ロミオとジュリエット【2】
2011年3月2日 宝塚(雪)雪組東京宝塚劇場公演「ロミオとジュリエット」、二度目を観てまいりました(^ ^)。
初見は二階席だったのですが、今回初めての一階席、それも怖れ多くもSS席だったわけですが……
いやー、やっぱり前方センターは迫力ありますね。
2階席で観たときとはまた印象が違うものもいろいろあって、興味深かったです。
先日から夢華さんが休演して、みみちゃん(舞羽美海)に負担がかかっているんじゃないか、とちょっと心配だったのですが、私が観た回は大丈夫そうでした。ちょっとかすれたところもあったんですが、一緒に観ていた友人は「特に調子が悪いようには聴こえなかった」と言ってくれたので、単純に二階席の方が音が良いというだけのことかな?
もうお一人、気になったのは乳母のコマちゃん(沙央くらま)。
前回観たときは、ロングトーンで伸ばす一番高い音がちょっと苦しそうなのが気になっただけだったのですが、今回はあちこちで引っ掛かっていて、相当に苦しそうでした。あれは音響のせいとは思えないので、もしかして調子が悪いのかなあ……?
先日観て、高音部はちょっと苦しそうだけど、声自体は星組のれみちゃんより合っているなと思ったので、とても残念です。楽近くにもう一回行く予定なので、調子が戻っていますように。
前回と印象が違うといえばもうお一人、ベンヴォーリオのまっつ(未涼亜希)。
「どうやって伝えよう」のナンバーを目の前で歌ってくれて、とっても幸せ(*^ ^*)だったのですが……
なんというか、間近でつくづくと観ると、若干ですが「きちんと歌詞を伝える」ことに囚われ過ぎているんじゃないか?という気がしました。
一言ずつ解説付きで説明してもらっているような気分、というのでしょうか。
劇団四季の母音法みたいなのとはちょっと違うんですが、、、まっつの歌い方って、単語の一つ一つを強調して、腹筋を使って歌っているんですよね。それはそれで、とても良いことなんですが、どうしてもスタッカートっぽく聴こえるというのか……聴いていて、感情が盛り上がってくるとそのたびに切れてしまう……という感覚がありました。
二階席から観た時の方が、真情というか、寂しさや苦しさがダイレクトに伝わってきたような気がするんですよね。……なんでかなあ。
そして。
前回の日記を読み返してみて、そーーーいえば私、キムちゃんのロミオについて一言も書いてない!ということに気がつきました……。
すみません!キムちゃんのロミオ、ホントに良かったです!!
礼音くんのロミオについて、私は「可愛くて、素直で、優しくて、一生懸命な」青年、というような印象を書いておりまして。
若干乱暴な比喩かもしれませんが、星組のを観たとき、まんま「WEST SIDE STORY」だな、と思ったんですよね。
不良少年たち(マキューシオ&ベンヴォーリオ)と、「元」不良少年(ロミオ)。昔は一緒につるんで悪さもしていたけど、ロミオは一足先に大人への階段をあがって(ロレンス神父に諭されたか?)、更生しつつある、みたいな。
この「ロミオとジュリエット」からなら、素直に「WEST SIDE STORY」が出てくるな、と。
でも、雪組版のロミオは、「不良少年」だったことなんてない、生真面目な優等生、という印象だったんです。
問題行動があるとすれば、せいぜい軽い放浪癖くらいで(^ ^)。昔からずーっと、ピュアで優しい、愛されて育ってきた優等生。これまただいぶ乱暴な比喩ですが、紫堂恭子さんの漫画「辺境警備」の神官さんみたいなイメージかなあ?(←それはちょっと違うんじゃないかなー)
……まあ、比喩が的確かどうかはともかくとして。
ピュアな愛されキャラのロミオを取り巻く二人は、、、不良少年といえば不良少年なんですけど(^ ^)、悪戯好きで落ち着きのない、でも根は優しいマキューシオと、斜に構えた、何を考えているのかわかりにくいベンヴォーリオ、っていうイメージでした。
面白いな、と思ったのは、星⇒雪と「ロミオ」のキャラクターが変わったときに、「死」(彩風咲奈)と「愛」(大湖せしる)のキャラクターも全く違うものになっていたこと。
特に「死」ですね。雪組版の「死」は子供だな、と思いました。少年ではなく、責任能力のない子供。それこそ、悪戯好きな妖精、という感じ。
ロミオがピュアになった分、「死」が能動的になったな、と思ったんですよね。だからと言って「支配者」には見えないので、あくまでも「悪戯っ子」という感じ。
そして、そんな子供っぽい「死」を母親のように見守る「愛」という存在の、面白さ。
星組版の「死」(真風涼帆)は主体性のないトート。「運命」という名の織物を織るモイライの一人、みたいな印象がありました。
そして、「愛」(礼真琴)はピュアで優しい少女のような、ジュリエットの愛の化身、というイメージ。
でも、雪組版の「死」と「愛」は、その役割を入れ替えていたような気がします。
「運命」を見守る「愛」の包容力と、「運命」に悪戯を仕掛ける「死」の稚気、その二つが人間の運命を決めていく。
そして、「死」はまた、ピュアで素直な愛されキャラ、ロミオの内面に潜む闇の化身でもある、という構造。」
最後の霊廟…「罪びと」の場面で、本舞台の上手端から嘆く人々を嘲笑いながら眺めている「死」と、セットの上から彼らを見守る「愛」。
やっていることは同じでも、なんというか、全然違うんですよね……。それがすごく面白かったです。
せしるの「愛」がすごく素敵で。CSニュースの映像だけで視ていたときの印象よりも、ずいぶん迫力があって、「可愛い」というより「美しい!」という感じでした。いっそ「神々しい」と言いたくなるくらいの、豊かなイマジネーション。
真風くんと彩風さん、礼くんとせしる、それぞれ単体で役を比べるといろいろあるのですが、ロミオとの関係性まで含めた三者で比較すると、星組版と雪組版、それぞれの演出としての違いが明快に見えてくるような気がしました。
作品として、キムちゃんのピュアさを一番強く感じたのは、「死」のキャラクターの変更と、そしてもう一つ、最後の霊廟でのソロの声、ですね。
そこまではかなりドラマティックなナンバーが続くので、声もそういう声で歌っていたのに、あの場面でいきなりコロッとあの透明な声が出てくるところがすごいな、と。
いやーーー、星組版もすごく好きだったけど、雪組版も良いなあ(*^ ^*)。
でも、とにかく音楽が素晴らしいので、何度見てもとても幸せ♪(そんなに何回も観られないのが残念……)。
それでは、最後に大人たちについて。
星組から続演のキャピュレット卿(一樹千尋)は、一際迫力を増して、素晴らしかった……。「娘よ」のソロはもちろんですが、その前のジュリエットに思わず手を挙げるまでと、叩いた後の芝居が素晴らしかったです。
そして、ジュリエットに「お母様は言ったわ、夫を愛したことなどないと!」とバラされて、衝撃のあまりよろめいてしまう弱さがリアルでした。……星組でもあんなによろめいてましたっけ?(←ちゃんと観たの?)
そんなキャピュレット卿の奥方(晴華みどり)。かおりちゃん、化けた!!と思いました。歌も芝居も良くて、個人的にはかおりちゃんのベストアクトです。「エリザベート」のマダム・ヴォルフ、「情熱のバルセロナ」のリンダと「良い役なのにもったいない……」と思うことが多かったのですが、今回は本当に成長したな、と思いました。
しかも、美しい(*^ ^*)。痩せましたよね?フィナーレの衣装もすっきり着こなしていたし……今のかおりちゃんで、もう一度リンダが観てみたいな、と思いました。
「罪びと」を歌い出すモンタギュー夫人(麻樹ゆめみ)。いやーゆめみさん素晴らしい!「罪びと」は絶対泣いちゃうんですよ私。星組の花愛さんの歌も素晴らしかったけど、麻樹さんも良かったです(*^ ^*)。ロミオがあんなにピュアに育ったのは、この人が愛情こめて育てたからなんだな、と素直に納得できました。
その旦那さま、モンタギュー卿(飛鳥裕)。組長の優しさと真摯なところが生きた役になりましたね。星組版のにしき愛さんは一癖も二癖もありそうな印象でしたが、飛鳥さんは、麻樹さんと二人で幸せな家庭を築き、ロミオに愛情を注いだ様子が想像できて、とてもよかったと思います。
ロレンス神父さま(奏乃はると)。星組版では完全にモンタギュー(=ロミオ)側か?という印象があった人ですが(そんなところもWSSのドックに被った)、にわにわの神父さまはもう少しクールで、「中立地帯」な印象でした。
歌はさすがですよね!個人的に、コマちゃんとのデュエット(「神は見捨てない」)が大好きなんですが、お二人の声の響きが似ているのがとても良いなあと思いました♪
大公閣下(大凪真生)。星組の水輝くんと同じ88期。今まであまり歌手として使われていた印象がなかったのですが、大凪さんも巧いですよね。最初の「ヴェローナ」は、登場人物が増えたせいか大公の印象がちょっと弱まった感じもありますが、場面全体としてのまとまり感があって、良かったと思います。
……そういえば。大公さんご自身とはあまり関係ないのですが、旗持ち(従者)がすごく増えていたことにびっくりしました(^ ^)。さすが本公演!星組は二人しかいなかったのに!(@ @)
乳母の従者ピーター(詩風翠)。かーわーいーいー!!マスコットみたいな可愛らしさがあって、紅い衣装に金髪がよく映えて、、、とっても良かったです♪
神父の使者ジョン(央雅光希)。マントヴァの街にやっと辿り着いたときの薬売り(死)との芝居がさりげなく良いんですよねー♪台詞が聞こえてきそうなほど、しっかりと芝居していたのが好印象でした。
役として名前のある人は、一通り書いた……かな?
今回は、初見と二回目で大きく印象が変わった人が多いので、ちょっと悩ましいのですが、、、今日の時点での感想です。
またこれから、回数を重ねる中で変わっていく部分はあるんだと思います。それを見守ることはできませんが、最後にもう一回観たときにどんな印象を受けるのか、それを楽しみにしています。
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初見は二階席だったのですが、今回初めての一階席、それも怖れ多くもSS席だったわけですが……
いやー、やっぱり前方センターは迫力ありますね。
2階席で観たときとはまた印象が違うものもいろいろあって、興味深かったです。
先日から夢華さんが休演して、みみちゃん(舞羽美海)に負担がかかっているんじゃないか、とちょっと心配だったのですが、私が観た回は大丈夫そうでした。ちょっとかすれたところもあったんですが、一緒に観ていた友人は「特に調子が悪いようには聴こえなかった」と言ってくれたので、単純に二階席の方が音が良いというだけのことかな?
もうお一人、気になったのは乳母のコマちゃん(沙央くらま)。
前回観たときは、ロングトーンで伸ばす一番高い音がちょっと苦しそうなのが気になっただけだったのですが、今回はあちこちで引っ掛かっていて、相当に苦しそうでした。あれは音響のせいとは思えないので、もしかして調子が悪いのかなあ……?
先日観て、高音部はちょっと苦しそうだけど、声自体は星組のれみちゃんより合っているなと思ったので、とても残念です。楽近くにもう一回行く予定なので、調子が戻っていますように。
前回と印象が違うといえばもうお一人、ベンヴォーリオのまっつ(未涼亜希)。
「どうやって伝えよう」のナンバーを目の前で歌ってくれて、とっても幸せ(*^ ^*)だったのですが……
なんというか、間近でつくづくと観ると、若干ですが「きちんと歌詞を伝える」ことに囚われ過ぎているんじゃないか?という気がしました。
一言ずつ解説付きで説明してもらっているような気分、というのでしょうか。
劇団四季の母音法みたいなのとはちょっと違うんですが、、、まっつの歌い方って、単語の一つ一つを強調して、腹筋を使って歌っているんですよね。それはそれで、とても良いことなんですが、どうしてもスタッカートっぽく聴こえるというのか……聴いていて、感情が盛り上がってくるとそのたびに切れてしまう……という感覚がありました。
二階席から観た時の方が、真情というか、寂しさや苦しさがダイレクトに伝わってきたような気がするんですよね。……なんでかなあ。
そして。
前回の日記を読み返してみて、そーーーいえば私、キムちゃんのロミオについて一言も書いてない!ということに気がつきました……。
すみません!キムちゃんのロミオ、ホントに良かったです!!
礼音くんのロミオについて、私は「可愛くて、素直で、優しくて、一生懸命な」青年、というような印象を書いておりまして。
若干乱暴な比喩かもしれませんが、星組のを観たとき、まんま「WEST SIDE STORY」だな、と思ったんですよね。
不良少年たち(マキューシオ&ベンヴォーリオ)と、「元」不良少年(ロミオ)。昔は一緒につるんで悪さもしていたけど、ロミオは一足先に大人への階段をあがって(ロレンス神父に諭されたか?)、更生しつつある、みたいな。
この「ロミオとジュリエット」からなら、素直に「WEST SIDE STORY」が出てくるな、と。
でも、雪組版のロミオは、「不良少年」だったことなんてない、生真面目な優等生、という印象だったんです。
問題行動があるとすれば、せいぜい軽い放浪癖くらいで(^ ^)。昔からずーっと、ピュアで優しい、愛されて育ってきた優等生。これまただいぶ乱暴な比喩ですが、紫堂恭子さんの漫画「辺境警備」の神官さんみたいなイメージかなあ?(←それはちょっと違うんじゃないかなー)
……まあ、比喩が的確かどうかはともかくとして。
ピュアな愛されキャラのロミオを取り巻く二人は、、、不良少年といえば不良少年なんですけど(^ ^)、悪戯好きで落ち着きのない、でも根は優しいマキューシオと、斜に構えた、何を考えているのかわかりにくいベンヴォーリオ、っていうイメージでした。
面白いな、と思ったのは、星⇒雪と「ロミオ」のキャラクターが変わったときに、「死」(彩風咲奈)と「愛」(大湖せしる)のキャラクターも全く違うものになっていたこと。
特に「死」ですね。雪組版の「死」は子供だな、と思いました。少年ではなく、責任能力のない子供。それこそ、悪戯好きな妖精、という感じ。
ロミオがピュアになった分、「死」が能動的になったな、と思ったんですよね。だからと言って「支配者」には見えないので、あくまでも「悪戯っ子」という感じ。
そして、そんな子供っぽい「死」を母親のように見守る「愛」という存在の、面白さ。
星組版の「死」(真風涼帆)は主体性のないトート。「運命」という名の織物を織るモイライの一人、みたいな印象がありました。
そして、「愛」(礼真琴)はピュアで優しい少女のような、ジュリエットの愛の化身、というイメージ。
でも、雪組版の「死」と「愛」は、その役割を入れ替えていたような気がします。
「運命」を見守る「愛」の包容力と、「運命」に悪戯を仕掛ける「死」の稚気、その二つが人間の運命を決めていく。
そして、「死」はまた、ピュアで素直な愛されキャラ、ロミオの内面に潜む闇の化身でもある、という構造。」
最後の霊廟…「罪びと」の場面で、本舞台の上手端から嘆く人々を嘲笑いながら眺めている「死」と、セットの上から彼らを見守る「愛」。
やっていることは同じでも、なんというか、全然違うんですよね……。それがすごく面白かったです。
せしるの「愛」がすごく素敵で。CSニュースの映像だけで視ていたときの印象よりも、ずいぶん迫力があって、「可愛い」というより「美しい!」という感じでした。いっそ「神々しい」と言いたくなるくらいの、豊かなイマジネーション。
真風くんと彩風さん、礼くんとせしる、それぞれ単体で役を比べるといろいろあるのですが、ロミオとの関係性まで含めた三者で比較すると、星組版と雪組版、それぞれの演出としての違いが明快に見えてくるような気がしました。
作品として、キムちゃんのピュアさを一番強く感じたのは、「死」のキャラクターの変更と、そしてもう一つ、最後の霊廟でのソロの声、ですね。
そこまではかなりドラマティックなナンバーが続くので、声もそういう声で歌っていたのに、あの場面でいきなりコロッとあの透明な声が出てくるところがすごいな、と。
いやーーー、星組版もすごく好きだったけど、雪組版も良いなあ(*^ ^*)。
でも、とにかく音楽が素晴らしいので、何度見てもとても幸せ♪(そんなに何回も観られないのが残念……)。
それでは、最後に大人たちについて。
星組から続演のキャピュレット卿(一樹千尋)は、一際迫力を増して、素晴らしかった……。「娘よ」のソロはもちろんですが、その前のジュリエットに思わず手を挙げるまでと、叩いた後の芝居が素晴らしかったです。
そして、ジュリエットに「お母様は言ったわ、夫を愛したことなどないと!」とバラされて、衝撃のあまりよろめいてしまう弱さがリアルでした。……星組でもあんなによろめいてましたっけ?(←ちゃんと観たの?)
そんなキャピュレット卿の奥方(晴華みどり)。かおりちゃん、化けた!!と思いました。歌も芝居も良くて、個人的にはかおりちゃんのベストアクトです。「エリザベート」のマダム・ヴォルフ、「情熱のバルセロナ」のリンダと「良い役なのにもったいない……」と思うことが多かったのですが、今回は本当に成長したな、と思いました。
しかも、美しい(*^ ^*)。痩せましたよね?フィナーレの衣装もすっきり着こなしていたし……今のかおりちゃんで、もう一度リンダが観てみたいな、と思いました。
「罪びと」を歌い出すモンタギュー夫人(麻樹ゆめみ)。いやーゆめみさん素晴らしい!「罪びと」は絶対泣いちゃうんですよ私。星組の花愛さんの歌も素晴らしかったけど、麻樹さんも良かったです(*^ ^*)。ロミオがあんなにピュアに育ったのは、この人が愛情こめて育てたからなんだな、と素直に納得できました。
その旦那さま、モンタギュー卿(飛鳥裕)。組長の優しさと真摯なところが生きた役になりましたね。星組版のにしき愛さんは一癖も二癖もありそうな印象でしたが、飛鳥さんは、麻樹さんと二人で幸せな家庭を築き、ロミオに愛情を注いだ様子が想像できて、とてもよかったと思います。
ロレンス神父さま(奏乃はると)。星組版では完全にモンタギュー(=ロミオ)側か?という印象があった人ですが(そんなところもWSSのドックに被った)、にわにわの神父さまはもう少しクールで、「中立地帯」な印象でした。
歌はさすがですよね!個人的に、コマちゃんとのデュエット(「神は見捨てない」)が大好きなんですが、お二人の声の響きが似ているのがとても良いなあと思いました♪
大公閣下(大凪真生)。星組の水輝くんと同じ88期。今まであまり歌手として使われていた印象がなかったのですが、大凪さんも巧いですよね。最初の「ヴェローナ」は、登場人物が増えたせいか大公の印象がちょっと弱まった感じもありますが、場面全体としてのまとまり感があって、良かったと思います。
……そういえば。大公さんご自身とはあまり関係ないのですが、旗持ち(従者)がすごく増えていたことにびっくりしました(^ ^)。さすが本公演!星組は二人しかいなかったのに!(@ @)
乳母の従者ピーター(詩風翠)。かーわーいーいー!!マスコットみたいな可愛らしさがあって、紅い衣装に金髪がよく映えて、、、とっても良かったです♪
神父の使者ジョン(央雅光希)。マントヴァの街にやっと辿り着いたときの薬売り(死)との芝居がさりげなく良いんですよねー♪台詞が聞こえてきそうなほど、しっかりと芝居していたのが好印象でした。
役として名前のある人は、一通り書いた……かな?
今回は、初見と二回目で大きく印象が変わった人が多いので、ちょっと悩ましいのですが、、、今日の時点での感想です。
またこれから、回数を重ねる中で変わっていく部分はあるんだと思います。それを見守ることはできませんが、最後にもう一回観たときにどんな印象を受けるのか、それを楽しみにしています。
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若者たちの「ロミオとジュリエット」
2011年3月3日 宝塚(雪)東京宝塚劇場にて、雪組新人公演「ロミオとジュリエット」を観劇してまいりました。
奇しくも今日は、「WEST SIDE STORY」月組版の大劇場新人公演からちょうど11年目の記念日。
おなじ3月3日の雛祭に、おなじ戯曲からインスパイアされた二つの世界的なミュージカルの新人公演が上演される、というのも面白い偶然ですよね。
ちなみに。
「あの日あの時みつきねこ」的には、1998年3月3日は、大劇場新人公演のチケットを握り締めて会社で泣いていた記念日とゆーことになります(^ ^;。
祐飛さんといい、としちゃんといい、、、唯一の新人公演主演を大劇場では観られなかった、っていうのは運命かもしれませんね。っていうか、11年が過ぎてもまだ同じことをやっている私がいかんのか?(T T)。
話を戻しまして。
雪組新人公演。すごく良かったです!!
メインキャストの中に実力的に破綻のある人がいなかったので、すごく気持ちよく観ることができました。
ただ、あらためてこの音楽は本当に難しいんだな、とも思いましたが(^ ^)。実力派ぞろいのメンバーなのに、思ったよりみんな苦戦していたなー、という意味で。
元々の実力が違っても、「毎日歌い込む」ことで技術的に磨かれて、実力以上の表現力を発揮できる。それが舞台の面白さであり、「持ち歌」の価値なんだな、と思いました。
新人公演演出は、野口幸作さん。
寡聞にしてお名前を聞いたのが初めてのような気がしますが、今まではどんなお仕事をされた方なのかしら。実際に単独で名前のでる仕事をするのは初めてなのかなあ?
演出的には、「新公ならでは」の演出は特になく、キャラクターの造形も、基本は本公演の役に沿った形で作っていたような気がします。はっきりと性格を変えて創ってきたのはベンヴォーリオ(香稜しずる/未涼亜希)くらいで、あとはそんなに、意思をもった違いは感じませんでした。(役者が違うので必然的に違うところはもちろんありましたが)
あ。
「新公ならではの演出は特になく」と書きましたが、もちろん一本ものの新人公演ですからカットはあります。
野口さんがどこをカットしたかというと、一幕前半、「ヴェローナ」~「僕は怖い」までをばっっっっさりと!!
いやー、「いきなり仮面舞踏会から始まる」というのは大劇場のときに噂で聞いてはいたのですが、やっぱり実際に自分の眼で見ると仰天しちゃいますよね(^ ^;ゞ。「まさか!?」という感じでした。
ただ、冷静に「じゃあどこをカットすればよかったのか?」と考えると……
あまりにも音楽と物語が緊密に結びついている作品ゆえに、場面としてカットできるところがほとんどない。すべてが本筋、という構成なんですもの。脇筋がないから、場面ごとカットすることは難しいし、ちまちまとつまもうとすると、場面として切りたいところと音楽で切れるところがずれていてカットできない。
「エリザベート」も条件はよく似ているんですが、「ロミオとジュリエット」には語り手がいない、というのが致命的な違いですね。「エリザベート」にはルキーニがいるから、カットした場面を説明して話をつなぐ役割を彼に押しつけることができたけど、「ロミオとジュリエット」では、その手が使えない。
となると、割り切ってどこかをバサッと切るしかないんですよね……。
まあ、個人的には「ガイズ&ドールズ」新人公演の、ほぼ本公演どおりで一幕を流して、二幕を全部飛ばしていきなりラストの結婚式に吹っ飛んだ……という伝説級の無茶カットに比べれば、今回のカットなんて可愛いものです。
最初の驚愕は大きかったけど、そのあとは本公演どおりで流れていくのですぐに慣れたし。
A BOY MEETS A GIRL.すべてのラヴストーリーの発端はそれなんだから、そこから話を始めよう、というのは、間違ってないな、と思いました。
ただまあ、個人的に「世界の覇者」がとても好きなので、それがなかったことは残念ですが。
……まあ、一本モノ作品の新人公演を観る場合は、その前に少なくとも一回は観劇しておきましょうね、ってことかな(^ ^)。
ロミオの彩風咲奈。
誠実で優しくて幼い、笑顔が可愛い少年ロミオ。キムちゃん以上にピュアな役作りで、歌もすごく良かったです。
声が明るくて軽いので、前半の恋に舞い上がったロミオは本当に嵌り役でした。二幕に入ってドラマティックなナンバーが続くとちょっと苦しそうでしたけど、想像していたよりずーっと良かったです。
面白いな、と思ったのは「僕は怖い」リプライズ。
彩風さんは、このリプライズをすごく甘く(?)歌っていたような気がします。キムちゃんは、かなりこのリプライズに力をいれて、一幕からのロミオの変化(成長?)を表現していましたが、新公は一幕前半がカットされたのでリプライズだけだったんですよね。ごくごくシンプルに歌っていて、ああ、これもありだな、と思いました。
ビジュアルもがんばっていたと思います。まず、痩せたね!!丸顔なので、顔だけ観ているとあまり痩せた気がしないけど、あの衣装を着てすっと立っていると、スタイルの良さにびっくりしました。
化粧というか、表情の見せ方がまだまだ幼いなーと思いましたが、まあ、ロミオ役については違和感は無かったです。
うん、すごく良かったと思います♪
ジュリエットの愛加あゆ。
経験豊富な上級生のジュリエットは、とても安定感がありました。表情豊かで可愛かったです。
歌は、私の期待値が高すぎたみたいでところどころ残念なところがありましたが、そこそこ歌えていたと思います。ただ、ミミちゃん(舞羽美海)よりずーーーーっと巧いと思っていたのに、レベルとしてはあまり違いを感じなかったのが意外でした。毎日歌い込むって大事なことなんだなあ(しみじみ)。
ベンヴォーリオの香稜しずる。
いやー、良かったです。まず感心したのは、ちゃんと粗忽者だったこと。いや、別に何か失敗とかしているわけではないので全然粗忽じゃないんですけど、表情の豊かさと明るさ、そしてやんちゃっぷりが納得感を出しているんだと思います。
二幕に入り、「♪街に噂が」でロミオの訴えに耳を傾ける真摯な背中がとても好き。
そして、やっぱり「どうやって伝えよう」の慟哭は素晴らしかったです(はぁと)。
とりあえず、今夜のところはこのあたりで…と思ったのですが、やっぱりあと一人だけ。
ロレンス神父の帆風成海。
素晴らしかったよーーーー!!
今回の新公、私的にVIPです(^ ^)。歌も芝居も良かったー!
ロミオとロレンス神父の二人が、ちゃんと年齢差を感じさせつつ、お互いに遠慮のない芝居をしていたのがとても良かったと思います。
「同期の絆」もあるのかもしれませんが、とにかく二人の間の絆がすごく深くて、強いんですよね。何かといえば神父に甘えにいく少年と、そんな少年を目に入れても痛くないと思っている神父。そんな日常が容易に想像できて、「何故」の慟哭が胸に沁みました。
あとやっぱり歌が良くて、まだ若いのに本当に良い声してるなーと感心しました(←いまさら?)いやはや、良い役者になってくれそうで嬉しいです♪♪
とにかく、楽しい新人公演でした♪
続きはまた後日☆
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奇しくも今日は、「WEST SIDE STORY」月組版の大劇場新人公演からちょうど11年目の記念日。
おなじ3月3日の雛祭に、おなじ戯曲からインスパイアされた二つの世界的なミュージカルの新人公演が上演される、というのも面白い偶然ですよね。
ちなみに。
「あの日あの時みつきねこ」的には、1998年3月3日は、大劇場新人公演のチケットを握り締めて会社で泣いていた記念日とゆーことになります(^ ^;。
祐飛さんといい、としちゃんといい、、、唯一の新人公演主演を大劇場では観られなかった、っていうのは運命かもしれませんね。っていうか、11年が過ぎてもまだ同じことをやっている私がいかんのか?(T T)。
話を戻しまして。
雪組新人公演。すごく良かったです!!
メインキャストの中に実力的に破綻のある人がいなかったので、すごく気持ちよく観ることができました。
ただ、あらためてこの音楽は本当に難しいんだな、とも思いましたが(^ ^)。実力派ぞろいのメンバーなのに、思ったよりみんな苦戦していたなー、という意味で。
元々の実力が違っても、「毎日歌い込む」ことで技術的に磨かれて、実力以上の表現力を発揮できる。それが舞台の面白さであり、「持ち歌」の価値なんだな、と思いました。
新人公演演出は、野口幸作さん。
寡聞にしてお名前を聞いたのが初めてのような気がしますが、今まではどんなお仕事をされた方なのかしら。実際に単独で名前のでる仕事をするのは初めてなのかなあ?
演出的には、「新公ならでは」の演出は特になく、キャラクターの造形も、基本は本公演の役に沿った形で作っていたような気がします。はっきりと性格を変えて創ってきたのはベンヴォーリオ(香稜しずる/未涼亜希)くらいで、あとはそんなに、意思をもった違いは感じませんでした。(役者が違うので必然的に違うところはもちろんありましたが)
あ。
「新公ならではの演出は特になく」と書きましたが、もちろん一本ものの新人公演ですからカットはあります。
野口さんがどこをカットしたかというと、一幕前半、「ヴェローナ」~「僕は怖い」までをばっっっっさりと!!
いやー、「いきなり仮面舞踏会から始まる」というのは大劇場のときに噂で聞いてはいたのですが、やっぱり実際に自分の眼で見ると仰天しちゃいますよね(^ ^;ゞ。「まさか!?」という感じでした。
ただ、冷静に「じゃあどこをカットすればよかったのか?」と考えると……
あまりにも音楽と物語が緊密に結びついている作品ゆえに、場面としてカットできるところがほとんどない。すべてが本筋、という構成なんですもの。脇筋がないから、場面ごとカットすることは難しいし、ちまちまとつまもうとすると、場面として切りたいところと音楽で切れるところがずれていてカットできない。
「エリザベート」も条件はよく似ているんですが、「ロミオとジュリエット」には語り手がいない、というのが致命的な違いですね。「エリザベート」にはルキーニがいるから、カットした場面を説明して話をつなぐ役割を彼に押しつけることができたけど、「ロミオとジュリエット」では、その手が使えない。
となると、割り切ってどこかをバサッと切るしかないんですよね……。
まあ、個人的には「ガイズ&ドールズ」新人公演の、ほぼ本公演どおりで一幕を流して、二幕を全部飛ばしていきなりラストの結婚式に吹っ飛んだ……という伝説級の無茶カットに比べれば、今回のカットなんて可愛いものです。
最初の驚愕は大きかったけど、そのあとは本公演どおりで流れていくのですぐに慣れたし。
A BOY MEETS A GIRL.すべてのラヴストーリーの発端はそれなんだから、そこから話を始めよう、というのは、間違ってないな、と思いました。
ただまあ、個人的に「世界の覇者」がとても好きなので、それがなかったことは残念ですが。
……まあ、一本モノ作品の新人公演を観る場合は、その前に少なくとも一回は観劇しておきましょうね、ってことかな(^ ^)。
ロミオの彩風咲奈。
誠実で優しくて幼い、笑顔が可愛い少年ロミオ。キムちゃん以上にピュアな役作りで、歌もすごく良かったです。
声が明るくて軽いので、前半の恋に舞い上がったロミオは本当に嵌り役でした。二幕に入ってドラマティックなナンバーが続くとちょっと苦しそうでしたけど、想像していたよりずーっと良かったです。
面白いな、と思ったのは「僕は怖い」リプライズ。
彩風さんは、このリプライズをすごく甘く(?)歌っていたような気がします。キムちゃんは、かなりこのリプライズに力をいれて、一幕からのロミオの変化(成長?)を表現していましたが、新公は一幕前半がカットされたのでリプライズだけだったんですよね。ごくごくシンプルに歌っていて、ああ、これもありだな、と思いました。
ビジュアルもがんばっていたと思います。まず、痩せたね!!丸顔なので、顔だけ観ているとあまり痩せた気がしないけど、あの衣装を着てすっと立っていると、スタイルの良さにびっくりしました。
化粧というか、表情の見せ方がまだまだ幼いなーと思いましたが、まあ、ロミオ役については違和感は無かったです。
うん、すごく良かったと思います♪
ジュリエットの愛加あゆ。
経験豊富な上級生のジュリエットは、とても安定感がありました。表情豊かで可愛かったです。
歌は、私の期待値が高すぎたみたいでところどころ残念なところがありましたが、そこそこ歌えていたと思います。ただ、ミミちゃん(舞羽美海)よりずーーーーっと巧いと思っていたのに、レベルとしてはあまり違いを感じなかったのが意外でした。毎日歌い込むって大事なことなんだなあ(しみじみ)。
ベンヴォーリオの香稜しずる。
いやー、良かったです。まず感心したのは、ちゃんと粗忽者だったこと。いや、別に何か失敗とかしているわけではないので全然粗忽じゃないんですけど、表情の豊かさと明るさ、そしてやんちゃっぷりが納得感を出しているんだと思います。
二幕に入り、「♪街に噂が」でロミオの訴えに耳を傾ける真摯な背中がとても好き。
そして、やっぱり「どうやって伝えよう」の慟哭は素晴らしかったです(はぁと)。
とりあえず、今夜のところはこのあたりで…と思ったのですが、やっぱりあと一人だけ。
ロレンス神父の帆風成海。
素晴らしかったよーーーー!!
今回の新公、私的にVIPです(^ ^)。歌も芝居も良かったー!
ロミオとロレンス神父の二人が、ちゃんと年齢差を感じさせつつ、お互いに遠慮のない芝居をしていたのがとても良かったと思います。
「同期の絆」もあるのかもしれませんが、とにかく二人の間の絆がすごく深くて、強いんですよね。何かといえば神父に甘えにいく少年と、そんな少年を目に入れても痛くないと思っている神父。そんな日常が容易に想像できて、「何故」の慟哭が胸に沁みました。
あとやっぱり歌が良くて、まだ若いのに本当に良い声してるなーと感心しました(←いまさら?)いやはや、良い役者になってくれそうで嬉しいです♪♪
とにかく、楽しい新人公演でした♪
続きはまた後日☆
.
今日は、星組大劇場公演の集合日。
なにはともあれ、みっきぃさん(天寿光希)、復帰おめでとうございます\(^ー^)/
新人公演はシスターマーマかぁ〜!
ルーア神父の礼真琴さんとのコンビ、とても楽しみです♪
天霧真世さんは、初舞台と同じノバボサノバで卒業ですか…。
いつもひっそりと良い仕事をしていたのに、寂しくなりますね。
天霧さんも真吹さんも、最後の公演が素敵な思い出になりますように(祈)。
話は違いますが、「ロミオとジュリエット」が、赤坂ACTと梅芸で上演されるそうですね(@_@)。
主催はTBS、ホリプロ、梅芸、東宝と書いてありますが、キャスティングの主導権は誰が取るんだろう……?
主役二人とメインの3人については、若さビジュアルも大事だけど、とにかく歌えるキャストでお願いします!!
個人的には、神父さまと乳母とキャピュレット夫妻が気になる〜〜(^_^)
特に乳母。あの大ナンバーを、本当に巧い人で聴いてみたいです!
そして、かなり群舞に力をいれてくれそうなので、アンサンブルダンサーでみっぽーが出てくれたら嬉しいなあ♪
……あまり期待しすぎないようにしないと、な……。
・
なにはともあれ、みっきぃさん(天寿光希)、復帰おめでとうございます\(^ー^)/
新人公演はシスターマーマかぁ〜!
ルーア神父の礼真琴さんとのコンビ、とても楽しみです♪
天霧真世さんは、初舞台と同じノバボサノバで卒業ですか…。
いつもひっそりと良い仕事をしていたのに、寂しくなりますね。
天霧さんも真吹さんも、最後の公演が素敵な思い出になりますように(祈)。
話は違いますが、「ロミオとジュリエット」が、赤坂ACTと梅芸で上演されるそうですね(@_@)。
主催はTBS、ホリプロ、梅芸、東宝と書いてありますが、キャスティングの主導権は誰が取るんだろう……?
主役二人とメインの3人については、若さビジュアルも大事だけど、とにかく歌えるキャストでお願いします!!
個人的には、神父さまと乳母とキャピュレット夫妻が気になる〜〜(^_^)
特に乳母。あの大ナンバーを、本当に巧い人で聴いてみたいです!
そして、かなり群舞に力をいれてくれそうなので、アンサンブルダンサーでみっぽーが出てくれたら嬉しいなあ♪
……あまり期待しすぎないようにしないと、な……。
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サンタモニカに別れを告げて
2011年3月6日 宝塚(花)花組大劇場公演「愛のプレリュード/Le Paradis!」を観劇してまいりました!
トップスター・真飛聖さんをはじめとする、8人の大事な組子たちの卒業公演、最後の週末。
劇場の中にも外にも白い服を着た人が溢れて、熱い空気と涙が充満した、不思議な空間でした。
お芝居は、、、、うーむ(^ ^;ゞ
脚本的には、最後の場面が先に出来てたんじゃないか?と思いました。
全てが終わった後でのフレディとスティーヴとの会話と、それに続く一連の場面が先にあって、その場面につながるように中身を創った……みたいな。
内容の細かいところは全然違いますが、全体を囲む大枠の構造は、植田景子さんの「Hollywood Lover」や「My Dear New Orleans」とよく似ているな、と思いました。
一人の男が故郷に帰ってくる。そして、いろんなことがあって、一人の女と出会い、恋をして、、、でも、最後には別れてその街を出て行く。「愛するわが街、俺は決して忘れない。いつまでも愛している」と呟きながら、……この街で得た愛を、噛みしめながら。
要するに、サヨナラ用の芝居だってことなんでしょうね。
大きく違うのは、見送る人が相手役(蘭乃はな)だったことですが……蘭ちゃんが残るから、ではなくて、やっぱり主演者のキャラクターかなあ。祐飛さんやトウコさんだと、傷は深ければ深いほど!みたいなのがあるけど、真飛さんだと爽やかに終わらせたい、と。
っていうか、だからこそ植田景子ではなくて鈴木圭だったんだろう、と。
そして。
……この公演は、芝居の脚本がどうこういう公演ではないんだな、と思いました。
どんなに内容がぐだぐだでも構わない。
「お前の今の相棒は俺だ!」
「もし目が覚めたら、もう一度相棒にしてくれるか?」
「フレディーーーーーーっ!!!」
「俺を育ててくれたこの街……」
これでもか!というくらいてんこ盛りなサヨナラ仕様の台詞が先にあって、それらをつなぐためのにストーリーを創った、という感じだったので。
鈴木さんって、……使いたい台詞・やりたい展開のために役の人物がやりそうもないコトをさせたり、言いそうにない台詞を言わせたり…があって、、、そういうことが芝居の全体のまとまりを崩していることも多いような気がします。
最終的には、役者が矛盾だらけのキャラクターを力技でまとめる羽目になるので、今回みたいにベテランが主演する公演は良くても、若手バウとかだと厳しいんじゃないかなあ…なんて思ったりしました。
それでも、92期以上の退団者全員に、ちゃんとそれぞれの見せ場を創ってあげた優しさは評価したいです。
王子(眉月凰)の刑事は、出番こそ少ないけど、最初と最後の変化を見せる、芝居としてやりがいのある役。
めおちゃん(真野すがた)は、ひたすら執事服が似合っててヤバいくらいカッコいい!!使用人たちのナンバーがすごく楽しいし、めおちゃんも活き活きと歌っていて嬉しかった(はぁと)。
しゅんさま(祐澄しゅん)は、台詞があるのはお医者さん(白衣がめっちゃ似合ってた!優しそうで素敵♪)でしたが、なんと言ってもこの人はコロスが最高に格好良いです(惚)。
天宮菜生、天咲千華の花二輪は、ジョセフ(壮一帆)の裏稼業の仲間。千華ちゃんのドスの効いた声がとても良かった(*^ ^*)。
鳳龍アヤ、朝陽みらいの両名は、メインは警官かなー。個人的にはローレン家のパーティーの客が、頑張って『男役』していたのが印象的♪
ショーは、真飛さん三度目の藤井さん。
ちょっと「GLORIOUS!!」を思い出しました。ずんこさん(姿月あさと)のサヨナラ公演で、芝居(砂漠の黒薔薇)は目眩がするほど駄目でしたが、ショーは大好きだったなあ(←デビュー当時からの藤井ファン)。
今回も、ちょいベタだけど良いショーだと思います。「A Bientot」ほど「泣け!」色は強くなく、真飛さんらしい爽やかさと優しさと、そして、茶目っ気のあるショーでした。
全員がブルーと白の衣装で揃う「エスポワール」で、お披露目のショー「RED HOT SEA」を思い出しました。大階段を降りてくるトップスターを迎える、青と白の羽の海。……賛否両論あったけど、私はあの場面、大好きだったんですよねー。
あの時は、祐飛さんと彩音ちゃんが両脇にいたけれども、今は、彩音ちゃんの位置には蘭ちゃんが居て、祐飛さんの位置には壮ちゃんが居て、、、
…それでもやっぱり海は海。人は変っても、海は変らないんだな、と、ちょっと感傷的に、そんなことを思ったりして。
真飛さんが出ていない場面では、オープンカフェの場面が一番好きです(*^ ^*)。
歌で盛り上げる(初姫)さあやとふみか(紫峰七海)がとってもキュート。壮ちゃん×一花、みつる×きらりん、めおちゃん×由舞ちゃん、、、あああ、花娘みんな可愛いよっ!!
それと、フィー(精霊)役の柚香光さんがとっても可愛かった!笑顔が魅力的で、ステップがホントに空気みたいに軽やか。下級生なのに大役をちゃんとこなして、凄い!!と思いました。
藤井さんお得意の男役ダルマは、ルナちゃん(冴月瑠那)率いる8人。
ルナちゃんの美脚に見惚れてなかなか回りが見れないんですが、輝良まさと、日高大地と、花組の誇る若手美脚が揃っているんですよね(^ ^)目の保養、目の保養♪
その場面のセンターは、ルナちゃんじゃなくてみつるなことを忘れないようにっっ!!>自分
前回公演で、あまりのスタイルの悪さに絶望感さえ感じた92期の初花美咲ちゃんが、またすっきり美人さんに戻ってくれていて、とっても嬉しい! 蘭ちゃんと二人、同期でダイエットがんばったのでしょうか?お願いだから、真瀬くんもダイエット仲間に入れてあげてください!(ただし、蘭ちゃんはいくらなんでもちょっと痩せ過ぎです泣。そこまで痩せるとダルマが美しくないよー!涙)
一階と二階、両方で観劇しましたが、私は二階センターが楽しかったです。最後の大階段の黒燕尾、最上段とその下くらいは見切れちゃうので、下級生のファンとしては辛いけど。
お芝居は、意外と帽子を被っている場面が多いので1階の方が楽しめるかも。あと、真飛さんのファンだったら、客席登場があるので一階がいいと思います。センターブロック下手側の通路沿いは特においしい(^ ^)。
そんな感じでしょうか。
それでは。せっかく前楽を観てまいりましたので、簡単にサヨナラショーのご報告を。
まず。
一言で説明するなら、「Exciter!」に始まって「Exciter!」に終わったサヨナラショーでした(^ ^)。本当に大好きなショーなので、とても嬉しかったです!
最初の曲は「Com’on!, Com’on!」。そのままもう一曲「Exciter!」から(タイトルが判らないけど、雪組の「RIO de Bravo!」でピラニアちゃんたちが銀橋で歌ってた曲)やって、とんちんかんトリオで「イン・シャー・アッラー」。サヨナラショーで面白いのは、「そっその衣装で歌うの!?」ってところ。「Exciter!」の衣装で「愛と死のアラビア」は、笑いをこらえるのが大変だった……。
みわっちがハケて、真飛さんと壮ちゃんで「相棒」。あれもいい作品だったなあ。
今度は二人で仲良くハケて、上手の花道からめおちゃんが登場、銀橋へ。淡いピンクの変り燕尾がキラキラしてて、とても綺麗!!その衣装で「フィフティ・フィフティ」かよっ!!と一万回突っ込みましたけどね。客席も(@ @)なのか、ちょっと手拍子の入りが遅れました。千秋楽はぜひ、最初から手拍子してあげてください(^ ^)。
歌の途中で、下手側に一花ちゃんとみつるくんが登場。同期三人でラブラブ銀橋でじゃれている後ろを、ブルくん(朝陽みらい)とカウちゃん(鳳龍アヤ)が踊りながら通って行きました。……死ぬほど可愛かった……。
その間に、真飛さんが着替えて登場。最初は「Mind Traveler」だったかな。それで銀橋をわたって、
サブリナの曲(「海から吹く風」だっけ?)で蘭ちゃんとデュエットダンス。
続けて「外伝ベルサイユの薔薇」のテーマ曲(♪それが二人の愛の形…)、さらに「虞美人」より「花よ」を続けて歌ってくれて。
で、黒服の男役とドレスの娘役が全員揃って、「大王四神記」より「希望の瞳」。
悠真倫(81期だよね涙)が途中からカウンターメロディを歌いだしたあたりで、舞台上の組子も何人かボロ泣き(T T)。客席も回り中ぐすぐす言ってました。
歌いながら真飛さんが大階段を上がって消えていって、緞帳。
正直、これで終わりかな、と思った……のですが。
……また音楽が入り、白い衣装の王子以下退団者7名が登場。「Exciter!」のハバナの場面の最後の大コーラスを歌ってくれました(T T)。
さらに「Exciter!」のオープニングの「Dreamin!」っていう歌を壮ちゃんが歌って、「Exciter!」の赤金の衣装に着替えた組子が勢ぞろいして。
で。
……大階段を降りてくるシルエットが……んっ?なんか、小さいぞ?と思ったら。
なんと!猫背のMr. YUが登場!
さあやの「どーしていつもギリギリなのっ!!」という突っ込みが入って、チェンジボックスが登場して。
……エキサイターな真飛さんと残る組子たちによる「I’m Exciter!」で、今度こそ締め。
サヨナラショーって、トップ以外は黒服+ドレスで終わるもんだと思っていたよ……
赤金で終わる華やかかなサヨナラショー。涙と笑いで一杯の、気持ち良いサヨナラショーでした。
卒業生たちは前々場での白い衣装のまま、着替えずに最後のご挨拶だけ登場。
最後の「ガチンガチンガチン!」にも居てほしかった気はしますが…でもまあ、これはこれで、良かったのかな。「希望の瞳」で一回締めたところには出ていたわけだし。
あまちゃきセンターの場面が無かったのは残念でしたが、、、まあ、新公以外の主演作がないから仕方ないのかなあ……。虞美人を真飛さんとあまちゃきで、とか、さもなくば、「50/50」に一緒に出てほしかった。……でも、こっちは同期揃えを優先したしなあ。むーーーー。
こうしてざっと振りかえって思うこと。
……真飛さん、花組に来てからの主演作だけから選んだんですね。
「花のいそぎ」の歌もすごく好きだったので、歌ってくれないかなーと期待したんですが、その辺はディナーショーで歌うのかな?
そして、どうしても考えずにはられないこと。
近々あるであろう祐飛さんのサヨナラショーは、どうなるんだろう。
月組・花組時代の作品からのナンバーを入れるのは、やっぱり難しいのでしょうか。歌はディナーショーとかでフォローするとしても、ゆひすみで「引き潮」とか、観てみたいのにーー。
なにはともあれ、明日が千秋楽。
「真飛聖を育てたこの街」=宝塚とお別れする一日を精一杯生きて、記憶に残る一日になりますように。
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トップスター・真飛聖さんをはじめとする、8人の大事な組子たちの卒業公演、最後の週末。
劇場の中にも外にも白い服を着た人が溢れて、熱い空気と涙が充満した、不思議な空間でした。
お芝居は、、、、うーむ(^ ^;ゞ
脚本的には、最後の場面が先に出来てたんじゃないか?と思いました。
全てが終わった後でのフレディとスティーヴとの会話と、それに続く一連の場面が先にあって、その場面につながるように中身を創った……みたいな。
内容の細かいところは全然違いますが、全体を囲む大枠の構造は、植田景子さんの「Hollywood Lover」や「My Dear New Orleans」とよく似ているな、と思いました。
一人の男が故郷に帰ってくる。そして、いろんなことがあって、一人の女と出会い、恋をして、、、でも、最後には別れてその街を出て行く。「愛するわが街、俺は決して忘れない。いつまでも愛している」と呟きながら、……この街で得た愛を、噛みしめながら。
要するに、サヨナラ用の芝居だってことなんでしょうね。
大きく違うのは、見送る人が相手役(蘭乃はな)だったことですが……蘭ちゃんが残るから、ではなくて、やっぱり主演者のキャラクターかなあ。祐飛さんやトウコさんだと、傷は深ければ深いほど!みたいなのがあるけど、真飛さんだと爽やかに終わらせたい、と。
っていうか、だからこそ植田景子ではなくて鈴木圭だったんだろう、と。
そして。
……この公演は、芝居の脚本がどうこういう公演ではないんだな、と思いました。
どんなに内容がぐだぐだでも構わない。
「お前の今の相棒は俺だ!」
「もし目が覚めたら、もう一度相棒にしてくれるか?」
「フレディーーーーーーっ!!!」
「俺を育ててくれたこの街……」
これでもか!というくらいてんこ盛りなサヨナラ仕様の台詞が先にあって、それらをつなぐためのにストーリーを創った、という感じだったので。
鈴木さんって、……使いたい台詞・やりたい展開のために役の人物がやりそうもないコトをさせたり、言いそうにない台詞を言わせたり…があって、、、そういうことが芝居の全体のまとまりを崩していることも多いような気がします。
最終的には、役者が矛盾だらけのキャラクターを力技でまとめる羽目になるので、今回みたいにベテランが主演する公演は良くても、若手バウとかだと厳しいんじゃないかなあ…なんて思ったりしました。
それでも、92期以上の退団者全員に、ちゃんとそれぞれの見せ場を創ってあげた優しさは評価したいです。
王子(眉月凰)の刑事は、出番こそ少ないけど、最初と最後の変化を見せる、芝居としてやりがいのある役。
めおちゃん(真野すがた)は、ひたすら執事服が似合っててヤバいくらいカッコいい!!使用人たちのナンバーがすごく楽しいし、めおちゃんも活き活きと歌っていて嬉しかった(はぁと)。
しゅんさま(祐澄しゅん)は、台詞があるのはお医者さん(白衣がめっちゃ似合ってた!優しそうで素敵♪)でしたが、なんと言ってもこの人はコロスが最高に格好良いです(惚)。
天宮菜生、天咲千華の花二輪は、ジョセフ(壮一帆)の裏稼業の仲間。千華ちゃんのドスの効いた声がとても良かった(*^ ^*)。
鳳龍アヤ、朝陽みらいの両名は、メインは警官かなー。個人的にはローレン家のパーティーの客が、頑張って『男役』していたのが印象的♪
ショーは、真飛さん三度目の藤井さん。
ちょっと「GLORIOUS!!」を思い出しました。ずんこさん(姿月あさと)のサヨナラ公演で、芝居(砂漠の黒薔薇)は目眩がするほど駄目でしたが、ショーは大好きだったなあ(←デビュー当時からの藤井ファン)。
今回も、ちょいベタだけど良いショーだと思います。「A Bientot」ほど「泣け!」色は強くなく、真飛さんらしい爽やかさと優しさと、そして、茶目っ気のあるショーでした。
全員がブルーと白の衣装で揃う「エスポワール」で、お披露目のショー「RED HOT SEA」を思い出しました。大階段を降りてくるトップスターを迎える、青と白の羽の海。……賛否両論あったけど、私はあの場面、大好きだったんですよねー。
あの時は、祐飛さんと彩音ちゃんが両脇にいたけれども、今は、彩音ちゃんの位置には蘭ちゃんが居て、祐飛さんの位置には壮ちゃんが居て、、、
…それでもやっぱり海は海。人は変っても、海は変らないんだな、と、ちょっと感傷的に、そんなことを思ったりして。
真飛さんが出ていない場面では、オープンカフェの場面が一番好きです(*^ ^*)。
歌で盛り上げる(初姫)さあやとふみか(紫峰七海)がとってもキュート。壮ちゃん×一花、みつる×きらりん、めおちゃん×由舞ちゃん、、、あああ、花娘みんな可愛いよっ!!
それと、フィー(精霊)役の柚香光さんがとっても可愛かった!笑顔が魅力的で、ステップがホントに空気みたいに軽やか。下級生なのに大役をちゃんとこなして、凄い!!と思いました。
藤井さんお得意の男役ダルマは、ルナちゃん(冴月瑠那)率いる8人。
ルナちゃんの美脚に見惚れてなかなか回りが見れないんですが、輝良まさと、日高大地と、花組の誇る若手美脚が揃っているんですよね(^ ^)目の保養、目の保養♪
その場面のセンターは、ルナちゃんじゃなくてみつるなことを忘れないようにっっ!!>自分
前回公演で、あまりのスタイルの悪さに絶望感さえ感じた92期の初花美咲ちゃんが、またすっきり美人さんに戻ってくれていて、とっても嬉しい! 蘭ちゃんと二人、同期でダイエットがんばったのでしょうか?お願いだから、真瀬くんもダイエット仲間に入れてあげてください!(ただし、蘭ちゃんはいくらなんでもちょっと痩せ過ぎです泣。そこまで痩せるとダルマが美しくないよー!涙)
一階と二階、両方で観劇しましたが、私は二階センターが楽しかったです。最後の大階段の黒燕尾、最上段とその下くらいは見切れちゃうので、下級生のファンとしては辛いけど。
お芝居は、意外と帽子を被っている場面が多いので1階の方が楽しめるかも。あと、真飛さんのファンだったら、客席登場があるので一階がいいと思います。センターブロック下手側の通路沿いは特においしい(^ ^)。
そんな感じでしょうか。
それでは。せっかく前楽を観てまいりましたので、簡単にサヨナラショーのご報告を。
まず。
一言で説明するなら、「Exciter!」に始まって「Exciter!」に終わったサヨナラショーでした(^ ^)。本当に大好きなショーなので、とても嬉しかったです!
最初の曲は「Com’on!, Com’on!」。そのままもう一曲「Exciter!」から(タイトルが判らないけど、雪組の「RIO de Bravo!」でピラニアちゃんたちが銀橋で歌ってた曲)やって、とんちんかんトリオで「イン・シャー・アッラー」。サヨナラショーで面白いのは、「そっその衣装で歌うの!?」ってところ。「Exciter!」の衣装で「愛と死のアラビア」は、笑いをこらえるのが大変だった……。
みわっちがハケて、真飛さんと壮ちゃんで「相棒」。あれもいい作品だったなあ。
今度は二人で仲良くハケて、上手の花道からめおちゃんが登場、銀橋へ。淡いピンクの変り燕尾がキラキラしてて、とても綺麗!!その衣装で「フィフティ・フィフティ」かよっ!!と一万回突っ込みましたけどね。客席も(@ @)なのか、ちょっと手拍子の入りが遅れました。千秋楽はぜひ、最初から手拍子してあげてください(^ ^)。
歌の途中で、下手側に一花ちゃんとみつるくんが登場。同期三人でラブラブ銀橋でじゃれている後ろを、ブルくん(朝陽みらい)とカウちゃん(鳳龍アヤ)が踊りながら通って行きました。……死ぬほど可愛かった……。
その間に、真飛さんが着替えて登場。最初は「Mind Traveler」だったかな。それで銀橋をわたって、
サブリナの曲(「海から吹く風」だっけ?)で蘭ちゃんとデュエットダンス。
続けて「外伝ベルサイユの薔薇」のテーマ曲(♪それが二人の愛の形…)、さらに「虞美人」より「花よ」を続けて歌ってくれて。
で、黒服の男役とドレスの娘役が全員揃って、「大王四神記」より「希望の瞳」。
悠真倫(81期だよね涙)が途中からカウンターメロディを歌いだしたあたりで、舞台上の組子も何人かボロ泣き(T T)。客席も回り中ぐすぐす言ってました。
歌いながら真飛さんが大階段を上がって消えていって、緞帳。
正直、これで終わりかな、と思った……のですが。
……また音楽が入り、白い衣装の王子以下退団者7名が登場。「Exciter!」のハバナの場面の最後の大コーラスを歌ってくれました(T T)。
さらに「Exciter!」のオープニングの「Dreamin!」っていう歌を壮ちゃんが歌って、「Exciter!」の赤金の衣装に着替えた組子が勢ぞろいして。
で。
……大階段を降りてくるシルエットが……んっ?なんか、小さいぞ?と思ったら。
なんと!猫背のMr. YUが登場!
さあやの「どーしていつもギリギリなのっ!!」という突っ込みが入って、チェンジボックスが登場して。
……エキサイターな真飛さんと残る組子たちによる「I’m Exciter!」で、今度こそ締め。
サヨナラショーって、トップ以外は黒服+ドレスで終わるもんだと思っていたよ……
赤金で終わる華やかかなサヨナラショー。涙と笑いで一杯の、気持ち良いサヨナラショーでした。
卒業生たちは前々場での白い衣装のまま、着替えずに最後のご挨拶だけ登場。
最後の「ガチンガチンガチン!」にも居てほしかった気はしますが…でもまあ、これはこれで、良かったのかな。「希望の瞳」で一回締めたところには出ていたわけだし。
あまちゃきセンターの場面が無かったのは残念でしたが、、、まあ、新公以外の主演作がないから仕方ないのかなあ……。虞美人を真飛さんとあまちゃきで、とか、さもなくば、「50/50」に一緒に出てほしかった。……でも、こっちは同期揃えを優先したしなあ。むーーーー。
こうしてざっと振りかえって思うこと。
……真飛さん、花組に来てからの主演作だけから選んだんですね。
「花のいそぎ」の歌もすごく好きだったので、歌ってくれないかなーと期待したんですが、その辺はディナーショーで歌うのかな?
そして、どうしても考えずにはられないこと。
近々あるであろう祐飛さんのサヨナラショーは、どうなるんだろう。
月組・花組時代の作品からのナンバーを入れるのは、やっぱり難しいのでしょうか。歌はディナーショーとかでフォローするとしても、ゆひすみで「引き潮」とか、観てみたいのにーー。
なにはともあれ、明日が千秋楽。
「真飛聖を育てたこの街」=宝塚とお別れする一日を精一杯生きて、記憶に残る一日になりますように。
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若者たちの「ロミオとジュリエット」【2】
2011年3月8日 宝塚(雪)雪組東宝劇場新人公演「ロミオとジュリエット」。
いろいろあって間があいてしまい、すみません。
とりあえず、キャストごとの感想を。
■ティボルトの凛城きら(緒月遠麻)
歌はさすが、と言っていいかな。凛城さんに対しては私の要求レベルが高いらしくて、もっと巧いはず!とか思ったりもしましたが、いやいや、良かったです。
色気もあったし。ここしばらく年配の役が続いてたけど、元々の顔立ちは綺麗なんだし、もう少し痩せてすっきりしたら間違いなく二枚目なのに……とあらためて残念に思いました。
基本的にはキタロウ(緒月遠麻)の役作りを踏襲していたと思うんですけど、あまり野獣性を表に出さず、もう少しクレバーな感じに創っていたような気がします。
ひたすらピュアで優等生っぽい彩風ロミオと、クレバーでクールな凛城ティボルト、パッショネイトな香稜ベンヴォーリオ、やんちゃで外弁慶な彩凪マキューシオ……という4人のバランスが面白かった新人公演でした。
■マーキューシオの彩凪翔(早霧せいな)
「オネーギン」で突然出てきた彩凪くん。「ソロモンの指環」あたりから美貌のダンサーとして私の中で印象に残っていたので、役がついてきて嬉しいです。歌はちょっと苦戦していたけど、まあこれは初演も本公演もアレなので、何も言うまい(^ ^;。とりあえず、台詞が聞けて嬉しいです
ビジュアルとしては、本公演の「モンタギューの男」の方がよっっっぽどイケメンだと思いましたが(汗)、ガラッと雰囲気が違うのによく頑張ったな、と思いました。真中での芝居には経験のなさが出た感じはありましたが(回りはみんなベテランですものね…)、これからの成長が楽しみです!
すごくどうでも良いことなんですが。
「モンタギューの飼い犬!」「わんっ!」というやりとりでの、チギちゃんの犬の鳴き真似の巧さに毎回びっっくりするんですが、新公ではその返しがなくて残念でした………っていうか、チギちゃんのあれは特技だってことでFAですか…?
■パリスの真那春人(彩那音)
いやーーーー、喋らないまなはるにはあんまり興味がないけど、喋ってるまなはるを見ると、私のテンションは上昇するらしい……。歌もよく頑張ってたし(^ ^)、やっぱり表情豊かで可愛いなあ。
そして、パリスよりもずっと出番の多い「キャピュレットの男」は、前髪を降ろして両脇を固めた髪形でとってもよく似合ってます♪個人的には、本公演をこれでやって、新公を本公演でやっている襟足の長いオールバックでやってほしかったなあ~~~と思ったりしました。
■乳母の透水さらさ(沙央くらま)
さらさちゃんの歌は大好きなので、すごく期待していたんですが……やっぱり乳母のナンバーはすごく難しいんでしょうね。思いのほか苦戦していて、びっくりしました。……調子が悪かったのでしょうか……?
芝居としては、やっぱりコマちゃんの飄々とした雰囲気というか、間の良さにはかなわないというか……ああいうのはある程度経験を重ねないと難しいんだろうな、と思いましたが、中年女の可愛らしさがちゃんとあって、表情豊かにがんばっていたと思います♪
■キャピュレット卿の朝風れい(一樹千尋)
「娘よ」のソロがカットされるんじゃないかと心配していたんですが、そのあたりは本公演どおりでホッとしました。
歌はさすが!!ですし、芝居も過不足なくよくやっていたと思いますが、、、ヒロさんの役を新公でやる人は大変だなあ(←主に、私の要求水準が無駄に高くなるから)
■キャピュレット夫人の千風カレン(晴華みどり)
一幕冒頭の「憎しみ」と「ティボルト」前後のティボルトとのやり取りがないので、彼女の「女」の部分を出す場面が減って「母親」色が強くなっていましたが、その脚本に合わせて、ちゃんと「母性」の勝った芝居をやっていたのが印象的でした。
■モンタギュー卿の央雅光希(飛鳥裕)
歌も芝居も安定した人だな、と思いました。此花さんとの並びも似合ってて良かったです。
喧嘩のあと、キャピュレット卿と対決する部分の迫力にちょっと驚きました。良い役ですねえ……。
■モンタギュー夫人の此花いの莉(麻樹ゆめみ)
こちらも「憎しみ」がカットされていたので、最大の見せ場は霊廟での「罪びと」でしたが、とてもよかったと思います。あの歌の歌いだしってすごいプレッシャーだと思うんですが、、、うん。気持ちよく浸れたし、泣けました。すごく母性のある歌を歌う人だな、と感心しました。
■大公の透真かずき(大凪真生)
一番の見せ場であるオープニングの「ヴェローナ」がカットされていたので、歌も出番もだいぶ少なかったのですが、危なげない存在感でした。姿が綺麗で芝居も重みがあって、とてもよかったと思います。
■死の煌羽レオ(彩風咲奈)
本役の彩風さんとは、纏う空気がまったく違っていたのが面白かったです。
ダンスがすごく滑らかで、心の隙間に滑り込んでくるようなイメージがあったのは……思い込みかな?(^ ^;ゞ
彩風さんのピュアな「少年ロミオ」と、意志をもって彼を闇へと誘う「死」、という印象でした。
■愛の久城あす(大湖せしる)
本公演で男役化粧をしてガツガツ踊っているときは、蘭寿さんに似ているなーと思う久城さん。娘役化粧をしてにこっと微笑むと、いきなり可愛くなってお姉さんそっくりに見える瞬間があることにとても驚きました。嘘みたい(^ ^;;;
「死」と「愛」の力関係が、雪組新公はすごく対等だったのが面白かったです。
ずっと戦っている二人……いや、戦いながら通じ合っている二人という印象。
いやはや、面白い存在だなと思いました。
アンサンブルでは、モンタギュー(青チーム)のひーこちゃん(笙乃茅桜)が本公演の花夏ゆりんちゃんのところに入っていた……の、かな?少なくともリフトはやってましたね。
キャピュレットで、黒髪で正面から見るとショートに見えるウルフカットの娘役さんは花瑛ちほちゃん?すごい可愛くて表情豊かで、ダンスも活き活きとして印象的でした。
そういえば、キャピュレットの、ティボルトにからむお姉さまたち(花帆・涼花)の役は誰だったのかな?顔がよく見えなくて判らなかった……。
冒頭の「ヴェローナ」がないので、「罪びと」で抱き合うキング(蓮城まこと)と愛加あゆちゃんの役にあたる役は無かったと思います。
とにかく、一回しか観られないため、いろいろ忙しくてあまり細かいチェックはできませんでした。本公演でまなはるくんがやっているマントヴァの乞食も、誰だかわかんなかったし(T T)。
全体に、非常に楽しめた新人公演でした。
作品(音楽)が良いので、メインどころにそこそこ歌手が揃っている今回のメンバーなら外れはないだろう、と思ってはいましたが、予想通りでした(*^ ^*)。ああいう作品は歌をきちんと表現できれば芝居はあとから付いてくるものですし、「若さ」が売りになる作品でもあるので。
ただ。あえて苦言を呈するなら、これだけ元々の作品がよくて、しかも「若い」というだけで有利なポイントを稼げる作品なのに、「無難にまとまった」感があったのが勿体無い、というか……。
一回限りの公演としてハイレベルなものを見せていただき、私は大変楽しい時間を過ごしましたし、非常に満足しています。本公演と新人公演には、値段の差ほどのレベル差を感じなかった、とも思っています。
でも、なんというのかなあ。「新公観たなーーーっ!!」という満足感があまり無かったんですよね……
演出が、前半の大幅カット以外はほぼ本公演のをそのまま踏襲していたせいもおあるのかなあ……?
いやでも、楽しかったんですけどね、本当に(真顔)。
要するに、作品が良すぎるってことなのかもしれません(^ ^)。
.
いろいろあって間があいてしまい、すみません。
とりあえず、キャストごとの感想を。
■ティボルトの凛城きら(緒月遠麻)
歌はさすが、と言っていいかな。凛城さんに対しては私の要求レベルが高いらしくて、もっと巧いはず!とか思ったりもしましたが、いやいや、良かったです。
色気もあったし。ここしばらく年配の役が続いてたけど、元々の顔立ちは綺麗なんだし、もう少し痩せてすっきりしたら間違いなく二枚目なのに……とあらためて残念に思いました。
基本的にはキタロウ(緒月遠麻)の役作りを踏襲していたと思うんですけど、あまり野獣性を表に出さず、もう少しクレバーな感じに創っていたような気がします。
ひたすらピュアで優等生っぽい彩風ロミオと、クレバーでクールな凛城ティボルト、パッショネイトな香稜ベンヴォーリオ、やんちゃで外弁慶な彩凪マキューシオ……という4人のバランスが面白かった新人公演でした。
■マーキューシオの彩凪翔(早霧せいな)
「オネーギン」で突然出てきた彩凪くん。「ソロモンの指環」あたりから美貌のダンサーとして私の中で印象に残っていたので、役がついてきて嬉しいです。歌はちょっと苦戦していたけど、まあこれは初演も本公演もアレなので、何も言うまい(^ ^;。とりあえず、台詞が聞けて嬉しいです
ビジュアルとしては、本公演の「モンタギューの男」の方がよっっっぽどイケメンだと思いましたが(汗)、ガラッと雰囲気が違うのによく頑張ったな、と思いました。真中での芝居には経験のなさが出た感じはありましたが(回りはみんなベテランですものね…)、これからの成長が楽しみです!
すごくどうでも良いことなんですが。
「モンタギューの飼い犬!」「わんっ!」というやりとりでの、チギちゃんの犬の鳴き真似の巧さに毎回びっっくりするんですが、新公ではその返しがなくて残念でした………っていうか、チギちゃんのあれは特技だってことでFAですか…?
■パリスの真那春人(彩那音)
いやーーーー、喋らないまなはるにはあんまり興味がないけど、喋ってるまなはるを見ると、私のテンションは上昇するらしい……。歌もよく頑張ってたし(^ ^)、やっぱり表情豊かで可愛いなあ。
そして、パリスよりもずっと出番の多い「キャピュレットの男」は、前髪を降ろして両脇を固めた髪形でとってもよく似合ってます♪個人的には、本公演をこれでやって、新公を本公演でやっている襟足の長いオールバックでやってほしかったなあ~~~と思ったりしました。
■乳母の透水さらさ(沙央くらま)
さらさちゃんの歌は大好きなので、すごく期待していたんですが……やっぱり乳母のナンバーはすごく難しいんでしょうね。思いのほか苦戦していて、びっくりしました。……調子が悪かったのでしょうか……?
芝居としては、やっぱりコマちゃんの飄々とした雰囲気というか、間の良さにはかなわないというか……ああいうのはある程度経験を重ねないと難しいんだろうな、と思いましたが、中年女の可愛らしさがちゃんとあって、表情豊かにがんばっていたと思います♪
■キャピュレット卿の朝風れい(一樹千尋)
「娘よ」のソロがカットされるんじゃないかと心配していたんですが、そのあたりは本公演どおりでホッとしました。
歌はさすが!!ですし、芝居も過不足なくよくやっていたと思いますが、、、ヒロさんの役を新公でやる人は大変だなあ(←主に、私の要求水準が無駄に高くなるから)
■キャピュレット夫人の千風カレン(晴華みどり)
一幕冒頭の「憎しみ」と「ティボルト」前後のティボルトとのやり取りがないので、彼女の「女」の部分を出す場面が減って「母親」色が強くなっていましたが、その脚本に合わせて、ちゃんと「母性」の勝った芝居をやっていたのが印象的でした。
■モンタギュー卿の央雅光希(飛鳥裕)
歌も芝居も安定した人だな、と思いました。此花さんとの並びも似合ってて良かったです。
喧嘩のあと、キャピュレット卿と対決する部分の迫力にちょっと驚きました。良い役ですねえ……。
■モンタギュー夫人の此花いの莉(麻樹ゆめみ)
こちらも「憎しみ」がカットされていたので、最大の見せ場は霊廟での「罪びと」でしたが、とてもよかったと思います。あの歌の歌いだしってすごいプレッシャーだと思うんですが、、、うん。気持ちよく浸れたし、泣けました。すごく母性のある歌を歌う人だな、と感心しました。
■大公の透真かずき(大凪真生)
一番の見せ場であるオープニングの「ヴェローナ」がカットされていたので、歌も出番もだいぶ少なかったのですが、危なげない存在感でした。姿が綺麗で芝居も重みがあって、とてもよかったと思います。
■死の煌羽レオ(彩風咲奈)
本役の彩風さんとは、纏う空気がまったく違っていたのが面白かったです。
ダンスがすごく滑らかで、心の隙間に滑り込んでくるようなイメージがあったのは……思い込みかな?(^ ^;ゞ
彩風さんのピュアな「少年ロミオ」と、意志をもって彼を闇へと誘う「死」、という印象でした。
■愛の久城あす(大湖せしる)
本公演で男役化粧をしてガツガツ踊っているときは、蘭寿さんに似ているなーと思う久城さん。娘役化粧をしてにこっと微笑むと、いきなり可愛くなってお姉さんそっくりに見える瞬間があることにとても驚きました。嘘みたい(^ ^;;;
「死」と「愛」の力関係が、雪組新公はすごく対等だったのが面白かったです。
ずっと戦っている二人……いや、戦いながら通じ合っている二人という印象。
いやはや、面白い存在だなと思いました。
アンサンブルでは、モンタギュー(青チーム)のひーこちゃん(笙乃茅桜)が本公演の花夏ゆりんちゃんのところに入っていた……の、かな?少なくともリフトはやってましたね。
キャピュレットで、黒髪で正面から見るとショートに見えるウルフカットの娘役さんは花瑛ちほちゃん?すごい可愛くて表情豊かで、ダンスも活き活きとして印象的でした。
そういえば、キャピュレットの、ティボルトにからむお姉さまたち(花帆・涼花)の役は誰だったのかな?顔がよく見えなくて判らなかった……。
冒頭の「ヴェローナ」がないので、「罪びと」で抱き合うキング(蓮城まこと)と愛加あゆちゃんの役にあたる役は無かったと思います。
とにかく、一回しか観られないため、いろいろ忙しくてあまり細かいチェックはできませんでした。本公演でまなはるくんがやっているマントヴァの乞食も、誰だかわかんなかったし(T T)。
全体に、非常に楽しめた新人公演でした。
作品(音楽)が良いので、メインどころにそこそこ歌手が揃っている今回のメンバーなら外れはないだろう、と思ってはいましたが、予想通りでした(*^ ^*)。ああいう作品は歌をきちんと表現できれば芝居はあとから付いてくるものですし、「若さ」が売りになる作品でもあるので。
ただ。あえて苦言を呈するなら、これだけ元々の作品がよくて、しかも「若い」というだけで有利なポイントを稼げる作品なのに、「無難にまとまった」感があったのが勿体無い、というか……。
一回限りの公演としてハイレベルなものを見せていただき、私は大変楽しい時間を過ごしましたし、非常に満足しています。本公演と新人公演には、値段の差ほどのレベル差を感じなかった、とも思っています。
でも、なんというのかなあ。「新公観たなーーーっ!!」という満足感があまり無かったんですよね……
演出が、前半の大幅カット以外はほぼ本公演のをそのまま踏襲していたせいもおあるのかなあ……?
いやでも、楽しかったんですけどね、本当に(真顔)。
要するに、作品が良すぎるってことなのかもしれません(^ ^)。
.
帰宅難民ですが生きています
2011年3月11日 呟き・ご挨拶・他凄い地震でした!!
会社に閉じ込められて情報難民になっていたのですが、
………こんなことになっていたとは………
犠牲者の皆様のご冥福をお祈りすると共に、被災地のみなさまのご健康を心からお祈り申し上げます。
私の職場はビルの8階にあるのですが、歩けないほど、あるいは目で見てわかるほどの揺れは生まれて初めての体験でした。
未だに断続的に揺れていて、かなり怖いです。
なんとか家族とは連絡がつきました(メールって凄い!)が、仙台に住んでいる親戚とはまったく連絡がつかず(T_T)。
今はどうすることもできませんが、心配は募るばかりです。
でも。
とりあえず、ねこは元気で、怪我もなく生きています。
というわけで生存報告。
ただ、電車が動かない上にビルのエレベーターも動かないので、会社に閉じ込められていますが(泣)。
東宝の「ロミオとジュリエット」は公演中止になったと伺いました。
帰れない方は劇場内で泊まられるとか。
明日には大劇場やドラマシティへ遠征を計画されていた方も多いでしょうに、新幹線は復旧するのでしょうか……(T_T)
ジェンヌさん、スタッフのみなさま、観客のみなさま、ファンのみなさまが、無事に笑顔で明日を迎えられますように(祈)。
そして、何よりも、被災されたみなさまが一日も早く笑顔を取り戻されますように。
.
会社に閉じ込められて情報難民になっていたのですが、
………こんなことになっていたとは………
犠牲者の皆様のご冥福をお祈りすると共に、被災地のみなさまのご健康を心からお祈り申し上げます。
私の職場はビルの8階にあるのですが、歩けないほど、あるいは目で見てわかるほどの揺れは生まれて初めての体験でした。
未だに断続的に揺れていて、かなり怖いです。
なんとか家族とは連絡がつきました(メールって凄い!)が、仙台に住んでいる親戚とはまったく連絡がつかず(T_T)。
今はどうすることもできませんが、心配は募るばかりです。
でも。
とりあえず、ねこは元気で、怪我もなく生きています。
というわけで生存報告。
ただ、電車が動かない上にビルのエレベーターも動かないので、会社に閉じ込められていますが(泣)。
東宝の「ロミオとジュリエット」は公演中止になったと伺いました。
帰れない方は劇場内で泊まられるとか。
明日には大劇場やドラマシティへ遠征を計画されていた方も多いでしょうに、新幹線は復旧するのでしょうか……(T_T)
ジェンヌさん、スタッフのみなさま、観客のみなさま、ファンのみなさまが、無事に笑顔で明日を迎えられますように(祈)。
そして、何よりも、被災されたみなさまが一日も早く笑顔を取り戻されますように。
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Show Must Go On!
2011年3月13日 呟き・ご挨拶・他未曾有の大地震から、2日が過ぎました。
テレビを見るたびに胸が痛くて、もう今日はテレビを点けられませんでした。
さすがにスカイステージを視る気にもなれず、「節電のため」と言い聞かせてコンセントを抜いて。
なんというか。何もかも、現実だとは思えないし、思いたくない。
何をすればいいのか、私に何ができるのか、いくら考えてもわからなくて。
人間、一晩なら異常事態にも耐えられます。
生きているなら、今はもうそれだけでいい、と思うことができる。
でも、二晩目は辛い。まして3日目、4日目……そんな日々を重ねる人たちに、私に出来ることは何もない。
なんというのか、、、寂しい、というのが一番近いかもしれない、今の気持ち。
犠牲者の皆さまのご冥福をお祈りするとともに、被災者のみなさまの心身の健康を、心からお祈り申し上げます。
東京宝塚劇場の雪組公演は、無事再開したようですね。
おめでとうございます(^ ^)。
今日はまだ無理かなー、休演日あけの火曜日からかなー?と思っていたのですが、安全面(電力消費も含め)が確認できたなら「SHOW MUST GO ON」!!役者から舞台を取り上げる権利は誰にも無いし、観客が一人でもいるならやっぱり上演するべきだと思っているので、本当に良かったな、と思います。
個人的には、ミュージカル『ヨセフ・アンド・ザ・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』が千秋楽まで公演中止になってしまったのが残念で……。どうしても観たかったので、払い戻しより振替公演をしてほしいとお願いしてみたけど、、、考えてみたらキャストもスタッフも一刻も早く帰国したいですよね(涙)。
あーあ、先週の平日、キャラメルボックスとこれとどっちを観るか迷って、開演時間の遅いキャラメルを取ったのが失敗だった……。
帝国劇場の「SHOCK!」はまだ再開できないようですが、こちらも関係者のみなさんは必死で再開に向けて努力しているんでしょうねぇ。でも、都心部の劇場関係は来週には正常化しそうでホッとしています。
まあ、来週からの東京電力の状況によっては、再び休演ってこともあるかもしれませんが。
SHOW MUST GO ON。それは、「生きること」と同じだから。
私は、今の私がやるべきこととできることをしようと思っています。
電気といえば。
東京電力のサイトは落ちたままで全然つながりませんが、23区内は一部を除いて輪番停電の対象になっていないらしいですね。こういうとき、東京は強いなあ、と実感します。福島県に住んでいた頃(←かなり昔)なんて、しょっちゅう停電していたんだけどな。東京に引っ越してきて以来、一度も停電したことないよ私。
こういう状況をみるにつけ、とりあえず東京23区に住む人、23区で働く人は、停電がないからこそ節電に協力しないといけないな、と思います。
とりあえず、YAHOO!の節電のコツページリンクしておきます。
http://setsuden.yahoo.co.jp/
まあ、一番節電になるのは、「家族全員が居間に集まって、一台のテレビで地震報道を見る」ことなんだろうな、と思ったりしつつ。
先日の日記にも書きましたが、結局私は11日は帰れず、配給を受けて会社に泊りました。
若いころ(いつだ)は徹夜で仕事なんてしょっちゅうやっていたんですが、「会社で眠る」っていうのは案外難しいものなんだなーと思いましたね。横になれるわけでもないし。毛布にくるまって椅子に座ったまま寝るのって、かえって身体には負担がかかる(涙)。
1、2時間うとうとしただけで朝を迎え、「せっかく会社にいるんだから」と、その場にいたメンバーで取引先と連絡を取って状況を確認し、お客様にご案内する……という作業をこなして、会社を出たのが8時頃だったでしょうか。
電車は間引き運転で凄い混みようでしたが、いつもの倍くらいの時間がかかった程度で無事帰宅。
築35年のおんぼろアパートが無事立っているのを見た時は心底ほっとしましたが、外壁の表面がだいぶ剥がれたみたいで、「危険なので触らないでください」と貼り紙が……。
階段の踊り場のひさしも思いっきり落ちたみたいで、ちょっとドキドキしました。
部屋の中は、笑っちゃうほどぐちゃぐちゃ。積み上げていた本やMDのディスクが崩れているのは予想していたんですが、予想外だったのは冷蔵庫のドアが全開だったこと。11日が涼しくて、ホントに良かったです。
ガスは未だ出ませんが、電気と水が通っているのであまり生活には困っていません。IH調理器ってすごいなあ(感心)。
そんなわけで、被害らしい被害は特にないです。私にも、家族にも。
連絡の取れない親戚(仙台)や知人(浜通り)はたくさんいますけど、まさか歩いて探しに行くわけにもいかないし。とにかく日常にもどって、会社に行って、募金して、ボランティアの口を探して……出来ることをやっていくしかないんだろうな、と思っています。
スーパーに行けば、水とパンとカップ麺と米の棚だけ綺麗に空っぽで、驚愕(@ @)。
東京の人は、情報が早いのと不自由に馴れていないので、こういう時の対処が極端なんでしょうか。とりあえず、このスーパーに来る人で水道が止まってる人なんて殆どいないはずなのに、こんなに水が払底するとかあり得ない気が。
今のところ被害のほとんど無い東京で自家備蓄するより、有効な使い方があると思うんだけどなー。
……と、呑気なことを呟いている私は、なんの超能力か10日に山のようにカップ麺と水と牛乳を買って帰ったばかり(^ ^;
我ながらすごい!!、と思いました(^ ^)。
この超能力がもう少し違う場面で発揮できたらいいのになあ……(←無理)
.
テレビを見るたびに胸が痛くて、もう今日はテレビを点けられませんでした。
さすがにスカイステージを視る気にもなれず、「節電のため」と言い聞かせてコンセントを抜いて。
なんというか。何もかも、現実だとは思えないし、思いたくない。
何をすればいいのか、私に何ができるのか、いくら考えてもわからなくて。
人間、一晩なら異常事態にも耐えられます。
生きているなら、今はもうそれだけでいい、と思うことができる。
でも、二晩目は辛い。まして3日目、4日目……そんな日々を重ねる人たちに、私に出来ることは何もない。
なんというのか、、、寂しい、というのが一番近いかもしれない、今の気持ち。
犠牲者の皆さまのご冥福をお祈りするとともに、被災者のみなさまの心身の健康を、心からお祈り申し上げます。
東京宝塚劇場の雪組公演は、無事再開したようですね。
おめでとうございます(^ ^)。
今日はまだ無理かなー、休演日あけの火曜日からかなー?と思っていたのですが、安全面(電力消費も含め)が確認できたなら「SHOW MUST GO ON」!!役者から舞台を取り上げる権利は誰にも無いし、観客が一人でもいるならやっぱり上演するべきだと思っているので、本当に良かったな、と思います。
個人的には、ミュージカル『ヨセフ・アンド・ザ・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』が千秋楽まで公演中止になってしまったのが残念で……。どうしても観たかったので、払い戻しより振替公演をしてほしいとお願いしてみたけど、、、考えてみたらキャストもスタッフも一刻も早く帰国したいですよね(涙)。
あーあ、先週の平日、キャラメルボックスとこれとどっちを観るか迷って、開演時間の遅いキャラメルを取ったのが失敗だった……。
帝国劇場の「SHOCK!」はまだ再開できないようですが、こちらも関係者のみなさんは必死で再開に向けて努力しているんでしょうねぇ。でも、都心部の劇場関係は来週には正常化しそうでホッとしています。
まあ、来週からの東京電力の状況によっては、再び休演ってこともあるかもしれませんが。
SHOW MUST GO ON。それは、「生きること」と同じだから。
私は、今の私がやるべきこととできることをしようと思っています。
電気といえば。
東京電力のサイトは落ちたままで全然つながりませんが、23区内は一部を除いて輪番停電の対象になっていないらしいですね。こういうとき、東京は強いなあ、と実感します。福島県に住んでいた頃(←かなり昔)なんて、しょっちゅう停電していたんだけどな。東京に引っ越してきて以来、一度も停電したことないよ私。
こういう状況をみるにつけ、とりあえず東京23区に住む人、23区で働く人は、停電がないからこそ節電に協力しないといけないな、と思います。
とりあえず、YAHOO!の節電のコツページリンクしておきます。
http://setsuden.yahoo.co.jp/
まあ、一番節電になるのは、「家族全員が居間に集まって、一台のテレビで地震報道を見る」ことなんだろうな、と思ったりしつつ。
先日の日記にも書きましたが、結局私は11日は帰れず、配給を受けて会社に泊りました。
若いころ(いつだ)は徹夜で仕事なんてしょっちゅうやっていたんですが、「会社で眠る」っていうのは案外難しいものなんだなーと思いましたね。横になれるわけでもないし。毛布にくるまって椅子に座ったまま寝るのって、かえって身体には負担がかかる(涙)。
1、2時間うとうとしただけで朝を迎え、「せっかく会社にいるんだから」と、その場にいたメンバーで取引先と連絡を取って状況を確認し、お客様にご案内する……という作業をこなして、会社を出たのが8時頃だったでしょうか。
電車は間引き運転で凄い混みようでしたが、いつもの倍くらいの時間がかかった程度で無事帰宅。
築35年のおんぼろアパートが無事立っているのを見た時は心底ほっとしましたが、外壁の表面がだいぶ剥がれたみたいで、「危険なので触らないでください」と貼り紙が……。
階段の踊り場のひさしも思いっきり落ちたみたいで、ちょっとドキドキしました。
部屋の中は、笑っちゃうほどぐちゃぐちゃ。積み上げていた本やMDのディスクが崩れているのは予想していたんですが、予想外だったのは冷蔵庫のドアが全開だったこと。11日が涼しくて、ホントに良かったです。
ガスは未だ出ませんが、電気と水が通っているのであまり生活には困っていません。IH調理器ってすごいなあ(感心)。
そんなわけで、被害らしい被害は特にないです。私にも、家族にも。
連絡の取れない親戚(仙台)や知人(浜通り)はたくさんいますけど、まさか歩いて探しに行くわけにもいかないし。とにかく日常にもどって、会社に行って、募金して、ボランティアの口を探して……出来ることをやっていくしかないんだろうな、と思っています。
スーパーに行けば、水とパンとカップ麺と米の棚だけ綺麗に空っぽで、驚愕(@ @)。
東京の人は、情報が早いのと不自由に馴れていないので、こういう時の対処が極端なんでしょうか。とりあえず、このスーパーに来る人で水道が止まってる人なんて殆どいないはずなのに、こんなに水が払底するとかあり得ない気が。
今のところ被害のほとんど無い東京で自家備蓄するより、有効な使い方があると思うんだけどなー。
……と、呑気なことを呟いている私は、なんの超能力か10日に山のようにカップ麺と水と牛乳を買って帰ったばかり(^ ^;
我ながらすごい!!、と思いました(^ ^)。
この超能力がもう少し違う場面で発揮できたらいいのになあ……(←無理)
.
今日の東京のダイヤは、計画停電のあおりで、めっちゃくちゃでした。
いやもちろん、被災地のみなさまとは比べものにならない僅かな苦労なんですが……
それでも、3時間かかって(普段は1時間程度)昼過ぎに力尽きて現れた人、あまりの混みように鞄が変形してしまって戻らなくなってしまった人、、、いろんなことがありました。
明日も計画停電は案内されているようですが……また今日みたいなことになるのでしょうか。
うーん、大変。
私は家が会社から比較的近いので、30分程早めに出てちょうどギリギリ、みたいな感じでした。
定時に着いていた人はほんの僅かでしたね。
その後ばらばらと着いて、最終的には半分くらい揃ったかな?
エアコンも電気も消しての作業でしたが、今日は暖かかったし、うちの会社のビルは窓がやたらに大きいので、昼間は特に不自由はありませんでした。
夕方になって太陽の角度が変わり、「もうキーボードが見えない…」と思い始めたころ、電力需要の高まる18時までには全員退社するように、との指示が出て、帰宅することになりました。
本来のラッシュには少し早目の時間だったせいか、電車は普通にすいていてLuckyな感じ。
#普通に働いて帰った姉は、朝にもまさる大変な思いをしたそうですが……(T T)。
帰ってから、とりあえず自転車で行ける範囲のスーパーを全部(5軒)回ってみたのですが、水と米とパンと牛乳とカップ麺はどこにも売ってませんでした。……すごいなあ本当に(@ @)。
せっかく行ったので念のため、と思い、角餅と35度の焼酎とハードチーズを買って帰りました(角餅は火がなくても水に浸ければ食えないことはない。焼酎は、いざというときには消毒薬にもなる)。
魚介の棚も野菜類の棚もほとんど空っぽでしたが、今後、生鮮食料品ってホントに東京に入ってこなくなるのでしょうか?
でも、魚介は静岡方面がメインですよね…?いわきの小名浜港は映像で見るかぎりしばらく使えそうにありませんでしたが、あっちの方の比率はどのくらいなのかなあ。
野菜は……しばらくは厳しいのかもしれませんね。
……明日にでも、野菜不足に備えてビタミン剤買ってこようっと。
魚が順調に入荷すれば、魚でもいいんですけどねえ。そのへんがちょっと読めない…。
それより何より、あしたには牛乳が入荷しますように(祈)(←私はすごく大量の牛乳を消費する人なので)
無理なら、一度くらい豆乳を試してみるしかないか……(溜息)。
いや、もちろん、食べられるものがあるだけ幸せです。よーーーっく判ってます。
毎日、7人の神様に感謝しながらいただいています。
そんなこんなで、忙しい上司からは義理チョコのお返しも頂けなかった、残念なホワイトデーでした(^ ^)。
.
いやもちろん、被災地のみなさまとは比べものにならない僅かな苦労なんですが……
それでも、3時間かかって(普段は1時間程度)昼過ぎに力尽きて現れた人、あまりの混みように鞄が変形してしまって戻らなくなってしまった人、、、いろんなことがありました。
明日も計画停電は案内されているようですが……また今日みたいなことになるのでしょうか。
うーん、大変。
私は家が会社から比較的近いので、30分程早めに出てちょうどギリギリ、みたいな感じでした。
定時に着いていた人はほんの僅かでしたね。
その後ばらばらと着いて、最終的には半分くらい揃ったかな?
エアコンも電気も消しての作業でしたが、今日は暖かかったし、うちの会社のビルは窓がやたらに大きいので、昼間は特に不自由はありませんでした。
夕方になって太陽の角度が変わり、「もうキーボードが見えない…」と思い始めたころ、電力需要の高まる18時までには全員退社するように、との指示が出て、帰宅することになりました。
本来のラッシュには少し早目の時間だったせいか、電車は普通にすいていてLuckyな感じ。
#普通に働いて帰った姉は、朝にもまさる大変な思いをしたそうですが……(T T)。
帰ってから、とりあえず自転車で行ける範囲のスーパーを全部(5軒)回ってみたのですが、水と米とパンと牛乳とカップ麺はどこにも売ってませんでした。……すごいなあ本当に(@ @)。
せっかく行ったので念のため、と思い、角餅と35度の焼酎とハードチーズを買って帰りました(角餅は火がなくても水に浸ければ食えないことはない。焼酎は、いざというときには消毒薬にもなる)。
魚介の棚も野菜類の棚もほとんど空っぽでしたが、今後、生鮮食料品ってホントに東京に入ってこなくなるのでしょうか?
でも、魚介は静岡方面がメインですよね…?いわきの小名浜港は映像で見るかぎりしばらく使えそうにありませんでしたが、あっちの方の比率はどのくらいなのかなあ。
野菜は……しばらくは厳しいのかもしれませんね。
……明日にでも、野菜不足に備えてビタミン剤買ってこようっと。
魚が順調に入荷すれば、魚でもいいんですけどねえ。そのへんがちょっと読めない…。
それより何より、あしたには牛乳が入荷しますように(祈)(←私はすごく大量の牛乳を消費する人なので)
無理なら、一度くらい豆乳を試してみるしかないか……(溜息)。
いや、もちろん、食べられるものがあるだけ幸せです。よーーーっく判ってます。
毎日、7人の神様に感謝しながらいただいています。
そんなこんなで、忙しい上司からは義理チョコのお返しも頂けなかった、残念なホワイトデーでした(^ ^)。
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それでも、Show Must Go On!
2011年3月17日 呟き・ご挨拶・他東日本大震災が起きてから、間もなく1週間ですね。
罹災されたみなさまは、大丈夫でしょうか。
そろそろ、すべての不自由を我慢して「命あっての物種」と思える期間も限界ではないかと思うのですが。このタイミングでやってくる寒気団も、もうちょっと空気を読めよ!と八つ当たりしたくなります。
避難していらしゃるご本人たちはこんな日記を読む余裕はないでしょうけれども。どうぞこの寒さが一刻も早く立ち去って、春の女神が早く帰って来てくれることを祈っています。……祈ることしかできないのが悔しいですが。
東京は、というか、私の周りはここ数日でだいぶ落ち着いて、スーパーの棚に物がないこと以外はほぼ日常に戻ってました。会社にも皆普通に来てるし、取引先もだいぶ営業を再開したし。
しかし、昨夜から続く寒さはちょっとまずいな、と思っていたら、案の定大変なことになりましたね。
さらなる「節電」の要請に加えて、電車の本数削減を含む本業の縮小要請。
強制退社でいつもより随分早く会社を出たのですが、電車の混み具合に吃驚しました。
そして予想通り、東京宝塚劇場雪組公演「ロミオとジュリエット」の夜公演は中止になりました。
中止理由としては交通不安(帰りの足が確保できない可能性がある)があげられていましたが、万が一にも上演中に停電が起こったらパニック必至ですし、賢明な判断だと思います。
一観客としては非常に残念ですし、ジェンヌさんたちも残念に思っていらっしゃるでしょうけれども。
個人的には。
電力だけが問題であるならば、照明も舞台セットも使わず、芝居もダンスも無しで歌と台詞だけで表現する、コンサート形式みたいな上演形態があってもいいのに、、、と思っていたのすが。
……さすがに無理だったか(^ ^;ゞ。残念。
明日も朝は冷え込むようですが、電車はまた混むのかなあ。
電力需要が問題になるのは平日の夕方以降のようなので、明日からの残り3日間は無事上演できるよう祈っています。もちろん、タカラヅカだけじゃなくて、他の劇場もぜんぶ。
そして。
来週末から始まる予定だった宙組青年館公演「ヴァレンチノ」が、公演中止と正式に発表されました。
今週の頭くらいから、青年館は公演無理、と噂が流れていたので覚悟はしておりましたが、発表されるとあらためてショックです。
公式にも「舞台と客席の復旧工事が必要となり」と書いてあるとおり、設備面の問題のようなのでどうしようもないのですが……。
私はドラマシティまで遠征するからまだいいけど、遠征のできないファンのみなさまもたくさんいらっしゃいますよね。本当に残念。
せっかくの名作ですし、ドラマシティ公演も評判良いし……いつかどこかで、(いろんなことが落ち着いたら)代替公演をしてほしいと切に願っています。
まあ、いろいろと大変な時代ではありますが。
実際に舞台に立っている方々には、私たちにはわからない苦労も多いのでしょう。
でも、どうか負けないで。がんばって。
今日は観られなかったけれども、また素敵な「夢」を貰いに、劇場へ行きたいと思います(^ ^)。
The show must go on!
The show must go on! Yeah!
Inside my heart is breaking,
My make-up may be flaking,
But my smile - still, stays on!
(Words and music by QUEEN -originaled by Brian May)
.
罹災されたみなさまは、大丈夫でしょうか。
そろそろ、すべての不自由を我慢して「命あっての物種」と思える期間も限界ではないかと思うのですが。このタイミングでやってくる寒気団も、もうちょっと空気を読めよ!と八つ当たりしたくなります。
避難していらしゃるご本人たちはこんな日記を読む余裕はないでしょうけれども。どうぞこの寒さが一刻も早く立ち去って、春の女神が早く帰って来てくれることを祈っています。……祈ることしかできないのが悔しいですが。
東京は、というか、私の周りはここ数日でだいぶ落ち着いて、スーパーの棚に物がないこと以外はほぼ日常に戻ってました。会社にも皆普通に来てるし、取引先もだいぶ営業を再開したし。
しかし、昨夜から続く寒さはちょっとまずいな、と思っていたら、案の定大変なことになりましたね。
さらなる「節電」の要請に加えて、電車の本数削減を含む本業の縮小要請。
強制退社でいつもより随分早く会社を出たのですが、電車の混み具合に吃驚しました。
そして予想通り、東京宝塚劇場雪組公演「ロミオとジュリエット」の夜公演は中止になりました。
中止理由としては交通不安(帰りの足が確保できない可能性がある)があげられていましたが、万が一にも上演中に停電が起こったらパニック必至ですし、賢明な判断だと思います。
一観客としては非常に残念ですし、ジェンヌさんたちも残念に思っていらっしゃるでしょうけれども。
個人的には。
電力だけが問題であるならば、照明も舞台セットも使わず、芝居もダンスも無しで歌と台詞だけで表現する、コンサート形式みたいな上演形態があってもいいのに、、、と思っていたのすが。
……さすがに無理だったか(^ ^;ゞ。残念。
明日も朝は冷え込むようですが、電車はまた混むのかなあ。
電力需要が問題になるのは平日の夕方以降のようなので、明日からの残り3日間は無事上演できるよう祈っています。もちろん、タカラヅカだけじゃなくて、他の劇場もぜんぶ。
そして。
来週末から始まる予定だった宙組青年館公演「ヴァレンチノ」が、公演中止と正式に発表されました。
今週の頭くらいから、青年館は公演無理、と噂が流れていたので覚悟はしておりましたが、発表されるとあらためてショックです。
公式にも「舞台と客席の復旧工事が必要となり」と書いてあるとおり、設備面の問題のようなのでどうしようもないのですが……。
私はドラマシティまで遠征するからまだいいけど、遠征のできないファンのみなさまもたくさんいらっしゃいますよね。本当に残念。
せっかくの名作ですし、ドラマシティ公演も評判良いし……いつかどこかで、(いろんなことが落ち着いたら)代替公演をしてほしいと切に願っています。
まあ、いろいろと大変な時代ではありますが。
実際に舞台に立っている方々には、私たちにはわからない苦労も多いのでしょう。
でも、どうか負けないで。がんばって。
今日は観られなかったけれども、また素敵な「夢」を貰いに、劇場へ行きたいと思います(^ ^)。
The show must go on!
The show must go on! Yeah!
Inside my heart is breaking,
My make-up may be flaking,
But my smile - still, stays on!
(Words and music by QUEEN -originaled by Brian May)
.
アランチャ(オレンジ)と笑顔
2011年3月23日 宝塚(宙)バタバタしておりましてずっと更新できずにおりましたが、無事、シアタードラマシティにて「ヴァレンチノ」を観劇してまいりました。
ご心配くださったみなさま、大変失礼いたしました&ありがとうございました。
大震災からもうすぐ半月。いろいろなことがありましたが、なにはともあれ、この公演を観ることができた幸せを噛みしめています。
たぶん、たくさんの方々が東京で観るつもりだったり、ドラマシティに行く予定だったのに駄目になったりしていらっしゃることでしょう。
だから。
……観ることができた私は、この作品を語り伝えたいと思っています。
祐飛さんが終演後の挨拶で仰ったように、あの舞台に立っていた宙組っ子30人にいただいた勇気と元気と笑顔を、観にいけなかった方々と分け合うために。
笑顔になることを恐れることなく、
「ヴァレンチノ」という舞台によってたくさんの元気をもらったことに、ファンとしての誇りを持って。
なんて言ってはみたものの、今は本当にいろんなことがあって、なかなか文章をまとめる頭と時間がないのですが……(汗)。
たぶんあまり巧くお伝えできないと思うのですが(←ごめんなさい祐飛さん)、努力することは諦めないでいたいと思います。
ミュージカル「ヴァレンチノ」。
初演も再演もまったく知らない私が思ったことは。
とにかく、この作品でデビューした小池修一郎は、ホンモノの天才だったんだろうな、……と。
まあ、デビュー作とは言っても再演時にだいぶ手を入れられたようですから、今回上演されたものは完全な「デビュー作」ではないのかもしれませんが。
それでも、こういう題材をこういう切り口で!という着眼点と、非常に緻密に構成されたエピソードの積み重ね自体は最初から変わっていないはずですし、本当にお見事!としか言いようがなくて。
いやー、面白かったです。
最下まで全員に何かしら見せ場があって、しかも、その見せ場以外にも出番が多く、いろんなキャラクターのいろんな役で場面ごとに違うグループ芝居をしてたのがとても楽しかったです♪
私は公演のラストの方しか観ていませんが、初日頃とはだいぶ違う出来だったみたいですね(^ ^)。なによりも、みんながすごく頑張っていて、しかも楽しそうなのがすごく嬉しかったです(^ ^)。
通し役でないと学べないこともあるけれども、逆に、こうやっていろんな場面にいろんな役で小芝居しつつ、芝居の本筋や場面そのものを壊すことのないようにチェックしあって、全体で一つの「世界」を創り上げていくのを眺めるのは、なんというか……、ショーと同じ愉しみを感じました。
次の作品は和モノですが、この作品で学んだ「芝居の中の自分の居方」みたいなものを生かしつつ、作品をよくするのは自分たちだと自覚をもって取り組んでほしいな、と思います。
それにしても、この下級生の使い方はすごい!!と思っていたら……実質的な演出指導は、助手の生田大和さんがなさったようですね。小池さんも、雪組「ロミオとジュリエット」、東宝「Mitsko」と複数の作品が同時進行している状況下で、こういう細かいところを安心して任せられる助手がいるのはありがたいことでしょうね。
生田さん、新作も観たいけど、こういう既存の名作を演出するのも巧いんですよねー。役者をよく観ているし、一人ひとりにあった使い方をしてくれる人だから。
柴田さんの古い作品も、中村暁さん木村信司さんばっかりじゃなくて、こういう若い人に演出を任せて再演したら、どうなるんでしょうね。大野さんの「紫子」も良かったし、そういう試みがこれから増えていくといいなあ。
……っていうか生田さん、次の大劇場公演も演出助手に入って、新公演出してくださいませんか?(*^ ^*)
それにしても、下級生含めて、宙組ッ子はみんな、本当にがんばっていた!と思います♪
そしたら当然、役付きのメンバーはそれ以上にがんばるはず!
ヴァレンチノと対立するN.Y.のギャング、ジャック・デソウル(悠未ひろ)と、メトロ映画の宣伝マンで、のちにヴァレンチノのマネージャー格になるジョージ・ウルマン(春風弥里)。
どちらも印象的な役で、歌も芝居もダンスも、どっちもすごくよかった(はぁと)です(*^ ^*)。
でも、今回の公演で、主筋となって物語を動かすのはヴァレンチノを取り巻く二人の女、でしたね。
「イタリア移民」という名の「エトランゼ」であり、出会う人すべてを愛していた素朴な田舎者、ルドルフ・ヴァレンチノ(大空祐飛)。
インテリだけど家庭的で優しい、母性愛に満ちた「嘘のプロフェッショナル」ジューン・マシス(野々すみ花)。
そして、勝気だけど素朴なアラバマの田舎娘の素顔を「ロシア人芸術家」という仮面の下に押し隠し、突っ張って生きてきたナターシャ・ランボア(七海ひろき)。
いやーーー、この三人のトライアングルは、本当に興味深かったです。
たぶん、初演・再演のキャラクターとは全然違うんだろうなあ、と思いながら観ておりました。うん、実に、実に!素敵だった♪
……と言いつつ、今日のところはこのあたりにさせてください……m(_ _)m。
そうこうしているうちに少しずつ少しずつライフラインの復旧が進み、一人でも多くの人々が日常に戻っていけると良いのですが。
とりあえず、私はとっくに成人しているし、今検出されている程度の放射能はまったく怖くないから、牛乳もほうれん草も捨てないで出荷してほしい………(T T)。
たとえ今後数値が上がったとしても、福島県は大変に広いので、福島県全域の農産物がダメになることはあり得ない。同じ県内といったって、浜通りの原子力発電所から県中央部なんて、東京と大して距離は変わらない(しかも間に山がある)んだから(T T)。
今まで散々風評におどらされてきた都会人ですけど、今回ばかりはセンセーショナルな風評に踊らされずに、福島県産の(出荷可能な)野菜はしっかり食べなくてはいけないな、と思っています。
本当の意味の「復興」は、義捐金ではまかなえない。義捐金にできることはライフラインが整うまでで、真実「復興」を遂げるためには、現地の産業を支え、その生産物を消費してあげなくてはいけないんですから。
被災地で苦しんでいるみなさまが、一日でも早く「日常」に戻れますように。
そして、「日常」に戻ってきた宝塚ファンのみなさまが、今回の宙組メンバーが精魂かけて再構築した「ヴァレンチノ」という名作の再々演を、関東で愉しむことができますように、と祈りつつ。
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ご心配くださったみなさま、大変失礼いたしました&ありがとうございました。
大震災からもうすぐ半月。いろいろなことがありましたが、なにはともあれ、この公演を観ることができた幸せを噛みしめています。
たぶん、たくさんの方々が東京で観るつもりだったり、ドラマシティに行く予定だったのに駄目になったりしていらっしゃることでしょう。
だから。
……観ることができた私は、この作品を語り伝えたいと思っています。
祐飛さんが終演後の挨拶で仰ったように、あの舞台に立っていた宙組っ子30人にいただいた勇気と元気と笑顔を、観にいけなかった方々と分け合うために。
笑顔になることを恐れることなく、
「ヴァレンチノ」という舞台によってたくさんの元気をもらったことに、ファンとしての誇りを持って。
なんて言ってはみたものの、今は本当にいろんなことがあって、なかなか文章をまとめる頭と時間がないのですが……(汗)。
たぶんあまり巧くお伝えできないと思うのですが(←ごめんなさい祐飛さん)、努力することは諦めないでいたいと思います。
ミュージカル「ヴァレンチノ」。
初演も再演もまったく知らない私が思ったことは。
とにかく、この作品でデビューした小池修一郎は、ホンモノの天才だったんだろうな、……と。
まあ、デビュー作とは言っても再演時にだいぶ手を入れられたようですから、今回上演されたものは完全な「デビュー作」ではないのかもしれませんが。
それでも、こういう題材をこういう切り口で!という着眼点と、非常に緻密に構成されたエピソードの積み重ね自体は最初から変わっていないはずですし、本当にお見事!としか言いようがなくて。
いやー、面白かったです。
最下まで全員に何かしら見せ場があって、しかも、その見せ場以外にも出番が多く、いろんなキャラクターのいろんな役で場面ごとに違うグループ芝居をしてたのがとても楽しかったです♪
私は公演のラストの方しか観ていませんが、初日頃とはだいぶ違う出来だったみたいですね(^ ^)。なによりも、みんながすごく頑張っていて、しかも楽しそうなのがすごく嬉しかったです(^ ^)。
通し役でないと学べないこともあるけれども、逆に、こうやっていろんな場面にいろんな役で小芝居しつつ、芝居の本筋や場面そのものを壊すことのないようにチェックしあって、全体で一つの「世界」を創り上げていくのを眺めるのは、なんというか……、ショーと同じ愉しみを感じました。
次の作品は和モノですが、この作品で学んだ「芝居の中の自分の居方」みたいなものを生かしつつ、作品をよくするのは自分たちだと自覚をもって取り組んでほしいな、と思います。
それにしても、この下級生の使い方はすごい!!と思っていたら……実質的な演出指導は、助手の生田大和さんがなさったようですね。小池さんも、雪組「ロミオとジュリエット」、東宝「Mitsko」と複数の作品が同時進行している状況下で、こういう細かいところを安心して任せられる助手がいるのはありがたいことでしょうね。
生田さん、新作も観たいけど、こういう既存の名作を演出するのも巧いんですよねー。役者をよく観ているし、一人ひとりにあった使い方をしてくれる人だから。
柴田さんの古い作品も、中村暁さん木村信司さんばっかりじゃなくて、こういう若い人に演出を任せて再演したら、どうなるんでしょうね。大野さんの「紫子」も良かったし、そういう試みがこれから増えていくといいなあ。
……っていうか生田さん、次の大劇場公演も演出助手に入って、新公演出してくださいませんか?(*^ ^*)
それにしても、下級生含めて、宙組ッ子はみんな、本当にがんばっていた!と思います♪
そしたら当然、役付きのメンバーはそれ以上にがんばるはず!
ヴァレンチノと対立するN.Y.のギャング、ジャック・デソウル(悠未ひろ)と、メトロ映画の宣伝マンで、のちにヴァレンチノのマネージャー格になるジョージ・ウルマン(春風弥里)。
どちらも印象的な役で、歌も芝居もダンスも、どっちもすごくよかった(はぁと)です(*^ ^*)。
でも、今回の公演で、主筋となって物語を動かすのはヴァレンチノを取り巻く二人の女、でしたね。
「イタリア移民」という名の「エトランゼ」であり、出会う人すべてを愛していた素朴な田舎者、ルドルフ・ヴァレンチノ(大空祐飛)。
インテリだけど家庭的で優しい、母性愛に満ちた「嘘のプロフェッショナル」ジューン・マシス(野々すみ花)。
そして、勝気だけど素朴なアラバマの田舎娘の素顔を「ロシア人芸術家」という仮面の下に押し隠し、突っ張って生きてきたナターシャ・ランボア(七海ひろき)。
いやーーー、この三人のトライアングルは、本当に興味深かったです。
たぶん、初演・再演のキャラクターとは全然違うんだろうなあ、と思いながら観ておりました。うん、実に、実に!素敵だった♪
……と言いつつ、今日のところはこのあたりにさせてください……m(_ _)m。
そうこうしているうちに少しずつ少しずつライフラインの復旧が進み、一人でも多くの人々が日常に戻っていけると良いのですが。
とりあえず、私はとっくに成人しているし、今検出されている程度の放射能はまったく怖くないから、牛乳もほうれん草も捨てないで出荷してほしい………(T T)。
たとえ今後数値が上がったとしても、福島県は大変に広いので、福島県全域の農産物がダメになることはあり得ない。同じ県内といったって、浜通りの原子力発電所から県中央部なんて、東京と大して距離は変わらない(しかも間に山がある)んだから(T T)。
今まで散々風評におどらされてきた都会人ですけど、今回ばかりはセンセーショナルな風評に踊らされずに、福島県産の(出荷可能な)野菜はしっかり食べなくてはいけないな、と思っています。
本当の意味の「復興」は、義捐金ではまかなえない。義捐金にできることはライフラインが整うまでで、真実「復興」を遂げるためには、現地の産業を支え、その生産物を消費してあげなくてはいけないんですから。
被災地で苦しんでいるみなさまが、一日でも早く「日常」に戻れますように。
そして、「日常」に戻ってきた宝塚ファンのみなさまが、今回の宙組メンバーが精魂かけて再構築した「ヴァレンチノ」という名作の再々演を、関東で愉しむことができますように、と祈りつつ。
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2011年のタカラヅカ【3】
2011年3月24日 宝塚(雪)今日はずいぶんいろんなことが発表された日でした♪
まずは、ともあれ、みみちゃん(舞羽美海)、雪組トップ娘役就任、おめでとうございます!
私がみみちゃんを一番最初に認識したのは、「凍てついた明日」Aチームのメアリー。
コマちゃん(沙央くらま)のレイモンドの恋人で、とっても可愛かった!!(*^ ^*)
でも、「マリポーサの花」は本公演も新人公演もいまひとつピンとこなくて、あれ?あの可愛いメアリーは荻田マジック?と思っていたのですが。
「オネーギン」で化けたみみちゃんが、、ジュリエットでさらに一皮むけて、今、満を持してトップになる!本当におめでとうございます。天の時、という言葉がありますが、まさにそんな気がしてなりません。
もしジュリエットから就任だったら、こんなに心の底から「おめでとう!」とは思わなかったかもしれない。でも、ジュリエットで魅せた可憐さ、まっすぐで一途な芝居、ちょっと細いけどそこそこ安定した娘役らしい歌唱力、そして、もともと売りダンス力。穴がなくなって、トータルで舞台を支えられるようになってきましたね。キムちゃんとの並びもだいぶ違和感がなくなって、努力したんだろうなあと思います。
本当に本当におめでとう!!ご活躍を祈っています。
キムちゃん・みみちゃんのトップコンビでの作品は、全国ツアー公演「黒い瞳/ロックオン」、梅田芸術劇場「ハウ・トゥ・サクシード」、そして、昨日発表された秋の大劇場公演「仮面の男/ROYAL STRAIGHT FLUSH」。
「メイちゃんの執事」で留学の成果(?)を披露した児玉さんの「仮面の男」。キムちゃん&みみちゃんの(悪夢のようだったかもしれないが)コンビでの初主演作「忘れ雪」以来の雪組ですが、いったいどうなることやら。まあ、題材は波乱万丈でとても楽しい冒険活劇なので、キムちゃんの明るさが生きればいい作品になるのではないか、と。そして、「リオ・デ・ブラボー!」の齋藤吉正さんが再登板。これは純粋に楽しみ♪
「ハウ・トゥ・サクシード」も、みみちゃんのローズマリーとチギちゃん(早霧せいな)のバドが発表されましたね。おおー。みみちゃんのローズマリーは、思い込みが激しくてちょっとヤバそうな感じがとっても似合いそう!(^ ^)なかなかツボになりそうです。
そして、集合日を迎えたばかりの「黒い瞳/ロックオン」。
「黒い瞳」の配役は、メインの4人(ニコライ・マーシャ・プガチョフ・エカテリーナ)は全員予想どおりでしたが、残念ながらそれ以外はほぼ全員外れでした(T T)。雪組関係でこんなに大きく外したのは初めてかも……。
まず、今回の目玉は、断然 サヴェーリィチ=一樹千尋ですよねっ!未沙さんの当たり役をヒロさんがどう演じるのか、滅茶苦茶楽しみ。
そして、マーシャに横恋慕する嫌味なシヴァープリンがコマちゃん。ここしばらくコミカルな役を好演していたので、久しぶりの嫌な奴、がんばってほしいです。
ひろみちゃん(彩那音)は、るんぱさん(真山葉瑠)の役。コサックの首領で重厚な芝居が必要な役なので、同じ月組育ちのひろみちゃんに来たのは納得だなあ。
そして、個人的にすっごく嬉しいのはがおりちゃん(香稜しずる)のマクシームィチ!!いやー、嬉しすぎます。本当に嬉しい(感涙)。いやぁ、がんばってほしいです。
3人の精霊は、凛城きら、彩風咲奈、煌羽レオ。一人くらい上級生が入るかも、と思っていたけど、思ったより若いメンバーでしたね。ものすごく重要な役なので、三人ともがんばってね♪
ロックオンの配役は、さっぱり予想もつきませんが、どんな風になるんでしょうね。
……なんだか想像がつかないー。みみちゃんも裸足で踊ってくれるのかしら(^ ^)。
昨日発表されたのはもう一つ、「ハウ・トゥ・サクシード」の裏で行われるバウ公演。
バウ・ワークショップ「灼熱の彼方」
作・演出/鈴木圭
■「オデュセウス編」主演:彩風咲奈
■「コモドゥス編」主演:彩凪翔
わずか5日間だけの短い公演ですが、同じ作品を二つの視点で描く、って面白そう!!
宙組が東宝で絶賛公演中のはずですが、観たいなあ……。
それにしても、彩凪くんは「オネーギン」以来急速に出てきていますねえ(@ @)。
たしかに美形なので、このまま実力面も安定してくると面白い存在なんですけどねえ(^ ^)。
昨日のラインナップで出たのは、雪組のほかに、星組のバウ公演と月組の本公演。
星組バウホール公演「ランスロット」
作・演出/生田大和
主演/真風涼帆
博多座公演が終わった直後に始まる公演。
いいなあ、生田さんかー!!←かなり羨ましいらしい。
月組大劇場公演「アルジェの男/Dance Romanesque」
「アルジェの男」は、柴田侑宏作、大野拓史演出。
作品も面白そうだし、楽しみなんですが………
あああっ!!大野さん、ここで大劇場作品を担当してしまうと、もう今年は宙組登板はあり得ないじゃんっっっ!!(T T)。
しょんぼり………
柴田&大野コンビと霧矢さんは、「紫子」以来ですね。あれも良かったしなあ……題材も面白そう。柴田作品の何が嬉しいって、娘役の大役があることですよね。その大役を誰がやるのか、とても楽しみ♪
「Dance Romanesque」は、月組ではお久しぶりの中村暁さん。雪組の「ミロワール」も凄く良かったので、単純に楽しみです。としちゃん(宇月颯)が、たくさん踊らせてもらえますように(祈)。
.
まずは、ともあれ、みみちゃん(舞羽美海)、雪組トップ娘役就任、おめでとうございます!
私がみみちゃんを一番最初に認識したのは、「凍てついた明日」Aチームのメアリー。
コマちゃん(沙央くらま)のレイモンドの恋人で、とっても可愛かった!!(*^ ^*)
でも、「マリポーサの花」は本公演も新人公演もいまひとつピンとこなくて、あれ?あの可愛いメアリーは荻田マジック?と思っていたのですが。
「オネーギン」で化けたみみちゃんが、、ジュリエットでさらに一皮むけて、今、満を持してトップになる!本当におめでとうございます。天の時、という言葉がありますが、まさにそんな気がしてなりません。
もしジュリエットから就任だったら、こんなに心の底から「おめでとう!」とは思わなかったかもしれない。でも、ジュリエットで魅せた可憐さ、まっすぐで一途な芝居、ちょっと細いけどそこそこ安定した娘役らしい歌唱力、そして、もともと売りダンス力。穴がなくなって、トータルで舞台を支えられるようになってきましたね。キムちゃんとの並びもだいぶ違和感がなくなって、努力したんだろうなあと思います。
本当に本当におめでとう!!ご活躍を祈っています。
キムちゃん・みみちゃんのトップコンビでの作品は、全国ツアー公演「黒い瞳/ロックオン」、梅田芸術劇場「ハウ・トゥ・サクシード」、そして、昨日発表された秋の大劇場公演「仮面の男/ROYAL STRAIGHT FLUSH」。
「メイちゃんの執事」で留学の成果(?)を披露した児玉さんの「仮面の男」。キムちゃん&みみちゃんの(悪夢のようだったかもしれないが)コンビでの初主演作「忘れ雪」以来の雪組ですが、いったいどうなることやら。まあ、題材は波乱万丈でとても楽しい冒険活劇なので、キムちゃんの明るさが生きればいい作品になるのではないか、と。そして、「リオ・デ・ブラボー!」の齋藤吉正さんが再登板。これは純粋に楽しみ♪
「ハウ・トゥ・サクシード」も、みみちゃんのローズマリーとチギちゃん(早霧せいな)のバドが発表されましたね。おおー。みみちゃんのローズマリーは、思い込みが激しくてちょっとヤバそうな感じがとっても似合いそう!(^ ^)なかなかツボになりそうです。
そして、集合日を迎えたばかりの「黒い瞳/ロックオン」。
「黒い瞳」の配役は、メインの4人(ニコライ・マーシャ・プガチョフ・エカテリーナ)は全員予想どおりでしたが、残念ながらそれ以外はほぼ全員外れでした(T T)。雪組関係でこんなに大きく外したのは初めてかも……。
まず、今回の目玉は、断然 サヴェーリィチ=一樹千尋ですよねっ!未沙さんの当たり役をヒロさんがどう演じるのか、滅茶苦茶楽しみ。
そして、マーシャに横恋慕する嫌味なシヴァープリンがコマちゃん。ここしばらくコミカルな役を好演していたので、久しぶりの嫌な奴、がんばってほしいです。
ひろみちゃん(彩那音)は、るんぱさん(真山葉瑠)の役。コサックの首領で重厚な芝居が必要な役なので、同じ月組育ちのひろみちゃんに来たのは納得だなあ。
そして、個人的にすっごく嬉しいのはがおりちゃん(香稜しずる)のマクシームィチ!!いやー、嬉しすぎます。本当に嬉しい(感涙)。いやぁ、がんばってほしいです。
3人の精霊は、凛城きら、彩風咲奈、煌羽レオ。一人くらい上級生が入るかも、と思っていたけど、思ったより若いメンバーでしたね。ものすごく重要な役なので、三人ともがんばってね♪
ロックオンの配役は、さっぱり予想もつきませんが、どんな風になるんでしょうね。
……なんだか想像がつかないー。みみちゃんも裸足で踊ってくれるのかしら(^ ^)。
昨日発表されたのはもう一つ、「ハウ・トゥ・サクシード」の裏で行われるバウ公演。
バウ・ワークショップ「灼熱の彼方」
作・演出/鈴木圭
■「オデュセウス編」主演:彩風咲奈
■「コモドゥス編」主演:彩凪翔
わずか5日間だけの短い公演ですが、同じ作品を二つの視点で描く、って面白そう!!
宙組が東宝で絶賛公演中のはずですが、観たいなあ……。
それにしても、彩凪くんは「オネーギン」以来急速に出てきていますねえ(@ @)。
たしかに美形なので、このまま実力面も安定してくると面白い存在なんですけどねえ(^ ^)。
昨日のラインナップで出たのは、雪組のほかに、星組のバウ公演と月組の本公演。
星組バウホール公演「ランスロット」
作・演出/生田大和
主演/真風涼帆
博多座公演が終わった直後に始まる公演。
いいなあ、生田さんかー!!←かなり羨ましいらしい。
月組大劇場公演「アルジェの男/Dance Romanesque」
「アルジェの男」は、柴田侑宏作、大野拓史演出。
作品も面白そうだし、楽しみなんですが………
あああっ!!大野さん、ここで大劇場作品を担当してしまうと、もう今年は宙組登板はあり得ないじゃんっっっ!!(T T)。
しょんぼり………
柴田&大野コンビと霧矢さんは、「紫子」以来ですね。あれも良かったしなあ……題材も面白そう。柴田作品の何が嬉しいって、娘役の大役があることですよね。その大役を誰がやるのか、とても楽しみ♪
「Dance Romanesque」は、月組ではお久しぶりの中村暁さん。雪組の「ミロワール」も凄く良かったので、単純に楽しみです。としちゃん(宇月颯)が、たくさん踊らせてもらえますように(祈)。
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オレンジ色のゆうひさん
2011年3月26日 宝塚(宙)一日遅れてしまいましたが、花組東宝劇場公演、初日おめでとうございます(^ ^)。
当面、平日夜公演は休演ということになったようですが、昼間の公演だけでも上演できる幸せを噛みしめて、がんばってほしいなと思います。
余計なことは考えないで、貴女たちのエネルギーとパワーを、それこそ太陽のように降り注いであげてください。それはきっと、なんらかの形で、被災された方々のところに届くはずだから。
私の観劇予定はまだ先ですが、みんなのパワーを受け止めて、それを伝えていける観客でいたいな、と思っています。できるかどうかわからないけど。
ま、とりあえず、福沢諭吉を握り締めて参りますわ(^ ^)。
今日は、本来ならば青年館で「ヴァレンチノ」が初日を迎えるはずだった日、です。
ニュースの映像で千秋楽の様子を観て、あらためて涙が出ました。
本来なら収録しないはずのドラマシティの千秋楽。満席の客席をつぶすわけにもいかず、音響ブースの脇にひっそりと一台だけあった少し小柄なカメラを、切なく思い出しました。
千秋楽の全編映像は無理なんですよねえ、きっと。すごく良い舞台だったので、遺してほしかった気がするのですが……まあ、ぼやいても仕方がない。同じメンバーで東上がかなうことを祈るのみ、です。
初演も再演も観ていませんが、なんとなくのイメージで、高嶺さんが演じられたナターシャ役はもっと支配的な存在だったんじゃないかな、と、台詞や歌の端々から思いました。
ちらっと観たことがある映像のイメージとか、魔術師メロソープ(天羽珠紀)の場面の雰囲気とか、、、からの想像ですが。
もしそうだったとするならば、この物語全体は、ルディーの成長物語になる……んですよね、たぶん。
「支配されるもの」であったルディー(ヴァレンチノ)が、ナターシャの支配を脱して「自分の意志で」マスコミと戦い、さらに愛する女性(ジューン)を取り戻すまでの物語、感じの。
そんなイメージを(あまり根拠なく)もっていたのですが、かいちゃん(七海ひろき)のナターシャは、ぜんぜんそんな感じではなかったんですよねー。
ぶ厚い鎧の下に本来の自分を押し隠して、「ロシア系の芸術家」として認められようとした、哀れな娘。
今回の再々演は、小池さんがプログラムで語っているとおり「台本は再演版を踏襲している。(中略)基本的に演出も一緒」なのですが。
「今の私(小池修一郎)がこの題材を書いたなら、やはりルディーとナターシャの愛のもつれを主軸にした物語になっていくだろう」という言葉のとおり、台本や演出の表向きは変わっていなくても、自然と(時代にあわせて?)ルディーとナターシャの関係性がメインのテーマになっていたと思います。
二人の対等な愛と、それ故に傷つけあう二人がすごく切なくて、痛々しくて……。でも、その時間があるからこそ、ジューンによって救われたルディーの強さが際立ったんだな、とも思いました。
ナターシャに支配されたのではなく、お互いに愛し合っていた二人。なのにすれ違ってしまったのは何故なのか?
それは結局、ナターシャの弱さだったんだろうな、と。
ルディーが愛した「ナターシャ」は、彼女自身が忘れたいと思っていた「素朴で一途なな田舎娘」の部分だった。その愛が真実であればあるほど、必死に外面を取り繕っていたナターシャは耐えられない。
真実の自分をさらけ出すには、ナターシャはもう、すれた大人になり過ぎて、身を守る鎧はあまりに厚すぎて。
ナターシャが愛した「ルディー」は、オレンジ色の夕日に染まった南向きの斜面を夢見る優しい農夫だったはずなのに、彼女自身がその愛を認められない。彼の「役者」の部分を愛しているのだと思いこもうとする。
突っ張った挙句の「芸術家」の仮面ごとナターシャを愛そうとしたルディーと、自分が変わるのが怖いばっかりに、ルディーをスクリーンの中の虚像に押し込めておきたいナターシャ。その矛盾が、ナターシャの芸術家としての感性をゆがめていく。……一幕ラストの「血と砂」撮影場面でルディーに着せる紅い闘牛服あたりから顕著になる、ナターシャのセンスの後退っぷりの具体的な実例に、目を覆いたくなりました。骨格自体が奇跡のような大空祐飛が演じるルディーに着せるにはあまりにもゴテゴテと飾りが多すぎて、もの凄くスタイルが悪く見えるし(^ ^;ゞ。脚の太さの半分以上を占める太いラインとか、ホント邪魔!!と(汗)。ナターシャが彼に恋するあまり、彼をこれ以上売りたくないんだとしか思えませんでした……(←考えすぎ)。
ルディーが恋したナターシャと、ルディーが愛したジューン。
そして、
ルディーの虚像に恋したナターシャと、ルディーそのものを愛したジューン。
……でも、ジューンだって、ルディーと出会ったばかりの時は、完全に恋する乙女だったんですよね。
最初の出会いの夜。
別れ際に「待って!」と呼びかけるすみ花ちゃんのジューンは、どうみても「ロミオとジュリエット」のバルコニーシーンみたいでした。
呼びかけてから「あら?私なんで引き止めちゃったのかしら?」とハテナが飛んでいたのが可愛くて可愛くて、萌まくり(^ ^)。
引き止めちゃった理由をなんと説明しようか部屋の中をキョロキョロして、「あっ!」という顔をしてテーブルに置きっぱなしのオレンジの枝を取りに行くジューン。その背に生えた透明な翼が、とても可愛らしかった(*^ ^*)。
そして、呼ばれて振り返ったルディーの、どうみても他意のない、「ん?なに?」という罪のない笑顔も、とても好きです(はぁと)。
あの罪のない笑顔が、ルディーをスターにしたんだろうなあ……。
「ラテン・ラバー」……そういえば、祐飛さんって意外とラテン男の役が多いような気がします。
同期の瀬奈さんみたいに、ショーでのラテン場面を得意とするタイプでは全然ないけど、「血と砂」のプルミタスはスペイン人、「Hollywood Lover」のステファーノはイタリア人。……なんとなく、素朴とクールのブレンド具合が絶妙に女心をくすぐるタイプなんですよね、不思議なくらいに。
銀ちゃんと、ルディー。どちらも「映画スター」の役ですが。
性格も運命も180度違っているようで、不思議なくらいどちらも「大空祐飛」のキャラクターにぴったりに見えるのは、なんらかの共通点なあるからなのかもしれません。
だとしたら多分、どちらも「本気じゃなかったことなんてない!」から、なんだろうな……
ヤスを殴るのも、小夏を蹴るのも、ナターシャに優しい言葉をかけるのも、全部「本気」だから。だから愛されるし、愛することができる。あたしの銀ちゃん、あたしのルディー。祐飛さんとすみ花ちゃんは、そういう、ちょっとずれた「愛」が似合うコンビなのかもしれません。
「ヴァレンチノ」。
観る前に持っていたイメージは、「夭折した大スター」の愛と死の悲劇の物語、だったのですが。
実際に観て驚いたのは、ラストの印象がとても前向きで、後味がすごく明るかったこと、です。
ネタ的には、児玉さんの迷作「忘れ雪」と同じような終わり方なんですけど、終わらせ方を工夫するだけでこんなに爽やかな後味が残せるんだな、と感心しました。
最後にジューンに渡されるオレンジの枝。それは、初めて出会った夜にジューンがルディーに渡した「希望」であり、「夢」だった。それが返されたことがとても切なくて、でも、それをちゃんと返せたルディーが、とても幸せそうにもみえて。
これはルディーの成長物語というよりは、ルディーの「愛」の物語なんだな、と思ったのでした。
すみ花ちゃんのラストの絶唱と、彼女の心の中にあったルディーのイメージの美しさ(ゴテゴテした飾りのないシンプルな衣装を着た、4人の役者たち)。
そして、ジョージ(春風弥里)の温かな語り口。
心に残る、素晴らしいラストでした。小池さん、素敵な作品を、ありがとうございました!
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当面、平日夜公演は休演ということになったようですが、昼間の公演だけでも上演できる幸せを噛みしめて、がんばってほしいなと思います。
余計なことは考えないで、貴女たちのエネルギーとパワーを、それこそ太陽のように降り注いであげてください。それはきっと、なんらかの形で、被災された方々のところに届くはずだから。
私の観劇予定はまだ先ですが、みんなのパワーを受け止めて、それを伝えていける観客でいたいな、と思っています。できるかどうかわからないけど。
ま、とりあえず、福沢諭吉を握り締めて参りますわ(^ ^)。
今日は、本来ならば青年館で「ヴァレンチノ」が初日を迎えるはずだった日、です。
ニュースの映像で千秋楽の様子を観て、あらためて涙が出ました。
本来なら収録しないはずのドラマシティの千秋楽。満席の客席をつぶすわけにもいかず、音響ブースの脇にひっそりと一台だけあった少し小柄なカメラを、切なく思い出しました。
千秋楽の全編映像は無理なんですよねえ、きっと。すごく良い舞台だったので、遺してほしかった気がするのですが……まあ、ぼやいても仕方がない。同じメンバーで東上がかなうことを祈るのみ、です。
初演も再演も観ていませんが、なんとなくのイメージで、高嶺さんが演じられたナターシャ役はもっと支配的な存在だったんじゃないかな、と、台詞や歌の端々から思いました。
ちらっと観たことがある映像のイメージとか、魔術師メロソープ(天羽珠紀)の場面の雰囲気とか、、、からの想像ですが。
もしそうだったとするならば、この物語全体は、ルディーの成長物語になる……んですよね、たぶん。
「支配されるもの」であったルディー(ヴァレンチノ)が、ナターシャの支配を脱して「自分の意志で」マスコミと戦い、さらに愛する女性(ジューン)を取り戻すまでの物語、感じの。
そんなイメージを(あまり根拠なく)もっていたのですが、かいちゃん(七海ひろき)のナターシャは、ぜんぜんそんな感じではなかったんですよねー。
ぶ厚い鎧の下に本来の自分を押し隠して、「ロシア系の芸術家」として認められようとした、哀れな娘。
今回の再々演は、小池さんがプログラムで語っているとおり「台本は再演版を踏襲している。(中略)基本的に演出も一緒」なのですが。
「今の私(小池修一郎)がこの題材を書いたなら、やはりルディーとナターシャの愛のもつれを主軸にした物語になっていくだろう」という言葉のとおり、台本や演出の表向きは変わっていなくても、自然と(時代にあわせて?)ルディーとナターシャの関係性がメインのテーマになっていたと思います。
二人の対等な愛と、それ故に傷つけあう二人がすごく切なくて、痛々しくて……。でも、その時間があるからこそ、ジューンによって救われたルディーの強さが際立ったんだな、とも思いました。
ナターシャに支配されたのではなく、お互いに愛し合っていた二人。なのにすれ違ってしまったのは何故なのか?
それは結局、ナターシャの弱さだったんだろうな、と。
ルディーが愛した「ナターシャ」は、彼女自身が忘れたいと思っていた「素朴で一途なな田舎娘」の部分だった。その愛が真実であればあるほど、必死に外面を取り繕っていたナターシャは耐えられない。
真実の自分をさらけ出すには、ナターシャはもう、すれた大人になり過ぎて、身を守る鎧はあまりに厚すぎて。
ナターシャが愛した「ルディー」は、オレンジ色の夕日に染まった南向きの斜面を夢見る優しい農夫だったはずなのに、彼女自身がその愛を認められない。彼の「役者」の部分を愛しているのだと思いこもうとする。
突っ張った挙句の「芸術家」の仮面ごとナターシャを愛そうとしたルディーと、自分が変わるのが怖いばっかりに、ルディーをスクリーンの中の虚像に押し込めておきたいナターシャ。その矛盾が、ナターシャの芸術家としての感性をゆがめていく。……一幕ラストの「血と砂」撮影場面でルディーに着せる紅い闘牛服あたりから顕著になる、ナターシャのセンスの後退っぷりの具体的な実例に、目を覆いたくなりました。骨格自体が奇跡のような大空祐飛が演じるルディーに着せるにはあまりにもゴテゴテと飾りが多すぎて、もの凄くスタイルが悪く見えるし(^ ^;ゞ。脚の太さの半分以上を占める太いラインとか、ホント邪魔!!と(汗)。ナターシャが彼に恋するあまり、彼をこれ以上売りたくないんだとしか思えませんでした……(←考えすぎ)。
ルディーが恋したナターシャと、ルディーが愛したジューン。
そして、
ルディーの虚像に恋したナターシャと、ルディーそのものを愛したジューン。
……でも、ジューンだって、ルディーと出会ったばかりの時は、完全に恋する乙女だったんですよね。
最初の出会いの夜。
別れ際に「待って!」と呼びかけるすみ花ちゃんのジューンは、どうみても「ロミオとジュリエット」のバルコニーシーンみたいでした。
呼びかけてから「あら?私なんで引き止めちゃったのかしら?」とハテナが飛んでいたのが可愛くて可愛くて、萌まくり(^ ^)。
引き止めちゃった理由をなんと説明しようか部屋の中をキョロキョロして、「あっ!」という顔をしてテーブルに置きっぱなしのオレンジの枝を取りに行くジューン。その背に生えた透明な翼が、とても可愛らしかった(*^ ^*)。
そして、呼ばれて振り返ったルディーの、どうみても他意のない、「ん?なに?」という罪のない笑顔も、とても好きです(はぁと)。
あの罪のない笑顔が、ルディーをスターにしたんだろうなあ……。
「ラテン・ラバー」……そういえば、祐飛さんって意外とラテン男の役が多いような気がします。
同期の瀬奈さんみたいに、ショーでのラテン場面を得意とするタイプでは全然ないけど、「血と砂」のプルミタスはスペイン人、「Hollywood Lover」のステファーノはイタリア人。……なんとなく、素朴とクールのブレンド具合が絶妙に女心をくすぐるタイプなんですよね、不思議なくらいに。
銀ちゃんと、ルディー。どちらも「映画スター」の役ですが。
性格も運命も180度違っているようで、不思議なくらいどちらも「大空祐飛」のキャラクターにぴったりに見えるのは、なんらかの共通点なあるからなのかもしれません。
だとしたら多分、どちらも「本気じゃなかったことなんてない!」から、なんだろうな……
ヤスを殴るのも、小夏を蹴るのも、ナターシャに優しい言葉をかけるのも、全部「本気」だから。だから愛されるし、愛することができる。あたしの銀ちゃん、あたしのルディー。祐飛さんとすみ花ちゃんは、そういう、ちょっとずれた「愛」が似合うコンビなのかもしれません。
「ヴァレンチノ」。
観る前に持っていたイメージは、「夭折した大スター」の愛と死の悲劇の物語、だったのですが。
実際に観て驚いたのは、ラストの印象がとても前向きで、後味がすごく明るかったこと、です。
ネタ的には、児玉さんの迷作「忘れ雪」と同じような終わり方なんですけど、終わらせ方を工夫するだけでこんなに爽やかな後味が残せるんだな、と感心しました。
最後にジューンに渡されるオレンジの枝。それは、初めて出会った夜にジューンがルディーに渡した「希望」であり、「夢」だった。それが返されたことがとても切なくて、でも、それをちゃんと返せたルディーが、とても幸せそうにもみえて。
これはルディーの成長物語というよりは、ルディーの「愛」の物語なんだな、と思ったのでした。
すみ花ちゃんのラストの絶唱と、彼女の心の中にあったルディーのイメージの美しさ(ゴテゴテした飾りのないシンプルな衣装を着た、4人の役者たち)。
そして、ジョージ(春風弥里)の温かな語り口。
心に残る、素晴らしいラストでした。小池さん、素敵な作品を、ありがとうございました!
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オレンジ色のヴァレンチノ
2011年3月27日 宝塚(宙)宙組バウ公演「記者と皇帝」、千秋楽おめでとうございます。
無事バウホールで観ることができましたが、さすが大野さんらしい、ハートフルな物語で、とても面白かったです。
とにかく、皇帝の磯野さんと、清掃局長のちや姉(風莉じん)が、素晴らしかった!!「街いっぱいに花を咲かせたかった……」というちや姉の台詞に、思いっきり涙腺が緩みました(; ;)。
あああ……大野さんに、祐飛さん主演でコメディを創ってほしかった……(号泣)。
さて、「ヴァレンチノ」。
まずは時系列に沿って書いてみたいと思います。
<第一幕>
■序章 クリーヴランド号甲板
1913年12月23日。
イタリアからの移民船クリーヴランド号の甲板で、子供たち(綾瀬・百千)が騒ぎだす。
「自由の女神だ!」
「アメリカだ!!」
なだめる母親(美風)のなだめる声にも耳を貸さず、騒ぐ子供が、一人の青年の足許で転ぶ。咄嗟に彼を助け起こした青年こそ、後のルドルフ・ヴァレンチノ(大空祐飛)。新大陸でオレンジ農園を手に入れる夢を抱いた18歳の青年は、朝靄の中に浮かび上がる自由の女神(Statue of Liberty)を見凝めていた……。
きゃらきゃらとじゃれあうえびちゃんとアリエッティが可愛くて可愛くて!!そして、二人をそっとなだめるあおいさんの低い声がとても優しくて素敵。
今回あおいさんは大活躍だったんですが、このお母さんもとても良かったです。
三等船室に窓はないので、あれはみんな甲板に出てるんですよね?船の上は暗いので、なんとなく朝靄の中にうかびあがる自由の女神を思い浮かべていたんですけど、彼らはいったい何をするために甲板にいたんだ?
早起きの子供たちが甲板に遊びに出て自由の女神を見つけ、三等船室まで母親を呼びに行った……みたいな感じなのかな?
ニューヨークの自由の女神像は、湾内にあるリバティ島に立ってるので、ニューヨークの摩天楼とあんなふうに並んだりはしないんだけどなあ……という違和感に目をつぶれば、とても良い場面でした。
ちょっと舞台が暗くて移民たちの一人ひとりの表情まで見えなかったのが残念。
船長(寿)とルディーの会話がとても良かった!自然な感じのカタコトでの会話と、さりげなく入る固有名詞の巻き舌感。すっしーさんの穏やかな声が、アメリカという国の懐の深さのようで。それに対して、必死になって語りかけるルディーの言葉が、彼の一途な野心をあらわすようで、その素朴なひたむきさが、とても好きでした。
■第1場 マキシム
ルディーが「職を点々としたあと、ダンスホールのマキシムでNo.1ダンサーになった」という説明が紗幕に出て、「1918年」という案内が出た……と思うので、NYに着いてから5年、ルディーは23歳。
紗幕があがると、マキシムの大ホール。お揃いの衣装のダンサーたちと踊る女性たち。
そんな中、うろうろとお目当てのダンサーを探しているマダム(美風舞良)。ダンサーって要はホストってことなのね?(^ ^;客に指名権があって、でもその指名されたダンサーがあいてなければ大人しく待つしかない、と。
奥の扉があいて、ルディーが登場。いやー、カッコいいです。さすが。
美風さんのマダムが恨み事を言うのを軽くいなしながら踊りだす。他のダンサーと踊っている女性たちがいっせいに注目するのがちょっと面白いです。
「貴族の出ですよ」と言いながら、マダムの出すお金を受け取るまでのクールな佇まいと、「ありがとう!」と破顔一笑してからの元気なルディーとのギャップがとても可愛い♪
マフィアの情婦・ビアンカ(大海)が登場。
次のタンゴは自分と踊るように要求して、激しく踊りだす。決してダンスが得意ではない祐飛さんですけど、いろいろな経験を経て、タンゴだけはかろうじて格好がつくんですよね(はぁと)。えっちゃんの華やかなダンスをしっかり支えていたと思います♪
個人的に「黒い瞳」は学生時代の思い出もあってとても好きな曲なので、こういう形でタンゴに編曲されて使われているのを聴くとなんだかテンションがあがります。なんか嬉しい♪
そこになだれ込んでくる黒服の男たち。鳳樹いち、美月遥の二人を従えたジャック・デ・ソウル(悠未ひろ)の迫力はさすがですが、ビアンカに銃を奪われてからのヘタレっぷりも素敵でした(^ ^)。
マフィアたちが入ってきて銃を向けたとき、思いっきり怯えて客の女性の後ろに隠れようとしてたダンサーが何人かいましたが……誰だったっけ。えなちゃん(月映)とか七生くんとかだったかな。違ってたらすみません。
……ダンサーと女性たちのペアもチェックしたのに、すっかり忘れちゃったなあ……。観たらすぐ書かなくては、っていうのはいつも思うことなんだけどなあ。
■第2場 カリフォルニア~ハリウッド
ビアンカにすぐニューヨークを出て西海岸に向かうよう言われ、大陸横断鉄道に乗るルディー。
ともちん・あおいさん・えっちゃんでカリフォルニアの歌を歌ってくれたのは楽しかったですが、ますますデ・ソウルが可愛いヘタレに見えて仕方ない……。いいのかなあ、あれ。2幕のラストを考えると、デ・ソウルはあくまでも強面でいてほしいような気がするのですが……。
ダンサーや客の女性たちから早替りでエキストラになったメンバーがセット裏で踊っているのが楽しいです。ジャンプして斜めに反る(?)振りがあるんですが、えびちゃんのジャンプ力に毎回瞠目しておりました。可愛いー!!
カリフォルニアに着いたルディーを迎えてくれる車掌(星吹彩翔)の声がとても良くて、「歓迎」されているな、と感じました(^ ^)。声が良いって、それ自体が素晴らしいことだ!!と思いつつ。
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無事バウホールで観ることができましたが、さすが大野さんらしい、ハートフルな物語で、とても面白かったです。
とにかく、皇帝の磯野さんと、清掃局長のちや姉(風莉じん)が、素晴らしかった!!「街いっぱいに花を咲かせたかった……」というちや姉の台詞に、思いっきり涙腺が緩みました(; ;)。
あああ……大野さんに、祐飛さん主演でコメディを創ってほしかった……(号泣)。
さて、「ヴァレンチノ」。
まずは時系列に沿って書いてみたいと思います。
<第一幕>
■序章 クリーヴランド号甲板
1913年12月23日。
イタリアからの移民船クリーヴランド号の甲板で、子供たち(綾瀬・百千)が騒ぎだす。
「自由の女神だ!」
「アメリカだ!!」
なだめる母親(美風)のなだめる声にも耳を貸さず、騒ぐ子供が、一人の青年の足許で転ぶ。咄嗟に彼を助け起こした青年こそ、後のルドルフ・ヴァレンチノ(大空祐飛)。新大陸でオレンジ農園を手に入れる夢を抱いた18歳の青年は、朝靄の中に浮かび上がる自由の女神(Statue of Liberty)を見凝めていた……。
きゃらきゃらとじゃれあうえびちゃんとアリエッティが可愛くて可愛くて!!そして、二人をそっとなだめるあおいさんの低い声がとても優しくて素敵。
今回あおいさんは大活躍だったんですが、このお母さんもとても良かったです。
三等船室に窓はないので、あれはみんな甲板に出てるんですよね?船の上は暗いので、なんとなく朝靄の中にうかびあがる自由の女神を思い浮かべていたんですけど、彼らはいったい何をするために甲板にいたんだ?
早起きの子供たちが甲板に遊びに出て自由の女神を見つけ、三等船室まで母親を呼びに行った……みたいな感じなのかな?
ニューヨークの自由の女神像は、湾内にあるリバティ島に立ってるので、ニューヨークの摩天楼とあんなふうに並んだりはしないんだけどなあ……という違和感に目をつぶれば、とても良い場面でした。
ちょっと舞台が暗くて移民たちの一人ひとりの表情まで見えなかったのが残念。
船長(寿)とルディーの会話がとても良かった!自然な感じのカタコトでの会話と、さりげなく入る固有名詞の巻き舌感。すっしーさんの穏やかな声が、アメリカという国の懐の深さのようで。それに対して、必死になって語りかけるルディーの言葉が、彼の一途な野心をあらわすようで、その素朴なひたむきさが、とても好きでした。
■第1場 マキシム
ルディーが「職を点々としたあと、ダンスホールのマキシムでNo.1ダンサーになった」という説明が紗幕に出て、「1918年」という案内が出た……と思うので、NYに着いてから5年、ルディーは23歳。
紗幕があがると、マキシムの大ホール。お揃いの衣装のダンサーたちと踊る女性たち。
そんな中、うろうろとお目当てのダンサーを探しているマダム(美風舞良)。ダンサーって要はホストってことなのね?(^ ^;客に指名権があって、でもその指名されたダンサーがあいてなければ大人しく待つしかない、と。
奥の扉があいて、ルディーが登場。いやー、カッコいいです。さすが。
美風さんのマダムが恨み事を言うのを軽くいなしながら踊りだす。他のダンサーと踊っている女性たちがいっせいに注目するのがちょっと面白いです。
「貴族の出ですよ」と言いながら、マダムの出すお金を受け取るまでのクールな佇まいと、「ありがとう!」と破顔一笑してからの元気なルディーとのギャップがとても可愛い♪
マフィアの情婦・ビアンカ(大海)が登場。
次のタンゴは自分と踊るように要求して、激しく踊りだす。決してダンスが得意ではない祐飛さんですけど、いろいろな経験を経て、タンゴだけはかろうじて格好がつくんですよね(はぁと)。えっちゃんの華やかなダンスをしっかり支えていたと思います♪
個人的に「黒い瞳」は学生時代の思い出もあってとても好きな曲なので、こういう形でタンゴに編曲されて使われているのを聴くとなんだかテンションがあがります。なんか嬉しい♪
そこになだれ込んでくる黒服の男たち。鳳樹いち、美月遥の二人を従えたジャック・デ・ソウル(悠未ひろ)の迫力はさすがですが、ビアンカに銃を奪われてからのヘタレっぷりも素敵でした(^ ^)。
マフィアたちが入ってきて銃を向けたとき、思いっきり怯えて客の女性の後ろに隠れようとしてたダンサーが何人かいましたが……誰だったっけ。えなちゃん(月映)とか七生くんとかだったかな。違ってたらすみません。
……ダンサーと女性たちのペアもチェックしたのに、すっかり忘れちゃったなあ……。観たらすぐ書かなくては、っていうのはいつも思うことなんだけどなあ。
■第2場 カリフォルニア~ハリウッド
ビアンカにすぐニューヨークを出て西海岸に向かうよう言われ、大陸横断鉄道に乗るルディー。
ともちん・あおいさん・えっちゃんでカリフォルニアの歌を歌ってくれたのは楽しかったですが、ますますデ・ソウルが可愛いヘタレに見えて仕方ない……。いいのかなあ、あれ。2幕のラストを考えると、デ・ソウルはあくまでも強面でいてほしいような気がするのですが……。
ダンサーや客の女性たちから早替りでエキストラになったメンバーがセット裏で踊っているのが楽しいです。ジャンプして斜めに反る(?)振りがあるんですが、えびちゃんのジャンプ力に毎回瞠目しておりました。可愛いー!!
カリフォルニアに着いたルディーを迎えてくれる車掌(星吹彩翔)の声がとても良くて、「歓迎」されているな、と感じました(^ ^)。声が良いって、それ自体が素晴らしいことだ!!と思いつつ。
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オレンジ色のヴァレンチノ【2】
2011年3月28日 宝塚(宙)ドラマシティ公演「ヴァレンチノ」。
■第3場 メトロ撮影所
メトロ映画の撮影所で、エキストラの仕事を探すルディー。
この場面は、回りのメンバーにおされて仕事がもらえないルディーのオロオロっぷりよりなにより、とにかく仕事を取ろう!!というメンバーが面白すぎで目が離せませんでした(^ ^)。
まず、配役係のまりなちゃん(七生眞希)が、下級生なのになかなか良い声で、良い芝居をしていましたねー。エキストラ希望のメンバーが濃い人ばかりの中で、ちょっととぼけた感じですいすい配役していて、微妙にヘタレた感じが可愛かったです。
「サロメの侍女!小柄な人!」と呼ばれて、アリエッティ(百千糸)やえびちゃん(綾瀬あきな)が選ばれていく中、公称164cmの彩花まりちゃんが膝を曲げて小さくなって役を取っていくのが、何度観ても笑えました(^ ^)。そして、するするっとえびちゃんより小さくなっておいて、まりなちゃんに指名された途端、再びするするっと膝を伸ばして大きくなる彼女を横目で見ながら、「えええーーーっ!?」という顔をしているメンバーにも、めっちゃ笑わせていただきました。
可愛い青いワンピで、役を取るために目立つ場所を取ろうとうろうろしたあげく、タイミングを外しまくって仕事がとれない(琴羽)桜子。
「老人!」って言われてあわてて老人になりきって役をGETしていたのは誰だったかっけ??その彼について、まるで介助者であるかのようなさりげない芝居をしながらスタジオに入っていく桜子がとても不思議(^ ^)。中に入ってどうするんだ?ギャラはもらえるのだろうか…?
なかなか仕事が取れなくて泣き崩れるのは、可愛いピンクのワンピースに身を包んだ風馬翔。背は高いけどおとなしそうな役作りで、もしかしてどっかのお嬢さんなんじゃないの?という雰囲気。
それが、殆ど終わりかけた頃に「ゴリラ役!6フィート以上!……ああ、君だ!」とまりなちゃんに言われて、本気で吃驚して戸惑っているように見えたのがツボでした。かけるくん、良い味出してるわ~~!!
でも、なんといっても、まりなちゃんが
「今日はここまで!……また、明日」
と涼やかに言ってのけて袖にはけた後、がっくりと肩を落とし、ルディーに一言ぼやいて去っていくこーまい(光海舞人)の、なんとも言えない弱々しい背中が、とても印象的でした。
「もう二日も食ってない…」と呟きながらルディーが口ずさむ歌が、とても切なく、遠くを見上げるルディーのうつろな瞳が、とても好きでした。
■第4場 ジューンのバンガロー
オレンジの樹が立ち並ぶバンガロー。脚本家のジューン(野々すみ花)が、「黙示録の四騎士」の脚本を直しながら電話をしている。
「ジュリオはアルゼンチン人なのよ!アングロ・サクソンの男には無理ね。ラテン系の新人を探して頂戴!」
プライドの高い、理知的で有能なクリエーターの貌。
すみ花ちゃんの、これは久々の当たり役だと思いました。
宛書きかと思ったくらいに嵌ってたし、なにより本当に魅力的(はぁと)。しっかりした大人の女でありながら、ハンサムなラテン男にイカれて頬を染める少女のような可愛らしさも併せ持っている二重性が、すごくすみ花ちゃんらしいな、と。
庭に忍び込んできた怪しい男にまっすぐ銃を向ける強さと、空砲を鳴らすときの悪戯っ子のようなコケティッシュな笑顔。
ああもう、すみ花ちゃんかわいーーーーーっ!!
ルディーと話しているうちにどんどん表情が柔らかくなって、どんどん気を許していくのが目に見えるのが凄い。優しくて親切な、情の深い女性。
そんなジューンに、特に興味を持った様子でもなく、「女性には優しく」というイタリア男の本能のままに笑顔を見せるルディーは、本当に可愛くて、罪な男だな、と思いますね。
祐飛さんったら、研20を目前にしてこんなに可愛くなるとは!!
「血と砂」や「The Last Party」の少年時代も可愛かったけど、あれから何年経ったんだ?ここ数年、若者役や少年時代を演じる機会もめっきり減りましたが(汗)、今回、全編を通して迸る「若さ」というエネルギーに吃驚しました。
ものすごく素朴で真っ直ぐな、シンプルなエネルギー。ジューンを巻き込み、彼女の心を攫っていくラテン・ラバー。
ラテン・ラバーっていうのは、色気で女をたらしこむ男ではなく、ジューンの歌う歌詞にあるとおりの「情熱の恋人、灼熱の恋」……計算のない、本能に生きる男、なんでしょうね、きっと。獲物を狙ったことなどなく、ただそこに立っているだけで女が惹きつけられる。意志ではなく、本能的な魅力。
ナウオンで祐飛さんが「今まで、ルディーはいつでも誰かに助けてもらってた」と言っていましたが、思わず助けたくなってしまう魅力って確かにあるんだなあ、と思いました。
ジューンの部屋に招き入れられて、手当を受けるルディー。
「いてっ!」という悲鳴が情けなくてとても良いです(^ ^;ゞ。
ジューンのタイプライターに興味をもって、断りもせずにつっつく様子は、まるで好奇心いっぱいの仔猫みたい。ジューンが持ってきてくれた夜食のソーセージを頬張る姿は、悪ガキそのもの。
それを見守るジューンの楽しげな笑顔がまた良いんですよねー。一人暮らしで、電話以外には話す相手もいない(かもしれない)女性が、元気な悪ガキを眺める優しいまなざし。
包み込むような、温かな、やわらかな視線。
ルディーの夢見るアランチャ実る丘を、ルディーと同じ夢を見る、ジューン。
「ホントにうまくいくと思う!?」
と問われて、笑顔で「ええ」と答える大人の女。勢いのまま、そんなジューンに抱きつくルディー。抱きつかれて焦るジューン……紅く染まった頬、大きく見開かれ、煌めいた瞳。どんどん、母親目線から恋する乙女になっていくジューンが、本当に魅力的でした。
軽やかにイタリア語で「おやすみ」と言って背を向ける男に、思わず「待って」と声をかけるジューン。
引き止めて何を言おうとしたのでもない、ただ、引き止めるためだけに掛けた声。
雪組さんの「ロミオとジュリエット」を観た直後だったので、余計にジュリエットとジューンの共通点を強く感じました。
かけられた声に振り向いた男の問いかけるような笑顔に、思わず何かを求めて部屋の中を見回し、机の上に置きっぱなしになっていたアランチャの枝を取り上げて、手渡す。
ジューンからルディーに渡される、「希望」の枝。
見えなくなった背中に向かってかるく手を挙げ、「チャオ!」と囁いて照れる女心。
すっかり舞い上がって、恋をした少女そのもののようなジューン。こめかみに短銃をあてても、幸せそうに笑み崩れてしまうところも本当に可愛い。
学年で13年も離れている祐飛さんとすみ花ちゃんの、新たな可能性をあらためて見せてくれた場面でした。
ちなみに。
最近で祐飛さんが演じた若者の役って、「RED HOT SEA」の「砂浜」になるのかな…?あれは若さというよりピュアさが前面に出ていた印象ですが、若さもすごく感じたしなー。
……その前って、もしかして「パリの空よりも高く」か?(- -;ゞ
そういえば。ラジオの「ただいまの曲を持ちまして、放送を終了させていただきます」という落ち着いたアナウンスは、誰の声なんでしょうか。真剣に聞いたけど、どうもよくわからない…(T T)。
■第5場 ジョージのオフィス
翌朝、メトロ映画の宣伝マン、ジョージ・ウルマン(春風弥里)のオフィス。秘書のアリス(瀬音リサ)が、勝手に入ってきた客を追ってくる。
みーちゃんのジョージも本当に当たり役ですよね!(はぁと)。
明るくて、優しくて、情が深くて、温かい。彼がジューンを愛したのは当然だし、ジューンが似すぎている彼ではなくルディーを選んだのも仕方のないことだった。
ジューンはクリエーターで、ジョージはそのクリエートを支える存在だったから。
彼女にインスピレーションを与えてくれるのはルディーだけ。そんな二人。
アリスのありさちゃんもめっちゃ可愛かった(*^ ^*)。この役、再演では純名里沙ちゃんが演じていたそうですが、道理でキレイなソプラノでした。この声で選ばれたのかな?
いかにも「新進娘役」がやりそうな可愛らしい儲け役で、みーちゃんとの並びも可愛かったです。しっかりした有能な秘書にちゃんと見えたところがツボ。
「浮浪者のような」ルディーを変身させる「魔法の鏡」。
一流映画会社の宣伝マンであるジョージが抱えるスタイリストとメーキャップアーチストが、総出でルディーを飾り立てる。舞台の上で、服装のみならず髪型からメークまで全部替える、まさに「魔法の」演出でした。
ヘアのまっぷー(松風輝)、メークの(美影)凜ちゃん、そして衣装係のえなちゃん(月映樹茉)他のメンバー。せっせと働く彼らのキビキビした動きに、「Hollywood Lover」のスタッフたちを思い出しました。プロって凄いなー。
個人的に、衣装を一枚一枚丁寧に形を整えて、脚を通しやすいように、袖を通しやすいように、と舞台上でセットしているえなちゃんの仕草がとても好きでした(^ ^)。
それにしても。僅かな時間でちゃんと髪もメークも直している祐飛さんはやっぱり凄いな……。
■第6場 黙示録の四騎士のセット
ジョージに「ルドルフ・ヴァレンチノ」という名前を与えられたルディー。
ヴァレンチノとしての初仕事に臨む。
ヒロイン役の桜子と踊る蒼羽りく。二人に次々指示を飛ばすイングラム監督のこーまい。さっぱり思うような画が撮れず、段々機嫌が悪くなっていく監督に声をかけるジューン。
……あれ?こーまいってば、さっき(第3場)まで失業者だったのに、一晩明けたら監督になってる……?(←いいから放っておきなさい)
せっかく桜子とりっくんが組んでいるのに、振付がイマイチで残念……いや、そこで格好良く踊られても困るんですが(汗)。でもでも、やっぱり残念ー。
祐飛さんのジュリオは、振付にだいぶ助けられてましたが(^ ^;ゞ、いやでも、格好良いからいいんです、よねっ!?
桜子のダンスが、パートナーが変わったとたんに凄くしなやかに色っぽくなるのが良いです(*^ ^*)。りっくんと踊ってるときは「怒ってる」っていう芝居もしているから当然なのかもしれませんが……ダンサーって凄いなあ。
ヘア・メーク・衣装はジョージの「魔法の鏡」と同じ顔ぶれ。ほほー、本撮影にも立ち会うようなメンバーがスタッフなのか。凄いなあジョージ。
メジャーを首にさげたえなちゃんの困った笑顔がやっぱり好きだー!役を降ろされたりっくんが、撮影後までしつこく文句を言うのを、「困った笑顔」で交わそうとして交わしきれないところとか、ついついじぃーっと観てしまう私は、相当にえなちゃんが好きなんだと思います(困)。
「黙示録の四騎士」の脚本家・ジューンと、イングラム監督、ヒロインのドミンゲスらは史実どおり。その後の作品の一部(「シーク」「熱砂の舞」)の脚本はジューンではなく違う人のようですが、それ以外は案外と史実に沿った設定なんだな、と思いました。(「椿姫」「血と砂」はジューン)
■第7場 ジョージのオフィス
「黙示録の四騎士」が公開された朝。
ジョージのオフィスで新聞評を読み上げるアリス。大評判!大当たり間違いなし!という各紙の記事の中で、「全米の床屋が、ヴァレンチノ・ヘアを今年のスタイルと認定!」という記事を読み上げるジョージ。
机の上に立てていた新聞を倒すと、ちりちり巻き毛のジョージが、ぺったりとオールバックに!!(@ @)。
この演出は(また次の場面では元に戻っていたことも含め)非常に印象的でしたが、一番印象的だったのは、もう公演も終盤だったにも関わらず、毎回本気にしか見えない様子で吹き出していたすみ花ちゃんの成り切りっぷりでした。
一観客の自分は、二回目までは笑えても三回目になると「みーちゃん可愛いなー」くらいなものだったのですが、すみ花ちゃんは、千秋楽まで毎回新鮮に、本当に可笑しそうに、「こらえきれずに」吹き出してくれました。
……すごいなあ。やっぱり野々すみ花は女優なんだなあ……。
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■第3場 メトロ撮影所
メトロ映画の撮影所で、エキストラの仕事を探すルディー。
この場面は、回りのメンバーにおされて仕事がもらえないルディーのオロオロっぷりよりなにより、とにかく仕事を取ろう!!というメンバーが面白すぎで目が離せませんでした(^ ^)。
まず、配役係のまりなちゃん(七生眞希)が、下級生なのになかなか良い声で、良い芝居をしていましたねー。エキストラ希望のメンバーが濃い人ばかりの中で、ちょっととぼけた感じですいすい配役していて、微妙にヘタレた感じが可愛かったです。
「サロメの侍女!小柄な人!」と呼ばれて、アリエッティ(百千糸)やえびちゃん(綾瀬あきな)が選ばれていく中、公称164cmの彩花まりちゃんが膝を曲げて小さくなって役を取っていくのが、何度観ても笑えました(^ ^)。そして、するするっとえびちゃんより小さくなっておいて、まりなちゃんに指名された途端、再びするするっと膝を伸ばして大きくなる彼女を横目で見ながら、「えええーーーっ!?」という顔をしているメンバーにも、めっちゃ笑わせていただきました。
可愛い青いワンピで、役を取るために目立つ場所を取ろうとうろうろしたあげく、タイミングを外しまくって仕事がとれない(琴羽)桜子。
「老人!」って言われてあわてて老人になりきって役をGETしていたのは誰だったかっけ??その彼について、まるで介助者であるかのようなさりげない芝居をしながらスタジオに入っていく桜子がとても不思議(^ ^)。中に入ってどうするんだ?ギャラはもらえるのだろうか…?
なかなか仕事が取れなくて泣き崩れるのは、可愛いピンクのワンピースに身を包んだ風馬翔。背は高いけどおとなしそうな役作りで、もしかしてどっかのお嬢さんなんじゃないの?という雰囲気。
それが、殆ど終わりかけた頃に「ゴリラ役!6フィート以上!……ああ、君だ!」とまりなちゃんに言われて、本気で吃驚して戸惑っているように見えたのがツボでした。かけるくん、良い味出してるわ~~!!
でも、なんといっても、まりなちゃんが
「今日はここまで!……また、明日」
と涼やかに言ってのけて袖にはけた後、がっくりと肩を落とし、ルディーに一言ぼやいて去っていくこーまい(光海舞人)の、なんとも言えない弱々しい背中が、とても印象的でした。
「もう二日も食ってない…」と呟きながらルディーが口ずさむ歌が、とても切なく、遠くを見上げるルディーのうつろな瞳が、とても好きでした。
■第4場 ジューンのバンガロー
オレンジの樹が立ち並ぶバンガロー。脚本家のジューン(野々すみ花)が、「黙示録の四騎士」の脚本を直しながら電話をしている。
「ジュリオはアルゼンチン人なのよ!アングロ・サクソンの男には無理ね。ラテン系の新人を探して頂戴!」
プライドの高い、理知的で有能なクリエーターの貌。
すみ花ちゃんの、これは久々の当たり役だと思いました。
宛書きかと思ったくらいに嵌ってたし、なにより本当に魅力的(はぁと)。しっかりした大人の女でありながら、ハンサムなラテン男にイカれて頬を染める少女のような可愛らしさも併せ持っている二重性が、すごくすみ花ちゃんらしいな、と。
庭に忍び込んできた怪しい男にまっすぐ銃を向ける強さと、空砲を鳴らすときの悪戯っ子のようなコケティッシュな笑顔。
ああもう、すみ花ちゃんかわいーーーーーっ!!
ルディーと話しているうちにどんどん表情が柔らかくなって、どんどん気を許していくのが目に見えるのが凄い。優しくて親切な、情の深い女性。
そんなジューンに、特に興味を持った様子でもなく、「女性には優しく」というイタリア男の本能のままに笑顔を見せるルディーは、本当に可愛くて、罪な男だな、と思いますね。
祐飛さんったら、研20を目前にしてこんなに可愛くなるとは!!
「血と砂」や「The Last Party」の少年時代も可愛かったけど、あれから何年経ったんだ?ここ数年、若者役や少年時代を演じる機会もめっきり減りましたが(汗)、今回、全編を通して迸る「若さ」というエネルギーに吃驚しました。
ものすごく素朴で真っ直ぐな、シンプルなエネルギー。ジューンを巻き込み、彼女の心を攫っていくラテン・ラバー。
ラテン・ラバーっていうのは、色気で女をたらしこむ男ではなく、ジューンの歌う歌詞にあるとおりの「情熱の恋人、灼熱の恋」……計算のない、本能に生きる男、なんでしょうね、きっと。獲物を狙ったことなどなく、ただそこに立っているだけで女が惹きつけられる。意志ではなく、本能的な魅力。
ナウオンで祐飛さんが「今まで、ルディーはいつでも誰かに助けてもらってた」と言っていましたが、思わず助けたくなってしまう魅力って確かにあるんだなあ、と思いました。
ジューンの部屋に招き入れられて、手当を受けるルディー。
「いてっ!」という悲鳴が情けなくてとても良いです(^ ^;ゞ。
ジューンのタイプライターに興味をもって、断りもせずにつっつく様子は、まるで好奇心いっぱいの仔猫みたい。ジューンが持ってきてくれた夜食のソーセージを頬張る姿は、悪ガキそのもの。
それを見守るジューンの楽しげな笑顔がまた良いんですよねー。一人暮らしで、電話以外には話す相手もいない(かもしれない)女性が、元気な悪ガキを眺める優しいまなざし。
包み込むような、温かな、やわらかな視線。
ルディーの夢見るアランチャ実る丘を、ルディーと同じ夢を見る、ジューン。
「ホントにうまくいくと思う!?」
と問われて、笑顔で「ええ」と答える大人の女。勢いのまま、そんなジューンに抱きつくルディー。抱きつかれて焦るジューン……紅く染まった頬、大きく見開かれ、煌めいた瞳。どんどん、母親目線から恋する乙女になっていくジューンが、本当に魅力的でした。
軽やかにイタリア語で「おやすみ」と言って背を向ける男に、思わず「待って」と声をかけるジューン。
引き止めて何を言おうとしたのでもない、ただ、引き止めるためだけに掛けた声。
雪組さんの「ロミオとジュリエット」を観た直後だったので、余計にジュリエットとジューンの共通点を強く感じました。
かけられた声に振り向いた男の問いかけるような笑顔に、思わず何かを求めて部屋の中を見回し、机の上に置きっぱなしになっていたアランチャの枝を取り上げて、手渡す。
ジューンからルディーに渡される、「希望」の枝。
見えなくなった背中に向かってかるく手を挙げ、「チャオ!」と囁いて照れる女心。
すっかり舞い上がって、恋をした少女そのもののようなジューン。こめかみに短銃をあてても、幸せそうに笑み崩れてしまうところも本当に可愛い。
学年で13年も離れている祐飛さんとすみ花ちゃんの、新たな可能性をあらためて見せてくれた場面でした。
ちなみに。
最近で祐飛さんが演じた若者の役って、「RED HOT SEA」の「砂浜」になるのかな…?あれは若さというよりピュアさが前面に出ていた印象ですが、若さもすごく感じたしなー。
……その前って、もしかして「パリの空よりも高く」か?(- -;ゞ
そういえば。ラジオの「ただいまの曲を持ちまして、放送を終了させていただきます」という落ち着いたアナウンスは、誰の声なんでしょうか。真剣に聞いたけど、どうもよくわからない…(T T)。
■第5場 ジョージのオフィス
翌朝、メトロ映画の宣伝マン、ジョージ・ウルマン(春風弥里)のオフィス。秘書のアリス(瀬音リサ)が、勝手に入ってきた客を追ってくる。
みーちゃんのジョージも本当に当たり役ですよね!(はぁと)。
明るくて、優しくて、情が深くて、温かい。彼がジューンを愛したのは当然だし、ジューンが似すぎている彼ではなくルディーを選んだのも仕方のないことだった。
ジューンはクリエーターで、ジョージはそのクリエートを支える存在だったから。
彼女にインスピレーションを与えてくれるのはルディーだけ。そんな二人。
アリスのありさちゃんもめっちゃ可愛かった(*^ ^*)。この役、再演では純名里沙ちゃんが演じていたそうですが、道理でキレイなソプラノでした。この声で選ばれたのかな?
いかにも「新進娘役」がやりそうな可愛らしい儲け役で、みーちゃんとの並びも可愛かったです。しっかりした有能な秘書にちゃんと見えたところがツボ。
「浮浪者のような」ルディーを変身させる「魔法の鏡」。
一流映画会社の宣伝マンであるジョージが抱えるスタイリストとメーキャップアーチストが、総出でルディーを飾り立てる。舞台の上で、服装のみならず髪型からメークまで全部替える、まさに「魔法の」演出でした。
ヘアのまっぷー(松風輝)、メークの(美影)凜ちゃん、そして衣装係のえなちゃん(月映樹茉)他のメンバー。せっせと働く彼らのキビキビした動きに、「Hollywood Lover」のスタッフたちを思い出しました。プロって凄いなー。
個人的に、衣装を一枚一枚丁寧に形を整えて、脚を通しやすいように、袖を通しやすいように、と舞台上でセットしているえなちゃんの仕草がとても好きでした(^ ^)。
それにしても。僅かな時間でちゃんと髪もメークも直している祐飛さんはやっぱり凄いな……。
■第6場 黙示録の四騎士のセット
ジョージに「ルドルフ・ヴァレンチノ」という名前を与えられたルディー。
ヴァレンチノとしての初仕事に臨む。
ヒロイン役の桜子と踊る蒼羽りく。二人に次々指示を飛ばすイングラム監督のこーまい。さっぱり思うような画が撮れず、段々機嫌が悪くなっていく監督に声をかけるジューン。
……あれ?こーまいってば、さっき(第3場)まで失業者だったのに、一晩明けたら監督になってる……?(←いいから放っておきなさい)
せっかく桜子とりっくんが組んでいるのに、振付がイマイチで残念……いや、そこで格好良く踊られても困るんですが(汗)。でもでも、やっぱり残念ー。
祐飛さんのジュリオは、振付にだいぶ助けられてましたが(^ ^;ゞ、いやでも、格好良いからいいんです、よねっ!?
桜子のダンスが、パートナーが変わったとたんに凄くしなやかに色っぽくなるのが良いです(*^ ^*)。りっくんと踊ってるときは「怒ってる」っていう芝居もしているから当然なのかもしれませんが……ダンサーって凄いなあ。
ヘア・メーク・衣装はジョージの「魔法の鏡」と同じ顔ぶれ。ほほー、本撮影にも立ち会うようなメンバーがスタッフなのか。凄いなあジョージ。
メジャーを首にさげたえなちゃんの困った笑顔がやっぱり好きだー!役を降ろされたりっくんが、撮影後までしつこく文句を言うのを、「困った笑顔」で交わそうとして交わしきれないところとか、ついついじぃーっと観てしまう私は、相当にえなちゃんが好きなんだと思います(困)。
「黙示録の四騎士」の脚本家・ジューンと、イングラム監督、ヒロインのドミンゲスらは史実どおり。その後の作品の一部(「シーク」「熱砂の舞」)の脚本はジューンではなく違う人のようですが、それ以外は案外と史実に沿った設定なんだな、と思いました。(「椿姫」「血と砂」はジューン)
■第7場 ジョージのオフィス
「黙示録の四騎士」が公開された朝。
ジョージのオフィスで新聞評を読み上げるアリス。大評判!大当たり間違いなし!という各紙の記事の中で、「全米の床屋が、ヴァレンチノ・ヘアを今年のスタイルと認定!」という記事を読み上げるジョージ。
机の上に立てていた新聞を倒すと、ちりちり巻き毛のジョージが、ぺったりとオールバックに!!(@ @)。
この演出は(また次の場面では元に戻っていたことも含め)非常に印象的でしたが、一番印象的だったのは、もう公演も終盤だったにも関わらず、毎回本気にしか見えない様子で吹き出していたすみ花ちゃんの成り切りっぷりでした。
一観客の自分は、二回目までは笑えても三回目になると「みーちゃん可愛いなー」くらいなものだったのですが、すみ花ちゃんは、千秋楽まで毎回新鮮に、本当に可笑しそうに、「こらえきれずに」吹き出してくれました。
……すごいなあ。やっぱり野々すみ花は女優なんだなあ……。
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オレンジ色のヴァレンチノ【3】
2011年3月29日 宝塚(宙)シアター・ドラマシティ公演「ヴァレンチノ」。
■第8場 椿姫のセット
保護者(ジューン&ジョージ)つきで、「椿姫」のセットに入るルディー。
スタッフは「黙示録…」とほぼ同じ。監督はまりなちゃん(七生)、助監督は美月くん、カメラマンはモンチ(星吹彩翔)。みんなテキパキと働いていて、とても気持ち良かったです。
舞台奥で衣装を着ているアラ・ナジモヴァ(純矢ちとせ)。衣装がうまくキマらなくて、デザイナーのナターシャ(七海ひろき)を探している。低めの作り声と大袈裟な台詞回しがいかにも「サイレントの伝説的な大女優」っぽくて素敵でした。アラ・ナジモヴァって、もしかして「サンセット大通り」ノーマ・デズモンドのモデルだったりするのかなあ?(←多分違います)
ナジモヴァに呼ばれてセットの裏から登場するナターシャ。元々スタイルのいい人ですが、タイトなスカートが良く似合って、長身だけどちゃんと「美女」に見えましたよ♪
ナウオンなどで見ても随分髪が伸びていたからてっきり地毛でやるんだと思っていたんですが、鬘だったのが意外でした。長さもそんなに変わんないのにー。
「あたしのセットにそんなライトを当てないで頂戴!」というキツい物言いが、突っ張ってて可愛いなーと思ってしまった私は、たぶんかいちゃんを好きすぎるんだと思います。うん。
そして、ナジモヴァとの触れ合いに、全く妖しげなものを感じさせなかったのは凄いなあ(^ ^;。ナジモヴァとナターシャの「パートナーシップ」には色んな説があるようですが、せーこちゃんとかいちゃんは、同期のせいか(?)とっても仲の良い女友達以外のモノには見えなかったよ(^ ^;
ナジモヴァの衣装を簡単に直して(「おお!」と思いました。素敵な衣装だった!)、衣装係(特に妃宮さくら)を叱りつけるナターシャ。
ふと顔をあげて、ナジモヴァの相手役、ルドルフを見凝める。
本能で生きている男の心の底まで、見通そうとするかのように。
子供のように緊張してナジモヴァの前に立つルディーが死ぬほど可愛いです。
いやあん、もう、なんであんなに可愛いんだあの人!挨拶の声もひっくり返ってるし!!
「いらっしゃい、ヴァレンタ~イン?」
と呼びかけれて、
「ヴァレンチノ!」
と訂正するルディーもなかなかイケてます(はぁと)。が、まあ、ここの目玉は
「ナジン婆さん」
と呼びかけてしまうルディーなんですが(- -;ゞ
そう呼ばれて凍りつくナジモヴァ、そして回りのスタッフたち。
それを吹き飛ばすように、腹の底から笑いだすナターシャ、そして、そんなナターシャを見て「ハラショー!」とルディーを賛美するナジモヴァ。
シンプルなやり取りですが、結果的にスタッフたちをリラックスさせ、自分自身を含めたキャストの集中力を高めたルディーの本能は、やはり天性の役者だったってことかな、と思いました。
「椿姫」の撮影が無事終わり、「これまた大成功間違いなし!」と盛り上がる関係者ご一同。
そこへ、一通の電報が届く。
「ここに、ロドルフォ・グリエルミさんって人はいますかー?」
電報配達は美月遥くん……というか、あれは電報配達じゃなくて助監督が雑用の一環として電報も配ってくれただけなのか?相変わらず声は良いし、滑舌はいいし、なかなか役がつかないのが不思議な人だ…。
「あ、はい、ボクです」
と手を挙げて電報を受け取るルディー。カサカサと電報をあけて、、、そして、ぐったりと落ち込む。
「……どうしたの?」
「母が」
ナターシャの前でも臆することなく、あっさりと泣きごとを吐くルディー。
イタリア男らしいマザコンぶりをさりげなく芝居で魅せる祐飛さん。
……なんとゆーか、いいコンビ(?)だなあ。
「私の家に来るといいわ。……占い師のメロソープが来るの」
突然に、男を家に誘う女。
意識しているかどうかはともかく、この時点すでにナターシャに下心があるのは間違いない。
そして。
ルディーには、この時点ではまだ下心は無かったことも、たぶん間違いない……。
■第9場 ナターシャの家
下手から登場するメロソープ(天羽珠紀)の作りこみが素晴らしい!!
プログラムの写真もおおっと思いましたが、実物の怪しさはまた格別です(*^ ^*)。
クッションにローテーブル。アジアンテイストな置物だけでなく、ナターシャの家は生活様式そのものもアジア風なのかな?と思いました。そういえば、衣装も若干アジアンテイストがあるかも。
アラバマ生まれのアメリカ娘ヴィニフレッド・オショーネシーが、「芸術家」の仮面をつけようとして名乗った「ナターシャ・ランボア」。ロシア風の名前ですが、ロシアもウクライナあたりだと遊牧民が多くなるので、ああいう生活様式もありなのかなあ?
あまり深く考えてなくて、単純に「エキゾチックな生活」あるいは「エキゾチックな趣味」というだけのことなのかもしれませんが。
ナジモヴァに「もう祖国へ帰ることはない」と教え、
パラマウント映画の社長ラスキー(寿つかさ)に「今夜出会う若者」についての知識を与えるメロソープ、
言葉一つ一つを真剣に受けとめるナターシャ、
会話を聞き流しながら次の質問を考えてるナジモヴァ。
ルディーが登場するまでの、彼らの無言の会話が面白かったです。
やがてあらわれたルディーに、彼の母親の様子を語る。
「苦しまなかった。幸せに逝った」
「長いこと便りのない息子を心配している……」
ルディーの聞きたい言葉を、そして聞きたくない言葉を教えるメロソープ。
手で顔を覆って泣きだすルディー。
素朴でマザコンで家庭的なイタリアの農夫と、アラバマの田舎娘の恋。
「一緒にみたいものがあるの。……夜明けの海よ」
「……太平洋か!」
「そう。だから、……夜明けまで、一緒に居て」
縋るような女。女を喜ばせたい、悲しませたくない……ラテン男の本能が留まることを選ぶ。
芸術家のインスピレーションじゃない。男と女の、本能の恋。
……でも、ナターシャは認めない。それが本能であることを。
アーティスティック・インスピレーションである、と信じたい。
それがなければ、ナターシャ自身の存在の意味が無くなってしまうから。
ヴィニフレッドではなくナターシャである彼女。
棄てた名前、棄てた故郷。
家庭なんていらない。あたしはナターシャ・ランボア、芸術に魂を捧げた孤高のデザイナー。
家庭なんていらないけど、この男は欲しい。
切り離せると思っていたのか、男に意志があるとは思ってなかったのか。
彼の望む家庭を与えるつもりはまったくないまま、ナターシャは彼を手に入れる。
優しい男。女の夢を叶えるために生きている、ラテン・ラバー。
彼を手に入れた、と思った。
彼の心を手に入れた、と。
彼のことなど、何一つ知ろうとせぬままに。
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■第8場 椿姫のセット
保護者(ジューン&ジョージ)つきで、「椿姫」のセットに入るルディー。
スタッフは「黙示録…」とほぼ同じ。監督はまりなちゃん(七生)、助監督は美月くん、カメラマンはモンチ(星吹彩翔)。みんなテキパキと働いていて、とても気持ち良かったです。
舞台奥で衣装を着ているアラ・ナジモヴァ(純矢ちとせ)。衣装がうまくキマらなくて、デザイナーのナターシャ(七海ひろき)を探している。低めの作り声と大袈裟な台詞回しがいかにも「サイレントの伝説的な大女優」っぽくて素敵でした。アラ・ナジモヴァって、もしかして「サンセット大通り」ノーマ・デズモンドのモデルだったりするのかなあ?(←多分違います)
ナジモヴァに呼ばれてセットの裏から登場するナターシャ。元々スタイルのいい人ですが、タイトなスカートが良く似合って、長身だけどちゃんと「美女」に見えましたよ♪
ナウオンなどで見ても随分髪が伸びていたからてっきり地毛でやるんだと思っていたんですが、鬘だったのが意外でした。長さもそんなに変わんないのにー。
「あたしのセットにそんなライトを当てないで頂戴!」というキツい物言いが、突っ張ってて可愛いなーと思ってしまった私は、たぶんかいちゃんを好きすぎるんだと思います。うん。
そして、ナジモヴァとの触れ合いに、全く妖しげなものを感じさせなかったのは凄いなあ(^ ^;。ナジモヴァとナターシャの「パートナーシップ」には色んな説があるようですが、せーこちゃんとかいちゃんは、同期のせいか(?)とっても仲の良い女友達以外のモノには見えなかったよ(^ ^;
ナジモヴァの衣装を簡単に直して(「おお!」と思いました。素敵な衣装だった!)、衣装係(特に妃宮さくら)を叱りつけるナターシャ。
ふと顔をあげて、ナジモヴァの相手役、ルドルフを見凝める。
本能で生きている男の心の底まで、見通そうとするかのように。
子供のように緊張してナジモヴァの前に立つルディーが死ぬほど可愛いです。
いやあん、もう、なんであんなに可愛いんだあの人!挨拶の声もひっくり返ってるし!!
「いらっしゃい、ヴァレンタ~イン?」
と呼びかけれて、
「ヴァレンチノ!」
と訂正するルディーもなかなかイケてます(はぁと)。が、まあ、ここの目玉は
「ナジン婆さん」
と呼びかけてしまうルディーなんですが(- -;ゞ
そう呼ばれて凍りつくナジモヴァ、そして回りのスタッフたち。
それを吹き飛ばすように、腹の底から笑いだすナターシャ、そして、そんなナターシャを見て「ハラショー!」とルディーを賛美するナジモヴァ。
シンプルなやり取りですが、結果的にスタッフたちをリラックスさせ、自分自身を含めたキャストの集中力を高めたルディーの本能は、やはり天性の役者だったってことかな、と思いました。
「椿姫」の撮影が無事終わり、「これまた大成功間違いなし!」と盛り上がる関係者ご一同。
そこへ、一通の電報が届く。
「ここに、ロドルフォ・グリエルミさんって人はいますかー?」
電報配達は美月遥くん……というか、あれは電報配達じゃなくて助監督が雑用の一環として電報も配ってくれただけなのか?相変わらず声は良いし、滑舌はいいし、なかなか役がつかないのが不思議な人だ…。
「あ、はい、ボクです」
と手を挙げて電報を受け取るルディー。カサカサと電報をあけて、、、そして、ぐったりと落ち込む。
「……どうしたの?」
「母が」
ナターシャの前でも臆することなく、あっさりと泣きごとを吐くルディー。
イタリア男らしいマザコンぶりをさりげなく芝居で魅せる祐飛さん。
……なんとゆーか、いいコンビ(?)だなあ。
「私の家に来るといいわ。……占い師のメロソープが来るの」
突然に、男を家に誘う女。
意識しているかどうかはともかく、この時点すでにナターシャに下心があるのは間違いない。
そして。
ルディーには、この時点ではまだ下心は無かったことも、たぶん間違いない……。
■第9場 ナターシャの家
下手から登場するメロソープ(天羽珠紀)の作りこみが素晴らしい!!
プログラムの写真もおおっと思いましたが、実物の怪しさはまた格別です(*^ ^*)。
クッションにローテーブル。アジアンテイストな置物だけでなく、ナターシャの家は生活様式そのものもアジア風なのかな?と思いました。そういえば、衣装も若干アジアンテイストがあるかも。
アラバマ生まれのアメリカ娘ヴィニフレッド・オショーネシーが、「芸術家」の仮面をつけようとして名乗った「ナターシャ・ランボア」。ロシア風の名前ですが、ロシアもウクライナあたりだと遊牧民が多くなるので、ああいう生活様式もありなのかなあ?
あまり深く考えてなくて、単純に「エキゾチックな生活」あるいは「エキゾチックな趣味」というだけのことなのかもしれませんが。
ナジモヴァに「もう祖国へ帰ることはない」と教え、
パラマウント映画の社長ラスキー(寿つかさ)に「今夜出会う若者」についての知識を与えるメロソープ、
言葉一つ一つを真剣に受けとめるナターシャ、
会話を聞き流しながら次の質問を考えてるナジモヴァ。
ルディーが登場するまでの、彼らの無言の会話が面白かったです。
やがてあらわれたルディーに、彼の母親の様子を語る。
「苦しまなかった。幸せに逝った」
「長いこと便りのない息子を心配している……」
ルディーの聞きたい言葉を、そして聞きたくない言葉を教えるメロソープ。
手で顔を覆って泣きだすルディー。
素朴でマザコンで家庭的なイタリアの農夫と、アラバマの田舎娘の恋。
「一緒にみたいものがあるの。……夜明けの海よ」
「……太平洋か!」
「そう。だから、……夜明けまで、一緒に居て」
縋るような女。女を喜ばせたい、悲しませたくない……ラテン男の本能が留まることを選ぶ。
芸術家のインスピレーションじゃない。男と女の、本能の恋。
……でも、ナターシャは認めない。それが本能であることを。
アーティスティック・インスピレーションである、と信じたい。
それがなければ、ナターシャ自身の存在の意味が無くなってしまうから。
ヴィニフレッドではなくナターシャである彼女。
棄てた名前、棄てた故郷。
家庭なんていらない。あたしはナターシャ・ランボア、芸術に魂を捧げた孤高のデザイナー。
家庭なんていらないけど、この男は欲しい。
切り離せると思っていたのか、男に意志があるとは思ってなかったのか。
彼の望む家庭を与えるつもりはまったくないまま、ナターシャは彼を手に入れる。
優しい男。女の夢を叶えるために生きている、ラテン・ラバー。
彼を手に入れた、と思った。
彼の心を手に入れた、と。
彼のことなど、何一つ知ろうとせぬままに。
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