東京宝塚劇場にて、星組公演「ハプスブルクの宝剣/BOLERO」を観劇してまいりました。



鳩が可愛い!

白い鳩、といえば、「バビロン」のかよこちゃん(朝澄けい)が有名ですが、今回の鳩はどいちゃん(鶴美舞夕)とキトリちゃん(稀鳥まりや)。「ハロー・ダンシング」のパパラギコンビを、がっつり使ってくれた草野さん、ありがとう★
草野さんって、星組は「レビュー・オルキス」以来ですかねぇ?あのときもどいちゃんとキトリちゃんは結構使われていましたけれども、今回はまた特別なフィーチャーっぷり。
いやーーーー、ホントに可愛い♪

幕開き早々にいきなりソロで踊ってるどいちゃんに驚愕。身体のラインで礼音くんじゃないことはすぐにわかったんですが、まさか、と思いました(^ ^;ゞ。
ああ、本当にラインが綺麗な人だなあ。

次の場面で出てきて、どいちゃんと一緒に踊るキトリちゃんも、本当に重力を感じさせない可愛らしさ。あの二人のダンスを観るのはとても幸せです。
ああ、もう一度あの「パパラギ」が観たい……(*^ ^*)。




全体を通してのテーマは、風(ロメロ/柚希礼音)と花(ジゼル/夢咲ねね)の恋物語。
高橋陸郎氏の「鳩」という詩からのイマジネーションと、「風と花の恋」という言葉から連想する物語が絡み合って進んでいきます。

「2月4日」から「1月8日」まで、途切れ途切れに語られる、約一年間のロメロとジゼルの愛の軌跡。
日付を読み上げての場面説明的な意味の日記(?)がナレーションで入るところは、ちょっと処理として格好良くは無いな、と思いました。判りやすくていいんだけど、わかり易すぎてつい笑ってしまう(^ ^)。だって、「彼女を追って、彼女の故郷キリマンジャロへ向かった」とか言われても、どう反応すればいいのやら(汗)。しかも、そのナレーションと共に出てくるのは、たぶんそのイメージはサバンナ系。キリマンジャロは一応山なんだけどなあ。

あと、「RED HOT SEA」でも「二人の記念日」と歌われていた『7月10日』が出てきたときには、ついつい笑ってしまいました(^ ^)。草野さんにとって、7月10日って何の日なんでしょうね?





場面場面は明解なのですが、プログラムを読むまで「ロメロは風でジゼルは花」というモティーフが全然判らなかったので、草野さんの考えていたイメージがあまり私に伝わっていなかったことが、プログラムを読んで判明しました。

だって。


3月20日に出会って、
4月18日にめくるめく愛の嵐に吹き飛ばされた二人が、
5月6日にはもうお互いを見失ってあちらこちらを探して歩き、
10月21日から11月23日の間に再会して、
でも、またすぐに奪われ、
12月24日に再会して1月8日にフィナーレを迎える……
そんな物語のヒロインが、どうして花になるの?
普通の花は一年に三度も咲かないよ!


しかも、なぜキリマンジャロなんだ……?その後出てくる烏(カラス)たちは、コンゴ戦争だとでも?(←違うと思う)。





「風と花」というモティーフと、「鳩」というモティーフが、うまく融合していない印象を受けました。
……もしかしたら、私が鳩に集中しすぎていたのかもしれませんが(^ ^;ゞ。





まあ、そのあたりは本題にはあまり関係ない……というか、観ている分にはあまり気にならないのですが。

ただ、そういう構造的なわかりにくさのために、全体の構成が見えにくくなっていたのが気になりました。
『鳩』という印象の強い要素を持ち込んだことで、『風』と『花』というモティーフが象徴性を喪いかけてしまうんですよね。そのせいで、「無風(風通しの悪い大都会)」で淀んでしまい、花の跡を追えない風(礼音くん)とか、迷宮の男たちやカラスに何度奪われてもその都度蘇る花(ねねちゃん)といったエピソードが、どれもこれも伝わりにくくなっているんじゃないかな、そうだとしたら勿体無いな、と。

……単に、私のアンテナが寝ていただけかもしれませんが(汗)。





一番印象に残ったのは二羽の鳩で決まり、として。

その次は……やっぱり、ここは中詰めのねねちゃんのダルマかな。

ホワイトライオンのすずみんも、パンサーのともみんも、ゼブラのテルくんも、みんな綺麗でしたけど。
そういう意味では、黒豹の5匹の方が印象的でしたし!(前の3人の印象が吹っ飛びました……五人とも可愛かった!!)



セットとか、衣装とか、衣装とか、セットとか、いろいろ突っ込みたいところはありますが。
とりあえず、ねねちゃんが可愛かったので、ヨシとしたいと思います。

新トップコンビとして組んで、二作目。全ツを入れて三作品。
やっと二人が馴染んできたような……少しづつ、手探りでお互いの位置を確認しているような、そんな微笑ましさがありますね。
そして。トップトリオが、どの組み合わせで踊っても見栄えがするというのは、ショーをするうえで素晴らしい利点だなと思いました。いや、踊らなくても、ただ立って並んでいるだけで「おお!」となるのは、今は星組だけかも……と。
良いトリオになりそうで、もうしばらくこのまま観ていたいような気がします。



でも。なぜか、今回のショーも、全ツの「ソウル・オブ・シバ」も、礼音くんが「すげー!思いっきり踊ってるよ!」っていう場面が無かったような気がするんですけど……。
うーん。ソロダンスはいらないんだけど、たとえば鳩(男)とジゼルの場面があるんだから、鳩(女)とロメロの場面もあればよかった……のかなあ(T T)。


なんだか、いろいろ突っ込みどこが満載すぎて、何を突っ込めばいいのかわからなくなったショーでした。
プログラムを読んで設定を理解した上で、もう一回見たら絶対面白いんだろうな、と思うのですが、残念ながら今月はもう無理なので(T T)、全ツに期待したいと思います。


これからご覧になる方は、あらかじめプログラムを読んでおいたほうがいいですよ(たぶん)、とアドバイスを残しつつ。