉)が、超可愛いんです♪♪
「管制塔へ。10分後にリスボン行きが離陸いたします」
そんなところに、ルノーたちの一行が登場。
ルノーは制服、リックとイルザはトレンチコートを着込んで、なのに、ラズロだけはなぜか背広のまま。そんな格好で、寒くないの?ヴィクター……
先頭を歩くルノーの後ろで、帽子の下に隠した銃を話さないリック。
ラズロに荷物の積み込みを任せて、イルザに向かい合う。
「出国者の名前は……ヴィクター・ラズロ夫妻だ」
この瞬間まで、ラズロ一人を行かせるつもりだったイルザ。
この瞬間まで本音を隠して、時間切れを狙ったリック。
「何故なのリチャード!?」
昨夜、全てを話し合ったはずのあたし達なのに!
「君がヴィクターとあの飛行機に乗る、それがベストだ」
そして、君と別れたあとに俺は彼とも話したんだよ。
「私も一晩中考えて、あなたと生きる決心をしたのに」
……考えて決心するようなものじゃない。頭で考えて選ぶものではないんだから、愛は。
ただ、流されるだけで。
頭で考えて選んだ結論なんざ、クソクラエ。
俺は君を幸せにする。ラズロには出来ないやり方で。後悔は、させない。
「ヴィクター・ラズロを支えているのは、君だ。君自身、そのことを誇りに思い、生きる証になっている」
「どちらを選んでいいかわからないときは、自分がやるべきほうを選んでおくんだ。そういうときは、どっちを選んでも必ずあとで後悔する。同じ後悔するなら、すこしでも軽いほうが良いだろう?
やるべきことを選んでおけば、やるべきことを放棄しなかったぶんだけ、後悔はかるくてすむだろうから」(by「月の影 影の海」)
……だから。
たとえ、その“誇り”が君にとってどんなに重荷になっていたとしても、君は、一度背負ってしまったその荷物を投げ捨てるべきではないんだよ。
「あなたは…?」
俺?俺はもう、大丈夫さ。だって俺には、
「……巴里の思い出が、あるさ」
名台詞と同時に流れ出す、「As Time Goes By」のしらべ。
あの輝かしい日々。笑顔に溢れた、花の都・巴里。
音楽を聴くだけで血を流していたリックの傷が、むず痒さを残して癒えた瞬間。
「ずっと封印していた想いを、昨夜、二人で蘇らせたのだから………」
リックが傷ついていたのは、イルザに振られたことそのものではなく、イルザが本当に自分を愛していたのかどうかに確信が持てなかったからなのだ、と思います。
それが、前夜の様子で、イルザもちゃんと本気だったと確信できた。
ラズロに向ける思慕とは違うものだけれども、自分のことを愛していたことは、紛れもない真実。
そこに真実があるのなら、それでいい。
たぶん、リックはそう思ったのでしょう。
ならば、いい。今はとにかく、ラズロと一緒に行けばいい。
それが一番良いんだ。だって、
ラズロには君が近くに居ることが必要だけれども、俺は、遠く離れていても大丈夫。
「君は決して離れない。俺の心の中から」
俺は必ず、超えてみせる。あのスーパーヒーローを。
君がいなくても、俺は闘える。狂った世界に立ち向かい、人々に笑顔を取り戻して……そして、もう一度君に会いに行くよ。
「さあ、顔をあげて。俺は君を、見つめているんだよ」
世界の果てで、また、会う日まで、
「……君の瞳に、乾杯」
手の中にグラスは無くても、前夜の乾杯の音が蘇る。
高まる音楽と共に。
音楽が落ち着いたあたりで、戻ってくるラズロ。
グラフ(2月号)の対談によると、ここのラズロさんは『空気を読んで』戻ってきているらしいんですが。……そうだったのか(@ @)大劇場で観たとき、あまりにも堂々と戻ってくるラズロさんが格好よくてちょっと惚れ惚れしてたんですが、、、(^ ^)空気を読んでたとは知らなかったな(汗)。
「君に一つ、聞いてほしいことがある」
お互いに、真実と嘘が交ざりあっていることを知りながら、それでも、言わなくてはならない言い訳が、ある。
「昨夜、彼女が店に来ていたんだ。通行証を渡してくれと頼みに」
これは、真実。
「彼女はまだ俺を愛している振りをし、俺も調子を合わせた」
これは、嘘?
「でも、俺達の仲は巴里で終わっている……」
これは、真実?
話しているリックにも、聴いているラズロにも、どこまでが嘘でどれが真実なのか、本当のところはよく判らなくなっている。
ただ、真実は。
リックとラズロはイルザを愛し、イルザはリックとラズロを愛している、ということ………。
通行証を受け取って、右手を差し出すラズロ。
「あなたも我々の仲間です」
あなたが自分の信念から逃げることを辞めるのならば、私達はいつでも歓迎しますよ、と。
右手に握った銃を左手に持ち替えて、握手に応えるリック。
あんたみたいに正面からやったって、力づくでつぶされるだけだ。
俺には俺の、やり方がある。
………女連れでやるには、あまりに危険なやり方が、な。
イルザの腰を抱いて、飛行機へ向かうラズロ。
見送るリック、そして、ルノー。
飛行機が二人を飲み込んで、ゆっくりと回頭を始めたとき、一台の車が滑り込んでくる。
ナチスの軍服を着込んだシュトラッサー。車を降りてルノーに詰め寄る彼は、たぶん、本当に“雲突くような大男”なんでしょうね、ルノーにとっては。
リックと言い争いになって、ついに撃ち殺されるシュトラッサー。
現役の将校が、現場を離れて二年半も経ってる元ゲリラに負けてどーするんだ、と思ったりもしますが(^ ^;ゞ、斃れてもやっぱりともちんは格好良いです(はぁと)
そこへ、次々に到着する警官隊。さっきシュトラッサーが呼んだ連中が、やっと来たか、という感じですが。
ルノーの「シュトラッサー少佐が撃たれた。犯人を探し出せ」という指示で、思わず眼を剥くリックが可愛い、です。
でちょっと眼を逸らして警官隊を見送ってから、ふとリックの方を振り返ってニコっと笑うみっちゃんが、すっごい可愛い日があるんです(^ ^)。
そこでルノーさんが可愛いくなってしまうと困ることもあるんですが、まぁ、どうなっても祐飛さんは受けられるだろうし、心配ないかな、と思っています。
しかし。
いずれシュトラッサーの後任が来ます……よねえ?あるいは、ハインツはちゃんと居るわけで。
彼にはどういうふうに言い訳するんでしょうね。ラズロは逃亡、リックも逃亡、そして、通行証のサインはホンモノ……、そんな状況を(謎)。
「君は、またファシストとの戦いに戻ったんだな」
ちょっと感慨深げに、リックに声をかけるルノー。
「そうだ、君に通行証をやろう。カサブランカを出て、北アフリカのレジスタンスの基地にいけるよう、手配してやるよ」
おや?君にも、そんな伝手があったんかい?
お芝居の一番ラストの台詞は、ルノーの
「これからの、(俺達の)友情の、な」
なんですが。
この台詞って、たしか映画ではリックがルノーに言うんですよね…?
たしかに、みっちゃんのルノーのキャラは、そういうことを言いそうな軽さがあるし、
祐飛さんのリックは、そういうことを言いそうに無い感じはしますけど。
でも、なぜあえて逆にしたのか、小池さんの意図をちょっと聞いてみたい気がします。
♪頬にしみる冷たい風は
♪夜霧に溶けて道を濡らす
♪俺の心も霧に溶けて 傷みを忘れる
プロローグで、カサブランカに入る直前に歌った歌が、ここでリフレインするのが凄く好きです。
あのときは、「温くて乾いた風」だった。
今は逆に、「冷たく」て「濡れた」風。
恋は消え去っても、それが真実であったなら、熱い想いは消えはしない。
イルザにとっては、彼女自身の脚で立って歩きだすために、乗った飛行機。
愛した記憶。
愛された記憶。
自分が守りたい、護らなくてはならない男を選んだ女は、たぶん、誰よりも強いのだから。
護られなくてはいけないほど、弱くはない生き物なのだから。
明日からの人生も、誰かの付属物としてではなく、ただ独り、前を向いて歩いていく。
愛の面影を、抱きしめて。
.
■第16場 リックの店(最後の夜) ~1941年12月3日 夜~
歌いながら銀橋を渡って、リックが本舞台に戻るのと同時に音楽が変わります。
「ボンソワ~ル♪」
ルノーさん(北翔海莉)の、妙にのーてんきな響きが可愛いです♪
「通行証を見せてくれ」
「疑り深い奴だ」
というやりとりの後、階段の陰に隠れるルノー。
店のドアを開けて、イルザが駆け込んでくる。
「リチャード!」
その、甘い響き。
イルザが彼を「リチャード」と呼ぶのは、ここと、前の晩に「お願いよ、パリの貴方に戻って!」というところと、空港の三回だけ。どれも、なんというか「上から目線」というか、「クレーム」っぽい台詞なのが面白いなあ、と思ったりします。
「彼は、私が一緒に行くと思っているわ。私が残ると彼に伝えていないの?」
この場面。
イルザは、リックが自分の願いを容れて、ラズロを脱出させるつもりだと思っているんですよね。
そして、自分はリックの傍に残るべきだと思っている。
でも、リックは、二人を脱出させるつもりでいる。
そしてラズロは、、、、私は最初、彼はリックがイルザを連れて出て行ってくれると思っているんだよね?と思っていたのですが、、、やっぱり、イルザと自分と二人で脱出するつもりでいるのでしょうか…?金を渡そうとするところとか、リスボンに連絡が取れたって話のあたりとか。
リックが差し出す通行証を、逡巡なく受け取るラズロ。
その瞬間をみはからって、階段の陰からルノーが登場する。
「ヴィクター・ラズロ!逮捕する。ドイツ特使殺害容疑だ」
手をあげてルノーを凝視するラズロとイルザ。
「私の親友・リッキーはな、人助けより愛を選んだのだ。……な?」
そんな自慢げな男の台詞の間に、ゆっくりと懐から銃を取り出す、元レジスタンス。
「いつから親友になったんだ?」
いやあん、カッコいい~(はぁと)★
舞台上手の椅子にルノーを座らせ、電話を渡すリック。
「空港に電話して、指示をするんだ」
忌々しげに受話器を取って、電話をかける。……それに合わせて、上手の花道セリでせりあがってくる長身の人物は、シュトラッサー少佐(悠未ひろ)。
ルノーの一方的な指示を聞いて、周りにハテナを飛ばしながら、別の番号を回す。
「大至急、私の車を。それと、警官一分隊をただちに飛行場へ!可及的速やかにだ!」
……この台詞、「かきゅうてきすみやかに」が無事言い切れた日は、つい拍手したくなるんですが……(^ ^;ゞ
■第17場 空港 ~1941年12月3日 夜~
シュトラッサーが花道で電話している間に本舞台は暗転し、下手から建物のセットが出てくる。
受話器を持って、管制塔へ視界や霧の様子を報告しているえなちゃん(月映樹茉)が、超可愛いんです♪♪
「管制塔へ。10分後にリスボン行きが離陸いたします」
そんなところに、ルノーたちの一行が登場。
ルノーは制服、リックとイルザはトレンチコートを着込んで、なのに、ラズロだけはなぜか背広のまま。そんな格好で、寒くないの?ヴィクター……
先頭を歩くルノーの後ろで、帽子の下に隠した銃を話さないリック。
ラズロに荷物の積み込みを任せて、イルザに向かい合う。
「出国者の名前は……ヴィクター・ラズロ夫妻だ」
この瞬間まで、ラズロ一人を行かせるつもりだったイルザ。
この瞬間まで本音を隠して、時間切れを狙ったリック。
「何故なのリチャード!?」
昨夜、全てを話し合ったはずのあたし達なのに!
「君がヴィクターとあの飛行機に乗る、それがベストだ」
そして、君と別れたあとに俺は彼とも話したんだよ。
「私も一晩中考えて、あなたと生きる決心をしたのに」
……考えて決心するようなものじゃない。頭で考えて選ぶものではないんだから、愛は。
ただ、流されるだけで。
頭で考えて選んだ結論なんざ、クソクラエ。
俺は君を幸せにする。ラズロには出来ないやり方で。後悔は、させない。
「ヴィクター・ラズロを支えているのは、君だ。君自身、そのことを誇りに思い、生きる証になっている」
「どちらを選んでいいかわからないときは、自分がやるべきほうを選んでおくんだ。そういうときは、どっちを選んでも必ずあとで後悔する。同じ後悔するなら、すこしでも軽いほうが良いだろう?
やるべきことを選んでおけば、やるべきことを放棄しなかったぶんだけ、後悔はかるくてすむだろうから」(by「月の影 影の海」)
……だから。
たとえ、その“誇り”が君にとってどんなに重荷になっていたとしても、君は、一度背負ってしまったその荷物を投げ捨てるべきではないんだよ。
「あなたは…?」
俺?俺はもう、大丈夫さ。だって俺には、
「……巴里の思い出が、あるさ」
名台詞と同時に流れ出す、「As Time Goes By」のしらべ。
あの輝かしい日々。笑顔に溢れた、花の都・巴里。
音楽を聴くだけで血を流していたリックの傷が、むず痒さを残して癒えた瞬間。
「ずっと封印していた想いを、昨夜、二人で蘇らせたのだから………」
リックが傷ついていたのは、イルザに振られたことそのものではなく、イルザが本当に自分を愛していたのかどうかに確信が持てなかったからなのだ、と思います。
それが、前夜の様子で、イルザもちゃんと本気だったと確信できた。
ラズロに向ける思慕とは違うものだけれども、自分のことを愛していたことは、紛れもない真実。
そこに真実があるのなら、それでいい。
たぶん、リックはそう思ったのでしょう。
ならば、いい。今はとにかく、ラズロと一緒に行けばいい。
それが一番良いんだ。だって、
ラズロには君が近くに居ることが必要だけれども、俺は、遠く離れていても大丈夫。
「君は決して離れない。俺の心の中から」
俺は必ず、超えてみせる。あのスーパーヒーローを。
君がいなくても、俺は闘える。狂った世界に立ち向かい、人々に笑顔を取り戻して……そして、もう一度君に会いに行くよ。
「さあ、顔をあげて。俺は君を、見つめているんだよ」
世界の果てで、また、会う日まで、
「……君の瞳に、乾杯」
手の中にグラスは無くても、前夜の乾杯の音が蘇る。
高まる音楽と共に。
音楽が落ち着いたあたりで、戻ってくるラズロ。
グラフ(2月号)の対談によると、ここのラズロさんは『空気を読んで』戻ってきているらしいんですが。……そうだったのか(@ @)大劇場で観たとき、あまりにも堂々と戻ってくるラズロさんが格好よくてちょっと惚れ惚れしてたんですが、、、(^ ^)空気を読んでたとは知らなかったな(汗)。
「君に一つ、聞いてほしいことがある」
お互いに、真実と嘘が交ざりあっていることを知りながら、それでも、言わなくてはならない言い訳が、ある。
「昨夜、彼女が店に来ていたんだ。通行証を渡してくれと頼みに」
これは、真実。
「彼女はまだ俺を愛している振りをし、俺も調子を合わせた」
これは、嘘?
「でも、俺達の仲は巴里で終わっている……」
これは、真実?
話しているリックにも、聴いているラズロにも、どこまでが嘘でどれが真実なのか、本当のところはよく判らなくなっている。
ただ、真実は。
リックとラズロはイルザを愛し、イルザはリックとラズロを愛している、ということ………。
通行証を受け取って、右手を差し出すラズロ。
「あなたも我々の仲間です」
あなたが自分の信念から逃げることを辞めるのならば、私達はいつでも歓迎しますよ、と。
右手に握った銃を左手に持ち替えて、握手に応えるリック。
あんたみたいに正面からやったって、力づくでつぶされるだけだ。
俺には俺の、やり方がある。
………女連れでやるには、あまりに危険なやり方が、な。
イルザの腰を抱いて、飛行機へ向かうラズロ。
見送るリック、そして、ルノー。
飛行機が二人を飲み込んで、ゆっくりと回頭を始めたとき、一台の車が滑り込んでくる。
ナチスの軍服を着込んだシュトラッサー。車を降りてルノーに詰め寄る彼は、たぶん、本当に“雲突くような大男”なんでしょうね、ルノーにとっては。
リックと言い争いになって、ついに撃ち殺されるシュトラッサー。
現役の将校が、現場を離れて二年半も経ってる元ゲリラに負けてどーするんだ、と思ったりもしますが(^ ^;ゞ、斃れてもやっぱりともちんは格好良いです(はぁと)
そこへ、次々に到着する警官隊。さっきシュトラッサーが呼んだ連中が、やっと来たか、という感じですが。
ルノーの「シュトラッサー少佐が撃たれた。犯人を探し出せ」という指示で、思わず眼を剥くリックが可愛い、です。
でちょっと眼を逸らして警官隊を見送ってから、ふとリックの方を振り返ってニコっと笑うみっちゃんが、すっごい可愛い日があるんです(^ ^)。
そこでルノーさんが可愛いくなってしまうと困ることもあるんですが、まぁ、どうなっても祐飛さんは受けられるだろうし、心配ないかな、と思っています。
しかし。
いずれシュトラッサーの後任が来ます……よねえ?あるいは、ハインツはちゃんと居るわけで。
彼にはどういうふうに言い訳するんでしょうね。ラズロは逃亡、リックも逃亡、そして、通行証のサインはホンモノ……、そんな状況を(謎)。
「君は、またファシストとの戦いに戻ったんだな」
ちょっと感慨深げに、リックに声をかけるルノー。
「そうだ、君に通行証をやろう。カサブランカを出て、北アフリカのレジスタンスの基地にいけるよう、手配してやるよ」
おや?君にも、そんな伝手があったんかい?
お芝居の一番ラストの台詞は、ルノーの
「これからの、(俺達の)友情の、な」
なんですが。
この台詞って、たしか映画ではリックがルノーに言うんですよね…?
たしかに、みっちゃんのルノーのキャラは、そういうことを言いそうな軽さがあるし、
祐飛さんのリックは、そういうことを言いそうに無い感じはしますけど。
でも、なぜあえて逆にしたのか、小池さんの意図をちょっと聞いてみたい気がします。
♪頬にしみる冷たい風は
♪夜霧に溶けて道を濡らす
♪俺の心も霧に溶けて 傷みを忘れる
プロローグで、カサブランカに入る直前に歌った歌が、ここでリフレインするのが凄く好きです。
あのときは、「温くて乾いた風」だった。
今は逆に、「冷たく」て「濡れた」風。
恋は消え去っても、それが真実であったなら、熱い想いは消えはしない。
イルザにとっては、彼女自身の脚で立って歩きだすために、乗った飛行機。
愛した記憶。
愛された記憶。
自分が守りたい、護らなくてはならない男を選んだ女は、たぶん、誰よりも強いのだから。
護られなくてはいけないほど、弱くはない生き物なのだから。
明日からの人生も、誰かの付属物としてではなく、ただ独り、前を向いて歩いていく。
愛の面影を、抱きしめて。
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花組大劇場公演「虞美人」の、新人公演メインキャストが発表されました。
項羽 (真飛聖) 鳳真由
虞美人(桜乃彩音)天咲千華
劉邦 (壮一帆) 瀬戸かずや
真由ちゃん、新人公演初主演、おめでとうございます!!
バウ公演「BUND NEON ~上海~」の芝居がすごく良かったので、ちょっと期待していました(^ ^)。「マグノリア・コンサート」も、カメラを突き抜けて伝わってくるような芝居心のある歌いっぷりが凄く良かったし、とっても楽しみです♪ 本当におめでとう~!
あきらくんも、これだけの大役は初めてですよね?この人もバウの好演が評価されての役付きかな、と思います。ここ一年くらいで急激に華やかになってきた人なので、この役をきっかけに、更に化けてくれることを期待★90期だから、今年が新公の長、か。……チャンスが無いわけじゃ、ないんですね。がんばれ!
千華ちゃんは「外伝・ベルサイユのばら」に続いて二度目。
次の公演からはトップとして同期の蘭ちゃんが来るので、もしかしたら最後の新公ヒロインかも?と思いつつ、衣装も似合いそうだし、こちらも楽しみです。初主演の真由ちゃんを、しっかり助けてあげてくださいね♪
う~ん、楽しみです。がんばってチケット取るぞ~~~!!
それにしても、だいもんの殷桃娘は誰がやるんでしょうね。男役?娘役?……主演が発表されると、他のメンバが気になる。知りたがりは人間の性なんだなあ…。
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項羽 (真飛聖) 鳳真由
虞美人(桜乃彩音)天咲千華
劉邦 (壮一帆) 瀬戸かずや
真由ちゃん、新人公演初主演、おめでとうございます!!
バウ公演「BUND NEON ~上海~」の芝居がすごく良かったので、ちょっと期待していました(^ ^)。「マグノリア・コンサート」も、カメラを突き抜けて伝わってくるような芝居心のある歌いっぷりが凄く良かったし、とっても楽しみです♪ 本当におめでとう~!
あきらくんも、これだけの大役は初めてですよね?この人もバウの好演が評価されての役付きかな、と思います。ここ一年くらいで急激に華やかになってきた人なので、この役をきっかけに、更に化けてくれることを期待★90期だから、今年が新公の長、か。……チャンスが無いわけじゃ、ないんですね。がんばれ!
千華ちゃんは「外伝・ベルサイユのばら」に続いて二度目。
次の公演からはトップとして同期の蘭ちゃんが来るので、もしかしたら最後の新公ヒロインかも?と思いつつ、衣装も似合いそうだし、こちらも楽しみです。初主演の真由ちゃんを、しっかり助けてあげてくださいね♪
う~ん、楽しみです。がんばってチケット取るぞ~~~!!
それにしても、だいもんの殷桃娘は誰がやるんでしょうね。男役?娘役?……主演が発表されると、他のメンバが気になる。知りたがりは人間の性なんだなあ…。
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ナチス台頭の時代~「キャバレー」と「カサブランカ」
2010年2月5日 ミュージカル・舞台 コメント (4)日生劇場にて、ミュージカル「キャバレー」を観てまいりました(だいぶ前に)。
別件ですが、東京芸術劇場の「蜘蛛女のキス」も観ました(^ ^)。
こちらは、キャスト・演出ともに大変素晴らしくて、ぜひぜひ皆様に観ていただきたいと思うのですが(←ちなみに、7日が千秋楽です/涙)、とにかく「キャバレー」の話は「カサブランカ」の楽前に書いてしまいたいので、そちらを先に。
ブロードウェイ・ミュージカル「キャバレー」。
原作はイギリス人作家クリストファ・イシャーウッドのドイツ旅行記「ベルリン物語」。主人公の一人であるクリフォード・ブラッドショー(阿部力)は、クリストファ自身なのでしょうか。
脚本はジョー・マステロフ。
作詞・作曲は「蜘蛛女のキス」「カーテンズ」「シカゴ」「ザ・リンク」のジョン・カンダー&フレッド・エッブ。
1966年の初演の演出はハロルド・プリンス。関係ないですが、初演の演出がハルだったことも「蜘蛛女のキス」との共通点なんですね♪
私はこの作品を過去に二回観ています。(ライザ・ミネリ主演の映画版は未見)
一回目は、MC:市村正親、サリー:前田美波里、クリフ:草刈正雄。正直、音楽は素晴らしくて感動したけど、作品としては「ふぅん」という感じでした。
二度目はブロードウェイのリバイバル版(サム・メンデス演出)。これは素晴らしかった。ラストの演出も印象的でしたし、なんといってもサリー役の女優が若くて可愛くて、ホントにステキだったの♪♪
で、今回のホリプロ上演ですが。
正直、あまり期待はしていませんでした。小池さんの演出というのに惹かれて観たのですが、観る前は『なにもこんな時期(「カサブランカ」と丸かぶり)にやらなくってもねぇ……』という気持ちで一杯でしたし、キャストを聞いたときの印象も、「……」という感じでしたので。
でも。
予想外に面白かったです!
「カサブランカ」と同時上演だったのも納得だったし。いやー、本当に、ぜひお隣に通っていた皆様にも観ていただきたかったわ…。
1929~30年という時代の、ベルリン。
第一次世界大戦に敗れ、何もかも喪ったドイツ。ヴェルサイユ条約の厳しい締め付けと賠償金の取立ては凄まじいインフレを引き起こし、ドイツの経済は事実上崩壊していました。
これを救ったのが、アメリカ資本。追い詰められたドイツが窮鼠となって猫に噛みつく(ソヴィエトと手を組む、とか)を怖れたアメリカは、賠償金の支払い条件の緩和を提案し、資本投下によってドイツ経済の復興を促します。
この資本投下は、アメリカン・バブルで資本に余裕ができた20年代半ばから世界恐慌の29年まで続き、ベルリンは奇跡的な復興を果たしてヨーロッパ屈指の芸術の都として花開きます。オペラハウス、劇場、映画館、キャバレー、、、娯楽施設がひしめきあい、性的にも比較的自由な、解放的な芸術都市。街中に溢れる芸術の匂いに惹かれて、世界中から自称“芸術家”たちが流れ込んでいました……。
同性愛者であったイシャーウッドも、そんな匂いに惹かれてベルリンを訪れた“芸術家”たちの一人だったのでしょうか。
原作となった短編集「ベルリン物語」の一篇、「サリー・ボウルズ」は、享楽的に男から男を渡り歩く女性・サリーが主人公。捕まえようのない彼女の姿は、当時の“ベルリン”そのものであるかのようです。そして、そんな『ベルリンそのもの』と恋を語るアメリカ人のクリフ(“自称”作家)もまた、愚かな蛾たちの一人だ、と。そんなふうに。
まあ、詳しいストーリーはホリプロさんの公式サイトを見ていただくとして。
観劇しながら、この『クリフ』というアメリカ人は、「カサブランカ」におけるアメリカ人観光客カーティスであり、ヒーロー志願だったリック(過去の)でもある んじゃないか、と思いました。
ある都市の「現実」に起こっている、『怖ろしい事態』。
1930年のベルリンではナチスの台頭であり、1941年のカサブランカではナチスの侵攻であるわけですが、これが進む中で、常に『部外者』であり、『帰るところ』がある男。それが、クリフであり、カーティスであり、リックでもあるんだな、と。
シュナイダーやシュルツ、あるいはリックのカフェの客たちや店の従業員たちにとっては、今生きている地が全て。だけどクリフは、カーティスは、リックは、エトランゼなんですよね。あくまでも今は“仮住まい”で、いずれ『居るべき場所』に戻る。そういうものがあるひとたち。
もしかしたらリックは、一度はカサブランカに定住しようと本気で思ったのかもしれません。でも多分、彼自身の本音の一番深いところでは、やっぱりそれを選んではいなかった、と思う。イルザやラズロとのことがなかったとしても、いずれは自ら傷を癒して戻っていっただろうな、と思うんですよね。
そして。
カーティスにとっては『帰る場所』=アメリカで良いけど、
リックにとっては『還る場所』=戦場、という違いがあるわけですが。
クリフにとっては、劇中では『還る場所』=アメリカだったはずなのに、ラストでいきなり引っ繰り返ったことが、非常に興味深い解釈だな、と思ったのでした。
言ってみれば、カーティスがいきなりリックになっちゃったんですよ(^ ^;ゞ それも、ラストの数分間で!!(@ @)
本編の物語が全て終わって、クリフがベルリンを出るために汽車に乗った後。
それは、物語の一番最初に、ベルリンへ向かう汽車の中でエルンスト(戸井勝海)に出会ったときの風景に良く似ているけれども、時は確実に流れていて。
うたた寝するクリフに忍び寄る、MCの影。
彼は、クリフを連れて、影たちのキャバレー(?)に向かう。
そのまま、影たちに迷彩服を着せられ、銃を渡されるクリフ。
差別されるシュルツに心を痛め、虐げられる人々を護ろうとしたクリフ。でも、彼はベルリンではただの観光客。どんなに同情しても、地元のひとびとにしてみれば、「勝手なことを」という感じですよね。
だって、彼らは必死なんですから。命が懸かっているんですから。
……ならば俺も、命を懸けてやろうか?
そんな単純なものではない、とは思います。もちろん。
でも、リックが武器の横流しを始めたきっかけなんて、もしかしたらそんな程度のものだったのかもしれません。
掌いっぱいに溢れた好奇心と、指先につまんで振りかけた正義感。そんな程度、の。
クリフは、ベルリンを出るときに棄てたつもりの愛を引き摺って、武器商人……いや、あの素直さでは武器商人はちょっと難しそうですが、レジスタンスにはなりそうですよね。
あるいは、クリフは“自称”作家なので、剣より強いはずのペンで闘うのかもしれませんが。
彼の前に、そういった途を敷いてあげるMCが、怖いと思いました。
そこまでは、別に何とも思っていなかったのですが。ラストのMCは、怖かったです。本当に。
神の手、あるいは、キャバレーの幽霊。妖精。そんな、非現実的な存在に見えてきて。
MCという存在の意味を、あらためて考えた公演でした……。
それでは、キャスト別に。
■サリー・ボウルズ(藤原紀香)
ベルリンのキャバレー「キット・カット・クラブ」の歌姫。まあ、あれですよ。『誰かに会いたければ、キット・カット・クラブに行けばいい』的な店の、看板、というわけです。
なのに。愛人だったクラブのオーナーと喧嘩して店もアパートも追い出され、知り合ったばかりのクリフの家に転がり込み、そのまま居ついてしまう。
彼女には目の前の現実しかみえなくて。享楽的で刹那的で、男から男へ、気楽に渡り歩いてきた。そんな彼女の前半生にショックを受けるクリフ。
そんな二人でも、時間がたてば子供ができて、その子供のために二人でがんばろう、と誓い合うが……
さすがの華やかさと超絶なスタイルの良さで、一見の価値はありました。歌も、歌姫と呼ぶにはちょっと弱いけど、まあ、あのくらい歌えていればタレントとしては十分な仕事をしていたと思います。
ただ、以前観た前田美波里さんもそうだったんですが、藤原さんも健康的で前向きな精神の持ち主であることが随所に垣間見えてしまうので、どう考えてもサリーのような選択をしそうにない(- -; という印象が否めなくて(涙)。
どうして日本ではああも健康的なキャラクターがサリーに回ってくるんでしょうね(T T)。
ああ、でも確かに、不健康な色っぽい系の破滅的なタイプで、「歌姫」と言われるだけの華やかさと歌唱力があって……って言われても、うーん、思いつかない……。
■クリフォード・ブラッドショー(阿部力)
容姿も芝居も歌も、すべてが「素直」の一言、という感じで、役には非常に合っていたような気がします。以前観た草刈さんがあまりにも濃ゆくて胸焼けがする感じだったので、このくらいサラッとした存在感のクリフもありだなあ、と思いました。
水のように、全てを受け容れ、赦して去っていくエトランゼ。その生活感の無さが、いかにも『外国人』らしくて良かったような気がします。手垢がついていない感じなんですよね。あれは彼の個性だと思うので、素直さを武器にご活躍いただきたいと思います。
■フロイライン・シュナイダー(杜けあき)
キャスティングを聞いたときの私の印象は、「事実上の主役はシュナイダーとシュルツの二人だな」でした……(^ ^;ゞ いやー、めっちゃ楽しみでした(はぁと)。
杜さんにとってもあそこまでの老け役は冒険だったんじゃないかと思うんですが、大地の女神のような重たさのある見事な芝居で、「キャバレー」という物語の一方の核としての役割を、きちんと果たしていたと思います。私の期待値のハードルは相当に高かったはずなのですが、それでも期待以上だった杜さんはさすがだな、と思います(*^ ^*)。
シュナイダーの選択は、当時の『ドイツ人』にとっては「普通の」選択、なんですよね。
それがどんなにか厳しい差別であり、『庶民』一人一人が、恐怖からそういう差別に加担することによって、差別する側にもされる側にも逃げ場がなくなっていく という現実はあるのですけれども、それでも、彼らはそうやって、自分の運命を「選択」していく。それは彼らの罪ではないのか?という疑問を抱えつつ。
当時はまだワイマール政権下。ナチスは台頭してきているとはいえ、ドイツ人とユダヤ人の結婚が表立って禁じられているわけでも、罪もないユダヤ人の財産が没収されたりといったことが罷り通っていたわけでも、まだ、ない。
それでも、確かに恐怖はあった。だから、アニーナとヤンが故郷を棄てたように、シュナイダーはシュルツを、彼女自身の生涯最後の恋を切り捨てる。
それでも彼女は、生きていくことを望むのです。
このベルリンで。今まで生きてきたとおりに。
今までと同じ時代は、もう間もなく終わるのに。
……そういう“時代の重み”を独りで、……いや、シュルツの木場さんと二人できちんと伝えてくれたのが凄いなあ、と。うん。歌も素晴らしかったし、(木場さんが巧いのに驚きました!もっとミュージカルに出てほしい!!)
本当に、大変良かったです(*^ ^*)。
■ヘル・シュルツ(木場勝己)
フロイライン・シュナイダーの恋人。ユダヤ人。
もう、木場さんが本当に素敵すぎてクラクラしました。……こないだ観たときは、無骨だけどヤることはしっかりヤってたタルボット卿(ヘンリー六世)だったのに!
なんて可愛いんでしょう。なんて素敵なんでしょう。
「……でも、私はドイツ人です」
その一言の重み、そこに籠められた明解な誇りが、とても胸に刺さります。木場さんだからこその、見事なシュルツでした。良いものを見せていただきました!
■フロイライン・コスト(高嶺ふぶき)
フロイライン・シュナイダーの下宿の下宿人。
生き延びるために、次から次と男を連れ込む娼婦同然の女。色っぽい化粧としどけないしぐさが珍しくて、思わず見入ってしまいました。歌も芝居もさすがで、とても良かったです♪
■エルンスト・ルートヴィヒ(戸井勝海)
ベルリンに向かう汽車の中でクリフと知り合うビジネスマン。実は、ナチスの党員。
とってもお似合いでした。そういえば、「ミス・サイゴン」ではトゥイでしたね♪
前半はちょっと企みすぎかな?とも思ったのですが、後半、シュナイダーとシュルツの結婚式での豹変ぶりをみると、あれでも大分抑えていたんだな、と思います。
もし万が一、「カサブランカ」を外部で上演することがあれば、シュトラッサーはこの人でお願いしたい!!この人の声で「シュトラッサーの屈辱」を聴いてみたいです(*^ ^*)。
■MC(諸星和己)
想像していたよりもずっと良くて、非常に感心しました。
私は光GENJI時代をほとんど知りませんが、いつの間にか、こんなに良い役者になってたんですね(@ @)。歌もダンスも、ミュージカルっぽくはないけれどもアイドルチックでもなくて、なんとなくMCという役の存在にあっているような気がしました。
「大好きな役をやっている!」という喜びが全身から溢れていて、素晴らしかったです。
……ローラースケートは、まあ、ファンサービスかな?(^ ^)。
アンサンブル陣もなかなか充実していたし、全体に小池さんらしいキャスティングだな、と思いました。「キャバレー」という作品のファンの方にとってはイロイロ思うところもおありでしょうけれども、なかなかに面白い試みだったと思います。
ぜひ、お隣の東京宝塚劇場とのコラボという斬新な試みに、付き合ってあげてくださいませ(^ ^)。
.
別件ですが、東京芸術劇場の「蜘蛛女のキス」も観ました(^ ^)。
こちらは、キャスト・演出ともに大変素晴らしくて、ぜひぜひ皆様に観ていただきたいと思うのですが(←ちなみに、7日が千秋楽です/涙)、とにかく「キャバレー」の話は「カサブランカ」の楽前に書いてしまいたいので、そちらを先に。
ブロードウェイ・ミュージカル「キャバレー」。
原作はイギリス人作家クリストファ・イシャーウッドのドイツ旅行記「ベルリン物語」。主人公の一人であるクリフォード・ブラッドショー(阿部力)は、クリストファ自身なのでしょうか。
脚本はジョー・マステロフ。
作詞・作曲は「蜘蛛女のキス」「カーテンズ」「シカゴ」「ザ・リンク」のジョン・カンダー&フレッド・エッブ。
1966年の初演の演出はハロルド・プリンス。関係ないですが、初演の演出がハルだったことも「蜘蛛女のキス」との共通点なんですね♪
私はこの作品を過去に二回観ています。(ライザ・ミネリ主演の映画版は未見)
一回目は、MC:市村正親、サリー:前田美波里、クリフ:草刈正雄。正直、音楽は素晴らしくて感動したけど、作品としては「ふぅん」という感じでした。
二度目はブロードウェイのリバイバル版(サム・メンデス演出)。これは素晴らしかった。ラストの演出も印象的でしたし、なんといってもサリー役の女優が若くて可愛くて、ホントにステキだったの♪♪
で、今回のホリプロ上演ですが。
正直、あまり期待はしていませんでした。小池さんの演出というのに惹かれて観たのですが、観る前は『なにもこんな時期(「カサブランカ」と丸かぶり)にやらなくってもねぇ……』という気持ちで一杯でしたし、キャストを聞いたときの印象も、「……」という感じでしたので。
でも。
予想外に面白かったです!
「カサブランカ」と同時上演だったのも納得だったし。いやー、本当に、ぜひお隣に通っていた皆様にも観ていただきたかったわ…。
1929~30年という時代の、ベルリン。
第一次世界大戦に敗れ、何もかも喪ったドイツ。ヴェルサイユ条約の厳しい締め付けと賠償金の取立ては凄まじいインフレを引き起こし、ドイツの経済は事実上崩壊していました。
これを救ったのが、アメリカ資本。追い詰められたドイツが窮鼠となって猫に噛みつく(ソヴィエトと手を組む、とか)を怖れたアメリカは、賠償金の支払い条件の緩和を提案し、資本投下によってドイツ経済の復興を促します。
この資本投下は、アメリカン・バブルで資本に余裕ができた20年代半ばから世界恐慌の29年まで続き、ベルリンは奇跡的な復興を果たしてヨーロッパ屈指の芸術の都として花開きます。オペラハウス、劇場、映画館、キャバレー、、、娯楽施設がひしめきあい、性的にも比較的自由な、解放的な芸術都市。街中に溢れる芸術の匂いに惹かれて、世界中から自称“芸術家”たちが流れ込んでいました……。
同性愛者であったイシャーウッドも、そんな匂いに惹かれてベルリンを訪れた“芸術家”たちの一人だったのでしょうか。
原作となった短編集「ベルリン物語」の一篇、「サリー・ボウルズ」は、享楽的に男から男を渡り歩く女性・サリーが主人公。捕まえようのない彼女の姿は、当時の“ベルリン”そのものであるかのようです。そして、そんな『ベルリンそのもの』と恋を語るアメリカ人のクリフ(“自称”作家)もまた、愚かな蛾たちの一人だ、と。そんなふうに。
まあ、詳しいストーリーはホリプロさんの公式サイトを見ていただくとして。
観劇しながら、この『クリフ』というアメリカ人は、「カサブランカ」におけるアメリカ人観光客カーティスであり、ヒーロー志願だったリック(過去の)でもある んじゃないか、と思いました。
ある都市の「現実」に起こっている、『怖ろしい事態』。
1930年のベルリンではナチスの台頭であり、1941年のカサブランカではナチスの侵攻であるわけですが、これが進む中で、常に『部外者』であり、『帰るところ』がある男。それが、クリフであり、カーティスであり、リックでもあるんだな、と。
シュナイダーやシュルツ、あるいはリックのカフェの客たちや店の従業員たちにとっては、今生きている地が全て。だけどクリフは、カーティスは、リックは、エトランゼなんですよね。あくまでも今は“仮住まい”で、いずれ『居るべき場所』に戻る。そういうものがあるひとたち。
もしかしたらリックは、一度はカサブランカに定住しようと本気で思ったのかもしれません。でも多分、彼自身の本音の一番深いところでは、やっぱりそれを選んではいなかった、と思う。イルザやラズロとのことがなかったとしても、いずれは自ら傷を癒して戻っていっただろうな、と思うんですよね。
そして。
カーティスにとっては『帰る場所』=アメリカで良いけど、
リックにとっては『還る場所』=戦場、という違いがあるわけですが。
クリフにとっては、劇中では『還る場所』=アメリカだったはずなのに、ラストでいきなり引っ繰り返ったことが、非常に興味深い解釈だな、と思ったのでした。
言ってみれば、カーティスがいきなりリックになっちゃったんですよ(^ ^;ゞ それも、ラストの数分間で!!(@ @)
本編の物語が全て終わって、クリフがベルリンを出るために汽車に乗った後。
それは、物語の一番最初に、ベルリンへ向かう汽車の中でエルンスト(戸井勝海)に出会ったときの風景に良く似ているけれども、時は確実に流れていて。
うたた寝するクリフに忍び寄る、MCの影。
彼は、クリフを連れて、影たちのキャバレー(?)に向かう。
そのまま、影たちに迷彩服を着せられ、銃を渡されるクリフ。
差別されるシュルツに心を痛め、虐げられる人々を護ろうとしたクリフ。でも、彼はベルリンではただの観光客。どんなに同情しても、地元のひとびとにしてみれば、「勝手なことを」という感じですよね。
だって、彼らは必死なんですから。命が懸かっているんですから。
……ならば俺も、命を懸けてやろうか?
そんな単純なものではない、とは思います。もちろん。
でも、リックが武器の横流しを始めたきっかけなんて、もしかしたらそんな程度のものだったのかもしれません。
掌いっぱいに溢れた好奇心と、指先につまんで振りかけた正義感。そんな程度、の。
クリフは、ベルリンを出るときに棄てたつもりの愛を引き摺って、武器商人……いや、あの素直さでは武器商人はちょっと難しそうですが、レジスタンスにはなりそうですよね。
あるいは、クリフは“自称”作家なので、剣より強いはずのペンで闘うのかもしれませんが。
彼の前に、そういった途を敷いてあげるMCが、怖いと思いました。
そこまでは、別に何とも思っていなかったのですが。ラストのMCは、怖かったです。本当に。
神の手、あるいは、キャバレーの幽霊。妖精。そんな、非現実的な存在に見えてきて。
MCという存在の意味を、あらためて考えた公演でした……。
それでは、キャスト別に。
■サリー・ボウルズ(藤原紀香)
ベルリンのキャバレー「キット・カット・クラブ」の歌姫。まあ、あれですよ。『誰かに会いたければ、キット・カット・クラブに行けばいい』的な店の、看板、というわけです。
なのに。愛人だったクラブのオーナーと喧嘩して店もアパートも追い出され、知り合ったばかりのクリフの家に転がり込み、そのまま居ついてしまう。
彼女には目の前の現実しかみえなくて。享楽的で刹那的で、男から男へ、気楽に渡り歩いてきた。そんな彼女の前半生にショックを受けるクリフ。
そんな二人でも、時間がたてば子供ができて、その子供のために二人でがんばろう、と誓い合うが……
さすがの華やかさと超絶なスタイルの良さで、一見の価値はありました。歌も、歌姫と呼ぶにはちょっと弱いけど、まあ、あのくらい歌えていればタレントとしては十分な仕事をしていたと思います。
ただ、以前観た前田美波里さんもそうだったんですが、藤原さんも健康的で前向きな精神の持ち主であることが随所に垣間見えてしまうので、どう考えてもサリーのような選択をしそうにない(- -; という印象が否めなくて(涙)。
どうして日本ではああも健康的なキャラクターがサリーに回ってくるんでしょうね(T T)。
ああ、でも確かに、不健康な色っぽい系の破滅的なタイプで、「歌姫」と言われるだけの華やかさと歌唱力があって……って言われても、うーん、思いつかない……。
■クリフォード・ブラッドショー(阿部力)
容姿も芝居も歌も、すべてが「素直」の一言、という感じで、役には非常に合っていたような気がします。以前観た草刈さんがあまりにも濃ゆくて胸焼けがする感じだったので、このくらいサラッとした存在感のクリフもありだなあ、と思いました。
水のように、全てを受け容れ、赦して去っていくエトランゼ。その生活感の無さが、いかにも『外国人』らしくて良かったような気がします。手垢がついていない感じなんですよね。あれは彼の個性だと思うので、素直さを武器にご活躍いただきたいと思います。
■フロイライン・シュナイダー(杜けあき)
キャスティングを聞いたときの私の印象は、「事実上の主役はシュナイダーとシュルツの二人だな」でした……(^ ^;ゞ いやー、めっちゃ楽しみでした(はぁと)。
杜さんにとってもあそこまでの老け役は冒険だったんじゃないかと思うんですが、大地の女神のような重たさのある見事な芝居で、「キャバレー」という物語の一方の核としての役割を、きちんと果たしていたと思います。私の期待値のハードルは相当に高かったはずなのですが、それでも期待以上だった杜さんはさすがだな、と思います(*^ ^*)。
シュナイダーの選択は、当時の『ドイツ人』にとっては「普通の」選択、なんですよね。
それがどんなにか厳しい差別であり、『庶民』一人一人が、恐怖からそういう差別に加担することによって、差別する側にもされる側にも逃げ場がなくなっていく という現実はあるのですけれども、それでも、彼らはそうやって、自分の運命を「選択」していく。それは彼らの罪ではないのか?という疑問を抱えつつ。
当時はまだワイマール政権下。ナチスは台頭してきているとはいえ、ドイツ人とユダヤ人の結婚が表立って禁じられているわけでも、罪もないユダヤ人の財産が没収されたりといったことが罷り通っていたわけでも、まだ、ない。
それでも、確かに恐怖はあった。だから、アニーナとヤンが故郷を棄てたように、シュナイダーはシュルツを、彼女自身の生涯最後の恋を切り捨てる。
それでも彼女は、生きていくことを望むのです。
このベルリンで。今まで生きてきたとおりに。
今までと同じ時代は、もう間もなく終わるのに。
……そういう“時代の重み”を独りで、……いや、シュルツの木場さんと二人できちんと伝えてくれたのが凄いなあ、と。うん。歌も素晴らしかったし、(木場さんが巧いのに驚きました!もっとミュージカルに出てほしい!!)
本当に、大変良かったです(*^ ^*)。
■ヘル・シュルツ(木場勝己)
フロイライン・シュナイダーの恋人。ユダヤ人。
もう、木場さんが本当に素敵すぎてクラクラしました。……こないだ観たときは、無骨だけどヤることはしっかりヤってたタルボット卿(ヘンリー六世)だったのに!
なんて可愛いんでしょう。なんて素敵なんでしょう。
「……でも、私はドイツ人です」
その一言の重み、そこに籠められた明解な誇りが、とても胸に刺さります。木場さんだからこその、見事なシュルツでした。良いものを見せていただきました!
■フロイライン・コスト(高嶺ふぶき)
フロイライン・シュナイダーの下宿の下宿人。
生き延びるために、次から次と男を連れ込む娼婦同然の女。色っぽい化粧としどけないしぐさが珍しくて、思わず見入ってしまいました。歌も芝居もさすがで、とても良かったです♪
■エルンスト・ルートヴィヒ(戸井勝海)
ベルリンに向かう汽車の中でクリフと知り合うビジネスマン。実は、ナチスの党員。
とってもお似合いでした。そういえば、「ミス・サイゴン」ではトゥイでしたね♪
前半はちょっと企みすぎかな?とも思ったのですが、後半、シュナイダーとシュルツの結婚式での豹変ぶりをみると、あれでも大分抑えていたんだな、と思います。
もし万が一、「カサブランカ」を外部で上演することがあれば、シュトラッサーはこの人でお願いしたい!!この人の声で「シュトラッサーの屈辱」を聴いてみたいです(*^ ^*)。
■MC(諸星和己)
想像していたよりもずっと良くて、非常に感心しました。
私は光GENJI時代をほとんど知りませんが、いつの間にか、こんなに良い役者になってたんですね(@ @)。歌もダンスも、ミュージカルっぽくはないけれどもアイドルチックでもなくて、なんとなくMCという役の存在にあっているような気がしました。
「大好きな役をやっている!」という喜びが全身から溢れていて、素晴らしかったです。
……ローラースケートは、まあ、ファンサービスかな?(^ ^)。
アンサンブル陣もなかなか充実していたし、全体に小池さんらしいキャスティングだな、と思いました。「キャバレー」という作品のファンの方にとってはイロイロ思うところもおありでしょうけれども、なかなかに面白い試みだったと思います。
ぜひ、お隣の東京宝塚劇場とのコラボという斬新な試みに、付き合ってあげてくださいませ(^ ^)。
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「カサブランカ」小ネタ【2】
2010年2月6日 宝塚(宙)年明け以来、すっかり耽溺していた宙組公演「カサブランカ」も、いよいよ明日で千秋楽。
大劇場ではいろいろあったこの公演も、なんとか東宝は休演無しで乗り切れそうで、ホッとしています。
萬さん、(安里)舞生さん、どうぞ最後の舞台を愉しんで、素敵な思い出をたくさんつくってくださいね。私も集中して、幕が降りる最後の一瞬まで見守りたいと思っています。
あれだけ観ているのに、今日観てもまだ新しい発見がある作品。
何度も書いていますが、小池さんには感謝の言葉しかありません。ありがとう。本当にありがとう。
舞台はナマモノなんだな、というのをこんなに強く思ったのは久しぶりです。誰一人段取りのひとがいない。みんなが1941年のカサブランカで好き勝手に生きていて、その人間模様が面白くて面白くて……。
たとえば、バザールの買い物風景。あれは日替わりの小芝居とか言うものではないんですよね。みんな、本当に勝手に動いているんだもん(^ ^)。それなりに秩序をもってちゃんと芝居が流れているのが不思議なくらい、勝手なことをしているひとたち。しかも、皆毎日すごい買物量なんですけど、どんだけ金持ちなのよ…?
今日の新しい発見は……たくさんあったんですけど(^ ^)、すっごい今更な発見を一つ語ってもいいですか?
なんだか、一部の方にとってはめちゃくちゃ当たり前で何を今更、な感じなのかも……しれませんが(ドキドキ)
2幕 第14場 リックの店(深夜)。
巴里の思い出をよみがえらせて、心を通じ合わせた二人。
「だが、彼は君を喪う」
呟きながら、イルザに背をむけてブランディグラスを手に取るリック。
「もう私、あなたから逃げられない……」
悄然と呟いて、力なく椅子に座り込むイルザ。
酒をグラスに注いで、ふりかえるリック。
寂しげに俯いたイルザを見て、ふと足がとまり、表情が変わる………。
あ、このときにリックは決心したんだな、と。
そう思いました。
イルザは間違いなく自分を愛していて、だからこそ今こんなに苦しんでいるんだ、という真実に気づいて。
だったら、彼女を救えるのは自分だけなのかもしれない、と、
……そういう貌をしていました。祐飛さんは。
ホントに、立ち止まったほんの一瞬の、刹那のことですけれども。
永遠のような一瞬が過ぎて、すぐに平静な貌に戻ったリックは、数歩進んでイルザにグラスを渡す。
「さあ……、俺は君を、見凝めているんだよ…?」
リックの傷は、この瞬間に癒えたのかもしれない、と、
そんなことも。
すみません…………
実は今まで、この場面はずっとイルザしか観てなかったことに、今日気づきました。
……誰のファンだよお前(←宝塚のファンです)
明日は二回公演。
えっと。
なるべく視界を広く持ちつつ、リックさんから眼をそらさずに、「彼を見凝めて」いたいなあ、と思っています。
……千秋楽にもなって、新しい発見がてんこ盛りだったりしたらどうしよう(滝汗)。
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大劇場ではいろいろあったこの公演も、なんとか東宝は休演無しで乗り切れそうで、ホッとしています。
萬さん、(安里)舞生さん、どうぞ最後の舞台を愉しんで、素敵な思い出をたくさんつくってくださいね。私も集中して、幕が降りる最後の一瞬まで見守りたいと思っています。
あれだけ観ているのに、今日観てもまだ新しい発見がある作品。
何度も書いていますが、小池さんには感謝の言葉しかありません。ありがとう。本当にありがとう。
舞台はナマモノなんだな、というのをこんなに強く思ったのは久しぶりです。誰一人段取りのひとがいない。みんなが1941年のカサブランカで好き勝手に生きていて、その人間模様が面白くて面白くて……。
たとえば、バザールの買い物風景。あれは日替わりの小芝居とか言うものではないんですよね。みんな、本当に勝手に動いているんだもん(^ ^)。それなりに秩序をもってちゃんと芝居が流れているのが不思議なくらい、勝手なことをしているひとたち。しかも、皆毎日すごい買物量なんですけど、どんだけ金持ちなのよ…?
今日の新しい発見は……たくさんあったんですけど(^ ^)、すっごい今更な発見を一つ語ってもいいですか?
なんだか、一部の方にとってはめちゃくちゃ当たり前で何を今更、な感じなのかも……しれませんが(ドキドキ)
2幕 第14場 リックの店(深夜)。
巴里の思い出をよみがえらせて、心を通じ合わせた二人。
「だが、彼は君を喪う」
呟きながら、イルザに背をむけてブランディグラスを手に取るリック。
「もう私、あなたから逃げられない……」
悄然と呟いて、力なく椅子に座り込むイルザ。
酒をグラスに注いで、ふりかえるリック。
寂しげに俯いたイルザを見て、ふと足がとまり、表情が変わる………。
あ、このときにリックは決心したんだな、と。
そう思いました。
イルザは間違いなく自分を愛していて、だからこそ今こんなに苦しんでいるんだ、という真実に気づいて。
だったら、彼女を救えるのは自分だけなのかもしれない、と、
……そういう貌をしていました。祐飛さんは。
ホントに、立ち止まったほんの一瞬の、刹那のことですけれども。
永遠のような一瞬が過ぎて、すぐに平静な貌に戻ったリックは、数歩進んでイルザにグラスを渡す。
「さあ……、俺は君を、見凝めているんだよ…?」
リックの傷は、この瞬間に癒えたのかもしれない、と、
そんなことも。
すみません…………
実は今まで、この場面はずっとイルザしか観てなかったことに、今日気づきました。
……誰のファンだよお前(←宝塚のファンです)
明日は二回公演。
えっと。
なるべく視界を広く持ちつつ、リックさんから眼をそらさずに、「彼を見凝めて」いたいなあ、と思っています。
……千秋楽にもなって、新しい発見がてんこ盛りだったりしたらどうしよう(滝汗)。
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「カサブランカ」千秋楽
2010年2月7日 宝塚(宙) コメント (8)東京宝塚劇場宙組公演「カサブランカ」が、千秋楽を迎えました。
萬あきらさん、
安里舞生ちゃん、
ご卒業おめでとうございますm(_ _)m。
一ヶ月公演って短いなあ……(T T)。
本当に、あっという間でした。すっかり嵌っていたので、今、とても寂しいです。
昼の部は、今まで観た中で、芝居としては一番良かった、と思いました。
ちょっと体力的に無理が続いていたため、集中できるか非常に不安だったのですが、ものすごく引き込まれて、夢中になって観ているうちに、あっという間に終わってしまいました。
誰がどうこうというのではなく、宙組全体がピンっと張り詰めた綱の上を走っているかのような危うい緊迫感のようなものがあって、「カサブランカ」の世界を覆う不安の翳がすごく出ていたと思います。
それ以外の細かい部分の芝居については、なんというか……ひどくシンプルな、原点に戻った感があって。磨きぬかれた珠のような、底光りする印象、とでもいうのでしょうか。
……フィナーレはちょっとぐたぐたでしたけどね、祐飛さん(汗)。
千秋楽は。
昼に吹っ飛んでいた部分が少し落ち着いて、全体に端正な出来だったように思います。
世界全体を覆う不安の翳りが、ほんの少し前向きな意思に変換されて、明るい光の射すラストだったように思います。
「パリの思い出がある」
の言い方とか、リックがまた一際優しくなって、むしろラズロの孤高が際立つ構造になっていた……とまで言ったら、妄想かもしれませんが(汗)。リックの優しさに涙が出ました。
「俺たちの仲はパリで終わっている」
とか、も。
そして、蘭トムさんの
「あなたも、我々の仲間です」
の言い方が、少し変わったように思いました。なにが、と問われると答えられないのですが。
先日まではあんな言い方じゃなかったような……?
すべてを飲み込んで、リックの孤独を受け入れるところが、すごく好きです。
今日で宝塚を卒業するお二人は、なんだかもう、キラキラしすぎてて眩しかった。
警官役は、いつもどおりにしっかりと勤め上げた舞生ちゃん。
小さくて綺麗なお顔に髭がとても良く似合って、本当に、人形のように可愛らしいのに、誰よりも力強く走って、撃って、捕まえて、ロールペーパーを投げて(笑)と忙しくされていました。
さっつん(風羽玲亜)とのコンビネーションもばっちりで、結局私が観た時で「ボスのモットー」を失敗したことは無かったんじゃないかな?(^ ^)。
ラ・ベル・オーロールの客は、前半はいつもどおり、でも舞生ちゃん自身はいつも以上に明るい笑顔を振り撒いていたのですが。
蒼羽りくちゃんがイルザに手紙を届け、イルザがショックを受けて倒れた後。いったん倒れた女性(イルザ)を心配してそのテーブルの周りに集まった客たちが、どうやら大丈夫らしいと見極めて三々五々席に戻る時(このとき大幅な席替えがある)、さっつんがいきなり舞生ちゃんに抱きついるように見えて、すごく吃驚しました。一階席だったので、群衆の後ろであまりよく見えなかったのですが(T T)、どうなっていたのかご存知の方、ぜひ教えてくださいませ。
その後、カンカンが終わってまっぷー(松風輝)のテーブルに移った後も、とにかく通りがかる人々や、隣のテーブルでやさぐれていたえなちゃん(月映樹茉)とか、とにかく近くにいる人がみんな何かしら舞生ちゃんにちょっかいをかけていくのが、なんだかもう……
そのひとつひとつに、嬉しそうに応えていた舞生ちゃんの笑顔に、涙が止まらなくて困りました。もっとちゃんと観たいのにー。
で。最後の方で、、そんな様子を笑って眺めていたまっぷーがいきなり真顔になって、握手を求めてきた ときには、ちょっと舞生ちゃんもうるっときていたような気がします。
……その後すぐに、支配人(光海舞人)が「フランス軍がパリを撤退しました!」というニュースを言いに来てしまうので、まっぷーは(次の場面の準備のために)慌てて駆け出していってしまいましたが(^ ^;。
フィナーレのムーア人のダンスでは、白っぽい花を胸につけて、弾けて踊ってました(T T)。
本当に、毎回思うので毎回書いてますけれども。
どうして、卒業する人ってああも輝くのでしょうね。
舞生ちゃんは、元々綺麗な人だし、ダンスは得意なんでしょうけれども、それにしても綺麗で、キラキラしていました。
パレードはラ・ベル・オーロールの黒燕尾に花をつけて、笑顔で。一緒に降りてくる天輝トニカちゃんとか、上手花道にそろう92期が結構のきなみ涙目な感じだったのに、舞生ちゃん一人「超・笑顔♪」だったのが面白かったです。
いったん花道に並んで、スターさんたちが銀橋に並ぶときにハケるんだろうと思っていたのに、階段を降りて、そのまま袖に引っ込んでしまったことに驚きました(涙)。花道をガン見しようと思っていたのに~~(T T)。
組長さんの挨拶での、『今までで印象に残った作品・役』。
・「維新回天竜馬伝」新人公演 竜馬の影
・「殉情」 八兵衛
・「パラダイス・プリンス」 新人公演 スチュワートの子供時代と、Jr.
・「ダンシング・フォー・ユー」全体(たくさん踊らせてもらったから)
・「逆転裁判2」 手下
・「カサブランカ」 警官
・「カサブランカ」新人公演 エミール
エミールについては、「初めての通し役。信じられない気持ちと嬉しさで胸がいっぱいだった」というコメントもあって、エミールが来たからには、次もあっただろうに、もうちょっと続けてほしかったよ…………と、とっても今更で身勝手なことを改めて思ったりしました(泣)。
組長さんの「まうちゃ~ん」という呼びかけに、「はぁーーーいっ!」と元気に応えて、上手の袖から、トップさんの大きな羽の後ろを通って登場した舞生ちゃん。
研4っていうのは、まだ大階段も降りられない学年なんですね。……ああ、せめてもう一作(悔)
組からの花は、蘭トムさんから。同期からのお花は、代表して百千糸ちゃんから。両方あわせるとト音記号になる、ピンク系の可愛いお花でした(はぁと)
「宝塚。私にとって、夢のような場所」
高くて細いけれどもキリリと澄んだ、よく通る声。エミール役でしか声を聞いたことがない(; ;)ので、素の声がすごく新鮮。
「一緒に笑い合える下級生の皆と出会い、いつも優しく包み込んでくださる上級生のみなさまと出会い、どんなときも手を取り合って乗り越えてきた同期の皆と出会い、そして、いつも温かい拍手で応援し、見守りつづけてくださったくれたファンの皆様と出会い……」
一生懸命喋ってる。可愛いなあ(T T)。
「こんなに広い世界で、出会えたことは奇跡です。
皆様に出会えたからこそ、私も輝けました。出会えたすべての皆様へ、会えて本当に良かった。いまとっても幸せです。本当に、ありがとうございました。」
家族への感謝の言葉もはさみながら、しっかりと笑顔で締めくくって。
想像していたより落ち着いていて、頭が良くて表現力のある人なんだな、と思いました。
ご卒業されて、これからどんな道を歩まれるご予定なのかわかりませんが、これからも舞生ちゃんらしく歩いて、たくさんの素敵と出会われますように。
舞生ちゃんの笑顔があれば、怖いものはないような気がします。どうぞ、がんばってくださいね。
萬さんの、サム。
11時の部の最初のカフェの場面で、ドアマン(風馬翔)がドアをあけて、盆が回って、萬さんサムの歌が聞こえてきた瞬間から大きな拍手が(涙)。
#一瞬、ドアをあけて出てきた翔くんに拍手が入ったのかと思って驚きましたが(笑)
千秋楽の萬さんが、パレードでは化粧替えして黒燕尾で降りておいでになる、というのは、話には聞いていましたし、ニュース映像でも視ていたはずなのですが。
それでも、あらためて実際にこの眼で観ると、ものすごい感動!!で。
ピシっとキメた黒燕尾の似合うこと。40年間磨きぬいてきた美しさを、宙組っ子もしっかりと受け止めて、継いでいってほしいな、と思いました。
組長さんの掛け声にあわせて、組子全員で「ケイさ~ん!」と呼びかけると、緑の袴で降りてこられた萬さんが、ゆっくりと大階段の真ん中で一礼する。
組からの花は祐飛さん、専科からの花は磯野さん、同期からの花は、OGの東千晃さん。カサブランカの大枝を三本、さりげなく抱えて、笑顔で。
「夢に出会い、夢に生き、、、そして、本当に夢が醒める時が来ました。最高に幸せです」
清しい笑顔、優しい声。
「大空祐飛、野々すみ花のトップお披露目、新生宙組のメンバーとの出会い、『カサブランカ』という作品や、サムという役との出会い、、、、すべてが幸せです。この幸せを与えてくださったみなさま全員、本当に感謝しています。本当にありがとうございました」
大拍手。
……で終わるかと思いきや。さらに続く、名調子。
「退団するこのときになって、こんなにも宝塚を愛している自分に驚きました。これからは皆様と一緒に、宝塚を応援したいと思います」
「みんな、素晴らしい資質を持った子ばかり。これからもこの仲間たちが伸びやかに舞台を勤められますよう、温かく、そして時には厳しく、見守ってあげてください」
宙組ファンとしても、すごくありがたい、嬉しいご挨拶でした。
こちらこそ、いつも素敵な『男役』を見せてくださったケイさんには、感謝の言葉もありません(T T)。
しっかし……ケイさんから観ても、宙組っ子は「奇跡的にピュア」なのね(^ ^)。
最後に、祐飛さんからのご挨拶。
「東京のこの場所で、この大きな劇場で、この作品をたくさんの方々の前で上演でき、思い切り表現できる喜びを、毎日噛み締めていました」
関係者すべてへの感謝の言葉をはさみつつ。
「ケイさんに教えていただいた男役の素晴らしさ、宝塚の魅力を大切に受け止めて、これからも歩んでいきます」
ケイさんへの感謝を述べる祐飛さん。
「卒業生の幸せそうな笑顔を見ていて、宝塚の魅力って何だろう?と考えました。宝塚しか知らない私には、本当の意味では宝塚の良さってわからないのですが、でも、私にとって宝塚は夢の世界で、その夢のためであれば、全てを懸けても悔いはありません。
この宝塚の魅力を、独りでも多くの方にお伝えできるよう、これからも精進してまいります!」
本日はありがとうございました、と締めくくりながら、祐飛さんの瞳も随分うるんでいるな、と思いました。
カーテンコールの途中から一階はスタンディング。
何回目かに、祐飛さんと卒業生二人の3人でのご挨拶で、祐飛さんが頬のマイクを差し出して卒業生二人に何か喋らせようとしたとき。
舞生ちゃんは、よく通る大きな声で「私は幸せ者です!」
ケイさんは、一度やりかけてちょっと笑っちゃったのですが、仕切りなおして
「誰がhappy?」
と、男役のセクシーボイスで囁いてくださいました。
祐飛さんが、珍しく撃沈してた……(^ ^)
その次は、祐飛さん一人で。
「皆さんの瞳に乾杯!」と、笑顔で乾杯の仕草をしてから、仲間たちを呼んで、ご挨拶してくれました。
素晴らしい作品で、楽しい公演でした。
祐飛さんではありませんが、この作品に関わってくださった皆様全員に、お礼を言ってまわりたい気分です。
ありがとう。幸せを、本当にありがとう。
今週はさっそく、たまちゃん(天羽珠起)のイゾラベッラ・コンサートがありますね。
さすがに行けませんが、がんばってください&楽しいコンサートになりますように(はぁと)。
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萬あきらさん、
安里舞生ちゃん、
ご卒業おめでとうございますm(_ _)m。
一ヶ月公演って短いなあ……(T T)。
本当に、あっという間でした。すっかり嵌っていたので、今、とても寂しいです。
昼の部は、今まで観た中で、芝居としては一番良かった、と思いました。
ちょっと体力的に無理が続いていたため、集中できるか非常に不安だったのですが、ものすごく引き込まれて、夢中になって観ているうちに、あっという間に終わってしまいました。
誰がどうこうというのではなく、宙組全体がピンっと張り詰めた綱の上を走っているかのような危うい緊迫感のようなものがあって、「カサブランカ」の世界を覆う不安の翳がすごく出ていたと思います。
それ以外の細かい部分の芝居については、なんというか……ひどくシンプルな、原点に戻った感があって。磨きぬかれた珠のような、底光りする印象、とでもいうのでしょうか。
……フィナーレはちょっとぐたぐたでしたけどね、祐飛さん(汗)。
千秋楽は。
昼に吹っ飛んでいた部分が少し落ち着いて、全体に端正な出来だったように思います。
世界全体を覆う不安の翳りが、ほんの少し前向きな意思に変換されて、明るい光の射すラストだったように思います。
「パリの思い出がある」
の言い方とか、リックがまた一際優しくなって、むしろラズロの孤高が際立つ構造になっていた……とまで言ったら、妄想かもしれませんが(汗)。リックの優しさに涙が出ました。
「俺たちの仲はパリで終わっている」
とか、も。
そして、蘭トムさんの
「あなたも、我々の仲間です」
の言い方が、少し変わったように思いました。なにが、と問われると答えられないのですが。
先日まではあんな言い方じゃなかったような……?
すべてを飲み込んで、リックの孤独を受け入れるところが、すごく好きです。
今日で宝塚を卒業するお二人は、なんだかもう、キラキラしすぎてて眩しかった。
警官役は、いつもどおりにしっかりと勤め上げた舞生ちゃん。
小さくて綺麗なお顔に髭がとても良く似合って、本当に、人形のように可愛らしいのに、誰よりも力強く走って、撃って、捕まえて、ロールペーパーを投げて(笑)と忙しくされていました。
さっつん(風羽玲亜)とのコンビネーションもばっちりで、結局私が観た時で「ボスのモットー」を失敗したことは無かったんじゃないかな?(^ ^)。
ラ・ベル・オーロールの客は、前半はいつもどおり、でも舞生ちゃん自身はいつも以上に明るい笑顔を振り撒いていたのですが。
蒼羽りくちゃんがイルザに手紙を届け、イルザがショックを受けて倒れた後。いったん倒れた女性(イルザ)を心配してそのテーブルの周りに集まった客たちが、どうやら大丈夫らしいと見極めて三々五々席に戻る時(このとき大幅な席替えがある)、さっつんがいきなり舞生ちゃんに抱きついるように見えて、すごく吃驚しました。一階席だったので、群衆の後ろであまりよく見えなかったのですが(T T)、どうなっていたのかご存知の方、ぜひ教えてくださいませ。
その後、カンカンが終わってまっぷー(松風輝)のテーブルに移った後も、とにかく通りがかる人々や、隣のテーブルでやさぐれていたえなちゃん(月映樹茉)とか、とにかく近くにいる人がみんな何かしら舞生ちゃんにちょっかいをかけていくのが、なんだかもう……
そのひとつひとつに、嬉しそうに応えていた舞生ちゃんの笑顔に、涙が止まらなくて困りました。もっとちゃんと観たいのにー。
で。最後の方で、、そんな様子を笑って眺めていたまっぷーがいきなり真顔になって、握手を求めてきた ときには、ちょっと舞生ちゃんもうるっときていたような気がします。
……その後すぐに、支配人(光海舞人)が「フランス軍がパリを撤退しました!」というニュースを言いに来てしまうので、まっぷーは(次の場面の準備のために)慌てて駆け出していってしまいましたが(^ ^;。
フィナーレのムーア人のダンスでは、白っぽい花を胸につけて、弾けて踊ってました(T T)。
本当に、毎回思うので毎回書いてますけれども。
どうして、卒業する人ってああも輝くのでしょうね。
舞生ちゃんは、元々綺麗な人だし、ダンスは得意なんでしょうけれども、それにしても綺麗で、キラキラしていました。
パレードはラ・ベル・オーロールの黒燕尾に花をつけて、笑顔で。一緒に降りてくる天輝トニカちゃんとか、上手花道にそろう92期が結構のきなみ涙目な感じだったのに、舞生ちゃん一人「超・笑顔♪」だったのが面白かったです。
いったん花道に並んで、スターさんたちが銀橋に並ぶときにハケるんだろうと思っていたのに、階段を降りて、そのまま袖に引っ込んでしまったことに驚きました(涙)。花道をガン見しようと思っていたのに~~(T T)。
組長さんの挨拶での、『今までで印象に残った作品・役』。
・「維新回天竜馬伝」新人公演 竜馬の影
・「殉情」 八兵衛
・「パラダイス・プリンス」 新人公演 スチュワートの子供時代と、Jr.
・「ダンシング・フォー・ユー」全体(たくさん踊らせてもらったから)
・「逆転裁判2」 手下
・「カサブランカ」 警官
・「カサブランカ」新人公演 エミール
エミールについては、「初めての通し役。信じられない気持ちと嬉しさで胸がいっぱいだった」というコメントもあって、エミールが来たからには、次もあっただろうに、もうちょっと続けてほしかったよ…………と、とっても今更で身勝手なことを改めて思ったりしました(泣)。
組長さんの「まうちゃ~ん」という呼びかけに、「はぁーーーいっ!」と元気に応えて、上手の袖から、トップさんの大きな羽の後ろを通って登場した舞生ちゃん。
研4っていうのは、まだ大階段も降りられない学年なんですね。……ああ、せめてもう一作(悔)
組からの花は、蘭トムさんから。同期からのお花は、代表して百千糸ちゃんから。両方あわせるとト音記号になる、ピンク系の可愛いお花でした(はぁと)
「宝塚。私にとって、夢のような場所」
高くて細いけれどもキリリと澄んだ、よく通る声。エミール役でしか声を聞いたことがない(; ;)ので、素の声がすごく新鮮。
「一緒に笑い合える下級生の皆と出会い、いつも優しく包み込んでくださる上級生のみなさまと出会い、どんなときも手を取り合って乗り越えてきた同期の皆と出会い、そして、いつも温かい拍手で応援し、見守りつづけてくださったくれたファンの皆様と出会い……」
一生懸命喋ってる。可愛いなあ(T T)。
「こんなに広い世界で、出会えたことは奇跡です。
皆様に出会えたからこそ、私も輝けました。出会えたすべての皆様へ、会えて本当に良かった。いまとっても幸せです。本当に、ありがとうございました。」
家族への感謝の言葉もはさみながら、しっかりと笑顔で締めくくって。
想像していたより落ち着いていて、頭が良くて表現力のある人なんだな、と思いました。
ご卒業されて、これからどんな道を歩まれるご予定なのかわかりませんが、これからも舞生ちゃんらしく歩いて、たくさんの素敵と出会われますように。
舞生ちゃんの笑顔があれば、怖いものはないような気がします。どうぞ、がんばってくださいね。
萬さんの、サム。
11時の部の最初のカフェの場面で、ドアマン(風馬翔)がドアをあけて、盆が回って、萬さんサムの歌が聞こえてきた瞬間から大きな拍手が(涙)。
#一瞬、ドアをあけて出てきた翔くんに拍手が入ったのかと思って驚きましたが(笑)
千秋楽の萬さんが、パレードでは化粧替えして黒燕尾で降りておいでになる、というのは、話には聞いていましたし、ニュース映像でも視ていたはずなのですが。
それでも、あらためて実際にこの眼で観ると、ものすごい感動!!で。
ピシっとキメた黒燕尾の似合うこと。40年間磨きぬいてきた美しさを、宙組っ子もしっかりと受け止めて、継いでいってほしいな、と思いました。
組長さんの掛け声にあわせて、組子全員で「ケイさ~ん!」と呼びかけると、緑の袴で降りてこられた萬さんが、ゆっくりと大階段の真ん中で一礼する。
組からの花は祐飛さん、専科からの花は磯野さん、同期からの花は、OGの東千晃さん。カサブランカの大枝を三本、さりげなく抱えて、笑顔で。
「夢に出会い、夢に生き、、、そして、本当に夢が醒める時が来ました。最高に幸せです」
清しい笑顔、優しい声。
「大空祐飛、野々すみ花のトップお披露目、新生宙組のメンバーとの出会い、『カサブランカ』という作品や、サムという役との出会い、、、、すべてが幸せです。この幸せを与えてくださったみなさま全員、本当に感謝しています。本当にありがとうございました」
大拍手。
……で終わるかと思いきや。さらに続く、名調子。
「退団するこのときになって、こんなにも宝塚を愛している自分に驚きました。これからは皆様と一緒に、宝塚を応援したいと思います」
「みんな、素晴らしい資質を持った子ばかり。これからもこの仲間たちが伸びやかに舞台を勤められますよう、温かく、そして時には厳しく、見守ってあげてください」
宙組ファンとしても、すごくありがたい、嬉しいご挨拶でした。
こちらこそ、いつも素敵な『男役』を見せてくださったケイさんには、感謝の言葉もありません(T T)。
しっかし……ケイさんから観ても、宙組っ子は「奇跡的にピュア」なのね(^ ^)。
最後に、祐飛さんからのご挨拶。
「東京のこの場所で、この大きな劇場で、この作品をたくさんの方々の前で上演でき、思い切り表現できる喜びを、毎日噛み締めていました」
関係者すべてへの感謝の言葉をはさみつつ。
「ケイさんに教えていただいた男役の素晴らしさ、宝塚の魅力を大切に受け止めて、これからも歩んでいきます」
ケイさんへの感謝を述べる祐飛さん。
「卒業生の幸せそうな笑顔を見ていて、宝塚の魅力って何だろう?と考えました。宝塚しか知らない私には、本当の意味では宝塚の良さってわからないのですが、でも、私にとって宝塚は夢の世界で、その夢のためであれば、全てを懸けても悔いはありません。
この宝塚の魅力を、独りでも多くの方にお伝えできるよう、これからも精進してまいります!」
本日はありがとうございました、と締めくくりながら、祐飛さんの瞳も随分うるんでいるな、と思いました。
カーテンコールの途中から一階はスタンディング。
何回目かに、祐飛さんと卒業生二人の3人でのご挨拶で、祐飛さんが頬のマイクを差し出して卒業生二人に何か喋らせようとしたとき。
舞生ちゃんは、よく通る大きな声で「私は幸せ者です!」
ケイさんは、一度やりかけてちょっと笑っちゃったのですが、仕切りなおして
「誰がhappy?」
と、男役のセクシーボイスで囁いてくださいました。
祐飛さんが、珍しく撃沈してた……(^ ^)
その次は、祐飛さん一人で。
「皆さんの瞳に乾杯!」と、笑顔で乾杯の仕草をしてから、仲間たちを呼んで、ご挨拶してくれました。
素晴らしい作品で、楽しい公演でした。
祐飛さんではありませんが、この作品に関わってくださった皆様全員に、お礼を言ってまわりたい気分です。
ありがとう。幸せを、本当にありがとう。
今週はさっそく、たまちゃん(天羽珠起)のイゾラベッラ・コンサートがありますね。
さすがに行けませんが、がんばってください&楽しいコンサートになりますように(はぁと)。
.
ROMEO et JULLIA
2010年2月8日 宝塚(星) コメント (2)「カサブランカ」千秋楽が終わって腑抜けているところに、びっくりニュースが飛び込んできました。
星組梅田芸術劇場大ホール&博多座は、ちえちゃん・ねねちゃんのコンビで、フランスミュージカル「ロミオとジュリエット」を続演!!
おおおおお。
「ロミオとジュリエット」ですか!!(@ @)
2001年にパリで世界初演された、フランスミュージカル。
作(詞、曲)・演出はジェラール・プレスギュルヴィック。
ウィーン(独語)版の初演が2005年で、このときのキャストは、ロミオ=ルカス・ペルマン、ジュリエット=マジャーン・シャキ。
私は2007年の「ルカス・ペルマン×中川晃教コンサート」で、ルカスがゲストで参加していたマジャーンとデュエットしてくれた「Liebe」(「WEST SIDE STORY」における「ONE HAND, ONE HEART」にあたる曲)があまりにも素晴らしくて(; ;)、それ以来ずっと日本上演を切望しておりましたので、とりあえず観ることができるだけで素直に嬉しいです。
ただ。
2008年の「ウィーンミュージカルコンサート」では、名曲「Liebe」のほかにも、究極のラヴソングである『BALCON』(それこそ「TONIGHT」にあたる)や乳母のナンバー、ジュリエット父のナンバー、そして何よりカッコいいロミオ&マキューシオ&ベンヴォーリオ3人のナンバーを歌ってくれたのですが。
……どれも、凄い曲ばかりだったんですが、星組さんってそんなに歌える人が揃ってるんでしたっけ?(汗)。
まあ、なんとかなる、ものなのでしょうか……?(はてな)
梅田も博多も、今のところ裏は何も発表されていませんが、組子全員で動くのでしょうか…?
(去年は「フィフティ・フィフティ」が飛び込んだ枠)
役替りとかもありそうだけど、どうなるんでしょうね。
せっかくれみちゃんが組替えするのに、梅田も博多も、少なくともヒロインじゃないことは決定だしなあ。やり甲斐のある役が回ってくるといいのですが。
ちなみに、「ロミオとジュリエット」の二番手娘役は乳母でいいのかな?ソロもあるし。観たことはないので、そういうバランスがよくわからないのですが。
どちらにしても「演出=小池修一郎」と明記されているので、プレスギュルヴィックの演出とはだいぶ変わるんでしょうね。
新曲だって入るかもしれないし。
ただ、「ロミオとジュリエット」は元々宝塚向きの題材なので、小池さん的には『そのまま上演する』でいいと思うんだけど……。
音楽的には、ちえちゃんは以前に比べれば随分上手くなったんですけど、ロミオのナンバーはかなり音域が広いので、かなり修正が必要なんじゃないかなあ。小池さん、今年も忙しいだろうに大丈夫なんだろうか?
それにしても。
7月の梅田、ですか。宙組の東京公演と丸かぶりやんか(涙)。むしろ、博多の方が行きやすい……か?(←そんな莫迦な)
一年くらいしてほとぼりが冷めたら、ルカスとマジャーンでツアーしてくれないかなあ~。
「ファントム」みたいに、ロミオは浦井&ルカスのWキャスト、とかでも構いません。とにかく、ルカスとマジャーンがこの役にふさわしい年齢であるうちに、日本でも上演してほしい~~!!
最後に、願望を書いてもいいですか。
……あずるりでW主演バウ、そして、水輝涼&白華れみで巴里祭を、それぞれやってほしいです~~~っ!!
……あ。でも。ジュリエット父とか、神父あたりにも名曲があるので、水輝さんにはそっちを歌ってもらいたいかも(汗)。
.
星組梅田芸術劇場大ホール&博多座は、ちえちゃん・ねねちゃんのコンビで、フランスミュージカル「ロミオとジュリエット」を続演!!
おおおおお。
「ロミオとジュリエット」ですか!!(@ @)
2001年にパリで世界初演された、フランスミュージカル。
作(詞、曲)・演出はジェラール・プレスギュルヴィック。
ウィーン(独語)版の初演が2005年で、このときのキャストは、ロミオ=ルカス・ペルマン、ジュリエット=マジャーン・シャキ。
私は2007年の「ルカス・ペルマン×中川晃教コンサート」で、ルカスがゲストで参加していたマジャーンとデュエットしてくれた「Liebe」(「WEST SIDE STORY」における「ONE HAND, ONE HEART」にあたる曲)があまりにも素晴らしくて(; ;)、それ以来ずっと日本上演を切望しておりましたので、とりあえず観ることができるだけで素直に嬉しいです。
ただ。
2008年の「ウィーンミュージカルコンサート」では、名曲「Liebe」のほかにも、究極のラヴソングである『BALCON』(それこそ「TONIGHT」にあたる)や乳母のナンバー、ジュリエット父のナンバー、そして何よりカッコいいロミオ&マキューシオ&ベンヴォーリオ3人のナンバーを歌ってくれたのですが。
……どれも、凄い曲ばかりだったんですが、星組さんってそんなに歌える人が揃ってるんでしたっけ?(汗)。
まあ、なんとかなる、ものなのでしょうか……?(はてな)
梅田も博多も、今のところ裏は何も発表されていませんが、組子全員で動くのでしょうか…?
(去年は「フィフティ・フィフティ」が飛び込んだ枠)
役替りとかもありそうだけど、どうなるんでしょうね。
せっかくれみちゃんが組替えするのに、梅田も博多も、少なくともヒロインじゃないことは決定だしなあ。やり甲斐のある役が回ってくるといいのですが。
ちなみに、「ロミオとジュリエット」の二番手娘役は乳母でいいのかな?ソロもあるし。観たことはないので、そういうバランスがよくわからないのですが。
どちらにしても「演出=小池修一郎」と明記されているので、プレスギュルヴィックの演出とはだいぶ変わるんでしょうね。
新曲だって入るかもしれないし。
ただ、「ロミオとジュリエット」は元々宝塚向きの題材なので、小池さん的には『そのまま上演する』でいいと思うんだけど……。
音楽的には、ちえちゃんは以前に比べれば随分上手くなったんですけど、ロミオのナンバーはかなり音域が広いので、かなり修正が必要なんじゃないかなあ。小池さん、今年も忙しいだろうに大丈夫なんだろうか?
それにしても。
7月の梅田、ですか。宙組の東京公演と丸かぶりやんか(涙)。むしろ、博多の方が行きやすい……か?(←そんな莫迦な)
一年くらいしてほとぼりが冷めたら、ルカスとマジャーンでツアーしてくれないかなあ~。
「ファントム」みたいに、ロミオは浦井&ルカスのWキャスト、とかでも構いません。とにかく、ルカスとマジャーンがこの役にふさわしい年齢であるうちに、日本でも上演してほしい~~!!
最後に、願望を書いてもいいですか。
……あずるりでW主演バウ、そして、水輝涼&白華れみで巴里祭を、それぞれやってほしいです~~~っ!!
……あ。でも。ジュリエット父とか、神父あたりにも名曲があるので、水輝さんにはそっちを歌ってもらいたいかも(汗)。
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我々は生きている……
2010年2月9日 呟き・ご挨拶・他 コメント (2)今、東京は2010年2月10日午前6時。
…仕事が終わって帰る途中です。
今寝ると絶対乗り過ごすので、携帯で遊んでます。
あと二時間後には、また家を出るんだよ〜(涙)
やってやって〜やりつづけて〜永遠に終わらな〜い〜
○○○(←会社のある場所)は〜俺たち〜の墓場だ〜
どうしたら〜いい〜(T_T)
資料の手配は完璧だ
あとは上司がうんと言うだけ……
……あのオトコはやめておけ!
ワタクシは起きている。
決して挫けない。
でも、たぶんラスト30分に作成した表は間違っているだろう!
ワ〜タクシは、起きてい〜た〜〜!!
……すみません。本格的に壊れてきたようなので、30分ほど仮眠します。
ああ、誰か私にモーニングコールしてください(涙)
コメントくださったみなさま。
大変申し訳ありませんが、お返事は今夜させていただきますm(_ _)m
…仕事が終わって帰る途中です。
今寝ると絶対乗り過ごすので、携帯で遊んでます。
あと二時間後には、また家を出るんだよ〜(涙)
やってやって〜やりつづけて〜永遠に終わらな〜い〜
○○○(←会社のある場所)は〜俺たち〜の墓場だ〜
どうしたら〜いい〜(T_T)
資料の手配は完璧だ
あとは上司がうんと言うだけ……
……あのオトコはやめておけ!
ワタクシは起きている。
決して挫けない。
でも、たぶんラスト30分に作成した表は間違っているだろう!
ワ〜タクシは、起きてい〜た〜〜!!
……すみません。本格的に壊れてきたようなので、30分ほど仮眠します。
ああ、誰か私にモーニングコールしてください(涙)
コメントくださったみなさま。
大変申し訳ありませんが、お返事は今夜させていただきますm(_ _)m
今日は、宙組公演「シャングリラ」の集合日。
配役が発表されました。
……いや、原作があるわけではないので、配役が発表されたからどうなるってものでもないのですが(^ ^;ゞ
祐飛さん(ソラ)、すみ花ちゃん(ミウ)は以前に出ていたのでいいとして。
(っていうか、本当にSORAの奇跡だったな祐飛さん)
とりあえず。
蘭トムさんは、「ラン(嵐)」なんですね。ってところで笑いました。
今出ている粗筋に登場する人物は、3人。
荒野で倒れていた男【空(大空祐飛)】
旅芸人の一座に助けら一命を取り留めたが、記憶喪失に。蒼玉の首飾りを持つ。
旅芸人の一座の踊り子【美雨(野々すみ花)】
シャングリラを探しに向かったまま行方不明の恋人を探しに、空ともにシャングリラを探す旅に出る。
水源を支配する王【?】
幻の都シャングリラに棲む。
……「嵐」さんは、この王様で良いんでしょうか。しかも、一番最初に演目が発表されたときは、ラスボスっぽい感じで「竜王」というキャラがいた記憶があるのですが、いつのまに居なくなったんだ……?「竜王」なら、「嵐」さんで間違いないような気がするのに……。
で。
それ以外は、オリジナルだけあって誰がどんな役だかさっぱりわからないのですが、
氷(アイス) 悠未 ひろ
霧(フォグ) 純矢 ちとせ
この二人(←読みが英語の二人)は、コンビってことでいいですか?
ただ、そういう観点で分類すると、
空(ソラ) 大空 祐飛
霙(ミゾレ) 藤咲 えり
雹(ヒョウ) 蓮水 ゆうや
この三人もセットになるんですけど(*^ ^*)(←読みが日本語の三人)
あとは、
雲(ユン) 鈴奈 沙也
風(フォン) 十輝 いりす
が中国系の読みなことはわかるんですが、
海(カイ) 北翔 海莉
涙(ルイ) 七海 ひろき
蒼(ソウ) 蒼羽 りく
紅(コウ) 愛月 ひかる
このへんが、単なる音読みなのか、ユン・フォンと同じ分類になるのか、よくわからない(T T)。
とりあえず、私の好きなライトノベル(雲=ユン、風=フォン)では、「紅」は「ホン」で「海」は「ハイ」だったんですが。
あとは、全く違う観点での分類として、芸名から役名をつけた人たち、という分類もありえますね。
空(ソラ) 大空 祐飛
海(カイ) 北翔 海莉
蒼(ソウ) 蒼羽 りく
……りくちゃんは空が持っている蒼玉の化身で、みっちゃんは行方不明の美雨の恋人……とか?
文雀(ブンジャク) 鳳翔 大
飛燕(ヒエン) 愛花 ちさき
このあたりは、なんとなくですけど旅芸人一座っぽいな~と思ったりします。
もしかしたら、美雨(ミウ)を含めて音読み仲間(海、涙、蒼、紅)は全員旅芸人だったりして!(←凄い豪華メンバかも……)
そうやって考えてくると、
雲(ユン) 鈴奈 沙也
欣欣(ヤンヤン) 天羽 珠紀
風(フォン) 十輝 いりす
芳芳(フォンフォン) 花露 すみか
このあたりの中国読みの方々は、もしかしたら王様の側近だったり………しないかな(^ ^;
いや~~、何一つ情報のない完全オリジナルって、役の名前が出ても何もわからないので、想像を膨らませる余地がたっくさんありますね(苦笑)。
CSで稽古場情報が流れたら、少しはわかることもあるのかな…?その前に、祐飛さんと鈴奈さんの会話っていうのがなんか想像できないけど。
……さっつんに、たくさん台詞がありますように(ひっそり祈る)
そして。
千秋楽にて、91期の笹良えるさんが卒業されることが発表になりました。
やっと、カフェの縁取りのある白い服も、集会の茶色のワンピも、ヴィザも、全部みつけられるようになったのに(涙)。今ならもう、黒塗りでもわかるのに(涙)。
……役名も出ていなくて残念ですが、最後の舞台、ご活躍を楽しみにしています!
.
配役が発表されました。
……いや、原作があるわけではないので、配役が発表されたからどうなるってものでもないのですが(^ ^;ゞ
祐飛さん(ソラ)、すみ花ちゃん(ミウ)は以前に出ていたのでいいとして。
(っていうか、本当にSORAの奇跡だったな祐飛さん)
とりあえず。
蘭トムさんは、「ラン(嵐)」なんですね。ってところで笑いました。
今出ている粗筋に登場する人物は、3人。
荒野で倒れていた男【空(大空祐飛)】
旅芸人の一座に助けら一命を取り留めたが、記憶喪失に。蒼玉の首飾りを持つ。
旅芸人の一座の踊り子【美雨(野々すみ花)】
シャングリラを探しに向かったまま行方不明の恋人を探しに、空ともにシャングリラを探す旅に出る。
水源を支配する王【?】
幻の都シャングリラに棲む。
……「嵐」さんは、この王様で良いんでしょうか。しかも、一番最初に演目が発表されたときは、ラスボスっぽい感じで「竜王」というキャラがいた記憶があるのですが、いつのまに居なくなったんだ……?「竜王」なら、「嵐」さんで間違いないような気がするのに……。
で。
それ以外は、オリジナルだけあって誰がどんな役だかさっぱりわからないのですが、
氷(アイス) 悠未 ひろ
霧(フォグ) 純矢 ちとせ
この二人(←読みが英語の二人)は、コンビってことでいいですか?
ただ、そういう観点で分類すると、
空(ソラ) 大空 祐飛
霙(ミゾレ) 藤咲 えり
雹(ヒョウ) 蓮水 ゆうや
この三人もセットになるんですけど(*^ ^*)(←読みが日本語の三人)
あとは、
雲(ユン) 鈴奈 沙也
風(フォン) 十輝 いりす
が中国系の読みなことはわかるんですが、
海(カイ) 北翔 海莉
涙(ルイ) 七海 ひろき
蒼(ソウ) 蒼羽 りく
紅(コウ) 愛月 ひかる
このへんが、単なる音読みなのか、ユン・フォンと同じ分類になるのか、よくわからない(T T)。
とりあえず、私の好きなライトノベル(雲=ユン、風=フォン)では、「紅」は「ホン」で「海」は「ハイ」だったんですが。
あとは、全く違う観点での分類として、芸名から役名をつけた人たち、という分類もありえますね。
空(ソラ) 大空 祐飛
海(カイ) 北翔 海莉
蒼(ソウ) 蒼羽 りく
……りくちゃんは空が持っている蒼玉の化身で、みっちゃんは行方不明の美雨の恋人……とか?
文雀(ブンジャク) 鳳翔 大
飛燕(ヒエン) 愛花 ちさき
このあたりは、なんとなくですけど旅芸人一座っぽいな~と思ったりします。
もしかしたら、美雨(ミウ)を含めて音読み仲間(海、涙、蒼、紅)は全員旅芸人だったりして!(←凄い豪華メンバかも……)
そうやって考えてくると、
雲(ユン) 鈴奈 沙也
欣欣(ヤンヤン) 天羽 珠紀
風(フォン) 十輝 いりす
芳芳(フォンフォン) 花露 すみか
このあたりの中国読みの方々は、もしかしたら王様の側近だったり………しないかな(^ ^;
いや~~、何一つ情報のない完全オリジナルって、役の名前が出ても何もわからないので、想像を膨らませる余地がたっくさんありますね(苦笑)。
CSで稽古場情報が流れたら、少しはわかることもあるのかな…?その前に、祐飛さんと鈴奈さんの会話っていうのがなんか想像できないけど。
……さっつんに、たくさん台詞がありますように(ひっそり祈る)
そして。
千秋楽にて、91期の笹良えるさんが卒業されることが発表になりました。
やっと、カフェの縁取りのある白い服も、集会の茶色のワンピも、ヴィザも、全部みつけられるようになったのに(涙)。今ならもう、黒塗りでもわかるのに(涙)。
……役名も出ていなくて残念ですが、最後の舞台、ご活躍を楽しみにしています!
.
東京芸術劇場中ホールにて、ミュージカル「蜘蛛女のキス」を観劇して参りました。
二年前に上演された、荻田浩一演出版の再演です。
その時の日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/m/200711070033480000/
前回とのメインキャストの変更点は……
モリーナ 石井一孝
ヴァレンティン 浦井健治
オーロラ(蜘蛛女) 金志賢 ← 朝海ひかる
モリーナの母 初風諄
所長 今井朋彦 ← 藤本隆宏
マルタ 朝澄けい
ガブリエル 縄田晋
そして、役名はありませんが、ダンサーの辻本和彦さんが加わって、ダンスでの表現が非常に高度になっていました。
なんだか、作品については前回の日記と、そこから更にリンクしている日記(公演が発表された頃のもの)にだいたい書いたので、今日は、変更点を中心に述べさせていただきます。
よろしければ、昔の日記を合わせてお読みいただければ幸いです。
三年前の、発表時の日記に、大浦さんのオーロラを観てみたいと書いている自分……あらためて、哀しい(T T)
あ。でも。
変更点を語らせていただくまえに、残念ながら変更されていなかった点、について。
前回公演でも気になった、舞台と映像の使い方、なのですが。
荻田さんの、特に宝塚を卒業してからの作品を観ていて特徴的だな、と思うことは、舞台をとにかく小さく使うこと、です。
彼の演出思想の根幹に『閉塞感』というイマジネーションがあるんだろうな、とは思うのですが、それにしても極端なくらいに、彼は舞台の手前に大きなセットを置いて、間口を狭めたがるんですよね。
そして、狭めた間口の閉じた部分に、象徴的なものを置く。
それは、セットそのものであることもあるし、人を配置することもありますが、、、
意外と多いのが、映像を映写するという手法。
その演出手法自体が悪いとは言いません。
それで成功する事例もあります。映画とのコラボのようだった「カサブランカ」のように。
でも。
……「蜘蛛女のキス」には、余計な演出だと思うんですよね。
モリーナが語るのは、映画の物語。で、彼女が映画を語ると、映写機の回る『カラカラ』という音が鳴り、照明が、ザラついて薄汚れた映写機っぽい質感に変わり……
その役に扮したオーロラが舞台に登場する。
そこまでやっておいて、さらに間口を閉じたところに映像を映す、というのは、やりすぎだと思うんですよ。石井さんの語り口から映像を想像する楽しみが、ない。
しかも、その映像そのものがイケてない……(T T)
まあ、どうも映像の使い方にセンスがないな~と思っていた小池さんが「カサブランカ」でものすごく見事なコラボレーションを見せたので、荻田さんもいずれ自分のイマジネーションの中に映像を取り込めるのかもしれませんが。
……今のところ、映像の使い方については失敗続きなのがちょっと気になる……。
ま、そんなことはおいといて。
まず、なんと言ってもキャスト変更で大きいのは、主役3人の一角である処のオーロラ(蜘蛛女)。
歌は本当に素晴らしかったです(はぁと)。今回のキャストでCDを出してほしいです。ええ。
私は四季ファンとは名乗れなくなってから長く、「CATS」も「ライオンキング」も、金さんが出てきてからは観たことがないんですよね。お名前は勿論知っていますし、歌が素晴らしいという噂も聞いておりましたが、実際に聴いたのは初めてで……
第一声から、「おお~~~!!!」という感じでした(^ ^;ゞ
やっぱり、ジョン・カンダーの甘美な音楽は、甘美に歌い上げてくれる人で聴くと違いますね(*^ ^*)コムさんも予想よりずっと良かったんですけど、、、、根本的なレベルが違うのは仕方の無いことなので。
ただ。
オーロラ役がコムさんから金さんに代わったことで、荻田さんの演出から伝わってくるものも若干変わったことは事実で、それが彼の狙いだったのかどうなのかはわからないなあ……という気はしました。
コムさんのオーロラは、全く実在感のない人形的な象徴。その「血の通ってない」感じがすごく魅力的な蜘蛛女でした。でも、金さんはソコまで非現実的な存在ではなくて、むしろ宝塚時代の荻田さんのショーにおけるシビさん(矢代鴻)の存在感に近かったと思います。
そうか、荻田さんにとって、シビさん=蜘蛛女だったのか!(真顔)と思いましたので。
……シビさんの蜘蛛女、かなり聴いてみたいです。(←踊らなくていいから!)
コムさんとシビさん。
全くタイプは違うけれども、どちらも荻田さんにとってのミューズだったことは間違いないお二人。
シビさん本人ではないけれども、良く似たタイプでさらに現実感が高く、しかもダンサーとしても一定レベルをクリアしている金さんという役者との出会いは、荻田さんにとってラッキーだったのか、どうなのか。これからの舞台づくりに興味は尽きません。
そういえば。
コムさんから金さんに代わって、ダンス場面はどうするのかな?と思っていたのですが、すみませんすみません、金さんも十分にスタイル良いし踊れるんですね。どうもグリザベラとラフィキで評価された人という印象があって、金井小夜子さんと同列に考えていたのですが(^ ^;ゞ。
……あのド迫力のダンサー脚にはちょっと感動しましたわ(^ ^)。
ただ、金さんは、声では十分にファンタジックなんだけど、踊ると結構リアルに存在感があるんですよね。だから、歌っているシーンと踊っているシーン、場面ごとに蜘蛛女という存在の実在感にムラがあって、ちょっと違和感を感じてしまいました。
う~ん、なまじ踊れるからダンスもやらせてしまったけれども、今回はダンサーとして辻本さんが参加してもいるので、彼に身体表現は任せて蜘蛛女はただそこに居るだけ、という演出もありだったと思うんだけどな……。
もうお一人の変更キャスト、今井朋彦さん。
前回の藤本さんがマッチョで尊大な所長さんだったのに対して、非常に怖ろしい、真綿で首を絞めあげていくようなタイプの責め方をする人だな、と思いました。
石井さんのモリーナは割とシンプルに優しいので、こういうのに引っかかったらひとたまりもないな、という感じ。独特の存在感があって、面白い役者ですよね。
歌も良かったし、これからもミュージカルにぜひ出ていただきたいです♪……本業でお忙しいこととは思いますが(汗)。
そして。
浦井ヴァレンティンと石井モリーナ。
石井さん、ぶっ飛んでました。ええ。
本当に素晴らしかった。モリーナがタイトルロール(蜘蛛女)みたい に見えて、すごく新鮮。
対する浦井ヴァレンティンは、前回の、肩に力が入った感じ…というか、ちょっと突っ張った不良少年みたいなところが抜けて、下っ端のチンピラなりにプライドのある大人になっていた印象。
そして、モリーナへの愛は、初演の方が明確だったかな。今回はちょっと、計算の方が強く見えました。「なんでもするさ俺のためなら」と歌いながら、唇の端で嗤うあたりが。
でも、それでも「二度と自分を…」のくだりに愛があるのは、彼の魅力だと思うのです。と、まんまと泣いた猫は語る。(←単なる浦井ファンだから、それ)
前回に比べると、生意気な青さが影をひそめた分、あちこちがとんがって、あたりがキツくなった印象もありました。それが、より懐大きく、包容力を増した石井モリーナとの組み合わせの妙で、物語が大きく膨らんだように見えたのが面白いところだな、と。
ただ、マルタとの関係が少し変わったように見えたのがも面白いところだな、とおもいます。
で、カヨコちゃんのマルタ。
私は彼女の声というか存在感が好きすぎて、彼女が喋ったり歌ったりすると、もう、それだけで何でもいいやというか(^ ^;ゞそんな気持ちになるのですが。
マルタって役は難しい役で、ハロルド・プリンス演出版では、モリーナからの電話に出たときも、ほとんど動揺もみせずに「そんな男知らないわ。なんの話?」と言いきる女で。そもそもヴァレンティンが彼女を恋人だと思っていたこと自体が妄想だったのか?(←その場合、所長はガガセネタをつかまされていたことになる) それとも、ホンモノの組織の中心メンバーに近い女だから、恋人とはいえ下っ端の男の生死に心乱れたりしないという感じなのかな?と思いながら観ていたのですが。
荻田さんの演出では、マルタはすごく悩むんですよね。モリーナからの電話に対してすごく動揺を見せる。もしかしたら、彼女はモリーナが監視されているであろうことを予想してあんな態度に出たのではないか、と、そんな想像をする余地があるくらい、絶妙のお芝居でした。
舞台の前半の、アムネスティ・インターナショナルの一員として視察にきたという芝居(声のみ)では、すごく真剣に「ここには彼がいるはずです!」と詰め寄るような芝居をしていましたよね。あれは、マルタが彼を探しにきたという設定なのか、別人格のなのか……どっちだろう?と思ったり。難しい存在ですが、彼女の不安定さや掴みどころのなさがあってこそのモリーナであり、“蜘蛛女”なのですから、あれはあれで良いんだろうな、と思います(はぁと)。
……歌も踊りも、もちろん芝居も、どれも素晴らしくて。
やっぱり私は、この作品が好きだなあ……と思ったのでした。
う~ん。
非現実的な血の通わない人形タイプで、スタイルが人間離れしていて、肺活量があって中音域~低音域が柔らかい、音程の確かな美声の歌手?
……いないか、そんな人……(T T)
歌さえ歌えればみなこちゃん(愛原実花)で観てみたい役ではあるのですが、荻田さん的には、だったらコムさんで良いんだろうな、たぶん……。
.
二年前に上演された、荻田浩一演出版の再演です。
その時の日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/m/200711070033480000/
前回とのメインキャストの変更点は……
モリーナ 石井一孝
ヴァレンティン 浦井健治
オーロラ(蜘蛛女) 金志賢 ← 朝海ひかる
モリーナの母 初風諄
所長 今井朋彦 ← 藤本隆宏
マルタ 朝澄けい
ガブリエル 縄田晋
そして、役名はありませんが、ダンサーの辻本和彦さんが加わって、ダンスでの表現が非常に高度になっていました。
なんだか、作品については前回の日記と、そこから更にリンクしている日記(公演が発表された頃のもの)にだいたい書いたので、今日は、変更点を中心に述べさせていただきます。
よろしければ、昔の日記を合わせてお読みいただければ幸いです。
三年前の、発表時の日記に、大浦さんのオーロラを観てみたいと書いている自分……あらためて、哀しい(T T)
あ。でも。
変更点を語らせていただくまえに、残念ながら変更されていなかった点、について。
前回公演でも気になった、舞台と映像の使い方、なのですが。
荻田さんの、特に宝塚を卒業してからの作品を観ていて特徴的だな、と思うことは、舞台をとにかく小さく使うこと、です。
彼の演出思想の根幹に『閉塞感』というイマジネーションがあるんだろうな、とは思うのですが、それにしても極端なくらいに、彼は舞台の手前に大きなセットを置いて、間口を狭めたがるんですよね。
そして、狭めた間口の閉じた部分に、象徴的なものを置く。
それは、セットそのものであることもあるし、人を配置することもありますが、、、
意外と多いのが、映像を映写するという手法。
その演出手法自体が悪いとは言いません。
それで成功する事例もあります。映画とのコラボのようだった「カサブランカ」のように。
でも。
……「蜘蛛女のキス」には、余計な演出だと思うんですよね。
モリーナが語るのは、映画の物語。で、彼女が映画を語ると、映写機の回る『カラカラ』という音が鳴り、照明が、ザラついて薄汚れた映写機っぽい質感に変わり……
その役に扮したオーロラが舞台に登場する。
そこまでやっておいて、さらに間口を閉じたところに映像を映す、というのは、やりすぎだと思うんですよ。石井さんの語り口から映像を想像する楽しみが、ない。
しかも、その映像そのものがイケてない……(T T)
まあ、どうも映像の使い方にセンスがないな~と思っていた小池さんが「カサブランカ」でものすごく見事なコラボレーションを見せたので、荻田さんもいずれ自分のイマジネーションの中に映像を取り込めるのかもしれませんが。
……今のところ、映像の使い方については失敗続きなのがちょっと気になる……。
ま、そんなことはおいといて。
まず、なんと言ってもキャスト変更で大きいのは、主役3人の一角である処のオーロラ(蜘蛛女)。
歌は本当に素晴らしかったです(はぁと)。今回のキャストでCDを出してほしいです。ええ。
私は四季ファンとは名乗れなくなってから長く、「CATS」も「ライオンキング」も、金さんが出てきてからは観たことがないんですよね。お名前は勿論知っていますし、歌が素晴らしいという噂も聞いておりましたが、実際に聴いたのは初めてで……
第一声から、「おお~~~!!!」という感じでした(^ ^;ゞ
やっぱり、ジョン・カンダーの甘美な音楽は、甘美に歌い上げてくれる人で聴くと違いますね(*^ ^*)コムさんも予想よりずっと良かったんですけど、、、、根本的なレベルが違うのは仕方の無いことなので。
ただ。
オーロラ役がコムさんから金さんに代わったことで、荻田さんの演出から伝わってくるものも若干変わったことは事実で、それが彼の狙いだったのかどうなのかはわからないなあ……という気はしました。
コムさんのオーロラは、全く実在感のない人形的な象徴。その「血の通ってない」感じがすごく魅力的な蜘蛛女でした。でも、金さんはソコまで非現実的な存在ではなくて、むしろ宝塚時代の荻田さんのショーにおけるシビさん(矢代鴻)の存在感に近かったと思います。
そうか、荻田さんにとって、シビさん=蜘蛛女だったのか!(真顔)と思いましたので。
……シビさんの蜘蛛女、かなり聴いてみたいです。(←踊らなくていいから!)
コムさんとシビさん。
全くタイプは違うけれども、どちらも荻田さんにとってのミューズだったことは間違いないお二人。
シビさん本人ではないけれども、良く似たタイプでさらに現実感が高く、しかもダンサーとしても一定レベルをクリアしている金さんという役者との出会いは、荻田さんにとってラッキーだったのか、どうなのか。これからの舞台づくりに興味は尽きません。
そういえば。
コムさんから金さんに代わって、ダンス場面はどうするのかな?と思っていたのですが、すみませんすみません、金さんも十分にスタイル良いし踊れるんですね。どうもグリザベラとラフィキで評価された人という印象があって、金井小夜子さんと同列に考えていたのですが(^ ^;ゞ。
……あのド迫力のダンサー脚にはちょっと感動しましたわ(^ ^)。
ただ、金さんは、声では十分にファンタジックなんだけど、踊ると結構リアルに存在感があるんですよね。だから、歌っているシーンと踊っているシーン、場面ごとに蜘蛛女という存在の実在感にムラがあって、ちょっと違和感を感じてしまいました。
う~ん、なまじ踊れるからダンスもやらせてしまったけれども、今回はダンサーとして辻本さんが参加してもいるので、彼に身体表現は任せて蜘蛛女はただそこに居るだけ、という演出もありだったと思うんだけどな……。
もうお一人の変更キャスト、今井朋彦さん。
前回の藤本さんがマッチョで尊大な所長さんだったのに対して、非常に怖ろしい、真綿で首を絞めあげていくようなタイプの責め方をする人だな、と思いました。
石井さんのモリーナは割とシンプルに優しいので、こういうのに引っかかったらひとたまりもないな、という感じ。独特の存在感があって、面白い役者ですよね。
歌も良かったし、これからもミュージカルにぜひ出ていただきたいです♪……本業でお忙しいこととは思いますが(汗)。
そして。
浦井ヴァレンティンと石井モリーナ。
石井さん、ぶっ飛んでました。ええ。
本当に素晴らしかった。モリーナがタイトルロール(蜘蛛女)みたい に見えて、すごく新鮮。
対する浦井ヴァレンティンは、前回の、肩に力が入った感じ…というか、ちょっと突っ張った不良少年みたいなところが抜けて、下っ端のチンピラなりにプライドのある大人になっていた印象。
そして、モリーナへの愛は、初演の方が明確だったかな。今回はちょっと、計算の方が強く見えました。「なんでもするさ俺のためなら」と歌いながら、唇の端で嗤うあたりが。
でも、それでも「二度と自分を…」のくだりに愛があるのは、彼の魅力だと思うのです。と、まんまと泣いた猫は語る。(←単なる浦井ファンだから、それ)
前回に比べると、生意気な青さが影をひそめた分、あちこちがとんがって、あたりがキツくなった印象もありました。それが、より懐大きく、包容力を増した石井モリーナとの組み合わせの妙で、物語が大きく膨らんだように見えたのが面白いところだな、と。
ただ、マルタとの関係が少し変わったように見えたのがも面白いところだな、とおもいます。
で、カヨコちゃんのマルタ。
私は彼女の声というか存在感が好きすぎて、彼女が喋ったり歌ったりすると、もう、それだけで何でもいいやというか(^ ^;ゞそんな気持ちになるのですが。
マルタって役は難しい役で、ハロルド・プリンス演出版では、モリーナからの電話に出たときも、ほとんど動揺もみせずに「そんな男知らないわ。なんの話?」と言いきる女で。そもそもヴァレンティンが彼女を恋人だと思っていたこと自体が妄想だったのか?(←その場合、所長はガガセネタをつかまされていたことになる) それとも、ホンモノの組織の中心メンバーに近い女だから、恋人とはいえ下っ端の男の生死に心乱れたりしないという感じなのかな?と思いながら観ていたのですが。
荻田さんの演出では、マルタはすごく悩むんですよね。モリーナからの電話に対してすごく動揺を見せる。もしかしたら、彼女はモリーナが監視されているであろうことを予想してあんな態度に出たのではないか、と、そんな想像をする余地があるくらい、絶妙のお芝居でした。
舞台の前半の、アムネスティ・インターナショナルの一員として視察にきたという芝居(声のみ)では、すごく真剣に「ここには彼がいるはずです!」と詰め寄るような芝居をしていましたよね。あれは、マルタが彼を探しにきたという設定なのか、別人格のなのか……どっちだろう?と思ったり。難しい存在ですが、彼女の不安定さや掴みどころのなさがあってこそのモリーナであり、“蜘蛛女”なのですから、あれはあれで良いんだろうな、と思います(はぁと)。
……歌も踊りも、もちろん芝居も、どれも素晴らしくて。
やっぱり私は、この作品が好きだなあ……と思ったのでした。
う~ん。
非現実的な血の通わない人形タイプで、スタイルが人間離れしていて、肺活量があって中音域~低音域が柔らかい、音程の確かな美声の歌手?
……いないか、そんな人……(T T)
歌さえ歌えればみなこちゃん(愛原実花)で観てみたい役ではあるのですが、荻田さん的には、だったらコムさんで良いんだろうな、たぶん……。
.
「相棒」になる瞬間。
2010年2月13日 宝塚(花)今日のCSニュース総集編で、やっと「カサブランカ」の千秋楽映像を観ました。
萬さんがまるで主役のように(^ ^)たくさん映っていたのがとても嬉しいです。そして、「As Time Goes By」で、萬さんの歌から祐飛さんの歌につなぐ編集はお見事でした!私的に、永久保存版になりました(^ ^)。
でも。
……フィナーレのムーア人で、胸に花をつけて踊っていた舞生ちゃんのことも、一瞬くらい映してくれてもいいと思うんだけど(泣)。今までは、相当な下級生でも千秋楽映像では一瞬抜きがあったと思うのに。研4で卒業するってことは、こういうことなんですかねぇ……。
で。
しばらく、「カサブランカ」公演中に観た作品の落穂ひろいをしていきたいと思います。
まずは、花組公演「相棒」。
……この作品については、何といっても私はドラマを観ていないので、ドラマファンの皆様の熱いコメントのようにはとてもいかないのですが……
ドラマを知らなくても十分に楽しめる、とても素敵な公演でした(*^ ^*)。
まー、そうは言っても、たぶんドラマファンの皆様の半分くらいしか満喫していないんだろうなあ……と思いますが。
近くの席の方が、誰かが出てくるたびに大興奮してきゃいきゃいしていたのがとても羨ましかったので(^ ^)。
作品的には、というか、ネタ的にはどうなの?という感じはありましたが……どうやらそういう意味でも「逆転裁判」と同じようなものなんだろうな、と思いました(^ ^)。
いや、まあ、あの、ネタ的なダメさ加減は「逆転裁判」の方が上だったし、物語としての突拍子のなさは「相棒」の方が無理があったんですが。なんていうか、臓器移植と宗教という、非常に扱いの難しい問題を二個もいっぺんに放り込まなくてもいいと思うんだよね。しかも、そのどっちも実際に起こる事件とはあまり関係ないところが石田さんのダメダメなところだと思う。語りたい話をストーリーと無関係に無理矢理持ち込むから、ワケがわからなくなってしまうんですよ。
だから、石田さんには語りたい話だけをやらせておけ、って思うんですよねぇ。今回だって、臓器移植の話をしたいんだったらそっちに集中すればいいと思うんですよね。なにがどうなって新興宗教が出てきたのか、私にはよく判りませんでした……(T T)。
でも。
石田さんがプログラムで「小説、映画、劇画、韓流ドラマ、そしてゲームと様々なジャンルを『宝塚化』するのが100周年にむけての使命」ということを書いていらっしゃいますが。
宝塚はやっぱり唯一無二の宝塚なのであって、小説や劇画の二番煎じにはなってほしくないけれども、新しい風というのは常に必要なもので、「逆転裁判」も「カサブランカ」も「相棒」も、なくてはならない風だったんだろうな、と思います。
実際、どれも面白かったし(^ ^)。
こういった試みによって新しいファンが掴めたのかどうかは判りませんが、宝塚を観に来るきっかけの一つになれば、と思いますし、良い試みだと思っています(*^ ^*)。版権とかイメージとか、色々問題はあるでしょうけれども。どうぞこれからも、良いネタを探してがんばってくださいませ。
杉下右京の真飛聖。
水谷さんの喋り方を知らないのでアレですが、まとぶんの声のバリエーションとお茶目な雰囲気があんなに生きる役もないのではないか、と思いました♪
べったり撫で付けた髪が素敵です(^ ^)。
神戸尊の壮一帆。
壮ちゃん、なんだかホントに似合ってました!
雪組時代は「良い人」しかできないタイプかと思っていたのですが、花組に来て、本質はそっちじゃなかったことを知りました(^ ^)。「アデュー・マルセイユ」までは「悪い人」は全部ダメだったのに、「メランコリックジゴロ」くらいから突然豹変した印象があって、真飛さんとの舞台上での相性が良いのかな、と思いました。
クールで裏のある二枚目タイプなのに、結構右京さんに振り回されて可愛くなってる。そういうのがすごく似合いますね♪ 最後に「相棒?」って言って微笑みあうところが、すごく好きです。
ああいう、実は素直なのに表面だけ突っ張って素直じゃないっていう役がとっても似合う、と、思う(^ ^)。
パリス・エヴァンズの桜乃彩音。
思いのほか似合ってました。「相棒」世界にハマらない感じ、どこか浮いた感じが良かった、と、思う。前半は崩れた色気があって役にあっていたし、後半、というかラストの一花ちゃんとの会話の可愛らしさは、これが彼女の本質なのかな、と思いましたね。
卒業前に似合う役に当たって、良かったねと思いました♪
内村完爾の星原美紗緒。
頑固で視野の狭い部長。星原さんってこういう『可愛いオヤジ』的な役がめっちゃ似合うなあ、と思いました。相変わらず石田さんのキャスティングは冴えてるわ。(←単に猫と石田さんの感性が似ているだけなんでは……?)
竹刀を振り回すしか能のない頑固っぷりがすごく可愛かったです。憎むべき人が出てこないドラマの中で、キャラ勝ちしているなと思いました。
小野田公顕の夏美よう。
掴みどころのない官房室長。いい味だしてましたね。ニュースで流れた挨拶も、小野田さん口調でやっていてすごく面白かったし♪(小野田さんなのに噛んでいたところはご愛嬌☆)
三浦信輔の眉月凰。
捜査一課の巡査部長。背広姿が普通に決まりすぎていて、あまり目立たなかったような気が……。タカラヅカって不思議なところだなあ。あんなにきれいなのに(汗)
教祖(女)の絵莉千晶。
存在感があってさすがでした。……物語的には、かなり意味不明な存在でしたが(^ ^;ゞ
あまりにも意味不明すぎて、「石田さん、久々にやっちゃったな…」と思いましたが、でも、石田さん的には全面的に彼女を信頼しての役付けなんだろうな、と思ったりもしました。
ノーマン・エヴァンズの愛音羽麗。
かっこいい!
どんなに情けなくても、どんなにしょうもない男でも、みわっちがやるといい男に見える……。
愛情がちゃんと見えるところがいいんでしょうね、やっぱり。世間的には「気の毒な役」的な扱いでしたけど、振り幅の広い役者らしい、多面性のある役で、石田さんはみわっちを信頼しているんだな、と思いました。
考えてみれば、パリスも右京さんとの過去があったり、最後にはノーマンのところに戻ったり、と「カサブランカ」のイルザに似たエピソードがある人物なんですが、あまり話題にならなかったなあ。イルザはいろいろ言われていたのに。……作品が作品だから、かしらん。
角田六郎の未涼亜希。
いや、もう。素敵すぎて何も言いません。女の子たちに囲まれて鼻の下を伸ばしきったまっつが観られるなんて!!石田さん、ありがとう(*^ ^*)。
ただ。「暇かーっ!?」っていう挨拶は、ドラマの角田さんの定番なんだそうですね。そういうのを知らないと、まっつが全然オジサンに見えないので、いったいどういうキャラなのか謎なところもありました。……まぁ、それは仕方がないのかな。宝塚だもんね。
宮部たまきの桜一花。
可愛い。可愛い。可愛いったら可愛い!
落ち着いた風情と、ワケありげな立ち居振舞がすごく色っぽい。右京さんとの過去を想像させつつ、現在の絶妙な距離感を見せるところがとても素敵です。雰囲気がしっとりしていて、最後のパリスとの語りもいい。湿り気のある日本の女と、カラッとしたアメリカ女の空気感の違いが良く出てた。
一花ちゃん、可愛いばかりじゃなく、ああいう過去のある大人の女も出来る人なので、そろそろそっちの方でちゃんと使ってほしいなあ、と思います。もうすぐ研12なんですもんね(汗)。
とてもそうは見えないけどさ。
米沢守の華形ひかる。
この役はドラマファンには衝撃的だったらしく、みんな彼の話しかしないんですけど(汗)。近くの席に座っていたドラマファンらしい方も、米沢さんに一番反応していましたし。
私は、芝居としては、それほどオタクっぽい感じも無く、いつも通りの役者・みつるだったと思ったのですが……。
いや、もちろん、ドラマを観ていなくても、みつるくんがあの扮装で出てきただけで笑えましたけど、ね……。確かに、みつるくんはおかっぱにしてても二枚目なんだなあ、とゆ~のは感動ポイントでしたわ(^ ^;ゞ
伊丹憲一の真野すがた。
この人のキャラは、石田さんの中では完璧に確立されていて、他のキャラクターは考えられないんだろうなあ、と思いました。橘、ヴィクター、伊丹と、キャラは同じですよね。誰よりも二枚目なのに、立っているだけで何故か笑いが取れる。観ている観客にも、何がそんなにおかしいのかわからないんだけど、伊丹さんが出てくるだけで笑ってしまうんですよ……。なのに、彼がドラマの中心になると、ちゃんと感動させてくれる。そういう個性なんだな、と思います。
同じようなキャラが続いても、飽きないしね。それだけの魅力がある人なんだなあ、と思う。
石田さんと組んだときのめおちゃんが、一番好きです。うん、可愛かった♪
婦人警官の初姫さあや、華耀きらり、天宮菜生、芽吹幸奈。
もう。
私は、この作品、この4人を観にいった、といっても過言ではないかも、くらい楽しみにしていたんですが。
石田さん、ありがとう。期待に違わぬ可愛らしさでした。さあやもきらりんもはるちゃんもくみちゃんも、みんなすっごい可愛かったよーーーーーー!!
きらりんだけミニスカなところに、石田さんの『譲れない一線』を見ました。
……そこかい。
暴漢の扇めぐむ。
いきなり役名「暴漢」ってどうなの?と思っていたとみぃですが、確かに「暴漢」としか言いようのない役でした。しかも、サンタクロースの扮装だし(涙)。東京は松も取れた1月中旬だとゆーのに。(ドラマシティは年末だったのでわかるのですが……)
年末のドラマシティ公演が年明けに東京に来ると、割とこういう違和感がありがちなんですが、それにしても、今回はプログラムの写真からサンタクロースだったのがちょっと、ねぇ。
最初の襲撃は普通の服だったような気がするので、せめてそっちを使えばいいのになあ。
「貴様、どこの組のもんだ!」
「……花組だ」
っていう会話をやりたくてああいう役を設定したんだろうなあ、石田さん……
そういうベタなセンス、好きだけどさ、私は(^ ^;ゞ
キャロルの天咲千華。
パリス付の調律師で、ノーマンの浮気相手、その正体はスコットランドヤードの潜入捜査官。
とにかく可愛くて芝居上手で、お気に入りの千華ちゃん。遣り甲斐のある役で楽しそうでした♪♪
石田さんも千華ちゃん好きみたいだけど、毎回、わりと似たような傾向の役をつけているあたり、めおちゃんに対する評価と似た匂いを感じる(^ ^)。「銀ちゃん」「フィフティ」「相棒」と連続して石田作品に出ている人たちの中で、みつるくんだけは、毎回キャラクターが違うんですよね。王子もらいらいもきらりんもさあやも、大きくくくれば同じような役が続いているのに。面白いなあ。
話を戻して。千華ちゃん。
花組に来て、周りの可愛い花娘さんたちとは芝居の質がちょっと違うのかなーと思っていたのですが、それは宙組の個性なんじゃなくて千華ちゃんの個性なんだな、ということがあらためて判ったので(^ ^)、そういうところをガンガン出していっていいんじゃないかな、と思います。
同期の蘭ちゃん(蘭乃はな)が次の東京から来ますけれども、千華ちゃんは千華ちゃんらしく、生き生きと存在してほしいな、と思う。その輝きは彼女独特のもので、他には変えられないものだと思うから。
ドラマシティでは石田さんが千華ちゃんを「スコットランドヤードの潜入捜査官」と設定し、
バウホールでは生田さんが、真瀬くんに「(まぁくんに向かって)僕は貴方の相棒になれましたか?」と訊かせる。
両方観ると二度おいしい、みたいな設定が、花組ファン(←あれっ?)的にとても嬉しかったです。
星組の「ヘイズ・コード」以来、若い演出家はそういうネタをよく使うようになりましたが、石田さんって……『若い演出家』チームに入るのかしらん?(^ ^;
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萬さんがまるで主役のように(^ ^)たくさん映っていたのがとても嬉しいです。そして、「As Time Goes By」で、萬さんの歌から祐飛さんの歌につなぐ編集はお見事でした!私的に、永久保存版になりました(^ ^)。
でも。
……フィナーレのムーア人で、胸に花をつけて踊っていた舞生ちゃんのことも、一瞬くらい映してくれてもいいと思うんだけど(泣)。今までは、相当な下級生でも千秋楽映像では一瞬抜きがあったと思うのに。研4で卒業するってことは、こういうことなんですかねぇ……。
で。
しばらく、「カサブランカ」公演中に観た作品の落穂ひろいをしていきたいと思います。
まずは、花組公演「相棒」。
……この作品については、何といっても私はドラマを観ていないので、ドラマファンの皆様の熱いコメントのようにはとてもいかないのですが……
ドラマを知らなくても十分に楽しめる、とても素敵な公演でした(*^ ^*)。
まー、そうは言っても、たぶんドラマファンの皆様の半分くらいしか満喫していないんだろうなあ……と思いますが。
近くの席の方が、誰かが出てくるたびに大興奮してきゃいきゃいしていたのがとても羨ましかったので(^ ^)。
作品的には、というか、ネタ的にはどうなの?という感じはありましたが……どうやらそういう意味でも「逆転裁判」と同じようなものなんだろうな、と思いました(^ ^)。
いや、まあ、あの、ネタ的なダメさ加減は「逆転裁判」の方が上だったし、物語としての突拍子のなさは「相棒」の方が無理があったんですが。なんていうか、臓器移植と宗教という、非常に扱いの難しい問題を二個もいっぺんに放り込まなくてもいいと思うんだよね。しかも、そのどっちも実際に起こる事件とはあまり関係ないところが石田さんのダメダメなところだと思う。語りたい話をストーリーと無関係に無理矢理持ち込むから、ワケがわからなくなってしまうんですよ。
だから、石田さんには語りたい話だけをやらせておけ、って思うんですよねぇ。今回だって、臓器移植の話をしたいんだったらそっちに集中すればいいと思うんですよね。なにがどうなって新興宗教が出てきたのか、私にはよく判りませんでした……(T T)。
でも。
石田さんがプログラムで「小説、映画、劇画、韓流ドラマ、そしてゲームと様々なジャンルを『宝塚化』するのが100周年にむけての使命」ということを書いていらっしゃいますが。
宝塚はやっぱり唯一無二の宝塚なのであって、小説や劇画の二番煎じにはなってほしくないけれども、新しい風というのは常に必要なもので、「逆転裁判」も「カサブランカ」も「相棒」も、なくてはならない風だったんだろうな、と思います。
実際、どれも面白かったし(^ ^)。
こういった試みによって新しいファンが掴めたのかどうかは判りませんが、宝塚を観に来るきっかけの一つになれば、と思いますし、良い試みだと思っています(*^ ^*)。版権とかイメージとか、色々問題はあるでしょうけれども。どうぞこれからも、良いネタを探してがんばってくださいませ。
杉下右京の真飛聖。
水谷さんの喋り方を知らないのでアレですが、まとぶんの声のバリエーションとお茶目な雰囲気があんなに生きる役もないのではないか、と思いました♪
べったり撫で付けた髪が素敵です(^ ^)。
神戸尊の壮一帆。
壮ちゃん、なんだかホントに似合ってました!
雪組時代は「良い人」しかできないタイプかと思っていたのですが、花組に来て、本質はそっちじゃなかったことを知りました(^ ^)。「アデュー・マルセイユ」までは「悪い人」は全部ダメだったのに、「メランコリックジゴロ」くらいから突然豹変した印象があって、真飛さんとの舞台上での相性が良いのかな、と思いました。
クールで裏のある二枚目タイプなのに、結構右京さんに振り回されて可愛くなってる。そういうのがすごく似合いますね♪ 最後に「相棒?」って言って微笑みあうところが、すごく好きです。
ああいう、実は素直なのに表面だけ突っ張って素直じゃないっていう役がとっても似合う、と、思う(^ ^)。
パリス・エヴァンズの桜乃彩音。
思いのほか似合ってました。「相棒」世界にハマらない感じ、どこか浮いた感じが良かった、と、思う。前半は崩れた色気があって役にあっていたし、後半、というかラストの一花ちゃんとの会話の可愛らしさは、これが彼女の本質なのかな、と思いましたね。
卒業前に似合う役に当たって、良かったねと思いました♪
内村完爾の星原美紗緒。
頑固で視野の狭い部長。星原さんってこういう『可愛いオヤジ』的な役がめっちゃ似合うなあ、と思いました。相変わらず石田さんのキャスティングは冴えてるわ。(←単に猫と石田さんの感性が似ているだけなんでは……?)
竹刀を振り回すしか能のない頑固っぷりがすごく可愛かったです。憎むべき人が出てこないドラマの中で、キャラ勝ちしているなと思いました。
小野田公顕の夏美よう。
掴みどころのない官房室長。いい味だしてましたね。ニュースで流れた挨拶も、小野田さん口調でやっていてすごく面白かったし♪(小野田さんなのに噛んでいたところはご愛嬌☆)
三浦信輔の眉月凰。
捜査一課の巡査部長。背広姿が普通に決まりすぎていて、あまり目立たなかったような気が……。タカラヅカって不思議なところだなあ。あんなにきれいなのに(汗)
教祖(女)の絵莉千晶。
存在感があってさすがでした。……物語的には、かなり意味不明な存在でしたが(^ ^;ゞ
あまりにも意味不明すぎて、「石田さん、久々にやっちゃったな…」と思いましたが、でも、石田さん的には全面的に彼女を信頼しての役付けなんだろうな、と思ったりもしました。
ノーマン・エヴァンズの愛音羽麗。
かっこいい!
どんなに情けなくても、どんなにしょうもない男でも、みわっちがやるといい男に見える……。
愛情がちゃんと見えるところがいいんでしょうね、やっぱり。世間的には「気の毒な役」的な扱いでしたけど、振り幅の広い役者らしい、多面性のある役で、石田さんはみわっちを信頼しているんだな、と思いました。
考えてみれば、パリスも右京さんとの過去があったり、最後にはノーマンのところに戻ったり、と「カサブランカ」のイルザに似たエピソードがある人物なんですが、あまり話題にならなかったなあ。イルザはいろいろ言われていたのに。……作品が作品だから、かしらん。
角田六郎の未涼亜希。
いや、もう。素敵すぎて何も言いません。女の子たちに囲まれて鼻の下を伸ばしきったまっつが観られるなんて!!石田さん、ありがとう(*^ ^*)。
ただ。「暇かーっ!?」っていう挨拶は、ドラマの角田さんの定番なんだそうですね。そういうのを知らないと、まっつが全然オジサンに見えないので、いったいどういうキャラなのか謎なところもありました。……まぁ、それは仕方がないのかな。宝塚だもんね。
宮部たまきの桜一花。
可愛い。可愛い。可愛いったら可愛い!
落ち着いた風情と、ワケありげな立ち居振舞がすごく色っぽい。右京さんとの過去を想像させつつ、現在の絶妙な距離感を見せるところがとても素敵です。雰囲気がしっとりしていて、最後のパリスとの語りもいい。湿り気のある日本の女と、カラッとしたアメリカ女の空気感の違いが良く出てた。
一花ちゃん、可愛いばかりじゃなく、ああいう過去のある大人の女も出来る人なので、そろそろそっちの方でちゃんと使ってほしいなあ、と思います。もうすぐ研12なんですもんね(汗)。
とてもそうは見えないけどさ。
米沢守の華形ひかる。
この役はドラマファンには衝撃的だったらしく、みんな彼の話しかしないんですけど(汗)。近くの席に座っていたドラマファンらしい方も、米沢さんに一番反応していましたし。
私は、芝居としては、それほどオタクっぽい感じも無く、いつも通りの役者・みつるだったと思ったのですが……。
いや、もちろん、ドラマを観ていなくても、みつるくんがあの扮装で出てきただけで笑えましたけど、ね……。確かに、みつるくんはおかっぱにしてても二枚目なんだなあ、とゆ~のは感動ポイントでしたわ(^ ^;ゞ
伊丹憲一の真野すがた。
この人のキャラは、石田さんの中では完璧に確立されていて、他のキャラクターは考えられないんだろうなあ、と思いました。橘、ヴィクター、伊丹と、キャラは同じですよね。誰よりも二枚目なのに、立っているだけで何故か笑いが取れる。観ている観客にも、何がそんなにおかしいのかわからないんだけど、伊丹さんが出てくるだけで笑ってしまうんですよ……。なのに、彼がドラマの中心になると、ちゃんと感動させてくれる。そういう個性なんだな、と思います。
同じようなキャラが続いても、飽きないしね。それだけの魅力がある人なんだなあ、と思う。
石田さんと組んだときのめおちゃんが、一番好きです。うん、可愛かった♪
婦人警官の初姫さあや、華耀きらり、天宮菜生、芽吹幸奈。
もう。
私は、この作品、この4人を観にいった、といっても過言ではないかも、くらい楽しみにしていたんですが。
石田さん、ありがとう。期待に違わぬ可愛らしさでした。さあやもきらりんもはるちゃんもくみちゃんも、みんなすっごい可愛かったよーーーーーー!!
きらりんだけミニスカなところに、石田さんの『譲れない一線』を見ました。
……そこかい。
暴漢の扇めぐむ。
いきなり役名「暴漢」ってどうなの?と思っていたとみぃですが、確かに「暴漢」としか言いようのない役でした。しかも、サンタクロースの扮装だし(涙)。東京は松も取れた1月中旬だとゆーのに。(ドラマシティは年末だったのでわかるのですが……)
年末のドラマシティ公演が年明けに東京に来ると、割とこういう違和感がありがちなんですが、それにしても、今回はプログラムの写真からサンタクロースだったのがちょっと、ねぇ。
最初の襲撃は普通の服だったような気がするので、せめてそっちを使えばいいのになあ。
「貴様、どこの組のもんだ!」
「……花組だ」
っていう会話をやりたくてああいう役を設定したんだろうなあ、石田さん……
そういうベタなセンス、好きだけどさ、私は(^ ^;ゞ
キャロルの天咲千華。
パリス付の調律師で、ノーマンの浮気相手、その正体はスコットランドヤードの潜入捜査官。
とにかく可愛くて芝居上手で、お気に入りの千華ちゃん。遣り甲斐のある役で楽しそうでした♪♪
石田さんも千華ちゃん好きみたいだけど、毎回、わりと似たような傾向の役をつけているあたり、めおちゃんに対する評価と似た匂いを感じる(^ ^)。「銀ちゃん」「フィフティ」「相棒」と連続して石田作品に出ている人たちの中で、みつるくんだけは、毎回キャラクターが違うんですよね。王子もらいらいもきらりんもさあやも、大きくくくれば同じような役が続いているのに。面白いなあ。
話を戻して。千華ちゃん。
花組に来て、周りの可愛い花娘さんたちとは芝居の質がちょっと違うのかなーと思っていたのですが、それは宙組の個性なんじゃなくて千華ちゃんの個性なんだな、ということがあらためて判ったので(^ ^)、そういうところをガンガン出していっていいんじゃないかな、と思います。
同期の蘭ちゃん(蘭乃はな)が次の東京から来ますけれども、千華ちゃんは千華ちゃんらしく、生き生きと存在してほしいな、と思う。その輝きは彼女独特のもので、他には変えられないものだと思うから。
ドラマシティでは石田さんが千華ちゃんを「スコットランドヤードの潜入捜査官」と設定し、
バウホールでは生田さんが、真瀬くんに「(まぁくんに向かって)僕は貴方の相棒になれましたか?」と訊かせる。
両方観ると二度おいしい、みたいな設定が、花組ファン(←あれっ?)的にとても嬉しかったです。
星組の「ヘイズ・コード」以来、若い演出家はそういうネタをよく使うようになりましたが、石田さんって……『若い演出家』チームに入るのかしらん?(^ ^;
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きりやんのノバ・ボサ・ノバ
2010年2月15日 宝塚(月)突然ですが。
私にとって、『もっとも回数を観た大劇場公演』は、長いこと月組の「螺旋のオルフェ/ノバ・ボサ・ノバ」でした。
大劇場に三回遠征して、二桁観劇した初めての公演。
東京だけなら「黒い瞳」の方が多いはずなのですが、大劇場と合わせてだとこっちの方が多かったはず。
そんな、ファンになりたてのころの、思い出の公演。
それでも、この頃の私は、一番のご贔屓さんが卒業した直後の新人公演を観るという頭が無くて。
せっかくのきりやんのソールを、観ようという努力さえしなかったんだなあ……あああ、なんて勿体無いことを(今更)。
きりやんのお披露目記念で流れていた「ノバ・ボサ・ノバ」新人公演映像を、やっと観ました。
録画はしていたんですが、ずっと暇がなくて。(いや、今日も暇だったわけでは決して無いんですが)
ひさしぶりに昔の月組を観て、懐かしさにほろりとしつつ、
……あああ、生で観たかったなあ……、と思ったりして。
なんだか、ものすごく感慨深いメンバーですよね。
エストレーラがあーちゃん(花瀬みずか)、
メール婦人がナホちゃん(越乃リュウ)。
ラストの、砂浜での別れの場面を観ながら、なんだか奇妙な既視感にとらわれました。
ソールとエストレーラ、そしてメール夫人という、(ほぼ)三人だけの場面。
ナホちゃんとあーちゃんのお二人が、今でもきりやんの傍にいてくれていることが、とても嬉しいです。
でも。
……それ以外は、もうほとんど誰もいないんですねぇ。
なるみんも、カオルちゃんも、あゆらさんも、末子姐も、タニちゃんも、三恵ちゃんも、千佳ちゃんも、葉月ちゃんも。
役がついている中では、かろうじてみっちゃんが宙組にいるくらい(←研2にしてボールソ役だったことに驚愕しました……凄いんだなみっちゃんって)(←今頃気づいたんかい)。
そりゃあ、そうか。「ノバ・ボサ・ノバ」は85期の初舞台公演ですものね(T T)。もりえちゃんとか、みっぽーとか、さすがにどこにいるのか良く判らない。ドアボーイの礼音くんがかろうじて、って感じですものね。
もちろん、ガチャとか研ちゃんとか、そこかしこで踊ってはいるのですが。まだ役がつくような学年じゃないんだなあ…。
それにしても、ホントに懐かしい。
このあたりの期は、みんな大好きだったんですよね……。
カオルちゃん(大樹槙)のオトコマエな挨拶もカッコいいし、
白い顔できりやんの隣に立っているナホちゃんの、何か不安げな表情が可愛らしい。
そして。
そんなことどうでも良くなってしまうほどに、ソールなきりやんが素敵すぎて、惚れてしまいますね。
なんて真直ぐに、眩いほどに輝いているんでしょうか。
若さに溢れて、健康で、元気で、キラキラしてて。
もう、十年も前の、幻のようなひととき。
ああ、早く中日に行きたいです……。(そっちか)
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私にとって、『もっとも回数を観た大劇場公演』は、長いこと月組の「螺旋のオルフェ/ノバ・ボサ・ノバ」でした。
大劇場に三回遠征して、二桁観劇した初めての公演。
東京だけなら「黒い瞳」の方が多いはずなのですが、大劇場と合わせてだとこっちの方が多かったはず。
そんな、ファンになりたてのころの、思い出の公演。
それでも、この頃の私は、一番のご贔屓さんが卒業した直後の新人公演を観るという頭が無くて。
せっかくのきりやんのソールを、観ようという努力さえしなかったんだなあ……あああ、なんて勿体無いことを(今更)。
きりやんのお披露目記念で流れていた「ノバ・ボサ・ノバ」新人公演映像を、やっと観ました。
録画はしていたんですが、ずっと暇がなくて。(いや、今日も暇だったわけでは決して無いんですが)
ひさしぶりに昔の月組を観て、懐かしさにほろりとしつつ、
……あああ、生で観たかったなあ……、と思ったりして。
なんだか、ものすごく感慨深いメンバーですよね。
エストレーラがあーちゃん(花瀬みずか)、
メール婦人がナホちゃん(越乃リュウ)。
ラストの、砂浜での別れの場面を観ながら、なんだか奇妙な既視感にとらわれました。
ソールとエストレーラ、そしてメール夫人という、(ほぼ)三人だけの場面。
ナホちゃんとあーちゃんのお二人が、今でもきりやんの傍にいてくれていることが、とても嬉しいです。
でも。
……それ以外は、もうほとんど誰もいないんですねぇ。
なるみんも、カオルちゃんも、あゆらさんも、末子姐も、タニちゃんも、三恵ちゃんも、千佳ちゃんも、葉月ちゃんも。
役がついている中では、かろうじてみっちゃんが宙組にいるくらい(←研2にしてボールソ役だったことに驚愕しました……凄いんだなみっちゃんって)(←今頃気づいたんかい)。
そりゃあ、そうか。「ノバ・ボサ・ノバ」は85期の初舞台公演ですものね(T T)。もりえちゃんとか、みっぽーとか、さすがにどこにいるのか良く判らない。ドアボーイの礼音くんがかろうじて、って感じですものね。
もちろん、ガチャとか研ちゃんとか、そこかしこで踊ってはいるのですが。まだ役がつくような学年じゃないんだなあ…。
それにしても、ホントに懐かしい。
このあたりの期は、みんな大好きだったんですよね……。
カオルちゃん(大樹槙)のオトコマエな挨拶もカッコいいし、
白い顔できりやんの隣に立っているナホちゃんの、何か不安げな表情が可愛らしい。
そして。
そんなことどうでも良くなってしまうほどに、ソールなきりやんが素敵すぎて、惚れてしまいますね。
なんて真直ぐに、眩いほどに輝いているんでしょうか。
若さに溢れて、健康で、元気で、キラキラしてて。
もう、十年も前の、幻のようなひととき。
ああ、早く中日に行きたいです……。(そっちか)
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今週は仕事でバタバタしておりまして、ずいぶん間があいてしまいました。すみません。
(誰も待ってない?…そんなホントのコトを涙)
宙バウの配役が発表されたり(天輝トニカちゃん、大劇場で待っています!!)、オリンピックが盛り上がってきたりしていますが、とりあえず、中日劇場にいく前に落穂ひろいを終わらせておきたいと思います。……もう少し、お付き合いくださいませ。
青山劇場にて、「ウーマン・イン・ホワイト」を観劇しました……一ヶ月ほど前に。
二年前の上演時の日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/m/200711240059480000/
思い出してみれば、あのときも「ウーマン・イン・ホワイト」と「蜘蛛女のキス」は、なにげにセットだったんですねぇ。偶然なのかしら。
そして。
感想も「蜘蛛女のキス」とよく似てる、かも。
やっぱり音楽が良いし脚本が良いし、前回から引き続きのメインキャストは皆さん素晴らしいし、変わったキャストはそれぞれに良い味を出しているし。
どっちも、ホントにすごく良いカンパニーでした(*^ ^*)。
キャストは大幅に変更されていて、メインキャストで継続だったのは、主役・マリアンの笹本玲奈と、マリアンローラの父の弟(ローラの叔父)で二人の後見役の光枝明彦のみ、でした。
変更キャストは……
マリアンの異父妹で、父親の遺産を相続した資産家の美少女・ローラが神田沙也加⇒大和田美帆。
姉妹が恋する貧乏な(下層階級の)美術教師・ウォルターを別所哲也⇒田代万里生。
ローラの許嫁・グライド卿を石川禅⇒パク・トンハ。
グライド卿の友人、エピキュリアンなイタリア男・フォスコ伯爵を上條恒彦⇒岡幸二郎。
そして、白い服を着た謎の女、アン・キャスリックを、山本カナコ⇒和音美桜。
いや、面白かったです。
一番印象的だったのは、上條さんから岡さんに変わったフォスコ伯爵かな。
というか、そもそもフォスコ伯爵ってものすごく印象に残る役なので、それが全くの別人になったことで、ずいぶん作品のイメージが変わったな、と思いました。
前回観たときは、『もうこの作品は、上條さんが主役でいいよ!』…と思ったりしたのですが、キャストが変わった今回は、違う意味で同じことを思いました(^ ^)。いやー、フォスコ伯爵って本当に良い役なんですねぇ。
上條さんだと、どうしても年齢的に「初老の男」になるので、ああいう行動を見ていると「色ボケ!」という気がしてしまうのですが(汗)、岡さんだとマリアンたちと同世代……は言いすぎにしても、まあ相手をしてもおかしくない感じはするので。いろんな行動が自然なんですよね。
マリアンに興味を持つ過程も、屋敷に訪ねてきたマリアンをモノにしようとする場面(you can get away with anything)も、すごくテンポが良くて面白かったです。
まあ、岡さんは残念ながらそういう意味での色気のない人なので、夢中になってしまった上條さんのような可愛らしさや、「あ~あ、オジサンったら騙されちゃって…」みたいな見えかたは無かったのですが。その代わりに、彼にあるのは『冷静な観察者』としての存在感、ですね。マリアンが一生懸命チャンスを狙ってアレコレするのを、一歩離れたところで面白がっているような、そんな空気を感じました。
マリアンに髭を嫌がられて、ちょっとしょんぼりしながら剃るために席を外した、後。
ヤル気満々で戻ってきてみたら、マリアンが書類を掴んで立ち尽くしていた……その、場面。
上條さんの、何とも言えず残念そうな、「まったく、貴女ときたら……」という声が聞こえてきそうな芝居がすごく好きだったのですが、岡さんの「まーったく、何か企んでいると思ったら案の定……」という、ちょっと蔑んだような冷たい態度も、なかなかにツボでした。
作品的には、やはり年代的に岡さんの方が役にはあっていたような気がしますが、二人のフォスコ伯爵を観ることができて、とても楽しかったです。
大きく印象が変わったのは、ぐっと若く、真直ぐになった田代さんのウォルターですね。
私は別所さんのバルジャンはすごく好きだったんですが、こういう普通の二枚目役、若くてハンサムなテノール向きの役はイマイチ似合わないんですよね…(涙)それでも、他の作品…たとえば「ユーリンタウン」の主人公みたいな、ああいう役に比べれば、ウォルターは元々マリアンやローラの“先生”なので、彼女たちより一世代上で大丈夫だし、頼りがいのある誠実で不器用な男、という設定なのでそこまでの違和感は無かったのですが、今回田代さんのウォルターを観て、やっぱりあれは違っていたんだな、と思いました(^ ^;ゞ。
ウォルターには、若さゆえの『無力さ』と『無鉄砲さ』が必要なんだな、と思ったのです。
彼は労働者階級で、喪うものなど何もない、“持たざる者”なのですから。ジェントルメン階級のマリアンとローラ、労働者階級のウォルター。ウォルターはそれでも食事をマリアンたちと一緒にとることを赦されますが、本質的には『ジェントルメン』ではない、とみなされているわけですから。
そういう“持たざるも者”の、“持てる者”へ向ける憧憬や焦燥、そういった感情が、別所さんには全く無かった。落ち着いた大人の男でした。でも、決して芝居が巧いわけではないはずの田代さんには、そういう“焦り”があったんですよね。
ローラに対しても、真直ぐに愛を表現するのではなく、後ろめたくて一直線に駆け寄るわけにはいかない、という空気を感じさせたところが良かったのだと思います。それがあるから、ローラも駆け落ちとかそういうのを考えることができないわけで。唯々諾々と姉の言うままに嫁ぎ、決定的な傷を負わされるまで気がつかない。
そして、パーシヴァル卿のパク・トンハ。
なんせ初演は石川禅ちゃんだったわけで、現役エポニーヌな玲奈ちゃんと現役バルジャン&ジャヴェールな別所&石川のコンビっていうのは物凄い違和感だったんだな、と、今回観てあらためて思いました。やっぱり、マリアンがエポニーヌならウォルターとパーシヴァル卿はマリウス&アンジョルラスクラスでないと、ね(^ ^)。
マッチョな見た目と頑固な雰囲気は、エピキュリアンなフォスコ伯爵の仲間というよりは、厳格な軍人家庭みたいなものの方がイメージかな、とも思いましたけれども、二幕ラストの光枝さんを脅しつけてサインをさせようとする場面の小物っぷりとか、的確に役の人物を表現していたような気がします。あと、「エリザベート」のルドルフでデビューしているだけあって、さりげなく貴族に見えるところはさすがでした。ウォルターに対する態度の傲慢さとか、マリアンやローラをさりげなく下に見ているところとか、パーシヴァル卿>マリアン・ローラ>ウォルターという身分の差がよく見えて、話がわかりやすくなっていたかな、と。
ローラの大和田さんは、それなりに歌えていたのでホッとしました。
ソロもデュエットも聴きやすかったし、芝居も無難で、良かったんじゃないかなあ。ただ、玲奈ちゃんが最近急激に綺麗になってきているので、ウォルターがどうしてマリアンじゃダメだったんだろう?と思ってしまいましたが。神田さやかちゃんは、歌はアレでも、やっぱり可愛かったもんな。
……いや、大和田さんも可愛いんですけどね。玲奈ちゃんが、一幕前半はもう少し地味に(衣装とか、髪型とか、お化粧とか)する必要があるのかもしれません。
アン・キャスリックのたっちん(和音美桜)。
いやー、可愛かった!初演の山本さんのあの線の細さとヒステリックな声質が役にすごく合っていたので、どうなるかなあと思っていたのですが、さすがたっちん。演技力は半端ないですね。
初演より実在感のある演技で、玲奈ちゃんと対等にやりあっていたのがさすがでした。ヒロイン経験っていうのはこういうところでも役に立つんだなあ。
一つだけ改良点を挙げるなら、物語のラスト、駅のセットの上に立って笑顔でマリアンたちを見守っている場面だけは、幽霊メークじゃなくて普通のメークでよかったと思う。
結構長い時間、笑顔で目立つ所に立っていて、照明も当たっている場面なのに、目元のクマとか頬のコケた影とかが強すぎて、怖かった……(T T)。
最後に。
マリアン・ハルカムの笹本玲奈。
初演時にこの役でいくつかの賞を獲り、女優として大きく躍進した玲奈ちゃん。あの後もいろんんな役を経て、大きく成長しての再演。
……すごく良かったです。名実ともに、主演女優でした。物語を立ち上げ、支え、そして幕を降ろす……その一番難しい所を、ちゃんと責任を持ってやっているように見えました。
ホントに、いい女優になったなあ(*^ ^*)。
今回は、歌や芝居の基本的な技術にハテナがつく人がいなかったので、とても気持ちよく観ることができました。ちあきしんさんが歌唱指導のみで出演されなかったのがとても残念ですが、ソンちゃん(秋園美緒)がいたり、レ・ミゼラブル組が何人もいたり、アンサンブル観てるだけでも楽しかったです。
やっぱりこの作品、音楽がいい!!玲奈ちゃんの「All For LAURA」、また聴きたいです。良い作品は何度でも再演してほしい。
そして。ロイド=ウェッバー作品が劇団四季以外で上演されるたびに思うことを、ことだまとして書かせていただきたいと思います。
【祈】「サンセット・ブールバード」の、四季以外での上演が実現しますように!!【祈】
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(誰も待ってない?…そんなホントのコトを涙)
宙バウの配役が発表されたり(天輝トニカちゃん、大劇場で待っています!!)、オリンピックが盛り上がってきたりしていますが、とりあえず、中日劇場にいく前に落穂ひろいを終わらせておきたいと思います。……もう少し、お付き合いくださいませ。
青山劇場にて、「ウーマン・イン・ホワイト」を観劇しました……一ヶ月ほど前に。
二年前の上演時の日記はこちら。
http://80646.diarynote.jp/m/200711240059480000/
思い出してみれば、あのときも「ウーマン・イン・ホワイト」と「蜘蛛女のキス」は、なにげにセットだったんですねぇ。偶然なのかしら。
そして。
感想も「蜘蛛女のキス」とよく似てる、かも。
やっぱり音楽が良いし脚本が良いし、前回から引き続きのメインキャストは皆さん素晴らしいし、変わったキャストはそれぞれに良い味を出しているし。
どっちも、ホントにすごく良いカンパニーでした(*^ ^*)。
キャストは大幅に変更されていて、メインキャストで継続だったのは、主役・マリアンの笹本玲奈と、マリアンローラの父の弟(ローラの叔父)で二人の後見役の光枝明彦のみ、でした。
変更キャストは……
マリアンの異父妹で、父親の遺産を相続した資産家の美少女・ローラが神田沙也加⇒大和田美帆。
姉妹が恋する貧乏な(下層階級の)美術教師・ウォルターを別所哲也⇒田代万里生。
ローラの許嫁・グライド卿を石川禅⇒パク・トンハ。
グライド卿の友人、エピキュリアンなイタリア男・フォスコ伯爵を上條恒彦⇒岡幸二郎。
そして、白い服を着た謎の女、アン・キャスリックを、山本カナコ⇒和音美桜。
いや、面白かったです。
一番印象的だったのは、上條さんから岡さんに変わったフォスコ伯爵かな。
というか、そもそもフォスコ伯爵ってものすごく印象に残る役なので、それが全くの別人になったことで、ずいぶん作品のイメージが変わったな、と思いました。
前回観たときは、『もうこの作品は、上條さんが主役でいいよ!』…と思ったりしたのですが、キャストが変わった今回は、違う意味で同じことを思いました(^ ^)。いやー、フォスコ伯爵って本当に良い役なんですねぇ。
上條さんだと、どうしても年齢的に「初老の男」になるので、ああいう行動を見ていると「色ボケ!」という気がしてしまうのですが(汗)、岡さんだとマリアンたちと同世代……は言いすぎにしても、まあ相手をしてもおかしくない感じはするので。いろんな行動が自然なんですよね。
マリアンに興味を持つ過程も、屋敷に訪ねてきたマリアンをモノにしようとする場面(you can get away with anything)も、すごくテンポが良くて面白かったです。
まあ、岡さんは残念ながらそういう意味での色気のない人なので、夢中になってしまった上條さんのような可愛らしさや、「あ~あ、オジサンったら騙されちゃって…」みたいな見えかたは無かったのですが。その代わりに、彼にあるのは『冷静な観察者』としての存在感、ですね。マリアンが一生懸命チャンスを狙ってアレコレするのを、一歩離れたところで面白がっているような、そんな空気を感じました。
マリアンに髭を嫌がられて、ちょっとしょんぼりしながら剃るために席を外した、後。
ヤル気満々で戻ってきてみたら、マリアンが書類を掴んで立ち尽くしていた……その、場面。
上條さんの、何とも言えず残念そうな、「まったく、貴女ときたら……」という声が聞こえてきそうな芝居がすごく好きだったのですが、岡さんの「まーったく、何か企んでいると思ったら案の定……」という、ちょっと蔑んだような冷たい態度も、なかなかにツボでした。
作品的には、やはり年代的に岡さんの方が役にはあっていたような気がしますが、二人のフォスコ伯爵を観ることができて、とても楽しかったです。
大きく印象が変わったのは、ぐっと若く、真直ぐになった田代さんのウォルターですね。
私は別所さんのバルジャンはすごく好きだったんですが、こういう普通の二枚目役、若くてハンサムなテノール向きの役はイマイチ似合わないんですよね…(涙)それでも、他の作品…たとえば「ユーリンタウン」の主人公みたいな、ああいう役に比べれば、ウォルターは元々マリアンやローラの“先生”なので、彼女たちより一世代上で大丈夫だし、頼りがいのある誠実で不器用な男、という設定なのでそこまでの違和感は無かったのですが、今回田代さんのウォルターを観て、やっぱりあれは違っていたんだな、と思いました(^ ^;ゞ。
ウォルターには、若さゆえの『無力さ』と『無鉄砲さ』が必要なんだな、と思ったのです。
彼は労働者階級で、喪うものなど何もない、“持たざる者”なのですから。ジェントルメン階級のマリアンとローラ、労働者階級のウォルター。ウォルターはそれでも食事をマリアンたちと一緒にとることを赦されますが、本質的には『ジェントルメン』ではない、とみなされているわけですから。
そういう“持たざるも者”の、“持てる者”へ向ける憧憬や焦燥、そういった感情が、別所さんには全く無かった。落ち着いた大人の男でした。でも、決して芝居が巧いわけではないはずの田代さんには、そういう“焦り”があったんですよね。
ローラに対しても、真直ぐに愛を表現するのではなく、後ろめたくて一直線に駆け寄るわけにはいかない、という空気を感じさせたところが良かったのだと思います。それがあるから、ローラも駆け落ちとかそういうのを考えることができないわけで。唯々諾々と姉の言うままに嫁ぎ、決定的な傷を負わされるまで気がつかない。
そして、パーシヴァル卿のパク・トンハ。
なんせ初演は石川禅ちゃんだったわけで、現役エポニーヌな玲奈ちゃんと現役バルジャン&ジャヴェールな別所&石川のコンビっていうのは物凄い違和感だったんだな、と、今回観てあらためて思いました。やっぱり、マリアンがエポニーヌならウォルターとパーシヴァル卿はマリウス&アンジョルラスクラスでないと、ね(^ ^)。
マッチョな見た目と頑固な雰囲気は、エピキュリアンなフォスコ伯爵の仲間というよりは、厳格な軍人家庭みたいなものの方がイメージかな、とも思いましたけれども、二幕ラストの光枝さんを脅しつけてサインをさせようとする場面の小物っぷりとか、的確に役の人物を表現していたような気がします。あと、「エリザベート」のルドルフでデビューしているだけあって、さりげなく貴族に見えるところはさすがでした。ウォルターに対する態度の傲慢さとか、マリアンやローラをさりげなく下に見ているところとか、パーシヴァル卿>マリアン・ローラ>ウォルターという身分の差がよく見えて、話がわかりやすくなっていたかな、と。
ローラの大和田さんは、それなりに歌えていたのでホッとしました。
ソロもデュエットも聴きやすかったし、芝居も無難で、良かったんじゃないかなあ。ただ、玲奈ちゃんが最近急激に綺麗になってきているので、ウォルターがどうしてマリアンじゃダメだったんだろう?と思ってしまいましたが。神田さやかちゃんは、歌はアレでも、やっぱり可愛かったもんな。
……いや、大和田さんも可愛いんですけどね。玲奈ちゃんが、一幕前半はもう少し地味に(衣装とか、髪型とか、お化粧とか)する必要があるのかもしれません。
アン・キャスリックのたっちん(和音美桜)。
いやー、可愛かった!初演の山本さんのあの線の細さとヒステリックな声質が役にすごく合っていたので、どうなるかなあと思っていたのですが、さすがたっちん。演技力は半端ないですね。
初演より実在感のある演技で、玲奈ちゃんと対等にやりあっていたのがさすがでした。ヒロイン経験っていうのはこういうところでも役に立つんだなあ。
一つだけ改良点を挙げるなら、物語のラスト、駅のセットの上に立って笑顔でマリアンたちを見守っている場面だけは、幽霊メークじゃなくて普通のメークでよかったと思う。
結構長い時間、笑顔で目立つ所に立っていて、照明も当たっている場面なのに、目元のクマとか頬のコケた影とかが強すぎて、怖かった……(T T)。
最後に。
マリアン・ハルカムの笹本玲奈。
初演時にこの役でいくつかの賞を獲り、女優として大きく躍進した玲奈ちゃん。あの後もいろんんな役を経て、大きく成長しての再演。
……すごく良かったです。名実ともに、主演女優でした。物語を立ち上げ、支え、そして幕を降ろす……その一番難しい所を、ちゃんと責任を持ってやっているように見えました。
ホントに、いい女優になったなあ(*^ ^*)。
今回は、歌や芝居の基本的な技術にハテナがつく人がいなかったので、とても気持ちよく観ることができました。ちあきしんさんが歌唱指導のみで出演されなかったのがとても残念ですが、ソンちゃん(秋園美緒)がいたり、レ・ミゼラブル組が何人もいたり、アンサンブル観てるだけでも楽しかったです。
やっぱりこの作品、音楽がいい!!玲奈ちゃんの「All For LAURA」、また聴きたいです。良い作品は何度でも再演してほしい。
そして。ロイド=ウェッバー作品が劇団四季以外で上演されるたびに思うことを、ことだまとして書かせていただきたいと思います。
【祈】「サンセット・ブールバード」の、四季以外での上演が実現しますように!!【祈】
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高橋大輔選手 銅メダル獲得(NHK)
2010年2月19日 スポーツ コメント (2)
高橋選手、銅メダル獲得おめでとうございます!
男子シングルで日本初のメダル。素晴らしいです(^ ^)。
そのむかし、カタリーナ・ビットとブライアン・オーサーのファンだった猫がフィギュアスケートを一番熱心に見ていた頃。あの頃は、日本のそれも男子選手がオリンピックでメダルを獲る日がくるなんて、想像もできませんでした。
イマドキの若い人って、本当にスタイルが良いし、センスがありますよね。
フィギュアスケートは、やはりスタイル(←衣装のセンスを含む)が大きくものを言うので、日本人は不利だとずっと思っていたのですが、並んでもスタイルバランスで各国選手にひけをとらない彼らには、いつも感心します。
フリーの試合前、4回転に挑むか挑まないかで話題になっていたようですが、今の採点方式では失敗してもきちんと立て直せる自信がなくては挑戦なんて絶対にできないので、その自信を持ちえたことを讃えたいと思います。
昔のように四回転さえ飛べば他がどうでも勝てる時代ではないし(^ ^;、無理しなくても安全策で…という意見が出ることは判るんですが、、、、それでも、4位の織田選手や5位のランビエールと5点以上の差があったから、ジャンプそのものの減点だけですむなら(その後立て直せれば)大丈夫、ということで踏み切ったんだろうと思います。
それだけの点数をショートプログラムで稼げていたことが素晴らしいな、と。
プルシェンコは、前回五輪での、滑り出した瞬間にもう「ああ、この人が優勝するんだろうな」と思わせた輝きがなくなっていて、ちょっと残念でした。ショートプログラムももう少し点数が伸びてもいいはずなのに、案外のびなくて。調子でも悪かったのでしょうか……?もともと、彼のあまりにも軽やか過ぎる演技はインパクトに欠けるような気がして個人的にはイマイチなのですが、それにしても精彩を欠いたような気がしました。
フィギュアスケートというスポーツにおいて、ジャンプの回転数を上げるというギャンブルに出るのではなく、ひとつひとつの技の精度を磨きあげることで見事金メダルを獲得したライザチェック。
私にとって、今まではそれほど印象に残るスケーターではなかったのですが、今回の演技は、前回のプルシェンコのように「ああ、この人が勝つのかもね」と思わせる何かがありました。
なんなんでしょうね、あれは。
ウィアーが思ったより点数が伸びなくて残念。大好きなのになあ。
ランビエールは、逆にフリーでやっと実力発揮という感じで、ショートプログラムのジャンプの失敗が惜しかったなあ、と改めて思いました。ショートも、「曲の解釈」は9点以上という凄い点をもらったのに……(T T)。
日本人3人の中では、個人的に織田選手を応援していたりするので、思いがけないハプニングは凄く残念。順位はともかく、『精一杯戦って』ほしいと思っていたので。でも、中断して再開したあと、点数的には『試合は終わった』後の、あの輝きは素晴らしかった!
あの演技を見ることができて、とても嬉しいです。
小塚選手はがんばりましたね!四回転をあの大舞台で成功させるなんて、すごい才能(@ @)。まだ若いので、四年後がとても楽しみです♪
新採点方式になってから、フィギュアスケートに対する興味はだいぶ薄れてしまった猫ですが、ブライアン・オーサーとブライアン・ボイタノが争っていた頃に今の採点方式が行われていたならば、二人の闘いはどんな結果になっていたんだろうなあ、なんて思ったりしました。
まあ、カルガリーオリンピックのボイタノは本当に素晴らしかったので、採点方式に関わらず、あれには勝てなかったかな、と思いますが……
余談。
今回の結果をみて、ちょっと今の宙組のことを考えました。
飛び道具は持っていないけれども、自分の持ち味を長い時間をかけて磨き上げてきたトップ。
ハイレベルな飛び道具の持ち主である準トップ。
ちょっとやんちゃな実力派の三番手。
……そんな感じ?(^ ^;ゞ。
.
男子シングルで日本初のメダル。素晴らしいです(^ ^)。
そのむかし、カタリーナ・ビットとブライアン・オーサーのファンだった猫がフィギュアスケートを一番熱心に見ていた頃。あの頃は、日本のそれも男子選手がオリンピックでメダルを獲る日がくるなんて、想像もできませんでした。
イマドキの若い人って、本当にスタイルが良いし、センスがありますよね。
フィギュアスケートは、やはりスタイル(←衣装のセンスを含む)が大きくものを言うので、日本人は不利だとずっと思っていたのですが、並んでもスタイルバランスで各国選手にひけをとらない彼らには、いつも感心します。
フリーの試合前、4回転に挑むか挑まないかで話題になっていたようですが、今の採点方式では失敗してもきちんと立て直せる自信がなくては挑戦なんて絶対にできないので、その自信を持ちえたことを讃えたいと思います。
昔のように四回転さえ飛べば他がどうでも勝てる時代ではないし(^ ^;、無理しなくても安全策で…という意見が出ることは判るんですが、、、、それでも、4位の織田選手や5位のランビエールと5点以上の差があったから、ジャンプそのものの減点だけですむなら(その後立て直せれば)大丈夫、ということで踏み切ったんだろうと思います。
それだけの点数をショートプログラムで稼げていたことが素晴らしいな、と。
プルシェンコは、前回五輪での、滑り出した瞬間にもう「ああ、この人が優勝するんだろうな」と思わせた輝きがなくなっていて、ちょっと残念でした。ショートプログラムももう少し点数が伸びてもいいはずなのに、案外のびなくて。調子でも悪かったのでしょうか……?もともと、彼のあまりにも軽やか過ぎる演技はインパクトに欠けるような気がして個人的にはイマイチなのですが、それにしても精彩を欠いたような気がしました。
フィギュアスケートというスポーツにおいて、ジャンプの回転数を上げるというギャンブルに出るのではなく、ひとつひとつの技の精度を磨きあげることで見事金メダルを獲得したライザチェック。
私にとって、今まではそれほど印象に残るスケーターではなかったのですが、今回の演技は、前回のプルシェンコのように「ああ、この人が勝つのかもね」と思わせる何かがありました。
なんなんでしょうね、あれは。
ウィアーが思ったより点数が伸びなくて残念。大好きなのになあ。
ランビエールは、逆にフリーでやっと実力発揮という感じで、ショートプログラムのジャンプの失敗が惜しかったなあ、と改めて思いました。ショートも、「曲の解釈」は9点以上という凄い点をもらったのに……(T T)。
日本人3人の中では、個人的に織田選手を応援していたりするので、思いがけないハプニングは凄く残念。順位はともかく、『精一杯戦って』ほしいと思っていたので。でも、中断して再開したあと、点数的には『試合は終わった』後の、あの輝きは素晴らしかった!
あの演技を見ることができて、とても嬉しいです。
小塚選手はがんばりましたね!四回転をあの大舞台で成功させるなんて、すごい才能(@ @)。まだ若いので、四年後がとても楽しみです♪
新採点方式になってから、フィギュアスケートに対する興味はだいぶ薄れてしまった猫ですが、ブライアン・オーサーとブライアン・ボイタノが争っていた頃に今の採点方式が行われていたならば、二人の闘いはどんな結果になっていたんだろうなあ、なんて思ったりしました。
まあ、カルガリーオリンピックのボイタノは本当に素晴らしかったので、採点方式に関わらず、あれには勝てなかったかな、と思いますが……
余談。
今回の結果をみて、ちょっと今の宙組のことを考えました。
飛び道具は持っていないけれども、自分の持ち味を長い時間をかけて磨き上げてきたトップ。
ハイレベルな飛び道具の持ち主である準トップ。
ちょっとやんちゃな実力派の三番手。
……そんな感じ?(^ ^;ゞ。
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名古屋の紫と碧、そして、鶴
2010年2月20日 宝塚(月) コメント (5)中日劇場にて、「紫子/Heat On Beat」を観劇してまいりました。
いやはや。
初日にも書きましたが、きりやん、まりもちゃん、トップコンビお披露目おめでとうございます!
もう、ただただその気持ちで一杯です♪
「紫子」は、「大江山花伝」と同じ木原敏江原作・柴田侑宏作。ただ、演出が新鋭・大野拓史だったのは大きな違いかも(^ ^;ゞ。ちょっと月組が羨ましい……。
「とりかえばや物語」にインスピレーションを得た名作漫画の舞台化で、きりやんは安芸国佐伯氏の当主・碧生と、その双子の妹・紫子の二役。
基本的には紫子が主役の物語なので、お披露目から女役という珍しいパターンですが、男勝りのおきゃんな少女らしさはとても可愛らしくて、よく似合っていたと思います(*^ ^*)。
トップ娘役として組替えしてきたばかりのまりもちゃんは、毛利の姫君・舞鶴姫。
碧生の婚約者として佐伯に現れ、当主身替りの紫子と友情を結ぶ、なかなか宝塚では珍しい役ですが、まりもちゃんの真直ぐな明るさが生きて、すごく良かったです!もうね、とにかくまりもちゃんがめちゃくちゃ可愛くて、前から大好きだったけど、それ以上に好きになりました。ナウオンでニコニコしながらきりやんとじぃーっと視ている様子も可愛くてたまりません(^ ^;ゞ思いのほかきりやんとの並びも似合ってて、すごく嬉しいです(←つ、つい熱く語ってしまった……だってホントに可愛いんだもん!)
ただ。演劇的には、舞鶴姫の出番を減らして二番手娘役にやらせ、ちゅーちゃん(咲希あかね)が演じたお香をまりもちゃんが演じた方がバランスが良かったんじゃないか、と思いました。お香のほうが書き込まれているし、舞鶴姫の出番を思い切って減らせば、普通に大人しくて可愛い、無難な姫になるんじゃないか、と。
まあ、トップ娘役がトップスターと全く絡まないというのは宝塚にはあまり無いから、仕方ないのかな。
お芝居の二番手、というか、トップスターの相手役は、風吹役のもりえちゃん(青樹泉)。日本物のメークがよく映えて、すごく格好良かったです。何はなくても、きりやんを包み込める包容力があれば良い、って感じの役でしたが、すごく似合ってました。
この話、もっと風吹の事情をフィーチャーしてトップスターにやらせ、紫子をトップ娘役がやるという構成もありだと思うんですよね。そのくらい、良い役でした。
原作では、「大江山花伝」と同じ『鬼』の血を引く存在という設定がありましたが、舞台では説明が面倒なのか(汗)そのへんは端折って、ただの忍びの一員って感じ。アウトローな立ち姿、それでいて紫子にだけは真摯なところ、般若の面を被って出てきたときの投げ遣りな風情、立ち回りで見せる鋭い眼、どれもすごく良くて、惚れ惚れしました。紫子が惚れるのもわかる水際立った男っぷり。「エリザベート」のルドルフも良かったし、きちんと脚本に書き込まれた役を現実感をもって舞台の上で立ち上げる力は充分にあるんだな、と、あらためて思いました。
前回の大劇場公演で怪我のため休演していたもりえちゃん、今回は日本物の立ち回りもショーでのダンスも危なげなく踊っていて、すごくホッとしました。今の躍進が次に繋がることを、祈っています。
娘役二番手は、ちゅーちゃんのお香。
鋭利な美しさと暗い翳のある佳い女を好演していて、凄く嬉しかったです!(*^ ^*)
風吹と雇い主の間をつなぐ忍びの女。風吹に惚れて雇い主の命にそむき、殺されてしまう役ですが、切ない女心がしっかりと伝わる、すごく良い芝居を見せてもらいました。
新公はある程度役がついているけど、公演では役らしい役がついたことのない91期。力はある人なのにどうしてこうも役がつかないのか……(月組は結構そういう人が多いんですけど涙)と哀しんでいたのですが、きりやんがトップになって、こういう人に光が当たることを祈っています。
みりおくん(明日海りお)の金井定嗣。
「定嗣は真面目すぎて(身替りをさせても)すぐバレる」と言われる、堅苦しい男。
碧生の側仕えとして主君を護りぬこうとする強い意志と、その遺志を継いだ紫子に対する仄かな恋心。みりおくんは綺麗だから、つい女役をふられがちですけど、宝塚においては常に「愛される」側となる女役よりも、こういう骨太で不器用な「愛する」側の方が、圧倒的に持ち味に合っていると思うのです。
今はまだ、顔がふっくらと丸みがあったり、衣装の着こなしも改善の余地があったりして、見た目が坊やになってしまうのが残念なのですが、新公も卒業したこのあたりで一皮剥けてほしい、せっかく包容力のある芝居ができるんだから、見た目でも包容力を感じさせてほしい、と切に願っています。
このタイミングでショーヴランを(役替りで)与える劇団は、みりおくんのコトは本気で育てようとしているんだなあ、と思うんですよね。ぜひ、その期待に応えてほしいと思います。
そして。
今回この芝居を観ていて、いつかこの人の紫子を観てみたい、と思いました。女役だけど、紫子は「愛する」側の人だから、多分似合うと思うんです。
そういう意味では、オスカルはどちらかというと「愛される」側の役なので(原作ではそんなことないんですが、植田脚本はすごく「愛される」側に描いていると思う)、あまりそそられないのですが。
みりおくんの紫子。その頃には、いったい誰が月組に居てくれるんだろう。……珠城くんの風吹、宇月くんの定嗣、みっしょんの外記、あちょうさんの丹波、とか、そんな感じでどうかしら。いや、個人的にはみっしょんの風吹でも良いんですけど(笑)。
(桐生)園加の丹波。
久々にクールな役で、文句無く格好良かったです。ちょっと頭が弱くて可愛い感じの役が続いていたので、良い役がきてとても嬉しい!
何が良かったって、お香を殺しきれない弱さを、出番の最初からちゃんと見せていたのが凄く説得力がありました。脚本の流れのままに演じてしまうと、あそこで凄く唐突に「良い人」になってしまいそうなところをしっかり押さえていたのは、上級生の貫禄って奴でしょうか。
客席からの登場にも色気と貫禄があって、良かったです(*^ ^*)もうすっかり上級生だねえ、園加……(←だいぶ前から上級生ですけど、何か)
マギー(星条海斗)の天野外記。
帰宅してからナウオンを視たのですが、マギーは案外いろいろ考えていたんですね。すみません、私にはあまり伝わらなかったみたいで(T T)あまり裏表の無い、普通の悪役に見えてしまいました。あまりにもワルすぎて、「それじゃあ家老として家中の信頼を得ることは難しいだろうに…」などと思ってしまった(汗)。
だってだって、碧生(実は紫子)の前でもすごく莫迦にしきった顔をしていたりとか、ちょっと遣りすぎ?と思ったんですよ~~~。
いろいろ考えてはいるんですね。次は私にも、そんな思いを受け止められますように…(祈)
みっしょん(美翔かずき)の川寺刑部。
いやはや。吃驚しました。あまりにも良い役で。
毛利家の重臣で、舞鶴姫の婚礼の世話役を勤め、その後佐伯攻めを差配する大将となって立ちはだかる。
細い身体が大きな衣装の中で泳いでいたのがちょっと気になったくらいで、口跡といい、キツめのメークといい、髭をつけなくても貫禄って出せるんだなあ、と感心しました。
観ている観客にも「さすがは大毛利家の重臣」と思わせるだけの説得力を、見た目にも芝居にもきっちりつくりこんできたのがとても嬉しかったです。元々綺麗な人だけど、日本物の化粧をすると本当に美しい。武者人形のような迫力があって、もっと本格的な殺陣を視てみたい、と思いました。
邦なつきさんのたず、ガチャ(一色瑠加)の梅沢三太夫。
佐伯家家老の三太夫と、その妻で碧生の乳母だった、たず。
冷静に数えれば随分な学年差のある二人ですが、ガチャがなかなか良い具合に老けていて、バランス良かったです。役者やのう~!
ラスト前に、二人だけでの比較的長い芝居があるんですが、ほとんど台詞の無い時間が長いのに、濃やかな仕草だけで観客を完全に引き込んでいたのが凄かったです。ああいう時間が過ごせるのは、観客として無上の喜びなのかもしれません。お二人とも、ありがとう。
あーちゃん(花瀬みずか)の笹島。
毛利家からまりもちゃんについてくる、舞鶴姫の側仕え。
長身の姫君が、碧生(実は紫子)に合わせてものすごく小さく縮んでいたので、その隣でえらく大きく見えました(苦笑)。
酔っ払いの演技も可愛らしく、この人は本当に、いつまで経っても可愛らしいなあ……と、今更ながら感心してしまった。もう副組長になってそこそこ長いのに、ねぇ(^ ^;ゞ。
みっぽー(美鳳あや)のお藤、紗那ゆずは&愛風ゆめの禿。
紫子が最初に勤めようとする遊女屋の差配(お藤)と、紫子づきの禿の二人。
とにかく可愛かったんで、ここで取り上げてみました。みっぽーの貫禄を見ると、余計にあーちゃんのかわいらしさが際立ちますね。学年で四つも下だというのに(汗)。みっぽーも、姿は充分すぎるほど可愛らしいというのに(!)
ゆずはちゃんとゆめちゃんの二人は、これから劇団的にも育てていきたい二人なんでしょうか。口跡もよかったし、ゆずはちゃんとか死ぬほど可愛かったです(*^ ^*)
舞乃ゆかちゃんの宮乃
定嗣の妹で、主君・碧生に恋している少女。体の弱い碧生の世話をすることに生きがいを感じている、という、いかにも下級生娘役向きの純粋無垢な美少女の役。
以前から可愛いと思っていたゆかちゃんですが、ちゅーちゃん同様、本格的な大役はこれが初めて……ですよね。予想以上に声もよくて、切なさのある良い芝居をしてくれました。Hollywood Lover組が認められていくのはとても嬉しい。これからもがんばってほしいです♪
千海華蘭ちゃんの千丸
碧生の太刀持ち。劇団はこの人をあくまでも子役として扱うつもりなのか?たしかに、声がちょっと個性的(カチャ系の発声)なので、大人の男の役は現段階では難しいと思うんですけどね。
あまりにも可愛らしいので、いつまでも子役にしておきたい気持ちもわからないではありませんが、そろそろ大人の役もつけてあげてほしいなあ……。
目立つ役では、そんなところでしょうか。
男役にも娘役にも良い役がたくさんあるところはいかにも柴田作品。しかも、大野さんの演出は細かい所に神経が通っていて、とても良かったと思います(*^ ^*)。
大野さんのオリジナルも大好きなので観たいけど、たまには柴田作品の演出もお願いしたい!!
ただ、トップコンビのお披露目作品としては今ひとつ、という気もしてしまいました……お披露目公演っていうのはお祭だから、ある程度オーソドックスな形式に沿っていることって大事なのかもしれません。
まあ、今回はショーも異例な(トップ娘役無しの)形式だったので、余計そう思ったんだと思います。ショーがアレなら、せめてお芝居だけでも、トップコンビがちゃんと組む作品が観たかった人も多いんじゃないかなあ、と。
……まあ、次の「スカーレット・ピンパーネル」が、舶来ミュージカルにしては珍しいくらいトップコンビがっつりの良い作品なので、それを楽しみにしています♪
さっそく大劇場にも行く予定ですし(^ ^)、あ~、まりもちゃんがすっごい可愛いのでメチャクチャ楽しみです~~~っ(壊)
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いやはや。
初日にも書きましたが、きりやん、まりもちゃん、トップコンビお披露目おめでとうございます!
もう、ただただその気持ちで一杯です♪
「紫子」は、「大江山花伝」と同じ木原敏江原作・柴田侑宏作。ただ、演出が新鋭・大野拓史だったのは大きな違いかも(^ ^;ゞ。ちょっと月組が羨ましい……。
「とりかえばや物語」にインスピレーションを得た名作漫画の舞台化で、きりやんは安芸国佐伯氏の当主・碧生と、その双子の妹・紫子の二役。
基本的には紫子が主役の物語なので、お披露目から女役という珍しいパターンですが、男勝りのおきゃんな少女らしさはとても可愛らしくて、よく似合っていたと思います(*^ ^*)。
トップ娘役として組替えしてきたばかりのまりもちゃんは、毛利の姫君・舞鶴姫。
碧生の婚約者として佐伯に現れ、当主身替りの紫子と友情を結ぶ、なかなか宝塚では珍しい役ですが、まりもちゃんの真直ぐな明るさが生きて、すごく良かったです!もうね、とにかくまりもちゃんがめちゃくちゃ可愛くて、前から大好きだったけど、それ以上に好きになりました。ナウオンでニコニコしながらきりやんとじぃーっと視ている様子も可愛くてたまりません(^ ^;ゞ思いのほかきりやんとの並びも似合ってて、すごく嬉しいです(←つ、つい熱く語ってしまった……だってホントに可愛いんだもん!)
ただ。演劇的には、舞鶴姫の出番を減らして二番手娘役にやらせ、ちゅーちゃん(咲希あかね)が演じたお香をまりもちゃんが演じた方がバランスが良かったんじゃないか、と思いました。お香のほうが書き込まれているし、舞鶴姫の出番を思い切って減らせば、普通に大人しくて可愛い、無難な姫になるんじゃないか、と。
まあ、トップ娘役がトップスターと全く絡まないというのは宝塚にはあまり無いから、仕方ないのかな。
お芝居の二番手、というか、トップスターの相手役は、風吹役のもりえちゃん(青樹泉)。日本物のメークがよく映えて、すごく格好良かったです。何はなくても、きりやんを包み込める包容力があれば良い、って感じの役でしたが、すごく似合ってました。
この話、もっと風吹の事情をフィーチャーしてトップスターにやらせ、紫子をトップ娘役がやるという構成もありだと思うんですよね。そのくらい、良い役でした。
原作では、「大江山花伝」と同じ『鬼』の血を引く存在という設定がありましたが、舞台では説明が面倒なのか(汗)そのへんは端折って、ただの忍びの一員って感じ。アウトローな立ち姿、それでいて紫子にだけは真摯なところ、般若の面を被って出てきたときの投げ遣りな風情、立ち回りで見せる鋭い眼、どれもすごく良くて、惚れ惚れしました。紫子が惚れるのもわかる水際立った男っぷり。「エリザベート」のルドルフも良かったし、きちんと脚本に書き込まれた役を現実感をもって舞台の上で立ち上げる力は充分にあるんだな、と、あらためて思いました。
前回の大劇場公演で怪我のため休演していたもりえちゃん、今回は日本物の立ち回りもショーでのダンスも危なげなく踊っていて、すごくホッとしました。今の躍進が次に繋がることを、祈っています。
娘役二番手は、ちゅーちゃんのお香。
鋭利な美しさと暗い翳のある佳い女を好演していて、凄く嬉しかったです!(*^ ^*)
風吹と雇い主の間をつなぐ忍びの女。風吹に惚れて雇い主の命にそむき、殺されてしまう役ですが、切ない女心がしっかりと伝わる、すごく良い芝居を見せてもらいました。
新公はある程度役がついているけど、公演では役らしい役がついたことのない91期。力はある人なのにどうしてこうも役がつかないのか……(月組は結構そういう人が多いんですけど涙)と哀しんでいたのですが、きりやんがトップになって、こういう人に光が当たることを祈っています。
みりおくん(明日海りお)の金井定嗣。
「定嗣は真面目すぎて(身替りをさせても)すぐバレる」と言われる、堅苦しい男。
碧生の側仕えとして主君を護りぬこうとする強い意志と、その遺志を継いだ紫子に対する仄かな恋心。みりおくんは綺麗だから、つい女役をふられがちですけど、宝塚においては常に「愛される」側となる女役よりも、こういう骨太で不器用な「愛する」側の方が、圧倒的に持ち味に合っていると思うのです。
今はまだ、顔がふっくらと丸みがあったり、衣装の着こなしも改善の余地があったりして、見た目が坊やになってしまうのが残念なのですが、新公も卒業したこのあたりで一皮剥けてほしい、せっかく包容力のある芝居ができるんだから、見た目でも包容力を感じさせてほしい、と切に願っています。
このタイミングでショーヴランを(役替りで)与える劇団は、みりおくんのコトは本気で育てようとしているんだなあ、と思うんですよね。ぜひ、その期待に応えてほしいと思います。
そして。
今回この芝居を観ていて、いつかこの人の紫子を観てみたい、と思いました。女役だけど、紫子は「愛する」側の人だから、多分似合うと思うんです。
そういう意味では、オスカルはどちらかというと「愛される」側の役なので(原作ではそんなことないんですが、植田脚本はすごく「愛される」側に描いていると思う)、あまりそそられないのですが。
みりおくんの紫子。その頃には、いったい誰が月組に居てくれるんだろう。……珠城くんの風吹、宇月くんの定嗣、みっしょんの外記、あちょうさんの丹波、とか、そんな感じでどうかしら。いや、個人的にはみっしょんの風吹でも良いんですけど(笑)。
(桐生)園加の丹波。
久々にクールな役で、文句無く格好良かったです。ちょっと頭が弱くて可愛い感じの役が続いていたので、良い役がきてとても嬉しい!
何が良かったって、お香を殺しきれない弱さを、出番の最初からちゃんと見せていたのが凄く説得力がありました。脚本の流れのままに演じてしまうと、あそこで凄く唐突に「良い人」になってしまいそうなところをしっかり押さえていたのは、上級生の貫禄って奴でしょうか。
客席からの登場にも色気と貫禄があって、良かったです(*^ ^*)もうすっかり上級生だねえ、園加……(←だいぶ前から上級生ですけど、何か)
マギー(星条海斗)の天野外記。
帰宅してからナウオンを視たのですが、マギーは案外いろいろ考えていたんですね。すみません、私にはあまり伝わらなかったみたいで(T T)あまり裏表の無い、普通の悪役に見えてしまいました。あまりにもワルすぎて、「それじゃあ家老として家中の信頼を得ることは難しいだろうに…」などと思ってしまった(汗)。
だってだって、碧生(実は紫子)の前でもすごく莫迦にしきった顔をしていたりとか、ちょっと遣りすぎ?と思ったんですよ~~~。
いろいろ考えてはいるんですね。次は私にも、そんな思いを受け止められますように…(祈)
みっしょん(美翔かずき)の川寺刑部。
いやはや。吃驚しました。あまりにも良い役で。
毛利家の重臣で、舞鶴姫の婚礼の世話役を勤め、その後佐伯攻めを差配する大将となって立ちはだかる。
細い身体が大きな衣装の中で泳いでいたのがちょっと気になったくらいで、口跡といい、キツめのメークといい、髭をつけなくても貫禄って出せるんだなあ、と感心しました。
観ている観客にも「さすがは大毛利家の重臣」と思わせるだけの説得力を、見た目にも芝居にもきっちりつくりこんできたのがとても嬉しかったです。元々綺麗な人だけど、日本物の化粧をすると本当に美しい。武者人形のような迫力があって、もっと本格的な殺陣を視てみたい、と思いました。
邦なつきさんのたず、ガチャ(一色瑠加)の梅沢三太夫。
佐伯家家老の三太夫と、その妻で碧生の乳母だった、たず。
冷静に数えれば随分な学年差のある二人ですが、ガチャがなかなか良い具合に老けていて、バランス良かったです。役者やのう~!
ラスト前に、二人だけでの比較的長い芝居があるんですが、ほとんど台詞の無い時間が長いのに、濃やかな仕草だけで観客を完全に引き込んでいたのが凄かったです。ああいう時間が過ごせるのは、観客として無上の喜びなのかもしれません。お二人とも、ありがとう。
あーちゃん(花瀬みずか)の笹島。
毛利家からまりもちゃんについてくる、舞鶴姫の側仕え。
長身の姫君が、碧生(実は紫子)に合わせてものすごく小さく縮んでいたので、その隣でえらく大きく見えました(苦笑)。
酔っ払いの演技も可愛らしく、この人は本当に、いつまで経っても可愛らしいなあ……と、今更ながら感心してしまった。もう副組長になってそこそこ長いのに、ねぇ(^ ^;ゞ。
みっぽー(美鳳あや)のお藤、紗那ゆずは&愛風ゆめの禿。
紫子が最初に勤めようとする遊女屋の差配(お藤)と、紫子づきの禿の二人。
とにかく可愛かったんで、ここで取り上げてみました。みっぽーの貫禄を見ると、余計にあーちゃんのかわいらしさが際立ちますね。学年で四つも下だというのに(汗)。みっぽーも、姿は充分すぎるほど可愛らしいというのに(!)
ゆずはちゃんとゆめちゃんの二人は、これから劇団的にも育てていきたい二人なんでしょうか。口跡もよかったし、ゆずはちゃんとか死ぬほど可愛かったです(*^ ^*)
舞乃ゆかちゃんの宮乃
定嗣の妹で、主君・碧生に恋している少女。体の弱い碧生の世話をすることに生きがいを感じている、という、いかにも下級生娘役向きの純粋無垢な美少女の役。
以前から可愛いと思っていたゆかちゃんですが、ちゅーちゃん同様、本格的な大役はこれが初めて……ですよね。予想以上に声もよくて、切なさのある良い芝居をしてくれました。Hollywood Lover組が認められていくのはとても嬉しい。これからもがんばってほしいです♪
千海華蘭ちゃんの千丸
碧生の太刀持ち。劇団はこの人をあくまでも子役として扱うつもりなのか?たしかに、声がちょっと個性的(カチャ系の発声)なので、大人の男の役は現段階では難しいと思うんですけどね。
あまりにも可愛らしいので、いつまでも子役にしておきたい気持ちもわからないではありませんが、そろそろ大人の役もつけてあげてほしいなあ……。
目立つ役では、そんなところでしょうか。
男役にも娘役にも良い役がたくさんあるところはいかにも柴田作品。しかも、大野さんの演出は細かい所に神経が通っていて、とても良かったと思います(*^ ^*)。
大野さんのオリジナルも大好きなので観たいけど、たまには柴田作品の演出もお願いしたい!!
ただ、トップコンビのお披露目作品としては今ひとつ、という気もしてしまいました……お披露目公演っていうのはお祭だから、ある程度オーソドックスな形式に沿っていることって大事なのかもしれません。
まあ、今回はショーも異例な(トップ娘役無しの)形式だったので、余計そう思ったんだと思います。ショーがアレなら、せめてお芝居だけでも、トップコンビがちゃんと組む作品が観たかった人も多いんじゃないかなあ、と。
……まあ、次の「スカーレット・ピンパーネル」が、舶来ミュージカルにしては珍しいくらいトップコンビがっつりの良い作品なので、それを楽しみにしています♪
さっそく大劇場にも行く予定ですし(^ ^)、あ~、まりもちゃんがすっごい可愛いのでメチャクチャ楽しみです~~~っ(壊)
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月組中日劇場公演「Heat On Beat」。
この日記を書くために、年末の日記を読み直してみました。
………なにも書いてないじゃん!!(@ @)。
なんのための日記だよ、自分……(^ ^;ゞ
と、いうわけで。本公演との比較は抜きで、中日の「Heat On Beat」について。
■プロローグ「Hot Jazz」
人数が減ってもパワーが変わらないのはさすが、と思いました。
きりやんも大汗かいて歌って踊って、めっちゃカッコいい★
まりもちゃんは、いったん引っ込んで着替えて登場するきりやんと一緒に、お揃いの衣装で登場。二人の満面の笑顔が眩しくて、迎える組子のパワーがものすごくて、ちょっとほろっときました。
本公演のきりやんの位置にはもりえちゃん(青樹泉)、あいあい・しずくの位置にはみっぽー(美鳳あや)と(萌花)ゆりあちゃん。全員が勢ぞろいしての「Sing-Sing-Sing」が、月組パワーに溢れてて素晴らしかった!
スターたちが客席降りして盛り上げて、次に緒場面へ。
■「The Beat Goes On!」
本公演でのまさお(龍真咲)⇒みりお、蘭ちゃん(蘭乃はな)の天使⇒愛風ゆめちゃん、麗百愛の悪魔⇒紗那ゆずはちゃん。
愛風ゆめちゃんは、どちらかというと大人びた美人なので、こういうキャピキャピ感のある弾けた可愛らしさはだいぶ足りなかったかなー。ダンスは綺麗で、踊れる子だったんだな、と思いました。
ゆずはちゃんは超可愛い。
博多座「ME AND MY GIRL」以来、要チェック入りしているゆずはちゃんですが、ポアントではなく、普通のショートブーツみたいな普通の靴でした。そもそもロック音楽の場面で、百愛ちゃんだけクラシックのリズムなのが気になっていたので、ロックのリズムでガツガツ踊ってくれるゆずはちゃんの方が場面のイメージにはあっていたと思います。脚も綺麗に上がっていたし。
見た目のイメージというか、キャラクターとしては、ゆずはちゃんが天使でゆめちゃんが悪魔の方が似合うんじゃないかと思うんですけどね。そこはダンスの技術の差なのでしょうか?(←すみません、ダンスの技術的なことはさっぱり判らないので、適当なことを書いています汗)
紗幕があがると、若者たちが大集合!
(光月)るうちゃんから天翔りいらさんまで、なんとか全員見分けられたので、ちょっとホッとしました(^ ^)。
元気一杯!な空気はそのままで、すごく良かったです。みりおくんの歌も、まさおとはちょっと違うポジション、違う響きで歌っていて、あぁ、こういう聞かせ方もあるのか…と思いました。
シャウトの仕方や声の強さなど、まさおはさすがだったなと思うところもあったのですが、みりおくんにも充分観客を引き込む力があったと思います♪とくに、背景が飛んで開放されてからの賑やかさというか、楽しさ(?)あるいは仲の良さみたいなものは、中日の方が上だったかも♪
■「Body Heat」
暗転して、銀橋上手に白いスーツのきりやん登場。
改めて視ると、本当に細くなっちゃったなあ……。
椅子を相手にしたダンス。きりやんのポジションには(桐生)園加。……きりやんより園加の方が、技術云々はともかく、色気は上なのかなあ?ちょっとドギマギして、オペラグラスを下ろしてしまいましたわ(^ ^;ゞ。本公演では最後までがっつり視てたのに(‥)
男たち、女たちが入り乱れてのダンスナンバー。本公演でも超お気に入りな場面でしたが、やっぱり良いわぁ。……と思ったら、振付はKAZUMI-BOYさんなんですね。なーるほど、納得です。
あちょうさん(華央あみり)とか鼓英夏さんとかがちゃんとメンバーに入っているのが嬉しい。出演者にムラがある(同じ人が全場面に出てて、出てない人はプロローグとパレードしか出てなかったりする)三木さんのショーも、人数が半分しかいない中劇場版だったら大丈夫なんですね★
ジゴロの最下の輝城みつるくんが綺麗で結構目立ってました。やっぱり彼女、OGのなるみん(鳴海じゅん)に似てると思う……似てませんかねぇ?誰も賛同してくれないけど(T T)。歌が巧い美形で、流し目が得意なところ。……丸顔に笑窪が目立つところは違うけど(汗)。
月娘の本領発揮!な場面ですが、人数減っているはずなのにパワーが倍増しているのはなんで?(@ @)。みんな可愛いよ!個人的に、(妃鳳)こころの毒々しい美しさに見惚れてました。ああ、やっぱりこの人のガートルードを観てみたかったなあ……。
上手の奥から、黒いタイトワンピのまりもちゃんが登場。
あいちゃんのしたたるような艶やかさはないけれども、おしげもなく長い脚を出して、キツい流し目でエトランゼ(きりやん)を誘う。
ダンスの質があっているな、と思いました。タイミングが、もちろんお互いあわせているんでしょうけれども、それにしても綺麗に合っててすごく気持ちがいい。リフトも綺麗に、危なげなく乗っていて感心しました。
ただ。残念ながらこういう爛れた毒々しさが必要な場面が似合わないところまでよく似てるんだな……。
いやーーー、良いコンビですね(*^ ^*)。やっぱりミュージカル向きのコンビなんですよね。「スカーレット・ピンパーネル」だけでなく、「How To Suceed」とか「I Wonna DANCE!」とか、「ME AND MY GIRL」や「Ernest In Love」みたいなハッピーミュージカルを、たっくさん上演してほしいです!
イリュジオンの歌手は、本公演と同じく(彩星)りおん。素晴らしかった!(@ @)。りおん、本当に良い声ですよねえ。色っぽくて音域も音色も幅が広くて、良い歌手だなあと思います(*^ ^*)。
■「Hot Latino」
女(イリュジオン)と共に光も消えた世界。
紗幕が降りて、両花道にラテンシンガー(光月るう/明日海りお)が登場。曲は「エル・クンバンチェロ」。二人ともすごく頑張ってました。……いっぱいいっぱいでしたけど。
で、すみません。本公演をよく覚えていないのですが、みりおはそのままで、まさおのところにるうちゃんが入ったのかな?それとも、みりおがまさおの所に入ったのでしょうか……?
次は「ベサメ・ムーチョ」。メインの4人は、もりえちゃん・マギー・みっぽー・ゆりあちゃん。
みんな可愛くて、なかなか良かったです。
ロケットを挟んで、フラガンシアの場面へ。きりやんセンターに、青い燕尾ダルマのるうちゃん・みりおくん・みっしょん(美翔かずき)・まんちゃん(貴千碧)・ゆりやん(紫門ゆりや)・ゆうきくん(煌月爽矢)。
本当に麻子さんがトップスターだった時代の後半は、毎公演男役のダルマ祭りがあったのですが、それはトップ娘役不在というイレギュラーを受けてのことであって。
少なくとも、中日公演は、ここをまるっと削除してまりもちゃんとのデュエットダンスを入れた方が良かったと思います。
男役ダルマは私も楽しみにしているんですけど、なんというか、さすがにこうも続くと食傷気味で(汗)。
今更組子と馴染まなくちゃ、とか、そういうのも必要も無いきりやんなんだから、宙組と違って、まりもちゃんとの場面がもう一つほしかった!!と、切に思うのです。トップコンビなんて、まずは慣れることから始めるしかないんだから。もう少し、小規模のお披露目公演で馴染む時間をつくってあげてほしかった。
純粋に一観客として、トップコンビの場面が視たかったのにぃ……(T T)
そのまま、「エル・ビエント」のパロディ場面(振付の基本は同じで、音楽だけ変更)に。
たしか、まりもちゃんが白いドレスで最初に登場して、『お?二人で踊るのか?』とワクワクしたら、ちょっとしか組まないでそのまま群舞になったんだよね(涙)。しょぼん。
きりやんの歌は素晴らしかったです。「エル・ビエント」は別れの曲だったけど、「Catch The Beat」は未来へ向かう喜びの歌。振り付けにも、みんなの表情にも、こっちの方があっていた、ような気がします。「エル・ビエント」でも輝くようだった皆の笑顔が、本当に眩しくて。
キラキラしたものがたくさん放出された場面でした。
■「Dancin’ Fool」
みりおくん+るうちゃん+ゆうきくんの3人で、一曲。
この座組で、この3人でやるのか……というのは結構衝撃的でしたが、3人ともがんばってました。みりおくんは本当に華やかですね★
■「El Tango」
本公演であひちゃん(遼河はるひ)+しずくだったタンゴのカップル。中日ではもりえちゃん+ゆめちゃん。スタイル的に丁度つりあう二人で、とってもお似合いでした。ゆめちゃんは、天使よりもこういう大人っぽい場面の方が100倍似合う。と、思う。
歌は……まあ、本公演があの二人だったんだから何も言うまい。
紗幕があがって、セットの上から出てくるきりやん(ボヘミアン)。
彼の提示するリズムに合わせて、踊りだす男女の背中が、とても綺麗。ちょっとうっとりします。
娘役たちがボヘミアンと次々に絡む場面でも、百愛ちゃんの位置(思いっきり脚を挙げる娘)にゆずはちゃんがいて、ああ、三木さん的には完全に百愛ちゃんポジはゆずはちゃん、蘭ちゃん(&しずく)ポジはゆめちゃん、と決まっているんだろうなあ、、、と思いました。
で。
この場面のストーリー、今中日のプログラムを読んで初めて理解しました。あれっ?東宝でもプログラムは読んだはずなんだけど……?
っていうか、ここもKAZUMI-BOYか!…納得。
■ソロダンス
きりやんのソロダンスへ。
裸足のダンスですが、衣装も服装もちょっと少年っぽい感じになって、麻子さんとは随分感じが変わってました。振りつけも違うのかなあ…?きりやんの方が、爽やかで軽やかで、草原か何かを裸足で駆け回っているようなイメージで観ていました。
よくも悪くも、麻子さんは「都会的」というタイプで、何をしても「都会の眩さとコンクリートの冷たさ」の両方を持っている人だったんだな、と思います。そしてきりやんは、太陽の明るさと風の爽やかさと土の湿っぽさ、そういうモノで出来ている人なんだな、……と。
……あとちょっと(フィナーレのみ)なんですが、書いているうちに非常に長くなってしまったので、いったんここで切らせていただきます。すみませんm(_ _)m。
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この日記を書くために、年末の日記を読み直してみました。
………なにも書いてないじゃん!!(@ @)。
なんのための日記だよ、自分……(^ ^;ゞ
と、いうわけで。本公演との比較は抜きで、中日の「Heat On Beat」について。
■プロローグ「Hot Jazz」
人数が減ってもパワーが変わらないのはさすが、と思いました。
きりやんも大汗かいて歌って踊って、めっちゃカッコいい★
まりもちゃんは、いったん引っ込んで着替えて登場するきりやんと一緒に、お揃いの衣装で登場。二人の満面の笑顔が眩しくて、迎える組子のパワーがものすごくて、ちょっとほろっときました。
本公演のきりやんの位置にはもりえちゃん(青樹泉)、あいあい・しずくの位置にはみっぽー(美鳳あや)と(萌花)ゆりあちゃん。全員が勢ぞろいしての「Sing-Sing-Sing」が、月組パワーに溢れてて素晴らしかった!
スターたちが客席降りして盛り上げて、次に緒場面へ。
■「The Beat Goes On!」
本公演でのまさお(龍真咲)⇒みりお、蘭ちゃん(蘭乃はな)の天使⇒愛風ゆめちゃん、麗百愛の悪魔⇒紗那ゆずはちゃん。
愛風ゆめちゃんは、どちらかというと大人びた美人なので、こういうキャピキャピ感のある弾けた可愛らしさはだいぶ足りなかったかなー。ダンスは綺麗で、踊れる子だったんだな、と思いました。
ゆずはちゃんは超可愛い。
博多座「ME AND MY GIRL」以来、要チェック入りしているゆずはちゃんですが、ポアントではなく、普通のショートブーツみたいな普通の靴でした。そもそもロック音楽の場面で、百愛ちゃんだけクラシックのリズムなのが気になっていたので、ロックのリズムでガツガツ踊ってくれるゆずはちゃんの方が場面のイメージにはあっていたと思います。脚も綺麗に上がっていたし。
見た目のイメージというか、キャラクターとしては、ゆずはちゃんが天使でゆめちゃんが悪魔の方が似合うんじゃないかと思うんですけどね。そこはダンスの技術の差なのでしょうか?(←すみません、ダンスの技術的なことはさっぱり判らないので、適当なことを書いています汗)
紗幕があがると、若者たちが大集合!
(光月)るうちゃんから天翔りいらさんまで、なんとか全員見分けられたので、ちょっとホッとしました(^ ^)。
元気一杯!な空気はそのままで、すごく良かったです。みりおくんの歌も、まさおとはちょっと違うポジション、違う響きで歌っていて、あぁ、こういう聞かせ方もあるのか…と思いました。
シャウトの仕方や声の強さなど、まさおはさすがだったなと思うところもあったのですが、みりおくんにも充分観客を引き込む力があったと思います♪とくに、背景が飛んで開放されてからの賑やかさというか、楽しさ(?)あるいは仲の良さみたいなものは、中日の方が上だったかも♪
■「Body Heat」
暗転して、銀橋上手に白いスーツのきりやん登場。
改めて視ると、本当に細くなっちゃったなあ……。
椅子を相手にしたダンス。きりやんのポジションには(桐生)園加。……きりやんより園加の方が、技術云々はともかく、色気は上なのかなあ?ちょっとドギマギして、オペラグラスを下ろしてしまいましたわ(^ ^;ゞ。本公演では最後までがっつり視てたのに(‥)
男たち、女たちが入り乱れてのダンスナンバー。本公演でも超お気に入りな場面でしたが、やっぱり良いわぁ。……と思ったら、振付はKAZUMI-BOYさんなんですね。なーるほど、納得です。
あちょうさん(華央あみり)とか鼓英夏さんとかがちゃんとメンバーに入っているのが嬉しい。出演者にムラがある(同じ人が全場面に出てて、出てない人はプロローグとパレードしか出てなかったりする)三木さんのショーも、人数が半分しかいない中劇場版だったら大丈夫なんですね★
ジゴロの最下の輝城みつるくんが綺麗で結構目立ってました。やっぱり彼女、OGのなるみん(鳴海じゅん)に似てると思う……似てませんかねぇ?誰も賛同してくれないけど(T T)。歌が巧い美形で、流し目が得意なところ。……丸顔に笑窪が目立つところは違うけど(汗)。
月娘の本領発揮!な場面ですが、人数減っているはずなのにパワーが倍増しているのはなんで?(@ @)。みんな可愛いよ!個人的に、(妃鳳)こころの毒々しい美しさに見惚れてました。ああ、やっぱりこの人のガートルードを観てみたかったなあ……。
上手の奥から、黒いタイトワンピのまりもちゃんが登場。
あいちゃんのしたたるような艶やかさはないけれども、おしげもなく長い脚を出して、キツい流し目でエトランゼ(きりやん)を誘う。
ダンスの質があっているな、と思いました。タイミングが、もちろんお互いあわせているんでしょうけれども、それにしても綺麗に合っててすごく気持ちがいい。リフトも綺麗に、危なげなく乗っていて感心しました。
ただ。残念ながらこういう爛れた毒々しさが必要な場面が似合わないところまでよく似てるんだな……。
いやーーー、良いコンビですね(*^ ^*)。やっぱりミュージカル向きのコンビなんですよね。「スカーレット・ピンパーネル」だけでなく、「How To Suceed」とか「I Wonna DANCE!」とか、「ME AND MY GIRL」や「Ernest In Love」みたいなハッピーミュージカルを、たっくさん上演してほしいです!
イリュジオンの歌手は、本公演と同じく(彩星)りおん。素晴らしかった!(@ @)。りおん、本当に良い声ですよねえ。色っぽくて音域も音色も幅が広くて、良い歌手だなあと思います(*^ ^*)。
■「Hot Latino」
女(イリュジオン)と共に光も消えた世界。
紗幕が降りて、両花道にラテンシンガー(光月るう/明日海りお)が登場。曲は「エル・クンバンチェロ」。二人ともすごく頑張ってました。……いっぱいいっぱいでしたけど。
で、すみません。本公演をよく覚えていないのですが、みりおはそのままで、まさおのところにるうちゃんが入ったのかな?それとも、みりおがまさおの所に入ったのでしょうか……?
次は「ベサメ・ムーチョ」。メインの4人は、もりえちゃん・マギー・みっぽー・ゆりあちゃん。
みんな可愛くて、なかなか良かったです。
ロケットを挟んで、フラガンシアの場面へ。きりやんセンターに、青い燕尾ダルマのるうちゃん・みりおくん・みっしょん(美翔かずき)・まんちゃん(貴千碧)・ゆりやん(紫門ゆりや)・ゆうきくん(煌月爽矢)。
本当に麻子さんがトップスターだった時代の後半は、毎公演男役のダルマ祭りがあったのですが、それはトップ娘役不在というイレギュラーを受けてのことであって。
少なくとも、中日公演は、ここをまるっと削除してまりもちゃんとのデュエットダンスを入れた方が良かったと思います。
男役ダルマは私も楽しみにしているんですけど、なんというか、さすがにこうも続くと食傷気味で(汗)。
今更組子と馴染まなくちゃ、とか、そういうのも必要も無いきりやんなんだから、宙組と違って、まりもちゃんとの場面がもう一つほしかった!!と、切に思うのです。トップコンビなんて、まずは慣れることから始めるしかないんだから。もう少し、小規模のお披露目公演で馴染む時間をつくってあげてほしかった。
純粋に一観客として、トップコンビの場面が視たかったのにぃ……(T T)
そのまま、「エル・ビエント」のパロディ場面(振付の基本は同じで、音楽だけ変更)に。
たしか、まりもちゃんが白いドレスで最初に登場して、『お?二人で踊るのか?』とワクワクしたら、ちょっとしか組まないでそのまま群舞になったんだよね(涙)。しょぼん。
きりやんの歌は素晴らしかったです。「エル・ビエント」は別れの曲だったけど、「Catch The Beat」は未来へ向かう喜びの歌。振り付けにも、みんなの表情にも、こっちの方があっていた、ような気がします。「エル・ビエント」でも輝くようだった皆の笑顔が、本当に眩しくて。
キラキラしたものがたくさん放出された場面でした。
■「Dancin’ Fool」
みりおくん+るうちゃん+ゆうきくんの3人で、一曲。
この座組で、この3人でやるのか……というのは結構衝撃的でしたが、3人ともがんばってました。みりおくんは本当に華やかですね★
■「El Tango」
本公演であひちゃん(遼河はるひ)+しずくだったタンゴのカップル。中日ではもりえちゃん+ゆめちゃん。スタイル的に丁度つりあう二人で、とってもお似合いでした。ゆめちゃんは、天使よりもこういう大人っぽい場面の方が100倍似合う。と、思う。
歌は……まあ、本公演があの二人だったんだから何も言うまい。
紗幕があがって、セットの上から出てくるきりやん(ボヘミアン)。
彼の提示するリズムに合わせて、踊りだす男女の背中が、とても綺麗。ちょっとうっとりします。
娘役たちがボヘミアンと次々に絡む場面でも、百愛ちゃんの位置(思いっきり脚を挙げる娘)にゆずはちゃんがいて、ああ、三木さん的には完全に百愛ちゃんポジはゆずはちゃん、蘭ちゃん(&しずく)ポジはゆめちゃん、と決まっているんだろうなあ、、、と思いました。
で。
この場面のストーリー、今中日のプログラムを読んで初めて理解しました。あれっ?東宝でもプログラムは読んだはずなんだけど……?
っていうか、ここもKAZUMI-BOYか!…納得。
■ソロダンス
きりやんのソロダンスへ。
裸足のダンスですが、衣装も服装もちょっと少年っぽい感じになって、麻子さんとは随分感じが変わってました。振りつけも違うのかなあ…?きりやんの方が、爽やかで軽やかで、草原か何かを裸足で駆け回っているようなイメージで観ていました。
よくも悪くも、麻子さんは「都会的」というタイプで、何をしても「都会の眩さとコンクリートの冷たさ」の両方を持っている人だったんだな、と思います。そしてきりやんは、太陽の明るさと風の爽やかさと土の湿っぽさ、そういうモノで出来ている人なんだな、……と。
……あとちょっと(フィナーレのみ)なんですが、書いているうちに非常に長くなってしまったので、いったんここで切らせていただきます。すみませんm(_ _)m。
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名古屋のBEAT【2】
2010年2月22日 宝塚(月) コメント (1)月組中日劇場公演「紫子/Heat On Beat」。
ショー「Heat On Beat」の、つづきを。
■フィナーレ「NEXT!」
きりやんとあいあいで銀橋を渡った「枯葉」を、みりお(明日海りお)&(彩星)りおんで。
りおんちゃんの甘い低音の響きとみりおくんの正統派な歌は、相性がいいですね(*^ ^*)。二人とも、あまり自己主張のない、相手に合わせる歌い方だったのも良かったと思います。
そのまま紫の衣装の群舞へ。カップルの組み合わせはすっかり忘れてしまいましたが、みなさんお似合いでした♪なんてことはないカップルダンスですが、振り付けが色っぽくて良いなあと思っていたら、振付は羽山さん。さすが三木さん、こういうところは実に的確ですね(*^ ^*)。
舞台奥の幕があいて、中(?)階段が登場。真ん中イタツキでライトを浴びるきりやん、本公演と同じ、なんの飾りも無いシンプルな黒燕尾がよく似合ってる。
周りを囲む色とりどりの淑女たち(みっぽー・ほたる・ゆりあ・くれあ・ちゅー・ゆずは)。こういう、娘役たちに囲まれて、その一人一人と絡む場面っていうのはトップの醍醐味だ、という話を祐飛さんがされていましたが、きりやんも嬉しそうで、この場面があってよかったなあ、と思いました♪
続いて、プログラムでもきりやんに寄り添って写真に納まっている、黒いドレスのまりもちゃんと、黒燕尾の男役たちが登場。
ここでもトップコンビはほとんど組まずに、きりやんセンター、両脇にトップ娘役と二番手、という並びで群舞。……こういう黒燕尾の男役群舞に加わるだけならば、いっそのこと、まりもちゃんもパンツスーツにすればいいのに!せっかく、まりもちゃんに良く似合う素敵なドレスで嬉しかったのに、どーしてコンビを組ませないのか、不思議でなりません。
場面自体はストイックで格好良かったです。黒いドレスの女役が一人入っただけで、びっくりするほど華やかな色がつくことに感心。やっぱり、トップ娘役がいるといないで、こんなに『むさ苦しい度』が違……コホン、こんなに華やかに見えるんだな、と感心しました(*^ ^*)。
本公演では、小人数での群舞の後、そのままメンバーが増えて大群舞になった……ような気がするのですが、今回は先に男役とまりもちゃんがハケて、舞台上にきりやんだけが残って暗転(きりやんにスポット)、その間に、暗い舞台に男役が勢ぞろいして、おもむろにライトが点く、という展開になっていた……と思います(違ってたらご指摘ください)。
なんだか、黒燕尾の流れを途中でぶった切ったような気がしてちょっと気になったんですが…。
観ていて、三木さんはもしかして、ここで短くてもトップコンビのデュエットダンスを挟もうとして上手くいかなかった、とか、何かそういう経緯があるんじゃないか、と邪推してみたくなりました(^ ^;ゞ。
■パレード
エトワールは羽咲まな。どちらかというと芝居歌を得意とする歌手で、エトワールみたいな90%まで声質で決まる役はそんなに得意じゃないと思うんですけど、だいぶ高音部がまろやかになって聞き易くなったな、と思います。
本公演で音姫すなおちゃんも苦労していた歌なので、難しいんだろうな、きっと……。
で、いろんなところで書かれていますが、まりもちゃんが、エトワールの次に降りてきました。
私は、割とこういう『宝塚のお約束』みたいなものに拘りのない方だと自分では思っているんですが。
現に、トップ娘役がいないこと自体は、皆さんが言うほど気にしてはいませんでしたし。固定されたトップ娘役がいないからこそ、「夢の浮橋/Apassionado!!」という公演が打てたのだし、「ラストプレイ」が失敗したのは、トップ娘役がいないせいではなく、単純に脚本が悪かっただけのことですし。
デュエットダンスを見たかった、と再三書いているのは、単純に私がきりやんとまりもちゃんが好きで、しかも、初めて組んだのに案外ダンスの質も合っていそうだし、デュエットしたらすごく良いんじゃない!?と期待できるから、観たかったのに!!というだけで、トップコンビがいるんだからデュエットダンスはしなくちゃいけない、と言いたいわけではないのです。
(なんだかちょっと言い訳がましくてすみません)
でも。
今回のまりもちゃんのパレードでの扱い(降りてくる順番)だけは、どうにも理解に苦しみます。
理由が無い。あの位置で彼女を降ろさなくてはならない理由が、私には見つけられないんです。
三木さん、ナウオンか何かで事情を説明してほしかったなあ。理由があるなら、理解したいと思うのに。
直前が黒燕尾の男役群舞だから、パレードの前半は娘役だけで埋めなくてはならない。
これは、わかります。
でも、宝塚のお約束として、娘役のセンター降りをそうそう増やしてしまうわけにはいかない。
……これは、別に今回特例でいっぱい降ろしたって構わないじゃない?と思うんですが。
まあ、避けたほうがいいことなのかもしれない。
ただ、だからといって、トップ娘役をエトワールの次に降ろしてしまう理由にはならない、と思うのです。
そんな理屈、ない。おかしいよ絶対。
どうしてもまりもちゃんを先に下ろす必要があるならば、センター降りをまりもちゃんときりやんだけにすればいい。もりえちゃんもみりおくんもサイドで降りてきて、ずーーーーーーーーーっとまりもちゃんが歌うの。荻田さんのショーか何かで前例があったと思うんですよ。歌いながらセンター降りするスターが、エトワール含めて3、4人しかいなかったのが。
あるいはせめて、エトワールなら話はわかります(まなちゃんごめんなさい!!)轟さんとかをエトワールで降ろすのと同じですよね。あの技を使えばいい。
エトワールで降りてきて、そのまま、しずく&あいあいのところまでずーっと歌うんですよ。そうなれば、まなちゃんも脇から降りることになるから、ひとり脇から降りる人が増えて、きりやんの直前にセンター降りする人もいなくなる(ガチャとあーちゃんが両脇で降りてくることになるから)。
まりもちゃんがエトワールから三人分を担当して、なおかつトップ娘役位置で降りてくる娘役(現・副組長)がいなくなれば、「まあ、元々変則的なショーだから仕方ないねー」ですむんじゃないかな、と思うんですよね……。
なんて、今更たられば言っても仕方が無いんですけど。
がんばれ、まりもちゃん!(励)
そして、
なにはともあれ、きりやん、ホントにおめでとうございます(*^ ^*)
(強引なまとめですみません^ ^;)
今にして思えば、博多座でお披露目をした宙組トップコンビは、元々同じ組で組んだ経験のある落下傘コンビ。トップコンビの並びは心配いらなくて、むしろ二人が宙組に馴染めるのか、迎える宙組っ子たちは大丈夫なのか、というところが心配だったケースでした。
そんな彼らに、トップトリオががっつり組んで芝居を動かす、柴田さんの往年の名作「大江山花伝」と、いろんな人との絡みが楽しめるバラエティ豊かな名作ショー「Apassionado!」という組み合わせは、なかなか良かったんじゃないかと思います。実際、藤井さんも三作同時並行で進めなくてはいけない過酷なスケジュールの合間を縫って、トップコンビとしての場面をしっかり作ってくれたし(ありがとう)。
でも。今回中日でお披露目している月組トップコンビは、娘役のまりもちゃんだけが組替えで、トップの二人が組むこと自体が初めて。過去に全く組んだことがない相手役っていうのは結構珍しい……ですよね?少なくとも、私は記憶にないです(花組次期の蘭乃はなちゃんもそうなので、これから増えるのかもしれませんが)。
それを考えると、トップスターが女役で、トップコンビとしての芝居がほとんどない「紫子」は、ゆっくり慣れてね、という劇団側の温情なのかな、という気もします。
でも、冷静に考えてみれば、組替え早々バウでヒロインなんてよくある話なんだし、誰だって初めての時はあるんだから、普通の作品でお披露目させてあげても良かったのに……。まあ、「紫子」自体はすごく良かったし、きりやんにもよく似合っていたから、お芝居は「紫子」のままで、ショーは彩乃かなみちゃんが居た時代のショー……同じ三木さんでも「ファンシー・ダンス」の方が良かったんじゃないかな、と思ったりしました(*^ ^*)。
もし、中日公演のショーが「ファンシー・ダンス」だったら……
■プロローグ 全員
■アイワナダンス 園加のマスター、みりおくんのチャンピオン
■ペトルーシュカ きりやん&まりもちゃん&もりえちゃん
■(新場面) みりおくんメインで。今回の「Dancin’ Fool」みたいな感じ?
■ラストダンス きりやん&まりもちゃん 場面最後の麻子さんのソロダンスは、無くてもいいかも
■ダンスウィズミー これを改変して、もりえ&みりおの場面にすればいいのでは……?
クラブ・フルムーンからきりやん&まりもちゃん登場で。
■シェヘラザード 新場面に差し替え?あるいは、園加メインで実行?
■フィナーレ 全員
ああ、なんか細かいところはかなり調整が必要そうですが、結構良い感じじゃありません?
なんだかすごく観たくなってきた。とりあえず、ショー全体を再演しなくてもいいから、ペトルーシュカだけでももう一回やってほしいなあ。
(もしもし、話がずれてますよ)(すみません)
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ショー「Heat On Beat」の、つづきを。
■フィナーレ「NEXT!」
きりやんとあいあいで銀橋を渡った「枯葉」を、みりお(明日海りお)&(彩星)りおんで。
りおんちゃんの甘い低音の響きとみりおくんの正統派な歌は、相性がいいですね(*^ ^*)。二人とも、あまり自己主張のない、相手に合わせる歌い方だったのも良かったと思います。
そのまま紫の衣装の群舞へ。カップルの組み合わせはすっかり忘れてしまいましたが、みなさんお似合いでした♪なんてことはないカップルダンスですが、振り付けが色っぽくて良いなあと思っていたら、振付は羽山さん。さすが三木さん、こういうところは実に的確ですね(*^ ^*)。
舞台奥の幕があいて、中(?)階段が登場。真ん中イタツキでライトを浴びるきりやん、本公演と同じ、なんの飾りも無いシンプルな黒燕尾がよく似合ってる。
周りを囲む色とりどりの淑女たち(みっぽー・ほたる・ゆりあ・くれあ・ちゅー・ゆずは)。こういう、娘役たちに囲まれて、その一人一人と絡む場面っていうのはトップの醍醐味だ、という話を祐飛さんがされていましたが、きりやんも嬉しそうで、この場面があってよかったなあ、と思いました♪
続いて、プログラムでもきりやんに寄り添って写真に納まっている、黒いドレスのまりもちゃんと、黒燕尾の男役たちが登場。
ここでもトップコンビはほとんど組まずに、きりやんセンター、両脇にトップ娘役と二番手、という並びで群舞。……こういう黒燕尾の男役群舞に加わるだけならば、いっそのこと、まりもちゃんもパンツスーツにすればいいのに!せっかく、まりもちゃんに良く似合う素敵なドレスで嬉しかったのに、どーしてコンビを組ませないのか、不思議でなりません。
場面自体はストイックで格好良かったです。黒いドレスの女役が一人入っただけで、びっくりするほど華やかな色がつくことに感心。やっぱり、トップ娘役がいるといないで、こんなに『むさ苦しい度』が違……コホン、こんなに華やかに見えるんだな、と感心しました(*^ ^*)。
本公演では、小人数での群舞の後、そのままメンバーが増えて大群舞になった……ような気がするのですが、今回は先に男役とまりもちゃんがハケて、舞台上にきりやんだけが残って暗転(きりやんにスポット)、その間に、暗い舞台に男役が勢ぞろいして、おもむろにライトが点く、という展開になっていた……と思います(違ってたらご指摘ください)。
なんだか、黒燕尾の流れを途中でぶった切ったような気がしてちょっと気になったんですが…。
観ていて、三木さんはもしかして、ここで短くてもトップコンビのデュエットダンスを挟もうとして上手くいかなかった、とか、何かそういう経緯があるんじゃないか、と邪推してみたくなりました(^ ^;ゞ。
■パレード
エトワールは羽咲まな。どちらかというと芝居歌を得意とする歌手で、エトワールみたいな90%まで声質で決まる役はそんなに得意じゃないと思うんですけど、だいぶ高音部がまろやかになって聞き易くなったな、と思います。
本公演で音姫すなおちゃんも苦労していた歌なので、難しいんだろうな、きっと……。
で、いろんなところで書かれていますが、まりもちゃんが、エトワールの次に降りてきました。
私は、割とこういう『宝塚のお約束』みたいなものに拘りのない方だと自分では思っているんですが。
現に、トップ娘役がいないこと自体は、皆さんが言うほど気にしてはいませんでしたし。固定されたトップ娘役がいないからこそ、「夢の浮橋/Apassionado!!」という公演が打てたのだし、「ラストプレイ」が失敗したのは、トップ娘役がいないせいではなく、単純に脚本が悪かっただけのことですし。
デュエットダンスを見たかった、と再三書いているのは、単純に私がきりやんとまりもちゃんが好きで、しかも、初めて組んだのに案外ダンスの質も合っていそうだし、デュエットしたらすごく良いんじゃない!?と期待できるから、観たかったのに!!というだけで、トップコンビがいるんだからデュエットダンスはしなくちゃいけない、と言いたいわけではないのです。
(なんだかちょっと言い訳がましくてすみません)
でも。
今回のまりもちゃんのパレードでの扱い(降りてくる順番)だけは、どうにも理解に苦しみます。
理由が無い。あの位置で彼女を降ろさなくてはならない理由が、私には見つけられないんです。
三木さん、ナウオンか何かで事情を説明してほしかったなあ。理由があるなら、理解したいと思うのに。
直前が黒燕尾の男役群舞だから、パレードの前半は娘役だけで埋めなくてはならない。
これは、わかります。
でも、宝塚のお約束として、娘役のセンター降りをそうそう増やしてしまうわけにはいかない。
……これは、別に今回特例でいっぱい降ろしたって構わないじゃない?と思うんですが。
まあ、避けたほうがいいことなのかもしれない。
ただ、だからといって、トップ娘役をエトワールの次に降ろしてしまう理由にはならない、と思うのです。
そんな理屈、ない。おかしいよ絶対。
どうしてもまりもちゃんを先に下ろす必要があるならば、センター降りをまりもちゃんときりやんだけにすればいい。もりえちゃんもみりおくんもサイドで降りてきて、ずーーーーーーーーーっとまりもちゃんが歌うの。荻田さんのショーか何かで前例があったと思うんですよ。歌いながらセンター降りするスターが、エトワール含めて3、4人しかいなかったのが。
あるいはせめて、エトワールなら話はわかります(まなちゃんごめんなさい!!)轟さんとかをエトワールで降ろすのと同じですよね。あの技を使えばいい。
エトワールで降りてきて、そのまま、しずく&あいあいのところまでずーっと歌うんですよ。そうなれば、まなちゃんも脇から降りることになるから、ひとり脇から降りる人が増えて、きりやんの直前にセンター降りする人もいなくなる(ガチャとあーちゃんが両脇で降りてくることになるから)。
まりもちゃんがエトワールから三人分を担当して、なおかつトップ娘役位置で降りてくる娘役(現・副組長)がいなくなれば、「まあ、元々変則的なショーだから仕方ないねー」ですむんじゃないかな、と思うんですよね……。
なんて、今更たられば言っても仕方が無いんですけど。
がんばれ、まりもちゃん!(励)
そして、
なにはともあれ、きりやん、ホントにおめでとうございます(*^ ^*)
(強引なまとめですみません^ ^;)
今にして思えば、博多座でお披露目をした宙組トップコンビは、元々同じ組で組んだ経験のある落下傘コンビ。トップコンビの並びは心配いらなくて、むしろ二人が宙組に馴染めるのか、迎える宙組っ子たちは大丈夫なのか、というところが心配だったケースでした。
そんな彼らに、トップトリオががっつり組んで芝居を動かす、柴田さんの往年の名作「大江山花伝」と、いろんな人との絡みが楽しめるバラエティ豊かな名作ショー「Apassionado!」という組み合わせは、なかなか良かったんじゃないかと思います。実際、藤井さんも三作同時並行で進めなくてはいけない過酷なスケジュールの合間を縫って、トップコンビとしての場面をしっかり作ってくれたし(ありがとう)。
でも。今回中日でお披露目している月組トップコンビは、娘役のまりもちゃんだけが組替えで、トップの二人が組むこと自体が初めて。過去に全く組んだことがない相手役っていうのは結構珍しい……ですよね?少なくとも、私は記憶にないです(花組次期の蘭乃はなちゃんもそうなので、これから増えるのかもしれませんが)。
それを考えると、トップスターが女役で、トップコンビとしての芝居がほとんどない「紫子」は、ゆっくり慣れてね、という劇団側の温情なのかな、という気もします。
でも、冷静に考えてみれば、組替え早々バウでヒロインなんてよくある話なんだし、誰だって初めての時はあるんだから、普通の作品でお披露目させてあげても良かったのに……。まあ、「紫子」自体はすごく良かったし、きりやんにもよく似合っていたから、お芝居は「紫子」のままで、ショーは彩乃かなみちゃんが居た時代のショー……同じ三木さんでも「ファンシー・ダンス」の方が良かったんじゃないかな、と思ったりしました(*^ ^*)。
もし、中日公演のショーが「ファンシー・ダンス」だったら……
■プロローグ 全員
■アイワナダンス 園加のマスター、みりおくんのチャンピオン
■ペトルーシュカ きりやん&まりもちゃん&もりえちゃん
■(新場面) みりおくんメインで。今回の「Dancin’ Fool」みたいな感じ?
■ラストダンス きりやん&まりもちゃん 場面最後の麻子さんのソロダンスは、無くてもいいかも
■ダンスウィズミー これを改変して、もりえ&みりおの場面にすればいいのでは……?
クラブ・フルムーンからきりやん&まりもちゃん登場で。
■シェヘラザード 新場面に差し替え?あるいは、園加メインで実行?
■フィナーレ 全員
ああ、なんか細かいところはかなり調整が必要そうですが、結構良い感じじゃありません?
なんだかすごく観たくなってきた。とりあえず、ショー全体を再演しなくてもいいから、ペトルーシュカだけでももう一回やってほしいなあ。
(もしもし、話がずれてますよ)(すみません)
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日本青年館にて、月組公演「HAMLET!」を観劇してまいりました。
脚本・演出は藤井大介。
音楽は、青木朝子&手島恭子の女性コンビ。
ほぼ全編を歌で語る、最初から最後まで突っ走るような、疾走感のある「ハムレット」。
めまぐるしい展開、うるさいほどの生演奏、コロスを上手く使った心象風景ダンスの多用。
「To be, or not to be?」という有名な台詞を使った主題歌が耳に残って、
……素直に感嘆しました(^ ^)
本当に面白かった!
2009年の一年間に4本のショー(うち二本は再演)を創りあげ、その底力を見せ付けた藤井大介の、2010年最初の作品が、このロック・オペラ「ハムレット」。
これを観て、なんていうんだろう……彼は一段階上に昇ったんだな、という気がしました。
私は実は、「Alas」以来の藤井ショーのファンなんですが。それでもさすがに、原作無しの完全オリジナルなお芝居で、マトモに最後まで話が終わった作品が一つもない、というのは問題だと思うんですよね。全作品観ているわけではありませんが、トンデモな作品は本当にトンデモなので。
でも、彼は、原作があれば強いんです。
「から騒ぎ」も良かったし、「イーハトーヴ・夢」は、私の中では長いこと「心中・恋の大和路」の次くらいの名作にカウントされていました。
そして今、「ハムレット」がその列に並んだ……かもしれない!
しかも。
「イーハトーヴ・夢」が、非常に役者を選ぶ作品(宮沢賢治=大人の男とジョヴァンニ=子役の二役を演じるので、まず声の使い分けができないと無理)なのに対して、この「HAMLET!」は、あの激しいロック調の歌さえ歌いこなせれば、誰がやっても格好良く仕上がりそうな役。若手スターのファンなら、誰だって自分の贔屓にやってもらいたいと思う役であり、作品なんじゃないかと思います。
むしろ、難しいのはオフィーリア。あのファンタジックで明朗な透明感は、誰でもが持っている魅力ではないので。今の若手娘役陣だとあまり思いつかないなあ。台詞がなんとかなった月野姫花ちゃん、あるいは芝居でなんとかできそうな天咲千華ちゃん、、、くらい?
どんだけ人材豊富なんだよ花娘。
ストーリーは、予想していたより原作に忠実。
いや、細かい所は随分違ってます。キャストを見ただけでも、フォーティンブラスが丸ごとカットされていたり(ノルウェーとのエピソード自体が無い)、ローゼンクランツが女性でハムレットとワケアリの仲だったり。大量にあったモノローグも随分削られて、元の半分くらいになっているような気がする。
でも、、、年末にみた「笑いすぎたハムレット」並みの改変を想像していた(^ ^; 猫には、拍子抜けするくらい忠実なように見えました(^ ^)。
この公演の成功の要因の一つに、ロック・オペラだから、というのがあると思います。
シェイクスピアは古典なので、そのまま上演する場合、よほど台詞術に長けた役者を揃えなくては現代の観客を引っ張っていくことが出来ません。あれだけ膨大な量の言葉、壮大な比喩をもちいた、口を挟む隙もないような言葉たちの群れは、実生活ではまずお目にかからないものですから。
歌舞伎よりも、ずっと古い時代のものなんだもの。タルい、眠い、美辞麗句すぎて笑っちゃう、ワケがわかんない……そんな印象があっても仕方ないと思います。
でも、藤井さんはそれでヨシとはしなかった。
古典を古典のまま上演するのではなく、ロックオペラとして再構築した。スピード感を大事にして、タルい台詞は全部すっ飛ばし、あるいは歌にして、流れの邪魔にならないよう片付けておく。その、絶妙なバランス感覚。
この取捨選択のセンスが、藤井さんはさすがだと思いました。
複雑でわかりにくいからといって、細かいエピソードを全部取っ払ってしまったら、話が全然わからなくなる。あるいは、伏線のひとつもない、シンプルすぎてなんの面白みもない作品になってしまう。どれを残してどれをカットするか、あるいは、ただカットするんじゃなくて歌の歌詞として残すか、その絶妙な判断の、ピンポイントの確かさ。
既存の、別の人間が書きたい視点でまとめたた「原作」という存在。その中から自分が語りたいエピソードをつかみ出し、それを中心にまとめ直す。それも、力技ではなくセンスよくまとめることができる人は非常に限られるからこそ、小池さんは巨匠になり、藤井さんもその道を辿っている……んじゃないかなあ。
本当は齋藤さんも同じ道を歩いているはずなんだけど、彼は時々萌えに狂って踏み外すのがな……。
ただ。
この人の、宝塚作品のクリエーターとしての一番致命的な欠点は、ファンタジーしか創れないことだ、とも思いました。
具体的な話をするならば、リアル感のある恋愛が描けないんですよね、彼は。
「イーハトーブ・夢」にしても、この「ハムレット」にしても、恋愛を描いてはいません。
『ハムレットとオフィーリア』という、ロミオとジュリエットの次くらいに有名なカップルを主役にしていながら、恋愛を描くことはしない。
彼らはお互い、最初から微妙にすれ違っているんです。ハムレットはオフィーリアを可愛いと思っているし、オフィーリアはハムレットに憧れているけれども、お互い恋に恋しているだけ
、って感じで。
それが、藤井さんの個性なのか、まさおの個性なのか、、、、たぶん両方揃ったことによる相乗効果なんだろうけど(^ ^;。
衣装は河底美由紀。実は今まで、あまり河底さんの衣装で感心したことが無いのですが、今回のオフィーリアの衣装は、前半のも後半のもとても可愛くて良く似合っていて、しかも、蘭ちゃんの芝居をしっかりサポートしてくれる、良い衣装でした。ありがとう♪
ハムレットは赤、クローディアスは青、ポローニアス一家(レアティーズ・オフィーリア)は緑という色配分が非常に明瞭で舞台面が綺麗だったのも良かったと思います。「ハムレットのご学友」のくせに最初から青の衣装で登場するローゼンクランツとギルデンスターンとか、とっても判りやすくて良かったです。
でも、ハムレットの衣装はイマイチだったなあ(T T)。まさおもちょっと華奢すぎるかもしれないけど、スタイル自体は良い人なので、もっと似合う衣装がいくらでもあると思うのに。
で。とりあえず、その髪型と化粧を決めたのは誰なんですか。(←本人だったり?)どうしたって男性には見えないんですけど…いいのかなあ?
作品全体の演出コンセプトは、『エリザベート』でした。
プロローグの演出がパクリ寸前なくらいよく似ているので、最後までその印象が抜けず。
あと、音楽も、音が渦を巻くように不協和音が響いて、パッと止まる瞬間の響きが同じだったり、そこかしこ似ている部分があって。話としては全然関係ないんですけど、「Non-Stop」や「から騒ぎ」の妖精たちが、進化したら亡霊になっちゃった、みたいな、なにか不思議なイマジネーションがありましたね。
そして、『エリザベート』の新人公演を鮮明に思い出しました。
宇月くんのルキーニ好きだったんだよ(涙)。
そして。
お芝居のラストシーンを観て、今更ながら、あのプロローグになんとなく納得しました。
デンマークの王位を継ぐノルウェー王子フォーティンブラスが出てこないので、ホレーシオは永遠にハムレットのことを語り継がなくてはならなくなったんですよね!
たぶん、煉獄の底までも。
……原作本では、ハムレットはとりあえず、「フォーティンブラスに説明してくれ」って頼んでましたよね……?
……もとい。
藤井さん、『エリザベート』やりたいんなら、やれば良いのになー(*^ ^*)。
結構良いと思いますよ♪(←藤井ファン)。
小池さんにはしばらく新作に専念していただいて、初演から10年以上も過ぎた『エリザベート』は、他の演出家が順番に演出してみたら面白いんじゃないかと思っていたりするんですよね。
たぶん、藤井さんがやったら、森川久美の漫画に近い、ファンタジックなトート像になるんじゃないかと予想して、めちゃくちゃ観たくなっています(^ ^;ゞ。
……少年トート、か。誰がいいのかなあ……。
一人一人のキャストについては、また後日書かせていただきます。
まあ、あれこれと徒然ことを書いていますが、とにかく良い公演でした。藤井さん、本当にありがとう(*^ ^*)。
.
脚本・演出は藤井大介。
音楽は、青木朝子&手島恭子の女性コンビ。
ほぼ全編を歌で語る、最初から最後まで突っ走るような、疾走感のある「ハムレット」。
めまぐるしい展開、うるさいほどの生演奏、コロスを上手く使った心象風景ダンスの多用。
「To be, or not to be?」という有名な台詞を使った主題歌が耳に残って、
……素直に感嘆しました(^ ^)
本当に面白かった!
2009年の一年間に4本のショー(うち二本は再演)を創りあげ、その底力を見せ付けた藤井大介の、2010年最初の作品が、このロック・オペラ「ハムレット」。
これを観て、なんていうんだろう……彼は一段階上に昇ったんだな、という気がしました。
私は実は、「Alas」以来の藤井ショーのファンなんですが。それでもさすがに、原作無しの完全オリジナルなお芝居で、マトモに最後まで話が終わった作品が一つもない、というのは問題だと思うんですよね。全作品観ているわけではありませんが、トンデモな作品は本当にトンデモなので。
でも、彼は、原作があれば強いんです。
「から騒ぎ」も良かったし、「イーハトーヴ・夢」は、私の中では長いこと「心中・恋の大和路」の次くらいの名作にカウントされていました。
そして今、「ハムレット」がその列に並んだ……かもしれない!
しかも。
「イーハトーヴ・夢」が、非常に役者を選ぶ作品(宮沢賢治=大人の男とジョヴァンニ=子役の二役を演じるので、まず声の使い分けができないと無理)なのに対して、この「HAMLET!」は、あの激しいロック調の歌さえ歌いこなせれば、誰がやっても格好良く仕上がりそうな役。若手スターのファンなら、誰だって自分の贔屓にやってもらいたいと思う役であり、作品なんじゃないかと思います。
むしろ、難しいのはオフィーリア。あのファンタジックで明朗な透明感は、誰でもが持っている魅力ではないので。今の若手娘役陣だとあまり思いつかないなあ。台詞がなんとかなった月野姫花ちゃん、あるいは芝居でなんとかできそうな天咲千華ちゃん、、、くらい?
どんだけ人材豊富なんだよ花娘。
ストーリーは、予想していたより原作に忠実。
いや、細かい所は随分違ってます。キャストを見ただけでも、フォーティンブラスが丸ごとカットされていたり(ノルウェーとのエピソード自体が無い)、ローゼンクランツが女性でハムレットとワケアリの仲だったり。大量にあったモノローグも随分削られて、元の半分くらいになっているような気がする。
でも、、、年末にみた「笑いすぎたハムレット」並みの改変を想像していた(^ ^; 猫には、拍子抜けするくらい忠実なように見えました(^ ^)。
この公演の成功の要因の一つに、ロック・オペラだから、というのがあると思います。
シェイクスピアは古典なので、そのまま上演する場合、よほど台詞術に長けた役者を揃えなくては現代の観客を引っ張っていくことが出来ません。あれだけ膨大な量の言葉、壮大な比喩をもちいた、口を挟む隙もないような言葉たちの群れは、実生活ではまずお目にかからないものですから。
歌舞伎よりも、ずっと古い時代のものなんだもの。タルい、眠い、美辞麗句すぎて笑っちゃう、ワケがわかんない……そんな印象があっても仕方ないと思います。
でも、藤井さんはそれでヨシとはしなかった。
古典を古典のまま上演するのではなく、ロックオペラとして再構築した。スピード感を大事にして、タルい台詞は全部すっ飛ばし、あるいは歌にして、流れの邪魔にならないよう片付けておく。その、絶妙なバランス感覚。
この取捨選択のセンスが、藤井さんはさすがだと思いました。
複雑でわかりにくいからといって、細かいエピソードを全部取っ払ってしまったら、話が全然わからなくなる。あるいは、伏線のひとつもない、シンプルすぎてなんの面白みもない作品になってしまう。どれを残してどれをカットするか、あるいは、ただカットするんじゃなくて歌の歌詞として残すか、その絶妙な判断の、ピンポイントの確かさ。
既存の、別の人間が書きたい視点でまとめたた「原作」という存在。その中から自分が語りたいエピソードをつかみ出し、それを中心にまとめ直す。それも、力技ではなくセンスよくまとめることができる人は非常に限られるからこそ、小池さんは巨匠になり、藤井さんもその道を辿っている……んじゃないかなあ。
本当は齋藤さんも同じ道を歩いているはずなんだけど、彼は時々萌えに狂って踏み外すのがな……。
ただ。
この人の、宝塚作品のクリエーターとしての一番致命的な欠点は、ファンタジーしか創れないことだ、とも思いました。
具体的な話をするならば、リアル感のある恋愛が描けないんですよね、彼は。
「イーハトーブ・夢」にしても、この「ハムレット」にしても、恋愛を描いてはいません。
『ハムレットとオフィーリア』という、ロミオとジュリエットの次くらいに有名なカップルを主役にしていながら、恋愛を描くことはしない。
彼らはお互い、最初から微妙にすれ違っているんです。ハムレットはオフィーリアを可愛いと思っているし、オフィーリアはハムレットに憧れているけれども、お互い恋に恋しているだけ
、って感じで。
それが、藤井さんの個性なのか、まさおの個性なのか、、、、たぶん両方揃ったことによる相乗効果なんだろうけど(^ ^;。
衣装は河底美由紀。実は今まで、あまり河底さんの衣装で感心したことが無いのですが、今回のオフィーリアの衣装は、前半のも後半のもとても可愛くて良く似合っていて、しかも、蘭ちゃんの芝居をしっかりサポートしてくれる、良い衣装でした。ありがとう♪
ハムレットは赤、クローディアスは青、ポローニアス一家(レアティーズ・オフィーリア)は緑という色配分が非常に明瞭で舞台面が綺麗だったのも良かったと思います。「ハムレットのご学友」のくせに最初から青の衣装で登場するローゼンクランツとギルデンスターンとか、とっても判りやすくて良かったです。
でも、ハムレットの衣装はイマイチだったなあ(T T)。まさおもちょっと華奢すぎるかもしれないけど、スタイル自体は良い人なので、もっと似合う衣装がいくらでもあると思うのに。
で。とりあえず、その髪型と化粧を決めたのは誰なんですか。(←本人だったり?)どうしたって男性には見えないんですけど…いいのかなあ?
作品全体の演出コンセプトは、『エリザベート』でした。
プロローグの演出がパクリ寸前なくらいよく似ているので、最後までその印象が抜けず。
あと、音楽も、音が渦を巻くように不協和音が響いて、パッと止まる瞬間の響きが同じだったり、そこかしこ似ている部分があって。話としては全然関係ないんですけど、「Non-Stop」や「から騒ぎ」の妖精たちが、進化したら亡霊になっちゃった、みたいな、なにか不思議なイマジネーションがありましたね。
そして、『エリザベート』の新人公演を鮮明に思い出しました。
宇月くんのルキーニ好きだったんだよ(涙)。
そして。
お芝居のラストシーンを観て、今更ながら、あのプロローグになんとなく納得しました。
デンマークの王位を継ぐノルウェー王子フォーティンブラスが出てこないので、ホレーシオは永遠にハムレットのことを語り継がなくてはならなくなったんですよね!
たぶん、煉獄の底までも。
……原作本では、ハムレットはとりあえず、「フォーティンブラスに説明してくれ」って頼んでましたよね……?
……もとい。
藤井さん、『エリザベート』やりたいんなら、やれば良いのになー(*^ ^*)。
結構良いと思いますよ♪(←藤井ファン)。
小池さんにはしばらく新作に専念していただいて、初演から10年以上も過ぎた『エリザベート』は、他の演出家が順番に演出してみたら面白いんじゃないかと思っていたりするんですよね。
たぶん、藤井さんがやったら、森川久美の漫画に近い、ファンタジックなトート像になるんじゃないかと予想して、めちゃくちゃ観たくなっています(^ ^;ゞ。
……少年トート、か。誰がいいのかなあ……。
一人一人のキャストについては、また後日書かせていただきます。
まあ、あれこれと徒然ことを書いていますが、とにかく良い公演でした。藤井さん、本当にありがとう(*^ ^*)。
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疾走するハムレット【2】
2010年2月25日 宝塚(月)月組日本青年館公演「HAMLET!」。
昨日で中日公演が、そして、今日で「HAMLET!」が千秋楽を迎えました(^ ^)。
皆、「スカーレット・ピンパーネル」の集合日まで、少しは休めるのでしょうか。
そして。
蘭乃はなちゃん、花組に行ってもがんばってね!!
大好きな月組っ子、どこに行っても応援しています(^ ^)。
そして、花娘最強伝説は続く………ゞ。
それでは、「HAMLET!」のキャスト別メモ。
ハムレット(龍真咲)
先日の日記で、私は「この作品のハムレット役は、若手スターのファンなら誰でも贔屓にやってほしいと思う役」だと書きました。
(私が祐飛さんにやってほしいなーと思う役は、今も昔も変わらずクローディアスですが)
でも。やっぱり、この作品が生まれたのは、そこにまさおが居たからだ、とも思います。
藤井さんのインスピレーションが輝いたのは、まさおがそこにいたからなんだろうな、と。
まさおがいなかったら、この作品は生まれなかった、………たぶん。
ハムレットって、包容力が無い役者の方が似合う役なのではないでしょうか。
だって、彼は自分の悩み苦しみに目を奪われて、誰のことも最後まで赦さないんだもの。彼が否定するが故に、オフィーリアは水に落ち、学友たちは死に、レアティーズは愚かな振る舞いをし、ガートルードは盃を干す……。
ただクローディアス一人を殺せばすんだはずのものを、彼はそれさえ許さない。頑なに、他人には心を開かない人物像。だから、包容力のある大人の男が演じると、なんでこんな莫迦なことをしてしまうんだろう?と思っちゃうんですよね。
ひとかけらの包容力も持たない男役である龍真咲が演じたハムレットという人物に、非常にリアルな空気を感じました。
まさおのハムレットはひたすら前(復讐)を視ていて、振り向こうとしないから、そのスピードについていけない人が一人づつ脱落していく。そして、最後に立ちはだかるのは、結局は亡霊……。その全体構成に感心しました。
ハムレットが棄てていくものたちはたくさんありますが、それを「疾走感」で片付けたのが、藤井さんらしい秀逸なアイディアだな、と。そして、まさおのあのスピード感、キレの良さ、そして高すぎるテンション。ギリギリのいっぱいいっぱいで、観ていて疲れてしまうほどテンションを上げきっていても、ちゃんとあの膨大なシャウト有の歌を千秋楽まで歌いきり、膨大な台詞をこなして、場を持たせることができる人って、案外少ないんじゃないかと思いますし。
フォーティンブラスを得られないデンマークは、このあと、亡霊の支配する国になるのかもしれない……と、そんな予感さえ残して。
……ハムレットのあの髪型以外は、すごく良かったと思います。(←ごめんよまさお)(だってもっと似合う髪形があると思うんだよ……)
オフィーリア(蘭乃はな)
まさおのハムレットが良かったのは、もしかしたら藤井さんと組んだればこそだったのかもしれませんが。
蘭ちゃんのオフィーリアは、そのものがベストキャストだと思いました。
「二人の貴公子」でも、ほぼオフィーリアと似たようなキャラクターを演じていて、それも凄く可愛かったので、とっっっても期待していました(*^ ^*)。多分、あの出演者たちの中で一番、私の期待値が高かったと思う。なのに!!その期待値を遥かに上回る、素晴らしい芝居でした♪
全ての場面が良かったんですが、一番好きなのは、苦悩するハムレットの視た幻影として、白いドレスで階段上に現れたときの、柔らかな笑顔です♪ すべてのしがらみを脱ぎ捨てた、幻の天使。蘭ちゃんはリアル感がなさすぎて、『少女』である前に『天使』なんだな、と思いました。三木さんは正しい。
なのに、そんな天使な蘭ちゃんが、フィナーレのショーで踊りだすと途端にガツガツした月娘になって、足を挙げる高さを競い始めるところもとっっても好きです(*^ ^*)。
花組へ異動して、夏からのトップ娘役就任が発表されている蘭ちゃん。
どうぞ、花へ行っても、その輝きを忘れないでね。
クローディアス(越乃リュウ)
私の中では、「ハムレット」という戯曲の準主役は、当たり前にクローディアスであり、ガートルードです。
ちなみに、私の個人的な希望ですが、クローディアスはガートルードに惚れていてほしいし、兄王を殺したのは王座ではなくガートルードを得るためであってほしい、と思っていたり……する(^ ^;ゞのですが。
残念ながら藤井さんにとってソンナことが有り得るはずもなく、クローディアスはシンプルな悪役に徹していて、それはそれで、一世一代の名演技でした(*^ ^*)
いやー、ナホちゃんはホントに罪なオトコですね♪ 決闘するようレアティーズを唆すときの、ささやき声と抱き寄せる腕がいい!罪を孕んだ声、罪に染まった腕。全身、これ、罪、って感じ。
一幕ラスト、「ゴンザーゴ殺し」の芝居を観ながら、どんどん表情が変わっていくところはさすがでした。そして、最後に立ち上がるときの勢いも。いやーーー、あの場面は観るところが多くて疲れました……。
ガートルード(五峰亜季)
ガートルードはを『弱い女』として描いた脚本と、まゆみさんのお芝居が今ひとつかみあっていなくて、非常に残念な気がしました。まゆみさんにわざわざご出演いただくなら、ガートルードは最初から知っていた(邪魔な夫をクローディアスと二人で片付けた)的な解釈でいいと思うんですよね。
まゆみさんは芝居の人ではなく、存在感の人なので、もうちょっとあのキャラクターが生きそうな解釈の役だったらもっと良かったのになあ。「母」を前面に出すか、「女」を前面に出すか、だったら、「女」を前面に出したほうがやりやすかったろうに。
あの解釈なら、ほたるとかこころとかほたるとかすずなとかで充分やれたような気がします。
その方が、ちゃんと「弱き者」だったんじゃないか、と、思う……。
ホレーシオ(宇月颯)、シーリア(花陽みら)
すみません。前からお気に入りの宇月くんに、ますます落ちてしまいました。
髪型も化粧もものすごく良く似合っていたし、まさおとの並びも◎!一歩控えた、親友だけど部下(従者)っていう関係がこんなに似合う人も滅多にいない、と思います(*^ ^*)。「ホフマン物語」でみりおと組んだときも素敵だったけど、まさおとの相性もいいんだなあ~~♪
幕開きのソロから始まって、まさおの次くらいに歌っているんじゃないか…?凄いなあ。
そして、さりげなく普通の衣装に着替えてコロスの中に入ったときの格好良さがまた半端ない。もしかして凄い人なんじゃないだろうか……(←なんでそんなに弱気なんだ)
ホレーシオの妹・シーリアちゃんは、原作には居ない役ですが、基本的にシーリアとしての出番は最初と最後だけで、なかなかいいバランスでした。藤井さんGJ。っていうか、みらちゃんの歌はやっぱり素晴らしい!!オランピアも良かったけど、今回は本当に感心しました。
宇月くんとみらちゃんのデュエットは、一聞の価値はありますよ!!
レアティーズ(珠城りょう)
「ラストプレイ」新公でいきなり出てきた印象の強い研2。姿に恵まれて「ラストプレイ」はおじさん役を好演していましたが、今回はちょっと苦戦?普通なら、ムーアよりレアティーズの方が若い分、下級生にはやりやすいだろうと思っていたのに、むしろ逆でしたね。
若い役から声もそのままでいけるし…と思ったんですが、“そのまま”の声は予想以上に高くて甘かった(^ ^)。逆に、お手本さんに細かく指導してもらいながら、完璧に作りこんだムーアはすごく良かったってことは、今後順調に技術が身につけば鬼に金棒!ってことですけどね。才能だけである程度できちゃう人っていうのは、意外とそれ以上には伸びなかったりするので。
芝居は良かったと思います。この作品の中では一番の包容力を見せる役ですが、仮にも上級生の蘭はなをあれだけ可愛い『妹』として遇せるのもすごい!!と思いました(*^ ^*)。
「スカーレットピンパーネル」の新公配役がまだ発表になりませんが、どうなるんでしょうねえ。気になる……。
先王の亡霊(研ルイス)
この公演全体を通して、研ちゃんが一番印象的だったのは、フィナーレの群舞場面に、扮装を解いて、亡霊化粧のまま踊っていたこと。
いやはや、インパクトありましたわ。
演出的にも研ちゃんの声色的にもよく工夫されていて、とても良かったと思います。
一幕ラストで、クローディアスやガートルードが退出したあと、さりげなくクローディアスの席に座っているハムレット王の冷たい瞳が印象的でした。このひとは、自分の息子を復讐の刃として使うことで、自分の妻、王子の母に復讐しているんだな、と思って。
可哀想なハムレット。……ハムレット本人は、そんなことに気づきもしないんだろうけど。
ポローニアス(綾月せり)
オフィーリアの父。クローディアスの側近。
せりちゃん、なんだかんだ言いつつも良い役者になってきましたねぇ。
ロングソバージュにお髭が良く似合って、「スカーレット・ピンパーネル」での扮装がかなり楽しみになりました。美中年で素敵♪
オフィーリアへの愛情がダダ漏れしているところがとても好きです。せりちゃんの芝居は、優しいですよね。ちょっと情けないような役がつづいていますが、バウには欠かせない役者になってきていると思うので、これからも頑張ってほしいです!
ちょっと体力の限界なので、ローゼンクランツから先は、また後日m(_ _)m。
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昨日で中日公演が、そして、今日で「HAMLET!」が千秋楽を迎えました(^ ^)。
皆、「スカーレット・ピンパーネル」の集合日まで、少しは休めるのでしょうか。
そして。
蘭乃はなちゃん、花組に行ってもがんばってね!!
大好きな月組っ子、どこに行っても応援しています(^ ^)。
そして、花娘最強伝説は続く………ゞ。
それでは、「HAMLET!」のキャスト別メモ。
ハムレット(龍真咲)
先日の日記で、私は「この作品のハムレット役は、若手スターのファンなら誰でも贔屓にやってほしいと思う役」だと書きました。
(私が祐飛さんにやってほしいなーと思う役は、今も昔も変わらずクローディアスですが)
でも。やっぱり、この作品が生まれたのは、そこにまさおが居たからだ、とも思います。
藤井さんのインスピレーションが輝いたのは、まさおがそこにいたからなんだろうな、と。
まさおがいなかったら、この作品は生まれなかった、………たぶん。
ハムレットって、包容力が無い役者の方が似合う役なのではないでしょうか。
だって、彼は自分の悩み苦しみに目を奪われて、誰のことも最後まで赦さないんだもの。彼が否定するが故に、オフィーリアは水に落ち、学友たちは死に、レアティーズは愚かな振る舞いをし、ガートルードは盃を干す……。
ただクローディアス一人を殺せばすんだはずのものを、彼はそれさえ許さない。頑なに、他人には心を開かない人物像。だから、包容力のある大人の男が演じると、なんでこんな莫迦なことをしてしまうんだろう?と思っちゃうんですよね。
ひとかけらの包容力も持たない男役である龍真咲が演じたハムレットという人物に、非常にリアルな空気を感じました。
まさおのハムレットはひたすら前(復讐)を視ていて、振り向こうとしないから、そのスピードについていけない人が一人づつ脱落していく。そして、最後に立ちはだかるのは、結局は亡霊……。その全体構成に感心しました。
ハムレットが棄てていくものたちはたくさんありますが、それを「疾走感」で片付けたのが、藤井さんらしい秀逸なアイディアだな、と。そして、まさおのあのスピード感、キレの良さ、そして高すぎるテンション。ギリギリのいっぱいいっぱいで、観ていて疲れてしまうほどテンションを上げきっていても、ちゃんとあの膨大なシャウト有の歌を千秋楽まで歌いきり、膨大な台詞をこなして、場を持たせることができる人って、案外少ないんじゃないかと思いますし。
フォーティンブラスを得られないデンマークは、このあと、亡霊の支配する国になるのかもしれない……と、そんな予感さえ残して。
……ハムレットのあの髪型以外は、すごく良かったと思います。(←ごめんよまさお)(だってもっと似合う髪形があると思うんだよ……)
オフィーリア(蘭乃はな)
まさおのハムレットが良かったのは、もしかしたら藤井さんと組んだればこそだったのかもしれませんが。
蘭ちゃんのオフィーリアは、そのものがベストキャストだと思いました。
「二人の貴公子」でも、ほぼオフィーリアと似たようなキャラクターを演じていて、それも凄く可愛かったので、とっっっても期待していました(*^ ^*)。多分、あの出演者たちの中で一番、私の期待値が高かったと思う。なのに!!その期待値を遥かに上回る、素晴らしい芝居でした♪
全ての場面が良かったんですが、一番好きなのは、苦悩するハムレットの視た幻影として、白いドレスで階段上に現れたときの、柔らかな笑顔です♪ すべてのしがらみを脱ぎ捨てた、幻の天使。蘭ちゃんはリアル感がなさすぎて、『少女』である前に『天使』なんだな、と思いました。三木さんは正しい。
なのに、そんな天使な蘭ちゃんが、フィナーレのショーで踊りだすと途端にガツガツした月娘になって、足を挙げる高さを競い始めるところもとっっても好きです(*^ ^*)。
花組へ異動して、夏からのトップ娘役就任が発表されている蘭ちゃん。
どうぞ、花へ行っても、その輝きを忘れないでね。
クローディアス(越乃リュウ)
私の中では、「ハムレット」という戯曲の準主役は、当たり前にクローディアスであり、ガートルードです。
ちなみに、私の個人的な希望ですが、クローディアスはガートルードに惚れていてほしいし、兄王を殺したのは王座ではなくガートルードを得るためであってほしい、と思っていたり……する(^ ^;ゞのですが。
残念ながら藤井さんにとってソンナことが有り得るはずもなく、クローディアスはシンプルな悪役に徹していて、それはそれで、一世一代の名演技でした(*^ ^*)
いやー、ナホちゃんはホントに罪なオトコですね♪ 決闘するようレアティーズを唆すときの、ささやき声と抱き寄せる腕がいい!罪を孕んだ声、罪に染まった腕。全身、これ、罪、って感じ。
一幕ラスト、「ゴンザーゴ殺し」の芝居を観ながら、どんどん表情が変わっていくところはさすがでした。そして、最後に立ち上がるときの勢いも。いやーーー、あの場面は観るところが多くて疲れました……。
ガートルード(五峰亜季)
ガートルードはを『弱い女』として描いた脚本と、まゆみさんのお芝居が今ひとつかみあっていなくて、非常に残念な気がしました。まゆみさんにわざわざご出演いただくなら、ガートルードは最初から知っていた(邪魔な夫をクローディアスと二人で片付けた)的な解釈でいいと思うんですよね。
まゆみさんは芝居の人ではなく、存在感の人なので、もうちょっとあのキャラクターが生きそうな解釈の役だったらもっと良かったのになあ。「母」を前面に出すか、「女」を前面に出すか、だったら、「女」を前面に出したほうがやりやすかったろうに。
あの解釈なら、ほたるとかこころとかほたるとかすずなとかで充分やれたような気がします。
その方が、ちゃんと「弱き者」だったんじゃないか、と、思う……。
ホレーシオ(宇月颯)、シーリア(花陽みら)
すみません。前からお気に入りの宇月くんに、ますます落ちてしまいました。
髪型も化粧もものすごく良く似合っていたし、まさおとの並びも◎!一歩控えた、親友だけど部下(従者)っていう関係がこんなに似合う人も滅多にいない、と思います(*^ ^*)。「ホフマン物語」でみりおと組んだときも素敵だったけど、まさおとの相性もいいんだなあ~~♪
幕開きのソロから始まって、まさおの次くらいに歌っているんじゃないか…?凄いなあ。
そして、さりげなく普通の衣装に着替えてコロスの中に入ったときの格好良さがまた半端ない。もしかして凄い人なんじゃないだろうか……(←なんでそんなに弱気なんだ)
ホレーシオの妹・シーリアちゃんは、原作には居ない役ですが、基本的にシーリアとしての出番は最初と最後だけで、なかなかいいバランスでした。藤井さんGJ。っていうか、みらちゃんの歌はやっぱり素晴らしい!!オランピアも良かったけど、今回は本当に感心しました。
宇月くんとみらちゃんのデュエットは、一聞の価値はありますよ!!
レアティーズ(珠城りょう)
「ラストプレイ」新公でいきなり出てきた印象の強い研2。姿に恵まれて「ラストプレイ」はおじさん役を好演していましたが、今回はちょっと苦戦?普通なら、ムーアよりレアティーズの方が若い分、下級生にはやりやすいだろうと思っていたのに、むしろ逆でしたね。
若い役から声もそのままでいけるし…と思ったんですが、“そのまま”の声は予想以上に高くて甘かった(^ ^)。逆に、お手本さんに細かく指導してもらいながら、完璧に作りこんだムーアはすごく良かったってことは、今後順調に技術が身につけば鬼に金棒!ってことですけどね。才能だけである程度できちゃう人っていうのは、意外とそれ以上には伸びなかったりするので。
芝居は良かったと思います。この作品の中では一番の包容力を見せる役ですが、仮にも上級生の蘭はなをあれだけ可愛い『妹』として遇せるのもすごい!!と思いました(*^ ^*)。
「スカーレットピンパーネル」の新公配役がまだ発表になりませんが、どうなるんでしょうねえ。気になる……。
先王の亡霊(研ルイス)
この公演全体を通して、研ちゃんが一番印象的だったのは、フィナーレの群舞場面に、扮装を解いて、亡霊化粧のまま踊っていたこと。
いやはや、インパクトありましたわ。
演出的にも研ちゃんの声色的にもよく工夫されていて、とても良かったと思います。
一幕ラストで、クローディアスやガートルードが退出したあと、さりげなくクローディアスの席に座っているハムレット王の冷たい瞳が印象的でした。このひとは、自分の息子を復讐の刃として使うことで、自分の妻、王子の母に復讐しているんだな、と思って。
可哀想なハムレット。……ハムレット本人は、そんなことに気づきもしないんだろうけど。
ポローニアス(綾月せり)
オフィーリアの父。クローディアスの側近。
せりちゃん、なんだかんだ言いつつも良い役者になってきましたねぇ。
ロングソバージュにお髭が良く似合って、「スカーレット・ピンパーネル」での扮装がかなり楽しみになりました。美中年で素敵♪
オフィーリアへの愛情がダダ漏れしているところがとても好きです。せりちゃんの芝居は、優しいですよね。ちょっと情けないような役がつづいていますが、バウには欠かせない役者になってきていると思うので、これからも頑張ってほしいです!
ちょっと体力の限界なので、ローゼンクランツから先は、また後日m(_ _)m。
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