abcホールにて、激富公演「Angl Fang -天使の牙-」を観劇いたしました


もと宙組の藤咲えりちゃんがゲスト出演するということで観に行ったのですが、面白かったです!

物語は、古事記に魏志倭人伝を足して3で割って、四神伝説を加えたような感じでした(←たぶんちがう)
女王ヒミコ(椎名桂子)が治める邪馬台国は、周囲の各国を侵略して倭国に覇をとなえんと戦争を繰り返す強国。邪馬台国の侵略に怯える平和な国の代表は、王女テラス(藤咲えり)が護る箕直(みなくり)国、そして、王女タケヤ(中園彩香)がまとめる樫宮(かしみや)国。

ヒミコは先王の王妃から女王になった人物、テラスとタケヤはどちらも父親である国王の娘。3国とも女性が支配者であることに特別な意味はない…というか、「当時の政治体制は女がシャーマンとして国を治めるのが当たり前だった」的な設定ではありませんでしたが、三者三様の在り方で描かれていて、うまいなーと思いました。
邪馬台国が滅びた後の展開にはちょっと驚きましたが、そこまでの展開は、魏との関係を含め、すごく刺激的で面白かったと思います。



男優陣もみなさん魅力的だったのですが、それ以上に、女優陣がとても魅力的で、印象に残りました。

一方の主役というべき立役のヒミコは、椎名桂子さん。プログラムの写真だと普通に可愛らしい感じの方ですが、濃い目の舞台メイクで化けた姿はとても美しく、強烈な迫力がありました。
運命に翻弄されたというよりは、羨望の念や嫉妬心から間違った道に踏み込んだ異能者の哀しさをきちんと表現していて、えりちゃんの透明感との対比が素晴らしかったです。ヒミコが良かったからこそ、えりちゃんの涼やかさが際立ってみえて、その魅力が活きたのだと思いました。

タケヤ姫の中園さんは、とても愛くるしい雰囲気のある女優さんで、役柄にもぴったりでした。えりちゃんのテラス姫と幼馴染みという設定なのに、二人で並ぶ場面がなくて、とても残念。重たい秘密を抱えていながら、それを感じさせない柔らかな立ち姿がとても素敵でした。

テラスに従う箕直国の女将、キヨメ(上田晴海)。殺陣の鮮やかさに見惚れました。恰好良い~~~!!
宿命の命じるままにテラスを護り、「無償の愛」を教えるキヨメの巨きさがあってこその、ラストの選択だと思うのですが、その説得力が見事でした。

ヒミコの下で参謀的な役割を果たす副官・マガヒメ(染谷有香)。今回の舞台で、えりちゃん以外で一番印象に残った人でした。
美人でクールでキリッとしてて、ストイックな色気があって。ヒミコとの並びがとても良いなと思っていたら、“それ以上の仲”でしたが(滝汗)、なにをやっても清潔感のある、不思議な頑なさが、とてもキレイでした(はぁと)。
身のこなしも鮮やかで、恰好良かった!ちょっと「シャングリラ」の霙を思い出す雰囲気があって、この役も、えりちゃんが演じたらまた違うんだろうなーと思ったら、猛然と観たくなったりしました(^ ^)。……いや、染谷さんがとても素敵だったからこんな妄想を考えてしまうってだけですねすみません。

謎の歌人・サエズの結奈さん。白い神子衣装で、神の声を謡う不思議な存在(少年?)ですが、透明感のある美しい声が印象的でした。途中の一曲をえりちゃんとデュエットするのですが、不思議なくらい声がよく合っていて、美しいハーモニーでした(*^ ^*)。



肝心のえりちゃんは、「神の子」テラス役。
恋人(はだ一朗)によって父親を殺され、国を滅ぼされるところから物語が始まるのですが、過去と現在が錯綜する演出も、ちょっとした表情や声でしっかり表現してくれて、違和感なく、混乱もなく話をつなげられていたと思います(*^ ^*)。
危険なほどの一途な頑なさと、恋に迷う不安定さの両方が彼女の中に矛盾なくあって、恋に溺れても堕ちない清潔感とか、迷いを振り捨てたときの神々しいまでの美しさとか、、、ラスト前、ヒミコと凝っと見詰めあう場面のパワーのぶつかりあいも、えりちゃんならではの役だったな、と思いました。

見た目のかわいらしさはもちろんなんですけど、今回特に印象に残ったのは、その涼やかな「声」の魅力でした。昔から私はえりちゃんの声が好きで、好きで、大好き!!なのですが(汗)、今回の「神の子」という設定は、やっぱり「神の声」を持っているからこそなんですよね、たぶん。
途中でちょっと歌も歌ってくれるのですが、心に沁みる静かな声で、、、本当に綺麗だなあと。心にはいろんなドロドロしたものを抱えていても、表現形として非常に「綺麗」なものに昇華して舞台に載せてくれるのがえりちゃんの凄いところだと思っているので、「人の子」として嘆き、苦しむ「神の子」という存在は、まさに宛書きなんだろうなと思いました。

そして、殺陣。
娘役の割にはやっている方……ですよね?「シャングリラ」、「美しき生涯」新人公演、「逆裁」のフランジスカ、、、「誰がため」は銃を持ってたけど殺陣はなかったかな。まあでも、このくらいやっていれば十分「やっている方」ですよね。
もちろん、今回の参加者はほとんどが殺陣を売りにしている方々なので、その中に入ると、動きは綺麗だけど迫力のない……というか、ぶっちゃけ、見た目は派手だけどリアル感のない「殺陣ダンス」でしかない、のですが。。。いやでも、殺陣の相手を務めてくださった方々(主に、はださん)がめっちゃ恰好良いので、かなりサマになっていたと思います!(贔屓目?)


……いやはや、みなさんの殺陣が恰好良すぎて、それを観ているだけで幸せでした(はぁと)(結論)(←え?)




激富(げきとん)は、フランキー仲村さんが主宰する関西拠点の劇団。「激富」の「富」は「富田林」の「富(とん)」らしいです。
私は初観劇でしたが、演出の雰囲気や音楽の使い方が劇団☆新感線っぽいなーと思っていたら、仲村さんが新感線出身ときいて納得(^ ^)。あと、台詞回しが野田系っぽい役者が何人かいて、日本の小劇場世界は意外に狭いのかも、と思いました(^ ^;ゞ

あまり宝塚とは接点が無さそうなのに、どういう経緯でえりちゃんが出演することになったのかなあ?と不思議に思っていたのですが、激富さん側の希望は「宝塚の卒業生」というだけで、特に誰というのはなかったみたいですね。
(座長のフランキー仲村さんがパンフレットで熱く語っていらっしゃいましたが、えりちゃんの舞台は観たことがなかったらしい)(OGが出演するのは初めてだそうです)


実際に演じた役柄が先にあって、「清冽な透明感と清らかさのある娘役で、殺陣の経験者」を希望していて、その通りの人を紹介してもらえた感じだったのか、えりちゃんを紹介されたので、彼女に宛ててああいう役になったのか、どっちかな、、、?と思いつつ。



宙組博多座公演「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」第二幕。

すっかり間があいてしまい、その間に千秋楽もとっくに終わってしまいました……でも、まだ少し書きたいことがあるので、、、いまさらですがすみません。


■第1場 アムリッツァ星域会戦
本公演でビッテンフェルトの部下だったかける(風馬)がビッテンフェルト本人に昇格して、誰がその後に入るのか興味津々だったのですが。
……まさかのリヒテンラーデ侯(松風)でした(滝汗)。継続の和希くん含め、その3人じゃ止まるはずねーじゃん。誰だよその采配。

この場面のもう一つの見どころは、「キルヒアイスはまだか!」と苛々して舌打ちし、キルヒアイスが登場して戦場を支配すると、自慢げに笑って長い脚を組みかえる元帥閣下、なのですが。
かいちゃん(七海)のオーベルシュタインの無表情が良い意味でそれをスルーしている感があって、いい空気感だなーとと思いました。


■第3場 元帥府の一室
リンチ(和希)初登場。いやぁ、野心に溢れてエネルギッシュな「若い」リンチで!本公演の美月くんが良くも悪くも「全てを諦めた」虚無の人だったので、初見は結構衝撃的でした。
本公演のリンチにあったのは、ヤンに対する深い恨みと憎しみ。妬みから派生したその闇は、今となっては同盟そのものに対する憎しみに育ってしまっていて、自分でもどうにもならない。その切なさ、痛々しさがすごく好きだったんですが……和希くんの、直情的で野心的なパワーも、結果として歴史を動かすリンチという人物には似合っているのかも、と思いました。

原作のリンチは、どちらかといえば美月くんの持つ虚無に近いものを持った人物像だったと思いますが、@TAKARAZUKAな小池脚本には、どちらもありな気がしました。ただ、やっぱりオーベルシュタインがかいちゃんになると、リンチも似たタイプである美月くんより、アグレッシヴな和希くんの方がバランスが良いかも、とは思いましたが。

リンチと入れ違いに登場するヒルダ(実咲)。
少し痩せたのか、化粧か髪が変わったのか、それとも単に着慣れただけかもしれませんが、軍服が似合ってきたな、と思いました。うん。可愛かったです。
私が観たのは初日があいてすぐでしたが、就職(?)を許されて退出するときに余計なこと(東宝でやっていた「キャハッ☆」みたいなパフォーマンス)をしなくなったのが、とても良かったです。……これも数日後には復活していたらしいのですが(T T)。何故なんだ。どう考えても、小池さんの演技指導で無くなったとしか思えないのに、なぜ復活するんだよ。。。ヒルダはそんな娘じゃないのにぃ(涙)。

とりあえず、退出するオーベルシュタインのパフォーマンスが無くなったのは良かったです。ホッとしました。……これは復活してないよね?(まさか?)(せめて)


■第4場 捕虜交換式
大劇場で観た時から好きな場面ですが、ヤン(緒月)とキルヒアイスの間に流れる空気がさらに温かくなって、さらに良くなったなと思いました。

入場する捕虜たちの最後に入ってくるリンチ元少将。帝国軍と同盟軍が心を一つに歌う場面の途中でいったん袖にはけるのは本公演と同じですが、そこまでの芝居が美月くんと全然違うのが面白かったです。なんというか、普通だった(^ ^)。美月くんは、ヤンの前では「普通」を取り繕っていても、ヤンの眼が反れた途端に憎しみや恨みが溢れてしまうというか、、、装った仮面の下の真っ黒なモノが透けて見えるような雰囲気がありましたが、和希くんのリンチは、良い感じにやさぐれてはいても、そんなに真っ黒い感じではなくて。

美月くんの、最初のはけ際の昏い薄嗤いがひどく印象に残っていたので、和希くんの役づくりは真っ直ぐだなあ、と、こんなところでも思いました。良い悪いじゃなくて、違うんだなあ、と。
ただ、最後にもう一度登場したときの存在感は、少し物足りなかった、かも。。。舞台上にいる時間が短いので、そこはもう少し暗いオーラがあったほうが良かったんじゃないかな、と。……いや、公演の後半に良くなっていたかもしれませんが。


■第6場 オーディンの夜
チェス盤を囲むラインハルトとオーベルシュタイン。かいちゃんの役づくりだと、ますます元帥閣下と卓を囲むなどありえないという気がしますが、そこはキルヒアイスが出掛けてしまって寂しいラインハルトが、無聊を慰めようと無理矢理参謀を座らせた……という解釈をしてみたら、つい萌えてしまいました(汗)。嫌がるオーベルシュタインに無理強いする元帥閣下……素敵(←おい)。

ラインハルトとオーベルシュタインの関係は、本公演だとオーベルシュタインが一枚上手な感じだけど、博多座ではオーベルシュタインの希みが「納得できる主君(=ラインハルト)の許で能力を発揮すること」なので、同じことをしていても違う構図に見えてくるんですよね。役者の解釈だけで、特に何を変えたわけでもないのに、こんなに印象が変わるのか。芝居って面白いなあ。

「オーディンの夜」を歌う提督たち。
あっきー(澄輝)のロイエンタールは優しいな、と思いました。優しさがにじみ出ちゃって、ゆいちゃん(結乃)に触れる手も温かそうで……そんなことしたら女は愛されてると思っちゃうよ?と思った。相手の眼を視ないところくらいかな、「漁色家」に見えるのは。ゆいちゃんとの並びはとても綺麗でお似合いでした(*^ ^*)。

ミッターマイヤーのりっくん(蒼羽)は、元気で真っ直ぐで、そのまんま黄色い薔薇の花束を持って走って行きそうな“疾風”ヴォルフでした!
エヴァンゼリン(愛白)は本公演から引き続きなんですが、一幕でヴェストパーレ男爵夫人を演じていたりするので、ちょっと違和感がありました。もう少し髪型や化粧で別人に見せるか、あるいは愛白さんはヴェストパーレを本役にしてエヴァンゼリンを役替りしても良かったのでは、と思うのですが。。。そうでなくても娘役は役らしい役が少ないのに、キャラの違う大きな役を二つも同じ人にやらせなくても(涙)。

「(恋人は)今夜探す!」と言い切ったビッテンフェルト。大好き(^ ^)。絡む二人はくるみちゃん(舞花)と彩花まりちゃん、だったかな?(違ったらすみません)二人を視るかけるのやにさがった顔が面白かった(誉めてます)。

ルッツの美月くんは、ゆみちゃん(桜音)とラブラブカップル。美月くんのリンチがすごく好きだったので、ルッツになってしまって残念……くらいの気持ちだったのですが(汗)、滅多に観られない娘役さんとのラブラブ場面はとても嬉しかったです。こんなに嬉しいものなんだなー(^ ^;ゞ。ゆみちゃんも本当に可愛かった!女神!

ワーレン(春瀬)とケンプ(七生)もがんばっていたと思います。。。すみません、いろいろ余裕がなくてあまり観られず(涙)。もっと回数観られればなあ~。


■第7場 ガイエスブルクとヴェスターラント
注目の役替りの一人、オフレッサー役の実羚淳くん。長身なので、最初の登場は迫力ありました。しかし……喋るとコケるのは相変わらずで(^ ^;ゞ。「シャングリラ」でちーちゃんの子供時代を演じてから早くも3年。もうすぐ研5なんだから、そろそろあの超絶なスタイルと美貌に見合った声を手に入れてほしいなあ。。。(切実)。

ブラウンシュヴァイク公爵夫人アマーリエ(愛咲)とエリザベート(真みや)が初登場。たしかに、ヴェスターラントにはフレーゲル1人ではどうにもならないので当然なんですが、だったら最初から出しておけばいいのに、と思ったりもしました。リッテンハイム家は無しで、ブラウンシュヴァイク家だけでも「ロイヤルファ・ミ・リー♪」って歌ってくれて良かったのでは、と思うんですが……なぜ前面カットになったんだろうなあ。残念ー。



まだあまりにも途中なのですが、ヴぇスターラントの前で一回切ります。
うーん、二幕は簡単に終わらせようと思っていたのに、書き始めたら止まらなかった……(涙)。しかも、一回最後まで書いたのにデータごと消えたのが痛すぎる……(T T)。



星組東宝劇場公演「宝塚ジャポニズム~序破急~/めぐり会いは再び 2nd ~Star Bride~/Étoile de TAKARAZUKA」、千秋楽おめでとうございます!


今回の卒業生は、91期の千寿はるさん。ここ数作、他の組でも91期の卒業が目だってきていて寂しい限りですが、新人公演も卒業して、いろいろ考える時期なんでしょうか……いや確かに、新公も卒業していないのに宝塚を卒業するなんて言語道断なんだから、それよりはずっと良いんですけどね。でも、そのたびに寂しい気持ちです。91期には好きな人がたくさんいるので、みんながんばってね、と言いたくてなりません。
……ご自身の人生なんですから、無理は言えませんが、それでも、ね。

かずなさん、いままでそんなに良く知らなかったけど、CSのサヨナラインタビューで、「太王四神記II」新人公演と「ランスロット」について『如月さんと天寿と3人で』ってすっごく懐かしそうに語っていたのが印象的でした。「ランスロット」良かったですよね。アーサー王に向ける優しい愛が、とても温かかった。あと、「ロミオとジュリエット」の娘役もすごくよく覚えてます。私、あの公演で千寿さんを覚えたので、娘役なんだと思ってました(^ ^)。綺麗で迫力あってスタイルよくて、タイプの娘役さんだなーと思ったら普段は男役だったという(汗)。

ショーの千寿さんは、フィナーレの男役群舞とパレードだけ、胸に花をつけて颯爽と踊っていらっしゃいました。パレードの最後に幕が降りるまでちゃんと舞台上にいらっしゃいましたが、、、星組ではそれが普通なんでしょうか?今まで私が観た千秋楽では、サヨナラショーが開催されるケース以外で、パレードの最後まで卒業生が並んでいた記憶がないのですが。。。。大概は銀橋に出る並びの途中で袖に消えていたような。あるいは、階段を下りて挨拶してそのまま袖に引っ込んで出てこない、とかもあったような。。。組によって違うのでしょうか。

花は、真っ白な胡蝶蘭の大きな束。半分は礼音くんから、半分はみっきぃさんから。
終始笑顔で、「入る前より宝塚が好きになった」「一生仲間でいたいと思えるひとたちに出会えた」「これからの新しい人生も、宝塚歌劇団の卒業生として、清く正しく美しく歩んで参ります!」と、真摯な気持ちのこもったご挨拶がとても印象的でした。可愛かったー!



千秋楽なので、コメディ場面はいくつかアドリブがありましたが、全体にはよくまとまった公演だったと思います。
一番ヤバかったのは、ショーの「射手座」。千寿さんが礼音くんと絡んでハイタッチする場面、客席もかなり泣いていましたが、とにかく舞台上が凄かった!星組みんな泣きすぎ……特に91期は号泣しすぎですよ、こら。(←ココだけではありませんが) みっきぃさんなんて、千寿さんが動きだした時にはもう泣いてたし。まだ袖から出てきたばっかりなのに!まさこさんが苦笑してましたよね。

そうそう。このハイタッチを、一瞬ですけど最後の挨拶の後に二人で再現してくれました(^ ^)。大羽を背負った白い衣装のトップスターと、緑の袴に胡蝶蘭を抱えた卒業生が、ジャンプしてハイタッチ!という図はなかなか観られるものではないですよね(^ ^)貴重なもの観たな~♪


それでは、今更なんですが、作品について簡単に。


■宝塚ジャポニズム
「序」の桜の散らし方は、最後までいろいろありましたが、、、まあ、致命的なことはやらかさなかったのでよしとしましょう!(←偉そう)みっきぃさんの若衆姿には惚れなおしました。。。。そういえば、私は祐飛さんの若衆(花の宝塚風土記)も死ぬほど好きだったな。何度でも同じ穴に堕ちる、と。そこに穴があるから。……そこに若衆がいるから、仕方がない、と(違)

場面後半、舞台面が明るくなってからも、セットの桜の裏からちらほらと花弁が落ちてくるのがとても綺麗。その花弁に合わせて、白い光がちらちらと落ちていくのも、とても幻想的でキレイでしたー!!楽まで気がつかなくて、花弁だけだと思ってましたすみません。

「破」のみっきぃさんは、前半はちゃんと怒りに満ちた芝居をしているんですが、礼音くんの弥勒菩薩が登場した後は、すごく「空」な貌をしているなあ、と観ながら思います。全てを受け容れて、ただ祈り、赦して浄化する、、、そんな貌。場面の意味的なものは、海外公演の試演作としてどうかなあと今でも思いますけれど、あのみっきぃさんに逢わせてくれたことには感謝しているかもしれません。。。

「急」の後半、全員が五三の桐紋がでかでかと入った着物を着ていることに初見ではすごく突っ込んでいたのですが、なんかもう見慣れちゃってあまり思わなくなったなあ。。。。でもまあ、他の作品では使えない衣装だと思うので、ちょっと勿体無い気もしています。せっかく色合いが綺麗なのにね。「美しき生涯」を再演するとなったら使えるかな?(←しませんよ)



■めぐり会いはふたたび
何度観てもほっこり幸せ気分で終われる作品って、偉大だな、と。
ユリウスさんは、東宝の前半からはまた変わってきた感じでした。少し落ち着きがでて、やり過ぎ感がなくなってきたし、最後の手紙を読み上げる場面も、天寿光希さんが夢乃さんや美弥さんや涼さんのモノマネをしているのではなくて、「ユリウスがリュシドールやアジスやマリオを演じている」のが更に明解になってきたのが良かったな、と思いました。

それでは、突っ込みどころをいくつか。

・かぼちゃ
きっとコンテスト出品用に村の威信をかけて大事に大事に育ててきたかぼちゃ……だったりするのでしょうね(^ ^)。農作業をほっぽらって村人総出で探した末に、かぼちゃが戻ってきたらあっさり許してくれるあたり、そういうふうにでも考えないと納得できない(^ ^)。
クラウスたちが盗んだのがアレじゃなくてもっと普通の小さなかぼちゃだったら、あんなに騒がれずにすんだのかもしれませんね。

・シルヴィアのドレス
いろいろ物議をかもしたらしいシルヴィアのドレス。ピンクの飾りがとても可愛くて素敵なドレスだと思うけど、膨らんでもないし長くもないような気がするのは気のせいでしょうか…?

・執事たちと女中たち
今日初めて気がついたのですが、最初の余興のお稽古を観ているとき、オルゴン家の執事さんたちと女中さんたちがとってもラブラブで可愛かったです(はぁと)。千寿さんと妃白ゆあちゃんがずっと舞台奥に並んでラブラブ芝居しているなーと思ったら、その隣も、その隣も、みんなバカップルな感じで。
なんだか愛に溢れたお屋敷で、、、ユリウスさんも誰かに声をかけたりしているんでしょうか、と思いつつ。

・クラウス
ねねちゃんシルヴィアと銀橋のドラントがデュエットする場面。歌を聴きながら(←いや、聴いてるわけではないんですが)、舞台下手側で膝を抱えてちんまりと座っているクラウスががとても可愛らしいです。
しかし、「こんな大事になるなんて!」って、、、結婚詐欺なんて女の子にとっては大事件に決まってるじゃないか!?

・ルーチェ・ド・オルゴン
「もうすぐ15歳」のオルゴン家の末息子。ラスト、ユリウスにガールフレンドとの喧嘩の仲裁をされて、少ししょぼくれながら「姉上をよろしく、義兄上(あにうえ)」とドラントに呼びかける背中がとても可愛くて、本当にこの研4はすごいなーと心の底から感心しました。いやもう、本当に。
単なる子役ではなく、メインキャストの一人として、物語を支える良い仕事してました。末恐るべし(いや、末も減ったくれもなく、今すでに恐るべき子供ですが)。

ところで。ルーチェのあの子供っぽい台詞回しは、あれは役づくりなのでしょうか?違う役ならまた違う喋り方をしてくれるのかな。少なくとも、歌を聞く限りあの声がベースではないので、、、いやもう、新人公演ロミオが楽しみでなりません(←信じて疑わない)



■エトワール・ド・タカラヅカ
初日を観た後に少し書いているので、そこには書いていない突っ込みポイントを。

・アリエスは「牡羊座」……っていうくらいだから♂のはずなんだけど、、、何がどうなって「仔羊ちゃん」「狼さん」になったんでしょうか……(謎)

.ピスケスの照明がうまく「深海」をイメージして創られていて、とても素敵。マリンスノーっぽい光珠がとてもきれい。あの闇の中を滑るように踊る紅いドレスが不思議なイマジネーションだな、と。
テーマが人魚なので、マーメイドドレスでも良かったんじゃないかと思うのですが、さすがに踊りにくいから却下されたのでしょうか。あの衣装の不思議な光り方は結構好きなんですが。


「めぐり会いは再び」はこれで本当に最後ですが、1部と3部はまだ中日&台湾があるんですよね。
さすがに台湾には行けませんが、中日には行く予定なので、またメンバーと真ん中のお芝居が変わってどんな感じになるのか、とても楽しみにしています!
中日の初日まであとわずか1ヶ月弱。大変だと思いますが、皆さんがんばってくださいね(^ ^)。

.
シアターオーヴにて、ロックオペラ「モーツァルト」を観劇いたしました。


ちょっと今は詳しいことを書く体力がないのですが、公演期間の短い公演なので、とりあえず一言だけ。


面白かったです!!


私が観たのは、中川晃教ヴォルフ&山本耕史サリエリバージョン。中川くんは、ウィーンミュージカル「MOZART!」のヴォルフガングを彷彿とさせる出来映えで、こちらも非常に良かったのですが、とにかくサリエリが本当に素晴らしかった!!
いやー、逆バージョンも観てみたいけど……公演期間が短すぎて!諦めました。。。まあでも、耕史さんのヴォルフガングはなんとなく想像できるけど、中川くんのサリエリが本当に想像できません(^ ^;ゞ。どうなるんだろう一体。

女性陣も素晴らしかったです。いや、メンバーみんな良かった!
そして、どう考えても「ミュージカル」としか思えないこの作品が、ぴあの分類上は「演劇」に入っている不思議。ロックオペラ≒ミュージカル、なんでしょうか。謎。

詳しくはまた後日。
とりあえず、公演は2月17日(日)までです(^ ^)。
16日(土)の二回のみ山本サリエリバージョン、あとは全て中川サリエリ(山本ヴォルフ)バージョンという難しい日程……うー。


こういう良作がなかなか満席にならない今の日本(東京)。
作品は良かったので、とりあえず宣伝させていただきました(^ ^)。

詳しくはまた後日!


春の宙組公演が発表されたときの日記で、私はこう書きました。
http://80646.diarynote.jp/?day=20121030

> あれっっ!?ワイルドホーンの「モンテ・クリスト伯」じゃないの!?



フランク・ワイルドホーン作曲の「モンテ・クリスト伯」も、日本上演の噂がもう1年以上前からあったので、てっきりそっちだとばかり思っていたら、石田さんのオリジナルだったのですが。。。

東宝で12月に石丸幹二ダンテスで上演されることが発表されました!
http://www.tohostage.com/montecristo/index.html

こちらの演出は山田和也。「ジキルとハイド」で新境地を開いた石丸さんが、どんなダンテスを演じてくれるのか、とても楽しみです(*^ ^*)。
相乗効果で、宙組も新しいお客さまがたくさん来てくれるといいなあ。。。ってか、石田さん、責任重大!!





そういえば、寝不足すぎてオンタイムに反応できてませんでしたが、宙組公演新公配役が発表されましたね。
つい先日花組「オーシャンズ11」新公の全配役が出たばかりなので、早くてびっくりしました。そして、「主な配役」の人数が多くて嬉しいなあ(*^ ^*)。

せっかくなので、一覧表を。配役<新人公演>、[東宝]の順です♪

エドモン    凰稀<愛月>、[石丸幹二]
メルセデス   実咲<花乃>、[花總まり]
モレル社長   寿<星吹>、 [林アキラ]
ダングラール  悠未<美月>、[坂元健児]
ベルツッチオ  緒月<風馬>、
フェルナン   朝夏<蒼羽>、[岡本健一]
ヴィルフォール 蓮水<桜木>、[石川禅]
エデ姫     すみれ乃<伶美>、


とりあえず、美月くんのダングラールとずんちゃんのヴィルフォールが楽しみすぎる!!
物語の深みという意味でもこの二役は鍵になる役だし、東宝も、ここはサカケンに禅ちゃんと安全牌をもってきていて期待感をあおってくれますね(^ ^)。ワイルドホーンの曲がとても良いので、こちらもとても楽しみ(^ ^)。




話は全然違いますが。

あああ、「ピアフ」が終わっちゃったーーー!!
今度こそ観たかったのになあ(号泣)。

東宝さん、もう一回(と言わず、何度でも)再演してくださいぃぃぃぃ。



中日劇場にて、雪組公演「若き日の唄は忘れじ/シャイニング・リズム」を観劇してまいりました。


まずは。
壮ちゃん、雪組トップスターお披露目公演、おめでとうございます!!

最近の充実ぶりをみていて、トップとしての組替えではあってもあまり心配はしていなかったのですが、
予想以上にしっくりと真ん中が似合う華やかさと、前向きでパワフルな舞台姿に、ただただ驚くばかりでした。


時が来た、っていうのは、こういうことなんだろうなあ、、、と。
壮ちゃんだけをずっと観てきた、とは言えないながらも、ここ数年、壮ちゃんからは眼を離さずにきたつもりの私からみても、やっぱり、この人の時は「いま」来ているのだな、というのがわかるような気がしました。

組替えしてトップになる、いわゆる「落下傘」という立場に引け目を感じることなく、組を引っ張って行きたい方向が明解で、実に迷いがない。その確信に満ちた後ろ姿に、組子はついていけるだろうなと思いました。壮ちゃんも、内心にはもしかしたら多少の迷いもあるのかもしれませんが、そういうものを感じさせない真っ直ぐさ、後ろを振り向かない潔さが、この作品で彼女が演じる牧文四郎という役柄にもぴったり合っていたような気がします。



真っ直ぐで真摯で、そして明るくパワフルなトップスターと、可愛くてキュートなトップ娘役、そして、そんなトップコンビをしっかり盛りあげてくれる組子たち、専科のみなさま。
まだ組の半分ですが、素晴らしいお披露目公演でした。
初演に思い入れのある方にはいろいろな想いもおありかと思いますが、芝居もショーも、とても良かった…と思います。贔屓目かもしれませんが(^ ^)、壮ちゃんが本当に素敵で、うっかり惚れそうでした(汗)。


チギちゃん、コマちゃんの同期並びがラストであることを惜しみつつも、壮ちゃん・チギちゃんの男役コンビもなかなかお似合いだったし、トップが変わった影響か下級生娘役が一気に魅力を増した感があって、とても楽しい公演でした。
これにまっつ以下のブラックジャック組が加わった本公演が、、、ベルばらであることがとても残念ですが(←だって役が少ないんだもん涙)、良い組になりそうでとても楽しみです。

公演もそろそろ中日。どうぞみなさま、怪我などなさらないよう気をつけつつ、名作と名古屋をたっぷりと満喫してください!

作品や出演者についての感想はまた後日(^ ^)(←いつ?)



雪組中日劇場公演「若き日の唄は忘れじ/シャイニング・リズム」。


「若き日の唄は忘れじ」は、原作・藤沢周平の「蝉しぐれ」、脚本・大関弘政、演出・大野拓史。1994年の初演から20年弱が過ぎ、時代も環境も(演出も)変わっても、名作の薫り高さは変わらないのかな、と思いました。……いや、初演をリアルタイムでご覧になった方にはいろいろ仰りたいことがあるのかもしれませんが、私にとっては、素晴らしい名作以外のなにものでもなくて。

壮ちゃんの凛々しさ、チギちゃんの勢い、コマちゃんの温かさ。
少年時代の呑気な三人がそれぞれに真っ直ぐ自分の道を歩んでいくさまと、そうやって大人になっても、顔を合わせれば少年時代に戻ってしまう様子が、とても爽やかで、切ないほど美しかったです。
噂には聞いていましたが、想像以上の名作でした。演出の大野さんも良い仕事をしたと思うし、役者たちも実によくやっていたと思いますが、とにかく脚本が素晴らしかった!伏線のひきかた、拾い方、場面のつなぎもなめらかで違和感なくて。。。そしてなにより、言葉の美しさが!これぞ日本語の美しさ、和物の真骨頂だと思いました。こんなに美しい言葉の応酬を味わったのは久しぶり。会話の一つ一つにも無駄がなくて、とにかく素晴らしかった!
追っ手に追われて乗り込んだ舟の上、幼いころに流した笹舟を思いながら指きりの小指を見せるあゆちゃんと、それを視て苦しげに眼を逸らす壮ちゃんと。ラストシーンの緋毛氈の上、ちんまりとお雛様のように並んで言葉を交わす二人の間に流れる空気。言葉とは裏腹な気持ちを明解に突きつけてくれる壮ちゃんの芝居に、何度涙をぬぐっても止まりませんでした。



なんて真面目な感想はおいといて(←えっ?)、観ながらずっと叫びたかったこと。

壮一帆に今まで侍役をやらせなかったなんて、歌劇団はなんて勿体無いことをしてきたんだ!!


頬骨の高いすっきりした二枚目の細面に、青天がなんて美しく似合うことか!
剣道の初段を持っているという壮ちゃん。ご本人は「剣道は試合のための稽古だから、『見せる』ための殺陣は全然ダメ」と仰ってましたが、、、いやいや、上段に構えたときの腰の据わりようといい、安定感のある足さばきとい、流れるような剣の動きといい、、、本当に美しかったです。
殺陣は斬られ役が肝心とはよく言われることですが、今回は斬られ役より斬る側が魅せてくれた、珍しい例だと思いました(はぁと)

いやはや。日本物は集客が大変かもしれませんけど、それでもあえて、壮ちゃんには本公演で和物、それも武士ものをやってほしいです(*^ ^*)。江戸時代の旗本が理想だけど、、、もっと昔なら、たとえば伊達正宗とか真田幸村とか、、、、さらに遡って北条四郎義時とか、梶原景時とか、そういう感じの役!あああ、素敵だろうなあああ~。

なんというか、私って自分で自覚していた以上に壮ちゃんのファンであることに気がついてしまった名古屋でした(^ ^)。



メインのキャストは、82期の壮ちゃんと、87期のチギちゃん(小和田逸平)・コマちゃん(島崎与乃助)。
少年時代も大人になっても、どちらもあまり学年差を感じさせなかったのは、壮ちゃんが流石だったのか、下級生二人がしっかりしていたのか、……空気感を揃えられる、素敵なトリオでした。コマちゃんの組替えでこの3人の並びが二度と視られないのが、とても残念です。


相手役のあゆちゃん。最近では珍しい、新人公演を卒業してからの就任になりましたが、さすがの可愛らしさ(14歳!)と、藩主の側室「おふくさま」になってからの落ち着き、両方を備えているのはさすがだな、と思いました。
壮ちゃんが華奢な人だから、もう少し絞ってほしいなーとは思うのですが、壮ちゃんが組替え就任なだけに、組内から出てくれて良かったな、と思っています。がんばれ!


佐竹金十郎の大ちゃん(鳳翔)。いやー、青天の似合いようは壮ちゃんに負けず劣らずの素晴らしさでした!!声は「黎明」の頃から大好きだったので、こういう大人な役もいいなあと感心しました。
……ショーの挙動不審っぷりは面白かったですけどね!そんな大ちゃんが大好き!(真顔)


武部春樹のキング(蓮城)。良い人しか似合わないと思っていたキングが、意外にがんばっていたな、と思います。まだまだではありますが、ともみん、大ちゃんと長身スタイル抜群の上級生が組替えしてきて、今までのぬるま湯から少し脱皮しようとしているのかな、と思ったり。元々良い物を持っている人だと思うので、自分の魅力を見直すいい機会になっているなら嬉しいなあ。


加治織部正のがおり(香稜)。余命を数えられるような老人の役のはずなのに、ちょっと若々しすぎて違和感がありました。秘剣「村雨」を伝授する場面の落ち着きはとても良かったんですが、役は役なんだから、ちゃんとそこは演じてほしかったなあ。。。がおりちゃんならできたはずだと思うし。
ショーは大活躍でしたね!中でも、「クールリズム」は組んでいる白峰さん共々、素敵すぎて目眩がしそうでした。カッコいい~~~!!



■文四郎の家族:

助左衛門(文四郎の父)の夏美ようさん。
壮ちゃんが、「どうして言えなかったんだろう、あなたの子供に産まれて幸せだったと」と言いながらボロボロ泣いている場面。CSで稽古場風景を視た時からすごく印象的だったのですが、生舞台で実際に「父親」としてのはっちさんを観た後でその台詞を聴くと、本当にぐっと来てしまって……なんだかもう、こっちがボロ泣きでした(T T)。いい親子だなあ。
ショーでは、花組でも最近なかったくらい踊りまくってくれて、なんだかとっても素敵でした(*^ ^*)。


登世(文四郎の母)の梨花さん。
「仁」に続き、愛情をあまり表に出さない厳しい母親が本当に似合っていて、最近のみとさんは神がかっているような気がします。こういう母親に育てられたからこそ、まっつもみみちゃんも壮ちゃんも、ああも愚直なほど真っ直ぐに育ったんだな、と、そんな納得がすとんと落ちてくる。「和物の雪組」復活のきっかけは、案外みとさんの組長就任かもね、なんて思ってしまいました。


留伊(文四郎の実姉で武部の妻)の透水さらささん。
ちゃきちゃきしたしっかり者感がとても似合っていました。落ち着いてますよねー。背も高いし、大人っぽくて、壮ちゃんの姉にちゃんと見えたのはさすがでした。
ヒロインを演じた新人公演は観られなかったけど、これからも歌って踊れる佳い女枠での活躍の機会は多いだろうし、上級生になればなるほど楽しみなひとです。


藤十郎の朝風れいさん。いままでどちらかというと身分の高い役が多かったので、腰の低い朝風さんがちょっと新鮮でした(^ ^)。かっこいい~~~♪


小柳甚兵衛の央雅光希さん。役がつくたびに思いますが、ほんとうに巧いんですよね。早く上級生になってほしいわ(真顔)。



■里村側

里村左内のにわにわ(奏乃)。さりげない「悪意」の表現がとても怖くて、良かったです(^ ^)。ああいう貌を観てしまうと、ショーでキラキラ笑顔で踊っているのが信じられない気がしてなりません。
いやでも、そういえば「シャイニングリズム」の初演時、お芝居では異端審問官やってたんだなこの人は……。


三緒(にわにわの娘でキングの妾)の千風カレンさん。
父親譲り(?)の含み笑いが良い感じに怖くて、こちらもとても素敵でした。線の細いキングと並んだときの違和感は、演出的には予定通りなんだろうな、という気がします。歌があまり無かったのが残念。


おふね(藩主の側室)のヒメ(舞咲)。怖くて恐くて強くて、とても素晴らしかった。無表情におふくを打ち据える手首の細さや首筋に浮き上がる腱が印象的で、哀しい人だな、と感じました。


山根清次郎の彩凪翔くん。
文四郎の真っ直ぐな輝きに負けてしまった哀しいひと。単なる嫌な奴じゃなくて、そういう哀しさを見せたのは良かったなと思いました。発声がどうにかなればなあと思い続けて一年。。。がんばれー、という気持ちです。


犬飼兵馬の月城かなとくん。
これだけの大役がついたのは初めてでしょうか?美形だし殺陣もきれいで芝居上手で、感心しました。ご活躍を楽しみにしています。。。ベルばらの次あたり、ぜひ。


里村邸の侍女、白峰ゆりちゃん。仇っぽい娘役さんがいるなー、と思っていたら。。。ショーのクールリズムで、がおりちゃんと踊る彼女のあまりの美貌と色気に撃ち抜かれました。。。美人なことは知ってたし、ダンサーなことも知ってたけど、、、あの罪な空気は何事ですか!? なんで次がベルばらなんだ!!色気のつかいどころがないなんて、勿体無い!!



■おふくさまの周辺、その他

萩(おふくの腰元で、後に与乃助の妻になる娘)の星乃あんりちゃん。可愛くて元気で、与乃助を尻に敷いた感じがとても魅力的でした。いちおう二番手娘役という立場での出演だったと思うのですが、あゆちゃんとは違う魅力があって、良かったと思います。
ショーは「クールリズム」のセンターは、だいぶ色気が出てきて、初演時みたいな“視てはイケナイ”感はなくなってきたかな、と。歌はもうちょっと頑張ってほしいけど、バウヒロインを経て、ずいぶん成長したなあ、、と思いました。


磯貝(おふくの護り手)の久城あすくん。恰好良かった!!まだ若いけど、和物の似合う爽やかな美貌がとても良かったです。ショーのロケットボーイは可愛くて可愛くて(*^ ^*)。これからもがんばって!!


琴代(逸平の妻)のひーこ(笙乃茅桜)。チギちゃんとちゃんと絡む場面はあまり無かったのが残念ですが、花嫁道中は可愛かったなあ~。そして、ショーは相変わらずのガツガツぶりで、さすがの一言。スパニッシュのひーこが素敵すぎて息が止まりましたわよ……!



そんなところでしょうか。

ショーの感想もだいたい書いたつもりですが。。。中村一徳さんのショーってやっぱり良いなあ、と、観るたびに思うんですよね、毎回。ワンパターンといえばワンパターンだけど、「黄金のワンパターン」は、やっぱり「黄金」と言われるだけあるんですよね。
一つ一つの場面が良いのもさすがなんですが、場面のつなぎがさすがベテランの味、というかんじ。「クールリズム」も好きだしスパニッシュも好きだし、次から次とスターが出てくる中詰めも、まっつが抜けて翔くんが入った「光と影」も、王道のフィナーレも、みんなみんな大好き!です。一徳さん、ありがとう!

そういえば。「光と影」の場面、最初に踊りだす「影」は、橘幸さんと、もう一人はどなただったのでしょうか?橘さんって歌が得意なイメージがあったのですが、ダンスもキレイで感心しました(^ ^)。メイクや髪型はもう少しがんばってほしいけど、これからに期待しています!

【コメントで情報をいただきました。影のもうお一人は、永久輝せあさんだそうです!Aさま、ありがとうございました♪】



最後に、もう一度だけ。

壮ちゃん、あゆちゃん、お披露目おめでとうございます!
千秋楽まであと少し。たくさんの思い出ができますように。

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日本青年館にて、雪組公演「ブラックジャック~許されざる者への挽歌~」を観劇して参りました。



あらためまして、まっつ、東上公演主演おめでとうございます!

「ブラックジャック」連載40周年記念、ということで持ち上がった企画だそうですが、まっつのブラックジャックがとても素敵で、この役を演じるまっつに逢えてよかったなあ、と思いました。

孤独なんだけど、孤立してはいないブラックジャック。
クールにみえて実は熱血だし、客観的に周りを視ているように見えて、実は物凄く自己中で我侭で、、、そして、一生懸命な人にはとても優しい。一見クールに見えるところが「らしい」気がして、まっつが生来持っているクールな外観と不器用な優しさのギャップがそのまま魅力として生かされた「宛書き」っぷりに、正塚さんさすが!!と思いました。

某TCAでの「ブラックジャックの影」でまっつを知った私は、とても正しかったのかもしれない、と(真顔)



どんなストーリーか、と言われるとちょっと説明が難しくて。
……BJの“とある一年間”を淡々と綴っただけの主筋と、ドラマティックでSFチックで、ある意味すごく“タカラヅカ”的なラヴストーリー(夢乃&大湖)と、ものすごく“正塚晴彦”的な不良少年の更生物語(彩風・沙月)、、、そんな3つの物語が、BJを中心に交錯する作品、とか言えば少しは伝わるのでしょうか。

BJと「出会う」SPのホタテ(帆風)、謎の男バイロン侯爵(夢乃)、不良少年カイト(彩風)、それぞれに向けるBJの愛情がとてもキレイで。元同級生の山野(真那)、看護師の五条(早花)、そして、彼が命を与えるピノコ(桃花)に捧げる愛の、温かさと、深さ。
まっすぐに向けられる愛情に対しては、ちょっと照れがあるBJがとても可愛いです。ひねくれて受けるBJと、それを笑って受け容れる周囲。その交感がとても温かくて、寒い冬の公演なのに、逆にほっこりと温かな空気に浸らせていただきました(^ ^)。


ああ、みんな可愛かったなあ~~!!

中でも、ヒロインではないけど、主役の一人だったピノコの桃花ひなちゃん。少し前に卒業した89期の花夏ゆりんちゃんに似た寂しげな美貌と、コロコロした可愛らしい声。美人なのに新人公演でもなかなか役がつかなくて、やきもきしていた92期に、新公を卒業する今になってこんな大役が舞いこもうとは……。
1幕も2幕も、ラストで全部持っていった彼女の「一生懸命」さが、まっつBJの優しさを引き出し、この作品を支えたのだと思いました。

物語の舞台となる1年間。
BJにとっては28分の1年でも、ピノコにとってはそれが全てで、
ピノコにとって全てであるなら、BJにとってもそれが全てなわけで。

そんな二人がひっそりと寄り添ってすごす夜が、温かく平和なものでありますように、と祈りながら。
孤独を嗜んで生きてきたはずのBJが初めて得た温もりが、永遠のものになりますように、と。


正塚さん、まっつを愛してくれて、この作品を創ってくださって、ありがとうございました。
あなたの復活が、とても嬉しいです。次作にも期待しています!



2013年の7月以降のラインナップが発表されました!



■宙組バウホール公演
 バウ・ウェスタン・ピカレスク『the WILD Meets the WILD』-W.M.W.-
 作・演出/生田大和
 主演/蓮水ゆうや、七海ひろき


わああああ、ちーちゃん(蓮水)、かいちゃん(七海)、バウ初主演おめでとうございます~~!!

しかも、生田さんーーーーーっ!!


こんなことを書いていいのかわかりませんが、このタイミングでこのメンバー、、、「血と砂」を思い出させる状況だなあ、と思いました。いろんなしがらみを吹っ飛ばすような、勢いのある作品になりますように!

この発表をきいて、100人のうち98人くらいは「だったら『銀河英雄伝説 双璧篇』を………!!」と思ったと思いますが。まあ、双璧篇って、実際に上演するとなるといろいろ難しいのでね(^ ^)。ただ、あらすじを読んで、銀英伝の某外伝を思い出したのも私だけではないと思いますが。生田さん、そういうのは外さない気がするから、本気で楽しみです。

ジェレミーとベンジャミン。生田さんらしい凝ったストーリーになりそうですね。ああ、初日が観たいなあ。。。(←無理)



■雪組バウホール公演
 バウ・ミュージカル『春雷』~ゲーテ作「若きウェルテルの悩み」より~
 脚本・演出/原田諒

えーっと、「作・演出」と「脚本・演出」って違うんでしょうか。生田さんと原田さん、タイプの全く違う二人の若手演出家ですが、確かに生田さんだと役者を見て「作(創)ってる」って感じがするし、原田さんだと「脚本」として完成度の高いものを目指している感じがしますが。。。え?そういうもの?


ちょうど韓国ミュージカル「若きウェルテルの悩み」が上演されていましたが、どうだったんでしょうか。観ればよかったかなあ。
翔くんはワークショップの「灼熱の彼方」以来の主演ですね。どんな若者像をみせてくれるのか、楽しみです。……ちょうど忙しい時期なので、観に行けるかどうかはわかりませんが(T T)。

振り分けはどうなるのでしょうか。バウ組のまなはるとホタテがどっちに入るのかが鍵かなあ(^ ^)。



■雪組全国ツアー
 ミュージカル・ロマンス『若き日の唄は忘れじ』
 ~藤沢周平作「蟬しぐれ」(文春文庫)より~
 脚本/大関弘政 演出/大野拓史

 ロマンチック・レビュー『ナルシス・ノアールII』
 作・演出/岡田敬二

「若き日の唄は忘れじ」再演おめでとうございます~~~!!
中日に観に行って、また観たい~~、と後ろ髪ひかれる想いで帰ってきたので、また観れることになって死ぬほど嬉しいです!
コマちゃんのところに誰が入るのかでだいぶ雰囲気が変わりそうですが、でも、壮ちゃんならなんとかしてくれるだろうし。文四郎さまにまた逢える!嬉しいな、嬉しいな。

ショーも、私は観たことがありませんが、名作の誉れも高い「ナルシス・ノワール」。全国ツアーに事実上の初演作品を創ってもらえるなんて、壮ちゃん凄いなあ(*^ ^*)。わー、本当に楽しみです!



■月組大劇場公演
 ミュージカル『アルセーヌ・ルパン(仮題)』
 モーリス・ルブラン作「ルパン、最後の恋(ハヤカワ・ミステリ刊/ハヤカワ文庫近刊)」より
 脚本・演出/正塚晴彦

 グランド・レビュー『Fantastic Energy!』
 作・演出/中村一徳

タイトルだけ見て、ちゃぴのおてんば天使降臨っ!?と死ぬほどテンションあがったんですが、、、、違ってましたね(涙)。えー、ちゃぴのアニエスならめっちゃ通ったのにー!!残念。。。
「ブラックジャック」で復活した印象のある正塚さん。またコケないように頑張ってほしいなと思います。あらすじを読んだ感じでは、ちゃぴの視点で物語が進みそうですが、、、ちゃぴ、がんばって!!

しかし。3作目にして初の単独主演作のタイトルが、「最後の恋」ですか。……まさお、がんばれ。

ショーは中村一徳さん。まさおとちゃぴを中心とした新生・月組の魅力が伝わる作品になりますように(^ ^)。



いやー、劇団もいろいろやってくれるなあ、と思います(^ ^)。
いろいろな意味で、99周年、頑張ってますよね♪♪



東京宝塚劇場にて、月組「ベルサイユのばら」新人公演を観劇いたしました!


ゆうき(煌月)もオスカルがんばってたけど、ここはやっぱり、叫びたい!
ちなつちゃん、新人公演(事実上の)初主演、おめでとうございます!

いやあの、アンドレが大役なことは知っていましたが!それだけじゃなくて!
ちなつちゃんも挨拶があったの!!
驚きすぎて内容が記憶にまったく残らなかったので、ニュースに流れるのを楽しみに待っています!!……週明けか―、先だなあ(T T)。



いやでも、久しぶりに本気で驚きました。からんちゃん(千海)が「では、オスカルとアンドレの二人に」って言った瞬間に、客席で声出たよ……近くの席にいらした方、すみませぬm(_ _)m(私だけじゃなかったみたいですが)
からんちゃんの「では、まずは杏ドレ!」という呼びかけに、涙も止まりましたが(^ ^;ゞ


馬車に乗って登場するアンドレの、堂々たる立ち姿。衣装負けしない抜群のスタイルは本当に武器だなと思いました。ゆうきのオスカルを見凝める瞳に熱さにときめいてしまった(^ ^;ゞ
本公演とは違って客席の上までせり出すことはなく、舞台の上だけでちょこっと持ち上がっただけでしたが、大劇場ではそもそも出てこなかったと聞いていたので、それも嬉しかったです。うん♪

本公演はまだみりおくんのアンドレしか観ていませんが、ちなつちゃんのアンドレ、すごく良かった!優しくて一途で、しかも、ちゃんと影に徹したアンドレでした。オスカルも似合うだろうし観てみたいと思っていたけど、でも、このアンドレを観ることができて良かったです。


92期も、これで新人公演を卒業。
次のバウも、その後のご活躍も、とても楽しみです。これからも期待しています♪



……他の方についてはまた後日。