ちょうど今朝のCSニュースの総集編で、月組「Merry Widow」の千秋楽映像が流れてまして……あらためての実感として、ゆうみちゃん(咲妃)とちびあず(琴音)の別人ぶりに震撼いたしました。いやもtろん、なっつ(夏月)もさち花(白雪)も、他の子たちも凄いですよ!!本当にすごい!!

この映像が今日流れるくらい、つい最近までこの世界にどっぷり浸かっていたいたはずなのに、、、役者だなあ、みんな(感涙)。



というわけで、銀河劇場の「月雲の皇子」。

先日観劇したときは、2幕のパロ(晴音)の剣舞のキレが悪くて、もしかして具合でも悪いのかな?と密かに心配していたのですが……今日は、素晴らしいダンスで魅せてくれて、とても良かったです!
パロの芝居はこの作品の2幕の展開の鍵で、彼女と彼女を取り巻く人々の芝居が、詞で語ることをやめた木梨の心情を顕していくんですよね。パロのいう、「あたしは絶対、あんたの役に立つ!」という台詞は、一幕で穴穂(鳳月)が語る「必ず、お力になります」という誓詞と呼応していて……だから、その台詞をきいた木梨がふと目を逸らす芝居が、すごく切なかったりとか、そういう細かいディテールの積み重ねが、上田さんの良さなんだと思うんですよね

あと、銀河に来て、これはたぶん芝居(演出?)が変わったのだと思うのですが、アミル(千海)がパロを好きだという設定がすごく明確になったな、と思いました。不器用な、でも、包み込むようにやさしいアミルの愛情。最後の場面の、「なぜここに来たーっ!?」という切ない悲鳴がとても辛くて、脚本的には何も変わっていないのに、こんな風に心が動かされてしまう芝居の力に、改めて感嘆いたしました。

晴音さんはすごくいいものを持っている人だと思うので、月組の素晴らしい先輩(お手本)たちを目指して、素直にのびていってほしいと思います♪



渡来人の二人、身狭村主青(夏美)と檜隈民使博徳(輝月)。はっちさんと並んでなんの違和感もない研5の凄味は、バウのときから驚くばかりでしたけれども、あれから半年がすぎて、皇子たちの「目上」であることにすっかり慣れたまゆぽんの貫録に、あらためて驚きました。
すごいなー、かっこいいなー、博徳さま素敵(はぁと)。


銀河にきて、はっちさんの青が、なんというか……息子への愛に迷った感がだいぶ強くなった(^ ^)ので、それに対抗するかのように木梨に肩入れする博徳の、穴穂に対するさりげない意地悪(1幕ラストの「いまはあなたが勝者のようだ」とか)もかなり強調されていたと思うんですよね。

だけど、2幕ラスト、「この国を、良い国にしましょうなあ……」という詞に籠められた優しさは、バウよりずっと手厚かったと思います。
闇に堕ちても、兄から手渡された国を背負い続けようとする意地っ張りな穴穂を労わるような、ひどく優しく、癒えぬ傷に沁み入るような……壊れてしまったものを惜しみつつ、拾い上げた破片をそっと薄紙に包んでしまいこんだような一言が、それを受け止める穴穂の背中の痛々しさと共に、ものすごく刺さりました。

海へ漕ぎだして、永遠の春の世界に逝ってしまった兄と妹。
全てを喪い、この世に置いていかれた哀れな弟の瞳に、もはや「ぶつくしい」ものが映ることはないのだと解っている師匠の、弟子へ向ける情の温かさ。
博徳もまた、すべてを喪って故郷を離れたのだ、ということを思い出させる佇まい。彼には彼の人生があって、それは穴穂のものでも木梨のものでもなくて。それでも、彼は愛しているのだ、と。この国を、そして、不器用すぎた二人の弟子たちを。

彼とハッチさんが、安康(穴穂)・雄略(大長谷)の二人の天皇の在位の間、外交を担当して何度も呉と倭を往復するんですよね。倭国を「いい国」にするために。
彼らにとっての「いい国」とはどんな国か、そのビジョンもはっきりせぬままに。



ところで。

最後の一節を書きながらふと思ったんですが……、はっちさんの息子って、穴穂だけですよね? もう一人産んだりしてませんよねっっっ!!? >忍坂大中姫さま