宝塚星組 日本青年館公演「ブエノスアイレスの風」。





さっきまで色々書いていたんですが、すっごい長くなってしまったので、メインキャストについてはまた後日まとめたいと思います。

とりあえず今日は、メインじゃないひとたちを印象に残った順に♪




武器商人のじゅんな(水輝涼)が、最高に素敵でした(*^ ^*)。あの間抜けな役の間抜けな台詞を大真面目に喋って説得力があるって、どんだけ巧いんだこの人(感心)。衣装も似合ってて素敵でした!(←真顔)。

この人って、本当に素敵だと思うんですよね。いつか、しゅんくんなりベニーなりがトップスターと呼ばれる日が来たら、ぜひマリコさん時代のみっき(千秋慎)さんのような存在になってほしい。そして、いつか「Elegy 哀歌」を再演するような日が来るならば、じゅんなのマルク王を観たいと思っていたりします。紅トリスタン、夢咲イゾルデ、みやるりアンドレッド、壱城パラミティーズ、、、、なんてどうでしょうか。「Elegy」が観たいというより、じゅんなのマルク王が観たいだけですけど(^ ^;




ロレンソの美城れんさんも良かった。まりえ(美郷真也)さんが生き返った(←失礼な)かと思いました。


フローラの音花ゆりちゃんも、予想外に良かったです。芝居はさすがに無理があったけど、歌は文句無かった!!幕開きの歌にはびっくりしました(@ @)。
台詞の声(コロコロして可愛い)と歌声(低音の響きがかっこいい)のギャップにちょっと萌え。




バーテンの鶴美舞夕さん、達者な人ですねぇ。こちらは初演で演じたのの(京樹真那)ちゃんが印象的すぎて違和感を拭いきれなかったのですが、カッコよかったです。元々ずば抜けたダンサーなんだし、正塚さんも少しは宛書して修正してあげればいいのに!と思いました。バーテンさんも踊っちゃえよ!!とか(^ ^)。ニコラスとダンス対決してほしかったなー(←それブエノスアイレスの風じゃないから)
それにしても、ダンサーで芝居もできてカッコイイ、しみじみとすごい人だなあ☆。




イサベラの姉の華美ゆうかさん。巧い人なんだけど、怖さがちょっと足りなかったかも。それとも、イサベラのねねちゃんの怯え方が足りないのかな?姉の暴力(言葉や態度という暴力ですが)に、指先まで支配され怯えきった少女が、ダンスに救いを求める物語が作品全体の一方の軸なのに、そこが薄まっていたのが残念でした。
マルセーロみたいなチンピラにまで救いを求めずにはいられない、その恐怖の象徴のような存在であってほしかったので…。

もともと、暖かな包容力のある女性で魅力的なタイプなので、この役自体に無理があったのかな。三杉千佳さんの怖さは天下一品だったもんなぁ…。



涼乃かつきさんは、イサベラの母とアパートの管理人。「龍星」でも良かっただったので楽しみにしていましたが、期待どおりでした。達者な人だなあ。



メルセデスの純花まりぃさん、綺麗だったけど……あれ?こんな役でしたっけ?那津乃咲さんの女主人って、バーテンのののちゃんと並んで凄く印象的な存在だったんですけど……。かなり後半になるまで、役自体がなくなっちゃったんだとばかり思ってました。あれぇ?おかしいな。単に私が那津乃さん好きだったからチェックしていただけなんでしょうか……ホントごめんなさい(汗)。




キトリ(稀鳥まりや)ちゃんが最後まで役名なしだったのが意外。芝居できるのにもったいない……。でも本当に、ホンモノのダンサーというのは立ち姿が違うんだなあ、としみじみ。可愛いしかっこいいし、意外と大人っぽいし…すごく良かったと思います。




美弥るりかさんの声は、相変わらずドキっとするほど色っぽい(*^ ^*)。役での出番は極少ですが、いい芝居してました。眼が効いて美人で色っぽくて…色悪とか似合いそうなんですけどねぇ。万が一本当に「Elegy…」を再演することがあったら、アンドレットをぜひ演じてほしいです。あの長台詞を、あの声で聞いてみたい!




如月蓮さんは、銀行員も良かったけど、「街の男」が面白かったです。なんともいえず味があって。
あと印象的だったのは警察署長の天寿光希さんかな。ベニーの上司にちゃんと見える、落ち着いた芝居でよかったと思います。




マルセーロの真風くんは予想以上に良かったです。もう少しヘタレだともっといいんですけど、あの学年で自然にヘタレ感が出るのは、ホントにヘタレな人だから……そういう要素のない人にはすごく難しい(汗)。
タニちゃんのマルセーロは抜群にヘタレだったし、きりやんのマルセーロはなんとも言えず可愛かったので、真風くんも、何か一つポイントを決めるといいかもしれません。彼のキャラだったら、ひたすらかっこつけてみるのも一つの手だと思うんですよね。回りとのバランスが難しいところですけど。
ただ、リカルドとリリアナがキャラ違いなので、その二人との関わりが多いマルセーロは難しいだろうなあと思いました。特に、ソファでじゃれてる二人に色気がないのは致命的で、それを見て嫉妬しているマルセーロが莫迦にしか見えないのがね…(T T)。あそこは可哀想だと思いました。正塚さんも、もう少し全体のバランスを見てあげればいいのに……。

真風くんがいちばんカッコよかったのは、フィナーレのタンゴ。特に、ねねちゃんとの並びが綺麗でお似合いで、それに一番びっくりしてしまいました☆




バンドネオン弾きは漣レイラさん。初演の研ルイスくんといい、名前で選んだとしか思えん!とか失礼なことを考えてしまいました(汗)。もう少し歩き方や座り方が自然になるといいんだけどなー、と思いつつ、バンドネオンの弾き方とか、お客さんとのやり取りの雰囲気は自然で良かったと思います。でもあんまり注目して観る暇がなくて…ごめんなさい。





最後にもうひとつ。
礼音くんってなんとなーく“若い”イメージがあったんですけど、初演時のリカさんと3学年しか違わないんですね。今は、10年前に比べて全体的に「スターになる年齢」が高くなっているとはいえ、礼音くんは主演公演もこれで4本目なんだし、リカさんだって初演時は二番手になってまだ1年足らず。二番手になって3公演1年半が経っている礼音くんが、経験不足ってことは全くないはずなんだなー、と、あらためて思ったりしました…。







全体に。
ひとりひとりは本当にがんばっているし、作品自体は名作だったはずなのに、アチコチかみ合ってなかったり、なんかバランスが悪かったりしたのは、初日すぐだからだと思います。

初演が名作だったのは宛書がぴったり嵌っていたからで、今回、まったく役者に合わせて手直しされることもなく、「スカーレット・ピンパーネル」の千秋楽から1ヶ月弱で、基本的にはビデオ起こししただけで演出的に細かく修正する時間もなく舞台に乗せざるをえないスケジュールだったのは、本当に気の毒でした。
本来、バウ初日の14日に普通に初日を迎えて、バウで2週間じっくり熟成させてから青年館に持ってくるはずのところを、青年館が押さえられなかったのかなんなのか、バウの前に青年館が入ってしまった。劇団的にも、正塚さん自身も、青年館公演は6日間も公開舞台稽古と割り切っているんだろうなあ。……再演を楽しみに待っていた東京の観客としては、切ない限りです。

「ブエノスアイレスの風」という名作の完成度を上げることに作者自身が興味がないなら、どうしてこのタイミングで、このキャストで、東京先行で再演することになってしまったのか……と、小一時間問い詰めたい気持ち。
特に娘役3役、イサベラのねねちゃん、エヴァのまりも(蒼乃夕妃)ちゃん、リリアナの水瀬(千秋)さん…3人が3人とも、それぞれ単体では解釈もしっかりしているし、その解釈で演じきる力もあるのに、それぞれが絡む相手役とのバランスが悪すぎて違和感があったのが残念でした。そういうギクシャクしたものをフォローするのが演出家の仕事だろう!?と思うんですよね。
がんばっている彼女たちも、生温く見守るしかない私たちも、残念でなりません。





まぁ、こんなことをいくらぼやいても仕方がないので、
まだ若い彼らの可能性と輝きを、愛でたいと思います…。




…もう、いっそのことバウまで行っちゃおうかな……(T T)(←実は真顔)


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