Paradiseな王子様
2008年12月2日 宝塚(宙) コメント (5)東京宝塚劇場にて、宙組公演「Paradise Prince/ダンシング・フォー・ユー」、そして新人公演「Paradise Prince」を観劇してまいりました。
新公演出は上田久美子氏。
私は全く初めて名前を聞いたのですが、前からいらっしゃる方ですよね?どんな活躍をされていたのかな…。オリジナルの演出を丁寧になぞりつつ、役者たちの個性にあわせてキチッと作品世界を構築していたと思います。ちょっと“型どおり”だった印象もありますが、これからのご活躍を楽しみにしています。
多士済々だった宙組88期も、これで新公卒業。
花影アリスちゃん、春風弥里ちゃん、鳳翔大くん、花露すみかさん、綾音らいらさん、蓮水ゆうやさん、麻音颯斗さん…。名前を並べるだけでうっとりするほど人材豊富ですね♪いい公演でのご卒業、おめでとうございます!
「雨に唄えば」キャシーで大舞台のセンターを踏んだアリスちゃんは、今回は新境地でしたね(サマンサ/美風舞良)。声も仕草も作りこんで、すごく良かったです(*^ ^*)。最後の新公に、面白い経験をさせるなあと感心しました。いい経験になったのではないでしょうか♪
次は、また新たな気持ちで『普通の』大人の女性の役に取り組むアリスちゃんを観てみたいです。
みーちゃん(ハワード/一樹千尋)は、もう~~~っ(*^ ^*)ステキすぎます。ダンディすぎですっ!!吉田茂に続き、ハワードでも舞台を浚って完全に持って行っちゃうなんて、罪な人★
これで新公卒業しちゃったら、もうあんなにお髭が似合うのに、つける機会も当分回ってこないじゃないですか…泣けてくるほど残念です。「バレンシア」のフェルナンドも最高にステキでしたけど、吉田茂にハワードとあんなにステキで優しい小父様を続けてやられてしまうと、本気で惚れてしまいそうです。
ああ、いつの日か、フランツとか、キャリエールとか、ジョン卿とか、そういうステキなおじさま役を演じられるような上級生になってほしい~~っっ!!
……別に準主役格じゃなくてもいいんです。ハワードもステキだし、立さんがよく振られていたような役を、ぜひ!(はぁと)。
大くん(スチュワート/大和悠河)は、とってもキャラが合っていて良かった!!等身大の現代っ子はよく似合いますね。タニちゃんの衣装を全部着こなしたのはさすが!!(感心)
そして、「おにいちゃん」らしい優しさがあって、キャサリンにも、マギーにも、ローズマリーにもすごく深い愛が感じられたのが良かったです。特に、後半のマギーからの電話でのやりとりや、ママとの会話に篭められた愛情がすごく好き。それと、本公演ではパパ役を演じているせいか、「家族の傷」の場面の重みを強く感じました。いろいろ考えたでしょうねぇ、きっと。
あのパパ役がすごく好きだったので、なんだか嬉しかったです。
あと、やっぱり私はこの人の声が好きなんだなあ……(しみじみ)。ちゃんと“若い男”の声なんですよね(*^ ^*)。あれだけの容姿と声に恵まれて、芝居も素直で決して悪くない(滑舌は悪いけど…^ ^;;;)。劇団が使いたがるのも解るなあと思いました。
だからこそ、本当に本当にお願いだから歌だけはどうかお願い、、、、と、祈る思い(T T)。
台詞の声はあんなに甘いのに、歌いだすと硬くキンキンするのは、苦手意識があるからなんでしょうねぇ…。緊張で肩に力が入って、呼吸が浅くなる。腹にチカラを入れているつもりで、腕とか顔が固くなってるだけ。あれだけ良い声なんだから、台詞の声のまま歌ってくれれば、音程が多少外れてたって全然気にならないかもしれないのに……(T T)。
花露さん(エヴァ/鈴奈沙也)は、相変わらず危険な香りが漂ってステキでした☆本役の鈴奈さんは「遣り手」って感じの有能さでしたが、花露さんは「デキる女」って感じ(←違いがよくわかんないけど…)。
美人で声が強くて目が効く。花露さんが新公卒業して、宙組のイイオンナ枠はますます熾烈な争いになりそうですね☆
綾音らいらさんは、ローズマリーをじっと見守るメイ(彩苑ゆき)。「エリザベート」でいうスターレイみたいな役ですが、控えめな佇まいなのに意外と存在感があるところが良かったです。
ちーちゃん(ラルフ/北翔海莉)は、難しい役をよくこなしてましたねー!(感心)。本役のみっちゃんがぶっ飛んだ役づくりなので、ちーちゃんはどうするのかなー?と思っていたのですが、“盛り上げ役”に徹してあんまり「変な人」感を出さなかったのと、ラストで正体を現したときにかっこつけすぎないのがポイントだったかな?(^ ^)
ただ、せっかく美形なので、髪型はもう少し工夫してほしかったなー。大人っぽくて細くて縦に長い顔型の人は、あんまり縦にボリュームを持たせないで、タイトにまとめるか横に拡がったような髪の方が絶対似合うと思うんですよねぇ……。
(美形は『綺麗だなー』と思いながら鑑賞したいんですぅ。もったいなーい!)
残念ながら、ちーちゃんの良い所は封印された役でしたけれども、いろいろな人生経験の感じられる、大人っぽくて勉強家なラルフでした。スチュワートの演説に盛り上がる仲間たちを見守る目が優しくて、良い奴だなーと思いましたよ♪
仲間たちの真ん中に入っても違和感無く、端に居てもふと目を惹くナニカがありました。本公演でも観客の目を意識した動きが出来るようになったな、と思いましたし、佐助を演じた経験も生きているような気がします。良い感じでいろんな役を経験していると思うので、今のうちにしっかり色々吸収して、がんばってほしいです☆
麻音颯斗さんは、オクラホマの大富豪・ドナルド・ブラウン(風莉じん)。なんだか余裕の役作りでしたね。お髭もとってもよくお似合いで、落ち着いた貫禄が役に良く似合ってました。
この人も声がよくて嬉しい。「お金を出すのは我々素人ですよ!」みたいな台詞がめっちゃカッコイイです☆ちーちゃんと親子にちゃんと見えたのは、二人ともが凄い!のかな?(^ ^)
いきなり新公の役者感想になってしまったので、作品について全然触れていませんが、私はこの作品、結構好きです。
……うん、かなり。
植田景子さんの大劇場作品は、時間が足りなくて伏線を張り切れず、誰かに説明させて台詞ですませちゃったり、なのにラストにいらない場面をつけて10分無駄にしたり、ということが良くあるんですが、今回は比較的、うまくまとまっていたと思います。
まぁ、ホントは無理して“アート”とか“アニメ”とかを持ち出して新しさを出すより、素直に「シンデレラ・ロック」を1幕ものに再構成して出したほうが良かったんじゃないかな?、とか思ったりもするのですが。
……でも、あれだとウメちゃんの役が歌手志望になっちゃうからなぁ……(涙)。
じゃなくて!!
当時のタニちゃんは「普通の男の子」だったし、「シンデレラ」が似合ったけれども、
今のタニちゃんは、あくまでも「王子様」であって「普通の男の子」には戻れないんだから、
……だから仕方が無い、という景子さんの判断もわかるような気がします。
そのくらい、タニちゃんは「リアル」な世界から離れた存在になってしまったんだな、と。
新人公演で大くんが描きだした、リアルで、普通で、優しくて、そして誰よりも愛情深い「おにいちゃん」なスチュワートを観ながら。
「Paradise Prince」を夢見たスチュワートは、
この世のものならぬ王子様だったのか、
それとも、
夢を諦められなかっただけの“普通の”男の子だったのか……
舞台作品に正解なんてないんですけれども、本公演を観てからあまり日をおかずに新人公演だったので、観劇しながらそんなことを凄く考えこんでしまいました。
…作中で誰よりも「愛」に生きていたのは、本公も新公もハワードさんでしたけど、ね(^ ^)。
.
新公演出は上田久美子氏。
私は全く初めて名前を聞いたのですが、前からいらっしゃる方ですよね?どんな活躍をされていたのかな…。オリジナルの演出を丁寧になぞりつつ、役者たちの個性にあわせてキチッと作品世界を構築していたと思います。ちょっと“型どおり”だった印象もありますが、これからのご活躍を楽しみにしています。
多士済々だった宙組88期も、これで新公卒業。
花影アリスちゃん、春風弥里ちゃん、鳳翔大くん、花露すみかさん、綾音らいらさん、蓮水ゆうやさん、麻音颯斗さん…。名前を並べるだけでうっとりするほど人材豊富ですね♪いい公演でのご卒業、おめでとうございます!
「雨に唄えば」キャシーで大舞台のセンターを踏んだアリスちゃんは、今回は新境地でしたね(サマンサ/美風舞良)。声も仕草も作りこんで、すごく良かったです(*^ ^*)。最後の新公に、面白い経験をさせるなあと感心しました。いい経験になったのではないでしょうか♪
次は、また新たな気持ちで『普通の』大人の女性の役に取り組むアリスちゃんを観てみたいです。
みーちゃん(ハワード/一樹千尋)は、もう~~~っ(*^ ^*)ステキすぎます。ダンディすぎですっ!!吉田茂に続き、ハワードでも舞台を浚って完全に持って行っちゃうなんて、罪な人★
これで新公卒業しちゃったら、もうあんなにお髭が似合うのに、つける機会も当分回ってこないじゃないですか…泣けてくるほど残念です。「バレンシア」のフェルナンドも最高にステキでしたけど、吉田茂にハワードとあんなにステキで優しい小父様を続けてやられてしまうと、本気で惚れてしまいそうです。
ああ、いつの日か、フランツとか、キャリエールとか、ジョン卿とか、そういうステキなおじさま役を演じられるような上級生になってほしい~~っっ!!
……別に準主役格じゃなくてもいいんです。ハワードもステキだし、立さんがよく振られていたような役を、ぜひ!(はぁと)。
大くん(スチュワート/大和悠河)は、とってもキャラが合っていて良かった!!等身大の現代っ子はよく似合いますね。タニちゃんの衣装を全部着こなしたのはさすが!!(感心)
そして、「おにいちゃん」らしい優しさがあって、キャサリンにも、マギーにも、ローズマリーにもすごく深い愛が感じられたのが良かったです。特に、後半のマギーからの電話でのやりとりや、ママとの会話に篭められた愛情がすごく好き。それと、本公演ではパパ役を演じているせいか、「家族の傷」の場面の重みを強く感じました。いろいろ考えたでしょうねぇ、きっと。
あのパパ役がすごく好きだったので、なんだか嬉しかったです。
あと、やっぱり私はこの人の声が好きなんだなあ……(しみじみ)。ちゃんと“若い男”の声なんですよね(*^ ^*)。あれだけの容姿と声に恵まれて、芝居も素直で決して悪くない(滑舌は悪いけど…^ ^;;;)。劇団が使いたがるのも解るなあと思いました。
だからこそ、本当に本当にお願いだから歌だけはどうかお願い、、、、と、祈る思い(T T)。
台詞の声はあんなに甘いのに、歌いだすと硬くキンキンするのは、苦手意識があるからなんでしょうねぇ…。緊張で肩に力が入って、呼吸が浅くなる。腹にチカラを入れているつもりで、腕とか顔が固くなってるだけ。あれだけ良い声なんだから、台詞の声のまま歌ってくれれば、音程が多少外れてたって全然気にならないかもしれないのに……(T T)。
花露さん(エヴァ/鈴奈沙也)は、相変わらず危険な香りが漂ってステキでした☆本役の鈴奈さんは「遣り手」って感じの有能さでしたが、花露さんは「デキる女」って感じ(←違いがよくわかんないけど…)。
美人で声が強くて目が効く。花露さんが新公卒業して、宙組のイイオンナ枠はますます熾烈な争いになりそうですね☆
綾音らいらさんは、ローズマリーをじっと見守るメイ(彩苑ゆき)。「エリザベート」でいうスターレイみたいな役ですが、控えめな佇まいなのに意外と存在感があるところが良かったです。
ちーちゃん(ラルフ/北翔海莉)は、難しい役をよくこなしてましたねー!(感心)。本役のみっちゃんがぶっ飛んだ役づくりなので、ちーちゃんはどうするのかなー?と思っていたのですが、“盛り上げ役”に徹してあんまり「変な人」感を出さなかったのと、ラストで正体を現したときにかっこつけすぎないのがポイントだったかな?(^ ^)
ただ、せっかく美形なので、髪型はもう少し工夫してほしかったなー。大人っぽくて細くて縦に長い顔型の人は、あんまり縦にボリュームを持たせないで、タイトにまとめるか横に拡がったような髪の方が絶対似合うと思うんですよねぇ……。
(美形は『綺麗だなー』と思いながら鑑賞したいんですぅ。もったいなーい!)
残念ながら、ちーちゃんの良い所は封印された役でしたけれども、いろいろな人生経験の感じられる、大人っぽくて勉強家なラルフでした。スチュワートの演説に盛り上がる仲間たちを見守る目が優しくて、良い奴だなーと思いましたよ♪
仲間たちの真ん中に入っても違和感無く、端に居てもふと目を惹くナニカがありました。本公演でも観客の目を意識した動きが出来るようになったな、と思いましたし、佐助を演じた経験も生きているような気がします。良い感じでいろんな役を経験していると思うので、今のうちにしっかり色々吸収して、がんばってほしいです☆
麻音颯斗さんは、オクラホマの大富豪・ドナルド・ブラウン(風莉じん)。なんだか余裕の役作りでしたね。お髭もとってもよくお似合いで、落ち着いた貫禄が役に良く似合ってました。
この人も声がよくて嬉しい。「お金を出すのは我々素人ですよ!」みたいな台詞がめっちゃカッコイイです☆ちーちゃんと親子にちゃんと見えたのは、二人ともが凄い!のかな?(^ ^)
いきなり新公の役者感想になってしまったので、作品について全然触れていませんが、私はこの作品、結構好きです。
……うん、かなり。
植田景子さんの大劇場作品は、時間が足りなくて伏線を張り切れず、誰かに説明させて台詞ですませちゃったり、なのにラストにいらない場面をつけて10分無駄にしたり、ということが良くあるんですが、今回は比較的、うまくまとまっていたと思います。
まぁ、ホントは無理して“アート”とか“アニメ”とかを持ち出して新しさを出すより、素直に「シンデレラ・ロック」を1幕ものに再構成して出したほうが良かったんじゃないかな?、とか思ったりもするのですが。
……でも、あれだとウメちゃんの役が歌手志望になっちゃうからなぁ……(涙)。
じゃなくて!!
当時のタニちゃんは「普通の男の子」だったし、「シンデレラ」が似合ったけれども、
今のタニちゃんは、あくまでも「王子様」であって「普通の男の子」には戻れないんだから、
……だから仕方が無い、という景子さんの判断もわかるような気がします。
そのくらい、タニちゃんは「リアル」な世界から離れた存在になってしまったんだな、と。
新人公演で大くんが描きだした、リアルで、普通で、優しくて、そして誰よりも愛情深い「おにいちゃん」なスチュワートを観ながら。
「Paradise Prince」を夢見たスチュワートは、
この世のものならぬ王子様だったのか、
それとも、
夢を諦められなかっただけの“普通の”男の子だったのか……
舞台作品に正解なんてないんですけれども、本公演を観てからあまり日をおかずに新人公演だったので、観劇しながらそんなことを凄く考えこんでしまいました。
…作中で誰よりも「愛」に生きていたのは、本公も新公もハワードさんでしたけど、ね(^ ^)。
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