日本青年館にて、雪組公演「ブラックジャック~許されざる者への挽歌~」を観劇して参りました。



あらためまして、まっつ、東上公演主演おめでとうございます!

「ブラックジャック」連載40周年記念、ということで持ち上がった企画だそうですが、まっつのブラックジャックがとても素敵で、この役を演じるまっつに逢えてよかったなあ、と思いました。

孤独なんだけど、孤立してはいないブラックジャック。
クールにみえて実は熱血だし、客観的に周りを視ているように見えて、実は物凄く自己中で我侭で、、、そして、一生懸命な人にはとても優しい。一見クールに見えるところが「らしい」気がして、まっつが生来持っているクールな外観と不器用な優しさのギャップがそのまま魅力として生かされた「宛書き」っぷりに、正塚さんさすが!!と思いました。

某TCAでの「ブラックジャックの影」でまっつを知った私は、とても正しかったのかもしれない、と(真顔)



どんなストーリーか、と言われるとちょっと説明が難しくて。
……BJの“とある一年間”を淡々と綴っただけの主筋と、ドラマティックでSFチックで、ある意味すごく“タカラヅカ”的なラヴストーリー(夢乃&大湖)と、ものすごく“正塚晴彦”的な不良少年の更生物語(彩風・沙月)、、、そんな3つの物語が、BJを中心に交錯する作品、とか言えば少しは伝わるのでしょうか。

BJと「出会う」SPのホタテ(帆風)、謎の男バイロン侯爵(夢乃)、不良少年カイト(彩風)、それぞれに向けるBJの愛情がとてもキレイで。元同級生の山野(真那)、看護師の五条(早花)、そして、彼が命を与えるピノコ(桃花)に捧げる愛の、温かさと、深さ。
まっすぐに向けられる愛情に対しては、ちょっと照れがあるBJがとても可愛いです。ひねくれて受けるBJと、それを笑って受け容れる周囲。その交感がとても温かくて、寒い冬の公演なのに、逆にほっこりと温かな空気に浸らせていただきました(^ ^)。


ああ、みんな可愛かったなあ~~!!

中でも、ヒロインではないけど、主役の一人だったピノコの桃花ひなちゃん。少し前に卒業した89期の花夏ゆりんちゃんに似た寂しげな美貌と、コロコロした可愛らしい声。美人なのに新人公演でもなかなか役がつかなくて、やきもきしていた92期に、新公を卒業する今になってこんな大役が舞いこもうとは……。
1幕も2幕も、ラストで全部持っていった彼女の「一生懸命」さが、まっつBJの優しさを引き出し、この作品を支えたのだと思いました。

物語の舞台となる1年間。
BJにとっては28分の1年でも、ピノコにとってはそれが全てで、
ピノコにとって全てであるなら、BJにとってもそれが全てなわけで。

そんな二人がひっそりと寄り添ってすごす夜が、温かく平和なものでありますように、と祈りながら。
孤独を嗜んで生きてきたはずのBJが初めて得た温もりが、永遠のものになりますように、と。


正塚さん、まっつを愛してくれて、この作品を創ってくださって、ありがとうございました。
あなたの復活が、とても嬉しいです。次作にも期待しています!