若人たちのマリポーサ
2008年10月21日 宝塚(雪) コメント (6)雪組東宝劇場新人公演「マリポーサの花」を観劇してまいりました。
む、む、むずかしい。
大好きな作品だけに、こ、こんなに難しい芝居だったのか!!と思ってしまいました。
うーん、(大湖)せしるも、(舞羽)美海ちゃんも、よくやっていたのになあ。
凜城きらさんもがんばってたのになぁ。
……むずかしいものなんだなあ……。
新公演出は稲葉大地。
彼自身の作品を演出する場合はまた違うのでしょうけれども、今回の新公演出は、「シークレットハンター」の新公でぼんやりと思った印象が、今回も残りました。役者が違うのに、本役と同じ芝居を演出しようとする…という印象が。
「シークレットハンター」の新公の感想を書いたときに、私は『本役の芝居解釈力というか、咀嚼力というか、その咀嚼した者を観客に伝えきれる表現力の豊富さというか、そういうところばかりが印象に残った』ということを書いているのですが、今回もそんな感じだったんですよね。
新人公演って本当に一期一会なものなので、作品とか、本役とか、新公演出とか、いろんなことで運があって、タイミングがあって、、、、、つい最近まで私の中で同じグループ(ビジュアル系ヘタレ組)だった、同じ88期の二人(星組の紅くんとせしる)の明暗、というのは……
なにもかもが運命なのだ、と言ってしまえばそれまでなのですが。
ま、これ一つで全てが決まるわけじゃない。
新人公演自体が成功するかしないかは、役者としての評価にはあまり関係がなくて。
大切なのは、この新人公演で何を学んで次の公演に生かすか、あるいはあさってからの公演に生かすかだと思うので。
せしるくんには、今まで以上に踏ん張ってほしいなあと思っています。
せしるは、本当にカッコよかった。本公演ではアフロヘアに髭をつけてチャモロをやっていますが、ネロさんはすっきりと髪をまとめて、シャープですごく素敵でした!
ただ、ちょっと小柄なので、エスコバルの凜城さんもリナレスの彩風咲奈ちゃんもサルディバルのキング(蓮城まこと)も、回り中みーんな大柄なのに囲まれて、にもかかわらず『誰よりも格上で強い男』でなくてはならない、というそもそもの設定に、かなり問題があるような気がしてしまいました。
たとえば「君を愛してる」みたいな作品だったらあんまり気にならなかったんだろうに、と思うと、作品との相性も本当に大事なんだなあと思うんですよね…。
せしる好きなんだけどなー。芝居もいいもの持っていると思うし。ただ、ヘタレだから台詞の声が安定しないのがちょっと惜しいですね。ネロは特に、脅しつけるような台詞が結構あるので。
……歌の声が安定すればもっといいです。はい。(←深い意味はありません)
「凍てついた明日」のメアリーで感銘をうけた、美海ちゃんのセリア。
白羽ゆりちゃんがちょっと苦戦している難しい役を、よくがんばったと思います。
キレイでスタイルも良くて、すごい華やかなひとなんだけど、芝居はまだお人形さんでしたねぇ(T T)。メアリー良かったのになー。本公演のブランカとあまり変わらなくて、ちょっと心配な感じでした。
しかし眼を惹くことは間違いない。しかも踊れる(ショーシーンの華やかなこと!!)
歌は声量がなくて不安定でしたが、それもメアリーの時はそこそこ出来てたんですよね。なんだろう、荻田マジックだったのかしら?(不思議)
凜城さんのエスコバルは、ちょっと消化不良な感じ。っていうか、エスコバルって本当に難しいんだなー。なんだか、凜城さんには、なぜ自分がネロの後をくっついて回っているのか解っていないような気がしました。ただ、そういう役だから(ユミコさんがそうしてるから)そうしてる。そんな風に見えてしまったのが、一番残念でした。
良い役なんだけどなーーーーっ!難しい…。
ちょっとふっくら系なのも、「エスコバル」という禁欲的な役を演じる上ではマイナスだったし、顔立ちもキレイなんだけど、まだ柔らかくて可愛らしい感じだし…外見から入るのも難しかったんだろうな、と。まだ下級生なんだし、歌えて踊れる実力派なんだし(ですよね?)、今回無理してこんな難しい役をやらせなくても次回まで待てばよかったのに、と、個人的には思いました。
スター誕生だ!と思ったのは、彩風咲奈さんのリナレス。
「Savola Me」の艶やかな声、伸びやかなダンス、華やかな笑顔。
メークは駄目駄目でしたが、それ以外は本当に、今すぐにでも大役を任せられる華やかさと安定感がありました。研2だなんて信じられない!!まだ声が高いから少年役以外は難しいと思いますが、それでも「女の子の声」じゃなくて「少年の声」だったのが印象的。
本役のキムちゃんよりは随分若い役作りで、大学入ったばかりでしょアンタ、って感じでしたけど(キムちゃんは4年生か5年生かOBか、って感じ)、元々ネロやエスコバルに対して若さゆえの性急さや誇り高さや我慢のなさが大事な役なので、すごく似合っていたと思います。
芝居も良かった。嵌り役でしたね。
まぁ、ここから脱皮して、痩せて、声をひくくして……大人の男がやれる男役になるまでには、まだまだハードルがたくさんありますけれども。将来有望な逸材が出るのを観たぞ!という感激がありました(*^ ^*)。
ロジャーのがおり(香稜しずる)くんは、本当に美しい人(*^ ^*)。
本公演の印象より、ずいぶんと冷ややかなロジャーでした。美しくて、冷ややかで、でも裡に持っている熱量は大きい、みたいな。
ラスト、銃を持って闘いに参加することに納得できる「CIA」でした。
ラファエルは、「凍てついた明日」Bチームのジェレミーで落ちた真那春人くん。
やっぱジェレミーはもう喉つぶしてたんですねぇ。実に実に良い声でした。素敵だ。滑舌もいいし、とにかく熱がこもった芝居をする人なので、何をしていても観ていて楽しいです。
……個人的にでは、お店でのショーシーンで笙乃茅桜ちゃんと組んで踊っていた時の笑顔がとても好きです。(←あまり笑顔の似合わない顔だと思っていたので…ごめんなさい)
あと印象に残ったのは、アリシアのミナコ(愛原実花)ちゃん。
いづるんとは全然違うキャラクターで、本当に素敵でした。ああ、ユミコさんのエスコバルとサシで勝負させてあげたかった!(←勝負じゃないから!)
他にも印象に残ったひとはたくさんいるので、ちょっと箇条書きで。
・船長の香音有希さんが貫禄あって素敵でした♪学生にも入っているんですが、ちょっとおっさんっぽいところがかえってリアル感(^ ^)。
・お医者様の帆風成海さんが滅茶苦茶いい声でびっくり!あんなお医者さまにかかってみたい!
・イスマヨールの紫友みれいさん、飄々とした専科さんの役をがんばってました。いい味出てましたよー。
・シーナのさゆちゃん、滅茶苦茶可愛いっ!
・フェルッティの子分、梓晴輝さんと朝風れいさんって滅茶苦茶おいしい。大凪真生さんのフェルッティは、部下を顔で選んだんじゃないか…?(疑惑)
・コロスの振り付けって本公演と一緒ですか?ダンサーばっかりだからレベルを上げたとか…ないですよね?(←レベルを下げる最大の原因のファンをしていると、つい不安に…)
・警備兵の電話をかける方はどなたでしょうか?
・ベルレディの花夏ゆりんちゃん、「セリア様と仰る方から…」の言い方がすごく好き。
・闘いへ向かう前のナンバーは、人数が足りないのでリナレス以外は全員女の子。でも、結構迫力あってよかったです。コーラスは軍隊も警察隊も陰で入ってたのかな…?
…そんなところでしょうか。
全体に、難しいストレートプレイに全力で挑みかかる子供たち、という印象もありましたが、必死さが良い方向に出た人もいて、観終わった後の印象は、本公演より爽やかなくらいでした。
一生懸命、「今の思い」を伝えようとする、きゃびぃやせしるの挨拶も、良かったと思います。
雪組88期、お疲れさまでした!明後日からの本公演も、どうぞよろしくね♪
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む、む、むずかしい。
大好きな作品だけに、こ、こんなに難しい芝居だったのか!!と思ってしまいました。
うーん、(大湖)せしるも、(舞羽)美海ちゃんも、よくやっていたのになあ。
凜城きらさんもがんばってたのになぁ。
……むずかしいものなんだなあ……。
新公演出は稲葉大地。
彼自身の作品を演出する場合はまた違うのでしょうけれども、今回の新公演出は、「シークレットハンター」の新公でぼんやりと思った印象が、今回も残りました。役者が違うのに、本役と同じ芝居を演出しようとする…という印象が。
「シークレットハンター」の新公の感想を書いたときに、私は『本役の芝居解釈力というか、咀嚼力というか、その咀嚼した者を観客に伝えきれる表現力の豊富さというか、そういうところばかりが印象に残った』ということを書いているのですが、今回もそんな感じだったんですよね。
新人公演って本当に一期一会なものなので、作品とか、本役とか、新公演出とか、いろんなことで運があって、タイミングがあって、、、、、つい最近まで私の中で同じグループ(ビジュアル系ヘタレ組)だった、同じ88期の二人(星組の紅くんとせしる)の明暗、というのは……
なにもかもが運命なのだ、と言ってしまえばそれまでなのですが。
ま、これ一つで全てが決まるわけじゃない。
新人公演自体が成功するかしないかは、役者としての評価にはあまり関係がなくて。
大切なのは、この新人公演で何を学んで次の公演に生かすか、あるいはあさってからの公演に生かすかだと思うので。
せしるくんには、今まで以上に踏ん張ってほしいなあと思っています。
せしるは、本当にカッコよかった。本公演ではアフロヘアに髭をつけてチャモロをやっていますが、ネロさんはすっきりと髪をまとめて、シャープですごく素敵でした!
ただ、ちょっと小柄なので、エスコバルの凜城さんもリナレスの彩風咲奈ちゃんもサルディバルのキング(蓮城まこと)も、回り中みーんな大柄なのに囲まれて、にもかかわらず『誰よりも格上で強い男』でなくてはならない、というそもそもの設定に、かなり問題があるような気がしてしまいました。
たとえば「君を愛してる」みたいな作品だったらあんまり気にならなかったんだろうに、と思うと、作品との相性も本当に大事なんだなあと思うんですよね…。
せしる好きなんだけどなー。芝居もいいもの持っていると思うし。ただ、
……歌の声が安定すればもっといいです。はい。(←深い意味はありません)
「凍てついた明日」のメアリーで感銘をうけた、美海ちゃんのセリア。
白羽ゆりちゃんがちょっと苦戦している難しい役を、よくがんばったと思います。
キレイでスタイルも良くて、すごい華やかなひとなんだけど、芝居はまだお人形さんでしたねぇ(T T)。メアリー良かったのになー。本公演のブランカとあまり変わらなくて、ちょっと心配な感じでした。
しかし眼を惹くことは間違いない。しかも踊れる(ショーシーンの華やかなこと!!)
歌は声量がなくて不安定でしたが、それもメアリーの時はそこそこ出来てたんですよね。なんだろう、荻田マジックだったのかしら?(不思議)
凜城さんのエスコバルは、ちょっと消化不良な感じ。っていうか、エスコバルって本当に難しいんだなー。なんだか、凜城さんには、なぜ自分がネロの後をくっついて回っているのか解っていないような気がしました。ただ、そういう役だから(ユミコさんがそうしてるから)そうしてる。そんな風に見えてしまったのが、一番残念でした。
良い役なんだけどなーーーーっ!難しい…。
ちょっとふっくら系なのも、「エスコバル」という禁欲的な役を演じる上ではマイナスだったし、顔立ちもキレイなんだけど、まだ柔らかくて可愛らしい感じだし…外見から入るのも難しかったんだろうな、と。まだ下級生なんだし、歌えて踊れる実力派なんだし(ですよね?)、今回無理してこんな難しい役をやらせなくても次回まで待てばよかったのに、と、個人的には思いました。
スター誕生だ!と思ったのは、彩風咲奈さんのリナレス。
「Savola Me」の艶やかな声、伸びやかなダンス、華やかな笑顔。
メークは駄目駄目でしたが、それ以外は本当に、今すぐにでも大役を任せられる華やかさと安定感がありました。研2だなんて信じられない!!まだ声が高いから少年役以外は難しいと思いますが、それでも「女の子の声」じゃなくて「少年の声」だったのが印象的。
本役のキムちゃんよりは随分若い役作りで、大学入ったばかりでしょアンタ、って感じでしたけど(キムちゃんは4年生か5年生かOBか、って感じ)、元々ネロやエスコバルに対して若さゆえの性急さや誇り高さや我慢のなさが大事な役なので、すごく似合っていたと思います。
芝居も良かった。嵌り役でしたね。
まぁ、ここから脱皮して、痩せて、声をひくくして……大人の男がやれる男役になるまでには、まだまだハードルがたくさんありますけれども。将来有望な逸材が出るのを観たぞ!という感激がありました(*^ ^*)。
ロジャーのがおり(香稜しずる)くんは、本当に美しい人(*^ ^*)。
本公演の印象より、ずいぶんと冷ややかなロジャーでした。美しくて、冷ややかで、でも裡に持っている熱量は大きい、みたいな。
ラスト、銃を持って闘いに参加することに納得できる「CIA」でした。
ラファエルは、「凍てついた明日」Bチームのジェレミーで落ちた真那春人くん。
やっぱジェレミーはもう喉つぶしてたんですねぇ。実に実に良い声でした。素敵だ。滑舌もいいし、とにかく熱がこもった芝居をする人なので、何をしていても観ていて楽しいです。
……個人的にでは、お店でのショーシーンで笙乃茅桜ちゃんと組んで踊っていた時の笑顔がとても好きです。(←あまり笑顔の似合わない顔だと思っていたので…ごめんなさい)
あと印象に残ったのは、アリシアのミナコ(愛原実花)ちゃん。
いづるんとは全然違うキャラクターで、本当に素敵でした。ああ、ユミコさんのエスコバルとサシで勝負させてあげたかった!(←勝負じゃないから!)
他にも印象に残ったひとはたくさんいるので、ちょっと箇条書きで。
・船長の香音有希さんが貫禄あって素敵でした♪学生にも入っているんですが、ちょっとおっさんっぽいところがかえってリアル感(^ ^)。
・お医者様の帆風成海さんが滅茶苦茶いい声でびっくり!あんなお医者さまにかかってみたい!
・イスマヨールの紫友みれいさん、飄々とした専科さんの役をがんばってました。いい味出てましたよー。
・シーナのさゆちゃん、滅茶苦茶可愛いっ!
・フェルッティの子分、梓晴輝さんと朝風れいさんって滅茶苦茶おいしい。大凪真生さんのフェルッティは、部下を顔で選んだんじゃないか…?(疑惑)
・コロスの振り付けって本公演と一緒ですか?ダンサーばっかりだからレベルを上げたとか…ないですよね?(←レベルを下げる最大の原因のファンをしていると、つい不安に…)
・警備兵の電話をかける方はどなたでしょうか?
・ベルレディの花夏ゆりんちゃん、「セリア様と仰る方から…」の言い方がすごく好き。
・闘いへ向かう前のナンバーは、人数が足りないのでリナレス以外は全員女の子。でも、結構迫力あってよかったです。コーラスは軍隊も警察隊も陰で入ってたのかな…?
…そんなところでしょうか。
全体に、難しいストレートプレイに全力で挑みかかる子供たち、という印象もありましたが、必死さが良い方向に出た人もいて、観終わった後の印象は、本公演より爽やかなくらいでした。
一生懸命、「今の思い」を伝えようとする、きゃびぃやせしるの挨拶も、良かったと思います。
雪組88期、お疲れさまでした!明後日からの本公演も、どうぞよろしくね♪
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