せっかくエイプリルフールなので、何か気のきいたことを書きたい……と思っていたのですが。
≪宙組で「イーハトーブ・夢(バウホール&日本青年館)」再演!≫などというネタを思いついただけでした(苦笑)。
うーん、我ながらしょうもないーーーー。

でも、ちょっと観てみたいかも。ぜひ、みっちゃんとエリちゃんで(小声)




で。今日は久しぶりに観劇して参りました♪
二回公演が続いているせいか、ちょっとみなさんお疲れ気味。あと、珍しく(もないか?)カミカミの神様が降りていらっしゃっていて、いろいろと面白かったです。とくにちーちゃん(蓮水ゆうや)、なんだか大変そうでした(汗)。大丈夫かな。


大丈夫かな、といえば。
子ヒョウの実羚淳くんが元気そうで、ホッとしました。
なんだか、休んでいる間に芝居もメークもまるっきり変わっていて、びっくり!!シャープなアイメークや、フェースラインのシェーディングでずいぶん面変わりして、ちーちゃんのヒョウにかなり雰囲気が近づいていました。美月くんがいろいろ教えてあげたのかな?(←あれっ?)

その美月くんは、本役に戻って生き生きと演じていて、村人もチャイナ服の男も楽しそう(?)。とくに、子供たちの水を奪おうとする村人は、イヤらしさや執念みたいなものが出てきて、これは本当に、代役で入っていたさっつん(風羽玲亜)の影響を受けたのかな?と思ったり。
代役に上級生が入ることって珍しいので、面白い経験だったでしょうね。観ているほうもスリリングで楽しかったです(実羚くんが元気な顔を見せてくれた今だから言えるけど…)




昨日の日記にも書いた、二幕の九龍客桟での、ルイ(七海ひろき)の、「よっ!座長!」という合いの手が、今日は入らなくてびっくりしました……あれっ?(^ ^;ゞ週末まではあったと思うんですが、いつから無くなったんだろう?


他にもいろいろ変わっていて、観るたびに本当に別の作品みたいに違うな、と思います。
特に変化が激しいのは、ルイとヒョウ……そして、アイス、かな。(あと、違う意味で蒼羽りくちゃんのソウも、かなり自由な感じ)

今日のアイスは、水門での「どこで狂ったんだ!?」という慟哭がいつもよりあっさりしていて、私は今日の方が好きでした。もう一つ上を目指すなら、ぜひぜひ自嘲的に言ってほしいところなので、明日に期待したいと思います。



とにもかくにも、泣いても笑っても残り一日。
集中して、思いっきり楽しみたいと思います♪




~・~・~・~・~・~

この公演は、いつものように時系列に沿って場面ごとに書くということをせず、思いついた順番で書いていたので、いろいろ大事なことを書き落としているのですが。


今日観て、あらためてこの流れが好きだ!と思ったのは、一幕ラストから二幕冒頭への流れでした。
ここは、演出の勝利かな……?


まず、ソラとヒョウの対決。
ヒョウにナイフをつきつけられたソラの反応が、以前とはずいぶん変わったような気がします。
腕を取られた瞬間に、すっとソラの纏う空気が変わるのは前からなんですけど、今日はとくに、照明も変わったか!?と思うくらい、ふっと表情が変わって。
「やめろ」の言い方も、ひどく静かでシンプルで、そのぶん底力があって。
なんだかちょっと「お前はもう死んでいるbyゴルゴ13」を思い出してしまった(^ ^;ゞ

祐飛さん、殺陣での無駄な動作がなくなるともっと強そうになるんだけどなあ、とちょっと思いつつ、でも、ドラマシティの最初の頃を思えばすごく格好よくなったよね、とファン目線になったりする。
で。ピタッと銃を構えたまま、ピクリとも動かないソラと、動揺して隙を見せるヒョウ、の差が歴然で、これは確かにソラの方が強い!と思いました。……やっぱり殺陣は斬られ役で決まるんだな……(←あれ?)


「そうだ、あんたは優秀だった。……アイスよりも!!」
撃たれたヒョウが、それまで使っていた敬語をかなぐり捨てて言う。
その言葉や、いろいろな条件が重なって、ふいに津波のように降りかかってくる、記憶。その波にさらわれる、ソラ。

「……ヒョウーーーーっ!!」
絶叫するソラ。
「思い出したか」
嬉しそうに、儚げな笑みを浮かべるヒョウ。


ヒョウは幸せだったのかな?と、時折思います。
彼と妹は、アイスに拾われなければ死んでいたのだろう。もうずっと前に。
でも。生きていることがイコール幸せなのか?とも、思う。

でもまあ、そんなに悲観的にならなくても良いのかな、って気がするんですよね。
たぶん、幸せなときはあったはずだから。5人家族で、幸せに暮らしていた時が。

ヒョウは家族を守りたいと思った。
ミゾレ、アイス、ソラ、カイ。大事な大事な、家族たちを。
『汚れたこの手にこびりつく血は……』
でも、ヒョウにとって、その血は勲章だったのかもしれない。家族を守った証としての。

家族の笑顔は、守れなかったけれども。

ずっと言いたかったのに、言えなかった台詞。
「逃げろ!!………ソラ、」
やっとの思いで告げて、力尽きる背中。



倒れ伏したヒョウの背を見つめるソラの脳裏に、記憶の底から一つの風景が浮かび上がってくる。

「水を!ソラ、水を母さんに……ソラ、ソラぁ!!」
「帰ろう……母さんのところに、帰ろう、カイ…」

眼を斬られた弟と、届けられなかった水、そして、、、

「……ソラ!」

澄んだ声で、自分の名前を呼んだ少女。

遠い記憶の中の少女が、新たな記憶の貌と重なって、ぶれる。
あれは、誰……?

「♪美しい雨 それは空の涙……」

静かな幕切れ。ストップモーションの、ソラ。



休憩中にあれこれ友人たちと突っ込みあって(^ ^)、30分後にまた幕があがる。
祐飛さんと、すみ花ちゃんと、みっちゃん(北翔海莉)の3人で、同じ場面がリプライズされる。

「水を!水を母さんに!」

もしかしたら子役より高いかもしれない(汗)可愛らしい声で、訴えかけるみっちゃんのカイ。

「帰ろう、カイ…」

こちらは極端なほどに低い、かすれた声で。

「……ソラ!!」

少女が発する、鋭さのある甘い声。一度聞いたらずっと忘れられなくなりそうな。

カイを庇うように前に出るソラ。
その手に握られた拳銃。……それを握り締めて、何かを思い出そうとするソラ。

ふいっと暗転して、舞台はそのまま、10年前の水源の村の闘いの場面へ……。


このあたりの、演出的な鮮やかさは凄いな、と思うんですよね。
舞台のセンターで、蘇ってくる記憶たちに翻弄されるソラが色っぽい(*^ ^*)。


闘いの果てに父親を殺されて泣き喚くミウ。
ミウの手をひいて逃げるラン。

自分を押し流すような記憶の奔流の中で、藁をもつかむかのようにミウに駆け寄ろうとするソラ。
逃げる途中で、ふと振り向き、ソラを見つける、ミウ。
スカイブルーの瞳に懐かしさを覚えたのか、炎を浴びて紅く光る瞳の色には気づかなかったのか……
そのまま、言葉を交わすこともなく離れていく、二人。


舞台奥のセットの向こうでスタンバイする「(美雨の)父親)」は十輝いりす、それをライフルで撃つ「兵士」が天羽珠紀。
ドラマシティのプログラムでは、この場面の次はシャングリラでのアイスたちとミウの会話、そしてランとの再会で、その次が九龍客桟。その順序のままなら、たぶん、たまちゃんは兵士として闘いの群舞にも入る予定だったんだろうなあ…。初日前に場面が入れ替わって、この場面の直後に九龍客桟の場面が来てしまうので、ヤンヤンの髭をつけたままスタンバっているたまちゃんが可愛いです。……それでも相当な早替わりだと思うんですけどね。
それにしても、あの場面の入れ替えはなんのためだったんだろう。人の出入りを考えると、元の方が動きやすいと思うんですが。シャングリラの場面のラストでランとミウが逃げてしまうから、その後蛇の目一座の一行と合流するまでの時間関係を考えたのかなあ……?うーむ。


結局ミウは、十数年前の最初の出会い(「一度、逢ったことがある。…眼を斬られた弟を連れていた…」)(←連れていたっていうか、斬られる現場にも居たよねミウ?)は覚えていても、それより最近であるはずの闘いの中での出会いは覚えていないんですね。
ランは覚えているのに。
父親を喪ったショックで、闘いの記憶自体が無い、というあたりでFAなのかな……。




~・~・~・~・~・~

あとはいくつか、細かいツッコミがあるので書かせていただきます。

「その格好では目立ちすぎる」から着替えを用意しろ、といって、渡す着替えが何故ソレなんだ!!
 ヒエン(ブンジャク?)のセンスも理解できませんが、新宿(東京)の流行ファッションもわからん……(そこらを歩いているアンサンブルは全員チャイナ服だしね↓↓)

○人質の手足くらい拘束しようよ、アイス&ミゾレ

○雨の裏通りで出会う兄弟(彩花まり、真みや涼子)の「助けてくれる仲間」って、誰?

○アイスとソラの最初の対決(シャングリラ外)でのミゾレ。
アイスに銃を奪われるまでは、しっかりとソラに照準をあわせてますよね……?なのに、水門まで着いて、すぐ間近でソラと対峙したときは、銃を向けようとするけれども向けられない、と言う葛藤を表現していて、なんだかちょっと不思議な感じ。

○ドラマシティでは、「水門が開いた」ときの演出は、背景の映像と大量のドライアイスで、小さなミゾレ(藤咲えり)はあっという間にドライアイスの煙にまかれてしまい、せっかくソラの方を振り向いても良く見えない(T T)ということがままあったのですが、青年館では、舞台が広いせいかあまり迫力がなくて寂しい……。エリちゃんが見えなくなるほど大量に出さなくていいんだけど、流されてしまうことに違和感が無い程度に出てて欲しい。

○「アイス!ミゾレーーーーっ!!」というソラの絶叫に、名前の順序が逆でなくてよかった、と、最近ちょっと突っ込むようになりました。

○あんなに格好良く(←違う)ミウの前から姿を消したソラなのに、どうして再会したときには一番最初(砂漠で拾われる場面)で着ていたボロいコートとボトム、インナーのシャツも多分同じですよね??その服、ミウに拾われたときに蛇の目一座が着替えさせてくれて、たぶん洗って持っててくれただろうに、どの面さげて取りに行ったんだろう………?

○子供たちの一人の名前が『ミウ』であることについて、「赤ん坊の頃に棄てられて、名前が無かったんだ。だから……」と早口で言い訳をするソラが可愛くて仕方が無いんですけども、あの水門から立ち去ってから何年過ぎたんだ…?どう見ても、あの子は2つや3つには見えないよね? 一応私の解釈を書いておくと、「赤ん坊の頃に棄てられて、それからずっと、何年も名前が無いままに育ってきたんだ。だから、呼び名をつけてやりたかった」……ということかな、と思っています。


~・~・~・~・~・~

子ソラの彩花まりちゃんの声が、すごく素敵です♪仕草も少年らしくて、すごく溌剌と格好良い。……今からでも男役に転向しないかな(←しませんよ)

あと、青年館に来てから、ラスト前のさっつんとすみ花ちゃんの会話のラストの「…子供たち?」というすみ花ちゃんの台詞のタイミングが変わって、自然になったなあと思いました。
以前はさっつんが歩き出してすぐに言うので、「さっつん無視しないで答えてあげてよー」と思ったのですが、今はちょっと離れるまで待つようになって、去り行くさっつんの背中に突っ込む感じになったのが良いです♪



そんなところかな……。
また何か思い出したら書きます(^ ^)。


春の嵐の中、日本青年館宙組公演「シャングリラ」の千秋楽を観劇してまいりました。


笹良えるさん、ご卒業おめでとうございますm(_ _)m。
九龍客桟の場面で、舞花くるみちゃん(黒のチャイナ)から盃を渡されて“イッキ”させられていたり、ソウ(蒼羽りく)に白い羽(マフラーみたいな奴)を奪われそうになったり、、、全部はチェックできませんでしたが、いろいろやってくれてました(^ ^)。
フィナーレは白い花をつけて出てくるんですが、最後にりりこちゃんとさっつん(風羽玲亜)の美しいカゲコーラス(録音)の流れる中でみんなのフォーメーションが変わるとき、美月遥さんと並んで上手側の階段下あたりに立つんですが、階段を昇って上にスタンバイするさっつんや琴羽桜子ちゃんたちが通りすがりに茶々を入れていったり、いろいろ挨拶が交わされて……
そして、ちょっと曲がってしまった花を治してあげる美月くんが、めちゃめちゃオトコマエで格好良かったです(はぁと)

最後のご挨拶も、ハキハキした爽やかなご挨拶で、思わず目頭が熱くなりました。
……袖で待機していた同期たちが騒ぎまくりでしたが。



祐飛さんのご挨拶は、「No Rain, No Rainbow」しか覚えてないなあ。「涙の後には笑顔がある、みたいな意味」とか何とか、むちゃな意訳をしていたのにかなりウケました。
気持ちの温かくなる、いい挨拶でした。ぜひCSのニュースでご確認ください(^ ^)。



楽のアドリブは……なんだかイロイロあったんですけど、ほとんど忘れてしまって……
轟天号の場面は、フォン(十輝いりす)が走ってました。
最初にエンジンをかけて、「あれっ?」と言ったところで車を降りたソラに運転席からつまみ出されて、そのまま押し掛けメンバーに入り……そして、置いていかれて、走る、という展開だったのですが。
……まさこちゃん、走り方面白すぎ!!(爆)
こうしてみると、祐飛さんって巧かったんだな……。普通の人が突然やったら、こんな感じになるよね、そりゃあ。もしかして祐飛さん、ドラマシティ公演中は毎日、千秋楽のアドリブのために秘密特訓していたんじゃないのか!?

でも。
この場面の主役は、フォンではなく、ルイ(七海ひろき)でしたね。
ドラマシティの楽で、轟天号を追いかけるソラに場をさらわれて、観客の注意を惹こうと(結構大事な説明をしているからね、ルイは)必死で空回りしまくっていたかいちゃん。
あれが良い経験になったらしく(?)、青年館に来て本当に変わったなあ、と思っていたのですが。
まさこちゃんのがんばりに(っていうか、面白さに)観客を持っていかれても、落ち着いて自分の語るべき話をしっかり聞かせていたと思います。まさこちゃんも気になるけど、ルイの話もきかなきゃ、という気持ちにちゃんとなりました(^ ^)。凄いなあ。二週間でこの成長ぶり!!
可愛い子には旅をさせろ、っていうけど、良い子は旅の中でちゃんと成長していくんですねぇ……(*^ ^*)



他にもアレコレあったはずなんですが、覚えているのは、二幕ラストのさっつんとミウの会話だけです。ああ、この役立たずな記憶力ったら(涙)。
「ソラっていう人がいるって聞いてきたんだけど…」
というミウに、
「ああ、それならあっちの……『トラファルガー』ってポスターのとなりに」
みたいな説明を(たぶん)してました。(←「トラファルガー」で爆笑してしまったので、その後なんと続いたのかよくわかりませんでしたが)
あと、
「あんた、ソラの知り合い?」
と尋ねたあと、ミウを頭の天辺からつま先までじろじろ見た末に、
「大人の知り合いもいたのか……しかも俺のタイプだし」と、力いっぱい断言して、ミウに「何ですって!?」とかなり不審げに詰め寄られてました。

ドラマシティに引き続き、さっつんに美味しい所をもっていかれました(^ ^)。





いやー、ホントに楽しい公演でした(真顔)。
脚本の完成度は………(黙)でしたが、演者次第でここまでは持ってこられるんだな、と。
理屈はどうあれ、今の宙組のこのメンバーで近未来ビジュアルを観せたい、と思ったセンスは買いたいです(^ ^)。
ありがとうございました☆


宙組は、先日バウ公演が終わり、今日「シャングリラ」が終わって、この週末の「マグノリアコンサート(天玲美音・花音舞・花里まな)」で一段落。
そして、、、速いもので、もう来週には「トラファルガー」の集合日があるんですね。
本当に早いなあ(@ @)。


とりあえず、みなさまゆっくりリラックスして、いろんな公演を観てってくださいね(^ ^)。
お疲れさまでした!!



銀河劇場にて、玉野和紀構成・脚本・作詞・訳詞・演出・振付・出演、「CLUB SEVEN 6th Stage」を観劇してまいりました♪



といいつつ、別件を呟かせてください。
今日は星組さんの「リラの壁の囚人たち」の集合日だったわけですが、92期のお二人(本城くれは、白百合ひめ)の卒業が切ない(T T)。二人ともキレイなのに~~~(T T)。特に本城さん、あの美貌とスタイルで、これから活躍してくれるのを楽しみにしていたのになあ。
しょぼん。

私は「リラの壁の…」という作品を観たことがないのでわからないのですが、ヒロインはれみちゃんのポーラで、二番手娘役(?)がマリーの音波みのりちゃん、で合ってますか?みのりちゃん、すごーい!!
そして、天寿光希くんのピエールと、本城さんのマルセル・モレッティ、白百合さんのノーマが、演じ甲斐のある役でありますように(祈)。

星組さんと言えば、先日全国ツアーの「激情/BOLERO」も集合日でしたが、こちらで驚いたのはレメンダートが真風涼帆くんだったこと(@ @)。ほおおお、なかなか似合いそうだけど、あの歌、難しいよ?(汗)。がんばれーーーー!
そして、せあらちゃんのミカエラがめっちゃ楽しみです♪こちらは素直に期待(はぁと)☆





さて。
本題の「CLUB SEVEN」。

ちょうど宙組青年館公演「シャングリラ」の千秋楽翌日だったので、客席には宙組生がいーーーっぱい!!(@ @)でした。
87期のたっちん(和音美桜)と85期のまちゃみ(美羽あさひ)が出演していたので、もしかして?という期待があったことは否定しませんが……それにしても多くて吃驚。私が気がついたのは、蘭トムさん、七帆ひかるさんと音乃いづみちゃん(85期OG)、まさこちゃん、ちーちゃん、大くん、かいちゃん、せーこちゃん、タラちゃん、(妃宮)さくらちゃん、、、、ですが、他にも居たんじゃないかなあ(汗)。
しかも、皆さん休憩中には楽屋にもいかず(←時間が短いから?)、ロビーのど真ん中で固まって喋ってて(汗)。ふつーのファンは、居場所がなくて困ってました……。

七帆くんが、髪が伸びててすごい美人なお姉さんになってました(^ ^)。相変わらず色が白くて肌がキレイ……娘役さんより白いよね(感心)。
そして、蘭トムさんのさりげない“芸能人オーラ”(?)(まっすぐに見つめてはいけないような気がするんです)に感動しました。アレに比べると、大くんやちーちゃんの存在感は、「アイドルオーラ」なんだなあ……

……なんて、舞台とは関係のないところで長くなってしまってすみません。
客席にも、青年館で何度もすれ違った方がきっと何人もいらっしゃったんだろうなあ~~(^ ^;ゞ、などと思いつつ。





出演は9人。元々7人(男5人+女2人)でやっていたのが原型ですが、今回は初の劇場版(以前はずっとライブホールだったし、唯一の劇場は舞台が小さいテアトル銀座)のせいか、男7人+女性2人という構成でした。
女性二人は上で書いたとおり、宙組OGの和音美桜・美羽あさひ。
男性は定例の玉野さん・西村直人さん・原知宏さんの3人+瀬下尚人+中塚皓平+原田優一+良知真次の7人。後半の4人は「CLUB SEVEN」は初出演…かな?瀬下さんはコンボイ・ショー、中塚くんはDIAMOND☆DOGSなので、玉野さんとの共演自体はたくさんありそうですが。

何を隠そう、私はDIAMOND☆DOGSのメンバーの中でも中塚くんのダンスが一番好きなので、久しぶりに彼が思いっきり踊っているのを観て、それだけで幸せでした(^ ^)。





オープニングは、いつもと同じ黒づくめのハードな衣装で「CLUB SEVEN」。
相変わらずかっこいいーー!!舞台が広いので、9人いても結構走り回ってる感がありました。衣装も結構重たそうなのに、大変だなあ。


続く一曲目は「CANDY MAN」。
白いタイトスカートの制服に身を包んだ女性二人。可愛らしくお尻をフリフリしながら、後姿でセットの上に登場、という、結構ヤバいめな登場でしたが、キュートで可愛かったです♪
二人で歌いながら平場に降りてくると、背後のドアからお揃いの制服を着た男性陣(5人)が登場。まあ、お約束っちゃお約束ですが、若くて美形な原田くんと良知くんは、全然洒落になってません。まちゃみと美しさを競ってどうするんですか(汗)、ネタなのに。



次はSketch1「腹話術人形」。
腹話術師に扮した瀬下さんと、人形に扮した玉野さんの会話。もう、めっちゃ面白かったです。
会話の内容は脚本なのかネタなのか……毎回、この作品は複数回観ないとなあ、と思うのに(←1回だと、アドリブなのか脚本なのかわからないから)、期間が短くていつも一回しか観られないんですよねぇ(涙)今回も「シャングリラ」と被ってたしなー。くすん。



その後は少しダンスシリーズが続きます。
まずは、中塚くんとまちゃみのデュエット。
振付も音楽もカッコいいし、良い場面だったはずなのですが、しかーし!!
中塚くんって、女性と二人で踊ったことないのかな?
組んで踊っているときはまるで腰がひけちゃって、オロオロしている感じだし、並んで踊っているときはパートナー無視で一人で高々とジャンプしたり一回転多く回ったり……なにより、男性&女性のリフトであんなに不安定なの初めて観たよ(涙)。いつもキレイに乗っていたまちゃみだからこそ、なんとか乗れてた……ような気がする。
DIAMOND☆DOGSや、外の舞台でも何人かの群舞で踊っている時はそんな風に思わないので、男女のデュエット(ペア)ダンスっていうのは案外と特殊なジャンルなのかもしれないなーと思いました。


次が、瀬下さんと玉野さんのタップダンス、そして玉野さんのソロダンス、だったかな。
なんだか、これが「タップダンス」の真髄、なのかもしれない……と(^ ^)。



格好良いダンスナンバーをはさんで、Sketch2「犬の散歩」。
長毛種の大型犬(アフガンハウンドらしい。名前はアフ/瀬下)と、その飼い主A(まちゃみ)が、ドッグランに遊びに来て、じゃれながらベンチに座っている。そこに現れる、薄いピンクのプードル(名前はプー/原)と飼い主(良知)。

ぎこちなく喋り始める飼い主たち。
男の方は、犬を飼い始めたばかり(←昨日から?)。
以前から犬はいないけどこのドッグランには来ていて、アフの飼い主と親しくなりたいらしい。
なんとなく空回りしているさまが可愛らしい(^ ^)。
ソレに対して、まちゃみの、ちょっと上から目線な天然さがとても素敵です。

勝手におしゃべりを始める犬たち。
飼い主二人のほのぼのしい関係にいちはやく気づき、コソコソ噂しあっているところは小学生男子みたい(^ ^)。かーわーいーいー!!

そうこうしているうちに、プーの飼い主が勇気を振り絞って一歩を踏み込む。
「か、か、カレシは……今日はいらっしゃらないんですか?」
「……○○のこと?いやぁだ!……もう、別れたのよ?私たち」
「えっ!?別れたっ!?」
良知くんと一緒になって驚くアフ。……どうしてお前が知らないんだ、アフ。



思い人(アフの飼い主)が恋人と別れた、と聞いた……にしてはプーの飼い主の態度がちょっと変じゃないか?などと考えているうちに、下手袖からカレシ(中塚)が登場!

「すまない!赦してくれ、俺はお前無しでは生きていられない!!
……アフ!!」

叫びながら、力いっぱい犬に抱きつく中塚くん。……いやはや、ウケましたわ(^o^)。
しかも、プーの飼い主(良知)まで、狙いはカレシだったらしいことが判明!

なんとゆーか。一人おいてきぼりにされたまちゃみが可愛くも切ない幕切れでした。



次は、一幕のメイン、Sketch3「残業物語」。



この辺りでいったん切りますね。
このSketch3が、猫的には最大の見せ場だったので、そこは詳しく語りたいと思います♪





今回の公演、全体を通してのめだった特徴は、コントがいつもより少なかったこと、かな?と思います。
本来的な意味での「コント」は、「犬の散歩」だけだもん。「残業物語」はミュージカルパロディだし、「舞台稽古」もちょっと違う……あ、いや、「腹話術師」は一応コントに入るのかな?
でも、比重は低かったような。5th Stageまでは、いつも『一曲踊ったら一コント』の繰り返しだったと思うのですが(@ @)。


「CLUB SEVEN 7th」は、いったいどうなるんでしょうねぇ(- -)。と、気の早いことを考えてみたりしました。
7thは誰が出るのかなー♪またレアちゃん(蘭香レア)が出てくれると嬉しいんだけど。
お願いだから、宙組公演中は避けてくださいね。>玉野さん。



本日は、宙組大劇場好演「トラファルガー/ファンキー・サンシャイン」の集合日。


花影アリスちゃん、舞姫あゆみさん、千紗れいなさん、3人の卒業が発表されてしまいました(T T)。


92期の千沙さん。出番がたくさんあるといいなあ。

89期の舞姫さん。色っぽいダンスが大好きでした。大人っぽい美人で、新公を卒業したこれからが出番なタイプだと思っていたのですが。このタイミングでの卒業は、いかにも惜しいです。

そして、88期のアリスちゃん。「ジュ・シャント」での圧倒的な華やかさ、輝きを観た時に、、、、もしかして、いやまさか、と思ってはいたのですが。去年の「大江山花伝」くらいから、急激に芝居に情感がでてきて、すごく素敵になってきたなと思っていたのになあ。
私が最初に彼女を認識したのは「ファントム」の淑女だったんだから、もうすぐ6年……ですね。早いものです。

最後の役は「ファニー」。てっきりネルソンの奥方(フランシス)だと思っていたのですが、違うのかな?でも、斉藤さんはたぶんアリスちゃんのこと好きだと思うので、楽しみにしています♪





さて。集合日ということで、配役も発表されました。

とりあえず、ともちん(悠未ひろ)は、ハーディ艦長?ですよね。いやー、良い役だなあ(*^ ^*)。

まさこちゃん(十輝いりす)はヘンリー王子(のちのウィリアム四世)。海軍士官としてネルソンの部下だった時代があるので、がっつり出てきてくれそう♪

珠洲さんはジャーヴィス提督。サン・ヴィセンテ岬海戦の指揮官ですね。齋藤さんは、この闘いを前半の山場にするつもりかな?そこで右腕を喪ったことにしちゃったりして(^ ^)。

ナポリ王妃マリア・カロリーナは鈴奈さん、ナポリ王フェルディナンドがたまちゃん(天羽珠紀)ですよね、きっと。で、えびちゃん(綾瀬あきな)のカロリーナ王女はその娘?
マリア・テレジアの娘で、一番母親に似ていたと称されるマリア・カロリーナは、善良で遊び好きな夫フェルディナンドに代わって国政の実権を握り、1799年のナポリ革命でイギリス(=ネルソン)と組むときも中心になった人。ハミルトン夫人とも親交があったみたいなので、それこそタラちゃんやせーこちゃんあたりに来るかも、と思っていたのですが。ナポリ王夫妻がこの二人ってことは、ナポリ問題にはあまり深入りしないのかな。

れーれ(すみれ乃麗)のホレイシャは、エマの娘の名前ですよね?ネルソンが亡くなったとき、まだ幼かったはずなんだけど、どの程度出てくるのかな。
そして、個人的にえなちゃん(月映樹茉)に役名があったことが嬉しい♪コーネリアスってイギリス系の名前だから、きっとネルソンの部下だよね。台詞もあるといいなあ~♪♪


それにしても、どういう構成になるのでしょうね。あらすじを読んだかぎりでは映画「美女ありき」に沿っている感じですが、それだとナポレオンの出番がほとんどないはず。でも、ナポレオンの妻ジョセフィーヌ(五峰亜季)まで出てくるところをみると、そこは大幅に齋藤さんのオリジナルが入るのかな。「血と砂」をフアンとプルミタス(←原作ではチョイ役)のW主演作にした齋藤さんなので、期待しています。
なんでもいいから、祐飛さんと蘭トムさんががっつり芝居をする作品になりますように(祈)。


……で、子役は誰がやるんでしょうね?(←齋藤作品だから、絶対ネルソンとナポレオンの子供時代が出てくるに違いない、と思っているらしい)


銀河劇場「CLUB SEVEN 6th stage」。


■第一幕Sketch3 残業物語

どこかのオフィス。つなぎの制服を着た三人(和音美桜、原田優一、西村直人)が机に向かい、パソコンで何かのチェック(?)をしている。上手の机には管理職(玉野和紀)が座っている。

……という状況で。いきなりかかった、非常に聞きなれた前奏。「レ・ミゼラブル」の、あの有名なプロローグが鳴り響く……

「レ・ミゼラブル」の音楽を使ったパロディシーンというと、一部で伝説的になっているタナボタ企画の「レ・ミゼ・チャンチャカチャン」が浮かぶのですが、これもかなり伝説になるような気がします(^ ^)。タナボタ企画との共通点は、歌詞を替え歌にせず、東宝版そのままなのに、ちゃんと違う物語として成立しているところかな。
部長さん(?)が近くに来ると、「♪下向け 眼をあわすな」とかね。

マイ・ベスト・ジョリ&プルヴェールの西村さんが、若くて真直ぐで素敵だったアンジョルラスの原田さんが、そして歌姫たっちんが唄う、「レ・ミゼラブル」の名曲の数々。さわりだけなのがもったいないほど贅沢なメンバーで、かつ、笑いが止まらなくて観ているだけで腹筋が痛くて……

いやはや。
とりあえず、心に残る名場面のごくごく一部を。

・続く残業に疲れ果てたたっちんが、「♪また私一人 いくところもないわ」と唄い始める。『おおっ、たっちんのオンマイオウンが聴けるとはっ!?』と一瞬期待してしまった私は、まだまだ甘かったみたいです。「♪もう夜だね いま夢を見よう……」で、本当に寝転がってイビキをかきはじめるたっちん。客席の微妙ながっかり感と、たっちんの可愛らしさにメロメロでした。
・玉野部長が、テナルディエの「襲撃」のメロディに乗って「♪抜かるな、仕事だ、バベ、ブリュジョン、クラクス!」と言うと、上手から順に「西村です」「原田です」「和音です」と返す、その絶妙のトボけた間。(←実際には、それぞれ役名を名乗ってました。たっちんが佐藤さんだったような気がする。あと二人は忘れました)
・あまりの忙しさに頭痛を訴える原田くん。部長に訴えにいって、「ダメだ!」と断られて、「♪神よ…」と歌い始める西村さん。
西村さんが部長に話しかけたあたりから、これは来るな、と予想して身構えていたにも関わらず、やっぱり笑ってしまいました(^ ^;ゞ。特に「♪若い彼を」あたりがツボ。どうして歌詞がそのままなのにこんなに嵌るんだー。
・部長に辞表を叩きつけて出て行った西村さんを迎えに行く玉野部長。「♪さあ入りなさい…」に、客席は爆笑でした。
・最後に、西村さんの辞表を破り捨てて(←「独白」の最後に、バルジャンが仮釈放証を破り捨てる仕草の真似)笑顔で握手を交わしあい、「Peaple’s Song」で〆る構成がお見事でした。


他にも爆笑ポイントはたくさんあったんですけどねぇ。書ききれないのでこのへんにしておきます。
いやぁ、西村さんのテナルディエは観てみたいかも、と思いました(^ ^)。たっちんはもうエポニーヌは無いかな……(残念)。ファンティーヌでもいいや。次回はぜひ。



■第一幕Sketch4 舞台稽古

続く場面は、どこかの劇団の舞台稽古……っぽい感じ。作品は、なんちゃって「東京ラヴストーリー」。
カンチに良知真次さん、リカにまちゃみ(美羽あさひ)、さとみにたっちん、というキャスト(←名前は微妙に変えていたのですが、覚えてないので原作の名前ですみません)。
これに、監督の玉野さんと助手の西村さん、そして、女優(?)役の瀬下尚人さん、という6人での場面でした。

で。

いやぁ、これはね、たぶん、監督のダメ出しは、全編アドリブだったと思うんですよ。今回、定例の「玉子の無茶振りコーナー」が無かった代わりに、この場面なんじゃなないかと思うのです。
私が観たときは、アンパンマンとゲゲゲの鬼太郎でした。って、これだけじゃ意味がわからないと思うのですが、なんというか、それ以外に説明のしようがない(汗)。

ま~、とにかくまちゃみもたっちんも可愛くて、ちょっと倒れました。
アンパンマンみたいに、と言われたリカのまちゃみは、カンチからのキスを待つ姿勢で拳を「ぎゅっ」と握っているし。セットの上に登場したサトミのたっちんは、お前はメロンパンナちゃんか、と思うほど可愛らしく拳を突き出していたし……

あと、フガフガして何を言っているのかよくわからない監督の話を助手の西村さんが通訳するんですが。この通訳も結構無茶振りで、『……監督は絶対そんなこと言ってなかったぞ!!』ってのがあったりしました。さすが西村さん。
で、耐え切れずに素に戻って笑ってしまって、後ろを向いてしまったたっちんとまちゃみ(^ ^)。

で。ゲゲゲの鬼太郎ネタで、「目玉親父みたいにやれ!」と意味不明なダメだしをされたたっちんは、登場するなりアニメ声で台詞をしゃべってくれて、劇場を撃沈させてくれました。
……さすがに芝居が止まったよ。すごいなたっちん。
素に戻って「こ、声色をつかってみました……」と消え入りそうな声で言い訳しつつ、傘の後ろに小さくなって隠れてしまったたっちんが、死ぬほど可愛かったです……(*^ ^*)。


この稽古の間中、変なタイミングで出てきては芝居を止めていた自称・老女優(瀬下)。
金髪の鬘に変な化粧に怪しげな振る舞い。明らかに「おかしな人」として取り扱われる存在。
何度も失敗した末に、監督に役(←たぶん、通行人)を降ろされ、すごすごと楽屋に戻る。


その楽屋の鏡の前で、しみじみと歌う…いや、流れる美輪様の声。前回の「CLUB SEVEN」で樹里ちゃんがやっていた手法ですが、今回は歌の内容と場面がシリアスにマッチしてしまっているだけに、ちょっと笑えない部分もあったのが残念。でも、さすが瀬下さん、顔芸もステキでした(^ ^)。
で、それを軽く見送って「今までで一番良かったですよ」と声をかける西村さんが、オトコマエだった(はぁと)


あとは、ダンスコーナーと歌のコーナー……だったかな。なんだか、「残業物語」と「舞台稽古」で力尽きて、へろへろになった一幕でした。



■第二幕 音楽劇「OKITE」

第二幕のオープニングは、音楽劇「掟」。
ドシリアスな忍者もので、展開はロミオとジュリエットっぽい感じ。わりとよくあるネタでしたが、二家の首領である玉野さんと瀬下さんが幼馴染、という設定にちょっと萌えました。

玉野さんの息子が西村さん、その妹がたっちん。
瀬下さんの長男が原田くんで、その弟が良知くん。良知くんの部下がまちゃみ・中塚皓一さん・原くん。
(ただし、原くんは実は玉野さん側のスパイ、という設定)

跡継ぎの座を狙う良知くんが、兄の命を狙う。刺客となって長男を襲う、まちゃみ以下の3人。
襲撃で怪我をした彼は、玉野さんの領内に紛れ込み、たっちんと出会う。二人はお約束どおり恋に堕ちるが、何の約束もせずに別れる。
兄に嫉妬して命を狙う良知くんの小者っぷりが可愛かったです。こういう、萌えのある悪役が似合いますね。
そして、彼に言い寄るまちゃみが色っぽい。くの一衣装がよく似合って、スラリとしたスタイルやシャープな仕草がカッコいいです。あんなにイイオンナだったとは!(@ @)。そういえば、「逆転裁判」の暗い過去を背負った女弁護士もシャープで格好よかったな。宝塚は、彼女に典型的な娘役タイプの役ばかり与えて、損をしたような気がします。もっと色っぽい役を与えて、得意な芝居をさせてあげれば良かったのに……。

「変わり身の術」でたっちんに成りすましたまちゃみ、というか、まちゃみの役が成りすましているという設定のたっちんが、がんばってシャープな喋り方をしていて、その似合わなさにちょっとウケました。たっちんはあくまでも可愛い路線が良いらしい(^ ^)。
で、その“まちゃみが成りすました”たっちんに「駆け落ちしましょう!」と言われて、その気になる長男。いやー、素直な男はいいねえ。

さっさとたっちんを襲って屋敷へ連れて帰る次男と、いきなり『抜け忍』として追われる長男。
展開が唐突でちょっととまどいましたが(^ ^;ゞ、なんとか話は繋がっていたかな。
娘を取り返すために、瀬下さんの屋敷へあらわれる玉野さんが、超格好よいです。ええ。
これまた、かなり唐突に始まる殺陣が、とにかく素晴らしいです(惚)。


最終的には、戻ってきた長男を含む全員が闘いに斃れ、長男の死体に取り縋って泣いたたっちんが手元の小柄を首に当てると……
どっさりと、大量に落ちてくる花吹雪。

花吹雪に捲かれて「もろともにあわれとおもえ山桜 花よりほかに知るひともなし」と詠うラストシーンは、非常に美しくて良かったです。




……でも、まあ、わざわざCLUB SEVENでやらなくても良いんじゃないか?とも思ってしまったことは事実、かな……。殺陣は格好よかったけど、ダンスシーンとしては普通だったし。
いや、あの、前回のマネキンと操り人形の場面とか、以前のレアちゃんがやった獣たちの場面みたいな、「ああ、これは他では出来ないなあ」という秀逸さが無かったような気がするんですよね……。
CLUB SEVENに求めているのは、コレじゃないような気がする、というか。いや、コントを求めている訳では決して無いんですが(^ ^;ゞ、お芝居は求めてないんですよね~。いや、芝居も充分できるメンバーが集まっていることはわかっているのですが、あえていうなら、他では観られない素晴らしいダンス、というのが猫的ポイントなので。

す、すみません。ただの呟きです。忘れてください。
勿論、場面としての完成度も高いし、とっても面白かったです♪





■第二幕 五十音順ヒットメドレー

毎回恒例の、五十音順ヒットメドレー。これがないと「CLUB SEVEN」じゃない!というわけで、みなさんがんばってました♪
……毎回書いてますが、私はとにかくテレビを視ないひとなので、CMにもヒット曲にも弱いんです(T T)。以前はもう少し懐メロ系もあったのですが、今回はかなりCMの比重が高かったみたいで、ほとんどわかりませんでした(涙)。
でも、ネタを知らなくてもちゃんと笑えるのがCLUB SEVENのいいところ♪ちゃんと笑いっぱなしでしたよ~~~。ただ、ネタを知らないからレポできないだけで(^ ^;ゞ。

まちゃみとたっちんのタカラヅカネタは、王子様と王女様みたいな格好で出てきて……なんだっけ、可愛らしいデュエットを歌ってハケテいったんですが。いやもう、たっちんの王女様の可愛らしさはまあ予想通りとして、まちゃみの王子様の格好よさに吃驚しましたよ(@ @)。
でも、あんまりコテコテのヅカネタではなかったな~。

一番笑ったのは、中塚くんのフィギュアスケートネタと、西村さんの「コイが駆け抜ける~(だっけ?)」でした。中塚くんのイナバウアーはかなりイケてたと思う(^ ^)。西村さんのコイは、、、いやあ、あの後たまたまHANDSにパーティグッズを探して行く機会があったのですが、コイノボリの被り物が売っているのを観て、店頭なのに本当に爆笑してしまいました(^ ^;ゞ。
あ、あ、あれは衣装じゃなかったのか……売り物だったのか……(息も絶え絶え)。



そんなこんな、いろいろあって(今回はついに80曲を越えたそうです)、
「ん」のSeasons Of Loveに続くエピローグは、いつもどおり「CLUB SEVEN」。
かーーーーっこいいーーーーっ!!と叫んで終わる、黄金のワンパターン(^ ^)。


いやあ、本当に素晴らしかったです♪
来年の(かな?)7thを、楽しみにしています!!>玉野さん



今日は、雪組東宝劇場公演「ソルフェリーノの夜明け」新人公演でした。
……2月の星組に引き続き、仕事のため早帰りできなかった猫は、とっても凹んでいます。
ぜひぜひご覧になったみなさま、様子を教えてくださいませーーーー!!

初主演となった彩風咲奈ちゃんは、やっぱり逸材でしたか?
二度目のヒロインのあゆちゃんは、二番手さんの帆風くんは、どうだったんでしょうか。そして、既にベテランの域に達しつつあるがおりちゃんや凛きらくんは?
個人的に、真那春人くんの様子も気になりますが……



あーあ、行きたかったなあ。チケットはあったのにーーーー(T T)。



愚痴ってしまってすみません(涙)。
明日も元気に働いて、稼いで、また劇場に行かなくっちゃ、ね。

……まずは、雪組本公演を早くみなさい>自分。



トーマの心臓

2010年4月9日 演劇
紀伊国屋ホールにて、STUDIO LIFE公演「トーマの心臓」を観劇いたしました。
……先月の落穂を拾わせていただきます。



私は、STUDIO LIFEの「トーマの心臓」を、10年ほど前に観たことがあります。
細かいことは思い出せないのですが、1997年のベニサン・ピットか、または1999年のシアターサンモール公演を観た……筈! で、「トーマ」を観た翌年に「訪問者」を観た……はず。
初見でいきなりオスカー役の笠原さんに落ちて、何回かファンレターらしきものを書いたりしてましたね(*^ ^*)。一時は割と真剣に応援していたので、外部出演も結構観ていると思います。
ただ、STUDIO LIFE自体はなかなか予定が合わなくて観られないことが多く、本当に「トーマ」と「訪問者」くらいしか観ないまま10年ちかくも間があいてしまい……いつの間にか案内も来なくなって、数年前に笠原さんもシュロッターベッツを卒業してしまいました(T T)。
で、今回、笠原さんでないオスカーを初めて観たという訳ですが(*^ ^*)。



まずは、記録をかねてキャスト一覧を。
10年前のキャストも、覚えている方のみ【】で括って書いておきます。


ユーリ    青木隆敏【山本芳樹】
オスカー   岩崎大【笠原浩夫】
エーリク   松本慎也【深山洋貴】
アンテ    植田圭輔【及川健】

レドヴィ   関戸博一
バッカス   牧島進一
サイフリート 高根研一
3年生    山本芳樹・飛来正行・荒木健太郎・原田洋一郎 
同級生    緒方和也・吉田隆太・石井昭裕・神野明人・冨士亮太

ミュラー校長 船戸慎士
ブッシュ先生 藤原啓児
ユーリの母  曽世海児
ユーリの祖母 藤原啓児
トーマの父  河内喜一朗
トーマの母  石飛幸治

シド・シュヴァルツ 山崎康一



10年前はダブルキャストでユーリを演じていた山崎康一さんがシドだったりするあたり、時の流れを感じますね(苦笑)。
ま、10年前から代わらないキャストもいますけどね(^ ^;ゞ



作品的には有名な物語なので、ストーリーの説明などは省略させていただきます。

今回、10年ぶりに観て一番印象的だったのは、エーリクの松本慎也くんと、シドの山崎康一さんのお二人でした。
特に、松本くんのやんちゃっぷりというか、エーリクの嵌りようは凄い!、と。

ただ、エーリクがあまりにも嵌り役すぎて、トーマの透明感が無かったのはご愛嬌……かな(^ ^;ゞ

松本くんは、時折莫迦っぽく見えるときがあるのが気になりますが、役者としての本質はたぶん『天然』なんだと思いました。いや、それ以上に根本的な部分が『天使』なんだな、と。
「カリフォルニアス物語」のイーヴ。
「トーマの心臓」のエーリク。
吉田秋生、萩尾望都という少女漫画界のスーパースターが創り出した、二人の天使。
ただ純粋に人を愛して、運命のままに流されていく天使たちを、そのまま演じられるキャラクタ性。

「僕の翼、君にあげる。……僕はいらない」

そう言ってしまう弱さと、そう言いきれる強さのバランスが凄いな、と思いました。
自分を完璧に明け渡してしまう強さと、相手の弱さを受け入れられない弱さ。
『天使』は本質的に“弱き者”=守られるべき子供。なのにエーリクは、ユーリを守ってあげたいと思った。
初めてそう思ったときに、彼の翼は落ちてしまうんですよね。守るべき者を得たときに、ひとは天に舞い上がるすべを喪うのだから。

それでも。
翼の代わりに得た腕で、愛するものを抱きしめたい、と思うのが、大人になるということだ、と。


そんなことを、思いました。
松本くんが、あまりにも天使だったので。



そして、そんなエーリクと語り合うシドを観ていると、、、、
ああ、この人も昔は天使だったんだなあ、と思うんですよね。

昔はユーリだった、んじゃなくて、もしかして、昔はエーリクだったんじゃないか?と(←いいえ違います)
いや、違う。たぶん、ユーリも天使だった、ということなんでしょう。
長い旅路の果てに、シュロッターベッツの門をくぐったオスカーを慰めたときのユーリ、は。




で、ユーリの青木さん。
彼の特徴的な喋り方には、だいぶ慣れてきました(苦笑)。
で。その喋り方と声さえ気にならなければ、彼の芝居の方向性はかなり私の好みなんだな、と思いました。
道理で、今までも物語の前半では「………黙れ」と思ったりしたことがあっても、後半になると嵌ってくる印象があったのは、そういうことか(納得)。




オスカーの岩崎さん。
優しいオスカーだなあ、と思いました。愛があって、二枚目で、優しくて。

個人的には、やっぱり猫は笠原さんのファンなので、あれ以上のオスカーはいないと思っているんですけどね。意外と細かいことを覚えていたりするんですよ。階段脇の壁にもたれていたシルエットとか、ふとしたときの目の動きとか。
でも、普通に作品を考えた場合は、充分に素敵なオスカーでした(はぁと)。
なんたって、松本くんとの並びがほのぼのと可愛くてよかったです♪

ただ。
岩崎さんにはおっとりと優しい雰囲気があるせいか、アンテ役の植田くんとの場面に色気も切迫感も全然無かったのが寂しかった……。(ユーリに人工呼吸する場面でさえ色っぽかった笠原さんは、いったいどうしたら)
それに、ミュラー校長との駆け引きの場面にも、なんというか『ずる賢い』感じがないんですよね。そのせいか、ラスト前にユーリに告白するときの、どんでん返し感(「えっ、お前ってそんなイイ奴だったの!?」みたいな)を弱めていたような気がします。ちょっと勿体無い感じ。



そういえば。
ラスト前のミュラー校長とオスカーの場面って、10年前とは演出変わっているんでしょうか?……あの場面、透明な光に包まれて、ゆっくりと一歩づつ近づいていくオスカーと、それを、ただ黙って見守っているミュラー校長、という図が、それだけですごい号泣ポイントだったんですけど、あんなに短い場面だったんでしたっけ……?
少なくとも、左右は逆になっていたような??



メインキャスト以外では、レドヴィの関戸さんが、ごく良かったです。なんだろうな。何ともいえない、澄んだ空気感が好きでした。
個人的に、彼のユーリを観てみたい、と思いました。似合うと思うんだけどなあ。……どうでしょうか>倉田さん





この3月は、忙しすぎて「訪問者」は観に行かれませんでしたが、あらためてプログラムを観ると、高根さんのグスタフ+吉田くんのヘラ+荒木健太朗さんのオスカー、という豪華キャストなんですね。
……うみゅ~、やっぱり観ればよかったなあ……。



東京宝塚劇場にて、雪組公演「ソルフェリーノの夜明け/カルネヴァーレ(睡夢)」を観劇して参りました。



悪くない公演でした。
あともう一回、来週も観る予定なので、詳細はまたその時に書きたいと思いますが、とりあえず、芝居も予想していたよりずっと良かったし、ショーはすごく好きかもしれません。


ただ。


どこが「アンリ・デュナンの生涯」なの?

某「高潔なアラブの戦士となったイギリス人」以来の大嘘サブタイトルだと思うんですが…?



………とか、そういう細かい(←いや、細かくないだろう)突っ込みは、大劇場からご覧になっている雪組ファンのみなさまが散々なさっていると思うんですよね、たぶん。

でも。
それでも、どうしても一つだけ言いたいことがあります。


この時代の思想を語るうえで、「安っぽいヒューマニズム」なんて言葉を簡単に使うな!!



「トーマの心臓」に出てくる「ルネッサンスとヒューマニズム」の「ヒューマニズム(人間主義)」とは違う、もっと近代的な「人道主義」「博愛主義」的な意味合いの言葉として使われてますよね?この作品では。だったら、それはまさにこの時代(19世紀末)に発達した思想だったはず。
当時は手垢もついてなければ安っぽくも無い、最新の思想だったと思うんですけど?

捕虜は勝利者側の財産であり、奴隷にしようと身代金を請求しようと自由だった時代は、そう古いものではありません。
そして。その時代だったら、敵軍だろうとなんだろうと、自分たちの財産なんだから大切に治療もしたはずなんですよ。死んでしまえば労働力にもならないし、身代金も取れないんだから。

でも。
フランス革命による「国は国民のもの」という認識の浸透と、ナポレオンの軍制改革によって、近代徴兵制というものが始まってから、半世紀が過ぎたこの時代はもう、戦いの前線に出てくるのは、身代金の取れる騎士階級ではなく、徴兵による国民兵なんですよね。
身代金が取れないんだから、それまでの価値観のままでいれば、当然ながら治療の優先順位は下がります。戦争、というこの世でもっとも効率が重視される価値観の中では、仕方のないこと。



そんな時代に、それでも同じ人間じゃないか!と叫ぶことが、どれほど新しかったことか。
ハマコさんやキムちゃんたち、イタリア指揮官たちの言うことも、全然間違ってない……当時としては、ですが。
古い価値観だけれども、まだ新しい価値観が成立していない段階なんですから。



その『新しさ』が、……この脚本からは、全く感じられません(T T)


せっかくいい題材で、重たいけれども演劇として良いテーマだと思うのに、あまりにも脚本が通り一遍すぎる、と、思うんです。
まるっきり「現代」の思想で語られているから、わかりやすいっちゃわかりやすいんですけど、結局「安っぽいヒューマニズム」以上のものになれてない。

そうじゃない。赤十字思想っていうのは、そんな手垢のついた「ヒューマニズム」とは対極にあるものだったはず。
デュナンが語ったのは、もっと具体的で、実行力のある、そして実効力のある発想だったはずなのに。



あまりにも反戦思想が前面に出すぎているのもどうなの?、と思いました。
……それとも、赤十字って、設立当初は反戦団体だったんでしょうか……?

そりゃ、戦争が無くなればそれに越したことはないとは思っているでしょうけれども、
根本的に、あれは互助組織みたいなものですよね?大きな災いがあったとき(←戦争も災いの一つ)に、国に囚われず、中立の立場で人道的支援を行うための。そのために、平時から加盟国が支援し、積み立てておくという。

なんか、赤十字思想そのものを植田さんが大きく勘違いしているような気がするのは、気のせい?……なんですよね、きっと……?




いや、あの。

役者はすごく良かったんです(真顔)。

若干理想主義的な面はあるけれども、誠実で行動力もあるデュナン(水)。
ひたすら優しい人道的な医師エクトール(彩吹)。
過去の哀しい傷から逃れられない看護婦アンリエット(愛原)。
高圧的なイタリア軍指導者(未来・音月)。
そして、必死に生きようとする両軍兵士たちも。

……みんな、すごく良かった。

だからこそ、脚本の乱暴さが、惜しいなあ、と(涙)。





それに。今回、ユミコさんのサヨナラ公演、ということを相当に意識して、後付けでそれらしい場面(銀橋でのソロとか)を与えてくれたのは植田さんらしい思いやりなんだろうな、と微笑ましく思うんですけども。
でも、それゆえに壊れた部分も大きい、と思いました。

いつも白衣で、あまり身なりに構わなそうなエクトールさんが、愛するアンリエット(愛原)を見送るために一張羅を着て登場するところまでは、まあ、許すとして。
その後、銀橋に出て歌う一曲が、恋人の無事を祈る歌とかではなくて、思い出にふける「ユミコさんの」テーマソングなのは……どうなんでしょうか。私は、あの場面ではエクトールさんの心情を語るような歌が聴きたかったんですけど。


いや、ユミコさんご自身は、ちゃんと「エクトール」として、エクトール自身の気持ちを歌っていらっしゃると思います。でも、どうしたってあの歌詞を聴いたら、ねぇ……。




宝塚のお約束的な、「トップ娘役=トップスターの役の恋人役」という前提を崩した芝居も、ユミコさんのサヨナラだから、花を持たせて…という発想があったんじゃないかと思うんですが。
でも、脚本的にあまり書き込まれていないのと、水さんがあまりに愛情にあふれすぎているし、ユミコさんは優し過ぎるし、みなこちゃんは不器用なタイプだし、、、というわけで、若干微妙なバランスのまま終わってしまった印象でした。

やっぱり宝塚のお約束を破る場合は、脚本的なフォローが必要だと思うんですよね。じゃないと、いろんなところに無駄な負担がかかってしまう。今回は特に、ヒロインに対してその負担を感じました。
そう。みなこちゃん、今回はあらゆるところで物凄く苦労していましたね~。
外観はすごく磨かれて、ドキっとするほど可愛かったんですけど(^ ^;ゞ。

本質的に不得手な役なんだと思うんですよね。みなこちゃんが得意なのはもっと非現実的な役で、ああいうリアルな普通の女性なら、たぶん、さゆちゃんの方が巧いと思う。
前回の「ロシアン・ブルー」と同様、ツンデレな女性なら得意だろう、という発想で役を振られたような気がするのですが、イリーナとアンリエットはまったく違う!!同じツンデレでも、萌えがあるかないか、というのは凄く大事な違いなんです。(真顔で力説)


ただ。みなこちゃんが見事だな、と思ったのは、両親を殺したオーストリー兵に対する気持ちを、憎しみや恨みで表現するのではなく、心の傷として表現しようとしたところ。
そういう微妙な表現をしにくい脚本なので余計に苦戦していましたけれども、私はやっぱり、みなこちゃんの芝居は好きなんだなあ、と思いました。

……今日のみなこちゃんにはカミカミの神様が取り付いていたみたいで、すごく大事なところで何度も噛んでましたけどね(T T)。あれさえなければ……。





親を殺した仇、、、といえば。

話はぜんぜん違うのですが、最近観たばかりの「シャングリラ」と比較して、面白いな、と思ったのは、ヒロインの心の傷の意味、でした。

「シャングリラ」のヒロインは、十年前に父親を殺された、ミウ(野々すみ花)。
その軍の指揮を執っていたはずの、ソラ(大空祐飛)。
そして、ソラの顔を覚えていた、ミウの幼馴染であるラン(蘭寿とむ)。

ソラは、記憶を取り戻すと同時に、彼女の父親の仇が自分である(手を降したのは部下であるにせよ、責任をとるべき立場にあった)ことを思い出す。

ミウは、そのときの記憶がないらしい。
でも、ランによってその「仇」がソラであることを暴かれても、あまり動揺を見せないんですよね。父親が死ぬ現場に居合わせたわけではなかったのかな、と納得しようとしたほどに。



「シャングリラ」は、テーマとしてはむしろソラたちの傷、『汚れたこの手にこびりつく血』というフレーズに象徴される「奪った側の傷」を重視しているので、ミウの傷にはあまり深入りしようとしません。
いや、ミウどころか、ソラの顔を覚えていたランでさえ、父親に言われてあっさりソラを受け入れてしまったりするんですよね。まあ、あの脚本なので、深く考えるだけ無駄なのかもしれませんが……(^ ^;ゞ



でも。「ソルフェリーノの夜明け」という作品のテーマは、「奪われた側の傷」なんですよね。
アンリエットの傷は、ミウよりずっと深い。それは、その死の現場に居合わせた、というのもあるかもしれませんが、説明的なことを言うならば、それは、その傷こそがテーマに関わるから、だと思うのです。
ハーベルマン医師(未沙のえる)も同じ傷を抱えているし、他にも、脚本には書かれていませんが、似た傷をもつ人は何人もいるんでしょう、きっと。

デュナンには、そういう傷は無かった。
でも彼は、傷病者をそのままにして立ち去ることが出来なかった。それは、そんなことをすれば自分の心に傷として残ることがわかっていたから、だと思うのです。
凄惨な戦場のありさまを見てしまったことが彼の傷で、おそらく、そのまま立ち去ったならトラウマとして残ったことでしょう。
その治療行為の一環として、彼は献身的に治療に協力する。彼らが快癒するまで、デュナン自身がこの悪夢から逃れられないから。

そしておそらく、エクトール医師も同じなのではないか、と、書かれてもいないことを想像してみたりする。



奪った側の傷と、奪われた側の傷。
奪った側の傷は、自然に治癒するものではありません。基本的に、『許される』ことによってしか治らない。自分でどうにかできるものではないのです。
でも、奪われた側の傷は、忘却という『神の恩寵』によって癒すことができるのです。『幸せ』という特効薬によって。

だから。ミウがソラを赦すことが出来たのは、蛇の目一座で幸せだったことの証かな、なんて思ったんですよね。フォン(十輝いりす)に守られて、ランに、そして一座の仲間たちに愛されて。神の恩寵によって『奪われた傷』が癒されることによって、『奪った傷』を癒してあげることができる。そういう連環があるのかな、と。

ならばなぜ、アンリエットはあんなにも深く傷ついたままだったのか?
……それは、(逆説的に)彼女が戦場に身をおいたからなのではないか、と。

悲惨な戦争の悪夢が、両親の死という悪夢を呼び醒ます。彼女が忘れようとしても忘れさせてくれない。死体をみるたびに、負傷者の血糊を見るたびに、フラッシュバックする、その苦しみ。
高圧的な態度の裏に、いつも何かに怯えきった、小さな子供の姿が見える。

そんな怯えた小さな子供の、背中を押してくれたデュナン。
ただ盲目的に彼女を守ろうとしたエクトール。



アンリエットは、デュナンによってエクトールの腕の中という檻を脱し、「行かせてください」と訴えることができた。
「必ず帰ってきます」と。

そんな彼女の手を離してあげることができたエクトールもまた、何かの傷から自由になれたのかもしれない、と。
それもまた、デュナンのおかげなのだ、と。

そんなことを思いながら、ユミコさんの美声に聴き入っていました。






なんだか、どうでもいいことを書いているうちに時間切れしたような気が(^ ^;すみません。

えっと、
ポポリーノの真那春人くんがあまりにも良い役で(短いけどソロフレーズ歌っちゃうんですよ!)驚愕したこととか、
さゆちゃんの看護婦姿があまりにも嵌っていて惚れ直したこととか、
ヘルディーおじさんの奏乃はるとさんがとってもいい味を出していたこととか、
マンドリン持って歌っているコマちゃんを観ながら、コマファン継続中な自分に気づいたこととか、
ショーの楽師対決で、ひろみちゃんとあゆちゃん(と、キタロウと花帆杏奈ちゃん)の様子が面白くてツボりまくりだったのに、楽師さんたちもステキすぎて何を観たらいいのかわからずパニックになりかけたこととか、
フィナーレ前で、青い中国服で踊っていた小雀の笙乃茅桜ちゃんがメッチャ可愛かったこととか、

……また後日、まとめて書かせていただきます。



あ、そうそう。
稲葉さん、大劇デビュー、おめでとうございます!!
次作も期待しています♪



東京芸術劇場にて「サイド・ショウ」を観劇してまいりました。



明日は朝が早いのであまりゆっくり語れないのですが、とても素晴らしかったので、簡単に宣伝させていただきます♪


かしげちゃん(貴城けい)と樹里(咲穂)さんが扮するのは、1908年に生まれ、69年に亡くなった実在の結合性双生児、ヴァイオレット&デイジー・ヒルトン姉妹。
見世物小屋で生活し、今回の作品の冒頭のナンバーでも歌われる「FREAKS(バケモノ)」というタイトルの映画にも出演した、ショービジネス界のスターだった、実在の二人。

かしちゃんと樹里ちゃんが、思っていた以上にスタイル的に似ていて、ちょっとびっくりしました。全体的に樹里ちゃんの方が皮一枚(?)大きい感じがするんですけど、ぴったりとくっついて立っているときに、腰の高さも膝の高さも同じなのが素晴らしい。肩はすこーし樹里ちゃんの方が高いみたいでしたけど、それも微差という感じです。身体の厚みも横幅も似たようなもの。
よくぞこの二人にオファーしてくださいました!!と思いました。

とにかく全編を歌で綴る作品で、大量のナンバーを歌いまくるお二人。歌い方がかなり違う二人ですが、今回はお互いによくあわせていたと思います。
ヘンリー・クリーガーの素晴らしいナンバーの数々。
特に、一幕終わりと二幕終わり、それぞれのクライマックスの音楽が、本当に素晴らしくて。

……号泣しました。


辛い物語ですけれども、最後にきちんと前をみて、開き直る二人の姿が、素晴らしかったです。
あああ、もう一回観たい……。





デイジー(樹里)を愛するプロデューサーのテリー(下村尊則)。
いやもう、そりゃあダンディで大人色っぽくて、とってもステキでした♪♪樹里ちゃんが笑っちゃうくらいハート眼になっていて、いや~、恋ってすごいね!!と思いました(^ ^)。


ヴァイオレット(貴城)を愛するミュージシャンのバディ(伊礼彼方)。
熱血で優しくて、ひどく可愛い青年。ハンサムだし歌えるし、なかなかステキな王子様っぷりでした。嘘の無い彼の笑顔と苦悩が、とても切なかったです。


二人を守る黒人の力持ち(?)、ジェイク(岡幸二郎)。
切ない役でした。いや~、元岡ファンとしては、久々にシリアスな役の岡さんに出遭えて嬉しかったです。ナンバーもどれも素晴らしくて、特に二幕の「YOU SHOULD BE LOVED」が凄かった……シャワーのように、岡さんの声を浴びる幸せに浸りました♪


二人が最初に所属していたサイド・ショウ(見世物小屋)のボス(大澄賢也)。
曲者をやらせたらこの人の右に出る人はいませんね!!歌も芝居も素晴らしかったです。あと、スタッフとして振付もなさったそうですが、アンサンブルのダンスシーンがどれも素晴らしくて、二階席で見たいなあと思いました♪


世界初演は、1997年、ブロードウェイ。
すぐにミュージカルファンの間で話題になり、トニー賞には1998年に複数部門でノミネートされました。残念ながら「ライオンキング」と「キャバレー(リバイバル)」そして「ラグタイム」にさらわれた年で、受賞はできませんでしたが、ファンの間では有名なミュージカルの一つ。
アンサンブルにも、宝塚OGの水月舞さんや牧瀬海さん、元四季の田村雄一さんをはじめ、実力派をそろえてがんがん踊り、歌ってくれてました。


いやー、本当に見ごたえがある作品でした♪


なんだか、どこの回し者だよお前、って気しますが(^ ^;ゞ、ホントに良かったので、お勧めさせていただきます♪(^ ^)来週一杯で終わってしまうらしいので、ぜひぜひ早めにご検討くださいませ♪♪



昨日はバタバタしていて、全くニュースに触れていませんでした。
今朝、会社で新聞をチェックしていて、1日遅れのこの記事に気づきました。


7月に上演を予定していた「木の上の軍隊の執筆を延期する、との発表があったのが、たしか金曜日でしたよね?私がその記事を読んだのが土曜日(10日)の朝でした。もちろん、何の予感もなく
「『遅筆堂』とまで呼ばれた井上さんの脚本が遅れるなんていつものことなのに、今回は珍しく事前に発表するのねぇ」
程度の印象だったのですが。

……私があの記事を読んだときには、もう…………↓(T T)↓



三谷さんのコメントなどを読んでいると、しみじみ「巨匠」だったんだなあ、と思いますね。
「この素材を、井上さんならどう料理したか」ではなく、「どう書かないかを考えた」というコメントが秀逸で、このコメントが象徴する「井上ひさし」という存在の巨大さに心が震えます。

そして、宮部みゆきさんのコメントの切ないこと。
「自分が委員になってからも、委員の中に井上さんがいたから安心でした。まだまだ私は子供でいたかったのに、寂しいです」
……おもわず眼がうるみました。

井上さんって、その世界ではそういう存在だったんですね。
作品を通してしか存じ上げない方ですが(←当然です)、もっともっと、いろんな作品を観ておきたかったな、と思います。こまつ座の作品はかなり観ているつもりでしたが、あらためて著作リストを見てみると、タイトルは知っているけど観ていない作品が結構多くて、凹みました。
こまつ座って、作品ごとの上演期間があまり長くないので、ちょっと油断しているとすぐ終わっちゃうんですよね。「またすぐ次があるし」とか思ってしまうし。……次はないこともある、ってことを、忘れちゃいけないな、と思いました。


井上さん、たくさんの素敵な作品をありがとうございました。
「紙屋町さくらホテル」とか、「太鼓叩いて笛吹いて」など、何度でも観たい作品がたくさんあるので、こまつ座さんにはこれからももっともっと頑張ってほしいと思います。
7月に再演される「黙阿弥オペラ」もとても好きな作品なので、絶対チケット取ります!!




それにしても。
ネットで検索してみて、最初に出たのが「ひょっこりひょうたん島の脚本家」という称号であったことに吃驚しました。知らなかったー!!「ひょっこりひょうたん島」って、井上さんだったのか!
「ブンとフン」は知っていたんだけどなあ(↓)



今週はひっじょ~~~に忙しかったし、明日も朝から会議なので、家にたどり着いたらすぐ寝よう!!と思いながらタクシーに乗りました。

なのに。



寝る前に、目覚まし替りに明日のニュースを予約しよう、と思ってテレビ(スカイステージ)を点けたのが運のつき。




……樹里さんのGOGO!5で、彩吹真央さん、大湖せしるさん、蓮城まことさんが出た回(再放送)が、ちょうど流れていて。

きゃびぃ(早花まこ)と(大月)さゆちゃんが出てきたところでした。





いやあ~~~、私、この回は視てなかったんですね~。たぶん、何かで録画し損ねて、そのままになっていたんだと思うんですが。……いやはや、去年の秋の花組のゲスト(マメちゃんたち87期のVO5ズ)も素晴らしかったけど、このお二人も、相当に素晴らしかったです。可愛いのに半端無いなあ、二人とも(^ ^)。

樹里さんに「あんたらリハーサルと全然違うやん!!」と突っ込まれていましたが、本来は何をすることになっていたんでしょうかねぇ。。。



ユミコさんに「(樹里さんの)最初の相手役だったよね!?」と指差されて、思いっきりヒトゴトめいて後ろを振り向いたさゆちゃん、「ああ、大月さゆさんのコトですよね?ええ、落ちてましたね、階段から」とサラッと言ってのけさゆちゃん。その笑顔が、死ぬほど可愛いです(*^ ^*)。
「JUBELEES」のミリーも物凄く可愛かったけど、あれから6年がすぎてさらに可愛くなったさゆちゃん。大好きだ!!


そして、きゃびぃ。割と長いこと、雪組を観にいくのはきゃびぃ目当てだった猫。
彼女も「JUBELEES」のときは研2だったんですよね。忘れられない……。いやはや、キュートで可愛かったなあ♪



せしるとキングの罰ゲームも良かったし、メインゲストの罰ゲーム(←それも、罰ゲームに当たった訳でもないのに)も初めて視たような気がするし、、、いやはや、ユミコさん可愛いなあ。楽しいなあGOGO!5
休みが取れるかどうかわからないけど、やっぱり6月7日宙組(蘭寿とむさん、春風弥里さん、蓮水ゆうやさん)の収録、申し込むだけ申し込んでみようかな……。





……明日の朝、寝坊したらきゃびぃとさゆちゃんのせい、ってことで。(責任転嫁)


CSニュースで流れていた桜乃彩音嬢のミュージックサロンのお稽古風景、良さげでしたねー。
宝塚ホテルはもう終わって、土曜日からは第一ホテル東京。
稽古場風景を観て、「やっぱり観たい!!」と思った……のですが、完売しちゃってましたね(T T)。昨日見たときは、まだ更新されてなかったのにな~~~。
稽古場風景観て行きたくなった人、そんなにたくさんいたのか?

あーあ、残念だ……まっつとだいもんのアランフェスをナマで観たかったのに……(←そこ?)。




さて。
宙組大劇場公演「トラファルガー」の新人公演配役(一部)が発表されました♪


ホレイショ・ネルソン (大空祐飛) 蒼羽りく
エミリィ・ハミルトン (野々すみ花)すみれ乃 麗
ナポレオン・ボナパルト(蘭寿とむ) 愛月ひかる
ウィリアム・ハミルトン(北翔海莉) 鳳樹いち
ジョセフィーヌ    (五峰亜季) 琴羽桜子
トマス・ハーディー  (悠未ひろ) 澄輝さやと
フランシス・ネルソン (花影アリス)藤咲えり


おお。

りくくん、れーれ、新公初主演おめでとうございます!!

どっちも初主演って割と珍しいケースのような。しかも、姉さん女房だし。……れーれはバウのヒロイン経験があるから、経験者カウントなのでしょうか。芝居はお二人とも心配ないと思うんですけど、歌は若干(・・;)心配なコンビなので、あんまり他のことに気をとられず、しっかりお稽古に集中できますように。



ナポレオンは愛月くん。そりゃあ軍服似合うだろうなぁ~~~。

みっちゃんの役は、「カサブランカ」に続き、いちくん。「ジュ・シャント」といい、歌にも踊りにも大活躍してくれそうですね。れーれとの並びも「ジュ・シャント」以来ですが、お似合いだったので、今回も楽しみです♪

ともちんのハーディは、あっきー。こちらも軍服姿が楽しみです。すごく良い役になりそうなので、美味しい役は、ちゃんと美味しくやっていただきたいわ♪

アリスちゃんのファニー(←ネルソンの奥方)は、エリちゃん(はぁと)。
……エリちゃん、こういう役だと必要以上に大人っぽくなってしまいがちなので、りくくんとのバランスがちょっと心配かなあ。学年差もあるし……。でも、いい芝居をしてくれると信じています♪



そして、ねこ的に一番ニュースだったのは、
ナポレオンの奥方・ジョセフィーヌは琴羽桜子ちゃん(*^ ^*)。
いやぁん、嬉しい~~!!本公演も新公もこのキャスティングということは、きっと踊りまくる場面があるんですよね?観たい~~~!!桜子は芝居も巧いし、愛月くんと並ぶとだいぶ姉さん女房ですが、ま、それは本公演も同じだし(^ ^)、、期待はふくらむばかりです♪♪
よっしゃ、絶対にチケット取るぞ~~~!!





しっかし、新公主演者、どの組も若くなってますよねえ……。
これで、現時点での新人公演主演者の最下は、花組が91期(鳳)と92期(天咲・蘭乃)、月組が94期(珠城)と90期(彩星)、雪組が93期(彩風と舞羽)、星組が92期(真風)と94期(早乙女)、宙組が93期(蒼羽)と92期(すみれ乃)。
今年の新公の長である90期で新公主演経験があるのは、既にトップ娘役になったお二人を除くと、雪組のがおりちゃん(香稜しずる)と月組の(彩星)りおんの二人だけ。89期が男役も娘役もメチャメチャ多かったので、なんかすごく寂しい気がします(T T)。
各組あと一回づつ新公が回ってくるけど、誰か主演するでしょうか……。個人的には、正塚作品の主人公を熱演するがおりちゃんと、「ジプシー男爵」で歌い踊る宇月くんは、ぜひ観てみたいんですが(夢)


まあ、そんなことを考えつつ。
さっつんとえなちゃんとモンチと、、、宙組っ子皆に、遣り甲斐のある役が回ってきますように☆


霧矢大夢さん、蒼乃夕妃ちゃん、
大劇場お披露目初日、おめでとうございます(^ ^)。



いや~~~、月組でずっと一緒にやってきたきりやんのお披露目は、我がことのように嬉しいです。
しかも、大作スカーレットピンパーネル!!歌も踊りもコメディも心配のないきりやんなので、舞台を愉しんでいらっしゃる姿を、安心して観にいかせていただきます(はぁと)。
それにしても。元々美声で歌えるきりやんにトップマイクを渡したら、いったいどんな素晴らしい音楽が流れ出すんだろうか……などとドキドキしつつ(*^ ^*)。

初日映像は、明日流れるんでしたっけ?楽しみにしています(はぁと)
唯一の心配は役替りですが、関係者一同、がんばってくださることを信じて。



生まれ変わった月組が、演目に恵まれて、今まで以上に楽しい組になりますように!


そういえば。



先日。友人からメールでニュースをいただきました。
そのまま、自分のスケジュール帖に書き込んで、こちらには書かずに放置していたのですが。


らぎちゃん(柊巴)が、舞台に参加するそうです(はぁと)。

リリパットアーミーⅡ
「罪と、罪なき罪」
http://homepage3.nifty.com/tama-sho/jikaikouen.html
作・演出:わかぎゑふ
座・高円寺1 2010年6月5日(土)~13日(日)



………ちょっと待て。
6月5日?その日って私、大劇場の宙組公演を取っちゃってるんじゃないか???
き、今日が発売日だったよね……?




記念するべき、卒業後初舞台の初日なのに、ううう~~~。



いや、前向きになろう>自分。
楽は観られるよ!!
そうだ。そっちの方が大事だ!(←本当か?)


なんだったら大阪まで観にいってしまえ!(真顔)
どうせ大劇場で公演中なんだから、そっちの方が楽だし!!

←でも、本当の大楽は更に次週の新神戸で、その時は宙組は終わってますよ?
………しょぼん。




何故、先週から知っていたのに、今日になってこんな日記を書いているのか?というと、

本日が宙組大劇場公演の発売日だったことと、

久しぶりに家でゆっくりする時間があったのでネット上をうろうろしていたら、わかぎゑふさんのブログに記事が出ているのを見つけたので、とゆー理由でした。
http://blog.livedoor.jp/zatyou/archives/1111600.html


いや~、らぎちゃん可愛いなあ。
男の子みたいで、今の公式サイトの画像とはぜんぜん違う人みたいだ(^ ^)。




しっかし……。私、卒業後のらぎちゃんとはどうも縁がないような気がするのは気のせいでしょうか(T T)。
花組さんの「外伝ベルサイユのばら」で貸切の司会&トークをしたときも仕事が休めなかったし、他にもいろいろ……(↓)しょぼぼぼん。


……祐飛さんの公演と被る仕事はしないでほしいわっ!!(←嘘です。どんどんいろんな仕事をしてください。祈)



東京芸術劇場中ホールにて、ブロードウェイミュージカル「サイド・ショウ」を観劇いたしました
(二度目)♪



いやー、今日が千秋楽だったんですよね。
本当に良い作品で、出演者のみなさまも輝いてました(*^ ^*)。公演期間が短かったのが心残り……。
同じメンバーで再演してほしいなあ。絶対観にいくわー。


キャストについては前回書いたので、今回は作品について。




同様に結合性双生児を取り扱った夢の遊眠社の「半神」(原作・萩尾望都)は、衣装が腰のところでつながっていたのですが、「サイド・ショウ」は、衣装や器具で二人の身体を固定することなく、ただ並んで立っているだけ。これはブロードウェイ版もそうだったようですが(途中で離れる演出もあるので)、本当に繋がって見えるのが凄いな、と思いました。
たとえば、デイジーが右へ行こうと思っても、ヴァイオレットが行きたくないと思っていれば、あとは力比べになるわけですよね。手をつないでいれば、手を引っ張るという芝居ができるけど、手を離しているときにそういうことがあれば、ちゃんと力負けしたほうは腰から引っ張られてるんですよ(@ @)。すごい自然でした。特筆する必要も感じないほどに。
あの自然さが凄い!
「Leave Me Alone」なんて、つかみ合いの喧嘩するのに(!)よく離れちゃわないなあ(^ ^;。

暗転してはけるときでも、離れずにちゃんとくっついたまま歩いていく二人が、とても可愛いです。セットの上で終わって舞台奥へはける演出も多いんですが、回れ右するわけにもいかず、くっついたまま大回りして回ってる二人も、すごく可愛い(*^ ^*)。




で。
とにかく、音楽が良かった!です♪

物語のテーマとして、冒頭から何度も流れる「Come Look at the FEAKS(バケモノを観においで」。
離れられない結合性双生児のヴァイオレット(貴城けい)とデイジー(樹里咲穂)が喧嘩をする「Leave Me Alone(一人にして)」。
一幕のラストに歌われる「Who will Love Me As I Am(ありのままの私を愛して)」
ジェイク(岡幸二郎)の真情を綴る「You Should Be Loved(君を愛すべき人)」
デイジーとテリー(下村尊則)、ヴァイオレットとバディ(伊礼彼方)のそれぞれの愛が交差する「Tunnel of Love(愛のトンネル)」。
そして、すべてを喪った姉妹が絶望の中で歌い上げるラストの絶唱「I Will Never Leave You(一人にしない、決して)」。

中でも、「Come Look at the FEAKS」に「ミニオイデ」「バケモノヲ」と同じ五音節の訳語をあてたのは秀逸だったな、と。あの複雑なコード進行に、このシンプルで印象に残る単語がきれいに乗って、忘れられないワンフレーズになりました。

そして、暗闇の中で自分たちの真実と向き合う、四重奏の「愛のトンネル」も。力強いリズムにのって、原初の欲望に向かい合うデイジーとテリー、未来への不安に怯えるヴァイオレットとバディ、二つの恋模様。下村さんのドラマティックな歌い方がちょっとヤリスギ感もありましたが、ディープキスの時の性急さといい、なんだかすごくエロティックな場面になってました。……樹里ちゃんに、あんな色気があるとは思わなかったよ(^ ^;ゞさすが、人妻経験(*^ ^*)のある人は違いますね(←そういうものなのか…?)




全体を貫くテーマは、一幕ラストのナンバーのタイトルになっている「ありのままの私を愛して」だと思いました。
結合性双生児、という、その身体を見せるだけで金が取れたヒルトン姉妹。
彼女たちを愛する3人の男。ミュージシャンのバディ、プロデューサーのテリー、そして、見世物小屋で一緒に育ってきた、黒人のジェイク。
ジェイクとバディは、姉妹と一緒に舞台に立ち、一緒にスターへの階段を上がっていく。
彼らのマネジメントをすることで名声を得るテリー。
三人がそれぞれに姉妹を利用しつつ、それでも、たしかな愛もあった。

ヴァイオレットの泣き顔を視ていられなくて、慰める言葉の勢いでプロポーズしてしまう、優しいけれども軽率なバディ。
思慮深すぎて、大切な一歩を踏み出せない『大人の男』テリー。

そして、真実に『ありのままの』ヴァイオレットを愛していた、ジェイク。



この物語の一番辛いところは、そんなジェイクの愛を拒否するヴァイオレットが、理由として口にした言葉だと思うんです。
この時点では、彼女はまだバディを愛していたし、信じている。だから、ジェイクの気持ちには応えられない。そういえばよかったのに。

なのに、彼女は、嘘が吐けない。
兄のように慕っていたジェイクにだけは。

♪だって、違うわ……肌の色が
そう口に出したとき、彼女は自分の愛に自信を失くしてしまう。

「ありのままの」ジェイクを愛せない自分が、バディに「ありのままの自分を愛してほしい」と望むのは、高望みなのではないか?罪なのではないか?……と。


「As I Am」~ありのまま、とは、何か。
ありのままの自分とは。

ミュージカルではよく出てくるフレーズなだけに、余計重たく心に響くテーマだったと思います。





サイド・ショー。
もとは、サーカスなどの脇(サイド)でひっそりと行われていた、アングラな見世物小屋で行われる、先天性の畸形や病気の後遺症、あるいは扮装などによってバケモノを模した人々によるショー。
骨盤を共有していたヒルトン姉妹も、イギリスに生まれ、実の母親にそういったところに売られて、その世界しか知らずに大きくなった。外の世界を知らない、外に出たいと思ったことさえなかったはずの、二人。閉ざされた世界の中で、座長の行動に疑問さえ抱くことなく。
それでも、その美貌と音楽的才能によって、彼女たちはサイド・ショーのスターになった。
そこまでは、史実どおりのようです。
彼女を“見出した”テリーとバディはフィクションのようですが、彼女たちは実際にも「Feaks」という映画に出ているし、実際、それぞれ別の男性との結婚経験もあるようですね。
障害の多い憂き世を、しっかりと手を繋いで生き抜いた、二人の美女。

20世紀前半。この時代には、実際にサーカスの脇でこういうひとたちがショーをしていたのか、と思うと、ひどく切なくなります。それでも、彼女たちは彼女たちなりに、プライドを持って『自分にしか出来ない仕事』をしていたんだろうなあ、と……
座長に言われるままに身体を見せるのではなく、歌で、ダンスで、観客を魅了して、スターになると決めたときに。



気が強くて前向きで、思い込んだら一直線!のデイジー。
優しくて泣き虫で、でも何かあれば誰より強くもしなやかにもなれる、ヴァイオレット。
寄り添って立っていても全く同じように見えるスタイルの類似性によって、その顔に浮かぶ表情の違いが鮮明に浮き上がる。常にお揃いの、左右対称な衣装を着て、同じ振り付けのダンスを踊って、それでも全く違って見える、二つの魂。

樹里ちゃんとかしげちゃんのキャラクターが、それぞれの役にぴったりと嵌っていて、驚きました。



人間の弱さを真正面から描いていて、観ていてとても辛いけれども。
でも、とても美しい物語。
そこには、嘘のない人生を送った二人の美女がいるから。


兄のように慕ったひとも、
結婚の約束をしたひとも、
愛を確認しあったひとも、

すべてを喪っても、まだ片手の先には、お互いを見出すことができる。

たとえ、そのすべてを喪った原因が、常に隣に寄り添う姉妹であったとしても。
それでも、独りではないことが、それだけが、辛い人生を生きる彼女たちの、唯一の救いだったーーーー。





他にもたくさん書こうと思っていたことがあるはずなのに(涙)、なんだか、胸がいっぱいで思い出せません。
とにかく良い作品でした。

……辛いけど。


もしも再演が実現したら、今回ご覧にならなかった方も、ぜひぜひご検討くださいませ。


せめてCDなりと出るといいんだけどなあ。音楽が素晴らしかったし、あれだけの歌唱力のあるキャストが揃うのも珍しいので。
そんな希望を抱きつつ。




全然関係ありませんが、日本語の「○○フリーク」って言葉は、この「フリークス(FREAKS/バケモノ)」と同じ語源なんでしょうか……。
おそらく、英語ではもっとインパクトのある言葉なんでしょうねえ。日本語だと、せいぜい「熱狂的なファン」くらいの印象ですけど。


さきほど帰宅したら、40万ヒットを達成していました!!



☆わーい☆わーい☆
こんな話題の限られた地味な日記を、そんなに多くの方がご覧くださったかと思うと、なんだかドキドキします。
とくに、いつも遊びにいらしてくださり、丁寧にコメントをくださる皆様、いつもいつも、本当にありがとうございます!!m(_ _)m。





これからも、たくさんの素敵な舞台が、私だけでなく、たくさんのファンを幸せにしてくれますように。
そして、この日記を読んでくださったみなさまに、ちょっとでも幸せをおすそわけ(?)できますように(^ ^)。



雪組東宝劇場公演「ソルフェリーノの夜明け/カルネヴァーレ~睡夢~」を観てまいりました♪
前回と同じく、「……どこが“生涯”?」と心の底から突っ込みつつ、愉しんでまいりました(^ ^)



しか~し、一番の突っ込みどころは「アヴェ・マリア」なんですよねぇ。
どうしてアレで皆が団結してしまうのか、二回観てもやっぱり猫にはわからなかったんですが(T T)。

そもそも、どうしてシューベルトの「アヴェ・マリア」なんですか?あれは賛美歌でもなんでもない世俗曲(もとはイギリスの叙事詩に曲をつけたもの)だし、シューベルト自身も、オーストリアの作曲家であってイタリアとは関係ない筈なのに。
なのに、どうしてイタリア兵まで『我が故郷の歌!』みたいな顔をして泣きながら歌いだすの?シューベルトってそんなにイタリアで人気のあった人なのでしょうか?


役者さんたちはすごく入り込んで演じていらして、感動的な場面にはなっていたのですが、、、
……すみません。猫は感性が違うらしく、ここはどうしても理解できなかったのでした……


ハーモニカを吹くポポリーノ(真那春人)はオーストリア軍の少年兵だけど、名前がイタリア系なので、おそらく当時オーストリア領だった北イタリアの出身、つまり、ソルフェリーノからそう遠くない地域で生まれ育った可能性が高い。
そのあたりでは、文化的にもオーストリアの影響が強いでしょうから、もしかしたらシューベルトの音楽=「故郷の歌」という認識があるのかもしれないな、などと考えてはみたのですが。
……コマちゃんが、マンドリンを弾きながら「ナポリがどうこう」って言ってるじゃん(↓)


う~ん。あえて世俗曲であるシューベルトの「アヴェ・マリア」を選んだ理由が知りたい。グノーかカッシーニならわかるんですけど。
普通に賛美歌ではダメだったのかなあ。……ポポリーノがソロの口火を切るところで盛り上がりたいから、賛美歌は厳しいのかしら。

オーストリア兵のポポリーノがカンツォーネを吹けば、それはそれでイタリア兵は盛り上がるかもしれないけど、オーストリア兵が納得しないだろうしなあ……う~む。



どうしてもあの構造でやりたいんのであれば。
カンツォーネにあわせてで楽しく歌い踊るイタリア兵たちの場面で、もう一曲、「じゃあちょっとしっとりした曲もやっとくか?」みたいなノリで「アヴェ・マリア」を弾いておく、っていう手はどうでしょう。
「にっくきオーストリアの作曲家だけど、この曲は良いよなあ」
「俺も好きだな、この曲は。前を向いてがんばろう!という気になれる」
とか、そんな会話をしておけばいいと思うんですが。

いかがでしょうか。
……って、今更提案しても遅いんですけどね(^ ^;ゞ






もとい。
作品全体についての突っ込みその他のアレコレは前回書きましたので、今回はキャストごとに。


■アンリ・デュナン(水夏希)
いや~、ホントに格好良かった(*^ ^*)。
前回の日記でも縷々書きましたが、この作品におけるデュナンの思想って、完全に「安っぽいヒューマニズム」じゃないですか(19世紀末に実際に生きていたデュナン氏の思想がいかに先進的であったかは前回も書きました。あくまでも、植田さんの描く“デュナンの思想”ね)。
でも、水さんが演じると、その“安っぽさ”さえ、“青さ”にみえてくるんですよね…。

彼女の最大の当たり役は「マリポーサの花」のネロだと思うんですが、それに匹敵する当たり役として、私は結構「星影の人」の沖田総司がお勧めなんですよね。
あの役で見せた、どんなに上級生になっても、ああいう真直ぐな若さ、青々とした伸び盛りの苗のような可能性のある若々しさを喪わないのは、常に諦めることなく『理想』を追い求める頑なさを持つ水さんの個性ならでは、と思うんです。

それでこその「ロシアンブルー」だったし、このアンリ・デュナンなのだ、と、あらためてそう思いました。
……正塚さん、水さんの男役最後の舞台に、どんなキャラクターを持ってきてくれるのでしょうか。楽しみにしていますので、よろしくお願いしますよっ!?



■アンリエット(愛原実花)
彼女については、前回かなり語ったので、今日は割愛。
リアルで等身大な女性像を不得意分野とするミナコちゃんって、とことん興味深い素材なんだな、と思いました。さすが、ボニーもアニスも幻想の世界の住人にしてのけただけのことはあるわ……。



■エクトール医師(彩吹真央)
デュナンのように声高に主張するのではなく、さりげなく、出来る範囲で、『新しい思想=ヒューマニズムを裏切らない自己』を実現しようとがんばっている人。
立派な家柄の出身で、大学で正式に医学を学んだにもかかわらず、戦地医療に身を投じた……というような説明がなされていましたが、たしかに、いいところのボンボンっぽさがありましたね♪アンリエットを心配してうろうろしているところとか、可愛かった~~(*^ ^*)。ユミコさんは、ここしばらく“可愛い”系の役を演じていなかったので、ちょっと懐かしく、また嬉しかったです♪

しか~し、不器用な愛ですよね(T T)、エクトールさん。
優しすぎちゃって、相手のコトを思いやり過ぎちゃって、強く出られない人。その不器用な生き方が、ユミコさんの一番の魅力なのかもしれないな、と思いました。

でも!マントヴァまで戦場を突っ切って患者たちを運ぼう!と決めた後のアンリエットとエクトールの場面は、植田さんの愛情の発露なんだろうとは思うのですが、劇構造的には不要な場面だな、と思っております。
まあ、90歩くらい譲って、場面はあっても良いんですけど、あんなに長々とやらなくてもいいだろうに、と。

「僕は君を愛している。だから心配で、本当は行かせたくないんだ」
「ありがとうございます。でも、今まで私は間違っていました。だから、その償いをしたいんです」
「君の代わりに、僕が行くよ」
「いいえ、先生はここで必要な方です。それに、あの人たちを助けるためには、道を知っている私でなければ。行かせてください」
「必ず戻ってくると約束してくれるかい?」
「ええ、もちろん。必ず、先生のもとに戻ってきますわ」
「帰ってきたら、『ジャン』と呼んでくれよ」
「……そ、そんな(真っ赤)」

みたいな感じではダメだったのかな。

とにかく、そこでハーベルマン先生は出てこなくていい!!と思うんですけど、ダメなんでしょうか…。せめてラヴシーンで終わらせてやってください。しみじみ。

そして、銀橋の歌も前の場面とあまり関係ないんだよな……。私は芝居は芝居として楽しみたいほうなので、ああいうのはちょっと醒めてしまったりするのですが(T T)。ううむ、そういうのが“宝塚らしさ”では無いと思うんだけどなあ……(黙)。



ついでに言うならば、(エクトール医師とは関係ありませんが)シスターたちがデュナンを止めようとする場面も本当はいらないと思うんですよね。マントヴァへの道程がキリスト教で禁じられている「自殺」に等しい行為だ、な~んてこと、いくら言い募っても無駄だと思うんですよ。
血の十字架を思いついてから出発するまで、荷車の準備やらなにやらで皆大忙しだろうに、中心となるべきデュナンとアンリエットが長々と愁嘆場を演じているのが、すごく舞台のテンポを壊している気がしました。
シスターたちの見せ場としては、この場面よりもっと前、シスターたちが一生懸命患者さんのお世話をするのを手伝うデュナン、みたいな場面がほしかったような気がします。あの教会の人々とデュナンの心の交流を、もっと丁寧に描けば、「アヴェ・マリア」の場面にも、もう少し説得力を持たせられたんじゃないか、と思うんですけどね……。



■ポポリーノ(真那春人)
こんな位置ですみません。真那くんのこの役には、本当にびっくりしました。
「パリの空よりも高く」のときのみりおくん(明日海りお)みたいな感じですよね(^ ^;ゞ。本公演初台詞くらいなんじゃないかと思うのに、この大役っぷり(汗)。すごいなあ。

ファン目線なのであまり客観的にはなれていないと思いますが、抜擢にはよく応えていたと思います。大柄な方とは言えないけど、雪組では小柄というほどでもない……みたいな半端なサイズなうえに、元々のスタイルが良すぎてあまり子供っぽくは見えませんでしたが、そこは芝居でカバーできていたと思います。たぶん。
べネディック将軍(汝鳥伶)に抱きつくところの勢いとか、怯えた仕草とか。
「凍てついた明日」でもちょっと気になった、「動きすぎ」なところは、早めに改善したほうがいいかも。今までは役も小さかったし立ち位置も後ろだったから、うろうろしていてもあまり気にならなかったけど、ああいう位置であれだけの大役になると『必要のないときは動きすぎない』というのが舞台全体のバランスを取る上では非常に重要なことなんだな、と思います。

思い切りの良い芝居をする人ですが、視界が広くなったらもっと良くなるだろうなあ、と思いました。
これからに期待してもいいのかしら……ドキドキ。


それにしても声が不安定なんですねぇ(涙)。いろんな意味での『不安定さ』が彼女の魅力でもあるのですが、それにしてもちょっと、喉が弱いのは心配な感じ。声質自体は凄く好きなんだけどなあ。
「WEST SIDE STORY」の頃までの、喉を壊す前の祐飛さんの声を思い出す……のは、たぶん私だけだと思いますが(^ ^;ゞ。でも、ドラマティックないい声だと思うんですよね。大事にしてほしいなあ。

あと、ハンデルやベルガーがあっさり治癒しつつあるのに、ポポリーノ一人悪化している、っていうのは、子供で抵抗力が弱いとか、成長期なのに食べ物が足りないとか、そういう理由なんでしょうかね。たしかに、雪組さんのあのあたりの学年は比較的がっしりした人が多いので、まなはるくんのか細さは似合っていたとは思いますが。



と、ポポリーノまででいったん切ってみたりする。
続きはまた後日。


雪組公演「ソルフェリーノの夜明け」。



■ベネディック将軍(汝鳥伶)
いや~、ステキでした(はぁと)。
汝鳥さん、ここしばらく雪組が続いていますが、やっぱり芝居のタイプが合うんでしょうか。どれも当たってる。
出番は決して多くはないのですが、最初のポポリーノ(真那春人)への声かけから、愛情に溢れた名将軍であることがなんとなく伝わってくる。最後に上手へ歩み去るところで、余計な力が抜けているのはさすが年の功、と思います。



■医者たち(ハーベルマン:未沙のえる、グラン:真波そら)
未沙さんもさすがの巧さなんですが、なんとなく、植田さんの作品にはあまり合わないのかも、と思いました。大芝居で魅せていく作品を、雪組さんらしい重厚なお芝居で舞台にあげているので、軽やかさを身上とする未沙さんの芝居が浮いて見えてしまうのかもしれないな、と。

……とは言っても、さすがの存在感にかわりはないんですけどね(^ ^)。
ただ、どうしても植田さんが脚本の流れを無視して入れたいろんな台詞を一番背負っている人なので、あっちこっちで「ハーベルマン先生、ちっとは空気を読んでよ……」と思われてしまうのが気の毒でした。いや、私一人だけが思っていたのかもしれませんが(汗)。


グラン先生の真波そらちゃんは、意外に白衣がよく似合って、少女漫画にでも出てきそうな、誠実なイケメン医師って感じでした(*^ ^*)。なのに、オーストリア兵をこっそり治療してあげる場面が、あまり手際良さそうに見えないのはなんでかな(^ ^;ゞ。
飄々としたハーベルマン先生、優しいエクトール先生、熱血イケメンなグラン先生。なかなか目移りしそうな豪華なラインナップで、戦地のど真ん中だとゆーのに、あれだけたくさんの美人ナースが働いている理由がよくわかります(はぁと)。



■ファンティ長官(未来優希)
威厳のある指揮官で、オーストリア軍のベネディック将軍と対峙できるだけの器と存在感を感じさせてくれる79期。
いや~、偉大な副組長でした。ここしばらく腹黒なオヤジ役が続いていましたが、最後にこんな良い役を観ることができて、とても嬉しい。ラスト、敬礼するまでの水さんとの目での会話が、とても好きです。植田さんありがとう。

……しか~し、最初のプロローグが終わった後の説明場面、もう少しなんとかならなんかったものでしょうか。ハマコさんの声はとても素晴らしいし滑舌も素晴らしいんですけど、響きすぎちゃって日本語として聞き取ることができない……(猫だけ?)



■ポルリノ参謀長(音月桂)
ユミコさんとハマコさん、二人の卒業生にはさまれて、一番ワリを食ったのはミナコちゃんとこの人かもね、と思いました。そもそも軍服があまり似合わないタイプなので、軍人で威厳が必要な役自体が難しいんでしょうね。声が良いので叱咤にも迫力がありましたが、より以上に迫力満点なハマコさんと一緒だし(^ ^;ゞ。
そういえば、キムちゃんのこういう“怖さ”が必要な役ってあまり観たことないんだなあ……。

私が観たのは東宝公演も半ばを過ぎた頃でしたが、そのときもまだ何かしっくり来ていない感じがして、キムちゃんにしては珍しいな、と思いました。割と仕上がりは早いほうだと思っていたのですが。
このタイミングでこういう勉強できる役が来るのも演出家の愛だと思うので、あと三日間、最後に何かを掴んでくれるといいな、と思います。諦めずにがんばって追求してみてください!



■ヘルディおじさん(奏乃はると)
素晴らしかった(絶賛)。出番が少ないのが残念ですが、あの朴訥とした雰囲気とか、話し方の独特の空気が、他のメンバーとは全然違うんですよね。凄いなあ。
もうちょっと、少女たちとの交流とか、デュナンさんたちと一緒に治療を手伝っている様子とか、そういう場面があってもいいと思うんですが……しょぼん。

しか~し!今回は芝居もショーも髭部専任って感じのにわにわですが、まだまだ当分、二枚目でもがんばっていただきたいです♪(^ ^;ゞ。でも、雪組さんは、この公演が終わると髭が似合う男役の筆頭がにわにわになってしまうので、髭部は続きそうだなあ……。



■イタリア兵(モラルド:彩那音、カルドナ:沙央くらま、他)
コマちゃんの歌(&マンドリン)にあわせて舞台中央で踊るひろみちゃん、めっちゃ男前でした!(*^ ^*)。ずっと“可愛い”とばかり思っていたひろみちゃんの、意外な一面…のような気がしたんですけど、、、前からあんなに格好良かったんでしたっけ?(^ ^;ゞ

コマちゃんは、マンドリンの場面以外あまり印象に残りませんでしたが(汗)、相変わらず良い声でした。コマファンモードから未だに抜けていない自分に、びっくり(@ @)。



■オーストリア兵(ハンデル:緒月遠麻、ベルガー:早霧せいな、他)
勝手に脱走してベネディック将軍を窮地に陥れる軽率なハンデルさんですが、なかなか力持ちの働き者で、いい味を出していますね。ちょっとだけ、「ゾロ」のガルシア軍曹に似た役作りに見えましたが(^ ^;、キタロウは意識してやっていたのかなあ?
しっかし、キタロウのああいう役って、愛さずにはいられないのは何故だろう……


最初にソルフェリーノの荒野でデュナンに拾われるベルガーさんは、なんというか、本当に熱い!!ですよね(^ ^;。
一番好きなのは、「アヴェ・マリア」の場面で、みんなが歌いだした後、縋るようにベルガーの軍服の裾を掴むポポリーノに、満面の笑顔で笑いかけながら、力づけるように手を握ってあげるときの、笑顔のパワーかな(*^ ^*)。なんだか一瞬、くらっときました。

にしても。ちょっと謎だったのは、「アヴェ・マリア」で、オーストリア兵はなぜすぐに歌いださないのか、なのですが。
ポポリーノが口火を切るまで、歌っているのはシスターと看護婦たちだけなんですよね。単純に意地になってる、っていう解釈でいいのかなあ……。


そして。
ハンデルさんにしてもベルガーさんにしても、ポポリーノを偏愛しすぎな気がするんですが、あれはどうなんでしょう。なんとなく、ベネディック将軍の忘れ形見っぽい気がしちゃっているのでしょうか?
それにしたって、「ポポリーノが血を吐いたんだ!助けてやってくれ!!」って……「いや、今それどころじゃないから!」って、いつもは穏やかなエクトール先生の顔に書いてありますけど?
もしかして、植田さん的には、最初の原稿ではポポリーノを運ぶための担架隊だったのかな?と思ったりもしたのですが、どうだったんでしょうか。

で、あの荷車の列の中には、ポポリーノも寝かされているんでしょうか。ハンデルとベルガーが大事そうに曳いている荷車がそれなのかしら。……そんなことを考えながら、ラストシーンを観ていたのは私一人なんだろうな。(寝かされている人形の髪型をいちいちチェックしてしまった…)



■マリアン(大月さゆ)
しっかり者で一生懸命な、優しいマリアン。
理想とかそんなものとは関係なく、目の前で苦しんでいる人と共に苦しみを分かち合い、自分にできる精一杯をせずにはいられない、優しくて強い女性。
この作品の中で、役として一番良い役なのは、娘役ではマリアンだな、と思いました。

ベネディック将軍に対する優しさは、いわゆるファーザーコンプレックスなのか、それとも本気で恋をしている(歳上好みな)のか?というのがちょっと気になりますが(←お前だけだ)、今回の作品で一番好きなさゆちゃんは、やっぱり将軍に敬礼するときの、笑顔。
泣き笑いの優しいピエロ。『大月さゆ』という魅力がギュッと詰まった、哀しい笑顔だと思います。


研1の「ジュビリーズ」で、大役を体当たりで演じていたさゆちゃん。思い切りが良くてコメディセンスのあったさゆちゃんが、『典型的な宝塚娘役』というものを目指してしまったばっかりに、随分遠回りをしたんだな、と、今になってしみじみと思います。
彼女が成長する時代のトップ娘役が、まーちゃん(舞風りら)だったことは、さゆちゃんにとっては不利な条件だったのかもしれませんね。「お隣の女の子」っぽいリアルな存在感と、『典型的な宝塚娘役』としての儚げな雰囲気の両方を持っていたまーちゃんを追いかけてしまったばっかりに、地に足のついた元気印な女の子、という“さゆちゃん本来の輝き”を見失っていた時代が長かったのが勿体無い。

娘役は、男役との並びも大切だけど、娘役同士の並びも大切なんだな、と思います。
「凍てついた明日」でのヒロイン二人の相性の良さは特筆ものでしたが、ミナコちゃんとさゆちゃんは、どちらもお互いに無いものを埋めあえる、いいコンビだったんですよね。芝居としてがっつり組んだところは殆ど観たことがありませんが、なんていうか、この二人がそれぞれの出番で役を生きてくれると、物語が鮮明に立ち上がってくるんですよね。二人が直接言葉を交わす場面はなくても、存在感が拮抗していて、しかも、空気感がまったく逆だから。
素晴らしい並びだったと思います。

せめて一本でいいから、柴田作品をこの二人で観てみたかった。
あああ、「雪景色」のさゆちゃんもステキだったけど、全ツに回って「バルセロナ」のリンダを演じるさゆちゃんを観てみたかったよ~~~っっっ!!(←かおりちゃんのリンダに不満があるわけではありません)



アンリエット、マリアン以外の看護婦ちゃんたちも、めっちゃ可愛い子ぞろいでしたね♪
患者も医者もイケメンだらけで、たまに通りがかる旅人も死ぬほどイケメン。あんな病院があったら、多少命の危険があっても気にしないかも(^ ^;ゞ、と思っていたのですが、逆を言えば、あれだけ看護婦のレベルが高くて、シスターたちも美人のお姉さんぞろいで、時々可愛らしい少女たちが駆け込んでくる、となれば、兵士たちの居心地も最高だろうなあ(^ ^)。



■村の少女たち(早花まこ、白渚すず、舞羽美海)
かーわーいーいー!!
きゃびぃも白渚さんも可愛いんですけど、さすがにみみちゃんの可愛らしさは群を抜いていますね(*^ ^*)。芝居の中の役としては、あまり意味の無い賑やかしですが、可愛い娘さんたちが舞台を駆け回っているのを観るのはたのしいです♪



ちょっと間があいてしまったので、書こうと思っていたことを結構忘れてしまったような気がしますが……
でも、みんな良い芝居してたなあ(しみじみ)あれで脚本が(黙)




なにはともあれ、あと、三日。
最後の週末を、舞台の上の人も客席の人も、みんなみんな、悔いなく過ごすことができますように。

……あ~した天気にな~ぁれっ!



雪組公演「ソルフェリーノの夜明け/カルネヴァーレ~睡夢~」より、ショーの感想。


いよいよ最後の週末に突入した雪組公演。
ハマコさん、ユミコさん、じんじん、さゆちゃん、どうぞ、一日のさいごまで舞台を愉しんでくださいね。



さて。
リオとベネツィア、三大カーニバルのうち、2つをやった水さんの雪組。
で、誰もが思う(かもしれない)疑問。「三大カーニバル」の残る一つは、何?

ネットで調べてみたんですが、思いのほかいろんな説があるみたいでした(^ ^)
サイトによって違っていて、リオやヴェネツィアが入っていないところもたくさんあったんですよね……とくに、「カーニバル」と「サンバ・フェスティバル」をごっちゃにしたサイトが複数あったのには笑ってしまった。そりゃヴェネツィアは入らんわ(^ ^)。

でもまぁ、一般的にヴェネツィアとリオの二つは決まりでいいですよね?
というわけで、「もう一つ」さがし。
Wikipediaでは、トリニダード&トバゴの項目に『世界三大カーニバルの一つ』と書いてありました。なので、Wikipedia的にはヴェネツィア、リオ、トリニダード&トバゴ、ってことになるらしい。
あと有名どころでは、ニース(フランス)と、ニューオーリンズ(アメリカ)のマルティグラなど、諸説あるようです。旅行会社で、ニースとヴェネツィアを回る「世界三大カーニバルのうち二つを満喫!」というツアーを設定しているところが複数あったので、その業界ではそういうことになっているのかも?

ってなわけで。
雪組さんの次のショーが、マルティグラじゃないのがとても残念です(^ ^)。



……ま、そんな余談はおいといて。

カーニバル(謝肉祭)は、CSできゃびぃとそらちゃんが教えてくれた(ステージサイドウォッチ)とおり、元はといえば春のお祭り。ヨーロッパは緯度が高く、冬が長いので春の喜びはひとしおだったんでしょうね。
さらに昔は冬至祭だったようで、クリスマスと同じ起源を持つらしい。要するに、冬将軍を追い払って春の女神を迎えるお祭りだってことなんでしょうね。
で、仮装に象徴される『非日常』感が重要視され、時代や地域によっては一定期間の『無礼講』、暴飲暴食から乱暴狼藉まで含む『痴愚王』祭りだったこともあるようです。一時的に秩序を破壊するカーニバルを通過することによって全ての罪を曝け出し、その罪を誰か(人形や『痴愚王』に選ばれた人物など)に着せて、それを破壊することで祭りを終了し、罪を贖うと共に秩序を回復する。
そうやって新しい春を迎える、と。そういう祭りだったのでしょう。



稲葉さんは、そういう暴力的な祭りではなく、現代ヴェネツィアのカーニバル、世界中からものすごい数の観光客が訪れる洗練されたお祭りを舞台にあげたんだな、と思いました。


一番最初に登場するのは、コンメディア・デッラルテの面々。
ザンニ(飛鳥裕)は召使キャラ、パンタローネ(奏乃はると)は髭を生やした色悪な商人、ラ・ルフィアーナ(花帆杏奈)は噂好きな貴婦人。イル・カピターノ(緒月遠麻)は軍人で、インナモラート(沙央くらま)とインナモラータ(大月さゆ)は若い恋人、アルレッキーノ(早霧せいな)とコロンビーナ(舞羽美海)は道化師とその恋人。個性豊かなメンバーが口々に語りながら観客を世界に誘い、夜明けを待つ。

夜が明けると、ゴンドラを漕ぐゴンドリエレ(彩吹真央)が明るい声で歌いだす。
色とりどりの衣装を着た組子たちが、ひろみちゃん(彩那音)たちを先頭に上手奥から下手花道へ抜けていく。

サン・マルコ広場に朝が来る。



プロローグの華やかさがとても好きです。お芝居が重たいので、ここでパッと心が軽やかになって、空間が拡がる気がするのがとても良い。
ユミコさんの癒し系の声が優しく響くのも、お祭りの始まり、って感じがしてとても好きです。
華やかな総踊りは、若手の皆さんが何処にいるのかさっぱり見つけられなかったけど(^ ^)(あ、でもあずりんだけは滅茶苦茶目に入ってきたな今回)、元気を貰った気がしました♪


「仮面屋の男」という役名で、場面のつなぎつなぎを歌で綴るハマコさん(未来優希)。
あの声を聴くたびに、ああ、この声が次からは聴けないのか……と切ないです。朗々と歌い上げる一曲も好きだけど、こういうつなぎの音楽でのハマコさんの力量は、なかなか他に人材が居ないんですよね……。
外部でのご活躍も心の底から楽しみにしているんですが(ぜひぜひゾフィーを!!)、でもやっぱり、宝塚がハマコさんを喪うのは、いかにも惜しいよなあ……。


結婚式。
新郎(音月桂)と新婦(舞羽美海)が並んで祝福をうけている……ところに、大勢の男女を連れて乱入してくるアルレッキーノ。……新郎新婦の扮装をした下級生が、皆さんなかなかに男前だったり美女だったりで、ゆっくり観る暇がないのが残念。
あわただしい場面ですが、迷宮を駆け回る様子が面白くて、かなり笑わせていただきました。ミミちゃんに逢えなくて、わたわたしているキムちゃんが超可愛い(はぁと)アルレッキーノに扮するチギちゃんの身の軽さにびっくり(@ @)。そして、キムちゃんを真剣に探しているミミちゃんの大人っぽい美しさにちょっと見惚れました。いや~、また綺麗になったなあ(はぁと)。



結婚式の騒ぎが一段落したサンマルコ広場で、一人の詩人(彩那音)が歌いだす。
ちょっと「ソロモンの指輪」の「美青年」役に似た雰囲気でしたが、この一年間で身についた、微かな甘い「毒」の匂いが良かったです。
歌は、他にソロを歌う人がほとんど全員凄い歌手ばっかりなので若干損をしていたかも(^ ^;ゞ。他にはチギちゃんくらいだもんなあ、“歌手”じゃないのは。

本舞台では、向かい合った二つのカフェの客引き合戦が始まっている。上手側のカフェの楽士たちは金管楽器がメインで、リーダーは水さん、下手側のカフェは木管がメインで、ユミコさんがリーダー。この楽士たちの対決がこの場面のメインなんですけど、私はその後ろであれこれ小芝居しているコンメディア・デッラルテの面々とか、観光客の愛加あゆちゃんとラブラブ喋っているひろみちゃんとかが気になって、頭がとっちらかってしまいました(汗)。店主のはずのパンタローネさん、店の女の子やら観光客やらに次々手をだしているように見えたんですが、どうなんでしょう。そして、ひろみちゃんとあゆちゃんにちょっかいを掛けまくりなキタロウと杏奈ちゃんも面白すぎるし。あああ、コンメディア・デッラルテ・ビジョンがあるDVDがあったら、即買いするわ~~~。
……じんじんとユミコさんのデュエット、もっとじっくり観るつもりだったのになぁ↓↓

場面の最後に降り出すにわか雨。
あっさりと去っていくあゆちゃんを見送って、あらためて歩き出す詩人。
「雨が降れば…」と歌っていた彼は、この後どうなったのか。なんとなく余韻を残す雰囲気が、ひろみちゃんさすがだなと思いました。




美術館。
さっき結婚式を挙げたばかりの(?)キムちゃんミミちゃんカップルが、雨を避けて駆け込んでくる。
追いかけてきたアルレッキーノがバトンで悪戯をすると、絵の中の女性たちが動き出す……。

歌は苦手、と思っていたみなこちゃんが、低音の歌なら意外と歌えることがわかったのは収穫でした♪いや~、しかしワッカのドレスが似合うなあ!首が長くてデコルテが綺麗(*^ ^*)。ちょっと顔が丸いけど(^ ^;ゞ
リサリサ(涼花リサ)とかおりちゃん(晴華みどり)のドレス姿もさすがです。重厚で華やかな、いかにも貴婦人らしいお二人♪


そのまま、場面は仮面舞踏会へ。
さゆちゃんとチギちゃん(女装)でユミコさんを取り合う(?)かなりコメディな場面でしたが、なかなか良く出来ていたと思います。さゆちゃん、やっぱ天性のコメディエンヌだなあ♪
わざわざチギちゃんを出さなくても、さゆちゃんで充分だったような気がするんですけどねぇ。





一息ついて、深夜のカナル・グランデでの、幻想的なデュエットダンス。

今回、フィナーレのトップコンビデュエットが殆ど無いので、ココが一番メインのデュエットになるのですが。
……いや~、水さんとみなこちゃんのダンス、ステキだなあ~~(*^ ^*)

それにしても、この場面は贅沢でした!
ハマコさんの「誰も寝てはならぬ」は文句なく素晴らしいし、
透水さらさちゃんの透明感のあるカゲソロもすごく良かったし、
キムちゃんゆめみさんの毒のあるデュエットも、雰囲気があってすごく好き。
そして、聖も過ぎれば毒となるのかもしれない、と思わせた、みなこちゃん。毒も過ぎれば聖になる、と信じさせてくれた水さん。みなさん本当に素晴らしい♪

最後、みなこちゃんを求めて水の底へ沈んでいく水さんが、とても好きです。不幸に酔わない、ただ、自分の幸せ(=女と共に生きる人生)を求める、その求道者の貌、が。



祭りの中で恋人に振られた男たち(沙央、早霧)の歌。
銀橋で嘆く彼らの許に、恋人たち(大月、舞羽)が戻ってくる。

今回のショー、基本構造としては、さゆちゃんはコマちゃんの恋人で、ミミちゃんはチギちゃんの恋人。だけど、場面によってさゆちゃんはユミコさんの相手役を勤めるし、ミミちゃんはキムちゃんの相手役を勤める。結婚式のカップルはキムちゃんとミミちゃんで、それにチギちゃんが嫉妬していろいろ邪魔をするコトで物語が進む。さゆちゃんはコマちゃんという恋人がいるけど、あちこちでユミコさんにコナをかけていて、コマちゃんはそれを暖かく見守っている、という感じ(?)
この気儘な女の子たちに振り回される男二人が、めっちゃ可愛いです。
戻ってきた女の子たちも、相変わらずでステキ♪

さゆちゃんといえばユミコさんとの相性がよく言われるけど、私はコマちゃんとのコンビもとても好きで、今回のショーでも組んでる場面が多くて嬉しかったです。ただ、今回はユミコさんとも組むことを意識してか、衣装的にコマちゃんとは全然合ってなくて、それがちょっとだけ残念でした。チギ&ミミはお揃いなのになあ↓
……いえ、コマちゃんは爽やか系の色が似合っているし、さゆちゃんは紅がよく映えるので、単体で観る分にはいいんですけどね~、と拗ねてみたりする。





あれ?思いのほか長くなってきたような……。
ここからがこのショーの肝心な部分なんですが、いったんここで切らせてください。

明日はいよいよ、4月25日。
天気予報どおりの、春らしいお天気になりますように(祈)



ハマコさん
ユミコさん
じんじん
さゆちゃん

ご卒業、おめでとうございます!


パレードだけでも見たいと思っていたのですが、残念ながら仕事が終わらず(T T)。
会社の窓から見える晴れた夜空ごしにお別れしてまいりました。

なんだか。
もっといろいろ伝えたい言葉があったはずなのに、今は何も思い浮かびません。

ただ、先日観ることのできた皆様の笑顔だけを心に留めて、これから往く道の幸を、祈るのみ、です。







と、いうわけで、昨日の続きを。
第8場「変身」から。
黒燕尾の紳士が並ぶ後ろに、せりあがる美女………ホントは水さんの女装なんですが、水さん、顔を隠しているし一瞬で暗転してしまうので、せっかくの演出(サービス?)だけど、あまり意味がないような。
いや、水さんだということは一目でわかるんですけどね。せめて引き抜きを明るいところでやってくれれば「おお!」となるだろうに。せっかくなのにもったいないなあ。

ま、それはともかく。
このあとの男役群舞が、すごく格好良い!!うっとり。結構下級生まで入っていて、大人数の群舞なんですが、よく揃っているのはさすが雪組さん、なのでしょうか?やっぱり群舞はそろってこそ華!いや~、かっこよかったです。

水さんとユミコさんが銀橋に出て二人で踊るのはここでしたよね?
最後に、お二人の集大成のような場面を見ることができて、すごくうれしかったです。
「許されるなら、もう少しだけでも」という歌詞が泣ける。
稲葉さん、ありがとう♪

それにしても。
この場面は、宝塚的黄金のパターンならフィナーレのラストなんですけどねえ……。
なんというか、中詰めで使ってしまうのがもったいない、という気がしてしまうのは、宝塚的ワンパターンにはまりすぎているのかな、私。
テーマ的に、フィナーレはどうしても「灰の火曜日」で締めくくりたかった稲葉さんの気持ちはすごくよく解るんですけどね。この作品が、ユミコさんの卒業公演だったりしなければ、こんなこと気にならないんですけどね………。




次の場面は、猫的にこのショーの目玉、「狂宴」。
本舞台の幕があがると、巨大なゴンドラに乗ったディアヴォラ(愛原実花)が登場。
よく響く低音の歌声が色っぽい。

歌声に導かれるように、次々にいろんな人たちが登場してくる。
彼らの細かい芝居が面白くて、もうちょっと何回か観たらいろいろ書きたかったのですが……
いかんせん二回しか観ていないので、ちょっと書けない感じ(涙)。

とりあえず、ヒメ(舞咲りん)のソロに圧倒されました(*^ ^*)。
この場面でのヒメのソロが印象的すぎて、荻田演出に似ているという評価がついちゃったような気がするのですが(全体の構造は全然似ていないと思うのに)、たしかにこの場面はヒメのソロでなければならなかったんだろうな、と思います。
毒のある歌い手っていうのは貴重だけど、使いすぎると作品全体の色が単調になってしまう。難しいバランスだと思うのですが、とりあえずデビューだし、使ってみたかったんだろうなあ(^ ^)。

そして。
あちこち皆さんいろんな芝居をしていてとても面白かったのですが。
……猫の小さな脳みそでは、「東洋の雀」な笙乃茅桜ちゃんがめっちゃ可愛かったことしか最終的には覚えてないかも(^ ^;)。あ。その雀の持ち主っぽい雰囲気だったのにほとんど絡んでいなかった「東洋の貴人」(香音有希)が格好よくて、雀がいかにも小さく見えたなあ(^ ^)。

いや、えっと、「彼岸の波」という役名で、青い大きな衣装をひらひらと舞わせていた4人(涼瀬・朝風・凰華・透真)が結構面白かったのとかは覚えています。最初顔がよく見えなくて残念だった(^ ^)。
そして、プログラムを見て知る真実。凛城さんと真那くんは「ペルシアの狼」ってゆー役だったのか……。普通に戦士だとばかり思ってましたわ。



場面の途中で乱入してくる、ロケットの天使たち。
……私は、ロケットはロケットで独立してやるか、あるいはいっそ無いなら無いでいい方なので、とってつけたように場面の真ん中に出てくるロケットはちょっと興ざめでしたが、、、
衣装も場面の中でういてたしなあ。いっそのこと、炎の鳥が降臨したあとの、炎のロケットならまだわかるんだけど。

稲葉さん的に、あんまりロケットを出したくなかったんなら、素直になしにすればいいのに、と思いました。せっかくみなこちゃんとヒメのソロで作った空気が、かわいい天使たちで壊れてしまうのがもったいない(T T)。

………いえ、あの、ロケットメンバーはみんなかわいくてスタイルも良くて目の保養だったんですけどね(^ ^;;;
このあたりの構造は、稲葉さんとしては、宝塚の「黄金パターン」に物申したいお気持ちがあったのでしょうかねぇ……。
もちろん、「黄金パターンじゃなくちゃいけない」なんて言うつもりはサラっサラ無いんですけどね。ただ、この作品であえて「黄金パターン」を崩すほどの意味づけを感じられなかったので、ちょっと違和感が残ってしまったような。
すみません、小さな違和感なのに長々と書いてしまったことをお詫びします。ほんとに、小さな違和感でした……。




ロケットがはけたあと、ディアヴォラが支配する海に降臨する、一羽の火の鳥(水夏希)。
すべてを焼き尽くす炎。

大きな衣装を脱ぎ棄てて、緑のパンツルックで炎の鳥と踊りだすディアヴォラ。
この、挑戦的なみなこちゃんがめちゃくちゃ魅力的で、大好きです。
スタイルがいいからパンツルックが死ぬほど似合う。水さんがゴテゴテのついた大きな衣装なのがいっそもったいない(T T)。
ぜひぜひ、最後のショーは二人ともシンプルなパンツでのデュエットをひとつお願いします>三木さん!




激しい炎もおさまり、新しい朝が来たとき。
ゴンドリエーレが祭りの終わりを歌いはじめる。

プロローグの登場と同じ形の、でも色は真っ白な衣装に身を包んだユミコさんのやわらかな笑顔がとても好きです。
贖罪の祭りを終えた、再生の朝。その再生の聖性を象徴する、真っ白な光。

ユミコさんの歌は、本当に癒し系だな、と思う。
キムちゃんやヒメの、毒のある歌とは違う、どこまでも柔らかくて優しく空間を包み込む、声。
光と闇、朝と夜。その対比が実に見事なショーでした。その一番の象徴が、この祭りが終わる日の朝の場面だと思います。



プロローグと同じ衣装に身を包んで、大階段を下りてくる群衆たち。
その笑顔がゴンドリエレに集中してく。
祝福を籠めて。




静けさが戻った街で、一人の男が踊る。
それに絡むカルネヴァーレたち(音月・彩那・大湖・蓮城)。

カゲソロがすごくいいなあ、と思っていたのですが、彩風咲奈さんだったのか(@ @)。
気がつかなかった……。やわらかな丸みのある中音域で、女役さんかな、と思っていたのですが。うーんいい声だ♪
その歌に乗って、上手から下手へ、グレープ色のスカートを翻して駆け去っていくみなこちゃん。グレイの衣裳の水さんと一瞬絡む、その一瞬の、時が止まったような空気感がすごく良い。
いろいろ言われているけど、本当に相性のいい二人だな、と思います。


……この場面の水さんが、役名を「アクア」なことを、今初めて知った(苦笑)。
みなこちゃんの「ケルビム」も謎だなあ。稲葉さんの命名のセンスはよくわからん……。







「Halleluya!…」「サウダージ」ときて、稲葉さんの作品を観るのは三作目。
ロケットの扱いとか、いくつか不満なところもありましたが、全体としては実に面白いショーでした(はぁと)嵌ったわ!(^ ^)(←しょっちゅう嵌ってないか?)

稲葉さんは、たぶん、毒のあるショーを創りたいんだろうな、と思いました。組子の使い方がそんな感じ(ヒメとか、ヒメとか、ヒメとか)。でも、荻田さんみたいな閉じこもった感じはしない。もうちょっと開放的で、突き放した感じ。もうちょっとウェットだと、初期の齋藤さんみたいになるのかもしれないけど、そのあたりはやっぱり個性の違いかな~。
とりあえず、藤井さんとか中村一徳さんとかとは真逆の方向性ってことかな(^ ^;

稲葉さんの目指す方向は、荻田さんほど夢幻的じゃなくて、もっとリアルで明るい世界なんじゃないか、と思います。ただ、その世界観を象徴するための武器(荻田さんでいえば矢代鴻さんにあたる存在)が見つからないので、まだ討って出られずにいる、とゆー印象をうけました。
……稲葉さんの武器になれる存在、って誰なんでしょうね。もしかしたらウメちゃんがそうだったのかもしれない(「Halleluya!…」の印象が強すぎる?)けれども、もう卒業しちゃったしな……。


なにはともあれ。
稲葉さん、大劇場デビュー、おめでとうございます!!
次作にも期待しています(はぁと)




そして、最後にもう一度。

ハマコさん、ユミコさん、じんじん、さゆちゃん、
ご卒業おめでとうございます&これからのご活躍を、こころから楽しみにしています!



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